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課題・解決手段

異常なキナーゼ活性と関連する障害処置する方法であって、キナーゼが、IRAK3、GAK、TEC、PTK2B(PYK2)、AURKA、RPS6KAKRSK3)、MAPK9(JNK2)、BTK、PTK2又はAKT2であり、式(I):標的タンパク質バインダー-リンカー-IAPバインダー(I)の化合物を用いて前記キナーゼを分解する工程を含む、方法。

概要

背景

酵素の重要な大きいファミリータンパク質キナーゼ酵素ファミリーである。現在、約500の異なるタンパク質キナーゼが知られている。タンパク質キナーゼは、様々なタンパク質において、ATP-Mg2+複合体のγ-リン酸塩アミノ酸側鎖転移させることによる前記アミノ酸側鎖のリン酸化触媒として役立つ。これらの酵素は細胞内でシグナル伝達プロセスの大部分を制御し、それによって、タンパク質中のセリントレオニン及びチロシン残基ヒドロキシル基可逆的リン酸化を介して細胞機能成長分化及び破壊(アポトーシス)を管理する。研究により、タンパク質キナーゼはシグナル伝達、転写制御細胞運動性、及び細胞分裂を含む多くの細胞機能の重要なレギュレーターであることが示されている。いくつかの癌遺伝子がタンパク質キナーゼをコードすることも示されており、キナーゼ発癌においてある役割を果たしていることを示唆している。これらのプロセスは、多くの場合、それぞれのキナーゼ自体が1つ以上のキナーゼにより調節される複雑に噛み合った経路によって高度に調節されている。その結果として、異常又は不適当タンパク質キナーゼ活性はそのような異常なキナーゼ活性と関連する疾病状態の発生の一因となり得る。その生理学的な関連性、多様性及び遍在性(ubiquitousness)のため、タンパク質キナーゼは生化学及び医学研究において最も重要で広く検討されている酵素ファミリーの1つになっている。

酵素のタンパク質キナーゼファミリーは、典型的には、それらがリン酸化するアミノ酸残基に基づいて、タンパク質チロシンキナーゼ(PTK)及びタンパク質セリン/トレオニンキナーゼという2つの主要なサブファミリー分類される。セリン/トレオニンキナーゼ(PSTK)は、サイクリックAMP-及びサイクリックGMP-依存性タンパク質キナーゼ、カルシウム-及びリン脂質-依存性タンパク質キナーゼ、カルシウム-及びカルモジュリン-依存性タンパク質キナーゼ、カゼインキナーゼ細胞分裂周期タンパク質キナーゼなどを含む。これらのキナーゼは通常、細胞質性であるか、又はおそらくアンカータンパク質によって細胞の粒子状画分と会合している。異常なタンパク質セリン/トレオニンキナーゼ活性は、関節リウマチ乾癬敗血性ショック骨量減少、多くの癌及び他の増殖性の疾患等のいくつかの病理関与しているか又は疑われている。したがって、セリン/トレオニンキナーゼ及びそれらが一部となっているシグナル伝達経路は薬物設計の重要な標的である。チロシンキナーゼはチロシン残基をリン酸化する。チロシンキナーゼは細胞調節において同様に重要な役割を果たしている。これらのキナーゼは、成長因子及びホルモン等の分子のいくつかの受容体、例えば上皮成長因子受容体インスリン受容体血小板由来成長因子受容体などを含む。研究によって、多くのチロシンキナーゼは、その受容体ドメインが細胞の外部に、そのキナーゼドメインが内部に位置する膜貫通タンパク質であることが示されている。キナーゼモジュレーターを特定するための多くの研究も進行中である。

異常なキナーゼ活性に関連する障害の潜在的な治療としてキナーゼ活性阻害剤を特定することが望ましい。

小分子を用いる標的タンパク質の選択的な分解は様々な疾患の処置に対する新しいアプローチである。タンパク質分解誘導キメラ分子(Protacs)は、標的タンパク質及びE3ユビキチンリガーゼを同時に結合し、それによってリガーゼと標的を近接させることができる二官能性分子である。これらの二官能性分子はリガーゼ複合体から標的タンパク質への効率的なユビキチン転移を可能にし、これがその後プロテアソームにより認識され、分解される。この標的タンパク質の分解は、患者細胞中で前記標的タンパク質のレベルを効果的に下げることにより標的タンパク質を介して調節される疾患又は状態の処置を提供する。Protacsの利点は、実際上任意のクラス又はファミリーからの標的化タンパク質の分解/阻害と一致して、広い範囲の薬理学的活性が可能であることである。

E3ユビキチンリガーゼ(数百がヒトで知られている)はユビキチン化に対する基質特異性授与し、したがって、ある特定のタンパク質基質に対するその特異性のために一般的なプロテアソーム阻害剤より魅力的治療標的である。E3リガーゼに対するリガンドの開発は難題であることが分かっている。

リガンドベスタチンを介してタンパク質がE3リガーゼIAP(アポトーシス阻害剤)を標的とするために用いられるProtacsが提案されてきたが、成功は限定的である(例えば、Ohokaら、Cell Death and Disease、2014年、5巻、e1513参照)。残念ながら、ベスタチンは複数の活性を有する非特異的なリガンドである。それ自体が抗腫瘍薬として役立ち得るIAP阻害剤が知られており、例えば、L. Baiら Pharmacology & Therapeutics 144巻(2014年) 82〜95頁を参照されたい。アポトーシスは、プログラム細胞死の一形態であり、損傷した細胞又は不要な細胞を排除するために多細胞生物が利用する正常な細胞プロセスである。アポトーシスは、厳密に調節されたプロセスであり、アポトーシスの調節不良は、癌、自己免疫疾患、炎症、及び神経発生を含め、多くのヒトの疾患に関与している(Lowe S.W及びLin 2000年 Carcinogenesis 21巻(3号)、485〜495頁、Nicholson D.W. 2000年、Nature 407巻(6805号) 810〜816頁、Reed J.C. 2002年 Nat Rev Drug Discovery 1巻(2号) 111〜121頁)。

選択的IAP阻害剤は、例えば、WO2014031487、WO2014047024に開示されており、連結した二量体化合物について記載されている。WO2014055461は、二価化合物について記載し、WO2008128171、WO2008/016893、WO2014/060768、WO2014/060767、及びWO15092420は、IAP阻害剤について記載しているが、全てアポトーシスに伴う障害、特に癌の処置を目的としている。

概要

異常なキナーゼ活性と関連する障害を処置する方法であって、キナーゼが、IRAK3、GAK、TEC、PTK2B(PYK2)、AURKA、RPS6KAKRSK3)、MAPK9(JNK2)、BTK、PTK2又はAKT2であり、式(I):標的タンパク質バインダー-リンカー-IAPバインダー(I)の化合物を用いて前記キナーゼを分解する工程を含む、方法。

目的

この標的タンパク質の分解は、患者の細胞中で前記標的タンパク質のレベルを効果的に下げることにより標的タンパク質を介して調節される疾患又は状態の処置を提供する

効果

実績

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請求項1

式(I):標的タンパク質バインダー-リンカー-IAPバインダー(I)[式中、標的タンパク質は、IRAK3、GAK、TEC、PTK2B(PYK2)、AURKA、RPS6KA1(RSK3)、MAPK9(JNK2)、BTK、PTK2又はAKT2である]の化合物又はその薬学的に許容される塩。

請求項2

リンカーが、化学的リンカー基である、請求項1に記載の化合物又は薬学的に許容される塩。

請求項3

リンカー基が、最短で4〜20個の原子である、請求項1又は2に記載の化合物又は薬学的に許容される塩。

請求項4

リンカー基が、炭素原子4〜20個の直鎖アルキレン基であり、ここで、1つ以上の炭素原子が-O-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、ピペリジンピペラジンピリミジンピリジンから独立して選択される基で置き換えられている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物又は薬学的に許容される塩。

請求項5

リンカーが(キナーゼ阻害剤-IAP阻害剤の方向で)、 [式中、Xは、-O(CH2CH2)0〜4-であり、Yは、-CONH-、-O-又は-CO-である]である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物又は薬学的に許容される塩。

請求項6

IAP結合部分が一緒になって、式(II)、(IIII)、(IV(V)、(VI)、(VII)、(VIII)の化合物(リンカー位置が示されている)): [式中、R1及びR2は、独立して、場合により置換されたアルキル、場合により置換されたシクロアルキル、場合により置換されたシクロアルキルアルキル、場合により置換されたアリールアルキル、場合により置換されたアリールであり、或いは、R1及びR2は、独立して、場合により置換されたチオアルキルであり、ここで、チオアルキルのS原子に結合している置換基は、場合により置換されたアルキル、場合により置換された分岐アルキル、場合により置換されたヘテロシクリル、-(CH2)vCOR20、-CH2CHR21COR22又は-CH2R23であり、ここで、v=1〜3であり、R20及びR22は、OH、NR24R25又はOR26から独立して選択され、R21は、NR24R25であり、R23は、場合により置換されたアリール又は場合により置換されたヘテロシクリルであり、ここで任意の置換基には、アルキル及びハロゲンが含まれ、R24は、水素又は場合により置換されたアルキルであり、R25は、水素、場合により置換されたアルキル、場合により置換された分岐アルキル、場合により置換されたアリールアルキル、場合により置換されたヘテロシクリル、-CH2(OCH2CH2O)mCH3、又はポリアミン鎖であり、R26は、場合により置換されたアルキルであり、w=1〜8であり、ここで、任意の置換基は、OH、ハロゲン又はNH2であり、R3及びR4は、独立して、場合により置換されたアルキル、場合により置換されたシクロアルキル、場合により置換されたアリール、場合により置換されたアリールアルキル、場合により置換されたアリールアルコキシ、場合により置換されたヘテロアリール、場合により置換されたヘテロシクリル、場合により置換されたヘテロアリールアルキル又は場合により置換されたヘテロシクロアルキルであり、ここで、置換基は、アルキル、ハロゲン又はOHであり、R5、R6、R7及びR8は、独立して、水素、場合により置換されたアルキル又は場合により置換されたシクロアルキルであり、R9は、水素、場合により置換されたアルキル、場合により置換されたシクロアルキル又はCOアルキルである]或いは、その薬学的に許容される塩、 [式中、Rは、ここで、環Aは、C4〜8脂肪族環である、からなる群から選択され、ここで、B環は、アリール又は窒素原子を含有するヘテロアリールであり、B環は、場合により置換されており、一態様では、環Bは、フェニルナフチルピリジニルピラジニル又はピリミジニルである]或いは、その薬学的に許容される塩、 [式中、それぞれのYは、独立して、H又はC1〜3アルキルであり、Xは、CH、O又はN(ただし、リンカーに結合しているときはOであることができない)であり、Zは、C1〜3アルキルを示すか、又は存在せず、R1は、オキソであるか、又は存在しない]、 [式中、それぞれのYは、独立して、H又はC1〜3アルキルであり、Xは、CH、O又はN(ただし、リンカーに結合しているときはOであることができない)である]である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物又は薬学的に許容される塩。

