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課題・解決手段
概要
背景
発明の背景
平版印刷は、典型的に回転印刷機の胴上に搭載される印刷版のようないわゆる印刷マスターの使用を含む。マスターはその表面上に平版画像を保持し、該画像にインキを適用し、次いでインキをマスターから典型的に紙である受容材料上に転移させることによりプリントが得られる。通常の平版印刷において、インキ並びに水性湿し液(fountain
solution)(湿し液(dampening liquid)とも呼ばれる)が、親油性(又は疎水性、すなわちインキ−受容性、水−忌避性)領域並びに親水性(又は疎油性、すなわち水−受容性、インキ−忌避性)領域から成る平版画像に供給される。これらの領域をそれぞれ印刷及び非印刷領域又はそれぞれ画像及び非画像領域と呼ぶこともできる。いわゆるドライオグラフィー印刷においては、平版画像はインキ−受容性領域及びインキ−非受容性(ink−abhesive)(インキ−忌避性)領域から成り、ドライオグラフィー印刷の間、インキのみがマスターに供給される。
平版印刷マスターは一般に、支持体上に感熱性又は感光性コーティングを含有する印刷版前駆体(下記で「版材料」又は簡単に「版」と呼ばれる)の画像−通りの露出及び処理により得られる。版材料のコーティングは、典型的にはレーザーのようなデジタル変調された(digitally modulated)露出装置により熱又は光に画像通りに露出され、それはアブレーション、重合、ポリマーの架橋又は熱可塑性ポリマーラテックスの粒子凝結による不溶化、分子間相互作用の破壊又は現像障壁層(development barrier layer)の浸透性の向上による可溶化のような(物理)化学的過程を開始させる。いくつかの版材料は露出の直後に平版画像を生ずることができるが、ほとんどの一般的な版材料は、露出がコーティングの露出領域と非露出領域の間で現像液中における溶解度又は溶解速度における差を生むので、現像液を用いる湿式処理を必要とする。ポジティブ作用性版材料では、コーティングの露出領域は現像液中で溶解するが、非露出領域は現像液に耐性のままである。ネガティブ作用性版材料では、コーティングの非露出領域は現像液中で溶解するが、露出領域は現像液に耐性のままである。ほとんどの版材料は親水性支持体上に疎水性コーティングを含有し、現像液に耐性のままである領域は版のインキ−受容性印刷領域を区画するが、非印刷領域において現像液中におけるコーティングの溶解により親水性支持体が現れる。
通常版材料は、それが処理装置を通過する時にそれを現像液中に浸漬するか又はそれに現像液を噴霧することにより現像される。典型的に、材料は、しばらく後又は現像液を用いる処理の後に、例えば1つ以上の回転ブラシ又は特定のローラー(specified
rollers)を用いる機械的な摩擦(rubbing)にも供される。現像後、版を典型的に水で濯いで残存する現像液を除去し、次いでゴム引きし、それは仕上げ又は減感と呼ばれることもある。ゴム引きは、アルミニウム支持体の汚染又は酸化を避けるための平版画像、特に非印刷領域上の保護コーティングの適用を含む。例えば特許文献1に開示されている通り、浸漬によるか噴霧によるか又は噴射によりゴム液を適用することができる。
特許文献2は、アルカリ現像処理液を用い、続いてゴム液を用いて処理する感光性平版印刷版前駆体の自動的現像法を開示する。
特許文献3は、第1及び第2予備洗浄装置における前駆体の洗浄に用いられる洗浄液がそれぞれ第1及び第2タンク中に存在し、且つ第2予備洗浄装置で新しい水が加えられると第2タンクの洗浄液は第1タンクにあふれるカスケード系の配置を有する2つ以上の予備洗浄装置を含む予備洗浄ステーションで前駆体を洗浄する平版印刷版の作製方法を開示する。
平版印刷版作製における重要な傾向は、生態学及び持続可能性に関する。現像液、濯ぎ液及びゴム液のような処理液の少ない消費を可能にするか、あるいは危険な化学品を含まないか及び/又は7に近いpHを有する(中性現像液)水性現像液を用いる処理を許す系及び方法は、市場で多くの注目を引き付けてきた。普及してきた簡単な方法は、現像液としてゴム液を用い、それにより1段階で版を現像し、且つゴム引きすることを含む。しかしながらそのような方法は、ゴム液中で十分に可溶性又は分散性であり、優れたクリーン−アウト(clean−out)(画像の非印刷領域におけるコーティングの完全な除去)が得られる平版コーティングを有する特別に設計された版の場合のみに用いられ得る。
処理の間に、現像の間に除去されたコーティングの成分が現像液に負荷され、より多くの版が現像されるとともに現像液中の材料の量は増加する。現像液中に溶解される材料の量の増加の故に、現像液の活性は低下し、平版画像の非印刷領域を除去する能力が低下する。この現像液の消耗の故に、印刷版の平版印刷性はやがて変化し、それは典型的に処理装置の現像液を新しい現像液で又は補充液で再生することにより補われる。「新しい現像液」という用語は、典型的に再始動(それは典型的に消耗した現像液の排出、装置の清浄化及び新しい現像液を用いる装置の再充填を含む)後に処理装置を満たすときに用いられる現像液を指す。「補充液」という用語は、現像液の活性レベルを制御するために用いられる液を定義する。補充液は典型的に現像液と比較してより高いアルカリ度及び/又はブロッカー(blocker)(画像保護剤)濃度を有する。
現像液活性の低下の別の原因は、時間の経過とともに現像液中に溶解する大気中の二酸化炭素により引き起こされるpH低下である。後者は、現像過程に必要な再生の約70%を占める。この時間−依存性再生の量を減少させるために、現像液のアルカリ性成分(すなわちpHレベル)に依存しない現像系が提案された。そうすると一般にアルカリ性成分の代わりとして画像の非印刷領域を溶解することができる何らかの代わりの薬剤、例えば有機溶剤を現像液に加えることが必要である。しかしながら、ほとんどの適切な有機溶剤は揮発性有機化合物であり、従ってそれらの使用は問題があり、その理由は、それが大気中又は水中に放出されると汚染及び健康被害を引き起こすからである。
質の高い印刷版の作製の間に少ない量の現像液を消費する持続可能な処理系を提供することはいまだ課題である。
概要
目的
質の高い印刷版の作製の間に少ない量の現像液を消費する持続可能な処理系を提供する
効果
実績
- 技術文献被引用数
- - 件
- 牽制数
- - 件
この技術が所属する分野
請求項1
(i)版材料をアルカリ性現像液で処理する段階と、(ii)該版材料を第1ゴム液及び連続して第2ゴム液で処理する段階とを含み、第1及び第2ゴム液はカスケードとして配置され、それにより第2ゴム液は第1ゴム液中にあふれることを特徴とする、平版印刷版材料の処理方法。
請求項2
段階(i)と(ii)との間に濯ぎ段階を含まない、請求項1に記載の方法。
請求項3
前記アルカリ性現像液は少なくとも10のpHを有する、請求項1又は2に記載の方法。
請求項4
第1及び第2ゴム液は独立して0〜8のpH−値を有する、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
請求項5
前記アルカリ性現像液を用いる処理の間に前記版をブラシ処理しない、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
請求項6
請求項7
前記版材料は支持体上に感熱性ポジティブ−作用性コーティングを含み、ここで該コーティングは、−フェノール性樹脂及び/又はビニルアセタール(コ−)ポリマーを含む画像形成層と、−画像形成層と支持体の間の第2層とを含み、ここで第2層はスルホンアミド基、イミド基、ニトリル基、ウレタン基、ウレア基、カルボキシル基、スルホン酸基及び/又はリン酸基を含む少なくとも1種のポリマーを含む、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
請求項8
請求項9
前記画像形成層はウレタン基を含むポリマーを含む、請求項7に記載の方法。
請求項10
請求項11
前記パラメーターは、それぞれの液のpH、粘度、導電率、密度又は二酸化炭素のレベルか、新しい液を用いる(再)始動から処理された処理済み版の数及び/又は面積か、新しい液を用いる(再)始動から経過した時間かである、請求項10に記載の方法。
請求項12
処理装置による複数の平版印刷版材料の処理方法であって:(a)前記装置の現像装置を新しい現像液で満たす段階と、(b)請求項1〜11のいずれかに記載の方法を繰り返し、それによって複数の印刷版材料を処理する段階と、(c)現像装置から現像液を排出する段階とを含む、方法。
請求項13
請求項14
段階(a)において用いられる新しい現像液の容積が20〜200リットルであり、且つここで段階(c)を段階(a)の後に自動的に行う、請求項12記載の方法。
請求項15
技術分野
背景技術
0002
