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技術 ゲルネットワークの3Dプリンティング

出願人 オックスフォードユニヴァーシティイノヴェーションリミテッド
発明者 ベイリー、ジョンヘイガンプライスマ、シャオフア
出願日 2017年6月2日 (2年10ヶ月経過) 出願番号 2018-563528
公開日 2019年9月5日 (7ヶ月経過) 公開番号 2019-524059
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード 有限要素ソフト マイクロ形状 複合物体 流れ制御デバイス アスペクト比α 横直径 軸対称モデル 流体力学的トルク
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重要な関連分野

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図面 (20)

課題・解決手段

本発明は、ゲルネットワークを製造するための方法を提供し、該ゲルネットワークは、複数の接合したゲル物体を含んでおり、当該方法は:複数のゲル物体を1つ以上のマイクロ流体チャンネル中で形成することと;ゲル物体を1つ以上のマイクロ流体チャンネルからネットワークを製造するための領域の中へと分配することと;前記領域において各ゲル物体を少なくとも1つのその他のゲル物体と接触させて、ゲル物体の間の接触領域において各ゲル物体を少なくとも1つのその他のゲル物体に接合させることとを含んでいる。本発明はまた、複数のゲル物体を含む接合したゲル物体のネットワークを提供し、各ゲル物体は、ゲル物体の間の接続領域において隣接するゲル物体に接合する。また、ゲルネットワークの種々の考え得る使用が提供される。

概要

背景

発明の背景
ゲル物体は、多様な範囲の分野(光学デバイス新規材料および生体工学においても)において有用な構成要素を提供するかも知れないと考えられている。

個別のゲル物体を製造するための種々の技術が提案されている。ゲル物体は、フローリソグラフィー(Dendukuri et al., Nature Materials, 5, 365−369 (2006))により、ゲルの流れを光重合してゲルの流れ内物体を製造することによって製造される。この技術は、大量の材料を浪費し、かつ、高価な高精度機器を必要とする。さらに、製造されてもよい物体のサイズは、材料を光重合するのに用いられるレーザー侵入深度によって制限される。ゲル物体を作成するのに用いられる別の技術が、凍結切開である(Bhaskar et al., Angewandte Chemie, 121, 4659−4663 (2009))。しかしながら、この技術は、ゲル物体内細胞カプセル化または後に続く生体細胞の添加と適合しない。凍結切開されたゲル物体は、それらが生細胞を支持し得るようになる前に官能化されなければならない。個別のゲル物体はまた、マイクロ流体チャンネル中のゲルを光重合して、硬化した物体を製造することによって製造される(Cheng et al., J. Colloid and Interface Science, 421, 64−70 (2014))。先の場合と同様、この技術はUV光を必要とし、かつ、光浸透度および架橋効率によって制限される。これら手法はすべて、個別のゲル物体の空間的制御を欠き、したがって、ネットワークの中へのかかるゲル物体の位置決めと適合しない。さらに、これら技術は、硬化した表面を有するゲル物体を製造し、該ゲル物体は、ゲルネットワークを形成するのが困難である。

ゲル物体のネットワークは、国際公開第2014/064459号公報において説明されている。この特許出願は、油系媒体中の個別のヒドロゲル物体の形成について説明しており、これは、物体が非重合両親媒性分子二重層被覆されるようになることを引き起こす。二重層で被覆された物体は、一緒に押し潰されて、隣接する物体のネットワークを形成してもよい。

上述の技術およびネットワークは、特に操作された小組織の分野において改善の余地を残している。操作された小組織は、臓器治療において有望であり、かつ、有意に低価での創薬加速させるためのインビトロ組織モデルとして有望である。臓器のモデルとして適切な3次元足場を操作することは大きな困難であったが、マイクロスケールにおける足場のジオメトリーが細胞挙動を操るという事実に起因して、満たすべき重要なものであった(Ma et al., Nature Communications, 6, 1−10 (2015))。したがって、生きている組織の挙動を正確に具現化する合成組織または臓器を提供するために、生きている組織の階層構造模倣した3Dの足場を提供することが極めて重要である。しかしながら、実際の組織の複雑な構造の再構成は、組織のインビトロでの製作にとって大きな困難であった。ほとんどの組織は、10〜100ミクロンスケール繰り返し単位を含んでいる。重要な例は、消化管筋肉組織靭帯およびのような配向された細長い(ロッド様の)繰り返し単位を含む組織であり、かつ、これら構造のインビトロで操作されたものの需要がある。

直方体状の細胞を搭載したマイクロゲル断片の有向集合は、疎水性効果、DNAハイブリダイゼーションおよび分子認識によって駆動された規則構造を製造する。しかしながら、これら手法は数個のマイクロゲル断片を収容し得るに過ぎず、したがって、スケーラビリティーが問題である。音響放射力は多数の直方体を集合させ得るが、細長いゲル断片の配向についての制御を欠くプログラミングされた配向で100〜10,000の細長いマイクロゲル形状をパターニングすることは、困難なままである。マイクロ押出プリンティングインクジェットプリンティング、レーザー支援プリンティングおよび油中水小滴プリンティングを含む種々の既存の3Dプリンティング技術は、繰り返し単位として細長いマイクロゲル形状を管理することができない。

複雑な機能的構造を有する臓器系の1つの例が、消化管である。内部表面層または上皮絨毛で覆われており、このことは表面積を増大させ、かつ、吸収効率を促進させる。上皮の特徴的なジオメトリーは、代謝活動、免疫および炎症性腸疾患のような病理学的疾患における腸内微生物叢宿主との相互作用ならびに宿主と細菌の相利共生において重要な役割を演じる(Guarner et al., The Lancet, 361, 512−519 (2003))。例えば、腸上皮細胞物理的障壁構築し、かつ、共生細菌を分離し(Artis et al., Nature Reviews Immunology, 13, 141−153 (2014))、かつ、腸のジオメトリーは、細菌微生物叢空間的分布を調整する(Donaldson et al., 14, 20−32 (2016))。さらに、上皮の生長及び上皮細胞の移動は、それらが上に乗せられるマトリックスのジオメトリーによって操られる(Sung 24 al., 11, 3890392 (2011))。

強く柔軟であり、かつ、細胞を支持することが可能であるゲル物体のネットワークであり、個別の異方要素の配向が精密に制御された前記ネットワークの必要性が残ったままである。さらに、任意の媒体中でかかる物体を製造するための方法の必要性が残ったままであり、該方法は迅速であり、かつ、高価な精密機器に依拠しない。

概要

本発明は、ゲルネットワークを製造するための方法を提供し、該ゲルネットワークは、複数の接合したゲル物体を含んでおり、当該方法は:複数のゲル物体を1つ以上のマイクロ流体チャンネル中で形成することと;ゲル物体を1つ以上のマイクロ流体チャンネルからネットワークを製造するための領域の中へと分配することと;前記領域において各ゲル物体を少なくとも1つのその他のゲル物体と接触させて、ゲル物体の間の接触領域において各ゲル物体を少なくとも1つのその他のゲル物体に接合させることとを含んでいる。本発明はまた、複数のゲル物体を含む接合したゲル物体のネットワークを提供し、各ゲル物体は、ゲル物体の間の接続領域において隣接するゲル物体に接合する。また、ゲルネットワークの種々の考え得る使用が提供される。e

目的

発明の背景
ゲル物体は、多様な範囲の分野(光学デバイス、新規材料および生体工学においても)において有用な構成要素を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
- 件
牽制数
- 件

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請求項1

ゲルネットワークを製造するための方法であって、該ゲルネットワークは、複数の接合したゲル物体を含んでおり、当該方法は:複数のゲル物体を1つ以上のマイクロ流体チャンネル中で形成することと;前記ゲル物体を前記の1つ以上のマイクロ流体チャンネルから前記ネットワークを製造するための領域の中へと分配することと;前記領域において各ゲル物体を少なくとも1つのその他のゲル物体と接触させて、前記ゲル物体の間の接触領域において各ゲル物体を少なくとも1つのその他のゲル物体に接合させることとを含んでいる、前記方法。

請求項2

当該方法が:第1のゲル物体および第2のゲル物体をマイクロ流体チャンネル中で形成することと;前記の第1および第2のゲル物体を前記マイクロ流体チャンネルから前記ネットワークを製造するための領域の中へと分配することと;前記領域において前記の第1のゲル物体を前記の第2のゲル物体と接触させて、前記の第1および第2のゲル物体の間の接触領域において前記の第1のゲル物体を前記の第2のゲル物体に接合させることとを含んでいる、請求項1に記載の方法。

請求項3

1つ以上のさらなるゲル物体を前記マイクロ流体チャンネル中で形成することと;前記の1つ以上のさらなるゲル物体を前記マイクロ流体チャンネルから前記ネットワークを製造するための前記領域の中へと分配することと;前記領域において前記の1つ以上のさらなるゲル物体をそれぞれ前記の第1のゲル物体、前記の第2のゲル物体またはさらなるゲル物体と接触させて、前記ゲル物体の間の接触領域においてさらなるゲル物体をそれぞれ少なくとも1つのその他のゲル物体に接合させることとをさらに含んでいる、請求項2に記載の方法。

請求項4

前記の第1、第2およびさらなるゲル物体が、合計で少なくとも50のゲル物体である、請求項3に記載の方法。

請求項5

前記ゲルネットワークが、少なくとも50の接合したゲル物体を含んでいる、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。

請求項6

前記ゲルネットワークを製造するための前記領域が、前記ゲル物体とは混ざらない液体媒体を含んでいる、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。

請求項7

前記ゲルネットワークを製造するための前記領域が、流動性ゲル前駆体材料であって、それから前記ゲル物体が形成される前記の流動性のゲル前駆体材料とは混ざらない液体媒体を含んでいる、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。

請求項8

マイクロ流体チャンネルを、前記マイクロ流体チャンネルからゲル物体を分配する間に、前記ネットワークを製造するための前記領域に対して移動させることをさらに含んでいる、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。

請求項9

各ゲル物体が、前記ネットワークを製造するための前記領域において、少なくとも1つのその他のゲル物体に隣接して分配される、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。

請求項10

各ゲル物体が前記ネットワークを製造するための前記領域においてその他のゲル物体に対して分配される位置を制御することを含んでいる、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。

請求項11

前記ネットワークを製造するための前記領域においてその他のゲル物体に対して分配される各ゲル物体の配向を制御することを含んでいる、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。

請求項12

前記ネットワークを製造するための前記領域においてその他のゲル物体に対して、各ゲルが分配される位置を制御することと、分配される各ゲル物体の配向を制御することとを含んでいる、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。

請求項13

異なるタイプのゲル物体がマイクロ流体チャンネル内で形成されるシーケンスを制御し、したがって、前記ゲルネットワーク内の前記ゲル物体の相対位置を制御することを含んでいる、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。

請求項14

前記ゲルネットワークが、ヒトもしくは動物体内臓器または組織の形状を有する、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。

請求項15

前記ゲルネットワークが、ヒトもしくは動物の体内の臓器または組織の形状を有し、かつ、当該方法が、前記形状を有する前記ゲルネットワークを製造するために前記制御を含んでいる、請求項10〜12のいずれか一項に記載の方法。

請求項16

前記ゲルネットワークが、ヒト小腸またはヒト大腸の一部の形状を有する、請求項14または請求項15に記載の方法。

請求項17

前記の複数のゲル物体を1つ以上のマイクロ流体チャンネル中で形成することが:複数の不完全にゲル化したゲル物体を前記の1つ以上のマイクロ流体チャンネル中で形成することを含んでおり;前記ゲル物体を前記の1つ以上のマイクロ流体チャンネルから前記ネットワークを製造するための前記領域の中へと分配することが:前記の不完全にゲル化したゲル物体を前記の1つ以上のマイクロ流体チャンネルから前記ネットワークを製造するための前記領域の中へと分配することを含んでおり;かつ、前記ネットワークを製造するための前記領域において各ゲル物体を少なくとも1つのその他のゲル物体と接触させることが:不完全にゲル化したゲル物体をそれぞれ、少なくとも1つのその他の不完全にゲル化したゲル物体と接触させて、前記ゲル物体の間の接触領域において各ゲル物体を少なくとも1つのその他のゲル物体に接合させることを含んでいる、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。

請求項18

不完全にゲル化したゲル物体をそれぞれ、少なくとも1つのその他の不完全にゲル化したゲル物体と接触させることが、不完全にゲル化したゲル物体がそれぞれ、前記ゲル物体の間の接触領域において少なくとも1つの不完全にゲル化したゲル物体と溶解することを引き起こし、溶解領域においてゲル化が起こり、前記ゲル物体の間にゲル結合を形成する、請求項17に記載の方法。

請求項19

前記ゲル物体が、それらが互いと接触する時は不完全にゲル化しており、かつ、当該方法が、前記ネットワークを製造するための前記領域において各ゲル物体を少なくとも1つのその他のゲル物体と接触させて、前記ゲル物体の間の接触領域において各ゲル物体と少なくとも1つのその他のゲル物体との間にゲル結合を形成することを含んでいる、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。

請求項20

各ゲル物体を少なくとも1つのその他のゲル物体に接合させることが、前記ゲル物体の間の前記接触領域において各ゲル物体と少なくとも1つのその他のゲル物体との間にゲル結合を形成することを含んでいる、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。

請求項21

前記ゲル物体を前記の1つ以上のマイクロ流体チャンネル中で流動性のゲル前駆体材料から形成することを含んでおり、該ゲル前駆体材料は、ゲル形成剤流体とを含んでいる、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。

請求項22

前記の流動性のゲル前駆体材料が生体細胞を含んでいる、請求項21に記載の方法。

請求項23

前記ネットワークを製造するための前記領域が、疎水性液体を含んでおり、かつ、前記ゲル前駆体材料が、前記ゲル形成剤と水とを含むヒドロゲル前駆体材料である、請求項21または22に記載の方法。

請求項24

前記ゲル物体がヒドロゲル物体である、請求項23に記載の方法。

請求項25

前記ゲル前駆体材料が、温度の制御されたゾルゲル転移を経験することが可能である、請求項21〜24のいずれか一項に記載の方法。

請求項26

各ゲル物体を前記の1つ以上のマイクロ流体チャンネル中で形成することが、前記ゲル前駆体材料の温度を制御することをさらに含んでいる、請求項21〜25のいずれか一項に記載の方法。

請求項27

前記ゲル物体を1つ以上のマイクロ流体チャンネル中で形成することが:(a)ゲル前駆体材料を第1の温度で維持することと;(b)前記ゲル前駆体材料を前記の1つ以上のマイクロ流体チャンネルの中へと導入することと;(c)前記の1つ以上のマイクロ流体チャンネルを第2の温度で維持することとを含んでおり、該第2の温度は前記の第1の温度と異なり、好ましくは、前記の第2の温度は前記の第1の温度より低い、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法

請求項28

前記の第1の温度が30℃よりも大きく、かつ、前記の第2の温度が30℃よりも小さい、請求項27に記載の方法。

請求項29

前記の第1の温度が30℃よりも小さく、かつ、前記の第2の温度が30℃よりも大きい、請求項27に記載の方法。

請求項30

前記ゲル前駆体材料が、キレート剤と接触する時にゾル−ゲル転移を経験することが可能である、請求項21〜24のいずれか一項に記載の方法。

請求項31

前記ゲル物体を1つ以上のマイクロ流体チャンネル中で形成することが、(a)ゲル前駆体材料をゲル前駆体入口においてマイクロ流体チャンネルの中へと導入することと;(b)キレート剤をキレート剤入口において前記マイクロ流体チャンネルの中に導入することと;(c)前記ゲル前駆体材料が前記キレート剤と混ざることを可能にすることとを含んでいる、請求項30に記載の方法。

請求項32

前記の1つ以上のマイクロ流体チャンネルが、10〜2000μmの直径を有する、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。

請求項33

各ゲル物体をマイクロ流体チャンネル中で形成することが、前記ゲル物体および隣接プラグを前記マイクロ流体チャンネル中で形成することを含んでおり;かつ、ゲル物体をマイクロ流体チャンネルから分配することが、前記ゲル物体を分配することと、前記マイクロ流体チャンネルから隣接プラグを分配することとを含んでいる、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。

請求項34

前記プラグが、前記ゲル物体とは混ざらず、かつ、ゲル前駆体材料であってそれから前記ゲル物体が形成される前記ゲル前駆体材料とも混ざらない液体である、請求項33に記載の方法。

請求項35

当該方法がコンピュータープログラムによって制御される、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。

請求項36

前記コンピュータープログラムが、ゲル前駆体材料であってそれから前記ゲル物体が形成される前記ゲル前駆体材料が前記の1つ以上のマイクロ流体チャンネルの中に入る量および/またはゲル前駆体材料であってそれから前記ゲル物体が形成される前記ゲル前駆体材料が前記の1つ以上のマイクロ流体チャンネルの中に入る時間を制御する、請求項35に記載の方法。

請求項37

前記ゲル物体がヒドロゲル物体である、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。

請求項38

インキュベーション期間の間、接合したゲル物体の前記ネットワークをインキュベートすることをさらに含んでいる、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。

請求項39

前記インキュベーション期間中、接合したゲル物体の前記ネットワークが、その中のゲルのゾル−ゲル転移温度より下の温度にて貯蔵される、請求項38に記載の方法。

請求項40

架橋テップをさらに含んでいる、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。

請求項41

当該方法が界面活性剤不在下で実行される、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。

請求項42

当該方法が、前記ゲルネットワークを、前記ゲル物体とは混ざらない前記液体媒体から水性媒体へと移動させるステップを含んでいる、請求項6〜41のいずれか一項に記載の方法。

請求項43

前記ゲル物体がロッド形状である、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。

請求項44

前記のロッド形状のゲル物体が、直径が10μm〜2000μmであり、かつ、長さが10μm〜10mmである、請求項43に記載の方法。

請求項45

各ゲル物体が、1.0×10−7μl〜10μl、好ましくは1.0×10−3μl〜1μlの体積を有する、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。

請求項46

前記ゲルネットワークが、1mm3〜500cm3、好ましくは0.5cm3〜200cm3、より好ましくは5cm3〜100cm3、より好ましくは10cm3〜80cm3の体積を有する、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。

請求項47

前記ゲル物体が、異なる組成の領域を有するゲル物体を含んでおり、異なる組成の領域を有する各ゲル物体は:第1の領域と第2の領域とを含んでおり、前記の第1の領域は、前記の第2の領域のものとは異なる組成を有する、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。

請求項48

前記の第1の領域が前記の第2の領域のない材料を含んでいるか、または、前記の第1および第2の領域が異なる濃度で材料を含んでおり、必要に応じて、前記材料は、治療剤診断剤タンパク質酵素核酸、生体細胞またはゲル形成剤である、請求項47に記載の方法。

請求項49

複数のゲル物体を1つ以上のマイクロ流体チャンネル中で形成することが、前記マイクロ流体チャンネルまたは各マイクロ流体チャンネル内に、第1のゲル前駆体材料の一部に隣接して第2のゲル物体の一部を導入することを含んでおり、前記の第1および第2のゲル前駆体材料の組成は異なっている、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。

請求項50

前記の第1のゲル前駆体材料が前記の第2のゲル前駆体材料のない材料を含んでいるか、または、前記の第1および第2のゲル前駆体材料が異なる濃度で材料を含んでおり、必要に応じて、前記材料は、治療剤、診断剤、タンパク質、酵素、核酸、生体細胞またはゲル形成剤である、請求項49に記載の方法。

請求項51

前記ゲル物体がヤヌスロッドを含んでいる、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。

請求項52

前記ゲルネットワークが、請求項54〜78のいずれか一項に記載のものである、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。

請求項53

複数のゲル物体を含むネットワークであって、当該ネットワークは請求項1〜52のいずれか一項に記載の方法によって取得可能である、前記ネットワーク。

請求項54

接合したゲル物体のネットワークであって、当該ネットワークは複数のゲル物体を含んでおり、各ゲル物体は、前記ゲル物体の間の接触領域において隣接するゲル物体に接合している、前記ネットワーク。

請求項55

前記の接合したゲル物体が、前記ゲル物体の間の接合個所において互いにゲル化している、請求項54に記載の接合したゲル物体のネットワーク。

請求項56

当該ネットワークが、前記の接合したゲル物体の間にゲル結合を含んでいる、請求項54または請求項55に記載の接合したゲル物体のネットワーク。

請求項57

前記ゲル物体の間の接合個所におけるゲルの粘度が、前記ゲル物体のバルク中のゲルの粘度と同一である、請求項54〜56のいずれか一項に記載の接合したゲル物体のネットワーク。

請求項58

前記ゲル物体がロッド形状である、請求項54〜57のいずれか一項に記載の接合したゲル物体のネットワーク。

請求項59

前記のロッド形状のゲル物体が、直径が10μm〜2000μmであり、かつ、長さが10μm〜10mmである、請求項58に記載の接合したゲル物体のネットワーク。

請求項60

各ゲル物体が、1.0×10−7μl〜10μl、好ましくは1.0×10−3μl〜1μlの体積を有する、請求項54〜59のいずれか一項に記載の接合したゲル物体のネットワーク。

請求項61

前記ゲルネットワークが、1mm3〜500cm3、好ましくは0.5cm3〜200cm3、より好ましくは5cm3〜100cm3、より好ましくは10cm3〜80cm3の体積を有する、請求項54〜60のいずれか一項に記載の接合したゲル物体のネットワーク。

請求項62

前記ゲル物体が、異なる組成の領域を有するゲル物体を含んでいる、請求項54〜61のいずれか一項に記載の接合したゲル物体のネットワーク。

請求項63

異なる組成の領域を有する各ゲル物体が:第1の領域と第2の領域とを含んでおり、前記の第1の領域は、前記の第2の領域のものとは異なる組成を有し、前記の第1の領域が前記の第2の領域のない材料を含んでいるか、または、前記の第1および第2の領域が異なる濃度で材料を含んでおり、必要に応じて、前記材料は、治療剤、診断剤、タンパク質、酵素、核酸、生体細胞またはゲル形成剤である、請求項62に記載の接合したゲル物体のネットワーク。

請求項64

異なる組成の領域を有する前記ゲル物体がロッド形状である、請求項62または請求項63に記載の接合したゲル物体のネットワーク。

請求項65

前記のロッド形状のゲル物体がヤヌスロッドである、請求項64に記載の接合したゲル物体のネットワーク。

請求項66

複数の前記のロッド形状のゲル物体が、互いに対して平行に配置されている、請求項58、59、64および65のいずれか一項に記載の接合したゲル物体のネットワーク。

請求項67

当該ネットワークの各平面内で、複数の前記のロッド形状のゲル物体中のそれぞれのロッド形状のゲル物体の対称軸が、前記のロッドの中心によって形成される線に対して同一の角度で配向されている、 請求項58、59、64および65のいずれか一項に記載の接合したゲル物体のネットワーク。

請求項68

前記ゲル物体が、異なる化学的組成を有する少なくとも2つの別個ゲル領域を含んでおり、前記の別個のゲル領域は、ロッドの対称軸に沿って整列している、請求項54〜67のいずれか一項に記載の接合したゲル物体のネットワーク。

請求項69

前記ゲル物体がヒドロゲル物体である、請求項54〜68のいずれか一項に記載の接合したゲル物体のネットワーク。

請求項70

前記ゲル物体が、ゼラチン、ゼラチンメタクリレートまたはマトリゲルを含んでいる、請求項54〜68のいずれか一項に記載の接合したゲル物体のネットワーク。

請求項71

接合したゲル物体の当該ネットワークが、細胞外マトリックス材料をさらに含んでおり、必要に応じて、前記細胞外マトリックス材料は、コラーゲン、マトリゲル、ラミンまたはフィブロネクチンである、請求項54〜70のいずれか一項に記載の接合したゲル物体のネットワーク。

請求項72

接合したゲル物体の当該ネットワークが、生体細胞をさらに含んでいる、請求項54〜71のいずれか一項に記載の接合したゲル物体のネットワーク。

請求項73

前記生体細胞が哺乳類細胞であり、好ましくはヒト細胞である、請求項72に記載の接合したゲル物体のネットワーク。

請求項74

前記生体細胞が初代細胞である、請求項72または73に記載のネットワーク。

請求項75

前記生体細胞が、ヒト胚細胞幹細胞線維芽細胞筋芽細胞筋線維芽細胞およびヒト結腸細胞のようなヒト腸細胞のうちの1つ以上から選択される、請求項72〜74のいずれか一項に記載のネットワーク。

