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技術 分子白色光エミッター

出願人 フィリップス-ウニヴェルシテート・マールブルク
発明者 ステファニーデーネンサンガムチャタジージェンスピーターイスナーニルズダブリューローズマンケルスティンヴォルツアンドレアスバイエル
出願日 2017年6月1日 (2年11ヶ月経過) 出願番号 2018-563143
公開日 2019年9月5日 (7ヶ月経過) 公開番号 2019-524647
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード ピーク電界強度 駆動場 クラスター層 透過レーザー光 熱エミッタ ダブルデッカー 電子遷移エネルギー 有機フラグメント
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重要な関連分野

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図面 (20)

課題・解決手段

本発明は、高効率の分子白色光エミッターに関する。本発明は、赤外レーザーを用いる照射で光の広帯域スペクトル発光する非晶質材料を記載する。無機ナノ結晶は、材料のコアを形成し、表面を有機配位子コーティングされている。

概要

背景

我々の日々の生活において適切に管理された光の影響は計り知れない。発光ダイオードLED)は、1800年代後半に白熱灯電球が発明されて以来、最も優れた開発の1つである。後者は赤外の大部分のエネルギーを熱として消失するが、典型的な白色LEDは、可視光スペクトルのみを網羅する。白色光LEDの最も優れた例は、窒化ガリウム系である。その狭帯域紫外線(UV)発光は、蛍光体を適用することにより、可視光に変換される。この冷光は、エネルギー効率に関して大きな利点を有する。効率的な白色光発生に対して求められる他の概念には、赤色、緑色、および青色エミッターの組み合わせが含まれ、これは現在、有機LEDの最善の方法である。大きな視野角を必要とするアクティブディスプレーのような用途で強く望まれる実質的にランベルト発光のパターンのため、あらゆるタイプのLEDは優れている。しかし、これには、関連する大きなエタンデュG=AΩ(式中、Aは光源面積であり、Ωは発光の立体角である)のため、標的照明および光の投影に課題がある。理想的には、エタンデュは、光が完全な反射または屈折を受ける全光学ステムを通して一定に保たれる。例えば、ディフューザーに影響を及ぼす際にエタンデュが増加する可能性はあるが、放射損失なしに減少することはない。このため、低エタンデュ源が、顕微鏡などの高い空間解像度を必要とするデバイスまたは投射システムなどのハイスループットを有する用途で強く望まれる。蛍光体以外の単色光源による白色光発生の他の概念は、非常に広帯域な超連続体を提供する非線形効果に依存し、多くの科学用途で幅広く用いられる。これらはしばしば輝度源と呼ばれる。これらは、強く集光された短パルス駆動レーザーのため、一般に、小さく、点源のような発光領域を特色とし、そのレーザーは、ソリトン形成などの高非線形効果を引き起こすために必要な大きなピーク電界強度を克服するために用いられる。したがって、システムサイズ、価格、およびエネルギー要件などの関連する課題により、超連続体源の使用は、科学実験での使用および医療分野、例えば、コヒーレントアンチストークスラマン散乱または光コヒーレンストモグラフィー、ならびに防衛および安全保障の用途に限定される。

目的に適合した光源は、発光スペクトルまたは色および発光特性を最適化することにより、技術的および科学的進歩を大幅に推進した。例えば、白色光ファイバレーザーが知られている。しかし、すべての公知のデバイスは、高価な高出力レーザーにより発光する光を指向性白色光に変換するか、または青色LEDの高エネルギーUV発光を全指向性白色光に変換するだけである。低コストコンパクトレーザーダイオードまたは他の低エネルギー単色光源により発光する光を白色光に変換することができる、当技術分野で公知の材料/デバイスはない。

概要

本発明は、高効率の分子白色光エミッターに関する。本発明は、赤外レーザーを用いる照射で光の広帯域スペクトルを発光する非晶質材料を記載する。無機ナノ結晶は、材料のコアを形成し、表面を有機配位子コーティングされている。なし

目的

蛍光体以外の単色光源による白色光発生の他の概念は、非常に広帯域な超連続体を提供する

効果

実績

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請求項1

C、Si、Ge、Sn、Pb、O、S、Se、Teを含むリストから選択される、少なくとも1つの化学元素の少なくとも1つの原子を含有するダイヤモンドイドコア構造を含み、前記ダイヤモンドイドコア構造を形成する前記原子が、互いに独立して選択され、置換基を有してもいなくてもよく、Sと組み合わせてGeかSnのどちらかを含む化合物が、置換基p−スチリルを含まない、非晶質化合物

請求項2

前記コア構造が、C、Si、Ge、Sn、Pb、O、S、Se、Teを含むリストから選択される、少なくとも1つの化学元素を含む材料の無機ナノ結晶により形成され、前記ナノ結晶が、表面を有機配位子コーティングされている、請求項1に記載の化合物。

請求項3

前記化合物が、式Iの分子構造を示し、式中、−原子Mは、C、Si、Ge、Sn、Pbを含むリストから互いに独立して選択され、−原子Xは、O、S、Se、Te、Cを含むリストから互いに独立して選択され、−置換基Rは、芳香族単環式置換基、例えばフェニルベンジル、スチリル;芳香族多環式置換基、例えばナフチルアントリルフェナントリルヘテロ芳香族単環式置換基、例えばピリジル;ヘテロ芳香族多環式置換基、例えばアザナフチル、アザアントリル、アザフェナントリル、ジアザナフチル、ジアザアントリル、ジアザフェナントリルを含むリストから互いに独立して選択される、請求項1に記載の化合物。

請求項4

前記置換基が、ランダム配向した有機配位子である、請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物。

請求項5

電子デバイス内における請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物の使用法

請求項6

前記電子デバイスが、白色光指向性発光する、請求項5に記載の使用法。

請求項7

前記電子デバイスが、レーザーダイオード半導体レーザーダイオード導波路発光ダイオードLED)、有機発光ダイオード(OLED)、発光トランジスター、LEDスクリーン、OLEDスクリーン、TFTディスプレーバックライトデバイスを含むリストから選択される、請求項5または6に記載の使用法。

請求項8

前記化合物が、モノリシック素子に組み込まれる、請求項5から7のいずれか一項に記載の使用法。

請求項9

前記化合物が、水素末端シリコン単結晶上および/またはGaAs上に真空蒸着により塗布され、前記化合物が、非晶質層を形成する、請求項5から8のいずれか一項に記載の使用法。

請求項10

前記ダイヤモンドイドコア構造に結合する少なくとも1種類の置換基が、さらなる化学的改質および/または前記化合物の無機材料への共有結合のために用いられる、請求項5から9のいずれか一項に記載の使用法。

請求項11

請求項1から4のいずれか一項に記載の少なくとも1つの化合物を含むポリマーフィルム

請求項12

請求項11に記載のポリマーフィルムが、800nm〜1100nm間波長を有するレーザー光を発光する赤外レーザーダイオードから離れて位置するデバイス

請求項13

前記ポリマーフィルムが、2つのガラススリップ間に位置する、請求項12に記載のデバイス。

請求項14

請求項1から4のいずれか一項に記載の少なくとも1つの化合物を含む層。

技術分野

0001

本発明は、赤外光可視光に変換する分野に属する。

背景技術

0002

我々の日々の生活において適切に管理された光の影響は計り知れない。発光ダイオードLED)は、1800年代後半に白熱灯電球が発明されて以来、最も優れた開発の1つである。後者は赤外の大部分のエネルギーを熱として消失するが、典型的な白色LEDは、可視光スペクトルのみを網羅する。白色光LEDの最も優れた例は、窒化ガリウム系である。その狭帯域紫外線(UV)発光は、蛍光体を適用することにより、可視光に変換される。この冷光は、エネルギー効率に関して大きな利点を有する。効率的な白色光発生に対して求められる他の概念には、赤色、緑色、および青色エミッターの組み合わせが含まれ、これは現在、有機LEDの最善の方法である。大きな視野角を必要とするアクティブディスプレーのような用途で強く望まれる実質的にランベルト発光のパターンのため、あらゆるタイプのLEDは優れている。しかし、これには、関連する大きなエタンデュG=AΩ(式中、Aは光源面積であり、Ωは発光の立体角である)のため、標的照明および光の投影に課題がある。理想的には、エタンデュは、光が完全な反射または屈折を受ける全光学ステムを通して一定に保たれる。例えば、ディフューザーに影響を及ぼす際にエタンデュが増加する可能性はあるが、放射損失なしに減少することはない。このため、低エタンデュ源が、顕微鏡などの高い空間解像度を必要とするデバイスまたは投射システムなどのハイスループットを有する用途で強く望まれる。蛍光体以外の単色光源による白色光発生の他の概念は、非常に広帯域な超連続体を提供する非線形効果に依存し、多くの科学用途で幅広く用いられる。これらはしばしば輝度源と呼ばれる。これらは、強く集光された短パルス駆動レーザーのため、一般に、小さく、点源のような発光領域を特色とし、そのレーザーは、ソリトン形成などの高非線形効果を引き起こすために必要な大きなピーク電界強度を克服するために用いられる。したがって、システムサイズ、価格、およびエネルギー要件などの関連する課題により、超連続体源の使用は、科学実験での使用および医療分野、例えば、コヒーレントアンチストークスラマン散乱または光コヒーレンストモグラフィー、ならびに防衛および安全保障の用途に限定される。