発明の背景
平版印刷は、典型的に回転印刷機の胴上に搭載される印刷版のようないわゆる印刷マスターの使用を含む。マスターはその表面上に平版画像を保持し、該画像にインキを適用し、次いでインキをマスターから典型的に紙である受容材料上に転移させることによりプリントが得られる。通常の平版印刷において、インキ並びに水性湿し液(fountain
solution)(湿し液(dampening liquid)とも呼ばれる)が、親油性(又は疎水性、すなわちインキ−受容性、水−忌避性)領域並びに親水性(又は疎油性、すなわち水−受容性、インキ−忌避性)領域から成る平版画像に供給される。これらの領域をそれぞれ印刷及び非印刷領域又はそれぞれ画像及び非画像領域と呼ぶこともできる。いわゆるドライオグラフィー印刷においては、平版画像はインキ−受容性領域及びインキ−非受容性(ink−abhesive)(インキ−忌避性)領域から成り、ドライオグラフィー印刷の間、インキのみがマスターに供給される。
0003
平版印刷マスターは一般に、支持体上に感熱性又は感光性コーティングを含有する印刷版前駆体(下記で「版材料」又は簡単に「版」と呼ばれる)の画像−通りの露出及び処理により得られる。版材料のコーティングは、典型的にはレーザーのようなデジタル変調された(digitally modulated)露出装置により熱又は光に画像通りに露出され、それはアブレーション、重合、ポリマーの架橋又は熱可塑性ポリマーラテックスの粒子凝結による不溶化、分子間相互作用の破壊又は現像障壁層(development barrier layer)の浸透性の向上による可溶化のような(物理)化学的過程を開始させる。いくつかの版材料は露出の直後に平版画像を生ずることができるが、ほとんどの一般的な版材料は、露出がコーティングの露出領域と非露出領域の間で現像液中における溶解度又は溶解速度における差を生むので、現像液を用いる湿式処理を必要とする。ポジティブ作用性版材料では、コーティングの露出領域は現像液中で溶解するが、非露出領域は現像液に耐性のままである。ネガティブ作用性版材料では、コーティングの非露出領域は現像液中で溶解するが、露出領域は現像液に耐性のままである。ほとんどの版材料は親水性支持体上に疎水性コーティングを含有し、現像液に耐性のままである領域は版のインキ−受容性印刷領域を区画するが、非印刷領域において現像液中におけるコーティングの溶解により親水性支持体が現れる。
0004
通常版材料は、それが処理装置を通過する時にそれを現像液中に浸漬するか又はそれに現像液を噴霧することにより現像される。典型的に、材料は、しばらく後又は現像液を用いる処理の後に、例えば1つ以上の回転ブラシ又は特定のローラー(specified
rollers)を用いる機械的な摩擦(rubbing)にも供される。現像後、版を典型的に水で濯いで残存する現像液を除去し、次いでゴム引きし、それは仕上げ又は減感と呼ばれることもある。ゴム引きは、アルミニウム支持体の汚染又は酸化を避けるための平版画像、特に非印刷領域上の保護コーティングの適用を含む。例えば特許文献1に開示されている通り、浸漬によるか噴霧によるか又は噴射によりゴム液を適用することができる。
0006
特許文献3は、第1及び第2予備洗浄装置における前駆体の洗浄に用いられる洗浄液がそれぞれ第1及び第2タンク中に存在し、且つ第2予備洗浄装置で新しい水が加えられると第2タンクの洗浄液は第1タンクにあふれるカスケード系の配置を有する2つ以上の予備洗浄装置を含む予備洗浄ステーションで前駆体を洗浄する平版印刷版の作製方法を開示する。
0007
平版印刷版作製における重要な傾向は、生態学及び持続可能性に関する。現像液、濯ぎ液及びゴム液のような処理液の少ない消費を可能にするか、あるいは危険な化学品を含まないか及び/又は7に近いpHを有する(中性現像液)水性現像液を用いる処理を許す系及び方法は、市場で多くの注目を引き付けてきた。普及してきた簡単な方法は、現像液としてゴム液を用い、それにより1段階で版を現像し、且つゴム引きすることを含む。しかしながらそのような方法は、ゴム液中で十分に可溶性又は分散性であり、優れたクリーン−アウト(clean−out)(画像の非印刷領域におけるコーティングの完全な除去)が得られる平版コーティングを有する特別に設計された版の場合のみに用いられ得る。
0008
処理の間に、現像の間に除去されたコーティングの成分が現像液に負荷され、より多くの版が現像されるとともに現像液中の材料の量は増加する。現像液中に溶解される材料の量の増加の故に、現像液の活性は低下し、平版画像の非印刷領域を除去する能力が低下する。この現像液の消耗の故に、印刷版の平版印刷性はやがて変化し、それは典型的に処理装置の現像液を新しい現像液で又は補充液で再生することにより補われる。「新しい現像液」という用語は、典型的に再始動(それは典型的に消耗した現像液の排出、装置の清浄化及び新しい現像液を用いる装置の再充填を含む)後に処理装置を満たすときに用いられる現像液を指す。「補充液」という用語は、現像液の活性レベルを制御するために用いられる液を定義する。補充液は典型的に現像液と比較してより高いアルカリ度及び/又はブロッカー(blocker)(画像保護剤)濃度を有する。
0009
現像液活性の低下の別の原因は、時間の経過とともに現像液中に溶解する大気中の二酸化炭素により引き起こされるpH低下である。後者は、現像過程に必要な再生の約70%を占める。この時間−依存性再生の量を減少させるために、現像液のアルカリ性成分(すなわちpHレベル)に依存しない現像系が提案された。そうすると一般にアルカリ性成分の代わりとして画像の非印刷領域を溶解することができる何らかの代わりの薬剤、例えば有機溶剤を現像液に加えることが必要である。しかしながら、ほとんどの適切な有機溶剤は揮発性有機化合物であり、従ってそれらの使用は問題があり、その理由は、それが大気中又は水中に放出されると汚染及び健康被害を引き起こすからである。
0010
質の高い印刷版の作製の間に少ない量の現像液を消費する持続可能な処理系を提供することはいまだ課題である。
先行技術
0012
発明の概略
発明が解決しようとする課題
0013
従って本発明の目的は、現像液及び/又はゴム液のような処理液の消費を少なくする、並びに処理により生成する廃液の量を少なくすることを可能にするアルカリ性現像液を用いる平版印刷版材料の処理方法を提供することである。
課題を解決するための手段
0014
この目的は、独立クレイム中に定義される方法により実現され、好ましい態様は従属クレイム中に定義される。本発明は、アルカリ性現像液を用いて印刷版材料を現像し、続いて第1ゴム液を含む第1ゴム引き装置及び続いて第2ゴム液を含む第2ゴム引き装置で行われる2回のゴム液を用いる処理を行い、ここで両方のゴム引き装置はカスケードとして、すなわち第2ゴム液が第1ゴム液中にあふれる配置として配置される特別な特徴を有する。
0015
本発明の方法は版の現像及びゴム引きの間に濯ぎ段階を必要とせず、それは、第1ゴム引き装置中に存在する液が濯ぎ及び/又は中和液として働くからである。アルカリ性現像液及び先行する複数の版の現像の故にその中に存在する版コーティング成分は、処理される版と共に第1ゴム液中に引きずられる場合がある;しかしながら、版は続いて第2ゴム引き装置において新しいゴム液で処理されるので、このゴム液の汚染は処理される版の質に影響しない。処理及び/又はゴム引きの質を一定のレベルに保持するために、第1及び/又は第2ゴム引き装置中のゴム液は、好ましくは再生される。
0016
下記に処理装置の好ましい態様をより詳細に記載する。小容積の現像液しか用いられない場合がある理由のみでなく、アルカリ性現像の後に水濯ぎが必要でない理由によっても、この装置は廃液の減少に高度に寄与する。年当たりに20000m2の版の版作製体積のために典型的に5000リットル〜10000リットルの濯ぎ水を消費する通常の系に反して、本発明の方法は同じ作製体積のために年当たり5000リットル未満のゴム液を必要とする。水濯ぎは必要ないので、水の供給を得られない場所で方法を行うことができる。
0018
ネガティブ−並びにポジティブ−作用性のいずれの型の印刷版の処理にも方法を用いることができる。ポジティブ−作用性感熱性版が好ましい。
0019
本発明のさらなる目的は下記の記述から明らかになるであろう。
図面の簡単な説明
0020
図面の簡単な記述
図1は、装置の好ましい態様の略図であり、装置が現像液及びゴム液で満たされているとして示されている。
図2aは、処理方向に沿って見られる現像キャビティー(development cavity)のより詳細な図である。図2bは、処理方向に垂直な方向に沿って見られる現像キャビティーのより詳細な図である。
図3a及び3bは、現像キャビティーの底板(bottom plate)上に設けられる突出要素(protruding elements)(リブ)の略図である。
図4は、突出要素の適切な形の略断面図である。
