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課題・解決手段

本開示は、持続放出用の医薬製剤、及び持続放出型の製剤と長期半減期製剤を組み合わせた治療計画送達する方法を提供する。本開示は、ペプチド及び小分子薬物について改善した薬物動態を提供する。

概要

背景

ペプチド及び小分子薬物の有効性は、多くの場合、循環中でのそのような薬物の半減期、並びに実質的に一定の血漿レベルを得る難しさにより制約を受ける。例えば、インクレチンGLP−1)は、その循環中での短い半減期を埋め合わせるために、比較的高用量で投与されなければならず、またこのような高用量は、とりわけ悪心と関連する(Murphy and Bloom, Nonpeptidic glucagon−like peptide 1 receptor agonists: A magic bullet for diabetes? PNAS 104 (3):689−690 (2007))。更に、ペプチド薬剤(peptide agent)の血管活性腸管ペプチド(VIP)は、いくつかの見積りでは1分未満の半減期を示し、医薬品としてこの薬剤を使用することを非実用的にしている(Domschke et al., Vasoactive intestinal peptide in man: pharmacokinetics, metabolic and circulatory effects, Gut 19:1049−1053 (1978); Henning and Sawmiller, Vasoactive intestinal peptide: cardiovascular effects, Cardiovascular Research 49:27−37 (2001))。ペプチド薬物血漿半減期が短いのは、腎クリアランスが速いこと、並びに体循環中の酵素的分解に多くの場合起因する。

概要

本開示は、持続放出用の医薬製剤、及び持続放出型の製剤と長期半減期製剤を組み合わせた治療計画送達する方法を提供する。本開示は、ペプチド及び小分子薬物について改善した薬物動態を提供する。

目的

本開示は、持続放出用の医薬製剤、及び持続放出型の製剤を用いた治療計画を送達する方法を提供する

効果

実績

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請求項1

全身投与用の治療剤を含む持続放出型の医薬製剤であって、前記治療剤が、タンパク質活性薬剤と、配列番号1〜13の1つから選択される少なくとも60個のエラスチン様ペプチド(ELP構造単位とを含み、前記タンパク質活性薬剤が、アペリンアルギナーゼC型ナトリウム利尿ペプチド(CNP)、グルカゴン様ペプチドGLP)−1受容体拮抗薬、グルカゴン様ペプチド(GLP)−2受容体作動薬ヘプシジンインスリン様増殖因子−1(IGF−1)、ウロジラチンサイモシンβ4、TNF関連アポトーシス誘導リガンド(TRAIL)、FGF21、又はその断片若しくは誘導体からなる群から選択される、医薬製剤。

請求項2

投与後に、注射部位からの低速吸収を提供する、請求項1に記載の医薬製剤。

請求項3

可逆性マトリックスを形成するアミノ酸配列が存在しない活性薬剤PKプロファイルと比較して、投与後に、平坦なPKプロファイルを提供する、請求項2に記載の医薬製剤。

請求項4

前記PKプロファイルにおいて、トラフに対するピーク(Cminに対するCmax)が小さく、Tmaxに達するのが遅い又は遅延している、請求項3に記載の医薬製剤。

請求項5

体温で形成された可逆性マトリックスが、タンパク質濃度が減少するに従って逆転する、請求項1から4のいずれか1項に記載の医薬製剤。

請求項6

前記ELPが、配列番号3を含み、式中、XがVal、Gly、及びAlaから選択される、請求項1に記載の医薬製剤。

請求項7

式中、各Xが、V、G、及びAから選択され、並びにV:G:Aの比が、a)5:3:2、b)7:2:0、c)7:0:2、d)6:0:3、e)5:2:2、及びf)10:0:0からなる群から選択される、請求項6に記載の医薬製剤。

請求項8

前記ELPが、配列番号13を含み、式中、Xが、Val、Gly、及びAlaから選択される、請求項1に記載の医薬製剤。

請求項9

式中、各Xが、V、G、及びAから選択され、並びにV:G:Aの比が、約5:0:4であり得る、請求項8に記載の医薬製剤。

請求項10

前記ELPが、VPGXG(配列番号3)からなる40〜180個の反復単位を含み、式中、各Xが、V、G、及びAから選択され、並びにV:G:Aの比が、a)5:3:2、b)7:2:0、c)7:0:2、d)6:0:3、及びe)5:2:2からなる群から選択される、請求項6に記載の医薬製剤。

請求項11

Xが、約6:0:3の比でVal、Gly、及びAlaから選択される、請求項10に記載の医薬製剤。

請求項12

前記ELPが、XPGVG(配列番号13)からなる40〜180個の反復単位を含み、式中、各Xが、V、G、及びAから選択され、並びにV:G:Aの比が、約5:0:4であり得る、請求項8に記載の医薬製剤。

請求項13

対象が、ヒトである、請求項1から12のいずれか1項に記載の医薬製剤。

請求項14

対象が、ヒト以外の哺乳動物である、請求項1から12のいずれか1項に記載の医薬製剤。

請求項15

前記治療剤が、前記タンパク質活性薬剤とELPの間の組換え融合タンパク質である、請求項1に記載の医薬製剤。

請求項16

前記タンパク質活性薬剤が、約30秒〜約10時間、又は約30秒〜約1時間の範囲の循環半減期を有する、請求項1に記載の医薬製剤。

請求項17

アペリン、アルギナーゼ、CNP、GLP−1受容体拮抗薬、GLP−2受容体作動薬、ヘプシジン、IGF−1、ウロジラチン、サイモシンβ4、及びTRAIL、FGF21、又はその断片若しくは誘導体のうちの少なくとも2つを含む共製剤である、請求項16に記載の医薬製剤。

請求項18

前記治療剤が、前記タンパク質活性薬剤とELPの間の化学的コンジュゲートである、請求項1から14、及び16から17のいずれか1項に記載の医薬製剤。

請求項19

前記治療剤が、約0.5mg/mL〜約200mg/mLの範囲で存在する、請求項1から18のいずれか1項に記載の医薬製剤。

請求項20

前記治療剤が、約30mg/mL〜約150mg/mLの範囲で存在する、請求項19に記載の医薬製剤。

請求項21

前記治療剤が、約50mg/mL〜約125mg/mL、又は約75mg/mL〜約110mg/mLの範囲で存在する、請求項20に記載の医薬製剤。

請求項22

前記治療剤が、約100mg/mLの量で存在する、請求項21に記載の医薬製剤。

請求項23

前記治療剤が、保管条件において相転移したマトリックスを形成しない、請求項1から22のいずれか1項に記載の医薬組成物

請求項24

前記保管条件が、約40℃未満、又は約37℃未満、約30℃未満、約27℃未満、約25℃未満、約0℃未満、約−15℃未満、又は約−60℃未満である、請求項23に記載の医薬組成物。

請求項25

前記保管条件において1ヶ月を超えて安定である、請求項24に記載の医薬製剤。

請求項26

a.約25℃、b.約2℃、c.約8℃、d.約−15℃、及びe.約−80℃からなる群から選択される温度において約1ヶ月を超えて安定である、請求項25に記載の医薬製剤。

請求項27

請求項28

リン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、及びポリソルベート20を含む、請求項27に記載の医薬製剤。

請求項29

塩化ナトリウム及びヒスチジンを含む、請求項27に記載の医薬製剤。

請求項30

10mMのリン酸ナトリウム、110mMの塩化ナトリウム、及び0.1%のポリソルベート20を含む、請求項28に記載の医薬製剤。

請求項31

週間当たり約1回、1週間当たり約2回、又は1ヶ月当たり1〜8回投与するために事前用量化されたペン又はシリンジの形態で包装されている、請求項1から30のいずれか1項に記載の医薬製剤。

請求項32

治療剤を含む持続放出型の医薬製剤であって、前記治療剤が、タンパク質活性薬剤、及びVPGXG(配列番号3)又はXPGVG(配列番号13)からなる60〜180個の反復単位を含むELPアミノ酸配列を含み、式中、各Xが、V、G、及びAから選択され、及び前記ELPが、26℃〜37℃の転移温度を示し、前記タンパク質活性薬剤が、アペリン、アルギナーゼ、C型ナトリウム利尿ペプチド(CNP)、グルカゴン様ペプチド(GLP)−1受容体拮抗薬、グルカゴン様ペプチド(GLP)−2受容体作動薬、ヘプシジン、インスリン様増殖因子−1(IGF−1)、ウロジラチン、サイモシンβ4、TNF関連アポトーシス誘導リガンド(TRAIL)、FGF21、又はその断片若しくは誘導体である、医薬製剤。

請求項33

投与後に、注射部位からの低速吸収を提供する、請求項32に記載の医薬製剤。

請求項34

前記アミノ酸配列が存在しない活性薬剤のPKプロファイルと比較して、投与後に、平坦なPKプロファイルを提供する、請求項33に記載の医薬製剤。

請求項35

前記PKプロファイルにおいて、トラフに対するピーク(Cminに対するCmax)が小さく、Tmaxに達するのが遅い又は遅延している、請求項33に記載の医薬製剤。

請求項36

体温で形成された可逆性マトリックスが、タンパク質濃度が減少するに従って逆転する、請求項32から35のいずれか1項に記載の医薬製剤。

請求項37

V、G、及びAが、a)5:3:2、b)7:2:0、c)7:0:2、d)6:0:3、e)5:2:2、及びf)5:0:4からなる群から選択される比にある、請求項32から36のいずれか1項に記載の医薬製剤。

請求項38

前記ELPが、VPGXG(配列番号3)からなる少なくとも60個の反復単位を含むELP単位を含み、式中、各XがVである、請求項32に記載の医薬製剤。

請求項39

前記治療剤が、前記タンパク質活性薬剤と前記アミノ酸配列の間の組換え融合タンパク質である、請求項32に記載の医薬製剤。

請求項40

前記タンパク質活性薬剤が、約30秒〜約10時間、又は約30秒〜約1時間の範囲の循環半減期を有する、請求項32に記載の医薬製剤。

請求項41

前記タンパク質活性薬剤が、アペリン、アルギナーゼ、CNP、GLP−1受容体拮抗薬、GLP−2受容体作動薬、ヘプシジン、IGF−1、ウロジラチン、サイモシンβ4、TRAIL、FGF21、又はその断片若しくは誘導体からなる群から選択される、請求項32に記載の医薬製剤。

請求項42

アペリン、アルギナーゼ、CNP、GLP−1受容体拮抗薬、GLP−2受容体作動薬、ヘプシジン、IGF−1、ウロジラチン、サイモシンβ4、TRAIL、FGF21、又はその断片若しくは誘導体のうちの少なくとも2つを含む共製剤である、請求項32に記載の医薬製剤。

請求項43

前記治療剤が、前記タンパク質活性薬剤と前記ELPアミノ酸配列の間の化学的コンジュゲートである、請求項32から38及び40から42のいずれか1項に記載の医薬製剤。

請求項44

前記治療剤が、約0.5mg/mL〜約200mg/mLの範囲で存在する、請求項32から43のいずれか1項に記載の医薬製剤。

請求項45

前記治療剤が、約30mg/mL〜約150mg/mLの範囲で存在する、請求項44に記載の医薬製剤。

請求項46

前記治療剤が、約50mg/mL〜約125mg/mLの範囲、又は約75mg/mL〜約110mg/mLの範囲で存在する、請求項45に記載の医薬製剤。

請求項47

前記治療剤が、約100mg/mLの範囲で存在する、請求項46に記載の医薬製剤。

請求項48

前記治療剤が、保管条件においてマトリックスを形成しない、請求項32から47のいずれか1項に記載の医薬組成物。

請求項49

前記保管条件が、約40℃未満、又は約37℃未満、又は約30℃未満、約27℃未満、又は約25℃未満、約0℃未満、約−15℃未満、又は約−60℃未満である、請求項48に記載の医薬組成物。

請求項50

塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化カリウム、塩基性リン酸カリウム、塩化ナトリウム、塩化ナトリウム、ポリソルベート20、ポリソルベート80、リン酸ナトリウム、塩基性リン酸ナトリウム、ヒスチジン、及び二塩基性リン酸ナトリウムのうちの2つ又はそれ超を含む、請求項32から49のいずれか1項に記載の医薬製剤。

請求項51

リン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、及びポリソルベート20を含む、請求項50に記載の医薬製剤。

請求項52

塩化ナトリウム及びヒスチジンを含む、請求項50に記載の医薬製剤。

請求項53

10mMのリン酸ナトリウム、110mMの塩化ナトリウム、及び0.1%のポリソルベート20を含む、請求項51に記載の医薬製剤。

請求項54

1週間当たり1回、1週間当たり2回、又は1ヶ月当たり1〜8回投与するために事前用量化されたペン又はシリンジの形態で包装されている、請求項32から53のいずれか1項に記載の医薬製剤。

請求項55

請求項1から54のいずれか1項に記載の製剤を、必要としている対象に投与することを含む、治療剤の持続放出型投薬計画送達する方法。

請求項56

前記治療剤が、1ヶ月当たり約1〜約8回投与される、請求項55に記載の方法。

請求項57

前記製剤が、1週間に約1回投与される、請求項55又は56のいずれか1項に記載の方法。

請求項58

前記製剤が、皮下又は筋肉内に投与される、請求項55から57のいずれか1項に記載の方法。

請求項59

投与部位が、病理学的部位ではない、請求項55から58のいずれか1項に記載の方法。

請求項60

前記タンパク質活性薬剤が、ヒトアペリンであり、及び前記ELPが、VPGXG(配列番号3)からなる少なくとも60個の反復単位を含む、請求項1に記載の医薬製剤。

請求項61

前記ELPが、ヒトアペリンのC末端に融合している、請求項60に記載の医薬製剤。

請求項62

前記ELPが、ヒトアペリンのN末端に融合している、請求項60に記載の医薬製剤。

請求項63

前記ヒトアペリンが、配列番号39である、請求項60に記載の医薬製剤。

請求項64

前記ヒトアペリンが、配列番号41である、請求項60に記載の医薬製剤。

請求項65

前記ヒトアペリンが、配列番号42である、請求項60に記載の医薬製剤。

請求項66

前記ヒトアペリンが、配列番号43である、請求項60に記載の医薬製剤。

請求項67

前記ヒトアペリンが、配列番号44である、請求項60に記載の医薬製剤。

請求項68

前記治療剤が、配列番号40である、請求項1に記載の医薬製剤。

請求項69

前記タンパク質活性薬剤が、ヒトアルギナーゼであり、及び前記ELPが、VPGXG(配列番号3)からなる少なくとも60個の反復単位を含む、請求項1に記載の医薬製剤。

請求項70

前記ELPが、ヒトアルギナーゼのC末端に融合している、請求項69に記載の医薬製剤。

請求項71

前記ELPが、ヒトアルギナーゼのN末端に融合している、請求項69に記載の医薬製剤。

請求項72

前記ヒトアルギナーゼが、配列番号45である、請求項69に記載の医薬製剤。

請求項73

前記治療剤が、配列番号46である、請求項1に記載の医薬製剤。

請求項74

前記タンパク質活性薬剤が、ヒトCNPであり、及び前記ELPが、VPGXG(配列番号3)からなる少なくとも60個の反復単位を含む、請求項1に記載の医薬製剤。

請求項75

前記ELPが、ヒトCNPのC末端に融合している、請求項74に記載の医薬製剤。

請求項76

前記ELPが、ヒトCNPのN末端に融合している、請求項74に記載の医薬製剤。

請求項77

前記ヒトCNPが、配列番号47である、請求項74に記載の医薬製剤。

請求項78

前記ヒトCNPが、配列番号49である、請求項74に記載の医薬製剤。

請求項79

前記ヒトCNPが、配列番号51である、請求項74に記載の医薬製剤。

請求項80

前記ヒトCNPが、配列番号52である、請求項74に記載の医薬製剤。

請求項81

前記CNP及び前記ELPが、プロテアーゼ切断部位を含有するリンカーにより分離されている、請求項74から80のいずれか1項に記載の医薬製剤。

請求項82

前記プロテアーゼ切断部位における切断が、invivoでの前記CNPの放出を可能にする、請求項81に記載の医薬製剤。

請求項83

前記治療剤が、配列番号48である、請求項1に記載の医薬製剤。

請求項84

前記治療剤が、配列番号83である、請求項1に記載の医薬製剤。

請求項85

前記タンパク質活性薬剤が、ヒトGLP−1受容体拮抗薬であり、及び前記ELPが、配列番号14である、請求項1に記載の医薬製剤。

請求項86

前記ELPが、ヒトGLP−1受容体拮抗薬のC末端に融合している、請求項85に記載の医薬製剤。

請求項87

前記ヒトGLP−1受容体拮抗薬が、配列番号54である、請求項85に記載の医薬製剤。

請求項88

前記ヒトGLP−1受容体拮抗薬が、配列番号64である、請求項85に記載の医薬製剤。

請求項89

前記ヒトGLP−1受容体拮抗薬が、配列番号65である、請求項85に記載の医薬製剤。

請求項90

前記ヒトGLP−1受容体拮抗薬が、配列番号27である、請求項85に記載の医薬製剤。

請求項91

前記ヒトGLP−1受容体拮抗薬が、配列番号28である、請求項85に記載の医薬製剤。

請求項92

前記ヒトGLP−1受容体拮抗薬が、配列番号60である、請求項85に記載の医薬製剤。

請求項93

前記ヒトGLP−1受容体拮抗薬が、配列番号61である、請求項85に記載の医薬製剤。

請求項94

前記ヒトGLP−1受容体拮抗薬が、配列番号62である、請求項85に記載の医薬製剤。

請求項95

前記ヒトGLP−1受容体拮抗薬が、配列番号63である、請求項85に記載の医薬製剤。

請求項96

前記ヒトGLP−1受容体拮抗薬が、配列番号66である、請求項85に記載の医薬製剤。

請求項97

前記ヒトGLP−1受容体拮抗薬が、配列番号67である、請求項85に記載の医薬製剤。

請求項98

前記治療剤が、配列番号57である、請求項1に記載の医薬製剤。

請求項99

前記治療剤が、配列番号58である、請求項1に記載の医薬製剤。

請求項100

前記治療剤が、配列番号59である、請求項1から30のいずれか1項に記載の医薬製剤。

請求項101

前記タンパク質活性薬剤が、ヒトGLP−2受容体作動薬であり、及び前記ELPが、VPGXG(配列番号3)からなる少なくとも60個の反復単位を含む、請求項1に記載の医薬製剤。

請求項102

前記ELPが、ヒトGLP−2受容体作動薬のC末端に融合している、請求項101に記載の医薬製剤。

請求項103

前記ELPが、ヒトGLP−2受容体作動薬のN末端に融合している、請求項101に記載の医薬製剤。

請求項104

前記ヒトGLP−2受容体作動薬が、配列番号68である、請求項101に記載の医薬製剤。

請求項105

前記ヒトGLP−2受容体作動薬が、配列番号70である、請求項101に記載の医薬製剤。

請求項106

前記ヒトGLP−2受容体作動薬が、配列番号74であり、式中、Xが、G、L、I、又はVである、請求項101に記載の医薬製剤。

請求項107

前記治療剤が、配列番号69である、請求項1に記載の医薬製剤。

請求項108

前記治療剤が、配列番号71である、請求項1に記載の医薬製剤。

請求項109

前記治療剤が、配列番号73である、請求項1に記載の医薬製剤。

請求項110

前記タンパク質活性薬剤が、ヒトヘプシジンであり、及び前記ELPが、VPGXG(配列番号3)からなる少なくとも60個の反復単位を含む、請求項1に記載の医薬製剤。

請求項111

前記ELPが、ヒトヘプシジンのC末端に融合している、請求項110に記載の医薬製剤。

請求項112

前記ELPが、ヒトヘプシジンのN末端に融合している、請求項110に記載の医薬製剤。

請求項113

前記ヒトヘプシジンが、配列番号75である、請求項110に記載の医薬製剤。

請求項114

前記治療剤が、配列番号76である、請求項1に記載の医薬製剤。

請求項115

前記治療剤が、配列番号77である、請求項1に記載の医薬製剤。

請求項116

前記タンパク質活性薬剤が、IGF−1であり、及び前記ELPが、VPGXG(配列番号3)からなる少なくとも60個の反復単位を含む、請求項1に記載の医薬製剤。

請求項117

前記タンパク質活性薬剤が、ヒトIGF−1であり、及び前記ELPが、XPGVG(配列番号13)からなる少なくとも60個の反復単位を含む、請求項1に記載の医薬製剤。

請求項118

前記ELPが、ヒトIGF−1のC末端に融合している、請求項116又は請求項117に記載の医薬製剤。

請求項119

前記ELPが、ヒトIGF−1のN末端に融合している、請求項116又は請求項117に記載の医薬製剤。

請求項120

ヒトIGF−1が、配列番号78である、請求項116又は請求項117に記載の医薬製剤。

請求項121

前記治療剤が、配列番号79である、請求項1に記載の医薬製剤。

請求項122

前記治療剤が、配列番号80である、請求項1に記載の医薬製剤。

請求項123

前記タンパク質活性薬剤が、ヒトウロジラチンであり、及び前記ELPが、VPGXG(配列番号3)からなる少なくとも60個の反復単位を含む、請求項1に記載の医薬製剤。

請求項124

前記ELPが、ヒトウロジラチンのC末端に融合している、請求項124に記載の医薬製剤。

請求項125

前記ELPが、ヒトウロジラチンのN末端に融合している、請求項124に記載の医薬製剤。

請求項126

前記ヒトウロジラチンが、配列番号84である、請求項124に記載の医薬製剤。

請求項127

前記治療剤が、配列番号85である、請求項1に記載の医薬製剤。

請求項128

前記治療剤が、配列番号86である、請求項1に記載の医薬製剤。

請求項129

前記タンパク質活性薬剤が、ヒトサイモシンβ4であり、及び前記ELPが、VPGXG(配列番号3)からなる少なくとも60個の反復単位を含む、請求項1に記載の医薬製剤。

