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技術 アルツハイマー病および他の神経変性障害のシナプスタンパク質バイオマーカーおよび鑑別診断

出願人 ナノソミックス・インコーポレイテッド
発明者 エドワード・ジェイ・ゴーツル
出願日 2017年5月7日 (3年1ヶ月経過) 出願番号 2018-558177
公開日 2019年6月13日 (1年0ヶ月経過) 公開番号 2019-516106
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード ウェイブガイド 物理形式 細胞固定剤 追加項目 キャピラリー装置 ナノソーム プロテインマイクロアレイ プレーナー
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年6月13日)のものです。
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図面 (5)

課題・解決手段

本発明は、アルツハイマー病および他の神経変性障害のためのシナプスタンパク質バイオマーカーならびに診断方法および予後判定方法に関する。本発明はまた、シナプスタンパク質バイオマーカーを検出するための組成物並びにアルツハイマー病および他の神経変性障害の早期診断および/または治療に有用な組成物および方法を提供する。本発明はまた、生体試料から単離された小胞中のバイオマーカー(例えば、エキソソーム)を検出するための方法を提供する。

概要

背景

540万人以上のアメリカ人および世界では3500万人が、認知症の最も一般的な形態であるアルツハイマー病を有する。現在、アルツハイマー病を診断する唯一の確実な方法は、患者死亡後の脳組織直接検査によるものである。医師は、アルツハイマー病を有する疑いのある患者における疾患を診断するために、脳イメージング行動評価精神医学的検査および他の手段を使用するが、いずれも高い正確性を示さず、かつ多くはコストがかかるか、実用的ではない。

概要

本発明は、アルツハイマー病および他の神経変性障害のためのシナプスタンパク質バイオマーカーならびに診断方法および予後判定方法に関する。本発明はまた、シナプスタンパク質バイオマーカーを検出するための組成物並びにアルツハイマー病および他の神経変性障害の早期診断および/または治療に有用な組成物および方法を提供する。本発明はまた、生体試料から単離された小胞中のバイオマーカー(例えば、エキソソーム)を検出するための方法を提供する。

目的

本発明はまた、シナプスタンパク質バイオマーカーを検出するための組成物並びにアルツハイマー病および他の神経変性障害の早期診断および/または治療に有用な組成物および方法を提供する

効果

実績

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請求項1

以下の工程:(i)対象から小胞を含む生体試料を得ること、(ii)生体試料中の1つ以上のバイオマーカーのレベルを測定すること、および(iii)生体試料中の1つ以上のバイオマーカーのレベルを対照生体試料中の1つ以上のバイオマーカーの対照レベルと比較すること、ここで1つ以上のバイオマーカーの少なくとも1つが、シナプトフィジンシナプトポジンシナプトタグミンニューログラニン、およびヒト成長関連タンパク質43(GAP43)からなる群から選択される、を含む、対象からの試料を解析する方法。

請求項2

小胞が、エキソソーム微粒子微小胞ナノソーム細胞外小胞、およびエクトソームからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。

請求項3

エキソソームが、ニューロン由来のエキソソーム、アストロサイト由来のエキソソーム、オリゴデンドロサイト由来のエキソソーム、およびミクログリア由来のエキソソームからなる群から選択される、請求項2に記載の方法。

請求項4

生体試料から小胞を単離することをさらに含む、請求項1に記載の方法。

請求項5

1つ以上のバイオマーカーのレベルが、1つ以上のバイオマーカーのタンパク質、mRNA、またはmiRNAレベルである、請求項1に記載の方法。

請求項6

対象が、神経変性障害を有すると診断されたか、または疑われている、請求項1に記載の方法。

請求項7

神経変性障害が、アルツハイマー病(AD)、血管疾患認知症前頭側頭型認知症(FTD)、大脳皮質基底核変性症(CBD)、進行性核上性麻痺PSP)、レビー小体型認知症神経原線維変化優位老年期認知症、ピック病(PiD)、嗜銀顆粒病、筋萎縮性側索硬化症ALS)、他の運動ニューロン疾患グアムパーキンソン認知症複合、FTDP−17、リティコ−ボディグ病、多発性硬化症外傷性脳損傷(TBI)、およびパーキンソン病からなる群から選択される、請求項6に記載の方法。

請求項8

生体試料が、全血血清血漿、尿、間質液腹水子宮頸部スワブ唾液スワブ、皮膚、脳組織、および脳脊髄液からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。

請求項9

生体試料から小胞を単離することが、以下:生体試料中に存在する小胞が薬剤に結合して小胞−薬剤複合体を形成する条件下で、生体試料を薬剤と接触させること;および小胞−薬剤複合体から小胞を単離して小胞を含有する試料を得ること、ここで試料中に存在する小胞の純度が生体試料中に存在する小胞の純度より大きいを含む、請求項4に記載の方法。

請求項10

1つ以上のバイオマーカーの少なくとも1つが、タウリン酸化タウ、Aβ1−42、TDP−43、α−シヌクレイン、SOD−1、FUS、FKBP51、IRS−1、リン酸化IRS−1、カテプシンDCTSD)、1型リソソーム関連膜タンパク質(LAMP1)、ユビキチン化タンパク質(UBP)、熱ショックタンパク質70(HSP70)、ニューロン特異的エノラーゼ(NSE)、ニューロフィラメント軽鎖(NFL)、低密度リポタンパク質受容体関連タンパク質6(LPR6)、熱ショック因子1(HSF1)、およびリプレッサーエレメント1−サイレンシング転写因子(REST)、CD9、CD63、CD81、およびCD171からなる群から選択される、生体試料中の1つ以上のバイオマーカーのレベルを測定することをさらに含む、請求項1に記載の方法。

請求項11

1つ以上のバイオマーカーを含む対象の神経変性障害状態を評価するためのバイオマーカーのセットであって、セット中のバイオマーカーのレベルがアッセイされ;かつバイオマーカーレベルが、少なくとも40%特異度で対象の神経変性障害状態を決定し、少なくとも1つ以上のバイオマーカーのセットが、シナプトフィジン、シナプトポジン、シナプトタグミン、ニューログラニン、およびヒト成長関連タンパク質43(GAP43)からなる群から選択される、セット。

請求項12

生体試料が、全血、血清、血漿、尿、間質液、腹水、子宮頸部スワブ、涙、唾液、頬スワブ、皮膚、脳組織、および脳脊髄液からなる群から選択される、請求項11に記載のバイオマーカーのセット。

請求項13

神経変性障害が、アルツハイマー病(AD)、血管疾患性認知症、前頭側頭型認知症(FTD)、大脳皮質基底核変性症(CBD)、進行性核上性麻痺(PSP)、レビー小体型認知症、神経原線維変化優位型老年期認知症、ピック病(PiD)、嗜銀顆粒病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、他の運動ニューロン疾患、グアムパーキンソン認知症複合、FTDP−17、リティコ−ボディグ病、多発性硬化症、外傷性脳損傷(TBI)、およびパーキンソン病からなる群から選択される、請求項11に記載のバイオマーカーのセット。

請求項14

試料から小胞中のバイオマーカーのレベルをアッセイすることをさらに含む、請求項11に記載のバイオマーカーのセット。

請求項15

小胞が、エキソソーム、微粒子、微小胞、ナノソーム、細胞外小胞、およびエクトソームからなる群から選択される、請求項14に記載のバイオマーカーのセット。

請求項16

タウ、リン酸化タウ、Aβ1−42、TDP−43、α−シヌクレイン、SOD−1、FUS、FKBP51、IRS−1、リン酸化IRS−1、カテプシンD(CTSD)、1型リソソーム関連膜タンパク質(LAMP1)、ユビキチン化タンパク質(UBP)、熱ショックタンパク質70(HSP70)、ニューロン特異的エノラーゼ(NSE)、ニューロフィラメント軽鎖(NFL)、低密度リポタンパク質受容体関連タンパク質6(LPR6)、熱ショック因子1(HSF1)、およびリプレッサーエレメント1−サイレンシング転写因子(REST)、CD9、CD63、CD81、およびCD171からなる群から選択される1つ以上のバイオマーカーをさらに含む、請求項11に記載のバイオマーカーのセット。

請求項17

対象における神経変性障害を診断もしくは予後判定する、神経変性障害のリスクのある対象を特定する、または、神経変性障害を有する対象における治療レジメンを処方もしくは治療の利益を予測するためのキットであって、小胞に特異的に結合する1つ以上の薬剤、バイオマーカーに特異的に結合する1つ以上の薬剤、生体試料を収集し、およびまたは保持するための1つ以上の容器、ならびにその使用のための指示を含み、ここで神経変性障害が変更されたバイオマーカーレベルと関連し、かつバイオマーカーはシナプトフィジン、シナプトポジン、シナプトタグミン、ニューログラニン、およびヒト成長関連タンパク質43(GAP43)からなる群から選択される、キット。

請求項18

小胞が、エキソソーム、微粒子、微小胞、ナノソーム、細胞外小胞、およびエクトソームからなる群から選択される、請求項17に記載のキット。

請求項19

薬剤が、ポリクローナルまたはモノクローナル抗体である、請求項17に記載のキット。

請求項20

薬剤が、モノクローナル抗ヒトNCAM抗体、モノクローナル抗ヒトCD171抗体、モノクローナルCD9抗体、モノクローナルCD63抗体、モノクローナルニューロン特異的エノラーゼ抗体、またはモノクローナルCD81抗体である、請求項17に記載のキット。

請求項21

エキソソームが、ニューロン由来のエキソソーム、アストロサイト由来のエキソソーム、オリゴデンドロサイト由来のエキソソーム、およびミクログリア由来のエキソソームからなる群から選択される、請求項17に記載のキット。

請求項22

神経変性障害が、アルツハイマー病(AD)、血管疾患性認知症、前頭側頭型認知症(FTD)、大脳皮質基底核変性症(CBD)、進行性核上性麻痺(PSP)、レビー小体型認知症、神経原線維変化優位型老年期認知症、ピック病(PiD)、嗜銀顆粒病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、他の運動ニューロン疾患、グアムパーキンソン認知症複合、FTDP−17、リティコ−ボディグ病、多発性硬化症、外傷性脳損傷(TBI)、およびパーキンソン病からなる群から選択される、請求項17に記載のキット。

請求項23

生体試料が、全血、血清、血漿、尿、間質液、腹水、子宮頸部スワブ、涙、唾液、頬スワブ、皮膚、脳組織、および脳脊髄液からなる群から選択される、請求項17に記載のキット。

請求項24

タウ、リン酸化タウ、Aβ1−42、TDP−43、α−シヌクレイン、SOD−1、FUS、FKBP51、IRS−1、リン酸化IRS−1、カテプシンD(CTSD)、1型リソソーム関連膜タンパク質(LAMP1)、ユビキチン化タンパク質(UBP)、熱ショックタンパク質70(HSP70)、ニューロン特異的エノラーゼ(NSE)、ニューロフィラメント軽鎖(NFL)、低密度リポタンパク質受容体関連タンパク質6(LPR6)、熱ショック因子1(HSF1)、およびリプレッサーエレメント1−サイレンシング転写因子(REST)、CD9、CD63、CD81、およびCD171からなる群から選択される1つ以上のバイオマーカーに特異的に結合する1つ以上の薬剤をさらに含む、請求項17に記載のキット。

