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概要
背景
放射線治療の品質を保証するために、放射線療法で使用される加速器の品質管理を行う方法を示す多数の推奨事項がさまざまな機関から出されている。例えば、「国際電気標準会議」(IEC977)、「英国医学物理工学研究所」(IPEM81)、「米国医学物理学会」(AAPMTG40)。
このような推奨事項には、測定する必要のあるパラメータと、それを見直すための規則性が記載されている。この見直しは従来、水ファントム内の線量計で行ってきた。異なる機関の推奨事項およびプロトコルに従い、異なる水深の線量を正確に測定するために、線量計を水ファントムの3つの異なる方向に移動する。さらに、水ファントムを使用せずに電離箱を用いた線量測定から加速器ビームの特性を判断できるIBAドシメトリー社(IBA Dosimetry)製Multicubeなど、市販されたシステムがいくつかある。
Med.Phys.誌2015年10月号掲載のEckhause T1、Al−Hallaq H2、Ritter T3の論文(非特許文献1)に記載されるもののような新たな展開もある。この論文では、システムログファイルおよび電子的放射線治療照合装置またはEPIDを使用した性能の評価も示されている。
他方で、患者に投与する前に治療を検証するための多数のシステムおよび方法が開発されてきた。放射線治療でますます複雑になっている手法(VMATなど)は、高水準の精度と一貫性をもって検証を行うことのできる品質を保証するための手順も必要である。外部照射放射線療法の吸収線量を判断するために、国際原子力機関(IAEA)および国際放射線単位測定委員会(ICRU)は、いくつかの報告書と実施規定を作成している。その中で、発明者らは非特許文献2を見つけ、そこには5%の標準精度で吸収線量を供給する必要が述べられている。これは広く議論された限度である。実際、1976年以降、低グレードのプロファイルについては、相対線量の測定において2%の限度が提案されてきた。線量測定の空間分解能に関しては、同様に均一性の基準がなく、高い線量勾配の部位で最も厳格な基準は2mmである。
これらの推奨事項に従い、患者に投与する前に、治療を検証する市販されているいくつかのシステムがあるとともに、さまざまな研究機関で新たな開発が行われている。現在存在する放射線治療の検証方法およびシステムは、直線加速器ログに基づく検出器、EPID、ソフトウェアシステムと、X線フィルムまたはラジオクロミックフィルムに基づく従来のシステムとに分類することができる。
市販されているシステムの中で、発明者らは電離箱とシリコンダイオードに基づく2次元検出システムを見つける。サンニュークリア社(Sun Nuclear)が製造するシステムMapCHECKおよびMapCHECK2はn型ダイオードに基づくのに対し、IBA dosimetryグループが作成するI’MRTMatriXXおよびOCTAVIUS 729(PTW Freiburg GmbH)は電離箱に基づく。検出器技術とは別に、これらのシステムは配列とその間の距離が異なる。これらのシステムの空間分解能は検出要素間の距離に依存する。これらは補間アルゴリズムから線量マップを得ることができる。2次元アレイに基づく市販されているシステムは、各照射野のチェックだけでなく、リアルタイムの治療の検証も可能にする。
電子的放射線治療照合装置は、加速器に関連した別の商用オプションであり、その射出の影響および多葉コリメータの位置を測定することができる。多くのシステムがいくつかの技術に基づいて開発されている。空間分解能は2次元アレイ検出器のものよりも優れるが、計器の較正はより複雑になる。2015年5月8日のJ Appl ClinMed Phys.誌に発表されたDefoor DL1、Vazquez−Quino LA、Mavroidis P、Papanikolaou Nの論文(非特許文献3)などの参考文献があり、そこでEPIDおよび加速器のログファイルの使用に基づく複雑な治療の検証を可能にするシステムおよび方法の使用が議論され始める。
これらのすべてのシステムは、X線フィルムまたはラジオクロミックフィルムの検出に基づく従来の方法と比較した場合に、リアルタイムの線量を提供するという利点を有する。しかし、センチメートルに関するその空間分解能は低下する。大量のチャネルのために複雑な電子機器システムが必要で、ICRUの要求事項を満たす体軸レベルで線量マップを得るためには効率的ではない。
