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課題・解決手段

本出願は、新規な7−置換1−ピリジルナフチリジン−3−カルボキサミド、その調製法、疾患を治療および/または予防するためのその単独または組み合わせでのその使用、ならびに疾患を治療および/または予防するため、特に心血管障害および/または腎臓障害を治療および/または予防するための医薬を製造するためのその使用に関する。

概要

背景

ムスカリン作動性受容体は、膜上に位置する受容体であり、内因性リガンドとして、アセチルコリン(ACh)神経伝達物質アセチルコリン受容体)に結合することができるが、ムスカリンによっても活性化され得る。ヒトの生体内のほぼ全ての種類の組織発現するこれらのGタンパク質共役型受容体の5つのサブタイプ(M1〜M5)が存在する。これらには、中枢神経系と末梢神経系の両方において、および自律神経系の多くの臓器において遭遇する。

M2型(M2R)は、主に心臓で発現される。細胞ベルでは、アセチルコリンアゴニストによるM2R刺激が、アデニルシクラーゼ阻害および内向き整流カリウムチャネル(IKAChチャネルGIRK:Gタンパク質活性化内向き整流性K+チャネル;Kir3.xとも)の活性化を引き起こす。これはカリウム伝導性を増加させ、筋細胞過分極につながる。したがって、細胞は脱分極がより困難になり、有害な変時性および変伝導性効果をもたらすので、心拍数が低下する。M2Rは、迷走神経によって制御される心機能副交感神経制御の主なメディエーターである。右迷走神経は洞結節を介して心拍数を低下させ;左迷走神経は房室結節(AVノード)を介して房室伝導時間を主に増加させる。全体として、安静時の心拍数に対する迷走神経の影響は、交感神経と比較して優勢である。したがって、M2Rの刺激の効果は、β−アドレナリン刺激の効果と反対である。

内因性アセチルコリンアゴニストによるだけでなく、カルバコールオキソトレモリン−Mまたはイペロキソ(Schrageら、Biochem.Pharmacol.2014、90(3)、307〜319)などの合成類似体によるM2受容体の活性化も、受容体のオルソステリック結合部位と呼ばれるものへのアゴニストの結合、および結果として受容体のコンフォメーション変化または活性受容体確認の安定化によって行われる。従来の天然ムスカリン受容体アゴニストには、内因性アセチルコリン(ACh)アゴニストと同様に、アレコリン、ムスカリンおよびピロカルピンなどの種々の植物アルカロイドが含まれる(Neubigら、Pharmacol Rev.、2003、55、597〜606)。全てのムスカリン性アセチルコリン受容体のオルソステリック結合部位が高度に進化的に保存されており、種々のサブタイプ間で高い配列および構造的相同性を有する。そのため、既知のアゴニストの多くは、ムスカリン性アセチルコリン受容体の種々のサブタイプに関して選択的ではない(Kruseら、Mol Pharmacol.、2013、84(4)、528〜540)。M2Rは、オルソステリック結合部位と同様にアロステリック結合部位も有する(Gregoryら、Current Neuropharmacol、2007、5(3)、157〜167)。最も古い既知のアロステリックモジュレーターガラミンである(ClarkおよびMitchelson、Br.J.Pharmac.、1976、58、323〜331)。

アロステリックモジュレーターは、従来のオルソステリックリガンドとはっきりした相違を有する。アロステリックモジュレーター自体は、受容体活性化に直接的な影響を及ぼさない。代わりに、アロステリック結合は、オルソステリックアゴニストの結合親和性および/または有効性の調節をもたらす。したがって、アロステリックモジュレーターの効果は、内因性リガンドの存在下でのみ示され得る。これは、アロステリック効果における空間および時間の点での特異性をもたらす(Connら、Nat.Rev.Drug Disc.、2009、8、41〜54;Connら、Nat.Rev.Drug.Disc.、2014、13、692〜708)。さらに、アロステリックモジュレーターの効果は、それが高濃度でアゴニストの結合を安定化させる場合、自己限定的である。これが、原則として、受容体過活性化によって引き起こされる毒性効果が制限されるため、アゴニストと比較してより好ましい薬理学的安全性プロファイルをもたらす(Christopoulos、Mol.Pharmacol.、2014、86、463〜478)。

親和性および固有活性の点でのアロステリックおよびオルソステリックリガンドの相互影響協同作用と称される)は、両リガンドによって決定される。M2Rの正のアロステリックモジュレーターの場合、ACh(オルソステリックリガンド)の効果が増強される(正の協同作用)。オルソステリックリガンドの存在下で受容体コンフォメーションを調節する能力のために、アロステリックリガンドは、薬理学的効果の精密な調整をもたらすことができる(Wangら、J.Pharmacol.Exp.Therap.、2009、331、340〜348)。M2Rの正のアロステリックモジュレーターの場合、これは、有利な効果プロファイル、副作用リスクが低いこと、および完全アゴニストと比較してより多くのサブタイプ選択的リガンドの開発の出発点示唆している。

M2Rと複合体の正のアロステリックM4RおよびM2RリガンドであるLY2119620(3−アミノ−5−クロロ−N−シクロプロピル−4−メチル−6−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−2−オキソエトキシチエノ[2,3−b]ピリジン−2−カルボキサミド)の結晶構造公開されている。M2Rのアロステリック結合部位は、オルソステリック結合部位に空間的に隣接するが、オルソステリック結合部位から明確に区切られており、他のムスカリン受容体サブタイプと比較して、より低い保存性を示す、すなわち配列におけるより大きな差異を有する(Kruseら、Nature、2013、504、101〜106)。LY2119620は非選択的なM2R/M4R正のアロステリックモジュレーターとして記載された(Croyら、Molecular Pharmacology、2014年7月86、1、106〜115;Schoberら、Molecular Pharmacology、2014年7月86、1、116〜123)。

自律神経系の構成要素としてのM2Rは、心血管障害病因および進行において重要な役割を果たす。迷走神経(副交感神経)弱化および交感神経系優性を特徴とする自律神経不均衡は、罹患率および死亡率の増加と密接に相関している。心不全(HF)、心リズム障害虚血再灌流(I/R)、高血圧を含む種々の心血管障害(Heら、Br.J.Pharmacol.2014、Epub)および慢性腎疾患(Ranpuriaら、Nephrol Dial Transplant.2008、23(2)、444〜4499)において、自律神経不均衡の臨床的および予後的重要性が十分に立証されている。特に、糖尿病などの併存症を有する患者の場合、自律神経不均衡は、罹患率および死亡率の増加に寄与し得る(Vinikら、Diabet Med.、2011、28(6)、643〜651)。機能障害性自律神経系の徴候としての高血圧緊急症または高血圧の変動などの圧受容器反射機能不全は、しばしば虚血性または出血性脳卒中急性期に伴う(Sykoraら、Stroke、2009、40(12)、678〜682)。

心不全とうつ病との間などの心血管障害と心理学的障害との間の併存症の頻繁な観察は、おそらく自律神経の不均衡に伴う共通の病態機構に基づいている(Halarisら、Mod TrendsPharmacopsychiatri.、2013、28、144〜161)。慢性的ストレスは、自律神経系の恒常状態シフトさせる。迷走神経緊張の減少は、神経伝達物質調節、特にセロトニン作動性伝達の障害により、前炎症状態に寄与する。他の心理学的障害も、自律神経調節不全、例えば抑制の喪失感情自制欠如不注意および多動性を特徴とする注意欠陥多動性障害ADHD)と関連付けられている(RashおよびAguirre−Camacho、Atten Defic Hyperact Disord.、2012、4(4)、167〜177)。

そのため、予想される抗炎症効果一酸化窒素(NO)の上昇、酸化還元状態の調節、ミトコンドリア機能およびカルシウム調節の改善を含む正のアロステリックモジュレーターによる副交感神経活動ブーストは、特に心血管障害の場合の新規治療原則に寄与し得る。副交感神経活動の調節を慢性心不全の場合の潜在的な治療標的みなすことができるという多数の示唆が存在する。心筋梗塞から回復したイヌにおける迷走神経刺激は、心臓突然死発生率および慢性心不全を患うラットの死亡率を有意に低下させた(De Ferrari、J.Cardiovasc.Transl.Res.、2014、7(3)、310〜320)。心不全(LVEF35%)および移植された迷走神経刺激装置を有するイヌモデルでは、群と比較した治療群において、左室駆出率(LVEF)の有意な改善ならびに収縮終期容積および拡張終期容積(LVESV、LVEDV)の減少が発生し、同様に3ヵ月以内に心拍数の有意な減少が発生することが示された。VNSの記載された効果は、β遮断薬投与に付加的であった(De Ferrari、J.Cardiovasc.Transl.Res.、2014、7(3)、310〜320)。TNF−αおよびIL−6の血漿レベルならびにその心筋タンパク質発現が、この動物モデルにおいて迷走神経刺激によって低下し、このことは副交感神経系のブーストならびにLVリモデリングへの効果もまた炎症性サイトカインにプラスの効果を有することを示唆している。

実験前臨床データに基づいて、慢性心不全を有する患者における迷走神経刺激に関する最初の臨床試験が、癲癇およびうつ病の治療において既に確立されているように現在行われている。直接的な迷走神経刺激(VNS)を介した副交感神経系のブーストの効果が、左室(LV)収縮機能不全を有する32人の患者での非無作為化観察試験で評価され、その結果は、迷走神経刺激が生活の質、スタミナおよびLVリモデリングに対する好ましい効果を有することを示唆している(De FerrariGMら、Eur.Heart J.、2011、32、847〜855)。多施設オープン実行可能性試験ANTHEN−HFで、標準治療に加えて、駆出率低下を伴う慢性定性症候性心不全(HFrEF)を有する患者における迷走神経刺激の安全性、適合性および有効性が試験された(Premchand RKらJ.Card.Fail.、2014、20(11)、808〜816)。この試験で使用された連続的迷走神経刺激は、駆出率、心拍数の変動性、NYHAクラスおよび生活の質の改善をもたらした。対照的に、最初のプラセボ対照臨床試験であるNECTAR−HFは、6ヵ月後にHF患者の心機能に対する迷走神経刺激の有意な効果を示さなかった(Zannadら、Eur.Heart J.、2015、36(7)、425〜433)。唯一の改善は生活の質であった。650人のHF患者を用いたINOVATE−HF試験は、死亡率および入院に関してこの治療の効果を示すことができなかった。(Goldら、J Am Coll Cardiol.、2016年3月29日、pii:S0735〜1097(16)32404−4。doi:10.1016/j.jacc.2016.03.525)。生活の質および歩行距離が有意に改善された。

感染リスクおよび外科的介入潜在的リスクと同様に、迷走神経の電気刺激による治療は、発声障害および口腔咽頭痛などの副作用によって制限される(Premchand RKら、J.Card.Fail、2014、20(11)、808〜816)。M2Rに対する直接的効果による副交感神経系の薬物支援ブーストは、新規な療法選択肢を構成することができるだろう。

心房細動は最も一般的な持続性心リズム障害であり、その有病率年齢とともに増加する(Chenら、Circ.Res.、2014、114(9)、1500〜1515)。心房細動および心不全は、しばしば互いに有益な関係で生じる。したがって、心房細動の有病率は、心不全の臨床的重症度とともに増加する(MaiselおよびStevenson、Am.J.Cardiol.、2003、91、(補遺)2D〜8D)。臨床データは、心不全が心房細動を伴う患者は予後不良であることを示唆している。この患者群では、致死率(総致死率、突然死およびポンプ不全)と罹患率(入院)の両方が有意に増加することが分かった。

心房細動の治療には、2つの異なる治療戦略が存在する:いわゆる、調整、可能であれば、心室周波数正規化による拍数制御、およびいわゆる、正弦波リズムを確立または維持することを意図した措置を含むリズムコントロール。有効な治療は、非薬物支援と薬物支援または介入措置の組み合わせからなる(Levalter T、Fortbildungsprogramm Pharmazie、2011、5、106〜127)。

心臓除細動後の薬物支援リズム制御では、β遮断薬、クラスIおよびクラスIII抗不整脈薬が、根底にある心障害および左心室ポンプ機能障害の程度にしたがって使用される。永続的な心房細動を有する患者および持続性または発作性の心房細動を有する症状の乏しい(しばしば高齢の)患者では、心房細動の保持および許容を伴う単純な拍数制御がしばしば選択療法となる。主に、AVノードの不応期または伝導能力に影響を及ぼす医薬品が使用される。原則として、この効果は、例えば正のアロステリックモジュレーターの助けを借りて、この時点で重要な生理学的役割を果たすM2Rの刺激によって達成することができる。現在利用可能な薬物は、β遮断薬、ジギタリスカルシウム拮抗薬、および個々の場合で、ライフスタイル、根底にある心障害および二次的障害を考慮して使用されるアミオダロンである。しかしながら、特に左心室ポンプ機能低下および重度の心不全を有する患者では、薬物支援療法の選択肢が不十分である。この患者群では、カルシウム拮抗薬は禁忌である。最近の研究で示されているように、ジゴキシンによる治療は、心房細動を有する患者の死亡率を増加させる(Leong−SitおよびTang、Curr.Opin.Cardiol.、2015、Epub)。β遮断薬については、心房細動および心不全を有する患者における有効性の欠如が、メタアナリシスで示された(Leong−Sit and Tang、Curr.Opin.Cardiol.、2015、Epub)。対応して、拍数制御のための新規な効率的で安全な治療に対する医学的要求も高い。これは、M2Rの投薬支援刺激によって達成され得る。

概要

本出願は、新規な7−置換1−ピリジルナフチリジン−3−カルボキサミド、その調製法、疾患を治療および/または予防するためのその単独または組み合わせでのその使用、ならびに疾患を治療および/または予防するため、特に心血管障害および/または腎臓障害を治療および/または予防するための医薬を製造するためのその使用に関する。

目的

本発明により対処される課題は、ムスカリンM2受容体の強力な正のアロステリックモジュレーターを構成し、よって、特に心血管障害および/または腎障害の治療および/または予防に適した新規な物質識別および提供する

効果

実績

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請求項1

式(I)の化合物(式中、R1はNR3R4(式中、R3は水素メチル、(C2〜C4)−アルキルまたは(C3〜C6)−シクロアルキルを表し、(C2〜C4)−アルキルはヒドロキシによって置換されていても、またはフッ素によって最大三置換されていてもよく、R4は(C1〜C6)−アルキル、(C3〜C6)−シクロアルキル、3〜6員飽和ヘテロシクリルまたは(C1〜C4)−アルキルスルホニルを表し、(C1〜C6)−アルキル、(C3〜C6)−シクロアルキルおよび3〜6員飽和ヘテロシクリルは、メチル、ジフルオロメチルトリフルオロメチル、ヒドロキシ、ヒドロキシカルボニルオキソメトキシジフルオロメトキシトリフルオロメトキシおよびシアノからなる群の同一のまたは異なる置換基によって最大三置換されていてもよく、さらにフッ素によって最大四置換されていてもよい、あるいはR3およびR4は、それらが結合している窒素原子一緒になって、環員としてN、O、S、SOおよびSO2からなる群の1個または2個のさらなる同一のまたは異なるヘテロ原子を含有し得る飽和または部分不飽和の3〜6員単環式または6〜10員二環式複素環を形成し、3〜6員単環式および6〜10員二環式複素環はそれぞれ、(C1〜C4)−アルキル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、ヒドロキシカルボニル、オキソ、(C1〜C3)−アルコキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、シアノ、(C1〜C3)−アルコキシカルボニルアミノカルボニルモノ−(C1〜C3)−アルキルアミノカルボニルオキシ、−NHC(=O)R14Aおよび−CH2NHC(=O)R14Bの群から独立に選択される1〜5個の置換基によって置換されていてもよく、さらにフッ素によって最大四置換されていてもよく、R14AおよびR14Bは独立に、(C1〜C3)−アルキルまたはシクロプロピルを表し、(C1〜C4)−アルキルは、ヒドロキシおよび(C1〜C3)−アルコキシからなる群の同一のまたは異なる置換基によって一置換または二置換されていてもよく、フッ素によって最大四置換されていてもよい)を表し、R2は式(式中、*はアミド部分の窒素原子との結合点を示し、R5Aは水素または(C1〜C4)−アルキルを表し、R5Bは水素、(C1〜C4)−アルキル、シクロプロピル、モノフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチルメトキシメチルまたはトリフルオロメトキシメチルを表し、R6は、フッ素によって最大五置換された(C1〜C4)−アルキル、またはフッ素によって最大四置換された(C3〜C5)−シクロアルキルを表し、Y1は−(CH2)k−、−CF2−、−O−CH2−、−CH2−O−または−CH2−O−CH2−(式中、kは0、1、2または3を表す)を表し、R7は水素、フッ素によって最大五置換された(C1〜C2)−アルキル、またはトリフルオロメトキシメチルを表し、L1は結合または式−C(R8AR8B)−(C(R9AR9B))m−(式中、mは0または1を表し、R8Aは水素またはメチルを表し、R8Bは水素、メチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチルまたはトリフルオロメトキシメチルを表し、R9AおよびR9Bは独立に、水素またはメチルを表す)の基を表し、Ar2はフェニルを表し、フェニルは、フッ素、塩素、(C1〜C3)−アルキル、ジフルオロメトキシメチル、トリフルオロメトキシメチルおよびトリフルオロメチルからなる群の同一のまたは異なる置換基によって一〜三置換されていてもよい、あるいは5〜10員二環式または三環炭素環を表し、5〜10員二環式または三環式炭素環は、(C1〜C3)−アルキルおよびトリフルオロメチルによって、同一にまたは異なって、最大三置換されていてもよく、さらにフッ素によって最大四置換されてもよい)の基を表し、Ar1は環炭素原子を介して結合したピリジン環を表し、ピリジン環は、フッ素、塩素、シアノ、メチルまたはトリフルオロメチルによって一置換または二置換されていてもよい)ならびにそのN−オキシド、塩、溶媒和物、N−オキシドの塩およびN−オキシドおよび塩の溶媒和物。

