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図面 (20)

課題・解決手段

の疾患と疾病処置のためのトリグリセリドベースの製剤、組成物、および方法が本明細書で開示される。こうしたトリグリセリドベースの製剤と組成物は、中鎖トリグリセリド由来し、外耳中耳、および/または内耳への様々な治療薬送達を可能にする。

概要

背景

蝸牛前庭迷路を含む、外耳中耳、および/または内耳への薬物送達のためのトリグリセリド由来耳用製剤が本明細書に記載されている。

概要

の疾患と疾病処置のためのトリグリセリドベースの製剤、組成物、および方法が本明細書で開示される。こうしたトリグリセリドベースの製剤と組成物は、中鎖トリグリセリドに由来し、外耳、中耳、および/または内耳への様々な治療薬送達を可能にする。

目的

いくつかの実施形態において、トリグリセリドは、耳の中において十分な保持時間を提供する

効果

実績

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請求項1

耳用医薬製剤であって、a)治療薬、あるいはその薬学的に許容可能なプロドラッグまたは塩、および、b)中鎖脂肪酸を含むトリグリセリド、を含み、ここで、トリグリセリドは、注入される治療薬を安定させるのに十分な量で存在し、ここで、耳用医薬製剤は少なくとも約50重量%のトリグリセリドを含む、耳用医薬製剤。

請求項2

トリグリセリドは、耳の中において十分な保持時間を提供するのに十分な量で存在する、請求項1に記載の耳用医薬製剤。

請求項3

トリグリセリドは、治療薬の徐放をもたらすのに十分な量で存在する、請求項1に記載の耳用医薬製剤。

請求項4

トリグリセリドは、細いゲージ針による製剤の送達を可能にするのに十分な量で存在する、請求項1に記載の耳用医薬製剤。

請求項5

トリグリセリドはグリセロールと中鎖脂肪酸に由来する、請求項1に記載の耳用医薬製剤。

請求項6

中鎖脂肪酸は、カプロン酸ヘキサン酸)、エナント酸ヘプタン酸)、カプリル酸オクタン酸)、ペラルゴン酸ノナン酸)、カプリン酸デカン酸)、ウンデシレン酸ウンデカ−10−エン酸)、ラウリン酸ドデカン酸)、あるいはこれらの組み合わせである、請求項5に記載の耳用医薬製剤。

請求項7

耳用医薬製剤は約50重量%〜約99.99重量%のトリグリセリドを含む、請求項1に記載の耳用医薬製剤。

請求項8

耳用医薬製剤は少なくとも1つの粘度調節剤をさらに含む、請求項1に記載の耳用医薬製剤。

請求項9

少なくとも1つの粘度調節剤は、二酸化ケイ素ポビドンカルボマーポロキサマー、あるいはこれらの組み合わせである、請求項8に記載の耳用医薬製剤。

請求項10

粘度調節剤は二酸化ケイ素である、請求項9に記載の耳用医薬製剤。

請求項11

粘度調節剤は二酸化ケイ素とポビドンである、請求項9に記載の耳用医薬製剤。

請求項12

耳用医薬製剤は約0.01重量%〜約20重量%のポビドンを含む、請求項11に記載の耳用医薬製剤。

請求項13

粘度調節剤は二酸化ケイ素とカルボマーである、請求項9に記載の耳用医薬製剤。

請求項14

耳用医薬製剤は約0.01重量%〜約20重量%のカルボマーを含む、請求項13に記載の耳用医薬製剤。

請求項15

粘度調節剤は二酸化ケイ素とポロキサマーである、請求項9に記載の耳用医薬製剤。

請求項16

耳用医薬製剤は約0.01重量%〜約20重量%のポロキサマーを含む、請求項15に記載の耳用医薬製剤。

請求項17

耳用医薬製剤は約0.01重量%〜約10重量%の二酸化ケイ素を含む、請求項9に記載の耳用医薬製剤。

請求項18

耳用医薬製剤は、約10cP〜約10,000cPの粘度を有する、請求項1に記載の耳用医薬製剤。

請求項19

治療薬は、免疫調節剤、耳圧調節剤コルチコステロイド抗菌薬、耳の神経栄養因子、切断したTrkCまたは切断したTrkBのアンタゴニスト、非天然のTrkBまたはTrkCのアゴニスト、あるいはWNTモジュレーターである、請求項1に記載の耳用医薬製剤。

請求項20

治療薬は、デキサメタゾンシプロフロキサシン、またはガシクリジンである、請求項19に記載の耳用医薬製剤。

請求項21

耳の神経栄養因子は、脳由来神経栄養因子(BDNF)、繊毛の神経栄養因子(CNTF)、グリア細胞株由来神経栄養因子(GDNF)、ニューロトロフィン−3、ニューロトロフィン−4、線維芽細胞増殖因子(FGF)、インスリン様成長因子(IGF)、上皮成長因子(EGF)、血小板由来成長因子PGF)、およびこれらの組み合わせから選択される、請求項19に記載の耳用医薬製剤。

請求項22

耳の神経栄養因子は、脳由来神経栄養因子(BDNF)、ニューロトロフィン−3、およびこれらの組み合わせから選択される、請求項21に記載の耳用医薬製剤。

請求項23

耳用医薬製剤は、約0.01重量%〜約20重量%の治療薬、あるいはその薬学的に許容可能なプロドラッグまたは塩を含む、請求項1に記載の耳用医薬製剤。

請求項24

耳の中の製剤の保持時間は少なくとも1日である、請求項1に記載の耳用医薬製剤。

請求項25

治療薬は少なくとも1日間製剤から放出される、請求項1に記載の耳用医薬製剤。

請求項26

耳用医薬製剤は、水、C1−C6アルコールまたはC1−C6グリコール、C1−C4アルコールまたはC1−C4グリコール、あるいはこれらの任意の組み合わせを含まないか、あるいは実質的に含まない、請求項1に記載の耳用医薬製剤。

請求項27

針とシリンジポンプマイクロインジェクション装置、芯、海綿状材料、およびこれらの組み合わせから選択された薬物送達装置をさらに含む、請求項1に記載の耳用医薬製剤。

請求項28

外耳中耳、および/または内耳に関連する耳の疾患または疾病処置で使用されるためのものである、請求項1に記載の耳用医薬製剤。

請求項29

耳の疾患または疾病は、耳垢症あるいは耳の疾患または疾病に関連する耳垢症、耳そう痒症外耳炎耳痛耳鳴眩暈、耳閉感、聴力損失メニエール病感音性難聴騒音性難聴加齢性難聴老人性難聴)、自己免疫性耳疾患、耳鳴、聴器毒性興奮毒性内リンパ水腫迷路炎ラムゼイハント症候群前庭ニューロン炎、あるいは微小血管圧迫症候群、聴覚過敏加齢平衡障害中枢性聴覚情報処理障害聴覚神経障害、人工内耳の性能の改良、あるいはこれらの組み合わせである、請求項28に記載の耳用医薬製剤。

請求項30

被験体の耳の疾患または疾病を処置する方法であって、請求項1の耳用医薬製剤を被験体に投与する工程を含む、方法。

技術分野

0001

本出願は、2016年6月29日に出願された米国仮出願第62/3565,300号の利益を主張するものであり、当該文献の内容は全体として参照により本明細書に組み込まれる。

0002

配列表
本出願は、ASCIIフォーマット電子的に提出され、参照により全体として本明細書に組み込まれる配列表を含んでいる。2017年6月23日に作成された上記のASCIIコピーは、37173−767.601_SL.txtと命名され、57,476バイトの大きさである。

背景技術

0003

蝸牛前庭迷路を含む、外耳中耳、および/または内耳への薬物送達のためのトリグリセリド由来耳用製剤が本明細書に記載されている。

0004

耳用医薬製剤が1つの態様で提供され、該耳用医薬製剤は、
a)治療薬、あるいはその薬学的に許容可能なプロドラッグまたは塩、および、
b)中鎖脂肪酸を含むトリグリセリド、を含み、
ここで、トリグリセリドは、注入される治療薬を安定させるのに十分な量で存在し、ここで、耳用医薬製剤は少なくとも約50重量%のトリグリセリドを含む。

0005

いくつかの実施形態において、トリグリセリドは、耳の中において十分な保持時間を提供するのに十分な量で存在する。いくつかの実施形態において、トリグリセリドは、治療薬の徐放をもたらすのに十分な量で存在する。いくつかの実施形態において、トリグリセリドは、細いゲージ針による製剤の送達を可能にするのに十分な量で存在する。いくつかの実施形態において、トリグリセリドはグリセロールと中鎖脂肪酸に由来する。いくつかの実施形態において、中鎖脂肪酸は、カプロン酸ヘキサン酸)、エナント酸ヘプタン酸)、カプリル酸オクタン酸)、ペラルゴン酸ノナン酸)、カプリン酸デカン酸)、ウンデシレン酸ウンデカ−10−エン酸)、ラウリン酸ドデカン酸)、あるいはこれらの組み合わせである。いくつかの実施形態において、耳用医薬製剤は約50重量%〜約99.99重量%のトリグリセリドを含む。

0006

いくつかの実施形態において、耳用医薬製剤はさらに少なくとも1つの粘度調節剤を含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの粘度調節剤は、二酸化ケイ素ポビドンカルボマーポロキサマー、あるいはこれらの組み合わせである。いくつかの実施形態において、粘度調節剤は二酸化ケイ素である。いくつかの実施形態において、粘度調節剤は二酸化ケイ素とポビドンである。いくつかの実施形態において、耳用医薬製剤は約0.01重量%〜約20重量%のポビドンを含む。いくつかの実施形態において、粘度調節剤は二酸化ケイ素とカルボマーである。いくつかの実施形態において、耳用医薬製剤は約0.01重量%〜約20重量%のカルボマーを含む。いくつかの実施形態において、粘度調節剤は二酸化ケイ素とポロキサマーである。いくつかの実施形態において、耳用医薬製剤は約0.01重量%〜約20重量%のポロキサマーを含む。いくつかの実施形態において、耳用医薬製剤は約0.01重量%〜約10重量%の二酸化ケイ素を含む。

0007

いくつかの実施形態では、耳用医薬製剤は、約10cP〜約10000cPの粘度を有する。いくつかの実施形態において、治療薬は、免疫調節剤、耳圧調節剤コルチコステロイド抗菌薬、耳の神経栄養因子、切断したTrkCまたは切断したTrkBのアンタゴニスト、非天然のTrkBまたはTrkCのアゴニスト、あるいはWNTモジュレータである。いくつかの実施形態において、治療薬は、デキサメタゾンシプロフロキサシンガシクリジン、あるいはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態において、耳の神経栄養因子は、脳由来神経栄養因子(BDNF)、繊毛の神経栄養因子(CNTF)、グリア細胞株由来神経栄養因子(GDNF)、ニューロトロフィン−3、ニューロトロフィン−4、線維芽細胞増殖因子(FGF)、インスリン様成長因子(IGF)、上皮成長因子(EGF)、血小板由来成長因子PGF)、およびこれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態において、耳の神経栄養因子は、脳由来神経栄養因子(BDNF)、ニューロトロフィン−3、およびこれらの組み合わせから選択される。

0008

いくつかの実施形態において、耳用医薬製剤は、約0.01重量%〜約20重量%の治療薬、あるいはその薬学的に許容可能なプロドラッグまたは塩を含む。いくつかの実施形態において、耳の中の製剤の保持時間は少なくとも1日である。いくつかの実施形態において、治療薬は少なくとも1日間製剤から放出される。いくつかの実施形態において、耳用医薬製剤は、水、C1−C6アルコールまたはC1−C6グリコール、C1−C4アルコールまたはC1−C4グリコール、あるいはこれらの任意の組み合わせを含まないか、あるいは実質的に含まない。いくつかの実施形態において、耳用医薬製剤は、針とシリンジポンプマイクロインジェクション装置、芯、海綿状材料、およびこれらの組み合わせから選択された薬物送達装置をさらに含む。いくつかの実施形態において、耳用医薬製剤は、外耳、中耳、および/または内耳に関連する耳の疾患または疾病処置で使用されるためのものである。いくつかの実施形態において、耳の疾患または疾病は、耳垢症あるいは耳の疾患または疾病に関連する耳垢症、耳そう痒症外耳炎耳痛耳鳴眩暈、耳閉感、聴力損失メニエール病感音性難聴騒音性難聴加齢性難聴老人性難聴)、自己免疫性耳疾患、耳鳴、聴器毒性興奮毒性内リンパ水腫迷路炎ラムゼイハント症候群、前庭ニューロン炎、あるいは微小血管圧迫症候群、聴覚過敏加齢平衡障害(presbystasis)、中枢性聴覚情報処理障害聴覚神経障害、人工内耳の性能の改良、あるいはこれらの組み合わせである。

0009

さらに、被験体の耳の疾患または疾病を処置する方法も本明細書で提供され、該方法は、本明細書に開示された耳用医薬製剤のいずれか1つを被験体に投与する工程を含む。

0010

引用による組み込み
本明細書で明記されるすべての公開物、特許、および特許出願は、個々の公開物、特許、または特許出願がそれぞれ参照により組み込まれるべく特別かつ個別に示されるかのような同じ程度で、参照により本明細書に組み込まれる。

図面の簡単な説明

0011

本開示の新規な特徴は、とりわけ添付の請求項で説明される。本開示の特徴と利点についてのよりよい理解は、本開示の原則が用いられている例証的な実施形態と添付の図面を説明する以下の詳細な記載を参照することによって得られる:
耳の解剖学的構造例証する。
AとBは完全長のTrkCとTrkB、およびそれぞれのアイソフォームを例証する。Aは出典がEstebanらのEsteban et al. J Cell Biol 2006;173:291−299であり、Bは出典がLubergらのJ.Neurochem.2010;113:952−964である。
AとBは完全長のTrkCとTrkB、およびそれぞれのアイソフォームを例証する。Aは出典がEstebanらのEsteban et al. J Cell Biol 2006;173:291−299であり、Bは出典がLubergらのJ.Neurochem.2010;113:952−964である。
切断したTrkCの典型的な小分子アンタゴニストを例証する。
切断したTrkCの典型的な小分子アンタゴニストを例証する。
切断したTrkCの典型的な小分子アンタゴニストを例証する。
それぞれ6%のデキサメタゾン(0.4μm)無菌のMCT、6%のデキサメタゾン(5μm)無菌のMCT、および、6%のデキサメタゾン(5μm)オートクレーブ滅菌したMCT製剤について投与後の外リンパのデキサメタゾンの濃度を示す。
それぞれ6%のデキサメタゾン(0.4μm)無菌のMCT、6%のデキサメタゾン(5μm)無菌のMCT、および、6%のデキサメタゾン(5μm)オートクレーブ滅菌したMCT製剤について投与後の外リンパのデキサメタゾンの濃度を示す。
それぞれ6%のデキサメタゾン(0.4μm)無菌のMCT、6%のデキサメタゾン(5μm)無菌のMCT、および、6%のデキサメタゾン(5μm)オートクレーブ滅菌したMCT製剤について投与後の外リンパのデキサメタゾンの濃度を示す。
0.3%のガシクリジンMCT製剤について投与後の外リンパのガシクリジンの濃度を示す。
3%のガシクリジンMCT製剤と3%のガシクリジンHCL MCT製剤について投与後の外リンパのガシクリジンの濃度を示す。
0.16%のガシクリジン遊離塩基MCT製剤、0.5%のガシクリジン遊離塩基MCT製剤、および1.5%のガシクリジン遊離塩基MCT製剤について投与後の外リンパのガシクリジンの濃度を示す。
MCT/SiO2製剤中の1.5%のガシクリジンHCl/PVPとMCT/SiO2製剤中の1.5%のガシクリジンパモ酸塩について投与後の外リンパでのガシクリジンの濃度を示す。
IgGMCT/0.5% SiO2製剤について投与後の外リンパのヒトIgGの濃度を示す。
IgG MCT/3% SiO2製剤について投与後の外リンパのヒトIgGの濃度を示す。
IgG MCT/PVP/0.5% SiO2製剤について投与後の外リンパのヒトIgGの濃度を示す。
IgG MCT/PVP/3% SiO2製剤について投与後の外リンパのヒトIgGの濃度を示す。
IgG MCT/カルボマー/0.5% SiO2製剤について投与後の外リンパのヒトIgGの濃度を示す。
IgG MCT/カルボマー/3% SiO2製剤について投与後の外リンパのヒトIgGの濃度を示す。
IgG MCT/P407/0.5% SiO2製剤について投与後の外リンパのヒトIgGの濃度を示す。
IgG MCT/P407/3% SiO2製剤について投与後の外リンパのヒトIgGの濃度を示す。
6%のデキサメタゾン(0.2μm)MCT、6%のデキサメタゾン(0.2μm)MCT/0.05% SiO2、および、6%のデキサメタゾン(0.2μm)MCT/2% SiO2製剤について投与後の外リンパのデキサメタゾンの濃度をそれぞれ示す。