請求項130

前記ELPが、ヒトサイモシンβ4のC末端に融合している、請求項129に記載の医薬製剤。

請求項131

前記ELPが、ヒトサイモシンβ4のN末端に融合している、請求項129に記載の医薬製剤。

請求項132

前記ヒトサイモシンβ4が、配列番号89である、請求項129に記載の医薬製剤。

請求項133

前記治療剤が、配列番号90である、請求項1に記載の医薬製剤。

請求項134

前記タンパク質活性薬剤が、ヒトTRAILであり、及び前記ELPが、VPGXG(配列番号3)からなる少なくとも60個の反復単位を含む、請求項1に記載の医薬製剤。

請求項135

前記ELPが、ヒトTRAILのC末端に融合している、請求項134に記載の医薬製剤。

請求項136

前記ELPが、ヒトTRAILのN末端に融合している、請求項134に記載の医薬製剤。

請求項137

前記ヒトTRAILが、配列番号89である、請求項134に記載の医薬製剤。

請求項138

前記治療剤が、配列番号92である、請求項1に記載の医薬製剤。

請求項139

前記治療剤が、配列番号98である、請求項1に記載の医薬製剤。

請求項140

タンパク質活性薬剤と、配列番号1〜13のいずれか1つから選択される少なくとも60個のエラスチン様ペプチド(ELP)構造単位とを含む治療用タンパク質であって、前記タンパク質活性薬剤が、アペリン、アルギナーゼ、C型ナトリウム利尿ペプチド(CNP)、グルカゴン様ペプチド(GLP)−1受容体拮抗薬、グルカゴン様ペプチド(GLP)−2受容体作動薬、ヘプシジン、インスリン様増殖因子−1(IGF−1)、ウロジラチン、サイモシンβ4、TNF関連アポトーシス誘導リガンド(TRAIL)、FGF21、又はその断片若しくは誘導体からなる群から選択される、治療用タンパク質。

請求項141

治療剤を含む治療用タンパク質であって、前記治療剤が、タンパク質活性薬剤と、VPGXG(配列番号3)又はXPGVG(配列番号13)からなる60〜180個の反復単位を含むELPアミノ酸配列であって、式中、各Xが、V、G、及びAから選択されるELPアミノ酸配列とを含み、並びに前記ELPが、26℃〜37℃の転移温度を示し、前記タンパク質活性薬剤が、アペリン、アルギナーゼ、C型ナトリウム利尿ペプチド(CNP)、グルカゴン様ペプチド(GLP)−1受容体拮抗薬、グルカゴン様ペプチド(GLP)−2受容体作動薬、ヘプシジン、インスリン様増殖因子−1(IGF−1)、ウロジラチン、サイモシンβ4、TNF関連アポトーシス誘導リガンド(TRAIL)、FGF21、又はその断片若しくは誘導体である、治療用タンパク質。

技術分野

0001

関連出願の相互参照
本出願は、2017年1月4日出願の米国仮特許出願第62/442,057号及び2016年5月6日出願の米国仮特許出願第62/332,803号の利益を主張し、各号の内容は、引用することにより本明細書の一部をなすものとする。

0002

本開示は、持続放出用の医薬製剤、及び持続放出型の製剤を用いた治療計画送達する方法に関する。

0003

電子的に提出されたテキストファイルの説明
本明細書と共に電子的に提出されたテキストファイルの内容は、引用することにより本明細書の一部をなすものとする:配列表コンピューター読み取り可能フォーマットコピーファイルネームPHAS_033_02WO_SeqList_ST25.txt、記録日:2017年5月1日、ファイルサイズ287キロバイト)。

背景技術

0004

ペプチド及び小分子薬物の有効性は、多くの場合、循環中でのそのような薬物の半減期、並びに実質的に一定の血漿レベルを得る難しさにより制約を受ける。例えば、インクレチンGLP−1)は、その循環中での短い半減期を埋め合わせるために、比較的高用量で投与されなければならず、またこのような高用量は、とりわけ悪心と関連する(Murphy and Bloom, Nonpeptidic glucagon−like peptide 1 receptor agonists: A magic bullet for diabetes? PNAS 104 (3):689−690 (2007))。更に、ペプチド薬剤(peptide agent)の血管活性腸管ペプチド(VIP)は、いくつかの見積りでは1分未満の半減期を示し、医薬品としてこの薬剤を使用することを非実用的にしている(Domschke et al., Vasoactive intestinal peptide in man: pharmacokinetics, metabolic and circulatory effects, Gut 19:1049−1053 (1978); Henning and Sawmiller, Vasoactive intestinal peptide: cardiovascular effects, Cardiovascular Research 49:27−37 (2001))。ペプチド薬物血漿半減期が短いのは、腎クリアランスが速いこと、並びに体循環中の酵素的分解に多くの場合起因する。

0005

本開示は、持続放出用の医薬製剤、及び持続放出型の製剤を用いた治療計画を送達する方法を提供する。本開示は、これによりペプチド及び小分子薬物について改善した薬物動態を提供する。

0006

いくつかの態様では、本開示は、持続放出型の医薬製剤を提供する。該製剤は、全身投与用の治療剤を含み、該治療剤は、活性薬剤と、対象の体温可逆性マトリックスを形成する能力を有するアミノ酸配列とを含む。可逆性マトリックスは、水素結合(例えば、分子内及び/又は分子間水素結合)、並びに疎水的寄与により形成される。該製剤は、1つ又は複数の薬学的に許容される賦形剤及び/又は希釈剤を更に含む。マトリックスは、注射部位から循環への低速吸収を提供する。注射部位からの持続放出又は低速吸収は、注射部位において濃度分散するに従いマトリックスがゆっくりと逆転することに起因する。製品が循環中に移動すると、該製剤は半減期の長期化及び安定性の改善をもたらす。従って、低速吸収と長期半減期の独特な組み合わせが実現すると、トラフに対するピーク(Cminに対するCmax)が小さく、Tmaxに達するのが遅い又は遅延している望ましいPKプロファイルをもたらす。

0007

特定の実施形態では、対象の体温で可逆性マトリックスを形成する能力を有するアミノ酸配列は、エラスチン様ペプチド(ELP)配列である。ELP配列は、エラスチンタンパク質中に存在する反復配列と関連する、又はそれを模倣する構造的ペプチド単位若しくは配列を含む、或いはそれから構成される。ELPアミノ酸配列は、選択された製剤において目視可能で可逆的な逆相転移を示し得る。すなわち、アミノ酸配列は、転移温度(Tt)未満の製剤において構造的に無秩序化しており、また極めて可溶性であり得るが、該製剤の温度がTtより上昇すると、鋭敏な(2〜3℃の範囲で)無秩序から秩序への相転移を示す。いくつかの実施形態では、本開示は、約26℃〜約37℃の間で転移温度を有する治療剤を提供する。温度に付加して、ELPポリマーの長さ、ELPのアミノ酸組成イオン強度、pH、圧力、選択された溶媒有機溶質の存在、及びタンパク質濃度も、転移特性に影響を及ぼす可能性があり、またこれらは、所望の吸収プロファイルに応じて特別に調整され得る。いくつかの実施形態では、タンパク質濃度及び塩濃度が、転移特性(例えば、転移温度)に影響を及ぼす。マトリックスを形成するELPアミノ酸配列の代表的な配列又は構造が本明細書に開示される。

0008

特定の実施形態では、全身投与用の活性薬剤は、タンパク質又はペプチドであり、例えば約30秒〜約1時間、〜約2時間、又は〜約5時間等の短い循環半減期を有し得る。いくつかの実施形態では、タンパク質又はペプチドは、30秒〜約10時間の循環半減期を有する。治療剤は、タンパク質活性薬剤と、マトリックスを形成する能力を有するアミノ酸配列との間の組換え融合タンパク質であり得る。代表的なペプチド活性薬剤として、アペリンアルギナーゼC型ナトリウム利尿ペプチド(CNP)、GLP−1受容体拮抗薬、GLP−2受容体作動薬ヘプシジン、IGF−1、ウロジラチンサイモシンβ4、TNF関連アポトーシス誘導リガンド(TRAIL)、副甲状腺ホルモン断片(例えば、残基1〜34)、完全長副甲状腺ホルモン、副腎皮質刺激ホルモン(Adrenocorticotrophic hormone)、コバーシン(Coversin)、キスペプチン、キスペプチン断片(例えば、アミノ酸残基1〜10又はアミノ酸残基1〜54)、アネキシンA1由来のペプチド(例えば、アミノ酸残基2〜26)、FGF21、又はその誘導体類似体模倣体、組み合わせ、若しくは断片が挙げられる。本開示に基づく送達用の小分子薬物が、本明細書に開示される。注射部位からの低速吸収を提供することにより、腎クリアランス及び分解が制御可能となり、これにより所望のPKプロファイルを実現する。

0009

その他の態様では、本開示は、活性薬剤の持続放出型投薬計画を送達する方法を提供する。該方法は、本明細書に記載する製剤を、これを必要とする対象に投与することを含み、該製剤は、1ヶ月に約1〜約8回投与される。いくつかの実施形態では、(例えば)製剤は1週間に約1回投与され、そして皮下又は筋肉内に投与され得る。いくつかの実施形態では、投与部位病理学的な部位ではない、すなわち、治療剤は意図した作用部位に直接投与されない。

図面の簡単な説明

0010

CNP構築物の能力を示す図である。
CNP構築物の能力を示す図である。
PE0552又は生理食塩水対照)を、1週間に3回、皮下注射したときの、5週齢雄FVB/nJマウス(n=12/群)の成長に対する効果を示す図である。成長に対する効果を、鼻部から尾部までの長さを測定して決定した。グラフは、群毎の平均測定値標準誤差を示す。
PE0552又は生理食塩水(対照)を、1週間に3回、皮下注射したときの、5週齢雄FVB/nJマウス(n=12/群)の成長に対する効果を示す図である。成長に対する効果を、鼻部から肛門までの長さを測定して決定した。グラフは、群毎の平均測定値と標準誤差を示す。
PE0552又は生理食塩水(対照)を、1週間に3回、皮下注射したときの、5週齢雄FVB/nJマウス(n=12/群)の成長に対する効果を示す図である。成長に対する効果を、尾部の長さを測定して決定した。グラフは、群毎の平均測定値と標準誤差を示す。
PE9206、PE9216、PE9306、PE9326、又は生理食塩水(対照)を1日1回、3週間皮下注射したときの、3週齢雄FVB/nJマウス(n=11/群)の成長に対する効果を示す図である。成長に対する効果を、鼻部から尾部までの長さを測定して決定した。グラフは、3週間経過時のベースラインからの平均成長変化を示す。
PE9206、PE9216、PE9306、PE9326、又は生理食塩水(対照)を1日1回、3週間皮下注射したときの、3週齢雄FVB/nJマウス(n=11/群)の成長に対する効果を示す図である。成長に対する効果を、鼻部から肛門までの長さを測定して決定した。グラフは、3週間経過時のベースラインからの平均成長変化を示す。
PE9206、PE9216、PE9306、PE9326、又は生理食塩水(対照)を1日1回、3週間皮下注射したときの、3週齢雄FVB/nJマウス(n=11/群)の成長に対する効果を示す図である。成長に対する効果を、尾部の長さを測定して決定した。グラフは、3週間経過時のベースラインからの平均成長変化を示す。
PE0503又はGLP−2(A2G)を、雄のスプラーグドーリーラット(200〜220g、n=12/群)を対象に皮下注射したときの、11日間投与期間における小腸重量に対する効果を示す図である。投与は、生理食塩水を1日1回投与された媒体群;PE0503を1.3mg/kgで1日当たり1回投与されたPE0503 Q1D;PE0503を5.1mg/kgで2日に1回投与されたPE0503 Q2D; PE0503を20.5mg/kgで4日に1回投与されたPE0503 Q4D;0.1mg/kgのGLP2(A2G)を1日2回投与されたGLP−2(A2G)TIDであった。

0011

本開示は、持続放出用の医薬製剤、及び持続放出型の製剤を用いた治療計画を送達する方法を提供する。特定の実施形態では、本明細書に開示する医薬組成物は、強化された有効性、バイオアベイラビリティー、循環半減期、持続性、分解抵抗等を有する。これにより、本開示は、トラフに対するピークの比が小さく、及び/又はTmaxが延長した比較的平坦なPKプロファイルを含む、ペプチド及び小分子薬物等の活性薬剤の薬物動態を改善する。PKプロファイルは、比較的低頻度投与スケジュール、例えばいくつかの実施形態では1ヶ月に1〜8回の注射等により維持され得る。

0012

いくつかの態様では、本開示は、持続放出型の医薬製剤を提供する。該製剤は、全身投与用の治療剤を含み、該治療剤は、活性薬剤と、対象の体温でマトリックス又はコアセルベートを形成する能力を有するアミノ酸配列とを含む。可逆性マトリックスは、水素結合(例えば、分子内及び/又は分子間水素結合)、並びに疎水的寄与により形成される。製剤は、1つ又は複数の薬学的に許容される賦形剤及び/又は希釈剤を更に含む。マトリックスは、注射部位から循環への低速吸収を提供する。理論に縛られるものではないが、この低速吸収は、注射部位デポ周辺におけるマトリックス又はコアセルベートの低速反転に起因する。低速吸収プロファイルは、平坦なPKプロファイル、並びに好都合で快適な投与計画を提供する。例えば、様々な実施形態では、活性薬剤の血漿濃度は、日数が経過しても(例えば、2〜約60日間、又は約4〜約30日間)、20倍を超える、又は約10倍を超える、又は約5倍を超える、又は約3倍を超えるような変化を示さない。一般的に、この平坦なPKプロファイルは、製剤を複数回にわたり(実質的に均等な間隔を置いて)投与しても、例えば少なくとも約2回、少なくとも約5回、又は少なくとも約10回等投与する際にも認められる。いくつかの実施形態では、低速吸収は、約5時間を上回る、約10時間を上回る、約20時間を上回る、約30時間を上回る、又は約50時間を上回るTmax(最高血漿中濃度に達するまでの時間)として顕在化する。

0013

可逆性マトリックスを形成するアミノ酸配列
注射部位からの持続放出又は低速吸収は、対象の体温において、水素結合したマトリックス又はコアセルベートを形成する能力を有するアミノ酸配列により制御される。

0014

いくつかの実施形態では、アミノ酸配列は、タンパク質骨格基及び/又は側鎖基を介して水素結合を形成し、及びマトリックス形成に対する疎水的相互作用に寄与し得る構造単位を含有する。いくつかの実施形態では、アミノ酸側鎖は、水素結合供与基を含まず、水素結合は、実質的にタンパク質骨格を介して形成される。代表的なアミノ酸として、プロリンアラニンバリングリシン、及びイソロイシン、及び類似したアミノ酸が挙げられる。いくつかの実施形態では、構造単位は、実質的に反復性の構造的モチーフ及び実質的に反復性の水素結合能力を生み出すために、実質的に反復性の構造単位である。このような及びその他の実施形態では、アミノ酸配列は、実質的に反復性のパターンで配置され得る少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約40%、又は少なくとも約50%のプロリンを含有する。この文脈において、実質的に反復性のパターンとは、アミノ酸配列のプロリン残基のうち、その少なくとも約50%又は少なくとも約75%が、定義可能な構造単位の一部であることを意味する。なおも別の実施形態では、アミノ酸配列は、水素結合ドナー側鎖を有するアミノ酸、例えばセリントレオニン、及び/又はチロシン等を含有する。いくつかの実施形態では、反復配列は、1〜約4個のプロリン残基を含み得るが、残りの残基は非極性残基、例えば、グリシン、アラニン、ロイシン、イソロイシン、及びバリン等から独立に選択される。非極性又は疎水性残基は、マトリックス形成に対する疎水的相互作用に寄与し得る。

0015

その他の実施形態では、体温でマトリックスを形成する能力を有するアミノ酸配列は、ランダムコイル又は非球形の伸長構造を含み得る。例えば、体温でマトリックスを形成する能力を有するアミノ酸配列は、それぞれが本明細書により引用することにより本明細書の一部をなすものとする米国特許公開第2008/0286808号、WIPO特許公開第2008/155134号、及び米国特許公開第2011/0123487号で開示されるアミノ酸配列を含み得る。

0016

いくつかの実施形態では、アミノ酸配列は、少なくとも40個のアミノ酸からなる非構造化組換えポリマーを含む。非構造化ポリマーは、約100、約150、約200個を超える、又はそれ超の連続したアミノ酸を含み得る。いくつかの実施形態では、アミノ酸配列は、ランダムコイルドメインを形成する。特に、「ランダムコイルコンホメーション」を有する又は形成するポリペプチド又はアミノ酸ポリマーは、定義された二次及び三次構造を実質的に欠く。いくつかの実施形態では、非構造化ポリマーは、少なくとも40個のアミノ酸を有するポリマーとして定義され、グリシン(G)、アスパラギン酸(D)、アラニン(A)、セリン(S)、トレオニン(T)、グルタミン酸(E)、及びプロリン(P)残基の合計数は、ポリマー内の総アミノ酸の約80%超を占める。いくつかの実施形態では、アミノ酸の少なくとも50%が、チョウファスマン(Chou−Fasman)アルゴリズムにより決定される二次構造欠損している。

0017

アミノ酸配列は、注射した際に、保管温度よりも高い温度で「ゲル様の」状態を形成し得る。代表的な配列は、反復性のペプチド単位を有し、及び/又はより低い温度では比較的非構造的であり、またより高い温度では水素結合し、構造化した状態を実現する。

0018

エラスチン様ペプチド(ELP)
いくつかの実施形態では、体温でマトリックスを形成する能力を有するアミノ酸配列は、4〜10個のアミノ酸からなる反復単位を有するペプチドである。反復単位は、マトリックスの形成において1、2、又は3個の水素結合を形成し得る。特定の実施形態では、体温でマトリックスを形成する能力を有するアミノ酸配列は、エラスチンコラーゲンケラチン、若しくはその模倣体のアミノ酸配列、又は本明細書により参考として組み込まれる米国特許第6,355,776号で開示されるアミノ酸配列である。

0019

特定の実施形態では、アミノ酸配列は、エラスチン様ペプチド(ELP)配列である。ELP配列は、エラスチンタンパク質と関連する又はその模倣体である構造的ペプチド単位又は配列を含む、又はそれから構成される。ELP配列は、3〜約20個のアミノ酸、又はいくつかの実施形態では、約4〜約10個のアミノ酸、例えば約4、約5、若しくは約6個のアミノ酸等からなる構造単位から構築される。個々の構造単位の長さは変化してもよく、又は均一であってもよい。代表的な構造単位は、配列番号1〜13(下記)により定義され、タンデム反復単位を含む反復性構造単位として採用されてもよく、又はいくつか組み合わせて採用されてもよい。従って、ELPは、下記で定義されるような配列番号1〜13から選択される構造単位(複数可)を本質的に含み得る又はそれから構成され得る。

0020

いくつかの実施形態では、構造単位がELP単位である実施形態を含め、アミノ酸配列は、約1〜約500個の構造単位、又は特定の実施形態では約9〜約200個の構造単位、又は特定の実施形態では約10〜200個の構造単位、又は特定の実施形態では約50〜約200個の構造単位、又は特定の実施形態では約80〜約200個の構造単位若しくは約80〜約150個の構造単位を本質的に含む又はそれから構成される。いくつかの実施形態では、構造単位は、配列番号1〜13のうちの1つ又は複数により定義されるELP単位である。いくつかの実施形態では、ELPは配列番号1〜13により定義される単位の組み合わせを含む。従って、構造単位は、全体として、アミノ酸残基約50〜約2000個、又はアミノ酸残基約100〜約800個、又はアミノ酸残基約200〜約700個、又はアミノ酸残基約400〜約600個の長さを有し得る。代表的な実施形態では、ELP構造単位のアミノ酸配列は、約3個の構造単位、約7個の構造単位、約9個の構造単位、約10個の構造単位、約15個の構造単位、約20個の構造単位、約40個の構造単位、約80個の構造単位、約90個の構造単位、約100個の構造単位、約120個の構造単位、約140個の構造単位、約144個の構造単位、約160個の構造単位、約180個の構造単位、約200個の構造単位、又は約500個の構造単位を本質的に含む又はそれから構成される。代表的な実施形態では、構造単位は、全体として、アミノ酸残基約45個、アミノ酸残基約90個、アミノ酸残基約100個、アミノ酸残基約200個、アミノ酸残基約300個、アミノ酸残基約400個、アミノ酸残基約500個、アミノ酸残基約600個、アミノ酸残基約700個、アミノ酸残基約720個、アミノ酸残基約800個、又はアミノ酸残基約1000個の長さを有する。

0021

アミノ酸配列は、選択された製剤において目視可能で可逆的な逆相転移を示し得る。すなわち、アミノ酸配列は、転移温度(Tt)未満の製剤において構造的に無秩序化した状態にあり、また極めて可溶性であり得るが、製剤の温度がTtより上昇すると、鋭敏な(2〜3℃の範囲で)無秩序から秩序への相転移又はコアセルベーションを示す。温度に付加して、アミノ酸ポリマーの長さ、アミノ酸組成、イオン強度、pH、圧力、選択された溶媒、有機溶質の存在、及びタンパク質濃度も転移特性に影響を及ぼす可能性があり、またこれらは、製剤化において所望の吸収プロファイルが得られるように特別に調整され得る。吸収プロファイルは、血漿濃度又は活性薬剤の活性を経時的に決定することにより容易に試験可能である。

