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技術 光学的検出のための光センサおよび検出器

出願人 トリナミクスゲゼルシャフトミットベシュレンクテルハフツング
発明者 ヘルメス,ヴィルフリートファローフ,ゼバスティアンゼント,ロベルトブルーダー,イングマルフォイアーシュタイン,ベルトラム
出願日 2017年7月27日 (2年7ヶ月経過) 出願番号 2019-504980
公開日 2019年8月22日 (7ヶ月経過) 公開番号 2019-523562
状態 未査定
技術分野
  • -
主要キーワード アナログ電子機器 ジョインター ワイヤー形態 光伝導装置 非固体状態 耐スクラッチ層 ネオンライト 制限プロセス
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重要な関連分野

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課題・解決手段

本発明は、光センサ、少なくとも1つの対象物光検出のための光センサを含む検出器、光センサの製造方法、ならびに光センサおよび検出器の様々な使用に関する。さらに、本発明は、ヒューマンマシンインターフェース娯楽装置スキャニングシステム追跡システム立体視システム、およびカメラに関する。 光センサ(110)は、少なくとも1つの光導電性材料(114)の層(112)と、光導電性材料(114)の層(112)と接触する少なくとも2つの個々の電気接点(136、136')と、光導電性材料(114)の層(112)上に堆積され、少なくとも1つの金属含有化合物(120)を含む非晶質層であるカバー層(116)を含む。 光センサ(110)は、かさばらない気密パッケージとして供給することができ、かさばらないにも拘わらずなお湿気および/または酸素による起こり得る劣化に対して高度の保護を提供する。さらに、カバー層(116)は光導電性材料(114)を活性化することができ、それによって光センサ(110)の性能が向上する。さらに、光センサ(110)は容易に製造され、回路キャリア装置上に統合されてもよい。

概要

背景

光センサに基づく、少なくとも1つの対象物光学的に検出する様々な検出器が知られている。WO2012/110924A1は、少なくとも1つの光センサを含む検出器を開示しており、この光センサは少なくとも1つのセンサ領域を示す。ここでは、光センサは、センサ領域の照射に依存する形で少なくとも1つのセンサ信号を生成するよう設計される。いわゆる「FiP効果」によれば、センサ信号は、照射の総出力が同じであれば、センサ信号は照射の幾何学的形状、特にセンサ領域上の照射のビーム断面に依存する。検出器はさらに、センサ信号から少なくとも1つの幾何学的情報、特に照射および/または対象物に関する少なくとも1つの幾何学的情報を生成するように設計された少なくとも1つの評価装置を有する。

WO2014/097181A1は、少なくとも1つの横方向光センサおよび少なくとも1つの縦方向光センサを使用することによって、少なくとも1つの対象物の位置を決定するための方法および検出器を開示している。好ましくは、縦方向光センサのスタックが、特に対象物の縦方向の位置を高い精度でかつ曖昧さなしに決定するために使用されている。さらに、WO2014/097181A1は、少なくとも1つの対象物の位置を決定するためのかかる検出器を少なくとも1つをそれぞれ備える、ヒューマンマシンインターフェース娯楽機器追跡システム、およびカメラを開示している。

2016年1月28日に出願された国際特許出願PCT/EP2016/051817は、その全内容が参照により本明細書に含まれており、縦方向光センサとして適しているさらなる種類の材料を開示している。ここでは、縦方向光センサのセンサ領域は光導電性材料を備え、光導電性材料内の導電性は、照射の総出力が同じであれば、センサ領域の光ビームのビーム断面に依存する。したがって、縦方向センサ信号は光導電性材料の導電性に依存する。

好ましくは、光導電性材料は、硫化鉛(PbS)、セレン化鉛(PbSe)、テルル化鉛(PbTe)、テルル化カドミウム(CdTe)、リン化インジウムInP)、硫化カドミウムCdS)、セレン化カドミウム(CdSe)、アンチモン化インジウム(InSb)、テルル化水銀カドミウム(HgCdTe;MCT)、硫化銅インジウムCIS)、セレン化銅インジウムガリウム(CIGS)、硫化亜鉛(ZnS)、セレン化亜鉛(ZnSe)、または硫化銅亜鉛スズ(CZTS)から選択される。さらに、固溶体および/またはそのドープ変形も可能である。さらに、センサ領域を有する横方向光センサが開示されており、ここでセンサ領域は、2つの透明な導電性酸化物層の間に優先的に埋め込まれた光導電性材料の層と、少なくとも2つの電極とを含んでいる。好ましくは、電極の少なくとも1つは、少なくとも2つの部分電極を有する分割電極であり、部分電極によって提供される横方向センサ信号は、センサ領域内の入射光ビームのx位置および/またはy位置を示す。

M Leskelae,L Niinistoe,P Niemela,E Nykaenen,P Soininen,M TiittaおよびJ Vaehaekangasによる“Preparation of lead sulfide thin films by the atomic layer epitaxy process”は、原子層堆積(ALD)によって異なった基板上での硫化鉛薄膜の調製を研究している。硫黄ソースは全ての実験においてH2Sであったが、鉛のソースとして以下の化合物臭化物ヨウ化物および酢酸塩ならびにthd(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオン)およびジエチルジチオカルバメートキレートテストしている。最後の複合体が最も高い成長率を示した。成長実験は300〜350℃で行い、膜厚は0.1〜1μmの間で変化した。結果によると、膜は多結晶であり、そしてランダム配向していることを示した。導電率はp型であり、キャリア濃度および移動度は従来の化学的方法によって堆積された膜に見られるものと同等であった。

N.P.Dasgupta、S.P.WalchおよびF.B.Prinzによる、“Fabrication and characterization of lead sulfide thin films by atomic layer deposition”のECS Transactions 16 (4)の29−36頁、2008は、ALDによる硫化鉛(PbS)薄膜の堆積に関する研究を示している。硫化鉛(PbS)膜は、165〜175℃の前駆体昇華温度でPb(tmhd)2およびH2S前駆体から堆積された。膜成長速度は0.13〜0.18nm/サイクルであって、以前に公表された値よりも高かった。化学的汚染なしに、ALDに特徴的な線形成長速度が観察された。AFM画像は、膜が多結晶であり、粒子サイズが膜厚と共に増加することを示した。

N.P.Dasgupta、J.F.Mack、M.C.Langston、Al BousettaおよびF.B.Prinzによる、“Design of an atomic layer deposition reactor for hydrogen sulfide compatibility”、Rev.Sc.Instrum 81、044102、2010は、硫化水素(H2S)化学適合性のある構成要素で設計されたカスタマイズされたALD反応器について説明している。H2Sは、金属硫化物のALDのための反応物質として使用される。ALD反応器におけるH2Sの使用は、その非常に有毒で、可燃性で、そして腐食性性質のために、安全性の問題に特別な注意を必要とする。反応器は、全ての湿潤成分のH2Sとの材料適合性に関して設計されている。有毒ガス漏洩停電建物換気損失、または圧縮空気圧の発生時にシステムシャットダウンするための、カスタマイズされた安全インターロックシステムが開発された。化学的汚染も検出可能なH2Sの放出もない硫化鉛(PbS)と硫化亜鉛(ZnS)のALDが示された。

J.Xu、B.R.Sutherland、S.Hoogland、F.Fan、S. KingeおよびE.H.Sargentによる、“Atomic layer deposition of absorbing thin films on nanostructured electrodes for short−wavelength infrared photo−sensing”,Appl. Phys. Lett.107、153105、2015は、高温または高真空不在下での高品質薄膜形成を享有するALDが、酸化物材料の広い配列の広域堆積のための業界標準となったことを報告している。最近、ナノ結晶硫化物膜の形成における将来性が示された。ここでは、光検出のためのALD硫化鉛の実行可能性を示している。ALDの共形能力活用して、酸化亜鉛ナノワイヤー電極を利用することによって吸収層における抽出効率を落とさずに吸収を高めることが示された。ナノワイヤーは、最初に薄いシャント防止の酸化チタン層被覆され、続いて光感知用の赤外活性のALD PbS層で被覆される。

特に、湿気および/または酸素などの外的影響による光導電性材料の劣化を避けるために、光導電性材料を含む光センサは、少なくとも部分的に封入層で覆われていてもよい。この目的のために、封入層は、典型的には、封入接着剤、通常はエポキシ系接着剤、および/または封入ガラスを使用することによりもたらされる。追加的にまたは代替的に、光センサは気密封止容器内に封入することができる。しかしながら、封入ガラスおよび封入接着剤は、好ましくは、光導電性材料による感知に関連し得る波長範囲にわたるそれらの吸収特性に関して選択される。ここでは、ホウケイ酸ガラスおよび石英ガラスは、約2500nmを超える波長で吸収することが知られており、これは、光導電性材料、特に硫化鉛(PbS)およびセレン化鉛(PbSe)のスペクトル応答をかなり制限する可能性がある。サファイアなどの他の封入ガラスは、より適切な吸収特性を提供し得るが、通常はかなり高価になる傾向がある。さらに、気密容器は一般にかなりかさばっていて、プリント回路基板集積化するのが難しく、そして高価であることがわかっている。

G.H.Blount、K.Preis、R.T.YamadaおよびR.H.Bubeによる、“Photoconductive properties of chemically deposited PbS with dielectric overcoatings”、J.Appl.Phys.46の3489頁、1975は、薄膜PbS光検出器上に真空蒸着したアルミナ(Al2O3)、三硫化ヒ素(As2S3)、テルル化カドミウム(CdTe)、フッ化マグネシウム(MgF2)、一酸化ケイ素(SiO)、および二酸化ケイ素(SiO2)の保護膜を記載している。保護膜の厚さは、反射防止特性を最適化するのに必要な厚さにほぼ等しい。アルミナ(Al2O3)、フッ化マグネシウム(MgF2)、およびテルル化カドミウム(CdTe)では製造歩留まりが低かったが、いずれの保護膜も検出器特性を著しく劣化させなかった。低収率は、明らかに、保護膜と硫化鉛(PbS)膜の物理不適合性によるものである。1/fノイズの低減と有害環境への不動態化により、三硫化二ヒ素(As2S3)では検出器の特性が向上した。

M.D.Groner、F.H.Fabreguette、J.W.ElamおよびS.M.Georgeによる、“Low−Temperature Al2O3 Atomic Layer Deposition”、Chem. Mater. 16、639−645頁、2004は、Al(CH3)3(トリメチルアルミニウム、TMA)と水の交互露光を用いた粘性流反応器中で33℃という低い温度でALDにより堆積したアルミナ(Al2O3)膜について報告している。低温Al2O3 ALD膜は、有機材料ポリマー材料、または生物学的材料などの熱的に脆弱な基板をコーティングする可能性を有する。アルミナ(Al2O3)膜密度はより低い堆積温度でより低かった。Al2O3 ALD膜密度は177℃で3.0g/cm3、33℃で2.5g/cm3であった。AFM画像は、低温で成長させたAl2O3 ALD膜がわずか0.4±0.1nmの二乗平均平方根(RMS)の粗さであり、非常に滑らかであることを示した。前方反跳分光法を用いた膜の元素分析は、成長温度の低下と共に増加する水素濃度を明らかにした。元のアルミニウムおよび酸素濃度を除いて、他のいかなる元素も、ラザフォード後方散乱分光法によって観察されなかった。ポリエチレンテレフタレート)(PET)ポリマー基板上で58℃の低温Al2O3 ALDが初めて示された。

US5,291,066Aは、基板に複数のビアホールを有する連続した複数のプライシーケンスを適用することによって製造された高密度配線(HDI)構造内に少なくとも1つの集積回路部品を含む防湿集積回路モジュールを開示している。シーケンスは、構成要素およびモジュール基板を覆い、各シーケンスは、誘電膜と、シーケンスのビア内に延びて電気的相互接続をする金属からなる複数のランドとを含む。モジュールは、モジュールを通って回路構成要素へ水分が浸透するのを防ぐための少なくとも1つの湿気バリアフィルムを含む。

US7,939,932B2は、露出された電気接点を含む装置を被覆するように、パッケージされたまたはパッケージされていないチップ装置上に堆積された低温無機誘電体ALD膜(例えばアルミナ(Al2O3)および二酸化チタン(TiO2))を開示している。そのような低温ALD膜は一般に、パッケージ化されたチップデバイスを損傷することなく堆積することができる。ALD膜は通常、所望の品質(例えば、パッケージ化されたチップデバイス全体の密封性、電気接点の不動態化、生体適合性など)を提供するのに十分な厚さで堆積され、それでもなお、電気接点を露出させる必要なしに、直接ALD膜を通って、電気接点への電気接続(例えば、はんだ付けまたは別な方法による)を可能にする。

W.Yoon、A.R.Smith、E.E.Foos、J.E.Boercker、W.B.HeuerおよびJ.G.Tischlerによる、“Electrical Measurement Under Atmospheric Conditions of PbSe Nanocrystal Thin Films Passivated by Remote Plasma Atomic Layer Deposition of Al2O3”、IEEE Transaction Nanotech.12(2)、146−151頁、2013は、セレン化鉛(PbSe)ナノ結晶薄膜トランジスタ(TFTs)が、150℃で厚さ約10nmのアルミナ(Al2O3)膜のリモートプラズマALDを用いて不動態化されたことを報告している。高反応性遠隔酸素プラズマ源を使用することにより、1つの完全なALDサイクルの時間は、約0.11nm/サイクルの成長速度で約15秒であった。アルミナ(Al2O3)不動態化PbSeナノ結晶TFTsから大気条件下で測定された有効移動度は、空気を含まないセレン化鉛(PbSe)ナノ結晶TFTsについて以前に報告された値と同等で、ALD Al2O3層が空気曝露によるナノ結晶膜酸化および劣化を防止することを示している。不動態化された装置の有効移動度の変動は、30日間にわたる周囲条件下では無視できるものであることがわかった。結果は、アルミナ(Al2O3)の遠隔プラズマALD処理は低温で高い堆積速度で空気に敏感なナノ結晶上に効果的な不動態化層を生成することができることを示した。

C.Hu、A.Gassenq、Y.Justo、K.Devloo−Casier、H.Chen、C.Detavernier、Z.HensおよびG.Roelkensによる、“Air−stable short−wave infrared PbS colloidal quantum dot photoconductors passivated with Al2O3 atomic layer deposition”、 Appl. Phys. Lett. 105、 171110、 2014は、空気安定動作のためのAl2O3 ALD不動態化を備えたPbSコロイド量子ドット光伝導体を示している。量子ドットのための2つの異なる種類の無機配位子、S2−およびOH−が研究されている。2.4lmまでのカットオフ波長を有するPbS/S2−光導電体が得られ、1550nmで50A/Wまでの応答性が報告されている。

Y.Liu、M.Gibbs、C.L.Perkins、J.Tolentino、M.H.Zarghami、J.Bustamante Jr.およびM.Law,Robustによる、“Functional Nanocrystal Solidsby Infilling with Atomic Layer Deposition”、Nano Letters、Vol.11、No.12、24 October 2011、5349−55頁には、鉛カルコゲニド、特にセレン化鉛(PbSe)、ナノ結晶膜に基づく光電子装置が記載されており、ここで、ナノ結晶が所定の位置に固定され酸化的および光熱的損傷から保護される無機ナノ複合材料を生成するために、低温ALDが、セレン化鉛(PbSe)ナノ結晶に金属酸化物、特に非晶質アルミナ充填するために使用されている。

Y.Liu、J.Tolentino、M.Gibbs、R.Ihly、C.L.Perkins、Y.Liu、N.Crawford、J.C.HemmingerおよびM.Lawによる、“PbSe Quantum Dot Field−Effect Transistors with Air Stable Electron Mobilities above 7cm2V−1s−1”、Nano Letters、Vol.13、No.4、1 March 2013、1578−87頁には、鉛カルコゲニド、特にセレン化鉛(PbSe)、コロイド状量子ドットの膜が記載されており、それは、ALDコーティングによる表面状態の同時不動態化を伴うFETsにおける高い電荷キャリア移動度を得るために、低温ALDにより金属酸化物、特に非晶質アルミナで充填されている。

上述の装置および検出器が含む利点にもかかわらず、単純で、費用効率がよく、そしてなお信頼性のある光センサおよび空間検出器に関する改良が依然として必要とされている。

概要

本発明は、光センサ、少なくとも1つの対象物の光検出のための光センサを含む検出器、光センサの製造方法、ならびに光センサおよび検出器の様々な使用に関する。さらに、本発明は、ヒューマンマシンインターフェース、娯楽装置スキャニングシステム、追跡システム、立体視システム、およびカメラに関する。 光センサ(110)は、少なくとも1つの光導電性材料(114)の層(112)と、光導電性材料(114)の層(112)と接触する少なくとも2つの個々の電気接点(136、136')と、光導電性材料(114)の層(112)上に堆積され、少なくとも1つの金属含有化合物(120)を含む非晶質層であるカバー層(116)を含む。 光センサ(110)は、かさばらない気密パッケージとして供給することができ、かさばらないにも拘わらずなお湿気および/または酸素による起こり得る劣化に対して高度の保護を提供する。さらに、カバー層(116)は光導電性材料(114)を活性化することができ、それによって光センサ(110)の性能が向上する。さらに、光センサ(110)は容易に製造され、回路キャリア装置上に統合されてもよい。

目的

ALD膜は通常、所望の品質(例えば、パッケージ化されたチップデバイス全体の密封性、電気接点の不動態化、生体適合性など)を提供する

効果

実績

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請求項1

光センサ(110)であって、少なくとも1つの光導電性材料(114)の層(112)と、前記光導電性材料(114)の前記層(112)と接触する少なくとも2つの個別の電気接点(136、136')と、前記光導電性材料(114)上に堆積されたカバー層(116)と、を含み、前記カバー層(116)は、少なくとも1つの金属含有化合物(120)を含む非晶質層であることを特徴とする光センサ(110)。

請求項2

少なくとも1つの前記金属含有化合物(120)はアルミニウム(Al)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、マンガン(Mn)、モリブデン(Mo)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、およびタングステン(W)から成る群から選択される金属を含む請求項1に記載の光センサ(110)。

請求項3

少なくとも1つの前記金属含有化合物(120)は、酸化物水酸化物カルコゲニド、プニクチド、カーバイド、またはそれらの組み合わせから成る群から選択される請求項1または2に記載の光センサ(110)。