請求項2

R1がNR3R4(式中、R3は水素、メチルまたは(C2〜C4)−アルキルを表し、R4はフッ素によって最大四置換された(C1〜C6)−アルキルを表し、(C1〜C6)−アルキルはオキソによって置換されていてもよい、あるいはR3およびR4は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、環員としてNおよびOからなる群の1個または2個のさらなる同一のまたは異なるヘテロ原子を含有し得る飽和4〜6員単環式または6〜9員二環式複素環を形成し、4〜6員単環式および6〜9員二環式複素環がそれぞれ、(C1〜C4)−アルキル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、オキソ、(C1〜C3)−アルコキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシの群から独立に選択される1〜5個の置換基によって置換されていてもよく、さらにフッ素によって最大四置換されていてもよく、(C1〜C4)−アルキルは、ヒドロキシおよび(C1〜C3)−アルコキシからなる群の同一のまたは異なる置換基によって一置換または二置換されていてもよく、フッ素によって最大四置換されていてもよい)を表し、R2が式(式中、*はアミド部分の窒素原子との結合点を示し、R5Aは水素または(C1〜C4)−アルキルを表し、R5Bはメチル、モノフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチルまたはトリフルオロメトキシメチルを表し、R6は、フッ素によって最大五置換された(C1〜C4)−アルキル、またはフッ素によって最大四置換された(C3〜C5)−シクロアルキルを表し、Y1は−(CH2)k−(式中、kは1または2を表す)を表し、R7はフッ素によって最大五置換された(C1〜C2)−アルキルを表し、R10は水素、フッ素またはトリフルオロメチルを表し、L1は結合または式−CR8AR8B−(式中、R8Aは水素を表し、R8Bはメチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチルまたはトリフルオロメトキシメチルを表す)の基を表し、Ar2はフェニルを表し、フェニルは、フッ素、塩素、(C1〜C3)−アルキルおよびトリフルオロメチルからなる群の同一のまたは異なる置換基によって一〜三置換されていてもよい)の基を表し、Ar1が環炭素原子を介して結合したピリジン環を表し、ピリジン環が、フッ素、塩素、シアノ、メチルまたはトリフルオロメチルによって一置換または二置換されていてもよい、請求項1に記載の式(I)の化合物ならびにそのN−オキシド、塩、溶媒和物、N−オキシドの塩およびN−オキシドおよび塩の溶媒和物。

請求項3

R1がNR3R4(式中、R3は水素またはメチルを表し、R4はメチルまたは2−フルオロエチルを表す)を表す、あるいは式(式中、**は分子の残りとの結合点を示し、Y2は式(式中、#1はピロリジノン環の窒素原子との結合点を示し、#2はピロリジノン環の炭素原子との結合点を示す)の基を表し、Y3は−N(R12)−または式(式中、#1および#2はそれぞれ、ピロリジノン環の炭素原子との結合点を示す)の基を表し、R11はフッ素、(C1〜C4)−アルキル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、ヒドロキシメチル、メトキシ、ジフルオロメトキシまたはトリフルオロメトキシを表し、pは0、1、2、3または4の数を表し、置換基R11が2回以上出現する場合、それらの意味は各場合において同一でも異なっていてもよく、R12は水素または2−ヒドロキシエチルを表す)の、窒素原子を介して結合した、複素環を表し、R2が式(式中、*はアミド部分の窒素原子との結合点を示し、R5Aは水素またはメチルを表し、R5Bはメチル、モノフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチルまたはトリフルオロメトキシメチルを表し、R6はメチル、エチル、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、tert−ブチルイソブチルまたはシクロプロピルを表し、Y1は−(CH2)k−(式中、kは1または2を表す)を表し、R7はトリフルオロメチルを表し、R10は水素、フッ素またはトリフルオロメチルを表し、L1は結合または式−CR8AR8B−(式中、R8Aは水素を表し、R8Bはトリフルオロメチルを表す)の基を表し、Ar2はフェニルを表し、フェニルは、フッ素および塩素からなる群の同一のまたは異なる置換基によって一置換または二置換されていてもよい)の基を表し、Ar1が式(式中、***は窒素原子との結合点を示し、R13Aはフッ素または塩素を表し、R13Bはフッ素または水素を表す)の基を表す、請求項1または2に記載の式(I)の化合物ならびにその塩、溶媒和物および塩の溶媒和物。

請求項4

R1が式(式中、**は分子の残りとの結合点を示す)の、窒素原子を介して結合した、複素環を表し、R2が式(式中、*はアミド部分の窒素原子との結合点を示し、R6Aはトリフルオロメチル、エチル、tert−ブチル、イソブチルまたはシクロプロピルを表し、R6Bはメチルまたはエチルを表し、R6Cはトリフルオロメチルまたはシクロプロピルを表し、Ar2は式(式中、#3は各場合で、結合部位を示す)の基を表す)の基を表し、Ar1が式(式中、***は窒素原子との結合点を示す)の基を表す、請求項1から3のいずれか一項に記載の式(I)の化合物ならびにその塩、溶媒和物および塩の溶媒和物。

請求項5

R1が式(式中、**は分子の残りとの結合点を示し、R11はフッ素、(C1〜C4)−アルキル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、ヒドロキシメチル、メトキシ、ジフルオロメトキシまたはトリフルオロメトキシを表し、pは0、1、2、3または4の数を表し、置換基R11が2回以上出現する場合、それらの意味は各場合において同一でも異なっていてもよい)の、窒素原子を介して結合した、複素環を表し、R2が式(式中、*はアミド部分の窒素原子との結合点を示し、R6Aはトリフルオロメチル、エチル、tert−ブチル、イソブチルまたはシクロプロピルを表し、R6Bはメチル、エチル、tert−ブチルまたはシクロプロピルを表し、R6Cはトリフルオロメチルまたはシクロプロピルを表す)の基を表し、Ar1が式(式中、***は窒素原子との結合点を示す)の基を表す、請求項1または2に記載の式(I)の化合物ならびにその塩、溶媒和物および塩の溶媒和物。

請求項6

R1が式(式中、**は分子の残りとの結合点を示す)の、窒素原子を介して結合した、複素環を表し、R2が式(式中、*はアミド部分の窒素原子との結合点を示し、R6Aはトリフルオロメチルを表し、R6Bはメチルを表す)の基を表し、Ar1が式(式中、***は窒素原子との結合点を示す)の基を表す、請求項5に記載の式(I)の化合物ならびにその塩、溶媒和物および塩の溶媒和物。

請求項7

請求項1から6のいずれか一項に定義される式(I)の化合物を調製する方法であって、[A]式(II)(式中、R2およびAr1は請求項1から6に示される意味を有し、Halはフッ素、塩素、臭素またはヨウ素、好ましくは塩素を表す)の化合物を、式(III)(式中、R1は上に示される意味を有する)の化合物と反応させて、式(I)(式中、R1、R2およびAr1は請求項1から6に示される意味を有する)のカルボキサミドを得る、または[B]式(IV)(式中、R1およびAr1は請求項1から6に示される意味を有する)の化合物を式(V)(式中、R2は上に示される意味を有する)の化合物と反応させて、式(I)(式中、R1、R2およびAr1は請求項1から6に示される意味を有する)のカルボキサミドを得て、適当であれば、このようにして得られた式(I)の化合物をそれらのエナンチオマーおよび/またはジアステレオマーに分離する、ならびに/あるいは適当な(i)溶媒および/または(ii)塩基もしくは酸でそれらの溶媒和物、塩および/または塩の溶媒和物に変換することを特徴とする方法。

請求項8

式(II)(式中、R2およびAr1は、式(I)の化合物について請求項1から6に示される意味を有し、Halはフッ素、塩素、臭素またはヨウ素、好ましくは塩素を表す)の化合物。

請求項9

一般式(IV)(式中、R1およびAr1は、式(I)の化合物について請求項1から6に示される意味を有する)の化合物。

請求項10

請求項1から5のいずれか一項に記載の式(I)の化合物を調製するための、式(II)(式中、R2およびAr1は、式(I)の化合物について請求項1から6に示される意味を有し、Halはフッ素、塩素、臭素またはヨウ素、好ましくは塩素を表す)の化合物または式(IV)(式中、R1およびAr1は、式(I)の化合物について請求項1から6に示される意味を有する)の化合物の使用。

請求項11

疾患の治療および/または予防に使用するための請求項1から6のいずれか一項に定義される化合物。

請求項12

心不全冠動脈心疾患心房性および心室性不整脈腎不全および腎症を治療および/または予防する方法に使用するための請求項1から6のいずれか一項に定義される式(I)の化合物。

請求項13

活性降圧成分、活性抗不整脈成分、バソプレシン受容体拮抗薬、PDE5阻害剤血小板凝集阻害剤、sGC活性化剤およびsGC刺激剤からなる群から選択される1種または複数のさらなる有効成分と組み合わせた請求項1から6のいずれか一項に定義される化合物を含む医薬

請求項14

不活性で、非毒性の薬学的に適した賦形剤と組み合わせて請求項1から6のいずれか一項に定義される化合物を含む医薬。

請求項15

心不全、冠動脈心疾患、心房性および心室性不整脈、腎不全および腎症の治療および/または予防に使用するための請求項13または14に記載の医薬。

技術分野

0001

本出願は、新規な7−置換1−ピリジルナフチリジン−3−カルボキサミド、その調製法、疾患を治療および/または予防するためのその単独または組み合わせでのその使用、ならびに疾患を治療および/または予防するため、特に心血管障害および/または腎臓障害を治療および/または予防するための医薬を製造するためのその使用に関する。

背景技術

0002

ムスカリン作動性受容体は、膜上に位置する受容体であり、内因性リガンドとして、アセチルコリン(ACh)神経伝達物質アセチルコリン受容体)に結合することができるが、ムスカリンによっても活性化され得る。ヒトの生体内のほぼ全ての種類の組織発現するこれらのGタンパク質共役型受容体の5つのサブタイプ(M1〜M5)が存在する。これらには、中枢神経系と末梢神経系の両方において、および自律神経系の多くの臓器において遭遇する。

0003

M2型(M2R)は、主に心臓で発現される。細胞ベルでは、アセチルコリンアゴニストによるM2R刺激が、アデニルシクラーゼ阻害および内向き整流カリウムチャネル(IKAChチャネルGIRK:Gタンパク質活性化内向き整流性K+チャネル;Kir3.xとも)の活性化を引き起こす。これはカリウム伝導性を増加させ、筋細胞過分極につながる。したがって、細胞は脱分極がより困難になり、有害な変時性および変伝導性効果をもたらすので、心拍数が低下する。M2Rは、迷走神経によって制御される心機能副交感神経制御の主なメディエーターである。右迷走神経は洞結節を介して心拍数を低下させ;左迷走神経は房室結節(AVノード)を介して房室伝導時間を主に増加させる。全体として、安静時の心拍数に対する迷走神経の影響は、交感神経と比較して優勢である。したがって、M2Rの刺激の効果は、β−アドレナリン刺激の効果と反対である。

0004

内因性アセチルコリンアゴニストによるだけでなく、カルバコールオキソトレモリン−Mまたはイペロキソ(Schrageら、Biochem.Pharmacol.2014、90(3)、307〜319)などの合成類似体によるM2受容体の活性化も、受容体のオルソステリック結合部位と呼ばれるものへのアゴニストの結合、および結果として受容体のコンフォメーション変化または活性受容体確認の安定化によって行われる。従来の天然ムスカリン受容体アゴニストには、内因性アセチルコリン(ACh)アゴニストと同様に、アレコリン、ムスカリンおよびピロカルピンなどの種々の植物アルカロイドが含まれる(Neubigら、Pharmacol Rev.、2003、55、597〜606)。全てのムスカリン性アセチルコリン受容体のオルソステリック結合部位が高度に進化的に保存されており、種々のサブタイプ間で高い配列および構造的相同性を有する。そのため、既知のアゴニストの多くは、ムスカリン性アセチルコリン受容体の種々のサブタイプに関して選択的ではない(Kruseら、Mol Pharmacol.、2013、84(4)、528〜540)。M2Rは、オルソステリック結合部位と同様にアロステリック結合部位も有する(Gregoryら、Current Neuropharmacol、2007、5(3)、157〜167)。最も古い既知のアロステリックモジュレーターガラミンである(ClarkおよびMitchelson、Br.J.Pharmac.、1976、58、323〜331)。

0005

アロステリックモジュレーターは、従来のオルソステリックリガンドとはっきりした相違を有する。アロステリックモジュレーター自体は、受容体活性化に直接的な影響を及ぼさない。代わりに、アロステリック結合は、オルソステリックアゴニストの結合親和性および/または有効性の調節をもたらす。したがって、アロステリックモジュレーターの効果は、内因性リガンドの存在下でのみ示され得る。これは、アロステリック効果における空間および時間の点での特異性をもたらす(Connら、Nat.Rev.Drug Disc.、2009、8、41〜54;Connら、Nat.Rev.Drug.Disc.、2014、13、692〜708)。さらに、アロステリックモジュレーターの効果は、それが高濃度でアゴニストの結合を安定化させる場合、自己限定的である。これが、原則として、受容体過活性化によって引き起こされる毒性効果が制限されるため、アゴニストと比較してより好ましい薬理学的安全性プロファイルをもたらす(Christopoulos、Mol.Pharmacol.、2014、86、463〜478)。

0006

親和性および固有活性の点でのアロステリックおよびオルソステリックリガンドの相互影響協同作用と称される)は、両リガンドによって決定される。M2Rの正のアロステリックモジュレーターの場合、ACh(オルソステリックリガンド)の効果が増強される(正の協同作用)。オルソステリックリガンドの存在下で受容体コンフォメーションを調節する能力のために、アロステリックリガンドは、薬理学的効果の精密な調整をもたらすことができる(Wangら、J.Pharmacol.Exp.Therap.、2009、331、340〜348)。M2Rの正のアロステリックモジュレーターの場合、これは、有利な効果プロファイル、副作用リスクが低いこと、および完全アゴニストと比較してより多くのサブタイプ選択的リガンドの開発の出発点示唆している。

0007

M2Rと複合体の正のアロステリックM4RおよびM2RリガンドであるLY2119620(3−アミノ−5−クロロ−N−シクロプロピル−4−メチル−6−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−2−オキソエトキシチエノ[2,3−b]ピリジン−2−カルボキサミド)の結晶構造公開されている。M2Rのアロステリック結合部位は、オルソステリック結合部位に空間的に隣接するが、オルソステリック結合部位から明確に区切られており、他のムスカリン受容体サブタイプと比較して、より低い保存性を示す、すなわち配列におけるより大きな差異を有する(Kruseら、Nature、2013、504、101〜106)。LY2119620は非選択的なM2R/M4R正のアロステリックモジュレーターとして記載された(Croyら、Molecular Pharmacology、2014年7月86、1、106〜115;Schoberら、Molecular Pharmacology、2014年7月86、1、116〜123)。

0008

自律神経系の構成要素としてのM2Rは、心血管障害の病因および進行において重要な役割を果たす。迷走神経(副交感神経)弱化および交感神経系優性を特徴とする自律神経不均衡は、罹患率および死亡率の増加と密接に相関している。心不全(HF)、心リズム障害虚血再灌流(I/R)、高血圧を含む種々の心血管障害(Heら、Br.J.Pharmacol.2014、Epub)および慢性腎疾患(Ranpuriaら、Nephrol Dial Transplant.2008、23(2)、444〜4499)において、自律神経不均衡の臨床的および予後的重要性が十分に立証されている。特に、糖尿病などの併存症を有する患者の場合、自律神経不均衡は、罹患率および死亡率の増加に寄与し得る(Vinikら、Diabet Med.、2011、28(6)、643〜651)。機能障害性自律神経系の徴候としての高血圧緊急症または高血圧の変動などの圧受容器反射機能不全は、しばしば虚血性または出血性脳卒中急性期に伴う(Sykoraら、Stroke、2009、40(12)、678〜682)。

0009

心不全とうつ病との間などの心血管障害と心理学的障害との間の併存症の頻繁な観察は、おそらく自律神経の不均衡に伴う共通の病態機構に基づいている(Halarisら、Mod TrendsPharmacopsychiatri.、2013、28、144〜161)。慢性的ストレスは、自律神経系の恒常状態シフトさせる。迷走神経緊張の減少は、神経伝達物質調節、特にセロトニン作動性伝達の障害により、前炎症状態に寄与する。他の心理学的障害も、自律神経調節不全、例えば抑制の喪失感情自制欠如不注意および多動性を特徴とする注意欠陥多動性障害ADHD)と関連付けられている(RashおよびAguirre−Camacho、Atten Defic Hyperact Disord.、2012、4(4)、167〜177)。

0010

そのため、予想される抗炎症効果一酸化窒素(NO)の上昇、酸化還元状態の調節、ミトコンドリア機能およびカルシウム調節の改善を含む正のアロステリックモジュレーターによる副交感神経活動ブーストは、特に心血管障害の場合の新規な治療原則に寄与し得る。副交感神経活動の調節を慢性心不全の場合の潜在的な治療標的みなすことができるという多数の示唆が存在する。心筋梗塞から回復したイヌにおける迷走神経刺激は、心臓突然死発生率および慢性心不全を患うラットの死亡率を有意に低下させた(De Ferrari、J.Cardiovasc.Transl.Res.、2014、7(3)、310〜320)。心不全(LVEF35%)および移植された迷走神経刺激装置を有するイヌモデルでは、群と比較した治療群において、左室駆出率(LVEF)の有意な改善ならびに収縮終期容積および拡張終期容積(LVESV、LVEDV)の減少が発生し、同様に3ヵ月以内に心拍数の有意な減少が発生することが示された。VNSの記載された効果は、β遮断薬投与に付加的であった(De Ferrari、J.Cardiovasc.Transl.Res.、2014、7(3)、310〜320)。TNF−αおよびIL−6の血漿レベルならびにその心筋タンパク質発現が、この動物モデルにおいて迷走神経刺激によって低下し、このことは副交感神経系のブーストならびにLVリモデリングへの効果もまた炎症性サイトカインにプラスの効果を有することを示唆している。

0011

実験前臨床データに基づいて、慢性心不全を有する患者における迷走神経刺激に関する最初の臨床試験が、癲癇およびうつ病の治療において既に確立されているように現在行われている。直接的な迷走神経刺激(VNS)を介した副交感神経系のブーストの効果が、左室(LV)収縮機能不全を有する32人の患者での非無作為化観察試験で評価され、その結果は、迷走神経刺激が生活の質、スタミナおよびLVリモデリングに対する好ましい効果を有することを示唆している(De FerrariGMら、Eur.Heart J.、2011、32、847〜855)。多施設オープン実行可能性試験ANTHEN−HFで、標準治療に加えて、駆出率低下を伴う慢性定性症候性心不全(HFrEF)を有する患者における迷走神経刺激の安全性、適合性および有効性が試験された(Premchand RKらJ.Card.Fail.、2014、20(11)、808〜816)。この試験で使用された連続的迷走神経刺激は、駆出率、心拍数の変動性、NYHAクラスおよび生活の質の改善をもたらした。対照的に、最初のプラセボ対照臨床試験であるNECTAR−HFは、6ヵ月後にHF患者の心機能に対する迷走神経刺激の有意な効果を示さなかった(Zannadら、Eur.Heart J.、2015、36(7)、425〜433)。唯一の改善は生活の質であった。650人のHF患者を用いたINOVATE−HF試験は、死亡率および入院に関してこの治療の効果を示すことができなかった。(Goldら、J Am Coll Cardiol.、2016年3月29日、pii:S0735〜1097(16)32404−4。doi:10.1016/j.jacc.2016.03.525)。生活の質および歩行距離が有意に改善された。