請求項7

治療に使用するための、請求項1〜6のいずれか一項に記載の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩。

請求項8

標的タンパク質が介在する障害処置に使用するための、請求項1〜6のいずれか一項に記載の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩。

請求項9

請求項1〜6のいずれか一項に記載の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩、並びに薬学的に許容される担体希釈剤及び賦形剤のうちの1つ以上を含む、医薬組成物

請求項10

治療有効量の請求項1〜6のいずれか一項に記載の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与する工程を含む、対象において標的タンパク質が介在する障害を処置する方法。

請求項11

標的タンパク質が介在する障害の処置に使用するための医薬の製造における、請求項1〜6のいずれか一項に記載の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用。

請求項12

請求項1〜6のいずれか一項に記載の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩、及び少なくとも1つの更なる治療薬を含む、組み合わせ。

請求項13

治療に使用するための、請求項1〜6のいずれか一項に記載の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩及び少なくとも1つの更なる治療薬を含む、組み合わせ。

請求項14

請求項1〜6のいずれか一項に記載の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩、及び少なくとも1つの更なる治療薬、及び薬学的に許容される担体、希釈剤及び賦形剤のうちの1つ以上を含む組み合わせを含む、医薬組成物。

請求項15

標的タンパク質が介在する障害の処置に使用するための、請求項1〜6のいずれか一項に記載の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩、及び少なくとも1つの更なる治療薬を含む、組み合わせ。

請求項16

標的タンパク質が介在する障害を処置する方法であって、治療有効量の請求項1〜6のいずれか一項に記載の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩、及び少なくとも1つの更なる治療薬を含む組み合わせを、それを必要とするヒトに投与する工程を含む、方法。

請求項17

標的タンパク質が介在する障害を処置するための医薬の製造における、請求項1〜6のいずれか一項に記載の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩、及び少なくとも1種の更なる治療薬を含む、組み合わせの使用。

請求項18

標的タンパク質を分解する方法であって、治療有効量の請求項1〜6のいずれか一項に記載の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩を、それを必要とするヒトに投与する工程を含む、方法。

請求項19

異常なキナーゼ活性に関連する障害を処置する方法であって、キナーゼがIRAK3、GAK、TEC、PTK2B(PYK2)、AURKA、RPS6KA1(RSK3)、MAPK9(JNK2)、BTK、PTK2又はAKT2であり、前記方法が前記キナーゼを分解する工程を含む、方法。

請求項20

IRAK3、GAK、TEC、PTK2B(PYK2)、AURKA、RPS6KA1(RSK3)、MAPK9(JNK2)、BTK、PTK2又はAKT2から選択される標的タンパク質を分解する方法であって、直接又は連結部分を介して連結されたE3リガーゼ結合部分及び標的タンパク質結合部分を含むProtac化合物又はその薬学的に許容される塩を構築し、こうして標的タンパク質をE3リガーゼに動員し、リガーゼから標的タンパク質へのユビキチン転移を可能にし、プロテアソームにより認識され、分解されることを可能にすることによる、方法。

請求項21

Protacが、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩である、請求項15に記載の方法。

技術分野

0001

本発明は、化合物、前記化合物を含有する組成物、組み合わせ、及び医薬、並びにそれらの製造法に関する。本発明はまた、前記化合物、組み合わせ、組成物、及び医薬の使用、例えば、標的タンパク質の分解などの標的タンパク質の活性阻害剤としての使用、並びに標的タンパク質が介在する障害処置にも関する。

背景技術

0002

酵素の重要な大きいファミリータンパク質キナーゼ酵素ファミリーである。現在、約500の異なるタンパク質キナーゼが知られている。タンパク質キナーゼは、様々なタンパク質において、ATP-Mg2+複合体のγ-リン酸塩アミノ酸側鎖転移させることによる前記アミノ酸側鎖のリン酸化触媒として役立つ。これらの酵素は細胞内でシグナル伝達プロセスの大部分を制御し、それによって、タンパク質中のセリントレオニン及びチロシン残基ヒドロキシル基可逆的リン酸化を介して細胞機能成長分化及び破壊(アポトーシス)を管理する。研究により、タンパク質キナーゼはシグナル伝達、転写制御細胞運動性、及び細胞分裂を含む多くの細胞機能の重要なレギュレーターであることが示されている。いくつかの癌遺伝子がタンパク質キナーゼをコードすることも示されており、キナーゼ発癌においてある役割を果たしていることを示唆している。これらのプロセスは、多くの場合、それぞれのキナーゼ自体が1つ以上のキナーゼにより調節される複雑に噛み合った経路によって高度に調節されている。その結果として、異常又は不適当タンパク質キナーゼ活性はそのような異常なキナーゼ活性と関連する疾病状態の発生の一因となり得る。その生理学的な関連性、多様性及び遍在性(ubiquitousness)のため、タンパク質キナーゼは生化学及び医学研究において最も重要で広く検討されている酵素ファミリーの1つになっている。

0003

酵素のタンパク質キナーゼファミリーは、典型的には、それらがリン酸化するアミノ酸残基に基づいて、タンパク質チロシンキナーゼ(PTK)及びタンパク質セリン/トレオニンキナーゼという2つの主要なサブファミリー分類される。セリン/トレオニンキナーゼ(PSTK)は、サイクリックAMP-及びサイクリックGMP-依存性タンパク質キナーゼ、カルシウム-及びリン脂質-依存性タンパク質キナーゼ、カルシウム-及びカルモジュリン-依存性タンパク質キナーゼ、カゼインキナーゼ細胞分裂周期タンパク質キナーゼなどを含む。これらのキナーゼは通常、細胞質性であるか、又はおそらくアンカータンパク質によって細胞の粒子状画分と会合している。異常なタンパク質セリン/トレオニンキナーゼ活性は、関節リウマチ乾癬敗血性ショック骨量減少、多くの癌及び他の増殖性の疾患等のいくつかの病理関与しているか又は疑われている。したがって、セリン/トレオニンキナーゼ及びそれらが一部となっているシグナル伝達経路は薬物設計の重要な標的である。チロシンキナーゼはチロシン残基をリン酸化する。チロシンキナーゼは細胞調節において同様に重要な役割を果たしている。これらのキナーゼは、成長因子及びホルモン等の分子のいくつかの受容体、例えば上皮成長因子受容体インスリン受容体血小板由来成長因子受容体などを含む。研究によって、多くのチロシンキナーゼは、その受容体ドメインが細胞の外部に、そのキナーゼドメインが内部に位置する膜貫通タンパク質であることが示されている。キナーゼモジュレーターを特定するための多くの研究も進行中である。

0004

異常なキナーゼ活性に関連する障害の潜在的な治療としてキナーゼ活性阻害剤を特定することが望ましい。

0005

小分子を用いる標的タンパク質の選択的な分解は様々な疾患の処置に対する新しいアプローチである。タンパク質分解誘導キメラ分子(Protacs)は、標的タンパク質及びE3ユビキチンリガーゼを同時に結合し、それによってリガーゼと標的を近接させることができる二官能性分子である。これらの二官能性分子はリガーゼ複合体から標的タンパク質への効率的なユビキチン転移を可能にし、これがその後プロテアソームにより認識され、分解される。この標的タンパク質の分解は、患者細胞中で前記標的タンパク質のレベルを効果的に下げることにより標的タンパク質を介して調節される疾患又は状態の処置を提供する。Protacsの利点は、実際上任意のクラス又はファミリーからの標的化タンパク質の分解/阻害と一致して、広い範囲の薬理学的活性が可能であることである。

0006

E3ユビキチンリガーゼ(数百がヒトで知られている)はユビキチン化に対する基質特異性授与し、したがって、ある特定のタンパク質基質に対するその特異性のために一般的なプロテアソーム阻害剤より魅力的治療標的である。E3リガーゼに対するリガンドの開発は難題であることが分かっている。

0007

リガンドベスタチンを介してタンパク質がE3リガーゼIAP(アポトーシス阻害剤)を標的とするために用いられるProtacsが提案されてきたが、成功は限定的である(例えば、Ohokaら、Cell Death and Disease、2014年、5巻、e1513参照)。残念ながら、ベスタチンは複数の活性を有する非特異的なリガンドである。それ自体が抗腫瘍薬として役立ち得るIAP阻害剤が知られており、例えば、L. Baiら Pharmacology & Therapeutics 144巻(2014年) 82〜95頁を参照されたい。アポトーシスは、プログラム細胞死の一形態であり、損傷した細胞又は不要な細胞を排除するために多細胞生物が利用する正常な細胞プロセスである。アポトーシスは、厳密に調節されたプロセスであり、アポトーシスの調節不良は、癌、自己免疫疾患、炎症、及び神経発生を含め、多くのヒトの疾患に関与している(Lowe S.W及びLin 2000年 Carcinogenesis 21巻(3号)、485〜495頁、Nicholson D.W. 2000年、Nature 407巻(6805号) 810〜816頁、Reed J.C. 2002年 Nat Rev Drug Discovery 1巻(2号) 111〜121頁)。

0008

選択的IAP阻害剤は、例えば、WO2014031487、WO2014047024に開示されており、連結した二量体化合物について記載されている。WO2014055461は、二価化合物について記載し、WO2008128171、WO2008/016893、WO2014/060768、WO2014/060767、及びWO15092420は、IAP阻害剤について記載しているが、全てアポトーシスに伴う障害、特に癌の処置を目的としている。

0009

WO2014031487
WO2014047024
WO2014055461
WO2008128171
WO2008/016893
WO2014/060768
WO2014/060767
WO15092420

先行技術

0010

Ohokaら、Cell Death and Disease、2014年、5巻、e1513
L. Baiら Pharmacology & Therapeutics 144巻(2014年) 82〜95頁
Lowe S.W及びLin 2000年 Carcinogenesis 21巻(3号)、485〜495頁
Nicholson D.W. 2000年、Nature 407巻(6805号) 810〜816頁
Reed J.C. 2002年 Nat Rev Drug Discovery 1巻(2号) 111〜121頁

発明が解決しようとする課題

0011

本発明者は、E3リガーゼIAPを標的とするIAP阻害剤を含むProtacsによって分解することができるキナーゼ標的、特に標的IRAK3、GAK、TEC、PTK2B(PYK2)、AURKA、RPS6KA1(RSK3)、MAPK9(JNK2)、BTK、PTK2及びAKT2を特定した。

