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課題・解決手段

組織保護活性を有するペプチド及びペプチド類似体が、本明細書に提供される。このペプチド及びペプチド類似体は、組織損傷に関連した様々な疾患及び障害の予防及び治療に有用である。

概要

背景

(2.背景)
組織の損傷は、組織内の細胞アポトーシス又は壊死により破壊される、例えば、虚血性外傷性、毒性、又は炎症性傷害による、組織の実質的な損失によって生じ得る。組織の損傷は、多くの急性及び慢性の疾患及び状態で生じ得る。組織の損傷が生じる程度は、疾患又は損傷の種類、疾患又は損傷に関連した炎症又は外傷のレベル又は重症度、組織の損傷の位置、及び組織の血管充足を含む、多くの要因により媒介される。

従って、潜在的に有害な作用をほとんど又は全く有さず、容易に公衆が利用できる組織保護治療が必要である。

概要

組織保護活性を有するペプチド及びペプチド類似体が、本明細書に提供される。このペプチド及びペプチド類似体は、組織損傷に関連した様々な疾患及び障害の予防及び治療に有用である。1

目的

(D)「無能力化剤」は、致命的でなく、主に、生理的又は精神的作用又は両方を介して無能力にすることを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

応答性細胞組織又は器官において組織保護活性を有する、を含む4〜30個のアミノ酸単離ペプチド

請求項2

からなるアミノ酸配列を含む、単離ペプチド。

請求項3

を含む、請求項1記載の単離ペプチド。

請求項4

請求項1〜3のいずれか一項記載の単離ペプチド及び医薬として許容し得る担体を含む、医薬組成物

請求項5

前記組成物が、経口、鼻腔内、眼、吸入経皮直腸下、又は非経口投与のために製剤化されている、請求項4記載の医薬組成物。

請求項6

前記組成物が、灌流液として製剤化されている、請求項4記載の医薬組成物。

請求項7

組織の損傷に関連した疾患に罹患している対象の治療方法であって、該対象に、有効量の請求項1〜3のいずれか一項記載の単離ペプチド又は請求項4〜6のいずれか一項記載の医薬組成物を投与する工程を含む、前記方法。

請求項8

前記組織の損傷に関連した疾患が、癌、虚血性外傷性中毒性、又は炎症性損傷である、請求項7記載の方法。

請求項9

前記組織の損傷に関連した疾患が、心血管疾患心肺疾患、呼吸器疾患腎臓病泌尿器系の疾患、生殖系の疾患、骨疾患皮膚疾患胃腸疾患内分泌異常、代謝異常加齢前糖尿病認知機能障害、又は中枢もしくは末梢神経系の疾患又は障害である、請求項7記載の方法。

請求項10

必要のある対象において、癌、腫瘍性障害、炎症、又は毒剤曝露を予防、治療、改善、又は管理する方法であって、該対象へ、有効量の請求項1〜3のいずれか一項記載の単離ペプチド又は請求項4〜6のいずれか一項記載の組成物を投与することを含む、前記方法。

請求項11

前記組織の損傷に関連した疾患が、癌である、請求項7〜10記載の方法。

請求項12

請求項13

前記組織の損傷に関連した疾患が、炎症である、請求項7〜10のいずれか一項記載の方法。

請求項14

前記炎症が、虫垂炎眼瞼炎気管支炎滑液嚢炎子宮頸管炎、胆管炎胆嚢炎絨毛羊膜炎結膜炎膀胱炎涙腺炎皮膚炎心内膜炎子宮内膜炎上顆炎精巣上体炎結合組織炎胃炎歯肉炎舌炎化膿性汗腺炎虹彩炎喉頭炎乳腺炎心筋炎筋炎腎炎臍炎卵巣炎睾丸炎骨炎耳炎耳下腺炎心膜炎腹膜炎咽頭炎胸膜炎静脈炎肺臓炎(肺炎)、前立腺炎腎盂腎炎鼻炎卵管炎副鼻腔炎口内炎滑膜炎扁桃炎ブドウ膜炎尿道炎腟炎外陰炎喘息全身性エリテマトーデス重症筋無力症腱炎脈管炎慢性気管支炎膵炎骨髄炎関節リウマチ乾癬性関節炎糸球体腎炎視神経炎側頭動脈炎脳炎髄膜炎横断性脊髄炎皮膚筋炎多発性筋炎壊疽性筋膜炎肝炎壊死性腸炎骨盤内炎症性疾患、炎症性腸疾患潰瘍性大腸炎クローン病回腸炎腸炎直腸炎、脈管炎、血管狭窄再狭窄低血圧1型糖尿病2型糖尿病、前糖尿病、薬物未投与の2型糖尿病、川崎病デクム病、慢性閉塞性肺疾患乾癬アテローム性動脈硬化症強皮症シェーグレン症候群、混合結合組織疾患酒さ胃潰瘍十二指腸潰瘍アルツハイマー病成人発症スティル病急性網膜色素上皮炎、ティーツェ症候群ベーチェット病白点症候群、急性後部多発性斑状色素上皮症、匐行性脈絡膜炎散弾網脈絡膜炎、汎ブドウ膜炎を有する多病性脈絡膜炎、びまん性網膜下線維症症候群、点状内部脈絡膜症、多発一過性白点症候群、びまん性片側性亜急性神経網膜炎、環状肉芽腫過敏性大腸症候群セリアック病胃腸炎グレーブス病多発性硬化症デュピュイトラン拘縮移植片拒絶疾患、同種移植片拒絶移植片対宿主病皮膚移植拒絶固形臓器移植拒絶骨髄移植拒絶、炎症性皮膚疾患ヒト乳頭腫ウイルスHIV又はRLV感染症から誘導されるものなどのウイルス性皮膚病細菌性真菌性、及び又は他の寄生性皮膚病、皮膚エリテマトーデス、高IgG4疾患、アレルギーアレルギー性疾患鈍的外傷から生じる炎症、挫傷から生じる炎症、炎症結果として生じるアレルギー、リウマチ性疾患小児関節炎、関節リウマチ、チャーグ−ストラウス症候群線維筋痛巨細胞(側頭部)動脈炎痛風、ヘノッホシェーンライン紫斑病過敏性血管炎強直性脊椎炎被膜炎リウマチ熱リウマチ性心疾患、全身性エリテマトーデス、リウマチ性多発性筋痛変形性関節炎結節性多発性動脈炎ライター症候群スポーツ関連の損傷、ランナーテニス肘五十肩アキレス腱炎、足底筋膜炎、滑液嚢炎、オスグッド・シュラッター病、反復運動過多損傷、蓄積外傷疾患、フォーカルジストニア手根管症候群、交差症候群、反射性交感神経性ジストロフィー症候群、狭窄性腱鞘炎、ド・ケルヴァン症候群、バネ指/トリガー親指胸郭出口症候群、腱炎、腱滑膜炎橈骨神経管症候群、レイノー病ガングリオンゲーマーの親指、ウィアイティス、感染症から生じる炎症である、請求項13記載の方法。

請求項15

前記組織の損傷に関連した疾患が、毒剤に対する曝露から生じる、請求項7〜10のいずれか一項記載の方法。

請求項16

前記毒剤が、生物剤化学薬品又は放射線剤である、請求項15記載の方法。

請求項17

前記対象が、哺乳動物である、請求項7〜16のいずれか一項記載の方法。

請求項18

前記哺乳動物が、ヒトである、請求項17記載の方法。

請求項19

哺乳動物から単離された応答性細胞、組織又は器官の生存度を保護、維持又は強化する方法であって、該細胞、組織又は器官を、請求項4〜6記載の医薬組成物に曝露することを含む、前記方法。

請求項20

請求項1〜3のいずれか一項記載の単離ペプチドをコードしているヌクレオチド配列を含む、単離された核酸

請求項21

請求項20記載の核酸を含む、発現ベクター

請求項22

請求項21記載の発現ベクターを含む、宿主細胞

請求項23

単離ペプチドを組換え産生する方法であって、請求項22記載の宿主細胞から該ペプチドを単離する工程を含む、前記方法。

技術分野

0001

(関連出願の相互参照
本出願は、2016年4月29日に出願された米国特許仮出願第62/329,743号の優先権の利益を主張するものであり、この内容の全ては本明細書中引用により取り込まれている。

0002

電子提出された配列表の言及)
本出願は、2017年4月27日に作成され、且つ4,151バイトのサイズを有する、「Seqlisting 12110-025-228.txt」と題するテキストファイルとして本出願と共に提出された、配列表を引用として取り込んでいる。

0003

(1. 導入)
癌、炎症及び毒剤への曝露を含むがこれらに限定されない、組織の損傷及び/もしくは影響に関連したダメージに関連した疾患又は障害、あるいは該疾患又は障害の症状を予防又は治療するための、組織保護ペプチド及びペプチド類似体が、本明細書に提供される。さらに、疾患又は障害を治療、予防又は改善する目的で、組織の損傷に関連した疾患又は障害から生じる対象の反応及び/又は症状を変更するための方法及びこれらのペプチドの使用が、提供される。

0004

加えて、それを必要とする対象における、癌、炎症及び毒剤への曝露を含むがこれらに限定されない、組織の損傷もしくは影響に関連したダメージに関連した疾患又は障害、あるいは該疾患又は障害の症状の治療のための、ペプチド及び医薬として許容し得る担体賦形剤又は希釈剤を含有する医薬組成物が、本明細書に提供される。

背景技術

0005

(2.背景)
組織の損傷は、組織内の細胞アポトーシス又は壊死により破壊される、例えば、虚血性外傷性、毒性、又は炎症性傷害による、組織の実質的な損失によって生じ得る。組織の損傷は、多くの急性及び慢性の疾患及び状態で生じ得る。組織の損傷が生じる程度は、疾患又は損傷の種類、疾患又は損傷に関連した炎症又は外傷のレベル又は重症度、組織の損傷の位置、及び組織の血管充足を含む、多くの要因により媒介される。

0006

従って、潜在的に有害な作用をほとんど又は全く有さず、容易に公衆が利用できる組織保護治療が必要である。

0007

(3. 要旨)
本明細書において、応答性細胞、組織又は器官において組織保護活性を有する単離ペプチド及びペプチド類似体が提供される。ある実施態様において、



コンセンサス配列共有する、組織保護ペプチド及びペプチド類似体が、本明細書に提供される。ある実施態様において、本ペプチドは、アミノ酸配列



からなる。別の実施態様において、本ペプチドは、アミノ酸配列



を含む。別の実施態様において、本ペプチドは、アミノ酸配列



からなる。別の実施態様において、本ペプチドは、アミノ酸配列



を含む。別の実施態様において、本ペプチドは、アミノ酸配列



からなる。別の実施態様において、本ペプチドは、アミノ酸配列



を含む。

0008

ある実施態様において、本明細書に提供される単離ペプチド又はペプチド類似体は、本明細書に提供されるペプチドのアミノ酸配列を特徴とする、長さ4〜約30個のアミノ酸を含む。ある実施態様において、本明細書に提供される単離ペプチドは、長さ10〜30個のアミノ酸を有し、且つ



のアミノ酸配列を含む。ある実施態様において、提供される単離ペプチドは、長さ4〜30個のアミノ酸を有し、且つ



のアミノ酸配列を含む。このような単離ペプチドはまた、本明細書記載のような、応答性細胞、組織、又は器官における組織保護活性も有する。

0009

ある実施態様において、少なくとも一つの組織保護活性を有する単離ペプチド及びペプチド類似体が、本明細書に提供される。組織保護活性の例は、応答する哺乳動物の細胞、組織又は器官の機能又は生存を保護、維持、強化、及び回復することを含むが、これらに限定されるものではない。従って一実施態様において、応答する哺乳動物の細胞及びそれらの関連細胞、組織及び器官の機能又は生存を保護、維持、強化又は回復する医薬組成物の調製のための、本明細書に提供される単離ペプチド及びペプチド類似体の使用が、本明細書に提供される。関連した実施態様において、この医薬組成物は、その必要がある対象に投与するためのものである。

0010

このような組織保護ペプチド及びペプチド類似体、及び医薬として許容し得る担体、賦形剤、又は希釈剤を含む医薬組成物、並びに前記組成物の製造方法、及び組織の損傷に関連した疾患及び障害を治療するためのそれらの使用が、本明細書に提供される。他の態様として、応答性組織傷害に対する保護用又はその予防用医薬組成物の調製のため、又はその必要がある対象の応答性組織もしくは応答性組織機能の回復もしくは復活のための、本明細書中に記載した単離ペプチド又はペプチド類似体の使用方法が、本明細書に提供される。一つの特定の態様において、応答性哺乳動物細胞及びそれらに関連した細胞、組織又は器官は、堅固な内皮細胞障壁効力によって、脈管構造に対して遠位にある。別の特定の態様において、細胞、組織、器官又は他の体部位は、移植を意図したものなど、哺乳動物の体から単離される。一態様において、細胞、組織、又は器官は、興奮性である。ある種の態様において、興奮組織は、中枢神経系組織末梢神経系組織、心臓組織又は網膜組織である。別の態様において、応答性細胞又はその関連する細胞、組織又は器官は、興奮細胞、組織又は器官ではなく、それらは興奮細胞又は組織を主に含まない。

0011

別の実施態様において、ペプチドの有効量を投与することによって、その必要がある患者の炎症、癌又は腫瘍性障害、又は毒剤への曝露を予防、治療、改善又は管理する方法が、本明細書に提供される。

0012

ある実施態様において、癌のメディエーター活性、毒剤に対する身体の反応、及び炎症を調整する方法が、本明細書に提供される。特に本方法は、炎症メディエーターの活性を調整することに関する。ある実施態様において、本明細書に提供されるペプチドは、一つ以上の炎症メディエーターの作用を調整することが可能である。

0013

別の実施態様において、成長停止を必要とする細胞を有効量のペプチドと接触させることを含む、細胞の成長を停止する方法が、本明細書に提供される。

0014

別の実施態様において、癌又は腫瘍性細胞を有効量のペプチドと接触させることを含む、癌又は腫瘍性細胞の死を引き起こす方法が、本明細書に提供される。

0015

別の実施態様において、癌又は腫瘍性細胞への血管生成阻害する、又は有糸分裂もしくは血管形成を引き起こす分子の産生を減らす方法が、本明細書に提供される。

0016

別の実施態様において、化学療法又は放射線療法に関連した副作用を治療又は予防する方法であって、このような治療又は予防を必要とする患者に、有効量のペプチドを投与することを含む方法が、本明細書に提供される。化学療法又は放射線療法に関連した副作用は、悪液質、低血球数悪心下痢口腔病変及び脱毛症を含む。

0017

別の実施態様において、癌又は腫瘍性細胞を有効量のペプチドと接触させることを含む、患者の癌又は腫瘍性疾患を治療するか又は予防する方法が、本明細書に提供される。

0018

別の実施態様において、患者の癌又は腫瘍性疾患を治療又は予防する方法であって、このような治療又は予防を必要とする患者に有効量のペプチドを投与することを含む方法が、本明細書に提供される。

0019

ある実施態様において、非限定的に、その必要がある対象の癌又は腫瘍性障害を含む本明細書記載の疾患又は障害の予防、治療、改善又は管理のための医薬組成物の調製のための本ペプチドの使用が、本明細書に提供される。

0020

別の実施態様において、炎症又は炎症性状態に関連した症状を治療又は予防する方法が、本明細書に提供される。更なる実施態様において、その必要がある患者において炎症又は炎症性状態を、治療又は予防する方法が、本明細書に提供される。とりわけ本方法によって治療可能な炎症性状態には、アレルギー及びアレルギー性疾患リウマチ性疾患、及び運動関連傷害がある。

0021

別の実施態様において、治療を必要とする人における毒剤への曝露の影響を、治療、予防、改善又は管理する方法が、本明細書に提供される。とりわけ考慮される毒剤には、生物剤化学薬品及び放射剤がある。

0022

別の実施態様において、中枢神経系又は末梢神経系の疾患又は障害の症状又は影響を、治療、予防、改善又は管理する方法が、本明細書に提供される。

0023

別の実施態様において、非限定的に、坐骨神経損傷表皮性神経線維の減少、ニューロパチー疼痛神経因性疼痛神経痛ヘルペス後神経痛サルコイド型線維ニューロパチー、腰痛糖尿病性ニューロパチー又は手根管症候群などの、対象の末梢神経の外傷及び/又は炎症の症状又は影響を、治療、予防、改善又は管理する方法が、本明細書に提供される。一実施態様において、ニューロパチー又は神経因性疼痛を、治療、予防、改善又は管理する方法が、本明細書に提供される。

0024

別の実施態様において、I型真性糖尿病又はII型真性糖尿病又は前糖尿病などの、対象における内分泌異常又は代謝異常の症状を、治療、予防、改善又は管理する方法が、本明細書に提供される。

0025

別の実施態様において、加齢の症状を治療、予防、改善又は管理する方法が、本明細書に提供される。

0026

ある実施態様において、その必要がある対象への投与のために上述した単離ペプチドを含む医薬組成物が、本明細書に提供される。この実施態様に従う特定の態様において、本明細書に提供される医薬組成物は、医薬として許容し得る担体をさらに含む。このような医薬組成物は、経口的、鼻腔内、眼、鼻腔内、吸入経皮直腸下、、又は非経口投与のために、あるいは、エクスビボでの細胞、組織又は器官の生存度を維持するための灌流液の形態で製剤化され得る。関連した実施態様において、対象は、哺乳動物、例えばヒトである。