0012

感染リスクおよび外科的介入潜在的リスクと同様に、迷走神経の電気刺激による治療は、発声障害および口腔咽頭痛などの副作用によって制限される(Premchand RKら、J.Card.Fail、2014、20(11)、808〜816)。M2Rに対する直接的効果による副交感神経系の薬物支援ブーストは、新規な療法選択肢を構成することができるだろう。

0013

心房細動は最も一般的な持続性心リズム障害であり、その有病率年齢とともに増加する(Chenら、Circ.Res.、2014、114(9)、1500〜1515)。心房細動および心不全は、しばしば互いに有益な関係で生じる。したがって、心房細動の有病率は、心不全の臨床的重症度とともに増加する(MaiselおよびStevenson、Am.J.Cardiol.、2003、91、(補遺)2D〜8D)。臨床データは、心不全が心房細動を伴う患者は予後不良であることを示唆している。この患者群では、致死率(総致死率、突然死およびポンプ不全)と罹患率(入院)の両方が有意に増加することが分かった。

0014

心房細動の治療には、2つの異なる治療戦略が存在する:いわゆる、調整、可能であれば、心室周波数正規化による拍数制御、およびいわゆる、正弦波リズムを確立または維持することを意図した措置を含むリズムコントロール。有効な治療は、非薬物支援と薬物支援または介入措置の組み合わせからなる(Levalter T、Fortbildungsprogramm Pharmazie、2011、5、106〜127)。

0015

心臓除細動後の薬物支援リズム制御では、β遮断薬、クラスIおよびクラスIII抗不整脈薬が、根底にある心障害および左心室ポンプ機能障害の程度にしたがって使用される。永続的な心房細動を有する患者および持続性または発作性の心房細動を有する症状の乏しい(しばしば高齢の)患者では、心房細動の保持および許容を伴う単純な拍数制御がしばしば選択療法となる。主に、AVノードの不応期または伝導能力に影響を及ぼす医薬品が使用される。原則として、この効果は、例えば正のアロステリックモジュレーターの助けを借りて、この時点で重要な生理学的役割を果たすM2Rの刺激によって達成することができる。現在利用可能な薬物は、β遮断薬、ジギタリスカルシウム拮抗薬、および個々の場合で、ライフスタイル、根底にある心障害および二次的障害を考慮して使用されるアミオダロンである。しかしながら、特に左心室ポンプ機能低下および重度の心不全を有する患者では、薬物支援療法の選択肢が不十分である。この患者群では、カルシウム拮抗薬は禁忌である。最近の研究で示されているように、ジゴキシンによる治療は、心房細動を有する患者の死亡率を増加させる(Leong−SitおよびTang、Curr.Opin.Cardiol.、2015、Epub)。β遮断薬については、心房細動および心不全を有する患者における有効性の欠如が、メタアナリシスで示された(Leong−Sit and Tang、Curr.Opin.Cardiol.、2015、Epub)。対応して、拍数制御のための新規な効率的で安全な治療に対する医学的要求も高い。これは、M2Rの投薬支援刺激によって達成され得る。

0016

欧州特許第0945435号明細書
国際公開第2002/085886号
国際公開第2003/050107号
国際公開第2005/026145号
国際公開第2005/026165号
国際公開第2005/049602号
欧州特許第1650192号明細書
国際公開第2005/009971号
JP2005012561
国際公開第2015/189560号
国際公開第2016/081464号

先行技術

0017

Schrageら、Biochem. Pharmacol. 2014、90(3)、307〜319
Neubigら、Pharmacol Rev.、2003、55、597〜606
Kruseら、Mol Pharmacol.、2013、84(4)、528〜540
Gregoryら、Current Neuropharmacol、2007、5(3)、157〜167
ClarkおよびMitchelson、Br. J. Pharmac.、1976、58、323〜331
Connら、Nat.Rev.Drug Disc.、2009、8、41〜54
Connら、Nat.Rev.Drug.Disc.、2014、13、692〜708
Christopoulos、Mol. Pharmacol.、2014、86、463〜478
Wangら、J.Pharmacol. Exp.Therap.、2009、331、340〜348
Kruseら、Nature、2013、504、101〜106
Croyら、Molecular Pharmacology、2014年7月 86、1、106〜115
Schoberら、Molecular Pharmacology、2014年7月 86、1、116〜123
Heら、Br. J. Pharmacol. 2014、Epub
Ranpuriaら、Nephrol Dial Transplant. 2008、23(2)、444〜4499
Vinikら、Diabet Med.、2011、28(6)、643〜651
Sykoraら、Stroke、2009、40(12)、678〜682
Halarisら、Mod TrendsPharmacopsychiatri.、2013、28、144〜161
RashおよびAguirre−Camacho、Atten Defic Hyperact Disord.、2012、4(4)、167〜177
De Ferrari、J. Cardiovasc.Transl.Res.、2014、7(3)、310〜320
De FerrariGMら、Eur.Heart J.、2011、32、847〜855
Premchand RKら J.Card.Fail.、2014、20(11)、808〜816
Zannadら、Eur. Heart J.、2015、36(7)、425〜433
Goldら、J Am Coll Cardiol.、2016年3月29日、pii:S0735〜1097(16)32404−4。doi:10.1016/j.jacc.2016.03.525
Premchand RKら、J.Card.Fail 、2014、20(11)、808〜816
Chenら、Circ.Res.、2014、114(9)、1500〜1515
MaiselおよびStevenson、Am.J.Cardiol.、2003、91、(補遺)2D〜8D
Levalter T、Fortbildungsprogramm Pharmazie、2011、5、106〜127
Leong−SitおよびTang、Curr.Opin.Cardiol.、2015、Epub
Scammellsら、ACS Chem. Neurosci.、2013、4(7)、1026〜1048
Mistryら、J. Med. Chem.2013、56、5151〜5172

発明が解決しようとする課題

0018

本発明により対処される課題は、ムスカリンM2受容体の強力な正のアロステリックモジュレーターを構成し、よって、特に心血管障害および/または腎障害の治療および/または予防に適した新規な物質識別および提供するというものである。

0019

1−ベンジル置換4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸は、アルツハイマー病および統合失調症などの神経変性疾患を治療するためのM1ムスカリン受容体のアロステリックモジュレーターとして記載されている(Scammellsら、ACS Chem.Neurosci.、2013、4(7)、1026〜1048;Mistryら、J.Med.Chem.2013、56、5151〜5172)。数ある文献の中でも、欧州特許第0945435号明細書は、抗細菌活性を有するピリドンカルボン酸誘導体を開示している。国際公開第2002/085886号、国際公開第2003/050107号および国際公開第2005/026145号は、7−ピペリジノ置換キノロンカルボン酸誘導体を請求しており、国際公開第2005/026165号および国際公開第2005/049602号は種々の7−ピロリジノ置換キノロンカルボン酸誘導体を請求しており、欧州特許第1650192号明細書は抗微生物/抗細菌活性を有する特異的7−アゼチジニルキノロンカルボン酸誘導体を請求している。国際公開第2005/009971号および特願2005−012561号明細書は、血小板凝集阻害剤として使用することができるキノロン誘導体を開示している。国際公開第2015/189560号は、心血管障害を治療するためのNPRCアゴニストとしての1,4−ジヒドロキノリン誘導体を開示している。MCT調節剤としてのキノロンカルボン酸誘導体は、特に腫瘍障害および炎症過程の治療について国際公開第2016/081464号に記載されている。

課題を解決するための手段

0020

本発明は、一般式(I)の化合物



(式中、
R1はNR3R4
(式中、
R3は水素、メチル、(C2〜C4)−アルキルまたは(C3〜C6)−シクロアルキルを表し、
(C2〜C4)−アルキルはヒドロキシによって置換されていても、またはフッ素によって最大三置換されていてもよく、
R4は(C1〜C6)−アルキル、(C3〜C6)−シクロアルキル、3〜6員飽和ヘテロシクリルまたは(C1〜C4)−アルキルスルホニルを表し、
(C1〜C6)−アルキル、(C3〜C6)−シクロアルキルおよび3〜6員飽和ヘテロシクリルは、メチル、ジフルオロメチルトリフルオロメチル、ヒドロキシ、ヒドロキシカルボニルオキソメトキシジフルオロメトキシトリフルオロメトキシおよびシアノからなる群の同一のまたは異なる置換基によって最大三置換されていてもよく、さらにフッ素によって最大四置換されていてもよい、
あるいは
R3およびR4は、それらが結合している窒素原子一緒になって、環員としてN、O、S、SOおよびSO2からなる群の1個または2個のさらなる同一のまたは異なるヘテロ原子を含有し得る飽和または部分不飽和の3〜6員単環式または6〜10員二環式複素環を形成し、
3〜6員単環式および6〜10員二環式複素環はそれぞれ、(C1〜C4)−アルキル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、ヒドロキシカルボニル、オキソ、(C1〜C3)−アルコキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、シアノ、(C1〜C3)−アルコキシカルボニルアミノカルボニルモノ−(C1〜C3)−アルキルアミノカルボニルオキシ、−NHC(=O)R14Aおよび−CH2NHC(=O)R14Bの群から独立に選択される1〜5個の置換基によって置換されていてもよく、さらにフッ素によって最大四置換されていてもよく、
R14AおよびR14Bは独立に、(C1〜C3)−アルキルまたはシクロプロピルを表し、
(C1〜C4)−アルキルは、ヒドロキシおよび(C1〜C3)−アルコキシからなる群の同一のまたは異なる置換基によって一置換または二置換されていてもよく、フッ素によって最大四置換されていてもよい)
を表し、
R2は式



(式中、
*はアミド部分の窒素原子との結合点を示し、
R5Aは水素または(C1〜C4)−アルキルを表し、
R5Bは水素、(C1〜C4)−アルキル、シクロプロピル、モノフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチルメトキシメチルまたはトリフルオロメトキシメチルを表し、
R6は、フッ素によって最大五置換された(C1〜C4)−アルキル、またはフッ素によって最大四置換された(C3〜C5)−シクロアルキルを表し、
Y1は−(CH2)k−、−CF2−、−O−CH2−、−CH2−O−または−CH2−O−CH2−
(式中、
kは0、1、2または3を表す)
を表し、
R7は水素、フッ素によって最大五置換された(C1〜C2)−アルキル、またはトリフルオロメトキシメチルを表し、
L1は結合または式−C(R8AR8B)−(C(R9AR9B))m−
(式中、
mは0または1を表し、
R8Aは水素またはメチルを表し、
R8Bは水素、メチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチルまたはトリフルオロメトキシメチルを表し、
R9AおよびR9Bは独立に、水素またはメチルを表す)
の基を表し、
Ar2はフェニルを表し、
フェニルは、フッ素、塩素、(C1〜C3)−アルキル、ジフルオロメトキシメチル、トリフルオロメトキシメチルおよびトリフルオロメチルからなる群の同一のまたは異なる置換基によって一〜三置換されていてもよい、
あるいは
5〜10員二環式または三環炭素環を表し、
5〜10員二環式または三環式炭素環は、(C1〜C3)−アルキルおよびトリフルオロメチルによって、同一にまたは異なって、最大三置換されていてもよく、さらにフッ素によって最大四置換されてもよい)
の基を表し、
Ar1は環炭素原子を介して結合したピリジン環を表し、
ピリジン環は、フッ素、塩素、シアノ、メチルまたはトリフルオロメチルによって一置換または二置換されていてもよい)
ならびにそのN−オキシド、塩、溶媒和物、N−オキシドの塩およびN−オキシドおよび塩の溶媒和物に関する。

0021

本発明の化合物は、式(I)に含まれ、以下に言及される化合物が既に塩、溶媒和物および塩の溶媒和物でない場合、式(I)の化合物およびその塩、溶媒和物と塩の溶媒和物、式(I)に含まれ、以下に言及される式の化合物およびその塩、溶媒和物と塩の溶媒和物、ならびに式(I)に含まれ、実施例として以下に引用される化合物およびその塩、溶媒和物と塩の溶媒和物である。

0022

本発明による化合物は、同様に、式(I)の化合物のN−オキシドおよび塩、溶媒和物、ならびにその塩の溶媒和物である。

0023

本発明の文脈において好ましい塩は、本発明による化合物の生理学的に許容される塩である。また、それ自体は製薬用途に適していないが、例えば、本発明の化合物を単離、精製または貯蔵するために使用することができる塩も包含される。

0024

本発明の化合物の適切な薬学的に許容される塩は、例えば、鎖中または環中に十分に塩基性の窒素原子を有する本発明の化合物の酸付加塩、例えば無機酸もしくは「鉱酸」、例えば塩酸臭化水素酸ヨウ化水素酸硫酸スルファミン酸、重硫酸、リン酸もしくは硝酸による、または有機酸、例えばギ酸酢酸アセト酢酸ピルビン酸トリフルオロ酢酸プロピオン酸酪酸ヘキサン酸ヘプタン酸ウンデカン酸ラウリン酸安息香酸サリチル酸、2−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、樟脳酸桂皮酸シクロペンタンプロピオン酸、ジグルコン酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸ニコチン酸、パモ酸、ペクチン酸3−フェニルプロピオン酸、ピバリン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸イタコン酸トリフルオロメタンスルホン酸ドデシル硫酸、エタンスルホン酸ベンゼンスルホン酸パラ−トルエンスルホン酸メタンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸ナフタレンジスルホン酸カンファースルホン酸クエン酸酒石酸ステアリン酸乳酸シュウ酸マロン酸コハク酸リンゴ酸アジピン酸アルギン酸マレイン酸フマル酸、D−グルコン酸マンデル酸アスコルビン酸グルコヘプタン酸、グリセロリン酸アスパラギン酸スルホサリチル酸もしくはチオシアン酸による酸付加塩であり得る。

0025

さらに、本発明の十分に酸性の化合物の別の適切な薬学的に許容される塩は、アルカリ金属塩、例えばナトリウムもしくはカリウム塩アルカリ土類金属塩、例えばカルシウム、マグネシウムもしくはストロンチウム塩、またはアルミニウムもしくは亜鉛塩、またはアンモニアまたは1〜20個の炭素原子を有する有機第一級二級もしくは三級アミン、例えばエチルアミンジエチルアミントリエチルアミンエチルジイソプロピルアミンモノエタノールアミンジエタノールアミントリエタノールアミンジシクロヘキシルアミンジメチルアミノエタノールジエチルアミノエタノールトリス(ヒドロキシメチルアミノメタンプロカインジベンジルアミンN−メチルモルホリンアルギニンリジン、1,2−エチレンジアミン、N−メチルピペリジンN−メチルグルカミン、N,N−ジメチルグルカミン、N−エチルグルカミン、1,6−ヘキサンジアミングルコサミンサルコシンセリノール、2−アミノ−1,3−プロパンジオール、3−アミノ−1,2−プロパンジオール、4−アミノ−1,2,3−ブタントリオール由来するアンモニウム塩、または1〜20個の炭素原子を有する四級アンモニウムイオン、例えばテトラメチルアンモニウムテトラエチルアンモニウムテトラ(n−プロピルアンモニウム、テトラ(n−ブチル)アンモニウム、N−ベンジル−N,N,N−トリメチルアンモニウムコリンもしくはベンザルコニウムによる塩である。

0026

業者であれば、請求される化合物の酸付加塩を、いくつかの既知の方法のいずれかを介して化合物と適当な無機酸または有機酸の反応によって調製することが可能であることをさらに認識するだろう。あるいは、本発明の酸性化合物アルカリおよびアルカリ土類金属塩は、種々の既知の方法を介して本発明の化合物を適当な塩基と反応させることによって調製される。

0027

本発明は、単一の塩として、または任意の比の前記塩の任意の混合物として本発明の化合物の全ての可能な塩を含む。

0028

本文中、特に実験節において、本発明の中間体および実施例の合成について、化合物を対応する塩基または酸による塩型として言及する場合、それぞれの調製および/または精製工程によって得られる前記塩型の正確な化学量論的組成は、ほとんどの場合、未知である。特に指定しない限り、例えば、「塩酸塩」、「トリフルオロアセテート」、「ナトリウム塩」または「xHCl」、「xCF3COOH」、「xNa+」などの塩に関する化学名または構造式接尾辞は、塩型を意味し、この塩の化学量論は指定されていない。合成中間体もしくは実施例化合物またはこれらの塩を、溶媒和物、例えば水和物として、記載される調製および/または精製工程によって得た場合にもこれが同様に当てはまる

0029

本発明の文脈における溶媒和物は、溶媒分子による配位によって固体または液体状態錯体を形成する本発明による化合物の形態として記載される。水和物は、配位が水によるものである溶媒和物の特別な形態である。水和物が本発明の文脈において好まれる溶媒和物である。

0030

本発明による化合物は、その構造に応じて異なる立体異性型で、すなわち、配置異性体の形態でまたは適当な場合には、配座異性体アトロプ異性体の場合を含む、エナンチオマーおよび/またはジアステレオマー)として存在し得る。そのため、本発明は、エナンチオマーおよびジアステレオマーならびにこれらのそれぞれの混合物を包含する。立体異性体的均質な成分を、このようなエナンチオマーおよび/またはジアステレオマーの混合物から公知の方法で単離することが可能である。この目的のためにクロマトグラフィー法、特にアキラルまたはキラル分離相でのHPLCクロマトグラフィーを使用することが好ましい。中間体または最終生成物としてのカルボン酸の場合、代わりにキラルアミン塩基を使用してジアステレオマー塩を介して分離することも可能である。

0031

本発明の文脈において、「エナンチオマー的に純粋な」という用語は、キラル中心絶対配置に関して当の化合物が95%超、好ましくは98%超のエナンチオマー過剰率で存在する効果と理解される。エナンチオマー過剰率eeは、以下の式を使用して、キラル相上のHPLC分析クロマトグラムを評価することによってここで計算される:

