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課題・解決手段
概要
背景
ハニカムコアは航空宇宙の分野で広く用いられており、主にハニカムサンドイッチ構造体の作成に応用されている。ハニカムサンドイッチ構造体の作成過程において、まずハニカムコア部材の上下表面を所定の複雑な曲面形状に加工し、続いて、それを予備成形した反対な曲面形状を有する一層の薄板(通常、炭素繊維複合材料板である)と接着することを含む。ハニカムコアの曲面の加工精度の良否により、ハニカムコアと上下薄板との接着の確実性が定められ、サンドイッチ構造体全体の性能にも影響をもたらす。したがって、加工された後、かつ接着する前に、ハニカムコアの複雑な曲面の加工精度を検査しなければならず、合格した部材が薄板と接着され、ハニカムコア複合材料サンドイッチ構造体の部材に構成される。したがって、適当な測定方法により、加工したハニカムコアの複雑な曲面形状の精度を測定する必要がある。
ハニカムコアの加工表面には非連続性的な特徴がある。ハニカムコアは多孔薄壁の構成であり、ハニカム壁の厚さは0.05mm〜0.1mmであり、壁の形状は正六角形状であり、壁の辺長は2〜5mmであり、ハニカム壁の断面がその総表面積に占める割合は10%より小さく、このような非連続性的な特徴によりハニカムコア部材の複雑な曲面形状の精度を測定することが困難となる。
一部の航空宇宙の製造企業がマスターパターンの方法を利用して、ハニカムコアの複雑曲面形状の精度を測定しており、すなわち、所定のハニカム部品の曲面形状と反対の金型を加工し、両者をフィットさせてそのフィットの程度を検査することにより、ハニカムコアの曲面の加工精度を判断する。このような測定方法の最大の欠点は形状毎のハニカムコア部品への検測に対して、専用のマスターパターンを加工しなければならないということである。航空宇宙の製造におけるハニカムコア部品の種類が多く、マスターパターンの数が膨大になり、製造のコストが非常に高い。そして、このような方法で検測できるハニカムコアの複雑曲面形状の精度も限られている。
特許文献1(中国特許出願番号201310485345.6)の発明の名称「組合せフレーム構造のハニカムコアの平坦度の測定方法」において、高精度のナイフエッジ付きストレートエッジとセットになるレベル3又はレベル3以上精度のゲージブロックを使用して、高さの差の計算方法との組み合わせにより、ハニカムコアの平坦度を測定した。当該特許は、全体にハニカムコアの平坦度を測定する方法を開示したが、ハニカムコア材料の具体的な表面形状が得られることができない。
概要
本発明はハニカムコアの表面形状の測定方法及び装置を開示し、ハニカムコアにおける供試表面に反射フィルムを覆って、真空吸着の方式で前記反射フィルムをハニカムコアにおける供試表面に密着させ、かつハニカムのセルに位置する反射フィルムが下に向けて凹まれるようにするステップと、ハニカムコアにおける供試表面にある反射フィルムを走査して測定を行い、ハニカムコアの異なる空間的な位置でのハニカム壁の高さを得るステップと、を含む。本発明は測定の精度が高く、使用のコストが低く、測定の効率が高く、適用性が良く、得られる情報が多く、自己位置での直接測定を実現することができるという利点を有する。
目的
本発明は上記従来技術の問題点を鑑みてなされたものであり、ハニカムコアの表面形状の測定方法を提供する
効果
実績
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請求項1
ハニカムコアにおける供試表面に反射フィルムを覆って、真空吸着の方式で前記反射フィルムをハニカムコアにおける供試表面に密着させ、ハニカムのセルに位置する反射フィルムが下に向けて凹まれるようにするステップ1と、ハニカムコアにおける供試表面上の反射フィルムを走査して測定を行い、ハニカムコアの異なる空間的な位置でのハニカム壁の高さを得るステップ2と、を含む、ことを特徴とするハニカムコアの表面形状の測定方法。
請求項2
ステップ1において、通気両面テープでハニカムコアを真空吸着定盤に固定し、真空吸着装置により真空吸着定盤と通気両面テープとを透過して、反射フィルムで覆われたハニカムコアの中に負圧を掛け、反射フィルムをハニカムコアの表面に吸着させる、ことを特徴とする請求項1に記載のハニカムコアの表面形状の測定方法。
請求項3
ステップ2において、レーザー変位センサを使用し、走査して測定を行う、ことを特徴とする請求項1に記載のハニカムコアの表面形状の測定方法。
