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図面 (16)

課題・解決手段

治療的有効量のクロモリンまたはクロモリン誘導体化合物投与することを含む、ニューロン炎症状態、例えばアルツハイマー病パーキンソン病ハンチントン病虚血性脳卒中およびプリオン病処置する方法を本明細書中で記載する。

概要

背景

単球およびミクログリア活性を調整するためのストラテジー、特にミクログリアが介在する神経毒性から保護し得るストラテジーが研究されてきた。(Zhao et al.,“Protective effects of an anti−inflammatory cytokine,interleukin−4,on motoneuron toxicity induced by activated microglia,”J. Neurochem. 2006, 99:1176−1187;Heneka et al.,“NLRP3 is activated in Alzheimer’s disease and contributes to pathology inAPP/PS1 mice,”Nature,2013,493(7434):674−8;Theeriault,et al.,“The dynamics of monocytes and microglia in Alzheimer’s disease,”Alzheimers Res Ther.,2015,7:41;Nau et al.,“Strategies to increase the activity of microglia as efficient protectors of the brain against infections,”Front Cell Neurosci.,2014,8:138.を参照のこと)全般的に見て、各炎症状態アルツハイマー病(AD)および筋萎縮性側索硬化症ALS)などの神経変性疾患病態をどのように調整し得るかをより明確にするためには、より集中的な研究が必要であることは明らかである。単球およびミクログリアの早期活性化は、神経変性を悪化させ得る炎症促進性サイトカイン分泌を誘発することなく、単球およびミクログリアの固有食作用能を増大させるために免疫反応を調整することによって神経変性進行を減速させる可能性がある。

脳内のアミロイド斑および神経原線維変化の存在下での神経炎症反応の役割およびADの病態におけるその関連するニューロン喪失は、十分に確立されており、広く研究されている。Walker et al.,“Immune phenotypes of microglia in human neurodegenerative disease: challenges to detecting microglial polarization in human brains,”Alzheimers Res Ther.,2015,7:56;Theerialut et al.,2015;Wilcock,DM,“A Changing Perspective on the Role of Neuroinflammation in Alzheimer’s Disease,”International Journal of Alzheimer’s Disease,2012,Article ID 495243; McGeer et al.,“Targeting microglia for the treatment of Alzheimer’s disease,”Expert Opin Ther Targets,2015,19(4):497−506を参照のこと。ミクログリア介在性の炎症がADの進行に寄与すること、およびミクログリア細胞アミロイド−β(Aβ)沈着と密接に関連して見出されることが、多数の研究により示されている。(Mandrekar, et al.,“Microglia and Inflammation in Alzheimer’s Disease,”CNSNeurol Disord Drug Targets,2010,9(2):156−167を参照のこと)。

脳に常在するマクロファージであるミクログリアの特性の変化は、それらの微小環境における異なる刺激(例えばサイトカイン)に対するそれらの反応に依存し、その結果、様々な表現型が生じることが知られている。サイトカイン、受容体および他のマーカー発現の変化に基づいて、単球およびマクロファージの状態は、古典的活性化(M1)、選択的活性化(M2a)、タイプII選択的活性化(M2b)および後天的非活性化(acquired deactivation)(M2c)として定義されている。(Walker et al.,2015;Martinez et al.,“Alternative activation of macrophages:an immunologic functional perspective,”Annu Rev Immunol.2009,27:451−83;Mantovani et al.,“The chemokine system in diverse forms of macrophage activation and polarization,”TrendsImmunol.,2004,25:677−686;Sternberg,EM.,“Neural regulation of innate immunity:a coordinated nonspecific host response to pathogens,”Nat Rev Immunol.,2006,6(4):318−28を参照のこと)。最近、多くの研究が、AD脳におけるこれらの表現型の役割を解明し、これらの細胞がAD関連神経炎症に寄与する機序を決定しようとしている。(Mandrekar et al.2012;McGeer et al.,2015;and Wilcock,2012を参照のこと)。

ミクログリアと原線維Aβとの相互作用は、それらの表現型活性化につながるが、最近これが神経保護関与することが示唆された。(Zhao et al.,2006;Figueiredo et al.,“Neuron−microglia crosstalk up−regulates neuronal FGF−2 expression which mediates neuroprotection against excitotoxicity via JNK1/2,”J. Neurochem.,2008 Oct.,107(1):73−85を参照のこと)。マウスおよびヒトの両方において、グリア細胞が、それらの形態学的特徴を変化させ、多数の細胞表面受容体を発現し、病変を取り囲むことにより、AD病理学的病変プラークおよびもつれ)の存在に反応することが多くの研究で示されている。(Perlmutter et al.,“Morphologic association between microglia and senile plaque amyloid in Alzheimer’s disease,”Neurosci Lett.,1990,119:1,32−36;Combs,et al.,“Identification of microglial signal transduction pathways mediating a neurotoxic response to amyloidogenic fragments of β−amyloid and prion proteins,”J. Neurosci.,1999,19:3,928−939を参照のこと)。一方で、AD脳内の細胞細片に反応したマクロファージおよびミクログリアの活性化および続く炎症促進性サイトカインの放出によって、神経変性が加速される。次に、これによって、より多くの細胞細片が生じ、病気の進行が加速する。(Rubio−Perez et al.,“A Review: Inflammatory Process in Alzheimer’s Disease,Role of Cytokines,”Scientific World Journal,2012,756357;McGeer, et al.,“The importance of inflammatory mechanisms in Alzheimer disease,”Exp.Gerontol.1998,33:5,371−378;Akiyama,et al.,“Inflammation and Alzheimer’s disease,”Neurobiol Aging,2000,21(3),383−421;Liu, et al.,“TLR2 is a primary receptor for Alzheimer’s amyloid β peptide to trigger neuroinflammatory activation,”J. Immunol. 2012,188(3):1098−107を参照のこと)。

いくつかの研究は、ミクログリア活性化および、脳内でのアミロイド沈着物減少につながるAD病変の排除におけるその役割に焦点を合わせている。(DiCarlo,et al.,“IntrahippocampalLPSinjections reduce Aβ load inAPP+PS1 transgenic mice,”Neurobiol of Aging,2001,22:6,1007−1012;Herber, et al.,“Time−dependent reduction in Aβ levels after intracranial LPS administration in APP transgenic mice,”Exp.Neurol.,2004,190(1):245−53;Liu,et al.,2012を参照のこと)。Aβを取り囲む常在性ミクログリア細胞が、新たに浸潤したマクロファージまたは単球ほどAβ分解に有効ではない(Theriault,et al.,2015;Varnum,et al.,“The classification of microglial activation phenotypes on neurodegeneration and regeneration in Alzheimer’s disease brain,”Arch.Immunol.Ther.Exp. (Warsz),2012,60(4):251−66を参照のこと)一方で、ミクログリアは実際に原線維性および可溶性Aβを内部に移行させることが可能であるが、これらのペプチドを処理できないことが示されている。(Chung,et al.,“Uptake, degradation,and release of fibrillar and soluble forms of Alzheimer’s amyloid beta−peptide by microglial cells,”J.Biol. Chem.,1999,274:32301−8を参照のこと)。

さらに、ミクログリアは老化の間にM2からM1に偏った活性化表現型に切り替わると推論されている。(Heneka et al.,2013;Varnum,et al.,2012;Gratchev,et al.,“Mphi1 and Mphi2 can be re−polarized by Th2 or Th1 cytokines,respectively,and respond to exogenous danger signals,”Immunobiology,2006,211(6−8):473−486;Colton,et al.,“Expression profiles for macrophage alternative activation genes in AD and in mouse models of AD,”J.Neuroinflammation,2006,3:27を参照のこと)。しかし、脳内の免疫反応がADにおいてどのようにして引き起こされるのか、特に神経炎症が老化に関連する全身性炎症によって引き起こされ得るか否かについては、依然として論争の的となっている。(Theriault,et al.,2015を参照のこと)。ミクログリアの刺激によって、Aβをより効果的に分解するためにそれらの固有の食作用能が増強され得ることが示されており;ミクログリア反応を調整するためのいくつかのストラテジーが提案されている。(Mandrekar,2010;Kiyota,et al.,“CNSexpression of anti−inflammatory cytokine interleukin−4 attenuates Alzheimer’s disease−like pathogenesis inAPP +PS1 bigenic mice,”FASEB J.2010,24:3093−3102;He,et al.,“Deletion of tumor necrosis factor death receptor inhibits amyloid beta generation and prevents learning and memory deficits in Alzheimer’s mice,”J.Cell Biol.,2007,178:829−841;Varnum,et al.,2012を参照のこと)。

ミクログリアは細胞外に沈着したAβペプチドによって活性化されることが示されている(Lotz, et al.,“Amyloid beta peptide 1−40 enhances the action of Toll−like receptor−2 and −4 agonists but antagonizes Toll−like receptor−9−induced inflammation in primary mouse microglial cell cultures,”J.Neurochem.,2005,94:289−298;Reed−Geaghan,et al.,“CD14 and toll−like receptors 2 and 4 are required for fibrillar Aβ−stimulated microglial activation,”J.Neurosci.,2009,29:11982−11992)。これは、インターフェロンγ(IFNγ)、T細胞由来腫瘍壊死因子α(TNFα)または抗原提示細胞の存在に反応したミクログリア活性化と類似している。M1活性化ミクログリアは活性酸素種を産生し得、その結果、TNFαおよびインターロイキンIL)−1βなどの炎症促進性サイトカインの産生が増加し得る。

ミクログリア細胞のM1型反応は、アミロイド負荷量を減少させるが神経原線維変化の病態を悪化させることが示されている。Shaftelら(Shaftel,et al.,“Sustained hippocampalIL−1β overexpression mediates chronic neuroinflammation and ameliorates Alzheimer plaque pathology,”J.Clin.Invest.,2007,117(6):1595−604)は、IL−1β発現が、ADにおける有益な神経炎症反応の根底にあり得、APP/PS1トランスジェニックマウス海馬におけるIL−1β過剰発現の結果、アミロイド負荷量が減少することを示した。著者らは、IL−1βが介在するミクログリアの活性化がアミロイド沈着の減少に対する機序であることを示唆する。さらに、Montgomeryら(Montgomery,et al.,“Ablation of TNF−RI/RII expression in Alzheimer’s disease mice leadsto an unexpected enhancement of pathology:implications for chronic pan−TNF−α suppressive therapeutic strategies in the brain,”Am.J.Pathol.,2011,179(4):2053−70)は、インタクトなTNF受容体シグナル伝達が細胞外アミロイド−ペプチドのミクログリア介在性取り込みに重要であることを示した。M1炎症表現型は、多くの研究においてアミロイド病態を改善するように見える一方、タウトランスジェニックマウスまたは細胞培養におけるM1表現型の誘導の結果、タウ病態が悪化する。(Kitazawa,et al.,“Lipopolysaccharide−induced inflammation exacerbates tau pathology by a cyclin−dependent kinase 5− mediated pathway in a transgenic model of Alzheimer’s disease,”J.Neurosci.,2005,28;25(39):8843−53.;Li,et al.,“Interleukin−1 mediates pathological effects of microglia on tau phosphorylation and on synaptophysin synthesis in cortical neurons through a p38−MAPK pathway,”J.Neurosci.,2003,1;23(5):1605−11を参照のこと)。

