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技術 金属イオン電池用電極

出願人 ネクソンリミテッド
発明者 畠沢剛信クリストファーマイケルフレンド
出願日 2017年6月14日 (3年6ヶ月経過) 出願番号 2018-564799
公開日 2019年8月15日 (1年4ヶ月経過) 公開番号 2019-522872
状態 未査定
技術分野 電池の電極及び活物質
主要キーワード 長尺構造体 単体シリコン カーボン線 気化性液体 サイズ側 二次元投影図 構造体要素 固体アルミニウム
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課題・解決手段

電極活性層が、ケイ素酸化ケイ素ゲルマニウム、スズ、アルミニウムおよびそれらの混合物から選択される電気活性物質を含む複数の低空隙率粒子と、グラファイト軟質炭素および硬質炭素の1つ以上から選択される複数の炭素粒子とを含む、金属イオン電池用電極を提供する。多孔質粒子(i)のD50粒径に対する炭素粒子のD50粒径の比は1.5〜30の範囲である。また、前記電極を備える充電式金属イオン電池、ならびに、前記電極の製造に使用され得る多孔質粒子および炭素粒子の組成物を提供する。

概要

背景

充電式金属イオン電池携帯電話ノートパソコンなどの携帯用電子機器に広く使用されており、電気自動車ハイブリッド自動車での用途も増えている。充電式金属イオン電池は、一般的に、アノード層カソード層;アノード層とカソード層との間で金属イオン輸送するための電解質;および、アノードカソードとの間に配置された電気絶縁性多孔質セパレータとを備える。カソードは、通常、金属酸化物系複合材料を含む金属イオン層が設けられた金属集電体を備え、アノードは、通常、本明細書において電池充放電中に金属イオンを挿入ないし放出可能な材料として定義される電気活性物質の層が設けられた金属集電体を備える。

誤解を避けるために、本明細書中、用語「カソード」および「アノード」は、カソードが正極となり、アノードが負極となるように電池が負荷を挟んで配置される意味で使用される。金属イオン電池が充電されるとき、金属イオンが金属イオン含有カソード層から電解質を介してアノードに輸送され、アノード材料内に挿入される。本明細書中、用語「電池」は、単一のアノードおよび単一のカソードを備える装置と、複数のアノードおよび/または複数のカソードを備える装置の両方をいう。

充電式金属イオン電池の重量容量および/または体積容量を改善することに関心が集まっている。リチウムイオン電池は、他の電池技術と比較して既に実質的に改善されているものの、更なる開発の余地がある。今日まで、多くの市販の金属イオン電池で使用されているアノード活物質グラファイトに限定されている。グラファイトアノードが充電されるとき、リチウムグラファイト層間にインターカレートして、実験式LixC6(式中、xは0より大きく1以下)で表される材料が形成される。その結果、グラファイトは、リチウムイオン電池において372mAh/gの最大理論容量を有し、実際の容量はそれよりも若干低いものとなっている(約320〜360mAh/g)。ケイ素、スズ、ゲルマニウムなどの他の材料はグラファイトよりも著しく高い容量でリチウムをインターカレートすることができるものの、多数の充電/放電サイクルにわたって十分な容量を維持するのが困難であるため、商業的には広く使用されていない。

特にケイ素は、リチウムに対する容量が非常に大きいため、重量容量および体積容量が高い充電式金属イオン電池を製造するための、グラファイトに代わり得る代替物としてますます注目を集めている(例えば、非特許文献1)。室温では、ケイ素の理論容量はリチウムイオン電池中で約3,600mAh/g(Li15Si4に基づく)である。しかしながら、電気活性物質として使用することは、充電および放電時の大きな体積変化によって複雑になる。バルクシリコン中にリチウムが挿入(つまりシリコン合金化)されると、シリコン材料体積が大幅に増加(シリコンがその最大容量までリチウム化される場合、元の体積の最大400%に増大)し、充放電サイクルの繰り返しはシリコン材料内の顕著な機械的歪みの原因となる。その結果、シリコンアノード材料破断および層間剥離が生じる。アノード材料と集電体との間の電気的接触が失われると、その後の充電−放電サイクルにおいて著しい容量の損失が生じる。

電気活性物質としてのゲルマニウムの使用にも同様の問題がある。ゲルマニウムの最大理論容量はリチウムイオン電池において1625mAh/gである。しかしながら、ゲルマニウムがその最大容量までリチウム化されると、バルクゲルマニウムへのリチウムの挿入は最大370%の体積変化をもたらす。シリコンと同様、ゲルマニウム材料の機械的歪みは、アノード材料の破断および層間剥離、ならびに容量の損失をもたらす。

スズおよびアルミニウムは、グラファイトよりも著しく高い体積容量および重量容量で金属イオンをインターカレートすることができる電気活性物質の更なる例ではあるが、複数の充放電サイクルにわたる電気活性物質の膨張および収縮に起因する容量損失を伴う電気活性物質でもある。

ケイ素含有アノードを充電するときに観察される体積変化に伴う問題を克服するために多くのアプローチが提案されている。これらは一般的に、バルクシリコンよりも体積変化に耐えることができるシリコン構造に関する。例えば、非特許文献2には、薄膜としてニッケル箔集電体上へシリコンを蒸着すること、および、この構造をリチウムイオン電池のアノードとして使用することが記載されている。かかるアプローチによれば良好な容量保持率が得られるものの、この薄膜構造では単位面積当たりで有用な量の容量が得られず、フィルム厚が増加すると改善が全くできなくなってしまう。特許文献1は、高アスペクト比、すなわち粒子の最大寸法と最小寸法との比が大きいシリコン粒子を使用することによって容量維持率が改善することを開示している。100:1以上にもなり得る高アスペクト比は、粒子の物理完全性を損なうことなく充放電中の大きな体積変化を許容するのに役立つと考えられる。

他のアプローチは、リチウムがシリコン中にインターカレートされたときに生じる膨張中に破断する可能性が低いサブミクロンスケールのシリコン構造の使用に関する。例えば、特許文献2および3は、リチウムイオン二次電池でアノード材料として使用するためのシリコン系ナノ構造を開示している。このようなナノ構造は、直径1〜50nmおよび長さ500nm〜10μmの籠状球状粒子およびロッドまたはワイヤを含む。これらのシリコン構造はまた、膨張のための緩衝領域を提供するために空隙を含むように配置され得る。例えば、特許文献4は、互いに交差して交点および多孔質構造を提供する長尺シリコン構造を含む電極を開示し、特許文献5は、化学エッチングスパッタリング法等により形成され得る、粒子コアから延在する複数のシリコン含有ピラーを含む粒子を開示する。

多孔質シリコン粒子もリチウムイオン電池に使用するために研究されている。多孔質シリコン粒子は、一般的にシリコン製の繊維、リボン柱状粒子等の他のシリコン構造体製造コストよりも製造コストが低いため、金属イオン電池用魅力的な候補である。例えば、特許文献6は、リチウムイオン電池用アノード材料であって、導電性マトリックス中に分散された多孔質シリコン粒子を含むものを開示している。多孔質シリコン粒子は、1〜10μmの範囲の直径、1〜100nmの範囲の孔直径、140〜250m2/gの範囲のBET表面積、および1〜20nmの範囲の結晶子サイズを有する。多孔質シリコン粒子は、カーボンブラック等の導電性物質、およびPVDF等のバインダーと混合されて、集電体に塗布されて電極を得ることができる電極材料を形成する。

今日までの努力にもかかわらず、高ケイ素含有量の電極が商業的に実現できると考えられ得る以前に、ケイ素電気活性物質の寿命性能を著しく改善する必要がある。したがって、アノード電気活性物質が主にまたは完全にシリコンである電池を商業化することは長期的な目的ではあるものの、電池製造業者のより直接的な目標は、グラファイト製アノードの容量を補うために少量のシリコンを使用する方法を特定することである。したがって、現在の焦点は、グラファイト製アノードからシリコン製アノードへの大規模移行ではなく、「ハイブリッド」電極を使用することによって既存の金属イオン電池技術を徐々に改善することである。

ハイブリッド電極の開発はそれ自身が挑戦である。いかなる追加の電気活性物質も、金属イオン電池に従来から使用されている炭素粒子形態と適合する形態で提供されなければならない。例えば、追加の電気活性物質は炭素粒子のマトリックス全体に分散させることが可能でなければならず、また、追加の電気活性物質の粒子は、炭素粒子との配合処理や、スラリー混合、堆積圧縮、乾燥およびカレンダー加工等のステップを介するその後の電極層形成処理に耐えるのに十分な構造的完全性を有さなければならない。ハイブリッドアノードを開発する際は、グラファイトおよび他の電気活性物質における金属化特性の違いも考慮に入れなければならない。グラファイトが電気活性物質の少なくとも50重量%を構成するグラファイト含有ハイブリッドアノードのリチウム化では、ケイ素含有電気活性物質は、全ての電気活性物質から容量の利益を得るために、その最大容量(またはそれに近い容量)までリチウム化する必要がある。一方、非ハイブリッドシリコン電極では、シリコン材料は、一般的に、充放電時中、最大重量容量の約25〜60%に制限される。シリコン材料自体ならびに他の電極要素およびセル構成要素に(活物質の膨張および収縮による)過度機械的応力掛けるのを避けるためである。また、セルのフル充電時に最適な全体体積容量を維持するようにするためである。このオプションはハイブリッド電極では得られない。そのため、電気活性物質は、充放電サイクルの繰り返しによる非常に高レベルの機械的応力に耐えることができなければならない。高い応力に耐えるだけでなく、電気活性物質は、電極製造プロセス(通常は1つまたは複数のカレンダー工程を伴う)中に損傷や劣化しないように十分に頑強でなければならない。

特許文献7は、微結晶シリコンを含む、粒径0.2〜50μmの多孔質シリコン含有粒子を開示している。これらの粒子は、ケイ素を、Al、B、P、Ge、Sn、Pb、Ni、Co、Mn、Mo、Cr、V、Cu、Fe、W、Ti、Zn、アルカリ金属アルカリ土類金属、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される元素Xで合金化し、次いで、続いて化学処理で元素Xの除去することにより得られる。特許文献7は、多孔質ケイ素含有粒子をグラファイトと組み合わせて使用して複合電極を形成し得ることを開示している。しかしながら、特許文献7の実施例は非多孔質シリコン形態よりも性能が改善できたことを示している一方、グラファイトの使用は導電性添加剤としてごく少量しか開示されておらず、実施例はアノードのシリコン成分をリチウム化することのみを開示している。

特許文献8は、2種類の活物質粒子を含むハイブリッドアノード活物質を含むリチウムイオンキャパシタを開示している。第1の活物質粒子はグラファイト粒子などの活性炭粒子から選択され、第2の活物質粒子は酸化ケイ素を含み、粒径は10〜100nmである。特許文献8によれば、ナノスケール酸化ケイ素粒子は、マイクロスケール粒子と比較した場合、理論容量のより大きな増加をもたらし、また充放電時の体積変化に対してより耐性がある。しかしながら、ナノスケール粒子は製造および取り扱いが困難であるため商業規模の用途には特に適していない。例えば、ナノスケールの粒子は集塊を形成する傾向があるため、アノード材料マトリックス中に分散させた有用な分散物を得ることが難しい。さらに、ナノスケール粒子の集塊の形成は、繰り返しの充放電サイクルで許容できない容量損失をもたらす。

特許文献9は、負極活物質が多孔質シリコン粒子の集合体を含んでなる充電式リチウム電池であって、多孔質粒子は1nm〜10μmの平均直径を有する複数の空隙を有するように形成されており、集合体は1μm〜100μmの平均粒径を有する充電式リチウム電池を開示している。特許文献9の実施例はグラファイトに言及しているが、導電性物質としてはごく少量である。アノード活物質としてグラファイトを使用することは開示されていない。

特許文献10は、HFとHNO3の溶液を用いて約1μm〜約4μmの範囲の初期粒径を有する冶金グレードシリコン粉末ステインエッチングすることによって調製されるシリコン「ナノスポンジ」粒子を開示している。得られたナノスポンジ粒子は、ナノ結晶領域間に配置された2.0nm〜8.0nmの平均直径を有する孔を有するナノ結晶領域を含むとされている。

概要

電極の活性層が、ケイ素、酸化ケイ素ゲルマニウム、スズ、アルミニウムおよびそれらの混合物から選択される電気活性物質を含む複数の低空隙率粒子と、グラファイト、軟質炭素および硬質炭素の1つ以上から選択される複数の炭素粒子とを含む、金属イオン電池用電極を提供する。多孔質粒子(i)のD50粒径に対する炭素粒子のD50粒径の比は1.5〜30の範囲である。また、前記電極を備える充電式金属イオン電池、ならびに、前記電極の製造に使用され得る多孔質粒子および炭素粒子の組成物を提供する。

目的

したがって、アノード電気活性物質が主にまたは完全にシリコンである電池を商業化することは長期的な目的ではあるものの、電池製造業者のより直接的な目標は、グラファイト製アノードの容量を補うために少量のシリコンを使用する方法を特定することである

効果

実績

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請求項1

集電体と接触する活性層を備える金属イオン電池用電極であって、前記活性層は、ケイ素、式SiOx(式中、0<x≦1.5)で表される酸化ケイ素ゲルマニウム、スズ、アルミニウム、および、それらの混合物から選択される電気活性物質を含む複数の多孔質粒子(i)であって、0.5〜40μmの範囲のD50粒径、および30%未満の粒子内空隙率を有する多孔質粒子(i)と、グラファイト軟質炭素、および硬質炭素のうちの1つ以上から選択され、D50粒径が1〜100μmの範囲である複数の炭素粒子(ii)とを含み、前記活性層は少なくとも50重量%の前記炭素粒子(ii)を含み、前記多孔質粒子(i)のD50粒径に対する前記炭素粒子(ii)のD50粒径の比は1.5〜30の範囲である、金属イオン電池用電極。

請求項2

前記多孔質粒子(i)は、少なくとも60重量%、好ましくは少なくとも70重量%、より好ましくは少なくとも75重量%、より好ましくは少なくとも80重量%、最も好ましくは少なくとも85重量%の前記電気活性物質を含み、好ましくは、前記電気活性物質はケイ素またはスズであり、好ましくは、前記電気活性物質はケイ素である、請求項1に記載の電極。

請求項3

前記多孔質粒子(i)は一次粒子である、請求項2に記載の電極。

請求項4

前記多孔質粒子(i)は、少なくとも40重量%、好ましくは少なくとも50重量%、より好ましくは少なくとも60重量%、より好ましくは90重量%以下、より好ましくは少なくとも80重量%以下の前記電気活性物質を含み、好ましくは、前記電気活性物質はケイ素またはスズであり、好ましくは、前記電気活性物質はケイ素である、請求項1に記載の電極。

請求項5

二次粒子である前記多孔質粒子(i)は一次粒子である前記電気活性物質を含み、前記一次粒子の組成は請求項2で定義されたとおりである、請求項4に記載の電極。

請求項6

前記多孔質粒子(i)は、少なくとも0.01重量%のアルミニウムおよび/またはゲルマニウム、少なくとも0.1重量%のアルミニウムおよび/またはゲルマニウム、少なくとも0.5重量%のアルミニウムおよび/またはゲルマニウム、少なくとも1重量%のアルミニウム、少なくとも2重量%のアルミニウムおよび/またはゲルマニウム、または、少なくとも3重量%のアルミニウムおよび/またはゲルマニウムを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の電極。

請求項7

前記多孔質粒子(i)は、アンチモン、銅、マグネシウム亜鉛マンガンクロムコバルトモリブデンニッケルベリリウムジルコニウム、鉄、ナトリウムストロンチウムリン、スズ、ルテニウム、金、銀、およびそれらの酸化物から選択される1つ以上の追加の元素を少量含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の電極。

請求項8

前記多孔質粒子(i)は、ニッケル、銀、および銅の1つ以上を少量含む、請求項7に記載の電極。

請求項9

前記多孔質粒子(i)のD50粒径は、少なくとも0.8μm、少なくとも1μm、少なくとも1.5μm、少なくとも2μm、少なくとも2.5μm、または少なくとも3μmである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の電極。

請求項10

前記多孔質粒子(i)のD50粒径は、35μm以下、30μm以下、25μm以下、20μm以下、15μm以下、10μm以下、6μm以下、5.5μm以下、5μm以下、4.5μm以下、4μm以下、または3.5μm以下である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の電極。

請求項11

前記多孔質粒子(i)の粒度分布幅は、5以下、4以下、3以下、2以下、または1.5以下である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の電極。

