図面 (/)

技術 癌関連障害の治療のためのアゾロピリミジン

出願人 アーカスバイオサイエンシズインコーポレイティド
発明者 ジョエルビーティーローランデビアンジェナジェフリーマンモハンレディレレティデバシスマンダルディロンマイルズジェイパワーズブランドンローゼンリアノントーマス-トランエヘサンシャリフ
出願日 2018年1月19日 (2年3ヶ月経過) 出願番号 2018-548449
公開日 2019年9月5日 (8ヶ月経過) 公開番号 2019-524638
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード オイル残留物 不溶固形分 一時的結合 アテニュエータ 抵抗機構 キャリア混合物 三酸化二ヒ素 バックフィル
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年9月5日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (0)

図面はありません

課題・解決手段

A2A及びA2Bアデノシンレセプターの少なくとも1つの阻害剤である化合物、及び、該化合物を含む組成物、及び、該化合物の合成方法は本明細書に記載される。アデノシンA2Aレセプター及び/又はアデノシンA2Bレセプターによって少なくとも部分的に媒介される癌及び免疫関連障害を含む、多様な疾患、障害及び状態の治療のためのこのような化合物及び組成物の使用。

概要

背景

発明の背景
アデノシンは、アデニンリボース糖分子リボフラノース)の複合体を含むプリンヌクレオシド化合物である。アデノシンは哺乳動物天然に存在し、エネルギー移動アデノシン三リン酸及びアデノシン一リン酸として)及びシグナル伝達環状アデノシン一リン酸として)を含むいくつかの生化学プロセスにおいて重要な役割を果たす。アデノシンは、心臓血管拡張を含む血管拡張に関連するプロセスにおいても機能し、神経調節物質として作用する(例えば、睡眠を促進することに関与すると考えられる)。これらの生化学プロセスへの関与に加えて、アデノシンは、例えば、上室性頻拍症治療するための治療的な抗不整脈薬として使用される。本明細書でさらに議論されるように、腫瘍は、免疫機能阻害し、寛容を促進することによって宿主応答を回避し、アデノシンは、免疫系の腫瘍回避を媒介する上で重要な役割を果たすことが示されている。種々の免疫細胞サブセット及び内皮細胞上に発現されるA2AR及びA2BRを介したアデノシンシグナル伝達は、炎症反応中に組織を保護する上で重要な役割を果たすとして確立されている。このように、ある条件下では、アデノシンは腫瘍を免疫破壊から保護する(例えば、Fishman, Pら(2009)Handb Exp Pharmacol 193:399-441を参照されたい)。

アデノシンレセプターは、内因性リガンドとしてアデノシンを有するプリン作動性Gタンパク質共役レセプタークラスである。ヒトにおける4種類のアデノシンレセプターは、A1、A2A、A2B及びA3と呼ばれる。A1の調節は、例えば、神経学的障害喘息ならびに心及び腎不全の管理及び治療のために提案されている。A2Aアンタゴニストは、例えば、パーキンソン病の管理及び治療のために提案されており、A2Bの調節は、例えば、喘息を含む慢性肺疾患の管理及び治療のために提案されており、A3の調節は、例えば、喘息及び慢性閉塞性肺疾患緑内障、癌及び脳卒中の管理及び治療のために提案されている。

歴史的に、アデノシンレセプターのモジュレータは非選択的である。これは、心臓組織中の4つのアデノシンレセプターのすべてに作用する内因性アゴニストアデノシンが、重度頻脈の治療のために非経口投与される場合のような、特定の適応症において許容されうる。しかしながら、サブタイプ選択的アデノシンレセプターアゴニスト及びアンタゴニストの使用は、副作用を最小化又は排除しながら所望の結果を達成する可能性を提供する。

このように、サブタイプの選択的アデノシンレセプターアゴニストの必要性が当該分野において存在する。本発明は、この必要性に対処し、関連する利点も提供する。

概要

A2A及びA2Bアデノシンレセプターの少なくとも1つの阻害剤である化合物、及び、該化合物を含む組成物、及び、該化合物の合成方法は本明細書に記載される。アデノシンA2Aレセプター及び/又はアデノシンA2Bレセプターによって少なくとも部分的に媒介される癌及び免疫関連障害を含む、多様な疾患、障害及び状態の治療のためのこのような化合物及び組成物の使用。

目的

しかしながら、サブタイプの選択的アデノシンレセプターアゴニスト及びアンタゴニストの使用は、副作用を最小化又は排除しながら所望の結果を達成する可能性を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
- 件
牽制数
- 件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

該当するデータがありません

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

式(I)(上式中、G1 はN又はCR3aであり、G2 はN又はCR3bであり、G3はN又はCR3cであり、R3a、R3b及びR3c は各々独立して、H、デューテリウム又はC1-3アルキルであり、R1a 及びR1b は各々独立して、 i)H又はデューテリウム、ii) 1〜3個のR5置換基により場合により置換されているC1-8 アルキル、iii) 1〜3個のR5 置換基より場合により置換されている-X1-O-C1-8 アルキル、iv)-C(O)-R6、v) 1〜3個のR7 置換基により場合により置換されているY、及び、vi) 1〜3個のR7 置換基により場合により置換されている-X1-Y、からなる群より選ばれ、又は、vii)R1a 及びR1b はそれらが結合している窒素とともに、5〜6員ヘテロシクロアルキル環を形成し、該環は1〜3個のR8 置換基により場合により置換されており、該ヘテロシクロアルキルはO、N及びSからなる群より選ばれる0〜2個の追加のヘテロ原子頂点を有し、各YはC3-8シクロアルキル又はO、N及びSからなる群より選ばれる1〜3個のヘテロ原子環頂点を有する4〜6員ヘテロシクロアルキルであり、R2 及びR4 は各々独立して、H、デューテリウム又はC1-3 アルキルであり、Ar1 はフェニル又は5〜6員ヘテロアリールであり、その各々は1〜3個のR9により場合により置換されており、Ar2 はフェニル又は5〜6員ヘテロアリールであり、その各々は1〜3個のR10により場合により置換されており、Ar1 及びAr2 の前記5〜6員ヘテロアリールは、各々独立して、O、N、N+-O- 及びSからなる群より選ばれる1〜3個のヘテロ原子環頂点を有し、各X1 はC1-6アルキレンであり、各R5 はヒドロキシル、C3-8 シクロアルキル、フェニル、-O-フェニル、-C(O)ORa 及びオキソからなる群より独立して選ばれ、各R6 はC1-8 アルキル又はYであり、その各々はヒドロキシル、-O-フェニル、フェニル及び-O-C1-8 アルキルからなる群より選ばれる1〜3個の置換基により場合により置換されており、各R7 はC1-8 アルキル、ヒドロキシル、-O-C1-8 アルキル、オキソ及びC(O)ORaからなる群より独立して選ばれ、各R8 はC1-8 アルキル、ヒドロキシル及びオキソからなる群より独立して選ばれ、各R9 はC1-8 アルキル、C1-8デュテロアルキル、-O-C1-8 アルキル、-O-C1-8 デューテロアルキル、-X1-O-C1-8 アルキル、-O-X1-O-C1-8 アルキル、-X1-O-X1-O-C1-8 アルキル、-C(O)ORa、ハロゲンシアノ、-NRbRc、Y、-X1-C3-8 シクロアルキル及び-X2-Zからなる群より独立して選ばれ、ここで、X2 はC1-6 アルキレン、-C1-6 アルキレン-O-、-C(O)-及び-S(O)2-からなる群より選ばれ、Z はO、N及びSからなる群より選ばれる1〜3個のヘテロ原子環頂点を有する4〜6員ヘテロシクロアルキルであり、そして前記R9 置換基の各々は1〜3個のR11により場合により置換されており、各R10 はC1-8 アルキル、C1-8 デューテロアルキル、ハロ、シアノ、-O-C1-8 アルキル、-O-C1-8 デューテロアルキル、-X1-O-C1-8 アルキル、-O-X1-O-C1-8 アルキル、-S(O)2-C1-6 アルキル、-C(O)NRdRe及びO、N及びSからなる群より選ばれる1〜3個のヘテロ原子環頂点を有する4〜6員ヘテロアリールからなる群より独立して選ばれ、ここで、前記R10 置換基の各々は1〜3個のR12 により場合により置換されており、又は、Ar2 の隣接環頂点にある2個のR10 は場合により組み合わされて、5員複素環式環を形成し、該環は1〜2個のハロゲンにより場合により置換されており、各R11 はヒドロキシル、ハロ、シアノ、-NRdRe、-C(O)ORa、フェニル、C3-8 シクロアルキル及びC1-4 アルキルからなる群より独立して選ばれ、それはC(O)ORaにより場合により置換されており、各R12 はハロ、シアノ、ヒドロキシ、-C(O)ORaからなる群より独立して選ばれ、そして各Ra はH、デューテリウム又はC1-6 アルキルであり、各Rb 及びRc はH、デューテリウム、C1-8 アルキル、-S(O)2-C1-6 アルキル、-C(O)ORa及び-X1-C(O)ORaからなる群より独立して選ばれ、各Rd 及びRe はH、デューテリウム、C1-8 アルキル、-S(O)2-C1-6 アルキルからなる群より独立して選ばれ、ただし、G1 及びG2 が各々Nであり、G3 がCHであり、R2 がCH3であり、そしてR1a 及びR1b が各々H又はデューテリウムであるときに、Ar2 は2-チエニル、フェニル、2-, 3-もしくは4-メトキシフェニル、3-もしくは4-ハロフェニル、2,4-ジメトキシフェニル、2,4-ジクロロフェニル又は2-もしくは4-メチルフェニル以外である)を有する化合物又はその医薬上許容されうる塩、水和物もしくは溶媒和物

請求項2

Ar1 は1〜3個のR9により場合により置換されている5〜6員ヘテロアリールである、請求項1記載の化合物。

請求項3

Ar1 は1〜3個のR9により場合により置換されているピリジル、ピリジルN-オキシドイミダゾリルピラゾリル及びチアゾリルからなる群より選ばれる、請求項2記載の化合物。

請求項4

Ar1 は1〜3個のR9により場合により置換されているピリジルである、請求項3記載の化合物。

請求項5

G3 はCR3cである、請求項1〜4のいずれか1項記載の化合物。

請求項6

式(I)の化合物は式(Ia)(上式中、nは0〜2の整数である)により表される、請求項1〜4のいずれか1項記載の化合物。

請求項7

式(I)の化合物は式(Ib)により表される、請求項1〜6のいずれか1項記載の化合物。

請求項8

Ar2 は1〜3個のR10 により置換されており、そして少なくとも1個のR10 はシアノである、請求項1〜7のいずれか1項記載の化合物。

請求項9

式(I)の化合物は式(Ic)(上式中、mは0〜2の整数である)により表される、請求項1〜8のいずれか1項記載の化合物。

請求項10

式(I)の化合物は式(Id)により表される、請求項1〜9のいずれか1項記載の化合物。

請求項11

各R9 はC1-8アルキル、C1-8デューテロアルキル、-O-C1-8 アルキル、-O-C1-8 デューテロアルキル、-X1-O-C1-8 アルキル、-O-X1-O-C1-8 アルキル、-X1-O-X1-O-C1-8 アルキルからなる群より独立して選ばれ、ここで、前記R9置換基の各々は1〜3個のR11により場合により置換されている、請求項1〜10のいずれか1項記載の化合物。

請求項12

各R9 は-C(O)ORa、-NRbRc、Y、-X1-C3-8シクロアルキル及び-X2-Zからなる群より独立して選ばれ、ここで、X2 はC1-6アルキレン、-C1-6 アルキレン-O-、-C(O)-及び-S(O)2-からなるより選ばれ、ZはO、N及びSからなる群より選ばれる1〜3個のヘテロ原子環頂点を有する4〜6員ヘテロシクロアルキルであり、そして前記R9置換基の各々は1〜3個のR11により場合により置換されている、請求項1〜10のいずれか1項記載の化合物。

請求項13

式(I)の化合物は式(Ie)により表される、請求項1〜11いずれか1項記載の化合物。

請求項14

G2 はNである、請求項1〜13のいずれか1項記載の化合物。

請求項15

G1 はNである、請求項1〜14のいずれか1項記載の化合物。

請求項16

G1 はCR3aである、請求項1〜14のいずれか1項記載の化合物。

請求項17

R2 はHである、請求項1〜16のいずれか1項記載の化合物。

請求項18

R4 はHである、請求項1〜17のいずれか1項記載の化合物。

請求項19

R1b はHである、請求項6〜18のいずれか1項記載の化合物。

請求項20

各R10 はC1-8アルキル、ハロ、シアノ、-O-C1-8 アルキル、-X1-O-C1-8 アルキル、-O-X1-O-C1-8 アルキルからなる群より独立して選ばれ、ここで、前記R10置換基の各々は1〜3個のR12により場合により置換されている、請求項6〜19のいずれか1項記載の化合物。

請求項21

各R10 はC1-8アルキル、ハロ、シアノ、-O-C1-8 アルキルからなる群より独立して選ばれる、請求項19記載の化合物。

請求項22

表1の化合物から選ばれる、請求項1記載の化合物。

請求項23

からなる群より選ばれる、請求項1記載の化合物。

請求項24

以下の式を有する、請求項1記載の化合物。

請求項25

請求項1〜24のいずれか1項記載の化合物及び医薬上許容されうる賦形剤を含む、医薬組成物

請求項26

アデノシンA2Aレセプター(A2AR)又はアデノシンA2B レセプター(A2BR)により少なくとも部分的に媒介される疾患、障害又は状態の治療方法であって、前記方法は請求項1〜24のいずれか1項記載の化合物を、該治療を必要とする対象に投与することを含む、方法。

請求項27

前記疾患、障害又は状態はA2ARにより少なくとも部分的に媒介される、請求項26記載の方法。

請求項28

前記疾患、障害又は状態はA2BR により少なくとも部分的に媒介される、請求項26記載の方法。

請求項29

前記疾患、障害又は状態はA2AR 及びA2BRレセプターの両方により少なくとも部分的に媒介される、請求項26記載の方法。

請求項30

前記化合物はA2AR-媒介免疫抑制の進行を逆行させ又は停止させるために有効な量で投与される、請求項27記載の方法。

請求項31

前記疾患、障害又は状態は癌である、請求項26〜30のいずれか1項記載の方法。

請求項32

前記癌は前立腺結腸直腸膵臓子宮頸部子宮内膜、脳、肝臓膀胱卵巣精巣、頭部、頚部、皮膚(メラノーマ及び基底癌を含む)、中皮内壁白血球リンパ腫及び白血病を含む)、食道乳房筋肉結合組織小細胞肺癌及び非小細胞肺癌を含む)、副腎甲状腺腎臓又は骨の癌であるか、又は、神経膠芽腫中皮腫腎細胞癌胃癌肉腫カポジ肉腫を含む)、絨毛癌、皮膚基底細胞癌又は睾丸セミノーマである、請求項31記載の方法。

請求項33

前記癌はメラノーマ、結腸直腸癌膵臓癌乳癌前立腺癌肺癌、白血病、脳腫瘍、リンパ腫、卵巣癌、カポジ肉腫、腎細胞癌、頭頸部癌及び食道癌からなる群より選ばれる、請求項31記載の方法。

請求項34

前記疾患、障害又は状態は免疫関連疾患、障害又は状態である、請求項26〜30のいずれか1項記載の方法。

請求項35

請求項36

請求項1〜24のいずれか1項記載の化合物及び少なくとも1種の追加の治療剤を含む、組み合わせ物

請求項37

前記少なくとも1種の追加の治療剤は、化学療法剤、免疫及び/又は炎症調節剤、抗高コレステロール血症剤、抗感染剤又は放射線である、請求項36記載の組み合わせ物。

請求項38

前記少なくとも1種の追加の治療剤は免疫チェックポイント阻害剤である、請求項36記載の組み合わせ物。

請求項39

前記免疫チェックポイント阻害剤はPD1、PDL1、CTLA4、TIGIT又はTIM3のうちの少なくとも1つの活性遮断する、請求項38記載の組み合わせ物。

請求項40

前記免疫チェックポイント阻害剤はPD1又はPDL1の活性を遮断する、請求項39記載の組み合わせ物。

請求項41

前記免疫チェックポイント阻害剤はニボルマブ、ペンブロリズマブ、ランブロリズマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ及びデュルバルマブからなる群より選ばれる、請求項40記載の組み合わせ物。

請求項42

TIGITの活性を遮断する追加の治療剤をさらに含む、請求項40又は41記載の組み合わせ物。

請求項43

前記追加の治療剤は、そのリガンドを活性化することによってTIGITの活性を遮断する、請求項42記載の組み合わせ物。

請求項44

前記免疫チェックポイント阻害剤はTIGITの活性を遮断する、請求項38記載の組み合わせ物。

請求項45

前記免疫チェックポイント阻害剤はそのリガンドを活性化することによってTIGITの活性を遮断する、請求項44記載の組み合わせ物。

請求項46

化学療法剤をさらに含む、請求項38〜45のいずれか1項記載の組み合わせ物。

請求項47

前記化学療法剤は白金系又はアントラサイクリン系化学療法剤を含む、請求項46記載の組み合わせ物。

請求項48

前記化学療法剤はシスプラチンカルボプラチンオキサリプラチン及びドキソルビシンからなる群より選ばれる、請求項47記載の組み合わせ物。

請求項49

放射線をさらに含む、請求項38〜48のいずれか1項記載の組み合わせ物。

請求項50

前記少なくとも1種の追加の治療剤は化学療法剤である、請求項36記載の組み合わせ物。

請求項51

前記化学療法剤は白金系又はアントラサイクリン系化学療法剤である、請求項50記載の組み合わせ物。

請求項52

前記化学療法剤はシスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン及びドキソルビシンからなる群より選ばれる、請求項51記載の組み合わせ物。

