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技術 総及びS129リン酸化α−シヌクレインの検出アッセイ

出願人 プロセナバイオサイエンシーズリミテッド
発明者 バーバー,ロビンキリク,デニスランデック,ナタリーレジーナ
出願日 2017年7月6日 (2年10ヶ月経過) 出願番号 2019-500235
公開日 2019年8月15日 (8ヶ月経過) 公開番号 2019-522800
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード コンタミネーション物質 ブリードスルー 推定検出 経験的観察 アンプレックスレッド メタロポルフィリン シヌクレイノパチー オリゴマー状態
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年8月15日)のものです。
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図面 (10)

課題・解決手段

本発明は、ドナー複合体、第1のアクセプター複合体、及び第2のアクセプター複合体を用いて総α-シヌクレイン及びS129リン酸化(pS129)α-シヌクレインの両方を検出する方法を提供する。ドナー複合体は、支持体及びドナー標識に連結したα-シヌクレインに特異的に結合する抗体を含む。4B12抗体は、ドナー複合体中の適切な抗体の例である。 pS129α-シヌクレインを検出するための第1のアクセプター複合体は、支持体及び第1のアクセプター標識に連結したpS129α-シヌクレインに選択的に結合する抗体を含む。11A5抗体は、第1のアクセプター複合体における適切な抗体の例である。α-シヌクレインを検出するための第2のアクセプター複合体は、S129リン酸化にかかわらずα-シヌクレインに結合する抗体を含む。LB509抗体は、第2のアクセプター複合体における適切な抗体の例である。総α-シヌクレインとpS129α-シヌクレインの両方を同時、定性的又は定量的に検出することができるので、生物試料中のヒトα-シヌクレインリン酸化事象を研究するための有用なツールである。

概要

背景

関連出願の相互参照
本出願は、2016年7月6日に出願された米国仮特許出願第62/359,139号の35 USC 119(e)に基づく利益を主張し、全ての目的のためにその全体が参考として援用される。

配列表の参照
この出願は、2017年7月5日に作成され、1,572バイトを含む497105SEQLIST.TXTという名前ファイル内の電子配列表を含み、全ての目的のためにその全体が参照により本明細書に援用される。

α-シヌクレイン病変は、シヌクレイノパチーと呼ばれるいくつかの神経変性疾患に見られる特徴である。α-シヌクレインは、ニューロン封入体であるレビー小体(LB)及びレビー神経突起の主な成分である。

シヌクレイノパチーは、パーキンソン病(PD)、レビー小体型認知症(DLB)、アルツハイマー病のレビー小体亜型(LBVAD)、多発性レビー小体病(DLBD)、多系統萎縮症(MSA)及び脳内鉄蓄積を伴う神経変性1型(NBIA-1)を含む。

シヌクレイノパチーは、高齢化集団における運動障害及び認知機能低下の一般的な原因である(Galasko et al., Arch. Neurol. (1994) 51:888-95)。今日まで、これらの障害治癒可能でも予防可能でもなく、PDの原因及び病因を理解することは新しい治療法を開発するのに重要である(Tanner et al., Curr. Opin. Neurol. (2000) 13:427-30)。PDの原因は議論を引き起こしており、様々な神経毒及び遺伝的感受性因子を含む複数の因子が役割を果たすことが提唱されている。

以下のいくつかの研究は、α-シヌクレインがPDの病因において中心的な役割を果たすことを示した。(1)このタンパク質はLBに蓄積する(Spillantini et al., Nature (1997) 388:839-40; Takeda et al., J. Pathol. (1998) 152:367-72; Wakabayashi et al., Neurosci. Lett. (1997) 239:45-8)。(2)α-シヌクレイン遺伝子における変異は、希少家族型パーキンソニズとともに分離される(Kruger et al., Nature Gen. (1998) 18:106-8; Polymeropoulos et al., Science (1997) 276:2045-7)。(3)トランスジェニックマウス(Masliah et al., Science (2000) 287:1265-9)及びショウジョウバエ(Feany et al., Nature (2000) 404:394-8)における過剰発現は、PDのいくつかの病理学的側面を模倣する。従って、脳内のα-シヌクレインの蓄積が、ヒト、マウス、及びハエのように多様な種における類似の形態学的及び神経学的変化と関連しているという事実は、この分子がPDの発症に寄与することを示唆する。

LBは、大量の蓄積されたα-シヌクレインを含むことが一貫して見出された(Spillantini et al. National Acad Sciences 95: 6469-6473 (1998))。患者からの異常に処理され凝集したasynの分析は、タンパク質のリン酸化ニトロ化ユビキチン化及びC末端切断を含む、異なる翻訳後修飾を明らかにした(Giasson et al. Science 290: 985-989 (2000); Baba et al. Am J Pathol. 152: 879-884 (1998)、Fujiwara et al. Nat Cell Biol. 4: 160-164 (2002))。患者の脳に蓄積されたα-シヌクレインの大部分は、特にセリン129(pS129 h-asyn)で実際にリン酸化されている(Fujiwara et al. Nat Cell Biol. 4: 160-164 (2002)、Anderson et al. J Biol Chem. 281: 29739-29752 (2006))。これらの知見は、脳組織だけでなく脳脊髄液CSF)及び血液試料においても、総α-シヌクレインレベルならびにそのオリゴマー状態及びリン酸化状態監視する独立したアッセイの開発につながる(El-Agnaf et al.FASEB J. 20: 419-425(2006)、Hong et al. Brain 133: 713-726(2010)、Emmanouilidou et al.PLoS ONE. (2001)、Bidinosti et al. J Biol Chem. 287(40):33691-705(2012)、Kruse et al. Neurobiology of Aging. 36: 2587-2596 (2015)、Mollenhauer et al. Experimental Neurology. 213: 315-325(2008))。ウェットバイオマーカーとしてのα-シヌクレインのためのアッセイ、特に疾患の発症及び進行との相関について総α-シヌクレインレベルを定量するためのアッセイが開発されているが、S129リン酸化α-シヌクレインを定量するために開発されたアッセイは4つのみである(Anderson et al. J Biol Chem. 281: 29739-29752 (2006)、Swirski et al. Alzheimers Res Ther.6: 77(2014)、Fouldset al. FASEB J. 25: 4127-4137 (2011)、Wang et al. Science Translational Medicine. 4: 121(2012))。特に、上記の方法のいずれも、シングルウェル中の総α-シヌクレイン及びS129リン酸化α-シヌクレインを測定するための二重アッセイプラットフォーム実装しなかった。

本発明は、同一分子で総α-シヌクレインヒトasyn(h-asyn)の同時、高感度かつ特異的な分析を可能にし、それにより精度の向上、並びに時間、消耗品及び試料の節約を可能にする新規のアッセイを提供する。

概要

本発明は、ドナー複合体、第1のアクセプター複合体、及び第2のアクセプター複合体を用いて総α-シヌクレイン及びS129リン酸化(pS129)α-シヌクレインの両方を検出する方法を提供する。ドナー複合体は、支持体及びドナー標識に連結したα-シヌクレインに特異的に結合する抗体を含む。4B12抗体は、ドナー複合体中の適切な抗体の例である。 pS129α-シヌクレインを検出するための第1のアクセプター複合体は、支持体及び第1のアクセプター標識に連結したpS129α-シヌクレインに選択的に結合する抗体を含む。11A5抗体は、第1のアクセプター複合体における適切な抗体の例である。α-シヌクレインを検出するための第2のアクセプター複合体は、S129リン酸化にかかわらずα-シヌクレインに結合する抗体を含む。LB509抗体は、第2のアクセプター複合体における適切な抗体の例である。総α-シヌクレインとpS129α-シヌクレインの両方を同時、定性的又は定量的に検出することができるので、生物試料中のヒトα-シヌクレインリン酸化事象を研究するための有用なツールである。

目的

本発明は、同一分子で総α-シヌクレインヒトasyn(h-asyn)の同時、高感度かつ特異的な分析を可能にし、それにより精度の向上、並びに時間、消耗品及び試料の節約を可能にする新規のアッセイを提供する

効果

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請求項1

総α-シヌクレイン及びS129リン酸化(pS129)α-シヌクレインを同時に検出するインビトロの方法であって、a)試料と、以下を接触させる工程、(i)支持体及びドナー標識と連結しているα-シヌクレインに特異的に結合する抗体を含む、ドナー複合体、ここで、ドナー標識は、酸素活性化し、一重項酸素を生成するために、光励起可能である、(ii)支持体及び第1のアクセプター標識と連結しているpS129α-シヌクレインに選択的に結合する抗体を含む、pS129α-シヌクレインを検出するための第1のアクセプター複合体、ここで、pS129α-シヌクレインが試料中に存在する場合、ドナー複合体及び第1のアクセプター複合体の抗体は、pS129α-シヌクレインに結合し、第1のサンドイッチを形成する、このとき、ドナー標識は、一重項酸素を生成し、第1のアクセプター標識を活性化し、第1のシグナルを生成するために、光励起可能である、(iii)支持体及び第2のアクセプター標識と連結している、S129リン酸化とは無関係にα-シヌクレインに結合する抗体を含む、総α-シヌクレインを検出するための第2のアクセプター複合体、ここで、総α-シヌクレインが試料中に存在する場合、ドナー複合体及び第2のアクセプター複合体の抗体は、総α-シヌクレインに結合し、第2のサンドイッチを形成する、このとき、ドナー標識は、一重項酸素を生成し、第2のアクセプター標識を活性化し、第2のシグナルを生成するために、光励起可能である、(b)酸素を活性化し、一重項酸素を生成するために、ドナー標識を光で励起する工程、これによってpS129α-シヌクレインが存在する場合には第1のシグナルを生成し、総α-シヌクレインが存在する場合には第2のシグナルを生成する、及び(c)pS129α-シヌクレイン及び総アルファシヌクレインのそれぞれの存在を示すために、存在すれば第1及び第2のシグナルを検出する工程、を含む、方法。

請求項2

前記第2のシグナルが前記第1のシグナルの前に検出される、請求項1に記載の方法。

請求項3

前記試料と前記ドナー複合体とを接触させる前記工程は、前記試料と、前記ドナー複合体の前記ドナー標識と連結している前記支持体とを接触させる工程を含み、ここで、前記支持体はストレプトアビジン及びドナー複合体の前記抗体とさらに連結し、前記抗体はビオチンと連結し、前記ストレプトアビジンは前記ビオチンと結合して試料中でドナー複合体を形成し、それによって試料と接触する、請求項1又は2に記載の方法。

請求項4

前記試料を第1及び第2のアクセプター複合体、及びビオチンと連結している前記ドナー複合体の前記抗体と接触させ、前記試料をインキュベートし、その後前記試料とストレプトアビジンとさらに連結した前記支持体とを接触させる、ここで、前記ストレプトアビジンは前記ビオチンに結合して試料中でドナー複合体を形成し、それによって試料と接触する、請求項1〜3いずれかに記載の方法。

請求項5

定性的に行われる、請求項1〜4いずれかに記載の方法。

請求項6

定性的に行われ、前記第1のシグナルはpS129α-シヌクレインの量を示し、且つ前記第2のシグナルは総α-シヌクレインの量を示す、請求項1〜5いずれかに記載の方法。