請求項12

前記多孔質粒子(i)の平均アスペクト比は、3:1未満、好ましくは2.5:1以下、より好ましくは2:1以下、より好ましくは1.8:1以下、より好ましくは1.6:1以下、より好ましくは1.4:1以下、最も好ましくは1.2:1以下である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の電極。

請求項13

前記多孔質粒子(i)は、少なくとも0.70、好ましくは少なくとも0.85、より好ましくは少なくとも0.90、好ましくは少なくとも0.92、好ましくは少なくとも0.93、より好ましくは少なくとも0.94、より好ましくは少なくとも0.95、より好ましくは少なくとも0.96、より好ましくは少なくとも0.97、より好ましくは少なくとも0.98、最も好ましくは少なくとも0.99の平均球度Savを有する回転楕円状粒子である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の電極。

請求項14

前記多孔質粒子(i)の粒子内空隙率は5〜25%の範囲内である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の電極。

請求項15

前記多孔質粒子(i)の粒子内空隙率は5〜20%の範囲内である、請求項14に記載の電極。

請求項16

前記多孔質粒子(i)の粒子内空隙率は少なくとも5%、少なくとも10%、または少なくとも12%である、請求項15に記載の電極。

請求項17

前記多孔質粒子(i)の粒子内空隙率は、29%以下、28%以下、27%以下、26%以下、25%以下、24%以下、23%以下、22%以下、21%以下、20%以下、19%以下、18%以下、17%以下、16%以下、または15%以下である、請求項1〜16のいずれか一項に記載の電極。

請求項18

前記多孔質粒子(i)の孔径分布は、水銀ポロシメトリーによる測定で、500nm未満、好ましくは350nm未満、好ましくは300nm未満、好ましくは250nm未満、好ましくは200nm未満、好ましくは150nm未満、好ましくは100nm未満の孔サイズに少なくとも1つのピークを有する、請求項1〜17のいずれか一項に記載の電極。

請求項19

前記多孔質粒子(i)の孔径分布は、水銀ポロシメトリーによる測定で、3nm超、好ましくは5nm超、好ましくは10nm超、好ましくは20nm超、好ましくは30nm超、好ましくは40nm超、好ましくは50nm超、好ましくは60nm超、好ましくは80nm超の孔サイズに少なくとも1つのピークを有する、請求項1〜18のいずれか一項に記載の電極。

請求項20

前記多孔質粒子(i)のBET表面積は、300m2/g未満、好ましくは250m2/g未満、より好ましくは200m2/g未満、より好ましくは150m2/g未満、最も好ましくは120m2/g未満であり、かつ/または、前記多孔質粒子(i)のBET表面積は、少なくとも5m2/g、少なくとも10m2/g、少なくとも15m2/g、少なくとも20m2/g、または少なくとも50m2/gである、請求項1〜19のいずれか一項に記載の電極。

請求項21

前記多孔質粒子(i)は、多孔質一次粒子、多孔質二次粒子、またはそれらの混合物を含む、請求項1〜20のいずれか一項に記載の電極。

請求項22

前記二次粒子は多孔質一次粒子の集合体を含む、請求項21に記載の電極。

請求項23

前記二次粒子は非多孔質一次粒子の集合体を含む、請求項21に記載の電極。

請求項24

前記二次粒子は、前記一次粒子が強い力によって互いに保持されてなる凝集体、または、前記一次粒子が弱い接着力によって互いに保持されてなる集塊を含む、請求項21〜23のいずれか一項に記載の電極。

請求項25

前記多孔質粒子は二次粒子を含み、前記二次粒子は一次粒子の集合体を含み、前記一次粒子のD50粒径は前記二次粒子のD50/2未満である、請求項21〜24のいずれか一項に記載の電極。

請求項26

前記多孔質粒子(i)は、電気活性物質の一次粒子を含む二次粒子であり、さらに炭素を含み、好ましくは、前記炭素は、炭素粒子、前記一次粒子上の炭素コーティング炭素マトリックス、前記電気活性物質の一次粒子を内部に含む炭化バインダー、または、それらの任意の組み合わせとして存在し、例えば、前記炭素は炭化可能前駆体に由来する、体請求項1〜25のいずれか一項に記載の電極。

請求項27

前記一次粒子は回転楕円状のナノ粒子またはその集塊であるか、前記一次粒子は直線、分岐または層状の長尺構造要素不規則なまたは規則的なネットワークを含み、好ましくは、前記長尺構造要素は、前記長尺構造要素の最大寸法が前記長尺構造要素の最小寸法の5倍以下、好ましくは3倍以下となるようなアスペクト比を有する、請求項26に記載の電極。

請求項28

前記一次粒子は、500nm未満、好ましくは300nm未満、好ましくは200nm未満、より好ましくは150nm未満、少なくとも10nm、好ましくは少なくとも20nm、最も好ましく少なくとも30nmの最小寸法を有し、前記一次粒子は、前記最小寸法の5倍以下、好ましくは3倍以下の最大寸法を有する、請求項26または27に記載の電極。

請求項29

前記炭素粒子(ii)は、グラファイト粒子、より好ましくはメソ相グラファイト粒子である、請求項1〜28のいずれか一項に記載の電極。

請求項30

前記炭素粒子(ii)のD50粒径は、少なくとも2μm、少なくとも5μm、少なくとも7μm、少なくとも8μm、少なくとも10μm、少なくとも12μm、または少なくとも15μmである、請求項1〜29のいずれか一項に記載の電極。

請求項31

前記炭素粒子(ii)のD50粒径は、80μm以下、70μm以下、60μm以下、50μm以下、45μm以下、40μm以下、35μm以下、30μm以下、または25μm以下である、請求項1〜30のいずれか一項に記載の電極。

請求項32

前記炭素粒子(ii)は、少なくとも0.70、好ましくは少なくとも0.85、より好ましくは少なくとも0.90、好ましくは少なくとも0.92、好ましくは少なくとも0.93、より好ましくは少なくとも0.94、最も好ましくは少なくとも0.95の平均球度Savを有する回転楕円状粒子である、請求項1〜31のいずれか一項に記載の電極。

請求項33

前記炭素粒子(ii)は、3:1未満、好ましくは2.5:1以下、より好ましくは2:1以下、より好ましくは1.8:1以下、より好ましくは1.6:1以下、より好ましくは1.4:1以下、最も好ましくは1.2:1以下の平均アスペクト比を有する、請求項1〜32のいずれか一項に記載の電極。

請求項34

前記活性層は、60〜95重量%、好ましくは70〜95重量%、最も好ましくは80〜95重量%の前記炭素粒子(ii)を含む、請求項1〜33のいずれか一項に記載の電極。

請求項35

前記活性層は、1〜30重量%の前記多孔質粒子(i)を含む、請求項1〜34のいずれか一項に記載の電極。

請求項36

前記活性層は、少なくとも2重量%、好ましくは少なくとも5重量%、最も好ましくは少なくとも8重量%の前記多孔質粒子(i)を含む、請求項31に記載の電極。

請求項37

前記活性層は、25重量%以下、好ましくは20重量%以下、より好ましくは15重量%以下の前記多孔質粒子(i)を含む、請求項31または32に記載の電極。

請求項38

前記多孔質粒子(i)のD50粒径に対する前記炭素粒子(ii)のD50粒径の比は、少なくとも2、少なくとも2.5、少なくとも3、少なくとも3.5、または少なくとも4である、請求項1〜37のいずれか一項に記載の電極。

請求項39

前記多孔質粒子(i)のD50粒径に対する前記炭素粒子(ii)のD50粒径の比は、25以下、20以下、15以下、または10以下である、請求項1〜38のいずれか一項に記載の電極。

請求項40

前記活性層は、30%以下、好ましくは25%以下、最も好ましくは20%以下の粒子間空隙率を有する、請求項1〜39のいずれか一項に記載の電極。

請求項41

前記活性層は、少なくとも2%、好ましくは少なくとも5%、より好ましくは少なくとも10%の粒子間空隙率を有する、請求項1〜40のいずれか一項に記載の電極。

請求項42

乾燥した、非充電状態における前記活性層は、好ましくは、0.6〜1.8g/cm3の範囲の密度を有する、請求項1〜41のいずれか一項に記載の電極。

請求項43

前記活性層の合計空隙率は、10〜60%、10〜50%、15〜50%、20〜45%、または20〜40%の範囲である、請求項1〜42のいずれか一項に記載の電極。

請求項44

前記多孔質粒子(i)が占める前記活性層の平均断面積百分率は、1%〜25%、好ましくは2%〜20%、より好ましくは5%〜20%、最も好ましくは5%〜15%の範囲である、請求項1〜43のいずれか一項に記載の電極。

請求項45

前記炭素粒子(ii)が占める前記活性層の平均断面積百分率は、40%〜85%、好ましくは45%〜85%、より好ましくは45%〜80%、最も好ましくは45%〜75%の範囲である、請求項1〜44のいずれか一項に記載の電極。

請求項46

前記活性層の粒子間孔が占める前記活性層の平均断面積百分率は、2%〜30%、好ましくは2%〜25%、より好ましくは5%〜25%、より好ましくは10〜25%、最も好ましくは10〜20%の範囲である、請求項1〜45のいずれか一項に記載の電極。

請求項47

前記活性層はバインダーを含み、前記バインダーは、好ましくは、前記活性層の総重量に基づいて、0.5〜20重量%、より好ましくは0.5〜10重量%、最も好ましくは1〜5重量%の量で含まれる、請求項1〜46のいずれか一項に記載の電極。

請求項48

前記活性層は1つ以上の導電性添加剤を含み、前記1つ以上の導電性添加剤は、好ましくは、前記活性層の総重量に基づいて、合計で0.5〜20重量%、より好ましくは1〜15重量%、最も好ましくは2〜10重量%の量で含まれる、請求項1〜47のいずれか一項に記載の電極。

請求項49

前記活性層は、15μm〜2mm、好ましくは15μm〜1mm、好ましくは15μm〜500μm、好ましくは15μm〜200μm、好ましくは20μm〜100μm、好ましくは20μm〜60μmの範囲の厚さを有する、請求項1〜48のいずれか一項に記載の電極。

請求項50

シリコン、ゲルマニウム、スズ、およびこれらの混合物から選択される電気活性物質を含む複数の多孔質粒子であって、0.5〜40μmの範囲のD50粒径、および30%未満の粒子内空隙率を有する複数の多孔質粒子(i)と、グラファイト、軟質炭素、および硬質炭素から選択される複数の炭素粒子(ii)であって、1〜100μmの範囲のD50粒径を有する炭素粒子(ii)とを含む電極組成物であって、前記電極組成物の固形分に基づいて、前記炭素粒子(ii)を少なくとも50重量%含み、前記多孔質粒子(i)のD50粒径に対する前記炭素粒子(ii)のD50粒径の比が1.5〜30の範囲である、電極組成物。

請求項51

前記多孔質粒子(i)は、請求項2〜28のいずれか一項で定義されたとおりである、請求項50に記載の電極組成物。

請求項52

前記炭素粒子(ii)は、請求項29〜33のいずれか一項で定義されたとおりである、請求項50または51に記載の電極組成物。

請求項53

前記電極組成物の固形分に基づいて、60〜95重量%、好ましくは70〜95重量%、最も好ましくは80〜95重量%の前記炭素粒子(ii)を含む、請求項50〜52のいずれか一項に記載の電極組成物。

請求項54

前記電極組成物の固形分に基づいて、少なくとも1重量%、少なくとも2重量%、少なくとも5重量%、または少なくとも8重量%の前記多孔質粒子(i)を含む、請求項50〜53のいずれか一項に記載の電極組成物。

請求項55

前記電極組成物の固形分に基づいて、30重量%以下、25重量%以下、20重量%以下、または15重量%以下の前記多孔質粒子(i)を含む、請求項50〜54のいずれか一項に記載の電極組成物。

請求項56

前記多孔質粒子(i)のD50粒径に対する前記炭素粒子(ii)のD50粒径の比は少なくとも2、少なくとも2.5、少なくとも3、少なくとも3.5、または少なくとも4である、請求項50〜54のいずれか一項に記載の電極組成物。

請求項57

前記多孔質粒子(i)のD50粒径に対する前記炭素粒子(ii)のD50粒径の比は25以下、20以下、15以下、または少なくとも10以下である、請求項50〜56のいずれか一項に記載の電極組成物。

請求項58

バインダーを含み、前記バインダーは、好ましくは、前記電極組成物の固形分に基づいて、0.5〜20重量%、より好ましくは0.5〜10重量%、最も好ましくは1〜5重量%の量で含まれる、請求項50〜57のいずれか一項に記載の電極組成物。

請求項59

1つ以上の導電性添加剤を含み、前記1つ以上の導電性添加剤は、好ましくは、前記電極組成物の固形分に基づいて、合計で0.5〜20重量%、より好ましくは1〜15重量%、最も好ましくは2〜10重量%の量で含まれる、請求項50〜58のいずれか一項に記載の電極組成物。

請求項60

溶媒をさらに含むスラリーの形態である、請求項50〜59のいずれか一項に記載の電極組成物。

請求項61

(i)請求項60に記載の電極組成物を含むスラリーを調製する工程と、(ii)集電体の表面上に前記スラリーをキャストする工程と、(iii)前記集電体と電気的に接触する活性層を形成するために前記溶剤を除去する工程とを含む、電極の製造方法。

請求項62

(i)請求項60に記載の電極組成物を含むスラリーを調製する工程と、(ii)前記スラリーをテンプレート上にキャストする工程と、(iii)前記電極組成物を含む独立型フィルムまたはマットを形成するために前記溶剤を除去する工程と、(iv)集電体と電気的に接触する活性層を形成するために、前記集電体に、前記工程(iii)で得られた前記独立型のフィルムまたはマットを取りつける工程とを含む、電極の製造方法。

請求項63

活性層密度を0.6〜1.8g/cm3の範囲とするために、前記活性層を高密度化する工程をさらに含む、請求項61または62に記載の方法。

請求項64

前記電極は請求項1〜49のいずれか一項に定義されたとおりである、請求項61〜63のいずれか一項に記載の方法。

請求項65

(i)請求項1〜49のいずれか一項に記載の電極を含むアノード、(ii)金属イオンを放出および再吸収することができるカソード活物質を含むカソード、および(iii)前記アノードと前記カソードとの間の電解質を備える、充電式金属イオン電池

請求項66

アノード活物質としての、請求項50〜60のいずれか一項に記載の電極組成物の使用。

技術分野

0001

本発明は、一般的に、金属イオン電池用電極組成物に関し、より具体的には、炭素粒子と少なくとも1種の他の粒状電気活性物質とを含むハイブリッド電極組成物に関する。また、該電極組成物を含む電極、該電極を備える金属イオン電池、および該電極の製造方法も提供される。

背景技術

0002

充電式金属イオン電池は携帯電話ノートパソコンなどの携帯用電子機器に広く使用されており、電気自動車ハイブリッド自動車での用途も増えている。充電式金属イオン電池は、一般的に、アノード層カソード層;アノード層とカソード層との間で金属イオン輸送するための電解質;および、アノードカソードとの間に配置された電気絶縁性多孔質セパレータとを備える。カソードは、通常、金属酸化物系複合材料を含む金属イオン層が設けられた金属集電体を備え、アノードは、通常、本明細書において電池充放電中に金属イオンを挿入ないし放出可能な材料として定義される電気活性物質の層が設けられた金属集電体を備える。

0003

誤解を避けるために、本明細書中、用語「カソード」および「アノード」は、カソードが正極となり、アノードが負極となるように電池が負荷を挟んで配置される意味で使用される。金属イオン電池が充電されるとき、金属イオンが金属イオン含有カソード層から電解質を介してアノードに輸送され、アノード材料内に挿入される。本明細書中、用語「電池」は、単一のアノードおよび単一のカソードを備える装置と、複数のアノードおよび/または複数のカソードを備える装置の両方をいう。

0004

充電式金属イオン電池の重量容量および/または体積容量を改善することに関心が集まっている。リチウムイオン電池は、他の電池技術と比較して既に実質的に改善されているものの、更なる開発の余地がある。今日まで、多くの市販の金属イオン電池で使用されているアノード活物質グラファイトに限定されている。グラファイトアノードが充電されるとき、リチウムグラファイト層間にインターカレートして、実験式LixC6(式中、xは0より大きく1以下)で表される材料が形成される。その結果、グラファイトは、リチウムイオン電池において372mAh/gの最大理論容量を有し、実際の容量はそれよりも若干低いものとなっている(約320〜360mAh/g)。ケイ素、スズ、ゲルマニウムなどの他の材料はグラファイトよりも著しく高い容量でリチウムをインターカレートすることができるものの、多数の充電/放電サイクルにわたって十分な容量を維持するのが困難であるため、商業的には広く使用されていない。