請求項53

放射線をさらに含む、請求項51又は52記載の組み合わせ物。

請求項54

対象における癌の治療方法であって、有効量の請求項1〜24のいずれか1項記載の化合物及び少なくとも1種の追加の治療剤を前記対象に投与することを含む、方法。

請求項55

前記少なくとも1種の追加の治療剤は化学療法剤、免疫及び/又は炎症調節剤、抗高コレステロール血症剤、抗感染剤又は放射線である、請求項54記載の方法。

請求項56

前記少なくとも1種の追加の治療剤は免疫チェックポイント阻害剤である、請求項54記載の方法。

請求項57

前記免疫チェックポイント阻害剤はPD1、PDL1、CTLA4、TIGIT又はTIM3のうちの少なくとも1つの活性を遮断する、請求項56記載の方法。

請求項58

前記免疫チェックポイント阻害剤はPD1又はPDL1の活性を遮断する、請求項57記載の方法。

請求項59

前記免疫チェックポイント阻害剤はニボルマブ、ペンブロリズマブ、ランブロリズマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ及びデュルバルマブからなる群より選ばれる、請求項58記載の方法。

請求項60

TIGITの活性を遮断する追加の治療剤をさらに含む、請求項58又は59記載の方法。

請求項61

前記追加の治療剤はそのリガンドを活性化することによってTIGITの活性を遮断する、請求項60記載の方法。

請求項62

前記免疫チェックポイント阻害剤はTIGITの活性を遮断する、請求項56記載の方法。

請求項63

前記免疫チェックポイント阻害剤はそのリガンドを活性化することによってTIGITの活性を遮断する、請求項62記載の方法。

請求項64

化学療法剤をさらに含む、請求項56〜63のいずれか1項記載の方法。

請求項65

前記化学療法剤は白金系又はアントラサイクリン系化学療法剤を含む、請求項64記載の方法。

請求項66

前記化学療法剤はシスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン及びドキソルビシンからなる群より選ばれる、請求項65記載の方法。

請求項67

放射線をさらに含む、請求項56〜66のいずれか1項記載の方法。

請求項68

前記少なくとも1種の追加の治療剤は化学療法レジメンである、請求項54記載の方法。

請求項69

前記化学療法レジメンは白金系又はアントラサイクリン系化学療法剤を含む、請求項68記載の方法。

請求項70

前記化学療法剤はシスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン及びドキソルビシンからなる群より選ばれる、請求項69記載の方法。

請求項71

放射線をさらに含む、請求項69又は70記載の方法。

請求項72

前記化合物及び前記少なくとも1種の追加の治療剤は組み合わせて投与される、請求項54〜71のいずれか1項記載の方法。

請求項73

前記化合物及び前記少なくとも1種の追加の治療剤は逐次的に投与される、請求項54〜71のいずれか1項記載の方法。

請求項74

前記化合物及び前記少なくとも1種の追加の治療剤の投与のための治療期間は重複する、請求項54〜71のいずれか1項記載の方法。

技術分野

0001

関連出願の相互参照
本出願は、2017年1月20日に出願された米国仮出願第62/448,608号及び2017年3月30日に出願された米国仮出願第62/479,005号に対する優先権の利益を主張し、その内容をすべての目的で参照により本明細書中に取り込む。

0002

連邦支援研究開発の下でなされた発明の権利に関する声明
適用なし

0003

コンパクトディスク登録された「配列表」、表又はコンピュータ
プログラム一覧付録の参照
適用なし

背景技術

0004

発明の背景
アデノシンは、アデニンリボース糖分子リボフラノース)の複合体を含むプリンヌクレオシド化合物である。アデノシンは哺乳動物天然に存在し、エネルギー移動アデノシン三リン酸及びアデノシン一リン酸として)及びシグナル伝達環状アデノシン一リン酸として)を含むいくつかの生化学プロセスにおいて重要な役割を果たす。アデノシンは、心臓血管拡張を含む血管拡張に関連するプロセスにおいても機能し、神経調節物質として作用する(例えば、睡眠を促進することに関与すると考えられる)。これらの生化学プロセスへの関与に加えて、アデノシンは、例えば、上室性頻拍症治療するための治療的な抗不整脈薬として使用される。本明細書でさらに議論されるように、腫瘍は、免疫機能阻害し、寛容を促進することによって宿主応答を回避し、アデノシンは、免疫系の腫瘍回避を媒介する上で重要な役割を果たすことが示されている。種々の免疫細胞サブセット及び内皮細胞上に発現されるA2AR及びA2BRを介したアデノシンシグナル伝達は、炎症反応中に組織を保護する上で重要な役割を果たすとして確立されている。このように、ある条件下では、アデノシンは腫瘍を免疫破壊から保護する(例えば、Fishman, Pら(2009)Handb Exp Pharmacol 193:399-441を参照されたい)。

0005

アデノシンレセプターは、内因性リガンドとしてアデノシンを有するプリン作動性Gタンパク質共役レセプタークラスである。ヒトにおける4種類のアデノシンレセプターは、A1、A2A、A2B及びA3と呼ばれる。A1の調節は、例えば、神経学的障害喘息ならびに心及び腎不全の管理及び治療のために提案されている。A2Aアンタゴニストは、例えば、パーキンソン病の管理及び治療のために提案されており、A2Bの調節は、例えば、喘息を含む慢性肺疾患の管理及び治療のために提案されており、A3の調節は、例えば、喘息及び慢性閉塞性肺疾患緑内障、癌及び脳卒中の管理及び治療のために提案されている。

0006

歴史的に、アデノシンレセプターのモジュレータは非選択的である。これは、心臓組織中の4つのアデノシンレセプターのすべてに作用する内因性アゴニストアデノシンが、重度頻脈の治療のために非経口投与される場合のような、特定の適応症において許容されうる。しかしながら、サブタイプ選択的アデノシンレセプターアゴニスト及びアンタゴニストの使用は、副作用を最小化又は排除しながら所望の結果を達成する可能性を提供する。

0007

このように、サブタイプの選択的アデノシンレセプターアゴニストの必要性が当該分野において存在する。本発明は、この必要性に対処し、関連する利点も提供する。

0008

発明の概要
本発明は、アデノシンA2Aレセプター(A2AR)及び/又はアデノシンA2Bレセプター(A2BR)を調節する化合物、及び、該化合物を含む組成物(例えば、医薬組成物)に関する。そのような化合物を、その合成方法及び組成物を含めて以下に詳細に説明する。

0009

本発明はまた、アデノシンA2Aレセプター(A2AR)及び/又はアデノシンA2Bレセプター(A2BR)によって全体的に又は部分的に媒介される多様な疾患、障害及び状態の治療及び/又は予防のための、そのような化合物及び組成物の使用に関する。このような疾患、障害及び状態は本明細書の他の箇所で詳細に記載されている。他に指示がない限り、本発明の化合物の使用が本明細書に記載されるときには、そのような化合物は組成物(例えば、医薬組成物)の形態であり得ることが理解されるべきである。

0010

本明細書で後述するように、本発明の化合物は、アデノシンA2Aレセプター(A2AR)及び/又はアデノシンA2Bレセプター(A2BR)を阻害することによってそれらの活性に影響を及ぼすと考えられるが、化合物の根底にある作用機構の正確な理解は本発明を実施するために要求されない。化合物は、代わりに、アデニリルシクラーゼの直接的又は間接的阻害を介してその活性に影響を及ぼし得ることが想定される。化合物は、両方のA2Aレセプター(A2AR)及び/又はアデノシンA2Bレセプター(A2BR)ならびにアデニリルシクラーゼの阻害を介してそれらの活性に影響を及ぼすことも想定される。本発明の化合物は、本明細書では一般に、アデノシンA2Aレセプター(A2AR)及び/又はアデノシンA2Bレセプター(A2BR)阻害剤と呼ばれるが、用語「A2AR/A2BR阻害剤」は、A2AR、A2BR又はアデニリルシクラーゼの阻害を介して個々に作用する化合物、及び/又は、A2AR、A2BR及びアデニリルシクラーゼの阻害を介して作用する化合物を包含するものと理解されるべきである。

0011

A2A及びA2B細胞表面アデノシンレセプターは種々の腫瘍細胞においてアップレギュレートされることが見出されている。したがって、A2A及び/又はA2Bアデノシンレセプターのアンタゴニストは有望な腫瘍学治療剤の新しいクラスを表す。

0012

A2Aアデノシンレセプターの活性化はT制御細胞機能の抑制及びナチュラルキラー細胞細胞毒性及び腫瘍特異的CD4+/CD8+活性の阻害を介して、腫瘍に対する免疫応答の阻害をもたらす。したがって、特異的アンタゴニストによるこのレセプターサブタイプの阻害は癌治療における免疫療法強化し得る。A2Bアデノシンレセプターの活性化は、微小血管内皮細胞における血管新生因子発現レベルアップレギュレーションを介して腫瘍の発生に役割を果たす[例えば、P. Fishmanら、Handb Exp Pharmacol(2009); 193:399-441を参照されたい]。さらに、アデノシンレセプター2A遮断は、増強された抗腫瘍T細胞応答を介して抗PD-1の効力を増加させることが示されている(P. Beavisら、Cancer Immunol ResDOI:10.1158/2326-6066。CIR-14-0211 2015年2月11日公開)。 A2AR及びA2BRの役割のより包括的な議論を以下に記載する。

0013

アデノシン2Aレセプター(A2AR)
A2AR(ADORA2Aとも呼ばれる)はGタンパク質共役型レセプター(GPCR)であり、そのファミリーメンバーは7つの膜貫通αヘリックスを有する。その結晶学的構造に基づいて、A2ARは他の構造的に決定されたGPCR(例えば、β-2アドレナリン作動性レセプター)とは区別されるリガンド結合ポケットを含む。

0014

本明細書の他の箇所に記載されているように、アデノシンは免疫系の腫瘍回避を媒介することに関与する。A2ARはアデノシン誘発性抗炎症応答の媒介において重要で非冗長性の役割を果たす。A2ARは免疫応答を負に調節し、したがって、A2AR活性化の薬理学的阻害は、免疫療法を強化する実行可能な手段であることが実証されている。

0015

上記のように、A2ARの活性化は適応免疫応答に影響を与える。一例として、A2ARは、T細胞機能を激しく阻害するだけでなく、調節性T細胞の発生を促進することによって宿主を過剰な組織破壊から保護する。A2AR活性化は適応免疫応答の強力な阻害剤であるため、腫瘍由来アデノシンは抗腫瘍免疫を遮断するのに関与している。

0016

他の役割に加えて、A2ARは抗炎症性サイトカインを選択的に増強し、PD-1及びCTLA-4のアップレギュレーションを促進し、LAG-3及びFoxp3+制御性T細胞の産生を促進し、調節性T細胞の阻害を媒介することに関与する。PD-1、CTLA-4及び他の免疫チェックポイントについては本明細書でさらに論じる。これらの免疫抑制特性のすべてが、腫瘍が宿主応答を回避する機序として同定されているので、A2ARアンタゴニストを含む癌免疫療法レジメン腫瘍免疫療法を増強することになりうる[一般的に、Naganuma, M.ら(2006)J Immunol 177:2765-769を参照されたい]。

0017

A2ARアンタゴニストは化学療法及び放射線療法において重要な役割を果たすと思われる。機構的には、化学療法又は放射線療法中のA2ARアンタゴニストの同時投与は腫瘍特異的調節性T細胞の誘発を同時に防止しながら、腫瘍特異的T細胞の増殖をもたらすために提案されている。さらに、A2ARアンタゴニストを腫瘍ワクチンと組み合わせることは、それらの発散作用機構を考慮して少なくとも相加効果をもたらすと考えられる。最後に、A2ARアンタゴニストは、腫瘍ワクチン及び他のチェックポイントブロッカーと組み合わせて最も効果的に使用され得る。例えば、PD-1の関与を遮断するだけでなくA2ARを阻害することにより、腫瘍特異的なエフェクターT細胞を消失させる腫瘍の能力を軽減することができる(例えば、Fishman, Pら(2009)Handb Exp Pharmacol 193:399-441)。さらに、A2ARレセプターを介したアデノシンシグナル伝達は有望な負のフィードバックループであることが判明しており、前臨床試験では、A2AR活性化の遮断が抗腫瘍免疫を顕著に増強することが確認されている(Sitkovsky, MVら(2014)Cancer Immun Res 2:598-605)。

0018

アデノシン2Bレセプター(A2BR)
A2bR(ADORA2Bとも呼ばれる)は多くの異なる細胞型に見出されるGPCRである。それは、他のアデノシンレセプターサブタイプよりも活性化のために高濃度のアデノシンを必要とする(例えば、A1R、A2AR及びA3R)(Fredholm BBら(2001)Biochem Pharmacol 61:443-448)。そのような状態は、例えば低酸素症が一般的に観察される腫瘍において見られる。他のアデノシンレセプターサブタイプとは対照的に、A2BRは、大量のアデノシン放出に関連する病態生理学的状態において重要な役割を果たしうる。したがって、このアデノシンレセプターサブタイプの選択的遮断又は刺激は、他のアデノシンレセプターサブタイプを介して媒介されるアデノシンの多くの重要な生理学的機能を妨げないであろう。しかし、A2BR媒介性阻害を導く経路は完全には理解されていない。

0019

血管新生腫瘍増殖の中心的な機構を表す。血管新生プロセスは、一連の血管新生因子によって高度に調節され、低酸素に関連する特定の状況下でアデノシンによって誘発される。A2BRはヒト微小血管内皮細胞において発現され、それは血管内皮成長因子VEGF)などの血管新生因子の発現の調節において重要な役割を果たす。特定の腫瘍型では、低酸素症はA2BRのアップレギュレーションを引き起こすことが観察されており、A2BRが血管新生に対するアデノシンの影響を媒介する上で重要な役割を果たすことを示唆している。したがって、A2BRの遮断は、腫瘍細胞への酸素供給を制限することによって腫瘍増殖を制限しうる。さらに、アデニル酸シクラーゼ活性化を含む実験は、A2BRが特定の腫瘍細胞において唯一のアデノシンレセプターサブタイプであることを示し、これは、A2BRアンタゴニストが特定の腫瘍型に影響を及ぼし得ることを示唆する(例えば、Feoktistov, I.ら(2003)Circ Res 92 :485-492)。

0020

最近のデータは、A2BRモジュレータの正確な役割の理解を複雑にする。上記のように、データは、A2BRが、アデノシンの腫瘍成長及び進行への影響を媒介する上で重要な役割を果たすことを確認している。実際、血管新生の阻害及びERK1/2リン酸化の阻害は、A2BRを標的とする潜在的な抗癌治療にとって最も興味深い効果を示す。しかし、血管新生の阻害はA2BRアンタゴニストの使用を必要とするが、他の臨床的妥当な経路(例えば、MAPキナーゼ経路)を介する成長シグナル伝達の阻害は、A2BRアゴニストによる治療によって達成されうる(例えば、Graham, S.ら(2001)Eur J Pharmaol 420:19-26)。さらなる実験の結果は、アゴニスト及びアンタゴニストの両方が、疾患の異なる段階及びその治療において使用される場合に、他の治療手段と組み合わせて治療に有用な選択肢を提供することを示しうる。

0021

1つの特定の態様において、本発明は式(I):



上式中、
G1 はN又はCR3aであり、
G2 はN又はCR3bであり、
G3はN又はCR3cであり、
R3a、R3b及びR3c は各々独立して、H、デューテリウム又はC1-3アルキルであり、
R1a 及びR1b は各々独立して、
i)H又はデューテリウム、
ii) 1〜3個のR5置換基により場合により置換されているC1-8 アルキル、
iii) 1〜3個のR5 置換基より場合により置換されている-X1-O-C1-8 アルキル、
iv)-C(O)-R6、
v) 1〜3個のR7 置換基により場合により置換されているY、及び、
vi) 1〜3個のR7 置換基により場合により置換されている-X1-Y、
からなる群より選ばれ、又は、
vii)R1a 及びR1b はそれらが結合している窒素とともに、5〜6員ヘテロシクロアルキル環を形成し、該環は1〜3個のR8 置換基により場合により置換されており、該ヘテロシクロアルキルはO、N及びSからなる群より選ばれる0〜2個の追加のヘテロ原子頂点を有し、
各YはC3-8シクロアルキル又はO、N及びSからなる群より選ばれる1〜3個のヘテロ原子環頂点を有する4〜6員ヘテロシクロアルキルであり、
R2 及びR4 は各々独立して、H、デューテリウム又はC1-3 アルキルであり、
Ar1 はフェニル又は5〜6員ヘテロアリールであり、その各々は1〜3個のR9により場合により置換されており、
Ar2 はフェニル又は5〜6員ヘテロアリールであり、その各々は1〜3個のR10により場合により置換されており、
Ar1 及びAr2 の前記5〜6員ヘテロアリールは、各々独立して、O、N、N+-O- 及びSからなる群より選ばれる1〜3個のヘテロ原子環頂点を有し、
各X1 はC1-6アルキレンであり、
各R5 はヒドロキシル、C3-8 シクロアルキル、フェニル、-O-フェニル、-C(O)ORa 及びオキソからなる群より独立して選ばれ、
各R6 はC1-8 アルキル、又は、Yであり、その各々はヒドロキシル、-O-フェニル、フェニル及び-O-C1-8 アルキルからなる群より選ばれる1〜3個の置換基により場合により置換されており、
各R7 はC1-8 アルキル、ヒドロキシル、-O-C1-8 アルキル、オキソ及びC(O)ORaからなる群より独立して選ばれ、
各R8 はC1-8 アルキル、ヒドロキシル及びオキソからなる群より独立して選ばれ、
各R9 はC1-8 アルキル、C1-8デュテロアルキル、-O-C1-8 アルキル、-O-C1-8 デューテロアルキル、-X1-O-C1-8 アルキル、-O-X1-O-C1-8 アルキル、-X1-O-X1-O-C1-8 アルキル、-C(O)ORa、ハロゲンシアノ、-NRbRc、Y、-X1-C3-8 シクロアルキル及び-X2-Zからなる群より独立して選ばれ、ここで、X2 はC1-6 アルキレン、-C1-6 アルキレン-O-、-C(O)-及び-S(O)2-からなる群より選ばれ、Z はO、N及びSからなる群より選ばれる1〜3個のヘテロ原子環頂点を有する4〜6員ヘテロシクロアルキルであり、そして前記R9 置換基の各々は1〜3個のR11により場合により置換されており、
各R10 はC1-8 アルキル、C1-8 デューテロアルキル、ハロ、シアノ、-O-C1-8 アルキル、-O-C1-8 デューテロアルキル、-X1-O-C1-8 アルキル、-O-X1-O-C1-8 アルキル、-S(O)2-C1-6 アルキル、-C(O)NRdRe及びO、N及びSからなる群より選ばれる1〜3個のヘテロ原子環頂点を有する4〜6員ヘテロアリールからなる群より独立して選ばれ、ここで、前記R10 置換基の各々は1〜3個のR12 により場合により置換されており、又は、Ar2 の隣接環頂点にある2個のR10 は場合により組み合わされて、5員複素環式環を形成し、該環は1〜2個のハロゲンにより場合により置換されており、
各R11 はヒドロキシル、ハロ、シアノ、-NRdRe、-C(O)ORa、フェニル、C3-8 シクロアルキル及びC1-4 アルキルからなる群より独立して選ばれ、それはC(O)ORaにより場合により置換されており、
各R12 はハロ、シアノ、ヒドロキシ、-C(O)ORaからなる群より独立して選ばれ、そして
各Ra はH、デューテリウム又はC1-6 アルキルであり、
各Rb 及びRc はH、デューテリウム、C1-8 アルキル、-S(O)2-C1-6 アルキル、-C(O)ORa及び-X1-C(O)ORaからなる群より独立して選ばれ、
各Rd 及びRe はH、デューテリウム、C1-8 アルキル、-S(O)2-C1-6 アルキルからなる群より独立して選ばれ、
ただし、G1 及びG2 が各々Nであり、G3 がCHであり、R2 がCH3であり、そしてR1a 及びR1b が各々H又はデューテリウムであるときに、Ar2 は2-チエニル、フェニル、2-、3-もしくは4-メトキシフェニル、3-もしくは4-ハロフェニル、2,4-ジメトキシフェニル、2,4-ジクロロフェニル又は2-もしくは4-メチルフェニル以外である)
を有する化合物又はその医薬上許容されうる塩、水和物もしくは溶媒和物を提供する。