請求項4
ハニカムコアの表面形状の測定装置であって、請求項1〜3のいずれか1項に記載のハニカムコアの表面形状の測定方法を適用し、レーザー変位センサ、測定運動システム、反射フィルム真空吸着システム、反射フィルム布設システム、前記測定運動システムを制御する運動制御システム、及び、前記レーザー測定センサにより検測されたデータを処理するデータ処理システム、を備え、前記測定運動システムは、工作機械テーブルに対し水平運動可能な水平2次元運動定盤と前記水平2次元運動定盤とに固定されている鉛直並進定盤を含み、前記鉛直並進定盤には前記レーザー測定センサが設置され、前記反射フィルム真空吸着システムは、前記工作機械テーブルの中に組み込んだ真空吸着定盤を含み、前記真空吸着定盤には通気固定板が設置され、前記通気固定板にはハニカムコアを張り付けて固定するための通気両面テープが設置され、前記真空吸着定盤は空気管を介して真空発生装置と連通し、前記反射フィルム布設システムは、フィルム引出機構とフィルム切断機構とを含み、前記フィルム引出機構は、前記工作機械テーブルに固定されている反射フィルム収納ケース、フィルム引出レバー、水平直線に沿って運動するように前記フィルム引出レバーを駆動する伝動装置を含み、前記フィルム引出レバーには前記反射フィルム収納ケースの中にある反射フィルムを引っ張り出すためのクリップブロックIが設置され、前記反射フィルムの収納ケースの中に前記反射フィルムを巻きつくための回転コアシャフトが設置され、前記フィルム切断機構は、前記回転コアシャフトの回転を制御するスイッチ、回転軸、前記回転軸の回転を制御するグリップ、及び、前記回転軸に位置するナイフブレードを含み、作動の状態において、前記レーザー測定センサは水平面と鉛直方向とに沿って運動することができる、ことを特徴とするハニカムコアの表面形状の測定装置。
請求項5
前記水平2次元運動定盤は、前記工作機械テーブルの両側に位置する2つの支柱とクロスメンバとを含み、前記支柱は前記フィルム引出レバーの運動方向に沿って設置され、前記反射フィルム収納ケース、前記回転軸及び前記伝動装置は2つの前記支柱を介して前記工作機械テーブルと接続され、前記クロスメンバはそれぞれキャリッジを介して2つの前記支柱の上端部と接続され、前記キャリッジは前記フィルム引出レバーの運動方向に沿ってスライドでき、前記クロスメンバには前記フィルム引出レバーに垂直する運動方向に沿ってスライドできる水平並進定盤が設置され、前記水平並進定盤には前記鉛直並進定盤が設置され、前記鉛直並進定盤は固定板を介して前記レーザー測定センサと接続される、ことを特徴とする請求項4に記載のハニカムコアの表面形状の測定装置。
請求項6
前記真空吸着定盤は多孔式真空吸着定盤であり、複数の独立ワークスペースIを含み、前記独立ワークスペースIとの間にはスペーサーリブIが設置され、前記通気固定板の材質は軟木又は多孔セラミックスであり、その寸法は前記真空吸着定盤と一致し、前記通気固定板は前記独立ワークスペースIと対応する複数の独立ワークスペースIIを含み、前記独立ワークスペースIIとの間にはスペーサーリブII、前記工作機械テーブルの中には前記真空吸着定盤と前記通気固定板を収納するスペースが設けられる、ことを特徴とする請求項4に記載のハニカムコアの表面形状の測定装置。
請求項7
前記通気両面テープの寸法は前記ハニカムコアの固定端部の大きさと一致する、ことを特徴とする請求項4に記載のハニカムコアの表面形状の測定装置。
請求項8
請求項9
請求項10
前記クリップブロックIは前記反射フィルムの自由端に位置するクリップブロックIIにより前記反射フィルムを前記反射フィルム収納ケースの中から引っ張り出し、前記クリップブロックIIと前記反射フィルムとの接続箇所の材質は生地の柔らかい材料である、ことを特徴とする請求項4に記載のハニカムコアの表面形状の測定装置。
請求項11
前記ナイフブレードは鋸歯ナイフブレードである、ことを特徴とする請求項4に記載のハニカムコアの表面形状の測定装置。
請求項12
前記反射フィルムはレーザーに対し良好な反射性があり、剛度は、真空吸着作用によりハニカムのセルの位置で下に向けて凹み、かつ破れにくいという条件を満たす反射フィルムである、ことを特徴とする請求項4に記載のハニカムコアの表面形状の測定方法。
請求項13
技術分野
背景技術
0002