0022

特定の実施形態では、ELP成分(複数可)は、
(a)テトラペプチドVal−Pro−Gly−Gly、又はVPGG(配列番号1)、
(b)テトラペプチドIle−Pro−Gly−Gly、又はIPGG(配列番号2)、
(c)ペンタペプチドVal−Pro−Gly−X−Gly(配列番号3)、又はVPGXGであって、式中、Xは、プロリンを除く任意の天然又は非天然のアミノ酸残基であり、及びXは、ポリマー性又はオリゴマー性の反復において任意選択的に異なる前記ペンタペプチド、
(d)ペンタペプチドAla−Val−Gly−Val−Pro、又はAVGVP(配列番号4)、
(e)ペンタペプチドIle−Pro−Gly−X−Gly、又はIPGXG(配列番号5)であって、式中、Xは、任意の天然又は非天然のアミノ酸残基であり、及びXは、ポリマー性又はオリゴマー性の反復において任意選択的に異なる前記ペンタペプチド、
(e)ペンタペプチドIle−Pro−Gly−Val−Gly、又はIPGVG(配列番号6)、
(f)ペンタペプチドLeu−Pro−Gly−X−Gly、又はLPGXG(配列番号7)であって、式中、Xは、任意の天然又は非天然のアミノ酸残基であり、及びXは、ポリマー性又はオリゴマー性の反復において任意選択的に異なる前記ペンタペプチド、
(g)ペンタペプチドLeu−Pro−Gly−Val−Gly、又はLPGVG(配列番号8)、
(h)ヘキサペプチドVal−Ala−Pro−Gly−Val−Gly、又はVAPGVG(配列番号9)、
(i)オクタペプチドGly−Val−Gly−Val−Pro−Gly−Val−Gly、又はGVGVPGVG(配列番号10)、
(j)ノナペプチドVal−Pro−Gly−Phe−Gly−Val−Gly−Ala−Gly、又はVPGFGVGAG(配列番号11)、
(k)ノナペプチドVal−Pro−Gly−Val−Gly−Val−Pro−Gly−Gly、又はVPGVGVPGG(配列番号12)、及び
(l)ペンタペプチドXaa−Pro−Gly−Val−Gly、又はXPGVG(配列番号13)であって、式中、Xは任意の天然又は非天然のアミノ酸残基であり、及びXは、ポリマー性又はオリゴマー性の反復において任意選択的に異なるペンタペプチド
を含む、但しこれらに限定されない構造単位から形成され得る。

0023

配列番号1〜13により定義されるそのような構造単位は、構造的反復単位を形成し得る、又はELPを形成するために組み合わせて使用され得る。いくつかの実施形態では、ELP成分は、配列番号1〜13から選択される構造単位の1つ又はその組み合わせ(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10個の)から全体的に(又はほぼ全体的に)形成される。その他の実施形態では、ELP成分の少なくとも約75%、又は少なくとも約80%、又は少なくとも約90%は、反復単位として存在し得る、配列番号1〜13から選択される構造単位の1つ又は組み合わせから形成される。

0024

特定の実施形態では、ELPは、タンデム反復単位を含め、Xが上記で定義したようなVal−Pro−Gly−X−Gly(配列番号3)からなる反復単位を含有し、またELP成分全体(VPGXG(配列番号3)以外の構造単位を含み得る)に対するVal−Pro−Gly−X−Gly(配列番号3)単位の占めるパーセンテージ(%)は、ELPの約50%を上回る、又は約75%を上回る、又は約85%を上回る、又は約95%を上回る。ELPは、配列番号3の5〜15個の構造単位(例えば、約9又は約10個の構造単位)からなるモチーフを含むことができ、ゲスト残基Xは、モチーフ内の少なくとも2又は少なくとも3個の単位において異なる。ゲスト残基は、非極性又は疎水性の残基等、例えばアミノ酸V、I、L、A、G、及びW等から独立に選択され得る(及び所望の逆相転移特性を保持するために選択され得る)。特定の実施形態では、ゲスト残基はV、G、及びAより選択される。

0025

特定の実施形態では、ELPは、タンデム反復単位を含め、Xが上記で定義したようなXaa−Pro−Gly−Val−Gly(配列番号13)からなる反復単位を含有し、またELP成分全体(XPGVG(配列番号13)以外の構造単位を含み得る)に対するXaa−Pro−Gly−Val−Gly(配列番号13)単位の占めるパーセンテージ(%)は、ELPの約50%を上回る、又は約75%を上回る、又は約85%を上回る、又は約95%を上回る。ELPは、配列番号13の5〜15個の構造単位(例えば、約9又は約10個の構造単位)からなるモチーフを含むことができ、ゲスト残基Xは、モチーフ内の少なくとも2又は少なくとも3個の単位において異なる。ゲスト残基は、非極性又は疎水性の残基等、例えばアミノ酸V、I、L、A、G、及びW等から独立に選択され得る(及び所望の逆相転移特性を保持するために選択され得る)。特定の実施形態では、ゲスト残基はV及びAより選択される。

0026

特定の実施形態では、ELPは、配列番号1〜13のいずれか単独又はその組み合わせからなるタンデム反復単位を含め、反復単位を含有する。いくつかの実施形態では、ELPは、任意の配列番号1〜13について、その2つ以上を組み合わせた反復部を含有する。特定の実施形態では、ELPは配列番号3及び配列番号13からなる反復部を含有する。いくつかの実施形態では、ELPは、配列番号3及び配列番号13からなる反復部を含有し、ゲスト残基は非極性又は疎水性の残基等、例えばアミノ酸V、I、L、A、G、及びW等から独立に選択される(及び所望の逆相転移特性を保持するため選択され得る)。特定の実施形態では、ゲスト残基はV、G、及びAより選択される。

0027

いくつかの実施形態では、ELPは、本明細書に開示する1つ又は複数のELP構造単位について、その9個のコピーを含む9−merを含む。いくつかの実施形態では、ELPは、本明細書に開示するペンタペプチドについて、その9個のコピーを含む9−merを含む。いくつかの実施形態では、ELPは、配列番号3及び13を任意の組み合わせで含む9−merを含む。いくつかの実施形態では、ELPは、配列番号3と13とが交互に反復する配列を含む。異なる数の9−merからなるELPを組み合わせて、例えば18、27、36、45、54、63、72、81、90、99、108、117、126、135、144、153、162、171、又は180個の9−merのコピーを有するELPを生成することができる。

0028

特定の実施形態では、ELPは、配列番号3を含む9−merを含み、ゲスト残基はV、G、及びAから選択される。特定の実施形態では、ELPは、配列番号3を含む9−merを含み、V、G、及びAが7:2:0の比で存在する(α)。特定の実施形態では、ELPは、配列番号3を含む9−merを含み、V、G、及びAが7:0:2の比で存在する(βv1)。特定の実施形態では、ELPは、配列番号3を含む9−merを含み、V、G、及びAが6:0:3の比で存在する(βv2)。特定の実施形態では、ELPは、配列番号3を含む9−merを含み、V、G、及びAが5:2:2の比で存在する(γ)。特定の実施形態では、ELPは、配列番号13を含む9−merを含み、ゲスト残基がV、G、及びAから選択される。特定の実施形態では、ELPは、配列番号13を含む9−merを含み、V、G、及びAが、5:0:4の比で存在する(δ)。代表的な9−merを表1に開示する。表2は、いくつかの代表的な9−merの転移温度を示す。

0029

0030

0031

いくつかの実施形態では、ELPは、表1に掲載されている9−merの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、ELPは、α、βv1、βv2、及び/又はδの9−merの組み合わせを含む。例えば、γELPは、144merが構築されるまで、αの9−merとβv1の9−merを交互に16コピー反復することにより構築される。特定の実施形態では、ELPは、αとβv1の9−merからなる組み合わせを含む。特定の実施形態では、ELPは、αとβv2の9−merからなる組み合わせを含む。特定の実施形態では、ELPは、α及びδの9−merからなる組み合わせを含む。特定の実施形態では、ELPは、βv1とβv2の9−merからなる組み合わせを含む。特定の実施形態では、ELPは、βv1とδの9−merからなる組み合わせを含む。特定の実施形態では、ELPは、βv2とδの9−merからなる組み合わせを含む。特定の実施形態では、ELPは、α、βv1、及びβv2の9−merからなる組み合わせを含む。特定の実施形態では、ELPは、α、βv1、及びδの9−merからなる組み合わせを含む。特定の実施形態では、ELPは、α、βv2、及びδの9−merからなる組み合わせを含む。例えば、特別な配置では、ELPβv2は、次のゲスト残基を、次の配列、すなわちA−V−A−V−V−A−V−A−Vで繰り返される構造単位に含むことができる。繰り返される配列は、ELP内で約10回、約12回、約15回、約16回、約20回、約25回、約30回、又は約35回、又はそれ超の回数連続して反復され得る。いくつかの態様では、ELPは、約10〜約20個の繰り返し配列を含有する。その他の態様では、ELPは、約15〜20個の繰り返し配列を含有する。いくつかの態様では、ELPは、約16個の繰り返し配列を含有する。

0032

いくつかの実施形態では、ELPは、本明細書に開示する1つ又は複数のELP構造単位のコピー10個を含む10−merを含む。いくつかの実施形態では、ELPは、本明細書に開示するペンタペプチドのコピー10個を含む10−merを含む。いくつかの実施形態では、ELPは、配列番号3及び13を任意の組み合わせで含む10−merを含む。いくつかの実施形態では、ELPは、配列番号3と13の間で交互に繰り返す配列を含む。異なる数の10−merからなるELPを組み合わせて、例えば、20、30、40、60、90、100、120、150、160、又は200個の10−merのコピーを有するELPを生成することができる。代表的な10−merを表3に開示する。

0033

0034

いくつかの実施形態では、ELPは、βターン構造を形成し得る。βターン構造を作り出すのに適する代表的なペプチド配列は、本明細書によりその全体が引用することにより本明細書の一部をなすものとする国際特許出願PCT/US第96/05186号に記載されている。例えば、配列VPGXG(配列番号3)内の4番目の残基(X)は、βターン形成を損なわずに変化し得る。

0035

代表的なELPの構造は、表記ELPk[XiYj−n]を使用して記載することができ、式中、kは特定のELP反復単位を表し、カッコ内の大文字は、一文字のアミノ酸コードであり、及びその対応する下付き文字は構造単位内の各ゲスト残基Xの相対的な比を表し(該当する場合)、そしてnは、いくつかの構造的反復部内のELPの全長を記載する。例えば、ELP1[V5A2G3−10]は、ペンタペプチドVPGXG(配列番号3)の10個の反復単位を含有するELP成分を表し、式中、Xは、相対的な比が約5:2:3のバリン、アラニン、及びグリシンであり;ELP1[K1V2F1−4]は、ペンタペプチドVPGXG(配列番号3)の4個の反復単位を含有するELP成分を表し、式中、Xは、相対的な比が約1:2:1のリジン、バリン、及びフェニルアラニンであり;ELP1[K1V7F1−9]は、ペンタペプチドVPGXG(配列番号3)の9個の反復単位を含有するポリペプチドを表し、式中、Xは、相対的な比が約1:7:1のリジン、バリン、及びフェニルアラニンであり;ELP1[V−5]は、ペンタペプチドVPGXG(配列番号3)の5個の反復単位を含有するポリペプチドを表し、式中、Xはバリンであり;ELP1[V−20]は、ペンタペプチドVPGXG(配列番号3)の20個の反復単位を含有するポリペプチドを表し、式中、Xはバリンであり;ELP2[5]は、ペンタペプチドAVGVP(配列番号4)の5個の反復単位を含有するポリペプチドを表し;ELP3[V−5]は、ペンタペプチドIPGXG(配列番号5)の5個の反復単位を含有するポリペプチドを表し、式中、Xはバリンであり;ELP4[V−5]は、ペンタペプチドLPGXG(配列番号7)の5個の反復単位を含有するポリペプチドを表し、式中、Xはバリンである。

0036

ELPに関して、Ttは、ゲスト残基の疎水性の関数である。従って、ゲスト残基(複数可)の同一性及びそのモル分画(複数可)を変化させることにより、広範囲の温度にわたり逆相転移を示すELPが合成可能である。従って、所与のELP長さにおけるTtは、ELP配列内により大きな割合の疎水性ゲスト残基を組み込むことにより低下し得る。適する疎水性ゲスト残基の例として、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、トリプトファン、及びメチオニンが挙げられる。中程度に疎水性であるチロシンも利用可能である。反対に、Ttは、残基、例えばグルタミン酸、システイン、リジン、アスパラギン酸、アラニン、アスパラギン、セリン、トレオニン、グリシン、アルギニン、及びグルタミンから選択される残基等を組み込むことにより上昇し得る。

0037

分子量>100,000を有するポリペプチドの場合、PCT/US第96/05186号(本明細書により参照としてその全体が組み込まれる)で開示される疎水性スケールが、特定のELP配列のおよそのTtを予測するための1つの手段を提供する。分子量<100,000を有するポリペプチドの場合、Ttは次の二次関数、すなわちTt=M0+M1X+M2X2により予測又は決定可能であり、式中、Xは、融合タンパク質のMW、及びM0=116.21;M1=−1.7499;M2=0.010349である。

0038

ELPは、いくつかの実施形態では、約10〜約37℃の範囲の、例えば約20〜約37℃、又は約25℃〜約37℃等のTtを提供するように選択又は設計される。いくつかの実施形態では、周辺の体温がわずかに低めであることを考慮すれば、生理条件(例えば、0.9%の生理食塩水)における転移温度は約34℃〜36℃である。

0039

特定の実施形態では、ELPは、[VPGXG]mを含み、式中、mは、1〜200の任意の数である。特定の実施形態では、ELPは、[VPGXG]mを含み、式中、mは、1〜200の任意の数であり、また各Xは、V、G、及びAから選択される。特定の実施形態では、ELPは、[VPGXG]mを含み、式中、mは、1〜200の任意の数であり、各Xは、V、G、及びAから選択され、そしてV:G:Aの比は、約5:3:2であり得る。特定の実施形態では、ELPは、[VPGXG]60を含み、各Xは、V、G、及びAから選択され、そしてV:G:Aの比は、約5:3:2であり得る。特定の実施形態では、ELPは、[VPGXG]90を含み、式中、各Xは、V、G、及びAから選択され、そしてV:G:Aの比は、約5:3:2であり得る。例えば、体温で水素結合したマトリックスを形成する能力を有するアミノ酸配列は、[VPGXG]120を含み、式中、各Xは、V、G、及びAから選択され、そしてV:G:Aの比は、約5:3:2であり得る。本明細書に示す通り、このELPの120個の構造単位は、約5〜15mg/ml(例えば、約10mg/ml)のタンパク質において、約37℃の転移温度を提供し得る。約50〜約100mg/mLの濃度において、相転移温度は、セ氏約35.5度(体温のすぐ下)であり、37℃のすぐ下の周辺体温が許容される。いくつかの実施形態では、ELPは、[VPGXG]144を含むことができ、式中、各Xは、V、G、及びAから選択され、そしてV:G:Aの比は、約5:3:2であり得る。いくつかの実施形態では、ELPは、[VPGXG]180を含み、式中、各Xは、V、G、及びAから選択され、そしてV:G:Aの比は、約5:3:2であり得る。

0040

特定の実施形態では、ELPは、[VPGXG]mを含み、式中、mは、1〜200の任意の数であり、各Xは、V、G、及びAから選択され、そしてV:G:Aの比は、約7:2:0である。特定の実施形態では、ELPは、[VPGXG]60を含み、式中、各Xは、V、G、及びAから選択され、そしてV:G:Aの比は、約7:2:0である。特定の実施形態では、ELPは、[VPGXG]90を含み、式中、各Xは、V、G、及びAから選択され、そしてV:G:Aの比は、約7:2:0である。特定の実施形態では、ELPは、[VPGXG]108を含み、式中、各Xは、V、G、及びAから選択され、そしてV:G:Aの比は、約7:2:0である。特定の実施形態では、ELPは、[VPGXG]120を含み、式中、各Xは、V、G、及びAから選択され、そしてV:G:Aの比は、約7:2:0である。特定の実施形態では、ELPは[VPGXG]144を含み、式中、各Xは、V、G、及びAから選択され、そしてV:G:Aの比は、約7:2:0である。特定の実施形態では、ELPは、[VPGXG]180を含み、式中、各Xは、V、G、及びAから選択され、そしてV:G:Aの比は、約7:2:0である。

0041

特定の実施形態では、ELPは、[VPGXG]mを含み、式中、mは、1〜200の任意の数であり、各Xは、V、G、及びAから選択され、そしてV:G:Aの比は、約7:0:2である。特定の実施形態では、ELPは、[VPGXG]60を含み、式中、各Xは、V、G、及びAから選択され、そしてV:G:Aの比は、約7:0:2である。特定の実施形態では、ELPは、[VPGXG]90を含み、式中、各Xは、V、G、及びAから選択され、そしてV:G:Aの比は、約7:0:2である。特定の実施形態では、ELPは、[VPGXG]108を含み、式中、各Xは、V、G、及びAから選択され、そしてV:G:Aの比は、約7:0:2である。特定の実施形態では、ELPは、[VPGXG]120を含み、式中、各Xは、V、G、及びAから選択され、そしてV:G:Aの比は、約7:0:2である。特定の実施形態では、ELPは、[VPGXG]144を含み、式中、各Xは、V、G、及びAから選択され、そしてV:G:Aの比は、約7:0:2である。特定の実施形態では、ELPは、[VPGXG]180を含み、式中、各Xは、V、G、及びAから選択され、そしてV:G:Aの比は、約7:0:2である。

0042

特定の実施形態では、ELPは、[VPGXG]mを含み、式中、mは、1〜200の任意の数であり、各Xは、V、G、及びAから選択され、そしてV:G:Aの比は、約6:0:3である。特定の実施形態では、ELPは、[VPGXG]60を含み、式中、各Xは、V、G、及びAから選択され、そしてV:G:Aの比は、約6:0:3である。特定の実施形態では、ELPは[VPGXG]90を含み、式中、各Xは、V、G、及びAから選択され、そしてV:G:Aの比は、約6:0:3である。特定の実施形態では、ELPは[VPGXG]108を含み、式中、各Xは、V、G、及びAから選択され、そしてV:G:Aの比は、約6:0:3である。特定の実施形態では、ELPは[VPGXG]120を含み、式中、各Xは、V、G、及びAから選択され、そしてV:G:Aの比は、約6:0:3である。特定の実施形態では、ELPは、[VPGXG]144を含み、式中、各Xは、V、G、及びAから選択され、そしてV:G:Aの比は、約6:0:3である。特定の実施形態では、ELPは、[VPGXG]180を含み、式中、各Xは、V、G、及びAから選択され、そしてV:G:Aの比は、約6:0:3である。

0043

特定の実施形態では、ELPは、[VPGXG]mを含み、式中、mは、1〜200の任意の数であり、式中、各Xは、V、G、及びAから選択され、そしてV:G:Aの比は、約5:2:2である。特定の実施形態では、ELPは、[VPGXG]60を含み、式中、各Xは、V、G、及びAから選択され、そしてV:G:Aの比は、約5:2:2である。特定の実施形態では、ELPは、[VPGXG]90を含み、式中、各Xは、V、G、及びAから選択され、そしてV:G:Aの比は、約5:2:2である。特定の実施形態では、ELPは、[VPGXG]108を含み、式中、各Xは、V、G、及びAから選択され、そしてV:G:Aの比は、約5:2:2である。特定の実施形態では、ELPは、[VPGXG]120を含み、式中、各Xは、V、G、及びAから選択され、そしてV:G:Aの比は、約5:2:2である。特定の実施形態では、ELPは、[VPGXG]144を含み、式中、各Xは、V、G、及びAから選択され、そしてV:G:Aの比は、約5:2:2である。特定の実施形態では、ELPは、[VPGXG]180を含み、式中、各Xは、V、G、及びAから選択され、そしてV:G:Aの比は、約5:2:2である。

0044

特定の実施形態では、ELPは、[VPGXG]mを含み、式中、mは、1〜200の任意の数であり、各Xは、V、G、及びAから選択され、そしてV:G:Aの比は、約10:0:0である。特定の実施形態では、ELPは、[VPGXG]60を含み、式中、各Xは、V、G、及びAから選択され、そしてV:G:Aの比は、約10:0:0である。特定の実施形態では、ELPは、[VPGXG]90を含み、式中、各Xは、V、G、及びAから選択され、そしてV:G:Aの比は、約10:0:0である。特定の実施形態では、ELPは、[VPGXG]108を含み、式中、各Xは、V、G、及びAから選択され、そしてV:G:Aの比は、約10:0:0である。特定の実施形態では、ELPは、[VPGXG]120を含み、式中、各Xは、V、G、及びAから選択され、そしてV:G:Aの比は、約10:0:0である。特定の実施形態では、ELPは、[VPGXG]144を含み、式中、各Xは、V、G、及びAから選択され、そしてV:G:Aの比は、約10:0:0である。特定の実施形態では、ELPは、[VPGXG]180を含み、式中、各Xは、V、G、及びAから選択され、そしてV:G:Aの比は、約10:0:0である。

0045

特定の実施形態では、ELPは、[VPGXG]mを含み、式中、mは、1〜100の任意の数であり、各Xは、V及びLから選択され、そしてV:Lの比は、約3:7又は約4:6又は約1:1又は約6:4又は約3:7である。特定の実施形態では、ELPは、[VPGXG]60を含み、式中、各Xは、V及びLから選択され、そしてV:Lの比は、約3:7又は約4:6又は約1:1又は約6:4又は約3:7である。特定の実施形態では、ELPは、[VPGXG]50を含み、式中、各Xは、V及びLから選択され、そしてV:Lの比は、約3:7又は約4:6又は約1:1又は約6:4又は約3:7である。特定の実施形態では、ELPは、[VPGXG]40を含み、式中、各Xは、V及びLから選択され、そしてV:Lの比は、約3:7又は約4:6又は約1:1又は約6:4又は約3:7である。特定の実施形態では、ELPは[VPGXG]30を含み、式中、各Xは、V及びLから選択され、そしてV:Lの比は、約3:7又は約4:6又は約1:1又は約6:4又は約3:7である。特定の実施形態では、ELPは、[VPGXG]20を含み、式中、各Xは、V及びLから選択され、そしてV:Lの比は、約3:7又は約4:6又は約1:1又は約6:4又は約3:7である。