0022

幾つかの実施形態において、本発明には式:



を有する化合物、又は、その医薬上許容されうる塩、水和物もしくは溶媒和物が考えられる。後述するとおり、化合物IはA2AR 及びA2BRの強力なアンタゴニストであり、10 nM未満のレセプターの両方に対して効力がある。

0023

幾つかの実施形態において、本発明は対象(例えば、ヒト)において癌を治療又は予防するための方法を考え、該方法は本明細書に記載の少なくとも1つのA2AR/A2BR阻害剤の治療有効量を対象に投与することを含む。幾つかの実施形態において、本発明はA2AR-媒介免疫抑制の進行を逆行させ又は停止させるのに有効な量で、本明細書に記載の化合物の少なくとも1つを対象に投与することを含む、対象における癌を治療又は予防する方法を含む。幾つかの実施形態において、A2AR-媒介免疫抑制は抗原提示細胞APC)である。

0024

本明細書に記載の化合物及び組成物を用いて治療することができる癌の例としては、限定するわけではないが、前立腺結腸直腸膵臓子宮頸部子宮内膜、脳、肝臓膀胱卵巣精巣、頭部、頚部、皮膚(メラノーマ及び基底癌を含む)、中皮内壁白血球リンパ腫及び白血病を含む)、食道乳房筋肉結合組織小細胞肺癌及び非小細胞肺癌を含む)、副腎甲状腺腎臓又は骨の癌、神経膠芽腫中皮腫腎細胞癌胃癌肉腫絨毛癌、皮膚基底細胞癌及び睾丸セミノーマが挙げられる。本発明のいくつかの実施形態において、癌はメラノーマ、結腸癌膵臓癌乳癌前立腺癌肺癌、白血病、脳腫瘍、リンパ腫、肉腫、卵巣癌頭頚部癌子宮頸癌又はカポジ肉腫である。本発明の化合物及び組成物による治療の候補である癌は以下でさらに議論される。

0025

本発明は、腫瘍抗原に対する遅延型過敏反応を増加させ、移植悪性腫瘍再発までの時間を遅延させ、移植後の無再発生存期間を延長させ、及び/又は、移植後の長期生存期間を延長するのに十分な治療有効量のA2AR/A2BR阻害剤を投与することによって骨髄移植又は末梢血幹細胞移植を受ける対象を治療する方法を企図する。

0026

特定の実施形態において、本発明は、対象(例えば、ヒト)における感染性障害(例えば、ウイルス感染)を治療又は予防するための方法を企図し、該方法は治療有効量の少なくとも1つのA2AR/A2BR阻害剤(例えば、本発明の新規阻害剤)を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態において、感染性疾患は、ウイルス感染(例えば、慢性ウイルス感染)、細菌感染真菌感染又は寄生虫感染である。特定の実施形態において、ウイルス感染は、ヒト免疫不全ウイルス又はサイトメガロウイルスである。

0027

さらに他の実施形態において、本発明は、対象(例えば、ヒト)における免疫関連疾患、障害又は状態を治療又は予防する方法を企図し、該方法は、治療有効量の、本明細書に記載の少なくとも1つのA2AR/A2BR阻害剤を対象に投与することを含む。免疫関連疾患、障害及び状態の例を以下に記載する。

0028

A2AR/A2BR活性の調節によって全体的又は部分的に治療又は予防することができる他の疾患、障害及び状態は、本発明のA2AR/A2BR阻害剤化合物のための候補症例である。

0029

本発明はさらに、本明細書に記載のA2AR/A2BR阻害剤を1つ以上の追加の薬剤と組み合わせて使用することを企図する。1つ以上の追加の薬剤は、いくつかのアデノシンA2Aレセプター及び/又はアデノシンA2Bレセプター調節活性を有することができ、あるいは、別個の作用機構によって機能してもよい。いくつかの実施形態において、そのような薬剤は、放射線(例えば、局在化放射線療法又は全身放射線療法)及び/又は非薬理学的性質の他の治療様式を含む。併用療法が利用される場合に、本明細書に記載の化合物及び追加の薬剤は、単一の組成物又は複数の組成物の形態であることができ、治療様式は、同時、逐次又はある他のレジメンで施用されうる。例として、本発明は、放射線段階の後に化学療法段階が続く治療レジメンを企図する。併用療法は相加的又は相乗的効果を有しうる。併用療法の他の利点を以下に記載する。

0030

特定の実施形態において、本発明は、免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせて本明細書に記載のA2AR/A2BR阻害剤を使用することを企図する。抗原特異的T細胞応答の増幅をもたらす免疫チェックポイントの遮断は、ヒト癌治療において有望なアプローチであることが示されている。遮断のための候補である免疫チェックポイント(リガンド及びレセプター)であって、その一部が種々のタイプの腫瘍細胞において選択的にアップレギュレートされるものの例としては、PD1(プログラム細胞死タンパク質1); PDL1(PD1リガンド);BTLA(B及びTリンパ球アテニュエーター); CTLA4(細胞傷害性Tリンパ球関連抗原4);TIM3(T細胞膜タンパク質3); LAG3(リンパ球活性化遺伝子3);TIGIT(Ig及びITIMドーパミンを有するT細胞免疫レセプター);及びキラー阻害性レセプターが挙げられる。免疫チェックポイント阻害剤及びそれとの併用療法は本明細書の他の箇所で詳細に議論される。

0031

他の実施形態において、本発明は治療有効量の少なくとも1つのA2AR/A2BR阻害剤及び少なくとも1つの化学療法剤を対象に投与することを含む、対象における癌を治療するための方法を提供し、ここで、このような化学療法剤としては、限定するわけではないが、アルキル化剤(例えば、クロラムブシルシクロホスファミドイソフラミド、メクロレタミン、メルファラン及びウラシルマスタードなどの窒素マスタードチオテパなどのアジリジンブスルファンなどのメタンスルホン酸エステルヌクレオシド類似体(例えば、ゲムシタビン)、カルムスチンロムスチン及びストレプトゾシンなどのニトロソ尿素トポイソメラーゼ1阻害剤(例えば、イリノテカン)、シスプラチンカルボプラチン及びオキサリプラチンなどの白金錯体生物還元アルキル化剤(例えば、マイトマイシンプロカルバジンダカルバジン及びアルトレタミン)、アントラサイクリン系療法(例えば、ドキソルビシンダウノルビシンエピルビシン及びイダルビシン)、DNA鎖切断剤(例えば、ブレオマイシン)、トポイソメラーゼII阻害剤(例えば、アムサクリンダクチノマイシン、ダウノルビシン、イダルビシン、ミトキサントロン、ドキソルビシン、エトポシド及びテニポシド)、DNA副溝結合剤(例えば、プリカジン)、抗代謝剤(例えば、メトトレキセート及びトリメトレキセートなどの葉酸アンタゴニストフルオロウラシルフルオロデオキシウリジン、CB3717、アザシチジンシタラビン及びフロクスウリジンなどのピリミジンアンタゴニスト、メルカプトプリン6-チオグアニンフルダラビンペントスタチンなどのプリンアンタゴニスト、アスパルギナーゼ、及び、ヒドロキシ尿素などのリボヌクレオチドレダクターゼ阻害剤)、チュブリ相互作用剤(例えば、ビンクリスチンエストラムスチンビンブラスチン、ドセタキソールエポチロン誘導体及びパクリタキセル)、ホルモン剤(例えば、エストロゲン、結合エストロゲン、エチニルエストラジオールジエチルスチルステロールクロルトリアニセン、イデネストロールカプロン酸ヒドロキシプロゲステロンメドロキシプロゲステロン及びメゲストロールなどのプロゲスチン、及び、メゲストロール、及び、テストステロンテストステロンプロピオネートフルオキシメステロン及びメチルテストステロンなどのアンドロゲン)、副腎皮質ステロイド(例えば、プレドニゾンデキサメタゾンメチルプレドニゾロン及びプレドニゾロン)、黄体形成ホルモン放出剤又はゴナドトロピン放出ホルモンアンタゴニスト(例えば、ロイプロリドアセテート及びゴセレリンアセテート)、及び、抗ホルモン抗原(例えば、タモキシフェンフルタミドなどの抗アンドロゲン剤、及び、ミトタン及びアミノグルテチミドなどの抗アドレナリン剤)が挙げられる。本発明はまた、当該分野で公知の他の薬剤(例えば、三酸化二ヒ素)及び将来開発される他の化学療法剤と組み合わせてA2AR/A2BR阻害剤を使用することを企図する。

0032

癌を治療する方法に係るいくつかの実施形態では、少なくとも1つの化学療法剤と組み合わせて治療有効量の本明細書に記載のA2AR/A2BR阻害剤を投与すると、癌生存率がいずれか単独で投与することにより観察される癌生存率よりも大きくなる。癌を治療する方法に係るさらなる実施形態では、治療有効量の本明細書に記載のA2AR/A2BR阻害剤を少なくとも1つの化学療法剤と組み合わせて投与すると、腫瘍サイズ縮小又は腫瘍成長の遅延が、1つの薬剤単独の投与により観察される腫瘍サイズの縮小又は腫瘍成長の遅延よりも優れていることになる。

0033

さらなる実施形態において、本発明は、本明細書に記載の少なくとも1つのA2AR/A2BR阻害剤及び少なくとも1つのシグナル伝達阻害剤(STI)の治療有効量を対象に投与することを含む、対象における癌を治療又は予防する方法を企図する。特定の実施形態において、少なくとも1つのSTIは、bcr/ablキナーゼ阻害剤表皮成長因子(EGF)レセプター阻害剤、her-2/neuレセプター阻害剤、及び、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤(FTI)からなる群より選ばれる。他の候補となるSTI薬剤は本明細書の他の箇所に記載されている。

0034

本発明は、少なくとも1つの化学療法剤及び/又は放射線療法と併用してA2AR/A2BR阻害剤を投与することを含む、対象における腫瘍細胞の拒絶反応を増強する方法も企図し、ここで得られる腫瘍細胞の拒絶反応は、A2AR/A2BR阻害剤、化学療法剤又は放射線療法のいずれかを単独で投与することによって得られるものより大きい。

0035

さらなる実施形態において、本発明は、少なくとも1つのA2AR/A2BR阻害剤及びA2AR/A2BR阻害剤以外の少なくとも1つの免疫調節剤の治療的有効量を対象に投与することを含む、対象の癌を治療する方法を提供する。特定の実施形態において、少なくとも1つの免疫調節剤は、CD4OL、B7、B7RP1、抗CD40、抗CD38、抗ICOS、4-1BBリガンド、樹状細胞癌ワクチンIL2、IL12、ELC/CCL19、SLC/CCL21、MCP-1、IL-4、IL-18、TNF、IL-15、MDC、IFN-a/-13、M-CSF、IL-3、GM-CSF、IL-13、抗-IL-10及びインドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼ1(IDO1)阻害剤からなる群より選ばれる。他の候補免疫調節剤は、本明細書の他の箇所に記載されている。

0036

本発明は、対象(例えば、ヒト)における感染性障害(例えば、ウイルス感染症)を治療又は予防するための方法を含む実施形態を企図し、該方法は治療有効量の本明細書に記載の少なくとも1つのA2AR/A2BR阻害剤及び治療有効量の抗感染剤を対象に投与することを含む。

0037

本発明のいくつかの実施形態において、追加の治療剤は、例えば顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)又はflt3リガンドを含むサイトカインである。本発明はまた、限定するわけではないが、C型肝炎ウイルス(HCV)、ヒトパピローマウイルス(HPV)、サイトメガロウイルス(CMV)、エプスタインバー(Epstein-Barr)ウイルスEBV)、水痘帯状疱疹ウイルスコクサッキーウイルス及びヒト免疫不全ウイルス(HIV)を含む、ウイルス感染症(例えば、慢性ウイルス感染)を治療又は予防するための方法を企図する。本明細書に記載の化合物(単独で、又は、併用療法の成分として)の感染症を治療うるための使用は以下でさらに論じられる。

0038

さらなる実施形態において、感染性障害の治療は治療有効量の本発明のA2AR/A2BR阻害剤の投与と組み合わせたワクチンの同時投与によって行われる。いくつかの実施形態において、ワクチンは、例えば、抗HIVワクチンを含む抗ウイルスワクチンである。他の実施形態において、ワクチンは、結核又はマラリアに対して有効である。さらに他の実施形態において、ワクチンは腫瘍ワクチン(例えば、メラノーマに対して有効なワクチン)であり、腫瘍ワクチンは、遺伝子修飾腫瘍細胞又は遺伝子修飾細胞株を含むことができ、それは顆粒球マクロファージ刺激因子(GM-CSF)を発現するようにトランスフェクトされた遺伝子変性腫瘍細胞又は遺伝子変性細胞株を含む。特定の実施形態において、ワクチンは、1つ以上の免疫原性ペプチド及び/又は樹状細胞を含む。

0039

いくつかの実施形態において、本発明は、本明細書に記載の化合物を1つ以上の抗微生物剤と組み合わせて使用する方法を企図する。

0040

A2AR/A2BR阻害剤及び少なくとも1つの追加の治療剤を投与することによる感染症の治療に係る特定の実施形態において、A2AR/A2BR阻害剤及び追加の治療剤の両方を投与した後に観察される感染症の症状は、いずれかを単独で投与した後に観察される感染症の同症状よりも改善されている。いくつかの実施形態において、観察される感染症の症状は、ウイルス量の減少、CD4+ T細胞数の増加、日和見感染の減少、生存時間の増加、慢性感染の根絶、又は、それらの組み合わせでありうる。

0041

図面の簡単な説明
適用なし

0042

発明の詳細な説明
本発明をさらに説明する前に、本発明は本明細書に記載の特定の実施形態に限定されないことが理解され、本明細書で使用される用語は特定の実施形態のみを説明するためのものであり、限定しようとするものではないことも理解される。

0043

ある範囲の値が提供される場合に、明示的に別段の定めがない限り、その範囲の上限と下限との間に、下限の単位の10分の1までの各介在値と、その記載された範囲内の任意の記載された値又は介在値は本発明に包含される。これらのより小さい範囲の上限及び下限は、独立してより小さい範囲に含まれてもよく、また、本発明に包含されるが、記載された範囲内の任意の特定的に除外された限界値に左右される。記載された範囲が限界値の一方又は両方を含む場合に、含まれる限界値の一方又は両方を除く範囲も本発明に含まれる。他に規定されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。

0044

本明細書で使用されるときに、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈上明らかに別のことを指示しない限り、複数の指示対象を含む。請求項はあらゆる任意要素を排除するように作成されうることにさらに留意されたい。したがって、この記述は、請求項要素の列挙又は「否定的」限定の使用に関連して、「専ら」、「唯一の」などのような排他的な用語の使用のための前提として役立つことが意図される。

0045

本明細書で論じられる刊行物は、本出願の出願日前のそれらの開示のためにのみ提供される。さらに、提供される公開日は実際に公開された日付とは異なる場合があり、それは独立して確認する必要があるであろう。

0046

一般
本明細書では、例えば、アデノシンA2Aレセプター(A2AR)及び/又はアデノシンA2Bレセプター(A2BR)を阻害するための化合物及び組成物、ならびにそれを含む医薬組成物は提供される。また、本明細書には、例えば、アデノシンA2Aレセプター(A2AR)及び/又はアデノシンA2Bレセプター(A2BR)の阻害によって媒介される疾患、障害又は状態、あるいはその症状を治療又は予防する方法も提供される。

0047

定義
他に示されない限り、以下の用語は以下に示す意味を有することが意図される。他の用語は本明細書全体を通して他の箇所で定義される。

0048

「アルキル」という用語は、それ自体又は別の置換基の一部として、特に明記しない限り、指定された炭素原子数を有する直鎖又は分枝鎖炭化水素基を意味する(すなわち、C1-8は1〜8個の炭素を意味する)。アルキルは、C1-2、C1-3、C1-4、C1-5、C1-6、C1-7、C1-8、C1-9、C1-10、C2-3、C2-4、C2-5、C2-6、C3-4、C3-5、C3-6、C4-5、C4-6及びC5-6などの任意の数の炭素を含む。アルキル基の例としては、メチルエチル、n-プロピルイソプロピルn-ブチル、t-ブチルイソブチル、sec-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチルn-オクチルなどが挙げられる。