0012

活性薬剤全身投与は、いくつかの例では、内耳構造に影響を与える疾患の処置に有効なものではない。蝸牛管と蝸牛とは、例えば、活性薬剤の全身送達を内耳内の標的部位へと制限する循環系から単離されている。いくつかの例においては、全身薬物投与は、血清内で血中濃度が高く、かつ、内耳の器官構造内で低いという薬物濃度の潜在的な不均等を作り出す。特定の例では、聴覚構造に十分な治療上有効な量の薬剤を送達するために、この不均等を克服するべく大量の薬剤が必要とされる。いくつかの例においては、全身薬物投与はさらに、副次的な全身蓄積とその結果として生じる副作用との可能性を高める。

0013

内耳疾患のための現在利用可能な治療は、付随する副作用の危険も伴う。例えば、利用可能な方法は、医薬品の複数回の1日量(例えば、鼓室内注射または注入)を必要とする。ある例においては、複数回の毎日の鼓室内注射は患者不快感を与え、服薬を守らない事態に陥る。ある例においては、外耳道内に投与される点耳薬による、または、鼓室内注射を介する、内耳への活性薬剤の送達は、血液迷路障壁BLB)、卵円窓膜、および/または、正円窓膜によって示される生物学的障壁によって妨害される。いくつかの例においては、点耳薬による、または、鼓室内注射を介する、内耳への活性薬剤の送達は、内耳構造内で浸透性不均衡を生み出し、微生物または内毒素が存在する結果として感染または他の免疫異常の原因となり、あるいは、聴力損失等を引き起こす取り返しの付かない構造上の損傷(例えば、鼓膜穿孔)を引き起こす。

0014

治療薬の鼓室内注射は、鼓膜の後ろから中耳および/または内耳へと治療薬を注入する技術である。鼓室内注射には課題が残る。例えば、正円窓膜、すなわち内耳への薬物吸収の部位へのアクセスには場合によっては問題がある。加えて、鼓室内注射を使用する現在のレジメンは、外リンパと内リンパのモル浸透圧濃度とpHの変化と、直接的または間接的に内耳に損傷を与える病原体エンドトキシンの導入に対処していない。

0015

トリグリセリドベースの耳用医薬製剤である耳用の製剤と組成物が本明細書で提供される。こうしたトリグリセリドは中鎖トリグリセライド(MCT)を含んでいる。これらの耳用の製剤と組成物は、治療薬、あるいはその薬学的に許容可能なプロドラッグまたは塩;および、中鎖脂肪酸を含むトリグリセリドを含む。いくつかの実施形態において、トリグリセリドはグリセロールと中鎖脂肪酸に由来する。

0016

いくつかの実施形態において、耳用のトリグリセリドベースの医薬製剤は、耳に注入される治療薬を安定させるのに十分な量のトリグリセリドを有する。いくつかの実施形態において、注入は外耳内に行われる。いくつかの実施形態において、注入は中耳内に行われる。いくつかの実施形態では、注入は鼓室内である。いくつかの実施形態では、注入は内耳内に行われる。いくつかの実施形態において、耳用のトリグリセリドベースの医薬製剤は、耳の中での十分な保持時間を提供するのに十分な量のトリグリセリドを有する。いくつかの実施形態において、耳の中の十分な保持時間とは中耳向けである。いくつかの実施形態において、耳の中の十分な保持時間とは内耳向けである。いくつかの実施形態において、耳の中の十分な保持時間とは外耳向けである。いくつかの実施形態において、外耳とは、外耳道、鼓膜の外側表面、またはその組み合わせである。いくつかの実施形態において、外耳は外耳道である。いくつかの実施形態において、耳用のトリグリセリドベースの医薬製剤は、治療薬の徐放を提供するのに十分な量のトリグリセリドを有する。いくつかの実施形態において、治療薬の徐放は外耳で行われる。いくつかの実施形態において、治療薬の徐放は中耳で行われる。いくつかの実施形態において、治療薬の徐放は内耳で行われる。いくつかの実施形態において、トリグリセリドは、細いゲージ針による製剤の送達を可能にするのに十分な量で存在する。

0017

これらの耳用のトリグリセリドベースの医薬製剤は、外耳、中耳、および/または内耳への薬物送達に適している。いくつかの例では、これらの耳用の医薬製剤と組成物はヒトへの投与に適している。いくつかの例では、本明細書に開示された耳用の製剤と組成物はさらに、pH、モル浸透圧濃度、イオン平衡無菌性、エンドトキシン、および/または発熱物質ベル厳格な基準を満たす。いくつかの例では、耳用の製剤と組成物は内耳の微小環境(例えば、外リンパ)と適合する。

0018

ゆえに、特定の実施形態では、耳の標的構造局所的に処置し、かつ、標的の耳構造へ耳用活性薬剤を長時間曝露させる、制御放出型の耳に許容可能な製剤と組成物が本明細書で提供される。特定の実施形態では、本明細書に記載される耳用の製剤と組成物は、耳の構造、および/または、内リンパと外リンパに適合する、厳格なモル浸透圧濃度とpH範囲とに対応するように設計される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される耳用の製剤と組成物は、少なくとも3日間長時間放出をもたらし、かつ、厳格な無菌条件を満たす、制御放出製剤である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される耳用の製剤と組成物は、低レベルのエンドトキシン(例えば、典型的に容認可能なレベルのエンドトキシン0.5EU/mLと比較して、0.5EU/mL未満)を含む。いくつかの例においては、本明細書に記載される耳用の製剤と組成物は、製剤または組成物1g当たり低レベルのコロニー形成単位(例えば、50CFUs未満)を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される耳用の製剤と組成物は、発熱物質および/または微生物を実質的に含まない。いくつかの例では、本明細書に記載される耳用製剤または組成物は、内リンパおよび/または外リンパのイオンの平衡を維持するために製剤される。

0019

いくつかの例においては、本明細書に記載される耳用製剤または組成物の局所投与は、活性薬剤の全身投与の結果生じる有害な副作用の可能性を回避する。いくつかの例では、本明細書に記載される局所的に適用された耳用の製剤と組成物は、耳構造に適合する。こうした適合性の耳構造は、外耳、中耳、および/または内耳に関連する構造を含む。いくつかの実施形態において、耳用の製剤と組成物は、所望の耳構造(例えば蝸牛の領域)に直接投与されるか、あるいは、例えば、限定されないが、正円窓膜、蝸牛窓稜、あるいは卵円窓膜を含む蝸牛の領域の場合には、耳構造の領域と直接連通する構造に投与される。

0020

いくつかの例においては、本明細書で開示される耳用の製剤と組成物は、製剤からの一定の速度で薬物を放出し、および、耳の疾患を患っている個体または患者の内耳への耳用活性薬剤の安定した長期間の暴露源を提供して、他の処置方法(例えば、点耳薬、および/または、複数回の鼓室内注射)に関連するあらゆる可変性を減少または除去する制御放出製剤または組成物である。

0021

いくつかの実施形態において、本明細書に記載される耳用の製剤と組成物は、外耳への有効成分の持続放出をもたらす。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される耳用の製剤と組成物は、蝸牛と前庭迷路を含む、中耳および/または内耳(inner earまたはauris interna)への有効成分の持続放出をもたらす。いくつかの実施形態において、耳用の製剤と組成物はさらに、制御放出成分と組み合わせて即時または急速放出成分を含む。

0022

特定の定義
本明細書で使用されるような、製剤、組成物、または成分に関する用語「耳に許容可能な」とは、処置される被験体の外耳(auris externa、または、external ear あるいは outer ear)中耳(auris media、あるいは、middle ear)、および/または、内耳(auris interna、あるいは、inner ear)に対する持続性有害な影響がないことを含む。本明細書で使用されるような「耳に薬学的に許容可能な」により、担体または希釈剤などの材料を指し、これは、外耳(auris externa、あるいは、external ear あるいは outer ear)、中耳(auris media、あるいは、middle ear)、および/または、内耳(auris interna、あるいは、inner ear)に関連して化合物生物学的活性または特性を抑止し、かつ、外耳(auris externa、あるいは、external ear あるいは outer ear)、中耳(auris media、あるいは、middle ear)、および、内耳(auris interna、あるいは、inner ear)に対する毒性が減少しており、つまり、材料は、望ましくない生物学的作用を引き起こしたり、それが含まれる組成物の成分のいずれにも有害に相互作用したりすることなく、個体に投与される。

0023

本明細書で使用されるように、特定の化合物または医薬組成物の投与による特定の耳の疾患、障害、または疾病の症状の改善または減少とは、化合物または組成物の投与に起因する、または関連付けられる、重症度の任意の低下、発病遅れ、進行の遅延、または持続期間の短縮(永久的または一時的であれ、持続的または一過的であれ)を指す。

0024

本明細書で使用されるように、「免疫調節剤」または「免疫調節薬」または「免疫調節薬剤」または「免疫調節」の用語は、同義語として用いられる。

0025

「抗TNF剤」または「抗腫瘍壊死因子剤」または「TNFモジュレータ」または「TNF調節剤」または「TNF−アルファモジュレータ」または「抗TNFアルファ剤」の用語は、同義語として用いられる。用語「抗TNF剤」とその同義語は一般に、TNF−αの生物学的効果、あるいは分子の標的に結合および拮抗する薬剤を含むプロ−TNF−α刺激の生物学的効果を打ち消す薬剤を指し、ここでは、腫瘍壊死因子アルファあるいはTNF−アルファ(TNF−α)、TNF−αの放出を阻害する薬剤、あるいはプロ−TNF−α刺激によりTNF−α遺伝子発現干渉する薬剤である。同様に、限定されないが、TNF−α活性経路上流にある標的を含むTNF−α活性の一般的な経路内の標的を調節することによってTNF−αの生物学的活性を間接的に拮抗する薬剤も含まれ、限定されないが、TNF−αの発現、活性、または機能を増加させる薬剤も含まれる。

0026

本明細書で使用されるように、「耳圧調節剤」または「耳圧モジュレータ」との用語は、同義語として用いられており、効果の程度を定めるものではない。耳圧モジュレータはさらに、バソプレシンエストロゲン関連受容体βタンパク質を含む、液状の恒常性タンパク質の発現または転写後の処理を調節する化合物を含んでいる。さらに、バソプレシン受容体またはエストロゲン関連受容体βモジュレータは、バソプレシン受容体とエストロゲン関連受容体βシグナル伝達、または、アクアポリン機能等の、バソプレシン受容体またはエストロゲン関連受容体βの制御下で下流の機能に影響を与える化合物を含んでいる。バソプレシン受容体またはエストロゲン関連受容体β調節剤は、バソプレシン受容体またはエストロゲン関連受容体β機能を増加および/または減少させる化合物を含み、前記化合物は、アンタゴニスト、阻害剤、アゴニスト、半アゴニストなどを含む。

0027

「耳の神経および/または有毛細胞のモジュレータ」と「耳の感覚細胞調節剤」とは、同義語である。これらは、耳の神経および/または有毛細胞の成長および/または再生を促す薬剤を含む。

0028

本明細書で使用されるように、用語「抗菌剤」とは、微生物の成長、増殖、または増加を阻害するか、もしくは微生物を殺す化合物を指す。適切な「抗菌剤」は、抗バクテリア剤バクテリアに対して効果的である)、抗ウイルス剤ウイルスに対して効果的である)、抗菌類剤(菌類に対して効果的である)、抗原虫剤原虫に対して効果的である)、および/または、任意のクラスの微生物寄生体に対する抗寄生虫剤である。「抗菌剤」は、有毒であることまたは細胞増殖抑制性であることなどを含む、微生物に対する任意の適切なメカニズムによって作用する。

0029

成句抗菌性小分子」とは、比較的少ない分子量、例えば、1000分子量未満抗菌化合物を指し、これは、耳の不調、特に、病原性微生物によって引き起こされた耳の不調の処置に有効であり、本明細書に開示された製剤に使用するのに適している。適切な「抗菌性小分子」とは、抗バクテリア、抗ウイルス抗真菌抗原虫、および、抗寄生虫性の小分子を含む。

0030

遊離ラジカルのモジュレータ」と「遊離ラジカル調節剤」は同義語である。これらは、遊離ラジカル、特に活性酸素種の産生、および/または、それによって引き起こされた損傷を調節する薬剤を指す。

0031

本明細書で使用されるように、「イオンチャネル調節剤」、「イオンチャネルのモジュレータ」、または「イオンチャネルモジュレータ」は、同義語として用いられており、効果の程度を定めるものではない。イオンチャネルモジュレータはさらに、バソプレシン受容体またはエストロゲン関連受容体βタンパク質を含む、液体恒常性タンパク質の発現または転写後の処理を調節する化合物を含んでいる。さらに、バソプレシン受容体またはエストロゲン関連受容体βモジュレータは、バソプレシン受容体とエストロゲン関連受容体βシグナル伝達、または、アクアポリン機能等の、バソプレシン受容体またはエストロゲン関連受容体βの制御下で下流の機能に影響を与える化合物を含んでいる。バソプレシン受容体またはエストロゲン関連受容体β調節剤は、バソプレシン受容体またはエストロゲン関連受容体β機能を増加および/または減少させる化合物を含み、前記化合物は、アンタゴニスト、阻害剤、アゴニスト、半アゴニストなどを含む。

0032

本明細書で使用されるように、「耳用薬剤」または「耳構造調節剤」または「耳用治療薬」または「耳用活性薬剤」または「活性剤」の用語は、耳の疾患、例えば、例えば、中耳炎耳硬化症、耳の自己免疫疾患、耳癌の処置に有効な化合物を指し、本明細書で開示される製剤で使用するのに適している。「耳用薬剤」または「耳構造調節剤」または「耳用治療薬」または「耳用活性薬剤」または「活性剤」としては、限定されないが、アゴニスト、半アゴニスト、アンタゴニスト、半アンタゴニスト、逆アゴニスト競合的アンタゴニスト、ニュートラルアンタゴニストオルソステリックアンタゴニスト、アロステリックアンタゴニスト、耳構造調節標的の陽性アロステリックモジュレータ、耳構造調節標的の陰性アロステリックモジュレータ、またはその組み合わせとして機能する化合物が挙げられる。

0033

「平衡障害」とは、ふらつきを感じたり、動いているような感覚を有したりするような状態を被験体に引き起こす、不調、病気、または、疾病を指す。この定義には、浮動めまい回転性めまい、不均衡、および失神性めまいが含まれる。平衡疾患として分類される疾患は、限定されないが、ラムゼイハント症候群、メニエール病、デバルクマ症候群症候群(mal de debarquement)、良性発作性頭位めまい症、迷路炎、および老人性難聴を含む。

0034

CNSモジュレータ」と「CNS調節剤」は同義語である。これらは、CNSの活性を減少させ、縮小し、部分的に抑え、完全に抑え、改善し、拮抗し、促進し、刺激し、または増加させる薬剤を指す。例えば、いくつかの例では、これらは、GABA受容体感度を高めることによってGABAの活性を増加させ、または、それらは、神経内脱分極を変える。

0035

局所麻酔薬」は、可逆的な感覚消失および/または侵害受容喪失を引き起こす物質を意味する。しばしば、こうした物質は、興奮性膜(例えばニューロン)の脱分極と再分極の速度を減少させることにより機能する。非限定的な例として、局所麻酔薬はリドカインベンゾカインプリロカイン、およびテトラカインを含む。

0036

GABAA受容体のモジュレータ」、「GABA受容体のモジュレータ」、「GABAA受容体モジュレータ」、および「GABA受容体モジュレータ」は、同義語である。これらは、例えば、GABAに対するGABA受容体の感度を増加させることによって、GABA神経伝達物質の活性を調節する物質を指す。

