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技術 抗Ryk抗体およびその使用方法

出願人 ザリージェンツオブザユニバーシティオブカリフォルニア
発明者 ゾウイミン
出願日 2017年3月28日 (3年10ヶ月経過) 出願番号 2018-550808
公開日 2019年7月25日 (1年7ヶ月経過) 公開番号 2019-520788
状態 未査定
技術分野 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬 動物の育種及び生殖細胞操作による繁殖 微生物、その培養処理 動物,微生物物質含有医薬 生物学的材料の調査,分析 ペプチド又は蛋白質 抗原、抗体含有医薬:生体内診断剤 特有な方法による材料の調査、分析 化合物または医薬の治療活性 突然変異または遺伝子工学 医薬品製剤
主要キーワード 一部補償 イオン化溶液 ダイイング 推定ツール ワイヤ格子 シザーズ 垂直スロット トポグラフィック
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重要な関連分野

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図面 (20)

課題・解決手段

ニューロン変性を抑止するための方法、神経性疾患/神経変性疾患処置方法、ニューロンの指向成長モジュレートする方法、およびWntとRykの相互作用干渉する方法を本明細書において提供する。また、Wntの結合ドメインに特異的に結合する単離された抗Ryk抗体および抗体断片も提供する。

概要

背景

背景情報
中枢神経系(CNS)は、上行性感覚経路および下行性運動経路または調節経路に接続されている。CNSでは、体性感覚経路が脳中枢へと上行し、身体の動きコントロールする運動経路は脳から脊髄へと下行する。末梢神経系とは異なり、中枢神経系の軸索、例えば脊髄内の軸索に対するダメージ修復が不可能であり、神経機能永久的な障害、例えば麻痺が引き起こされ得る。脊髄は中枢神経系において重要な機能を果たしている。かかる機能の1つは、体と脳の連絡を可能にすることである。脊髄内の神経線維が脳へ、および脳から他の身体部分へ情報を伝達する。一般に、身体からの感覚情報は脊髄を通って脳まで伝わり、脳からの指令、例えば運動指令が脳から脊髄を通って伝わる。

脊髄損傷」という用語は、脊柱管内のニューロンの任意の損傷をいう。脊髄損傷は、背骨または脊髄自体に対する外傷または疾患のいずれかにより起こり得る。ほとんどの脊髄損傷は、背骨に対する外傷により骨折が引き起こされたか、または背骨のずれによって靭帯裂け、脊髄の圧迫が生じた結果である。頸部損傷および背部損傷の大半または脊椎骨折では、なんら脊髄のダメージは引き起こされない;しかしながら、脊椎外傷が起こっている症例の10〜14%では、このダメージは非常に重症であり、脊髄に対するダメージがもたらされる。脊髄損傷(SCI)の年間発生数事故現場死亡した人を含めない)は米国の人口100万人あたりおよそ40例であるか、または毎年の新患がおよそ11,000例であると推計されている。米国において、現在生存していてSCIを有する人の数は人口100万人あたり721〜906人であると推計されている。これは183,000〜230,000人に相当する。脊髄損傷を有する患者に対する治療選択肢は限られている。多くの場合、SCIを有する患者は、重度で永久的に身体障害のままである。

近年、発生初期におけるモルフォゲンとしての方がよく知られているWntが、脊椎動物および無脊椎動物の両方において、神経系の接続時の保存された軸索ガイダンス分子であることを示唆する証拠が増えている(Zou, Y. 2004. TrendsNeurosci 27:528-32(非特許文献1); Fradkin, et al. 2005. J Neurosci 25:10376-8(非特許文献2); Zou & Lyuksyutova. 2007. Curr Opin Neurobiol 17:22-8(非特許文献3); Salinas, et al. 2008. Annu Rev Neurosci 31 :339-358(非特許文献4))。Wntは分泌型糖タンパク質であり、3つのクラスの受容体Frizzleds、RykおよびROR2に結合する(Gordon & Nusse. 2006. J Biol Chem 281 :22429-33(非特許文献5); Logan & Nusse. 2004. Annu Rev Cell Dev Biol 20:781 -810(非特許文献6))。Wntファミリータンパク質は、発生時の脊髄のA-P軸に沿った網膜視蓋伸長におけるトポグラフィックマップ形成の必須のガイダンス合図であり、脊髄損傷後成人CNSの軸索再生の調節において重要な役割を果たし得ることが示されている(Lyuksyutova et al. 2003. Science 302: 1984-8(非特許文献7); Liu, et al. 2005. Nat Neurosci 8: 1151-9(非特許文献8); Schmitt et al. 2006. Nature 439:31 -7(非特許文献9); Wolf et al. 2008. J Neurosci 28:3456-67(非特許文献10); Liu et al. 2008. The Journal of Neuroscience 28: 8376-8382(非特許文献11))。

背側脊髄から派生する交連軸索がまず、背側-腹側の軸に沿って伸長し、腹側正中線の底板に向かって成長する。交連性軸索の腹側に指向される成長は反発性合図によってガイドされ、BMPが背側正中線の蓋板から広がり誘引合図ネトリン-1およびソニックヘッジホッグが底板から分泌される(Zou et al. 2007. Curr Opin Neurobiol 17:22-8(非特許文献3))。このような交連性軸索が正中線で交差したら、これらは正中線誘引物質に対する応答性を失い、化学忌避物質スリットおよびセマフォリンに対する感受性を獲得し、底板および近隣の腹側の灰白質から広がり、これらを縦の軌道(longitudinal trajectory)内に90°曲げる(Zou et al. 2000. Cell 102:363-75(非特許文献12))。齧歯類の交連性軸索の背側の集団はすべて前方に曲がり、脳に向かって伸長している。このように前方に曲がるのにWnt-Frizzledシグナル伝達が必要とされる。いくつかのWnt、例えばWnt4、Wnt7b、Wnt7aおよびWnt5aが前後軸方向に漸減勾配で腹側正中線の脊髄に沿って発現されており、正中線と交差して前方に曲がった交差後の交連性軸索を誘引する。Wnt勾配をWnt阻害薬である分泌型Frizzled関連タンパク質(sFRP)の添加によって、または「オープンブック(open-book)」移植片培養状態のWnt4分泌細胞凝集塊を配置することにより破壊すると、交連性軸索は正中線交差後に特異的A-P無作為化成長を示す。Frizzled3変異型では、脊髄交連神経軸索インビボでA-P指向性を失う(Lyuksyutova et al. 2003. Science 302: 1984-8(非特許文献7))。

ショウジョウバエの正中線の軸索の経路探索における研究では、独立して、DWnt5が化学忌避物質であり、Derailedと称される受容体によって交連性軸索のサブセット忌避することが示された(Yoshikawa et al. 2003. Nature 422:583-8(非特許文献13))。Derailedの脊椎動物ホモログであるRykもまた反発性Wnt受容体であり、Wnt1とWnt5aの差次的発現によって作られる前方-高/後方-低のWnt勾配が脊髄内の皮質脊髄路の軸索の後方成長に必要とされる(Liu et al. 2005. Nat Neurosci 8: 1151-9(非特許文献8))。したがって、Wntは、脊髄内の上行性軸索と下行性軸索両方のA-Pガイダンスを、誘引性および反発性ガイダンス機構によって制御する。Wnt-Rykシグナル伝達もまた、哺乳動物前脳脳梁の経路探索を反発性機構によって調節することが見出された(Keeble et al. 2006. J Neurosci 26:5840-8(非特許文献14))。C.エレガンス(C. elegans)での研究により、Wntシグナル伝達によっていくつかの軸索の経路探索の前後軸方向の指向性および神経芽細胞遊走が制御されることが示された(Pan et al. 2006. Dev Cell 10:367-77(非特許文献15); Hilliard et al. 2006. Dev Cell 10:379-90(非特許文献16); Prasad & Clark. 2006. Development 133: 1757-66(非特許文献17))。したがって、A-Pガイダンス機構は、動物界において高度に保存されているようである(Zou. 2006. Neuron 49:787-9(非特許文献18))。

軸索の経路探索におけるWntの役割に加えて、Wnt3はまた、網膜視蓋系におけるトポグラフィックマッピングのための位置的合図であり、網膜神経節細胞の軸索に対する外側指向性マッピング力として作用し、視蓋内のephrinB1の勾配によって生じる内側指向性の力に対抗する(Schmitt et al. 2006. Nature 439:31-7(非特許文献9))。Wnt3は、視蓋において内側-高から外側-低に向かう勾配で発現される。Rykは、網膜神経節細胞において背側-腹側(D-V)に漸増勾配で発現される。したがって、より腹側のRGCの軸索分岐ほどより強くWnt3によって忌避され、Wnt3-Rykシグナル伝達によって介在性(interstitial)分岐が外側中脳視蓋に向かって成長することが駆動される。その一方で、ephrinB1は同じ等級の様式で発現され、EphBは腹側のRGCにおいて高レベルで発現される。EphBは、ephrinB1に対する誘引を媒介する。したがって、より腹側のRGCの軸索分岐ほど、より多くephinB1によって内側中脳視蓋に向かって誘引される。内側(ephrinB1)と外側(Wnt3)のマッピング力の均衡作用により、RGCの軸索が正しいトポグラフィック位置で終結することが確実になる。注目すべきことに、Wnt-Frizzledシグナル伝達はまた、ショウジョウバエの視覚系における適正な背側-腹側の網膜部位のマッピングにも必要とされる(Sato et al. 2006. Nat Neurosci 9:67-75(非特許文献19); Zou & Lyuksyutova. 2007. Curr Opin Neurobiol 17:22-8(非特許文献3))。したがって、Wntは、D-V軸に沿って保存されるトポグラフィックマッピング合図である。

発生中の脊髄の交連軸索は、腹側正中線の方に、それぞれ正中線の底板細胞と蓋板細胞によって分泌される化学誘引物質(ネトリン-1およびソニックヘッジホッグ(Shh))と化学忌避物質(骨形成タンパク質(BMP))の協働によってガイドされる。この軸索は、底板に達したら、底板からの化学誘引物質に対する自身の応答性をスイッチオフし、同様に底板細胞によって、および周囲の腹側の灰白質によって発現される化学反発性合図、例えば、クラス3セマフォリンの構成員(Sema3BおよびSema3F)ならびにスリットファミリータンパク質に対して応答性になる(Serafini, T., et al. Cell 78, 409-424, 1994(非特許文献20); Kennedy, T. E., et al. Cell 78, 425-435, 1994(非特許文献21); Serafini, T., et al. Cell 87, 1001-1014, 1996(非特許文献22); Zou, Y., et al. Cell 102, 363-375, 2000(非特許文献23); Charron, F., et al. Cell 113, 11-23, 2003(非特許文献24); Long, H., et al. Neuron 42, 213-223, 2004(非特許文献25))。ニューロピリン-2変異型の胚は、重度のガイダンス欠陥を示し、例えば正中線に入ったり、脊髄の反対側に出たり、前後軸に沿ってランダムに伸長したりした(Zou, Y., et al. Cell 102, 363-375, 2000(非特許文献23))。

SCI後のニューロンの成長および再生モジュレータの同定は、この衰弱性の病的状態を有する患者の新たな治療形態に応用することができよう。また、ニューロンの成長および再生のモジュレータの同定は、ニューロンの機能障害を伴う他の障害、例えば神経性/神経変性性の疾患または障害を有する患者の処置に応用することもできよう。脊髄に対する損傷後にA-P軸に沿った軸索の成長を促進させ得る作用物質は、多くの場合でSCIに伴う永久的な麻痺の抑制を補助するために適用され得る。したがって、より良好なSCIの処置の必要性が存在しており、ニューロンの成長および再生のモジュレータのさらに大きな理解によって、かかる神経性/神経変性性の疾患または障害の改善された処置方法がもたらされる可能性がある。

概要

ニューロンの変性を抑止するための方法、神経性疾患/神経変性疾患の処置方法、ニューロンの指向的成長をモジュレートする方法、およびWntとRykの相互作用干渉する方法を本明細書において提供する。また、Wntの結合ドメインに特異的に結合する単離された抗Ryk抗体および抗体断片も提供する。

目的

本発明は、Wntの結合ドメインに特異的に結合するか、あるいは、Wnt上の、参照抗体もしくは参照抗体断片が結合するのと同じエピトープに特異的に結合するか、またはWntに対する特異的結合について参照抗体もしくは参照抗体断片と交差競合(cross-compete)する単離された抗Ryk抗体または抗体断片を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

(a)Wntの結合ドメインに特異的に結合し、SEQID NO:5〜7もしくはSEQ ID NO:5、11および12に示すCDR配列を含む重鎖可変領域;ならびに/またはSEQ ID NO:1〜3もしくはSEQ ID NO:9、2および3に示すCDR配列を含む軽鎖可変領域を含むか;または(b)Wnt上の、参照抗体もしくは参照抗体断片が結合するのと同じエピトープに特異的に結合するか、またはWntに対する特異的結合について参照抗体もしくは参照抗体断片と交差競合し、該参照抗体または参照抗体断片がSEQ ID NO:5〜7もしくはSEQ ID NO:5、11および12に示すCDR配列を含む重鎖可変領域;ならびに/またはSEQ ID NO:1〜3もしくはSEQ ID NO:9、2および3に示すCDR配列を含む軽鎖可変領域を含む、単離された抗Ryk抗体または抗体断片

請求項2

Wntに対するRykの結合を阻害または低減する、請求項1記載の単離された抗Ryk抗体または抗体断片。

請求項3

Wntの90〜183位のアミノ酸残基内のエピトープに特異的に結合する、請求項1記載の単離された抗Ryk抗体または抗体断片。

請求項4

前記重鎖可変領域が、SEQID NO:8に対する少なくとも85%の配列同一性、任意でSEQ ID NO:8に対する少なくとも90%の配列同一性を含むアミノ酸配列を含む、請求項1記載の単離された抗体または抗体断片。

請求項5

前記重鎖可変領域が、SEQID NO:8に対する少なくとも95%の配列同一性、任意でSEQ ID NO:8に対する少なくとも99%の配列同一性を含むアミノ酸配列を含む、請求項1記載の単離された抗体または抗体断片。

請求項6

前記重鎖可変領域が、SEQID NO:8に示すアミノ酸配列を含む、請求項1記載の単離された抗体または抗体断片。

請求項7

前記重鎖可変領域が、SEQID NO:13に対する少なくとも85%の配列同一性、任意でSEQ ID NO:13に対する少なくとも90%の配列同一性を含むアミノ酸配列を含む、請求項1記載の単離された抗体または抗体断片。

請求項8

前記重鎖可変領域が、SEQID NO:13に対する少なくとも95%の配列同一性、任意でSEQ ID NO:13に対する少なくとも99%の配列同一性を含むアミノ酸配列を含む、請求項1記載の単離された抗体または抗体断片。

請求項9

前記重鎖可変領域が、SEQID NO:13に示すアミノ酸配列を含む、請求項1記載の単離された抗体または抗体断片。

請求項10

前記軽鎖可変領域が、SEQID NO:4に対する少なくとも85%の配列同一性、任意でSEQ ID NO:4に対する少なくとも90%の配列同一性を含むアミノ酸配列を含む、請求項1記載の単離された抗体または抗体断片。

請求項11

前記軽鎖可変領域が、SEQID NO:4に対する少なくとも95%の配列同一性、任意でSEQ ID NO:4に対する少なくとも99%の配列同一性を含むアミノ酸配列を含む、請求項1記載の単離された抗体または抗体断片。

請求項12

前記軽鎖可変領域が、SEQID NO:4に示すアミノ酸配列を含む、請求項1記載の単離された抗体または抗体断片。

請求項13

軽鎖可変領域が、SEQID NO:10に対する少なくとも85%の配列同一性、任意でSEQ ID NO:10に対する少なくとも90%の配列同一性を含むアミノ酸配列を含む、請求項1記載の単離された抗体または抗体断片。

請求項14

前記軽鎖可変領域が、SEQID NO:10に対する少なくとも95%の配列同一性、任意でSEQ ID NO:10に対する少なくとも99%の配列同一性を含むアミノ酸配列を含む、請求項1記載の単離された抗体または抗体断片。

請求項15

前記軽鎖可変領域が、SEQID NO:10に示すアミノ酸配列を含む、請求項1記載の単離された抗体または抗体断片。

請求項16

Wntの結合ドメインに特異的に結合する単離された抗体または抗体断片であって、以下を含む、該単離された抗体または抗体断片:a)SEQID NO:8に示すアミノ酸配列に対する少なくとも85%の配列同一性を含む重鎖可変領域であって、SEQ ID NO:5〜7に示す3つのCDR配列を含む重鎖可変領域;および/またはb)SEQ ID NO:4に示すアミノ酸配列に対する少なくとも85%の配列同一性を含む軽鎖領域可変領域であって、SEQ ID NO:1〜3に示す3つのCDR配列を含む軽鎖可変領域。

請求項17

前記重鎖可変領域が、SEQID NO:8のアミノ酸配列に対する少なくとも90%の配列同一性を含み、前記軽鎖可変領域が、SEQ ID NO:4のアミノ酸配列に対する少なくとも90%の配列同一性を含む、請求項16記載の単離された抗体または抗体断片。

請求項18

前記重鎖可変領域が、SEQID NO:8のアミノ酸配列に対する少なくとも95%の配列同一性を含み、前記軽鎖可変領域が、SEQ ID NO:4のアミノ酸配列に対する少なくとも95%の配列同一性を含む、請求項16記載の単離された抗体または抗体断片。

請求項19

前記重鎖可変領域が、SEQID NO:8のアミノ酸配に対する少なくとも99%の配列同一性を含み、前記軽鎖可変領域が、SEQ ID NO:4のアミノ酸配列に対する少なくとも99%の配列同一性を含む、請求項16記載の単離された抗体または抗体断片。

請求項20

前記重鎖可変領域が、SEQID NO:8のアミノ酸配列を含み、前記軽鎖可変領域が、SEQ ID NO:4のアミノ酸配列を含む、請求項16記載の単離された抗体または抗体断片。

請求項21

Wntの結合ドメインに特異的に結合する単離された抗体または抗体断片であって、以下を含む、該単離された抗体または抗体断片:a)SEQID NO:13に示すアミノ酸配列に対する少なくとも85%の配列同一性を含む重鎖可変領域であって、SEQ ID NO:5、11および12に示す3つのCDR配列を含む重鎖可変領域;ならびに/またはb)SEQ ID NO:10に示すアミノ酸配列に対する少なくとも85%の配列同一性を含む軽鎖領域可変領域であって、SEQ ID NO:9、2および3に示す3つのCDR配列を含む軽鎖可変領域。

請求項22

前記重鎖可変領域が、SEQID NO:13のアミノ酸配列に対する少なくとも90%の配列同一性を含み、前記軽鎖可変領域が、SEQ ID NO:10のアミノ酸配列に対する少なくとも90%の配列同一性を含む、請求項21記載の単離された抗体または抗体断片。

請求項23

前記重鎖可変領域が、SEQID NO:13のアミノ酸配列に対する少なくとも95%の配列同一性を含み、前記軽鎖可変領域が、SEQ ID NO:10のアミノ酸配列に対する少なくとも95%の配列同一性を含む、請求項21記載の単離された抗体または抗体断片。

請求項24

前記重鎖可変領域が、SEQID NO:13のアミノ酸配列に対する少なくとも99%の配列同一性を含み、前記軽鎖可変領域が、SEQ ID NO:10のアミノ酸配列に対する少なくとも99%の配列同一性を含む、請求項21記載の単離された抗体または抗体断片。

請求項25

前記重鎖可変領域が、SEQID NO:13のアミノ酸配列を含み、前記軽鎖可変領域が、SEQ ID NO:10のアミノ酸配列を含む、請求項21記載の単離された抗体または抗体断片。

請求項26

有効量の請求項1〜25のいずれか一項記載の抗体または抗体断片および薬学的に許容される担体または賦形剤を含む、薬学的組成物

請求項27

請求項1〜25のいずれか一項記載の単離された抗体または抗体断片をコードしている核酸配列

請求項28

請求項27記載の核酸配列を含むベクター

請求項29

発現ベクターである、請求項28記載のベクター。

請求項30

請求項28記載のベクターを含む、宿主細胞

請求項31

哺乳動物宿主細胞である、請求項30記載の宿主細胞。

請求項32

請求項30記載の宿主細胞を含むトランスジェニックマウスであって、核酸にコードされたポリペプチド発現する、該トランスジェニックマウス。

請求項33

WntとRykを含む試料を請求項1〜25のいずれか一項記載の単離された抗体または抗体断片と接触させ、それによりWntとRykの相互作用干渉することを含む、WntとRykの相互作用に干渉する方法。