0027

本開示のこれらの及び他の特徴、態様及び利点は、以下の説明及び添付の特許請求の範囲を参照してより良く理解されるであろう。

0028

(4.略語及び専門用語)
(4.1 略語)
本明細書中で用いられる、遺伝的にコードされたL-鏡像異性体アミノ酸の略語は、慣例に従い以下の通りである。

0029

(4.2専門用語)
別に定義されない限り、本明細書において用いられる全ての技術用語及び科学用語は、提供されたペプチド、方法、組成物及び使用が属する技術分野の業者によって、一般に理解される意味を有する。本明細書中で用いられる、以下の用語は、別に明記しない限りそれらのものとされる意味を有する。

0030

(i)本明細書中で用いられる、用語「約」又は「ほぼ」は、数値と組み合わせて使用される場合、言及された数の1、5、10、15又は20%内の任意の数を指す。

0031

(ii)本明細書に提供される方法との関連で、用語「と組合せて投与される」は、疾患、障害、又は状態の発症の前、同時、及び/又は後に化合物を投与することを意味する。

0032

(iii)用語「アレルゲン」は、即時型過敏症(アレルギー)を生じることが可能な抗原性物質を指す。一般のアレルゲンは、細菌、ウイルス動物寄生虫昆虫及び昆虫針、化学物質(ラテックス)、塵、塵ダニカビ、動物の鱗屑薬剤(例えば抗生物質血清サルファ剤抗痙攣剤インシュリン製剤局所麻酔薬ヨウ素及びアスピリン)、食品(例えば牛乳チョコレートイチゴ大豆ナッツ甲殻類小麦)、香水、植物、花粉及び煙を含むが、これに限定されるものではない。

0033

(iv)用語「アレルギー性疾患」は、アレルギーによって引き起こされた、又は、それに関連した状態又は疾患を指す。アレルギー性疾患は、喘息過敏性肺疾患鼻炎鼻副鼻腔炎アトピー性湿疹接触皮膚炎アレルギー性結膜炎(断続的及び持続的)、春季カタル(花粉症)、アトピー性角結膜炎巨大乳頭結膜炎蕁麻疹(発疹)、血管浮腫過敏性肺炎好酸球性気管支炎脈管炎、過敏性血管炎抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連脈管炎ウェーグナーの肉芽腫症ヒスタミン反応、チャーグストラウス脈管炎、顕微鏡多発性血管炎側頭動脈炎セリアック病肥満細胞症及びアナフィラキシーを含むが、これらに限定されない。

0034

(v)用語「アレルギー症状」又は「アレルギー反応」は、アレルゲンに対する身体の反応を指す。アレルギー反応は、1つの領域(アレルゲンと接触した皮膚)に局在又は全身化することができる。アレルギー反応は、皮疹そう痒、発疹、腫脹呼吸困難喘鳴、血管浮腫、嚥下困難づまり、鼻水息切れ、悪心、胃痙攣腹痛嘔吐及び/又は低血圧を含むことができるが、これらに限定されない。

0035

(vi)用語「アレルギー」は、曝露後に有害な免疫学的反応を生じる、特定の抗原(アレルゲン)への曝露により誘発される過敏症の状態を指す。

0036

(vii)用語「アミノ酸」又は特定のアミノ酸の任意の言及は、天然タンパク質起源アミノ酸、並びにアミノ酸類似体などの非天然のアミノ酸を含むことを意味する。当業者は、特に強調されない限り、この定義は、天然のタンパク質起源(L)-アミノ酸、これらの光学(D)-異性体、ペニシラミン(3-メルカプト-D-バリン)などのアミノ酸類似体を含む化学修飾アミノ酸、ノルロイシンなどの天然非タンパク質起源アミノ酸、及びアミノ酸の特徴を示す当該技術分野において公知の特徴を有する化学的に合成されたアミノ酸を含むことは理解するであろう。加えて、用語「アミノ酸等価物」は、天然アミノ酸の構造から外れるが、実質的にアミノ酸の構造を有する化合物を指し、これによりそれらは、ペプチド内で置換されることができ、置換にもかかわらずその生物活性を保持する。従って、例えば、アミノ酸等価物は、側鎖修飾又は置換を有するアミノ酸を含むことができ、さらに関連した有機酸、又はアミド等を含むことができる。用語「アミノ酸」は、アミノ酸等価物を含むことを意図する。用語「残基」は、アミノ酸及びアミノ酸等価物の両方を指す。また、一般に当該技術分野において公知であるように、アミノ酸は以下の群に分類されることができる:(1)酸性=Asp、Glu;(2)塩基性=Lys、Arg、His;(3)非極性(疎水性)=Cys、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、Trp、Gly、Tyr;及び(4)非荷電極性=Asn、Gln、Ser、Thr。非極性は、以下に細分されることができる:強疎水性=Ala、Val、Leu、Ile、Met、Phe;及び中程度疎水性=Gly、Pro、Cys、Tyr、Trp。代わりの方法において、アミノ酸レパートリーは、(1)酸性=Asp、Glu;(2)塩基性=Lys、Arg、His、(3)脂肪族=Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Ser、Thr、任意にSer及びThrは脂肪族ヒドロキシルとして別に分類される;(4)芳香族=Phe、Tyr、Trp;(5)アミド=Asp、Glu;及び(6)硫黄含有=Cys及びMetとして分類されることができる。(例えば、「生化学(Biochemistry)」、第4版, L. Stryer編集, WH Freeman and Co., 1995を参照し、これはその全体が本明細書中に引用により取り込まれている)。

0037

(viii)本明細書で用いられる用語「生物剤」は、ヒト、動物又は植物において疾患もしくは有害の原因となる、又は物質劣化を生じる、生体又はそれから誘導される物質(細菌、ウイルス、真菌及び毒素など)を指す。これらの生物剤は、事実上遍在しており、戦争又はテロリズム(バイオテロリズム)用に設計され又は最適化され得る。これらの生物剤は、プリオン、ウイルス、微生物(細菌及び真菌)、及び一部の単細胞及び多細胞真核生物(すなわち、寄生虫)からなり得る。特に、生物剤(利用可能な、それらの慣用名、生物学的名称、及びNATO標準参照文字記号(NATO Standard Reference letter code)により同定される)は、制限されないが、以下を含む:真菌剤(コクシジオイデス・ミコシス(Coccidioides mycosis), OC, コクシジオイデス・ポサダシル(Coccidioides posadasil)、コクシジオイデス・イミティス(Coccidioides immitis))、細菌剤(炭疽菌(皮膚、吸入、胃腸)(炭疽菌(Bacillus anthracis), N及びTR)、疫病(鼠蹊腺腫肺炎)(ペスト菌(Yersinia pestis),LE)、野兎病(野兎病菌(Francisella tularensis)、UL(schu S4)、TT(ウェット型)、ZZ(ドライ型)、及びSR及びJT(425))、コレラ(コレラ菌(Vibrio cholerae), HO)、ウシブルセラ病(AB)、ブタブルセラ病(US及びNX)、ヤギブルセラ病(AM及びBX)、ウシ流産菌(Brucella abortus)、マルタ熱菌(Brucella melitenis)、ブタ流産菌(Brucella suis)、細菌赤痢(細菌性赤痢カンピロバクター感染症サルモネラ症)(Y)、鼻疽(鼻疽菌(Burkholderia mallei), LA)、類鼻疽(類鼻疽菌(Burkholderia pseudomallei), HI)、ジフテリア(ジフテリア菌(Corynebacterium diphtheriae), DK)、リステリア症(リステリア菌(Listeria monocytogenes), TQ)、クラミジア剤(オウム病オウム熱」(クラミドフィリア・プシティッシ(Chlamydophilia psittici), SI)、リケッチア薬(ロッキー山発疹熱(ロッキー山紅斑熱リケッチア(Rickettsia rickettsii),RI及びUY)、Q熱(コクシエラ・ブルネッティ(Coxiella burnetti)、OU、MN(ウェット型)、及びNT(ドライ型))、ヒト発疹チフス(発疹チフス・リケッチア(Rickettsia prowazekii), YE)、マウス発疹熱(リケッチア・チフス(Rickettsia typhi), AV))、ウイルス薬(黄熱(アルボウイルスフラビルダエ(Arbovirus flavivirdae), OJ,UT, 及びLU)、リフトバレー熱(RVFフレボウイルス・ブニヤビリダエ(Phlebovirus bunyaviridae),FA)、アルファ・ウイルス(例えば:東部ウマ脳炎(ZX)、西部ウマ脳炎、ベネズエラウマ脳炎(NU、TD及びFX))、天然痘(ZL)、日本B脳炎(AN)、オナガザルヘルペスウイルス1型(ヘルペスBウイルス)、クリアコンゴ出血熱ウイルスウイルス性出血熱(フィロウイルス科(エボラ及びマールブルグ病ウイルス)、及びアレナウイルス科(ラッサ及びマチュポ))、サルポックスウイルス再配列1918インフルエンザウイルス米出血熱ウイルス(フレクサル、グアナリト、フニン、マチュポ、サビア)、ダニ媒介性髄膜脳炎(TEBV)ウイルス(中央ヨーロッパダニ媒介性脳炎、極東ダニ媒介性脳炎キャサヌール森林病オムスク出血熱ロシア及びのウイルス)、ヘンドラウイルスニパウイルスハンタウイルス(韓国出血熱)、アフリカウマ病ウイルス、最適化されたブタ熱ウイルス、アカバネウイルス鳥インフルエンザウイルスブルータングウイルスラクダポックスウイルス、古典的ブタ熱ウイルス、口蹄疫ウイルス、ヤギポックスウイルス、ランピースキン病ウイルス悪性カタル熱ウイルス(アルセラフィン・ヘルペスウイルス1型)、メナングルウイルス、ニューカッスル病ウイルス、小反芻動物病ウイルス、狂犬病ウイルス牛疫ウイルスポックスウイルス、水胞症ウイルス、水疱性口内炎ウイルス)、毒素(ボツリヌス毒素(クロストリジウム属、X及びXR)、リシン(トウゴマ(Ricinus communis), W及びWA)、ブドウ球菌エンテロトキシンB(UC及びPG)、サキシトキシン(麻痺性甲殻類中毒)(TZ及びSS)、テトロドトキシン(PP)、コノトキシンウェルシュ菌イプシロン毒素、トリコテセンマイコトキシン(T-2毒素)、志賀毒素)、及びシムアント(simuants)(モラシスレジジウム(molasis residium)(MR)、バチルスグロビギイ(Bacillus globigii)(BG、BS及びU)、セラチア菌(Serratia marescens)(SM及びP)、アスペルギルスフミガタス(Aspergillus fumigatus)変異体C-2(AF)、大腸菌(E.Coli)(EC)、バチルス・スルシジウス(Bacillus thursidius)(BT)、エルウィニアルビコラ(EH)、蛍光粒子(FP))、ライ麦麦角ハンセン病狂犬病腸チフス、ウェルシュ菌(Clostridium perfringens)(ガス壊疸)、アフラトキシンネズミチフス菌エンテロトキシンアルゼンチン出血熱多剤耐性結核(MTB)、ボリビア出血熱レジオネラニューモフィラ(legionella pneumophilia)、海洋毒素、脚気マラリアペラグラデング熱菌核ロリホイル(sclerotium rolfoil)、神経栄養脳炎、赤痢菌(Y)、SEB(UC)、及びマイコトキシン、ジアアセトキシシルペノール、コウドリア・ルミナンチウム(Cowdria ruminantium)、マイコプラズマカプリコルム(Mycoplasma capricolum) M.F38/M、マイコイデス・カプリ(Mycoides Capri)、マイコプラズマ・マイコイデス・マイコイデス(Mycoplasma mycoides mycoides)、アブリンである。生物剤は、ヒトに対して(例えば、天然痘、エボラウイルス、再配列1918インフルエンザウイルス、リシンなど)、家畜などの動物に対して(例えば、アフリカウマ病ウイルス、アフリカブタ熱ウイルス、口蹄病など)、又は両方に対して(東部ウマ脳炎ウイルスなど)標的とされ得る。さらに、非致死的な生物剤でさえ、もしそれらが生物兵器としての使用のために高い致死性を目的として再設計されるなら、脅威を有し得る。従って、風邪の原因となるウイルスさえ、危険を有する可能性がある。

0038

(ix)本明細書で用いられる用語「癌」は、以下の悪性特性を示す任意の異常増殖を指す:(1)通常の限度と関係なく成長して分裂する能力、(2)隣接組織侵入して、破壊する能力、及び(3)いくつかの例において、身体の他の位置に拡散する能力。癌は、中枢神経系、末梢神経系、胃腸/消化系泌尿器生殖器系婦人科学的、頭部及び頚部血液学的/血液、筋骨格柔組織呼吸器、及び胸部の癌又は腫瘍性障害を含む。癌又は腫瘍性障害の更なる例は、制限されないが、以下を含む:脳(星状細胞腫神経膠芽腫神経膠腫)、脊髄下垂体、胸部(浸潤性浸潤前、炎症性癌パジェット病転移性及び再発性乳癌)、血液(ホジキン病白血病多発性骨髄腫リンパ腫)、リンパ節癌、(腺癌燕麦細胞非小細胞、小細胞扁平上皮細胞中皮腫)、皮膚(黒色腫基底細胞、扁平上皮細胞、カポジ肉腫)、骨癌(ユーイング肉腫骨肉腫軟骨肉腫)、頭頸部(喉頭咽頭(鼻腔及び洞腔)、及び食道癌)、口腔(唾液腺咽喉甲状腺、舌及び扁桃腺癌)、眼、婦人科学(子宮頸部子宮内膜卵管卵巣子宮、膣、及び外陰)、泌尿生殖器(膀胱腎臓陰茎前立腺精巣及び尿路癌)、副腎(皮質腺腫、皮質癌腫クロム親和細胞腫)、及び胃腸(虫垂胆管(肝外胆管)結腸胆嚢、腸、結腸、肝臓膵臓、直腸、及び胃癌)、並びに以下に列挙したもの:(この種の障害のレビューに関して、Fishmanらの文献、1985, Medicine, 第二版, J.B. Lippincott Co., Philadelphiaを参照されたい。):白血病:急性白血病急性リンパ性白血病急性骨髄性白血病骨髄芽球前骨髄球骨髄単球性単球赤白血病慢性白血病、慢性骨髄性(顆粒球性)白血病、慢性リンパ性白血病真性赤血球増加、胃癌、リンパ腫(悪性及び非悪性):ホジキン病、非ホジキン病、多発性骨髄腫、ワルデンシュトレーム型マクログロブリン血症重鎖病、固形腫瘍、固形腫瘍肉腫及び癌腫:線維肉腫粘液肉腫脂肪肉腫軟骨性肉腫、骨原性肉種、脊索腫血管肉腫内皮肉腫、リンパ管肉腫リンパ管内皮腫滑膜腫、中皮腫、ユーイング腫瘍平滑筋肉腫横紋筋肉腫大腸癌膵癌乳癌卵巣癌前立腺癌扁平上皮癌、口腔扁平上皮癌、肝細胞癌基底細胞癌、腺癌、汗腺癌皮脂腺癌、乳頭状癌乳頭腺癌嚢胞腺癌髄様癌気管支原性癌腎細胞癌肝癌胆管癌絨毛癌精上皮腫胎生期癌ウィルムス腫瘍子宮頸癌、頸部腺癌、子宮癌精巣腫瘍肺癌小細胞肺癌、非小細胞肺腺癌膀胱癌上皮癌、神経膠腫、悪性神経膠腫、グリア芽細胞腫多形性星状芽細胞腫髄芽細胞腫頭蓋咽頭腫上衣腫松果体腫血管芽細胞腫聴神経腫乏突起膠腫髄膜腫、黒色腫、神経芽細胞腫、又は網膜芽腫である。

0039

(x)本明細書で用いられる用語「化学薬品」は、ひどい死又は危害をヒト又は動物に生じる化学物質を指す。化学薬品が爆発兵器(munition)又は分散装置を用いて送達されるように最適化された範囲において、該薬品化学兵器である。一般に、武器として使用する化学薬品は、例えば、血液剤糜爛剤、神経剤、肺剤及び無能力化剤などのそれらの作用方法により分類されることができる。下記化学薬品の各々は、利用可能な、それらのNATO標準参照文字記号により同定される。

0040

(xi)「血液剤」は、細胞が酸素を使用するのを阻止する化学薬品を指す。このカテゴリ内の化学薬品は、制限されないが、以下を含む:アルシン(アダムサイト(ジフェニルアミンクロロアルシン)、クラークI(ジフェニルクロロアルシン)、クラークII(ジフェニルシアノアルシン))、及びシアニド(クロロシアン(CK)、シアン化水素(AC)など)化合物である。アルシン化合物は、腎不全に至る血管内溶血を起こす。シアニド化合物は、細胞が酸素を使用するのを阻止し、その後、該細胞は、代謝性アシドーシスに至る過剰の乳酸を生成する嫌気的呼吸を用いる。血液剤の犠牲者は、頭痛眩暈、悪心、嘔吐、粘膜刺激発声障害(dysponea)、意識障害昏睡痙攣頻脈性及び徐脈性律動異常、低血圧、心血管虚脱、及びチアノーゼ(cyanosis)を含むが、これらに限定されない症状を示し得る。