課題を解決するための手段

0012

本発明の一態様では、異常なキナーゼ活性に関連する障害を処置する方法であって、キナーゼがIRAK3、GAK、TEC、PTK2B(PYK2)、AURKA、RPS6KA1(RSK3)、MAPK9(JNK2)、BTK、PTK2又はAKT2であり、前記方法が前記キナーゼを分解する工程を含む、方法が提供される。

0013

本発明の更なる態様では、IRAK3、GAK、TEC、PTK2B(PYK2)、AURKA、RPS6KA1(RSK3)、MAPK9(JNK2)、BTK、PTK2又はAKT2から選択される標的タンパク質を分解する方法であって、直接又は連結部分を介して連結されたE3リガーゼ結合部分及び標的タンパク質結合部分を含むProtac化合物又はその薬学的に許容される塩を構築し、こうして標的タンパク質をE3リガーゼに動員し、リガーゼから標的タンパク質へのユビキチン転移を可能にし、プロテアソームによる認識及び分解を可能にすることによる、方法が提供される。

0014

本発明の更なる態様では、E3リガーゼIAPに結合する結合部分及びIRAK3、GAK、TEC、PTK2B(PYK2)、AURKA、RPS6KA1(RSK3)、MAPK9(JNK2)、BTK、PTK2又はAKT2から選択される標的タンパク質に結合する結合部分を含み、これらが直接又は連結部分を介して連結しているProtac化合物又はその薬学的に許容される塩が提供される。

0015

一態様では、式(I):
標的タンパク質バインダー-リンカー-IAPバインダー (I)
[式中、標的タンパク質は、IRAK3、GAK、TEC、PTK2B(PYK2)、AURKA、RPS6KA1(RSK3)、MAPK9(JNK2)、BTK、PTK2又はAKT2である]
の化合物又はその薬学的に許容される塩が提供される。

0016

本発明の更なる態様では、治療に使用するための、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩が提供される。

0017

更なる態様では、標的タンパク質が介在する障害の処置に使用するための、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩が提供される。

0018

本発明の更なる態様では、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩、並びに薬学的に許容される担体希釈剤、及び賦形剤のうちの1つ以上を含む、医薬組成物が提供される。

0019

本発明の更なる態様では、治療有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与する工程を含む、対象において標的タンパク質が介在する障害を処置する方法が提供される。

0020

本発明の更なる態様では、標的タンパク質が介在する障害の処置に使用するための医薬の製造における、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用が提供される。

0021

更なる態様では、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩、及び少なくとも1つの更なる治療薬を含む組み合わせが提供される。

0022

更なる態様では、治療に使用するための、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩、及び少なくとも1つの更なる治療薬を含む組み合わせが提供される。

0023

本発明の更なる態様では、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩、及び少なくとも1つの更なる治療薬を含む組み合わせ、並びに薬学的に許容される担体、希釈剤、及び賦形剤のうちの1つ以上を含む、医薬組成物が提供される。

0024

本発明の更なる態様では、標的タンパク質が介在する障害の処置に使用するための、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩、及び少なくとも1つの更なる治療薬を含む組み合わせが提供される。

0025

更なる態様では、標的タンパク質が介在する障害を処置する方法であって、治療有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩、及び少なくとも1つの更なる治療薬を含む組み合わせを、それを必要とするヒトに投与する工程を含む、方法が提供される。

0026

更なる態様では、標的タンパク質が介在する障害の処置のための医薬の製造における、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩、及び少なくとも1つの更なる治療薬を含む組み合わせの使用が提供される。

0027

更なる態様では、標的タンパク質を分解する方法であって、治療有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩を、それを必要とするヒトに投与する工程を含む、方法が提供される。

0028

本明細書において使用する際、「本発明の化合物」は、式(I)の化合物及びその塩の全ての溶媒和物錯体多形体、放射標識誘導体立体異性体互変異性体、及び光学異性体を含む。

0029

本明細書において使用する際、「有効量」という用語は、例えば研究者又は臨床医により求められる、組織、系、動物、又はヒトの生物学的若しくは医学的反応を引き出す薬物又は医薬品の量を意味する。更に、「治療有効量」という用語は、そのような量を投与されていない対応する対象と比較して、疾患、障害、若しくは副作用の処置、治癒、予防(防止)、若しくは改善の向上、又は疾患若しくは障害の進行速度の低下をもたらす任意の量を意味する。この用語はまた、その範囲に、正常な生理機能を増強するのに有効な量も含む。

0030

本明細書において使用する際、「薬学的に許容される」という用語は、信頼できる医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、又は他の問題若しくは合併症を伴わず、妥当な利益/リスク比に見合った、ヒト及び動物の組織と接触する使用に適した化合物、材料、組成物、及び剤形を指す。

0031

本発明の化合物は、固体又は液体の形態で存在し得る。固体の形態では、本発明の化合物は、完全な非晶質から完全な結晶までの範囲の一連固体状態で存在してもよい。「非晶質」という用語は、物質分子レベル長距離秩序に欠き、温度に応じて固体又は液体の物理的特性を示し得る状態を指す。典型的には、そのような物質は、特徴的なX線回折パターンを示さず、固体の特性を示しながらも、より形式的には液体として記載される。加熱すると、固体特性から液体特性への変化が生じ、これは状態の変化、典型的には二次変化(「ガラス転移」)を特徴とする。「結晶性」という用語は、物質が、分子レベルで規則的な秩序のある内部構造を有し、明確なピークを有する特徴的なX線回折パターンを示す固相を指す。そのような物質は、十分に加熱したときに液体の特性も示すが、固体から液体への変化は、相変化、典型的には一次変化(「融点」)を特徴とする。

0032

式(I)の化合物は、溶媒和及び非溶媒和の形態で存在し得る。本明細書において使用する際、「溶媒和物」という用語は、溶質(本発明では、式(I)の化合物又は塩)及び溶媒によって形成される可変化学量の複合体を指す。そのような溶媒は、本発明の目的で、溶質の生物学的活性を妨げてはならない。当業者であれば、結晶性化合物の場合、結晶化の最中に溶媒分子結晶格子に組み込まれる、薬学的に許容される溶媒和物を形成していてもよいことを理解すると予想される。組み込まれる溶媒分子は、水分子、又はエタノールイソプロパノールDMSO、酢酸エタノールアミン、及び酢酸エチルの分子等の非水分子であってよい。水分子が組み込まれた結晶格子は、典型的には、「水和物」と称される。水和物には、化学量論的水和物、及び可変量の水を含有する組成物が含まれる。本発明は、そのような溶媒和物を全て含む。

0033

本発明の化合物は、2つ以上の形態で結晶化する能力(多形性として知られる特徴)を有し得、そのような多形形態(「多形体」)が本発明の範囲に含まれることは理解されよう。多形性は、一般に、温度若しくは圧力、又はその両方の変化に対する反応として生じ得、また結晶化プロセスの違いに起因する場合もある。多形体は、当技術分野で公知の様々な物理的特徴、例えば、X線回折パターン、溶解性、及び融点によって識別することができる。

0034

また、式(I)の化合物が互変異性体を形成し得ることにも留意されたい。本発明の化合物の互変異性体及び互変異性体の混合物が、本発明の化合物の範囲に含まれることは理解されよう。

0035

標的キナーゼIRAK3、GAK、TEC、PTK2B(PYK2)、AURKA、RPS6KA1(RSK3)、MAPK9(JNK2)、BTK、PTK2又はAKT2に結合する化合物は当技術分野で公知である。

0036

本発明の一態様では、リンカーは、化学的リンカー基である。

0037

一態様では、リンカー基は、最短(の長さ)で4〜20個の原子である。

0038

一態様では、リンカー基は、炭素原子4〜20個の直鎖アルキレン基であり、1つ以上の炭素原子が-O-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、ピペリジンピペラジンピリミジンピリジンから独立して選択される基で置き換えられている。

0039

一態様では、リンカーは、(キナーゼ阻害剤-IAP阻害剤の方向で):

0040

[式中、Xは、-O(CH2CH2)0-4-であり、
Yは、-CONH-、-O-、又は-CO-である]
である。

0041

選択的なIAP阻害剤は、例えばWO 2014031487、WO 2014047024、WO 2014055461、WO 2008128171、WO 2008/016893、WO 2014/060768、WO 2014/060767、及びWO 15092420に開示されている。

0042

本発明の更なる態様では、IAP結合部分が一緒になって、式(II)、(IIII)、(IV、(V)、(VI)、(VII)、及び(VIII)(リンカー位置が示されている))の化合物である:

0043

[式中、
R1及びR2は、独立して、場合により置換されたアルキル、場合により置換されたシクロアルキル、場合により置換されたシクロアルキルアルキル、場合により置換されたアリールアルキル、場合により置換されたアリールであり、或いは、
R1及びR2は、独立して、場合により置換されたチオアルキルであり、ここで、チオアルキルのS原子に結合している置換基は、場合により置換されたアルキル、場合により置換された分岐アルキル、場合により置換されたヘテロシクリル、-(CH2)vCOR20、-CH2CHR21COR22又は-CH2R23であり、
ここで、
v=1〜3(v-1-3)であり、
R20及びR22は、OH、NR24R25又はOR26から独立して選択され、
R21は、NR24R25であり、
R23は、場合により置換されたアリール又は場合により置換されたヘテロシクリルであり、ここで任意の置換基には、アルキル及びハロゲンが含まれ、
R24は、水素又は場合により置換されたアルキルであり、
R25は、水素、場合により置換されたアルキル、場合により置換された分岐アルキル、場合により置換されたアリールアルキル、場合により置換されたヘテロシクリル、-CH2(OCH2CH2O)mCH3、又はポリアミン鎖であり、
R26は、場合により置換されたアルキルであり、
w=1〜8であり、
ここで任意の置換基は、OH、ハロゲン又はNH2であり、
R3及びR4は、独立して、場合により置換されたアルキル、場合により置換されたシクロアルキル、場合により置換されたアリール、場合により置換されたアリールアルキル、場合により置換されたアリールアルコキシ、場合により置換されたヘテロアリール、場合により置換されたヘテロシクリル、場合により置換されたヘテロアリールアルキル又は場合により置換されたヘテロシクロアルキルであり、ここで、置換基は、アルキル、ハロゲン又はOHであり、
R5、R6、R7及びR8は、独立して、水素、場合により置換されたアルキル又は場合により置換されたシクロアルキルであり、
R9は、水素、場合により置換されたアルキル、場合により置換されたシクロアルキル又はCOアルキルである]
或いは、その薬学的に許容される塩、