0032

本発明の化合物が互変異性型で生じ得る場合、本発明は全ての互変異性型を包含する。

0033

本発明はまた、本発明による化合物の全ての適当な同位体変種も包含する。本発明による化合物の同位体変種は、ここでは、本発明による化合物中の少なくとも1個の原子が同じ原子番号であるが通常または主に自然に生じる原子質量とは異なる原子質量を有する別の原子(「不自然分画」)と交換された化合物を意味すると理解される。「不自然な分画」という表現は、その固有振動数よりも高いこのような同位体の分画を意味すると理解される。この点について使用される同位体の固有振動数は、「Isotopic Compositions of the Elements 1997」、Pure Appl.Chem.、70(1)、217〜235、1998に見出すことができる。本発明による化合物に組み込まれ得る同位体の例としては、水素、炭素窒素酸素リン硫黄、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素の同位体、例えば、2H(重水素)、3H(トリチウム)、13C、14C、15N、17O、18O、32P、33P、33S、34S、35S、36S、18F、36Cl、82Br、123I、124I、129Iおよび131Iがある。本発明による化合物の特定の同位体変種、特に1種または複数の放射性同位元素が組み込まれたものは、例えば、体内での作用機構または有効成分分布調査に有益となり得、比較的容易な調製性および検出性のために、特に3Hまたは14Cで標識された化合物がこの目的に適している。さらに、同位体、例えば、重水素の組込みにより、化合物のより大きな代謝安定性の結果としての特定の治療上の利益、例えば、体内での半減期延長または要求される活性剤用量の減少がもたらされ得るので、本発明の化合物のこのような修飾も、おそらく、本発明の好ましい実施形態を構成し得る。ここで指定される障害の治療および/または予防に関して、一般式(I)の化合物の1または複数の同位体変異体は、好ましくは重水素を含む(「一般式(I)の重水素含有化合物」)。1または複数の放射性同位元素、例えば、3Hまたは14Cが組み込まれている一般式(I)の化合物の同位体変異体は、例えば医薬および/または基質組織分布研究に有益である。これらの同位体は、その組込みの容易さおよび検出性のために特に好ましい。一般式(I)の化合物に、18Fまたは11Cなどの陽電子放出同位元素を組み込むことが可能である。一般式(I)の化合物のこれらの同位体変異体は、インビボイメージング用途への使用に適している。一般式(I)の重水素含有および13C含有化合物は、質量分析において前臨床または臨床研究の範囲内で使用され得る(H.J.Leisら,Curr.Org.Chem.,1998,2,131)。本発明の化合物の同位体変種は、当業者に既知の一般的に使用される方法、例えば、以下にさらに記載される方法および実施例に記載の手順によって、それぞれの試薬および/または出発化合物の対応する同位体修飾を用いることにより調製することができる。

0034

一般式(I)の化合物の同位体変異体は、一般に、試薬を試薬の同位体変異体、好ましくは重水素含有試薬に置き換えることによって、ここに記載されるスキームおよび/または実施例に記載されるように当業者に公知の方法により調製することができる。所望の重水素化部位により、いくつかの場合、D2Oからの重水素を、前記化合物の合成に使用することができる化合物または試薬に直接組み込むことが可能である(Esakiら、Tetrahedron、2006、62、10954;Esakiら、Chem.Eur.J.、2007、13、4052)。重水素を分子に組み込むための別の有用な試薬は重水素ガスである。重水素を組み込むための速い経路は、オレフィン結合の接触重水素化(H.J.Leisら,Curr.Org.Chem.,1998,2,131;J.R.Morandiら,J.Org.Chem.,1969,34(6),1889)およびアセチレン結合(N.H.Khan,J.Am.Chem.Soc.,1952,74(12),3018;S.Chandrasekharら,Tetrahedron,2011,52,3865)である。官能基を含む炭化水素において水素を重水素に直接交換するために、重水素ガスの存在下で金属触媒(すなわち、Pd、PtおよびRh)を使用することも可能である(J.G.Atkinsonら、米国特許第3966781号明細書)。種々の重水素化試薬および合成単位が、例えばC/D/N Isotopes(カナダケベック州);Cambridge Isotope Laboratories Inc.(米国マサチューセッツアンドーバー);およびCombiPhos Catalysts、Inc.(米国ニュージャージープリンストン)などの会社から市販されている。重水素−水素交換に関する先行技術に関するさらなる情報は、例えばHanzlikら、J.Org.Chem.、1990、55、3992〜3997;R.P.Hanzlikら、Biochem.Biophys.Res.Commun.、1989、160、844;P.J.Reiderら、J.Org.Chem.、1987、52、3326〜3334;M.Jarmanら、Carcinogenesis、1993、16(4)、683〜688;J.Atzrodtら、Angew.Chem.、Int.Ed.2007、46、7744;K.Matoishiら、2000、J.Chem.Soc、Chem.Commun.、1519〜1520;K.Kassahunら、国際公開第2012/112363号に見出すことができる。

0035

「一般式(I)の重水素含有化合物」という用語は、1個または複数の水素原子が1個または複数の重水素原子によって置き換えられていて、一般式(I)の化合物中の全ての重水素化された位置での重水素の出現頻度が、約0.015%である重水素の自然出現頻度よりも高い、一般式(I)の化合物として定義される。より具体的には、一般式(I)の重水素含有化合物において、一般式(I)の化合物中の全ての重水素化された位置での重水素の出現頻度は、この位置またはこれらの位置で10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%または80%よりも高い、好ましくは90%、95%、96%または97%よりも高い、さらにより好ましくは98%または99%よりも高い。全ての重水素化された位置における重水素の出現頻度は、他の重水素化された位置における重水素の出現頻度とは無関係であることは明らかであろう。

0036

1個または複数の重水素原子を一般式(I)の化合物に選択的に組み込むことは、分子の物理化学的性質(例えば、酸度[A.Streitwieserら,J.Am.Chem.Soc.,1963,85,2759;C.L.Perrinら,J.Am.Chem.Soc.,2007,129,4490]、塩基性度[C.L.Perrinら,J.Am.Chem.Soc.,2003,125,15008;C.L.Perrin in Advances in Physical Organic Chemistry,44,144;C.L.Perrinら,J.Am.Chem.Soc.,2005,127,9641]、親油性[B.Testaら,Int.J.Pharm.,1984,19(3),271])および/または代謝プロファイルを変えることがあり、親化合物代謝産物の比、または生じる代謝産物の量に変化をもたらすことがある。このような変化は、特定の治療上の利益をもたらし得るので、特定の状況下では好ましいものとなり得る。代謝産物の比率が変化している、代謝および代謝切り替えの割合の低下は報告されている(D.J.Kushnerら,Can.J.Physiol.Pharmacol.,1999,77,79;A.E.Mutlibら,Toxicol.Appl.Pharmacol.,2000,169,102)。親化合物および代謝産物への曝露におけるこれらの変化は、一般式(I)の重水素含有化合物の薬動力学忍容性および効力に関して重要な結果を有し得る。一部の例では、重水素置換は、望ましくないかまたは有毒な代謝産物の形成を減らすかまたは無くし、望ましい代謝産物の形成を強化する(例えばNevirapine:A.M.Sharmaら,Chem.Res.Toxicol.,2013,26,410;Uetrechtら,Chemical Research in Toxicology,2008,21,9,1862;Efavirenz:A.E.Mutlibら,Toxicol.Appl.Pharmacol.,2000,169,102)。その他の例では、重水素化の主な効果は、全身クリアランスの比率を低下させることである。結果として、化合物の生物学的半減期は増加する。有望な臨床上の利益には、ピーク値の低下およびトラフ値の増加を伴う、同様の全身曝露を維持する能力が含まれるであろう。これは、特定の化合物の薬物動態薬力学の関係に応じて、副作用の低下および効力の増強という結果をもたらし得る。インディロン(A.J.Moralesら,Abstract 285、第15回国際薬物動態学北米会議(The 15th North American Meeting of the International Society of Xenobiotics)、カリフォルニアサンディエゴ、2008年10月12〜16日)、ML−337(C.J.Wenthurら,J.Med.Chem.,2013,56,5208)、およびオダナカチブ(K.Kassahunら,国際公開第2012/112363号)は、この重水素の効果の例である。代謝の比率の低下の結果、全身クリアランスの比率を変えることなく薬物の露出を増加させた、さらにその他のケースが報告された(例えばロフェコキシブ:F.Schneiderら,Arzneim.Forsch.Drug.Res.,2006,56,295;テラプレビル:F.Maltaisら,J.Med.Chem.,2009,52,7993)。この効果を示す重水素化薬物は、投薬の要件の減少(例えば望ましい効果を実現するための用量数を低下または投薬量の低下)を減らすことがあり、かつ/あるいは、代謝産物量の低下を生じることがある。

0037

一般式(I)の化合物は、代謝を攻撃する、複数の可能性のある場所を有することがある。物理化学的性質および代謝プロファイルに対する上記の効果を最適化するため、ある特定のパターンの1個または複数の重水素−水素交換を有する、一般式(I)の重水素含有化合物を選択することができる。特に、一般式(I)の1個または複数の重水素含有化合物の1個または複数の重水素原子は、炭素原子と結合していて、かつ/または、例えばシトクロムP450などの酵素を代謝するための攻撃の場所である、一般式(I)の化合物の位置に位置している。

0038

本発明の文脈において、特に指定しない限り、置換基は以下の通り定義される:
アルキル自体ならびにアルコキシ、アルキルスルホニル、アルキルアミノカルボニルオキシおよびアルコキシカルボニル中の「Alk」および「アルキル」は、一般的に1〜6個、好ましくは1〜4個または1〜3個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキル基であり、例としておよび好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、tert−ブチルイソブチル(2−メチルプロパ−1−イル)、n−ペンチルおよびn−ヘキシルである。

0039

アルコキシは、例としておよび好ましくは、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシイソプロポキシ、tert−ブトキシ、n−ペントキシおよびn−ヘキソキシである。

0040

アルキルアミノカルボニルオキシは、1個または2個の(独立に選択される)アルキル置換基を有するアルキルアミノカルボニルオキシ基である。(C1〜C3)−アルキルアミノカルボニルオキシは、例えば、1〜3個の炭素原子を有するモノアルキルアミノカルボニルオキシ基または各アルキル置換基に1〜3個の炭素原子を有するジアルキルアミノカルボニルオキシ基である。好ましい例としては、メチルアミノカルボニルオキシエチルアミノカルボニルオキシ、n−プロピルアミノカルボニルオキシ、イソプロピルアミノカルボニルオキシ、tert−ブチルアミノカルボニルオキシ、n−ペンチルアミノカルボニルオキシ、n−ヘキシルアミノカルボニルオキシ、N,N−ジメチルアミノカルボニルオキシ、N,N−ジエチルアミノカルボニルオキシ、N−エチル−N−メチルアミノカルボニルオキシ、N−メチル−N−n−プロピルアミノカルボニルオキシ、N−イソプロピル−N−n−プロピルアミノカルボニルオキシ、N−tert−ブチル−N−メチルアミノカルボニル、N−エチル−N−n−ペンチルアミノカルボニルおよびN−n−ヘキシル−N−メチルアミノカルボニルオキシが挙げられる。

0041

本発明の文脈におけるアルキルスルホニルは、1〜4個の炭素原子を有し、スルホニル基を介して結合している直鎖または分岐アルキル基である。好ましい例としては以下が挙げられる:メチルスルホニルエチルスルホニル、n−プロピルスルホニルイソプロピルスルホニル、n−ブチルスルホニルおよびtert−ブチルスルホニル。

0042

アルコキシカルボニルは、例としておよび好ましくは、メトキシカルボニルエトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、n−ペントキシカルボニルおよびn−ヘキソキシカルボニルである。

0043

本発明の文脈における炭素環は、合計3〜6個の環原子を有する単環式、多環式またはスピロ環式、好ましくは単環式または二環式の飽和炭素環である。単環式飽和炭素環は、シクロアルキルと同義的に呼ばれる。例としては、シクロプロピル、シクロブチルシクロペンチルシクロヘキシルシクロヘプチルシクロペンテニルシクロヘキセニルシクロヘキサジエニルシクロヘプテニルシクロヘプタジエニル、スピロ[2.3]ヘキシル、スピロ[2.4]ヘプチル、スピロ[2.5]オクチル、ビシクロ[1.1.1]ペンチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、トリシクロ[3.3.1.13,7]デシルが挙げられる。3〜5個の炭素原子を有する単環式シクロアルキルが好ましい。好ましい例としては以下が挙げられる:シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびビシクロ[1.1.1]ペンタ−1−イル。

0044

ヘテロシクリルは、一般的に3〜10個の環原子と、最大3個、好ましくは最大2個のN、O、S、SOおよびSO2からなる群のヘテロ原子および/またはヘテロ基とを有する単環式、多環式またはスピロ環式の、好ましくは単環式、二環式またはスピロ環式の非芳香族複素環式基である。ヘテロシクリル基は飽和であっても部分不飽和であってもよい。1個の窒素原子を有する4〜6員単環式飽和ヘテロシクリル基、ならびにNおよびOからなる群のさらなるヘテロ原子を有するもの、ならびに1個の窒素原子を有する6〜7員二環式またはスピロ環式飽和ヘテロシクリル基も好ましい。好ましい例としては以下が挙げられる:アゼチジニル、ピロリジニルピペリジニルピペラジニルオキサゾリジニルイミダゾリジニル、モルホリニルテトラヒドロピリミジンアザスピロ[2.4]ヘプチルおよびアザビシクロ[3.1.0]ヘキシル。

0045

ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素、好ましくは塩素を表す。

0046

R1、R2、Ar1、Ar2、Y1またはY2が表し得る基の式において、記号#1、#2、#3、*、**および***が付けられた線の端点は炭素原子もCH2基も表さず、R1、R2、Ar1、Ar2、Y1およびY2それぞれが結合しているそれぞれの原子との結合の一部である。

0047

本発明の化合物中の基が置換されている場合、特に指定しない限り、この基は、一置換されていても多置換されていてもよい。本発明の文脈において、2回以上生じる全ての基は互いに独立に定義される。本発明の化合物中の基が置換されている場合、特に指定しない限り、この基は、一置換されていても多置換されていてもよい。1個の置換基または2個の同一のもしくは異なる置換基による置換が好ましい。

0048

本発明の文脈において、「治療」または「治療すること」という用語は、疾患、状態、障害、傷害または健康問題の、このような状態および/またはこのような状態の症状の発達、経過または進行の阻害、遅延検査、軽減、減弱、制限、減少、抑制、忌避または治癒を含む。ここでは、「療法」は「治療」という用語と同義であると理解される。

0049

「防止」、「予防」および「妨害」という用語は本発明の文脈において同義的に使用され、疾患、状態、障害、傷害または健康問題に、あるいはこのような状態および/またはこのような状態の症状の発達または進行に罹患する、を経験する、を患うまたはこれらを有するリスクの回避または減少を指す。

0050

疾患、状態、障害、傷害または健康問題の治療または予防は、部分的であっても完全であってもよい。

0051

本発明の文脈においては、
R1がNR3R4
(式中、
R3は水素、メチルまたは(C2〜C4)−アルキルを表し、
R4はフッ素によって最大四置換された(C1〜C6)−アルキルを表し、
(C1〜C6)−アルキルはオキソによって置換されていてもよい、
あるいは
R3およびR4は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、環員としてNおよびOからなる群の1個または2個のさらなる同一のまたは異なるヘテロ原子を含有し得る飽和4〜6員単環式または6〜9員二環式複素環を形成し、
4〜6員単環式および6〜9員二環式複素環がそれぞれ、(C1〜C4)−アルキル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、オキソ、(C1〜C3)−アルコキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシの群から独立に選択される1〜5個の置換基によって置換されていてもよく、さらにフッ素によって最大四置換されていてもよく、
(C1〜C4)−アルキルは、ヒドロキシおよび(C1〜C3)−アルコキシからなる群の同一のまたは異なる置換基によって一置換または二置換されていてもよく、フッ素によって最大四置換されていてもよい)
を表し、
R2が式



(式中、
*はアミド部分の窒素原子との結合点を示し、
R5Aは水素または(C1〜C4)−アルキルを表し、
R5Bはメチル、モノフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチルまたはトリフルオロメトキシメチルを表し、
R6は、フッ素によって最大五置換された(C1〜C4)−アルキル、またはフッ素によって最大四置換された(C3〜C5)−シクロアルキルを表し、
Y1は−(CH2)k−
(式中、
kは1または2を表す)
を表し、
R7はフッ素によって最大五置換された(C1〜C2)−アルキルを表し、
R10は水素、フッ素またはトリフルオロメチルを表し、
L1は結合または式−CR8AR8B−
(式中、
R8Aは水素を表し、
R8Bはメチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチルまたはトリフルオロメトキシメチルを表す)
の基を表し、
Ar2はフェニルを表し、
フェニルは、フッ素、塩素、(C1〜C3)−アルキルおよびトリフルオロメチルからなる群の同一のまたは異なる置換基によって一〜三置換されていてもよい)
の基を表し、
Ar1が環炭素原子を介して結合したピリジン環を表し、
ピリジン環が、フッ素、塩素、シアノ、メチルまたはトリフルオロメチルによって一置換または二置換されていてもよい、
式(I)の化合物ならびにその塩、溶媒和物および塩の溶媒和物が好ましい。
本発明の文脈においては、
R1がNR3R4
(式中、
R3は水素またはメチルを表し、
R4はメチルまたは2−フルオロエチルを表す)
を表す、
あるいは




(式中、
**は分子の残りとの結合点を示し、
Y2は式



(式中、
#1はピロリジノン環の窒素原子との結合点を示し、
#2はピロリジノン環の炭素原子との結合点を示す)
の基を表し、
Y3は−N(R12)−または式



(式中、
#1および#2はそれぞれ、ピロリジノン環の炭素原子との結合点を示す)
の基を表し、
R11はフッ素、(C1〜C4)−アルキル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、ヒドロキシメチル、メトキシ、ジフルオロメトキシまたはトリフルオロメトキシを表し、
pは0、1、2、3または4の数を表し、
置換基R11が2回以上出現する場合、それらの意味は各場合において同一でも異なっていてもよく、
R12は水素または2−ヒドロキシエチルを表す)
の、窒素原子を介して結合した、複素環を表し、
R2が式



(式中、
*はアミド部分の窒素原子との結合点を示し、
R5Aは水素またはメチルを表し、
R5Bはメチル、モノフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチルまたはトリフルオロメトキシメチルを表し、
R6はメチル、エチル、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、tert−ブチル、イソブチルまたはシクロプロピルを表し、
Y1は−(CH2)k−
(式中、
kは1または2を表す)
を表し、
R7はトリフルオロメチルを表し、
R10は水素、フッ素またはトリフルオロメチルを表し、
L1は結合または式−CR8AR8B−
(式中、
R8Aは水素を表し、
R8Bはトリフルオロメチルを表す)
の基を表し、
Ar2はフェニルを表し、
フェニルは、フッ素および塩素からなる群の同一のまたは異なる置換基によって一置換または二置換されていてもよい)
の基を表し、
Ar1が式



(式中、
***は窒素原子との結合点を示し、
R13Aはフッ素または塩素を表し、
R13Bはフッ素または水素を表す)
の基を表す、
式(I)の化合物ならびにその塩、溶媒和物および塩の溶媒和物が好ましい。