0037

本明細書で使用されるように、「細胞毒性剤」との用語は、耳疾患、例えば、耳の自己免疫疾患、耳癌の処置に有効な細胞毒(すなわち、細胞に対して毒)である化合物を表しており、本明細書で開示される製剤で用いるのに適している。

0038

細胞毒性小分子」との成句は、比較的低い分子量、例えば、1000未満、または、600乃至700未満、または、300乃至700の分子量であり、耳の疾患、例えば、耳の自己免疫疾患、耳癌の処置に有効な量の細胞毒性化合物を指し、本明細書で開示される製剤で用いるのに適している。適切な「細胞毒性小分子」は、メトトレキサートシクロホスファミドサリドマイドと、メトトレキサート、シクロホスファミド、サリドマイドの代謝物、塩、多形体、プロドラッグ、アナログ、および誘導体を含んでいる。特定の実施形態において、好ましい細胞毒性小分子は、細胞毒性剤の薬学的に活性な代謝物である。例えば、シクロススファミドの場合では、好ましい代謝物は、シクロホスファミドの薬学的に活性な代謝物であり、限定されないが、4−ヒドロキシシクロホスファミド、アルホスファミド、ホスファイドマスタード、およびこれらの組み合わせを含む。

0039

抗酸化剤」は、耳に薬学的に許容可能な抗酸化剤であり、例えば、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、アスコルビン酸ナトリウムアスコルビン酸重亜硫酸ナトリウム、およびトコフェロールを含む。ある実施形態では、必要に応じて、抗酸化剤は化学安定性を増強する。抗酸化剤は同様に、本明細書で開示される耳用薬剤と組み合わせて使用される薬剤を含む特定の治療薬の聴器毒性の影響を中和するために使用される。

0040

「外耳」とは外部(あるいはouter)の耳を指し、耳介と外耳道(EAC)を含んでいる。

0041

「内耳(auris interna)」とは、蝸牛および前庭迷路、ならびに蝸牛と中耳とを接続する正円窓を含む、内耳(inner ear)を指す。

0042

「内耳のバイオアベイラビリティ」または「中耳のバイオアベイラビリティ」とは、試験されている動物またはヒトの内耳または中耳内のそれぞれで利用可能となる本明細書で開示される化合物の投与された用量の割合を指す。

0043

「中耳」は、鼓室、耳小骨、および中耳を内耳につなぐ卵円窓を含む中耳を指す。

0044

血漿濃度」は、被験体の血液の血漿成分中の本明細書で提供される化合物の濃度を指す。

0045

「内耳のバイオアベイラビリティ」は、試験される動物またはヒトの内耳で利用可能となる本明細書で開示される化合物の投与された用量の割合を指す。

0046

製剤、組成物、または成分に関して「耳に許容可能な浸透促進剤」との用語は、本明細書で使用されるように、障壁耐性を減少させる特性を指す。

0048

「希釈剤」との用語は、送達前に耳用薬剤を希釈するのに使用され、かつ、中耳および/または内耳に適合する化合物である。

0049

分散剤」および/または「粘度調節剤」および/または「増粘剤」は、液体媒体を介する耳用薬剤の拡散性均質性とを制御する物質である。拡散促進物質/分散剤の例としては、限定されないが、親水性ポリマー電解液トゥイーン登録商標)60または80、PEG、ポリビニルピロリドン(PVP;商業的にはプラスドン(登録商標)として知られている)、および炭水化物ベースの分散剤、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース(例えば、HPC、HPC−SL、およびHPC−L)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、HPMC K100、HPMC K4M、HPMC K15M、HPMC E10M、およびHPMC K100M)、カルボキシメチルセルロースカルボキシメチルセルロースナトリウムメチルセルロースヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースステアリン酸アセテート(HPMCAS)、非結晶セルロース、ケイ酸アルミニウムマグネシウムトリエタノールアミンポリビニルアルコール(PVA)、ビニルピロリドン酢酸ビニルコポリマー(S630)、酸化エチレンおよびホルムアルデヒドを有する4−1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェノールポリマーチロキサポールとしても知られている)、ポロキサマー(例えば、Pluronics F68(登録商標)、F88(登録商標)、F108(登録商標)、およびF127(登録商標)、これらは酸化エチレンおよび酸化プロピレンブロックコポリマーである);および、ポロキサミン(例えば、エチレンジアミンへの酸化プロピレンおよび酸化エチレンの連続付加に由来する四官能性のブロックコポリマーである、Poloxamine(登録商標)としても知られているTetronic908(登録商標)(BASFCorporation,Parsippany,N.J.))、ポリビニルピロリドンK12、ポリビニルピロリドンK17、ポリビニルピロリドンK25、またはポリビニルピロリドンK30、ポリビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー(S−630)、ポリエチレングリコール(例えば、ポリエチレングリコールは、約300から約6000まで、約3350から約4000まで、または約7000から約5400までの分子量を有する)、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリソルベート80アルギン酸ナトリウムゴム、例えば、トラガカントゴムおよびアラビアゴムグアーゴムキサンタンゴムを含むキサンタン、糖、セルロース系、例えば、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルソース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ポリソルベート80、アルギン酸ナトリウム、ポリエトキシル化ソルビタンモノラウレート、ポリエトキシル化ソルビタンモノラウレート、ポビドン、カルボマー、ポリビニルアルコール(PVA)、アルギン酸塩キトサン、二酸化ケイ素、およびこれらの組み合わせが挙げられる。セルロースまたはトリエチルセルロースなどの可塑剤も分散剤として使用される。本明細書で開示される耳用薬剤のリポソーム分散と自己乳化性分散に有用な随意の分散剤は、ジミリストイルホスファチジルコリン、卵由来の天然ホスファチジルコリン、卵由来の天然ホスファチジルグリセロール、コレステロール、およびミリスチン酸イソプロピルである。いくつかの実施形態では、「分散剤」、および/または「粘度調節剤」および/または「増粘剤」は、ポロキサマーではない。

0050

「薬物吸収」または「吸収」とは、投与の局地的な部位、ほんの一例として内耳の正円窓膜から、および、障壁(以下に記載されるような正円窓膜)を介して内耳(auris internaまたはinner ear)構造に至る耳用薬剤の移動のプロセスを指す。「同時投与」との用語は、本明細書で使用されるように、一人の患者への耳用薬剤の投与を包含することを意味し、耳用薬剤が同じまたは異なる投与経路によって、もしくは同じまたは異なる時間に投与される処置レジメンを含むことを意図している。

0051

「有効な量」または「治療上有効な量」という用語は、本明細書で使用されるように、処置されている疾患または疾病の症状の1つ以上をある程度まで軽減することが予想される、投与されている耳用薬剤の十分な量を指す。例えば、本明細書で開示される耳用薬剤の投与の結果は、本明細書で開示される疾患または疾病のいずれかひとつの徴候、症状、または原因の減少および/または緩和である。例えば、治療用途のための「有効な量」とは、過度な有害な副作用なく疾患の症状の減少または改善をもたらすために必要とされる本明細書で開示されるような製剤を含む耳用薬剤の量である。用語「治療上有効な量」は、例えば、予防に有効な量を含む。本明細書で開示される耳用薬剤組成物の「有効な量」とは、過度の有害な副作用なく所望の薬理学的効果または治療の改善を達成するのに有効な量である。「有効な量」または「治療上有効な量」は、実施形態によっては、投与される化合物の代謝の変動、年齢、体重、被験体の一般的な状態、処置されている疾病、処置されている疾病の重篤度、および処方する医師の判断次第で、被験体ごとに変化することが理解されよう。いくつかの例では、持続放出投薬フォーマットでの「有効な量」は、薬物動態学的および薬力学的な考察に基づいて即時放出投薬フォーマットでの「有効な量」とは異なることも理解されよう。

0052

用語「増強する」または「増強」とは、耳用薬剤の所望の効果の効能または存続時間の増大または延長、あるいは治療薬の投与後に結果として生ずるあらゆる有害な総体症状を指す。したがって、本明細書に開示される抗菌剤の効果を増強することに関して、用語「増強」とは、本明細書に開示される耳用薬剤と組み合わせて用られる他の治療薬の効果を効能または持続のいずれかで増大または延長させる能力を指す。「増強する有効な量」とは、本明細書で使用されるように、所望の系で別の治療薬または耳用薬剤の効果を増強するのに適切な耳用薬剤または他の治療薬の量を指す。患者に使用されるとき、こうした使用に有効な量は、疾患、障害、または疾病の重症度と経過、以前の治療、患者の健康状態、および医薬品に対する反応、ならびに治療する医師の判断によって変わる。

0053

「浸透促進剤」との用語は、障壁耐性(例えば、正円窓膜の障壁耐性、BLB等)を減少させる薬剤を指す。

0054

用語「阻害する」とは、本明細書に記載される疾病の1つのいずれかを含む疾病の進行を防ぐ、遅らせる、または撤回させること、あるいは、処置を必要としている患者の疾病の進歩を含む。

0055

用語「キット」および「製品」は、同義語として使用される。

0056

「調節する」との用語は、標的、例えば、本明細書で開示されるTNF−アルファ剤との相互作用、TNF−アルファ剤の活性、または、ほんの一例として、TNF−アルファの活性を阻害すること、または、TNF−アルファの活性を制限することを含む、TNF−アルファの活性を変える他の直接または間接の標的を含む。

0057

薬力学」とは、中耳および/または内耳内の所望の部位で薬物の濃度に対して観察される生物学的反応を決定する因子を指す。

0058

薬物動態学」とは、中耳および/または内耳内の所望の部位で薬物の適切な濃度の達成ならびに維持を決定する因子を指す。

0059

予防的な適用では、本明細書に記載される耳用薬剤を含む組成物は、特定の疾患、障害、あるいは疾病になりやすい、あるいはそのリスクのある患者に投与される。このような量は、「予防に有効な量または用量」であると定義される。この用途では、正確な量は、また、患者の健康状態、体重などによって変わる。

0060

「プロドラッグ」とはインビボで親薬物に変換される耳用薬剤を指す。ある実施形態では、プロドラッグは、化合物の生物学的、薬学的、または治療的な形態への1つ以上の工程またはプロセスによって酵素的に代謝される。プロドラッグを生成するために、薬学的に活性な化合物は、インビボ投与時に再生成されるように修飾される。1つの実施形態では、プロドラッグは、薬物の代謝性定性または輸送特性を変えるため、副作用または毒性を消すため、あるいは、薬物の他の特徴または特性を変えるように設計される。本明細書に提供される化合物は、いくつかの実施形態において、適切なプロドラッグへと誘導体化される。

0061

「可溶化剤」とは、トリアセチンクエン酸トリエチルオレイン酸エチルカプリル酸エチルラウリル硫酸ナトリウムドクサートナトリウムビタミンETPGS、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、N−ヒドロキシエチルピロリドン、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルシクロデキストリンエタノールn−ブタノールイソプロピルアルコール、コレステロール、胆汁塩、ポリエチレングリコール200−600、グリコフロールトランスクトール(登録商標)、プロピレングリコール、およびジメチルイソソルビドなど耳に許容可能な化合物を指す。

0062

「安定化剤」は、任意の抗酸化剤、緩衝剤、酸、防腐剤などの、中耳および/または内耳の環境に適合する化合物を指す。安定化剤としては、(1)賦形剤と、容器または送達系(注射器またはガラス瓶を含む)との適合性を向上させる、(2)組成物の成分の安定性を向上させる、または(3)製剤の安定性を向上させる、いずれかを行う薬剤が挙げられるが、これらに限定されない。

0063

定常状態」は、本明細書で使用されるように、中耳および/または内耳に投与される薬物の量が、標的とする構造内での薬物曝露濃度を水平または一定レベルにする、1回の投薬間隔の間に除去される薬物の量と等しいときのことをいう。

0064

本明細書で使用されるように、用語「被験体」とは、動物、好ましくはヒトまたはヒト以外を含む哺乳動物を意味するように使用される。患者および被験体との用語は交換可能に使用される。

0065

「界面活性剤」とは、ラウリル硫酸ナトリウム、ドクサートナトリウム、Tween(登録商標)60または80、トリアセチン、ビタミンETPGS、ホスホリン脂質レシチン、ホスファチジルコリン(c8〜c18)ホスファチジルエタノールアミン(c8〜c18)、ホスファチジルグリセロールc8〜c18)、ソルビタンモノオレートポリオキシエチレンソルビタンモノオレートポリソルベート、ポロキサマー、胆汁塩、グリセリルモノステアレート、酸化エチレンと酸化プロピレンのコポリマー、例えば、プルロニック(登録商標)(BASF)などの耳に許容可能な化合物を指す。他のいくつかの界面活性剤は、ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリドおよび植物油(例えばポリオキシエチレン(60)水素化ヒマシ油);および、ポリオキシエチレンアルキルエーテルアルキルフェニルエーテル、例えば、オクトキシノール10、オクトキシノール40などが挙げられる。いくつかの実施形態において、界面活性剤は、物理的安定性を高めるために、または他の目的のために含まれる。

0066

用語「処置する」、「処置すること」、または、「処置」とは、本明細書で使用されるように、疾患または疾病または関連する症状を緩和するか、軽減するか、改善すること、追加の症状を防ぐこと、症状の根本的な代謝性の原因を改善するか防ぐこと、疾患または疾病を阻害すること、例えば、疾患または疾病の進行を抑えること、疾患または疾病を和らげること、疾患または疾病の退行を引き起こすこと、疾患または疾病によって引き起こされた状態を和らげること、あるいは疾患または疾病の症状を予防的および/または治療的に制御するまたは止めることを含む。

0067

前述した実施形態のいずれかにおいて、「実質的に低分解産物」との用語は、活性薬剤の5重量%未満が活性薬剤の分解産物であることを意味する。さらなる実施形態において、上記用語は、活性薬剤の3重量%未満が活性薬剤の分解産物であることを意味する。またさらなる実施形態において、活性薬剤の2重量%未満が、活性薬剤の分解産物であることを意味する。さらなる実施形態において、活性薬剤の1重量%未満が、活性薬剤の分解産物であることを意味する。

0068

「TrkBまたはTrkCのアゴニスト」との用語は、TrkBまたはTrkC受容体上の1つ以上のエピトープを認識してこれに結合する薬剤を含む。いくつかの実施形態において、TrkBまたはTrkCのアゴニストは抗体である。TrkBまたはTrkCのアゴニストは、ニューロンの成長および/または再生と、それらのプロセスと接続、および/または耳の有毛細胞を促す薬剤である。いくつかの実施形態において、TrkBまたはTrkCのアゴニストは、耳の感覚細胞の成長、再生、および/または表現型の維持と、耳のそれらのプロセスと接続(例えば、ニューロンおよび/または有毛細胞)を促すことにより、治療上の利点(例えば聴力損失の緩和)をもたらす。いくつかの実施形態において、TrkBまたはTrkCのアゴニストは、耳の感覚細胞への損傷を(例えば、ニューロンおよび/または耳の有毛細胞の機能不全)を処置および/または撤回するか、あるいは、(例えば、耳保護(otoprotectant)効果または栄養作用を及ぼすことによって)耳の感覚細胞に対するさらなる損傷を(例えば、細胞死)を減少させるか、または遅らせることによって、治療上の利点(例えば、音響性外傷による耳鳴の緩和)をもたらす。

0069

TrkBまたはTrkCのアゴニストは「神経栄養剤」を含み、これは、自然発生の神経栄養剤(例えば、BDNF、NT3、NT 4/5、IGF)の化学修飾されたアナログ、あるいはアミノ酸残基中に1つ以上の突然変異を有する自然発生の神経栄養剤を意味し、耳の感覚細胞(例えば、ニューロンおよび/または耳の有毛細胞の生存、成長、および/または再生を促す。いくつかの実施形態において、神経栄養剤は、耳の感覚細胞の酸化的損傷および/または骨新生および/または変性を減少させるか、または阻害する。いくつかの実施形態において、神経栄養剤は(例えば、医療機器手術移植後に)健康な耳の感覚細胞を維持する。いくつかの実施形態において、神経栄養剤は免疫抑制剤(例えば、耳の手術中に使用される免疫抑制剤)である。いくつかの実施形態において、神経栄養剤は、成長因子(例えば、耳細胞の成長を促すために移植処置の後に使用される成長因子)である。