0041

(A)「神経剤」は、酵素アセチルコリンエステラーゼ不活性化する化学薬品を指す。犠牲者のシナプスにおける神経伝達物質アセチルコリンの結果として生じる増加は、ムスカリン様及びニコチン性作用につながる。このカテゴリ内の化合物は、制限されないが、以下を含む:シクロサリン(シクロへキシルメチルホスホフルオリダート, GF)、サリン(イソプロピルメチルホスファノフルオリダート, GB)、チオサリン、ソマン(ピナコリルメチルホスファノフルオリダート,GC)、タブン(エチルN,N-ジメチルホスホルアミドシアニダート, GA)、VX (O-エチル-[s]-[2-ジイソプロピルアミノエチル-メチルホスホノチオラート)、VR(N,N-ジエチル-2-(メチル-(2-メチルプロポキシ)ホスホリル)スルファニルエタンアミン)、VE(O-エチル-S-[2-(ジエチルアミノ)エチル]ホスホノチオエート)、VG (O,O-ジエチル-S-[2-(ジエチルアミノ)エチル]ホスホロチオエート)、VM (O-エチル-S-[2-(ジエチルアミノ)エチル]メチルホスホノチオエート)、エチルサリン (イソプロピルエチルホスホノフルオリダート, GE)、EDMP (エチル-2-ジイソプロピルアミノエチルメチルホスホナート)、DF(メチルホスホニルジフオリド)、ノビチョク剤、GV (P-[2-(ジメチルアミノ)エチル]-N,N-ジメチルホスホンアミド酸フルオリド)、Gd42、Gd83、タメリンエステルフルオロホスホコリン、ホスホチオコラート、DFP、及び殺虫剤(フェノチアジン有機リン系(ジコロウス(dichorous)、マラチオンパラチオンフェンチオンアミドンパラオクソンクロロピリホスシストクスピロリン酸塩TOCP))である。神経剤の犠牲者は、制限されないが、徐脈縮瞳、過剰な唾液分泌、嘔吐、下痢、尿失禁筋攣縮初期脱分極性弛緩性麻痺スパイク放電及び痙攣、中間の症候群神経毒エステラーゼ抑制、及び有機リン系により誘発された後発性ニューロパチーを含む症状を示し得る。

0042

(B)「糜爛剤」は、熱傷及び呼吸困難を生じる、犠牲者の皮膚及び呼吸器系に損傷を与える酸形成化合物である薬剤を指す。このカテゴリ内の化学薬品は、制限されないが、以下を含む:硫黄マスタード(1,2-ビス(2-クロロエチルチオ)エタン(セスキマスタード、Q)、1,3-ビス(2-クロロエチルチオ)-n-プロパン、1,4-ビス(2-クロロエチルチオ)-n-ブタン、1,5-ビス(2-クロロエチルチオ)-n-ペンタン、2-クロロエチルクロロメチルスルフィド、ビス(2-クロロエチル)スルフィド(HD)、ビス(2-クロロエチルチオ)メタン、ビス(2-クロロエチルチオメチル)エーテル、ビス(2-クロロエチルチオエチル)エーテル、ジ-2'-クロロエチルスルフィド及びそれらの組合せ(HT、HL、HQ))、ナイトロジェンマスタード(ビス(2-クロロエチル)エチルアミン(HN1)、ビス(2-クロロエチル)メチルアミン(HN2)、トリス(2-クロロエチル)アミン(HN3)、2-クロロ-N-(2-クロロエチル)-N-メチルエタンアミン-N-オキシド塩酸塩シクロホスファミドクロラムブシルウラスチン、メルファラン)、ルイサイト(2-クロロビニルジクロロアルシン、ビス(2-クロロビニル)クロロアルシン、トリス(2-クロロビニル)アルシン、ジクロロ(2-クロロビニル)アルシン)、エチルジクロロアルシン、メチルジクロロアルシン、フェニルジクロロアルシン、及びホスゲンオキシム(ジクロロホルムオキシム)である。糜爛剤の犠牲者は、制限されないが、紅斑、浮腫、壊死及び小水疱黒皮症気管気管支炎気管支痙攣気管支閉塞出血性肺気腫呼吸不全細菌性肺炎、目紅斑、流涙、目の不快、目の激痛ドライアイ眼瞼痙攣虹彩炎失明、悪心、嘔吐、骨髄抑制、ルイサイトショック、肝臓壊死及び低循環に続く腎不全を含む症状を示し得る。

0043

(C)「肺剤」は、糜爛剤と類似するが、呼吸器系の冠水及び犠牲者窒息を生じる、呼吸器系により顕著な作用を有する薬剤を指す。このカテゴリ内の化学薬品は、アダムサイト、アクロレイン、ビス(クロロメチル)エーテル、塩素クロロピクリン、ジホスホゲン、メチルクロロ硫酸塩、塩化第二スズ塩化水素酸化窒素及びホスゲンを含むが、これらに限定されない。肺剤の犠牲者は、灼熱感(目、鼻咽頭中咽頭)、大量の鼻漏を伴う嗄声、呼吸困難、嚥下痛、結膜炎、角膜損傷、鼻口腔咽頭損傷/浮腫、声門構造の炎症、分泌、及び/又は喉頭痙攣による呼吸窮迫、急性呼吸症候群、及び反応気道機能不全症候群を含むがこれらに限定されない症状を示し得る。

0044

(D)「無能力化剤」は、致命的でなく、主に、生理的又は精神的作用又は両方を介して無能力にすることを目的とする薬剤を指す。無能力化剤の一般の種類は、催涙剤、涙、苦痛及び一時的な失明さえも引き起こす目を刺激する化学薬品である。催涙剤は、制限されないが、以下を含む:a-クロロトルエン臭化ベンジルブロモアセトン(BA)、ブロモベンジルシアニド(CA)、ブロモメチルエチルケトンカプサイシン(OC)、クロルアセトフェノン(CN)、クロロメチルクロロホルマートジベンゾオキサゼピン(CR)、エチルヨードアセタートオルト-クロロベンジリデンマロニトリル(CS)、トリクロロメチルクロロホルマート及び臭化キシリルである。さらなる無能力化剤は、以下を含むが、これらに限定されない:3-キヌクリジニルベンジラート(幻覚剤;BZ)、シアン化水素酸(麻痺剤)、ジフェニルクロロアルシン(くしゃみ誘発剤、DA)、ジフェニルシアノアルシン(DC)、KOLOKOL-1(フェンタニル誘導体)、チョウセン朝顔、ヘルボルネ(Hellborne)、ベラドンナ、ヒオシアムスファレズレズ(Hyoscyamus falezlez)、インドール(リゼルギン酸ジエチルアミド(LSD-25))、マリファナ誘導体(DMHP)、アンフェタミンコカインカフェインニコチンストリキニーネメトラゾールバルビツラート(メトヘキシタール)、オピオイド抗精神病薬(ハロペリドール)、ベンゾジアゼピンフェンタニル同属体、シロシビン、イボガインハルミン、エクタシー(ectasy)、PCP、アトロピンスコポラミンオキシブチニン、ジトロパン(ditropan)、コリン抑制性抗ヒスタミン剤、ベナクチジン及び精神安定剤である。

0045

上記の化学物質の多くが、武器としてそれらの使用を越えた使用を有し、製造の範囲内で用いられる。従って、製造プラント又は化学プラントからこれらの化学薬品の偶然又は意図的な放出は、プラント従業員、これらのプラント周辺に住む人々に対して危険を有するであろう。毒性の工業的製造化学物質の例を挙げると、制限されないが、以下を含む:アンモニア、アルシン、三塩化ホウ素三フッ化ホウ素二硫化炭素、塩素、ジボランエチレンオキシドフッ素ホルムアルデヒド臭化水素、塩化水素、シアン化水素、フッ化水素硫化水素硝酸、ホスゲン、三塩化リン二酸化硫黄硫酸、六フッ化タングステンアセトンシアノヒドリン、アクロレイン、アクリロトリルアリルアルコールアリルアミンアリルクロロカルボナート、三臭化ホウ素、一酸化炭素硫化カルボニルクロロアセトンクロロアセチルニトリル、クロロスルホン酸ジケトン、1,2-ジメチルヒドラジンエチレンジブロミドセレン化水素、メタン塩化スルホニル臭化メチルクロロギ酸メチルメチルクロロシランメチルヒドラジンイソシアン酸メチル、メチルメルカプタン二酸化窒素ホスフィンオキシ塩化リン、五フッ化リン、六フッ化セレンシリコーンテトラフルオリド、スチロイン(stiloine)、三酸化硫黄塩化スルフリル、フッ化スルフリル、六フッ化テルルn-オクチルメルカプタン四塩化チタントリクロロアセチルクロリドトリフルオロアセチルクロリドイソチオシアン酸アリル三塩化ヒ素臭素塩化臭素、五フッ化臭素、三フッ化臭素、フッ化カルボニル、五フッ化塩素、三フッ化塩素、クロロアセチルアルデヒドクロロアセチルクロリドクロトンアルデヒド塩化シアン硫酸ジメチルジフェニルメタン-4,4'-ジイソシアナート、クロロギ酸エチル、クロロチオギ酸エチル、エチルホスホノチオ酸ジクロリドエチルホスホン酸ジクロリド、エチレンイミンヘキサクロロシクロペンタジエンヨウ化水素鉄ペンタカルボニル、クロロギ酸イソブチル、クロロギ酸イソプロピル、イソシアン酸イソプロピル、クロロギ酸n-ブチル、イソシアン酸n-ブチル、一酸化窒素、クロロギ酸n-プロピル、パラチオン、ペルクロロメチルメルカプタン、イソシアン酸sec-ブチル、イソシアン酸tert-ブチル、テトラエチル鉛ピロリン酸テトラエチル、テトラメチル鉛、トルエン2,4-ジイソシアナート、及びトルエン2,6-ジイソシアナートである。

0046

(xii)本明細書中で用いられる「有効量」は、組織の損傷もしくは影響に関連したダメージに関連した任意の疾患又は障害、あるいは該疾患又は障害の症状を調整するのに十分なペプチドの量であって、例えば、癌、炎症又は毒剤への曝露に対する身体の反応を含むがこれらに限定されない、組織の損傷に関連した疾患又は障害に対する身体の反応の有害作用を阻害、抑制又は緩和するのに十分なペプチドの量を含む。加えて、「有効量」は、組織の損傷に関連した任意の疾患又は障害を緩和、改善、減弱又は予防するのに十分なペプチドの量、又は組織の損傷に関連した疾患又は障害に罹患した患者の治療的な利益を提供するのに十分なペプチドの量を含む。

0047

(xiii)「興奮組織」は、興奮細胞を含む組織を意味する。興奮細胞は、活動的電気刺激に反応し、それらの細胞膜を横切る荷電差を有する細胞である。興奮細胞は、通常、活動電位を受けることが可能である。この種の細胞は、通常、電位作動型リガンド依存型、及びストレッチチャネルなどのチャネルを発現し、膜を横切るイオン(カリウムナトリウムカルシウム塩化物など)の流れを可能にする。興奮組織は、神経組織筋組織及び腺組織を含む。興奮組織は、制限されないが、以下を含む:末梢神経系(及び網膜)及び中枢神経系(脳及び脊髄)の組織などの神経組織;心臓及び関連する神経の細胞などの心血管組織;並びに、細胞間ギャップ結合に沿って、T-型カルシウムチャネルインシュリンの分泌に参加する膵臓などの腺組織である。興奮組織の例証的リストは、神経、骨格筋平滑筋心筋、子宮、中枢神経系、脊髄、脳、網膜、嗅覚系聴覚系などを含む器官及び組織を含む。

0048

本明細書で用いられる用語「宿主細胞」は、核酸分子トランスフェクトされた特定の対象細胞又はこのような細胞の子孫及び可能性のある子孫を指す。この種の細胞の子孫は、後世において起こり得る突然変異もしくは環境の影響又は宿主細胞ゲノムへの核酸分子の組込みにより、核酸分子をトランスフェクトされる親細胞と同一ではなくてもよい。

0049

(xv)本明細書で用いられる用語「炎症性状態」は、機械的又は化学的に誘発されたかどうかに関係なく、炎症性成分を有する、様々な疾患又は外傷を指す。それは、脳、脊髄、結合組織、心臓、肺、腎臓、尿路、膵臓、眼及び前立腺を含むがこれらに限定されない1つ以上の器官又は組織において炎症を引き起こしている状態を含む。このような状態の非限定的な例を挙げると、制限されないが、以下を含む:虫垂炎眼瞼炎気管支炎滑液嚢炎子宮頸管炎、胆管炎胆嚢炎絨毛羊膜炎、結膜炎、膀胱炎涙腺炎皮膚炎心内膜炎子宮内膜炎上顆炎精巣上体炎結合組織炎胃炎歯肉炎舌炎化膿性汗腺炎、虹彩炎、喉頭炎乳腺炎心筋炎筋炎腎炎臍炎卵巣炎睾丸炎骨炎耳炎耳下腺炎心膜炎腹膜炎咽頭炎胸膜炎静脈炎肺臓炎(肺炎)、前立腺炎腎盂腎炎、鼻炎、卵管炎副鼻腔炎口内炎滑膜炎扁桃炎ブドウ膜炎尿道炎腟炎外陰炎、喘息、全身性エリテマトーデス重症筋無力症腱炎、脈管炎、慢性気管支炎膵炎骨髄炎関節炎(リウマトイド及び乾癬)、糸球体腎炎視神経炎、側頭動脈炎、脳炎、髄膜炎横断性脊髄炎皮膚筋炎多発性筋炎壊死性筋膜炎肝炎壊死性腸炎(necrotizing entercolitis)、骨盤内炎症性疾患、炎症性腸疾患(大腸炎、例えば潰瘍性大腸炎クローン病回腸炎及び腸炎)、直腸炎、脈管炎、血管狭窄再狭窄、低血圧、1型糖尿病川崎病デクム(Decum's)病、慢性閉塞性肺疾患、乾癬、アテローム性動脈硬化症(artherosclerosis)、強皮症シェーグレン症候群、混合結合組織疾患酒さ胃潰瘍十二指腸潰瘍アルツハイマー病成人発症スティル病、急性網膜色素上皮炎、ティーツェ症候群ベーチェット病白点症候群(急性後部多発性斑状色素上皮症、匐行性脈絡膜炎散弾網脈絡膜炎、汎ブドウ膜炎を有する多病性脈絡膜炎、びまん性網膜下線維症症候群、点状内部脈絡膜症(punctuate inner choroidopathy)、多発一過性白点症候群、及びびまん性片側性亜急性神経網膜炎)、環状肉芽腫過敏性大腸症候群、クローン病、セリアック病、胃腸炎グレーブス病多発性硬化症デュピュイトラン拘縮移植片拒絶疾患(同種移植片拒絶、及び移植片対宿主病を含む)、例えば、皮膚移植拒絶固形臓器移植拒絶骨髄移植拒絶、炎症性皮膚疾患ヒト乳頭腫ウイルスHIV又はRLV感染症から誘導されるものなどのウイルス性皮膚病細菌性、真菌性、及び又は他の寄生性皮膚病、皮膚エリテマトーデス、及び高IgG4疾患である。更なる「炎症性状態」は、制限されないが、以下を含む虚血性又は非虚血性状態から生じる炎症を指すことができる:鈍的外傷挫傷、アレルギー及びアレルギー性疾患、リウマチ性疾患(小児関節炎、関節リウマチチャーグ−ストラウス症候群線維筋痛巨細胞(側頭部)動脈炎痛風、ヘノッホシェーンライン(Henoch-Schoenlin)紫斑病、過敏性血管炎、強直性脊椎炎被膜炎リウマチ熱リウマチ性心疾患、全身性エリテマトーデス、リウマチ性多発性筋痛変形性関節炎(手、臀部、その他)、結節性多発性動脈炎ライター症候群スポーツ関連の損傷(ランナー膝、テニス肘五十肩アキレス腱炎、足底筋膜炎、滑液嚢炎、オスグッド・シュラッター病)、反復運動過多損傷(蓄積外傷疾患、フォーカルジストニア、手根管症候群、交差症候群、反射性交感神経性ジストロフィー症候群、狭窄性腱鞘炎(ド・ケルヴァン症候群、バネ指/トリガー親指)、胸郭出口症候群、腱炎、腱滑膜炎橈骨神経管症候群、レイノー病ガングリオンゲーマーの親指、ウィアイティス(Wii-itis)、その他)、ウイルス、真菌及び細菌などの感染症である。「炎症性状態」は、急性又は慢性でもよい。