0046

特定の実施形態では、ELPは、[XPGVG]mを含み、式中、mは、1〜200の任意の数である。特定の実施形態では、ELPは、[XPGVG]mを含み、式中、mは、1〜200の任意の数であり、そして各Xは、V、G、及びAから選択される。特定の実施形態では、ELPは、[XPGVG]mを含み、式中、mは、1〜200の任意の数であり、各Xは、V、G、及びAから選択され、そしてV:G:Aの比は、約5:0:4である。特定の実施形態では、ELPは、[XPGVG]60を含み、式中、各Xは、V、G、及びAから選択され、そしてV:G:Aの比は、約5:0:4である。特定の実施形態では、ELPは、[XPGVG]90を含み、式中、各XはV、G、及びAから選択され、そしてV:G:Aの比は、約5:0:4である。特定の実施形態では、ELPは、[XPGVG]120を含み、式中、各Xは、V、G、及びAから選択され、そしてV:G:Aの比は、約5:0:4である。特定の実施形態では、ELPは、[XPGVG]144を含み、式中、各Xは、V、G、及びAから選択され、そしてV:G:Aの比は、約5:0:4である。特定の実施形態では、ELPは、[XPGVG]180を含み、式中、各Xは、V、G、及びAから選択され、そしてV:G:Aの比は、約5:0:4である。

0047

特定の実施形態では、ELPは、[VPGVG]mを含み、式中、mは、1〜200の任意の数である。いくつかの実施形態では、ELPは、[VPGVG]60、[VPGVG]90、又は[VPGVG]120を含む。本明細書に示す通り、このELPの120個の構造単位は、約0.005〜約0.05mg/ml(例えば、約0.01mg/ml)のタンパク質において、約37℃の転移温度を提供することができる。或いは、ELPは、[VPGXG]144又は[XPGVG]144を含む。本明細書に示す通り(表2)、このようなELPのいずれにおいても、その144個の構造単位は、28℃及び35℃を含む28℃〜35℃の転移温度を提供し得る。

0048

様々な実施形態では、意図した対象はヒトであり、また体温は約37℃であり、従って治療剤は、この温度又はその近傍(例えば、約28℃〜約37℃の間)で持続放出を提供するように設計される。水素結合及び/又は疎水的相互作用の逆転を伴う循環への低速放出は、体温が一定に留まったとしても、注射部位において製品が拡散するに従い濃度が低下することにより促進される。その他の実施形態では、対象はヒト以外の哺乳動物であり、また治療剤が約30〜約40℃であり得る哺乳動物の体温において持続放出を示すように、いくつかの実施形態では、例えば、特定の飼い慣らされたペット(例えば、イヌ若しくはネコ)又は家畜(例えば、ウシウマヒツジ、若しくはブタ)等について設計される。一般的に、Ttは、治療剤が注射用溶液中に留まるように、製剤の保管条件(2〜約25℃又は15〜22℃であり得る)よりも高い。

0049

いくつかの実施形態では、ELPは、27℃及び36℃を含む27℃〜36℃の範囲の転移温度を提供することができる。いくつかの実施形態では、ELPは、28℃及び35℃を含む28℃〜35℃の範囲の転移温度を提供することができる。いくつかの実施形態では、ELPは、29℃及び34℃を含む29℃〜34℃の範囲の転移温度を提供することができる。いくつかの実施形態では、ELPは、27℃及び33℃を含む27℃〜33℃の範囲の転移温度を提供することができる。いくつかの実施形態では、ELPは、30℃及び33℃を含む30℃〜33℃の転移温度を提供することができる。いくつかの実施形態では、ELPは、31℃及び31℃を含む31℃〜31℃の範囲の転移温度を提供することができる。いくつかの実施形態では、ELPは、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、又は36℃の転移温度を提供することができる。いくつかの実施形態では、ELPは、110mMのNaCl中、10mg/mLのタンパク質濃度において、28℃及び35℃を含む28℃〜35℃の範囲の転移温度を提供することができる。

0050

本明細書により引用することにより本明細書の一部をなすものとする米国特許公開第2010/0022455号の記載に従い、エラスチン様ペプチド(ELP)タンパク質ポリマー及び組換え融合タンパク質が調製され得る。いくつかの実施形態では、広範囲にわたる分子量において、任意の配列及び所定の長さを有する高度に反復性のポリペプチドをエンコードするDNAを迅速にクローン化するために、ELPタンパク質ポリマーが、反復ライゲーションを通じて構築される。単一サイクルでは、親プラスミドを二等分したそれぞれは、オリゴマーのコピーを含有するが、それを同時にライゲーションし、これによりオリゴマーを二量体化させ、そして機能的プラスミドを再構成する。このプロセスは、反復的に実施され、所望の数の反復部を有するオリゴマー遺伝子が組み立てられる。例えば、1つのELP構造的サブユニット(例えば、ペンタペプチド又はペンタペプチドの9−mer)がベクターに挿入される。ベクターは消化され、そして別のELP構造単位(例えば、ペンタペプチド又はペンタペプチドの9−mer)が挿入される。消化及びライゲーションの後続する各ラウンドは、ELPポリマーが所望の長さになるまで、得られたベクターに含まれるELP構造単位の数を二倍化する。初期の構造単位内のペンタペプチドの数を変化させることにより、異なる長さのELPが容易に構築され得る。代替的構築手段(すなわち、反復的ライゲーション以外)は、代替的長さのELPを生成するのに利用可能である。

0051

いくつかの実施形態では、ベクターは、1つ又は複数の追加のアミノ酸又はELP構造単位反復部を含有する。例えば、pPE0248は、追加のペンタマー反復部をゲスト位置にバリンを有する144merのN末端に付加し、また追加のペンタマーをゲスト残基位置にトリプトファンを有するC末端に付加する。トリプトファンは、例えば280nmでのより良好な吸収測定を可能にする分子吸光係数増加手段として利用可能であり、タンパク質濃度の決定、又は精製期間中のタンパク質含有量監視に有用であり得る。エンコードDNAが、ELPコーディング配列のいずれかの端部に融合パートナークローニング用の制限酵素認識部位を含有するように、いずれかの端部に付加されるペンタマーを設計することも可能である。

0052

いくつかの実施形態では、治療剤は、活性薬剤及び1つ又は複数のELPを含む。いくつかの実施形態では、治療剤は、N末端又はC末端のいずれかに1つ又は複数のELPを有する活性薬剤を含む。いくつかの実施形態では、治療剤は、N末端又はC末端の両方に1つ又は複数のELPを有する活性薬剤を含む。いくつかの実施形態では、ELPはほぼ同一のサイズである。いくつかの実施形態では、ELPのサイズは異なる。いくつかの実施形態では、一方の端部にあるELPは、他方の端部にあるELPよりも大きい。いくつかの実施形態では、N末端にあるELPは、C末端にあるELPより大きい。いくつかの実施形態では、C末端にあるELPは、N末端にあるELPより大きい。

0053

活性薬剤
タンパク質活性薬剤
様々な実施形態では、活性薬剤は、それ自体、短い循環半減期、例えば、約30秒〜約1時間等を有し得るタンパク質又はペプチドである。治療剤は、タンパク質活性薬剤と、対象の体温において水素結合したマトリックスを形成する能力を有するアミノ酸配列(例えば、ELP)の間の組換え融合タンパク質であり得る。任意の適するタンパク質活性薬剤は、本開示の治療剤で使用可能である。様々な実施形態では、タンパク質活性薬剤は、アクチビン受容体2A細胞外ドメイン、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、α−2マクログロブリン、α−MSH/アファメラノチド、アミリンプラムリンチド)、アンジオテンシン(1−7)、アネキシンA1、アペリン、アルギナーゼ、アスパラギナーゼブラジキニンB2受容体拮抗薬、コンプスタチン、コバーシン、CTLA−4、C型ナトリウム利尿ペプチド、センデリチド(CD−NP)、エラフィンエキセンジン−4、線維芽細胞増殖因子(FGF)−18/スプリフルミン、FGF−19、FGF−21、ガラニン果粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、グレリン、GLP−1/GIデュアルアゴニスト、GLP−1/グルカゴンデュアルアゴニスト、GLP−1/GLP−2デュアルアゴニスト、グルカゴン、グルカゴン様ペプチド(GLP)−1受容体拮抗薬、GLP−2、果粒球マクロファージコロニー刺激因子GM−CSF)、ヘプシジン、ヒト成長ホルモン(hGH)、hGH拮抗薬イカチバントインスリン様増殖因子(IGF)−1、インターロイキン1受容体拮抗薬(IL−1Ra)、インフェスチン−4、キスペプチン、L4Fペプチド、ラクリチン、副甲状腺ホルモン(PTH)、副甲状腺ホルモン関連タンパク質(PTHrP)、PYY、レラモレリン、レラキシンソマトスタチンチオレドキシン、サイモシンβ4、TNF関連アポトーシス誘導リガンド(TRAIL)、尿酸オキシダーゼ、ウロジラチン、ウログアニリン、副甲状腺ホルモン断片(例えば、残基1〜34)、完全長副甲状腺ホルモン、副腎皮質刺激ホルモン、コバーシン、キスペプチン、キスペプチン断片(例えば、アミノ酸残基1〜10又はアミノ酸残基1〜54)、アネキシンA1由来ペプチド(例えば、アミノ酸残基2〜26)、その類似体、誘導体、模倣体、断片、組み合わせ、又は機能的変異体である。いくつかの実施形態では、本開示は、タンパク質活性薬剤、及び持続放出を提供するアミノ酸配列を含む治療剤を提供する。いくつかの実施形態では、持続放出を提供するアミノ酸配列は、エラスチン様ペプチド(ELP)である。

0054

タンパク質活性薬剤の半減期は、サイズ、従ってタンパク質活性薬剤の流体力学的容積を増加させること、改変された又は非天然のアミノ酸を付加すること、部分のコンジュゲーション(例えば、ペグ化)、合成配列(例えば、XTEN(登録商標)配列、PASylation(登録商標))の付加、hCG(CTP)からのカルボキシ末端延長、アルブミン結合配列(例えば、AlbudAb(登録商標))の付加、アルブミン結合化合物、例えば脂肪酸のコンジュゲーション、N−グリコシル化等の翻訳後修飾、及びその他のペプチドへの融合、又は哺乳動物の異種タンパク質、例えば、アルブミン、トランスフェリン、若しくは抗体のFc配列等との融合を含む様々な手段により延長され得る。そのような配列は、米国特許第7,238,667号(特にアルブミンコンジュゲートに関して)、米国特許第7,176,278号(特にトランスフェリンコンジュゲートに関して)、及び米国特許第5,766,883号に記載されている。

0055

いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に開示する1つ又は複数の活性タンパク質薬剤の模倣体、類似体、誘導体、変異体、又は突然変異体を提供する。いくつかの実施形態では、模倣体、類似体、誘導体、変異体、又は突然変異体は、天然型のペプチド薬剤のアミノ酸配列と比較して、1つ又は複数のアミノ酸置換を含有する。いくつかの実施形態では、1〜20個のアミノ酸が置換される。いくつかの実施形態では、模倣体、類似体、誘導体、変異体、又は突然変異体は、天然型のペプチド薬剤のアミノ酸配列と比較して約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、又は約10個のアミノ酸置換を含有する。いくつかの実施形態では、模倣体、類似体、誘導体、変異体、又は突然変異体は、天然型のペプチド薬剤のアミノ酸配列と比較して、1つ又は複数のアミノ欠損を含有する。いくつかの実施形態では、天然型のタンパク質剤のアミノ酸配列と比較して、1〜20個のアミノ酸が欠損している。いくつかの実施形態では、模倣体、類似体、誘導体、変異体、又は突然変異体は、天然型のタンパク質剤のアミノ酸配列と比較して、約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、又は約10個のアミノ酸欠損を有する。いくつかの実施形態では、天然型のタンパク質剤のアミノ酸配列と比較して、いずれかの端部において1〜10個のアミノ酸が欠損している。いくつかの実施形態では、天然型のタンパク質剤のアミノ酸配列と比較して、両方の端部から1〜10個のアミノ酸が欠損している。いくつかの実施形態では、模倣体、類似体、誘導体、変異体、又は突然変異体のアミノ酸配列は、天然型のタンパク質剤のアミノ酸配列と少なくとも約70%同一である。いくつかの実施形態では、模倣体、類似体、誘導体、変異体、又は突然変異体のアミノ酸配列は、天然型のタンパク質剤のアミノ酸配列と約70%、約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、又は約99%同一である。同一性のパーセンテージ(%)は、http://www.ebi.ac.uk/Tools/psa/emboss_needle/において利用可能なアライメントプログラムEMBOSSNeedleを使用して計算可能である。下記のデフォルトパラメーター、すなわちProtein Weight Matrix=BLOSUM62;Gap Open=10;Gap Extension=0.1が、ペアワイズアライメント用として利用可能である。

0056

いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に開示する任意の2つ以上の活性薬剤からなる共製剤を提供する。いくつかの実施形態では、共製剤は、2つ以上のペプチド活性薬剤及び小分子活性薬剤を含む。いくつかの実施形態では、共製剤は、2つ以上の小分子活性薬剤を含む。いくつかの実施形態では、共製剤は、2つ以上のペプチド活性薬剤を含む。いくつかの実施形態では、共製剤内の活性薬剤のうちの1つ又は複数は、ELPにコンジュゲートしていない。いくつかの実施形態では、共製剤内の活性薬剤のすべてが、ELPにコンジュゲートしている。

0057

アペリン
特定の実施形態では、タンパク質活性薬剤は、アペリン、その類似体、模倣体、誘導体、断片、又は機能的変異体である。ヒトアペリンは、アペリン受容体に対する内因性リガンド(APJクラスAGタンパク質結合型受容体)である。アペリンは、ヒト心筋細胞内皮細胞、及び血管平滑筋細胞を含むいくつかの細胞型発現している。アペリン遺伝子は、ヒト、イヌ、ウシ、ラット、マウス、アカゲザル、及びゼブラフィッシュを含む様々な種において同定されており、また77個のアミノ酸からなるアペリンプレプロタンパク質をコードする。3つのエクソンを含む1726塩基対ゲノムDNAにわたり、アペリン遺伝子座は、種間で高度に保存されている。アペリンプレプロタンパク質のプロセシングでは、アペリンプレプロタンパク質の残基1〜22に対応するシグナルペプチド切り離されて、55個のアミノ酸であるアペリンプロタンパク質が生じ、これは、アペリン−12、アペリン−13、アペリン−16、アペリン−17、及びアペリン−36を含むいくつかの活性な分子形態に処理される。(Kawamata et al., 2001, Biochim Biophys Acta 1538:162−71)。そのような活性な分子形態は、全体としてアペリンと呼ばれ、そしてその長さ及び/又は修飾状態に基づき命名されている。完全長成熟ペプチドであるアペリン−36は、55個のアミノ酸からなる長いアペリンプロタンパク質に由来する36個のアミノ酸からなる長いペプチドであり(Tatemoto et al., 1998, Biochem. Biophys. Res. Comm. 251:471−476, 1998)、またプレプロタンパク質の残基42〜77に対応する。アペリン−17及びアペリン−13は、アペリンのカルボキシ(C)末端に由来する。アペリン−17は、アペリンプロタンパク質の残基61〜77に対応する。アペリン−13は、アペリンプロタンパク質の残基65〜77に対応する。アペリンタンパク質は、アミノ酸誘導体又は修飾を含み得る。例えば、最も活性なアイソフォームは、アペリン−13のピログルタミン酸化された形態(pyr−アペリン13)である。

0058

アペリンは、内因性の血管拡張薬、及びレニン−アンジオテンシン系拮抗することにより、おそらくは受容体ヘテロトリマーの形成により血圧を降下させ得る変力物質である。

0059

本開示の特定の実施形態では、活性薬剤は、持続放出を提供するアミノ酸配列を含み、アペリン、その模倣体、類似体、誘導体、断片、又は機能的変異体と融合又はコンジュゲートしている。いくつかの実施形態では、持続放出を提供するアミノ酸配列はELPである。特定の実施形態では、アペリンは、哺乳動物のアペリンである。いくつかの実施形態では、アペリンはヒトアペリンであり(例えば、配列番号39)、完全長成熟ヒトアペリンペプチド、アペリン−36(配列番号39)である。その他の実施形態では、アペリンは、アペリン−16、アペリン−17(配列番号41)、アペリン−13(配列番号43)、及びアペリン−12(配列番号44)を含む、但しこれらに限定されないアペリン−36のトランケーション体である。いくつかの実施形態では、アペリンは、1つ又は複数の修飾されたアミノ酸を含む。いくつかの実施形態では、アペリンは、1つ又は複数のアミノ酸誘導体を含む。いくつかの実施形態では、アペリンは、pyr−アペリン13(配列番号42)である。

0060

いくつかの実施形態では、アペリンは、アペリンのN末端及び/又はC末端において、例えば、最大約3個のアミノ酸、最大約5個のアミノ酸、最大約10個のアミノ酸、最大約15個のアミノ酸、最大約20個のアミノ酸、最大約25個のアミノ酸、又は最大約30個のアミノ酸による場合を含む、約1〜約30個のアミノ酸によりトランケーションされた機能的断片を含む、哺乳動物アペリンの機能的類似体である。その他の実施形態では、機能的変異体は、天然型又はトランケーションされた配列に対して、約1〜約30個のアミノ酸の挿入、欠損、及び/又は置換を含有する(例えば、配列番号39、41、42、43、又は44)。例えば、機能的変異体は、天然型又はトランケーションされた配列に対して、最大約3個のアミノ酸、最大約5個のアミノ酸、最大約10個のアミノ酸、最大約15個のアミノ酸、最大約20個のアミノ酸、最大約25個のアミノ酸、又は最大約30個のアミノ酸の挿入、欠損、及び/又は置換を有し得る(例えば、配列番号39、41、42、43、又は44)。タンパク質の活性は、任意の利用可能なアッセイ法を使用して確認又はアッセイされ得る。その他の実施形態では、アペリンは、天然型又はトランケーションされた配列と少なくとも約75%の同一性、約80%の同一性、約90%の同一性、約95%の同一性、約96%の同一性、約97%の同一性、約98%の同一性、又は約99%の同一性を有する(例えば、配列番号39、41、42、43、又は44)。同一性のパーセンテージ(%)は、http://www.ebi.ac.uk/Tools/psa/emboss_needle/において利用可能なアライメントプログラムEMBOSSNeedleを使用して計算可能である。下記のデフォルトパラメーター、すなわちProtein Weight Matrix=BLOSUM62;Gap Open=10;Gap Extension=0.1が、ペアワイズアライメント用として利用可能である。いくつかの実施形態では、アペリンは、当技術分野において公知の追加の化学修飾を含み得る。いくつかの実施形態では、アペリンの機能的類似体は、Elabella/Toddler又はその類似体若しくは誘導体である(Yang et al., 2015, Trendsin Pharmacol. Sci. 36:560−567)。

0061

特定の実施形態では、治療剤は、アペリン、その模倣体、類似体、誘導体、断片、又は機能的変異体のN末端又はC末端に融合したELPを含む。いくつかの態様では、治療剤は、ヒトアペリン−36のN末端に融合したELPを含む(配列番号40)。いくつかの実施形態では、アペリンは、2つ以上のELP配列を有する融合タンパク質の状態にある。いくつかの実施形態では、アペリンは、N末端及びC末端の両方に1つ又は複数のELPを有する。いくつかの実施形態では、アペリンのC末端及び/又はN末端に位置するELPは、約90〜約180個の反復性構造単位を含む。その他の実施形態では、アペリンのC末端及び/又はN末端に位置するELPは、約90個よりも少ない反復性構造単位を含む。その他の態様では、アペリンのC末端及び/又はN末端に位置するELPは、約180個を上回る反復性構造単位を含む。いくつかの実施形態では、N末端及びC末端に位置する2つ以上のELPのサイズはほぼ同一である。その他の実施形態では、N末端及びC末端に位置する2つ以上のELPのサイズは異なる。いくつかの実施形態では、アペリンのN末端に位置するELPは、アペリンのC末端に位置するELPより大きい。その他の実施形態では、アペリンのC末端に位置するELPは、アペリンのN末端に位置するELPより大きい。

0062

その他の態様では、本開示は、ELP及びアペリンを投与することにより、心不全肺動脈高血圧症(PAH)、虚血性心疾患糖尿病がん肥満心臓血管異常、又は血管形成を伴う病理学的状態(例えば、がん)を含む、但しこれらに限定されない疾患を治療又は予防する方法を提供する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示する治療剤は、血管拡張作用(例えば、内皮一酸化窒素シンターゼ(eNOS)により媒介される)、正の変力作用(例えば、細胞カルシウムの増加及び筋フィラメントカルシウム感受性の増加に起因する)、虚血再灌流傷害に対する保護(例えば、一酸化窒素(NO)依存性及びNO非依存性経路を経由する)、及びAPJ受容体媒介型の心肥大(例えば、Gタンパク質媒介型よりはむしろβ−アレスチン媒介型)を含む、但しこれらに限定されない作用を提供するために投与され得る。方法は、ELP及びアペリンを含む治療剤(上記のような)を、そのような治療を必要とする患者に投与することを含む。一般的に、患者は、ヒト又はヒト以外の動物患者(例えば、イヌ、ネコ、ウシ、又はウマ)であり得る。好ましくは、患者はヒトである。

0063

いくつかの実施形態では、本開示に基づくアペリン治療剤による治療は、例えば、心不全、PAH、虚血性心疾患、糖尿病、がん、肥満、心臓血管異常、又は血管形成を伴う病理学的状態(例えば、がん)を含む、但しこれらに限定されない様々な疾患に起因する又はそれと関連した合併症及び障害を治療及び/又は予防するための薬剤から選択される1つ又は複数の薬理学的に活性な物質と組み合わせることも可能である。更なる実施形態では、本開示に基づくアペリン治療剤による治療は、例えば、血管拡張作用(例えば、内皮型一酸化窒素シンターゼ(eNOS)により媒介される)、正の変力作用(例えば、細胞内カルシウムの増加及び筋フィラメントカルシウム感受性の増加に起因する)、虚血再灌流傷害に対する保護(例えば、一酸化窒素(NO)依存性及びNO非依存性の経路を経由する)、及びAPJ受容体媒介型の心肥大(例えば、Gタンパク質媒介型よりはむしろβ−アレスチン媒介型)を含む、但しこれらに限定されない作用を提供する薬剤から選択される1つ又は複数の薬理学的に活性な物質と組み合わせることができる。