0044

[式中、Rは、

0045

ここで、環Aは、C4〜8脂肪族環である、

0046

からなる群から選択され、ここでB環は、アリール又は窒素原子を含有するヘテロアリールであり、B環は、場合により置換されている]
或いは、その薬学的に許容される塩
である。

0047

一態様では、環Bは、フェニルナフチルピリジニルピラジニル、又はピリミジニルである。

0048

[式中、各Yは、独立して、H又はC1〜3アルキルであり、Xは、CH、O又はN(ただし、リンカーに結合しているときはOであることができない)である。Zは、C1〜3アルキルを示すか、又は存在せず、R1は、オキソであるか、又は存在しない。]

0049

[式中、各Yは、独立して、H又はC1〜3アルキルであり、Xは、CH、O又はN(ただし、リンカーに結合しているときはOであることができない)である。]

0050

本発明の更なる態様では、標的タンパク質に結合する化合物にリンカーを介して連結された式(I)〜(VIII)の化合物を含むProtac化合物であって、前記標的タンパク質が、IRAK3、GAK、TEC、PTK2B(PYK2)、AURKA、RPS6KA1(RSK3)、MAPK9(JNK2)、BTK、PTK2、AKT2からなる群から選択される、Protac化合物が提供される。

0051

一態様では、標的タンパク質は、IRAK3である。

0052

一態様では、標的タンパク質は、GAKである。

0053

一態様では、標的タンパク質は、TECである。

0054

一態様では、標的タンパク質は、PTK2B(PYK2)である。

0055

一態様では、標的タンパク質は、AURKAである。

0056

一態様では、標的タンパク質は、RPS6KA1(RSK3)である。

0057

一態様では、標的タンパク質は、MAPK9(JNK2)である。

0058

一態様では、標的タンパク質は、BTKである。

0059

一態様では、標的タンパク質は、PTK2である。

0060

一態様では、標的タンパク質は、AKT2である。

0061

式(I)の化合物は、塩の形態であってもよい。

0062

典型的には、本発明の塩は、薬学的に許容される塩である。「薬学的に許容される塩」という用語に包含される塩は、本発明の化合物の非毒性塩を指す。適切な塩の概説は、Bergeら、J. Pharm. Sci. 1977年、66巻、1〜19頁を参照されたい。

0063

適切な薬学的に許容される塩は、酸付加塩であってもよい。

0064

薬学的に許容される酸付加塩は、場合により適切な溶媒、例えば有機溶媒中での、式(I)の化合物と適切な無機酸又は有機酸(例えば、臭化水素酸塩酸硫酸硝酸リン酸p-トルエンスルホン酸ベンゼンスルホン酸メタンスルホン酸エタンスルホン酸ナフタレンスルホン酸、例えば2-ナフタレンスルホン酸)との塩を生じる反応によって形成することができ、この塩は通常は例えば結晶化及び濾過によって単離される。式(I)の化合物の薬学的に許容される酸付加塩は、例えば、臭化水素酸塩塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩メタンスルホン酸塩エタンスルホン酸塩ナフタレンスルホン酸塩(例えば、2-ナフタレンスルホン酸塩)を含んでも、又はそれらであってもよい。

0065

他の薬学的に許容されない塩、例えばトリフルオロ酢酸塩は、例えば、本発明の化合物の単離に使用してもよく、本発明の範囲に含まれる。

0066

本発明は、その範囲に、式(I)の化合物の全ての可能な化学量論形態及び非化学量論形態を含む。

0067

治療における使用の場合、本発明の化合物をそのままの化学物質として投与することが可能であるが、医薬組成物として、活性成分としての本発明の化合物を与えることも可能である。そのような組成物は、製薬技術分野において周知の方法で製造することができ、少なくとも1つの活性化合物を含む。したがって、本発明は、本発明の化合物及び1つ以上の薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物を更に提供する。賦形剤(1つ又は複数)は、組成物の他の成分と適合し、またそのレシピエントにとって有害でないという意味で、許容できるものでなければならない。本発明の別の態様によると、該薬剤又はその薬学的に許容される塩を1つ以上の薬学的に許容される賦形剤と共に含む医薬組成物の製造法も提供される。医薬組成物は、本明細書に記載のいずれかの状態の処置及び/又は予防に使用するためのものであってもよい。

0068

一般に、本発明の化合物は、薬学的有効量で投与される。実際に投与される化合物の量は、典型的には、処置すべき状態、選択された投与経路、投与する実際の化合物、個々の患者の年齢、体重、及び反応、患者の症状の重症度等を含めた関連状況を踏まえて、医師によって決定されることになる。

0069

医薬組成物は、単位用量につき既定の量の活性成分を含有する、単位用量形態で与えてもよい。「単位剤形」という用語は、ヒト対象及び他の哺乳動物にとって単一投薬量として適切な物理的に分離した単位を指し、それぞれの単位は、適切な医薬賦形剤ビヒクル、又は担体と関連して、所望の治療効果を生じるように計算された既定の分量の活性物質を含有する。典型的な単位剤形としては、予め充填され、予め計量された液体組成物アンプル若しくはシリンジ、又は固体組成物の場合には丸剤錠剤カプセル剤等が挙げられる。

0070

好適な単位投薬量組成物は、1日用量若しくは下位用量の活性成分、又はその適当な一部を含有するものである。そのような単位用量は、したがって、1日1回又は2回以上投与してもよい。そのような医薬組成物は、製薬技術分野で周知のいずれの方法で製造してもよい。

0071

医薬組成物は、任意の適当な経路による投与、例えば、経口(頬側又は下を含む)、直腸内、吸入経鼻局所(頬側、舌下、又は経皮を含む)、内、又は非経口(皮下、筋肉内、静脈内、又は皮内を含む)の経路による投与に適合させてもよい。そのような組成物は、製薬技術分野で公知の任意の方法によって、例えば活性成分を担体(1つ又は複数)又は賦形剤(1つ又は複数)と混合させることによって、製造してもよい。

0072

経口投与に適合させた医薬組成物は、分離した単位として、例えば、カプセル剤又は錠剤、粉剤又は顆粒剤水性若しくは非水性液体中の溶液剤又は懸濁剤、可食フォーム剤又はホイップ剤、或いは水中油型液体エマルジョン又は油中水型液体エマルジョンとして与えてもよい。

0073

例えば、錠剤又はカプセル剤の形態での経口投与の場合、活性薬物成分経口用で非毒性の薬学的に許容される不活性賦形剤、例えばエタノール、グリセロール、水等と組み合わせることができる。粉剤は、化合物を適切な微細度まで粉砕して、同様に準備した医薬賦形剤、例えば、可食炭水化物、例えば、デンプン又はマンニトールと混合することによって製造する。また、香味剤保存剤分散剤、及び着色剤も存在してもよい。

0074

カプセル剤は、上述のように粉末混合物を製造し、成形したゼラチンシースに充填することによって作成する。滑剤及び滑沢剤、例えば、コロイド状シリカタルクステアリン酸マグネシウムステアリン酸カルシウム、又は固体ポリエチレングリコールを含めた賦形剤を、充填作業の前に粉末混合物に添加してもよい。また、崩壊剤又は可溶化剤、例えば、寒天炭酸カルシウム、又は炭酸ナトリウムを添加して、カプセル剤を服用したときの薬剤の有効性を改善してもよい。

0075

更に、所望する場合、又は必要な場合には、適切なバインダー(結合剤)、滑剤、滑沢剤、甘味剤香料、崩壊剤、及び着色剤を含めた賦形剤も混合物に組み込んでよい。適切なバインダーとしては、デンプン、ゼラチン、天然糖、例えばブドウ糖又はβ-乳糖コーン甘味料、天然及び合成ガム、例えばアカシアトラガント、又はアルギン酸ナトリウムカルボキシメチルセルロースポリエチレングリコールワックス等が挙げられる。これらの剤形に使用される滑沢剤としては、オレイン酸ナトリウムステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム酢酸ナトリウム塩化ナトリウム等が挙げられる。崩壊剤としては、限定するものではないが、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイトキサンタンガム等が挙げられる。錠剤は、例えば、粉末混合物を製造し、造粒又はスラッグ打錠を行い、滑沢剤及び崩壊剤を添加し、圧縮して錠剤にすることによって製剤化される。粉末混合物は、適切に細かく砕いた化合物を上述のような希釈剤又は基剤、及び場合により、バインダー、例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、又はポリビニルピロリドン、溶液遅延剤、例えばパラフィン吸収促進剤、例えば四級塩、及び/又は吸収剤、例えば、ベントナイト、カオリン、又はリン酸二カルシウムと混合することによって製造する。粉末混合物は、バインダ−、例えば、シロップデンプン糊、アカシア粘液、又はセルロース系材料若しくはポリマー材料の溶液で湿潤させ、スクリーンから押し出すことによって造粒することができる。造粒の代替法として、粉末混合物を錠剤機にかけてもよく、その結果は、不完全に形成されたスラッグが砕かれて顆粒になったものである。ステアリン酸ステアリン酸塩、タルク、又は鉱油の添加によって、顆粒を滑沢化して、錠剤成形型にくっつくのを防止してもよい。滑沢化した混合物を次いで圧縮して錠剤にする。また、本発明の化合物を自由流動性不活性担体と混合し、造粒工程又はスラッグ打錠工程を経ずに、直接圧縮して錠剤にすることもできる。シェラックシーリングコート、糖若しくはポリマー材料のコーティング、及びワックスの光沢コーティングからなる透明又は不透明の保護コーティングを施してもよい。異なる単位投薬量を区別するために、これらのコーティングに染料を添加してもよい。

0076

経口液、例えば、溶液剤、懸濁剤、シロップ剤、及びエリキシル剤は、所与の分量が既定の量の化合物を含有するように、単位剤形として製造してもよい。シロップ剤は、適切に香味付けした水溶液に化合物を溶解させることによって製造することができ、エリキシル剤は、非毒性アルコールビヒクルを使用して製造することができる。懸濁剤は、化合物を非毒性ビヒクルに分散させることによって製剤化することができる。また、可溶化剤及び乳化剤、例えばエトキシル化イソステアリルアルコール及びポリオキシエチレンソルビトールエーテル、保存剤、香味添加剤、例えばハッカ油、又は天然甘味料、又はサッカリン若しくは他の人工甘味料等を添加してもよい。

0077

適当な場合には、経口投与用投薬量単位組成物は、マイクロカプセル化してもよい。また、例えば、粒子材料ポリマー、ワックス等でコーティングするか、又はそれらに埋め込むことによって、放出を延長又は持続させるように組成物を製造してもよい。