2次元の商用システムが提示する問題を解決するために、セグメント分割された半導体検出器に基づく他のシステムが開発され始めた。この種の検出器は、医用イメージング(PETなど)および高エネルギー物理学で広く使用されている。
空間分解能を改善するために、欧州プロジェクトの枠組みMAESTRO(放射線腫瘍学におけるシミュレーションおよび治療のための方法および先端装置)内で、その結果をMapCHECKシステムと比較する線量マップを測定するために使用されるモノリシック検出器が開発された。この結果は良好なものであった。
シリコン画素アレイもDOSIで開発されており、その特性を電離箱およびダイヤモンド検出器と比較して行ったところ、良好な一致を示した。関連読み取りシステムが非常に十分にあるため、これら2つのシステムのいずれも体軸レベルで線量マップを測定するのに適している。RADIAとの連携により特許文献1を発表し、その主な革新はシリコンモノリシック検出器を用いて体軸レベルで線量を測定できるシステムの最初の試作品である。その空間分解能は現在市販されているシステムのものよりも優れている。しかし、リアルタイムで線量マップを取得・検証するという問題は解決されない。
このように、発明者らは特許文献2(IMRT検証のための方法および装置)を見つけ、これは垂直レベルから加速器ビームに対して行われる測定からリアルタイムの3次元IMRT治療を検証する方法およびシステムを示す。当該方法は加速器ログからの情報は考慮していない。
特許文献3(外部放射線治療のバリデーションのための方法およびシステム)は、加速器ログのファイルを使用せずに、直接の測定から多葉コリメータのエラーを補正することを中心的に扱う。
特許文献4(放射線線量測定の自動較正)は、リアルタムの応答を取得せずに、X線フィルムから線量較正を自動化するための手順に関するものである。
他のシステムおよび方法がある。例としていくつかの特許文書を述べる。
特許文献5(強度変調放射線治療および定位放射線治療の品質保証のための多次元ファントム)は、電離箱を用いて1次元の線量分布の測定を可能にするが、線量マップの再構成または検証のいずれも可能にしない。
特許文献6(放射線治療の検証システムおよび方法)では、対照的に、セグメント分割されたシリコンストリップ検出器を用いて行われた測定に基づくアルゴリズムを使用して、体軸面における線量マップの再構成が可能であるが、平面のみである。これはリアルタイムで取得できる手順も、それを計画システムで計算された別のものと比較して再構成された治療の検証を可能にする手順も、または加速器ビームを特性化し、それを加速器ログファイルと対比することを可能にする前の手順も含まない。
さらに、特許文献7(画像検出器の画像品質を改善するための方法、およびそのためのシステム)は、放射線療法で使用されるシリコン検出器でオフセット減算により画像の品質を改善する方法を紹介している。しかし、この方法は放射線治療の再構築または検証のいずれも可能にしない。
その結果、現在、加速器ビームの特性化および放射線治療の検証を可能にし、計画システムの計算またはTPSと、加速器により供給される線量分布との一致を評価する解決策はない。この検証は体軸面システムによる直接測定によるだけでなく、ずれの可能性の調査でも行われ、加速器ログと同じ環境への計画装置の統合とを同時に行うことになる。
概要
目的
本発明の目的は、シリコンモノリシック検出器技術に基づく環境に統合された複雑な放射線治療の自動化された線量較正、再構成および検証のための方法を提供する
効果
実績
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この技術が所属する分野
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請求項1