0064

アルギナーゼ
いくつかの実施形態では、タンパク質活性薬剤は、アルギナーゼ(EC3.5.3.1;L−アルギニンアミジノヒドロラーゼ)、そのアイソザイム、断片、又は機能的変異体である。アルギナーゼは、哺乳動物の肝臓における尿素形成の最終的な細胞基質反応である、L−アルギニンをオルニチン尿素に変換する反応を触媒する、尿素サイクルにおいて重要な35kDaの酵素である。アルギナーゼは、3つの重要な機能、すなわち尿素の生成、オルニチンの生成、及び一酸化窒素シンターゼの基質であるアルギニンレベルの制御を担う(Jenkinson et al., 1996, Comp. Biochem. Physiol. 114B:107−132; Kanyo et al., 1996, Nature 383:554−557; Christianson, 1997, Prog. Biophys. Molec. Biol. 67:217−252)。尿素生成は、極めて可溶性の無毒性化合物の形態で窒素排泄する、従って高アンモニアレベルという危険な結果の可能性を回避する機構を提供する。L−オルニチンは、ポリアミンスペルミン、及びスペルミジン生合成のための前駆体であり、細胞の増殖及び分化において重要な役割を有する。最終的に、アルギナーゼは、組織内に存在するアルギニンのレベルを制御することにより、一酸化窒素の生成を調節する。

0065

一般的に、アルギナーゼは、尿素産生動物(例えば、哺乳動物、軟骨魚類、両生動物、及びカメ)の肝臓、腎臓、及び睾丸で発現している。ヒトを含むほとんどの哺乳動物では、アルギナーゼタンパク質のファミリーとして、肝細胞内で主に発現しているアルギナーゼI、並びに腎臓及び赤血球内で主に発現しているアルギナーゼIIの各アイソザイムが挙げられる。

0066

いくつかの実施形態では、ヒト肝臓アルギナーゼ欠乏症は、アルギニン血症高アンモニア血症を伴う遺伝性常染色体劣性遺伝障害、過剰のアルギニンが発作を引き起こす状態、認知能力障害、及びニューロン障害を引き起こす可能性がある。臨床的に有意な高アルギニン血症は、アルギナーゼI遺伝子内突然変異に起因する(Cederbaum S. D. et al., 1979, Pediat. Res. 13:827−833; Cederbaum S. et al., 1977, J. Pediatr. 90:569−573; Michel V. V. et al., 1978, Clin. Genet. 13:61−67)。アルギナーゼ欠乏症に起因して、アルギニンは尿素に分解不能となり、オルニチン代謝サイクルに組み込まれ、通常よりも約7〜約10倍高い血中アルギニンレベル、脳脊髄液内のアルギニンレベルの増加、尿生成量の増加、及びクレアチニン尿素排泄の増加を引き起こす。アルギナーゼI欠損患者は、痙縮発育遅滞進行性の精神的機能障害、及び挿間性の高アンモニア血症を呈し得る(Cederbaum S.D. et al., 1979, Pediat Res 13:827−833; Cederbaum S.D., et al., 1977, J. Pediatr 90:569−573; Thomas K.R. and Capecchi M.R., 1987, Cell 51:503−512)。

0067

本開示の特定の実施形態では、アルギナーゼ治療剤は、アルギナーゼ、その模倣体、類似体、誘導体、断片、又は機能的変異体と融合した又はコンジュゲートした、持続放出を提供するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、持続放出を提供するアミノ酸薬剤は、ELPである。

0068

特定の実施形態では、アルギナーゼは、哺乳動物のアルギナーゼである。いくつかの実施形態では、アルギナーゼは、アルギナーゼIである。その他の実施形態では、アルギナーゼは、アルギナーゼIIである。いくつかの実施形態では、アルギナーゼは、ヒトアルギナーゼ(配列番号45)である。

0069

いくつかの実施形態では、アルギナーゼはアルギナーゼのN末端及び/又はC末端において、例えば、最大約3個のアミノ酸、最大約5個のアミノ酸、最大約10個のアミノ酸、最大約15個のアミノ酸、最大約20個のアミノ酸、最大約25個のアミノ酸、最大約30個のアミノ酸、最大約35個のアミノ酸、最大約40個のアミノ酸、最大約45個のアミノ酸、又は最大約50個のアミノ酸による場合を含む、約1〜約50個のアミノ酸によりトランケーションされた機能的断片を含む、哺乳動物のアルギナーゼの機能的類似体である。その他の実施形態では、機能的変異体は、天然型の配列(例えば、配列番号45)に対して約1〜約50個のアミノ酸挿入、欠損、及び/又は置換を含有する。例えば、機能的変異体は、天然型の配列(例えば、配列番号45)に対して最大約3個のアミノ酸、約5個のアミノ酸、最大約10個のアミノ酸、最大約15個のアミノ酸、最大約20個のアミノ酸、最大約25個のアミノ酸、最大約30個のアミノ酸、最大約35個のアミノ酸、最大約40個のアミノ酸、最大約45個のアミノ酸、又は最大約50個のアミノ酸の挿入、欠損、及び/又は置換を有し得る。タンパク質の活性は、任意の利用可能なアッセイ法を使用して確認又はアッセイされ得る。その他の実施形態では、アルギナーゼは、天然型の配列(例えば、配列番号45)と少なくとも約75%の同一性、約80%の同一性、約90%の同一性、約95%の同一性、約96%の同一性、約97%の同一性、約98%の同一性、又は約99%の同一性を有する。同一性のパーセンテージ(%)は、http://www.ebi.ac.uk/Tools/psa/emboss_needle/において利用可能なアライメントプログラムEMBOSSNeedleを使用して計算可能である。下記のデフォルトパラメーター、すなわちProtein Weight Matrix=BLOSUM62;Gap Open=10;Gap Extension=0.1が、ペアワイズアライメント用として利用可能である。いくつかの実施形態では、アルギナーゼは、当技術分野において公知の追加の化学修飾を含み得る。いくつかの実施形態では、アルギナーゼは、コバルトの代わりにマンガン補助因子として利用し得る。

0070

特定の実施形態では、治療剤は、アルギナーゼ、その模倣体、類似体、誘導体、断片、又は機能的変異体のN末端又はC末端に融合したELPを含む。いくつかの実施形態では、治療剤は、ヒトアルギナーゼ(配列番号46)のC末端に融合したELPを含む。いくつかの実施形態では、アルギナーゼは、2つ以上のELP配列を有する融合タンパク質の状態にある。いくつかの実施形態では、アルギナーゼは、N末端及びC末端の両方に1つ又は複数のELPを有する。いくつかの実施形態では、アルギナーゼのC末端及び/又はN末端に位置するELPは、約90〜約180個の反復性構造単位を含む。その他の実施形態では、アルギナーゼのC末端及び/又はN末端に位置するELPは、約90個よりも少ない反復性構造単位を含む。その他の態様では、アルギナーゼのC末端及び/又はN末端に位置するELPは、約180個を上回る反復性構造単位を含む。いくつかの実施形態では、N末端及びC末端に位置する2つ以上のELPのサイズはほぼ同一である。その他の実施形態では、N末端及びC末端に位置する2つ以上のELPのサイズは異なる。いくつかの実施形態では、アルギナーゼのN末端に位置するELPは、アルギナーゼのC末端に位置するELPよりも大きい。その他の実施形態では、アルギナーゼのC末端に位置するELPは、アルギナーゼのN末端に位置するELPよりも大きい。

0071

その他の態様では、本開示は、アルギナーゼ遺伝子又はアルギナーゼ遺伝子発現における欠陥と関連した、又はこれにより引き起こされた疾患、例えば、尿素サイクルの疾患;高血圧症低血圧症;高アンモニア血症;挿間性の高アンモニア血症;プロリン、グルタミン酸、一酸化窒素、及びオルニチンの生合成における欠陥;高アルギニン血症及びその関連する痙縮;発育遅滞;進行性の精神的機能障害;前立腺疾患前立腺がん前立腺炎又は良性の立過形成若しくは肥大前立腺損傷;腎疾患、及び腎損傷非ホジキンリンパ腫肝細胞癌メラノーマ、又は腎細胞癌腫を非限定的に含むがん;自己免疫疾患線維性疾患勃起不全肺高血圧症アテローム性動脈硬化症;腎疾患;喘息;T細胞機能不全;虚血再灌流傷害;神経変性疾患創傷治癒;アルギニン依存性過形成;腫瘍;肝細胞癌;メラノーマ;腎細胞癌腫;HCC;又はメラノーマ等の疾患を治療又は予防する方法を提供する。該方法は、ELP及びアルギナーゼを含む治療剤(上記のような)を、そのような治療を必要とする患者に投与することを含む。一般的に、患者は、ヒト又はヒト以外の動物患者(例えば、イヌ、ネコ、ウシ、又はウマ)であり得る。好ましくは、患者はヒトである。

0072

いくつかの実施形態では、本開示に基づくアルギナーゼ治療剤による治療は、例えば、高血圧症;低血圧症;高アンモニア血症;挿間性の高アンモニア血症;プロリン、グルタミン酸、一酸化窒素、及びオルニチンの生合成における欠陥;高アルギニン血症及びその関連する痙縮;発育遅滞;進行性の精神的機能障害;前立腺疾患、前立腺がん;前立腺炎又は良性の立腺過形成若しくは肥大;前立腺損傷;腎疾患;腎損傷;非ホジキンリンパ腫、肝細胞癌、メラノーマ、又は腎細胞癌腫を非限定的に含むがん;自己免疫疾患;線維性疾患;勃起不全;肺高血圧症;アテローム性動脈硬化症;腎疾患;喘息;T細胞機能不全;虚血再灌流傷害;神経変性疾患;創傷治癒;アルギニン依存性過形成;腫瘍;肝細胞癌;メラノーマ;腎細胞癌腫;HCC;又はメラノーマを非限定的に含む、様々な疾患に起因する又はそれと関連した合併症及び障害を治療及び/又は予防するための薬剤から選択される1つ又は複数の薬理学的に活性な物質と組み合わせることも可能である。

0073

C型ナトリウム利尿ペプチド(CNP)
いくつかの実施形態では、タンパク質活性薬剤は、C型ナトリウム利尿ペプチド(CNP)、その模倣体、類似体、誘導体、断片、又は機能的変異体である。ナトリウム利尿ペプチドは、心血管ホメオスタシス利尿作用ナトリウム利尿、及び血管拡張において役割を演じている。ナトリウム利尿ペプチドファミリーは、3つの構造的に関連したペプチド、すなわち心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)、脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)、及びC型ナトリウム利尿ペプチド(CNP)から構成される。このような小さい、単鎖ペプチド(ANP、BNP、及びCNP)は、17−アミノ酸ループ構造を有し(Levin et al., N. Engl. J. Med., 339: 863−870 (1998)) and play important roles in multiple biological processes. ANP and BNP are produced primarily within the muscle cells of the heart, and have important roles in cardiovascular homeostasis (Science, 252: 120−123 (1991))。CNPは、中枢神経系、生殖器系、骨、及び血管の内皮細胞内を含め、より幅広く発現しており(Hypertension, 49: 419−426 (2007))、また例えば、骨増殖、血管拡張薬、及び変力物質の制御因子として作用し、そして心血管作用を有する。

0074

ヒトでは、CNPは、ナトリウム利尿ペプチド前駆体C(NPPC)遺伝子から、単鎖126−アミノ酸プレプロポリペプチドとして最初に生成される(Sudoh, T. et al., Biochem. Biophys. Res. Commun., 1990, 168: 863−870)。シグナルペプチドが取り除かれるとプロCNPとなり、そしてエンドプロテアーゼフューリンにより更なる切断を受けると、活性な53−アミノ酸ペプチド(CNP−53)が生成し、これは分泌され、再度切断されて、成熟した22−アミノ酸ペプチド(CNP−22)が生成する(Wu,J.Biol.Chem.、2003年、278巻:25847〜852頁)。CNP−53及びCNP−22は、その分布が異なり、CNP−53は組織内に主に存在し、一方、CNP−22は血漿及び脳脊髄液に主に見出される(J. Alfonzo, Recept. Signal. Transduct. Res., 2006, 26: 269−297)。CNPの主要な生理活性形態は、CNP−22である。

0075

ナトリウム利尿ペプチドは、2つの受容体、すなわちナトリウム利尿ペプチド受容体−A(NPR−A)及びナトリウム利尿ペプチド受容体B(NPR−B)を通じて主に作用する。このような受容体は、細胞質グアニリルシクラーゼドメインを有し、これは、ANP、BNP、又はCNPと結合した際に活性化し、そして細胞内cGMP蓄積を引き起こす。CNP−53及びCNP−22のいずれも、NPR−Bに同様に結合し、そしてそれらはいずれも、用量依存的で類似した様式でcGMP生成を誘発することができる(Yeung, V.T., Peptides, 1996, 17: 101−106)。第3の受容体、NPR−Cは、ナトリウム利尿ペプチドのそれぞれと高い親和性を有して結合し、そして細胞外コンパートメントからペプチドを捕捉するように主に機能し、そしてペプチドをリソソーム内に配置し、そこでペプチドは分解する(Maak, T. et al., Science, 1987, 238: 675−678)。

0076

CNPはNPR−Bと結合し、これを活性化させ、細胞内サイクリックグアノシンモノホスフェート(cGMP)レベルの増加を引き起こす。cGMP生成により媒介される下流シグナリングは、軟骨内骨化縦方向長骨成長を支配するプロセス)を含む多種多様生物学的プロセスに影響を及ぼす。

0077

本開示の特定の実施形態では、治療剤は、CNP、その断片又は機能的変異体と融合した又はコンジュゲートした、持続放出を提供するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、持続放出を提供するアミノ酸配列はELPである。

0078

特定の実施形態では、CNPは、哺乳動物のCNPである。いくつかの実施形態では、CNPはヒトCNP−53(配列番号51)である。その他の実施形態では、CNPは、CNP−22である(配列番号47)。その他の実施形態では、CNPは、CNP−37(配列番号49)である。なおもその他の実施形態では、CNPは、CNP−39(配列番号52)である。

0079

いくつかの実施形態では、CNPは、CNPのN末端及び/又はC末端において、例えば、最大約3個のアミノ酸、最大約5個のアミノ酸、最大約10個のアミノ酸、最大約15個のアミノ酸、最大約20個のアミノ酸、最大約25個のアミノ酸、又は最大約30個のアミノ酸による場合を含む、約1〜約30個のアミノ酸によりトランケーションされた機能的断片を含む、哺乳動物のCNPの断片又は機能的変異体である。その他の実施形態では、機能的変異体は、天然型又はトランケーションされた配列(例えば、配列番号47、49、51、又は52)に対して約1〜約30個のアミノ酸の挿入、欠損、及び/又は置換を含有する。例えば、機能的変異体は、天然型又はトランケーションされた配列(例えば、配列番号47、49、51、又は52)に対して最大約3個のアミノ酸、最大約5個のアミノ酸、最大約10個のアミノ酸、最大約15個のアミノ酸、最大約20個のアミノ酸、最大約25個のアミノ酸、又は最大約30個のアミノの挿入、欠損、及び/又は置換を有し得る。タンパク質の活性は、任意の利用可能なアッセイ法を使用して確認又はアッセイされ得る。その他の実施形態では、CNPは、天然型又はトランケーションされた配列(例えば、配列番号47、49、51、又は52)と少なくとも約75%の同一性、約80%の同一性、約90%の同一性、約95%の同一性、約96%の同一性、約97%の同一性、約98%の同一性、又は約99%の同一性を有する。同一性のパーセンテージは、http://www.ebi.ac.uk/Tools/psa/emboss_needle/において利用可能なアライメントプログラムEMBOSSNeedleを使用して計算可能である。下記のデフォルトパラメーター、すなわちProtein Weight Matrix=BLOSUM62;Gap Open=10;Gap Extension=0.1が、ペアワイズアライメント用として利用可能である。いくつかの実施形態では、CNPは、当技術分野において公知の追加の化学修飾を含み得る。

0080

いくつかの態様では、治療剤は、CNP、その断片又は機能的変異体のN末端又はC末端に融合したELPを含む。いくつかの実施形態では、治療剤は、CNP−22(配列番号48)のN末端に融合したELPを含む。別の態様では、治療剤は、CNP−37(配列番号50)のN末端に融合したELPを含む。いくつかの実施形態では、治療剤は、CNP(例えば、配列番号57又は98)のC末端に融合したELPを含む。いくつかの実施形態では、治療剤は、プロCNP(配列番号56)に融合したELPを含む。いくつかの実施形態では、CNPは、2つ以上のELP配列を有する融合タンパク質の状態にある。いくつかの実施形態では、CNPは、N末端及びC末端の両方に1つ又は複数のELPを有する。いくつかの実施形態では、CNPのC末端及び/又はN末端に位置するELPは、約90〜約180個の反復性構造単位を含む。その他の実施形態では、CNPのC末端及び/又はN末端に位置するELPは、約90個よりも少ない反復性構造単位を含む。その他の実施形態では、CNPのC末端及び/又はN末端に位置するELPは、約40個よりも少ない反復性構造単位を含む。その他の態様では、CNPのC末端及び/又はN末端に位置するELPは、約180個を上回る反復性構造単位を含む。いくつかの実施形態では、N末端及びC末端に位置する2つ以上のELPのサイズはほぼ同一である。その他の実施形態では、N末端及びC末端に位置する2つ以上のELPのサイズは異なる。いくつかの実施形態では、CNPのN末端に位置するELPは、CNPのC末端に位置するELPよりも大きい。その他の実施形態では、CNPのC末端に位置するELPは、CNPのN末端に位置するELPよりも大きい。

0081

いくつかの実施形態では、ELPは、リンカー(配列番号83及び55)を介してCNPのC末端及び/又はN末端に連結している。いくつかの実施形態では、リンカーは、トリペプチドGGS配列(配列番号87)を含む。いくつかの態様では、リンカーは、トリペプチドGGS(配列番号87)の単一コピーを含む。別の態様では、リンカーは、トリペプチドGGSの複数の反復部を含む。いくつかの実施形態では、リンカーは、GGS配列の2つの反復部(配列番号102)を含む。いくつかの実施形態では、リンカーは、GGS配列の3つの反復部を(配列番号103)含む。いくつかの実施形態では、リンカーは、ペンタペプチドGGGGS配列(配列番号93)を含む。いくつかの態様では、リンカーは、ペンタペプチドGGGGS(配列番号93)の単一コピーを含む。別の態様では、リンカーは、ペンタペプチドGGGGSの複数の反復部を含む。いくつかの実施形態では、リンカーは、GGGGS配列の2つの反復部(配列番号104)を含む。いくつかの実施形態では、リンカーは、GGGGS配列の3つの反復部(配列番号105)を含む。いくつかの実施形態では、リンカーは、ペンタペプチドPAPAP配列(配列番号94)を含む。いくつかの態様では、リンカーは、ペンタペプチドPAPAPの単一コピーを含む。別の態様では、リンカーは、ペンタペプチドPAPAPの複数の反復部を含む。いくつかの実施形態では、リンカーは、PAPAP配列の2つの反復部(配列番号106)を含む。いくつかの実施形態では、リンカーは、PAPAP配列の3つの反復部(配列番号107)を含む。いくつかの実施形態では、リンカーは、ペンタペプチドEAAAK配列(配列番号95)を含む。いくつかの態様では、リンカーは、ペンタペプチドEAAAKの単一のコピーを含む。別の態様では、リンカーは、ペンタペプチドEAAAKの複数の反復部を含む。いくつかの実施形態では、リンカーは、EAAAK配列の2つの反復部(配列番号108)を含む。いくつかの実施形態では、リンカーは、EAAAK配列の3つの反復部(配列番号109)を含む。

0082

いくつかの実施形態では、ELPは、プロテアーゼ認識部位を含むペプチド配列を介してCNPのC末端及び/又はN末端に連結している。いくつかの実施形態では、プロテアーゼ認識部位は、in vivoで開裂し、これによりCNPを放出する。いくつかの実施形態では、プロテアーゼ認識部位は、注射部位において開裂し、これによりCNPを放出する。いくつかの実施形態では、プロテアーゼ認識部位は、循環内で開裂し、これによりCNPを放出する。いくつかの実施形態では、プロテアーゼ認識部位は、必要とされる場合、成長板近傍の関節内で開裂し、これによりCNPを放出し、そして副作用最低限に抑える。プロテアーゼ認識部位は、第Xa因子(例えば、IEGR↓、IDGR↓、GR↓);トロンビン(例えば、LVPR↓GS、LVPR↓GF);カテプシン(例えば、カテプシンK、RKPR↓G、RKLR↓G);マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)(例えば、MMP1、MMP2、MMP3、MMP7、MMP8、及びMMP9に対するPLGL↓WAG「コンセンサス認識配列(Eckhard et al. (2016) Matrix Biology 49, 37−60))に対する認識部位を含む。ChouらによるヒトカテプシンKに関する好ましい切断部位分析(2006. J. Biol. Chem. 281, 12824−12832)では、利用可能である代替的切断部位は、例えば、P3はK、G、H、又はMであり得、P2はP、I、又はLであり得、P1はQ、R、又はKであり得ることが示唆される。

0083

その他の態様では、本開示は、骨成長の制御と関連した疾患(例えば、低身長症及び軟骨形成不全を含む骨格形成異常);若年性突発性関節炎骨関節炎心血管系疾患;心血管ホメオスタシス、利尿作用、ナトリウム利尿作用、又は血管拡張に影響を及ぼす疾患;中枢神経系の疾患、生殖器系の疾患;又は血管内皮細胞に影響を及ぼす疾患を含む、但しこれらに限定されない疾患を治療又は予防する方法を提供する。該方法は、ELP及びCNPを含む治療剤(上記のような)を、そのような治療を必要とする患者に投与することを含む。一般的に、患者は、ヒト又はヒト以外の動物患者(例えば、イヌ、ネコ、ウシ、又はウマ)であり得る。好ましくは、患者はヒトである。

