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技術 減少したリパーゼ1活性を有する植物

出願人 アルカディアバイオサイエンシズ,インコーポレイテッド
発明者 スレイドアンノヴァルミシェルレフラーデイナミューレンバーグジェシカホルムアーロンチャンバースリサ
出願日 2017年6月16日 (2年10ヶ月経過) 出願番号 2018-566266
公開日 2019年9月5日 (7ヶ月経過) 公開番号 2019-524073
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード 振動頻度 バックグラウンドパターン ホワイトバー 出来ばえ トレジャー チャレンジャー ワイヤークロス 世代集団
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重要な関連分野

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図面 (4)

課題・解決手段

本開示は、Lip1遺伝子の1つ以上で見出される一連の独立した人為的非トランスジェニック変異、それらLip1遺伝子の1つ以上でこれら変異を有する植物、およびプールしたおよび/または個々の植物をスクリーニングすることによってLip1の同様なおよび/または追加的な変異を作出および見出す方法に関する。本明細書に開示する植物は、外来核酸をそれらのゲノム内に含むことなく低下したリパーゼ活性を示す。さらにまた、本明細書に開示する植物から製造される製品は、外来核酸をそれらのゲノム内に含むことなく、増加した加水分解および酸化安定性並びに増加した保存可能期間を示す。

概要

背景

穀草作物は世界の人口の大半にとって非常に重要である。例えば、コムギは約20億人(世界の人口の36%)のもっとも重要な主要食品である。世界中で、コムギは、地球上で消費される炭水化物のほぼ55%および食物カロリーの20%を提供する。前記は、面積でも生産量でも他の全ての穀類作物(コメ、メイーズなどを含む)を凌駕し、広範囲気候条件にわたって栽培され、分子マーカーを用いる遺伝学およびゲノム構成の理解は遺伝的および植物育種的目的のために極めて重要である。
世界の主要なコムギ生産地域は、中国、インド、米国、ロシア連邦フランス、オーストラリア、ドイツ、ウクライナ、カナダトルコ、パキスタンアルゼンチン、カザフスタンおよび英国である。現在栽培されているコムギ品種の大半は、トリチクム・アエスチブムL.(Triticum aestivum L.)に属する。前記は普通パンコムギとして知られ、パン製造業者にとって重要である。コムギ粉の最重要部分がパン製造に用いられる。
パンコムギは六倍体であり、各細胞の核内に3つの完全なゲノム(A、BおよびDと称される)を有する。これらゲノムの各々はヒトゲノムのほぼ2倍のサイズであり、およそ55億ヌクレオチドから成る。他方、デュラムコムギマカロニコムギまたはパスタコムギとしても知られている)(トリチクム・デュルム(Triticum durum)またはトリチクム・チュルギデュム デュルム亜種(Triticum turgidum subsp.durum))は、市場で重要なコムギの主要な四倍体種であり、前記は今日広く栽培されている。デュラムコムギは2つの完全なゲノム(AおよびBゲノムと称される)を有する。
コムギは広く研究された植物であるが、いくつかの事例では、新しい特性の開発は、今日の市場のコムギ栽培種の遺伝的多様性が限定されていることによって、さらにまたパンコムギのゲノムが典型的には3つの機能的に余分な各遺伝子のコピーホメオログと呼ばれる)を有し、したがって単一遺伝子改変は、容易に目で見ることができる任意の表現型(例えば二倍体トウモロコシで見出されているもの)を通常は生じないために妨げられる。パンコムギではしばしば、3つ全てのホメオログの改変変種を遺伝的に結合し、それらの効果を評価しなければならない。

全粒製品はコムギ産業に難題を突き付ける。なぜならば全粒粉精製粉と比較して大いに減少された保存可能期間を有するからである(Doblado-Maldonado 2012)。全粒粉の保存可能期間の減少は主として脂質の分解のためである(脂質は製粉全粒の最も不安定な成分である(Pomeranz 1988;Tait and Gailliard 1998))。脂質の分解は苦み悪臭および異臭の発生をもたらし、それは、保存可能期間並びに全粒粉および全粒粉から製造される製品の使用にマイナスの影響を与える。同様に、安定性および減少された保存可能期間は、米ぬかおよび米ぬかに由来する製品(例えば米ぬか油)の使用についても脂質の分解のために問題である。
脂質の分解は加水分解性および酸化性酸敗の両方のプロセスを介して生じる。リパーゼ(EC 3.1.1.3)は、モノ-、ジ-およびトリ-アシルグリセリド(TAG)のエステル結合加水分解触媒して非エステル化または遊離脂肪酸FFA)を生じる。脂質の分解は全粒粉または米ぬかの製粉時に直ちに開始する。リパーゼは、製粉穀粒水分含有量が低いときですら(典型的にはコムギに対して10−14%)実質的な酵素活性を有する(Doblado-Maldonado 2012)。脂質はまた、自己酸化を介してまたはリポキシゲナーゼ(Lpx)によってさらに分解される。Lpx(EC 1.13.11.12)は非ヘム鉄含有ジオキシゲナーゼのクラスであり、前記は、1,4-cis,cisペンタジエン構造を含むポリ不飽和脂肪酸の位置的および特異的二酸素添加を触媒して対応するヒドロペルオキシドを生成する。ヒドロペルオキシドの形成に続いて、脂質の更なる分解はより小さな揮発性化合物(例えばエポキシアルデヒドケトン、フラン、およびラクトン)の形成をもたらし、それらは、素材の異臭および臭気を生じ保存可能期間を減少させる。全粒粉または米ぬかのリパーゼおよびリポキシゲナーゼ活性マイクロ波、熱、真空低温貯蔵または化学処理によって不活化または減少させる試みは限定的な成功しかもたらさないかまたは商業的に利用するには非常に高価である。

比較的わずかな植物リパーゼが分子レベルおよび生化学ベル特徴づけられている(Seth et al.2014 Protein Exp and Pur 95:13-21)。例えば、イネゲノムアノテーションプロジェクトは、これまで73遺伝子を推定リパーゼとして注釈しているが(Kawahara et al.(2013) Rice 6:4)、コメのリパーゼ酵素の精製で遭遇する難しさがそれらの特徴付けを妨げている(Muniandy, K., et al.The Nucleus (2015): 1-6)。これらの困難さにもかかわらず、いくつかの米ぬかの脂質分解酵素(リパーゼI、リパーゼII、熱安定性リパーゼおよびエステラーゼ(OsEST-b)を含む)が生化学的に同定されている(以下で概括される:Muniandy 2015 and Chuang et al.Journal of agricultural and food chemistry 59.5 (2011): 2019-2025)。これらの酵素のうち、リパーゼIIおよびOsEST-bは最近精製され、当該酵素をコードするコメ遺伝子が同定された(Vijayakumar and Protein expression and purification 88.1 (2013): 67-79; Chuang et al.2011)。
コムギでは、リパーゼ活性は、発中に生成されるリパーゼと同様に、多数の組織(非発芽コムギふすまおよびコムギ胚芽分画を含む)で記載されている(Pomeranz, Y.Wheat: chemistry and technology.No.Ed.3.American Association of Cereal Chemists, 1988)。しかしながら、これらのリパーゼをコードする遺伝子はほとんど特徴が知られていない。本発明者らは、コムギのリパーゼ1遺伝子を同定した(コムギではその発現コムギ植物の穀粒に存在する)。
本発明者らは、新規な人為的非トランスジェニックLip1変異を同定し、それらの表現型を植物(例えばコムギおよびコメ)で分析した。コムギに関しては、多数のリパーゼ遺伝子(Lip1、2および3)が全て発現されるので(各々A、BおよびDゲノムの1つ以上の潜在的ホメオログによる)、1つの遺伝子または1つの遺伝子ファミリーの改変がパンコムギの全粒粉の保存可能期間または安定性にプラスの影響を与えることができたのか否かは不明である。コムギゲノムまたはイネゲノムのLip1遺伝子の変異は、コムギ/コムギ粉および米ぬか並びにそれらに由来する製品における加水分解安定性および酸化安定性の増加を提供する可能な道筋を提供する。本明細書の開示は、Lip1遺伝子の新規な対立遺伝子は保存可能期間を顕著に改善することを示す。

概要

本開示は、Lip1遺伝子の1つ以上で見出される一連の独立した人為的非トランスジェニック変異、それらLip1遺伝子の1つ以上でこれら変異を有する植物、およびプールしたおよび/または個々の植物をスクリーニングすることによってLip1の同様なおよび/または追加的な変異を作出および見出す方法に関する。本明細書に開示する植物は、外来核酸をそれらのゲノム内に含むことなく低下したリパーゼ活性を示す。さらにまた、本明細書に開示する植物から製造される製品は、外来核酸をそれらのゲノム内に含むことなく、増加した加水分解および酸化安定性並びに増加した保存可能期間を示す。

目的

世界中で、コムギは、地球上で消費される炭水化物のほぼ55%および食物カロリーの20%を提供する

効果

実績

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請求項1

Lip1遺伝子に1つ以上の変異を含む植物であって、前記1つ以上の変異が、(a)増加した保存可能期間;(b)減少したTAGからFFAの生成;(c)増加した酸化安定性;(d)増加した加水分解定性;(e)減少したヘキサナール生成;および(f)改善した感覚的特徴から成る群から選択される特徴を有する前記植物に由来する製品に寄与する、前記植物。

請求項2

前記植物がコムギ植物であり、当該Lip1遺伝子の1つ以上の変異がA、BおよびDゲノムの少なくとも1つに存在する、請求項1に記載の植物。

請求項3

当該Lip1遺伝子の前記1つ以上の変異が、前記植物の穀粒に由来する粉において、野生型コムギ植物の穀粒に由来する粉と比較して減少したTAGからFFAの生成に寄与する、請求項2に記載のコムギ植物。

請求項4

当該Lip1遺伝子の前記1つ以上の変異が、前記植物から製造される製品の、野生型コムギ植物から製造される製品と比較して増加した加水分解安定性に寄与する、請求項2に記載のコムギ植物。

請求項5

当該Lip1遺伝子の前記1つ以上の変異が、前記植物から製造される製品の、野生型コムギ植物から製造される製品と比較して増加した酸化安定性に寄与する、請求項2に記載のコムギ植物。

請求項6

当該Lip1遺伝子の前記1つ以上の変異が、前記植物の穀粒に由来する粉において、野生型コムギ植物の穀粒に由来する粉と比較して減少したヘキサナール生成に寄与する、請求項2に記載のコムギ植物。

請求項7

当該Lip1遺伝子の前記1つ以上の変異が、野生型コムギ植物に由来する製品の感覚的側面と比較して、改善した感覚的側面を有するコムギ植物由来製品に寄与する、請求項2に記載のコムギ植物。

請求項8

当該Lip1遺伝子の前記1つ以上の変異が、野生型コムギ植物に由来する製品と比較して、増加した保存可能期間を有するコムギ植物由来製品に寄与する、請求項2に記載のコムギ植物。

請求項9

当該Lip1遺伝子に少なくとも2つの変異を更に含む、請求項2に記載のコムギ植物。

請求項10

Aゲノムの当該Lip1遺伝子における少なくとも1つの変異およびBゲノムのLip1遺伝子における少なくとも1つの変異を含む、請求項2に記載のコムギ植物。

請求項11

Aゲノムの当該Lip1遺伝子における少なくとも1つの変異およびDゲノムの当該Lip1遺伝子における少なくとも1つの変異を含む、請求項2に記載のコムギ植物。

請求項12

当該A、BおよびDゲノムの各々に1つ以上の変異を更に含む、請求項2に記載のコムギ植物。

請求項13

当該Lip1遺伝子がLip-A1である、請求項2に記載のコムギ植物。

請求項14

当該Lip1遺伝子がLip-D1である、請求項2に記載のコムギ植物。

請求項15

野生型コムギ植物に対して減少したLip1酵素活性を更に含む、請求項2に記載のコムギ植物。

請求項16

当該コムギ植物が当該変異についてホモ接合である、請求項2に記載のコムギ植物。

請求項17

当該1つ以上の変異が、表1−3に記載したアミノ酸変化から選択されるLip1タンパク質のアミノ酸変化を生じる、請求項2に記載のコムギ植物。

請求項18

請求項2に記載のコムギ植物に由来するコムギ穀粒。

請求項19

請求項18に記載のコムギ穀粒を含む粉。

請求項20

請求2に記載のコムギ植物の成分を含む食品

請求項21

請求項2に記載のコムギ植物に由来する、コムギ種子植物部分、またはその子孫

技術分野

0001

(関連出願の相互引用
本出願は、米国仮特許出願No. 62/351,584(2016年6月17日出願)(前記は参照によってその全体が本明細書に含まれる)に関し優先権を主張し、かつ非仮出願である。
(技術分野)
ある実施態様では、本開示は、植物製品の保存可能期間安定性酸敗および風味改善に関わる植物遺伝子に関する。別の実施態様では、本開示は、植物の1つ以上のリパーゼ1(Lip1)遺伝子の発現または活性改変に関する。ある実施態様では、本開示は、植物(コムギおよびコメを含むがただしこれらに限定されない)の1つ以上のLip1遺伝子の人為的な(human induced)非トランスジェニック変異に関する。

背景技術

0002

穀草作物は世界の人口の大半にとって非常に重要である。例えば、コムギは約20億人(世界の人口の36%)のもっとも重要な主要食品である。世界中で、コムギは、地球上で消費される炭水化物のほぼ55%および食物カロリーの20%を提供する。前記は、面積でも生産量でも他の全ての穀類作物(コメ、メイーズなどを含む)を凌駕し、広範囲気候条件にわたって栽培され、分子マーカーを用いる遺伝学およびゲノム構成の理解は遺伝的および植物育種的目的のために極めて重要である。
世界の主要なコムギ生産地域は、中国、インド、米国、ロシア連邦フランス、オーストラリア、ドイツ、ウクライナ、カナダトルコ、パキスタンアルゼンチン、カザフスタンおよび英国である。現在栽培されているコムギ品種の大半は、トリチクム・アエスチブムL.(Triticum aestivum L.)に属する。前記は普通パンコムギとして知られ、パン製造業者にとって重要である。コムギ粉の最重要部分がパン製造に用いられる。
パンコムギは六倍体であり、各細胞の核内に3つの完全なゲノム(A、BおよびDと称される)を有する。これらゲノムの各々はヒトゲノムのほぼ2倍のサイズであり、およそ55億ヌクレオチドから成る。他方、デュラムコムギマカロニコムギまたはパスタコムギとしても知られている)(トリチクム・デュルム(Triticum durum)またはトリチクム・チュルギデュム デュルム亜種(Triticum turgidum subsp.durum))は、市場で重要なコムギの主要な四倍体種であり、前記は今日広く栽培されている。デュラムコムギは2つの完全なゲノム(AおよびBゲノムと称される)を有する。
コムギは広く研究された植物であるが、いくつかの事例では、新しい特性の開発は、今日の市場のコムギ栽培種の遺伝的多様性が限定されていることによって、さらにまたパンコムギのゲノムが典型的には3つの機能的に余分な各遺伝子のコピーホメオログと呼ばれる)を有し、したがって単一遺伝子の改変は、容易に目で見ることができる任意の表現型(例えば二倍体トウモロコシで見出されているもの)を通常は生じないために妨げられる。パンコムギではしばしば、3つ全てのホメオログの改変変種を遺伝的に結合し、それらの効果を評価しなければならない。

0003

全粒製品はコムギ産業に難題を突き付ける。なぜならば全粒粉精製粉と比較して大いに減少された保存可能期間を有するからである(Doblado-Maldonado 2012)。全粒粉の保存可能期間の減少は主として脂質の分解のためである(脂質は製粉全粒の最も不安定な成分である(Pomeranz 1988;Tait and Gailliard 1998))。脂質の分解は苦み悪臭および異臭の発生をもたらし、それは、保存可能期間並びに全粒粉および全粒粉から製造される製品の使用にマイナスの影響を与える。同様に、安定性および減少された保存可能期間は、米ぬかおよび米ぬかに由来する製品(例えば米ぬか油)の使用についても脂質の分解のために問題である。
脂質の分解は加水分解性および酸化性酸敗の両方のプロセスを介して生じる。リパーゼ(EC 3.1.1.3)は、モノ-、ジ-およびトリ-アシルグリセリド(TAG)のエステル結合加水分解触媒して非エステル化または遊離脂肪酸FFA)を生じる。脂質の分解は全粒粉または米ぬかの製粉時に直ちに開始する。リパーゼは、製粉穀粒水分含有量が低いときですら(典型的にはコムギに対して10−14%)実質的な酵素活性を有する(Doblado-Maldonado 2012)。脂質はまた、自己酸化を介してまたはリポキシゲナーゼ(Lpx)によってさらに分解される。Lpx(EC 1.13.11.12)は非ヘム鉄含有ジオキシゲナーゼのクラスであり、前記は、1,4-cis,cisペンタジエン構造を含むポリ不飽和脂肪酸の位置的および特異的二酸素添加を触媒して対応するヒドロペルオキシドを生成する。ヒドロペルオキシドの形成に続いて、脂質の更なる分解はより小さな揮発性化合物(例えばエポキシアルデヒドケトン、フラン、およびラクトン)の形成をもたらし、それらは、素材の異臭および臭気を生じ保存可能期間を減少させる。全粒粉または米ぬかのリパーゼおよびリポキシゲナーゼ活性マイクロ波、熱、真空低温貯蔵または化学処理によって不活化または減少させる試みは限定的な成功しかもたらさないかまたは商業的に利用するには非常に高価である。

0004

比較的わずかな植物リパーゼが分子レベルおよび生化学ベル特徴づけられている(Seth et al.2014 Protein Exp and Pur 95:13-21)。例えば、イネゲノムアノテーションプロジェクトは、これまで73遺伝子を推定リパーゼとして注釈しているが(Kawahara et al.(2013) Rice 6:4)、コメのリパーゼ酵素の精製で遭遇する難しさがそれらの特徴付けを妨げている(Muniandy, K., et al.The Nucleus (2015): 1-6)。これらの困難さにもかかわらず、いくつかの米ぬかの脂質分解酵素(リパーゼI、リパーゼII、熱安定性リパーゼおよびエステラーゼ(OsEST-b)を含む)が生化学的に同定されている(以下で概括される:Muniandy 2015 and Chuang et al.Journal of agricultural and food chemistry 59.5 (2011): 2019-2025)。これらの酵素のうち、リパーゼIIおよびOsEST-bは最近精製され、当該酵素をコードするコメ遺伝子が同定された(Vijayakumar and Protein expression and purification 88.1 (2013): 67-79; Chuang et al.2011)。
コムギでは、リパーゼ活性は、発中に生成されるリパーゼと同様に、多数の組織(非発芽コムギふすまおよびコムギ胚芽分画を含む)で記載されている(Pomeranz, Y.Wheat: chemistry and technology.No.Ed.3.American Association of Cereal Chemists, 1988)。しかしながら、これらのリパーゼをコードする遺伝子はほとんど特徴が知られていない。本発明者らは、コムギのリパーゼ1遺伝子を同定した(コムギではその発現はコムギ植物の穀粒に存在する)。
本発明者らは、新規な人為的非トランスジェニックLip1変異を同定し、それらの表現型を植物(例えばコムギおよびコメ)で分析した。コムギに関しては、多数のリパーゼ遺伝子(Lip1、2および3)が全て発現されるので(各々A、BおよびDゲノムの1つ以上の潜在的ホメオログによる)、1つの遺伝子または1つの遺伝子ファミリーの改変がパンコムギの全粒粉の保存可能期間または安定性にプラスの影響を与えることができたのか否かは不明である。コムギゲノムまたはイネゲノムのLip1遺伝子の変異は、コムギ/コムギ粉および米ぬか並びにそれらに由来する製品における加水分解安定性および酸化安定性の増加を提供する可能な道筋を提供する。本明細書の開示は、Lip1遺伝子の新規な対立遺伝子は保存可能期間を顕著に改善することを示す。

0005

ある実施態様では、本開示は、植物のLip1遺伝子の人為的な非トランスジェニック変異に関する。ある実施態様では、当該植物はコムギ植物またはコメ植物である。
別の実施態様では、本開示は、野生型植物、種子、植物部分、およびその子孫と比較して、低下した(decreased)リパーゼ活性を有する植物、種子、植物部分、およびその子孫に関する。
別の実施態様では、本開示は、野生型植物、種子、植物部分、およびその子孫と比較して、増加した加水分解安定性を有する植物、種子、植物部分、およびその子孫に関する。
別の実施態様では、本開示は、野生型植物と比較して、減少した(reduced)リパーゼ活性を有する植物、種子、植物部分、およびその子孫に関し、ここで、当該リパーゼ活性の減少は、当該植物のLip1遺伝子の1つ以上における人為的な非トランスジェニック変異によって引き起こされる。別の実施態様では、Lip1酵素は減少活性を有する。
別の実施態様では、本開示は、1つ以上の変異したLip1遺伝子を含む植物とともに、当該植物の種子、花粉、植物部分および子孫に関する。
別の実施態様では、本開示は、減少Lip1酵素活性に由来する増加した加水分解安定性を有する種子、穀粒、製粉穀粒、粉またはふすまに関し、前記減少酵素活性は、1つ以上のLip1遺伝子における人為的非トランスジェニック変異によって引き起こされる。
別の実施態様では、本開示は、減少Lip1酵素活性に由来する増加した酸化安定性を有する種子、穀粒、製粉穀粒、粉またはふすまに関し、前記減少酵素活性は、1つ以上のLip1遺伝子における人為的非トランスジェニック変異によって引き起こされる。
別の実施態様では、減少Lip1酵素活性に由来する改善された感覚的特徴を有する種子、穀粒、製粉穀粒、粉またはふすまに関し、前記減少酵素活性は、1つ以上のLip1遺伝子における人為的非トランスジェニック変異によって引き起こされる。
ある実施態様では、本開示は、Lip1遺伝子の少なくとも1つ以上における非トランスジェニック変異の結果として、増加した保存可能期間安定性、減少した酸敗および改善した風味から成る群から選択される特徴を有する植物生成物(例えば種子および穀粒)を有する植物に関する。