請求項25

対象から小胞を含む生体試料を得ること;生体試料から小胞を単離すること;および生体試料中の1つ以上のバイオマーカーを検出することを含む方法であって、1つ以上のバイオマーカーの少なくとも1つが、シナプトフィジン、シナプトポジン、シナプトタグミン、ニューログラニン、およびヒト成長関連タンパク質43(GAP43)からなる群から選択される、方法。

技術分野

0001

関連出願
本出願は、その全体が出典明示により本明細書に組み込まれる、2016年5月6日に提出された米国仮特許出願第62/332,479号の優先権を主張する。

0002

技術分野
本発明は、アルツハイマー病および他の神経変性障害のためのシナプスタンパク質バイオマーカーならびに診断方法および予後判定方法に関する。本発明はまた、シナプスタンパク質バイオマーカーを検出するための組成物並びにアルツハイマー病および他の神経変性障害の早期診断および/または治療に有用な組成物および方法を提供する。本発明はまた、生体試料から単離された小胞中のバイオマーカー(例えば、エキソソーム)を検出するための方法を提供する。

背景技術

0003

540万人以上のアメリカ人および世界では3500万人が、認知症の最も一般的な形態であるアルツハイマー病を有する。現在、アルツハイマー病を診断する唯一の確実な方法は、患者死亡後の脳組織直接検査によるものである。医師は、アルツハイマー病を有する疑いのある患者における疾患を診断するために、脳イメージング行動評価精神医学的検査および他の手段を使用するが、いずれも高い正確性を示さず、かつ多くはコストがかかるか、実用的ではない。

発明が解決しようとする課題

0004

したがって、アルツハイマー病および他の神経変性障害を診断するためのバイオマーカーおよび方法が当技術分野で必要とされている。さらに、当該バイオマーカーを検出するための組成物、ならびにアルツハイマー病および他の神経変性障害を治療するために有用な組成物および方法が、当技術分野で必要とされている。本発明は、アルツハイマー病および他の神経変性障害を診断するための、正確で、非侵襲的な方法を提供することによって、この必要性を満たす。本発明は、さらに、アルツハイマー病および他の神経変性障害を診断、予後判定(prognosing)、予測(predicting)、および治療するための新規な方法、アッセイ、バイオマーカー、キット、および組成物を提供する。

課題を解決するための手段

0005

本発明は、対象における神経変性障害を診断もしくは予後判定する、神経変性障害のリスクのある対象を特定する、または、神経変性障害を有する対象における治療レジメンを処方もしくは治療の利益を予測する方法であって、該方法は、対象からの生体試料における1つ以上のバイオマーカーのレベルをアッセイすること;次いでバイオマーカーのレベルに基づいて、対象における神経変性障害を診断もしくは予後判定する、神経変性障害のリスクのある対象を特定する、または、神経変性障害を有する対象における治療レジメンを処方もしくは治療の利益を予測することを含み:1つ以上のバイオマーカーの少なくとも1つが、シナプトフィジンシナプトポジンシナプトタグミンニューログラニン、およびヒト成長関連タンパク質43(GAP43)からなる群から選択される、方法を提供する。いくつかの実施形態では、生体試料中の1つ以上のバイオマーカーのレベルは、対照試料中の1つ以上のバイオマーカーのレベルと比較され、ここで生体試料の1つ以上のバイオマーカーのレベルは、対照試料と比較して上昇している。いくつかの実施形態では、生体試料中の1つ以上のバイオマーカーのレベルは、対照試料中の1つ以上のバイオマーカーのレベルと比較され、ここで生体試料の1つ以上のバイオマーカーのレベルは対照試料と比較して減少している。他の実施形態では、神経変性障害は、以下からなる群から選択される:アルツハイマー病(AD)、血管疾患性認知症、前頭側頭型認知症(FTD)、大脳皮質基底核変性症(CBD)、進行性核上性麻痺PSP)、レビー小体型認知症神経原線維変化優位老年期認知症、ピック病(PiD)、嗜銀顆粒病、筋萎縮性側索硬化症ALS)、他の運動ニューロン疾患グアムパーキンソン認知症複合、FTDP−17、リティコ−ボディグ病、多発性硬化症外傷性脳損傷(TBI)、およびパーキンソン病。他の実施形態では、生体試料は、全血血清血漿、尿、間質液腹水子宮頸部スワブ唾液スワブ、皮膚、脳組織、および脳脊髄液からなる群から選択される。他の実施形態では、方法は、生体試料から小胞を単離することをさらに含む。他の実施形態では、方法は、溶解剤で生体試料をインキュベートするまたは処理することをさらに含む。他の実施形態では、小胞は、エキソソーム、微粒子微小胞ナノソーム細胞外小胞、およびエクトソームからなる群から選択される。他の実施形態では、方法は、生体試料からエキソソームを単離することをさらに含む。或る実施形態では、単離されたエキソソームは、ニューロン由来のエキソソーム、アストロサイト由来のエキソソーム、オリゴデンドロサイト由来のエキソソーム、およびミクログリア由来のエキソソームからなる群から選択される。他の実施形態では、1つ以上のバイオマーカーのレベルは、1つ以上のバイオマーカーのタンパク質、mRNA、またはmiRNAレベルである。いくつかの態様では、本発明の方法は、発症前から神経変性障害の発現までの動きを予測することをさらに含む。他の態様では、本発明の方法は、神経変性障害のアウトカムまたは悪化を予測することをさらに含む。更に他の態様では、本発明の方法は、アルツハイマー病を予防することを含む。他の実施形態では、方法は、生体試料中の1つ以上のバイオマーカーのレベルを測定することをさらに含む、ここで1つ以上のバイオマーカーの少なくとも1つが、タウリン酸化タウ、Aβ1−42、TDP−43、α−シヌクレイン、SOD−1、FUS、FKBP51、IRS−1、リン酸化IRS−1、カテプシンDCTSD)、1型リソソーム関連膜タンパク質(LAMP1)、ユビキチン化タンパク質(UBP)、熱ショックタンパク質70(HSP70)、ニューロン特異的エノラーゼ(NSE)、ニューロフィラメント軽鎖(NFL)、低密度リポタンパク質受容体関連タンパク質6(LPR6)、熱ショック因子1(HSF1)、およびリプレッサーエレメント1−サイレンシング(repressor element 1−silencing)転写因子(REST)、CD9、CD63、CD81、およびCD171からなる群から選択される。

0006

本発明は、対象から小胞を含む生体試料を得ること;生体試料から小胞を単離すること;および生体試料中の1つ以上のバイオマーカーを検出することを含む方法を提供し、ここで1つ以上のバイオマーカーの少なくとも1つが、シナプトフィジン、シナプトポジン、シナプトタグミン、ニューログラニン、およびヒト成長関連タンパク質43(GAP43)からなる群から選択される。或る実施形態では、生体試料は、全血、血清、血漿、尿、間質液、腹水、子宮頸部スワブ、涙、唾液、頬スワブ、皮膚、脳組織、および脳脊髄液からなる群から選択される。他の実施形態では、方法は、溶解剤で生体試料をインキュベートするまたは処理することをさらに含む。他の実施形態では、小胞は、エキソソーム、微粒子、微小胞、ナノソーム、細胞外小胞、およびエクトソームからなる群から選択される。他の実施形態では、方法は、生体試料からエキソソームを単離することをさらに含む。或る実施形態では、単離されたエキソソームは、ニューロン由来のエキソソーム、アストロサイト由来のエキソソーム、オリゴデンドロサイト由来のエキソソーム、およびミクログリア由来のエキソソームからなる群から選択される。いくつかの態様では、本発明の方法は、発症前から神経変性障害の発現までの動きを予測することをさらに含む。他の態様では、本発明の方法は、神経変性障害のアウトカムまたは悪化を予測することをさらに含む。更に他の態様では、本発明の方法は、アルツハイマー病を予防することを含む。他の実施形態では、方法は、生体試料中の1つ以上のバイオマーカーを検出することをさらに含み、ここで1つ以上のバイオマーカーの少なくとも1つが、タウ、リン酸化タウ、Aβ1−42、TDP−43、α−シヌクレイン、SOD−1、FUS、FKBP51、IRS−1、リン酸化IRS−1、カテプシンD(CTSD)、1型リソソーム関連膜タンパク質(LAMP1)、ユビキチン化タンパク質(UBP)、熱ショックタンパク質70(HSP70)、ニューロン特異的エノラーゼ(NSE)、ニューロフィラメント軽鎖(NFL)、低密度リポタンパク質受容体関連タンパク質6(LPR6)、熱ショック因子1(HSF1)、およびリプレッサーエレメント1−サイレンシング転写因子(REST)、CD9、CD63、CD81、およびCD171からなる群から選択される。

0007

本発明はまた、対象における神経変性障害を診断もしくは予後判定する、神経変性障害のリスクのある対象を特定する、または、神経変性障害を有する対象における治療レジメンを処方もしくは治療の利益を予測する方法であって、方法が:対象から得られた生体試料から小胞を単離すること;および小胞中の1つ以上のバイオマーカーのレベルを決定することを含む方法を提供し;対照試料中の1つ以上のバイオマーカーのレベルと比較した試料中の1つ以上のバイオマーカーの上昇したレベルは、神経変性障害の指標であり、ここで1つ以上のバイオマーカーの少なくとも1つが、シナプトフィジン、シナプトポジン、シナプトタグミン、ニューログラニン、およびGAP43からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、生体試料中の1つ以上のバイオマーカーのレベルは対照試料と比較して減少している。他の実施形態では、小胞は、エキソソーム、微粒子、微小胞、ナノソーム、細胞外小胞、およびエクトソームからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、神経変性障害は、以下からなる群から選択される:アルツハイマー病(AD)、血管疾患性認知症、前頭側頭型認知症(FTD)、大脳皮質基底核変性症(CBD)、進行性核上性麻痺(PSP)、レビー小体型認知症、神経原線維変化優位型老年期認知症、ピック病(PiD)、嗜銀顆粒病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、他の運動ニューロン疾患、グアムパーキンソン認知症複合、FTDP−17、リティコ−ボディグ病、多発性硬化症、外傷性脳損傷(TBI)、およびパーキンソン病。他の実施形態では、生体試料は、全血、血清、血漿、尿、間質液、腹水、子宮頸部スワブ、涙、唾液、頬スワブ、皮膚、脳組織、および脳脊髄液からなる群から選択される。さらに他の実施形態では、単離されたエキソソームは、ニューロン由来のエキソソーム、アストロサイト由来のエキソソーム、オリゴデンドロサイト由来のエキソソーム、およびミクログリア由来のエキソソームからなる群から選択される。他の実施形態では、生体試料から小胞を単離することは、以下を含む:生体試料中に存在する小胞が薬剤に結合して小胞−薬剤複合体を形成する条件下で、生体試料を薬剤と接触させること;および小胞−薬剤複合体から小胞を単離して小胞を含有する試料を得ること、ここで試料中に存在する小胞の純度が生体試料中に存在する小胞の純度より大きい。他の実施形態では、生体試料から小胞を単離することは、以下を含む:生体試料から小胞を単離して小胞試料を得ること;小胞試料中に存在する小胞が薬剤に結合して小胞−薬剤複合体を形成する条件下で小胞試料を薬剤と接触させること;および小胞−薬剤複合体から小胞を単離して小胞を含有する試料を得ること、ここで試料中に存在する小胞の純度が生体試料中に存在する小胞の純度より大きい。或る態様では、薬剤は、抗体、レクチンリガンド可溶性受容体結合タンパク質、またはオリゴヌクレオチドである。他の態様では、抗体は、ポリクローナルまたはモノクローナル抗体である。更に他の態様では、抗体は、モノクローナルNCAM抗体である。他の態様では、抗体は、モノクローナル抗ヒトNCAM抗体である。更に他の態様では、抗体は、モノクローナルCD171抗体である。他の態様では、抗体は、モノクローナル抗ヒトCD171抗体である。他の態様では、抗体は、モノクローナルCD9抗体である。他の態様では、抗体は、モノクローナルCD63抗体である。他の態様では、抗体は、モノクローナルCD81抗体である。他の態様では、抗体は、ニューロン特異的エノラーゼ抗体である。他の態様では、抗体は、モノクローナルニューロン特異的エノラーゼ抗体である。他の実施形態では、小胞は、エキソソーム、微粒子、微小胞、ナノソーム、細胞外小胞、およびエクトソームからなる群から選択される。他の実施形態では、1つ以上のバイオマーカーのレベルは、1つ以上のバイオマーカーのタンパク質、mRNA、またはmiRNAレベルである。