ハニカムコアは航空宇宙の分野で広く用いられており、主にハニカムサンドイッチ構造体の作成に応用されている。ハニカムサンドイッチ構造体の作成過程において、まずハニカムコア部材の上下表面を所定の複雑な曲面形状に加工し、続いて、それを予備成形した反対な曲面形状を有する一層の薄板(通常、炭素繊維複合材料板である)と接着することを含む。ハニカムコアの曲面の加工精度の良否により、ハニカムコアと上下薄板との接着の確実性が定められ、サンドイッチ構造体全体の性能にも影響をもたらす。したがって、加工された後、かつ接着する前に、ハニカムコアの複雑な曲面の加工精度を検査しなければならず、合格した部材が薄板と接着され、ハニカムコア複合材料サンドイッチ構造体の部材に構成される。したがって、適当な測定方法により、加工したハニカムコアの複雑な曲面形状の精度を測定する必要がある。
0003
ハニカムコアの加工表面には非連続性的な特徴がある。ハニカムコアは多孔薄壁の構成であり、ハニカム壁の厚さは0.05mm〜0.1mmであり、壁の形状は正六角形状であり、壁の辺長は2〜5mmであり、ハニカム壁の断面がその総表面積に占める割合は10%より小さく、このような非連続性的な特徴によりハニカムコア部材の複雑な曲面形状の精度を測定することが困難となる。
0004
一部の航空宇宙の製造企業がマスターパターンの方法を利用して、ハニカムコアの複雑曲面形状の精度を測定しており、すなわち、所定のハニカム部品の曲面形状と反対の金型を加工し、両者をフィットさせてそのフィットの程度を検査することにより、ハニカムコアの曲面の加工精度を判断する。このような測定方法の最大の欠点は形状毎のハニカムコア部品への検測に対して、専用のマスターパターンを加工しなければならないということである。航空宇宙の製造におけるハニカムコア部品の種類が多く、マスターパターンの数が膨大になり、製造のコストが非常に高い。そして、このような方法で検測できるハニカムコアの複雑曲面形状の精度も限られている。
0005
特許文献1(中国特許出願番号201310485345.6)の発明の名称「組合せフレーム構造のハニカムコアの平坦度の測定方法」において、高精度のナイフエッジ付きストレートエッジとセットになるレベル3又はレベル3以上精度のゲージブロックを使用して、高さの差の計算方法との組み合わせにより、ハニカムコアの平坦度を測定した。当該特許は、全体にハニカムコアの平坦度を測定する方法を開示したが、ハニカムコア材料の具体的な表面形状が得られることができない。
先行技術
0006
中国特許出願公開第103557777号明細書
発明が解決しようとする課題
0007
本発明は上記従来技術の問題点を鑑みてなされたものであり、ハニカムコアの表面形状の測定方法を提供する。
課題を解決するための手段
0008
本発明の技術的手段は、以下の通りである。
0009
本発明の一態様であるハニカムコアの表面形状の測定方法は、
ハニカムコアにおける供試表面に反射フィルムを覆って、真空吸着の方式で前記反射フィルムをハニカムコアにおける供試表面に密着させ、且つハニカムのセルに位置する反射フィルムが下に向けて凹まれるようにするステップ1と、
ハニカムコアにおける供試表面上の反射フィルムを走査して測定を行い、ハニカムコアの異なる空間的な位置におけるハニカム壁の高さを得るステップ2と、を含む。
0010
さらに、ステップ1において、通気両面テープでハニカムコアを真空吸着定盤に固定し、真空吸着装置により真空吸着定盤と通気両面テープとを透過して、反射フィルムで覆われたハニカムコアの内に負圧を掛け、反射フィルムをハニカムコアの表面に吸着させる。前記真空吸着定盤は多孔式真空吸着定盤であり、例えば多孔セラミックス吸盤などの多孔材料でもよいし、軟木などの天然の多孔材料でもよい。
0011
さらに、前記通気両面テープは換気孔が設けられた両面テープである。
0014
本発明の他の態様は上述した測定方法に適用するハニカムコアの表面形状の測定装置であって、レーザー測定センサ、測定運動システム、反射フィルム真空吸着システム、反射フィルム布設システム、前記測定運動システムを制御する運動制御システム、及び、前記レーザー測定センサにより検測されたデータを処理するデータ処理システムを含むハニカムコアの表面形状の測定装置である。
0015
前記反射フィルム布設システムによりハニカムコアにおける供試表面に反射フィルムを覆って、前記反射フィルム真空吸着システムにより反射フィルムに対して真空吸着を行うことで、前記反射フィルムをハニカムコアにおける供試表面に密着させ、かつハニカムのセルの位置にある反射フィルムが下に凹まれるようにし、運動制御システムにより測定運動システムに取り付けたレーザー測定センサを制御することで、ハニカムコアに対して、3次元走査を行い、ハニカムコアの異なる空間的な位置におけるハニカム壁の高さを得て、その後、データ処理システムによりハニカムコアの表面形状を得る。
