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技術 CDCを誘発する抗体を決定するためのアッセイ法および方法

出願人 エフ.ホフマン-ラロシュアーゲー
発明者 デングルステファンオフナーソニア
出願日 2017年6月12日 (2年10ヶ月経過) 出願番号 2018-565809
公開日 2019年9月5日 (7ヶ月経過) 公開番号 2019-525138
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード 参照測定値 行動規範 修士論文 コンフォート TIBC インホール コンピレーション 遠心ろ過装置
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図面 (10)

課題・解決手段

(i)ヒト由来の第1のFc領域ポリペプチドコンジュゲートしている、第1の抗原上の第1のエピトープに特異的に結合する第1の結合部位と、(ii)ヒト由来の第2のFc領域ポリペプチドにコンジュゲートしている、第2の抗原上の第2のエピトープに特異的に結合する第2の結合部位とを含む組成物補体依存性細胞傷害性を測定するための方法が、本明細書において報告され、本方法は、該第1の抗原と該第2の抗原とを発現する細胞を、該組成物および抗mCRP抗体の混合物と共にインキュベートする段階;この混合物に正常ヒト血清またはウサギ補体を添加する段階;ならびに細胞溶解を測定し、それによって、該組成物の補体依存性細胞傷害性を測定する段階を含む。

概要

背景

背景
免疫グロブリンは、FcRnのような特定のFc受容体ならびにClqに対する2つの結合部位を含み、これらは各重鎖Fc領域中に1つずつある。

Clqに対する単量体IgGの親和性はかなり弱いため(約10-4Mの親和性)、補体活性化のためには、複数の免疫グロブリン分子が必要である(例えば、Sledge et al., J. Biol. Chem. 248 (1973) 2818-2813、Hughes-Jones et al., Mol. Immunol. 16 (1979) 697-701を参照されたい)。多価C1qの結合は、抗原に基づく免疫グロブリン分子の結合、したがって補体活性化によって増加し得る(約10-8Mの親和性)(例えば、Burton et al., Mol. Immunol. 22 (1990) 161-206を参照されたい)。

Clqの三次元構造は、チューリップ花束に似ており、抗体結合領域を含む球状の頭部を6つ含んでいる(例えば、Perkins et al., Biochem. J. 228 (1985) 13-26、Poon et al., J. Mol. Biol. 168 (1983) 563-577、Reid et al., Biochem. Soc. Trans. 11 (1983) 1-12、およびWeiss et al., J. Mol. Biol. 189 (1986) 573-581を参照されたい)。

US 5,851,528では、補体活性化を阻害する方法が報告されている。CD55およびCD59に対する組換え抗体およびそれらの使用が、US8,034,902において報告されている。US2012/0226020では、補体活性化を調節するハイブリッドポリペプチドおよびキメラポリペプチドが報告されている。新規調整物質および使用方法が、US2013/0302355において報告されている。US2010/0255011では、標的細胞に対する補体調節タンパク質活性を調整するための組成物および方法が報告されている。

WO2008/007648では、抗体の分類が、細胞表面抗原を認識できる抗体を同じ種の細胞と接触させる段階、各細胞を解析し、得られたデータを比較する段階、および類似性に基づいて個々の抗体を分類する段階を含むことが報告されている。標的細胞に対する補体調節タンパク質の活性を調整するための組成物および方法が、WO2010/120541において報告されている。

Mekhaiel, D.N.A.らは、エフェクター機能改変されたポリマーヒトFc融合タンパク質を報告している(Nature Sci. Rep. 1 (2011) 1-11)。エフェクター機能が変更されたポリペプチド変種が、WO00/42072において報告されている。US2008/0089892では、Fc領域変種が報告されている。変更された抗体Fc領域およびその使用が、WO2006/105062において報告されている。

新生仔ウサギ補体は、抗体の助けを借りて、異なる複雑な免疫細胞集団由来するリンパ球枯渇させて移植を容易にするのに使用された(例えば、Herve, P., et al., Transplant. 39 (1985) 138-143を参照されたい)。

仔ウサギの補体は、マウス由来の抗体を用いて腎細胞がん(RCC)において補体依存性細胞傷害性(CDC)をうまく誘発することができなかった(例えば、Vessella, R.L., et al., Canc. Res. 45 (1985) 6131-6139を参照されたい)。

ウサギ血清は、p97(=メラノトランスフェリン)に結合する単一のマウスIgG2a抗体および対をなすマウスIgG2a抗体を用いるCDCによって、ヒトSK-Mel28黒色腫細胞(非上皮性=非がん腫)を死滅させることができた(例えば、Hellstroem, I., et al., Int. J. Canc. 31 (1983) 553-555を参照されたい)。

膜結合型補体調節タンパク質(mCRP)は、単球および好中球と比べて、リンパ球での発現レベルは低い(例えば、Nuutila, J., et al., Hum. Immunol. 74 (2013) 522-530を参照されたい)。

免疫逃避メカニズムとしてのmCRPの上方調節は、例えばリンパ腫または黒色腫においてよりも、がん細胞の大半において、より顕著である(例えば、Fishelson, Z., et al., Mol. Immunol. 40 (2003) 109-123を参照されたい)。

同系血清(例えば、ヒトがん腫細胞およびヒト抗体と共に正常ヒト血清(NHS))を用い、mCRPのCDC阻害作用を伴わない設定(例えば、Dechant et al., 2008, Cancer Researchを参照されたい)、または同系血清(例えば、ヒトがん腫細胞およびヒト抗体と共に正常ヒト血清(NHS))を用い、mCRPであるCD46、CD55、およびCD59をsiRNAに頼って下方調節することによって抑えなければならなかった強いmCRP依存CDC阻害効果を示している設定(例えば、Mamidi, S., et al., Mol. Onc.7 (2013) 580-594を参照されたい)のどちらでも、抗体を用いてCDCが示された。

Konishi, e.らは、補体依存性細胞傷害性を利用して低レベルの抗体を測定すること:日本脳炎ウイルスモデルにおける非構造タンパク質1への適用を報告した(Clin. Vac. Immunol. 15 (2008) 88-94)。Klitgaard, J.らは、2つの抗cosモノクローナル抗体を組み合わせると、慢性リンパ性白血病細胞に対する補体依存性細胞傷害性が相乗的に誘導されることを報告した(Brit. J. Hematol. 163 (2013) 182-193)。Hellstrom, I.らは、黒色腫抗原p97の2つの決定基に対するモノクローナル抗体が、補体依存性細胞傷害性において相乗的に作用することを報告した(J. Immunol. 127 (1981) 157-160)。Maddipatla, S.らは、Trail-R1およびCD20を標的とするモノクローナル抗体の組合せによってB細胞リンパ腫に対する抗腫瘍活性が増強されることを報告した(Clin. Cancer Res. 13 (2007) 4556-4564)。Huang, J.らは、ヒトDAF、CD59、およびMCP発現によって、ヒト補体を媒介とする溶解から異種細胞を保護することについて報告した(FEMS Immunol. Med. Microbiol. 31 (2001) 203-209)。Qu, Z.らは、B細胞リンパ腫に対してインビトロおよびインビボで活性である、CD20およびCD22に対する組換え二重特異性モノクローナル抗体(bsmAb)について報告した(Blood 108 (2006) 713a-714a)。Hellstromらは、腫瘍免疫の細胞媒介性抑制が非特異的構成要素を有していることを報告した(Int. J. Cancer 27 (1981) 481-485および487-491)。

AU2011/202520は、CD20に対するヒトモノクローナル抗体を開示している。WO2016/096788は、CDCを誘発する抗体を決定するためのアッセイ法および方法を開示している。US2006/0035267は、がんに対する最適な多価ワクチンを開示している。Guo, B.ら(Clin.Immunol. 128 (2008) 155-163)は、リツキシマブを介した補体依存性細胞傷害性を強化することができるヒト崩壊促進因子モノクローナル抗体の結合エピトープマッピングを開示している。

概要

(i)ヒト由来の第1のFc領域ポリペプチドコンジュゲートしている、第1の抗原上の第1のエピトープに特異的に結合する第1の結合部位と、(ii)ヒト由来の第2のFc領域ポリペプチドにコンジュゲートしている、第2の抗原上の第2のエピトープに特異的に結合する第2の結合部位とを含む組成物の補体依存性細胞傷害性を測定するための方法が、本明細書において報告され、本方法は、該第1の抗原と該第2の抗原とを発現する細胞を、該組成物および抗mCRP抗体の混合物と共にインキュベートする段階;この混合物に正常ヒト血清またはウサギ補体を添加する段階;ならびに細胞溶解を測定し、それによって、該組成物の補体依存性細胞傷害性を測定する段階を含む。

目的

本アッセイ法は、mCRPの作用が原因で他の設定においてCDCを誘発できない、がん腫細胞表面抗原に結合する抗体のCDCを測定するための手段を提供する

効果

実績

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請求項1

組成物補体依存性細胞傷害性を測定するための方法であって、該組成物が、(i)ヒト由来の第1のFc領域ポリペプチドコンジュゲートしている、第1の抗原上の第1のエピトープに特異的に結合する第1の結合部位、および(ii)ヒト由来の第2のFc領域ポリペプチドにコンジュゲートしている、該第1の抗原上または第2の抗原上の第2のエピトープに特異的に結合する第2の結合部位を含み、該方法が、(a)該第1の抗原を発現するかまたは該第1の抗原および該第2の抗原を発現する上皮由来のヒトがん細胞を、該組成物および抗mCRP抗体の混合物と共にインキュベートする段階、(b)(a)の混合物に正常ヒト血清またはウサギ補体を添加する段階、ならびに(c)細胞溶解を測定し、それによって、該組成物の補体依存性細胞傷害性を測定する段階を含む、方法。

請求項2

前記抗mCRP抗体の混合物が、抗CD46抗体、抗CD55抗体、および抗CD59抗体を含む混合物である、請求項1に記載の方法。

請求項3

前記抗mCRP抗体が非ヒトFc領域を有する、請求項1または2に記載の方法。

請求項4

前記抗mCRP抗体がマウスFc領域を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。

請求項5

前記抗mCRP抗体が10倍飽和濃度で添加され、FACS解析によって測定され前記細胞の最大限の染色に十分である濃度として、1倍飽和濃度が定義される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。

請求項6

前記組成物が、第1の抗原上の第1のエピトープに特異的に結合する第1のヒト抗体またはヒト化抗体、および、第2の抗原上の第2のエピトープに特異的に結合する第2のヒト抗体またはヒト化抗体を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。

請求項7

前記組成物が、第1の抗原上の第1のエピトープにおよび第2の抗原上の第2のエピトープに特異的に結合するヒト二重特異性抗体またはヒト化二重特異性抗体を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。

請求項8

前記組成物が、前記第1の抗原上の第1のエピトープにおよび該第1の抗原上の第2のエピトープに結合し、かつ該第1のエピトープおよび該第2のエピトープが異なる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。

請求項9

前記第1のエピトープおよび前記第2のエピトープが、重複部分のないエピトープである、請求項8に記載の方法。

請求項10

細胞溶解を補体添加後0.5時間目〜3時間目の間に測定する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。

請求項11

前記上皮由来のヒトがん腫細胞が、ヒト卵巣腺がん細胞およびヒト乳腺がん細胞からなる群より選択される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。

請求項12

前記上皮由来のヒトがん腫細胞が、SK-OV3細胞およびMCF7細胞より選択される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。

請求項13

前記ウサギ補体が仔ウサギ補体である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。

請求項14

前記第1の結合部位と前記第2の結合部位の比が0.5:1〜1:0.5である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。

技術分野

0001

発明の分野
本発明は、エフェクター機能を誘発する抗体および抗体組合せを検出/選択するためのアッセイ法および方法の分野に属する。

背景技術

0002

背景
免疫グロブリンは、FcRnのような特定のFc受容体ならびにClqに対する2つの結合部位を含み、これらは各重鎖Fc領域中に1つずつある。

0003

Clqに対する単量体IgGの親和性はかなり弱いため(約10-4Mの親和性)、補体活性化のためには、複数の免疫グロブリン分子が必要である(例えば、Sledge et al., J. Biol. Chem. 248 (1973) 2818-2813、Hughes-Jones et al., Mol. Immunol. 16 (1979) 697-701を参照されたい)。多価C1qの結合は、抗原に基づく免疫グロブリン分子の結合、したがって補体活性化によって増加し得る(約10-8Mの親和性)(例えば、Burton et al., Mol. Immunol. 22 (1990) 161-206を参照されたい)。

0004

Clqの三次元構造は、チューリップ花束に似ており、抗体結合領域を含む球状の頭部を6つ含んでいる(例えば、Perkins et al., Biochem. J. 228 (1985) 13-26、Poon et al., J. Mol. Biol. 168 (1983) 563-577、Reid et al., Biochem. Soc. Trans. 11 (1983) 1-12、およびWeiss et al., J. Mol. Biol. 189 (1986) 573-581を参照されたい)。

0005

US 5,851,528では、補体活性化を阻害する方法が報告されている。CD55およびCD59に対する組換え抗体およびそれらの使用が、US8,034,902において報告されている。US2012/0226020では、補体活性化を調節するハイブリッドポリペプチドおよびキメラポリペプチドが報告されている。新規調整物質および使用方法が、US2013/0302355において報告されている。US2010/0255011では、標的細胞に対する補体調節タンパク質活性を調整するための組成物および方法が報告されている。

0006

WO2008/007648では、抗体の分類が、細胞表面抗原を認識できる抗体を同じ種の細胞と接触させる段階、各細胞を解析し、得られたデータを比較する段階、および類似性に基づいて個々の抗体を分類する段階を含むことが報告されている。標的細胞に対する補体調節タンパク質の活性を調整するための組成物および方法が、WO2010/120541において報告されている。

0007

Mekhaiel, D.N.A.らは、エフェクター機能が改変されたポリマーヒトFc融合タンパク質を報告している(Nature Sci. Rep. 1 (2011) 1-11)。エフェクター機能が変更されたポリペプチド変種が、WO00/42072において報告されている。US2008/0089892では、Fc領域変種が報告されている。変更された抗体Fc領域およびその使用が、WO2006/105062において報告されている。

0008

新生仔ウサギ補体は、抗体の助けを借りて、異なる複雑な免疫細胞集団由来するリンパ球枯渇させて移植を容易にするのに使用された(例えば、Herve, P., et al., Transplant. 39 (1985) 138-143を参照されたい)。

0009

仔ウサギの補体は、マウス由来の抗体を用いて腎細胞がん(RCC)において補体依存性細胞傷害性(CDC)をうまく誘発することができなかった(例えば、Vessella, R.L., et al., Canc. Res. 45 (1985) 6131-6139を参照されたい)。

0010

ウサギ血清は、p97(=メラノトランスフェリン)に結合する単一のマウスIgG2a抗体および対をなすマウスIgG2a抗体を用いるCDCによって、ヒトSK-Mel28黒色腫細胞(非上皮性=非がん腫)を死滅させることができた(例えば、Hellstroem, I., et al., Int. J. Canc. 31 (1983) 553-555を参照されたい)。