0008

本発明は、対象における神経変性障害を診断もしくは予後判定する、神経変性障害のリスクのある対象を特定する、または、神経変性障害を有する対象における治療レジメンを処方もしくは治療の利益を予測する方法であって、方法が以下を含む、方法を提供する:対象から生体試料を得ること;小胞に特異的な抗体を試料に適用すること、ここで小胞の存在が抗体−小胞複合体を作製する;抗体−小胞複合体を単離すること;抗体−小胞複合体における1つ以上のバイオマーカーのレベルをアッセイすること;次いで1つ以上のバイオマーカーのレベルに基づいて、対象における神経変性障害を診断もしくは予後判定する、神経変性障害のリスクのある対象を特定する、または、神経変性障害を有する対象における治療レジメンを処方もしくは治療の利益を予測すること、ここでバイオマーカーの少なくとも1つは、シナプトフィジン、シナプトポジン、シナプトタグミン、ニューログラニン、およびGAP43からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、抗体−小胞複合体は、固相上に作製される。更に他の実施形態では、方法は、抗体−小胞複合体から小胞を放出することをさらに含む。他の実施形態では、小胞は、本発明の方法において使用される選択抗体の結合について競合する競合ペプチドを使用して放出される。或る実施形態では、固相は、非磁気ビーズ、磁気ビーズ、アガロース、またはセファロースである。他の実施形態では、小胞は、抗体−小胞複合体を3.5−1.5の低pHに曝すことにより放出される。更に他の実施形態では、放出された小胞は、高pH溶液を加えることにより中和される。他の実施形態では、放出された小胞は、溶解液と放出された小胞をインキュベートすることにより溶解される。さらに他の実施形態では、溶解液は、プロテアーゼおよびホスファターゼについての阻害剤を含有する。他の実施形態では、1つ以上のバイオマーカーのレベルは、小胞の数または小胞バイオマーカーの値により正規化される。他の実施形態では、小胞は、エキソソーム、微粒子、微小胞、ナノソーム、細胞外小胞、およびエクトソームからなる群から選択される。或る実施形態では、抗体は、ポリクローナルまたはモノクローナル抗体である。他の実施形態では、抗体は、モノクローナルNCAM抗体である。他の実施形態では、抗体は、モノクローナル抗ヒトNCAM抗体である。更に他の態様では、抗体は、モノクローナルCD171抗体である。他の態様では、抗体は、モノクローナル抗ヒトCD171抗体である。他の態様では、抗体は、モノクローナルCD9抗体である。他の態様では、抗体は、モノクローナルCD63抗体である。他の態様では、抗体は、モノクローナルCD81抗体である。他の態様では、抗体は、ニューロン特異的エノラーゼ抗体である。他の態様では、抗体は、モノクローナルニューロン特異的エノラーゼ抗体である。いくつかの実施形態では、エキソソームは、ニューロン由来のエキソソーム、アストロサイト由来のエキソソーム、オリゴデンドロサイト由来のエキソソーム、およびミクログリア由来のエキソソームからなる群から選択される。更に他の実施形態では、生体試料は、全血、血清、血漿、尿、間質液、腹水、子宮頸部スワブ、涙、唾液、頬スワブ、皮膚、脳組織、および脳脊髄液からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、神経変性障害は、アルツハイマー病(AD)、血管疾患性認知症、前頭側頭型認知症(FTD)、大脳皮質基底核変性症(CBD)、進行性核上性麻痺(PSP)、レビー小体型認知症、神経原線維変化優位型老年期認知症、ピック病(PiD)、嗜銀顆粒病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、他の運動ニューロン疾患、グアムパーキンソン認知症複合、FTDP−17、リティコ−ボディグ病、多発性硬化症、外傷性脳損傷(TBI)、およびパーキンソン病からなる群から選択される。他の実施形態では、1つ以上のバイオマーカーのレベルは、1つ以上のバイオマーカーのタンパク質、mRNA、またはmiRNAレベルである。

0009

本発明は、1つ以上のバイオマーカーを含む対象の神経変性障害状態を評価するためのバイオマーカーのセットを提供し、ここでセット中のバイオマーカーのレベルはアッセイされ;およびバイオマーカーレベルは、少なくとも40%特異度で対象の神経変性障害状態を決定し、ここで少なくとも1つ以上のバイオマーカーのセットは、シナプトフィジン、シナプトポジン、シナプトタグミン、ニューログラニン、およびGAP43からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、バイオマーカーレベルは、少なくとも40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%特異度で、対象の神経変性障害状態を決定する。いくつかの実施形態では、生体試料は、全血、血清、血漿、尿、間質液、腹水、子宮頸部スワブ、涙、唾液、頬スワブ、皮膚、脳脊髄液からなる群から選択される。他の実施形態では、神経変性障害は、アルツハイマー病(AD)、血管疾患性認知症、前頭側頭型認知症(FTD)、大脳皮質基底核変性症(CBD)、進行性核上性麻痺(PSP)、レビー小体型認知症、神経原線維変化優位型老年期認知症、ピック病(PiD)、嗜銀顆粒病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、他の運動ニューロン疾患、グアムパーキンソン認知症複合、FTDP−17、リティコ−ボディグ病、多発性硬化症、外傷性脳損傷(TBI)、およびパーキンソン病からなる群から選択される。更に他の実施形態では、方法は、試料から小胞中のバイオマーカーのレベルをアッセイすることをさらに含む。他の実施形態では、小胞は、エキソソーム、微粒子、微小胞、ナノソーム、細胞外小胞、およびエクトソームからなる群から選択される。他の実施形態では、本発明のバイオマーカーのセットは、タウ、リン酸化タウ、Aβ1−42、TDP−43、α−シヌクレイン、SOD−1、FUS、FKBP51、IRS−1、リン酸化IRS−1、カテプシンD(CTSD)、1型リソソーム関連膜タンパク質(LAMP1)、ユビキチン化タンパク質(UBP)、熱ショックタンパク質70(HSP70)、ニューロン特異的エノラーゼ(NSE)、ニューロフィラメント軽鎖(NFL)、低密度リポタンパク質受容体関連タンパク質6(LPR6)、熱ショック因子1(HSF1)、およびリプレッサーエレメント1−サイレンシング転写因子(REST)、CD9、CD63、CD81、およびCD171からなる群から選択される1つ以上のバイオマーカーをさらに含む。

0010

本発明はまた、対象における神経変性障害を診断もしくは予後判定する、神経変性障害のリスクのある対象を特定する、または、神経変性障害を有する対象における治療レジメンを処方もしくは治療の利益を予測するためのキットであって、小胞に特異的に結合する1つ以上の薬剤、バイオマーカーに特異的に結合する1つ以上の薬剤、生体試料を収集し、およびまたは保持するための1つ以上の容器、ならびにその使用のための指示を含むキットを提供し、ここで神経変性障害が変更されたバイオマーカーレベルと関連し、かつバイオマーカーは、シナプトフィジン、シナプトポジン、シナプトタグミン、ニューログラニン、およびGAP43からなる群から選択される。他の実施形態では、小胞は、エキソソーム、微粒子、微小胞、ナノソーム、細胞外小胞、およびエクトソームからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、薬剤は、ポリクローナルまたはモノクローナル抗体である。他の実施形態では、抗体は、モノクローナルNCAM抗体である。他の実施形態では、抗体は、モノクローナル抗ヒトNCAM抗体である。更に他の態様では、抗体は、モノクローナルCD171抗体である。他の態様では、抗体は、モノクローナル抗ヒトCD171抗体である。他の態様では、抗体は、モノクローナルCD9抗体である。他の態様では、抗体は、モノクローナルCD63抗体である。他の態様では、抗体は、モノクローナルCD81抗体である。他の態様では、抗体は、ニューロン特異的エノラーゼ抗体である。他の態様では、抗体は、モノクローナルニューロン特異的エノラーゼ抗体である。或る実施形態では、エキソソームは、ニューロン由来のエキソソーム、アストロサイト由来のエキソソーム、オリゴデンドロサイト由来のエキソソーム、およびミクログリア由来のエキソソームからなる群から選択される。他の実施形態では、神経変性障害は、アルツハイマー病(AD)、血管疾患性認知症、前頭側頭型認知症(FTD)、大脳皮質基底核変性症(CBD)、進行性核上性麻痺(PSP)、レビー小体型認知症、神経原線維変化優位型老年期認知症、ピック病(PiD)、嗜銀顆粒病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、他の運動ニューロン疾患、グアムパーキンソン認知症複合、FTDP−17、リティコ−ボディグ病、多発性硬化症、外傷性脳損傷(TBI)、およびパーキンソン病からなる群から選択される。更に他の実施形態では、生体試料は、全血、血清、血漿、尿、間質液、腹水、子宮頸部スワブ、涙、唾液、頬スワブ、皮膚、脳脊髄液からなる群から選択される。他の実施形態では、キットは、試料中のバイオマーカーレベルを解析するためのコンピューターモデルまたはアルゴリズムをさらに含む。