0005

特にケイ素は、リチウムに対する容量が非常に大きいため、重量容量および体積容量が高い充電式金属イオン電池を製造するための、グラファイトに代わり得る代替物としてますます注目を集めている(例えば、非特許文献1)。室温では、ケイ素の理論容量はリチウムイオン電池中で約3,600mAh/g(Li15Si4に基づく)である。しかしながら、電気活性物質として使用することは、充電および放電時の大きな体積変化によって複雑になる。バルクシリコン中にリチウムが挿入(つまりシリコン合金化)されると、シリコン材料体積が大幅に増加(シリコンがその最大容量までリチウム化される場合、元の体積の最大400%に増大)し、充放電サイクルの繰り返しはシリコン材料内の顕著な機械的歪みの原因となる。その結果、シリコンアノード材料破断および層間剥離が生じる。アノード材料と集電体との間の電気的接触が失われると、その後の充電−放電サイクルにおいて著しい容量の損失が生じる。

0006

電気活性物質としてのゲルマニウムの使用にも同様の問題がある。ゲルマニウムの最大理論容量はリチウムイオン電池において1625mAh/gである。しかしながら、ゲルマニウムがその最大容量までリチウム化されると、バルクゲルマニウムへのリチウムの挿入は最大370%の体積変化をもたらす。シリコンと同様、ゲルマニウム材料の機械的歪みは、アノード材料の破断および層間剥離、ならびに容量の損失をもたらす。

0007

スズおよびアルミニウムは、グラファイトよりも著しく高い体積容量および重量容量で金属イオンをインターカレートすることができる電気活性物質の更なる例ではあるが、複数の充放電サイクルにわたる電気活性物質の膨張および収縮に起因する容量損失を伴う電気活性物質でもある。

0008

ケイ素含有アノードを充電するときに観察される体積変化に伴う問題を克服するために多くのアプローチが提案されている。これらは一般的に、バルクシリコンよりも体積変化に耐えることができるシリコン構造に関する。例えば、非特許文献2には、薄膜としてニッケル箔集電体上へシリコンを蒸着すること、および、この構造をリチウムイオン電池のアノードとして使用することが記載されている。かかるアプローチによれば良好な容量保持率が得られるものの、この薄膜構造では単位面積当たりで有用な量の容量が得られず、フィルム厚が増加すると改善が全くできなくなってしまう。特許文献1は、高アスペクト比、すなわち粒子の最大寸法と最小寸法との比が大きいシリコン粒子を使用することによって容量維持率が改善することを開示している。100:1以上にもなり得る高アスペクト比は、粒子の物理完全性を損なうことなく充放電中の大きな体積変化を許容するのに役立つと考えられる。

0009

他のアプローチは、リチウムがシリコン中にインターカレートされたときに生じる膨張中に破断する可能性が低いサブミクロンスケールのシリコン構造の使用に関する。例えば、特許文献2および3は、リチウムイオン二次電池でアノード材料として使用するためのシリコン系ナノ構造を開示している。このようなナノ構造は、直径1〜50nmおよび長さ500nm〜10μmの籠状球状粒子およびロッドまたはワイヤを含む。これらのシリコン構造はまた、膨張のための緩衝領域を提供するために空隙を含むように配置され得る。例えば、特許文献4は、互いに交差して交点および多孔質構造を提供する長尺シリコン構造を含む電極を開示し、特許文献5は、化学エッチングスパッタリング法等により形成され得る、粒子コアから延在する複数のシリコン含有ピラーを含む粒子を開示する。

0010

多孔質シリコン粒子もリチウムイオン電池に使用するために研究されている。多孔質シリコン粒子は、一般的にシリコン製の繊維、リボン柱状粒子等の他のシリコン構造体製造コストよりも製造コストが低いため、金属イオン電池用の魅力的な候補である。例えば、特許文献6は、リチウムイオン電池用アノード材料であって、導電性マトリックス中に分散された多孔質シリコン粒子を含むものを開示している。多孔質シリコン粒子は、1〜10μmの範囲の直径、1〜100nmの範囲の孔直径、140〜250m2/gの範囲のBET表面積、および1〜20nmの範囲の結晶子サイズを有する。多孔質シリコン粒子は、カーボンブラック等の導電性物質、およびPVDF等のバインダーと混合されて、集電体に塗布されて電極を得ることができる電極材料を形成する。

0011

今日までの努力にもかかわらず、高ケイ素含有量の電極が商業的に実現できると考えられ得る以前に、ケイ素電気活性物質の寿命性能を著しく改善する必要がある。したがって、アノード電気活性物質が主にまたは完全にシリコンである電池を商業化することは長期的な目的ではあるものの、電池製造業者のより直接的な目標は、グラファイト製アノードの容量を補うために少量のシリコンを使用する方法を特定することである。したがって、現在の焦点は、グラファイト製アノードからシリコン製アノードへの大規模移行ではなく、「ハイブリッド」電極を使用することによって既存の金属イオン電池技術を徐々に改善することである。

0012

ハイブリッド電極の開発はそれ自身が挑戦である。いかなる追加の電気活性物質も、金属イオン電池に従来から使用されている炭素粒子形態と適合する形態で提供されなければならない。例えば、追加の電気活性物質は炭素粒子のマトリックス全体に分散させることが可能でなければならず、また、追加の電気活性物質の粒子は、炭素粒子との配合処理や、スラリー混合、堆積圧縮、乾燥およびカレンダー加工等のステップを介するその後の電極層形成処理に耐えるのに十分な構造的完全性を有さなければならない。ハイブリッドアノードを開発する際は、グラファイトおよび他の電気活性物質における金属化特性の違いも考慮に入れなければならない。グラファイトが電気活性物質の少なくとも50重量%を構成するグラファイト含有ハイブリッドアノードのリチウム化では、ケイ素含有電気活性物質は、全ての電気活性物質から容量の利益を得るために、その最大容量(またはそれに近い容量)までリチウム化する必要がある。一方、非ハイブリッドシリコン電極では、シリコン材料は、一般的に、充放電時中、最大重量容量の約25〜60%に制限される。シリコン材料自体ならびに他の電極要素およびセル構成要素に(活物質の膨張および収縮による)過度機械的応力掛けるのを避けるためである。また、セルのフル充電時に最適な全体体積容量を維持するようにするためである。このオプションはハイブリッド電極では得られない。そのため、電気活性物質は、充放電サイクルの繰り返しによる非常に高レベルの機械的応力に耐えることができなければならない。高い応力に耐えるだけでなく、電気活性物質は、電極製造プロセス(通常は1つまたは複数のカレンダー工程を伴う)中に損傷や劣化しないように十分に頑強でなければならない。

0013

特許文献7は、微結晶シリコンを含む、粒径0.2〜50μmの多孔質シリコン含有粒子を開示している。これらの粒子は、ケイ素を、Al、B、P、Ge、Sn、Pb、Ni、Co、Mn、Mo、Cr、V、Cu、Fe、W、Ti、Zn、アルカリ金属アルカリ土類金属、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される元素Xで合金化し、次いで、続いて化学処理で元素Xの除去することにより得られる。特許文献7は、多孔質ケイ素含有粒子をグラファイトと組み合わせて使用して複合電極を形成し得ることを開示している。しかしながら、特許文献7の実施例は非多孔質シリコン形態よりも性能が改善できたことを示している一方、グラファイトの使用は導電性添加剤としてごく少量しか開示されておらず、実施例はアノードのシリコン成分をリチウム化することのみを開示している。

0014

特許文献8は、2種類の活物質粒子を含むハイブリッドアノード活物質を含むリチウムイオンキャパシタを開示している。第1の活物質粒子はグラファイト粒子などの活性炭粒子から選択され、第2の活物質粒子は酸化ケイ素を含み、粒径は10〜100nmである。特許文献8によれば、ナノスケール酸化ケイ素粒子は、マイクロスケール粒子と比較した場合、理論容量のより大きな増加をもたらし、また充放電時の体積変化に対してより耐性がある。しかしながら、ナノスケール粒子は製造および取り扱いが困難であるため商業規模の用途には特に適していない。例えば、ナノスケールの粒子は集塊を形成する傾向があるため、アノード材料マトリックス中に分散させた有用な分散物を得ることが難しい。さらに、ナノスケール粒子の集塊の形成は、繰り返しの充放電サイクルで許容できない容量損失をもたらす。

0015

特許文献9は、負極活物質が多孔質シリコン粒子の集合体を含んでなる充電式リチウム電池であって、多孔質粒子は1nm〜10μmの平均直径を有する複数の空隙を有するように形成されており、集合体は1μm〜100μmの平均粒径を有する充電式リチウム電池を開示している。特許文献9の実施例はグラファイトに言及しているが、導電性物質としてはごく少量である。アノード活物質としてグラファイトを使用することは開示されていない。

0016

特許文献10は、HFとHNO3の溶液を用いて約1μm〜約4μmの範囲の初期粒径を有する冶金グレードシリコン粉末ステインエッチングすることによって調製されるシリコン「ナノスポンジ」粒子を開示している。得られたナノスポンジ粒子は、ナノ結晶領域間に配置された2.0nm〜8.0nmの平均直径を有する孔を有するナノ結晶領域を含むとされている。

0017

国際公開第2007/083155号公報
米国特許第6,334,939号明細書
米国特許第6,514,395号明細書
米国特許第8,597,831号明細書
国際公開第2012/175998号公報
米国特許出願公開第2009/0186267号明細書
米国特許第7,479,351号明細書
米国特許第8,526,166号明細書
米国特許出願公開第2004/0214085号明細書
米国特許出願公開第2006/0251561号明細書

先行技術

0018

Insertion Electrode Materials for Rechargeable Lithium Batteries, Winter, M. et al. in Adv. Mater. 1998, 10, No. 10
Ohara et al((Journal of Power Sources 136 (2004) 303-306)

発明が解決しようとする課題

0019

当技術分野において、グラファイトおよび少なくとも1つの追加の電気活性物質を含み、グラファイトおよび追加の電気活性物質の特性が、これらの構成要素間の最適な適合性(したがって最適なセル性能)を提供するように制御されるハイブリッド電極を特定する必要がある。特に、グラファイトおよび少なくとも1つの追加の電気活性物質を含み、電気活性物質に損傷を与えることなく従来のプロセス下での電極製造をも可能にしつつ、最小の外方向膨張でかつ破断することなくその最大容量まで電気活性物質をリチウム化できるように追加の電気活性物質の構造が制御される電極を特定する必要がある。

実施例

0020

第1の態様では、本発明は、集電体と接触する活性層を備える金属イオン電池用電極であって、
前記活性層は、
ケイ素、式SiOx(式中、0<x≦1.5)で表される酸化ケイ素、ゲルマニウム、スズ、アルミニウム、および、それらの混合物から選択される電気活性物質を含む複数の多孔質粒子(i)であって、0.5〜40μmの範囲のD50粒径、および30%未満の粒子内空隙率を有する多孔質粒子(i)と、
グラファイト、軟質炭素、および硬質炭素のうちの1つ以上から選択され、D50粒径が1〜100μmの範囲である複数の炭素粒子(ii)とを含み、
前記活性層は少なくとも50重量%の前記炭素粒子(ii)を含み、前記多孔質粒子(i)のD50粒径に対する前記炭素粒子(ii)のD50粒径の比は1.5〜30の範囲である、金属イオン電池用電極を提供する。

0021

本発明のハイブリッド電極は、金属イオン電池での使用に特に有利な特性を有することが分かった。多孔質粒子(i)と炭素粒子(ii)とのサイズ比を制御することによって、多孔質粒子(i)は炭素粒子(ii)間の空隙スペースに有利に配置される。したがって、本発明は、活性層の体積増加を最小限に抑えつつ、従来の炭素粒子のみを含む活性層よりも活性層の容量を増加させることができる。さらに、多孔質粒子(i)の空隙率(porosity)は、金属イオン挿入中の電気活性物質の膨張の少なくとも一部を粒子構造内の空隙または空間に受け入れることを可能にする範囲内に制御され、それにより、電極活性層の変形や層間剥離、および/または多孔質粒子の破壊を招く可能性がある多孔質粒子(i)の過度な外側方向の膨張が防止される。例えば、本明細書で定義する、多孔質粒子(i)の全リチウム化時の外方向の体積膨張は、典型的には、同じ体積の固体粒子をその最大容量までリチウム化したときに観察される膨張の約20%未満である。同時に、多孔質粒子(i)の空隙率はそれほど高くはないので、多孔質粒子の体積容量は有用な限界を下回る。さらに、多孔質粒子(i)の空隙率を本明細書に記載の範囲内に維持することによって、多孔質粒子が、特に当該技術分野において一般的に行われるように緻密かつ均一な層を得るために電極層がカレンダー加工される場合において、電極層が構造的完全性を失うことなく製造や電極活性層内への導入に耐えるのに十分頑強であることがわかった。特に、本発明の電極の電極活性層は、より高多孔度電気活性粒子を含む電極層よりも激しくカレンダー加工することができ、その結果、活性層に必要なバインダーの量を減らせることがわかった。カレンダー加工能は、好ましい場所(すなわち隣接するカーボン(グラファイト)粒子間の隙間)へ、より小さい多孔質粒子が配置されることを促進する。カレンダー加工は層の均一な厚さを促進または確保するためにも望ましい。本発明者らは、さらに、多孔質粒子のサイズが、当該粒子をスラリー中に凝集することなく容易に分散させることを可能にし、それにより、炭素粒子をさらに含む電極材料への当該粒子の導入を容易にすることを発見した。多孔質粒子の不均一な分布は、活性層の不均一な帯電および膨張をもたらし、活性層の劣化をもたらすため、多孔質粒子の効果的な分散は不可欠である。

0022

ケイ素は、単体ケイ素または式SiOx(式中、0<x≦1.5)で表される酸化ケイ素として存在し得る。

0023

用語「SiOx」は、粒子表面に自然の酸化ケイ素層を含む単体ケイ素を包含するものと理解されたい。好ましくは、自然の酸化ケイ素層は、シリコンおよび酸化シリコンの合計量に対して、30重量%以下、より好ましくは25重量%以下、より好ましくは20重量%以下、より好ましくは15重量%以下、より好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下、例えば4重量%以下、3重量%以下、2重量%以下、または1重量%以下の量で存在する。

0024

式SiOxで表される酸化ケイ素は、単体シリコン領域が分布しているSiO2マトリックスの形態でもよい。

0025

ゲルマニウム、スズおよびアルミニウムも、例えば多孔質粒子の表面上に自然の酸化物層が存在するために、それらの酸化物と組み合わせて多孔質粒子(i)中に存在してもよい。本明細書において、ゲルマニウム、スズおよびアルミニウムは、それぞれ、ゲルマニウム、スズおよびアルミニウムの酸化物を含むと理解されたい。好ましくは、ゲルマニウム、スズおよびアルミニウムの酸化物は、ゲルマニウム、スズおよびアルミニウムならびにそれらの酸化物の合計量に対して、30重量%以下、より好ましくは25重量%以下、より好ましくは20重量%以下、より好ましくは15重量%以下、より好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下、例えば4重量%以下、3重量%以下、2重量%以下または1重量%以下の量で存在する。

0026

多孔質粒子(i)は、好ましくは少なくとも60重量%、より好ましくは少なくとも70重量%、より好ましくは少なくとも75重量%、より好ましくは少なくとも80重量%、最も好ましくは少なくとも85重量%の電気活性物質を含む。例えば、多孔質粒子(i)は、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、少なくとも98重量%、または少なくとも99重量%の電気活性物質を含み得る。好ましい電気活性物質はケイ素およびスズである。したがって、好ましくは、多孔質粒子(i)は、少なくとも60重量%、より好ましくは少なくとも70重量%、より好ましくは少なくとも75重量%、より好ましくは少なくとも80重量%、最も好ましくは少なくとも85重量%のケイ素またはスズを含む。例えば、多孔質粒子(i)は、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、少なくとも98重量%、または少なくとも99重量%のケイ素またはスズを含み得る。特に好ましい電気活性物質はケイ素である。したがって、好ましくは、多孔質粒子(i)は、少なくとも60重量%、より好ましくは少なくとも70重量%、より好ましくは少なくとも75重量%、より好ましくは少なくとも80重量%、最も好ましくは少なくとも85重量%のケイ素を含む。例えば、多孔質粒子(i)は、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、少なくとも98重量%、または少なくとも99重量%のケイ素を含み得る。これらの範囲は、多孔質粒子(i)が一次粒子である実施形態に特に適用可能である。以下に記載するように、これらの範囲は、多孔質粒子(i)がこれらの一次粒子を含む二次粒子である実施形態における電気活性物質含有一次粒子にも特に適用可能である。