請求項34

ニューロンを請求項1〜25のいずれか一項記載の単離された抗体または抗体断片と接触させ、それにより該ニューロンの変性を抑止することを含む、ニューロンの変性を抑止するための方法。

請求項35

ニューロンの軸索の変性が抑止されるか、またはニューロンの細胞体の変性が抑止される、請求項34記載の方法。

請求項36

軸索が脊髄交連神経軸索である、請求項35記載の方法。

請求項37

軸索が上位運動ニューロンの軸索である、請求項35記載の方法。

請求項38

軸索が中枢神経系の軸索である、請求項35記載の方法。

請求項39

ニューロンが、損傷した脊髄のニューロンである、請求項34記載の方法。

請求項40

ニューロンが感覚ニューロンである、請求項34記載の方法。

請求項41

ニューロンが運動ニューロンである、請求項34記載の方法。

請求項42

ニューロンが小脳顆粒ニューロン、後根神経節ニューロン、皮質ニューロン交換神経ニューロン、または海馬ニューロンである、請求項34記載の方法。

請求項43

ニューロンが神経移植片または神経移植組織の一部を形成する、請求項34記載の方法。

請求項44

ニューロンがエクスビボまたはインビトロである、請求項34記載の方法。

請求項45

神経移植片または神経移植組織が生物体の一部を形成する、請求項43記載の方法。

請求項46

生物体が哺乳動物である、請求項45記載の方法。

請求項47

哺乳動物がヒトである、請求項46記載の方法。

請求項48

請求項1〜25のいずれか一項記載の単離された抗体もしくは抗体断片、請求項26記載の薬学的組成物、請求項27記載の核酸配列、請求項28もしくは29記載のベクター、または請求項30もしくは31記載の宿主細胞の有効量を対象に投与し、それにより該対象の神経性の疾患または障害処置することを含む、神経性の疾患を有するか、または神経性の疾患を発症するリスクがある対象において、神経性の疾患または障害を処置する方法。

請求項49

神経性の疾患または障害が神経変性性の疾患または障害である、請求項48記載の方法。

請求項50

神経変性性の疾患または障害が筋萎縮性側索硬化症アルツハイマー病またはパーキンソン病である、請求項49記載の方法。

請求項51

ニューロンを請求項1〜25のいずれか一項記載の単離された抗体または抗体断片と接触させ、それにより該ニューロンの指向成長モジュレートすることを含む、ニューロンの指向的成長をモジュレートするための方法。

請求項52

ニューロンが脊髄交連神経軸索である、請求項51記載の方法。

請求項53

ニューロンが上位運動ニューロンの軸索である、請求項51記載の方法。

請求項54

ニューロンが中枢神経系の軸索である、請求項51記載の方法。

請求項55

ニューロンが、損傷した脊髄のニューロンである、請求項51記載の方法。

請求項56

ニューロンが感覚ニューロンである、請求項51記載の方法。

請求項57

ニューロンが運動ニューロンである、請求項51記載の方法。

請求項58

前記指向的成長がニューロンの再生を助長する、請求項51記載の方法。

請求項59

Wntの結合ドメインに特異的に結合してWnt-Ryk相互作用を阻害する単離されたモノクローナル抗Ryk抗体または抗体断片の有効量を対象に投与し、それにより該対象の神経性の疾患または障害を処置することを含む、神経性の疾患もしくは障害を有するか、または神経性の疾患もしくは障害を発症するリスクがある対象において、神経性の疾患または障害を処置する方法。

請求項60

神経性の疾患または障害が神経変性性の疾患または障害である、請求項59記載の方法。

請求項61

前記抗体または抗体断片がWntの90〜183位のアミノ酸残基内のエピトープに特異的に結合する、請求項59記載の方法。

請求項62

治療剤と連結された、請求項1〜25のいずれか一項記載の単離された抗Ryk抗体または抗体断片を含むイムノコンジュゲート

請求項63

治療剤が細胞毒素または放射性同位体である、請求項62記載のイムノコンジュゲート。

請求項64

請求項1〜25のいずれか一項記載の単離された抗Ryk抗体または抗体断片とは異なる結合特異性を有する第2の機能性部分と連結された、請求項1〜25のいずれか一項記載の単離された抗Ryk抗体または抗体断片を含む二重特異性分子

請求項65

請求項66

マウスである、請求項65記載のトランスジェニック非ヒト哺乳動物。

請求項67

前記マウスが表現型Frizzled3-/- Ryk+/-を有する、請求項66記載のトランスジェニック非ヒト哺乳動物。

請求項68

前記マウスがRyk遺伝子の皮質脊髄路(CST)特異的破壊を含む、請求項66記載のトランスジェニック非ヒト哺乳動物。

請求項69

破壊されたRyk遺伝子が、組換えRykアレル、選択可能マーカー、該選択可能マーカーに隣接しているfrt部位、および該アレルの一部分に隣接しているloxP部位を含む、請求項68記載のトランスジェニック非ヒト哺乳動物。

請求項70

前記マーカーがPGK Neoであり、loxP部位が前記アレルの3〜6位のエキソンに隣接している、請求項69記載のトランスジェニック非ヒト哺乳動物。

請求項71

請求項65〜70のいずれか一項記載のトランスジェニック非ヒト哺乳動物に由来する単離された細胞

請求項72

Ryk遺伝子の一部分であって、該Ryk遺伝子の3〜6位のエキソンが3’loxP部位および5’loxP部位に隣接されている、該Ryk遺伝子の一部分、6位のエキソンと該5’loxP部位との間にある選択可能マーカー、該選択可能マーカーに隣接しているfrt部位を含む、ベクター。

請求項73

前記マーカーがPGK Neoである、請求項72記載のベクター。

請求項74

(a)請求項72記載のベクターをマウス胚ES細胞集団トランスフェクトする工程;(b)前記選択可能マーカーを発現しているトランスフェクトされたES細胞を選択する工程;(c)該トランスフェクトされたES細胞を前記マウスの祖先内に導入する工程;(d)該胚を満期まで発育させ、その生殖細胞系内にコンディショナルノックアウト構築物を有するキメラマウスを作製する工程;(e)該キメラマウスを交配し、条件付きで破壊可能なRyk遺伝子を有するヘテロ接合体マウスを作製する工程;および(f)該ヘテロ接合体マウスを、皮質脊髄軸索においてのみtdTomato発現を抑制するloxP隣接停止カセットを含むマウスと交配し、Ryk遺伝子内にCST特異的破壊を有するマウスを作製する工程を含む、Ryk遺伝子内にCSTを標的とする破壊を有するノックアウトマウス作製方法

請求項75

神経性の疾患または障害を処置するための治療剤のスクリーニング方法であって、被験剤を請求項65〜70のいずれか一項記載のトランスジェニック非ヒト哺乳動物に投与すること、および非定型プロテインキナーゼC(aPKC)もしくはMARK2タンパク質の量、aPKCもしくはMARK2の活性レベル、またはaPKCもしくはMARK2レベルのうちの少なくとも1つに対する該被験剤の効果を、該トランスジェニック非ヒト哺乳動物の少なくとも1つの疾患関連組織において評価することを含み、ここで、該被験剤を投与されていない同様のトランスジェニック非ヒト哺乳動物と比べたときの少なくとも1つの疾患関連組織における、aPKCタンパク質の量の減少、MARK2タンパク質の量の増加、aPKC活性レベルの低下、MARK2活性レベルの上昇、aPKCレベルの低下、またはMARK2レベルの上昇のうちの少なくとも1つが、該被験剤が該神経性の疾患または障害の治療に役立つことを示す、前記方法。

技術分野

0001

関連出願の相互参照
本出願は、2016年3月28日に出願された米国特許仮出願第62/314,025号に対する35 U.S.C.§119(e)に基づく優先権の恩典を主張し、この仮出願の開示内容は参照により本明細書に組み入れられる。

0002

助成金情報
本発明は、米国立衛生研究所によって付与された助成金番号NS047484およびNS081738での政府による補助を伴ってなされた。米国政府は、本発明において一定の権利を有する。

0003

配列表
本出願は配列表を含み、配列表はASCII形式電子形式により提出されており、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。前記のASCIIコピーは、2017年3月15日に作成され、名称は20378-201389_SL.txtであり、サイズは14,104バイトである。

0004

発明の分野
本発明は、一般的には抗体に関し、より詳しくは、Wnt-Rykシグナル伝達阻害するためのWntの結合ドメインに特異的に結合する抗Ryk抗体または抗体断片の使用に関する。

背景技術

0005

背景情報
中枢神経系(CNS)は、上行性感覚経路および下行性運動経路または調節経路に接続されている。CNSでは、体性感覚経路が脳中枢へと上行し、身体の動きコントロールする運動経路は脳から脊髄へと下行する。末梢神経系とは異なり、中枢神経系の軸索、例えば脊髄内の軸索に対するダメージ修復が不可能であり、神経機能永久的な障害、例えば麻痺が引き起こされ得る。脊髄は中枢神経系において重要な機能を果たしている。かかる機能の1つは、体と脳の連絡を可能にすることである。脊髄内の神経線維が脳へ、および脳から他の身体部分へ情報を伝達する。一般に、身体からの感覚情報は脊髄を通って脳まで伝わり、脳からの指令、例えば運動指令が脳から脊髄を通って伝わる。

0006

脊髄損傷」という用語は、脊柱管内のニューロンの任意の損傷をいう。脊髄損傷は、背骨または脊髄自体に対する外傷または疾患のいずれかにより起こり得る。ほとんどの脊髄損傷は、背骨に対する外傷により骨折が引き起こされたか、または背骨のずれによって靭帯裂け、脊髄の圧迫が生じた結果である。頸部損傷および背部損傷の大半または脊椎骨折では、なんら脊髄のダメージは引き起こされない;しかしながら、脊椎外傷が起こっている症例の10〜14%では、このダメージは非常に重症であり、脊髄に対するダメージがもたらされる。脊髄損傷(SCI)の年間発生数事故現場死亡した人を含めない)は米国の人口100万人あたりおよそ40例であるか、または毎年の新患がおよそ11,000例であると推計されている。米国において、現在生存していてSCIを有する人の数は人口100万人あたり721〜906人であると推計されている。これは183,000〜230,000人に相当する。脊髄損傷を有する患者に対する治療選択肢は限られている。多くの場合、SCIを有する患者は、重度で永久的に身体障害のままである。

0007

近年、発生初期におけるモルフォゲンとしての方がよく知られているWntが、脊椎動物および無脊椎動物の両方において、神経系の接続時の保存された軸索ガイダンス分子であることを示唆する証拠が増えている(Zou, Y. 2004. TrendsNeurosci 27:528-32(非特許文献1); Fradkin, et al. 2005. J Neurosci 25:10376-8(非特許文献2); Zou & Lyuksyutova. 2007. Curr Opin Neurobiol 17:22-8(非特許文献3); Salinas, et al. 2008. Annu Rev Neurosci 31 :339-358(非特許文献4))。Wntは分泌型糖タンパク質であり、3つのクラスの受容体Frizzleds、RykおよびROR2に結合する(Gordon & Nusse. 2006. J Biol Chem 281 :22429-33(非特許文献5); Logan & Nusse. 2004. Annu Rev Cell Dev Biol 20:781 -810(非特許文献6))。Wntファミリータンパク質は、発生時の脊髄のA-P軸に沿った網膜視蓋伸長におけるトポグラフィックマップ形成の必須のガイダンス合図であり、脊髄損傷後成人CNSの軸索再生の調節において重要な役割を果たし得ることが示されている(Lyuksyutova et al. 2003. Science 302: 1984-8(非特許文献7); Liu, et al. 2005. Nat Neurosci 8: 1151-9(非特許文献8); Schmitt et al. 2006. Nature 439:31 -7(非特許文献9); Wolf et al. 2008. J Neurosci 28:3456-67(非特許文献10); Liu et al. 2008. The Journal of Neuroscience 28: 8376-8382(非特許文献11))。

0008

背側脊髄から派生する交連軸索がまず、背側-腹側の軸に沿って伸長し、腹側正中線の底板に向かって成長する。交連性軸索の腹側に指向される成長は反発性合図によってガイドされ、BMPが背側正中線の蓋板から広がり誘引合図ネトリン-1およびソニックヘッジホッグが底板から分泌される(Zou et al. 2007. Curr Opin Neurobiol 17:22-8(非特許文献3))。このような交連性軸索が正中線で交差したら、これらは正中線誘引物質に対する応答性を失い、化学忌避物質スリットおよびセマフォリンに対する感受性を獲得し、底板および近隣の腹側の灰白質から広がり、これらを縦の軌道(longitudinal trajectory)内に90°曲げる(Zou et al. 2000. Cell 102:363-75(非特許文献12))。齧歯類の交連性軸索の背側の集団はすべて前方に曲がり、脳に向かって伸長している。このように前方に曲がるのにWnt-Frizzledシグナル伝達が必要とされる。いくつかのWnt、例えばWnt4、Wnt7b、Wnt7aおよびWnt5aが前後軸方向に漸減勾配で腹側正中線の脊髄に沿って発現されており、正中線と交差して前方に曲がった交差後の交連性軸索を誘引する。Wnt勾配をWnt阻害薬である分泌型Frizzled関連タンパク質(sFRP)の添加によって、または「オープンブック(open-book)」移植片培養状態のWnt4分泌細胞凝集塊を配置することにより破壊すると、交連性軸索は正中線交差後に特異的A-P無作為化成長を示す。Frizzled3変異型では、脊髄交連神経軸索インビボでA-P指向性を失う(Lyuksyutova et al. 2003. Science 302: 1984-8(非特許文献7))。

0009

ショウジョウバエの正中線の軸索の経路探索における研究では、独立して、DWnt5が化学忌避物質であり、Derailedと称される受容体によって交連性軸索のサブセット忌避することが示された(Yoshikawa et al. 2003. Nature 422:583-8(非特許文献13))。Derailedの脊椎動物ホモログであるRykもまた反発性Wnt受容体であり、Wnt1とWnt5aの差次的発現によって作られる前方-高/後方-低のWnt勾配が脊髄内の皮質脊髄路の軸索の後方成長に必要とされる(Liu et al. 2005. Nat Neurosci 8: 1151-9(非特許文献8))。したがって、Wntは、脊髄内の上行性軸索と下行性軸索両方のA-Pガイダンスを、誘引性および反発性ガイダンス機構によって制御する。Wnt-Rykシグナル伝達もまた、哺乳動物前脳脳梁の経路探索を反発性機構によって調節することが見出された(Keeble et al. 2006. J Neurosci 26:5840-8(非特許文献14))。C.エレガンス(C. elegans)での研究により、Wntシグナル伝達によっていくつかの軸索の経路探索の前後軸方向の指向性および神経芽細胞遊走が制御されることが示された(Pan et al. 2006. Dev Cell 10:367-77(非特許文献15); Hilliard et al. 2006. Dev Cell 10:379-90(非特許文献16); Prasad & Clark. 2006. Development 133: 1757-66(非特許文献17))。したがって、A-Pガイダンス機構は、動物界において高度に保存されているようである(Zou. 2006. Neuron 49:787-9(非特許文献18))。

0010

軸索の経路探索におけるWntの役割に加えて、Wnt3はまた、網膜視蓋系におけるトポグラフィックマッピングのための位置的合図であり、網膜神経節細胞の軸索に対する外側指向性マッピング力として作用し、視蓋内のephrinB1の勾配によって生じる内側指向性の力に対抗する(Schmitt et al. 2006. Nature 439:31-7(非特許文献9))。Wnt3は、視蓋において内側-高から外側-低に向かう勾配で発現される。Rykは、網膜神経節細胞において背側-腹側(D-V)に漸増勾配で発現される。したがって、より腹側のRGCの軸索分岐ほどより強くWnt3によって忌避され、Wnt3-Rykシグナル伝達によって介在性(interstitial)分岐が外側中脳視蓋に向かって成長することが駆動される。その一方で、ephrinB1は同じ等級の様式で発現され、EphBは腹側のRGCにおいて高レベルで発現される。EphBは、ephrinB1に対する誘引を媒介する。したがって、より腹側のRGCの軸索分岐ほど、より多くephinB1によって内側中脳視蓋に向かって誘引される。内側(ephrinB1)と外側(Wnt3)のマッピング力の均衡作用により、RGCの軸索が正しいトポグラフィック位置で終結することが確実になる。注目すべきことに、Wnt-Frizzledシグナル伝達はまた、ショウジョウバエの視覚系における適正な背側-腹側の網膜部位のマッピングにも必要とされる(Sato et al. 2006. Nat Neurosci 9:67-75(非特許文献19); Zou & Lyuksyutova. 2007. Curr Opin Neurobiol 17:22-8(非特許文献3))。したがって、Wntは、D-V軸に沿って保存されるトポグラフィックマッピング合図である。

0011

発生中の脊髄の交連軸索は、腹側正中線の方に、それぞれ正中線の底板細胞と蓋板細胞によって分泌される化学誘引物質(ネトリン-1およびソニックヘッジホッグ(Shh))と化学忌避物質(骨形成タンパク質(BMP))の協働によってガイドされる。この軸索は、底板に達したら、底板からの化学誘引物質に対する自身の応答性をスイッチオフし、同様に底板細胞によって、および周囲の腹側の灰白質によって発現される化学反発性合図、例えば、クラス3セマフォリンの構成員(Sema3BおよびSema3F)ならびにスリットファミリータンパク質に対して応答性になる(Serafini, T., et al. Cell 78, 409-424, 1994(非特許文献20); Kennedy, T. E., et al. Cell 78, 425-435, 1994(非特許文献21); Serafini, T., et al. Cell 87, 1001-1014, 1996(非特許文献22); Zou, Y., et al. Cell 102, 363-375, 2000(非特許文献23); Charron, F., et al. Cell 113, 11-23, 2003(非特許文献24); Long, H., et al. Neuron 42, 213-223, 2004(非特許文献25))。ニューロピリン-2変異型の胚は、重度のガイダンス欠陥を示し、例えば正中線に入ったり、脊髄の反対側に出たり、前後軸に沿ってランダムに伸長したりした(Zou, Y., et al. Cell 102, 363-375, 2000(非特許文献23))。

0012

SCI後のニューロンの成長および再生モジュレータの同定は、この衰弱性の病的状態を有する患者の新たな治療形態に応用することができよう。また、ニューロンの成長および再生のモジュレータの同定は、ニューロンの機能障害を伴う他の障害、例えば神経性/神経変性性の疾患または障害を有する患者の処置に応用することもできよう。脊髄に対する損傷後にA-P軸に沿った軸索の成長を促進させ得る作用物質は、多くの場合でSCIに伴う永久的な麻痺の抑制を補助するために適用され得る。したがって、より良好なSCIの処置の必要性が存在しており、ニューロンの成長および再生のモジュレータのさらに大きな理解によって、かかる神経性/神経変性性の疾患または障害の改善された処置方法がもたらされる可能性がある。

先行技術

0013

Zou, Y. 2004. TrendsNeurosci 27:528-32
Fradkin, et al. 2005. J Neurosci 25:10376-8
Zou & Lyuksyutova. 2007. Curr Opin Neurobiol 17:22-8
Salinas, et al. 2008. Annu Rev Neurosci 31 :339-358
Gordon & Nusse. 2006. J Biol Chem 281 :22429-33
Logan & Nusse. 2004. Annu Rev Cell Dev Biol 20:781 -810
Lyuksyutova et al. 2003. Science 302: 1984-8
Liu, et al. 2005. Nat Neurosci 8: 1151-9
Schmitt et al. 2006. Nature 439:31 -7
Wolf et al. 2008. J Neurosci 28:3456-67
Liu et al. 2008. The Journal of Neuroscience 28: 8376-8382
Zou et al. 2000. Cell 102:363-75
Yoshikawa et al. 2003. Nature 422:583-8
Keeble et al. 2006. J Neurosci 26:5840-8
Pan et al. 2006. Dev Cell 10:367-77
Hilliard et al. 2006. Dev Cell 10:379-90
Prasad & Clark. 2006. Development 133: 1757-66
Zou. 2006. Neuron 49:787-9
Sato et al. 2006. Nat Neurosci 9:67-75
Serafini, T., et al. Cell 78, 409-424, 1994
Kennedy, T. E., et al. Cell 78, 425-435, 1994
Serafini, T., et al. Cell 87, 1001-1014, 1996
Zou, Y., et al. Cell 102, 363-375, 2000
Charron, F., et al. Cell 113, 11-23, 2003
Long, H., et al. Neuron 42, 213-223, 2004

0014

本発明は、Wntの結合ドメインに特異的に結合する抗Ryk抗体または抗体断片がWnt-Rykシグナル伝達を阻害するという所見に基づいている。そのため、該抗Ryk抗体または抗体断片は、脊髄が損傷している場合の哺乳動物のニューロンの指向的成長をモジュレートするため、ならびにニューロンの変性を抑止するため、および神経変性疾患を処置するために使用され得る。