請求項76

当該ネットワークが支持材料を含んでいる、請求項54〜75のいずれか一項に記載の接合したゲル物体のネットワーク。

請求項77

前記支持材料が熱応答性材料である、請求項76に記載の接合したゲル物体のネットワーク。

請求項78

生体組織モデルとしての;インビボインプラントとしての;薬物送達の方法における;組織結合、例えば、損傷した組織の修復における;光学デバイスにおける;または、電子デバイスにおける、請求項54〜77のいずれか一項に記載の接合したゲル物体のネットワークの使用。

技術分野

0001

発明の分野
本発明は、互いに接合した複数のゲル物体を含むネットワークに関する。ネットワーク中の物体は、2または3次元設計にて配置されていてもよい。本発明はまた、本発明によるネットワークを製造するのに適したマイクロ流体プロセスに関する。ネットワークの種々の考え得る用途が、本明細書中で説明される。

背景技術

0002

発明の背景
ゲル物体は、多様な範囲の分野(光学デバイス新規材料および生体工学においても)において有用な構成要素を提供するかも知れないと考えられている。

0003

個別のゲル物体を製造するための種々の技術が提案されている。ゲル物体は、フローリソグラフィー(Dendukuri et al., Nature Materials, 5, 365−369 (2006))により、ゲルの流れを光重合してゲルの流れ内に物体を製造することによって製造される。この技術は、大量の材料を浪費し、かつ、高価な高精度機器を必要とする。さらに、製造されてもよい物体のサイズは、材料を光重合するのに用いられるレーザー侵入深度によって制限される。ゲル物体を作成するのに用いられる別の技術が、凍結切開である(Bhaskar et al., Angewandte Chemie, 121, 4659−4663 (2009))。しかしながら、この技術は、ゲル物体内細胞カプセル化または後に続く生体細胞の添加と適合しない。凍結切開されたゲル物体は、それらが生細胞を支持し得るようになる前に官能化されなければならない。個別のゲル物体はまた、マイクロ流体チャンネル中のゲルを光重合して、硬化した物体を製造することによって製造される(Cheng et al., J. Colloid and Interface Science, 421, 64−70 (2014))。先の場合と同様、この技術はUV光を必要とし、かつ、光浸透度および架橋効率によって制限される。これら手法はすべて、個別のゲル物体の空間的制御を欠き、したがって、ネットワークの中へのかかるゲル物体の位置決めと適合しない。さらに、これら技術は、硬化した表面を有するゲル物体を製造し、該ゲル物体は、ゲルネットワークを形成するのが困難である。

0004

ゲル物体のネットワークは、国際公開第2014/064459号公報において説明されている。この特許出願は、油系媒体中の個別のヒドロゲル物体の形成について説明しており、これは、物体が非重合両親媒性分子二重層被覆されるようになることを引き起こす。二重層で被覆された物体は、一緒に押し潰されて、隣接する物体のネットワークを形成してもよい。

0005

上述の技術およびネットワークは、特に操作された小組織の分野において改善の余地を残している。操作された小組織は、臓器治療において有望であり、かつ、有意に低価での創薬加速させるためのインビトロ組織モデルとして有望である。臓器のモデルとして適切な3次元の足場を操作することは大きな困難であったが、マイクロスケールにおける足場のジオメトリーが細胞挙動を操るという事実に起因して、満たすべき重要なものであった(Ma et al., Nature Communications, 6, 1−10 (2015))。したがって、生きている組織の挙動を正確に具現化する合成組織または臓器を提供するために、生きている組織の階層構造模倣した3Dの足場を提供することが極めて重要である。しかしながら、実際の組織の複雑な構造の再構成は、組織のインビトロでの製作にとって大きな困難であった。ほとんどの組織は、10〜100ミクロンスケール繰り返し単位を含んでいる。重要な例は、消化管筋肉組織靭帯およびのような配向された細長い(ロッド様の)繰り返し単位を含む組織であり、かつ、これら構造のインビトロで操作されたものの需要がある。

0006

直方体状の細胞を搭載したマイクロゲル断片の有向集合は、疎水性効果、DNAハイブリダイゼーションおよび分子認識によって駆動された規則構造を製造する。しかしながら、これら手法は数個のマイクロゲル断片を収容し得るに過ぎず、したがって、スケーラビリティーが問題である。音響放射力は多数の直方体を集合させ得るが、細長いゲル断片の配向についての制御を欠くプログラミングされた配向で100〜10,000の細長いマイクロゲル形状をパターニングすることは、困難なままである。マイクロ押出プリンティングインクジェットプリンティング、レーザー支援プリンティングおよび油中水小滴プリンティングを含む種々の既存の3Dプリンティング技術は、繰り返し単位として細長いマイクロゲル形状を管理することができない。

0007

複雑な機能的構造を有する臓器系の1つの例が、消化管である。内部表面層または上皮絨毛で覆われており、このことは表面積を増大させ、かつ、吸収効率を促進させる。上皮の特徴的なジオメトリーは、代謝活動、免疫および炎症性腸疾患のような病理学的疾患における腸内微生物叢宿主との相互作用ならびに宿主と細菌の相利共生において重要な役割を演じる(Guarner et al., The Lancet, 361, 512−519 (2003))。例えば、腸上皮細胞物理的障壁構築し、かつ、共生細菌を分離し(Artis et al., Nature Reviews Immunology, 13, 141−153 (2014))、かつ、腸のジオメトリーは、細菌微生物叢空間的分布を調整する(Donaldson et al., 14, 20−32 (2016))。さらに、上皮の生長及び上皮細胞の移動は、それらが上に乗せられるマトリックスのジオメトリーによって操られる(Sung 24 al., 11, 3890392 (2011))。

0008

強く柔軟であり、かつ、細胞を支持することが可能であるゲル物体のネットワークであり、個別の異方要素の配向が精密に制御された前記ネットワークの必要性が残ったままである。さらに、任意の媒体中でかかる物体を製造するための方法の必要性が残ったままであり、該方法は迅速であり、かつ、高価な精密機器に依拠しない。

0009

本発明者らはここで、ゲル物体のネットワークを製造するための方法を提供し、該ネットワークは、注目すべき強度を有する。ネットワーク内の各ゲル物体の配向は、精密に制御されていてもよく、複雑な3次元構造を有するネットワークの作成を可能にする。個別のゲル物体は、本明細書では要素またはネットワークの要素と呼ばれてもよい。

0010

本発明の方法は、3次元プリンティング方法である。当該方法は、個別のゲル物体をマイクロ流体チャンネル中で形成することと、その後で、ゲル物体を的確に選択された位置において分配することとを伴う。いくつかの実施形態では、各ゲル物体の配向もまた、個別対応されている。その後、ゲル物体は、ゲル物体の間の接触領域において接触し、かつ、接合する。ゲル物体はしばしば、それらが接触する時には不完全にゲル化しており、接触領域において物体が一緒に溶解することと、それら溶解した領域内でさらにゲル化することとを容易にし、ゲル物体の間の強い接合個所を形成する。

0011

本発明によれば、ゲル物体の製作は、マイクロ流体チャンネル中で起こる。ゲルの部分と、ゲルとは混ざらない媒体のプラグとが、チャンネル内で交互になっている。この段階では、ゲル物体は通常、不完全にゲル化している。ゲル物体はチャンネル中では互いに接触せず、したがって界面活性剤の必要性は除去される。マイクロ流体チャンネルからのゲル物体の分配は、パターンの形成と同期される。したがって、各ゲル物体は、例えばコンピュータープログラム(ネットワーク内の個別のゲル物体の位置を決定する)によって予め決められた位置において分配されてもよい。ゲル物体は、典型的には、それらが分配される時には不完全にゲル化している。このことは、さらなるゲル化が2つのゲル物体の間の接触領域において起こることを可能にする。ゲル物体は、接触点において溶解していると言われてもよい。2つのゲル物体の間の接触領域におけるさらなるゲル化は、隣接する物体の間の強力な接着を作り出す。このことは、隣接するゲル物体の間のゲル結合の形成として説明されてもよい。上述したように、このことは、強力な接着結合を作り出し、かつ、全体としてネットワークに大きな強度を付与する。ゲル物体の間の結合の強度は、驚くほど大きなネットワークが支持されることを可能にする。それはまた、ネットワーク内のゲル物体の位置および配向を固定する。

0012

当該方法は、あらゆるゲルと適合する。当該方法のこの特徴は、当該方法が非常に柔軟であることを意味する点において有利である。さらに、当該方法は、多数の種類のゲル物体を含むネットワークを製造するのに用いられてもよい。把握されるように、異なる物体のネットワークを構築する能力は、複雑な物体の作成を可能にする。例えば、本発明の方法は、ヒト組織または光学デバイスの多層構造を模倣するために、異なる特性を有する層を有するネットワークを構築し得る。

0013

当該方法は、ネットワークがあらゆる媒体中で形成されることを可能にする。したがって、当該方法は、媒体中にネットワークを形成するための方法におけるステップの数を減らすかも知れない。例えば、本発明の方法により、親水性ゲルを含むゲル物体のネットワークが、水性媒体中直接製造されてもよい。かかるネットワークが水性媒体中で用いられることが意図されれば、本発明の方法は、それゆえに、疎水性媒体中でネットワークを製造し、その後、それを親水性媒体へと移す必要性を回避する。したがって、本発明の方法は、インサイチュでネットワークを製造するのに用いられ得る。このことは、本発明によるネットワークが手術中にインビボで製造され得る生物医学用途において、非常に特別な利点である。

0014

当該方法自体は、あらゆる媒体中でのネットワークの形成と適合するが、すべてのゲル物体がすべての媒体と適合するわけではないことは注目されるべきである。したがって、1つの媒体中でネットワークをプリントし、かつ、それを別の媒体に移すことが望ましいかも知れない。しかしながら、本発明のネットワークは、非常に強く結合しており、したがって、例えば油系媒体から水性媒体へと、ネットワークを損傷または破壊することなく容易に移されるかも知れない。

0015

本発明の方法によって製造されるゲル物体のサイズは、特に制限されない。先行技術の方法の多くは、対照的に、物体を製造するためにゲルの光重合に依拠しており、したがって、レーザーまたはその他の光源(例えばその他のUV光、もしくは、例えば青色光源)の侵入深度よりは大きくない物体の製造に制限される。同様に、本発明の方法によって製造される物体の形状は、特に制限されない。したがって、本発明のネットワークの特性は、本発明の一部を形成するゲル物体のサイズおよび形状を用いて調整されてもよい。

0016

さらに、当該方法はゲル物体のネットワークを提供し得、各ゲル物体の組成は複雑であってもよく、例えば異なる組成の異なる領域を含有する。このことは、以前は、層流境界面全体で光重合を開始することによって可能であった。しかしながら、層流はしばしば詰まりを引き起こし得、かつ、多数の層流を用いて多数のかかる領域を有するゲル物体を提供することは困難である。本発明の方法は、ゲルの多数の異なる領域を有するゲル物体を便宜に製造し得るので有利である。

0017

本発明の方法は、大きいネットワークが迅速に構築されることを可能にする;それは、高スループットな方法である。本発明のいくつかの実施形態では、本発明の方法は、コンピュータープログラムによって制御され、そのようであるので、迅速に発生するように自動化され得る。さらに、多数のゲル物体が、多数のマイクロ流体チャンネルを採用することによって同時に形成され得、このことは、ネットワークが迅速に成長することを可能にする。

0018

本発明の方法は、広範囲の形状を有し、かつ、広範囲の材料から作られるゲル物体のネットワークを作成し得る。さらに、本発明のネットワークは、特定の目的に適するようにするために官能化され得る。当該方法の柔軟性は、本発明のネットワークが広範囲の目的に適するように設計され得ることを意味する。例えば、本発明のネットワークは、生体工学において、光学デバイスにおいて、または新規材料として用いられてもよい。例えば、ゲルは生体適合性であってもよく、かつ、典型的には生体適合性であり、製造されるゲルネットワークが生体細胞を支持し、かつ、細胞足場として用いられてもよいようになっている。

0019

したがって、本発明はゲルネットワークを製造するための方法を提供し、該ゲルネットワークは複数の接合したゲル物体を含み、当該方法は:
複数のゲル物体を1つ以上のマイクロ流体チャンネル中で形成することと;
ゲル物体を1つ以上のマイクロ流体チャンネルからネットワークを製造するための領域の中へと分配することと;
前記領域において各ゲル物体を少なくとも1つのその他のゲル物体と接触させて、ゲル物体の間の接触領域において各ゲル物体を少なくとも1つのその他のゲル物体に接合させることとを含んでいる。

0020

本発明者らはまた、本発明の方法によって取得可能である、ゲル物体のネットワークを提供する。当該ネットワークは注目すべき強度を有し、かつ、個別のゲル物体のそれぞれの配向は、精密に制御されていてもよい。ゲル物体のネットワークは、本発明の方法によって取得されてもよい。

0021

さらなる態様では、本発明は接合したゲル物体のネットワークを提供し、当該ネットワークは複数のゲル物体を含んでおり、各ゲル物体は、ゲル物体の間の接触領域において隣接するゲル物体に接合する。

0022

本発明はまた、生物組織のモデルとしての;インビボインプラントとしての;創薬の方法における;組織結合における(例えば、損傷した組織の修復における);光学デバイスにおける;または電子デバイスにおける、本発明による接合したゲル物体のネットワークの使用を提供する。

