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課題・解決手段

本発明は、一般式(I)の新規大環状プロドラッグ化合物、式(I)の化合物を含む医薬組成物、および式(I)の化合物(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、AおよびAは本明細書で定義されている)を投与することによって、HDAC酵素で媒介される疾患を処置するための方法を提供する。

概要

背景

ラルガゾール(1)

は、シアノバクテリアシンプロカ属(cyanobacterium Symploca sp.)から単離した高度に官能化された大環状デプシペプチドである(Taori, K., et al., J. Am. Chem. Soc. 2008, 130, 1806-1807;Ying, Y., et al., J. Am. Chem. Soc. 2008, 130, 8455-8459)。ラルガゾールは、いくつかの形質転換されたおよび非形質転換のヒトおよびネズミ由来細胞株において2〜10倍の差次的増殖阻害を有する、非常に強力および選択的な生物学的活性を示す。ラルガゾールは、がん細胞に対する選択性が優れていることから、新規がん化学療法剤の発見および開発のための将来性のあるリード化合物として、その作用機序およびその価値において特定の関心を駆り立ててきた。

ラルガゾールの3−ヒドロキシ−7−メルカプトヘプタ−4−エン酸部分は、これらすべてがヒストンデアセチラーゼ阻害剤(HDACi)として公知である、FK228(FR901228)(薬品工業株式会社、特開平3−141296号、1991年;Ueda, H., et al., J. Antibiot. 1994, 47, 301;Shigematsu, N., et al., J. Antibiot. 1994, 47, 311;Ueda, H., et al., J. Antibiot. 1994, 47, 315)(図1を参照されたい);FR901375(藤沢薬品工業株式会社、特開平3−141296号、1991年;Ueda, H., et al., J. Antibiot. 1994, 47, 301;Shigematsu, N., et al., J. Antibiot. 1994, 47, 311;Ueda, H., et al., J. Antibiot. 1994, 47, 315);ならびにスピルコスタチンAおよびB(Masuoka, Y., et al., Tetrahedron Lett. 2001, 42, 41), (Townsend, P.A., et al., 2007, “The bicyclic depsipeptide family of histone deacetylase inhibitors”, Chemical Biology; Schreiber, S. L., et al., Eds. Wiley-VCH Verlag GmbH & Co. 693-720)を含めた、いくつかの細胞傷害性天然産物中の本質的な官能基である。

ヒストンデアセチラーゼ酵素(HDAC)は、クロマチン中でアセチル化リシン残基加水分解触媒し、これによって真核細胞内の転写を調節する亜鉛金属酵素である(Somech, R., et al., Cancer Treat. Rev. 2004, 30, 461;Miller, T. A. et al., J. Med. Chem. 2003, 46, 5097;Moradei, O., et al., Curr. Med. Chem.:Anti-Cancer Agents 2005, 5, 529;Bolden, J. E., et al., Nat. Rev. Drug Discovery 2006, 5, 769)。HDACの機能障害は、多くの場合様々なヒト腫瘍に関連している(Marks and Breslow 2007)。その結果、選択的阻害は最近では、がん化学療法における研究の主要な範囲となっている(Minucci, S., et al., Nature Rev. Cancer 2006, 6, 38)。今日までに、18種のHDACが特定され、一般的には、酵母同等物への配列相同性に基づき、4種類に分割されている(Taunton, J., et al., Science 1996, 272, 408;Grozinger, C. M., et al., Proc. Nat. Acad. Sci. USA 1999, 96, 4868;Johnstone, R. W., Nature Rev. Drug Disc. 2002, 1, 287)。がん治療に関して、I型HDACは臨床的に関連しており、HDAC阻害剤の第1世代に伴う望ましくない毒性は型に対する無差別さに関係し得るというコンセンサスが新たに浮上している。その結果、型およびアイソフォームに特異的な阻害に対して構造を最適化するという目的で、ペプチドベースおよびデプシペプチドベースのHDACの合成および修飾を目標とするプログラムが開始している。

3つの天然物質FK228、FR901375およびスピルコスタチンは、ジスルフィド結合還元性切断により、in vitroおよびin vivoですべて活性化されることによって、HDACの活性部位Zn2+残基を配位するペンダント(S)−3−ヒドロキシ−7−メルカプトヘプタ−4−エン酸部分の遊離スルフヒドリル残基を曝露し、これによって強力な阻害作用をもたらす(Yoshida, M., et al., J. Biol. Chem. 1990, 265, 17174;Yoshida, M., et al., J. Antibiot. 1990, 43, 1101)。ラルガゾールがこの周知のZn2+結合アームを含有することを考えると、ラルガゾールは、細胞リパーゼおよび/またはエステラーゼによるオクタノエート残基の加水分解性除去によりin vitroで活性化し、細胞および/または循環血漿のエステラーゼおよび/またはリパーゼによりin−vivoで活性化して、推定上の細胞傷害性種(2)(「ラルガゾールチオール」)を産生するプロドラッグであると想定するのが妥当である。FK228のチオエステル類似体

がこれらの抗増殖性活性を保持することが細胞ベースアッセイにおいて以前に実証されている(国際公開第2007/061939号パンフレット;Yurek-George, A., et al., J. Med. Chem. 2007, 50, 5720)。

オクタン酸チオエステルプロドラッグ残基は、ラルガゾールの独特なおよび際立った特色であり、自然により提供された化学的多様性のレベル浮き彫りにしている。加えて、米国薬局方には自然発生の薬物およびこれらの対応する非天然誘導体の例が豊富にある。多くの化合物が特定の生物学的ターゲットに対する有効性および選択性を示すが、これらの化合物の生理化学的特性は多くの場合、薬学的設定において開発に多くの問題をもたらす。その結果、親化合物生物学的効力を保持するが、臨床的開発および商業化に対してより適している類似の化合物を実験室で作り出すための戦略が生み出された(Rautio, J., Kumpulainen, H., Heimbach, T., Oliyai, R., Oh, D., Jarvinen, T., and Savolainen, J., Prodrugs: design and clinical applications, Nat Rev Drug Discov. 2008, 7(3): 255-270)。

概要

本発明は、一般式(I)の新規の大環状プロドラッグ化合物、式(I)の化合物を含む医薬組成物、および式(I)の化合物(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、AおよびAは本明細書で定義されている)を投与することによって、HDAC酵素で媒介される疾患を処置するための方法を提供する。

目的

「投与される」または「投与する」という用語は、本明細書で使用される場合、組成物患者に対してその意図する作用を有するように、患者に組成物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

式(I)の化合物または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくは立体異性体: [式中、Aは、C1〜C10アルキル、C3〜C10シクロアルキル、C3〜C10ヘテロシクロアルキルアリールヘテロアリールハロヒドロキシル、−CN、−COOH、−CF3、−OCH2F、−OR20、−NR20R22、−NCOR20R22および−CONR20R22からなる群から選択される1つ以上で任意に置換されているアリールまたはヘテロアリールであり、Zは−(CH2)nSR12であり、R1およびR2は、それぞれ独立して、H、ハロ、C1〜C10アルキル、C3〜C10シクロアルキルもしくはC3〜C10ヘテロシクロアルキルであるか、またはR1およびR2は、一緒になって、もしくはR1およびR2の1つがR9と一緒になって、C3〜C10シクロアルキルもしくはC3〜C10ヘテロシクロアルキルを形成しており、ここで、前記C1〜C10アルキル、C3〜C10シクロアルキルおよびC3〜C10ヘテロシクロアルキルは、C1〜C10アルキル、C3〜C10シクロアルキル、C3〜C10ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、ヒドロキシル、−CN、−COOH、−CF3、−OCH2F、−OR20、−NR20R22、−NCOR20R22および−CONR20R22からなる群から選択される1つ以上で任意に置換されており、R3およびR4は、それぞれ独立して、H、ハロ、C1〜C10アルキル、C3〜C10シクロアルキルもしくはC3〜C10ヘテロシクロアルキルであるか、またはR3およびR4は一緒になって、もしくはR3およびR4の1つがR10と一緒になって、C3〜C10シクロアルキルもしくはC3〜C10ヘテロシクロアルキルを形成しており、ここで、前記C1〜C10アルキル、C3〜C10シクロアルキルおよびC3〜C10ヘテロシクロアルキルは、C1〜C10アルキル、C3〜C10シクロアルキル、C3〜C10ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、ヒドロキシル、−CN、−COOH、−CF3、−OCH2F、−OR20、−NR20R22、−NCOR20R22、−CONR20R22および−S(O)mR20からなる群から選択される1つ以上で任意に置換されており、R5およびR6は、それぞれ独立して、H、ハロ、C1〜C10アルキル、C3〜C10シクロアルキルもしくはC3〜C10ヘテロシクロアルキルであるか、またはR5およびR6は一緒になって、もしくはR5およびR6の1つがR11と一緒になって、C3〜C10シクロアルキルもしくはC3〜C10ヘテロシクロアルキルを形成しており、ここで、前記C1〜C10アルキル、C3〜C10シクロアルキルおよびC3〜C10ヘテロシクロアルキルは、C1〜C10アルキル、C3〜C10シクロアルキル、C3〜C10ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、ヒドロキシル、−CN、−COOH、−CF3、−OCH2F、−OR20、−NR20R22、−NCOR20R22および−CONR20R22からなる群から選択される1つ以上で任意に置換されており、R7およびR8は、それぞれ独立して、H、ハロ、C1〜C10アルキル、C3〜C10シクロアルキルもしくはC3〜C10ヘテロシクロアルキルであるか、またはR7およびR8は、一緒になって、C3〜C10シクロアルキルもしくはC3〜C10ヘテロシクロアルキルを形成しており、ここで、前記C1〜C10アルキル、C3〜C10シクロアルキルおよびC3〜C10ヘテロシクロアルキルは、C1〜C10アルキル、C3〜C10シクロアルキル、C3〜C10ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、ヒドロキシル、−CN、−COOH、−CF3、−OCH2F、−OR20、−NR20R22、−NCOR20R22および−CONR20R22からなる群から選択される1つ以上で任意に置換されており、R9は、独立して、H、C1〜C10アルキル、C3〜C10シクロアルキルもしくはC3〜C10ヘテロシクロアルキルであるか、またはR9は、R1およびR2の1つと一緒になって、C3〜C10シクロアルキルもしくはC3〜C10ヘテロシクロアルキルを形成しており、ここで、前記C1〜C10アルキル、C3〜C10シクロアルキルおよびC3〜C10ヘテロシクロアルキルは、C1〜C10アルキル、C3〜C10シクロアルキル、C3〜C10ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、ヒドロキシル、−CN、−COOH、−CF3、−OCH2F、−OR20、−NR20R22、−NCOR20R22および−CONR20R22からなる群から選択される1つ以上で任意に置換されており、R10は、独立して、H、C1〜C10アルキル、C3〜C10シクロアルキルもしくはC3〜C10ヘテロシクロアルキルであるか、またはR10は、R3およびR4の1つと一緒になって、C3〜C10シクロアルキルもしくはC3〜C10ヘテロシクロアルキルを形成しており、ここで、前記C1〜C10アルキル、C3〜C10シクロアルキルおよびC3〜C10ヘテロシクロアルキルは、C1〜C10アルキル、C3〜C10シクロアルキル、C3〜C10ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、ヒドロキシル、−CN、−COOH、−CF3、−OCH2F、−OR20、−NR20R22、−NCOR20R22および−CONR20R22からなる群から選択される1つ以上で任意に置換されており、R11は、独立して、H、C1〜C10アルキル、C3〜C10シクロアルキルもしくはC3〜C10ヘテロシクロアルキルであるか、またはR11は、R5およびR6の1つと一緒になって、C3〜C8シクロアルキルもしくはC3〜C8ヘテロシクロアルキルを形成しており、ここで、前記C1〜C10アルキル、C3〜C10シクロアルキルおよびC3〜C10ヘテロシクロアルキルは、C1〜C8アルキル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、ヒドロキシル、−CN、−COOH、−CF3、−OCH2F、−OR20、−NR20R22、−NCOR20R22および−CONR20R22からなる群から選択される1つ以上で任意に置換されており、R12は、C(O)CR20R22NR20R22、C(O)R23またはC(O)(CH2)qCO2Hであり、R20およびR22は、それぞれ独立して、H、C1〜C10アルキル、C3〜C10シクロアルキル、C3〜C10ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールであるか、またはR20およびR22は一緒になって、3〜7員の任意に置換されている炭素環式もしくは複素環式環を形成しており、R23は、任意に置換されているアリールまたはヘテロアリール環であり、n=1〜5であり、m=1または2であり、q=2〜8である]。

請求項2

Aが少なくとも1個の窒素を有する5または6員のヘテロアリール環である、請求項1に記載の化合物。

請求項3

Aが少なくとも1個の窒素を有する5員のヘテロアリール環である、請求項1に記載の化合物。

請求項4

Aが少なくとも1個の窒素を有する6員のヘテロアリール環である、請求項1に記載の化合物。

請求項5

Aが5または6員のアリール環である、請求項1に記載の化合物。

請求項6

式(II)で表される、請求項3に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくは立体異性体: [式中、LおよびQは、それぞれ独立して、S、O、NまたはCR26であり、R26は、独立して、H、ハロ、C1〜C10アルキル、C3〜C10シクロアルキル、C3〜C10ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールである(ここで、前記C1〜C10アルキル、C3〜C10シクロアルキル、C3〜C10ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールは、C1〜C10アルキル、C3〜C10シクロアルキル、C3〜C10ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、ヒドロキシル、−CN、−COOH、−CF3、−OCH2F、−OR20、−NR20R22、−NCOR20R22および−CONR20R22からなる群から選択される1つ以上で任意に置換されている)]。

請求項7

前記ヘテロアリール環がオキサゾールまたはチアゾールである、請求項3に記載の化合物。

請求項8

R7およびR8が、それぞれ独立して、H、CH3またはFであり、LがCR26であり、QがSまたはOである、請求項6に記載の化合物。

請求項9

R1およびR2が、それぞれ独立して、H、C1〜C10アルキルもしくはC3〜C10シクロアルキルであるか、またはR1およびR2が一緒になって、C3〜C10シクロアルキルを形成しており、R3およびR4が、それぞれ独立して、H、C1〜C10アルキルもしくはC3〜C10シクロアルキルであるか、またはR3およびR4が一緒になって、C3〜C10シクロアルキルを形成しており、R5およびR6が、それぞれ独立して、H、C1〜C10アルキルもしくはC3〜C10シクロアルキルであるか、またはR5およびR6が一緒になって、C3〜C10シクロアルキルを形成しており、R7およびR8が、それぞれ独立して、H、C1〜C10アルキルもしくはC3〜C10シクロアルキルであるか、またはR7およびR8が一緒になって、C3〜C10シクロアルキルを形成しており、R9、R10およびR11がそれぞれ独立して、HまたはC1〜C10アルキルであり、R12が、独立して、D−バリン、L−バリン、D−アラニン、L−アラニン、N,N−ジメチルグリシンニコチン酸またはコハク酸である、請求項7に記載の化合物。