0006

ある実施態様では、本開示は、植物のLip1遺伝子における多数の非トランスジェニック変異に関し、前記植物は1、2、3、4、5、6、7、8、9、10および10を超える(ただし前記に限定されない)変異を含む。
ある実施態様では、本開示は、Lip1遺伝子の少なくとも1つにおける非トランスジェニック変異の結果として、増加した保存可能期間安定性、減少した酸敗および改善した風味から成る群から選択される特徴を有するコムギ種子、コムギ穀粒およびコムギ粉を有するコムギ植物に関する。
ある実施態様では、本開示は、コムギ植物のA、BまたはDゲノムのLip1遺伝子における人為的非トランスジェニック変異に関する。
ある実施態様では、本開示は、1つ以上のリパーゼ1(Lip1)遺伝子における非トランスジェニック変異に関する。ある実施態様では、1つ以上の変異はコムギのAゲノムのLip1遺伝子内に存在する。別の実施態様では、1つ以上の変異はコムギのDゲノムのLip1遺伝子内に存在する。別の実施態様では、1つ以上の変異はコムギのBゲノムのLip1遺伝子内に存在する。
ある実施態様では、本開示は、コムギのAゲノムのLip-A1遺伝子における非トランスジェニック変異に関し、前記コムギは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10および10を超える(ただし前記に限定されない)変異を含む。
ある実施態様では、本開示は、コムギのDゲノムのLip-D1遺伝子における非トランスジェニック変異に関し、前記コムギは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10および10を超える(ただし前記に限定されない)変異を含む。
ある実施態様では、本開示は、コムギのBゲノムのLip-B1遺伝子における非トランスジェニック変異に関し、前記コムギは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10および10を超える(ただし前記に限定されない)変異を含む。

0007

別の実施態様では、本開示は、コムギのAゲノムのLip-A1遺伝子における非トランスジェニック変異(1、2、3、4、5、6、7、8、9、10を含むがただしこれらに限定されない)、およびコムギのDゲノムのLip-D1遺伝子における非トランスジェニック変異(1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、および10を超える変異を含むがただしこれらに限定されない)に関する。
別の実施態様では、本開示は、コムギのAゲノムのLip-A1遺伝子における非トランスジェニック変異(1、2、3、4、5、6、7、8、9、10を含むがただしこれらに限定されない)、およびコムギのBゲノムのLip-B1遺伝子における非トランスジェニック変異(1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、および10を超える変異を含むがただしこれらに限定されない)に関する。
別の実施態様では、本開示は、コムギのAゲノムのLip-A1遺伝子における非トランスジェニック変異(1、2、3、4、5、6、7、8、9、10を含むがただしこれらに限定されない)、およびコムギのBゲノムのLip-B1遺伝子における非トランスジェニック変異(1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、および10を超える変異を含むがただしこれらに限定されない)、およびコムギのDゲノムのLip-D1遺伝子における非トランスジェニック変異(1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、および10を超える変異を含むがただしこれらに限定されない)に関する。

0008

別の実施態様では、本開示は、植物生成物(種子、穀粒、製粉穀粒、粉およびふすまを含むがただしこれらに限定されない)を取り込んだ食物、飲料並びに食物および飲料製品に関し、前記植物生成物は、1つ以上のLip1遺伝子における人為的な非トランスジェニック変異によって引き起こされた減少Lip1酵素活性を有する。
別の実施態様では、本開示は、野生型植物と比較して1つ以上のLip1酵素の減少活性を有する植物に関し、前記植物は以下の工程によって作出される:親植物から植物素材入手する工程、当該植物素材を変異原で処理して変異誘導植物素材(例えば種子または花粉)を作り出すことによって当該植物素材のLip1遺伝子の少なくとも1つのコピーに少なくとも1つの変異を導入する工程、子孫植物を分析してLip1遺伝子の少なくとも1つのコピーで少なくとも1つの変異を検出する工程、Lip1遺伝子の少なくとも1つのコピーで少なくとも1つの変異を有する子孫植物を選別し、さらに場合によってLip1遺伝子の少なくとも1つのコピーで少なくとも1つの変異を有する子孫植物をLip1遺伝子の異なるコピーで少なくとも1つの変異を有する他の子孫植物と交配する工程、並びに変異を有する子孫植物の同定および場合によって変異を有する子孫植物と変異を有する他の子孫植物との交配のサイクルを繰り返して減少Lip1酵素活性を有する子孫植物を産出する工程。別の実施態様では、当該方法は、当該変異誘導植物素材を育成または使用して子孫植物を産出する工程を含む。
別の実施態様では、1つ以上の変異はコメ植物のLip1遺伝子に存在する。別の実施態様では、本開示は、コメおよびコメ植物のLip1遺伝子の人為的非トランスジェニック変異に関する。ある実施態様では、本開示は、Lip1遺伝子の非トランスジェニック変異の結果として、増加した保存可能期間安定性、増加した酸化安定性、増加した加水分解安定性、減少した酸敗および改善した風味から成る群から選択される特徴を示す、コメ種子および米ぬかを有するコメ植物に関する。

0009

配列リストの簡単な説明
付随する配列表に記載される核酸配列は、ヌクレオチド塩基標準的な文字略語を用いて示される。各核酸配列の一方の鎖のみが示されるが、相補鎖提示される鎖を任意に参照することによって包含されることは理解されよう。付随の配列表では、
列番号:1は、リパーゼ1、Aゲノム、Lip-A1エクソン1-10のトリチクム・アエスチブム遺伝子を示す(3,280塩基対)。
配列番号:2は配列番号:1のLip-A1コード配列を示す(1,060塩基対)。
配列番号:3は配列番号:2のLip-A1タンパク質配列を示す(352アミノ酸)。
配列番号:4は、リパーゼ1、Dゲノム、Lip-D1エクソン1-10のトリチクム・アエスチブム遺伝子を示す(3,263塩基対)。
配列番号:5は配列番号:4のLip-D1コード配列を示す(1,056塩基対)。
配列番号:6は配列番号:5のLip-D1タンパク質配列を示す(351アミノ酸)。
配列番号:7は、リパーゼ1、Bゲノム、Lip-B1エクソン1-10のトリチクム・アエスチブム遺伝子を示す(3,460塩基対)。
配列番号:8は配列番号:4のLip-B1コード配列を示す(1,059塩基対)。
配列番号:9は配列番号:5のLip-B1タンパク質配列を示す(352アミノ酸)。
配列番号:10−11は例示的なホメオログ特異的TILLINGプライマーを示し、前記はLip-A1遺伝子配列内の有用な変異の同定に有用であることを証明した。
配列番号:12−13は例示的なホメオログ特異的TILLINGプライマーを示し、前記はLip-D1遺伝子配列内の有用な変異の同定に有用であることを証明した。
配列番号:14−15は例示的なホメオログ特異的TILLINGプライマーを示し、前記はLip-B1遺伝子配列内の有用な変異の同定に有用であることを証明した。
配列番号:16−17は、完全なまたは失われたLip-B1遺伝子座配列の同定のためのマーカーとして有用であることを証明した例示的なプライマーを示す。
配列番号:18−19は、コムギのLip1遺伝子の発現分析で有用であることを証明した例示的なプライマーを示す。
配列番号:20−21は、コムギのLip2遺伝子の発現分析で有用であることを証明した例示的なプライマーを示す。
配列番号:22−23は、コムギのLip3遺伝子の発現分析で有用であることを証明した例示的なプライマーを示す。
配列番号:24−25は、グリセルアルデヒドホスフェートデヒドロゲナーゼ(GAPD)の発現分析で有用であることを証明した例示的なプライマーを示す。
配列番号:26は、リパーゼ1、OsLip1エクソン1−10のオリザ・サチバ(Oryza sativa)遺伝子を示す(3672塩基対)。
配列番号:27は、配列番号:26のOsLip1コード領域を示す(1,077塩基対)。
配列番号:28は、配列番号:27のOsLip1タンパク質配列を示す(358アミノ酸)。
配列番号:29−30は例示的なTILLINGプライマーを示し、前記はOsLip1遺伝子配列内の新規な変異の同定に有用であることを証明した。
配列番号:31−35は、OsLip1の標的指定ゲノム編集のための例示的なガイド配列を示す。

図面の簡単な説明

0010

図1は、コメのリパーゼ1およびコムギのリパーゼ1、2および3のタンパク質アラインメントを示す。
図2は、コムギの多様な組織タイプにおけるリパーゼ1、2および3の発現を示す。
図3は、(A)コムギのLip-B1の遺伝子モデルを示す。枠はエクソン(番号付与)を表し、線はイントロンを表す。Lip-B1マーカープライマーは、完全なLip-B1配列を有するコムギ品種で332bpのPCR生成物を、Lip-B1配列のこの領域を欠く品種でLip-A1およびLip−D1を表す207bpバンド増幅する。(B)Lip-B1マーカーのPCR生成物。前記は多くの品種がLip-B1配列を欠くこと、さらにCSおよびKrはLip-B1配列を含むことを示す。CSはチャイニーズスプリング、Exはエクスプレス、Krはクロノス、NTCは鋳型無しのコントロール

0011

定義
本開示の数値範囲概数であり、したがって、特段の指示がなければ当該範囲の外側の値も含むことができる。数値範囲は全ての値(下方値および上方値を含む)を含み、当該値は、任意のより小さな値と任意のより大きな値との間が少なくとも2ユニット離れていることを条件として1ユニットずつ増加する。例として、組成に関する、物理に関する、または他の特性(例えば分子量、粘度など)が100から1000である場合、全ての個々の数値(例えば100、101、102など)、および部分範囲(例えば100から144、155から170、197から200など)が明示的に列挙されていることが意図される。1未満または1より大きい分数(例えば1.1、1.5など)を含む値を含む範囲については、1ユニットは、必要に応じて0.0001、0.001、0.01または0.1であると考えられる。10未満の一桁の数字を含む範囲(例えば1から5)については、1ユニットは典型的には0.1と考えられる。これらは具体的に意図されるものの一例であり、列挙された最小数最大数の間の数値の全ての可能な組合せが本開示において明示的に記載されていると考えるべきである。本開示では、数値範囲はとりわけ、混合物中の成分の相対的な量、種々の温度、および本方法で述べる他のパラメーター範囲を提供する。

0012

本明細書で用いられる「対立遺伝子」という用語は、ある遺伝子の1つ以上のまた別の形態のいずれかであり、前記の全てが1つの特性または特徴に関する。二倍体細胞または生物では、与えられた遺伝子の2つの対立遺伝子が一対の相同染色体上の対応する遺伝子座を占拠する。対立遺伝子は、特定のヌクレオチドの位置で親配列を示す「野生型」、または親配列とは異なるヌクレオチドを示す変異体であることができる。「ヘテロ接合」は、特定のヌクレオチドの位置で1つの野生型および1つの変異対立遺伝子を示し、「ホモ接合」は特定のヌクレオチドの位置で同じ2つの対立遺伝子を示す。
本明細書で用いられる「改変」、「増加」、「増加した」、「減少」、「減少した」、「阻害された」などという用語は、相対的な用語(すなわち野生型または非改変状態との比較)と考えられる。「タンパク質のレベル」は、特定のタンパク質(例えばLip1)の量を指し、前記は、当業界で公知の任意の手段(例えばウェスタンブロット分析または質量分析、または他の免疫学的手段)によって測定できる。「酵素活性のレベル」は、酵素アッセイで測定される特定の酵素の量を指す。ある酵素の活性のレベルは変異体で改変され得るが、当該タンパク質それ自体の発現レベル(量)は改変されないことは理解されよう。逆に、タンパク質の量は改変されることはあるが、しかしながら多少とも活性なタンパク質が生成されるならば当該活性は変わらない。量および活性の両方の減少もまた、例えば酵素をコードする遺伝子が不活化されるときに可能である。ある種の実施態様では、タンパク質または活性のレベルの減少は、非修正植物の内乳のタンパク質または活性のレベルと比較して少なくとも10%または少なくとも20%または少なくとも30%または少なくとも40%または少なくとも50%または少なくとも60%であるか、または少なくとも70%、または少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%である。タンパク質または酵素活性または遺伝子発現のレベルの減少は、穀粒の発生の任意の段階(特に登熟期)でまたは穀粒発生から成熟を通して全段階で生じ得る。

0013

本明細書で用いられる、アミノ酸またはヌクレオチドの配列「同一性」および「類似性」は、比較される2つの配列間の最適な全体的アラインメントから決定される。最適な全体的アラインメントは、例えばNeedleman-Wunschアルゴリズム(Needleman and Wunsch, 1970, J.Mol.Biol.48:443-453)を用いて達成される。配列はまた、当業界で公知のアルゴリズム(CLUSTAL VアルゴリズムまたはBLASTN若しくはBLAST2配列プログラムを含むが、ただしこれらに限定されない)を用いてアラインメントすることができる。
「同一性」は、第一のポリペプチドまたはポリヌクレオチドの特定の位置のアミノ酸またはヌクレオチドが、当該第一のポリペプチドまたはポリヌクレオチドと最適な全体的アラインメントにある第二のポリペプチドまたはポリヌクレオチドの対応するアミノ酸またはヌクレオチドと同一であることを意味する。同一性とは対照的に、「類似性」は、保存的置換であるアミノ酸を包含する。「保存的」置換は、Blosum62置換マトリックスで正のスコアを有する任意の置換である(Henikoff and Henikoff, 1992, Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89: 10915-10919)。
「配列Aは配列Bとn%類似する」という記述は、配列AとBとの間で最適な全体的アラインメントにある位置のn%が、同一残基またはヌクレオチドおよび保存的置換から成ることを意味する。「配列Aは配列Bとn%同一である」という記述は、配列AとBとの間で最適な全体的アラインメントにある位置のn%が、同一残基またはヌクレオチドから成ることを意味する。

0014

本明細書で用いられる「加水分解安定性」は、トリアシルグリセリド(TAG)の非エステル化または遊離脂肪酸(FFA)への変換を指す。加水分解安定性の増加または改善はTAGのFFAへの変換率の減少を指す。
本明細書で用いられる「加水分解性酸敗」は、トリグリセリドが加水分解され遊離脂肪酸が放出されるときに発生する臭いまたは味を指す。いくつかの実施態様では、食物の酸敗は非常にわずかであり、新鮮さを失うことによって示される。他の実施態様では、食物の酸敗は非常に激しく、不快な臭いおよび/または味によって示される。
本明細書で用いられる「保存可能期間の増加」は、販売できるまたは使用できる状態を維持している期間の増加を指す。例えば、米国では一般的に製粉業者は 「消費期限」日付のスタンプを全粒粉の製粉後に押す。典型的な「消費期限」日付は4か月であり得る。「保存可能期間の増加」は典型的な製品と比較して消費期限日付を延長するであろう。いくつかの実施態様では、「保存可能期間の増加」はまた、遊離脂肪酸(またはヘキサナール)の蓄積の減少または不快な味および臭いの減少を指すことができる。
本明細書で用いられるように、リパーゼは脂肪(脂質)の加水分解を触媒する酵素である。リパーゼはエステラーゼの下位クラスである。
本明細書で用いられる「酸化性酸敗」は大気中の利用可能な酸素による製品の分解を指す。特定の理論に拘束されないが、不飽和脂肪酸二重結合は、遊離ラジカルを介する切断を経て、揮発性のアルデヒドおよびケトンを放出することができる。酸化は主として不飽和脂肪により生じる。
本明細書で用いられる「酸化安定性」の増加または改善は、利用可能な酸素による製品の分解速度の減少を指す。
本明細書で用いられる「植物」という用語には、未成熟または成熟全植物(種子または穀粒またはが取り除かれた植物を含む)を指すものを含む。植物を生じる種子またはもまた植物であると考えられる。本明細書で用いられるように、植物という用語は穀草(コムギまたはコメを含むがただしこれらに限定されない)を含む。
本明細書で用いられる「植物部分」という用語は、植物プロトプラスト、植物を再生できる植物細胞組織培養植物カルス、植物クランプ、および植物または植物部分において完全である植物細胞(例えば胚、花粉、胚珠果皮、種子、花、小筒花、頭状花、穂状花序、葉、根、根端、葯など)を含む。

0015

本明細書で用いられる「ポリペプチド」という用語は、ペプチド結合または修正ペプチド結合によって互いに結合された2つ以上のアミノ酸を含む任意のペプチドまたはタンパク質を指す。「ポリペプチド」は、短い鎖(一般的にペプチド、オリゴペプチドおよびオリゴマーと称される)および長い鎖(一般的にはタンパク質と称される)の両方を指す。ポリペプチドは、20の遺伝子コードアミノ酸以外のアミノ酸を含むことができる。「ポリペプチド」は、天然のプロセス(例えばプロセッシングおよび他の翻訳後修飾)だけでなく化学的修飾技術によって修正されたものを含む。そのような修正は、基本的な教本およびより詳細なモノグラフにさらに膨大な研究論文に詳しく記載され、それらは当業者によく知られている。与えられたペプチド内のいくつかの部位に同じタイプの修正が同じ程度にまたは様々な程度に存在し得ることは理解されるであろう。
本明細書で用いられる「Lip1誘導体」は、全Lip1タンパク質/ペプチド/ポリペプチド配列生物学的活性と比較して、実質的に減少された生物学的活性を保持するLip1タンパク質/ペプチド/ポリペプチド配列を指す。換言すれば、前記は、減少されたLip1酵素活性を有する修正Lip1タンパク質のポリペプチドを指す。「Lip11誘導体」という用語は、修正Lip1タンパク質/ペプチドの「フラグメント」または「化学的誘導体」を包含する。
本明細書で用いられる「ポリヌクレオチド」という用語は、全般的に任意のポリリボヌクレオチドまたはポリデオキシリボヌクレオチドを指し、前記は非修正RNA若しくはDNAまたは修正RNA若しくはDNAであり得る。この定義には、一本鎖および二本鎖DNA、一本鎖および二本鎖領域または一本鎖、二本鎖および三本鎖領域の混合物であるDNA、cDNA、一本鎖および二本鎖RNA、並びに一本鎖および二本鎖領域の混合物であるRNA、DNAおよびRNAを含むハイブリッドDNA分子(前記DNAおよびRNAは、一本鎖またはより典型的には二本鎖若しくは三本鎖領域または一本鎖および二本鎖領域の混合物であり得る)が含まれるが、ただしこれらに限定されない。「ポリヌクレオチド」という用語はまた、短いヌクレオチドまたはフラグメント(しばしば「オリゴヌクレオチド」と称される)を包含し、前記は変異誘導のために100%同一ではないが、それにもかかわらず同じアミノ酸配列をコードする。

0016

本明細書で用いられる「減少または非機能性フラグメント」は、全核酸配列のコードタンパク質と比較して減少された生物学的活性を有するLip1タンパク質をコードする核酸配列を指す。換言すれば、前記は、本発明のLip1ポリペプチドをコードする能力を実質的に保持するが、コードされたLip1ポリペプチドは減少された活性を有する核酸またはそのフラグメントを指す。
本明細書で用いられる「フラグメント」という用語はポリヌクレオチド配列を指し(例えばPCRフラグメント)、前記は、人工的に(例えば化学的合成によって)構築されるか、または天然の生成物を多数の断片に(制限エンドヌクレアーゼまたは機械的せん断を用いて)切断することによる対象核酸の単離された部分、またはPCR、DNAポリメラーゼまたは当業界で周知の任意の他の重合技術によって合成された、または当業者に周知の組換え核酸技術によって宿主細胞で発現された核酸の部分である。
本開示のポリヌクレオチドに関しては、「単離されたポリヌクレオチド」という用語がときどき用いられる。この用語は、DNAに適用されるときは、当該DNAが由来する生物の天然に出現するゲノムで(5’および3’方向に)直接連続する配列から分離されたDNA分子を指す。例えば、「単離されたポリヌクレオチド」はPCRフラグメントを含むことができる。
別の実施態様では、「単離されたポリヌクレオチド」は、ベクター(例えばプラスミドまたはウイルスベクター)に挿入された、または原核細胞または真核細胞のゲノムDNAに組み込まれたDNA分子を含むことができる。「単離されたポリヌクレオチド」はまたcDNA分子を含むことができる。
別の実施態様では、「単離されたポリヌクレオチド」という用語はRNAを含むことができる。別の実施態様では、「単離されたポリヌクレオチド」という用語は、エクソーム捕捉DNAを含むことができる(King, Robert, et al.Mutation Scanning in Wheat by Exon Capture and Next-Generation Sequencing.PloS one 10.9 (2015): e0137549)。

0017

コムギ植物は、本明細書ではトリチクム属の種の任意の植物と定義され、前記種は商業的に栽培され、例えば以下が含まれる:トリチクム・アエスチブムL.のアエスチブム亜種(普通コムギまたはパンコムギ)、トリチクム・アエスチブムの他の亜種、トリチクム・チュルギデュムL.のデュルム亜種(デュラムコムギ、またはマカロニコムギ若しくは硬質コムギとしても知られている)、トリチクム・モノコクムL.(Triticum monococcum L.)のモノコクム亜種(栽培されているヒトツブコムギまたはスペルトコムギ)、トリチクム・チモフェービ(Triticum timopheevi)のチモフェービ亜種、トリチクム・チュルギグムL.(Triticum turgigum L.)のジコッコン亜種(ssp. dicoccon)(栽培されているエンマーコムギ)、およびトリチクム・チュルギデュムの他の亜種(Feldman)。コムギはAABBDD型ゲノムを有する六倍体コムギ、またはAABB型ゲノムを有する四倍体コムギであり得る。コムギの遺伝的変型は一定の関連種(ライムギおよびオオムギを含む)にハイブリダイゼーションによって移転されたので、本開示はまたそのようにして形成されたハイブリッド種(パンコムギとライムギのハイブリッドであるライコムギを含む)を含む。ある実施態様では、コムギ植物はトリチクム・アエスチブム種であり、好ましくはアエスチブム亜種である。また別には、変異またはトランスジーンは、トリチクム・アエスチブムからデュラムコムギに容易に移すことができ、コムギは好ましくはトリチクム・チュルギデュムL.のデュルム亜種である。
コメ植物は、本明細書ではオリザ属の任意の種と定義され、前記種は商業的に栽培され、例えば以下が含まれる:オリザ・サチバL.インディカ(Oryza sativa L.indica)およびオリザ・サチバL.ジャポニカ(Oryza sativa L.japonica)並びに他の種、例えばオリザ・サチバL.トロピカルジャポニカオリザ・ルフィポゴン(Oryza rufipogon)。ある実施態様では、コメ植物はオリザ・サチバの種であり、好ましくはインディカ亜種である。変異またはトランスジーンは、オリザ・サチバインディカからジャポニカおよび他のコメの種に容易に移転させることができる。

0018

ある実施態様では、本開示は、植物の1つ以上のLip1遺伝子の非トランスジェニック変異に関する。別の実施態様では、本開示は、野生型植物(その植物ゲノム外来核酸を含まない)と比較して低下したLip1活性を有する種子を提示する植物を記載する。さらに別の実施態様では、本開示は、野生型種子(その植物ゲノムに外来核酸を含まない)と比較して増加した酸化安定性を有する種子を提示する植物を記載する。さらに別の実施態様では、本開示は、野生型種子(その植物ゲノムに外来核酸を含まない)と比較して増加した加水分解安定性を有する種子を提示する植物を記載する。
さらに別の実施態様では、本開示は、野生型種子(そのコムギ植物ゲノムに外来核酸を含まない)と比較して増加した保存可能期間を有する粉および/またはふすまを生じる種子を提示する植物を記載する。
さらに別の実施態様では、本開示は、植物の1つ以上のLip1遺伝子における一連の独立した人為的非トランスジェニック変異、前記の少なくとも1つのLip1遺伝子にこれら変異の1つ以上を有する植物、および植物の少なくとも1つのLip1遺伝子に同様なおよび/または付加的な変異を作出および同定する方法に関する。加えて、本開示は、植物のゲノム内に外来核酸を含まない野生型植物の製品と比較して、低下したLip1活性および/または増加した酸化安定性および/または増加した加水分解安定性および/または保存可能期間を有する植物製品を提示する植物に関する。