0015

したがって、一局面において、本発明は、Wntの結合ドメインに特異的に結合するか、あるいは、Wnt上の、参照抗体もしくは参照抗体断片が結合するのと同じエピトープに特異的に結合するか、またはWntに対する特異的結合について参照抗体もしくは参照抗体断片と交差競合(cross-compete)する単離された抗Ryk抗体または抗体断片を提供する。種々の態様において、該抗体もしくは抗体断片および/または該参照抗体もしくは参照抗体断片は、SEQID NO:5〜7もしくはSEQ ID NO:5、11および12に示すCDR配列を含む重鎖可変領域;ならびに/またはSEQ ID NO:1〜3もしくはSEQ ID NO:9、2および3に示すCDR配列を含む軽鎖可変領域を含む。種々の態様において、該抗体または抗体断片はWntの90〜183位のアミノ酸残基内のエピトープに特異的に結合する。種々の態様において、該抗体または抗体断片の重鎖可変領域は、SEQ ID NO:8または13に対する少なくとも85%の配列同一性、少なくとも90%の配列同一性、少なくとも95%の配列同一性または少なくとも99%の配列同一性を含むアミノ酸配列を含む。種々の態様において、該抗体または抗体断片の軽鎖可変領域は、SEQ ID NO:4または10に対する少なくとも85%の配列同一性、少なくとも90%の配列同一性、少なくとも95%の配列同一性または少なくとも99%の配列同一性を含むアミノ酸配列を含む。種々の態様において、該抗体または抗体断片は薬学的に許容される担体または賦形剤中において製剤化される。

0016

別の局面において、本発明は、本明細書に記載の単離された抗体または抗体断片をコードしている核酸配列を提供する。また、該核酸配列を含むベクター、例えば発現ベクターも提供する。また、該ベクターを含む宿主細胞、例えば哺乳動物宿主細胞も提供する。

0017

別の局面において、本発明は、治療剤、例えば細胞毒素または放射性同位体と連結された該単離された抗Ryk抗体または抗体断片のイムノコンジュゲートを提供する。別の局面において、本発明は、該単離された抗Ryk抗体または抗体断片とは異なる結合特異性を有する第2の機能性部分と連結された該単離された抗Ryk抗体または抗体断片を含む二重特異性分子、例えば二重特異性抗体を提供する。

0018

別の局面において、本発明は、WntとRykの相互作用干渉する方法を提供する。該方法は、WntとRykを含む試料を本明細書に記載の単離された抗体または抗体断片と接触させ、それによりWntとRykの相互作用に干渉することを含む。

0019

別の局面において、本発明は、ニューロンの変性を抑止する方法を提供する。該方法は、ニューロンを本明細書に記載の単離された抗体または抗体断片と接触させ、それにより該ニューロンの変性を抑止することを含む。種々の態様において、ニューロンの軸索の変性が抑止されるか、またはニューロンの細胞体の変性が抑止される。種々の態様において、軸索は脊髄交連神経軸索、上位運動ニューロンの軸索または中枢神経系の軸索である。種々の態様において、ニューロンは、損傷した脊髄のニューロン、感覚ニューロン運動ニューロン小脳顆粒ニューロン、後根神経節ニューロン、皮質ニューロン交換神経ニューロンまたは海馬ニューロンである。種々の態様において、ニューロンは神経移植片または神経移植組織の一部を形成する。種々の態様において、ニューロンはエクスビボまたはインビトロである。種々の態様において、神経移植片または神経移植組織は生物体、例えば哺乳動物またはヒトの一部を形成する。

0020

別の局面において、本発明は、神経性の疾患もしくは障害、例えば神経変性性の疾患もしくは障害を有するか、または該疾患もしくは障害を発症するリスクがある対象において、神経性の疾患または障害、例えば神経変性性の疾患または障害を処置する方法を提供する。該方法は、該対象に本明細書に記載の単離された抗体または抗体断片を投与し、それにより該対象の神経性の疾患または障害、例えば神経変性性の疾患または障害を処置することを含む。種々の態様において、神経変性疾患は筋萎縮性側索硬化症アルツハイマー病またはパーキンソン病である。

0021

別の局面において、本発明は、哺乳動物のニューロンの指向的成長をモジュレートするための方法を提供する。該方法は、ニューロンを本明細書に記載の単離された抗体または抗体断片と接触させ、それにより該ニューロン、脊髄交連神経軸索、上位運動ニューロンの軸索または中枢神経系の軸索の指向的成長をモジュレートすることを含む。種々の態様において、ニューロンは、損傷した脊髄のニューロン、感覚ニューロン、運動ニューロン、小脳顆粒ニューロン、後根神経節ニューロン、皮質ニューロン、交換神経ニューロンまたは海馬ニューロンである。種々の態様において、ニューロンは神経移植片または神経移植組織の一部を形成する。種々の態様において、ニューロンはエクスビボまたはインビトロである。種々の態様において、ニューロンの指向的成長がニューロンの再生を助長する。

0022

別の局面において、本発明は、そのゲノムがRyk遺伝子のヘテロ接合性またはホモ接合性欠失不活性化またはノックアウトを含むトランスジェニック非ヒト哺乳動物、例えばマウスを提供する。種々の態様において、マウスは表現型Frizzled3-/- Ryk+/-を有する。種々の態様においてマウスは、Ryk遺伝子の条件付き破壊、例えば、Ryk遺伝子の皮質脊髄路(CST)特異的破壊を含む。種々の態様において、破壊されたRyk遺伝子は、組換えRykアレル、選択可能マーカー、該選択可能マーカーに隣接しているfrt部位、および該アレルの一部分に隣接しているloxP部位を含む。該マーカーはPGK Neoであり得、loxP部位は該アレルの3〜6位のエキソンに隣接していてもよい。したがって、本発明ではまた、該トランスジェニック非ヒト哺乳動物に由来する単離された細胞も提供する。また、そのゲノムがRyk遺伝子のヘテロ接合性またはホモ接合性の欠失、不活性化またはノックアウトを含むトランスジェニック非ヒト哺乳動物を作製するためのベクターも提供する。例示的なベクターには、Ryk遺伝子の一部分であって、該Ryk遺伝子の3〜6位のエキソンが3’loxP部位および5’loxP部位に隣接されている、該Ryk遺伝子の一部分と、6位のエキソンと該5’loxP部位との間にある選択可能マーカーと、該選択可能マーカーに隣接しているfrt部位とが含まれ得る。

0023

別の局面において、本発明は、Ryk遺伝子の条件付き破壊、例えばRyk遺伝子内にCSTを標的とする破壊を有するノックアウトマウス作製方法を提供する。該方法は、上記のベクターをマウス胚ES細胞集団トランスフェクトすること、前記選択可能マーカーを発現しているトランスフェクトされたES細胞を選択すること、前記トランスフェクトされたES細胞を前記マウスの祖先胚内に導入すること、前記胚を満期まで発育させ、その生殖細胞系内にコンディショナルノックアウト構築物を有するキメラマウスを作製すること、前記キメラマウスを交配し、条件付きで破壊可能なRyk遺伝子を有するヘテロ接合体マウスを作製すること、および前記ヘテロ接合体マウスを、皮質脊髄軸索においてのみtdTomato発現を抑制するloxP隣接停止カセットを含むマウスと交配し、Ryk遺伝子の条件付き破壊、例えばRyk遺伝子内にCST特異的破壊を有するマウスを作製することを含む。

0024

別の局面において、本発明は、非定型プロテインキナーゼC(aPKC)またはMARK2の量、レベルおよび/または活性をモジュレートする作用物質のスクリーニング方法を提供する。例えば、本明細書において提供するのは、神経性の疾患または障害を処置するための治療剤のスクリーニングのスクリーニング方法である。該方法は、被験剤を本明細書に記載のトランスジェニック非ヒト哺乳動物に投与すること、および非定型プロテインキナーゼC(aPKC)もしくはMARK2タンパク質の量、aPKCもしくはMARK2の活性レベルまたはaPKCもしくはMARK2レベルのうちの少なくとも1つに対する該被験剤の効果を、該トランスジェニック非ヒト哺乳動物の少なくとも1つの疾患関連組織において評価することを含み、ここで、該被験剤を投与されていない同様のトランスジェニック非ヒト哺乳動物と比べたときの少なくとも1つの疾患関連組織における、aPKCタンパク質の量の減少、MARK2タンパク質の量の増加、aPKC活性レベルの低下、MARK2活性レベルの上昇、aPKCレベルの低下またはMARK2レベルの上昇のうちの少なくとも1つは、該被験剤が該神経性の疾患または障害の治療に役立つことを示す。