請求項7

前記ドナー複合体、前記第1のアクセプター複合体、及び前記第2のアクセプター複合体が同時に前記試料と接触する、請求項1〜6いずれかに記載の方法。

請求項8

前記第1及び第2のアクセプター複合体が、前記ドナー複合体の前に前記試料と接触する、請求項1〜6いずれかに記載の方法。

請求項9

前記第1のアクセプター複合体の前記抗体は、リン酸化シヌクレインの残基123〜134内のエピトープに特異的に結合する、請求項1〜8いずれかに記載の方法。

請求項10

前記第1のアクセプター複合体の前記抗体は11A5である、請求項1〜9いずれかに記載の方法。

請求項11

前記ドナー複合体の前記抗体はα-シヌクレインの残基103〜108内のエピトープに特異的に結合する、請求項1〜10いずれかに記載の方法。

請求項12

前記ドナー複合体の前記抗体は4B12である、請求項11に記載の方法。

請求項13

前記ドナー複合体の前記抗体は、α-シヌクレインの残基40〜55内のエピトープに特異的に結合する、請求項1〜10いずれかに記載の方法。

請求項14

前記ドナー複合体の前記抗体は23E8である、請求項13に記載の方法。

請求項15

前記ドナー複合体の前記抗体は、α-シヌクレインの残基91〜97内のエピトープに特異的に結合する、請求項1〜10いずれかに記載の方法。

請求項16

前記抗体は1H7である、請求項15に記載の方法。

請求項17

前記ドナー複合体の前記抗体は、α-シヌクレインの残基109〜120内のエピトープに特異的に結合する、請求項1〜10いずれかに記載の方法。

請求項18

前記抗体は5C12(ATCCアクセッション番号PTA-9197)である、請求項17に記載の方法。

請求項19

前記ドナー複合体の前記抗体は、α-シヌクレインの残基115〜122内のエピトープに特異的に結合する、請求項1〜10いずれかに記載の方法。

請求項20

前記抗体はLB509である、請求項19に記載の方法。

請求項21

前記ドナー複合体の前記抗体は4B12、LB509、1H7、5C12又は23E8である、請求項1〜10いずれかに記載の方法。

請求項22

前記第2のアクセプター複合体の前記抗体は、α-シヌクレインの残基115〜122内のエピトープに特異的に結合する、請求項1〜10いずれかに記載の方法。

請求項23

前記第2のアクセプター複合体の前記抗体はLB509である、請求項22記載の方法。

請求項24

前記第2のアクセプター複合体の前記抗体は、α-シヌクレインの残基91〜97内のエピトープに特異的に結合する、請求項1〜10いずれかに記載の方法。

請求項25

前記第2のアクセプター複合体の前記抗体は1H7である、請求項24記載の方法。

請求項26

前記第2のアクセプター複合体の前記抗体は、α-シヌクレインの残基109〜122内のエピトープに特異的に結合する、請求項1〜10いずれかに記載の方法。

請求項27

前記第2のアクセプター複合体の前記抗体は5C12である、請求項26記載の方法。

請求項28

前記第2のアクセプター複合体の前記抗体は、α-シヌクレインの残基40〜55内のエピトープに特異的に結合する、請求項1〜10いずれかに記載の方法。

請求項29

前記抗体は23E8である、請求項28に記載の方法。

請求項30

第2のアクセプター複合体の抗体は4B12、LB509、1H7、5C12又は23E8である、請求項1〜10いずれかに記載の方法。

請求項31

前記ドナー複合体の前記抗体は4B12であり、前記第1のアクセプター複合体の前記抗体はLB509であり、且つ前記第2のアクセプター複合体の前記抗体は1H7 23E8である、請求項10に記載の方法。

請求項32

前記第2のアクセプター複合体の前記抗体はLB509である、請求項31記載の方法。

請求項33

前記ドナー複合体の前記抗体は23E8であり、前記第2のアクセプター複合体の前記抗体はLB509、1H7、5C12又は4B12である、請求項10に記載の方法。

請求項34

第2のアクセプター複合体の抗体は1H7である、請求項33記載の方法。

請求項35

前記ドナー複合体の前記抗体は5C12であり、前記第2のアクセプター複合体の前記抗体は23E8又は1H7である、請求項10に記載の方法。

請求項36

前記ドナー複合体、前記第1のアクセプター複合体、及び前記第2のアクセプター複合体の前記支持体がビーズである、請求項1〜35いずれかに記載の方法。

請求項37

前記第1のアクセプター標識が、ユーロピウムテルビウムサマリウム、又はガドリニウムを含む、請求項1〜36いずれかに記載の方法。

請求項38

前記第2のアクセプター標識が、ユーロピウム、テルビウム、サマリウム、又はガドリニウムを含む、請求項1〜37いずれかに記載の方法。

請求項39

前記第1のアクセプター標識がユーロピウムを含み、前記第2のアクセプター標識がテルビウムを含む、請求項37に記載の方法。

請求項40

試料がヒト由来組織である、請求項1〜39いずれかに記載の方法。

請求項41

前記試料が、ヒトα-シヌクレインを発現する導入遺伝子を有するトランスジェニックマウス由来する、請求項1〜23いずれかに記載の方法。

請求項42

前記試料が体液である、請求項1〜41いずれかに記載の方法。

請求項43

前記試料がヒトの脳脊髄液CSF)である、請求項1〜25又は27いずれかに記載の方法。

請求項44

前記試料が、ヒト、野生型又はトランスジェニック動物の脳、皮膚、又は他の臓器ホモジネートである、請求項1〜26いずれかに記載の方法。

請求項45

前記試料が細胞培養に使用される培地である、請求項1〜26いずれかに記載の方法。

請求項46

前記細胞組換えヒトα-シヌクレインを発現する、請求項30に記載の方法。

背景技術

0001

関連出願の相互参照
本出願は、2016年7月6日に出願された米国仮特許出願第62/359,139号の35 USC 119(e)に基づく利益を主張し、全ての目的のためにその全体が参考として援用される。

0002

配列表の参照
この出願は、2017年7月5日に作成され、1,572バイトを含む497105SEQLIST.TXTという名前ファイル内の電子配列表を含み、全ての目的のためにその全体が参照により本明細書に援用される。

0003

α-シヌクレイン病変は、シヌクレイノパチーと呼ばれるいくつかの神経変性疾患に見られる特徴である。α-シヌクレインは、ニューロン封入体であるレビー小体(LB)及びレビー神経突起の主な成分である。

0004

シヌクレイノパチーは、パーキンソン病(PD)、レビー小体型認知症(DLB)、アルツハイマー病のレビー小体亜型(LBVAD)、多発性レビー小体病(DLBD)、多系統萎縮症(MSA)及び脳内鉄蓄積を伴う神経変性1型(NBIA-1)を含む。

0005

シヌクレイノパチーは、高齢化集団における運動障害及び認知機能低下の一般的な原因である(Galasko et al., Arch. Neurol. (1994) 51:888-95)。今日まで、これらの障害治癒可能でも予防可能でもなく、PDの原因及び病因を理解することは新しい治療法を開発するのに重要である(Tanner et al., Curr. Opin. Neurol. (2000) 13:427-30)。PDの原因は議論を引き起こしており、様々な神経毒及び遺伝的感受性因子を含む複数の因子が役割を果たすことが提唱されている。

0006

以下のいくつかの研究は、α-シヌクレインがPDの病因において中心的な役割を果たすことを示した。(1)このタンパク質はLBに蓄積する(Spillantini et al., Nature (1997) 388:839-40; Takeda et al., J. Pathol. (1998) 152:367-72; Wakabayashi et al., Neurosci. Lett. (1997) 239:45-8)。(2)α-シヌクレイン遺伝子における変異は、希少家族型パーキンソニズとともに分離される(Kruger et al., Nature Gen. (1998) 18:106-8; Polymeropoulos et al., Science (1997) 276:2045-7)。(3)トランスジェニックマウス(Masliah et al., Science (2000) 287:1265-9)及びショウジョウバエ(Feany et al., Nature (2000) 404:394-8)における過剰発現は、PDのいくつかの病理学的側面を模倣する。従って、脳内のα-シヌクレインの蓄積が、ヒト、マウス、及びハエのように多様な種における類似の形態学的及び神経学的変化と関連しているという事実は、この分子がPDの発症に寄与することを示唆する。

0007

LBは、大量の蓄積されたα-シヌクレインを含むことが一貫して見出された(Spillantini et al. National Acad Sciences 95: 6469-6473 (1998))。患者からの異常に処理され凝集したasynの分析は、タンパク質のリン酸化ニトロ化ユビキチン化及びC末端切断を含む、異なる翻訳後修飾を明らかにした(Giasson et al. Science 290: 985-989 (2000); Baba et al. Am J Pathol. 152: 879-884 (1998)、Fujiwara et al. Nat Cell Biol. 4: 160-164 (2002))。患者の脳に蓄積されたα-シヌクレインの大部分は、特にセリン129(pS129 h-asyn)で実際にリン酸化されている(Fujiwara et al. Nat Cell Biol. 4: 160-164 (2002)、Anderson et al. J Biol Chem. 281: 29739-29752 (2006))。これらの知見は、脳組織だけでなく脳脊髄液CSF)及び血液試料においても、総α-シヌクレインレベルならびにそのオリゴマー状態及びリン酸化状態監視する独立したアッセイの開発につながる(El-Agnaf et al.FASEB J. 20: 419-425(2006)、Hong et al. Brain 133: 713-726(2010)、Emmanouilidou et al.PLoS ONE. (2001)、Bidinosti et al. J Biol Chem. 287(40):33691-705(2012)、Kruse et al. Neurobiology of Aging. 36: 2587-2596 (2015)、Mollenhauer et al. Experimental Neurology. 213: 315-325(2008))。ウェットバイオマーカーとしてのα-シヌクレインのためのアッセイ、特に疾患の発症及び進行との相関について総α-シヌクレインレベルを定量するためのアッセイが開発されているが、S129リン酸化α-シヌクレインを定量するために開発されたアッセイは4つのみである(Anderson et al. J Biol Chem. 281: 29739-29752 (2006)、Swirski et al. Alzheimers Res Ther.6: 77(2014)、Fouldset al. FASEB J. 25: 4127-4137 (2011)、Wang et al. Science Translational Medicine. 4: 121(2012))。特に、上記の方法のいずれも、シングルウェル中の総α-シヌクレイン及びS129リン酸化α-シヌクレインを測定するための二重アッセイプラットフォーム実装しなかった。

0008

本発明は、同一分子で総α-シヌクレインヒトasyn(h-asyn)の同時、高感度かつ特異的な分析を可能にし、それにより精度の向上、並びに時間、消耗品及び試料の節約を可能にする新規のアッセイを提供する。