0070

本明細書で使用されるように、用語「抗体」とは、免疫グロブリン分子可変領域にある少なくとも1つの抗原認識部位を介して、炭水化物、ポリヌクレオチド、脂質、ポリペプチドなどの標的に特異的に結合することができる免疫グロブリン分子を意味する。本明細書で使用されるように、この用語は、無傷ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体だけではなく、そのフラグメントFab、Fab’、F(ab’)2、Fv)、単鎖(ScFv)、その突然変異体抗体部分を含む融合タンパク質、および、抗原認識部位を含む免疫グロブリン分子の他の修飾された構造も包含する。抗体は、IgG、IgA、あるいはIgM(またはそのサブクラス)などの任意のクラスの抗体を含み、抗体は任意の特別なクラスである必要はない。その重鎖定常ドメインの抗体アミノ酸配列に依存して、免疫グロブリンを様々なクラスに割り当てることができる。5つの主要なクラスの免疫グロブリン:IgA、IgDIgE、IgG、およびIgMがあり、これらのいくつかをさらにサブクラス(アイソタイプ)、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgAl、およびIgA2に分けることもある。様々なクラスの免疫グロブリンに対応する重鎖定常ドメインはそれぞれ、アルファ、デルタイプシロンガンマ、およびミューと呼ばれる。様々なクラスの免疫グロブリンのサブユニット構造三次元構造が周知である。同様に、単鎖可変フラグメント(scFv)、ダイアボディミニボディ単一ドメイン抗体(sdAbs)またはナノボディ抗体キメラハイブリッド抗体二重特異性抗体身体、ヒト化抗体など、および、前述のものを含む組み換えペプチドなどの単鎖抗体も含まれる。

0071

本明細書で使用されるように、「モノクローナル抗体」や「mAb」などの用語は、実質的に均質の抗体の集団から得られた抗体を指し、つまり、上記集団を含む個々の抗体は、少量で存在することもある潜在的に自然発生する突然変異を除けば、同一である。モノクローナル抗体は高度に特異的であり、単一の抗原部位を対象としている。さらに、典型的には様々な決定因子(エピトープ)を対象とした様々な抗体を含んでいるポリクローナル抗体調合物とは対照的に、モノクローナル抗体は抗原上の単一の決定因子を対象としている。修飾因子モノクローナル」は、抗体の実質的に均質の集団から得られる抗体の特徴を示しており、任意の特定の方法による抗体の産生を必要とするものとは解釈されない。

0072

「天然の抗体」と「天然の免疫グロブリン」は通常、2つの同一の軽(L)鎖と2つの同一の重(H)鎖から構成される、約150,000ダルトンヘテロ四量体糖タンパク質である。軽鎖はそれぞれ1つの共有ジスルフィド結合によって重鎖に結合するが、ジスルフィド結合の数は様々な免疫グロブリンアイソタイプの重鎖間で異なる。重鎖と軽鎖はそれぞれ規則的に距離をおいた鎖内ジスルフィド架橋も有する。各重鎖は一方の末端可変ドメイン(VH)とその後の多くの定常ドメインを有する。各軽鎖は一方の末端に可変ドメイン(VL)を、もう一方の末端に定常ドメインを有し、軽鎖の定常ドメインは重鎖の第1の定常ドメインと位置を合わされ、軽鎖可変ドメインは重鎖の可変ドメインと位置を合わされる。特定のアミノ酸残基は、軽鎖と重鎖の可変領域の間で境界面を形成すると考えられている。

0073

本明細書で使用されるように、用語「可変」とは、可変ドメインの特定の部分が抗体中で配列が大きく異なるという事実を指す。可変領域は抗原結合特異性を与える。しかしながら、可変性は抗体の可変ドメイン全体に均一に分布していない。それは、軽鎖と重鎖の可変ドメイン中の相補性決定領域(CDR)または超可変領域、その両方の3つのセグメントに集中している。可変ドメインの高度に保存された部分はフレームワーク(FR)領域と呼ばれる。天然の重鎖と軽鎖の可変ドメインはそれぞれ、ループ接続を形成し、場合によっては、f3−プリーツシート構造の一部を形成する、3つのCDRにより接続された、13−プリーツシート構造を採用している4つのFR領域を含む。各鎖内のCDRはFR領域によって一緒近接して保持され、他方の鎖からのCDRは抗体の抗原結合部位の形成に寄与する(Kabat et al. (1991) NIH PubL. No. 91−3242, Vol. I, pages 647−669を参照)。定常ドメインは抗体を抗原に結合することに直接関与しないが、Fc受容体(FcR)結合、抗体依存性の細胞の毒性への抗体の関与、補体依存性細胞傷害の開始、およびマスト細胞脱顆粒などの様々なエフェクター機能を示す。

0074

本明細書で使用されるように、用語「超可変領域」は、本明細書で使用するとき、抗原結合の原因となる抗体のアミノ酸残基を指す。超可変領域は、「相補的決定領域」または「CDR」(すなわち、軽鎖可変ドメイン中の残基24−34(L1)、50−56(L2)、および89−97(L3)と、重鎖可変ドメイン中の残基31−35(H1)、50−65(H2)、および95−102(H3);Kabat et al.(1991)Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service, National Institute of Health,Bethesda,Md.)からのアミノ酸残基、および/または、「超可変ループ」(すなわち、軽鎖可変ドメイン中の残基26−32(L1)、50−52(L2)、および、91−96(L3)と、重鎖可変ドメイン中の残基(H1)、53−55(H2)、および96−101(13);Clothia and Lesk,(1987)J.Mol.Biol.,196:901−917)からの残基を含む。本明細書で認められるように、「フレームワーク」あるいは「FR」残基は、超可変領域残基以外のそれらの可変ドメイン残基である。

0075

抗体フラグメント」は無傷の抗体の一部を含む。いくつかの実施形態において、無傷の抗体の一部は無傷の抗体の抗原結合または可変領域である。抗体フラグメントの例としては、Fab、Fab、F(ab’)2、およびFvフラグメント;ダイアボディ;線形の抗体;(Zapata et al.(1995)Protein Eng.10:1057−1062)単鎖抗体分子;および、抗体フラグメントから形成された多特異性抗体が挙げられる。抗体のパパイン消化は、各々が単一の抗原結合部位を有する「Fab」フラグメントと呼ばれる2つの同一の抗原結合性フラグメントと、その名前が容易に結晶させる能力を反映している残基「Fc」フラグメントを生成する。ペプシン処置により、2つの抗原結合部位を有するとともに依然として抗原を架橋結合することができるF(ab’)2フラグメントが生成される。

0076

「Fv」は、完全抗原認識部位および結合部位を含む最小限の抗体フラグメントである。この領域は、緊密な非共有結合性会合中の1つの重鎖と1つの軽鎖の可変ドメインの二量体からなる。VH−VL二量体の表面上の抗原結合部位を定義するために、それぞれの可変ドメインの3つのCDRが相互作用するのはこの構造内である。まとめて、6つのCDRが抗体に対する抗原結合特異性を与える。しかしながら、全結合部位よりも親和性は低いが、1つの可変ドメイン(または、抗原に特異的なわずか3つのCDRしか含まないFvの半分)でも、抗原を認識して結合する能力を有している。

0077

Fabフラグメントはさらに、軽鎖の定常ドメインと重鎖の第1の定常ドメイン(CH1)を含む。Fabフラグメントは、抗体ヒンジ領域からの1つ以上のシステインを含む重鎖CH1ドメインカルボキシ末端少数の残基を加えることでFab’フラグメントとは異なる。Fab’−SHとは、定常ドメインのシステイン残基遊離チオール基を有するFab’に関する本明細書での命名である。Fab’フラグメントは、F(ab’)2フラグメントの重鎖ジスルフィド架橋を還元することにより生成される。抗体フラグメントの他の化学的結合も知られている。

0078

任意の脊椎動物種からの抗体(免疫グロブリン)の「軽鎖」は、その定常ドメインのアミノ酸配列に基づいてカッパ(x)とラムダ(X)と呼ばれる、2つの明らかに異なるタイプの1つに割り当てられる。

0079

本明細書で使用されるように、用語「ヒト化抗体」とは、ヒトによって生成された抗体に対応するアミノ酸配列を有する抗体、あるいは、当該技術分野で知られているまたは本明細書で開示されるヒト化抗体を作るための技術のいずれかを使用して作られた抗体を意味する。ヒト化抗体のこの定義は、少なくとも1つのヒト重鎖ポリペプチドあるいは少なくとも1つのヒト軽鎖ポリペプチドを含む抗体を含んでいる。ヒト化抗体は当該技術分野で知られている様々な技術を使用して生成可能である。1つの実施形態では、ヒト化抗体はファージライブラリーから選択され、ここで、そのファージライブラリーはヒト化抗体を発現する。ヒト化抗体もトランスジェニック動物(例えば、内因性免疫グロブリン遺伝子が部分的にあるいは完全に不活性化されたマウス)へヒト免疫グロブリン座を導入することにより作ることが可能である。代替的に、ヒト化抗体は、標的抗原を対象とした抗体を生成するヒトBリンパ球不死化することにより調製されることもある(そのようなBリンパ球は個体から回収されることもあれば、あるいはインビトロ免疫化されることもある)。

0080

本明細書で提供される抗体の「ベニア(veneered)」バージョンとの用語もいくつかの実施形態で使用されてもよい。ベニア化のプロセスは、天然のFRタンパク質の折り畳み構造を実質的にすべて保持する抗原結合部分を含む抗体を提供するために、例えば、マウスの重鎖または軽鎖の可変領域からのFR残基を、ヒトFR残留物と選択的に交換する工程を含む。ベニア化技術は、抗原結合部分の抗原結合特性が主として抗原結合表面内の重鎖と軽鎖のCDRセットの構造と相対的な配置によって決定されるという理解に基づく。したがって、抗原連合特異性はヒト化された抗体でのみ維持することができ、ここで、CDR構造、互いとのその相互作用、および可変領域ドメインの残りとのその相互作用は慎重に維持される。ベニア化技術を用いることによって、免疫系に容易に遭遇する外部(例えば、溶媒到達可能な)のFR残基は、弱い免疫原性、実質的に非免疫原性のベニア化表面のいずれかを含むハイブリッド分子を提供するために、ヒトの残基と選択的に取り替えられる。本明細書で提供される抗体のベニア化バージョンは本開示によって包含されることを理解されたい。

0081

本明細書で使用されるように、抗体の「抗原結合部分」または「抗原結合フラグメント」(あるいは単に「抗体部分」あるいは「抗体フラグメント」)は、とりわけ、抗原(例えば、TrkCの膜近傍領域ドメイン)に特異的に結合する能力を保持する抗体の1つ以上のフラグメントを指す。抗体の抗原結合機能は、完全長の抗体のフラグメントによって行うことが可能であることが示されている。こうした抗体の実施形態は、二重特異性、二重特異的、または他特異的なフォーマットュアルであってもよく;2つ以上の様々な抗原に特異的に結合してもよい。抗体の「抗原結合部分」との用語に包含される結合フラグメントの例は、(i)VL、VH、CL、およびCH1のドメインからなる一価フラグメントである、FAbフラグメント;(ii)ヒンジ領域でのジスルフィド架橋によって結合した2つのFAbフラグメントを含む二価フラグメントである、F(ab’)2フラグメント;(iii)VHとCH1のドメインからなるFdフラグメント;(iv)抗体の単一のアームのVLとVHのドメインからなるFvフラグメント、(v)一つの可変ドメインを含むdAbフラグメント;および、(vi)単離された相補性決定領域(CDR)を含む。さらに、Fvフラグメントの2つのドメイン(VLとVH)は別々の遺伝子によってコードされるが、これらは合成リンカーによって組み換え法を用いて結合可能であり、合成リンカーにより、上記ドメインを、VLとVHの領域がペアになって一価の分子を形成する単一のタンパク質鎖とすることが可能となる。こうした単鎖抗体も本開示内に包含されるように意図されている。ダイアボディなどの単鎖抗体の他の形態も包含される。ダイアボディは、VHとVLのドメインが単一のポリペプチド鎖上で発現されるが、短すぎて同じ鎖の上の2つのドメイン間を対にすることができないリンカーを使用して、それにより、2つのドメインを別の鎖の相補的なドメインと無理やり対にさせて2つの抗原結合部位を作成する、二価の二重特異性抗体である。

0082

本明細書に記載される抗体が、完全長の抗体の同じ特性(例えば、特異性または親和性)を保持する、単鎖抗体あるいはFAbフラグメントなどの、そのフラグメント、一部、変異体、あるいは誘導体を含むことを理解されたい。

0083

用語「耳の治療介入」とは、1つ以上の耳構造に対する外部の損傷または外傷を意味し、移植片、耳の手術、注射、カニューレ挿入などを含む。移植片は内耳または中耳の医療装置を含み、その例としては、人工内耳、聴力温存(hearing sparing)装置、聴力改善装置、短い電極微小人工器官、またはピストンのような人工器官;針;幹細胞移植;薬物送達装置;任意の細胞ベースの治療;などが挙げられる。耳の手術は中耳手術、内耳手術、鼓膜切開、蝸牛開口(cochleostomy)、迷路切開乳突削開術アブミ骨切除術(stapedectomy, stapedotomy)、内リンパ球嚢切開術(sacculotomy)などを含む。注射は中耳内注射、蝸牛内注射、正円窓膜全体の注射などを含む。カニューレ挿入は中耳内、蝸牛内、内リンパ、外リンパ、または前庭のカニューレ挿入などを含む。

0084

化合物の薬学的に許容可能な誘導体としては、その塩、エステルエノールエーテルエノールエステル、アセタールケタールオルトエステルヘミアセタールヘミケタール、酸、塩基溶媒和物水和物、あるいはプロドラッグが挙げられる。こうした誘導体は、そのような誘導体化の既知の方法を使用して当業者によって容易に調製され得る。薬学的に許容可能な塩としては、限定されないが、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、クロプロカインコリンアンモニアジエタノールアミン、および他のヒドロキシアルキルアミン、エチレンジアミン、N−メチルグルカミン、プロカイン、N−ベンジルフェネチルアミン、l−パラ−クロロベンジル−2−ピロリジン−l’−イルメチルベンズイミダゾールジエチルアミンおよび他のアルキルアミンピペラジンおよびトリス(ヒドロキシメチルアミノメタンなどのアミン塩;限定されないが、リチウムカリウム、およびナトリウムなどのアルカリ金属塩;限定されないが、バリウム、カルシウム、およびマグネシウムなどのアルカリ土類金属塩;限定されないが、亜鉛などの遷移金属塩;および、限定されないが、炭酸水素ナトリウムリン酸塩リン酸水素二ナトリウムなどの無機塩類が挙げられ、さらに、限定されないが、塩酸塩硫酸塩などの鉱酸の塩;および、限定されないが、酢酸塩乳酸塩リンゴ酸塩酒石酸塩クエン酸塩アスコルビン酸塩琥珀酸塩酪酸塩吉草酸塩メシル酸塩、およびフマル酸塩などの有機酸の塩を含んでいる。薬学的に許容可能なエステルとしては、限定されないが、カルボン酸リン酸ホスフィン酸スルホン酸スルフィン酸、およびボロン酸を含む酸性基の、アルキルアルケニルアルキニルアリールアラルキル、および、シクロアルキルエステルが挙げられる。薬学的に許容可能なエノールエーテルとしては、限定されないが、Rが水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、およびシクロアルキルである、式C=C(OR)の誘導体が挙げられる。薬学的に許容可能なエノールエステルとしては、限定されないが、Rが水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、およびシクロアルキルである、式C=C(OC(O)R)の誘導体が挙げられる。薬学的に許容可能な溶媒和物と水和物は、1つ以上の溶媒または水分子、あるいは、約1〜100、あるいは約1〜10、あるいは1〜約2、3、または4の溶媒または水分子を有する化合物の複合体である。

0085

本明細書で提供される化合物がキラル中心を含むこともあることを理解されたい。こうしたキラル中心は(R)あるいは(S)配置のいずれかであるか、あるいはその混合物であることがある。したがって、本明細書で提供される化合物は、鏡像異性的に純粋であることもあれば、立体異性またはジアステレオ異性混合物であることもある。そのため、当業者は、その(R)形態の化合物の投与がその(S)形態の化合物の投与と、インビボで異性化を経験する化合物については同等であることを認識する。