0019

I.Lip1変異
A.Lip1遺伝子
ある実施態様では、本開示は、植物のLip1遺伝子における1つ以上の非トランスジェニック変異に関する。ある実施態様では、本開示は、植物のLip1遺伝子における多数の非トランスジェニック変異(1、2、3、4、5、6、7、8、9、10および10を超える(ただしこれらに限定されない)変異を含む)に関する。
別の実施態様では、植物のLip1遺伝子は、表1、2、3および4に記載の1つ以上の非トランスジェニック変異およびホメオログにおける対応する変異並びに前記の組合せを含むことができる。
別の実施態様では、本開示は、対応するホメオログのLip1遺伝子における、本明細書に開示の1つ以上の非トランスジェニック変異に対応する変異に関する。例示すれば、コムギ植物のAゲノムのLip-A1遺伝子の同定された変異は、Bおよび/またはDゲノムで有益な変異であり得る。ホメオログ内の変異は厳密な位置づけでないことは当業者には理解されよう。
具体的な植物の種々の品種でLip1遺伝子の遺伝子配列には天然の変型が存在することは当業者には理解される。

0020

1.コムギ植物
本発明者らは、コムギ製品(コムギ全粒粉を含むが、ただし前記に限定されない)の保存可能期間を改善するためにはLip1遺伝子機能を減少させる変異が望ましいと決定した。好ましい変異にはミスセンスおよびナンセンス変異が含まれる。前記は、1つ以上のLip1タンパク質の翻訳メッセンジャーRNAから成熟前切り詰める変異、例えばLip1メッセンジャーRNAのコード領域内に終止コドンを作出する変異を含む。そのような変異には、挿入、欠失リピート配列スプライス部位変異、修正オープンリーディングフレーム(ORF)および点変異が含まれる。いくつかの終止コドン変異が他のものより有効である。なぜならば、全ての終止コドン変異が同じ程度にリパーゼ活性を減少させるというわけではないからである。
さらに別の実施態様では、1つ以上の変異はAゲノムのLip-A1遺伝子に存在する。さらに別の実施態様では、1つ以上の変異はDゲノムのLip-D1遺伝子に存在する。別の実施態様では、1つ以上の変異は、AおよびDゲノムのLip-A1およびLip-D1遺伝子に存在する。
さらに別の実施態様では、1つ以上の変異はAゲノムのLip-A1遺伝子に存在する。さらに別の実施態様では、1つ以上の変異はBゲノムのLip-B1遺伝子に存在する。別の実施態様では、1つ以上の変異は、AおよびBゲノムのLip-A1およびLip-B1遺伝子に存在する。

0021

a.Aゲノム
ある実施態様では、本開示は、AゲノムのLip1遺伝子における多数の非トランスジェニック変異(1、2、3、4、5、6、7、8、9、10および10を超える(ただしこれらに限定されない)変異を含む)に関する。ある実施態様では、1つ以上の非トランスジェニック変異はAゲノムのLip1遺伝子の両方の対立遺伝子に存在する。別の実施態様では、非トランスジェニック変異はAゲノムのLip1遺伝子の両対立遺伝子で同一である。
表1、2、3および4で同定された以下の変異は、本明細書に開示する多様な実施態様にしたがって作出および同定された変異の例示である。それらは、例証のために提供され限定のためではない。下記の変異は単に例示であること、および同様な変異もまた意図されることは理解されるべきである。
表1の1つの例示的な変異はG2141Aであり、前記は、Lip-A1の配列(配列番号:1)でその位置にしたがって同定されるヌクレオチド2141位でグアニン野生型対立遺伝子)からアデニン(変異対立遺伝子)への変化を生じる。この変異は、Lip-A1(配列番号:3)の発現タンパク質におけるその位置にしたがって同定されるアミノ酸122位でトリプトファンから終止(*)コドンへの変化をもたらす(W122*)。
表1は、コムギ植物(品種エクスプレス(Express))のAゲノムのLip-A1で作出および同定された変異の例を提供する。ヌクレオチドおよびアミノ酸の変化は、それぞれ配列番号:1および3のそれらの位置にしたがって同定される。

0022

表1:AゲノムのLip-A1遺伝子の代表的な変異対立遺伝子

0023

ある実施態様では、本開示は、表1に列挙された1つ以上の非トランスジェニック変異を有し、配列番号:1に該当するAゲノムのLip-A1遺伝子のポリヌクレオチドに関する。別の実施態様では、表1に列挙された1つ以上の非トランスジェニック変異を有するポリヌクレオチドは、配列番号:1と85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または99%を超えて同一である。さらに別の実施態様では、表1に列挙された1つ以上の非トランスジェニック変異を有するポリヌクレオチドは、配列番号:1と85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または99%を超えて類似する。
さらに別の実施態様では、表1に列挙された1つ以上の非トランスジェニック変異を有するポリヌクレオチドはLip-A1タンパク質をコードし、ここで当該Lip-A1タンパク質は1つ以上の非トランスジェニック変異を含み、さらに配列番号:3と85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または99%を超えて同一である。さらに別の実施態様では、表1に列挙された1つ以上の非トランスジェニック変異を有するポリヌクレオチドはLip-A1タンパク質をコードし、ここで当該Lip-A1タンパク質は1つ以上の非トランスジェニック変異を含み、さらに配列番号:3と85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または99%を超えて類似する。

0024

b.Dゲノム
ある実施態様では、本開示は、DゲノムのLip-D1遺伝子における多数の非トランスジェニック変異(1、2、3、4、5、6、7、8、9、10および10を超える(ただしこれらに限定されない)変異を含む)に関する。ある実施態様では、1つ以上の非トランスジェニック変異はDゲノムのLip-D1遺伝子の両方の対立遺伝子に存在する。別の実施態様では、非トランスジェニック変異はDゲノムのLip-D1遺伝子の両対立遺伝子で同一である。
ある実施態様では、1つ以上の変異はDゲノムのLip-D1遺伝子に存在する。ある実施態様では、本開示は、Lip-D1遺伝子の多数の非トランスジェニック変異(1、2、3、4、5、6、7、8、9、10および10を超える(ただしこれらに限定されない)変異を含む)に関する。
表2の1つの例示的な変異はC1780Tであり、前記は、Lip-D1の配列(配列番号:4)でその位置にしたがって同定されるヌクレオチド1780位で野生型配列シトシンから変異体配列のチミンへの変化を生じる。この変異は、発現されたLip-D1タンパク質(配列番号:6)でその位置にしたがって同定されるアミノ酸88位でグルタメートから終止(*)コドンへの変化をもたらす(Q88*)。
表2は、コムギ植物(品種エクスプレス)のDゲノムのLip-D1で作出および同定された変異の代表的な例を提供する。ヌクレオチドおよびアミノ酸の変化は、それぞれ配列番号:4および6のそれらの位置にしたがって同定される。

0025

表2:DゲノムのLip-D1遺伝子の代表的な変異対立遺伝子

0026

ある実施態様では、本開示は、表2に列挙された1つ以上の非トランスジェニック変異を有し、配列番号:4に該当するDゲノムのLip1遺伝子のポリヌクレオチドに関する。別の実施態様では、表2に列挙された1つ以上の非トランスジェニック変異を有するポリヌクレオチドは、配列番号:4と85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または99%を超えて同一である。さらに別の実施態様では、表2に列挙された1つ以上の非トランスジェニック変異を有するポリヌクレオチドは、配列番号:4と85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または99%を超えて類似する。
さらに別の実施態様では、表2に列挙された1つ以上の非トランスジェニック変異を有するポリヌクレオチドはLip-D1タンパク質をコードし、ここで当該Lip-D1タンパク質は1つ以上の非トランスジェニック変異を含み、さらに配列番号:6と85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または99%を超えて同一である。さらに別の実施態様では、表2に列挙された1つ以上の非トランスジェニック変異を有するポリヌクレオチドはLip-D1タンパク質をコードし、ここで当該Lip-D1タンパク質は1つ以上の非トランスジェニック変異を含み、さらに配列番号:6と85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または99%を超えて類似する。

0027

c.Bゲノム
ある実施態様では、本開示は、BゲノムのLip-B1遺伝子における多数の非トランスジェニック変異(1、2、3、4、5、6、7、8、9、10および10を超える(ただしこれらに限定されない)変異を含む)に関する。ある実施態様では、1つ以上の非トランスジェニック変異はBゲノムのLip-B1遺伝子の両方の対立遺伝子に存在する。別の実施態様では、非トランスジェニック変異はBゲノムのLip-B1遺伝子の両対立遺伝子で同一である。
ある実施態様では、1つ以上の変異はBゲノムのLip-B1遺伝子に存在する。ある実施態様では、本開示は、Lip-B1遺伝子の多数の非トランスジェニック変異(1、2、3、4、5、6、7、8、9、10および10を超える(ただしこれらに限定されない)変異を含む)に関する。
表3の1つの例示的な変異はG2299Aであり、前記は、Lip-B1の配列(配列番号:7)でその位置にしたがって同定されるヌクレオチド2299位で野生型配列のグアニンから変異体配列のアデニンへの変化を生じる。この変異は、発現されたLip-B1タンパク質(配列番号:9)でその位置にしたがって同定されるアミノ酸116位でトリプトファンから終止(*)コドンへの変化をもたらす(W116*)。
表3は、コムギ植物(品種クロノス(Kronos))のBゲノムのLip-B1で作出および同定された変異の代表的な例を提供する。ヌクレオチドおよびアミノ酸の変化は、それぞれ配列番号:7および9のそれらの位置にしたがって同定される。

0028

表3:BゲノムのLip-B1遺伝子の代表的な変異対立遺伝子

0029

ある実施態様では、本開示は、表3に列挙された1つ以上の非トランスジェニック変異を有し、配列番号:7に該当するBゲノムのLip1遺伝子のポリヌクレオチドに関する。別の実施態様では、表3に列挙された1つ以上の非トランスジェニック変異を有するポリヌクレオチドは、配列番号:7と85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または99%を超えて同一である。さらに別の実施態様では、表2に列挙された1つ以上の非トランスジェニック変異を有するポリヌクレオチドは、配列番号:7と85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または99%を超えて類似する。
さらに別の実施態様では、表3に列挙された1つ以上の非トランスジェニック変異を有するポリヌクレオチドはLip-B1タンパク質をコードし、ここで当該Lip-B1タンパク質は1つ以上の非トランスジェニック変異を含み、さらに配列番号:9と85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または99%を超えて同一である。さらに別の実施態様では、表3に列挙された1つ以上の非トランスジェニック変異を有するポリヌクレオチドはLip-B1タンパク質をコードし、ここで当該Lip-B1タンパク質は1つ以上の非トランスジェニック変異を含み、さらに配列番号:9と85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または99%を超えて類似する。

0030

2.コメ植物
種々のコメ品種のLip1遺伝子の遺伝子配列には天然の変型が存在することを当業者は理解している。ある実施態様では、1つ以上の変異がOsLip1に存在する。ある実施態様では、本開示は、OsLip1遺伝子における多数の非トランスジェニック変異(1、2、3、4、5、6、7、8、9、10および10を超える(ただしこれらに限定されない)変異を含む)に関する。ある実施態様では、1つ以上の非トランスジェニック変異はOsLip1遺伝子の両方の対立遺伝子に存在する。別の実施態様では、非トランスジェニック変異はOsLip1遺伝子の両対立遺伝子で同一である。
表4の1つの例示的な変異はT3424Aであり、前記は、OsLip1の配列(配列番号:26)でその位置にしたがって同定されるヌクレオチド3424位で野生型配列のチミンから変異体配列のアデニンへの変化を生じる。この変異は、発現されたOsLip1タンパク質(配列番号:28)でその位置にしたがって同定されるアミノ酸156位でチロシンから終止(*)コドンへの変化をもたらす(Y156*)。
表4は、コメ植物のOsLip1で作出および同定された変異の代表的な例を提供する。ヌクレオチドおよびアミノ酸の変化は、それぞれ配列番号:26および28のそれらの位置にしたがって同定される。

0031

表4:OsLip1遺伝子の代表的な変異対立遺伝子

ある実施態様では、本開示は、表4に列挙された1つ以上の非トランスジェニック変異を有し、配列番号:26に該当するOsLip1遺伝子のポリヌクレオチドに関する。別の実施態様では、表4に列挙された1つ以上の非トランスジェニック変異を有するポリヌクレオチドは、配列番号:26と85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または99%を超えて同一である。
さらに別の実施態様では、表4に列挙された1つ以上の非トランスジェニック変異を有するポリヌクレオチドは、配列番号:26と85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または99%を超えて類似する。
さらに別の実施態様では、表4に列挙された1つ以上の非トランスジェニック変異を有するポリヌクレオチドはOsLip1タンパク質をコードし、ここで当該OsLip1タンパク質は1つ以上の非トランスジェニック変異を含み、さらに配列番号:28と85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または99%を超えて同一である。さらに別の実施態様では、表4に列挙された1つ以上の非トランスジェニック変異を有するポリヌクレオチドはOsLip1タンパク質をコードし、ここで当該OsLip1タンパク質は1つ以上の非トランスジェニック変異を含み、さらに配列番号:28と85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または99%を超えて類似する。

0032

B.Lip1タンパク質
さらに別の実施態様では、本開示は、(Lip1変異と題した上記のセクションで考察した)Lip1遺伝子の1つ以上の非トランスジェニック変異に関し、前記は、野生型Lip1タンパク質と比較して1つ以上の変異を有するLip1タンパク質を生じる。ある実施態様では、当該非トランスジェニック変異には、コムギについては表1−3に記載する変異およびコメについては表4に記載する変異、ホメオログにおける対応する変異、およびそれらの組合せが含まれる(ただし前記に限定されない)。
別の実施態様では、本開示は、Lip1遺伝子またはLip1タンパク質の生成を阻害するプロモーターにおける1つ以上の非トランスジェニック変異に関する。いくつかの実施態様では、Lip1遺伝子またはプロモーターにおける変異はLip1タンパク質の発現を減少させる。他の実施態様では、Lip1遺伝子またはプロモーターの変異は、不安定なまたは減少されたLip1タンパク質機能を生じる。別の実施態様では、当該非トランスジェニック変異には、コムギについては表1−3に記載する変異およびコメについては表4に記載する変異、ホメオログにおける対応する変異、およびそれらの組合せが含まれる(ただし前記に限定されない)。

0033

1.Lip1タンパク質の発現レベル
別の実施態様では、本明細書に開示する1つ以上の変異を有するLip1タンパク質の発現レベルは、野生型Lip1タンパク質の発現レベルの0−2%、2−5%、5−7%、7−10%、10−15%、15−20%、20−25%、25−30%、30−35%、35−40%、40−45%、45−50%、50−60%、60−70%、70−80%、80−90%、90−95%、および95−99%に減少される。
さらに別の実施態様では、本明細書に開示する1つ以上の変異を有するLip-A1タンパク質の発現レベルは、野生型Lip-A1タンパク質の発現レベルの0−2%、2−5%、5−7%、7−10%、10−15%、15−20%、20−25%、25−30%、30−35%、35−40%、40−45%、45−50%、50−60%、60−70%、70−80%、80−90%、90−95%、および95−99%に減少される。
さらに別の実施態様では、本明細書に開示する1つ以上の変異を有するLip-D1タンパク質の発現レベルは、野生型Lip-D1タンパク質の発現レベルの0−2%、2−5%、5−7%、7−10%、10−15%、15−20%、20−25%、25−30%、30−35%、35−40%、40−45%、45−50%、50−60%、60−70%、70−80%、80−90%、90−95%、および95−99%に減少される。
さらに別の実施態様では、本明細書に開示する1つ以上の変異を有するLip-B1タンパク質の発現レベルは、野生型Lip-B1タンパク質の発現レベルの0−2%、2−5%、5−7%、7−10%、10−15%、15−20%、20−25%、25−30%、30−35%、35−40%、40−45%、45−50%、50−60%、60−70%、70−80%、80−90%、90−95%、および95−99%に減少される。
さらに別の実施態様では、本明細書に開示する1つ以上の変異を有するOsLip1タンパク質の発現レベルは、野生型OsLip1タンパク質の発現レベルの0−2%、2−5%、5−7%、7−10%、10−15%、15−20%、20−25%、25−30%、30−35%、35−40%、40−45%、45−50%、50−60%、60−70%、70−80%、80−90%、90−95%、および95−99%に減少される。

0034

2.Lip1タンパク質の活性
さらに別の実施態様では、本明細書に開示する1つ以上の変異を有するLip1タンパク質のリパーゼ活性は、野生型Lip1タンパク質の活性レベルの0−1、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99%、および99%を超えて減少される。別の実施態様では、本明細書に開示する1つ以上の変異を有するLip1タンパク質は、野生型Lip1タンパク質と比較して無活性またはゼロ活性を有する。
さらに別の実施態様では、本明細書に開示する1つ以上の変異を有するLip1タンパク質のリパーゼ活性は、野生型Lip1タンパク質の活性レベルの0−10%または10−30%または30−50%または50−70%または70−80%または80−90%または90−95%である。
さらに別の実施態様では、本明細書に開示する1つ以上の変異を有するLip-A1遺伝子に由来するLip1タンパク質のリパーゼ活性は、野生型Lip-A1タンパク質の活性レベルの0−1、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99%、および99%を超えて減少される。別の実施態様では、本明細書に開示する1つ以上の変異を有するLip-A1タンパク質は、野生型Lip-A1タンパク質と比較して無活性またはゼロ活性を有する。
さらに別の実施態様では、本明細書に開示する1つ以上の変異を有するLip-A1遺伝子に由来するLip1タンパク質のリパーゼ活性は、野生型Lip-A1タンパク質の活性レベルの0−10%または10−30%または30−50%または50−70%または70−80%または80−90%または90−95%である。

0035

さらに別の実施態様では、本明細書に開示する1つ以上の変異を有するLip-D1遺伝子に由来するLip1タンパク質のリパーゼ活性は、野生型Lip-D1タンパク質の活性レベルの0−1、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99%、および99%を超えて減少される。別の実施態様では、本明細書に開示する1つ以上の変異を有するLip-D1タンパク質は、野生型Lip-D1タンパク質と比較して無活性またはゼロ活性を有する。
さらに別の実施態様では、本明細書に開示する1つ以上の変異を有するLip-D1遺伝子に由来するLip1タンパク質のリパーゼ活性は、野生型Lip-D1タンパク質の活性レベルの0−10%または10−30%または30−50%または50−70%または70−80%または80−90%または90−95%である。
さらに別の実施態様では、本明細書に開示する1つ以上の変異を有するLip-B1遺伝子に由来するLip1タンパク質のリパーゼ活性は、野生型Lip-B1タンパク質の活性レベルの0−1、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99%、および99%を超えて減少される。別の実施態様では、本明細書に開示する1つ以上の変異を有するLip-B1タンパク質は、野生型Lip-B1タンパク質と比較して無活性またはゼロ活性を有する。

0036

さらに別の実施態様では、本明細書に開示する1つ以上の変異を有するLip-B1遺伝子に由来するLip1タンパク質のリパーゼ活性は、野生型Lip-B1タンパク質の活性レベルの0−10%または10−30%または30−50%または50−70%または70−80%または80−90%または90−95%である。
さらに別の実施態様では、本明細書に開示する1つ以上の変異を有するOsLip1遺伝子に由来するLip1タンパク質のリパーゼ活性は、野生型OsLip1タンパク質の活性レベルの0−1、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99%、および99%を超えて減少される。別の実施態様では、本明細書に開示する1つ以上の変異を有するOsLip1タンパク質は、野生型OsLip1タンパク質と比較して無活性またはゼロ活性を有する。
さらに別の実施態様では、本明細書に開示する1つ以上の変異を有するOsLip1遺伝子に由来するLip1タンパク質のリパーゼ活性は、野生型OsLip1タンパク質の活性レベルの0−10%または10−30%または30−50%または50−70%または70−80%または80−90%または90−95%である。

0037

II.加水分解安定性;酸化安定性;増加される保存可能期間
さらに別の実施態様では、本開示は、(Lip1変異と題した上記のセクションで考察した)植物のLip1遺伝子における1つ以上の非トランスジェニック変異に関し、前記は、植物製品の保存可能期間の増加をもたらす。さらに別の実施態様では、本開示は、(Lip1変異と題した上記のセクションで考察した)植物のLip1遺伝子における1つ以上の非トランスジェニック変異に関し、前記は、野生型穀粒または種子から製造された製品と比較して、1つ以上のLip1変異を有する前記植物の穀粒または種子から製造された製品の安定性の増加をもたらす。ある実施態様では、当該非トランスジェニック変異には、表1−4に記載する変異、ホメオログにおける対応する変異、およびそれらの組合せが含まれる(ただし前記に限定されない)。
さらに別の実施態様では、本明細書に開示する1つ以上のLip1変異を有する全粒から製造される全粒粉の保存可能期間は、全粒粉の典型的な保存可能期間より増加する。米国では、製粉業者は、全粒粉の製粉後に一般的に3−9か月の‘消費期限’日付のスタンプを押すが、この保存可能期間は高い保存温度および湿度によって1−3か月まで減少され得る。保存可能期間は、粉および粉から製造される製品の感覚的特徴(仕上がり製品の色、風味、手触り芳香出来ばえまたは全体的な好ましさを含む)によって決定され得る。訓練を受けたパネリストを使って素材間の相違を判定することができる。
さらに別の実施態様では、本明細書に開示する1つ以上の変異を有するコムギの穀粒から製造される全粒粉の保存可能期間は、野生型穀粒から製造される全粒粉の保存可能期間と比較して、1−9か月、または2−10か月、または3−11か月、または4−12か月、または5−13か月、または6−14か月、または7−15か月、または8−16か月、または9−17か月、または10−18か月、または11−19か月、または12−20か月、または13−21か月、または14−22か月、または15−23か月、または16−24か月増加する。
さらに別の実施態様では、本明細書に開示する1つ以上の変異を有するコムギの穀粒から製造される全粒粉の保存可能期間は、野生型穀粒から製造される全粒粉の保存可能期間と比較して、1か月、2か月、3か月、4か月、5か月、6か月、7か月、8か月、9か月、10か月、11か月、12か月、13か月、14か月、15か月、16か月、17か月、18か月、19か月、20か月、21か月、22か月、23か月、24か月、25か月、26か月、27か月、28か月、29か月、30か月、または30か月を超えて増加する。