0049

「アルキレン」という用語は、示された炭素原子数を有し、少なくとも2つの他の基を連結する直鎖又は分枝鎖飽和脂肪族基、すなわち二価炭化水素基を指す。アルキレンに結合している2つの部分は、アルキレン基の同じ原子又は異なる原子に結合することができる。例えば、直鎖アルキレンは、-(CH2)n-の二価基であってよく、nは1,2,3,4,5又は6である。代表的なアルキレン基としては、限定するわけではないが、メチレンエチレンプロピレンイソプロピレンブチレンイソブチレン、sec-ブチレン、ペンチレン及びヘキシレンが挙げられる。本出願においてX1又はX2基と呼ばれることが多いアルキレン基は置換されていても又は置換されていなくてもよい。X1又はX2を含む基が場合により置換されている場合に、場合により存在する置換基はその部分のアルキレン部分に存在し得ることが理解される。

0050

用語「シクロアルキル」は、示された数の環原子を有する炭化水素環(例えば、C3-6シクロアルキル)を指し、完全に飽和しているか、又は、環頂点間に1個を超える数の二重結合を有することはない。「シクロアルキル」はまた、例えば、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタンなどの二環式及び多環式炭化水素環を指すことも意味する。幾つかの実施形態において、本開示のシクロアルキル化合物は単環式C3-6シクロアルキル部分である。

0051

「ヘテロシクロアルキル」という用語は、指示された数の環頂点(又は員)を有し、N、O及びSから選ばれる1〜5個のヘテロ原子を有し、該ヘテロ原子が炭素頂点の1〜5個を置換しているシクロアルキル環を指し、ここで、窒素及び硫黄原子は場合により酸化されていてもよく、窒素原子は場合により第四級化されていてもよい。シクロヘテロアルキルは、単環式、二環式又は多環式環系であってもよい。シクロヘテロアルキル基の非限定的な例としては、ピロリジンイミダゾリジンピラゾリジンブチロラクタムバレロラクタムイミダゾリジノンヒダントインジオキソランフタルイミドピペリジン、1,4-ジオキサンモルホリンチオモルホリン、チオモルホリン-S-オキシド、チオモルホリン-S,S-オキシド、ピペラジンピランピリドン、3-ピロリンチオピランピロンテトラヒドロフランテトラヒドロチオフェンキヌクリジンなどが挙げられる。シクロヘテロアルキル基は、環炭素又はヘテロ原子を介して分子の残部に結合することができる。

0052

本明細書に使用されるときに、本明細書に記載の任意の化学構造における単結合、二重結合又は三重結合に交差する波線



は分子の残部への単結合、二重結合又は三重結合の結合点を表す。さらに、環(例えば、フェニル環)の中央に延びている結合は利用可能な環頂点のいずれかへの結合を示すことが意図される。当業者は、環に結合しているものとして示される複数の置換基は安定な化合物を提供し、さもなければ、立体的適合性である環頂点を占有することが理解されるであろう。二価の成分に関して、表示はいずれの方向(順方向又は逆方向)をも含むことが意図される。例えば、基「-C(O)NH-」はいずれの方向の結合: -C(O)NH-又は-NHC(O)-も含み、同様に、「-O-CH2CH2-」は-O-CH2CH2-及び-CH2CH2-O-の両方を含む。

0053

「ハロ」又は「ハロゲン」という用語は、単独で又は別の置換基の一部として、特に明記しない限り、フッ素塩素臭素又はヨウ素原子を意味する。さらに、「ハロアルキル」などの用語は、モノハロアルキル及びポリハロアルキルを含むことを意味する。例えば、用語「C1-4ハロアルキル」は、トリフルオロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、4-クロロブチル、3-ブロモプロピルなどを含むことを意味する。

0054

アリール」という用語は、特に明記しない限り、一緒縮合しているか又は共有結合している単環又は多環(3つまでの環)であり得る多価不飽和の、典型的には芳香族炭化水素基を意味する。アリール基の非限定的な例としては、フェニル、ナフチル及びビフェニルが挙げられる。

0055

ヘテロアリール」という用語は、N、O及びSから選ばれる1〜5個のヘテロ原子を含有するアリール基(又は環)を指し、ここで、窒素及び硫黄原子は場合により酸化され、窒素原子は場合により第四級化されている。ヘテロアリール基は、ヘテロ原子を介して分子の残部に結合することができる。ヘテロアリール基の非限定的な例としては、ピリジルキノキサリニルキナゾリニルシンノリニルフタラジニル、ベンゾトリアジニルプリルベンズイミダゾリルピリダジニルピラジニルピリミンジニル、トリアジニルキノリニルベンゾピラゾリルベンゾトリアゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、イソベンゾフリル、イソインドリルインドリジニル、ベンゾトリアジニル、チエノピリジニル、チエノピリミジニルピラゾロピリミジニル、イミダゾピリジンベンゾチアゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、インドリル、キノリルイソキノリルイソチアゾリル、ピラゾリル、インダゾリルプテリジニルイミダゾリルトリアゾリル、テトラゾリルオキサゾリルイソキサゾリルチアジアゾリル、ピロリル、チアゾリル、フリル、チエニルなどが挙げられる。ヘテロアリール環のための置換基は以下に記載する許容されうる置換基の群から選ばれることができる。

0056

上記の用語(例えば、「アルキル」、「アリール」及び「ヘテロアリール」)は、幾つかの実施形態において、場合により置換されているであろう。各タイプの基のための選択される置換基は下記に提供される。

0057

アルキル基(アルキレン、アルケニル及びアルキニルともしばしば呼ばれる基を含む)のための任意要素の置換基は様々な基であることができ、該基はハロゲン、-OR’、-NR’R”、-SR’、-SiR’R”R”’、-OC(O)R’、-C(O)R’、-CO2R’、-CONR’R”、-OC(O)NR’R”、-NR”C(O)R’、-NR’-C(O)NR”R”’、-NR”C(O)2R’、-NH-C(NH2)=NH、-NR’C(NH2)=NH、-NH-C(NH2)=NR’、-S(O)R’、-S(O)2R’、-S(O)2NR’R”、-NR’S(O)2R”、-CN (シアノ)、-NO2、アリール、アリールオキシ、オキソ、シクロアルキル及びヘテロシクロアルキルから選ばれ、それは0〜(2m’+1)の範囲の数であり、ここで、m’ はこのような基にある炭素原子総数である。R’、R” 及びR”’は各々独立して、水素、非置換C1-8アルキル、非置換アリール、1〜3個のハロゲン、C1-8アルコキシ又はC1-8チオアルコキシ基により置換されたアリール、又は、非置換アリール-C1-4 アルキル基を指す。R’ 及びR” が同一の窒素原子に結合されている場合に、それらは窒素原子と組み合わされて、3-、4-、5-、6-又は7-員環を形成することができる。例えば、-NR’R” は1-ピロリジニル及び4-モルホリニルを含むことが意図される。

0058

シクロアルキル及びヘテロシクロアルキル基のための任意要素の置換基はC(O)OR’により場合により置換されたアルキル、ハロゲン、-OR’、-NR’R”、-SR’、-SiR’R”R”’、-OC(O)R’、-C(O)R’、-CO2R’、-CONR’R”、-OC(O)NR’R”、-NR”C(O)R’、-NR’-C(O)NR”R”’、-NR”C(O)2R’、-NH-C(NH2)=NH、-NR’C(NH2)=NH、-NH-C(NH2)=NR’、-S(O)R’、-S(O)2R’、-S(O)2NR’R”、-NR’S(O)2R”、-CN (シアノ)、-NO2、アリール、アリールオキシ及びオキソから選ばれる種々の基であることができる。 R’、R”及びR”’は各々独立して、水素、非置換C1-8 アルキル、非置換アリール、1〜3個のハロゲン、C1-8アルコキシ又はC1-8チオアルコキシ基により置換されたアリール、又は、非置換アリール-C1-4アルキル基を指す。

0059

同様に、アリール及びヘテロアリール基のための任意要素の置換基は様々であり、そして一般に、-ハロゲン、-OR’、-OC(O)R’、-NR’R”、-SR’、-R’、-CN、-NO2、-CO2R’、-CONR’R”、-C(O)R’、-OC(O)NR’R”、-NR”C(O)R’、-NR”C(O)2R’、-NR’-C(O)NR”R”’、-NH-C(NH2)=NH、-NR’C(NH2)=NH、-NH-C(NH2)=NR’、-S(O)R’、-S(O)2R’、-S(O)2NR’R”、-NR’S(O)2R”、-N3、ペルフルオロ(C1-C4)アルコキシ及びペルフルオロ(C1-C4)アルキルから選ばれ、その数は0から芳香環系上の開放原子価の総数までの範囲であり、そしてR’、R”及びR”’は独立して、水素、C1-8 アルキル、C1-8ハロアルキル、C3-6シクロアルキル、C2-8アルケニル及びC2-8アルキニルから選ばれる。他の適切な置換基としては1〜6個の炭素原子のアルキレンテザーにより環に結合された上記のアリール置換基の各々が挙げられる。

0060

アリール又はヘテロアリール環の隣接原子上の2つの置換基は式-T-C(O)-(CH2)q-U-(式中、T及びUは独立して、-NH-、-O-、-CH2-又は単結合であり、そしてqは0〜2の整数である)の置換基により場合により置き換えられていてよい。あるいは、アリール又はヘテロアリール環の隣接原子上の2つの置換基は式-A-(CRfRg)r-B-(式中、A及びBは独立して-CH2-、-O-、-NH-、-S-、-S(O)-、-S(O)2-、-S(O)2NR’-又は単結合であり、rは1〜3の整数であり、そしてRf 及びRg は各々独立してH又はハロゲンである)の置換基により場合により置き換えられていてよい。そのようにして形成された新たな環の単結合の1つは二重結合により場合により置き換えられていてよい。あるいは、アリール又はヘテロアリール環の隣接原子上の2つの置換基は式-(CH2)s-X-(CH2)t-(式中、s及びtは独立して0〜3の整数であり、そしてXは-O-、-NR’-、-S-、-S(O)-、-S(O)2-又は-S(O)2NR’-である)の置換基により場合により置き換えられていてよい。-NR’-及び-S(O)2NR’-中の置換基R’は水素又は非置換C1-6アルキルから選ばれる。

0061

本明細書に使用されるときに、用語「ヘテロ原子」は酸素(O)、窒素(N)、硫黄(S)及びケイ素(Si)を含むことが意図される。

0062

用語「医薬上許容されうる塩」は活性化合物の塩を包含することが意図され、該塩は本明細書に記載の化合物に見いだされる特定の置換基に応じして、比較的に非毒性の酸又は塩基を用いて調製される。本発明の化合物が比較的に酸性官能基を含む場合には、塩基付加塩はこのような化合物の中性形態を、十分な量の、ニートであるか又は適切な不活性溶媒中のいずれかの所望の塩基と接触させることにより得ることができる。医薬上許容されうる塩基に由来する塩の例としては、アルミニウムアンモニウムカルシウム、銅、第二鉄第一鉄リチウムマグネシウム、第二マンガン、第一マンガン、カリウムナトリウム亜鉛などが挙げられる。医薬上許容されうる有機塩基に由来する塩としては、第一級第二級及び第三級アミン置換アミン環式アミン天然由来アミンなどを含む)の塩が挙げられ、例えば、アルギニンベタインカフェインコリン、N、N'-ジベンジルエチレンジアミンジエチルアミン2-ジエチルアミノエタノール2-ジメチルアミノエタノールエタノールアミン、エチレンジアミン、N-エチルモルホリン、N-エチルピペリジングルカミングルコサミンヒスチジンヒドラバミン、イソプロピルアミンリジンメチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂プロカイン、プリン、テオブロミントリエチルアミントリメチルアミントリプロピルアミントロメタミンなどが挙げられる。本発明の化合物が比較的に塩基性の官能基を含む場合には、酸付加塩はこのような化合物の中性形態を、十分な量の、ニートであるか又は適切な不活性溶媒中のいずれかの所望の酸と接触させることにより得ることができる。医薬上許容されうる酸付加塩の例としては、塩酸臭化水素酸硝酸炭酸、一水素炭酸、リン酸、一水素リン酸、二水素リン酸、硫酸、一水素硫酸、ヨウ化水素酸または亜リン酸などの無機酸に由来する塩、ならびに、酢酸プロピオン酸イソ酪酸マロン酸安息香酸コハク酸スベリン酸フマル酸マンデル酸フタル酸ベンゼンスルホン酸、p-トリルスルホン酸、クエン酸酒石酸、メタンスルホン酸などの比較的に非毒性の有機酸などに由来する塩が挙げられる。アルギン酸塩などのアミノ酸の塩、及び、グルクロン酸又はガラクツロン酸などの有機酸の塩も挙げられる(例えば、Berge, S.M.ら, “Pharmaceutical Salts”, Journal of Pharmaceutical Science, 1977, 66, 1-19を参照されたい)。本発明の特定の化合物は塩基及び酸の両方の官能基を含み、それにより、化合物を塩基付加塩又は酸付加塩のいずれかに転化させうる。

0063

化合物の中性形態は、従来の方法で、塩を塩基又は酸と接触させ、親化合物を単離することによって再生することができる。化合物の親形態は、極性溶媒への溶解度などの特定の物理的性質において様々な塩形態とは異なるが、それ以外は、塩は本発明の目的のための化合物の親形態と同等である。塩形態に加えて、本発明はプロドラッグ形態である化合物を提供する。本明細書に記載の化合物のプロドラッグは、生理学的条件下で容易に化学変化を受けて本発明の化合物を提供する化合物である。さらに、プロドラッグは、生体外環境において化学的又は生化学的方法によって本発明の化合物に転化させることができる。例えば、プロドラッグは、適切な酵素又は化学試薬とともに経皮パッチリザーバーに入れたときに、本発明の化合物にゆっくりと転化することができる。プロドラッグは、本明細書の他の箇所でより詳細に記載される。

0064

塩形態に加えて、本発明はプロドラッグ形態である化合物を提供する。本明細書に記載の化合物のプロドラッグは生理学的条件下で容易に化学変化を受けて本発明の化合物を提供する化合物である。さらに、プロドラッグは、生体外環境において化学的又は生化学的方法によって本発明の化合物に転化させることができる。例えば、プロドラッグは、適切な酵素又は化学試薬とともに経皮パッチリザーバーに入れたときに、本発明の化合物にゆっくりと転化することができる。

0065

本発明の特定の化合物は、非溶媒和形態ならびに水和形態を含む溶媒和形態で存在することができる。一般に、溶媒和形態は非溶媒和形態と同等であり、本発明の範囲内に包含されることが意図される。本発明の特定の化合物は多結晶又は非晶形態で存在し得る。一般に、すべての物理的形態は本発明によって企図される使用のために同等であり、本発明の範囲内にあることが意図される。

0066

本発明のある種の化合物は不斉炭素原子光学中心)又は二重結合を有する。ラセミ混合物ジアステレオマー幾何異性体位置異性体及び個々の異性体(例えば、分離されたエナンチオマー)はすべて本発明の範囲内に包含されることが意図される。立体化学的描写が示されている場合に、異性体の1つが存在し、他の異性体が実質的に存在しない化合物を指すことが意図される。他の異性体を「実質的に含まない」とは、2つの異性体の比が少なくとも80/20の比、より好ましくは90/10又は95/5又はそれ以上であることを示す。いくつかの実施形態において、異性体の1つは少なくとも99%の量で存在するであろう。

0067

本発明の化合物はまた、そのような化合物を構成する原子の1つ以上に、不自然な割合の原子同位体を含むことができる。同位体の不自然な割合は、自然界に見出される量から問題の原子100%を構成する量までの範囲と定義することができる。例えば、化合物は、例えば、トリチウム(3H)、ヨウ素-125(125I)又は炭素-14(14C)などの放射性同位体、又は、デューテリウム(2H)又は炭素-13(13C)などの非放射性同位体を含むことができる。このような同位体の変形体は、本出願内の他の箇所に記載されたものに追加の有用性を提供することができる。例えば、本発明の化合物の同位体変形体は、限定するわけではないが、診断及び/又は画像化試薬としての、又は、細胞傷害性/放射性毒性治療薬としての追加の用途を見出すことができる。さらに、本発明の化合物の同位体変形体は治療中の安全性、忍容性又は有効性の向上に寄与することができる、変更した薬物動態特性及び薬力学特性を有することができる。本発明の化合物の全ての同位体変形体は放射性であろうとなかろうと、本発明の範囲内に包含されることが意図される。

0068

用語「患者」又は「対象」はヒト又は非ヒト動物(例えば、哺乳動物)を指すために相互互換的に使用される。

0069

例えば、対象、細胞、組織、器官又は生物学的流体に適用されるときに、用語「投与」、「投与する」などは、例えば、A2AR/A2BRの阻害剤、それを含む薬学的組成物、又は、診断薬を対象、細胞、組織、器官又は生物学的流体に接触させることを指す。細胞との関連で、投与には、細胞に対する試薬の接触(例えば、インビトロ又はエクスビボ)、ならびに流体が細胞と接触している流体への試薬の接触を指す。

0070

「治療(処置)する」、「治療(処置)すること」、「治療(処置)」などの用語は、疾患、障害又は状態が診断、観察などされた後に開始される行動(A2AR/A2BRの阻害剤又はそれを含む医薬組成物の投与など)を指し、それにより、対象を苦しめている疾患、障害又は状態の根底にある原因の少なくとも1つ、又は、対象を苦しめている疾患、障害、状態に関連する症状の少なくとも1つを一時的に又は永久的に排除、低減、抑制、緩和又は改善する。したがって、治療(処置)には活性疾患を阻害すること(例えば、疾患、障害又は状態の発症又はさらなる推移又はそれに関連する臨床症状を阻止すること)が含まれる。

0071

本明細書で使用するときに、「治療(処置)を必要とする」という用語は、対象が治療を必要とするか又は治療から恩恵を受けるだろう医師又は他の介護者によって行われる判断を指す。この判断は、医師又は介護者の専門知識の領域にあるさまざまな要因に基づいて行われる。

