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技術 油糧微生物を含む発酵ブロスから多価不飽和脂肪酸を含む微生物油を抽出するための方法

出願人 ディーエスエムアイピーアセッツビー.ブイ.エボニックデグサゲーエムベーハー
発明者 チェリンコ,ステファンロバートダーネッド,マティアスディール,マイケルドン,シャオダニエルジョンソン,マイケルベンジャミンカーティス,ロバートコーディーレバート,ヨッヘンレイニンジャー,ニールフランシスマシューズ,クートリヴェルファイファー,ホルガープリファート,ホーストラーベ,クリスティアンリソップ,シャノンエリザベスイーシアーウインドー,ヨアヒムヴェルコーイェン,ダニエルザボドスキー,ガブリエル
出願日 2017年7月12日 (2年8ヶ月経過) 出願番号 2019-500433
公開日 2019年8月8日 (7ヶ月経過) 公開番号 2019-521685
状態 未査定
技術分野 微生物による化合物の製造 微生物、その培養処理 有機低分子化合物及びその製造
主要キーワード 体積減少率 温度グラフ 通気ライン 容器体積 脱水ステップ 溶媒抽出プロセス 可溶性固体 エマルション相
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年8月8日)のものです。
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図面 (7)

課題・解決手段

1種または複数種微生物細胞由来の1種または複数種の多価不飽和脂肪酸(PUFA)を含む微生物油を得るための本プロセスは、解乳化が行われる前に細胞発酵ブロスまたは溶解細胞組成物から水を除去することを含む。そうしたプロセスは、解乳化時間の短縮および塩使用の減少という利益を有する。1種または複数種のPUFAを含む微生物油は、本プロセスにより微生物細胞から回収することができる。

概要

背景

概要

1種または複数種微生物細胞由来の1種または複数種の多価不飽和脂肪酸(PUFA)を含む微生物油を得るための本プロセスは、解乳化が行われる前に細胞発酵ブロスまたは溶解細胞組成物から水を除去することを含む。そうしたプロセスは、解乳化時間の短縮および塩使用の減少という利益を有する。1種または複数種のPUFAを含む微生物油は、本プロセスにより微生物細胞から回収することができる。なし

目的

本発明は、溶解した油糧微生物を含む発酵ブロスの解乳化を促進するための方法およびシステムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
0件

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請求項1

溶解した油糧微生物を含む発酵ブロス解乳化を促進するための方法であって、a)前記発酵ブロスから水を除去する(溶解した油糧微生物を含む前記発酵ブロスの体積は、その当初の体積の60%未満である)こと;およびb)前記発酵ブロスを60℃〜110℃の温度に加熱することにより解乳化することを含む方法。

請求項2

前記解乳化は、解乳化の時間をステップa)が行われないときの解乳化に必要とされる時間の少なくとも1/3に短縮することにより促進される、請求項1に記載の方法。

請求項3

c)前記発酵ブロスから油を回収することをさらに含む、請求項1または請求項2に記載の方法。

請求項4

油の前記回収は、溶媒の使用なしに行われる、請求項3に記載の方法。

請求項5

前記回収される油の量は、ステップa)が行われないときの同じ方法と比較して少なくとも7%増加する、請求項4に記載の方法。

請求項6

ステップa)の溶解した油糧微生物を含む前記発酵ブロスの体積は、その当初の体積の70%未満、好ましくは80%未満に減少する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。

請求項7

ステップa)の水の除去は、前記発酵ブロスを110℃以下、好ましくは70℃〜100℃、一層好ましくは80℃〜90℃の温度で加熱することにより行われる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。

請求項8

ステップb)は、アルカリ化剤、好ましくは苛性ソーダを加えることを含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。

請求項9

前記発酵ブロスのpHは、5.5〜12、好ましくは7.0〜12.0、好ましくは9.5〜10.5、一層好ましくは9.7〜10.2のpH値に調整される、請求項8に記載の方法。

請求項10

ステップb)の前記温度は、85℃〜95℃、好ましくは約90℃である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。

請求項11

ステップb)の前記温度は、少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも3時間および少なくとも4時間維持される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。

請求項12

ステップb)の前記温度は、24〜72時間、好ましくは24〜36時間維持される、請求項8に記載の方法。

請求項13

油糧微生物を含む発酵ブロスから1種または複数種多価不飽和脂肪酸を含む微生物油を抽出するための方法であって、(a)溶解細胞組成物を形成するため前記発酵ブロス中の前記油糧微生物を溶解すること;(b)前記溶解細胞組成物から水を除去する(前記溶解細胞組成物の体積は、その当初の体積の60%未満に減少する)こと;(c)ステップ(b)で得られた前記溶解細胞組成物を60℃〜110℃の温度に昇温すること;および(d)前記微生物油を前記溶解細胞組成物から回収することを含む方法。

請求項14

ステップ(b)の前記溶解細胞組成物の体積は、その当初の体積の70%未満、好ましくは80%未満に減少する、請求項13に記載の方法。

請求項15

ステップ(b)の水の除去は、110℃以下、好ましくは70℃〜100℃、一層好ましくは80℃〜90℃の温度で前記溶解細胞組成物を加熱することにより行われる、請求項13または請求項14に記載の方法。

請求項16

ステップ(c)は、アルカリ化剤、好ましくは苛性ソーダを加えることを含む、請求項13〜15のいずれか一項に記載の方法。

請求項17

前記溶解細胞組成物のpHは、5.5〜12、好ましくは7.0〜12.0、好ましくは9.5〜10.5、一層好ましくは9.7〜10.2のpH値に調整される、請求項16に記載の方法。

請求項18

ステップ(c)の前記温度は、85℃〜95℃、好ましくは約90℃である、請求項13〜17のいずれか一項に記載の方法。

請求項19

ステップ(c)の前記温度は、少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも3時間および少なくとも4時間維持される、請求項13〜18のいずれか一項に記載の方法。

請求項20

ステップ(c)の前記温度は、24〜72時間、好ましくは24〜36時間維持される、請求項19に記載の方法。

請求項21

油糧微生物を含む発酵ブロスから1種または複数種の多価不飽和脂肪酸を含む微生物油を抽出するための方法であって、(a)前記発酵ブロスから水を除去する(前記発酵ブロスの体積は、その当初の体積の60%未満に減少する)こと;(b)溶解細胞組成物を形成するため前記発酵ブロス中の前記油糧微生物を溶解すること;(c)ステップ(b)で得られた前記溶解細胞組成物を60℃〜110℃の温度に昇温すること;および(d)前記微生物油を前記溶解細胞組成物から回収することを含む方法。

請求項22

ステップ(a)の前記発酵ブロスの体積は、その当初の体積の70%未満、好ましくは80%未満に減少する、請求項21に記載の方法。

請求項23

ステップ(a)の水の除去は、前記発酵ブロスを110℃以下、好ましくは70℃〜100℃、一層好ましくは80℃〜90℃の温度で加熱することにより行われる、請求項21または請求項22に記載の方法。

請求項24

ステップ(c)は、アルカリ化剤、好ましくは苛性ソーダを加えることを含む、請求項21〜23のいずれか一項に記載の方法。

請求項25

前記溶解細胞組成物のpHは、5.5〜12、好ましくは7.0〜12.0、好ましくは9.5〜10.5、一層好ましくは9.7〜10.2のpH値に調整される、請求項24に記載の方法。

請求項26

ステップ(c)の前記温度は、85℃〜95℃、好ましくは約90℃である、請求項21〜24のいずれか一項に記載の方法。

請求項27

ステップ(c)の前記温度は、少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも3時間および少なくとも4時間維持される、請求項21〜25のいずれか一項に記載の方法。