マクロファージM2活性化は、抗炎症作用および細胞外マトリクス再編成に寄与することが知られているメディエーターと関連がある(Zhu,et al.,“Acidic mammalian chitinase in asthmatic Th2 inflammation andIL−13 pathway activation”,Science,2004,304(5677):1678−82;Walker,et al.,2015;Wilcock,et al.,2012)。M2a表現型を有するミクログリアは、食作用が向上しており、インスリン様増殖因子−1などの増殖因子およびIL−10などの抗炎症性サイトカインを産生する。IL−4および/またはIL−13によるマクロファージの刺激の結果、創傷治癒マクロファージと呼ばれることがあるM2a状態となり(Edwards,et al.,“Biochemical and functional characterization of three activated macrophage populations,”J.Leukoc Biol.,2006,80(6):1298−307)、これは一般的に、炎症促進性サイトカイン(IL−1、TNFおよびIL−6)の産生が少ないことを特徴とする。M2a反応は主にアレルギー反応、細胞外マトリクス沈着およびリモデリングにおいて観察される。

M2bマクロファージは、それらが、M1活性化の特徴である、高レベルの炎症促進性サイトカインを発現するが、高レベルの抗炎症性サイトカインIL−10も発現するという点で独特である。(MoserDM.,“The many faces of macrophage activation,”J.Leukoc Biol.,2003,73(2):209−12を参照のこと)。

最後に、M2cマクロファージ状態はIL−10によって刺激され、これは制御性マクロファージと呼ばれることがある。M2cマクロファージは、古典的な炎症促進性反応なく、細胞細片の食作用に寄与する抗炎症活性を有する(MoserDM.,2003を参照のこと)。これらの細胞はTGFβおよび高IL−10ならびにマトリクスタンパク質を発現する。(Mantovani, et al.,“The chemokine system in diverse forms of macrophage activation and polarization,”TrendsImmunol.,2004,25:677−686;Wilcock,et al.,2012を参照のこと)。Plunkettら(Plunkett, et al.,“Effects of interleukin−10(IL−10)on pain behavior and gene expression following excitotoxic spinal cord injury in the rat,”Exp.Neurol.,2001;168:144−154)は、IL−10が、グリア活性化および炎症促進性サイトカイン産生の減少を含む抗炎症反応に介在することを報告した。

しかし、M2ミクログリア活性化の機序およびそれがADおよび斑の病態で果たす役割は依然としてよく分かっていない。(Mandrekar,et al.,2010を参照のこと)。さらに、いくつかの研究から、疾患進行に反応してミクログリア活性化状態の切り替えがあることが示唆された(Colton, et al.,2006;Jimenez,et al.,“Inflammatory response in the hippocampus of PS1M146L/APP751SL mouse model of Alzheimer’s disease: age−dependent switch in the microglial phenotype from alternative to classic,”J.Neurosci.,2008,28:11650−11661)。ミクログリア活性化表現型が疾患進行中にM2からM1に切り替わることが動物実験で報告されており(Jimenez,et al.,2008;Nolan,et al.,“Role of interleukin−4 in regulation of age−related inflammatory changes in the hippocampus,”J.Biol.Chem.,2005;280:9354−9362;Maher,et al.,“Downregulation ofIL−4−induced signalling in hippocampus contributes to deficits inLTP in the aged rat,”Neurobiol.Aging,2005,26:717−728)、このことから、年齢とともに選択的表現型よりも古典的活性化表現型が増加することが示唆される。細胞外に沈着したAβによって活性化されたミクログリアが、抗炎症性神経栄養性M2活性化を誘発することによって、および食作用を介してAβを除去することによってニューロンを保護することは、概ね意見が一致している。これは新しい治療標的に対する道筋となる可能性がある。(He,et al.,2007;Yamamoto,et al.,“Interferon−gamma and tumor necrosis factor−alpha regulate amyloid−beta plaque deposition and beta− secretase expression in Swedish mutant APP transgenic mice,”Am.J.Pathol.,2007,170:680−692;Yamamoto,et al.,“Cytokine−mediated inhibition of fibrillar amyloid−beta peptide degradation by human mononuclear phagocytes,”J.Immunol.,2008,181:3877−3886を参照のこと)。

Mantovaniら(Mantovani,et al.,2004)は、M2aミクログリア活性化の重要な修飾因子としてのIL−4の効果を研究した。APP+PS1マウスへのIL−4の遺伝子送達によって、海馬におけるグリア蓄積が一部抑制され、神経発生が直接増強され、空間学習障害回復し、またAβ沈着も減少したことが示された(Kiyota,et al.,2010)。

Yamamotoら(Yamamoto,et al.,2007,2008)は、初代培養ヒト単球由来マクロファージ(MDM)およびミクログリアにおいて炎症促進性および抗炎症性サイトカインを用いてマクロファージ介在性Aβ分解を調べた。これらの研究は、抗炎症性および制御性サイトカインがM2aまたはM2c活性化の上昇およびAβ排除促進につながることを示した。Kiyotaら(Kiyota et al.,2011)は、IL−4の持続的発現により、アストロミクログリオーシス、アミロイド−βペプチド(Aβ)のオリゴマー化および沈着が減少し、神経新生が促進されることを示した。

ミクログリア活性化を調整するためのいくつかのアプローチが、AD処置に対する標的となる可能性があるものとして提案されている。(Theriault, et al.,2015;Cherry, et al.,“Neuroinflammation and M2 microglia: the good,the bad,and the inflamed,”J.Neuroinflammation,2014,11:98;Mandrekar,et al.,2010;Vernum,et al.,2012を参照のこと)。非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)のような抗炎症薬を使用してADの進行を止めることは、内在性分子による炎症促進性および抗炎症性活性化の両方を抑制し得、M2ミクログリア機能および斑排除の内因性機序の有益な効果を不活性化し得ることが示唆されている。(Wilcock,et al.,2012,Cherry,et al.,2014;Theeriault,et al.,2015を参照のこと)。

研究は主に2つの分野:炎症促進性サイトカインの毒性作用和らげるための抗炎症薬;および、このM1状態から、毒性効果が低下し、Aβに対するそれらの食作用活性が促進されるM2状態へのミクログリアの変換に焦点を当てている。疾患進行の早い時期に可能性のある処置を行うべきであることが示唆された(McGreer,et al.,2012)。

単球およびミクログリア活性を調整するストラテジー、特にミクログリア介在性の神経毒性から保護し得るストラテジーが研究されてきた(Zhao,et al.,2006;Heneka,et al.,2013;Therlaut,et al.,2015;Nau,et al.,2014)。全体として、各炎症状態がどのようにしてADの病態を調整し得るかをより明確に確立するために、より集中的な研究を実施する必要があることは明らかである。単球およびミクログリアの早期活性化が、ADを悪化させ得る炎症促進性サイトカインの分泌を誘発することなく、単球およびミクログリアの固有の食作用能を増大させるために免疫反応を調整することによってAD進行を減速させる可能性があることは、一般的に受け入れられている。

概要

治療的有効量のクロモリンまたはクロモリン誘導体化合物投与することを含む、ニューロン炎症状態、例えばアルツハイマー病、パーキンソン病ハンチントン病虚血性脳卒中およびプリオン病を処置する方法を本明細書中で記載する。なし

目的

本発明はまた、薬学的に許容可能な担体とともに本明細書中に記載の1つ以上の化合物を含む医薬組成物も提供する

効果

実績

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請求項1

ニューロン炎症状態の処置を必要とする患者において前記ニューロン炎症状態を処置する方法であって、以下の式:を有する化合物のうち少なくとも1つの前記化合物の治療的有効量を前記患者に投与することを含み、ただし、前記ニューロン炎症状態がADの場合は、前記化合物がクロモリン二ナトリウム、F−クロモリン二ナトリウム、ET−クロモリンまたはF−ET−クロモリンではない、方法。

請求項2

前記化合物が下記の式:を有する、請求項1に記載の方法。

請求項3

前記ニューロン炎症状態がALSである、請求項1または請求項2に記載の方法。

請求項4

前記ニューロン炎症状態がADである、請求項1または請求項2に記載の方法。

請求項5

前記ニューロン炎症がハンチントン病である、請求項1または請求項2に記載の方法。

請求項6

前記ニューロン炎症がパーキンソン病である、請求項1または請求項2に記載の方法。

請求項7

前記ニューロン炎症状態が虚血性脳卒中である、請求項1または請求項2に記載の方法。

請求項8

前記ニューロン炎症状態がプリオン病と関連がある、請求項1または請求項2に記載の方法。

請求項9

前記化合物がIPおよび/またはIVを介して投与される、請求項3に記載の方法。

請求項10

前記化合物が経皮投与される、請求項1〜8の何れか1項に記載の方法。

請求項11

前記化合物が吸入により投与される、請求項1〜8の何れか1項に記載の方法。

請求項12

前記化合物が、1日あたり約1mg〜約1000mgの用量で投与される、請求項1〜11の何れか1項に記載の方法。

請求項13

前記化合物が1日あたり約10、約20、約30、約50、約100または約500mgの用量で投与される、請求項1〜11の何れか1項に記載の方法。

請求項14

CD4+;siRNA;ALSを寛解させるmiRNA;グリア形態修飾剤;SOD1制御薬;およびリルゾールから選択される第2の化合物を同時投与することをさらに含む、請求項3に記載の方法。

請求項15

抗凝固薬およびADに対する標的薬から選択される第2の化合物を同時投与することをさらに含む、請求項3に記載の方法。

請求項16

前記ニューロン炎症状態がADであり、ADを寛解させる抗体標的薬から選択される第2の化合物を同時投与することをさらに含む、請求項1または請求項2に記載の方法。

請求項17

前記ニューロン炎症状態がADであり、ADを寛解させる抗炎症標的薬から選択される第2の化合物を同時投与することをさらに含む、請求項1または請求項2に記載の方法。

請求項18

前記ニューロン炎症状態がADであり、ADを寛解させるタウ標的薬から選択される第2の化合物を同時投与することをさらに含む、請求項1または請求項2に記載の方法。

請求項19

ALSを寛解させる抗体標的薬から選択される第2の化合物を同時投与することをさらに含む、請求項3に記載の方法。

請求項20

ALSを寛解させる抗炎症標的薬から選択される第2の化合物を同時投与することをさらに含む、請求項3に記載の方法。

請求項21

アミロイドーシスまたはタウオパチーに関連する神経変性を寛解させる標的薬から選択される第2の化合物を同時投与することをさらに含む、請求項1〜13の何れか1項に記載の方法。

請求項22

PDを寛解させるαシヌクレイン標的薬およびPDを寛解させるパーキンソンの標的薬から選択される第2の化合物を同時投与することをさらに含む、請求項6に記載の方法。

技術分野

0001

関連出願
本願は、その全体において本明細書によって参照により本明細書に組み込まれる、2016年8月31日出願の米国仮特許出願第62/382,192号に対する優先権の利益を主張する。

0002

本発明は、次の式:



を有する少なくとも1つの化合物治療的有効量で、ニューロン炎症状態の処置を必要とする患者投与することを含む、ニューロン炎症状態を処置する方法を包含する。

背景技術

0003

単球およびミクログリア活性を調整するためのストラテジー、特にミクログリアが介在する神経毒性から保護し得るストラテジーが研究されてきた。(Zhao et al.,“Protective effects of an anti−inflammatory cytokine,interleukin−4,on motoneuron toxicity induced by activated microglia,”J. Neurochem. 2006, 99:1176−1187;Heneka et al.,“NLRP3 is activated in Alzheimer’s disease and contributes to pathology inAPP/PS1 mice,”Nature,2013,493(7434):674−8;Theeriault,et al.,“The dynamics of monocytes and microglia in Alzheimer’s disease,”Alzheimers Res Ther.,2015,7:41;Nau et al.,“Strategies to increase the activity of microglia as efficient protectors of the brain against infections,”Front Cell Neurosci.,2014,8:138.を参照のこと)全般的に見て、各炎症状態アルツハイマー病(AD)および筋萎縮性側索硬化症ALS)などの神経変性疾患病態をどのように調整し得るかをより明確にするためには、より集中的な研究が必要であることは明らかである。単球およびミクログリアの早期活性化は、神経変性を悪化させ得る炎症促進性サイトカイン分泌を誘発することなく、単球およびミクログリアの固有食作用能を増大させるために免疫反応を調整することによって神経変性進行を減速させる可能性がある。

0004

脳内のアミロイド斑および神経原線維変化の存在下での神経炎症反応の役割およびADの病態におけるその関連するニューロン喪失は、十分に確立されており、広く研究されている。Walker et al.,“Immune phenotypes of microglia in human neurodegenerative disease: challenges to detecting microglial polarization in human brains,”Alzheimers Res Ther.,2015,7:56;Theerialut et al.,2015;Wilcock,DM,“A Changing Perspective on the Role of Neuroinflammation in Alzheimer’s Disease,”International Journal of Alzheimer’s Disease,2012,Article ID 495243; McGeer et al.,“Targeting microglia for the treatment of Alzheimer’s disease,”Expert Opin Ther Targets,2015,19(4):497−506を参照のこと。ミクログリア介在性の炎症がADの進行に寄与すること、およびミクログリア細胞アミロイド−β(Aβ)沈着と密接に関連して見出されることが、多数の研究により示されている。(Mandrekar, et al.,“Microglia and Inflammation in Alzheimer’s Disease,”CNSNeurol Disord Drug Targets,2010,9(2):156−167を参照のこと)。

0005

脳に常在するマクロファージであるミクログリアの特性の変化は、それらの微小環境における異なる刺激(例えばサイトカイン)に対するそれらの反応に依存し、その結果、様々な表現型が生じることが知られている。サイトカイン、受容体および他のマーカー発現の変化に基づいて、単球およびマクロファージの状態は、古典的活性化(M1)、選択的活性化(M2a)、タイプII選択的活性化(M2b)および後天的非活性化(acquired deactivation)(M2c)として定義されている。(Walker et al.,2015;Martinez et al.,“Alternative activation of macrophages:an immunologic functional perspective,”Annu Rev Immunol.2009,27:451−83;Mantovani et al.,“The chemokine system in diverse forms of macrophage activation and polarization,”TrendsImmunol.,2004,25:677−686;Sternberg,EM.,“Neural regulation of innate immunity:a coordinated nonspecific host response to pathogens,”Nat Rev Immunol.,2006,6(4):318−28を参照のこと)。最近、多くの研究が、AD脳におけるこれらの表現型の役割を解明し、これらの細胞がAD関連神経炎症に寄与する機序を決定しようとしている。(Mandrekar et al.2012;McGeer et al.,2015;and Wilcock,2012を参照のこと)。

0006

ミクログリアと原線維Aβとの相互作用は、それらの表現型活性化につながるが、最近これが神経保護関与することが示唆された。(Zhao et al.,2006;Figueiredo et al.,“Neuron−microglia crosstalk up−regulates neuronal FGF−2 expression which mediates neuroprotection against excitotoxicity via JNK1/2,”J. Neurochem.,2008 Oct.,107(1):73−85を参照のこと)。マウスおよびヒトの両方において、グリア細胞が、それらの形態学的特徴を変化させ、多数の細胞表面受容体を発現し、病変を取り囲むことにより、AD病理学的病変プラークおよびもつれ)の存在に反応することが多くの研究で示されている。(Perlmutter et al.,“Morphologic association between microglia and senile plaque amyloid in Alzheimer’s disease,”Neurosci Lett.,1990,119:1,32−36;Combs,et al.,“Identification of microglial signal transduction pathways mediating a neurotoxic response to amyloidogenic fragments of β−amyloid and prion proteins,”J. Neurosci.,1999,19:3,928−939を参照のこと)。一方で、AD脳内の細胞細片に反応したマクロファージおよびミクログリアの活性化および続く炎症促進性サイトカインの放出によって、神経変性が加速される。次に、これによって、より多くの細胞細片が生じ、病気の進行が加速する。(Rubio−Perez et al.,“A Review: Inflammatory Process in Alzheimer’s Disease,Role of Cytokines,”Scientific World Journal,2012,756357;McGeer, et al.,“The importance of inflammatory mechanisms in Alzheimer disease,”Exp.Gerontol.1998,33:5,371−378;Akiyama,et al.,“Inflammation and Alzheimer’s disease,”Neurobiol Aging,2000,21(3),383−421;Liu, et al.,“TLR2 is a primary receptor for Alzheimer’s amyloid β peptide to trigger neuroinflammatory activation,”J. Immunol. 2012,188(3):1098−107を参照のこと)。

0007

いくつかの研究は、ミクログリア活性化および、脳内でのアミロイド沈着物減少につながるAD病変の排除におけるその役割に焦点を合わせている。(DiCarlo,et al.,“IntrahippocampalLPSinjections reduce Aβ load inAPP+PS1 transgenic mice,”Neurobiol of Aging,2001,22:6,1007−1012;Herber, et al.,“Time−dependent reduction in Aβ levels after intracranial LPS administration in APP transgenic mice,”Exp.Neurol.,2004,190(1):245−53;Liu,et al.,2012を参照のこと)。Aβを取り囲む常在性ミクログリア細胞が、新たに浸潤したマクロファージまたは単球ほどAβ分解に有効ではない(Theriault,et al.,2015;Varnum,et al.,“The classification of microglial activation phenotypes on neurodegeneration and regeneration in Alzheimer’s disease brain,”Arch.Immunol.Ther.Exp. (Warsz),2012,60(4):251−66を参照のこと)一方で、ミクログリアは実際に原線維性および可溶性Aβを内部に移行させることが可能であるが、これらのペプチドを処理できないことが示されている。(Chung,et al.,“Uptake, degradation,and release of fibrillar and soluble forms of Alzheimer’s amyloid beta−peptide by microglial cells,”J.Biol. Chem.,1999,274:32301−8を参照のこと)。

0008

さらに、ミクログリアは老化の間にM2からM1に偏った活性化表現型に切り替わると推論されている。(Heneka et al.,2013;Varnum,et al.,2012;Gratchev,et al.,“Mphi1 and Mphi2 can be re−polarized by Th2 or Th1 cytokines,respectively,and respond to exogenous danger signals,”Immunobiology,2006,211(6−8):473−486;Colton,et al.,“Expression profiles for macrophage alternative activation genes in AD and in mouse models of AD,”J.Neuroinflammation,2006,3:27を参照のこと)。しかし、脳内の免疫反応がADにおいてどのようにして引き起こされるのか、特に神経炎症が老化に関連する全身性炎症によって引き起こされ得るか否かについては、依然として論争の的となっている。(Theriault,et al.,2015を参照のこと)。ミクログリアの刺激によって、Aβをより効果的に分解するためにそれらの固有の食作用能が増強され得ることが示されており;ミクログリア反応を調整するためのいくつかのストラテジーが提案されている。(Mandrekar,2010;Kiyota,et al.,“CNSexpression of anti−inflammatory cytokine interleukin−4 attenuates Alzheimer’s disease−like pathogenesis inAPP +PS1 bigenic mice,”FASEB J.2010,24:3093−3102;He,et al.,“Deletion of tumor necrosis factor death receptor inhibits amyloid beta generation and prevents learning and memory deficits in Alzheimer’s mice,”J.Cell Biol.,2007,178:829−841;Varnum,et al.,2012を参照のこと)。

0009

ミクログリアは細胞外に沈着したAβペプチドによって活性化されることが示されている(Lotz, et al.,“Amyloid beta peptide 1−40 enhances the action of Toll−like receptor−2 and −4 agonists but antagonizes Toll−like receptor−9−induced inflammation in primary mouse microglial cell cultures,”J.Neurochem.,2005,94:289−298;Reed−Geaghan,et al.,“CD14 and toll−like receptors 2 and 4 are required for fibrillar Aβ−stimulated microglial activation,”J.Neurosci.,2009,29:11982−11992)。これは、インターフェロンγ(IFNγ)、T細胞由来腫瘍壊死因子α(TNFα)または抗原提示細胞の存在に反応したミクログリア活性化と類似している。M1活性化ミクログリアは活性酸素種を産生し得、その結果、TNFαおよびインターロイキンIL)−1βなどの炎症促進性サイトカインの産生が増加し得る。

0010

ミクログリア細胞のM1型反応は、アミロイド負荷量を減少させるが神経原線維変化の病態を悪化させることが示されている。Shaftelら(Shaftel,et al.,“Sustained hippocampalIL−1β overexpression mediates chronic neuroinflammation and ameliorates Alzheimer plaque pathology,”J.Clin.Invest.,2007,117(6):1595−604)は、IL−1β発現が、ADにおける有益な神経炎症反応の根底にあり得、APP/PS1トランスジェニックマウス海馬におけるIL−1β過剰発現の結果、アミロイド負荷量が減少することを示した。著者らは、IL−1βが介在するミクログリアの活性化がアミロイド沈着の減少に対する機序であることを示唆する。さらに、Montgomeryら(Montgomery,et al.,“Ablation of TNF−RI/RII expression in Alzheimer’s disease mice leadsto an unexpected enhancement of pathology:implications for chronic pan−TNF−α suppressive therapeutic strategies in the brain,”Am.J.Pathol.,2011,179(4):2053−70)は、インタクトなTNF受容体シグナル伝達が細胞外アミロイド−ペプチドのミクログリア介在性取り込みに重要であることを示した。M1炎症表現型は、多くの研究においてアミロイド病態を改善するように見える一方、タウトランスジェニックマウスまたは細胞培養におけるM1表現型の誘導の結果、タウ病態が悪化する。(Kitazawa,et al.,“Lipopolysaccharide−induced inflammation exacerbates tau pathology by a cyclin−dependent kinase 5− mediated pathway in a transgenic model of Alzheimer’s disease,”J.Neurosci.,2005,28;25(39):8843−53.;Li,et al.,“Interleukin−1 mediates pathological effects of microglia on tau phosphorylation and on synaptophysin synthesis in cortical neurons through a p38−MAPK pathway,”J.Neurosci.,2003,1;23(5):1605−11を参照のこと)。

0011

マクロファージM2活性化は、抗炎症作用および細胞外マトリクス再編成に寄与することが知られているメディエーターと関連がある(Zhu,et al.,“Acidic mammalian chitinase in asthmatic Th2 inflammation andIL−13 pathway activation”,Science,2004,304(5677):1678−82;Walker,et al.,2015;Wilcock,et al.,2012)。M2a表現型を有するミクログリアは、食作用が向上しており、インスリン様増殖因子−1などの増殖因子およびIL−10などの抗炎症性サイトカインを産生する。IL−4および/またはIL−13によるマクロファージの刺激の結果、創傷治癒マクロファージと呼ばれることがあるM2a状態となり(Edwards,et al.,“Biochemical and functional characterization of three activated macrophage populations,”J.Leukoc Biol.,2006,80(6):1298−307)、これは一般的に、炎症促進性サイトカイン(IL−1、TNFおよびIL−6)の産生が少ないことを特徴とする。M2a反応は主にアレルギー反応、細胞外マトリクス沈着およびリモデリングにおいて観察される。