0086

本開示は、こうしたすべての潜在的な異性体と、そのラセミ形態および光学的に純粋な形態を含むことを意図している。光学的に活性な(+)および(−)、(R)−および(S)−、あるいは(D)−および(L)−異性体は、いくつかの例では、キラルシントンあるいはキラルの試薬を使用して調製されるか、あるいは、逆相HPLCなどの従来の技術を使用して分解される。本明細書に記載される化合物がオレフィン二重結合または幾何学的な不斉の他の中心を含む場合、別段の定めのない限り、化合物はEとZの両方の幾何異性体を含むことが意図される。同様に、すべての互変異性体も含まれるように意図される。

0087

本明細書で使用されるように、指定されない限り、アルキル、アルケニル、およびアルキニルの炭素鎖は1〜20の炭素、1〜16の炭素、あるいは1〜6の炭素を含んでおり、直鎖または分子鎖である。ある実施形態では、アルキル、アルケニル、およびアルキニルの炭素鎖は1〜6つの炭素を含んでいる。2〜20の炭素のアルケニル炭素鎖は、ある実施形態では、1〜8つの二重結合を含み、2〜16の炭素のアルケニル炭素鎖は、ある実施形態では、1〜5つの二重結合を含む。2〜6の炭素のアルケニル炭素鎖は、ある実施形態では、1〜2つの二重結合を含む。2〜20の炭素のアルキニル炭素鎖は、ある実施形態では、1〜8つの三重結合を含み、2〜16の炭素のアルキニル炭素鎖は、ある実施形態では、1〜5つの三重結合を含む。2〜6の炭素のアルキニル炭素鎖は、ある実施形態では、1〜2つの三重結合を含む。本明細書の典型的なアルキル、アルケニル、およびアルキニルの基は、限定されないが、メチル、エチルプロピルイソプロピルイソブチルn−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソペンチルネオペンチル、tert−ペンチル、イソヘキシルビニル、1−プロペニル、2−プロペニル、イソプロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1,3−ブタジエニルエチニル、1−プロピニル、および2−プロピニルを含む。本明細書で使用されるように、低級アルキルで、低級アルケニル、および低級アルキニルとは、約1〜約2の炭素から最大で約6つの炭素を有する炭素鎖を指す。

0088

用語「シクロアルキル」は、3〜10の炭素原子のある実施形態において、3〜6の炭素原子の他の実施形態において、飽和した単環式環系または多環式環系を指す;シクロアルケニルシクロアルキニルは、少なくとも1つの二重結合と少なくとも1つの三重結合をそれぞれ含む、単環式または多環式の環系を指す。シクロアルケニルとシクロアルキニルの基は、ある実施形態では、4〜7つの炭素原子を含む(さらなる実施形態で)シクロアルケニル基と、8〜10の炭素原子を含む(さらなる実施形態で)シクロアルキニル基とを有する、3〜10の炭素原子を含むこともある。シクロアルキル、シクロアルケニル、およびシクロアルキニル基の環系は、1つの環、あるいは縮合架橋、またはスピロ接続により一緒に結合されることもある2つ以上の環から構成されてもよい。

0089

用語「アリール」は、6〜19の炭素原子を含む単環芳香族基あるいは多環芳香族基を指す。アリール基としては、限定されないが、フルオレニル置換されたフルオレニル、フェニル、置換されたフェニル、ナフチル、および、置換されたナフチルなどの基が挙げられる。

0090

用語「アラルキル」は、アルキルの水素原子の1つがアリールと取り替えられたアルキル基を指す。

0091

本明細書に記載される方法および組成物の他の目的、特徴、および利点は以下の詳細な記載から明らかとなる。しかしながら、詳細な記載と特定の例は、特定の実施形態を示しているが、例証目的でのみ与えられることを理解されたい。

0092

耳の解剖学的構造
耳は音を検知する感覚器官、および平衡と体位を維持する器官の両方として役立つ。耳は、3つの部分に一般的に分けられる:外耳、中耳、および内耳(あるいはauris interna)。図1で示されるように、外耳はこの器官の外部部分であり、耳介(耳殻)、耳道(外耳道)、および(鼓膜(ear drum)としても知られている)鼓膜(tympanic membrane)の外部に面する部分からなる。外耳の肉質部分であり、頭部の側面にある目に見える耳介は、音波を集め、音波を耳道に向かわせる。したがって、外耳の機能とは1つには音波を集め、鼓膜と中耳へ向けることである。

0093

中耳は鼓膜の後ろの鼓室と呼ばれる空気で膨らんだ空洞である。鼓膜(tympanic membrane)(鼓膜(ear drum)としても知られている)は、中耳と外耳を分ける薄い膜である。中耳は側頭骨内にあり、この空間内に3つの耳骨(耳小骨):槌骨キヌタ骨、およびアブミ骨を含む。耳小骨は、鼓室の空間を横切って架け橋を形成する小さな靭帯によって一緒に連結される。一方の端部で鼓膜に付いている槌骨はその前方の端部でキヌタ骨に連結され、これが順にアブミ骨に連結している。アブミ骨は、鼓室内にある2つの卵円窓の1つの卵円窓に付いている。環状靭帯としても知られている線維組織層は卵円窓にアブミ骨を接続する。外耳からの音波はまず鼓膜を振動させる。振動は耳小骨と卵円窓を通って蝸牛全体に送信され、これが内耳中の流体運動を伝える。したがって、耳小骨は鼓膜と液体で満たされた内耳の卵円窓との間で機械的結合を与えるように配され、音は変形・変換されて内耳に入り、さらに処理される。耳小骨、鼓膜、または卵円窓の堅さ、硬直性、または移動の喪失は、聴力損失、例えば、耳硬化症、またはアブミ骨の硬直化の原因となる。

0094

鼓室は耳管によって咽喉にも繋がっている。耳管は外部空気中耳腔との間の圧力を等しくする能力を与える。内耳の一構成要素であるが鼓室内にも到達可能である正円窓は、内耳の蝸牛に開口している。正円窓は膜により覆われており、これは3層:外部または粘液層、中間または維層、および蝸牛の流体と直接連通する内膜からなる。ゆえに、正円窓は内膜を介して内耳と直接連通している。

0095

卵円窓と正円窓での動作は相互につながっており、つまり、アブミ骨が鼓膜からの動きを卵円窓へ伝えることで内耳流体に対して内側に動き、正円窓はこれに呼応して押し出されて蝸牛流体から遠ざかる。正円窓のこの動きにより蝸牛内での流体の移動が可能となり、これが最終的には蝸牛の内毛細胞の移動を引き起こし、聞こえている信号を変換することを可能にする。蝸牛の流体の移動の能力が欠けているため、正円窓の剛性と硬直性は聴力損失の原因となる。最近の研究は正円窓上に機械的な変換器を埋め込むことに焦点を当てており、これは卵円窓を通る正常な導電性の経路を迂回し、増幅された入力を蝸牛室に与えるものである。

0096

聴覚の信号伝達は内耳内で起こる。液体で満たされた内耳(またはinner ear)は2つの構成要素:蝸牛と前庭器からなる。

0097

蝸牛は聴力に関連する内耳の部分である。蝸牛はカタツムリに似た形状に巻かれた先細りチューブのような構造である。蝸牛の内部は3つの領域に分けられ、これは前庭膜基底膜の位置によってさらに定義される。前庭膜の上の部分は前庭階であり、これは卵円窓から蝸牛の頂端まで伸びており、カリウム含有量が少なく、ナトリウム含有量が多い水性液である外リンパ流体を含む。基底膜は鼓室階領域を定義し、それは蝸牛の頂端から正円窓に伸びており、外リンパもさらに含む。基底膜は何千もの堅い繊維を含み、これは正円窓から蝸牛の頂端まで長さが徐々に増加する。音によって活性化されると、基底膜の繊維は振動する。前庭膜と鼓室階の間は蝸牛管であり、これは蝸牛の頂端で閉じられたとして終わる。蝸牛管は内リンパ流体を含み、これは脳脊髄液に似ていてカリウムが多い。

0098

聴力の感覚器であるコルチ器官は基底膜に位置し、上方へ伸びて蝸牛管に達する。コルチ器官はその自由表面から伸びる毛髪様の突起を有する有毛細胞を含み、蓋膜と呼ばれるゼラチン状の表面と接触する。有毛細胞に軸索はないが、内耳神経(第III脳神経)の蝸牛枝を形成する感覚神経繊維に囲まれる。

0099

議論されるように、楕円窓としても知られている卵円窓は、アブミ骨と連通することで、鼓膜から振動する音波を中継する。卵円窓に伝えられる振動は、外リンパと前庭/鼓室階によって流体で満たされた蝸牛の内部の圧力を増加させ、それにより正円窓の膜は反応して拡大する。卵円窓の協調した内部押圧/正円窓の外部への拡張により、蝸牛内の圧力を変化させることなく、蝸牛内の流体の移動が可能となる。しかしながら、振動が前庭膜中の外リンパを通って伝わるため、振動は前庭膜中で対応する発振を生成する。こうした対応する発振は蝸牛管の内リンパを通って伝わり、基底膜へと移動する。基底膜が振動するか、または上下に移動するとき、コルチ器官は基底膜と共に動く。その後、コルチ器官中の有毛細胞受容体は蓋膜とは逆の方向に動き、蓋膜中の機械的な変形を引き起こす。この機械的な変形が神経インパルスを開始し、これは内耳神経を介して中枢神経系に移動し、受け取った音波を信号へと機械的に送信し、信号は中枢神経系によりその後処理される。

0100

内耳は頭蓋の側頭骨中の入り組んだ一連通路である骨または骨迷路(osseous or bony labyrinth)内にその一部がある。前庭は平衡の器官であり、三半規管と前庭からなる。三半規管は互いに対して配されることで、空間中の3つの直交面に沿った頭部の動きが、流体の移動と、膨大部と呼ばれる三半規管の感覚器によるその後の信号処理とによって検知することができるようになっている。膨大部綾は有毛細胞と支持細胞を含み、頂と呼ばれるドーム型のゼラチン状の塊により覆われる。有毛細胞の毛は頂に埋め込まれている。三半規管は動的平衡回転運動角運動の平衡を検知する。

0101

頭をすばやく回転させるとき、三半規管は頭とともに動くが、膜質の三半規管にある内リンパ流体は静止したままである傾向にある。内リンパ流体は頂を押圧し、この頂が一方の側に傾く。頂が傾斜するにつれて、頂は膨大部綾の有毛細胞に毛の一部を折り曲げ、これが感覚刺激を引き起こす。それぞれの三半規管が異なる面に位置するので、各三半規管の対応する膨大部綾は頭の同じ動作に対して異なるように応答する。これにより刺激の寄せ集めが形成され、これは内耳神経の前庭枝上の中枢神経系に送信される。中枢神経系はこの情報を解釈し、平衡を維持するために適切な反応を始める。中枢神経系では小脳が重要であり、これはバランス感覚平衡感覚を媒介する。

0102

前庭は内耳の中心部分であり、静的均衡、または重力に対する頭の位置を確認する有毛細胞を有する機械受容器を含む。頭が静止しているか、またはまっすぐに動いているとき、静的均衡は一定の役割を果たしている。前庭の膜迷路は、2つの嚢のような構造である、卵形嚢および球形嚢に分けられる。それぞれの構造はと呼ばれる小さな構造を含み、これが静的均衡の維持に関与する。斑は感覚毛細胞からなり、これは斑を覆うゼラチン状の塊(頂に似ている)に埋め込まれている。耳石と呼ばれる炭酸カルシウムの粒は、ゼラチン状の層の表面上に埋め込まれている。

0103

頭が直立位置にあるとき、毛は斑に沿って真っ直ぐである。頭を傾けると、ゼラチン状の塊と耳石がそれに対応して傾斜し、斑の有毛細胞の毛の一部を曲げる。この曲げ作用により中枢神経系に対する信号刺激が開始され、信号刺激は内耳神経の前庭枝を通って伝わり、これが運動心拍を適切な筋肉に伝えることでバランスが維持される。

0104

いくつかの例では、本明細書に記載される耳用製剤は外耳に置かれる。いくつかの例では、本明細書に記載される耳用製剤は、蝸牛と前庭迷路を含む中耳または内耳に置かれる:1つの選択肢は、注射器/針またはポンプを使用し、鼓膜(eardrum)全体に製剤を注入することである。いくつかの例では、蝸牛と前庭迷路への送達のために、1つの選択肢は、正円窓膜全体に、あるいは、蝸牛の微小灌流としても知られている中耳への直接の微量注入によって、活性成分を送達することである。

0105

耳の疾患あるいは疾病
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される耳用の製剤と組成物は、外耳、中耳、および/または内耳に関連する疾患あるいは疾病の処置および/または予防に適している。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される耳用の製剤と組成物は、外耳に関連する疾患あるいは疾病の処置および/または予防に適している。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される耳用の製剤と組成物は、中耳に関連する疾患あるいは疾病の処置および/または予防に適している。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される耳用の製剤と組成物は、内耳に関連する疾患あるいは疾病の処置および/または予防に適している。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される耳用の製剤と組成物は、本明細書で開示されるもののいずれか1つなどの耳の疾患あるいは疾病の症状を減少させ、撤回し、および/または改善する。これらの障害または疾病には多くの原因があり、限定されないが、感染、損傷、炎症、腫瘍、および医薬品あるいは他の化学薬品に対する有害な反応が挙げられる。

0106

いくつかの実施形態において、本明細書に記載される耳用の製剤と組成物は、耳垢の生成を調節するために使用される。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される耳用の製剤と組成物は、耳垢症の処置で使用される。いくつかの実施形態において、耳垢症は疾患あるいは疾病に関連付けられる。いくつかの実施形態において、疾患あるいは疾病は、耳そう痒症、外耳炎、耳痛、耳鳴、眩暈、耳閉感、聴力損失、あるいはこれらの組み合わせである。

0107

いくつかの実施形態において、本明細書に記載される耳用の製剤と組成物は、メニエール病、感音性難聴、騒音性難聴、老人性難聴(加齢性難聴)、自己免疫性耳疾患、耳鳴、聴器毒性、興奮毒性、内リンパ水腫、迷路炎、ラムゼイハント症候群、前庭ニューロン炎、微小血管の圧迫症候群、聴覚過敏、加齢性平衡障害、中枢性聴覚情報処理障害、あるいは聴覚神経障害の処置および/または予防に使用される。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される耳用の製剤と組成物は、人工内耳の性能の改良のために使用される。いくつかの実施形態において、耳用の製剤と組成物はメニエール病の処置および/または予防に使用される。いくつかの実施形態において、耳用の製剤と組成物は感音性難聴の処置および/または予防に使用される。いくつかの実施形態において、耳用の製剤と組成物は騒音性難聴の処置および/または予防に使用される。いくつかの実施形態において、耳用の製剤と組成物は難聴(加齢性難聴)の処置および/または予防に使用される。いくつかの実施形態において、耳用の製剤と組成物は自己免疫性耳疾患の処置および/または予防に使用される。いくつかの実施形態において、耳用の製剤と組成物は耳鳴の処置および/または予防に使用される。いくつかの実施形態において、耳用の製剤と組成物は聴器毒性の処置および/または予防に使用される。いくつかの実施形態において、耳用の製剤と組成物は興奮毒性の処置および/または予防に使用される。いくつかの実施形態において、耳用の製剤と組成物は内リンパ水腫の処置および/または予防に使用される。いくつかの実施形態において、耳用の製剤と組成物は迷路炎の処置および/または予防に使用される。いくつかの実施形態において、耳用の製剤と組成物はラムゼイハント症候群の処置および/または予防に使用される。いくつかの実施形態において、耳用の製剤と組成物は前庭ニューロン炎の処置および/または予防に使用される。いくつかの実施形態において、耳用の製剤と組成物は微小血管圧迫症候群の処置および/または予防に使用される。いくつかの実施形態において、耳用の製剤と組成物は聴覚過敏の処置および/または予防に使用される。いくつかの実施形態において、耳用の製剤と組成物は加齢性平衡障害の処置および/または予防に使用される。いくつかの実施形態において、耳用の製剤と組成物は中枢性聴覚情報処理障害の処置および/または予防に使用される。いくつかの実施形態において、耳用の製剤と組成物は聴覚神経障害の処置および/または予防に使用される。いくつかの実施形態において、本明細書にされる耳用の製剤と組成物は、人工内耳の性能の改良のために使用される。