請求項28

ステップ(c)の前記温度は、24〜72時間、好ましくは24〜36時間維持される、請求項27に記載の方法

請求項29

前記油糧微生物は、1種または複数種の多価不飽和脂肪酸を含む微生物油を産生する、請求項1〜28のいずれか一項に記載の方法。

請求項30

前記多価不飽和脂肪酸は、オメガ脂肪酸、オメガ6脂肪酸およびそれらの混合物を含む、請求項29に記載の方法。

請求項31

前記多価不飽和脂肪酸は、ドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサペンタエン酸DPA)、アラキドン酸(ARA)、ガンマリノレン酸(GLA)、ジホモガンマリノレン酸(DGLA)、ステアリドン酸(SDA)およびそれらの混合物を含む、請求項29に記載の方法。

請求項32

前記多価不飽和脂肪酸は、ドコサヘキサエン酸(DHA)である、請求項31に記載の方法。

請求項33

前記多価不飽和脂肪酸は、エイコサペンタエン酸(EPA)である、請求項31に記載の方法。

請求項34

前記多価不飽和脂肪酸は、アラキドン酸(ARA)である、請求項31に記載の方法。

請求項35

前記微生物細胞は、藻類細胞酵母細胞真菌細胞、プロテスト細胞または細菌細胞である、請求項1〜34のいずれか一項に記載の方法。

請求項36

前記微生物細胞は、クリテコディニウム(Crypthecodinium)属、モルティエレラ(Mortierella)属またはヤブレツボカビ(Thraustochytriales)目由来である、請求項1〜35のいずれか一項に記載の方法。

請求項37

前記微生物細胞は、ヤブレツボカビ(Thraustochytriales)目由来である、請求項36に記載の方法。

請求項38

前記微生物細胞は、トラウスキトリウム(Thraustochytrium)属、シゾキトリウム(Schizochytrium)属またはそれらの混合物由来である、請求項37に記載の方法。

請求項39

前記微生物細胞は、モルティエレラ・アルピナ(Mortierellaalpina)由来である、請求項36に記載の方法。

請求項40

前記溶解細胞組成物は、液体細胞片および微生物油を含む、請求項13〜39のいずれか一項に記載の方法。

請求項41

前記油は、少なくとも15重量%エイコサペンタエン酸を含む、請求項40に記載の方法。

請求項42

前記油は、少なくとも30重量%ドコサヘキサエン酸を含む、請求項40または請求項41に記載の方法。

請求項43

前記油は、少なくとも30重量%アラキドン酸を含む、請求項42に記載の方法。

請求項44

請求項1〜43のいずれか一項に記載の方法により得られた油。

請求項45

5%未満総多価不飽和脂肪酸を含む、脱脂微生物バイオマス

発明の詳細な説明

0001

[関連出願の相互参照
[0001]本出願は、その開示内容全体を本明細書に援用する、2016年7月13日に出願された米国仮特許出願第62/361,770号明細書の出願日の利益を主張する。

0002

背景
[0002]多くの有益な栄養素食事摂取量を増やすことは望ましい。特に有益な栄養素として、オメガ3およびオメガ6長鎖多価不飽和脂肪酸(LC−PUFA)などの脂肪酸およびそれらのエステルが挙げられる。現在主に魚油または微生物油から得られる長鎖オメガ3およびオメガ6脂肪酸は、ヒトの食事必須要素である。

0003

[0003]乱獲問題のため、ヒトにおける健康効果を証明しているエイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)などのオメガ脂肪酸持続可能な代替源が求められている。そうしたオメガ3脂肪酸の代替源は、養殖魚がそのオメガ3脂肪酸を野生微細藻類または海産植物プランクトンではなく、魚飼料中のサプリメントから摂るという事実から、魚飼料にも必要とされる。

0004

[0004]栄養製品および動物用飼料に使用される脂質は、微生物により産生され得る。藻類で脂質を製造するには、たとえば、藻類を増殖すること、およびそれから細胞内脂質を抽出することが含まれ得る。PUFA含有脂質の優れた供給源は、数ある微生物の中でもヤブレツボカビ(Thraustochytriales)目の藻類株、クリテコディニウム(Crypthecodinium)属の藻類株またはモルティエレラ(Mortierella)属の真菌株などの油糧微生物由来である。

0005

[0005]微生物細胞からPUFA含有油を得るための工業規模のプロセスでは、発酵槽または池で所望の油を産生できる微生物を増殖して微生物細胞バイオマスを製造すること、およびその後細胞バイオマスから油を抽出することが行われる。微生物細胞からPUFA含有油を抽出するためのプロセスは、費用がかかり、細胞を乾燥させるための熱などエネルギー集約的なステップを必要とするものもあれば、PUFA油を回収するための有機溶媒を必要とするものもあり、さらに細胞およびエマルション破壊するための化学物質および酵素を必要とするものもある。熱は、PUFA含有油を分解および酸化し、したがって望ましくない味を生じることがある。溶媒の使用には、高価な装置、溶媒回収のための高いエネルギー費用および環境への悪影響を低下させるための廃棄物処理措置の実行が必要になる。化学物質および酵素の使用には、処理費用を増加させ、広範な廃棄物処分手順の実行も必要とされる。さらに、大規模生産には、装置および容器を、大きな体積を取り扱うのに好適的に構築することも求められる。それは、なおもう1つの技術的な課題であり、処理費用をさらに増加させる。

0006

[0006]よって、より少ないエネルギーおよび物質を用いて微生物細胞からPUFA含有油を抽出するための効率的な方法を提供し、引いては全体的な生産費用を低下させることが本発明の目的であった。高品質のPUFA含有油を得るための方法を提供することが、さらなる本出願の目的であった。

0007

[発明の概要
[0007]本発明は、溶解した油糧微生物を含む発酵ブロス解乳化を促進するための方法であって、a)発酵ブロスから水を除去する(溶解した油糧微生物を含む発酵ブロスの体積は、その当初の体積の60%未満である)こと;およびb)60℃〜110℃の温度に加熱することにより発酵ブロスを解乳化することを含む方法を対象とする。

0008

[0008]いくつかの実施形態では、解乳化は、ステップa)が行われないときの解乳化に必要とされる時間の少なくとも1/3に解乳化の時間を短縮することにより促進される。いくつかの実施形態では、本方法は、ステップc)発酵ブロスから油を回収することをさらに含む。

0009

[0009]いくつかの実施形態では、油の回収は、無溶媒抽出法を用いて行われる。

0010

[0010]いくつかの実施形態では、回収される油の量は、ステップa)が行われないときの同じ方法と比較して少なくとも7%増加する。

0011

[0011]いくつかの実施形態では、ステップa)の溶解した油糧微生物を含む発酵ブロスの体積は、その当初の体積の70%未満、好ましくは80%未満に減少する。

0012

[0012]いくつかの実施形態では、ステップa)の水の除去は、発酵ブロスを110℃以下、好ましくは70℃〜100℃、一層好ましくは80℃〜90℃の温度で加熱することにより行われる。

0013

[0013]いくつかの実施形態では、ステップb)は、アルカリ化剤、好ましくは苛性ソーダを加えることを含む。

0014

[0014]いくつかの実施形態では、ステップ(b)の発酵ブロスのpHは、5.5〜12、好ましくは7.0〜12.0、好ましくは9.5〜10.5、一層好ましくは9.7〜10.2のpH値に調整される。

0015

[0015]いくつかの実施形態では、ステップb)の温度は、85℃〜95℃、好ましくは約90℃である。いくつかの実施形態では、ステップb)の温度は、少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも3時間および少なくとも4時間維持される、先行するいずれかの請求項に記載の方法。いくつかの実施形態では、ステップb)の温度は、24〜72時間、好ましくは24〜36時間維持される。

0016

[0016]本発明はさらに、油糧微生物を含む発酵ブロスから1種または複数種多価不飽和脂肪酸を含む微生物油を抽出するための方法であって、(a)溶解細胞組成物を形成するため、発酵ブロス中の油糧微生物を溶解すること;(b)溶解細胞組成物から水を除去する(溶解細胞組成物の体積は、その当初の体積の60%未満に減少する)こと;(c)ステップ(b)で得られた溶解細胞組成物を60℃〜110℃の温度に昇温すること;および(d)微生物油を溶解細胞組成物から回収することを含む方法も対象とする。