請求項10

S−((E)−4−((7S,10S,Z)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−3,6,13−トリアザ−1(4,2)−チアゾールアシクロテトラデカファン−10−イルブタ−3−エン−1−イル)(R)−2−アミノ−3−メチルブタンチオエートまたは薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくは立体異性体、S−((E)−4−((7S,10S,Z)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−3,6,13−トリアザ−1(4,2)−チアゾールアシクロテトラデカファン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)(S)−2−アミノ−3−メチルブタンチオエートまたは薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくは立体異性体、(S)−S−((E)−4−((7S,10S)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−16−チア−3,6,13,18−テトラアザビシクロ[13.2.1]オクタデカ−1(17),15(18)−ジエン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)2−アミノ−3−メチルブタンチオエートベンゼンスルホン酸塩または薬学的に許容されるその溶媒和物もしくは立体異性体、S−((E)−4−((7S,10S,Z)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−3,6,13−トリアザ−1(4,2)−チアゾールアシクロテトラデカファン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)(S)−2−アミノプロパンチオエートシュウ酸塩または薬学的に許容されるその溶媒和物もしくは立体異性体;S−((E)−4−((7S,10S,Z)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−3,6,13−トリアザ−1(4,2)−チアゾールアシクロテトラデカファン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)(R)−2−アミノプロパンチオエートシュウ酸塩または薬学的に許容されるその溶媒和物もしくは立体異性体、S−((E)−4−((7S,10S,Z)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−3,6,13−トリアザ−1(4,2)−チアゾールアシクロテトラデカファン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)2−(ジメチルアミノエタンチオエートまたは薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくは立体異性体、S−((E)−4−((7S,10S,Z)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−3,6,13−トリアザ−1(4,2)−チアゾールアシクロテトラデカファン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)ピリジン−3−カルボチオエートまたは薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくは立体異性体、および5−(((E)−4−((7S,10S,Z)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−3,6,13−トリアザ−1(4,2)−チアゾールアシクロテトラデカファン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)チオ)−5−オキソペンタン酸または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくは立体異性体からなる群から選択される請求項7に記載の化合物。

請求項11

式(III)で表される、請求項4に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくは立体異性体: [式中、L、QおよびYは、それぞれ独立して、S、O、N、またはCR26であり、R26は、H、ハロ、C1〜C10アルキル、C3〜C10シクロアルキル、C3〜C10ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールである(ここで、前記C1〜C10アルキル、C3〜C10シクロアルキル、C3〜C10ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールは、C1〜C10アルキル、C3〜C10シクロアルキル、C3〜C10ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、ヒドロキシル、−CN、−COOH、−CF3、−OCH2F、−OR20、−NR20R22、−NCOR20R22および−CONR20R22からなる群から選択される1つ以上で任意に置換されている)]。

請求項12

R1およびR2が、それぞれ独立して、H、C1〜C10アルキルもしくはC3〜C10シクロアルキルであるか、またはR1およびR2が一緒になって、C3〜C10シクロアルキルを形成しており、R3およびR4が、それぞれ独立して、H、C1〜C10アルキルもしくはC3〜C10シクロアルキルであるか、またはR3およびR4が一緒になって、C3〜C10シクロアルキルを形成しており、R5およびR6が、それぞれ独立して、H、C1〜C10アルキルもしくはC3〜C10シクロアルキルであるか、またはR5およびR6が一緒になって、C3〜C10シクロアルキルを形成しており、R7およびR8が、それぞれ独立して、H、C1〜C10アルキルもしくはC3〜C10シクロアルキルであるか、またはR7およびR8が一緒になって、C3〜C10シクロアルキルを形成しており、R9、R10およびR11が、それぞれ独立して、HまたはC1〜C10アルキルであり、R12が、D−バリン、L−バリン、D−アラニン、L−アラニン、N,N−ジメチルグリシン、ニコチン酸またはコハク酸である、請求項11に記載の化合物。

請求項13

請求項1に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩と、薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物

請求項14

1種以上の抗がん剤をさらに含む、請求項13に記載の医薬組成物。

請求項15

請求項16

HDAC酵素により媒介される疾患を処置する方法であって、請求項1に記載の化合物の治療有効量を、それを必要とする対象に投与することを含む、方法。

請求項17

前記疾患が、がん炎症性疾患自己免疫疾患アレルギー性疾患および中枢神経系の疾患からなる群から選択される、請求項16に記載の方法。

技術分野

0001

本発明は、ヒストンデアセチラーゼ大環状阻害剤プロドラッグ、これらの合成およびこれらの使用の方法に関する。

背景技術

0002

ラルガゾール(1)

0003

は、シアノバクテリアシンプロカ属(cyanobacterium Symploca sp.)から単離した高度に官能化された大環状デプシペプチドである(Taori, K., et al., J. Am. Chem. Soc. 2008, 130, 1806-1807;Ying, Y., et al., J. Am. Chem. Soc. 2008, 130, 8455-8459)。ラルガゾールは、いくつかの形質転換されたおよび非形質転換のヒトおよびネズミ由来細胞株において2〜10倍の差次的増殖阻害を有する、非常に強力および選択的な生物学的活性を示す。ラルガゾールは、がん細胞に対する選択性が優れていることから、新規がん化学療法剤の発見および開発のための将来性のあるリード化合物として、その作用機序およびその価値において特定の関心を駆り立ててきた。

0004

ラルガゾールの3−ヒドロキシ−7−メルカプトヘプタ−4−エン酸部分は、これらすべてがヒストンデアセチラーゼ阻害剤(HDACi)として公知である、FK228(FR901228)(薬品工業株式会社、特開平3−141296号、1991年;Ueda, H., et al., J. Antibiot. 1994, 47, 301;Shigematsu, N., et al., J. Antibiot. 1994, 47, 311;Ueda, H., et al., J. Antibiot. 1994, 47, 315)(図1を参照されたい);FR901375(藤沢薬品工業株式会社、特開平3−141296号、1991年;Ueda, H., et al., J. Antibiot. 1994, 47, 301;Shigematsu, N., et al., J. Antibiot. 1994, 47, 311;Ueda, H., et al., J. Antibiot. 1994, 47, 315);ならびにスピルコスタチンAおよびB(Masuoka, Y., et al., Tetrahedron Lett. 2001, 42, 41), (Townsend, P.A., et al., 2007, “The bicyclic depsipeptide family of histone deacetylase inhibitors”, Chemical Biology; Schreiber, S. L., et al., Eds. Wiley-VCH Verlag GmbH & Co. 693-720)を含めた、いくつかの細胞傷害性天然産物中の本質的な官能基である。

0005

ヒストンデアセチラーゼ酵素(HDAC)は、クロマチン中でアセチル化リシン残基加水分解触媒し、これによって真核細胞内の転写を調節する亜鉛金属酵素である(Somech, R., et al., Cancer Treat. Rev. 2004, 30, 461;Miller, T. A. et al., J. Med. Chem. 2003, 46, 5097;Moradei, O., et al., Curr. Med. Chem.:Anti-Cancer Agents 2005, 5, 529;Bolden, J. E., et al., Nat. Rev. Drug Discovery 2006, 5, 769)。HDACの機能障害は、多くの場合様々なヒト腫瘍に関連している(Marks and Breslow 2007)。その結果、選択的阻害は最近では、がん化学療法における研究の主要な範囲となっている(Minucci, S., et al., Nature Rev. Cancer 2006, 6, 38)。今日までに、18種のHDACが特定され、一般的には、酵母同等物への配列相同性に基づき、4種類に分割されている(Taunton, J., et al., Science 1996, 272, 408;Grozinger, C. M., et al., Proc. Nat. Acad. Sci. USA 1999, 96, 4868;Johnstone, R. W., Nature Rev. Drug Disc. 2002, 1, 287)。がん治療に関して、I型HDACは臨床的に関連しており、HDAC阻害剤の第1世代に伴う望ましくない毒性は型に対する無差別さに関係し得るというコンセンサスが新たに浮上している。その結果、型およびアイソフォームに特異的な阻害に対して構造を最適化するという目的で、ペプチドベースおよびデプシペプチドベースのHDACの合成および修飾を目標とするプログラムが開始している。

0006

3つの天然物質FK228、FR901375およびスピルコスタチンは、ジスルフィド結合還元性切断により、in vitroおよびin vivoですべて活性化されることによって、HDACの活性部位Zn2+残基を配位するペンダント(S)−3−ヒドロキシ−7−メルカプトヘプタ−4−エン酸部分の遊離スルフヒドリル残基を曝露し、これによって強力な阻害作用をもたらす(Yoshida, M., et al., J. Biol. Chem. 1990, 265, 17174;Yoshida, M., et al., J. Antibiot. 1990, 43, 1101)。ラルガゾールがこの周知のZn2+結合アームを含有することを考えると、ラルガゾールは、細胞リパーゼおよび/またはエステラーゼによるオクタノエート残基の加水分解性除去によりin vitroで活性化し、細胞および/または循環血漿のエステラーゼおよび/またはリパーゼによりin−vivoで活性化して、推定上の細胞傷害性種(2)(「ラルガゾールチオール」)を産生するプロドラッグであると想定するのが妥当である。FK228のチオエステル類似体

0007

がこれらの抗増殖性活性を保持することが細胞ベースアッセイにおいて以前に実証されている(国際公開第2007/061939号パンフレット;Yurek-George, A., et al., J. Med. Chem. 2007, 50, 5720)。

0008

オクタン酸チオエステルプロドラッグ残基は、ラルガゾールの独特なおよび際立った特色であり、自然により提供された化学的多様性のレベル浮き彫りにしている。加えて、米国薬局方には自然発生の薬物およびこれらの対応する非天然誘導体の例が豊富にある。多くの化合物が特定の生物学的ターゲットに対する有効性および選択性を示すが、これらの化合物の生理化学的特性は多くの場合、薬学的設定において開発に多くの問題をもたらす。その結果、親化合物生物学的効力を保持するが、臨床的開発および商業化に対してより適している類似の化合物を実験室で作り出すための戦略が生み出された(Rautio, J., Kumpulainen, H., Heimbach, T., Oliyai, R., Oh, D., Jarvinen, T., and Savolainen, J., Prodrugs: design and clinical applications, Nat Rev Drug Discov. 2008, 7(3): 255-270)。

0009

これらの予想外に優れた生理化学的特性に基づく、オクタン酸チオエステルに対する興味深い代替形態提示する大環状ヒストンデアセチラーゼ阻害剤のプロドラッグ誘導体が本明細書に記載されている。

0010

本発明は、新規の大環状プロドラッグ化合物、これらを含む医薬組成物ならびにこれらの調製および治療への使用のための新規プロセスについて記載する。本発明の一態様では、本明細書に記載されている大環状プロドラッグはHDACを阻害する。例示的応用では、プロドラッグはがん治療のための抗増殖剤として作用し、標的とする様々なHDACにおいて選択性を示す。