0084

いくつかの実施形態では、本開示に基づくCNP治療剤による治療は、例えば、骨成長の制御に影響を及ぼす疾患(例えば、低身長症及び軟骨形成不全を含む骨格形成異常);若年性突発性関節炎;骨関節炎;心血管系疾患;心血管ホメオスタシス、利尿作用、ナトリウム利尿作用、又は血管拡張に影響を及ぼす疾患;中枢神経系の疾患、生殖器系の疾患;又は血管内皮細胞に影響を及ぼす疾患を非限定的に含む様々な疾患に起因する又はそれと関連した合併症及び障害を治療及び/又は予防するための薬剤から選択される1つ又は複数の薬理学的に活性な物質と組み合わせることも可能である。

0085

グルカゴン様ペプチド(GLP)−1受容体拮抗薬
本開示の特定の実施形態では、治療剤は、GLP−1受容体拮抗薬、例えばアミノ酸1〜8を欠いているエキセンジン−4、その誘導体、類似体、模倣体、断片、又は機能的変異体等と融合した又はコンジュゲートしたELP成分を含む。

0086

ヒトGLP−1は、回腸遠位部内、膵臓内、及び脳内のL細胞中で合成されるプレプログルカゴンに由来する37個のアミノ酸残基ペプチドである。プレプログルカゴンのプロセシングにより、GLP−1(7〜36)アミド、GLP−1(7〜37)が生じ、またGLP−2はL細胞内で主に生ずる。

0087

腸のL細胞内でのプロセシング後に、GLP−1が、とりわけ食事応答して循環中に放出される。GLP−1の血漿濃度は、約15pmol/Lの絶食レベルから40pmol/Lの食後のピークレベルまで上昇する。

0088

いくつかの態様では、本発明のタンパク質活性薬剤は、GLP−1受容体拮抗薬である。いくつかの実施形態では、GLP−1受容体拮抗薬は、GLP−1のN末端及び/又はC末端断片である。特定の実施形態では、GLP−1受容体拮抗薬は、アミノ酸配列DVSSYLEQAKEFIAWLVKGR(配列番号54、64、及び65)又はその断片を含む。いくつかの態様では、GLP−1受容体拮抗薬は、GLP−1(9〜31)(配列番号54)である。その他の態様では、GLP−1受容体拮抗薬は、GLP−1(9〜29)(配列番号64)である。なおもその他の態様では、GLP−1受容体拮抗薬は、GLP−1−エキセンジン−4(配列番号65)である。

0089

その他の実施形態では、GLP−1受容体拮抗薬は、エキセンジン−4のN末端及び/又はC末端断片である。特定の実施形態では、GLP−1受容体拮抗薬は、次のアミノ酸配列DLSKMEEEAVRLFIEWLKNGGP(配列番号27、28、60、61、62、及び63)又はその断片を含む。特定の実施形態では、エキセンジン−4断片として、エキセンジン−4(9〜39)(配列番号27)、エキセンジン−4(9〜31)(配列番号28)、エキセンジン−4(9〜30)(配列番号60)、M−エキセンジン−4(9〜39)(配列番号62)、M−エキセンジン−4(9〜31)(配列番号61)、又はM−エキセンジン−4(9〜30)(配列番号63)が挙げられるが、但しこれらに限定されない。

0090

その他の実施形態では、GLP−1受容体拮抗薬は、アミノ酸配列DVSSYLEGQAAKEFIAWLVKGR(配列番号66及び67)又はその断片を含む。いくつかの態様では、GLP−1受容体拮抗薬は、Jant−4(9〜30)(配列番号66)である。別の態様では、GLP−1受容体拮抗薬は、Jant−4(9〜39)(配列番号67)である。

0091

特定の実施形態では、GLP−1受容体拮抗薬は、哺乳動物のGLP−1受容体拮抗薬である。いくつかの実施形態では、GLP−1受容体拮抗薬は、ヒトGLP−1受容体拮抗薬(例えば、配列番号27、28、54、56、60、61、62、63、64、65、66、又は67)である。いくつかの実施形態では、GLP−1受容体拮抗薬は、GLP−1受容体拮抗薬のN末端及び/又はC末端において、例えば、最大約3個のアミノ酸、最大約5個のアミノ酸、最大約10個のアミノ酸、最大約15個のアミノ酸、最大約20個のアミノ酸、最大約25個のアミノ酸、又は最大約30個のアミノ酸による場合を含む、約1〜約30個のアミノ酸によりトランケーションされた機能的断片を含む、哺乳動物のGLP−1受容体拮抗薬の機能的類似体である。その他の実施形態では、機能的変異体は、天然型又はトランケーションされた配列(例えば、配列番号27、28、54、56、60、61、62、63、64、65、66、又は67)に対して、約1〜約30個のアミノ酸の挿入、欠損、及び/又は置換を含有する。例えば、機能的変異体は、天然型又はトランケーションされた配列(例えば、配列番号27、28、54、56、60、61、62、63、64、65、66、又は67)に対して、最大約3個のアミノ酸、最大約5個のアミノ酸、最大約10個のアミノ酸、最大約15個のアミノ酸、最大約20個のアミノ酸、最大約25個のアミノ酸、又は最大約30個のアミノ酸の挿入、欠損、及び/又は置換を有し得る。タンパク質の活性は、任意の利用可能なアッセイ法を使用して確認又はアッセイされ得る。その他の実施形態では、GLP−1受容体拮抗薬は、天然型又はトランケーションされた配列(例えば、配列番号27、28、54、56、60、61、62、63、64、65、66、又は67)と、少なくとも約75%の同一性、約80%の同一性、約90%の同一性、約95%の同一性、約96%の同一性、約97%の同一性、約98%の同一性、又は約99%の同一性を有するアミノ酸配列を有する。同一性のパーセンテージは、http://www.ebi.ac.uk/Tools/psa/emboss_needle/において利用可能なアライメントプログラムEMBOSSNeedleを使用して計算可能である。下記のデフォルトパラメーター、すなわちProtein Weight Matrix=BLOSUM62;Gap Open=10;Gap Extension=0.1が、ペアワイズアライメント用として利用可能である。いくつかの実施形態では、GLP−1受容体拮抗薬は、当技術分野において公知の追加の化学修飾を含み得る。

0092

特定の実施形態では、治療剤は、GLP−1受容体拮抗薬、その類似体、模倣体、誘導体、断片、又は機能的変異体のC末端に融合したELPを含む。いくつかの実施形態では、治療剤は、ヒトGLP−1受容体拮抗薬(例えば、配列番号58及び59)のN末端に融合したELPを含む。いくつかの実施形態では、GLP−1受容体拮抗薬は、2つ以上のELP配列を有する融合タンパク質の状態にある。いくつかの実施形態では、GLP−1受容体拮抗薬は、N末端及びC末端の両方に1つ又は複数のELPを有する。いくつかの実施形態では、GLP−1受容体拮抗薬のC末端及び/又はN末端に位置するELPは、約90〜約180個の反復性構造単位を含む。その他の実施形態では、GLP−1受容体拮抗薬のC末端及び/又はN末端に位置するELPは、約90個よりも少ない反復性構造単位を含む。その他の態様では、GLP−1受容体拮抗薬のC末端及び/又はN末端に位置するELPは、約180個を上回る反復性構造単位を含む。いくつかの実施形態では、N末端及びC末端に位置する2つ以上のELPのサイズはほぼ同一である。その他の実施形態では、N末端及びC末端に位置する2つ以上のELPのサイズは異なる。いくつかの実施形態では、GLP−1受容体拮抗薬のN末端に位置するELPは、GLP−1受容体拮抗薬のC末端に位置するELPよりも大きい。その他の実施形態では、GLP−1受容体拮抗薬のC末端に位置するELPは、GLP−1受容体拮抗薬のN末端に位置するELPよりも大きい。

0093

その他の実施形態では、GLP−1受容体拮抗薬治療剤が、糖尿病(1型又は2型);代謝性疾患;肥満;高インスリン血症と関連した低血糖症を含む、但しこれに限定されないインスリン過剰分泌に起因する疾患;手術後の後天性高インスリン性低血糖症;又は高インスリン症、例えば先天性高インスリン症若しくは胃手術、例えば肥満を治療するための胃手術後の後天性高インスリン症等を含む、但しこれらに限定されない疾患を治療するのに使用される。方法は、ELP及びGLP−1受容体拮抗薬を含む治療剤(上記のような)を、そのような治療を必要とする患者に投与することを含む。一般的に、患者は、ヒト又はヒト以外の動物患者(例えば、イヌ、ネコ、ウシ、又はウマ)であり得る。好ましくは、患者はヒトである。

0094

いくつかの実施形態では、本開示に基づくGLP−1受容体拮抗薬治療剤による治療は、例えば、糖尿病(1型又は2型);代謝性疾患;肥満;高インスリン血症と関連した低血糖症を含む、但しこれらに限定されないインスリン過剰分泌に起因する疾患;胃手術後の後天性高インスリン性低血糖症;又は高インスリン症、例えば先天性高インスリン症若しくは胃手術、例えば肥満を治療するための胃手術後の後天性高インスリン症等を含む、但しこれらに限定されない疾患に起因する又はそれと関連した様々な合併症及び障害を治療及び/又は予防するための薬剤から選択される1つ又は複数の薬理学的に活性な物質と組み合わせることも可能である。

0095

グルカゴン様ペプチド(GLP)−2受容体作動薬
本開示の特定の実施形態では、治療剤は、GLP−2受容体作動薬、その誘導体、類似体、模倣体、断片、又は機能的変異体と融合した又はコンジュゲートしたELPを含む。いくつかの実施形態では、GLP−2受容体作動薬は、GLP−2である。

0096

GLP−2は、腸の腸内分泌L細胞における、及び脳幹特異的領域におけるプログルカゴン翻訳後プロセシングから放出される33−アミノ酸ペプチドである。GLP−2は、栄養分摂取に応答して、GLP−1、オキシントモジュリン及びグリセンチンと共に同時分泌される。GLP−2は、アミノ酸配列に関して、グルカゴン及びGLP−1との顕著な相同性を示す。異なる哺乳動物間でも、GLP−2の形態は高度に保存されている。例えば、ヒトGLP−2(hGLP−2)及びデグーアメリカ齧歯類)GLP−2は、それぞれアミノ酸1個及び3個だけ、ラットGLP−2(rGLP−2)と異なる。GLP−2は、クラスIIグルカゴンセクレチンファミリーに属する単一のGタンパク質共役受容体と結合する。GLP−2受容体は、GLP−2に対して応答性であることが公知の部位である小腸結腸、及び胃内局在する(Yusta et al., 2000, Gastroenterology, 119: 744−55)。

0097

本開示の特定の実施形態では、活性薬剤は、GLP−2受容体作動薬、その誘導体、類似体、模倣体、断片、又は機能的変異体と融合した又はコンジュゲートした、持続放出を提供するアミノ酸配列を含む。本開示の特定の実施形態では、活性薬剤は、GLP−2受容体作動薬及びhGHと融合した又はコンジュゲートした、持続放出を提供するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、GLP−2受容体作動薬とhGHは、持続放出を提供するアミノ酸配列の異なる端部に連結している。いくつかの実施形態では、GLP−2受容体作動薬が持続放出を提供するアミノ酸配列のアミノ末端に連結しており、またhGHがカルボキシ末端に連結している。いくつかの実施形態では、hGHが持続放出を提供するアミノ酸配列のアミノ末端に連結しており、またGLP−2受容体作動薬が、カルボキシ末端に連結している。いくつかの実施形態では、持続放出を提供するアミノ酸配列はELPである。

0098

特定の実施形態では、GLP−2受容体作動薬は、哺乳動物のGLP−2受容体作動薬、例えばヒトGLP−2受容体作動薬等である。いくつかの実施形態では、GLP−2受容体作動薬は、ヒトGLP−2ペプチド(配列番号68)である。その他の実施形態では、GLP−2受容体作動薬は、GLP−2ペプチドのN末端の位置2に位置するアラニン(A)がグリシン(G)に置き換わったGLP−2ペプチド類似体である(配列番号70)。特定の実施形態では、GLP−2受容体作動薬は、配列HXDGSFSDEMNTILDNLAARDFINWLIQKITD(配列番号74)を含み、式中、Xは、アラニン(A)、グリシン(G)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、又はバリン(V)である。いくつかの実施形態では、Xは、アラニン(A)又はグリシン(G)である。

0099

いくつかの実施形態では、GLP−2受容体作動薬は、ヒトGLP−2ペプチドのC末端において、例えば、最大約3個のアミノ酸、最大約5個のアミノ酸、最大約10個のアミノ酸、最大約15個のアミノ酸、最大約20個のアミノ酸、又は最大約25個のアミノ酸による場合を含む、約1〜約25個のアミノ酸によりトランケーションされた機能的断片を含む、哺乳動物GLP−2ペプチドの機能的変異体である。その他の実施形態では、機能的変異体は、天然型又はコンセンサス配列(例えば、配列番号68又は74)に対して、約1〜約25個のアミノ酸の挿入、欠損、及び/又は置換を含み得る。例えば、機能的変異体は、天然型又はコンセンサス配列(例えば、配列番号68又は74)に対して、最大約3個のアミノ酸、最大約5個のアミノ酸、最大約10個のアミノ酸、最大約15個のアミノ酸、最大約20個のアミノ酸、又は最大約25個のアミノ酸の挿入、欠損、及び/又は置換を有し得る。タンパク質の活性は、任意の利用可能なアッセイ法を使用して確認又はアッセイされ得る。その他の実施形態では、GLP−2受容体作動薬は、天然型又はコンセンサス配列(例えば、配列番号68又は74)と少なくとも約75%の同一性、約80%の同一性、約90%の同一性、約95%の同一性、約96%の同一性、約97%の同一性、約98%の同一性、又は約99%の同一性を有する。同一性のパーセンテージは、http://www.ebi.ac.uk/Tools/psa/emboss_needle/において利用可能なアライメントプログラムEMBOSSNeedleを使用して計算可能である。下記のデフォルトパラメーター、すなわちProtein Weight Matrix=BLOSUM62;Gap Open=10;Gap Extension=0.1が、ペアワイズアライメント用として利用可能である。いくつかの実施形態では、GLP−2受容体作動薬は、当技術分野において公知の追加の化学修飾を含み得る。

0100

特定の実施形態では、治療剤は、GLP−2受容体作動薬、その断片又は機能的変異体のN末端又はC末端に融合したELPを含む。いくつかの実施形態では、治療剤は、GLP−2ペプチドのC末端(配列番号69、71、及び73)に融合したELPを含む。

0101

いくつかの実施形態では、GLP−2受容体作動薬は、2つ以上のELP配列を有する融合タンパク質の状態にある。いくつかの実施形態では、GLP−2受容体作動薬は、N末端及びC末端の両方に、1つ又は複数のELPを有する。いくつかの実施形態では、GLP−2受容体作動薬のC末端及び/又はN末端に位置するELPは、約90〜約180個の反復性構造単位を含む。その他の実施形態では、GLP−2受容体作動薬のC末端及び/又はN末端に位置するELPは、約90個よりも少ない反復性構造単位を含む。その他の態様では、GLP−2受容体作動薬のC末端及び/又はN末端に位置するELPは、約180個を上回る反復性構造単位を含む。いくつかの実施形態では、N末端及びC末端に位置する2つ以上のELPのサイズはほぼ同一である。いくつかの実施形態では、N末端及びC末端に位置する2つ以上のELPのサイズは異なる。いくつかの実施形態では、GLP−2受容体作動薬のN末端に位置するELPは、GLP−2受容体作動薬のC末端に位置するELPよりも大きい。その他の実施形態では、GLP−2受容体作動薬のC末端に位置するELPは、GLP−2受容体作動薬のN末端に位置するELPよりも大きい。いくつかの実施形態では、ELPは、リンカー(配列番号71及び73)を介してGLP−2受容体作動薬のC末端及び/又はN末端に連結している。いくつかの実施形態では、リンカーは、トリペプチドGGS配列(配列番号87)を含む。いくつかの態様では、リンカーは、トリペプチドGGSの単一コピーを含む。別の態様では、リンカーは、トリペプチドGGSの複数の反復部を含む。いくつかの実施形態では、リンカーは、GGS配列の2つの反復部(配列番号102)を含む。いくつかの実施形態では、リンカーは、GGS配列の3つの反復部(配列番号103)を含む。いくつかの実施形態では、リンカーは、ペンタペプチドGGGGS配列を含む(配列番号93)。いくつかの態様では、リンカーは、ペンタペプチドGGGGS(配列番号93)の単一コピーを含む。別の態様では、リンカーは、ペンタペプチドGGGGSの複数の反復部を含む。いくつかの実施形態では、リンカーは、GGGGS配列の2つの反復部(配列番号104)を含む。いくつかの実施形態では、リンカーは、GGGGS配列の3つの反復部(配列番号105)を含む。いくつかの実施形態では、リンカーは、ペンタペプチドPAPAP配列(配列番号94)を含む。いくつかの態様では、リンカーは、ペンタペプチドPAPAPの単一コピーを含む。別の態様では、リンカーは、ペンタペプチドPAPAPの複数の反復部を含む。いくつかの実施形態では、リンカーは、PAPAP配列の2つの反復部(配列番号106)を含む。いくつかの実施形態では、リンカーは、PAPAP配列の3つの反復部(配列番号107)を含む。いくつかの実施形態では、リンカーは、ペンタペプチドEAAAK配列(配列番号95)を含む。いくつかの態様では、リンカーは、ペンタペプチドEAAAKの単一コピーを含む。別の態様では、リンカーは、ペンタペプチドEAAAKの複数の反復部を含む。いくつかの実施形態では、リンカーは、EAAAK配列の2つの反復部(配列番号108)を含む。いくつかの実施形態では、リンカーは、EAAAK配列の3つの反復部(配列番号109)を含む。

0102

その他の態様では、本開示は、腸の疾患、例えば炎症性腸疾患(IBD)、例えば潰瘍性大腸炎(UC)及びクローン病(CD)、若しくは短腸症候群SBS)等;化学療法誘発性粘膜炎;化学療法誘発性の下痢;又は虚血再灌流傷害等を含む、但しこれらに限定されない腸の疾患を治療又は予防する方法を提供する。該方法は、ELP及びGLP−2受容体作動薬を含む治療剤(上記のような)を、そのような治療を必要とする患者に投与することを含む。一般的に、患者は、ヒト又はヒト以外の動物患者(例えば、イヌ、ネコ、ウシ、又はウマ)であり得る。好ましくは、患者はヒトである。いくつかの実施形態では、本開示に基づくGLP−2受容体作動薬による治療は、例えば、IBD(例えば、UC若しくはCD等)若しくはSBS等の腸の疾患;化学療法誘発性の粘膜炎;化学療法誘発性の下痢;又は虚血再灌流傷害等を含む、但しこれらに限定されない腸の疾患を非限定的に含む、様々な疾患に起因する又はそれと関連する様々な合併症及び障害を治療及び/又は予防するための薬剤から選択される1つ又は複数の薬理学的に活性な物質と組み合わせることも可能である。

0103

ヘプシジン
特定の実施形態では、活性薬剤は、ヘプシジン(akaLEAP−1(肝臓で発現している抗菌ペプチド))、その誘導体、類似体、模倣体、断片、又は機能的変異体である。ヘプシジンは、炎症又は血中鉄レベル上昇に応答して肝細胞により産生される8kDaペプチドホルモンである。

0104

マウスにおいて83個のアミノ酸からなるプレプロペプチド、並びにラット及びヒトにおいては84個のアミノ酸からなるプレプロペプチドをエンコードするヘプシジンcDNAが、鉄の制御を受ける肝臓特異的遺伝子を探索した際に同定された(Pigeon et al., 2001, J. Biol. Chem. 276:7811 (2001))。24残基からなるN末端シグナルペプチドが最初に開裂してプロヘプシジンが生成し、次に更に処理されて、血液及び尿の両方に見出される成熟したヘプシジンが生成する。ヒト尿では、主要なヘプシジンの形態は、25個のアミノ酸を含有するが、より短い22個及び20個のアミノ酸からなるペプチドも存在する。

0105

ヒトヘプシジンは、25−アミノ酸ペプチド(Hep25)である。(Krause et al., 2000, FEBSLett 480:147−150, and Park et al., 2001, J. Biol. Chem. 276:7806−7810を参照)。ヘプシジンの生理活性型25アミノ酸形態の構造は、4つのジスルフィド結合を形成する8個のシステインを含む単純なヘアピンである(Jordan et al., 2009, J. Biol. Chem. 284:24155−67)。

0106

ヘプシジンは、その受容体、鉄エクスポートチャネル(iron export channel)フェロポーチンと結合し、そしてその内部移行及び分解を引き起こし、これによりフェロポーチン媒介型の血中への鉄放出を低下させる。内部移行は、腸粘膜横断する鉄輸送、並びに肝臓及びマクロファージによる取り込みを更に低下させる。ヘプシジン発現は、赤血球生成における鉄利用能を減少させる急性及び慢性の炎症において増加する。特定の実施形態では、ヘプシジン治療剤は、ヘプシジン、その断片又は機能的変異体と融合した又はコンジュゲートした、持続放出を提供するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、持続放出を提供するアミノ酸配列はELPである。

0107

特定の実施形態では、ヘプシジンは哺乳動物のヘプシジンである。いくつかの実施形態では、哺乳動物のヘプシジンは、ヒトヘプシジンである(配列番号75)。いくつかの実施形態では、哺乳動物のヘプシジンは、活性にとって重要であるヘプシジンのN末端断片、DTHFPCIF(配列番号88)を含む。特定の実施形態では、本発明は、生理活性型ヒト25−アミノ酸形態であるHep25のヘプシジン活性を模倣するペプチド断片を提供する。そのようなペプチドは、「ミニヘプシジン」と呼ばれる。