0027

特に多孔質粒子が二次粒子である場合、好ましくは、多孔質粒子(i)は、少なくとも40重量%、より好ましくは少なくとも50重量%、より好ましくは少なくとも55重量%、より好ましくは少なくとも60重量%の電気活性物質を含む。好適には、多孔質粒子(i)は90重量%以下、好ましくは80重量%以下の電気活性物質を含む。典型的には、多孔質粒子(i)は、約40〜約90重量%、好ましくは約50〜約80重量%、好ましくは約60〜約80重量%の電気活性物質を含む。好ましい電気活性物質はケイ素およびスズである。したがって、好ましくは、多孔質粒子(i)は、少なくとも40重量%、より好ましくは少なくとも50重量%、より好ましくは少なくとも55重量%、より好ましくは少なくとも60重量%のケイ素またはスズを含む。好ましくは、多孔質粒子(i)は90重量%以下、好ましくは80重量%以下のケイ素またはスズを含む。典型的には、多孔質粒子(i)は、約40〜約90重量%、好ましくは約50〜約80重量%、好ましくは約60〜約80重量%のケイ素またはスズを含む。特に好ましい電気活性物質はケイ素である。したがって、好ましくは、多孔質粒子(i)は、少なくとも40重量%、より好ましくは少なくとも50重量%、より好ましくは少なくとも55重量%、より好ましくは少なくとも60重量%のケイ素を含む。好ましくは、多孔質粒子(i)は90重量%以下、好ましくは80重量%以下のケイ素を含む。典型的には、多孔質粒子(i)は、約40〜約90重量%、好ましくは約50〜約80重量%、好ましくは約60〜約80重量%のケイ素を含む。多孔質粒子(i)が二次粒子である場合、二次多孔質粒子(i)を構成する電気活性物質含有一次粒子の組成は、上記直前の段落に記載のとおりであることが好ましい。二次多孔質粒子(i)は炭素をさらに含んでもよい。好ましくは、多孔質粒子(i)の組成の残部の主要部分(好ましくは少なくとも60重量%、好ましくは少なくとも70重量%、好ましくは少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも90重量%、または実質的に全部)(すなわち、前記電気活性物質以外)は炭素(炭化バインダー等)である。当該炭素はまた、カーボンブラック、グラフェンもしくはグラフェン系材料カーボンナノチューブおよび/またはカーボンナノワイヤなどの導電性炭素、または他の炭素系材料として提供され得る。

0028

多孔質粒子(i)は少量のアルミニウムおよび/またはゲルマニウムと組み合わせて、ケイ素またはスズを任意に含んでもよい。例えば、多孔質粒子(i)は、少なくとも60重量%のケイ素またはスズならびに最大40重量%のアルミニウムおよび/またはゲルマニウム;より好ましくは、少なくとも70重量%のケイ素またはスズならびに最大30重量%のアルミニウムおよび/またはゲルマニウム;より好ましくは、少なくとも75重量%のシリコンまたはスズならびに最大25重量%のアルミニウムおよび/またはゲルマニウム;さらに好ましくは、少なくとも80重量%のシリコンまたはスズならびに最大20重量%のアルミニウムおよび/またはゲルマニウム;さらに好ましくは、少なくとも85重量%のケイ素またはスズならびに最大15重量%のアルミニウムおよび/またはゲルマニウム;より好ましくは少なくとも90重量%のケイ素またはスズならびに最大10重量%のアルミニウムおよび/またはゲルマニウム;最も好ましくは、少なくとも95重量%のケイ素またはスズならびに最大5重量%のアルミニウムおよび/またはゲルマニウムを含み得る。多孔質粒子(i)が二次粒子である場合、これらの組成物は、二次多孔質粒子(i)を構成する電気活性物質含有一次粒子に特に適用可能である。

0029

任意で、多孔質粒子(i)は、少なくとも0.01重量%のアルミニウムおよび/またはゲルマニウム、少なくとも0.1重量%のアルミニウムおよび/またはゲルマニウム、少なくとも0.5重量%のアルミニウムおよび/またはゲルマニウム、少なくとも1重量%のアルミニウム、少なくとも2重量%のアルミニウムおよび/またはゲルマニウム、または少なくとも3重量%のアルミニウムおよび/またはゲルマニウムを含み得る。多孔質粒子(i)が二次粒子である場合、これらの範囲は、二次多孔質粒子(i)を構成する電気活性物質含有一次粒子に特に適用可能である。

0030

多孔質粒子(i)は、任意で、ケイ素、ゲルマニウム、スズまたはアルミニウム以外の少量の1つまたは複数の追加の元素を含み得る。例えば、多孔質粒子(i)は、Sb、Cu、Mg、Zn、Mn、Cr、Co、Mo、Ni、Be、Zr、Fe、Na、Sr、P、Ru、Ag、Au、およびそれらの酸化物から選択される少量の1つ以上の追加の元素を含み得る。好ましくは、存在する場合、1つ以上の追加の元素は、Ni、Ag、およびCuのうちの1つ以上から選択される。1つまたは複数の追加の元素は、任意で、粒状物質の総重量に対して、40重量%以下、より好ましくは30重量%以下、より好ましくは25重量%以下、より好ましくは20重量%以下、より好ましくは15重量%以下、より好ましくは10重量%以下、最も好ましくは5重量%以下の合計量で存在し得る。任意で、1つまたは複数の追加の元素は、粒状物質の総重量に対して、合計で、少なくとも0.01重量%、少なくとも0.05重量%、少なくとも0.1重量%、少なくとも0.2重量%、少なくとも0.5重量%、少なくとも1重量%、少なくとも2重量%、または少なくとも3重量%の量で存在し得る。多孔質粒子(i)が二次粒子である場合、これらの組成物は、二次多孔質粒子(i)を構成する電気活性物質含有一次粒子に特に適用可能である。

0031

以下に記載するように、多孔質粒子(i)は、特に二次粒子である場合、炭素(好ましくは、炭化バインダー、または、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、グラフェンもしくはグラフェン系材料、カーボンナノワイヤーなどの導電性炭素、または他の炭素系材料の形態)をさらに含み得る。好ましくは、特に多孔質粒子(i)が二次粒子である場合、多孔質粒子(i)の組成の残部の主要部分(好ましくは少なくとも60重量%、好ましくは少なくとも70重量%、好ましくは少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも90重量%、または実質的に全部)(すなわち、前記電気活性物質以外)は炭素である。

0032

多孔質粒子(i)は0.5μm〜40μmの範囲のD50粒径を有する。好ましくは、多孔質粒子(i)のD50粒径は、少なくとも0.8μm、少なくとも1μm、少なくとも1.5μm、少なくとも2μm、少なくとも2.5μm、または少なくとも3μmである。好ましくは、多孔質粒子(i)のD50粒径は、35μm以下、30μm以下、25μm以下、20μm以下、15μm以下、10μm以下、6μm以下、5.5μm以下、5μm以下、4.5μm以下、4μm以下、または3.5μm以下である。例えば、多孔質粒子(i)は、1μm〜35μm、1μm〜25μm、1μm〜20μm、または1μm〜10μmの範囲のD50粒径を有し得る。

0033

多孔質粒子(i)のD10粒径は、好ましくは少なくとも0.1μm、少なくとも0.2μm、少なくとも0.3μm、少なくとも0.4μm、少なくとも0.5μm、少なくとも0.6μm、少なくとも0.8μm、少なくとも1μm、少なくとも2μm、または少なくとも3μmである。サブミクロンサイズの粒子の望ましくない凝集の可能性が減り、その結果、スラリー中での粒状物質の分散性が改善されるので、少なくとも0.5μmのD10粒径を有する多孔質粒子(i)が特に好ましい。

0034

多孔質粒子(i)のD50粒径が少なくとも1μmである場合、D10粒径は少なくとも0.5μmが好ましく、少なくとも1μmより好ましい。多孔質粒子(i)のD50粒径が少なくとも1.5μmである場合、D10粒径は少なくとも0.8μmが好ましく、少なくとも1μmがより好ましい。多孔質粒子(i)のD50粒径が少なくとも2μmである場合、D10粒径は少なくとも1μmが好ましく、少なくとも1.5μmがさらに好ましい。

0035

多孔質粒子(i)のD90粒径は、80μm以下、60μm以下、50μm以下、40μm以下、30μm以下、20μm以下、15μm以下、または10μm以下であることが好ましい。

0036

多孔質粒子(i)のD50粒径が30μm以下の場合、D90粒径は60μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましい。多孔質粒子(i)のD50粒径が25μm以下の場合、D90粒径は50μm以下が好ましく、40μm以下がより好ましい。多孔質粒子(i)のD50粒径が20μm以下の場合、D90粒径は40μm以下が好ましく、30μm以下がより好ましい。多孔質粒子(i)のD50粒径が15μm以下の場合、D90粒径は30μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましい。多孔質粒子(i)のD50粒径が10μm以下の場合、D90粒径は20μm以下が好ましく、15μm以下がより好ましい。

0037

多孔質粒子(i)のD99粒径は、100μm以下、80μm以下、70μm以下、60μm以下、50μm以下、40μm以下、または30μm以下であることが好ましい。

0038

多孔質粒子(i)のD50粒径が30μm以下の場合、D99粒径は80μm以下が好ましく、70μm以下がより好ましい。多孔質粒子(i)のD50粒径が25μm以下の場合、D99粒径は70μm以下が好ましく、60μm以下がより好ましい。多孔質粒子(i)のD50粒径が20μm以下の場合、D99粒径は50μm以下が好ましく、40μm以下がより好ましい。多孔質粒子(i)のD50粒径が15μm以下の場合、D99粒径は40μm以下が好ましく、30μm以下がより好ましい。

0039

好ましくは、多孔質粒子(i)は狭いサイズ分布幅を有する。例えば、粒度分布幅((D90−D10)/D50として定義される)は、好ましくは、5以下、4以下、3以下、2以下または1.5以下である。狭いサイズ分布幅を維持することによって、電極での使用に最も有利であると本発明者らによって見出されたサイズ範囲内の粒子の濃度が最大化される。

0040

誤解を避けるために、本明細書で使用される用語「粒径」は、球相当径(equivalent spherical diameter;esd)、すなわち、ある一つの粒子について、それと同体積の球の直径を指し、ここで粒子体積は粒子内孔の体積を含むものと理解される。本明細書で使用される用語「D50」および「D50粒径」は、体積基準メジアン粒径、すなわち、それより下で粒子集団の50体積%が見いだされる直径を指す。本明細書で使用される用語「D10」および「D10粒径」は、10%体積基準メジアン粒径、すなわち、それより下で粒子集団の10体積%が見いだされる直径をいう。本明細書で使用される用語「D90」および「D90粒径」は、90%体積基準メジアン粒径、すなわち、それより下で粒子集団の90体積%が見いだされる直径をいう。本明細書で使用される用語「D99」および「D99粒径」は、99%体積基準メジアン粒径、すなわち、それより下で粒子集団の99体積%が見いだされる直径をいう。

0041

粒径および粒径分布は、通常のレーザー回折技術によって決定することができる。レーザー回折は、粒子および粒子の集合が粒径分布に相関し得る強度および角度によって定義される散乱光パターンを生成する粒子サイズに応じて変化する角度で、粒子が光を散乱させるという原理に依存する。粒度分布を迅速かつ確実に決定するための多数のレーザー回折装置が市販されている。特段明記しない限り、本明細書において特定または報告される粒度分布測定値は、Malvern Instruments社製の従来のMalvern Mastersizer 2000粒度分析装置によって測定されるとおりである。Malvern Mastersizer 2000粒度分析装置は、水溶液中に懸濁された目的の粒子を含む透明セルを通してヘリウム-ネオンガスレーザービーム投射することによって動作する。粒子に衝突する光線は粒子サイズに反比例する角度で散乱され、光検出器アレイがいくつかの所定の角度で光の強度を測定し、様々な角度で測定された強度を標準理論原理を用いてコンピュータ処理して、 粒度分布を測定する。本発明で報告されるレーザー回折値は、蒸留水中の粒子の湿式分散液を用いて得られる。粒子屈折率は3.50、分散指数(dispersant index)は1.330とする。ミー散乱モデルを用いて粒径分布を算出する。

0042

多孔質粒子(i)の平均アスペクト比は、好ましくは3:1未満、より好ましくは2.5:1以下、より好ましくは2:1以下、より好ましくは1.8:1以下、より好ましくは1.6:1以下、より好ましくは1.4:1以下、最も好ましくは1.2:1以下である。本明細書において、用語「アスペクト比」は、2次元粒子投影の最小寸法に対する最長寸法の比をいう。用語「平均アスペクト比」は、粒子集団中の個々の粒子のアスペクト比を、数で重み付け平均したものをいう。

0043

多孔質粒子(i)の形状は回転楕円状(spheroidal)であることが好ましい。本明細書において、回転楕円状粒子は、球状(spherical)および楕円状(ellipsoidal)の粒子の両方を含み得、多孔質粒子(i)形状は、多孔質粒子の平均アスペクト比および平均真球度により好適に定義され得る。回転楕円状粒子は、集塊を形成することなくスラリー中に分散させるのに特に適しており、また電極層中の炭素粒子間の空隙(隙間)に容易に配置されることがわかった。物体真球度は、従来より、当該物体と同一の体積を有する球体表面積の、当該物体の表面積に対する比として特定される。しかしながら、実際には、個々の粒子の表面積および体積をミクロン規模で測定するのは困難である。デジタルカメラを用いて粒子により投影された影を記録する走査型電子顕微鏡法(SEM)および動的画像解析法により、ミクロン規模粒子の高精度な二次元投影図を得ることが可能である。本明細書において用いる用語「真球度」とは、粒子投影と周囲の長さが同一である円の面積に対する当該粒子投影の面積の比であると理解すべきである。よって、個々の粒子について、真球度Sは以下のように定義されうる:

0044

式中、Amは粒子投影の測定面積であり、Cmは粒子投影の測定周囲長である。本明細書において、粒子集団の平均球度Savは次のように定義される:

0045

式中、nは、集団中の粒子の数を表す。

0046

本明細書において、本発明の粒子について用語「回転楕円状」を用いているが、これは、平均球度が少なくとも0.70である物質を指すものと理解すべきである。好ましくは、多孔質球状粒子(i)の平均球度は、少なくとも0.85、より好ましくは少なくとも0.90、より好ましくは少なくとも0.92、より好ましくは少なくとも0.93、より好ましくは少なくとも0.94、より好ましくは少なくとも0.95、より好ましくは少なくとも0.96、より好ましくは少なくとも0.97、より好ましくは少なくとも0.98、最も好ましくは少なくとも0.99である。

0047

粒子が完全な回転楕円状ではない場合、二次元粒子投影の周囲長および面積は粒子の向きに応じて変わってくることが理解されよう。しかしながら、この粒子の向きによる影響は、向きがランダムな複数の粒子から得た真球度およびアスペクト比を平均値として記録することにより補償され得る。

0048

SEMおよび動的画像解析装置は数多く市販されており、粒子材料の真球度およびアスペクト比の迅速かつ確実な測定が可能である。特に断りのない限り、本明細書において特定または報告する真球度値は、レッチェテクノロジー社製のカムサイザーXTにより測定したものである。カムサイザーXTは、100mg〜100gまでの試料体積中における粒子材料について、大きさおよび形状の各寸法を高精度に測定可能な動的画像解析装置であり、平均球度やアスペクト比等の特性を直接算出できる。