0011

本発明の1つの態様は式(I)のプロドラッグ化合物

0012

(式中、
「A」は、C1〜C10アルキル、C3〜C10シクロアルキル、C3〜C10ヘテロシクロアルキルアリールヘテロアリールハロヒドロキシル、−CN、−COOH、−CF3、−OCH2F、−OR20、−NR20R22、−NCOR20R22および−CONR20R22からなる群から選択される1つ以上の基で任意に置換されているアリールまたはヘテロアリールであり、
Zは−(CH2)nSR12であり、
R1およびR2は、それぞれ独立して、H、ハロ、C1〜C10アルキル、C3〜C10シクロアルキルもしくはC3〜C10ヘテロシクロアルキルであるか、
またはR1およびR2は一緒になって、もしくはR1およびR2の1つがR9と一緒になって、C3〜C10シクロアルキルもしくはC3〜C10ヘテロシクロアルキルを形成しており、
ここで、C1〜C10アルキル、C3〜C10シクロアルキルおよびC3〜C10ヘテロシクロアルキルは、C1〜C10アルキル、C3〜C10シクロアルキル、C3〜C10ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、ヒドロキシル、−CN、−COOH、−CF3、−OCH2F、−OR20、−NR20R22、−NCOR20R22および−CONR20R22から選択される1つ以上の基で任意に置換されており、
R3およびR4は、それぞれ独立して、H、ハロ、C1〜C10アルキル、C3〜C10シクロアルキルもしくはC3〜C10ヘテロシクロアルキルであるか、
またはR3およびR4は一緒になって、もしくはR3およびR4の1つがR10と一緒になって、C3〜C10シクロアルキルもしくはC3〜C10ヘテロシクロアルキルを形成しており、
ここで、C1〜C10アルキル、C3〜C10シクロアルキルおよびC3〜C10ヘテロシクロアルキルは、C1〜C10アルキル、C3〜C10シクロアルキル、C3〜C10ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、ヒドロキシル、−CN、−COOH、−CF3、−OCH2F、−OR20、−NR20R22、−NCOR20R22、−CONR20R22および−S(O)mR20から選択される1つ以上の基で任意に置換されており、
R5およびR6は、それぞれ独立して、H、ハロ、C1〜C10アルキル、C3〜C10シクロアルキルもしくはC3〜C10ヘテロシクロアルキルであるか、
またはR5およびR6は一緒になって、もしくはR5およびR6の1つがR11と一緒になって、C3〜C10シクロアルキルもしくはC3〜C10ヘテロシクロアルキルを形成しており、
ここで、C1〜C10アルキル、C3〜C10シクロアルキルおよびC3〜C10ヘテロシクロアルキルは、C1〜C10アルキル、C3〜C10シクロアルキル、C3〜C10ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、ヒドロキシル、−CN、−COOH、−CF3、−OCH2F、−OR20、−NR20R22、−NCOR20R22および−CONR20R22から選択される1つ以上の基で任意に置換されており、
R7およびR8は、それぞれ独立して、H、ハロ、C1〜C10アルキル、C3〜C10シクロアルキルもしくはC3〜C10ヘテロシクロアルキルであるか、
またはR7およびR8は一緒になって、C3〜C10シクロアルキルもしくはC3〜C10ヘテロシクロアルキルを形成しており、
ここで、C1〜C10アルキル、C3〜C10シクロアルキルおよびC3〜C10ヘテロシクロアルキルは、C1〜C10アルキル、C3〜C10シクロアルキル、C3〜C10ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、ヒドロキシル、−CN、−COOH、−CF3、−OCH2F、−OR20、−NR20R22、−NCOR20R22および−CONR20R22から選択される1つ以上の基で任意に置換されており、
R9は、H、C1〜C10アルキル、C3〜C10シクロアルキルもしくはC3〜C10ヘテロシクロアルキルであるか、
またはR9は、R1およびR2の1つと一緒になって、C3〜C10シクロアルキルもしくはC3〜C10ヘテロシクロアルキルを形成しており、
ここで、C1〜C10アルキル、C3〜C10シクロアルキルおよびC3〜C10ヘテロシクロアルキルは、C1〜C10アルキル、C3〜C10シクロアルキル、C3〜C10ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、ヒドロキシル、−CN、−COOH、−CF3、−OCH2F、−OR20、−NR20R22、−NCOR20R22および−CONR20R22から選択される1つ以上の基で任意に置換されており、
R10は、H、C1〜C10アルキル、C3〜C10シクロアルキルもしくはC3〜C10ヘテロシクロアルキルであるか、
またはR10は、R3およびR4の1つと一緒になって、C3〜C10シクロアルキルもしくはC3〜C10ヘテロシクロアルキルを形成しており、
ここで、C1〜C10アルキル、C3〜C10シクロアルキルおよびC3〜C10ヘテロシクロアルキルは、C1〜C10アルキル、C3〜C10シクロアルキル、C3〜C10ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、ヒドロキシル、−CN、−COOH、−CF3、−OCH2F、−OR20、−NR20R22、−NCOR20R22および−CONR20R22から選択される1つ以上の基で任意に置換されており、
R11は、H、C1〜C10アルキル、C3〜C10シクロアルキルもしくはC3〜C10ヘテロシクロアルキルであるか、
またはR11は、R5およびR6の1つと一緒になって、C3〜C8シクロアルキルもしくはC3〜C8ヘテロシクロアルキルを形成しており、
ここで、C1〜C10アルキル、C3〜C10シクロアルキルおよびC3〜C10ヘテロシクロアルキルは、C1〜C8アルキル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、ヒドロキシル、−CN、−COOH、−CF3、−OCH2F、−OR20、−NR20R22、−NCOR20R22および−CONR20R22から選択される1つ以上の基で任意に置換されており、
R12は、C(O)CR20R22NR20R22、C(O)R23またはC(O)(CH2)qCO2Hであり、
R20およびR22は、それぞれ独立して、H、C1〜C10アルキル、C3〜C10シクロアルキル、C3〜C10ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールであるか、またはR20およびR22は一緒になって、3〜7員の任意に置換されている炭素環式もしくは複素環式環を形成しており、
R23は、任意に置換されているアリールまたはヘテロアリール環であり、
n=1〜5(例えば、1〜4、例えば、1〜3、例えば、1または2など)であり
m=1または2であり、
q=2〜8である)、
または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、もしくは立体異性体である。

0013

本発明の別の態様は、式(II)のプロドラッグ化合物

0014

[式中、
LおよびQは、独立して、S、O、N、またはCR26であり、
R26は、独立して、H、ハロ、C1〜C10アルキル、C3〜C10シクロアルキル、C3〜C10ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり(ここで、C1〜C10アルキル、C3〜C10シクロアルキル、C3〜C10ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールは、C1〜C10アルキル、C3〜C10シクロアルキル、C3〜C10ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、ヒドロキシル、−CN、−COOH、−CF3、−OCH2F、−OR20、−NR20R22、−NCOR20R22および−CONR20R22から選択される1つ以上の基で任意に置換されている)、
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11およびZは上に記載されている通りである]、
または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくは立体異性体である。

0015

本発明の別の態様は、式(III)のプロドラッグ化合物

0016

[式中、
L、QおよびYは、独立して、S、O、N、またはCR26であり、
R26は、独立して、H、ハロ、C1〜C10アルキル、C3〜C10シクロアルキル、C3〜C10ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり(ここで、C1〜C10アルキル、C3〜C10シクロアルキル、C3〜C10ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールは、C1〜C10アルキル、C3〜C10シクロアルキル、C3〜C10ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、ヒドロキシル、−CN、−COOH、−CF3、−OCH2F、−OR20、−NR20R22、−NCOR20R22および−CONR20R22から選択される1つ以上の基で任意に置換されている)、
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11およびZは上に記載されている通りである]、
または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくは立体異性体である。

0017

例示的実施形態では、式(I)のプロドラッグ化合物は、(R)−S−((E)−4−((7S,10S)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−16−チア−3,6,13,18−テトラアザビシクロ[13.2.1]オクタデカ−1(17),15(18)−ジエン−10−イルブタ−3−エン−1−イル)2−アミノ−3−メチルブタンチオエートまたは薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくは立体異性体である。特定の実施形態では、薬学的に許容されるその塩は塩酸塩である。

0018

例示的実施形態では、式(I)のプロドラッグ化合物は、(S)−S−((E)−4−((7S,10S)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−16−チア−3,6,13,18−テトラアザビシクロ[13.2.1]オクタデカ−1(17),15(18)−ジエン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)2−アミノ−3−メチルブタンチオエートまたは薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくは立体異性体である。特定の実施形態では、薬学的に許容されるその塩は塩酸塩である。

0019

特定の実施形態では、式(I)のプロドラッグ化合物は、(S)−S−((E)−4−((7S,10S)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−16−チア−3,6,13,18−テトラアザビシクロ[13.2.1]オクタデカ−1(17),15(18)−ジエン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)2−アミノ−3−メチルブタンチオエートベンゼンスルホン酸塩またはその溶媒和物もしくは立体異性体である。

0020

特定の実施形態では、式(I)のプロドラッグ化合物は、(S)−S−((E)−4−((7S,10S)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−16−チア−3,6,13,18−テトラアザビシクロ[13.2.1]オクタデカ−1(17),15(18)−ジエン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)2−アミノプロパンチオエートシュウ酸塩またはその溶媒和物もしくは立体異性体である。

0021

特定の実施形態では、式(I)のプロドラッグ化合物は、(R)−S−((E)−4−((7S,10S)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−16−チア−3,6,13,18−テトラアザビシクロ[13.2.1]オクタデカ−1(17),15(18)−ジエン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)2−アミノプロパンチオエートシュウ酸塩またはその溶媒和物もしくは立体異性体である。

0022

特定の実施形態では、式(I)のプロドラッグ化合物は、S−((E)−4−((7S,10S)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−16−チア−3,6,13,18−テトラアザビシクロ[13.2.1]オクタデカ−1(17),15(18)−ジエン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)2−(ジメチルアミノエタンチオエートまたは薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくは立体異性体である。

0023

特定の実施形態では、式(I)のプロドラッグ化合物は、S−((E)−4−((7S,10S,Z)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−3,6,13−トリアザ−1(4,2)−チアゾールアシクロテトラデカファン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)ピリジン−3−カルボチオエートまたは薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくは立体異性体である。

0024

特定の実施形態では、式(I)のプロドラッグ化合物は、5−(((E)−4−((7S,10S,Z)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−3,6,13−トリアザ−1(4,2)−チアゾールアシクロテトラデカファン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)チオ)−5−オキソペンタン酸または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくは立体異性体である。

0025

本発明の別の態様は、式(I)、(II)および(III)のプロドラッグ化合物の1つ以上または薬学的に許容されるその塩と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物である。

0026

例示的実施形態では、医薬組成物は、(R)−S−((E)−4−((7S,10S)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−16−チア−3,6,13,18−テトラアザビシクロ[13.2.1]オクタデカ−1(17),15(18)−ジエン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)2−アミノ−3−メチルブタンチオエートまたは薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくは立体異性体と、薬学的に許容される担体とを含む。特定の実施形態では、薬学的に許容される塩は塩酸塩である。

0027

例示的実施形態では、医薬組成物は、(S)−S−((E)−4−((7S,10S)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−16−チア−3,6,13,18−テトラアザビシクロ[13.2.1]オクタデカ−1(17),15(18)−ジエン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)2−アミノ−3−メチルブタンチオエートまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは立体異性体と、薬学的に許容される担体とを含む。特定の実施形態では、薬学的に許容される塩は塩酸塩である。

0028

例示的実施形態では、医薬組成物は、(S)−S−((E)−4−((7S,10S)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−16−チア−3,6,13,18−テトラアザビシクロ[13.2.1]オクタデカ−1(17),15(18)−ジエン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)2−アミノ−3−メチルブタンチオエートベンゼンスルホン酸塩またはその溶媒和物もしくは立体異性体と、薬学的に許容される担体とを含む。

0029

例示的実施形態では、医薬組成物は、(S)−S−((E)−4−((7S,10S)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−16−チア−3,6,13,18−テトラアザビシクロ[13.2.1]オクタデカ−1(17),15(18)−ジエン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)2−アミノプロパンチオエートシュウ酸塩またはその溶媒和物もしくは立体異性体と、薬学的に許容される担体とを含む。

0030

例示的実施形態では、医薬組成物は、(R)−S−((E)−4−((7S,10S)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−16−チア−3,6,13,18−テトラアザビシクロ[13.2.1]オクタデカ−1(17),15(18)−ジエン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)2−アミノプロパンチオエートシュウ酸塩またはその溶媒和物もしくは立体異性体と、薬学的に許容される担体とを含む。

0031

例示的実施形態では、医薬組成物は、S−((E)−4−((7S,10S)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−16−チア−3,6,13,18−テトラアザビシクロ[13.2.1]オクタデカ−1(17),15(18)−ジエン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)2−(ジメチルアミノ)エタンチオエートまたは薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくは立体異性体と、薬学的に許容される担体とを含む。

0032

例示的実施形態では、医薬組成物は、S−((E)−4−((7S,10S,Z)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−3,6,13−トリアザ−1(4,2)−チアゾールアシクロテトラデカファン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)ピリジン−3−カルボチオエートまたは薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくは立体異性体と、薬学的に許容される担体とを含む。

0033

例示的実施形態では、医薬組成物は、5−(((E)−4−((7S,10S,Z)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−3,6,13−トリアザ−1(4,2)−チアゾールアシクロテトラデカファン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)チオ)−5−オキソペンタン酸または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくは立体異性体と、薬学的に許容される担体とを含む。

0034

例示的実施形態では、医薬組成物は、(R)−S−((E)−4−((7S,10S)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−16−チア−3,6,13,18−テトラアザビシクロ[13.2.1]オクタデカ−1(17),15(18)−ジエン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)2−アミノ−3−メチルブタンチオエートまたは薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくは立体異性体と、薬学的に許容される担体とからなる。特定の実施形態では、薬学的に許容される塩は塩酸塩である。

0035

例示的実施形態では、医薬組成物は、(S)−S−((E)−4−((7S,10S)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−16−チア−3,6,13,18−テトラアザビシクロ[13.2.1]オクタデカ−1(17),15(18)−ジエン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)2−アミノ−3−メチルブタンチオエートまたは薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくは立体異性体と、薬学的に許容される担体とからなる。特定の実施形態では、薬学的に許容される塩は塩酸塩である。

0036

例示的実施形態では、医薬組成物は、(S)−S−((E)−4−((7S,10S)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−16−チア−3,6,13,18−テトラアザビシクロ[13.2.1]オクタデカ−1(17),15(18)−ジエン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)2−アミノ−3−メチルブタンチオエートベンゼンスルホン酸塩またはその溶媒和物もしくは立体異性体と、薬学的に許容される担体とからなる。

0037

例示的実施形態では、医薬組成物は、(S)−S−((E)−4−((7S,10S)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−16−チア−3,6,13,18−テトラアザビシクロ[13.2.1]オクタデカ−1(17),15(18)−ジエン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)2−アミノプロパンチオエートシュウ酸塩またはその溶媒和物もしくは立体異性体と、薬学的に許容される担体とからなる。

0038

例示的実施形態では、医薬組成物は、(R)−S−((E)−4−((7S,10S)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−16−チア−3,6,13,18−テトラアザビシクロ[13.2.1]オクタデカ−1(17),15(18)−ジエン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)2−アミノプロパンチオエートシュウ酸塩またはその溶媒和物もしくは立体異性体と、薬学的に許容される担体とからなる。

0039

例示的実施形態では、医薬組成物は、S−((E)−4−((7S,10S)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−16−チア−3,6,13,18−テトラアザビシクロ[13.2.1]オクタデカ−1(17),15(18)−ジエン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)2−(ジメチルアミノ)エタンチオエートまたは薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくは立体異性体と、薬学的に許容される担体とからなる。

0040

例示的実施形態では、医薬組成物は、S−((E)−4−((7S,10S,Z)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−3,6,13−トリアザ−1(4,2)−チアゾールアシクロテトラデカファン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)ピリジン−3−カルボチオエートまたは薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくは立体異性体と、薬学的に許容される担体とからなる。

0041

例示的実施形態では、医薬組成物は、5−(((E)−4−((7S,10S,Z)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−3,6,13−トリアザ−1(4,2)−チアゾールアシクロテトラデカファン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)チオ)−5−オキソペンタン酸または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくは立体異性体と、薬学的に許容される担体とからなる。

0042

本発明の別の態様は、HDAC酵素により媒介される疾患を処置する方法であって、本明細書に記載されている式(I)、(II)および(III)のプロドラッグ化合物の1つ以上の治療有効量を、それを必要とする対象に投与することを含む方法である。上述の方法の特定の実施形態は、式(I)、(II)および(III)のプロドラッグ化合物の1つ以上が、1種以上の他の公知の治療剤投与前に、同時に、または投与後に投与される併用療法である。特定の実施形態では、公知の治療剤は抗がん剤である。

0043

例示的実施形態では、HDAC酵素で媒介される疾患を処置する方法は、(R)−S−((E)−4−((7S,10S)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−16−チア−3,6,13,18−テトラアザビシクロ[13.2.1]オクタデカ−1(17),15(18)−ジエン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)2−アミノ−3−メチルブタンチオエートまたは薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくは立体異性体の治療有効量を、それを必要とする対象に投与することを含む。特定の実施形態では、薬学的に許容される塩は塩酸塩である。