0108

いくつかの実施形態では、ヘプシジンは、ヘプシジンのC末端において、例えば、最大約3個のアミノ酸、最大約5個のアミノ酸、最大約10個のアミノ酸、最大約15個のアミノ酸、又は最大約20個のアミノ酸による場合を含む、約1〜約20個のアミノ酸によりトランケーションされた機能的断片を含むヒトヘプシジンの機能的変異体である。その他の実施形態では、機能的変異体は、天然型の配列(例えば、配列番号75)に対して、C末端において約1〜約20個のアミノ酸の挿入、欠損、及び/又は置換を含有する。例えば、機能的変異体は、天然型の配列(例えば、配列番号75)に対して、最大約3個のアミノ酸、最大約5個のアミノ酸、最大約10個のアミノ酸、最大約15個のアミノ酸、又は最大約20個のアミノ酸の挿入、欠損、及び/又は置換を有し得る。

0109

タンパク質の活性は、任意の利用可能なアッセイ法を使用して確認又はアッセイされ得る。本明細書で使用する場合、いくつかの実施形態では、「ヘプシジン活性」を有する化合物とは、対象(例えば、マウス又はヒト)に投与(例えば、非経口注射又は経口投与)したときに、用量依存的及び時間依存的に対象内の血漿鉄濃度を低下させる能力を該化合物が有することを表す(例えば、Rivera et al., 2005, Blood, 106: 2196−2199での実証を参照)。いくつかの実施形態では、Nemeth et al., 2006, Blood, 107: 328−333で教示するように、本発明のペプチドは、フェロポーチン発現細胞株においてフェロポーチンの内部移行及び分解を引き起こす能力によりアッセイしたとき、in vitro活性を有する。In vitro活性は、Nemeth et al., 2006, Blood, 107: 328−33で教示するように、例えば、緑色蛍光タンパク質に融合したフェロポーチンを提示するように工学的に作出された細胞の用量依存的蛍光損失により測定され得る。

0110

いくつかの実施形態では、ヘプシジンは、天然型の配列(例えば、配列番号75)と少なくとも約75%の同一性、約80%の同一性、約90%の同一性、約95%の同一性、約96%の同一性、約97%の同一性、約98%の同一性、又は約99%の同一性を有する。同一性のパーセンテージは、http://www.ebi.ac.uk/Tools/psa/emboss_needle/において利用可能なアライメントプログラムEMBOSSNeedleを使用して計算可能である。下記のデフォルトパラメーター、すなわちProtein Weight Matrix=BLOSUM62;Gap Open=10;Gap Extension=0.1が、ペアワイズアライメント用として利用可能である。いくつかの実施形態では、ヘプシジンは、当技術分野において公知の追加の化学修飾を含み得る。

0111

特定の実施形態では、治療剤は、ヘプシジン、その断片又は機能的変異体のN末端又はC末端に融合したELPを含む。いくつかの実施形態では、治療剤は、ヒトヘプシジンのN末端(配列番号76)に融合したELPを含む。その他の実施形態では、治療剤は、ヒトヘプシジンのC末端(配列番号77)に融合したELPを含む。

0112

いくつかの実施形態では、ヘプシジンは、2つ以上のELP配列を有する融合タンパク質の状態にある。いくつかの実施形態では、ヘプシジンは、N末端及びC末端の両方に1つ又は複数のELPを有する。いくつかの実施形態では、ヘプシジンのC末端及び/又はN末端に位置するELPは、約90〜約180個の反復性構造単位を含む。その他の実施形態では、ヘプシジンのC末端及び/又はN末端に位置するELPは、約90個よりも少ない反復性構造単位を含む。その他の態様では、ヘプシジンのC末端及び/又はN末端に位置するELPは、約180個を上回る反復性構造単位を含む。いくつかの実施形態では、N末端及びC末端に位置する2つ以上のELPのサイズはほぼ同一である。その他の実施形態では、N末端及びC末端に位置する2つ以上のELPのサイズは異なる。いくつかの実施形態では、ヘプシジンのN末端に位置するELPは、ヘプシジンペプチドのC末端に位置するELPよりも大きい。いくつかの実施形態では、ヘプシジンのC末端に位置するELPは、ヘプシジンのN末端に位置するELPよりも大きい。

0113

その他の態様では、本開示は、鉄過剰症、例えば遺伝性のヘモクロマトーシス(HH)若しくは鉄負荷貧血等;2型ヘモクロマトーシス;心疾患、例えば心筋シデローシス若しくは心不全等;内分泌障害を引き起こす疾患;肝疾患、例えば肝硬変若しくは肝細胞癌等;糖尿病;ベータサラセミア;急性重度感染症;又は真性多血症を含む、但しこれらに限定されない腸の疾患を治療又は予防する方法を提供する。方法には、ELP及びヘプシジンを含む治療剤(上記のような)を、そのような治療を必要とする患者に投与することを含む。一般的に、患者は、ヒト又はヒト以外の動物患者(例えば、イヌ、ネコ、ウシ、又はウマ)であり得る。好ましくは、患者はヒトである。

0114

いくつかの実施形態では、本開示に基づくヘプシジン治療剤による治療は、例えば、鉄過剰症、例えば遺伝性のヘモクロマトーシス(HH)若しくは鉄負荷貧血等;2型ヘモクロマトーシス;心疾患、例えば心筋シデローシス若しくは心不全等;内分泌障害を引き起こす疾患;肝疾患、例えば肝硬変若しくは肝細胞癌等;糖尿病;ベータサラセミア;急性重度感染症;又は真性多血症を含む、但しこれらに限定されない様々な疾患に起因する又はそれと関連した様々な合併症及び障害を治療及び/又は予防するための薬剤から選択される1つ又は複数の薬理学的に活性な物質と組み合わせることも可能である。

0115

インスリン様増殖因子−1(IGF−1)
いくつかの実施形態では、タンパク質活性薬剤は、IGF−1、その誘導体、類似体、模倣体、断片、又は機能的変異体である。IGF−Iは、血漿及びその他の体液、並びに多くの細胞/組織中に存在する単鎖ペプチドであり、3個のジスルフィド結合を含む70個のアミノ酸を含み、また広範囲の細胞型の増殖を刺激し、そして成長ホルモンのいくつかの作用と関係している。

0116

IGF−1は、全身的及び局所的効果の両方を有し、また異なる特異的結合タンパク質と主に関連しており、そのうちの4つは、IGFBP1、IGFBP2、IGFBP3、及びIGFBP4と呼ばれる。これらの結合タンパク質は、IGF−1の生物学的機能及び利用能を正及び負の両様式で調節する。

0117

IGF−1は、多くの異なる細胞型内の原形質膜外面に露出したIGF−1型受容体との相互作用により主に作用する。IGF−1Rは、多くの異なる細胞型上で発現しており、従っていくつかの生物組織、すなわち肝臓、腎臓、、筋肉、骨組織、及び軟骨、並びに神経組織は、IGF−1の作用に依存する。

0118

特定の実施形態では、本開示のIGF−1治療剤は、IGF−1、その断片又は機能的変異体と融合した又はコンジュゲートした、持続放出を提供するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、持続放出を提供するアミノ酸配列はELPである。

0119

特定の実施形態では、IGF−1は、哺乳動物のIGF−1である。いくつかの実施形態では、哺乳動物のIGF−1は、ヒトIGF−1(配列番号78)である。いくつかの実施形態では、IGF−1は、IGF−1のN末端及び/又はC末端において、例えば、最大約3個のアミノ酸、最大約5個のアミノ酸、最大約10個のアミノ酸、最大約15個のアミノ酸、最大約20個のアミノ酸、最大約25個のアミノ酸、最大約30個のアミノ酸、最大約35個のアミノ酸、最大約40個のアミノ酸、最大約45個のアミノ酸、又は最大約50個のアミノ酸による場合を含む、約1〜約50個のアミノ酸によりトランケーションされた機能的断片を含む、ヒトIGF−1の断片又は機能的変異体である。その他の実施形態では、断片又は機能的変異体は、天然型の配列(例えば、配列番号78)に対して約1〜約50個のアミノ酸の挿入、欠損、及び/又は置換を含有する。例えば、断片又は機能的変異体は、天然型の配列(例えば、配列番号78)に対して、最大約3個のアミノ酸、最大約5個のアミノ酸、最大約10個のアミノ酸、最大約15個のアミノ酸、最大約20個のアミノ酸、最大約25個のアミノ酸、最大約30個のアミノ酸、最大約35個のアミノ酸、最大約40個のアミノ酸、最大約45個のアミノ酸、又は最大約50個のアミノ酸の挿入、欠損、及び/又は置換を有し得る。タンパク質の活性は、任意の利用可能なアッセイ法を使用して確認又はアッセイされ得る。その他の実施形態では、IGF−1、その誘導体、類似体、模倣体、断片、又は機能的変異体は、天然型の配列(例えば、配列番号78)と、少なくとも約75%の同一性、約80%の同一性、約90%の同一性、約95%の同一性、約96%の同一性、約97%の同一性、約98%の同一性、又は約99%の同一性を有する。同一性のパーセンテージは、http://www.ebi.ac.uk/Tools/psa/emboss_needle/において利用可能なアライメントプログラムEMBOSSNeedleを使用して計算可能である。下記のデフォルトパラメーター、すなわちProtein Weight Matrix=BLOSUM62;Gap Open=10;Gap Extension=0.1が、ペアワイズアライメント用として利用可能である。いくつかの実施形態では、IGF−1、その誘導体、類似体、模倣体、断片、又は機能的変異体は、当技術分野において公知の追加の化学修飾を含み得る。

0120

特定の実施形態では、治療剤は、IGF−1、その誘導体、類似体、模倣体、断片、又は機能的変異体のN末端又はC末端に融合したELPを含む。特定の実施形態では、治療剤は、IGF−1のC末端(配列番号79及び80)に融合したELPを含む。

0121

いくつかの実施形態では、IGF−1、その誘導体、類似体、模倣体、断片、又は機能的変異体は、2つ以上のELP配列を有する融合タンパク質の状態にある。いくつかの実施形態では、IGF−1は、N末端及びC末端の両方に、1つ又は複数のELPを有する。いくつかの実施形態では、IGF−1のC末端及び/又はN末端に位置するELPは、約90〜約180個の反復性構造単位を含む。その他の実施形態では、IGF−1のC末端及び/又はN末端に位置するELPは、約90個よりも少ない反復性構造単位を含む。その他の態様では、IGF−1のC末端及び/又はN末端に位置するELPは、約180個を上回る反復性構造単位を含む。いくつかの実施形態では、N末端及びC末端に位置する2つ以上のELPのサイズはほぼ同一である。その他の実施形態では、N末端及びC末端に位置する2つ以上のELPのサイズは異なる。いくつかの実施形態では、IGF−1のN末端に位置するELPは、IGF−1のC末端に位置するELPよりも大きい。その他の実施形態では、IGF−1のC末端に位置するELPは、IGF−1のN末端に位置するELPよりも大きい。

0122

その他の態様では、本開示は、原発性IGF−1欠乏症;神経障害神経系疾患;がん;腎疾患;肝疾患;肺の疾患;糖尿病;成長欠陥;組換えGHに対する中和抗体を発現した、GH遺伝子が欠損している小児の治療;ラロン症候群若しくはラロン型低身長症;心疾患;又は脳卒中を含む、但しこれらに限定されない疾患を治療又は予防する方法を提供する。該方法は、ELP及びIGF−1を含む治療剤(上記のような)を、そのような治療を必要とする患者に投与することを含む。一般的に、患者は、ヒト又はヒト以外の動物患者(例えば、イヌ、ネコ、ウシ、又はウマ)であり得る。好ましくは、患者はヒトである。

0123

いくつかの実施形態では、本開示に基づくIGF−1化合物による治療は、化学療法照射療法、並びに例えば、原発性IGF−1欠乏症;神経障害;神経細胞疾患;がん;腎疾患;肝疾患;肺の疾患;糖尿病;成長欠陥;組換えGHに対する中和抗体を発現した、GH遺伝子が欠損している小児の治療;ラロン症候群、又はラロン型低身長症;心疾患;又は脳卒中を含む、但しこれらに限定されない様々な疾患に起因する又はそれと関連した合併症及び障害を治療及び/又は予防するための薬剤から選択される1つ又は複数の薬理学的に活性な物質と組み合わせることも可能である。

0124

ウロジラチン
いくつかの実施形態では、タンパク質活性薬剤は、ウロジラチン、その誘導体、類似体、模倣体、断片、又は機能的変異体である。ウロジラチンは、ナトリウム利尿ペプチド受容体A(NPR−A)作動薬である、32個のアミノ酸からなるペプチドホルモンである。ウロジラチンは、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)のアイソフォームである。ウロジラチンは、腎臓内でのANPプロホルモン差次的プロセシングにより形成され、その他のすべての組織とは対照的に、126個のアミノ酸からなるプロホルモンがアミノ酸98と99の間で開裂してANPとカリウム利尿ペプチドを形成するのではなく、該プロホルモンはアミノ酸95と96の間で開裂する。ANPプロホルモンが腎臓内で開裂すると、その結果、カリウム利尿ペプチドのC末端に由来する4個のアミノ酸(すなわち、トレオニン−アラニン−プロリン−アルギニン)が、ANPのN末端に連結する。従って、ウロジラチンは、N末端延長部の4個のアミノ酸(TAPR)の付加を除けば、28アミノ酸含有型ANPと同一の構造を有する32アミノ酸含有型ペプチドである。

0125

ウロジラチンは、腎臓において生理学的な量で産生され、差示的プロセシングを受け、そして尿中に分泌され、そして集合管レベルで水とナトリウム再吸収を制御する傍分泌系に対する基準を形成する(Forssmann, W.−G. et al., 1998, Histochemistry and Cell Biology 110(4): 335−357)。ウロジラチンは、腎臓の血流増加を通じて利尿作用を引き起こす。ウロジラチンは、平均動脈圧の上昇及び血液量の増加に応答して、遠位尿細管及び集合管の細胞から分泌される。ウロジラチンは、血清クレアチニンを低下させ、また尿量を増加させるので、乏尿患者(例えば、急性腎不全及び慢性腎不全の患者等)において重要である。

0126

ウロジラチンは、ANPよりも強力であり、またANPの2倍の長さの半減期を有するが、それはウロジラチンのN末端が中性エンドペプチダーゼによる不活性化に対して抵抗性であることに起因し得る。特定の実施形態では、本開示のウロジラチン治療剤は、ウロジラチン、その断片又は機能的変異体と融合した又はコンジュゲートした、持続放出を提供するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、持続放出を提供するアミノ酸配列はELPである。

0127

特定の実施形態では、ウロジラチンは、哺乳動物のウロジラチンである。いくつかの実施形態では、哺乳動物のウロジラチンは、ヒトウロジラチン(配列番号84)である。いくつかの実施形態では、ウロジラチンは、ウロジラチンのC末端において、例えば、最大約3個のアミノ酸、最大約5個のアミノ酸、最大約10個のアミノ酸、最大約15個のアミノ酸、最大約20個のアミノ酸、又は最大約25個のアミノ酸による場合を含む、約1〜約25個のアミノ酸によりトランケーションされた機能的断片を含む、哺乳動物のウロジラチンの誘導体、類似体、模倣体、断片、又は機能的変異体である。その他の実施形態では、ウロジラチン、誘導体、類似体、模倣体、断片、又は機能的変異体は、天然型の配列(例えば、配列番号84)に対して、約1〜約25個のアミノ酸の挿入、欠損、及び/又は置換を含有する。例えば、ウロジラチン、誘導体、類似体、模倣体、断片、又は機能的変異体は、天然型の配列(例えば、配列番号84)に対して、最大約3個のアミノ酸、最大約5個のアミノ酸、最大約10個のアミノ酸、最大約15個のアミノ酸、最大約20個のアミノ酸、又は最大約25個のアミノ酸の挿入、欠損、及び/又は置換を有し得る。タンパク質の活性は、任意の利用可能なアッセイ法を使用して確認又はアッセイされ得る。その他の実施形態では、ウロジラチン、誘導体、類似体、模倣体、断片、又は機能的変異体は、天然型の配列(例えば、配列番号84)と少なくとも約75%の同一性、約80%の同一性、約90%の同一性、約95%の同一性、約96%の同一性、約97%の同一性、約98%の同一性、又は約99%の同一性を有する。同一性のパーセンテージは、http://www.ebi.ac.uk/Tools/psa/emboss_needle/において利用可能なアライメントプログラムEMBOSSNeedleを使用して計算可能である。下記のデフォルトパラメーター、すなわちProtein Weight Matrix=BLOSUM62;Gap Open=10;Gap Extension=0.1が、ペアワイズアライメント用として利用可能である。いくつかの実施形態では、ウロジラチン、誘導体、類似体、模倣体、断片、又は機能的変異体は、当技術分野において公知の追加の化学修飾を含み得る。

0128

特定の実施形態では、治療剤は、ウロジラチン、その誘導体、類似体、模倣体、断片、又は機能的変異体のN末端又はC末端に融合したELPを含む。いくつかの実施形態では、治療剤は、ヒトウロジラチンのC末端(配列番号85)に融合したELPを含む。その他の実施形態では、治療剤は、ヒトウロジラチンのN末端(配列番号86)に融合したELPを含む。

0129

いくつかの実施形態では、ウロジラチン、誘導体、類似体、模倣体、断片、又は機能的変異体は、2つ以上のELP配列を有する融合タンパク質の状態にある。いくつかの実施形態では、ウロジラチン、誘導体、類似体、模倣体、断片、又は機能的変異体は、N末端及びC末端の両方に1つ又は複数のELPを有する。いくつかの実施形態では、ウロジラチン、誘導体、類似体、模倣体、断片、又は機能的変異体のC末端及び/又はN末端に位置するELPは、約90〜約180個の反復性構造単位を含む。その他の実施形態では、ウロジラチン、誘導体、類似体、模倣体、断片、又は機能的変異体のC末端及び/又はN末端に位置するELPは、約90個よりも少ない反復性構造単位を含む。その他の態様では、ウロジラチン、誘導体、類似体、模倣体、断片、又は機能的変異体のC末端及び/又はN末端に位置するELPは、約180個を上回る反復性構造単位を含む。いくつかの実施形態では、N末端及びC末端に位置する2つ以上のELPのサイズはほぼ同一である。その他の実施形態では、N末端及びC末端に位置する2つ以上のELPのサイズは異なる。いくつかの実施形態では、ウロジラチンのN末端に位置するELPは、ウロジラチン、誘導体、類似体、模倣体、断片、又は機能的変異体のC末端に位置するELPよりも大きい。その他の実施形態では、ウロジラチンのC末端に位置するELPは、ウロジラチン、誘導体、類似体、模倣体、断片、又は機能的変異体のN末端に位置するELPよりも大きい。

0130

その他の態様では、本開示は、心疾患、例えば急性心不全AHF)等;又は腎疾患、例えば急性腎不全若しくは慢性腎不全等を含む、但しこれらに限定されない疾患を治療又は予防する方法を提供する。該方法は、ELP及びウロジラチンを含む治療剤(上記のような)を、そのような治療を必要とする患者に投与することを含む。一般的に、患者は、ヒト又はヒト以外の動物患者(例えば、イヌ、ネコ、ウシ、又はウマ)であり得る。好ましくは、患者はヒトである。

0131

いくつかの実施形態では、本開示に基づくウロジラチンによる治療は、心疾患、例えばAHF等;又は腎疾患、例えば急性腎不全若しくは慢性腎不全等を含む、但しこれらに限定されない様々な疾患に起因する又はそれと関連した合併症及び障害を治療及び/又は予防するための利尿薬及び薬剤を含む、但しこれらに限定されない1つ又は複数の薬理学的に活性な物質と組み合わせることも可能である。

0132

サイモシンβ4
いくつかの実施形態では、タンパク質活性薬剤は、サイモシンβ4、その誘導体、類似体、模倣体、断片、又は機能的変異体である。サイモシンとは、胸腺から初めて同定され、また今日では、その他の多くの組織中に存在することが公知であり、そして異なる多様な生理機能を有する生化学的及び機能的に異なるタンパク質のファミリーを指す。20を超えるβ−サイモシンのアイソフォームが異なる種で同定されており、またヒトでは、サイモシンβ4、サイモシンβ10、及びサイモシンβ15を含む3種のβ−サイモシンが同定されているが、そのすべてが有意なアミノ酸配列相同性を共有する。この相同性にもかかわらず、これらサイモシンβタンパク質のそれぞれは、異なる機能を有する異なる遺伝子産物である。

0133

β−サイモシン中、最も豊富に存在するサイモシンβ4は、高度に保存された水溶性酸性ポリペプチドである。サイモシンβ4は、内皮細胞の移動及び分化期間中にin vitroで上方制御されるタンパク質として初めて同定された。サイモシンβ4をエンコードする哺乳動物遺伝子は、X染色体に局在している。ヒトサイモシンβ4、X連鎖型は、44個のアミノ酸を有し、そして最初のメチオニル残基が除去されて、4.9kDaの分子量を有する43個のアミノ酸ペプチドに処理されることにより、X染色体不活性化を逃れる(Girardi,M.,et al.,2003,Immunology 109: 1−7)。サイモシンβ4は、細胞質及び細胞の核の両方に局在する。サイモシンβ4は、多くの組織に存在し、また複数の生物学的機能を有する。サイモシンβ4は、アクチン重合を強力に制御し、組織リモデリング細胞分化、及び傷害後の細胞と組織の治癒を刺激し、並びにいくつかの炎症性ケモカイン及びサイトカインの発現にも関与している。

0134

特定の実施形態では、本開示のサイモシンβ4治療剤は、サイモシンβ4、その断片又は機能的変異体と融合した又はコンジュゲートした、持続放出を提供するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、持続放出を提供するアミノ酸配列はELPである。