0108

耳垢の生成
耳垢の生成を調節する耳用の製剤と組成物が本明細書で開示される。耳垢(またはearwax)は外耳道(EAC)全体で見られるろう質の分泌物である。一般に、耳垢は湿ったものと乾燥したものの2つの表現型へ層化される。湿った表現型は黄色から暗褐色の外観を有し、高濃度の脂質と色素顆粒を特徴とする。いくつかの実施形態において、湿った耳垢は約50%の脂質を含んでいる。これはアフリカやヨーロッパの人々で優勢的に見られる。乾燥した表現型は灰色〜白色の薄片状の外観を有しており、低濃度の脂質と色素顆粒を特徴とする。いくつかの実施形態において、乾燥した耳垢は約20%の脂質を含んでいる。これはアジアやアメリカ住民の人々で優勢的に見られる。さらに、こうした2つのタイプの耳垢は遺伝学的に異なり、染色体16上のATP結合カセットC11(ABCC11)遺伝子の単一の遺伝子変化がタイプを決定する。具体的には、湿った表現型用の対立遺伝子はABCC11のコード領域の538でGを含んでおり、乾燥した表現型については、538にはAが存在する。

0109

耳垢は敏感な外耳道内側を滑らかにして乾燥から守り、細菌、真菌昆虫、および異物から耳を保護する。確かに、いくつかの研究では、耳感染症の発生が耳垢の欠如一貫して関連づけられたとき、耳垢の抗菌性特性は実証された。いくつかの実施形態において、耳垢は、細菌と真菌に対する抗菌特性を発揮する。典型的な細菌としては、限定されないが、インフルエンザ菌黄色ブドウ球菌緑膿菌、および大腸菌が挙げられる。典型的な真菌としては、限定されないが、黒色アスペルギルスおよび鵞口瘡カンジダが挙げられる。

0110

耳垢は40以上の様々な物質で構成された混合物である。耳垢の主要な成分はケラチンであり、これは約60重量%を含む。さらなる成分は、皮脂腺耳道腺からの分泌物、外耳道(EAC)内の毛からの線分泌物、脱落した上皮細胞、飽和および不飽和の長鎖脂肪酸、アルコール、スクワレンラノステロール、およびコレステロールを含む。EACは、耳介(耳殻、あるいは、頭部の側面にある目に見える外耳の肉質部分)、耳道(外耳道)、および、鼓膜としても知られている鼓膜の外部に面する部分から構成される。耳垢はEAC全体で見られる。

0111

脂線と耳道腺(あるいは修飾されたアポクリン腺)はEACにある2つの外分泌腺である。皮脂腺は皮膚にある外分泌腺である。これらは、粘着性の油状またはろう質の分泌物である皮脂分泌し、これを用いて皮膚と毛を滑らかにして防水をする。毛包に接続するタイプと独立して存在するタイプの2つのタイプの脂線がある。皮脂腺が毛包に接続している場合、蓄積した皮脂は毛の基部に分泌され、その後、毛幹によって皮膚の表面に輸送される。

0112

皮脂腺は自然免疫に関与し、かつ炎症誘発性および抗炎症性の機能に関与することが知られている。皮脂(脂線の生成物)は同様に抗微生物特性を発揮することが示されている。皮脂はトリグリセリド、ワックスエステル、スクワレン、コレステロールエステル、コレステロール、およびサピエン酸などの脂肪酸を含む。広範囲グラム陽性菌に対する抗菌活性をインビトロで示すことがわかっている皮脂は、遊離脂肪酸FFA)も含んでいる。さらに、モノエン脂肪酸(例えば、オレイン酸パルミトレイン酸)などの脂肪酸も抗菌活性を発揮することが示されている。実際に、パルミトレイン酸の投与は野生型のC57BL/6と突然変異体フレークマウスにおける細菌の病変のサイズを減少させることが示された。別の研究では、オレイン酸とパルミトレイン酸は、黄色ブドウ球菌と化膿性連鎖球菌に対して抑制的であることわかった。脂肪酸に加えて、脂線はさらに、耳垢の抗微生物特性に寄与する、hBD−1、hBD−2、およびhBD−3を含むヒトβ−デフェンシン(hBDs)、ならびに、カテリシジン抗菌性ペプチド18(hCAP−18)の37のアミノ酸長C末端部分であるLL−37などの放出抗菌性ペプチド(AMP)を放出する。

0113

耳道腺あるいは修飾されたアポクリン汗腺は外耳道の皮下にある特殊な汗腺である。耳道腺は、巻かれたチューブ形状の線へと形成される細胞の内部の分泌層と細胞の外部の筋上皮層とを含む。耳道腺はより大きな管へ流出して、これは、その後、外耳道にある粗毛へ流出する。耳垢線は皮脂より比較的粘着性の弱い分泌物を分泌する。

0114

産生と排除のメカニズムに不均衡がある場合、異常な耳垢が生じる。耳垢の蓄積は不快感から深刻な健康上の問題まで引き起こしかねない。

0115

耳垢症
耳垢が押し込まれてEACおよび/または鼓膜上での固着を妨害するときに、耳垢症または耳垢栓塞が生じる。耳垢症は、子どもで10人に一人、大人で20人に一人、老人発達遅滞の人々の3分の一以上で生じる。米国では約1200万人が毎年診療してもらっている。いくつかの実施形態において、耳垢の固着はEACの完全閉塞である。いくつかの実施形態において、耳垢の固着はEACの部分閉塞である。

0116

耳垢症の発生は、EAC内での耳垢の蓄積、耳垢を形成する補聴器などの通常の押し出し成形品、あるいは、耳垢を形成する綿棒またはそれ以外の耳清浄装置の使用が原因となることがあり得る。耳垢症に関連する疾患または疾病は、耳そう痒症、耳痛、耳鳴、眩暈、耳閉感、および聴力損失を含んでいる。

0117

耳垢症の治療は、潅注、潅注以外の手作業での除去、耳垢を柔らかくするための耳垢水、あるいはこれらの組み合わせを含んでいる。潅注は、耳洗浄による水あるいは食塩水の使用を含む。潅注以外の手作業での除去は、キュレットプローブフック鉗子あるいは吸引装置の使用を含む。耳垢水は水ベースオイルベース、および、非水ベース、非オイルベースの薬剤を含む。例えば、水ベースの耳垢水は、酢酸、CERUMENEX(登録商標)(トリエタノールアミン・ポリペプチド・オレイン酸塩凝縮液)、COLACE(登録商標)(ドクサートナトリウム)、MOLCER(登録商標)(ドクサートナトリウム)、WAXSOLl(登録商標)、XERUMENEX(登録商標)、(2−フェノキシエタノールの中のパラオキシ安息香酸エステル類調合されたドクセトナトリウム)、(トリエタノールアミン・ポリペプチド・オレイン酸塩凝縮液、プロピレングリコールおよびクロルブトール(chlorbutol))、過酸化水素重炭酸ナトリウム、および無菌の食塩水を含んでいる。オイルベースの耳垢水は、アーモンド油、ラッカセイ油オリーブオイル鉱油流動パラフィンの組み合わせ、CLEANEARS(登録商標)(鉱油、スクワレン、およびスペアミント(spiramint)油の組成物)、CERUMOL(登録商標)(落花生油テレビン油、クロルブトールおよびパラジクロロベンゼンの組成物)、CIOCTYL−MEDO(登録商標)(ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムとうもろこし油)、およびEAREX(登録商標)(落花生油、アーモンド油、および精留した樟脳油)を含んでいる。非水ベース、非オイルベースの耳垢水は、AUDAX(登録商標)(サリチル酸コリン、グリセリン)、DEBROX(登録商標)(過酸化カルバミド)、AURO(登録商標)(過酸化カルバミドと無水グリセリンの組成物)、およびEXTEROL(登録商標)(過酸化カルバミドと無水グリセロール)を含んでいる。

0118

しばしば、耳垢症の処置は深刻な合併症を引き起こす。例えば、鼓膜穿孔、外耳道裂傷、耳の感染、あるいは聴力損失などの合併症が、耳洗浄の1000回に1回の率で生じる。さらなる合併症は、外耳炎、疼痛、めまい、および卒倒または失神を含んでいる。本開示は、耳垢の除去に関連する合併症を減少させるまたは改善する、耳の組成物と処置方法の必要性を認識している。

0119

耳垢症に関連する疾患あるいは疾病
耳垢症に関連する疾患または疾病は、耳そう痒症、外耳炎、耳痛、耳鳴、眩暈、耳閉感、および聴力損失を含んでいる。いくつかの実施形態において、本明細書に開示された耳用の製剤と組成物は、耳垢の生成を調節し、それにより、耳垢症に関連する疾患あるいは疾病を緩和する。

0120

耳そう痒症
耳そう痒症(すなわちそう痒性の外耳道)は、患部領域引っ掻くという欲望または反射を引き起こすくすぐり感あるいは刺激性の感覚である。場合によっては、赤み、腫脹、痛み、および剥離が患部領域で進行することがある。耳そう痒症は様々な薬剤によって引き起こされる。いくつかの実施形態において、耳そう痒症は、外耳道へ拡散する場合、耳の内部の原発性微生物感染により、あるいは身体からの二次感染として、生じる。いくつかの実施形態において、湿疹あるいは乾癬などの皮膚疾病は外耳道内の皮膚刺激を引き起こす。さらに、ヘアスプレーシャンプーシャワー用ジェル、あるいはアレルゲン粉塵ペット、および花粉などのアレルゲンなどの外部刺激は耳そう痒症を引き起こしかねない。いくつかの実施形態において、耳そう痒症は外耳炎などのより深刻な合併症の初期兆候として働く。

0121

耳痛
耳痛(earacheまたはear pain)としても知られている耳痛(Otalgia)は、2つのタイプ、原発性耳痛および放散性耳痛に分類される。原発性耳痛は耳の内部から起こる耳痛である。放散性耳痛は耳の外部から起こる耳痛である。放散性耳痛の病因は複雑化することがあるが、いくつかの周知の数人の有名な犯人は、歯の疾病、副鼻腔炎、首の問題、扁桃炎咽頭炎、および迷走神経舌咽神経からの感覚枝を含む。場合によっては、放散性耳痛は頭と首の悪性腫瘍に関連付けられる。

0122

耳閉感
耳閉感または耳閉塞感は、耳が塞がれているか、詰められているか、充満しているような感覚と評される。耳痛に似ているため、耳閉感の病因は多様な多くの根本的な原因がある。一般に、耳閉感には耳鳴、耳痛、および難聴が伴うことがある。

0123

聴力損失
聴力損失は聴力の部分的または完全な損傷である。聴力損失は、3つのタイプ、伝音性難聴、感音性難聴、および混合性難聴に分類される。音が外耳道を通って鼓膜または鼓膜に効率的に伝導されないとき、伝音性難聴が生じる。いくつかの実施形態において、伝音性難聴は、健全なレベルの低下あるいはかすかな音を聞く能力の低下を含む。処置は矯正医療処置あるいは外科手術を含む。蝸牛(内耳)への損傷、あるいは蝸牛から脳までの神経経路への損傷がある場合、感音性難聴が生じる。この種の聴力損失は一般に永続的な聴力損失につながる。混合性難聴は、外耳領域と内耳領域の両方に沿って損傷が生じる、伝音性難聴と感音性難聴の組み合わせである。

0124

聴力損失の程度または重症度は、正常、軽微、軽症、中程度、やや重症、重症、深刻の7つの群へ分類される。加えて、聴力損失はいくつかの例において頻度に基づいて階層化される。例えば、高温にのみ影響を与える聴力損失は高周波難聴と呼ばれ、一方で、低音に影響を与えるものは低周波難聴と呼ばれる。場合によっては、聴力損失は高周波と低周波の両方に影響を与える。

0125

聴力損失は、耳垢症、外耳炎、耳痛、耳鳴および眩暈などのさらなる原因と症状をしばしば伴う。いくつかの実施形態において、耳垢症は聴力を40−45dB減少させることがあることが示されている。とりわけ、老人世代におけるこうした損傷は、コミュニケーション肉体的な不動さえも困難を引き起こすことがある。

0126

眩暈
眩暈は身体が静止している間に回ったり揺れたりする感覚と評される。2つのタイプの眩暈がある。自覚的眩暈は身体の運動感覚である。他覚的眩暈は自分の周囲が動いているという知覚である。それにはしばしば悪心嘔吐、および平衡維持の困難さが伴う。いくつかの実施形態において、外耳炎は眩暈を引き起こす場合がある。

0127

メニエール病
メニエール病は、3〜24時間続いて次第に鎮まる、眩暈、悪心、および嘔吐の突然の発作を特徴とする突発性の疾病である。進行性の聴力損失、耳鳴、および耳の中の圧迫感は時間とともにこの疾患に伴う。メニエール病の原因は、内耳流体の生成の増加または再吸収の減少を含む、内耳流体のホメオスタシスの不均衡に関連する可能性がある。

0128

メニエール病に関連する症状の原因は、内耳流体の生成の増加または再吸収の減少を含む、内耳流体のホメオスタシスの不均衡である可能性がある。

0129

メニエール病の原因は知られていないが、ある証拠はこの病気のウイルス性病因を示唆している。これに応じて、いくつかの実施形態において、本明細書に記載される耳用製剤は、抗ウイルス剤、例えば、ガンシクロビルアシクロビルファムシクロビルバルガンシクロビルを含み、メニエール病の局所的な処置のために耳に投与される。

0130

内耳内のバソプレシン(VP)媒介アクアポリン2(AQP2)系の最近の研究は、内リンパ生成を誘発し、それにより、前庭と蝸牛構造内の圧力を増加させる際のVPの役割を示唆している。VPのレベルは内リンパ水腫(メニエール病)の場合にはアップレギュレートされることがわかり、モルモット中のVPの長期投与は、内リンパ水腫を引き起こすことが分かった。鼓室階へのOPC−31260(V2−Rの競合アンタゴニスト)の注入を含む、VPアンタゴニストによる処置は、メニエール病の症状の顕著な軽減をもたらした。他のVPのアンタゴニストは、WAY−140288、CL−385004、トルバプタン、コニバプタン、SR 121463A、およびVPA 985を含む。(Sanghi et al. Eur. Heart J. (2005) 26:538−543; Palm et al. Nephrol. Dial Transplant (1999) 14:2559−2562)。

0131

他の研究は、内リンパ生成物、ゆえに、前庭/蝸牛器内の圧力を制御する際のエストロゲン関連受容体β/NR3B2(ERR/Nr3b2)の役割を示唆している。マウス中のノックアウト研究は、内リンパ流体産生を制御する際のNr3b2遺伝子のタンパク質生成物の役割を実証する。Nr3b2発現は、内リンパ分泌線状辺緑細胞(strial marginal cell)と、蝸牛および前庭器の前庭暗細胞でそれぞれ局在化した。さらに、Nr3b2遺伝子のコンディショナルノックアウトは、聴覚消失と内リンパ液体量の減少をもたらした。いくつかの例では、ERR/Nr3b2に対するアンタゴニストを用いる処置は、内リンパ量の減少を助け、ゆえに、内耳構造内の圧力を変える。

0132

他の処置は即座の症状の対処と再発の予防を目的としている。低ナトリウム食、ならびにカフェイン、アルコール、およびタバコを避けることが提唱された。眩暈の発作を一時的に軽減する薬物は、抗ヒスタミン薬メクリジンアンティバート、ボニン、ドラマミン、ドリミネート)と他の抗ヒスタミン薬を含む)、および、ロラゼパムまたはジアゼパムを含むバルビツール酸および/またはベンゾジアゼピンを含む中枢神経系薬剤を含んでいる。症状を和らげるのに役立つ薬物の他の例は、スコポラミンを含む、ムスカリン性アンタゴニストを含んでいる。悪心と嘔吐は、フェノチアジン薬剤プロクロルペラジン(Compazine(登録商標)、ブッカステム、ステメチル、およびフェノチル(Phenotil)を含む抗精神病薬を含む坐剤によって軽減される。