0038

さらに別の実施態様では、本明細書に開示する1つ以上の変異を有するコムギの穀粒から製造される全粒粉、または本明細書に開示する1つ以上の変異を有するコメの穀粒から製造される米ぬかの加水分解安定性および/または酸化安定性は、製品の臭いまたは風味に影響を与え得る脂肪酸分解生成物の生成低下により増加する。一切の特定の理論に拘束されないが、本明細書に開示する1つ以上の変異を有するコムギの穀粒から製造される全粒粉、または本明細書に開示する1つ以上の変異を有するコメの穀粒から製造される米ぬかの安定性は、脂肪酸の分解生成物の生成低下により増加する。
さらに別の実施態様では、本明細書に開示する1つ以上の変異を有するコムギの穀粒から製造される全粒粉、または本明細書に開示する1つ以上の変異を有するコメの穀粒から製造される米ぬかは、脂肪酸の分解生成物(ヘキサナールまたはノネナールまたはトリヒドロキシデカン酸を含むが、ただしこれらに限定されない)の生成低下を示す。
さらに別の実施態様では、本明細書に開示する1つ以上の変異を有するコムギの穀粒から製造される全粒粉、または本明細書に開示する1つ以上の変異を有するコメの穀粒から製造される米ぬかは、脂肪酸の分解生成物の生成で低下を示し、ここで、前記低下は、野生型穀粒から製造される全粒粉または野生型コメ穀粒から製造される米ぬかにおける脂肪酸の分解生成物の生成と比較して、0−1、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99%、および99%を超える。

0039

さらに別の実施態様では、本明細書に開示する1つ以上の変異を有するコムギの穀粒から製造される全粒粉、または本明細書に開示する1つ以上の変異を有するコメの穀粒から製造される米ぬかは、脂肪酸の分解生成物(ヘキサナールまたはノネナールまたはトリヒドロキシデカン酸を含むが、ただしこれらに限定されない)の生成低下を示し、ここで、生成低下は、野生型穀粒から製造される全粒粉または野生型コメ穀粒から製造される米ぬかにおける脂肪酸の分解生成物の生成と比較して、1%から5%、または5%から10%、または10%から15%、または15%から20%、または20%から25%、または25%から30%、または30%から35%、または35%から40%、または40%から45%、または45%から50%、または50%から55%、または55%から60%、または60%から65%、または65%から70%、または70%から75%、または75%から80%、または80%から85%、または85%から90%、または90%から95%、または95%から99%、または99%を超える。
さらに別の実施態様では、本明細書に開示する1つ以上の変異を有するコムギの穀粒から製造される全粒粉、または本明細書に開示する1つ以上の変異を有するコメの穀粒から製造される米ぬかは、脂肪酸の分解生成物(ヘキサナールまたはノネナールまたはトリヒドロキシデカン酸を含むが、ただしこれらに限定されない)で低下を示し、ここで、前記低下は、野生型穀粒から製造される全粒粉または野生型コメ穀粒から製造される米ぬかにおける脂肪酸の分解生成物の生成と比較して、少なくとも5%、または少なくとも10%、または少なくとも15%、または少なくとも20%、または少なくとも25%、または少なくとも30%、または少なくとも35%、または少なくとも40%、または少なくとも45%、または少なくとも50%、または少なくとも55%、または少なくとも60%、または少なくとも65%、または少なくとも70%、または少なくとも75%、または少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%である。

0040

III.トランスジーン
ある実施態様では、本開示は、ポリヌクレオチドをコードするトランスジーンを含むトランスジェニック植物に関し、前記ポリヌクレオチドは、Lip1遺伝子の発現および/またはLip1タンパク質の活性をダウンレギュレートする。そのようなポリヌクレオチドの例には、アンチセンスポリヌクレオチドセンスポリヌクレオチド、触媒性ポリヌクレオチド、人工ミクロRNAまたはデュープレックスRNA分子が含まれるが、ただしこれらに限定されない。
ある実施態様では、本開示は、Lip1遺伝子の発現および/またはLip1タンパク質の活性を減少するトランスジーンを含むコムギ植物に関し、ここで、当該コムギ植物は、野生型植物に由来する穀粒と比較して改善された保存可能期間を有する穀粒を有する。別の実施態様では、本開示は、Lip1遺伝子の発現および/またはLip1タンパク質の活性を減少するトランスジーンを含むコメ植物に関し、ここで、当該コメ植物は、野生型植物に由来する穀粒と比較して改善された保存可能期間を有する穀粒を有する。

0041

A.アンチセンスポリヌクレオチド
「アンチセンスポリヌクレオチド」という用語は、DNA若しくはRNAまたは前記の組合せの分子を指すために用いられるであろう。前記は、Lip1をコードする特異的mRNA分子の少なくとも一部分と相補性であり、転写事象(例えばmRNA翻訳)を妨害することができる。
植物中のアンチセンスポリヌクレオチドは、生理学的条件下で標的ポリヌクレオチドハイブリダイズするであろう。本明細書で用いられるように、「生理学的条件下でハイブリダイズするアンチセンスポリヌクレオチド」という用語は、当該ポリヌクレオチド(完全にまたは部分的に一本鎖である)が少なくとも、タンパク質をコードするmRNAと二本鎖ポリヌクレオチドを形成できることを意味する。
アンチセンス分子は、構造遺伝子に該当する配列、または遺伝子発現若しくはスプライシング事象にわたって制御を行う配列を含むことができる。例えば、アンチセンス配列は、Lip1の標的コード領域または5’-非翻訳領域(UTR)若しくは3'-UTRまたはこれらの組合せと一致することができる。アンチセンス配列はイントロン配列と部分的に相補性であってもよいが(前記は転写中または転写後にスプライシングアウトされ得る)、好ましくは標的遺伝子エクソン配列とのみ相補性であることができる。UTRの概して大きい分岐性を考慮すると、これらの領域を標的指定することはより強い遺伝子阻害特異性を提供する。
アンチセンス配列の長さは、連続した少なくとも19ヌクレオチド、好ましくは少なくとも50ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも100、200、500または1000ヌクレオチドであるべきである。完全な遺伝子転写物相補的完全長配列を用いることができる。長さは最も好ましくは100−2000ヌクレオチドである。標的転写物に対するアンチセンス配列の同一性の程度は、少なくとも90%、より好ましくは95−100%であるべきである。アンチセンスRNA分子はもちろん無関係の配列を含むことができ、前記配列は当該分子を安定化させるために機能し得る。

0042

B.触媒性ポリヌクレオチド
触媒性ポリヌクレオチド/核酸という用語は、DNA分子若しくはDNA含有分子(当業界では「デオキシリボザイム」としてもまた知られている)またはRNA若しくはRNA含有分子(「リボザイム」としてもまた知られている)を指し、前記分子は、別個基質を特異的に認識しこの基質の化学的修飾を触媒する。触媒性核酸核酸塩基塩基A、C、G、T(およびRNAについてはU)であり得る。
典型的には、触媒性核酸は、標的核酸の特異的認識のためのアンチセンス配列、および核酸切断酵素活性(本明細書ではまた「触媒ドメイン」と称される)を含む。
本明細書に開示する植物のリボザイムおよび当該リボザイムをコードするDNAは、当業界で周知の方法を用いて化学的に合成することができる。リボザイムはまた、RNAポリメラーゼプロモーター(例えばT7RNAポリメラーゼまたはSP6 RNAポリメラーゼのためのプロモーター)に作動できるように連結されたDNA分子(前記は転写に際してRNA分子を生じる)から調製できる。ベクターがまたDNA分子に作動できるように連結されたRNAポリメラーゼプロモーター含むときには、リボザイムは、RNAポリメラーゼおよびヌクレオチドとのインキュベーションに際してin vitroで生成され得る。別々の実施態様では、DNAは発現カセットまたは転写カセットに挿入することができる。合成後に、当該RNA分子を安定化する能力を有するDNA分子に連結することによって当該RNA分子を修正し、RNaseに対して耐性にすることができる。
本明細書に記載するアンチセンスポリヌクレオチドと同様に、触媒性ポリヌクレオチドもまた、標的核酸分子(例えばLip1をコードするmRNA)と「生理学的条件」(すなわち植物細胞内の条件)下でハイブリダイズすることができる。

0043

C.RNA干渉
RNA干渉(RNAi)は、特定のタンパク質の特異的阻害に特に有用である。この技術は、問題の遺伝子またはその部分のmRNAと本質的に同一である配列を含むdsRNA分子の存在を必要とする。便利には、dsRNAは組換えベクターまたは宿主細胞で単一のプロモーターから生成することができる。当該ベクターまたは宿主細胞で、センスおよびアンチセンス配列は無関係の配列によってフランキングされ、当該無関係の配列はセンスおよびアンチセンス配列がハイブリダイズすることを可能にし、ループ構造を形成する無関係の配列を有するdsRNA分子を形成する。本発明のために適切なdsRNA分子の設計および作製は、特にWO99/32619、WO99/53050、WO99/49029、およびWO01/34815を考慮すれば当業者の能力の範囲内である。
一例では、不活化されるべき標的遺伝子に対して相同性を有する、少なくとも部分的に二本鎖(デュープレックス)のRNA生成物の合成を指令するDNAが導入される。したがって、当該DNAはセンスおよびアンチセンス配列の両方を含み、前記は、RNAに転写されるときにハイブリダイズして二本鎖RNA領域を形成することができる。好ましい実施態様では、センスおよびアンチセンス配列は、イントロンを含むスペーサー領域によって分離され、RNAに転写されるときにスプライシングアウトされる。この構成は、より効率的な遺伝子サイレンシングをもたらすことが示された。二本鎖領域は、1つまたは2つのDNA領域から転写される、1つまたは2つのRNA分子を含むことができる。二本鎖分子の存在は、当該二本鎖RNAおよび標的植物遺伝子由来の相同RNA転写物の両方を破壊する内因性植物系応答引き金となり、標的遺伝子の活性を効率的に減少または排除すると考えられる。

0044

ハイブリダイズするセンスおよびアンチセンス配列の長さは、それぞれ連続する少なくとも19ヌクレオチド、好ましくは少なくとも30または50ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも100、200、500または1000ヌクレオチドであるべきである。完全な遺伝子転写物に一致する完全長配列を用いてもよい。当該長さは最も好ましくは100−2000ヌクレオチドである。標的転写物に対するセンスおよびアンチセンス配列の同一性の程度は、少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95−100%であるべきである。RNA分子はもちろん、当該分子を安定化させるために機能し得る無関係の配列を含むことができる。当該RNA分子は、RNAポリメラーゼIIまたはRNAポリメラーゼIIIプロモーターの制御下で発現され得る。後者の例にはtRNAまたはsnRNAプロモーターが含まれる。
ある実施態様では、小さな干渉RNA(「siRNA」)分子は、標的mRNAの連続する約19−21ヌクレオチドと同一であるヌクレオチド配列を含む。好ましくは、標的mRNA配列ジヌクレオチドAAで始まり、約30−70%のGC含有量を含み(好ましくは30−60%、より好ましくは40−60%、より好ましくは約45−55%)、さらにそれが導入されるオオムギ植物のゲノム中の標的以外の任意のヌクレオチド配列と高いパーセント同一性(例えば標準的なBLAST検索で決定される)をもたない。
用いることができる別のRNAiアプローチは多価RNAi(米国特許9,200,276号に記載)であり、前記は、トランスジェニック植物の開発とは反対に、噴霧適用によりデリバーできる多数の配列を同時に標的とする。

0045

D.ミクロRNA
ミクロRNA調節は、通常的RNAi/転写後遺伝子サイレンシング(PTGS)から分岐遺伝子調節に向けて発展したRNAサイレンシング手法の明確に特化された一部門である。ミクロRNAは、特徴的な倒置リピート中で組織化された遺伝子様エレメント内でコードされる小RNAの特殊なクラスである。転写されるとき、ミクロRNA遺伝子はステム-ループ構造の前駆体RNAを生じ、前記前駆体RNAから続いてミクロRNAがプロセッシングされる。ミクロRNAは典型的には長さが約21ヌクレオチドである。遊離されたmiRNAは、特定のアルゴノートタンパク質サブセット配列特異的遺伝子抑制を示す)を含むRISC複合体に取り込まれる。

0046

E.コサプレッション
用いることができる別の分子生物学的アプローチはコサプレッションである。コサプレッションのメカニズムはあまり理解されていないが、転写後遺伝子サイレンシング(PTGS)と密接に関係し、その点に関してアンチセンス抑制の多くの例と非常に類似し得ると考えられる。前記は、遺伝子またはそのフラグメントの過剰なコピーをその発現のためのプロモーターに対してセンス方向で植物に導入することを必要とする。センスフラグメントのサイズ、標的遺伝子領域に対するその一致、および標的遺伝子に対する配列同一性の程度は上記に記載したアンチセンス配列と同様である。いくつかの事例では、付加される遺伝子配列コピーが標的植物遺伝子の発現に干渉する。WO97/20936およびEP0465572が、コサプレッションアプローチを実施する方法について言及している。

0047

IV.ゲノム編集
ある実施態様では、本開示は、Lip1遺伝子の発現減少および/またはLip1タンパク質の活性減少を有する植物に関し、ここで、Lip1遺伝子の発現減少および/またはLip1タンパク質の活性減少はゲノム編集によって達成される。
ある実施態様では、本開示は、ゲノム編集されたLip1遺伝子を有するコムギ植物に関し、ここで、当該コムギ植物は野生型植物と比較して保存可能期間が改善された穀粒を有する。
ゲノム編集、または操作ヌクレアーゼによるゲノム編集(GEEN)は、人工的に操作されたヌクレアーゼまたは「分子ハサミ」を用いて、DNAがゲノムに挿入され入替えられまたはゲノムから除去される、遺伝子操作の一タイプである。ヌクレアーゼはゲノムの所望の位置に特異的な二本鎖ブレークDSB)を作り出し、導入されたブレークを相同組換え(HR)および非相同末端結合(NHEJ)という天然のプロセスによって修復する細胞の内因性メカニズムにハーネスを取り付ける。これまでのところ用いられている操作ヌクレアーゼには以下の4つの主要なファミリーが存在する:ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、転写アクチベーターエフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、CRISPR/Cas系、および再操作ホーミングエンドヌクレアーゼで操作されるメガヌクレアーゼ

0048

A.ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)
ジンクフィンガーヌクレアーゼは、ジンクフィンガーDNA結合ドメインをDNA切断ドメインに融合することによって生成された人工制限酵素である。ジンクフィンガードメインは、特異的な所望DNA配列を標的とするように操作することができ、このことは、ジンクフィンガーヌクレアーゼが複雑なゲノム内の固有の配列を標的とすることを可能にする。これらの試薬を用い内因性DNA修復機構を利用することによって、高等生物のゲノムを正確に変更することができる。
ZFNは、FokI制限エンドヌクレアーゼの切断ドメインに融合させた操作されたジンクフィンガーDNA結合ドメインから成る。ZFNを用いて、二本鎖ブレーク(DSB)を特異的なDNA配列に導入し、それによって外因性鋳型との位置特異的相同組換えを促進できる。当該外因性鋳型はゲノムに導入されるべき配列を含む。
ジンクフィンガードメインを操作するための公開方法には、(1)コンテキスト依存アッセンブリー(CoDA)、(2)オリゴマー化プール操作(OPEN)、およびモデュールアッセンブリーが含まれる。
ある実施態様では、本開示は、ZFNを用いるLip1遺伝子の発現減少および/またはLip1タンパク質の活性減少に関する。

0049

B.転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)
TALENは、転写アクチベーター様エフェクター(TALE)およびFokIエンドヌクレアーゼから成る配列特異的エンドヌクレアーゼである。TALEはDNA結合タンパク質であり、前記は、34アミノ酸のタンデムリピートユニットを有する高度に保存された中心領域をもつ。各リピートユニット嗜好塩基は、リピート可変性二残基(RVD)と称される2つのアミノ酸残基によって決定され、前記は標的DNA中の1つの特異的なヌクレオチドを認識する。DNA結合リピートユニットアレーは、特異的DNA配列を標的とするためにカスタマイズすることができる。ZFNと同様に、ゲノム内の標的とされる特異的配列上での2つのTALENのダイマー化はFokI依存DSB導入をもたらし、相同性指向修復(HDR)および非相同性末端結合(NHEJ)修復メカニズムを助長する。
ある実施態様では、本開示は、TALENを用いるLip1遺伝子の発現減少および/またはLip1タンパク質の活性減少に関する。

0050

C.CRISPR/Cas系
クラスター化され規則的な間隙を有する短いパリンドロームリピート(CRISPR)のII型系は、ゲノム編集のためのRNAガイドエンドヌクレアーゼ技術である。この系には2つの別個の成分、(1)ガイドRNAおよび(2)エンドヌクレアーゼ(本事例ではCRISPR関連(Cas)ヌクレアーゼ(Cas9))が存在する。
ガイドRNA、は内因性の細菌性crRNAおよびtracrRNAが結合した単一キメラガイドRNA(gRNA)転写物である。gRNAは、crRNAの標識指定特異性をtracrRNAの足場指定特異性と結合させて単一転写物にする。gRNAおよびCas9が細胞内で発現されるとき、ゲノムの標的配列は修正されるか、または永久に破壊され得る。
gRNA/Cas9複合体は、gRNAとゲノムDNA内の標的配列に対する相補性との間で塩基対を形成することによって当該標的配列に動員される。Cas9の上首尾な結合のために、ゲノムの標的配列はまた正確なプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)配列を当該標的配列のすぐ後に含んでいなければならない。gRNA/Cas9複合体の結合はCas9をゲノムの標的配列に局在させて、野生型Cas9にDNAの両方の鎖を切断して二本鎖ブレーク(DSB)を生じさせることができる。Cas9はPAM配列の3−4ヌクレオチド上流を切断するであろう。DSBは、2つの普遍的な修復経路((1)NHEJDNA修復経路または(2)HDR経路)の1つによって修復され得る。NHEJ修復経路はしばしばDSB部位に挿入/欠失(InDel)をもたらし、前記はフレームシフトおよび/または成熟前終止コドンをもたらし、標的とされる当該遺伝子のオープンリーディングフレーム(ORF)を効率的に破壊できる。
HDR経路は修復鋳型の存在を必要とし、修復鋳型を用いてDSBが固定される。HDRは修復鋳型の配列を切断された標的配列に忠実にコピーする。修復鋳型とともにHDRを使用することによって、特異的なヌクレオチド変化を標的とされる遺伝子に導入できる。
ある実施態様では、本開示は、CRISPR/cas9系または同様な技術(または当該技術の変種)を用いるLip1遺伝子の発現減少および/またはLip1タンパク質の活性減少に関する。

0051

D.再操作ホーミングヌクレアーゼを有するメガヌクレアーゼ
メガヌクレアーゼは、大きな認識部位(12から40塩基対の二本鎖DNA配列)を特徴とするエンドデオキシリボヌクレアーゼである(結果として、前記大きな認識部位は任意の与えられたゲノムで概ねただ1回発生する)。例えば、I-SceIメガヌクレアーゼによって認識される18塩基対配列は、偶然に1回見出されるためには平均してヒトゲノムサイズの20倍のゲノムを必要とする(ただし一ミスマッチを有する配列は1ヒトサイズゲノムにつき約3回生じる)。メガヌクレアーゼはしたがって、天然に生じる最も特異的な制限酵素であると考えられる。
メガヌクレアーゼの中では、ホーミングヌクレアーゼのLAGLIDADGファミリーが、ゲノム研究およびゲノム操作のために過去15年間にわたって有益なツールとなっている。タンパク質操作を介してそれらの認識配列を修正することによって、標的とされる配列を変化させることができる。
ある実施態様では、本開示は、再操作ホーミングヌクレアーゼを含むメガヌクレアーゼを用いるLip1遺伝子の発現減少および/またはLip1タンパク質の活性減少に関する。

0052

V.コムギ栽培品種
ある実施態様では、二倍体、四倍体または六倍体である少なくとも1つのLip遺伝子を有するコムギ栽培品種を用いることができる。別の実施態様ではコムギはトリチクム・アエスチブムである。別の実施態様では、コムギはトリチクム・チュルギデュムのデュルム亜種である。
ある実施態様では、コムギの任意の栽培品種を用いてLip1遺伝子に変異を作り出すことができる。ある実施態様では、コムギの任意の栽培品種を用いてLip-A1遺伝子に変異を作り出すことができる。ある実施態様では、コムギの任意の栽培品種を用いてLip-B1遺伝子に変異を作り出すことができる。ある実施態様では、コムギの任意の栽培品種を用いてLip-D1遺伝子に変異を作り出すことができる。
ある実施態様では、コムギの任意の栽培品種を系統として用いて、Lip1変異を異なる栽培品種に交配することができる。
別の実施態様では、少なくとも1つのLip1遺伝子を有するコムギの任意の栽培品種を用いることができる。前記任意の栽培品種には以下が含まれる(ただしこれらに限定されない):硬質レッドスプリングコムギ、硬質ホワイトウィンターコムギ、デュラムコムギ、軟質ホワイトスプリングコムギ、軟質ホワイトウィンターコムギ、硬質レッドウィンターコムギ、普通コムギ、スペルトコムギ、エンマーコムギ、パスタコムギおよびチュルギデュムコムギ。
ある実施態様では、硬質レッドスプリングコムギには以下が含まれる(ただしこれらに限定されない):ブルセイエ(Bullseye)、カベルネット(Cabernet)、カルロホ(Cal Rojo)、ハンク(Hank)、ホアキン(Joaquin)、ケルセ(Kelse)、ラリアト(Lariat)、ラシーク(Lassik)、マルベク(Malbec)、ミカ(Mika)、PR 1404、レッドウィング(Redwing)、サミット515(Summit 515)、SY 314、トリプルIV(Triple IV)、ウルトラ(Ultra)、WB-パトロン(WB-Patron)、WB-ロックランド(WB-Rockland)、イェコラロホ(Yecora Rojo)、アコード(Accord)、アイム(Aim)、アンザ(Anza)、ベーカー(Baker)、ベスハシタ(Beth Hashita)、ボーナス(Bonus)、ボラー(Borah)、ブリム(Brim)、ブルークス(Brooks)、バックロント(Buck Pronto)、ビュッテ86(Butte 86)、カバリア(Cavalier)、チャレンジャー(Challenger)、チーフ(Chief)、シアノT79(Ciano T79)、コルーサ(Colusa)、コンパニオン(Companion)、コッパー(Copper)、キュヤマ(Cuyama)、ダッシュ12(Dash 12)、エルドン(Eldon)、エナーノ(Enano)、エクスプレス、エクスプレッソ(Expresso)、ジェファーソン(Jefferson)、ジェネロF81(Genero F81)、グラジン(Grandin)、ヘレナ554(Helena 554)、ホリス(Hollis)、イミュリスT79(Imuris T79)、イニア66R(Inia 66R)、ジェローム(Jerome)、カーン(Kern)、レン(Len)、マーシャル(Marshall)、マッケイ(McKay)、ノーマッド(Nomad)、ノースウェスト10(Northwest 10)、オスロ(Oslo)、パボンF76(Pavon F76)、ペガサス(Pegasus)、ピチック62(Pitic 62)、ポコレッド(Poco Red)、パウェル(Powell)、プロブランド711(Probrand 711)、プロブランド751、プロブランド771、プロブランド775、プロブレッド(Probred)、プロインタケグアイ(Prointa Queguay)、プロインタキンタル(Prointa Quintal)、リッチ(Rich)、RSI 5、サッジタリオ(Sagittario)、スカレット(Scarlet)、セーラ(Serra)、シャスタ(Shasta)、ソラーノ(Solano)、スピルマン(Spillman)、スプライト(Sprite)、スタンダール(Stander)、ステラー(Stellar)、ストア(Stoa)、サクセス(Success)、サミット(Summit)、サンスター2(Sunstar 2)、サンスターキング(Sunstar King)、タディニア(Tadinia)、タミー(Tammy)、タノリ71(Tanori 71)、タラ2000(Tara 2000)、テンポ(Tempo)、テシアT79(Tesia T79)、トピック(Topic)、UIウィンチェスター(UI Winchester)、バンス(Vance)、バンダル(Vandal)、W444、ワンパン(Wampum)、ワレッド(Wared)、WB-フジオン(WB-Fuzion)、ウェストブレッド906R(Westbred 906R)、ウェストブレッド911、ウェストブレッド926、ウェストブレッド936、ウェストブレッドディスカバリー(Westbred Discovery)、ウェストブレッドランボー(Westbred Rambo)、ヨーロー(Yolo)、およびゼケ(Zeke)。