0009

本発明は、総α-シヌクレイン及びS129リン酸化(pS129)α-シヌクレインを同時に検出するインビトロの方法であって、
a)試料と、以下を接触させる工程、
(i)支持体及びドナー標識と連結(link)しているα-シヌクレインに特異的に結合する抗体を含む、ドナー複合体、、
ここで、ドナー標識は、酸素活性化し、一重項酸素を生成するために、光励起可能である、
(ii)支持体及び第1のアクセプター標識と連結しているpS129α-シヌクレインに選択的に結合する抗体を含む、pS129α-シヌクレインを検出するための第1のアクセプター複合体
ここで、pS129α-シヌクレインが試料中に存在する場合、ドナー複合体及び第1のアクセプター複合体の抗体は、pS129α-シヌクレインに結合し、第1のサンドイッチを形成する、
このとき、ドナー標識は、一重項酸素を生成し、第1のアクセプター標識を活性化し、第1のシグナルを生成するために、光励起可能である、
(iii)支持体及び第2のアクセプター標識と連結している、S129リン酸化とは無関係にα-シヌクレインに結合する抗体を含む、総α-シヌクレインを検出するための第2のアクセプター複合体、
ここで、総α-シヌクレインが試料中に存在する場合、ドナー複合体及び第2のアクセプター複合体の抗体は、総α-シヌクレインに結合し、第2のサンドイッチを形成する、
このとき、ドナー標識は、一重項酸素を生成し、第2のアクセプター標識を活性化し、第2のシグナルを生成するために、光励起可能である、
(b)酸素を活性化し、一重項酸素を生成するために、ドナー標識を光で励起する工程、
これによってpS129α-シヌクレインが存在する場合には第1のシグナルを生成し、総α-シヌクレインが存在する場合には第2のシグナルを生成する、及び
(c)pS129α-シヌクレイン及び総アルファシヌクレインのそれぞれの存在を示すために、存在すれば第1及び第2のシグナルを検出する工程、
を含む、方法を提供する。
任意に、第2のシグナルが上記第1のシグナルの前に検出される。任意に、上記試料と上記ドナー複合体とを接触させる上記工程が、上記試料と、上記ドナー複合体の上記ドナー標識と連結している上記支持体とを接触させる工程を含み、ここで、上記支持体はストレプトアビジン及びドナー複合体の上記抗体とさらに連結し、上記抗体はビオチンと連結し、上記ストレプトアビジンは上記ビオチンと結合して試料中でドナー複合体を形成し、それによって試料と接触する。任意に、上記試料を第1及び第2のアクセプター複合体、及びビオチンと連結している上記ドナー複合体の上記抗体と接触させ、上記試料をインキュベートし、その後上記試料とストレプトアビジンとさらに連結した上記支持体とを接触させる。

0010

任意に、上記サンプルと上記ドナー複合体の上記接触は、上記試料と、上記ドナー標識及びビオチン標識と連結している上記支持体、及びストレプトアビジンを連結している上記抗体とを接触させる工程を含み、ここで、上記ストレプトアビジンは上記ビオチンと結合して上記ドナー複合体を形成し、それによって試料と接触する。

0011

任意に、上記方法は、定積的に行われる。任意に、上記方法は、定性的に行われ、上記第1のシグナルはpS129α-シヌクレインの量を示し、且つ上記第2のシグナルは総α-シヌクレインの量を示す。任意に、上記ドナー複合体、上記第1のアクセプター複合体、及び上記第2のアクセプター複合体が同時に上記試料と接触する。任意に、上記第1及び第2のアクセプター複合体が、上記ドナー複合体の前に上記試料と接触する。

0012

任意に、上記第1のアクセプター複合体の上記抗体は、リン酸化シヌクレインの残基123〜134内のエピトープに特異的に結合する。任意に、第1のアクセプター複合体の上記抗体は、11A5 (ATCCアクセッション番号PTA-8222)である。

0013

任意に、上記ドナー複合体の上記抗体はα-シヌクレインの残基103〜108内のエピトープに特異的に結合する。任意に、上記ドナー複合体の上記抗体は4B12である(BioLegend(9727 Pacific Heights Blvd., San Diego, CA 92121, www.biolegend.com,カタログ#'s 807801, 807802 or 807803, 以前のコーヴァンスカログ# SIG-39730)から購入可能)。任意に、上記ドナー複合体の上記抗体は、α-シヌクレインの残基40〜55内のエピトープに特異的に結合する。任意に、上記ドナー複合体の上記抗体は23E8 (ATCCアクセッション番号PTA-122711)である。任意に、上記ドナー複合体の上記抗体は、α-シヌクレインの残基91〜97内のエピトープに特異的に結合する。任意に、上記ドナー複合体の上記抗体は1H7 (ATCCアクセッション番号PTA-8220)である。任意に、上記ドナー複合体の上記抗体は、α-シヌクレインの残基109〜120内のエピトープに特異的に結合する。任意に、上記ドナー複合体の上記抗体は5C12 (ATCCアクセッション番号PTA-9197)である。任意に、上記第2のアクセプター複合体の上記抗体は、α-シヌクレインの残基115〜122内のエピトープに特異的に結合する。任意に、上記ドナー複合体の上記抗体はLB509 (BioLegend(9727 Pacific Heights Blvd., San Diego, CA 92121, www.biolegend.com, カタログ#'s 807701, 807702, 807703 or 80774, 以前のコーヴァンスカタログ# SIG-39725 or SIG-39726)から購入可能)である。任意に、上記ドナー複合体の上記抗体は4B12、LB509、1H7、5C12又は23E8である。

0014

上記第2のアクセプター複合体の上記抗体は、α-シヌクレインに結合する任意の数の抗体であり得る。本発明の一方法では、上記ドナー複合体抗体の上記エピトープは上記第2のアクセプター複合体抗体の上記エピトープとは異なる。そのようなエピトープのいくつかは区別できる(即ち、オーバーラップせず、又はお互いにブロックしない)。例えば、上記ドナー複合体の上記抗体は、α-シヌクレインの40〜55、91〜99、103〜108、109〜122又は115〜122内のエピトープに特異的に結合し、上記第2のアクセプター複合体の上記抗体は、40〜55、91〜99、103〜108、109〜122又は115〜122内のエピトープに特異的に結合する(但し、上記ドナー複合体の上記抗体によって特異的に結合される上記エピトープは、第2のアクセプター複合体の上記抗体によって結合される上記エピトープとは区別できる)。例えば、ドナー複合体抗体は23E8、1H7、4B12、5C12又はLB509であり得、上記第2のアクセプター複合体抗体は23E8、1H7、4B12、5C12又はLB509であり得る(但し、上記ドナー複合体抗体及び上記第2のアクセプター複合体抗体は異なる抗体である)。一方法では、上記第2のアクセプター複合体の上記抗体はα-シヌクレインの残基115〜122内のエピトープに特異的に結合する。任意に、上記第2のアクセプター複合体の上記抗体はLB509である。任意に、上記第2のアクセプター複合体の上記抗体は、α-シヌクレインの残基91〜97内のエピトープに特異的に結合する。任意に、上記第2のアクセプター複合体の上記抗体は1H7である。任意に、上記第2のアクセプター複合体の上記抗体はα-シヌクレインの残基109〜122内のエピトープに特異的に結合する。任意に、上記第2のアクセプター複合体の上記抗体は5C12である。任意に、上記第2のアクセプター複合体の上記抗体は、α-シヌクレインの残基40〜55内のエピトープに特異的に結合する。任意に、上記第2のアクセプター複合体の上記抗体は23E8である。

0015

任意に、上記第2のアクセプター複合体の上記抗体は4B12、LB509、1H7、5C12又は23E8である。任意に、上記ドナー複合体の上記抗体は4B12であり、上記第2のアクセプター複合体の上記抗体はLB509、1H7、5C12、又は23E8である。任意に、上記ドナー複合体の上記抗体は4B12であり、上記第2のアクセプター複合体の上記抗体はLB509である。任意に、上記ドナー複合体の上記抗体は23E8であり、上記第2のアクセプター複合体の上記抗体はLB509、1H7、5C12、又は23E8である。任意に、上記ドナー複合体の上記抗体は23E8であり、上記第2のアクセプター複合体の上記抗体は1H7である。任意に、上記ドナー複合体の上記抗体は5C12でありそして上記第2のアクセプター複合体の上記抗体は23E8又は1H7である。

0016

任意に、上記ドナー複合体、上記第1のアクセプター複合体、及び上記第2のアクセプター複合体の支持体はビーズである。任意に、上記第1のアクセプター標識は、ユーロピウムテルビウムサマリウム又はガドリニウムを含む。任意に、上記第2のアクセプター標識は、ユーロピウム、テルビウム、サマリウム又はガドリニウムを含む。任意に、上記第1のアクセプター標識はユーロピウムを含み、第2のアクセプター標識はテルビウムを含む。

0017

任意に、上記試料はヒト由来組織である。任意に、上記試料は、ヒトα-シヌクレインを発現する導入遺伝子を有するトランスジェニックマウス由来である。任意に、上記試料は体液である。任意に、上記試料はヒトの脳脊髄液(CSF)である。任意に、上記試料は、ヒト、野生型又はトランスジェニック動物の脳、皮膚、又は他の臓器ホモジネートである。任意に、上記試料は細胞培養に使用される培地である。任意に、上記細胞組換えヒトα-シヌクレインを発現する。

図面の簡単な説明

0018

図1A-Dは、総ヒトα-シヌクレインアッセイの特性評価を示す。

0019

図2A-Dは、S129リン酸化ヒトα-シヌクレイン特異的アッセイの特性評価を示す。

0020

図3は、等電点電気泳動ゲルを用いたリン酸化h-asynの量を示す。

0021

図4A-Fは、二重アッセイの性能を示す。

0022

図5は、一重及び二重条件シグナル強度の比較を示す。

0023

図6A-Fは、総及びリン酸化S129ヒトα-シヌクレイン二重アッセイの特性評価を示す。

0024

図7は、インビトロでPLK2を用いたヒトα-シヌクレインのS129特異的リン酸化を示す。

0025

定義
抗体が標的に「特異的に結合する」という用語は、他の生物製剤の不均一集団の存在下での抗体の存在を決定する結合反応を指す。従って、指定されたイムノアッセイ条件下で、特定の分子は特定の標的に選択的に結合し、そして試料中に存在する他の生物製剤に有意な量で結合しない。そのような条件下での抗体の標的への特異的結合は、抗体が標的に対する特異性のために選択されることを必要とする。2つの実体間の特異的結合は、少なくとも106、107、108、109又は1010 M-1の親和性を意味する。108M-1を超える親和性が好ましい。特異的結合の欠如は、無関係の対照抗体と区別がつかない標的への結合及び/又は106M-1未満の親和性を意味する。

0026

「抗体」という用語は、インタクトな抗体及びその結合断片を含む。典型的には、断片は、インタクトな抗体と競合し、これは抗原断片への特異的結合に由来し、別々の重鎖軽鎖Fab、Fab'F(ab')2、Fabc、及びFvを含む。断片は、組換えDNA技術によって、又はインタクトな免疫グロブリン酵素的又は化学的分離によって産生される。「抗体」という用語はまた、他のタンパク質との融合タンパク質化学的に結合しているか、又は融合タンパク質として発現されている1つ以上の免疫グロブリン鎖を含む。用語「抗体」はまた、二重特異性抗体を含む。二重特異性抗体又は二機能性抗体は、2つの異なる重鎖/軽鎖対及び2つの異なる結合部位を有する人工ハイブリッド抗体である。二重特異性抗体は、ハイブリドーマの融合又はFab'断片の連結を含む様々な方法によって産生することができる。例えば、Songsivilai & Lachmann, Clin. Exp. Immunol. 79:315-321 (1990)、Kostelny et al., J. Immunol. 148, 1547-1553 (1992)を参照。