0078

本発明の化合物はまた、リポソーム送達系、例えば、小単ラメラ小胞、大単ラメラ小胞、及びマルチラメラ小胞の形態で投与してもよい。リポソームは、様々なリン脂質、例えば、コレステロールステアリルアミン、又はホスファチジルコリンから形成することができる。

0079

経皮投与に適合させた医薬組成物は、レシピエントの表皮との密接な接触を長期間維持することを目的とした、分離した貼付剤として与えてもよい。

0080

局所投与に適合させた医薬組成物は、軟膏剤クリーム剤、懸濁剤、ローション剤、粉剤、溶液剤、ペースト剤ゲル剤スプレー剤エアロゾル剤、又は油剤として製剤化してもよい。

0081

眼又は他の外部組織、例えば口及び皮膚の処置の場合、組成物を、好ましくは、局所用軟膏剤又はクリーム剤として塗布する。軟膏剤として製剤化する場合、活性成分をパラフィン軟膏基剤又は水混和性軟膏基剤のいずれかと共に用いてもよい。或いは、水中油クリーム基剤又は油中水基剤を用いて、活性成分をクリーム剤として製剤化してもよい。

0082

眼への局所投与に適合させた医薬組成物としては、活性成分を適切な担体、特に水性溶媒に溶解又は懸濁させた点眼剤が挙げられる。

0083

口内への局所投与に適合させた医薬組成物としては、ロゼンジトローチ、及び洗口剤が挙げられる。

0084

直腸内投与に適合させた医薬組成物は、坐剤注腸フォーム、注腸ゲル、又は浣腸剤として与えてもよい。

0085

経鼻又は吸入投与用の剤形は、好都合には、エアロゾル剤、溶液剤、懸濁剤、滴剤、ゲル剤、又はドライパウダー剤として製剤化してもよい。

0086

膣内投与用に適合させた医薬組成物は、膣坐剤タンポン、クリーム剤、ゲル剤、ペースト剤、フォーム剤、又はスプレー製剤として与えてもよい。

0087

非経口投与用に適合させた医薬組成物としては、酸化防止剤緩衝剤静菌剤、及び組成物を対象とするレシピエントの血液と等張にする溶質を含んでいてもよい水性及び非水性滅菌注射液、並びに懸濁化剤及び増粘剤を含んでいてもよい水性及び非水性滅菌懸濁液が挙げられる。組成物は、単回又は多回投与容器、例えば、密封アンプル及びバイアルとして与えてもよく、使用直前滅菌液体担体、例えば注射剤用の水の添加のみを必要とする、フリーズドライ(凍結乾燥)状態で保管してもよい。即席注射液及び懸濁液は、滅菌粉剤、顆粒剤、及び錠剤から製造することができる。

0088

上記で特に言及した成分に加え、組成物に、当該製剤の種類を考慮して、当技術分野で常用の他の薬剤を含めてもよい(例えば、経口投与に適した製剤は、香味剤を含めてもよい)ことは理解すべきである。

0089

一態様では、医薬組成物は、胃腸管への非全身若しくは局所送達のための経口若しくは直腸内投与に適しているか、又は皮下送達のために製剤化される。

0090

該薬剤の治療有効量は、例えば、対象の年齢及び体重、処置を要する詳細な状態及びその重症度、製剤の性質、及び投与経路を含めた、複数の要因に左右されることになり、最終的には、担当の医師又は獣医師の裁量によることになる。特に、処置を受ける対象は、哺乳動物、特にヒトである。

0091

式(I)の化合物及びその薬学的に許容される塩は、単独で使用しても、又は他の治療薬と組み合わせて用いてもよい。式(I)の化合物及びその薬学的に許容される塩と他の薬学的に活性な薬剤(1つ又は複数)とは、一緒に投与しても、又は別々に投与してもよく、別々に投与する場合は、同時に投与しても、又は任意の順序で順次投与してもよく、これは別々の医薬組成物又は組み合わされた医薬組成物として任意の便利な経路で投与してよい。

0092

式(I)の化合物(1つ又は複数)又はその薬学的に許容される塩(1つ又は複数)及び他の薬学的に活性な薬剤(1つ又は複数)の量、並びに投与の相対的タイミングは、所望の複合治療効果を達成するように選択することになる。本発明の化合物及び更なる治療薬(1つ又は複数)は、両化合物を含む単一の医薬組成物として同時に投与することによって、組み合わせて用いてもよい。或いは、それぞれが化合物のうちの一方を含む別個の医薬組成物として、組み合わせを別々に順次投与してもよい(例えば、本発明の化合物を最初に投与して、他方を2番目に投与するか、その逆であってもよい)。そのような順次投与は、時間的に接近していてもよく(例えば、同時)、又は時間的に離れていてもよい。更に、化合物を同じ剤形で投与するかどうかは問題ではなく、例えば、一方の化合物を局所投与し、他方の化合物を経口投与してもよい。適切には、両化合物は経口投与される。

0093

組み合わせは、組み合わせキットとして与えてもよい。「組み合わせキット」又は「パーツキット」という用語は、本明細書において使用する際、本発明による組み合わせを投与するために使用される1つ又は複数の医薬組成物を意味する。両化合物を同時投与する場合、組み合わせキットは、両化合物を単一の医薬組成物、例えば錠剤中に含有してもよく、又は別個の医薬組成物中に含有してもよい。化合物を同時投与しない場合、組み合わせキットは、単一のパッケージ中の別個の医薬組成物中に、又は別個のパッケージ中の別個の医薬組成物中に、それぞれの化合物を含有することになる。

0094

組み合わせキットは、指示、例えば用量及び用法指示によって提供してもよい。そのような用量及び用法指示は、例えば薬物製品ラベルによって、医師に提供される種類のものであってもよく、又はこれらは、患者への指示等、医師によって提供される種類のものであってもよい。

0095

一方を最初に投与し、他方を二番目に投与するか、又はその逆で、組み合わせを別個に順次投与する場合、そのような順次投与は、時間的に接近していても、又は時間的に離れていてもよい。例えば、第1の薬剤の投与の数分から数十分後の他方の薬剤の投与、及び第1の薬剤の投与の数時間から数日後の他方の薬剤の投与が含まれ、ここで時間の経過は限定されない。例えば、一方の薬剤を1日1回投与し、他方の薬剤を1日2回又は3回投与してもよく、或いは一方の薬剤を週1回投与して、他方の薬剤を1日1回等投与してもよい。

0096

当業者には、適切な場合には、他の治療成分(1つ又は複数)を塩の形態で、例えばアルカリ金属塩若しくはアミン塩として、又は酸付加塩として、又はプロドラッグとして、又はエステル、例えば低アルキルエステルとして、又は溶媒和物、例えば水和物として使用して、その治療成分の活性、及び/又は安定性、及び/又は物理的特徴、例えば溶解性を最適化してもよいことは明らかであり得る。また、適切な場合には、治療成分を光学的に純粋な形態で使用してよいことも明らかであり得る。

0097

同じ組成物中で組み合わせる場合、2つの化合物は、安定であり、互いに、且つ組成物の他の成分と適合しなければならず、またこの2つの化合物を投与のために製剤化してよいことが理解され得る。別々に製剤化する場合、好都合には、そのような化合物に関して当分野で公知の方法で、任意の便利な組成物として提供してよい。

0098

式(I)の化合物を同じ疾患、状態、又は障害に対して活性を有する第2の治療薬と組み合わせて使用する場合、それぞれの化合物の用量は、その化合物を単独で使用する場合の用量とは異なってもよい。適当な用量は、当業者には容易に理解され得る。

0099

一実施形態では、本発明の方法及び使用における哺乳動物は、ヒトである。

0100

発明者らは、本発明のIAPを含有するProtac化合物若しくはその薬学的に許容される塩、又はそれらを含有する医薬組成物は、標的タンパク質を分解することができるということを見出した。

0101

したがって、本発明の化合物は、標的タンパク質が単独で、又は部分的に介在する疾患又は医学状態の処置において潜在的に有用な薬剤であることが期待される。

0102

本明細書には、標的タンパク質が介在する疾患、障害及び状態の処置又は予防の方法が提供されている。方法は、対象、例えばそれを必要とする対象に治療有効量の本発明の化合物を投与する工程を含み得る。

0103

したがって、一態様では、治療に使用される本発明の化合物が提供される。

0104

したがって、一態様では、標的タンパク質が介在する障害を処置するのに使用される本発明の化合物が提供される。

0105

したがって、一態様では、標的タンパク質が介在する障害を処置するための医薬の製造における本発明の化合物の使用が提供される。

0106

更なる態様では、治療有効量の本発明の化合物を投与する工程を含む、哺乳動物において標的タンパク質が介在する障害を処置する方法が提供される。

0107

本明細書において使用する際、標的タンパク質が介在する障害とは、対象において標的タンパク質の機能又は活性を調節することにより処置することができる状態又は障害を意味し、ここで処置は、状態又は障害の予防、部分的な緩和又は治癒を含む。調節は、局所的に、例えば、対象のある特定の組織内で、又はより広範囲に、そのような状態若しくは障害が処置されることとなる対象の全体で起こり得る。

0108

該薬剤の治療有効量は、例えば、対象の年齢及び体重、処置を要する詳細な状態及びその重症度、製剤の性質、及び投与経路を含めた、複数の要因に左右されることになり、最終的には、担当の医師又は獣医師の裁量によることになる。特に、処置を受ける対象は、哺乳動物、特にヒトである。

0109

該薬剤は、一日用量で投与してもよい。この量は、1日ごとに単回用量で与えてもよく、又はより普通には、合計一日用量が同じになるように、1日ごとに複数回(2回、3回、4回、5回、又は6回等)の下位用量で与えてもよい。

0110

適切には、本発明において投与される本発明の化合物の量は、1日あたり0.01mg〜1gから選択された量(遊離化合物又は塩ではない化合物として計算する)となる。

0111

式(I)の化合物及びその薬学的に許容される塩は、単独で使用しても、又は他の治療薬と組み合わせて用いてもよい。式(I)の化合物及びその薬学的に許容される塩と他の薬学的に活性な薬剤(1つ又は複数)とは、一緒に投与しても、又は別々に投与してもよく、別々に投与する場合は、同時に投与しても、又は任意の順序で順次投与してもよく、これは別々の医薬組成物又は組み合わされた医薬組成物として任意の便利な経路で投与してよい。