請求項4

前記カバー層(116)は少なくとも2つの隣接する層を有する積層体であるかまたはそれを含み、前記隣接層はそれぞれの組成によって異なり、少なくとも1つの前記隣接層は、少なくとも1つの金属含有化合物を含む請求項1から3のいずれか1項に記載の光センサ(110)。

請求項5

前記カバー層(116)は、10nmから600nmの厚さを有する請求項1から4のいずれか1項に記載の光センサ(110)。

請求項6

前記カバー層(116)は、前記光導電性材料(114)の前記層(112)の隣接面(118)に対して共形層である請求項1から5のいずれか1項に記載の光センサ(110)。

請求項7

前記カバー層(116)は、原子堆積層を含む請求項1から6のいずれか1項に記載の光センサ(110)。

請求項8

前記カバー層(116)は、少なくとも1つの追加層(134)で少なくとも部分的に被覆されており、および/または、少なくとも1つの前記追加層(134)は、前記光導電性材料(114)の前記層(112)と前記カバー層(116)との間に少なくとも部分的に堆積され、前記追加層(134)は、反射防止層光学フィルタ層封入層耐スクラッチ層親水性層疎水性層自己清浄層防曇層高誘電率層、または導電層のうち少なくとも1つであるかまたはこれを含む請求項1から7のいずれか1項に記載の光センサ(110)。

請求項9

前記光導電性材料(114)の前記層(112)は少なくとも1つの基板(124)に直接または間接的に適用され、少なくとも1つの前記基板(124)と前記カバー層(116)は、1つの波長範囲内光学的に透明である請求項1から8のいずれか1項に記載の光センサ(110)。

請求項10

前記光導電性材料(114)は、少なくとも1つのカルコゲニドを含み、前記カルコゲニドは、硫化物カルコゲニド、セレン化物カルコゲニド、テルル化物カルコゲニド、三元カルコゲニド、四元カルコゲニド、五元以上のカルコゲニドおよびその固溶体および/またはそのドープ変形から成る群から選択される請求項1から9のいずれか1項に記載の光センサ(110)。

請求項11

前記カルコゲニドは、硫化鉛(PbS)、銅インジウム硫化物(CIS)、銅インジウムガリウムセレン(CIGS)、銅亜鉛スズ硫化物(CZTS)、セレン化鉛(PbSe)、テルル化カドミウム(CdTe)、テルル化水銀カドミウム(HgCdTe)、テルル化水銀亜鉛(HgZnTe)、硫セレン化鉛(PbSSe)、銅−亜鉛−硫化スズ−セレンカルコゲニド(CZTSSe)およびその固溶体および/またはそのドープ変形から成る群から選択される請求項1から10のいずれか1項に記載の光センサ(110)。

請求項12

少なくとも1つの対象物(152)を光学的に検出するための検出器(150)であって、−請求項1から11のいずれか一項に係る少なくとも1つの光センサ(110)であって、前記光センサ(110)は少なくとも1つのセンサ領域(170)を含み、前記光センサ(110)は光ビーム(126)による前記センサ領域(170)の照射に応じて少なくとも1つのセンサ信号を生成するように設計されている光センサ(110)と、−少なくとも1つの評価装置(172)であって、前記光センサ(110)の前記センサ信号を評価することによって対象物(152)の少なくとも1つの座標を生成するように設計されている評価装置(172)と、を含むことを特徴とする検出器(150)。

請求項13

前記センサ信号は縦方向センサ信号であって、縦方向センサ信号は、照射の総出力が同じ場合、前記センサ領域(170)内の光ビーム(126)のビーム断面(130)に依存し、前記評価装置(172)は、前記縦方向センサ信号を評価することにより、前記対象物(152)の縦方向位置に関する少なくとも1つの情報項目を生成するように設計されている請求項12に記載の検出器(150)。

請求項14

前記センサ信号は横方向センサ信号であって、前記横方向センサ信号は、光導電性材料(114)に接触する電気接点(136,136’,186,188)によって提供され、前記電気接点(136,136’,186,188)は少なくとも1つの分割電極として構成され、バイアス電圧源が少なくとも1つの前記分割電極に適用可能であり、前記評価装置(172)はさらに、前記バイアス電圧源および少なくとも1つの前記分割電極を印加することにより、および前記横センサ信号を評価することにより、前記対象物(152)の横方向位置に関する少なくとも1つの情報項目を生成するように設計されている請求項12または13に記載の検出器(150)。

請求項15

光センサ(100)を製造する方法であって、a)少なくとも1つの光導電性材料(114)の層(112)を提供する工程;b)その後、少なくとも1つの金属含有化合物(120)にまで反応するように適合された少なくとも1つの前駆体(170,172)を適用し、それによって、前記金属含有化合物(120)は、前記光導電性材料(114)の前記層(112)の上に非晶質のカバー層(116)として堆積される工程;およびc)その後、前記非晶質のカバー層(116)を熱処理する工程;を含み、前記光導電性材料(114)の前記層(112)と電気的に接触する少なくとも2つの電気接点(136,136’)がさらに設けられることを特徴とする光センサの製造方法。

請求項16

請求項12から14のいずれか1項に係る検出器(150)の使用であって、ガス感知火災検出、炎検出、熱検出、煙検出、燃焼監視分光測定温度感知、動作感知、工業用監視、化学感知、排ガス監視、距離測定位置測定娯楽応用、セキュリティアプリケーションヒューマンマシンインターフェースアプリケーション、追跡アプリケーション、スキャンアプリケーション立体視写真撮影アプリケーション、撮像アプリケーションまたはカメラアプリケーション、少なくとも1つの空間のマップを生成するためのマッピングアプリケーション、車両用ホーミングまたは追跡ビーコン検出器、熱的特徴を有する対象物の距離および/または位置の測定、マシンビジョンアプリケーション、ロボットアプリケーション、物流アプリケーションからなる群から選択される使用の目的で検出器を使用することを特徴とする検出器(150)の使用。

技術分野

0001

本発明は、光センサ、および、光放射、具体的に特に赤外線スペクトル範囲内の光放射のための光センサを備える検出器に関し、特に、少なくとも1つの対象物透過率吸収率放射率および反射率のうちの少なくとも1つを感知すること、特に少なくとも1つの対象物の位置を決定すること、特に少なくとも1つの対象物の深度または深度と幅の双方に関して対象物の位置を決定することに関する。さらに、本発明は、ヒューマンマシンインターフェース娯楽装置スキャニングシステム追跡システム立体視装置およびカメラに関する。さらに、本発明は、光センサを製造する方法、ならびに光センサおよび検出器の様々な使用に関する。このような装置、方法および使用は、例えば日常生活、ゲーム、交通技術、空間マッピング、製造技術、セキュリティ技術医療技術の様々な分野または科学分野において採用され得る。ただし、さらなる適用も可能である。

背景技術

0002

光センサに基づく、少なくとも1つの対象物を光学的に検出する様々な検出器が知られている。WO2012/110924A1は、少なくとも1つの光センサを含む検出器を開示しており、この光センサは少なくとも1つのセンサ領域を示す。ここでは、光センサは、センサ領域の照射に依存する形で少なくとも1つのセンサ信号を生成するよう設計される。いわゆる「FiP効果」によれば、センサ信号は、照射の総出力が同じであれば、センサ信号は照射の幾何学的形状、特にセンサ領域上の照射のビーム断面に依存する。検出器はさらに、センサ信号から少なくとも1つの幾何学的情報、特に照射および/または対象物に関する少なくとも1つの幾何学的情報を生成するように設計された少なくとも1つの評価装置を有する。

0003

WO2014/097181A1は、少なくとも1つの横方向光センサおよび少なくとも1つの縦方向光センサを使用することによって、少なくとも1つの対象物の位置を決定するための方法および検出器を開示している。好ましくは、縦方向光センサのスタックが、特に対象物の縦方向の位置を高い精度でかつ曖昧さなしに決定するために使用されている。さらに、WO2014/097181A1は、少なくとも1つの対象物の位置を決定するためのかかる検出器を少なくとも1つをそれぞれ備える、ヒューマンマシンインターフェース、娯楽機器、追跡システム、およびカメラを開示している。

0004

2016年1月28日に出願された国際特許出願PCT/EP2016/051817は、その全内容が参照により本明細書に含まれており、縦方向光センサとして適しているさらなる種類の材料を開示している。ここでは、縦方向光センサのセンサ領域は光導電性材料を備え、光導電性材料内の導電性は、照射の総出力が同じであれば、センサ領域の光ビームのビーム断面に依存する。したがって、縦方向センサ信号は光導電性材料の導電性に依存する。

0005

好ましくは、光導電性材料は、硫化鉛(PbS)、セレン化鉛(PbSe)、テルル化鉛(PbTe)、テルル化カドミウム(CdTe)、リン化インジウムInP)、硫化カドミウムCdS)、セレン化カドミウム(CdSe)、アンチモン化インジウム(InSb)、テルル化水銀カドミウム(HgCdTe;MCT)、硫化銅インジウムCIS)、セレン化銅インジウムガリウム(CIGS)、硫化亜鉛(ZnS)、セレン化亜鉛(ZnSe)、または硫化銅亜鉛スズ(CZTS)から選択される。さらに、固溶体および/またはそのドープ変形も可能である。さらに、センサ領域を有する横方向光センサが開示されており、ここでセンサ領域は、2つの透明な導電性酸化物層の間に優先的に埋め込まれた光導電性材料の層と、少なくとも2つの電極とを含んでいる。好ましくは、電極の少なくとも1つは、少なくとも2つの部分電極を有する分割電極であり、部分電極によって提供される横方向センサ信号は、センサ領域内の入射光ビームのx位置および/またはy位置を示す。

0006

M Leskelae,L Niinistoe,P Niemela,E Nykaenen,P Soininen,M TiittaおよびJ Vaehaekangasによる“Preparation of lead sulfide thin films by the atomic layer epitaxy process”は、原子層堆積(ALD)によって異なった基板上での硫化鉛薄膜の調製を研究している。硫黄ソースは全ての実験においてH2Sであったが、鉛のソースとして以下の化合物臭化物ヨウ化物および酢酸塩ならびにthd(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオン)およびジエチルジチオカルバメートキレートテストしている。最後の複合体が最も高い成長率を示した。成長実験は300〜350℃で行い、膜厚は0.1〜1μmの間で変化した。結果によると、膜は多結晶であり、そしてランダム配向していることを示した。導電率はp型であり、キャリア濃度および移動度は従来の化学的方法によって堆積された膜に見られるものと同等であった。

0007

N.P.Dasgupta、S.P.WalchおよびF.B.Prinzによる、“Fabrication and characterization of lead sulfide thin films by atomic layer deposition”のECS Transactions 16 (4)の29−36頁、2008は、ALDによる硫化鉛(PbS)薄膜の堆積に関する研究を示している。硫化鉛(PbS)膜は、165〜175℃の前駆体昇華温度でPb(tmhd)2およびH2S前駆体から堆積された。膜成長速度は0.13〜0.18nm/サイクルであって、以前に公表された値よりも高かった。化学的汚染なしに、ALDに特徴的な線形成長速度が観察された。AFM画像は、膜が多結晶であり、粒子サイズが膜厚と共に増加することを示した。

0008

N.P.Dasgupta、J.F.Mack、M.C.Langston、Al BousettaおよびF.B.Prinzによる、“Design of an atomic layer deposition reactor for hydrogen sulfide compatibility”、Rev.Sc.Instrum 81、044102、2010は、硫化水素(H2S)化学適合性のある構成要素で設計されたカスタマイズされたALD反応器について説明している。H2Sは、金属硫化物のALDのための反応物質として使用される。ALD反応器におけるH2Sの使用は、その非常に有毒で、可燃性で、そして腐食性性質のために、安全性の問題に特別な注意を必要とする。反応器は、全ての湿潤成分のH2Sとの材料適合性に関して設計されている。有毒ガス漏洩停電建物換気損失、または圧縮空気圧の発生時にシステムシャットダウンするための、カスタマイズされた安全インターロックシステムが開発された。化学的汚染も検出可能なH2Sの放出もない硫化鉛(PbS)と硫化亜鉛(ZnS)のALDが示された。

0009

J.Xu、B.R.Sutherland、S.Hoogland、F.Fan、S. KingeおよびE.H.Sargentによる、“Atomic layer deposition of absorbing thin films on nanostructured electrodes for short−wavelength infrared photo−sensing”,Appl. Phys. Lett.107、153105、2015は、高温または高真空不在下での高品質薄膜形成を享有するALDが、酸化物材料の広い配列の広域堆積のための業界標準となったことを報告している。最近、ナノ結晶硫化物膜の形成における将来性が示された。ここでは、光検出のためのALD硫化鉛の実行可能性を示している。ALDの共形能力活用して、酸化亜鉛ナノワイヤー電極を利用することによって吸収層における抽出効率を落とさずに吸収を高めることが示された。ナノワイヤーは、最初に薄いシャント防止の酸化チタン層被覆され、続いて光感知用の赤外活性のALD PbS層で被覆される。

0010

特に、湿気および/または酸素などの外的影響による光導電性材料の劣化を避けるために、光導電性材料を含む光センサは、少なくとも部分的に封入層で覆われていてもよい。この目的のために、封入層は、典型的には、封入接着剤、通常はエポキシ系接着剤、および/または封入ガラスを使用することによりもたらされる。追加的にまたは代替的に、光センサは気密封止容器内に封入することができる。しかしながら、封入ガラスおよび封入接着剤は、好ましくは、光導電性材料による感知に関連し得る波長範囲にわたるそれらの吸収特性に関して選択される。ここでは、ホウケイ酸ガラスおよび石英ガラスは、約2500nmを超える波長で吸収することが知られており、これは、光導電性材料、特に硫化鉛(PbS)およびセレン化鉛(PbSe)のスペクトル応答をかなり制限する可能性がある。サファイアなどの他の封入ガラスは、より適切な吸収特性を提供し得るが、通常はかなり高価になる傾向がある。さらに、気密容器は一般にかなりかさばっていて、プリント回路基板集積化するのが難しく、そして高価であることがわかっている。

0011

G.H.Blount、K.Preis、R.T.YamadaおよびR.H.Bubeによる、“Photoconductive properties of chemically deposited PbS with dielectric overcoatings”、J.Appl.Phys.46の3489頁、1975は、薄膜PbS光検出器上に真空蒸着したアルミナ(Al2O3)、三硫化ヒ素(As2S3)、テルル化カドミウム(CdTe)、フッ化マグネシウム(MgF2)、一酸化ケイ素(SiO)、および二酸化ケイ素(SiO2)の保護膜を記載している。保護膜の厚さは、反射防止特性を最適化するのに必要な厚さにほぼ等しい。アルミナ(Al2O3)、フッ化マグネシウム(MgF2)、およびテルル化カドミウム(CdTe)では製造歩留まりが低かったが、いずれの保護膜も検出器特性を著しく劣化させなかった。低収率は、明らかに、保護膜と硫化鉛(PbS)膜の物理不適合性によるものである。1/fノイズの低減と有害環境への不動態化により、三硫化二ヒ素(As2S3)では検出器の特性が向上した。

0012

M.D.Groner、F.H.Fabreguette、J.W.ElamおよびS.M.Georgeによる、“Low−Temperature Al2O3 Atomic Layer Deposition”、Chem. Mater. 16、639−645頁、2004は、Al(CH3)3(トリメチルアルミニウム、TMA)と水の交互露光を用いた粘性流反応器中で33℃という低い温度でALDにより堆積したアルミナ(Al2O3)膜について報告している。低温Al2O3 ALD膜は、有機材料ポリマー材料、または生物学的材料などの熱的に脆弱な基板をコーティングする可能性を有する。アルミナ(Al2O3)膜密度はより低い堆積温度でより低かった。Al2O3 ALD膜密度は177℃で3.0g/cm3、33℃で2.5g/cm3であった。AFM画像は、低温で成長させたAl2O3 ALD膜がわずか0.4±0.1nmの二乗平均平方根(RMS)の粗さであり、非常に滑らかであることを示した。前方反跳分光法を用いた膜の元素分析は、成長温度の低下と共に増加する水素濃度を明らかにした。元のアルミニウムおよび酸素濃度を除いて、他のいかなる元素も、ラザフォード後方散乱分光法によって観察されなかった。ポリエチレンテレフタレート)(PET)ポリマー基板上で58℃の低温Al2O3 ALDが初めて示された。

0013

US5,291,066Aは、基板に複数のビアホールを有する連続した複数のプライシーケンスを適用することによって製造された高密度配線(HDI)構造内に少なくとも1つの集積回路部品を含む防湿集積回路モジュールを開示している。シーケンスは、構成要素およびモジュール基板を覆い、各シーケンスは、誘電膜と、シーケンスのビア内に延びて電気的相互接続をする金属からなる複数のランドとを含む。モジュールは、モジュールを通って回路構成要素へ水分が浸透するのを防ぐための少なくとも1つの湿気バリアフィルムを含む。

0014

US7,939,932B2は、露出された電気接点を含む装置を被覆するように、パッケージされたまたはパッケージされていないチップ装置上に堆積された低温無機誘電体ALD膜(例えばアルミナ(Al2O3)および二酸化チタン(TiO2))を開示している。そのような低温ALD膜は一般に、パッケージ化されたチップデバイスを損傷することなく堆積することができる。ALD膜は通常、所望の品質(例えば、パッケージ化されたチップデバイス全体の密封性、電気接点の不動態化、生体適合性など)を提供するのに十分な厚さで堆積され、それでもなお、電気接点を露出させる必要なしに、直接ALD膜を通って、電気接点への電気接続(例えば、はんだ付けまたは別な方法による)を可能にする。