図面の簡単な説明

0025

図1A〜1Fは、aPKCの阻害により神経突起の変性およびニューロンのアポトーシス誘導されることを示す絵図およびグラフ図である。図1Aは、内在性aPKCが皮質ニューロンの細胞体(E16.5)(矢印)およびSMI-312+軸索(矢じり印)に局在することを示す。図1B〜1Fは、大脳皮質ニューロン内におけるPKCζ-WT、PKCζ-KDまたはPKCζ-T410Aの過剰発現を示す(pCIG2-EGFP対照として使用した)。図1Bは、組換えPKCζ-WTタンパク質はニューロンの細胞体(矢印)および突起(矢じり印)の両方に局在するが、PKCζ-KDおよびPKCζ-T410Aタンパク質は神経突起に存在しないことを示す。図1Cは、PKCζ-WTトランスフェクトニューロンにおける無傷の神経突起(普通の矢印)およびPKCζ-KDトランスフェクト細胞における断片化された神経突起(点線の矢印)(EGFPについて標識)を示す高倍率画像を示す。図1Dは、表示したプラスミドでトランスフェクトしたニューロンにおけるaCasp3免疫染色を示す。図1Eは、EGFP+ニューロンの総数において計数し、対照に対する%で表示した変性神経突起(Bの点線の矢印)を有するトランスフェクトニューロンの数を示す。図1Fは、EGFP+ニューロンの総数において計数したアポトーシストランスフェクトニューロン(aCasp3+EGFP+)の数を示す。データは平均±SEMで示している(図1Eはn=5つの実験、図1Fはn=3つの実験.*p<0.05、**p<0.01、ボンフェローニ事後検定を伴うANOVAスケールバー:200μm(図1B)、100μm(図1D)、50μm(図1Aおよび1C)。
図2A〜2Hは、aPKC阻害により、ニューロンの細胞体の死滅の前に起こる急速な軸索変性が誘導されることを示す絵図およびグラフ図である。図2Aおよび2Bは、10μMのミリストイル化aPKC PSで2時間処理したE16.5大脳皮質ニューロンにおける軸索変性を示す。変性軸索を有するニューロンの割合をニューロン(SMI-312+細胞)の総数において計数した。普通の矢印は無傷の軸索を有するニューロンを示し、点線の矢印のニューロンは数珠状の軸索を有し、矢じり印のニューロンは軸索がない。図2Cおよび2Dは、用量-(図2C)および時間-(図2D)依存性様式のaPKC PS誘導性軸索断片化を示す。図2Eは、aPKC PS処理によってPKCζ-T410のリン酸化が低減されたことを示す。細胞培養物を固定し、抗ホスホ-PKCζ-T410抗体で免疫標識した。P-PKCζ-T410の免疫反応性を、水(対照)または10μMのaPKC PSとともに2時間インキュベートしたニューロンの細胞培養物のニューロンの細胞体(矢印)において測定した。図2F〜2Iは、aPKC阻害によって誘導される軸索変性が細胞体の死滅の前に起こることを示す。皮質ニューロンを水(対照)または10μMのaPKC PSとともに2時間、4時間または24時間インキュベートし、固定し、SMI-312およびTUNEL(図2F)または活性化カスパーゼ-3について二重標識した。普通の矢印は、対照ニューロンおよびaPKC PSで処理したニューロンのTUNELについて標識した死んだニューロンの細胞体を示す。点線の矢印は、TUNELについて標識していない数珠状の軸索を有するニューロンを示す。グラフは、2時間、4時間または24時間のaPKC PS処理後に計数したSMI-312+ニューロンにおける変性軸索を有するニューロン(図2G)および死んだニューロン(TUNEL+(図2H)またはaCasp3+(図21))の割合を示す。データは平均±SEM(n=3つの実験)で示している。*p<0.05、**p<0.01、***p<0.001。図2B〜2D:ボンフェローニ事後検定を伴うANOVA;図2Eおよび2G〜2I:対応のないスチューデントt検定。スケールバー:50μm(図2Aおよび2F)、25μm(図2E)。
図3A〜3Iは、aPKCの阻害により、MARK2活性およびTauリン酸化の調節によって微小管不安定化されることを示す絵図およびグラフ図である。図3Aおよび3Bは、aPKCによって誘導される軸索変性が、タキソールで微小管を安定化させることにより一部抑制されることを示す。皮質ニューロンを10μMのタキソールとともに、2時間の7μMのaPKC PSの処理の前または該処理中に2時間インキュベートした。細胞を固定し、SMI-312抗体で免疫標識した。無傷の軸索を有するニューロンの割合をSMI-312+ニューロンにおいて計数した(図3B)。普通の矢印は、無傷の軸索を有するニューロンを示す。点線の矢印は、数珠状の軸索を有するニューロンを示す。矢じり印は、軸索のないニューロンを示す。図3C〜3Fは、水(対照)または10μMのaPKC PSとともに2時間インキュベートしたE16.5大脳皮質の細胞培養物のライセートのタンパク質で行ったウエスタンブロッティングの結果を示す。リン-タンパク質レベル濃度測定解析によって評価し、対応する総タンパク質およびアクチンまたはGAPDHを用いて標準化した(図3C〜3E)。Glu-チューブリンタンパク質レベルはGAPDHを用いて標準化した(図3F)。レーン1〜3およびレーン4〜6は、それぞれ対照およびaPKC PSの三連のものを示す。図3G〜3Iは、Tau-S262Aの過剰発現によってニューロンが、PKCζ-KDの過剰発現によって誘導される神経突起の変性から保護されることを示す。表示したプラスミドでトランスフェクトした3日間培養したE16.5皮質の細胞を、トランスフェクション後に2日間固定し、EGFPおよびaCasp3について免疫標識し、DAPIを用いて対比染色した。図3Hは、EGFP+ニューロンの総数において計数した変性神経突起を有するトランスフェクトニューロンの数を示す。図3Iは、EGFP+ニューロンの総数において計数したアポトーシストランスフェクトニューロン(aCasp3+EGFP+)の数を示す。データは平均±SEMで示している。図3B〜3F:n=3つの実験;図3Hおよび3I:n=4つの実験。*p<0.05、**p<0.01、***p<0.001、図3B〜3F:対応のないスチューデントのt検定;H,I:ボンフェローニ事後検定を伴うANOVA。スケールバー:50μm(図3A)、100μm(図3G)。
図4A〜4Eは、aPKC阻害によってJNK-cJunシグナル伝達経路が活性化されることを示す絵図およびグラフ図である。図4A〜4Cは、aPKC阻害されるとJNKのリン酸化が増大することを示す。ウエスタンブロッティングは、3日間培養し、水(対照)または10μMのaPKC PSとともに1時間または2時間インキュベートしたE16.5皮質ニューロン由来のタンパク質溶解物を用いて行った。図4Bおよび4Cは、濃度測定解析によって評価したリン-タンパク質レベルを示す。リン-タンパク質レベルを、対応する総タンパク質およびGAPDHを用いて標準化した。図4Dおよび4Eは、水(対照)または10μMのaPKC PSとともに1時間インキュベートした皮質ニューロン培養物がP-JNK T183/T185(D)またはP-c-Jun S63(図4E)について免疫標識されたことを示す。矢印は、aPKC PSで処理したニューロンにおける対照ニューロンと比べて高い免疫反応性を示す。データは平均±SEMで示している。n=3つの実験/群、*p<0.05、**p<0.01、対応のないスチューデントのt検定。スケールバー:100μm。
図5A〜5Fは、Rykが、aPKC阻害によって誘導される軸索の変性を促進させることを示す絵図およびグラフ図である。図5Aおよび5Bは、aPKC活性がRykKOマウスの皮質ニューロンの細胞培養物において高いことを示す。ウエスタンブロッティングは、インビトロで3日間培養したE16.5 Ryk野生型、ヘテロ接合性およびKO胚の皮質ニューロン由来のタンパク質溶解物を用いて行った。P-PKCζ-T410レベルを濃度測定解析によって評価し、総PKCζおよびGAPDHを用いて標準化した。図5Cおよび5Dは、モノクローナルRyk抗体が変性をブロックすることを示す。E16.5皮質ニューロンを、7μMのaPKC PSの2時間の処理前および処理中にモノクローナルマウス抗Ryk抗体(50μg/mlもしくは100μg/ml)または正常マウスIgG(100μg/ml)とともに2時間インキュベートした。細胞を固定し、SMI-312について免疫標識した。図5Dは、変性軸索を有するSMI-312+ニューロンの割合を示す。図5Eおよび5Fは、Rykノックアウトマウスでの変性の低減を示す。E16.5 WT(Ryk+/+)およびRyk KO胚(Ryk-/-)から個々に解離した皮質ニューロンを7μMのaPKC PSとともに2時間インキュベートした。細胞を固定し、SMI-312について免疫標識した。図5Fは、aPKC PSまたは水(対照)で処理したRyk+/+およびRyk-/-ニューロンにおける変性軸索を有するSMI-312+ニューロンの割合を示す。普通の矢印は、無傷の軸索を有するニューロンを示し、点線の矢印のニューロンは数珠状の軸索を有し、矢じり印のニューロンは軸索がない。データは平均±SEMで示している(図5A:Ryk+/+:n=3つの胚、Ryk+/- n=3つの胚、Ryk-/-:n=4つの胚;D:n=5つの実験;図5F:Ryk+/+:n=4つの胚、Ryk-/-:n=6つの胚)。*p<0.05、**p<0.001、***p<0.001;図5Bおよび5F:対応のないスチューデントのt検定、D:ボンフェローニ事後検定を伴うANOVA。スケールバー:100μm。
図6A〜6Eは、神経細胞死におけるRykとFrizzled3間の遺伝子相互作用を示す絵図およびグラフ図である。図6Aは、脳梁膨大後部(RSP)皮質の局在を示す低倍率のWT脳切片(Ryk+/+)を示す。図6Bおよび6Cは、aCasp3+細胞の数がRyk-/-胚においてRyk+/+マウスと比べて少ないことを示す。図6Dおよび6Eは、aCasp3+細胞の数がFrizzled3-/-胚のRSPにおいてFrizzled3+/+およびFrizzled3+/-マウスと比べて多いことを示す。Rykノックダウンにより、Frizzled3KOマウスのRSPにおける細胞死が低減される。データは平均±SEMで示している(Ryk+/+:n=6つの胚、Ryk+/-:n=4つの胚、Ryk-/-:n=5つの胚、Frizzled3+/+:n=4つの胚、Frizzled3+/-:n=6つの胚、Frizzled3-/-:n=8つの胚、Frizzled3-/- Ryk+/-:n=5つの胚)。*p<0.05、**p<0.01、**p<0.001。図6C:スチューデントのt検定、E:ボンフェローニ事後検定を伴うANOVA。HIPP:海馬、LV:側脳室、RSP:脳梁膨大後部皮質。スケールバー:500μm(図6A)、200μm(図6Bおよび6D)。
図7Aおよび7Bは、軸索の完全性および神経細胞の生存に対するaPKCの作用のモデルを示す絵図である。図7Aは、aPKCが発現され、活性である通常の条件においてaPKCがT585のリン酸化によってMARK2活性を阻害することを示す。Tauのリン酸化状態は低く、Tauは微小管に結合して安定化させ、軸索の完全性と神経細胞の生存を維持する。図7Bは、aPKCキナーゼ活性が低下または阻害されると、MARK2活性が増大し、Tauのその微小管結合ドメインのS262をリン酸化することを示す。超リン酸化Tauは微小管から剥離し、これにより微小管が不安定化される。微小管の破壊によってストレスキナーゼJNK/SAPK経路が活性化され、軸索の変性および神経細胞死がもたらされる。
図8A〜8Fは、Rykの条件付き欠失によって脊髄損傷からの運動機能回復が向上することを示す絵図およびグラフ図である。図8Aは、両側頚椎レベルS(CS)脊柱傷害実験の詳細の概要を示す時系列を示す。図8B〜8Cは、Rykコンディショナルアレルの作製を示す。図8Bは、3〜6位のエキソンにloxP部位を隣接させたことを示す。図8Cは、出生後0日目にAAV2/1シナプシンCreに感染させたマウス由来の出生後7日目の運動皮質抽出物ウエスタンブロットの結果を示す。完全長ブロットを図23Aおよび23Bに示した。図8Dおよび8Eは、相違する前肢筋肉群の運動ニューロンプールとの関係におけるCS傷害レベルを示す模式図を示す(McKenna, Prusky, and Whishaw, 2000を適合)。図8Fは、飼料ペレット取り出し課題の前肢伸ばし習熟に対する行動遂行能力を示し、両側の運動皮質におけるRykの条件付き欠失後の回復の向上を示す(n=2Sマウス(対照)、17匹のマウス(Ryk cKO)、21同腹由来、反復測定ANOVA P=0.0003、F(1,40)=16.0102)。データは平均±s.e.m.として示した。
図9A〜9Hは、Rykの条件付き欠失によって脊髄損傷後の皮質脊髄軸索の発が向上することを示す絵図およびグラフ図である。図9Aおよび9Bは、140μmの間隔をあけた8つの矢状方向連続凍結切片のtdTomato標識CST軸索の代表的な画像をGFAP星状膠細胞染色と損傷の中心で重ね合わせた画像である(1つの実験、n=12匹のマウス/群、11同腹由来;コンパスは背側(D)、腹側(V)、吻側(R)および尾側(C)を示す)。Rykの条件付き欠失を有するマウスの方が対照マウスよりも傷害の吻側と尾側の両方において側枝形成のレベルが大きかった(片側t-検定*P<O.OS)。図9Cおよび9Dは、それぞれ図9Aおよび9Bに示した囲みの領域(傷害部位の1.5mm尾側)のシングル共焦点平面の高倍率のものを示す。図9Eは、対照と比べたときの傷害の3mm吻側におけるtdTomato標識軸索(錐体標識に対して標準化)の脊柱(n=12匹のマウス/群、片側t-検定P=0.12、t(21)=1.198)および灰白質における合計を示す。Rykの条件付き欠失を有するマウスの方が対照マウスよりも傷害の吻側と尾側の両方において側枝形成のレベルが大きかった(n=12匹のマウス/群、片側t-検定*P<O.OS:吻側P=0.0499 t(19)=1.730、尾側P=0.0397 t(19)=1.855)。図9F〜9Hは、脊柱(図9F)または脊髄の灰白質(図9Gおよび9H)内の皮質脊髄軸索の分布を示す(軸索指数は、合計8つの矢状方向の脊髄凍結切片の0.411μm毎の閾値処理したピクセルを、横断方向の錐体の閾値処理したピクセルで割り算したものである)。図9Hは、図9Gの吻側側枝の拡大図である。CS損傷部位は0μmであり、吻側を負の数で、尾側を正で表す。図9Eのデータは、四分位数範囲とともに中央値で示しており、図9F〜9Hのデータは平均±s.e.m.で示している。
図10A〜10Dは、CS脊柱傷害後の皮質脊髄の連絡性の変化を示す絵図およびグラフ図である。図10Aおよび10Bは、皮質脊髄軸索の内側-外側の分布を示し、Rykの条件付き欠失後、主要な背側皮質脊髄路の近位(領域IおよびII)の側枝が最も高い増大を示す(n=12匹のマウス/群、片側t-検定*P<O.OS:II吻側P=0.0225 t(19)=2.146、II尾側P=0.0295 t(21)=1.996、I尾側P=0.0059 t(17)=2.819)。図10Cは、対照およびRykの条件付き欠失の両方のマウスがCS損傷部位の600μm吻側にシナプス前部密集(tdTomato標識皮質脊髄軸索とのvGlut1共局在)を示したことを示す(1つの実験、n=9匹のマウス/群)。図10Dは、CS損傷部位の600μm吻側の皮質脊髄の神経支配の内側-外側の分布を示す。データはすべて中央値および四分位数範囲で示した。
図11A〜11Fは、頚椎レベル3の二次損傷により回復の向上が消失することを示す絵図およびグラフ図である。図11Aは、両側CS脊柱傷害からの回復後の二次C3傷害実験の実験詳細の概要を示すタイムラインである。図11Bは、(図10C〜10E)に示した増大シナプス前部密集レベルより上の二次C3損傷の模式図である。図11Cは、飼料ペレット取り出し課題の前肢伸ばし習熟に対する行動遂行能力を示し、Rykの条件付き欠失後、第2のC3脊柱傷害による回復向上の消失を示す(1つの実験、n=8(対照シャム)、7(対照C3)、6(Ryk cKOシャム&C3)匹のマウス、14同腹由来のマウス、ANOVA P=0.0102 F(3)=4.7432、ボンフェローニ補正t-検定*P<0.05:1. Ryk cKOシャムと対照シャムの対比P=0.0106、2. Ryk cKOシャムとRyk cKO C3の対比P=0.0092)。図11D〜11Fは、二次C3脊柱傷害によりRyk条件付き欠失マウスにおける側枝形成レベルの向上が消失したことを示す。図11Dは、140μmの間隔をあけた8つの矢状方向連続凍結切片のtdTomato標識CST軸索の代表的な画像をGFAP星状膠細胞染色と損傷の中心で重ね合わせたものを示す(1つの実験、7匹の対照、6匹のRyk cKOマウス)。図11Eおよび11Fは、脊柱(図11E)または脊髄の灰白質(図11F)内の皮質脊髄軸索の分布を示す(軸索指数は上記のとおり)。C3損傷部位は0μmであり、吻側を負の数で、尾側を正で示す。図11Cのデータは中央値および四分位数範囲で示し、図11Eおよび11Fのデータは平均±s.e.m.で示す。
図12A〜12Iは、モノクローナルRyk抗体注入によって脊髄損傷からの機能回復が促進されることを示す絵図およびグラフ図である。図12Aは、髄腔内カテーテル挿入による抗体注入を示す模式図である。図12Bは、飼料ペレット取り出し課題の前肢伸ばし習熟に対する行動遂行能力を示し、Rykモノクローナル抗体を、損傷時点で開始して28日間注入したラットにおける回復の向上を示す(n=6匹のラット(IgG対照)、5匹のラット(Rykモノクローナル)、反復測定ANOVA P=0.0354、F(1,9)=6.113)。図12Cは、習熟歩行運動格子渡り課題に対する行動遂行能力がRykモノクローナル抗体注入によって影響されなかったことを示す。図12Dは、ウエスタンおよび免疫細胞化学検査により、RykモノクローナルがトランスフェクトCOS-7細胞において発現された完全長Rykタンパク質を認識することを示す。図12E〜12Hは、Rykモノクローナル抗体を注入したラットのBDA標識皮質脊髄軸索の方が対照マウスIgG注入ラットよりも側枝形成レベルが大きかったことを示す。図12Eおよび12Fは、280μmの間隔をあけた6つの矢状方向連続凍結切片のBDA標識CST軸索の画像をGFAP星状膠細胞とNG2の染色と損傷の中心で重ね合わせたものである。図12Gおよび5Hは、脊柱(図12G)または脊髄の灰白質(図12H)内の皮質脊髄軸索の分布を示す(軸索指数は、合計6つの矢状方向の脊髄凍結切片の0.741μm毎の閾値処理したピクセルを、横断方向の錐体の閾値処理したピクセルで割り算したものである)。CS損傷部位は0μmであり、吻側を負の数で、尾側を正で示す。図12Iは、対照と比べたときの5mmにわたる標準化した軸索側枝の合計を示す。Rykモノクローナル抗体を注入したラットの方が、対照マウスIgG注入ラットよりも傷害の吻側と尾側の両方において側枝形成レベルが大きかった(n=6匹のラット(IgG対照)、5匹のラット(Rykモノクローナル)、片側t-検定585*P<0.05:吻側P=0.0446 t(6)=2.000、尾側P=0.0196 t(6)=2.594)。図12B、12C、12Gおよび12Hのデータは平均±s.e.m.で示し、図12Iのデータは中央値および四分位数範囲で示している。
図13A〜13Cは、脊髄損傷からの回復の際の皮質マップ再組織化を示すグラフ図である。図13Aは、両側CS脊柱傷害後に毎週行動試験を伴う光遺伝学的マッピングの実験の詳細の概要を示す時系列である。図13Bは、ブレグマ(*)を基準にしたCS脊柱傷害前ならびにCS脊柱傷害後3日目、4週目および8週目の屈筋および伸筋の活性化のトポグラフィック再現である。データを、各位置での運動誘発に応答したマウスの総数で示し、薄い色は、多数のマウスが所与の位置において応答性であることを示す。各目盛は300μmを表す。図13Cは、その後のC3脊柱傷害によって、リモデリングされた回路崩壊され、一方、その後の錐体路切断術によって片側誘発運動アウトプットが消失することを示す。ともに損傷後3日目に測定した。
図14A〜14Fは、前肢の運動マップ再現域が、鎮静期の以前の後肢皮質領域に進入していることを示すグラフ図および絵図である。図14Aは、毎週の訓練を受けたマウスの脊髄損傷の皮質マップの再組織化であり、損傷後、どのようにマップの重心がシフトするかを示す。マーカーのサイズは、所与の筋肉群の誘発運動である運動を有するマウスのパーセンテージに比例している。図14Bおよび14Cは、肘伸筋運動マップが尾側および内側で、もともと後肢再現域が占めていた皮質にシフトしていることを示す。図14Dおよび14Eは、Rykの条件付き欠失を有するマウスの方が、CS傷害後4週目では肘屈筋の賦活に徹した割合が大きいこと(図14D)および逆に、伸筋の賦活に徹した運動皮質の割合が少ないこと(図14E)を示す(n=10(対照)11(Ryk cKO)匹のマウス、片側t-検定*P<0.05:肘の屈曲P=0.0347 t(19)=1.925、肘の伸展P=0.0460 t(16)=-1.791、データは平均±s.e.m.で示した)。図14Fは、軸索の可塑性によって媒介される異所性皮質運動領域の漸増のモデルである。脊柱損傷後、前肢領域の損傷レベルより上への即座の拡張が運動皮質内の外側連絡性によって媒介されるようである。Rykの条件付き欠失後の軸索可塑性および連絡性の増大により前肢運動皮質の新規な異所性領域の形成が駆動されるようである。
図15A〜15Dは、皮質マップの再組織化および脊髄損傷からの機能回復がリハビリ訓練に依存性でありことを示すグラフ図である。図15Aは、損傷後8週目に終末行動試験のみを伴う光遺伝学的マッピングの実験の詳細の概要を示す時系列である。図15Bは、毎週の行動試験なしでの、ブレグマ(*)を基準にしたCS脊柱傷害前ならびにCS脊柱傷害後3日目、4週目および8週目の肘の屈筋および伸筋の賦活のトポグラフィック再現である。図15Cは、CS脊柱傷害後8週目、毎週の行動試験をしたマウスは、Ryk cKOおよび対照のどちらも、8週目のみに試験したものより成績がよかったことを示す(n=10(毎週試験の対照)、11(毎週試験のRyk cKO)、5(8週目の試験のみの対照&Ryk cKO)匹のマウス、ANOVA P=0.0037 F(3)=5.7157、ボンフェローニ補正t-検定*P<0.05:1. Ryk cKO毎週と8週目のみ試験を対比P=0.0277、2.対照毎週と8週目のみ試験を対比P=0.0346、データは中央値および四分位数範囲で示した)。図15Dは、毎週の行動試験をした動物(黒×)では、損傷または遺伝型にかかわらず、手関節の運動と前肢伸ばし習熟遂行能力に強い相関性がみられたことを示す(n=84回の測定(4つの時間点、21匹のマウス)、二変量ピアソン相関性P、P<0.0001 p=0.665)。薄い青は濃度楕円である(a=0.95)。毎週の行動試験なしのマウスを赤で示す。
図16は、前肢表示(read)ビデオによる一連サンプルフレームを示す絵図である。この実施例は、C5脊柱傷害後13週目(C3偽手術1週目)において習熟前肢把持の回復を示す。成功裡の手伸ばしには、把持動作の使用が必要とされる。それは、掃き動作では、ペレットが飼料ペレットプラットフォーム(黒)と囲い本体の間の隙間、または囲いのワイヤフレームの床のいずれかから落ちることが生じ得るためである。
図17Aおよび17Bは、ラットへのRykモノクローナル抗体注入を示す絵図である。図17Aは、Rykモノクローナル抗体の特異性を示す。完全長のブロットを図23Aおよび23Bに示した。図17Bは、両側C5脊柱傷害後、ラットへのRykモノクローナル抗体注入の実験の詳細の概要を示す時系列である。
図18は、損傷の尾側にRykモノクローナル抗体注入後、軸索側枝形成が増大したことを示すグラフ図である。Rykモノクローナル抗体を28日間注入したラットの方が対照のIgG注入ラットよりも傷害の尾側において側枝形成レベルが大きかった(n=6(IgG対照)5(Rykモノクローナル)匹のラット、片側t-検定*P=0.0196 P=0.0196 t(6)=2.594、データは平均±s.e.mで示した)。損傷部位は0μmであり、尾側を正の数で示す。軸索指数(axon index)は、矢状方向の脊髄の閾値処理したピクセルを、横断方向の錐体の閾値処理したピクセルで割り算したものである。
図19は、光遺伝学的マッピングの例を示す絵図である。片側頭蓋窓を有する鎮静させたマウスを470nmLEDで、光ファイバーケーブルによって刺激し、筋肉の運動を誘発した。C5脊柱傷害前およびC5脊柱傷害の3日後の1匹の動物での運動マップの2つの例を示す。
図20は、毎週の訓練およびRykの条件付き欠失に応答した特性評価された運動アウトプットの経時的変化によって占められる運動皮質の割合を示すグラフ図である。
図21は、皮質マッピング実験で使用したマウスの前肢伸ばし習熟の回復を示すグラフ図である。前肢伸ばし習熟課題に対する行動遂行能力は、Rykの条件付き欠失後の反対側運動皮質における回復の向上を示す(C5傷害後1〜8週目、n=10(対照)11(Ryk cKO)匹のマウス、反復測定ANOVA P=0.0304 F(1,19)=5.472)。二次C3によってRykの条件付き欠失後の回復の向上が消失し(n=9(対照)8(Ryk cKO))、一方、片側錐体路切断術(n=8(対照)7(Ryk cKO))により、課題を行うマウスの能力が完全に消去される。データは平均±s.e.m.として示した。
図22は、特性評価された運動アウトプットによって占められる運動皮質の割合が、損傷後の訓練なしにおいて、比較的安定であることを示すグラフ図である。
図23Aおよび23Bは、図8Cおよび図17Aの全長ウエスタンブロットの結果を示す絵図である。図23Aは、図17AのRykモノクローナル抗体の特異性を示す。図23Bは、図8Cの出生後0日目にAAV2/1シナプシンCreに感染させたマウス由来の出生後7日目の運動皮質抽出物のウエスタンブロットを示す。対照として右側の2つのレーンに2つの別々のRyk KOマウス胚の皮質由来のE18.5皮質。同じブロットにGAPDHローディングコントロール。

0026

発明の詳細な説明
本発明は、Wntの結合ドメインに特異的に結合する抗Ryk抗体または抗体断片がWnt-Rykシグナル伝達を阻害するという所見に基づいている。そのため、本発明は、該抗Ryk抗体または抗体断片を用いてニューロン変性およびニューロンガイダンスをモジュレートするための方法を提供する。したがって、該抗Ryk抗体または抗体断片は、神経性の疾患もしくは障害、例えば神経変性性の疾患もしくは障害を有するか、または該疾患もしくは障害を発症するリスクがある対象において、神経性の疾患または障害、例えば神経変性性の疾患または障害を処置するため、および/または対象の脊髄損傷(SCI)を処置するために使用され得る。

0027

本発明の組成物および方法を説明する前に、本発明は、記載の具体的な組成物、方法および実験条件に限定されないことは理解されよう。それは、かかる組成物、方法および条件がさまざまであり得るためである。また、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるため、本明細書で用いている専門用語は具体的な態様を説明する目的のためにすぎず、限定を意図しないことも理解されよう。

0028

本明細書および添付の特許請求の範囲で用いる場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、本文中にそうでないことを明示していない限り、複数の言及を包含している。したがって、例えば、「その方法(the method)」に対する言及は1つもしくは複数の方法、および/または当業者が本開示を読むと自明になる本明細書に記載の型の工程などを包含している。

0029

「〜を含む(comprising)」という用語は、「〜を含む(including)」、「〜を含む(containing)」または「〜を特徴とする(characterized by)」と互換的に用いており、包含的またはオープンエンド文言であり、記載されていないさらなる要素または方法工程を排除しない。「〜からなる(consisting of)」という語句は、特許請求の範囲に明記されていない要素、工程または成分はいずれも排除する。「本質的に〜からなる(consisting essentially of)」という語句は、請求項の範囲を、明記された物質または工程および該請求項に記載の発明の基本的かつ新規な特徴に実質的に影響しないものに限定する。本開示では、これらの語句の各々の範囲に対応する本発明の組成物および方法の態様を想定している。したがって、記載の要素または工程を含む組成物または方法は、該組成物または方法が本質的に該要素または工程からなる、または該要素または工程からなる具体的な態様を想定している。

0030

特に定義していない限り、本明細書で用いる科学技術用語はすべて、本発明が属する技術分野の当業者に一般的に理解されているものと同じ意味を有する。本明細書に記載のものと同様または同等の任意の方法および材料が、本発明の実施または試験において使用され得るが、好ましい方法および材料を次に説明する。

0031

本明細書で用いる場合、「処置」もしくは「処置する」または「軽減する」または「軽快する」は、本明細書において互換的に用いている。これらの用語は、有益な結果または所望の結果、例えば非限定的に、治療有益性および/または予防有益性を得るためのアプローチをいう。治療有益性により、処置対象の原障害の根絶または軽快を意図する。また、治療有益性は、まだ原障害に罹患しているかもしれないが改善が患者において観察されるように原障害に伴う生理学的症状のうちの1つまたは複数の根絶または軽快を伴って得られる。予防有益性のためには、該組成物は、具体的な疾患を発症するリスクがある患者に、またはこの疾患の診断がなされ得なかったにもかかわらず疾患の生理学的症状の1つまたは複数が報告されている患者に投与され得る。処置には、疾患を予防すること、すなわち、疾患誘導前における保護的組成物の投与によって疾患の臨床症状が発現しないようにすること;疾患を抑制すること、すなわち、疾患の誘導性事象後だが臨床発現前または再発前における保護的組成物の投与によって疾患の臨床症状が発現しないようにすること;疾患を抑止すること、すなわち、臨床症状の発現を最初の出現後における保護的組成物の投与によって停止させること;疾患の再発を予防することおよび/または疾患を軽減すること、すなわち、臨床症状の最初の出現後における保護的組成物の投与によってその消退を引き起こすことが包含される。

0032

「有効量」または「治療有効量」という用語は、所望の生物学的結果が誘導されるのに充分な活性剤の量をいう。該結果は、疾患の徴候、症状もしくは原因の緩和、または生物学的系の任意の他の所望の改変であり得る。「治療有効量」という用語は、本明細書において、罹患領域に反復して長期間にわたって適用した場合、疾患状態の実質的な改善が引き起こされる任意の製剤量を表すために用いている。該量は、処置対象の病的状態、病的状態の進行段階ならびに適用される製剤の型および濃度に応じてさまざまである。任意の所与の場合における適切な量は、当業者に容易にわかるか、または常套的な実験法によって決定することができよう。

0033

「薬学的に許容される塩」という用語は、当技術分野において周知のさまざまな有機および無機対イオン、例えば一例にすぎないが、ナトリウムカリウムカルシウムマグネシウムアンモニウムテトラアルキルアンモニウムなどにより誘導される塩;ならびに分子が塩基性官能部を含む場合は、有機酸または無機酸の塩、例えば塩酸塩臭化水素酸塩酒石酸塩メシル酸塩酢酸塩マレイン酸塩シュウ酸塩などをいう。

0034

「対象」、「個体」または「患者」は、本明細書において互換的に用いており、脊椎動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトをいう。哺乳動物としては、非限定的に、マウス、サル、ヒト、飼養動物競技用動物および愛玩動物が挙げられる。また、インビトロで採取した、またはインビトロで培養した生物学的実体の組織、細胞およびその子孫も包含される。

0035

本明細書で用いる場合、「促進させる(promote)」もしくは「増大する(increase)」または「促進する(promoting)」または「増大する(increasing)」は、本明細書において互換的に用いている。これらの用語は、未処理細胞(組織または対象)との比較において被処理細胞(組織または対象)における測定対象パラメータ(例えば、活性、発現、シグナル伝達、ニューロン変性)の増大をいう。また、比較は、同じ細胞または組織または対象の処置前と処置後との間で行ってもよい。該増大は検出可能であるのに充分である。いくつかの態様では、被処理細胞における増大は、未処理細胞との比較において少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、1倍、2倍、3倍、4倍またはそれ以上である。