0044

例示的実施形態では、HDAC酵素で媒介される疾患を処置する方法は、(S)−S−((E)−4−((7S,10S)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−16−チア−3,6,13,18−テトラアザビシクロ[13.2.1]オクタデカ−1(17),15(18)−ジエン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)2−アミノ−3−メチルブタンチオエートまたは薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくは立体異性体の治療有効量を、それを必要とする対象に投与することを含む。特定の実施形態では、薬学的に許容される塩は塩酸塩である。

0045

例示的実施形態では、HDAC酵素で媒介される疾患を処置する方法は、(S)−S−((E)−4−((7S,10S)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−16−チア−3,6,13,18−テトラアザビシクロ[13.2.1]オクタデカ−1(17),15(18)−ジエン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)2−アミノ−3−メチルブタンチオエートベンゼンスルホン酸塩またはその溶媒和物もしくは立体異性体の治療有効量を、それを必要とする対象に投与することを含む。

0046

例示的実施形態では、HDAC酵素で媒介される疾患を処置する方法は、(S)−S−((E)−4−((7S,10S)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−16−チア−3,6,13,18−テトラアザビシクロ[13.2.1]オクタデカ−1(17),15(18)−ジエン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)2−アミノプロパンチオエートシュウ酸塩またはその溶媒和物もしくは立体異性体の治療有効量を、それを必要とする対象に投与することを含む。

0047

例示的実施形態では、HDAC酵素で媒介される疾患を処置する方法は、(R)−S−((E)−4−((7S,10S)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−16−チア−3,6,13,18−テトラアザビシクロ[13.2.1]オクタデカ−1(17),15(18)−ジエン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)2−アミノプロパンチオエートシュウ酸塩またはその溶媒和物もしくは立体異性体の治療有効量を、それを必要とする対象に投与することを含む。

0048

例示的実施形態では、HDAC酵素で媒介される疾患を処置する方法は、S−((E)−4−((7S,10S)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−16−チア−3,6,13,18−テトラアザビシクロ[13.2.1]オクタデカ−1(17),15(18)−ジエン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)2−(ジメチルアミノ)エタンチオエートまたは薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくは立体異性体の治療有効量を、それを必要とする対象に投与することを含む。

0049

例示的実施形態では、HDAC酵素で媒介される疾患を処置する方法は、S−((E)−4−((7S,10S,Z)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−3,6,13−トリアザ−1(4,2)−チアゾールアシクロテトラデカファン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)ピリジン−3−カルボチオエートまたは薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくは立体異性体の治療有効量を、それを必要とする対象に投与することを含む。

0050

例示的実施形態では、HDAC酵素で媒介される疾患を処置する方法は、5−(((E)−4−((7S,10S,Z)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−3,6,13−トリアザ−1(4,2)−チアゾールアシクロテトラデカファン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)チオ)−5−オキソペンタン酸または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくは立体異性体の治療有効量を、それを必要とする対象に投与することを含む。

0051

例示的実施形態では、(R)−S−((E)−4−((7S,10S)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−16−チア−3,6,13,18−テトラアザビシクロ[13.2.1]オクタデカ−1(17),15(18)−ジエン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)2−アミノ−3−メチルブタンチオエートまたは薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくは立体異性体は、1種以上の他の公知の治療剤の投与前に、同時に、または投与後に併用療法として投与される。

0052

例示的実施形態では、(S)−S−((E)−4−((7S,10S)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−16−チア−3,6,13,18−テトラアザビシクロ[13.2.1]オクタデカ−1(17),15(18)−ジエン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)2−アミノ−3−メチルブタンチオエートまたは薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくは立体異性体は、1種以上の他の公知の治療剤の投与前に、同時に、または投与後に併用療法として投与される。

0053

例示的実施形態では、(S)−S−((E)−4−((7S,10S)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−16−チア−3,6,13,18−テトラアザビシクロ[13.2.1]オクタデカ−1(17),15(18)−ジエン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)2−アミノ−3−メチルブタンチオエートベンゼンスルホン酸塩またはその溶媒和物もしくは立体異性体は、1種以上の他の公知の治療剤の投与前に、同時に、または投与後に併用療法として投与される。

0054

例示的実施形態では、(S)−S−((E)−4−((7S,10S)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−16−チア−3,6,13,18−テトラアザビシクロ[13.2.1]オクタデカ−1(17),15(18)−ジエン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)2−アミノプロパンチオエートシュウ酸塩またはその溶媒和物もしくは立体異性体は、1種以上の他の公知の治療剤の投与前に、同時に、または投与後に併用療法として投与される。

0055

例示的実施形態では、(R)−S−((E)−4−((7S,10S)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−16−チア−3,6,13,18−テトラアザビシクロ[13.2.1]オクタデカ−1(17),15(18)−ジエン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)2−アミノプロパンチオエートシュウ酸塩またはその溶媒和物もしくは立体異性体は、1種以上の他の公知の治療剤の投与前に、同時に、または投与後に併用療法として投与される。

0056

例示的実施形態では、S−((E)−4−((7S,10S)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−16−チア−3,6,13,18−テトラアザビシクロ[13.2.1]オクタデカ−1(17),15(18)−ジエン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)2−(ジメチルアミノ)エタンチオエートまたは薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは立体異性体は、1種以上の他の公知の治療剤の投与前に、同時に、または投与後に併用療法として投与される。

0057

例示的実施形態では、S−((E)−4−((7S,10S,Z)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−3,6,13−トリアザ−1(4,2)−チアゾールアシクロテトラデカファン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)ピリジン−3−カルボチオエートまたは薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくは立体異性体は、1種以上の他の公知の治療剤の投与前に、同時に、または投与後に併用療法として投与される。

0058

例示的実施形態では、5−(((E)−4−((7S,10S,Z)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−3,6,13−トリアザ−1(4,2)−チアゾールアシクロテトラデカファン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)チオ)−5−オキソペンタン酸または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくは立体異性体は、1種以上の他の公知の治療剤の投与前に、同時に、または投与後に併用療法として投与される。

0059

例示的実施形態では、HDAC酵素で媒介される疾患はがん、例えば、結腸がんおよび/または乳がんなどである。

0060

特定の実施形態では、対象はヒトである。

0061

以下の図は、本発明の特定の実施形態を例示しているが、本明細書中に記載されているような本発明の範囲を他の点で制限することを意図するものではない。

図面の簡単な説明

0062

HDAC阻害を実行するためのラルガゾールおよびFK228の活性化を表す。ラルガゾールは、加水分解により、対応する「活性な」チオール形態に変換され、これが酵素の活性部位から亜鉛キレートすることによりHDACを失活させるプロドラッグとして作用する。同様に、FK228におけるジスルフィド結合が還元されると、HDACを強力に阻害する分子の「活性な」チオール形態が遊離する。
実施例2の化合物に、30mg/kg p.o.、qdx5で曝露されたHCT−116直腸結腸がん異種移植片を使用した、ヌードマウスにおける腫瘍増殖阻害実験の結果を表す。
実施例3の化合物に、40mg/kg p.o.、qd;60mg/kg p.o.、qd;および80mg/kg p.o.、qdで曝露されたHCT−116直腸結腸がん異種移植片を使用した、ヌードマウスにおける腫瘍増殖阻害実験の結果を表す。
図2に記載されている実験から得た、観察された、動物体重測定を表す。
実施例3の化合物に曝露された、患者由来の直腸結腸がん腫瘍を使用した、ヒト化マウスにおける腫瘍増殖阻害実験の結果を表す。

0063

定義
代用する」という用語は、本明細書で使用される場合、対象への第1の化合物または薬物の投与を、対象への第2の化合物または薬物の投与と入れ替えることを指す。

0064

「〜に対するリスクがある」という用語は、本明細書で使用される場合、患者を特定の疾患または病気に罹りやすくさせ得る、患者により示される医学的状態または医学的状態のセットを指す。例えば、これらの状態は、これらに限定されないが、挙動的、感情的、化学的、生化学的、または環境による影響を含めた影響に起因し得る。

0065

「有効量」という用語は、本明細書で使用される場合、臨床的に有益な結果(すなわち、例えば、症状の減少)を達成する治療剤を含む医薬組成物の特定の量を指す。このような組成物の毒性および治療効果は、例えば、LD50(人口の50%に対する致死用量)およびED50(人口の50%に対して治療的に有効な用量)を決定するための、細胞培養物または実験動物における標準的な薬学的手順により決定することができる。有毒性と治療効果との間の用量比治療指数であり、これは、比LD50/ED50として表現することができる。大きな治療的インデックスを示す化合物が好ましい。これらの細胞培養物アッセイおよび追加の動物研究から得たデータは、ヒトへの使用に対する用量の範囲を策定するのに使用することができる。このような化合物の用量は、毒性がわずかである、または毒性がない、ED50を含む循環濃度の範囲内に位置するのが好ましい。用量は、利用する剤形、患者の感受性、および投与経路に応じて、この範囲内で変動する。

0066

「症状」という用語は、本明細書で使用される場合、患者により観察された、疾患または身体的異常の任意の主観的もしくは客観的証拠を指す。例えば、主観的証拠は通常、患者の自己報告に基づき、これらに限定されないが、疼痛頭痛目視による異常、悪心および/または嘔吐を含み得る。あるいは、客観的証拠は通常、これらに限定されないが、体温全血球算定、脂質パネル甲状腺パネル、血圧心拍数心電図、体内組織画像化スキャンを含めた医学試験の結果および他の医学的試験の結果である。

0067

「疾患」という用語は、本明細書で使用される場合、生活機能遂行を妨害または改変する、生きている動物またはその部分の1つの正常な状態の任意の機能障害を指す。際立った兆しおよび症状で通常現れる疾患とは、普通以下に対する応答である:i)環境因子(例えば、栄養不良産業危険、または気候など);ii)特定の感染体(例えば、蠕虫、細菌、またはウイルスなど);iii)生物特有欠陥(例えば、遺伝的異常性など);および/またはiv)これらの因子組合せ。

0068

「減少させる」、「阻害する」、「縮小させる」、「抑制する」、「低減する」、「予防する」およびその文法的同等物(「より低い」、「より小さな」などを含む)などの用語は、処置した対象と比較して、未処置の対象における任意の症状の発現に関連して使用される場合、処置した対象における症状の量および/または重大さが、医学的に訓練された任意の職員により、臨床的に関連すると認識された任意の量だけ未処置の対象よりも低いことを示す。例示的実施形態では、処置した対象における症状の量および/または重大さは、未処置の対象の症状の量および/または重大さよりも、少なくとも10%低い、少なくとも25%低い、少なくとも50%低い、少なくとも75%低い、または少なくとも90%低い。

0069

阻害性化合物」という用語は、本明細書で使用される場合、結合パートナーがその自然のリガンドに対して無反応となるように、条件下で結合パートナーと相互作用(例えば、付加、結合など)することが可能な任意の化合物を指す。阻害性化合物は、これらに限定されないが、有機小分子、抗体、およびタンパク質ペプチドを含み得る。

0070

「付加された」という用語は、本明細書で使用される場合、媒体(または担体)と薬物との間の任意の相互作用を指す。付加は可逆的または不可逆的であってよい。このような付加は、これらに限定されないが、共有結合イオン結合ファンデルワールス力または摩擦などを含む。薬物は、これが含浸されている、組み込まれている、コーティングされている、懸濁液中で一緒になる、溶液中で一緒になる、混合されている場合などには、媒体(または担体)に付加されている。

0071

「薬物」または「化合物」という用語は、本明細書で使用される場合、所望の作用を達成する、投与可能な任意の薬理学的に活性な物質を指す。薬物または化合物は、合成または自然発生、非ペプチド、タンパク質またはペプチド、オリゴヌクレオチドまたはヌクレオチド多糖または糖であることができる。

0072

「投与される」または「投与する」という用語は、本明細書で使用される場合、組成物が患者に対してその意図する作用を有するように、患者に組成物を提供する任意の方法を指す。例示的な投与の方法は、直接的機序によるもの、例えば、局所的な組織投与(すなわち、例えば、血管外配置)、経口摂取経皮パッチ、局部的、吸入坐剤などである。

0073

「患者」という用語は、本明細書で使用される場合、ヒトまたは動物であり、入院に限定されない。例えば、外来患者および介護施設の人々は「患者」と認定し得る。患者は任意の年齢のヒトまたはヒト以外の動物であってよく、したがって成体若年(すなわち、子供)の両方を含む。「患者」という用語が医学的処置に対する必要性を暗示することは意図されていない。したがって、患者は、臨床的であるか、または基礎科学研究への支援であるかに関わらず、自発的または非自発的に実験にさらされることもある。

0074

「対象」という用語は、本明細書で使用される場合、脊椎動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくは霊長類、さらにより好ましくはヒトを指す。哺乳動物として、限定ではないものの、ヒト、霊長類、野生動物、野獣、家畜スポーツ動物、およびペットが挙げられる。

0075

「親和性」という用語は、本明細書で使用される場合、物質または粒子を化学的組合せに入り込ませて、そのまま留める、物質または粒子間の任意の引力を指す。例えば、受容体に対して高親和性を有する阻害剤化合物低親和性の阻害剤よりも、受容体がその自然のリガンドと相互作用することを阻止する上でより大きな効力を提供することになる。

0076

「から誘導される」という用語は、本明細書で使用される場合、化合物または配列の供給源を指す。1つの観点では、化合物または配列は、生物または特定の種から誘導され得る。別の観点では、化合物または配列は、より大きな複合体または配列から誘導され得る。

0077

試験化合物」という用語は、本明細書で使用される場合、阻害性化合物として候補と考えられる任意の化合物または分子を指す。

0078

「タンパク質」という用語は、本明細書で使用される場合、ペプチド結合により連結されたアミノ酸残基を含有し、炭素水素窒素酸素、および通常硫黄を含む、多くの自然発生の極めて複雑な物質(例えば、酵素または抗体など)のいずれかを指す。一般的にタンパク質は、数百の範囲内の桁数を有するアミノ酸を含む。

0079

「ペプチド」という用語は、本明細書で使用される場合、ある酸のアミノ基と、別の酸のカルボキシル基との組合せによる2種またはそれ超のアミノ酸から誘導され、タンパク質の部分加水分解により普通得られる様々なアミドのいずれかを指す。一般的に、ペプチドは数十の桁数を有するアミノ酸を含む。