0133

眩暈の症状を和らげるために、前庭機能破壊を含むメニエール病の症状を軽減するべく外科的処置も使用されてきた。こうした処置は、内耳中の流体圧力下げるおよび/または内耳平衡機能を破壊することを目的としている。流体圧力を下げる内リンパのシャント術は、前庭機能障害の症状を和らげるために内耳に配される。前庭神経の切断も用いられ、これは聴力を保護しつつ眩暈を制御する。

0134

深刻なメニエール病の処置のための前庭機能の破壊に対する別のアプローチは、前庭系中の感覚毛細胞機能を破壊する薬剤の中耳内適用であり、それによって内耳平衡機能を根絶する。ゲンタマイシンストレプトマイシンのようなアミノグリコシドを含む様々な抗菌剤がこの処置で使用される。薬剤は、小さな針、ガーゼを備えたまたは備えていない鼓膜切開チューブ、または手術用カテーテルを用いて鼓膜を介して注入される。少量の薬剤が長期間(例えば、注入の間が1か月)にわたって投与される低用量方法、および、大量の薬剤が短い時間枠(例えば毎週)に投与される高用量方法を含む様々な投与レジメンを用いて、抗菌剤を投与する。高用量方法の方が一般に効果的であるが、場合によっては、聴力損失を引き起こすためリスクが高い。

0135

いくつかの例では、本明細書で開示される耳用製剤は、メニエール病を処置するべく前庭を不能にするための抗菌剤(例えばゲンタマイシンやストレプトマイシン)の投与にも役立つ。いくつかの実施形態において、本明細書で開示される製剤は、鼓膜内での活性薬剤の安定した放出を維持するために用いられ、これにより、複数回の注入、または、鼓膜切開チューブの挿入を必要なくなる。さらに、活性薬剤を前庭系中で局地化させ続けることにより、本明細書で開示される耳用製剤は、いくつかの実施形態において、聴力損失のリスクを減らす高用量の抗菌剤を投与するためにも使用可能である。

0136

メニエール症候群
メニエール病と同様の症状を呈するメニエール症候群は、例えば、梅毒感染による甲状腺疾患または内耳の炎症などの別の疾患プロセスに対する二次的な病気として知られている。したがって、メニエール症候群は、内分泌異常、電解質不均衡、自己免疫機能不全、薬物療法、感染(例えば、寄生虫感染)、または脂質異状症を含む、内リンパの正常な産生または再吸収を妨害する様々なプロセスに対する二次的な影響である。メニエール症候群に罹患した患者の処置はメニエール病の処置に似ている。

0137

感音性難聴
感音性難聴は、前庭蝸牛神経(第VIII脳神経としても知られている)または内耳の感覚細胞内の(先天性および後天性の)異常から生じるタイプの難聴である。内耳の主な異常は、耳有毛細胞の異常である。

0138

蝸牛の形成不全染色体異常、および先天性真珠腫は、感音性難聴を引き起こす先天性異常の例である。ほんの一例として、炎症性疾患(例えば、化膿性内耳炎鼓膜炎流行性耳下腺炎麻疹、ウイルス性梅毒、および自己免疫障害)、メニエール病、聴器毒性薬物(例えば、アミノグリコシド、ループ利尿薬代謝拮抗薬サリチル塩、およびシスプラチン)への暴露、身体外傷、老人性難聴、音響性外傷(90dBを超える音に長時間曝されること)はすべて、後天性の感音性難聴を引き起こす。

0139

感音性難聴を引き起こす異常が聴覚路内の異常である場合、感音性難聴は中枢性難聴と呼ばれる。感音性難聴を引き起こす異常が聴覚路内の異常である場合、感音軟調は皮膚性難聴と呼ばれる。

0140

いくつかの例では、内耳の構成要素または付随する神経要素が影響を受け、神経(つまり、脳の中の聴神経または聴神経経路が影響を受ける)要素または知覚要素を含む際に、感音性難聴は生じる。神経性難聴は遺伝的であるか、あるいは、音響性外傷(つまり非常に大きな騒音)、ウイルス感染薬剤性疾患、またはメニエール病によって引き起こされる。いくつかの例では、神経性難聴は、脳の腫瘍、感染症、または脳卒中などの様々な脳と神経の疾患の結果として生じる。レフスム病分枝脂肪酸の異常な蓄積)などのいくつかの遺伝性疾患が聴力損失に影響を与える神経の障害も引き起こす。聴神経経路は、脱髄症、例えば、特発性炎症性脱髄疾患多発性硬化症を含む)、横断脊髄炎、デビック病、進行性多病巣性白質脳症ギランバレー症候群慢性炎症脱髄性多発ニューロパチー、および抗MAG末梢神経障害によって損傷を受ける。

0141

突発難聴または感音性難聴の発生は5,000人の個体に約1人で生じ、ウイルス感染または細菌感染、例えば、流行性耳下腺炎、麻疹、インフルエンザ水痘サイトメガロウイルス、梅毒、または感染性腺熱、もしくは内耳器官に対する物理的な怪我によって引き起こされる。場合によっては、原因は特定されない。場合によっては、耳鳴と眩暈が突発難聴に伴い、次第に治まっていく。経口のコルチコステロイドは感音性難聴を処置するために頻繁に処方される。場合によっては、外科的処置が必要である。他の処置は、内耳の耳鳴と急性の感音性難聴の処置のために開発中の化合物であるAM−101とAM−111を含む。(Auris Medical AG, Basel, Switzerland)。

0142

騒音性難聴
騒音性難聴(NIHL)は、長時間続くあまりにも大きな声または音に曝されることによって引き起こされる。いくつかの例では、聴力損失は、高音量の音楽重機または機械、飛行機、または、声音などの騒音に長期間曝露されることによって生じる。場合によっては、85デシベル以上の音に長時間、または、繰り返し、または、衝撃的に曝されることで、難聴が引き起こされる。NIHLは有毛細胞および/または聴神経への損傷を引き起こす。有毛細胞は、音響エネルギーを、脳に移動する電気的信号に変換する小さな感覚細胞である。場合によっては、衝撃音は永続的な即時の聴力損失を引き起こす。この種の聴力損失は、場合によっては、時間の経過とともに治る、耳または頭での音の鳴り響き、耳鳴、または、轟音音といった耳鳴を伴う。聴力損失と耳鳴は一方または両方の耳で起こり、耳鳴は、場合によっては、生涯を通して継続的に、または、時々、続く。聴力損失に至る永久的な損傷診断されることも多い。大きな音に継続して曝されることは、衝撃音に比べてより穏やかにおきるプロセスではあるが、有毛細胞の構造に損傷を与え、聴力損失と耳鳴とを引き起こす。

0143

いくつかの実施形態において、耳用保護剤はNIHLを撤回し、減少させ、または改善する。NIHLを処置または予防する耳用保護剤の例としては、限定されないが、D−メチオニン、L−メチオニン、エチオニンヒドロキシルメチオニン、メチオノル(methioninol)アミホスチンメスナ(ナトリウム2−スルファニルエタン酸(sodium2−sulfanylethanesulfonate)、DとLとのメチオニンの混合物、ノルメチオニン、ホモメチオニン、S−アデノジル−L−メチオニン)、ジメチルジチオカルバミン酸エブセレン(2−フェニル−1、2−ベンズイソセレナゾール−3(2H)−オン)、チオ硫酸ナトリウム、AM−111(細胞透過性JNK阻害剤(Laboratoires AurisSAS))、ロイコボリンロイコボリンカルシウムデクスラゾキサン、またはこれらの組み合わせが挙げられる。

0144

老人性難聴(加齢性難聴)
老人性難聴(加齢性難聴(ARHL))は老化に起因する進行性の両側聴力損失である。ほとんどの聴力損失が高周波(つまり15あるいは16Hz以上の周波)で生じ、(男性の声とは対照的に)女性の声を聞くことが難しくなり、甲高い音(「s」と「th」など)を区別することができない。背景ノイズフィルタ処理することが難しい。障害は、補聴器の移植、および/またはROSの形成を避ける医薬品の投与によって、最もしばしば処置される。

0145

障害は、内耳、中耳、および/または、VIII神経の生理機能の変化によって引き起こされる。老人性難聴を引き起こす内耳の変化は、耳の有毛細胞および/または不動毛損失を伴う上皮萎縮神経細胞萎縮症血管線条の萎縮症、および基底膜の肥厚/硬直を含む。老人性難聴に寄与するさらなる変化は、鼓膜と小骨における欠陥の蓄積を含む。

0146

いくつかの例では、老人性難聴を引き起こす変化は、DNA中の突然変異とミトコンドリアDNA中の突然変異の蓄積により生じるが、しかしながら、変化は、大きな騒音に曝されること、聴器毒性の薬剤に曝されること、感染、および/または、耳への血流が減少することによって悪化する。後者は、アテローム性動脈硬化糖尿病高血圧および喫煙に起因する。

0147

老人性難聴または加齢性難聴は、通常の加齢の一部として起こるとともに、内耳の螺旋状のコルチ器官にある受容体細胞が変性した結果起こる。他の原因は、内耳神経中の多くの神経線維の減少、および蝸牛にある基底膜の柔軟性の喪失のせいでもある。最も一般的には、これは、人が年をとるにつれて内耳の変化により生じるが、中耳の変化、あるいは耳から脳までの神経経路に沿う複雑な変化にも起因する。特定の病状と薬物がさらに一定の役割を果たす。いくつかの例では、老人性難聴は、らせん神経節ニューロン求心性繊維と有毛細胞(リボンシナプス)を備えたそれらのシナプスの緩やかな喪失に起因し、その結果、音を検知する感覚細胞と、聴性脳にこの情報を送信する聴神経との間の分離を引き起こす。らせん神経節ニューロンと有毛細胞の喪失も生じる。場合によっては、大きな騒音または他の耳への傷害に対して前々から晒されていると、この加齢のプロセスは悪化し、聴力損失を悪化させる。老人性難聴はさらに、「隠れた聴力損失」(聴力閾値には顕著な変化はないにもかかわらず、背景雑音(「雑音下での会話(speech−in−noise)」)に対して音を検知することができないこと)を含む。聴力のこうした微妙な減少は、らせん神経節ニューロン求心性繊維の喪失と有毛細胞(リボン・シナプス)とのそのシナプス結合に関連付けられる。

0148

自己免疫性内耳疾患
自己免疫性内耳疾患(AIED)は感音性難聴の数少ない可逆的な原因の1つである。AIEDは、内耳の音声受信機能および前庭機能の両側性障害を含むことが多い、成人および子供の両方に起こるまれな障害である。AIEDの由来は、内耳構造を攻撃する、自己抗体および/または免疫細胞とみられているが、他の自己免疫疾病に関連している。多くの場合、AIEDは全身性の自己免疫症状なく生じるが、最大で三分の一の患者が、炎症性腸疾患関節リウマチ強直性脊椎炎全身性エリテマトーデスSLE)、シェーグレン症候群、コーガン病、潰瘍性大腸炎ヴェーゲナー肉芽腫症、および強皮症などの全身性の自己免疫疾患にも苦しんでいる。多系統疾患であるベーチェット病にも一般には聴覚前庭の問題がある。食物に関連するアレルギーが蝸牛および前庭の自己免疫の原因であるといういくつかの証拠が存在するが、この疾患の原因論の重要性については、まだ議論がまとまっていない。AIEDの分類スキームが開発されている(HarrisおよびKeithleyの文献「(2002)Autoimmune inner ear disease、Otorhinolaryngology Head and Neck Surgery.91、18−32」)。

0149

免疫系は通常、細菌やウイルスなどの侵襲性の病原体から内耳を保護する際に重大な役割を果たす。しかし、AIED内では、免疫システムは、それ自体、デリケートな内耳組織を傷つけだす。内耳は外来抗原への局在化された免疫応答を開始する十分な能力を有していることが確立されている。外来抗原は内耳に入ると、内リンパ嚢内とその周りにいる免疫担当細胞によってまず処理される。いったん外来抗原がこれらの免疫担当細胞によって処理されると、こうした細胞は、内耳の免疫応答を調節する様々なサイトカインを分泌する。このサイトカイン放出の結果の1つが体循環から補充される炎症細胞の流入を促すことである。こうした全身性の炎症細胞は螺旋状の蝸牛軸静脈とその支脈を通って漏出により蝸牛に入り、身体の他の部分で生じると、抗原の取り込みと調節解除に関与し始める。インターロイキン1(IL−1)は自然(非特異的)免疫反応を調整する際に重要な役割を果たし、ヘルパーT細胞B細胞休止させる既知の活性化因子である。ヘルパーT細胞はIL−1によって活性化されるとIL−2を産生する。IL−2の分泌は多能性T細胞、ヘルパーT細胞、細胞毒性T細胞、および抑制遺伝子T細胞のサブタイプへの分化をもたらす。IL−2は同様に、Bリンパ球の活性化においてヘルパーT細胞を補助し、かつ、内耳の免疫応答の免疫調節で中心的役割を果たしていると思われる。IL−2は、抗原チャレンジ後6時間で早くも内耳の外リンパ内で確認され、ピークレベルは抗原チャレンジの18時間後に確認された。IL−2の外リンパレベルはその後、消失し、抗原チャレンジの120時間後には外リンパ内にはもはや存在しなかった(Gloddek、Acta Otolaryngol.(1989)108,68−75)。

0150

IL−1βと腫瘍壊死因子−α(TNF−α)の両方が免疫反応の開始と増幅に重要な役割を果たすことがある。IL−1βは、手術による外傷または非特異的反応での音響性外傷といった外傷のある状態で、らせん靱帯線維細胞により発現される。THF−αは浸潤性の全身細胞により、または抗原の存在下で内リンパ嚢内に含まれる常在細胞により発現される。THF−αは動物モデル中の適応性の(特定の)免疫反応の一部として放出される。抗原がマウスの内耳に注入される場合、IL−1およびTNF−αは両方とも発現され、活発な免疫反応が生じる。しかしながら、抗原が内耳へ外傷を与えることなく、脳脊髄液を介して内耳へと導入されると、TNF−αのみが発現し、免疫応答が最小化される(Satoh J.Assoc.Res.Otolaryngol.(2003)、4、139−147)。重要なことに、蝸牛の外傷は単独でも最小限の免疫反応を引き起こす。こうした結果は、最大の反応を達成するために、免疫反応の非特異的および特異的な構成要素の両方が、内耳中で協調して作用することを示唆している。

0151

したがって、蝸牛が傷つき、抗原が注入される(あるいは、自己免疫疾患の場合に、患者が内耳抗原を対象とする免疫細胞を有している)場合、非特異的な免疫反応と特異的な免疫反応の両方は同時に活性化される。これは、THF−αとIL−1βの同時の産生をもたらし、その結果、大きく増幅されたレベルの炎症を引き起こして、内耳に大きな損傷を与える。動物モデルでのその後の実験は、特定の適応免疫応答が十分な炎症を引き起こして損傷をもたらす前に、免疫媒介性の損傷の重要な工程は、非特異的な先天性の免疫反応に内耳が慣らされることを必要とすることを確認している。結果として、特異的な免疫応答と特にTNF−αの作用とを下方制御またはブロックする薬剤は、特異的な免疫応答と非特異的な免疫応答が同時に活性化されるときに見られる過剰な免疫応答を防ぎ得る。

0152

いくつかの例において、本明細書に記載される耳用製剤は、自己免疫性の耳疾患の処置に使用され、抗TNF剤を含む。適切な抗TNF剤としては、限定されないが、エタネルセプト(ENBREL(登録商標))、インフリキシマブREMICADE(登録商標))、およびアダリムマブ(HUMIRA(登録商標))が挙げられる。ある実施形態では、抗ウイルス剤を含む本明細書で開示される製剤は、AIEDの処置のために投与される。他の実施形態では、本明細書に開示される抗菌剤製剤は、ステロイド、細胞毒性剤、コラーゲンγグロブリン注入または他の免疫調節薬を含む、同じ疾患もしくは同じ疾患の症状を処置するのに役立つ他の医薬品と併用して、AIEDの処置のために投与される。ステロイドは例えば、プレドニゾンまたはデカドロンを含む。AIEDの処置のための細胞毒性剤は、例えば、メトトレキセート、シクロホスファミド、およびサリドマイドを含む。プラスマフェレーシス手順が随意に使用される。経口のコラーゲン、γグロブリン注入液、または他の免疫調節薬(例えば、βインターフェロン、α−インターフェロン、またはコパキソン)を用いる処置も、本明細書に開示される抗菌剤製剤と組み合わせて随意に使用される。さらなる医薬品が本明細書に開示される制御放出製剤と一緒に、または、他の投与経路方式、例えば、経口、注入、局所的、経鼻、または他の適切な手段を介して随意に投与される。追加の医薬品は随意に同時投与されるか、または様々な時間に投与される。