0015

W.Yoon、A.R.Smith、E.E.Foos、J.E.Boercker、W.B.HeuerおよびJ.G.Tischlerによる、“Electrical Measurement Under Atmospheric Conditions of PbSe Nanocrystal Thin Films Passivated by Remote Plasma Atomic Layer Deposition of Al2O3”、IEEE Transaction Nanotech.12(2)、146−151頁、2013は、セレン化鉛(PbSe)ナノ結晶薄膜トランジスタ(TFTs)が、150℃で厚さ約10nmのアルミナ(Al2O3)膜のリモートプラズマALDを用いて不動態化されたことを報告している。高反応性遠隔酸素プラズマ源を使用することにより、1つの完全なALDサイクルの時間は、約0.11nm/サイクルの成長速度で約15秒であった。アルミナ(Al2O3)不動態化PbSeナノ結晶TFTsから大気条件下で測定された有効移動度は、空気を含まないセレン化鉛(PbSe)ナノ結晶TFTsについて以前に報告された値と同等で、ALD Al2O3層が空気曝露によるナノ結晶膜酸化および劣化を防止することを示している。不動態化された装置の有効移動度の変動は、30日間にわたる周囲条件下では無視できるものであることがわかった。結果は、アルミナ(Al2O3)の遠隔プラズマALD処理は低温で高い堆積速度で空気に敏感なナノ結晶上に効果的な不動態化層を生成することができることを示した。

0016

C.Hu、A.Gassenq、Y.Justo、K.Devloo−Casier、H.Chen、C.Detavernier、Z.HensおよびG.Roelkensによる、“Air−stable short−wave infrared PbS colloidal quantum dot photoconductors passivated with Al2O3 atomic layer deposition”、 Appl. Phys. Lett. 105、 171110、 2014は、空気安定動作のためのAl2O3 ALD不動態化を備えたPbSコロイド量子ドット光伝導体を示している。量子ドットのための2つの異なる種類の無機配位子、S2−およびOH−が研究されている。2.4lmまでのカットオフ波長を有するPbS/S2−光導電体が得られ、1550nmで50A/Wまでの応答性が報告されている。

0017

Y.Liu、M.Gibbs、C.L.Perkins、J.Tolentino、M.H.Zarghami、J.Bustamante Jr.およびM.Law,Robustによる、“Functional Nanocrystal Solidsby Infilling with Atomic Layer Deposition”、Nano Letters、Vol.11、No.12、24 October 2011、5349−55頁には、鉛カルコゲニド、特にセレン化鉛(PbSe)、ナノ結晶膜に基づく光電子装置が記載されており、ここで、ナノ結晶が所定の位置に固定され酸化的および光熱的損傷から保護される無機ナノ複合材料を生成するために、低温ALDが、セレン化鉛(PbSe)ナノ結晶に金属酸化物、特に非晶質アルミナ充填するために使用されている。

0018

Y.Liu、J.Tolentino、M.Gibbs、R.Ihly、C.L.Perkins、Y.Liu、N.Crawford、J.C.HemmingerおよびM.Lawによる、“PbSe Quantum Dot Field−Effect Transistors with Air Stable Electron Mobilities above 7cm2V−1s−1”、Nano Letters、Vol.13、No.4、1 March 2013、1578−87頁には、鉛カルコゲニド、特にセレン化鉛(PbSe)、コロイド状量子ドットの膜が記載されており、それは、ALDコーティングによる表面状態の同時不動態化を伴うFETsにおける高い電荷キャリア移動度を得るために、低温ALDにより金属酸化物、特に非晶質アルミナで充填されている。

0019

上述の装置および検出器が含む利点にもかかわらず、単純で、費用効率がよく、そしてなお信頼性のある光センサおよび空間検出器に関する改良が依然として必要とされている。

発明が解決しようとする課題

0020

したがって、本発明によって解決される問題は、この種の既知の装置および方法の不利な点を少なくとも実質的に回避する、光学的検出のための装置および方法を明確にすることである。

0021

特に、赤外線スペクトル範囲内の、具体的には、透過率、吸収率、放射率および反射率のうちの少なくとも1つを感知することに関する光放射の光学的検出のため、単純で費用効率が高いながらも信頼性のある、改善された光センサおよび光放射を検出するための検出器を特に提供するのが望ましい。

0022

さらに、空間にある対象物の位置の決定するための、具体的には少なくとも1つの対象物の深度または深度と幅に関して、より具体的には、少なくとも赤外線スペクトル範囲の領域をカバーし得る、単純で費用効率が高いながらも信頼性のある、改善された光センサおよび光放射を検出するための検出器を提供するのが特に望ましい。

0023

より具体的には、湿度および/または酸素などの外部の影響による劣化を回避するために特に適合され得る封入層を光センサに備えることができることが望ましい。ここでは、適切な吸収特性を示し、同時に製造が容易であり、回路キャリア装置上に統合するのが容易である封入材料を使用することが有利であり得る。

課題を解決するための手段

0024

この課題は、独立特許請求項の特徴を有する本発明によって解決される。個別にまたは組み合わせて実現することができる本発明の有利な発展形態は、従属請求項および/または以下の明細書および詳細な実施形態によって提示される。

図面の簡単な説明

0025

本発明による光センサのいくつかの好ましい典型的な実施形態を示す図である。
本発明による光センサのいくつかの好ましい典型的な実施形態を示す図である。
本発明による光センサのいくつかの好ましい典型的な実施形態を示す図である。
本発明による光センサのいくつかの好ましい典型的な実施形態を示す図である。
本発明による光センサのいくつかの好ましい典型的な実施形態を示す図である。
本発明による光センサのいくつかの好ましい典型的な実施形態を示す図である。
本発明による光センサのいくつかの好ましい典型的な実施形態を示す図である。
本発明による様々なサンプルのX線回折(XRD)図である。
本発明による様々なサンプルのX線回折(XRD)図である。
本発明による様々なサンプルのX線回折(XRD)図である。
本発明による様々なサンプルのX線回折(XRD)図である。
本発明による光センサの製造方法の典型的実施形態を示す図である。
本発明による光センサの製造方法の典型的実施形態を示す図である。
本発明による光センサの製造方法の典型的実施形態を示す図である。
本発明による光センサの製造方法の典型的実施形態を示す図である。
本発明による光センサの製造方法の典型的実施形態を示す図である。
縦方向光センサを含む、本発明による検出器の典型的実施形態を示す図である。
本発明による横方向光センサの典型的実施形態を示す図である。
横方向センサ信号を評価するための評価方式の典型的な概略設定を示す図である。
横方向光センサの典型的実施形態における横方向センサ信号と光スポット位置との間の関係を示す図である。
横方向光センサの典型的実施形態における横方向センサ信号と光スポット位置との間の関係を示す図である。
横方向光センサの典型的実施形態における横方向センサ信号と光スポット位置との間の関係を示す図である。
横方向光センサの典型的実施形態における横方向センサ信号と光スポット位置との間の関係を示す図である。
横方向光センサの典型的実施形態における横方向センサ信号と光スポット位置との間の関係を示す図である。
横方向光センサの典型的実施形態における横方向センサ信号と光スポット位置との間の関係を示す図である。
本発明による光センサ、検出器、検出器システム、ヒューマンマシンインターフェース、娯楽機器、追跡システムおよびカメラの典型的実施形態を示す図である。

0026

本明細書で使用されるとき、「有する」、「含む」、または「含有する」という表現ならびにそれらの文法上の変形は、非排他的な形で使用される。したがって、「AはBを有する」という表現ならびに「AはBを含む」または「AはBを含有する」という表現は、AはBの他に1つまたは複数のさらなる構成要素および/または成分を含有するという事実と、AにおいてB以外に他の構成要素、成分または元素が存在しないという場合の両方を指し得る。

0027

本発明の第1の態様では、光センサが開示されている。ここで、本発明に係る光センサは、
− 少なくとも1つの光導電性材料の層、
− 光導電性材料の層と接触している少なくとも2つの個別の電気接点、および、
− 光導電性材料の層の上に堆積されたカバー層であって、少なくとも1つの金属含有化合物を含む非晶質層であるカバー層、を含む。

0028

本明細書で使用されるとき、「光センサ」は、一般に、光ビームによるセンサ領域の照射に応じて少なくとも1つのセンサ信号を生成するように設計されている装置である。該センサ信号は、一般に、対象物の位置を示す任意の信号であり得る。一例として、該センサ信号は、デジタルおよび/またはアナログ信号であり得るか、またはデジタルおよび/またはアナログ信号を有し得る。一例として、センサ信号は、電圧信号および/または電流信号であり得るか、または電圧信号および/または電流信号を有し得る。付加的または代替的に、該センサ信号はデジタルデータであり得るかまたはデジタルデータを有し得る。該センサ信号は、単一の信号値および/または一連の信号値を有し得る。該センサ信号は、2つ以上の信号を平均すること、および/または2つ以上の信号の商を形成することによるように、2つ以上の個々の信号を組み合わせることによって導出される任意の信号をさらに有し得る。

0029

「対象物」は一般的に、生物対象物および非生物対象物から選択される1つの任意の対象物であってもよい。このように、一例として、少なくとも1つの対象物は1つまたは複数の物品および/または物品を構成する1つまたは複数の部分を含み得る。付加的または代替的に、対象物は、1つまたは複数の生物および/または、例えばユーザである人間および/または動物の1つまたは複数の身体部分のように、その1つまたは複数の部分であるか、またはそれらを含んでいてもよい。

0030

本明細書で使用されるとき、「位置」は、一般に、空間内の対象物の場所および/または方向に関する情報の任意の項目を指す。この目的のために、一例として、1つまたは複数の座標系を使用してもよく、対象物の位置は、1つ、2つ、3つまたはそれ以上の座標を使用することによって決定され得る。一例として、1つまたは複数のデカルト座標系および/または他の種類の座標系が使用され得る。一例では、座標系は、予め定められた位置および/または方向を有する検出器の座標系であり得る。

0031

本発明によれば、光センサは少なくとも1つの光導電性材料の層を含み、光導電性材料の層はセンサ領域として機能することができる。本明細書で使用されるとき、「センサ領域」は、光ビームによる光センサの照射を受け取るように設計されている光センサのパーティションと考えられ、センサ領域によって受け取られるような照射は、少なくとも1つのセンサ信号の生成を引き起こし、センサ信号の生成は、センサ信号とセンサ領域の照射の方法の間の定義された関係によって規定され得る。

0032

本明細書で使用されるとき、「光導電性材料」という用語は、電流持続することができ、したがって、特定の導電性を示す材料を指し、具体的には、該導電性は材料の照射に依存する。電気抵抗率は、導電性の逆数値として定義されるので、代替的に、「光抵抗性材料」という用語もまた同じ種類の材料を示すために使用され得る。この種の材料では、電流は、少なくとも1つの第1の電気接点を介して材料を通って少なくとも1つの第2の電気接点へと誘導されることができ、ここで第1の電気接点は第2の電気接点から絶縁されている一方で、第1の電気接点と第2の電気接点の両方が材料と直接接続している。この目的のために、直接接続は、技術水準から知られる任意の既知の手段、例えば、メッキ溶接、はんだ付け、ワイヤーボンディング超音波熱圧着ステッチボンディングボールボンディングウェッジボンディングコンプライアントボンディング熱圧着陽極接合直接ボンディングプラズマ活性化接合共晶接合ガラスフリットボンディング接着剤過渡液相拡散接合表面活性化接合テープ自動接合、または、高導電性物質、特に金、ベリリウムドープ金、銅、アルミニウム、銀、白金、またはパラジウム、ならびに上述の金属のうちの少なくとも1つを含む合金のような金属を接触領域に堆積させることによって提供することができる。

0033

本発明の目的のために、光センサのセンサ領域に使用される光導電性材料は、好ましくは無機光導電性材料および/またはそれらの固溶体、および/またはそれらのドープ変形を含み得る。本明細書で使用されるとき、「固溶体」という用語は、少なくとも1種の溶質溶媒中に含まれ得る光導電性材料の状態を指し、それによって均一相が形成され、溶媒の結晶構造が一般的に溶質の存在によって不変となり得る。例として、2成分のテルル化カドミウム(CdTe)をテルル化亜鉛(ZnTe)中で溶解させてCd1−xZnxTeに至らしめることができ、式中、xの値は0から1の範囲で変動し得る。さらに本明細書使用されるとき、「ドープ変形」という用語は、材料自体の成分とは別に個別の原子が、非ドープ状態の固有原子によって占有される結晶内の部位に導入される光導電性材料の状態を指し得る。例として、特にシリコン結晶の化学的および/または物理的性質を改変するために、純粋なシリコン結晶が、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、リン、ヒ素、アンチモンゲルマニウム、または他の原子のうちの1つまたは複数でドープされ得る。

0034

これに関して、無機光導電性材料は、特に、セレンテルル、セレン−テルル合金、金属酸化物、第4族元素または化合物、すなわち第4族に属する元素または少なくとも1種の第4族元素を有する化合物、第3族−第5族化合物、すなわち少なくとも1種の第3族元素と少なくとも1種の第5族元素とを有する化合物、第2族−第6族化合物、すなわち、一方で、少なくとも1種の第2族元素または少なくとも1種の第12族元素を有し、一方で、少なくとも1種の第6族元素を有する化合物、および/または好ましくは、硫化物カルコゲニド、セレン化物カルコゲニド、三元カルコゲニド、四元以上のカルコゲニドから成る群から選択され得るカルコゲニドを含み得る。しかしながら、他の無機光導電性材料も同様に適切であり得る。

0035

前述のとおり、カルコゲニドは、好ましくは硫化物カルコゲニド、セレン化物カルコゲニド、テルル化物カルコゲニド、三元カルコゲニド、四元以上のカルコゲニドから成る群から選択され、好ましくは光センサのセンサ領域の光導電性材料としての使用に適切となり得る。この選択は、特に、この種の材料が、赤外線スペクトル範囲用の光検出器を含む多数の異なる応用分野において費用効率と信頼性の双方が高いことが既知であるという理由に基づく。

0036

特に、硫化物カルコゲニドは、硫化鉛(PbS)、硫化カドミウム(CdS)、硫化亜鉛(ZnS)、硫化水銀(HgS)、硫化銀(Ag2S)、硫化マンガン(MnS)、三硫化ビスマス(Bi2S3)、三硫化アンチモン(Sb2S3)、三硫化ヒ素(As2S3)、硫化スズ(II)(SnS)、二硫化スズ(IV)(SnS2)、硫化インジウム(In2S3)、硫化銅(CuSまたはCu2S)、硫化コバルト(CoS)、硫化ニッケル(NiS)、二硫化モリブデン(MoS2)、二硫化鉄(FeS2)、および三硫化クロム(CrS3)から成る群から選択され得る。

0037

特に、セレン化物カルコゲニドは、セレン化鉛(PbSe)、セレン化カドミウム(CdSe)、セレン化亜鉛(ZnSe)、三セレン化ビスマス(Bi2Se3)、セレン化水銀(HgSe)、三セレン化アンチモン(Sb2Se3)、三セレン化ヒ素(As2Se3)、セレン化ニッケル(NiSe)、セレン化タリウム(TlSe)、セレン化銅(CuSeまたはCu2Se)、二セレン化モリブデン(MoSe2)、セレン化スズ(SnSe)、セレン化コバルト(CoSe)、およびセレン化インジウム(In2Se3)から成る群から選択され得る。さらに、上記の化合物または他のこの種の化合物の固溶体および/またはドープ変形もまた適している。

0038

特に、テルル化物カルコゲニドは、テルル化鉛(PbTe)、テルル化カドミウム(CdTe)、テルル化亜鉛(ZnTe)、テルル化水銀(HgTe)、テルル化ビスマス(Bi2Te3)、三テルル化ヒ素(As2Te3)、三テルル化アンチモン(Sb2Te3)、テルル化ニッケル(NiTe)、テルル化タリウム(TlTe)、テルル化銅(CuTe)、二テルル化モリブデン(MoTe2)、テルル化スズ(SnTe)、テルル化コバルト(CoTe)、テルル化銀(Ag2Te)、およびテルル化インジウム(In2Te3)から成る群から選択され得る。さらに、上記の化合物または他のこの種の化合物の固溶体および/またはドープ変形もまた適している。

0039

特に、三元カルコゲニドは、テルル化水銀カドミウム(HgCdTe、MCT)、テルル化水銀亜鉛(HgZnTe)、硫化水銀カドミウム(HgCdS)、硫化鉛カドミウム(PbCdS)、硫化鉛水銀(PbHgS)、二硫化銅インジウム(CuInS2、CIS)、硫セレン化カドミウム(CdSSe)、硫セレン化亜鉛(ZnSSe)、硫セレン化タリウム(TlSSe)、硫化カドミウム亜鉛(CdZnS)、硫化カドミウムクロム(CdCr2S4)、硫化水銀クロム(HgCr2S4)、硫化銅クロム(CuCr2S4)、セレン化カドミウム鉛(CdPbSe)、二セレン化銅インジウム(CuInSe2)、ヒ化インジウムガリウム(InGaAs)、硫化一酸化鉛(Pb2OS)、セレン化一酸化鉛(Pb2OSe)、硫セレン化鉛(PbSSe)、セレン化テルル化ヒ素(As2Se2Te)、リン化インジウムガリウム(InGaP)、ヒ化リン化ガリウム(GaAsP)、リン化アルミニウムガリウム(AlGaP)、亜セレンカドミウム(CdSeO3)、テルル化カドミウム亜鉛(CdZnTe)、およびセレン化カドミウム亜鉛(CdZnSe)、前述の2成分カルコゲニドおよび/または2成分第3族−第5族化合物に属する化合物の適用によるさらなる組み合わせから成る群から選択され得る。さらに、上記の化合物または他のこの種の化合物の固溶体および/またはドープ変形もまた適している。

0040

四元以上のカルコゲニドに関して、この種の材料は適切な光導電特性を示すことが既に知られ得る四元以上のカルコゲニドから選択されてもよい。特に、Cu(In,Ga)S/Se2またはCu2ZnSn(S/Se)4の組成を有する化合物はこの目的に対し適している。

0041

第3族−第5族化合物に関して、この種の半導体材料はアンチモン化インジウム(InSb)、窒化ホウ素(BN)、リン化ホウ素(BP)、ヒ化ホウ素(BAs)、窒化アルミニウム(AlN)、リン化アルミニウム(AlP)、ヒ化アルミニウム(AlAs)、アンチモン化アルミニウム(AlSb)、窒化インジウム(InN)、リン化インジウム(InP)、ヒ化インジウム(InAs)、アンチモン化インジウム(InSb)、窒化ガリウム(GaN)、リン化ガリウム(GaP)、ヒ化ガリウム(GaAs)、およびアンチモン化ガリウム(GaSb)から成る群から選択され得る。さらに、上記の化合物または他のこの種の化合物の固溶体および/またはドープ変形もまた適している。