0016
前記測定運動システムは、工作機械テーブルに対し水平運動可能な水平2次元運動定盤と、前記水平2次元運動定盤に固定されている鉛直並進定盤と、を含み、前記鉛直並進定盤には前記レーザー測定センサが設置される。
0017
前記反射フィルム真空吸着システムは、前記工作機械テーブルの中に取り付けた真空吸着定盤を含み、前記真空吸着定盤には通気固定板が設置され、前記通気固定板には、ハニカムコアを貼り付けて固定するための通気両面テープが設置され、前記真空吸着定盤は空気管を介して真空発生装置と連通する。
0018
前記反射フィルム布設システムは、フィルム引出機構とフィルム切断機構とを含み、前記フィルム引出機構は、前記工作機械テーブルに固定された反射フィルム収納ケース、フィルム引出レバー、及び、前記フィルム引出レバーが水平直線に沿って運動するように前記フィルム引出レバーを駆動する伝動装置を含み、前記フィルム引出レバーには前記反射フィルムの収納ケースの中に位置する反射フィルムを引っ張り出すためのクリップブロックIが設置され、前記反射フィルム収納ケースの中には前記反射フィルムを巻きつくための回転コアシャフトが設置される。
0021
前記スイッチがオフされると、前記回転コアシャフトが引っ掛かられて、回転できなくなり、反射フィルムが張り切った状態になっており、その時、前記グリップを操作して前記回転軸の回転を制御し、前記ナイフブレードが前記反射フィルムにまで運動するようにし、すなわち反射フィルムを切断することができる。
0022
作動の状態で、前記レーザー測定センサが水平面と鉛直方向とに運動することができる。
0023
前記水平2次元運動定盤は、前記工作機械テーブルの両側に位置する2つの支柱とクロスメンバとを含み、前記支柱は前記フィルム引出レバーの運動方向に沿って設置され、前記反射フィルム収納ケース、前記回転軸及び前記伝動装置は2つの前記支柱を介して前記工作機械のテーブルと接続される。
0024
前記クロスメンバは、それぞれキャリッジを介して2つの前記支柱の上端部と接続され、前記キャリッジは前記フィルム引出レバーの運動方向に沿ってスライドでき、前記クロスメンバには前記フィルム引出レバーに垂直する運動方向に沿ってスライドできる水平並進定盤が設置され、前記水平並進定盤には前記鉛直並進定盤が設置され、前記鉛直並進定盤は固定板を介して前記レーザー測定センサと接続される。
0026
前記通気固定板の材質は軟木又は多孔セラミックスであり、その寸法が前記真空吸着定盤と一致し、前記通気固定板は、前記独立ワークスペースIに対応する複数の独立ワークスペースIIを含み、隣接する前記独立ワークスペースIIの間でガス路が連通しないように前記独立ワークスペースIIの間にはスペーサーリブIIが設置され、前記工作機械テーブルの中には前記真空吸着定盤と前記通気固定板とを収納するスペースが設置され、前記スペースにより前記真空吸着定盤と前記通気固定板との水平移動が制限され、すなわち前記真空吸着定盤と前記通気固定板とは、鉛直方向に沿ってだけに取り出され、且つ切り替えることができる。
0027
前記通気固定板の材質は軟木又は多孔セラミックスであり、通気の特性を活用して、前記ハニカムコアの真空状態に影響を与えず、前記真空吸着定盤の真空による吸着力がより均一になるようにし、且つ前記通気両面テープと一緒に、ハニカムコアを固定する。
0028
前記通気両面テープの寸法は、前記ハニカムコアの固定端部の大きさと一致し、これにより余計な部分が前記反射フィルムに付着され、前記真空吸着定盤による前記反射フィルムへの吸着に影響をもたらすことを防止できる。
0032
前記プーリ伝動装置は、2つのベルト及び前記ベルトに対応するドライブプーリーとドリブンプーリとを含み、前記ドライブプーリーにはプーリモータが設置され、前記フィルム引出レバーの両端はそれぞれ2つの前記ベルトに固定して接続される。
0033
前記スプロケット伝動装置は、2つのチェーン及び前記チェーンに対応するドライブスプロケットとドリブンスプロケットとを含み、前記ドライブスプロケットにはスプロケットモータが設置され、前記フィルム引出レバーの両端がそれぞれ2つの前記チェーンに固定して接続される。
0034