0017

[0017]いくつかの実施形態では、ステップ(b)の溶解細胞組成物の体積は、その当初の体積の70%未満、好ましくは80%未満に減少する。

0018

[0018]いくつかの実施形態では、ステップ(b)の水の除去は、発酵ブロスを110℃以下、好ましくは70℃〜100℃、一層好ましくは80℃〜90℃の温度で加熱することにより行われる。

0019

[0019]いくつかの実施形態では、ステップ(c)は、アルカリ化剤、好ましくは苛性ソーダを加えることを含む。いくつかの実施形態では、ステップ(c)の溶解細胞組成物のpHは、5.5〜12、好ましくは7.0〜12.0、好ましくは9.5〜10.5、一層好ましくは9.7〜10.2のpH値に調整される。

0020

[0020]いくつかの実施形態では、ステップ(c)の温度は、85℃〜95℃、好ましくは約90℃である。

0021

[0021]いくつかの実施形態では、ステップ(c)の温度は、少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも3時間および少なくとも4時間維持される。いくつかの実施形態では、ステップ(c)の温度は、24〜72時間、好ましくは24〜36時間維持される。

0022

[0022]本発明はさらに、油糧微生物を含む発酵ブロスから1種または複数種の多価不飽和脂肪酸を含む微生物油を抽出するための方法であって、(a)発酵ブロスから水を除去する(発酵ブロスの体積は、その当初の体積の60%未満に減少する)こと;(b)溶解細胞組成物を形成するため、発酵ブロス中の油糧微生物を溶解すること;(c)ステップ(b)で得られた溶解細胞組成物を60℃〜110℃に温度に昇温すること;および(d)微生物油を溶解細胞組成物から回収することを含む方法も対象とする。

0023

[0023]いくつかの実施形態では、ステップ(a)の発酵ブロスの体積は、その当初の体積の70%未満、好ましくは80%未満に減少する。

0024

[0024]いくつかの実施形態では、ステップ(a)の水の除去は、発酵ブロスを110℃以下、好ましくは70℃〜100℃、一層好ましくは80℃〜90℃の温度で加熱することにより行われる。

0025

[0025]いくつかの実施形態では、ステップ(c)は、アルカリ化剤、好ましくは苛性ソーダを加えることを含む。いくつかの実施形態では、ステップ(c)の溶解細胞組成物のpHは、5.5〜12、好ましくは7.0〜12.0、好ましくは9.5〜10.5、一層好ましくは9.7〜10.2のpH値に調整される。

0026

[0026]いくつかの実施形態では、ステップ(c)の温度は、85℃〜95℃、好ましくは約90℃である。

0027

[0027]いくつかの実施形態では、ステップ(c)の温度は、少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも3時間および少なくとも4時間維持される。いくつかの他の実施形態では、ステップ(c)の温度は、24〜72時間、好ましくは24〜36時間維持される。

0028

[0028]上述の実施形態のいずれも、油糧微生物は、1種または複数種の多価不飽和脂肪酸を含む微生物油を産生する。いくつかの実施形態では、多価不飽和脂肪酸は、オメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸およびそれらの混合物を含む。いくつかの実施形態では、多価不飽和脂肪酸は、ドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサペンタエン酸DPA)、アラキドン酸(ARA)、ガンマリノレン酸(GLA)、ジホモガンマリノレン酸(DGLA)、ステアリドン酸(SDA)およびそれらの混合物を含む。

0029

[0029]いくつかの実施形態では、微生物細胞は、藻類細胞酵母細胞真菌細胞、プロテスト細胞または細菌細胞である。そうした微生物細胞は、たとえば、クリプテコディニウム(Crypthecodinium)属、モルティエレラ(Mortierella)属またはヤブレツボカビ(Thraustochytriales)目由来であってもよい。一実施形態では、微生物細胞は、ヤブレツボカビ(Thraustochytriales)目由来である。一実施形態では、微生物細胞は、トラウスキトリウム(Thraustochytrium)属、シゾキトリウム(Schizochytrium)属またはそれらの混合物由来である。別の実施形態では、微生物細胞は、モルティエレラ・アルピナ(Mortierella alpina)由来である。

0030

[0030]上記の実施形態では、溶解細胞組成物は、液体細胞片および微生物油を含む。

0031

[0031]いくつかの実施形態では、油は、少なくとも15重量%エイコサペンタエン酸を含む。他の実施形態では、油は、少なくとも30重量%ドコサヘキサエン酸を含む。他の実施形態では、油は、少なくとも30重量%アラキドン酸を含む。

0032

[0032]本発明はさらに、上述のプロセスにより得られた油も対象とする。本発明はさらに、5%未満総多価不飽和脂肪酸を含む脱脂微生物バイオマスも対象とする。

0033

[0033]本明細書に援用され、本明細書の一部を構成する添付図面は、本発明の実施形態を例証するもので、本説明と共に本発明の特徴、利点および原理を説明するのに役立つものである。

図面の簡単な説明

0034

図1は、全細胞発酵培地低温殺菌した直後に脱水ステップを用いた無溶媒抽出法の一実施形態を図示するプロセスフローダイアグラムである。
図2は、全細胞発酵培地中の細胞を低温殺菌し溶解した後に脱水ステップを用いた無溶媒抽出法の一実施形態を図示するプロセスフローダイアグラムである。
図3は、脱水ステップにより処理した溶解細胞組成物の写真であり、合一処理の2時間後の分離を示す。
図4は、脱水ステップにより処理しなかった溶解細胞組成物の写真であり、合一処理の49時間後の分離を示す。
図5は、脱水ステップを用いた実験の合一処理中の相組成を示す
図6は、脱水ステップを用いない実験の合一処理中の相組成を示す。

0035

[詳細な説明]
[0040]適例として本明細書に示した実施形態は、例示を意図しており、限定を意図するものではない。

0036

[0041]脂肪酸は、炭素鎖の長さおよび飽和の特徴に基づき分類される。微生物油に存在する脂肪酸は、4〜28個の炭素原子を有することがあり、鎖中に存在する炭素の数に基づき短鎖脂肪酸中鎖脂肪酸または長鎖脂肪酸と呼ばれる。脂肪酸は、炭素原子間二重結合が存在しない場合、飽和脂肪酸と呼ばれ、二重結合が存在する場合、不飽和脂肪酸と呼ばれる。不飽和長鎖脂肪酸は、二重結合が1つしか存在しない場合、一価不飽和であり、2つ以上の二重結合が存在する場合、多価不飽和である。

0037

[0042]本明細書に記載の微生物油とは、1種または複数種のPUFAを含み、微生物細胞から得られる油をいう。

0038

[0043]多価不飽和脂肪酸(PUFA)は、脂肪酸のメチル末端からの最初の二重結合の位置に基づき分類され、オメガ3(n−3)脂肪酸は、3番目の炭素に最初の二重結合を含むのに対し、オメガ6(n−6)脂肪酸は、6番目の炭素に最初の二重結合を含む。たとえば、ドコサヘキサエン酸(DHA)は、22個の炭素鎖長および6つの二重結合を有するオメガ3長鎖多価不飽和脂肪酸(LC−PUFA)であり、多くの場合、「22:6n−3」と表される。一実施形態では、PUFAは、オメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸およびそれらの混合物から選択される。別の実施形態では、PUFAは、LC−PUFAから選択される。なおさらなる実施形態では、PUFAは、ドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサペンタエン酸(DPA)、アラキドン酸(ARA)、ガンマリノレン酸(GLA)、ジホモガンマリノレン酸(DGLA)、ステアリドン酸(SDA)およびそれらの混合物から選択される。別の実施形態では、PUFAは、DHA、EPAおよびそれらの混合物から選択される。別の実施形態では、PUFAは、DHA、ARAおよびそれらの混合物から選択される。さらなる実施形態では、PUFAはDHAである。さらなる実施形態では、PUFAはEPAである。なおさらなる実施形態では、PUFAはARAである。