0003

目的に適合した光源は、発光スペクトルまたは色および発光特性を最適化することにより、技術的および科学的進歩を大幅に推進した。例えば、白色光ファイバレーザーが知られている。しかし、すべての公知のデバイスは、高価な高出力レーザーにより発光する光を指向性白色光に変換するか、または青色LEDの高エネルギーUV発光を全指向性白色光に変換するだけである。低コストコンパクトレーザーダイオードまたは他の低エネルギー単色光源により発光する光を白色光に変換することができる、当技術分野で公知の材料/デバイスはない。

0004

本発明は、したがって、低コストでコンパクトなレーザーダイオードまたは他の単色光源により発光する光を白色光に変換する新しい材料/デバイスを提供する。

0005

我々は、安価で低出力連続波赤外レーザーダイオードにより駆動する非線形プロセスに基づく効率的なスペクトル広帯域で高指向性温白色光エミッターを実証する。非線形媒質は、至る所にある資源から容易に入手することができる対称フリーダイヤモンドイドクラスター分子からなる、特別に設計された非晶質材料である。スペクトルの可視光部分は、駆動レーザーの優れたビーム発散を保持する一方で、2900ケルビンでのタングステンハロゲンランプの色に類似している。エネルギー効率の良い最新式の半導体レーザーを機能的にするこの手法により、高輝度用途において白熱灯の白色光エミッターを置換するための発光ダイオードを補完する技術が可能になる。

0006

本発明は、連続波レーザーダイオードにより駆動する高効率の指向性分子白色光エミッターに関する。本発明は、高度に非線形なプロセスにより、赤外レーザーを用いる励起による光の広帯域(温白色)スペクトルを発光する非晶質材料について記載する。無機ナノ結晶は、材料のコアを形成し、表面を有機配位子コーティングされている。赤外光で励起されると、非線形光学プロセスによって、材料は、広帯域白色光を発光する。新しい光源は、効率的であり、環境に優しい。

0007

ここで、分子系固体化合物が、非常に非線形な媒質として発明者らにより用いられる。これにより、低コストの赤外レーザーダイオードにより駆動する全可視光スペクトルを網羅する低エタンデュ、指向性広帯域白色光源の定常状態動作が可能になる。化合物は、疑似非局在化電子を供給する共有結合の有機配位子で装飾される半導体系クラスター分子を含む。全体的目標は、適切なバンドギャップ無機半導体クラスターコアを、至る所にある成分からなり、したがって、入手が容易で安価である一方で分子の電子基底状態に非局在化電子を提供する有機配位子と組み合わせる非晶質化合物を合成することであった。

0008

基本的実験は、(RdelocSn)4S6などのクラスター分子の半導体系コア構造を形成する、SnS2、GeS2などのテトレカルコゲナイド誘導体を使用して行った。大きな遷移双極子モーメントを提供している他の2成分系半導体が、半導体系コア構造も形成することができることは当業者に明らかである。したがって、本発明が、任意の13元素グループと任意の15元素のグループとの2成分の組み合わせにおいて、元素B、Al、Ga、In、TlおよびN、P、As、Sb、Biを含む化合物も含むことは明らかである。

0009

発明者らは、アダマンタン様、したがってダイヤモンドイド、[Sn4S6]スカフォールドを有する硫化スズ系分子を製造した。後者は、四面体形を有するので、反転対称がない。低分子対称および電子状態非局在化は、ランダム配向した有機配位子(置換基)Rdeloc=4−(CH2=CH)−C6H4を有するコアの装飾により実現する(図1A)。有機配位子の立体的影響は、クラスターコアの分子構造および化合物の非晶質の性質を決める。これは、無機クラスター部分の2成分系SnS2固体への重合を防ぐ。スズ原子パラ位ビニル基もさらなる化学的改質用に利用可能である。さらに、クラスターの無機材料への共有結合が可能になる。他の置換基、例えば、ヒドロキシル基チオール基などを、これらの目的のためにも使うことができ、そのため、表面への化学的改質および/または共有結合のためのそのような基の使用法も本発明の範囲内にあることは当業者に周知である。

0010

型[(RT)4E6](E=O、S、Se、Te;T=Sn、C、Si、Ge、Pb)の化合物の電子状態の低分子対称および非局在化が、芳香族単環式置換基/配位子、例えばフェニルベンジルスチリル;芳香族多環式置換基/配位子、例えばナフチルアントリルフェナントリルヘテロ芳香族単環式置換基/配位子、例えばピリジル;ヘテロ芳香族多環式置換基/配位子、例えばアザナフチル、アザアントリル、アザフェナントリル、ジアザナフチル、ジアザアントリル、ジアザフェナントリル、ビピリジルテルフェニルを含むリストに含まれる配位子の使用によっても実現することができることも当業者に周知である。無機スカフォールドは、有機置換基の立体的影響により速度論的に保護される。熱力学的に有利な無機硫化物、例えば、硫化スズの形成下では、メチル基のような小さな置換基でも、クラスター構造の分解を効率的に防ぐ。

0011

化合物[(RdelocSn)4S6]を非晶質微細粉末として得た(図1B)。その同一性質量分析法により確認した(図5)。化合物は、573Kまで不揮発性で、空気中で安定で、熱的に安定である(図6)。その分子構造は、密度汎関数理論DFT)方法を使用する量子化学計算により正当化した(図7)。化合物は、アクリルアミドマトリックス内に組み込まれた場合にその化学的および物理的特性を保持する。800nm連続波(CW)レーザー励起に対する発光で、温白色の色印象を生じる(図1C)。これは、最大ポンプ周波数における2856Kの標準タングステンハロゲン光源にかなり近く、励起密度のばらつきに伴い変化する(図1D)。

0012

色印象は、白熱灯源にかなり似ているが、駆動CWレーザーの特徴的な指向性機能は、非線形媒質により保持される。弱く集光されたCW近赤外レーザー光を伴う励起に対する角度放射パターン図2A)は、白色光発光が非常に狭い角拡散を特色とすることを示す。その放出円錐は、化合物の非晶質特性による散乱予想されるように駆動レーザーのものより幅広い(図10)。この結果、発明者らの手法により、標的指向性照明および投影用途用の高輝度源の実現が可能になるはずであることが示唆される。したがって、指向性に関して従来の手法を能力でしのぐことができるはずである。熱エミッターは、本質的に全指向性であり、LEDは、通常、ランベルト発光を示す。

0013

図1D色温度に対応する発光スペクトルを図2Bに示す。分散発光は、可視光スペクトル全体を網羅する。そのスペクトル重みは、特徴的な白色光LED発光と比べて、低エネルギー側にシフトしている。白色光のスペクトル分布は、725〜1050nmの範囲で実質的に励起波長に依存しない(図8)。この特性は、駆動レーザー波長における熱的または製造関連のばらつきに対するロバスト性を示唆するので、レーザーダイオードデバイスへの組み込みにとってとても望ましい。非線形挙動は、図2Cに示す入出力特性視覚化される。ポンプ出力密度関数としての白色光出力は、極度非線形性を示し、およそ8乗の大きさになる。現在のところ、破壊閾値に近い最適な超連続体発生の効率は、10%の範囲と決定される。この早い段階で不完全試料品質でも、この効率は、広く用いられている蛍光体と同等である。試料は、動作条件で数か月間優れた長期安定性を示した。

0014

白色光発生の基礎となる機構を見抜くために、発明者らは、上記バンドギャップUV励起に対する自然発光を白色光特性と比較する(図3A)。フランクコンドンの原理から予想されるように、自然発光は、線形吸収鏡像である。白色光スペクトルは、低エネルギーへシフトする。高エネルギーカットオフのみが、高密度の非晶質分子固体での再吸収により制限されるようである。さらに、自然発光が、白色光より明るさが数桁弱いことに留意されたい。駆動レーザーの光子エネルギーは、共鳴から外れて大きくデチューンされ、多光子励起後の発光の予兆は見られない。さらに、自然発光および白色光のパルス励起の寿命に差が見られる(図3B)。自然発光は、100ps時間スケール減衰し、一方、白色光は興味深いことに実質的に時間動特性を全く示さず、10ms超の機器限定の寿命を推測する。長い寿命は、広域スペクトラム源としての従来のコヒーレントプロセスを排除し、CW照射では、指向性が、連続的に存在する駆動レーザーの電場により誘導されるフェイズドアレイ効果により生じることを暗示する。