0036

本明細書で用いる場合、「阻害する(inhibit)」、「抑制する(prevent)」もしくは「低減させる(reduce)」または「阻害する(inhibiting)」、「抑制する(preventing)」もしくは「低減させる(reducing)」は、本明細書において互換的に用いている。これらの用語は、未処理細胞(組織または対象)との比較において被処理細胞(組織または対象)における測定対象のパラメータ(例えば、活性、発現、シグナル伝達、ニューロン変性)の減少をいう。また、比較は、同じ細胞または組織または対象の処置前と処置後との間で行ってもよい。該減少は検出可能であるのに充分である。いくつかの態様では、被処理細胞における減少は、未処理細胞との比較において少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%であるか、または完全に阻害される。いくつかの態様では、測定対象のパラメータは、未処理細胞との比較において被処理細胞において検出不可能である(すなわち、完全に阻害される)。

0037

用語「選択的阻害」または「選択的に阻害する」とは、生物学的に活性な作用物質に言及している場合、オフターゲットシグナル伝達活性と比べて標的との直接または間接的な相互作用により標的のシグナル伝達活性を優先的に低減させる、該作用物質の能力をいう。

0038

ポリペプチド」、「ペプチド」および「タンパク質」という用語は、本明細書において、アミノ酸残基のポリマーをいうために互換的に用いている。該用語は、1個または複数のアミノ酸残基が天然に存在している対応アミノ酸人工化学的模倣物であるアミノ酸ポリマー、ならびに天然に存在しているアミノ酸ポリマーおよび天然に存在していないアミノ酸ポリマーに適用される。

0039

「アミノ酸」という用語は、天然に存在しているアミノ酸および合成アミノ酸ならびに天然に存在しているアミノ酸と同様の様式で機能するアミノ酸アナログおよびアミノ酸模倣物をいう。天然に存在しているアミノ酸は、遺伝コードにコードされているもの、ならびに後で修飾されたアミノ酸、例えば、ヒドロキシプロリン、γ-カルボキシグルタメートおよびO-ホスホセリンである。アミノ酸アナログは、天然に存在しているアミノ酸と同じ基本化学構造、すなわち、水素に結合しているα炭素カルボキシル基アミノ基およびR基を有する化合物、例えば、ホモセリンノルロイシンメチオニンスルホキシド、メチオニンメチルスルホニウムをいう。かかるアナログは、修飾されたR基(例えば、ノルロイシン)または修飾されたペプチド主鎖を有するが、天然に存在しているアミノ酸と同じ基本化学構造を保持している。天然にコードされたアミノ酸は20種類の標準的なアミノ酸(アラニンアルギニンアスパラギンアスパラギン酸システイングルタミングルタミン酸グリシンヒスチジンイソロイシンロイシンリシン、メチオニン、フェニルアラニンプロリンセリントレオニントリプトファンチロシンおよびバリン)ならびにピロリシンおよびセレノシステインである。

0040

保存的修飾変異体」は、アミノ酸配列および核酸配列の両方に適用される。具体的な核酸配列に関して、保存的修飾変異体は、同一もしくは本質的に同一のアミノ酸配列をコードしている核酸、または核酸がアミノ酸配列をコードしていない場合は本質的に同一の配列をいう。遺伝コードの縮重のため、任意の所与のタンパク質は大量数の機能的に同一の核酸にコードされている。例えば、コドンGCA、GCC、GCGおよびGCUはすべて、アミノ酸のアラニンをコードしている。したがって、コドンによってアラニンが指定されるどの位置においても、該コドンは、コードされたポリペプチドが改変されることなく記載の対応する任意のコドンに改変することができる。かかる核酸の変異は「サイレント変異」であり、これは、ある1つの種の保存的修飾変異である。また、ポリペプチドをコードしている本明細書における核酸配列はどれも、該核酸の考えられ得るどのサイレント変異も示している。当業者には、核酸内の各コドン(通常、メチオニンの唯一のコドンであるAUGおよび通常、トリプトファン唯一のコドンであるTGGを除く)は、修飾されても機能的に同一の分子が得られ得ることが認識されよう。したがって、ポリペプチドをコードしている核酸の各サイレント変異は、記載の各配列において黙示的である。

0041

アミノ酸配列に関して、当業者には、コードされた配列内において1個のアミノ酸または少数割合のアミノ酸が改変、付加または欠失した核酸、ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質の配列の個々の置換体、欠失体または付加体は、該改変が、あるアミノ酸と化学的に類似したアミノ酸との置換をもたらす「保存的修飾変異体」であることが認識されよう。機能的に類似したアミノ酸をもたらす保存的置換の表は当技術分野において周知である。かかる保存的修飾変異体は、本発明の多形変異体、種間ホモログおよびアレルに追加的であり、これらを排除しない。

0042

以下の8つのグループは各々、互いに保存的置換体であるアミノ酸を含む:
1)アラニン(A)、グリシン(G);
2)アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E);
3)アスパラギン(N)、グルタミン(Q);
4)アルギニン(R)、リシン(K);
5)イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、バリン(V);
6)フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、トリプトファン(W);
7)セリン(S)、トレオニン(T);および
8)システイン(C)、メチオニン(M)(例えば、Creighton, Proteins(1984)参照)。

0043

保存的置換としては、例えば、塩基性同士、酸性同士、極性同士などの置換が挙げられ得る。かくして誘導されるアミノ酸セットは、構造上の理由で保存される可能性が高い。これらのセットは、ベン図の形態で示すことができる(Livingstone C. D. and Barton G. J.(1993) "Protein sequence alignments: a strategy for the hierarchical analysis of residue conservation" Comput. Appl Biosci.9: 745-756; Taylor W. R.(1986) "The classification of amino acid conservation" J. Theor. Biol.119; 205-218)。保存的置換体は、例えば、アミノ酸のグループ分けの一般に認められたベン図を示す以下の表に従って作製され得る。

0044

(表1)アミノ酸のグループ分け

0045

「配列同一性のパーセンテージ」は、最適にアラインメントされた2つの配列を比較ウィンドウにおいて比較することによって求められ、このとき、2つの配列の最適なアラインメントでは、比較ウィンドウ内のポリヌクレオチド配列部分は、付加または欠失を含まない参照配列(例えば、本発明のポリペプチド)と比べたとき、付加または欠失(すなわち、ギャップ)を含む場合があり得る。該パーセンテージは、両方の配列に同一の核酸塩基またはアミノ酸残基が存在する位置の数を調べてマッチした位置の数を得、マッチした位置の数を比較ウィンドウ内の位置の総数で割り算し、その結果に100を掛け算して配列同一性のパーセンテージを得ることにより計算される。

0046

「同一の」または「同一性パーセントという用語は、2つ以上の核酸配列またはポリペプチド配列の状況において、同じ配列である2つ以上の配列または部分配列をいう。2つの配列は、比較ウィンドウにおいて最大限対応度で比較およびアラインメントしたとき、または以下の配列比較アルゴリズムのうちの1つを用いて、もしくは手作業によるアラインメントおよび目視検査によって、指定された領域において測定したとき、該2つの配列が、明記されたパーセンテージの同じであるアミノ酸残基またはヌクレオチド(すなわち、明記された領域において、または明記されていない場合は配列全体において60%の同一性、任意で65%、70%、75%、80%、85%、90%または95%の同一性)を有する場合、「実質的に同一」である。本発明は、本明細書において例示したそれぞれのポリペプチド実質的に同一であるポリペプチド、ならびにその使用、例えば非限定的に、神経性の疾患または障害、例えば神経変性性の疾患または障害を処置または予防するため、および/またはSCIを処置するための使用を提供する。任意に、同一性は、少なくとも約50ヌクレオチド長である領域において、またはより好ましくは100〜500もしくは1000またはそれ以上のヌクレオチド長である領域において、あるいは参照配列の全長にわたって存在する。

0047

列比較では、典型的には、1つの配列を参照配列とし、これと被験配列を比較する。配列比較アルゴリズムを使用する場合、被験配列および参照配列をコンピュータに入力し、必要であれば部分配列の座標を指定し、配列アルゴリズムプログラムパラメータを指定する。デフォルトプログラムパラメータを使用してもよく、別のパラメータを指定してもよい。次いで、配列比較アルゴリズムより、プログラムパラメータに基づいて参照配列と比べた被験配列の配列同一性パーセントを計算する。

0048

「比較ウィンドウ」は、本明細書で用いる場合、20〜600、通常、約50〜約200、より通常では約100〜約150からなる群より選択される任意の1つの数の連続位置のセグメントとの参照を含み、このとき、配列は同じ数の連続位置の参照配列と、この2つの配列を最適にアラインメントした後に比較され得る。比較のための配列アラインメントの方法は当技術分野において周知である。比較のための配列の最適なアラインメントは、例えば、Smith and Waterman(1970)Adv. Appl. Math. 2:482cの局所相同性アルゴリズム、Needleman and Wunsch(1970)J. Mol. Biol. 48:443の相同性アラインメントアルゴリズム、Pearson and Lipman(1988)Proc. Nat'l. Acad. Sci. USA 85:2444の類似検索法、これらのアルゴリズムのコンピュータ実装(Wisconsin Genetics Software Package(Genetics Computer Group, 575 Science Dr., Madison, Wis.)内のGAP、BESTFIT、FASTAおよびTFASTA)、手作業によるアラインメントおよび目視検査(例えば、Ausubel et al, Current Protocols in Molecular Biology(1995別冊)参照)によって実施することができる。

0049

配列同一性および配列類似性のパーセントを求めるのに適したアルゴリズムの2つの例はBLASTおよびBLAST 2.0アルゴリズムであり、これらは、それぞれAltschul et al.(1977)Nuc. AcidsRes. 25:3389-3402、およびAltschul et al.(1990)J. Mol. Biol. 215:403-410に記載されている。BLAST解析を行うためのソフトウェアは、National Center for Biotechnology Informationから公衆利用可能である。このアルゴリズムは、最初に、データベース配列内の同じワード長とアラインメントしたときマッチするか、またはあるプラスの値の閾値スコアTを満足するかのいずれかである、クエリ配列内の長さWの短いワードを特定することにより、ハイスコアリングシーケンスペア(high scoring sequence pair)(HSP)を特定することを伴う。Tは隣接ワードスコア閾値と称される(Altschul et al, supra)。この最初にヒットした隣接ワードは、これを含むより長いHSPを見つけ出すための検索開始のためのシードとしての役割を果たす。ヒットしたワードを、累積アラインメントスコアが大きくなり得る限り、各配列に沿って両方向に拡張する。累積スコアを、ヌクレオチド配列について、パラメータM(マッチした残基ペアにはリワード(reward)スコア;常に>0)およびN(ミスマッチ残基にはペナルティスコア;常に<0)を用いて計算する。アミノ酸配列では、スコア行列を使用して累積スコアを計算する。各方向のヒットしたワードの拡張は:最大到達値からXという量、累積アラインメントスコアが低下したとき;1つもしくは複数のマイナススコアの残基アラインメントの蓄積のため、累積スコアがゼロもしくはそれより下になったとき;またはいずれかの配列が終了に達したときに停止する。BLASTアルゴリズムのパラメータW、TおよびXによってアラインメントの感度と速度が決定される。BLASTNプログラム(ヌクレオチド配列の場合)では、デフォルトとしてワード長(W)11、期待値(E)10、M=5、N=-4および両鎖の比較が使用される。アミノ酸配列では、BLASTPプログラムで、デフォルトとしてワード長3および期待値(E)10、ならびにBLOSUM62スコア行列(Henikoff and Henikoff(1989)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89: 10915参照)アラインメント(B)50、期待値(E)10、M=5、N=-4および両鎖の比較が使用される。

0050

また、BLASTアルゴリズムにより2つの配列間の類似性の統計解析も行う(例えば、Karlin and Altschul(1993)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:5873-5787参照)。BLASTアルゴリズムによってもたらされる類似性の測定の一例は最小和確率(smallest sum probability)(P(N))、これにより、2つのヌクレオチド間またはアミノ酸配列間のマッチが偶然に起こり得る確率が示される。例えば、核酸は、被験核酸参照核酸との比較における最小和確率が約0.2未満、より好ましくは約0.01未満、最も好ましくは約0.001未満である場合、参照配列と類似しているとみなされる。

0051

「核酸」は、デオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドおよび一本鎖または二本鎖のいずれかの形態のそのポリマーならびにその相補鎖をいう。この用語は、合成であるか、天然に存在しているか、天然に存在していない、参照核酸と同様の結合特性を有し、参照ヌクレオチドと同様の様式で代謝される、既知ヌクレオチドアナログまたは修飾された主鎖残基または結合を含む核酸を包含している。かかるアナログの例としては、非限定的に、ホスホロチオエートホスホルアミデートメチルホスホネートキラル-メチルホスホネート、2-O-メチルリボヌクレオチド、ペプチド-核酸(PNA)が挙げられる。

0052

本明細書で用いる場合、タンパク質の「ドミナントネガティブ変異型」という用語は、野生型の活性がなく、野生型の同じタンパク質も発現する細胞内で発現させると野生型タンパク質より優位になり、基質リガンドなどについて野生型タンパク質と効果的に競合し、それにより野生型分子の活性を阻害する変異型のポリペプチドまたは核酸をいう。ドミナントネガティブ変異型は、野生型タンパク質と実質的に類似している(すなわち、少なくとも約75%、約80%、約85%、約90%、約95%類似している)アミノ酸配列を有するポリペプチドであり得る。また、ドミナントネガティブ変異型は、野生型タンパク質の断片、例えば野生型タンパク質のC-ドメインを含むポリペプチドであってもよい。ドミナントネガティブ変異型は、野生型タンパク質の切断型形態であってもよい。

0053

マウスモデル
本明細書で用いる場合、「トランスジェニック生物体」は、まだ胚の段階で外来性DNAが導入された動物をいう。ほとんどの場合、トランスジェニックアプローチは、例えば、全転写単位をゲノム内に導入すること、あるいは既に存在している細胞内の遺伝子を上方調節もしくは下方調節または変異させることによるゲノムの特定の修飾が目的である。このような手順のうちのいくつかの手順の標的とされる特徴は、トランスジェニック技術を、ランダム変異を生殖細胞系統に付与する実験方法、例えば化学変異原の投与またはイオン化溶液での処理と区別する。トランスジェニック生物体は、遺伝子ノックアウトを有する生物体を含み得、または遺伝子変異誘導の結果であってもよい。

0054

「遺伝子ノックアウト」は、細胞内の内在性DNA配列にコードされたタンパク質の発現の部分抑制または完全抑制をいう。「ノックアウト」は、タンパク質コード遺伝子全体またはその一部分のターゲティングされた欠失によって行われ得る。あるいはまた、トランスジェニック生物体は、胚性幹細胞内における機能性タンパク質のターゲティングされた変異によっても得ることができる。その結果、該欠失または変異により、動物の全身の任意の細胞において通常発現されているタンパク質の発現が抑制または低減され得るか、あるいは、正常/野生型タンパク質とは異なる生物学的機能を有する変異型タンパク質の発現がもたらされる。

0055

ノックアウト動物」および「トランスジェニック動物」という用語は、標的指向化ベクターを用いた組換えによって所与の遺伝子が抑制または変異されているトランスジェニック動物をいう。この用語は、あらゆる世代の子孫を包含していることを意図していることを重要視されたい。したがって、初代動物およびそのF1、F2、F3などのすべての子孫が包含される。

0056

本明細書で用いる場合、「コンディショナルノックアウト」または「cKO」という語句は、非ヒトトランスジェニック哺乳動物、例えばマウスを示すために用いている場合、特定の組織において特定遺伝子のノックアウトを含むマウスをいう。遺伝子操作cKOマウスの作製は、特定のDNA配列、例えばノックアウト構築物/ベクターをマウスDNA内に挿入することを伴う。挿入された配列は、通常マウスには存在しない2つのDNA特異的酵素、frtリコンビナーゼフリッパーゼとしても知られている)およびCreリコンビナーゼによって認識される。Creリコンビナーゼ認識部位はloxP部位と称され、フリッパーゼ認識部位はfrt部位と称される。これらの酵素の各々は、認識部位に隣接されたDNA配列を切断して除去し得る。これにより、関心対象の遺伝子の機能性DNA配列が除去されていれば遺伝子機能の破壊がもたらされ得る。また、選択可能マーカー遺伝子をマウスに挿入すると、この導入によって、Cre組換えまたはフリッパーゼ認識部位を含む胚性マウス細胞(幹細胞)の選択が可能になる。得られるマウスはコンディショナルノックアウトマウスである。

0057

ノックアウト構築物は、細胞内に導入すると、該細胞内の内在性DNAにコードされたポリペプチドまたはタンパク質の発現の抑制(一部または完全な)をもたらす核酸配列、例えばDNA構築物である。例示的なノックアウト構築物を本明細書に示している。この構築物は、Ryk遺伝子の3位のエキソンの5'側に1つのloxP部位、および6位のエキソンの3'側に選択可能マーカーカセット、および該選択可能マーカーカセットの3'側に1つのloxP部位を含む。選択可能マーカーカセットは、選択可能マーカーの5'側と3'側にfrt部位を含み、かつ3'frt部位と選択可能マーカー遺伝子の間に存在する。好適な選択可能マーカーとしては、非限定的に、ネオマイシンピューロマイシンおよびハイグロマイシンが挙げられる。

0058

1つより多くのトランスジェニック構築物および/または1つより多くの導入遺伝子発現構築物を含む動物は、いくつかの方法のうちのいずれかで準備され得る。例示的な準備様式は、各々が所望のトランスジェニック表現型のうちの1つを含む一連の動物を作製することである。かかる動物を一連の交配、戻し交配および選択によって一緒に交配し、最終的に、所望のすべてのトランスジェニック形質および/または発現構築物を含む1匹の動物を作製する。ここで、この動物は、該構築物(1つもしくは複数)および/または導入遺伝子(1つもしくは複数)の存在以外、その他の点では野生型とコンジェニック(遺伝的に同一)である。

0059

胚性幹(ES)細胞は、典型的には、導入遺伝子の生殖細胞系への伝達がもたらされるように発生期の胚の生殖細胞系に組み込まれてその一部になる能力で選択される。したがって、そのような能力を有し得る任意のES細胞株が本明細書における使用に適している。ES細胞は、当業者に周知の方法、例えば、Doetschman et al.(1985)J. Embryol. Exp. Mol. Biol. 87:27-45)に記載のものを用いて作製され、維持される。任意のES細胞株が使用され得るが、選択される細胞株は、典型的には、トランスジェニック/ノックアウト構築物の生殖細胞系への伝達がもたらされるように発生期の胚の生殖細胞系に組み込まれてその一部になる細胞の能力で選択される。したがって、この能力を有すると考えられる任意のES細胞株が本明細書における使用に適している。ES細胞の作製のために典型的に使用されるマウス系統の一例は129J系統である。別のES細胞株はマウス細胞株D3(American Type Culture Collection、カタログ番号CKL 1934)である。さらに別のES細胞株はWW6細胞株(Ioffe et al.(1995)PNAS 92:7357-7361)である。細胞は、当業者に周知の方法、例えば、Robertson in: Teratocarcinomas and Embryonic Stem Cells: A Practical Approach, E. J. Robertson, ed. IRL Press, Washington, D.C.(1987)); Bradley et al.(1986)Current Topics in Devel. Biol. 20:357-371);およびHogan et al.(Manipulating the Mouse Embryo: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y.(1986))に示されたものを用いて培養され、ノックアウト構築物の挿入のために調製される。

0060

ES細胞内へのノックアウト構築物の導入は、当技術分野において周知のさまざまな方法、例えばエレクトロポレーションマイクロインジェクションおよびリン酸カルシウム処理などを用いて行われ得る。DNA配列の導入のためには、ノックアウトDNA構築物をES細胞に、選択された挿入方法に適切な条件下で添加する。細胞をエレクトロポレーションする場合は、ES細胞とDNA構築物を、エレクトロポレーション装置エレクトロポレーター)を用いて、使用のための製造業者ガイドラインに従って電気パルス曝露する。エレクトロポレーション後、細胞を適切なインキュベーション条件下で回復させる。次いで、細胞をノックアウト構築物の存在についてスクリーニングする。導入遺伝子を含む細胞(相同組換え体)のスクリーニングは、さまざまな方法を用いて行われ得る。例えば、本明細書に記載のように、細胞は、必要に応じて、そのDNAがポリメラーゼ連鎖反応PCR)による特異的プローブを用いたスクリーニングに利用可能となるように加工処理され得る。