0011

本発明はまた、対象における神経変性障害を診断もしくは予後判定する、神経変性障害のリスクのある対象を特定する、または、神経変性障害を有する対象における治療レジメンを処方もしくは治療の利益を予測するためのキットであって、小胞に特異的に結合する1つ以上の薬剤、バイオマーカーmRNAまたはmiRNAを検出するための1つ以上のプローブまたはプライマー、生体試料を収集し、およびまたは保持するための1つ以上の容器、ならびにその使用のための指示を含むキットを提供し、ここで神経変性障害が変更されたバイオマーカーレベルと関連し、かつバイオマーカーは、シナプトフィジン、シナプトポジン、シナプトタグミン、ニューログラニン、およびGAP43からなる群から選択される。他の実施形態では、小胞は、エキソソーム、微粒子、微小胞、ナノソーム、細胞外小胞、およびエクトソームからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、薬剤は、ポリクローナルまたはモノクローナル抗体である。他の実施形態では、エキソソームは、ニューロン由来のエキソソーム、アストロサイト由来のエキソソーム、オリゴデンドロサイト由来のエキソソーム、およびミクログリア由来のエキソソームからなる群から選択される。更に他の実施形態では、神経変性障害は、アルツハイマー病(AD)、血管疾患性認知症、前頭側頭型認知症(FTD)、大脳皮質基底核変性症(CBD)、進行性核上性麻痺(PSP)、レビー小体型認知症、神経原線維変化優位型老年期認知症、ピック病(PiD)、嗜銀顆粒病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、他の運動ニューロン疾患、グアムパーキンソン認知症複合、FTDP−17、リティコ−ボディグ病、多発性硬化症、外傷性脳損傷(TBI)、およびパーキンソン病からなる群から選択される。さらに他の実施形態では、生体試料は、全血、血清、血漿、尿、間質液、腹水、子宮頸部スワブ、涙、唾液、頬スワブ、皮膚、脳脊髄液からなる群から選択される。他の実施形態では、キットは、試料中のバイオマーカーレベルを解析するためのコンピューターモデルまたはアルゴリズムをさらに含む。いくつかの実施形態では、本発明のキットは、タウ、リン酸化タウ、Aβ1−42、TDP−43、α−シヌクレイン、SOD−1、FUS、FKBP51、IRS−1、リン酸化IRS−1、カテプシンD(CTSD)、1型リソソーム関連膜タンパク質(LAMP1)、ユビキチン化タンパク質(UBP)、熱ショックタンパク質70(HSP70)、ニューロン特異的エノラーゼ(NSE)、ニューロフィラメント軽鎖(NFL)、低密度リポタンパク質受容体関連タンパク質6(LPR6)、熱ショック因子1(HSF1)、およびリプレッサーエレメント1−サイレンシング転写因子(REST)、CD9、CD63、CD81、およびCD171からなる群から選択される1つ以上のバイオマーカーに特異的に結合する1つ以上の薬剤をさらに含む。

0012

他の実施形態では、本発明は、以下の工程を含む、対象における神経変性障害を診断する方法を提供する:(i)対象から小胞を含有する試験生体試料を得ること、(ii)試験生体試料中の1つ以上のバイオマーカーのレベルを測定すること、(iii)試験生体試料中の1つ以上のバイオマーカーのレベルを対照生体試料中の1つ以上のバイオマーカーの対照レベルと比較すること、および(iv)対照生体試料と比較して試験生体試料中の1つ以上のバイオマーカーの増加した、または減少したレベルを検出することにより、対象が神経変性障害を有することを決定すること、ここで1つ以上のバイオマーカーの少なくとも1つが、シナプトフィジン、シナプトポジン、シナプトタグミン、ニューログラニン、およびGAP43からなる群から選択される。他の実施形態では、小胞は、エキソソーム、微粒子、微小胞、ナノソーム、細胞外小胞、およびエクトソームからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、エキソソームは、ニューロン由来のエキソソーム、アストロサイト由来のエキソソーム、オリゴデンドロサイト由来のエキソソーム、およびミクログリア由来のエキソソームからなる群から選択される。更に他の実施形態では、神経変性障害は、アルツハイマー病(AD)、血管疾患性認知症、前頭側頭型認知症(FTD)、大脳皮質基底核変性症(CBD)、進行性核上性麻痺(PSP)、レビー小体型認知症、神経原線維変化優位型老年期認知症、ピック病(PiD)、嗜銀顆粒病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、他の運動ニューロン疾患、グアムパーキンソン認知症複合、FTDP−17、リティコ−ボディグ病、多発性硬化症、外傷性脳損傷(TBI)、およびパーキンソン病からなる群から選択される。さらに他の実施形態では、生体試料は、全血、血清、血漿、尿、間質液、腹水、子宮頸部スワブ、涙、唾液、頬スワブ、皮膚、脳脊髄液からなる群から選択される。他の実施形態では、方法は、生体試料から小胞を単離することをさらに含む。他の実施形態では、方法は、溶解剤で生体試料をインキュベートするまたは処理することをさらに含む。他の実施形態では、小胞は、エキソソーム、微粒子、微小胞、ナノソーム、細胞外小胞、およびエクトソームからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、本発明の1つ以上のバイオマーカーのレベルにおける減少は、第一の神経変性障害の指標であり、かつ同じ1つ以上のバイオマーカーのレベルにおける減少は、第二の神経変性障害の指標である。

0013

他の実施形態では、本発明は、対象から試料を解析するための方法を提供し、方法は、以下の工程を含む:(i)対象から小胞を含む生体試料を得ること、(ii)生体試料中の1つ以上のバイオマーカーのレベルを測定すること、および(iii)生体試料中の1つ以上のバイオマーカーのレベルを対照生体試料中の1つ以上のバイオマーカーの対照レベルと比較すること。いくつかの実施形態では、対象は、神経変性障害を有すると診断されたか、または疑われている。他の実施形態では、方法は、対象における神経変性障害を診断もしくは予後判定すること、対象における神経変性障害のリスクを特定すること、または神経変性障害を有するか、または有すると疑われている対象のための治療レジメンを処方もしくは治療の利益を予測することをさらに含む。或る実施形態では、1つ以上のバイオマーカーの少なくとも1つはシナプトフィジン、シナプトポジン、シナプトタグミン、ニューログラニン、およびGAP43からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、生体試料中の1つ以上のバイオマーカーのレベルは、対照試料中の1つ以上のバイオマーカーのレベルと比較され、ここで生体試料の1つ以上のバイオマーカーのレベルは、対照試料と比較して上昇している。いくつかの実施形態では、生体試料中の1つ以上のバイオマーカーのレベルは、対照試料中の1つ以上のバイオマーカーのレベルと比較され、ここで生体試料の1つ以上のバイオマーカーのレベルは対照試料と比較して減少している。他の実施形態では、神経変性障害は、アルツハイマー病(AD)、血管疾患性認知症、前頭側頭型認知症(FTD)、大脳皮質基底核変性症(CBD)、進行性核上性麻痺(PSP)、レビー小体型認知症、神経原線維変化優位型老年期認知症、ピック病(PiD)、嗜銀顆粒病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、他の運動ニューロン疾患、グアムパーキンソン認知症複合、FTDP−17、リティコ−ボディグ病、多発性硬化症、外傷性脳損傷(TBI)、およびパーキンソン病からなる群から選択される。他の実施形態では、生体試料は、全血、血清、血漿、尿、間質液、腹水、子宮頸部スワブ、涙、唾液、頬スワブ、皮膚、脳組織、および脳脊髄液からなる群から選択される。他の実施形態では、方法は、生体試料から小胞を単離することをさらに含む。他の実施形態では、方法は、溶解剤で生体試料をインキュベートするまたは処理することをさらに含む。他の実施形態では、小胞は、エキソソーム、微粒子、微小胞、ナノソーム、細胞外小胞、およびエクトソームからなる群から選択される。他の実施形態では、方法は、生体試料からエキソソームを単離することをさらに含む。或る実施形態では、単離されたエキソソームは、ニューロン由来のエキソソーム、アストロサイト由来のエキソソーム、オリゴデンドロサイト由来のエキソソーム、およびミクログリア由来のエキソソームからなる群から選択される。他の実施形態では、本発明の方法は、試料中の1つ以上のバイオマーカーレベルを解析するためのコンピューターモデルまたはアルゴリズムをさらに含む。他の実施形態では、1つ以上のバイオマーカーのレベルは、1つ以上のバイオマーカーのタンパク質、mRNA、またはmiRNAレベルである。

0014

他の実施形態では、本発明は、以下の工程を含む、対象における神経変性障害を診断もしくは予後判定するための方法を提供する:(a)対象から得られた小胞を含む試料を提供すること;(b)試料中のシナプトフィジン、シナプトポジン、シナプトタグミン、ニューログラニン、およびGAP43を含む1つ以上のバイオマーカーのレベルを評価すること;(c)試料中のシナプトフィジン、シナプトポジン、シナプトタグミン、ニューログラニン、および/またはGAP43レベルを、正常対照中のシナプトフィジン、シナプトポジン、シナプトタグミン、ニューログラニン、および/またはGAP43レベルと比較すること;および(d)工程(c)の結果に従って、対象が神経変性障害を有するか、または有する可能性があるかどうかを決定すること。或る態様では、正常対照におけるものよりも低い試料中のシナプトフィジン、シナプトポジン、シナプトタグミン、ニューログラニン、およびGAP43レベルを有する対象は、アルツハイマー病を有するか、または有する可能性がある。他の態様では、正常対照におけるものよりも低い試料中のシナプトフィジン、シナプトポジン、シナプトタグミン、またはニューログラニンレベルを有する対象は、前頭側頭型認知症(FTD)を有するか、または有する可能性がある。一実施形態では、シナプトフィジン、シナプトポジン、シナプトタグミン、ニューログラニン、およびGAP43のレベルは、ELISAにより評価される。他の実施形態では、方法は、生体試料から小胞を単離することをさらに含む。他の実施形態では、方法は、溶解剤で生体試料をインキュベートするまたは処理することをさらに含む。或る実施形態では、小胞は、エキソソーム、微粒子、微小胞、ナノソーム、細胞外小胞、およびエクトソームからなる群から選択される。

0015

本発明のこれらの、および他の実施形態は、容易に、本明細書の開示に照らして当業者想起され、全てのそのような実施形態が具体的に企図されている。

0016

本発明の各々の限定は、本発明の様々な実施形態を包含しうる。従って、任意の1つの要素または要素の組み合わせを伴う本発明の各々の限定は、本発明の各態様に含まれうると考えられる。本発明は、その適用にあたり、以下詳述される構造の詳細および構成要素の配置に限られない。本発明は他の実施形態が可能であり、様々な方法で実施または具体化することができる。また、本明細書で使用される表現および用語は説明の目的のためであり、限定とみなされるべきではない。本明細書における「含む(including)」、「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含有する(containing)」、「伴う(involving)」、およびそれらの活用形の使用は、その後に列挙される項目およびその同等物ならびに追加項目を包含することを意味する。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が明らかに指示しない限り、複数の言及を含むことに注意しなければならない。