0135

特定の実施形態では、サイモシンβ4、誘導体、類似体、模倣体、断片、又は機能的変異体は、哺乳動物のサイモシンβ4である。いくつかの実施形態では、哺乳動物のサイモシンβ4はヒトサイモシンβ4(配列番号89)である。いくつかの実施形態では、サイモシンβ4は、サイモシンβ4のN末端及び/又はC末端において、例えば、最大約3個のアミノ酸、最大約5個のアミノ酸、最大約10個のアミノ酸、最大約15個のアミノ酸、最大約20個のアミノ酸、最大約25個のアミノ酸、最大約30個のアミノ酸、又は最大約35個のアミノ酸による場合を含む、約1〜約35個のアミノ酸によりトランケーションされた機能的断片を含む、哺乳動物のサイモシンβ4の誘導体、類似体、模倣体、断片、又は機能的変異体である。その他の実施形態では、サイモシンβ4、誘導体、類似体、模倣体、断片、又は機能的変異体は、天然型の配列(例えば、配列番号89)に対して、約1〜約35個のアミノ酸の挿入、欠損、及び/又は置換を含有する。例えば、サイモシンβ4、誘導体、類似体、模倣体、断片、又は機能的変異体は、天然型の配列(例えば、配列番号89)に対して、最大約3個のアミノ酸、最大約5個のアミノ酸、最大約10個のアミノ酸、最大約15個のアミノ酸、最大約20個のアミノ酸、最大約25個のアミノ酸、最大約30個のアミノ酸、又は最大約35個のアミノ酸の挿入、欠損、及び/又は置換を有し得る。タンパク質の活性は、任意の利用可能なアッセイ法を使用して確認又はアッセイされ得る。その他の実施形態では、サイモシンβ4、誘導体、類似体、模倣体、断片、又は機能的変異体は、天然型の配列(例えば、配列番号89)と少なくとも約75%の同一性、約80%の同一性、約90%の同一性、約95%の同一性、約96%の同一性、約97%の同一性、約98%の同一性、又は約99%の同一性を有する。同一性のパーセンテージは、http://www.ebi.ac.uk/Tools/psa/emboss_needle/において利用可能なアライメントプログラムEMBOSSNeedleを使用して計算可能である。下記のデフォルトパラメーター、すなわちProtein Weight Matrix=BLOSUM62;Gap Open=10;Gap Extension=0.1が、ペアワイズアライメント用として利用可能である。いくつかの実施形態では、サイモシンβ4、誘導体、類似体、模倣体、断片、又は機能的変異体は、当技術分野において公知の追加の化学修飾を含み得る。

0136

特定の実施形態では、治療剤は、サイモシンβ4、その誘導体、類似体、模倣体、断片、又は機能的変異体のN末端又はC末端に融合したELPを含む。いくつかの実施形態では、治療剤は、サイモシンβ4のC末端(配列番号90)に融合したELPを含む。

0137

いくつかの実施形態では、サイモシンβ4、誘導体、類似体、模倣体、断片、又は機能的変異体は、2つ以上のELP配列を有する融合タンパク質の状態にある。いくつかの実施形態では、サイモシンβ4、誘導体、類似体、模倣体、断片、又は機能的変異体は、N末端及びC末端の両方に1つ又は複数のELPを有する。いくつかの実施形態では、サイモシンβ4、誘導体、類似体、模倣体、断片、又は機能的変異体のC末端及び/又はN末端に位置するELPは、約90〜約180個の反復性構造単位を含む。その他の実施形態では、サイモシンβ4、誘導体、類似体、模倣体、断片、又は機能的変異体のC末端及び/又はN末端に位置するELPは、約90個よりも少ない反復性構造単位を含む。その他の態様では、サイモシンβ4、誘導体、類似体、模倣体、断片、又は機能的変異体のC末端及び/又はN末端に位置するELPは、約180個を上回る反復性構造単位を含む。いくつかの実施形態では、N末端及びC末端に位置する2つ以上のELPのサイズはほぼ同一である。その他の実施形態では、N末端及びC末端に位置する2つ以上のELPのサイズは異なる。いくつかの実施形態では、サイモシンβ4、誘導体、類似体、模倣体、断片、又は機能的変異体のN末端に位置するELPは、サイモシンβ4のC末端に位置するELPよりも大きい。その他の実施形態では、サイモシンβ4、誘導体、類似体、模倣体、断片、又は機能的変異体のC末端に位置するELPは、N末端に位置するELPよりも大きい。

0138

その他の態様では、本開示は、心不全;肺高血圧症;虚血性心疾患;ドライアイ;又は肝線維症を含む、但しこれらに限定されない疾患を治療又は予防する方法を提供する。該方法は、ELP及びサイモシンβ4を含む治療剤(上記のような)を、そのような治療を必要とする患者に投与することを含む。一般的に、患者は、ヒト又はヒト以外の動物患者(例えば、イヌ、ネコ、ウシ、又はウマ)であり得る。好ましくは、患者はヒトである。

0139

いくつかの実施形態では、本開示に基づくサイモシンβ4による治療は、例えば、心不全;肺高血圧症;虚血性心疾患;ドライアイ;又は肝線維症を含む、但しこれらに限定されない様々な疾患に起因する又はそれと関連した合併症及び障害を治療及び/又は予防するための薬剤から選択される1つ又は複数の薬理学的に活性な物質と組み合わせることも可能である。

0140

TRAIL
特定の実施形態では、タンパク質活性薬剤は、TRAIL(TNF関連アポトーシス誘導リガンド)、その誘導体、類似体、模倣体、断片、又は機能的変異体である。

0141

外因性細胞死経路は、細胞内シグナリングイベントを引き起こすリガンド−受容体相互作用を契機とし、最終的には、標的細胞死を引き起こす(アポトーシス)。1つのそのようなリガンドとして、腫瘍壊死因子(TNF)スーパーファミリーメンバーであるTRAIL又はApo2Lが挙げられる(Wiley, S. R., et al., 1995, Immunity 3:673−682; Pitti, R. M., et al., 1996, J. Biol. Chem. 271: 12687−12690)。TRAILは、281個のアミノ酸からなるII型膜タンパク質である。その細胞外領域は、アミノ酸残基114〜281を含み、そしてプロテアーゼにより開裂すると、やはり生物学的に活性な20kDaサイズの可溶性のsTRAIL分子が形成される。内因性のTRAILは、その生物学的機能にとって重要な要件であるホモトリマーとして存在する。活性化Tリンパ球及びNK細胞は、高レベルのTRAILを発現する。

0142

TRAILタンパク質は、例えば、アポトーシス促進性のTRAIL表面受容体1及び2(TRAIL−R1/R2又はDR4及びDR5)に結合し、それを活性化させることにより作用する。TRAIL及びsTRAILのいずれも、標的細胞上に存在するTRAIL受容体との相互作用によりアポトーシスを引き起こす能力を有する。

0143

特定の実施形態では、本開示のTRAIL治療剤は、TRAIL、その断片又は機能的変異体と融合した又はコンジュゲートした、持続放出を提供するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、持続放出を提供するアミノ酸配列はELPである。

0144

特定の実施形態では、TRAILは、哺乳動物のTRAILである。いくつかの実施形態では、哺乳動物のTRAILは、ヒトTRAIL(配列番号91)である。いくつかの実施形態では、TRAILは、TRAILのN末端及び/又はC末端において、例えば、最大約3個のアミノ酸、最大約5個のアミノ酸、最大約10個のアミノ酸、最大約15個のアミノ酸、最大約20個のアミノ酸、最大約25個のアミノ酸、最大約30個のアミノ酸、最大約35個のアミノ酸、最大約40個のアミノ酸、最大約45個のアミノ酸、最大約50個のアミノ酸、最大約55個のアミノ酸、最大約60個のアミノ酸、最大約65個のアミノ酸、最大約70個のアミノ酸、最大約75個のアミノ酸、最大約80個のアミノ酸、最大約85個のアミノ酸、最大約90個のアミノ酸、最大約95個のアミノ酸、最大約100個のアミノ酸、最大約105個のアミノ酸、最大約110個のアミノ酸、最大約115個のアミノ酸、最大約120個のアミノ酸、最大約125個のアミノ酸、最大約130個のアミノ酸、最大約135個のアミノ酸、最大約140個のアミノ酸、最大約145個のアミノ酸、最大約150個のアミノ酸、最大約155個のアミノ酸、又は最大約160個のアミノ酸による場合を含む、約1〜約160個のアミノ酸によりトランケーションされた機能的断片を含む、哺乳動物のTRAILのその誘導体、類似体、模倣体、断片、又は機能的変異体であり得る。TRAIL、誘導体、類似体、模倣体、断片、又は機能的変異体は、天然型の配列(例えば、配列番号91)に対して、約1〜約160個のアミノ酸の挿入、欠損、及び/又は置換を含有し得る。例えば、TRAIL、誘導体、類似体、模倣体、断片、又は機能的変異体は、天然型の配列(例えば、配列番号91)に対して、最大約3個のアミノ酸、最大約5個のアミノ酸、最大約10個のアミノ酸、最大約15個のアミノ酸、最大約20個のアミノ酸、最大約25個のアミノ酸、最大約30個のアミノ酸、最大約35個のアミノ酸、最大約40個のアミノ酸、最大約45個のアミノ酸、最大約50個のアミノ酸、最大約55個のアミノ酸、最大約60個のアミノ酸、最大約65個のアミノ酸、最大約70個のアミノ酸、最大約75個のアミノ酸、最大約80個のアミノ酸、最大約85個のアミノ酸、最大約90個のアミノ酸、最大約95個のアミノ酸、最大約100個のアミノ酸、最大約105個のアミノ酸、最大約110個のアミノ酸、最大約115個のアミノ酸、最大約120個のアミノ酸、最大約125個のアミノ酸、最大約130個のアミノ酸、最大約135個のアミノ酸、最大約140個のアミノ酸、最大約145個のアミノ酸、最大約150個のアミノ酸、最大約155個のアミノ酸、又は最大約160個のアミノ酸の挿入、欠損、及び/又は置換を有し得る。タンパク質の活性は、任意の利用可能なアッセイ法を使用して確認又はアッセイされ得る。その他の実施形態では、TRAIL、誘導体、類似体、模倣体、断片、又は機能的変異体は、天然型の配列(例えば、配列番号91)と少なくとも約75%の同一性、約80%の同一性、約90%の同一性、約95%の同一性、約96%の同一性、約97%の同一性、約98%の同一性、又は約99%の同一性を有する。同一性のパーセンテージは、http://www.ebi.ac.uk/Tools/psa/emboss_needle/において利用可能なアライメントプログラムEMBOSSNeedleを使用して計算可能である。下記のデフォルトパラメーター、すなわちProtein Weight Matrix=BLOSUM62;Gap Open=10;Gap Extension=0.1が、ペアワイズアライメント用として利用可能である。いくつかの実施形態では、TRAIL、誘導体、類似体、模倣体、断片、又は機能的変異体は、当技術分野において公知の追加の化学修飾を含み得る。

0145

特定の実施形態では、治療剤は、TRAIL、その誘導体、類似体、模倣体、断片、又は機能的変異体のN末端又はC末端に融合したELPを含む。いくつかの実施形態では、治療剤は、TRAIL(配列番号92)のN末端に融合したELPを含む。

0146

いくつかの実施形態では、TRAIL、誘導体、類似体、模倣体、断片、又は機能的変異体は、2つ以上のELP配列を有する融合タンパク質の状態にある。いくつかの実施形態では、TRAIL、誘導体、類似体、模倣体、断片、又は機能的変異体は、N末端及びC末端の両方に1つ又は複数のELPを有する。いくつかの実施形態では、TRAIL、誘導体、類似体、模倣体、断片、又は機能的変異体のC末端及び/又はN末端に位置するELPは、約90〜約180個の反復性構造単位を含む。その他の実施形態では、TRAIL、誘導体、類似体、模倣体、断片、又は機能的変異体のC末端及び/又はN末端に位置するELPは、約90個よりも少ない反復性構造単位を含む。その他の態様では、TRAIL、誘導体、類似体、模倣体、断片、又は機能的変異体のC末端及び/又はN末端に位置するELPは、約180個を上回る反復性構造単位を含む。いくつかの実施形態では、N末端及びC末端に位置する2つ以上のELPのサイズはほぼ同一である。その他の実施形態では、N末端及びC末端に位置する2つ以上のELPのサイズは異なる。いくつかの実施形態では、TRAIL、誘導体、類似体、模倣体、断片、又は機能的変異体のN末端に位置するELPは、C末端に位置するELPよりも大きい。その他の実施形態では、TRAILのC末端に位置するELPは、N末端に位置するELPよりも大きい。

0147

その他の態様では、本開示は、腫瘍形成及び様々な種類のがん;非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD);非アルコール性脂肪性肝炎(NASH);硬変症再発性C型肝炎ウイルス(HCV)感染症の結果として生じた、同所性肝臓移植後(POLTレシピエントにおける移植後の肝線維症又は硬変症;膵臓線維症を含む、但しこれらに限定されない疾患を治療又は予防する方法を提供する。該方法は、ELP及びTRAILを含む治療剤(上記のような)を、そのような治療を必要とする患者に投与することを含む。一般的に、患者は、ヒト又はヒト以外の動物患者(例えば、イヌ、ネコ、ウシ、又はウマ)であり得る。好ましくは、患者はヒトである。

0148

いくつかの実施形態では、本開示に基づくTRAILによる治療は、化学療法又は放射線療法と組み合わせることも可能である。その他の実施形態では、本開示に基づくTRAILによる治療は、例えば、腫瘍形成及び様々な種類のがん;非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD);非アルコール性脂肪性肝炎(NASH);硬変症;再発性C型肝炎ウイルス(HCV)感染症の結果として生じた、同所性肝臓移植後(POLT)レシピエントにおける移植後の肝線維症又は硬変症;膵臓線維症を含む、但しこれらに限定されない様々な疾患と関連した合併症及び障害を治療及び/又は予防するため薬剤のから選択される1つ又は複数の薬理学的に活性な物質と組み合わせることも可能である。

0149

線維芽細胞増殖因子21(FGF21)
線維芽細胞増殖因子21(FGF21)は、動物の脂質レベル、体重、及びグルコース代謝に対して有益な効果を生み出すFGFファミリーのメンバーである。FGF21を過剰発現する遺伝子導入マウスでは、グルコース及びトリグリセリドレベルの低下、及び食餌誘発性肥満に対する耐性が引き起こされることが明らかにされている(Kharitonenkov et al. (2005), J. Clin. Invest. 115; 1627−1635)。齧歯類及び霊長類外因性FGF21を投与すると、血中グルコースレベルの正常化、トリグリセリド及びコレステロールレベルの低下、耐糖能の改善、及びインスリン感受性の改善を引き起こす(Kharitonenkov et al. (2007), Endocrinol. 48:774−781)。実験動物モデルを対象にFGF21を投与すると、エネルギー消費量、身体活動、及び代謝速度が増加することにより、体重及び体脂肪が低下することが明らかにされている(Long and Kharitonenkov (2011) Biochim. Biophys. Acta 1812:791−795)。

0150

FGF21シグナリングは、βΚlotho(KLB)、及び3つの異なるFGF受容体(FGFR1c、FGFR2c、又はFGFR3c)のうちの1つを含む受容体複合体とのその相互作用によって媒介される(Ogawa et al. (2007), Proc. Natl. Acad. Sci. USA 104:7432−7437; Suzuki et al. (2008), Mol. Endocrinol. 22:1006−1014)。In vivoでのFGF21シグナリングに対する主要な機能的受容体は、KLB/FGFR1c複合体であると考えられている(この複合体は、本明細書では「FGF21R」と呼ぶ)。

0151

FGF21シグナリングの薬理学的活性化が、2型糖尿病、肥満、脂質異常症、非アルコール性脂肪性肝疾患(非アルコール性脂肪性肝炎、NASH)、及びその他の代謝的状態を含む、ヒトにおける様々な疾患及び障害の治療を目的として提案されている(Gimeno and Moller (2014) TrendsEndocrinol. Metab. 25, 303−311)。FGF類似体LY2405319(Kharitonenkov et al. (2013)PLOS One, 8, e58575)が、2型糖尿病及び肥満の患者を対象とした臨床トライアルで評価された(Gaich et al. (2013) Cell Metabolism 18, 333−340). Hecht et al. (2012, PLOS One, 7(11): e49345)は、ヒトIgG1のFcドメインに融合した長時間作用型FGF21類似体を開発した。

0152

特定の実施形態では、本開示のFGF21治療剤は、FGF21、その断片又は機能的変異体と融合した又はコンジュゲートした、持続放出を提供するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、持続放出を提供するアミノ酸配列はELPである。

0153

特定の実施形態では、FGF21は、哺乳動物のFGF21である。いくつかの実施形態では、哺乳動物のFGF21は、ヒトFGF21(配列番号110)である。いくつかの実施形態では、FGF21は、FGF21のN末端及び/又はC末端において、例えば、最大約3個のアミノ酸、最大約5個のアミノ酸、最大約10個のアミノ酸、最大約15個のアミノ酸、最大約20個のアミノ酸、最大約25個のアミノ酸、最大約30個のアミノ酸、最大約35個のアミノ酸、最大約40個のアミノ酸、最大約45個のアミノ酸、最大約50個のアミノ酸、最大約55個のアミノ酸、最大約60個のアミノ酸、最大約65個のアミノ酸、最大約70個のアミノ酸、最大約75個のアミノ酸、最大約80個のアミノ酸、最大約85個のアミノ酸、最大約90個のアミノ酸、最大約95個のアミノ酸、最大約100個のアミノ酸、最大約105個のアミノ酸、最大約110個のアミノ酸、最大約115個のアミノ酸、最大約120個のアミノ酸、最大約125個のアミノ酸、最大約130個のアミノ酸、最大約135個のアミノ酸、最大約140個のアミノ酸、最大約145個のアミノ酸、最大約150個のアミノ酸、最大約155個のアミノ酸、又は最大約160個のアミノ酸による場合を含む、約1〜約160個のアミノ酸によりトランケーションされた機能的断片を含む、哺乳動物FGF21のその誘導体、類似体、模倣体、断片、又は機能的変異体であり得る。FGF21、誘導体、類似体、模倣体、断片、又は機能的変異体は、天然型の配列(例えば、配列番号110)に対して、約1〜約160個のアミノ酸の挿入、欠損、及び/又は置換を含み得る。例えば、FGF21、誘導体、類似体、模倣体、断片、又は機能的変異体は、天然型の配列(例えば、配列番号110)に対して、最大約3個のアミノ酸、最大約5個のアミノ酸、最大約10個のアミノ酸、最大約15個のアミノ酸、最大約20個のアミノ酸、最大約25個のアミノ酸、最大約30個のアミノ酸、最大約35個のアミノ酸、最大約40個のアミノ酸、最大約45個のアミノ酸、最大約50個のアミノ酸、最大約55個のアミノ酸、最大約60個のアミノ酸、最大約65個のアミノ酸、最大約70個のアミノ酸、最大約75個のアミノ酸、最大約80個のアミノ酸、最大約85個のアミノ酸、最大約90個のアミノ酸、最大約95個のアミノ酸、最大約100個のアミノ酸、最大約105個のアミノ酸、最大約110個のアミノ酸、最大約115個のアミノ酸、最大約120個のアミノ酸、最大約125個のアミノ酸、最大約130個のアミノ酸、最大約135個のアミノ酸、最大約140個のアミノ酸、最大約145個のアミノ酸、最大約150個のアミノ酸、最大約155個のアミノ酸、又は最大約160個のアミノ酸の挿入、欠損、及び/又は置換を有し得る。タンパク質の活性は、任意の利用可能なアッセイ法を使用して確認又はアッセイされ得る。その他の実施形態では、FGF21、誘導体、類似体、模倣体、断片、又は機能的変異体は、天然型の配列(例えば、配列番号110)と少なくとも約75%の同一性、約80%の同一性、約90%の同一性、約95%の同一性、約96%の同一性、約97%の同一性、約98%の同一性、又は約99%の同一性を有する。同一性のパーセンテージは、http://www.ebi.ac.uk/Tools/psa/emboss_needle/において利用可能なアライメントプログラムEMBOSSNeedleを使用して計算可能である。下記のデフォルトパラメーター、すなわちProtein Weight Matrix=BLOSUM62;Gap Open=10;Gap Extension=0.1が、ペアワイズアライメント用として利用可能である。いくつかの実施形態では、TRAIL、誘導体、類似体、模倣体、断片、又は機能的変異体は、当技術分野において公知の追加の化学修飾を含み得る。

0154

特定の実施形態では、治療剤は、FGF21、その誘導体、類似体、模倣体、断片、又は機能的変異体のN末端又はC末端に融合したELPを含む。いくつかの実施形態では、治療剤は、FGF21(配列番号110)のN末端に融合したELPを含む。

0155

いくつかの実施形態では、FGF21、誘導体、類似体、模倣体、断片、又は機能的変異体は、2つ以上のELP配列を有する融合タンパク質の状態にある。いくつかの実施形態では、FGF21、誘導体、類似体、模倣体、断片、又は機能的変異体は、N末端及びC末端の両方に1つ又は複数のELPを有する。いくつかの実施形態では、FGF21、誘導体、類似体、模倣体、断片、又は機能的変異体のC末端及び/又はN末端に位置するELPは、約90〜約180個の反復性構造単位を含む。その他の実施形態では、FGF21、誘導体、類似体、模倣体、断片、又は機能的変異体のC末端及び/又はN末端に位置するELPは、約90個よりも少ない反復性構造単位を含む。その他の態様では、FGF21、誘導体、類似体、模倣体、断片、又は機能的変異体のC末端及び/又はN末端に位置するELPは、約180個を上回る反復性構造単位を含む。いくつかの実施形態では、N末端及びC末端に位置する2つ以上のELPのサイズはほぼ同一である。その他の実施形態では、N末端及びC末端に位置する2つ以上のELPのサイズは異なる。いくつかの実施形態では、FGF21、誘導体、類似体、模倣体、断片、又は機能的変異体のN末端に位置するELPは、C末端に位置するELPよりも大きい。その他の実施形態では、FGF21のC末端に位置するELPは、N末端に位置するELPよりも大きい。

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