0053

別の実施態様では、硬質ホワイトコムギには以下が含まれる(ただしこれらに限定されない):ブランカヒュエルテ(Blanca Fuerte)、ブランカグランデ515(Blanca Grande 515)、ブラナカロイアーレ(Blanca Royale)、クリアホワイト(Clear White)、パットウィン(Patwin)、パットウィン515、WB-クリスタロ(WB-Cristallo)、WB-パロマ(WB-Paloma)、WB-パーラ(WB-Perla)、アルタブランカ(Alta Blanca)、ブランカグランデ(Blanca Grande)、デラーノ(Delano)、ゴールデンスパイク(Golden Spike)、ID377S、クラシック(Klasic)、ロクサ(Lochsa)、ロロ(Lolo)、マコン(Macon)、オーチス(Otis)、フェニックス(Phoenix)、ピマ‘’(Pima 77)、プラタ(Plata)、プリスチン(Pristine)、ロマーナ50(Ramona 50)、シェタセロス66(Siete Cerros 66)、バイオレット(Vaiolet)、およびウィンサム(Winsome)。
さらに別の実施態様では、デュラムコムギには以下が含まれる(ただしこれらに限定されない):クラウン(Crown)、デザットキング(Desert King)、デザットキングHP、デュラキング(Duraking)、フォルチシモ(Fortissimo)、ハバス(Havasu)、クロノス(Kronos)、マエストラーレ(Maestrale)、ノルマンノ(Normanno)、オリタ(Orita)、プラチナム(Platinum)、Q-Max、RSI 59、サラゴラ(Saragolla)、タンゴ(Tango)、チパイ(Tipai)、トッパー(Topper)、ユートピア(Utopia)、ボランテ(Volante)、WB-ミード(WB-Mead)、ウェストモア(Westmore)、アルデンテ(Aldente)、アルデュラ(Aldura)、アルター84(Altar 84)、アルバ(Aruba)、ビッテルン(Bittern)、ブラバデュール(Bravadur)、カンデューラ(Candura)、コルテッツ(Cortez)、デラクセ(Deluxe)、デザットチタン(Desert Titan)、デュレクス(Durex)、ダーフォート(Durfort)、エディ(Eddie)、ゲルメイン5003D(Germains 5003D)、インペリアル(Imperial)、コーファ(Kofa)、レバンテ(Levante)、マット(Matt)、ミード(Mead)、メクシカリ75(Mexicali 75)、ミノス(Minos)、モドック(Modoc)、モホーク(Mohawk)、ヌデュラ(Nudura)、オコチロ(Ocotillo)、プロデュラ(Produra)、レーバ(Reva)、リア(Ria)、セプトレ(Septre)、スカイ(Sky)、タクナ(Tacna)、チタン(Titan)、トランプ(Trump)、ワード(Ward)、ウェストブレッド803(Westbred 803)、ウェストブレッド881、ウェストブレッド883、ウェストブレッド1000D、ウェストブレッドレイカー(Westbred Laker)、ウェストブレッドターボ(Westbred Turbo)、およびヤバロス79(Yavaros 79)。

0054

別の実施態様では、軟質ホワイトスプリングコムギには以下が含まれる(ただしこれらに限定されない):アルポワ(Alpowa)、アルチュラス(Alturas)、バベ(Babe)、ディバ(Diva)、JD、ニューダークウィン(New Dirkwin)、ニック(Nick)、トウィン(Twin)、ホイット(Whit)、ブランカ(Blanca)、ブリス(Bliss)、カロルワ(Calorwa)、センテニアル(Centennial)、チャリス(Challis)、ダークウィン(Dirkwin)、エデン(Eden)、エドワール(Edwall)、フィールダー(Fielder)、フィールドウィン(Fieldwin)、ジュビリー(Jubilee)、ルイーズ(Louise)、オウェン(Owens)、ペナワワ(Penawawa)、ポメレーレ(Pomerelle)、ステルリング(Sterling)、サンスタープロミス(Sunstar Promise)、スーパーダークウィン(Super Dirkwin)、トレジャー(Treasure)、UIカタルド(UI Cataldo)、UIプチット(UI Pettit)、ウルキエ(Urquie)、バンナ(Vanna)、ワデュエル(Waduel)、ワデュエル94、ワカンツ(Wakanz)、ワラデー(Walladay)、ワワワイ(Wawawai)、ホワイトバード(Whitebird)、およびザック(Zak)。
さらに別の実施態様では、軟質ホワイトウィンターコムギには以下が含まれる(ただしこれらに限定されない):APバドガー(AP Badger)、APレガシー(AP Legacy)、ブランデージ96(Brundage 96)、ブルノイ(Bruneau)、カラ(Cara)、ゲチェ(Goetze)、レジオン(Legion)、マリー(Mary)、スキルス(Skiles)、ステファン(Stephens)、SYオバチオン(SY Ovation)、タッブズ(Tubbs)、WB-ジャンクション(WB-Junction)、WB-528、ゼルファ(Xerpha)、ヤムヒル(Yamhill)、バービー(Barbee)、バシン(Basin)、ビタールート(Bitterroot)、ブルエール(Bruehl)、カスタン(Castan)、チャッカー(Chukar)、コーダ(Coda)、ドウズ(Daws)、エドウィン(Edwin)、エルタン(Eltan)、ファロ(Faro)、フィンチ(Finch)、フーテー(Foote)、ジーン(Gene)、ヒル81(Hill 81)、ヒラー(Hiller)、ハブバード(Hubbard)、ハイアク(Hyak)、ヒスロップ(Hyslop)、アイダホ587(Idaho 587)、クモール(Kmor)、ランバート(Lambert)、リュウジェイン(Lewjain)、マックビカー(MacVicar)、マドセン(Madsen)、マルコーム(Malcolm)、マサミ(Masami)、マックダーミド(McDermid)、モロ(Moro)、ヌガイネス(Nugaines)、ORCF-101、ORCF-102、ORCF-103、ロッド(Rod)、ローデ(Rohde)、ルーロ(Rulo)、シモン(Simon)、サリュート(Salute)、テンプル(Temple)、トレス(Tres)、タッブズ06(Tubbs 06)、UICF-ブランデージ(UICF-Brundage)、WB-523、およびウェザーフォード(Weatherford)。

0055

別の実施態様では、硬質レッドウィンターコムギには以下が含まれる(ただしこれらに限定されない):アンドリューズ(Andrews)、アーチャー(Archer)、ベイタム(Batum)、ブリザード(Blizzard)、ボネビル(Bonneville)、バウンダリー(Boundary)、デクロ(Declo)、デロリス(Deloris)、フェンリー(Finley)、ガーランド(Garland)、ハットン(Hatton)、ホッフ(Hoff)、ロングホーン(Longhorn)、マンニング(Manning)、メリディアン(Meridian)、プロモトリー(Promontory)、ボナ(Vona)、ワンサー(Wanser)、ウィンリッジ(Winridge)。
別の実施態様では、普通コムギ(六倍体、脱穀不要(free threshing))、トリチクム・アエスチブムのアエスチブム亜種には以下が含まれる(ただしこれらに限定されない):ソノラ(Sonora)、ウィットウォルコーリング(Wit Wolkoring)、チッダムブランクドマース(Chiddam Blanc De Mars)、インディア-ジャムー(India-Jammu)、フォイシ(Foisy)。
さらに別の実施態様では、スペルトコムギ(六倍体、脱穀不要ではない)、トリチクム・アエスチブムのスペルタ亜種には、スパニッシュスペルト(Spanish Spelt)、スイススペルト(Swiss Spelt)が含まれるが、ただしこれらに限定されない。
さらに別の実施態様では、エンマーコムギ(四倍体)、トリチクム・チュルギデュムのジコクム亜種にはエチオピアンブルーティンジ(Ethiopian Blue Tinge)が含まれるが、ただし前記に限定されない。
別の実施態様では、パスタコムギ(四倍体、脱穀不要)、トリチクム・チュルギデュムのデュルム亜種にはクロノス(Kronos)が含まれるが、ただし前記に限定されない。
さらに別の実施態様では、チュルギデュムコムギ(四倍体、脱穀不要)、トリチクム・チュルギデュムのチュルギデュム亜種にはアクモリンカ(Akmolinka)、マパルチャ(Maparcha)が含まれるが、ただし前記に限定されない。

0056

ある実施態様では、配列番号:1、配列番号:2、配列番号:4、配列番号:5、配列番号:7、および配列番号:8と実質的パーセント同一性をもつ少なくとも1つのLip1遺伝子を有するコムギの栽培品種を、本明細書に開示する方法および組成物とともに用いることができる。
コムギの栽培品種に関して本明細書で用いられる、「実質的パーセント同一性」は、遺伝子のDNA配列が、配列番号:1、2、4、5、7および8とヌクレオチドレベルで十分に類似して実質的に類似のタンパク質をコードし、栽培品種間の対立遺伝子相違(或いはまた別のmRNAスプライシング)を許容することを意味する。本発明のある実施態様にしたがえば、「実質的パーセント同一性」は、Lip1遺伝子と配列番号:1、2、4、5、7および8との間でコード領域のパーセント同一性が約85%であるときに存在し得るが、ただし、当該遺伝子の保存領域のパーセント同一性はさらに高い(例えば少なくとも約90%である)ことを条件とする。好ましくは、コード領域のパーセント同一性は85−90%、より好ましくは90−95%、および最適には95%より高い。したがって、当業者は、本発明の範囲および内容を逸脱することなく、市場で人気があるコムギ栽培品種またはLip1変異コムギ植物を作り出すために所望の特徴をもつ栽培品種利用することを所望することができる。また別には、本発明の1つ以上のLip1遺伝子内の変異のスクリーニングを容易にするために、当業者は、多型がほとんどないコムギ栽培品種(例えば同系交配栽培品種)を利用することを所望することができる。

0057

VI.植物でLip1変異を同定する代表的な方法論
本明細書で開示するLip1変異および植物を作出および同定するために、TILLING(標的指定ゲノム内誘導局部傷害(Targeting Induced Local Lesions IN Genomes))として知られる方法を利用した。以下を参照されたい:McCallum et al., Nature Biotechnology 18:455-457, 2000;McCallum et al., Plant Physiology, 123:439-442, 2000;米国特許公開No.20040053236;および米国特許5,994,075号(前記文献は参照によって本明細書に含まれる)。基本的なTILLING方法論では、植物材料(例えば種子)が化学的変異誘導に付される(前記は当該種子細胞のゲノム内に一連の変異を作り出す)。変異が誘導された種子を成熟M1植物に生育させ自家受粉させる。得られたM2植物のDNAサンプルをプールし、続いて問題の遺伝子の変異についてスクリーニングする。問題の遺伝子で変異が同定されたら、当該変異を保持するM2植物の種子を成熟M3植物に生育させ、問題の遺伝子と関連する表現型の特徴についてスクリーニングする。
六倍体栽培品種のエクスプレスおよび四倍体栽培品種のクロノスを用いた。二倍体のコメ栽培品種IR64およびサイプレス(Cypress)を用いた。
ある実施態様では、植物の種子を変異誘導し、続いてM1植物に生育させた。続いてM1植物を自家受粉させ、M1植物の種子をM2植物に生育させ、続いて前記をそれらのLip1遺伝子座の変異についてスクリーニングした。M1植物を本発明のまた別の実施態様にしたがって変異についてスクリーニングすることができるが、M2植物をスクリーニングする1つの利点は、全ての体細胞変異生殖細胞系統の変異に対応するということである。
様々な植物材料(種子、花粉、植物組織または植物細胞を含むが、ただしこれらに限定されない)で変異を誘導して、本明細書に開示するLip1変異植物を作出できることは当業者には理解されるであろう。しかしながら、植物DNAを変異についてスクリーニングするとき、変異を導入される植物材料のタイプが影響を与えることがある。例えば、非変異誘導植物の受粉前に花粉を変異誘導に付すとき、当該受粉から生じる種子はM1植物に生育する。M1植物の全細胞が花粉で生じた変異を含み、したがって、M2世代まで待機する代わりにこれらM1植物を続いてLip1変異についてスクリーニングすることができる。

0058

主として点変異並びに欠失、挿入、転換および転位を作出する変異原(例えば化学変異原または照射)を用いて変異を作り出すことができる。本発明の方法に合致する変異原には以下が含まれる(ただしこれらに限定されない):エチルメタンスルホネートEMS)、メチルメタンスルホネートMMS)、N-エチル-N-ニトロソウレア(ENU)、トリエチルメラミンTEM)、N-メチル-N-ニトロソウレア(MNU)、プロカルバジンクロラムブシルシクロホスファミドジエチルスルフェートアクリルアミドモノマー、メツファランナイトロジェンマスタードビンクリスチンジメチルニトロサミン、N-メチル-N’-ニトロ-ニトロソグアニジン(MNNG)、ニトロソグアニニジン、2-アミノプリン、7,12ジメチル-ベンズ(ベンザ)アントラセンDMBA)、エチレンオキシドヘキサメチルホスホルアミドビスファンジエポキシアルカン(ジエポキシオクタン(DEO)、ジエポキシブタン(BEB)など)、2-メトキシ-クロロ-9[3-(エチル-2-クロロ-エチル)アミノプロピルアミノ]アクリジンジヒドロクロリド(ICR-170)、ホルムアルデヒド高速中性子、およびガンマ照射。当該変異原によって直接引き起こされなかった可能性があるLip1遺伝子の偶発的変異もまた同定できる。
また他の方法(例えばゲノム編集)を用いて、プロ—モーターを含む標的遺伝子の配列を変化させ、発現または活性をアップレギュレートまたはダウンレギュレートさせることができる。これらの方法は当業者には公知であり、それらには、とりわけCRISPR、Talen、ジンクフィンガーヌクレアーゼおよびmiRNAが含まれる。例えば以下によるこれらの方法の概論を参照されたい:Xiong et al.Horticulture Research 2: 15019, 2015。
現在公知のまたは今後考案される任意の適切な植物DNA調製方法を用いて、Lip1変異のスクリーニングのためにコムギ植物のDNAを調製することができる。例えば以下を参照されたい:Chen & Ronald, Plant Molecular Biology Reporter 17:53-57, 1999;Stewart and Via, Bio Techniques 14:748-749, 1993。加えて、この目的のために設計されたいくつかの市場のキットを利用できる。当該キットにはキアゲン(Qiagen(Valencia, CA))およびキュービオジーン(Qbiogene(Carlsbad, CA))のキットが含まれる。

0059

ある実施態様では、個々のコムギ植物の調製DNAをプールして、変異誘導植物組織を起源とする全植物集団の1つ以上のLip1遺伝子の変異のスクリーニングを促進する。プールされるグループのサイズは、用いられるスクリーニング方法感度に依存し得る。好ましくは、2つ以上の個々のコムギ植物のグループがプールされる。
別の実施態様では、DNAサンプルをプールした後、当該プールをLip1配列特異的増幅技術(例えばポリメラーゼ連鎖反応(PCR))に付す。PCRの概論については以下を参照されたい:PCR Protocols: A Guide to Methodsand Applications (Innis, Gelfand, Sninsky, and White, eds.), Academic Press, San Diego, 1990。
Lip1遺伝子座またはこれら遺伝子座の1つのすぐ隣の配列に特異的な任意のプライマーを利用して、プールされたDNAサンプル内のLip1配列を増幅することができる。好ましくは、プライマーはLip1遺伝子座の領域(有用な変異が生じている蓋然性が最も高い)を増幅するように設計される。最も好ましくは、プライマーは、1つ以上のLip1遺伝子のエクソン領域を検出するように設計される。加えて、プライマーが公知の多型部位を標的とすることが好ましく、特定のゲノムの点変異のスクリーニングを容易にするためにゲノム特異的プライマーを設計する。
ある実施態様では、コムギのLip1遺伝子(Lip-A1、Lip-D1およびLip-B1(配列番号:1、2、4、5、7および8))に基づいて、コムギのTILLINGプライマーが設計される。表5は例示的なプライマーを示す(それらは、コムギのLip-A1(配列番号:10−11)、Lip-D1(配列番号:12−13)、Lip-B1(配列番号:14−15)の変異の同定で有用であることが証明された)。表5にはまた、例示的配列(配列番号:16−17)(Lip-B1ゲノム配列無傷対欠失の同定のマーカーとして有用であることが証明された)および例示的配列(配列番号:18−25)(多数のコムギリパーゼ遺伝子の遺伝子発現の評価に有用であることが証明された)が存在する。これらのプライマーはまた本明細書に添付の配列表で詳述される。
別の実施態様では、プライマーはOsLip1DNA配列(配列番号:26−27)に基づいて設計される。表5はまた例示的なプライマーを示し、それらはOsLip1(配列番号:29−30)の変異の同定で有用であることが証明された。

0060

表5:例示的プライマー

0061

別の実施態様では、PCR増幅生成物は、野生型と変異体配列との間のヌクレオチド相違を同定する任意の方法を用いて、Lip1変異についてスクリーニングされ得る。これら方法には例えば以下が含まれる(ただしこれらに限定されない):配列決定変性高圧液体クロマトグラフィー(dHPLC)、定常変性剤キャピラリー電気泳動(CDCE)、温度勾配キャピラリー電気泳動(TGCE)(Li et al., Electrophoresis 23(10):1499-1511, 2002)、または酵素切断による断片化(例えば以下に記載の高処理方法で用いられる:Colbert et al., Plant Physiology 126:480-484, 2001)。好ましくは、PCR増幅生成物は、野生型と変異体配列との間のヘテロデュプレックスにおけるミスマッチをもっぱら切断するエンドヌクレアーゼとともにインキュベートされる。
別の実施態様では、切断生成物は自動化配列決定ゲル装置を用いて電気泳動され、さらにゲル画像は標準的な市場の画像処理プログラム補助の下に解析される。
別の実施態様では、誘導されたまたは天然に生じた変異若しくは欠失を有する植物のDNAまたはRNAは、PCRを用いてまたはPCRを用いないで次世代配列決定方法(例えば配列決定を用いるエクソーム補足またはTILLING)によってスクリーニングされ得る(King, Robert, et al.Mutation Scanning in Wheat by Exon Capture and Next-Generation Sequencing.PloS one 10.9 (2015): e0137549;Tsai, Helen, et al.Discovery of rare mutations in populations: TILLING by sequencing.Plant physiology 156.3 (2011): 1257-1268;Liu, Sanzhen, et al."Gene mappingvia bulked segregant RNA-Seq (BSR-Seq)."PLoS One 7.5 (2012): e36406)。

0062

さらに別の実施態様では、いったん変異Lip1遺伝子配列を有するM2植物を同定したら、当該変異を分析してLip1酵素の発現、翻訳、および/または活性に対するそれらの影響を決定する。ある実施態様では、標準的な配列決定技術を用いて、変異を含むPCRフラグメントの配列を決定し、全体的なLip1配列に対して当該変異の正確な場所を決定する。各変異を評価し、バイオインフォマティクスツールを用いてタンパク質機能におけるその影響(すなわち完全耐性から機能低下惹起まで)を予測する。バイオインフォーマティクスツールは例えば以下である:SIFT(非耐性から耐性までを分類する:Ng and Henikoff, Nucleic AcidsResearch 31:3812-3814, 2003)、PSSM(位置特異的スコア判定:Henikoff and Henikoff, Computer Applications in the Biosciences 12:135-143, 1996)、およびPARSESNP(Taylor and Greene, Nucleic Acids Research 31:3808-3811, 2003)。例えば、0.05未満のSIFTスコアおよびPSSMスコアの大きな変化(例えばざっと10以上)は、タンパク質機能に有害な影響を有する可能性が高い変異を示す。これらのプログラムは予測的であることが知られ、これら予測結果が常に正確であるとは限らないことは当業者には理解されている。
別の実施態様では、M2植物における変異の最初の査定が、当該変異が有用な性質を有しLip1遺伝子(そのプロモーターを含む)の有用な位置に存在することを示す場合、当該変異を含むコムギ植物の更なる表現型分析を追求することができる。六倍体コムギでは、表現型検出前に、通常A、BおよびDゲノムの各々の変異は結合されねばならない。四倍体コムギでは、AおよびBゲノム変異が結合される。加えて、変異を含む植物は2回以上戻し交配または異系交配して、いずれかの世代におけるバックグラウンド変異を排除することができる。続いて、戻し交配または異系交配した植物を自家受粉させるか交配して、Lip1遺伝子についてホモ接合の植物を作出する。
これらのホモ接合Lip1変異植物のいくつかの物理的特徴を査定して、当該変異が、望ましくない負の影響(例えば種子収量の顕著な減少または発芽に関する問題)をもたらすことなく当該コムギ植物で有用な表現型変化を生じるか否かを決定する。