0042

第2族−第6族化合物に関して、この種の半導体材料は硫化カドミウム(CdS)、セレン化カドミウム(CdSe)、テルル化カドミウム(CdTe)、硫化亜鉛(ZnS)、セレン化亜鉛(ZnSe)、テルル化亜鉛(ZnTe)、硫化水銀(HgS)、セレン化水銀(HgSe)、テルル化水銀(HgTe)、テルル化カドミウム亜鉛(CdZnTe)、テルル化水銀カドミウム(HgCdTe)、テルル化水銀亜鉛(HgZnTe)、およびセレン化水銀亜鉛(CdZnSe)から成る群から選択され得る。しかしながら、他の第2族−第6族化合物も適している。さらに、上記の化合物または他のこの種の化合物の固溶体もまた該当し得る。

0043

金属酸化物に関して、この種の半導体材料は、光導電性を示し得る既知の金属酸化物、特に酸化銅(II)(CuO)、酸化銅(I)(CuO2)、酸化ニッケル(NiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化銀(Ag2O)、酸化マンガン(MnO)、二酸化チタン(TiO2)、酸化バリウム(BaO)、酸化鉛(PbO)、酸化セリウム(CeO2)、酸化ビスマス(Bi2O3)、酸化カドミウム(CdO)、フェライト(Fe3O4)、およびペロブスカイト酸化物(ABC3、式中、Aは二価陽イオン、Bは四価陽イオン、Cは酸素を表わす)から成る群から選択され得る。さらに、三元または四元以上の金属酸化物も適用し得る。さらに、上記の化合物または他のこの種の化合物の固溶体および/またはドープ変形であって、化学量論的化合物または非化学量論的化合物に該当し得るものも適している。後でより詳細に説明するとおり、透明性または半透明性をも同時に示し得る金属酸化物の選択が好ましい。

0044

第4族の元素または化合物に関して、この種の半導体材料はドープダイヤモンド(C)、ドープシリコン(Si)、シリコンカーバイド(SiC)、およびシリコンゲルマニウム(SiGe)から成る群から選択され、半導体材料は結晶質、または好ましくは微結晶質もしくは非晶質の半導体材料から選択され得る。高い抵抗性、長い電荷担体寿命、および低い表面再結合率とを、特に同時に示し得る、シリコンベースの光導電体を提供するため、例えばシリコンフロートゾーンウェハー内に存在するような低いドーパント濃度および低い欠陥密度を含むドープシリコンが、好ましくは選択され得る。

0045

好ましい実施形態では、光導電性材料は、好ましくは硫化物カルコゲニド、セレン化物カルコゲニド、テルル化物カルコゲニド、および三元カルコゲニドから成る群から選択される少なくとも1つのカルコゲニドであるか、またはそれを含むことができる。一般に使用されるように、「カルコゲニド」という用語は、酸化物以外に第16族元素を含み得る化合物、すなわち硫化物、セレン化物、およびテルル化物を指す。特に、光導電性材料は、硫化物カルコゲニド、好ましくは硫化鉛(PbS)、セレン化物カルコゲニド、好ましくはセレン化鉛(PbSe)、テルル化物カルコゲニド、好ましくはテルル化カドミウム(CdTe)、または三元カルコゲニド、好ましくは、テルル化水銀亜鉛(HgZnTe;MZT)であるか、またはそれを含むことができる。少なくとも上記の好ましい光導電性材料は一般に赤外線スペクトル範囲内で独特の吸収特性を示すことが知られているため、上記の好ましい光導電性材料を含む層を有する光センサは、好ましくは赤外線センサとして使用され得る。しかしながら、他の実施形態および/または他の光導電性材料、特に上述の光導電性材料もまた適している。

0046

本発明の特に好ましい実施形態では、光センサは、カルコゲニド、好ましくは硫化鉛(PbS)、セレン化鉛(PbSe)または他の適切な材料を含み得る少なくとも1つの光導電性材料の層の形態で提供され得る。上述の材料に関して、15nmを超えるサイズを示す少なくとも2、3の結晶を含み得るそれらの材料の層が含まれる。ここで、光導電性材料の層は、真空蒸着、スパッタリング、原子層堆積、化学気相堆積噴霧熱分解電着陽極酸化電気変換、無電解浸漬増殖、連続イオン吸着および反応、薬浴蒸着、または溶液ガス界面技法から成る群から選択された少なくとも1つの被着法の適用によって製造され得る。結果として、光導電性材料の層は、10nm〜100μm、好ましくは100nm〜10μm、特に300nm〜5μmの範囲の厚さを示し得る。しかしながら、前述および/または後述する他の光導電性材料もこの目的に対して適し得るし、同じまたは同様のやり方で処理され得る。

0047

好ましくは、特に光導電性材料の層に機械的安定性を持たせるために、光導電性材料は絶縁性基板、特にセラミック基板またはガラス基板上に個々の材料を被着させることによって製造され得る。このようにして、選択された層を適切な基板に被着させ、少なくとも2つの個々の電気接点を設けることによって、本発明に係る光センサを得ることができる。ここで、入射光ビームによってセンサ領域内の光導電性材料が照射されると、光導電性材料の照射層における導電性の変動という結果になる。特定の実施形態では、基板は導電性基板であるかまたはそれを備えることができ、追加の絶縁中間層が導電性基板と光導電性材料の少なくとも1つの層との間に存在し得る。

0048

その結果、センサ領域に光ビームが衝突すると、少なくとも2つの電気接点が、光導電性材料の導電性に依存してセンサ信号を提供する。この目的のために、少なくとも個々の2つの電気接点は、特に個々の電気接点のうちの少なくとも2つが互いに電気的に絶縁されるように、光導電性材料の層の異なる位置に適用され得る。ここで、電気接点は、公知の蒸着技術によって容易に設けることができる蒸着金属層を有することができる。特に、蒸着金属層は、銀、アルミニウム、白金、マグネシウム、クロム、チタンまたは金のうち1種または複数を含み得る。あるいは電気接点は、代替的にグラフェン層を含み得る。

0049

これに関して、硫化鉛(PbS)またはセレン化鉛(PbSe)を含む量子ドットおよび/またはナノ結晶のALD封入化および/または不動態化は既知であることを強調しておくことができる。本明細書では、量子ドットは通常、オレイン酸ブチルアミン、またはエタンチオールなどの1つまたは複数の有機配位子キャップされており、これらの量子ドットのサイズは最大15nmになる。しかしながら、量子ドットおよび/またはナノ結晶の合成および膜形成は、本発明による光導電性材料、特に硫化鉛(PbS)またはセレン化鉛(PbSe)の層の製造とは完全に異なる。ここでは、量子ドットおよび/またはナノ結晶は最初に合成されなければならず、そして不活性処理を必要とする。その後、洗浄工程および有機溶媒中での配合が続く。そのとき初めて、量子ドットおよび/またはナノ結晶を含む配合物を基板に適用することができ、そこで、例えば配位子交換を適用するように、それらを熱および/または他の有機配位子で処理する必要がある。

0050

これとは対照的に、光導電性材料を含む結晶、特に硫化鉛(PbS)またはセレン化鉛(PbSe)は、15nm〜300nmまでのサイズで製造することができる。この種の結晶は、堆積中に分解する可能性がある前駆体から直接堆積し得る。有機配位子のキャッピングが起こらず、むしろ表面酸化が存在するかもしれない。したがって、材料化学の観点から、量子ドットおよび/またはナノ結晶光伝導体は、たとえそれらが硫化鉛(PbS)またはセレン化鉛(PbSe)のように同じ材料に基づいているとしても、本発明による結晶質光伝導体に関して全く異なる性質を示す。この発見は、Al2O3 ALD不動態化を有する硫化鉛(PbS)コロイド量子ドット光導電体を示したC.Huらによって支持されている。本発明による光導電層と比較して、吸収極大はより短い波長にシフトし、そしてC.Huらの光導電体は比較的遅い応答を示す。

0051

本発明によれば、光センサは、光導電性材料上に堆積されたカバー層をさらに含む。ここで、カバー層は、好ましくは、光導電性材料の層と直接接触するように堆積され得る。好ましい実施形態では、カバー層は、光導電性材料のアクセス可能な表面を完全に覆うことができるようなやり方で層上に堆積させることができる。好ましくは、光導電性材料上に金属含有化合物を堆積させるために少なくとも1つの堆積方法を使用することができる。この目的ために、少なくとも1つの堆積方法が、特に、原子層堆積、化学気相堆積、スパッタリングプロセス、またはそれらの組み合わせから選択され得る。従って、カバー層は、特に好ましい実施形態では、原子堆積層化学気相堆積層スパッタ層、または上述の堆積方法のうちの少なくとも2つを使用することにより生成される層であり、または、それらを含むことができ、原子堆積層または原子堆積とスパッタリングとの組み合わせで生成された層が特に好ましい。言い換えれば、この特に好ましい実施形態では、カバー層は、ALDプロセスCVDプロセス、スパッタリングプロセス、またはそれらの組み合わせによって得ることができ、ALDプロセスまたはALDとスパッタリングの組み合わせが特に好ましい。本明細書では、「原子層堆積」という用語、等価語である「原子層エピタキシ」または「分子層堆積」、ならびにそれらのそれぞれの略語「ALD」、「ALE」または「MLD」は、一般に、自己制限プロセス工程および続く自己制限反応工程を含み得る堆積工程を指すのに使用される。したがって、本発明に従って適用されるプロセスは、「ALDプロセス」とも呼ばれることがある。ALDプロセスに関するさらなる詳細については、Georgeによる、Chem. Rev.、110、111−131頁、2010を参照することができる。さらに、通常「CVD」と略される「化学気相堆積」という用語は、基板の表面または基板上に位置する層が少なくとも1つの揮発性前駆体に曝される方法を指し、ここで、前駆体は、所望の堆積物を生成するために表面上で反応および/または分解し得る。多くの場合、表面上にガス流を適用することにより、あり得る副生成物を除去することができる。さらに「スパッタリング」という用語は、高エネルギー粒子によるターゲットの衝撃の結果として、固体ターゲット材料が粒子を放出するために使用されるプロセスを指す。さらに、ALDプロセスとスパッタリングプロセスの組み合わせは、最初に、光導電性材料の表面上に粗い粒子を含む粗い相をスパッタリングし、続いて、特に粗い粒子間のスペースギャップおよび/または孔を充填するように適合させることができるALDを使用することによって細かい相を生成し、これにより、最終的に、より厚いカバー層をより短時間で設けることができる。他方では、最初にALDプロセスを実行し、続いてスパッタリングプロセスを実行することは、まずコンフォーマル(共形)コーティングを許容し、特に、後続材料表面により損傷を与える可能性のあるスパッタプロセスから光導電層を保護するために、特に低速ALDプロセスによる多孔質光導電層の充填を許容し、続いて短時間の処理時間内に厚い層を提供することができる。カバー層を提供するための好ましい製造プロセスに関するさらなる詳細については、この文書の他の部分の方法の記載を参照することができる。

0052

さらに本発明によれば、カバー層は少なくとも1つの金属含有化合物を含む。ここで、金属含有化合物は、好ましくは金属を含むことができ、該金属は、特に、リチウム(Li),ベリリウム(Be)、ナトリウム(Na)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、カリウム(K)、カルシウム(Ca)、スカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、一酸化炭素(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ガリウム(Ga)、ルビジウム(Rb)、ストロンチウム(Sr)、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、カドミウム(Cd)、インジウム(In)、スズ(Sn)、セシウム(Cs)、バリウム(Ba)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、レニウム(Re)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、金(Au)、水銀(Hg)、タリウム(Tl)およびビスマス(Bi)から成る群から選択され得る。特定の実施形態では、金属含有化合物は、あるいは「メタロイド」とも呼ばれることもある半金属を含むことができ、この半金属は、ホウ素(B)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)およびテルル(Te)から成る群から選択され得る。好ましくは、少なくとも1つの金属含有化合物は、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、マンガン(Mn)、モリブデン(Mo)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、およびタングステン(W)からなる群から選択され得る。

0053

ここで、少なくとも1つの金属含有化合物は、酸化物、水酸化物、カルコゲニド、プニクチド、カーバイド、またはそれらの組み合わせを含む群から選択されることが好ましい。既に上記で定義したように、「カルコゲニド」という用語は、酸化物以外に第16族元素を含み得る化合物、すなわち硫化物、セレン化物、およびテルル化物を指す。同様に、「プニクチド」という用語は、好ましくは二成分の化合物、周期表の第15族元素、すなわち窒化物リン化物ヒ化物およびアンチモン化物を含み得る化合物を指す。以下により詳細に記載されるように、金属含有化合物は、好ましくは、少なくとも1つの酸化物、少なくとも1つの水酸化物、またはそれらの組み合わせを含み、好ましくはアルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)またはハフニウム(Hf)、あるいは同様に、ケイ素(Si)の窒化物も好ましい。本発明の特に好ましい実施形態では、カバー層に含まれる金属含有化合物は、酸化アルミニウムおよび/または水酸化アルミニウムを含む組成物であってよく、これは、一般的に便宜上Al2O3とも示される。

0054

既に上述したように、光センサは、好ましくは光導電性材料のアクセス可能な表面を完全に覆うことができるような方法で、光導電性材料の層上に堆積されるカバー層を含む。従って、カバー層は、第一に、光導電性材料を封入するのに適合される。本明細書で使用されるとき、「封入」という語は、光センサまたはそのパーティション、特に、光センサのセンサ領域内に含まれる光導電性材料の、例えば湿度および/または周囲の雰囲気に含まれる酸素のような外部の影響による部分的または完全な劣化を可能な限り回避するために、パッケージ、好ましくは気密パッケージを指し得る。本明細書では、パッケージは、好ましくは、光導電性材料のすべてのアクセス可能な表面を覆うように適合させることができ、ここで光導電性材料の層は、光導電性材料の表面のパーティションを保護するように既に適合された基板に堆積されることを考慮しても良い。言い換えれば、基板とカバー層は、光導電性材料のパッケージング、好ましくは気密パッケージングを完成させるように協働できるように適合することができる。

0055

驚くべきことに、カバー層は、第二に、光導電性材料のカバー層上へのその堆積の結果として追加の機能を示す。以下により詳細に説明されるように、カバー層は、光導電性材料の層上へのカバー層の堆積と、続く光導電性材料上に直接堆積されたカバー層を含む化合物構造熱処理の後、光導電性材料の光導電特性をかなり改善させ得るという意味で、光導電性材料を活性化するように適合される。理論に拘束されないが、光導電性材料上へのカバー層の堆積は、カバー層と光導電性材料のそれぞれの表面間に直接接触をもたらすだけではないかもしれない。さらに、化合物構造の熱処理は、特に光導電性材料の詳細な構造および/または光導電性材料の組成の物理的および/または化学的効果をもたらすように、カバー層または少なくともそのパーティションに含まれる材料を光導電性材料中に部分的に浸透させる。この効果により、カバー層に含まれる材料の小さなパーティションが、相境界空孔、または孔などの光導電性材料の受容部分に浸透することが可能になると思われる。この効果は、エネルギー分散型X線分光法(EDX)、スキャン電子顕微鏡法(SEM)あるいは、図2に示すように、X線回折(XRD)などの適切な測定手順を適用することによって明らかにすることができるカバー層の非晶質構造に特に関連すると思われる。したがって、カバー層の非晶質性は、結晶性酸化アルミニウムまたは石英などの内部標準、または結晶性PbS自体と一緒に測定することによって特に決定することができ、したがって、この測定方法に基づいて20%未満の結晶化度が得られる場合には、非晶質性が達成されたと見なすことができる。さらに、この効果は、G.H.Blountらに帰する特性(上記参照)とは対照的であって、そこでは電子ビーム蒸着が使用され破断端部の検査微結晶を観察することによって明らかにされるアルミナ(Al2O3)層をもたらしている。

0056

さらに、G.H.Blountらによって使用されるような光導電性材料硫化鉛(PbS)の光導電特性は、硫化鉛(PbS)層上に封入層を設けることによってわずかに影響を受けるように思われる。G.H.Blountらによって記述されるように、硫化鉛(PbS)層を含む光検出器の比感度S1は、封入層なしで1.44×102cm2/Wから、結晶性アルミナ(Al2O3)層を適用した後の2.3・102cm2/Wの値に変化し、結果として、硫化鉛(PbS)の比感度S1のわずか2倍未満の改善しかもたらされない。以下により詳細に示されるように、アルミナ(Al2O3)カバー層の適用後の本発明による光検出器の改良は50倍、好ましくは100倍を超える。したがって、本発明によるカバー層の非晶質性は、光導電性材料のための保護封入、特に湿気および/または酸素などの外部の影響による光導電性材料の劣化を回避するための保護封入を改善するのみならず、カバー層と直接接触しているかもしれない光導電性材料の光導電性の活性化に本質的に寄与し得る。

0057

代替実施形態では、カバー層は、少なくとも2つの隣接層を有する積層体であるかまたはそれを含むことができ、ここでは、隣接層はそれぞれの組成が相違、特に、隣接層の一方、両方、いくつか、またはすべてが金属含有化合物のうちの1つを含み得るような方法で相違し得る。ここで、隣接層は、上記のように、2つの異なる金属含有化合物を含み、非晶質性構造を提供し得る。例として、カバー層は、アルミニウム(Al)含有化合物とジルコニウム(Zr)またはハフニウム(Hf)含有化合物の交互の隣接層を含み得る。しかしながら、金属含有化合物の他の組み合わせもまた可能である。さらに、積層体は、この出願の他の箇所に記載されているように金属含有化合物のいずれも有していない追加の隣接層をさらに有していてもよく、しかしむしろ、金属化合物高分子化合物シリコーン化合物、またはガラス化合物のうちの少なくとも1つであるかそれを含んでもよい。ここで、他の種類の材料も適し得る。結果として、積層体は、非晶質の追加的な隣接層を含み得るし、代替として、結晶質層またはナノ結晶質層であるかそれを含み得る。