0011

膜結合型補体調節タンパク質(mCRP)は、単球および好中球と比べて、リンパ球での発現レベルは低い(例えば、Nuutila, J., et al., Hum. Immunol. 74 (2013) 522-530を参照されたい)。

0012

免疫逃避メカニズムとしてのmCRPの上方調節は、例えばリンパ腫または黒色腫においてよりも、がん細胞の大半において、より顕著である(例えば、Fishelson, Z., et al., Mol. Immunol. 40 (2003) 109-123を参照されたい)。

0013

同系血清(例えば、ヒトがん腫細胞およびヒト抗体と共に正常ヒト血清(NHS))を用い、mCRPのCDC阻害作用を伴わない設定(例えば、Dechant et al., 2008, Cancer Researchを参照されたい)、または同系血清(例えば、ヒトがん腫細胞およびヒト抗体と共に正常ヒト血清(NHS))を用い、mCRPであるCD46、CD55、およびCD59をsiRNAに頼って下方調節することによって抑えなければならなかった強いmCRP依存CDC阻害効果を示している設定(例えば、Mamidi, S., et al., Mol. Onc.7 (2013) 580-594を参照されたい)のどちらでも、抗体を用いてCDCが示された。

0014

Konishi, e.らは、補体依存性細胞傷害性を利用して低レベルの抗体を測定すること:日本脳炎ウイルスモデルにおける非構造タンパク質1への適用を報告した(Clin. Vac. Immunol. 15 (2008) 88-94)。Klitgaard, J.らは、2つの抗cosモノクローナル抗体を組み合わせると、慢性リンパ性白血病細胞に対する補体依存性細胞傷害性が相乗的に誘導されることを報告した(Brit. J. Hematol. 163 (2013) 182-193)。Hellstrom, I.らは、黒色腫抗原p97の2つの決定基に対するモノクローナル抗体が、補体依存性細胞傷害性において相乗的に作用することを報告した(J. Immunol. 127 (1981) 157-160)。Maddipatla, S.らは、Trail-R1およびCD20を標的とするモノクローナル抗体の組合せによってB細胞リンパ腫に対する抗腫瘍活性が増強されることを報告した(Clin. Cancer Res. 13 (2007) 4556-4564)。Huang, J.らは、ヒトDAF、CD59、およびMCP発現によって、ヒト補体を媒介とする溶解から異種細胞を保護することについて報告した(FEMS Immunol. Med. Microbiol. 31 (2001) 203-209)。Qu, Z.らは、B細胞リンパ腫に対してインビトロおよびインビボで活性である、CD20およびCD22に対する組換え二重特異性モノクローナル抗体(bsmAb)について報告した(Blood 108 (2006) 713a-714a)。Hellstromらは、腫瘍免疫の細胞媒介性抑制が非特異的構成要素を有していることを報告した(Int. J. Cancer 27 (1981) 481-485および487-491)。

0015

AU2011/202520は、CD20に対するヒトモノクローナル抗体を開示している。WO2016/096788は、CDCを誘発する抗体を決定するためのアッセイ法および方法を開示している。US2006/0035267は、がんに対する最適な多価ワクチンを開示している。Guo, B.ら(Clin.Immunol. 128 (2008) 155-163)は、リツキシマブを介した補体依存性細胞傷害性を強化することができるヒト崩壊促進因子モノクローナル抗体の結合エピトープマッピングを開示している。

0016

概要
がん腫細胞表面抗原に結合する抗体の、がん腫細胞についてのCDC能力を測定および解析するための、改良されたアッセイ法が本明細書において報告される。このアッセイ法は、例えばsiRNAによるmCRP(membrane-bound complement regulatory protein)の下方調節のような冗長で複雑で不安定なアプローチを必要としない。本アプローチは、抗mCRP抗体の組合せの添加によって、体内でCDCプレッシャーを逃れる免疫逃避メカニズムとしてのがん腫細胞(定義によれば、これらは上皮に由来する)におけるmCRPの上方調節に対抗するものである。上皮がん細胞とは対照的に、これは、リンパ系腫瘍細胞における主要な応答ではない。本アッセイ法は、mCRPの作用が原因で他の設定においてCDCを誘発できない、がん腫細胞表面抗原に結合する抗体のCDCを測定するための手段を提供する。

0017

抗mCRP抗体の組合せの添加によって前記細胞におけるmCRP上方調節が抑制される場合、ヒト抗体またはヒト化抗体およびヒトがん腫細胞と共に正常ヒト血清を用いて、ヒト細胞、特にヒトがん腫細胞において、非常に頑強な様式で補体依存性細胞傷害性(CDC)を誘発できることが判明している。がん腫細胞表面抗原に特異的に結合するヒト抗体またはヒト化抗体のCDC能力を測定するために正常ヒト血清と組み合わせて抗mCRP抗体を用いることにより、
- がん腫細胞表面の上方調節されたヒトmCRPは、他のアッセイ法の設定で観察される場合のヒト抗体またはヒト化抗体のCDC誘発作用を抑制せず、
- いくつかの場合において、mCRPがsiRNAによって下方調節されている場合、正常ヒト血清(NHS)は、ヒト抗体またはヒト化抗体およびヒト腫瘍細胞を用いる場合のみCDCを誘発し得るという信頼性のなさを克服することができ、かつ
- 様々な抗体、抗体形態、または抗体コンジュゲートのCDC能力のハイスループットスクリーニングが可能になる。

0018

本明細書において報告される方法は、リンパ腫細胞(リンパ腫=リンパ系腫瘍=リンパ球起源)またはがん腫細胞(がん腫=上皮起源)などの腫瘍細胞、ならびに自己免疫応答を誘発する細胞と共に使用することができる。

0019

本明細書において報告される1つの局面は、
(i)ヒト由来の第1のFc領域ポリペプチドコンジュゲートしている、第1の抗原上の第1のエピトープに特異的に結合する第1の結合部位、および
(ii)ヒト由来の第2のFc領域ポリペプチドにコンジュゲートしている、第2の抗原上の第2のエピトープに特異的に結合する第2の結合部位
を含む組成物の補体依存性細胞傷害性を測定するための方法であり、この方法は、
(a)第1の抗原と第2の抗原とを発現する細胞を、組成物および抗mCRP抗体混合物と共にインキュベートする段階、
(b)(a)の混合物に正常なヒト血清またはウサギ補体を添加する段階、ならびに
(c)細胞溶解を測定し、それによって、組成物の補体依存性細胞傷害性を測定する段階
を含む。

0020

本明細書において報告される1つの局面は、
(i)ヒト由来の第1のFc領域ポリペプチドにコンジュゲートしている、第1の抗原上の第1のエピトープに特異的に結合する第1の結合部位、および
(ii)ヒト由来の第2のFc領域ポリペプチドにコンジュゲートしている、第2の抗原上の第2のエピトープに特異的に結合する第2の結合部位
を含みCDC活性を有している組成物を選択するための方法であり、この方法は、
(a)第1の抗原と第2の抗原とを発現する細胞を、2種類またはそれ以上の組成物および抗mCRP抗体混合物と共に個別にインキュベートする段階、
(b)(a)の混合物に正常なヒト血清またはウサギ補体を添加する段階、
(c)細胞溶解を測定し、それによって、組成物の補体依存性細胞傷害性を測定する段階、ならびに
(d)段階(c)の結果に基づいて、CDC活性を有している組成物を選択する段階
を含む。

0021

本明細書において報告される1つの局面は、
(i)第1の抗原上の第1のエピトープに特異的に結合する(少なくとも)1つの第1の結合部位、
(ii)任意で、第2の抗原上の第2のエピトープに特異的に結合する第2の結合部位
を含む抗体の補体依存性細胞傷害性を測定するための方法であり、この方法は、
(a)(少なくとも)1つの第1の抗原と任意の第2の抗原とを発現する細胞を、抗体および抗mCRP抗体混合物と共にインキュベートする段階、
(b)(a)の混合物に正常なヒト血清またはウサギ補体を添加する段階、ならびに
(c)細胞溶解を測定し、それによって、抗体の補体依存性細胞傷害性を測定する段階
を含む。

0022

本明細書において報告される1つの局面は、
(i)第1の抗原上の第1のエピトープに特異的に結合する(少なくとも)1つの第1の結合部位、
(ii)任意で、第2の抗原上の第2のエピトープに特異的に結合する第2の結合部位
を含む抗体の補体依存性細胞傷害性に対する種特異的mCRP誘発性阻害に打ち勝つための方法であり、この方法は、
(a)(少なくとも)1つの第1の抗原と任意の第2の抗原とを発現する細胞を、抗体および抗mCRP抗体混合物と共にインキュベートする段階、
(b)(a)の混合物に正常なヒト血清またはウサギ補体を添加する段階、ならびに
(c)細胞溶解を測定し、それによって、抗体の補体依存性細胞傷害性を測定する段階
を含む。

0023

すべての局面の1つの好ましい態様において、抗mCRP抗体の混合物は、抗CD46抗体、抗CD55抗体、および抗CD59抗体を含む混合物である。

0024

すべての局面の1つの好ましい態様において、混合物は10倍飽和量で添加される。

0025

1つの好ましい態様において、抗mCRP抗体は、10倍飽和濃度で添加され、1倍飽和濃度は、FACS解析によって測定され細胞の最大限の染色に(ちょうど)十分である抗体濃度として、定義される。1つの態様において、(単一の)細胞と共にインキュベーションした場合に、(得られる)最大蛍光シグナル(に近い蛍光シグナル)をFACS装置で示す希釈率は1倍飽和濃度である。

0026

1つの態様において、抗mCRP抗体は非ヒトFc領域を有している。1つの態様において、抗mCRP抗体はマウスFc領域を有している。

0027

すべての局面の1つの態様において、抗体は抗体形態である。

0028

すべての局面の1つの態様において、2種類またはそれ以上の組成物は、第1および/または第2のエピトープまたは抗原が異なる。

0029

すべての局面の1つの態様において、組成物は、第1の抗原上の第1のエピトープに特異的に結合する第1のヒト抗体またはヒト化抗体、および、第2の抗原上の第2のエピトープに特異的に結合する第2のヒト抗体またはヒト化抗体を含む。

0030

すべての局面の1つの態様において、組成物は、第1の抗原上の第1のエピトープにおよび第2の抗原上の第2のエピトープに特異的に結合する、ヒト二重特異性抗体またはヒト化二重特異性抗体を含む。

0031

すべての局面の1つの態様において、第1の抗原および第2の抗原は同じ抗原であり、かつ第1のエピトープおよび第2のエピトープは異なる。1つの態様において、第1のエピトープおよび第2のエピトープは、重複部分のないエピトープである。

0032

すべての局面の1つの態様において、細胞溶解を補体または正常なヒト血清の添加後0.5時間目〜3時間目の間に測定する。

0033

すべての局面の1つの態様において、細胞はがん細胞である。1つの態様において、ヒト細胞はヒトがん細胞である。1つの態様において、がん細胞は、がん腫細胞である。1つの好ましい態様において、がん細胞は、上皮由来のがん腫細胞である。

0034

1つの態様において、上皮由来のヒトがん腫細胞は、ヒト卵巣腺がん腫細胞およびヒト乳腺がん腫細胞からなる群より選択される。1つの好ましい態様において、上皮由来のヒトがん腫細胞は、SK-OV3細胞およびMCF7細胞より選択される。

0035

すべての局面の1つの好ましい態様において、ウサギ補体は仔ウサギの補体である。

0036

すべての局面の1つの態様において、第1の結合部位と第2の結合部位の比は、10:1〜1:10である。1つの態様において、比は、0.5:1〜1:0.5である。

図面の簡単な説明

0037

A:LDH放出に基づいて測定し、CDC%として示した、BT-474細胞に対する特異的CDC;黒丸:トラスツズマブ;黒四角形:ペルツズマブ;上向きの三角形:トラスツズマブおよびペルツズマブの組合せ;下向きの三角形=二重特異性抗HER2抗体、共通の軽鎖;ひし形=二重特異性抗HER2抗体、共通の軽鎖、糖鎖改変(glycoengineered);白丸=二重特異性抗HER2抗体、CrossMab型。B: BT-474細胞に対する特異的CDC(上側のグラフ)およびSK-Br3細胞に対する特異的CDC(下側のグラフ);1=トラスツズマブ;2=ペルツズマブ;3=トラスツズマブおよびペルツズマブの組合せ4=ヒトIgG1、κ軽鎖対照;左のバー:仔ウサギ補体を用いた場合の特異的CDC;右のバー:仔ウサギ補体を用いない場合の特異的CDC;CDC%および特異的CDCは、特異的細胞傷害性[%]を意味する。
細胞指標(ACEA)の経時変化;1=トラスツズマブ;2=ペルツズマブ;3=培地のみ;4=補体対照;5=トラスツズマブおよびペルツズマブの組合せ;6=二重特異性抗HER2抗体、共通の軽鎖;7=二重特異性抗HER2抗体、共通の軽鎖、糖鎖改変;8=二重特異性抗HER2抗体、CrossMab型。
細胞指標(ACEA)の経時変化;1=培地のみ;2=補体対照;3=抗CD55抗体、ヒト血清プール、トラスツズマブ、ペルツズマブを用いた場合;4=抗CD59抗体、ヒト血清プール、トラスツズマブ、ペルツズマブを用いた場合;5=抗CD55抗体、抗CD59抗体、ヒト血清プール、トラスツズマブ、およびペルツズマブを用いた場合;6=トラスツズマブ、ペルツズマブ、および仔ウサギ補体。
CD46、CD55、CD59ノックダウン(三重KO)SK-OV-3細胞を用いたCDCアッセイ法の結果。10μg/mLの各抗体、仔ウサギ補体、および正常ヒト血清と共に、細胞をそれぞれインキュベートした。
光学濃度読取り値として用いるBRC CDCアッセイ法の結果。x軸は、様々な試料(最大溶解、自発的溶解、培地対照、活性および不活性な1/30BRCと組み合わせた10μg/ml Per+Tra)を示す。バーの値および標準偏差は、3つ1組から算出した。
特異的細胞傷害性に変換後の、BRC CDCアッセイ法の結果。x軸は、様々な試料(最大溶解、自発的溶解、培地対照、活性および不活性な1/30BRCと組み合わせた10μg/ml Per+Tra)を示す。バーの値および標準偏差は、3つ1組から算出した。最大溶解を常に100%に設定し、自発的溶解を常に0%に設定する。
1倍飽和濃度を用いる、抗mCRP遮断mAbの様々な組合せによるNHS CDCアッセイ法の結果。x軸は、補体の供給源、抗mCRP mAbの濃度(1×)、ならびにmCRPを妨害するのに使用される抗mCRP mAbのコンピレーションを記載している。Per+Traの濃度は10μg/mlであった。NHS(1/30)およびBRC(1/30)を補体の供給源として使用した。バーの値および標準偏差は、3つ1組から算出した。
10倍飽和濃度を用いる、抗mCRP遮断mAbの様々な組合せによるNHS CDCアッセイ法の結果。x軸は、補体の供給源、抗mCRP mAbの濃度(10×)、ならびにmCRPを妨害するのに使用される抗mCRP mAbのコンピレーションを記載している。Per+Traの濃度は10μg/mlであった。NHS(1/30)およびBRC(1/30)を補体の供給源として使用した。バーの値および標準偏差は、3つ1組から算出した。
Per+Traを用いるNHS CDCアッセイ法の結果。抗体Per+Traを10μg/mlの濃度で使用した。ヒト補体(NHS)を1/30希釈率で使用した。10倍飽和濃度の抗mCRP mAbを使用した。上段は、未処理のSK-OV3細胞を概説している。中段は、対照siRNAをトランスフェクトされたSK-OV3細胞を表し、下段は、三重siRNA(CD46、CD55、およびCD59)で処理されたSK-OV3細胞を示す。バーの値および標準偏差は3つ1組から算出した。
Per+Traを用いないNHS CDCアッセイ法の結果。抗体Per+Traは、この実験では使用しなかった。ヒト補体(NHS)を1/30希釈率で使用した。10倍濃度の抗mCRP mAbを使用した。上段は、未処理のSK-OV3細胞を概説している。中段は、対照siRNAをトランスフェクトされたSK-OV3細胞を表し、下段は、三重siRNA(CD46、CD55、およびCD59)で処理されたSK-OV3細胞を示す。バーの値および標準偏差は、3つ1組から算出した。