実施例
0022
ゴム引き区画:ゴム引き装置を含み、好ましくはゴム再循環系及びゴム再生系も含む装置の部分。
0024
新しい(現像又はゴム引き)液:版材料の処理のためにまだ使用されたことがない液。
0027
再生系:再生液を現像装置又はゴム引き装置に供給するために必要な管及びポンプを含む系。
0028
補充液:現像液又はゴム液の活性レベルを制御するために用いられる再生液。
0029
(再)始動:現像液及び/又はゴム液をそれぞれ現像装置又はゴム引き装置(gum unit)から排出し、続いて現像装置及び/又はゴム引き装置をそれぞれ新しい現像液又は新しいゴム液で再び満たす過程(単独で行われる後者の段階は「始動」と呼ばれる)。
0031
現像
本発明に従うと、(露出された)印刷版材料は、本明細書で「現像液(development solution)」又は「現像液(development liquid)」とも呼ばれる適切なアルカリ性現像液により現像される。現像段階に、実質的に印刷領域を除去することなく、版材料のコーティングの非印刷領域は少なくとも部分的に除去される。非印刷領域が現像により完全に除去されない場合、第1及び/又は第2ゴム液を用いる処理により完全な除去が達成される場合がある。
0032
版材料の現像は、典型的に現像液を含有する容器中で、例えば現像液中に版を沈めるか又は浸漬することにより、あるいは版上に現像液を(スピン)コーティングするか噴霧するか及び/又は注ぐことにより行われる。現像液を用いる処理を例えば1つ、2つ又はそれより多くの回転ブラシ及び/又は特定のローラー、例えばモルトンローラー(Molton rollers)による機械的な摩擦と組み合わせる場合がある。最も好ましい態様として、下記に記載される装置により現像を行う。好ましくは、アルカリ性現像液を用いる処理の間、版はブラシ処理されない。現像段階の間に、画像−記録層の上の水溶性保
護層は、もし存在するなら、好ましくはやはり除去される。
0033
処理の間に、現像により除去されたコーティングの成分が現像液に負荷され、より多くの版が現像されるとともに現像液中の材料の量は増加する。この現像液中の材料の量の増加の故に、現像液の活性は典型的に低下し、それは平版画像の非印刷領域を除去する能力の低下及び/又は除去された成分を溶液中又は分散された状態に保持する能力の低下を生ずる場合がある。さらに、時間の経過とともに空気から現像液中に二酸化炭素が溶解する故に現像液のpHが低下する場合がある。従って、現像液はカバープレートにより空気から遮蔽されることが好ましい。
0034
好ましい態様において、同じ現像液を再生しながら又は再生なしで用いて複数の版が処理される約1週間以上、より好ましくは約2週間以上の間に、少量(下記で定義されるような)の現像液が用いられる。その期間の後、現像装置に新しい現像液を再装入する。この過程は好ましくは完全に自動的であり、それは新しい現像液を含む供給タンク、消耗した現像液を集めるための廃液タンク並びに必要な管及びポンプを含む系により、現像液が好ましくは自動的に現像装置から排出されること及び現像装置が好ましくは自動的に新しい現像液で再び満たされることを意味する。新しい現像液は、より濃厚な液を水で希釈することにより、処理装置内で(自動的に)調製される場合がある。
0035
現像液は限られた期間の間しか用いられないので、塩析化合物、沈殿した又は凝集した成分並びに/あるいは他の不溶化合物のようなスラッジの無視し得る量しか2回の(再)始動の間の処理期間に生成し得ない。また、現像液中に存在する溶解成分及び/又は化合物のレベルは限られている場合がある;すなわち現像液は消耗しない。結果として、(下記のような)現像装置の整備があまり面倒でなくなるのみでなく、出口及び/又は他のローラー上の沈着物並びに/あるいは現像装置中のヒーター部品上の堆積物並びに上に形成される画像を損なう;例えば非画像領域においてインキを受容する場合がある印刷版上のスラッジのあり得る付着も限られる。
0036
下記の装置は、2回の(再)始動の間の限られた期間(例えば2週間)の間に比較的少量の現像液を用いることを可能にするために特に適する。本発明の状況で、少量の現像液は例えば50リットルより少ない、例えば1〜50リットル、1〜20リットル、好ましくは2〜15リットル、より好ましくは5〜12リットル、そして最も好ましくは8〜10リットルの容積を指す。容積は、現像装置中に存在する、すなわち再生系中、再循環系中並びにいずれかの供給及び廃液収集タンク中に存在し得る容積を除く現像液の量を指す。該容積は下記で説明する通り、現像装置の幅(典型的に0.5m〜2.0mである)に依存する。
0037
好ましくは、1週間の処理の後及び/又は例えば400m2の前駆体の処理の後に現像液を再装入する。好ましくは、現像液の再装入は自動的である。
0038
あるいはまた、現像の質がもっと長期間一定に保たれる場合があり、再始動をもっと長期間、例えば1ヵ月より長く、好ましくは2ヵ月より長く、より好ましくは4ヵ月より長くそして最も好ましくは6ヵ月より長く延期することができる。この態様において、少量の現像液並びに多量の現像液を用いる場合がある;しかしながら、多量の現像液、例えば20〜200リットル、好ましくは40〜150リットル、より好ましくは50〜100リットル、そして最も好ましくは60〜90リットルの容積が好ましい。上記の通り、実際の量は現像装置の幅に依存する。
0039
現像装置中の現像液の容積は、好ましくはVmin〜Vmaxの範囲内であり、それらは両方とも次式に従って現像装置の幅に依存し:
Vmax=[B+(W/0.95m)].リットル(式1)
Vmin=[1+(W/0.95m)].リットル (式2)
式中、Bは6〜17の整数を示し、且つ式中、Wはメートルで表され、処理方向に垂直に測定される現像装置において処理され得る最大の版材料の幅である(ここで「処理方向」は現像液を用いる処理の間に版材料が沿って移動する現像装置中の経路として定義される)。好ましくは、Bは6、7、8、9〜13、14、15、16又は17を示す。
0040
現像液の再生
現像液の活性レベルは、その使用期間(working period)の間、補充液の添加により保持される場合がある。前述の再生液の濃度に応じて、再生の速度は処理される版材料のm2当たりに1ml〜100ml、好ましくは2ml/m2〜85ml/m2、4ml/m2〜60ml/m2、より好ましくは5ml/m2〜30ml/m2の場合がある。
0041
限られた期間のために少量の現像液を使用することにより、現像液の活性を十分なレベル及び/又は一定に保つために少量の補充液しか必要でないことが見出された。従って、小さい容積の現像液を用いる態様は、より長期間のために多量の現像液を用いる先行技術の現像と比較してより少ない廃液を生ずる。事実、前記限られた期間の間に生ずる、排出された現像液の量及び適用された補充液の量を含む廃液は、現像がより長い期間の間行われてきた時に生じてきた廃液と比較してより少ない。
0042
さらに、現像液の容積は、例えば水及び/又は現像液の追加により一定に保たれるのが好ましく;当該技術分野において現像液をつぎ足す(top−up)ともいわれる。
0043
現像液の活性が低くなりすぎた時及び/又は活性レベルを一定に保つために、前述の再生液を連続的に又はバッチ式で加えることができる。例えばpH、密度、粘度、導電率、新しい液を用いる(再)始動から処理された処理済み版(processed plates)の数及び/又は面積(平方メートル)並びに/あるいは新しい液を用いる(再)始動から経過した時間を監視することにより、現像液の活性レベルを決定することができる。これらのパラメーターの1つ、例えば現像液の導電率の測定により再生液の添加が調節される場合、そのパラメーターのあらかじめ決められた閾値に達したか又はそれを超えた時に再生液を加えることができる。毎回加えられる再生液の量は、あらかじめ決められた閾値に依存する。例えば測定されるパラメーターが処理された版材料の平方メートル数である場合、あらかじめ決められた面積の版材料を処理した後に毎回、あらかじめ決められた量の補充液を加える。さらなる例として、測定されるパラメーターは、導電率計を用いて監視される液の導電率又は導電率上昇であることができる。規定される導電率値を超えたら、再生液を自動的に現像液に加えることができる。
0044
現像装置は、好ましくは現像液を収集タンク中に排出するオーバーフロー管を含有する。排出された現像液を、例えばろ過、デカンテーション又は遠心により精製及び/又は再生し、次いで再使用する場合があるが、排出された現像液は好ましくは廃棄のために集められる。
0045
現像液の再循環
現像装置中に存在する現像液を、例えば循環ポンプにより循環させることができる。その最も単純な形態において、循環は、現像液の流れが現像装置内で発生し、好ましくは版のコーティングからの非印刷領域の除去を強化するのに十分な乱流を生ずることを意味する。結果として、現像液を用いる処理の間に、処理段階の間の1つ以上のブラシの適用は必要でない。好ましい態様において、現像キャビティーはブラシを含有しない。好ましくは現像装置の出口ローラーの近くの現像装置の出口を介して現像液を吸引する場合があり