図面の簡単な説明

0017

図1A−1Fは、アルツハイマー病、前頭側頭型認知症、および一致した認知的正常ケース対照の患者における神経由来の血漿エキソソームシナプスタンパク質のレベルを示すデータを記載する。
図2は、神経由来の血漿エキソソームシナプスタンパク質レベルについてのアルツハイマー病および一致した認知的正常ケース対照との間の差異を示すROCプロットを示すデータを記載する。
図3は、神経由来の血漿エキソソームシナプスタンパク質レベルについての前頭側頭型認知症および一致した認知的正常ケース対照との間の差異を示すROCプロットを示すデータを記載する。
図4は、神経由来の血漿エキソソームシナプスタンパク質レベルのためのアルツハイマー病および前頭側頭型認知症との間の差異を示すROCプロットを示すデータを記載する。
図5A−5Eは、正常認知の時点で最初および後に認知症の診断後に測定された、アルツハイマー病または前頭側頭型認知症の患者における神経由来の血漿エキソソームシナプスタンパク質の連続したレベルを示すデータを記載する。

0018

本発明は、本明細書中に記載された、変化しうるような特定の方法論プロトコール細胞株、アッセイ、および試薬に限られないということが理解されるべきである。また、本明細書で使用される用語は、本発明の特定の実施形態を説明することを意図し、添付の特許請求の範囲に記載の本発明の範囲を限定することを意図するものではないことが理解されるべきである。

0019

本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される単数形「a」、「an」および「the」は、文脈上明らかに指示しない限り、複数への言及を含むことに注意しなければならない。従って、例えば「断片」への言及は、そのような断片の複数を含み、「抗体」への言及は、1つ以上の抗体および当業者に知られたその同等物などへの言及である。

0020

特に定義しない限り、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載のものと、類似もしくは同等の任意の方法および材料を、本発明の実施または試験に使用することができるが、好ましい方法、装置、および材料が以下に記載されている。本明細書に引用される全ての刊行物は、本発明に関連して使用されてもよい刊行物で報告された方法論、薬剤、およびツールを説明および開示する目的で、その全体が出典明示により本明細書に組み込まれる。本明細書において、本発明が、先行発明により上述の開示に先行する権利がないと認めるものとして解釈されるべきものはない。

0021

特に指示しない限り、本発明の実施は、当技術分野の技術の範囲内で、化学生化学分子生物学細胞生物学遺伝学免疫学および薬理学の従来の方法を採用するだろう。このような技術は、文献に十分に説明されている。例えば、Gennaro,A.R.,ed.(1990)Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th ed.,Mack Publishing Co.;Colowick,S.et al.,eds.,Methods In Enzymology,Academic Press,Inc.;Handbook of Experimental Immunology,Vols.I−IV(D.M.Weir and C.C.Blackwell,eds.,1986,Blackwell Scientific Publications);Maniatis,T.et al.,eds.(1989)Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2nd edition,Vols.I−III,Cold Spring Harbor Laboratory Press;Ausubel,F.M.et al.,eds.(1999)Short Protocols in Molecular Biology,4th edition,John Wiley & Sons;Ream et al.,eds.(1998)Molecular Biology Techniques:An Intensive Laboratory Course,Academic Press);PCR(Introduction to Biotechniques Series),2nd ed.(Newton & Graham eds.,1997,Springer Verlag)を参照のこと。

0022

本発明は、部分的には、エキソソームのバイオマーカーが例えば、アルツハイマー病(AD)、多発性硬化症(MS)、および前頭側頭型認知症(FTD)を含む神経変性障害を有する、または発症しそうな対象を特定するためにアッセイされうるという発見に関する。

0023

本発明は、幾分、神経変性疾患(例えば、アルツハイマー病)を有する対象の循環に存在するニューロン由来のエキソソームにおける或るバイオマーカーにおける予期できない減少の発見に基づく。本発明は、これらのバイオマーカーのエキソソームのレベルが、神経変性疾患を有する対象における神経変性障害を診断するためにアッセイされてもよいことを実証する。本発明は、対象からのニューロン由来のエキソソームにおける或るバイオマーカーの測定は、神経変性疾患のその後の発症を予測する(例えば、神経変性障害を発症するリスクのある対象を特定する)ために使用されてもよいことをさらに示す。

0024

本発明はまた、本願明細書に記載される方法における使用のための組成物を提供する。かかる組成物は、以下の小分子化合物を含んでもよい;抗体またはその機能的な活性断片を含むペプチドおよびタンパク質;および低分子干渉(small interfering)リボ核酸(siRNA)、マイクロRNA(miRNA)、リボザイム、およびアンチセンス配列を含むポリヌクレオチド。(例えば、Zeng(2003)Proc Natl Acad Sci USA 100:9779−9784;およびKurreck(2003)Eur J Biochem 270:1628−1644参照。)

0025

本発明は、対象における神経変性障害を診断もしくは予後判定する、神経変性障害のリスクのある対象を特定する、または、神経変性障害を有する対象における治療レジメンを処方もしくは治療の利益を予測するためのキットをさらに提供する。これらの実施形態では、キットは、エキソソームに特異的に結合する1つ以上の抗体、バイオマーカーに特異的に結合する1つ以上の抗体、生体試料を収集し、およびまたは保持するための1つ以上の容器、ならびにキット使用のための指示を含む。

0026

セクションの見出しは、構成上の目的のためのみに本明細書中で使用され、本明細書に記載の主題を限定するものとして決して解釈されるべきではない。

0027

生体試料
本発明は、アルツハイマー病および他の神経変性障害のためのバイオマーカーならびに診断方法および予後判定方法を提供する。バイオマーカーレベルは、対象から得られた生体試料中で決定される。いくつかの実施形態では、本発明の生体試料は、血液から得られうる。いくつかの実施形態では、約1−10mLの血液は、対象から採取される。他の実施形態では、約10−50mLの血液は、対象から採取される。血液は、腕、脚、または中心静脈カテーテルを介してアクセス可能な血液を含む、身体の任意の適切な領域から採血できる。いくつかの実施形態では、血液は、治療または活動の後に収集される。例えば、血液は、健康診断の後に収集できる。また、収集のタイミングは、試料中に存在するエキソソームの数および/または組成を増加するように調整することができる。例えば、血液は、血管拡張誘導する運動または治療の後に収集できる。

0028

血液は、その後の技術のために、試料を保存または準備するための収集の後に、様々な成分と組み合わせることができる。例えば、いくつかの実施形態では、血液は、収集後に、抗凝固剤細胞固定剤プロテアーゼ阻害剤ホスファターゼ阻害剤、タンパク質、DNA、もしくはRNA保存剤で処理される。いくつかの実施形態では、血液は、EDTAまたはヘパリンなどの抗凝固剤を含有する真空採取チューブを用いて静脈穿刺によって収集される。また、血液は、ヘパリンコーティングされた注射器および皮下注射針を用いて収集できる。血液はまた、細胞培養のために有用であろう成分と組み合わせることができる。例えば、いくつかの実施形態では、血液は、細胞培養培地または補充した細胞培養培地(例えば、サイトカイン)と組み合わせられる。

0029

生体試料はまた、全血、血清、血漿、尿、間質液、腹水、子宮頸部スワブ、涙、唾液、頬スワブ、皮膚、脳脊髄液、または、例えば脳組織を含む他の組織を含む、当技術分野で知られた他の供給源から得ることができる。

0030

小胞(エキソソーム、微粒子、微小胞、ナノソーム、細胞外小胞、およびエクトソーム)の濃縮または単離
試料は、ポジティブセレクションネガティブセレクション、またはポジティブセレクションおよびネガティブセレクションの組み合わせを通して、小胞について濃縮されうる。いくつかの実施形態では、小胞は直接捕捉される。他の実施形態では、血液細胞が捕捉され、小胞は残りの生体試料から収集される。いくつかの実施形態では、生体試料中で濃縮された小胞は、エキソソーム、微粒子、微小胞、ナノソーム、細胞外小胞、またはエクトソームである。いくつかの実施形態では、生体試料中で濃縮された小胞は、ニューロン由来のエキソソーム、アストロサイト由来のエキソソーム、オリゴデンドロサイト由来のエキソソーム、またはミクログリア由来のエキソソームである。

0031

試料はまた、小胞の生化学的特性の差異に基づいて、小胞について濃縮されうる。例えば、試料は、抗原核酸、代謝、遺伝子発現、またはエピジェネティックな差異に基づいて、小胞について濃縮されうる。抗原の差異に基づくいくつかの実施形態では、磁場勾配における抗体結合磁性もしくは常磁性ビーズまたはフローサイトメトリー蛍光標識された抗体が使用される。核酸の差異に基づくいくつかの実施形態では、フローサイトメトリーが使用される。代謝の差異に基づくいくつかの実施形態では、フローサイトメトリーにより測定される色素の取り込み/排出または他のソーティング技術が使用される。遺伝子発現に基づく実施形態のいくつかでは、サイトカインとの細胞培養が使用される。試料はまた、当技術分野で知られた他の生化学的特性に基づいて、小胞について濃縮されうる。例えば、試料は、pHおよび運動性に基づいて、小胞について濃縮されうる。さらに、いくつかの実施形態では、1より多くの方法が小胞についての濃縮のために使用される。他の実施形態では、試料は、抗体、リガンド、または可溶性受容体を使用して小胞について濃縮される。

0032

他の実施形態では、表面マーカーは、試料中の小胞を正に濃縮するために使用される。いくつかの実施形態では、小胞は、エキソソーム、微粒子、微小胞、ナノソーム、細胞外小胞、またはエクトソームである。他の実施形態では、NCAM、CD171、CD9、CD63、CD81、ニューロン特異的エノラーゼ、多様なニューロンもしくはアストロサイト接着タンパク質、ミクログリアCD18/11、またはCD3 T細胞膜細胞表面マーカーが、エキソソームについての濃縮に使用される。いくつかの実施形態では、小胞集団上で見られない細胞表面マーカーが、細胞集団枯渇させることにより、小胞を負に濃縮するために使用される。また、フローサイトメトリーソーティングが、蛍光標識にコンジュゲートした細胞表面マーカーまたは細胞内もしくは細胞外マーカーを用いて、エキソソームについてさらに濃縮するために使用されてもよい。細胞内および細胞外のマーカーは、核染色、または小胞中に優先的に発現する細胞内もしくは細胞外タンパク質に対する抗体を含んでもよい。細胞表面マーカーは、エキソソーム上に優先的に発現される細胞表面抗原に対する抗体を含んでいてもよい(例えばNCAM)。いくつかの実施形態では、細胞表面マーカーは、例えばNCAMまたはCD171を含む、ニューロン由来のエキソソーム表面マーカーである。いくつかの実施形態では、モノクローナルNCAM、CD9、CD63、CD81、ニューロン特異的エノラーゼまたはCD171抗体が、試料からエキソソームを濃縮または単離するために使用される。ある特定の態様において、NCAM、CD9、CD63、CD81、ニューロン特異的エノラーゼまたはCD171抗体は、ビオチン化されている。この実施形態では、ビオチン化されたNCAMまたはCD171抗体は、ストレプトアビジン−アガロース樹脂またはビーズを用いて、その後に単離されうる抗体−エキソソーム複合体を形成しうる。他の実施形態では、NCAM、CD9、CD63、CD81、ニューロン特異的エノラーゼまたはCD171抗体は、モノクローナル抗ヒトNCAM、CD9、CD63、CD81、ニューロン特異的エノラーゼまたはCD171抗体である。