0072

用語「予防する」、「予防すること」、「予防」などは、疾患、障害、状態などを発症する対象のリスクを一時的に又は永久的に予防、抑制、阻害又は軽減(例えば、臨床症状がないことにより決定)するように(例えば、疾患、障害、状態又はそれらの症状の開始前に)開始される一連の行動(例えば、A2AR/A2BR阻害剤又はそれを含む医薬組成物の投与など)を指し、又は、一般的には、特定の疾患、障害又は状態を有する素因がある対象の関連で、その発症を遅らせることを指す。特定の場合には、この用語はまた、疾患、障害又は状態の進行を遅らせること、又は、有害な状態又は望ましくない状態になるその進行を阻害することを指す。

0073

本明細書で使用されるときに、「予防が必要である」という用語は、対象が予防的ケアを必要とする、又は、それにより恩恵を受けるだろう医師又は他の介護者によってなされる判断を指す。この判断は、医師又は介護者の専門知識の領域にあるさまざまな要因に基づいて行われる。

0074

「治療有効量」という語句は、単独又は医薬組成物の一部として、そして単回用量又は一連の用量のいずれかで、対象に薬剤を投与し、対象に投与されたときの疾患、障害又は状態のいずれかの症状、容態又は特徴に対していずれかの検出可能な、正の効果を有することができる量を指す。治療有効量は、関連する生理学的効果を測定することによって確認することができ、投与レジメン及び対照の状態の診断分析などに関連して調整することができる。例として、投与後の特定の時間におけるA2AR/A2BR阻害剤(又は、例えばその代謝産物)の血清レベルの測定は、治療有効量が使用されたかどうかの指標であることができる。

0075

「変化を起こすのに十分な量で」という語句は、特定の療法の投与前(例えば、ベースラインベル)及び投与後に測定された指標のレベルの間に検出可能な差があることを意味する。指標としては、客観的パラメータ(例えば、血清濃度)又は主観的パラメータ(例えば、対象の健康感)が挙げられる。

0076

「小分子」という用語は、約10kDa未満、約2kDa未満又は約1kDa未満の分子量を有する化合物を指す。小分子としては、限定するわけではないが、無機分子有機分子、無機成分を含む有機分子、放射性原子を含む分子、及び、合成分子が挙げられる。治療上、小分子は、細胞に対してより透過性であり、分解しにくく、大きな分子よりも免疫応答を誘発しにくい傾向がある。

0077

「リガンド」という用語は、例えば、レセプターのアゴニスト又はアンタゴニストとして作用することができるペプチドポリペプチドメンブレン結合分子又は膜結合分子、又はその複合体を指す。リガンドは、天然及び合成リガンド、例えば、サイトカイン、サイトカイン変異体類似体突然変異タンパク質、及び、抗体由来結合組成物、ならびに小分子を包含する。この用語はまた、アゴニストでもアンタゴニストでもないが、その生物学的特性、例えばシグナル伝達又は接着に有意に影響を及ぼすことなくレセプターに結合することができる薬剤を包含する。さらに、この用語は、膜結合リガンド可溶性形態に、例えば、化学的方法又は組換え方法によって変化された膜結合リガンドを包含する。リガンド又はレセプターは完全に細胞内にあることができ、すなわち、細胞質ゾル、核又は他のいくつかの細胞内コンパートメントに存在し得る。リガンドとレセプターとの複合体は、「リガンド-レセプター複合体」と呼ばれる。

0078

「阻害剤(inhibitors)」及び「アンタゴニスト」又は「活性化剤(activators)」及び「アゴニスト」という用語は、それぞれ、例えば、リガンド、レセプター、補因子、遺伝子、細胞、組織又は器官の活性化などのための阻害又は活性化分子を指す。阻害剤は、例えば遺伝子、タンパク質、リガンド、レセプター又は細胞を減少させ、遮断させ、活性化を防止し、遅延し、不活性化し、脱感作し又はダウンレギュレートする分子である。活性化剤は、例えば、遺伝子、タンパク質、リガンド、レセプター又は細胞を増加させ、活性化させ、促進させ、活性化を増強させ、感作させ又はアップレギュレートする分子である。阻害剤はまた、構成的活性を減少させ、遮断し又は不活性化する分子として定義されうる。 「アゴニスト」は、標的と相互作用して、標的の活性化の増加を引き起こす又は促進する分子である。「アンタゴニスト」はアゴニストの作用に抗する分子である。アンタゴニストは、アゴニストの活性を防止し、低減し、阻害し又は中和し、アンタゴニストはまた、同定されたアゴニストが存在しない場合でさえ、標的、例えば、標的レセプターの構成的活性を予防し、阻害し又は低減させることができる。

0079

「調節する (modulate)」、「調節 (modulation)」などの用語は、A2AR/A2BRの機能又は活性を直接又は間接的に増加又は減少させる分子(例えば、活性化剤又は阻害剤)の能力を指す。モジュレータは単独で作用してもよく、又は補因子、例えばタンパク質、金属イオン又は小分子を使用してもよい。モジュレータの例としては、小分子化合物及び他の生物有機分子が挙げられる。小分子化合物の多数のライブラリー(例えば、コンビナトリアルライブラリー)は市販されており、モジュレータを同定するための出発点として役立ち得る。当業者は、所望の特性を有する1つ以上の化合物を同定するために、そのような化合物ライブラリースクリーニングすることができ、その後、医薬化学の当業者が、例えば、その類似体及び誘導体の合成及び評価によって、そのような1つ以上の化合物を最適化することができる1つ以上のアッセイ(例えば、生化学又は細胞ベースのアッセイ)を開発することができる。合成及び/又は分子モデリング研究はまた、活性化剤の同定に利用することもできる。

0080

分子の「活性」は、リガンド又はレセプターへの分子の結合性触媒活性遺伝子発現又は細胞シグナル伝達分化又は成熟を刺激する能力、抗原性活性、他の分子の活性の調節などを記載し又は指すことができる。「増殖活性」という用語は、正常細胞分裂、ならびに癌、腫瘍、異形成細胞形質転換転移及び血管形成を促進する、それを必要とする、又は、それと特に関連する活性を包含する。

0081

本明細書で使用するときに、「匹敵する (comparable)」、「同等の活性(comparable atcitivy)」、「と同等の活性 (activity comparable to)」、「同等の効果 (comparable effect)」、「と同等の効果 (effect comparable to)」などは、定量的及び/又は定性的に見ることができる相対的な用語である。用語の意味は、頻繁に使用される文脈に依存する。一例として、レセプターを活性化する2つの薬剤は、質的観点から匹敵する効果を有すると見なすことができるが、当該技術分野で認められているアッセイ(例えば、用量応答アッセイ)又は当該技術分野で認められている動物モデルにおいて決定して、一方の薬剤が他方の薬剤の活性の20%を達成することができるだけならば、2つの薬剤は定量的な観点から匹敵する効果がないと見ることができる。1つの結果を別の結果と比較するときに(例えば、1つの結果を参照標準と比較する)、「匹敵」とは、頻繁に(たとえ常にではなくとも)、1つの結果が参照標準から35%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、7%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2未満%又は1%未満だけずれている。特定の実施形態において、1つの結果が参照標準から15%未満、10%未満又は5%未満でずれた場合に、1つの結果は参照標準に匹敵する。例として、限定するものではないが、活性又は効果は、有効性、安定性、溶解性又は免疫原性を指すことができる。

0082

「実質的に純粋」は、成分が組成物の全含有量の約50%を超え、典型的には全ポリペプチド含有量の約60%を超えて構成することを示す。より典型的には、「実質的に純粋」とは、全組成物の少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも90%又はそれ以上が目的の成分である組成物を指す。ある場合には、ポリペプチドは組成物の全含有量の約90%を超えるか、又は約95%を超える量を構成するであろう。

0083

「特異的に結合する」又は「選択的に結合する」という用語は、リガンド/レセプター、抗体/抗原又は他の結合対を指す場合に、タンパク質及び他の生物製剤異種集団におけるタンパク質の存在を決定する結合反応を示す。したがって、指定条件下で、特定のリガンドは特定のレセプターに結合し、サンプル中に存在する他のタンパク質に有意な量で結合しない。意図される方法の抗体又は抗体の抗原結合部位に由来する結合性組成物は、その抗原、又はその変異体もしくは突然変異タンパク質に親和性をもって結合し、その親和性は任意の他の抗体又はそれに由来する結合性組成物との親和性よりも少なくとも2倍大きく、少なくとも10倍大きく、少なくとも20倍大きく、又は、少なくとも100倍大きい。特定の実施形態において、抗体は、例えばScatchard分析(Munsenら、1980 Analyt. Biochem. 107:220-239)によって決定して、約109リットル/モルより大きい親和性を有する。

0084

例えば、細胞、組織、器官又は生物の「応答」という用語は、生物学的区画内の濃度、密度、接着又は移動などの生化学的又は生理学挙動、遺伝子発現の速度又は分化の状態の変化であって、該変化が活性化、刺激又は治療又は遺伝子プログラミングなどの内部機構相関する変化を包含する。特定の状況において、「活性化」、「刺激」などの用語は、内部機構及び外部又は環境因子によって調節される細胞活性化を指す。一方、「阻害」、「ダウンレギュレーション」などは反対の効果を指す。

0085

本明細書において相互互換的に使用される「ポリペプチド」、「ペプチド」及び「タンパク質」という用語は、遺伝的にコードされたアミノ酸及び非遺伝的にコードされたアミノ酸、化学的又は生化学的修飾アミノ酸又は誘導体化アミノ酸、及び、修飾ポリペプチド骨格を有するポリペプチドを含むことができる任意の長さのアミノ酸のポリマー形態を指す。用語には、融合タンパク質が含まれ、限定するわけではないが、異種アミノ酸配列を有する融合タンパク質、N末端メチオニン残基を有するか又は有しない、異種及び同種のリーダー配列を有する融合タンパク質、免疫学的に標識されたタンパク質などが含まれる。

0086

本明細書で使用されるときに、「変異体(variants)」及び「ホモログ」という用語は、参照アミノ酸又は核酸配列にそれぞれ類似するアミノ酸配列又はDNA配列を指すために相互互換的に使用される。この用語は、天然に存在する変異体及び天然に存在しない変異体を包含する。天然に存在する変異体は、ホモログ(ある種と別の種でアミノ酸又はヌクレオチド配列がそれぞれ異なるポリペプチド及び核酸)、及び、対立遺伝子変異体(種の中の1つの個体と別の個体でそれぞれ異なるアミノ酸又はヌクレオチド配列)。したがって、変異体及びホモログは、天然に存在するDNA配列及びそれによってコードされるタンパク質及びそれらのアイソフォームならびにタンパク質又は遺伝子の接合変異体を包含する。この用語はまた、天然に存在するDNA配列から1つ以上の塩基が変化するが、遺伝子コード縮重に起因して天然に存在するタンパク質に対応するアミノ酸配列になおも翻訳される核酸配列も包含する。天然に存在しない変異体及びホモログには、それぞれ、アミノ酸又はヌクレオチド配列の変化を含むポリペプチド及び核酸が含まれ、ここで、配列の変化は人為的に導入される(例えば、突然変異タンパク質)。例えば、変化はヒトの介入(「人間の手」)によって実験室で生成される。したがって、天然に存在しない変異体及びホモログは、1つ以上の保存的置換及び/又はタグ及び/又はコンジュゲートによって天然に存在する配列と異なるものを指すこともできる。

0087

本明細書で使用されるときに、用語「突然変異タンパク質(muteins)」は広く突然変異した組換えタンパク質を指す。これらのタンパク質は、通常、単一又は複数のアミノ酸置換を有し、部位特異的もしくはランダム突然変異誘発又は完全突然変異誘発に供されたクローン化遺伝子、又は、完全に合成された遺伝子に由来することが多い。

0088

「DNA」、「核酸」、「核酸分子」、「ポリヌクレオチド」などの用語は、任意の長さのポリマー形態のヌクレオチドを指すために本明細書中で相互互換的に使用され、それはデオキシリボヌクレオチド又はリボヌクレオチド、又は、その類似体のいずれかである。ポリヌクレオチドの非限定的な例としては、直鎖及び環状核酸メッセンジャーRNAmRNA)、相補DNAcDNA)、組換えポリヌクレオチドベクタープローブプライマーなどが挙げられる。

0089

アデノシンA2Aレセプター及びアデノシンA2Bレセプター及びその阻害
上記のように、本発明の化合物がその活性に作用する化合物の根底にある作用機構の正確な理解は本発明の実施に必要とされず、化合物(又はそのサブセット)はアデノシンA2Aレセプター(A2AR)及び/又はアデノシンA2Bレセプター(A2BR)を阻害するものと考えられる。あるいは、化合物(又はそのサブセット)は、アデニリルシクラーゼ機能を阻害することができる。化合物(又はそのサブセット)はまた、A2Aレセプター(A2AR)、アデノシンA2Bレセプター(A2BR)ならびにアデニリルシクラーゼに対する阻害剤活性を有することができる。本発明の化合物は、本明細書で、一般に、アデノシンA2Aレセプター(A2AR)及び/又はアデノシンA2Bレセプター(A2BR)阻害剤と呼ばれるが、用語「A2AR/A2BR阻害剤」は、A2AR、A2BR又はアデニリルシクラーゼの阻害を介して個々に作用する化合物、及び/又は、A2AR、A2BR及びアデニリルシクラーゼの阻害を介して作用する化合物を包含することが理解されるべきである。

0090

望ましい特性を有するアデノシンA2Aレセプター及びアデノシンA2Bレセプター阻害剤の同定
本発明は、部分的には、治療に妥当性がある少なくとも1つの特性又は特徴を有するアデノシンA2Aレセプター及び/又はアデノシンA2Bレセプターの阻害剤の同定に関する。候補阻害剤は、例えば、当該技術分野で受け入れられたアッセイ又はモデルを用いて同定することができ、その例は本明細書に記載されている。

0091

同定後に、候補阻害剤は阻害剤の特性に関するデータ(例えば、薬物動態パラメータ、溶解度又は安定性の決定手段)を提供する技術を使用することによって、さらに評価することができる。候補阻害剤と参照標準(現在の阻害剤の「クラス最高」)との比較は、そのような候補の潜在的可能性の指標となる。

0092

本発明の化合物
本明細書に式(I)



(上式中、
G1 はN又はCR3aであり、
G2 はN又はCR3bであり、
G3はN又はCR3cであり、
R3a、R3b及びR3c は各々独立して、H、デューテリウム又はC1-3アルキルであり、
R1a 及びR1b は各々独立して、
viii)H又はデューテリウム、
ix) 1〜3個のR5置換基により場合により置換されているC1-8 アルキル、
x) 1〜3個のR5 置換基より場合により置換されている-X1-O-C1-8 アルキル、
xi)-C(O)-R6、
xii) 1〜3個のR7 置換基により場合により置換されているY、及び、
xiii) 1〜3個のR7 置換基により場合により置換されている-X1-Y、
からなる群より選ばれ、又は、
xiv)R1a 及びR1b はそれらが結合している窒素とともに、5〜6員ヘテロシクロアルキル環を形成し、該環は1〜3個のR8 置換基により場合により置換されており、該ヘテロシクロアルキルはO、N及びSからなる群より選ばれる0〜2個の追加のヘテロ原子環頂点を有し、
各YはC3-8シクロアルキル又はO、N及びSからなる群より選ばれる1〜3個のヘテロ原子環頂点を有する4〜6員ヘテロシクロアルキルであり、
R2 及びR4 は各々独立して、H、デューテリウム又はC1-3 アルキルであり、
Ar1 はフェニル又は5〜6員ヘテロアリールであり、その各々は1〜3個のR9により場合により置換されており、
Ar2 はフェニル又は5〜6員ヘテロアリールであり、その各々は1〜3個のR10により場合により置換されており、
Ar1 及びAr2 の前記5〜6員ヘテロアリールは、各々独立して、O、N、N+-O- 及びSからなる群より選ばれる1〜3個のヘテロ原子環頂点を有し、
各X1 はC1-6アルキレンであり、
各R5 はヒドロキシル、C3-8 シクロアルキル、フェニル、-O-フェニル、-C(O)ORa 及びオキソからなる群より独立して選ばれ、
各R6 はC1-8 アルキル、又は、Yであり、その各々はヒドロキシル、-O-フェニル、フェニル及び-O-C1-8 アルキルからなる群より選ばれる1〜3個の置換基により場合により置換されており、
各R7 はC1-8 アルキル、ヒドロキシル、-O-C1-8 アルキル、オキソ及びC(O)ORaからなる群より独立して選ばれ、
各R8 はC1-8 アルキル、ヒドロキシル及びオキソからなる群より独立して選ばれ、
各R9 はC1-8 アルキル、C1-8デューテロアルキル、-O-C1-8 アルキル、-O-C1-8 デューテロアルキル、-X1-O-C1-8 アルキル、-O-X1-O-C1-8 アルキル、-X1-O-X1-O-C1-8 アルキル、-C(O)ORa、ハロゲン、シアノ、-NRbRc、Y、-X1-C3-8 シクロアルキル及び-X2-Zからなる群より独立して選ばれ、ここで、X2 はC1-6 アルキレン、-C1-6 アルキレン-O-、-C(O)-及び-S(O)2-からなる群より選ばれ、Z はO、N及びSからなる群より選ばれる1〜3個のヘテロ原子環頂点を有する4〜6員ヘテロシクロアルキルであり、そして前記R9 置換基の各々は1〜3個のR11により場合により置換されており、
各R10 はC1-8 アルキル、C1-8 デューテロアルキル、ハロ、シアノ、-O-C1-8 アルキル、-O-C1-8 デューテロアルキル、-X1-O-C1-8 アルキル、-O-X1-O-C1-8 アルキル、-S(O)2-C1-6 アルキル、-C(O)NRdRe及びO、N及びSからなる群より選ばれる1〜3個のヘテロ原子環頂点を有する4〜6員ヘテロアリールからなる群より独立して選ばれ、ここで、前記R10 置換基の各々は1〜3個のR12 により場合により置換されており、又は、Ar2 の隣接環頂点にある2個のR10 は場合により組み合わされて、5員複素環式環を形成し、該環は1〜2個のハロゲンにより場合により置換されており、
各R11 はヒドロキシル、ハロ、シアノ、-NRdRe、-C(O)ORa、フェニル、C3-8 シクロアルキル及びC1-4 アルキルからなる群より独立して選ばれ、それはC(O)ORaにより場合により置換されており、
各R12 はハロ、シアノ、ヒドロキシ、-C(O)ORaからなる群より独立して選ばれ、そして
各Ra はH、デューテリウム又はC1-6 アルキルであり、
各Rb 及びRc はH、デューテリウム、C1-8 アルキル、-S(O)2-C1-6 アルキル、-C(O)ORa及び-X1-C(O)ORaからなる群より独立して選ばれ、
各Rd 及びRe はH、デューテリウム、C1-8 アルキル、-S(O)2-C1-6 アルキルからなる群より独立して選ばれ、
ただし、G1 及びG2 が各々Nであり、G3 がCHであり、R2 がCH3であり、そしてR1a 及びR1b が各々H又はデューテリウムであるときに、Ar2 は2-チエニル、フェニル、2-、3-もしくは4-メトキシフェニル、3-もしくは4-ハロフェニル、2,4-ジメトキシフェニル、2,4-ジクロロフェニル又は2-もしくは4-メチルフェニル以外である)
を有する化合物又はその医薬上許容されうる塩、水和物もしくは溶媒和物は提供される。