0012

M2bマクロファージは、それらが、M1活性化の特徴である、高レベルの炎症促進性サイトカインを発現するが、高レベルの抗炎症性サイトカインIL−10も発現するという点で独特である。(MoserDM.,“The many faces of macrophage activation,”J.Leukoc Biol.,2003,73(2):209−12を参照のこと)。

0013

最後に、M2cマクロファージ状態はIL−10によって刺激され、これは制御性マクロファージと呼ばれることがある。M2cマクロファージは、古典的な炎症促進性反応なく、細胞細片の食作用に寄与する抗炎症活性を有する(MoserDM.,2003を参照のこと)。これらの細胞はTGFβおよび高IL−10ならびにマトリクスタンパク質を発現する。(Mantovani, et al.,“The chemokine system in diverse forms of macrophage activation and polarization,”TrendsImmunol.,2004,25:677−686;Wilcock,et al.,2012を参照のこと)。Plunkettら(Plunkett, et al.,“Effects of interleukin−10(IL−10)on pain behavior and gene expression following excitotoxic spinal cord injury in the rat,”Exp.Neurol.,2001;168:144−154)は、IL−10が、グリア活性化および炎症促進性サイトカイン産生の減少を含む抗炎症反応に介在することを報告した。

0014

しかし、M2ミクログリア活性化の機序およびそれがADおよび斑の病態で果たす役割は依然としてよく分かっていない。(Mandrekar,et al.,2010を参照のこと)。さらに、いくつかの研究から、疾患進行に反応してミクログリア活性化状態の切り替えがあることが示唆された(Colton, et al.,2006;Jimenez,et al.,“Inflammatory response in the hippocampus of PS1M146L/APP751SL mouse model of Alzheimer’s disease: age−dependent switch in the microglial phenotype from alternative to classic,”J.Neurosci.,2008,28:11650−11661)。ミクログリア活性化表現型が疾患進行中にM2からM1に切り替わることが動物実験で報告されており(Jimenez,et al.,2008;Nolan,et al.,“Role of interleukin−4 in regulation of age−related inflammatory changes in the hippocampus,”J.Biol.Chem.,2005;280:9354−9362;Maher,et al.,“Downregulation ofIL−4−induced signalling in hippocampus contributes to deficits inLTP in the aged rat,”Neurobiol.Aging,2005,26:717−728)、このことから、年齢とともに選択的表現型よりも古典的活性化表現型が増加することが示唆される。細胞外に沈着したAβによって活性化されたミクログリアが、抗炎症性神経栄養性M2活性化を誘発することによって、および食作用を介してAβを除去することによってニューロンを保護することは、概ね意見が一致している。これは新しい治療標的に対する道筋となる可能性がある。(He,et al.,2007;Yamamoto,et al.,“Interferon−gamma and tumor necrosis factor−alpha regulate amyloid−beta plaque deposition and beta− secretase expression in Swedish mutant APP transgenic mice,”Am.J.Pathol.,2007,170:680−692;Yamamoto,et al.,“Cytokine−mediated inhibition of fibrillar amyloid−beta peptide degradation by human mononuclear phagocytes,”J.Immunol.,2008,181:3877−3886を参照のこと)。

0015

Mantovaniら(Mantovani,et al.,2004)は、M2aミクログリア活性化の重要な修飾因子としてのIL−4の効果を研究した。APP+PS1マウスへのIL−4の遺伝子送達によって、海馬におけるグリア蓄積が一部抑制され、神経発生が直接増強され、空間学習障害回復し、またAβ沈着も減少したことが示された(Kiyota,et al.,2010)。

0016

Yamamotoら(Yamamoto,et al.,2007,2008)は、初代培養ヒト単球由来マクロファージ(MDM)およびミクログリアにおいて炎症促進性および抗炎症性サイトカインを用いてマクロファージ介在性Aβ分解を調べた。これらの研究は、抗炎症性および制御性サイトカインがM2aまたはM2c活性化の上昇およびAβ排除促進につながることを示した。Kiyotaら(Kiyota et al.,2011)は、IL−4の持続的発現により、アストロミクログリオーシス、アミロイド−βペプチド(Aβ)のオリゴマー化および沈着が減少し、神経新生が促進されることを示した。

0017

ミクログリア活性化を調整するためのいくつかのアプローチが、AD処置に対する標的となる可能性があるものとして提案されている。(Theriault, et al.,2015;Cherry, et al.,“Neuroinflammation and M2 microglia: the good,the bad,and the inflamed,”J.Neuroinflammation,2014,11:98;Mandrekar,et al.,2010;Vernum,et al.,2012を参照のこと)。非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)のような抗炎症薬を使用してADの進行を止めることは、内在性分子による炎症促進性および抗炎症性活性化の両方を抑制し得、M2ミクログリア機能および斑排除の内因性機序の有益な効果を不活性化し得ることが示唆されている。(Wilcock,et al.,2012,Cherry,et al.,2014;Theeriault,et al.,2015を参照のこと)。

0018

研究は主に2つの分野:炎症促進性サイトカインの毒性作用和らげるための抗炎症薬;および、このM1状態から、毒性効果が低下し、Aβに対するそれらの食作用活性が促進されるM2状態へのミクログリアの変換に焦点を当てている。疾患進行の早い時期に可能性のある処置を行うべきであることが示唆された(McGreer,et al.,2012)。

0019

単球およびミクログリア活性を調整するストラテジー、特にミクログリア介在性の神経毒性から保護し得るストラテジーが研究されてきた(Zhao,et al.,2006;Heneka,et al.,2013;Therlaut,et al.,2015;Nau,et al.,2014)。全体として、各炎症状態がどのようにしてADの病態を調整し得るかをより明確に確立するために、より集中的な研究を実施する必要があることは明らかである。単球およびミクログリアの早期活性化が、ADを悪化させ得る炎症促進性サイトカインの分泌を誘発することなく、単球およびミクログリアの固有の食作用能を増大させるために免疫反応を調整することによってAD進行を減速させる可能性があることは、一般的に受け入れられている。

課題を解決するための手段

0020

ある一定の実施形態において、本発明は、以下の式:



を有する少なくとも1つの化合物を治療的有効量で、ニューロン炎症状態の処置を必要とする患者に投与することを含む、ニューロン炎症状態を処置する方法を包含する。

0021

他の実施形態において、本方法は以下の化合物を使用する:

0022

また他の実施形態において、ニューロン炎症状態は、ALS、AD、虚血性脳卒中またはプリオン病のうち少なくとも1つである。一実施形態において、本化合物を腹腔内(IP)および/または静脈内(IV)投与し得る。本化合物は、1日あたり約1mg〜約1000mgの用量で投与し得る。投与方法は、経皮的なものまたは吸入によるものであり得る。

0023

別の実施形態において、本方法は、CD4+;siRNA;ALSを寛解させるmiRNA;グリア形態修飾剤;SOD1制御薬;リルゾール;または神経炎症を制御する、別のM1;M2変換活性薬を同時投与することをさらに含む、ALS処置方法である。

0024

ある一定の実施形態において、本発明は、本明細書中に記載の方法の何れかに関するが、ただし本化合物はクロモリン二ナトリウムではない。ある一定の実施形態において、本発明は、本明細書中に記載の方法の何れかに関するが、ただし、ニューロン炎症状態がADである場合、本化合物がクロモリン二ナトリウム、F−クロモリン二ナトリウム、ET−クロモリンまたはF−ET−クロモリンではないものとする。

0025

ある一定の実施形態において、本発明は次の化合物の何れか1つに関する:

図面の簡単な説明

0026

図1Aは、PBSまたは漸増用量のクロモリンナトリウムでの処置の1週間後のAβx−40およびAβx−42の血漿レベルの定量を示す(n=マウス3〜5匹/群)。
図1Bは、7日間毎日クロモリンナトリウム(3.15mg/kg)またはPBSで処置したマウスにおけるアミロイド沈着物(6E10)およびミクログリア(Iba1)の局在化代表的画像を示す。棒グラフは、各動物に対する斑の分析からの結果を示す。スケールバー=10μm。
図1Cは、インビトロでのミクログリアAβ取り込みに対するクロモリンナトリウムの効果を示し、温置後にAβELISAを用いて培地中のAβx−40(図1C左)、Aβx−42(図1C右)の濃度を測定した。
図2は、実施例2の研究のTg−2576マウスにおける斑およびそれらの沈着物を取り囲むミクログリア細胞を示す。この図は、アミロイド沈着物およびIba−1陽性ミクログリアの代表的な写真を示す。
図3は、クロモリンで処理したBV2ミクログリア細胞の結果を示し、クロモリンおよびイブプロフェンで、ビヒクルで処理したBV2ミクログリアと比較してAβ42取り込みレベルが上昇したことを示す。
図4Aは、本明細書中に記載の様々な化合物を用いたAβ凝集阻害アッセイの結果を示す。
図4Bは、本明細書中に記載の様々な化合物を用いたAβ凝集阻害アッセイの結果を示す。
図4Cは、本明細書中に記載の様々な化合物を用いたAβ凝集阻害アッセイの結果を示す。
図5は、クロモリンが脳のTBS可溶性AβのレベルおよびAβ(42:40)の比率に有意に影響を及ぼすことを示す。
図6Aは、DMSO(対照)で16時間処理したナイーブBV2ミクログリア細胞を示す。その後、細胞を蛍光標識したAβ42およびDMSOまたはクロモリンナトリウムとともに2時間温置した。温置後、細胞を原形質膜色素(PM)で標識し、画像化した。図6Bは、DMSO(対照)で16時間処理したナイーブBV2ミクログリア細胞を示す。その後、細胞を蛍光標識したAβ42およびDMSOまたはクロモリンナトリウムとともに2時間温置した。図6Cは、クロモリンナトリウム(500μM)で16時間処理したナイーブBV2ミクログリア細胞を示す。その後、細胞を蛍光標識したAβ42およびDMSOまたはクロモリンナトリウムとともに2時間温置した。温置後、細胞を原形質膜色素(PM)で標識し、画像化した。図6Dは、クロモリンナトリウム(500μM)で16時間処理したナイーブBV2ミクログリア細胞を示す。その後、細胞を蛍光標識したAβ42およびDMSOまたはクロモリンナトリウムとともに2時間温置した。
図7Aは、クロモリンナトリウムがミクログリアのAβ42取り込みを促進することをグラフで示す。BV2ミクログリア細胞をDMSOまたは様々な濃度のクロモリンナトリウムで16時間処理した。次に、細胞を可溶性のタグなしAβ42およびDMSOまたはクロモリンナトリウムとともに2時間温置し、ELISA分析のために回収した。クロモリンナトリウムで処理したナイーブBV2およびBV2−CD33WTミクログリア細胞は両方とも、ビヒクル(DMSO)で処理した細胞と比較してAβ42取り込みレベルの上昇を示した。
図7Bは、クロモリンナトリウムがミクログリアのAβ42取り込みを促進することをグラフで示す。CD33を安定的に発現するBV2細胞(BV2−CD33WT)をDMSOまたは様々な濃度のクロモリンナトリウムで16時間処理した。次に、細胞を可溶性のタグなしAβ42およびDMSOまたはクロモリンナトリウムとともに2時間温置し、ELISA分析のために回収した。クロモリンナトリウムで処理したナイーブBV2およびBV2−CD33WTミクログリア細胞は両方とも、ビヒクル(DMSO)で処理した細胞と比較してAβ42取り込みレベルの上昇を示した。
図8は、LDHアッセイにおいて100μM以上の濃度で試験した場合に化合物C8が毒性を示すことをグラフで示す。ナイーブBV2ミクログリア細胞をDMSOまたはクロモリン誘導体で様々な濃度で3時間処理した。C1、C2、C5、C6、C7およびC8を10、50、100および150μMで試験し、一方でC3およびC4は、DMSO中の溶解度限界により5、25、50および75μMで評価した。その後、細胞を可溶性のタグなしAβ42ペプチドおよびDMSOまたはクロモリン誘導体とともに2時間温置した。処理終了時に、細胞培地を回収し、乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)アッセイで化合物毒性を評価した。クロモリン誘導体C8で処理したBV2ミクログリア細胞は、ビヒクル(DMSO)で処理した細胞と比較して100および150μMで毒性上昇を示した。
図9は、化合物C4がナイーブBV2ミクログリア細胞におけるAβ42取り込みを促進することをグラフで示す。DMSO(ビヒクル)または5〜150μMの範囲の様々な濃度のクロモリン誘導体でBV2細胞を3時間処理した。次に、細胞を可溶性のタグなしAβ42およびDMSOまたはクロモリン誘導体とともにさらに2時間温置し、ELISA分析のために回収した。75μMのクロモリン誘導体C4で処理したBV2ミクログリア細胞は、ビヒクルで処理した細胞と比較して有意に高いAβ42取り込みレベルを示した。
図10は、化合物C4がミクログリアBV2−CD33WT細胞においてAβ42取り込みを促進することをグラフで示す。CD33WTを安定して発現するミクログリア細胞を、対照としてのDMSO、または様々な濃度のクロモリン誘導体(C1、C3−8)で3時間処理した。その後、細胞をAβ42ペプチドの存在下でDMSOまたはクロモリン誘導体とともにさらに2時間温置した。Aβ42特異的ELISAキットを用いて、Aβ42の細胞内レベルについて細胞溶解物を分析した。75μMのクロモリン誘導体C4での処理により、DMSO処理と比較して、BV2−CD33WT細胞におけるAβ42の取り込みが増加し、50μMで用量依存的効果を示した。
図11は、化合物C4がBV2−CD33WT細胞においてAβ42取り込みを促進することをグラフで示す。BV2−CD33WT細胞をDMSO(ビヒクル)または様々な濃度のクロモリン誘導体(C1、C2およびC4−7)で3時間処理した。その後、細胞をDMSOまたはクロモリン誘導体および可溶性Aβ42ペプチドで2時間処理した。Aβ42特異的ELISAキットを用いて細胞溶解物を分析し、細胞内Aβ42レベルを定量した。クロモリン誘導体C4は、DMSOで処理した細胞と比較して、BV2−CD33WT細胞において50および75μMでAβ42取り込みを効果的に誘導した。