、そこから現像液を廃液収集タンクに排出する場合がある。
0046
より好ましい態様に従うと、現像液の少なくとも一部は排出されずに再循環され、すなわち閉じられたループに沿って、(下記でさらに記載される通り)例えば現像装置の溜めから例えばスプレー又はジェットノズルのような1つ以上の入口開口部中に運ばれ、入口開口部は版上に及び/又は版と接触する任意のブラシ上に現像液を適用する。過剰の現像液は、次いで版から溜め中に還流する。そのような再循環の最も好ましい態様は、下記の通りに現像液を現像キャビティー中にポンピングする(pumping)ことを含む。
0047
再循環の間に、現像液は好ましくは少なくとも部分的に現像装置から取り出され(吸引され)、次いで例えば現像キャビティーの側壁内に形成される少なくとも1つの入口開口部を介して現像装置(又はキャビティー、下記を参照されたい)中に注入して戻され、それにより現像液を循環させ撹拌する。より好ましくは、吸引して出される現像液を、現像装置中の出口ローラー対の近くの少なくとも1つの入口開口部を介して注入する。さらにもっと好ましくは、吸引して出される現像液を、現像装置及び/又はキャビティーのカバープレート中に形成される少なくとも1つの入口開口部を介して注入する。最も好ましくは、吸引して出される現像液を、好ましくは現像装置において出口ローラー対の近くに、より好ましくは出口ローラーに平行に位置する少なくとも1つのスプレーバーを介して注入する。現像液は、好ましくは少なくとも部分的に現像装置内の出口ローラーの下及び/又はその近くの領域から吸引される。好ましくは循環系中に、例えば管中に、現像液からスラッジ及び/又は溶解成分を除去することができるフィルターが存在する。
0048
現像液
他に示されなければ、本明細書に示される現像液成分の量は、(再)始動のために用いられる新しい現像液を指す。そのような新しい現像液は、調製済み液として又は製造者により供給されるより濃厚な液を水で希釈することにより、例えば2〜10倍に希釈することにより得られる場合がある。濃縮現像液(developer concentrate)の希釈は、別の装置で行われる場合か、又は処理装置中に組み込まれている場合かがある。結局、本発明の好ましい態様は、100ml/m2未満のそのような濃縮液、好ましくは50ml/m2未満、より好ましくは25ml/m2未満そして最も好ましくは0.5〜10ml/m2のそのような濃縮液の使用により優れたクリーンアウトを以て版を現像することを可能にする。あるいはまた、0.2〜2ml/m2の現像液が好適に用いられる。
0049
好ましいアルカリ性現像液は、少なくとも10、より典型的には少なくとも12、好ましくは13〜14のpHを有する水溶液である。好ましい高pH現像液は、ケイ酸リチウム、ケイ酸ナトリウム及び/又はケイ酸カリウムのような少なくとも1種のアルカリ金属ケイ酸塩を含む。ケイ酸ナトリウム及びケイ酸カリウムが好ましく、ケイ酸ナトリウムが最も好ましい。必要ならアルカリ金属ケイ酸塩の混合物が用いられる場合がある。特に好ましい高pH現像液は少なくとも0.3のSiO2対M2O重量比を有するアルカリ金属ケイ酸塩を含み、ここでMはアルカリ金属である。好ましくは、比率は0.3〜1.2である。より好ましくは、それは0.6〜1.1であり、最も好ましくは、それは0.7〜1.0である。高pH現像液中のアルカリ金属ケイ酸塩の量は、典型的に1000gの現像液当たりに少なくとも20gのSiO2(すなわち少なくとも2重量%)、好ましくは1000gの現像液当たりに20g〜80gのSiO2(2−8重量%)である。より好ましくは、それは1000gの現像液当たりに40g〜65gのSiO2(4−6.5重量%)である。
0050
アルカリ金属ケイ酸塩の他に、例えば水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム及び/又は有機アミン並びに/あるいはそれらの混合物のよう
な適切な濃度の適切な塩基によりアルカリ性を与えることができる。好ましい塩基は水酸化ナトリウムである。アルカリ性薬剤のさらなる好ましい例にはモノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジアミン及びピリジンのような有機アルカリ性薬剤が含まれる。これらのアルカリ性薬剤を単独で又はそれらの2つ以上の組み合わせにおいて用いる場合がある。これらのアルカリ性薬剤の中で好ましいのは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、炭酸ナトリウム及び炭酸カリウムである。
0051
すべての上記の現像液の任意の成分は、例えばアニオン性、非イオン性及び/又は両性界面活性剤、殺生物剤(biocides)(抗微生物剤(antimicrobial)及び/又は抗菌・カビ剤)、消泡剤又は(アルカリグルコン酸塩のような)キレート剤、可溶化剤、ブロッカー又は遅延剤(retardants)のような画像保護剤、溶解抑制剤ならびに増粘剤(グリセリン又はポリエチレングリコールのような水溶性又は水分散性ポリヒドロキシ化合物)である。
0052
ゴム引き
本発明に従うと、上記の現像にゴム液を用いる少なくとも2つの処理が続き、それはそれぞれ第1及び第2ゴム引き段階が行われる第1及び第2ゴム引き装置を含むカスケードゴム引き区画(cascading gumming section)により適用される。このゴム引き区画は「ゴム引き系」とも呼ばれる。
0053
処理された版は、第1ゴム引き段階に第1ゴム液で処理される。この処理の主な目的は、版を濯ぐ及び/又は中和すること、すなわち版の表面からの現像液の除去及びもし現像装置においてすでに得られていなかったら優れた画像のクリーンアウトを保証することである。第2ゴム引き段階に、版材料を続いて第2ゴム液で処理する。第2段階の主な目的は、下記でさらに議論される通り、ゴム層の適用により平版画像を保護することである。しかしながら、第1及び第2ゴム引き段階の目的は本発明の制限ではないことが理解されねばならない。例えば第2ゴム液も、コーティングの非印刷領域が第1ゴム引き段階の後に完全に除去されていない版材料の場合には画像のクリーンアウトに寄与する場合がある。低下した(reduced)クリーンアウトは通常、印刷版のトーニング(toning)(非画像領域におけるインキ−受容)及び/又はブランケット上のインキ堆積を生ずる。
0054
ゴム液を、好ましくは噴霧、噴射、浸漬、沈漬により、あるいはスピンコーティング、ロールコーティング、スロットコーティング又はグラビアコーティングを含むコーティング法により印刷版と接触させる。スプレーバーの使用は好ましい。スプレーバーは典型的に、あらかじめ決められた1系列の穴を有する中空のロッド(rod)を含む。コーティングにゴムを適用する間に版を摩擦及び/又はブラシ処理するために、ゴム引き装置に少なくとも1つのローラーも備える場合がある。
0055
2つのゴム引き段階は、第2ゴム液が第1ゴム引き装置中にあふれるカスケードとして配置された2つの異なるゴム引き装置において行われる。そのようなカスケード配置は、スラッジ生成及び/又は例えば第2ゴム液における溶解成分の持越しによる汚染が減少し、それにより第2ゴム引き装置中のゴム液の粘度の上昇を低下させるか又は妨げることができる利点を与える。これは、引きずり出された現像液からの汚染物が第1ゴム引き装置のゴム液のみに負荷され、それにより経費を倹約して持続可能な系を可能にするために第2ゴム液をより多数の版のゴム引きに用いることができるので、ゴム引き系の寿命の延長
を生ずる。
0056
本発明の方法の使用の間、第1ゴム液はカスケードオーバーフローを介して第2ゴム液に由来するが、2つのゴム液の組成は異なる場合がある。差は、例えば版と一緒に現像装置から第1ゴム引き装置中に引きずり出された現像液による及び/又は現像によりクリーンアウトが完全に達成されなかった場合のコーティングの非印刷領域のさらなる溶解による汚染がさらに例えば不十分なカスケードオーバーフローによる第1ゴム液の再生と組み合わされた故の場合がある。後者の問題は、カスケードオーバーフローに加えて、第2ゴム引き装置から第1ゴム引き装置にゴム液を活発にポンピングすることにより解決される場合がある。
0057
ゴム液の(再)循環
第1及び/又は第2ゴム液は、好ましくは(再)循環され、より好ましくは互いに独立して(再)循環される。第1及び第2ゴム液はそれぞれに2つの槽(baths)又は溜め中に保たれ、そこからそれらは例えばゴム液を供給するスプレーバー中に再循環される。次いでゴム液はそれぞれの溜め中に還流する。
0058