0033

いくつかの実施形態では、生体試料から濃縮された小胞は、その後、小胞の特定のタイプについて濃縮される。例えば、生体試料は、エキソソームについて濃縮され、次いで、濃縮されたエキソソームは、その後、ニューロン由来のエキソソームについて濃縮される。いくつかの実施形態では、生体試料は、小胞の個々の神経細胞供給源について濃縮される。ある特定の態様では、小胞の神経細胞供給源は、ミクログリア、ニューロン、またはアストロサイトである。

0034

他の実施形態では、小胞は生体試料から単離または濃縮され、生体試料中に存在する小胞が薬剤に結合して小胞−薬剤複合体を形成する条件下で、生体試料を薬剤と接触させること、および小胞−薬剤複合体から小胞を単離して小胞を含有する試料を得ることを含み、ここで、試料中に存在する小胞の純度は生体試料中に存在する小胞の純度より高い。特定の実施形態では、薬剤は抗体またはレクチンである。小胞−レクチン複合体を形成するのに有用なレクチンは、米国特許出願公開第2012/0077263号に記載されている。いくつかの実施形態では、小胞は、エキソソーム、微粒子、微小胞、ナノソーム、細胞外小胞、またはエクトソームである。いくつかの実施形態では、エキソソームは、ニューロン由来のエキソソーム、アストロサイト由来のエキソソーム、オリゴデンドロサイト由来のエキソソーム、またはミクログリア由来のエキソソームである。いくつかの実施形態では、複数の単離または濃縮段階が実施される。本実施形態の特定の態様において、第一の単離段階は血液試料からエキソソームを単離するために実施され、第二の単離段階は他のエキソソームからニューロン由来のエキソソームを単離するために実施される。他の実施形態では、小胞−薬剤複合体の小胞部分は、溶解薬剤を用いて溶解され、溶解された小胞のタンパク質レベルが分析される。いくつかの実施形態では、抗体−小胞複合体は、固相上に作製される。更に他の実施形態では、方法は、抗体−小胞複合体から小胞を放出することをさらに含む。或る実施形態では、固相は、非磁気ビーズ、磁気ビーズ、アガロース、またはセファロースである。他の実施形態では、小胞は、抗体−小胞複合体を3.5−1.5の低pHに曝すことにより放出される。他の実施形態では、小胞は、本発明の方法において使用される選択抗体の結合について競合する競合ペプチドを使用して放出される。更に他の実施形態では、放出された小胞は、高pH溶液を加えることにより中和される。他の実施形態では、放出された小胞は、溶解液と放出された小胞をインキュベートすることにより溶解される。さらに他の実施形態では、溶解液は、プロテアーゼおよびホスファターゼの阻害剤を含有する。

0035

神経変性障害
本発明は、対象における神経変性障害を診断もしくは予後判定する、神経変性障害のリスクのある対象を特定する、または、神経変性障害を有する対象における治療レジメンを処方もしくは治療の利益を予測するための方法を提供する。

0036

いくつかの実施形態では、神経変性障害は、アルツハイマー病(AD)、血管疾患性認知症、前頭側頭型認知症(FTD)、大脳皮質基底核変性症(CBD)、進行性核上性麻痺(PSP)、レビー小体型認知症、神経原線維変化優位型老年期認知症、ピック病(PiD)、嗜銀顆粒病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、他の運動ニューロン疾患、グアムパーキンソン認知症複合、FTDP−17、リティコ−ボディグ病、多発性硬化症、外傷性脳損傷(TBI)、およびパーキンソン病からなる群から選択される。

0037

いくつかの実施形態では、本発明は、医師が対象における1つ以上の神経変性障害を診断または予後判定することを可能にする。他の実施形態では、本発明は、医師が診断可能性としての1つ以上の神経変性疾患を除外または排除することを可能にする。他の実施形態では、本発明の方法は、いくつかのFTDの形態をアルツハイマー病と区別できるようにする。さらに他の実施形態では、本発明は、医師が神経変性障害を発症するリスクのある対象を特定することを可能にする。他の実施形態では、本発明は、医師が、対象が後に神経変性障害を発症するかどうかを予測することを可能にする。さらなる実施形態では、本発明は、医師が、神経変性障害を有する対象における治療レジメンを処方もしくは治療の利益を予測することを可能にする。

0038

バイオマーカー
バイオマーカーレベルは、神経変性障害(例えば、アルツハイマー病)を有する、または有するリスクのある対象から得られた生体試料中で検出またはアッセイされる。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、シナプトフィジン、シナプトポジン、シナプトタグミン、ニューログラニン、またはGAP43である。他の既知の神経変性障害バイオマーカーが本発明のバイオマーカーと組合せて使用されてもよい。かかるバイオマーカーの例は、出典明示により内容が本明細書中に組み込まれる米国特許公開公報第2015/0119278に提供されている。

0039

いくつかの実施形態では、本発明のバイオマーカーレベルは、バイオマーカーの遺伝子発現を決定することにより、測定される。他の実施形態では、バイオマーカーは、例えば、バイオマーカーに特異的な抗体など、本発明の薬剤を使用して検出される。或る実施形態では、遺伝子発現変化は、表1に示される1つ以上の遺伝子の発現レベルを決定することにより測定される。或る態様では、バイオマーカーの遺伝子発現は、PCR、マイクロアレイ、またはシーケンシングを使用して決定される。いくつかの実施形態では、バイオマーカーの発現レベルは、バイオマーカーのmRNAまたはmiRNAレベルを測定することにより決定される。

0040

当業者は、本発明のマーカーの検出および分析のために利用可能ないくつかの方法および装置を有する。患者試験試料中のポリペプチドまたはタンパク質に関して、多くの場合イムノアッセイ装置および方法が利用される。これらの装置および方法は、目的の分析物の存在または量に関するシグナルを生成するために、様々なサンドイッチ(sandwich)、競合、または非競合アッセイ形式標識分子を利用することができる。さらに、バイオセンサーおよび光学的イムノアッセイなどの特定の方法および装置が、標識分子を必要とすることなく、分析物の存在および量を決定するために使用されてもよい。

0041

他の方法(例えば、マーカーRNAレベルの測定)は、当業者に良く知られているが、好ましくは、マーカーはイムノアッセイを使用して分析される。マーカーの存在または量は、一般的に、各マーカーに特異的な抗体を使用して、かつ特異的な結合を検出して、決定される。任意の適切なイムノアッセイ、例えば、酵素結合免疫測定法(ELISA)、ラジオイムノアッセイRIA)、競合結合アッセイプレーナーウェイブガイド技術などが利用されてもよい。マーカーに対する特異的な抗体の免疫学的結合は、直接的にまたは間接的に決定されうる。直接標識は、抗体に結合した蛍光もしくは発光タグ、金属、色素または放射性核種などを含む。間接標識は、アルカリホスファターゼ西洋わさびペルオキシダーゼなどの当技術分野でよく知られた種々の酵素を含む。

0042

マーカーに特異的な固定化抗体の使用も、本発明によって企図される。抗体は、磁気もしくはクロマトグラフィーマトリックス粒子、アッセイ場所(マイクロタイターウェルなど)の表面、固体基板材料片(プラスチックナイロン、紙など)等などの、種々の固体支持体上に固定化されうる。アッセイストリップは固体支持体上のアレイに抗体または複数の抗体をコーティングすることによって調製できる。このストリップを、試験試料中に浸漬し、次いで、洗浄および検出段階を経て迅速に処理して、着色されたスポットなどの測定可能なシグナルを生成できる。

0043

複数のマーカーの分析は1つの試験試料と別々にまたは同時に行ってもよい。複数の試料の効率的な処理のために、いくつかのマーカーは1つの試験に組み合わされてもよい。さらに、当業者は、同じ個体からの複数の試料(例えば、連続した時点)を試験する価値を認識するだろう。そのような連続した試料を試験することは、経時的なマーカーレベルの変化の同定を可能にするだろう。マーカーレベルの増加または減少だけでなく、マーカーレベルの変化の非存在は、事象の開始からのおおよその時間を同定すること、救助可能な組織(salvageable tissue)の存在および量、薬物療法妥当性、様々な治療法の有効性、事象の重症度の同定、疾患の重症度の同定、ならびに将来の事象のリスクを含む患者の治療結果(outcome)の同定を含むがこれらに限定されるものではない疾患状態についての有用な情報を提供するだろう。

0044

本発明で参照されるマーカーの組み合わせからなるアッセイを構築し、鑑別診断に関する関連情報を提供してもよい。そのようなパネルは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20もしくはそれ以上、または個別のマーカーを使用して構築されてもよい。単一のマーカー、またはより大きなマーカーのパネルを含むマーカーのサブセットの分析を本発明内に記載された方法において実施し、種々の臨床状況における臨床的感度または特異度を最適化することができる。

0045

マーカーの分析は、同様に種々の物理的形式において実施されうる。例えば、マイクロタイタープレートの使用または自動化を用いて、多数の試験試料の処理を容易にすることができる。あるいは、単一試料形式を開発し、例えば、外来輸送(ambulatory transport)または緊急治療室の状況において、時機を逸せずに迅速な治療および診断を容易にすることができる。特に、有用な物理形式は、複数の異なる検体の検出のための、複数の不連続な、アドレス可能な位置を有する表面を含む。かかる形式はプロテインマイクロアレイもしくは「プロテインチップ」およびキャピラリー装置を含む。

0046

本発明のバイオマーカーは、神経変性障害(例えばアルツハイマー病)の早期検出およびモニタリングにおいて、重要な役割を果たす。かかる障害のマーカーは典型的に、測定することができる身体試料中に見られる物質である。測定された量は、基礎障害もしくは疾患の病態生理、神経変性障害の存在もしくは非存在、または将来の神経変性障害の可能性に相関しうる。患者の状態の治療を患者が受ける際に、測定された量はまた、治療の反応性に相関するだろう。いくつかの実施形態では、本発明の1つ以上のバイオマーカーのレベルにおける減少は、第一の神経変性障害の指標である。いくつかの実施形態では、1つ以上のバイオマーカーのレベルにおける減少および本発明の異なるバイオマーカーのレベルにおける減少の欠如は、第二の神経変性障害の指標である。例えば、シナプトポジンレベルにおける減少は、前頭側頭型認知症およびアルツハイマー病の両方の指標である。GAP4の3レベルにおける減少は、アルツハイマー病の指標であるが、FTDの指標ではない。したがって、本発明の方法は例えば、FTDおよびアルツハイマー病などの神経変性障害の鑑別診断に有用である。