0052

本発明の文脈においては、
R1が式



(式中、
**は分子の残りとの結合点を示す)
の、窒素原子を介して結合した、複素環を表し、
R2が式



(式中、
*はアミド部分の窒素原子との結合点を示し、
R6Aはトリフルオロメチル、エチル、tert−ブチル、イソブチルまたはシクロプロピルを表し、
R6Bはメチルまたはエチルを表し、
R6Cはトリフルオロメチルまたはシクロプロピルを表し、
Ar2は式



(式中、
#3は各場合で、結合部位を示す)
の基を表す)
の基を表し、
Ar1が式



(式中、
***は窒素原子との結合点を示す)
の基を表す、
式(I)の化合物ならびにその塩、溶媒和物および塩の溶媒和物が特に好ましい。

0053

本発明のさらなる特定の実施形態は、
R1が式



(式中、
**は分子の残りとの結合点を示し、
R11はフッ素、(C1〜C4)−アルキル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、ヒドロキシメチル、メトキシ、ジフルオロメトキシまたはトリフルオロメトキシを表し、
pは0、1、2、3または4の数を表し、
置換基R11が2回以上出現する場合、それらの意味は各場合において同一でも異なっていてもよい)
の、窒素原子を介して結合した、複素環を表し、
R2が式



(式中、
*はアミド部分の窒素原子との結合点を示し、
R6Aはトリフルオロメチル、エチル、tert−ブチル、イソブチルまたはシクロプロピルを表し、
R6Bはメチル、エチル、tert−ブチルまたはシクロプロピルを表し、
R6Cはトリフルオロメチルまたはシクロプロピルを表す)
の基を表し、
Ar1が式



(式中、
***は窒素原子との結合点を示す)
の基を表す、
式(I)の化合物ならびにその塩、溶媒和物および塩の溶媒和物を包含する。

0054

本発明のさらなる特定の実施形態は、
R1が式



(式中、
**は分子の残りとの結合点を示す)
の、窒素原子を介して結合した、複素環を表し、
R2が式



(式中、
*はアミド部分の窒素原子との結合点を示し、
R6Aはトリフルオロメチルを表し、
R6Bはメチルを表す)
の基を表し、
Ar1が式



(式中、
***は窒素原子との結合点を示す)
の基を表す、
式(I)の化合物ならびにその塩、溶媒和物および塩の溶媒和物を包含する。

0055

本発明のさらなる特定の実施形態は、
R1が式



(式中、
**は分子の残りとの結合点を示し、
Y2は式



(式中、
#1はピロリジノン環の窒素原子との結合点を示し、
#2はピロリジノン環の炭素原子との結合点を示す)
の基を表し、
Y3は−N(R12)−または式



(式中、
#1および#2はそれぞれ、ピロリジノン環の炭素原子との結合点を示す)
の基を表し、
R11はフッ素、(C1〜C4)−アルキル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、ヒドロキシメチル、メトキシ、ジフルオロメトキシまたはトリフルオロメトキシを表し、
pは0、1、2、3または4の数を表し、
置換基R11が2回以上出現する場合、それらの意味は各場合において同一でも異なっていてもよい)
の、窒素原子を介して結合した、複素環を表す、
式(I)の化合物ならびにそのN−オキシド、塩、溶媒和物、N−オキシドの塩およびN−オキシドまたは塩の溶媒和物を包含する。

0056

本発明のさらなる特定の実施形態は、
R1が式



(式中、
**は分子の残りとの結合点を示し、
R11はフッ素、(C1〜C4)−アルキル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、ヒドロキシメチル、メトキシ、ジフルオロメトキシまたはトリフルオロメトキシを表し、
pは0、1、2、3または4の数を表し、
置換基R11が2回以上出現する場合、それらの意味は各場合において同一でも異なっていてもよい)
の、窒素原子を介して結合した、複素環を表す、
式(I)の化合物ならびにそのN−オキシド、塩、溶媒和物、N−オキシドの塩およびN−オキシドまたは塩の溶媒和物を包含する。

0057

本発明のさらなる特定の実施形態は、
R1が式



(式中、
**は分子の残りとの結合点を示し、
R11はフッ素、(C1〜C4)−アルキル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、ヒドロキシメチル、メトキシ、ジフルオロメトキシまたはトリフルオロメトキシを表し、
pは0、1、2、3または4の数を表し、
置換基R11が2回以上出現する場合、それらの意味は各場合において同一でも異なっていてもよい)
の、窒素原子を介して結合した、複素環を表す、
式(I)の化合物ならびにそのN−オキシド、塩、溶媒和物、N−オキシドの塩およびN−オキシドまたは塩の溶媒和物を包含する。

0058

本発明のさらなる特定の実施形態は、
R1が式



(式中、
**は分子の残りとの結合点を示し、
R11はフッ素、(C1〜C4)−アルキル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、ヒドロキシメチル、メトキシ、ジフルオロメトキシまたはトリフルオロメトキシを表し、
pは0、1、2、3または4の数を表し、
置換基R9が2回以上出現する場合、それらの意味は各場合において同一でも異なっていてもよい)
の、窒素原子を介して結合した、複素環を表す、
式(I)の化合物ならびにそのN−オキシド、塩、溶媒和物、N−オキシドの塩およびN−オキシドまたは塩の溶媒和物を包含する。

0059

本発明のさらなる特定の実施形態は、
R1が式



(式中、
**は分子の残りとの結合点を示す)
の、窒素原子を介して結合した、複素環を表す、
式(I)の化合物ならびにそのN−オキシド、塩、溶媒和物、N−オキシドの塩およびN−オキシドまたは塩の溶媒和物を包含する。

0060

本発明のさらなる特定の実施形態は、
R1が式



(式中、
**は分子の残りとの結合点を示す)
の、窒素原子を介して結合した、複素環を表す、
式(I)の化合物ならびにそのN−オキシド、塩、溶媒和物、N−オキシドの塩およびN−オキシドまたは塩の溶媒和物を包含する。

0061

本発明のさらなる特定の実施形態は、
R1が式



(式中、
**は分子の残りとの結合点を示す)
の、窒素原子を介して結合した、複素環を表す、
式(I)の化合物ならびにそのN−オキシド、塩、溶媒和物、N−オキシドの塩およびN−オキシドまたは塩の溶媒和物を包含する。

0062

本発明のさらなる特定の実施形態は、
R2が式



(式中、
*はアミド部分の窒素原子との結合点を示し、
R5Aは水素またはメチルを表し、
R5Bはメチル、モノフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチルまたはトリフルオロメトキシメチルを表し、
R6はメチル、エチル、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、tert−ブチル、イソブチルまたはシクロプロピルを表し、
L1は結合または式−CR8AR8B−
(式中、
R8Aは水素を表し、
R8Bはトリフルオロメチルを表す)
の基を表し、
Ar2はフェニルを表し、
フェニルはフッ素および塩素からなる群の同一のまたは異なる置換基によって一置換または二置換されていてもよい)
の基を表す、
式(I)の化合物ならびにそのN−オキシド、塩、溶媒和物、N−オキシドの塩およびN−オキシドまたは塩の溶媒和物を包含する。

0063

本発明のさらなる特定の実施形態は、
R2が式



(式中、
*はアミド部分の窒素原子との結合点を示し、
R6Aはトリフルオロメチル、エチル、tert−ブチル、イソブチルまたはシクロプロピルを表し、
R6Bはメチルまたはエチルを表し、
R6Cはトリフルオロメチルまたはシクロプロピルを表し、
Ar2は式



(式中、
#3は各場合で、結合部位を示す)
の基を表す)
の基を表す、
式(I)の化合物ならびにそのN−オキシド、塩、溶媒和物、N−オキシドの塩およびN−オキシドまたは塩の溶媒和物を包含する。

0064

本発明のさらなる特定の実施形態は、
R2が式



(式中、
*はアミド部分の窒素原子との結合点を示し、
R6Aはトリフルオロメチル、エチル、tert−ブチル、イソブチルまたはシクロプロピルを表し、
R6Bはメチル、エチル、tert−ブチルまたはシクロプロピルを表し、
R6Cはトリフルオロメチルまたはシクロプロピルを表す)
の基を表す、
式(I)の化合物ならびにそのN−オキシド、塩、溶媒和物、N−オキシドの塩およびN−オキシドまたは塩の溶媒和物を包含する。

0065

本発明のさらなる特定の実施形態は、
R2が式



(式中、
*はアミド部分の窒素原子との結合点を示し、
R6Aはトリフルオロメチルを表し、
R6Bはメチルを表す)
の基を表す、
式(I)の化合物ならびにそのN−オキシド、塩、溶媒和物、N−オキシドの塩およびN−オキシドまたは塩の溶媒和物を包含する。

0066

本発明のさらなる特定の実施形態は、
R2が式



(式中、
*はアミド部分の窒素原子との結合点を示し、
R6Aはトリフルオロメチル、エチル、tert−ブチル、イソブチルまたはシクロプロピルを表す)
の基を表す、
式(I)の化合物ならびにそのN−オキシド、塩、溶媒和物、N−オキシドの塩およびN−オキシドまたは塩の溶媒和物を包含する。

0067

本発明のさらなる特定の実施形態は、
R2が式



(式中、
*はアミド部分の窒素原子との結合点を示し、
R6Bはメチルまたはエチルを表す)
の基を表す、
式(I)の化合物ならびにそのN−オキシド、塩、溶媒和物、N−オキシドの塩およびN−オキシドまたは塩の溶媒和物を包含する。

0068

本発明のさらなる特定の実施形態は、
R2が式



(式中、
*はアミド部分の窒素原子との結合点を示し、
R6Bはメチルを表す)
の基を表す、
式(I)の化合物ならびにそのN−オキシド、塩、溶媒和物、N−オキシドの塩およびN−オキシドまたは塩の溶媒和物を包含する。

0069

本発明のさらなる特定の実施形態は、
Ar1が式



(式中、
***は窒素原子との結合点を示す)
の基を表す、
式(I)の化合物ならびにそのN−オキシド、塩、溶媒和物、N−オキシドの塩およびN−オキシドまたは塩の溶媒和物を包含する。

0070

基のそれぞれの組み合わせまたは好ましい組み合わせにおいて指定されている個々の基の定義はまた、指定されている基のそれぞれの組み合わせと独立に、他の組み合わせの基の定義によって所望のように置き換えられる。

0071

上記の好ましい範囲および実施形態の2つ以上の組み合わせが極めて特に好ましい。

0072

好ましい、特に好ましいおよび極めて特に好ましいとして指定される基の定義を共に式(I)の化合物および対応して全ての中間体に適用する。

0073

本発明はさらに、本発明による式(I)の化合物を調製する方法であって、
[A]式(II)



(式中、R2およびAr1は上に示される定義を有し、
Halはフッ素、塩素、臭素またはヨウ素、好ましくは塩素を表す)
の化合物を、式(III)



(式中、R1は上に示される意味を有する)
の化合物と反応させて、本発明による式(I)のカルボキサミド



(式中、R1、R2およびAr1は上に示される定義を有する)
を得る、
または
[B]式(IV)



(式中、R1およびAr1は上に示される定義を有する)
の化合物を式(V)



(式中、R2は上に示される意味を有する)
の化合物と反応させて、本発明による式(I)のカルボキサミド



(式中、R1、R2およびAr1は上に示される定義を有する)
を得て、
適当であれば、このようにして得られた式(I)の化合物をそれらのエナンチオマーおよび/またはジアステレオマーに分離する、ならびに/あるいは適当な(i)溶媒および/または(ii)塩基もしくは酸でそれらの溶媒和物、塩および/または塩の溶媒和物に変換する
ことを特徴とする方法を提供する。

0074

反応(II)+(III)→(I)は、求核置換反応または遷移金属媒介カップリング反応を介して行うことができる。

0075

求核置換反応は、好ましくは塩基の存在下で行う。プロセスステップ(II)+(III)→(I)に適した塩基は、慣用的無機または有機塩基である。これらには、好ましくはアルカリ金属水酸化物(例えば、水酸化リチウム水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム)、アルカリ金属またはアルカリ土類金属炭酸塩炭酸リチウム炭酸ナトリウム炭酸カリウムまたは炭酸セシウムなど)、アルカリ金属アルコキシドリチウムtert−ブトキシド、ナトリウムtert−ブトキシドまたはカリウムtert−ブトキシドなど)、アルカリ金属水素化物水素化ナトリウムまたは水素化カリウムなど)、または有機アミン(N,N−ジイソプロピルエチルアミンDIPEA)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン(DBN)および1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)など)が含まれる。N,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)を使用することが好まれる。反応は、一般的に0℃〜+100℃の温度範囲内で、好ましくは+23℃〜+80℃で行う。

0076

プロセスステップ(II)→(III)→(I)のための不活性溶媒は、例えば、エーテルジエチルエーテルジオキサンテトラヒドロフラングリコールジメチルエーテルまたはジエチレングリコールジメチルエーテルなど)、炭化水素(ベンゼントルエンキシレンヘキサンシクロヘキサンまたは鉱油留分など)、ハロ炭化水素ジクロロメタントリクロロメタンテトラクロロメタン、1,2−ジクロロエタントリクロロエチレンまたはクロロベンゼンなど)、または他の溶媒(アセトン酢酸エチルアセトニトリル、ピリジン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミドDMF)、N,N’−ジメチルプロピレン尿素DMPU)またはN−メチルピロリドン(NMP)など)である。言及する溶媒の混合物を使用することも同様に可能である。ジメチルホルムアミド(DMF)またはN−メチルピロリドン(NMP)を用いることが好まれる。

0077

好ましい実施形態では、プロセスステップ(II)+(III)→(I)のための遷移金属媒介カップリング反応を、パラジウム触媒の存在下で行う。適切なパラジウム触媒は、例えば、場合により適切なホスフィン配位子、例えばトリフェニルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(X−Phos)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(S−Phos)、1,2,3,4,5−ペンタフェニル−1’−(ジ−tert−ブチルホスフィノフェロセン(Q−Phos)、4,5−ビスジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテンキサントホス)、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(BINAP)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニルまたは2−ジ−tert−ブチルホスフィノ−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニルと組み合わせた、酢酸パラジウム(II)、塩化パラジウム(II)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド、ビス(アセトニトリル)パラジウム(II)クロリド、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)または[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)クロリドである。

0078

パラジウム触媒カップリング反応(II)+(III)→(I)は、一般的に塩基の存在下で行う。適切な塩基は、特に、アルカリ金属炭酸塩(炭酸ナトリウム、炭酸カリウムまたは炭酸セシウムなど)、アルカリ金属リン酸塩リン酸ナトリウムまたはリン酸カリウムなど)、アルカリ金属フッ化物フッ化カリウムまたはフッ化セシウムなど)、またはアルカリ金属tert−ブトキシド(ナトリウムtert−ブトキシドまたはカリウムtert−ブトキシドなど)である。マイクロ波装置を用いた加熱が有利となり得る場合、+80℃〜+200℃、好ましくは+80℃〜+150℃の温度範囲内で、不活性溶媒、例えば、トルエン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミドDMA)またはその混合物中で反応を行う。

0079

このカップリング反応には、酢酸パラジウム(II)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(キサントホス)および炭酸セシウムまたは炭酸カリウムからなる触媒配位子/塩基系および溶媒としての1,4−ジオキサンを使用することが好まれる。

0080

カップリング反応(II)+(III)→(I)は、さらに好ましい実施態様では、酸化銅(I)、臭化銅(I)またはヨウ化銅(I)などの銅(I)触媒を用いて、トランス−N,N’−ジメチル−1,2−シクロヘキサンジアミン8−ヒドロキシキノリンまたは1,10−フェナントロリンなどの銅配位子、および炭酸カリウム、炭酸セシウムまたはビス(テトラエチルアンモニウム)カーボネートなどの無機または有機炭酸塩基の存在下で行うことができる。この反応に適した不活性溶媒は、特に、場合により水を添加した、トルエン、キシレン、1,4−ジオキサン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)またはこれらの混合物である。ジメチルホルムアミド中ヨウ化銅(I)、トランス−N,N’−ジメチル−1,2−シクロヘキサンジアミンおよび炭酸カリウムからなる系を使用することが好まれる。反応は、一般的に+50℃〜+200℃の温度範囲内で、好ましくは+60℃〜+150℃で行う。

0081

カップリング反応(IV)+(V)→(I)[アミド形成]は、縮合剤もしくは活性化剤を用いて直接経路によって、または(IV)から得ることができるカルボニルクロリドカルボン酸エステルもしくはカルボニルイミダゾリド中間段階を介して行うことができる。

0082

縮合剤または活性化剤として使用するのに適しているのは、例えば、場合によりさらなる補助剤(1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)またはN−ヒドロキシスクシンイミド(HOSu)など)、および塩基としてのアルカリ金属炭酸塩(例えば、炭酸ナトリウムもしくは炭酸カリウム)または三級アミン塩基(トリエチルアミン、N−メチルモルホリン(NMM)、N−メチルピペリジン(NMP)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)、ピリジンもしくは4−N,N−ジメチルアミノピリジン(DMAP))と組み合わせた、カルボジイミド(N,N’−ジエチル−、N,N’−ジプロピル−、N,N’−ジイソプロピル−、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)もしくはN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC)など)、ホスゲン誘導体(N,N’−カルボニルジイミダゾール(CDI)、クロロギ酸イソプロピルもしくはクロロギ酸イソブチルなど)、1,2−オキサゾリウム化合物(2−エチル−5−フェニル−1,2−オキサゾリウム3−硫酸塩もしくは2−tert−ブチル−5−メチルイソオキサゾリウム過塩素酸塩など)、アシルアミノ化合物(2−エトキシ−1−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロキノリンなど)、α−クロレナミン(1−クロロ−N,N,2−トリメチルプロパ−1−エン−1−アミンなど)、1,3,5−トリアジン誘導体(4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリドなど)、リン化合物(n−プロパンホスホン酸無水物(T3P、PPACA)、ジエチルシアノホスホネートジフェニルホスホリルアジドDPPA)、ビス−(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスホリルクロリド、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェートもしくはベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ピロリジノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBOP)など)、またはウロニウム化合物(O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)、O−(1H−6クロロベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TCTU)、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)もしくは2−(2−オキソ−1−(2H)−ピリジル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TPTU)など)である。N,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)と組み合わせたO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)、およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)と組み合わせたn−プロパンホスホン酸無水物(T3P、PPACA)が好ましく使用される縮合剤または活性化剤である。

0083

式(II)の化合物は、式(VI)



(式中、HalおよびAr1は上に示される定義を有する)
カルボン酸化合物を式(V)



(式中、R2は上に示される意味を有する)
の化合物と反応させて、式(II)



(式中、Hal、R1、R2およびAr1は上に示される定義を有する)
の本発明のカルボキサミドを得ることによって調製することができる。

0084

カップリング反応(VI)+(V)→(II)[アミド形成]は、縮合剤もしくは活性化剤を用いて直接経路によって、または反応(IV)+(V)→(I)について既に記載される条件および試薬と同様に(VI)から得ることができるカルボニルクロリド、カルボン酸エステルもしくはカルボニルイミダゾリドの中間段階を介して行うことができる。