0049

本明細書において、用語「多孔質粒子(porous particle)」は、粒子構造体中に複数の孔(pore)、空隙(void)またはチャネル(channel)を含む粒子を指すものと理解されたい。「多孔質粒子」との用語は、直線、分岐または層状の長尺構造体要素の不規則なまたは規則的なネットワークを含む粒子を包含するものと理解されるべきであり、この場合、相互に連結した空隙空間またはチャネルが当該ネットワークの長尺構造体要素間に画定され、これら長尺構造体素子としては、直線状、分岐または層状の繊維、チューブ、ワイヤ、ピラー、ロッド、リボン、プレートフレーク等が挙げられる。しかしながら、本明細書に記載の好ましい多孔質粒子(i)は、電気活性物質含有一次粒子を含み、さらに、炭素(好ましくは炭化バインダー、またはカーボンブラック、グラフェンもしくはグラフェン系材料、カーボンナノチューブ、カーボンナノワイヤーなどの導電性炭素、または他の炭素系材料の形態)を含む二次粒子である。かかる一次粒子は好適には球状もしくは回転楕円状のナノ粒子またはそれらの集塊であるが、一次粒子は直線、分岐または層状の長尺構造要素の不規則なまたは規則的なネットワークを含んでもよく、これらの実施形態では、前記長尺構造要素のアスペクト比は(好ましくは、第2および第3の寸法が(独立して)長尺構造要素の最小寸法の5倍以下、好ましくは3倍以下となるように)比較的小さいことが好ましい。好ましくは、多孔質粒子(i)は、粒子外部からの流体、例えば気体または電解質等が多孔質粒子の実質的に全ての孔体積アクセスできるように、実質的に開放された多孔構造体を有する。「実質的に開放された多孔構造体」とは、多孔質粒子の孔体積の少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、好ましくは少なくとも98%、好ましくは少なくとも99%が粒子外部からアクセス可能であることを意味する。

0050

いくつかの実施形態において、多孔質粒子(i)は当該多孔質粒子を構成する構造体要素の特定の微細構造体またはアーキテクチャにより区別され得る。多孔質粒子(i)は、針状、フレーク状、樹状または珊瑚状として記述され得る、電気活性物質を含む相互接続された不規則な長尺構造要素のネットワークを含み得る。この粒子アーキテクチャは、孔の相互接続ネットワーク、好ましくは粒子全体に概ね均等に分布した孔と関連付けられる。

0051

粒子内空隙率は、粒子の総体積に対する当該粒子内の孔の体積の比として本明細書で定義される。粒子間空隙率は、個々の粒子間の孔の体積であり、個々の粒子のサイズおよび形状、ならびに活性層中の粒子の充填密度の両方の関数である。

0052

多孔質粒子(i)の粒子内空隙率は、3%以上であることが好ましく、5〜25%の範囲内であることが好ましく、5〜20%の範囲内であることがより好ましい。

0053

多孔質粒子(i)の粒子内空隙率は、好ましくは少なくとも5%であり、少なくとも10%、または少なくとも12%であり得る。多孔質粒子(i)の粒子内空隙率は、29%以下であることが好ましく、28%以下であることがより好ましく、27%以下であることがより好ましく、26%以下であることがより好ましく、25%以下であることが最も好ましい。例えば、多孔質粒子(i)の粒子内空隙率は、24%以下、23%以下、22%以下、21%以下、20%以下、19%以下、18%以下、17%以下、16%以下、または15%以下であり得る。

0054

以下に詳述するように、合金浸出させること等によって、出発材料から不要な成分を除去することにより多孔質粒子(i)を製造する場合、浸出の前後での各粒子の元素組成を求め、除去した物質の体積を算出することにより、粒子内空隙率を好適に求めることができる。

0055

より好ましくは、多孔質粒子(i)の粒子内空隙率を水銀ポロシメトリーにより測定してもよい。水銀ポロシメトリーとは、水銀中に浸漬した物質試料印加する圧力を変化させて当該物質の空隙率を明らかにする手法である。試料の孔の中に水銀を貫入させるのに要する圧力は、その孔の大きさに反比例する。より詳細には、水銀ポロシメトリーは、液体小孔への浸透を支配する毛管法則に基づくものである。この法則は、水銀等の非濡れ性液体の場合、下記ウォッシュバーンの式により表される:

0056

D = (1/P)・4γ・cosφ
式中、Dは孔径、Pは印加圧力、γは表面張力、φは液体と試料との間の接触角である。
試料の各孔に浸透する水銀の体積は印加した圧力の関数として直接測定する。分析中圧力増加に伴い、圧力点毎に孔径を算出し、これらの孔を満たすのに必要な水銀の対応する体積を測定する。一定の圧力範囲にわたって取得したこれらの測定値により、試料物質についての孔容積孔径分布が与えられる。ウォッシュバーンの式では、すべての孔が円筒形であると仮定する。実際の物質においては真正円筒形孔はめったに見られないが、このように仮定することにより、大部分の物質の孔構造体を十分有用に表すことができる。誤解を避けるために明記すると、本明細書において孔径について言及するときは、水銀ポロシメトリーにより求められる同等の円筒形寸法を指すものとして理解されたい。本明細書において、水銀ポロシメトリーにおいて求めた値は、ASTMUOP574−11にしたがって求められ、室温での水銀についての表面張力γを480mN/m、接触角φを140°とする。室温での水銀の密度を13.5462g/cm3とする。

0057

多孔質粒子の粉末状試料の場合、当該試料の総孔容積は粒子内の孔および粒子間の孔の合計である。したがって、水銀ポロシメトリー分析における孔径分布曲線において、粒子内孔径分布に関連する小孔径側の1つ以上のピークのセットと、粒子間孔径分布に関連する大孔径側の1つ以上のピークのセットとを含む、少なくとも2峰性の孔径分布曲線が得られる。この孔径分布曲線から、この2つのピークのセット間最低点は、粒子内孔容積と粒子間孔容積とを分けることができる径を示す。これより大きい径における孔容積は、粒子間孔に関連する孔容積であると推定される。総孔容積から粒子間孔容積を差し引くことにより粒子内孔容積が得られ、そこから粒子内空隙率を算出することができる。

0058

水銀ポロシメトリーなどのポロシメトリーもまた、多孔質粒子および炭素粒子を含む電極の活性層の粒子間空隙率を測定するために使用され得る。

0059

米国マイクロメリティックス社製の自動水銀ポロシメータであるオートポアIVシリーズ等、高精度の水銀ポロシメトリー装置が多数市販されている。水銀ポロシメトリーの詳細な説明については「P.A. Webb and C. Orr in “Analytical Methodsin Fine Particle Technology, 1997, Micromeritics Instrument Corporation, ISBN 0-9656783-0」を参照されたい。

0060

水銀ポロシメトリーおよび他の貫入手法は、測定対象の多孔質粒子の外部から水銀(または別の流体)がアクセス可能な孔の体積を求める際にのみ有効であることを理解されたい。上述したように、多孔質粒子(i)の実質的に全ての孔体積は、当該粒子の外部からアクセス可能であり、したがって、水銀ポロシメトリーによる空隙率測定値は粒子の全孔体積と等価になるのが通常である。いずれにせよ、誤解を避けるために明記すると、本明細書において特定または報告する粒子内空隙率および電極粒子間空隙率の各値は、開放された孔の容積、すなわち、粒子または電極活性層の外部からの流体がアクセス可能な孔の体積を指すものとして理解すべきである。水銀ポロシメトリーにより同定できない完全に囲まれた孔は、本明細書で粒子内空隙率値を特定または報告する際には考慮しない。

0061

多孔質粒子(i)は、水銀ポロシメトリーによる測定で、500nm未満、350nm未満、より好ましくは300nm未満、より好ましくは250nm未満、200nm未満、より好ましくは150nm未満、より好ましくは100nm未満の孔サイズに少なくとも1つのピークを有する粒子内孔径分布を有するのが好ましい。好ましくは、孔径分布は、水銀ポロシメトリーによる測定で、3nm超、より好ましくは5nm超、より好ましくは10nm超、より好ましくは20nm超、より好ましくは30nm超、より好ましくは40nm超、より好ましくは50nm超、より好ましくは60nm超、最も好ましくは80nm超の孔サイズに少なくとも1つのピークを有する。

0062

したがって、多孔質粒子(i)は、多孔質粒子の全体の空隙率だけではなく、空隙率の粒子内での分布態様によっても特徴付けられることが好ましい。好ましくは、空隙率は、多孔質粒子(i)中の電気活性物質のアーキテクチャが、電極層への加工中に劣化するほど微細でなく、また電気活性物質の充放電中に許容できない応力を受けるほど大きくもないことを保証する孔径分布と関連する。したがって、多孔質粒子(i)は、特に当該技術分野において一般的に行われるように緻密かつ均一な層を得るためにアノード層がカレンダー加工される場合において、複数の充放電サイクルにわたって商業的に許容可能なレベルで可逆的な容量を提供しつつ、構造的完全性を失うことなく製造やアノード層内への導入に耐えるのに十分頑強である。

0063

多孔質粒子(i)は、好ましくは少なくとも2:1、より好ましくは少なくとも5:1のアスペクト比を有する、不規則で長尺の構造要素のネットワークを含み得る。構造要素アスペクト比が高いと、多孔質粒子を構成する構造要素間に多数の相互接続が得られ、電気的連続性が得られる。

0064

多孔質粒子(i)を構成する構造要素の厚さは、電気活性物質が金属イオンを可逆的にインターカレートおよび放出する能力に関する重要なパラメータである。構造要素が薄すぎると、BET表面積が過度に高くなるため第1サイクルの損失が過度になり、SEI層が形成することがある。しかしながら、構造要素が厚すぎると、金属イオンの挿入中に過度の応力下に置かれ、また、バルクのシリコン材料への金属イオンの挿入が妨げられる。本発明は、構造要素のサイズおよび存在比率を最適化することにより、これらの競合するファクターの最適なバランスを提供することを目的としている。したがって、多孔質粒子は、最小寸法が500nm未満、好ましくは300nm未満、好ましくは200nm未満、より好ましくは150nm未満であり、最大寸法が最小寸法の少なくとも2倍、好ましくは少なくとも5倍である構造要素を含むことが好ましい。最小寸法は、好ましくは少なくとも10nm、より好ましくは少なくとも20nm、最も好ましくは少なくとも30nmである。

0065

多孔質粒子(i)は一次粒子でも二次粒子でもよいが、好ましくは二次粒子である。しかしながら、多孔質ケイ素含有粒子が個々の多孔質一次粒子を含み得ることを排除するものではない。

0066

好ましい二次多孔質粒子(i)は、好ましくは、上述の電気活性物質含有一次粒子を含み、さらに炭素を含む。かかる一次粒子は、好適には球状もしくは回転楕円状のナノ粒子、またはそれらの集塊である。あるいは、一次粒子は、直線、分岐または層状の長尺構造要素の不規則なまたは規則的なネットワークを含んでもよく、これらの実施形態では、前記長尺構造要素のアスペクト比は(好ましくは、第2および第3の寸法が(独立して)長尺構造要素の最小寸法の5倍以下、好ましくは3倍以下となるように)比較的小さいことが好ましい。炭素は、炭素粒子、一次粒子上の炭素コーティング炭素マトリックス(例えば、電気活性物質含有一次粒子が分散してなる炭素マトリックス)、電気活性多孔質粒子(すなわち、電気活性物質含有一次粒子)を内部に含む炭化バインダー、または、それらの任意の組み合わせとして、二次多孔質粒子(i)中に存在し得る。炭素は、後述するように、熱分解炭素、または炭化性前駆体に由来する炭化バインダーであり得る。炭素はまた、カーボンブラック、グラフェンもしくはグラフェン系材料、カーボンナノチューブ、および/またはカーボンナノワイヤーなどの導電性炭素、または他の炭素系材料として提供され得る。

0067

好ましい二次多孔質粒子(i)において、好ましくは、一次粒子は、最小寸法が500nm未満、好ましくは300nm未満、好ましくは200nm未満、より好ましくは150nm未満であり、最大寸法が最小寸法の5倍以下、好ましくは3倍以下である。最小寸法は、好ましくは、少なくとも10nm、より好ましくは少なくとも20nm、最も好ましくは少なくとも30nmである。一例として、一次粒子は、直径20〜500nmの球状または回転楕円状のナノ粒子、または、第2の寸法および第3の寸法が最小寸法の5倍以下である厚さ20〜500nmのフレークであり得る。

0068

誤解を避けるために、本明細書では用語「一次粒子」はその従来の意味で使用する。すなわち、「一次粒子」は、ある粒子状材料における物の個々の断片を指すのに使用される(IUPACでは、「一次粒子」は、ある粒子状材料中の「最小の個別の識別可能実体」として定義されている)。一次粒子は二次粒子と区別することができる。二次粒子は、複数の一次粒子から組み立てられ、かつ、集塊(agglomerate)の場合は弱い接着力もしくは凝集力によって、凝集体(aggregate)の場合は強い原子力または分子力によって、互いに保持されてなる粒子である。多孔質二次粒子は、多孔質一次粒子の集合体(assembly)または非多孔質粒子の集合体を含み得る。二次粒子を形成する一次粒子は個々のアイデンティティを保持する。そのため、構成要素である非多孔質一次粒子間に孔のみを含む二次粒子は、内在的の空隙率を有する一次粒子とは容易に区別され得ることが理解されよう。

0069

多孔質粒子が多孔質または非多孔質の一次粒子の集合体を含む多孔質二次粒子を含む場合、非多孔質粒子のD50粒径は、二次粒子のD50粒径の50%未満(すなわち、二次粒子のD50/2未満)であることが好ましい。

0070

好ましくは、多孔質粒子(i)のBET表面積は、300m2/g未満、250m2/g未満、200m2/g未満、150m2/g未満、120m2/g未満、100m2/g未満、または80m2/g未満である。好適には、BET表面積は、少なくとも5m2/g、少なくとも10m2/g、少なくとも15m2/g、少なくとも20m2/g、または少なくとも50m2/gであり得る。典型的には、BET表面積は約10〜約50m2/gである。本明細書において、用語「BET表面積」は、米国工業標準試験法(ASTM)B922/10に準拠して、ブルナウアー-エメット-テラー理論(Brunauer-Emmett-Teller theory)を用いて、固体表面上への気体分子物理吸着の測定から計算した単位質量当たりの表面積を指すものとして理解されるべきである。

0071

電気活性物質のBET表面積の制御は、金属イオン電池用アノードを設計する際に考慮すべき重視事項である。BET表面積が低すぎると、電気活性物質の大半が周囲の電解質中の金属イオンにアクセスできず、結果として充電率および容量が容認できないほど低くなる。しかしながら、高すぎるBET表面積も不利であることが知られている。電池の第1回目の充放電サイクルの際、アノード表面固体電解質界面(solid electrolyte interphase;SEI)層が形成されるからである。SEI層は、電気活性物質の表面で電解質が反応することにより形成され、電解質から大量の金属イオンを消費しうるため、後の充放電サイクルにおいて電池容量を枯渇させる。当技術分野においては、従来、最適なBET表面積を約10m2/g未満とすることに重点を置いた教示がなされているが、本発明者らは、本発明の粒子材料を電気活性物質として用いれば、BETの許容範囲を大幅に拡大可能であることを見出した。

0072

多孔質粒子(i)を構成する構造体要素を含む電気活性物質は、結晶子の大きさが100nm未満、好ましくは60nm未満である非晶質またはナノ結晶質材料を含むことが好ましい。構造体要素は、非晶質またはナノ結晶質電気活性物質の混合物を含んでもよい。結晶子の大きさは、X線回折分光法により1.5456nmのX線波長を用いて測定され得る。結晶子の大きさは、2θXRD走査からシェラーの式を用いて計算し、ここで、結晶子の大きさd=K・λ/(B・CosθB)において、形状定数Kは0.94、波長λは1.5456nm、θBは220シリコンピークと関連したブラッグ角、Bはそのピークの半値全幅(full width half maximum;FWHM)である。好適には、結晶子の大きさは少なくとも10nmである。

0073

多孔質粒子(i)は公知の方法で得られ得る。例えば、多孔質粒子(i)は、電気活性物質を含む微粒子出発材料から不要な物質を除去するプロセスにより好適に得られ得る。不要な物質の除去により、多孔質粒子を画定している電気活性物質構造体が製造または露出され得る。例えば、このプロセスでは、シリコン、ゲルマニウム、スズおよび/またはアルミニウム構造体からの酸化物成分の除去/低減や、金属マトリックス中に電気活性物質構造体を含む合金粒子からの金属マトリックスの浸出が行われ得る。