0063

VII.植物を生産する方法
別の実施態様では、本開示は、増加した加水分解安定性および/または酸化安定性をもつ植物生成物または植物部分を有する植物を生産する方法に関する。別の実施態様では、本開示は、増加した保存可能期間をもつ植物生成物または植物部分を有する植物を生産する方法に関する。
ある実施態様では、本方法は以下の工程を含む:植物材料またはある親植物に由来する植物部分で、Lip1遺伝子の少なくとも1つのコピーで少なくとも1つの非トランスジェニック変異を誘導する工程;当該変異誘導植物材料を生育させるかまたは用いて、子孫植物を生産する工程;変異誘導植物材料および/または子孫植物を分析して、Lip1遺伝子の少なくとも1つのコピーで少なくとも1つの変異を検出する工程;およびLip1遺伝子の少なくとも1つのコピーで少なくとも1つの変異を有する子孫植物を選別する工程。
別の実施態様では、当該方法はさらに、Lip1遺伝子の少なくとも1つのコピーで少なくとも1つの変異を有する子孫植物を、Lip1遺伝子の異なるコピーで少なくとも1つの変異を有する他の子孫植物と交配する工程を含む。変異を有する子孫植物を同定し、さらに前記子孫植物を他の子孫植物(変異を有する)と交配するプロセスを繰り返して、減少されたLip1酵素活性を有する子孫植物を生産することができる。
別の実施態様では、本開示は、コムギ植物のLip1遺伝子変異を野生型コムギに異系交配する工程を含む、コムギ植物の生産方法に関する。
別の実施態様では、本開示は、増加した加水分解安定性および酸化安定性を有する穀粒および粉を産するコムギ植物、並びに増加した保存可能期間を有する前記コムギ植物の穀粒由来製品を生産する方法に関する。さらに別の実施態様では、本発明は、野生型コムギ植物と比較して、1つ以上のLip1酵素の活性が減少されたコムギ植物を生産する方法に関する。
さらに別の実施態様では、本開示は、増加した加水分解安定性および酸化安定性を有する種子を生じるコメ植物、並びに増加した保存可能期間を有する前記コメ植物の種子由来製品を生産する方法に関する。さらに別の実施態様では、本開示は、野生型のコメ植物と比較して、1つ以上のLip1酵素の減少された活性を示す種子を有するコメ植物を生産する方法に関する。
別の実施態様では、植物のLip1タンパク質の活性は、野生型植物のLip1タンパク質の活性の0−2%、2−5%、5−7%、7−10%、10−15%、15−20%、20−25%、25−30%、30−35%、35−40%、40−45%、45−50%、50−60%、60−70%、70−80%、80−90%、90−95%、または95−99%に減少される。
別の実施態様では、植物の穀粒のLip1タンパク質の活性は、野生型穀粒のLip1タンパク質の活性の0−2%、2−5%、5−7%、7−10%、10−15%、15−20%、20−25%、25−30%、30−35%、35−40%、40−45%、45−50%、50−60%、60−70%、70−80%、80−90%、90−95%、または95−99%に減少される。
別の実施態様では、植物の種子のLip1タンパク質の活性は、野生型種子のLip1タンパク質の活性の0−2%、2−5%、5−7%、7−10%、10−15%、15−20%、20−25%、25−30%、30−35%、35−40%、40−45%、45−50%、50−60%、60−70%、70−80%、80−90%、90−95%、または95−99%に減少される。

0064

A.2つ以上のゲノムのLip1遺伝子で1つ以上の変異を有するコムギ植物を生産する方法
さらに別の実施態様では、本開示は以下の工程を含むコムギ植物を生産する方法に関する:Lip1遺伝子に変異を含む親コムギ植物に由来する植物材料のLip1遺伝子の少なくとも1つのコピーで少なくとも1つの非トランスジェニック変異を誘導する工程;当該変異誘導植物材料を生育させるかまたは用いて子孫コムギ植物を生産する工程;およびLip1遺伝子の少なくとも1つのコピーで少なくとも1つの変異を有する子孫コムギ植物を選別する工程。
さらに別の実施態様では、本開示は以下の工程を含むコムギ植物を生産する方法に関する:Lip1遺伝子に変異を含む親コムギ植物に由来する植物材料のLip1遺伝子の少なくとも1つのコピーで少なくとも1つの非トランスジェニック変異を誘導する工程;当該変異誘導植物材料を生育させるかまたは用いて子孫コムギ植物を生産する工程;Lip1遺伝子の少なくとも1つのコピーで少なくとも1つの非トランスジェニック変異を含む植物と交配する工程;およびLip1遺伝子の少なくとも2つのコピーで少なくとも1つの変異を有する子孫コムギ植物を選別する工程。
さらに別の実施態様では、本開示は以下の工程を含むコムギ植物を生産する方法に関する:2つのLip1遺伝子に少なくとも1つの変異を含む親コムギ植物に由来する植物材料のLip1遺伝子の少なくとも1つのコピーで少なくとも1つの非トランスジェニック変異を誘導する工程;当該変異誘導植物材料を生育させるかまたは用いて子孫コムギ植物を生産する工程;Lip1遺伝子の少なくとも1つのコピーで少なくとも1つの非トランスジェニック変異を含む植物と交配する工程;およびLip1遺伝子の3つのコピーで少なくとも1つの変異を有する子孫コムギ植物を選別する工程。この実施態様では、A、BおよびDゲノムのLip1遺伝子で少なくとも1つの変異が存在しよう。

0065

例えば、親コムギ植物はAゲノムのLip-A1遺伝子に変異を有することができ、前記はDゲノムのLip-D1遺伝子に変異を有する植物と交配され、選別された子孫コムギ植物は、AゲノムのLip-A1遺伝子およびDゲノムのLip-D1遺伝子の両方に変異を有することができる。また別には、親コムギ植物はAゲノムのLip-A1遺伝子に変異を有することができ、前記はBゲノムのLip-B1遺伝子に変異を有する植物と交配され、選別された子孫コムギ植物は、AゲノムのLip-A1遺伝子およびBゲノムのLip-B1遺伝子の両方に変異を有することができる。また別には、親コムギ植物はBゲノムのLip-B1遺伝子に変異を有することができ、前記はDゲノムのLip-D1遺伝子に変異を有する植物と交配され、選別された子孫コムギ植物は、BゲノムのLip-B1遺伝子およびDゲノムのLip-D1遺伝子の両方に変異を有することができる。または、親コムギ植物はAゲノムのLip-A1遺伝子に変異を有することができ、前記はDゲノムのLip-D1遺伝子に変異を有する植物およびBゲノムのLip-B1遺伝子に変異を有する植物と交配され、選別された子孫コムギ植物は、AゲノムのLip-A1遺伝子、BゲノムのLip-B1遺伝子およびDゲノムのLip-D1遺伝子に変異を有することができる。これらの例は単に明確にするために提供され、本明細書で開示する方法または遺伝子の組合せを限定するべきではない。
別の実施態様では、本開示は以下の工程を含むコムギ植物を生産する方法に関する:第一のLip遺伝子に少なくとも1つの非トランスジェニック変異を有する第一のコムギ植物を第二のLip1遺伝子に少なくとも1つの非トランスジェニック変異を有する第二のコムギ植物と交配する工程;およびLip1遺伝子の少なくとも2つのコピーに少なくとも1つの変異を有する子孫コムギ植物を選別する工程。この実施態様では、AおよびDゲノムまたはAおよびBゲノムまたはBおよびDゲノムのLip1遺伝子に少なくとも1つの変異が存在しよう。
別の実施態様では、本開示は以下の工程を含むコムギ植物を生産する方法に関する:第一および第二のLip1遺伝子に少なくとも1つの非トランスジェニック変異を有する第一のコムギ植物を第三のLip1遺伝子に少なくとも1つの非トランスジェニック変異を有する第二のコムギ植物と交配する工程;およびLip1遺伝子の3つのコピー全てに少なくとも1つの変異を有する子孫コムギ植物を選別する工程。この実施態様では、A、BおよびDゲノムのLip1遺伝子に少なくとも1つの変異が存在しよう。

0066

VIII.植物、種子および植物部分
ある実施態様では、植物は本明細書に開示する方法にしたがって生産される。別の実施態様では、植物、種子または植物の部分はLip1遺伝子に1つ以上の変異を有する。別の実施態様では、植物、種子または植物の部分は1つ以上のLip1遺伝子に1つ以上の変異を有する。
別の実施態様では、本開示は、1つ以上のLip1遺伝子に1つ以上の非トランスジェニック変異を含む、植物、種子または植物の部分に関する。
別の実施態様では、本開示は、2つのゲノムの各々のLip1遺伝子に少なくとも1つの非トランスジェニック変異を含む、コムギ植物、コムギ種子またはコムギ植物の部分に関する。さらに別の実施態様では、本開示は、3つのゲノムの各々のLip1遺伝子に少なくとも1つの非トランスジェニック変異を含む、コムギ植物、コムギ種子またはコムギ植物の部分に関する。
ある実施態様では、コムギ植物、コムギ種子またはコムギ植物の部分は、AゲノムのLip1遺伝子の両対立遺伝子に1つ以上の非トランスジェニック変異を含む。別の実施態様では、当該非トランスジェニック変異はAゲノムのLip1遺伝子の両対立遺伝子で同一である。
ある実施態様では、コムギ植物、コムギ種子またはコムギ植物の部分は、BゲノムのLip1遺伝子の両対立遺伝子に1つ以上の非トランスジェニック変異を含む。別の実施態様では、当該非トランスジェニック変異はBゲノムのLip1遺伝子の両対立遺伝子で同一である。
ある実施態様では、コムギ植物、コムギ種子またはコムギ植物の部分は、DゲノムのLip1遺伝子の両対立遺伝子に1つ以上の非トランスジェニック変異を含む。別の実施態様では、当該非トランスジェニック変異はDゲノムのLip1遺伝子の両対立遺伝子で同一である。

0067

別の実施態様では、コムギ植物、コムギ種子またはコムギ植物の部分は、表1に記載する1つ以上の非トランスジェニック変異を有し、配列番号:1と85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または99%を超えて同一または類似のポリヌクレオチドを含む。
さらに別の実施態様では、コムギ植物、コムギ種子またはコムギ植物の部分は、表1に記載する1つ以上の非トランスジェニック変異を有しLip1タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含み、ここで、当該Lip1タンパク質は1つ以上の非トランスジェニック変異を含み、配列番号:3と85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または99%を超えて同一または類似である。
別の実施態様では、コムギ植物、コムギ種子またはコムギ植物の部分は、1つ以上の非トランスジェニック変異を有し、配列番号:1と85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または99%を超えて同一または類似のポリヌクレオチドを含む。
さらに別の実施態様では、コムギ植物、コムギ種子またはコムギ植物の部分は、1つ以上の非トランスジェニック変異を有しLip1タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含み、ここで、当該Lip1タンパク質は1つ以上の非トランスジェニック変異を含み、配列番号:3と85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または99%を超えて同一または類似である。

0068

別の実施態様では、コムギ植物、コムギ種子またはコムギ植物の部分は、表2に記載する1つ以上の非トランスジェニック変異を有し、配列番号:4と85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または99%を超えて同一または類似のポリヌクレオチドを含む。
さらに別の実施態様では、コムギ植物、コムギ種子またはコムギ植物の部分は、表2に記載する1つ以上の非トランスジェニック変異を有しLip1タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含み、ここで、当該Lip1タンパク質は1つ以上の非トランスジェニック変異を含み、配列番号:6と85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または99%を超えて同一または類似である。
別の実施態様では、コムギ植物、コムギ種子またはコムギ植物の部分は、1つ以上の非トランスジェニック変異を有し、配列番号:4と85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または99%を超えて同一または類似のポリヌクレオチドを含む。
さらに別の実施態様では、コムギ植物、コムギ種子またはコムギ植物の部分は、1つ以上の非トランスジェニック変異を有しLip1タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含み、ここで、当該Lip1タンパク質は1つ以上の非トランスジェニック変異を含み、配列番号:6と85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または99%を超えて同一または類似である。

0069

別の実施態様では、コムギ植物、コムギ種子またはコムギ植物の部分は、表3に記載する1つ以上の非トランスジェニック変異を有し、配列番号:7と85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または99%を超えて同一または類似のポリヌクレオチドを含む。
さらに別の実施態様では、コムギ植物、コムギ種子またはコムギ植物の部分は、表3に記載する1つ以上の非トランスジェニック変異を有しLip1タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含み、ここで、当該Lip1タンパク質は1つ以上の非トランスジェニック変異を含み、配列番号:9と85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または99%を超えて同一または類似である。
別の実施態様では、コムギ植物、コムギ種子またはコムギ植物の部分は、1つ以上の非トランスジェニック変異を有し、配列番号:7と85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または99%を超えて同一または類似のポリヌクレオチドを含む。
さらに別の実施態様では、コムギ植物、コムギ種子またはコムギ植物の部分は、1つ以上の非トランスジェニック変異を有しLip1タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含み、ここで、当該Lip1タンパク質は1つ以上の非トランスジェニック変異を含み、配列番号:9と85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または99%を超えて同一または類似である。
別の実施態様では、コムギ植物、コムギ種子またはコムギ植物の部分は、Lip1遺伝子に1つ以上の変異(表1−3に列挙された1つ以上の変異が含まれるが、ただしこれらに限定されない)およびホメオログに対応する変異を有する。コムギ植物、コムギ種子またはコムギ植物の部分を作り出すことができ、前記は、本明細書に開示する変異(表1、2および3に開示される変異が含まれるが、ただしこれらに限定されない)とともに対応するホメオログにおける変異を、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、または25を超えて有する。
別の実施態様では、本明細書に開示する1つ以上の変異を含むコムギ種子は、野生型コムギ種子に匹敵する割合で発芽する。さらに別の実施態様では、本明細書に開示する1つ以上の変異を含むコムギ種子は、野生型コムギ種子に匹敵する物理的特徴(サイズ、重量、長さを含む)を有する。
さらに別の実施態様では、本明細書に開示する1つ以上の変異を含むコムギ植物は野生型コムギに匹敵する繁殖力を有する。

0070

ある実施態様では、コメ植物、コメ種子またはコメ植物の部分は、OsLip1遺伝子の両対立遺伝子に1つ以上の非トランスジェニック変異を含む。別の実施態様では、当該非トランスジェニック変異はOsLip1遺伝子の両対立遺伝子で同一である。
別の実施態様では、コメ植物、コメ種子またはコメ植物の部分は、1つ以上の非トランスジェニック変異を有し、配列番号:24と85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または99%を超えて同一または類似のポリヌクレオチドを含む。
さらに別の実施態様では、コメ植物、コメ種子またはコメ植物の部分は、1つ以上の非トランスジェニック変異を有し、OsLip1タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含み、ここで、当該OsLip1タンパク質は、1つ以上の非トランスジェニック変異を含み、配列番号:26と85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または99%を超えて同一または類似である。
別の実施態様では、コムギ植物、コムギ種子またはコムギ植物の部分は、Lip1遺伝子に1つ以上の変異(表1−3に列挙された1つ以上の変異が含まれるが、ただしこれらに限定されない)およびホメオログに対応する変異を有する。コムギ植物、コムギ種子またはコムギ植物の部分を作り出すことができ、前記は、本明細書に開示する変異(表1、2および3に開示される変異が含まれるが、ただしこれらに限定されない)とともに対応するホメオログにおける変異を、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、または25を超えて有する。
別の実施態様では、本明細書に開示する1つ以上の変異を含むコメ種子は、野生型コメ種子に匹敵する割合で発芽する。さらに別の実施態様では、本明細書に開示する1つ以上の変異を含むコメ種子は、野生型コメ種子に匹敵する物理的特徴(サイズ、重量、長さを含む)を有する。
さらに別の実施態様では、本明細書に開示する1つ以上の変異を含むコメ植物は野生型コメ植物に匹敵する繁殖力を有する。

0071

IX.穀粒、粉、デンプンおよび種子
別の実施態様では、本開示は、Lip1遺伝子に1つ以上の非トランスジェニック変異を含む穀粒、粉、デンプンまたはふすまに関する。別の実施態様では、本開示は胚を含む穀粒に関し、ここで当該胚はLip1遺伝子に1つ以上の非トランスジェニック変異を含む。
別の実施態様では、穀粒、粉、ふすままたはデンプンは、Lip1遺伝子に1つ以上の非トランスジェニック変異(コムギについては表1−3におよびコメについては表4に記載の変異が含まれるが、ただしこれらに限定されない)およびホメオログに対応する変異を含む。
さらに別の実施態様では、本開示は、1つ、2つまたは3つのゲノムのLip1遺伝子に少なくとも1つの非トランスジェニック変異を含む穀粒または粉に関する。
さらに別の実施態様では、本開示は、Lip-A1遺伝子に1つ以上の非トランスジェニック変異を含むコムギ穀粒、粉またはデンプンに関する。別の実施態様では、当該非トランスジェニック変異は、AゲノムのLip-A1遺伝子の両対立遺伝子で同一である。
ある実施態様では、コムギ穀粒、粉またはデンプンは、DゲノムのLip-D1遺伝子の両対立遺伝子に1つ以上の非トランスジェニック変異を含む。別の実施態様では、当該非トランスジェニック変異は、DゲノムのLip-D1遺伝子の両対立遺伝子で同一である。
ある実施態様では、コムギ穀粒、粉またはデンプンは、BゲノムのLip-B1遺伝子の両対立遺伝子に1つ以上の非トランスジェニック変異を含む。別の実施態様では、当該非トランスジェニック変異は、BゲノムのLip-B1遺伝子の両対立遺伝子で同一である。

0072

ある実施態様では、本開示は、表1に記載の1つ以上の非トランスジェニック変異を有し配列番号:1に該当する、AゲノムのLip-A1遺伝子のポリヌクレオチドを含むコムギ穀粒、コムギ粉またはデンプンに関する。別の実施態様では、当該コムギ穀粒またはコムギ粉は、表1に記載の1つ以上の非トランスジェニック変異を有し、配列番号:1と85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または99%を超えて同一または類似であるポリヌクレオチドを含む。
さらに別の実施態様では、コムギ穀粒、コムギ粉またはデンプンは、表1に記載の1つ以上の非トランスジェニック変異を有しLip1タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含み、ここで、当該Lip1タンパク質は1つ以上の非トランスジェニック変異を含み、配列番号:3と85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または99%を超えて同一または類似である。
ある実施態様では、本開示は、表2に記載の1つ以上の非トランスジェニック変異を有し配列番号:4に該当する、DゲノムのLip-D1遺伝子のポリヌクレオチドを含むコムギ穀粒、コムギ粉またはデンプンに関する。別の実施態様では、当該コムギ穀粒またはコムギ粉は、表2に記載の1つ以上の非トランスジェニック変異を有し、配列番号:4と85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または99%を超えて同一または類似であるポリヌクレオチドを含む。
さらに別の実施態様では、コムギ穀粒、コムギ粉またはデンプンは、表2に記載の1つ以上の非トランスジェニック変異を有しLip-D1タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含み、ここで、当該Lip-D1タンパク質は1つ以上の非トランスジェニック変異を含み、配列番号:6と85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または99%を超えて同一または類似である。

0073

ある実施態様では、本開示は、表3に記載の1つ以上の非トランスジェニック変異を有し配列番号:7に該当する、BゲノムのLip-B1遺伝子のポリヌクレオチドを含むコムギ穀粒、コムギ粉またはデンプンに関する。別の実施態様では、当該コムギ穀粒またはコムギ粉は、表3に記載の1つ以上の非トランスジェニック変異を有し、配列番号:7と85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または99%を超えて同一または類似であるポリヌクレオチドを含む。
さらに別の実施態様では、コムギ穀粒、コムギ粉またはデンプンは、表3に記載の1つ以上の非トランスジェニック変異を有しLip-B1タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含み、ここで、当該Lip-B1タンパク質は1つ以上の非トランスジェニック変異を含み、配列番号:9と85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または99%を超えて同一または類似である。
さらに別の実施態様では、本開示は、野生型コムギ穀粒または粉と比較して、内乳並びにLip1遺伝子の減少された遺伝子発現レベル、活性または発現レベルおよび活性を含む穀粒または粉に関する。
さらに別の実施態様では、本開示は、野生型コムギ穀粒または粉と比較して、増加した保存可能期間を示す、Lip1遺伝子に1つ以上の変異を有するコムギ穀粒または粉に関する。
別の実施態様では、Lip1遺伝子に1つ以上の変異を有するコムギ穀粒または粉は、野生型穀粒または粉と比較して、0−5%、5−10%、10−15%、15−20%、20−25%、25−30%、30−35%、35−40%、40−45%、45−50%、50−55%、55%−60%、60−65%、65−70%、70−75%、75−80%、80−85%、85%−90%、90−95%、および95%を超えて増加する保存可能期間を示す。

0074

さらに別の実施態様では、本開示は、野生型コムギ穀粒または粉と比較して、増加した保存可能期間を示す、Lip-A1遺伝子に1つ以上の変異を有するコムギ穀粒または粉に関する。別の実施態様では、Lip-A1遺伝子に1つ以上の変異を有するコムギ穀粒または粉は、野生型穀粒または粉と比較して、0−5%、5−10%、10−15%、15−20%、20−25%、25−30%、30−35%、35−40%、40−45%、45−50%、50−55%、55%−60%、60−65%、65−70%、70−75%、75−80%、80−85%、85%−90%、90−95%、および95%を超えて増加する保存可能期間を示す。
さらに別の実施態様では、本開示は、野生型コムギ穀粒または粉と比較して、増加した保存可能期間を示す、Lip-D1遺伝子に1つ以上の変異を有するコムギ穀粒または粉に関する。別の実施態様では、Lip-D1遺伝子に1つ以上の変異を有するコムギ穀粒または粉は、野生型穀粒または粉と比較して、0−5%、5−10%、10−15%、15−20%、20−25%、25−30%、30−35%、35−40%、40−45%、45−50%、50−55%、55%−60%、60−65%、65−70%、70−75%、75−80%、80−85%、85%−90%、90−95%、および95%を超えて増加する保存可能期間を示す。
さらに別の実施態様では、本開示は、野生型コムギ穀粒または粉と比較して、増加した保存可能期間を示す、Lip-B1遺伝子に1つ以上の変異を有するコムギ穀粒または粉に関する。別の実施態様では、Lip-B1遺伝子に1つ以上の変異を有するコムギ穀粒または粉は、野生型穀粒または粉と比較して、0−5%、5−10%、10−15%、15−20%、20−25%、25−30%、30−35%、35−40%、40−45%、45−50%、50−55%、55%−60%、60−65%、65−70%、70−75%、75−80%、80−85%、85%−90%、90−95%、および95%を超えて増加する保存可能期間を示す。