0061

適切なES細胞が同定されたら、これを、標準的な方法を用いて胚内に導入する。これは、例えばマイクロインジェクションを用いて導入され得る。ES細胞の組込みが起こるのに適切な発生段階の胚は、例えば妊娠中の雌の子宮灌流によって得られる。例えば、発生から3〜4日目のマウス胚を採取し、マイクロピペットを用いてES細胞が注入され得る。胚内へのES細胞の導入後、胚を偽妊娠雌マウス子宮内に導入する。偽妊娠段階は、成功裡の着床の可能性を高めるために選択される。マウスでは、2〜3日間、偽妊娠の雌が適切である。

0062

着床した胚内へのES細胞の成功裡の組込みにより、キメラと称される子孫が得られる。変異型アレルを生殖細胞系統に伝達し得るキメラが標準的な方法によって同定される。キメラ同士を交配し、得られた子孫を所望の改変(例えば、修飾された組換えRykアレル)の存在についてスクリーニングする。これは、例えば、毛色に基づいて、または子孫からDNA(例えば、尻尾のDNA)を採取し、導入遺伝子について既知の方法(例えば、サザン解析ドットブロット解析、PCR解析)を用いて評価することによって行われ得る。また、導入遺伝子の発現も、既知の方法、例えばノザン解析またはPCR解析によって評価され得る(例えば、置き換えられた構築物が発現しているかどうかを調べるため)。子孫のDNA(例えば、尻尾のDNA)のサザンハイブリダイゼーションまたはPCR解析は、所望の遺伝型を同定するために実施され得る。完全にES細胞に由来するトランスジェニック非ヒト生物体を得るための好適な手法はWO98/06834に記載されており、参照により本明細書に組み入れられる。

0063

種々の態様において、本明細書に開示のcKOマウスは、少なくとも3つの要素:(1)標的遺伝子の重要部分に隣接している少なくとも2つの酵素特異的認識部位;(2)選択マーカー、例えば非限定的にネオマイシンをコードしている遺伝子;および(3)特定のマウス系統との交配の際の容易な取り出しのための選択マーカー遺伝子に隣接している少なくとも2つの酵素特異的認識部位を含む。非限定的な一例では、標的遺伝子の3〜6位のエキソンが重要部分として指定されている。一態様では、標的遺伝子の重要部分に隣接している酵素特異的認識部位がloxP部位である。別の態様では、選択マーカー遺伝子に隣接している酵素特異的認識部位がfrt部位である。

0064

上記のように、上記の「ノックアウト」および/または「ノックイン」構築物の相同組換えは、場合によっては稀であり、かかる構築物は、欠失のために標的とされている遺伝子に対して効果をもたず、本来は改変が意図されていなかった別の遺伝子が破壊されるように潜在的に組換えが起こり得る、ゲノムのランダムな領域に非相同的に挿入され得る。かかる非相同組換え事象は、上記の標的指向化ベクターを、これがいずれかの末端で負の選択可能マーカーに隣接されるように改良することにより選択除外され得る(特に、ジフテリア毒素遺伝子チミジンキナーゼ遺伝子の使用によって、そのポリペプチド産物は、当技術分野において周知の適切な組織培養培地(例えば、ガンシクロビルなどの薬物を含むもの)中の発現細胞株において選択除外され得る。得られた負の選択可能マーカーを含む標的指向化ベクターとゲノム間の非相同組換えは通常、これらの負の選択可能マーカー遺伝子の一方または両方の安定な組込みをもたらし、したがって、非相同組換えが起こった細胞は、適切な選択培地(例えば、ガンシクロビルなどの薬物を含む培地)中で培養することによって選択除外され得る。正の選択可能マーカーでの選択と負の選択可能マーカーでの選択除外を同時に行うと、変異が意図された遺伝子座において構築物による相同的組換えが起こった大量のクローン富化がもたらされる。得られた幹細胞株内の標的とされる遺伝子座における予測された染色体の改変の存在は、当技術分野の精通者に周知のサザンブロット解析手法によって確認され得る。あるいはまた、PCRを使用してもよい。

0065

トランスジェニック動物の他の作製方法もまた一般的に知られている。例えば、Manipulating the Mouse Embryo, (Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y., 1986)を参照のこと。また、リコンビナーゼ依存性トランスジェニック生物体を、例えば、相同組換えにより標的配列を、Ryk遺伝子の不活性化の組織特異的および/または一時的制御がリコンビナーゼ配列によって制御され得るように挿入することによって作製してもよい。

0066

したがって、一局面において、本発明は、そのゲノムがRyk遺伝子のヘテロ接合性またはホモ接合性の欠失、不活性化またはノックアウトを含むトランスジェニック非ヒト哺乳動物、例えばマウスおよびその作製方法を提供する。種々の態様において、マウスは表現型Frizzled3-/- Ryk+/-を有する。種々の態様において、マウスはRyk遺伝子の皮質脊髄路(CST)特異的破壊を含む。種々の態様において、破壊されたRyk遺伝子は、組換えRykアレル、選択可能マーカー、該選択可能マーカーに隣接しているfrt部位、および該アレルの一部分に隣接しているloxP部位を含む。該マーカーはPGK Neoであり得、loxP部位は該アレルの3〜6位のエキソンに隣接していてもよい。また、該トランスジェニック非ヒト哺乳動物に由来する単離された細胞も提供する。

0067

ニューロン
本明細書で用いる場合、「ニューロン」という用語は、ニューロンおよびその一部分または複数部分(例えば、ニューロンの細胞体、軸索または樹状突起)を包含している。「ニューロン」という用語は、本明細書で用いる場合、中心の細胞体あるいは神経細胞体、ならびに2つの型の伸長部または突起部:樹状突起(これにより、一般に、ニューロンの信号の大部分が細胞体に伝達される)、および軸索(これにより、一般に、ニューロンの信号の大部分が細胞体から効果器細胞、例えば標的ニューロンまたは筋肉に伝達される)を含む神経系の細胞を表す。ニューロンは、組織および器官からの情報を中枢神経系に伝達すること(求心性または感覚ニューロン)および中枢神経系からの信号を効果器細胞に伝達すること(遠心性または運動ニューロン)ができる。介在ニューロン呼称される他のニューロンは、中枢神経系(脳および脊柱)内のニューロン同士を連絡する。本発明による処置または方法に供され得るニューロンの型の一部の特定の具体的な例としては、小脳顆粒ニューロン、後根神経節ニューロンおよび皮質ニューロンが挙げられる。

0068

「ニューロンの変性」という用語は広義で用いており、ニューロンの細胞における任意の病的変化、例えば非限定的に、ニューロンの細胞の死滅または消失、細胞死の前に起こる任意の変化、およびニューロンの細胞の活性または機能の任意の低下または減損をいう。病的変化は自然発生的であってもよく、なんらかの事象によって誘導されてもよく、例えば、アポトーシスに付随する病的変化が挙げられる。ニューロンは、任意のニューロン、例えば非限定的に、感覚ニューロン、交感神経ニューロン、副交感神経ニューロン、または腸神経系のニューロン、例えば後根神経節ニューロン、運動ニューロン、および中枢神経系のニューロン、例えば脊髄のニューロンであり得る。ニューロンの変性または細胞の消失は、さまざまな神経性の疾患または障害、例えば神経変性性の疾患または障害の特徴である。いくつかの態様では、ニューロンが感覚ニューロンである。いくつかの態様では、ニューロンが運動ニューロンである。いくつかの態様では、ニューロンが、損傷した脊髄のニューロンである。

0069

いくつかの態様では、変性は、ニューロンの一部分、例えばニューロンの細胞体、軸索または樹状突起で起こる。したがって、変性は、ニューロンの変性した一部分または複数部分において抑止され得る。いくつかの態様では、ニューロンの軸索の変性が抑止される。いくつかの態様では、ニューロンの細胞体の変性が抑止される。軸索は任意のニューロンの軸索であり得る。例えば、いくつかの態様では、軸索が脊髄交連神経軸索または上位運動ニューロンの軸索または中枢神経系の軸索である。

0070

本明細書に記載のように、本開示の方法はインビボで、例えば神経変性疾患、神経系の障害または神経系に対する損傷の処置において行われ得る。また、該方法をインビトロまたはエクスビボで、例えばニューロン機能の検査試験および神経移植片またはトランスプラントの処理において行ってもよい。したがって、いくつかの態様では、ニューロンが神経移植片または神経移植組織の一部を形成する。いくつかの態様では、ニューロンがエクスビボまたはインビトロである。いくつかの態様では、神経移植片または神経移植組織が生物体、ヒトまたは非ヒト(例えば、哺乳動物、霊長類、ラット、マウス、ウサギウシイヌネコブタなど)の一部を形成する。

0071

軸索変性
軸索変性は、多くの神経系および神経変性の疾患/障害ならびに外傷性損傷に共通する特徴である。研究により、これは、ニューロンの細胞体の死滅とは独立してその死滅前に起こり得ることが示されている。しかしながら、軸索の変性および保護の基礎をなす分子機構および細胞機構は依然として不明である。軸索が病的な状態の際に活性化される変性経路または不活性化される保護経路解明することは、軸索の完全性を保持し、再生を向上させる特異的治療剤の開発に役立つであろう。

0072

神経系の発生期、軸索は、その成長を促進させる細胞外の信号ならびに成長を抑止する細胞外の信号に応答する。細胞外の一部の合図は軸索を高集積に向かって成長するよう誘引し、細胞外の他の一部の合図は軸索が高集積しないようにする。このような正反対の軸索応答を調節するシグナル伝達経路は、軸索の伸長および除去に対して意味深い効果を有するが、成熟軸索におけるその機能は充分に特性評価されていない。研究により、軸索ガイダンス分子が神経系の障害/神経変性性の障害、例えば筋萎縮性側索硬化症(ALS)において役割を果たすかもしれないことが示唆されている。

0073

非定型プロテインキナーゼC(aPKC)、例えばPKCζおよびPKCι/λは、多くの細胞プロセス、例えば細胞の分極および生存において非常に重要な役割を果たしている。ニューロンでは、aPKCが細胞極性(7〜13)、神経突起の分化(11〜13)および軸索ガイダンス(14)(15)に関与している。aPKCは、Wntへの軸索の誘引およびWnt-Frizzled3シグナル伝達による交連性軸索の前後軸方向の軸索ガイダンス(14)(15)を媒介する。aPKCは、そのPar6およびPar3との相互作用によって、微小管結合タンパク質Tauのリン酸化および微小管の会合に対する微小管親和性調節キナーゼMARK2の活性を調節することにより海馬ニューロンの軸索の特定に必要とされる(9)。ニューロンの分極の際、aPKCは、Wntシグナル伝達を媒介するdishevelled(Dvl)によって調節される(11)。また、aPKCは、神経細胞を含む多くのいろいろな細胞型における生存促進シグナル伝達にも関与している(16〜23)。しかしながら、ニューロンにおけるaPKCの生存促進性機能の基礎をなす機構は解明されていない。本開示により、ドミナントネガティブ構築物またはミリストイル化非定型PKC偽基質を用いたaPKCの阻害によって、軸索の変性およびニューロンのアポトーシスが促進されたことを示す。このような生化学的試験により、aPKCの阻害により、MARK2活性およびTauリン酸化の増大によって微小管の不安定化がもたらされ、JNK-cJun経路の活性化によって軸索変性、および最終的にニューロンの細胞体の死滅がもたらされることが示された。これは、aPKC/Par6/Par3がニューロンの極性に関与し、軸索の伸長を促進させるのと同じシグナル伝達機構である(9)。総合すると、このような結果は、aPKCが、最初の軸索発生時の軸索の伸長および軸索が形成された後の微小管の会合と安定性の促進による軸索の維持の両方に必要とされることを示している。

0074

Rykは、Wntに結合する非定型受容体型チロシンキナーゼである。興味深いことに、Rykは、発生期の軸索反発を媒介し(24〜27)、成人期では外傷性損傷後の軸索の可塑性を抑止する(28〜33)。損傷した背側脊髄内へのRykシグナル伝達をブロックすると軸索の退縮が抑制され、軸索の再成長が促進され得る(32)。最近、Ryk発現が、ALSの疾患進行初期段階のマウスモデルの腹側脊髄の運動ニューロンおよび軸索において高いことがわかり、Rykは、ALSにおいて神経変性を誘発する初期事象に関与しているかもしれないことが示唆された(6)。この研究では、まず、RykがaPKCを調節するかどうかが試験された。本明細書に記載の所見は、aPKC活性はRyk KOニューロンにおいて高かったことを示し、Rykは通常、aPKCを阻害している可能性があることが示唆される。これは、RykとaPKC間の相互作用の新規な知見であり、これもまた、Rykがどのようにして軸索反発を媒介するのかの理解に関連性があるかもしれない。

0075

次いで、Rykシグナル伝達をブロックすると、aPKC阻害によって誘導される軸索の変性が抑制され得るのかどうかが調べられ、Rykノックアウト(KO)マウスにおけるニューロン死が解析された。このような研究により、特異的抗体を用いて、またはRyk KOによってWnt/Rykシグナル伝達を阻害するとaPKC誘導性軸索変性が低減されたことが示されている。RykおよびFrizzled3KOマウスはともに出生時に死亡するため、出生前にニューロン死を受ける脳領域を探求した。新皮質と海馬の間に位置する皮質領域である脳梁膨大後部皮質(RSP)が、E18.5にaCasp3染色によって検出可能なニューロン死の明白な形跡を示すことがわかった。

0076

変性の促進におけるRykの提案された役割と整合して、アポトーシスがE18.5 Ryk KO胚において低減された。さらに、アポトーシスは、E18.5の時点でFrizzled3 KO胚のRSPにおいて大きく増大し、この増加はRyk+/- Frizzled3-/-胚において有意に低減されることがわかり、Frizzled3とRyk間の遺伝子相互作用が明らかになった。マウスのゲノムには10種類のFrizzledがあることに注意されたい。RSPのみがaCasp3免疫反応性の明白な増大を示したという事実は、この段階での皮質ニューロンの保護においてFrizzledファミリー構成員間の有意な機能の重複を示唆する。他の脳領域が後の時間点、例えば新生児段階において細胞死の増大を示す可能性があることは排除できない。Frizzled3 KO胚では、皮質のRSP領域のみが死の大きな増大(5倍)を示し、出生前ではこの領域が最も脆弱であることがさらに示唆された。興味深いことに、Rykを半分減らすと、死の増大が有意に低減された。

0077

反対の様式でaPKCを調節するこの2つの反対のWnt受容体間の遺伝子相互作用は、ニューロンの生存の調節におけるaPKCの重要な役割およびWntの複雑な機能のさらなる基礎となる。これもまた、Frizzled3が最初の軸索伸長後の脊髄運動の軸索生存に必要とされることを示す最近の研究と整合する(52)。また、別の最近の試験では、平面内細胞極性シグナル伝達経路が軸索ガイダンスを媒介し、aPKCが成長コアガイダンスにおける平面内細胞極性シグナル伝達の増幅に関与していることが示されている(53)(15)。研究により、Rykが平面内細胞極性シグナル伝達を阻害することが示されている(54)(55)。ここでは、データにより、RykとaPKCが軸索およびニューロンの生存の媒介において反対の役割を果たしていることが示されている。したがって、このような所見は、神経系によって神経回路が注意深く構成され、その破壊が神経系の障害/神経変性性の障害の原因となり得る複雑な分子シグナル伝達経路の解決に役立つであろう。

0078

ニューロン変性を抑止するための方法
したがって、本発明は、ニューロンを作用物質と接触させ、それによりニューロンの変性を抑止することにより神経細胞の成長をモジュレートするための方法および組成物を提供する。種々の態様において、作用物質は、Wntの結合ドメインに特異的に結合してWntシグナル伝達経路に影響を及ぼす抗Rykモノクローナル抗体または抗体断片であり得る。このような方法および組成物は、神経の成長および再生が有益であろう多種多様な治療状況において使用され得る。例えば、Wntシグナル伝達経路に影響を及ぼす抗Ryk抗体または抗体断片が、SCIを有する患者のA-P軸に沿って損傷したニューロンの軸索成長を刺激するために使用され得る。また、Wntはいくつかの脳内領域で発現されており、Wntシグナル伝達経路の成分が他の中枢神経系のニューロンの軸索にも存在することが観察されているため、本明細書に記載の抗Ryk抗体または抗体断片は、中枢神経系において軸索の成長および指向的ガイダンスをモジュレートするために使用され得ることが考えられ得る。

0079

いくつかの態様では、本明細書に記載の方法により、対照ニューロン集団と比べたとき、ニューロン集団の変性またはニューロン集団の軸索もしくは細胞体もしくは樹状突起もしくはニューロンの変性の少なくとも10%の低減(例えば、少なくとも15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%またはさらには100%の低減)がもたらされる。いくつかの態様では、本明細書に記載の方法により、1種類または複数の本明細書に記載の作用物質を投与しない対象において変性するニューロン(またはそのニューロンの細胞体、軸索もしくは樹状突起)の数と比べて対象において変性するニューロン(またはそのニューロンの細胞体、軸索もしくは樹状突起)の数の少なくとも10%の減少(例えば、少なくとも15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%またはさらには100%の減少)がもたらされる。いくつかの態様では、本明細書に記載の方法により、神経性の/神経変性性の疾患または障害および/または病的状態の1つまたは複数(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8または9つ)の症状の少なくとも10%の低減(例えば、少なくとも15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%またはさらには100%の低減)がもたらされる。いくつかの態様では、本明細書に記載の方法により、神経性の/神経変性性の疾患または障害および/または病的状態の発症の尤度の少なくとも10%の低減(例えば、少なくとも15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%またはさらには100%の低減)がもたらされる。

0080

ニューロン変性の阻害方法はインビトロ、インビボ、および/またはエクスビボ法を含む。いくつかの態様では、該方法はインビボで実施される、すなわち、ニューロン変性を抑止する作用物質が対象に投与される。いくつかの態様では、該方法はエクスビボで実施される、すなわち、処置されるニューロンが対象の神経移植片または神経移植組織の一部を形成している。いくつかの態様では、該方法はインビトロで実施される。

0081

ニューロン変性の阻害方法は、神経性の/神経変性性の疾患または障害を有すると新たに診断された患者あるいは新たな神経性の/神経変性性の疾患または障害を発症するリスクがある患者のニューロン変性を抑止または抑制するために使用され得る。他方において、ニューロン変性の阻害方法はまた、神経性の/神経変性性の疾患または障害に既に苦しんでいるか、またはその症状を有する患者のさらなるニューロン変性を抑止または抑制するために使用され得る。ニューロン変性の抑制にはニューロン変性を低減または抑止することが含まれ、これはニューロン変性の完全抑止または一部抑止によって特性評価され得る。これを、例えば神経系の機能の解析によって評価してもよい。

0082

脊髄損傷(SCI)
大部分の脊髄損傷患者不完全な傷害を有し、この場合、脊髄組織の複数の部分は無傷のままである。成人の損傷脊髄、特にグリア性瘢痕における強い抑止的環境および成人の軸索の低い成長ポテンシャルのため、元の連絡は通常、回復しない。それにもかかわらず、リハビリ訓練により複雑な回路でリモデリングが行われ、いろいろなレベルの機能回復が得られ得る。

0083

脊髄損傷後の皮質脊髄路の運動系の機能回復は、随意運動制御の回復に必須であるため非常に重要である。しかしながら、齧歯類では、皮質脊髄路(CST)の役割がより限定的であり、移動運動および後肢の使用に対する効果はほとんどない。それにもかかわらず、CSTは習熟前肢の運動制御に極めて重要である。主要CSTの脊柱傷害後、精緻な運動スキルは失われ、自発的回復の程度はさまざまである。

0084

損傷後、神経回路がどのようにして再組織化されて機能を回復するのかを理解するため、機能、解剖学および行動の分析を実施した。本開示により、皮質領域はもはや後肢のために使用されず、脊柱傷害後に機能回復を達成するために前肢の制御が漸増するというような運動皮質の再マッピングを示し、この再組織化には継続的な訓練が必要とされる。また、本開示により、軸索ガイダンス合図Wntに対する受容体Rykを除去すると、リハビリ訓練に伴ってより大きなCST軸索の可塑性および皮質回路のリモデリングがもたらされ、最大の機能回復がもたらされることを示す。Rykコンディショナルノックアウト損傷マウスで観察された皮質制御マップにおける、より緩徐持続性の変化は、Wnt-Rykシグナル伝達の非存在下で起こる脊髄および皮質の回路内での連絡性の変化の増大のためと思われる。以前に、Wnt-Rykシグナル伝達によって発生中の視覚系におけるトポグラフィックマップの形成が制御されていることが見出された。本開示により、成人期での脊髄損傷の運動皮質の再マッピングの制御におけるWnt-Rykシグナル伝達の新規な機能が明らかになっている。