0085

(II)を得るためのカップリング反応においてHATUを活性化剤として使用する場合、一般式(II)の個々の定義される生成物、または「HATU付加物」との混合物のいずれかを得ることが可能である。本発明の文脈における「HATU付加物」は、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾールとも呼ばれる、一般式(II)中のHal置換基が3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピリジン−3−オール基によって置き換えられた擬ハライド化合物を指す。同様に、一般式(II)のハロゲン化合物と「HATU付加物」の混合物を、記載される反応と同様に、さらなる反応((I)または(VIII)の後)のための反応物質として使用することができる。

0086

式(VI)から得ることができるカルボニルクロリドまたはカルボニルイミダゾリドを介した2段階反応の場合、アミン成分(V)とのカップリングを、慣用的な塩基、例えば、炭酸ナトリウムもしくは炭酸カリウム、トリエチルアミン、DIPEA、N−メチルモルホリン(NMM)、N−メチルピペリジン(NMP)、ピリジン、2,6−ジメチルピリジン、4−N,N−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン(DBN)、ナトリウムメトキシドもしくはカリウムメトキシドナトリウムエトキシドもしくはカリウムエトキシド、ナトリウムtert−ブトキシドもしくはカリウムtert−ブトキシド、または水素化ナトリウムもしくは水素化カリウムの存在下で行う。

0087

カルボニルイミダゾリド自体は、(VI)とN,N’−カルボニルジイミダゾール(CDI)の、対応する比較的高沸点の溶媒、例えばN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中、高温(+60℃〜+150℃)での反応によって既知の方法によって得ることができる。カルボニルクロリドの調製は、ジクロロメタンまたはTHFなどの不活性溶媒中、塩化チオニルまたは塩化オキサリルで(VI)を処理することによって慣用的な方法で達成される。

0088

言及されるカップリング反応のための不活性溶媒は、使用される方法により、例えば、エーテル(ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンもしくはビス(2−メトキシエチル)エーテルなど)、炭化水素(ベンゼン、トルエン、キシレン、ペンタン、ヘキサンもしくはシクロヘキサンなど)、ハロ炭化水素(ジクロロメタン、トリクロロメタン、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエチレンもしくはクロロベンゼンなど)、または極性非プロトン性溶媒(アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、アセトニトリル、ブチロニトリル、ピリジン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N’−ジメチルプロピレン尿素(DMPU)もしくはN−メチルピロリドン(NMP)など)である。このような溶媒の混合物を使用することも可能である。N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)およびジクロロメタン(DCM)をトリエチルアミンと組み合わせて使用することが好ましい。カップリングは、一般的に0℃〜+130℃の温度範囲内で、好ましくは+20℃〜+30℃で行う。

0089

そのそれぞれの置換パターンに応じて、
[C]式(VII)



(式中、HalおよびAr1は上に示される定義を有し、
Tは(C1〜C4)−アルキルまたはベンジルを表す)
の化合物を、第1のステップで、式(III)



(式中、R1は上に示される意味を有する)
の化合物と反応させて、式(VIII)



(式中、T、R1およびAr1は上に示される定義を有する)
の化合物を得て、場合により、第2のステップで、エステル基Tを脱離して、式(IV)



(式中、R1およびAr1は上に示される定義を有する)
の本発明のカルボン酸を得る、
または
[D]式(VI)



(式中、HalおよびAr1は上に示される定義を有する)
の化合物を式(III)



(式中、R1は上に示される意味を有する)
の化合物と反応させて、式(IV)



(式中、R1およびAr1は上に示される定義を有する)
の本発明のカルボン酸を得る
ことによって、式(IV)の化合物を調製することができる。

0090

反応(VII)+(III)→(VIII)[経路C]または反応(VI)+(III)→(IV)[経路D]は、求核置換反応または遷移金属媒介カップリング反応を介して、(II)+(III)→(I)について既に記載される条件と同様に行うことができる。

0091

好ましい実施形態では、反応を塩基の存在下で求核置換反応として経路Cにしたがって行い、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)を用いることが好ましい。ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン(NMP)またはアセトニトリルを溶媒として用いることが好まれる。

0092

好ましい実施形態では、反応を、適切なパラジウム触媒の存在下で、遷移金属媒介カップリング反応として経路Dにしたがって行う。4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(キサントホス)、炭酸セシウムまたは炭酸カリウムおよび溶媒としての1,4−ジオキサンと組み合わせた酢酸パラジウム(II)の系を使用することが好まれる。

0093

プロセスステップ(VIII)→(IV)におけるエステル基Tの脱離は、エステルを不活性溶媒中酸または塩基で処理することによって行い、後の変形で最初に形成されたカルボン酸の塩を酸でその後処理することによって遊離カルボン酸に変換する。tert−ブチルエステルの場合、エステル開裂を、好ましくは酸を用いて行う。あるいは、ベンジルエステルを、適切な触媒、例えば、活性炭上パラジウムの存在下で、水素化(水素化分解)によって開裂することもできる。

0094

この反応に適した溶媒は、水およびエステル開裂のための慣用的な有機溶媒である。これらには、特にアルコールメタノールエタノールn−プロパノールイソプロパノールn−ブタノールまたはtert−ブタノールなど)、またはエーテル(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンまたは1,2−ジメトキシエタンなど)、または他の溶媒(ジクロロメタン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミドまたはジメチルスルホキシドなど)が含まれる。これらの溶媒の混合物を使用することも等しく可能である。塩基性エステル加水分解の場合、水とテトラヒドロフランの混合物を使用することが好まれる。

0095

加水分解反応に適した塩基は、慣用的な無機塩基である。これらには、特にアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属水酸化物、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムもしくは水酸化バリウム、またはアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属炭酸塩、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムもしくは炭酸カルシウムが含まれる。
エステル加水分解に適した酸は、一般的に、場合により水を添加した、硫酸、塩化水素

0096

塩酸、臭化水素/臭化水素酸、リン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸もしくはトリフルオロメタンスルホン酸またはこれらの混合物である。水/テトラヒドロフラン混合物中塩酸水溶液(18%)を使用することが好まれる。

0097

エステル開裂は、一般的に−20℃〜+100℃の温度範囲内で、好ましくは23℃〜+120℃で行う。

0098

特定の置換パターンに応じて、公知の方法(例えば、欧州特許第0607825合明細書、25〜26頁参照)と同様に、文献で知られている反応条件下で、式(IX)



(式中、HalおよびTは上に示される定義を有し、
Xは脱離基、例えばジメチルアミノ、メトキシまたはエトキシを表す)
の2,6−ジクロロニコチノイルアクリレート誘導体を、第1の段階で、好ましくは適切な塩基の存在下で、
式(X)



(式中、Ar1は上に示される意味を有する)
アミノピリジン化合物と反応させ、次いで、第2のステップで、これを適切な塩基の存在下で反応させて、式(VII)



(式中、Hal、Ar1およびTは上に示される定義を有する)
エステル化合物を得て、次いで、場合によりエステル化合物(VII)を、加水分解条件下さらなるステップで式(VI)



(式中、HalおよびAr1は上に示される定義を有する)
のカルボン酸化合物(VI)に変換する
ことによって、式(VI)または式(VIII)の化合物を調製することができる。

0099

式(IX)の化合物は文献から既知である(例えば、欧州特許第0607825号明細書参照)、または文献から既知の方法と同様に調製することができる。

0100

式(III)、(V)および(X)の化合物は、商業的に入手可能である、またはそれ自体文献に記載されている、またはこれらを文献で公開されている方法と同様に当業者に自明な方法で調製することができる。それぞれの出発材料を調製するための多くの詳細な方法および文献データもまた、出発化合物および中間体の調製に関する節の実験部に見出すことができる。

0101

本発明の式(I)の化合物の立体異性体(エナンチオマーおよび/またはジアステレオマー)の分離は、当業者によく知られている慣用的な方法によって達成することができる。この目的のためにアキラルまたはキラル分離相でのクロマトグラフィー法を使用することが好ましい。
本発明の化合物の対応するエナンチオマーおよび/またはジアステレオマーへの分離は、必要に応じて、中間体(II)、(IV)または(VIII)の初期段階で行うこともでき、次いで、これらを上記の反応順序にしたがって分離された形態でさらに反応させる。このような中間体の立体異性体の分離のために、アキラルまたはキラル分離相でのクロマトグラフィー法を使用することが同様に好ましい。あるいは、キラルアミン塩基を用いて、式(IV)のカルボン酸のジアステレオマー塩を介して、分離を行うこともできる。

実施例

0102

本発明の化合物の調製は、例として、以下の反応スキームによって説明することができる:
スキーム1



[a):オルトギ酸トリエチル無水酢酸;b):DIPEA、DCM、次いでK2CO3;c):18%濃度塩酸、THF、水]。

0103

スキーム2



[a):HATU、DIPEA、DMFまたはT3P、DIPEA、EtOAc;b):Pd(OAc)2、キサントホス、K2CO3、1,4−ジオキサン;c):DIPEA、DMF;d):(COCl)2、触媒DMF、THF;e):NaH、DMFまたはトリエチルアミン、DCM]。

0104

スキーム3



[a):DIPEA、DMF;b):LiOH水溶液、THFまたは18%濃度塩酸、THF、水;c):HATU、DIPEA、DMF、室温]。

0105

スキーム4



[a):Pd(OAc)2、キサントホス、K2CO3、1,4−ジオキサン;b)HATU、DIPEA、DMF;c)DIPEA、DMF]。

0106

さらに、本発明による式(I)の化合物は、好都合であるならば、上記の方法によって得られる式(I)の他の化合物またはその前駆体から進行する、個々の基または置換基の官能基、特にR1およびR2の下に列挙される官能基の変換によっても調製することができる。これらの変換は、当業者によく知られている慣用的な方法によって行われ、これらには、例えば、求核置換または求電子置換反応、遷移金属媒介カップリング反応、金属オルガニル(例えば、グリニャール化合物またはリチウムオルガニル)の調製および付加反応酸化および還元反応、水素化、ハロゲン化(例えば、フッ素化臭素化)、脱ハロゲン化アミノ化アルキル化およびアシル化、カルボン酸エステル、カルボキサミドおよびスルホンアミドの形成、エステル開裂および加水分解、ならびに一時的な保護基の導入および除去が含まれる。

0107

本発明は、さらなる態様において、一般式(II)



(式中、R2およびAr1は、式(I)の化合物について上に示される定義を有し、
Halはフッ素、塩素、臭素またはヨウ素、好ましくは塩素を表す)
の中間体に関する。

0108

本発明は、さらなる態様において、一般式(IV)



(式中、R1およびAr1は、式(I)の化合物について上に示される定義を有する)
の中間体に関する。

0109

本発明は、さらなる態様において、上に定義される一般式(I)の化合物を調製するための、
一般式(II)



(式中、R2およびAr1は、式(I)の化合物について上に示される定義を有し、
Halはフッ素、塩素、臭素またはヨウ素、好ましくは塩素を表す)
の化合物
または
一般式(IV)



(式中、R1およびAr1は、式(I)の化合物について上に示される定義を有する)
の化合物の使用に関する。

0110

本発明による化合物は、予測できない有用な範囲の薬理活性および薬物動態活性を有する。

0111

そのため、これらの化合物は、ヒトおよび動物の疾患を治療および/または予防するための医薬として使用するのに適している。本発明の化合物は、有用な薬理学的特性を有し、ヒトおよび動物の障害を治療および/または予防するために使用することができる。

0112

本発明による化合物は、ムスカリンM2受容体の正のアロステリックモジュレーターであるので、M2受容体が自律神経系の調節不全または自律神経系の交感神経部分の活動と副交感神経部分の活動との間の不均衡に関与する障害および病理学過程、特に心血管障害および/または腎障害の治療および/または予防に適している。

0113

本発明は、ムスカリンM2受容体の正のアロステリックモジュレーターを提供する。アロステリックモジュレーターは、従来のオルソステリックリガンドとはっきりした相違を有する。アロステリックモジュレーターの効果は、それが高濃度でアゴニストの結合を安定化させる場合、自己限定的である。さらに、アロステリックモジュレーターの効果は、内因性リガンドの存在下でのみ示され得る。アロステリックモジュレーター自体は、受容体活性化に直接的な影響を及ぼさない。これは、空間および時間に関するアロステリック効果の特異性をもたらす。親和性および固有活性の点でのアロステリックおよびオルソステリックリガンドの相互影響(協同作用と称される)は、2つのリガンドによって決定される。正のアロステリックモジュレーターの場合、オルソステリックリガンドの効果が増強される(正の協同作用)。オルソステリックリガンドの存在下で受容体コンホメーションを調節する能力のために、アロステリックリガンドは、薬理学的効果の精密な調整をもたらすことができる。

0114

本発明の文脈において、心血管系の障害または心血管障害は、例えば、以下の障害:急性および慢性心不全、動脈性高血圧冠動脈心疾患、安定および不安定狭心症心筋虚血、心筋梗塞、ショック粥状動脈硬化心肥大心筋線維症心房性および心室性不整脈頻脈一過性虚血発作、脳卒中、子癇前症炎症性心血管障害、末梢および心血管障害、末梢灌流障害、動脈性肺高血圧冠動脈および末梢血管攣縮血栓症血栓塞栓性障害浮腫発達、例えば肺浮腫脳浮腫浮腫または心不全関連浮腫、ならびに血栓溶解処置経皮的血管形成術PTA)、経皮的冠動脈形成術PTCA)、心臓移植およびバイパス手術後の再狭窄、ならびに微小および大血管損傷(血管炎)、再灌流傷害動脈および静脈血栓症、微量アルブミン尿、心筋不全、内皮機能不全、末梢および心血管障害、末梢灌流障害、心不全関連浮腫、フィブリノーゲンおよび低密度LDLのレベル上昇、ならびにプラスミノーゲンアクチベーターインヒビター1(PAI1)の濃度上昇を意味すると理解される。

0115

本発明の文脈において、「心不全」という用語はまた、より具体的なまたは関連する型の疾患、例えば、急性非代償性心不全右心不全左心不全、全心不全、虚血性心筋症拡張型心筋症先天性心疾患心臓弁奇形、心臓弁奇形を伴う心不全、僧帽弁狭窄僧帽弁閉鎖不全大動脈弁狭窄大動脈弁閉鎖不全三尖弁狭窄三尖弁閉鎖不全肺動脈弁狭窄肺動脈弁閉鎖不全混合型心臓弁奇形、心筋炎症(心筋炎)、慢性心筋炎、急性心筋炎、ウイルス性心筋炎糖尿病性心不全、アルコール性心筋症、心臓貯蔵障害、左室駆出率が保持された心不全(HFpEF)、拡張期心不全、および左室駆出率が低下した心不全(HfrEF)、収縮期心不全を含む。

0116

本発明の文脈において、心房性および心室性不整脈という用語はまた、より具体的なまたは関連する型の疾患、例えば:心房細動、発作性心房細動間欠性心房細動、持続性心房細動、心房粗動類洞不整脈、類洞頻脈、受動的異所形成、能動的異所形成、逸脱収縮期外収縮興奮伝導障害、洞不全症候群、頸動脈洞過敏症頻拍AV結節リエントリー性頻拍、房室リエントリー性頻拍、WPW症候群ウォルフパーキンソンホワイト)、マハイム頻拍、隠れた副伝導路、持続性接合部リエントリー性頻拍、焦点心房性頻拍、接合部異所性頻拍、心房性リエントリー性頻拍、心室性頻拍心室粗動心室細動、心臓突然死を含む。

0117

本発明の文脈において、冠動脈心疾患という用語はまた、より具体的なまたは関連する型の疾患、例えば:虚血性心疾患安定狭心症急性冠動脈症候群、不安定狭心症、NSTEMI(非ST上昇心筋梗塞)、STEMI(ST上昇心筋梗塞)、虚血性心筋損傷、心臓リズム機能不全および心筋梗塞を包含する。

0118

本発明による化合物は、多発性嚢胞腎疾患(PCKD)および不適切なADH分泌症候群(SIADH)の予防および/または治療にさらに適している。

0119

本発明の化合物は、腎障害、特に、急性および慢性腎機能不全、ならびに急性および慢性腎不全を治療および/または予防するのにも適している。

0120

本発明の文脈において、「急性腎機能不全」という用語は、透析の必要性があるおよびない、また根底にあるもしくは関連する腎障害、例えば、腎臓低灌流、透析下低血圧体積不足(例えば、脱水失血)、ショック、急性糸球体腎炎溶血性尿毒症症候群(HUS)、血管カタストロフ(動脈もしくは静脈血栓症または塞栓症)、コレステロール塞栓症、形質細胞腫イベントの急性Bence−Jones腎臓、急性小胞上(supravesicular)または小胞下(subvesicular)流出閉塞免疫学的腎障害(腎移植拒絶免疫複合体誘発性腎障害など)、尿細管拡張高リン酸塩血症および/または急性腎障害(透析の必要性を特徴とし得る、腎臓の部分切除強制利尿による脱水、悪性高血圧による制御されない血圧上昇尿路閉塞および感染症およびアミロイドーシスの場合を含む)、ならびに糸球体因子を伴う全身障害、例えばリウマチ学的−免疫学的全身障害、例えばエリテマトーデス腎動脈血栓症、腎静脈血栓症鎮痛薬腎症および腎尿細管アシドーシス、ならびにX線造影剤−および薬剤誘発性急性間質性腎障害を伴うおよび伴わない腎疾患腎不全および/または腎機能不全の急性症状発現を包含する。

0121

本発明の文脈において、「慢性腎機能不全」という用語は、透析の必要性があるおよびない、また根底にあるもしくは関連する腎障害、例えば、腎臓低灌流、透析下低血圧、閉塞性尿路疾患糸球体症、糸球体および尿細管性蛋白尿腎性浮腫血尿原発性続発性および慢性糸球体腎炎膜性および膜性増殖性糸球体腎炎アルポート症候群糸球体硬化尿細管間質性障害、腎症障害(原発性および先天性腎臓病など)、腎臓炎症、免疫学的腎障害(腎移植拒絶、免疫複合体誘発性腎障害など)、糖尿病性および非糖尿病性腎症腎盂腎炎、腎嚢胞腎硬化症高血圧性腎硬化およびネフローゼ症候群(例えば、異常に低下したクレアチニンおよび/または水排泄、異常に上昇した尿素、窒素、カリウムおよび/またはクレアチニン血中濃度、変化した腎臓酵素、例えばグルタミルシンテターゼの活性、変化した尿浸透圧または尿量、上昇した微量アルブミン尿、顕性アルブミン尿、糸球体および細動脈病変、尿細管拡張、高リン酸塩血症および/または透析の必要性によって診断的に特徴付けることができる)、さらに腎細胞癌、腎臓の部分切除後、強制利尿による脱水、悪性高血圧による制御されない血圧上昇、尿路閉塞および感染症およびアミロイドーシスのイベントにおける慢性腎不全、ならびに糸球体因子を伴う全身障害、例えばリウマチ学的−免疫学的全身障害、例えばエリテマトーデス、ならびに腎動脈狭窄、腎動脈血栓症、腎静脈血栓症、鎮痛薬腎症および腎尿細管性アシドーシスを伴うおよび伴わない腎疾患、腎不全および/または腎機能不全の慢性症状発現を包含する。さらに、X線造影剤および医薬品誘発慢性間質性腎障害、メタボリックシンドロームならびに脂質異常症がある。本発明はまた、腎機能不全、例えば、肺水腫、心不全、尿毒症貧血電解質障害(例えば、高カリウム血症高ナトリウム血症)ならびに骨および炭水化物代謝の障害を治療および/または予防するための本発明による化合物の使用も包含する。