0015

上記の検討事項のすべては、白色光発生のための機構を暗示し(図3C)、したがって、近赤外レーザーは、有機配位子のπ電子系により供給される、実質的に非局在化している電子を駆動する。CW照射では、電荷は、分子の電子基底状態ポテンシャルで駆動され、一般に制動放射と呼ばれるエネルギーの放射損失により主に緩和される。これらの機能は、外部駆動場誘起される電子の古典的運動に類似した発光のモデルで定性的に獲得される。基底状態ポテンシャルの状況は、三次摂動を伴う非調オシレーターにより、見積もられる。この単純化は、13.46eVと計算される基底状態イオン化閾値と比べて、ここで考えられる3.5eV未満の小さなエネルギースケールにより正当化される。前記ポテンシャルの電子の運動をシミュレートすると、発光が明らかになる。計算の結果を図3Dプロットする。計算により、可視光で2eV付近の主要な発光ピークが生じ、実験データと良く再現している。計算により予測される近赤外発光ピークは、実験的にも観察され、この現象論モデルの適用可能性を確証する。

0016

非調和分子ポテンシャルの加速運動時の再発光は、希ガスまたは光学的に駆動したガスプラズマ中の高調波発生および得られるプラトー形成に概念的に似ている。しかし、最も顕著な違いは、電子基底状態のみの電子の関与である。このことは、CWレーザーに対してもアクセス可能な広帯域発光を引き起こすのに必要な低い電界強度を推測する。したがって、非線形性は、配位子の共役π系で利用可能な電子に、および高エネルギーカットオフを提供するクラスターコアの組成物に大きく依存するはずである(図3A)。この説明は、コアおよび配位子の構造を交換して行うシステム的調査により支持される。SnをGeに置換すると、基底状態ポテンシャル深さおよび基礎的電子遷移エネルギーの両方が増加する。したがって、超連続体のスペクトルバンド幅は、より高いエネルギーに向けて増加する。SnをSiに置換すると、非結晶質重要性は明らかになる。結晶材料が得られ、超連続体は消失する。

0017

クラスターは、潜在的にモノリシック素子に組み込まれている。真空蒸着時に、クラスターは、水素末端シリコン単結晶上およびGaAs上に薄い非晶質層を形成し、後者はダイオードレーザーに組み込むために特に重要である。GaAs(001)表面上の蒸着高角環状暗視野走査型透過電子顕微鏡TEM)像を、図4A図12:Si(001)上の蒸着]に示す。高解像度顕微鏡写真図4B)で観察される非晶質分子層の幅は、クラスター分子の大きさとよく一致する。このことは、表面が、自己限定的単層によりコーティングされていることを示唆する。界面の組成物(図4C)およびエネルギー分散X線(EDX)(図4A)は、これらの調査結果を確証する。発明者らの手法は、従来の非線形源または低コスト赤外ダイオードレーザーの機能化により、LEDなどの固体状態エミッターを補完する低エタンデュ用途用の指向性白色光デバイス用の方法を提供する。さらに、発明者らは驚くべきことに、赤外光の白色光への変換が、白色光が無指向に発光される単純な発光ダイオード(LED)を用いても作動することを見出した。したがって本発明は、ダイオードレーザーだけでなく、750nmを超える波長を伴う電磁放射線を発光する他のすべての型の固体状態エミッター、ならびに白色光を発生する使用法も含む。

0018

以下のパラグラフ内で、非線形応答微調整能力、すなわち、白色光発生から第二高調波発生へ変更すること、ならびに白色光特性を制御することが示される。これらは、T、R内の電子密度のπ非局在化、および分子固体内の秩序に応じて調べられる。

0019

この目的のために、一般式[(RT)4S6](R=有機配位子;T=Si、Ge、Sn)の2種類の化合物を調製する。これらの化合物のすべては、原理実証の化合物1と類似した組成物および構造を有するので、(非常に)強い非線形光学特性を示すと期待される。

0020

第1のシリーズは、[(RSn)4S6]スカフォールド上の配位子の効果に対応する。配位子は、π電子系の存在および性質の影響を調べるために、R=メチル(Me、2)からR=1−ナフチル(Np、3)およびスチリル(Sty、1)、R=フェニル(Ph、4)へと変化する。このため、π電子系は、完全にない(Me)か、大きさが減少する(Np→Sty→Ph)。配位子を変化させると、特に分子間相互作用が変わる。この分子間相互作用には、固体材料が、その非結晶質対結晶化度を決定する、秩序を示さない、短距離秩序を示す、または長距離秩序を示す傾向が含まれる。第2のシリーズは、無機クラスターコアの組成物に対応する。これは、4のSn/S組み合わせからGe/S(5)、Si/S(6)へと、クラスターの光学ギャップに影響を及ぼす。概して、2つの試料シリーズは(i)T/E/Rの組み合わせが規則性または可能性のある結晶化に影響を及ぼすか、そしてどのように影響を及ぼすか、および(ii)これがどのように非線形光学特性に影響するかを明らかにする。

0021

化合物6を除き、化合物は、これまでの試験での多様な反応および晶析条件下で非晶質粉末として得られる。したがって、後者の分子構造は、密度汎関数理論(DFT)計算により解明される(本発明の実施形態の項参照)。これによれば、すべての化合物は、ヘテロアダマンタン型[T4S6]スカフォールド系であり、これは、「ダブルデッカー型異性体より19.2〜36.4kJ/molだけエネルギー的に有利である(図19、本発明の実施形態の項参照)。有機置換基は、擬似四面体で無機クラスターコアの中心から外側に向いている。例外として、化合物6は、単結晶として得ることができる。したがって、この化合物の構造は、単結晶X線回折により決定した。構造は解析され、単斜晶空間群P21/cwithZ=4で精緻化される(図24および本発明の実施形態の項参照)。DFT計算と一致して、6の分子構造は、(理想化された)Td対称を有する反転なしのヘテロアダマンタン型無機スカフォールド系である。実際の結晶学的対称は、有機基の様々な配向および無機コアのわずかなばらつきにより低下する。

0022

次に、化合物の非線形光学特性を調査する。試料は、レーザー照射時に高真空条件下に保たれる。励起では、980nmの中心波長で動作する連続波ダイオードレーザーを使用する。任意の色収差を避けるため、200mWの光学出力は、反射顕微鏡対物レンズを特色とする共焦点設定の試料に集光される。(本発明の実施形態の項参照)。この設定で、試料上に10μm未満のスポット直径を生じる。検出では、熱電冷却裏面照射型ディープディプレッションSi電荷結合素子カメラを取り付けたCzerny−Turner型分光計を使用する。残りの散乱したポンプレーザーは、熱線吸収ガラスフィルター(Schott KG3)を使用して減衰される。

0023

第1の試料シリーズ(化合物1〜4)の特性スペクトル図25に示す。明らかに、π電子系の性質および程度は、光学非線形性に大きな影響を及ぼす。化合物1および4は、顕著な白色光発光を示し、一方、化合物2および3は強いSHGを示す。後者には、位相整合(白色光発光にとっての前提条件ではない)が必要である。したがって、光学実験は、2および3で得られる粉末である程度の秩序を推測する。2では、本明細書で検討した粉末のX線回折図では確認できないが、配位子の低い立体的要求と低い柔軟性の両方が秩序(単結晶を形成することさえあり得る)を可能にしているようである(表18)。3の場合、Np配位子の顕著なπ−π重なり能力は、非晶質粉末で比較的高い程度の秩序を起こすようである。したがって、2つの配位子は、大きさおよび電子性質で大きく異なるが、似た非線形応答を引き起こす。

0024

π電子系の中程度の拡張を伴う配位子の結合に関して、状況は変わる。明らかに、効果的分子間相互作用は、1(R=Sty)のクラスター分子間では起こらず、これは、Np配位子と比較して、減少したπ重なり能力と、本明細書に含まれる他のすべての配位子と比較してより高いSty配位子の配座柔軟性の両方に起因する。このシリーズの最も小さいπ電子系は、化合物4のPh基に存在する。1のSty配位子のように、Ph基は、[Sn4S6]コアに結合する場合、任意の分子間秩序を妨げる。したがって、位相整合は除外され、非線形光学応答は、SHGから白色光発生へ変化する。

0025

微視的分子秩序の微妙ではあるが重要な役割は、4と比較して、わずかに少ない1の白色光発生によりさらに強調される。これらの化合物では、π電子系の非局在化は、実質的に同一である。それにもかかわらず、1のSty配位子は、隣接分子間の分散相互作用の高い可能性、したがって、長距離の秩序または結晶化度に達することなく、潜在的により高い程度の材料の秩序を提供する。したがって、非線形光学応答の強度は、巨視的に非晶質な化合物の分子間の秩序の程度の測定として次に用いられ得る。