0027

虚血性脳卒中、アルツハイマー病(AD)、筋萎縮性側索硬化症(ALSまたはルー・ゲーリック病)、プリオンおよび他の神経変性障害は、ミクログリア活性化および肥満細胞遊走と、ならびに単球および毒性サイトカインの連発を生じさせる他の細胞タイプおよび炎症を促進する細片と関連がある。一定の実施形態において、本発明は、炎症促進性M1状態から、毒性効果が低下し、アミロイドーシスタウオパチーおよび他の細胞毒性事象に対するそれらの食作用活性が促進されるM2状態にミクログリアを変換させることによって、炎症促進性サイトカインの毒性効果を低下させるための抗炎症性化合物を包含する。ある一定の実施形態において、本発明はまた、疾患過程の早期に治療に影響を与えるための化合物の使用も包含する。

0028

抗炎症薬として使用される多くの薬物は、M1からM2へのミクログリアの変換に有効性を示さず、またそれらはM1からM2へのミクログリアの調整も促進しない。出願人の知る限りでは、本明細書に記載の化合物は、M1からM2活性を示す唯一の有効な非サイトカイン(例えばIL−10)化合物である。したがって、ある一定の実施形態において、本発明は、治療的有効量の少なくとも1つの本化合物を投与することによってニューロン炎症状態を処置する化合物および方法を包含する。

0029

ある一定の実施形態において、本発明の化合物は、以下の式を有するものおよびそれらの類似体および異性体を含む:

0030

さらに、Xは、ハロゲン化物およびOCO(C1−C8アルキル)を含み得るが限定されない。アルキル基としては、メチルエチルプロピルイソプロピルブチルイソブチル、tert−ブチルおよびペンチルが挙げられるが限定されない。ハロゲン化物としては、フルオロクロロ、ブロモおよびヨードが挙げられる。Yは、−CH2OH、−CH2OAcまたは−CH2OMeを含み得るが限定されない。好ましくは、本発明の化合物は5位で結合したそれらの化合物を含む。

0031

本発明の範囲を有する具体的な化合物としては次のものが挙げられる:

0032

ある一定の実施形態において、化合物はまた、5−[3−(2−カルボキシ−4−オキソクロメン−5−イルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ]−4−オキソクロメン−2−カルボン酸誘導体および異性体形態も含む。

0033

ある一定の実施形態において、本発明は、様々なニューロン炎症状態を処置する方法を包含する。ニューロン炎症状態としては、ALS、自閉症スペクトラム障害ASD)、虚血性脳卒中およびプリオン病などの疾患が挙げられるが限定されない。ある一定の実施形態において、本化合物はALSを処置するために使用され得、疾患の進行を減速または停止させることを含むが限定されない。ある一定の実施形態において、本化合物を他の抗炎症剤と組み合わせて投与して、ALSの進行性で致命的な影響の広がりを制御し得る。

0034

ある一定の実施形態において、本発明は、CD4+、siRNA、ALSを寛解させるmiRNA、グリア形態修飾剤、SOD1制御薬またはALSに対する唯一の承認薬であるリルゾールなどの他の免疫標的治療との、上記の式における薬物などの神経炎症を制御するM1、M2変換活性薬物のALSに対する併用処置を包含する。

0035

他の実施形態において、本化合物は、脳幹および/または脊髄に位置するニューロン、ニューロン、または身体の随意筋に影響を与える運動ニューロンに対するニューロン損傷を減速または停止させる。

0036

ある一定の実施形態において、本化合物は、薬物の投与のための既知の方法、例えばIP、IV、経皮的、吸入による投与を用いて投与し得る。ある一定の実施形態において、本発明は、AD、虚血性脳卒中、ALSまたはプリオンなどの神経疾患侵襲性の進行を処置するかまたは減速させる方法に関し、本化合物は点滴または腹腔内投与によって投与される。

0037

ある一定の実施形態において、本発明はまた、薬学的に許容可能な担体とともに本明細書中に記載の1つ以上の化合物を含む医薬組成物も提供する。好ましくは、これらの組成物は、錠剤丸剤カプセル剤散剤顆粒剤滅菌非経口液剤または懸濁液、定量エアゾール剤または液体スプレー剤、滴剤アンプル剤自動注入装置または坐剤などの単位剤型で;経口、非経口鼻腔内、下または直腸投与のため、または吸入もしくは吹送による投与のためのものである。本化合物は、適切な量の薬物を連続的に送達するように設計された経皮パッチに組み込まれ得ることも想定される。

0038

散剤および錠剤などの固体組成物を調製するために、主な活性成分を薬学的に許容可能な担体、例えば従来の錠剤化成分、例えばコーンスターチラクトーススクロースソルビトールタルクステアリン酸ステアリン酸マグネシウムリン酸二カルシウムまたはガムなど、および他の薬学的希釈剤、例えば水と混合して、均一な混合物を含有する固体予備処方組成物を形成させる。これらの予備処方組成物を均一という場合、活性成分が本組成物全体に均一に分散されているので、本組成物を等しく有効な単位剤型に容易に細分し得る。

0039

いくつかの実施形態において、乾燥粉末組成物は、への吸入のために微粉化される。例えば、その全体において参照により本明細書中に明示的に組み込まれる米国特許出願公開第2016/0263257号明細書を、特にその中に記載される乾燥粉末クロモリン処方物に関して、参照のこと。他の実施形態において、乾燥粉末組成物は少なくとも1つの賦形剤をさらに含む。ある一定の実施形態において、少なくとも1つの賦形剤は、ラクトース一水和物および/またはステアリン酸マグネシウムを含む。

0040

ある一定の実施形態において、本化合物は特定の適応症を処置する用量で投与され得る。特に、用量は、薬物がM1からM2への修飾因子として作用することを可能にする血中、脳およびCSF濃度をもたらすように具体的に調整される。このような用量は、1日あたり約1mg〜約1000mgを含み得る。

0041

活性剤の投与量は、一般的に、化合物の薬力学的特徴、化合物の投与方式および経路、処置されている患者の健康状態、所望される処置の程度、あれば併用療法性質および種類および処置頻度および所望される効果の性質を含む多くの要因に依存する。一般に、本化合物の投与量範囲は、1日あたり約0.001〜約250mg/kg体重の範囲であることが多い。体重が約70kgの正常な成人の場合、投与量は約0.1〜約25mg/kg体重の範囲であり得る。しかし、処置されている対象の年齢および体重、意図される投与経路、投与されている特定の薬剤などに依存して、この一般的な投与量範囲における幾分かの変動が必要とされ得る。重要なこととして、特定の哺乳動物についての投与量範囲および最適投与量の決定もまた、十分に、本開示の恩恵を受ける当業者能力の範囲内である。

0042

化合物に対する投与量は、5ng/d程度に低いものであり得る。ある一定の実施形態において、約10ng/日、約15ng/日、約20ng/日、約25ng/日、約30ng/日、約35ng/日、約40ng/日、約45ng/日、約50ng/日、約60ng/日、約70ng/日、約80ng/日、約90ng/日、約100ng/日、約200ng/日、約300ng/日、約400ng/日、約500ng/日、約600ng/日、約700ng/日、約800ng/日、約900ng/日、約1μg/日、約2μg/日、約3μg/日、約4μg/日、約5μg/日、約10μg/日、約15μg/日、約20μg/日、約30μg/日、約40μg/日、約50μg/日、約60μg/日、約70μg/日、約80μg/日、約90μg/日、約100μg/日、約200μg/日、約300μg/日、約400μg/日、約500μg/日、約600μg/日、約700μg/日、約800μg/日、約900μg/日、約1mg/日、約2mg/日、約3mg/日、約4mg/日、約5mg/日、約10mg/日、約15mg/日、約20mg/日、約30mg/日、約40mg/日または約50mg/日の化合物が投与される。