0093

1つの選択される実施形態の群において、式(I) (Ar1 は1〜3個のR9により場合により置換されている5〜6員ヘテロアリールである)の化合物は提供される。

0094

別の選択される実施形態の群において、式(I)(Ar1 は1〜3個のR9により場合により置換されているピリジル、ピリジルN-オキシド、イミダゾリル、ピラゾリル及びチアゾリルからなる群より選ばれる)の化合物は提供される。幾つかの選択される実施形態において、Ar1 は1〜3個のR9により置換されているピリジル又はピリジルN-オキシドである。

0095

幾つかの選択された実施形態において、式(I)(G3 はCR3cである)の化合物は提供される。

0096

幾つかの選択される実施形態において、式(I)の化合物は式(Ia)



(式中、nは0〜2の整数である)により表される。

0097

幾つかの選択される実施形態において、式(I)の化合物は式(Ib)



により表される。

0098

幾つかの選択される実施形態において、式(I)、(Ia)及び(Ib)(式中、Ar2 は1〜3個のR10により置換されている。幾つかの実施形態において、少なくとも1つのR10 はシアノである。

0099

幾つかの選択される実施形態において、式(I)の化合物は式(Ic)



(式中、mは0〜2の整数である)により表される。

0100

幾つかの選択される実施形態において、式(I)の化合物は式(Id)



により表される。

0101

幾つかの選択される実施形態において、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)及び(Id)の化合物(各R9 はC1-8アルキル、C1-8デューテロアルキル、-O-C1-8 アルキル、-O-C1-8 デューテロアルキル、-X1-O-C1-8 アルキル、-O-X1-O-C1-8 アルキル、-X1-O-X1-O-C1-8 アルキルから独立して選ばれ、ここで、前記R9置換基の各々は1〜3個のR11により場合により置換されている)の化合物は提供される。

0102

幾つかの選択される実施形態において、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)及び(Id)(各R9 は-C(O)ORa、-NRbRc、Y、-X1-C3-8シクロアルキル及び-X2-Zからなる群より独立して選ばれ、ここで、X2 はC1-6アルキレン、-C1-6 アルキレン-O-、-C(O)-及び-S(O)2-からなる群より選ばれ、ZはO、N及びSからなる群より選ばれる1〜3個のヘテロ原子環頂点を有する4-〜6員ヘテロシクロアルキルであり、そして前記R9置換基の各々は1〜3個のR11により場合により置換されている)の化合物は提供される。

0103

幾つかの選択される実施形態において、式(I)の化合物は式(Ie)



により表される。

0104

幾つかの選択される実施形態において、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)及び(Ie) (G2 はNである)の化合物は提供される。

0105

幾つかの選択される実施形態において、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)及び(Ie) (G1 はNである)の化合物は提供される。

0106

幾つかの選択される実施形態において、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)及び(Ie) (G1 はCR3aである)の化合物は提供される。

0107

幾つかの選択される実施形態において、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)及び(Ie) (R2 はH又はデューテリウムである)の化合物は提供される。

0108

幾つかの選択される実施形態において、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)及び(Ie)(R4 はH又はデューテリウムである)の化合物は提供される。

0109

幾つかの選択される実施形態において、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)及び(Ie)(R1b はH又はデューテリウムである)の化合物は提供される。幾つかの選択される実施形態において、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)及び(Ie)
(R1b は:
i)H又はデューテリウム、
ii)1〜3個のR5置換基により場合により置換されているC1-8アルキル、及び、
iii) 1〜3個のR5置換基により場合により置換されている-X1-O-C1-8 アルキル、
からなる群より選ばれる)の化合物は提供される。
幾つかの選択される実施形態において、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)及び(Ie)(R1b は:
i)H又はデューテリウム、
iv)-C(O)-R6、
v)1〜3個のR7置換基により場合により置換されているY、及び、
vi)1〜3個のR7置換基により場合により置換されている-X1-Y、
からなる群より選ばれる)
の化合物は提供される。

0110

幾つかの選択される実施形態において、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)及び(Ie)(各R10 はC1-8アルキル、ハロ、シアノ、-O-C1-8 アルキル、-X1-O-C1-8 アルキル、-O-X1-O-C1-8 アルキルからなる群より独立して選ばれ、前記R10置換基の各々は1〜3個のR12により場合により置換されている)の化合物は提供される。

0111

幾つかの実施形態において、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)及び(Ie)(各R10 は独立して、C1-8アルキル、ハロ、シアノ、-O-C1-8アルキルからなる群より独立して選ばれる)の化合物は提供される。

0112

幾つかの選択される実施形態において、式(Ic)(mは少なくとも1であり、少なくとも1つのR10 はシアノである)の化合物は提供される。幾つかの選択される実施形態において、式(Id)及び(Ie)(少なくとも1つのR10 はシアノである)の化合物は提供される。

0113

幾つかの選択される実施形態において、表1の任意の1つの化合物は提供される。

0114

幾つかの選択される実施形態において、下記に示す化合物の群の任意の1つ:



は提供される。

0115

幾つかの選択される実施施形態において、化合物I



は提供される。

0116

幾つかの選択される実施形態において、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)及び(Ie)の化合物のデューテリウム化形態は提供される。デューテリウムは、独立して、水素が存在しうる任意の箇所で水素の代わりとなることができる。

0117

合成方法
一般に、本明細書に提供される化合物は下記の実施例に記載されるような従来の方法によって調製することができる。

0118

ドラッグデリバリー及び/又は半減期延長のプロドラッグ及び他の手段
本発明のいくつかの態様において、本明細書に記載の化合物はプロドラッグ形態で投与される。

0119

治療活性の延長をもたらすために、デリバリーのためにキャリアを利用するように薬物分子を操作してもよい。このようなキャリアは、非共有結合様式で使用されて薬物部分物理化学的溶媒-キャリア混合物に配合されるか、又は、薬物部分の官能基の1つにキャリア試薬を永久的に共有結合させることによって使用されうる(一般にWO 20150202317を参照されたい)。

0120

いくつかの非共有結合的アプローチは好ましい。例としては、限定するわけではないが、特定の実施形態において、ポリマーキャリアへの非共有結合薬物カプセル封入物を含むデポー製剤は使用される。そのような製剤において、薬物分子はキャリア材料と組み合わされ、薬物分子がバルクキャリアの内部に分布するように処理される。例としては、注射可能な懸濁液として投与される微小粒子ポリマー-薬物凝集体(例えば、Degradex(登録商標)Microspheres(Phosphorex, Inc.))、単一のボーラス注射として投与されるゲル(例えば、Lupron Depot(登録商標)(AbbVie Inc.))として製剤化されたポリマー-薬物分子凝集体、キャリアが薬物を可溶化することができるポリマー又は非ポリマー物質であることができるリポソーム製剤(例えば、DepoCyt(登録商標)(Pacira Pharmaceuticals)が挙げられる。これらの製剤において、薬物分子の放出は、キャリアが膨潤し又は物理的に分解した場合に起こり得る。他の例では、化学的分解は薬物の生物学的環境への拡散を可能にする。このような化学分解プロセスは、自己加水分解もしくは酵素で触媒されうる。他の制限の中でも、非共有結合的な薬物カプセル封入は、薬物の制御されない放出の防止を必要とし、生分解に対する薬剤の放出機構依存性は、患者間変動性を引き起こす可能性がある。

0121

特定の実施形態において、小分子及び大分子の両方を含む薬物分子は永久共有結合によりキャリアに結合される。水性流体中で低い溶解度を示す特定の小分子治療剤は、親水性ポリマーへの結合によって可溶化されることができ、その例は本明細書の他の箇所に記載されている。大分子タンパク質に関して、半減期の延長は、例えば、パルミトイル部分による永続的な共有結合修飾、及び、延長された半減期を有する別のタンパク質による永続的な共有結合修飾によって達成されうる(例えば、Albuferon(登録商標))。一般に、薬物分子は、キャリアが薬物と共有結合した場合に、生物活性の低下を示す。

0122

ある場合に、非共有結合性ポリマー混合物を含むか又は永久共有結合を含む薬物分子に関連する制限は、薬物をポリマーキャリアに化学結合させるためのプロドラッグアプローチを用いることによって首尾よく取り組むことができる。これに関連して、不活性であるか又は薬物部分自体よりも活性の低い治療剤は活性分子物質予測可能に転化される。放出された薬物と比較してのプロドラッグの生物学的活性の低下は、薬物の徐放又は制御放出が望ましい場合に有利である。そのような場合に、薬物の放出は時間の経過と共に起こり、それにより薬物の繰り返し投与及び頻繁な投与の必要性が低減される。プロドラッグアプローチはまた、薬物部分自体が胃腸管において吸収されないか、又は、最適吸収未満である場合に有利でありうる。これらの場合に、プロドラッグは薬物部分の吸収を促進し、その後、ある後の時間(例えば、第一パス代謝を介して)で切断される。生物学的に活性な薬物分子は、典型的には、キャリア部分と薬物分子のヒドロキシ基アミノ基又はカルボキシ基との間に形成される一時的結合によってポリマーキャリア部分に連結される。

0123

上記のアプローチはいくつかの制限に関連している。プロドラッグの活性化は、キャリアと薬物分子との間の一時的結合の酵素的又は非酵素的切断、又は、両者の逐次的な組み合わせ(例えば、酵素的工程とそれに続く非酵素的修飾)によって生じうる。酵素を含まないインビトロ環境(例えば、水性緩衝溶液)では、エステル又はアミドなどの一時的結合が加水分解を受ける可能性があるが、対応する加水分解速度は治療上有用な範囲の範囲外にある。対照的に、インビボ環境では、エステラーゼ又はアミダーゼが典型的に存在し、エステラーゼ及びアミダーゼは、2倍から数桁まで大きさで加水分解の反応速度の有意な触媒促進を引き起こしうる(例えば、Greenwaldら、(1999)J Med Chem 42(18):3857-67)。

0124

本明細書に記載されるように、プロドラッグは、i)生体前駆体及びii)キャリア結合プロドラッグ分類されうる。生物前駆体はキャリア基を含まず、官能基の代謝生成によって活性化される。対照的に、キャリア結合プロドラッグにおいて、活性物質生物活性物質の官能基で一時的な結合を介してキャリア部分に結合される。好ましい官能基はヒドロキシル基又はアミノ基である。結合化学及び加水分解条件の両方は、使用される官能基のタイプに依存する。キャリアは生物学的に不活性(例えば、PEG)であってよく、又は、ターゲティング特性(例えば、抗体)を有してもよい。キャリア結合プロドラッグのキャリア部分の切断により、目的の生物活性物質をもたらし、生物活性物質の脱保護された官能基の性質はその生物活性にしばしば寄与する。

0125

特許及び科学文献には、一時的結合が不安定なエステル結合である多くの高分子プロドラッグが記載されている。これらの場合に、生物活性物質の官能基はヒドロキシル基又はカルボン酸のいずれかである(例えば、Chengら(2003)Bioconjugate Chem 14:1007-17を参照されたい)。さらに、生体高分子及び特定の小分子薬物が、生物活性物質のアミノ基(例えば、タンパク質のN末端又はリジンアミノ基)にキャリアを結合することがしばしば有利である。プロドラッグの調製の間に、アミノ基は、ヒドロキシル基又はフェノール基に比べてより大きな求核性のために、より化学選択的に取り扱われることができる。これは、非選択的結合反応が広範な特性化又は精製を必要とする望ましくない生成物混合物をもたらし、したがって活性成分反応収率及び治療効率を低下させる、多種多様な異なる反応性官能基を含むタンパク質及びペプチドに特に関連する。

0126

一般に、アミド結合は、エステル結合よりも加水分解に対してより安定であり、アミド結合の切断速度は、キャリア結合プロドラッグにおける治療有用性のためには遅すぎる可能性がある。その結果、プロドラッグアミド結合の切断可能性を制御するために、構造化学成分を添加することが有利でありうる。キャリア自体によっても又は薬物によっても提供されないこれらの追加の切断制御化学成分は、一般に「リンカー」と呼ばれる。プロドラッグリンカーは、一時的結合の加水分解速度に大きな影響を与えることができ、リンカーの化学的性質の変化はしばしば特定の特性をもたらす。標的放出のための特定の酵素によるアミン含有生物活性部分のプロドラッグ活性化は、リンカーの構造が対応する内因性酵素によって基質として認識される構造モチーフを表示することを必要とする。これらの場合に、一時的結合の切断は、酵素によって触媒される一工程プロセスで起こる。例えば、シタラビンの酵素的放出は、様々な種類の腫瘍塊において比較的高いプロテアーゼプラスミンによって行われる。

0127

患者間の変動性は支配的な酵素切断の主要な欠点である。酵素レベルは、酵素的切断によるプロドラッグ活性化の生物学的変動性をもたらす対象間で有意に異なる場合がある。酵素レベルはまた、投与部位に依存して変動しうる(例えば、皮下注射の場合、身体のある領域は他の領域よりも予測可能な治療効果をもたらす)。さらに、酵素依存性キャリア結合プロドラッグの薬物動態的特性のインビボ-インビトロ相関を確立することは困難である。

0128

薬物部分中のアミノ基への一時的結合を使用する他のキャリアプロドラッグはカスケード機構に基づく。カスケード切断は、マスキング基活性化基との構造的組み合わせからなるリンカー化合物によって可能になる。マスキング基は、エステル又はカルバメートなどの第一の一時的結合によって活性化基に結合されている。活性化基は、第二の一時的結合(例えば、カルバメート)を介して薬物分子のアミノ基に結合される。第二の一時的結合の安定性又は加水分解に対する感受性はマスキング基の存在又は非存在に依存する。マスキング基の存在下において、第二の一時的結合は非常に安定であり、薬物分子を治療的に有用な反応速度で放出しそうにないが、一方、マスキング基の非存在下において、この結合は非常に不安定になり、薬物部分の迅速な切断及び放出をもたらす。

0129

第一の一時的結合の切断はカスケード機構における律速段階である。第一の段階は、活性化基の分子転位誘導することができ(例えば、Greenwaldら(1999)J Med Chem 42:3657-67に記載されているような1,6-脱離)、そして転位は第二の一時的結合を一層より不安定にし、それにより、その切断が誘発される。理想的には、第一の一時的結合の切断速度は、所与の治療シナリオにおける薬物分子の所望の放出速度と同一である。さらに、第二の一時的結合の切断は、その不安定性が第一の一時的な結合の切断によって誘発された後に実質的に瞬時に起こることが望ましい。

0130

別の実施形態は、トリメチルロックラクトン化に基づくポリマーアミノ含有プロドラッグを含む(例えば、Greenwaldら(2000)J Med Chem 43(3):457-87を参照されたい)。このプロドラッグ系において、置換o-ヒドロキシフェニル-ジメチルプロピオン酸は、エステル、カーボネート又はカルバメート基を第一の一時的結合としてPEGに結合され、そして第二の一時的結合としてアミド結合によって薬物分子のアミノ基に結合される。薬物放出における律速段階は、第一の結合の酵素的切断であり、次いで、ラクトン化による速いアミド切断が起こり、芳香族ラクトン副生成物が放出される。Greenwaldらによって記載されたプロドラッグ系の主な欠点は、キノンメチド又は芳香族ラクトンなどの高度に反応性のある潜在的に毒性のある芳香族小分子副生成物の一時的結合の切断後の放出である。潜在的に毒性のある物質は、薬物と1:1の化学量論比で放出され、高いインビボ濃度をとることができる。

0131

1,6-脱離に基づく芳香族活性化基を含むカスケードプロドラッグの特定の実施形態において、マスキング基は構造的にキャリアから分離されている。これは、ポリマーキャリアと活性化基との間の安定な結合を用いることによって達成されることができ、安定な結合はカスケード切断機構に関与しない。キャリアがマスキング基として機能せず、そして活性化基が安定な結合によってキャリアに結合している場合に、潜在的に毒性のある副生成物(活性化基など)の放出は回避される。活性化基及びポリマーの安定した結合はまた、未定義の薬理学で薬物-リンカー中間体の放出を抑制する。

0132

前段落に記載されたアプローチの第一の例は、マンデル酸活性化基に基づくポリマープロドラッグ系を含む(例えば、Shabatら(2004)Chem Eur J 10:2626-34を参照されたい)。このアプローチでは、マスキング基はカルバメート結合によって活性化基に結合している。活性化基は、アミド結合を介してポリアクリルアミドポリマーに永久的に結合される。触媒抗体によるマスキング基の酵素的活性化の後に、マスキング基は環化によって切断され、薬物が放出される。活性化基は薬物放出後に依然としてポリアクリルアミドポリマーに結合している。同様のプロドラッグ系はマンデル酸活性化基及び酵素的に切断可能なエステル結合マスキング基に基づく(例えば、Leeら(2004)Angew Chem 116:1707-10を参照されたい)。