図面の簡単な説明

0023

図1は、ゲルマイクロロッドの3Dプリンティングのメカニズムを示している。画像(a)は、小滴ベースのマイクロ流体チュービングDMT)を用いてマイクロロッドをプリントする図である。矢尻で示されるチュービング出口は、チューブから分配されるマイクロロッドを配向するために傾いている。それは、基板と30°〜45°の角度をなして傾いている。(b)は、マイクロ流体チュービング(ID=200μm)中の様々なサイズのゼラチンメタクリレート(GelMa)の小滴の、明視野およびズームイン画像を示している。(c)は、GelMa相に対する油の体積流量比(Oo/Og)への、小滴のアスペクト比α依存度を示している。(d)は、GelMaの小滴から型取られた、マイクロスフェア楕円体およびロッドを示している。(e)は、それぞれ100μmおよび50μmの内径を有するチュービング中で形成されたマイクロロッドを示している。(f)は、マイクロスフェアチェーンおよびマイクロロッドネットワークの、溶解により誘導された形成を示している。スケールバー:200μm。
図1は、ゲルマイクロロッドの3Dプリンティングのメカニズムを示している。画像(a)は、小滴ベースのマイクロ流体チュービング(DMT)を用いてマイクロロッドをプリントする図である。矢尻で示されるチュービング出口は、チューブから分配されるマイクロロッドを配向するために傾いている。それは、基板と30°〜45°の角度をなして傾いている。(b)は、マイクロ流体チュービング(ID=200μm)中の様々なサイズのゼラチン−メタクリレート(GelMa)の小滴の、明視野およびズームイン画像を示している。(c)は、GelMa相に対する油の体積流量比(Oo/Og)への、小滴のアスペクト比αの依存度を示している。(d)は、GelMaの小滴から型取られた、マイクロスフェア、楕円体およびロッドを示している。(e)は、それぞれ100μmおよび50μmの内径を有するチュービング中で形成されたマイクロロッドを示している。(f)は、マイクロスフェアチェーンおよびマイクロロッドネットワークの、溶解により誘導された形成を示している。スケールバー:200μm。
図1は、ゲルマイクロロッドの3Dプリンティングのメカニズムを示している。画像(a)は、小滴ベースのマイクロ流体チュービング(DMT)を用いてマイクロロッドをプリントする図である。矢尻で示されるチュービング出口は、チューブから分配されるマイクロロッドを配向するために傾いている。それは、基板と30°〜45°の角度をなして傾いている。(b)は、マイクロ流体チュービング(ID=200μm)中の様々なサイズのゼラチン−メタクリレート(GelMa)の小滴の、明視野およびズームイン画像を示している。(c)は、GelMa相に対する油の体積流量比(Oo/Og)への、小滴のアスペクト比αの依存度を示している。(d)は、GelMaの小滴から型取られた、マイクロスフェア、楕円体およびロッドを示している。(e)は、それぞれ100μmおよび50μmの内径を有するチュービング中で形成されたマイクロロッドを示している。(f)は、マイクロスフェアチェーンおよびマイクロロッドネットワークの、溶解により誘導された形成を示している。スケールバー:200μm。
図2は、アレイ状のパターンまたはマイクロロッドに及ぼされてもよい制御を示しており、さらに、パターニングされたネットワークの、集合的でガイドされた形状変換を示している。画像(a〜d)は、平行マイクロロッドの3Dアレイを示しており、ロッドはプリンティング経路(ロッドの中心によって形成される線にほぼ対応する)に対して異なる角度((a,b)α=10 (c,d)α=8)にて配向されている。画像(a,c)に示されているアレイは油中にあり、かつ、アレイ(b,d)は相間移動後、水中にある。この場合はロッドの長さに概ね対応するネットワークの高さは、ほぼh=2.0mmである。画像(a’〜d’)は、フーリエ解析によって取得された画像(a〜d)におけるマイクロロッドの方向の標準化された周波数φを示している。φは、各ロッドの縦軸とプリンティング経路との間の角度として定められる。すべてのネットワークは、水へと移された後で光架橋され、かつ、37℃で20分間維持され、かつ、室温で復元された。画像(e,f)は、ピンセットを用いたマイクロロッドアレイの取扱いを示している。(e)では、油懸濁液中でアレイの一端(上を指した矢印によって示されている)がチュービング(下を指した矢印で示されている)の上へと上げられている。(f)では、アレイは油中で丸められ、ピンセットによって拾い上げられ、かつ、水中で再懸濁されている。画像(g〜k)は、ゲルシートの形状変換を示しており、該ゲルシートは、それらが含有するマイクロロッドの方向性によって影響を受けている。図(g)は、熱応答性シートを製作するための方法を示しており、(h)は、δ=45°(左)または90°(右)において整列したGelMaマイクロロッドを包囲するPNIPAMの熱応答性シートの側面図および平面図を示している。画像(i〜k)は、熱応答性シートの可逆的形状変換を示している。(i)はシート(δ=45°)構成の画像系列であり、(1)は温水(45℃)中におけるものであり、かつ、(2)は冷水(20℃)に移された時のものであり、(3)は再構成中のものであり、かつ、(4)は温水中で再構成されたものである。シートは、温水中ではらせん状の/ねじれた構成をとり、かつ、冷水中では弛緩した。(j)はシート(δ=90°)構成の画像系列であり、(1)は温水中におけるものであり、かつ、(2)は冷水に移された時のものであり、かつ、(3)は温水に戻された時のものである。シートは、温/冷水中で構成される時に縦/横軸に沿ってアーチをなしたが、変換は取るに足らないものであった。画像(k)は、温水中で対称に整列したマイクロロッド(δ=45°)を包囲する熱応答性シートを示しており、形状の再構成は取るに足らないものであった。スケールバー:2mm。
図2は、アレイ状のパターンまたはマイクロロッドに及ぼされてもよい制御を示しており、さらに、パターニングされたネットワークの、集合的でガイドされた形状変換を示している。画像(a〜d)は、平行マイクロロッドの3Dアレイを示しており、ロッドはプリンティング経路(ロッドの中心によって形成される線にほぼ対応する)に対して異なる角度((a,b)α=10 (c,d)α=8)にて配向されている。画像(a,c)に示されているアレイは油中にあり、かつ、アレイ(b,d)は相間移動後、水中にある。この場合はロッドの長さに概ね対応するネットワークの高さは、ほぼh=2.0mmである。画像(a’〜d’)は、フーリエ解析によって取得された画像(a〜d)におけるマイクロロッドの方向の標準化された周波数φを示している。φは、各ロッドの縦軸とプリンティング経路との間の角度として定められる。すべてのネットワークは、水へと移された後で光架橋され、かつ、37℃で20分間維持され、かつ、室温で復元された。画像(e,f)は、ピンセットを用いたマイクロロッドアレイの取扱いを示している。(e)では、油懸濁液中でアレイの一端(上を指した矢印によって示されている)がチュービング(下を指した矢印で示されている)の上へと上げられている。(f)では、アレイは油中で丸められ、ピンセットによって拾い上げられ、かつ、水中で再懸濁されている。画像(g〜k)は、ゲルシートの形状変換を示しており、該ゲルシートは、それらが含有するマイクロロッドの方向性によって影響を受けている。図(g)は、熱応答性シートを製作するための方法を示しており、(h)は、δ=45°(左)または90°(右)において整列したGelMaマイクロロッドを包囲するPNIPAMの熱応答性シートの側面図および平面図を示している。画像(i〜k)は、熱応答性シートの可逆的形状変換を示している。(i)はシート(δ=45°)構成の画像系列であり、(1)は温水(45℃)中におけるものであり、かつ、(2)は冷水(20℃)に移された時のものであり、(3)は再構成中のものであり、かつ、(4)は温水中で再構成されたものである。シートは、温水中ではらせん状の/ねじれた構成をとり、かつ、冷水中では弛緩した。(j)はシート(δ=90°)構成の画像系列であり、(1)は温水中におけるものであり、かつ、(2)は冷水に移された時のものであり、かつ、(3)は温水に戻された時のものである。シートは、温/冷水中で構成される時に縦/横軸に沿ってアーチをなしたが、変換は取るに足らないものであった。画像(k)は、温水中で対称に整列したマイクロロッド(δ=45°)を包囲する熱応答性シートを示しており、形状の再構成は取るに足らないものであった。スケールバー:2mm。
図2は、アレイ状のパターンまたはマイクロロッドに及ぼされてもよい制御を示しており、さらに、パターニングされたネットワークの、集合的でガイドされた形状変換を示している。画像(a〜d)は、平行マイクロロッドの3Dアレイを示しており、ロッドはプリンティング経路(ロッドの中心によって形成される線にほぼ対応する)に対して異なる角度((a,b)α=10 (c,d)α=8)にて配向されている。画像(a,c)に示されているアレイは油中にあり、かつ、アレイ(b,d)は相間移動後、水中にある。この場合はロッドの長さに概ね対応するネットワークの高さは、ほぼh=2.0mmである。画像(a’〜d’)は、フーリエ解析によって取得された画像(a〜d)におけるマイクロロッドの方向の標準化された周波数φを示している。φは、各ロッドの縦軸とプリンティング経路との間の角度として定められる。すべてのネットワークは、水へと移された後で光架橋され、かつ、37℃で20分間維持され、かつ、室温で復元された。画像(e,f)は、ピンセットを用いたマイクロロッドアレイの取扱いを示している。(e)では、油懸濁液中でアレイの一端(上を指した矢印によって示されている)がチュービング(下を指した矢印で示されている)の上へと上げられている。(f)では、アレイは油中で丸められ、ピンセットによって拾い上げられ、かつ、水中で再懸濁されている。画像(g〜k)は、ゲルシートの形状変換を示しており、該ゲルシートは、それらが含有するマイクロロッドの方向性によって影響を受けている。図(g)は、熱応答性シートを製作するための方法を示しており、(h)は、δ=45°(左)または90°(右)において整列したGelMaマイクロロッドを包囲するPNIPAMの熱応答性シートの側面図および平面図を示している。画像(i〜k)は、熱応答性シートの可逆的形状変換を示している。(i)はシート(δ=45°)構成の画像系列であり、(1)は温水(45℃)中におけるものであり、かつ、(2)は冷水(20℃)に移された時のものであり、(3)は再構成中のものであり、かつ、(4)は温水中で再構成されたものである。シートは、温水中ではらせん状の/ねじれた構成をとり、かつ、冷水中では弛緩した。(j)はシート(δ=90°)構成の画像系列であり、(1)は温水中におけるものであり、かつ、(2)は冷水に移された時のものであり、かつ、(3)は温水に戻された時のものである。シートは、温/冷水中で構成される時に縦/横軸に沿ってアーチをなしたが、変換は取るに足らないものであった。画像(k)は、温水中で対称に整列したマイクロロッド(δ=45°)を包囲する熱応答性シートを示しており、形状の再構成は取るに足らないものであった。スケールバー:2mm。
図3は、本発明の方法が、円形マイクロロッドアレイを、その中の物体の方向性の制御を維持しながら作成するのに用いられてもよいことを示している。画像(a)は、油で満たされたペトリ皿中に、ペトリ皿を一定の角速度で回転させることによって作成されたマイクロロッド(α=7)の2Dの円形パターンを示している。画像(b)は、角度θで表されたマイクロロッドの方向の定義を示している。(c)は、旋回速度流体力学速度ともいう)vへの方向θの依存度を示している:実験データ(ドット)およびフィッティングされた方程式実線曲線)。(d)は、旋回速度vおよびマイクロロッドのアスペクト比αへの方向θの依存度のコンターマップである。(e〜f)は、(e)油中および(f)相間移動後の水中のマイクロロッド(α=12)の3Dの円形パターンの明視野画像である。h=3.0mm。グラフ(g)は、ネットワークの第1層(h=0.1mm)および最上層(h=3.0mm)のマイクロロッドの方向θを示している。θの変化は、最下層から最上層までで取るに足らないものであり(<5%)、かつ、油および水の両方において同一であった。画像(h〜j)は、基板から削り落とされた後の水中の円形ネットワークを示している:(h)ビーカーの壁部に寄りかかっている;(i)ティップにより変形している;(j)水中で自由浮遊している時に円形形状を再獲得した。すべてのネットワークは、水へと移された後で光架橋され、かつ、37℃で20分間維持され、かつ、室温で復元された。スケールバー:2mm。
図3は、本発明の方法が、円形マイクロロッドアレイを、その中の物体の方向性の制御を維持しながら作成するのに用いられてもよいことを示している。画像(a)は、油で満たされたペトリ皿中に、ペトリ皿を一定の角速度で回転させることによって作成されたマイクロロッド(α=7)の2Dの円形パターンを示している。画像(b)は、角度θで表されたマイクロロッドの方向の定義を示している。(c)は、旋回速度(流体力学速度ともいう)vへの方向θの依存度を示している:実験データ(ドット)およびフィッティングされた方程式(実線の曲線)。(d)は、旋回速度vおよびマイクロロッドのアスペクト比αへの方向θの依存度のコンターマップである。(e〜f)は、(e)油中および(f)相間移動後の水中のマイクロロッド(α=12)の3Dの円形パターンの明視野画像である。h=3.0mm。グラフ(g)は、ネットワークの第1層(h=0.1mm)および最上層(h=3.0mm)のマイクロロッドの方向θを示している。θの変化は、最下層から最上層までで取るに足らないものであり(<5%)、かつ、油および水の両方において同一であった。画像(h〜j)は、基板から削り落とされた後の水中の円形ネットワークを示している:(h)ビーカーの壁部に寄りかかっている;(i)ティップにより変形している;(j)水中で自由浮遊している時に円形形状を再獲得した。すべてのネットワークは、水へと移された後で光架橋され、かつ、37℃で20分間維持され、かつ、室温で復元された。スケールバー:2mm。
図4は、異なるマイクロロッドのタイプのパターニングを製造する方法の能力を示している。画像(a)は、方法であって、それにより異なるマイクロロッドのタイプがプログラミングされたパターンにて製造されてもよい前記方法の図である。4つの異なる染料濃縮したプラグ(長さ8cm)が、短い空気プラグ(長さ1mm)によって導通チュービング(S3から出る)中で仕切られている。シリンジS3は、これら染料プラグを、マイクロ流体チャンネルであって、その中にマイクロロッドが製造される前記マイクロ流体チャンネルの中へとシーケンシャル注入するのに用いられる。シリンジS2は、GelMaをマイクロ流体チャンネルの中へと注入し、かつ、染料は、GelMaと1:10の体積比で混ざる。この体積比は、シリンジS2およびシリンジS3を同時にポンピングすることによって制御され、シリンジS1からの油によって乳化された後で、着色されたプラグを形成する。画像(b〜e)は、内側の円から外側の円へとシーケンシャルにパターニングすることによる同心円状のネットワーク(α=6)であり、(b,c)は油中におけるものであり、(d,e)は水中におけるものである。各輪は、異なる色の物体によって形成されている。画像(f,g)は、2つの異なる色のマイクロロッドを1つの円へとシーケンシャルにパターニングすることによって形成された、層状の円形ネットワーク(α=10)を示している。(c,g)における矢印は、空気プラグがチュービング中に注入された時に形成された、時々発生する形の悪いロッドを示している。画像(d,e)におけるネットワークは、水へと移された後で光架橋され、かつ、37℃で20分間インキュベートされ、かつ、室温で復元された。スケールバー:2mm。
図4は、異なるマイクロロッドのタイプのパターニングを製造する方法の能力を示している。画像(a)は、方法であって、それにより異なるマイクロロッドのタイプがプログラミングされたパターンにて製造されてもよい前記方法の図である。4つの異なる染料の濃縮したプラグ(長さ8cm)が、短い空気プラグ(長さ1mm)によって導通チュービング(S3から出る)中で仕切られている。シリンジS3は、これら染料プラグを、マイクロ流体チャンネルであって、その中にマイクロロッドが製造される前記マイクロ流体チャンネルの中へとシーケンシャルに注入するのに用いられる。シリンジS2は、GelMaをマイクロ流体チャンネルの中へと注入し、かつ、染料は、GelMaと1:10の体積比で混ざる。この体積比は、シリンジS2およびシリンジS3を同時にポンピングすることによって制御され、シリンジS1からの油によって乳化された後で、着色されたプラグを形成する。画像(b〜e)は、内側の円から外側の円へとシーケンシャルにパターニングすることによる同心円状のネットワーク(α=6)であり、(b,c)は油中におけるものであり、(d,e)は水中におけるものである。各輪は、異なる色の物体によって形成されている。画像(f,g)は、2つの異なる色のマイクロロッドを1つの円へとシーケンシャルにパターニングすることによって形成された、層状の円形ネットワーク(α=10)を示している。(c,g)における矢印は、空気プラグがチュービング中に注入された時に形成された、時々発生する形の悪いロッドを示している。画像(d,e)におけるネットワークは、水へと移された後で光架橋され、かつ、37℃で20分間インキュベートされ、かつ、室温で復元された。スケールバー:2mm。
図5は、ヤヌスマクロロッドの製作およびパターニングの方法を示している。画像(a)は、最初と途中でそれぞれ、2つの異なる色(赤と緑)のGelMaを、油で湿った乳化チュービングの中へとシーケンシャルに注入することによって、DMT中でヤヌスマイクロロッドを製作する図である。赤いゲルが油とともにマイクロ流体チューブの遠端の中へと注入され、油プラグの間の空間を満たす赤いゲル物体を形成する。チューブのさらに下には、緑のゲルの部分が注入される。緑のゲルが注入される時間は、マイクロ流体チューブの下方への赤いゲル物体の移動と同期され、かつ、緑のゲル物体が赤いゲル物体に近接して直接注入され、2つの異なる色の領域を有する単一のゲル物体を形成するように制御される。画像(b)は、油中の単分散で赤/緑のヤヌスマイクロロッド(α=5)を示している;画像(b’)は、画像(b)においてロッドに沿って描かれた黒い線に沿ってとられたRGBプロファイルを含有している。(b’)における上側の線は、赤いプロファイルに対応する;これは、ロッドの一端において青および緑のプロファイルと比べて非常に高い。緑(中間の線)および青(下側の線)のプロファイルは、ロッドの一端において低く、かつ、他端において高い。このことは、ゲルが混ざっていないことを示している;ロッドに沿って「色の勾配」が存在し、したがって、それは2つの異なる端部を有するヤヌス粒子として説明される。画像(c)は、油中の、円形にパターニングされた赤/青のヤヌスマイクロロッド(α=10)を示している。グラフ(c’)は、グラフ(c’)より上のロッドのズームイン画像中の黒い線に沿ったRGBプロファイルを示している。グラフの左側における上側のプロファイルである赤いプロファイルは、ロッドの左端において高く、一方で、青および緑のプロファイルは、そこで低い強度を有する。ロッドの右端において、赤いプロファイルはゼロまで下がり、かつ、青および緑のプロファイル(ほぼ互いの上にある)は、赤いプロファイルよりも強力になる。画像(d)は、0.2重量%のスパン80界面活性剤で充填された油中の、円形にパターニングされた赤/緑のヤヌスマイクロロッド(α=14)を示している。スケールバー:2mm。
図6は、小腸モデルと似た3D構造のプリンティングを示している。画像(a〜d)は、油中でビーカーにおいてプリントされ((a)は平面図であり、かつ、(b)は側面図である)、かつ、より大きいビーカーに注がれた後に水中で懸濁された((c)は平面図であり、かつ、(d)は側面図である)、チューブの形態であるゲルマイクロロッド(α=11)のネットワークを示している。画像(e〜g)は、室温にて水中で2日間貯蔵された後のチューブの形状変換を示している。(e)は水から出たチューブの平面図であり、かつ、(f)は水から出たチューブの側面図である;(g)は、水中に再懸濁されたチューブを示している。画像(h)は、ヒトの小腸の断面図である。領域1〜4は、厚い平滑筋層、筋層および上皮の移行層腸絨毛ならびに腸管腔をそれぞれ表している。画像(i〜l)は、プリントされたマイクロロッドチューブ(青、α=12)と成形GelMa周辺部(赤、外層)とを含むハイブリッドチューブを示している。画像(i)はチューブ全体を示している;画像(j,k)は(i)において矢印で示された領域のズームインである。ズームイン画像は4つの同一の領域を示している:(i)赤いGelMaの輪;(ii)赤いGelMaに定着した青いマイクロロッドの混合領域;(iii)マイクロロッドの円形アレイ;および(iiii)チューブ内腔。チューブの高さ/長さは2cmであり、これは、マイクロマニピュレーターのz軸の位置決め範囲と同一であった。すべてのネットワークは、水へと移された後で光架橋され、かつ、37℃で20分間維持され、かつ、室温で復元された。画像(l)は、室温にて水中で2日間貯蔵された後で水から出て直立しているハイブリッドチューブの平面図である。スケールバー:2mm。
図6は、小腸モデルと似た3D構造のプリンティングを示している。画像(a〜d)は、油中でビーカーにおいてプリントされ((a)は平面図であり、かつ、(b)は側面図である)、かつ、より大きいビーカーに注がれた後に水中で懸濁された((c)は平面図であり、かつ、(d)は側面図である)、チューブの形態であるゲルマイクロロッド(α=11)のネットワークを示している。画像(e〜g)は、室温にて水中で2日間貯蔵された後のチューブの形状変換を示している。(e)は水から出たチューブの平面図であり、かつ、(f)は水から出たチューブの側面図である;(g)は、水中に再懸濁されたチューブを示している。画像(h)は、ヒトの小腸の断面図である。領域1〜4は、厚い平滑筋層、筋層および上皮の移行層、腸絨毛ならびに腸管腔をそれぞれ表している。画像(i〜l)は、プリントされたマイクロロッドチューブ(青、α=12)と成形GelMa周辺部(赤、外層)とを含むハイブリッドチューブを示している。画像(i)はチューブ全体を示している;画像(j,k)は(i)において矢印で示された領域のズームインである。ズームイン画像は4つの同一の領域を示している:(i)赤いGelMaの輪;(ii)赤いGelMaに定着した青いマイクロロッドの混合領域;(iii)マイクロロッドの円形アレイ;および(iiii)チューブ内腔。チューブの高さ/長さは2cmであり、これは、マイクロマニピュレーターのz軸の位置決め範囲と同一であった。すべてのネットワークは、水へと移された後で光架橋され、かつ、37℃で20分間維持され、かつ、室温で復元された。画像(l)は、室温にて水中で2日間貯蔵された後で水から出て直立しているハイブリッドチューブの平面図である。スケールバー:2mm。
図7は、油から水への円形ネットワークの相間移動を示している。画像(a)は、管状のGelMaマイクロロッドネットワーク(油中、青で着色されている)を示している。画像(b)は、青いネットワークに侵入し、かつ、外側にこぼれ出て、ネットワークの外側の周りプールを形成し始めたチューブ内の水(赤で着色されている)を示している。画像(c,d)は、赤い水に(c)部分的に浸された、および、(d)完全に浸された青いネットワークを示している;画像(e)は、赤い水で飽和したままであるので赤い色を保持している赤い水から除去された青いネットワークを示している。
図8は、平行ロッドのパターンを含むネットワークがどのように製造されるかを示す図を含有している。(a)はプリントされているネットワークの側面図であり、かつ、(b)は平面図であり、かつ、(c)は全層プリンティング経路である。傾いたチュービング端部(出口)は、マイクロロッドを、それらがチュービングから外に出るにつれて配向する;平行ロッドは、プリンティング経路に沿った列にて配置され、かつ、プリンティング経路に対して直角方向に配向された(図(b))。
図9は、ヘリンボンおよび円形パターンを含む、マイクロロッドの種々のプリントされたパターンを示している。この図は、ネットワーク内のゲル物体(ロッドのような)がすべて同一方向に配向されている必要がないことを示している。例えば、ヘリンボンパターニングが画像aおよびbに示されており、かつ、円形パターニングがd、e、gおよびhに示されている。(a)、(d)および(g)は、油中におけるパターンの明視野画像であり、かつ、(b)、(e)および(h)は、ズームイン画像である。(c)は、(b)における方向性のフーリエ解析を示している。画像(f)は、(d)における2重円形パターン(C1およびC2)の方向性を示している;(i)は、(g)における3重円形パターン(C1、C2およびC3)の方向性を示している。スケールバー:2mm。
図9は、ヘリンボンおよび円形パターンを含む、マイクロロッドの種々のプリントされたパターンを示している。この図は、ネットワーク内のゲル物体(ロッドのような)がすべて同一方向に配向されている必要がないことを示している。例えば、ヘリンボンパターニングが画像aおよびbに示されており、かつ、円形パターニングがd、e、gおよびhに示されている。(a)、(d)および(g)は、油中におけるパターンの明視野画像であり、かつ、(b)、(e)および(h)は、ズームイン画像である。(c)は、(b)における方向性のフーリエ解析を示している。画像(f)は、(d)における2重円形パターン(C1およびC2)の方向性を示している;(i)は、(g)における3重円形パターン(C1、C2およびC3)の方向性を示している。スケールバー:2mm。
図10は、高解像度の、種々の形状の、DMTで製作され、かつ、パターニングされたマイクロロッドを示している。画像(a〜e)は、直径100μmの乳化チュービング中で製作されたGelMaマイクロロッド(D=100μm)を示している。(a)は単分散マイクロロッドを示しており、かつ、(b)はマイクロロッドチェーンを示している。α=3。画像(c〜e)は、平行にパターニングされた湾曲したマイクロロッドおよび湾曲していないマイクロロッド(α=20)を示している。湾曲したマイクロロッドは、チュービング中でのより短いインキュベーション時間で製作された。画像(f〜h)は、直径50μmの乳化チューブ中で製作されたGelMaマイクロロッド(D=50μm)を示している。(f)単分散マイクロロッド。α=11。(g,h)平行にパターニングされたマイクロロッド(α=30)。
図11は、マイクロロッドの回転角度δとともに変化するマイクロロッドの方向θを示すことによって円形パターニングにおいて用いられる座標系を示している。低いレイノルズ数においてニュートン流体に懸濁された剛性マイクロロッドに適用されるジェフリー方程式によれば、回転角度tanδ=1/α tan[−γ・t・a/a2+1 +tan−1 (a・tanδ0)] δ0はt=0におけるδの値であり、傾いた端部の水平方向と同一である;αはマイクロロッドのアスペクト比である;γ・はひずみ速度であり、かつ、γ・∝v。チュービングの位置は一定であるので、tは一定の値であると推定し、tanδ=a・tan(−b・v+c)、したがって、θ=π/2 −δ=π/2 −arctan(a・tan(b・v+c))、かつ、図3cにおける実験データをフィッティングした後では、θ(°)=90°−δ=90°−57°・tan−1(0.15tan(10v−1.6))である。
図12は、油中での単一のマイクロロッドの操作を示している。(a)赤いマイクロロッド(α=7、3つの輪のうちの真ん中)および緑のマイクロロッド(α=5、外側と内側の輪)の円形パターン。(b)は、白い矢尻で示された3つの緑のロッドをドープしている赤い円形パターンのズームイン画像である。画像(c,d)は、ピペットティップの中に吸引された(c)緑および(d)赤のマイクロロッドの一体成形物を示している。スケールバー:2mm。
図13は、2つの成分(GelMaおよびコラーゲン)を含むロッドの形成を示している。第1のステップは、DMT混合(マイクロ流体チューブ中での混合)によって、コラーゲンIをGelMaマイクロロッドの中に均質溶け込ませることを含んでいる。コラーゲンIは、3.6mg/mlの中和コラーゲン(コラーゲンタイプI、ラットの尾、Thermo Fisher Scientific社、英国)と1.0mg/mlのフルオロセイ複合コラーゲン(D12060、Thermo Fisher Scientific社、英国)との等体積の混合物であった。GelMaは、DPBS中で6.0重量%であった。画像(a,b)は、ペトリ皿中にゲル化したGelMaとは別にコラーゲンを堆積させることによって形成された、GelMaおよびコラーゲンIの別個の領域を示している。矢尻は、コラーゲンとGelMaとの間の境界を示している。蛍光画像は、2つの相の明確な分離を示している。画像(c)は、DMTチュービング中のGelMaとコラーゲンIとの均質である混合を示している。GelMa相とコラーゲン相とは、それぞれ40℃および8℃でストックされ、かつ、乳化において即座に混ぜられた。画像(d,e)は、1:2の体積流量比にて形成された、コラーゲンIおよびGelMaの均質である混合物で構成されたマイクロロッドを示している。スケールバー:200μm。