0050

(xvi)「単離された」又は「精製された」ペプチドは、タンパク質又はペプチドが誘導される細胞もしくは組織源由来細胞物質もしくは他の不純タンパク質を実質的に含まない、又は化学的に合成されるときに化学前駆体もしくは他の化学物質を実質的に含まない。言語「細胞物質を実質的に含まない」は、ペプチドが、細胞の細胞成分から分離され、単離又は組換え的に産生される、ペプチドの調製物を含む。従って、細胞物質を実質的に含まないペプチドは、約30%、20%、10%又は5%未満(乾燥重量)の異種タンパク質(本明細書において「不純タンパク質」とも称される。)を有するペプチドの調製物を含む。ペプチドが組換え的に産生されるとき、培養培地を実質的に含まない、すなわち、培養培地はタンパク質調製物容積の約20%、10%又は5%未満を占め得る。ペプチドが化学合成によって生成されるとき、化学前駆体又は他の化学物質を実質的に含まない、すなわち、タンパク質の合成に関与している化学前駆体又は他の化学物質から分離し得る。従って、このようなペプチドの調製物は、関心対象のペプチド以外の化学前駆体又は化合物を約30%、20%、10%、5%未満(乾燥重量)を有する。一実施態様において、本明細書に提供されるペプチドは、単離又は精製される。

0051

(xvii)「単離された」核酸分子は、該核酸分子の天然供給源に存在する他の核酸分子から分離されるものである。さらに、cDNA分子などの「単離された」核酸分子は、組換え技術によって生成される場合に他の細胞物質又は培地を実質的に含み得ない、又は化学的に合成される場合に化学前駆体又は他の化学物質を実質的に含み得ない。特定の実施態様において、本明細書に提供されるペプチドをコードしている核酸分子は、単離又は精製される。

0052

(xviii)本明細書中で用いられる用語「管理」は、一実施態様において、患者がペプチドから引き出す組織の損傷に関連した疾患又は障害のダメージ、影響、又は症状を復帰させない一つ以上の有益な副作用の提供を含む。ある実施態様において、患者は、症状の進行又は悪化を予防するために、組織の損傷に関連した疾患又は障害の症状を「管理する」ためのペプチドを投与される。

0053

(xix)用語「調整する」、「調整」などは、調節活性転写及び/又はタンパク質結合などの、組織の損傷に関連した疾患又は障害に対する身体の反応のメディエーターの機能及び/又は発現を増減する化合物の能力を指す。本明細書に記載されているように、調整は、該メディエーターと直接的もしくは間接的に関連した機能もしくは特徴の阻害、拮抗作用、部分的な拮抗作用、活性化、アゴニズムもしくは部分的なアゴニズム、及び/又は該メディエーターの発現の上方制御もしくは下方制御を含む。一実施態様において、調整は、直接的であり、且つ、調整は、部分的又は全体的に、刺激をブロックし、活性を減少、抑制、阻害、遅延し、シグナル伝達を不活性化、減感、又は下方制御するように結合する化合物である、メディエーターのインヒビター又はアンタゴニストを介して生じ得る。メディエーターの機能を阻害する本明細書に提供される方法に有用な特定のペプチドの能力は、生化学的アッセイ、例えば、結合アッセイ、細胞系アッセイ、例えば、一過性トランスフェクションアッセイ、あるいはインビボアッセイ、例えば、ラット又はマウスモデルなどのニューロン傷害、癌、炎症、又は化学的もしくは放射線傷害動物モデルにおいて、示されることができる。

0054

(xx)本明細書中で使用されるように、ペプチド内の構造に関して、用語「モチーフ」は、ペプチド鎖のアミノ酸配列中の連続的なアミノ酸のセット、及び/又は前記ペプチドの二次及び/又は三次構造内の線形又は空間的に隣接するアミノ酸のセットを指す。該モチーフは、タンパク質フォールディングの結果として、全て又は部分的に形成されることができるため、記載されているモチーフにおいて隣接するアミノ酸は、ペプチドの線形アミノ酸配列中で、0、1以上、5以上、10以上、15以上又は20以上のアミノ酸により隔てられることができる。

0055

(xxi)本明細書中で用いられる用語「ペプチド」、「ポリペプチド」及び「タンパク質」は、互換的に及びこれらの最も広い意味において使用され、束縛されたアミノ酸配列(すなわち、例えばβターン又はβプリーツシートを起こすか、又は例えばジスルフィド結合されたCys残基の存在によって環化されるアミノ酸の存在など、構造のいくつかの要素を有する)、又は束縛されていないアミノ酸(例えば線形)配列を指す。ある実施態様において、本明細書に提供されるペプチドは、30未満のアミノ酸から構成される。しかし、本開示の解釈において、当業者は、本明細書に提供される方法に有用なペプチドを区別するものは特定のペプチドの長さではなく、組織保護レセプター複合体に結合し、並びに/又は本明細書中に記載されているペプチドの結合と競合する能力であることを認識するであろう。また、用語「ペプチド」、「ポリペプチド」及び「タンパク質」は、アミノ酸等価物又は他の非アミノ酸基を含み、一方で、ペプチド又はタンパク質の所望の機能活性を依然保持する化合物も意味する。ペプチド等価物は、1以上のアミノ酸を、関連した有機酸(PABAなど)もしくはアミノ酸等価物などと置換、又は側鎖もしくは官能基の置換もしくは修飾によって、従来のペプチドとは異なり得る。

0056

(xxii)用語「組織の損傷に関連した疾患又は障害のダメージ、影響又は症状の予防」は、そのようなダメージ、影響又は症状の発生を遅延し、進行を妨げ、出現を妨げ、その発症に対し保護し、阻害し、もしくは排除し、又は発生率を低減することを意味する。用語「予防」の使用は、予防的療法を投与された患者集団の全ての患者が、予防のために標的とされる組織の損傷に関連した疾患又は障害に応答して、症状の影響を受けないか又は症状を発症しないことを暗示するのではなく、むしろ患者集団が、該疾患又は障害のダメージ、影響又は症状の軽減を示すことを暗示することを意味する。例えば、多くのインフルエンザワクチンは、該ワクチンを投与されたヒトにおいて、インフルエンザを予防することに100%有効であるわけではない。当業者は、制限されないが、様々な毒剤又は外傷に曝露され得る活動に係わろうとしている個人(例えば、作戦に係わる兵士化学もしくは食品加工労働者救急隊員、又は初動対応者など)、又は毒剤への曝露を受け得る個人(例えば、化学、原子力もしくは製造施設の近くに住む個人、又は軍事もしくはテロリスト攻撃の脅威下の個人)など、予防療法が有益である患者及び状況を容易に確認できる。

0057

(xxiii)本明細書中で用いられる「予防的有効量」は、組織の損傷に関連した疾患又は障害から生じるダメージ、影響又は症状の予防となるのに十分なペプチドの量を指す。予防的有効量は、組織の損傷に関連した疾患又は障害から生じるダメージ、影響又は症状を予防するのに十分なペプチドの量を意味することができる。さらに、別の予防剤に関して、予防的有効量は、組織の損傷に関連した疾患又は障害から生じるダメージ、影響又は症状の予防において予防的利益を提供するペプチドと組み合わせたその予防剤の量を意味する。ペプチドの量に関連して使用される用語「予防的有効量」は、全体の予防を改善する量、又は予防的有効性を向上する量もしくは別の予防剤との相乗的効果を提供する量を包含することができる。

0058

(xxiv)用語「新生物」は、癌腫瘍の悪性特性を欠き、一般に軽度かつ非進行性腫瘍である異常成長を指す。新生物は、あざ子宮筋腫、甲状腺アデノーマ副腎皮質アデノーマ、下垂体アデノーマ及びテラトーマを含むが、これらに限定されない。

0059

(xxv)本明細書で用いられる用語「放射線剤」は、対象を死傷させることができ、都市又は国の破壊を起こすように使用することができる任意の放射性物質を意味する。放射線剤への曝露は、武器の配備(核爆弾(核分裂核融合中性子ブースト型核分裂又はコバルト被覆爆弾(salted bomb))、劣化ウランを含むシェル)、テロリストの装置(「汚い爆弾」)、又は核兵器爆発又は原子炉設備故障から生じる放射性降下物によって発生する場合がある。放射性剤は、制限されないが、以下を含み得る:137Cs、60Co、241Am、252Cf、192Ir、238Pu、90Sr、226Ra、91Sr、92Sr、95Zr、99Mo、106Ru、131Sb、132Te、139Te、140Ba、141La、144Ce、233U、235U、238U、228P、229P、230P、231P、232P、233P、234P、235P、236P、237P、238P、239P、240P、241P、242P、243P、244P、245P、246P、247P、及び131Iである。放射性剤への曝露は、発癌減菌白内障形成、放射線皮膚障害ベータ熱傷、ガンマ熱傷、細胞(特に、骨髄消化管細胞)の喪失造血、胃腸、中枢神経、心血管、皮膚及び/又は生殖系へのダメージ、急性放射線症候群、慢性放射線症候群、及び皮膚放射線症候群を生じ得る。急性放射線症候群は、一般に、短期間で起こる対象の身体への大線量の放射から生じる。該症候群は、悪心、嘔吐、全身病気及び疲労を始めとして、免疫抑制毛髪の喪失、制御不能出血(口、皮膚下、腎臓)、広範囲に及ぶ下痢、譫妄、昏睡及び死という、予測可能な経過を有する。皮膚放射線症候群は、急性放射線症候群の一部であり、制限されないが、炎症、紅斑、乾性もしくは湿性剥離脱毛水疱発赤潰瘍形成、皮脂腺及び汗腺へのダメージ、萎縮症、線維症、皮膚色素沈着の減少又は増加、及び壊死を含む、皮膚に対する放射線影響を指す。

0060

(xxvi)本明細書中で用いられる用語「対象」、「患者」及び「犠牲者」は、互換的に使用される。本明細書中で用いられる用語「対象」及び「対象(複数)」は、動物、例えば非霊長類(例えば、ウシ、ブタ、ウマネコイヌ、ラット及びマウス)及び霊長類(例えば、サル、類人猿又はヒト)などの哺乳動物を意味する。

0061

(xxvii)本明細書中で用いられる用語「腫瘍又は癌に関連した症候群」は、「腫瘤効果(mass effect)」(腫瘍による重要器官の圧迫)、又は「機能性腫瘍」(腫瘍に罹患した器官によるホルモン過剰産生)を介して、腫瘍の直接作用から生じる症候群を指す。この種の症候群は、制限されないが、以下を含む:ベックウィズ-ヴィードマン症候群、SBLA症候群、リー-フラウメニ癌症候群、血管新生腫瘍(Vasoproliferation)、家族性大腸腺腫症(ガードナー症候群)、遺伝性ポリポーシス大腸癌、ターコット症候群、コーデン症候群、カーニートリアド症候群(Carney Triad syndrome)、多発性内分泌腫瘍症候群(ウェルマー(MEN-1)、シップル(MEN-2a、MEN-2b)、フォンヒッペル・リンドウ病、クッシング症候群、アディソン症候群、ヴェルナー・モリソン症候群、ゾリンジャー-エリソン症候群、WDHA症候群、膵性コレラ、アイザック症候群、波打筋肉症候群(Rippling muscle syndrome)、スティッフマン症候群腫瘍随伴運動失調(Paraneoplastic Ataxia)、Yo症候群、Tr症候群、Hu症候群、CV-2症候群、CRMP-5症候群、眼球クローヌスミオクローヌス、Ma症候群、モルヴァン繊維舞踏病(Morvan's fibrillary chorea)、バナヤン-ライリー-ルナルカバ症候群(Bannayan-Riley-Runalcaba syndrome)、ポイツ-ジェガース症候群、ミュア-トール症候群、ヒルシュスプルング病、リンチ症候群、ランバート・イートン筋無力症候群、重症筋無力症、神経筋緊張症、傍腫瘍性小脳変性症、傍腫瘍性辺縁系脳炎、スウィーツ症候群(Sweets syndrome)、バート-ホッジ-デューブ症候群、母斑様基底細胞癌症候群、全身類基底濾胞性症候群(Generalized Basaloid Follicular syndrome)、過誤腫症候群、バゼックス症候群、ブルックスピーグラー症候群(Brooke Spiegler syndrome)、家族性円柱腫症、多発性家族性毛包上皮腫(Multiple Familial Trichoepitheliomas)、アンドロゲン剥奪症候群、療法に関連した骨髄異形成症候群嗜眠症候群、湾戦争症候群、及びソマトスタチン産生腫瘍症候群である。

0062

(xxviii)本明細書中で用いられる用語「組織保護活性」又は「組織保護」は、細胞、組織又は器官のダメージ又は死を阻害するか又は遅延させる作用を指す。別に明記しない限り、細胞、組織又は器官のダメージ又は死の「遅延」は、本明細書に提供されるペプチドの非存在下で、コントロール条件に対して評価される。組織保護活性は、制限されないが中枢神経系の組織などの、組織保護レセプター複合体を発現している組織、細胞及び/又は器官(すなわち、それぞれ応答性の組織、細胞及び/又は器官)に特有である。特定の実施態様において、応答性細胞は、赤血球前駆細胞ではない。

0063

(xxix)本明細書で用いられる用語「組織保護レセプター複合体」は、少なくとも1つのエリスロポエチンレセプターサブユニット及び少なくとも1つのβ共通レセプターサブユニットを含む複合体を意味する。組織保護レセプター複合体は、複数のエリスロポエチンレセプターサブユニット及び/又はβ共通レセプターサブユニット、並びに他の種類のレセプター又はタンパク質を含むことができる。本明細書中にその全体において引用により取り込まれているWO 2004/096148を参照されたい。

0064

(xxx)本明細書で用いられる用語「毒剤」は、前述の生物剤、化学薬品及び放射線剤を指す。

0065

(xxxi)2つのアミノ酸配列のパーセント同一性を決定するために、配列は、最適な比較を目的として整列配置される。その後、対応するアミノ酸位置のアミノ酸残基を比較する。第1の配列の位置が第2の配列の対応する位置と同じアミノ酸残基によって占められる場合、該分子はその位置で同一である。2つの配列間のパーセント同一性は、配列により共有される同一位置の数の関数である(すなわち、%同一性=同一の重なり合う位置の数 × 100 / 位置の総数)。一実施態様において、2つの配列は、同じ長さである。別の実施態様において、該配列は、異なる長さであり、従って、パーセント同一性は、より長い配列の部分に対してより短い配列の比較を指し、その場合、該部分は、該より短い配列と同じ長さである。

0066

(xxxii)本明細書中で用いられる、用語「治療」は、組織の損傷もしくは影響に関連したダメージに関連した疾患又は障害、あるいは該疾患又は障害の症状から生じるダメージ、影響又は症状の排除、軽減、管理又は制御を含む。

図面の簡単な説明

0067

(5. 図面の簡単な説明)
図1は、ラットの神経因性疼痛の予備神経(spared nerve)モデルに対する、本明細書において具体化されたペプチドの作用を示す。四角は、ビヒクルを受け取る動物(対照)を示すのに対し、三角は、



ペプチドを受け取る動物を示し、黒丸は、



ペプチドを受け取る動物を示し、且つ薄灰色丸は、陽性対照を受け取る動物を示す。米国特許第8,853,358号の配列番号:282のペプチドを、陽性対照として使用した。
図2は、



ペプチドによる、Aktリン酸化の活性化を示す。
図3は、糖尿病性ニューロパチーマウスモデルに対する、本明細書に具体化したペプチドの保護作用を示す。糖尿病性ニューロパチーモデルにおいて、



ペプチドを受け取るマウスを、PBS処置したマウスと比較した。非糖尿病性マウスを、対照として含んだ。米国特許第8,853,358号の配列番号:282の組織保護ペプチドを、陽性対照として使用した。

0068

(6. 発明の詳細な説明)
(6.1単離ポリペプチド)
組織の損傷に関連した疾患又は障害に対する身体の応答の影響を調整する方法が、本明細書に提供される。さらに、



のコンセンサス配列を共有するペプチド又はペプチド類似体を投与することによって、組織の損傷に関連した疾患又は障害に罹患した患者のダメージ、影響又は症状を予防、治療、改善又は管理する方法が、本明細書に提供される。ある実施態様において、本ペプチドは、アミノ酸配列



からなる。別の実施態様において、本ペプチドは、アミノ酸配列



を含む。別の実施態様において、本ペプチドは、アミノ酸配列



からなる。別の実施態様において、本ペプチドは、アミノ酸配列



を含む。さらに別の実施態様において、本ペプチドは、アミノ酸配列



からなる。またさらに別の実施態様において、本ペプチドは、アミノ酸配列



を含む。一実施態様において、本方法で使用されるペプチドは、組織保護性神経保護性神経突起生成性、又は抗アポトーシス性である。

0069

本明細書に提供されるペプチドは、アミノ酸配列



を含むことができ、ここでこのペプチドは5個のアミノ酸から最大約30個のアミノ酸を含み、ここでアミノ酸配列は、ペプチド内のN-末端、C-末端又は任意の他の位置に位置する。さらに、保存的又は非保存的アミノ酸置換を、ペプチド中の1つ以上のアミノ酸残基で、又はアミノ酸等価物との置換を行うことができる。保存的及び非保存的な置換の両方を行うことができる。別の実施態様において、2つ以上の置換を行うことができる。従って、一部の実施態様において、本明細書に提供されるペプチドは、1つのアミノ酸残基が保存的置換、非保存的置換、又はアミノ酸等価物により置き換えられたペプチドを含む。特定の実施態様において、アミノ酸配列