0038

発明の態様の詳細な説明
I.定義
「Clq結合」という用語は、抗原に結合した抗体へのClqの結合を意味する。抗原への抗体の結合は、本明細書において報告される方法およびアッセイ法において、非限定的にインビボおよびインビトロである。

0039

1つの態様において、Clq結合は、(i)4℃で一晩、PBSに溶かした濃度範囲0.007〜25.0mg/mLの抗体でマルチウェルプレート(例えば96ウェルELISAプレート)をコーティングする段階、(ii)プレート洗浄する段階、(iii)0.5×PBS/0.025%Tween20/0.1%ゼラチンを用いて、残っている反応性表面残基をブロッキングする段階、(iv)(a)3%のプールしたヒト血清、(b)ウサギ抗ヒトClq、および(c)HRPにコンジュゲートしたブタ抗ウサギIgG抗体と共に37℃で1時間、マルチウェルプレートをインキュベートする段階であって、中間の洗浄段階を含む、段階、(v)1mg/mLの2,2'-アジノ-ビス3-エチルベンゾチアゾリン-6-スルホン酸と共に約30分間インキュベートする段階、(vi)100μLの2%シュウ酸を添加する段階、ならびに(vii)マイクロプレートリーダーにおいて405nmでの吸光度を測定する段階を含む方法において測定される。

0040

本明細書において、抗体へのC1q結合とは、高い結合力の結合をもたらす多価性の相互作用を意味する。

0041

「補体活性化」という用語は、古典的補体経路の開始を意味する。この開始は、抗体-抗原複合体補体成分Clqが結合した結果として起こる。Clqは、古典的補体カスケードにおける最初のタンパク質である。Clqは、活性なC3コンバターゼの形成をもたらす一連の反応に関与しており、活性なC3コンバターゼは、補体成分C3を切断してC3bおよびC3aにする。C3bが膜C5に結合して、いわゆるC5bが生じ、C5bが補体活性化の後期事象(C5b、C6、C7、C8、およびC9が集合して膜侵襲複合体(MAC)になる)を誘発する。最終的に、補体カスケードにより、細胞壁に細孔が形成されて、細胞溶解が引き起こされる(補体依存性細胞傷害性、CDCとしても知られる)。

0042

「補体依存性細胞傷害性(CDC)」という用語は、細胞の表面に位置する抗原に抗体が結合すると、上記に概説したメカニズムに従って細胞溶解をもたらす、抗体を介した補体活性化のプロセスを意味する。CDCは、特異的CDCアッセイ法を用いてインビトロで測定することができる。当技術分野では、正常ヒト血清が補体供給源として使用される。

0043

「補体依存性細胞性細胞傷害性(CDCC)」という用語は、補体3(C3)切断産物(標的細胞上に位置し、抗体を介した補体活性化の結果として生じる)を認識する補体受容体を発現する細胞によって媒介される細胞死滅のプロセスを意味する。

0044

「親和性」とは、ある分子(例えば抗体)の1つの結合部位とその結合相手(例えば抗原)の間の非共有結合性相互作用の総合計の強さを意味する。別段の定めが無い限り、本明細書において使用される場合、「結合親和性」とは、結合対メンバー(例えば、抗体および抗原)間の1:1相互作用を反映する内因性結合親和性を意味する。通常、分子Xの相手Yに対する親和性は、解離定数(kd)によって表すことができる。親和性は、本明細書において説明するものを含む、当技術分野において公知の一般的な方法によって測定することができる。結合親和性を測定するための具体的な説明的かつ例示的態様を以下に説明する。

0045

本明細書における「抗体」という用語は、最も広い意味で使用され、限定されるわけではないが、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体多重特異性抗体(例えば二重特異性抗体)、および所望の抗原結合活性を示しCDCを誘発できる限りにおいて抗体断片を含む、様々な抗体構造体を包含する。

0046

「エフェクター機能」とは、抗体クラスによって異なる、抗体のFc領域に起因し得る生物学的活性を意味する。抗体エフェクター機能の例には、C1q結合および補体依存性細胞傷害性(CDC);Fc受容体結合;抗体依存性細胞媒介性細胞傷害性(ADCC);食作用;細胞表面受容体(例えばB細胞受容体)の下方調節;ならびにB細胞活性化が含まれる。

0047

本明細書における「Fc領域」という用語は、定常領域の少なくとも一部分を含む、免疫グロブリン重鎖C末端領域を定義するために使用される。この用語は、天然配列のFc領域および変種Fc領域を含む。1つの態様において、ヒトIgG重鎖Fc領域は、重鎖のCys226またはPro230からカルボキシル末端までに及ぶ。しかしながら、Fc領域のC末端リジン(Lys447)は、存在する場合もあれば存在しない場合もある。本明細書において別段の指定がない限り、Fc領域中または定常領域中のアミノ酸残基番号付与は、EU指標とも呼ばれるEU番号付与方式に従い、これは、Kabat, E.A. et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th ed., Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD (1991), NIH Publication 91-3242において説明されている。

0048

宿主細胞」、「宿主細胞株」、および「宿主細胞培養物」という用語は同義的に使用され、外来性核酸が導入された細胞を、そのような細胞の子孫を含めて意味する。宿主細胞には、「形質転換体」および「形質転換細胞」が含まれ、初代形質転換細胞およびそれに由来する子孫が継代回数に関わらず含まれる。子孫の核酸内容は親細胞と完全に同一でなくてもよく、変異を含んでもよい。最初に形質転換された細胞においてスクリーニングまたは選択されたのと同じ機能または生物活性を有している変異子孫は、本明細書に含まれる。

0049

「ヒト化」抗体とは、非ヒトHVRに由来するアミノ酸残基およびヒトFRに由来するアミノ酸残基を含むキメラ抗体を意味する。特定の態様において、ヒト化抗体は、HVR(例えばCDR)のすべてまたは実質的にすべてが非ヒト抗体のものに相当し、FRのすべてまたは実質的にすべてがヒト抗体のものに相当する、少なくとも1つ、および典型的には2つの可変ドメインの実質的にすべてを含む。ヒト化抗体は、ヒト抗体に由来する抗体定常領域についての少なくとも1つの部分を任意で含んでよい。抗体、例えば、非ヒト抗体の「ヒト化型」とは、ヒト化を受けた抗体を意味する。

0050

本明細書において使用される「超可変領域」または「HVR」という用語は、配列が超可変性であり(「相補性決定領域」もしくは「CDR」)、かつ特徴的な構造のループ(「超可変ループ」)を形成し、かつ/または抗原接触残基(「抗原接触部分」)を含む、抗体可変ドメインの各領域を意味する。一般に、抗体は6個のHVRを含む。3個はVH中にあり(H1、H2、H3)、3個はVL中にある(L1、L2、L3)。

0051

本明細書におけるHVRには、
(a)アミノ酸残基26〜32(L1)、50〜52(L2)、91〜96(L3)、26〜32(H1)、53〜55(H2)、および96〜101(H3)に存在する超可変ループ(Chothia, C.and Lesk, A.M., J.Mol.Biol.196 (1987) 901-917);
(b)アミノ酸残基24〜34( L1)、50〜56(L2)、89〜97(L3)、31〜35b (H1)、50〜65(H2)、および95〜102(H3)に存在するCDR(Kabat, E.A.et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th ed. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD (1991), NIH Publication 91-3242);
(c)アミノ酸残基27c〜36(L1)、46〜55(L2)、89〜96(L3)、30〜35b(H1)、47〜58(H2)、および93〜101(H3)に存在する抗原接触部分(MacCallum et al. J. Mol. Biol. 262: 732-745 (1996));ならびに
(d)HVRアミノ酸残基46〜56(L2)、47〜56(L2)、48〜56(L2)、49〜56(L2)、26〜35(H1)、26〜35b(H1)、49〜65(H2)、93〜102(H3)、および94〜102(H3)を含む、(a)、(b)、および/または(c)の組合せ
が含まれる。

0052

別段の定めが無い限り、本明細書において、可変ドメイン中のHVR残基および他の残基(例えばFR残基)は、前記のKabatらに従って番号を付与する。

0053

「単離された」抗体とは、その天然環境の構成要素から分離された抗体である。いくつかの態様において、抗体は、例えば、電気泳動(例えば、SDS-PAGE、等電点電気泳動(IEF)、キャピラリー電気泳動)またはクロマトグラフィー(例えば、イオン交換もしくは逆相HPLC)によって測定した場合に95%または99%を超える純度まで精製される。抗体純度を評価するための方法に関する概要については、例えばFlatman, S. et al., J. Chromatogr. B 848 (2007) 79-87を参照されたい。

0054

「単離された」核酸とは、その天然環境の構成要素から分離された核酸分子を意味する。単離された核酸は、その核酸分子を通常含む細胞に含まれる核酸分子を含むが、その核酸分子は、染色体外に存在するか、または天然の染色体位置とは異なる染色体位置に存在する。

0055

本明細書において使用される「モノクローナル抗体」という用語は、実質的に同種の抗体集団から得られた抗体を意味する。すなわち、この集団を構成する個々の抗体は、存在し得る変種抗体を除いて、同一であり、かつ/または同じエピトープに結合する。存在し得る変種抗体は、例えば、天然に存在する変異を含むか、またはモノクローナル抗体調製物を作製する間に発生し、このような変種は、通常、少量で存在する。様々な決定基(エピトープ)を対象とする様々な抗体を典型的に含むポリクローナル抗体調製物とは対照的に、モノクローナル抗体調製物の各モノクローナル抗体は、1つの抗原上の単一の決定基を対象とする。したがって、「モノクローナル」という修飾語は、実質的に同種の抗体集団から得られたものであるという抗体の特徴を示し、いずれかの特定の方法による抗体の作製を必要とすると解釈されるべきではない。例えば、本発明に従って使用するためのモノクローナル抗体は、限定されるわけではないが、ハイブリドーマ法、組換えDNA法、ファージディスプレイ法、およびヒト免疫グロブリン遺伝子座の全部または一部分を含むトランスジェニック動物を使用する方法を含む、様々な技術によって作製することができ、モノクローナル抗体を作製するためのこのような方法および他の例示的な方法は、本明細書において説明される。

0056

マウスモノクローナル抗体4D5は、HER2を過剰発現するがん細胞において特異的にHER2を標的とする一方で、生理学的レベルのHER2を発現する細胞に対しては効果を有していない。ヒト化(4D5)モノクローナル抗体(hu4D5)は、1998年後半にFDA販売承認を得た薬物ハーセプチン(登録商標)(トラスツズマブ、rhuMab HER2、US5,821,337)として商業的に公知である。

0057

ペルツズマブ(rhuMab 2C4、US7,862,817)は、ヒト化モノクローナル抗体であり、細胞表面でHER2受容体が他のHER受容体(EGFR/HER1、HER3、およびHER4)と対形成(二量体化)すること、すなわち、腫瘍の増殖および生存においてある役割を果たしていると考えられているプロセスを特異的に妨げるように設計されている。ペルツズマブは、HER2陽性転移性または局所的に再発性切除不可能な乳がん罹患している成人患者においてトラスツズマブおよびドセタキセルとの組合せで承認されており、2013年9月にネオアジュバント乳がん治療のためのFDA承認を得た。

0058

ペルツズマブは、二量体化に不可欠であるHER2のドメインIIに結合するのに対し、トラスツズマブは、HER2の細胞外ドメインIVに結合する。

0059

本明細書において使用される「がん」という用語は、増殖性疾患、例えば、リンパ腫、リンパ性白血病肺がん非小細胞(NSCL)がん、細気管支肺胞細胞肺がん、骨がん、膵がん皮膚がん、頭部または頸部のがん、皮膚黒色腫または眼内黒色腫、子宮がん卵巣がん直腸がん、肛門領域のがん、胃がんのがん、結腸がん、乳がん、子宮がん、卵管がん、子宮内膜がん子宮頸がんがん、外陰がん、ホジキン病食道がん小腸がん、内分泌系のがん、甲状腺がん副甲状腺がん、副腎がん、軟部組織肉腫尿道がん、陰茎がん前立腺がん膀胱がん腎臓がんまたは尿管がん、腎細胞がん、腎うがん、中皮腫肝細胞がん胆道がん中枢神経系(CNS)の新生物脊椎腫瘍、脳幹神経膠腫多形性神経膠芽腫星状細胞腫シュワン腫、上衣腫髄芽細胞腫髄膜腫扁平上皮がん下垂体腺腫、およびユーイング肉腫を意味し、上記のがんのいずれかの難治性のタイプまたは上記のがんの内の1種類もしくは複数種類の組合せを含む。1つの態様において、がんは、がん腫である。

0060

抗原結合部位」という用語は、本明細書において使用される場合、抗原結合を担っている抗体のアミノ酸残基を意味する。抗体の抗原結合部分は、「相補性決定領域」または「CDR」に由来するアミノ酸残基を含む。「フレームワーク」領域または「FR」領域とは、本明細書において定義する超可変領域残基以外の可変ドメイン領域である。したがって、抗体の軽鎖可変ドメインおよび重鎖可変ドメインは、N末端からC末端に向かって、ドメインFR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、およびFR4を含む。特に、重鎖のCDR3は、抗原結合に最も寄与し、抗体の特性を定める領域である。CDR領域およびFR領域は、Kabat et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th ed., Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD (1991)の標準的な定義および/または「超可変ループ」に由来する残基に基づいて決定される。

0061

抗体特異性とは、抗原の特定のエピトープに対する抗体の選択的認識を意味する。例えば、天然の抗体は単一特異性である。本明細書において使用される「単一特異性」抗体という用語は、1つまたは複数の結合部位を有しており、各結合部位が同じ抗原の同じエピトープに結合する、抗体を意味する。