0075

さらに別の実施態様では、本開示は、野生型コムギ穀粒または粉と比較して、増加した保存可能期間を示す、Lip-A1およびLip-D1遺伝子に1つ以上の変異を有するコムギ穀粒または粉に関する。別の実施態様では、Lip-A1およびLip-D1遺伝子に1つ以上の変異を有するコムギ穀粒または粉は、野生型穀粒または粉と比較して、0−5%、5−10%、10−15%、15−20%、20−25%、25−30%、30−35%、35−40%、40−45%、45−50%、50−55%、55%−60%、60−65%、65−70%、70−75%、75−80%、80−85%、85%−90%、90−95%、および95%を超えて増加する保存可能期間を示す。
さらに別の実施態様では、本開示は、野生型コムギ穀粒または粉と比較して、増加した保存可能期間を示す、Lip-A1およびLip-B1遺伝子に1つ以上の変異を有するコムギ穀粒または粉に関する。別の実施態様では、Lip-A1およびLip−B1遺伝子に1つ以上の変異を有するコムギ穀粒または粉は、野生型穀粒または粉と比較して、0−5%、5−10%、10−15%、15−20%、20−25%、25−30%、30−35%、35−40%、40−45%、45−50%、50−55%、55%−60%、60−65%、65−70%、70−75%、75−80%、80−85%、85%−90%、90−95%、および95%を超えて増加する保存可能期間を示す。
さらに別の実施態様では、本開示は、野生型コムギ穀粒または粉と比較して、増加した保存可能期間を示す、Lip-B1およびLip-D1遺伝子に1つ以上の変異を有するコムギ穀粒または粉に関する。別の実施態様では、Lip-B1およびLip-D1遺伝子に1つ以上の変異を有するコムギ穀粒または粉は、野生型穀粒または粉と比較して、0−5%、5−10%、10−15%、15−20%、20−25%、25−30%、30−35%、35−40%、40−45%、45−50%、50−55%、55%−60%、60−65%、65−70%、70−75%、75−80%、80−85%、85%−90%、90−95%、および95%を超えて増加する保存可能期間を示す。
さらに別の実施態様では、本開示は、野生型コムギ穀粒または粉と比較して、増加した保存可能期間を示す、Lip-A1、Lip-B1およびLip-D1遺伝子に1つ以上の変異を有するコムギ穀粒または粉に関する。別の実施態様では、Lip-A1、Lip-B1およびLip-D1遺伝子に1つ以上の変異を有するコムギ穀粒または粉は、野生型穀粒または粉と比較して、0−5%、5−10%、10−15%、15−20%、20−25%、25−30%、30−35%、35−40%、40−45%、45−50%、50−55%、55%−60%、60−65%、65−70%、70−75%、75−80%、80−85%、85%−90%、90−95%、および95%を超えて増加する保存可能期間を示す。

0076

さらに別の実施態様では、本開示は、OsLip1遺伝子に1つ以上の非トランスジェニック変異を含むコメ穀粒に関する。別の実施態様では、当該非トランスジェニック変異はOsLip1遺伝子の両対立遺伝子で同一である。
ある実施態様では、本開示は、表4に記載の1つ以上の非トランスジェニック変異を有し配列番号:26に該当する、OsLip1遺伝子のポリヌクレオチドを含むコメ穀粒に関する。別の実施態様では、当該コメ穀粒は、表4に記載の1つ以上の非トランスジェニック変異を有し、配列番号:26と85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または99%を超えて同一または類似であるポリヌクレオチドを含む。
さらに別の実施態様では、コメ穀粒は、表4に記載の1つ以上の非トランスジェニック変異を有しLip1タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含み、ここで、当該Lip1タンパク質は1つ以上の非トランスジェニック変異を含み、配列番号:28と85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または99%を超えて同一または類似である。
さらに別の実施態様では、本開示は、野生型コメ穀粒と比較して、増加した保存可能期間を示す、OsLip1遺伝子に1つ以上の変異を有するコメ穀粒に関する。別の実施態様では、Lip1遺伝子に1つ以上の変異を有するコメ穀粒は、野生型穀粒または粉と比較して、0−5%、5−10%、10−15%、15−20%、20−25%、25−30%、30−35%、35−40%、40−45%、45−50%、50−55%、55%−60%、60−65%、65−70%、70−75%、75−80%、80−85%、85%−90%、90−95%、および95%を超えて増加する保存可能期間を示す。

0077

X.食品
ある実施態様では、本開示は、上記で考察した穀粒または粉から製造される粉または他の製品に向けられる。別の実施態様では、当該粉、粗分画または精製デンプンは食品の成分であり得る。ある実施態様では、食品は本明細書に開示するコムギ穀粒から製造される。さらに別の実施態様では、食品は本明細書に開示するコメ穀粒から製造される。
当該食品には以下が含まれる(ただしそれらに限定されない):ベーグルビスケット食パン、パン、クロワッサンダンプリング、イングリッシュマッフィン、マッフィン、ピタ、速成パン、冷蔵/冷凍ドウ製品、生パン、ベイクドビーンズ、ブリトー、チリタコス、タマル、トルティーヤ、ポットパイ調理済みシリアル調理済み食品スタッフィング電子レンジ対応食品ブラウニー、ケーキ、チーズケーキコーヒーケーキ、クッキーデザートペストリー菓子パン棒状菓子パイ生地、パイ詰め物ベビーフードベーキングミックス、ころも用生地パン粉グレービーミックス、肉増量剤、肉代用物シーズニングミックススープミックス、グレービー、ルー、サラダドレッシングスープサワークリーム、麺、パスタ、ラーメン麺、焼きそば麺中華麺アイスクリーム混合品、アイスクリームバー、アイスクリームコーン、アイスクリームサンドイッチクラッカークルトンドーナツエッグロール押出菓子果実穀粒棒菓子、電子レンジ対応スナック製品栄養食バー、パンケーキ、パンベークド(pan-baked)ベーカリ製品、プレッツェルプディンググラノーラ系製品、スナックチップスナックフードスナックミックス、ワッフルピザ生地動物用食品またはペットフード
ある実施態様では、粉は全粒粉である(例えばウルトラファイン全粒製粉(例えばウルトラファイン全粒コムギ粉))。ある実施態様では、全粒粉は、精製粉成分(例えば精製コムギ粉または精製粉)および粗分画(例えばウルトラファイン製粉粗分画)を含む。精製コムギ粉は、例えば清浄コムギを粉砕してふるい分けることによって調製される粉であり得る。食品医薬品局FDA)は、精製コムギ粉のカテゴリーに入るように粉が一定の粒子サイズ標準適合することを要求する。精製コムギ粉の粒子サイズは、「212マイクロメートル(U.S. Wire 70)」と称されるワイヤークロスの開口部を超えない開口部を有する布を98%以上が通過する粉とされる。

0078

別の実施態様では、粗分画はふすまおよび胚芽の少なくとも1つを含む。例えば、胚芽はコムギの種の中に見いだされる胚植物である。胚芽は、脂質、線維ビタミン、タンパク質、鉱物質、および植物栄養素(例えばフラボノイド)を含む。ふすまはいくつかの細胞層を含み、顕著な量の脂質、線維、ビタミン、タンパク質、鉱物質および植物栄養素(例えばフラボノイド)を含むことができる。
例えば、本発明の粗分画または全粒粉または精製粉を種々の量で用いて、ベークド製品、スナック製品および食品中の精製粉または全粒粉と置き換えることができる。消費者自家が自家製ベークド品で使用するために、全粒粉(すなわちウルトラファイン製粉全粒粉)もまた直に消費者に販売できる。例示的実施態様では、全粒粉の粒状化プロフィールは、全粒粉の重量で粒子の98%が212マイクロメートル未満であるというものである。
別の実施態様では、全粒粉または粗分画または精製粉は栄養サプリメントの成分であり得る。栄養サプリメントは、食事に添加される1つ以上の成分(典型的にはビタミン、鉱物質、ハーブ、アミノ酸、酵素、抗酸化剤、ハーブ、香辛料プロバイオティクス抽出物および線維を含む)を含む製品であり得る。
さらに別の実施態様では、栄養サプリメントは、個体の全体的健康を補助する任意の公知の栄養成分を含むことができる。前記成分には例えば、カロテノイド、ビタミン、鉱物質、他の線維成分、脂肪酸、抗酸化剤、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、ルテインリボースオメガ-3脂肪酸、および/または他の栄養成分が含まれるが、ただし前記に限定されない。本発明の内乳の高い栄養素含有量のために、個体に膨大な利益を与える多くの使用が存在し得る。前記には、線維および他の必須栄養素デリバリー消化機能および健康の増進体重管理血糖管理心臓の健康、糖尿病リスクの軽減、潜在的関節炎リスクの軽減、並びに個体の全体的健康および健康状態が含まれる。
さらに別の実施態様では、全粒粉または粗分画または精製粉は食事サプリメントの成分であり得る。連邦規則集は食事サプリメントを以下のように意図される製品と定義する:食事を補充し1つ以上の食物成分(ビタミン、ミネラル、ハーブ、植物由来物質、アミノ酸、および他の物質またはそれらに構成成分を含む)を含み、ピルカプセル錠剤または液体として口から摂取され、前面に食事サプリメントであると標識されている。

0079

さらに別の実施態様では、全粒粉または粗分画または精製粉は線維サプリメントまたはその成分であり得る。線維サプリメントは以下の形態(ただしそれらに限定されない)でデリバーされ得る:即席飲料ミックス、調合済み(ready-to-drink)飲料、栄養バーウェファース、クッキー、クラッカー、ゲルショット、カプセル、噛み砕き物(chews)、チュアブル錠剤、およびピル。ある実施態様は、香料添加シェークまたは麦芽系飲料の形で繊維サプリメントをデリバリーする。
別の実施態様では、全粒粉または粗分画または精製粉は消化サプリメントの成分として含まれ得る。全粒粉または粗分画または精製粉は、単独でまたは1つ以上のプレバイオティック化合物および/またはプロバイオティック生物と組み合わせた消化サプリメントの成分であってもよい。プレバイオティック化合物は非消化性食物成分であり、前記は、限られた数の腸内微生物の増殖および/または活性を選択的に刺激することによって宿主に有益な影響を与えることができる。本発明の範囲内のプレバイオティック化合物の例にはオリゴ糖およびイヌリンが含まれ得るが、ただしこれらに限定されない。
プロバイオティクスは、適量を投与されたときに宿主に健康上の恩恵を与える微生物である。プロバイオティック生物には、ラクトバシルス属(Lactobacillus)、ビフィドバクテリア属(Bifidobacteria)、エシェリキア属(Escherichia)、クロストリジウム属(Clostridium)、ラクトコッカス属(Lactococcus)、ストレプトコッカス属(Streptococcus)、エンテロコッカス属(Enterococcus)、およびサッカロミセス属(Saccharomyces)が含まれるが、ただしこれらに限定されない。
さらに別の実施態様では、全粒粉または粗分画または精製粉は機能食物の成分として含まれ得る。食品技術者協会(Institute of Food Technologist)は機能食物を、基礎栄養物を超える健康上の恩恵を提供する食物および食物成分と定義する。前記には、通常食物、補強濃縮または強化食物、および食事サプリメントが含まれる。全粒粉または粗分画または精製粉は、多くのビタミンおよび鉱物質を含み、高い酸素ラジカル吸収能力を有し、かつ線維が多く、そのためにそれらを機能食物として/機能食物で使用するために理想的である。

0080

別の実施態様では、全粒粉または粗分画または精製粉は医療食物で用いられ得る。医療食物は、完全に医師監督下で使用または投与するように処方され、ある疾患または症状に特有食事管理(当該管理については認定された科学的原理に基づいて明白な栄養要求医学的評価によって確立されている)のために意図される食物と規定される。全粒粉および粗分画または精製粉の栄養素含有量および抗酸化能力は、医療食物での使用のためにそれらを理想的にする。
さらに別の実施態様では、全粒粉または粗分画または精製粉はまた医薬で使用され得る。全粒粉および粗分画または精製粉は線維が多くかつ非常に細かい粒状を有し、そのために医薬で担体として使用するために適切である。
さらに別の実施態様では、栄養サプリメント、食事サプリメントまたは消化サプリメントとしての全粒粉または粗分画または精製粉のデリバリーは、当該全粒粉または粗分画が単一成分または多くの栄養成分の1つであるデリバリー経路を介することが意図される。デリバリー経路の例には、即席飲料ミックス、調合済み飲料、栄養バー、ウェファース、クッキー、クラッカー、ゲルショット、カプセル、および噛み砕き物が含まれるが、ただしこれらに限定されない。
さらに別の実施態様では、製粉プロセスを用いてマルチコムギ粉またはマルチ穀粒粗分画を製造できる。ある実施態様では、あるタイプのコムギに由来するふすまおよび胚芽を粉砕し、別のタイプの粉砕内乳または全粒コムギ粉とブレンドすることができる。また別には、あるタイプの穀粒のふすまおよび胚芽を粉砕し、別のタイプの穀粒の粉砕内乳または全粒粉とブレンドすることができる。
さらに別の実施態様では、第一のタイプのコムギまたは穀粒に由来するふすまおよび胚芽を第二のタイプのコムギまたは穀粒に由来するふすまおよび胚芽とブレンドし、マルチ穀粒粗分画を製造することができる。本発明では、1つ以上のふすま、胚芽、内乳および1つ以上の穀粒の全粒粉の任意の組合せを混合する工程を包含することが意図される。このマルチ穀粒、マルチコムギ手法を用いて、カスタム粉を製造し、複数のタイプの穀粒またはコムギの品質および栄養素含有量を利用して1つの粉を製造することができる。

0081

本発明の全粒粉は多様な製粉プロセスを介して製造され得る。ある例示的プロセスは単一流で穀粒を粉砕する工程を含み、穀粒の内乳、ふすまおよび胚芽を個々の流れに分離しない。正常な加熱(tempered)穀粒を第一路グラインダー、例えばハンマーミルローラーミルピンミル、衝撃ミル、ディスクミル空気摩擦ミル、ギャップミルなどにコンベアーで送る。
粉砕後、穀粒を排出しシフターにコンベアーで送る。粉砕粒子をふるい分けするために当業界で公知の任意のシフターを用いることができる。シフターのスクリーンを通過した物質は本発明の全粒粉であり、更なるプロセッシングを必要としない。スクリーン上に残留する物質は第二分画と称される。当該第二分画は追加の粒子減少を必要とする。したがって、この第二分画を第二路グラインダーにコンベアーで送ることができる。
粉砕後、第二分画を第二のシフターにコンベアーで送ることができる。第二シフターのスクリーンを通過する物質は全粒粉である。スクリーン上に残留する物質は第四分画と称され、粒子サイズ減少のために更なるプロセッシングを必要とする。更なるプロセッシングのために、第二シフター上の第四分画を第一路グラインダーまたは第二路グラインダーにフィードバックループを介してコンベアーで戻す。
本開示の全粒粉、粗分画、精製デンプンおよび/または穀粒製品は、当業界で公知の多数の製粉プロセスによって製造することができる。
別の実施態様では、ふすま分画はコメに由来し、製品(例えば米ぬか油)はふすま分画から誘導される。

0082

XI.植物育種
別の実施態様では、本開示は、Lip1遺伝子に1つ以上の非トランスジェニック変異を有するコムギ植物及び植物部分を用いる植物育種方法に向けられる。
そのようなある実施態様は、Lip1遺伝子に1つ以上の非トランスジェニック変異を有するコムギ品種を別のコムギ品種と交配して、F1植物の第一世代集団を形成する方法である。この方法によって生じる第一世代F1植物の集団はまた本発明の実施態様である。F1植物のこの第一世代集団は、Lip1遺伝子に1つ以上の非トランスジェニック変異を有するコムギ品種の本質的に完全な対立遺伝子セットを含む。当業者はブリーダーブック又は分子的方法を利用して、Lip1遺伝子に1つ以上の非トランスジェニック変異を有するコムギ品種を用いて生産される個々のF1植物を同定することができ、任意のそのような個々の植物もまた本発明に包含される。これらの実施態様はまた、第一世代のF1植物を生産するために、Lip1遺伝子に1つ以上の非トランスジェニック変異を有するコムギ品種のトランスジェニック変換または戻し交配変換の使用をカバーする。
別の実施態様では、本発明は子孫コムギ植物を開発する方法に関する。子孫コムギ植物を開発する方法は、Lip1遺伝子に1つ以上の非トランスジェニック変異を有するコムギ品種を第二のコムギ植物体と交配する工程および育種方法を実施する工程を含む。Lip1遺伝子に1つ以上の非トランスジェニック変異を有するコムギの品種から誘導される系統を生産する具体的な方法は以下の通りである。

0083

当業者は、Lip1遺伝子に1つ以上の非トランスジェニック変異を有するコムギ品種を別のコムギの品種(例えばエリート品種)と交配するであろう。この交配から誘導されるF1種子を生育させて同種集団が形成されるであろう。F1種子は、Lip1遺伝子に1つ以上の非トランスジェニック変異を有するコムギ品種に由来する対立遺伝子の1セット、および他方のコムギ品種に由来する対立遺伝子の1セットを含むであろう。
F1ゲノムは、Lip1遺伝子に1つ以上の非トランスジェニック変異を有するコムギ品種の50%および他方のエリート品種の50%で構成されるであろう。F1種子を生育させてF2種子が形成されるであろう。F1種子を自家受粉させるか、または別のコムギ栽培品種と交配させることができよう。
平均してF2種子は、Lip1遺伝子に1つ以上の非トランスジェニック変異を有するコムギ品種の対立遺伝子の50%、および他方のコムギ品種の50%に由来するであろう。しかしながら、集団の多様な個々の植物は、Lip1遺伝子に1つ以上の非トランスジェニック変異を有するコムギ品種に由来するそれらの対立遺伝子をはるかに高いパーセンテージで有するであろう(Wang J. and R. Bernardo, 2000, Crop Sci. 40:659-665;及びBernardo, R. and A. L. Kahler, 2001, Theor. Appl. Genet. 102:986-992)。
F2種子を生育させ、目視観察および/または形質の測定および/またはマーカー補助選別に基づいて植物の選別が実施されるであろう。Lip1遺伝子誘導形質で1つ以上の非トランスジェニック変異を有する所望のコムギ品種の1つ以上を提示する、Lip1遺伝子誘導子孫の1つ以上の非トランスジェニック変異を有するコムギ品種が選別され、各植物が別々に採集されるであろう。各植物のこのF3種子を個々ので生育させ自家受粉させる。続いて選別した畝又は畝の植物を収穫し個々に脱穀する。繰り返せば、選別は、植物(例えばLip1遺伝子誘導形質に1つ以上の非トランスジェニック変異を有する所望のコムギ品種の1つ以上)の目視観察および/または所望の形質の測定に基づくであろう。

0084

生育および選別の育種プロセスは、Lip1遺伝子誘導コムギ植物で1つ以上の非トランスジェニック変異を有するホモ接合コムギ品種が得られるまで任意の回数繰り返されるであろう。Lip1遺伝子誘導コムギ植物で1つ以上の非トランスジェニック変異を有するホモ接合コムギ品種は、Lip1遺伝子に1つ以上の非トランスジェニック変異を有するコムギ品種に由来する所望の形質を含むであろう。前記所望の形質のいくつかは、Lip1遺伝子に1つ以上の非トランスジェニック変異を有するコムギ品種と交配された他方の最初のコムギ品種によっては発現されなかった可能性があり、さらに前記のいくつかは、両方のコムギ品種によって発現されていたかもしれないが、今は当該1つのLip1遺伝子又は複数のLip1遺伝子に1つ以上の非トランスジェニック変異を有するコムギ品種で発現されるレベルと同等又はそれよりも高いレベルにあるであろう。
交配、自家受粉及び選別の育種プロセスを繰り返して、Lip1遺伝子誘導コムギ植物で1つ以上の非トランスジェニック変異を有するコムギ品種の別の集団を生産することができる。前記集団は、平均して、それらの遺伝子の25%がLip1遺伝子に1つ以上の非トランスジェニック変異を有するコムギ品種に由来するが、しかしながら当該集団の多様な個々の植物は、1つのLip1遺伝子または複数のLip1遺伝子に1つ以上の非トランスジェニック変異を有するコムギ植物に由来する対立遺伝子をはるかに高いパーセンテージで有するであろう。本発明の別の実施態様は、Lip1遺伝子誘導形質に1つ以上の非トランスジェニック変異を有するコムギ品種を受け入れたLip1誘導コムギ植物で1つ以上の非トランスジェニック変異を有するホモ接合コムギ品種である。この育種プロセスは所望するかぎり何回でも繰り返すことができる。