0026

4つのすべての化合物に見られる強い非線形応答は、クラスターコアの遷移双極子モーメントによる効果的な非線形性の高まりを強調する。したがって、比較的小さな電子系を有する化合物2でも、Me基が無機コアに接近しているので、SHGを示す。

0027

試料の第二のグループは、化合物4、5、および6を含む。ここで、第1のシリーズの白色光発生にとって最も適切であるとわかったPh配位子は変化しないままであるが、無機クラスターコアは変化する。他の2つのPh装飾化合物と大きく異なり、6は、透明で大きな単結晶として得る(図22)。この外観の違いは、図26に示す測定スペクトルに直接反映される。SHGは、結晶化合物で独占的に観察され、一方、他の2つは、上記で示される結論と完全に一致して、広帯域白色光発光を示す。

0028

化合物4および5の場合に完全に結晶化を排除するPh配位子が、6で結晶格子の長距離秩序を可能にするという事実は、3つの成分T、E、およびRの異なる相対的大きさに起因し得る。明らかに、4つのPh配位子は、[Si4S6]スカフォールドの立体的要求とよく一致して、互いにかみ合うPh基を有する安定な結晶構造を形成する。しかし、互いに対する任意の典型的なπ重なり配向を特色としない。対照的に、それぞれ4および5のT/E/R=Sn/S/PhおよびGe/S/Phの組み合わせにおいては、適切な結晶格子を欠いている。

0029

4および5のスペクトルを比較すると、SnをGeに置換する場合に、最大のおよび高エネルギー側面の青色へのシフトが明らかになる。両化合物の白色光スペクトルは、クラスターコアの基礎的電子遷移からの再吸収により制限される。SnS2およびGeS2のバンドギャップ(それぞれ2.18〜2.44eVおよび3.2eV)によれば、化合物5の再吸収限界は4のものに比べ青色にシフトする。このことは、UV−可視吸収分光法により確認される(図17)。両化合物の白色光スペクトルは、クラスターコアの基礎的電子遷移からの再吸収により制限される。

0030

したがって、本発明は、以下の特徴を有し得る。
本発明は、化合物/材料が、C、Si、Ge、Sn、Pb、O、S、Se、Teを含むリストから選択される、少なくとも1つの化学元素の少なくとも1つの原子を含有するダイヤモンドイドコア構造を含み、ダイヤモンドイドコア構造を形成する原子は、互いに独立して選択され、置換基/配位子を有してもいなくてもよいことを特徴とする、少なくとも1つの非晶質化合物/材料を含む。

0031

化合物のコア構造は、C、Si、Ge、Sn、Pb、O、S、Se、Teを含むリストから選択される少なくとも1つの化学元素を含む上述の材料の無機ナノ結晶により形成され得る。この場合、ナノ結晶は、表面を有機配位子でコーティングされる。

0032

本発明は、置換基/配位子が、芳香族単環式置換基/配位子、例えばフェニル、ベンジル、スチリル;芳香族多環式置換基/配位子、例えばナフチル、アントリル、フェナントリル;ヘテロ芳香族単環式置換基/配位子、例えばピリジル;ヘテロ芳香族多環式置換基/配位子、例えばアザナフチル、アザアントリル、アザフェナントリル、ジアザナフチル、ジアザアントリル、ジアザフェナントリルを含むリストから互いに独立して選択されることを特徴とする前述の少なくとも1つの化合物/材料をさらに含む。

0033

本発明の特に好ましい化合物は、式Iの分子構造を示し、

0034

式(I)で、
−原子Mは、C、Si、Ge、Sn、Pbを含むリストから互いに独立して選択され、
−原子Xは、O、S、Se、Te、Cを含むリストから互いに独立して選択され、
−置換基(有機配位子)Rは、芳香族単環式置換基、例えば、フェニル、ベンジル、スチリル;芳香族多環式置換基、例えば、ナフチル、アントリル、フェナントリル;ヘテロ芳香族単環式置換基、例えば、ピリジル;ヘテロ芳香族多環式置換基、例えば、アザナフチル、アザアントリル、アザフェナントリル、ジアザナフチル、ジアザアントリル、ジアザフェナントリルを含むリストから互いに独立して選択される。

0035

本発明は、置換基がランダムに配向した有機配位子である、前述の化合物をさらに含む。

0036

本発明は、電子デバイス内の前述の化合物(複数可)の使用法をさらに含む。

0037

本発明は、電子デバイスが、白色光を指向性発光していることを特徴とする前述の使用法をさらに含む。

0038

本発明は、電子デバイスが、レーザーダイオード、半導体レーザーダイオード導波路、発光ダイオード(LED)、有機発光ダイオード(OLED)、発光トランジスター、LEDスクリーン、OLEDスクリーン、TFTディスプレーのバックライトデバイスを含むリストから選択されることを特徴とする前述の使用法をさらに含む。

0039

本発明は、化合物がモノリシック素子に組み込まれていることを特徴とする前述の使用法をさらに含む。

0040

本発明は、化合物が、真空蒸着により水素末端シリコン単結晶上および/またはGaAs上に塗布され、化合物が非晶質層を形成することを特徴とする前述の使用法をさらに含む。

0041

本発明は、ダイヤモンドイドコア構造に結合する少なくとも1種類の置換基が、さらなる化学的改質および/または無機材料への化合物の共有結合のために用いられることを特徴とする前述の使用法をさらに含む。

0042

本発明は、前述の少なくとも1つの本発明の化合物を含むポリマーフィルムをさらに含む。本発明は、ポリマーフィルムが、800nm〜1100nm間の波長を有するレーザー光を発光する赤外レーザーダイオードから離れて位置する、ポリマーフィルムを含むデバイスも含む。別の実施形態ではポリマーフィルムは、2つのガラススリップまたは他の種類の被覆の間に位置し、赤外レーザーダイオードのより近くに位置する少なくとも1つはレーザー光に対して透明である。