0112

式(I)の化合物(1つ又は複数)又はその薬学的に許容される塩(1つ又は複数)及び他の薬学的に活性な薬剤(1つ又は複数)の量、並びに投与の相対的タイミングは、所望の複合治療効果を達成するように選択することになる。本発明の化合物及び更なる治療薬(1つ又は複数)は、両化合物を含む単一の医薬組成物として同時に投与することによって、組み合わせて用いてもよい。或いは、それぞれが化合物のうちの一方を含む別個の医薬組成物として、組み合わせを別々に順次投与してもよい(例えば、本発明の化合物を最初に投与して、他方を2番目に投与するか、その逆であってもよい)。そのような順次投与は、時間的に接近していてもよく(例えば、同時)、又は時間的に離れていてもよい。更に、化合物を同じ剤形で投与するかどうかは問題ではなく、例えば、一方の化合物を局所投与し、他方の化合物を経口投与してもよい。適切には、両化合物は経口投与される。

0113

組み合わせは、組み合わせキットとして与えてもよい。「組み合わせキット」又は「パーツキット」という用語は、本明細書において使用する際、本発明による組み合わせを投与するために使用される1つ又は複数の医薬組成物を意味する。両化合物を同時投与する場合、組み合わせキットは、両化合物を単一の医薬組成物、例えば錠剤中に含有してもよく、又は別個の医薬組成物中に含有してもよい。化合物を同時投与しない場合、組み合わせキットは、単一のパッケージ中の別個の医薬組成物中に、又は別個のパッケージ中の別個の医薬組成物中に、それぞれの化合物を含有することになる。

0114

組み合わせキットは、指示、例えば用量及び用法指示によって提供してもよい。そのような用量及び用法指示は、例えば薬物製品ラベルによって、医師に提供される種類のものであってもよく、又はこれらは、患者への指示等、医師によって提供される種類のものであってもよい。

0115

一方を最初に投与し、他方を二番目に投与するか、又はその逆で、組み合わせを別個に順次投与する場合、そのような順次投与は、時間的に接近していても、又は時間的に離れていてもよい。例えば、第1の薬剤の投与の数分から数十分後の他方の薬剤の投与、及び第1の薬剤の投与の数時間から数日後の他方の薬剤の投与が含まれ、ここで時間の経過は限定されない。例えば、一方の薬剤を1日1回投与し、他方の薬剤を1日2回又は3回投与してもよく、或いは一方の薬剤を週1回投与して、他方の薬剤を1日1回等投与してもよい。

0116

当業者には、適切な場合には、他の治療成分(1つ又は複数)を塩の形態で、例えばアルカリ金属塩若しくはアミン塩として、又は酸付加塩として、又はプロドラッグとして、又はエステル、例えば低アルキルエステルとして、又は溶媒和物、例えば水和物として使用して、その治療成分の活性、及び/又は安定性、及び/又は物理的特徴、例えば溶解性を最適化してもよいことは明らかであり得る。また、適切な場合には、治療成分を光学的に純粋な形態で使用してよいことも明らかであり得る。

0117

同じ組成物中で組み合わせる場合、2つの化合物は、安定であり、互いに、且つ組成物の他の成分と適合しなければならず、またこの2つの化合物を投与のために製剤化してよいことが理解され得る。別々に製剤化する場合、好都合には、そのような化合物に関して当分野で公知の方法で、任意の便利な組成物として提供してよい。

0118

式(I)の化合物を同じ疾患、状態、又は障害に対して活性を有する第2の治療薬と組み合わせて使用する場合、それぞれの化合物の用量は、その化合物を単独で使用する場合の用量とは異なってもよい。適当な用量は、当業者には容易に理解され得る。

0119

一実施形態では、本発明の方法及び使用における哺乳動物は、ヒトである。

0120

本発明の化合物は、キナーゼ介在障害、特に炎症性障害、多くの癌及び他の増殖性疾患の処置に特に有用であり得る。

0121

一態様では、障害は、炎症である。

0122

炎症は、外傷に対する血管反応、細胞反応、及び神経学的反応の群である。炎症は、炎症細胞、例えば、単球好中球、及び顆粒球の組織内への移動として特徴付けることができる。これは、通常は、内皮バリア機能の低下及び組織内への浮腫を伴う。炎症は、急性又は慢性のいずれかに分類することができる。急性炎症は、有害刺激に対する身体の初期反応であり、血漿及び白血球の血液から損傷組織内への移動の増加によってもたらされる。生化学的事象カスケードは、損傷組織内の局所血管系、免疫系、及び様々な細胞が関与する、炎症性反応を伝播し、成熟させる。慢性炎症として知られる長期の炎症は、炎症部位に存在する細胞の種類の進行性の変化につながり炎症プロセスによる組織の破壊と修復が同時に行われることを特徴とする。

0123

感染症に対する免疫反応一環として、又は外傷に対する急性期反応として生じる場合、炎症は、有益となり得、普通は自己限定的である。しかしながら、炎症は、様々な条件下で有害となり得る。これには感染因子に反応した過度の炎症の発生があり、これは深刻な臓器障害及び死亡につながり得る(例えば、敗血症の場合)。更に、慢性炎症は、一般に有害であり、多くの慢性疾患の根底にあって、組織への重度且つ不可逆的な損傷を引き起こす。そのような状況では、免疫反応は、しばしば自己組織に向けられるが(自己免疫)、異物に対する慢性反応は、自己組織のバイスタンダー損傷にもつながり得る。

0124

抗炎症治療の目的は、したがって、この炎症を軽減し、自己免疫が存在する場合には抑制し、生理的プロセスを可能にする、又は治癒及び組織修復増進させることである。

0125

式(I)の化合物は、筋骨格の炎症、血管の炎症、神経の炎症、消化器系の炎症、眼の炎症、生殖器系の炎症、及び下記に例示するような他の炎症を含め、身体のどの組織及び器官の炎症の処置にも使用できる。

0126

筋骨格の炎症とは、筋骨格系のあらゆる炎症性状態、特に、手、手首、肩、脊椎、首、股関節部足首、及び足の関節を含めた骨格関節に影響を及ぼす状態、及び筋肉を骨に結び付けている組織、例えばに影響を及ぼす状態を指す。式(I)の化合物で処置することができる筋骨格の炎症の例としては、関節炎(例えば、変形性関節症、関節リウマチ、乾癬性関節炎強直性脊椎炎、急性又は慢性感染性関節炎痛風及び偽痛風に伴う関節炎、及び若年性特発性関節炎を含む)、腱炎滑膜炎腱鞘炎滑液包炎結合織炎(線維筋痛症)、上顆炎筋炎、及び骨炎(例えば、パジェット病恥骨骨炎、及び嚢胞性線維性骨炎を含む)が挙げられる。

0127

眼の炎症とは、眼瞼を含めた眼のあらゆる構造の炎症を指す。式(I)の化合物で処置することができる眼の炎症の例としては、眼瞼炎眼瞼皮膚弛緩症結膜炎涙腺炎角膜炎乾性角結膜炎(ドライアイ)、強膜炎睫毛乱生症、及びブドウ膜炎が挙げられる。

0128

式(I)の化合物で処置することができる神経系の炎症の例としては、脳炎ギランバレー症候群髄膜炎神経性筋強直症ナルコレプシー多発性硬化症脊髄炎、及び統合失調症が挙げられる。

0129

式(I)の化合物で処置することができる血管系又はリンパ系の炎症の例としては、関節硬化症、関節炎、静脈炎血管炎、及びリンパ管炎が挙げられる。

0130

式(I)の化合物で処置することができる消化器系炎症性状態の例としては、胆管炎胆のう炎、腸炎全腸炎胃炎胃腸炎炎症性腸疾患(例えば、クローン病及び潰瘍性大腸炎)、回腸炎、及び直腸炎が挙げられる。

0131

式(I)の化合物で処置することができる生殖器系の炎症性状態の例としては、子宮頸管炎、絨毛羊膜炎子宮内膜炎精巣上体炎臍炎卵巣炎精巣炎、卵管炎卵管卵巣膿瘍尿道炎膣炎外陰炎、及び外陰部痛が挙げられる。

0132

式(I)の化合物は、炎症性要素を有する自己免疫状態の処置に使用できる。そのような状態としては、急性播種性全身脱毛症ベーチェット病シャーガス病慢性疲労症候群自律神経障害脳脊髄炎、強直性脊椎炎、再生不良性貧血化膿性汗腺炎自己免疫性肝炎、自己免疫卵巣炎、セリアック病、クローン病、1型糖尿病巨細胞性動脈炎グッドパスチャー症候群グレーブス病、ギラン・バレー症候群、橋本甲状腺炎、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病川崎病紅斑性狼瘡顕微鏡大腸炎、顕微鏡的多発動脈炎混合性結合組織疾患、多発性硬化症、重症筋無力症眼球クローヌスミオクローヌス症候群視神経炎、オード甲状腺炎天疱瘡結節性多発動脈炎多発性筋痛、関節リウマチ、ライター症候群シェーグレン症候群側頭動脈炎ウェゲナー肉芽腫症、温式自己免疫性溶血性貧血間質性膀胱炎ライム病モルフェア、乾癬、サルコイドーシス強皮症、潰瘍性大腸炎、及び白斑が挙げられる。

0133

式(I)の化合物は、炎症性要素を有するT細胞介在過敏性疾患の処置に使用できる。そのような状態としては、接触過敏症接触性皮膚炎(ツタウルシに起因するものを含む)、じん麻疹皮膚アレルギー呼吸アレルギー(枯草熱アレルギー性鼻炎)、及びグルテン過敏性腸症(セリアック病)が挙げられる。

0134

該薬剤で処置できる他の炎症性状態としては、例えば、虫垂炎皮膚炎皮膚筋炎心内膜炎、結合織炎、歯肉炎舌炎肝炎、化膿性汗腺炎、虹彩炎喉頭炎乳腺炎心筋炎腎炎耳炎膵炎耳下腺炎心膜炎腹膜炎咽頭炎胸膜炎間質性肺炎前立腺炎腎盂腎炎、及び口内炎移植片拒絶(器官、例えば、腎臓肝臓心臓膵臓(例えば、島細胞)、骨髄角膜小腸皮膚移植片、皮膚同種移植片、及び心臓弁異種移植片血清病、及び移植片対宿主病に関与する)、急性膵炎慢性膵炎、急性呼吸促迫症候群セザリー症候群先天性副腎過形成、非化膿性甲状腺炎、癌に伴う高カルシウム血症、天疱瘡、水疱ヘルペス状皮膚炎(bullous dermatitis herpetiformis)、重度の多形性紅斑剥離性皮膚炎、脂漏性皮膚炎季節性又は通年性アレルギー性鼻炎気管支喘息、接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、薬物過敏症反応アレルギー性結膜炎、角膜炎、眼部帯状疱疹、虹彩炎及び虹彩毛様体炎脈絡網膜炎、視神経炎、症候性サルコイドーシス、電撃性又は播種性肺結核化学療法成人特発性血小板減少性紫斑病、成人続発性血小板減少症後天性(自己免疫性)溶血性貧血、成人白血病及びリンパ腫小児急性白血病限局性腸炎、自己免疫性血管炎、多発性硬化症、慢性閉塞性肺疾患実質臓器移植拒絶反応敗血性が挙げられる。好適な処置としては、移植拒絶反応、関節リウマチ、乾癬性関節炎、多発性硬化症、1型糖尿病、喘息、炎症性腸疾患、全身性エリテマトーデス、乾癬、慢性閉塞性肺疾患、及び感染性の状態を伴う炎症(例えば、敗血性)の処置が挙げられる。