好ましくは(再)循環系中に、例えば管中に、ゴム液からいずれの種類のスラッジ及び/又は溶解成分をも除去することができるフィルターが存在する。
0059
ゴム液の再生
水又は補充液を加えることにより、ゴム液を再生する場合がある。
0060
上記の再生液を第1及び/又は第2ゴム液に加える場合がある。第1ゴム液に加えられる再生液の量は、カスケードにおいて排出され、版と一緒に引きずり出された容積のみを補うように制限される場合がある。第2ゴム液に加えられる再生液の量は、好ましくは引きずり出された現像液によるゴム液の劣化及び廃液として排出される容積を補うように調整される。
0061
ゴム液の再生のために加えられる補充液及び/又はゴム液の量は、処理の間に生ずる廃液の量を制限するために少量であるのが好ましい。従って、補充液/ゴム液の濃度に依存する再生の速度は、好ましくは処理される版のm2当たりに1ml〜100ml、より好ましくは2ml/m2〜85ml/m2、より好ましくは4ml/m2〜60ml/m2そして最も好ましくは5ml/m2〜30ml/m2である。
0062
再生液の添加、すなわちその型及び量を、例えば処理された版の数及び/又は面積、ゴム液のpH又はpH変化、粘度、密度、ゴム引き系に新しいゴム液が装入されてから経過した時間の測定により、あるいは各ゴム引き装置における最小及び最大容積の監視により、あるいはそれらの少なくとも2つの組み合わせにより、調節する場合がある。
0063
第1ゴム引き装置は、好ましくはゴム液を収集タンク中に排出するオーバーフロー管を含有する。排出されたゴム液を、例えばろ過、デカンテーション又は遠心により清浄化し、次いで第1及び/又は第2ゴム液の再生のために再使用する場合がある。しかしながら、好ましくは排出された第1ゴム液は廃棄のために集められる。
0064
ゴム液
下記に記載されるゴム液の組成は、(再)始動のために用いられる新しいゴム液を指す。好ましくは、ゴム引き区画の両方の装置において同じゴム液が(再)始動のために用いられる。別の態様において、(再)始動は第1及び第2ゴム引き装置を異なるゴム液で満たすことを含む場合がある。新しいゴム液は、調製済み液として又は製造者により供給さ
れる濃厚な液を希釈することにより得られる場合がある。濃縮ゴム液(gum concentrate)の希釈は、別の装置で行われる場合があるか、又は処理装置中に組み込まれている場合がある。
0065
好ましくは、第2ゴム液は1週間の処理の後及び/又は例えば400m2の処理の後に再装入される。好ましくは、第1及び/又は第2ゴム液の再装入は自動化されている。
0066
あるいはまた、再始動をもっと長期間、例えば1ヵ月より長く、好ましくは2ヵ月より長く、より好ましくは4ヵ月より長くそして最も好ましくは6ヵ月より長く延期することができるように、ゴムの質をより長期間一定に保つ場合がある。
0067
本発明において新しいゴム液として用いられるべき適切なゴム液は、印刷版の平版画像を汚染、酸化又は損傷に対して保護することができる1種以上の表面保護化合物を含む水性液である。そのような化合物の適切な例は、フィルム−形成性親水性ポリマー又は界面活性剤である。好ましくは第2ゴム引き段階におけるゴム液を用いる処理及び乾燥の後に版上に残る層は、好ましくは0.1〜20g/m2の表面保護化合物を含む。この層は、好ましくは版が印刷機上に搭載され、印刷機運転が開始された時にインキ及び/又は湿し液により除去されるまで、版上に留まる。ゴム液は、好ましくは11より低い、より好ましくは9より低いpH、さらにもっと好ましくは0〜8そして最も好ましくは1〜6のpHを有する。本明細書で用いられる適切なゴム液は、約2、5又は7のpHを有する。
0068
ゴム液がより高い濃度の界面活性剤を必要とする場合、非イオン性界面活性剤の溶液を加えることができる。
0069
処理装置
本発明の処理方法を実行するために特別に設計される装置を下記に記載する。
0070
図はそのような処理装置の非常に好ましい態様を示し、それは現像区画(1)及びカスケード(17)により互いに連結された2つのゴム引き装置(3,4)を含むゴム引き区画(2)を含み、カスケードは第2ゴム引き装置から第1ゴム引き装置中への液のオーバーフローを許す。現像区画(1)は、好ましくはカバープレート(7)、底板(10)及び側壁(21、22)を含む本質的に閉鎖された現像キャビティー(6)を含む現像装置(5)を含む。
0071
好ましくは装置の現像区画中に存在するが図中に示されていない周知の特徴は;現像区画に版を1つずつ送達するためのフィーダー(feeder);(再)循環及び/又は再生系;新しい現像液、新しいゴム液又は1つ以上の補充液を含む供給タンク;消耗した現像液又はゴム液が排出される廃液収集タンク;濃縮化学品(concentrated chemistry)を希釈するための水タンク;及び他の通常の部品である。
0072
下記の記述が装置の運転の間に種々の区画を介して移動する版材料を指す場合、版は上を向いている、すなわち感熱性又は感光性コーティングを上に向けている(版の他の面は「裏面」と呼ばれる)ことが仮定される。しかしながら、版が下を向いている態様は等しく本発明の範囲内である。
0073
好ましい処理装置:現像区画
現像区画(1)は現像装置(5)を含み、該現像装置は好ましくは版を現像装置中に及びそれから運搬する、ニップ又はフィーダーローラーとも呼ばれる、少なくとも2つのローラー対(11A、11B)を含む。現像装置は、好ましくは現像液を空気から遮蔽するためのカバープレート(7)を含む。
0074
好ましくは、進入ローラー対(11A)は版を現像装置中に、より好ましくは装置の現像キャビティー(6)中に供給し、現像キャビティーは底板(10)、カバープレート(7)及び側壁(21、22)により区画される本質的に閉鎖された体積(volume)である。キャビティーは、版がキャビティー中に進入する進入開口部(8)及び版がキャビティーを出る出口開口部(9)を有する。出口ローラー対(11B)は、好ましくは版を現像区画からゴム引き区画に運搬する。
0075
空気がキャビティー中に流れ込むのを妨げるために、ゴムブレード(rubber blade)が進入開口部に備えられる場合がある。現像キャビティーは、好ましくはカバープレートと現像液の表面の間に空気が存在せずに完全に現像液で満たされている。好ましくは、現像キャビティーを覆うカバープレートは、現像液の上の空気の流れ、すなわち進入開口部から出口開口部への空気の流れ、が断たれるように、現像液の液面と完全に接触する。カバープレートの主な機能は、周囲空気からの二酸化炭素の吸収及び/又は水の蒸発による現像液の起こり得る劣化を減少させ、それにより(もしあれば)再生の速度の低下を可能にすることである。カバープレートは進入又は出口開口部を超えて延びる場合もあり、例えばカバープレートはニップローラーの上側周面を覆う円弧形曲線又は長方形を含む場合がある。
0076
現像キャビティーの容積は可能な限り小さいことが好ましい。好ましくは、キャビティーの容積は0.5dm3〜50dm3;より好ましくは1dm3〜25dm3そして最も好ましくは2〜10dm3である。好ましい態様において、進入開口部(8)及び出口開口部(9)は、少なくとも10、より好ましくは少なくとも20のアスペクト比(高さ/幅)を有する狭いスロット(slots)である。進入スロット(8)の高さは、好ましくは版の厚さの2〜5倍である。出口スロット(9)は、好ましくはもっと狭く、例えば版の厚さより数倍(例えば2〜3)しか大きくない高さを有する。
0077
底板(10)は、好ましくは上方への曲がり部分(10C)により隔てられた少なくとも2つの部分を含み、底板の第1部分(10A)は底板の第2部分(10B)に対して0.5°〜60°の角度に向けられる。より好ましくは、角度は第1部分に対して1°〜50°、より好ましくは5°〜45°そして最も好ましくは10°〜35°である。底板の第1及び/又は第2部分の長さ(処理方向に沿った距離)を、好ましくは現像キャビティーを介する版の滑らかな動きを得るために適応させる。好ましくは、第1部分(10A)は0〜50cm、より好ましくは1〜30cm、そして最も好ましくは2〜15cmの長さを有する。第2部分(10B)は、好ましくは1〜50cm、より好ましくは2〜30cm、そして最も好ましくは3〜25cmの長さを有する。好ましくは、上方への曲がり部分は処理方向に対して実質的に垂直である。
0078
現像キャビティーの内側に向く底板(10)の表面に、好ましくは1つ以上の突出要素(20)が備えられ、それは版の裏面と底板の間の距離を保持する。好ましくは少なくとも2つの突出要素が存在し、より好ましくは少なくとも3つの突出要素が存在し、そして最も好ましくは少なくとも4つの突出要素が存在する。結果として版の裏面におけるスクラッチの形成が減少し、キャビティーを介する版の滑らかな輸送が得られる。さらに、底板の突出表面は版と塩析化合物、沈殿した又は凝集した成分のようなスラッジの間の接触を妨げる場合があり、スラッジは突出要素の間に集められる。