前記クリップブロックIは前記反射フィルムの自由端に位置するクリップブロックIIを介して、前記反射フィルムを前記反射フィルム収納ケースの中から引っ張り出し、前記クリップブロックIIは前記クリップブロックIに挟まれる前記反射フィルムの面積を増やすために用いるものであり、これにより前記クリップブロックIが直接に前記反射フィルムを挟むことにより前記反射フィルムが平らに引っ張られないという操作の難しさを低下させる。
0035
前記クリップブロックIIと前記反射フィルムとの接続箇所の材質は生地の柔らかい材料であり、例えばゴムなどであり、これで前記反射フィルムが引っ張られる過程において受ける応力を低下でき、前記クリップブロックIの前記フィルム引出レバーにおける位置を手動で調整することができ、前記クリップブロックIIは前記反射フィルムと取り外し可能に接続される。
0036
前記ナイフブレードは鋸歯ナイフブレードである。
0037
前記反射フィルムは、レーザーに対し良好な反射性があり、その剛度が真空吸着作用でハニカムのセルの位置おいて下へ凹み、かつ破れにくい能登の条件を満たす反射フィルムである。前記反射フィルムは曲率が大きい曲面を測定する際にも適用され、小さなドレープが生じたとしても後のデータ処理を通じて除去することができる。
0038
前記反射フィルムはPEフィルム、PVCフィルム又はPVDCフィルムである。
0039
従来の技術と比べて、本発明は以下のような良い効果を有する。
0040
1.測定精度が高い。本発明は高精度のレーザー測定センサを選んで使用することができ、従来のマスターパターンでハニカムの表面形状の精度を測定する方法より精度が高い。
0041
2.使用においてのコストが低い。従来、一部の航空宇宙会社が採用するマスターパターンの方法は、形状毎のハニカムコア部品の測定に対して、専用のマスターパターンを作成しなければならない一方、航空宇宙製造において、ハニカムコア部品の種類が多く、それに伴い必要なマスターパターンの数も膨大になり、製造コストがかなり高い。本発明によれば異なる種類のハニカムコアに対する測定を満たすことができ、コストを低下させることができる。
0042
3.測定の効率が高い。本発明は、操作が便利であり、ハニカムコアに対してフィルムの布設と吸着の操作とを行った後、レーザー測定センサで走査を行って、データ処理システムで処理することで、ハニカムコアの表面形状が得られ、測定の効率が高い。
0043
4.適用性が良い。本発明は、ハニカムコアの測定において、ハニカムコアの表面形状による制限がなく、ハニカムコアの平面、斜面、曲面などの測定に適用できる。
図面の簡単な説明
0046
本発明の実施形態に係る前記ハニカムコアの表面形状の測定状態を示す図である。
本発明の実施形態1に係るハニカムコアの表面形状の測定装置のスペース構成を示す図である。
他の視点から本発明の実施形態1に係るハニカムコアの表面形状の測定装置のスペース構成を示す図である。
本発明の実施形態1に係る反射フィルム真空吸着システムの構成を示す図である。
本発明の実施形態1に係る反射フィルムを引っ張り出した時を示す図である。
実施例
0047
(実施形態1)
図1に示すように、ハニカムコアの表面形状の測定方法は以下のステップを含む。
0048
(1)ハニカムコア22における供試表面にの表面に反射フィルム21を付け、真空吸着の方式で前記反射フィルム21をハニカムコア22における供試表面に密接させ、且つハニカムのセルに位置する反射フィルム21が下に向けて凹まれるようにし、したがって、測定されたデータにおいて、ハニカム壁の箇所でピークが現われ、その測定値から反射フィルム21の厚さを差し引いて、当該箇所のハニカム壁の高さを得て、
(2)ハニカムコア22における供試表面上の反射フィルム21に対して、走査して測定を行い、ハニカムコア22の異なる空間的な位置でのハニカム壁の高さを得る。
0049
ステップ(1)において、通気両面テープ23でハニカムコア22を軟木8に固定し、軟木8の通気性により真空吸着装置24により軟木8と通気両面テープ23とを透過して吸着を行い、前記通気両面テープ23は通気のミクロ孔を有する両面テープであり、加工の時に両面テープによりハニカムコア22を固定することが保証でき、測定の時に、その通気性は真空吸着装置24によるフィルム21への吸着作用に対して影響を与えず、自己位置直接測定を実現することができる。測定の時に、ハニカムコア22を通気両面テープ23により軟木8粘着させ、軟木8を真空吸着装置24に固定させ、選んだフィルム21をハニカムコア22の表面に平らで布設させて、真空吸着の作用によりフィルム21をハニカムコア22の表面に密着させる。
0050