0043

本発明は、前述の少なくとも1つの本発明の化合物を含む層も含んでいる。

図面の簡単な説明

0044

本発明のスズおよび硫黄原子をそれぞれ暗灰色および明灰色の球体として示した、アダマンタン様クラスター[(RdelocSn)4S6](1、Rdeloc=4−(CH2=CH)−C6H4)の図である。炭素(灰色)および水素(白色)原子は線で示す。
本発明の調製されたままの粉末([(RdelocSn)4S6](Rdeloc=4−(CH2=CH)−C6H4))の写真の図である。
本発明の明るい中心スポットを800nmレーザー光で励起した、2つのカバーガラススリップに挟まれたクラスター含有ポリマーフィルムの写真の図である。
本発明の個々の灰色スケールデータポイントにより示される、種々の励起周波数に対する色温度の図である。種々の温度に対する特徴的な理想黒体発光は、実線で示される。四角は、T=2856Kでの標準エミッターの色温度を示す。
本発明の白色光スペクトル(白色)および980nmでのCW励起レーザー(濃い部分)の高指向性空間発光パターンの図である。参考として、完全なランベルトエミッターの強度分布を示す(薄い部分)。
本発明の980nmのポンプ波長に対する白色光スペクトルの図である。ポンプ出力は、6mW(明灰色の実線)から18mW(黒色の実線)へと変化する。黒体照射(T=5000K、破線;T=2856K、間隔があいた点線)およびGaN系白色光LED(狭い点線)に対する正規化曲線を比較のため示す。
本発明の白色光入出力特性の両対数プロットの図である。ポンプ密度の4乗に比例する。
本発明の駆動赤外レーザーに対する正規化線形吸収スペクトル(実線)、基礎的電子遷移エネルギーを超えるUV励起に対する自然発光(破線)、および白色光発光スペクトル(四角でマークした実線)の図である。片対数スケール。
自然発光(実線)は、白色光(四角でマークした実線)よりかなり速く減衰する。
本発明の非調和電子基底状態ポテンシャル(実線の曲線、E0で示す)での電子の加速運動による白色光発光(実線の曲線で示される)を示す図式的な実例の図である。
実測(実線)および計算(点線)の白色光発光スペクトルは、かなり一致する。駆動レーザーの散乱部分斜線部分)はシミュレーションでは含まれていない。
本発明の非晶質クラスター層のSnおよびSならびに結晶基板のGaおよびAsの寄与を示すEDXスペクトルの図である。
自己組織化単層は、高解像度顕微鏡写真からわかるように広範囲均一性を示し、任意の観察可能な構造はなく、したがって完全に非晶質である。計測した構造モデルは、大きさを示すために顕微鏡写真上で重ねている。
顕微鏡写真の右側で重なる:成分の分布を示すEDXラインスキャン。(B)および(C)での長さのスケールは右縦軸で定める。
本発明の[(RdelocSn)4S6]の高分解能ESI(+)マススペクトル分子ピーク[1+Na]+の図である。(A)調製直後の1の単結晶のジクロロメタン溶液で測定したスペクトル。(B)シミュレートしたスペクトル。最大存在量と同位体パターンはどちらも所与の式を有する化合物の同一性を明確に確認する。
本発明の[(RdelocSn)4S6]の熱重量分析(TG、左縦軸、破線)および示差走査熱量測定DSC、右縦軸、実線)の図である。材料は、有機配位子を放出してSnS2を形成する吸熱が観察される約573Kまでは熱的に安定である。
本発明のDFT計算から誘導される[(RdelocSn)4S6]の最小構造の図である。(A)[Sn4S6]スカフォールドのヘテロアダマンタン型トポロジー系のクラスター異性体。(B)[Sn4S6]スカフォールドのいわゆる「ダブルデッカー型」様構造系のクラスター異性体。ヘテロアダマンタン型スカフォールド系クラスターは、他の異性体に比べ約28kJ/molだけエネルギー的に有利である(表1、図13参照)。
(A)本発明の定常状態白色光分光法および時間分解光ルミネセンス分光法の設定の図である。角度分解測定のための設定は、挿入図に示される。(B)本発明の上記のバンドギャップ励起に対する発光特性の図である。入射レーザー(水平方向斜線部分)は、全方向に発光するPL(黒色の矢)を誘起する。(C)本発明の以下のバンドギャップCW照射に対する発光特性の図である。入射レーザー(水平方向斜線部分)は、指向性であるが、透過レーザーの周辺を揺らめく白色光発光(垂直方向斜線部分)を誘起する。残りの発光PL(破線の矢)は、上記のバンドギャップ励起よりも数桁低い。
(A)本発明の灰色の矢(725−1050nm)で示される種々の励起波長に対する白色光発光スペクトルの図である。曲線は、垂直方向に並置され、簡潔さのため水平方向にシフトしている。(B)本発明の980nmでのCW励起での70Kから325Kまでの範囲の種々の試料温度に対する白色光発光スペクトルの図である。
本発明の粉末[(RdelocSn)4S6]の反射光学顕微鏡明視野像の図である。(A〜D)拡大像:クラスター粉末をカバースリップ上に分散し、別のカバースリップで覆う。
本発明の異なるポンプ密度に対して得られる各色温度に対応する正規化発光出力のプロットの図である。比較のため、熱エミッターに対して期待されるステファン・ボルツマン法則に従うT4依存を示す(陰影線)。
本発明のSiの機能化特性の組成的および構造的物性評価の図である。(A)EDXスペクトル。(B)クラスター分子の空間充填像を重ねた、Si基板上のクラスターの高解像度顕微鏡写真。(C)EDXラインスキャン。Sデータの散乱は、S関連EXDシグナルノイズ比に対する低シグナルにより引き起こされる。
表1 − 本発明の算出[(RSn)4S6]クラスターの全エネルギーの図である。[Sn4S6]スカフォールドは、ヘテロアダマンタンかダブルデッカー型のトポロジーを有する(図7参照)。
表2 − 本発明の算出構造パラメーターの図である。所与のデータは、ヘテロアダマンタン型[Sn4S6]トポロジーに基づく[(RdelocSn)4S6の最小幾何形状の構造パラメーターを表す。
表3 − 本発明の図3に示すスペクトルをシミュレートするために使用したパラメーターの図である。
本発明の化合物[(PhT)4S6]:4(T=Sn)、5(T=Ge)、および6(T=Si)の熱重量分析(TGA)の図である。
本発明の固体状態UV−可視スペクトルの図である。上:化合物2、3および4のスペクトル。下:化合物4、5および6のスペクトル。
上:本発明の比較のため垂直方向に並べてプロットした、化合物1、2、3、4および5のX線粉末回折図である。下:本発明の単結晶構造からシミュレートした粉末パターンと比較した、化合物6のX線粉末回折図である。実測とシミュレートの回折図間でのわずかな角度のシフトは、単結晶測定が100Kで行われ、一方、粉末回折図は293Kで測定されたためと考えられる。
表4 − 本発明の6のX線データ収集、構造解および精緻化データの図である。
本発明の[100](上)、[010](中)、および[001](下)の視点による2x2x2スーパーセルとして示される、6の分子のパッキングの図である。H原子は簡潔さのため省略されている。Si、S、およびC原子は、隅に位置している。無機コアを有するクラスタースカフォールドは、線で描かれ、異なる方向の隣接クラスター分子の相対位置を示す。フェニル環相対配向は、π重なり相互作用を示さない。
表5 − 本発明の「ダブルデッカー」型クラスター(DD)からの算出ヘテロアダマンタン型クラスター(AD)の全エネルギーの引き算の図である。(Sty=para−スチリル、Np=1−ナフチル)、代替品に対するヘテロアダマンタン型スカフォールドのエネルギー優先を示す。
本発明の化合物4、5(a、b)および6(c)の顕微鏡写真の図である。
本発明の定常状態非線形応答のスペクトル分解測定の設定の図である。
本発明のX線回折試験による[(PhSi)4S6](6)の(左)結晶構造(線表示、H原子なしで示される)および(右)分子構造(70%の確率レベルで描かれた楕円体)のフラグメントの図である。選択された構造パラメーター[Å、度]:Si−S、2.1184(5)−2.1476(5);C−Si、1.854(1)−1.855(1);Si−S−Si、102.86(2)−104.25(2);S−Si−S、111.29(2)−113.27(2);C−Si−S、103.85(5)−108.50(5)。
本発明の励起波長980nmで測定した発光スペクトルの図である。化合物2および3は、強いSHGを示す。化合物1および4は、強い白色光発光(3倍に拡大されている)を示す。
本発明の励起波長980nmで測定したスペクトルの図である。非晶質化合物4および5(破線)は、強い白色光発光を示す。結晶化合物6は、強いSHGを示す。

実施例

0045

合成および物性評価方法
すべての操作をアルゴン雰囲気下で行った。他のすべての溶媒と同様に、アセトンを使用前に乾燥し、新たに蒸留した。蒸留水を使用前に新たに脱ガスした。最新の方法に従い、トリクロロ(4−ビニルフェニル)スズ(RdelocSnCl3、Rdeloc=4−(CH2=CH)−C6H4)(A)を調製した。[(MeSn)4S6](2)、[(NpSn)4S6](3、Np=1−ナフチル)、[(StySn)4S6](1、Sty=para−スチリル)、および[(PhSn)4S6](4)も最新の方法により調製した。Na2S・9H2Oおよび他のすべての試薬は、Sigma−Aldrichから購入する。

0046

融点は、Kruss KSP1N融点装置を用い、密封ガラス管で測定した。核磁気共鳴(1H NMR、13C NMR、29Siおよび119SnNMR)測定は、Bruker DRX 300MHzおよびDRX 500 MHz分光計を使用し、298Kで実施した。化学シフトは、1H NMRおよび13C NMRで重水素化溶媒の残りのプロトンに対して、ppmで表わした。119Snおよび29SiNMR測定外標準としてMe4Snを用いた。赤外(IR)スペクトルは、Bruker Tensor 37を用い測定した。ESI−MS測定は、Thermo Fischer ScientificsLTQ−FT Ultra質量分析計で実施した。エネルギー分散X線分光分析EDXは、電子顕微鏡CamScan CS 4DVと組み合わせたNoran InstrumentsのEDXデバイスVoyager 4.0を用いて実施した。データ取得は、加速電圧20kVおよび100s蓄積時間を用い実施した。元素分析は、Elementarvarioマイクロ装置を用い実施した。μRFAは、Bruker Tornado M4を用い行う。

0047

1,3,5,7−テトラキス(4−ビニルフェニル)−2,4,6,8,9,10−ヘキサチア−1,3,5,7−テトラスタナ(tetrastanna)−アダマンタン、[(RdelocSn)4S6]1の合成および物性評価
Na2S・9H2O(0.55g、2.3mmol)を、水5mLとアセトン5mLの混合物に溶解した。トリクロロ(4−ビニルフェニル)スズ(A;RdelocSnCl3、Rdeloc=4−(CH2=CH)−C6H4)、0.50g、1.5mmol)/アセトン3mLの溶液を268Kの温度で滴下した。これをこの温度で15分間撹拌した。得られた無色の沈殿をろ過し、水で洗浄し、高真空で乾燥して均一な微細粉末を得た。

0048

収量:0.36g(0.33mmol、88%);融点:観察されない(573K以上で徐々に分解);1H-NMR(300MHz,DMF-d7): δ 7.80-8.22 p.p.m. (m, 8H), 7.46-7.69 (m, 8H, Ph), 6.79 (dd, J =
10.9, 17.8 Hz, 4H, CH), 5.92 (d, J = 17.8 Hz, 4H, CH2), 5.30 (d, J
=10.9 Hz, 4H, CH2); 13C-NMR (75 MHz, DMF-d7): δ 114.94, 126.36, 135.03, 135.32, 136.92, 138.94; 119Sn-NMR
(187 MHz, DMF-d7): δ -258; IR: 2849 (w),
1626 (w), 1586 (w), 1547 (w), 1490 (w), 1386 (m), 1295 (w), 1185 (w), 1068 (w),
1024 (w), 1011 (w), 986 (m), 911 (m), 824 (s), 728 (w), 632 (w), 585 (m), 449
(s) cm-1; HRMS (m/z; 図5参照: [M+Na]+ C32H28S6Sn4Naの計算値, 1102.6497;実測値, 1102.6488;分析(C32H28S6Sn4の%計算値, %実測値): C
(35.60, 35.54), H (2.61, 2.23), S (17.81,17.34); EDX (S6Sn4の計算値, 実測値): S (1.00, 1.00), Sn (0.67, 0.65).