0058

本発明の特に好ましい実施形態では、カバー層は、10nm〜600nm、好ましくは20nm〜200nm、より好ましくは40nm〜100nm、最も好ましくは50〜75nmの厚さを示してもよい。この厚さは、光導電性材料の封入の提供と、同時に、光導電性材料の光導電特性の活性化の上述の機能を達成するのに有利であるカバー層内の金属含有化合物の量を特に反映する。この特徴もやはり、G.H.Blountの図2(上記参照)に示すような封入層の厚さとは明らかに対照的であり、そこでは780nmと表示されている。この点に関して、カバー層の厚さについての好ましい値は、カバー層の透明性の増加ならびに光センサのかさばらない実装に関して有利であり得ることを強調することができる。

0059

本発明のさらに特に好ましい実施形態では、カバー層は、光導電性材料の隣接面に関して共形(conformal)層であり得る。従って、上記で定義したように、共形層の厚さは、±50nm、好ましくは±20nm、最も好ましくは±10nmの偏差内で光導電性材料の対応する表面に従い、ここで、偏差は、カバー層の表面の少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは少なくとも99%にわたって生じ、これによって、カバー層の表面に存在し得る如何なる汚染または不完全性が残る。やはり、この特徴は特に、G.H.Blountの図2(上記参照)に示すような封入層の表面とは対照的であり、そこではカバー層の表面全体にわたってかなり大きな偏差を示すように見える。

0060

上述のように、光導電性材料の層は少なくとも1つの基板に直接または間接的に適用することができ、基板およびカバー層の少なくとも1つは、選択された波長範囲内で好ましくは光学的に透明である。したがって、カバー層に使用される金属含有化合物を、好ましくは、所望の波長範囲内で光学的に透明であるように選択することが、特に適切な吸収特性を示すことにより特に有利である。代替的にあるいは追加的に、基板に適用される材料は所望の波長範囲内で光学的に透明な特性を示してもよい。特に、この特徴は基板が十分な透明性を示すことができるため、所望の波長範囲内で光学的に透明ではないかもしれない金属含有化合物のためのより広範囲材料選択を可能にする。この目的ために、基板は特に、少なくとも部分的に透明な少なくとも1つの絶縁材料を含むことができ、絶縁材料は、好ましくは、少なくとも部分的にガラス、金属酸化物、セラミック材料、またはそのドープ変形を含む群から選択される。ここで、絶縁材料は、特に、既知の少なくとも1つの透明ガラス、弱ドープ半導体、金属酸化物またはセラミック材料から選択され、特にサファイア(Al2O3)、ガラス、石英、溶融シリカ、シリコン、ゲルマニウム、硫化亜鉛(ZnS)またはセレン化亜鉛(ZnSe)から選択することができる。代替的に、基板は少なくとも部分的に光学的に透明な特性を有する材料を含む。特に、絶縁材料は、あるいは追加的にカバー層もしたがって、少なくとも部分的に光学的に透明な特性を示すように選択され得る。他方、基板が既に少なくとも部分的に透明である場合、光学的に不透明な材料を含むより多様な異なる材料がカバー層に採用されることができる。

0061

上述のように、光導電性材料の層は少なくとも1つの基板に直接または間接的に塗布することができ、基板およびカバー層の少なくとも1つが好ましくは、選択された波長範囲内で光学的に透明である。したがって、カバー層に使用される金属含有化合物を、好ましくは所望の波長範囲内で光学的に透明であるように選択することが、特に適切な吸収特性を示すことにより、有利であり得る。代替的にあるいは追加的に、基板に適用される材料は所望の波長範囲内で光学的に透明な特性を示してもよい。特に、この特徴は、基板が十分な透明性を示すことができる限り、所望の波長範囲内で光学的に透明ではない金属含有化合物のためのより広範囲の材料選択を可能にする。ここで、基板材料は、特に、透明ガラス、シリコン、ゲルマニウム、金属酸化物、金属または半導体材料のうちの少なくとも1つから、特にアルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、インジウムスズ酸化物(ITO)、硫化亜鉛(ZnS)またはセレン化亜鉛(ZnSe)から選択することができ、ここでガラスまたはシリコンが特に好ましい。良好な絶縁基板として機能するには高すぎる導電性を示すことがある半導体または導電層については、所望の波長範囲内で光学的に透明な絶縁中間層を使用することができる。

0062

さらに、カバー層は、同時に、光導電性材料の封入を提供するのと同時に光導電性材料の光導電特性を活性化するという上述の機能に加え、少なくとも1つのさらなる機能を示すように適合される機能層であり得る。これに関して、金属含有化合物は、同時に所望のさらなる機能を発揮することができるように、特に選択され得る。特に、カバー層に使用される金属含有化合物は、適切な反射防止層として該当するために、高い屈折率、好ましくは少なくとも1.2、より好ましくは少なくとも1.5の屈折率を示し得る。上述のように、カバー層は本発明による光導電性材料の層上に、特にALDまたはALDとスパッタリングとの組み合わせを使用して、カバー層が光導電性材料の表面にしっかりと追従するように共形的な(conformal)方法で堆積され得る。特に、硫化鉛(PbS)層またはセレン化鉛(PbSe)層は、通常、滑らかな表面ではなく、むしろ凹凸を有するかなり粗い表面を呈するが、一方でアルミナ(Al2O3)は硫化鉛(PbS)層またはセレン化鉛(PbSe)層の表面にしっかりと追従することができるカバー層として堆積することができることが分かった。その結果、入射光による反射を最小限に抑えることができる。この観察は、堆積した材料が、通常、光導電性材料の層の表面に存在し得る突起および窪みを最小限に抑えることのみを可能にする合体によって成長するという既知の堆積方法とは対照的であるように思われる。さらに、カバー層は、機能層、特に、耐スクラッチ層親水性層疎水性層自己清浄層防曇層、および導電層から選択されてもよい。他の種類の機能層、特に高誘電率層、すなわち、好ましくはアルミナ(Al2O3)またはジルコニア(ZrO2)のような高い誘電率を示し得るカバー材料、および、高絶縁耐力を生成する、特に、光センサを通して高電圧印加することなどにより高電界を使用することによって高絶縁耐力を生成する機能層も可能である。特に選択された機能層の目的のために、カバー層は、カバー層の所望のさらなる機能を完成するために追加的に、1つまたは複数の安定化剤のような1つまたは複数の添加剤を含み得る。特に、カバー層は安定化剤としてガラスまたはガラス粒子を含み得る。しかしながら、他の種類の添加剤もまた適し得る。

0063

特定の実施形態において、特にカバー層に所望のさらなる機能を提供することが適切ではない場合、または選択されたカバー層によって提供されるようなさらなる機能の範囲が十分でない場合、カバー層は追加的に、カバー層上に少なくとも部分的に堆積された少なくとも1つの追加層によって少なくとも部分的に覆われてもよい。代替的にあるいは追加的に、該少なくとも1つの追加層は、光導電性材料の層とカバー層との間に少なくとも部分的に堆積され得る。好ましくは、該追加層は、さらなる機能層であるかまたはさらなる機能を示すことができ、したがって、反射防止層、光学フィルタ層、耐スクラッチ層、親水性層、疎水性層、自己清浄層、防曇層、高誘電率層、または導電層のうちの少なくとも1つを含み得る。好ましくは、追加層は、さらなる機能であるかまたはさらなる機能を示すことができ、したがって、反射防止層、光学フィルタ層、耐スクラッチ層、親水性層、疎水性層、自己清浄層、防曇層、高誘電率層、または導電層のうちの少なくとも1つを含み得る。ここで、当業者は、少なくとも1つの追加層を容易に選択し提供することができる。しかしながら、他の実施形態もまた可能である。

0064

好ましい実施形態では、カバー層は電気接点を部分的にまたは完全に覆ってもよく、電気接点は特に、外部回路への1つまたは複数のリード線へ接合可能であるように構成されてもよい。ここで、電気接点は、金またはアルミニウムワイヤーなどのワイヤーを使用することによって接合可能であり、電気接点は、好ましくは、カバー層を通して接合可能であり得る。特定の実施形態では、接着層が電気接点に設けられてもよく、その場合、接着層は特に接合に適合し得る。このために、接着層はニッケル(Ni)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、またはパラジウム(Pd)のうちの少なくとも1つを含み得る。

0065

理論に縛られることを望まないが、移動度の増加は通常光導電性材料の性能にとって好ましいと考えられている。しかしながら、この仮定は他のパラメータ、特に電荷担体の寿命がこれによって影響され得ない場合にのみ適切である。G.Konstantatos、L.Levina、A.FischerおよびE.H.Sargentによる“Engineering the Temporal Response of Photoconductive Photodetectors via Selective Introduction of Surface Trap States”、Nanoletters 2008、Vol.8、No.5、1446−50頁、 および Rinku SaranとRichard J.Curryによる“Lead sulfide nano−crystal photodetector technologies”、Nature Photonics 10、2016、81-92頁に示されるように、たとえトラップ状態キャリア移動度を低下させる可能性があるとしても、非再結合トラップ状態が光導電性装置の性能を向上させるのに有利であると思われる。C.Soci、A.Zhang、B.Xiang、S.A.Dayeh、D.P.R.Aplin、J.Park、X.Y.Bao、Y.H.LoおよびD.Wangによる“ZnO Nanowire UV Photodetectors with High Internal Gain”、Nanoletters 2007、Vol.7、No.4、1003−09頁に示されるように、トラップ状態は電荷キャリアの寿命を延ばすと考えられ、その結果光伝導利得が増加する。

0066

一方、電界効果トランジスタ(FETs)に関しては、一般に、電荷キャリア移動度の低下およびトラップ状態の存在は、FETの性能にとって完全に有害であると考えられており、特に例えば、S.Karによる“High Permittivity Gate Dielectric Materials”、Springer、Berlin、Heidelberg、66頁、またはP.StallingaとH.L.Gomesによる“Organic Electronics 7”(2006)592−599頁に示されるように、それらは不利なオフ電流非線形増幅特性曲線、および/または非線形接触効果を起こす可能性がある。

0067

Y.Liuらによって記載されているように(上記参照)、量子ドット太陽電池とFETsを比較すると、本発明による光センサは電荷キャリア選択層を含まず、したがって、光起電装置として考慮することができないことに留意されたい。電荷選択層内のトラップブロッキング性のために、上述のような光伝導利得は光起電力装置では見出すことができないため、直接比較することはできない。光起電力装置の場合、トラップ状態の存在は、一般に、太陽電池の性能の向上にならない。これに関して、横型光導電体装置と比較して平面光起電力装置の寸法の相違は、電荷キャリアが移動する距離の相違と、対応する電極に到達するために与えられる電荷キャリア寿命の相違になることに留意されたい。光起電力装置に1V、光伝導装置に100Vを仮定することによって得られる同等の電界を考慮すると、移動距離は桁違いに異なり、すなわち、光起電装置についてはわずか100nmであるが、しかし、本発明による光導電性装置については10μmを超える。

0068

FETsと光導電装置のさらに異なる特徴は、電荷キャリア流の位置に関連し得る。電荷担体の流れは、FET内の誘電体から本質的に数nmの厚さに制限される一方で、光導電性装置では層の全体の厚さが使用することができる。この観察は、トラップ状態の充填およびそれぞれの装置の性能に対するトラップ状態密度の影響に関して強い意味をもたらす。FETでは、誘電体から数nmに位置するトラップ状態は、比較的少数の電荷キャリアでのみ満たすことができる一方、バルク層装置は依然として不飽和のままであり得る。これとは対照的に、光導電性装置についてはトラップ状態の均一な充填が期待される。その結果、光導電性装置の高性能を引き起こす物理学は、FETデバイスで観察されるような現象とは根本的に異なるように思われる。

0069

本発明のさらなる態様では、光学検出用の検出器、特に少なくとも1つの対象物の位置を決定するための光学検出用の検出器、特に深さまたは深さと幅の両方に関して、少なくとも1つの対象物の位置を決定するための光学検出用の検出器が開示される。本発明によれば、少なくとも1つの対象物を光学的に検出するための検出器は、以下を含む。

0070

− 本明細書の他の箇所に記載されている少なくとも1つの光センサであって、該光センサは少なくとも1つのセンサ領域を含み、該光センサは光ビームによるセンサ領域の照射に応じるようにして少なくとも1つのセンサ信号を生成するように設計されている;そして
− 少なくとも1つの評価装置であって、評価装置は、光センサのセンサ信号を評価することによって対象物の少なくとも1つの座標を生成するように設計されている。

0071

ここでは、列挙された構成要素は別々の構成要素であり得る。あるいは、2つ以上の構成要素を1つの構成要素に統合することができる。さらに、少なくとも1つの評価装置は、転送装置および光センサから独立した別個の評価装置として形成されてもよいが、センサ信号を受信するために光センサに接続されているのが好ましい。あるいは、少なくとも1つの評価装置は、完全にまたは部分的に光センサに統合されてもよい。

0072

本発明によれば、検出器は、本明細書の他の箇所に記載されているように少なくとも1つの光センサを含む。したがって、検出器は、かなり広いスペクトル範囲にわたって電磁放射線を検出するように設計されることが好ましく、紫外線(UV)、可視光近赤外(NIR)、および赤外線(IR)スペクトル範囲が特に好ましい。ここで、光センサのセンサ領域内の光導電層には、特に以下の光導電性材料を選択し得る。

0073

UVスペクトル範囲:ドープダイヤモンド(C)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化チタン(TiO2)、窒化ガリウム(GaN)、リン化ガリウム(GaP)または炭化ケイ素(SiC);
可視スペクトル領域:シリコン(Si)、ヒ化ガリウム(GaAs)、硫化カドミウム(CdS)、テルル化カドミウム(CdTe)、硫化銅インジウム(CuInS2;CIS)、セレン化銅インジウムガリウム(CIGS)、銅亜鉛硫酸スズ(CZTS);
NIRスペクトル領域:ヒ化インジウムガリウム(InGaAs)、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、テルル化カドミウム(CdTe)、硫化銅インジウム(CuInS2、CIS)、セレン化銅インジウムガリウム(CIGS)、銅亜鉛硫酸スズ(CZTS)、ここで、CdTe、CIS、CIGS、およびCZTSは850nmを超える波長に特に好ましく;
IRスペクトル領域:2.6μm以下の波長においては、ヒ化インジウムガリウム(InGaAs);3.1μm以下の波長においては、ヒ化インジウム(InAs);3.5μm以下の波長においては、硫化鉛(PbS);5μm以下の波長においては、セレン化鉛(PbSe);5.5μmまでの波長においては、アンチモン化インジウム(InSb);16μm以下の波長においては、テルル化水銀カドミウム(MCT、HgCdTe)。

0074

既に上述したように、位置は一般的に空間内の対象物の場所および/または方向に関する情報の任意の項目を指す。このために、一例として、1つまたは複数の座標系を使用してもよく、また対象物の位置は1つ、2つ、または3つ以上の座標の使用によって決定され得る。一例として、1つまたは複数のデカルト座標系および/または他の種類の座標系が使用され得る。一例において、座標系は、検出器が予め定められた位置および/または方向を有する場合の、検出器の座標系であってもよい。以下にてさらに詳しく概説されるとおり、検出器は、検出器の主たる視野方向を構成し得る光軸を有し得る。光軸は、z軸など、座標系における軸を形成し得る。さらに、1本または複数の付加的な軸、好ましくはz軸に対して垂直な軸を設けてもよい。

0075

したがって、一例として、検出器は、光軸がz軸を構成し、また追加的にz軸に対して垂直かつ互いに垂直であるx軸とy軸が提供される座標系を構成し得る。一例として、検出器および/または検出器の一部は、この座標系の原点など、この座標系における特定の点に所在し得る。この座標系において、z軸に平行または逆平行な方向を、縦方向と見なすことができ、またz軸に沿った座標を、縦方向座標と見なすことができる。縦方向に対して垂直な任意の方向を横方向と見なすことができ、x座標および/またはy座標を横方向座標と見なすことができる。

0076

代替的に、他の種類の座標系を使用してもよい。したがって、一例として、光軸がz軸を形成する極座標系を使用することができ、またz軸からの距離および極角を付加的座標として使用することができる。同様に、z軸に平行または逆平行な方向を縦方向と見なすことができ、またz軸に沿った座標を縦方向座標と見なすことができる。z軸に対して垂直な任意の方向を横方向と見なすことができ、また極座標および/または極角を横方向座標と見なすことができる。

0077

本明細書で使用されるとき、光学検出のための検出器は一般的に、少なくとも1つの対象物の位置に関する少なくとも1つの情報項目を提供するように適合される装置である。検出器は、固定式装置または移動式装置であってよい。さらに、検出器は独立型装置であるか、あるいはコンピュータ、車両または任意の他の装置のように、別の装置の一部をも形成し得る。さらに、検出器は携帯型装置であってもよい。検出器の他の実施形態も適している。

0078

検出器は、任意の実現可能な方法で少なくとも1つの対象物の位置に関する情報のうち少なくとも1つの項目を提供するように適合され得る。したがって、情報は例えば電子的、視覚的、音響的に、あるいはこれらの任意の組合せの形で提供され得る。情報はさらに、検出器のデータ記憶装置または別個の装置に保存するか、および/または、無線インターフェースおよび/または有線インターフェースのように、少なくとも1つのインターフェースを介して提供することができる。

0079

特に好ましい実施形態では、光センサは縦方向光センサであり得るか、またはそれを含み得る。本明細書で使用されるとき、「縦方向光センサ」は一般的に、光ビームによるセンサ領域の照射に依存する形で少なくとも1つの縦方向のセンサ信号を生成するよう設計された装置であり、縦方向センサ信号は、照射の総出力が同じである場合、いわゆる「FiP効果」に従って、センサ領域内の光ビームのビーム断面に依存する。縦方向センサ信号は一般的に深度と表わすこともできる縦方向位置指標となる任意の信号であってもよい。一例として、縦方向センサ信号はデジタル信号および/またはアナログ信号であるか、またはこれを含み得る。一例として、縦方向センサ信号は電圧信号および/または電流信号であるか、またはこれを含み得る。追加的にまたは代替的に、縦方向センサ信号はデジタルデータであるか、またはこれを含み得る。縦方向センサ信号は単一の信号値および/または一連の信号値を含み得る。縦方向センサ信号はさらに、複数の個別の信号を組み合わせることにより、例えば複数の信号の平均によっておよび/または複数の信号の商の形成によって導き出される任意の信号をも含み得る。縦方向光センサおよび縦方向センサ信号の可能な実施形態については、WO2012/110924A1を参照することができる。