0153

耳鳴
耳鳴は、外部刺激のない状態での音の認識として定義されている。場合によっては、耳鳴は、継続的に、または、散発的に、一方または両方の耳で生じ、ほとんどの場合、響き渡るような音として記載される。ほとんどの場合、他の疾患の診断症状として用いられる。耳鳴には、2つのタイプ:他覚的耳鳴と自覚的耳鳴がある。前者は誰にでも聞こえる身体内で作成された音である。後者は罹患した個体にしか聞こえない。研究は、5000万以上の米国人がある種の耳鳴を経験していると、見積もっている。これらの5000万の内、約1200万のヒトが、激しい耳鳴を経験している。

0154

いくつかの例においては、耳鳴は、耳構造(例えば、不動毛)への損傷、1または複数の分子受容体機能障害、および/または、1または複数の神経路の機能障害が原因で生じる。いくつかの例においては、耳鳴は、NMDA受容体の異常活性によって生じた興奮毒性が原因で生じる。いくつかの例においては、耳鳴は、α9および/またはα10アセチルコリン受容体の機能障害が原因で生じる。ある例では、耳鳴は内耳神経への損傷に起因する。ある実施形態では、神経伝達物質の再取り込み(例えば、細胞外の神経伝達物質の増加)の減少は、耳鳴の症状を処置および/または改善する。ある実施形態では、NK1受容体のアンタゴニズムは耳鳴の症状を処置および/または改善する。ある実施形態では、神経伝達物質の再取り込みの減少とNK1受容体のアンタゴニズムは、耳鳴の症状を処置および/または改善する。

0155

耳鳴にはいくつかの処置がある。第IV脳神経によって管理されるリドカインは、患者の60%乃至80%の耳鳴に関連する雑音を減少させ、または取り除く。ノルトリプチリンセルトラリンパロキセチン等の選択的な神経伝達物質再取り込み阻害剤は、耳鳴に対する効能も実証している。ベンゾジアゼピンも耳鳴を処置するために処方される。

0156

聴器毒性
聴器毒性は毒素によって引き起こされる聴力損失を指す。この聴力損失は、耳の有毛細胞、蝸牛、および/または、脳神経VIIへの外傷による。複数の薬物が聴器毒性であると知られている。多くの場合、聴器毒性は用量依存性である。聴器毒性は永久的であるか、あるいは薬物の中止により可逆的である。

0157

既知の聴器毒性薬物は、限定されないが、アミノグリコシドクラスの抗生物質(例えば、ゲンタマイシンおよびアミカシン)、マクロライドクラスの抗生物質のいくつかのメンバー(例えば、エリスロマイシン)、糖タンパク質クラスの抗生物質のいくつかのメンバー(例えば、バンコマイシン)、サリチル酸ニコチン、いくつかの化学療法剤(例えば、アクチノマイシンブレオマイシン、シスプラチン、カルボプラチン、およびビンクリスチン)、ならびにループ利尿薬ファミリー薬物のいくつかのメンバー(例えばフロセミド)を含む。

0158

シスプラチンおよびアミノグリコシドクラスの抗生物質は、活性酸素種(「ROS」)の産生を引き起こす。ROSは、DNA、ポリペプチド、および/または脂質に損害を与えることにより細胞を直接破壊する。抗酸化剤は、ROSの形成を防ぐことによって、あるいは、それらが細胞を破壊する前に遊離ラジカルを除去することによって、ROSによる損傷を防ぐ。シスプラチンおよびアミノグリコシド抗生物質クラスの抗生物質の両方も、内耳の血管線条でメラニンを結合することによって耳に損傷を与えると考えられている。

0159

サリチル酸は、ポリペプチドプレスチン(prestin)の機能を阻害するので、聴器毒性と分類される。プレスチン(prestin)は、外部の耳の有毛細胞の原形質膜を横切って塩化物炭酸塩の交換を制御することによって、外部の耳の有毛細胞運動性を調節する。それは、外部の耳の有毛細胞でのみ見られ、内部の耳の有毛細胞では見られない。これに応じて、いくつかの実施形態では、抗酸化剤を含む制御放出型の耳用組成物の使用は、限定されないが、シスプラチン治療、アミノグリコシドまたはサリチル酸の投与、あるいは他の聴器毒性薬物を含む化学療法の聴器毒性作用を防ぐか、改善するか、または減少させる。

0160

興奮毒性
興奮毒性は、グルタミン酸および/または同様の物質による、ニューロンおよび/または有毛細胞の死または損傷を指す。

0161

グルタミン酸は、中枢神経系で最も大量にある興奮性の神経伝達物質である。シナプス前細胞は、刺激に対してグルタミン酸を放出する。グルタミン酸はシナプス全体を流れ、シナプス後細胞に位置する受容体に結合し、これらの神経細胞を活性化させる。グルタミン酸受容体は、NMDAAMPAおよびカイニン酸受容体を含んでいる。グルタミン酸輸送体は、シナプスから細胞外のグルタミン酸を除去する役目を課されている。特定の出来事(例えば、乏血または脳卒中)は輸送体に損傷を与える。これはシナプス内に蓄積する過剰なグルタミン酸を生じさせる。シナプス内の過剰なグルタミン酸は、グルタミン酸受容体の過剰な活性化を結果として生じる。AMPA受容体は、グルタミン酸とAMPAの双方の結合によって活性化される。AMPA受容体の特定のイソフォームの活性化は、ニューロンの原形質膜に位置しているイオンチャンネル開放という結果を生じる。チャンネルが開くと、Na+とCa2+イオンがニューロンへと流れ、K+イオンがニューロンの外へと流れる。

0162

NMDA受容体は共アゴニストグリシンまたはD−セリンと一緒にグルタミン酸またはNMDAの両方の結合によって活性化される。NMDA受容体の活性化は、ニューロンの原形質膜に位置しているイオンチャンネルの開放を結果として生じる。しかし、これらのチャンネルはMg2+イオンによってブロックされる。AMPA受容体の活性化は、イオンチャンネルからシナプスへのMg2+イオンの排出という結果を生じる。イオンチャンネルが開き、イオンチャンネルがMg2+イオンを排出すると、Na+とCa2+イオンがニューロンへと流れ、K+イオンがニューロンの外へと流れる。

0163

興奮毒性は、NMDA受容体とAMPA受容体とが、過剰な量のリガンド、例えば、異常な量のグルタミン酸の結合によって、過剰に活性化されたときに生じる。これらの受容体の過剰な活性化は、それらの制御下でイオンチャンネルの過剰な開放を起こす。このことは、異常に高いレベルのCa2+とNa+とがニューロンに入ることを可能にする。これらのレベルのCa2+とNa+とが神経細胞へと流れ込むことは、より頻繁に神経細胞を興奮させ、細胞内に急激に発達した遊離ラジカルと炎症性の化合物とを結果として生じる。遊離ラジカルは最終的には細胞内の貯蔵エネルギー使い果たし、ミトコンドリアを損傷する。さらに、過剰なレベルのCa2+とNa+イオンは、過剰なレベルの酵素ホスホリパーゼエンドヌクレアーゼプロテアーゼを含むが、これに限定されない)を活性化する。こうした酵素の過剰な活性は、細胞骨格、原形質膜、ミトコンドリア、感覚神経のDNAに損傷を与えるという結果を生じる。

0164

内リンパ水腫
内リンパ水腫とは、内耳の内リンパ系内の水圧の増加を指す。内リンパと外リンパとは、複数の神経を含む薄膜によって分離されている。圧力変化は、それらを収容している膜と神経とにストレスを与える。圧力が非常に大きい場合、膜で破壊が生じる。これは流体の混合を引き起こし、結果として、脱分極の妨害と機能の一時的な喪失が起こる。前庭神経の発火の速度の変化はしばしば眩暈を引き起こす。さらに、場合によっては、コルチ器官も影響を受ける。基底膜と内外の有毛細胞との歪は、難聴および/または耳鳴を引き起こす。

0165

原因は、代謝性障害ホルモンアンバランス、自己免疫疾患、ウイルス感染、細菌感染、または真菌感染を含む。症状は、難聴、めまい、耳鳴、耳閉塞感を含む。さらに、場合によっては、眼振もある。処置は、ベンゾジアゼピン、利尿剤(水圧を下げるもの)、コルチコステロイド、および/または、抗菌性、抗ウイルス性、または、抗真菌性薬剤を含む。

0166

迷路炎
迷路炎は、内耳の前庭系を含む耳の迷路の炎症である。原因は細菌感染、ウイルス感染、および真菌感染を含んでいる。さらに、いくつかの例では、頭部損傷あるいはアレルギーによって引き起こされる。迷路炎の症状は、平衡維持できないこと、浮動性めまい、回転性めまい、耳鳴、および聴力損失を含む。場合によっては、回復が1〜6週間かかるが、しかしながら、慢性的な症状は何年も存在する。

0167

迷路炎にはいくつかの処置がある。プロクロルペラジンは、制吐薬としてしばしば処方される。セロトニン再取り込み阻害剤は内耳内の新しいニューロンの成長を刺激することがわかっている。加えて、原因が細菌感染である場合、抗生物質を用いる処置が規定され、疾病がウイルス感染によって引き起こされる場合、コルチコステロイドと抗ウイルス薬を用いる処置が推奨される。

0168

ラムゼイハント症候群(帯状疱疹感染)
ラムゼイハント症候群は聴神経の帯状疱疹感染によって引き起こされる。この感染は激しい耳痛、聴力損失、目眩、神経により供給される、顔または首の皮膚上の、外耳の、外耳道内の水疱を引き起こす。場合によっては、顔面筋も、顔面神経腫れによって圧迫される場合に麻痺するようになる。聴力損失は一時的または永続的であり、通常数日から数週間続く眩暈の症状を伴う。

0169

ラムゼイハント症候群の処置は、アシクロビルを含む抗ウイルス剤の投与を含む。他の抗ウイルス剤はファムシクロビルとバラシクロビルを含んでいる。抗ウイルス性およびコルチコステロイド治療の組み合わせを用いて帯状疱疹感染を改善する。鎮痛剤または麻薬も疼痛を軽減するために投与され、ジアゼパムまたは他の中枢神経系薬剤は目眩を抑えるために投与される。カプサイシンリドカインパッチ、および神経ブロックも使用される。顔面神経麻痺を取り除くために圧縮した顔面神経上で手術も行われる。

0170

前庭ニューロン炎
前庭ニューロン炎または前庭神経障害は末梢性前庭系の急性の持続的な機能不全である。前庭ニューロン炎は前庭器の一方または両方からの求心性ニューロン入力の破壊によって引き起こされることが理論付けられる。この破壊の源はウイルス感染と前庭神経および/または迷路の急性の局所的な虚血とを含む。前庭ニューロン炎は突然の目眩の発作を特徴とし、これは、目眩の一回の発作、一連の発作、または数週間にわたって減少する持続的な疾患として顕在化する。症状は一般に悪心、嘔吐、および先の上気道感染を含むが、聴覚症状は一般にはない。目眩の最初の発作は通常重症であり、罹患した側への目の不随意にチラつくことを特徴とする疾病である眼振を引き起こす。聴力損失は通常生じない。

0171

いくつかの例では、前庭ニューロン炎は脳に内耳を接続する前庭神経の炎症によって引き起こされ、恐らくウイルス感染によって引き起こされる。前庭ニューロン炎の診断は、眼球運動を電子的に記録する方法である通常眼振を使用する電気眼振検査、対するテストを含んでいる。他の原因が眩暈の症状に一定の役割を果たすことがあるかどうか判断するために磁気共鳴画像も行われる。

0172

前庭ニューロン炎の処置は典型的には、疾患がそれ自体で消えるまで疾患(主として眩暈)の症状を緩和することを含んでいる。眩暈の処置は多くの場合メニエール病と同一であり、メクリジン、ロラゼパム、プロクロルペラジン、またはスコポラミンを随意に含む。嘔吐が深刻な場合、流体と電解液も静脈内に投与される。疾患が十分に初期に検知される場合、プレドニゾロンのようなコルチコステロイドも与えられる。

0173

いくつかの実施形態において、抗ウイルス剤を含む本明細書で開示される組成物は、前庭ニューロン炎の処置のために投与される。さらに、いくつかの実施形態において、組成物は、抗コリン作用薬、抗ヒスタミン薬、ベンゾジアゼピン、またはステロイドを含む疾患の症状を処置するために一般に使用される他の薬剤と共に投与される。眩暈の処置はメニエール病の処置と同一であり、メクリジン、ロラゼパム、プロクロルペラジン、またはスコポラミンを含むことがある。嘔吐が深刻な場合、流体と電解液も静脈内に投与される。

0174

前庭ニューロン炎を診断する際の最も重要な発見自発的で一方向性の水平性眼振である。これにはしばしば悪心、嘔吐、および平衡維持の困難さが伴う。これには一般には、聴力損失あるいは他の聴覚症状は伴わない。

0175

迷路炎にはいくつかの処置がある。ジメンヒドリナートジフェンヒドラミン、メクリジン、およびプロメタジンなどのH1−受容体アンタゴニストは、前庭刺激を縮小し、抗コリン作用性効果によって迷路機能を低下させる。ジアゼパムとロラゼパムなどのベンゾジアゼピンもGABAA受容体に対する効果により前庭応答を阻害するために使用される。抗コリン作用薬(例えばスコポラミン)も処方される。これらは前庭小脳の経路内での伝導を抑えることにより機能する。最後に、コルチコステロイド(つまりプレドニゾン)は、前庭神経と関連する器官の炎症を改善するために処方される。

0176

微小血管圧迫症候群
「血管の圧縮」あるいは「神経血管の圧縮」とも呼ばれる微小血管圧迫症候群(MCS)は、目眩と耳鳴を特徴とする障害である。これは、血管による脳神経VIIIの刺激によって引き起こされる。MCSを抱える被験体で見られる他の症状としては、限定されないが、重篤な運動不耐性および神経痛性様の「急回転(quick spins)」が挙げられる。MCSはカルバマゼピン、TRILEPTAL(登録商標)、およびバクロフェンで処置される。さらに、それは、いくつかの症例でも外科的に処置される。

0177

聴神経腫
聴神経腫瘍(聴神経腫、聴神経鞘腫、前庭神経腫、および第8神経腫を含む)は、シュワン細胞、神経を囲む細胞内に由来する腫瘍である。聴神経腫は、頭蓋骨由来の全ての腫瘍の約7乃至8%の割合を占めており、患者の神経線維腫症の診断にしばしば関係する。腫瘍の位置によって、いくつかの症状は難聴、耳鳴めまい、平衡失調を含む。場合によっては、腫瘍が大きくなるに連れて、他の一層重篤な症状が表れ、これは脳と、口、目、またはとの間の接続に影響を与える顔面神経または三叉神経を圧迫する。小さな腫瘍は、顕微鏡手術または定位放射線放射技術(分割定位放射線治療を含む)によって除去される。悪性シュワン腫は、化学治療薬(ビンクリスチン、アドリアマイシン、シクロホスファミド、イミダゾールカルボキサミドを含む)によって処置される。

0178

聴覚神経障害
聴覚神経障害(AN)も、聴覚神経障害/聴覚同期不全(AN/AD)あるいは聴覚神経障害スペクトル障害(ANSD)として知られている。聴覚神経障害は、蝸牛内の外毛細胞が存在して機能的であるが、聴覚情報が聴神経と脳に適切に送信されない聴力損失を指す。

0179

良性発作性頭位めまい症
良性発作性頭位めまい症は、卵形嚢から三半規管の1つ(多くの場合、後部三半規管)への浮遊している炭酸カルシウム結晶(耳石)の移動によって引き起こされる。頭部の移動は、異常な内リンパ変位と結果のめまいの感覚とを生じる耳石の移動を、結果として生じる。めまい発作は、普通、約1分の間続き、他の聴覚症状を伴って起きることは稀である。

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