0122

さらに、本発明による化合物はまた、肺動脈高血圧症(PAH)および他の形態の肺高血圧症(PH)、慢性閉塞性肺疾患COPD)、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、急性傷害(ALI)、α1アンチトリプシン欠損症(AATD)、肺線維症肺気腫(例えば、タバコ煙によって引き起こされる肺気腫)、嚢胞性線維症(CF)、急性冠動脈症候群(ACS)、心筋炎症(心筋炎)および他の自己免疫心臓障害心膜炎心内膜炎弁膜炎大動脈炎、心筋症)、心原性ショック、動脈瘤敗血症(SIRS)、多臓器不全(MODS、MOF)、腎臓の炎症性障害、慢性腸障害(IBD、クローン病、UC)、膵炎腹膜炎リウマチ様障害、炎症性皮膚障害および炎症性眼障害の治療および/または予防に適している。

0123

本発明による化合物を、間欠性または持続性の特徴を有する種々の重症度喘息障害(屈折喘息、気管支喘息アレルギー性喘息内因性喘息外因性喘息、薬物または塵誘発性喘息)、種々の形態の気管支炎慢性気管支炎感染性気管支炎好酸球性気管支炎)、閉塞性細気管支炎気管支拡張症肺炎特発性間質性肺炎農夫肺および関連疾患、咳および風邪慢性炎症性咳、医原性咳嗽)、鼻粘膜の炎症(薬物関連鼻炎血管運動性鼻炎および季節性アレルギー性鼻炎、例えば花粉症を含む)およびポリープの治療および/または予防に使用することもできる。

0124

本発明に記載される化合物はまた、NO/cGMP系の障害によって特徴付けられる中枢神経系障害を制御するための活性化合物でもある。特に、これらは、例えば、軽度認知障害加齢性学習および記憶障害、加齢性記憶喪失血管性認知症頭蓋脳損傷、脳卒中、脳卒中後に起こる認知症(脳卒中後認知症)、外傷後頭蓋脳損傷、一般的な集中力障害、学習および記憶の問題を有する小児の集中力障害、アルツハイマー病、レビー小体型認知症ピック症候群を含む前頭葉変性を伴う認知症、パーキンソン病進行性核性麻痺大脳皮質基底核変性症を伴う認知症、筋萎縮性側索硬化症ALS)、ハンチントン舞踏病脱髄多発性硬化症視床変性、クロイツフェルトヤコブ認知症、HIV認知症、認知症を伴う統合失調症、またはコルサコフ精神病などの状態/疾患/症候群に関連して特に生じるものなどの認知障害後の知覚、集中力、学習または記憶を改善するのに適している。これらはまた、中枢神経系障害、例えば、不安、緊張およびうつ病、双極性障害CNS関連性機能障害および睡眠障害の状態を治療および/または予防する、ならびに食物嗜好品および習慣性物質の摂取の病理学的障害を制御するのにも適している。

0125

さらに、本発明による化合物はまた、尿失禁、特に緊張性尿失禁切迫性尿失禁反射性尿失禁および溢流性尿失禁排尿筋活動亢進神経因性排尿筋活動亢進、特発性排尿筋活動亢進、前立腺肥大症(BPH症候群)、下部尿路症状(LUTS)などの泌尿器障害の治療および/または予防にも適している。

0126

本発明による化合物はさらに、食道障害、嘔吐アカラシア胃食道逆流症などの胃腸病障害、胃炎などの胃障害下痢便秘同化不良症候群、胆汁酸喪失症候群、クローン病、潰瘍性大腸炎顕微鏡大腸炎および過敏性腸症候群などの腸の障害の治療および/または予防に適している。

0127

本発明による化合物はさらに、月経障害月経困難症子宮内膜症早産子宮収縮抑制などの疼痛状態の治療および/または予防に適している。

0128

生化学的および薬理学的特性のプロファイルのために、本発明による化合物はまた、心不全、冠動脈心疾患、心房性および心室性不整脈、腎不全および腎症の治療および/または予防に特に適している。

0129

さらに、本発明の化合物を、一次および二次レイノー現象微小循環障害跛行、末梢および自律神経ニューロパチー糖尿病性ニューロパシー、糖尿病性細小血管症糖尿病性網膜症四肢糖尿病性潰瘍壊疽、CREST症候群、エリテマトーデス、爪真菌症リウマチ性障害を治療および/または予防するためならびに創傷治癒を促進するために使用することができる。

0130

本発明の化合物は、眼科的障害、例えば、緑内障加齢性黄斑変性症(AMD)、乾性(非滲出性)AMD、湿性(滲出性、新生血管)AMD、脈絡膜新生血管(CNV)、糖尿病性網膜症、網膜色素上皮萎縮変化(RPE)、網膜色素上皮の肥厚変化、黄斑浮腫、糖尿病性黄斑浮腫、網膜静脈閉塞、脈絡膜網膜静脈閉塞、網膜静脈閉塞による黄斑浮腫、眼の前部の血管新生、例えば角膜炎角膜移植または角膜形成後の、例えば角膜血管新生、(コンタクトレンズの長期着用の結果としての)低酸素による角膜血管新生、翼状片結膜炎網膜下浮腫および網膜内浮腫の治療および/または予防にさらに適している。さらに、本発明の化合物は、外傷性前房出血眼窩周囲浮腫、術後の粘弾性保持または眼内炎症の結果としての上昇した眼圧および高眼圧の治療および/または予防に適している。

0131

さらに、本発明による化合物は、肝炎新生物骨粗鬆症、緑内障および胃不全麻痺を治療および/または予防するのに適している。

0132

さらに、本発明の化合物はまた、脳血流を制御するのにも適しており、偏頭痛を制御するのに有効な薬剤となる。これらはまた、脳梗塞(脳卒中)、例えば、卒中、脳虚血および頭蓋脳損傷の続発症を予防および制御するのにも適している。本発明の化合物を疼痛神経痛および耳鳴を制御するために使用することもできる。

0133

ヒトにおける上述の十分に特徴付けられた疾患はまた、他の哺乳動物においても同等の病因で生じ得るので、そこでも同様に本発明の化合物で治療され得る。

0134

本発明の文脈において、「治療」または「治療すること」という用語は、疾患、状態、障害、傷害または健康問題の、このような状態および/またはこのような状態の症状の発達、経過または進行の阻害、遅延、検査、軽減、減弱、制限、減少、抑制、忌避または治癒を含む。ここでは、「療法」は「治療」という用語と同義であると理解される。

0135

「防止」、「予防」および「妨害」という用語は本発明の文脈において同義的に使用され、疾患、状態、障害、傷害または健康問題に、あるいはこのような状態および/またはこのような状態の症状の発達または進行に罹患する、を経験する、を患うまたはこれらを有するリスクの回避または減少を指す。

0136

疾患、状態、障害、傷害または健康問題の治療または予防は、部分的であっても完全であってもよい。

0137

よって、本発明はさらに、障害、特に上記障害を治療および/または予防するための本発明の化合物の使用を提供する。

0138

本発明はさらに、障害、特に上記障害を治療および/または予防するための医薬を製造するための本発明の化合物の使用を提供する。

0139

本発明はさらに、障害、特に上記障害を治療および/または予防するための本発明の化合物の少なくとも1種を含む医薬を提供する。

0140

本発明はさらに、障害、特に上記障害を治療および/または予防する方法における本発明の化合物の使用を提供する。

0141

本発明はさらに、有効量の本発明の化合物の少なくとも1種を使用して、障害、特に上記障害を治療および/または予防する方法を提供する。

0142

本発明はさらに、障害、特に上記障害を治療および/または予防する方法に使用するための本発明による化合物を提供する。

0143

本発明の化合物は、単独で、または必要に応じて、1種または複数の他の薬理学的に活性な物質と組み合わせて使用することができ、ただし、この組み合わせは望ましくないおよび許容できない副作用をもたらさない。そのため、本発明は、特に上記障害を治療および/または予防するための、本発明の化合物の少なくとも1種と、1種または複数のさらなる薬物とを含む医薬を提供する。この目的に適した組み合わせ有効成分の好ましい例として以下が挙げられる:
・例としておよび好ましくは、カルシウム拮抗剤アンジオテンシンAII拮抗剤ACE阻害剤NEP阻害剤バソペプチダーゼ阻害剤エンドセリン拮抗剤レニン阻害剤α受容体遮断薬β受容体遮断薬、ミネラルコルチコイド受容体拮抗剤およびrhoキナーゼ阻害剤および利尿剤の群の活性降圧成分;
・抗不整脈薬、例としておよび好ましくは、ナトリウムチャネル遮断薬、β受容体遮断薬、カリウムチャネル遮断薬、カルシウム拮抗薬、Ifチャネル遮断薬、ジギタリス、副交感神経遮断薬(迷走神経抑制薬)、交感神経遮断薬および他の抗不整脈薬、例えばアデノシンアデノシン受容体作動薬およびベルナカラント;
陽性変力効果を有する化合物、例えば強心配糖体(ジゴキシン)、β−アドレナリンおよびドーパミン作動薬、例えばイソプレナリン、アドレナリン、ノルアドレナリンドーパミンまたはドブタミン
バソプレシン受容体拮抗薬、例としておよび好ましくは、コニバプタントルバプタンリキシバプタン、モザバプタン、サタバプタン、SR−121463、RWJ 676070またはBAY 86−8050、ならびに国際公開第2010/105770号、国際公開第2011/104322号および国際公開第2016/071212号に記載される化合物;
ナトリウム利尿ペプチド、例えば心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)、ナトリウム利尿ペプチドB型(BNP、ネシリチド)、ナトリウム利尿ペプチドC型(CNP)またはウロジラチン
心筋ミオシンの活性化剤、例えばオメカティブ・メカルビル(CK−1827452);
・カルシウム増感剤、例えばレボシメンダン
・心臓のエネルギー代謝を調節する化合物、例としておよび好ましくは、エトモキシルジクロロ酢酸ラノラジンまたはトリメタジジン、完全または部分アデノシンA1受容体アゴニスト、例えばGS−9667(以前はCVT−3619として知られていた)、カパデソン、ネラデノソンおよびBAY 1067197;
・心拍数を調節する化合物、例えばイバブラジン
環状グアノシン一リン酸(cGMP)および/または環状アデノシン一リン酸cAMP)の分解を阻害する化合物、例えばホスホジエステラーゼ(PDE)1、2、3、4および/または5の阻害剤、特にPDE5阻害剤、例えばシルデナフィルバルデナフィルおよびタダラフィルウデナフィル、デサンタフィル、アバナフィル、ミロデナフィル、ロデナフィルまたはPF−00489791;
・例としておよび好ましくは、血小板凝集阻害剤、抗凝固剤または線維素溶解促進性物質の群の抗血栓剤
・例としておよび好ましくは、βアドレナリン受容体アゴニストの群、例えば特にアルブテロールイソプロテレノールメタプロテレノール、テルブタリンホルモテロールもしくはサルメテロール、または抗コリン薬の群、例えば特に臭化イプラトロピウム気管支拡張剤
・例としておよび好ましくは、グルココルチコイドの群の抗炎症薬、例えば特にプレドニゾンプレドニゾロンメチルプレドニゾロントリアムシノロンデキサメタゾンベクロメタゾンベタメタゾンフルニソリドブデソニドまたはフルチカゾンおよび非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、例えば特に、アセチルサリチル酸アスピリン)、イブプロフェンおよびナプロキセン、5−アミノサリチル酸誘導体、ロイコトリエン拮抗薬、TNF−α阻害剤およびケモカイン受容体拮抗薬、例えばCCR1、2および/または5阻害剤;
・例えばおよび好ましくは、甲状腺受容体作動薬、コレステロール合成阻害剤、例えば、例としておよび好ましくは、HMG−CoA還元酵素阻害剤またはスクアレン合成阻害剤、ACAT阻害剤CETP阻害剤MTP阻害剤、PPARα、PPARγおよび/またはPPARδ作動薬、コレステロール吸収阻害剤リパーゼ阻害剤重合胆汁酸吸着剤、胆汁酸再吸収阻害剤およびリポタンパク質拮抗剤の群の脂肪代謝を調節する活性化合物。
・例としておよび好ましくは、キナーゼ阻害剤の群、特にチロシンキナーゼおよび/またはセリントレオニンキナーゼ阻害剤の群のシグナル伝達カスケードを阻害する化合物;
細胞外マトリックスの分解および変化を阻害する化合物、例としておよび好ましくは、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)の阻害剤、特にキマーゼストロリシンコラゲナーゼゼラチナーゼおよびアグレカナーゼ(この文脈では特にMMP−1、MMP−3、MMP−8、MMP−9、MMP−10、MMP−11およびMMP−13)の阻害剤ならびにメタロエラスターゼ(MMP−12)および好中球エラスターゼ(HNE)の阻害剤、例えばシベレスタットまたはDX−890;
セロトニンとその受容体の結合を遮断する化合物、例としておよび好ましくは、5−HT2b受容体の拮抗薬;
有機硝酸塩およびNOドナー、例えば、ニトロプルシドナトリウムニトログリセリン一硝酸イソソルビド二硝酸イソソルビドモルシドミンまたはSIN−1、およびNO吸入
可溶性グアニル酸シクラーゼのNO非依存性であるがヘム依存性刺激剤、例えば特に、国際公開第00/06568号、国際公開第00/06569号、国際公開第02/42301号、国際公開第03/095451号、国際公開第2011/147809号、国際公開第2012/004258号、国際公開第2012/028647号および国際公開第2012/059549号に記載される化合物;
・可溶性グアニル酸シクラーゼのNO−およびヘム−非依存性活性化剤、例えば特に、国際公開第01/19355号、国際公開第01/19776号、国際公開第01/19778号、国際公開第01/19780号、国際公開第02/070462号および国際公開第02/070510号に記載される化合物;
・cGMPの合成を増加させる化合物、例えばsGC調節剤、例えば、例としておよび好ましくは、リオシグアトシナシグアト、ベリシグアトまたはBAY 1101042
プロスタサイクリン類似体、例としておよび好ましくは、イロプロストベラプロストトレプロスチニルまたはエポプロステノール
可溶性エポキシドヒドロラーゼ(sEH)を阻害する化合物、例えばN,N’−ジシクロヘキシル尿素、12−(3−アダマンタン−1−イルウレイドドデカン酸または1−アダマンタン−1−イル−3−{5−[2−(2−エトキシエトキシ)エトキシ]ペンチル}尿素;
グルコース代謝を調節する活性化合物、例えばインスリンビグアニドチアゾリジンジオンスルホニル尿素アカルボース、DPP4阻害剤、GLP−1類似体またはSGLT−1阻害剤。

0144

本発明の好ましい実施形態では、本発明による化合物を、キナーゼ阻害剤、例としておよび好ましくは、ボルテゾミブ、カネルニブエルロチニブゲフィチニブイマチニブラパチニブレスタウルチニブロナファルニブ、ニンテダニブ、ダサチニブニロチニブボスチニブ、アキシチニブテラチニブ、イマチニブ、ブリバニブパゾパニブ、ペガプチニブ、ペリチニブ、セサキサニブ、ソラフェニブ、レゴラフェニブ、スニチニブタンデュチニブ、チピファルニブバタラニブ、ファスジルロニダミンレフルノミド、BMS−3354825またはY−27632と組み合わせて使用することができる。

0145

本発明の好ましい実施形態では、本発明による化合物を、セロトニン受容体拮抗薬、例としておよび好ましくは、PRX−08066と組み合わせて使用する。

0146

抗血栓剤は、好ましくは、血小板凝集阻害剤、抗凝固剤または線維素溶解促進性物質の群の化合物を意味すると理解される。

0147

本発明の好ましい実施形態では、本発明の化合物を、血小板凝集阻害剤、例としておよび好ましくは、アスピリン、クロピドグレルチクロピジンまたはジピリダモールと組み合わせて投与する。

0148

本発明の好ましい実施形態では、本発明による化合物を、トロンビン阻害剤、例としておよび好ましくは、ダビガトラン、キシメガトランメラガトランビバリルジンまたはクレキサンと組み合わせて投与する。

0149

本発明の好ましい実施形態では、本発明の化合物を、GPIIb/IIIa拮抗剤、例としておよび好ましくは、チロフィバンまたはアブシキシマブと組み合わせて投与する。

0150

本発明の好ましい実施形態では、本発明による化合物を、第Xa因子阻害剤、例としておよび好ましくは、リバロキサバン、エドキサバン(DU−176b)、アピキサバンオタミキサバンフィデキサバン、ラザキサバンフォンダパリヌクスイドラパリヌクス、PMD−3112、YN−150、KFA−1982、EMD−503982、MCN−17、mLN−1021、DX 9065a、DPC 906、JTV 803、SSR−126512またはSSR−128428と組み合わせて投与する。

0151

本発明の好ましい実施形態では、本発明の化合物を、ヘパリンまたは低分子量(LMW)ヘパリン誘導体と組み合わせて投与する。

0152

本発明の好ましい実施形態では、本発明の化合物を、ビタミンK拮抗剤、例としておよび好ましくは、クマリンと組み合わせて投与する。

0153

降圧剤は、好ましくは、カルシウム拮抗剤、アンジオテンシンAII拮抗剤、ACE阻害剤、エンドセリン拮抗剤、レニン阻害剤、α受容体遮断薬、β受容体遮断薬、ミネラルコルチコイド受容体拮抗剤、rhoキナーゼ阻害剤および利尿剤の群の化合物を意味すると理解される。

0154

本発明の好ましい実施形態では、本発明の化合物を、カルシウム拮抗剤、例としておよび好ましくは、ニフェジピンアムロジピンベラパミルまたはジルチアゼムと組み合わせて投与する。