0074

多孔質粒子は、除去可能な孔形成材料を用いて集合することができる。孔形成材料は、製造中に最初は多孔質粒子内に含まれ、その後少なくとも部分的に除去されてその場所に孔を残す粒子成分である。孔形成材料は、蒸発崩壊処理、熱処理エッチングまたは洗浄プロセスによって少なくとも部分的に除去することができる。更に多孔質とするために、かつ/または、孔のサイズおよび/または孔の多孔質粒子内分布を制御するために、孔形成材料を含めることができる。孔形成材料は、シリカ金属酸化物、塩(NaClを含む)、および、加熱により少なくとも部分的に揮発性成分に分解して最小量のチャーや残渣を残して熱分解する材料(ポリスチレンセルロースエーテルアクリルポリマーPMMAデンプンポリアルキレンカーボネートポリプロピレンカーボネートPPC)、ポリエチレンカーボネート(PEC)を含む)から好適に選択され得る。好適な孔形成材料には、10〜500nmの範囲の粒径を有するものが含まれる。塩化ナトリウムは好ましい孔形成添加剤である。塩化ナトリウムナノ結晶が(例えば噴霧乾燥による)多孔質粒子の製造中にin situで形成され得、次いで水に溶解することにより容易に除去され得るからである。

0075

多孔質粒子(i)は、電気活性物質をエッチングして電気活性物質内に孔(pore)、空隙(void)またはチャネル(channel)を形成することによって形成され得る。例示的なエッチングプロセスには、ステインエッチング、金属アシスト化学エッチング、電気化学エッチングが挙げられる。多孔質粒子(ii)は、電気活性物質の酸化物を還元して多孔質電活性物質を形成することによって形成され得る。例えば、多孔質ケイ素粒子は、シリカまたは一酸化ケイ素マグネシオサマル還元によって形成され得る。

0076

あるいは、多孔質粒子(i)は、粒状またはバルクの出発材料から形成されてもよく、このプロセスは、多孔質粒子(i)を形成するための多孔質化出発材料の断片化破砕またはミリングを含み得る。

0077

二次多孔質粒子(i)は、多孔質または非多孔質の電気活性物質粒子の噴霧乾燥によって形成され得る。噴霧乾燥は、液体またはスラリーをアトマイザーまたはスプレーノズルを通して分散させて、液滴サイズが制御された液滴のスプレーを形成し、次いでこれを熱ガスで急速に乾燥させて自由流動性粉末の形態の複数の略回転楕円状の粒子を形成する、液体またはスラリーから乾燥粉末を製造するプロセスである。

0078

したがって、二次多孔質粒子は、気化可能な液体担体と共に多孔質または非多孔質な電気活性物質粒子を含むスラリーを形成し、そのスラリーを噴霧乾燥して複数の多孔質粒子からなる粒状材料を形成することによって得られ得る。スラリーのための好適な気化性液体担体には、水やエタノールなどの有機溶媒が挙げられる。いくつかの実施形態では、上述のような湿式ボールミル粉砕プロセスから得られた電気活性物質粒子を含むスラリーは、適宜希釈してから直接噴霧乾燥プロセスで使用することができる。あるいは、噴霧乾燥工程は、スラリーから多孔質粒子を形成するために、凝集、造粒凍結乾燥(凍結乾燥を含む)、凍結造粒、液体への噴霧凍結噴霧熱分解静電噴霧乳化重合および粒子の自己組織化などの1つ以上の代替プロセスによって置き換えられ得る。

0079

好ましい炭素含有二次粒子は、バインダーとして作用する炭化可能成分の熱処理または熱分解によって製造され得る。炭化バインダーは炭化可能前駆体から得られ、炭化可能前駆体は、炭化可能前駆体の分解温度より高い温度、例えば600℃〜1000℃の範囲の温度に多孔質粒子を加熱することによって炭素に変換される。炭化バインダーの形成に適した炭化可能前駆体の例には、糖および多糖(例えば、スクロースデキストラン、デンプン)、石油ピッチ、ならびに上述したようなポリマーが含まれる。炭化可能前駆体は、炭化可能前駆体を炭化した後の多孔質粒子の総重量に対して、最大40重量%、最大30重量%、最大20重量%、または最大10重量%の炭化バインダーを提供するのに適切な量で好適に使用される。炭化バインダーの使用は、その下の粒子の少なくとも一部を被覆する炭素層を提供するので有利であり、これは、電気活性物質の表面上のSEI層の形成を制御したり、導電性を向上する一助となると考えられる。

0080

二次多孔質粒子はまた、メカノフュージョンで得ることができる。

0081

多孔質粒子(i)は、金属マトリックス中にシリコンおよび/またはゲルマニウムを含む合金の粒子を浸出する工程を含むプロセスにより得られ得る。本プロセスは、結晶性のシリコン構造体および/またはゲルマニウム構造体のネットワークが、これらの元素を含む合金を溶融状態から冷却した際に合金マトリックス中で沈殿するという観察結果に基づくものである。好適には、前記合金は、シリコンおよび/またはゲルマニウムの溶解度が低いか、および/または冷却に際して形成される金属間化合物が無視できるほど少量であるかまたは存在しないマトリックス金属を含む。金属マトリックスを構成する金属を浸出させることにより、シリコンおよび/またはゲルマニウム構造体のネットワークが露出する。よって、シリコンおよび/またはゲルマニウムを含む合金の粒子を浸出させることは、上記多孔質粒子への好適な経路を提供する。

0082

多孔質粒子(i)は、塊化しているか、あるいは集合または連結して多孔質粒子(i)を形成している複数の電気活性物質含有断片を含み得る。

0083

炭素粒子(ii)は、グラファイト、軟質炭素、および硬質炭素から選択される。本明細書において、用語「軟質炭素」はグラファイト化できる炭素を指し、そして用語「硬質炭素」はグラファイト化できない炭素を指す。硬質炭素および軟質炭素は、当技術分野において、明確に定義された2つの別個クラスのカーボン材料として認識されている。より具体的には、「硬質炭素」は、室温で長距離結晶学秩序を有さない炭素を指す。非常に高い温度に加熱されても、硬質炭素は長距離の秩序を形成しない(すなわち、グラファイトを形成しない)。これに対して、「軟質炭素」とは、室温では無秩序であるが、約1000℃を超える温度まで加熱することによって長距離の結晶学的秩序が付与される(すなわち、よりグラファイト状にされる)炭素を指す(例えば、Franklin, Proceedings of the Royal Society A, 1951, vol. 209, 196-218)。

0084

炭素粒子(ii)は、グラファイト粒子が好ましく、メソ相グラファイト粒子がより好ましい。グラファイト粒子は、合成または天然のグラファイトを含み得る。好ましくは、グラファイトは少なくとも300mAh/g、例えば300〜360mAh/g、または300〜340mAh/gの最大比容量を有する。

0085

炭素粒子(ii)は、1〜100μmの範囲のD50粒径を有する。好ましくは、炭素粒子(ii)のD50粒径は、少なくとも2μm、少なくとも5μm、少なくとも7μm、少なくとも8μm、少なくとも10μm、少なくとも12μm、または少なくとも15μmである。好ましくは、炭素粒子(ii)のD50粒径は、80μm以下、70μm以下、60μm以下、50μm以下、45μm以下、40μm以下、35μm以下、30μm以下、または25μm以下である。多孔質粒子(i)および炭素粒子(ii)のD50粒子サイズが本明細書に記載される好ましい範囲内であると、多孔質粒子(i)は炭素粒子(ii)間の空隙スペースを有利に占めることができ、特に、多孔質粒子(i)および炭素粒子(ii)のうちの1つまたは好ましくは両方の形状が、回転楕円体である。

0086

炭素粒子(ii)は、したがって、少なくとも0.70、好ましくは少なくとも0.85、より好ましくは少なくとも0.90、より好ましくは少なくとも0.92、より好ましくは少なくとも0.93、より好ましくは少なくとも0.94、最も好ましくは少なくとも0.95の平均真球度Savを有する回転楕円状粒子の形態であり得る。

0087

炭素粒子(ii)は、3:1未満、好ましくは2.5:1以下、より好ましくは2:1以下、より好ましくは1.8:1以下、より好ましくは1.6:1以下、より好ましくは1.4:1以下、最も好ましくは1.2:1以下の平均アスペクト比を有し得る。

0088

好ましい実施形態では、炭素粒子(ii)は、5〜50μmの範囲のD50粒径を有する回転楕円状グラファイト粒子から選択される。より好ましくは、炭素粒子(ii)は、8〜25μmの範囲のD50粒径を有する回転楕円状グラファイト粒子から選択される。最も好ましくは、炭素粒子(ii)は、8〜25μmの範囲のD50粒径を有する回転楕円状グラファイト粒子から選択され、多孔質粒子(i)は、上述のとおり、シリコンを含む多孔質回転楕円状粒子から選択される。

0089

電極の活性層は、好ましくは、60〜95重量%、好ましくは70〜95重量%、最も好ましくは80〜95重量%の炭素粒子(ii)を含む。

0090

電極の活性層は、好適には、1〜30重量%の多孔質粒子(i)を含む。好ましくは、活性層は、少なくとも2重量%、より好ましくは少なくとも5重量%、最も好ましくは少なくとも8重量%の多孔質粒子(i)を含む。好ましくは、活性層は、25重量%以下、より好ましくは20重量%以下、最も好ましくは15重量%以下の多孔質粒子(i)を含む。

0091

多孔質粒子(i)のD50粒径に対する炭素粒子(ii)のD50粒径の比は、好ましくは少なくとも2、少なくとも2.5、少なくとも3、少なくとも3.5、または少なくとも4である。多孔質粒子(i)のD50粒径に対する炭素粒子(ii)のD50粒径の比は、好ましくは25以下、20以下、15以下、または10以下である。

0092

活性層は、好適には、30%以下、好ましくは25%以下、最も好ましくは20%以下の粒子間空隙率を有する。好ましくは、活性層の粒子間空隙率は、少なくとも2%、より好ましくは少なくとも5%、最も好ましくは少なくとも10%である。活性層の合計空隙率は、好ましくは10〜60%、より好ましくは10〜50%、例えば15〜50%、20〜45%、または20〜40%の範囲である。活性層の粒子間空隙率および合計空隙率は、好適には、上述のとおり、水銀ポロシメトリーにより測定される。本明細書に提示される範囲で、粒子間空隙率をともに有する多孔質粒子(i)と炭素粒子(ii)との組み合わせは、活性層の容積エネルギー密度が過度に低減されることなく、電解物による活物質の均一な濡れを促進することがわかった。したがって、活性層の充放電率は、許容可能なレベルで保持され、金属イオンの不可逆的損失が低減される。

0093

乾燥した、非充電状態における電極の活性層は、好ましくは、0.6〜1.8g/cm3、より好ましくは0.65g/cm3〜1.75g/cm3、より好ましくは0.7g/cm3〜1.7g/cm3、0.75g/cm3〜1.65g/cm3、または0.8g/cm3〜1.6g/cm3の範囲の密度を有する。任意に、電極の活性層は、少なくとも0.85g/cm3、少なくとも0.9g/cm3、少なくとも0.95g/cm3、少なくとも1.0g/cm3、または少なくとも1.05g/cm3の密度を有する。任意に、電極の活性層は、1.55g/cm3以下、1.5g/cm3以下、または1.45g/cm3以下の密度を有する。例えば、電極の活性層は、0.6g/cm3〜0.7g/cm3、0.7g/cm3〜0.8g/cm3、0.8g/cm3〜0.9g/cm3、0.9g/cm3〜1.0g/cm3、1.0g/cm3〜1.1g/cm3、1.1g/cm3〜1.2g/cm3、1.2g/cm3〜1.3g/cm3、1.3g/cm3〜1.4g/cm3、1.4g/cm3〜1.5g/cm3、または1.5g/cm3〜1.6g/cm3の密度を有する。

0094

活性層の密度は、好適には、電極の集電体から活性層を除去する前後で、寸法が知られている電極の質量および厚さを測定することにより測定され得る。

0095

高密度の活性層は、高エネルギー密度を提供するための理論で予測されることが理解される。しかしながら、活性層の密度が高すぎる場合には、活性層は、電解物が活性層を浸透するのに十分な空隙率を有しておらず、このことは、高いイオン抵抗と活性層のクラッキングを導く、活性層の不均等なリチウム化をもたらす。固体シリコン粒子を有する、高密度の電極層を得ることができるが、繰り返されるシリコンのメタレーションおよび脱金属は、電極層の膨張率の増加、および粒子の電気的な断絶を導く。また、著しい電極の膨張率が、他の電極の構成に負担を強いることとなる。

0096

従来のグラファイトのみの電極は、1.8〜2.3g/cm3の範囲の典型的なコーティングの密度を有する。しかしながら、本発明は、本発明の電極について、最適な性能が、いくぶん低い活性層密度で得られ、一方、従来の電極よりもフル充電でのより高い容積エネルギー密度をさらに達成できることを明らかにした。グラファイト電極と比較して、活性層の低減された密度は、シリコンのような著しく高い容積容量の材料により補償される。従って、上記で明らかにされた好ましい範囲内の密度を有する活性層を有する電極は、容積エネルギー密度、電気接続性、および低い電極膨張率間の最適なバランスを提供し、一方、活性層への電解物の優れた浸透をさらに維持することがわかった。

0097

好適には、本発明の電極は、少なくとも450mAh/cm3、好適には、少なくとも575mAh/cm3、好適には、少なくとも600mAh/cm3、好適には、少なくとも650mAh/cm3の最初のフル充電での容積エネルギー密度を有する活性層を有する。

0098

また、本発明の電極は、活性層を通る断面を切断し、SEMイメージングを用いることにより、活性層断面の画像分析を行うことにより特徴づけられ得る。電極サンプルは、活性層の平面表面に対して横断する方向に切断することにより区分され、その後、SEMで画像化され、活性層内でのボイドスペースおよび構成の断面の画像を提供する。オープンソースのImageJソフトウェアのようなデジタル画像分析ソフトウェアが、多孔質粒子エリアセクションおよび炭素粒子エリアのセクションとを識別し、かつ区別するため、および各粒子のフェレット直径および真球度を計算するために使用され得る。また、断面内でのボイドおよび孔スペース合計面積が算出され得る。好適には、少なくとも2つまたはより多くの電極の断面であって、互いに平行であり等間隔を有するものが作成されるべきである。好適には、少なくとも3個、好ましくは少なくとも5個、より好ましくは少なくとも10個の断面が測定される。各断面間の間隔は、好適には、少なくとも20μmである。平均フェレット直径および平均真球度の値は、複数の断面にわたって測定された全ての粒子についての値の平均として算出される。

0099

例えば、本発明の電極は、活性層の断面で観察される、多孔質粒子(i)の平均最大フェレット直径を参照することにより特徴づけられ得る(FmaxPPとして本明細書で言及される)。好適には、FmaxPPは、0.5〜18μmの範囲である。任意に、FmaxPPは、少なくとも0.8μm、少なくとも1μm、少なくとも1.5μm、少なくとも2μm、少なくとも2.5μm、または少なくとも3μmであり得る。任意に、FmaxPPは、15μm以下、12μm以下、10μm以下、8μm以下、7μm以下、6.5μm以下、6μm以下、5.5μm以下、5μm以下、4.5μm以下、4μm以下、または3.5μm以下であり得る。

0100

本発明の電極は、活性層を横切って観察される、多孔質粒子(i)の平均最小フェレット直径を参照することにより特徴づけられ得る(FminPPとして本明細書で言及される)。好適には、FminPPは、少なくとも0.1μm, 少なくとも0.2μm、少なくとも0.3μm、少なくとも0.4μm、少なくとも0.5μm、少なくとも0.6μm、少なくとも0.8μm、または少なくとも1μmであり得る。任意に、FminPPは、15μm以下、12μm以下、10μm以下、8μm以下、6μm以下、5μm以下、4.5μm以下、4μm以下、3.5μm以下、3μm以下、または2.5μm以下であり得る。任意に、FminPPの値は、FmaxPPの値の少なくとも50%、例えば、FmaxPPの値の少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%であり得る。

0101

誤解を回避するために、本明細書で使用される用語「最大フェレット直径」は、粒子の二次元投影に対する一対の平行な接線間最大距離を指す。本明細書で使用される用語「平均最大フェレット直径」または「Fmax」は、平均数の平均最大フェレット直径を指す。同様に。本明細書で使用される用語「最小フェレット直径」は、粒子の二次元投影に対する一対の平行な接線間の最小距離を指す。本明細書で使用される用語「平均最小フェレット直径」または「Fmin」は、最小で3個、好ましくは5個、最も好ましくは10個の電極活性層断面から算出される、平均数の平均最小フェレット直径を指す。

0102

活性層の断面で観察される炭素粒子(ii)の平均最大フェレット直径(本明細書ではFmaxCとして言及される)は、好適には、1〜50μmの範囲である。好ましくは、FmaxCは、少なくとも2μm、少なくとも5μm、少なくとも7μm、少なくとも8μm、少なくとも10μm、少なくとも12μm、または少なくとも15μmである。好ましくは、FmaxCは、45μm以下、40μm以下、35μm以下、30μm以下、または25μm以下である。