0049

化合物は本質的に非晶質であるので、提案の分子幾何形状は、DFT計算により算出し、検証した(以下参照)。

0050

1,3,5,7−テトラフェニル−2,4,6,8,9,10−ヘキサチア−1,3,5,7−テトラシラナ(tetrasilana)−アダマンタン、[(PhSi)4S6]の合成
無水硫化ナトリウムNa2S(0.906g、11.6mmol)を、テトラヒドロフラン(18mL)に懸濁した。0℃の温度で、フェニルトリクロロシランPhSiCl3(1.61g、7.75mmol)を撹拌下で滴下した。2時間後に、反応を室温で22時間続けた。溶媒を蒸発させ、残渣をトルエン(18mL)で抽出した。溶媒をゆっくり蒸発させ、生成物単結晶材料として分離した。

0051

収量:0.38g(0.62mmol、PhSiCl3を基準とする単結晶の収率33%)。1H NMR(300MHz, CDCl3, 25℃): 7.49 - 7.93 (m, 20H) ppm. 13C NMR (75 MHz, CDCl3,
25℃): 129.1, 132.6, 133.1, 135.2 ppm. 29Si
NMR (99 MHz, CDCl3, 25℃): 8.5 ppm. IR: 442(w),
454 (w), 473(s), 492(m), 508(m), 555(s), 619(m), 688(s), 703(s), 738(s),
794(s), 863(m), 915(w), 925(w), 998(s), 1014(s), 1087(s), 1106(s), 1184(w),
1258(s), 1302(s), 1334(s), 1426(m), 1484(s), 1587(s), 2962(m), 3043(w), 3066(w)
cm-1.分析(C24H20S6Si4の%計算値, %実測値): C
(36.43, 35.91), H (2.55, 2.52). μRFA(S6Si4の計算値, 実測値): S (1.00, 1.00), Si (0.67, 0.66).

0052

1,3,5,7−テトラフェニル−2,4,6,8,9、10−ヘキサチア−1,3,5,7−テトラゲルマナ(tetragermana)−アダマンタン、[(PhGe)4S6]の合成
フェニルトリクロロゲルマンPhGeCl3(1.52g、5.93mmol)を、硫化ナトリウム水和物Na2S・9H2O(2.12g、8.90mmol)/水(10mL)+アセトン(8mL)の溶媒混合物の溶液に室温で添加した。得られた白色の沈殿をろ過し、水で洗浄した。

0053

収量:0.63g(0.80mmol、PhGeCl3を基準として42%)。1H NMR(300MHz,DMF-d7, 25℃): 7.41-8.04 (m, 20H) ppm. 13C NMR (75 MHz, DMF-d7, 25℃): 130.4, 131.7, 133.0, 133.9 ppm. IR: 420(m), 457(m), 537(m),
617(w), 690(s), 732(s), 815(s), 834(m); 883(w), 929(m), 996(w), 1024(w),
1087(w), 1099(w), 1159(w), 1184(w), 1260(w), 1305(w), 1332(w), 1432(m),
1438(w), 3050(w), 3070(w) cm -1.分析(C24H20Ge4S6の%計算値, %実測値): C
(36.43, 36.40), H (2.55, 2.64). μRFA(Ge4S6の計算値, 実測値): Ge (0.67, 0.64), S (1.00, 1.00).

0054

1,3,5,7−テトラフェニル−2,4,6,8,9,10−ヘキサチア−1,3,5,7−テトラゲルマナ−アダマンタン、[(PhGe)4S6](5)の合成
フェニルトリクロロゲルマンPhGeCl3(1.52g、5.93mmol)を、硫化ナトリウム九水和物Na2S・9H2O(2.12g、8.90mmol)/水(10mL)+アセトン(8mL)の溶媒混合物の溶液に室温で添加する。得られる白色の沈殿をろ過し、水で洗浄する。

0055

収量:0.63g(0.80mmol、PhGeCl3を基準として42%)。1H NMR(300MHz,DMF-d7, 25℃): 7.41-8.04 (m, 20H) ppm. 13C NMR (75 MHz, DMF-d7,
25℃): 130.4, 131.7, 133.0, 133.9 ppm. IR: 420(m),
457(m), 537(m), 617(w), 690(s), 732(s), 815(s), 834(m); 883(w), 929(m), 996(w),
1024(w), 1087(w), 1099(w), 1159(w), 1184(w), 1260(w), 1305(w), 1332(w),
1432(m), 1438(w), 3050(w), 3070(w) cm-1.分析(C24H20Ge4S6の%計算値, %実測値): C
(36.43, 36.40), H (2.55, 2.64). μRFA(Ge4S6の計算値, 実測値): Ge (0.67, 0.64), S (1.00, 1.00).

0056

1,3,5,7−テトラフェニル−2,4,6,8,9,10−ヘキサチア−1,3,5,7−テトラシラナ−アダマンタン、[(PhSi)4S6](6)の合成
無水硫化ナトリウムNa2S(0.906g、11.6mmol)を、テトラヒドロフラン(18mL)に懸濁する。0℃の温度でフェニルトリクロロシランPhSiCl3(1.61g、7.75mmol)を撹拌下で滴下する。2時間後に、反応を室温で22時間継続する。溶媒を蒸発させ、残渣をトルエン(18mL)で抽出した。溶媒をゆっくり蒸発させ、生成物を単結晶材料として分離する。

0057

収量:0.38g(0.62mmol、PhSiCl3を基準とする単結晶収率33%)。1H NMR(300MHz, CDCl3, 25℃): 7.49-7.93 (m, 20H) ppm. 13C NMR (75 MHz, CDCl3,
25℃): 129.1, 132.6, 133.1, 135.2 ppm. 29Si
NMR (99 MHz, CDCl3, 25℃): 8.5 ppm. IR:
442(w), 454 (w), 473(s), 492(m), 508(m), 555(s), 619(m), 688(s), 703(s),
738(s), 794(s), 863(m), 915(w), 925(w), 998(s), 1014(s), 1087(s), 1106(s),
1184(w), 1258(s), 1302(s), 1334(s), 1426(m), 1484(s), 1587(s), 2962(m),
3043(w), 3066(w) cm-1.分析(C24H20S6Si4の%計算値, %実測値): C
(36.43, 35.91), H (2.55, 2.52). μRFA(S6Si4の計算値, 実測値): S (1.00, 1.00), Si (0.67, 0.66).