0062

「二重特異性抗体」は、2つの異なる抗原結合特異性を有している抗体である。本明細書において使用される「二重特異性」抗体という用語は、それぞれが異なるエピトープに結合する少なくとも2つの結合部位を有している抗体を意味する。

0063

本出願内で使用される「価」という用語は、抗体分子中に特定の数の結合部位が存在することを意味する。したがって、「二価」、「四価」、および「六価」という用語は、1つの抗体分子中に2個の結合部位、4個の結合部位、および6個の結合部位が存在することをそれぞれ意味する。本発明による二重特異性抗体は、少なくとも「二価」であり、「三価」または「多価」(例えば、「四価」もしくは「六価」)であってよい。

0064

本明細書において使用される場合、「結合する」または「特異的に結合する」という用語は、インビトロアッセイ法における、好ましくは表面プラズモン共鳴アッセイ法(SPR、BIAcore、GE-Healthcare Uppsala, Sweden)における、抗原のエピトープへの抗体の結合を意味する。結合親和性は、ka(抗体/抗原複合体における抗体の会合速度定数)、kd(解離定数)、およびKD(kd/ka)という用語を用いて定義される。結合するまたは特異的に結合するとは、結合親和性(KD)が10-7mol/Lまたはそれ未満であることを意味する。

0065

「エピトープ」という用語は、抗体に特異的に結合することができる任意のポリペプチド決定基を含む。特定の態様において、エピトープ決定基は、アミノ酸、糖側鎖、ホスホリル、またはスルホニルなど分子の化学的に活性な表面基を含み、いくつかの態様において、特殊な三次元構造特徴、およびまたは特殊な荷電特性を有し得る。エピトープとは、抗体が結合する抗原領域である。

0066

「CD46」という用語は、補体調節タンパク質(分化クラスター46)を指す。このタンパク質は、型膜タンパク質であり、補体系の調節において機能を有している。コードされるタンパク質は、補体による損傷から宿主細胞を保護する血清因子Iによる補体成分C3bおよびC4bの不活性化のための補因子活性を有している。

0067

「CD55」という用語は、補体崩壊促進因子(分化クラスター55)を指す。これは、補体カスケードにおいて因子C4bおよびC3bの断片と相互作用する。これは、細胞に結合したC4bポリペプチドおよびC3bポリペプチドと相互作用することにより、酵素的に活性なC2aおよびBbへのC2および因子Bの変換を触媒するそれらの能力を妨害し、それによって、補体カスケードの増幅転換酵素であるC4b2aおよびC3bBbの形成を妨げる(UniProtKB- P08174 (DAF_HUMAN); Ward, T., et al.,EMBO J. 13 (1994) 5070-5074を参照されたい)。

0068

「CD59」という用語は、補体膜侵襲複合体(MAC)作用の阻害物質(分化クラスター59)を指す。これは、寄り集まったMACのC8補体および/またはC9補体に結合し、それによって、浸透圧を調節する細孔の形成完了に必要とされるC9の多数のコピーの組込みを妨げることによって作用する。この阻害物質は、種特異的であると考えられる。タンパク質チロシンキナーゼと複合的に関連するT細胞活性化のためのシグナル伝達に関与する。(UniProtKB-P13987 (CD59_HUMAN)を参照されたい)。

0069

II 本明細書において報告される方法
がん腫は上皮由来であり、これらの細胞は、インビボでCDCプレッシャーを逃れる免疫逃避メカニズムとしてmCRP(特にCD46、CD55、およびCD59)をしばしば上方調節する。いくつかの場合において、がん腫細胞表面抗原に結合する抗体は、mCRPの作用/存在が原因で、CDCを誘発することができない。これまでは、がん腫細胞におけるこの問題は、例えばsiRNAによるmCRPの下方調節のような冗長で複雑で不安定なアプローチを用いて取り組まれてきた。本明細書において、がん腫細胞表面抗原に結合する抗体のCDC能力を解析するための、改良された、すなわち、とりわけ、より頑強かつハイスループット適合性のあるアッセイ法が報告される。その結果、NHSを用いる、がん腫細胞結合抗体のCDC能力を解析するための頑強なアッセイ法が提供される。

0070

一方では1つまたは複数の細胞表面抗原に特異的に結合し、かつ他方ではヒト由来のFc領域ポリペプチドを含む分子を含む組成物、例えば、2つもしくはそれ以上のヒト抗体もしくはヒト化抗体の組合せまたはヒト二重特異性抗体もしくはヒト化二重特異性抗体の補体依存性細胞傷害性を測定するためには、抗mCRP抗体の混合物、すなわち抗CD46抗体、抗CD55抗体、および抗CD59抗体の混合物を使用しなければならないことが判明している。

0071

ヒトmCRPを妨害する抗体の組合せが、正常ヒト血清の存在下でヒトIgG1抗体対を用いてヒトがん腫細胞においてCDCを誘導することを可能にできることが判明している。この結果、CDCアッセイ法が加速して数日短くなり、操作段階必要量が減る(例えば、特にピペット操作段階が減る)。

0072

3種類のmCRP遮断抗体の組合せ(抗CD46抗体、抗CD55抗体、および抗CD59抗体の混合物)を使用すると、大きな労働力を要する参照siRNAアプローチと同様の読取り値が得られることが判明している。

0073

NHS(normal human serum)およびヒトmCRPの種特異性が理由となって、(例えばマウスFc領域を有する)別の非ヒト抗体を添加しても、(存在する)各CDC誘導ヒト抗体対の非存在下では(すなわち、各CDC誘導ヒト抗体対が存在していない場合には)CDCは誘導されない/増大しないことも、さらに判明している。

0074

siRNAを使用する代わりにmCRPを妨害するための抗mCRP抗体の混合物を用いることには、いくつかの利点があり、例えば、mCRP妨害に必要な時間が短くなること(3〜6日から数分に短縮)および操作段階が減ること(ピペット操作の手間を最小限に減らすことができる)である。

0075

本アプローチは、抗mCRP抗体の組合せの添加によって、体内でCDCプレッシャーを逃れる免疫逃避メカニズムとしての(上皮に由来する)がん腫細胞におけるmCRPの上方調節に対抗するものである。上皮がん細胞とは対照的に、これは、リンパ系腫瘍細胞における主要な応答ではない。免疫逃避メカニズムとしてのmCRPの上方調節は、リンパ腫または黒色腫とは対照的に、がん細胞の大半において、はるかにずっと顕著である(例えば、Fishelson, Z., et al.,Mol. Immunol. 40 (2003) 109-123を参照されたい)。

0076

Hellstrom, I.ら(J. Immunol. 127 (1981) 157-160)は、モノクローナル抗体のCDC能力の評価は、他の組織型の他の標的細胞株とは対照的にがん腫細胞(上皮由来)を用いる場合、可能ではないことを開示した。モノクローナル抗体対96.5および118.1は、黒色腫または肉腫のような上皮由来ではない腫瘍細胞を用いて補体によって腫瘍細胞を死滅させることしかできず、一方、上皮由来のがん腫は、この設定において、抗体対を用いて補体によって死滅させることができなかった。この設定は、mCRPの阻害を伴わない。

0077

さらに、リンパ系細胞表面のmCRPレパートリーは上皮がん細胞と比べて異なり、したがって、ヒトFc領域を有する抗体に対する活性が小さい。

0078

抗体組合せまたは二重特異性抗体のCDC活性を測定するための方法が、本明細書において報告される。この方法は、他のアッセイ法の設定を用いたヒト血清およびヒトがん細胞とのインキュベーションでは信頼のおける結果が得られない場合に、特に有用である。

0079

本明細書において報告される1つの局面は、
(i)ヒト由来の第1のFc領域ポリペプチドにコンジュゲートしている、第1の抗原上の第1のエピトープに特異的に結合する第1の結合部位、および
(ii)ヒト由来の第2のFc領域ポリペプチドにコンジュゲートしている、第2の抗原上の第2のエピトープに特異的に結合する第2の結合部位
を含む組成物の補体依存性細胞傷害性を測定するための方法であり、この方法は、
(a)第1の抗原と第2の抗原とを発現する細胞を、組成物および抗mCRP抗体混合物と共にインキュベートする段階、
(b)(a)の混合物に正常なヒト血清およびウサギ補体を添加する段階、ならびに
(c)細胞溶解を測定し、それによって、組成物の補体依存性細胞傷害性を測定する段階
を含む。

0080

本明細書において報告される1つの局面は、
(i)ヒト由来の第1のFc領域ポリペプチドにコンジュゲートしている、第1の抗原上の第1のエピトープに特異的に結合する第1の結合部位、および
(ii)ヒト由来の第2のFc領域ポリペプチドにコンジュゲートしている、第2の抗原上の第2のエピトープに特異的に結合する第2の結合部位
を含み、CDC活性を有している組成物を選択するための方法であり、この方法は、
(a)第1の抗原と第2の抗原とを発現する細胞を、2種類またはそれ以上の組成物および抗mCRP抗体混合物と共に個別にインキュベートする段階、
(b)(a)の混合物に正常なヒト血清およびウサギ補体を添加する段階、
(c)細胞溶解を測定し、それによって、組成物の補体依存性細胞傷害性を測定する段階、ならびに
(d)段階(c)の結果に基づいて、CDC活性を有している組成物を選択する段階
を含む。

0081

本明細書において報告される1つの局面は、
(i)第1の抗原上の第1のエピトープに特異的に結合する少なくとも1つの第1の結合部位、
(ii)任意で、第2の抗原上の第2のエピトープに特異的に結合する第2の結合部位
を含む抗体の補体依存性細胞傷害性を測定するための方法であり、この方法は、
(a)少なくとも1つの第1の抗原と任意の第2の抗原とを発現する細胞を、抗体および抗mCRP抗体混合物と共にインキュベートする段階、
(b)(a)の混合物に正常なヒト血清およびウサギ補体を添加する段階、ならびに
(c)細胞溶解を測定し、それによって、抗体の補体依存性細胞傷害性を測定する段階
を含む。

0082

単一特異性抗体は、本明細書において報告されるアッセイ法において機能しないことが判明している。

0083

驚くべきことに、(i)ヒトがん細胞、(ii)(二重特異性の)ヒト抗体もしくはヒト化抗体、またはそのような抗体を含む組成物、(iii)抗mCRP抗体の混合物、および(iv)正常ヒト血清またはウサギ補体の組合せが、機能的アッセイ法をもたらすことが判明している。

0084

1つの態様において、細胞は、第1の抗原および第2の抗原を発現する。

0085

1つの態様において、第1の抗原および第2の抗原は、細胞表面抗原である。

0086

細胞表面抗原を発現する細胞は、任意の細胞であることができる。1つの態様において、細胞は、がん細胞である。1つの態様において、がん細胞は、がん腫細胞である。

0087

補体依存性細胞傷害性は、補体の添加後1時間目または2時間目に測定するべきである。したがって、1つの態様において、細胞溶解は、補体、すなわち仔ウサギ補体の添加後0.5時間目〜3時間目の間に測定する。1つの態様において、細胞溶解は、補体添加後1時間目〜2時間目の間に測定する。

0088

細胞溶解は、例えばLDH放出または細胞生存度の測定のような任意の適切な方法を用いて測定することができる。したがって、1つの態様において、細胞溶解は、LDH放出または細胞生存度を測定することによって測定する。

0089

本明細書において報告される方法は、結合を得るために互いに交差競合しないが、(単独ではなく)組み合わさってCDCを発揮する抗体組合せを選択するために使用することができる。

0090

本明細書において報告される1つの局面は、組成物の補体依存性細胞傷害性を測定するための方法であり、
この組成物は、
(i)ヒト由来の第1のFc領域ポリペプチドにコンジュゲートしている、第1の抗原上の第1のエピトープに特異的に結合する第1の結合部位、および
(ii)ヒト由来の第2のFc領域ポリペプチドにコンジュゲートしている、第1の抗原上または第2の抗原上の第2のエピトープに特異的に結合する第2の結合部位
を含み、
この方法は、
(a)第1の抗原を発現するかまたは第1の抗原と第2の抗原とを発現するヒト細胞を、組成物および抗mCRP抗体混合物と共にインキュベートする段階、
(b)(a)の混合物に正常なヒト血清およびウサギ補体を添加する段階、ならびに
(c)細胞溶解を測定し、それによって、組成物の補体依存性細胞傷害性を測定する段階
を含む。

0091

本明細書において報告される1つの局面は、2つの単一特異性抗体の組合せまたは二重特異性抗体の補体依存性細胞傷害性を測定するための方法であり、
(i)第1の単一特異性抗体は、第1の抗原上の第1のエピトープに特異的に結合し、第2の単一特異性抗体は、第1の抗原上もしくは第2の抗原上の第2のエピトープに特異的に結合するか、または
(ii)二重特異性抗体は、第1の抗原上の第1のエピトープに特異的に結合する第1の結合部位、および第1の抗原上もしくは第2の抗原上の第2のエピトープに特異的に結合する第2の結合部位を含み、
この方法は、
(a)第1の抗原を発現するかまたは第1の抗原と第2の抗原とを発現する上皮由来のヒトがん腫細胞を、2つの単一特異性抗体の組合せと共にまたは二重特異性抗体および抗mCRP抗体混合物と共にインキュベートする段階、
(b)(a)の混合物に正常なヒト血清およびウサギ補体を添加する段階、ならびに
(c)細胞溶解を測定し、それによって、2つの単一特異性抗体の組合せまたは二重特異性抗体の補体依存性細胞傷害性を測定する段階
を含む。

0092

ヒト化抗体
典型的には、治療用物質として使用しようとする非ヒト抗体をヒト化して、非ヒト親抗体の特異性および親和性を保持しつつ、ヒトに対する免疫原性を低下させる。通常、ヒト化抗体は、HVR、例えばCDR(またはその一部分)が非ヒト抗体に由来し、FR(またはその一部分)がヒト抗体配列に由来する、1つまたは複数の可変ドメインを含む。また、ヒト化抗体は、完全長ヒト定常領域についての少なくとも1つの部分も任意で含む。いくつかの態様において、ヒト化抗体中のいくつかのFR残基は、例えば、抗体の特異性または親和性を回復させるか、または向上させるために、非ヒト抗体(例えば、HVR残基の由来元である抗体)に由来する対応する残基で置換されている。

0093

ヒト化抗体およびそれらを作製する方法は、例えば、Almagro, J.C. and Fransson, J., Front. Biosci. 13 (2008) 1619-1633において概説されており、例えば、Riechmann, I. et al., Nature 332 (1988) 323-329; Queen, C. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86 (1989) 10029-10033; US5,821,337、US7,527,791、US6,982,321、およびUS7,087,409; Kashmiri, S.V., et al., Methods36 (2005) 25-34(特異性決定領域(SDR)グラフティングを説明); Padlan, E.A., Mol. Immunol. 28 (1991) 489-498(「リサーフシング」を説明); Dall’Acqua, W.F., et al., Methods 36 (2005) 43-60(「FRシャッフリング」を説明); Osbourn, J., et al., Methods 36 (2005) 61-68;およびKlimka, A., et al., Br. J. Cancer 83 (2000) 252-260(FRシャッフリングに取り組む「導かれた選択」アプローチを説明)においてさらに説明されている。