0103

活性層の断面で観察される炭素粒子(ii)の平均最小フェレット直径は(本明細書ではFminCとして言及される)、好適には、少なくとも0.5μm、少なくとも1μm、少なくとも2μm、少なくとも5μm、少なくとも8μm、少なくとも10μm、少なくとも12μm、または少なくとも15μmである。任意に、FminCは、40μm以下、35μm以下、30μm以下、または20μm以下である。任意に、FminCは、FmaxCの値の少なくとも50%であり、例えば、FmaxCの値の少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%であり得る。

0104

また、本発明の電極の活性層は、内部粒子孔を含む、多孔質粒子(i)、炭素粒子(ii)、粒子間孔が占める活性層の断面積平均比率は、断面において活性層が占める総面積百分率を参照することにより定義され得る。好適には、内部粒子孔を含む、多孔質粒子(i)、炭素粒子(ii)、粒子間孔が占める活性層の断面積の平均百分率は、SEMイメージングにより測定してもよく、本明細書では、少なくとも100μmの横幅および活性層の厚さにより定義される断面積を有する、少なくとも3つの断面の活性層の平均値である。

0105

内部粒子孔を含む多孔質粒子(i)が占める活性層の平均断面積百分率は、好ましくは、1%〜25%、より好ましくは2%〜20%、より好ましくは5%〜20%、最も好ましくは5%〜15%の範囲である。

0106

炭素粒子(ii)が占める活性層の平均断面積百分率は、好ましくは40%〜85%、より好ましくは45%〜85%、より好ましくは45%〜80%、最も好ましくは45%〜75%の範囲である。

0107

活性層の粒子間孔が占める活性層の平均断面積百分率は、好ましくは2%〜30%、より好ましくは2%〜25%、より好ましくは5%〜25%、より好ましくは10〜25%、最も好ましくは10〜20%の範囲である。

0108

活性層は、任意に、バインダーを含み得る。バインダーは、活性層の成分を集電体に付着させ、活性層の完全性を維持する機能がある。本発明に従って使用されるバインダーの例は、フッ化ポリビニリデン(PVDF)、ポリアクリル酸(PAA)およびこれらのアルカリ金属塩、修飾ポリアクリル酸(mPAA)およびそのアルカリ金属塩、カルボキシメチルセルロースCMC)、修飾カルボキシメチルセルロース(mCMC)、ナトリウムカルボキシメチルセルロース(Na−CMC)、ポリビニルアルコール(PVA)、アルギン酸およびこれらのアルカリ金属塩、スチレンブタジエンゴムSBR)、並びにポリイミドを含む。活性層は、バインダーの混合物を含み得る。好ましくは、バインダーは、ポリアクリル酸(PAA)およびそのアルカリ金属塩、並びに修飾ポリアクリル酸(mPAA)およびそのアルカリ金属塩、SBR、並びにCMCから選択されるポリマーを含む。

0109

バインダーは、好適には、活性層の総重量に基づいて、0.5〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%、最も好ましくは1〜5重量%の量で存在し得る。

0110

バインダーは、任意に、架橋促進剤カップリング剤、および/または接着促進剤のような、バインダーの特性を変更する1以上の添加剤と組み合わせて存在し得る。

0111

活性層は、任意に、1つ以上の導電性添加剤を含み得る。好ましい導電性添加剤は、集電体と活性層の電気活性成分との間、および活性層の電気活性成分間の電気伝導率を向上させるように含まれる非電気活性物質である。導電性添加剤は、好適には、カーボンブラック、カーボン線維、カーボンナノチューブ、アセチレンブラックケッチェンブラック、グラフェン、ナノグラフェン小板金属線維、金属パウダー、および伝導性金属酸化物から選択され得る。好ましい導電性添加剤は、カーボンブラック、カーボン線維、およびカーボンナノチューブを含む。

0112

1つ以上の導電性添加剤は、好適には、活性層の総重量に基づいて、合計で、0.5〜20重量%、好ましくは1〜15重量%、最も好ましくは2〜10重量%存在し得る。

0113

活性層は、好適には、15μm〜2mm、好ましくは15μm〜1mm、好ましくは15μm〜500μm、好ましくは15μm〜200μm、好ましくは20μm〜100μm、好ましくは20μm〜60μmの範囲の厚さを有する。

0114

本明細書において、用語「集電体」は、電極組成物における電気活性粒子から、また電気活性粒子へ、電流運搬可能なあらゆる伝導性基材を指す。集電体として使用できる材料の例は、銅、アルミニウム、ステンレススチールニッケルチタン、および焼結カーボンまたは合金またはこれらの混合物を含む。銅が好ましい材料である。好ましくは、集電体の表面は、例えば、集電体の表面の粗面化する処理により、活性層の付着力を増加させるために処理される。集電体は、典型的には、厚さ3〜100μmを有する箔またはメッシュの形態である。集電体は、本発明の活性層を有する片側または両側でコーティングされ得る。

0115

第2の態様では、本発明は、
シリコン、ゲルマニウム、スズ、およびこれらの混合物から選択される電気活性物質を含む複数の多孔質粒子であって、0.5〜40μmの範囲のD50粒径、および30%未満の粒子内空隙率を有する複数の多孔質粒子(i)と、
グラファイト、軟質炭素、および硬質炭素から選択される複数の炭素粒子(ii)であって、1〜100μmの範囲でD50粒径を有する炭素粒子(ii)とを含む電極組成物であって、
前記電極組成物の固形分に基づいて、前記炭素粒子(ii)を少なくとも50重量%含み、前記多孔質粒子(i)のD50粒径に対する前記炭素粒子(ii)のD50粒径の比が1.5〜30の範囲である、電極組成物を提供する。

0116

第2の態様の電極組成物の多孔質粒子(i)および炭素粒子(ii)は、本発明の第1の態様に関して、好ましいまたは任意であるとして記載された、あらゆる特徴を有し得る。

0117

電極組成物は、電極組成物の固形分に基づいて、好ましくは、60〜95重量%、好ましくは70〜95重量%、最も好ましくは80〜95重量%の炭素粒子(ii)を含む。

0118

電極組成物は、好ましくは、電極組成物の固形分に基づいて、1〜30重量%の多孔質粒子(i)を含む。好ましくは、電極組成物は、電極組成物の固形分に基づいて、少なくとも2重量%、より好ましくは少なくとも5重量%、最も好ましくは少なくとも8重量%の多孔質粒子(i)を含む。好ましくは、活性層は、電極組成物の固形分に基づいて、25重量%以下、最も好ましくは20重量%以下、例えば、15重量%以下の多孔質粒子(i)を含む。

0119

多孔質粒子(i)のD50粒径に対する炭素粒子(ii)のD50粒径の比は、好ましくは少なくとも2、少なくとも2.5、少なくとも3、少なくとも3.5、または少なくとも4である。多孔質粒子(i)のD50粒径に対する炭素粒子(ii)のD50粒径の比は、好ましくは25以下、20以下、15以下、または10以下である。

0120

電極組成物は、任意に、バインダーまたはバインダー前駆物質を含み得る。本発明に関連して使用され得るバインダーの例は、フッ化ポリビニリデン(PVDF)、ポリアクリル酸(PAA)およびそのアルカリ金属塩、修飾ポリアクリル酸(mPAA)およびそのアルカリ金属塩、カルボキシメチルセルロース(CMC)、修飾カルボキシメチルセルロース(mCMC)、ナトリウムカルボキシメチルセルロース(Na−CMC)、ポリビニルアルコール(PVA)、アルギン酸およびそのアルカリ金属塩、スチレンブタジエンゴム(SBR)、並びにポリイミドを含む。電極組成物は、バインダーの混合物を含み得る。好ましくは、バインダーは、ポリアクリル酸(PAA)およびそのアルカリ金属塩、および修飾ポリアクリル酸(mPAA)およびそのアルカリ金属塩、SBR、並びにCMCから選択されるポリマーを含む。

0121

バインダーは、電極組成物の固形分に基づいて、好適には、0.5〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%、最も好ましくは1〜5重量%の量で存在し得る。

0122

バインダーは、任意に、架橋促進剤、カップリング剤、および/または接着促進剤のようなバインダーの特性を変更する1以上の添加剤と組み合わせて存在し得る。

0123

電極組成物は、任意に、1以上の導電性添加剤を含み得る。好ましい導電性添加剤は、集電体と活性層の電気活性成分との間、および活性層の電気活性成分間の電気伝導率を向上させるために含まれる非電気活性物質である。導電性添加剤は、好適には、カーボンブラック、カーボン線維、カーボンナノチューブ、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、グラフェン、ナノグラフェン小板、金属線維、金属パウダー、および伝導性金属酸化物から選択され得る。好ましい導電性添加剤は、カーボンブラック、カーボンファイバー、およびカーボンナノチューブを含む。

0124

1以上の導電性添加剤は、好適には、電極組成物の固形分に基づいて、合計で0.5〜20重量%、好ましくは1〜15重量%、最も好ましくは2〜10重量%の量で存在し得る。

0125

電極組成物は、任意に、溶剤を含み得る。したがって、電極組成物は、任意に、スラリーまたは懸濁液の形態であり得る。溶剤は、水または有機溶剤であり得る。適切な有機溶剤の例は、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドジメチルスルホキシドテトラヒドロフラン、およびC1−C4アルコールを含む。上記のように、電極組成物の固体構成の重量パーセントを特定する場合、溶剤は考慮されない。

0126

第3の態様では、本発明は、

(i)溶剤を含み、かつ、本発明の第2の態様を参照して定義される電極組成物を含むスラリーを調製する工程と、
(ii)集電体の表面上に前記スラリーをキャストする工程と、
(iii)前記集電体と電気的に接触する活性層を形成するために前記溶剤を除去する工程とを含む、電極の製造方法を提供する。

0127

本発明の第3の態様の方法で使用される電極組成物および集電体は、本発明の第1のおよび/または第2の態様で好ましいまたは任意として記載されるあらゆる特徴を有し得る。

0128

好ましくは、電極組成物は、上記の定義のバインダーを含む。

0129

好ましくは、電極組成物は、上記の定義の少なくとも1つの導電性添加剤を含む。

0130

本発明の第3の態様の方法は、活性層に存在するあらゆるバインダーを硬化熱硬化)する等のための熱処理、および/または、活性層を高密度化するために、(例えば、プレスまたはローラーを用いて)活性層に圧力を加えるなどの、更なる処理工程を任意に含み得る。

0131

第4の態様では、本発明は、
(i)溶剤を含み、かつ、本発明の第2の態様を参照して定義される電極組成物を含むスラリーを調製する工程と、
(ii)前記スラリーをテンプレート上にキャストする工程と、
(iii)前記電極組成物を含む独立型(free-standing)のフィルムまたはマットを形成するために前記溶剤を除去する工程と、
(iv)集電体と電気的に接触する活性層を形成するために、前記集電体に、前記工程(iii)で得られた前記独立型のフィルムまたはマットを取りつける工程とを含む、電極の製造方法を提供する。

0132

本発明の第4の態様の方法で使用される電極組成物および集電体は、本発明の第1のおよび/または第2の態様で好ましいまたは任意として記載されるあらゆる特徴を有し得る

0133

好ましくは、電極組成物は、上記の定義のバインダーを含む。

0134

好ましくは、電極組成物は、上記の定義の少なくとも1つの導電性添加剤を含む。

0135

本発明の第4の態様の方法は、活性層に存在するあらゆるバインダーを硬化(熱硬化)する等のための熱処理、および/または、活性層を高密度するために、(例えば、プレスまたはローラーを用いて)活性層に圧力を加えるなどの、更なる処理工程を任意に含み得る。このような工程は、工程(iii)における電極組成物を含む独立型のフィルムまたはマットの形成中、および/または、その後の工程(iv)における集電体への電極組成物を含む独立型のフィルムまたはマットの取り付け中に行ってもよい。

0136

好ましくは、本発明の第3および第4の態様の方法は、活性層密度を0.6〜1.8g/cm3の範囲とするために、工程(iii)で得られた活性層を高密度化する工程を含む。本発明の第4の態様によれば、高密度化工程は、工程(iv)の前または後に行われ得る。

0137

好ましくは、高密度化工程で得られる活性層の密度は、0.65g/cm3〜1.75g/cm3、より好ましくは0.7g/cm3〜1.7g/cm3、0.75g/cm3〜1.65g/cm3、または0.8g/cm3〜1.6g/cm3範囲である。任意で、高密度化工程で得られる活性層の密度は、少なくとも0.85g/cm3、少なくとも0.9g/cm3、少なくとも0.95g/cm3、少なくとも1.0g/cm3、または少なくとも1.05g/cm3である。任意で、高密度化工程で得られる活性層の密度は、1.5g/cm3以下、または1.45g/cm3以下である。例えば、高密度化工程で得られる活性層の密度は、0.6g/cm3〜0.7g/cm3、0.7g/cm3〜0.8g/cm3、0.8g/cm3〜0.9g/cm3、0.9g/cm3〜1.0g/cm3、1.0g/cm3〜1.1g/cm3、1.1g/cm3〜1.2g/cm3、1.2g/cm3〜1.3g/cm3、1.3g/cm3〜1.4g/cm3、1.4g/cm3〜1.5g/cm3、または1.5g/cm3〜1.6g/cm3である。

0138

本発明の第1の態様の電極は、金属イオン電池のアノードとして使用され得る。したがって、第5の態様では、本発明は、(i)本発明の第1の態様を参照して記載される電極を含むアノードと、(ii)金属イオンを放出および再吸収することが可能なカソード活物質を含むカソードと、(iii)前記アノードと前記カソードとの間に電解質とを備える、充電式金属イオン電池を提供する。

0139

金属イオンは、好ましくは、リチウム、ナトリウムカリウムカルシウムマグネシウムから選択される。より好ましくは、本発明の充電式金属イオン電池はリチウムイオン電池であり、カソード活物質は、リチウムイオンを放出することができる。

0140

カソード活物質は、好ましくは、金属酸化物系複合物である。適切なカソード活物質の例は、LiCoO2、LiCo0.99Al0.01O2、LiNiO2、LiMnO2、LiCo0.5Ni0.5O2、LiCo0.7Ni0.3O2、LiCo0.8Ni0.2O2、LiCo0.82Ni0.18O2、LiCo0.8Ni0.15Al0.05O2、LiNi0.4Co0.3Mn0.3O2、およびLiNi0.33Co0.33Mn0.34O2を含む。カソード集電体は、概して、3〜500μmの厚さである。カソード集電体として使用され得る材料の例は、アルミニウム、ステンレススチール、ニッケル、チタン、および焼結カーボンを含む。

0141

電解質は、好適には、金属塩を含む非水系電解質、例えば、リチウム塩であり、限定されないが、非水系電解液、固体電解質、および無機固体電解質が挙げられ得る。使用される非水系電解物溶液の例には、プロピレンカーボネートエチレンカーボネートブチレンカーボネートジメチルカーボネートジエチルカーボネートガンマブチロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、1,3−ジオキソランホルムアミド、ジメチルホルムアミド、アセトニトリルニトロメタンギ酸メチル酢酸メチルリン酸トリエステルトリメトキシメタンスルフォランメチルスルフォラン、および1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどの非プロトン性有機溶剤が含まれる。

0142

有機固体電解質の例には、ポリエチレン誘導体ポリエチレン酸化物誘導体ポリプロピレン酸化物誘導体リン酸エステルポリマー、ポリエステルスルフィド、ポリビニルアルコール、フッ化ポリビニリデン、およびイオン性解離基を含むポリマーが含まれる。

0143

無機固体電解質の例には、窒化物ハロゲン化合物、および硫化物のリチウム塩、例えば、Li5NI2、Li3N、LiI、LiSiO4、Li2SiS3、Li4SiO4、LiOH、およびLi3PO4が含まれる。

0144

リチウム塩は、好適には、選択された溶剤または溶剤の混合物に溶解できる。好適なリチウム塩の例には、LiCl、LiBr、LiI、LiClO4、LiBF4、LiBC4O8、LiPF6、LiCF3SO3、LiAsF6、LiSbF6、LiAlCl4、CH3SO3Li、およびCF3SO3Liが含まれる。

0145

電解質が非水系有機溶液である場合、電池は、好ましくは、アノードとカソードとの間に挟持されるセパレータを備える。セパレータは、典型的には、高イオン透過性および高機械強度を有する絶縁性材料で形成される。セパレータは典型的には、0.01〜100μmの孔径および5〜300μmの厚さを有する。好適な電極セパレータの例には、微小多孔質ポリエチレンフィルムが含まれる。