図14は、DMTシステムを用いたマトリゲルマイクロロッドの製作を示している。画像(a)図1aにおけるGelMa相をマトリゲルと置換することによってPTFEチュービング中で形成されたマトリゲルマイクロロッド。溶液とチュービングとは、8℃で貯蔵された。その後、チュービングはシリンジから取り外され、密封され、37℃で2時間インキュベートされた。インキュベーション後、チュービングは油で満たされたシリンジに接続され、かつ、制御された流量にてチュービングからマトリゲルマイクロロッドが汲み出された。画像(b,c)は、油中における異なるサイズのマトリゲルマイクロロッドの明視野画像である。画像(d)は、マイクロロッドの2つのタイムラプス画像を示しており、最初のものは油中での堆積後2分にて撮られ(左)、かつ、2番目のものは油中における37℃での30分間のインキュベーション後に撮られた(右)。チュービングは長さ1.2mであり、かつ、内径(ID)300μmであり、かつ、100μlの溶液を貯蔵した。画像(e〜g)は、(e)ヤヌスロッドと、(f)3つ組みのマトリゲルロッドと、(g)鎖状のヤヌスロッドとの明視野および蛍光画像を示している。(e)におけるヤヌスロッドは、図5aにおけるスキームを踏襲して製作されたが、赤いGelMa相を、7×106/mlにて10μmのオレンジ蛍光のFluoroSheres(登録商標ポリスチレンマイクロスフェア(F8833、ThermoFisher Scientific社、英国)で充填されたマトリゲルと置換し、かつ、緑のGelMaを純粋なマトリゲルと置換した。チュービングは、粒子で充填されたマトリゲルの乳化後、第2次乳化に進む前に37℃で2時間インキュベートされた。スケールバー:300μm。
図14は、DMTシステムを用いたマトリゲルマイクロロッドの製作を示している。画像(a)図1aにおけるGelMa相をマトリゲルと置換することによってPTFEチュービング中で形成されたマトリゲルマイクロロッド。溶液とチュービングとは、8℃で貯蔵された。その後、チュービングはシリンジから取り外され、密封され、37℃で2時間インキュベートされた。インキュベーション後、チュービングは油で満たされたシリンジに接続され、かつ、制御された流量にてチュービングからマトリゲルマイクロロッドが汲み出された。画像(b,c)は、油中における異なるサイズのマトリゲルマイクロロッドの明視野画像である。画像(d)は、マイクロロッドの2つのタイムラプス画像を示しており、最初のものは油中での堆積後2分にて撮られ(左)、かつ、2番目のものは油中における37℃での30分間のインキュベーション後に撮られた(右)。チュービングは長さ1.2mであり、かつ、内径(ID)300μmであり、かつ、100μlの溶液を貯蔵した。画像(e〜g)は、(e)ヤヌスロッドと、(f)3つ組みのマトリゲルロッドと、(g)鎖状のヤヌスロッドとの明視野および蛍光画像を示している。(e)におけるヤヌスロッドは、図5aにおけるスキームを踏襲して製作されたが、赤いGelMa相を、7×106/mlにて10μmのオレンジ蛍光のFluoroSheres(登録商標)ポリスチレンマイクロスフェア(F8833、ThermoFisher Scientific社、英国)で充填されたマトリゲルと置換し、かつ、緑のGelMaを純粋なマトリゲルと置換した。チュービングは、粒子で充填されたマトリゲルの乳化後、第2次乳化に進む前に37℃で2時間インキュベートされた。スケールバー:300μm。
図15は、DPBS中における6.0重量%のGelMaの粘弾性を示している:(a)せん断速度τ関数としての粘度;(b)応力−ひずみ曲線、(c)粘弾性係数リスト。曲線A(グラフ(a)における上側の曲線)は初期粘度を表しており、かつ、曲線B(グラフ(a)における下側の曲線)は、10分間の構造回復後の粘度であり、これら粘度は、37℃にて、ひずみ制御レオメーター(Gemini Advanced Rheometer、Bohlin Instruments社、英国)上でとられた。機械的測定は、UV架橋後22℃にて動的機械分析器(DMAQ800、TA Instrument社、英国)を用いて実行された。
図16は、Comsol Multiphysicsを用いたチュービング中の流体力学的環境のシミュレーションを示している。図(a)は、チュービング中のゲル物体の2D軸対称モデルを示している。画像(b〜d)は、標準化された、(b)速度の大きさ、(c)面内せん断εおよび(d)チュービング中の速度場から派生した外延的ひずみηの輪郭である:(b1)GelMaの単相流SPF);(b2)油(μo=0.002Pa・s)中の低粘度GelMaプラグ(μg=0.01Pa・s);(b3)油中の高粘度GelMaプラグ(μg=100Pa・s)。面内せん断と外延的ひずみ速度とは、ε = ∂u/∂z + ∂v/∂xおよびη = ∂u/∂x + ∂v/∂zからそれぞれ計算された。uとvとは、それぞれ、縦方向および横方向の速度成分である。速度の大きさuは、vaによって標準化された(すなわち、u/va);せん断成分は、va/rによって標準化された(すなわち、ε・r/vaおよびη・r/va)。画像(e〜g)は、SPFおよび種々の粘度のプラグにおける(e)u/va(f)ε・r/va(g)η・r/vaの標準化された周波数を示している。
図17は、ゲル物体の中へのNIH3T3細胞の組み込みを示している。安定的にGFP発現するNIH3T3細胞株(NIH−3T3/GFP)が、GelMaロッドの中および上で培養された。画像(a〜d)は、GelMaロッドであって、その中に細胞を有する前記GelMaロッドを示している。細胞はまず、5×106/mlにて6.0重量%のGelMaの中に充填され、かつ、(a,b)培養4日目および(c,d)培養15日目に撮像された。画像(e〜f)は、GelMaロッドであって、その上に細胞を有する前記GelMaロッドを示している。細胞は、培養培地中で1×107/mlにて光架橋した6.0重量%のGelMaネットワークの上に播種され、10体積%のマトリゲルで補充され、かつ、2日間培養された。スケールバー:200μm。
図18は、ゲル物体が、キレート剤との接触の際にゾルゲル転移を経験するゲル前駆体材料からどのように形成されてもよいかを示す図である。
図19は、配向されたGelMaマイクロロッド中での3D細胞培養を示している。細胞は、そうでない旨の注記がなければ、PBS中で6.0重量体積%のGelMaの中に7.0×106細胞mL−1にて充填された。(a,b)は、(a)培養4日(D4)および(b)培養9日(D9)後におけるマイクロロッド中のHEK293細胞を示している。蛍光画像は、カルセイン−AM(緑)で染色された生細胞とヨウ化プロピジウム(赤、画像中、赤い点はほとんど見られない)で染色された死細胞を示している。Qo=250μL h−1;Qg=450μL h−1。(c,d)平行マイクロロッドアレイにて培養されたNIH3T3/GFP。細胞は、(c)培養4日目および(d)培養15日目に、明視野およびGFP蛍光の両方で撮像された。Qo=150μL h−1;Qg=450μL h−1。(e)平行マイクロロッドアレイにて10日間培養され、かつ、カルセインAM(緑)で染色されたヒト骨格筋芽細胞(HSkM)。Qo=180μL h−1;Qg=450μL h−1。(f)いっそう柔らかいマイクロロッド(4.0重量体積%のGelMa)にて5日間培養されたヒト結腸筋線維芽細胞(CCD18Co)。(g)いっそう硬いマイクロロッドおよびマイクロロッドアレイ(6.0重量体積%のGelMa)にて9日間培養されたCCD18Co細胞。図21には、2つのマイクロロッドアレイの対応する明視野画像がある。Qo=180μL h−1;Qg=450μL h−1。F−アクチンは、Alexa Flour(登録商標)647(マゼンタ)でタグ付けされたファロイジンで標識された。核は、DAPI(青)で標識された。(a,f,g)におけるマイクロロッドは、輪郭が白で描かれている。(g)における黄色い矢印は、広がり、かつ、近接するロッドを横切って移動した細胞を示している。(d〜g)における細胞伸長およびアクチン線維整列の定量化は、ImageJプラグインであるFibrilToolを用いた緑およびマゼンタ蛍光信号の異方性解析によって実行された。数字のふられた画像の異方性:(1)0.19、(2)0.11、(3)0.36、(4)0.17、(5)0.07、(6)0.04。0.07より上のスコアを有する細胞は、目で認識できる整列を示している。(h)カルセインAM(生)およびヨウ化プロピジウム(死)で染色することによる、15日間にわたる異なる細胞タイプ生存率。データは、(左のカラムから右のカラムに向かって)HEK293T細胞、NIH3T3/GFP細胞、HSkM細胞およびCCD18Co細胞について、2日目および9日目において示されている。データは、(左のカラムから右のカラムに向かって)HEK293T細胞およびNIH3T3/GFP細胞について、15日目において示されている。(i〜l)3つ組みのGelMaマイクロロッド中の2つの異なる細胞タイプの3D共培養の概略(i)および蛍光画像(j〜l)。CellTracker商標Redで染色されたHEK293T細胞とNIH3T3/GFP線維芽細胞(緑)とが、チュービング中のプラグ形成の前に1.0×107細胞mL−1にてGelMa(PBS中で6重量体積%)中に懸濁された。赤で染色された細胞は各ロッドのいずれかの端部に現れ、一方で、緑で染色された細胞は各ロッドの中央部に現れる。(i)3つ組みのGelMaロッドが、第2相(赤)の第1相(緑)に対する流量比を2:3に調整することによって形成された。画像19(j)、(k)および(l)は、3つ組みのロッド(すなわち、3つのゲル領域を含有するロッド)中の2つの異なる細胞タイプの3D共培養を示している。画像19(j)は、プリンティング後2時間における油(テトラデカン)中の3つ組みのロッドを示している。(k,l)それぞれ、培養1日後および培養2日後における培地中の3つ組みのロッド。マイクロロッドは、輪郭が白で示されている。Qo=250μL h−1;Qg=300〜450μL h−1。(j)以外のすべてのパネル中の細胞を搭載したマイクロロッドは、培地に移された後で光架橋された。すべてのパネルにおけるスケールバー:200μm。
図19は、配向されたGelMaマイクロロッド中での3D細胞培養を示している。細胞は、そうでない旨の注記がなければ、PBS中で6.0重量体積%のGelMaの中に7.0×106細胞mL−1にて充填された。(a,b)は、(a)培養4日(D4)および(b)培養9日(D9)後におけるマイクロロッド中のHEK293細胞を示している。蛍光画像は、カルセイン−AM(緑)で染色された生細胞とヨウ化プロピジウム(赤、画像中、赤い点はほとんど見られない)で染色された死細胞を示している。Qo=250μL h−1;Qg=450μL h−1。(c,d)平行マイクロロッドアレイにて培養されたNIH3T3/GFP。細胞は、(c)培養4日目および(d)培養15日目に、明視野およびGFP蛍光の両方で撮像された。Qo=150μL h−1;Qg=450μL h−1。(e)平行マイクロロッドアレイにて10日間培養され、かつ、カルセインAM(緑)で染色されたヒト骨格筋芽細胞(HSkM)。Qo=180μL h−1;Qg=450μL h−1。(f)いっそう柔らかいマイクロロッド(4.0重量体積%のGelMa)にて5日間培養されたヒト結腸筋線維芽細胞(CCD18Co)。(g)いっそう硬いマイクロロッドおよびマイクロロッドアレイ(6.0重量体積%のGelMa)にて9日間培養されたCCD18Co細胞。図21には、2つのマイクロロッドアレイの対応する明視野画像がある。Qo=180μL h−1;Qg=450μL h−1。F−アクチンは、Alexa Flour(登録商標)647(マゼンタ)でタグ付けされたファロイジンで標識された。核は、DAPI(青)で標識された。(a,f,g)におけるマイクロロッドは、輪郭が白で描かれている。(g)における黄色い矢印は、広がり、かつ、近接するロッドを横切って移動した細胞を示している。(d〜g)における細胞伸長およびアクチン線維整列の定量化は、ImageJプラグインであるFibrilToolを用いた緑およびマゼンタ蛍光信号の異方性解析によって実行された。数字のふられた画像の異方性:(1)0.19、(2)0.11、(3)0.36、(4)0.17、(5)0.07、(6)0.04。0.07より上のスコアを有する細胞は、目で認識できる整列を示している。(h)カルセインAM(生)およびヨウ化プロピジウム(死)で染色することによる、15日間にわたる異なる細胞タイプの生存率。データは、(左のカラムから右のカラムに向かって)HEK293T細胞、NIH3T3/GFP細胞、HSkM細胞およびCCD18Co細胞について、2日目および9日目において示されている。データは、(左のカラムから右のカラムに向かって)HEK293T細胞およびNIH3T3/GFP細胞について、15日目において示されている。(i〜l)3つ組みのGelMaマイクロロッド中の2つの異なる細胞タイプの3D共培養の概略(i)および蛍光画像(j〜l)。CellTracker商標Redで染色されたHEK293T細胞とNIH3T3/GFP線維芽細胞(緑)とが、チュービング中のプラグ形成の前に1.0×107細胞mL−1にてGelMa(PBS中で6重量体積%)中に懸濁された。赤で染色された細胞は各ロッドのいずれかの端部に現れ、一方で、緑で染色された細胞は各ロッドの中央部に現れる。(i)3つ組みのGelMaロッドが、第2相(赤)の第1相(緑)に対する流量比を2:3に調整することによって形成された。画像19(j)、(k)および(l)は、3つ組みのロッド(すなわち、3つのゲル領域を含有するロッド)中の2つの異なる細胞タイプの3D共培養を示している。画像19(j)は、プリンティング後2時間における油(テトラデカン)中の3つ組みのロッドを示している。(k,l)それぞれ、培養1日後および培養2日後における培地中の3つ組みのロッド。マイクロロッドは、輪郭が白で示されている。Qo=250μL h−1;Qg=300〜450μL h−1。(j)以外のすべてのパネル中の細胞を搭載したマイクロロッドは、培地に移された後で光架橋された。すべてのパネルにおけるスケールバー:200μm。
図19は、配向されたGelMaマイクロロッド中での3D細胞培養を示している。細胞は、そうでない旨の注記がなければ、PBS中で6.0重量体積%のGelMaの中に7.0×106細胞mL−1にて充填された。(a,b)は、(a)培養4日(D4)および(b)培養9日(D9)後におけるマイクロロッド中のHEK293細胞を示している。蛍光画像は、カルセイン−AM(緑)で染色された生細胞とヨウ化プロピジウム(赤、画像中、赤い点はほとんど見られない)で染色された死細胞を示している。Qo=250μL h−1;Qg=450μL h−1。(c,d)平行マイクロロッドアレイにて培養されたNIH3T3/GFP。細胞は、(c)培養4日目および(d)培養15日目に、明視野およびGFP蛍光の両方で撮像された。Qo=150μL h−1;Qg=450μL h−1。(e)平行マイクロロッドアレイにて10日間培養され、かつ、カルセインAM(緑)で染色されたヒト骨格筋芽細胞(HSkM)。Qo=180μL h−1;Qg=450μL h−1。(f)いっそう柔らかいマイクロロッド(4.0重量体積%のGelMa)にて5日間培養されたヒト結腸筋線維芽細胞(CCD18Co)。(g)いっそう硬いマイクロロッドおよびマイクロロッドアレイ(6.0重量体積%のGelMa)にて9日間培養されたCCD18Co細胞。図21には、2つのマイクロロッドアレイの対応する明視野画像がある。Qo=180μL h−1;Qg=450μL h−1。F−アクチンは、Alexa Flour(登録商標)647(マゼンタ)でタグ付けされたファロイジンで標識された。核は、DAPI(青)で標識された。(a,f,g)におけるマイクロロッドは、輪郭が白で描かれている。(g)における黄色い矢印は、広がり、かつ、近接するロッドを横切って移動した細胞を示している。(d〜g)における細胞伸長およびアクチン線維整列の定量化は、ImageJプラグインであるFibrilToolを用いた緑およびマゼンタ蛍光信号の異方性解析によって実行された。数字のふられた画像の異方性:(1)0.19、(2)0.11、(3)0.36、(4)0.17、(5)0.07、(6)0.04。0.07より上のスコアを有する細胞は、目で認識できる整列を示している。(h)カルセインAM(生)およびヨウ化プロピジウム(死)で染色することによる、15日間にわたる異なる細胞タイプの生存率。データは、(左のカラムから右のカラムに向かって)HEK293T細胞、NIH3T3/GFP細胞、HSkM細胞およびCCD18Co細胞について、2日目および9日目において示されている。データは、(左のカラムから右のカラムに向かって)HEK293T細胞およびNIH3T3/GFP細胞について、15日目において示されている。(i〜l)3つ組みのGelMaマイクロロッド中の2つの異なる細胞タイプの3D共培養の概略(i)および蛍光画像(j〜l)。CellTracker商標Redで染色されたHEK293T細胞とNIH3T3/GFP線維芽細胞(緑)とが、チュービング中のプラグ形成の前に1.0×107細胞mL−1にてGelMa(PBS中で6重量体積%)中に懸濁された。赤で染色された細胞は各ロッドのいずれかの端部に現れ、一方で、緑で染色された細胞は各ロッドの中央部に現れる。(i)3つ組みのGelMaロッドが、第2相(赤)の第1相(緑)に対する流量比を2:3に調整することによって形成された。画像19(j)、(k)および(l)は、3つ組みのロッド(すなわち、3つのゲル領域を含有するロッド)中の2つの異なる細胞タイプの3D共培養を示している。画像19(j)は、プリンティング後2時間における油(テトラデカン)中の3つ組みのロッドを示している。(k,l)それぞれ、培養1日後および培養2日後における培地中の3つ組みのロッド。マイクロロッドは、輪郭が白で示されている。Qo=250μL h−1;Qg=300〜450μL h−1。(j)以外のすべてのパネル中の細胞を搭載したマイクロロッドは、培地に移された後で光架橋された。すべてのパネルにおけるスケールバー:200μm。
図20は、マトリゲルマイクロロッドとその中の細胞とを示している。(a)マトリゲルマイクロロッドの形成を示した概略。マトリゲル、油(テトラデカン)およびチュービングは8℃であり、かつ、収集チュービング中にはマトリゲルプラグが形成された。収集チューブはシリンジから取り外され、密封され、かつ、37℃で1時間インキュベートされた。チュービングは長さ1.2mであり、かつ、IDが300μmであり、かつ、溶液をほぼ100μL貯蔵し得た。インキュベーション後、チュービングは油で満たされたシリンジに再接続され、かつ、マトリゲルマイクロロッドが室温にて制御された流量(Qm=500μL h−1)でチュービングから押し出された。(b)油中のマトリゲルマイクロロッド(α=4)の明視野画像。(c)油中での堆積後2分(左)および油中での37℃での30分間のインキュベーション後(右)のマイクロロッドの画像。(d)油中(左)で、および、PBSへの移動後(右)に撮像されたマトリゲルマイクロロッドネットワーク。(e)ヤヌスマトリゲルロッドは、次のステップにて製作された:1. 8℃で7.0×106粒子mL−1にて蛍光ポリスチレンマイクロスフェア(FluoSpheres(登録商標)、D=10μm、オレンジ)で充填されたマトリゲルプラグ(赤)を形成するステップ;2. プラグを37℃で1時間インキュベートするステップ;3. 8℃で第2のマトリゲル相(純粋なマトリゲル、青)を注入するステップ;4. ヤヌスプラグを37℃で1時間インキュベートするステップ;5. ヤヌスロッドをチュービングから押し出すステップ。(f,g)(f)ヤヌスおよび(g)3つ組みのマトリゲルロッドの明視野(左)ならびに蛍光(右)画像。3つ組みのマトリゲルロッドは、純粋なマトリゲルの粒子含有マトリゲルに対する流量比を50%増大させることによって形成された。(h,i)マトリゲルマイクロロッド中の3D細胞培養。NIH3T3/GFP細胞がまず、1.0×107細胞mL−1にてマトリゲル中に懸濁された。細胞を含有するマトリゲルロッドが、培地中で3日間培養された。(h)ロッド中の細胞のz−投影GFP画像と、ある領域のズームイン画像。(上、左)ロッドの厚さの半分を横切るxzおよびyz断面の正射影図が示されている。GFP蛍光のアーチは、細胞が主にマイクロロッドの周辺に分配されたことを示している。(i)矢印で示したように、2つのマイクロロッドを架橋する細胞の蛍光画像。(j〜l)マトリゲルマイクロロッドアレイ中の3D細胞培養。NIH3T3/GFP細胞がまず、1.0×107細胞mL−1にてマトリゲル中に懸濁された。(j)油中で1時間堆積した細胞担持マトリゲルロッドアレイの明視野画像。(k,l)培地への移動後(k)1時間(D0)および3日(D3)におけるマトリゲルロッドアレイのGFP蛍光。すべての撮像は、室温で実行された。Qo=500μL h−1;マトリゲルの体積流量、Qm=300〜1500μL h−1。すべてのパネルにおけるスケールバー:300μm。
図20は、マトリゲルマイクロロッドとその中の細胞とを示している。(a)マトリゲルマイクロロッドの形成を示した概略。マトリゲル、油(テトラデカン)およびチュービングは8℃であり、かつ、収集チュービング中にはマトリゲルプラグが形成された。収集チューブはシリンジから取り外され、密封され、かつ、37℃で1時間インキュベートされた。チュービングは長さ1.2mであり、かつ、IDが300μmであり、かつ、溶液をほぼ100μL貯蔵し得た。インキュベーション後、チュービングは油で満たされたシリンジに再接続され、かつ、マトリゲルマイクロロッドが室温にて制御された流量(Qm=500μL h−1)でチュービングから押し出された。(b)油中のマトリゲルマイクロロッド(α=4)の明視野画像。(c)油中での堆積後2分(左)および油中での37℃での30分間のインキュベーション後(右)のマイクロロッドの画像。(d)油中(左)で、および、PBSへの移動後(右)に撮像されたマトリゲルマイクロロッドネットワーク。(e)ヤヌスマトリゲルロッドは、次のステップにて製作された:1. 8℃で7.0×106粒子mL−1にて蛍光ポリスチレンマイクロスフェア(FluoSpheres(登録商標)、D=10μm、オレンジ)で充填されたマトリゲルプラグ(赤)を形成するステップ;2. プラグを37℃で1時間インキュベートするステップ;3. 8℃で第2のマトリゲル相(純粋なマトリゲル、青)を注入するステップ;4. ヤヌスプラグを37℃で1時間インキュベートするステップ;5. ヤヌスロッドをチュービングから押し出すステップ。(f,g)(f)ヤヌスおよび(g)3つ組みのマトリゲルロッドの明視野(左)ならびに蛍光(右)画像。3つ組みのマトリゲルロッドは、純粋なマトリゲルの粒子含有マトリゲルに対する流量比を50%増大させることによって形成された。(h,i)マトリゲルマイクロロッド中の3D細胞培養。NIH3T3/GFP細胞がまず、1.0×107細胞mL−1にてマトリゲル中に懸濁された。細胞を含有するマトリゲルロッドが、培地中で3日間培養された。(h)ロッド中の細胞のz−投影GFP画像と、ある領域のズームイン画像。(上、左)ロッドの厚さの半分を横切るxzおよびyz断面の正射影図が示されている。GFP蛍光のアーチは、細胞が主にマイクロロッドの周辺に分配されたことを示している。(i)矢印で示したように、2つのマイクロロッドを架橋する細胞の蛍光画像。(j〜l)マトリゲルマイクロロッドアレイ中の3D細胞培養。NIH3T3/GFP細胞がまず、1.0×107細胞mL−1にてマトリゲル中に懸濁された。(j)油中で1時間堆積した細胞担持マトリゲルロッドアレイの明視野画像。(k,l)培地への移動後(k)1時間(D0)および3日(D3)におけるマトリゲルロッドアレイのGFP蛍光。すべての撮像は、室温で実行された。Qo=500μL h−1;マトリゲルの体積流量、Qm=300〜1500μL h−1。すべてのパネルにおけるスケールバー:300μm。
図20は、マトリゲルマイクロロッドとその中の細胞とを示している。(a)マトリゲルマイクロロッドの形成を示した概略。マトリゲル、油(テトラデカン)およびチュービングは8℃であり、かつ、収集チュービング中にはマトリゲルプラグが形成された。収集チューブはシリンジから取り外され、密封され、かつ、37℃で1時間インキュベートされた。チュービングは長さ1.2mであり、かつ、IDが300μmであり、かつ、溶液をほぼ100μL貯蔵し得た。インキュベーション後、チュービングは油で満たされたシリンジに再接続され、かつ、マトリゲルマイクロロッドが室温にて制御された流量(Qm=500μL h−1)でチュービングから押し出された。(b)油中のマトリゲルマイクロロッド(α=4)の明視野画像。(c)油中での堆積後2分(左)および油中での37℃での30分間のインキュベーション後(右)のマイクロロッドの画像。(d)油中(左)で、および、PBSへの移動後(右)に撮像されたマトリゲルマイクロロッドネットワーク。(e)ヤヌスマトリゲルロッドは、次のステップにて製作された:1. 8℃で7.0×106粒子mL−1にて蛍光ポリスチレンマイクロスフェア(FluoSpheres(登録商標)、D=10μm、オレンジ)で充填されたマトリゲルプラグ(赤)を形成するステップ;2. プラグを37℃で1時間インキュベートするステップ;3. 8℃で第2のマトリゲル相(純粋なマトリゲル、青)を注入するステップ;4. ヤヌスプラグを37℃で1時間インキュベートするステップ;5. ヤヌスロッドをチュービングから押し出すステップ。(f,g)(f)ヤヌスおよび(g)3つ組みのマトリゲルロッドの明視野(左)ならびに蛍光(右)画像。3つ組みのマトリゲルロッドは、純粋なマトリゲルの粒子含有マトリゲルに対する流量比を50%増大させることによって形成された。(h,i)マトリゲルマイクロロッド中の3D細胞培養。NIH3T3/GFP細胞がまず、1.0×107細胞mL−1にてマトリゲル中に懸濁された。細胞を含有するマトリゲルロッドが、培地中で3日間培養された。(h)ロッド中の細胞のz−投影GFP画像と、ある領域のズームイン画像。(上、左)ロッドの厚さの半分を横切るxzおよびyz断面の正射影図が示されている。GFP蛍光のアーチは、細胞が主にマイクロロッドの周辺に分配されたことを示している。(i)矢印で示したように、2つのマイクロロッドを架橋する細胞の蛍光画像。(j〜l)マトリゲルマイクロロッドアレイ中の3D細胞培養。NIH3T3/GFP細胞がまず、1.0×107細胞mL−1にてマトリゲル中に懸濁された。(j)油中で1時間堆積した細胞担持マトリゲルロッドアレイの明視野画像。(k,l)培地への移動後(k)1時間(D0)および3日(D3)におけるマトリゲルロッドアレイのGFP蛍光。すべての撮像は、室温で実行された。Qo=500μL h−1;マトリゲルの体積流量、Qm=300〜1500μL h−1。すべてのパネルにおけるスケールバー:300μm。
図21は、CCD18−Co細胞で充填されたGelMaマイクロロッドアレイの明視野画像である。この画像は、図19gにおけるマイクロロッドアレイの蛍光画像に対応する。スケールバー:200μm。
図22は、培養3週間後に撮像された、GelMaマイクロロッドおよびロッドアレイ上で増殖したヒト腸Caco−2細胞を示している。(a)Caco−2とともに成長したGelMaマイクロロッドアレイの明視野画像。(b)固定後にZO−1(タイトジャンクション構成タンパク質−1)で免疫染色され、かつ、FITC抱合したCaco−2細胞の蛍光画像。破線は、マイクロロッド間の境界面を示している。(c)固定前に2μMのカルシウム−AMで染色されたCaco−2細胞の蛍光画像。(d,e)凍結乾燥後チューブアレイ:(d)明視野撮像;(e)SEM撮像。(f)2つの異なる高さで焦点の合った、再水和したチューブアレイ上の、DAPI(1:1000希釈)で染色されたCaco−2細胞の蛍光画像。Alexa Fluor(登録商標)647ファロイジンで免疫染色された、固定後のGelMaマイクロロッドアレイの(g)明視野および(h)z−投影蛍光画像。(i)Alexa Fluor(登録商標)647ファロイジンで染色された、ロッドアレイから隔離されたマイクロロッドのz−投影画像。(h,i)における長方形の画像は、ロッドの厚さを横切る関連画像における黄色い線に沿った蛍光プロファイルを示している。そうでないと注記されていないすべてのパネルにおけるスケールバー:200μm。
図22は、培養3週間後に撮像された、GelMaマイクロロッドおよびロッドアレイ上で増殖したヒト腸Caco−2細胞を示している。(a)Caco−2とともに成長したGelMaマイクロロッドアレイの明視野画像。(b)固定後にZO−1(タイトジャンクション構成タンパク質−1)で免疫染色され、かつ、FITCに抱合したCaco−2細胞の蛍光画像。破線は、マイクロロッド間の境界面を示している。(c)固定前に2μMのカルシウム−AMで染色されたCaco−2細胞の蛍光画像。(d,e)凍結乾燥後のチューブアレイ:(d)明視野撮像;(e)SEM撮像。(f)2つの異なる高さで焦点の合った、再水和したチューブアレイ上の、DAPI(1:1000希釈)で染色されたCaco−2細胞の蛍光画像。Alexa Fluor(登録商標)647ファロイジンで免疫染色された、固定後のGelMaマイクロロッドアレイの(g)明視野および(h)z−投影蛍光画像。(i)Alexa Fluor(登録商標)647ファロイジンで染色された、ロッドアレイから隔離されたマイクロロッドのz−投影画像。(h,i)における長方形の画像は、ロッドの厚さを横切る関連画像における黄色い線に沿った蛍光プロファイルを示している。そうでないと注記されていないすべてのパネルにおけるスケールバー:200μm。
図23は、揮発性であり、かつ、低粘度である油で洗浄することによるネットワークの相間移動を示している。画像(a)および(c)は、テトラデカン中でプリントされた2つの異なるネットワークを示している。画像(b)および(d)は、相間移動後のPBS中の2つのネットワークを示している。すべてのパネルにおけるスケールバー:2mm。
図24は、本発明による管状のマイクロロッドアレイがどのように腸の構造を模倣するかを示している。画像(a)は小腸の図である。腸管の内腔は絨毛と整列しており、このことは(b)に示されている。絨毛はマイクロロッド様の形態を有し(c)、したがって、小腸の内層は、ゲルマイクロロッドの管状アレイによって再構成されてもよい(d)。画像(a,b)は、カナダ国のCan Stock Photo Inc.社から購入され、かつ、再編集された。
図24は、本発明による管状のマイクロロッドアレイがどのように腸の構造を模倣するかを示している。画像(a)は小腸の図である。腸管の内腔は絨毛と整列しており、このことは(b)に示されている。絨毛はマイクロロッド様の形態を有し(c)、したがって、小腸の内層は、ゲルマイクロロッドの管状アレイによって再構成されてもよい(d)。画像(a,b)は、カナダ国のCan Stock Photo Inc.社から購入され、かつ、再編集された。