0047

本発明のバイオマーカーは、シナプトフィジン、シナプトポジン、シナプトタグミン、ニューログラニン、およびGAP43であるバイオマーカーを含む。一致した認知的正常対照とは対照的に、FTDおよびAD患者のための減少したレベルで、ニューロン由来のエキソソーム(NDE)に見出されるシナプスタンパク質は、シナプスの局在および機能が異なる。シナプス前小胞タンパク質シナプトフィジンはシナプトブレビンに結合し、かつ小胞融合およびリサイクルを調節する(例えば、Daly et al.J Biol Chem 2002;277:9010−9015;Valtorta et al.Bioassay 2004;26:445−453参照)。シナプトタグミンはまた、カルシウムに結合し、それによって小胞融合を開始するシナプス前小胞タンパク質である(Sudhof Annu Rev Neurosci 2004;27:509−547)。シナプス膜タンパク質GAP43は、シナプトフィジンおよびシナプトタグミンと機能を共有するようである。(Haruta et al.Biochem J 1997;325(2):455−463)。2つのポストシナプスタンパク質シナプトポジンおよびニューログラニンは、同様に細胞内カルシウム濃度を調節する(Reddy et al.J Alzheimers Dis 2005;7:103−117)。これらのタンパク質のいくつかは、別個シナプス機能のために必要とされる、例えば、シナプス促進およびシナプス小胞の容易に放出可能なプールの維持のためのシナプトタグミンである(Bacaj et al.PLoS Biol 2015;13:e1002267;Jackman et al.Nature 2016;529:88−91)。ヒトシプトフィジンにおける変異は、X連鎖知的障害において認識され、かつシナプトタグミン−1の突然変異は認知および運動の変化した状態において認識される(Gordon.J Neurosci 2013;33:13695−13700;Baker et al.J Clin Invest 2015;125:1670−1678)。ADを有する患者の剖検での海馬および皮質組織におけるこれらのシナプスタンパク質の損失の程度は、シナプスの数の減少に匹敵し、かつプレモータム(premortem)認知機能における減少と相関する(Clare et al.J Neurosci Res 2010;88:2083−2090;Reddy et al.J Alzheimers Dis 2005;7:103−117)。

0048

いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、免疫組織化学免疫細胞化学免疫蛍光免疫沈降ウェスタンブロッティング、およびELISAからなる群から選択される方法で測定される。

0049

臨床アッセイ性能
本発明の方法は臨床アッセイにおいて、対象における神経変性障害を診断または予後判定する、神経変性障害のリスクのある対象を特定する、および/または神経変性障害を有する対象における治療レジメンを処方もしくは治療の利益を予測するために使用されてもよい。臨床アッセイ性能は、アッセイの感度、特異度、ROC曲線面積(AUC)、精度、陽性適中率(PPV)、および陰性適中率(NPV)を決定することによって評価できる。対象における神経変性障害を診断もしくは予後判定する、神経変性障害のリスクのある対象を特定する、または神経変性障害を有する対象における治療レジメンを処方もしくは治療の利益を予測するためのアッセイが本明細書に開示される。

0050

アッセイの臨床成績は、感度に基づいてもよい。本発明のアッセイの感度は、少なくとも約40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%であってもよい。アッセイの臨床成績は、特異度に基づいてもよい。本発明のアッセイの特異度は、少なくとも約40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%であってもよい。アッセイの臨床成績は、ROC曲線下面積(AUC)に基づいてもよい。本発明のアッセイのAUCは、少なくとも約0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、または0.95であってもよい。アッセイの臨床成績は、精度に基づいてもよい。本発明のアッセイの精度は、少なくとも約40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%であってもよい。

0051

組成物
本発明の方法において有用な組成物は、神経変性障害と関連するバイオマーカーを特異的に認識する組成物を含み、ここでバイオマーカーはシナプトフィジン、シナプトポジン、シナプトタグミン、ニューログラニン、およびGAP43である。更に他の実施形態では、組成物は、ペプチド、核酸、抗体、および小分子からなる群から選択される。

0052

或る実施形態では、本発明は、神経変性障害と関連するバイオマーカーを特異的に検出する組成物に関する。本明細書中に詳述されるように、本発明は、シナプトフィジン、シナプトポジン、シナプトタグミン、ニューログラニン、およびGAP43がADおよび他の神経変性障害のための特異的なバイオマーカーであるという知見に基づく。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、シナプトフィジン、シナプトポジン、シナプトタグミン、ニューログラニン、およびGAP43特異的に結合し、検出する。

0053

いくつかの実施形態では、組成物は、抗体を含み、ここで抗体は、本発明のバイオマーカーまたは小胞に特異的に結合する。本明細書中で使用され、さらに以下に説明される「抗体」という用語は、バイオマーカーまたは小胞(例えばエキソソーム)と特異的に反応もする、それらの断片を含むことを意図している。抗体は従来の技術を用いて断片化することができ、全長抗体(whole antibody)に関して上記に記載したものと同じ方法で、有用性について断片はスクリーニングできる。例えば、F(ab)2断片は、ペプシンで抗体を処理することによって生成されうる。得られたF(ab)2断片をジスルフィド架橋還元するように処理して、Fab断片を産生することができる。抗原結合部分はまた、組換えDNA技術により、または無傷の(intact)抗体の酵素的もしくは化学的切断により、産生されてもよい。抗原結合部分は、とりわけ、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fv、dAb、および相補性決定領域(CDR)断片、一本鎖抗体(scFv)、単一ドメイン抗体二重特異性抗体キメラ抗体ヒト化抗体ダイアボディ、および、ポリペプチドに特異的抗原結合を付与するために十分な、少なくとも免疫グロブリンの部分を含有するポリペプチドを含む。或る実施形態では、抗体は、抗体に結合しかつ検出されうる標識をさらに含む(例えば、標識は放射性同位体蛍光物質、酵素または酵素の補酵素でありうる)。

0054

或る実施形態では、本発明の抗体はモノクローナル抗体であり、かつ或る実施形態では、本発明は、本発明のバイオマーカーまたはエキソソームに特異的に結合する新規抗体を生成するための利用可能な方法を作製する。例えば、バイオマーカーまたはエキソソームに特異的に結合するモノクローナル抗体を生成するための方法は、検出可能な免疫応答刺激するのに有効な、バイオマーカーもしくはエキソソーム、またはそれらの断片を含む免疫原性組成物の量をマウス投与すること、マウスから抗体産生細胞(例えば、脾臓由来の細胞)を得て、抗体産生ハイブリドーマを得るために、骨髄腫細胞と抗体産生細胞を融合すること、および、バイオマーカーまたはエキソソームに特異的に結合するモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを特定するために抗体産生ハイブリドーマを試験することを含んでもよい。いったん得られると、ハイブリドーマは細胞培養で、任意に、ハイブリドーマ由来の細胞がバイオマーカーまたはエキソソームに特異的に結合するモノクローナル抗体を生成する培養条件で、増殖されうる。モノクローナル抗体は、細胞培養物から精製されてもよい。

0055

抗体に関して使用される「と特異的に反応する」という用語は、当技術分野において一般に理解されるように、抗体が目的の抗原(例えばバイオマーカーまたはエキソソーム)と目的でない他の抗原の間で、十分に選択的であることを意味することを意図している。治療応用などの抗体を使用する特定の方法では、結合におけるより高い程度の特異性が望まれてもよい。モノクローナル抗体は、一般に、所望の抗原と、交差反応するポリペプチドとの間で効果的に識別する、より大きな傾向を有する(ポリクローナル抗体と比較して)。抗体:抗原相互作用の特異性に影響する1つの特徴は、抗原に対する抗体のアフィニティーである。所望の特異性は異なるアフィニティーの範囲に到達してもよいが、一般に、好ましい抗体は、約10−6、10−7、10−8、10−9またはそれ以下のアフィニティー(解離定数)を有するだろう。

0056

抗体は、エキソソームのエピトープまたは例えば、ニューロン由来のエキソソーム、シナプトフィジン、シナプトポジン、シナプトタグミン、ニューログラニン、およびGAP43を含む本発明のバイオマーカーに特異的に結合するように生成されうる。

0057

また、所望の抗体を同定する目的で抗体をスクリーニングするために用いられる技術は、得られる抗体の性質に影響してもよい。種々の異なる技術は、特に望ましい抗体を同定するために、抗体抗原間の相互作用を試験するために利用できる。このような技術は、ELISA、表面プラズモン共鳴結合アッセイ(例えば、Biacore結合アッセイ、Biacore AB、Uppsala、Sweden)、サンドイッチアッセイ(例えば、常磁性ビーズシステム、IGEN International,Inc.,Gaithersburg,Md.)、ウェスタンブロット、免疫沈降アッセイ、免疫細胞化学、および免疫組織化学を含む。

0058

いくつかの実施形態では、本発明は、神経変性障害を治療または予防するために用いられる組成物に関する。本明細書中に詳述されるように、本発明は、シナプトフィジン、シナプトポジン、シナプトタグミン、ニューログラニン、およびGAP43レベルが例えば、アルツハイマー病などの様々な神経変性障害の病理関与することの発見に基づく。したがって、一実施形態では、本発明は、シナプトフィジン、シナプトポジン、シナプトタグミン、ニューログラニン、およびGAP43レベルにおける減少を予防する組成物を提供する。一実施形態では、組成物はシナプトフィジン、シナプトポジン、シナプトタグミン、ニューログラニン、およびGAP43レベルを増加させる。

0059

或る実施形態では、本発明は、対象から得られた生体試料における小胞(例えば、エキソソーム)を溶解するための組成物に関する。本発明の方法において有用な溶解剤は、RIPAバッファー;Tris−HCl(pH6.8);グリセロール;SDS;2−メルカプトエタノール;Triton−X 100;M−PER試薬;T−PER溶液;およびCHAPSを含む。溶解剤を生体試料とインキュベートして、本発明の小胞の膜を破壊し、その後の解析のために小胞カーゴ(cargo)(例えば、エキソソームタンパク質)を放出させてもよい。

0060

治療方法
本発明は、対象に有効量の組成物を投与することを含む、対象における神経変性障害を治療する方法を提供し、ここで組成物は、対象におけるシナプトフィジン、シナプトポジン、シナプトタグミン、ニューログラニン、およびGAP43のレベルを増加させる、または維持する。更に他の実施形態では、組成物は、シナプトフィジン、シナプトポジン、シナプトタグミン、ニューログラニン、およびGAP43レベルにおける減少を予防する。他の実施形態では、本発明は、対象に有効量の組成物を投与することを含む、対象における神経変性障害を治療する方法を提供し、ここで,組成物は、シナプトフィジン、シナプトポジン、シナプトタグミン、ニューログラニン、およびGAP43のレベルを参照レベルに正規化する。

0061

キット
本発明の別の態様は、対象における神経変性障害を検出またはモニタリングするためのキットを包含する。様々な構成要素を有する種々のキットが、本発明により企図されている。一般的に言うと、キットは対象における1つ以上のバイオマーカーを定量するための手段を含む。別の実施形態では、キットは生体試料を収集するための手段、生体試料中の1つ以上のバイオマーカーを定量する手段、およびキットの内容物の使用のための説明書を含む。或る実施形態では、キットは生体試料中のエキソソームを濃縮または単離するための手段を含む。さらなる態様では、エキソソームを濃縮または単離するための手段は、生体試料からエキソソームを濃縮または単離するために必要な試薬を含む。或る態様では、キットは、バイオマーカーの量を定量するための手段を含む。さらなる態様では、バイオマーカーの量を定量するための手段は、バイオマーカーの量を検出するために必要な試薬を含む。