0027

本発明の抗体は、典型的には、望ましくないコンタミネーション物質から実質的に純粋である。これは、作用物質が典型的には少なくとも約50%w/w(重量/重量)の純度であり、さらに干渉タンパク質及びコンタミネーション物質を実質的に含まないことを意味する。時々、抗体は少なくとも約80%w/w、そしてより好ましくは少なくとも90又は約95%w/wの純度である。但し、従来のタンパク質精製技術を用いて、少なくとも99%w/wの均一な抗体を得ることができる。

0028

「エピトープ」又は「抗原決定基」という用語は、B細胞及び/又はT細胞が応答する抗原上の部位を指す。B細胞エピトープは、タンパク質の三次元フォールディングによって並置された隣接アミノ酸又は非隣接アミノ酸の両方から形成され得る。隣接アミノ酸又は翻訳後修飾アミノ酸から形成されたエピトープは、典型的には変性溶媒への曝露時に保持されるが、三次元フォールディングによって形成されたエピトープは典型的には変性溶媒での処理で失われる。エピトープは、典型的には少なくとも3個、一般的に言えば5〜10個のアミノ酸を独特の空間的立体配座で含む。エピトープの空間的立体配座を決定する方法には、例えば、X線結晶解析及び二次元核磁気共鳴が含まれる。例えば、Methodsin Molecular Biology, Vol. 66, Glenn E. Morris, Ed. (1996)におけるエピトープマッピングプロトコルを参照。同じエピトープを認識する抗体は、ある抗体が別の抗体の標的抗原への結合をブロックする能力を示す単純なイムノアッセイで同定することができる。

0029

「体液」という用語は、測定可能な量のα-シヌクレイン又はその断片を含むと疑われる哺乳動物宿主の体液を指す。具体的には、血液、脳脊髄液(CSF)、脳又は他の臓器間質液(ISF)、尿、唾液房水、及び腹水を含む。「血液」という用語は、全血、並びに血漿及び血清を指す。

0030

シヌクレイノパチー性疾患は、レビー小体、レビー神経突起又は他のα-シヌクレイン沈着物を特徴とする疾患を意味する。

0031

定性分析分析物の有無を検出する。定量的アッセイは、分析物の有無を検出するだけでなく、存在する場合には、分析物の絶対量又は相対量を提供する。

0032

1つ又は複数の列挙された要素を「含む」組成物又は方法は、具体的に列挙されていない他の要素を含んでいてもよい。例えば、α-シヌクレインペプチドを含む組成物は、より大きなポリペプチド配列の構成要素として、単離されたα-シヌクレインペプチド及びα-シヌクレインペプチドの両方を包含する。

0033

「総α-シヌクレイン」という用語は、それがS129でリン酸化されているかどうかにかかわらず、α-シヌクレインを指す。α-シヌクレインがヒト由来である場合、それは「h-asyn」を指す。α-シヌクレインがマウス由来である場合、それは「m-asyn」を指す。従って、試料中の総α-シヌクレインの存在又は量の決定は、S129でリン酸化されたα-シヌクレイン、S129でリン酸化されていないα-シヌクレイン、又はその両方の存在又は量を反映することができる。

0034

試料は、pS129又は総α-シヌクレイン又はその両方を含んでいてもよいテストアリコートを指す。そのような試料は、以下でさらに論じるように、他の供給源の中でも、患者、細胞培養物又はトランスジェニック動物から得ることができる。無関係成分の除去、又は溶媒、緩衝液などの添加など、分析前に試料をさらに処理することができる。

詳細な説明

0035

本発明は、1回のアッセイによって試料中の総α-シヌクレイン及びpS129α-シヌクレインを検出し、それによってS129でリン酸化されたα-シヌクレイン分子の割合の正確な計算を可能にする方法を提供する。アッセイは洗浄を必要とせず、短いインキュベーション時間で完了することができる。従って、アッセイをハイスループットスクリーニング組み入れることができ、費用効率の高い実験を可能にし、別々の一重アッセイを実施するよりも少量の試料材料を使用することが可能になる。

0036

I. 検出に使用する抗体
本方法は、ドナー複合体、第1のアクセプター複合体、及び第2のアクセプター複合体を用いて総α-シヌクレイン及びS129リン酸化(pS129)α-シヌクレインを検出する。ドナー複合体は、支持体及びドナー標識に連結したα-シヌクレインに特異的に結合する抗体を含む。抗体は、以下に記述される第1及び第2のアクセプター複合体の抗体によって結合されるエピトープとは異なる、好ましくはそれと重複しないエピトープに結合する。S129でα-シヌクレインがリン酸化されているかどうかにかかわらず、抗体は結合する。S129でのリン酸化とは無関係に結合する抗体とは、S129でのリン酸化を伴う又は伴わないα-シヌクレインに対する結合定数が1.5倍以下異なり、好ましくは区別できない(わずかな実験誤差以外)抗体を意味する。ドナー標識は、酸素を活性化し、一重項酸素を生成するために、光励起可能である。任意に、ドナー複合体の抗体は、α-シヌクレインの残基103〜108内のエピトープに特異的に結合する。4B12抗体はドナー複合体中のそのような抗体の例である。任意に、ドナー複合体の抗体は、α-シヌクレインの残基40〜55内のエピトープに特異的に結合する。23E8抗体はドナー複合体中のそのような抗体の例である。23E8抗体はATCCアクセッション番号PTA-1227として寄託されている。任意に、ドナー複合体の抗体は、α-シヌクレインの残基91〜97内のエピトープに特異的に結合する。1H7抗体はドナー複合体中のそのような抗体の例である。1H7抗体はATCCアクセッション番号PTA-8220として寄託されている。任意に、ドナー複合体の抗体はα-シヌクレインの残基109〜120内のエピトープに特異的に結合する。5C12抗体はドナー複合体中のそのような抗体の例である。5C12抗体はATCCアクセッション番号PTA-9197として寄託されている。任意に、ドナー複合体の抗体は、α-シヌクレインの残基40〜55内のエピトープに特異的に結合する。23E8抗体はドナー複合体中のそのような抗体の例である。 23E8抗体はATCCアクセッション番号PTA-122711として寄託されている。

0037

pS129α-シヌクレインを検出するための第1のアクセプター複合体は、支持体及び第1のアクセプター標識に連結したpS129α-シヌクレインに選択的に結合する抗体を含む。選択的に結合は、pS129α-シヌクレインへの結合定数が非リン酸化α-シヌクレインへの結合定数よりも少なくとも5倍高いことを意味する。任意に、結合定数は、非リン酸化α-シヌクレインよりもpS129α-シヌクレインに対して少なくとも10倍高い。任意に、抗体は非リン酸化α-シヌクレインへの特異的結合を欠く。11A5抗体は、第1のアクセプター複合体における適切な抗体の例である。11A5抗体は、ATCCアクセッション番号PTA-8222として寄託されている。

0038

総α-シヌクレインを検出するための第2のアクセプター複合体は、S129リン酸化にかかわらずα-シヌクレインに結合する抗体を含む。第2のアクセプター複合体の抗体は、支持体及び第2のアクセプター標識に連結されている。第2のアクセプター複合体の抗体は、α-シヌクレインに結合する任意の数の抗体であり得る。第2のアクセプター複合体の抗体は、ドナー複合体及び第1のアクセプター複合体の抗体によって結合されるエピトープとは異なるエピトープに結合し、S129がリン酸化されているかどうかにかかわらずα-シヌクレインに結合する。そのようなエピトープのいくつかは区別できる(即ち、オーバーラップせず、及び/又はお互いにブロックしない)。例えば、ドナー複合体の抗体は、α-シヌクレインの40〜55、91〜99、103〜108、109〜122又は115〜122内のエピトープに特異的に結合し、第2のアクセプター複合体の抗体は、40〜55、91〜99、103〜108、109〜122又は115〜122内のエピトープに特異的に結合する(但し、但し、ドナー複合体の抗体によって特異的に結合されるエピトープは、第2のアクセプター複合体の抗体によって特異的に結合されるエピトープとは区別できる)。例えば、ドナー複合体抗体は、23E8、1H7、4B12、5C12又はLB509であり得、第2のアクセプター複合体は、23E8、1H7、4B12、5C12又はLB509であり得る(但し、ドナー複合体抗体及び第2のアクセプター複合体抗体は異なる抗体である)。一方法において、第2のアクセプター複合体の抗体は、α-シヌクレインの残基115〜122内のエピトープに特異的に結合する。LB509抗体は、第2のアクセプター複合体におけるそのような抗体の例である。任意に、第2のアクセプター複合体の抗体は、α-シヌクレインの残基91〜97内のエピトープに特異的に結合する。1H7抗体は、第2のアクセプター複合体におけるそのような抗体の例である。1H7抗体はATCCアクセッション番号PTA-8220として寄託されている。任意に、第2のアクセプター複合体の抗体は、α-シヌクレインの残基109〜122内のエピトープに特異的に結合する。5C12抗体は、第2のアクセプター複合体におけるそのような抗体の例である。任意に、第2のアクセプター複合体の抗体は、α-シヌクレインの残基40〜55内のエピトープに特異的に結合する。23E8抗体は、第2のアクセプター複合体におけるそのような抗体の例である。

0039

例えば、α-シヌクレイン40〜55等の特定の残基内のエピトープに抗体が結合すると言う場合、それは、抗体が特定の残基からなるポリペプチドに特異的に結合することを意味する(即ち、この例ではα-シヌクレイン40〜55)。そのような抗体は、α-シヌクレイン40〜55内の全ての残基と必ずしも接触するわけではない。また、α-シヌクレイン40〜55内の全ての一アミノ酸置換又は欠失が必ずしも結合親和性に有意に影響を及ぼすわけでもない。抗体のエピトープ特異性は、例えば、α-シヌクレインの配列に広がり少数のアミノ酸(例えば、3アミノ酸)の増分で異なる約15アミノ酸のオーバーラッピングペプチドの集まり試験することによって決定することができる。ペプチドをマイクロタイターディッシュのウェル内に固定化する。固定化は、ペプチドの一方の末端ビオチン化することによって達成することができる。任意に、同じペプチドの異なるサンプルをN末端及びC末端でビオチン化し、比較の目的で別々のウェルに固定化することができる。これは末端特異的抗体を同定するのに特に有用である。抗体を様々なペプチドのそれぞれへの特異的結合についてスクリーニングする。エピトープは、抗体が特異的結合を示す全てのペプチドに共通のアミノ酸のセグメント内に存在すると定義される。オーバーラッピングエピトープは、全部ではないがいくつかの残基を共有するエピトープを意味する。例えば、残基140〜155のエピトープは残基154〜160のエピトープとオーバーラップする。