0024

発明の詳細な説明
本発明は、ゲルネットワークを製造するための方法を提供し、該ネットワークは複数の接合したゲル物体を含んでおり、当該方法は:
複数のゲル物体を1つ以上のマイクロ流体チャンネル中で形成することと;
ゲル物体を1つ以上のマイクロ流体チャンネルからネットワークを製造するための領域の中へと分配することと;
ネットワークを製造するための前記領域において各ゲル物体を少なくとも1つのその他のゲル物体と接触させて、ゲル物体の間の接触領域において各ゲル物体を少なくとも1つのその他のゲル物体に接合させることとを含んでいる。

0025

本発明はさらに、複数のゲル物体を含む接合したゲル物体のネットワークを提供し、各ゲル物体は、ゲル物体の間の接触領域において隣接するゲル物体に接合している。本発明の方法およびゲルネットワークの種々の実施形態が、以下で説明されるであろう。

0026

ゲル物体
本明細書で用いられる場合、用語「ゲル物体」は、ゲルを含み、かつ、少なくとも部分的にゲル化した、ある体積の材料を意味する。したがって、ゲル物体は、起こったゲル化の程度に基づいて、固定された形状を有していてもよい。1つ以上のマイクロ流体チャンネル中での形成の時点において、ゲル物体は、固定された形状を有するほど十分にゲル化していなくてもよい。しかしながら、この時点において、マイクロ流体の壁部は、ゲル物体に対してある形状を強いるであろう。典型的には、ゲル物体がマイクロ流体チャンネルを通って進むにつれて、ますます多くのゲル化が起こり、ゲル物体がネットワークを製造するための領域において互いと接触する時までに、それらが完全にゲル化するか、または、ほぼ完全にゲル化し、かつ、それら自体の固定された形状を有するようになっている。ゲル物体の形状は、特に制限されない。ゲル物体は、例えば、球体であってもよく、ロッド形状へと引き延ばされていてもよい。ほぼ球形のゲル物体は、本明細書において小滴と呼ばれてもよい。ゲル物体の断面は、それらが細長い形状を有していようがいなかろうが、その形状について特に制限されない。「断面」は、ゲル物体の最長寸法に対して直角方向にとった断面を意味する。ゲル物体の断面は、典型的には、円、正方形もしくは長方形である;または任意のその他の多角形(例えば、六角形)である。特定の断面は、かかる断面を有するマイクロ流体チャンネルを採用することによって達成されてもよい。好ましくは、ゲル物体は円形の断面を有する;より好ましくは、ゲル物体はロッドである。

0027

本明細書で用いられる場合、用語「ロッド」は、物体であって、その直径より大きい長さを有する前記物体を意味する。物体の長さは、物体の最大寸法のことであり、かつ、物体の直径は、物体の長さに沿う軸に対して直角方向にとった物体の断面の最大寸法である。ロッドの長さは、典型的には、その直径より少なくとも10%大きい(例えば、その直径より少なくとも50%または100%大きい)。典型的には、ロッドは、実質的に円筒形状を有する。それは、例えば円筒形状を有していてもよい。

0028

ゲル物体は、それらのサイズに関して特に制限されない。それらは、典型的には、直径が10〜2000μmまたは10〜1000μm(例えば、直径10〜500μmまたは直径25〜250μm)である。ゲル物体の特定の直径は、同一の直径を有するマイクロ流体チャンネルを採用することによって達成されてもよい。ゲル物体は、典型的には、長さが1μm〜10mmまたは長さが10μm〜10mm(例えば、長さ10μm〜5mmまたは長さ100μm〜2.5mm)である。特定の長さは、マイクロ流体チャンネル中で特定のゲル物体を形成するために採用されるゲル前駆体材料の量を制御することによって達成されてもよい。ゲル物体は、典型的には、1×10−7μl〜10μl(例えば1.0×10−5〜1.0μl、または、例えば1.0×10−3〜1μlもしくは1.0×10−3〜0.1μl)の容量を有する。ゲル物体は、例えば、0.005μl〜0.05μl(例えば、0.01〜0.03μl)の体積を有していてもよい。

0029

ゲル物体は、ゲルを含んでいる。ゲルは、「非流体コロイド状ネットワークまたは高分子ネットワークであって、流体によってその全体積の至る所に拡張した前記ネットワーク」と定義されてもよい。流体で拡張した時にゲルを形成することが可能なゲルの非流体成分は、本明細書でゲル形成剤と呼ばれる。ゲル形成剤は、例えば、重合体であってもよく、コロイド状であってもよい。したがって、ゲルは、流体によってその体積の至る所に拡張(すなわち、膨張)するゲル形成剤のネットワークを含んでいる。流体およびゲル形成材料からゲルを形成する方法は、「ゲル化」と呼ばれる。

0030

ゲル物体は、少なくとも部分的にゲル化している。それは、完全にゲル化していてもよく、部分的にゲル化していてもよい。したがって、ゲルに加えて、ゲル物体はさらに、ゲル前駆体材料を含んでいてもよい。ゲル前駆体材料は、まだゲル化していない、ゲル形成剤および流体を含む流動性(典型的には液体)媒体である。ゲルは、ゲル前駆体材料のゲル化によって形成される。ゲル物体がゲルおよびゲル前駆体材料の両方を含んでいる時、ゲル物体は部分的にゲル化しているに過ぎない。かかるゲル物体は、「不完全にゲル化」したものとして説明されてもよい。ゲル物体がゲル前駆体材料を含んでいない時(すなわち、もはや含んでいない時)、それは「完全にゲル化」している。

0031

典型的には、本発明の方法では、1つ以上のマイクロ流体チャンネル中で形成される複数のゲル物体は、不完全にゲル化している。このことは、ゲル物体が続いてネットワークを製造するための領域において互いに接触する時に、ゲル物体がゲル物体の間の接触領域において非常に効率的に互いに接合するという利点を有する。実際、ゲル物体が不完全にゲル化していれば、それらはゲル物体の間の接触領域において一緒に溶解し、かつ、それら領域においてさらなるゲル化が起こり、ゲル物体を一緒に接合させる。

0032

ゲルの性質、および、ゲル粒子であって、それからゲルが形成されてもよい前記ゲル粒子の性質は、特に制限されない。用いられてもよい例示的なゲルは、ヒドロゲル(例えば、アガロースゲル、ゼラチンヒドロゲルまたはゼラチンメタクリレートヒドロゲル)である。ヒドロゲルは、「膨張剤(すなわち、流体)が水であるゲル」と定義されてもよい。ヒドロゲルは、ゲル形成剤の水溶液のゲル化によって製造される。ヒドロゲルの場合、ゲル形成剤は、本明細書ではヒドロゲル化合物と呼ばれてもよい。任意の適切なヒドロゲル化合物が採用されてもよい。ヒドロゲル化合物は、典型的には高分子である。例えば、ヒドロゲル化合物は、多糖、ポロビニルアルコールポリアクリレート、多数の疎水性基を含む高分子またはそれらの誘導体であってもよい。ヒドロゲル化合物は、典型的には多糖である。ヒドロゲル化合物の例としては、アガロースメチルセルロースおよびヒアルロナンが挙げられる。好ましくは、ヒドロゲル化合物はアガロース、ゼラチンまたはゼラチンメタクリレートである。より好ましくは、それはゼラチンまたはゼラチンメタクリレートである。したがって、ゲル形成剤は、ゼラチンを含むゲル形成剤であってもよい。ゼラチンを含むゲル形成剤は、例えば、ゼラチンまたはゼラチンメタクリレートであってもよい。

0033

流体(例えば、水または細胞増殖培地のような水性媒体であってもよい)中のゲル形成剤(例えば、ヒドロゲル化合物)の濃度は、典型的には0.01mg/L〜500.0mg/Lである。例えば、流体中のゲル形成剤の濃度は、0.1mg/L〜100.0mg/Lまたは0.5mg/L〜30.0mg/Lであってもよい。

0034

ゲルの別の例は、架橋コロイドのマトリックスである。この場合、ゲルを形成するのに用いられるゲル形成剤は架橋可能なコロイド粒子を含んでおり、かつ、ゲル前駆体材料であって、それからゲルが形成される前記ゲル前駆体材料は、架橋可能なコロイド粒子を含む懸濁液である。ゲルのその他の例としては、光開始重合によって、または、熱誘導重合によって架橋されてもよい高分子を含むゲルが挙げられる。

0035

ゲルの別の例は、イオンキレート化によって架橋された高分子マトリックスである。イオンキレート化によって形成されるゲルの例は、アルギン酸ゲルである。アルギン酸ゲルは、イオンキレート化によって架橋された高分子を含んでいる。この場合、ゲルを形成するのに用いられるゲル形成剤は架橋可能な高分子を含んでおり、かつ、ゲル前駆体材料であって、それからゲルが形成される前記ゲル前駆体材料は、架橋可能な高分子を含む懸濁液または溶液である。高分子間の架橋は、キレート剤の添加によってゲル前駆体材料中で開始される。この文脈でのキレート剤は、典型的にはイオン(例えば、カチオン)である。イオンは、典型的には金属イオン(例えば、金属カチオン)である。この文脈でのキレート剤は、通常は二価イオン(例えば、二価金属カチオン(例えば、アルカリ土類金属ジカチオン(例えば、カルシウムイオン)))である。

0036

ゲルは、起源生物学的であってもよい。例えば、ゲルは、動物由来のコラーゲンを含んでいてもよい。生物由来ゲルの別の例は、マトリゲルである。生物由来ゲルは、生体細胞を支持するゲルネットワークを形成するのに特に適しているかも知れない。

0037

好ましくは、ゲル物体はヒドロゲルを含んでいる。好ましくは、ゲル前駆体材料であって、それからゲルが形成される前記ゲル前駆体材料は、したがって、ゲル形成剤(ヒドロゲル化合物と呼ばれてもよい)と水とを含んでいる。したがって、流動性のゲル前駆体材料であって、それからゲルが形成される前記の流動性のゲル前駆体材料は、水性媒体であってもよい。水性媒体は、典型的には、少なくとも80重量%の水(例えば、90重量%の水)を含んでいる。

0038

別の例示的なゲルは、共有結合的に架橋された高分子である。共有結合性の架橋は、典型的には、例えば紫外線によって光開始されるか、または、例えば加熱によって熱開始される。この場合、ゲル形成剤は非架橋の高分子を含んでおり、かつ、ゲル形成剤を含む流動性のゲル前駆体材料は、非架橋の高分子を含む任意の液体であってもよい。

0039

ゲル(および、存在する時にはゲル前駆体材料)に加えて、ゲル物体は、その他の材料、化合物または物質を含んでいてもよい。例えば、ゲル物体は、少なくとも1つの染料のような小分子または磁石を含有していてもよい。適切な染料としては、フルオロセインおよび5−cTAMRA(5−カルボキシテトラメチルローダミン)が挙げられるが、それらに制限されない。代替的には、ゲル物体は、少なくとも1つのセンサー分子(例えば、特定の化学物質に敏感であるか、または感光性分子であるセンサー分子)を含有していてもよい。

0040

いくつかの実施形態では、ゲル物体は、プロドラッグのような治療剤または造影剤のような診断剤を含んでいる。例えば、治療剤または診断剤は、ゲル物体中に存在していてもよく、したがって、本発明のヒドロゲルネットワーク中に存在していてもよい。

0041

いくつかの実施形態では、ゲル物体は、生体化合物または生体化合物の混合物を含んでいる。「生体化合物」は、インビボ(例えば、人体中)で見られるかも知れない化合物を意味する。生体化合物の例としては、タンパク質(例えば、酵素)が挙げられる。生体化合物の混合物としては、例えば胃液が挙げられる。

0042

別の実施形態では、ゲル物体は生体細胞を含んでいてもよい。本明細書で用いられる場合、用語「生体細胞」は周知であり、かつ、膜で包囲された細胞質(典型的には、核またはリボソームのような小器官を含む)を含む細胞のことをいう。本発明の方法で用いられる生体細胞は、原核性であっても真核性であってもよい。生体細胞は、典型的には真核性である。生体細胞は、自然起源のものであってもよく、遺伝学的に(あるいはその他の方法で)改変されていてもよい。しばしば、生体細胞は、哺乳類組織(例えば、マウス、ラット、ヒツジまたはヒト組織)由来哺乳類細胞である。例えば、生体細胞は、ヒトまたはチンパンジーの組織のような霊長目動物組織由来であってもよい。

0043

いくつかの実施形態では、1つ以上の生体細胞は、2つ以上の異なるタイプの生体細胞から選択される。

0044

したがって、本発明は、ゲル物体が生体細胞を含んでいる、本発明によるゲルネットワークを提供する。生体細胞のタイプとは、特定の種から採った生体細胞の細胞タイプのことをいう。例えば、哺乳類生体細胞タイプの典型的な例としては、ヒト胎児(HEK)細胞、骨芽細胞軟骨細胞および間葉系幹細胞が挙げられる。通常、前記生体細胞は、哺乳類細胞(具体的には、ヒト細胞)である。いくつかの実施形態では、前記生体細胞は、初代細胞である。例えば、生体細胞は、ヒト胚細胞幹細胞、線維芽細胞、筋芽細胞、筋線維芽細胞およびヒト結腸細胞のようなヒト腸細胞のうちの1つ以上から選択されてもよい。生体細胞は、具体的には、HEK293T細胞、NIH3T3細胞、NIH3T3/GFP細胞、ヒト骨格筋芽細胞(HskM)、ヒト結腸筋線維芽細胞(CCD18−Co)およびヒト腸Caco−2細胞から選択されてもよい。

0045

生体細胞は、典型的には生細胞である。典型的には、生体細胞は、0.7〜1.0×107細胞mL−1の濃度でゲル物体中に存在する。

0046

本発明の方法のいくつかの実施形態では、当該方法は、接合したゲル物体のネットワークを製造するための方法であり、ゲル物体のうちの1つ以上は、生体細胞を含んでいる。いくつかの実施形態では、細胞は、ゲル物体の中に、それらが形成されるにつれて組み込まれる。例えば、当該方法が流動性のゲル前駆体材料から1つ以上のマイクロ流体チャンネル中にゲル物体を形成することを含んでおり、該ゲル前駆体材料がゲル形成剤と流体とを含んでいる場合、流動性のゲル前駆体材料は生体細胞を含んでいる。その他の実施形態では、本発明の方法は、生体細胞を、1つ以上のゲル物体の中にそれらが形成された後で挿入するステップを含んでいてもよい。例えば、生体細胞は、ネットワークの一部を形成する1つ以上のゲル物体の中に挿入されてもよい。

0047

本発明の方法に採用される前記生体細胞は、通常は哺乳類細胞(具体的には、ヒト細胞)である。いくつかの実施形態では、前記生体細胞は初代細胞である。例えば、生体細胞は、ヒト胚細胞、幹細胞、線維芽細胞、筋芽細胞、筋線維芽細胞およびヒト結腸細胞のようなヒト腸細胞のうちの1つ以上から選択されてもよい。生体細胞は、具体的には、HEK293T細胞、NIH3T3細胞、NIH3T3/GFP細胞、ヒト骨格筋芽細胞(HskM)、ヒト結腸筋線維芽細胞(CCD18−Co)およびヒト腸Caco−2細胞から選択されてもよい。

0048

いくつかの実施形態では、ゲル物体は細菌を含んでいてもよい。典型的には、細菌は、人体中または人体上で通常見られる細菌(例えば、腸内細菌)である。本発明のこの実施形態の1つの態様では、ゲルネットワークは、異なるタイプの腸内細菌を含有する異なる領域を含んでいてもよい。

0049

本発明のいくつかの実施形態では、ゲル物体の組成は、それらに特定の光学的特性(例えば、特定の色、屈折率または透明度)を付与するように選択されてもよい。例えば、ゲル物体の色、屈折率または透明度は、それらの組成を変化させることによって変化してもよい。ネットワーク内のゲル物体の光学的特性の変化は、例えば液晶ディスプレイにおいて用途を有しているかも知れない。

0050

本発明のいくつかの実施形態では、ゲル物体の組成は、それらに温度依存特性を付与するように選択されてもよい。例えば、ゲル物体は、加熱および/または冷却された時に変形する(例えば、収縮または拡張する)物質を含んでいてもよい。本発明のゲルネットワークは、この方式で設計された時、非常に有用な用途(例えば、温度依存スイッチとしての用途)を有していてもよい。代替的には、本発明のゲルネットワークは、その中の物体の配向のおかげで温度依存変形を達成してもよい。かかる挙動の例は、図2の画像(i)、(j)および(k)に示されており、ここでは、マイクロロッドのシートは、温水中で特定の形状をとり、かつ、冷水中で異なる形状をとる。

0051

本発明のいくつかの実施形態では、ゲル物体のうちの1つ以上(例えば、ゲル物体のうちの少なくともいくつか、または、例えば、ゲル物体のうちのすべて)は、異なる組成の領域を含んでいる。したがって、本発明のいくつかの実施形態では、ゲル物体は、異なる組成の領域を有するゲル物体を含んでいる。

0052

典型的には、かかるゲル物体それぞれにおける異なる組成の領域は、第1の領域と第2の領域とを含んでおり、第1の領域は、第2の領域のものとは異なる組成を有する。

0053

第1の領域は、例えば、第2の領域のない材料(例えば、化合物)を含んでいてもよく、かつ/または、第2の領域は、第1の領域のない材料(例えば、化合物)を含んでいてもよい。追加的または代替的には、第1および第2の領域は、両方とも特定の材料(例えば、特定の化合物)を、しかし異なる濃度で含んでいてもよい。例えば、第1の領域における材料(例えば、化合物)の濃度は、第2の領域における材料(例えば、化合物)の少なくとも2倍であってもよい。第1の領域における材料(例えば、化合物)の濃度は、例えば、第2の領域における材料(例えば、化合物)の濃度の少なくとも10倍(例えば、少なくとも100倍、少なくとも1,000倍または少なくとも1,000,000倍)であってもよい。

0054

以下でさらに説明されるように、問題の材料(または化合物)は、例えば、特定のゲル、特定のゲル形成剤、生体細胞、特定のタイプの生体細胞または特定の小分子化合物であってもよい。材料は、例えば、治療剤、診断剤、生体化合物(例えば、タンパク質もしくは酵素もしくは核酸(例えば、膜タンパク質(例えば、膜孔タンパク質)))または生体細胞(例えば、哺乳類細胞(例えば、ヒト胎児腎(HEK)細胞、骨芽細胞、軟骨細胞および間葉系幹細胞から選択される哺乳類細胞);もしくは、例えば、細菌(例えば、人体中または人体上で通常見られる細菌(例えば、腸内細菌)))であってもよい。

0055

異なる組成の領域はさらに、第3の領域を含んでいてもよく、該第3の領域は、第1の領域のものとは異なり、かつ、第2の領域のものとも異なる組成を有する。第3の領域の組成は、第1の領域および第2の領域の間の相違について上記で定義したように、第1または第2の領域のものと異なっていてもよい。

0056

かかるゲル物体のそれぞれにおいては、異なる組成の領域は、互いに隣接して配置されていてもよい。

0057

しばしば、異なる組成の領域(上記で定義したように、第1および第2の領域であってもよい)は、例えば、ロッド形状のゲル物体であってもよいゲル物体のいずれかの端部に配置される。

0058

いくつかの実施形態では、上記で定義した異なる組成の第1および第2の領域は、ロッド形状のゲル物体中に互いに隣接して配置され、かつ、ゲル物体の反対端まで延びる。

0059

代替的には、異なる組成の領域は、一方の領域の中に(すなわち、一方の領域によって包まれた、または、一方の領域によって囲まれた)もう一方の領域を含んでいてもよい。

0060

例えば、ゲル物体は、例えばロッド形状のゲル物体のいずれかの端部に配置された、互いに隣接したゲル領域を含有していてもよく、各ゲル領域は、異なるタイプのゲルを含有している。代替的には、ゲル物体は、互いの中にゲル領域を含有していてもよく、ゲル物体の中心は、異なるタイプのゲルで包まれている。

0061

典型的には、ゲル物体内の異なる組成の領域は、同種のゲルを含んでいるが、異なる種類の追加成分(例えば、異なる種類の生体細胞または小分子)も含んでいる。代替的には、ゲル物体の異なる領域は、異なる種類のゲル(例えば、異なる種類の高分子(例えば、異なる種類のヒドロゲル))を含んでいてもよい。異なる種類のゲルを用いることに関連する多数の利点が存在する。例えば、2つの異なる種類のゲルは、温度変化に対して異なる反応を有していてもよく、したがって、加熱または冷却の際にゲル物体(したがってゲルネットワーク)の変形を引き起こしてもよい。異なるゲルは、異なる成分と適合してもよい。例えば、親水性高分子から形成されるゲルは、塩を運搬できないかも知れないが、生体細胞を運搬できるかも知れず、したがって、両方の成分を単一のゲル物体の中に組み込むためには、異なる種類のゲルを含む領域を有するゲル物体を作成することが便宜であるかも知れない。

0062

異なる特性を有する異なる領域を有するゲル物体が有用であるかも知れないさらなる領域は、組織結合(具体的には、再生医療(例えば、臓器修復のような組織修復))にある。したがって、本発明は、再生医療(例えば、臓器修復または組織修復)における本発明によるネットワークの使用を提供する。本発明のいくつかの実施形態では、ゲル物体のネットワークは、生体組織に付着していてもよい。したがって、本発明のこの実施形態によれば、ゲルネットワークは、生体組織に付着するであろうゲル物体を含んでいる。しかしながら、ネットワークがまた、組織に付着せず、むしろ、血流中に化学物質を放出する側を有することを必要とされる可能性がある。したがって、組織に付着するであろうある領域と組織に付着しないであろう別の領域とを有するゲル物体を含むネットワークを製造することが望ましい。

0063

異なる組成の領域を有するゲル物体が有用である別の状況は、ゲル物体がゲル物体の間の接触領域のすべてにおいて互いに接合しないことが所望される場合である。例えば、腸のモデルの形成においては、内皮の構造を模倣するためには、一端において付着しているが、他端においては付着していないロッドのネットワークを製造することが望ましい。したがって、これらのような状況では、一端またはその近傍では付着するが、他端またはその近傍では付着しないゲル物体(例えば、ロッド)のネットワークを製造することが望ましい。特定の領域において互いに接合するゲル物体は、異なるゲルの領域を有する物体を作成することによって製造されてもよく、該領域のうちのいくつかは、その他のものよりいっそう、その他のゲル物体と相互作用することが可能である。このことは、例えば異なる速度でゲル化する流動性の媒体からゲル物体を形成すること、または、同一の温度にて異なる程度でゲル化する流動性の媒体からゲル物体を形成すること、または、そうでなければ、ゲル物体中でそれらの形成中にゲル化が発生する程度を制御することによって達成されてもよい。

0064

好ましくは、異なる組成の領域を有するゲル物体は、ヤヌスロッドである。ヤヌスロッドは、第1の領域と第2の領域とを含むロッド形状のゲル物体(ロッドは上記で定義されている)であり、第1の領域は、第2の領域のものとは異なる組成を有する。一般的には、第1の領域はロッドの一端にあり、かつ、第2の領域はロッドの他端(反対端)にある。しばしば、ヤヌスロッドは、異なる組成の2つの領域(すなわち、第1の領域および第2の領域)のみを有し、一方はロッドの一端にあり、かつ、他方はロッドの他端にある。かかる場合、第1および第2の領域はまた、互いに隣接しているであろうし、かつ、ロッドの長さに沿ったどこかの点(典型的には、ロッドの長さの中心またはその近傍)で出会うか、または、合流するであろう。しかしながら、代替的には、ヤヌスロッドは、それらの長さに沿った異なる組成の多数の領域(例えば、異なる組成の少なくとも3つの領域)を有していてもよい。例えば、ヤヌスロッドはさらに、少なくとも1つのさらなる領域を含んでいてもよく、該さらなる領域はそれぞれ、第1の領域のものとは異なり、かつ、第2の領域のものとも異なる組成を有する。例えば、第1の領域はロッドの一端にあってもよく、第2の領域はロッドの他端(反対端)にあってもよく、かつ、少なくとも1つのさらなる領域は、第1の領域と第2の領域との間に配置されていてもよい。少なくとも1つのさらなる領域は、例えば、ロッドの中心部に配置されていてもよく、該中心部は、ロッドの2つの遠位端に挟まれて配置されている。少なくとも1つのさらなる領域は、例えば、第3の領域と呼ばれてもよい、1つのさらなる領域であってもよい。