を有する本明細書に提供されるペプチドは、1つの保存的置換を伴うアミノ酸配列を含む。本明細書記載のいずれかひとつの置換を有するペプチドは、本明細書記載のようなその組織保護活性を維持するペプチドを含み、これは、組織保護活性のアッセイに関する1つ以上の本明細書記載の方法を用いてアッセイすることができる。

0070

保存的置換は、アミノ酸の側鎖に関連するアミノ酸のファミリー内で行うものである。遺伝的にコードされたアミノ酸は、4つのファミリーに分けることができる:(1)酸性=アスパラギン酸グルタミン酸、(2)塩基性=リジンアルギニンヒスチジン;(3)非極性(疎水性)=システインアラニン、バリン、ロイシンイソロイシンプロリンフェニルアラニンメチオニントリプトファングリシンチロシン;及び(4)非荷電極性=アスパラギングルタミンセリントレオニン。非極性は、以下に細分することができる:強疎水性=アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、フェニルアラニン;及び中程度疎水性=グリシン、プロリン、システイン、チロシン、トリプトファン。代わりの方法において、アミノ酸レパートリーは、(1)酸性=アスパラギン酸、グルタミン酸;(2)塩基性=リジン、アルギニン、ヒスチジン、(3)脂肪族=グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン(任意にセリン及びトレオニンは脂肪族ヒドロキシルとして別に分類される);(4)芳香族=フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン;(5)アミド=アスパラギン、グルタミン;及び(6)硫黄含有=システイン及びメチオニンとして分類されることができる。(例えば、Biochemistry, 第4版, L. Stryer編集, WH Freeman and Co., 1995を参照し、これはその全体において本明細書中に引用により取り込まれている)。アミノ酸等価物は、天然のアミノ酸の構造から離れているが、実質的にアミノ酸の構造を有し、これによりこれらはペプチド内で置換されることができ、これは置換にもかかわらずその生物活性を維持する化合物を指す。従って例えば、アミノ酸等価物は、側鎖の修飾又は置換を有するアミノ酸を含むことができ、及びまた関連する有機酸、アミドなどを含む。

0071

従って、当業者は、単離ペプチドは、アミノ酸配列



と、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、少なくとも75%、少なくとも70%、少なくとも65%、少なくとも60%、少なくとも55%、少なくとも50%、少なくとも45%、40%、少なくとも35%、少なくとも30%、又は少なくとも20%の配列同一性を有してよいことを認めるであろう。

0072

あらゆる特定の理論に結びつけられることを欲するものではないが、組織保護に関して、ペプチド中の荷電アミノ酸の対は、カルバミル炭素が、約3オングストローム(Å)〜約5Å離れるように、一実施態様においては約4Å〜約5Å離れるように、及び一実施態様においては約4.4Å〜約4.8Å離れるように、空間的に配向され得る。これは、例えば、単純な線状ペプチドにおいては隣接荷電アミノ酸により、又はαヘリックスを形成することができるペプチドに関して、介在アミノ酸残基により隔てられた荷電アミノ酸によりなど、多くの様式で達成することができる。ペプチドが、細胞外−細胞表面膜境界などの、特定の微小環境にある場合、三次元構造(例えば、両親媒性ペプチド中のαヘリックス)もまた与えられることも注目される(Segrestの文献、1990、Proteins 8:103-117を参照し、これはその全体において引用により本明細書中に取り込まれている)。

0073

さらに、荷電アミノ酸の対を含み、荷電側鎖(陽性若しくは陰性、又は2つとも陰性)が互いに約6.5 Å〜約9 Åの範囲内に空間的に束縛されるようになっているペプチドについては、組織保護活性があると予測される。αへリックスにおけるこの束縛は、荷電した対が1つ又は2つのアミノ酸によって隔てられることによってもたらすことができ、それにより要求される約6.5 Å〜約9 Åの分離を伴う電荷が多かれ少なかれへリックスの同じ側に提供される。当業者は、荷電アミノ酸の好適な三次元位置を得るために一般に必要とされるペプチドに関する三次元構造、並びにペプチド内の電荷分離模倣する小型分子デザイン考案することができる。

0074

任意の2つのアミノ酸のカルバミル炭素の間の、又は任意の2つのアミノ酸の側鎖間の、空間距離は、当該技術分野において公知の任意の方法又は本明細書記載の方法により推定することができる。例えば、タンパク質の三次元構造が分かっている場合、該タンパク質の関心対象の部分内の2つの側鎖の電荷分離又は2つのカルバミル炭素間の空間距離は、該関心対象部分のアミノ酸残基の公表された又はそうでなければ当該技術分野において認められた三次元座標を基に、計算することができる。タンパク質の、従って関心対象の部分の三次元構造が不明であるか、あるいはその三次元構造が不明である完全合成ペプチドが本明細書の内容を基に構築される場合、2個の側鎖の電荷分離、又は該ペプチド内の2個のカルバミル炭素間の空間距離は、当該技術分野において公知のように、タンパク質モデリングソフトウェアにより予測される三次元構造を用いて、推定することができる。このようなソフトウェア非限定的例は、Chemical Computing Group (Quebec, Canada)によるMOE(商標)及びAccelrys(San Diego、CA)によるModelerがある。同様にさらに前述の会社から入手可能なこのような予測ソフトウェアは、小型分子のデザインについても当該技術分野において公知であり、従って、当業者は、本明細書の内容を基に、開示された構造モチーフまねする小型分子を作製することができるであろう。

0075

(6.2キメラ
「キメラ」ペプチドは、本明細書に提供されるアミノ酸配列、例えば非限定的に、



などを組み込んでいる線状アミノ酸配列を含む。本方法及び組成物において有用なキメラペプチドは、単独のペプチドへの、個別のアミノ酸配列の構造エレメントの組合せからなることができる。別の言い方をすると、キメラペプチドは、構造エレメント/機能エレメントに隣接する本明細書に提供されるアミノ酸配列から構成されてよい。例えば、本ペプチドの効能は、両親媒性ペプチドヘリックスを付着することにより、増大されてよい。

0076

例えば、クラスB G-タンパク質共役型レセプターを介してシグナル伝達し(例えば、Segrestらの文献、1990, Proteins 8:103、これはその全体が引用により本明細書中に取り込まれている)、ペプチドリガンドを細胞膜に局在化させる機能を果たすペプチドに由来する、両親媒性ペプチドヘリックスは、当該技術分野において周知である。このようなヘリックスの例は、制限されないが、以下を含む:下記のものに由来する高度に疎水性の領域:カルシトニン



コルチコトロピン放出ホルモン



βエンドルフィン



グルカゴン



セクレチン



血管作動性腸管ペプチド



神経ペプチドY



ゴナドトロピン放出ホルモン



副甲状腺ホルモン



ポリペプチド



及び、カルシトニン遺伝子関連ペプチド



(Graceらの文献、2004, PNAS 101:12836に開示され、これはその全体が引用により本明細書中に取り込まれている)。例えば、本明細書に提供される方法において有用なキメラペプチドは、キメラペプチド



に関して、膵ポリペプチド



両親媒性ヘリックスへ、カルボキシ末端で連結された



を伴うペプチドから作製されてよい。更なる修飾が、その組織保護特性に影響を及ぼすことなく、両親媒性ヘリックスのカルボキシ末端に行われてよい。従って、組織の損傷もしくは影響に関連したダメージに関連した疾患又は障害、あるいは該疾患又は障害の症状の治療に有用なペプチドの更なる例は、前記キメラペプチドの末端Proの、配列TRによる置き換えにより作製される



0077

ある実施態様において、連結アームは、可動性を提供するために融合されたペプチドの間に存在し、これにより連結されたペプチドは、組織保護的レセプター複合体と結合するための適切な構造配向を呈することができる。このような融合ペプチドは、相乗作用を有し、その結果連携させた場合は個別での場合と対比的に、おそらく組織保護的レセプター複合体との増強された結合又は増大された生物学的半減期を介して個別にとは対照的にまとめて連結され、さらに大きい組織保護作用を獲得する。

0078

当業者は、本明細書の開示に従い毒剤への曝露から生じる、ダメージ、影響、又は症状を予防、治療、改善又は管理する方法における、単独のペプチドに様々な望ましい構造エレメントを組合せて、そのような化合物の有効性を最大化することの恩恵を認めるであろう。そのようなキメラは、アミノ酸ペプチド、及びリンカー又は架橋原子又は部分などの非アミノ酸エレメントを含んでよい。

0079

(6.3融合ペプチド)
さらに本明細書において、上記の2つ以上のペプチド、誘導された断片又はキメラは、アルブミンなどの関連又は非関連タンパク質に結合することができることが意図されている。そのような融合ペプチドは、相乗的利点を達成するために生成することができ、該ペプチドの循環半減期を増加させ、又は血液脳関門、血液網膜障壁などの内皮障壁を透過するペプチドの能力を増加させ、又は逆もまた同様であり、すなわち、運搬機構として作用するペプチドの能力を増加させることができる。

0080

(6.4.ペプチドの製造)
本明細書に提供される方法に有用なペプチドは、当該技術分野において周知の組換え技術又は合成技術を用いて製造することができる。特に、固相タンパク質合成は、比較的短い長さのペプチドによく適し、より一貫性のある結果でより大きな収率を提供できる。さらに、固相タンパク質合成は、ペプチドの製造に関して、付加的な柔軟性を提供できる。例えば、所望の化学修飾は、合成段階でペプチドに組み込まれることができ:ホモシトルリンを、リジンと対照的にペプチドの合成に使用することによって、合成後にペプチドをカルバミル化する必要性を未然に取り除くことができ、又は保護官能基を有するアミノ酸を合成時に該ペプチド上に残すことができる。

0081

(合成)
本明細書に提供される方法に有用な単離ペプチド及びペプチド類似体は、従来の段階的溶液又は固相合成法を用いて調製することができる(例えば、Merrifield, R.B.の文献、1963, J. Am. Chem. Soc. 85:2149-2154;「ペプチド及びタンパク質合成への化学的アプローチ(Chemical Approaches to the Synthesis of Peptides and Proteins)」, Williamsら編集, 1997,CRCPress, Boca Raton Fla.、及びそこに引用されている参考文献;「固相ペプチド合成実践的アプローチ(Solid Phase Peptide Synthesis: A Practical Approach)」, Atherton & Sheppard編集, 1989, IRL Press, Oxford, England、及びそこに引用されている参考文献を参照されたい)。

0082

あるいは、本明細書に提供される方法において有用な該ペプチド及びペプチド類似体は、下記文献に記載されているセグメント縮合の方法により調製することができる:例えば、Liuらの文献、1996, Tetrahedron Lett. 37(7):933-936; Bacaらの文献、1995, J. Am. Chem. Soc. 117:1881-1887;Tamらの文献、1995, Int. J. Peptide Protein Res. 45:209-216;Schnolzer及びKentの文献、1992, Science 256:221-225;Liu及びTamの文献、1994, J. Am. Chem. Soc. 116(10):4149-4153;Liu及びTamの文献、1994, Proc. Natl. Acad. Sci USA 91:6584-6588;Yamashiro及びLiの文献、1988, Int. J. Peptide Protein Res. 31:322-334。これは、特にGly(G)含有ペプチドを有するケースで適用される。本明細書に提供されるペプチド及びペプチド類似体の合成に有用な他の方法は、Nakagawaらの文献., 1985, J Am. Chem. Soc. 107:7087-7092に記載されている。

0083

(組換え技術)
様々な宿主発現ベクター系を利用して、該ペプチド及びペプチド類似体を産生することができる。このような宿主発現系は、関心対象のペプチドを産生し続いて精製できるビヒクルであるが、また、適切なヌクレオチドコード配列形質転換又はトランスフェクトする場合、改変エリスロポエチン遺伝子産物インサイチュで示すことができる細胞でもある。これらは、制限されないが、細菌、昆虫、植物、ヒト宿主系などの哺乳動物を含み、制限されないが、該ペプチドコード配列を含む組換えウイルス発現ベクター(例えば、バキュロウイルス)で感染された昆虫細胞系;エリスロポエチン関連分子コード配列を含む、組換えウイルス発現ベクター(例えば、カリフラワーモザイクウイルス、CaMV;タバコモザイク病ウイルス、TMV)で感染されるか又は組換えプラスミド発現ベクター(例えば、Tiプラスミド)で形質転換された、植物細胞系;又は例えば、哺乳動物細胞のゲノムに由来するプロモーター、例えばメタロチオネインプロモーター、又は哺乳動物ウイルスに由来するプロモーター、例えばアデノウイルス後期プロモーターワクシニアウイルス7.5Kのプロモーターを含む、組換え発現構築物を保有している、ヒト細胞系などの哺乳動物細胞系、HT1080、COS、CHO、BHK、293、3T3、PERC6がある。

0084

さらに、挿入された配列の発現を調整するか、又は所望の特定の様式で遺伝子産物を修飾及びプロセシングするように、宿主細胞株を選択することができる。タンパク質産物のこのような修飾及びプロセシングは、タンパク質の機能にとって重要であってもよい。当業者に公知であるように、異なる宿主細胞は、タンパク質及び遺伝子産物の翻訳後プロセシング及び修飾のための特定の機構を有する。適当な細胞株又は宿主系は、発現される外来タンパク質の正しい修飾及びプロセシングが確実に生じるように選択されることができる。この目的のため、一次転写産物の適切なプロセシング、遺伝子産物のグリコシル化及びリン酸化のための細胞機構を有する真核生物宿主細胞を使用することができる。ヒト宿主細胞などのこのような哺乳動物宿主細胞は、HT1080、CHO、VERO、BHK、HeLa、COS、MDCK、293、3T3及びWI38を含むが、これらに限定されない。

0085

組換えペプチドの長期の高い収率産生のために、安定な発現が意図される。例えば、組換え組織保護サイトカイン-関連分子遺伝子産物を安定に発現する細胞株を操作することができる。ウイルス複製開始点を含む発現ベクターを使用するよりむしろ、宿主細胞は、適当な発現制御エレメント(例えば、プロモーター、エンハンサー、配列、転写ターミネーターポリアデニル化部位など)、及び選択マーカーにより制御されるDNAで形質転換され得る。外来DNA導入後、操作された細胞を、富栄養培地中で1〜2日間成長させることができ、その後、選択的培地に切り替える。組換えプラスミドの選択マーカーは、選択に対する抵抗性を与え、細胞が安定してプラスミドをそれらの染色体に組み込み、増殖させて、ひいてはクローン化及び細胞株に拡大され得る増殖巣を形成させる。この方法は、組織保護産物を発現する細胞株を操作するために、有利に用いることができる。

0086

(さらなる修飾)
ある実施態様において、本明細書に提供されるペプチドは、アミノ酸配列



からなり、且つ化学修飾を保持する。より具体的実施態様において、化学修飾は、ペプチド結合の修飾である。あるより具体的実施態様において、化学修飾は、ペプチドのアミノ酸側鎖の修飾である。具体的には、第一、第二、第三、第四、第五、第六、第七、第八、第九及び第十番目のアミノ酸の、本明細書に提供されるペプチドの任意の一つまでのアミノ酸の側鎖が、修飾される。一部の実施態様において、本明細書に提供されるペプチドのアミノ末端が修飾される。代わりに又は加えて、一部の実施態様において、本明細書に提供されるペプチドのカルボキシル末端が修飾される。一部の実施態様において、化学修飾は、本明細書記載の修飾であり、制限されないが、非-天然アミノ酸を生じる修飾、カルバミル化、アセチル化スクシニル化グアニジン化、ニトロ化トリニトロフェニル化、アミド化、又はポリマーの付加(例えば、ポリエチレングリコール)を含む。本明細書記載の修飾のいずれか一つを有するペプチドは、本明細書記載のようなその組織保護活性を維持するペプチドを含み、これは、組織保護活性をアッセイする本明細書記載の方法の1つ以上を用いて、アッセイすることができる。

0087

追加の修飾を伴うペプチドを、組織の損傷もしくは影響に関連したダメージに関連した疾患又は障害、あるいは該疾患又は障害の症状の予防、治療、改善、又は管理をするための本明細書に提供される方法に使用することもできる。例えば、本明細書に提供されるペプチドは、一つ以上の(D)-アミノ酸により合成されることができる。(L)-又は(D)-アミノ酸を本明細書に提供されるペプチドに含む選択は、ペプチドの所望の特徴に部分的に依存する。例えば、一つ以上の(D)-アミノ酸の組み込みは、インビトロ又はインビボでのペプチドの安定性の増加を与えることができる。一つ以上の(D)-アミノ酸の組み込みは、例えば、本明細書中に記載されているバイオアッセイ又は当該技術分野において周知の他の方法を用いて決定されるように、ペプチドの結合活性を増減することもできる。