0079
突出要素は、例えば球形、長方形、三角形、卵形又は縦形(longitudinal)のいずれの形を有する場合もある。図4は突出要素の適切な形を例示する。好ましい突出要素は長いリブである。好ましくは、カバープレートに少なくとも2つ、より好ましくは少なくとも3つそして最も好ましくは少なくとも4つの長いリブが設けられる。これら
の要素を互いに平行に置く場合がある。長いリブの長さは、好ましくは1mm〜25cm、より好ましくは5mm〜15cmそして最も好ましくは10mm〜10cmである。長さは少なくとも10Aと10Bの長さの合計の場合がある。長いリブの高さは、好ましくは少なくとも0.1mm及び最高で50mm、より好ましくは0.1mm〜10mmそして最も好ましくは1mm〜5mmである。長いリブは処理方向に対してある角度に向けられる場合がある。そのような長いリブは、図3において矢印(23)により示される版の処理方向に平行の場合があるが、より好ましくは処理方向に対してある角度に向けられる。該角度(図3bにおけるα)は、処理方向に対して例えば1〜45°、好ましくは5〜35°そして最も好ましくは10〜25°である。あるいはまた、角度αは1つ以上のリブに関して異なる値を有する場合があるか、あるいは言い換えるとリブは互いに対して完全に平行でない場合がある。
0080
図2aの好ましい態様において、突出要素(20)は上部が丸みを帯びた台形の断面を有する。球形、円形又は卵形の場合には最も高い部分で測定される、突出要素の高さは、好ましくは少なくとも0.1mm及び最高で50mm、より好ましくは1mm〜10mmそして最も好ましくは1mm〜5mmである。
0081
これらの要素を例えば無作為に、マトリックスにおいてグループ分けして(grouped in a matrix)、あるいは平行線に沿って置く場合がある。そのような線は図3において矢印(23)により示される版の処理方向に平行の場合があるが、より好ましくは処理方向に対してある角度に向けられる。該角度(α;図3bにおいて長いリブに関して示される)は、処理方向に対して例えば1〜45°、好ましくは5〜35°そして最も好ましくは10〜25°である。あるいはまた、角度αは1つ以上の線に関して異なる値を有する場合があるか、あるいは言い換えると線は互いに対して完全に平行でない場合がある。線の長さは、好ましくは1mm〜25cm、より好ましくは5mm〜15cmそして最も好ましくは10mm〜10cmである。長さは少なくとも10Aと10Bの長さの合計の場合がある。
0082
現像キャビティーは、好ましくは先行技術の現像装置に典型的に存在する1つ以上のローラー対を含まない。上記のような本発明の現像キャビティーの特別な設計の故に、版は装置を介して底板と平行又はほとんど平行に輸送され、底板は好ましくは輸送ローラーの必要なく版を導くか又は押し上げるように上方への曲がり部分(上記を参照されたい)を以て形作られている。輸送の間、版は底板と接触する場合がある。
0083
好ましい態様において、カバープレートにも上記の突出要素のいずれかが設けられる。別の態様において、カバープレートのみに上記の突出要素が設けられる。カバープレート上の突出要素は現像液中に乱流を誘導する場合があり、それによりいわゆる境界層及び/又は層流の形成が最適な現像の達成のために進められる(steered)。
0084
突出要素は金属、繊維及び/又は他の柔軟性/延性材料から作られる場合がある。突出要素(レリーフ)は押し出されるか、配向するか(oriented)、発泡するか(expanded)、織られているか又は管状の場合があり、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、PVC又はPTFEから作ることができる。金属レリーフはスチール又は他の金属から織られるか、編まれるか、溶接されるか、発泡すされるか、光化学的にエッチングされるか又は電鋳される場合がある。
0085
上記の通り、現像液は好ましくは現像装置(5)及び/又は現像キャビティー(6)に再生液を供給する入口により再生される。補充液のための供給タンク;現像装置(5)及び/又は現像キャビティー(6)に再生液を供給するためのポンプ及び必要な管のような再生系の他の周知の要素は図中に示されていない。
好ましい処理装置:ノズルによる現像液の供給
現像装置内に十分な乱流を与えるために、現像液は好ましくはノズルにより印刷版上に適用され、ノズルは版の表面上に現像液の流れを噴霧するか又は噴射する。ノズルはノズルの列、例えばスプレーバー中の穴の列又はインキジェットヘッド、例えばバルブ−ジェットヘッド中のジェットノズルの列として形作られる場合がある。
0086
ノズルの使用は、現像装置が上記のような現像キャビティーを含む態様に特に適する。その態様においてノズルは、版のコーティングを覆って横に現像液を排出するように、現像キャビティーの1つの側壁又は両方の側壁内に組み込まれている場合がある。あるいはまた、ノズルは、底板とカバープレートのどちらが印刷版の画像記録層に向いているかに依存して、底板又はカバープレート中に存在する場合がある。ノズルが1つ又は両方の側壁並びに底板及び/又はカバープレート中に組み込まれている組み合わされた態様も本発明の範囲内である。
0087
版の連続的な標的領域(target areas)が動的且つ均一に現像液で冠水するように、現像液は好ましくは版の表面積を覆って加圧流としてノズルにより供給される。現像液のノズル流を方向、形、オーバーラップ及び表面乱流に関して調整することができる。版の標的領域は好ましくは連続的な乱流冠水を経験するが、ノズルを介する供給を連続パルスにおいて適用することもできる。それにより可溶性コーティング領域の溶解は、乱流を引き起こし且つ一定に動かされて置き換えられる現像液の流れを与えることにより迅速かつ均一に達成される。
0088
現像滞留時間の間、現像液は十分な体積流量で版の表面において一定に置き換えられ、それにより境界層は版上で形成されず、版と一緒に移動せず、各単位容積のコーティングは迅速且つ均一に処理される。好ましくは、現像装置を介して版が移動する速度に応じて、現像液の乱流を、各単位面積のコーティングされた版上に短い滞留時間;例えば0.5〜5m/分の速度において約30秒未満の滞留時間、より好ましくは5〜25秒の滞留時間そして最も好ましくは8〜15秒の滞留時間の間適用する。これらの数字は単に実施上の指針であり、これらの範囲外の場合がある。
0089
版の迅速且つ有効な現像を得るためにブラシの使用は必要でない。好ましい態様において、現像キャビティーはブラシを含有せず、それにより画像領域上のスクラッチの危険及び/又はブラシの整備(清浄化)が取り除かれる。
0090
適切なスプレーノズルは多くの寸法及び形状において、例えばSpraying Systems Co.(Wheaton,Illinois,USA)から商業的に入手可能である。スプレーノズルの重要なパラメーターは、流量、噴霧圧力、滴寸法、噴霧パターン及びスプレーノズルアラインメントである。有用な噴霧圧力は1〜5バール、より好ましくは1.5〜2.5バールの範囲内である。好ましい噴霧パターンはテーパード−エッジフラットパターン(tapered−edge flat pattern)であり、それはそれが重複する分布の結果として版面積全体に及ぶ均一な被覆を与えることができるからである。スプレーコーンの角度及びスプレーノズルと版の間の噴霧距離は版上の標的面積(target area)を限定する。ノズルは5°〜170°の噴霧角度を有する場合があり、より大きな角度は与えられる噴霧距離に関して大きな標的面積を生ずる。版上のノズル標的面積は噴霧角度及び噴霧距離に依存し、最高で15cmの場合があり、それは例えば110°の噴霧角度を有するノズル及び5cmの噴霧距離により達成され得る。しかしながら、より小さい、例えば5cm未満の標的面積が好ましく、それは50°の噴霧角度を有するノズルN及び5cmの噴霧距離あるいはそれぞれ30°と10cmにより達成される場合がある。スプレーの適切な滴寸法は1mm未満、例えば100μm(いわゆる噴霧ノズル(atomizing nozzles)により達成される)か
ら最高で数mm、例えば1〜5mm、好ましくは1〜2mmである。滴寸法は主に噴霧圧力及びもちろん現像液の性質により決定される。
0091
スプレーノズルは、好ましくは現像液に耐性であり、長い摩耗寿命(wear life)を与える材料、例えばステンレススチール、セラミック又はカーバイドから作られる。スプレーノズルについてのさらなる情報は、例えば“Industrial Sprays and Atomization”,Springer,1st edition(September 17,2002)及び“Handbook of Atomization and Sprays”,Springer,2011の本の中に見出され得る。