0040

i.免疫グロブリンの一般的な特徴
基本的な抗体構造単位はサブユニットテトラマーを含むことが知られている。各テトラマーは、2つの同一のペアポリペプチド鎖からなり、各ペアは1本の「軽」鎖(約25kDa)及び1本の「重」鎖(約50〜70kDa)を有する。各鎖のアミノ末端部分は、約100〜110の可変領域、又は主に抗原認識関与するより多くのアミノ酸を含む。各鎖のカルボキシ末端部分は、主にエフェクター機能に関与する定常領域を規定する。

0041

軽鎖はカッパ又はラムダとして分類される。重鎖は、ガンマミューアルファデルタ、又はイプシロンとして分類され、それぞれ抗体のアイソタイプIgGIgMIgAIgD及びIgEとして定義する。軽鎖及び重鎖内で、可変領域及び定常領域は、約12以上のアミノ酸の「J」領域によって連結され、重鎖はまた、約10以上のアミノ酸の「D」領域も含む。(一般には、Fundamental Immunology, Paul, W., ed., 2nd ed. Raven Press, N.Y., 1989, Ch. 7を参照(全ての目的のために全体が参照により本明細書に援用される))。

0042

各軽鎖/重鎖ペアの可変領域は抗体結合部位を形成する。従って、インタクトな抗体は2つの結合部位を有する。二機能性又は二重特異性抗体を除いて、2つの結合部位は同じである。鎖はすべて、相補性決定領域又はCDRとも呼ばれる3つの超可変領域によって連結された比較的保存されたフレームワーク領域(FR)の同じ一般構造を示す。各ペアの2本の鎖からのCDRはフレームワーク領域によって整列され、特定のエピトープへの結合を可能にする。N末端からC末端へ、軽鎖及び重鎖の両方がドメインFR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3及びFR4を含む。各ドメインへのアミノ酸の割り当ては、Kabat, Sequences of Proteins of Immunological Interest (National Institutes of Health, Bethesda, Md., 1987 and 1991)、Chothia & Lesk, J. Mol. Biol. 196:901-917 (1987)、又はChothia et al., Nature 342:878-883 (1989)の定義に従っている。

0043

ii.非ヒト抗体生産
マウス又は他の非ヒト抗体は、従来のハイブリドーマ技術によって生産することができる。所望の結合特異性は、免疫原の選択及び/又はスクリーニングアプローチによって付与され得る。残基40〜55のエピトープ特異性を有する抗体を作製するために、これらの残基(即ち、40〜55)からなるα-シヌクレインの断片を免疫原、又はこれらの残基を含むα-シヌクレイン全長までのより長い断片を使用することができる。抗体は、上記のようにオーバーラッピングペプチドに結合することによってスクリーニングできる。S129リン酸化α-シヌクレインに選択的に結合する抗体を生産するために、全長pS129α-シヌクレイン(pS129α-シヌクレイン)、又は残基129及びエピトープを構成するのに十分な両側の残基を含む断片(例えば、残基129を含む3〜15の隣接残基)を免疫原として使用することができる。抗体を、非リン酸化α-シヌクレインに対するpS129α-シヌクレインへの選択的結合でスクリーニングする。

0044

キメラ抗体及びヒト化抗体は、キメラ抗体又はヒト化抗体の構築のための出発材料を提供するマウス又は他の非ヒト抗体と同じ又は類似の結合特異性及び親和性を有する。キメラ抗体は、その軽鎖及び重鎖遺伝子が、典型的には遺伝子工学によって、異なる種に属する免疫グロブリン遺伝子セグメントから構築されている抗体である。例えば、、マウス抗体可変ドメインをコードするDNAを配列決定し、そして可変ドメインをコードするDNAコンストラクトを、IgG1及びIgG4などのヒト定常(C)セグメントに連結させることができる。次に、コンストラクトを発現させて抗体を生産する。ヒトアイソタイプIgG1が好ましい。一方法では、抗体のアイソタイプはヒトIgG1である。IgM抗体も一方法において使用することができる。従って、典型的なキメラ抗体は、マウス抗体由来のVドメイン又は抗原結合ドメインと、ヒト抗体由来のCドメイン又はエフェクタードメインとからなるハイブリッドタンパク質である。

0045

ヒト化抗体は、実質的にヒト抗体又はヒト抗体(アクセプター抗体と呼ばれる)のコンセンサスに由来する可変領域フレームワーク残基、及び実質的に又は完全にマウス抗体(ドナー免疫グロブリンと呼ばれる)に由来するいくつかの及び通常は6つ全ての相補性決定領域を有する。Queen et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86:10029-10033 (1989)、WO 90/07861、U.S. Pat. No. 5,693,762、U.S. Pat. No. 5,693,761、U.S. Pat. No. 5,585,089、U.S. Pat. No. 5,530,101、及びWinter, U.S. Pat. No. 5,225,539を参照(全ての目的のために全体が参照により本明細書に援用される)。存在する場合、定常領域もまた実質的に又は完全にヒト免疫グロブリンに由来する。ヒト可変ドメインは通常、そのフレームワーク配列がCDRが由来するマウス可変領域ドメインと高度の配列同一性を示すヒト抗体から選択される。重鎖及び軽鎖可変領域フレームワーク残基は、同じ又は異なるヒト抗体配列に由来し得る。ヒト抗体配列は、天然に存在するヒト抗体の配列であり得るか、又はいくつかのヒト抗体のコンセンサス配列であり得る。Carter et al., WO 92/22653を参照。ヒト可変領域フレームワーク残基由来の特定のアミノ酸は、CDR立体配座及び/又は抗原への結合に対するそれらの可能な影響に基づいて置換のために選択される。そのような可能性のある影響の調査は、モデリング、特定の位置におけるアミノ酸の特性の検査、又は特定のアミノ酸の置換もしくは突然変異誘発の効果の経験的観察による。

0046

例えば、マウス可変領域フレームワーク残基と選択されたヒト可変領域フレームワーク残基との間でアミノ酸が異なる場合、アミノ酸が以下であると合理的に予想されるとき、ヒトフレームワークアミノ酸は通常、マウス抗体由来の同等のフレームワークアミノ酸によって置換されるべきである。(1)抗原を直接非共有結合させる、(2)CDR領域に隣接する、(3)もしくはCDR領域と相互作用する(例えば、CDR領域の約6オングストローム以内にある)、(4)VL-VHインターフェースに参加する。

0047

置換のための他の候補は、その位置でヒト免疫グロブリンにとってまれなアクセプターヒトフレームワークアミノ酸である。これらのアミノ酸は、マウスドナー抗体の同等の位置からの、又はより典型的なヒト免疫グロブリンの同等の位置からのアミノ酸で置換することができる。ヒト化免疫グロブリンの可変領域フレームワークは通常、ヒト可変領域フレームワーク配列又はそのような配列のコンセンサスに対して少なくとも85%の配列同一性を示す。

0048

iii.ヒト抗体
α-シヌクレインに対するヒト抗体は、以下に記載される種々の技術によって提供される。免疫原としてα-シヌクレインの断片のみを使用することによって、及び/又はα-シヌクレインの欠失変異体集合に対して抗体をスクリーニングすることによって、特定のエピトープ特異性を有するヒト抗体をスクリーニングすることもできる。ヒト抗体は、アイソタイプ特異性ヒトIgG1を有することが好ましい。以下を含むいくつかの方法がヒト抗体を産生するために利用可能である。トリオーマ法、Oestberg et al., Hybridoma 2:361-367 (1983)、Oestberg, U.S. Pat. No. 4,634,664、及びEngleman et al., U.S. Pat. No. 4,634,666(全ての目的のために全体が参照により本明細書に援用される)。トランスジェニック非ヒト哺乳動物は、以下に詳述されている。Lonberg et al., WO93/1222、U.S. Pat. No. 5,877,397, U.S. Pat. No. 5,874,299、U.S. Pat. No. 5,814,318、U.S. Pat. No. 5,789,650、U.S. Pat. No. 5,770,429、U.S. Pat. No. 5,661,016、U.S. Pat. No. 5,633,425、U.S. Pat. No. 5,625,126、U.S. Pat. No. 5,569,825、U.S. Pat. No. 5,545,806、Nature 148, 1547-1553 (1994) 、Nature Biotechnology 14, 826 (1996) 、Kucherlapati, WO 91/10741(全ての目的のために全体が参照により本明細書に援用される)。ファージディスプレイ方は以下を参照。Dower et al., WO 91/17271及びMcCafferty et al., WO 92/01047、U.S. Pat. No. 5,877,218、U.S. Pat. No. 5,871,907、U.S. Pat. No. 5,858,657、U.S. Pat. No. 5,837,242、U.S. Pat. No. 5,733,743及びU.S. Pat. No. 5,565,332(全ての目的のために全体が参照により本明細書に援用される)。

0049

iv.定常領域の選択
キメラ抗体、ヒト化抗体、又はヒト抗体の重鎖及び軽鎖可変領域は、ヒト定常領域の少なくとも一部に連結することができる。定常領域の選択は、部分的には、抗体依存性補体及び/又は細胞媒介毒性が望ましいかどうかに依存する。例えば、アイソタイプIgG1及びIgG3は補体活性を有し、アイソタイプIgG2及びIgG4は有しない。アイソタイプの選択はまた、脳への抗体の通過に影響を及ぼし得る。ヒトアイソタイプIgG1が好ましい。軽鎖定常領域は、ラムダ又はカッパであり得る。抗体は、2本の軽鎖及び2本の重鎖を含むテトラマーとして、別々の重鎖、軽鎖として、Fab、Fab' F(ab')2、及びFvとして、又はスペーサーを介して重鎖及び軽鎖可変ドメインが連結されている単鎖抗体として発現され得る。

0050

v.組み換え抗体の発現
キメラ抗体、ヒト化抗体、及びヒト抗体は、典型的には組換え発現によって生産される。組換えポリヌクレオチドコンストラクトは、典型的には、天然に会合した又は異種のプロモーター領域を含む、抗体鎖のコード配列作動可能に連結された発現制御配列を含む。好ましくは、発現制御配列は真核生物宿主細胞を形質転換又はトランスフェクトすることができるベクター上の真核生物プロモーター系である。ベクターが適切な宿主に組み込まれると、宿主はヌクレオチド配列高レベル発現、ならびに交差反応性抗体の回収及び精製に適した条件下で維持される。

0051

これらの発現ベクターは典型的には、宿主生物においてエピソームとして又は宿主染色体DNAの不可欠な部分として複製可能である。一般に、発現ベクターは、所望のDNA配列で形質転換された細胞の検出を可能にするために、選択マーカー(例えば、アンピシリン耐性又はハイグロマイシン耐性)を含む。

0052

大腸菌は、本発明のDNA配列をクローニングするために特に有用な原核生物宿主の1つである。酵母などの微生物も発現に有用である。サッカロミセスは好ましい酵母宿主であり、適切なベクターは所望により発現制御配列、複製起点終結配列などを有する。典型的なプロモーターには、3-ホスホグリセレートキナーゼ及び他の解糖系酵素が含まれる。誘導性酵母プロモーターには、とりわけ、アルコールデヒドロゲナーゼイソシトクロムC、並びにマルトース及びガラクトースの利用に関与する酵素からのプロモーターが含まれる。