加速器(21)のビームの特性化および放射線治療の検証を目的とする環境に含まれる複雑な放射線治療の線量較正の自動化、再構成および検証のための方法であって、a.前記加速器(21)で、平坦なマネキン上に配置された検出器サブシステム(11)を照射した後、読み取りシステム(13)の制御、モニタリングおよび自動化を行うステップと、b.得られた値を、前記検出器サブシステムの暗電流の影響の補正を含め、標準参照として使用される別の検出媒体からの値と比較して、前記平坦なマネキン(12)上に配置された前記検出器サブシステム(11)の読み取りの較正を行うステップと、c.前記平坦なマネキン(12)内に配置された前記検出器サブシステム(11)の線量測定応答の自動取得を行うステップであって、これにより非制限的な例として、深度・出力曲線(111)、線量プロファイル(112)並びにさまざまな照射野寸法およびエネルギーの出力係数(113)などの加速器(21)のビームを特性化するパラメータの取得を可能にする、ステップと、d.必要な場合、暗電流の補正を含め、円筒形のマネキン(14)内に配置された前記検出媒体の体軸面での自動較正を行うステップと、e.前記体軸面で前記検出器サブシステムを用いて行われた測定に基づき、前記検出器サブシステム(11)に適用される放射線治療の3次元再構成(114)を行うステップと、f.前記検出器サブシステム(11)を用いて行われた測定から再構成された線量マップを、ガンマインデックス(115)の計算および各臓器が受ける線量を体積に関係付けるDVHヒストグラム(116)により、計画システムを用いて得られる線量マップとともに検証および自動的な視覚化をするステップと、g.治療の加速器出力ログによって得られる応答の自動検証を行うステップと、を備える、方法。
請求項2
前記加速器(21)によって提供される線量分布が、出力での直接測定と前記加速器のファイルに含まれる情報の分析及び処理とにより評価されることを特徴とする、請求項1に記載の環境に含まれる複雑な放射線治療の線量較正の自動化、再構成および検証のための方法。
請求項3
前記加速器の出力での直接測定から出るデジタル化された情報だけでなく、コンピュータファイルから得られる情報および1つのシステムに統合された計画システムからの情報も評価することを特徴とする、請求項1または2に記載の環境に含まれる複雑な放射線治療の線量較正の自動化、再構成および検証のための方法。
請求項4
・バンカー(31)上に配置された1組のセグメント分割された半導体ストリップ検出器、好ましくはシリコンのものによって形成される検出器サブシステム(11)と、・バンカー(31)上に配置された検出器出力の読み取り可能媒体(13)と、・前記バンカー外部にシステム(32)の制御システムの隣に配置された前記読み取り可能媒体(13)を制御するための媒体と、・前記バンカー(31)に配置される前記読み取り可能媒体(13)と前記読み取り可能媒体(32)を制御するための前記媒体との間の通信システム(15)と、・前記検出器サブシステム(11)を内蔵できる平坦なマネキン(12)と、・放射線ビームに平行な平面に前記検出器サブシステム(11)を内蔵できる円筒形または擬人化マネキン(14)と、・前記加速器のヘッドに対する前記円筒形のマネキンの角位置に合うことのできる角度センサ(15)と、・前記加速器(21)と前記読み取り可能媒体(13)との間の通信システムと、の機能要素を備えることを特徴とする、請求項1の方法の実施のためのシステム。
請求項5
前記検出器サブシステム(11)の前記読み取り可能媒体(13)は、サンプリング周波数とビット数との関係により、2%よりも優れた測定不確実性と、百分の一よりも優れた線量分解能とを得ることができるデジタイザに基づくことを特徴とする、請求項4に記載のシステム。
請求項6
前記検出媒体(11)は2mmよりも小さい空間分解能を提供することを特徴とする、請求項4に記載のシステム。
請求項7
前記読み取り可能媒体(32)の制御は、キャプチャされたデータを視覚化するとともに、前記検出媒体(11)を用いて放射線ビームの同じ出力面に得られる測定に基づき、加速器の前記放射線ビームの特性化と3次元放射線治療の検証とを統合する方法の適用を可能にするための媒体を含むことを特徴とする、請求項4に記載のシステム。
請求項8
前記バンカー(31)上に配置された前記読み取り可能媒体(13)と、前記読み取り可能媒体(32)を制御するための前記媒体との間に通信システム(15)、好ましくはイーサネット(登録商標)を含むことを特徴とする、請求項4に記載のシステム。
請求項9
技術分野
0001
本発明の目的は、シリコンモノリシック検出器技術に基づく環境に統合された複雑な放射線治療の自動化された線量較正、再構成および検証のための方法を提供することである。本発明は同様に、その実施のためのシステムまたは設備のいずれかにも影響する。本発明は医学物理および生物医学の分野に向けられる。