ステップ(2)において、レーザー測定センサ11で走査して測定し、測定装置の3軸運動機構を介してレーザー測定センサ11を制御し、所定経路に従いハニカム材料に対して走査を行い、レーザー測定センサ11の運動軌跡に基づいて、センサにより測定された結果とともに、後のデータ処理を経て、ハニカム材料が異なる空間的な位置でのハニカム壁の高さを得ることができ、これによりハニカムコアの平面、斜面、及び、曲面の表面形状の測定が実現できる。最適な測定効果を得るためには、入射するレーザーがハニカムコア22のハニカム壁の高さ方向に沿うようにすべきである。
0051
上述したフィルム21は、レーザーに対して良い反射率を有するべきであり、剛度は、真空吸着作用によりハニカムのセルが位置する箇所で下に向いては凹み、かつ使用過程において破れにくいという条件を満たし、前記反射フィルム21はPEフィルム、PVCフィルム又はPVDCフィルムである。
0052
前記真空吸着装置24と前記軟木8とは工作機械テーブル1の中に配置され、前記真空吸着装置24は空気管25を介して真空発生装置26と連通される。
0053
(実施形態2)
図1−図5に示すように、ハニカムコアの表面形状の測定装置は、レーザー測定センサ11、測定運動システム、反射フィルム真空吸着システム、反射フィルム布設システム、前記測定運動システムを制御する運動制御システム、及び、前記レーザー測定センサによる検測されたデータを処理するデータ処理システムを含む。
0054
前記測定運動システムは、工作機械テーブルに対して水平運動可能な水平2次元運動定盤と前記水平2次元運動定盤とに固定される鉛直並進定盤13を含み、前記鉛直並進定盤13には前記レーザー測定センサ11が設置される。
0055
前記反射フィルム真空吸着システムは、前記工作機械テーブル1の中に取り付けた真空吸着定盤24を含み、前記真空吸着定盤24には通気固定板8が設置され、前記通気固定板8にはハニカムコア22を張り付けて固定するための通気両面テープ23が設置され、前記真空吸着定盤24は空気管25を介して、真空発生装置26と連通する。
0056
前記反射フィルム布設システムは、フィルム引出機構とフィルム切断機構とを含み、前記フィルム引出機構は、前記工作機械テーブル1に固定されている反射フィルム収納ケース3、フィルム引出レバー6、及び、水平直線に沿って運動するように前記フィルム引出レバー6駆動する伝動装置を含み、前記フィルム引出レバー6には前記反射フィルムの収納ケース3の中に位置する反射フィルム21を引っ張り出すためのクリップブロックI7が設置され、前記反射フィルムの収納ケース3の中には前記反射フィルム21を巻きつくための回転コアシャフトが設置される。
0057
前記フィルム切断機構は、前記回転コアシャフトの回転を制御するスイッチ17、回転軸5、前記回転軸5の回転を制御するグリップ16、及び、前記回転軸5に位置するナイフブレード4を含む。
0058
前記水平2次元運動定盤は、前記工作機械テーブル1の両側に位置する2つの支柱2とクロスメンバ10とを含み、前記支柱2は前記フィルム引出レバー6の運動方向に沿って設置され、前記反射フィルムの収納ケース3、前記回転軸5及び前記伝動装置は2つの前記支柱2を介して、前記工作機械のテーブル1と接続される。
0059
前記クロスメンバ10は、それぞれキャリッジ9を介して2つの前記支柱2の上端部に接続され、前記キャリッジ9は、前記フィルム引出レバー6の運動方向に沿ってスライドでき、前記クロスメンバ10には前記フィルム引出レバー6に垂直する運動方向に沿ってスライドできる水平並進定盤14が設置され、前記水平並進定盤14には前記鉛直並進定盤13が設置され、前記鉛直並進定盤13は固定板12を介して前記レーザー測定センサ11と接続される。
0060
作動の状態で、前記レーザー測定センサ11が水平面と鉛直方向とに沿って運動でき、すなわち前記鉛直並進定盤13が前記水平並進定盤14でスライドできて、前記レーザー測定センサ11がZ軸方向に沿う運動を実現することができる。前記水平並進定盤14が前記クロスメンバ10上でスライドすることにより前記レーザー測定センサ11がX軸方向に沿って運動することを実現し、両側の前記キャリッジ9が2つの前記支柱2にスライドすることにより、前記レーザー測定センサ11がY軸方向に沿って運動することを実現する。
0061
前記真空吸着定盤24は多孔式真空吸着定盤であり、複数の独立ワークスペースIを含み、前記独立ワークスペースIの間にはスペーサーリブIが設置される。
0062