0080

さらに、縦方向光センサのセンサ領域は少なくとも1つの光ビームによって照らされる。照射の総出力が同じである場合、センサ領域の導電性は結果的に、センサ領域内の光ビームのビーム断面に依存し、ビーム断面はセンサ領域内で入射ビームによって生成される「スポットサイズ」として表わすことができる。このように、光導電性材料の導電性が、光導電性材料を含むセンサ領域における入射光ビームによる照射の範囲に依存するという観察可能な特性は特に、同じ総出力を含むが生成するスポットサイズが異なる2つの光ビームはセンサ領域内での光導電性材料の電気導電率について異なる値を提供し、そして結果的に互いに関して区別可能であるという状況を達成するものである。

0081

さらに、縦方向センサ信号は電圧信号および/または電流信号など電気信号の印加によって決定付けられることから、縦方向センサ信号を決定する際は電気信号によって横切られる材料の導電性が考慮に入れられる。以下でさらに詳しく説明するとおり、バイアス電圧ソースと縦方向光センサと直列に採用される負荷抵抗器の適用が、好ましくは本発明において使用される。結果として、センサ領域内に光導電性材料を含む縦方向光センサは、例えば少なくとも2つの縦方向センサ信号や、ビーム断面に関する情報の少なくとも1つの項目、具体的にはビーム直径を比較することによって、原則として縦方向センサ信号の記録からセンサ領域内の光ビームのビーム断面を決定することができる。
さらに、センサ領域内の光ビームのビーム断面は、前述のFiP効果によれば、照射の総出力が同じである場合、センサ領域に衝突する光ビームを放出または反射する対象物の縦方向位置または深度に依存することから、縦方向光センサを、それぞれの対象物の縦方向位置の決定に適用することができる。

0082

WO2012/110924A1から既知であるとおり、縦方向光センサはセンサ領域の照射に依存するようにして少なくとも1つの縦方向センサ信号を生成するよう設計され、センサ信号は、照射の総出力が同じである場合、センサ領域上での照射のビーム断面に依存する。一例として、光電流Iの測定結果レンズの位置の関数として提供され、レンズは電磁放射焦点を縦方向光センサのセンサ領域上へ合わせるように構成される。測定中、レンズは縦方向光センサに対してセンサ領域に垂直な方向に変位し、その結果、センサ領域上の光スポットの直径が変化する。この特定の例では、光起電装置、特に色素太陽電池がセンサ領域の材料として採用され、縦方向光センサの信号、この場合では光電流が、レンズの焦点における最大値の外側では、光電流がその最大値の10%未満にまで低下するように、明らかに照射の幾何的形状に依存する。

0083

本明細書で使用されるとき、「評価装置」という用語は一般的に、情報項目、すなわち対象物の位置に関する情報の少なくとも1つの項目を生成するよう設計された任意の装置を指す。一例として、評価装置は、1つまたは複数の特定用途向け集積回路ASICs)のような1つまたは複数の集積回路、および/または1つ以上のデジタル信号プロセッサ(DSPs)、および/または1つ以上のフィールドプログラマブルゲートアレイFPGAs)、および/または1つまたは複数のコンピュータ、好ましくは1つまたは複数のマイクロコンピュータおよび/またはマイクロコントローラのような1つもしくは複数のデータ処理装置であるか、またはこれらを備え得る。追加の構成要素、例えば1つまたは複数の前処理装置、および/または、センサ信号を受信および/または前処理するための1つまたは複数の装置のようなデータ収集装置、例えば1つまたは複数のAD変換器および/または1つまたは複数のフィルタのような追加の構成要素が含まれ得る。本明細書で使用されるとき、センサ信号は一般的に、縦方向センサ信号の1つ<および該当する場合は横方向センサ信号を指す。さらに、評価装置は、1つまたは数個のデータ記憶装置を含み得る。さらに、上記で概説したとおり、評価装置は、1つまたは複数の無線インターフェースおよび/または1つまたは複数の有線インターフェースのような、1つまたは複数のインターフェースを含み得る。

0084

少なくとも1つの評価装置は、少なくとも1つのコンピュータプログラム、例えば情報項目を生成する工程を実行または補助する少なくとも1つのコンピュータプログラムを実行するように適合され得る。一例として、センサ信号を入力変数として使用することによって対象物の位置への所定の変換を実行し得る1つまたは複数のアルゴリズムが実装され得る。

0085

評価装置は、センサ信号を評価することによって情報項目を生成するように設計された少なくとも1つのデータ処理装置、特に電子データ処理装置を特に備え得る。したがって、評価装置は、センサ信号を入力変数として使用し、これらの入力変数を処理することによって、対象物の横方向位置および縦方向位置に関する情報項目を生成するように設計される。処理は、並列的に、逐次的にまたは組み合わせた方法で実行され得る。評価装置は例えば計算および/または少なくとも1つの保存された関係および/または既知の関係を用いる、これらの情報項目を形成するための任意のプロセスを使用し得る。センサ信号に加え、1つまたは複数のさらなるパラメータおよび/または情報項目が、前記の関係、例えば変調周波数に関する少なくとも1つの情報項目に影響し得る。この関係は決定できる、または経験的に、分析的に、あるいは半経験的決定可能である。特に好ましくは、この関係は、少なくとも1つのキャリブレーション曲線、少なくとも1組のキャリブレーション曲線、少なくとも1つの関数または上述の可能性の組合せを含む。1つまたは複数のキャリブレーション曲線は、例えば値のセットとその関連する関数値の形態で、例えばデータ保存装置および/またはテーブルに保存され得る。しかし代替的にまたは追加的に、少なくとも1つのキャリブレーション曲線は例えば、パラメータ化された形態でおよび/または関数式の形態で保存できる。センサ信号を情報項目へと処理するために個別の関係を使用することができる。代替的に、センサ信号を処理するための少なくとも1つの組み合わされた関係も適している。様々な可能性が考えられこれらを組み合わせることもできる。

0086

例として、評価装置は、情報項目を決定する目的でプログラミングに関して設計することができる。評価装置は、特に少なくとも1つのコンピュータ、例えば少なくとも1つのマイクロコンピュータを含み得る。さらに、評価装置は1つまたは複数の揮発性または不揮発性データメモリをも含み得る。データ処理装置、特に少なくとも1つのコンピュータの代替としてあるいは追加として、評価装置は、情報項目を決定するために設計された1つまたは複数のさらなる電子構成要素、例えば電子テーブル、特に少なくとも1つのルックアップテーブルおよび/または少なくとも1つの特定用途向け集積回路(ASIC)、および/または少なくとも1つのデジタル信号プロセッサ(DSP)、および/または少なくとも1つのフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を有し得る。

0087

検出器は、上述のように、少なくとも1つの評価装置を有する。特に、前記少なくとも1つの評価装置は検出器を完全にまたは部分的に制御または駆動するように設計することもでき、例えば、少なくとも1つの照射源を制御するように、および/または検出器の少なくとも1つの変調装置を制御するように設計することもできる。評価装置は、特に、複数のセンサ信号のような1つまたは複数のセンサ信号、例えば異なる照射変調周波数における連続的な複数のセンサ信号のような、複数のセンサ信号が検出される少なくとも1つの測定サイクルを実行するように設計することができる。

0088

評価装置は、上述のとおり、少なくとも1つのセンサ信号の評価によって対象物の位置に関する少なくとも1つの情報項目を生成するように設計される。前記対象物の位置は、静的であってもよく、または対象物の少なくとも1つの運動、例えば検出器またはその一部と対象物またはその一部との間での相対運動を含むことさえできる。この場合、相対運動は一般的に、少なくとも1つの直線運動および/または少なくとも1つの回転運動を含むことができる。運動情報項目は、例えば異なる時間に検知された少なくとも2つの情報を比較することによっても得られ、例えば位置情報の少なくとも1つの項目は速度情報の少なくとも1つの項目および/または加速度情報の少なくとも1つの項目、例えば対象物またはその一部と検出器またはその一部との間における少なくとも1つの相対速度に関する情報の少なくとも1つの項目を含み得る。特に、位置情報の少なくとも1つの項目は、一般的に以下から選択され得る:対象物またはその一部と検出器またはその一部との間の距離に関する情報項目、特に光路長に関する情報項目;対象物またはその一部と任意の光学転送装置またはその一部との間の距離または光学的距離に関する情報項目;対象物またはその一部の検出器またはその一部に対する相対的な位置に関する情報項目;対象物および/またはその一部の検出器またはその一部に対する相対的な方向に関する情報項目;対象物またはその一部と検出器またはその一部との間の相対運動に関する情報項目;対象物またはその一部の2次元または3次元空間構成、特に対象物の幾何学的形状または外形に関する情報項目。一般に、位置情報の少なくとも1つの項目はしたがって、例えば、以下からなる群から選択することができる:対象物またはその一部の少なくとも1つの位置に関する情報項目;対象物またはその一部の少なくとも1つの方向に関する情報項目;対象物またはその一部の幾何学的形状または外形に関する情報項目;対象物またはその一部の速度に関する情報項目;対象物またはその一部の加速度に関する情報項目;検出器の可視範囲内での対象物またはその一部の有無に関する情報の項目。

0089

位置情報の少なくとも1つの項目は、例えば少なくとも1つの座標系で規定でき、例えば検出器またはその一部が存在する座標系で規定することができる。代替的にまたは追加的に、位置情報は単に、例えば検出器またはその一部と対象物またはその一部との間の距離を含むこともできる。上述の可能性の組合せも考えられる。

0090

上記にて概説のとおり、少なくとも1つの縦方向センサ信号は、光ビームによる照射の総出力が同じである場合、FiP効果により、少なくとも1つの縦方向光センサのセンサ領域の光ビームのビーム断面に依存する。本明細書で使用される「ビーム断面」という用語は一般に、光ビームの横方向の広がり又は特定位置に光ビームによって生成された光スポットを指す。円形の光スポットが生成される場合、半径、直径、またはガウスビームウエストあるいはガウスビームウエストの2倍がビーム断面の計測として機能し得る。非円形の光スポットが生成される場合、他の実現可能な方法、例えば非円形の光スポットと同じ面積を有する円の断面を決めることにより、断面を決定することができ、これは等価ビーム断面とも呼ばれる。これに関して、極値、すなわち縦方向センサ信号の極大値または極小値、特に光起電材料など相応する材料に可能な限り最小の断面を持つ光ビームが当たり得る条件下、例えば光学レンズによる影響のため、材料が焦点または焦点付近に位置し得るという場合に、最大値/最小値の観察を採用することができる。極値が最大値である場合、この観察は正のFiP効果として示される一方、極値が最小値である場合、この観察は負のFiP効果として示される。

0091

したがって、センサ領域に実際に含まれる材料に関わらず、光ビームによるセンサ領域の照射の総出力が同じである場合、第1のビーム直径またはビーム断面を有する光ビームは第1の縦方向センサ信号を生成し得る一方、第1のビーム直径またはビーム断面とは異なる第2のビーム直径またはビーム断面を有する光ビームは、第1の縦方向センサ信号とは異なる第2の縦方向センサ信号を生成する。このように、縦方向センサ信号を比較することにより、ビーム断面、具体的にはビーム直径に関する少なくとも1つの情報項目が生成され得る。この効果の詳細について、WO2012/110924A1を参照することができる。したがって、縦方向光センサによって生成された縦方向センサ信号は、光ビームの総出力および/または総強度に関する情報を取得するために、および/または、光ビームの総出力および/または総強度に関して縦方向センサ信号および/または対象物の縦方向の位置に関する情報の少なくとも1つの項目を正規化するために、比較され得る。したがって、一例として、縦方向光センサ信号の最大値が検出され得、またすべての縦方向センサ信号が最大値によって割られ得ることにより、正規化された縦方向光センサ信号が生成され、そしてこの信号が、上述の既知の関係を使用することにより、対象物の縦方向情報のうち少なくとも1つの項目へと変換され得る。他の正規化方法も適用可能である、例えば縦方向センサ信号の平均値を使用して正規化し、そして平均値ですべての縦方向センサ信号を割ってもよい。他の選択肢も可能である。これらの選択肢のそれぞれは光ビームの総出力および/または強度から独立の変換を与えるのに適切であり得る。追加的に、光ビームの総出力および/または強度に関する情報がこのようにして生成され得る。

0092

具体的には、対象物から検出器まで伝播する光ビームの1つまたは複数のビーム特性が既知である場合、対象物の縦方向位置に関する少なくとも1つの情報項目は、少なくとも1つの縦方向センサ信号と対象物の縦方向位置との間の既知の関係からこのようにして導出され得る。既知の関係は、アルゴリズムとしておよび/または1つまたは複数のキャリブレーション曲線として評価装置に保存することができる。一例として、特にガウスビームの場合、ビーム直径またはビームウェストと対象物の位置との間の関係は、ビームウェストと縦座標間のガウス関係を使用することによって容易に導出することができる。

0093

この実施形態は、特に、光ビームのビーム断面と対象物の縦方向置との間の既知の関係における曖昧さを解決するために、評価装置に使用され得る。つまり、対象物から検出器まで伝播する光ビームのビーム特性が完全にまたは部分的に既知であるとしても、多くのビームにおいて、焦点に達する前にビーム断面が狭くなり、その後再び広がることが知られている。つまり、光ビームのビーム断面が最も狭くなる焦点の前後で、光ビームが同じ断面を有する光ビームの伝播軸に沿った位置が現れる。このように、一例として、焦点前後の距離z0において、光ビームの断面が同一となる。したがって、特定のスペクトル感度を有する1つの縦方向光センサのみが使用されている場合に、光ビームの総出力または強度が既知の場合は、光ビームの特定の断面が決定され得る。この情報を使用することにより、焦点から各縦方向光センサの距離z0が決定され得る。しかしながら、各縦方向光センサが焦点の前後いずれに配置されているかどうかを決定するために、対象物および/または検出器の移動の履歴ならびに/または検出器が焦点の前後いずれに配置されているかに関する情報のように、追加情報が必要とされる。一般的な状況において、この追加の情報が提供されないことがある。したがって、上記の曖昧さを解決するために追加の情報を取得してもよい。したがって、評価装置が、縦方向センサ信号を評価することによって、第1の縦方向光センサ上の光ビームのビーム断面が第2の縦方向光センサ上の光ビームのビーム断面よりも大きいことを認識し、第2の縦方向光センサが第1の縦方向光センサの後ろに配置されている場合、評価装置は、光ビームが依然として狭くなっていることおよび第1の縦方向光センサの場所が光ビームの焦点の前に位置ことを決定してもよい。逆に、第1の縦方向光センサ上の光ビームのビーム断面が第2の縦方向光センサ上の光ビームのビーム断面よりも小さい場合、評価装置は光ビームが拡がっていることおよび第2の縦方向光センサの場所が焦点の後ろに位置することを決定してもよい。このように一般に、評価装置は、異なる縦方向センサの縦方向センサ信号を比較することによって、光ビームが拡がっているか狭まっているかを認識するように構成されてもよい。

0094

本発明による評価装置を利用して対象物の縦方向位置に関する少なくとも1つの情報項目を決定することに関するさらなる詳細については、WO2014/097181A1の記載を参照することができる。したがって、一般的に、評価装置は、好ましくは光ビームの伝播方向の少なくとも1つの伝播座標における光ビームのビーム直径の既知の依存性および/または光ビームの既知のガウスプロファイルから、対象物の縦方向位置に関する少なくとも1つの情報項目を決定するために、光ビームのビーム断面および/または直径を、光ビームの既知のビーム特性と比較するように構成されてもよい。

0095

対象物の少なくとも1つの縦方向座標に加えて、対象物の少なくとも1つの横方向座標が決定されてもよい。したがって、一般的に、評価装置は、WO2014/097181A1でもさらに説明しているような画素化またはセグメント化または大面積の横方向光センサである少なくとも1つの横方向光センサ上の光ビームの位置を決定することにより、対象物の少なくとも1つの横方向座標を決定するようにさらに構成されてもよい。

0096

本発明の特定の実施形態では、検出器は、少なくとも2つの縦方向光センサを含むことができ、各縦方向光センサは、少なくとも1つの縦方向センサ信号を生成するように構成されてもよい。一例として、縦方向光センサのセンサ領域またはセンサ表面は平行に配向され、わずかな角度公差、例えば10度以下、好ましくは5度以下の角度公差が許容され得るようにしてもよい。ここでは、好ましくは検出器の光軸に沿ってスタックの形態で配置された検出器の全ての縦方向光センサが透明であるのが好ましい。したがって、光ビームは、好ましくは続いて他の縦方向光センサに衝突する前に、第1の透明な縦方向光センサを通過することができる。したがって、対象物からの光ビームは、光検出器内に存在するすべての縦方向光センサに連続して到達することができる。ここでは、異なる縦方向光センサは、入射光ビームに関して同じまたは異なるスペクトル感度を示すことができる。

0097

好ましくは、本発明による検出器は、WO2014/097181A1で開示するような縦方向光センサのスタックを含み、特に1つまたは複数の横方向光センサとの組合せで含むことができる。一例として、1つまたは複数の横方向光センサは、対象物に面して縦方向光センサのスタックの側面に配置され得る。代替的または追加的に、1つまたは複数の横方向光センサは、対象物に面せずに縦方向光センサのスタックの側面に配置されてもよい。また、代替的または追加的に、1つまたは複数の横方向光センサは、縦方向光センサのスタックの間に介在してもよい。しかしながら、たとえば対象物の深度を決定することのみが望まれる場合のように、横方向光センサを備えずに1つの縦方向光センサだけを備える実施形態は依然として可能である。