背景技術
0002
放射線治療の品質を保証するために、放射線療法で使用される加速器の品質管理を行う方法を示す多数の推奨事項がさまざまな機関から出されている。例えば、「国際電気標準会議」(IEC977)、「英国医学物理工学研究所」(IPEM81)、「米国医学物理学会」(AAPMTG40)。
0003
このような推奨事項には、測定する必要のあるパラメータと、それを見直すための規則性が記載されている。この見直しは従来、水ファントム内の線量計で行ってきた。異なる機関の推奨事項およびプロトコルに従い、異なる水深の線量を正確に測定するために、線量計を水ファントムの3つの異なる方向に移動する。さらに、水ファントムを使用せずに電離箱を用いた線量測定から加速器ビームの特性を判断できるIBAドシメトリー社(IBA Dosimetry)製Multicubeなど、市販されたシステムがいくつかある。
0004
Med.Phys.誌2015年10月号掲載のEckhause T1、Al−Hallaq H2、Ritter T3の論文(非特許文献1)に記載されるもののような新たな展開もある。この論文では、システムログファイルおよび電子的放射線治療照合装置またはEPIDを使用した性能の評価も示されている。
0005
他方で、患者に投与する前に治療を検証するための多数のシステムおよび方法が開発されてきた。放射線治療でますます複雑になっている手法(VMATなど)は、高水準の精度と一貫性をもって検証を行うことのできる品質を保証するための手順も必要である。外部照射放射線療法の吸収線量を判断するために、国際原子力機関(IAEA)および国際放射線単位測定委員会(ICRU)は、いくつかの報告書と実施規定を作成している。その中で、発明者らは非特許文献2を見つけ、そこには5%の標準精度で吸収線量を供給する必要が述べられている。これは広く議論された限度である。実際、1976年以降、低グレードのプロファイルについては、相対線量の測定において2%の限度が提案されてきた。線量測定の空間分解能に関しては、同様に均一性の基準がなく、高い線量勾配の部位で最も厳格な基準は2mmである。
0006
これらの推奨事項に従い、患者に投与する前に、治療を検証する市販されているいくつかのシステムがあるとともに、さまざまな研究機関で新たな開発が行われている。現在存在する放射線治療の検証方法およびシステムは、直線加速器ログに基づく検出器、EPID、ソフトウェアシステムと、X線フィルムまたはラジオクロミックフィルムに基づく従来のシステムとに分類することができる。
0007
市販されているシステムの中で、発明者らは電離箱とシリコンダイオードに基づく2次元検出システムを見つける。サンニュークリア社(Sun Nuclear)が製造するシステムMapCHECKおよびMapCHECK2はn型ダイオードに基づくのに対し、IBA dosimetryグループが作成するI’MRTMatriXXおよびOCTAVIUS 729(PTW Freiburg GmbH)は電離箱に基づく。検出器技術とは別に、これらのシステムは配列とその間の距離が異なる。これらのシステムの空間分解能は検出要素間の距離に依存する。これらは補間アルゴリズムから線量マップを得ることができる。2次元アレイに基づく市販されているシステムは、各照射野のチェックだけでなく、リアルタイムの治療の検証も可能にする。
0008
電子的放射線治療照合装置は、加速器に関連した別の商用オプションであり、その射出の影響および多葉コリメータの位置を測定することができる。多くのシステムがいくつかの技術に基づいて開発されている。空間分解能は2次元アレイ検出器のものよりも優れるが、計器の較正はより複雑になる。2015年5月8日のJ Appl ClinMed Phys.誌に発表されたDefoor DL1、Vazquez−Quino LA、Mavroidis P、Papanikolaou Nの論文(非特許文献3)などの参考文献があり、そこでEPIDおよび加速器のログファイルの使用に基づく複雑な治療の検証を可能にするシステムおよび方法の使用が議論され始める。
0009
これらのすべてのシステムは、X線フィルムまたはラジオクロミックフィルムの検出に基づく従来の方法と比較した場合に、リアルタイムの線量を提供するという利点を有する。しかし、センチメートルに関するその空間分解能は低下する。大量のチャネルのために複雑な電子機器システムが必要で、ICRUの要求事項を満たす体軸レベルで線量マップを得るためには効率的ではない。