0053

哺乳類細胞は、免疫グロブリン又はその断片をコードするヌクレオチドセグメントを発現するための好ましい宿主である。Winnacker, From Genes to Clones, (VCH Publishers, NY, 1987)を参照。インタクトな異種タンパク質分泌することができる多数の適切な宿主細胞系が当該分野で開発されており、CHO細胞系、種々のCOS細胞系、HeLa細胞L細胞ヒト胚腎臓細胞、及びミエローマ細胞系を含む。好ましくは、細胞は非ヒトである。これらの細胞用の発現ベクターは、複製起点、プロモーター、エンハンサー(Queen et al., Immunol. Rev. 89:49 (1986))などの発現制御配列、及びリボソーム結合部位、RNAスプライス部位ポリアデニル化部位、及び転写ターミネーター配列などの必要なプロセシング情報部位を含んでいてもよい。好ましい発現制御配列は、内在性遺伝子サイトメガロウイルスSV40アデノウイルスウシパピローマウイルスなどに由来するプロモーターである。Co et al., J. Immunol. 148:1149 (1992)を参照。

0054

あるいは、トランスジェニック動物のゲノムへの導入及びその後のトランスジェニック動物のミルク中での発現のために、抗体コード配列を導入遺伝子に組み込むことができる(例えば、U.S. Pat. No. 5,741,957、U.S. Pat. No. 5,304,489、U.S. Pat. No. 5,849,992を参照)。適切な導入遺伝子には、カゼイン又はβラクトグロブリンなどの乳腺特異的遺伝子由来のプロモーター及びエンハンサーと作動可能に連結した軽鎖及び/又は重鎖のコード配列が含まれる。

0055

目的のDNAセグメントを含むベクターは、細胞宿主の種類に応じて、周知の方法により宿主細胞に導入することができる。例えば、塩化カルシウムトランスフェクション原核細胞に一般的に利用され、一方、リン酸カルシウム処理、エレクトロポレーションリポフェクションバイオリスティックス又はウイルスベースドトランスフェクションは他の細胞宿主に使用することができる。哺乳類細胞を形質転換するために使用される他の方法には、ポリブレンプロトプラスト融合リポソーム、エレクトロポレーション、及びマイクロインジェクションの使用が含まれる(一般的にはSambrook et al.前述を参照)。トランスジェニック動物の作製のために、導入遺伝子を受精卵母細胞微量注入することができ、又は胚性幹細胞のゲノムに組み込むことができ、そのような細胞の核を除核卵母細胞移入することができる。

0056

一旦発現されると、抗体は、HPLC精製、カラムクロマトグラフィー、及びゲル電気泳動などを含む当該分野の標準的な手順に従って精製され得る(一般的にはScopes, Protein Purification (Springer-Verlag, NY, 1982)を参照)。

0057

II. α-シヌクレイン
α-シヌクレインは、もともとヒト脳において、ADプラーク(NAC)の非β-アミロイド成分の前駆タンパク質として同定された。(Ueda et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 90 (23):11282-11286 (1993))α-シヌクレインは、ADアミロイドの非Aβ成分の前駆体(NACP)とも呼ばれ、140アミノ酸のペプチドである。全長α-シヌクレインは以下のアミノ酸配列を有する。
(配列番号1)
MDVFMKGLSKAKEGVVAAAEKTKQGVAEAAGKTKEGVLYVGSKTKEGVVH
GVATVAEKTKEQVTNVGGAVVTGVTAVAQKTVEGAGSIAAATGFVKKDQL
GKNEEGAPQEGILEDMPVDPDNEAYEMPSEEGYQDYEPEA(Ueda et al., Ibid.;GenBankアクセッション番号: P37840)

0058

特記しない限り、α-シヌクレインへの言及は、分析されている試料中に見出される全長形態及びその断片、ならびに翻訳後修飾(例えば、リン酸化)を受けた形態を含む、上記の天然ヒトアミノ酸配列ならびにその天然の対立遺伝子及び種変異体を意味する。α-シヌクレインの断片又は変異体は、例示された配列におけるように、整列した残基に同じ番号が割り当てられるように番号が付けられる。

0059

III. α-シヌクレインのアッセイ
α-シヌクレインは、免疫測定法によって検出することができる。ここで、ドナー複合体の抗体は支持体及びドナー標識に連結し、第1のアクセプター複合体の抗体は、支持体及び第1のアクセプター標識に連結し、第2のアクセプター複合体の抗体は、支持体及び第2のアクセプター標識に連結している。第1のアクセプター複合体の抗体は、pS129α-シヌクレインに特異的に結合する。従って、pS129α-シヌクレインが試料中に存在する場合、ドナー複合体及び第1のアクセプター複合体の抗体は、同時にpS129α-シヌクレインに結合して、第1のサンドイッチを形成し得る。ここで、それぞれの抗体は、ドナー標識が一重項酸素を生成し、第1のアクセプター標識を活性化し、第1のシグナルを生成するために十分に近接した状態で保持される。ドナー複合体の抗体及び第2のアクセプター複合体の抗体(及び第1のアクセプター複合体の抗体)は互いに異なる特異性を有するので、両方とも同時にα-シヌクレインに結合して第2のサンドイッチを形成することができる。ここで、ドナー及び第2のアクセプター標識は、ドナー標識が光励起可能で、一重項酸素を生成し、第2のアクセプター標識を活性化し、第2のシグナルを生成するために十分に近接した状態で保持される。

0060

試料は、事前に形成された状態で複合体と接触させることができ、又は試料中で集合する複合体の成分と接触させることができる。後者は、ビオチンのストレプトアビジンへの結合が抗体を試料中の支持体に結合させるように、抗体及び支持体をビオチンストレプトアビジンなどの結合対で標識することによって達成することができる。一方法では、アクセプター複合体は事前に形成された状態で供給され、ドナー複合体はビオチンで標識された抗体及びストレプトアビジンで標識された支持体と共に供給され、それによりドナー複合体が試料中で形成され、それにより試料と接触する。

0061

複合体は、試料と同時に又は順次接触させることができる。好ましい接触順序は、第1及び第2のアクセプター複合体がドナー複合体の抗体と共に試料と接触することである。それぞれの抗体とそれらの標的(存在する場合)とを結合させるためのインキュベーション後、ドナー複合体の支持体及び連結ドナー標識を供給し、結合部分の対(例えば、ストレプトアビジン及びビオチン)を介してドナー複合体の抗体とその支持体とを会合させるためのさらなるインキュベーションを行う。

0062

存在する場合、試料をインキュベートして抗体をそれらの標的に結合させる。インキュベーション時間は、例えば、10分〜5時間、又は30〜120分の範囲であり得る。好ましいインキュベーション時間は1時間である。そのようなインキュベーションは、好ましくは暗所で行われる。

0063

ドナー複合体が最初に成分として供給され、次に抗体が供給され、続いて支持体が供給される場合、ストレプトアビジン-ビオチンなどの結合対の会合を介して抗体と支持体とを結合させるための支持体を供給した後、さらなるインキュベーションを実施する。このさらなるインキュベーションのための時間は、例えば、10分〜2時間の範囲であり得る。インキュベーションはまた、好ましくは暗所で行われる。

0064

インキュベーション後、ドナー標識を励起し、酸素を活性化し、一重項酸素を生成するために、光を試料に照射する。pS129α-シヌクレインが存在する場合、第1のシグナルが生成され、そして総α-シヌクレインが存在する場合、第2のシグナルが存在する。シグナルは同時に又は順次に検出することができる。好ましくは、第2のシグナルは第1のシグナルの前に検出される。検出された第1のシグナルは、試料中のpS129α-シヌクレインの存在及び/又は量を示す。同様に、試料中の総α-シヌクレインの存在及び/又は量を示す第2のシグナルを検出した。そのような量は相対的又は絶対的であり得る。既知濃度の非リン酸化α-シヌクレイン及びS129リン酸化α-シヌクレインを含む試料を段階希釈することによって、ドナー複合体、第1のアクセプター複合体、及び第2のアクセプター複合体の与えられた群について、総α-シヌクレイン及びpS129α-シヌクレインの標準曲線を得ることができる。次に、標準曲線を、ソフトウェアプログラムにより、測定されたシグナル及び対応する対数変換されたα-シヌクレイン濃度値に合わせる。

0065

上記方法で使用するのに適したドナー標識は、光励起可能分子であり、それは酸素を活性化し、一重項酸素を生成する。ドナー標識の例としては、アセトンベンゾフェノンクロロフィル類、9,10-ジブロモアントラセンエオシンフラーレン類メチレンブルーメタロポルフィリン類(例えば、ヘマトポルフィリン)、フタロシアニン類(例えば、Al3+フタロシアニン類、Cu2+フタロシアニン類、及びZn2+フタロシアニン類)、ローズベンガル及び9-チオキサントン。これら及び他のドナー標識は、以下に記載されている。U.S. Pat. Nos. 5,340,716; 5,516,636; 5,536,834; 5,709,994; 5,763,602; 6,251,581; 6,406,667; 6,797,481; 7,033,775; 7,101,682、N. J. Turro, "Molecular Photochemistry", page 132, W. A. Benjamin Inc., New York 1965、Ullman, et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91, 5426-5430 (1994)、Strong et al, Ann. New York Acad. Sci., 745: 297-320 (1994)、Martin et al, MethodsEnzymol., 186: 635-645 (1990)、Yarmush et al, Grit. Rev. Therapeutic Drug Carrier Syst., 10: 197-252 (1993)、Wohrle, Chimia, 45: 307-310 (1991)、Thetford, European patent publ. 0484027; Sessler et al, SPIE, 1426: 318-329 (1991)、Madison et al, Brain Research, 522: 90-98 (1990)、Polo et al, Inorganica Chimica Acta, 192: 1-3 (1992)、及びDemas et al, J. Macromol. Sci., A25: 1189-1214 (1988)。

0066

上記方法で使用するのに適したアクセプター標識は、エネルギーを放出するために一重項酸素により励起可能な物質である。アクセプター標識は、化学発光反応物に近接してアクセプター複合体にエネルギーが伝達されるように一重項酸素と反応することができる化学発光反応物であり得る。アクセプター標識の例は、ユーロピウム及びテルビウムが挙げられる。これらのアクセプター標識は、約200nm〜約1000nmの範囲の波長蛍光を発する蛍光色素である。

0067

上記方法で使用するのに適した支持体には、例えば、ビーズ、ニトロセルロース膜ナイロン膜誘導体化ナイロン膜、及び粒子(例えば、ならびにアガロースデキストラン系ゲル、ディップスティック微粒子マイクロスフェア磁性粒子)、テストチューブ、マイクロタイターウェル、SEPHADEX(Amersham Pharmacia Biotech, Piscataway NJ)などが含まれる。固定化は、吸収によるものでも共有結合によるものでもよい。任意に、抗体は、表面への付着のためにビオチンなどのリンカー分子に連結することができる。

0068

組織試料からα-シヌクレインを抽出するために使用される溶媒は、アッセイの感度を低下させ得る(例えば、5Mグアニジン尿素チオ尿素CHAPS、尿素/チオ尿素、1%SDS、1%SDS/8M、細胞溶解緩衝液)。そのような溶媒は、それらがアッセイに使用される緩衝液の1%未満、好ましくは0.1%未満を占めるように除去又は希釈されることが推奨される。