0039

[0044]LC−PUFAは、少なくとも3つの二重結合を含み、18個以上の炭素または20個以上の炭素の鎖長を有する脂肪酸である。オメガ6系列のLC−PUFAとして、以下に限定されるものではないが、ジ−ホモガンマリノール酸(C20:3n−6)、アラキドン酸(C20:4n−6)(「ARA」)、ドコサテトラエン酸またはアドレン酸(C22:4n−6)およびドコサペンタエン酸(C22:5n−6)(「DPAn−6」)が挙げられる。オメガ3系列のLC−PUFAとしては、以下に限定されるものではないが、エイコサトリエン酸(C20:3n−3)、エイコサテトラエン酸(C20:4n−3)、エイコサペンタエン酸(C20:5n−3)(「EPA」)、ドコサペンタエン酸(C22:5n−3)およびドコサヘキサエン酸(C22:6n−3)が挙げられる。LC−PUFAは、22個を超える炭素および4つ以上の二重結合を有する脂肪酸、以下に限定されるものではないが、C24:6(n−3)およびC28:8(n−3)をさらに含む。

0040

[0045]PUFAは、遊離脂肪酸、塩、脂肪酸エステル(たとえばメチルまたはエチルエステル)、モノアシルグリセロール(MAG)、ジアシルグリセロール(DAG)、トリアシルグリセロール(TAG)および/またはリン脂質PL)の形態であってもよい。

0041

[0046]高度不飽和脂肪酸(HUFA)は、4つ以上の不飽和炭素炭素結合を含むオメガ3および/またはオメガ6多価不飽和脂肪酸である。

0042

[0047]本明細書で使用する場合、「溶解細胞組成物」とは、微生物油(溶解細胞由来の)と共に、細胞片および細胞の他の内容物を含む1つまたは複数の溶解細胞と、任意選択的に、液体(たとえば、水)、栄養素および微生物細胞を含む発酵ブロスとを含む組成物をいう。「溶解する」および「溶解」という用語は、微生物細胞の壁および/または膜が破裂するプロセスをいう。一実施形態では、微生物細胞は、機械的、化学的酵素的物理的およびそれらの組み合わせから選択される少なくとも1つの処理を施すことにより溶解される。別の実施形態では、このプロセスは、溶解細胞組成物を形成するため、微生物油を含む微生物細胞を溶解することを含み、溶解は、機械的、化学的、酵素的、物理的およびそれらの組み合わせおよびそれらの組み合わせから選択される。

0043

[0048]本明細書で使用する場合、「細胞」とは、油糧微生物由来のバイオマテリアルなどの油含有バイオマテリアルをいう。微生物により産生されるまたは微生物細胞から得られる油は、「微生物油」という。一実施形態では、微生物油は、微生物のバイオマスから抽出され、その後処理していない粗油をいう。藻類および/または真菌により産生される油は、それぞれ藻類油および/または真菌油とも呼ばれる。

0044

[0049]本明細書で使用する場合、「微生物細胞」または「微生物」は、藻類、細菌、真菌、酵母、原性生物およびそれらの組み合わせなどの生物、たとえば、単細胞生物をいう。いくつかの実施形態では、微生物細胞は真核細胞である。微生物細胞は、以下に限定されるものではないが、黄金色藻類(たとえばストラメノパイル(Stramenopiles)界の微生物);緑藻類珪藻類渦鞭毛藻類(たとえば、クリプテコディニウム・コーニー(Crypthecodinium cohnii)またはC.コーニー(C.cohnii)などのクリプテコディニウム(Crypthecodinium)属のメンバーを含む渦鞭毛藻(Dinophyceae)目の微生物);ヤブレツボカビ(Thraustochytriales)目の微細藻類;酵母(子嚢菌類(Ascomycetes)または担子菌類(Basidiomycetes));ならびにムコール(Mucor)属、モルティエレラ(Mortierella)属、以下に限定されるものではないが、モルティエレラ・アルピナ(Mortierella alpina)およびモルティエレラ(Mortierella)節シュムッケリ(schmuckeri)、ならびにフハイカビ(Pythium)属、以下に限定されるものではないが、ピチウム・インジオスム(Pythium insidiosum)の真菌が挙げられる。

0045

[0050]一実施形態では、微生物細胞は、モルティエレラ(Mortierella)属、クリプテコディニウム(Crypthecodinium)属またはヤブレツボカビ(Thraustochytriales)目由来である。なおさらなる実施形態では、微生物細胞は、クリプテコディニウム・コーニー(Crypthecodinium cohnii)由来である。なおさらに別の実施形態では、微生物細胞は、クリプテコディニウム・コーニー(Crypthecodinium cohnii)、モルティエレラ・アルピナ(Mortierella alpina)、トラウストキトリウム(Thraustochytrium)属、シゾキトリウム(Schizochytrium)属およびそれらの混合物から選択される。

0046

[0051]なおさらなる実施形態では、微生物細胞として、以下に限定されるものではないが、モルティエレラ(Mortierella)属、コニディオボラス(Conidiobolus)属、フハイカビ(Pythium)属、フィトフトラ(Phytophthora)属、ペニシリウム(Penicillium)属、クラドスポリウム(Cladosporium)属、ムコール(Mucor)属、フザリウム(Fusarium)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、ロドトルラ(Rhodotorula)属、エントモフトラ(Entomophthora)属、エキノスポランギウム(Echinosporangium)属およびサプロレグニア(Saprolegnia)属に属する微生物が挙げられる。別の実施形態では、ARAは、以下に限定されるものではないが、モルティエレラ・エロガタ(Mortierella elongata)、モルティエレラ・エキシグア(Mortierella exigua)、モルティエレラ・ハイグロフィラ(Mortierella hygrophila)、モルティエレラ・アルピナ(Mortierella alpina)、モルティエレラ・シュムッケリ(Mortierella schmuckeri)およびモルティエレラ・ミヌティシマ(Mortierella minutissima)を含むモルティエレラ(Mortierella)属由来の微生物細胞から得られる。さらなる実施形態では、ARAは、モルティエレラ・エロンガタ(Mortierella elongata)IFO8570、モルティエレラ・エキシグア(Mortierella exigua)IF08571、モルティエレラ・ハイグロフィラ(Mortierella hygrophila)IF05941、モルティエレラ・アルピナ(Mortierella alpina)IF08568、ATCC16266、ATCC32221、ATCC42430、CBS219.35、CBS224.37、CBS250.53、CBS343.66、CBS527.72、CBS529.72、CBS608.70およびCBS754.68ならびにそれらのミュータント由来の微生物細胞から得られる。なおさらなる実施形態では、微生物細胞は、モルティエレラ・アルピナ(Mortierella alpina)由来である。