0062

本発明のこれら、および他の実施形態は、容易に、本明細書の開示に鑑みて当業者に想起されるだろう。

0063

本発明は、本発明の単なる例示であるよう意図された、以下の実施例を参照することによってさらに理解されるだろう。これらの実施例は、本発明を例示するためにのみ提供される。本発明は、本発明の単一の態様の例示としてのみ意図されている例示の実施形態によって範囲は限定されない。機能的に同等である任意の方法は、本発明の範囲内である。本明細書に記載したものに加えて、本発明の種々の改変は、前述の説明から当業者に明らかになるだろう。このような改変は、添付の特許請求の範囲内にあることが意図される。

0064

実施例1:神経変性障害を有するヒト対象におけるニューロン由来の血漿エキソソームシナプスタンパク質レベル
シナプトフィジン、シナプトポジン、シナプトタグミン、ニューログラニン、およびヒト成長関連タンパク質43(GAP43)タンパク質のレベルを、以下のように神経変性障害を有するヒト対象においてアッセイした。静脈血を、対照対象(AC、n=12;FTC、n=16)、アルツハイマー病を有する対象(AD、n=12)、および前頭側頭型認知症を有する対象(FTD、n=16)から収集した。ADおよびFTDの診断は、標準的な臨床および実験室基準によって確立した。

0065

血液収集について、10mlの静脈血を100U/mlのヘパリンを有する0.5mlの生理食塩水吸引し、室温で10分間インキュベートし、1500gで15分間遠心分離した。血漿を−80℃で0.5mlアリコートで保存した。P−T181−タウおよびAβ1−42のCSFレベルをInnogenetics INNO−BIA Alz Bio3キットを使用するLuminex xMAPテクノロジーにより定量した。

0066

血漿について、250ulに0.1mlのトロンボプラスチン−D(Fisher Scientific、Inc.,Hanover Park、IL)を加え、その後プロテアーゼ阻害剤カクテル(Roche Applied Sciences、Inc.,Indianapolis、IN)およびホスファターゼ阻害剤カクテル(Pierce Halt、Thermo Scientific、Inc.,Rockford、IL)を有するカルシウムおよびマグネシウムフリーダルベッコ平衡塩溶液を添加した。

0067

4℃で30分間3,000xgで遠心分離した後、上清をExoQuickエキソソーム沈殿溶液(EXOQ;System Biosciences、Inc.,Mountainview、CA)とインキュベートし、得られた懸濁液を4℃で30分間1,500xgで遠心分離した。各ペレットを、ニューロン源からのエキソソームの免疫化学的濃縮のために、阻害剤カクテルを用いて350μlの蒸留水再懸濁した。

0068

エキソソーム懸濁液を50μLの3%BSA中の1.5μgのマウス抗ヒトCD171(L1CAM神経接着タンパク質)ビオチン化抗体(clone 5G3,eBioscience、San Diego、CA)とインキュベートし、その後、40μLの3%BSA中の10μlのストレプトアビジン−Plus UltraLinkレジン(Pierce−Thermo Scientific、Inc.)とインキュベートした。400gで遠心分離し、かつ上清を除去した後、各ペレットを100μlの0.05Mグリシン−HCl(pH3.0)で再懸濁し、4℃で10分間をインキュベートし、4℃で10分間4,000gで遠心分離した。これらの上清を10μLの1M Tris−HCl(pH8.0)および25μLの10%BSAを含有する新しいエッペンドルフチューブに移し、−80℃での保存のためのプロテアーゼおよびホスファターゼ阻害剤を含有する365μLのM−PER哺乳動物タンパク質抽出試薬(Thermo Scientific、Inc.)の添加前に混合した。

0069

NDEタンパク質を、製造業者指示書に従って、ヒトシナプトフィジン、ヒト成長関連タンパク質43(GAP43)およびヒト精製組換えCD81抗原(Origene Technologies、Inc.,Rockville、MD)を使用するCD81抗原標準曲線の検証を有するテトラスパニン(tetraspanning)エキソソームマーカーCD81(American Research Products、Inc.−Cusabio、Waltham、MA)、ニューログラニン(American Research Products、Inc.−Cloud−Clone Corp.,Waltham、MA)、およびヒトシナプトポジンおよびシナプトタグミン様タンパク質−2(Biomatik Corp.,Wilmington、DE)のためのELISAキットにより定量した。各アッセイ群におけるCD81の全ての測定の平均値を1.00に設定し、および各試料のCD81の相対値をそれらの回収を正規化するために使用した。

0070

CD−81の神経エキソソームのレベルは、同様の量のエキソソームが対照(AC、FTC)からの試料、AD、およびFTD試料に存在することを示した(図1A)。シナプトタグミンおよびシナプトポジンの血漿NDEレベルは、対照対象血漿エキソソームのレベルと比較してFTDおよびAD群について有意に低かった(図1Bおよび1C)。シナプトフィジンおよびニューログラニンのNDEレベルは、それらのそれぞれの対照群のものとは対照的に、FTD患者よりもAD患者の方がより大きい減少を示した(図1Dおよび1E)。GAP43レベルについて、FTDおよび対照FTC群間に差異はなく、AD群のものはAC群のものより僅かに有意に低かった(図1F)。AD群は、シナプトタグミン、シナプトポジン、シナプトフィジン、ニューログラニンおよびGAP43についてFTD群よりも有意に低い値を有し、それぞれPレベル0.0019、0.0003、<0.0001、0.0052および0.0014であった。CD81エキソソームマーカータンパク質の含有量に基づいて血漿から回収されたNDEの全レベルにおける患者または対照群の間に差はなかった(図1A)。

0071

ROCプロットを構築して、シナプスタンパク質レベルについての対象群間の区別の程度を個々におよび集合的に評価した(図2および3)。一致した対照対患者群の判別分析は、Wilksのラムダ0.20およびF=14.2(p<0.0001)で、91.7%のAC対象および100%のAD患者を正しく分類し(図2)、Wilksのラムダ0.36およびF=9.8(p<0.0001)で93.8%のFTC対象および81.3%のFTD患者を正しく分類した(図3)。シナプトフィジンおよびGAP43の値は、ADおよびFTD群間で重複を示さない(図4)。AD患者におけるシナプトフィジン値の範囲は、35.2〜617pg/mlであったが、FTD患者における範囲は1767〜15154pg/mlであった。AD患者におけるGAP43値の範囲は1079〜2479pg/mlであったが、FTD患者における範囲は2616〜6286pg/mlであった。ROC解析は、1767pg/mlのシナプトフィジンおよび2616pg/mlのGAP43について、両方のエキソソームタンパク質について感度1、95%CI=(0.79、1)、特異度1、95%CI=(0.74、1)および正分類1、95%CI=(0.88、1)をもたらすカットオフ値を同定した。まとめて考えると、残りのタンパク質、シナプトタグミン、シナプトポジンおよびニューログラニンのROC解析は全て、重複する値を示し、Wilksのラムダ0.44およびF=10.3(p=0.0002)で100%のAD患者および75%のFTD患者を正しく分類した(図4)。

0072

これらの結果は、シナプトタグミン、シナプトポジン、シナプトフィジン、ニューログラニンおよびGAP43のニューロン由来の血漿エキソソームのレベルが、神経変性障害を有する対象を特定するために有用であることを示した。これらの結果はさらに本発明の方法およびシナプスタンパク質バイオマーカーがアルツハイマー病および他の神経変性障害を診断するために有用であることを示した。

0073

実施例2:ヒト対象における神経変性障害の発症を予測するニューロン由来の血漿エキソソームシナプスタンパク質レベル
シナプスタンパク質のニューロン由来のエキソソームのレベルをヒト対象において以下のようにアッセイした。2つの時点で、ADの認知症を有する対象(n=9)およびFTDの認知症を有する対象(n=10)から10ミリリットルの静脈血を収集した:最初は認知的に無傷(AD1、FTD1)および再度は認知症の診断後1〜10年後(AD2およびFTD2)。血液試料を処理し、エキソソームを上記実施例1に記載のように単離した。ニューロン由来のエキソソームタンパク質、シナプトタグミン、シナプトポジン、シナプトフィジン、ニューログラニンおよびGAP43を実施例1に記載のようにELISAキットにより定量した。

0074

図5A、5C、および5Dに示されるように、FTD1およびAD1患者についてシナプトタグミン、シナプトフィジンおよびニューログラニンのレベルはそれらのそれぞれの対照群よりも低かった。しかしながら、認知の低下を伴うこれらの減少の進行は、AD2患者についてのみ観察された。シナプトポジンおよびGAP43レベルについて、対照群のものと比較した減少は、FTD2におけるより低いレベルの認知においてのみ有意であるが、減少はAD1期で有意であり、かつAD2期への認知のさらなる減少とともに有意に減少した(図5Bおよび5E)。同様のレベルの認知の低下にもかかわらず、AD2群は、NDEシナプトタグミン、シナプトポジン、シナプトフィジンおよびGAP43についてFTD2群よりも有意に低い値を示し、それぞれPレベル0.0175、0.0002、0.0004および<0.0001であり、この差はニューログラニンではみられなかった(図5A−5C)。

0075

認知的に正常である場合、AD1群の患者が、全てのNDEシナプスタンパク質の有意に減少したレベルを有するため、これらのタンパク質は、ADにおけるプロテイノパチーの早期バイオマーカーであってもよい。対照的に、シナプトポジンまたはGAP43ではなく、NDEシナプスタンパク質、シナプトタグミン、シナプトフィジンおよびニューログラニンの3つのレベルのみが、軽度の認知障害にもかかわらず、FTD1群の患者についてこの早期プロテイノパチック段階で有意に減少した。中等度の認知症への、2〜5年および6〜10年のコースのAD2患者または1〜2年および6〜10年のコースのFTD2患者のサブセット間の任意のシナプスタンパク質バイオマーカーの平均レベル有意差はなかった。

0076

これらの結果は、シナプスタンパク質のニューロン由来の血漿エキソソームのレベルが神経変性障害を有する対象において低く、かつ例えば、アルツハイマー病などの神経変性障害を有する対象を特定するのに有用であることを示した。これらの結果はまた、シナプトタグミン、シナプトポジン、シナプトフィジン、ニューログラニンおよびGAP43のニューロン由来の血漿エキソソームのレベルが早ければ神経変性障害の診断前10年の対象においてより低いことを示した。これらの結果はさらに、本発明のアッセイおよび方法が、神経変性障害のリスクのある対象を特定する(例えば、アルツハイマー病)のに有用であることを示した。さらに、これらの結果は、本発明のアッセイおよび方法が早期検出および神経変性障害の進行の判定に有用であってもよいことを示した。これらの結果はさらに、本発明の方法および組成物が、アルツハイマー病および他の神経変性障害の早期診断および治療に有用であることを示した。

0077

本明細書に示され記載されたものに加え、本発明の種々の改変が、前述の説明から当業者に明らかになるであろう。このような改変は、添付の特許請求の範囲内にあることが意図される。

実施例

0078

本明細書で引用される全ての引用文献は、その全体が出典明示により本明細書に組み込まれる。

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