0010
2次元の商用システムが提示する問題を解決するために、セグメント分割された半導体検出器に基づく他のシステムが開発され始めた。この種の検出器は、医用イメージング(PETなど)および高エネルギー物理学で広く使用されている。
0011
空間分解能を改善するために、欧州プロジェクトの枠組みMAESTRO(放射線腫瘍学におけるシミュレーションおよび治療のための方法および先端装置)内で、その結果をMapCHECKシステムと比較する線量マップを測定するために使用されるモノリシック検出器が開発された。この結果は良好なものであった。
0012
シリコン画素アレイもDOSIで開発されており、その特性を電離箱およびダイヤモンド検出器と比較して行ったところ、良好な一致を示した。関連読み取りシステムが非常に十分にあるため、これら2つのシステムのいずれも体軸レベルで線量マップを測定するのに適している。RADIAとの連携により特許文献1を発表し、その主な革新はシリコンモノリシック検出器を用いて体軸レベルで線量を測定できるシステムの最初の試作品である。その空間分解能は現在市販されているシステムのものよりも優れている。しかし、リアルタイムで線量マップを取得・検証するという問題は解決されない。
0013
このように、発明者らは特許文献2(IMRT検証のための方法および装置)を見つけ、これは垂直レベルから加速器ビームに対して行われる測定からリアルタイムの3次元IMRT治療を検証する方法およびシステムを示す。当該方法は加速器ログからの情報は考慮していない。
0015
特許文献4(放射線線量測定の自動較正)は、リアルタムの応答を取得せずに、X線フィルムから線量較正を自動化するための手順に関するものである。
他のシステムおよび方法がある。例としていくつかの特許文書を述べる。
0016
特許文献5(強度変調放射線治療および定位放射線治療の品質保証のための多次元ファントム)は、電離箱を用いて1次元の線量分布の測定を可能にするが、線量マップの再構成または検証のいずれも可能にしない。
0017
特許文献6(放射線治療の検証システムおよび方法)では、対照的に、セグメント分割されたシリコンストリップ検出器を用いて行われた測定に基づくアルゴリズムを使用して、体軸面における線量マップの再構成が可能であるが、平面のみである。これはリアルタイムで取得できる手順も、それを計画システムで計算された別のものと比較して再構成された治療の検証を可能にする手順も、または加速器ビームを特性化し、それを加速器ログファイルと対比することを可能にする前の手順も含まない。
0018
さらに、特許文献7(画像検出器の画像品質を改善するための方法、およびそのためのシステム)は、放射線療法で使用されるシリコン検出器でオフセット減算により画像の品質を改善する方法を紹介している。しかし、この方法は放射線治療の再構築または検証のいずれも可能にしない。
0019
その結果、現在、加速器ビームの特性化および放射線治療の検証を可能にし、計画システムの計算またはTPSと、加速器により供給される線量分布との一致を評価する解決策はない。この検証は体軸面システムによる直接測定によるだけでなく、ずれの可能性の調査でも行われ、加速器ログと同じ環境への計画装置の統合とを同時に行うことになる。
0020
スペイン国発明特許第2409760号明細書
スペイン国発明特許第2453944号明細書
スペイン国発明特許第2303403号明細書
スペイン国発明特許第2309093号明細書
韓国公開特許第10−2013−0059668号公報
スペイン国発明特許第2409760号明細書
欧州特許第2050395号明細書
先行技術
0021
直線加速器の品質保証の自動化
ICRU報告書第24号(放射線療法の手順におけるX線またはガンマ線のビームによって照射される患者における吸収線量の判断)
EPIDまたはMLCログファイルを使用した解剖学に基づく患者毎のVMAT QA
発明が解決しようとする課題
課題を解決するための手段
0023