0098

代替的にまたは追加的に、本発明による光センサは、このように、横方向光センサであるか、またはそれを含み得る。本明細書で使用される場合、「横方向光センサ」という用語は一般的に、対象物から検出器へ進む少なくとも1つの光ビームの横方向位置を決定するように構成された装置を指す。位置という用語に関しては、上記の定義を参照することができる。したがって、好ましくは、横方向位置は、検出器の光軸に垂直な少なくとも1次元における少なくとも1つの座標であってもよいし、それを含んでもよい。一例として、横方向位置は、横方向光センサの感光センサ表面のような、光軸に垂直な平面における、光ビームによって生成される光スポットの位置であってよい。一例として、該平面内の位置は、デカルト座標および/または極座標で与えられてよい。他の実施形態も実現可能である。横方向光センサの可能な実施形態については、WO2014/097181A1を参照することができる。しかしながら、他の実施形態も実現可能であり、以下でさらに詳細に述べる。

0099

横方向光センサは、少なくとも1つの横方向センサ信号を提供することができる。ここで、横方向センサ信号は一般的に、横方向位置を示す任意の信号であってよい。一例として、横方向センサ信号は、デジタルおよび/またはアナログ信号であってもよいし、それを含んでいてもよい。一例として、横方向センサ信号は、電圧信号および/または電流信号であってもよいし、それを含んでいてもよい。追加的または代替的に、横方向センサ信号は、デジタルデータであってもよいし、それを含んでいてもよい。横方向センサ信号は、単一の信号値および/または一連の信号値を含んでよい。横方向センサ信号は、2つ以上の個別信号を組み合わせることにより、たとえば、2つ以上の信号の平均化、および/または2つ以上の信号の商の形成により導出され得る任意の信号をさらに含んでよい。

0100

WO2014/097181A1による開示と同様の第1の実施形態では、横方向光センサは、少なくとも1つの第1の電極、少なくとも1つの第2の電極、および少なくとも1つの光起電材料を有する光検出器であり、光起電材料は、第1の電極と第2の電極との間に埋め込まれている。したがって、横方向光センサは、1つまたは複数の光検出器、例えば1つまたは複数の有機光検出器、および最も好ましくは、たとえば1つまたは複数の固体増感有機太陽電池(s−DSCs)のような、1つまたは複数の色素増感有機太陽電池(DSCs、色素太陽電池とも呼ばれる)であるか、またはそれを含むことができる。したがって、検出器は少なくとも1つの横方向光センサとして作用する1つまたは複数のDSCs(1つまたは複数のsDSCsなど)、および少なくとも1つの長手方向光センサとして作用する1つまたは複数のDSCs(1つまたは複数のsDSCsなど)を含み得る。

0101

この既知の実施形態とは対照的に、本発明による横光センサの特に好ましい実施形態は、光伝導材料の層、好ましくは上記および/または下記の光伝導材料のうちの1つなどの無機光伝導材料を含むことができる。好ましくは、光導電性材料層は、特に透明導電性酸化物、好ましくはインジウムスズ酸化物(ITO)、フッ素ドープ酸化錫(SnO2:F;FTO)、または酸化マグネシウム(MgO)、またはSrVO3もしくはCaVO3のようなペロブスカイト透明導電性酸化物、または代替的に、金属ナノワイヤー、特に銀ナノワイヤーを含む、少なくとも1つの基板に直接または間接的に適用され得る。しかしながら、他の材料も、特に所望の透明スペクトル範囲に応じて適する。特定の実施形態では、さらに、絶縁材料、半導体材料または導電性材料を含む中間層を適用することができる。

0102

さらに、少なくとも2つの電極が、横方向センサ信号を記録するために存在し得る。好ましい実施形態では、該少なくとも2つの電極は実際に少なくとも2つの物理的電極の形態、好ましくはT字形を示す形態で配置され、各物理的電極は導電性材料、好ましくは金属製導電性材料、より好ましくは金属製高導電性材料、例えば銅、銀、金、合金またはこれらの種類の材料を含む組成物、またはグラフェンを含み得る。ここで、少なくとも2つの物理電極のそれぞれは、好ましくは、それぞれの電極と光センサ内の光導電層との間で直接の電気的接触が達成され得る形で、特に例えば、光センサと評価装置との間の輸送経路における付加的な抵抗に起因する可能な限り少ない損失で縦方向センサ信号を取得するための形で構成され得る。

0103

好ましくは、横方向光センサの電極のうち少なくとも1つは、少なくとも2つの部分電極を有する分割電極であってもよく、横方向光センサはセンサ領域を有し得、少なくとも1つの横方向センサ信号はセンサ領域内での入射光ビームのx位置および/またはy位置を示し得る。センサ領域は、対象物に面する光検出器の表面であってもよい。センサ領域は、好ましくは光軸に対して垂直に配向され得る。したがって、横方向センサ信号は、横方向光センサのセンサ領域の平面内で光ビームによって生成される光スポットの位置を示し得る。一般的に、本明細書で使用されるとき、「部分電極」という用語は、複数の電極のうちの1つの電極であって、好ましくは他の部分電極から独立して少なくとも1つの電流および/または電圧信号を測定するように適合された電極を指す。したがって、複数の部分電極が提供される場合、それぞれの電極は少なくとも2つの部分電極を介して、複数の電位および/または電流および/または電圧を提供するように適合され、これらは独立的に測定および/または使用され得る。

0104

横方向光センサはさらに、部分電極を通る電流に従って横方向センサ信号を生成するように適合されることができる。したがって、2つの水平部分電極を通る電流の比率が形成され、それによってx座標を生成することができ、および/または垂直部分電極を通る電流の比率が形成され、それによってy座標を生成することができる。検出器、好ましくは横方向光センサおよび/または評価装置は、部分電極を通る電流の少なくとも1つの比率から、対象物の横方向位置に関する情報を導き出すように構成されることができる。部分電極を通る複数の電流の比較によって位置座標を生成する他の方法も実現可能である。

0105

部分電極は一般的に、センサ領域内での光ビームの位置を決定するために、様々な方法で定義され得る。このように、水平座標またはx座標を決定するために2つ以上の水平方向部分電極を設けてもよく、また垂直座標またはy座標を決定するために2つ以上の垂直部分電極を設けてもよい。したがって、部分電極をセンサ領域の周縁部に設けてもよく、センサ領域の内部空間は空いた状態を維持し、そして1つまたは複数の追加の電極材料によって覆われてもよい。以下にさらに詳細に概説されるように、追加の電極材料は好ましくは透明の追加の電極材料、例えば透明な金属および/または透明な導電性酸化物および/または、最も好ましい透明な導電性ポリマーであってもよい。

0106

電極の1つが3つ以上の部分電極を有する分割電極である横方向光センサを使用することにより、部分電極を通る電流は、センサ領域内での光ビームの位置に依存し得る。これは一般的に、部分電極に衝突する光に起因する電荷の発生位置から途中でオーム損失または抵抗損失が生じ得るという事実に起因し得る。したがって、部分電極に加え、分割電極は部分電極に接続された1つまたは複数の追加的電極材料を含んでもよく、1つまたは複数の追加的電極材料は電気抵抗をもたらす。結果として、電荷の発生位置から1つまたは複数の追加的電極材料を経て部分電極に至る経路上でのオーム損失に起因して、部分電極を通る電流は電荷の発生位置に依存し、したがってセンサ領域内での光ビームの位置に依存する。センサ領域内での光ビームの位置の決定に関するこの原理の詳細については、以下の好ましい実施形態および/またはWO2014/097181A1および同文献中の個々の参考文献において開示しているような物理的原理および装置オプションを参照することができる。

0107

したがって、横方向光センサはセンサ領域を含むことができ、好ましくは対象物から検出器へ移動する光ビームに対して透明であってよい。したがって、横方向光センサは、x方向および/またはy方向などの1つまたは複数の横方向における光ビームの横方向位置を決定するように適合させることができる。このために、少なくとも1つの横方向光センサが、少なくとも1つの横方向センサ信号を生成するようにさらに適合させることができる。したがって、評価装置は、縦方向光センサの横方向センサ信号を評価することにより、対象物の横方向位置に関する少なくとも1つの情報項目を生成するように設計されることができる。

0108

本発明のさらなる実施形態は、対象物から検出器へと伝播する光ビームの性質に言及した。本明細書で使用されるとき、「光」という用語は一般的に、可視スペクトル範囲紫外スペクトル範囲および赤外線スペクトル範囲のうちの1つまたは複数のスペクトル範囲の電磁放射を指す。その中で、この出願の日に有効なバージョンのISO−21348規格に部分的に準拠して、可視スペクトル範囲という用語は一般的に380nmから760nmのスペクトル範囲を指す。赤外光(IR)スペクトル範囲という用語は一般的に760nmから1000μmの範囲の電磁放射を指し、そのうち760nmから1.4μmの範囲は通常近赤外光(NIR)スペクトル範囲と表わされ、15μmから1000μmの範囲は遠赤外光(FIR)スペクトル範囲と表わされる。紫外スペクトル範囲という用語は一般的に1nm〜380nmの範囲、好ましくは100nm〜380nmの範囲の電磁放射を指す。好ましくは、本発明の範囲内で使用される光は可視光、すなわち可視スペクトル範囲内の光である。

0109

「光ビーム」という用語は、一般に、特定の方向に放出される光量を指す。したがって、光ビームは、光ビームの伝播方向に対して垂直な方向に所定の拡がりを有する光線の束であることができる。好ましくは、光ビームは1つまたは複数のガウスビームパラメータ、例えば1つまたは複数のビームウェスト、レイリー長または他の任意のビームパラメータまたは空間内でのビーム直径および/またはビーム伝播発達特徴付けに適するビームパラメータの組合せによって特徴付けられ得る1つまたは複数のガウス光ビームであるか、またはそれを含み得る。

0110

光ビームは対象物自体によって許容され得る、すなわち対象物から生じ得る。追加的にまたは代替的に、光ビームの別の発生源も適し得る。したがって、以下でさらに詳細に概説するように、例えば所定の特徴を有する1つまたは複数の一次光線またはビームのような、1つまたは複数の一次光線またはビームを使用することにより、対象物を照らす1つまたは複数の照射源が提供され得る。後者の場合、対象物から検出器へと伝播する光ビームは、対象物および/または対象物に接続された反射装置によって反射される光ビームであってもよい。

0111

加えて、検出器は少なくとも1つの転送装置、例えば光学レンズ、特に1つまたは複数の屈折レンズ、特に薄い凸レンズまたは両凸レンズなど薄い収束性屈折レンズ、および/または1つまたは複数の凸面鏡を含むことができ、さらにそれらは共通の光軸に沿って配置され得る。最も好ましくは、対象物から発生する光ビームはこの場合、最初に少なくとも1つの転送装置を通過し、次いで単一の透明な光センサまたは透明な光センサのスタックを通過して最終的に撮像装置に衝突し得る。本明細書で使用されるとき、「転送装置」という用語は、対象物から発生した少なくとも1つの光ビームを検出器内の光センサへと転送するよう構成され得る光学素子を指す。このように、転送装置は対象物から検出器へと伝播する光を光センサへ供給するように設計することができ、この供給を任意選択的に、転送装置の撮像手段により、あるいは転送装置の非撮像特性によって有効化することができる。特に、転送装置は、電磁放射が光センサに供給される前に電磁放射を収集するよう設計されてもよい。

0112

加えて、少なくとも1つの転送装置は撮像特性を有し得る。従い、転送装置は少なくとも1つの撮像要素、例えば少なくとも1つのレンズおよび/または少なくとも1つの曲面鏡を有する、何故なら、そのような撮像要素の場合、例えばセンサ領域上での照射の幾何学形状は相対的配置、例えば転送装置と対象物との間の距離に依存し得るからである。本明細書で使用されるとき、転送装置は、対象物から発生する電磁放射が完全にセンサ領域へ転送されるように、例えば、特に対象物が検出器の可視範囲内に配置される場合にセンサ領域上に完全に集束するように設計され得る。

0113

一般的に、検出器はさらに、少なくとも1つの撮像装置、すなわち少なくとも1つの画像を取得することができる装置をさらに含み得る。撮像装置は、種々の方法で具体化することができる。したがって、撮像装置は例えば検出器ハウジング内の検出器の一部であってもよい。しかし代替的にまたは追加的に、撮像装置は検出器ハウジング外側に、例えば別個の撮像装置として構成され得る。代替的にまたは追加的に、撮像装置は検出器に接続されてもよく、または検出器の一部でもあり得る。好ましい構成では、透明光センサのスタックおよび撮像装置は、光ビームが移動する共通の光軸に沿って配置される。したがって、光ビームの光路において、光ビームが透明な縦方向光センサのスタックを通り、撮像装置に衝突するまで移動するように、撮像装置を配置することができる。しかしながら、他の配置も可能である。

0114

本明細書で使用されるとき、「撮像装置」は一般的に、1次元、2次元または3次元の、対象物または対象物の一部の画像を生成し得る装置として理解される。特に、検出器は、少なくとも1つの任意の撮像装置の有無にかかわらず、例えばIRカメラまたはRGBカメラのようなカメラ、すなわち3つの別々の接続で赤色、緑色および青色として指定された3原色送達するように設計されたカメラとして完全にまたは部分的に使用され得る。したがって、一例として、少なくとも1つの撮像装置は、ピクセル化有機カメラ要素、好ましくはピクセル化有機カメラチップ;ピクセル化無機カメラ要素、好ましくはピクセル化無機カメラチップ、より好ましくはCCDチップまたはCMOSチップモノクロカメラ素子、好ましくはモノクロカメラチップ多色カメラ素子、好ましくは多色カメラチップ;フルカラーカメラ素子、好ましくはフルカラーカメラチップからなる群から選択される少なくとも1つの撮像装置であるか、またはそれを含み得る。撮像装置は、モノクロ撮像装置マルチクロム撮像装置および少なくとも1つのフルカラー撮像装置からなる群から選択される少なくとも1つの装置であるか、またはこれを含み得る。マルチクロム撮像装置および/またはフルカラー撮像装置は、当業者が認識するように、フィルタ技術の使用により、および/または固有の色感度技法あるいは他の技法の使用により生成され得る。特に上述のような横方向光センサとは対照的に、撮像装置は、一般に、不透明な光学特性を示すことがある。撮像装置の他の実施形態も可能である。

0115

撮像装置は、対象物の複数の部分領域を連続的におよび/または同時に撮像するように設計され得る。例として、対象物の部分領域は、例えば撮像装置の解像限界によって定められ、そこから電磁放射線が放出される対象物の1次元、2次元または3次元領域であってもよい。これに関連して、撮像とは、対象物の各部分領域から発生する電磁放射が、例えば検出器の少なくとも1つの任意の伝送装置によって、撮像装置に供給されることを意味すると理解されるべきである。電磁線は、対象物自体によって、例えば発光放射の形態で発生させることができる。代替的にまたは追加的に、少なくとも1つの検出器が、対象物を照らす少なくとも1つの照射源を含み得る。

0116

特に、撮像装置は、例えば、特に少なくとも1つの列スキャンおよび/または行スキャンを使用するスキャン法により、複数の部分領域を連続して順次撮像するように設計され得る。しかしながら、他の実施形態も可能であり、例えば複数の部分領域が同時に撮像される実施形態も可能である。撮像装置は、対象物の部分領域の撮像中に、部分領域に関連付けられた信号、好ましくは電子信号を生成するように設計されている。信号はアナログ信号および/またはデジタル信号であってもよい。例として、電子信号は各部分領域と関連付けられ得る。したがって、電子信号は同時に生成されるか、または時間的にずらして生成され得る。例として、列スキャンまたは行スキャンの間に、対象物の部分領域に対応する電子信号のシーケンスが生成され得、それらは例えば線状につながれる。さらに、撮像装置は、1つまたは複数の信号処理装置、例えば1つまたは複数のフィルタおよび/または電子信号を処理および/または前処理するためのアナログデジタル変換器を含み得る。

0117

対象物から出る光は、対象物自体から生じ得るが、任意に、異なる起源を有していてもよく、この起源から対象物へと伝播し、その後、光センサへと伝播してもよい。後者の場合は、例えば少なくとも1つの照射源が使用されていることによって影響を受け得る。照射源は様々な方法で具体化することができる。したがって、照射源は例えば検出器ハウジング内の検出器の一部であってもよい。しかし代替的にまたは追加的に、少なくとも1つの照射源は例えば別個の光源として検出器ハウジングの外側に配置することもできる。照射源は、対象物とは別に配置され、対象物を所定距離から照射することができる。代替的にまたは追加的に、照射源は対象物に接続されるか、対象物の一部であってさえもよく、それによって、例えば、対象物から発生する電磁放射は照射源によって直接生成され得る。例として、少なくとも1つの照射源は対象物の表面および/または内部に配置され得、センサ領域を照射する電磁放射を直接生成し得る。この照射源は、例えば環境光源であるかまたはこれを含み得る、および/または人工照射源であるかまたはこれを含み得る。例として、少なくとも1つの赤外線放出装置および/または少なくとも1つの可視光放出装置および/または少なくとも1つの紫外光放出装置を、対象物の表面に配置することができる。例として、少なくとも1つの発光ダイオードおよび/または少なくとも1つのレーザダイオードを、対象物の表面および/または内部に配置することができる。照射源は特に、以下の照射源のうち1つまたは複数を含み得る:レーザ、特にレーザダイオード、ただし原則として、代替的にまたは追加的に、他の種類のレーザも使用され得る;発光ダイオード;白熱電球ネオンライト炎源熱源;有機光源、特に有機発光ダイオード構造化光源回折光学素子を含む光源、デジタル光プロセッサ(DLP)などのマイクロミラーデバイスを含む光源。代替的にまたは追加的に、他の照射源も使用され得る。特に好ましくは、例えば多数のレーザの場合が少なくともほぼそうであるように、照射源がガウスビームプロファイルを有する1つまたは複数の光ビームを生成するように照射源が設計される。任意の照射源のさらなる可能な実施形態については、WO2012/110924A1およびWO2014/097181A1の1つを参照することができる。ただし、他の実施形態も実現可能である。

0118

少なくとも1つの任意の照射源は、一般的に、紫外スペクトル範囲、好ましくは200nm380nmの範囲;可視スペクトル範囲(380nm〜780nm);赤外線スペクトル範囲、好ましくは780nm〜3.0μmの範囲のうち少なくとも1つの光を放出し得る。最も好ましくは、少なくとも1つの照射源は、可視スペクトル範囲、好ましくは500nm〜780nm、最も好ましくは650nm〜750nmまたは690nm〜700nmの範囲の光を放出するように適合される。ここで、照射源が縦方向センサのスペクトル感度に関連し得るスペクトル範囲を照射源が示すことができ、特にそれぞれの照射源によって照らされる縦方向センサが高い強度のセンサ信号を提供することができ、それによって十分な信号対ノイズ比を有する高分解能評価が可能となる場合が特に好ましい。