0094

ヒト化のために使用され得るヒトフレームワーク領域には、「ベストフィット」法(例えば、Sims, M.J., et al., J. Immunol. 151 (1993) 2296-2308を参照されたい)を用いて選択されたフレームワーク領域;特定のサブグループ軽鎖可変領域または重鎖可変領域のヒト抗体コンセンサス配列に由来するフレームワーク領域(例えば、Carter, P., et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89 (1992) 4285-4289;およびPresta, L.G., et al., J. Immunol. 151 (1993) 2623-2632を参照されたい);ヒト成熟(体細胞性に変異した)フレームワーク領域またはヒト生殖系列フレームワーク領域(例えば、Almagro, J.C. and Fransson, J., Front. Biosci. 13 (2008) 1619-1633を参照されたい);およびFRライブラリーをスクリーニングして得られたフレームワーク領域(例えば、Baca, M., et al., J. Biol. Chem. 272 (1997) 10678-10684およびRosok, M.J., et al., J. Biol. Chem. 271 (19969 22611-22618を参照されたい)が含まれるが、それらに限定されるわけではない。

0095

多重特異性抗体
特定の態様において、本明細書において報告される方法において使用される抗体は、多重特異性抗体、例えば二重特異性抗体である。多重特異性抗体は、少なくとも2つの異なる部位/抗原/エピトープに対する結合特異性を有しているモノクローナル抗体である。特定の態様において、二重特異性抗体は、同じ抗原の2つの異なるエピトープに結合し得る。二重特異性抗体は、完全長抗体または抗体断片として調製することができる。

0096

多重特異性抗体を作製するための技術には、異なる特異性を有している2つの免疫グロブリン重鎖-軽鎖対の組換え同時発現(Milstein, C. and Cuello, A.C., Nature 305 (1983) 537-540、WO93/08829、およびTraunecker, A., et al.,EMBO J. 10 (1991) 3655-3659を参照されたい)および「ノブインホール遺伝子工学(例えばUS5,731,168を参照されたい)が含まれるが、それらに限定されるわけではない。また、抗体Fcヘテロ二量体分子を作製するための静電気的ステアリング効果を遺伝子工学により改変すること(WO2009/089004を参照されたい);2つまたはそれ以上の抗体または断片を架橋すること(例えば、US4,676,980およびBrennan, M., et al., Science 229 (1985) 81-83を参照されたい);二重特異性抗体を作製するためのロイシンジッパーを用いること(例えば、Kostelny, S.A., et al., J. Immunol. 148 (1992) 1547-1553を参照されたい);二重特異性抗体断片を作製するための「ダイアボディ」技術を用いること(例えば、Holliger, P., et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90 (1993) 6444-6448を参照されたい);単鎖Fv(sFv)二量体を用いること(例えば、Gruber, M., et al., J. Immunol. 152 (1994) 5368-5374を参照されたい);および例えばTutt, A., et al., J. Immunol. 147 (1991) 60-69で説明されているように三重特異性抗体を調製することによって、多重特異性抗体を作製することもできる。

0097

オクトパス抗体」を含む、3つまたはそれ以上の機能的抗原結合部位を有している遺伝子工学により改変された抗体もまた、本明細書に含まれる(例えばUS2006/0025576を参照されたい)。

0098

抗体にはまた、「二重作用性Fab」または「DAF」も含まれる(例えばUS2008/0069820を参照されたい)。

0099

本明細書の抗体または断片にはまた、WO2009/080251、WO2009/080252、WO2009/080253、WO2009/080254、WO2010/112193、WO2010/115589、WO2010/136172、WO2010/145792、およびWO2010/145793において説明されている多重特異性抗体も含まれる。

0100

組換え方法および組成物
抗体は、例えば、US4,816,567において説明されているようにして、組換え方法および組成物を用いて作製することができる。発現のためには、抗体の個々のポリペプチド鎖をコードする核酸が必要である。このような核酸は、抗体のVLを含むアミノ酸配列および/または抗体のVHを含むアミノ酸配列(例えば、抗体の軽鎖および/または重鎖)をコードし得る。さらなる態様において、このような核酸を含む1つまたは複数のベクター(例えば発現ベクター)が提供される。さらなる態様において、このような核酸を含む宿主細胞が提供される。1つのそのような態様において、宿主細胞は、(1)抗体のVLを含むアミノ酸配列および抗体のVHを含むアミノ酸配列をコードする核酸を含むベクター、または(2)抗体のVLを含むアミノ酸配列をコードする核酸を含む第1のベクターおよび抗体のVHを含むアミノ酸配列をコードする核酸を含む第2のベクターを含む(例えば、それらを用いて形質転換されている)。1つの態様において、宿主細胞は、真核生物性、例えばチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞またはリンパ系細胞(例えば、Y0細胞、NS0細胞、Sp20細胞)である。1つの態様において、抗体を作製する方法が提供され、この方法は、抗体の発現に適した条件下で、上記に提供されるような抗体をコードする核酸を含む宿主細胞を培養する段階、および任意で、宿主細胞(または宿主細胞培地)から抗体を回収する段階を含む。

0101

抗体を組換え作製する場合、例えば前述したような抗体をコードする核酸は、単離され、宿主細胞におけるその後のクローニングおよび/または発現のために、1つまたは複数のベクター中に挿入される。このような核酸は、従来の手順を用いて(例えば、抗体の重鎖および軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合することができるオリゴヌクレオチドプローブを用いることによって)、容易に単離および配列決定され得る。

0102

抗体をコードするベクターのクローニングまたは発現に適した宿主細胞には、本明細書において説明する原核細胞または真核細胞が含まれる。例えば、抗体は、グリコシル化およびFcエフェクター機能が必要とされない場合には特に、細菌において作製することができる。細菌における抗体断片および抗体ポリペプチドの発現については、例えば、US5,648,237、US5,789,199、およびUS5,840,523を参照されたい;また、大腸菌(E.coli)における抗体断片の発現を説明しているCharlton, K.A., In: Methodsin Molecular Biology, Vol. 248, Lo, B.K.C. (ed.), Humana Press, Totowa, NJ (2003), pp. 245-254も参照されたい)。発現後、抗体は、可溶性画分中の細菌細胞ペーストから単離することができ、さらに精製することができる。

0103

原核生物に加えて、糸状菌または酵母などの真核微生物も、抗体をコードするベクターのための適切なクローニング宿主または発現宿主であり、これらには、グリコシル化経路が「ヒト化」されており、その結果、部分的または全面的にヒトグリコシル化パターンを有している抗体を産生する真菌株および酵母株が含まれる(Gerngross, T.U., Nat. Biotech. 22 (2004) 1409-1414;およびLi, H., et al., Nat. Biotech. 24 (2006) 210-215を参照されたい)。

0104

グリコシル化抗体の発現のために適した宿主細胞はまた、多細胞生物(無脊椎動物および脊椎動物)にも由来する。無脊椎動物細胞の例には、植物細胞および昆虫細胞が含まれる。昆虫細胞と組み合わせて、特にスポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)細胞のトランスフェクションのために使用され得る多数のバキュロウイルス株が同定されている。

0105

植物細胞培養物もまた、宿主として使用することができる(例えば、US5,959,177、US6,040,498、US6,420,548、US7,125,978、およびUS6,417,429(トランスジェニック植物において抗体を作製するためのPLANTIBODIES(商標)技術を説明している)を参照されたい)。

0106

脊椎動物細胞もまた、宿主として使用され得る。例えば、懸濁液中で増殖するように順応させた哺乳動物細胞株が、有用である場合がある。有用な哺乳動物宿主細胞株の他の例は、SV40によって形質転換されたサル腎臓CV1株(COS-7);ヒト胚性腎臓株(例えばGraham, F.L., et al., J. Gen Virol. 36 (1977) 59-74で説明されている293または293細胞);仔ハムスター腎臓細胞(BHK);マウスセルトリ細胞(例えば、Mather, J.P., Biol. Reprod. 23 (1980) 243-252で説明されているTM4細胞);サル腎臓細胞(CV1);アフリカミドリザル腎臓細胞(VERO-76);ヒト子宮頸部がん腫細胞(HELA);イヌ腎臓細胞(MDCK);バッファローラット肝臓細胞(BRL3A);ヒト肺細胞(W138);ヒト肝臓細胞(Hep G2);マウス乳房腫瘍(MMT060562);例えば、Mather, J.P., et al., Annals N.Y. Acad. Sci. 383 (1982) 44-68で説明されている、TRI細胞;MRC5細胞;およびFS4細胞である。他の有用な哺乳動物宿主細胞株には、DHFR-CHO細胞(Urlaub, G., et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77 (1980) 4216-4220)を含むチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞;ならびにY0、NS0、およびSp2/0などの骨髄腫細胞株が含まれる。抗体作製に適したいくつかの哺乳動物宿主細胞株の概要については、例えば、Yazaki, P. and Wu, A.M., Methodsin Molecular Biology, Vol. 248, Lo, B.K.C. (ed.), Humana Press, Totowa, NJ (2004), 255-268を参照されたい。

0107

薬学的製剤
抗体の薬学的製剤は、所望の程度の純度を有しているそのような抗体を1種類または複数種類の任意の薬学的に許容される担体(Remington's Pharmaceutical Sciences, 16th edition, Osol, A. (ed.) (1980))と混合することによって、凍結乾燥製剤または水性液剤の形態で調製される。通常、薬学的に許容される担体は、使用される投与量および濃度において受け手にとって非毒性であり、限定されるわけではないが、次のものが含まれる:リン酸クエン酸、および他の有機酸などの緩衝剤;アスコルビン酸およびメチオニンを含む抗酸化剤;保存剤(オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド;塩化ヘキサメトニウム;塩化ベンザルコニウム;塩化ベンゼトニウム;フェノールブチルアルコールもしくはベンジルアルコール;メチルパラベンもしくはプロピルパラベンなどのアルキルパラベン;カテコール;レゾルシノール;シクロヘキサノール;3-ペンタノール;およびm-クレゾールなど);低分子量(約10残基未満の)ペプチド;血清アルブミン、ゼラチン、もしくは免疫グロブリンなどのタンパク質;ポリ(ビニルピロリドン)のような親水性ポリマー;グリシングルタミンアスパラギンヒスチジンアルギニン、もしくはリジンなどのアミノ酸;グルコースマンノース、もしくはデキストリンを含む、単糖類二糖類、および他の炭水化物;EDTAのようなキレート剤;スクロースマンニトールトレハロース、もしくはソルビトールなどの糖;ナトリウムのような塩を形成する対イオン;金属複合体(例えばZn-タンパク質複合体);ならびに/またはポリエチレングリコール(PEG)のような非イオン系界面活性剤。本明細書における例示的な薬学的に許容される担体には、さらに、可溶性中性活性ヒアルロニダーゼ糖タンパク質(sHASEGP)のような侵入型薬物分散剤、例えば、rhuPH20(HYLENEX(登録商標)、Baxter International, Inc.)のようなヒト可溶性PH-20ヒアルロニダーゼ糖タンパク質が含まれる。rhuPH20を含む、いくつかの例示的なsHASEGPおよび使用方法は、US2005/0260186およびUS2006/0104968において説明されている。1つの局面において、sHASEGPは、コンドロイチナーゼのような1種類または複数種類の追加のグリコサミノグリカナーゼと組み合わせられる。

0108

例示的な凍結乾燥抗体製剤が、US6,267,958において説明されている。水性抗体製剤には、US6,171,586およびWO2006/044908において説明されているものが含まれ、後者の製剤は、ヒスチジン-酢酸緩衝液を含む。

0109

前記製剤はまた、治療される個々の適応症に対する必要に応じて複数の有効成分、好ましくは、補完的な活性を有しており、互いに悪影響を及ぼさないものも含んでよい。このような有効成分は、意図される目的のために有効な量で組み合わせられて存在するのが適切である。

0110

有効成分は、例えば、コアセルベーション技術もしくは界面重合により調製されたマイクロカプセル中に、例えば、それぞれ、ヒドロキシメチルセルロースマイクロカプセルもしくはゼラチンマイクロカプセルおよびポリ(メチルメタクリラート)マイクロカプセル中に、コロイド薬物送達系(例えば、リポソームアルブミンマイクロスフェアマイクロエマルジョンナノ粒子、およびナノカプセル)中に、またはマクロエマルジョン中に閉じ込めることができる。このような技術は、Remington's Pharmaceutical Sciences, 16th edition, Osol, A.(ed.) (1980)で開示されている。

0111

徐放性調製物を調製することができる。徐放性調製物の適切な例には、抗体を含む固体疎水性ポリマー半透性マトリックスが含まれ、これらのマトリックスは、造形品、例えばフィルム、またはマイクロカプセルの形態で存在する。

0112

インビボ投与のために使用される製剤は通常滅菌済みである。無菌状態は、例えば、滅菌ろ過膜に通してろ過することによって、容易に実現することができる。

0113

治療方法および組成物
本明細書において提供される方法を用いて選択された組成物、すなわち、抗体組合せまたは多重特異性抗体のいずれも、治療方法で使用することができる。

0114

1つの局面において、医薬として使用するための、本明細書において報告される方法を用いて選択される組成物が提供される。特定の態様において、治療方法において使用するための、本明細書において報告される方法を用いて選択される組成物が提供される。特定の態様において、本発明は、本明細書において報告される方法を用いて選択される組成物の有効量を個体に投与する段階を含む、個体を治療する方法において使用するための、本明細書において報告される方法を用いて選択される組成物を提供する。1つのこのような態様において、この方法は、少なくとも1種類の追加の治療物質の有効量を個体に投与する段階をさらに含む。上記の態様のいずれかに記載の「個体」は、好ましくはヒトである。

0115

さらなる局面において、本発明は、医薬を製造または調製する際の、本明細書において報告される方法を用いて選択される組成物の使用を提供する。さらなる態様において、本明細書において報告される方法を用いて選択される組成物は、本明細書において報告される方法を用いて選択される組成物の有効量を疾患に罹患している個体に投与する段階を含む、疾患を治療する方法において使用するためのものである。1つのこのような態様において、この方法は、少なくとも1種類の追加の治療物質の有効量を個体に投与する段階をさらに含む。上記の態様のいずれかに記載の「個体」は、ヒトであってよい。

0116

さらなる局面において、本発明は、疾患を治療するための方法を提供する。1つの態様において、この方法は、本明細書において報告される方法を用いて選択される組成物の有効量を、そのような疾患に罹患している個体に投与する段階を含む。1つのこのような態様において、この方法は、少なくとも1種類の追加の治療物質の有効量を個体に投与する段階をさらに含む。上記の態様のいずれかに記載の「個体」は、ヒトであってよい。

0117

さらなる局面において、本発明は、例えば、上記の治療方法のいずれかにおいて使用するための、本明細書において報告される方法を用いて選択される組成物を含む薬学的製剤を提供する。1つの態様において、薬学的製剤は、本明細書において報告される方法を用いて選択される組成物のいずれかおよび薬学的に許容される担体を含む。別の態様において、薬学的製剤は、本明細書において報告される方法を用いて選択される組成物のいずれかおよび少なくとも1種類の追加の治療物質を含む。