前記通気固定板8の材質は軟木であり、その寸法が前記真空吸着定盤24と一致し、前記通気固定板8は、前記独立ワークスペースIと対応する複数の独立ワークスペースIIを含み、前記独立ワークスペースIIの間にはスペーサーリブが設置され、前記工作機械のテーブル1の中には前記真空吸着定盤24と前記通気固定板8とを収納するスペースが設けられる。
0064
前記通気両面テープ23の寸法は、前記ハニカムコア22の固定端部の大きさと一致し、前記通気両面テープ23はミクロ孔を有する両面テープである。
0065
前記真空発生装置26は、真空発生装置又は真空ポンプであり、前記真空発生装置26には真空度制御機構がさらに設置されている。
0066
前記伝動装置はプーリ伝動装置である。
0067
前記プーリ伝動装置は、2つのベルト18及び前記ベルト18に対応するドライブプーリー19とドリブンプーリとを含み、前記ドライブプーリー19は駆動軸I20を介してプーリモータ15と接続され、前記フィルム引出レバー6の両端はそれぞれ2つの前記ベルト18に固定して接続される。
0068
前記プーリモータ15が正回転や逆回転することで、前記駆動軸I20が前記ベルト18を駆動して運動し、それにより前記フィルム引出レバー6が駆動され運動する。前記フィルム引出レバー6の運動範囲に基づいて、前記プーリモータ15の回転範囲が設置される。
0069
前記クリップブロックI7は前記反射フィルム21の自由端上に位置するクリップブロックII27を利用して前記反射フィルム21を前記反射フィルムの収納ケース3中から引っ張り出し、前記クリップブロックII27と前記反射フィルム21との接続箇所の材質はゴムである。
0070
前記ナイフブレード4は鋸歯ナイフブレードである。
0071
前記反射フィルム21はPEフィルムである。
0072
(実施形態3)
ハニカムコアの表面形状の測定装置であって、実施形態1に記載のハニカムコアの表面形状の測定装置と異なるのは、前記伝動装置がスプロケット伝動装置であることである。
0073
前記スプロケット伝動装置は、2つのチェーン及び前記チェーンに対応するドライブスプロケットとドリブンスプロケットとを含み、前記ドライブスプロケットは、駆動軸IIを介してスプロケットモータと接続され、前記フィルム引出レバー6の両端はそれぞれ2つの前記チェーンに固定して接続される。
0074
前記スプロケットモータが正回転や逆回転することで、前記駆動軸IIが前記チェーンを駆動して運動し、それにより前記フィルム引出レバー6が駆動され運動する。前記フィルム引出レバー6の運動範囲に基づいて、前記スプロケットモータの回転範囲が設置される。
0075
前記反射フィルム21はPVCフィルムである。
0076
前記通気固定板8の材質は多孔セラミックスである。
0077
以上の説明は、本発明の好適な具体的な実施形態にすぎないが、本発明の保護範囲は、これに限定されるものではなく、当業者にとって、本発明に開示している技術範囲内における本発明の技術手段及び発明の構想による同等の切替又は改変は、いずれも本発明の範囲内に含まれるべきである。
0078
(付記)
(付記1)
ハニカムコアにおける供試表面に反射フィルムを覆って、真空吸着の方式で前記反射フィルムをハニカムコアにおける供試表面に密着させ、ハニカムのセルに位置する反射フィルムが下に向けて凹まれるようにするステップ1と、
ハニカムコアにおける供試表面上の反射フィルムを走査して測定を行い、ハニカムコアの異なる空間的な位置でのハニカム壁の高さを得るステップ2と、を含む、
ことを特徴とするハニカムコアの表面形状の測定方法。
0079
(付記2)
ステップ1において、通気両面テープでハニカムコアを真空吸着定盤に固定し、真空吸着装置により真空吸着定盤と通気両面テープとを透過して、反射フィルムで覆われたハニカムコアの中に負圧を掛け、反射フィルムをハニカムコアの表面に吸着させる、ことを特徴とする付記1に記載のハニカムコアの表面形状の測定方法。
0080
(付記3)
ステップ2において、レーザー変位センサを使用し、走査して測定を行う、ことを特徴とする付記1に記載のハニカムコアの表面形状の測定方法。
0081
(付記4)
ハニカムコアの表面形状の測定装置であって、付記1〜3のいずれか1つに記載のハニカムコアの表面形状の測定方法を適用し、
レーザー変位センサ、測定運動システム、反射フィルム真空吸着システム、反射フィルム布設システム、前記測定運動システムを制御する運動制御システム、及び、前記レーザー測定センサにより検測されたデータを処理するデータ処理システム、を備え、