0092
特に高分解能ノズル、すなわちインキジェットヘッドのノズルのように版上に非常に小さい標的面積を有するノズルが用いられる場合、画像データをプレートセッター又はワークフローソフトウェア(workflow software)から本発明の装置のデジタルコントローラーに供給することにより、より多くの知能を装置に組み込むことができる。画像の一部である各ノズルの標的領域における平均ドット被覆率を計算し、該平均ドット被覆率に従ってその標的領域上に付着させる現像液の容積を調整するデジタルコントローラーにより、本発明の装置において画像−制御現像(image−controlled development)を達成することができる。そのような態様において、画像の「フル−ブラック(full−black)」部分、すなわち全体的に印刷領域から成る部分の上に現像液を付着させず、画像の灰色及び白部分の上に十分な量の現像液を付着させ、ここで該量を該灰色及び白部分の平均ドット被覆率に比例させる。適切なノズルに関するさらなる詳細を欧州特許第2 775 351号明細書において見出すことができる(例えば[0034]〜[0049])。
0093
好ましい処理装置:ゴム引き区画
処理装置のゴム引き区画はカスケード配置において与えられる少なくとも2つのゴム引き装置を含有し、それはゴム液が第2ゴム引き装置から第1ゴム引き装置中にあふれることを意味する。追加のゴム引き装置を用いる場合があるが、好ましい態様は2つのゴム引き装置のみを含む。好ましくは、第1ゴム引き装置は現像区画へのオーバーフローを許さない。
0094
噴霧、噴射、沈積あるいはスピンコーティング、ロールコーティング、スロットコーティング又はグラビアコーティングを含むコーティング法により各ゴム液を印刷版に適用する。スプレー又は(バルブ)ジェットノズルの使用が好ましい。現像液の供給のための上記のノズルのすべての特徴が、おそらく版面積(plate area)に従って又は欧州特許第2 775 351号明細書に記載されている通り版の画像データにさえ従って版上にゴムを付着させるための好ましい態様に等しく当てはまる。
0095
図1の好ましい態様において、現像装置中へのゴムの汚染を妨げるために、第1ゴム引き装置のニップローラー(11C、11D)にスカベンジャーローラー(13)が設けられる。ローラー対(11C)のニップ上及び版の画像の上にゴムを適用するように形作られるブラシ(14)上の両方にゴムを噴霧することができる1つのバー(15B)並びにローラー対(11D)のニップに向かってゴムを噴霧する1つのバー(15C)の2つのスプレーバーが第1ゴム引き装置に設けられる。ローラー対のニップにゴムを噴霧するバーは、好ましくは少なくとも1列の穴を含有する;ローラー及びブラシ(14)の両方の上にゴムを噴霧することができるバー(15B)は、好ましくは少なくとも2列の穴を含有する。好ましくは、第1ゴム液を噴霧するためのバー、より好ましくはバー(15B)及び(15C)は、ニップローラー及び/又はブラシの粘着性を妨げるために、いわゆるジョグ−モード(jog−mode)にあり、すなわちゴム引き装置内に版が存在しない
時でも定期的にゴムが与えられる。好ましくは、版が通過しない時でも、ニップローラーを定期的に噛み合わせる(engaged)。第2ゴム引き装置はさらに、第2装置中の両方のニップローラー(11E、11F)を湿って保つことができ、且つ版の表面上に仕上げ層を与えるスプレーバー(15D)を含む。このスプレーバーもジョグ−モードにある場合がある。
0096
上記の通り第2ゴム液は、好ましくは第2ゴム引き装置に、例えば溜め(16B)に再生液を供給する入口により再生され、再生液は水、任意に希釈される場合がある新しいゴム液及び/又は補充液の場合がある。新しいゴム液、水又は補充液を保持するための供給タンク;第2ゴム引き装置に再生液を供給するためのポンプ及び必要な管のような再生系の他の周知の要素は図に示されていない。第1ゴム液も、第2ゴム液のために用いられると同じか又は類似の再生系により再生される場合がある。第1ゴム液は、ゴム液を第2ゴム引き装置から第1ゴム引き装置に活発にポンピングすることによっても再生される場合がある。
0097
好ましい処理装置:乾燥区画
最後のゴムが適用された後、好ましくは版を濯がず、好ましくは装置中に組み込まれた乾燥区画にすぐに運搬する。熱風、赤外線及び/又はマイクロ波放射を発するための手段(24)並びに当該技術分野おいて一般的に既知の他の方法により乾燥を達成することができる。次いで版を印刷機の版胴上に搭載し、印刷過程を開始する場合がある。
0098
平版印刷版材料
いずれの型の感熱性及び/又は感光性版材料も本発明の方法に従って及び本発明の装置を用いて処理することができる。好ましい材料は、アルカリ性処理を必要とするポジティブ−又はネガティブ−作用性版材料である。ポジティブ−作用性感熱性材料が非常に好ましい。
0099
支持体
本発明において用いられる平版印刷版材料の好ましい支持体は親水性表面を有するか、又は親水性層が設けられる。特に好ましい平版支持体は研磨され且つ陽極酸化されたアルミニウム支持体、より好ましくは硝酸及び/又は塩酸を含む溶液中で電気化学的研磨により研磨され、次いでリン酸及び/又は硫酸を含む溶液中で電気化学的に陽極酸化されたアルミニウムである。
0100
コーティング組成物
本発明において用いられる平版印刷版前駆体はネガティブ−又はポジティブ−作用性の場合があり、すなわちそれぞれ露出領域又は非露出領域にインキ−受容領域を形成することができる。下記で感熱性及び感光性コーティングの適切な例を詳細に議論する。
0101
感熱性印刷版前駆体
例えばサーマルヘッドによる熱への直接の露出によるか又は光、より好ましくは赤外光を熱に変換することができるコーティング中の1種以上の化合物の光吸収により、感熱性印刷版前駆体の画像形成機構を開始させることができる。これらの感熱性平版印刷版前駆体は、好ましくは可視光に感応性でない、すなわち現像液中におけるコーティングの溶解速度への実質的効果は、可視光への露出によって誘導されない。最も好ましくは、コーティングは周囲昼光に感応性でない。
0102
熱的印刷版前駆体の第1の適切な例は、例えば欧州特許第770 494号明細書、欧州特許第770 495号明細書、欧州特許第770 497号明細書、欧州特許第773 112号明細書、欧州特許第774 364号明細書、欧州特許第849 090号
明細書、欧州特許第1 614 538号明細書、欧州特許第1 614 539号明細書、欧州特許第1 614 540号明細書、欧州特許第1 777 067号明細書、欧州特許第1 767 349号明細書、国際公開第2006/037716号パンフレット、国際公開第2006/133741号パンフレット及び国際公開第2007/045515号パンフレットに記載されているような、好ましくは親水性結合剤中に分散された疎水性熱可塑性ポリマー粒子の熱誘導性凝集に基づく前駆体である。好ましい態様に従うと、熱可塑性ポリマー粒子はスチレン及びアクリロニトリル単位を1:1〜5:1(スチレン:アクリロニトリル)の重量比、例えば2:1の比率で含む。適切な親水性結合剤の例はビニルアルコール、アクリルアミド、メチロールアクリルアミド、メチロールメタクリルアミド、アクリル酸、メタクリル酸、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートのホモポリマー及びコポリマー並びに無水マレイン酸/ビニルメチルエーテルコポリマーである。
0103
好ましくは、そのような画像−記録層は、国際公開第2007/04551号パンフレットに記載されているように、少なくとも1つのホスホン酸基又は少なくとも1つのリン酸基あるいはそれらの塩を含む有機化合物を含む。
0104
第2の適切な態様において、熱的印刷版前駆体はアリールジアゾスルホネートホモ−又はコポリマーを含むコーティングを含み、それは親水性であり且つ熱又はUV光への露出の前に処理液中に可溶性であり、そのような露出の後に疎水性になり且つ溶解性が低くなる。
0105
そのようなアリールジアゾスルホネートポリマーの好ましい例は、アリールジアゾスルホネートモノマーの単独重合あるいは他のアリールジアゾスルホネートモノマー及び/又は(メタ)アクリル酸若しくはそのエステル、(メタ)アクリルアミド、アクリロニトリル、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、スチレン、α−メチルスチレンなどのようなビニルモノマーとの共重合により製造され得る化合物である。適切なアリールジアゾスルホネートモノマーは例えば欧州特許公開第339393号明細書(EP−A 339393)、欧州特許公開第507008号明細書及び欧州特許公開第771645号明細書に開示されており、適切なアリールジアゾスルホネートポリマーは欧州特許第507,008号明細書;欧州特許第960,729号明細書;欧州特許第960,730号明細書及び欧州特許第1 267 211号明細書に開示されている。