0135

キナーゼ介在疾患又は障害の処置、又はより広義には、アレルギー性疾患、自己免疫疾患を含むがそれらに限定されない免疫介在疾患の処置、移植拒絶反応の防止(予防)等は、単剤治療として、又は1つ以上の他の治療薬、例えばNSAIDS、副腎皮質ステロイド、COX-2阻害剤、サイトカイン阻害剤、抗TNF剤、オンコスタチンM阻害剤、抗マラリア薬免疫抑制剤、及び細胞増殖抑制剤から選択されたものとの、又はそれらを含む、二剤若しくは多剤組み合わせ治療で、本発明の化合物を使用して達成し得る。

0136

一態様では、障害は、癌である。

0137

式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が潜在的に有益な抗腫瘍効果を有し得る癌性疾患及び状態の例としては、限定されることはないが、肺、骨、膵臓、皮膚、頭、首、子宮卵巣結腸食道、小腸、腸、内分泌系甲状腺(thyroid glad)、副甲状腺副腎尿道前立腺陰茎睾丸尿管膀胱、腎臓若しくは肝臓の癌;直腸癌;肛門部の癌;卵管子宮内膜頸部、膣、陰門腎盂腎細胞癌腫;軟組織肉腫;粘液腫;横紋筋腫;線維腫;脂肪腫;奇形腫;胆管癌;肝芽腫;血管肉腫;血管腫(hemagioma);肝癌;線維肉腫;軟骨肉腫;骨髄腫;慢性若しくは急性の白血病;リンパ球性リンパ腫;原発性CNSリンパ腫; CNSの新生物;脊髄腫瘍(tumour);扁平上皮癌;滑膜肉腫;悪性胸膜中皮腫;脳幹グリオーマ;下垂体腺腫;気管支腺腫;軟骨過誤腫(chondromatous hanlartoma);イネソテリオーマ(inesothelioma);ホジキン病又は上記癌のうちの1つ以上の組み合わせが挙げられる。一態様では、癌は、乳癌である。

0138

本発明の化合物は、血管新生及び/又は血管透過性に関連する障害のエリアにおける細胞の増殖により特徴付けられる、哺乳動物を苦しめる1つ以上の疾患、例えば、関節炎(関節リウマチ)及び再狭窄を含む血管増殖性障害;肝硬変及びアテローム性動脈硬化を含む線維性障害;糸球体腎炎糖尿病性腎症悪性腎硬化症血栓性微小血管障害症候群、増殖性網膜症臓器移植拒否反応及び糸球体症を含むメサンギウム細胞増殖性障害;並びに乾癬、糖尿病、慢性創傷治癒、炎症及び神経変性疾患を含む代謝障害の処置においても有用であり得る。

0139

一実施形態では、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は癌処置の他の治療法と共に用いてもよい。特に、抗腫瘍治療では、上記以外の外科及び/又は放射線処置並びに他の化学療法、ホルモン、抗体薬との組み合わせ治療が考えられる。

0140

一実施形態では、更なる抗癌治療は外科及び/又は放射線治療である。

0141

一実施形態では、更なる抗癌治療は少なくとも1つの追加の抗腫瘍薬である。

0142

処置される感受性の腫瘍に対して活性を有する任意の抗腫瘍薬を組み合わせで利用することができる。有用な典型的な抗腫瘍薬には、限定されることはないが、微小管阻害剤、例えばジテルペノイド及びビンカアルカロイド;白金配位錯体;アルキル化剤、例えばナイトロジェンマスタードオキサアザホスホリンスルホン酸アルキルニトロソウレア、及びトリアゼン;抗生物質剤、例えばアントラサイクリンアクチノマイシン及びブレオマイシン;トポイソメラーゼII阻害剤、例えばエピポフィトキシン;代謝拮抗剤、例えばプリン及びピリミジンアナログ及び抗葉酸化合物;トポイソメラーゼI阻害剤、例えばカンプトテシン;ホルモン及びホルモンアナログ;シグナル伝達経路阻害剤;非受容体チロシン血管形成阻害剤;免疫療法剤;アポトーシス促進剤;並びに細胞周期シグナル伝達阻害剤が挙げられる。

0143

更なる態様では、標的タンパク質の阻害が介在する疾患の処置において有用な、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩及び少なくとも1つの更なる治療薬を含む組み合わせ、並びに1つ以上の薬学的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物が提供される。

0144

一般的合成法
一般式(I)の化合物は、有機合成の技術分野で公知の方法によって製造することができる。全ての方法において、化学の一般原理に従って、必要な場合には、感受性基又は反応性基保護基を用いてもよいことは十分に理解されよう。保護基は、有機合成の標準的方法に従って操作される(T. W. Green及びP. G. M. Wuts (1999年) Protective Groups in Organic Synthesis、第3版、John Wiley & Sons)。これらの基は、当業者が容易に理解する方法を使用して、化合物合成の便利な段階で除去される。方法の選択、並びに反応条件及びその実施順序は、式(I)の化合物の製造と一致するものとする。

0145

特に、本発明に含まれるIAP化合物を製造する方法は、WO2014031487、WO2014047024、WO2008128171、WO2008/016893、WO2014/060768、WO2014/060767、及びWO15092420に見出すことができる。

0146

プロミスキャスなIAPProtac合成
プロミスキャスなキナーゼバインダーをWO2013/75167A1(又はRSC Adv.、2015年、5巻、93433〜93437頁)に記載の通りに製造した。

0147

0148

2-((5-クロロ-2-((4-(4-(2-(2-(2-(2-クロロエトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)ピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)-N-メチルベンズアミド

0149

DMF(3mL)中の2-((5-クロロ-2-((4-(ピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)-N-メチルベンズアミド(258mg、0.589mmol)及び1-クロロ-2-(2-(2-(2-クロロエトキシ)エトキシ)エトキシ)エタン(0.346mL、1.77mmol)の溶液をマイクロ波装置中150℃で3時間加熱した。混合物をEtOAc(20mL)及びNaHCO3(飽和水溶液、20mL)で希釈し、次いで相を分離した。水層をEtOAc(2×20mL)で逆抽出し、次いで有機層を合わせ、ブライン(50mL)で洗浄し、疎水性フリットを用いて乾燥し、真空下で蒸発させた。試料をDCM中にロードし、シリカ上で0〜15%のMeOH-DCM勾配を用い14カラム容積にわたって精製した。適当な画分を合わせ、真空下で蒸発させて所要生成物(130mg、35%収率)を色の固体として得た。
LCMS(ギ酸修飾剤) (ES+ve) m/z 632.6 (M + H)+ Rt 0.69分(>95%純粋)。

0150

(S)-7-(2-(2-(2-(2-(4-(4-((5-クロロ-4-((2-(メチルカルバモイル)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)ピペラジン-1-イル)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)-2-((S)-3,3-ジメチル-2-((S)-2-(メチルアミノ)プロパンアミド)ブタノイル)-N-((R)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-3-カルボキサミド

0151

DMF(1.5mL)中の2-((5-クロロ-2-((4-(4-(2-(2-(2-(2-クロロエトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)ピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)-N-メチルベンズアミド(66.0mg、0.104mmol)、tert-ブチル((S)-1-(((S)-1-((S)-7-ヒドロキシ-3-(((R)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル)カルバモイル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)-3,3-ジメチル-1-オキソブタン-2-イル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)(メチル)カルバメート(78.0mg、0.125mmol)、ヨウ化ナトリウム(15.6mg、0.104mmol)及び炭酸セシウム(51mg、0.16mmol)の溶液を100℃で24時間撹拌した。反応混合物をDCM(10mL)と水(10mL)に分配し、次いで相を分離した。水層をDCM(2×5mL)で逆抽出し、次いで有機層を合わせ、真空下で蒸発させた。残留物を最少のDMSOに溶解させ、逆相(C18)クロマトグラフィーにより45〜95%アセトニトリル-水(炭酸アンモニウム修飾剤)勾配を用いて14CVにわたって精製した。適当な画分を合わせ、真空下で蒸発させ、次いで残留物をDCM(1.5ml)に直接溶解させた。TFA(150μL、1.95mmol)を添加し、次いで混合物を8時間静置した。反応混合物を真空下で蒸発させ、次いで試料を最少のMeOHにロードし、MeOH(20mL)で溶離するアミノプロピル官能化Siカートリッジ(Biotage Isolute NH2)上の固相抽出により精製した。溶離液窒素流下で乾燥して所要の生成物(64mg、55%収率)をベージュ色の固体として得た。
LCMS (高pH修飾剤) (ES+ve) m/z 1116.4 (M + H)+ Rt 1.35分(>95%

0152

発現プロテオミクス実験のための細胞処理
THP-1細胞を3×106細胞の濃度で60mL増殖培地(RPMI1640+10%FBS)の入ったT175フラスコ播種した。増殖培地(DMSO)中で製造した10×化合物溶液、IAPPROTAC)を6μL添加し、細胞を示された時点(6又は24時間)のために37℃、5%CO2で処理した。細胞を採取するために、細胞を上のファルコンチューブ回収し、遠心分離し、冷PBS(Life technologies)で2回洗浄した。最後の洗浄工程後上澄みを除去し、ペレットを液体N2中で急速凍結し、-80℃で保管し、サーモミキサー(Thermo Fisher Scientific)中95℃で3分間、2%SDS中で溶解し、続いてベンゾナーゼを用いて37℃で1.5時間DNAを消化した。溶解物を遠心分離により澄ませ、上澄み中のタンパク質濃度をBCAアッセイによって決定した。タンパク質をDTTにより還元し、ヨードアセトアミドアルキル化し、4〜12%のNuPAGE(Invitrogen)上で分離し、コロイドクーマシー(Becher, I.ら、Chemoproteomics Reveals Time-Dependent Binding of Histone Deacetylase Inhibitors to Endogenous Repressor Complexes. ACS Chem. Biol. 9巻、1736〜1746頁(2014年))で染色した後、トリプシン消化及び質量分光分析に進んだ(後記参照)。