0047

[0052]なおさらなる実施形態では、微生物細胞は、以下に限定されるものではないが、トラウストキトリウム(Thraustochytrium)属(種は、アルメンタレ(arudimentale)、アウレウム(aureum)、ベンチコラ(benthicola)、グロボスム(globosum)、キンネイ(kinnei)、モチブム(motivum)、ムルチルジメンタレ(multirudimentale)、パキデルマム(pachydermum)、プロリフェルム(proliferum)、ロセウム(roseum)、ストリアツム(striatum)を含む);シゾキトリウム(Schizochytrium)属(種は、アグレガツム(aggregatum)、リムナセウム(limnaceum)、マングロベイ(mangrovei)、ミヌツム(minutum)、オクトスポルム(octosporum)を含む);ウルケニア(Ulkenia)属(種は、アモエボイデア(amoeboidea)、ケルグエレンシス(kerguelensis)、ミヌタ(minuta)、プロフンダ(profunda)、ラジアテ(radiate)、サイレンス(sailens)、サルカリアナ(sarkariana)、シゾキトロプス(schizochytrops)、ビスゲンシス(visurgensis)、ヨルケンシス(yorkensis)を含む);オーラチアコキトリウム(Aurantiacochytrium)属;オブロンギチトリウム(Oblongichytrium)属;シシイドキチウム(Sicyoidochytium)属;パリエンチキトリウム(Parientichytrium)属;ボトリオキトリウム(Botryochytrium)属;およびそれらの組み合わせを含む、ヤブレツボカビ(Thraustochytriales)目の微細藻類由来である。別の実施形態では、微生物細胞は、ヤブレツボカビ(Thraustochytriales)目由来である。なお別の実施形態では、微生物細胞は、トラウストキトリウム(Thraustochytrium)由来である。なおさらなる実施形態では、微生物細胞はシゾキトリウム(Schizochytrium)由来である。なおさらなる実施形態では、微生物細胞は、トラウストキトリウム(Thraustochytrium)属、シゾキトリウム(Schizochytrium)属またはそれらの混合物から選択される。

0048

[0053]「約」という用語は、記載した数値と実質的に同じ結果を得られる、記載した数値の上下の変動を表すことを意図している。

0049

[0054]本発明は、溶解した油糧微生物を含む発酵ブロスの解乳化を促進するための方法およびシステムを提供する。促進は、微生物油をそうした油を含む微生物から抽出する前に発酵ブロスを脱水することにより達成される。本発明はさらに、ブロス中の細胞を溶解する前に発酵ブロスを脱水することにより、発酵ブロス中に含まれる油糧微生物から微生物油を抽出するための方法およびシステムを提供する。発酵ブロスをその後の油抽出ステップ前に脱水することは、脱水ステップをまったく含まない一般に用いられる微生物油の無溶媒抽出法に対して多くの利点を有し得る。たとえば、本発明の方法は、1)解乳化ステップ中に加える塩または酵素が、はるかに少ないあるいはさらにはまったくない;2)解乳化ステップにかかる時間が短縮される、3)バイオミールに含まれる塩がかなり少なくなるため、産生されるそうしたバイオミールの最終産物が改善される;および4)より小さな遠心分離機およびより小さな処理容器槽など下流処理に使用される装置の容積をはるかに小さくできるため、以前の無溶媒抽出プロセスより優れている。さらに、容積の減少により、サンプルを処理するのに必要とされる時間およびエネルギーが少なくなり、引いては費用を節約する。

0050

[0055]油糧微生物から微生物油を得るための典型的なプロセスでは、発酵槽または池で所望の油を産生できる微生物を増殖させて、そうした油を含む微生物細胞バイオマスを製造すること;および、その後バイオマスから油を抽出することが行われる。油を抽出するための1つの方法は、有機溶媒を必要とする。その方法では、バイオマスが増殖した発酵ブロスからバイオマスを分離すること;微生物細胞バイオマスを乾燥させ、続いてヘキサンなどの有機溶媒を使用して微生物油を抽出すること、およびその後蒸発により有機溶媒を除去し、もって微生物油を放置することが行われる。あるいは、油を抽出するには、有機溶媒を使用しない無溶媒抽出法が使用された。典型的な無溶媒抽出法では、以下のステップ:細胞含有発酵ブロスを低温殺菌または加熱するステップ;溶液形態の溶解細胞組成物を形成するため、細胞から微生物油を放出させるべく細胞を溶解させるステップ;油滴を合一させ溶液からエマルションを除去するため、熱、塩およびpH調整により溶解細胞組成物を処理するステップが行われる。これに続いて、解乳化した溶液をさらに遠心し、溶液の残部から油を分離する。

0051

[0056]本発明の一実施形態では、脱水ステップは、低温殺菌ステップと、溶解細胞組成物の水分レベルを著しく低下させる細胞溶解ステップとの両方の後に行われる。別の実施形態では、脱水ステップは、低温殺菌ステップの直後、かつ全細胞発酵ブロスの水分レベルを著しく低下させる細胞溶解ステップの前に行われる。どちらの実施形態も、処理される液体組成物の体積が、その後の油抽出ステップの前に著しく減少し、引いては費用の削減および効率の増加が達成される。

0052

[0057]他方より一方の方法を使用するという選択は、無溶媒抽出プロセスの開始時の発酵ブロスの物理的特性に左右される。無溶媒抽出プロセスの開始時の発酵ブロスの粘度が低い場合、追加の脱水ステップは、低温殺菌ステップ直後に行ってもよい。無溶媒抽出プロセスの開始時の発酵ブロスの粘度が高い場合、追加の脱水ステップは、低温殺菌ステップおよび細胞溶解ステップの両方の後に行ってもよい。

0053

[0058]いくつかの実施形態では、脱水ステップは、全細胞発酵ブロスまたは溶解細胞組成物を少なくとも70℃、少なくとも75℃、少なくとも80℃、少なくとも85℃、少なくとも90℃、少なくとも95℃、少なくとも100℃、少なくとも105℃または少なくとも110℃に加熱することを含む。他の実施形態では、脱水ステップは、全細胞発酵ブロスまたは溶解細胞組成物を約70℃〜約110℃、約70℃〜約100℃、約80℃〜約100℃または約90℃〜約100℃で加熱することを含む。他の実施形態では、脱水ステップは、全細胞発酵ブロスまたは溶解細胞組成物を約85℃、約90℃または約95℃で加熱することを含む。

0054

[0059]いくつかの実施形態では、上記の脱水ステップの温度は、少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも3時間、少なくとも4時間、少なくとも5時間、少なくとも6時間、少なくとも7時間、少なくとも8時間、少なくとも9時間、少なくとも10時間、少なくとも11時間、少なくとも12時間、少なくとも13時間、少なくとも14時間、少なくとも15時間、少なくとも16時間、少なくとも17時間、少なくとも18時間、少なくとも19時間、少なくとも20時間、少なくとも21時間、少なくとも22時間、少なくとも23時間、少なくとも24時間、少なくとも25時間、少なくとも26時間、少なくとも27時間、少なくとも28時間、少なくとも29時間または少なくとも30時間維持される。

0055

[0060]いくつかの実施形態では、細胞および/または溶解細胞組成物は、エバポレーターを備えたシステムで加熱してもよい。いくつかの実施形態では、細胞および/または溶解細胞組成物は、細胞および/または溶解細胞組成物中に存在する水の一部が蒸発により除去されるように、エバポレーターを備えたシステムで加熱してもよい。

0056

[0061]いくつかの実施形態では、このプロセスは、全細胞発酵ブロスまたは溶解細胞組成物の体積(または重量)を脱水ステップの開始時の全細胞発酵ブロスまたは溶解細胞組成物の少なくとも30体積(または重量)%、35体積(または重量)%、40体積(または重量)%、45体積(または重量)%、50体積(または重量)%、55体積(または重量)%、60体積(または重量)%、65体積(または重量)%、70体積(または重量)%、75体積(または重量)%または80体積(または重量)%に減少させるため、エバポレーターを備えたシステムで全細胞発酵ブロスまたは溶解細胞組成物を加熱することを含む。いくつかの実施形態では、このプロセスは、全細胞発酵ブロスまたは溶解細胞組成物の体積(または重量)を脱水ステップの開始時の全細胞発酵ブロスまたは溶解細胞組成物の30体積(または重量)%〜80体積(または重量)%、40体積(または重量)%〜80体積(または重量)%、50体積(または重量)%〜80体積(または重量)%、60体積(または重量)%〜80体積(または重量)%、70体積(または重量)%〜80体積(または重量)%、40体積(または重量)%〜75体積(または重量)%、50体積(または重量)%〜75体積(または重量)%、60体積(または重量)%〜75体積(または重量)%、50体積(または重量)%〜70体積(または重量)%または55体積(または重量)%〜65体積(または重量)%に減少させるため、全細胞エバポレーターを備えたシステムで発酵ブロスまたは溶解細胞組成物を加熱することを含む。