0065

したがって、本発明のいくつかの実施形態では、ゲル物体のうちの1つ以上(例えば、ゲル物体のうちの少なくともいくつか、または、例えば、ゲル物体のうちのすべて)がヤヌスロッドである。したがって、本発明のいくつかの実施形態では、ゲル物体はヤヌスロッドを含んでいる。

0066

本発明のいくつかの実施形態では、ゲル物体のうちの1つ以上(例えば、ゲル物体のうちの少なくともいくつか、または、例えば、ゲル物体のうちのすべて)がロッド形状のゲル物体であり、該ロッド形状のゲル物体はそれぞれ、第1の領域と第2の領域とを含んでおり、第1の領域は、第2の領域のものとは異なる組成を有する。典型的には、第1の領域はロッドの一端にあり、かつ、第2の領域はロッドの他端にある。

0067

ヤヌスロッドの第1の領域は、第2の領域のない材料(例えば、化合物)を含んでいてもよく、かつ/または、ヤヌスロッドの第2の領域は、ヤヌスロッドの第1の領域のない材料(例えば、化合物)を含んでいてもよい。追加的または代替的には、ヤヌスロッドの第1および第2の領域は、両方とも特定の材料(例えば、特定の化合物)を、しかし異なる濃度で含んでいてもよい。例えば、ヤヌスロッドの第1の領域における材料(例えば、化合物)の濃度は、ヤヌスロッドの第2の領域における材料(例えば、化合物)の少なくとも2倍であってもよい。ヤヌスロッドの第1の領域における材料(例えば、化合物)の濃度は、例えば、ヤヌスロッドの第2の領域における材料(例えば、化合物)の濃度の少なくとも10倍(例えば、少なくとも100倍、少なくとも1,000倍または少なくとも1,000,000倍)であってもよい。問題の材料(または化合物)は、例えば、特定のゲル、特定のゲル形成剤、生体細胞、特定のタイプの生体細胞または特定の小分子化合物であってもよい。材料は、例えば、治療剤、診断剤、生体化合物(例えば、タンパク質もしくは酵素もしくは核酸(例えば、膜タンパク質(例えば、膜孔タンパク質)))または生体細胞(例えば、哺乳類細胞(例えば、ヒト胎児腎(HEK)細胞、骨芽細胞、軟骨細胞および間葉系幹細胞から選択される哺乳類細胞);もしくは、例えば、細菌(例えば、人体中または人体上で通常見られる細菌(例えば、腸内細菌)))であってもよい。

0068

上記で定義したヤヌスロッドの第1および第2の領域は、互いに隣接して(例えば、ロッドの長さの中心またはその近傍に)配置されていてもよく、かつ、ヤヌスロッドの反対端まで延びる。

0069

例えば、ヤヌスロッドはさらに、第3の領域を含んでおり、該第3の領域は、第1の領域のものとは異なり、かつ、第2の領域のものとも異なる組成を有する。例えば、第1の領域はロッドの一端にあってもよく、第2の領域はロッドの他端(反対端)にあってもよく、かつ、第3の領域は第1および第2の領域に挟まれて配置されていてもよい。第3の領域は、例えば、ロッドの中心部に配置されていてもよく、該中心部は、ロッドの2つの遠位端に挟まれて配置されている。これらロッドは、3つ組みのロッドと呼ばれる。

0070

ゲルネットワーク
本明細書で用いられる場合、用語「ゲルネットワーク」または「ネットワーク」は、典型的には、2次元(2D)または3次元(3D)ネットワークを意味し、典型的には、上記で説明したようなゲル物体の3次元ネットワークを意味する。ゲルネットワークは、典型的には、少なくとも50のゲル物体(例えば、少なくとも100のゲル物体、または、例えば、少なくとも1,000のゲル物体)を含んでいる。それは、例えば、少なくとも100,000のゲル物体(例えば、少なくとも500,000のゲル物体)を含んでいてもよい。ゲルネットワークは、典型的には、50〜1,000,000のゲル物体(例えば、100〜500,000のゲル物体または1,000〜100,000のゲル物体)を含んでいる。

0071

ゲルネットワークは、任意の形状またはサイズであってもよい。例えば、ネットワークは、シート、直方体、円筒またはチェーンであってもよい。ネットワークは、組織の形状(例えば、筋肉または腸の一部の形状(図24に示されているように))を模倣していてもよい。ネットワークは、典型的には、個別の物体のサイズと比べて大きい。したがって、ネットワークの最大寸法(例えば、その長さ)は、典型的には少なくとも5mm(例えば、少なくとも1cm)である。それは、例えば、少なくとも2cm(例えば、少なくとも4cm)であってもよい。ネットワークの最大寸法(例えば、その長さ)は、5mm〜10cmであってもよく、かつ、例えば、1cm〜10cm(例えば、2cm〜10cm)であってもよい。しかしながら、ネットワークが、例えば、接合したゲル物体の単層を含んでいれば、その時は、ネットワークの厚さは、個別のゲル物体と同じ厚さ(例えば、10μm〜10mm)に過ぎないであろう。

0072

本発明のゲルネットワークまたは本発明の方法により生成されたゲルネットワークの体積は、例えば、少なくとも1mm3または少なくとも0.2cm3(例えば、少なくとも0.5cm3)であってもよい。それは、例えば、少なくとも1cm3(例えば、少なくとも2cm3、または、例えば、少なくとも5cm3、少なくとも10cm3もしくは少なくとも20cm3)の体積を有していてもよい。ゲルネットワークの体積は、例えば、500cm3より少なくてもよい(例えば、200cm3より少なくてもよく、100cm3より少なくてもよい(例えば、80cm3より少なくてもよい))。ゲルネットワークの体積は、例えば、1mm3〜500cm3(例えば、0.2cm3〜200cm3)であってもよい。ネットワークは、例えば、0.5cm3〜100cm3(例えば、1cm3〜80cm3、または、例えば、3cm3〜20cm3)の体積を有していてもよい。ゲルネットワークの体積は、例えば、0.2cm3〜50cm3(例えば、0.5cm3〜20cm3)であってもよい。ネットワークは、例えば、1cm3〜17cm3(例えば、2cm3〜14cm3、または、例えば、5cm3〜12cm3)の体積を有していてもよい。

0073

ゲルネットワーク内のゲル物体は、ぎっしり詰まっていてもよい。ぎっしり詰まったネットワークでは、ネットワークの体積のかなりの割合が、ゲル物体で満たされている。典型的には、体積のうちの少なくとも40%(例えば、少なくとも50%、または、少なくとも60%)が、ぎっしり詰まったネットワークにおいてゲル物体で満たされている。

0074

しかしながら、本発明の方法は、ゲル物体によって満たされないまま残るべき空間の領域を許容する。ゲル物体の精密な位置および配向は、本発明の方法によって制御され、したがって、ネットワーク内の穴の位置および配向もまた、精密に制御されてもよい。例えば、穴はネットワーク内に規則的な間隔で製造されてもよく、例えば、ゲル物体の層の間に空間が残されてもよい。代替的には、穴の位置は、ランダムに配置されてもよい。穴のサイズは、特に制限されない。例えば、穴は、規則的なパターン内から例えば1〜100のゲル物体を省くことによって形成されてもよく、ゲル物体の間に例えば1μm〜1mmの隙間を残すことによって形成されてもよい。

0075

ゲルネットワークは、多数のタイプのゲル物体を含んでいてもよい。例えば、ゲルネットワークは、同一の化学的組成を有するが、多数の異なる形状および/または多数の異なるサイズを有するゲル物体を含んでいてもよい。同様に、ゲルネットワークは、多数の異なる化学的組成および/または形状および/またはサイズを有するゲル物体を含んでいてもよい。これら種の数、位置および配向は、ネットワーク内で制御されてもよい。したがって、ネットワークのマクロスケール特性は、構成成分であるゲル物体の組成、サイズおよび形状を制御することによって制御されてもよい。例えば、異なる種類の腸内細菌を含有するゲル物体が、ネットワーク内の異なる位置に配置されてもよい。代替的には、腸内組織の異なる層をそれぞれ模倣した異なる種類のゲル物体の層が、互いの上に位置決めされて、腸のモデルのための3次元足場を形成してもよい。かかる構造は、図6に示されている。

0076

ゲルネットワークは、多数の配向の同一のタイプのゲル物体を含んでいてもよい。例えば、ゲル物体が細長い(例えば、ロッド形状のゲル物体である)場合、ネットワークは、ある領域であって、その中のゲル物体の長さに沿う軸がネットワークの主軸と角度(a)をなす前記領域と、別の領域であって、その中のゲル物体の長さに沿う軸がネットワークの前記主軸と角度(b)をなす前記の別の領域とを含んでおり、(a)は(b)と同一ではない。かかるネットワークの例は、ヘリンボンパターンにて配置されたゲルマイクロロッドを含有する図9に示されている。

0077

本発明のゲルネットワークは、上記のセクションにて説明されたゲル物体を含んでいる。したがって、本発明のゲルネットワークは、ゲル物体であって、ある範囲の形状およびサイズを有し;ある範囲のゲルおよび生体細胞、生体分子または小分子のような追加成分を含み;かつ、上記で説明された異なる組成の多数の領域さえ有する、前記ゲル物体を含んでいてもよい。好ましくは、本発明のゲルネットワークは、ロッドの形状のゲル物体を含んでおり、ロッドは上記で定義されている。より好ましくは、本発明のゲルネットワークは、ヤヌスロッド(これもまた上記で定義されている)を含んでいる。

0078

本発明のゲルネットワーク内のゲル物体は、物体の間の接触領域において互いに接合する。「物体の間の接触領域」は、1つのゲル物体が別のものに触れる位置を意味する。典型的には、ネットワーク内の各ゲル物体は、ネットワーク内の少なくとも1つのその他のゲル物体に接合する。例えば、ネットワーク内の各ゲル物体は、それと直接接触しているネットワーク内の各物体に接合してもよい。ネットワーク中のゲル物体の、しばしば少なくともいくつか、および、より典型的にはすべてが、ネットワーク中の1つ以上のその他のゲル物体に接合する。

0079

本明細書で用いられる場合、ゲル物体が互いに「接合」しているとの記載は、典型的には、ゲル物体が互いにゲル化していることを意味する。ゲル化または接合は、必ずしも、隣接するゲル物体の間の全接触領域(単数)または全接触領域(複数)にわたって発生しない。しかしながら、ゲル化は、隣接するゲル物体の間の全接触領域(単数)または全接触領域(複数)にわたって発生し得る。

0080

1つのゲル物体と別のものとの間の接合個所において、一方のゲル物体中のゲル形成剤は、典型的には、他方中のゲル形成剤と混ざり、かつ、他方中のゲル形成剤に結合して(例えば、架橋して)、接合個所においてゲル形成剤のネットワークを形成する。このネットワークは、例えば、ゲル形成剤の性質に基づいて、高分子ネットワークであってもよく、コロイド状ネットワークであってもよい。接合個所におけるネットワークは、一方のゲル物体および他方のゲル物体中のゲルの流体成分によってその体積の至る所に拡張し、接合個所においてゲルを形成する。したがって、接合個所におけるゲル物体の間の結合は、典型的には、接合したゲル物体のバルクにおけるゲル内の結合と特性が同一である。隣接するゲル物体が異なるタイプのゲルを含んでいても、ゲル物体の間の結合は、ゲル物体内の結合と特性が同一であってもよい。例えば、2つの異なるヒドロゲル中の結合は、水素結合相互作用力との組み合わせによって、同一の方式で特徴付けられる。

0081

隣接するゲル物体の間の接合個所は、ゲル結合と呼ばれてもよい。これは、接合個所において、2つのゲル物体が互いにゲル化し、したがって、2つのゲル物体を一緒に接着する(すなわち、結合させる)ゲルの領域が生じるからである。したがって、ゲル結合は、接着剤がゲルである接着剤結合である。ゲル結合は、不完全にゲル化したゲル物体を接触させることによって形成されてもよく、(i)ゲル物体が、それらの間の接触領域において一緒に溶解すること、および、(ii)溶解した領域内のさらなるゲル化を容易にする。溶解した領域内のさらなるゲル化は、ゲル物体を一緒に結合させる(接着する)のに役立つゲルを形成する。換言すれば、溶解した領域内のさらなるゲル化は、ゲル結合を形成する。

0082

ゲル物体を一緒に接着するゲルの領域(すなわち、ゲル結合)は、ゲル物体のバルクゲルと多くの物理的特性共有する。ゲル物体の間の接合個所において、個別のゲル物体の表面は、接合個所に存在することを止め、その代わりに、ゲル物体は互いと統合される。ゲル物体は、この時点において、互いと溶解し、かつ、互いに結合(接着)する。

0083

接合領域における近接するゲル物体の完全な統合の結果として、2つの隣接するゲル物体の間の接合個所(本明細書では、ゲル結合と呼ばれる)におけるゲルの物理的特性の多くが、バルクにおけるものと同一である。例えば、ゲル結合の粘度は、典型的には、物体のバルク中におけるゲルの粘度に非常に類似するか、または、それと同一である。把握されるように、これは通常、隣り合うゲル物体が同一のタイプのゲルを含むか、それから構成される場合である。

0084

本明細書で用いられる場合、用語「粘度」は、絶対粘度(別名を力学的粘度という)を意味する。物質の粘度は、流れに対するその抵抗測定値である。ゲルの粘度は、ゲルの平面(単位面積断面を有する)を、ゲルの平面の間の単位距離を維持しながらゲルの平行な平面に対して移動させるために単位面積あたりに必要とされる力として定義されてもよい。粘度は温度とともに変化し、したがって、粘度は、通常、参照温度において見積もられる。疑義を回避するために、逆の言及がなければ、本明細書における粘度は、室温における粘度(すなわち、25℃における粘度)を意味する。典型的には、隣接するゲル物体の間の接合個所におけるゲルの粘度は、ゲル物体のバルクにおけるゲルの粘度の少なくとも50%(例えば、ゲル物体のバルクにおけるゲルの粘度の少なくとも75%または90%)である。先の場合と同様、これは通常、接合したゲル物体が同一のタイプのゲルを含むか、それから構成される場合であることが把握されるであろう。

0085

接合したゲル物体が異なる種類のゲルを含んでいる場合、接合したゲル物体の間の接合領域におけるゲルの特性は、ゲルを形成するいずれかの物体の特性と同一ではないであろうし、接合領域中の2以上の種類のゲル粒子の間の相互作用によって決定されるであろう。しかしながら、異なるゲルを含むゲル物体の間の接合個所におけるゲルの粘度は、典型的には、ゲル物体の平均粘度の少なくとも50%(例えば、ゲル物体の平均粘度の少なくとも75%または90%)であろう。

0086

ゲル結合の物理的特性のすべてが、ゲル物体のバルクの物理的特性と同一であるわけではない。ゲル物体は接合領域において接合するが、別個の物体のままである;それらは、接合個所を除いて、接触および互いへの接合またはゲル化の前にそれらが有していた形状を保持する。したがって、ゲル物体の間の接合個所は、ゲル物体自体の厚さより実質的に薄いゲルを含んでいる。典型的には、接合個所におけるゲルの厚さは、接合個所を形成する最小のゲル物体の直径より小さい。典型的には、接合個所におけるゲルの厚さは、接合個所を形成する任意のゲル物体の最小寸法のサイズの50%より小さくてもよい(例えば、25%より小さくてもよい)。「接合個所におけるゲルの厚さ」は、接合個所の平面におけるゲル多角形の最小寸法を意味する。例えば、2つのロッドが互いに平行に配置され、かつ、それらの長さに沿って生じる接触領域中に接合個所を形成する場合、接合個所におけるゲルの厚さは、2つのロッドの間の接合個所の平面の中にあり、かつ、それらの中心をつなぐ線に対して直角である平面におけるゲルの厚さである。

0087

ゲル結合のいくつかの物理的特性は、バルクゲル物体の特性とは異なっているかも知れない。なぜなら、ゲル物体の間の接合個所におけるゲルの体積が、上記で説明したように、バルクにおけるゲルの体積より小さいからである。したがって、材料の体積に依存性を有する特性は、接合個所(またはゲル結合)におけるゲルとバルクにおけるゲルとの間で異なるであろう。例えば、ゲルネットワークが機械力に曝される時、隣接するゲル物体の間のゲル結合における少量の材料が、典型的には、ゲル物体自体より容易に変形するであろう。

0088

本発明のゲルネットワーク中のゲル物体の間の接合個所の強度の説明から把握されるように、ネットワーク中のゲル物体の接合は、顕著に強いネットワークをもたらし得る。ネットワークの強度の利点の1つは、それが各寸法において数センチメートルまでにもなる、驚くべく大きいネットワークを支持し得ることである。しかしながら、そのことは、ゲル物体を接合させることの唯一の利点ではない。追加的な利点は、ゲル物体を互いに接合させることが、ネットワーク内のそれらの配向を固定することである。したがって、方向依存特性(すなわち、ネットワークの軸であって、それに沿って特性が測定される前記軸とともに変化する前記特性)を有するネットワークを作成することが可能である。

0089

ゲルネットワーク内では、各ゲル物体は、典型的には、少なくとも1つのその他のゲル物体に接合する。しかしながら、そのことは、ゲル物体の接合がネットワークの至る所で均一であることを意味しない。例えば、ゲル物体は、層のような様式で接合してもよく、ゲルネットワークの層内の各物体が、ゲルネットワークのかかる層内の少なくとも1つのその他の物体に接合するが、異なる層ではゲル物体の間の接合個所が存在しないようになっている。代替的には、各ゲル物体は、ネットワーク内のその近接物のうちの少なくとも半分またはネットワーク内のその近接物のすべてに接合して、強く堅固なネットワークを形成してもよい。ゲルネットワーク内の接合のパターンのその他の例としては、個別の物体を長いチェーンになるように接合させること、または、ゲル物体をネットワークの端部において接合させて丸まったネットワークまたはチューブを形成することが挙げられる。

0090

ゲルネットワーク内の近接するゲル物体が接合する程度は、ネットワークの強度に影響を与える。上述したように、ネットワークであって、その中のすべての物体が、それらの近接物の大部分または事実上すべてに接合する前記ネットワークは、強く強固であろう。対照的に、ネットワークであって、その中のゲル物体がそれらの近接物のすべてに接合しない前記ネットワークは、変形に弱いかも知れない。例えば、接合したゲル物体の層を含むが、1つの層を別のものにつなぐ接合個所を有さないネットワークは、層が互いを越えて移動することを可能にするかも知れないが、層が互いを通って移動することは可能にしないかも知れない。したがって、かかるネットワークは、層の平面中ではあるが、層の平面に対して直角ではなく変形に弱いかも知れない。別の例では、接合したゲル物体のチェーンを含むネットワークは、じれてもよく、圧縮されてもよい。なぜなら、各チェーンまたはストランドが各接合個所において曲り、チェーンの褶曲または捻じれを受け入れ得るからである。しかしながら、接合個所は容易に破壊されず、かつ、かかるチェーンを含むネットワークは、容易に引き離され得なかった。したがって、かかるネットワークは、張力には強いが圧縮には弱く、さらに、線維組織または筋肉の適切なモデルを提供するかも知れない。

0091

ネットワーク内のゲル物体の間の接合個所の数および位置が、ネットワークの物理的特性が制御されることを可能にすることは、この説明から明らかである。ネットワーク内のゲル物体の間の接合個所の数および位置は、3次元におけるネットワークの強度および変形に対する弱さを制御するために変えられてもよい。

0092

本発明の方法は、ゲル物体のネットワークであって、ネットワーク内の各ゲル物体の位置および配向が精密に制御され得る前記ネットワークの作成を可能にする。したがって、ゲル物体のネットワークは、3次元にて注意深く設計されてもよく、したがって、その特性は、特定の必要性に合うように適合してもよい。ネットワーク内に精密に種を配置する能力を有することが有利である、ある範囲の状況が以下で説明される。

0093

いくつかの実施形態では、ゲルネットワークは、異なる時間にネットワークから放出されることを意図した異なる化学物質を含有していてもよい。したがって、ゆっくり放出される化学物質を含有するゲル物体をゲルネットワークの中心に配置し、かつ、ゆっくり放出される化学物質を含有するゲル物体をゲルネットワークの縁部に配置することは有利である。

0094

別の実施形態では、ネットワークは、熱または液体の存在のような外的刺激に曝される際に特定の様式で変形するように設計されてもよい。かかる刺激に曝される際の変形のパターンを制御するために、かかる刺激に対して異なる反応を有するゲル物体が配置されてもよい。例えば、温水中で膨張しないゲル物体の層より上に温水の存在下で膨張するゲル物体の層を配置することによって、バイメタル片に類似するネットワークが形成されてもよい。物体が温水中に配置される時、その他の層の拡張を伴わない1つの層の拡張は、物体が丸くなることを引き起こすであろう。

0095

ゲルネットワーク内のゲル物体の位置および配向を精密に制御する能力の最も重要な利点のうちの1つは、複雑な構造の構築を可能にすることである。具体的には、それは、生体組織(典型的にはヒト組織または動物組織(例えば、ヒト臓器))を模倣した構造の作成を可能にする。かかる複雑な構造は、本発明によるゲルネットワークだけでなく、固体支持体のようなその他の特徴を含んでいてもよい。

0096

ゲルネットワークは、ゲル物体に加えて材料を含んでいてもよい。例えば、接合したゲル物体のネットワークはさらに、細胞外マトリックス材料を含んでいてもよい。細胞外マトリックス材料は、例えば、コラーゲン、マトリゲル、ラミンまたはフィブロネクチンであってもよい。

0097

ゲルネットワークは、支持材料を含んでいてもよい。「支持材料」は、ゲルネットワークの一部またはすべてを覆う材料を意味する。例えば、支持材料は、ネットワークの1つの面の上に存在していてもよく、または、ゲルネットワークは、支持材料の中に全体的に包まれていてもよい。別の実施形態では、ゲルネットワークは、ネットワーク内部に支持材料を有していてもよく、ネットワークが支持材料の周りに構築されるようになっている。

0098

支持材料の性質は、特に制限されない。支持材料は、堅固な材料であってもよく、変形可能な材料(例えば、熱応答性材料)であってもよい。熱応答性材料は、その温度が変えられるにつれて形状を変えるものである。支持材料は、例えば、高分子を含んでいてもよい。例えば、被覆材料は、ゲル(例えば、熱応答性ゲル)であってもよい。1つの実施形態では、支持材料は、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)(PNIPAM)である。

0099

支持材料は、支持材料のないゲルネットワークとは異なる特性(例えば、異なる熱的特性)を有していてもよい。結果的に、支持材料とゲルネットワークとを含む複合物体は、支持材料のないゲルネットワークの熱的特性とは異なる特性(例えば、熱的特性)を有していてもよい。かかる挙動の例は、PNIPAMに包まれたゼラチン−メタクリレート物体のネットワークが温水中および冷水中で変形することが観察される図2に示されている。この変形の理由は、PNIPAMが熱応答性材料であり、その変形がその中のゲル物体の配向によってガイドされることである。したがって、いくつかの実施形態では、本発明は、支持材料(例えば、熱応答性支持材料)を含むゲルネットワークであって、支持材料の温度の制御された変形がゲルネットワーク(例えば、ゲルネットワーク内のゲル物体の配向)によって制御される前記ゲルネットワークに関する。

0100

本発明のゲルネットワークは、例えば:生体組織のモデルとしての用途;インビボインプラント(例えば、薬物送達または損傷した組織における)としての用途;光学デバイスにおける用途;電子デバイスにおける用途;および新規材料としての用途を含む種々の用途に使用されてもよい。

0101

本発明の方法
本発明は、ゲルネットワークを製造するための方法を提供し、該ゲルネットワークは、複数の接合したゲル物体を含んでおり、当該方法は:
複数のゲル物体を1つ以上のマイクロ流体チャンネル中で形成することと;
ゲル物体を1つ以上のマイクロ流体チャンネルからネットワークを製造するための領域の中へと分配することと;
前記領域(ネットワークを製造するための)において各ゲル物体を少なくとも1つのその他のゲル物体に接触させて、ゲル物体の間の接触領域において各ゲル物体を少なくとも1つのその他のゲル物体に接合させることとを含んでいる。