0085

以前の研究により、発生期の軸索ガイダンスを調節するWntシグナル伝達は、成人の脊髄の損傷後、軸索の可塑性に対して有意義な効果を有することが実証されている。運動アウトプットマップを脊髄損傷後に特性評価すると、前肢の運動マップが損傷の影響を受けた近傍領域内に広がっていた。屈筋制御領域は、尾側および内側において、もともとは後肢運動を担っていた皮質領域内に広がっていることが観察された(図7A、7B、13Aおよび13B)。このような変化はステレオタイプであると思われ、それは、手関節の屈筋再現域は、霊長類における指再現域で観察されたシフトと同様、回復するにつれて内側へのシフトを示したためである(図7A、13Aおよび13B)。

0086

ニューロンにおけるWnt-Rykシグナル伝達の機能を詳しく試験するため、反発性Wnt受容体をコードするRykのコンディショナルアレルを作製し、運動皮質特異的ノックアウトを行い、次いで、頚椎レベル5(CS)の脊柱に傷害を作った。Rykコンディショナルノックアウト後、マウスは、前肢伸ばし習熟課題に関して、脊柱傷害後12週目に損傷前のピークレベルの81±7%まで回復したのに対して、野生型対照マウスでは60±5%にすぎなかった。C3の第2の脊柱傷害により機能回復が対照レベルまで低減されるため、このさらなる回復は、傷害のすぐ吻側の主要CSTセグメント(C3〜CS)に依存する。解剖学的解析により、CS損傷の上および下で有意に高いCSTの側枝発芽が示され、このような軸索側芽シナプス前斑点がみられた。

0087

光遺伝学的アプローチを使用し、運動皮質のアウトプットマップをモニタリングした。CS脊柱傷害の直後、大きく広がった皮質領域によって前肢の肘の屈曲が賦活され得るが、前肢伸展は失われることがわかった。経時的に、前肢の屈曲を賦活させる領域は縮小して元のサイズに戻り、後肢の賦活に使用されていた新たな領域が漸増して前肢の伸展を賦活した。C3における第2の傷害後、前肢の屈曲の制御は失われたが、前肢伸展の新たな制御は多くが影響を受けなかった。Ryk cKOでは、このような変化はより緩徐で持続的である。最後に、毎週の行動試験を行わなかったマウスは、限定的にすぎない習熟前肢回復示し、遂行能力は損傷後1週間目に試験したマウスのものと同様であった。毎週の試験がない場合、Rykの条件付き欠失とは関係なく皮質運動マップの精緻化も損なわれ、ターゲティングされた可塑性の重要性が強調された。

0088

運動アウトプットマップの改変は、長年、脊髄損傷患者において認められていたが、その神経回路機構はいまだに不明である。脊髄損傷後、1週間という早期に未処置切開後投射皮質脊髄路ニューロンが頚部脊髄内に発芽することが知られている。しかしながら、わずか3日後に観察された損傷レベルより上への運動マップの早期拡張が、発芽および新たな連絡性パターン確立のためであったとは考えにくい;むしろ、理論に拘束されないが、皮質内における外側阻害の消失のためであると考えられる。しかしながら、脊髄損傷後4週間までに、皮質マップは、頚部脊髄内のリモデリングされた皮質脊髄路の神経回路に対するアウトプットを反映しているようである。Ryk欠失後に誘導されるCST軸索側枝の数が多いほど、損傷部位に遠位運動単位との連絡のわずかな増大と損傷の吻側の運動単位との連絡のロバストな増大がもたらされることが観察された(図2Hおよび3D)。したがって、損傷レベルより上の連絡性の変化は、皮質マップの変化の主要源であり得る(図7F)。例えば、損傷後4週目の二頭筋の最初の拡張およびその後の8週目の縮小は、頚部脊髄内の前肢の運動単位まで通常伸長するCST側枝の最初の発芽と、その後のHebbian競合による刈り込みに起因し得る。三頭筋制御での後肢の皮質領域の漸増は、もともと後肢を制御していた皮質脊髄路のニューロンによる頚部脊髄の前肢運動単位とのデノボ連絡に起因し得る。このような側芽は、運動単位と直接接触するか、または脊髄固有のニューロンを用いて中継部を形成するかのいずれかであり得る。皮質脊髄路のニューロンにおけるRykの条件付き欠失により側枝の発芽が向上し、したがって、随意習熟前肢制御のより大きな回復の基礎と考えられるプロセスである脊髄回路がより多く漸増する。脊髄内への抗体注入実験の結果は、頚部脊髄における回路のリモデリングが機能回復の促進に充分であることを示唆する。しかしながら、一次運動野内における連絡性の変化もまた回路全体のリモデリングに寄与しているというのがもっともらしく思われる。

0089

他の下行性の経路もまた精緻な運動制御に関与しており、前肢伸ばし習熟課題に対するCSTインプットの消失を一部補償し得る。さらに、錐体に不完全な傷害を有する動物は、代償的前肢運動により、インタクト対照動物と同様の前肢伸ばし習熟の成功率を示すことが示されており、少数割合のおいておいたCSTが前肢伸ばし習熟課題に対する充分な(改変されている場合)機能を回復させ得ることを示す。Ryk cKOマウスの59%およびRykモノクローナル抗体注入動物の100%において、損傷前のピークレベルのレベルまたはそれより上までの前肢伸ばし習熟の回復が観察された。第2のC3傷害によって回復の向上がなくなるため、この充分な回復は、明らかに、傷害の吻側に新規なCST連絡を必要とする。CSTは前肢伸ばし習熟の制御を媒介する唯一の構成要素ではないが、本明細書に記載のマウスモデルにおける錐体路切断術によって手伸ばしおよび把持行動が完全に消失したため、これは機能の回復に必要とされる。霊長類よりも運動制御のためのCSTへの依存性が低い齧歯類では他の路の代償的可塑性によって駆動される回復が限定的であるため、このような結果は、少なくとも部分的なCST機能の回復が損傷後の運動制御の回復において極めて重要な構成要素であることを示唆する。

0090

また、傷害後にRyk機能をブロックすると機能回復の改善がもたらされるため、本開示により、Rykモノクローナル抗体が治療ツールとなり得ることを示す。本明細書において、前肢の機能のためのターゲティングされた可塑性(継続的な手伸ばしと把持の訓練)と分子操作を組み合わせることによって前肢の最大限の回復が達成され得ることが示された。したがって、他の機能のターゲティングされた可塑性を分子操作と組み合わせると他の運動機能または感覚機能の回復が可能になり得ることが予想される。大部分の患者は、回復のための下地となる不完全な脊髄損傷を有する。本開示により、回路の可塑性の促進が、不完全な脊髄損傷後に最大限の機能を回復するための有望なアプローチであることを示す。

0091

Wntペプチド
Wntは、広範な生物体の発生において役割を果たしている分泌型システインリッチグリコシル化タンパク質である。多くの多様な種が複数の保存されたWnt遺伝子を有しているため、Wntは、さまざまな発生過程および生理学過程において機能していると考えられている(McMahon, 1992; Nusse and Varmus, 1992)。Wnt増殖因子ファミリーは、哺乳動物において同定された少なくとも19個の遺伝子、例えばWnt1、Wnt2、Wnt2b、Wnt3、Wnt3a、Wnt4、Wnt5a、Wnt5b、Wnt 6、Wnt7a、Wnt7b、Wnt8Wnt8b、Wnt9a、Wnt9b、Wnt10a、Wnt10b、Wnt11およびWnt16を含む。他の脊椎動物種にも同様の数のWnt遺伝子が存在する(例えば、米国特許出願公開第2011/0065645号参照、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる)。もちろん、さらなるWntが将来、発見および/または特性評価されるかもしれず、当業者は、任意のかかるWntを本発明の状況において使用することができよう。さらに、当業者は、本明細書における教示を用いて、本発明の状況において任意の種のWntを取得および使用することができよう。

0092

抗Ryk抗体
本発明の抗体は、任意の適切な手段、例えば非経口、皮下、腹腔内、肺内鼻腔内および、局所処置が所望される場合は病変内投与によって投与され得る。非経口注入としては、筋肉内、静脈内、動脈内、腹腔内および皮下投与が挙げられる。また、抗体を、パルス式輸注によって、特に抗体用量の漸減を伴って投与してもよい。投薬は、一部において投与が短期か長期かにもよるが、任意の適切な経路、例えば注射、例えば静脈内または皮下注射により行われ得る。

0093

本明細書で用いる場合、「抗体」という用語は、ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体ならびにかかる抗体の抗原結合断片が包含されるように、その最も広い意味で用いている。抗体は、一部において、これが抗原に、特に抗原の1つまたは複数のエピトープに特異的に結合するという点で特性評価される。「特異的に結合する」または「特異的結合活性」という用語などは、抗体に関して用いる場合、抗体と特定のエピトープとの相互作用が少なくとも約1×10-6 M、一般的に少なくとも約1×10-7 M、通常、少なくとも約1×10-8 M、特に、少なくとも約1×10-9 Mもしくは1×10-10 Mまたはそれ未満の解離定数を有することを意味する。そのため、特異的結合活性を保持している抗体のFab、F(ab')2、FdおよびFv断片は抗体の定義に含まれる。

0094

「抗体」という用語は、本明細書で用いる場合、天然に存在している抗体ならびに天然に存在していない抗体、例えば、一本鎖抗体、キメラ、二元機能性およびヒト化抗体など、ならびにその抗原結合断片を包含している。かかる天然に存在していない抗体は固相ペプチド合成を用いて構築され得、組換え産生させてもよく、例えば、いろいろな重鎖といろいろな軽鎖からなるコンビナトリアルライブラリーをスクリーニングすることによって得てもよい(Huse et al, Science 246: 1275-1281, 1989参照、これは参照により本明細書に組み入れられる)。例えばキメラ抗体、ヒト化抗体、CDR-グラフト化抗体、一本鎖抗体および二元機能性抗体のこれらおよび他の作製方法は周知である(Winter and Harris, Immunol. Today 14:243-246, 1993; Ward et al, Nature 341 :544-546, 1989; Harlow and Lane, Antibodies: A laboratory manual(Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1999); Hilyard et al., Protein Engineering: A practical approach(IRL Press 1992); Borrabeck, Antibody Engineering, 2d ed.(Oxford University Press 1995);これらの各々は参照により本明細書に組み入れられる)。また、修飾もしくは誘導体化された抗体または抗体の抗原結合断片、例えばペグ化(ポリエチレングリコール修飾)抗体も、本発明の方法に有用であり得る。

0095

抗体は抗標的ポリペプチド活性について、当技術分野において周知のさまざまな方法を用いて試験され得る。種々の手法、例えば種々のイムノアッセイ、例えば酵素結合イムノソルベントアッセイELISA)、例えば直接リガンド捕捉ELISA、ラジオイムノアッセイRIA)、イムノブロッティング、および蛍光標示細胞分取(FACS)が、所望の特異性を有する抗体を同定するためのスクリーニングに使用され得る。確立された特異性を有するポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体のいずれかを用いる競合結合アッセイまたは免疫放射定量測定法のための数多くのプロトコルが当技術分野において周知である。かかるイムノアッセイは典型的には、標的ポリペプチドと特異的抗体との複合体の形成の測定を伴う。標的ポリペプチド上の2つの非干渉性エピトープに反応性のモノクローナル抗体を用いる2部位形式のモノクローナルベースのイムノアッセイが好ましいが、他のアッセイ、例えば競合結合アッセイもまた使用され得る。例えば、Maddox et al, 1983, J. Exp. Med. 158: 1211を参照のこと。

0096

本発明において使用される抗体の結合標的の位置は、該抗体の調製および投与に考慮され得る。結合標的が細胞内分子である場合、本発明の一部の特定の態様により、結合標的が存在している細胞内に導入される抗体またはその抗原結合断片を提供する。一態様において、本発明の抗体は、細胞内でイントラボディとして発現され得る。「イントラボディ」という用語は、本明細書で用いる場合、Marasco, Gene Therapy 4: 11-15, 1997; Kontermann, Methods34: 163-170, 2004;米国特許第6,004,940号および同第6,329,173号;米国特許出願公開第2003/0104402号ならびにPCT出願公開番号WO 03/077945に記載のような、細胞内で発現され、標的分子に選択的に結合し得る抗体またはその抗原結合部分をいう。イントラボディの細胞内発現は、所望の抗体またはその抗原結合部分(通常、該抗体または抗原結合断片をコードしている遺伝子に付随している野生型のリーダー配列および分泌シグナル部がないもの)をコードしている核酸を標的細胞内に導入することにより行われる。核酸を細胞内に導入する任意の標準的な方法、例えば非限定的に、マイクロインジェクション、バリスティックインジェクション(ballistic injection)、エレクトロポレーション、リン酸カルシウム沈殿リポソーム、ならびに関心対象の核酸を担持しているレトロウイルスアデノウイルスアデノ随伴ウイルスおよびワクシニアベクターでのトランスフェクションが使用され得る。

0097

別の態様では、インターライジング抗体を提供する。該抗体は、細胞内への抗体の送達を向上させる特定の特徴を有し得るか、またはかかる特徴を有するように修飾され得る。これを行うための手法は当技術分野において公知である。例えば、細胞内への取込みを助長するための抗体のカチオン化が公知である(例えば、米国特許第6,703,019号参照)。また、リポフェクションまたはリポソームも、抗体を細胞内に送達するために使用され得る。抗体断片が使用される場合、標的タンパク質の結合ドメインに特異的に結合する阻害性の最小断片が一般的に好都合である。例えば、抗体の可変領域の配列をベースにして、標的タンパク質の配列に結合する能力を保持しているペプチド分子が設計され得る。かかるペプチドは化学合成され得る、および/または組換えDNA技術によって産生され得る(例えば、Marasco et al, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 90:7889-7893, 1993参照)。

0098

標的細胞内へのモジュレータポリペプチドの侵入は、当技術分野において公知の方法によって向上させ得る。例えば、一部の特定の配列、例えばHIVTatまたはアンテナペディアホメオドメインタンパク質に由来のものは、細胞膜を通過する効率的な異種タンパク質の取込みを導くことができる(例えば、Chen et al, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 96:4325-4329, 1999参照)。

0099

結合標的が脳内に存在する場合、本発明の一部の特定の態様により、血液脳関門を通過する抗体またはその抗原結合断片を提供する。一部の特定の神経性の疾患/神経変性疾患には血液脳関門の透過性の高まりが付随し、そのため、該抗体または抗原結合断片は脳内に容易に導入され得る。血液脳関門が無傷のままである場合、これを通過して分子を輸送するための当技術分野において公知のアプローチがいくつか存在し、非限定的に、物理的方法、脂質ベースの方法、および受容体/チャネルベースの方法が挙げられる。

0100

血液脳関門を通過して抗体または抗原結合断片を輸送する物理的方法としては、非限定的に、血液脳関門を完全に回避すること、または血液脳関門内に開口部を作出することが挙げられる。回避方法としては、非限定的に、脳内への直接注射(例えば、Papanastassiou et al, Gene Therapy 9:398-406, 2002参照)、間質液中への注入/対流向上送達(例えば、Bobo et al, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 91 :2076-2080, 1994参照)、ならびに脳内への送達デバイスの埋め込み(例えば、Gill et al, Nature Med. 9:589-595, 2003;およびGliadel Wafers(商標), Guildford Pharmaceutical参照)が挙げられる。血液脳関門内に開口部を作出する方法としては、非限定的に、超音波(例えば、米国特許出願公開第2002/0038086号参照)、浸透圧(例えば、高張マンニトールの投与により(Neuwelt, E. A., Implication of the Blood-Brain Barrier and its Manipulation, Volumes 1 and 2, Plenum Press, N.Y., 1989))、例えばブラジキニンまたはパーミアライザー(permeabilizer)A-7による透過処理(例えば、米国特許第5,112,596号、同第5,268,164号、同第5,506,206号および同第5,686,416号参照)、ならびに抗体または抗原結合断片をコードしている遺伝子を含むベクターでの血液脳関門にまたがるニューロンのトランスフェクション(例えば、米国特許出願公開第2003/0083299号参照)が挙げられる。

0101

血液脳関門を通過して抗体または抗原結合断片を輸送する脂質ベースの方法としては、非限定的に、抗体または抗原結合断片を、血液脳関門の血管内皮上の受容体に結合する抗体結合断片カップリングさせたリポソーム内カプセル封入すること(例えば、米国特許出願公開第2002/0025313号参照)、および抗体または抗原結合断片を低密度リポタンパク質粒子(例えば、米国特許出願公開第2004/0204354号参照)またはアポリポタンパクE(例えば、米国特許出願公開第2004/0131692号参照)でコーティングすることが挙げられる。

0102

血液脳関門を通過して抗体または抗原結合断片を輸送する受容体/チャネルベースの方法としては、非限定的に、血液脳関門の透過性を高めるためにグルココルチコイドブロッカーを使用すること(例えば、米国特許出願公開第2002/0065259号、同第2003/0162695号および同第2005/0124533号参照);カリウムチャネルを活性化させること(例えば、米国特許出願公開第2005/0089473号参照)、ABC薬物トランスポーターを阻害すること(例えば、米国特許出願公開第2003/0073713号参照);抗体をトランスフェリンでコーティングし、1種類または複数種類トランスフェリン受容体の活性をモジュレートすること(例えば、米国特許出願公開第2003/0129186号参照)、ならびに抗体をカチオン化すること(例えば、米国特許第5,004,697号参照)が挙げられる。

0103

本発明の方法で使用される抗体組成物は、良好な医療行為に調和する様式で製剤化、服用および投与される。この状況において考慮される要素としては、処置対象の具体的な障害、処置対象の具体的な哺乳動物、個々の患者の臨床状態、障害の原因、作用物質の送達部位投与方法、投与のスケジューリング、および医療従事者に公知の他の要素が挙げられる。抗体は、そうである必要はないが任意で、対象の障害を予防または処置するために現在使用されている1種類または複数種類の作用物質とともに製剤化される。そのような他の作用物質の有効量は、製剤中の本発明の抗体の量、障害または処置の型、および上記に論考した他の要素に依存する。これらは一般的に、同じ投薬量で本明細書に記載の投与経路を用いて、または本明細書に記載の投薬量の約1〜99%、または任意の投薬量で、適切であると経験的/臨床的に判断された任意の経路によって使用される

0104

疾患の予防または処置では、抗体の適切な投薬量(単独または他の作用物質との併用で使用される場合の量)は、処置対象の疾患の種類、抗体の種類、疾患の重症度および過程、抗体が予防目的で投与されるのか治療目的で投与されるのか、治療歴、患者の病歴および抗体に対する応答、ならびに担当医の裁量に依存する。抗体は患者に一度に、または一連の処置で適切に投与される。疾患の種類および重症度にもよるが、例えば1回もしくは複数回の別々の投与または連続輸注のいずれかによる約1μg/kg〜15mg/kg(例えば、0.1mg/kg〜10mg/kg)の抗体が患者に対する投与のための候補初期投薬量であり得る。典型的な日投薬量の一例は、上記の要素にもよるが、約1μg/kg〜100mg/kgまたはそれ以上の範囲であり得る。数日間またはそれ以上にわたる反復投与では、病的状態にもよるが、処置は一般的に、疾患症状の所望の抑制が起こるまで持続され得る。抗体の例示的な投薬量の一例は約0.05mg/kg〜約10mg/kgの範囲であろう。したがって、約0.5mg/kg、2.0mg/kg、4.0mg/kgもしくは10mg/kg(またはその任意の組合せ)の1回用量または複数回用量が患者に投与され得る。かかる用量を、間欠的に、例えば、毎週または3週間毎に(例えば、患者が約2〜約20回または例えば約6回用量の抗体を受けるように)投与してもよい。最初に高負荷用量、続いて1回または複数回の低用量が投与され得る。例示的な投薬レジメンは、最初に約4mg/kgの負荷用量、続いて毎週の約2mg/kgの維持用量の抗体を投与することを含む。しかしながら、他の投薬量レジメンも有用であり得る。この治療の進行は慣用的な手法およびアッセイによって容易にモニタリングされる。

0105

いくつかの態様では、いろいろな抗体領域がIgGを参照して図示され、これは、4つのアミノ酸鎖(ジスルフィド結合によって相互に連結されている2つのより長い重鎖と2つのより短い軽鎖)を含む。重鎖および軽鎖は各々、定常領域と可変領域を含む。重鎖は重鎖可変領域と重鎖定常領域で構成されている。軽鎖は軽鎖可変領域と軽鎖定常領域で構成されている。種々の態様において、可変領域内には抗原特異性を担う3つの超可変領域がある。種々の態様において、超可変領域は相補性決定領域(CDR)と称され、フレームワーク領域(FW)と称されるより保存された隣接領域間に挟まれている。種々の態様において、重鎖および軽鎖の可変領域は、抗原と相互作用する結合ドメインを含む。