0057

[0062]いくつかの実施形態では、溶解細胞組成物は、連続水相および分散油相の混合物を含む水中油型エマルションの形態である。

0058

[0063]いくつかの実施形態では、微生物細胞の溶解の結果、細胞または細胞バイオマス内の内在性物質、以下に限定されるものではないが、タンパク質、リン脂質、炭水化物およびそれらの組み合わせからエマルションが形成される。「エマルション」および「乳化された」という用語は、ある相または層が別の相または層に分散している、2つ以上の非混和性の相または層の混合物をいう。「破壊する」、「崩壊」、「解乳化する」、「解乳化」、「解乳化すること」および「破壊すること」という用語は、エマルションの非混和性の相または層を分離するプロセスをいう。たとえば、いくつかの実施形態では、本発明のプロセスは、油含有エマルションを単相から2つ以上の相に破壊する。いくつかの実施形態では、2つの相は、軽相および重相を含む。いくつかの実施形態では、本発明のプロセスは、油含有エマルションを少なくとも3つの相に破壊する。いくつかの実施形態では、3つの相は、油相エマルション相および水相である。いくつかの実施形態では、本発明のプロセスは、油含有エマルションを少なくとも4つの相に破壊する。いくつかの実施形態では、4つの相は、油相、エマルション相、水相および固相である。

0059

[0064]本方法は、エマルションを破壊するため、溶解して脱水された細胞組成物溶液を加熱することをさらに含む。いくつかの実施形態では、解乳化ステップは、溶解して脱水された細胞組成物溶液を少なくとも60℃、少なくとも65℃、少なくとも70℃、少なくとも75℃、少なくとも80℃、少なくとも85℃、少なくとも90℃、少なくとも95℃、少なくとも100℃、少なくとも105℃または少なくとも110℃に加熱することを含む。他の実施形態では、解乳化ステップは、細胞または溶解細胞組成物を約60℃〜約110℃、約70℃〜約100℃、約80℃〜約100℃または約90℃〜約100℃に加熱することを含む。他の実施形態では、解乳化ステップは、細胞または溶解細胞組成物を約85℃に、約90℃でまたは約95℃で加熱することを含む。

0060

[0065]上記のように、一実施形態では、脱水ステップは、低温殺菌ステップ後に行われ、もって全細胞発酵ブロス中の塩などの溶解した可溶性固体成分を効率的に凝縮する。次いで、脱水した全細胞発酵ブロス中の細胞を溶解して、溶解細胞組成物を形成する。別の実施形態では、脱水ステップは、細胞溶解ステップ後に行われ、もって溶解細胞組成物由来の塩などの溶解した可溶性固体成分を効率的に凝縮する。溶解細胞組成物中の塩濃度は、脱水ステップ後に上昇する。

0061

[0066]本方法は、脱水ステップ前に細胞発酵ブロスを低温殺菌することをさらに含む。一実施形態では、60℃で少なくとも1時間、少なくとも1.5時間または少なくとも2時間細胞を加熱することを含む低温殺菌プロセス。別の実施形態では、60〜70℃の温度で少なくとも1時間、少なくとも1.5時間または少なくとも2時間細胞を加熱することを含む低温殺菌プロセス。別の実施形態では、40℃〜(60℃または)70℃(40℃と(60℃または)70℃を含む温度)で30分以下細胞を加熱すること、または細胞を少なくとも0.5℃/分の速度で加熱することを含む低温殺菌プロセス。一実施形態では、温度(℃)−時間(分)グラフ面積が6,000℃.分になるような低温殺菌プロトコルを使用することを含む低温殺菌プロセス。別の実施形態では、温度(℃)−時間(分)グラフ下面積が13,000℃.分未満になるような低温殺菌プロトコルを使用することを含む低温殺菌プロセス。時間−温度グラフ下面積は、低温殺菌プロセス中に細胞を加熱する際に消費されるエネルギーの量を与える。

0062

[0067]本発明の方法の特定の利点は、それが解乳化ステップを加速できることである。一実施形態では、解乳化プロセスを実施するための時間が、脱水ステップが行われるときに、脱水ステップが行われないときと比較して短縮される。別の実施形態では、同じ解乳化作用を達成するための時間が、脱水ステップが行われない場合のプロセスと比較して、必要とされる時間の少なくとも60%、少なくとも45%または少なくとも40%に短縮される。別の実施形態では、油抽出の全体の時間が、脱水ステップが行われるときに、脱水ステップが行われないときと比較して短縮される。別の実施形態では、油抽出のための全体のエネルギー使用が、脱水ステップが行われるときに、脱水ステップが行われないときと比較して減少する。

0063

[0068]いくつかの実施形態では、解乳化ステップの温度は、少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも3時間、少なくとも4時間、少なくとも5時間、少なくとも6時間、少なくとも7時間、少なくとも8時間、少なくとも9時間、少なくとも10時間、少なくとも11時間、少なくとも12時間、少なくとも13時間、少なくとも14時間、少なくとも15時間、少なくとも16時間、少なくとも17時間、少なくとも18時間、少なくとも19時間、少なくとも20時間、少なくとも21時間、少なくとも22時間、少なくとも23時間、少なくとも24時間、少なくとも25時間、少なくとも26時間、少なくとも27時間、少なくとも28時間、少なくとも29時間または少なくとも30時間維持される。いくつかの実施形態では、上記の解乳化ステップの温度は、10〜36時間、10〜12時間、10〜14時間、10〜24時間、12〜36時間、14〜36時間、16〜36時間、18〜36時間、20〜36時間、22〜36時間、24〜36時間、26〜36時間、28〜36時間、16〜26時間、18〜26時間、20〜26時間、22〜26時間、22〜24時間、23〜25時間、30〜36時間または30〜34時間維持される。

0064

[0069]いくつかの実施形態では、解乳化ステップは、pH調整をさらに含む。いくつかの実施形態では、pHは、7〜12、7.5〜11.5、9.5〜11.5、好ましくは10.0〜11.0、一層好ましくは10.3〜10.7に調整される。

0065

[0070]本発明の方法のさらなる利点は、それが、エマルションを破壊する際の塩の使用を減らすまたはなくすことができることである。本発明の方法はさらに、細胞を溶解する際の塩の使用を減らすあるいはなくすことができるというメリットも有する。以前の無溶媒抽出法の解乳化ステップでは、エマルションを破壊しやすくするため塩が加えられる。さらに、場合によっては、溶解ステップ中および溶解ステップ後にエマルションを破壊しやすくするため、過剰量の細胞壁破壊酵素が溶解ステップ中に加えられる。上の段落に開示されたように、脱水ステップは、全細胞発酵ブロスまたは溶解細胞組成物中の塩濃度の上昇を可能にする。これにより、解乳化ステップでエマルションの破壊に必要とされる塩の量が減少するか、あるいはそうした必要がまったくなくなる。一実施形態では、油抽出プロセス全体に使用される塩、特に塩化ナトリウムは、2wt%未満である。別の実施形態では、油抽出プロセス全体に使用される塩、特に塩化ナトリウムは、1wt%未満である。別の実施形態では、油抽出プロセス全体に使用される塩、特に塩化ナトリウムは、0.5wt%未満である。別の実施形態では、塩は、油抽出プロセス全体に使用されない。一実施形態では、使用される細胞破壊酵素は、1wt%未満である。別の実施形態では、使用される細胞破壊酵素は、0.5wt%未満である。別の実施形態では、使用される細胞破壊酵素は、0.15wt%未満である。別の実施形態では、細胞破壊酵素は、使用されない。