0119

さらに、検出器は照射の変調、特に周期的変調のための少なくとも1つの変調装置、特に周期的ビーム遮断装置をも有することができる。照射の変調は、照射の総出力を、好ましくは周期的に、特に1つまたは複数の変調周波数で変化させるプロセスを意味すると理解されるべきである。特に、周期的変調は、照射の総出力の最大値と最小値との間で有効化され得る。最小値は0とすることができるが、例として完全な変調を有効化する必要がない場合、最小値は0より大きい値とすることもができる。変調は、例えば対象物と光センサとの間のビーム経路において、例えば前記ビーム経路内に配置されている少なくとも1つの変調装置によって有効化され得る。しかし代替的にまたは追加的に、変調は、以下でさらに詳細に説明するように、対象物を照らすための任意の照射源と対象物との間のビーム経路において、例えば前記ビーム経路内に配置されている少なくとも1つの変調装置によって変調をもたらし得る。これらの可能性の組合せも考えられる。少なくとも1つの変調装置は、例えばビームチョッパまたは他の種類の周期的ビーム遮断装置、好ましくは一定速度で回転し、結果として照射を周期的に遮断することができる例えば少なくとも1つの遮断ブレードまたは遮断ホイールを含み得る。しかし代替的にまたは追加的に、1つまたは複数の異なる種類の変調装置、例えば電気光学効果および/または音響光学効果に基づく変調装置の使用も可能である。再び代替的にまたは追加的に、少なくとも1つの任意の照射源自体が変調照射、例えば前記照射源自体が強度および/または総出力の変調、例えば周期的変調総出力を有し、および/または前記照射源がパルス照射源、例えばパルスレーザとして具現化されることにより、変調照射を生成するように設計され得る。したがって、例として、少なくとも1つの変調装置を照射源に全体的にまたは部分的に組み込んでもよい。様々な可能性が考えられる。

0120

したがって、検出器は、異なる変調の場合に少なくとも2つのセンサ信号を検出するように、特に少なくとも2つの縦方向センサ信号をそれぞれ異なる変調周波数で検出するように、特に設計することができる。評価装置は、少なくとも2つの縦方向センサ信号から幾何学情報を生成するように設計することができる。WO2012/110924A1およびWO2014/097181A1に記載されているように、曖昧さを解消することが可能であり、および/または例えば照射総出力は一般的に未知であるという事実を考慮することが可能である。例として、検出器は、少なくとも1つの光センサの少なくとも1つのセンサ領域など、対象物および/または検出器の少なくとも1つのセンサ領域の照射の変調を、0.05Hz〜1MHz、例えば0.1Hz〜10kHzの周波数の照射の変調にもなるように設計され得る。上記で概説したように、このために、検出器は少なくとも1つの変調装置を含んでよく、該変調装置は少なくとも1つの任意の照射源に組み込まれてもよくおよび/または照射源から独立していてもよい。したがって、少なくとも1つの照射源は、それ自体で、照射の変調を生成するように構成され得、および/または少なくとも1つの独立した変調装置、例えば少なくとも1つのチョッパおよび/または変調された伝達性を有する少なくとも1つの装置、例えば少なくとも1つの電気光学装置および/または少なくとも1つの音響光学装置のような装置が存在し得る。

0121

本発明によれば、上述のように少なくとも1つの変調周波数を光検出器に適用することが有利であり得る。しかし、変調周波数を光検出器に適用せずに、縦方向センサ信号を直接決定することは依然として可能である。以下により詳細に説明されるように、変調周波数の適用は、対象物に関する所望の縦方向情報の取得するための多くの関連する状況下において必要ないかもしれない。結果として、光検出器はこのようにして変調装置を含む必要がないかもしれない、それは空間検出器の単純かつ費用効果の高い組立にさらに貢献し得る。さらなる結果として、空間光変調装置は、周波数多重化モードではなく時間多重化モードで、またはそれらの組合せで使用され得る。

0122

本発明のさらなる一態様において、上述の実施形態のいずれかによる少なくとも2つの個別の検出器、好ましくは2つまたは3つの個別の光センサ、それらは2つの全く異なる位置に配置され得る、を含む構成が提案されている。ここで、少なくとも2つの検出器は、好ましくは同一の光学特性を有しているが、互いに異なることもできる。さらに、構成はさらに少なくとも1つの照射源を含み得る。ここで、少なくとも1つの対象物は、一次光を生成する少なくとも1つの照射源を使用して照射されてもよく、少なくとも1つの対象物が弾性的にまたは非弾性的に一次光を反射し、それによって少なくとも2つの検出器のうちの1つへ伝播する複数の光ビームを生成する。少なくとも1つの照射源は、少なくとも2つの検出器それぞれの構成部分を形成してもよいし、形成しなくてもよい。例として、少なくとも1つの照射源自体が環境光源であるかまたはこれを含み得る、および/または人工照射源であるかまたはこれを含み得る。この実施形態は、特に1つの検出器の本来の測定量より多くの測定量を提供するため、少なくとも2つの検出器、好ましくは2つの同一の検出器が、深度情報を得るために使用される用途に好ましく適している。

0123

これに関して、個別の光センサを、好ましくは検出器に含まれる他の個別の光センサから離れて配置することにより、他の個別の光センサによって取得される画像と異なる個別の画像の取得が可能となる。特に、個別の光センサを平行配置で別々のビーム経路内に配置することにより、単一の円形3次元画像を生成し得る。したがって、個別の光センサを、光軸と平行に位置するように整列させることができ、さらに、検出器の光軸に対して直角の方向に個別の変位を示し得る。ここで、整列は、個別の光センサおよび/または対応する転送要素の位置および方向の調整など、適切な手段によって達成され得る。したがって、2つの個別の光センサは、特に両眼視によって得られる視覚情報のように重なる視野を有する2つの個別の光センサから得られる視覚情報を組み合わせることによって深度情報が得られるやり方で、深度情報の知覚を生成または増大できるように、2つの個々の光センサは、好ましくは、間隔を空けて配置されることができる。このために、個別の光センサは、好ましくは、光軸に対して垂直に決定された方向に、お互いに1cmから100cm、好ましくは10cmから25cmの間隔を空けて配置することができる。本明細書で使用されるとき、この実施形態において提供されるような検出器は、特に、以下により詳細に説明される「立体視システム」の一部であり得る。立体視を可能にすることに加え、主として2つ以上の光センサの使用に基づく立体視システムのさらなる特定の利点は、特に、総強度の増加および/またはより低い検出閾値を含み得る。

0124

本発明のさらなる一態様において、ユーザとマシンとの間で少なくとも1つの情報項目を交換するためのヒューマンマシンインターフェースが提案される。提案されるヒューマンマシンインターフェースは、上述の1つまたは複数の実施形態または以下にさらに詳細に記載される上述の検出器が、1人または複数のユーザによってマシンに情報および/または命令を提供するために使用されるという事実を利用し得る。したがって、好ましくは、ヒューマンマシンインターフェースは制御命令の入力に使用され得る。

0125

ヒューマンマシンインターフェースは、本発明、例えば上記にて開示されている1つまたは複数の実施形態および/または以下でさらに詳細に開示されるような実施形態のうちの1つまたは複数による少なくとも1つの検出器を含み、ヒューマンマシンインターフェースは、検出器によってユーザの少なくとも1つの幾何学的情報を生成するように設計され、ヒューマンマシンインターフェースは、幾何学的情報を少なくとも1つの情報項目に割り当てるように設計される。

0126

本発明のさらなる態様では、少なくとも1つの娯楽機能を実行するための娯楽装置が開示されている。本明細書で使用されるとき、娯楽装置は、1人または複数のユーザ、以下では1人または複数のプレーヤともいう、のレジャーおよび/または娯楽の目的に役立て得る装置である。一例として、娯楽装置はゲーム、好ましくはコンピュータゲームの目的を果たすことができる。追加的にまたは代替的に、娯楽装置は他の目的、例えば運動、スポーツ理学療法または一般的な動作追跡などの目的にも使用され得る。したがって、娯楽装置は、コンピュータ、コンピュータネットワークまたはコンピュータシステムに実装され得るか、あるいはコンピュータ、コンピュータネットワークまたは1つまたは複数のゲーム用ソフトウェアプログラムを実行するコンピュータシステムを含み得る。

0127

娯楽装置は、例えば上記にて開示されている1つまたは複数の実施形態および/または以下にて開示される1つまたは複数の実施形態によるなど、本発明による少なくとも1つのヒューマンマシンインターフェースを含む。娯楽装置は、少なくとも1つの情報項目が、プレーヤによってヒューマンマシンインターフェースの手段を介して入力可能となるように設計されている。少なくとも1つの情報項目は、娯楽装置の制御装置および/またはコンピュータへ送信および/または使用されてもよい。

0128

本発明のさらなる一態様において、少なくとも1つの可動対象物の位置を追跡するための追跡システムが提供される。本明細書で使用されるとき、追跡システムは、少なくとも1つの対象物または対象物の少なくとも一部における、一連の過去の位置に関する情報を収集するように適合される装置である。追加的に、追跡システムは、少なくとも1つの対象物または対象物の少なくとも一部について少なくとも1つの予測される将来の位置に関する情報を提供するように適合され得る。追跡システムは、電子装置として、好ましくは少なくとも1つのデータ処理装置として、より好ましくは少なくとも1つのコンピュータまたはマイクロコントローラとして、完全にまたは部分的に具現化され得る少なくとも1つの追跡コントローラを有することができる。また、少なくとも1つの追跡コントローラは、少なくとも1つの評価装置を含むことができ、および/または少なくとも1つの評価装置の一部であってもよく、および/または完全にまたは部分的に少なくとも1つの評価装置と同一であってもよい。

0129

追跡システムは、本発明による少なくとも1つの検出器、例えば上記に列挙した1つまたは複数の実施形態に開示されているような、および/または以下の実施形態の1つまたは複数に開示するような少なくとも1つの検出器を含む。追跡システムはさらに、少なくとも1つの追跡コントローラを含んでもよい。追跡システムは、1つまたは2つ以上の検出器、特に2つ以上の同一の検出器を含むことができ、それによって、2つ以上の検出器間重複するボリューム内の少なくとも1つの対象物に関する確実な深度情報を取得することができる。追跡コントローラは対象物の一連の位置を追跡するように構成され、個々の位置は、特定の時点での対象物の位置に関する少なくとも1つの情報項目を含む。

0130

追跡システムはさらに、対象物に接続可能な少なくとも1つのビーコン装置を含んでもよい。ビーコン装置の潜在的可能な定義についてはWO2014/097181A1を参照することができる。追跡システムは、好ましくは、検出器が少なくとも1つのビーコン装置の対象物の位置に関する情報を生成し、特に、特異的なスペクトル感度を示す特定のビーコン装置を含む対象物の位置に関する情報を生成するように適合される。このように、異なるスペクトル感度を示す複数のビーコンは、好ましくは同時に、本発明の検出器により追跡されることができる。ここで、ビーコン装置は、完全にまたは部分的に能動型ビーコン装置および/または受動型ビーコン装置として具現化され得る。一例として、ビーコン装置は、検出器へと伝送されることになる少なくとも1つの光ビームを生成するように適合された少なくとも1つの照射源を含んでもよい。追加的にまたは代替的に、ビーコン装置は、照射源により生成される光を反射するように適合された少なくとも1つの反射体を含むことにより、検出器へと伝送されることになる反射光ビームを生成し得る。

0131

本発明のさらなる一態様において、少なくとも1つの対象物の少なくとも1つの位置を決定するためのスキャニングシステムが提供される。本明細書で使用されるとき、スキャニングシステムは、少なくとも1つの対象物の少なくとも1つの表面に配置された少なくとも1つのドット照明するためおよび少なくとも1つのドットとスキャニングシステムとの間の距離に関する少なくとも1つの情報項目を生成する少なくとも1つの光ビームを放射するように構成される装置である。少なくとも1つのドットとスキャニングシステムとの間の距離に関する少なくとも1つの情報項目を生成するために、スキャニングシステムは本発明に係る検出器の少なくとも1つ、例えば上記に挙げた実施形態および/または下記の実施形態の1つまたは複数に開示されるような少なくとも1つの検出器のなど、本発明に係る検出器を少なくとも1つ含む。

0132

したがって、スキャニングシステムは、少なくとも1つの対象物の少なくとも1つの表面に位置する少なくとも1つのドットを照射するように構成された少なくとも1つの光ビームを放射するように構成された少なくとも1つの照射源を含む。本明細書で使用されているように、「ドット」という用語は、例えばスキャニングシステムのユーザによって選択されることがある、照射源によって照射される対象物の表面の一部上の小さい領域を指す。好ましくは、ドットは、一方で、スキャニングシステムに含まれる照射源と対象物の表面上でドットが位置し得る部分との間の距離の値を、スキャニングシステムが可能な限り正確に決定できるように、可能な限り小さいサイズを示すものであってもよい、他方で、スキャニングシステムのユーザまたはスキャニングシステム自体が、特に自動手順によるスキャニングシステム自体が、対象物の表面上の関連部分におけるドットの存在を検出できる程度に可能な限り大きいサイズであってもよい。

0133

この目的のために、照射源は、人工照射源、特に少なくとも1つのレーザ源および/または少なくとも1つの白熱灯および/または少なくとも1つの半導体光源、例えば少なくとも1つの発光ダイオード、特に有機および/または無機発光ダイオードを含み得る。一般的に定義されるビームプロファイルおよび他の操作特性のため、照射源として少なくとも1つのレーザ光源を使用するのが特に好ましい。こで、単一のレーザ光源の使用は、特に、ユーザによって保管しやすく運びやすいと考えられる小型スキャニングシステムの提供が重要となり得る場合が好ましい。したがって、照射源は、好ましくは、検出器の構成部分であり得、したがって、特に、検出器のハウジングへ統合されるように検出器と統合され得る。好ましい一実施形態において、特にスキャニングシステムのハウジングは、例えば読みやすいように距離関連情報をユーザに提供するように構成される少なくとも1つのディスプレイを含むことができる。さらに好ましい実施形態では、特にスキャニングシステムのハウジングは追加的に、1つまたは複数の操作モードを設定するなどスキャニングシステムに関連する少なくとも1つの機能を操作するために構成された少なくとも1つのボタンを含み得る。さらに好ましい実施形態では、特にスキャニングシステムのハウジングは追加的に、特に距離測定の正確性および/またはユーザによるスキャニングシステムの操作性の向上のため、スキャニングシステムを別の表面に固定するように構成された少なくとも1つの固定用ユニット、例えばゴム製脚、ベースプレートまたは磁性材料を含む壁ホルダなどを含み得る。

0134

特に好ましい実施形態では、スキャニングシステムの照射源はこのように、対象物の表面に位置する単一のドットを照射するように構成された単一のレーザビームを放射してもよい。本発明による検出器の少なくとも1つを使用することにより、少なくとも1つのドットとスキャニングシステムとの間の距離に関する少なくとも1つの情報項目を生成することができる。これにより、好ましくは、スキャニングシステムに含まれる照射システムと照射源によって生成される単一のドットとの間の距離が、少なくとも1つの検出器に含まれる評価装置を使用することなどにより、決定されてもよい。しかしながら、スキャニングシステムは、さらに、特にこの目的に適合させることができる追加の評価システムを含むことができる。追加的または代替的に、スキャニングシステムのサイズ、特にスキャニングシステムのハウジングのサイズを考慮に入れることができ、そしてこのように、スキャニングシステムのハウジングの前端または後端などハウジング表面の特定の点と単一のドットとの間の距離が代替的に決定される。

0135

あるいは、スキャニングシステムの照射源は、ビームの放出方向の間に直角などそれぞれの角度を与えるように構成された2つの個別の光ビームを放出することができ、それにより、同じ対象物の表面に位置する2つの個別のドットまたは2つの別々の対象物の2つの異なる表面が照射され得る。しかしながら、2つの個別の光ビーム間のそれぞれの角度についての他の値もまた実現可能である。この特徴は特に、間接測定機能向けに採用されることができ、例えば、スキャニングシステムとドットとの間に1つ以上の障害物が存在するため直接アクセスできない可能性のある間接距離の導出、またはその他到達するのが困難である可能性がある間接距離の導出などに採用される。このように、例として、2つの個別の距離を測定し、ピタラス定理の使用によって高さを導出することによって、対象物の高さの値の決定が適している。特に対象物に関して所定の水平さを維持することができるために、スキャニングシステムは、さらに、ユーザによって所定のレベルを維持するために使用され得る少なくとも1つの水平化ユニット、特に一体型気泡バイアルなどを含むことができる。

0136

さらなる一選択肢として、スキャニングシステムの照射源は、複数の個別のレーザビーム、たとえばレーザビームの配列(array)のような互いに対して個別のピッチ例えば規則的なピッチを示し、少なくとも1つの対象物の少なくとも1つの表面上に位置するドットの配列を生成するように配置された複数の個別のレーザビームを放出してもよい。このため、特別に適合された光学要素、例えばビーム分割装置および鏡などが設けられてもよく、それは記載されたレーザビームの配列の生成を可能にし得る。

0137

このように、スキャニングシステムは、1つまたは複数の対象物の1つまたは複数の表面上に配置された1つまたは複数のドットの静的配置を提供し得る。あるいは、スキャニングシステムの照射源、特に上述の複数のレーザビームから成る配列などのスキャニングシステムの照射源は、時間の経過につれ変化する強度を示し、および/または、時間が経過する中で放出方向が交互に変化し得る1本または複数の光ビームを提供するように構成され得る。このように、照射源は、スキャン装置の少なくとも1つの照射源によって生成される交互に変化する特徴を有する1本または複数の光ビームを使用することにより、少なくとも1つの対象物の少なくとも1つの表面の一部を1つの画像としてスキャンするように構成され得る。特に、スキャニングシステムはこのように少なくとも1回の列スキャンおよび/または行スキャンを使用し、例えば1つまたは複数の対象物の1つまたは複数の表面を連続的にまたは同時にスキャンし得る。

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