0080

「薬学的に許容される」または「薬理学的に許容される」という用語は、本明細書で使用される場合、動物またはヒトに投与された際に有害な、アレルギー性、または他の有害反応を産生しない分子実体および組成物を指す。

0081

「薬学的に許容される担体」という用語は、本明細書で使用される場合、これらに限定されないが、水、エタノールポリオール(例えば、グリセロールプロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコールなど)、その適切な混合物植物油、コーティング、等張剤および吸収遅延剤リポソーム、市販のクレンザーなどを含めたありとあらゆる溶媒、または分散媒体を含む。補助生理活性成分もまたこのような担体に組み込むことができる。

0082

「精製された」または「単離した」という用語は、本明細書で使用される場合、様々な他の構成成分を除去するための処理の対象下におかれ(例えば、分留など)、その表現された生物学的活性を実質的に保持する組成物(例えば、ペプチド組成物など)を指し得る。

0083

試料」という用語は、本明細書で使用される場合、例えば、環境試料および生物学的試料を含む。環境試料は、環境からの材料、例えば、土壌および水などを含む。生物学的試料は、動物(例えば、ヒト)、液体(例えば、血液、血漿および血清)、固体(例えば、便)、組織、液体の食物(例えば、ミルク)、および固体の食物(例えば、野菜植物および果実)を含む。例えば、の試料は、肺組織由来の液体および細胞を含む、気管支肺胞洗浄液(BAL)により収集することができる。生物学的試料は、細胞、組織抽出物体液染色体または細胞、ゲノムDNA(溶液中のものまたは固形担体に結合したもの、例えば、サザンブロット分析用のものなど)、RNA(溶液中のものまたは固形担体に結合したもの、例えば、ノーザンブロット分析用のものなど)、cDNA(溶液中のものまたは固形担体に結合したもの)などから単離した染色体外要素を含み得る。

0084

生物活性のある」という用語は、構造的調節性または生化学的機能を有する任意の分子を指す。例えば、生物学的活性は、例えば、タンパク質活性欠く細胞における野生型増殖の回復により決定することができる。タンパク質活性を欠く細胞は多くの方法で生成することができる(例えば、点突然変異およびフレームシフト突然変異)。相補性は、タンパク質、その誘導体、またはその一部分を発現する発現ベクターを用いて、タンパク質活性を欠く細胞を形質移入することにより達成される。

0085

「標識」または「検知可能な標識」という用語は、分光分析光化学的、生化学的、免疫化学的電気的、光学的または化学的手段により検出可能な任意の組成物を指すために本明細書で使用されている。このような標識として、標識したストレプトアビジンコンジュゲートで着色したビオチン磁気ビーズ(例えば、Dynabeads(登録商標))、蛍光色素(例えば、フルオレセイン、Texas Red(登録商標)、ローダミン緑色蛍光タンパク質など)、放射標識(例えば、3H、125I、35S、14C、または32P)、酵素(例えば、ウマダイコンペルオキシダーゼアルカリホスファターゼおよびELISAに一般的に使用されているその他のもの)、および熱量測定標識、例えば、コロイド状の金または色ガラスまたはプラスチックなど(例えば、ポリスチレンポリプロピレンラテックスなど)ビーズが挙げられる。このような標識の使用を教示している特許として、これらに限定されないが、米国特許第3,817,837号明細書;第3,850,752号明細書;第3,939,350号明細書;第3,996,345号明細書;第4,277,437号明細書;第4,275,149号明細書;および第4,366,241号明細書が挙げられる(これら全体において、すべての本明細書中に参照により組み込まれている)。本発明において想定されている標識は従来の方法で検出することができる。例えば、放射標識は写真フィルムまたはシンチレーションカウンターを使用して検出することができ、蛍光マーカーは、放射光を検出する光検知器を使用して検出することができる。酵素的標識は、酵素に基質を提供し、基質に対する酵素の作用により生成される反応生成物を検出することにより通常検出され、熱量測定標識は、着色された標識を単に視覚化することによって検出される。

0086

「コンジュゲート」という用語は、本明細書で使用される場合、2つまたはそれ超の部分を連結することにより形成された任意の化合物を指す。

0087

「部分」または「基」は、本明細書で使用される場合、式、化学名、または構造により指定された分子の配置の任意の種類である。ある特定の実施形態の文脈の中で、コンジュゲートは、1つ以上の部分または化学基を含む。これは、その部分の式は、連結して、コンジュゲートの分子配列の一部となるためにある位置で置換されていることを意味する。しかし、部分は共有結合により直接連結され得るが、これは、2つまたはそれ超の部分が共有結合により互いに直接連結してなければならないことを意図するわけではない。連結基架橋基、または結合基とは、共有結合、例えば、これらに限定されないが、1つ以上のアミド基などにより部分を接続する任意の分子配列を指す。加えて、コンジュゲートは非置換であってもよいが、コンジュゲートは連結基に接続しているおよび/または部分に接続している様々な追加の置換基を有していてもよい。

0088

ポリマー」または「ポリマー基」とは、本明細書で使用される場合、繰り返し連結した部分で構成される化学種または基を指す。ある特定の実施形態の範囲内で、繰り返し部分の数は3またはそれ超、または10より大きいことが好ましい。連結した部分は構造が同一であってもよいし、またはこれらの部分構造が異なっていてもよい。「モノマー性ポリマー」または「ホモポリマー」は同じ、繰り返す、非対称サブユニットを含有するポリマーである。「コポリマー」は、2種またはそれ超の種類のモノマー種(すなわち、2種またはそれ超の異なる化学的、非対称的サブユニット)から誘導されたポリマーである。「ブロックコポリマー」は、共有結合で連結している2種またはそれ超の種のポリマーサブユニットで構成されるポリマーである。

0089

「置換されている」という用語は、本明細書で使用される場合、置換基で置き換えられている分子配列の少なくとも1個の水素原子を指す。オキソ置換基(「=O」)の場合、2個の水素原子が置き換えられている。置換されている場合、以下の基の1つ以上は「置換基」である。置換基として、これらに限定されないが、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、ニトロ、アミノ、アルキルアミノジアルキルアミノ、アルキル、アルコキシアルキルチオハロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルヘテロシクリル、およびヘテロシクロアルキル、ならびに、−NRaRb、−NRaC(=O)Rb、−NRaC(=O)NRaNRb、−NRaC(=O)ORb、−NRaSO2Rb、−C(=O)Ra、−C(=O)ORa、−C(=O)NRaRb、−OC(=O)NRaRb、−OR、−SR、−SORa、−S(=O)aR、−OS(=O)2Raおよび−S(=O)ORaが挙げられる。加えて、上記置換基は、置換基が、置換アルキル置換アリール置換アリールアルキル置換ヘテロシクリル、または置換ヘテロシクロアルキルを含むように、上記置換基の1つ以上でさらに置換されていてもよい。RaおよびRbは、この文脈において同じでも異なっていてもよく、独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、ヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルであってよい。

0090

「非置換の」という用語は、本明細書で使用される場合、化合物に付加された余分な置換基を含有しない任意の化合物を指す。非置換の化合物とは、余分な置換基を有さない(例えば、保護基のない)化合物の化学的組成を指す。例えば、非置換プロリンは、プロリンのアミノ基がアルキル基二置換されていると考えられるとしても、プロリンアミノ酸である。

0091

「アルキル」という用語は、本明細書で使用される場合、1〜10個の炭素原子を含有する、任意の直鎖または分岐の、非環状または環状の、不飽和または飽和した脂肪族炭化水素を指す一方で、「低級アルキル」という用語はアルキルと同じ意味を有するが、1〜4個の炭素原子を含有する。「高級アルキル」という用語はアルキルと同じ意味を有するが、5〜10個の炭素原子を含有する。代表的な飽和した直鎖アルキルとして、これらに限定されないが、メチルエチル、n−プロピルn−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチルn−オクチル、n−ノニルなどが挙げられる一方で、飽和した分岐のアルキルとして、これらに限定されないが、イソプロピル、sec−ブチルイソブチル、tert−ブチル、イソペンチルなどが挙げられる。環状アルキルは、同じ原子に結合した2つのアルキル基を連結することによって、または隣接する原子にそれぞれ結合した2つのアルキル基を連結することによって得ることができる。代表的な飽和した環状アルキルとして、これらに限定されないが、シクロプロピルシクロブチルシクロペンチルシクロヘキシルなどが挙げられる一方で、不飽和の環状アルキルとして、これらに限定されないが、シクロペンテニルおよびシクロヘキセニルなどが挙げられる。環状アルキルはまた、本明細書で「単素環」または「単素環式環」とも呼ばれる。不飽和のアルキルは、隣接する炭素原子間で少なくとも1つの二重結合または三重結合を含有する(それぞれ「アルケニル」または「アルキニル」と呼ばれる)。代表的直鎖および分岐のアルケニルとして、これらに限定されないが、エチレニルプロピレニル、1−ブテニル、2−ブテニル、イソブチレニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−メチル−1−ブテニル、2−メチル−2−ブテニル、2,3−ジメチル−2−ブテニルなどが挙げられる一方で、代表的な直鎖および分岐アルキニルとして、これらに限定されないが、アセチレニル、プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−メチル−1−ブチニルなどが挙げられる。

0092

「アリール」という用語は、本明細書で使用される場合、任意の芳香族炭素環式部分、例えば、これらに限定されないが、フェニルまたはナフチルなどを指す。

0093

「アリールアルキル」または「アラルキル」という用語は、本明細書で使用される場合、少なくとも1個のアルキル水素原子がアリール部分(例えば、ベンジルなど)で置き換えられている任意のアルキル、これらに限定されないが、−(CH2)2フェニル、−(CH2)3フェニル、−CH(フェニル)2などを指す。

0094

「ハロゲン」という用語は、本明細書で使用される場合、任意のフルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨード部分を指す。

0095

「ハロアルキル」という用語は、本明細書で使用される場合、少なくとも1個の水素原子がハロゲンで置き換えられている任意のアルキル、例えば、トリフルオロメチルなどを指す。

0096

「ヘテロアリール」という用語は、本明細書で使用される場合、5〜10員であり、窒素、酸素および硫黄から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を有し、少なくとも1個の炭素原子を含有する、これらに限定されないが、単環系および二環系の両方を含めた任意の芳香族複素環を指す。代表的なヘテロアリールとして、これらに限定されないが、フリルベンゾフラニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、ピロリル、インドリル、イソインドリル、アザインドリルピリジルキノリニルイソキノリニルオキサゾリルイソオキサゾリルベンゾオキサゾリルピラゾリルイミダゾリルベンゾイミダゾリルチアゾリルベンゾチアゾリルイソチアゾリルピリダジニルピリミジニルピラジニルトリアジニル、シンノリニル、フタラジニル、およびキナゾリニルが挙げられる。

0097

「ヘテロアリールアルキル」という用語は、本明細書で使用される場合、少なくとも1個のアルキル水素原子がヘテロアリール部分で置き換えている任意のアルキル、例えば、−CHピリジニル、CH2ピリミジニルなどを意味する。

0098

複素環」または「ヘテロシクリル」または「複素環式環」という用語は、本明細書で使用される場合、飽和、不飽和、または芳香族であり、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を含有し、窒素および硫黄ヘテロ原子が任意に酸化されていてもよく、窒素ヘテロ原子が任意に四級化されていてもよい、任意の4〜7員の単環式、または7〜10員の二環式、複素環式環を指し、これには、上記複素環のいずれかがベンゼン環縮合している二環式環が含まれる。複素環は任意のヘテロ原子または炭素原子を介して付加されてもよい。複素環は、上で定義されたものにより例示されるヘテロアリールを含み得る。したがって、上記に列挙されたヘテロアリールに加えて、複素環としてまた、これらに限定されないが、モルホリニルピロリジノニル、ピロリジニルピペリジニルヒダトイニル、バレロラクタミルオキシラニルオキセタニルテトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニルテトラヒドロピリジニル、テトラヒドロピリミジニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロピリミジニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオピラニルなどを挙げることができる。

0099

「ヘテロシクロアルキル」という用語は、本明細書で使用される場合、少なくとも1個のアルキル水素原子が複素環で置き換えられている任意のアルキル、例えば、−CH2モルホリニルなどを指す。

0100

「単素環」または「シクロアルキル」という用語は、本明細書で使用される場合、3〜7個の炭素原子を含有する任意の飽和または不飽和の(ただし、芳香族ではない)炭素環、例えば、これらに限定されないが、シクロプロパンシクロブタンシクロペンタンシクロヘキサンシクロヘプタンシクロヘキセンなどを指す。

0101

「アルキルアミノ」という用語は、本明細書で使用される場合、窒素架橋を介して付加された少なくとも1つのアルキル部分(すなわち、−N−(アルキル)n、式中、n=1または2、例えば、アルキルアミノまたはジアルキルアミノなど)、例えば、これらに限定されないが、メチルアミノエチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノなどを含めたものを意味する。

0102

アルキルオキシ」または「アルコキシ」という用語は、本明細書で使用される場合、酸素架橋を介して付加された任意のアルキル部分(すなわち、−O−アルキル)、例えば、これらに限定されない、メトキシエトキシなどを意味する。

0103

「アルキルチオ」という用語は、本明細書で使用される場合、硫黄架橋(すなわち、−S−アルキル)を介して付加された任意のアルキル部分、例えば、これらに限定されないが、メチルチオエチルチオなどを意味する。

0104

「アルケニル」という用語は、本明細書で使用される場合、その中に1つ以上の二重結合を有する非分岐または分岐の炭化水素鎖を指す。アルケニル基の二重結合は、非コンジュゲートであっても、または別の不飽和の基にコンジュゲートしていてもよい。適切なアルケニル基として、これらに限定されないがビニルアリル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニルブタジエニルペンタジエニルヘキサジエニル、2−エチルヘキセニル、2−プロピル−2−ブテニル、4−(2−メチル−3−ブテン)−ペンテニルが挙げられる。アルケニル基は非置換であるか、または1つもしくは2つの適切な置換基で置換されていることができる。

0105

「アルキニル」という用語は、本明細書で使用される場合、その中に1つ以上の三重結合を有する非分岐または分岐の炭化水素鎖を指す。アルキニル基の三重結合は、非コンジュゲートであっても、または別の不飽和の基にコンジュゲートしていてもよい。適切なアルキニル基として、これらに限定されないがエチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、メチルプロピニル、4−メチル−1−ブチニル、4−プロピル−2−ペンチニル−、および4−ブチル−2−ヘキシニルが挙げられる。アルキニル基は非置換であるか、または1つのもしくは2つの適切な置換基で置換されていることができる。