0133

上記のリンカーを使用する場合に、1,6-脱離工程は依然として反応性の高い芳香族中間体を生成する。芳香族部分がポリマーキャリアに永久に結合したままであっても、潜在的に毒性の副生成物又は免疫原性効果を伴う副反応が生じることがある。したがって、酵素依存性でなく、切断の間に反応性芳香族中間体を生成しない脂肪族プロドラッグリンカーを使用して、アミン含有活性剤のポリマープロドラッグを形成するためのリンカー技術を生成することが有利である。そのような1つの例は、組織型プラスミノーゲン活性化剤及びウロキナーゼにおけるアミノ基の可逆的修飾のためにPEG5000-無水マレイン酸を使用する(例えば、(1987)Garmanら、FEBSLett 223(2):361-65を参照されたい)。マレアミド酸結合の切断によるpH7.4緩衝液でのインキュベーション時のPEG-uPA結合体からの機能的酵素の再生は、約6時間の半減期の一次速度論に従う。マレアミド酸結合の欠点は、より低いpH値での結合体の安定性の欠如である。

0134

さらなるアプローチは、N,N-ビス-(2-ヒドロキシエチルグリシンアミドビシン)リンカーに基づくPEGカスケードプロドラッグ系を含む(例えば、(2004)J Med Chem 47:726-34を参照されたい)。この系において、2つのPEGキャリア分子は一時的結合を介して、薬物分子のアミノ基に結合したビシン分子に結合される。プロドラッグ活性化の第一の工程は、両方のPEGキャリア分子をビシン活性化基のヒドロキシ基と結合させる第一の一時的結合の酵素的切断を含む。PEGとビシンとの間の異なる結合は、異なるプロドラッグ活性化反応速度をもたらす。プロドラッグの活性化の第二の工程は、ビシン活性化基を薬物分子のアミノ基に結合させる第二の一時的結合の切断を含む。この系の欠点は、この第二の一時的ビシンアミド結合のゆっくりとした加水分解速度であり、その結果、本来の親薬物分子と比較して異なる薬物動態的特性、免疫原性、毒性及び薬力学的特性を示すビシン修飾プロドラッグ中間体が放出される。

0135

特定の実施形態では、ジペプチドは、酵素又は生体輸送系の基質であるため、標的化する又は標的化される輸送のためのプロドラッグの開発に利用される。ジペプチドプロドラッグ形成のための非酵素的経路、すなわち、分子内環化を受けて対応するジケトピペラジン(DKP)を形成し、活性薬物を放出する能力は、明確に定義されていない。

0136

いくつかの実施形態において、ジペプチドは、薬物パラセタモールのジペプチドエステルについて記載されているように、エステル結合を介して薬物部分に結合される(Gomesら(2005)Bio&Med Chem Lett)。この場合に、環化反応は、エステル炭素原子上のペプチドのN末端アミンの求核性攻撃で、テトラヘドラル中間体を形成し、続いてアミンから脱離基オキシアニオンへのプロトン移動が行われ、ペプチド結合が同時に形成され、環状DKP生成物及び遊離薬物を提供することからなる。この方法はインビトロでヒドロキシル含有薬物に適用可能であるが、緩衝液中よりもずっと速い速度で対応するジペプチドエステルがパラセタモールを放出するので、インビボでエステル結合の酵素加水分解競合することがわかった(Gomesら(Molecules 12(2007)2484-2506)。ジペプチド系プロドラッグのペプチダーゼに対する感受性は、ジペプチドモチーフ中に少なくとも1つの非天然アミノ酸を組み込むことによって対処することができる。しかしながら、エステル結合を切断することができる内因性酵素はペプチダーゼに限定されず、そのようなプロドラッグ切断の酵素依存性は依然として予測不能なインビボ性能を生じる。

0137

いくつかの実施形態において、酵素依存性は、DKPプロドラッグに意図的に操作され、例えば、ジペプチドエステルプロドラッグはジペプチドのアミノ末端ホルミル化され、そして酵素的脱ホルミル化を用いてジケトピペラジン形成を開始させ、その後に、エステルジペプチドを切断させ、次いで、薬物分子を放出させる(例えば、米国特許第7,163,923号明細書を参照されたい)。さらなる例として、オクタペプチドは、ビンブラスチンの4-ヒドロキシル基にエステル結合によって結合され、N末端ヘキサペプチドの特異的酵素除去後のDKP形成によるエステル結合切断を受ける(Bradyら(2002)J Med Chem 45:4706-15)。

0138

DKP形成反応の範囲はまた、アミドプロドラッグに拡張されている。例えば、米国特許第5,952,294号明細書は、シタラビンのジペプチジルアミドプロドラッグのジケトピペラジン形成を用いたプロドラッグ活性化を記載している。この場合に、ジペプチドのカルボニルとシタラビンの芳香族アミノ基との間に一時的結合が形成される。しかしながら、キャリア又は他の半減期延長部分又は官能基が存在しないような結合体については、徐放効果を達成することはできないようである。

0139

ジペプチド伸長のジケトピペラジン形成を介してペプチドを放出することができるGLP-1などの生物活性ペプチドを含むジペプチドプロドラッグも記載されている(例えば、WO2009/099763を参照されたい)。生物活性ペプチド部分は、生物活性ペプチドの延長循環を達成するために、そのアミノ酸側鎖残基の1つに追加のPEG鎖を含むことができる。しかしながら、このアプローチはいくつかの重大な欠点に関連している。第一に、PEG鎖は、その生物活性を損なうことなくペプチドに結合されなければならず、これは多くのペプチド系生物活性剤にとって達成するのが困難でありうる。第二に、ペグ化ペプチド自体が生物活性であるので、ジペプチド性プロ部分はペプチドの生物活性に影響を及ぼし、そのレセプター結合特性に悪影響を及ぼしうる。

0140

本発明の化合物と共に使用することができる特定の例示的な技術には、ProLynx(San Francisco, CA)及びAscendis Pharma (Palo Alto, CA)によって開発されたものが含まれる。ProLynx技術プラットフォームは、異なる速度で切断するようにあらかじめプログラムされた一連の新規リンカーを利用して、循環半固体高分子結合体からの小分子及びペプチドの制御された予測可能で持続的な放出を可能にする。この技術は、数週間から数ヶ月にわたり、所望の治療剤の定常状態血清レベルの維持を可能にする。

0141

Ascendis技術プラットフォームは、プロドラッグ及び持続放出技術の利点を組み合わせて、小分子及びペプチドの特性を向上させる。循環中、権利付きプロドラッグは、生理学的pH及び温度条件によって支配される所定の速度で未修飾活性親治療剤を放出する。治療剤はその未修飾形態で放出されるので、その元の作用機構を保持する。

0142

阻害剤の特性を促進するための修飾
本明細書中に開示される治療様式の1つ以上の物理的特性及び/又はそれらが適用される様式を改善することは、しばしば有益であり、時には不可欠である。物理的特性の改善としては、例えば、水溶性生物学的利用能血清半減期及び/又は治療的半減期を増加させる方法及び/又は生物活性を調節する方法が挙げられる。

0143

当該分野で公知の修飾としては、ペグ化、Fc融合及びアルブミン融合が挙げられる。一般に、大分子薬剤(例えば、ポリペプチド)に関連するが、このような修飾は最近、特定の小分子で評価されている。例として、Chiang, M. ら(J. Am. Chem. Soc., 2014, 136(9):3370-73)は、免疫グロブリンFcドメインに結合したアデノシン2aレセプターの小分子アゴニストを記載している。小分子Fc結合体は強力なFcレセプターとアデノシン2aレセプターとの相互作用を保持し、非結合小分子と比較して優れた特性を示した。小分子治療薬へのPEG分子の共有結合も記載されている(Li、W.ら、Progress in Polymer Science, 2013 38:421-44)。

0144

他の公知の修飾としては、薬物速度論薬物動態学及び毒性プロフィールを改善するための重水素化が挙げられる。重水素(デューテリウム)の原子質量が大きいため、炭素-重水素(デューテリウム)結合の切断には炭素-水素結合よりも多くのエネルギーが必要である。これらの強力な結合は破壊するのがより困難であるため、薬物代謝の速度は、重水素化されていない形態と比較してより遅く、投与回数が少なくなり、毒性をさらに低下させることができる(Charles Schmidt, Nature Biotechnology, 2017,35(6):493-494; Harbeson, S.及びTung、R., Medchem News, 2014(2):8-22)。

0145

治療的及び予防的使用
本発明は、広い範囲の疾患、障害及び/又は状態、及び/又はその症状の治療又は予防における本明細書に記載のA2AR/A2BR阻害剤の使用を企図する。以下では、特定の用途について詳細に説明するが、本発明はそれに限定されないことを理解されたい。さらに、特定の疾患、障害及び状態の一般的なカテゴリーが以下に述べられるが、いくつかの疾患、障害及び状態は1つより多くのカテゴリーの構成要素であることができ、そして他は、開示されるカテゴリーのいずれかの構成要素ではないこともありうる。

0146

いくつかの実施形態では、本明細書に記載の疾患、障害及び/又は状態は、少なくとも部分的に、アデノシンA2Aレセプター(A2AR)によって媒介される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の疾患、障害及び/又は状態は、少なくとも部分的に、アデノシンA2Bレセプター(A2BR)によって媒介される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の疾患、障害及び/又は状態は、少なくとも部分的にA2AR及びA2BRの両方によって媒介される。

0147

いくつかの実施形態では、本明細書に記載のA2AR/A2BR阻害剤は、A2AR媒介性免疫抑制の進行を逆行させるか、又は、停止させるのに有効な量で投与される。

0148

腫瘍関連障害
本発明によれば、A2AR/A2BR阻害剤は、癌、例えば、子宮、子宮頸部、乳房、前立腺、精巣、胃腸管(例えば、食道、口腔咽頭、胃、小腸又は大腸結腸又は直腸)、腎臓、腎臓細胞、膀胱、骨、骨髄、皮膚、頭頸部、肝臓、胆嚢心臓、肺、膵臓、唾液腺、副腎、甲状腺、脳(例えば、神経膠腫)、神経節中枢神経系(CNS)及び末梢神経系(PNS)の癌、及び、造血系及び免疫系(例えば、脾臓又は胸腺)の癌を含む、増殖性状態又は障害を治療又は予防するために使用されうる。本発明はまた、例えば、免疫原性腫瘍、非免疫原性腫瘍、休止腫瘍、ウイルス誘発性癌(例えば、上皮細胞癌、内皮細胞癌、扁平上皮癌及びパピローマウイルス)、腺癌、リンパ腫、癌腫黒色腫、白血病、骨髄腫、肉腫、奇形癌、化学的に誘導される癌、転移及び血管新生を含む、他の癌関連疾患、障害又は状態を治療又は予防する方法を提供する。本発明は、例えば、調節性T細胞及び/又はCD8+T細胞の活性を調節することによって、腫瘍細胞又は癌細胞抗原に対する耐性を減少させることを企図する(例えば、Ramirez-Montagutら(2003)Oncogene 22 :3180-87;及びSawayaら(2003)New Engl. J. Med. 349:1501-09)。特定の実施形態において、腫瘍又は癌は結腸癌、卵巣癌、乳癌、黒色腫、肺癌、膠芽細胞腫又は白血病である。癌関連疾患、障害及び状態という用語の使用は、癌に直接的又は間接的に関連する状態を広く指すことが意図され、例えば、血管新生及び異形成などの前癌状態を含む。

0149

特定の実施形態において、癌は、転移性であるか又は転移性になる危険性があるか、又は、放散性組織中に存在することがあり、血液又は骨髄の癌(例えば、白血病)を含む。いくつかのさらなる実施形態において、本発明の化合物は、T細胞耐性を克服するために使用されうる。

0150

いくつかの実施形態において、本発明は、A2AR/A2BR阻害剤及び少なくとも1つの追加の治療剤又は診断剤(その例は本明細書の他の箇所に記載されている)を用いて増殖性状態、癌、腫瘍又は前癌状態を治療する方法を提供する。

0151

免疫及び炎症関連障害
本明細書中で使用されるときに、「免疫疾患」、「免疫状態」、「免疫障害」、「炎症性疾患」、「炎症状態」、「炎症性障害」などの用語は、本明細書に記載のA2AR/A2BR阻害剤によって処置することができ、それにより、幾らかの治療的利益が得られる炎症性成分を有する免疫関連状態(例えば、自己免疫性疾患)又は障害を広く包含することが意図される。このような状態は、しばしば他の疾患、障害及び状態と密接に絡み合っている。例として、「免疫状態」は、癌、腫瘍及び血管新生などの増殖性状態を指すことができ、 (急性及び慢性)感染症、腫瘍及び免疫系による根治抵抗性がある癌を含む。

0152

本発明のA2AR/A2BR阻害剤は免疫応答を増加又は増強するために、ワクチンの有効性の向上を含む予防接種を改善し、そして炎症を増加させるために使用することができる。免疫不全疾患、免疫抑制治療、急性及び/又は慢性感染症ならびに老化に関連する免疫不全は本明細書に開示される化合物を用いて治療することができる。A2AR/A2BR阻害剤はまた、骨髄移植、化学療法又は放射線療法を受けたものを含む、医原的に誘発された免疫抑制に苦しむ患者の免疫系を刺激するために使用することができる。

0153

本開示の特定の実施形態において、A2AR/A2BR阻害剤は、アジュバント活性を提供することによって、抗原に対する免疫応答を増加又は増強するために使用される。特定の実施形態において、少なくとも1つの抗原又はワクチンは、抗原又はワクチンに対する免疫応答を延長するために、本発明の少なくとも1つのA2AR/A2BR阻害剤と組み合わせて対象に投与される。限定するわけではないが、ウイルス、細菌及び真菌、又はその一部、タンパク質、ペプチド、腫瘍特異的抗原及び核酸ワクチンを含む少なくとも1つの抗原剤又はワクチン成分を、本発明の少なくとも1つのA2AR/A2BR阻害剤と組み合わせて含む治療組成物も提供される。

0154

本発明の化合物及び組成物で治療又は予防することができる免疫及び炎症関連疾患、障害及び状態の非限定的なリストとしては、関節炎(例えば、関節リウマチ)、腎不全、狼瘡、喘息、乾癬大腸炎膵炎アレルギー線維症外科合併症(例えば、炎症性サイトカイン治癒を妨げる場合)、貧血及び線維筋痛が挙げられる。慢性炎症に関連しうる他の疾患及び障害としては、アルツハイマー病うっ血性心不全、卒中、大動脈弁狭窄症動脈硬化症骨粗鬆症、パーキンソン病、感染症、炎症性腸疾患(例えば、クローン病及び潰瘍性大腸炎)、アレルギー性接触性皮膚炎及び他の湿疹全身性硬化症、移植及び多発性硬化症が挙げられる。

0155

他の免疫関連障害の中でも、A2AR/A2BR機能の阻害が、免疫学的寛容及び子宮内胎児拒絶の予防において役割を果たすができることも考えられる。

0156

いくつかの実施形態において、本明細書に記載のA2AR/A2BR阻害剤は、免疫エフェクター細胞の数を減少させるために免疫抑制剤と組み合わせることができる。

0157

A2AR/A2BR阻害剤が(例えば、現在の治療法の制限のために)特に有効でありうる前記疾患、障害及び状態のいくつかを以下でより詳細に説明する。

0158

関節の膜内層滑膜)における慢性炎症を一般に特徴とする関節リウマチ(RA)は、米国人口の約1%(約210万人)が発症している。炎症プロセスにおけるTNF-a及びIL-1を含むサイトカインの役割のさらなる理解により、疾患変性抗リウマチ薬DMARD)の新しいクラスの開発及び導入を可能になった。薬剤(そのいくつかはRAの治療法と重なる)としては、ENBREL(エタネルセプト)、REMICADE(インフリキシマブ)、HUMIRA(アダリムマブ)及びKINERET(アナキンラ)が挙げられる。これらの薬剤のいくつかは、症状を緩和し、構造的損傷の進行を抑制し、特に患者集団において身体機能を改善するが、改善された有効性、相補的な作用機構及びより少ない/より軽度の副作用を有する代替薬剤が依然として必要とされている。

0159

一般的な免疫介在性慢性皮膚疾患一群である乾癬は、米国で450万人を超える人々が発症しており、そのうち150万人が中等度から重度の疾患を有すると考えられている。さらに、乾癬患者の10%以上が関節周囲の骨及び結合組織に損傷を与える乾癬性関節炎を発症する。乾癬の根底にある生理機能の改善された理解は、例えば、疾患の炎症性の原因であるTリンパ球及びサイトカインの活性を標的とする薬剤の導入をもたらした。このような薬剤として、TNF-α阻害剤(関節リウマチ(RA)の治療にも使用され、ENBREL(エタネルセプト)、REMICADE(インフリキシマブ)及びHUMIRA(アダリムマブ)を含む)、及び、AMEVIVE(アレファート)及びラピバ(エファリズマブ)などのT細胞阻害剤が挙げられる。これらの薬剤のいくつかは、特定の患者集団においてある程度有効であるが、すべての患者を効果的に治療することは示されていない。

0160

微生物関連障害
本発明は、A2AR/A2BR阻害剤による治療が有益でありうる任意のウイルス性細菌性、真菌性、寄生虫性又は他の感染性疾患、障害又は状態の治療及び/又は予防における本明細書に記載のA2AR/A2BR阻害剤の使用を企図する。

0161

考慮されるウイルス性疾患、障害及び状態の例としては、限定するわけではないが、B型肝炎ウイルスHBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、ヒトパピローマウイルス(HPV)、HIV、AIDS(悪液質認知症下痢などの症状を含む)、ヘルペスシンプレックスウイルス(HSV)、エプスタイン-バーウイルス(EBV)、水痘帯状疱疹ウイルス、コクサッキーウイルス及びサイトメガロウイルス(CMV)が挙げられる。

0162

このような疾患のさらなる例としては、ブドウ球菌及び連鎖球菌感染(例えば、それぞれ黄色ブドウ球菌及び連鎖球菌サンニス)、リーシュマニアトキソプラズマトリコモナスジアルジアカンジダアルビカンス炭疽菌及び緑膿菌(pseudomonas aeruginosa)が挙げられる。いくつかの実施形態において、疾患又は障害としては、マイコバクテリウム感染(例えば、マイコバクテリウム・レプレー又はマイコバクテリウム・ツベルクローシス)又はリステリアモノサイトゲネス又はトキソプラズマ・ゴンディによって引き起こされる感染が挙げられる。本発明の化合物は、敗血症の治療、細菌増殖の減少又は阻害、及び、炎症性サイトカインの低減又は阻害に使用することができる。