0146

セパレータはポリマー電解質材料置換されてもよく、このような場合、ポリマー電解質材料は、複合体アノード層および複合体カソード層の両方の中に存在する。ポリマー電解質材料は、固体ポリマー電解質またはゲルタイプのポリマー電解質であり得る。

0147

第6の態様では、本発明は、アノード活物質として、本発明の第2の態様を参照して定義される電極組成物の使用を提供する。

0148

多孔質粒子の製造方法例
多孔質粒子(i)がシリコンまたはゲルマニウムを含む場合、多孔質粒子(i)は、金属マトリックス中に電気活性物質構造を含む合金粒子から金属マトリックスを浸出することにより製造され得る。多孔質粒子は、
a)複数の合金粒子を提供する工程であって、前記合金粒子は、(i)シリコン、ゲルマニウム、およびこれらの混合物から選択される、11〜30重量%の電気活性物質成分と、(ii)マトリックス金属成分とを含む溶融合金を冷却することにより得られ、前記合金粒子は、1〜7μmの範囲のD50粒径を有し、前記合金粒子は、マトリックス金属成分中に分散された個々の電気活性物質含有構造体を含む、工程と、
(b)少なくとも一部の前記マトリックス金属成分を除去し、かつ前記電気活性物質含有構造体を少なくとも部分的に露出させるために、工程(a)からの合金粒子を浸出させる工程と、を含む方法により調製され得、前記多孔質粒子は、前記マトリックス金属成分を40重量%以下含む。

0149

このプロセスは、所定の合金が冷却されると、結晶質の電気活性物質含有構造体がマトリックス金属成分内に沈殿することが観察されることに依拠する。これらの合金は、材料金属における電気活性物質の溶解性が低く、冷却時に金属間化合物をほとんど形成しないかまたは全く形成しないものである。上記に特定された範囲で合金中の電気活性物質の濃度を制御することにより、リチウムイオン電池用ハイブリッドアノードにおける使用に特に適する空隙率および他の構造的特性を有する粒子材料が得られることがわかった。

0150

合金粒子は、好ましくは、本明細書に記載される多孔質粒子(i)の寸法に対応する粒子の寸法を有する。したがって、合金粒子は、好適には、0.5μm〜40μmの範囲でのD50粒径、および多孔質粒子(i)について、上記の好ましいD10、D50、D90、およびD99粒径を有する。

0151

合金粒子は、好ましくは回転楕円状粒子である。したがって、合金粒子は、好ましくは、少なくとも0.70、より好ましくは少なくとも0.85、より好ましくは少なくとも0.90、より好ましくは少なくとも0.92、より好ましくは少なくとも0.93、より好ましくは少なくとも0.94、より好ましくは少なくとも0.95、より好ましくは少なくとも0.96、より好ましくは少なくとも0.97、より好ましくは少なくとも0.98、最も好ましくは少なくとも0.99の平均真球度を有する。

0152

合金粒子の平均アスペクト比は、好ましくは3:1未満、より好ましくは2.5:1以下、より好ましくは2:1以下、より好ましくは1.8:1以下、より好ましくは1.6:1以下、より好ましくは1.4:1以下、最も好ましくは1.2:1以下である。

0153

電気活性物質の好ましい成分は、シリコンである。したがって、合金粒子の電気活性物質成分は、好ましくは、少なくとも90重量%、より好ましくは少なくとも95重量%、より好ましくは少なくとも98重量%、より好ましくは少なくとも99重量%のシリコンを含む。

0154

合金粒子は、好ましくは、少なくとも11.2重量%、より好ましくは少なくとも11.5重量%、より好ましくは少なくとも11.8重量%、より好ましくは少なくとも12重量%、最も好ましくは少なくとも12.2重量%の電気活性物質成分を含む。例えば、合金粒子は、少なくとも12.2重量%、少なくとも12.4重量%、少なくとも12.6重量%、少なくとも12.8重量%、または少なくとも13重量%の電気活性物質成分を含み得る。好ましくは、合金粒子は、27重量%未満、好ましくは24重量%未満、最も好ましくは18重量%未満の電気活性物質成分を含む。合金粒子における電気活性物質の量は、多孔質粒子の所望の空隙率および孔サイズや、構造要素の寸法を含む、多孔質粒子の所望の構造により当然に規定される。

0155

マトリックス金属成分は、好適には、Al、Sb、Cu、Mg、Zn、Mn、Cr、Co、Mo、Ni、Be、Zr、Fe、Sn、Ru、Ag、Au、およびこれらの組み合わせから選択される。好ましくは、マトリックス金属成分は、Al、Ni、Ag、およびCuの1以上を含む。より好ましくは、マトリックス金属成分は、少なくとも50重量%、より好ましくは少なくとも60重量%、より好ましくは少なくとも70重量%、より好ましくは少なくとも80重量%、より好ましくは少なくとも90重量%、最も好ましくは少なくとも95重量%のAl、Ni、Ag、およびCuの1以上を含む。

0156

好ましいマトリックス金属成分はアルミニウムである。したがって、マトリックス金属成分は、アルミニウム、または、1以上の追加の金属または希土類、例えば、Sb、Cu、Mg、Zn、Mn、Cr、Co、Mo、Ni、Be、Zr、Fe、Na、Sr、P、Sn、Ru、Ag、およびAuの1以上とアルミニウムとの組み合わせでもよく、その組み合わせは、少なくとも50重量%、より好ましくは少なくとも60重量%、より好ましくは少なくとも70重量%、より好ましくは少なくとも80重量%、より好ましくは少なくとも90重量%、より好ましくは少なくとも95重量%のアルミニウムを含む。より好ましくは、マトリックス金属成分は、アルミニウム、またはアルミニウムと銅および/もしくは銀および/もしくはニッケルとの組み合わせから選択され、その組み合わせは、少なくとも50重量%、より好ましくは少なくとも60重量%、より好ましくは少なくとも70重量%、より好ましくは少なくとも80重量%、より好ましくは少なくとも90重量%、および最も好ましくは少なくとも95重量%のアルミニウムを含む。

0157

好ましくは、電気活性物質は、シリコン、またはシリコンとゲルマニウムとの組み合わせであり、その組み合わせは、少なくとも90重量%、より好ましくは少なくとも95重量%、より好ましくは少なくとも98重量%、より好ましくは少なくとも99重量%のシリコンを含み、マトリックス金属成分は、アルミニウム、またはアルミニウムとSb、Cu、Mg、Zn、Mn、Cr、Co、Mo、Ni、Be、Zr、Fe、Na、Sr、P、Sn、Ru、Ag、およびAuの1以上との組み合わせであり、その組み合わせは、少なくとも90重量%、より好ましくは少なくとも95重量%のアルミニウムを含む。

0158

最も好ましくは、電気活性物質はシリコンであり、マトリックス金属成分はアルミニウムである。シリコン‐アルミニウム合金冶金の分野でよく知られ、優れた耐摩耗性、キャスト性、溶接性、および低収縮性を含む、有用な特性の範囲を有する。シリコン‐アルミニウム合金、これらの特性が所望される全ての産業で広く使用され、例えば、自動車エンジンブロックシリンダヘッドなどの産業で広く使用されている。

0159

冶金級のアルミニウムおよびシリコンは、合金粒子の任意の構成として本明細書で明らかにされるものを含む、不純物としての少量の他の元素を含んでもよいことが理解されよう。誤解を回避するために、電気活性物質がシリコンであり、マトリックス金属成分がアルミニウムであることが本明細書で記載される場合、合金粒子が、少量の他の元素を含み得ることは排除されない(ただし、これら元素の総量は5重量%未満、より好ましくは2重量%未満、および最も好ましくは1重量%未満である)。本明細書で特定される電気活性物質の量は、不純物を含むと解釈されるべきではない。

0160

シリコンは、固体アルミニウムにおいて、無視してよい程度の溶解性を有し、アルミニウムと金属間化合物を形成しない。したがって、アルミニウム‐シリコン合金粒子は、アルミニウムマトリックス中に分散される個々のシリコン構造体を含む。合金粒子におけるシリコンの濃度を本明細書に規定の範囲で維持することにより、浸出後に得られる多孔質粒子が、金属イオン電池用ハイブリッド電極で使用するのに特に有利な特定の微細構造を有することがわかった。

0161

シリコン−アルミニウム合金の共融点は約12.6重量%のシリコン濃度である。シリコン‐アルミニウム合金の場合には、上記共融組成物の有意な量でのシリコンの存在が、合金粒子内でのより大きなシリコンエレメントの形成を導くことがわかった。例えば、合金粒子におけるシリコンの量は、20〜30重量%の範囲、特に、24〜30重量%の範囲である場合、粗い主要な相のシリコンドメインが、マトリックス金属成分の浸出の後で観察されるかもしれない。このような主要な相の構造のサイズは、合金の凝固時の冷却速度に依拠し、合金に既知添加材をさらに添加することにより変更することもできる。しかしながら、合金粒子におけるシリコンの総量が30重量%、より好ましくは24重量%を超えないものが提供され、多孔質粒子の全体にわたるミクロ構造が、多孔質粒子を含むハイブリッド電極の充放電中に、許容可能な容量維持率を提供するように十分に微細であることが考慮される。

0162

合金粒子内の個々の電気活性物質構造体の形状および分布は、合金粒子組成および合金粒子の製造プロセスの両方の作用である。電気活性物質の量が低すぎると、その後、マトリックス金属成分の除去後に得られる多孔質粒子が構造的な完全性に乏しく、アノードへのその後の導入および/または製造中に崩壊する傾向があることがわかった。さらに、このような粒子の容量維持率は、充放電時の体積変化からの回復が十分ではないため、商業的な応用には不十分な場合がある。

0163

電気活性物質構造のサイズおよび形状は、溶解からの合金の冷却速度および変性剤の存在(溶解への化学的添加剤)を制御することにより影響される。概して、より速い冷却は、より小さく、より均一に分散されたシリコン構造の形成を導く。冷却速度、およびこれにより形成される電気活性物質構造の形態およびサイズは、合金粒子を形成するために使用されるプロセスの機能である。このように、合金粒子の形成のための適切なプロセスの選択により、合金粒子は、マトリックス金属の浸出により露出される場合に、分散された電気活性物質構造が、金属イオンバッテリー、特にハイブリッド電極を有する金属イオンバッテリーで使用されるのに特に望ましい形態を有して得られる。

0164

合金粒子は、好ましくは、少なくとも1×103K/s、好ましくは少なくとも5×103K/s、好ましくは少なくとも1×104K/s、より好ましくは少なくとも5×104K/s、例えば、少なくとも1×105K/s、または少なくとも5×105K/s、または少なくとも1×106K/s、または少なくとも5×106K/s、または少なくとも1×107K/sの冷却速度で、液体の状態から固体の状態へと溶融合金を冷却することにより得られる。多孔質粒子の孔径分布は、冷却速度が増加するにつれて、大孔サイズ側に大きくなるがことがわかった。

0165

溶融合金を冷却して、少なくとも103K/sの冷却速度で合金粒子を形成するためのプロセスは、ガスによる微粒化アトマイズ)、水による微粒化、溶解‐スピニングスプラット冷却、およびプラズマ相微粒化を含む。合金粒子を形成するために溶融合金を冷却するための好ましいプロセスは、ガスによる微粒化および水による微粒化を含む。ガスおよび水による微粒化プロセスにより得られる粒子の冷却速度は、合金粒子のサイズと相互に関連があることを見出し、本明細書で特定される粒子サイズを有する合金粒子は、非常に高い速度で冷却し(つまり、1×103K/sを超え、典型的には少なくとも1×105K/s)、したがって、合金粒子で形成される電気活性物質構造は、特に好ましい形態を有する。必要であれば、あらゆる具体的な冷却方法により得られる合金粒子は、適切なサイズ分布を得るために分類され得る。

0166

金属マトリックスは、電気活性物質構造をそのままの状態にしておき、一方、マトリックス金属成分の少なくとも一部を除去するのに適切なあらゆる浸出剤を用いて浸出され得る。浸出剤は、液体またはガス相であることとしてもよく、浸出を妨げるあらゆる副産物蓄積を除去するためのサブプロセスまたは添加剤を含み得る。浸出は、好適には、化学または電気化学プロセスにより行われ得る。ナトリウム水酸化物を用いる腐食性の浸出は、アルミニウムを浸出するために使用され得るが、浸出剤溶液中のナトリウム水酸化物の濃度は、浸出剤による、シリコンおよび/またはゲルマニウムへの攻撃を避けるために、10〜20重量%を超えないように制御されるべきである。また、酸による、例えば、塩酸または塩化第二鉄を用いる浸出は、適している技術である。代替的には、マトリックス金属は、例えば、硫酸銅または塩化ナトリウムのような塩電解質を用いて電気化学的に浸出され得る。浸出は、多孔質粒子の所望の空隙率が達成されるまで行われる。例えば、6MのHCl水溶液を室温で10〜60分間使用する酸の浸出は、本明細書に記載されるシリコン‐アルミニウム合金から実質的に全ての浸出可能なアルミニウムを浸出するのに十分である(なお、微量のマトリックス金属は浸出されないことがある)。

0167

マトリックス金属成分の浸出後に、多孔質粒子が、浸出剤でそのまま形成される。概して、副産物および残りの浸出剤を除去するために、洗浄およびリンス工程を行うことが適切である。合金粒子におけるシリコン構造要素の微細な分布は、浸出後に得られる多孔質粒子が、開始時の合金粒子の粒子寸法および形状と実質的に同じ寸法および形状を有するようにする。

0168

マトリックス金属成分がその全体において除去されることは必須ではなく、微量のマトリックス金属が、延長した浸出反応時間であっても残っていてもよい。実際に、追加の電気活性物質としておよび/またはドーパントとして、機能するかもしれないことから、マトリックス金属成分が完全に除去されないことが望ましいかもしれない。したがって、多孔質粒子は、粒子状材料の総重量に対して、40重量%以下、より好ましくは30重量%以下、より好ましくは25重量%以下、より好ましくは20重量%以下、より好ましくは15重量%以下、より好ましくは10重量%以下、最も好ましくは5重量%以下の量で、上記に定義される残余のマトリックス金属成分を含み得る。任意に、多孔質粒子は、粒子状材料の総重量に対して、少なくとも0.01重量%、少なくとも0.1重量%、少なくとも0.5重量%、少なくとも1重量%、少なくとも2重量%、または少なくとも3重量%の量で残余のマトリックス金属成分を含み得る。

0169

上記のように、好ましいマトリックス金属成分は、アルミニウムであり、よって、多孔質粒子は、任意に、粒子状材料の総重量に対して、40重量%以下、より好ましくは30重量%以下、より好ましくは25重量%以下、より好ましくは20重量%以下、より好ましくは15重量%以下、より好ましくは10重量%以下、最も好ましくは5重量%以下の量で残余のアルミニウムを含み得る。任意に、多孔質粒子は、粒子状材料の総重量に対して、少なくとも0.01重量%、少なくとも0.1重量%、少なくとも0.5重量%、少なくとも1重量%、少なくとも2重量%、または少なくとも3重量%の量で残余のアルミニウムを含み得る。残余のアルミニウムは、それ自体が、金属イオンバッテリーの充電および放電中に金属イオンを吸収し及び放出することができるため、十分に許容され、シリコン構造間およびシリコン構造とアノード集電体との間で電気的に接触することをさらに補助し得る。

0170

多孔質粒子は、シリコンおよび微量のアルミニウムをみ得る。例えば、多孔質粒子は、少なくとも60重量%のシリコンおよび40重量%以下のアルミニウム、より好ましくは少なくとも70重量%のシリコンおよび30重量%以下のアルミニウム、より好ましくは少なくとも75重量%のシリコンおよび25重量%以下のアルミニウム、より好ましくは少なくとも80重量%のシリコンおよび20重量%以下のアルミニウム、より好ましくは少なくとも85重量%のシリコンおよび15重量%以下のアルミニウム、より好ましくは少なくとも90重量%のシリコンおよび10重量%以下のアルミニウム、および最も好ましくは少なくとも95重量%のシリコンおよび5重量%以下のアルミニウムを含み得る。

0171

任意に、上記粒子状材料は、少なくとも1重量%のアルミニウムおよび99重量%以下のシリコン、少なくとも2重量%のアルミニウムおよび98重量%以下のシリコン、または少なくとも3重量%のアルミニウムおよび97重量%以下のシリコンを含み得る。

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