0106

「塩」という用語は、本明細書で使用される場合、本明細書に含有されている、特定された化合物と複合体形成する任意の塩を指す。このような塩の例として、これらに限定されないが、無機酸(例えば、塩酸臭化水素酸硫酸リン酸硝酸など)と形成される酸付加塩、および有機酸(例えば、酢酸シュウ酸酒石酸コハク酸リンゴ酸フマル酸マレイン酸アスコルビン酸安息香酸タンニン酸、パモ酸、アルギン酸ポリグルタミン酸メタンスルホン酸メシル酸塩)、ベンゼンスルホン酸ベシル酸塩)、4−ニトロベンゼンスルホン酸(ノシル酸塩)、4−ブロモベンゼンスルホン酸ブロシル酸塩)、トルエンスルホン酸トシル酸塩)、ナフタレンスルホン酸ナフタレン二スルホン酸、およびポリガラクツロン酸)と形成される塩が挙げられる。塩化合物はまた、当業者により公知の薬学的に許容される第四級塩として投与することができ、具体的には、これは式−NR,R’,R”+Z−の第四級アンモニウム塩(式中、R、R’およびR”は、独立して、水素、アルキル、またはベンジルであり、Zは、これらに限定されないが、塩化物イオン臭化物イオンヨウ化物イオンアルコキシドスルホネート(例えば、メシレート、ベシレート、ノシレート、ブロシレートおよびトシレート)、ホスフェート、またはカルボキシレート(例えば、ベンゾエートスクシネートアセテートグリコレートマレエートマレートフマレートシトレートタータレートアスコルベートシンナモエート、マンデロエート、およびジフェニルアセテートなどを含めた対イオンである)を含む。塩化合物はまた、置換もしくは非置換の部分的な式(式中、Zは、これらに限定されないが、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、アルコキシド、スルホネート(例えば、メシレート、ベシレート、ノシレート、ブロシレートおよびトシレート)、ホスフェート、またはカルボキシレート(例えば、ベンゾエート、スクシネート、アシレート、グリコレート、マレエート、マレート、フマレート、シトレート、タータレート、アスコルベート、シンナモエート、マンデロエート、およびジフェニルアセテートなどを含めた対イオンである)を有する薬学的に許容されるピリジンカチオン塩として投与することができる。

0107

本明細書で使用される場合、「反応性基」とは、求核試薬求電子剤、またはラジカルとして活性な基、すなわち、ラジカルの存在下で反応する基を指す。求核試薬は、両方の結合電子供与することによりその反応パートナー(求電子剤)と化学結合を形成する部分である。求電子剤はこれらの電子受け入れる。求核試薬は求核置換に参加することができ、これによって、求核試薬は元素上で完全なまたは部分的な正電荷誘引され、それが結合している基を置き換える。あるいは、求核試薬はカルボニル基の置換に参加することもできる。カルボン酸は多くの場合、スクシニルエステルを作り出し、これらのエステルをアミノアルキルと反応させてアミドを形成することによって求電子性となる。他の一般的な求核性基は、チオールアルキルヒドロキシルアルキル第一級および第二級アミン、ならびに炭素求核試薬、例えば、エノールおよびアルキル金属錯体などである。反応性基を使用して、タンパク質、オリゴ糖および細胞をライゲートする他の好ましい方法が開示されている(その全体が本明細書に参照により組み込まれている、Lemieux and Bertozzi 1998)。また別の好ましい方法では、シュタウディンガーライゲーションのための反応性基、すなわち、「クリックケミストリー」を提供し、アジドを含む部分およびアルキニル反応性基でトリアゾールを形成する。求電子性カルボニルを用いた炭素求核試薬エノレートマイケル付加、またはアルデヒドもしくはケトンを用いた求核性の第一級もしくは第二級アミンのシッフ塩基形成もまた利用することができる。バイオコンジュゲーションの他の方法が提供されている(Hang and Bertozzi 2001;およびKiick et al. 2002、両方ともこれら全体において参照により組み込まれている)。

0108

生体適合性」という用語は、本明細書で使用される場合、宿主において実質的な有害な応答を導き出さない任意の材料を指す。異物生体内に導入されると、この物体が、免疫反応、例えば、宿主に悪影響を及ぼす炎症性応答などを誘発するという懸念が常に存在する。本発明との関連で、生体適合性は、それが設計された用途に従い評価される:例えば、包帯は、皮膚と生体適合性があるとみなされるのに対して、移植された医療用具は身体の内部組織と生体適合性があるとみなされる。好ましくは、生体適合性材料は、これらに限定されないが、生分解性および生体定性材料を含む。この材料を含むインプラント宿主動物内でそのインプラント部位と密接に結合している場合、実質的な有害な応答は生じず、その応答は、提供された材料から、ASTMにおいて適切であると認識されたおよび確立された組織応答よりも良い。Biocompatibility Test Methods(生体適合性試験法)に対するASTM小委員会F04.16は、医学的および外科的材料およびデバイスに対して標準的な生体適合性を開発した。例えば、血流と接触させて使用することになる材料は、血液適合性基準を満たす材料で構成されなければならない。これらの試験の1つは赤血球に対するダメージについてであり、このダメージは、本明細書に参照により組み込まれている、F756 Practice for Assessment of Hemolytic Properties of Materials(材料の溶血特性の評価)に記載されているように、溶血、すなわち細胞の破壊をもたらし得る。

0109

本明細書で使用される場合、「生理活性物質」とは、生体分子と結合する様々な化学部分のいずれか、例えば、これらに限定されないが、ペプチド、タンパク質、酵素、受容体、基質、脂質、抗体、抗原、および核酸などを指す。ある特定の好ましい実施形態では、生理活性物質は生体分子であるが、生理活性物質は生体分子に限定されることを意図しない。他の好ましい実施形態では、生理活性物質は、疎水性親水性または静電相互作用、例えば、生理学的なpHでアニオン性であるポリカルボン酸などを提供する。他の好ましい実施形態では、アルカリ性増殖因子等電点は7超)は、ポリカルボキシレートによる好ましい静電相互作用を介して保持され、続いて、制御されたおよび持続した方式で放出される。

0110

「がん」とは、異常な細胞が無制御に分裂し、他の組織に侵入することができる疾患に対して使用される用語である。100超の異なる種類のがんが存在する。大部分のがんは、これらが始まった臓器または細胞の種類から命名される。例えば、結腸で始まったがんは結腸がんと呼ばれ、皮膚の基底細胞で始まったがんは基底細胞がんと呼ばれる。がんの主要カテゴリーとして、癌腫肉腫白血病リンパ腫および骨髄腫、ならびに中枢神経系がんが挙げられる。いくつかの一般的ながんの種類として、これらに限定されないが、膀胱がん、乳がん、結腸および直腸がん、子宮内膜がん腎臓(腎臓の細胞)がん、白血病、肺がん黒色腫非ホジキンリンパ腫膵臓がん前立腺がん皮膚がん(非黒色腫)、および甲状腺がんが挙げられる。一実施形態では、本明細書で処置に対して想定されているがんとして、結腸および乳がんが挙げられる。

0111

「含む」および「含んでいる」という用語は、米国特許法に通常基づき広い意味を有することが意図され、「含む(include)」、「含めた(including)」などを意味することができる。

0112

本発明の目的は、ラルガゾール類似体のプロドラッグを作り出し、水性溶解度に関して、最終的にはヒトにおけるin vivo活性に関して、特に経口投与を介して、げっ歯類異種移植片およびヒト疾患に対する代用として患者由来の腫瘍モデルを使用して、これらの生理化学的特性を評価することにより、ラルガゾールの構造−活性の関係を改善するための方法である。

0113

2008年、ラルガゾールはシンプロカ属(Symploca)のシアノバクテリアから単離され、そのキーラーゴ(Key Largo)の位置から命名された(Luesch et al., University of Florida)。化合物は、形質転換された乳房上皮細胞株MDA−MB231において、GI50=7.7nMで、抗増殖性の活性を実証した(Taori et al. 2008)。加えて、ラルガゾールは、正常細胞よりもがんを選択的に標的として、これによって、この海洋性物質は重要な合成標的ならびに潜在的に価値のあるがん化学療法となった(Taori et al. 2008)。最初に報告されたラルガゾールの合成は、Lueschおよび共同研究者により完了し(Ying et al. 2008b)、これに、Phillipsグループ(Nasveschuk et al. 2008)、Cramerグループ(Seiser et al. 2008)、Williamsグループ(Bowers et al. 2008)、ならびにGhoshグループ(Ghosh and Kulkarni 2008)が続いた。その抗がん活性に対する分子的基本原理はヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害であることが示唆されている(Ying et al. 2008b)。

0114

HDAC阻害剤は、固形悪性腫瘍および血液悪性腫瘍の処置のための新規種類の強力な抗がん剤として示唆されている。HDACの現在の阻害剤、例えば、酪酸ナトリウム、Trichostatin A(TSA)、スベロイルアニリドヒドロキサム酸(SAHA)、FK228、およびその他などは、細胞周期停止、DNAの損傷修復フリーラジカルスカベンジングおよびアポトーシスに必要とされる遺伝子およびこれらのタンパク質生成物を調節することによってこれらの抗腫瘍作用を示すことができる(Marks 2010)。例えば、SAHAは進行した皮膚T細胞リンパ腫の処置に対して承認されている(Marks 2007)。いくつかの他のHDAC阻害剤は現在がん処置に対する治験を受けている(Marks 2010)。

0115

ラルガゾールの構造は、チアゾール環およびオクタン酸チオエステル側鎖(天然産物にはほとんど見出されない単位)に縮合した4−メチルチアゾールを含有する16員の大環状分子を含む(Taori et al. 2008;Newkirk et al. 2009)。HDACタンパク質の表面と相互作用するのは化合物の大環状の部分であるが、側鎖がHDACの活性部位およびキレート亜鉛に挿入され、基質の脱アセチル化の停止をもたらすと仮定されている(Newkirk et al. 2009)。図1を参照されたい。

0116

ラルガゾールのファーマコフォアをさらに定義すると、細胞の細胞形質へのその侵入の際に、チオエステル部分が急速に加水分解して、遊離チオール基を産生し、このチオール基がHDACポケットの底部で亜鉛イオンと相互作用し、酵素活性を阻害することができると考えられる。

0117

ラルガゾールチオールが反応種であることを検証するために、様々な例示的チオール誘導体を調製し、腫瘍細胞増殖阻害において、および細胞内またはin vitroでのHDAC阻害アッセイにおいてその生化学的有効性を評価した。これらの知見は、チオール類似体が、化合物処理した細胞抽出物を使用して、同様のHDAC阻害を有することを示している(Bowers et al. 2008;Ying et al. 2008a;Ying et al. 2008b)。細胞をラルガゾールまたはラルガゾールチオールで処理するin vivo実験では、親分子は、HDAC阻害に関してより高い有効性を示した(IC50が、51nMに対して、チオール代謝物では209nM)(Ying et al. 2008a)。

0118

抗増殖性活性に関して、相反するデータセットが2つのグループにより提示された。Yingらは、ラルガゾールおよびそのチオール類似体は、HCT116細胞において同様の抗増殖活性を示し、GI50価がそれぞれ44および38nMであることを示した(Ying et al. 2008b)。Williamsのグループは一連黒色腫細胞株を利用して、そのチオール代謝物(IC50:380〜2600nM)と比較して、ラルガゾールが一貫した、優れた有効性(IC50:45〜315nM)を有し、細胞毒性における差異がチオエステルラルガゾールの優れた浸透率に起因することを実証した(Bowers et al. 2008)。デアセチラーゼ活性をin vitroで測定するために、I型およびII型からの精製された全長HDACタンパク質を、蛍光体−コンジュゲート基質およびラルガゾールまたはラルガゾールチオールと共にインキュベートした。結果は、還元された(チオール)形態と比較した場合、ラルガゾールそれ自体がずっと弱いHDAC阻害剤であることを示すばかりでなく、HDAC6よりも、HDAC1、2、および3に対するラルガゾールの顕著な優先傾向も示している(Bowers et al. 2008)。細胞ベースアッセイにおいてこの差異がないことを説明するために、実験条件下でチオエステルを切断することは可能である。

0119

加えて、ヒドロキシル(−OH)は亜鉛をキレートしないので、−SHを−OHで置き換えると、HDACアッセイにおいて、毒性作用ならびに阻害活性が妨げられた(Bowers et al. 2008);(Ying et al. 2008a))。総合すれば、チオールは両方の活性に対して必須である。その結果、HDACの阻害はその抗腫瘍作用を促進させると推測することができる。生合成の観点から、自然は、ラルガゾールを、その安定性を増加させ、それを望ましくない酸化から保護するために、標的反応種ではなくプロドラッグとして生成した(Ying et al. 2008b)。興味深いことに、保護して遊離するという類似の機序が自然物質、FK228において観察されている(Shigematsu et al. 1994;Ueda et al. 1994a;Ueda et al. 1994b)。この特殊な環式化合物はジスルフィド結合を含有し、このジスルフィド結合がグルタチオン還元酵素により加水分解されてブテニルチオールとなり、このブテニルチオールが、亜鉛残基に向けて延長可能となることで、HDAC活性を終結させる。(図1およびFurumai et al. 2002を参照されたい)。