0088

(L)-アミノ酸の配列の全部又は一部の、鏡像異性的(D)-アミノ酸のそれぞれの配列による置換は、ペプチド鎖のそれぞれの部分の光学異性体構造を示す。(L)-アミノ酸の配列の全部又は一部の配列の反転は、ペプチドのレトロ類似体を示す。鏡像異性的(LからD又はDからL)置換及び配列の反転の組合せは、ペプチドのレトロインベルソ類似体を示す。鏡像異性的ペプチド、それらのレトロ類似体及びそれらのレトロ−インベルソ−類似体が、親ペプチドとの重要なトポロジー関係を維持し、特に、高度の類似性が、多くの場合、親及びそのレトロ−インベルソ−類似体のために得られることは当業者に公知である。この関係及び類似性は、ペプチドの生化学的特徴、特にそれぞれのペプチド及び類似体のレセプタータンパク質との高度の結合性に反映され得る。ペプチドのレトロ−インベルソ類似体の特徴の合成は、例えば、「有機化学の方法(Methodsof Organic Chemistry) (Houben-Weyl)」、「ペプチド及びペプチド模倣体の合成(Synthesis of Peptides and Peptidomimetics)」-Workbench Edition Volume E22c (編集主任Goodman M.) 2004 (George Thieme Verlag Stuttgart, New York)、及びそれらに引用されている参考文献に記載されており、それらの全ては、全体において本明細書中に引用により取り込まれている。

0089

アミノ酸「修飾」は、非天然アミノ酸を生じるための、天然アミノ酸の変更を指す。非天然アミノ酸を有する本明細書に提供されるペプチドの誘導体は、その全体において本明細書中に引用により取り込まれているChristopher J. Noren, Spencer J.Anthony-Cahill, Michael C. Griffith, Peter G. Schultzの文献、1989 Science, 244:182-188に記載されているように、化学合成によって、又は生合成の間に非天然アミノ酸をペプチドに部位特異的に組み込むことによって作製することができる。非天然のペプチドの非限定的例は、2-チエニルアラニンアリルグリシン、3-メチルフェニルアラニン、3-ピリジルアラニン、4-チアゾリルアラニン、4,4’-ビフェニルアラニン、4-アミノメチルフェニルアラニン、4-フルオロフェニルアラニン、3,4-ジクロロフェニルアラニン、ピペコリン酸β-アラニン、β-ホモセリン、β-ホモフェニルアラニン、β-ホモリジン、β-ホモトリプトファン、2-アミノ-3-ベンゾ[1,3]ジオキソール-5-イル-プロピオン酸、3-アミノ-3-(3-フルオロフェニル)-プロピオン酸、3-アミノ-3-(3,5-ジクロロフェニル)-プロピオン酸、3-アミノ-3-(3-ピリジル)-プロピオン酸、3-アミノ-3-(3-ピリジル)-プロピオン酸、3-アミノ-3-(3,4-ジメトキシフェニル)-プロピオン酸、3-アミノ-3-(6-メトキシピリジン-3-イル)-プロピオン酸、3-アミノ-4-(3,4-ジフルオロフェニル)-酪酸、3-アミノ-4-(4-フルオロフェニル)-酪酸、3-アミノ-5-ヘキサン酸、2-テトラヒドロイソキノリン-酢酸、3-アミノ-5-フェニルペンタン酸、及びアゼチジン-3-カルボン酸が挙げられる。

0090

治療的に有用なペプチドと構造的に類似しているペプチド模倣体を、等価な治療的又は予防的効果を生じるために用いることができる。通常、ペプチド模倣体は、模範ポリペプチド(すなわち、生化学的性質又は薬理活性を有するポリペプチド)と構造的に類似しているが、任意に、当該技術分野において公知の方法及びさらに下記文献に記載されている方法によって、--CH2-NH--、--CH2S--、--CH2-CH2--、--CH=CH-(シス及びトランス)、--COCH2--、--CH(OH)CH2--、及び-CH2SO--からなる群から選択される結合と置き換えられる一つ以上のペプチド結合を有する:Spatola, A.F.の文献、「アミノ酸、ペプチド、及びタンパク質の化学及び生化学(Chemistry and Biochemistry of Amino Acids, Peptides, and Proteins)」 B. Weinstein,編集., Marcel Dekker, New York, p 267 (1983);Spatola, A.F.の文献、Vega Data (3月 1983), Vol. 1. Issue 3, 「ペプチド骨格修飾(Peptide Backbone Modifications)」(全般的総説);Morely, J.S.の文献、Trends Pharma Sci (1980) 463-468頁(全般的総説);Hudson, D.らの文献、(1979) Int J Pept Prot Re 14: 177-185 (--CH2-NH--、--CH2-CH2--);Spatola, A.F.らの文献、(1986) Life Sci 38:1243-1249 (--CH2-S--);Hann, M. M.の文献、(1982) J Chem Soc Perkin Trans I 307-314 (--CH=CH--, シス及びトランス);Almquist, R. G. らの文献、(1980) J Med Chem 23: 1392 (--COCH2--);Jennings-White, Cらの文献、(1982) Tetrahedron Lett 23:2533 (--COCH2--);Szelke, Mらの文献、European Appln. EP 45665 (1982) CA: 97: 39405 (1982) (--CH(OH)CH2--);Holladay, M. W. らの文献、(1983) Tetrahedron Lett 24:4401-4404 (--C(OH)CH2--);及びHruby, V.J.の文献、(1982) Life Sci 31:189-199 (--CH2-S--);その各々は引用により本明細書中に取り込まれている。

0091

別の実施態様において、非ペプチド結合は、--CH2NH--である。このようなペプチド模倣体は、例えば、以下を含むペプチド実施態様にわたって有意な利点を有することができる:より経済的な製造、より大きな化学安定性薬理特性増強(半減期、吸収、効能、有効性など)、特異性の変更(例えば、生物活性の広域スペクトル)、抗原性低下、及びその他。

0092

ペプチド模倣体のための様々な設計が可能である。例えば、必要な構造が非ペプチドによって安定化される環状ペプチドは、特に意図されるものである。Loblらの米国特許第5,192,746号、Aversaらの米国特許第5,576,423号、Shashouaの米国特許第5,051,448号、及びGaetaらの米国特許第5,559,103号は、全て本明細書中に引用により取り込まれているが、これらはこのような化合物を作製する複数の方法を説明している。ペプチド配列を模倣する非ペプチド化合物の合成も、当該技術分野において公知である。Eldredらの文献、J. Med. Chem. 37:3882 (1994)(その全体において本明細書中に引用により取り込まれている)は、ペプチド配列を模倣する非ペプチドアンタゴニストを記載している。同様に、Kuらの文献、J. Med. Chem 38:9 (1995)(その全体において本明細書中に引用により取り込まれている)は、一連のこのような化合物の合成をさらに明らかにしている。

0093

合成後の更なる修飾を行うことができる。例えば、ペプチドはさらに、20030072737-A1に従って、化学修飾、すなわちカルバミル化、アセチル化、スクシニル化、グアニジン化、ニトロ化、トリニトロフェニル化、アミジン化などをされてもよい。

0094

さらに、ペプチドは、組換えペプチド−ミューテイン(mutein)からなることができる。開示される突然変異は、置換、内部欠失を含む欠失、融合タンパク質をもたらす付加を含む付加、又は「サイレント」変化を生じるアミノ酸配列内及び/又は該配列に隣接するアミノ酸残基の保存的置換、及び非保存的アミノ酸の変化及び大きな挿入及び欠失を含むことができる。

0095

前述のように、保存的又は非保存的アミノ酸置換のいずれかを、1つ以上のアミノ酸残基で行うことができる。保存的及び非保存的な置換の両方を行うことができる。保存的置換は、アミノ酸の側鎖に関連するアミノ酸のファミリー内で行うものである。遺伝的にコードされたアミノ酸は、4つのファミリーに分けることができる:(1)酸性=Asp(D)、Glu(E)、(2)塩基性=Lys(K)、Arg(R)、His(H)、(3)非極性(疎水性)=Cys(C)、Ala(A)、Val(V)、Leu(L)、Ile(I)、Pro(P)、Phe(F)、Met(M)、Trp(W)、Gly(G)、Tyr(Y)、及び(4)非荷電極性=Asn(N)、Gln(Q)、Ser(S)、Thr(T)。非極性は、以下に細分することができる:強疎水性=Ala(A)、Val(V)、Leu(L)、Ile(I)、Met(M)、Phe(F)、及び中程度疎水性=Gly(G)、Pro(P)、Cys(C)、Tyr(Y)、Trp(W)。代わりの方法において、アミノ酸レパートリーは、(1)酸性=Asp(D)、Glu(E);(2)塩基性=Lys(K)、Arg(R)、His(H)、(3)脂肪族=Gly(G)、Ala(A)、Val(V)、Leu(L)、Ile(I)、Ser(S)、Thr(T)、任意にSer(S)及びThr(T)は脂肪族ヒドロキシルとして別に分類される;(4)芳香族=Phe(F)、Tyr(Y)、Trp(W);(5)アミド=Asn(N)、Gln(Q);及び(6)硫黄含有=Cys(C)及びMet(M)として分類されることができる。(例えば、Biochemistry, 第4版, L. Stryer編集, WH Freeman and Co., 1995を参照し、これはその全体において本明細書中に引用により取り込まれている)。

0096

あるいは、突然変異は、飽和突然変異誘発によるなどの、ペプチドのコード配列の全部又は一部に沿ってランダムに導入されることができ、結果として生じる突然変異体は、活性を保持する突然変異体を同定するために、生物活性についてスクリーニングされることができる。突然変異誘発の後、コードされたペプチドは、組換え的に発現されることができ、組換えペプチドの活性を決定することができる。

0097

別の実施態様において、ペプチドは、ペプチドの半減期を延長又はペプチドの組織保護効果を強化する目的において、ポリマー(ポリエチレングリコールなど)、糖又はさらなるタンパク質(融合構造物など)の付加を介してさらに修飾されることができる。このような修飾の例は、WO/04022577 A3及びWO/05025606 A1に開示されており、それらは本明細書に引用により取り込まれている。例えば、ポリエチレングリコールポリマーを、



に結合させ、ペグ化類似体を形成することができる。

0098

選択される共役化学、及びペプチドに既に存在するか又は作製される反応部位の数に応じて、1種、2種又は選択された数のポリマーを、再現可能な方法で付加することができる。PEG及びその誘導体のペプチドへの結合の主要な様式は、ペプチドアミノ酸残基による非特異的結合である(例えば、米国特許第4,088,538号、米国特許第4,496,689号、米国特許第4,414,147号、米国特許第4,055,635号、及びPCT WO 87/00056を参照されたい。)。PEGをペプチドに結合する別の様式は、糖ペプチド上のグリコシル残基の非特異的酸化による(例えば、WO 94/05332を参照されたい。)。これらの非特異的方法において、PEGは、ペプチド骨格上の反応性残基に、ランダムな非特異的方法で加えられる。

0099

(7.ペプチドの試験アッセイ)
様々なアッセイを用いて、本明細書に提供される治療方法に使用するための上記のペプチドの有用性を決定することができる。組織保護のアッセイは、例えば、米国特許第6,531,121号;第7,345,019号;第7,410,941号;第7,767,643号;及び、第8,071,554号に記載されている。加えて、当業者は、組織の損傷もしくは影響に関連したダメージに関連した疾患又は障害、あるいは該疾患又は障害の症状の予防、緩和、又は治療をするペプチドの能力が、インビトロ及びインビボの双方の様々なアッセイを介して確認されることができるが、ある実施態様においては、インビボアッセイが使用される得ることを認めるであろう。

0100

(7.1組織保護アッセイ及びモデル)
本方法に利用されるペプチドは、組織保護特性、すなわち抗アポトーシス、神経突起生成、神経保護などを示す。本明細書に提供されるペプチドは、組織保護活性、例えば、細胞、組織又は器官の保護について試験することができる。保護活性は、インビトロ及びインビボアッセイを用いてさらに試験することができる。組織保護活性を示すインビトロ試験は、例えば、細胞増殖アッセイ細胞分化アッセイ、又は組織保護レセプター複合体、例えば、組織保護サイトカインレセプター複合体によって上方制御されたタンパク質又は核酸の存在、例えば、ヌクレオリンニューログロビンサイトグロビン又はフラタキシンの活性を検出することを含む。ニューログロビンは、例えば、酸素の輸送又は短期間貯蔵の促進に関与し得る。従って、酸素輸送又は貯蔵アッセイは、組織保護活性を調整する化合物を同定又はスクリーニングするためのアッセイとして用いることができる。

0101

ニューログロビンは、低酸素症又は虚血に応答して中枢神経系の細胞及び組織中で発現され、傷害からの保護を提供することができる(Sunらの文献 2001, PNAS 98:15306-1531 1;Schmidらの文献、2003, J. Biol. Chem. 276:1932-1935、その各々は全体において本明細書中に引用により取り込まれている)。サイトグロビンは、保護において類似の役割を果たすことができるが、様々な組織において様々なレベルで発現される(Pesceらの文献、2002,EMBO 3:1146-1151、その全体において本明細書中に引用により取り込まれている)。一実施態様において、細胞において上方制御されたタンパク質のレベルは、ペプチドを細胞に接触させる前後で測定することができる。ある実施態様において、細胞の組織保護活性に関連した上方制御されたタンパク質の存在は、ペプチドの組織保護活性を確認するために用いることができる。

0102

ヌクレオリンは、細胞をダメージから保護することができる。それは、細胞において、転写プロセス、配列特異的RNA-結合タンパク質細胞質分裂核形成、シグナル伝達、T細胞により誘導されたアポトーシス、クロマチンリモデリング又は複製の調整などの、多くの役割を果たす。また、それは、細胞表面レセプターDNA/RNAヘリカーゼ、DNA依存性ATPアーゼ、タンパク質シャトル転写因子成分、又は転写抑制因子として機能することもできる(Srivastava及びPollardの文献、1999,FASEB J , 13:1911-1922;及び、Ginistyらの文献、1999, J. Cell Sci., 112:761-772、その各々は全体において本明細書中に引用により取り込まれている)。

0103

上方制御されたタンパク質の発現は、細胞内のタンパク質に相当するmRNAレベルを検出することにより検出することができる。mRNAは、上方制御されたタンパク質をコードする核酸に特異的に結合するプローブハイブリダイズすることができる。ハイブリダイゼーションは、例えば、ノーザンブロットサザンブロットアレイハイブリダイゼーション、アフィニティークロマトグラフィー又はインサイチュハイブリダイゼーションからなり得る。

0104

また、本明細書に提供されるペプチドの組織保護活性は、インビトロ神経保護アッセイを用いて検出することもできる。例えば、初代神経細胞培養液を、トリプシン処理によって、新しく生まれたラット海馬から調製し、当該技術分野において公知の任意の方法によって及び/又は本明細書中に記載されている任意の方法によって、例えば、MEM-II成長培地(Invitrogen)、20mM D-グルコース、2mM L-グルタミン、10% Nu-血清(ウシ;Becton Dickinson, Franklin Lakes, NJ)、2% B27補充物(Invitrogen)、26.2mM NaHCO3、100U/mlペニシリン、及び1mg/mlストレプトアビジン中で培養することができる(例えば、全体において本明細書中に引用により取り込まれているLeistらの文献、2004, Science 305:239-242を参照されたい。)。播種1日後に、1μMシトシンアラビノフラノシドを加える。その後、13日経った培養液を、関心対象のペプチドの漸増投与量(3〜3000pM)と共に24時間、プレインキュベーションする。14日目に培地を除去し、培養液を室温(RT)で、PBS中の300μMNMDAを用いてチャレンジする。5分後に、予め馴化した培地を該培養液に戻し、その後、24時間、インキュベーターに戻す。細胞を、パラホルムアルデヒド中で固定し、Hoechst 33342(Molecular Probes, Eugene, OR)により染色し、凝縮したアポトーシス核を計数することができる。NGF(50ng/ml)及びMK801(1μM)を、陽性対照として含ませる。

0105

動物モデル系を使用して、化合物の組織保護活性を示すか又は本明細書記載のスクリーニング方法により同定される化合物の安全性及び有効性を示すことができる。その後、アッセイにおいて同定される化合物は、関心対象のある種類の組織の損傷、疾患、状態又は症候群のための動物モデルを用いて、生物活性を試験することができる。これらは、機能的読み出しステムに結合した組織保護レセプター複合体を含むように操作された動物、トランスジェニックマウスなどを含む。

0106

細胞の有効性又は同定された化合物の組織保護活性を試験するために用いることができる動物モデルは、当該技術分野において公知であり、例えば、ルイスラット急性実験アレルギー性脳脊髄炎の発症に対する保護;脳外傷脳虚血(「脳卒中」)又は興奮性毒により刺激された発作を受けた後のマウスの減弱した認知機能からの回復又は保護(Brinesらの文献、2000, PNAS, 97:10295-10672、その全体において本明細書中に引用により取り込まれている。)、誘発された網膜虚血からの保護(Rosenbaumらの文献、1997, Vis. Res. 37:3443-51、その全体において本明細書中に引用により取り込まれている。)、坐骨神経に対する損傷からの保護、及び心臓に対する虚血-再灌流障害からの保護(インビトロにおける心筋細胞の研究及びインビボにおける虚血-再灌流障害、例えば、Calvilloらの文献、2003, PNAS 100:4802-4806、及びFiordalisoらの文献、2005, PNAS 102:2046-2051を参照し、各々の文献は全体において本明細書中に引用により取り込まれている。)を含む。このようなアッセイは、Grassoらの文献、(2004) Med Sci Monit 10: BR1-3、PCT公開番号WO02/053580、又はPCT出願番号PCT/US2006/031061にさらに詳細に記載されており、それらの各々の文献は、全体において本明細書中に引用により取り込まれている。ペプチドの組織保護活性を決定するための他のアッセイは、当業者にとって周知である。