0066

[0071]本発明の方法のさらにもう1つの利点は、それが、油抽出プロセスに必要とされる容器の体積を減少させることである。容器体積も減少すると、装置費用の削減、エネルギー使用の減少および混合効率の上昇という利点がある。本発明の一実施形態では、解乳化ステップ中に使用される容器は、脱水ステップが行われない場合に必要とされる容器の少なくとも50%、少なくとも60%または少なくとも70%に小さくなる。容器体積の減少により、総撹拌電力も削減することができる。別の実施形態では、解乳化ステップ中に使用される容器の撹拌電力は、脱水ステップが行われない場合に消費される、その当初の電力量の少なくとも50%、少なくとも60%または少なくとも70%に削減される。

0067

[0072]本発明の方法のもう1つの利点は、解乳化ステップを支援し、その結果収率向上および/または解乳化時間の短縮化がもたらされることである。理論に束縛されるものではないが、解乳化が起こるには、乳化油滴が合一してより大きな液滴になる必要があると考えられる。油滴が大きくなるにつれ、遠心分離により油を水相から分離することが容易になる。油タイター(油のL/ブロスのL)の上昇により、油滴はブロス中でより濃縮されて、より大きな液滴を形成するためより容易かつ効率的に合一し、最終的に遠心分離により水相から分離することができる。油滴を密にすることに加えて、脱水プロセスは、エマルションの破壊に資する、ブロス中の塩濃度の上昇という効果も有すると考えられる。一実施形態では、上記の脱水プロセスを用いて回収される油の量は、脱水ステップが行われないときの同じ方法と比較して約5〜9%増加する。一実施形態では、上記の脱水プロセスを用いて回収される油の量は、脱水ステップが行われないときの同じ方法と比較して少なくとも7%増加する。別の実施形態では、上記の脱水プロセスを用いて回収される油の量は、約85%から90〜94%増加する。別の実施形態では、解乳化ステップを実施するための時間の量は、約12時間減少されている。別の実施形態では、解乳化ステップを実施するための時間の量は、約36時間〜約24時間減少されている。

0068

[0073]本明細書に開示されるのは、本明細書に記載の方法のいずれかにより得られる微生物油またはバイオミールである。

0069

[0074]本明細書に開示されるのは、本明細書に開示されたプロセスのいずれかにより微生物細胞から得ることができる微生物油である。いくつかの実施形態では、油は、少なくとも15重量%エイコサペンタエン酸を含む。いくつかの実施形態では、油は、少なくとも30重量%ドコサヘキサエン酸を含む。いくつかの実施形態では、油は、少なくとも30重量%アラキドン酸を含む。

0070

[0075]一実施形態では、本明細書に記載のプロセスのいずれかにより得られるおよび/または回収される微生物油は、粗油である。別の実施形態では、本明細書に記載の油は、精製油である。「粗油」は、さらに処理されていない、微生物細胞から得られた油である。「精製油」は、粗油を精製、漂白および/または脱臭標準的な処理で処理することにより得られた油である。たとえば、米国特許第5,130,242号明細書を参照されたい。いくつかの実施形態では、精製は、以下に限定されるものではないが、塩基精製、脱ガム酸処理アルカリ処理、冷却、加熱、漂白、脱臭、脱酸およびそれらの組み合わせを含む。

0071

[0076]いくつかの実施形態では、本発明の方法を用いて得られた油は、1種または複数種のPUFAを含む。いくつかの実施形態では、油は、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%または少なくとも80%PUFA(PUFA重量で)を含む。いくつかの実施形態では、油は、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%もしくは少なくとも80%DHA(DHA重量で)を、および/または少なくとも10%、少なくとも15%もしくは少なくとも20%DPAn−6(DPAn−6重量で)を、および/または少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%EPA、少なくとも25%EPA、少なくとも30%EPA、少なくとも35%EPA、少なくとも40%EPA、少なくとも45%EPAもしくは少なくとも50%EPA(EPA重量で)を、および/または少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%もしくは少なくとも80%ARA(ARA重量で)を含む。いくつかの実施形態では、油は、50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、15%未満、10%未満、または5%未満EPA(EPA重量で)を含む。いくつかの実施形態では、油は、50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、15%未満、10%未満または5%未満DHA(DHA重量で)を含む。いくつかの実施形態では、油は、10重量%未満、5重量%未満、2重量%未満、1重量%未満または0.5重量%未満のステロールを含む。

0072

[0077]いくつかの実施形態では、上記の油は、少なくとも50重量%、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%または50重量%〜95重量%、50重量%〜90重量%、50重量%〜85重量%、50重量%〜80重量%、50重量%〜75重量%、60重量%〜95重量%、60重量%〜90重量%、60重量%〜85重量%、70重量%〜95重量%、70重量%〜90重量%、70重量%〜85重量%、75重量%〜95重量%、75重量%〜90重量%もしくは75重量%〜85重量%のトリグリセリドを含む。

0073

[0078]いくつかの実施形態では、上記のトリグリセリドは、少なくとも50重量%、少なくとも40重量%、少なくとも30重量%、少なくとも20重量%、少なくとも15重量%、少なくとも10重量%または少なくとも5重量%EPAを含む。いくつかの実施形態では、トリグリセリドは、少なくとも10重量%、少なくとも20重量%、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、少なくとも50重量%、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%または少なくとも80重量%DHAを含む。いくつかの実施形態では、トリグリセリドは、少なくとも10重量%、少なくとも20重量%、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%または少なくとも80重量%ARAを含む。

0074

[0079]いくつかの実施形態では、本発明の方法を用いて得られた油は、少なくとも40重量%、少なくとも50重量%もしくは少なくとも60重量%DHAおよび/または15重量%未満、10重量%未満もしくは8重量%未満EPAを含む。いくつかの実施形態では、上記の油は、少なくとも70重量%、80重量%、90重量%または95重量%トリグリセリドを含む。一実施形態では、微生物油は粗油である。別の実施形態では、微生物油は精製油である。

0075

[0080]いくつかの実施形態では、本発明の方法を用いて得られた油は、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%もしくは少なくとも40重量%DHAおよび/または少なくとも10重量%、少なくとも15重量%もしくは少なくとも20重量%EPAを含む。いくつかの実施形態では、上記の油は、少なくとも70重量%、80重量%、90重量%または95重量%トリグリセリドを含む。一実施形態では、微生物油は粗油である。別の実施形態では、微生物油は精製油である。

0076

[0081]いくつかの実施形態では、本発明の方法を用いて得られた油は、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%もしくは少なくとも50重量%DHAおよび/または25重量%未満、20重量%未満もしくは15重量%未満DPAn−6を含む。いくつかの実施形態では、上記の油は、少なくとも70重量%、80重量%、90重量%または95重量%トリグリセリドを含む。一実施形態では、微生物油は粗油である。別の実施形態では、微生物油は精製油である。

0077

[0082]いくつかの実施形態では、本発明の方法を用いて得られた油は、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%または少なくとも65重量%DHAを含む。いくつかの実施形態では、上記の油は、少なくとも70重量%、80重量%、90重量%または95重量%トリグリセリドを含む。一実施形態では、微生物油は粗油である。別の実施形態では、微生物油は精製油である。

0078

[0083]いくつかの実施形態では、本発明の方法を用いて得られた油は、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%もしくは少なくとも40重量%DHAおよび/または5重量%未満、2重量%未満もしくは1重量%未満DPAn−6を含む。いくつかの実施形態では、上記の油は、少なくとも70重量%、80重量%、90重量%または95重量%トリグリセリドを含む。一実施形態では、微生物油は粗油である。別の実施形態では、微生物油は精製油である。