0163

さらなる実施形態は、限定するわけではないが、ドノバン‐リーシュマニア(Leishmania donovani)、熱帯リーシュマニア(Leishmania tropica)、大形リーシュマニア(Leishmania major)、リーシュマニアアエチオピカ(Leishmania aethiopica)、メキシコリーシュマニア(Leishmania mexicana)、熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)、三日熱マラリア原虫(Plasmodium vivax)、卵形マラリア原虫(Plasmodium ovale)又は四日熱マラリア原虫(Plasmodium malariae)を含む寄生虫感染の治療を企図する。しばしば、予防的に(例えば、対象が寄生虫感染の頻度が高い地域に移動する前に)抗寄生虫療法が施される。

0164

CNS関連および神経学的障害
A2AR/A2BRの阻害はまた、認知機能及び運動機能の障害に関連する障害を含む、神経系、神経精神医学的神経変性又は中枢神経系との関連を有する他の疾患、障害及び状態を有する患者にとって重要な治療戦略でありうる。例としては、パーキンソン病、余分なピラミッド症候群EPS)、錐体外路症候群(EPS)、ジストニア座礁症、遅発性ジスキネジー不穏下肢症候群(RLS)、てんかん、睡眠時周期四肢運動PLMS)、注意欠陥障害うつ病、不安、痴呆、アルツハイマー病、ハンチントン病、多発性硬化症、脳虚血出血性脳卒中くも膜下出血及び外傷性脳損傷が挙げられる。

0165

脳及び脊髄におけるミエリンの炎症及び瘢痕の複数の領域を含む重度の衰弱自己免疫疾患である多発性硬化症(MS)に罹患している対象は、現在の治療が症状を緩和し又は障害の進行を遅らせるだけなので、本明細書に記載のA2AR/A2BR阻害剤によって特に助けられることができる。

0166

同様に、A2AR/A2BR阻害剤は、患者の思考、記憶及び言語プロセスを著しく損なう脳疾患であるアルツハイマー病(AD)、及び、異常な運動、剛性及び振戦などを特徴とするCNSの進行性障害であるパーキンソン病(PD)のような神経変性疾患に罹患している対象にとって特に有利であることができる。これらの障害は進行性であり、衰弱性であり、治癒薬は入手不能である。

0167

他の障害
本発明の実施形態は、少なくとも幾らかのレベルのA2AR/A2BR阻害から利益を得ることができる他の障害の治療又は予防のための、本明細書に記載のA2AR/A2BR阻害剤の対象への投与を企図する。このような疾患、障害及び状態としては、例えば、心臓血管(例えば、心臓虚血)、胃腸(例えば、クローン病)、代謝(例えば、糖尿病)、肝臓(例えば、肝線維症、NASH及びNAFLD)、肺(例えば、COPD及び喘息)、眼疾患(例えば、糖尿病性網膜症)、及び、腎臓(例えば、腎不全)障害が挙げられる。

0168

医薬組成物
本発明のA2AR/A2BR阻害剤は、対象への投与に適した組成物の形態であることができる。一般に、そのような組成物は、A2AR/A2BR阻害剤及び1つ以上の医薬上許容されうる又は生理学的に許容されうる希釈剤、キャリア又は賦形剤を含む「医薬組成物」である。特定の実施形態において、A2AR/A2BR阻害剤は治療上許容される量で存在する。医薬組成物は、本発明の方法において使用することができる。したがって、例えば、医薬組成物は、本明細書に記載の治療及び予防方法及び使用を実施するために、エクスビボ又はインビボで対象に投与することができる。

0169

本発明の医薬組成物は、意図された投与方法又は投与経路適合するように製剤化することができる。例示的な投与経路を本明細書に記載する。さらに、医薬組成物は本発明によって企図される疾患、障害及び状態を治療又は予防するために、本明細書に記載される他の治療的に活性な薬剤又は化合物と組み合わせて使用されうる。

0170

活性成分(例えば、A2AR/A2BR機能の阻害剤)を含有する医薬組成物は、経口使用に適した形態、例えば、錠剤カプセルトローチロゼンジ、水性又は油性懸濁液、分散性粉末又は顆粒エマルション、硬又は軟カプセル、又は、シロップ溶液マイクロビーズ又はエリキシル剤であることができる。経口使用を意図した医薬組成物は、医薬組成物の製造のための当該分野で公知の任意の方法に従って調製することができ、そのような組成物は、例えば、甘味剤香味剤着色剤及び保存剤などの1種以上の薬剤を含み、医薬的にエレガントで口当たりの良い製剤を提供することができる。錠剤、カプセル剤などは、錠剤の製造に適した無毒性の医薬上許容されうる賦形剤との混合物中に活性成分を含有する。これらの賦形剤は、例えば、炭酸カルシウム炭酸ナトリウム乳糖リン酸カルシウム又はリン酸ナトリウムなどの希釈剤、コーンスターチ又はアルギン酸などの顆粒化剤及び崩壊剤ゼラチン又はアカシアなどの結合剤、及び、ステアリン酸マグネシウムステアリン酸又はタルクなどの潤滑剤であることができる。

0171

経口投与に適した錠剤、カプセル剤などは、コーティングされていなくてよく、又は、公知の技術によってコーティングされてもよく、それにより、胃腸管における崩壊及び吸収を遅延させ、持続作用を提供することができる。例えば、グリセリルモノステアレート又はグリセリルジステアレートなどの時間遅延材料を使用することができる。これらはまた、当該技術分野で公知の技術によってコーティングして、制御放出のための浸透性治療用錠剤を形成することができる。追加の薬剤としては、生分解性又は生体適合性粒子又はポリマー物質を挙げることができ、ポリエステルポリアミン酸ヒドロゲルポリビニルピロリドンポリ酸無水物ポリグリコール酸、エチレン-ビニルアセテートメチルセルロースカルボキシメチルセルロース硫酸プロタミン又はラクチド/グリコリドコポリマーポリラクチド/グリコリドコポリマー又はエチレンビニルアセテートコポリマーが挙げられ、それにより、投与された組成物のデリバリーを制御することができる。例えば、経口剤は、コアセルベーション技術又は界面重合ヒドロキシメチルセルロース又はゼラチン-マイクロカプセル又はポリメチルメタクリレート)マイクロカプセルのそれぞれの使用によって、又は、コロイド薬物デリバリー系において調製されたマイクロカプセル中に封入することができる。コロイド分散系としては、巨大分子複合体、ナノカプセルマイクロスフェア、マイクロビーズ及び脂質ベースの系が挙げられ、水中油型エマルジョンミセル混合ミセル及びリポソームを含む。上記の製剤の調製方法は当業者に明らかであろう。

0172

経口使用のための製剤は、活性成分が不活性固体希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、カオリン又は微結晶性セルロースと混合された硬ゼラチンカプセルとして、又は、活性成分が、水又は、ピーナッツ油流動パラフィン又はオリーブ油などの油媒体と混合された軟ゼラチンカプセルとして提供されてよい。

0173

水性懸濁液は、その製造に適した賦形剤との混合物として活性材料を含有する。そのような賦形剤は、懸濁剤、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴム及びアラビアゴム分散剤又は湿潤剤、例えば、天然由来ホスファチド(例えば、レシチン)、又は、アルキレンオキシド脂肪酸との縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンステアレート)、又は、エチレンオキシド長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物(例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール)、又は、エチレンオキシドと、脂肪酸及びヘキシトール無水物から誘導される部分エステルとの縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート)であることができる。水性懸濁液はまた、1種以上の防腐剤を含有してもよい。

0174

油性懸濁液は、ラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油又はヤシ油などの植物油、又は、流動パラフィンなどの鉱油中に活性成分を懸濁させることによって製剤化することができる。油性懸濁液は、増粘剤、例えば、蜜蝋硬質パラフィン又はセチルアルコールを含有してよい。口当たりの良い経口製剤を提供するために、上記のような甘味剤及び香味剤を添加することができる。

0175

水を添加することによって水性懸濁液を調製するのに適した分散性粉末及び顆粒は、分散剤又は湿潤剤、懸濁化剤及び1種以上の防腐剤との混合物として活性成分を提供する。好適な分散剤又は湿潤剤及び懸濁剤は本明細書において例示される。

0176

本発明の医薬組成物はまた、水中油型エマルジョンの形態であってもよい。油性相は、植物油、例えばオリーブ油又はラッカセイ油、又は、鉱油、例えば流動パラフィン、又は、これらの混合物でありうる。適切な乳化剤は、天然起源ガム、例えば、アカシアガム又はトラガカントガム、天然起源のホスファチド、例えば、大豆、レシチン、及び、脂肪酸に由来するエステル又は部分エステルなど、ヘキシトール無水物、例えばソルビタンモノオレエート、及び、部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物、例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートであることができる。

0177

医薬組成物は、典型的には、本発明によって企図される治療有効量のA2AR/A2BR阻害剤及び1種以上の医薬上及び生理学上許容されうる配合剤を含む。適切な医薬上許容されうる又は生理学上許容されうる希釈剤、キャリア又は賦形剤として、は、限定するわけではないが、抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸及び重硫酸ナトリウム)、防腐剤(例えば、ベンジルアルコールメチルパラベンp-ヒドロキシ安息香酸エチル又はn-プロピル)、乳化剤、懸濁剤、分散剤、溶媒、充填剤増量剤洗浄剤緩衝剤ビヒクル、希釈剤及び/又はアジュバントが挙げられる。例えば、適切なビヒクルは生理食塩水又はクエン酸緩衝生理食塩水であることができ、非経口投与のための医薬組成物に一般的な他の材料を補充されていてよい。中性緩衝生理食塩水又は血清アルブミンと混合した生理食塩水は、さらなる例示的なビヒクルである。当業者は本明細書で企図される医薬組成物及び剤形において使用されうる様々な緩衝液を容易に認識するであろう。典型的な緩衝剤としては、限定するわけではないが、医薬上許容されうる弱酸弱塩基又はそれらの混合物が挙げられる。一例として、緩衝剤成分は、リン酸、酒石酸、乳酸、コハク酸、クエン酸、酢酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸グルタミン酸及びそれらの塩などの水溶性材料であることができる。許容されうる緩衝剤としては、例えば、トリス緩衝剤、N-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-N'-(2-エタンスルホン酸)(HEPES)、2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)、2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸ナトリウム塩(MES)、3-(N-モルホリノ)プロパンスルホン酸(MOPS)及びN-トリス[ヒドロキシメチル]メチル-3-アミノプロパンスルホン酸(TAPS)が挙げられる。

0178

医薬組成物を製剤化した後に、溶液、懸濁液、ゲル、エマルジョン固体又は脱水又は凍結乾燥粉末として滅菌バイアルに保存することができる。そのような製剤は、すぐに使用できる形態、使用前に再構成する必要がある凍結乾燥形態、使用前に希釈する必要がある液体形態、又は、他の許容可能な形態のいずれかで保存することができる。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、一回使用容器(例えば、一回使用バイアル、アンプルシリンジ又は自己注射器(例えば、EpiPen(登録商標)に類似))で提供され、一方、複数回使用容器(例えば、複数回使用バイアル)は他の実施形態で提供される。

0179

製剤はまた、リポソーム、ヒドロゲル、プロドラッグ及びマイクロカプセル化デリバリーシステムを含む、制御放出製剤など、身体からの急速な分解又は除去から組成物を保護するためのキャリアを含むこともできる。例えば、グリセリルモノステアレート又はグリセリルステアレートなどの時間遅延材料を単独で、又は、ワックスと組み合わせて使用することができる。任意のドラッグデリバリー装置を用いてA2AR/A2BR阻害剤を送達することができ、それにはインプラント(例えば、移植可能ポンプ)及びカテーテルシステム、低速注入ポンプ及びデバイスを含み、これらの全ては当業者に周知である。

0180

一般に皮下又は筋肉内に投与されるデポー注射も、決められた時間にわたって本明細書に開示のA2AR/A2BR阻害剤を放出するために利用されうる。デポー注射は、通常、固体又は油ベースであり、一般に、本明細書に記載の製剤成分の少なくとも1つを含む。当業者は可能な製剤及びデポー注射の使用に精通している。

0181

医薬組成物は、滅菌注射用水性又は油性懸濁液の形態であってよい。この懸濁液は、本明細書に記載の適切な分散剤又は湿潤剤及び懸濁剤を用いて公知の技術に従って配合することができる。滅菌注射用製剤は、非毒性の非経口的に許容されうる希釈剤又は溶媒中の滅菌注射溶液又は懸濁液であってよく、例えば1,3-ブタンジオール中の溶液とする。使用することができる許容される希釈剤、溶媒及び分散媒としては、水、リンゲル溶液等張性塩化ナトリウム溶液、Cremophor EL (商標)(BASF, Parsippany, NJ)又はリン酸緩衝化生食塩水PBS)、エタノールポリオール(例えば、グリセロールプロピレングリコール及び液体ポリエチレングリコール)、及び、それらの適切な混合物が挙げられる。さらに、滅菌不揮発性油は、溶媒又は懸濁媒として従来から使用されている。この目的のために、合成モノグリセリド又はジグリセリドを含む任意の無刺激性の固定油を使用することができる。さらに、オレイン酸などの脂肪酸は注射剤の調製に用途を見い出す。吸収を遅らせる薬剤(例えば、モノステアリン酸アルミニウム又はゼラチン)を含めることによって、特定の注射可能な製剤の持続的な吸収を達成することができる。

0182

本発明は、直腸投与のための坐剤の形態のA2AR/A2BR阻害剤の投与を企図している。坐剤は、常温では固体であるが直腸温度では液体である適切な非刺激性賦形剤と薬物を混合することによって調製することができ、したがって直腸内で溶解して薬物を放出する。このような材料としては、限定するわけではないが、カカオバター及びポリエチレングリコールが挙げられる。

0183

本発明によって企図されるA2AR/A2BR阻害剤は、現在知られているか又は将来開発される任意の他の適切な医薬組成物(例えば、又は吸入使用のためのスプレイ)の形態であることができる。

0184

投与経路
本発明は、A2AR/A2BR阻害剤及びその組成物の投与を任意の適切な様式で企図する。投与の適切な経路としては、経口、非経口(例えば、筋肉内、静脈内、皮下(例えば、注射又は移植)、腹腔内、嚢内、関節内、腹腔内、大脳内(intraparenchymal)及び脳室内)、鼻、下、眼内、直腸、直腸、局所(例えば、経皮)、頬側及び吸入が挙げられる。一般に皮下又は筋肉内に投与されるデポー注射もまた、決められた時間にわたって本明細書に開示されるA2AR/A2BR阻害剤を放出するために利用されうる。

0185

本発明の特定の実施形態は経口投与を企図する。

0186

併用療法
本発明は、A2AR/A2BR阻害剤の単独の使用又は1種以上の活性治療剤との併用を企図する。追加の活性治療剤は、小化学分子、タンパク質、抗体、ペプチボディ、ペプチド、DNA、RNAなどの巨大分子又はそのような巨大分子の断片、又は、細胞療法又は遺伝子治療であることができる。そのような併用療法において、種々の活性薬剤はしばしば、異なる相補的な作用機構を有する。そのような併用療法は、薬剤の1つ以上の用量の減少を可能にし、それにより、1つ以上の薬剤に関連する有害作用を低減又は排除することによって特に有利でありうる。さらに、そのような併用療法は、根底にある疾患、障害又は状態に対して相乗的な治療又は予防効果を有しうる。

0187

本明細書中で使用されるときに、「併用」は、別々に投与されてよく、例えば、別個の投与のために別々に製剤化されうる療法(例えば、キットにおいて提供されうるように)、及び単一の製剤(すなわち、「共処方」)で一緒に投与されうる療法を含む。

0188

特定の実施形態において、A2AR/A2BR阻害剤は、例えば、1つの薬剤が1つ以上の他の薬剤の前に投与される場合に、順次に投与又は適用される。他の実施形態において、A2AR/A2BR阻害剤は、例えば、2つ以上の薬剤が同時に投与される場合に、同時に投与され、2つ以上の薬剤は、2つ以上の別個の製剤中に存在してよく、又は、単一の製剤(すなわち、共処方)に組み合わされてよい。2種以上の薬剤が順次に投与されるか又は同時に投与されるかどうかにかかわらず、それらは本発明の目的のために組み合わせて投与されると考えられる。

0189

本発明のA2AR/A2BR阻害剤は状況に適する任意の様式で、少なくとも1つの他の(活性な)薬剤と組み合わせて使用することができる。1つの実施形態において、少なくとも1つの活性薬剤及び本発明の少なくとも1つのA2AR/A2BR阻害剤による治療はある時間にわたって維持される。別の実施形態において、本発明のA2AR/A2BR阻害剤での治療が一定の投薬レジメンで維持されている間に、少なくとも1つの活性剤による治療は低減又は中止される(例えば、対象が安定している場合)。さらなる実施形態において、本発明のA2AR/A2BR阻害剤による治療が低減されている間に(例えば、より低用量、より低頻度投与又はより短い治療レジメン)、少なくとも1つの活性剤による治療は低減又は中止される(例えば、対象が安定している場合)。さらに別の実施形態において、少なくとも1つの活性薬剤による治療は、低減され又は中止され(例えば、対象が安定している場合)、本発明のA2AR/A2BR阻害剤による治療は増加される(例えば、より高用量、より高頻度投与又はより長い治療レジメン)。さらに別の実施形態において、少なくとも1つの活性薬剤による治療は維持され、そして本発明のA2AR/A2BR阻害剤による治療は低減又は中止される(例えば、より低用量、より低頻度投与又はより短い治療レジメン)。さらに別の実施形態において、少なくとも1つの活性薬剤による治療及び本発明のA2AR/A2BR阻害剤による治療は低減又は中止される(例えば、より低用量、より低頻度投与又はより短い治療レジメン)。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

該当するデータがありません

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

この 技術と関連性が強い技術

該当するデータがありません

この 技術と関連性が強い法人

該当するデータがありません

この 技術と関連性が強い人物

該当するデータがありません

この 技術と関連する社会課題

該当するデータがありません

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