0107

糖尿病がストレプトゾトシン(STZ)により誘発される糖尿病マウス又はラット(rate)モデルは、当業者に入手可能であり、且つ周知である。STZは、膵β細胞癌腫の治療において、化学療法薬として臨床使用される、ストレプトマイセス・アクロモゲネス(Streptomyces achromogenes)から誘導されたグルコサミン-ニトロソウレア化合物である。STZは、膵β細胞にダメージを与え、低インスリン血症及び高血糖症を生じる。高投与量で、通常単回投与されるSTZは、細胞毒性ニトロソウレア化合物のそれに類似しているそのアルキル化特性により、β細胞を標的化する。低投与量で、一般に反復曝露で投与されるSTZは、恐らくグルタミン酸デカルボキシラーゼ自己抗原の放出に関連している、免疫反応及び炎症反応を誘発する。低投与量STZ-誘導において、β細胞の破壊及び高血糖状態の誘導は、細胞のリンパ球を含む炎症性浸潤の結果である。STZ-誘導した糖尿病マウス又はラットモデルは、Grahamらの文献(Grahamら、2011 Comp Med. 61: 356-360)及びLenzen S.の文献(Lenzen S. 2008 Diabetologia 51:216-226)に説明されている。

0108

Beiswengerらの文献により明らかにされたように、マウスにおける熱引き込み潜時(thermal withdrawal latency)の増加は、表皮神経支配の喪失と相関しており、これはSTZ-誘導性糖尿病の開始後4週間での、表皮内神経線維の密度の減少として示される(Beiswengerらの文献、2008 Neurosci Lett. 442:267)。Smithらはまた、表皮内神経線維の喪失は、ニューロパチーの重症度及び進行の正当代理測定であることを報告した(Smithらの文献、2006 Diabates Care 29:1294)。従ってSTZ-誘導性糖尿病マウスにおける熱引き込み潜時に対するペプチドの組織保護効果は、糖尿病性ニューロパチーにおける神経ダメージから保護するその能力を明らかにするために、試験することができる。

0109

糖尿病性ニューロパチーマウスモデルにおいてペプチドを試験するために、雄のSwiss Websterマウスには、STZ(180mg/kg i.p.)を単回注射し、インスリン-欠損糖尿病を誘導する。高血糖症は、3日後に確認し、十分なニューロパチーの誘導を確実にし、15mmol/lを超える血糖値を伴うマウスのみを使用する。糖尿病未治療で4週間後、組織保護ペプチド又は対照処置(リン酸緩衝生理食塩水(PBS))を、点眼薬(5日/週に両眼に50ナノモル溶液を50マイクロリットル)として投与する。米国特許第8,853,358号の配列番号:282のペプチドを、陽性対照として使用する。12週間の処置後、マウスを、足の熱感受性について試験する。熱引き込み潜時を測定するために、マウスを、温めた硝子床の囲い中に配置し、移動式放射熱源を、片方後肢足底面に向ける。熱を、毎秒0.9℃上昇させ、熱感受性C-繊維の活性化に関与した足引き込み反応を確実にする(Yeomansらの文献、 1996 Pain 68:133)。加熱開始から足引き込みまでの時間を、5分間隔の4回の個別の試験により記録し、各マウスについて、最後の3回の試験の中央値を使用する。足引き込み時間を、プロットし、ペプチド-処置群対照群の間で比較する。

0110

同様に、神経因性疼痛の動物モデルを使用し、組織保護ペプチドの有効性を試験することができる。本試験に使用したラットは、8週齢の雌のSprague-Dawleyラット(Charles River, Maastricht, The Netherlands)である。動物に、セボフルランの6%導入及び3%維持により麻酔をかける。動物の左後肢の外側面に、小さい切開を加え、筋肉を露出させる。坐骨神経三枝分岐点を、大腿二頭筋の2つの頭部の間の鈍的調製により露わにする。次に、脛骨神経総腓骨神経を、ラットにおいて5-0シルクで、マウスにおいて6-0シルクできつく結紮し、遠位神経の2〜4mmを切断除去する。腓腹神経は、無傷のまま残す。自発的な神経再結合を防止するために、切断した神経をずらす。外科手技の間は、坐骨神経又は腓腹神経が伸びたり触れたりしないよう注意する。創傷を、ラットにおいて4-0シルクで、マウスにおいて6-0シルクで、二層閉鎖し、術後疼痛を軽減するために、ラット及びマウスに、各々、0.01及び0.05mg/kgブプレノルフィンの単回投与量を投与する。露出後、神経部分損傷(SNI)が誘導され且つ創傷が4-0(ラット)又は6-0(マウス)シルクにより二層で閉鎖され、且つ術後疼痛を軽減するために、0.01(ラット)mg/kgブプレノルフィンの単回投与量が投与される。外科手技の間は、露出した神経が伸びたり触れたりしないよう注意する。

0111

SNIの誘導後24時間で、処置を開始し、これは2日間隔で、組織保護ペプチド又は対照の腹腔注入を含む。米国特許第8,853,358号の配列番号:282のペプチドを、陽性対照として使用する。接触性異痛症を、罹患した後肢の足底面上に発揮される漸増力を引き起こす、剛性の増加する(0.004〜15g)様々なvon Frey hairs (Semmes-Weinstein Monofilaments, North Coast Medical Inc., San Jose, CA)を使用し、試験する。このフィラメント(hairs)を、被験領域内のわずかに異なる位置に、1〜2秒間隔で、10回あてる。素早い(brisk)足の引き込みによる疼痛反射の誘発に必要な力を記録し、反応を示す足には、更なるフィラメントはあてない。記録した力を、ペプチド-処置群と対照群の間で比較する。

0112

同様に、比較アッセイを、ペプチドが組織保護性であるかどうかを決定するために利用することができる。

0113

96ウェルプレートにおいて、適切な成長培地中の8つの1:2系列希釈の公知の組織保護化合物バイオマーカー、並びに同じ系列希釈の公知の組織保護化合物/バイオマーカー及び過剰な関心対象のペプチドを播種する。各希釈の最終容量は約100μlとすべきである。また、上記開示のようにBaF3細胞をプレートに播種し、インキュベートする。適当な時間の後、細胞を洗浄し、プレートを、蛍光プレートリーダー又はバイオマーカーの検出に当該技術分野において公知の任意の他の適切な方法によって読み込む。公知の組織保護化合物/バイオマーカー及び関心対象のペプチドを含むプレート及び/又はウェルの読み出しが、公知の組織保護化合物/バイオマーカーのみを含むプレートの読み出しより少ない場合、関心対象のペプチドは組織保護性である。

0114

すべての公知のサイトカインなどの、現在までに発見された多くのタンパク質因子は、一つ以上の因子依存的細胞増殖アッセイにおいて活性を示し、従ってこれらのアッセイがサイトカイン活性の便利な確認法として役立つ。ペプチドの活性は、制限されないが、32D、DA2、DA1G、T10、B9、B9/11、BaF3、MC9/G、M+(preB M+)、2E8、RB5、DA1、123、T1165、HT2、CTLL2、TF-1、Mo7e及びCMKなどの、細胞株のための多くのルーチン的な因子依存的細胞増殖アッセイのいずれか一つにより明らかにすることができる。これらの細胞は、ペプチドの存在又は非存在で培養され、細胞増殖を、例えば、トリチウム化チミジンの組み込みを測定すること、又は3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-2,5-ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT)の代謝分解に基づく比色アッセイにより検出することができる(Mosmanの文献、1983, J. Immunol. Meth. 65:55-63、その全体において本明細書中に引用により取り込まれている)。

0115

さらに、1つ以上のリン酸化中間体の測定による、細胞シグナル伝達経路の活性化の測定もまた、当業者に周知である。例えば、本明細書記載のペプチドの活性は、様々なサイトカインレセプターを介したシグナル伝達に必須である、Jak2の活性化のアッセイにより (Parganasらの文献、1998, Cell 93:385-395)、又は当該技術分野において周知の方法を使用するリン酸化によるAKTの活性化の測定(Liuらの文献、2014, Nature 508:541-545)及び/又は実施例2に記載した方法により、測定することができる。当業者は、このようなシグナル伝達経路の活性化は、本明細書記載のペプチドの組織保護活性をアッセイする間接的方法であることを認めるであろう。1つ以上の追加の本明細書記載の組織保護アッセイと組合せたシグナル伝達経路(例えばリン酸化)の活性化の測定は、本明細書記載のペプチドの組織保護活性の証拠をさらに提供することができる。

0116

リン酸化によるAKTの活性化の一つのアッセイにおいて、HUVECをCell Applications(San Diego、CA)から購入し、2%ウシ胎仔血清(FCS)及びペニシリン/ストレプトマイシン(P/S)を補充した培地EGM-2において、加湿したインキュベーター内で、5%CO2を含有する大気下、37℃で増殖させる。予備実験を、組織保護レセプターを活性化した化合物による刺激後の、Aktのリン酸化の時間経過を決定するために行うことができる。一部のアッセイにおいて、Aktのリン酸化は、組織保護レセプターを活性化した化合物による刺激後10分で最大に到達する。HUVECが組織保護ペプチド又は対照により処理された後、細胞溶解液が調製され、抗-Akt及び抗-ホスホ-Akt抗体(Cell Signaling Technology、Danvers、MA)を用いて、ウエスタンブロットが実行される。ウエスタンブロットを実行するために、細胞溶解液を、SDS-PAGEに供し、ニトロセルロースメンブレン(Amersham Biosciences、Piscataway、NJ)へ移す。このメンブレンを、2%BSA及び0.05% Tween 20含有PBSにより、室温で1時間ブロックする。ブロットを、ホスホ-Aktに対する一次抗体と共に、4℃で一晩、又は室温で4時間インキュベーションし、引き続き二次ホースラディッシュペルオキシダーゼ-複合抗体と共に1時間インキュベーションする。次に、ブロットを、Aktに対する抗体により再プロービングし、同等のタンパク質負荷を確認する。免疫反応性バンドを、ECL(Amersham Biosciences、Piscataway、NJ)を用いて可視化する。一部のアッセイにおいて、リン酸化されたAktバンドの強度を、対照細胞とペプチド処理細胞の間で比較する。一部のアッセイにおいて、リン-Aktバンドの強度の総Aktバンドの強度に対する比を、対照細胞とペプチド-処理細胞の間で比較する。

0117

ペプチドが組織保護活性を示す場合、当業者は、制限されないがP-19及びPC-12細胞アッセイなどの当業者に公知の神経保護アッセイ及び組織保護アッセイのうちの1つを用いて、結果を検証することが有益であると認識するであろう。さらに、脊髄損傷虚血性脳卒中末梢神経損傷、創傷、又は心臓、目、腎臓などへのダメージに関連した動物モデルなどの様々なインビボモデルは、ペプチドをさらに特徴付けするのに有用である。

0118

(7.2 特定の指標のためのアッセイ)
(毒剤)
本明細書に提供される方法の範囲内で用いられる単離ペプチドは、当該技術分野において公知の様々なアッセイ又は本明細書中に記載されているアッセイを用いて、インビトロ又はインビボで毒剤への曝露から生じるダメージ、影響又は症状を阻害することを示すことができる。

0119

本明細書に提供される方法の範囲内で使用される更なるペプチドは、毒剤への曝露から生じるダメージ、影響又は症状を予防、治療、改善又は管理するそれらの能力を決定するために、当該技術分野において、様々なインビトロアッセイにおいて試験され得る。一般に、これは、適当な細胞株を選択し、その細胞を関心対象の毒剤に曝露し、かつ細胞の一部分を関心対象のペプチドで処置し、かつ毒剤の存在下と毒剤及び関心対象のペプチドの存在下で、細胞生存又は反応を決定することにより達成される。細胞がペプチドの存在下で改善された生存又はダメージ、影響もしくは症状の減少を示す場合、該ペプチドは、毒性曝露に対して潜在的な治療薬であるとみなすことができる。さらに、当業者は、保護剤としてのペプチド能力を、毒剤への曝露前に細胞を該ペプチドで処理することにより評価することができると認識するであろう。

0120

例えば、毒剤のための適切なアッセイは、以下を含むが、これらに限定されない:化学薬品:a) J-774(マウスマクロファージ誘導細胞株)、CHO-K1(チャイニーズハムスター卵巣細胞から誘導される上皮細胞株の系統)、及びHeLa(ヒト子宮頸癌)などの皮膚細胞株(Sawyer, T.らの文献、「発疱薬により誘発された皮膚損傷付属物としての低体温(Hypothermia as an adjunct to vesicant-induced skin injury)」, Eplasty 2008; 8:e25);b) 発疱薬のための角膜細胞株(Amir, A.らの文献、「硫黄マスタード眼性損傷の角膜上皮−インビトロ及びエクスビボ研究(The corneal epithelium in sulfur mustard ocular injury - In vitro and ex vivo studies)」Proceedings of the U.S. Army Medical Defense Bioscience Review, Aberdeen Proving Ground, MD (2004));c) マクロファージ(Amir A.らの文献、「マクロファージの硫黄マスタード毒性:デキサメタゾンの影響(Sulfur mustard toxicity in macrophages: effect of dexamethasone)」, J Appl Toxicol, 20 Suppl 1:S51-8 (2000));d)上気道細胞株(Andrew, D.J.及びC.D. Lindsayの文献、「グルチオンエステルによる、硫黄マスタード毒性に対するヒトの上気道細胞株の保護(Protection of human upper respiratory tract cell lines against sulphur mustard toxicity by gluthione esters)」Hum Exp Toxicol 17(7):387-95 (1998);Calvetらの文献、「硫黄マスタード曝露後の気道上皮のダメージ及びヒト肺実質の炎症性メディエーターの放出(Airway epithelial damage and release of inflammatory mediators in human lung parenchyma after sulfur mustard exposure)」, Hum Exp Toxicol 18(2):77-81(1999);Langford, A. M.らの文献、「ラット肺切片グルタチオンレベルにおける硫黄マスタードの影響及びアリールチオール及びシステインエステルでの処置の影響(The effect of sulphur mustard on glutathione levels in rat lung slices and the influence of treatment with arylthiols and cysteine esters)」Hum Exp Toxicol 15(8):619-24);e)皮膚モデル(Blahaらの文献、「2つの皮膚モデルの炎症性メディエーター、熱ショックタンパク質70A、組織学及び超微細構造におけるCEESの効果(Effects of CEES on inflammatory mediators, heat shock protein 70A, histology and ultrastructure in two skin models)」、J Appl Toxicol 20 Suppl 1:S 101-8(2000);Henemyre-Harrisらの文献、「皮膚硫黄マスタード損傷の有効な治療のための薬理学介入をスクリーニングするためのインビトロ創傷治癒モデル(An in vitro wound healing model to screen pharmacological interventions for the effective treatment of cutaneous sulfur mustard injuries)」Proceedings of the U.S. Army Medical Defense Bioscience Review, Aberdeen Proving Ground, MD (2004)(一般に、適切なインビトロ研究における追加の文献についてはwww.counteract.rutgers.edu/invitro.htmlを参照されたい。);放射線剤:a)内皮細胞(Abderrahmani, R.らの文献、「放射線により誘発された内皮細胞アポトーシスのプラスミノーゲン活性化因子阻害剤1型の役割(Role of plasminogen activator inhibitor type-1 in radiation-induced endothelial cell apoptosis)」)、Radioprotection 2008, vol 43, no. 5;b) 神経免疫細胞(求心性神経、腸感覚神経肥満細胞)(Wang, J.らの文献、「神経免疫相互作用:腸の放射線傷害の緩和又は治療のための潜在的標的(Neuroimmune interactions: potential target for mitigating or treating intestinal radiation injury)」, British Journal of Radiology (2007) 80, S41-S48);c) 血液又はリンパ球培養液(Lloyd DCらの文献、Phys Med Biol 18(3):421-31 (1973); Lloyd DCらの文献、Mutat. Res. 179(2): 197-208 (1987);Blakely WFらの文献、Stem Cells 13 (Suppl 1):223-30 (1995);Gotoh Eらの文献、Int. J Radiation. Biol. 81(l):33-40 (2005));生物剤:(a)末梢血単核細胞(Rasha、H.らの文献、「インビトロ反応をインビボ反応に相関させるための、SEBにより誘発された宿主遺伝子発現モデリング生物防衛及び環境用途のためのマイクロアレイ(Modeling of SEB-induced host gene expression to correlate in vitro to in vivo responses: Microarrays for biodefense and environmental applications)」, Biosensors and Bioelectrics (2004) vol. 20, no. 4, 719-727)。