0058

熱重量分析(TGA)および示差走査熱量測定(DSC)
TGA/DSC測定値を、Netzsch STA 400を用い、Al2O3るつぼで、Ar雰囲気下、10K/minの昇温速度で同時に実施した。化合物は、573K以上で徐々に分解(吸熱プロセス)する(図6参照)。分解は、灰色粉末の生成により視覚的にも観測可能である。最大の質量損失は、約603Kで観察される。質量損失は、おそらく有機フラグメントの除去が主原因である。643Kで、有機周辺部の除去のスピードは減少し、低速プロセスとして継続する。

0059

活性Ar雰囲気での化合物の熱分解は、図16に示されるように約220℃(2)、270℃(3)、285℃(1)、250℃(4)、310℃(5)および370℃(6)で観察される。すべての場合で、分解は吸熱プロセスである。

0060

量子化学調査の方法
密度汎関数理論(DFT)計算では、BP86汎関数およびグリッドサイズm3を有するRIDFTプログラムを使用する、プログラムシステムTURBOMOLEVersion7.0を用いた。基本設定は、def2−TZVP品質のものであった。Sn原子に対しては、エフクティブコアポテンシャル(effective core potentials)(ECP−28)を用いてきた。幾何形状および電子構造同時最適化時に対称制限はなかった(すなわち、C1対称)。構造の精度は、方法の通常の誤差内であった。電子励起は、ESCFプログラムを使用してプログラムシステム内で算出した。

0061

構造異性体の量子化学調査
得られた合算式(RdelocSn)4S6では、有機硫化スズクラスターに対し、2つの異性体が存在する。1つの異性体は、擬似Td対称を有するヘテロアダマンタン型スカフォールドを示す。他の異性体は、擬似D2対称を有するダブルデッカー型様スカフォールドを示す(図7参照)。DFT計算は、ヘテロアダマンタントポロジーが、約28kJ/molだけエネルギー的に有利であることを示す(表1、図13参照)。この理由から、発明者らは、ヘテロアダマンタン型スカフォールドのみが室温で存在すると推測する。これは、報告されているフェニル置換有機硫化スズクラスター(R’Sn)4S6(R’=C6F5、2,4,6−(CH3)3C6H2、4−(CH3)C6H4)と一致する。対応するC−Sn結合の軸での1つの有機配位子の180°の回転は、0.1kJ/mol未満の全エネルギーに小さな影響を及ぼす。構造データを表2、図14に示す。

0062

最も安定な異性体の時間依存DFT(TD−DFT)計算が得られる、最低三重項および一重項励起の計算は、観察される光学吸収挙動と完全に一致する。最低の一重項励起は、3.15eVを示す。最低の三重項励起は、2.80eVを示し、この場合、電子交換エネルギーが得られるため、0.3eVだけ低いエネルギー側へシフトする。より高い三重項励起では、エネルギーは、非調和ポテンシャルのシミュレーションで使われた13.46eVのイオン化エネルギーとよく一致する12eV超に収束する。

0063

線形光学吸収分光法
線形光学吸収挙動は、Varian Cary5000分光計を用い、周囲条件下、反射モードの粉末として測定し、UV−可視光分光法で評価した。試料スペクトル図17に示す。

0064

X線粉末回折
化合物1〜5の非晶質の性質ならびに化合物6の結晶化度を確認するために、すべての試料をX線粉末回折により調査する。回折図を図18に示す。粉末X線回折パターンは、Mythen 1Kシリコンストリップ検出器およびCu−Kα(λ=1.54056Å)X線源を取り付けたStoe社のStadiMP回折計で測定する。試料は、スコッチテープ(3M)の2層間の透過で測定する。

0065

化合物6の単結晶X線結晶解析
X線回折分析のデータは、100Kでのグラファイト単色化(λ=0.71073Å)を有するMoKα照射を使用するSTOEイメージングプレート検出器システムPDS2を取り付けた回折計で収集する。構造解は、SHELXTLソフトウェアを使用し、F2に対するフルマトリック最小二乗法精緻化の直接法により実施する。表4(図19)は、データ収集および精緻化の詳細を概説する。

0066

密度汎関数理論(DFT)計算
化合物1〜6の量子化学調査の方法:DFT計算では、BP86汎関数およびグリッドサイズm3を有するRIDFTプログラムを使用するプログラムシステムTURBOMOLEVersion6.5が用いられる。基本設定は、def2−TZVP品質のものである。GeおよびSn原子に対しては、エフェクティブコアポテンシャル(ECP−28)を用いる。幾何形状および電子構造の同時最適化は、対称制限なしで行う(C1対称)。構造の精度は、方法の通常の誤差内である。

0067

得られた一般合算式[(RT)4S6](T=Si、Ge、Sn)では、有機テトレルスルフィドクラスターに対し、2つの異性体が存在する。1つの異性体は、擬似Td対称を有するヘテロアダマンタン型スカフォールドを示し、他の異性体は、疑似D2対称を有するダブルデッカー型様スカフォールドを示す。DFT計算は、ヘテロアダマンタントポロジーが、種々の置換基(R=H、Me、Ph)を有するすべての場合に20.7〜41.0kJだけエネルギー的に有利であることを示す。化合物1〜6に対し、計算値を表5(図21)に示す。化合物5では、ヘテロ−アダマンタンスカフォールドが、19.2kJ/molだけエネルギー的に有利である。この理由のため、理論に拘するものではないが、ヘテロアダマンタン型スカフォールドのみが、室温で存在すると推測することができる。

0068

角度分解分光法
角度分解分光法は、励起のために980nm、200mW連続波レーザーモジュールを使用して実施した。平行レーザーは、5cm焦点距離レンズを使用して試料上に集光させた(図8のA参照)。試料を小さな真空チャンバー内に入れ、室温(293K)で真空に保った。残りの透過レーザー光は、3mm Schott KG3熱保護フィルターガラスを使用して遮断した。次いで、試料から発光される光を、直径200μmの0.12開口数(NA)光ファイバーにより捕集した。回転の中心が、試料への入射レーザー焦点と一致するように、ファイバーを取り付けた。発光される光の色分散および検出は、トレーサブルタングステンハロゲン標準源を使用して慎重較正されたコンパクト分光計(OceanOptics USB2000)を使用して実施した。

0069

時間分解光ルミネセンス分光法
図8のAに示す検出用ストリークカメラを使用する共焦点顕微鏡設定で時間分解光ルミネセンス分光(TRPL)を実施した。励起のために、我々は、78MHzの反復率を有するTi:サファイアレーザー発振器からの100−fsパルスを使用した。その本質的作動範囲を拡張して、パルス周波数を2倍または3倍にすることができる。0.5NA反射顕微鏡対物レンズを使用して、パルスを試料に集光する。試料をクリオスタット内で真空に保つ。すべての測定は、室温(293K)で行う。試料からの発光は、同じ対物レンズを使用する反射配置で平行になり、次いで電荷結合素子(CCD)カメラか、Czerny−Turner−型分光計の入口スリットのどちらかに像を造る。空間解像度<5μmをCCDカメラによる光学制御のために実現した。色分散は、500nmのブレーズ角を有する40g/mmグレーティングを使用して実施した。時間分解は、標準同期走査型Hamamatsuストリーク−カメラで行った。この設定により、時間分解は1.5ps、全時間ウィンドウは1.5nsである。

0070

定常状態白色光分光法
定常状態白色光発光分光法は、TRPLと同じ光学パスおよび試料ホルダーを使用して実施した。Ti:サファイアレーザーの代わりに、連続波モードで作動する980nm、200mWレーザーダイオードモジュールを励起のために使用した。VIS/NIRスペクトル範囲での検出では熱電冷却Si−CCDカメラを使用する。NIR/IR範囲での検出では、熱電冷却(Ga、In)As−CCDカメラを使用する。カメラをTRPL実験で使用したのと同じ画像分光計の第2の出力ポートに取り付ける。しかし、この場合は、ブレーズ角500nmの122溝/mmを有するグレーティングを使用する。

0071

スペクトル応答補正
すべての設定は、測定スペクトルからCIE値を誘導するため、スペクトル応答特性用の拡張可視光スペクトル範囲(300〜1100nm)で補正した。したがって、2000Kの固定温度を有する標準トレーサブルタングステンハロゲンランプを試料と同等の位置に取り付ける。次いで、2000Kの供給黒体スペクトルおよび誘導した補正因子と比較して、TRPLと定常状態ルミネセンス設定の両方を用い、ランプのスペクトルを記録した。

0072

励起波長の影響
励起波長の影響を調べるために、725〜1050nmの範囲の様々な波長に調整したTi:サファイアレーザーを使用して、白色光の複数のスペクトルを得た。これらのすべてのスペクトルでは、レーザーは、モードロックではなく、CWモードで操作した。得られたスペクトルを図9、Aに示すが、励起波長への大きな依存性はない。

0073

試料温度の影響
白色光源として熱的発光を除外するため、様々な試料温度での複数のスペクトルは、励起用の980nm、200mWレーザーダイオードの定常状態設定を使用して得た。すべての測定に対して、励起密度を一定に保った。この場合、他のすべての測定と対照的に、試料をフロークリオスタット中の液体窒素で冷却した。得られたスペクトルを図9、Bに示す。スペクトル線の形に大きな変化は見られず、純粋な熱プロセスは除外される。純粋な熱プロセスは、様々なポンプ密度に対して観察されるものと同様のスペクトル形の変化を生じるからである。

0074

光学顕微鏡
超連続体を発生するために用いられるクラスター粉末層の明視野像は、反射配置の標準顕微鏡(Askania RMA5)を使用して得た。像は、Panasonic KR222CCD−カメラを使用して記録した。試料調製では、粉末をカバースリップ上で分散し、次いで別のカバースリップで被覆した。約100μmのより長い範囲のスケールでは、粉末層は、完全に覆われた領域間に何もない領域を有し、非常に不均一である(図10、A参照)。しかし、完全に覆われた領域では、粒径は、<1μm〜最大約5μmで異なることがわかった(図10、B−D参照)。