0079

[0084]いくつかの実施形態では、本発明の方法を用いて得られた油は、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%もしくは少なくとも35重量%DHAおよび/または少なくとも10重量%、少なくとも15重量%もしくは少なくとも20重量%EPAおよび/または10重量%未満、5重量%未満もしくは3重量%未満DPAn−6および/または15重量%未満、10重量%未満もしくは7重量%未満DPAn−3を含む。いくつかの実施形態では、上記の油は、少なくとも70重量%、80重量%、90重量%または95重量%トリグリセリドを含む。一実施形態では、微生物油は粗油である。別の実施形態では、微生物油は精製油である。

0080

[0085]いくつかの実施形態では、本発明の方法を用いて得られた油は、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%または少なくとも50重量%ARAを含む。いくつかの実施形態では、上記の油は、少なくとも70重量%、80重量%、90重量%または95重量%を含む。一実施形態では、微生物油は粗油である。別の実施形態では、微生物油は精製油である。

0081

[0086]本発明の方法は、バイオマスからの非常に効率的な油の抽出を可能にする。本発明の方法を使用することにより、バイオマスからより多くの油を除去することが可能であり、よって脱脂したバイオマスに残存する油がはるかに少なくなる。したがって、一実施形態では、本発明は、10%未満の総脂肪酸を含む脱脂したバイオマスに関する。別の実施形態では、本発明は、5%未満の総脂肪酸を含む脱脂したバイオマスに関する。

0082

[0087]本発明で使用される微生物細胞の効率的な培養条件として、以下に限定されるものではないが、効率的な培地バイオリアクター、温度、pHおよび油産生を許容する酸素条件が挙げられる。効率的な培地とは、微生物細胞、たとえば、ヤブレツボカビ(Thraustochytriales)微生物細胞が一般的に培養される任意の培地をいう。そうした培地は典型的には、同化性の炭素源窒素源およびリン酸塩源の他、適切な塩、ミネラル、金属および他の栄養素、たとえばビタミンを有する水性培地を含む。本発明で使用される微生物細胞は、従来の発酵バイオリアクター、振盪フラスコ試験管マイクロタイターディッシュおよびペトリプレートで培養することができる。

0083

[0088]いくつかの実施形態では、本明細書に記載のプロセスのいずれかにより得られた油、脱脂したバイオマスまたはそれらの組み合わせは、食品または食品成分、任意の非ヒト動物(たとえば、その産物(たとえば、肉、乳または)がヒトにより消費されるもの)の飼料または飼料サプリメント;および栄養補助食品として直接使用してもよい。「動物」という用語は、動物界に属する任意の生物をいい、任意のヒト動物および産物(たとえば、乳、卵、家禽肉牛肉豚肉、子肉および魚肉)が得られる元となる非ヒト動物を含む。いくつかの実施形態では、油および/またはバイオマスは、シーフードと見なされる海洋動物給餌に使用してもよい。シーフードは、以下に限定されるものではないが、エビおよび甲殻類に由来する。「産物」という用語は、以下に限定されるものではないが、肉、卵、乳または他の産物を含め、そうした動物から得られる任意の産物を含む。そうした動物に油および/またはバイオマスが給餌されると、多価不飽和油は、そうした動物の肉、乳、卵または他の産物に取り込まれ、それらのこうした油の含有量を増加させることができる。

0084

[実施例]
[実施例1]
[0089]図1および2に図示したように、微生物細胞懸濁液は、微生物細胞の溶解前、溶解中または溶解後のいずれで脱水してもよい。細胞溶解後の脱水の1つの特定の例を以下に説明する。

0085

[0090]微生物細胞(シゾキトリウム・エスピー(Schizochytrium sp.))を含む未洗浄細胞ブロス(141.8kg)を60℃で1時間低温殺菌した。低温殺菌後のpHは7.4、全固形分量は16.7%であった。ブロスを均等に分け、2つの100リットル撹拌槽に移した。温度を60℃で制御しながら、アルカラーゼ(Alcalase)(登録商標)酵素(ノボザイムズ(Novozymes)(フランクリントン(Franklinton),ノースカロライナ州NC))から入手可能)を細胞ブロスの重量に対して0.15%の量で加えた。ブロスを200RPMの撹拌速度で2時間保持し、pHを20%NaOH溶液で7.5に制御した。その後、ブロス温度を90℃に上昇させ、ブロス蒸発のためヘッドスペースポートをすべて開放した。約13時間後、2つの槽中のブロスを合わせて、ブロス中の全固形分量が36.5%になるまで蒸発プロセスをさらに8時間継続した。総蒸発時間は、21時間であった。発酵ブロスの体積減少率は、54.4%であった。

0086

[0091]次のステップでは、解乳化プロセスを行った。pHは、20%NaOH溶液を用いて5.8〜10.5に調整した。7.6kgのNaOH溶液を使用した。ブロスを200rpmの撹拌速度にて90℃で保持し、小さな蒸気通気ラインを除いてすべてのポートを閉鎖した。8時間後、pHは9.5に低下し、0.77kgの20%NaOH溶液を加えてpHを10.0に上げた。約26時間後に、3.9kgの3NH2SO4を用いてpHを7.6に調整した。温度を80℃まで下げた。上記の解乳化プロセスにより、油相、エマルション相および水相の相分離が起きる。

0087

[0092]次に、遠心分離により(Alfa Laval Disc Stack Centrifuge、LAPX 404/Clara 20)油を溶解細胞組成物から分離した。抽出収率は91.61%であった。脱水ステップのない以前の実験と比較して、解乳化ステップを実施するための時間の量は、1/2または24時間減少している。

0088

[実施例2]
[0093]微生物細胞(シゾキトリウム・エスピー(Schizochytrium sp.))を含む未洗浄細胞ブロス(157.4kg)を60℃で1時間低温殺菌した。次いでブロスのpHを7.5に調整し、アルカラーゼ(登録商標)酵素(ノボザイムズ(フランクリントン,ノースカロライナ州)から入手可能)を細胞ブロスの重量に対して0.15%の量で加えた。ブロスを140RPMの速度で撹拌し、温度を60℃で2時間維持した。2時間後、溶解細胞組成物を90℃に加熱し、16.9%の当初の全固形分量から30.5%の最終全固形分量に蒸発させた。この結果、微生物油および細胞片を含む87.2kgの濃縮ブロスが得られた。体積減少率は44.5%であった。この溶解し濃縮した細胞組成物のpHを、2.6kgの50%NaOHを加えることにより10.5に調整した。ブロスを140RPMで撹拌し、24時間保持した。保持期間中、pHが9未満に下がったときpHを10に戻すため、NaOHを用いてさらに1回pH調整を行った。合一期間の終了時、2.8kgの3N H2SO4を用いてpHを9.7から8.0に調整し、温度を80℃に低下させた。形成された粗油相を、遠心(Alfa Laval Disc Stack Centrifuge、LAPX 404/Clara 20)により溶解細胞組成物から分離した。抽出収率は91.8%であった。

0089

[0094]図3に示した時間傾向により明らかなように、脱水ステップを含めて処理した発酵ブロスは、合一処理後2時間という短い時間で良好な油分離を示した。

0090

[0095]溶解細胞組成物を脱水しなかった対照実験と比較すると(図4を参照)、エマルション相が、重相から分離できるまで、より長い期間存続したことが示された。エマルションの一部は遊離油と混合しており、最終的に遠心分離の軽相となったが、含水量の多い油が生じ、さらなる精製ステップが必要となった。

0091

[0096]遊離油相、エマルション相および水相の体積を推定し、総体積に対する各相パーセンテージを算出して油合一処理の進行を示した。図5図6と比較すると、脱水ステップの利益が明確に証明された。脱水ステップがないと、遊離油相は、26時間で総体積のわずか2%であった一方(図6)、脱水ステップがあると、遊離油相は2時間ですでに総体積の15%であった(図5)。脱水ステップがある実験では、水の減少により、油濃度が約2倍になり、油相の体積は、合一処理の終了時に総体積の18%であったのに対し、脱水ステップなしの実験では、遊離油相の体積は、終了時に総体積のわずか8%であった。

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