0153

キノビーズ(Kinobeads)アッセイ
変性ビーズマトリックスを用いて競合結合アッセイを行った(Bantscheff, M.ら、Quantitative chemical proteomics reveals mechanisms of action of clinical ABLkinase inhibitors. Nat Biotech 25巻、1035〜1044頁(2007年)、Werner, T.ら、 High-Resolution Enabled TMT8-plexing. Anal. Chem. 84巻、7188〜7194 (2012年)、Bergamini, G.ら、 A selective inhibitor reveals PI3Kγ dependence of TH17 cell differentiation. Nat Chem Biol 8巻、576〜582 (2012年))。

0154

簡潔にいうと、1ml(5mgタンパク質)の細胞抽出物試験化合物又はビヒクルと共に4℃で45分間プレインキュベートし、続いてキノビーズ(試料あたり35μlのビーズ)と共に4℃で1時間インキュベートした。ビーズをDP緩衝液(50mM Tris-HCl、0.8%(v/v)Igepal-CA630、5%(v/v)グリセロール、150mM NaCl、1.5mM MgCl2、25mM NaF、1mMバナジン酸ナトリウム、1mMジチオトレイトール、完全EDTA不含プロテアーゼ阻害剤錠剤(Roche)、pH 7.5)で洗浄することによって未結合画分を除去した。保持されているタンパク質を50μlの2×SDS試料緩衝液で溶離した。タンパク質を200mg/mlのヨードアセトアミドで30分間アルキル化し、4〜12%のNuPAGE(Invitrogen)上で部分的に分離し、コロイド状クーマシーで染色した。IAP_PROTACを20、5、0.31、0.078、0.020、0.005μMで試験し、プロミスキャスなキナーゼバインダーを10、2.5、0.63、0.16、0.04、0.01、0.0024μMで試験した。

0155

MS用の試料の製造
ゲルレーンを、全分離範囲(約2cm)をカバーする3つのスライス切り、ゲル内消化に供した(Bantscheff, M.ら、 Quantitative chemical proteomics reveals mechanisms of action of clinical ABLkinase inhibitors. Nat Biotech 25巻、1035〜1044頁(2007年))。ペプチド試料を10-plexのTMT(TMT10、Thermo Fisher Scientific、Waltham、MA)試薬で標識して、単一の実験で10の条件という広い範囲の相対的定量化を可能にした。標識反応を40mM重炭酸トリエチルアンモニウム中、pH8.53、22℃で行い、ヒドロキシルアミンクエンチした。標識されたペプチド抽出物を合わせて実験あたり単一の試料とし、Kruse, U.ら、Chemoproteomics-based kinome profiling and target deconvolution of clinical multi-kinase inhibitors in primary chronic lymphocytic leukemia cells. Leukemia 25巻、89〜100頁(2011年)に記載の通りに、pH12で逆相クロマトグラフィー[1mm Xbridgeカラム(Waters、Milford、MA)]を用いることによりUltimate3000(Dionex、Sunnyvale、CA)上で追加の分画に供した。

0156

LC-MS/MS分析
試料を真空下で乾燥し、水中0.05%のトリフルオロ酢酸再懸濁させた。試料のうち50%を、Q Exactive HF(Thermo Fisher Scientific)につないだUltimate3000 nanoRLSC(Dionex、Sunnyvale、CA)に注入した。ペプチドを5mm×300μm C18カラム(Pepmap100、5μm、300Å、Thermo Fisher Scientific)上で0.05%のTFAを含む水に60℃でトラップさせた。分離を特注の50cm×100μM(ID)逆相カラム(Reprosil)上55℃で行った。勾配溶離を0.1%ギ酸及び3.5%DMSO中2%アセトニトリル〜40%アセトニトリルで2時間かけて行った。試料は、データ依存性トップ10法で作動するQ-Exactive HF質量分析計オンラインで注入した。MSスペクトルは60.000の分解能及び3×106のイオン標的を用いることによって取得した。高エネルギー衝突解離(HCD)スキャンは35%のNCEを用いて30.000の分解能(m/z 200)で行い、イオン標的環境合体を避けるために2×105に設定した(Werner, T.ら、 Ion Coalescence of Neutron Encoded TMT10-Plex Reporter Ions. Anal. Chem. 86巻、3594〜3601頁(2014年))。

0157

機器はTune 2.5及びXcalibur 3.0.63で作動した。

0158

ペプチド及びタンパク質の特定
タンパク質の特定のためには、Coxら、 Cox, J.、Michalski, A. & Mann, M. Software Lock Mass by Two-Dimensional Minimization of Peptide Mass Errors. Journal of The American Society for Mass Spectrometry 22巻、1373〜1380頁(2011年)により記載されている方法に基づくソフトウェアロックマスを用いるMascot 2.5.1(Matrix Science、Boston、MA)を使用した。ペプチド前駆体に対して30ppm(parts per million)の質量許容差で、断片イオンに対して30mD(HCD)の質量許容差で最初の検索を行い、続いて再調整されたデータを用いてペプチド前駆体に対して10ppmの質量許容差で、断片イオンに対して20mD(HCD)の質量許容差で最終の検索を行った。システイン残基カルバミドメチル化及びリジン残基のTMT修飾を固定修飾として設定し、タンパク質の、メチオニン酸化、及びN-末端アセチル化、及びペプチドN-末端のTMT修飾を可変修飾として設定した。検索データベースは、International Protein Indexタンパク質配列データベースを、Matrix Scienceにより供給されたスクリプトを用いて作成されたこのデータベースのデコイ版と組み合わせた特注版からなっていた。他に述べない限り、発明者らは、タンパク質の特定を次のように許容した。(i)配列割当てに対する単一スペクトルでは、この割当てはベストマッチである、31の最小のMascotスコアを要し、この割当ての10×の差が次善の割当てである。これらの基準に基づいて、デコイ検索結果は、<1%の発見率(FDR)を示した。(ii)配列割当てに対する多重スペクトルでは、同じパラメーターを用い、デコイ検索結果は、<0.1%のFDRを示した。

0159

ペプチド及びタンパク質の定量化
レポーターイオン強度を生のデータから読み取り、イオン蓄積時間(単位はミリ秒)をかけてイオンの数に比例した尺度を得た。Bantscheff, M.ら、 Chemoproteomics profiling of HDAC inhibitors reveals selective targeting of HDAC complexes. Nat Biotech 29巻、255〜265頁(2011年)。この尺度はイオン面積と称される。Savitski, M. M.ら、 Delayed Fragmentation and Optimized Isolation Width Settings for Improvement of Protein Identification and Accuracy of Isobaric Mass Tag Quantification on Orbitrap-Type Mass Spectrometers. Analytical Chemistry 83巻、8959〜8967頁(2011年)。ペプチドにマッチするスペクトルに、次の基準に従ってフィルターをかけた:mascotイオンスコア>15、前駆体イオン信号対バックグラウンド>4、及び信号対妨害>0.5。Savitski, M. M.ら、 Targeted data acquisition for improved reproducibility and robustness of proteomic mass spectrometry assays. Journal of the American Society for Mass Spectrometry 21巻、1668〜1679頁(2010年)。

0160

倍率変化を記載の通りに同位体純度に対して補正し、信号対妨害尺度により判断されるほぼ同重体のピークを共溶離することにより起こる妨害に対して調整した。Savitski, M. M.ら、 Measuring and Managing Ratio Compression for Accurate iTRAQ/TMTQuantification. Journal of Proteome Research 12巻、3586〜3598頁(2013年)。タンパク質の定量化は、合計に基づくブートストラップアルゴリズムを用いることにより異なるペプチドにマッチする個々のスペクトルから導かれた。3つより多くのスペクトルで定量化された全てのタンパク質の倍率変化に対して95%信頼区間を計算した。Savitski, M. M.ら、 Delayed Fragmentation and Optimized Isolation Width Settings for Improvement of Protein Identification and Accuracy of Isobaric Mass Tag Quantification on Orbitrap-Type Mass Spectrometers. Analytical Chemistry 83巻、8959〜8967頁(2011年)。

0161

タンパク質の倍率変化は、少なくとも2つの定量化された特有のペプチドマッチを有するタンパク質に対してのみ報告された。用量応答曲線は、前に記載の通りにR(http://www.r-project.org/)及びdrcパッケージ(http://www.bioassay.dk)を用いてフィットさせた。Bantscheff, M.ら、Quantitative chemical proteomics reveals mechanisms of action of clinical ABLkinase inhibitors. Nat Biotech 25巻、1035〜1044頁(2007年)。

0162

全ての測定された最大半量阻害濃度(IC50)値は、Cheng-Prusoff関係を用いて固定化リガンドの結合平衡に対する影響に対して補正した。Sharma, K.ら Proteomics strategy for quantitative protein interaction profiling in cell extracts. Nat Meth 6巻、741〜744頁(2009年)。Sharma, K.らProteomics strategy for quantitative protein interaction profiling in cell extraxts. Nat Meth 6巻、741〜744頁(2009年)。

0163

統計分析
定量化されたタンパク質をビンに分割した。ビンは、定量化されたスペクトル配列マッチの数に従って構築される。それぞれのビンは、少なくとも300のタンパク質からなる。それぞれのビンが完了したら、タンパク質の残っている数を数える。この数が300未満であれば、残っているタンパク質を最後に完了したビンに添加する。このデータ品質依存性ビニング戦略は、Coxら、 Savitski, M. M.ら、 Delayed Fragmentation and Optimized Isolation Width Settings for Improvement of Protein Identification and Accuracy of Isobaric Mass Tag Quantification on Orbitrap-Type Mass Spectrometers. Analytical Chemistry 83巻、8959〜8967頁(2011年)に記載されている手順と類似である。タンパク質の倍率変化における差の統計的有意性は、(15.87、50、及び84.13パーセンタイルを用いて)標準偏差ロバスト推定を伴うz検定を用い、Cox. J. & Mann, M. MaxQuant enables high peptide identification rates, individualized p.p.b.-range mass accuracies and proteome-wide protein quantification. Nat Biotech 26巻、1367〜1372頁(2008年)に前に記載の通りに特定のビンについて全ての測定値に対するP値を正確に計算して、計算した。その後、それぞれの比較に対してBenjamini-Hochberg(BH)補正を用いることにより複数の仮説試験に対する調整を行った。Benjamini, Y. & Hochberg, Y. Controlling the False Discovery Rate: A Practical and Powerful Approach to Multiple Testing. Journal of the Royal Statistical Society. Series B (Methodological) 57巻、289〜300頁(1995年)。最後に、≦0.05のp値を有する場合に調節され、その発現が少なくとも1反復において50%変化したものとしてタンパク質を数えた。

実施例

0164

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