0043

活性剤に対する投与量範囲は、5ng/d〜100mg/日であり得る。ある一定の実施形態において、活性剤に対する投与量範囲は、約5ng/日〜約10ng/日、約15ng/日、約20ng/日、約25ng/日、約30ng/日、約35ng、約40ng/日、約45ng/日、約50ng/日、約60ng/日、約70ng/日、約80ng/日、約90ng/日、約100ng/日、約200ng/日、約300ng/日、約400ng/日、約500ng/日、約600ng/日、約700ng/日、約800ng/日または約900ng/日であり得る。ある一定の実施形態において、化合物に対する投与量範囲は、約1μg/日〜約2μg/日、約3μg/日、約4μg/日、約5μg/日、約10μg/日、約15μg/日、約20μg/日、約30μg/日、約40μg/日、約50μg/日、約60μg/日、約70μg/日、約80μg/日、約90μg/日、100μg/日、約200μg/日、約300μg/日、約400μg/日、約500μg/日、約600μg/日、約700μg/日、約800μg/日または約900μg/日であり得る。ある一定の実施形態において、活性剤に対する投与量範囲は、約1mg/日〜約2mg/日、約3mg/日、約4mg/日、約5mg/日、約10mg/日、約15mg/日、約20mg/日、約30mg/日、約40mg/日、約50mg/日、約60mg/日、約70mg/日、約80mg/日、約90mg/日、約100mg/日、約200mg/日、約300mg/日、約400mg/日、約500mg/日、約600mg/日、約700mg/日、約800mg/日または約900mg/日であり得る。

0044

ある一定の実施形態において、本化合物は、pMまたはnM濃度で投与される。ある一定の実施形態において、本化合物は、約1pM、約2pM、約3pM、約4pM、約5pM、約6pM、約7pM、約8pM、約9pM、約10pM、約20pM、約30pM、約40pM、約50pM、約60pM、約70pM、約80pM、約90pM、約100pM、約200pM、約300pM、約400pM、約500pM、約600pM、約700pM、約800pM、約900pM、約1nM、約2nM、約3nM、約4nM、約5nM、約6nM、約7nM、約8nM、約9nM、約10nM、約20nM、約30nM、約40nM、約50nM、約60nM、約70nM、約80nM、約90nM、約100nM、約300nM、約400nM、約500nM、約600nM、約700nM、約800nMまたは約900nMの濃度で投与される。

0045

ある一定の実施形態において、剤型固体剤型であり、この剤型の化合物の大きさは重要である。ある一定の実施形態において、本化合物は、直径が約3μm未満、約2μm未満または約1μm未満である。ある一定の実施形態において、活性剤は、直径約0.1μm〜約3.0μmである。ある一定の実施形態において、活性剤は、直径約0.5μm〜約1.5μmである。ある一定の実施形態において、活性剤は、直径約0.2μm、約0.3μm、約0.4μm、約0.5μm、約0.6μm、約0.7μm、約0.8μm、約0.9μm、約1.0μm、約1.1μm、約1.2μm、約1.3μm、約1.4μmまたは約1.5μmである。

0046

例えば、ヒトへの経口投与を意図した処方物は、組成物全体の約5%〜約95%まで変動する適切で都合の良い担体材料と混ぜ合わせて約0.1mg〜約5gの活性剤(または化合物)を含有し得る。単位投与量は一般的に約0.5mg〜約1500mgの活性剤を含有する。投与量は、約1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg、9mg、10mg、11mg、12mg、13mg、14mg、15mg、16mg、17mg、18mg、19mg、20mg、21mg、22mg、23mg、24mg、25mg、26mg、27mg、28mg、29mg、30mg、31mg、32mg、33mg、34mg、35mg、36mg、37mg、38mg、39mg、40mg、41mg、42mg、43mg、44mg、45mg、46mg、47mg、48mg、49mg、50mg、55mg、60mg、65mg、70mg、75mg、80mg、85mg、90mg、95mg、100mg、200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、800mgまたは100mgなど、最大約1500mgの化合物であり得る。

0047

ある一定の実施形態において、本発明は2つの活性剤の組み合わせに関する。ある一定の実施形態において、医薬の組み合わせが、第2の成分と比較して比較的大量の第1の成分からなることが有利であり得る。ある一定の例において、第1の活性剤の第2の活性剤に対する比率は、約200:1、190:1、180:1、170:1、160:1、150:1、140:1、130:1、120:1、110:1、100:1、90:1、80:1、70:1、60:1、50:1、40:1、30:1、20:1、15:1、10:1、9:1、8:1、7:1、6:1または5:1である。さらに、より均等な医薬品の分布を有することが好ましいものであり得る。ある一定の例において、第1の活性剤の第2の活性剤に対する比率は、約4:1、3:1、2:1、1:1、1:2、1:3または1:4である。医薬の組み合わせが第1の成分と比較して比較的大量の第2の成分を有することも有利であり得る。ある一定の例において、第2の活性剤の第1の活性剤に対する比率は、約200:1、190:1、180:1、170:1、160:1、150:1、140:1、130:1、120:1、110:1、100:1、90:1、80:1、70:1、60:1、50:1、40:1、30:1、20:1、15:1、10:1、9:1、8:1、7:1、6:1または5:1である。第1の治療薬および第2の治療薬の上記の同定された組み合わせの何れかを含む組成物は、1日あたり約1、2、3、4、5、6回またはそれ以上、分割用量で投与し得るか、または所望の結果を達成するのに有効な放出速度をもたらす形態で投与し得る。剤型は、第1および第2の活性剤の両方を含有し得る。剤型は、それが第1および第2の活性剤の両方を含有する場合、1日に1回投与し得る。

0048

例えば、ヒトへの経口投与を意図した処方物は、約0.1mg〜約5gの第1の治療薬および約0.1g〜約5gの第2の治療薬を含有し得、これらの両者とも、組成物全体の約5%〜約95%まで変動する担体材料の適切で都合の良い量(about)とともに混ぜ合わせられる。単位投与量は、一般的に、約0.5mg〜約1500mgの第1の治療薬および0.5mg〜1500mgの第2の治療薬を含有する。投与量は、約25mg、50mg、100mg、200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、800mgまたは100mgなど、最大約1500mgの第1の治療薬であり得る。投与量は、約25mg、50mg、100mg、200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、800mgまたは100mgなど、最大約1500mgの第2の治療薬であり得る。

0049

ある一定の実施形態において、本発明は、アルツハイマー病の処置を必要とする患者に、1日あたり約1mg〜100mgのクロモリン二ナトリウムを含む微粉化した乾燥粉末を吸入により投与することを含む、アルツハイマー病を処置する方法に関する。

0050

実施例1
PS1/PSS動物モデルにおける発明者らの研究から、クロモリンナトリウムがミクログリア細胞とアミロイド沈着物との相互作用に影響を及ぼし、最終的にミクログリアによるAβ排除に影響を及ぼしたことが示された。発明者らは、最初に、PBSまたは最大用量のクロモリンナトリウム(3.15mg/kg)で処置したマウスの脳切片において、AβとミクログリアマーカーIba1との間の二重免疫染色を行った。両染色間の重複系統解析から、クロモリンナトリウムを与えられた動物がアミロイドと重複するより高いパーセンテージのIba1免疫反応性を示したことが明らかになり(図1B)、このことから、本化合物により誘導される斑の周囲のミクログリアの動員が穏やかに増加することが示され得る。

0051

発明者らのこれらの機序の理解をさらに深めるために、およびミクログリア機能変化の評価がインビボでは困難であることを考慮して、発明者らはAβミクログリア取り込みのさらなるインビトロ系を使用した。合成Aβ40およびAβ42ペプチドをクロモリンナトリウムの存在下または非存在下で培養中のミクログリアに適用した。

0052

16時間の温置後、発明者らは、クロモリンナトリウムの存在下で用量依存的なAβ40およびAβ42レベルの低下を観察し、このことから、Aβ凝集機序に対するクロモリンナトリウムの影響により、ミクログリア取り込みによるAβ排除が促進され得ることが示される(図1C)。これらのインビボおよびインビトロの結果の組み合わせから、Aβ線維形成を阻害することに加えて、クロモリンナトリウムがミクログリア活性化およびAβ排除に影響を及ぼしたことが示唆され得る。

0053

クロモリンナトリウムは血漿中のAβレベルに影響を与えないが、ミクログリアAβ排除を促進する。図1Aは、PBSまたは漸増用量のクロモリンナトリウム(n=マウス3〜5匹/群)での処置の1週間後のAβx−40およびAβx−42の血漿レベルの定量を示す。図1Bは、7日間毎日クロモリンナトリウム(3.15mg/kg)またはPBSで処置したマウスにおけるアミロイド沈着物(6E10)およびミクログリア(Iba1)の局在化の代表的画像を示す。Iba1陽性突起によって占有されるアミロイドのパーセンテージを各沈着物について計算し、クロモリンナトリウムでの処理後にAβとIba1との間の重複増加が示された(PBSについてはn=3匹のマウス、クロモリンナトリウムについてはn=5匹のマウス)。各動物について20〜20個の斑を評価した。スケールバー=10μm。図1Cは、インビトロでのミクログリアAβ取り込みに対するクロモリンナトリウムの効果を示す。ミクログリア細胞を培養し、50nMの合成Aβ40またはAβ42および0、10nM、10μMまたは1mMのクロモリンナトリウムとともに16時間温置した。温置後、AβELISAを使用して培地中のAβx−40(図1C左)、Aβx−42(図1C右)の濃度を測定し、ミクログリア細胞数を用いて、PBS対照条件に従って正規化した。(n=3回の実験;*、P<0.05、**、P<0.01)

0054

実施例2
ミクログリア活性化およびM1、M2変換の他の動物試験において、クロモリンが、多くの被験薬物のうち、この変化をもたらし、食作用活性を示した唯一のものであることが示された。図2は、本研究のTg−2576マウスにおける全ての斑のうち代表的な斑およびそれらの沈着物を取り囲むミクログリア細胞を示す。斑を取り囲むIba−1シグナルの総量に対するアミロイド染色と共局在するIba−1陽性突起のパーセンテージに着目した画像解析から、クロモリンナトリウムでマウスを処置した場合、他の何れの群とも対照的に、より多くのIba−1/アミロイド共局在があることが示された。この結果は、実施例1における発明者らの結果および発明者らのインビトロデータと相関する。

0055

イブプロフェンではなくクロモリンがミクログリアAβ42取り込みを促進し、それらの組み合わせによって、イブプロフェンまたはクロモリン単独の何れよりも取り込みが改善した。BV2ミクログリア細胞培養物をクロモリンおよび/またはイブプロフェン(10μM、100μM、1mM)で16時間処理した。その後、細胞を可溶性Aβ42および本化合物とともに3時間温置した。温置後、細胞をELISA分析のために回収した。クロモリン(100μM、1mM)およびクロモリンおよびイブプロフェン(各化合物に対して100μM、1mM)で処理したBV2ミクログリア細胞は、ビヒクルで処理したBV2ミクログリアと比較して、Aβ42取り込みレベル上昇を示す。結果は3つの独立した実験に由来した;**p<0.01、***p<0.001、一元ANOVA、テューキー検定)。データは、平均±SEMとして表す。図3は、クロモリンで処理したBV2ミクログリア細胞の結果をグラフで示し、クロモリンおよびイブプロフェンは、ビヒクルで処理したBV2ミクログリアと比較してAβ42取り込みレベルの上昇を示す。