0118

本明細書において報告される方法を用いて選択される組成物は、治療法において単独でまたは他の作用物質と組み合わせて使用することができる。例えば、本明細書において報告される方法を用いて選択される組成物は、少なくとも1種類の追加の治療物質と同時投与されてよい。

0119

前述のこのような併用療法は、併用投与(2種類またはそれ以上の治療物質が同じ製剤または別々の製剤に含まれる)、ならびに個別投与を包含し、個別投与の場合、本明細書において報告される方法を用いて選択される組成物の投与は、1種類または複数種類の追加の治療物質の投与の前、同時、および/または後に行われてよい。1つの態様において、本明細書において報告される方法を用いて選択される組成物の投与および追加の治療物質の投与は、互いから約1ヶ月以内に、または約1、2、もしくは3週間以内に、または約1、2、3、4、5、もしくは6日以内に、行われる。

0120

本明細書において報告される方法を用いて選択される組成物(および任意の追加の治療物質)は、非経口投与肺内投与、および鼻腔内投与、ならびに局所的治療のために望ましいならば、病巣内投与を含む、任意の適切な手段によって投与することができる。非経口注入には、筋肉内投与静脈内投与動脈内投与、腹腔内投与、または皮下投与が含まれる。投薬は、投与が短時間であるかまたは長期的であるかにある程度応じて、任意の適切な経路によって、例えば、静脈内注射または皮下注射などの注射によって行うことができる。限定されるわけではないが、単回投与または様々な時点に渡る複数回投与ボーラス投与、およびパルス注入を含む様々な投薬スケジュールが、本明細書において企図される。

0121

本明細書において報告される方法を用いて選択される組成物は、医学行動規範(good medical practice)と一致する様式で製剤化され、分量を決定され(dosed)、投与される。この状況で考慮すべき因子には、治療される個々の障害、治療される個々の哺乳動物、個々の患者臨床状態、障害の原因、作用物質の送達部位投与方法、投与スケジューリング、および医師に公知である他の因子が含まれる。本明細書において報告される方法を用いて選択される組成物は、そうする必要はないが、任意で、問題の障害を予防または治療するのに現在使用されている1種類または複数種類の作用物質と共に製剤化される。このような他の作用物質の有効量は、製剤中に存在する成分の量、障害または治療のタイプ、および上記の他の因子に依存する。これらは通常、本明細書において説明するのと同じ投与量および投与経路で、もしくは本明細書において説明する投与量の約1〜99%で、または適切であると実験的に/臨床的に判定される任意の投与量および任意の経路で、使用される。

0122

疾患を予防または治療する際、(単独で使用される場合、または1種類もしくは複数種類の他の追加の治療物質と組み合わせて使用される場合の)本明細書において報告される方法を用いて選択される組成物の適切な投与量は、治療しようとする疾患のタイプ、組成物のタイプ、疾患の重症度および経過、その組成物が予防目的で投与されるのかまたは治療目的で投与されるのか、以前の治療法、患者の臨床歴および組成物に対する応答、ならびに主治医の判断によって決まる。本明細書において報告される方法を用いて選択される組成物は、1回で、または一連の治療の間、患者に適宜投与される。疾患のタイプおよび重症度によって、約1μg/kg〜15mg/kg(例えば0.5mg/kg〜10mg/kg)の組成物が、患者に投与するための最初の候補投与量であることができ、例えば、1回または複数回の個別投与によるか持続注入によるかを問わない。1つの典型的な1日投与量は、前述の因子に応じて、約1μg/kg〜100mg/kgまたはそれ以上の範囲に及び得る。数日間またはそれより長い期間に渡る反復投与の場合、病態に応じて、疾患症状の所望の抑制が起こるまで、通常、治療は継続される。組成物の1つの例示的な投与量は、約0.05mg/kg〜約10mg/kgの範囲であろう。したがって、約0.5mg/kg、2.0mg/kg、4.0mg/kg、もしくは10mg/kg(またはその任意の組合せ)という1種類または複数種類の用量が、患者に投与され得る。このような用量は、断続的に、例えば、毎週または3週間毎に(例えば、患者に抗体が約2〜約20回、または例えば約6回与えられるように)投与されてよい。最初に多めの負荷用量、続いて、1回または複数回の少なめの用量を投与してよい。しかしながら、他の投与計画が有用である場合がある。この治療法の経過は、従来の技術およびアッセイ法を用いて容易にモニターされる。

0123

III 実施例
以下は、本発明の方法および組成物の例である。上記に提供した一般的説明前提として、他の様々な態様が実施され得ることが理解される。

0124

材料および方法
組換えDNA技術
Sambrook, J.et al., Molecular cloning: A laboratory manual; Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, New York, 1989において説明されているように、標準的方法を用いてDNAを操作した。分子生物学試薬は、製造業者取扱い説明書に従って使用した。

0125

遺伝子およびオリゴヌクレオチドの合成
所望の遺伝子セグメントは、Geneart GmbH(Regensburg, Germany)において化学合成によって調製された。合成された遺伝子断片を、増殖/増幅のために大腸菌プラスミド中にクローニングした。サブクローニングされた遺伝子断片のDNA配列は、DNA配列決定によって確認した。あるいは、化学合成したオリゴヌクレオチドをアニールすることによって、またはPCRによって、短い合成DNA断片を組み立てた。個々のオリゴヌクレオチドは、metabion GmbH(Planegg-Martinsried, Germany)によって調製された。

0126

試薬
市販の化学製品、抗体、およびキットはすべて、別段の記載が無い限り、製造業者のプロトコールに従って定められているように使用した。

0127

材料

0128

細胞株

0129

細胞増殖培地

0130

抗体

0131

組換えによって作製された抗体
トラスツズマブ
軽鎖:

重鎖:

ペルツズマブ
軽鎖:

重鎖:

二重特異性抗HER2抗体、軽鎖
軽鎖:

重鎖1(ノブ、トラスツズマブ):

重鎖2(ホール、ペルツズマブ):

二重特異性抗HER2抗体、CrossMab型:
重鎖1:

重鎖2:

軽鎖1:

軽鎖2:

0132

発現
(a)発現プラスミド構築
重鎖および軽鎖をコードする発現プラスミドの構築にはいずれも、以下の発現ベクターを使用した。このベクターは以下のエレメント:
-選択マーカーとしてのヒグロマイシン耐性遺伝子
-エプスタイン・バー(Epstein-Barr)ウイルス(EBV)の複製起点oriP、
-大腸菌においてこのプラスミドが複製するのを可能にするベクターpUC18由来の複製起点、
- 大腸菌にアンピシリン耐性を与えるβ-ラクタマーゼ遺伝子
-ヒトサイトメガロウイルス(HCMV)由来の最初期エンハンサーおよびプロモーター
-ヒト免疫グロブリンポリアデニル化(「ポリA」)シグナル配列
から構成される。

0133

重鎖または軽鎖を含む免疫グロブリン遺伝子遺伝子合成によって調製し、前述のようにpGA18(ampR)プラスミド中にクローニングした。可変重鎖構築物は、独特制限酵素部位を用いて、方向性をもつクローニングによって構築した。可変軽鎖構築物は、VLおよびCLを含む遺伝子合成物として注文し、独特な制限酵素部位を用いて、方向性をもつクローニングによって構築した。この最終的な発現ベクターを大腸菌細胞に形質転換し、発現プラスミドDNAを単離し(ミニプレップ(Miniprep))、制限酵素解析、およびDNA配列決定に供した。正確なクローンをLB-Amp培地150ml中で増殖させ、再びプラスミドDNAを単離し(マキシプレップ(Maxiprep))、配列の完全性をDNA配列決定によって確認した。

0134

(b)HEK293細胞における免疫グロブリン変種の一過性発現
製造業者の取扱い説明書に従って(Invitrogen, USA)FreeStyle(商標)293発現系を用いて、ヒト胎児由来腎臓293-F細胞を一過性トランスフェクションすることによって、組換え免疫グロブリンを発現させた。小規模試験発現のために、HEK293F細胞0.5×106個/mLを30mL、トランスフェクションの1日前に播種した。翌日、プラスミドDNA(1mLの培養体積当たり1μgのDNA)を、Opti-MEM(登録商標)I低血清培地(Invitrogen, Carlsbad, CA, USA)1.2mLと混合し、続いて、293フェクチン(商標)トランスフェクション試薬(Invitrogen, Carlsbad, CA, USA)40μLを添加した。この混合物を室温で15分間インキュベートし、細胞に一滴ずつ添加した。トランスフェクション後1日目に、各フラスコに、L-グルタミン(200mM、Sigma-Aldrich, Steinheim, Germany)300μLおよびアミノ酸、糖、微量元素、RPMIを含まないFreeStyle培地を含むフィード600μLを加えた。トランスフェクション後3日目に、培地中の細胞の濃度、生存度、およびグルコース濃度を、生死細胞オートアナライザー(Vi-CELL(商標)XR、Beckman Coulter, Fullerton, CA, USA)およびグルコースメーター(Accu-CHEK(登録商標)センサーコンフォート(Sensor comfort)、Roche Diagnostics GmbH, Mannheim, Germany)を用いて測定した。さらに、各フラスコに、L-グルタミン300μL、非必須アミノ酸溶液(PANTM Biotech, Aidenbach, Germany)300μL、ピルビン酸ナトリウム(100mM、Gibco, Invitrogen)300μL、フィード1.2mlおよびad 5g/Lグルコース(D-(+)-グルコース溶液45%、Sigma)を加えた。最後に、トランスフェクション後6日目に、X3R Multifuge (Heraeus, Buckinghamshire, England)を用いて3500rpm、周囲温度で15分間遠心分離することによって抗体を回収し、上清をSteriflipフィルターユニット(0.22μm Millipore ExpressPLUS PESメンブレン、Millipore, Bedford, MA)に通して滅菌ろ過し、後で使用するまで-20℃で保存した。5Lまでの大規模トランスフェクションは、直線的に量を増やした。

0135

(c)精製
Protein A-Sepharose(商標)(GE Healthcare, Sweden)を用いるアフィニティークロマトグラフィーおよびSuperdex200サイズ排除クロマトグラフィーによって、二重特異性抗体を細胞培養上清から精製した。簡単に説明すると、ろ過した滅菌済み細胞培養上清を、PBS緩衝液(10mM Na2HPO4、1mM KH2PO4、137mM NaCl、および2.7mM KCl、pH7.4)で平衡にしたHiTrap Protein A HP(5mL)カラムに添加した。未結合タンパク質は、平衡緩衝液で洗い流した。0.1Mクエン酸緩衝液、pH2.8を用いて抗体および抗体変種を溶出させ、0.1mLの1M Tris、pH8.5を用いてタンパク質含有画分を中和した。溶出させたタンパク質画分を集め、Amicon Ultra遠心ろ過装置(MWCO:30K、Millipore)を用いて体積3mLまで濃縮し、20mMヒスチジン、140mM NaCl、pH6.0で平衡化したSuperdex200 HiLoad 120mL 16/60ゲルろ過カラム(GE Healthcare, Sweden)に載せた。高分子量凝集物が5%未満である、精製された二重特異性抗体および対照抗体を含む画分を集め、1.0mg/mLの分取物として-80℃で保存した。

0136

(d)タンパク質定量
予め充填されたPoros(登録商標)A Protein Aカラム(Applied Biosystems, FosterCity, CA, USA)と共に自動Ultimate 3000システム(Dionex, Idstein, Germany)を用いて、アフィニティークロマトグラフィーによってタンパク質を定量した。試料はすべて、緩衝液A(0.2M Na2HPO4・[2H2O]、pH7.4)で添加し、緩衝液B(0.1Mクエン酸、0.2M NaCl、pH2.5)で溶出させた。タンパク質濃度を測定するために、全試料に対して吸光係数1.62を使用した。

0137

(e)精製したタンパク質の解析
280nmにおける光学濃度(OD)を測定し、アミノ酸配列に基づいて算出したモル吸光係数を用いることによって、精製したタンパク質試料のタンパク質濃度を決定した。還元剤(5mM 1,4-ジチオトレイトール)の存在下および非存在下でのSDS-PAGEならびにクーマシーブリリアントブルーを用いた染色によって、二重特異性抗体および対照抗体の純度および分子量を解析した。NuPAGE(登録商標)Pre-Castゲルシステム(Invitrogen, USA)を製造業者の取扱い説明書に従って使用した(4〜20%トリス-グリシンゲル)。二重特異性抗体試料および対照抗体試料凝集物含有量を、200mM KH2PO4、250mM KCl、pH7.0のランニング緩衝液において25℃でSuperdex200分析用サイズ排除カラム(GE Healthcare, Sweden)を用いる高速SECによって解析した。タンパク質25μgを流速0.5mL/分でカラムに注入し、50分間に渡って無勾配で溶出させた。ペプチド-N-グリコシダーゼF(Roche Molecular Biochemicals)を用いる酵素処理によってN-グリカンを除去した後、還元された二重特異性抗体の軽鎖および重鎖のアミノ酸主鎖の完全性をNanoElectrospray Q-TOF質量分析法によって検証した。

0138

(f)分析的HPLC
TSK-GEL G3000SWゲルろ過カラム(7.5mm ID×30cm、Tosohaas Corp., Montgomeryville, PA, USA)と共にAgilent HPLC 1100(Agilent Technologies, Palo Alto, CA, USA)を用いて、抗体を分析した。溶出されたタンパク質18μLを、緩衝液A(300mM NaClに溶かした0.05M K2HPO4/KH2PO4、pH7.5)においてカラムに添加し、サイズに基づいて分離した。

0139

実施例1
様々な補体供給源を用いるアッセイ法
モルモット補体(GPC)を用いるアラマーブルーアセイ
GlutaMax(Gibco、カタログ番号31331-028)を含むDMEM/F12培地を入れた96ウェル平底細胞培養プレート(NUNC、100μL/ウェル)に、細胞20,000個/ウェルとなるようにCHO-K1 Nxre19細胞(IL15RをトランスフェクトしたCHO-K1)を播種した。25μLのIL15-Fc融合ポリペプチド(最終濃度6倍)を添加し、1時間インキュベートした。その後、モルモット補体(Sigma Aldrich、カタログ番号S1639)25μLを添加し、3.5時間インキュベートした。その後、アラマーブルー(Promega)50μLを添加し、37℃/5%CO2で一晩インキュベートした。550nm(励起)および595nm(発光)の波長でプレートを測定した。