0120

一連の類似体を調製してオクタノイル鎖の最適な長さを評価した。なぜなら、HDACポケットに挿入され、亜鉛をキレートし、これによってHDAC生物学的活性の減弱をもたらすのはリンカーだからである。ラルガゾールならびにFK228は、大環状分子と亜鉛−結合基との間に4個の原子リンカーを組み込むと考えられている。全オクタノイル鎖を欠く大環状分子はHDACを阻害することもできないし、細胞にいかなる有毒活性を有することもできないが、これによって、HDAC阻害剤としてのラルガゾールの役割におけるチオール基の重要性がさらに証明される。in vivoおよびin vitroのHDACアッセイならびにHCT116結腸がん細胞株に対する細胞生存度アッセイで測定した場合、脂肪族鎖の短縮も延長も有利な構造的修飾ではない。(表2を参照されたい)。これらの結果はラルガゾールテールの自然の長さが最適であることを示唆している(Ying et al. 2008a;Ying et al. 2008b;およびNewkirk et al. 2009)。さらに、キャップ領域内での2つの変更が調査され、Leuschおよび共同研究者らにより報告された:バリンアラニンおよびラルガゾールエピマー(17R)への置換(Ying et al. 2008a)。Val−、Ala−化合物は、ラルガゾールと比較して、すべての阻害活性において2倍の低減を示し、これは、バリン残基が簡単に交換できることを示している。エピマー類似体は、HDAC阻害剤としてはあまりうまく作用せず、これは、位置C17でのS構成の重要性を暗に示している(Ying et al. 2008a)。最近では、ラルガゾールについて追加の構造活性関係研究がZengらにより実施され(Zeng et al. 2010)、この研究では、バリンをロイシンおよびフェニルアラニンに置き換えると、いくつかのがん細胞株に対する阻害活性がわずかに低減したことが観察された(例えば、HCT 116細胞において、ラルガゾールに対するGI50は80nMであった一方で、Leu1およびPhe1に対しては560nMおよび260nMがそれぞれ測定された)。興味深いことに、バリンをチロシンに交換すると、がん細胞に対する有効性が低下したが、正常細胞に対するGI50は有意に増加し、したがって、正常細胞株(HEK293:100μMのGI50;HLF:100μMのGI50、一方でHEK293におけるラルガゾールのGI50は1.36μMであり、HLF細胞では0.98μMであった)よりも治療濃度域を改善した(HCT−116:0.39μMのGI50;A549:1.46μMのGI50)。その結果、ラルガゾールをTyrで修飾することによって、化合物が正常細胞の代わりに、がん内のHDACを選ぶことを強制することができることが示唆された(Zeng et al. 2010)。

0121

ラルガゾールなどの大環状HDAC阻害剤は、HDACの生物学を実験するためのツールとしての可能性を有すると同時に、ラルガゾールは、正常細胞と対比して、がん細胞を死滅させることを優先することから、がん治療剤として重大な期待を提供する(すなわち、大きな治療濃度域を含む)。ラルガゾールが興味深いのは、これがI型デアセチラーゼに対して高度に選択的であるという事実にあり、これは、HDAC阻害剤にほとんど観察されない特色である。

0122

本発明の医薬組成物は、所望の投与経路に対して任意の適切な形態を取ることができる。組成物が経口投与される場合、任意の適切な経口的に送達可能な剤形を使用することができ、これには、限定ではないものの、錠剤カプセル剤(固体または充填した液体)、散剤粒剤シロップ剤および他の液体、エリキシル剤吸入剤トローチ剤ロゼンジ剤、および液剤が含まれる。注射剤組成物またはi.v.注入はまた液剤、懸濁液、および乳濁液の形態で提供される。特定の実施形態では、組成物は経口的に投与される。例示的実施形態では、経口投与の範囲は0.05〜40mg/kg、例えば、0.1〜30mg/kg、例えば、1〜30mg/kg、例えば、2〜20mg/kg、例えば、5〜20mg/kg、例えば、10〜15mg/kgなどである。

0123

例示的実施形態では、本発明による医薬組成物は、例えば、効力を増加させる、または所望しない副作用を低減させるための1種以上の追加の治療剤を含有し得る。特定の実施形態では、医薬組成物は、HDACにより直接的または間接的に媒介される疾患を治療または阻害するのに有用な1種以上の追加の治療剤をさらに含有する。このような薬剤の例として、限定ではないものの、がん、ハンチントン病嚢胞性線維症肝線維症、腎臓線維症肺線維症皮膚線維症、関節リウマチ糖尿病または心不全を治療または阻害する薬剤が挙げられる。

0124

特定の実施形態では、含まれるべき追加の治療剤は抗がん剤である。抗がん剤の例として、これらに限定されないが、アルキル化剤、例えば、シクロホスファミドダカルバジンおよびシスプラチンなど;代謝拮抗剤、例えば、メトトレキセートメルカプトプリンチオグアニンフルオロウラシルおよびシタラビンなど;植物アルカロイド、例えば、ビンブラスチンおよびパクリタキセルなど;抗腫瘍抗生剤、例えば、ドキソルビシンブレオマイシンおよびマイトマイシンなど;ホルモン抗ホルモン、例えば、プレドニゾンタモキシフェンおよびフルタミドなど;他の種類の抗がん剤、例えば、アスパラギナーゼリツキシマブトラスツズマブイマチニブレチノイン酸および誘導体など、コロニー刺激因子アミホスチンカンプトテシントポテカンサリドマイド類似体、例えば、レナリドミドなど、CDK阻害剤プロテアソーム阻害剤、例えば、ベルケイドなど、ならびに他のHDAC阻害剤が挙げられる。

0125

別の実施形態では、本発明は、それを必要とする対象において、異常な細胞増殖および/または分化から生じる疾患を阻害または処置する方法であって、本発明による1つ以上の化合物の治療有効量を対象に投与することを含む方法を提供する。一実施形態では、疾患を阻害または処置する方法は、1つ以上の本発明の化合物の有効量と、薬学的に許容される担体とを含む組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む。投与される組成物は、抗がん剤などの治療剤をさらに含有し得る。

0126

本発明の化合物は、本明細書では、これらの化学構造および/または化学名で定義され、IUPACまたはCAS命名法ステムに従い全般的に列挙されている。当業者に周知の略語を使用することができる。化合物が化学構造と化学名の両方で呼ばれ、化学構造と化学名が矛盾する場合、化学構造が化合物の識別情報を決定することが意図されている。

0127

本発明の式Iの化合物はスキームIである一般スキームに従い合成される:

0128

0129

中間塩化物1は、公開された国際公開第2015/183897号パンフレットに記載されている方法で調製できる。一般式2のチオ酸中間体および一般式3のチオエステル中間体は、当技術分野使用可能な周知の方法で合成できる。基剤(例えば、炭酸カリウムなど)およびヨウ化カリウムの存在下での1と2のカップリングは対応するチオエステル中間体3を提供する。酸(例えば、トリフルオロ酢酸など)を用いた3のBoc脱保護は、第一級アミン4を提供する。次いで、適当な酸での4の処理による塩形成は、アンモニウム塩5を提供する。あるいは、3を還元剤(例えば、ヒドラジン水和物など)で加水分解して、対応するチオール6を得ることができ、次いで、カップリング剤(例えば、HATUなど)を使用してカルボン酸7とこれを反応させて、対応するチオエステル8を得る。カルボン酸7がBoc保護基を含有する場合、生成した中間体化合物9は、酸(例えば、トリフルオロ酢酸など)で脱保護して、第一級アミン10を得ることができる。次いで、適当な酸での処理による塩形成により、アンモニウム塩11を得る。

0130

以下の実施例は例証的目的のためのみ提供され、本発明の範囲を制限することを意図するものではない。

0131

実施例1:(R)−S−((E)−4−((7S,10S)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−16−チア−3,6,13,18−テトラアザビシクロ[13.2.1]オクタデカ−1(17),15(18)−ジエン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)2−アミノ−3−メチルブタンチオエート塩酸塩の調製。

0132

テップ1:(R)−S−((E)−4−((7S,10S)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−16−チア−3,6,13,18−テトラアザビシクロ[13.2.1]オクタデカ−1(17),15(18)−ジエン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−メチルブタンチオエートの調製。(7S,10S)−10−((E)−4−クロロブタ−1−エン−1−イル)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−9−オキサ−16−チア−3,6,13,18−テトラアザビシクロ[13.2.1]オクタデカ−1(17),15(18)−ジエン−2,5,8,12−テトラオン(15g、0.03モル)、(R)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−メチルブタンチオS−酸(12.5g、0.06モル)、K2CO3(11.2g、0.09モル)、およびKI(0.89g、0.006モル)を150mLのアセトニトリルに溶解し、生成した混合物を60〜65℃に温め、窒素下で撹拌した。16時間後、混合物を20℃に冷却し、300mLの水を加え、生成した懸濁液を酢酸エチル(2×200mL)で抽出した。合わせた有機相無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残基をフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル=1/1〜4/1で溶出)で精製して、(R)−S−((E)−4−((7S,10S)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−16−チア−3,6,13,18−テトラアザビシクロ[13.2.1]オクタデカ−1(17),15(18)−ジエン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−メチルブタンチオエートを得た(17.0g、80%収率)。

0133

ステップ2:(R)−S−((E)−4−((7S,10S)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−16−チア−3,6,13,18−テトラアザビシクロ[13.2.1]オクタデカ−1(17),15(18)−ジエン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)2−アミノ−3−メチルブタンチオエート塩酸塩の調製。(R)−S−((E)−4−((7S,10S)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−16−チア−3,6,13,18−テトラアザビシクロ[13.2.1]オクタデカ−1(17),15(18)−ジエン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−メチルブタンチオエート(1.7g、0.025モル)を150mLのジクロロメタンに溶解し、トリフルオロ酢酸(22.5mL)を10℃で加えた。窒素下、10℃で4時間撹拌後、混合物を濃縮乾燥させ、残留物を100mLの酢酸エチルに溶解し、10mLの4M HCl/酢酸エチル溶液で処理した。次いで、混合物を石油エーテル(100mL)で処理し、生成した白色の固体を濾取し、乾燥させて、(R)−S−((E)−4−((7S,10S)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−16−チア−3,6,13,18−テトラアザビシクロ[13.2.1]オクタデカ−1(17),15(18)−ジエン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)2−アミノ−3−メチルブタンチオエート塩酸塩を得た(0.40g、26%収率)。Mass Spec(m/z):582.8(M+1)。

0134

実施例2:(S)−S−((E)−4−((7S,10S)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−16−チア−3,6,13,18−テトラアザビシクロ[13.2.1]オクタデカ−1(17),15(18)−ジエン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)2−アミノ−3−メチルブタンチオエート塩酸塩の調製。

0135

ステップ1:(S)−S−((E)−4−((7S,10S)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−16−チア−3,6,13,18−テトラアザビシクロ[13.2.1]オクタデカ−1(17),15(18)−ジエン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−メチルブタンチオエート。(7S,10S)−10−((E)−4−クロロブタ−1−エン−1−イル)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−9−オキサ−16−チア−3,6,13,18−テトラアザビシクロ[13.2.1]オクタデカ−1(17),15(18)−ジエン−2,5,8,12−テトラオン(40g、0.0825モル)、(S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−メチルブタンチオS−酸(38.5g、0.165モル)、K2CO3(34.1g、0.247モル)、およびKI(2.7g、0.0163モル)を400mLのアセトニトリルに溶解し、窒素下、60〜65℃で20時間撹拌した。混合物を20℃に冷却し、水(300mL)を加え、生成した懸濁液を酢酸エチル(2×200mL)で抽出した。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル=1/1〜4/1で溶出)で精製して、(S)−S−((E)−4−((7S,10S)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−16−チア−3,6,13,18−テトラアザビシクロ[13.2.1]オクタデカ−1(17),15(18)−ジエン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−メチルブタンチオエートを得た(49.8g、89%収率)。

0136

ステップ2:(S)−S−((E)−4−((7S,10S)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−16−チア−3,6,13,18−テトラアザビシクロ[13.2.1]オクタデカ−1(17),15(18)−ジエン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)2−アミノ−3−メチルブタンチオエート塩酸塩。(S)−S−((E)−4−((7S,10S)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−16−チア−3,6,13,18−テトラアザビシクロ[13.2.1]オクタデカ−1(17),15(18)−ジエン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−メチルブタンチオエート(47.8g、0.07モル)をジクロロメタン(400mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(65mL)を、窒素下で撹拌しながら、10〜20℃で滴下添加した。添加後、混合物を15〜20℃で3時間撹拌し、この時点でトリフルオロ酢酸の追加のアリコート(20mL)を加え、15〜20℃で撹拌をさらに1.5時間継続した。次いで、溶液を、ほぼ乾燥するまで真空下で濃縮し、残留物を酢酸エチル(250mL)に溶解した。次いで、10〜15℃の間の温度で撹拌しながら、20mLの4M HCl/酢酸エチル溶液を加えると、スラリーが形成した。次いで、250mLのn−ヘプタンを加え、固体を濾過し、n−ヘプタンですすぎ、真空下で乾燥させて、(S)−S−((E)−4−((7S,10S)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−16−チア−3,6,13,18−テトラアザビシクロ[13.2.1]オクタデカ−1(17),15(18)−ジエン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)2−アミノ−3−メチルブタンチオエート塩酸塩を白色の固体として得た。これはいくらか残留ヘプタンを含有した。(49.0g、100%収率)。Mass Spec(m/z):582.8(M+1)

0137

実施例3:(S)−S−((E)−4−((7S,10S)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−16−チア−3,6,13,18−テトラアザビシクロ[13.2.1]オクタデカ−1(17),15(18)−ジエン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)2−アミノ−3−メチルブタンチオエートベンゼンスルホン酸塩の調製。

0138

実施例2、ステップ1の生成物、((S)−S−((E)−4−((7S,10S)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−16−チア−3,6,13,18−テトラアザビシクロ[13.2.1]オクタデカ−1(17),15(18)−ジエン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−メチルブタンチオエート)(1当量)を20〜25℃でアセトニトリル(10容量)に溶解し、混合物をベンゼンスルホン酸(3当量)で処理した。室温で5時間撹拌後、溶媒をデカントすることによって除去し、残留する油をTHF(5容量)で処理し、生成した混合物を室温で一晩撹拌した。生成した白色の固体を濾取し、真空下で乾燥させて、(S)−S−((E)−4−((7S,10S)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−16−チア−3,6,13,18−テトラアザビシクロ[13.2.1]オクタデカ−1(17),15(18)−ジエン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)2−アミノ−3−メチルブタンチオエートベンゼンスルホン酸塩を得た(90%収率;98%純度)。1HNMR(d6-DMSO) δ: 0.56〜0.57 (m, 3H), 0.76〜0.78 (m, 3H), 0.92〜0.94 (m, 3H), 0.96〜0.98 (m, 3H), 1.45〜1.48 (m, 3H), 1.70〜1.72 (m, 3H), 2.07〜2.16 (m, 2H), 2.27〜2.28 (m, 2H), 2.93〜2.95 (m, 1H), 2.94〜2.95 (m, 1H), 2.97〜3.1 (m, 1H), 4.13〜4.15 (m, 1H), 4.28〜4.33 (1H), 4.92〜5.0 (m, 1H), 5.61〜5.64 (m, 3H), 7.29〜7.32 (m, 3H), 7.57〜7.60 (m, 2H), 7.88〜7.92 (m, 1H), 8.17 (s, 1H), 8.32 (s, 3H), 8.48〜8.50 (m, 1H).