0056

実施例3:化合物合成
5,5’−[(2−ヒドロキシ−1,3−プロパンジイルビスオキシ)]ビス[4−オキソ−4H−1−ベンゾピラン−2−カルボン酸ジエチルエステル



EtOH(100mL)および濃HCl(1mL)中のクロモリンナトリウム塩(1.0g、2mmol)の懸濁液を100℃で24時間密閉反応管中で加熱した。白色固形物を溶解させ、熱いうちに無色透明溶液を得た。それを室温まで冷まし、NaHCO3(1.0g)を添加した。25℃で30分間撹拌した後、溶媒回転蒸発により除去した。5:95メタノール塩化メチレンを使用する粗製物質シリカゲル上でのクロマトグラフィーによりジエチルエステル(0.8g、76%収率)が得られた;mp154〜156℃;1H NMR(CDCl3,300MHz)δ1.42(t,3H,J=7.1Hz,CH3),2.73(br s,1H,OH),4.44(q,4H,J=7.1Hz,2OCH2CH3),4.32−4.59(m,5H,CHOH,2OCH2),6.80(s,2H,2ビニル−H),6.99(d,2H,J=8.24Hz,2Aro−H),7.12(d,2H,J=8.24Hz,2Aro−H),7.17(d,2H,J=8.24Hz,2Aro−H),7.71(t,2H,J=8.24 2Aro−H)。

0057

5,5’−[(2−フルオロ−1,3−プロパンジイル)ビス(オキシ)]ビス[4−オキソ−4H−1−ベンゾピラン−2−カルボン酸ジエチルエステル



3−ビス(4−メチルベンゼンスルホネート)−2−フルオロプロパンジオール
0〜5℃の塩化メチレン(20mL)中の1,3−ビス(4−メチルベンゼンスルホネートプロパントリオール(2.7g、6.78mmol)の溶液をDAST(2.18g、13.6mmol)で処理した。混合物を0〜5℃で30分間撹拌し、次いで25℃に温め、16時間撹拌した。混合物を飽和重炭酸ナトリウム溶液(30mL)に注ぎ入れ、層を分離させた。塩化メチレン層を乾燥させた(硫酸ナトリウム)。溶媒を除去した後、粗製物質をシリカゲル上でのクロマトグラフィー(塩化メチレン)にかけ、0.82g(30%)の固形物を得た;mp99−102℃;1H NMR(CDCl3),δ2.5(s,6H,CH3),4.15(dd,4H,J=12.3,4.6Hz,CH2,4.8(dq,1H,J=47,4.6,CHF),7.45(d,4H,J=8.1Hz,Aro−H),7.75(d,4H,J=8.4Hz,Aro−H).

0058

5,5’−(2−フルオロプロパン−1,3−ジイル)ビス(オキシ)ビス(4−オキソ−4H−クロメン−2−カルボン酸)



1,3−ビス(2−アセチル−3−ヒドロキシフェノキシ)−2−フルオロプロパン
アセトニトリル(40mL)中の3−ビス(4−メチルベンゼンスルホネート)−2−フルオロプロパンジオール(1.0、2.5mmol)、2,6−ジヒドロキシアセトフェノン(0.76g、5.0mmol)および炭酸カリウム(0.69g)の混合物を還流下で16時間加熱した。混合物をろ過し、ろ液蒸発させた。粗製物質をシリカゲル上でのクロマトグラフィー(アセトニトリル/塩化メチレン5:95)にかけて、0.57g(40%)の生成物を得た;mp162−165℃;1H NMR(d6−DMSO),δ2.5(s,6H,2CH3),4.38(m,4H,2CH2),5.22(br d 1H,J=49Hz,CHF),6.45(m,4H,4Aro−H),7.28(t,2H,J=4.55Hz,2Aro−H).

0059

5,5’−[(2−フルオロ−1,3−プロパンジイル)ビス(オキシ)]ビス[4−オキソ−4H−1−ベンゾピラン−2−カルボン酸ジエチルエステル



エタノール(10mL)およびベンゼン(10mL)中のナトリウムエトキシド(87mg Na)の溶液に、1,3−ビス(2−アセチル−3−ヒドロキシフェノキシ)−2−フルオロプロパン(200mg、0.52mmol)およびシュウ酸エチル(2mL)の混合物を添加した。混合物を16時間還流温度で加熱し、冷却し、エーテル(50mL)で希釈した。沈殿したナトリウム塩をろ過し、エーテルで洗浄し、乾燥させた。次に、それを水中で溶解させ、10%HClで酸性化して粘着性の固形物を得た。その固形物を、触媒量の36%HClとともにエタノール(20mL)中で1時間還流させた。混合物を50mLの水中に注ぎ入れ、塩化メチレン(50mL)で2回抽出した。抽出物を合わせ、乾燥させた。溶媒除去後、粗製物質をシリカゲル上でのクロマトグラフィー(アセトニトリル/塩化メチレン10:90)にかけて、0.12g(45%)の生成物を得た;mp166〜170℃;1H NMR(CDCl3),δ1.42(t,6H,J=7.14Hz,2CH3),4.58(q,4H,J=7.14Hz 2CH2),4.65(m,4H,2CH2),5.35(dq,1H,J=46Hz,J=4.4HZ,CHF),6.90(s,2H,ビニル−H),6.95(d,2H,J=8.24Hz,2Aro−H),7.13(d,2H,J=8.24Hz,2Aro−H),7.17(d,2H,J=8.24Hz,2Aro−H)7.6(t,2H,J=8.24 2Aro−H).

0060

5,5’−[(2−フルオロ−1,3−プロパンジイル)ビス(オキシ)]ビス[4−オキソ−4H−1−ベンゾピラン−2−カルボン酸



メタノール(20mL)および1M水酸化ナトリウム(2mL)中の5,5’−[(2−フルオロ−1,3−プロパンジイル)ビス(オキシ)]ビス[4−オキソ−4H−1−ベンゾピラン−2−カルボン酸ジエチルエステル(100mg、0.19mmol)の懸濁液を80℃で1時間加熱した。溶液を10%HClで酸性化し、揮発物を除去した。メタノール/塩化メチレン(50:50)の溶液を固形物に添加し、混合物をろ過した。蒸発により76mg(85%)の生成物を得た;1H NMR(d6−DMSO),δ4.65(m,4H,2CH2),5.32(br d,1H,J=46Hz,CHF),6.80(s,2H,2ビニル−H),7.2(d,2H,J=8.24Hz,2Aro−H),7.71(t,2H,J=8.24 2Aro−H).

0061

5,5’−[(2−ヒドロキシ−1,3−プロパンジイル)ビス(オキシ)]ビス[4−オキソ−4H−1−ベンゾピラン−2−エタノール



メタノール(60mL)および塩化メチレン(40mL)中の5,5’−(2−ヒドロキシトリメチレンジオキシ)ビス(4−オキソクロメン−2−カルボン酸)ジエチルエステル(1.0g、1.86mmol)の懸濁液に、NaBH4(0.14g、3.72mmol)を1時間かけてを少量ずつ添加した。混合物を透明になるまで(約5時間)25℃で撹拌し、その時点で、酸性になるまで1M HClを滴下することにより溶液を不活性化した。溶媒を蒸発させ、残渣を塩化メチレンで抽出した。合わせた有機抽出物を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。蒸発後、残渣をカラムクロマトグラフィー(5:95メタノール/塩化メチレン)により精製して0.5g(50%)のトリオールを得た;1H NMR(DMSO−d6,300MHz)δ2.73(s,3H,OH),4.25−4.36(m,9H,2OCH2,CH−O),6.13(s,2H,2ビニルH),7.04(d,2H,J=8.4Hz,芳香族H),7.07(d,2H,J=8.4Hz,芳香族H),7.63(t,2H,J=8.2Hz,芳香族H).

0062

5,5’−[(2−フルオロ−1,3−プロパンジイル)ビス(オキシ)]ビス[4−オキソ−4H−1−ベンゾピラン−2−エタノール



5,5’−(2−ヒドロキシトリメチレンジオキシ)ビス(4−オキソクロメン−2−エタノール)に対する上記手順を使用した。1H NMR(DMSO−d6,300MHz)δ2.73(s,3H,OH),4.25−4.36(m,8H,2OCH2,CH−O),5.35(br d,1H,J=46Hz,CHF),6.13(s,2H,2ビニルH),7.04(d,2H,J=8.4Hz,芳香族H),7.07(d,2H,J=8.4Hz,芳香族H),7.63(t,2H,J=8.2Hz,芳香族H).

0063

5,5’−[(2−ヒドロキシ−1,3−プロパンジイル)ビス(オキシ)]ビス[4−オキソ−4H−1−ベンゾピラン−2−カルボン酸ビス[(2,2−ジメチル−1−オキソプロポキシ)メチル]エステル



20mLのDMF中のクロモリン二酸(1.0g、2.7mm)の撹拌溶液に、ジイソプロピルアミン(0.7mL)および1.0g(6.5mmol)のクロロメチルピバレートを添加した。反応混合物を60℃で4時間撹拌し、水を添加し、混合物を抽出し、分離し、乾燥させ(MgSO4)、溶媒を真空下で除去した。溶媒を除去し、残渣を塩化メチレン中のシリカ4%メタノール上でクロマトグラフィーにかけて、1.2g(65%)のピバレート化合物を得た;mp135〜140℃;H1 NMR(CDCl),δ1.24(s,18H,CH3),4.36(m,2H,OCH2),4.49(m,1H,CHOH),4.51(m,2H,OCH2),),6.00(s,4H,CH−O−CO),6.98(m,4H,2ビニル−H,2Aro−H),7.13(d,2H,J=8.24Hz,2Aro−H),7.61(t,2H,J=8.24 2Aro−H).

0064

5,5’−[(2−フルオロ−1,3−プロパンジイル)ビス(オキシ)]ビス[4−オキソ−4H−1−ベンゾピラン−2−カルボン酸ビス[(2,2−ジメチル−1−オキソプロポキシ)メチル]エステル



20mLのDMF中の5,5’−[(2−フルオロ−1,3−プロパンジイル)ビス(オキシ)]ビス[4−オキソ−4H−1−ベンゾピラン−2−カルボン酸(1.0g、2.1mmol)の撹拌溶液に、イイソプロピルアミン(iisopropylamine)(0.7mL)および1.0g(6.5mmol)のクロロメチルピバレートを添加した。反応混合物を60℃で4時間撹拌し、水を添加し、混合物を抽出し、分離し、乾燥させ(MgSO4)、溶媒を真空下で除去した。溶媒を除去し、残渣を塩化メチレン中の2%メタノールを使用してシリカ上でクロマトグラフィーにかけて、1.0g(70%)のピバレート化合物を得た;mp130−133℃;δ1.21(s,18H,CH3),4.36(m,4m,2OCH2),4.49(br d,1H,J=46Hz,CHF),6.00(s,4H,CH−O−CO),6.98(m,4H,2ビニル−H,2Aro−H),7.13(d,2H,J=8.24Hz,2Aro−H),7.61(t,2H,J=8.24 2Aro−H).

0065

5,5’−[(2−ヒドロキシ−1,3−プロパンジイル)ビス(オキシ)]ビス[4−オキソ−4H−1−ベンゾピラン−2−エタノールのトリアセテート



0〜5℃に冷却したピリジン(20mL)中の5,5’−[(2−ヒドロキシ−1,3−プロパンジイル)ビス(オキシ)]ビス[4−オキソ−4H−1−ベンゾピラン−2−エタノール(0.5g、1.14mmol)の混合物に無水酢酸(0.5g、4.6mmol)をゆっくりと添加した。混合物を0〜5℃で3時間撹拌し、次いで室温に温めた。TLCは反応が完了したことを示した。塩化メチレンを添加し、水相が酸性になるまで混合物を10%HClで洗浄した。塩化メチレン層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を蒸発させた。塩化メチレン中3%メタノールを用いるシリカ上のクロマトグラフィーにより0.45g(72%)のトリアセテート化合物を得た;mp122−125℃;H1 NMR(CDCl3),δ2.16(s,9H,CH3),4.58(m,2H,CH2OH),4.66(m,2H,CH2OH),4.94(s,4H,CH2OH),5.66(m,1H,CHOH),6.15(s,2H,2ビニル−H),6.94(d,2H,2Aro−H),6.97(d,2H,J=8.24Hz,2Aro−H),7.52(t,2H,J=8.24,2Aro−H).