0140

データから、Fc領域がない場合でさえどの希釈率においてもモルモット補体は毒性であることが理解できる。

0141

ヒト補体(HUC)を用いるLDHアッセイ法
GlutaMax(Gibco、カタログ番号31331-028)を含むDMEM/F12培地を入れた96ウェル平底細胞培養プレート(NUNC、100μL/ウェル)に、細胞10,000個/ウェルとなるようにCHO-K1 Nxre19細胞(IL15RをトランスフェクトしたCHO-K1)を播種し、一晩培養した。IL15-Fc融合ポリペプチドを添加し(25μL/ウェル、最終濃度5倍)、1時間インキュベートした。増殖培地を除去し、無血清培地で細胞を1回洗浄した。その後、190μL/ウェルの無血清培地および10μLのヒト補体(SigmaAldrich、カタログ番号S1764、c=1mg/mL)を添加した。4時間後、200gでプレートを遠心分離し、100μL/ウェルを別の96ウェル平底プレートに移した。その後、LDH反応ミックス(細胞傷害性検出キット、Roche Diagnostics GmbH, Mannheim, Germany)100μLを添加した。37℃で20分間インキュベーションした後、Tecan Sunriseリーダーを用いて492/690nmで光学濃度(OD)を測定した。

0142

上記のデータから、ヒト補体は用量依存的な補体依存性毒性を発揮しないことが理解できる。

0143

仔ウサギ補体(BRC)を用いるLDHアッセイ法
GlutaMax(Gibco、カタログ番号31331-028)を含むDMEM/F12培地を入れた96ウェル平底細胞培養プレート(NUNC、100μL/ウェル)に、細胞10,000個/ウェルとなるようにCHO-K1 Nxre19細胞(IL15RをトランスフェクトしたCHO-K1)を播種し、一晩培養した。IL15-Fc融合ポリペプチドを添加し(25μL/ウェル、最終濃度5倍)、1時間インキュベートした。その後、1バイアルの仔ウサギ補体(Cedarlane、カタログ番号CL3441)を二回蒸留水1mLで還元した。補体溶液を培地で希釈し、25μLをウェルに添加した。4時間後、200gでプレートを遠心分離し、100μL/ウェルを別の96ウェル平底プレートに移した。その後、LDH反応ミックス(細胞傷害性検出キット、Roche Diagnostic GmbH, Mannheim, Germany)100μLを添加した。37℃で20分間のインキュベーション期間の後、Tecan Sunriseリーダーを用いて492/690nmで光学濃度(OD)を測定した。

0144

BRCは低いバックグラウンド毒性を有しておりかつ用量依存的な補体毒性を示すことが理解できる。

0145

実施例2
BT-474細胞における抗HER2抗体へのC1q結合
約3×105個のBT-474細胞を、10%FCSを含むRPMI1640中で、10μg/mLの指定の抗体と共に上でインキュベートした。氷上で30分間インキュベーションした後、10μg/mLのC1q(Sigma Aldrich、カタログ番号C1740)を添加した。その後、さらに20分間、氷上でインキュベーションを継続した。洗浄後、培地200μLに細胞を再懸濁し、PEで標識した抗C1q抗体(Cedarlane、カタログ番号CL7611PE-SP)で対比染色した。氷上で30分間のインキュベーション期間の後、細胞を2回洗浄し、FACSCanto IIを用いて解析した。

0146

このC1qアッセイ法は、BT-474細胞表面の様々な抗体に組換え補体因子C1qが結合することを示す。

0147

実施例3
BT-474細胞における抗HER2抗体による増殖阻害
1万(1×104)個/ウェルのBT-474細胞を、96ウェル平底プレートに入れた10%FCSを含むRPMI1640培地中で培養した。24時間後、増殖培地を除去し、最終体積が100μLになるまで、量を増やしながら指定の抗体を添加した(培地中で予備混合したもの;200nM、66.7nM、22.2nM、7.4nM、2.5nM、0.8nM、0.3nM、0.1nM)。培養中の生細胞の数を測定するために、CellTiterGlo発光式細胞生存度アッセイ法(Luminescent Cell Viability Assay)を製造業者の取扱い説明書に従って実施した(代謝活性のある細胞の指標としてATPレベルを定量する)。したがって、6日間の培養後、CellTiterGlo反応ミックス(Promega、カタログ番号G7571)100μLを細胞に添加し、振盪しながら2分間インキュベートした。その後、溶解物75μLを別々の96ウェル平底プレート(Costar、カタログ番号3917)に移した。さらに混合した後、製造業者の取扱い説明書に従ってTecan Infiniteリーダーを用いて蛍光を評価し、各IC50値を算出した。

0148

増殖アッセイ法において、抗体がBT-474の増殖を阻害することが示された。

0149

実施例4
BT-474細胞、SK-Br3細胞、およびSK-OV-3細胞における抗HER2抗体によるCDC活性化
1万個/ウェルの細胞(BT-474細胞、SK-Br3細胞、またはSK-OV-3細胞)を96ウェルプレートに播種し、37℃/5%CO2で20時間インキュベートした。その後、培地を除去し、AIM-V培地(Gibco、カタログ番号0870112 DK)100μLで細胞を1回洗浄した。AIM-V培地50μLを各ウェルに入れた。その後、抗体溶液50μL(最終濃度3倍)を添加し、37℃/5%CO2で30分間インキュベートした。AIM-V培地で1:10希釈した仔ウサギ補体(Cedarlane、カタログ番号CL3441、バッチ番号6312)50μLを添加し、インキュベーションを2時間継続した。その後、上清50μLを移し、LDH反応ミックス(Roche Diagnostics GmbH, Mannheim, Germany)50μLと混合した。37℃で15分間さらにインキュベーションした後、TecanSunriseリーダーを用いて490/620nmでの吸光度(Ex.)を測定した。特異的抗体依存性毒性(平均値+/-SD、n=4)を以下のようにして算出した:抗体依存性毒性%=(試料の吸光度−自発的溶解による吸光度/最大溶解時の吸光度-自発的溶解)×100。これらの結果を図1に示す。

0150

BT474細胞、SkBr3細胞、およびSK-OV-3細胞をトラスツズマブ、ペルツズマブ、またはそれらの組合せ(抗体の合計濃度は10μg/mLまたは1μg/mL)と共にインキュベートし、続いて、仔ウサギ補体と2時間インキュベートした。κ軽鎖を有しているヒトIgG1をアイソタイプ対照として使用した。LDH細胞傷害性キット(Roche Diagnostics GmbH, Mannheim, Germany、カタログ番号11644793001)を用い、Tecan sunriseリーダーによって細胞溶解(LDH放出)の読取りを実施した。特異的溶解は、3%トリトン-Xで処理した細胞(最大溶解)に対するシグナルとして示される。実験は、5つ1組で実施した。

0151

このCDCアッセイ法は、仔ウサギ補体の存在下で様々な抗体(型、組合せ)で処理した際の瀕死の細胞/死細胞マーカーとしてのLDHの放出を示す。

0152

実施例5
CDCに関する抗体比の測定
ウェル1つ当たり1万個のSK-OV-3細胞を、ウェル1つ当たり100μLのAIM-V培地(Gibco、カタログ番号0870112-DK)を入れた96ウェル平底プレート(Thermo Scientific、Nunclonデルタ表面)に播種し、37℃および5%CO2で20時間、インキュベートした。インキュベーション期間後、トラスツズマブおよびペルツズマブを最終濃度0.1μg/mL、0.5μg/mL、1μg/mL、5μg/mL、または10μg/mLで含む抗体原液50μLを添加した。ヒトIgG1、κ軽鎖(Sigma、カタログ番号I5154-1MG)を対照として使用した。最大溶解を測定するために、最終濃度1%のトリトン-X(Roche Diagnostics GmbH, Mannheim, Germany、カタログ番号11332481001)を添加した。37℃で30分間インキュベーションした後、仔ウサギ補体原液(Cedarlane、カタログ番号CL3441)50μLを、最終希釈倍率1/30で添加した。その後、これらのプレートを37℃で2時間インキュベートした(最終体積/ウェル=150μL)。細胞傷害性検出キット(Roche Diagnostics GmbH, Mannheim, Germany、カタログ番号11644793001)を用いて、LDH活性を介して細胞溶解の量を測定した。Tecan Sunriseリーダーを用いて490nmおよび620nmで吸光度を測定した。

0153

陽性対照として以下の試料を使用した。

0154

最適な細胞死滅は、0.5:1〜1:1のトラスツズマブ/ペルツズマブ比ならびに0.5:1〜1:1のペルツズマブ/トラスツズマブ比において観察された。比が1:10の場合でさえ、CDCは劇的な影響を受けなかったことから、全体的に見て、このアッセイ法は、抗体比の変化に対して非常に頑強であると考えられた。

0155

実施例6
抗HER2抗体による、CDCを介したBT-474細胞の死滅
1万個/ウェルのBT-474細胞を、96ウェルEプレート(ACEABiosciences Inc.)に播種し、Xcelligence装置においてAIM-V培地中で一晩増殖させた。増殖培地を除去し、無血清AIM-V培地(Gibco)で細胞を1回洗浄した。ウェル1つ当たり50μLのAIM-V培地およびAIM-Vに溶かした50μL抗体(最終濃度3倍)を添加し、20分間インキュベートした。その後、50μLの仔ウサギ補体(Cedarlane)を添加し、細胞指標(CI;細胞の生存度の代表値みなす)を5分毎に測定した。以下の式に従って特異的CDCを算出したが、一方、CIは標準化した細胞指標である。

0156

2つの代表的な時点(反応開始後1時間目および2時間目)に、特異的溶解(すなわち、CDCによって誘導された細胞死)を算出し、図2および以下の表に示した(平均値+/SEM、n=4)。

0157

このCDCアッセイ法は、仔ウサギ補体の存在下で様々な抗体(型、組合せ)で処理した際の瀕死の細胞/死細胞のマーカーとしての細胞指標の変化を示す。

0158

実施例7
ヒト由来の補体に基づくCDCアッセイ法を確立するための試み
SkBr3細胞をトラスツズマブ、ペルツズマブ、またはトラスツズマブおよびペルツズマブの組合せ(抗体総濃度10μg/mL)で感作し、続いて、仔ウサギ補体(BCR、実施例4で説明したとおり)または健常ドナー3名の正常ヒト血清(NHS)(1:50希釈、NHS1、NHS2、NHS3)と共に2時間インキュベーションした。κ軽を有しているヒトIgG1をアイソタイプ対照として使用した。

0159

LDH細胞傷害性キット(Roche Diagnostics GmbH, Mannheim, Germany、カタログ番号11644793001)を用い、Tecan sunriseリーダーによって細胞溶解(LDH放出)の読取りを実施した。平均溶解(単位%)は、3%トリトン-Xで処理した細胞(最大溶解)に対するシグナルである。実験は、3つ1組で実施した。

0160

実施例8
siRNAを介したCD55、CD59、およびCD46のノックダウン
細胞株の作製
CD46、CD55、およびCD59のノックダウンのために、対応するsiRNA(Biospring;CD46カタログ番号203525-A、CD55 カタログ番号203526-A、CD59 カタログ番号203527-A)、1つの対照siRNA(Biospring、カタログ番号203524-A)、およびトランスフェクション試薬リポフェクタミン(Invitrogen、カタログ番号13778-100)でSK-OV-3細胞を処理した。使用量は、製造業者のプロトコールに従った。3日間の培養後、50μL中に細胞1〜2×105個を含む細胞懸濁液およびFACS抗体のマスターミックスを用いて、FACS解析によって細胞表面のCD46、CD55、およびCD59の量を測定した。抗体マスターミックスは、各1μLの抗CD-55-APC抗体(BD Pharmingen、カタログ番号555696)および抗CD59-PE抗体(BD Pharmingen、カタログ番号555764)ならびに10μLの抗CD46-FITC抗体(BD Pharmingen、カタログ番号555949)、10%マウス血清(Southern Biotech、カタログ番号0050-01)、ならびにFACS緩衝液(20μLBSAを含む5mLDPBS)を含んだ。FACS抗体を力価測定して、適切な使用濃度を決定した。アイソタイプ対照のために、20μLのIgG2a、k-FITC(BD Pharmingen、カタログ番号556652)、IgG2a、k-APC(BD Pharmingen、カタログ番号552893)、IgG2a、k-PE(BD Pharmingen、カタログ番号551438)をそれぞれ、10%マウス血清およびFACS緩衝液と共に使用した。細胞を4℃および20rpmで30分間、前述のFACS抗体と共にインキュベートし、氷冷したDPBS緩衝液600μLで洗浄し、Cytofix(BD Pharmingen、カタログ番号554655)200μL中に再懸濁した。FACS Canto IIを用いてFACS解析を実施した。

0161

CD55の顕著なノックアウトが実現した(約80%のノックダウン)。CD59の発現は、約45%、下方調節された。CD46は発現レベルの変化を示していない。

0162

ノックダウン後のCDC
CD46、CD55、およびCD59のノックダウンのために、対応するsiRNA(Biospring;CD46カタログ番号203525-A、CD55 カタログ番号203526-A、CD59 カタログ番号203527-A)およびトランスフェクション試薬リポフェクタミン(Invitrogen、カタログ番号13778-100)でSK-OV-3細胞を処理した。使用量は、製造業者のプロトコールに従った。3日間の培養後、FACS解析によって細胞表面のCD46、CD55、およびCD59の量を測定した(上記を参照されたい)。4日目に、野生型(=siRNAで処理していない)SK-OV-3、(3種類すべてのsiRNAをトランスフェクトされた)SK-OV-3-三重細胞、および(非特異的な対照siRNAをトランスフェクトされた)SK-OV-3-対照siRNAを用いてCDCアッセイ法を実施した。このCDC-アッセイ法のために、ウェル1つ当たり10.000個の細胞を、ウェル1つ当たり100μLのAIM-V培地(Gibco、カタログ番号0870112-DK)を含む96ウェル平底プレート(Thermo Scientific、Nunclonデルタ表面)に播種し、37℃および5%CO2で20時間、インキュベートした。その後、トラスツズマブ、ペルツズマブ、ヒトIgG1、κ(Sigma、カタログ番号I5154)および二重特異性抗HER2抗体(共通の軽鎖)を、最終濃度10μg/mLで試験した。最大溶解を測定するために、最終濃度1%のトリトン-X(Roche Diagnostics GmbH, Mannheim, Germany、カタログ番号11332481001)を使用した。試料はすべて、37℃で30分間インキュベートした。続いて、仔ウサギ補体(BRC)(Cedarlane、カタログ番号CL3441)および正常ヒト血清(NHS)を最終希釈倍率1/30で添加し、これらのプレートを37℃で2時間インキュベートした(最終体積/ウェル=150μL)。細胞傷害性検出キット(Roche Diagnostics GmbH, Mannheim, Germany、カタログ番号11644793001)を用いて、LDH活性を介して細胞溶解の量を測定した。Tecan Sunriseリーダーを用いて490nmおよび620nmで吸光度を測定した。

0163

陽性対照として以下の試料を使用した。

0164

結果を図4に示す。

0165

補体供給源としてNHSが存在する場合、CDCを発揮するにはCD55およびCD59のノックダウンが絶対的に必要である。冗長なsiRNAノックダウン手順は、BRCを使用することによってうまく対処することができる。このアッセイ法は、がん腫細胞表面にmCRPが存在することによる影響を示さなかった。このことは、本明細書において報告されるアッセイ法を(様々な抗体組合せのスクリーニングに加えて)様々な抗体形態のハイスループットスクリーニングに使用するための必要条件であり、または他のCDCアッセイ法の陽性対照として明白である。