0102

当該方法は、少なくとも10のゲル物体を1つ以上のマイクロ流体チャンネル中で形成することを含んでいてもよい(すなわち、複数のゲル物体は、少なくとも10のゲル物体である)。当該方法は、典型的には、少なくとも50のゲル物体を1つ以上のマイクロ流体チャンネル中で形成することを含んでいる(すなわち、複数のゲル物体は、少なくとも50のゲル物体である)。したがって、本発明の方法によって製造されるゲルネットワークは、典型的には、少なくとも50の接合したゲル物体を含んでいる。当該方法は、例えば、少なくとも100のゲル物体を1つ以上のマイクロ流体チャンネル中で形成することを含んでいてもよい(すなわち、複数のゲル物体は、少なくとも100のゲル物体であってもよい)。したがって、本発明の方法によって製造されるゲルネットワークは、少なくとも100の接合したゲル物体を含んでいる。いくつかの実施形態では、当該方法は、少なくとも1,000のゲル物体を1つ以上のマイクロ流体チャンネル中で形成することを含んでいる(すなわち、複数のゲル物体は、少なくとも1,000のゲル物体である)。当該方法は、例えば、少なくとも100,000のゲル物体を1つ以上のマイクロ流体チャンネル中で形成することを含んでいてもよい(例えば、それは、少なくとも500,000のゲル物体を1つ以上のマイクロ流体チャンネル中で形成することを含んでいてもよい)(すなわち、複数のゲル物体は、少なくとも100,000のゲル物体、または、例えば、少なくとも500,000のゲル物体であってもよい)。したがって、本発明の方法によって製造されるゲルネットワークは、少なくとも1,000の接合したゲル物体(例えば、少なくとも100,000の接合したゲル物体(例えば、少なくとも500,000の接合したゲル物体))を含んでいてもよい。複数のゲル物体は、例えば、50〜1,000,000のゲル物体(例えば、100〜500,000のゲル物体または1,000〜100,000のゲル物体)であってもよい。したがって、本発明の方法によって製造されるゲルネットワークは、50〜1,000,000の接合したゲル物体(例えば、100〜500,000の接合したゲル物体または1,000〜100,000の接合したゲル物体)であってもよい。

0103

業者によって理解されるように、複数のゲル物体のうちのすべてが、1つの特定のマイクロ流体チャンネル中で形成される必要があるわけではない。当該方法は、複数のゲル物体を1つより多いマイクロ流体チャンネル中(例えば、2つ、3つ、または3つより多いマイクロ流体チャンネル中)で形成することを含んでいてもよい。

0104

したがって、当該方法は、前記の複数のゲル物体を第1のマイクロ流体チャンネル中および1つ以上のさらなるマイクロ流体チャンネル中で形成することを含んでいてもよい。かかる実施形態では、1つより多いゲル物体が、未だ概して、当該方法において採用される各マイクロ流体チャンネル中で形成されるであろう。

0105

したがって、かかる実施形態では、当該方法は、概して、第1の複数のゲル物体を、第1のマイクロ流体チャンネル中で形成することと、さらなる複数のゲル物体を採用されたさらなるマイクロ流体のそれぞれの中で形成することとを含むであろう。例えば、当該方法は、第1の複数のゲル物体を第1のマイクロ流体チャンネル中で形成することと、第2の複数のゲル物体を第2のマイクロ流体チャンネル中で形成することとを含んでいてもよい。当該方法はさらに、第3の複数のゲル物体を第3のマイクロ流体チャンネル中で形成することを含んでいてもよい。

0106

いずれの場合も、当該方法は、典型的には:第1のゲル物体および第2のゲル物体をマイクロ流体チャンネル中で形成することと;第1および第2のゲル物体をマイクロ流体チャンネルからネットワークを製造するための領域の中へと分配することと;前記領域において第1のゲル物体を第2のゲル物体と接触させて、第1および第2のゲル物体の間の接触領域において第1のゲル物体を第2の物体に接合させることとを含んでいる。当該方法はさらに、1つ以上のさらなるゲル物体をマイクロ流体チャンネル中で形成することと;1つ以上のさらなるゲル物体をマイクロ流体チャンネルからネットワークを製造するための領域の中へと分配することと;前記領域において1つ以上のさらなるゲル物体をそれぞれ第1のゲル物体、第2のゲル物体またはさらなるゲル物体と接触させて、ゲル物体の間の接触領域においてさらなるゲルをそれぞれ少なくとも1つのその他のゲル物体に接合させることとを含んでいてもよい。

0107

典型的には、かかる実施形態では、第1、第2およびさらなるゲル物体は、合計で少なくとも50のゲル物体である。したがって、本発明の方法により製造されるゲルネットワークは、少なくとも50の接合したゲル物体を含んでいる。第1、第2およびさらなるゲル物体は、例えば、合計で少なくとも100のゲル物体であってもよい。したがって、本発明の方法により製造されるゲルネットワークは、少なくとも100の接合したゲル物体を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、第1、第2およびさらなるゲル物体は、合計で少なくとも1,000のゲル物体である。第1、第2およびさらなるゲル物体は、例えば、合計で少なくとも100,000のゲル物体、または、例えば、少なくとも500,000のゲル物体である。したがって、本発明の方法により製造されるゲルネットワークは、少なくとも1,000の接合したゲル物体(例えば、少なくとも100,000の接合したゲル物体(例えば、少なくとも500,000の接合したゲル物体))を含んでいてもよい。第1、第2およびさらなるゲル物体は、例えば、合計で50〜1,000,000のゲル物体(例えば、100〜500,000のゲル物体、または、1,000〜100,000のゲル物体)であってもよい。したがって、本発明の方法により製造されるゲルネットワークは、50〜1,000,000の接合したゲル物体(例えば、100〜500,000の接合したゲル物体、または、1,000〜100,000の接合したゲル物体)を含んでいてもよい。

0108

ゲル物体の形成
本発明の方法によれば、ゲル物体は、1つ以上のマイクロ流体チャンネル中で形成される。ゲル物体の形成は、ゲル形成剤と流体とを含む、本明細書では「ゲル前駆体材料」と呼ばれる、流動性媒体のゲル化を伴う。流体は、典型的には液体である。ゲル前駆体材料中のゲル形成剤および流体の性質は、本明細書にて先にさらに説明された。本発明の方法によって形成されるゲル物体もまた、上記で説明されている。

0109

典型的には、ゲル形成剤および流体を含むゲル前駆体材料は、ゲル前駆体材料の温度が特定の温度より下に下がった時に、相変態を経験してゲルを形成することが可能である。すなわち、ゲル粒子を含むゲル前駆体材料は、典型的には、ゾル−ゲル転移温度(流動性のゲル前駆体材料からゲルへの転移の発生する温度)においてゾル−ゲル転移を経験することが可能である。ゲル前駆体材料がゾル−ゲル転移温度より上からゾル−ゲル転移温度より下へと冷却される時は、ゾル−ゲル転移は、典型的には、液体から固体への相変態である。例えば、ゲル前駆体材料中の流体が水であり、かつ、ゲル前駆体材料中のゲル形成剤がヒドロゲル化合物であり、ゲル前駆体材料がヒドロゲル化合物を含む水性媒体であるようになっている時、水性媒体は、水性媒体の温度が特定の温度(水性媒体中のヒドロゲル化合物のゲル化温度であろう)より下に下げられた時にゲル化してヒドロゲルを形成するであろう。

0110

ゲル物体の形成が温度の制御されたゾル−ゲル転移に起因して発生する場合、流動性のゲル前駆体材料およびゲル物体の温度は、ゲル化の程度を決定するために制御されてもよい。

0111

典型的には、本発明の方法では、ゲル前駆体材料のリザーバー(まだマイクロ流体チャンネルに追加されていない)が、ゾル−ゲル転移温度より上の温度において維持されている。これは、例えば、ほぼ室温であるか、または、室温より上の温度であってもよい(例えば、それは、25℃に等しいか、または、25℃より大きい温度(例えば、30℃に等しいか、もしくは、30℃より大きい温度であるか、または、例えば、35℃に等しいか、もしくは、35℃より大きい温度)であってもよい)。ゲル前駆体材料のリザーバーが維持される温度は、例えば、25℃〜70℃(例えば、30℃〜60℃(例えば、35℃〜50℃))であってもよい。したがって、ゲル前駆体材料は、典型的には、それがマイクロ流体チャンネルの中に入る前はゲル化していなかった。しかしながら、固体ゲル物体がマイクロ流体チャンネルの中に配置され、その後、ゲル前駆体材料中に包まれて、マイクロ流体チャンネル内により大きなゲル物体を形成してもよいことが考え得る。固体ゲル物体がマイクロ流体チャンネル中に配置され、それに続いてゲル中に包まれれば、チャンネル中に配置された固体ゲル物体は、典型的には、マイクロ流体チャンネルの温度において固体であるか、または、例えば、光開始架橋、熱開始架橋または酵素開始架橋によって、先行して不可逆的に固体化していたかのいずれかである。

0112

本発明のいくつかの実施形態では、ゲル前駆体材料のリザーバー(まだマイクロ流体チャンネルに追加されていない)が、ゾル−ゲル転移温度より下の温度において維持されている。典型的には、これら実施形態では、ゲル前駆体材料は、ゾル−ゲル転移温度より下では流動性であり、かつ、より高温ではゲル化するものである。加熱の際にゲル化を経験するこのタイプのゲル材料は、熱ゲル化材料と呼ばれてもよい。このタイプの例がPluronic F127である(Tissue Eng 2005, 11, 974−983参照)。これら実施形態では、熱ゲル化材料のリザーバーは、例えば、1℃〜30℃(例えば、5℃〜25℃(例えば、10℃〜20℃))において維持される。したがって、ゲル前駆体材料は、典型的には、それがマイクロ流体チャンネルの中に入る前はゲル化していなかった。しかしながら、固体ゲル物体がマイクロ流体チャンネルの中に配置され、その後、ゲル前駆体材料中に包まれて、マイクロ流体チャンネル内により大きなゲル物体を形成してもよいことが考え得る。固体ゲル物体がマイクロ流体チャンネル中に配置され、それに続いてゲル中に包まれれば、チャンネル中に配置された固体ゲル物体は、典型的には、マイクロ流体チャンネルの温度において固体であるか、または、例えば、光開始架橋によって、先行して固体化していたかのいずれかである。

0113

本発明のいくつかの実施形態では、ゲル前駆体材料は、ゲル前駆体材料がキレート剤に曝される時にゾル−ゲル転移(典型的には、液体から固体への相変態)を経験してもよい。キレート剤に曝される時にゾル−ゲル転移を経験するゲル前駆体材料の例は、アルギン酸ゲルである。アルギン酸ゲルの場合、適切なキレート剤は二価金属イオン(例えば、アルカリ土類金属ジカチオン(例えば、カルシウムイオン))である。

0114

ゲル物体は、典型的には、それがマイクロ流体チャンネルから分配される時には少なくとも部分的にゲル化している。しかしながら、好ましくは、ゲル物体は、それがマイクロ流体チャンネルから分配される時には不完全にゲル化している。したがって、部分的ゲル化(すなわち、部分的固体化)は、通常、マイクロ流体チャンネルの中に入るゲル前駆体材料とマイクロ流体チャンネルから分配されるゲル物体との間で発生する。

0115

ゲル物体がマイクロ流体チャンネル中で形成されることを確実にすることの利点のうちの1つは、ゲル物体が、それらがマイクロ流体チャンネルから出る時に安定していることである。「安定している」は、ゲル物体が、それらがマイクロ流体チャンネルから分配された後でそれらの形状を維持することを意味する。本発明の方法のこの態様は、それがゲルネットワークが形成される領域においてゲル物体を安定化させる界面活性剤の必要性を除去するので、有利である。また、上述したように、1つ以上のマイクロ流体チャンネル中で形成されるゲル物体は、典型的には、不完全にゲル化しており、このことは、ゲル物体がネットワークを製造するための領域において続いて互いと接触する時に、ゲル物体が接触領域において一緒に溶解し、かつ、それら領域においてさらなるゲル化が発生し、ゲル物体を一緒に接合させるそれら領域のそれぞれにおいてゲル結合を形成するという利点を有する。

0116

ゲル前駆体材料が温度の制御されたゾル−ゲル変態を経験することが可能であれば、マイクロ流体チャンネル中でゲル物体を形成するためのマイクロ流体チャンネル中のゲル前駆体材料のゲル化は、マイクロ流体チャンネルの温度を制御することによって達成されてもよい。

0117

したがって、典型的には、本発明の方法では、マイクロ流体チャンネルの一部(しばしば、ゲル物体が分配される領域に隣接したマイクロ流体チャンネルの一部)が、特定の温度(典型的には、ゲルのゾル−ゲル転移温度より下の温度)で保持される。特定の温度は、例えば、室温より下の温度であってもよい(例えば、それは25℃より小さい温度であってもよい)。それは、例えば、20℃に等しいか、または、20℃より下の温度(例えば、0℃より大きく20℃までの温度(例えば、1℃〜15℃の温度、または、例えば、4℃〜12℃の温度))であってもよい。しかしながら、ゲル前駆体材料が熱ゲル化材料である場合は特に、マイクロ流体チャンネルの前記の一部は、ゲルのゾル−ゲル転移温度より上の温度で保持されてもよい。マイクロ流体チャンネル内のゲル物体のゲル化の程度は、マイクロ流体チャンネルの温度および/またはマイクロ流体チャンネルの長さおよび/またはマイクロ流体チャンネルを通るゲル粒子を含む流動性媒体の流量を調整することによって制御されてもよい。

0118

本発明のいくつかの実施形態では、ゲル前駆体材料中の流体は水であり、かつ、ゲル前駆体材料中のゲル形成剤はヒドロゲル化合物であり、ゲル前駆体材料がヒドロゲル化合物を含む水溶液であるようになっている。かかる実施形態では、ゲル前駆体材料は、ゾル−ゲル転移温度(例えば、25℃〜35℃の範囲内にある特定の温度であってもよい)を有していてもよく、したがって、ゲル前駆体材料のリザーバー(まだマイクロ流体チャンネルに追加されていない)は、典型的には、かかる温度より上で維持され、一方で、マイクロ流体チャンネルであって、その中でゲル物体が形成される前記マイクロ流体チャンネルは、かかる温度より下で維持される。

0119

したがって、本発明の方法(具体的には、ゲル物体を1つ以上のマイクロ流体チャンネル中で形成するステップ)は:
(a)ゲル前駆体材料(本明細書でさらに定義されるようなものであってもよい)を第1の温度で維持することと;
(b)ゲル前駆体材料を1つ以上のマイクロ流体チャンネルの中へと導入することと;
(c)1つ以上のマイクロ流体チャンネルを第2の温度で維持することとを含んでいてもよく、第2の温度は第1の温度と異なる。

0120

第2の温度は、通常は第1の温度より低い(すなわち、小さい)。しかしながら、上記で説明したように、加熱の際にゲル化を経験する熱ゲル化ゲル前駆体材料が採用されれば、第2の温度は、通常は第1の温度より高い(すなわち、大きい)であろう。

0121

ゲル前駆体材料を第1の温度で維持する目的は、ゲル前駆体材料がゲル化することを防止することと、そのことによってそれを流動性の(典型的には、液体)状態で保つことである。1つ以上のマイクロ流体チャンネルを第2の温度で維持する目的は、ゲル前駆体材料のゲル化を開始させてゲル物体を形成することである。

0122

上述のように、第2の温度は、通常は第1の温度より低い(すなわち、小さい)。典型的には、第1の温度は、ほぼ室温であるか、または、室温より上である。例えば、第1の温度は、25℃に等しいか、または、25℃より大きくてもよい(例えば、30℃に等しいか、もしくは、30℃より大きくてもよく、または、35℃に等しいか、もしくは、35℃より大きくてもよい)。第1の温度は、例えば、25℃〜70℃(例えば、30℃〜60℃(例えば、35℃〜50℃))であってもよい。

0123

マイクロ流体チャンネル(単数)またはマイクロ流体チャンネル(複数)(その中で、ゲル物体が形成される)が維持される第2の温度は、典型的には、室温より下である。例えば、それは25℃より小さい温度(例えば、20℃に等しいか、または、20℃より下の温度)であってもよい。第2の温度は、例えば、0℃より大きく20℃までの温度(例えば、1℃〜20℃、2℃〜15℃、または、例えば、4℃〜12℃の温度)であってもよい。

0124

例えば、第1の温度は、室温に等しくてもよく、室温より大きくてもよく、かつ、第2の温度は、室温より小さくてもよい。第1の温度は、例えば、25℃に等しくてもよく、25℃より大きくてもよく、かつ、第2の温度は、25℃より小さくてもよい。第1の温度は、例えば、30℃に等しくてもよく、30℃より大きくてもよく、かつ、第2の温度は、20℃に等しくてもよく、20℃より小さくてもよい。しばしば、例えば、第1の温度は、35℃に等しいか、35℃より大きく、かつ、第2の温度は、20℃に等しいか、20℃より下である。第1の温度は、通常は90℃より小さく、かつ、第2の温度は、典型的には0℃より大きい。

0125

第1の温度は、例えば、25℃〜70℃であってもよく、かつ、第2の温度は、1℃〜20℃であってもよい。しばしば、例えば、第1の温度は、30℃〜60℃であり、かつ、第2の温度は、2℃〜15℃である。第1の温度は、例えば、35℃〜50℃であってもよく、かつ、第2の温度は、4℃〜12℃であってもよい。

0126

第1の温度は、例えば、30℃より上(例えば、35℃〜55℃)であってもよく、かつ、第2の温度は、30℃より下(例えば、2℃〜25℃(例えば、8℃))であってもよい。

0127

いくつかの実施形態では、第2の温度は、第1の温度より高い(すなわち、第1の温度を越える)。具体的には、第2の温度は、ゲル前駆体材料が熱ゲル化材料(すなわち、加熱される時にゲル化を経験する材料)である場合に第1の温度より高い。かかるゲルは、低温では流動性の状態で維持され、かつ、加熱の際により流動的ではなくなる。

0128

典型的には、第1の温度は、ほぼ室温であるか、または、室温より下である。例えば、第1の温度は、30℃に等しくてもよく、30℃より小さくてもよい(例えば、25℃に等しくてもよく、25℃より小さくくてもよく、または、20℃に等しくてもよく、20℃より小さくてもよい)。第1の温度は、例えば、1℃〜30℃(例えば、5℃〜25℃(例えば、10℃〜20℃))であってもよい。

0129

マイクロ流体チャンネル(単数)またはマイクロ流体チャンネル(複数)(その中で、ゲル物体が形成される)が維持される第2の温度は、典型的には、室温より上である。例えば、それは30℃を越える温度(例えば、40℃もしくは50℃に等しいか、または、40℃もしくは50℃より上の温度)であってもよい。第2の温度は、例えば、30℃〜70℃の温度(例えば、35℃〜60℃(例えば、40℃〜50℃)の温度)であってもよい。

0130

例えば、第1の温度は室温より下であってもよく、かつ、第2の温度は、室温を越えてもよく、室温に等しくてもよい。第1の温度は、例えば、30℃より小さくてもよく、かつ、第2の温度は、30℃に等しくてもよく、30℃を越えてもよい。第1の温度は、例えば、25℃に等しくてもよく、25℃より小さくてもよく、かつ、第2の温度は、35℃に等しくてもよく、35℃より上でもよい。しばしば、例えば、第1の温度は、20℃に等しいか、20℃より小さく、かつ、第2の温度は、40℃に等しいか、40℃より上である。第1の温度は、通常は0℃より大きく、かつ、第2の温度は、典型的には90℃より小さい。

0131

第1の温度は、例えば、1℃〜25℃であってもよく、かつ、第2の温度は、30℃〜70℃であってもよい。しばしば、例えば、第1の温度は2℃〜15℃であり、かつ、第2の温度は35℃〜60℃である。第1の温度は、例えば、4℃〜12℃であってもよく、かつ、第2の温度は、40℃〜50℃であってもよい。

0132

第1の温度は、例えば、30℃より低くてもよく(例えば、5℃〜20℃)、かつ、第2の温度は、30℃より上であってもよい(例えば、35℃〜50℃(例えば、40℃))。

0133

マイクロ流体チャンネルの温度、ゲル前駆体材料の流量およびマイクロ流体チャンネルの長さは、ゲル前駆体材料が、マイクロ流体チャンネルの出口に向かって流れる時にゾルーゲル転移を経験することを確実にするように調整されてもよい。

0134

例えば、本発明のいくつかの実施形態では、ゲル前駆体材料は、ゼラチンを含む水溶液である。この実施形態では、ゼラチンを含むゲル前駆体材料は、約30℃のゾル−ゲル転移温度を有し、したがって、ゼラチンを含むゲル前駆体材料のリザーバーは、典型的には、30℃より上(例えば、35℃〜55℃の温度)で維持され、一方で、マイクロ流体チャンネルであって、その中でゼラチンゲル物体が形成される前記マイクロ流体チャンネルは、30℃より下の温度(例えば、2℃〜25℃の温度(例えば、8℃))で維持される。マイクロ流体チャンネルの温度、ゼラチンを含むゲル前駆体材料の流量およびマイクロ流体チャンネルの長さは、ゼラチンが、マイクロ流体チャンネルの出口に向かって流れる時にゾルーゲル転移を経験することを確実にするように調整される。

0135

しかしながら、ゲル物体の形成は、温度の制御されたゾル−ゲル転移以外によって起こってもよい。ゲル前駆体材料は、任意の適切な手段によってマイクロ流体チャンネル中でゲル化を経験してゲル物体を形成するように誘導されてもよい。例えば、ゲル化プロセスは、例えば、入射光によって(光開始とも呼ばれる)、または、熱開始によって(すなわち、加熱によって)開始されてもよい共有結合架橋プロセスを含んでいてもよい。加熱によってゾル−ゲル転移を経験するように誘導されてもよいゲルの例が、マトリゲルである。

0136

したがって、いくつかの実施形態では、本発明の方法(具体的には、ゲル物体を1つ以上のマイクロ流体チャンネル中で形成するステップ)は:
(a)ゲル前駆体材料(本明細書でさらに定義されるようなものであってもよい)を第1の温度で維持することと;
(b)ゲル前駆体材料を1つ以上のマイクロ流体チャンネルの中に導入することと;
(c)1つ以上のマイクロ流体チャンネルを第2の温度で維持することを含んでいてもよく、第2の温度は第1の温度より大きい。

0137

また、いくつかの実施形態では、本発明の方法(具体的には、ゲル物体を1つ以上のマイクロ流体チャンネル中で形成するステップ)は:
(a)ゲル前駆体材料(本明細書でさらに定義されるようなものであってもよい)を1つ以上のマイクロ流体チャンネルの中に導入することと;
(b)1つ以上のマイクロ流体チャンネルをゲル前駆体材料内で架橋を開始させるのに適した光で照射することとを含んでいてもよい。ゲル前駆体材料内で架橋を開始させるのに適した光は、例えば、紫外線であってもよく、可視光であってもよい。

0138

例えば、高分子を架橋するのに、リボフラビン開始剤と組み合わせて青色光が用いられ得る。

0139

ゲル前駆体材料がキレート剤との接触によって誘導されるゾル−ゲル変態を経験することが可能であれば、マイクロ流体チャンネル中でゲル物体を形成するためのマイクロ流体チャンネル中のゲル前駆体材料のゲル化は、ゲル前駆体材料へのキレート剤の添加を制御することによって達成されてもよい。典型的には、キレート剤は、マイクロ流体チャンネル中でゲル前駆体材料に添加される。例えば、キレート剤は、ゲル前駆体材料とともにマイクロ流体チャンネルに添加されてもよい。しかしながら、キレート剤はまた、マイクロ流体チューブ内のゲル前駆体材料の小滴に添加されてもよい。マイクロ流体チャンネル中のゲル前駆体材料のゲル化の程度および速度は、ゲル前駆体材料に添加されるキレート剤の量および/または濃度を制御することによって制御されてもよい。ゲル化の程度および速度は、キレート剤がゲル前駆体材料に添加される時間を制御することによって制御されてもよい。例えば、ゲル物体中のゲル化の程度は、ゲル前駆体材料がキレート剤と接触した時間とこのように形成されたゲル物体が分配される時間との間の遅れを増大させることによって増大してもよい。