0121

更なる、毒剤曝露における治療薬の効果を評価するための適切なインビボアッセイが、当該技術分野において公知である。ラット、マウス、モルモットウサギ、ブタ、ヒツジフェレット、イヌ及び非ヒト霊長類を用いる動物モデルは、毒剤に特に影響されやすいトランスジェニック動物(CD46マウス)と同様に意図される。特に、当該技術分野において公知のアッセイは、以下を含むが、これらに限定されない:化学薬品:(1) Reid, F.M.の文献、「臨床的及び組織病理学的に評価される離乳仔ブタの硫黄マスタードにより誘発された皮膚熱傷(Sulfur mustard induced skin burns in weanling swine evaluated clinically and histopathologically)」, Journal of applied toxicology, vol. 20 (S1),ページS153-S160 (2001);(2) Isidore, M. A.らの文献、「c57bl/6マウスを使用する、皮膚発疱薬損傷2-クロロエチルエチルスルフィド背部モデル(A dorsal model for cutaneous vesicant injury 2-chloroethyl ethyl sulfide using c57bl/6 mice)」, Cutaneous and ocular toxicology, Vol. 26 (3), 265-276 (2007);(3) 一般にwww.counteract.rutgers.edu/animal.htmlを参照;(4) Kassa J.らの文献、「選択:神経薬に対するHI-6、パラドキシム、又はオビドキシム?(The Choice: HI-6, pradoxime or Obidoxime against Nerve Agents?)」、www.asanlte.com/ASANews-97/Antidot-Choice.html;(5) Shih, TMらの文献、「有機リン神経薬により誘導される発作、及び抗痙攣薬治療としてのアトロピン硫酸塩の有効性(Organophosphorus nerve agents-induced seizures and efficacy of atropine sulfate as anticonvulsant treatment)」, Pharmacol-Biochem-Behav. 1999 Sep, 64(1), 147-53;(6) Luo, Cらの文献、「神経薬-阻害されたサル及びヒトのアセチルコリンエステラーゼのオキシム再活性化及び老化の比較(Comparison of oxime reactivation and aging of the nerve agent-inhibited monkey and human acetylcholineterases)」, Chemico-Biological Interactions, 175(1-3), 261-266 (2008);放射線剤:(1) W.F. Blakelyらの文献、「部分的身体線量曝露のインビトロ及び動物モデル:不均一線量曝露及び放射線損傷の評価のための細胞発生及び分子バイオマーカーの使用(In Vitro and Animal Models of Partial-Body Dose Exposure: Use of Cytogenic and Molecular Biomarkers for Assesment of Inhomogeneous Dose Exposures and Radiation Injury)」, PB-Rad-Injury 2008 Workshop, May 5-6, 2008AFRRI, Bethesda, Maryland;(2) Augustine, Aらの文献、「会議報告:放射線損傷、保護及び療法の動物モデル(Meeting Report: Animal Models of Radiation Injury, Protection and Therapy)」, Radiation Research 164: 100-109 (2005);(3) Houchen, Cらの文献、「放射線傷害のPGE2の生存促進及び抗アポトーシスの効果は、腸のEP2レセプターにより媒介される(Prosurvival and antiapoptotic effects of PGE2 in radiation injury are mediated by EP2 receptor in intestine)」, Am J Physiol Gastrointest Liver Physiol, 284: G490-G498, 2003;(4) Jichun Chenの文献、「後天的骨髄機能不全症候群のための動物モデル(Animal Models for Acquired Bone Marrow Failure Syndromes)」, Clinical Medicine & Research 3(2): 102-108;生物剤:(1) 「生物防御:研究方法論及び動物モデル(Biodefense: Research Methodology and Animal Models)」, James R. Swearengen (編集) 2006CRCPress。

0122

(炎症)
加えて、炎症のさまざまなインビトロモデルは、身体上の炎症のダメージ、症状又は影響を保護又は治療するペプチド能力を評価するために用いることができる。最初に、炎症性メディエーターを調整するペプチドの能力は、制限されないがELISA血球計算ビーズアレイ分析高感度及び免疫ネフェロメトリーアッセイなどの公知方法によって、ペプチドによる処理後に、炎症性アッセイにおいて炎症性メディエーターのレベルを測定することによって確認することができる。例えば、ペプチドがTNF-α又はIL-1のいずれかを調整するかどうかを決定するために、LPS媒介サイトカイン産生のマウスモデルを行うであろう。マウスモデルの幾つかのマウスは、関心対象のペプチドで前処理し、その後LPSによりチャレンジされ、他方は生理食塩水処置される。その後、血液を回収し、血液中のTNF-α及びIL-1レベルをELISAキットで測定することができる(OPT-EIAマウスTNF-α及びIL-1 ELISAキット(BD Biosciences))。処置動物のTNF-αレベルが、生理食塩水処置動物のTNF-αレベルより低い場合、該ペプチドは、TNF-αを調整すると考えられ得る。一部の実施態様において、ペプチドは、2以上の炎症性メディエーターを調整するその能力のために試験され、一実施態様において、それはTNF-α以外又は追加のメディエーターであり、一実施態様において、それはヒスタミンであろう。同様に、ペプチドは、限定されないが、以下の文献に開示されているものなどのインビトロアッセイにおいてさらに試験することができる:Lopata, Andreas L.の文献、「過敏症の評価における特殊インビトロ診断方法概要(Specialized in vitro Diagnostic MethodsIn The Evaluation Of Hypersensitivity -An Overview)」Current Allergy & Clinical Immunology, March 2006, Vol. 19, No.1, (ヒスタミン及びトリプターゼアッセイ)、及びArulmozhiらの文献、「炎症の様々なインビトロ及びインビボモデルにおける、サピンヅス・トリホリアツスの薬理学的調査(Pharmacological Investigations of Sapindus trifoliatus in various in vitro and in vivo models of inflammation)」, Indian Journal of Pharmacology, vol. 37:2, 96-102 (2005) (5-リポキシゲナーゼ(5-LO)、シクロ-オキシゲナーゼ(COX)、ロイコトリンB4 (LTB4)、一酸化窒素シンターゼ(NOS))。

0123

さらに、炎症のインビボアッセイは、毒剤に対する治療薬としてのペプチド有用性を評価することに役立ち得る。インビボアッセイは、制限されないが、以下を含む:マウスEAEモデル、重度大腸炎MDBiosciences DSSIBDマウスモデル、炎症性腸疾患のMDBioscience TNBSIBDマウスモデル、米国特許第6,437,216号に開示されるIL-1ノックアウトマウスを含むモデル、又は以下の文献に開示されるTNF-αを含むトランスジェニックマウスのモデル:Probertらの文献「腫瘍壊死因子αCNS特異的発現を示すトランスジェニックマウスの自然炎症性脱髄性疾患(Spontaneous inflammatory demyelinating disease in transgenic mice showing CNS-specific expression of tumor necrosis factor α)」 Proc. Natl Acad. Sci 1995 USA 92, 11294-11298、Kontoyiannisらの文献「TNF AU-リッチエレメントを欠くマウスのTNF生合成のオンオフ調節の障害:関節及び消化管関連免疫病理学に対する意味(Impaired on/off regulation of TNF biosynthesis in mice lacking TNF AU-rich elements: implications for joint and gut-associated immunopathologies.)」Immunity 10:387-398, 1999、Kefferらの文献「ヒト腫瘍壊死因子を発現するトランスジェニックマウス:関節炎の前兆となる遺伝子のモデル(Transgenic mice expressing human tumour necrosis factor: a predictive genetic model of arthritis.)」EMBO J. 1991 Dec;10(13):4025-31などのトランスジェニックマウスを利用するもの、又はJPET 307:373-385, 2003に開示される喘息及び慢性閉塞性肺疾患のモデルなどの炎症を誘発する化学的又は合成的チャレンジを用いるモデル、EP 1 777 234に開示されるアジュバント関節炎モデル;マウスLPSショックモデル、マウスLPS肺モデル、急性足炎症モデル、又はBrins M.及びCerami A.の文献、2012, Molecular Medicine 18:486-496に説明されるヒスタミンチャレンジ膨疹形成モデル。

0124

さらに、ヒトにおける化合物の有効性は、Ravensbergらの文献「喘息におけるハウスダストダニに対する気道応答の確認された安全予測(Validated safety predictions of airway responses to house dust mites in asthma)」 Clinical and Experimental Allergy, 37:100-107 (2007)に開示される皮膚プリックテスト及び気管支誘因試験;Diamantらの文献「新規抗喘息療法の臨床開発において使用する方法(Methodsused in clinical development of novel anti-asthma therapies)」 Respiratory Medicine (2008) 102, 332-338に開示される喘息研究;又は、Bootらの文献「鼻一酸化窒素:アレルギー性鼻炎患者の長期再現性及び鼻アレルゲンチャレンジの影響(Nasal Nitric oxide: longitudinal reproducibility and the effects of a nasal allergen challenge in patients with allergic rhinitis)」 Allergy 2007:62:378-384に開示される鼻アレルゲンチャレンジなどの周知の臨床研究を用いる。

0125

(癌)
本明細書に提供される方法の範囲内で用いられる単離ペプチドは、当該技術分野において公知の又は本明細書中に記載された様々なアッセイを用いて、インビトロ又はインビボで、腫瘍細胞増殖細胞形質転換、及び腫瘍形成を阻害することを示すことができる。このようなアッセイは、癌細胞株の細胞又は患者からの細胞を使用することができる。当該技術分野において周知の多くのアッセイは、このような生存及び/又は増殖を評価するために用いることができ;例えば、細胞増殖は、3H-チミジン取り込みを測定することによって、直接細胞数を数えることによって、プロトオンコジーン(例えば、fos、myc)又は細胞周期マーカー(Rb、cdc2、サイクリンA、D1、D2、D3又はE)などの公知の遺伝子の転写、翻訳又は活性の変化を検出することによって、評価することができる。このようなタンパク質及びmRNA及び活性のレベルは、当該技術分野において周知の任意の方法により測定することができる。例えば、タンパク質は、市販の抗体を用いて、ウエスタンブロッティング又は免疫沈降などの公知の免疫診断方法によって、定量化することができる(例えば、多くの細胞周期マーカー抗体は、Santa Cruz, Inc.から提供されている)。mRNAは、当該技術分野において周知かつ慣習的な方法によって、例えば、ノーザン分析RNアーゼ保護、逆転写に関連したポリメラーゼ連鎖反応などによって、定量化することができる。細胞生存度は、当該技術分野において公知のトリパンブルー染色又は他の細胞死マーカーもしくは生存度マーカーを用いて評価することができる。分化は、形態学的変化などに基づいて、視覚的に評価することができる。

0126

制限されないが以下を含む、当該技術分野において公知の様々な技術による、細胞周期及び細胞増殖分析が、本明細書に提供される:

0127

一つの例として、ブロモデオキシウリジン(「BRDU」)取り込みは、増殖細胞を同定するためのアッセイとして使用することができる。BRDUアッセイは、新しく合成されたDNAへのBRDUの組み込みによって、DNA合成を行う細胞集団を同定する。その後、新しく合成されたDNAを、抗BRDU抗体を用いて検出することができる(Hoshinoらの文献、1986, Int. J. Cancer 38, 369; Campanaらの文献、1988, J. Immunol. Meth. 107, 79を参照されたい。)。

0128

細胞増殖は、(3H)-チミジン取り込みを用いて検討することもできる(例えば、Chen, J.の文献、1996, Oncogene 13:1395 403; Jeoung, J.の文献、1995, J. Biol. Chem. 270:18367 73を参照されたい。)。このアッセイは、S期DNA合成の定量的特徴付けを可能にする。このアッセイにおいて、DNAを合成する細胞は、3H-チミジンを新しく合成されたDNAに取り込むであろう。その後、取り込みを、シンチレーションカウンター(例えば、Beckman LS 3800 Liquid Scintillation Counter)において放射性同位体を計数するなどの当該技術分野における標準技術によって測定することができる。

0129

増殖性細胞核抗原(PCNA)の検出を、細胞増殖を測定するために用いることもできる。PCNAは36キロダルトンのタンパク質であり、その発現は増殖細胞において、特に、細胞周期のG1初期及びS期において上昇し、従って、増殖細胞のマーカーとして役立ち得る。陽性細胞は、抗PCNA抗体を用いて免疫染色することにより同定される(Liらの文献、1996, Curr. Biol. 6:189 199; Vassilevらの文献、1995, J Cell Sci. 108: 1205 15を参照されたい。)。

0130

細胞増殖は、時間とともに、細胞集団のサンプルを計数することにより(例えば、毎日の細胞数)、測定することができる。細胞は、血球計及び光学顕微鏡(例えば、HyLite血球計、Hausser Scientific)を用いて計数することができる。細胞数は、関心対象の集団成長曲線を得るために、時間に対してプロットすることができる。一実施態様において、この方法により計数される細胞は、生細胞色素を排除し、細胞集団の生存可能メンバーとして計数されるように、色素トリパンブルー(Sigma)と最初に混合される。

0131

細胞のDNA含有量及び/又は分裂指数を、例えば、細胞のDNA倍数値に基づいて、測定することができる。例えば、細胞周期のG1期の細胞は、一般に、2N DNA倍数値を含む。DNAは複製されたが、有糸分裂を経て進行していない細胞(例えば、S期の細胞)は、2Nよりも高い倍数値、及び最大4N DNA含有量を示すであろう。倍数値及び細胞周期速度論は、ヨウ化プロピジウムアッセイ(例えば、Turner, T.らの文献、1998, Prostate 34:175 81を参照されたい)を用いて、さらに測定することができる。あるいは、DNA倍数は、コンピューター制御されたマイクロデンシトメトリー染色システムにおけるDNAフォイルゲン染色(それは、化学量論的様式でDNAと結合する)の定量化によって測定することができる(例えば、Bacus, S.の文献、1989, Am. J. Pathol. 135:783 92を参照されたい。)。別の実施態様において、DNA含有量は、染色体スプレッドの調製により分析することができる(Zabalou, S. の文献、1994, Hereditas. 120:127 40;Pardueの文献、1994, Meth. Cell Biol. 44:333 351)。

0132

細胞周期タンパク質(例えば、CycA、CycB、CycE、CycD、cdc2、Cdk4/6、Rb、p21又はp27)の発現は、細胞又は細胞集団の増殖状態に関する重要な情報を提供する。例えば、抗増殖シグナル伝達経路の同定は、p21cip1の誘導により示すことができる。細胞におけるp21発現の増加したレベルは、細胞周期のG1への遅れた参加を生じる(Harperらの文献、1993, Cell 75:805 816;Liらの文献、1996, Curr. Biol 6:189 199)。p21誘導は、商業的に利用可能な特異的抗p21抗体(例えば、Santa Cruz, Inc.提供)を用いて免疫染色することによって、同定することができる。同様に、細胞周期タンパク質は、市販の抗体を用いて、ウエスタンブロット分析により検討されることができる。別の実施態様において、細胞集団は、細胞周期タンパク質の検出の前に同期化される。また、細胞周期タンパク質は、関心対象のタンパク質に対する抗体を用いて、FACS(蛍光細胞分析分離装置)分析により検出することもできる。

0133

細胞周期の長さ又は細胞周期の速度の変化の検出は、本明細書に提供されるペプチドによる細胞増殖の阻害を測定するために用いることもできる。一実施態様において、細胞周期の長さは、細胞の集団の倍加時間で測定される(例えば、本明細書に提供される一つ以上のペプチドと接触又は非接触の細胞を用いる)。別の実施態様において、FACS分析を使用して、細胞周期進行の段階を分析し、又はG1、S及びG2/M画分を精製する(例えば、Delia, D.らの文献、1997, Oncogene 14:2137 47を参照されたい。)。

0134

細胞周期チェックポイントの経過、及び/又は細胞周期チェックポイントの誘導は、本明細書中に記載されている方法によって、又は当該技術分野において公知の任意の方法によって、試験することができる。限定されるものではないが、細胞周期チェックポイントは、特定の細胞事象が特定の順序で生じることを確実にする仕組みである。チェックポイント遺伝子は、後の事象が先の事象の終了前に生じる突然変異により定義される(Weinert, T.及びHartwell, L.の文献、1993, Genetics, 134:63 80)。細胞周期チェックポイント遺伝子の誘導又は阻害は、例えば、ウエスタンブロット分析又は免疫染色などによって、評価することができる。細胞周期チェックポイントの経過は、特定の事象が先に生じることなく、該チェックポイントを経る細胞の進行によりさらに評価することができる(例えば、ゲノムDNAの完全な複製のない、細胞分裂の進行)。

0135

特定の細胞周期タンパク質の発現の作用に加えて、細胞周期に関係するタンパク質の活性及び翻訳後修飾は、細胞の制御及び増殖状態において統合された役割を果たすことができる。当該技術分野において公知の任意の方法によって、検出された翻訳後修飾(例えば、リン酸化)に関係するアッセイが、本明細書に提供される。例えば、リン酸化されたチロシン残基を検出する抗体は市販されており、ウエスタンブロット分析に用いて、このような修飾を伴うタンパク質を検出することができる。別の例において、ミリスチル化などの修飾は、薄層クロマトグラフィー又は逆相HPLCにおいて検出することができる(例えば、Glover, Cの文献、1988, Biochem. J. 250:485 91;Paige, Lの文献、1988, Biochem J; 250:485 91を参照されたい。)。

0136

シグナル伝達及び細胞周期タンパク質並びに/又はタンパク質複合体の活性は、多くの場合、キナーゼ活性により媒介される。ヒストンH1アッセイなどのアッセイによる、キナーゼ活性の分析も提供される(例えば、Delia, D.らの文献、1997, Oncogene 14:213747を参照されたい。)。

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