0069

ビーズベースのイムノアッセイにおける使用のためのモノクローナル抗体の好ましいペアは、ドナー複合体の抗体としてのα-シヌクレインの残基103〜108内のエピトープに結合する抗体、第1のアクセプター複合体の抗体としてのpS129α-シヌクレインに特異的な抗体、及び第2のアクセプター複合体の抗体としてのα-シヌクレインの残基115〜122内のエピトープに結合する抗体である。第2のアクセプター複合体の抗体は、セリン129がリン酸化されたα-シヌクレインを検出する。そのような抗体はまた、残基103〜108及び115〜122又は129、並びにpS129特異的抗体のエピトープを完成させる任意のさらなる残基を含むα-シヌクレインの断片を検出する。

0070

本方法の好ましい実施態様において、ドナー複合体は、ストレプトアビジン-ビオチンを介してドナービーズ、及びドナー標識に連結した、好ましくは4B12を含み、第1のアクセプター複合体は、支持体としてのビーズ、及び第1のアクセプター標識としてのユーロピウムと連結した、好ましくは11A5を含み、第2のアクセプター複合体は、支持体及び第2のアクセプター標識としてのビーズと連結した、好ましくはLB509を含む。試料を最初に第1及び第2の複合体と接触させ、続いてドナー複合体を添加する。pS129α-シヌクレインが試料中に存在する場合には、ドナー標識を680nmで励起して第1のアクセプター標識(テルビウム)を活性化し、第1のシグナルを生成し、総α-シヌクレインが試料中に存在する場合には、第2のアクセプター標識(ユーロピウム)をまた活性化し、第2のシグナルを生成する。テルビウムシグナルは、好ましくは最初にレゾルフィンアンプレックスレッドFP535フィルタによって検出され、次いでユーロピウムシグナルはユーロピウム615フィルタによって検出される。

0071

IV. 適用
A.体液
患者試料中のpS129 h-asynの検出は、レビー小体又は他のα-シヌクレイン沈着物を特徴とする疾患の診断及びモニタリングに使用することができる。シヌクレイノパチー性疾患には、パーキンソン病(PD)、レビー小体型認知症(DLB)、アルツハイマー病のレビー小体亜型(LBVAD)、多系統萎縮症(MSA)、脳内鉄蓄積を伴う神経変性1型(NBIA-1)、多発性レビー小体病(DLBD)、及びPDとアルツハイマー病(AD)の組み合わせが含まれる。適切な患者試料には、血液、CSF、ISF、硝子体液、唾液、尿、及び腹水などの体液が含まれる。シヌクレイノパチー性疾患の存在は、正常な個体、即ちシヌクレイノパチー性疾患を患っていない個体における平均値と比較した場合の、液中のpS129α-シヌクレインの有意に変化したレベル(典型的には増加)と通常関連する。レベルが、正常な個体の集団における平均レベルから少なくとも1、好ましくは少なくとも2標準偏差だけ逸脱している場合、そのレベルは有意に変化している。一方法では、総α-シヌクレイン又は非リン酸化α-シヌクレインのレベルもまた決定され、任意に、リン酸化α-シヌクレイン及び総α-シヌクレイン又は非リン酸化α-シヌクレインのレベルの間の比率が計算される。そのような比率は典型的にはpS129α-シヌクレインと同じ向きに変化する(即ち、増加した比率は、疾患の存在又はより大きい重症度を示す)。

0072

B.細胞培養
適切な細胞培養物由来の馴化培地中のpS129α-シヌクレインのインビトロモニタリングは、pS129α-シヌクレインのプロセシング、リン酸化及び分泌、並びにそれらに関する潜在的薬剤の効果を分析するために使用され得る。α-シヌクレインのリン酸化をモニターすることは、それに関与するホスホリラーゼを同定するための手段を提供する。pS129α-シヌクレインのプロセシング及び/又は分泌を阻害する薬剤は、シヌクレイノパチー性疾患の予防に潜在的に有用な薬理学的活性を有する。典型的には、阻害活性は、試験物質で処理した細胞由来の培地に対する、試験物質で処理していない比較対照細胞由来の培地中のpS129α-シヌクレインのレベルを比較することによって決定される。

0073

適切な細胞は、α-シヌクレイン、好ましくはヒトのα-シヌクレインをコードする核酸でトランスフェクトされた細胞、及びα-シヌクレインを天然に発現する細胞、さらに好ましくはヒトの細胞を含む。トランスフェクトされた細胞中のα-シヌクレインは、S129A、S129D、A53T及びA20P等の突然変異を有し得る。細胞は、PeakS細胞、SY5Y細胞、ヒト皮質細胞、ヒト神経膠腫細胞株、神経芽細胞腫細胞株、ヒトHeLa細胞、初代ヒト内皮細胞(例えば、HUVEC細胞)、初代ヒト線維芽細胞又はリンパ芽球、初代ヒト混合脳細胞(ニューロン、星状細胞神経膠細胞を含む)、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞などを含む。SY5Y細胞は、レチノイン酸/BDNF(脳由来神経栄養因子)での処理によって分化するように誘導され得る神経細胞である。正常ヒト細胞よりも高いレベルでpS129α-シヌクレインを発現するトランスフェクト細胞が好ましい。

0074

ペプチド又は他の化合物ランダムライブラリー適合性についてスクリーニングすることができる。段階的様式で合成することができる多くの種類の化合物についてコンビナトリアルライブラリーを作製することができる。そのような化合物には、ポリペプチド類βターンミミックス、多糖類リン脂質類ホルモン類、プロスタグランジン類ステロイド類芳香族化合物類、複素環式化合物類、ベンゾジアゼピン類、オリゴマーN-置換グリシン類及びオリゴカルバメート類が含まれる。化合物のラージコンビナトリアルライブラリーは、以下に記載されているエンコーデッド化合ライブラリーESL)法によって構築することができる。Affymax, WO 95/12608、Affymax, WO 93/06121、Columbia University, WO 94/08051、Pharmacopeia, WO 95/35503及びScripps, WO 95/30642(それらは全ての目的のために参照により本明細書に援用される)。ペプチドライブラリーファージディスプレイ法によっても生成することができる。例えば、Devlin, WO 91/18980を参照。試験化合物は典型的には約1nM〜1mM、通常約10μM〜1mMの範囲の濃度で培地に投与される。α-シヌクレインの形成、プロセシング又は分泌を阻害することができる試験化合物は、トランスジェニック動物及び最終的にはヒト臨床試験におけるさらなる決定のための候補である。

0075

C.トランスジェニック動物
本発明の抗体及びそれを検出するためのアッセイはまた、疾患のトランスジェニック動物モデルにおけるpS129α-シヌクレインの生産、リン酸化及びプロセシングをモニターするために使用され得る。レビー小体病のトランスジェニック動物モデルはMasliah, et al. Science 287:1265-1269 (2000)、Masliah et al., PNAS USA 98:12245-12250 (2001)に記載されている。α-シヌクレインは、ヒト試料について上述したように体液中で、又は動物から直接採取した組織試料中で分析することができる(2002年11月1日に出願された同時係属中の60/423,012を参照)。組織試料は、レビー小体、粒子画分及び可溶性画分として分類することができる。pS129α-シヌクレインの形成を阻害する能力について薬剤をスクリーニングするための細胞培養に関して単純なアッセイを実施することができる。典型的には、阻害活性は、薬剤で処理されたトランスジェニック動物からの特に体液又は組織試料由来の画分中のそのpS129α-シヌクレインのレベルを、薬剤で処理されていない対照トランスジェニック動物の同じ体液又は画分中のpS129α-シヌクレインのレベルと比較することによって決定される。阻害活性は、対照と比較した処置動物のpS129α-シヌクレインのレベルの低下によって示される。

0076

ヒト患者の脳由来の組織試料は、同様の分析に供することができる。しかしながら、患者の脳から試料を得ることは望ましくない侵襲的な処置であるので、そのような分析は通常死体に限定される。

0077

V.キット
本発明はさらに、本発明の1つ以上の捕捉及びレポーター抗体のペアを含むキットを提供する。一キットでは、捕捉抗体はマイクロタイターディッシュ等の固相に事前に固定化されている。任意に、抗イディオタイプ抗体などのラベリング試薬もキットに含まれる。ラベリングはまた、測定された標識のレベルとα-シヌクレインに対する抗体のレベルとを相関させるチャート又は他の対応レジームを含んでいてもよい。ラベリングという用語は、製造、輸送販売又は使用中の任意の時点でキットに添付されるか、そうでなければ同される任意の書面又は記録資料を指す。例えば、ラベリングという用語は、広告リーフレット及びパンフレット包装材料説明書オーディオ又はビデオカセットコンピュータディスク、並びにキットに直接刻印された記述を包含する。キットは、例えば、研究用又は診断用試薬として販売することができる。

0078

理解を明確にする目的で本発明を詳細に説明してきたが、添付の特許請求の範囲内で特定の修正を実施できることは明らかである。本出願において引用された全ての刊行物及び特許文献は、あたかもそれぞれがそのように個々に示されているのと同程度に、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に援用される。文脈から他に明らかでない限り、任意の実施形態、態様、特徴又はステップは任意の他のものと組み合わせて使用することができる。引用番号又はアクセッション番号などに関連する内容が時間とともに変化する場合、本出願の有効出願日に存在するバージョンを意図しており、有効出願日は、引用番号又はアクセッション番号を開示している優先出願の実際の出願日又はそれ以前の出願日である。

0079

I. 総及びpS129ヒトα-シヌクレイン特異的アッセイのための抗体ペアの選択
総h-asyn又はpS129 h-asynタンパク質のいずれかの検出のための抗体ペアのシグナル対バックグラウンド(S/B)比を試験した(表2;左のセクション)。WB実験で試験した4つのヒト特異的抗体は、総h-asynアッセイ開発段階で使用した。結果は、4B12抗体をビオチンに結合させ、ユーロピウムアクセプタービーズに結合したsyn211抗体及びLB509抗体に対して試験したときに最もよく作用することを示唆した(表2の太字)。特に、同じ抗体を逆でペアにしても同じ安定な値は得られず、シグナル対バックグラウンド比は2〜5倍低かった。さらに、4B12及びsyn 204抗体を作製するために使用されるエピトープは重複するアミノ酸残基(特に103位と108位。表1参照)を有するので、これら2つの抗体が対になったとき、検出可能なシグナルはなかった。

0080

pS129 asynに特異的な3つの抗体について、ユーロピウムアクセプタービーズにコンジュゲートさせ、ビオチン化4B12及びsyn204とペアにした後に試験した(表2;右のセクション)。この試験は、エピトープ103〜108及び124〜134にそれぞれ対応する4B12−11A5抗体の組み合わせが他の対よりもはるかに優れていること(6倍を超えるシグナル対バックグラウンド比)を示した。従って、それらをさらなる開発のために選択した。