0166

陽性対照は、このCDCアッセイ法が機能していることを示した。SK-OV-3、SK-OV-3-三重KO、およびSK-OV-3-対照siRNAのOD490/620nmおよび特異的細胞傷害性(%)を比較したところ、対照siRNAが細胞傷害性を誘導しないことが示された。

0167

実施例9
膜結合型補体調節タンパク質(mCRP)の操作によるCDCアッセイ法
このアッセイ法に影響を及ぼし得る、標的細胞によって産生される制限的因子に打ち勝つために、標的細胞上のmCRP、すなわちCDCプロセスの様々な段階を阻害するタンパク質群、の量を減少させた。

0168

腫瘍細胞上のmCRP(CD46、CD55、およびCD59)を妨害するために阻害性抗mCRP抗体を使用すると、CDCアッセイ法が非常に容易になることが判明している。siRNAを用いる現在確立されている技術は、ピペット操作段階の必要回数が原因となって非常に時間がかかる。本明細書において報告される新しい方法は、NHSと組み合わせた治療用抗体の評価にとって重要な改善である。

0169

各細胞表面mCRPに対して飽和状態となる抗mCRP遮断抗体の希釈率の決定
用量設定した抗mCRP mAbのFACS解析を用いて、がん腫細胞の最大限の染色にちょうど十分である希釈率を決定する。最大蛍光シグナルに比較的近い蛍光シグナルを示している最適希釈率を、1倍飽和濃度として定義した(下記の表において1倍濃度)。

0170

0171

「1倍飽和」濃度の抗mCRP遮断抗体を用いるCDCの解析
NHSおよび未処理のSK-OV3細胞を用いるCDCアッセイ法を、10μg/ml Per+Traの存在下で1倍飽和濃度の阻害性抗mCRP mAbの様々な組合せを用いて実施した。単独の抗mCRP抗体は、CDCに顕著な影響を与えないことを認めることができる。これらの結果を図7および下記の表に示す。

0172

「10倍」濃度の抗mCRP遮断抗体を用いるCDCの解析
NHSおよび未処理のSK-OV3細胞を用いるCDCアッセイ法を、10μg/ml Per+Traの存在下で10倍飽和濃度の阻害性抗mCRP mAbの様々な組合せを用いて実施した。

0173

1倍飽和濃度の抗mCRP遮断mAbは、10倍飽和濃度の抗mCRP mAbよりもはるかに少ないCDC溶解を示すことを認めることができる。10倍飽和濃度の抗mCRP mAbは、NHSを用いる腫瘍細胞のCDC溶解を顕著に増大させる。各阻害抗体組合せ、すなわちCD55とCD59ならびにCD46とCD55およびCD59とは、mCRP非感受性BRCと比べて、Per+Tra抗体組合せを用いるCDC溶解(41%)と同様の範囲に達する。単独の抗mCRP抗体は、CDCに顕著な影響を与えない(図8および下記の表を参照されたい)。

0174

「10倍」飽和濃度の抗mCRP遮断抗体またはmCRP siRNAを用いるCDCの比較解析
下記のNHS CDCアッセイ法を実施して、mCRPのCDC阻害機能を妨害する効果に関して両方のアプローチ(siRNAおよびmCRP遮断mAb)を比較した。

0175

SK-OV3細胞、SK-OV3(対照siRNA)細胞、またはSK-OV3(三重KO)細胞を、10μg/mlのPer+Traおよび10倍飽和濃度を用いる様々な抗mCRPmAb組合せと組み合わせて使用した。

0176

この比較アッセイ法において、未処理のSK-OV3細胞および10μg/mlのPer+Traを用いた場合の機能的抗mCRPmAbの3種類組合せは、siRNAで処理したSK-OV3(三重KO)細胞(64%溶解)と同レベルのCDC(66%溶解)をもたらす。興味深いことに、3種類すべての抗mCRP mAbの組合せのみが、各mCRP siRNAによるトランスフェクションと同レベルのCDCを誘導する。これらの結果を図9および下記の表に示す。

0177

PerおよびTraを用いずに「10倍」濃度の抗mCRP遮断抗体またはmCRP siRNAを用いるCDCの比較解析
下記のNHS CDCアッセイ法を実施して、各siRNAアプローチを用いる単一実験におけるCDCレベルに対するマウス機能的Fc領域(抗mCRP抗体)の影響を評価した。

0178

SK-OV3細胞、SK-OV3(対照siRNA)細胞、またはSK-OV3(三重KO)細胞を、10倍飽和濃度を用いるmCRP抗体の様々な抗mCRP mAb組合せと組み合わせて使用した。

0179

この対照CDCアッセイ法によって、Per+Traを伴わないマウス抗mCRPmAbそれ自体は、NHSと共にCDCを誘導することができないことが確認される。興味深いことに、NHSのヒト補体成分は、高度に種特異的にヒトPerIgGおよびTra IgGとのみ相互作用してCDCを誘発し、がん腫細胞に3種類の異なるマウスIgG分子が過剰に供給されているという事実にもかかわらず、マウスIgGと相互に作用しない。これらの結果を下記の表および図10に示す。

0180

これらの結果から、ヒト系でのmCRPによるCDC阻害に打ち勝つための労力を要し時間のかかるSiRNAアプローチを、10倍飽和濃度の機能的抗mCRP mAbを用いることによって回避することが可能であることが実証される。

0181

一般的方法
仔ウサギ補体を用いるCDCアッセイ法
このアッセイ法は、抗体によって推進される補体依存性細胞傷害性に起因する溶解細胞の量を測定するために実施した。

0182

初日に、SK-OV3細胞を、100μl増殖培地中にウェル1つ当たり細胞1×10E04個の濃度で96ウェル平底プレート(Thermo Scientific)に播種し、37℃および5%CO2で約20時間インキュベートした。翌日、抗体原液(例えばPer+Tra)をAIM-V無血清培地(Gibco)で希釈して、所望の濃度、主に5μg/mlまたは10μg/mlにした。

0183

最大細胞溶解を得るために、10%の界面活性剤トリトン-X100(Roche Diagnostics GmbH)をAIM-V無血清培地で希釈して、最終濃度を1%/ウェルにした。

0184

100μlのAIM-V無血清培地で細胞を1回洗浄した後、50μlのAIM-V無血清培地を各ウェルに添加した。その後、50μlの抗体原液またはトリトン-X100原液をそれぞれ添加した。残りのウェルを、50μlのAIM-V無血清培地で満たした。次いで、37℃および5%CO2で30分間、細胞をインキュベートした。

0185

インキュベーション期間が終わる直前に、仔ウサギ補体希釈物を調製した。BRC凍結乾燥物(Biozol)をAIM-V無血清培地中に1/10で溶解した。補体希釈物を使用するまで最大15分間、氷上で保存した。補体の陰性対照として、希釈したBRCの分取物を水浴中、59℃で30分間インキュベートした。活性化した補体の希釈物および不活性化した補体の希釈物(各50μl)を、対応するウェルに添加した。これにより、ウェル1つ当たり1/30BRCの最終希釈物を得た。補体の添加後、37℃および5%CO2で2時間、プレートをインキュベートした。続いて、プレートを200gで10分間遠心分離し、50μlの上清を清潔な96ウェル平底プレートに移した。乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)反応ミックス(Roche Diagnostics GmbH)を製品の取扱い説明書に従って調製した。各ウェルに50μlの反応ミックスを添加し、37℃および5%CO2で15分間、インキュベートした。酵素反応を実施して、死細胞の量に等しいLDH活性を測定した。この反応において、テトラゾリウム塩は還元されてホルマザンになった。ホルマザンは、水溶性分子であり、約500nmに吸収極大を有している。ホルマザンの量は、溶解細胞の数と相関があり、したがって、培養上清のLDH活性と相関がある。

0186

光学濃度(OD)は、Infinite M1000 Proリーダー(Tecan)を用いて490nmで光度測定した。620nmでの吸光度を参照として測定した。測定値参照測定値の算出された差異をSpotfire 6.5.3ソフトウェア(TIBCO)を用いて評価した。

0187

各試料を3つ1組として実施した。通常、以下の試料を測定した。
培地対照: これらのウェルでは、細胞をAIM-V無血清培地のみで処理して、CDCに対する培地の効果を測定した。この試料の値は、バックグラウンド測定値としての機能を果たした。
自発的溶解: これらのウェルでは、いかなる抗体も用いずにBRCのみで細胞を処理して、細胞に対する補体の効果を測定した。この試料は、自発的溶解に関する対照としての機能を果たした。
最大溶解: これらのウェルでは、細胞を1%トリトン-Xで処理して、LDHの検出可能な最大放出を測定した。この試料は、最大溶解の測定値としての機能を果たした。
活性補体を伴う抗体: これらのウェルでは、細胞を様々な抗体および活性BRCで処理して、CDCに対する抗体の個々の誘導される効果を測定した。
不活性補体を伴う抗体: これらのウェルでは、細胞を抗体および不活性BRCで処理した。この試料は、活性補体の存在がない場合の抗体の効果を調べるための対照としての機能を果たした。

0188

図5では、標準的なCDCアッセイ法の例示的な設定を示しており、この設定は、Per+Tra以外の他の抗体を使用した場合に陽性対照としての機能を果たした。

0189

誘導される細胞傷害性は、以下のように3つ1組のODの幾何平均によって算出した。

0190

図6では、OD値を特異的細胞傷害性に変換した後のCDCアッセイ法の評価を示している。

0191

最大溶解を常に100%に設定し、自発的溶解を常に0%に設定する。

0192

siRNAトランスフェクション
mCRPをノックダウンするために、後述するようにsiRNAトランスフェクションを実施した。

0193

初日に(d=0)、トランスフェクション時に60〜80%のコンフルエントな状態を達成するように、細胞約2〜3×10E05個/mlの濃度で、細胞を6ウェル平底プレートに播種した。翌日に(d=1)、150μlのOpti-MEM培地(Gibco)を9μlのリポフェクタミンRNAi MAX試薬(Invitrogen)と混合した。次の段階で、濃度10μMの9μlのsiRNA(Biospring)を150μlのOpti-MEM培地と混合した。この段階の後に、両方の希釈物を1:1で反応バイアルに添加し、室温で5分間インキュベートした。インキュベーション後、250μlのこの混合物を1つの6ウェルに添加した。FACSを用いることによって3日後にトランスフェクションの効果を可視化し、解析することができる。この修士論文のために、これらの細胞にCD46 siRNA、CD55 siRNA、およびCD59 siRNAの組合せまたは対照siRNAをトランスフェクトした。

0194

siRNAトランスフェクションを解析するためのFACS染色
FACS染色を実施してsiRNAトランスフェクションの効果を評価した。最初に、細胞2×10E05個/50μlのトランスフェクトされていない細胞、CD46 siRNA、CD55 siRNA、およびCD59 siRNAをトランスフェクトされた細胞、ならびに対照siRNAをトランスフェクトされた細胞を含む細胞懸濁液を調製した。その後、50μlの直接的に標識したmCRP抗体で、ならびに対応するアイソタイプ対照(IC)で、細胞を染色した。この染色に使用した抗体を下記の表に示す。

APC:アロフィコシアニン、FITC:フルオレセインイソチオシアナート、PE:フィコエリトリン、IC:アイソタイプ対照。

0195

これらの細胞を氷上で30分間標識し、その後、200μlの氷冷DPBSで2回洗浄し、350gで5分間遠心分離した。上清を除去し、沈殿物を150μl Cytofixを用いて再懸濁させた。続いて、MACSQuant装置を用いて、FACS解析を実施した。下記の表に示される下記の条件を用いて、腫瘍細胞を解析した。

0196

siRNAトランスフェクション後の、正常ヒト血清を用いるCDCアッセイ法
siRNAトランスフェクションを実施し、このようにしてmCRPを首尾よくノックダウンした後、NHSを用いてこれらの細胞を溶解することができた。このアッセイ法は、本明細書において説明するようにして実施した。1/30BRCを用いる代わりに、このアッセイ法は、1/30NHSを用いて実施した。NHSは前もって作製し、その後-80℃で保存した。

0197

阻害性抗mCRPmAbのFACS力価測定
この実験は、その後のCDCアッセイ法で使用するための、mCRPを妨害する抗mCRP mAbの濃度を標準化するために実施した。

0198

細胞1×10E05個/50μlを含む細胞懸濁液を調製し、様々な抗体濃度(100ng/ml〜10μg/ml)の50μlと共に氷上で30分間インキュベートした。適切な二次抗体を添加する前に、これらの細胞を200μlの氷冷DPBSで2回洗浄し、350gで5分間遠心分離した。二次抗体と共にインキュベーションした後、前述したように細胞を再び2回洗浄した。その後、150μl Cytofix中に細胞を再懸濁し、FACS解析を実施した。

0199

阻害性抗mCRPmAbによるmCRPの妨害
siRNAを用いる労力を要し極めて時間のかかる作業を回避するために、mCRPの妨害のための代替アプローチを実行した。

0200

阻害性抗mCRPmAbを調査した(Christiansen et al., 1996; Harris et al., 1997; Sirena et al., 2004)。

0201

色標準化のために、FACSを用いる力価測定によって、阻害性抗mCRPmAbの最適濃度を測定した。下記の方法で説明するようにして、染色を実施した。

0202

細胞約1〜3×10E05個/50μlの細胞を様々な抗mCRPmAb濃度(100ng/ml、200ng/ml、1μg/ml、2μg/ml、10μg/ml、および20μg/ml)で染色した。氷冷DPBSで2回洗浄した後、一次抗体のアイソタイプに応じて適切な二次mAbを用いて、細胞を染色した。さらに2回の洗浄段階後、染色された細胞を150μlのCytofixを用いて再懸濁した。続いて、MACSQuant装置を用いて、FACS解析を実施した。

0203

FACSドットプロットを解析することによって、標準化された抗体濃度を決定した(データ不掲載)。抗体の希釈率(1倍飽和濃度と推定)を、腫瘍細胞表面で最大限の染色をちょうど示す希釈値に設定した。

0204

1倍濃度を確認した後、NHSを用いるCDCアッセイ法を実施することによって、5種類の抗mCRPmAbの最適コンピレーションを解析した。単独の抗mCRP mAb、mAb対(CD55およびCD59についてのみ)、および3種類mAbの組合せを使用した。阻害性抗mCRP mAbを、治療用抗体(例えばPer+Tra)と同時に添加した。CDCアッセイ法のさらなる成分として抗mCRP遮断mAbを添加することによって、アッセイ法体積の合計は150μlから200μlまで増加した。他のすべての成分(例えば、トリトンXおよびBRCまたはNHS)の原液の濃度は、最大体積200μlを考慮に入れて、それ相応に調整した。

実施例

0205

前述の本発明は、理解を明確にするために、例示および例としていくらか詳しく説明してきたが、これらの説明および例は、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。本明細書に引用されるあらゆる特許および科学文献の開示は、その全体が参照により明確に組み入れられる。

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