0085

本開示は以下のパラグラフによってさらに記述される。
1.Lip1遺伝子に1つ以上の変異を含む植物であって、前記1つ以上の変異が、(a)増加した保存可能期間、(b)減少したTAGからFFAの生成;(c)増加した酸化安定性;(d)増加した加水分解安定性;(e)減少したヘキサナール生成;および(f)改善した感覚的特徴から成る群から選択される特徴を有する前記植物由来製品に寄与する、前記植物。
2.Lip1遺伝子に変異を含むコムギ植物であって、前記変異が、野生型コムギ植物に由来する製粉穀粒と比較して増加した保存可能期間を有する前記コムギ植物由来製粉穀粒に寄与する、前記コムギ植物。
3.Lip1遺伝子に変異を含むコムギ植物であって、前記変異が、野生型コムギ植物の穀粒に由来する粉と比較して、前記植物の穀粒に由来する粉の減少したTAGからFFAの生成に寄与する、前記コムギ植物。
4.Lip1遺伝子に変異を含むコムギ植物であって、前記変異が、野生型コムギ植物から製造される製品と比較して、前記植物から製造される製品の増加した加水分解安定性に寄与する、前記コムギ植物。
5.Lip1遺伝子に変異を含むコムギ植物であって、前記変異が、野生型コムギ植物から製造される製品と比較して、前記植物から製造される製品の増加した酸化安定性に寄与する、前記コムギ植物。
6.Lip1遺伝子に変異を含むコムギ植物であって、前記変異が、野生型コムギ植物の穀粒に由来する粉と比較して、前記植物の穀粒に由来する粉の減少したヘキサナール生成に寄与する、前記コムギ植物。
7.Lip1遺伝子に変異を含むコムギ植物であって、前記変異が、野生型コムギ植物由来製品の感覚的側面(aspect)と比較して改善された感覚的側面を有する前記コムギ植物由来製品に寄与する、前記コムギ植物。
8.さらに、1つ以上の変異を少なくとも2つのゲノムに含む、先行する項のいずれかに記載のコムギ植物。
9.1つ以上の変異をAおよびBゲノムに含む、先行する項のいずれかに記載のコムギ植物。
10.1つ以上の変異をAおよびDゲノムに含む、先行する項のいずれかに記載のコムギ植物。
11.さらに、1つ以上の変異をA、BおよびDゲノムに含む、先行する項のいずれかに記載のコムギ植物。
12.AゲノムのLip1遺伝子に1つ以上の変異を含むコムギ植物であって、前記変異が、野生型コムギ植物由来製品と比較して増加した保存可能期間を有する前記コムギ植物由来製品に寄与する、前記コムギ植物。
13.AゲノムのLip1遺伝子に1つ以上の変異を含むコムギ植物であって、前記変異が、野生型コムギ植物の保存穀粒と比較して、前記植物の保存穀粒の減少したTAGからFFAの生成に寄与する、前記コムギ植物。
14.当該Lip1遺伝子がLip-A1である、先行する項のいずれかに記載のコムギ植物。
15.さらにDゲノムのLip1遺伝子に変異を含む、先行する項のいずれかに記載のコムギ植物。
16.DゲノムのLip1遺伝子に1つ以上の変異を含むコムギ植物であって、前記変異が、野生型コムギ植物由来製品と比較して増加した保存可能期間を有する前記コムギ植物由来製品に寄与する、前記コムギ植物。
17.DゲノムのLip1遺伝子に1つ以上の変異を含むコムギ植物であって、前記変異が、野生型コムギ植物の保存穀粒と比較して、前記植物の保存穀粒の減少したTAGからFFAの生成に寄与する、前記コムギ植物。
18.当該Lip1遺伝子がLip-D1である、先行する項のいずれかに記載のコムギ植物。
19.さらにLip1遺伝子に2つ以上の変異を含む先行する項のいずれかに記載のコムギ植物であって、当該Lip1遺伝子の変異が少なくとも2つの異なるゲノムに存在する、コムギ植物。
20.さらに、野生型コムギ植物と比較して減少レベルのLip1タンパク質を含む、先行する項のいずれかに記載のコムギ植物。
21.さらに、野生型コムギ植物と比較して減少Lip1酵素活性を含む、先行する項のいずれかに記載のコムギ植物。
22.当該コムギ植物が当該変異についてホモ接合である、先行する項のいずれかに記載のコムギ植物。
23.前記コムギ植物に由来する製品が、野生型コムギ植物に由来する製品と比較して増加した加水分解安定性を有する、先行する項のいずれかに記載のコムギ植物。
24.前記コムギ植物に由来する製品が、野生型コムギ植物に由来する製品と比較して増加した酸化安定性を有する、先行する項のいずれかに記載のコムギ植物。
25.前記植物がトリチクム・アエスチブムのアエスチブム亜種である、先行する項のいずれかに記載のコムギ植物。
26.前記植物がトリチクム・デュルムまたはトリチクム・ツルギデュムのデュルム亜種である、先行する項のいずれかに記載のコムギ植物。
27.当該Lip1遺伝子の1つ以上の変異が表1−3のいずれか1つに列挙される、先行する項のいずれかに記載のコムギ植物。
28.当該Lip1遺伝子の1つ以上の変異がLip1タンパク質で表1−3に列挙されるアミノ酸変化をもたらす、先行する項のいずれかに記載のコムギ植物。
29.OsLip1遺伝子に1つ以上の変異を含むコメ植物であって、前記変異が、野生型コメ植物由来のコメ種子またはふすまと比較して、増加した保存可能期間を有する前記コメ植物由来のコメ種子またはふすまに寄与する、前記コメ植物。
30.OsLip1遺伝子に1つ以上の変異を含むコメ植物であって、前記変異が、野生型コメ植物のコメまたはふすまと比較して、前記コメ植物のコメ種子またはふすまの減少したTAGからFFAの生成に寄与する、前記コメ植物
31.OsLip1遺伝子に1つ以上の変異を含むコメ植物であって、前記変異が、野生型コメ植物から製造される製品と比較して、前記コメ植物から製造される製品の増加した加水分解安定性に寄与する、前記コメ植物。
32.OsLip1遺伝子に1つ以上の変異を含むコメ植物であって、前記変異が、野生型コメ植物から製造される製品と比較して、前記植物から製造される製品の増加した酸化安定性に寄与する、前記コメ植物。
33.OsLip1遺伝子に1つ以上の変異を含むコメ植物であって、前記変異が、野生型コメ植物のコメ種子またはふすまと比較して、前記植物のコメ種子またはふすまの減少したヘキサナール生成に寄与する、前記コメ植物。
34.OsLip1遺伝子に1つ以上の変異を含むコメ植物であって、前記変異が、野生型コメ植物由来製品の感覚的特徴と比較して改善された感覚的特徴を有する前記コメ植物由来製品に寄与する、前記コメ植物。
35.当該OsLip1遺伝子の1つ以上の変異が表4に列挙される、先行する項のいずれかに記載のコメ植物。
36.さらに、野生型コメ植物と比較して減少レベルのOsLip1タンパク質を含む、先行する項のいずれかに記載のコメ植物。
37.さらに、野生型コメ植物と比較して減少OsLip1酵素活性を含む、先行する項のいずれかに記載のコメ植物。
38.当該コメ植物が当該変異についてホモ接合である、先行する項のいずれかに記載のコメ植物。
39.先行する項のいずれかに記載の植物に由来する穀粒または種子であって、トリアシルグリセリドの分解生成物の生成が、野生型穀粒または種子と比較して前記植物から生産される穀粒または種子で低下する、前記穀粒または種子。
40.先行する項のいずれかに記載の植物に由来する穀粒または種子であって、トリアシルグリセリドの分解生成物の生成が、野生型植物由来の穀粒または種子と比較して、穀粒または種子で少なくとも5%、または少なくとも10%、または少なくとも15%、または少なくとも20%、または少なくとも25%、または少なくとも30%、または少なくとも35%、または少なくとも40%、または少なくとも45%、または少なくとも50%、または少なくとも55%、または少なくとも60%、または少なくとも65%、または少なくとも70%、または少なくとも75%、または少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%低下する、前記穀粒または種子。
41.先行する項のいずれかに記載の植物に由来する穀粒または種子であって、ヘキサナール、トランス-2-ノネナール若しくはトリヒドロキシデカン酸または前記の組合せの生成が、野生型植物由来の穀粒または種子と比較して、または種穀粒子で少なくとも5%、または少なくとも10%、または少なくとも15%、または少なくとも20%、または少なくとも25%、または少なくとも30%、または少なくとも35%、または少なくとも40%、または少なくとも45%、または少なくとも50%、または少なくとも55%、または少なくとも60%、または少なくとも65%、または少なくとも70%、または少なくとも75%、または少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%低下する、前記穀粒または種子。
42.先行する項のいずれかに記載の植物に由来する穀粒であって、コムギ穀粒から製造される全粒粉の保存可能期間が、野生型穀粒から製造される穀粒または種子の保存可能期間と比較して、1か月、2か月、3か月、4か月、5か月、6か月、7か月、8か月、9か月、10か月、11か月、12か月、13か月、14か月、15か月、16か月、17か月、18か月、19か月、20か月、21か月、22か月、23か月、24か月、25か月、26か月、27か月、28か月、29か月、30か月、または30か月を超えて増加する、前記穀粒。
43.Lip1遺伝子に変異を含む穀粒であって、前記変異が、野生型コムギ植物由来の穀粒と比較して、前記穀粒由来全粒粉の減少した遊離脂肪酸生成に寄与する、前記穀粒。
44.Lip1遺伝子に変異を含む穀粒であって、前記変異が、野生型コムギ植物由来の穀粒と比較して、前記穀粒由来全粒粉の増加した保存可能期間に寄与する、前記穀粒。
45.Lip1遺伝子に変異を含む穀粒であって、前記変異が、野生型コムギ植物由来の穀粒と比較して、より高温で保存される全粒粉の増加した保存可能期間に寄与する、前記穀粒。
46.先行する項のいずれかに記載の植物に由来する穀粒であって、コムギ穀粒から製造される全粒粉の保存可能期間が、仕上がり製品の色、風味、手触り、芳香、出来ばえまたは全体的好ましさを含む感覚的特徴によって決定されるとおり改善される、前記穀粒。
47.OsLip1遺伝子に変異を含むコメ種子またはふすまであって、前記変異が、野生型コメ植物由来のコメ種子またはふすまと比較して、コメ植物由来のコメ種子またはふすまの減少した遊離脂肪酸生成に寄与する、前記コメ種子またはふすま。
48.OsLip1遺伝子に変異を含むコメ種子またはふすまであって、前記変異が、野生型コメ植物由来のコメ種子またはふすまと比較して、前記コメ植物由来のコメ種子またはふすまの増加した保存可能期間に寄与する、前記コメ種子またはふすま。
49.OsLip1遺伝子に変異を含むコメ種子またはふすまであって、前記変異が、野生型コメ植物由来のコメ種子またはふすまと比較して、より高温で保存されるコメ種子またはふすまの増加した保存可能期間に寄与する、前記コメ種子またはふすま。
50.先行する項のいずれかに記載の植物に由来するコメ種子またはふすまであって、コメ種子またはふすまの保存可能期間が、仕上がり製品の色、風味、手触り、芳香、出来ばえまたは全体的好ましさを含む感覚的特徴によって決定されるとおり改善される、前記コメ種子またはふすま。
51.先行する項のいずれかに記載の植物に由来するコメ種子またはふすまであって、コメ種子またはふすまの保存可能期間が、野生型植物に由来するコメ種子またはふすまと比較して、1か月、2か月、3か月、4か月、5か月、6か月、7か月、8か月、9か月、10か月、11か月、12か月、13か月、14か月、15か月、16か月、17か月、18か月、19か月、20か月、21か月、22か月、23か月、24か月、25か月、26か月、27か月、28か月、29か月、30か月、または30か月を超えて増加する、前記コメ種子またはふすま。
52.先行する項のいずれかに記載のコムギ植物に由来するコムギ穀粒。
53.先行する項のいずれかに記載のコムギ穀粒を含む粉。
54.先行する項のいずれかに記載のコムギ植物の成分を含む食品。
55.先行する項のいずれかに記載のコムギ植物に由来する、コムギ種子、植物部分またはその子孫。
56.本明細書に実質的に提示および記載されたコムギ植物。
57.本明細書に実質的に提示および記載された穀粒。
58.本明細書に実質的に提示および記載されたコムギ植物に由来する、コムギ種子、植物部分またはその子孫。
59.先行する項のいずれかに記載のコメ植物に由来するコメ種子またはふすま。
60.先行する項のいずれかに記載のコメ植物の成分を含む食品。
61.先行する項のいずれかに記載のコメ植物に由来する、コメ種子、植物部分またはその子孫。
62.本明細書に実質的に提示および記載されたコメ植物。
63.本明細書に実質的に提示および記載されたコメ種子および米ぬか。
64.本明細書に実質的に提示および記載されたコメ植物に由来する、コメ種子、植物部分またはその子孫。

0086

実施例1
本実施例はLip1遺伝子の新規な対立遺伝子の同定を記載する。
A.コムギおよびコメリパーゼ1遺伝子の同定
公開コムギゲノムデータベースを基にtblastnアルゴリズムを用い、米ぬかリパーゼIIのタンパク質配列(LOC_Os07g47250)に対する相同性によって、多数のコムギリパーゼの遺伝子配列を同定した。もっとも類似する同定コムギタンパク質翻訳配列のアラインメントは図1に示される。コムギリパーゼ遺伝子ファミリーLip1、2および3の各々について遺伝子発現を評価するために、逆転写PCR(RT-PCR)を用いた(Freeman WM, Walker SJ, VranaKE(January 1999)."Quantitative RT-PCR: pitfalls and potential".BioTechniques 26 (1): 112-22, 124-5)。1週齢植物の葉、4週齢植物の葉、開花後6日(days post anthesis(DPA))の発達中の穀粒、18DPAの発達中の穀粒、成熟穀粒、1週齢植物の根、および1週齢植物のから、全RNAを抽出した。組織を液体窒素中で粉砕し、キアゲン(Qiagen)RNeasy植物キットを用い製造業者の指示にしたがって抽出した。発達中及び成熟種子については、Verlottaら(Verlotta et alBMCPlant Biology 10:263, 2010)が記載したように、50mMトリス-HCl(pH9.0)、200mM NaCl、1%サルコシル、20mMEDTAおよび5mM DTT(Sigma-Aldrich.St.Louis, MO)を含む1mL溶液を用いて凍結粉砕組織から抽出した。室温で5分間インキュベートした後、トリゾール試薬(Invitrogen, Carlsbad, CA)を、続いてRLT緩衝液とともにキアゲンRNeasy植物キットを製造業者の指示にしたがって用いてRNAを抽出した。抽出したRNAをDNAseIを含む溶液中で改変した製造業者のプロトコルを用いて処理し、合計30分のインキュベーション時間(室温)でサンプル当たり3.5μLのDNaseを用い(RNaseフリーDNAseキット(Qiagen, Valencia, CA)、続いてRNeasyカラムで精製した。全RNA濃度および純度ナノドロップ2000c(Nanodrop 2000c)分光光度計(ThermoFisher Scientific, Grand Island, NY)で定量した。168ngの全RNAを用いて、AdvanCEFS96フラグメントアナライザー(Advanced Analytical, Ames, IA)でゲノムの夾雑および品質を評価した。RNAのゲノム夾雑が存在しないことをPCRおよび配列決定によって確認した。

0087

製造業者(Invitrogen, Carlsbad, CA)の指示にしたがいスーパースクリプトIII第一鎖合成スーパーミックス(SuperScript III First-Strand Synthesis SuperMix)を用いて、合計0.5μgのRNAを逆転写した。cDNAを1:250に希釈し、5μLを20μLの体積のPCRの鋳型として用いた。各反応は以下から成っていた:1x Ex-Taq緩衝液(Takara Biotechnology, Mountain View, CA)、0.125mM dNTP(Takara Biotechnology, Mountain View, CA)、各々0.125μMのフォワードおよびリバースプライマー、および0.83U Ex-Taqポリメラーゼ(Takara Biotechnology, Mountain View, CA)。グリセルアルデヒド3-ホスフェートデヒドロゲナーゼ(GAPD)をコントロールとして用いた(Jarosova et al.BMCPlant Biology 10 146, 2010)。Lip1(配列番号:18−19)、Lip2(配列番号:20−21)、Lip3(配列番号:22−23)およびGAPD(配列番号:24−25)のためのPCRプライマーを用いて、図2に示すように遺伝子発現を評価した。PCR条件は以下の通りであった:95℃で2分間、95℃30秒、60℃30秒および72℃30秒の30サイクル、続いて72℃で5分の最終伸長。PCR生成物は1.1%アガロースゲルで分離し、バイオラッドゲル画像化系(Bio-Rad Gel Imaging System(Bio-Rad, Hercules, CA, USA))により証拠立てた。
Lip-B1は、六倍体コムギ品種、チャイニーズスプリングの公開データベースで同定された。しかしながら、六倍体コムギ品種エクスプレスおよび他の種のPCR増幅は、この遺伝子の全てまたは部分はいくつかの六倍体コムギ品種では失われていることを示した。Lip-B1マーカープライマー(配列番号:16−17)は例示的プライマーであり、前記は、Lip-B1ゲノム配列のいくらか若しくは全てを含むかまたは欠落させたコムギ品種の同定マーカーとして有用であると立証された(図3)。デュラムコムギ品種クロノスはゲノムにLip-B1配列を有し、変異対立遺伝子が当該遺伝子で同定された(表3)。

0088

B.変異誘導
本発明のある例示的実施態様にしたがい、六倍体栽培品種(トリチクム・アエスチブム)エクスプレスのコムギ種子をH2Oに真空浸潤させた(約1,000種子/100mL H2O約4分間)。続いて種子を室温のドラフトチャンバー内のシェーカー(45rpm)に置いた。変異原メタンスルホン酸エチル(EMS)を前記水分吸収種子に最終濃度約0.75%から約1.2%(v/v)の範囲の濃度で添加した。18時間のインキュベーション時間後に、EMS溶液を新鮮なH2Oに4回置換えた。
栽培品種(オリザ・サチバ)IR64またはサイプレスのコメ種子をH2Oに真空浸潤させた(約1,000種子/100mL H2O約4分間)。続いて種子を室温のドラフトチャンバー内のシェーカー(45rpm)に置いた。変異原N-エチル-N-ニトロソウレア(ENU)を前記水分吸収種子に約0.2、0.3または0.5%の最終濃度で5.5、6または7時間添加した。いくつかの事例では、EMS(0.2M)およびENU(0.15M)の組合せを用いた。
続いて種子を流水下で4−8時間水洗いした。最後に、変異誘導種子を鉢植え用土植え付け(96/トレー)、屋内で発芽させた。4から6週齢の植物を野外に移して完全成熟M1植物に生育させた。成熟M1植物を自家受粉させ、続いてM1植物の種子を収集し、植え付けてM2植物を作出した。

0089

C.DNA調製
どのM2植物がそれらのLip1遺伝子座の1つ以上に変異を保持するかを同定するために、上記にしたがって作出したM2植物からDNAを抽出および調製した。M2植物のDNAは以下のQiagenキットをベースにした方法及び試薬を用いて調製した:Qiagen(商標)(Valencia, CA)、DNeasy(商標)96Plant Kit)。ステンレス鋼ビーズを含む各サンプルチューブに約50mgの凍結植物サンプルを置き、液体窒素中で凍結させ、Retsch(商標)ミキサーミルMM300を用い21.5Hzで2回(各回45秒)粉砕した。次に80℃の300μLの溶液AP1(緩衝液AP1、溶液DX及びRNAse(100mg/mL))を各サンプルに添加した。チューブ密閉し15秒間振盪し、つづいて簡単に5,200xgで遠心分離した。100μLの緩衝液P3の添加後、チューブを15秒間振盪した。サンプルを-20℃のフリーザーに少なくとも20分置いた。続いてサンプルを5,200xgで20分遠心分離した。フィルタープレートをテカンエボ(Tecan Evo)液体操作ロボット真空ユニット上に置き、400μLの緩衝液AW1を各ウェルに添加した。上清の300μLアリコットを各ウェルに添加した後、乾燥するまで真空を適用した。次に、650μLの緩衝液AW2をフィルタープレートの各ウェルに添加した。フィルタープレートを四角ウェルブロック上に置き5,200xg、20分遠心分離した。続いてフィルタープレートを新しいサンプルチューブセット上に置き、90μLの緩衝液AEを当該フィルターに適用した。室温で1分インキュベートし、続いて5,200xgで2分回転させた。90μLの緩衝液AEを追加して、前記工程を繰り返した。フィルタープレートを取り除き、プールされたろ液を含むチューブに蓋をした。続いて個々のサンプルのDNA濃度をTILLINGのために5から10ng/μLに標準化するか、又は遺伝子型判定に用いるために標準化せずに維持した。

0090

D.TILLING
M2コムギのDNAを2個体の植物のグループにプールした。当該プールの各個体のDNA濃度は約2ng/μLでプール全体については最終濃度は4ng/μLであった。M2コメDNAを6個体の植物のグループにプールした。当該プールの各個体のDNA濃度は約0.083ng/μLまたは0.17ng/μLでプール全体については最終濃度は0.5ng/μLまたは1ng/μLであった。続いて当該プールDNAサンプルの5μLをマイクロプレート上に並べ、遺伝子特異的PCRに付した。
以下の配列番号を用いてPCR増幅を15μLの体積で実施した:配列番号:10および11(Lip-A1)または配列番号:12および13(Lip-D1)または配列番号:14および15(Lip-B1)または配列番号:29−30。前記15μLの体積は以下を含んでいた:20ngのプールDNA、0.75x ExTaq緩衝液(Clonetech, Mountain View, CA)、1.1mMの追加MgCl2、0.3mM dNTP、0.3μMプライマー、0.009U Ex-TaqDNAポリメラーゼ(Clonetech, Mountain View, CA)、0.02単位DyNAzyme II DNAポリメラーゼ(Thermo Scientific)および必要ならば0.33MポリマーエイドPCRエンハンサー(Sigma-Aldrich(商標))。PCR増幅はMJ Research(商標)サーマルサイクラーを以下のように用いて実施した:95℃2分;8サイクルの「タッチダウンPCR」(94℃20秒、その後70−68℃30秒で開始しサイクル毎に1℃低下させるアニーリング工程、続いて1秒に付き0.5℃の温度上昇で72℃に、続いて72℃で1分間);94℃20秒、63又は65℃30秒、0.5℃/秒で72℃まで温度上昇、72℃1−2分間の25−45サイクル;72℃8分;98℃8分;80℃20秒;80℃7秒−0.3℃/サイクルの60サイクル。

0091

PCR生成物(2−4μL)を96ウェルプレートで消化した。以下を含む3μLの溶液を前記PCR生成物に低下した:6mMHEPES[4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸](pH7.0)、6mM MgCl2、6mM NaCl、0.012xTriton(商標)X-100、0.03mg/mLウシ血清アルブミン、0.5x T-Digest緩衝液(Advanced Analytical Technologies, Inc (AATI), Ames, IA)、各々0.912UのSurveyor(商標)エンドヌクレアーゼアンドエンハンサー(Transgenomic(商標), Inc)、および0.5xdsDNA切断酵素(AATI, Ames, IA)。消化反応物を45℃で45分間インキュベートした。Surveyor酵素の比活性は800U/μLであった(1Uは、37℃で1分間にpH8.5でせん断熱変性仔ウシ胸腺DNAから1ngの酸可溶性物質を生成するために必要な酵素量と製造業者によって定義された)。反応は、20μLの希釈緩衝液E(AATI, Ames, IA)または1x TEの添加によって停止させた。反応物は、フラグメントアナライザーキャピラリー電気泳動系(Fragment AnalyzerTM(AATI, Ames, IA)Capillary Electrophoresis System)で泳動するまでフリーザーで保存した。サンプルは、DNF-920-K1000T変異ディスカバリーキット(AATI, Ames, IA)を製造業者のプロトコルにしたがって用いフラグメントアナライザーで泳動した。
電気泳動後、PROSize(商標)2.0ソフト(AATI, Ames, IA)を用いてアッセイを分析した。ゲル画像は、96レーン全てに共通のバックグラウンドバンドをもつ配列特異的パターンを示した。稀な事象(例えば変異)は、バックグラウンドパターンから突出する新規なバンドを生じる。問題の変異の指標となるバンドを有する植物は、野生型DNA混合プールの個々のメンバーのTILLINGおよびその後の個々のPCR生成物の配列決定によって評価された。

0092

実施例2:Lip1系統の遺伝子型判定および植物育種
配列決定により確認した変異を保持する植物を上記のように生育させるか(例えば、バックグラウンド変異を除去するためにM3植物を複数回戻し交配又は異系交配するか、および/または変異についてホモ接合植物を作出するために自家受粉させることができよう)、または異なるゲノムホメオログにLip1変異を含む別の植物と交配し、さらに前記プロセスを繰り返した。各世代で、新規な対立遺伝子は植物材料で以下のように検証した:DNA抽出、および配列決定によるかまたは対立遺伝子特異的KASP(競合的対立遺伝子特異的PCR)分子マーカー(LGCGenomics, Beverly, MA)(前記は問題の対立遺伝子について特異的に開発された)の使用による遺伝子型判定。
KASP遺伝子型判定は、実施例1に記載したように若葉から抽出したDNAで実施された。各反応は、総反応体積10.14μL中に、5μLのマスターミックス(KASP High-Rox Universal 2X Master Mix, LGC Genomics)、0.14μLのKASPアッセイミックス、および40−60ngのDNAから成っていた。続いて、反応混合物を96ウェル様式で以下の温度サイクル条件を用いてPCR増幅した:94℃で15分、続いて92℃で20秒の後61℃で60秒置き55℃に達するまでサイクル毎に0.6℃ずつ下降させる工程を10サイクル、続いて94℃で20秒の後55℃で60秒の工程を35−40サイクル、最後に8℃で測定まで維持。その後の反応物は、公知の遺伝子型(Applied Biosystems, Inc, FosterCity, Ca, USA)をコントロールに用い、室温で7900HTファストリアルタイムPCR系またはクォントステューディオ(QuantStudio)3系により判定した。

0093

表6:Lip-A1およびLip-D1に変異対立遺伝子の組合せを有する代表的系統

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