0139

実施例4:(S)−S−((E)−4−((7S,10S)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−16−チア−3,6,13,18−テトラアザビシクロ[13.2.1]オクタデカ−1(17),15(18)−ジエン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)2−アミノプロパンチオエートシュウ酸塩。

0140

ステップ1:(7S,10S)−7−イソプロピル−10−((E)−4−メルカプトブタ−1−エン−1−イル)−4,4−ジメチル−9−オキサ−16−チア−3,6,13,18−テトラアザビシクロ[13.2.1]オクタデカ−1(17),15(18)−ジエン−2,5,8,12−テトラオンの調製。実施例2からの(7S,10S)−7−イソプロピル−10−((E)−4−メルカプトブタ−1−エン−1−イル)−4,4−ジメチル−9−オキサ−16−チア−3,6,13,18−テトラアザビシクロ[13.2.1]オクタデカ−1(17),15(18)−ジエン−2,5,8,12−テトラオン(1:1)塩酸塩(1.5g、2.43mmol)のアセトニトリル(30mL)中溶液に、N2H4・H2O(620mg、12.15mmol)を室温で一度に加えた。混合物を、窒素下、室温で2時間撹拌し、この時点で、アセトン(20mL)を加えた。混合物を濃縮し、残留物をジクロロメタン(50mL)に溶解した。有機層を1Mクエン酸溶液(3×20mL)、重曹飽和溶液(2×20mL)およびブライン(20mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮することによって、(7S,10S)−7−イソプロピル−10−((E)−4−メルカプトブタ−1−エン−1−イル)−4,4−ジメチル−9−オキサ−16−チア−3,6,13,18−テトラアザビシクロ[13.2.1]オクタデカ−1(17),15(18)−ジエン−2,5,8,12−テトラオンを無色の油として生成し(0.90g)、これを次のステップでそのまま使用した。

0141

ステップ2:(S)−S−((E)−4−((7S,10S)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−16−チア−3,6,13,18−テトラアザビシクロ[13.2.1]オクタデカ−1(17),15(18)−ジエン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)プロパンチオエートの調製。(7S,10S)−7−イソプロピル−10−((E)−4−メルカプトブタ−1−エン−1−イル)−4,4−ジメチル−9−オキサ−16−チア−3,6,13,18−テトラアザビシクロ[13.2.1]オクタデカ−1(17),15(18)−ジエン−2,5,8,12−テトラオン(450mg、0.93mmol)のジクロロメタン(30mL)中混合物に、HATU(530mg、1.40mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(486μL、2.33mmol)および(S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)プロパン酸(194mg、1.03mmol)を加えた。混合物を窒素下、室温で16時間撹拌し、この時点で1M水性塩化アンモニウム(20mL)を加えた。水相をジクロロメタン(2×20mL)で抽出し、合わせた有機相を重曹飽和溶液(20mL)、ブライン(20mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=40/1)で精製して、(S)−S−((E)−4−((7S,10S)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−16−チア−3,6,13,18−テトラアザビシクロ[13.2.1]オクタデカ−1(17),15(18)−ジエン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)プロパンチオエートを黄色の油として生成した(310mg、51%収率)。

0142

ステップ3:(S)−S−((E)−4−((7S,10S)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−16−チア−3,6,13,18−テトラアザビシクロ[13.2.1]オクタデカ−1(17),15(18)−ジエン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)2−アミノプロパンチオエート塩酸塩の調製。(S)−S−((E)−4−((7S,10S)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−16−チア−3,6,13,18−テトラアザビシクロ[13.2.1]オクタデカ−1(17),15(18)−ジエン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)プロパンチオエート(300mg、0.46mmol)のジクロロメタン(30mL)中溶液に、0℃で、トリフルオロ酢酸(157mg、1.38mmol)を3つの等しい部分に分けて加えた。混合物を、窒素下、0℃で4時間撹拌し、次いで濃縮した。残留物をH2O(10mL)に溶解し、0℃に冷却し、シュウ酸(41mg、0.46mmol)を加えた。混合物を0℃で30分間撹拌し、次いで、凍結乾燥機上に配置して、(S)−S−((E)−4−((7S,10S)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−16−チア−3,6,13,18−テトラアザビシクロ[13.2.1]オクタデカ−1(17),15(18)−ジエン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)2−アミノプロパンチオエートシュウ酸塩を得た(218mg、74%収率)が、これは、19F NMRにより証明されるように、少量であるが、異なる量の対応するトリフルオロ酢酸塩を含有した。Mass Spec(m/z):554.1(M+1)

0143

実施例5:(R)−S−((E)−4−((7S,10S)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−16−チア−3,6,13,18−テトラアザビシクロ[13.2.1]オクタデカ−1(17),15(18)−ジエン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)2−アミノプロパンチオエートシュウ酸塩。

0144

実施例3に対して記載されているプロトコルを使用して、生成物を調製した。(R)−S−((E)−4−((7S,10S)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−16−チア−3,6,13,18−テトラアザビシクロ[13.2.1]オクタデカ−1(17),15(18)−ジエン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)2−アミノプロパンチオエートシュウ酸塩(21mg、55%収率)を白色の固体として単離したが、これは、19F NMRにより証明されるように、少量ではあるが、異なる量の対応するトリフルオロ酢酸塩を含有した。Mass Spec(m/z):554.1(M+1)。

0145

実施例6:S−((E)−4−((7S,10S)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−16−チア−3,6,13,18−テトラアザビシクロ[13.2.1]オクタデカ−1(17),15(18)−ジエン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)2−(ジメチルアミノ)エタンチオエート。

0146

S−((E)−4−((7S,10S)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−16−チア−3,6,13,18−テトラアザビシクロ[13.2.1]オクタデカ−1(17),15(18)−ジエン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)2−(ジメチルアミノ)エタンチオエートの調製。(7S,10S)−7−イソプロピル−10−((E)−4−メルカプトブタ−1−エン−1−イル)−4,4−ジメチル−9−オキサ−16−チア−3,6,13,18−テトラアザビシクロ[13.2.1]オクタデカ−1(17),15(18)−ジエン−2,5,8,12−テトラオン(500mg、1.04mmol)および2−(ジメチルアミノ)酢酸(117mg、1.04mmol)のジクロロメタン(20mL)中混合物に、室温でHATU(583mg、1.56mmol)およびDIPEA(550μL、3.12mmol)を加えた。混合物を窒素下、室温で16時間撹拌し、この時点で、20mLの塩化アンモニウム飽和溶液を加えた。層を分離させ、水相をジクロロメタンで抽出した(2×20mL)。合わせた有機層を重曹飽和溶液(20mL)、ブライン(20mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。2ステップの精製では、最初はシリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=10/1)を使用し、これに続いて分取HPLCでS−((E)−4−((7S,10S)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−16−チア−3,6,13,18−テトラアザビシクロ[13.2.1]オクタデカ−1(17),15(18)−ジエン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)2−(ジメチルアミノ)エタンチオエートを白色の固体として生成した(170mg、29%収率)。Mass Spec(m/z):568.2(M+1)。
分取HPLCの精製条件:
装置:SHIMADZU 分取HPLCシステム
移動相:A:H2O中0.01M NH4HCO3;ACN
カラム:Luna C18 250*30、10μm、100A
流速:80ml/min
モニター波長:220および254nm
勾配
時間 B%
0.00 30
25.0 60
25.10 100
30.10 30

0147

実施例7:S−((E)−4−((7S,10S,Z)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−3,6,13−トリアザ−1(4,2)−チアゾールアシクロテトラデカファン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)ピリジン−3−カルボチオエート。

0148

実施例3からの(7S,10S)−7−イソプロピル−10−((E)−4−メルカプトブタ−1−エン−1−イル)−4,4−ジメチル−9−オキサ−16−チア−3,6,13,18−テトラアザビシクロ[13.2.1]オクタデカ−1(17),15(18)−ジエン−2,5,8,12−テトラオン(300mg、0.62mmol)およびニコチン酸(76mg、0.62mmol)のジクロロメタン(20mL)中混合物に、室温でHATU(304mg、0.80mmol)およびDIPEA(261μL、1.5mmol)を加えた。混合物を窒素下、室温で16時間撹拌し、その時点で塩化アンモニウム飽和溶液(20mL)を加えた。層を分離し、水相をジクロロメタン(2×20mL)で抽出した。合わせた有機層を重曹飽和溶液(20mL)、ブライン(20mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=10/1)を使用した精製により、S−((E)−4−((7S,10S)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−16−チア−3,6,13,18−テトラアザビシクロ[13.2.1]オクタデカ−1(17),15(18)−ジエン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)2−(ジメチルアミノ)エタンチオエートを白色の固体として生成した(116mg、32%収率)。Mass Spec(m/z):558.1(M+1)。

0149

実施例8:5−(((E)−4−((7S,10S,Z)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−3,6,13−トリアザ−1(4,2)−チアゾールアシクロテトラデカファン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)チオ)−5−オキソペンタン酸。

0150

ピリジン(200μL)とアセトニトリル(2.00mL)混合物中のテトラヒドロフラン−2,5−ジオン(74.65mg、0.75mmol)およびDMAP(9.11mg、76umol)の撹拌溶液に、N2下、25℃で、実施例3からの(7S,10S)−7−イソプロピル−10−((E)−4−メルカプトブタ−1−エン−1−イル)−4,4−ジメチル−9−オキサ−16−チア−3,6,13,18−テトラアザビシクロ[13.2.1]オクタデカ−1(17),15(18)−ジエン−2,5,8,12−テトラオン(360mg、0.75mmol)を加えた。無色の溶液を25℃で15h撹拌し、次いで濃縮した。粗生成物を分取HPLC(HCO2Hシステム)で精製し、次いで凍結乾燥させて、5−(((E)−4−((7S,10S,Z)−7−イソプロピル−4,4−ジメチル−2,5,8,12−テトラオキソ−9−オキサ−3,6,13−トリアザ−1(4,2)−チアゾールアシクロテトラデカファン−10−イル)ブタ−3−エン−1−イル)チオ)−5−オキソペンタン酸を白色の固体として得た(180mg、41%収率)。Mass Spec(m/z):583.3(M+1)。
分取HPLCの精製条件:
装置:Gilson 281半分取HPLCシステム
移動相:A:FA/H2O=0.1%v/v;B:ACN
カラム:YMC−Actus Triart C18 150*305μm
流速:25mL/min
モニター波長:220および254nm
勾配:
時間 B%
0.00 20
8.0 45
10.0 45
10.2 100
11.7 100
11.9 20
13.9 20

0151

実施例9:HCT−116異種移植片を使用した腫瘍増殖阻害。
週齢6〜8週の雌のBALB/cヌードマウス(Beijing Vital River Laboratory Animal Technology Co.,Ltd.、Beijing)を用いて異種移植片実験を行った。皮下のHCT−116CRC異種移植片を確立し、これらが約150mm3に到達するまで増殖させた(第0日)。動物を処置グループビヒクルおよび実施例1の化合物に無作為抽出した(n=5/グループ)。実施例2の化合物、60mg/kgを、強制経口投与で、1日1回(qd)、1週当たり5日間連続して投与した。図2を参照されたい。同じ研究者デジタルキャリパを用いて、3〜4日ごとに2つの腫瘍の垂直方向の直径を測定した。以下の式に従い腫瘍容積を計算した:TV(mm3)=(長さ[mm]×(幅[mm]2)/2。毒性の指数として、動物の体重を3〜4日ごとに測定した。図4を参照されたい。図3および5に示されている通り、実施例3の化合物を用いて同様に構築された実験を行った。

0152

表1は、選択された化合物に対する2つの異なるpHレベルでの水性溶解度の値を表し、表2はラットにおける薬物動態学的データを示している。

0153

0154

0155

表1に示されているデータは、本発明のチオエステルプロドラッグの代表として、実施例1〜6の化合物に対する2つの異なるpHレベルにおける適切な水性溶解度の値を示している。表2は、実施例1〜7の化合物で代表される本発明のチオエステルプロドラッグがまた、10または15mg/kgが経口的に投薬された場合、ラットにおいて予想外に良好な薬物動態学的な(PK)特性を示すことを実証している。

0156

本発明は特にいくつかの実施形態に関して示され、記載されているが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本明細書で開示されている様々な実施形態に対して、形態および詳細の変更を行うことができ、本明細書で開示されている様々な実施形態は、特許請求の範囲に対する制限として作用することを意図するものではないことを当業者であれば理解されよう。本明細書で引用されたすべての参考文献は、これらの全体が参照により組み込まれている。

実施例

0157

参考文献
Bowers, A., West, N., Taunton, J., Schreiber, S.L., Bradner, J.E., and Williams, R.M. 2008. Total synthesis and biological mode of action of largazole: a potent class I histone deacetylase inhibitor. J Am. Chem. Soc. 130(33): 11219-11222.
Furumai, R., Matsuyama, A., Kobashi, N., Lee, K.-H., Nishiyama, M., Nakajima, H., Tanaka, A., Komatsu, Y., Nishino, N., Yoshida, M., and Horinouchi, S. 2002. FK228 (depsipeptide) as anatural prodrug that inhibits class I histone deacetylases. Cancer Res. 62(17): 4916-4921.
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Minucci, S. and Pelicci, P.G. 2006. Histone deacetylase inhibitors and the promise of epigenetic (and more) treatments for cancer. Nat. Rev. Cancer 6(1): 38-51.
Nasveschuk, C.G., Ungermannova, D., Liu, X., and Phillips, A.J. 2008. A concise total synthesis of largazole, solution structure, and some preliminary structure activity relationships. Org. Lett. 10(16): 3595-3598.
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Ying, Y., Liu, Y., Byeon, S.R., Kim, H., Luesch, H., and Hong, J. 2008a. Synthesis and activity of largazole analogues with linker and macrocycle modification. Org. Lett. 10(18): 4021-4024.
Ying, Y., Taori, K., Kim, H., Hong, J., and Luesch, H. 2008b. Total synthesis and molecular target of largazole, a histone deacetylase inhibitor. J. Am. Chem. Soc. 130(26): 8455-8459.
Zeng, X., Yin, B., Hu, Z., Liao, C., Liu, J., Li, S., Li, Z., Nicklaus, M.C., Zhou, G., and Jiang, S. Total synthesis and biological evaluation of largazole and derivatives with promising selectivity for cancers cells. Org. Lett. 12(6): 1368-1371.

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