0075

化合物4、5および6の顕微鏡写真は、標準CMOSカメラを装着した実体顕微鏡(Carl Zeiss−STEMISV6)で撮影する。化合物4および5は、非晶質粉末として得られる(図22、a/b参照)。化合物6は、図22、cに示すように大きな微結晶である。

0076

非線形光学応答の測定
試料の非線形応答を図23に示す設定を使用して測定する。粉末を10−3mbar未満の圧力でBK7ウィンドウを有する小さな真空セル内に保つ。共焦点配置の0.5NA反射顕微鏡対物レンズを使用して、レーザーダイオードからの連続波980nm光を試料上に集光する。再平行ビーム熱線吸収フィルター(Schott KG3)を使用して、残りのポンプレーザーを遮断する。次いで、残りの光、白色光または第二高調波を、分散スペクトルが熱電冷却裏面照射型ディープディプレッションシリコン電荷結合素子アレイセンサを使用して検出される、Czerny−Turner型分光計の入口スリットに集光する。

0077

変換効率
試料がかなり不均質であり、粒径が(サブ)μm範囲であるので、ミー散乱レイリー散乱はどちらも非常に効率的である(上記および図10光学顕微鏡観察を参照)。このため、変換効率を決定するのに大きな不確実性が生じる。したがって、超連続体に変換される実際の正味ポンプ強度を決定することは特に困難である。不確実性を評価し、任意のシステム的なエラーを避けるために、発明者らは、いくつかの独立した方法で、異なる測定により、変換効率を決定して、最良と考えられる変換効率の推定を行った。すべての場合に、980nmに調整した連続波Ti:サファイアレーザーを励起のために使用した。レーザーを1”直径レンズを使用して集光し、試料を2つのカバースリップ間に保った。

0078

最初の方法として、前方方向のみで効率を測定した。高感度熱出力メータ(Thorlabs S401C)を試料の後ろに置いた。この方法の利点は、検出器に影響を及ぼす出力密度が比較的高く、発光出力の正確な推測が得られることである。望ましい出力のみを確実に測定するために、様々なフィルターを検出器の前に設置した。すなわち、3mmの厚さのSchott色ガラスフィルター(RG850)がレーザー強度識別し、5桁以上の大きさの除去率を有する900nmカットオフハードコートショートパスフィルタが、白色光発光を測定するために使われた。この結果、ビームパスに試料を置かず、2つのカバースリップのみで400mWの出力が得られた。ビームパスに試料を挿入すると、290mWに減少する。しかし、試料は当初焦点からずれて取り付けられ、そのため、励起密度は、超連続体閾値以下であり、白色光の発光は生じない。この透過レーザー出力損失は、試料の効率的散乱のためである。試料に集光し、超連続体閾値を超えると、1.6mWおよび7.36mWの出力が、それぞれ白色光および残りのレーザーに対して測定される。この結果、約0.5%の効率が得られるが、試料を焦点に移動させて、励起スポットサイズを変えても、散乱が変化し、したがって、効率の過小評価になる。

0079

後方散乱を説明するために、発明者らは、20cm直径の積分球を用いた。このことは散乱による誤差を減らすが、透過と散乱の寄与を分離することはできず、検出器の出力密度は、より低くなり、測定出力の不確実性がより大きくなる。この設定により、超連続体閾値以下では、直径5mmの出力ポートに2.1mWのレーザー出力を生じる。閾値以上では、発明者らは、白色光に対し280μW、残りのレーザーに対し750μWの出力を得て、効率20.74±5.51%を生じる。

0080

これらの値を支持するために、発明者らは、較正したSi−ダイオード系出力メータを使用して測定を繰り返した。この結果、より大きい感度のために出力決定の精度が確実に高まるが、適切なスペクトル応答を考慮する必要がある。したがって、発明者らは、440±10nmまたは632.8±3nmの透過を有する2つの帯域フィルターを使用して、2つの異なるスペクトル領域の出力を測定した。これらの値は、対応する発光スペクトルを用いて計測することによって、全発光出力に比例して設定した。このように、それぞれ440nmフィルターおよび632nmフィルターを使用して16.71±10.96%および9.05±6.02%の超連続体効率が見出される。

0081

閾値
超連続体発生の開始および試料の破壊限界は、上記の定常状態白色光分光法設定と類似の設定で決定する。ここで、分光計をより高度なスループットシステムに置き換えた。これは、検出感度を4桁以上大きくするために必要である。駆動レーザーを0.00138cm2のスポットサイズに集光させた。白色光発生の開始は、約1mWで観察され、一方、試料は、約70〜80mW超で劣化した。この結果、超連続体発生の開始に対し、閾値0.7W/cm2、破壊閾値50W/cm2を生じる。

0082

熱黒体エミッターとの比較
白色光源としての熱放射をさらに除外するために、ポンプ密度依存シリーズで得られたすべてのスペクトルに対するそれぞれの色温度を算出した。次いで、あらゆる色温度に対する発光出力をそれぞれのスペクトルを組み込むことにより見積もった。

0083

スペクトルを測定するために使用する設定で、発光出力の絶対値は得られない。したがって、相対出力のみを比較することができる。色温度に対してプロットした正規化出力図11に示す。比較のため、白色光源が熱的である場合に期待される、ステファン・ボルツマンの法則によるT4依存もプロットした。

0084

さらに、化合物が573K以上で分解する(図6参照)ことから、熱プロセスは白色光照射源から除外することができる。したがって、観察されるスペクトルを発光するのに必要となるであろう約2000Kの範囲まで試料を加熱すると、最終的に試料の破壊が起きることになる。

0085

半導体表面上での固定化のための調製
新しく調製した水素末端Si(001)表面または酸化物末端GaAs(001)表面および10mgの1を、互いに隣り合わせてAr雰囲気下のガラス容器に入れた。容器を523Kで15分間加熱した。次いで、表面をTHFで洗浄し、高真空で乾燥し、アルゴン雰囲気で貯蔵した。測定のため、GaAs(001)およびSi(001)基板上の分子層の電子透明フォイルを、通常の機械研磨、次にGatan精密イオン研磨システムでの入射角4°を用いた両側からの5KeVアルゴンイオンミリングにより基板の[110]晶帯軸に調製した。試料上の非晶質材料の量を減らすために、1.7keVで最終研磨を実施した。

0086

Si(001)表面の電子顕微鏡観察
高角度環状暗視野法(HADF走査型TEM(STEM)の観察を二重収差補正JEOL 2200FSを用い、200kVで実施した。24mradのビーム収束半角を使用し、環状検出器を設置して73〜173mradの範囲に散乱した電子を収集した。STEMでのEDX分光法では、Bruker Quantax X−Flash検出器を使用した。クラスターは、図12からわかるように、H末端Si基板上に完全な非晶質層を形成する。この分子層は、側鎖を含む低Z炭素のため、より暗いコントラストの領域により基板から分離される。発明者らは、走査型TEM像から見られるコントラストと分子寸法の間に優れた一致を見出し、このことは自己限定成長を示唆する。クラスターの配列は、さらに、EDXラインスキャンにより確認される。

0087

白色光スペクトルシミュレーション
理論に拘泥するものではないが、白色光発生機構の背後にある原則の考えは、非調和分子基底状態ポテンシャルの加速電子からの再発光である。シミュレーションでは、電子に単純化した非調和ポテンシャル(U)の形を適用する。
U(x)=1/2mω02・x2+1/3ma・x3 (S1)

0088

式中、xは、極小ポテンシャルからの電子の伸度を表し、mは、電子質量であり、ω0は、オシレーターの通常モード、aは、非線形性の強度である。このポテンシャルは、復元力の形を生じる:
F(x)=−mω02・x−ma・x2 (S2)

0089

非線形性の概略推定を得るために、我々は、ミラーの法則を適用する、すなわち、オシレーターの大きさ(d)に等しい伸度にとっては、復元力に対する線形および非線形の寄与は同等になる。(S2)に大きさを挿入すると、aに対して次式を得る。

0090

0091

この置換を使用して、発明者らは、電子の運動の等式を得る。

0092

0093

式中、γは、放射損失により引き起こされる制動匹敵するオシレーターの復元力であり、E(t)は、駆動外部電場である。この微分方程式は、SciPy Phythonライブラリーのodeintアルゴリズムを使用して数値的に解く。計算は、0.1fsのステップサイズで100ps幅までの時間スケールで実施する。電場は、実験で使用するポンプレーザーの周波数を有する正弦波であると考えられた。使用した電界強度ならびに他方のパラメーターについては、表3、図15を参照のこと。電子の運動の算出後に、発明者らは、電子の振動に含まれる周波数成分を得るために、この運動のフーリエ変換を行う。最初の推定として、この周波数成分は、発光スペクトルに直接変換する。

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