本発明の実施態様では、システムおよび方法はTPS計算と加速器によって提供される線量分布との一致を評価しながら、放射線治療を検証することができる。計画された線量と測定との一致は、非制限的な例として、2次元ガンマ、3次元ガンマおよび線量体積ヒストグラムなど、さまざまなパラメータを使用して得られる。システムおよび方法は加速器によって提供される線量の分布を、体軸面から出るときの直接測定により、または分析および加速器ログから処理した情報から導かれるずれの可能性の調査により評価することができる。システムおよび方法は、同じシステムまたは環境に、TPSによる計画線量計算の結果を統合することもできる(これはモンテカルロ計算に基づくことができるであろう)。
0024
このために、またより正確には、本発明は、システムの信号取得のための媒体の遠隔制御を自動化し、参照条件で線量応答パターンを較正し、さらに加速器ビームの特性化を可能にするパラメータ(非制限的な例:等線量分布、断面プロファイル、出力深度、および出力係数)を自動的に取得する方法に関するものである。
0025
システムおよび方法は、次のことを自動的に行うこともできる。
放射線治療で使用されるエネルギー、照射野寸法および線源表面間距離のさまざまな組合せの参照条件および非参照条件で加速器ビームの特性化を行うこと。
0027
以下説明されるセグメント分割された半導体検出器、取得システムおよびユーザインターフェースによって構成されるシステムにより、放射線治療で当該検証を可能にするパラメータを検証し、視覚化すること。
0028
この方法を行うために、検出器サブシステムが加わるシステムを有する必要がある。このセグメント分割された検出器サブシステムはガードリングとともに、その間に最低3mmの距離をあけて平行面に配置される。これらの間の空間は、電子的平衡条件の維持を可能にする材料層を用いて行われる。
0029
モノリシック検出器に基づく当該サブシステムは、その操作を逆の極性にする必要がある。これらの条件での検出器の出力は、発明者らが検証したい線量の蓄積によるだけでなく、その起源が自己の暗電流検出器に由来する要因もある。この要因は得られる線量マップに存在する不確実性を減じるためにチェックしなければならない。ここで説明する方法論は、セグメント分割されたシリコン検出器だけでなく、異なる検出器のタイプに適用することもできる。
0030
同様に、線量測定を行うために検出器サブシステムを必要な条件に配置することによって、いくつかのマネキンがシステムに加わる。
正確には、参照条件内および参照条件外での加速器ビームの特性化を可能にする平坦なマネキン、並びに放射線治療を検証するための円筒形のマネキンである。
0031
検出器サブシステムは、検出器サブシステムからすべてのストリップまたは画素を読み取ることのできる多数のチャネルを有する制御・データ取得システムで補完される。
制御サブシステムはエンジンを使用して円筒形のマネキンを回転させることができ、そのため角度センササブシステムの使用により、すぐにその角度位置を制御することができる。このサブシステムはガントリ加速器と同じ角速度で回転することができ、同時に、加速器はVMATなどの複雑な治療を施す。
0032
検出器の信号はデータ取得システムによってデジタル化される。当該取得システムはデジタル・アナログコンバータを使用してデジタル化を可能にし、そのビット数および周波数のサンプルは線量測定の不確実性を最小化することができる。
0033
デジタル化された情報は、実行の非制限的な例として、イーサネット(登録商標)などの通信プロトコルに従い、その起源が加速器にある情報とともに取得システムに配置される。当該情報は通信バスを通してPCまたはプロセス・ストレージシステムに送信して格納してもよく、それにより計画システムからくるデータを統合することも可能にしてもよい。ヒューマンマシンインターフェース(以下、HMI)は制御・データ取得システムの構成および管理だけでなく、ビームの特性パラメータのアクセスと視覚化、測定、治療の再構成および検証も可能にする。
0034
検出器サブシステムによって行われる測定に基づく放射線治療3次元再構成は、ベースとして2次元再構成画像を使用して得られる。
当該パラメータの検証または評価は、バリデーション、または起こりうるエラーのチェックを可能にする。つまり、当該パラメータが事前に確立された基準を満たさない場合、システムおよび方法はそのパラメータが当該基準を満たすログアウトが得られるまで、プロセスを繰り返すことができる。
0035
このように、1つのプラットフォームに、ワークフローを最適化する媒体と臨床結果とを統合する方法およびシステムが得られる。