0155

本発明の好ましい実施形態では、本発明の化合物を、α1受容体遮断薬、例としておよび好ましくは、プラゾシンと組み合わせて投与する。

0156

本発明の好ましい実施形態では、本発明の化合物を、β受容体遮断薬、例としておよび好ましくは、プロプラノロールアテノロールチモロールピンドロールアルプレノロールオクスプレノロールペンブトロールブプラノロール、メチプラノロールナドロール、メピンドロール、カラザロール、ソタロールメトプロロールベタキソロールセリプロロールビソプロロールカルテオロールエスモロールラベタロールカルベジロール、アダプロロール、ランジオロールネビボロール、エパノロールまたはブシンドロールと組み合わせて投与する。

0157

本発明の好ましい実施形態では、本発明による化合物を、アンジオテンシンAII拮抗薬、例としておよび好ましくは、ロサルタンカンデサルタンバルサルタンテルミサルタンまたはエンブルサタン(embursatan)、イルベサルタンオルメサルタンエプロサルタンもしくはアジサルタン、または二重アンジオテンシンAII拮抗薬/NEP阻害剤、例えばおよび好ましくは、Entresto(LCZ696、バルサルタン/サクトリル)と組み合わせて投与する。

0158

本発明の好ましい実施形態では、本発明による化合物を、ACE阻害剤、例としておよび好ましくは、エナラプリルカプトプリルリシノプリルラミプリルデラプリルフォシノプリルキノプリルペリンドプリルまたはトランドプリルと組み合わせて投与する。

0159

本発明の好ましい実施形態では、本発明による化合物を、エンドセリン拮抗剤、例としておよび好ましくは、ボセンタンダルセンタンアンブリセンタンアボセンタンマシテンタン、アトラセンタンまたはシタクスセンタンと組み合わせて投与する。

0160

本発明の好ましい実施形態では、本発明による化合物を、TGFβ拮抗剤、例としておよび好ましくは、ピルフェニドンまたはフレソリムマブと組み合わせて投与する。

0161

本発明の好ましい実施形態では、本発明による化合物を、TNFα拮抗剤、例としておよび好ましくは、アダリムマブと組み合わせて投与する。

0162

本発明の好ましい実施形態では、本発明の化合物を、レニン阻害剤、例としておよび好ましくは、SPP−600またはSPP−800と組み合わせて投与する。

0163

本発明の好ましい実施形態では、本発明による化合物を、HIF−PH阻害剤、例としておよび好ましくは、モリデュスタットまたはロキサデュスタットと組み合わせて投与する。

0164

本発明の好ましい実施形態では、本発明の化合物を、ミネラルコルチコイド受容体拮抗剤、例としておよび好ましくは、スピロノラクトンまたはエプレレノン、フィネレノンと組み合わせて投与する。

0165

本発明の好ましい実施形態では、本発明による化合物を、rhoキナーゼ阻害剤、例としておよび好ましくは、ファスジル、Y−27632、SLx−2119、BF−66851、BF−66852、BF−66853、KI−23095、SB−772077、GSK−269962AまたはBA−1049と組み合わせて投与する。

0166

本発明の好ましい実施形態では、本発明による化合物を、利尿剤、例としておよび好ましくは、フロセミドトラセミドブメタニドおよびピレタニドカリウム保持性利尿剤、例えば、アミロライドおよびトリアムテレンアルドステロン拮抗剤、例えば、スピロノラクトン、カンレノ酸カリウムおよびエプレレノン、ならびにチアジド系利尿剤、例えば、ヒドロクロロチアジドクロルタリドン、キシパミドおよびインダパミドと組み合わせて投与する。

0167

脂肪代謝調節剤は、好ましくは、CETP阻害剤、甲状腺受容体作動薬、コレステロール合成阻害剤、例えば、HMG−CoA還元酵素阻害剤またはスクアレン合成阻害剤、ACAT阻害剤、MTP阻害剤、PPARα、PPARγおよび/またはPPARδ作動薬、コレステロール吸収阻害剤、重合胆汁酸吸着剤、胆汁酸再吸収阻害剤、リパーゼ阻害剤およびリポタンパク質拮抗剤の群の化合物を意味すると理解される。

0168

本発明の好ましい実施形態では、本発明の化合物を、CETP阻害剤、例としておよび好ましくは、トルセトラピブ(CP−529 414)、アナセトラピブ、JJT−705またはCETPワクチン(Avant)と組み合わせて投与する。

0169

本発明の好ましい実施形態では、本発明の化合物を、甲状腺受容体作動薬、例としておよび好ましくは、D−チロキシン、3,5,3’−トリヨードチロニン(T3)、CGS23425またはアキシチロム(CGS26214)と組み合わせて投与する。

0170

本発明の好ましい実施形態では、本発明の化合物を、スタチンのクラスのHMG−CoA還元酵素阻害剤、例としておよび好ましくは、ロバスタチンシンバスタチンプラバスタチンフラバスタチン、アトルバスタチンロスバスタチンまたはピタバスタチンと組み合わせて投与する。

0171

本発明の好ましい実施形態では、本発明の化合物を、スクアレン合成阻害剤、例としておよび好ましくは、BMS−188494またはTAK−475と組み合わせて投与する。

0172

本発明の好ましい実施形態では、本発明の化合物を、ACAT阻害剤、例としておよび好ましくは、アバシミブ、メリナミド、パクチミブエフルチミブまたはSMP−797と組み合わせて投与する。

0173

本発明の好ましい実施形態では、本発明の化合物を、MTP阻害剤、例としておよび好ましくは、インプリタピド、BMS−201038、R−103757またはJTT−130と組み合わせて投与する。

0174

本発明の好ましい実施形態では、本発明の化合物を、PPARγ作動薬、例としておよび好ましくは、ピオグリタゾンまたはロシグリタゾンと組み合わせて投与する。

0175

本発明の好ましい実施形態では、本発明による化合物を、PPAR−δアゴニスト、例としておよび好ましくは、GW501516またはBAY68−5042と組み合わせて投与する。

0176

本発明の好ましい実施形態では、本発明の化合物を、コレステロール吸収阻害剤、例としておよび好ましくは、エゼチミブ、チクエシドまたはパマクエシドと組み合わせて投与する。

0177

本発明の好ましい実施形態では、本発明の化合物を、リパーゼ阻害剤、例としておよび好ましくは、オルリスタットと組み合わせて投与する。

0178

本発明の好ましい実施形態では、本発明の化合物を、重合胆汁酸吸着剤、例としておよび好ましくは、コレスチラミンコレスチポール、コレソルバム、コレスタゲルまたはコレスチミドと組み合わせて投与する。

0179

本発明の好ましい実施形態では、本発明の化合物を、胆汁酸再吸収阻害剤、例としておよび好ましくは、ASBT(=IBAT)阻害剤、例えば、AZD−7806、S−8921、AK−105、BARI−1741、SC−435またはSC−635と組み合わせて投与する。

0180

本発明の好ましい実施形態では、本発明の化合物を、リポタンパク質拮抗剤、例としておよび好ましくは、ゲムカベンカルシウム(CI−1027)またはニコチン酸と組み合わせて投与する。

0181

本発明の好ましい実施形態では、本発明による化合物を、sGCモジュレーター、例としておよび好ましくは、リオシグアト、シナシグアト、ベリシグアトまたはBAY1101042と組み合わせて投与する。

0182

本発明の好ましい実施形態では、本発明による化合物を、グルコース代謝を調節する有効成分、例としておよび好ましくは、インスリン、スルホニルウレア、アカルボース、DPP4阻害剤、GLP−1類似体またはSGLT−1阻害剤と組み合わせて投与する。

0183

本発明による化合物と、活性降圧成分、活性抗不整脈成分、バソプレシン受容体拮抗薬、PDE5阻害剤、血小板凝集阻害剤、sGC活性化剤およびsGC刺激剤からなる群から選択される1種または複数のさらなる有効成分との組み合わせが特に好ましい。

0184

本発明はさらに、典型的には1種または複数の不活性で、非毒性の、薬学的に適当な賦形剤と共に少なくとも1種の本発明の化合物を含む医薬、および上記目的のためのその使用を提供する。

0185

本発明による化合物は全身的におよび/または局所的に作用することができる。この目的のために、これらを適当な様式で、例えば、経口、非経口、肺、経鼻下、舌、頬側直腸真皮経皮結膜もしくは経路により、またはインプラントもしくはステントとして投与することができる。

0186

本発明による化合物をこれらの投与経路に適した投与形態で投与することができる。

0187

経口投与に適した投与形態は、先行技術により作用し、本発明の化合物を速効性のおよび/または修正された様式で放出し、本発明の化合物を結晶および/または非晶質および/または溶解形態で含むもの、例えば、錠剤(非コーティングあるいは例えば、本発明の化合物の放出を制御する、胃液抵抗性または遅延溶解または不溶性コーティングによるコーティング錠)、口腔で急速に崩壊する錠剤またはフィルムオブラート、フィルム/凍結乾燥物カプセル剤(例えば、硬質または軟質ゼラチンカプセル)、糖衣錠顆粒剤ペレット剤散剤乳剤懸濁剤エアゾール剤または液剤である。

0188

非経口投与は、吸収ステップを迂回することができる(例えば、静脈内、動脈内、心臓内脊髄内または腰椎内で行われる)または吸収を含むことができる(例えば、吸入筋肉内、皮下、皮内、経皮または腹腔内で行われる)。非経口投与に適した投与形態には、とりわけ、溶液、懸濁液、乳剤、凍結乾燥物または無菌粉末の形態の注射および点滴用製剤が含まれる。

0189

他の投与経路については、適当な例に、吸入医薬形態粉末吸入器ネブライザー、計量エアゾールを含む)、点鼻薬、液またはスプレー、舌、舌下または頬側投与のための錠剤、フィルム/ウエハーまたはカプセル剤、坐剤、耳または眼製剤、カプセル剤、水性懸濁剤ローション振盪混合物)、親油性懸濁剤、軟膏クリーム経皮治療システム(例えば、パッチ)、ミルクペーストフォーム粉剤、インプラントまたはステントがある。

0190

経口および非経口投与が好ましく、特に経口、静脈内および肺内(吸入)投与が好ましい。

0191

本発明による化合物は、言及する投与形態に変換することができる。これは、それ自体公知の方法で不活性の無毒薬剤的に適した賦形剤と混合することにより達成することができる。これらの賦形剤には、とりわけ、担体(例えば微結晶セルロースラクトースマンニトール)、溶媒(例えば、液体ポリエチレングリコール)、乳化剤および分散剤または湿潤剤(例えばドデシル硫酸ナトリウムポリオキシソルビタンオレエート)、結合剤(例えばポリビニルピロリドン)、合成および天然高分子(例えばアルブミン)、安定剤(例えば、酸化防止剤、例えばアスコルビン酸)、着色剤(例えば、無機顔料、例えば酸化鉄)および香料および/または臭気中和剤が含まれる。

0192

一般に、非経口投与の場合、有効な結果を達成するために、約0.001〜1mg/kg、好ましくは約0.01〜0.5mg/kg体重の量を投与することが有利であることが分かった。経口投与の場合、投与量は約0.01〜100mg/kg、好ましくは約0.01〜20mg/kg、最も好ましくは0.1〜10mg/kg体重である。

0193

それにもかかわらず、具体的には体重、投与経路、有効成分に対する個体の反応、製剤の性質および投与が行われる時間または間隔の関数として言及する量から逸脱することが必要となり得る場合もある。したがって、上記最小量未満で間に合わせることで十分となり得る場合がある一方で、言及する上限を超過しなければならない場合がある。より多くの量を投与する場合は、それを1日に数回の個別の用量に分割することが得策であり得る。

0194

以下の実施例は、本発明を例示する。本発明はこれらの実施例に制限されない。

0195

A.実施例

0196

HPLCおよびLC/MS法
方法1:
機器:Waters ACQUITY SQD UPLCシステムカラム:Waters Acquity UPLC HSST3 1.8μ 50×1mm;移動相A:水1l+99%濃度ギ酸0.25ml、移動相B:アセトニトリル1l+99%濃度ギ酸0.25ml;勾配:0.0分90%A→1.2分5%A→2.0分5%A;オーブン:50℃;流量:0.40ml/分;UV検出:208〜400nm。

0197

方法2:
MS機器型:Thermo Scientific FT−MS;機器型:UHPLC+:Thermo Scientific UltiMate 3000;カラム:Waters、HSST3、2.1×75mm、C18 1.8μm;移動相A:水1l+0.01%ギ酸;移動相B:アセトニトリル1l+0.01%ギ酸;勾配:0.0分10%B→2.5分95%B→3.5分95%B;オーブン:50℃;流量:0.90ml/分;UV検出:210nm/最適積分路210〜300nm。

0198

方法3:
機器:Waters ACQUITY SQD UPLCシステム;カラム:Waters Acquity UPLC HSST3 1.8μ 50×1mm;移動相A:水1l+99%濃度ギ酸0.25ml、移動相B:アセトニトリル1l+99%濃度ギ酸0.25ml;勾配:0.0分95%A→6.0分5%A→7.5分5%A;オーブン:50℃;流量:0.35ml/分;UV検出:210〜400nm。

0199

方法4:
機器:ThermoDFS、TraceGCUltra;カラム:RestekRTX−35、15m×200μm×0.33μm;一定ヘリウム流量:1.20ml/分;オーブン:60℃;入口:220℃;勾配:60℃、30℃/分→300℃(3.33分間維持)。

0200

方法5:
MS機器:Waters(Micromass)Quattro Micro;機器Waters UPLC Acquity;カラム:Waters BEH C18 1.7μ 50×2.1mm;移動相A:水1l+0.01molのギ酸アンモニウム、移動相B:アセトニトリル1l;勾配:0.0分95%A→0.1分95%A→2.0分15%A→2.5分15%A→2.51分10%A→3.0分10%A;オーブン:40℃;流量:0.5ml/分;UV検出:210nm。

0201

さらなる詳細:
以下の実施例および試験の説明中の百分率は、特に指示しない限り、重量百分率であり、部は重量部である。液体/液体溶液溶媒比希釈比および濃度データは各場合において体積に基づく。

0202

本発明の化合物を記載される方法による分取HPLC(移動相は添加剤、例えば、トリフルオロ酢酸、ギ酸またはアンモニアを含む)によって精製する場合、本発明の化合物が十分に塩基性または酸性の官能基を含む場合には、本発明の化合物を、塩型で、例えば、トリフルオロ酢酸塩ギ酸塩またはアンモニウム塩として得ることができる。このような塩を、当業者に既知の種々の方法によって、対応する遊離塩基または酸に変換することができる。

0203

純度数値は一般的に、LC/MSクロマトグラムにおける対応するピーク積分に基づくが、1HNMRスペクトルを用いてさらに決定したかもしれない。純度が示されていない場合、純度はLC/MSクロマトグラムでの自動化ピーク積分により概して100%である、または純度を明確に決定しなかった。

0204

明言される理論値収率(%)は、一般的に純度<100%が示される場合、純度について補正している。溶媒含有または汚染バッチでは、正式な収率が「100%超」となり得、これらの場合、収率を溶媒または純度について補正していない。

0205

以下の1HNMRシグナルカップリングパターンの記載は、いくつかの場合、ACD SpecManager(ACD/Labs Release 12.00、製品バージョン12.5)の提案から直接得られたものであり、必ずしも厳密に精査されていない。いくつかの場合、SpecManagerの提案を手動で調整した。手動で調整または割り当てられた説明は、一般に当のシグナル光学的外観に基づいており、必ずしも厳密で物理的に正しい解釈に対応するものではない。一般に、明言される化学シフトは当のシグナルの中心を指す。ブロード多重項の場合、間隔が与えられる。溶媒または水によって隠されたシグナルは、仮で割り当てたまたは列挙しなかった。有意にブロードなシグナル−例えば、分子部分の急速な回転によってまたはプロトン交換のために引き起こされる−も同様に仮で割り当てた(通常、ブロードな多重項もしくはブロードな一重項と呼ぶ)または列挙しなかった。

0206

融点および融解範囲は、明言する場合、未修正である。

0207

その調製が以下で明示的に記載されていない全ての反応物質または試薬は、一般的に利用可能な供給業者から商業的に購入した。同様にその調製が以下で記載されておらず、商業的に入手可能でなく一般的に利用可能でない供給業者から得た全ての他の反応物質または試薬については、その調製が記載されている公開参考文献を参照する。

0208

一般的手順
GP1
N,N−ジイソプロピルエチルアミン(1.4〜1.5当量、またはアミンを塩酸塩形態で使用した場合には2.4〜3.0当量)およびHATU(1.0〜1.65当量)を、対応するカルボン酸(1当量)のDMF(0.08〜0.12M)中溶液に添加し、混合物を室温で30分間撹拌した。その後、適当なアミン(1.04〜1.5当量)を添加し、混合物を室温でさらに0.15〜2時間撹拌した。次いで、水および1M塩酸水溶液を添加して反応を終了させた。沈殿濾別し、DCMに溶解し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。あるいは、酸性化に続いて酢酸エチルで抽出し、合わせた有機相を硫酸マグネシウムまたは硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で溶媒を除去した。次いで、粗生成物を、順相クロマトグラフィー(移動相:シクロヘキサン/酢酸エチル混合物またはジクロロメタン/メタノール混合物)または分取RP−HPLC(水/アセトニトリル勾配)のいずれかによって精製した。あるいは、反応混合物を少量のアセトニトリル、水およびギ酸で希釈し、粗溶液をRP−HPLC(水/アセトニトリル勾配)によって精製した。

0209

GP2
炭酸カリウムまたは炭酸セシウム(1.5〜2.5当量)を減圧下で反応容器中で焼成した。容器を室温に冷却し、アルゴンで満たした。酢酸パラジウム(0.1〜0.36当量)、9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン(キサントホス、0.18〜0.36当量)およびジオキサン(0.04〜0.12M)を添加し、懸濁液をアルゴン流中、室温で10分間脱気した。その後、適当なアミド(1.0〜10当量)および適当な7−クロロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン(1.0当量)を添加した。混合物を80〜110℃で1時間(または分析HPLCもしくは適当な移動相混合物による薄層クロマトグラフィーにより変換が完了するまで)撹拌した。混合物を室温に冷却し、全ての揮発性成分を減圧下で除去した、あるいは反応混合物を水に注ぎ入れ、1M塩酸水溶液でpHをpH1に調整し、混合物を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。次いで、粗生成物を、順相クロマトグラフィー(移動相:シクロヘキサン/酢酸エチル混合物またはジクロロメタン/メタノール混合物)または分取RP−HPLC(水/アセトニトリル勾配)のいずれかによって精製した。あるいは、反応混合物を少量のアセトニトリル、水およびギ酸で希釈し、粗溶液をRP−HPLC(水/アセトニトリル勾配)によって精製した。

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