0106

したがって、一局面において、本発明は、Wnt-Rykシグナル伝達を阻害する抗Ryk抗体およびその機能性断片を提供する。種々の態様において、該抗体は、Wntの結合ドメインに特異的に結合してWnt-Rykシグナル伝達を阻害する単離されたモノクローナル抗体である。本発明の抗体の主要な領域の配列データを表2および3に示す。

0107

(表2)Ab5.5の配列データ

0108

(表3)Ab11.4の配列データ

0109

したがって、本発明は、Wntの結合ドメインに特異的に結合してWnt-Rykシグナル伝達を阻害する抗体を提供する。したがって、種々の態様において、本発明の抗Ryk抗体には、Wnt結合ドメインに対する結合に特異的な本明細書に記載の抗体可変領域内のCDRセットであるか、または該CDRセットに実質的に同一(例えば、本明細書に記載のものと少なくとも約80%同一、少なくとも約85%同一、少なくとも約90%同一、少なくとも約95%同一または少なくとも99%同一)の結合ドメインを有する任意のポリペプチドまたはタンパク質が包含される。特に、該抗体は、SEQID NO:1〜3またはSEQ ID NO:9、2および3に示すCDR配列を有する軽鎖可変領域;ならびにSEQ ID NO:5〜7またはSEQ ID NO:5、11および12に示すCDR配列を有する重鎖可変領域を有する。

0110

種々の態様において、軽鎖可変領域は、SEQID NO:4または10に対する少なくとも85%の配列同一性、任意でSEQ ID NO:4または10に対する少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する。さらなる態様では、軽鎖可変領域は、SEQ ID NO:4または10に対する少なくとも95%の配列同一性、任意でSEQ ID NO:4または10に対する少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する。さらなる態様では、抗Ryk抗体Ab5.5が、SEQ ID NO:4に示すアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を有する。さらなる態様では、抗Ryk抗体Ab11.4が、SEQ ID NO:10に示すアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を有する。

0111

種々の態様において、重鎖可変領域は、SEQID NO:8または13に対する少なくとも85%の配列同一性、任意でSEQ ID NO:8または13に対する少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する。さらなる態様では、重鎖可変領域は、SEQ ID NO:8または13に対する少なくとも95%の配列同一性、任意でSEQ ID NO:8または13に対する少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する。さらなる態様では、抗Ryk抗体Ab5.5が、SEQ ID NO:8に示すアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を有する。さらなる態様では、抗Ryk抗体Ab11.4が、SEQ ID NO:13に示すアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を有する。

0112

Wnt-Rykシグナル伝達結合を阻害するためのWntの結合ドメインに対する特異的結合が維持され得る限り、重鎖可変領域および軽鎖可変領域を、それぞれ他の軽鎖可変領域および他の重鎖可変領域と結合してもよいが、いくつかの態様では、抗Ryk抗体は、SEQID NO:8に示すアミノ酸配列に対する少なくとも85%の配列同一性を有する重鎖可変領域であって、SEQ ID NO:5〜7に示す3つのCDR配列をさらに有する重鎖可変領域;およびSEQ ID NO:4に示すアミノ酸配列に対する少なくとも85%の配列同一性を有する軽鎖領域可変領域であって、SEQ ID NO:1〜3に示す3つのCDR配列もまた有する軽鎖可変領域を含む。いくつかの態様では、抗Ryk抗体は、SEQ ID NO:13に示すアミノ酸配列に対する少なくとも85%の配列同一性を有する重鎖可変領域であって、SEQ ID NO:5、11および12に示す3つのCDR配列をさらに有する重鎖可変領域;およびSEQ ID NO:10に示すアミノ酸配列に対する少なくとも85%の配列同一性を有する軽鎖領域可変領域であって、SEQ ID NO:9、2および3に示す3つのCDR配列もまた有する軽鎖可変領域を含む。

0113

さらなる態様では、重鎖可変領域がSEQID NO:8のアミノ酸配列に対する少なくとも90%の配列同一性を有し、軽鎖可変領域がSEQ ID NO:4のアミノ酸配列に対する少なくとも90%の配列同一性を有する。なおさらなる態様では、重鎖可変領域がSEQ ID NO:8のアミノ酸配列に対する少なくとも95%の配列同一性を有し、軽鎖可変領域がSEQ ID NO:4のアミノ酸配列に対する少なくとも95%の配列同一性を有する。なおさらなる態様では、重鎖可変領域がSEQ ID NO:8のアミノ酸配列に対する少なくとも99%の配列同一性を有し、軽鎖可変領域がSEQ ID NO:4のアミノ酸配列に対する少なくとも99%の配列同一性を有する。抗Ryk抗体AB5.5では、重鎖可変領域がSEQ ID NO:8のアミノ酸配列を有し、軽鎖可変領域がSEQ ID NO:4のアミノ酸配列を有する。

0114

さらなる態様では、重鎖可変領域がSEQID NO:13のアミノ酸配列に対する少なくとも90%の配列同一性を有し、軽鎖可変領域がSEQ ID NO:10のアミノ酸配列に対する少なくとも90%の配列同一性を有する。なおさらなる態様では、重鎖可変領域がSEQ ID NO:13のアミノ酸配列に対する少なくとも95%の配列同一性を有し、軽鎖可変領域がSEQ ID NO:10のアミノ酸配列に対する少なくとも95%の配列同一性を有する。なおさらなる態様では、重鎖可変領域がSEQ ID NO:13のアミノ酸配列に対する少なくとも99%の配列同一性を有し、軽鎖可変領域がSEQ ID NO:10のアミノ酸配列に対する少なくとも99%の配列同一性を有する。抗Ryk抗体AB11.4では、重鎖可変領域がSEQ ID NO:13のアミノ酸配列を有し、軽鎖可変領域がSEQ ID NO:10のアミノ酸配列を有する。

0115

上記のように、本発明は、抗体のCDRの前後の配列において配列同一性パーセントの範囲内の変異を包含している。「配列同一性パーセント」という用語は、2つのアミノ酸配列またはポリヌクレオチド配列に関して、配列を最適にアラインメントしたとき、この2つの配列において同一である残基のパーセンテージをいう。したがって、80%のアミノ酸配列同一性は、最適にアラインメントされた2つのポリペプチド配列のアミノ酸のうち80%が同一であることを意味する。同様に、85%のアミノ酸配列同一性は、最適にアラインメントされた2つのポリペプチド配列のアミノ酸のうち85%が同一であることを意味し;90%、95%および99%のアミノ酸配列同一性は、それぞれ、最適にアラインメントされた2つのポリペプチド配列のアミノ酸のうち90%、95%および99%が同一であることを意味する。

0116

配列同一性における変異はCDR外においても許容される。これは、重鎖および軽鎖の可変領域内のすべてのアミノ酸残基がWntの結合ドメインでのRykとの結合に必要とされるとは限らないためである。CDR外の特定の領域において、例えばフレームワーク領域は、Ryk結合能を損なうことなく変異され得る。なおさらには、フレームワーク領域はさらに変異され得、したがって、異なる種の処置のためにCDRを適合させる場合、配列がさまざまになり得る。突然変異または変異は、以下の用語法:位置(#);置換されているアミノ酸残基(1つまたは複数)の使用によって記載され得る。この用語法によると、例えば、ある位置におけるアラニン残基グリシン残基での置換はA#Gと表示され得、ここで#は位置を表す。所与の位置のアミノ酸残基が2つ以上の代替的なアミノ酸残基で置換されている場合、これらの残基はカンマまたはスラッシュで分ける。例えば、アラニンのグリシンまたはグルタミン酸のいずれかでの置換は、#G/E、または#G,#Eと表示され得る。同じ位置におけるアラニンの欠失はAla#*もしくはA#*または*#Alaもしくは*#Aと示され得、ここで#は、そのアミノ酸の位置を示す。複数の変異はプラス記号またはスラッシュで分ける。例えば、アラニンおよびグルタミン酸がそれぞれグリシンおよびセリンで置換されたある位置(各々「#」で示す)の2つの変異は、A#G+E#SまたはA#G/E#Sと表示される。所与の位置#のアミノ酸残基が2つ以上の代替的アミノ酸残基で置換されている場合、これらの残基はカンマまたはスラッシュで分ける。例えば、位置#のアラニンのグリシンまたはグルタミン酸のいずれかでの置換は、A#G,EもしくはA#G/EまたはA#G,A#Eと表示される。修飾に適した位置#が本明細書においてなんら具体的な修飾を示すことなく特定されている場合、該位置に存在するアミノ酸残基は任意のアミノ酸残基に置換され得ることは理解されよう。したがって、例えば、位置#のアラニンの修飾に言及しているが明記していない場合、該アラニンは欠失しているか、または任意の他のアミノ酸残基(すなわち、R、N、D、C、Q、E、G、H、I、L、K、M、F、P、S、T、W、YおよびVのうちのいずれか1つ)と置換されているかであり得ることは理解されよう。

0117

戻ってSEQID NO:1〜13に言及するが、本発明は、抗Ryk結合活性を有するCDRセットの領域で規定され得る;しかしながら、好ましい態様では、該CDRペプチド(各々、1つのCDRに対応する)が連接されており、Wnt結合ドメインに対する特異的結合のための可変領域を有する抗Ryk抗体を形成している。この場合も、該抗体可変領域が、例えば、完全抗体、抗体断片(例えば、F(ab)、F(ab')2、scFv、ミニボディテトラディなど)または抗体もしくは抗体断片の組換え誘導体に存在し得る。いくつかの局面では、該抗体可変領域が組換え誘導体に存在する。組換え誘導体の例としては、一本鎖抗体、ダイアボディトリアボディ、テトラボディおよびミニ抗体が挙げられる。いくつかの態様では、抗Ryk抗体はまた、同じエピトープまたは異なるエピトープを認識する1つまたは複数の可変領域も含む。

0118

種々の態様において、本発明の抗Ryk抗体は、さらなる構成要素、例えば非限定的に、可変領域以外の構成要素、あるいは有用な活性および/またはさらなる活性をもたらすか、またはもたらすことを補助するさらなる可変領域を含んでいてもよい。有用な活性としては、例えば、抗体のエフェクター機能、例えば、抗体依存性細胞傷害食作用補体依存性細胞傷害および半減期/クリアランス速度が挙げられる。いくつかの態様では、抗体のエフェクター機能は、異なる宿主構成要素、例えばFcγ受容体、新生児Fc受容体(FcRn)およびC1qによって媒介される。種々の態様において、異なる型の抗体構成要素または改変体が、エフェクター機能を向上させるために使用される。有用な構成要素または代替物の例としては、非フコシル化オリゴ糖、より高い安定性を有するように改変されたアミノ酸、FcRnに対して向上した結合性を有するアミノ酸、Fcγ受容体に対する結合性の向上を伴うアミノ酸改変、およびFcγ受容体に対する結合親和性の低減を伴うアミノ酸改変の使用が挙げられる。

0119

種々の態様において、本発明の抗Ryk抗体は、該タンパク質の生理化学的特性を改変し、薬理学的利点をもたらすさらなる構成要素を含んでいてもよい。例えば、該分子へのポリエチレングリコール(「PEG」)の結合により、いくつかの態様では、治療薬として使用した場合の該分子の毒性が低減され、効率が増大することにより安全性が改善される。生理化学的改変としては、非限定的に、コンホメーション静電結合および疎水性の変化が挙げられ、これらが一緒に作用し、治療剤の全身性保持が増大し得る。さらに、PEG部分が結合することによって抗Ryk抗体またはその機能性断片の分子量が高まることにより、薬理学的利点としては、循環寿命延長、安定性の増大、および宿主のプロテアーゼからの保護の向上が挙げられ得る。また、PEGの結合は、細胞受容体に対する該治療性部分の結合親和性に影響し得る。PEGは、反復単位(-O-CH2-CH2-)で構成されて400〜15,000超の範囲の分子量のポリマーとなっている非イオン性ポリマーである(例えば、400,000もの分子量を有するPEGポリマーが市販されている)。PEGを組み込むための方法または長鎖PEGポリマーは当技術分野において周知であり(例えば、Veronese, F. M., et al., Drug Disc. Today 10: 1451-8(2005); Greenwald, R. B., et al, Adv. Drug Deliv. Rev. 55: 217-50(2003); Roberts, M. I, et al, Adv. Drug Deliv. Rev., 54: 459-76(2002)に記載)、その内容は参照により本明細書に組み入れられる。また、当技術分野において公知の他のポリマーコンジュゲーション法も本発明において使用され得る。

0120

したがって、抗Ryk抗体またはその機能性断片は、別の機能性分子、例えば別のペプチドまたはタンパク質(例えば、Fab断片)を用いて誘導体化されるか、該別の機能性分子と連結されるか、または該別の機能性分子と共発現され得る。例えば、該抗体は、1つまたは複数の他の分子実体、例えば別の抗体(例えば、二重特異性抗体もしくは多重特異的抗体を作製するため)、細胞毒素、細胞リガンドまたは抗原(例えば、イムノコンジュゲート、例えばイムノトキシンを作製するため)に機能的に連結され得る(例えば、化学的カップリング、遺伝子融合非共有結合性会合あるいは他の方法によって)。また、該抗体を他の治療性部分、例えば、放射性同位体、小分子抗がん薬抗炎症剤または免疫抑制剤と連結させてもよい。したがって、本発明は、多種類の抗体コンジュゲート二重特異性および多重特異性分子ならびに融合タンパク質を包含しており、これらはすべて、Wntの結合ドメインに特異的に結合するか、またはWnt上の、参照抗体もしくは参照抗体断片が結合するのと同じエピトープに特異的に結合するか、またはWntに対する特異的結合について本明細書に記載の参照抗体もしくは参照抗体断片と交差競合する。

0121

核酸
また、SEQID NO:1〜13のいずれかを含む抗Rykポリペプチド配列をコードしている核酸配列も提供する。抗Ryk抗体をコードしている組換え核酸は、事実上、抗Ryk抗体の工場としての機能を果たす宿主細胞内での発現に特に有用である。種々の態様において、核酸は、当技術分野において周知の標準的な手法、例えば、アルカリ/SDS処理、CsClを用いたバンド形成カラムクロマトグラフィーアガロースゲル電気泳動などおよび他のものによって精製されて他の細胞構成要素または他の夾雑物(例えば、細胞内に存在している他の核酸もしくはタンパク質)から離されている場合、単離されている。例えば、F. Ausubel, et al ed.(1987)Current Protocols in Molecular Biology, Greene Publishing and Wiley Interscience, New Yorkを参照のこと。種々の態様において、核酸は、例えばDNAまたはRNAであり、イントロン配列が含まれていても含まれていなくてもよい。好ましい一態様では、核酸がcDNA分子である。種々の態様において、組換え核酸は、宿主細胞ゲノムから自律的に存在するか、または宿主細胞ゲノムの一部として存在する抗Ryk抗体コード組換え遺伝子を供給する。

0122

いくつかの態様では、組換え遺伝子は、タンパク質をコードしている核酸とともにタンパク質発現のための調節エレメントを含有している。一般的に、組換え遺伝子内に存在させる調節エレメントとしては、転写プロモーターリボソーム結合部位ターミネーター、および任意で存在するオペレーターが挙げられる。プロモーターは、RNAポリメラーゼがDNAに結合してRNA合成を開始させることを指令するDNA配列と定義する。また、抗体関連イントロンを存在させてもよい。遺伝コードの縮重は、2種類を除くすべてのアミノ酸について、1つより多くのコドンが特定の1つのアミノ酸をコードしているということである。これにより、タンパク質をコードしている合成DNAであって、そのヌクレオチド配列が本明細書に開示のヌクレオチド配列と有意に異なるがそれでもかかるタンパク質をコードしている合成DNAの構築が可能になる。かかる合成DNAは本発明の範囲内であることを意図する。

0123

疾患
本明細書に記載の抗Ryk抗体または抗体断片は、ニューロン(例えば、軸索)変性を抑止するための方法において使用され得る。したがって、このような抗体または抗体断片は、例えば、(i)神経系の障害(例えば、神経性/神経変性性の疾患または障害)、(ii)神経系以外で一次作用を有する疾患、病的状態または治療に副次的な神経系の病的状態、(iii)物理的、機械的または化学的外傷によって引き起こされた神経系に対する損傷、(iv)疼痛、(v)眼関連神経変性、(vi)記憶力の低下、および(vii)精神障害の治療に有用である。このような疾患、病的状態および損傷の一例の非限定的な例を以下に示す。

0124

本発明に従って予防または処置され得る神経性/神経変性の疾患および病的状態の例としては、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、三叉神経痛舌咽神経痛ベル麻痺重症筋無力症筋ジストロフィー進行性筋萎縮症原発性側索硬化症PLS)、偽球麻痺進行性球麻痺、脊髄筋萎縮症、進行性球麻痺、遺伝性筋萎縮症、無脊椎動物の椎間板症候群(例えば、ヘルニア性破裂性および脱出性の椎間板症候群)、頸部脊椎症の障害、胸郭出口破壊症候群(thoracic outlet destruction syndrome)、末梢神経障害ポルフィリン症軽度認知障害、アルツハイマー病、ハンチントン病、パーキンソン病、パーキンソン・プラス病(例えば、多系統委縮症、進行性核上麻痺および大脳皮質基底核変性症)、レビー小体型認知症前頭側頭型認知症脱髄疾患(例えば、ギランバレー症候群および多発性硬化症)、シャルコー・マリー・ツース病(CMT;遺伝性運動感覚ニューロパチー(Hereditary Motor and Sensory Neuropathy(HMSN))、遺伝性感覚運動ニューロパチー(Hereditary Sensorimotor Neuropathy(HSMN))および腓骨筋萎縮症としても知られている)、プリオン病(例えば、クロイツフェルトヤコブ病ゲルストマンストロイスラー・シャインカー症候群(GSS)、致死性家族性不眠症FFI)、ならびに牛海綿状脳症BSE、狂病として一般的に知られている))、ピック病癲癇、ならびにAIDS認知症複合(HIV認知症、HIV脳症およびHIV関連認知症としても知られている)が挙げられる。

0125

また、本発明の方法は、眼関連神経変性ならびに関連する疾患および病的状態、例えば緑内障、格子状変性症、網膜色素変性症加齢性黄斑変性(AMD)、ウェット型またはドライ型AMDに随伴する光受容体変性、他の網膜変性視神経ドルーゼン視神経症および視神経炎の予防および処置にも使用され得る。本発明に従って予防または処置され得るいろいろな種類の緑内障の非限定的な例としては、原発緑内障(原発開放隅角緑内障慢性開放隅角緑内障、慢性単純性緑内障および単性緑内障としても知られている)、低眼圧緑内障、原発閉塞隅角(angle-closure)緑内障(原発閉塞隅角(closed-angle)緑内障、狭隅角緑内障瞳孔ブロック緑内障および急性鬱血性緑内障としても知られている)、急性閉塞隅角緑内障、慢性閉塞隅角緑内障、間欠性閉塞隅角緑内障、慢性閉塞開放隅角緑内障、色素性緑内障落屑緑内障(偽落屑緑内障または性緑内障としても知られている)、発育異常緑内障(例えば、原発先天性緑内障および小児緑内障)、続発性緑内障(例えば、炎症性緑内障(例えば、ブドウ膜炎およびフック虹彩毛様体炎))、水晶体起因性緑内障(例えば、成熟白内障を伴う閉塞隅角緑内障、水晶体嚢の破裂に副次的な水晶体過敏性緑内障、水晶体に有害な網破壊(phacotoxic meshwork blockage)による水晶体融解緑内障、およびレンズ亜脱臼)、眼内出血に副次的な緑内障(例えば、前房出血および溶血性緑内障、赤血球崩壊性緑内障としても知られている)、外傷性緑内障(例えば、隅角後退性緑内障、前房隅角に対する外傷性後退、術後緑内障、無水晶体瞳孔閉鎖(aphakic pupillary block)および毛様体ブロック緑内障)、血管新生緑内障薬物誘導性緑内障(例えば、コルチコステロイド誘導性緑内障およびα-キモトリプシン緑内障)、中毒性緑内障、ならびに眼内腫瘍網膜剥離、目の重度の化学火傷および虹彩萎縮と関連している緑内障が挙げられる。

0126

神経系以外で一次作用を有するいくつかの特定の疾患および病的状態が神経系にダメージをもたらす場合があり得、これは本発明の方法に従って処置され得る。かかる病的状態の例としては、例えば、糖尿病がん、AIDS、肝炎腎臓機能障害コロラドダニ熱ジフテリアHIV感染ハンセン病ライム病結節性多発性動脈炎関節リウマチサルコイドーシスシェーグレン症候群梅毒全身性エリテマトーデスおよびアミロイドーシスによって引き起こされる末梢神経障害および神経痛が挙げられる。

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