次の説明を補完し、実施態様の好適な実施例による本発明の特性をよりよく理解するために、説明は例示的かつ非制限的な特徴とともに以下に表される1組の図面を伴う。
図面の簡単な説明
0036
本発明の方法論を実施するアプリケーションのアーキテクチャの全体図を示す。
ユーザについての深部線量率の計算の分析を示す。
方法論を適用するセグメント分割されたシリコンストリップ検出器で得られる半影の計算をいかに視覚化するかを示す。
出力係数の計算をいかに視覚化するかを示す。
セグメント分割されたストリップ検出器について、体軸面の特性を示す。
セグメント分割されたストリップ検出器の較正係数を異なる入射角を使用して計算する手順を示す。
体軸面での最終較正手順を適用した結果を示す。
半径3a(aはストリップの幅)の円形線量分布(円は中央にはない)について、32ストリップ検出器の線量マップの再構成のためにアルゴリズム適用の例を示す。
ガンマ係数計算の結果を用いたマップを示す。これは通常、計画装置および結果の妥当性をチェックするために再構成された線量マップファイルによって得られるため、参照ファイルを選択してもよい。
前述した方法の実施のために計画された設備またはシステムの模式図を示す。
実施例
0037
TPSの計算と加速器によって提供される線量分布との一致を評価しながら、同じプラットフォームにビーム加速器の特性化および放射線治療の検証を統合するための方法およびシステムの本発明の実施態様において、方法およびシステムは、放射線治療で加速器によって提供される線量分布を、体軸面での直接測定、並びに加速器ログから出るずれの可能性、分析および処理情報の調査によって評価することができる。方法およびシステムは同じ範囲にTPSによる計画線量計算と提供される線量とを統合することができる。計画線量と加速器によって提供される線量との一致は、実施態様の制限的な例として、2次元ガンマ、3次元ガンマおよび線量体積ヒストグラム(DVH)、腫瘍制御確率(TCP)、正常組織障害発生確率(NYCP)などのさまざまなパラメータを使用して求められる。
0038
より正確には、ビーム加速器(21)の特性化および3次元放射線治療(22)の検証を、当該放射線ビームの同じ射出面で得られる測定だけでなく、加速器ファイルに含まれている情報にも基づいて統合するシステム(2)が定義される。このシステムは次のステップを含む。
0039
a.ビームを特性化するためにさまざまな機関の推奨事項によって定められるさまざまな必要な条件で、放射線ビームに垂直な平坦なマネキン上に配置された検出器サブシステム(11)に加速器(21)で照射した後、読み取りシステム(12)の構成、制御、モニタリングおよび自動化。
0040
b.得られた値を、当該較正に含まれる標準参照として使用される別の検出媒体(例えば、電離箱)からの値と比較して、平坦なマネキン(12)上に配置された検出器サブシステム(11)の読み取りの較正、必要な場合、検出器サブシステムの暗電流の影響の補正。
0041
c.放射線ビームに垂直な平坦なマネキン(12)内に配置された検出器サブシステムの線量測定応答(11)の自動取得。これは、非制限的な例として、深度・出力曲線(図2または111)、線量プロファイル(112)およびさまざまな照射野寸法の出力係数(図4または113)など、加速器ビーム(21)を特性化するパラメータを得ることができる。
0042
d.必要なら、暗電流による生じる影響の補正を含め、同じ条件で計画システムからのデータを参照と見なして、入射角(図5、図6および図7)に応じた、円筒形のマネキン(14)内に配置された検出媒体の体軸面での自動的な線量較正と、そのため第2の線量較正。
0043
e.ラドン変換を使用した体軸面で検出器サブシステムを用いて行われた測定に基づき、検出器サブシステム(11)に適用される放射線治療(図8)の3次元再構成(114)。3次元再構成は2次元再構成画像を使用して得られる。
0044
f.検出器サブシステム(11)を用いて行われた測定から再構成された線量マップを、非制限的な例として、ガンマインデックス(図9または115)の計算および各臓器が受ける線量を体積に関係付けるDVHヒストグラム(116)などのさまざまなパラメータを使用して、TPSを用いて得られた線量マップおよび治療の加速器出力ログから得られる応答とともに検証し、自動的に視覚化すること。