前記測定運動システムは、工作機械テーブルに対し水平運動可能な水平2次元運動定盤と前記水平2次元運動定盤とに固定されている鉛直並進定盤を含み、前記鉛直並進定盤には前記レーザー測定センサが設置され、
前記反射フィルム真空吸着システムは、前記工作機械テーブルの中に組み込んだ真空吸着定盤を含み、前記真空吸着定盤には通気固定板が設置され、前記通気固定板にはハニカムコアを張り付けて固定するための通気両面テープが設置され、前記真空吸着定盤は空気管を介して真空発生装置と連通し、
前記反射フィルム布設システムは、フィルム引出機構とフィルム切断機構とを含み、前記フィルム引出機構は、前記工作機械テーブルに固定されている反射フィルム収納ケース、フィルム引出レバー、水平直線に沿って運動するように前記フィルム引出レバーを駆動する伝動装置を含み、前記フィルム引出レバーには前記反射フィルム収納ケースの中にある反射フィルムを引っ張り出すためのクリップブロックIが設置され、前記反射フィルムの収納ケースの中に前記反射フィルムを巻きつくための回転コアシャフトが設置され、
前記フィルム切断機構は、前記回転コアシャフトの回転を制御するスイッチ、回転軸、前記回転軸の回転を制御するグリップ、及び、前記回転軸に位置するナイフブレードを含み、
作動の状態において、前記レーザー測定センサは水平面と鉛直方向とに沿って運動することができる、
ことを特徴とするハニカムコアの表面形状の測定装置。
0082
(付記5)
前記水平2次元運動定盤は、前記工作機械テーブルの両側に位置する2つの支柱とクロスメンバとを含み、前記支柱は前記フィルム引出レバーの運動方向に沿って設置され、前記反射フィルム収納ケース、前記回転軸及び前記伝動装置は2つの前記支柱を介して前記工作機械テーブルと接続され、
前記クロスメンバはそれぞれキャリッジを介して2つの前記支柱の上端部と接続され、前記キャリッジは前記フィルム引出レバーの運動方向に沿ってスライドでき、前記クロスメンバには前記フィルム引出レバーに垂直する運動方向に沿ってスライドできる水平並進定盤が設置され、前記水平並進定盤には前記鉛直並進定盤が設置され、前記鉛直並進定盤は固定板を介して前記レーザー測定センサと接続される、
ことを特徴とする付記4に記載のハニカムコアの表面形状の測定装置。
0083
(付記6)
前記真空吸着定盤は多孔式真空吸着定盤であり、複数の独立ワークスペースIを含み、前記独立ワークスペースIとの間にはスペーサーリブIが設置され、
前記通気固定板の材質は軟木又は多孔セラミックスであり、その寸法は前記真空吸着定盤と一致し、前記通気固定板は前記独立ワークスペースIと対応する複数の独立ワークスペースIIを含み、前記独立ワークスペースIIとの間にはスペーサーリブII、前記工作機械テーブルの中には前記真空吸着定盤と前記通気固定板を収納するスペースが設けられる、
ことを特徴とする付記4に記載のハニカムコアの表面形状の測定装置。
0084
(付記7)
前記通気両面テープの寸法は前記ハニカムコアの固定端部の大きさと一致する、ことを特徴とする付記4に記載のハニカムコアの表面形状の測定装置。
0085
(付記8)
前記真空発生装置は真空発生装置又は真空ポンプであり、前記真空発生装置にはさらに真空度制御機構が設置される、ことを特徴とする付記4に記載のハニカムコアの表面形状の測定装置。
0086
(付記9)
前記伝動装置はプーリ伝動装置又はスプロケット伝動装置である、ことを特徴とする付記4又は5に記載のハニカムコアの表面形状の測定装置。
0087
(付記10)
前記クリップブロックIは前記反射フィルムの自由端に位置するクリップブロックIIにより前記反射フィルムを前記反射フィルム収納ケースの中から引っ張り出し、前記クリップブロックIIと前記反射フィルムとの接続箇所の材質は生地の柔らかい材料である、ことを特徴とする付記4に記載のハニカムコアの表面形状の測定装置。
0088
(付記11)
前記ナイフブレードは鋸歯ナイフブレードである、ことを特徴とする付記4に記載のハニカムコアの表面形状の測定装置。
0089
(付記12)
前記反射フィルムはレーザーに対し良好な反射性があり、剛度は、真空吸着作用によりハニカムのセルの位置で下に向けて凹み、かつ破れにくいという条件を満たす反射フィルムである、ことを特徴とする付記4に記載のハニカムコアの表面形状の測定方法。
0090
(付記13)
前記反射フィルムはPEフィルム、PVCフィルム又はPVDCフィルムである、ことを特徴とする付記12に記載のハニカムコアの表面形状の測定装置。