0081

II. 総又はpS 129ヒトα-シヌクレインの一重検出のためのアッセイ条件の最適化
総h-asynアッセイの場合、アクセプタービーズにコンジュゲートしたLB509抗体及びsyn211抗体の両方の分析を、10pM-10nMの濃度のビオチン化4B12抗体を用いて行った(図1A)。1.0nMの濃度のビオチン化4B12において、両方の抗体ペアが最大シグナルに達した。試験した全ての濃度においてビオチン化4B12及びLB509結合ユーロピウムアクセプタービーズペアからのシグナルが3倍高かったので、このペアを総h-asynを検出するための最良の条件として選択した。

0082

総ヒトα-シヌクレイン(h-asyn)アッセイについての用量反応特性を評価するために、野生型ラットライセートに添加した組換えGSTタグ付きh-asyn又は組換えマウスasyn(m-asyn)タンパク質のいずれかを用いて標準曲線を確立した。h-asynの標準曲線は典型的なシグモイド曲線を示し、m-asynのシグナルは検出下限(LDL)を超えなかった。h-asyn特異的アッセイのリニアダイナミックレンジは、0.1〜10ng/mlウェル内濃度の間にあり、一方、推定検出限界は約2.0pg/mlであり、以前報告されたasynアッセイのものより3倍高い感度を示す(Hong et al. Brain 133: 713-726(2010)、Emmanouilidou et al.PLoS ONE. (2001)、Bidinosti et al. J Biol Chem. 287(40):33691-705(2012))。アッセイ間の正確性及び変動を検証するために曲線上の6つの濃度を用いて4つの個別の標準曲線間のアッセイ内及びアッセイ間変動を計算した(図1C、D)。24回の測定のうち22回は8.7%未満、2回(0.1ng/ml)は14.5%及び19.5%であった(図1C、D)。

0083

pS129 h-asynアッセイのフックポイント分析は、1.0nMのビオチン化抗体が4B12-11A5抗体ペアのときに最も高いシグナルを提供することを示した(図2A)。pS129 h-asynアッセイの用量反応特性を、asynノックアウトマウス脳ライセートに添加したpS129 h-asyn及びS129A h-asyn組換えタンパク質を用いて標準曲線を確立することによって分析した(図2B)。pS129 h-asynの標準曲線は典型的なシグモイド形状を示し、1 pg/ml-100 ng/mlの濃度のS129A h-asynのシグナルはLDLより低いままであった。pS129 h-asynアッセイの感度及びリニアダイナミックレンジの正確な計算を確実にするために、等電点電気泳動ゲルを用いてリン酸化h-asynの量を測定し、28%のリン酸化される組換えタンパク質標準を決定した(図3)。pS129 h-asynについて報告されている全ての値は、このファクターを使用して調整されている。pS129 h-asynタンパク質のためのpS129 h-asynアッセイのリニアダイナミックレンジは、8pg/ml-3ng/mlウェル内濃度で、LDL は0.3pg/mlであった。これは、以前に報告されたpS129 asynアッセイよりも約30倍低い(Wang et al。Science Translation Medicine 4:121(2012))。アッセイ内及びアッセイ間の変動は、4つの個別に測定した標準曲線上の6つの異なる濃度を使用して再び計算したところ、全ての測定について8.7%未満であった(図2C、D)。

0084

III. 単一ウェル中の総及びpS129ヒトα-シヌクレインの定量のための二重アッセイの実現可能性及び性能評価
2つの別々のタンパク質標的を同じウェル中で測定するということとは対照的に、2つの確認作業単一タンパク質標的に対する抗体ベースの定量的アッセイのための二重検出法を設計することの課題は2つある。第1に、標的タンパク質の一部は、アクセプタービーズに結合した2つの抗体及びドナービーズを同じ標的に固定するための第3の抗体-ビオチン複合体で標識されると想定される。従って、アッセイ検証ステップは、一方のアクセプタービーズ結合抗体の結合部位での、他方による立体障害の評価を含まなければならない。第2に、二つのアクセプター(レポーター)ビーズは同じドナー(アクチベーター)ビーズに依存するが、一度に一つだけが読み取られるので、シグナルの獲得の順序を考慮する必要がある。

0085

h-asyn及びその翻訳後修飾pS129種についての二重アッセイを設計するために、LB509及び11A5抗体のためのユーロピウムアクセプタービーズと比較したテルビウムアクセプタービーズの特徴を評価した。両方のアクセプタービーズのシグナル特性は、ビオチン化4B12抗体とユーロピウム又はテルビウムアクセプタービーズのいずれかに別々に結合したLB509抗体とを組み合わせ、そして用量反応曲線において精製タンパク質を使用することによって試験した。ブランクを含む全ての測定において、同一条件下でのユーロピウムシグナルと比較して、テルビウムシグナルの全体は約100倍低かった。このアッセイにおけるバックグラウンドシグナルもまた有意に低かったため、テルビウムビーズを用いて得られた標準曲線のS/B比は、ユーロピウムアクセプタービーズの場合と比較してわずかしか影響を受けなかった(図4A)。4B12及び11A5抗体ペアについても同じ設定を使用した(図4B)。後者の場合、ユーロピウムとテルビウムアクセプタービーズとの間のS/Bの差はより顕著であった。この現象及びpS129 h-asynと比較して常により多い量の総h-asynが存在するという事実のために、テルビウムアクセプタービーズをLB509とカップリングさせ、11A5抗体をユーロピウムアクセプタービーズとコンジュゲートさせた。従って、最初にテルビウムシグナルを読み、次にユーロピウムシグナルを読むことがより好ましい。

0086

上記アッセイにおける2つのアクセプタービーズ結合抗体のエピトープは非常に接近していた(詳細については表1を参照)。従って、各アクセプタービーズ結合抗体についての一重及び二重の条件のシグナル強度を比較することによって、立体障害が結果に影響するかどうかを評価した。シグナルが両方の条件に対して同じである場合、両方の抗体が分析物に結合しているときに障害は発生しない(図5)。二重条件におけるシグナルが一重条件におけるよりも低い場合、他方のアクセプタービーズ結合抗体複合体が立体的に結合を妨げている(図5)。テルビウムアクセプタービーズ結合LB509(LB509-Tb)から得られたシグナルは、11A5結合ユーロピウムアクセプタービーズ(11A5-Eu)の存在により影響を受けなかった(図4C:両方の条件でテルビウムフィルター(Resorufine/Amplex RedFP535)から検出されたシグナルは左側に表示され、同じウェルのユーロピウムフィルター(Europium 615nm)を介して検出されたシグナルが右側に示されている。)。同様に、11A5-Euアクセプタービーズから得られたシグナルは、LB509抗体に結合したアクセプタービーズの添加によって影響されなかった(図4D)。

0087

次に、テルビウムとユーロピウムについて測定したシグナルが実際に互いに影響されていないことを確認するため、シグナルブリードスルーのために各フィルタをテストした。ブリードスルーは、ユーロピウムとテルビウムアクセプタービーズが同時にシグナルを発したときに発生する可能性があるが、ある特定のアクセプタービーズのシグナルを分離するために使用されるフィルターも、2番目のアクセプタービーズから光を通過させた。2つの異なる条件のテルビウム及びユーロピウムシグナルを測定した。ここで、第1条件は分析物と2番目のアクセプタービーズ(バックグラウンドノイズ)は含まず、第2条件では分析物を加えた。これらの測定から得られたシグナルを用いて、ブリードスルーのパーセントを計算した。テルビウムフィルターのブリードスルーは2.4%(図4E)と推定され、ユーロピウムフィルターのブリードスルーは0.9%(図4F)と推定された。このセクションで立体障害について報告された全ての測定値、ならびに二重アッセイに関する他の全てのデータは、これらの推定値に基づいてフィルターブリードスルーについて補正した。

0088

フックポイントは、ユーロピウム及びテルビウムシグナルが同じウェル内で測定した二重アッセイについて確立した。最適ビオチン化4B12濃度は1.0nMで変化しないことがわかった(図6A)。ウェルに添加したドナービーズが2つのアクセプタービーズに対して十分な一重項酸素を提供するのに十分であることを確実にするために、ウェル内で6μg/mlから40μg/mlの範囲のドナービーズの連続希釈を行った。どちらのアクセプタービーズについてもシグナル強度の変化は見られなかった(データは示さず)。両方とも総h-asynアッセイ(テルビウムチャネル)を用いて測定したh-asyn及びpS129の標準曲線のシグナル強度を比較すると、シグナル強度又は曲線形状に差は観察されなかった(図6B)。pS129 h-asyn二重アッセイのLDLは、pS129h-asyn一重アッセイで得られたLDLと類似していたが、一重及び二重総h-asynアッセイのLDLを比較すると、235倍の増加(2pg/mlから470pg/ml)が観察された。

0089

アッセイ内及びアッセイ間の変動は、実験間の正確さ及び変動を検証するために、曲線上の6〜7の濃度を用いて3つの異なる日に行われた6つの個々の標準曲線間で計算した。総h-asynアッセイについて、平均アッセイ内変動は23%を超えず、平均アッセイ間変動は22.8%未満であった(図6C、E)。値は、一重総h-asynアッセイで得られたものより著しく高かった。pS129 h-asynアッセイでは、平均アッセイ内変動は13.7%を超えず、平均アッセイ間変動は14.5%未満であった(図6D、F)。ナイーブ齧歯類脳ライセート(ブランク)又はpS129 h-asynタンパク質を添加したライセートを12回繰り返してZ値を計算した。総h-asyn及びpS129 h-asynアッセイのZ '値は、それぞれ0.81及び0.84であった。

0090

IV. h-asynとpolo様キナーゼ2を共発現しているHEK293細胞におけるpS129及び総ヒトα-シヌクレインの定量
新たに確立した二重アッセイをさらに検証するために、ヒトCMV及びマウスCMVプロモーターのそれぞれの制御下でのh-asyn及びPLK2を共発現するシングルベクターコンストラクトで、HEK293細胞を共トランスフェクトした(1群あたりn=6)。PLKは、特に129位でasynを高度にリン酸化することが以前に示されている(Mbefo et al, J. Biol. Chem. 285:2807-2822 (2010))。コントロールとして、PLK2キナーゼデッド変異体(mPLK2)及びリン酸化不可能なS129G h-asynを使用した。全てのタンパク質はまた、それぞれh-asyn又はPLK2の代わりにYFP又はmCherryと組み合わせて発現させた。HEK293細胞は、相当量内因性h-asynならびにpS129 h-asyn(総h-asynの1.2%)を生産し、これは二重アッセイを用いて測定することができる(図7)。h-asynなしのPLK2の発現は、単一のmPLK2発現と比較してPLK2活性により4.8倍までpS129h-asynの増加を示したが、h-asynを効率的に又は完全にはリン酸化しなかった。より多くのリン酸化可能なh-asynが内因性キナーゼに利用可能であるため、単一のh-asynもまた、S129G h-asyn単独の発現と比較して、pS129 h-asynのより小さいが有意な増加をもたらした。S129G h-asynをPLK2と組み合わせて発現させると、内因性h-asynに対するPLK2活性のためにpS129 h-asynが5.2倍増加したが、h-asyn+PLK2群におけるよりもかなり小さかった(11.7倍)。h-asynをPLK2と一緒に発現させると、mSLK2と一緒に発現させたh-asynと比較して、pS129のh-asynレベルは予想通り増加した(32.4倍)。

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