0045
放射線治療を検証する方法(1)は、システムの使用に依存する。当該システムは、平行面にセットした1組の半導体セグメントストリップまたは画素検出器、好ましくはシリコンのものによって形成される検出器サブシステム(11)を有し、これは検出器サブシステム(11)を内蔵することのできる平坦なマネキン(12)または放射線ビームに平行な平面に検出器サブシステム(11)を内蔵できる円筒形もしくは擬人化マネキン(14)に位置付けられるバンカー(31)上に配置することができる。検出媒体(11)は2mmよりも優れた空間分解能を取得することができる。
0046
システムは、検出器サブシステムの出力のために読み取り可能媒体(13)も有し、これはバンカー(31)上に配置される。検出器サブシステム(11)の読み取り可能媒体(13)は、サンプリング周波数とビット数との関係が2%よりも優れた測定の不確実性を得ることができるデジタイザに基づく。
0047
同時に、システムは、加速器のヘッドに対する円筒形のマネキンの角位置だけでなく、移動速度も調整することのできる角度センササブシステム(15)を用いて、読み取り可能媒体および円筒形のマネキンサブシステムの回転を制御するために、バンカーの外部にいくつかの媒体、および加速器(21)と読み取り可能媒体(12)との間に、バンカーの外部のシステム(32)の制御システムの隣に配置された通信システムを有する。読み取り可能媒体(13)を制御する媒体は、キャプチャされたデータを視覚化するとともに、検出媒体(11)を用いて当該放射線ビームから同じ出力面で得られる測定だけでなく、加速器ログに含まれる分析および情報処理にも基づいて、加速器の放射線ビームの特性化および3次元放射線治療の検証を統合する方法を適用することも可能にする。
0049
より具体的には、図1によると、本発明の方法論は初期状態(1)から始まり、ユーザが次の3つの選択肢の中から1つの方法論の適用の開始を選択できる。すなわち、システムのデータ取得、制御およびモニタリング(2);加速器ビームの特性化(6);および治療の検証(18)である。加速器ビームの特性化は、標準状態での較正手順(7)、線量測定特性化(12)および検出媒体の体軸の特性化(9)の開始を選択できる。標準較正からは較正係数(8)が得られるのに対し、体軸較正(9)からは較正係数(10)および角度応答(11)が得られ、同列に並ぶ線量測定特性化(12)からは、PDD(13)、半影(図3または144)と出力係数(15)、およびプロファイル(26)が得られる。体軸システムでの治療の測定前の検証(18)により、当該測定(16)に基づく3次元再構成(19)へのアクセス、TPS計算(5)へのアクセス、および測定された治療の供給後の加速器ログの結果(17)へのアクセスが可能になり、検証(18)のパラメータ(19)へのアクセスを可能にし、バリデーション(19)を行い、またはパラメータが治療に安全であると確立された基準を満たさない場合、間違いを補正(25)する。
0050
放射線治療を検証する手順に関し、方法およびシステムは、線量マップの再構成、および非制限的な例として、ガンマインデックスなどのその検証を可能にするパラメータ計算を後に視覚化するために、検出媒体のすべての角位置について、また加速器ログに含まれる情報について、自動化されたデータを収集することができる。
0051
方法は、ユーザに、加速器のエネルギーに従って、cGy/UMの関係を選択する選択肢を与える。方法は、標準条件および参照条件に基づく線量較正係数、利用できる線量プロファイルに関する表、ユーザについての媒体内の深部線量率の計算を取得し、半導体検出器媒体で得られる半影の計算を視覚化し、方法論および出力係数計算を適用することができる。
0052
方法およびシステムは、ユーザが検出器サブシステムで体軸特性化を視覚化できるようにする。ユーザはさまざまな等しい入射角に対する応答間の比較をモニタリングしてもよく(図6)、また計画装置のデータおよび検出器について得られたデータ(図5)、並びに各角度の較正係数を視覚化し、最終較正(図7)を確認してもよい。
0053
図9は、半径3a(aはストリップの幅)の円形の線量分布(円は中央にない)について、32ストリップ検出媒体の線量マップ再構成について、アルゴリズムの適用の非制限的な例を示す。左に、Y軸の射影または線量プロファイルを示す。右に、X、Y面における線量分布を示す。