0140

したがって、いくつかの実施形態では、本発明の方法(具体的には、ゲル物体を1つ以上のマイクロ流体チャンネル中で形成するステップ)は、マイクロ流体チャンネルまたは各マイクロ流体チャンネルにキレート剤を導入することを含んでいてもよい。

0141

いくつかの実施形態では、本発明の方法(具体的には、ゲル物体を1つ以上のマイクロ流体チャンネル中で形成するステップ)は、
(a)ゲル前駆体材料をゲル前駆体入口においてマイクロ流体チャンネルの中に導入することと;
(b)キレート剤をキレート剤入口において前記マイクロ流体チャンネルの中に導入することと;
(c)ゲル前駆体材料がキレート剤と混ざることを可能にすることとを含んでいてもよい。

0142

ゲル前駆体入口とキレート剤入口とは、マイクロ流体チューブに対して同一の位置にあってもよく、なくてもよい。例えば、前記入口は、ゲル前駆体材料とキレート剤とをマイクロ流体チューブ内の同一の位置の中に導入してもよい。いくつかの実施形態では、キレート剤入口は、マイクロ流体チューブ中でゲル前駆体入口の下流にある。これら実施形態では、キレート剤は、既にマイクロチューブ内にあるゲル前駆体(例えば、ゲル前駆体の小滴)へと導入される。いくつかの実施形態では、キレート剤入口は、マイクロ流体チューブ中でゲル前駆体入口の上流にある。これら実施形態では、ゲル前駆体は、既にマイクロチューブ内にあるキレート剤(例えば、キレート剤の小滴)へと導入される。

0143

ゲル前駆体とともにであるか、または、ゲル前駆体の後であるかのいずれかでマイクロ流体チューブにキレート剤を添加することは、図18に示されている。この図では、ゲル前駆体材料はアルギン酸リザーバーであり、かつ、キレート剤はカルシウムイオンのリザーバーである。アルギン酸溶液、カルシウムイオンおよび油は、マイクロ流体チューブの中に注入される。

0144

図18aは、これら3つの物質が3方向入口またはポートにおいてマイクロ流体チューブ内の同一の位置の中へと注入される実施形態を示している。オイルプラグがちりばめられた、キレート剤(カルシウム)と混ざったアルギン酸の部分が、マイクロ流体チューブ中に生じる。ゲル化プロセスは、アルギン酸がチューブの端部に近付くにつれて起こり、かつ、部分的または完全にゲル化した物体が分配される。

0145

図18bは、ゲル前駆体材料(アルギン酸溶液)と油とが2方向入口またはポートを介してマイクロ流体チューブの中へと注入される実施形態を示している。オイルプラグでちりばめられた、ゲル前駆体(アルギン酸)の部分が形成される。ゲル前駆体材料の部分は、下流のさらなる1方向入口(ポート)を通過する。キレート剤(カルシウムイオン)はここで注入され、かつ、アルギン酸と混ざり、ゲル化を止める。

0146

本発明のいくつかの実施形態では、ゲル前駆体材料がマイクロ流体チャンネル中でゲル化を経験するように誘導される手段に関わらず、ゲル化は、ゲル物体がマイクロ流体チャンネルから外に出る時には不完全である。典型的には、ゲル化プロセスは、ゲル物体がネットワークが形成される領域中で安定する(すなわち、それがその形状を維持する)程十分に進められる。しかしながら、架橋プロセスは、ゲル物体がマイクロ流体チャンネルから分配される時には不完全であってもよく、典型的には、ゲル物体がマイクロ流体チャンネルから分配された後でさらなる架橋(すなわち、さらなるゲル化)を経験することが可能であるようになっている。

0147

マイクロ流体チャンネルから外に出る時に不完全にゲル化しているゲル物体は、ゲル物体内で内面的にだけではなく、ゲル物体の間の接触領域において隣接するゲル物体に対して外面的にもさらなるゲル化を経験することが可能である。したがって、不完全にゲル化したゲル物体は、互いにゲル化して、ゲル結合と呼ばれるゲル物体の間のゲルの領域を形成し得る。

0148

本発明の方法では、複数のゲル物体を1つ以上のマイクロ流体チャンネル中で形成することは、典型的には:複数の不完全にゲル化したゲル物体を1つ以上のマイクロ流体チャンネル中で形成することを含んでおり;
ゲル物体を1つ以上のマイクロ流体チャンネルからネットワークを製造するための領域の中へと分配することは、通常:不完全にゲル化したゲル物体を1つ以上のマイクロ流体チャンネルからネットワークを製造するための領域の中へと分配することを含んでおり;かつ、
ネットワークを製造するための前記領域において各ゲル物体を少なくとも1つのその他のゲル物体と接触させることは、通常:ネットワークを製造するための前記領域においてそれぞれの不完全にゲル化したゲル物体を少なくとも1つのその他の不完全にゲル化したゲル物体と接触させて、ゲル物体の間の接触領域において、各ゲル物体を少なくとも1つのその他のゲル物体に接合させることを含んでいる。

0149

典型的には、それぞれの不完全にゲル化したゲル物体を少なくとも1つのその他の不完全にゲル化したゲル物体と接触させることは、ゲル物体の間の接触領域においてそれぞれの不完全にゲル化したゲル物体が少なくとも1つの不完全にゲル化したゲル物体と溶解することを引き起こし、溶解領域においてゲル化が発生し、ゲル物体の間のゲル結合を形成する。

0150

したがって、典型的には、ゲル物体は、それらが互いと接触する時には不完全にゲル化しており、かつ、当該方法は、ネットワークを製造するための前記領域において各ゲル物体を少なくとも1つのその他のゲル物体と接触させて、ゲル物体の間の接触領域において各ゲル物体と少なくとも1つのその他のゲル物体との間にゲル結合を形成することを含んでいる。

0151

通常、本発明の方法では、各ゲル物体を少なくとも1つのその他のゲル物体に接合させることは、ゲル物体の間の前記接触領域において各ゲル物体と少なくとも1つのその他のゲル物体との間にゲル結合を形成することを含んでいる。

0152

ゲルネットワークは、ゲル物体の分配後にさらなる工程ステップの対象とされてもよい。例えば、一旦ゲルネットワーク内のゲル物体の間で十分なゲル化が起こったと見做されれば、ゲルネットワークは、ゲル物体のゲル化(すなわち、固体化)を完成させるためのさらなる工程ステップの対象となってもよい。かかるステップの性質は、以下でより詳細に説明される。

0153

マイクロ流体チャンネル−サイズ、断面
本発明の方法によれば、ゲル物体は、マイクロ流体チャンネル中で形成される。「マイクロ流体チャンネル」は、典型的には、内径が1μm〜2000μm(例えば、5μm〜2000μmまたは10μm〜2000μm(例えば、10μm〜1000μm))であるチャンネルを意味する。例えば、マイクロ流体チャンネルの内径は、10μm〜500μm(例えば、20μm〜250μm(例えば、25μm〜150μm))であってもよい。

0154

マイクロ流体チャンネルまたは各流体チャンネルの形状は、特に制限されない。マイクロ流体チャンネルは円形の断面を有していてもよく、その場合、チャンネルの直径(先行する段落で説明したような)は、円形断面の直径を意味する。しかしながら、それは、代替的には、任意の多角形(例えば、正方形、長方形、三角形五角形、六角形など)の形状の断面を有していてもよい。マイクロ流体チャンネルの断面が円形でない場合、チャンネルの直径(先行する段落で説明したような)は、断面の1つの縁部から断面の別の縁部までの最大距離を意味する。したがって、例えば、マイクロ流体チャンネルの断面が正方形である時、直径は、正方形の1つの隅から正方形の反対側の隅までの距離を意味する(正方形の中心を通過する)。通常、本発明の方法において採用されるマイクロ流体チャンネルまたは各マイクロ流体チャンネルは、実質的に円形である断面を有する。しばしば、マイクロ流体チャンネルまたは各マイクロ流体チャンネルは、円形断面を有する。

0155

本発明の方法において採用される各マイクロ流体チャンネルは、入口を含んでいる。入口は、流動性のゲル前駆体材料がマイクロ流体チャンネルの中に入ることを可能にする。入口はまた、ゲルまたはゲル前駆体材料と混ざらない媒体がマイクロ流体チャンネルの中に入ることを可能にする。ゲルまたはゲル前駆体材料と混ざらない媒体は、本明細書では「非混和性媒体」と呼ばれてもよい。非混和性媒体は、マイクロ流体チャンネルまたは各マイクロ流体チャンネル中のゲルとともに互い違いのプラグを形成してもよい。

0156

各マイクロ流体チャンネルは、典型的には、ゲル前駆体材料および不混和性媒体の両方がマイクロ流体チャンネルの中に入ることを可能にする入口を含んでいる。かかる入口は2方向入口であってもよく、入口が2つの物質がチューブの中に入ることを可能にすることを意味する。しかしながら、マイクロ流体チャンネルはまた、多数の物質がマイクロ流体チャンネルの中に入ることを可能にする多方向入口(例えば、3方向入口または4方向入口)を含んでいてもよい。例えば、3方向入口は3つの物質がマイクロ流体チャンネルの中に入ることを可能にし、かつ、4方向入口は4つの物質がマイクロ流体チャンネルの中に入ることを可能にする。マイクロ流体チャンネルに添加される不混和性材料以外の物質は、典型的には、ゲル前駆体材料と混ざる。

0157

不混和性媒体は、典型的には、液体のような流動性媒体である。典型的には、不混和性媒体は、ゲル前駆体材料の流体成分と混ざらない液体である。例えば、ゲル前駆体材料が親水性媒体(例えば、水性媒体)であり、したがって、ゲル前駆体材料の流体成分が親水性であるか、または、水であるか、もしくは水を含んでいる時、不混和性媒体は疎水性媒体(例えば、油系媒体、油を含む液体組成物または非極性有機溶媒)であろう。不混和性材料として採用されてもよい適切な油としては、炭化水素油が挙げられる。例えば、C10−C20アルカンが採用されてもよい。しばしば、テトラデカンが採用される。不混和性材料は、典型的には油である。油は単一の純粋な化合物であってもよく、かつ、油は2つ以上の化合物の混合物を含んでいてもよい。油は、例えば、シリコーン油(例えば、ポリフェニルメチルシロキサン)を含んでいてもよい。油は、単一のシリコーン油(例えば、ポリフェニルメチルシロキサン)で構成されていてもよい。代替的には、油は、2つ以上のシリコーン油の混合物を含んでいてもよい。任意の適切なシリコーン油が用いられてもよい。例えば、油は、シリコーン油DC200(−O−Si(CH3)2−のモノマー単位を含む高分子)、ポリ(ジメチルシロキサン)(PDMS)、ヒドロキシ末端またはPDMS 200を含んでいてもよい。追加的または代替的には、油は炭化水素を含んでいてもよい。油が炭化水素を含んでいる時、それは単一の炭化水素化合物を含んでいてもよく、2つ以上の炭化水素の混合物を含んでいてもよい。典型的には、炭化水素油(例えば、C10−C20アルカン)が採用される。しばしば、テトラデカンが採用される。同様に、ゲル前駆体材料が疎水性媒体である時(例えば、ゲル前駆体材料の流体成分が油である時)、不混和性媒体は親水性媒体(例えば、水性媒体(例えば、水または水溶液))であろう。

0158

マイクロ流体チャンネルまたは各マイクロ流体チャンネルは、多数の入口を含んでいてもよい。入口は、マイクロ流体チャンネルまたは各マイクロ流体チャンネルに沿って分配されていてもよい。典型的には、マイクロ流体チャンネルまたは各マイクロ流体チャンネル中の、ゲル前駆体材料および不混和性媒体の両方を許容する入口の下流には、1つ以上の追加の入口が存在する。これら追加の入口は、典型的には1方向入口(1つの物質がマイクロ流体チャンネルの中に入ることを可能にする)である。しかしながら、それらは、代替的には、2方向入口、3方向入口、4方向入口などであってもよい。第1の入口の下流で物質を添加する入口は、典型的には、ゲル前駆体材料の部分と混ざる物質を添加するか、ゲル前駆体材料の追加部分を添加するかのいずれかである。

0159

入口はポートであってもよい。

0160

マイクロ流体チャンネルまたは各マイクロ流体チャンネルはさらに、出口を含んでいる。出口は、典型的にはマイクロ流体チャンネル中の入口の下流にある、マイクロ流体チャンネル中の開口部として定められてもよい。出口の形状およびサイズは、特に制限されない;しかしながら、それは、典型的には、ゲル物体がマイクロ流体チャンネルから外に出ることを可能にする程度に十分大きい。いくつかの実施形態では、出口は、マイクロ流体チャンネルの開口端を含んでいる。いくつかの実施形態では、出口はノズルを含んでいる。

0161

マイクロ流体チャンネルは、温度が制御されていてもよい。例えば、マイクロ流体チャンネルは、冷却された環境中または加熱された環境中に配置されてもよい。

0162

いくつかの実施形態では、マイクロ流体チャンネルは、チューブ(例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)チューブ)である。

0163

流れ制御
マイクロ流体チャンネルの中に入る物質の流れは、2方向入口、多方向入口を介するにせよ、多数の入口を介するにせよ、流れ制御デバイスによって制御される。流れ制御デバイスは、典型的には、コンピューターのような適切な制御器上で働くコンピュータープログラムを、必要に応じてシリンジとの組み合わせで含んでいる。各物質がマイクロ流体チャンネルの中に入る量は、制御されてもよい。これは流量と呼ばれ、また、注入量または入力量と呼ばれてもよい。流量は、単位時間あたりの体積の関数として測定されてもよい。各物質がマイクロ流体チャンネルの中に入る時間は、制御されてもよい。

0164

いくつかの実施形態では、ゲル前駆体材料および不混和性媒体(ゲルと混ざらず、かつ、ゲル前駆体材料と混ざらない)の両方がマイクロ流体チャンネルの中に導入される量は、相が混ざらず、または、乳化せず、むしろチャンネル内で互い違いの小滴を形成することを確実にするために制御されてもよい。追加物質(例えば、ゲル前駆体材料と混ざる物質)がゲル前駆体材料と同一の入口において導入されれば、その時は、それら追加物質の流量もまた、典型的には制御される。

0165

いくつかの実施形態では、マイクロ流体チャンネルの中に入るゲル前駆体材料の流量は、マイクロ流体チャンネル内の前記媒体の部分のサイズを制御するように、したがって、ゲル物体のサイズを制御するように選択される。

0166

同様に、いくつかの実施形態では、不混和性媒体の流量は、マイクロ流体チューブまたは各マイクロ流体チューブ中のゲル物体の間の不混和性媒体のプラグのサイズを制御するように選択される。これは、本発明の有用な態様である。なぜなら、ゲル物体の間のプラグ(不混和性媒体によって形成される)のサイズの制御が、各ゲル物体が分配される間に経過する期間の制御を可能にするからである。本発明のいくつかの実施形態では、各物体の分配の間に十分な時間が経過することを可能にして、マイクロ流体チャンネルと本発明のゲルネットワークが各分配ステップの間に形成される領域との相対移動のための時間を許容することが重要である。分配ステップの間に経過する時間の量を制御することは、ゲル物体が互いから離れて分配される距離を制御するのに、したがって、ゲル物体の相対的な位置決めを制御するのに用いられてもよい。

0167

本発明のいくつかの実施形態では、マイクロ流体チャンネルの中に、ゲル前駆体材料とは混ざる物質(単数)または物質(複数)が導入される。これら物質は、ゲル前駆体材料と同一の入口を介して導入されてもよく、異なる入口を介して導入されてもよい。追加物質がマイクロ流体チャンネルの中に導入される場所に関わらず、マイクロ流体チャンネルの中に入るそれらの流量は、例えば流れ制御デバイスによって制御され、ゲル物体内の、したがってゲルネットワーク内の追加物質の濃度を制御してもよい。

0168

本発明のいくつかの実施形態では、マイクロ流体チャンネルの中に追加物質が導入され、該追加物質はゲル物体の一部を形成するが、ゲル物体の至る所に均一に分配されることはない。このことは、組成が物体の至る所で均一ではないゲル物体(例えば、異なる組成の領域を含むゲル物体)の形成をもたらす。かかるゲル物体は、本明細書で先行してさらに定義したようなものであってもよい。典型的には、かかる物体はヤヌスロッドである。ヤヌスロッドは、本明細書で先行して定義され、かつ、さらに説明されている。

0169

いくつかの実施形態では、組成が均一でないゲル物体は、マイクロ流体チャンネルまたは各流体チャンネル内に、ゲル前駆体材料(「第1のゲル前駆体材料」と名付けられてもよい)の一部に隣接して第2のゲル前駆体材料の一部を導入することによって作成され、第1および第2のゲル前駆体材料の組成は異なる。

0170

第1のゲル前駆体材料は、例えば、第2のゲル前駆体材料のない材料(例えば、化合物)を含んでいてもよく、かつ/または、第2のゲル前駆体材料は、第1のゲル前駆体材料のない材料(例えば、化合物)を含んでいてもよい。追加的または代替的には、第1および第2のゲル前駆体材料は、両方とも特定の材料(例えば、特定の化合物)を、しかし異なる濃度で含んでいてもよい。例えば、第1のゲル前駆体材料中の材料(例えば、化合物)の濃度は、第2のゲル前駆体材料中の材料(例えば、化合物)の濃度の少なくとも2倍であってもよい。第1の前駆体材料中の材料(例えば、化合物)の濃度は、例えば、第2のゲル前駆体材料中の材料(例えば、化合物)の濃度の少なくとも10倍(例えば、少なくとも100倍、少なくとも1,000倍または少なくとも1,000,000倍)であってもよい。

0171

問題の材料(または化合物)は、例えば、特定のゲル形成剤、生体細胞、特定のタイプの生体細胞または特定の小分子化合物であってもよい。材料は、例えば、治療剤、診断剤、生体化合物(例えば、タンパク質もしくは酵素(例えば、膜タンパク質(例えば、膜孔タンパク質)))または生体細胞(例えば、哺乳類細胞(例えば、ヒト胎児腎(HEK)細胞、骨芽細胞、軟骨細胞および間葉系幹細胞から選択される哺乳類細胞);もしくは、例えば、細菌(例えば、人体中もしくは人体上で通常見られる細菌(例えば、腸内細菌)))であってもよい。

0172

典型的には、第2のゲル前駆体材料は、第1のゲル前駆体材料が添加された入口の下流にある入口において添加される。典型的には、第2のゲル前駆体材料は、第1のゲル前駆体材料の部分の間にプラグを形成する不混和性媒体と混ざらない。第2のゲル前駆体材料は、典型的には、プラグと混ざらない。

0173

また、典型的には、第1のゲル前駆体材料は、第2のゲル前駆体材料の隣り合う部分がマイクロ流体チャンネルの中に入る時、マイクロ流体チャンネル中で部分的にゲル化している。第1のゲル前駆体材料が部分的にゲル化した後の第2のゲル前駆体材料の添加は、2つの媒体の間の混合の可能性を減少させる。

0174

いくつかの実施形態では、マイクロ流体チャンネル中で第1のゲル前駆体材料の一部に隣接して第2のゲル前駆体材料を注入することは、マイクロ流体チャンネルの中に入る物質のいずれか、または、マイクロ流体チャンネルに入る物質のすべての流量を制御することによって制御される。例えば、(i)第1のゲル前駆体材料、(ii)不混和性媒体(第1のゲル前駆体材料と混ざらない)および(iii)第2のゲル前駆体材料の任意の組み合わせの流量は、制御される。典型的には、マイクロ流体チャンネルに添加される追加物質のうちのいずれか、または、マイクロ流体チャンネルに添加される追加物質のうちのすべての流量もまた、制御される。

0175

いくつかの実施形態では、マイクロ流体チャンネル中で第1のゲル前駆体材料の一部に隣接して第2のゲル前駆体材料を注入することは、第2のゲル前駆体材料がマイクロ流体チャンネルの中に入る時間を制御することによって制御される。これら実施形態では、第2のゲル前駆体材料の流量は、典型的には、第1のゲル前駆体材料の一部が、第2のゲル前駆体材料が導入される入口をまさに通過しようとする時、または、通過したばかりの時にのみゼロではないように制御される。

0176

マイクロ流体チャンネル内の既存の部分に隣接してゲルの追加部分を導入(例えば、注入)することは、典型的には、少なくとも2つの異なる組成の領域(例えば、3つまたは4つの異なる組成の領域)を含むゲル物体を形成するのに用いられてもよい。かかるゲル物体のそれぞれの中の異なる組成の領域は、第1の領域と第2の領域とを含んでおり、第1の領域は、第2の領域のものとは異なる組成を有する。第1および第2の領域は、本明細書で先行して説明されたゲル物体について本明細書で先行してさらに定義されたようなものであってもよい。

0177

したがって、いくつかの実施形態では、本発明の方法は、少なくとも2つの異なる組成の領域を含むゲル物体を形成するのに用いられてもよい。典型的には、異なる組成の領域は、同一のゲルを含んでいる。例えば、異なる組成の領域は、異なる小分子または異なる生体細胞のような異なる添加物を含んでいてもよい。しかしながら、異なる組成の領域は、異なるゲル形成剤を含んでいてもよい。

0178

単一のマイクロ流体チャンネル(例えば、マイクロ流体チューブ)を用いて実行されてもよい、ゲル物体のこの作成方法は、それがゲル物体を製造する従来の方法と比較してマイクロ流体チャンネルの詰まりの発生を大いに減少させるので、高度に有利である。異なる組成の領域を含むゲル物体を製造する従来の方法は、異なる組成を有する異なる種類のゲル(単数)またはゲル(複数)の層流の同時押出に依存する傾向にあった。かかる手法は、詰まり、または、隣接する流れの厚さの制御不能な変化をもたらし、したがって、精密な組成が制御され得ないゲル物体をもたらす傾向にある。

0179

言及されたように、物質がマイクロ流体チャンネルに添加される時間は、典型的には流れ制御デバイスによって制御されてもよい。このことは、上記で説明したような複雑な個別のゲル物体を生成するのに活用されてもよい。しかしながら、当該方法のこの態様はまた、ゲル物体が分配される位置と同期されて、異なる組成の領域を作成してもよい。

0180

異なる物質が異なる時間にマイクロ流体チャンネルに添加されてもよい。例えば、第1のタイプのゲル形成剤を含む第1のゲル前駆体材料は、一定の期間添加されて、第1のタイプのゲル物体を含むネットワークの領域を作成してもよい。この物質の流れは一定の期間後に止められてもよく、かつ、異なるタイプのゲル形成剤を含むゲル前駆体材料の流れが開始されて、第2のタイプのゲル物体を含むネットワークの領域を作成してもよい。したがって、1つより多いタイプのゲルを含むネットワークが形成されてもよい。かかるネットワークの異なる領域において、異なるゲルが採用されてもよい。

0181

異なる物質がマイクロ流体チャンネルの中に入る時間は、ゲル物体が分配される特定の位置と同期されて、特定のタイプのゲル物体のネットワーク内の領域を作成してもよい。例えば、ゲル物体が分配される位置と組み合わせされて、異なる物質が注入される時間を制御することによって、例えば、異なる種類のゲル物体の層を含むネットワークを切替装置を伴わず作成することが可能である。

0182

本発明のいくつかの実施形態では、マイクロ流体チューブ(単数)またはチューブ(複数)中に所望のシーケンスにて異なる組成のゲル物体を作成することは、ネットワーク内に物体の特定のパターンを作成するために調整され得る。ゲル物体がマイクロ流体チューブ(単数)またはチューブ(複数)中で作成されるシーケンスは、ネットワーク中にゲル物体の特定のシーケンスを製造するようにプログラミングされ得る。「プログラミングされる」は、ゲル物体が先行して設計されたシーケンスにて作成されることを意味する。例えば、ゲル物体がマイクロ流体チューブ(単数)またはチューブ(複数)中で作成されるシーケンスは、ゲルネットワークの特定の領域中で異なる個体群のゲル物体を製造するようにプログラミングされ得る。

0183

上記の説明から把握されるように、本発明の方法は、単一のチューブを用いて、多数の異なるタイプのゲル物体を含み、異なる組成の領域を有するゲル物体さえも含む複雑なネットワークの生成を可能にする。したがって、本発明の方法は、既知の方法に比べて非常に単純な装置を利用する。さらに、該装置は、製造するのが容易であり、かつ、安価である。

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