0066

実施例4:Aβ凝集阻害アッセイ
実験計画。3ヶ月齢のTg2576マウスを2ヶ月間順応させ、次いで異なる処置群無作為割り当てた。それらには、ビヒクル処置による対照群(n=10)、クロモリン低用量群およびクロモリン高用量群が含まれた。この処置は、0.1mL/30g体重に基づいて、週に3回、さらに3ヶ月間、PBSでのIP注射を通じて行った。全マウスを8ヶ月齢で屠殺した。組織採取し、死後分析のために処理した。

0067

最終5μMの合成Aaβ42を10、100、1,000nMの試験化合物とともに1時間温置した。最終濃度0.5mg/mLのヘパリンを用いて凝集を開始させた。アッセイ緩衝液は、125mM NaCl、2.5mM KCl、1mM MgCl2、1.25mM Na2H2PO4、2mM CaCl2、25mMグルコースおよびpHを7.4に調整するためのNaHCO3から構成された。アッセイ緩衝液を対照として使用した。チオフラビンT結合の強度によって凝集を測定し、これを動的モードで450nm/480nmの蛍光励起発光(Spectra Max M3プレートリーダー、Molecular Devices)によって検出した。プレートリーダーのソフトウェアによりVmaxとして速度を計算したときに、凝集を記録した。アッセイは3回行い、標準平均±SDとして表した。青い点線はアッセイ緩衝液対照を示す。図4はアッセイの結果を示す。

0068

実施例5
クロモリンは、脳のTBS可溶性AβのレベルおよびAβ(42:40)比率に顕著に影響を及ぼした。A−B.MSD(Aβ42、40および38を測定するためのメススケール(mess scale))Aβ分析を脳TBS可溶性試料に適用した。様々な処置群を比較してAβレベルおよびAβ(42:40)比率の差異を分析した。*p<0.05;**p<0.01、***p<0.001、一元配置分散分析(one−wayANOVA)、テューキー検定;平均±SEMから、低用量および高用量についてのクロモリンおよびイブプロフェンの組み合わせは、Aβ42/40の相対レベルを高め、斑形成に関与しないAβ38を高めることが示される。図5は、AβレベルおよびAβ(42:40)比率の差異の一元(one−way)の結果をグラフで示す。

0069

実施例6−ミクログリア細胞におけるAβ42取り込みに対するクロモリンナトリウムの効果
共焦点顕微鏡およびELISAアッセイを用いて、ミクログリア細胞におけるAβ42取り込みに対するクロモリンおよびその誘導体化合物の効果を評価した。外部から添加されたAβ42を効率的に取り込み、分解することが以前に見出されたBV2ミクログリア細胞株を使用した(Jiang,Q.,et al.(2008)Neuron 58,681−693;Mandrekar et al.,2009 J.Neurosci.29,4252−4262)。本化合物をナイーブBV2ミクログリア細胞において試験して、それらがAβ取り込みを調整するか否かを調べた。完全長ヒトCD33を安定的に発現するBV2細胞(BV2−CD33WT)における化合物の効果を評価して、それらがAβ取り込みのCD33介在性阻害を逆転させるか否かを調べた(Griciuc et al.,2013 Neuron 78,631−643)。

0070

保存溶液の化合物番号、分子量および濃度を表1でまとめる。クロモリン誘導体、C3およびC4は、C1、C2、C5、C6、C7およびC8と比較してDMSO中での溶解度がより低いことが示された。したがって、C3およびC4を除く全化合物について25mMの保存溶液を調製した。C3およびC4に対する保存溶液は、それぞれ5mMおよび7.5mMで調製した。C1は親化合物−クロモリン二ナトリウムである。

0071

0072

ミクログリア細胞におけるAβ42取り込みに対するクロモリンナトリウムの効果を調べるために、ナイーブBV2細胞をDMSO(対照)または500μMのクロモリンで16時間処理した。その後、細胞をPBSで洗浄し、蛍光タグ付加Aβ42ペプチド(400nM、赤)の存在下でDMSOまたはクロモリンで2時間処理した。処理の終了時に、細胞を洗浄し、それらを原形質膜色素(緑色)で標識した。共焦点顕微鏡および赤色チャンネルにおける蛍光シグナルを用いて、細胞内Aβ42ペプチドのレベルを定量した。定量化は全て、ImageJソフトウェアを用いて盲検観察者が行った。注目すべきことに、クロモリンナトリウムは、ナイーブBV2ミクログリア細胞においてAβ42の取り込み増加をもたらした(図6A〜図6D)。

0073

さらに、ELISAアッセイを使用することによって、クロモリンナトリウムがナイーブBV2ミクログリア細胞におけるAβ42取り込みを調整するか否かを決定した。さらに、クロモリンナトリウムが、完全長ヒトCD33を安定的に発現するBV2細胞(BV2−CD33WT)においてAβ42取り込みレベル上昇をもたらすか否かを決定した。この目的のために、ナイーブBV2細胞株およびBV2−CD33WT細胞株の両方を、DMSO(対照)または様々な濃度のクロモリンで16時間処理した。次いで、細胞をPBSで洗浄し、DMSOまたはクロモリンおよび可溶性のタグなしAβ42ペプチド(400nM)で2時間処理した。WakoからのAβ42特異的ELISAキットを用いて、Aβ42取り込みレベルについて回収した細胞溶解物を分析した。BCAアッセイを用いて以前に定量されたタンパク質濃度レベルに対してELISAの結果を正規化した。

0074

クロモリンナトリウムは、ナイーブBV2ミクログリア細胞において100μMおよび1mMでAβ42取り込みの増加をもたらし(図7A)、したがってELISAアッセイによる免疫蛍光の結果が確認された。クロモリンナトリウムはまた、BV2−CD33WT細胞において10μMおよび500μMで内部移行Aβ42レベル上昇ももたらし(図7B、ELISAアッセイ)、ミクログリア細胞におけるAβ42取り込みのCD33介在性阻害を逆転させた。結論として、クロモリンナトリウムでの処理は、ナイーブBV2およびBV2−CD33WT細胞株におけるAβ42取り込みレベルの調整において用量依存的効果を示した。

0075

実施例7−ミクログリア細胞におけるAβ42取り込みに対するクロモリン誘導体の効果
ミクログリアにおけるAβ42取り込みに対するクロモリン誘導体の効果を調べるために、ナイーブBV2細胞またはBV2−CD33WT細胞を増殖培地播種した。翌日、増殖培地中で3時間、DMSO(対照)または様々な濃度の化合物で細胞を処理した。C1、C2、C5、C6、C7およびC8を10、50、100および150μMで試験し、一方でC3およびC4は、DMSO中の溶解度限界により5、25、50および75μMで評価した。その後、細胞をPBSで洗浄し、DMEM培地中、タグなしのAβ42ペプチド(400nM)の存在下でDMSOまたは化合物で2時間処理した。化合物の毒性は、CytoTox−ONE(商標)乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)アッセイによって処理終了時に回収した培地中で評価した。プレート中の残留細胞を冷PBSで洗浄し、プロテアーゼおよびホスファターゼ阻害剤補給したRIPA緩衝液で溶解させた。Pierce(商標)BCAタンパク質アッセイキットを用いて溶解物上清中のタンパク質濃度を決定し、WakoからのAβ42ELISAキットを用いてAβ42取り込みについて各溶解物からの2〜3μg/ウェル総タンパク質を分析した。毒性化合物濃度はさらなる研究から除外した。

0076

クロモリン誘導体がより高用量で細胞傷害性を誘導するか否かを調べるために、ナイーブBV2ミクログリア細胞をDMSO(ビヒクル)または様々な濃度のクロモリン誘導体とともに3時間温置した。次いで細胞を洗浄し、DMSOまたは化合物および可溶性のタグなしAβ42とさらに2時間温置した。その後、細胞培地を回収し、損傷細胞によって放出されたLDHを測定して、細胞溶解を誘導する化合物を同定した。LDHアッセイから、クロモリン誘導体C8が100および150μMで試験した場合に毒性を示す唯一の化合物であることが示された(図8)。したがって、C8に対する100および150μM濃度をAβ42取り込みアッセイから除外した。

0077

実施例8−クロモリン誘導体による、ミクログリア細胞におけるAβ42取り込みの調整
クロモリン誘導体がAβ42の取り込みを調整するか否かを試験するために、ナイーブBV2ミクログリア細胞をDMSO(対照)または様々な濃度のクロモリン誘導体化合物で3時間処理した。その後、細胞を洗浄し、タグなしAβ42の存在下でDMSOまたは化合物で2時間処理した。処理終了時に、細胞溶解物を回収した。Aβ42特異的ELISAキットを用いて、細胞内Aβ42レベルについての分析を行った。親化合物C1(クロモリンナトリウム)は、BV2細胞において100および150μMでAβ42取り込みの中程度の増加をもたらした。他のクロモリン誘導体とともに受領したC1アリコートは、(クロモリン誘導体なしで)初めて発明者らに送られたC1アリコートよりもDMSO中での溶解度が低かった。興味深いことに、化合物C6はBV2ミクログリア細胞においてAβ42取り込みの強力な阻害をもたらした。注目すべきことに、クロモリン誘導体C4は、ナイーブBV2ミクログリア細胞において75μMでAβ42ペプチドの取り込み増加をもたらした(図9)。

0078

さらに、2組の独立した実験によって、クロモリン誘導体がBV2−CD33WT細胞におけるAβ42の取り込みおよび排除に影響を与えるか否かを決定した。BV2−CD33WT細胞をDMSO(対照)または5〜150μMの範囲の様々な濃度のクロモリン誘導体で処理した。

0079

第1組の実験において、クロモリン誘導体C1およびC3〜8を試験した。第2組の実験において、他のクロモリン誘導体とともに化合物C2を試験した。75μMの化合物C4での処理の結果、DMSO処理と比較してAβ42取り込みが2倍増加し、50μMで用量依存的効果を示した(図10)。GraphPad Prism 7ソフトウェアを使用したところ、C4に対するIC50は、BV2−CD33WT細胞において54.7μMであった。化合物C6は、DMSO処理と比較した場合に、BV2−CD33WT細胞におけるAβ42取り込みの阻害への介在において用量依存的効果を示す。

0080

第2組の実験では、BV2−CD33WT細胞におけるクロモリン誘導体C1、C2およびC4〜7を試験した。これらの結果により、化合物C4が75μMでAβ42取り込みを増加させるのに最も効果的であり、DMSO処理と比較した場合、より低濃度で用量依存的効果を示したという以前の結果が確認された(図11)。したがって、これらの結果から、化合物C4がBV2−CD33WT細胞におけるAβ42取り込みレベルの増加をもたらし、Aβ取り込みおよび排除のCD33介在性阻害を逆転させたことが示唆される(図10および11)。

実施例

0081

これらの結果から、クロモリン誘導体C4がミクログリア取り込みおよびAβ42の排除を誘導し、神経毒性/炎症促進性から神経保護性/食作用促進性活性化表現型へのミクログリア細胞の偏りを促進したことが示唆される。

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