0106
非常に好ましい熱的印刷版前駆体はポジティブ−作用性であり、親油性樹脂の熱誘導性可溶化に基づくコーティングを含む。親油性樹脂は、好ましくは水性現像液、より好ましくは7.5〜14のpHを有する水性アルカリ性現像液中で可溶性であるポリマーである。好ましいポリマーはフェノール性樹脂、例えばノボラック、レゾール、ポリビニルフェノール及びカルボキシ置換ポリマーである。これらのポリマーの典型的な例はドイツ特許公開第4007428号明細書(DE−A−4007428)、ドイツ特許公開第4027301号明細書及びドイツ特許公開第4445820号明細書に記載されている。これらのポリマーの典型的な例はドイツ特許公開第4007428号明細書、ドイツ特許公開第4027301号明細書及びドイツ特許公開第4445820号明細書に記載されている。コーティングは、好ましくはフェノール性樹脂を含む少なくとも1つの層を含有する。この層は「画像形成層」又は第1層とも呼ばれる。画像形成層中に存在するフェノール性樹脂の量は、好ましくは画像形成層中に存在するすべての成分の合計重量に対して少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも80重量%である。
0107
好ましい態様において、親油性樹脂は、フェニル基又はヒドロキシ基が有機置換基で化学的に改変されているフェノール性樹脂である。有機置換基で化学的に改変されているフェノール性樹脂は、湿し液のような印刷化学品又は版クリーナーのような版処理液に対す
る化学的耐性の向上を示す場合がある。そのような化学的に改変されたフェノール性樹脂の例は、欧州特許第934 822号明細書、欧州特許第1 072 432号明細書、米国特許第5,641,608号明細書;欧州特許第982 123号明細書、国際公開第99/01795号パンフレット、欧州特許第2 102 446号明細書、欧州特許第2 102 444号明細書、欧州特許第2 102 445号明細書、欧州特許第2
102 443号明細書、欧州特許第3 102 522号明細書に記載されている。欧州特許第2 102 446号明細書に記載されている改変された樹脂、特に該フェノール性樹脂のフェニル−基が構造−N=N−Qを有する基で置換されており、ここで−N=N−基はフェニル基の炭素原子に共有結合しており、且つここでQは芳香族基である樹脂が好ましい。
0108
親油性樹脂を、ウレタン基を含むポリマー及び/又はポリ(ビニルアセタール)樹脂のような他のポリマーと混合するか又はそれにより置き換える場合もある。コーティングの摩耗耐性を向上させるために加えられる適切なポリ(ビニルアセタール)樹脂は、米国特許第5,262,270号明細書;米国特許第5,169,897号明細書;米国特許第5,534,381号明細書;米国特許第6,458,511号明細書;米国特許第6,541,181号明細書;米国特許第6,087,066号明細書;米国特許第6,270,938号明細書;国際公開第2001/9682号パンフレット;欧州特許第1 162 209号明細書;米国特許第6,596,460号明細書;米国特許第6,596,460号明細書;米国特許第6,458,503号明細書;米国特許第6,783,913号明細書;米国特許第6,818,378号明細書;米国特許第6,596,456号明細書;国際公開第2002/73315号パンフレット;国際公開第2002/96961号パンフレット;米国特許第6,818,378号明細書;国際公開第2003/79113号パンフフレット;国際公開第2004/20484号パンフフレット;国際公開第2004/81662号パンフレット;欧州特許第1 627 732号明細書;国際公開第2007/17162号パンフフレット;国際公開第2008/103258号パンフフレット;米国特許第6,087,066号明細書;米国特許第6,255,033号明細書;国際公開第2009/5582号パンフフレット;国際公開第2009/85093号パンフフレット;国際公開第2001/09682号パンフレット;米国特許第2009/4599号明細書;国際公開第2009/99518号パンフレット;米国特許第2006/130689号明細書;米国特許第2003/166750号明細書;米国特許第5,330,877号明細書;米国特許第2004/81662号明細書;米国特許第2005/3296号明細書;欧州特許第1 627 732号明細書;国際公開第2007/3030号パンフレット;米国特許第2009/0291387号明細書;米国特許第2010/47723号明細書及び米国特許第2011/0059399号明細書に記載されている。
0109
ポリ(ビニルアセタール)樹脂は、好ましくは以下のアセタール部分:
0110
0111
を含有し、式中R1は、メチル、エチル、プロピル、ブチル又はペンチル基のような脂肪族炭素鎖か、フェニル、ベンジル、ナフチル、トリル、オルト−、メタ−若しくはパラ−キシリル、アントラセニル又はフェナントレニルのような任意に置換されたアリール基か
、ピリジル、ピリミジル、ピラゾリル、トリアジニル、イミダゾリル、フリル、チエニル、イソオキサゾリル、チアゾリル及びカルバゾリル基のような任意に置換されたヘテロアリール基かを示す。最も好ましくは、ビニルアセタールは、ビニルホルマール、ビニルエチラール、ビニルプロピラール及び/又はビニルブチラールから選ばれる。
0112
好ましいポリ(ビニルアセタール)樹脂は、国際公開第2014/106554号パンフフレット;国際公開第2015/158566号パンフフレット;国際公開第2015/173231号パンフフレット;国際公開第2015/189092号パンフフレット及び国際公開第2016/001023号パンフレットに記載されているような、アセタール部分とエチレン性部分を含むコポリマーである。特に好ましいポリ(ビニルアセタール)樹脂は、少なくとも1つのヒドロキシル基を含む任意に置換された芳香族又はヘテロ芳香族基を含むエチレン性部分及びアセタール部分を含む樹脂(国際公開第2014/106554号パンフレット)であるか、あるいは任意に置換された芳香族又はヘテロ芳香族基を含むポリ(ビニルアセタール)樹脂は、電子吸引性基に対してオルト又はパラ位に少なくとも1つのヒドロキシル基を含む樹脂である(国際公開第2015/158566号パンフレット)。
0113
コーティングはさらに、層が水性アルカリ性現像液中で可溶性であるか又は少なくとも膨潤性であることを保証するために、13未満のpKaを有する酸性基を有する有機ポリマーのような、水中で不溶性であり、アルカリ性溶液中で可溶性である1種以上の他の結合剤を含む第2の層を含む場合がある。この層は上記の親油性樹脂を含む層、すなわち画像形成層と親水性支持体の間に位置する。この層は「第2層」とも呼ばれる。結合剤はポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、スチレンに基づく樹脂、ポリウレタン樹脂又はポリウレア樹脂から選ばれる場合がある。結合剤は1つ以上の官能基を有する場合がある。官能基を
(I)R及びR’が独立して水素あるいは任意に置換されたアルキル、アリール又はヘテロアリール基のような任意に置換された炭化水素基を示す−NR−SO2−、−SO2−NR−又は−SO2−NR’R”のようなスルホンアミド基;これらのポリマーに関するさらなる詳細は欧州特許第2 159 049号明細書に見出され得る;
(II)例えば米国特許第6,573,022号明細書及び/又は欧州特許第909 68(5の)7明細書に開示されている−SO2−NH−CO−又は−SO2−NH−SO2−のような酸水素原子を含むスルホンアミド基;これらの化合物の適切な例には例えばN−(p−トルエンスルホニル)メタクリルアミド及びN−(p−トルエンスルホニル)アクリルアミドが含まれる;
(III)−NH−CO−NH−のようなウレア基;これらのポリマーに関するさらなる詳細は国際公開第01/96119号パンフレットに見出され得る;
(IV)欧州特許第2 497 639号明細書に記載されているような少なくとも3つのポリマー鎖がコアに結合する星型ポリマー(star polymer);
(V)カルボン酸基;
(VI)ニトリル基;
(VII)スルホン酸基;
(VIII)リン酸基及び/又は
(IX)ウレタン基
のリストから選ぶことができる。
0114
スルホンアミド基を含む(コ)ポリマーが好ましい。スルホンアミド(コ)ポリマーは、好ましくは少なくとも1つのスルホンアミド基を含有するモノマーの単独重合によるか又はそのようなモノマーと他の重合可能なモノマーの共重合により製造される高分子量化合物である。好ましくは本発明のポリ(ビニルアセタール)結合剤が画像形成層中に存在する態様において、少なくとも1つのスルホンアミド基を含むコポリマーは、本発明のポ
リ(ビニルアセタール)結合剤を含む層と親水性支持体の間に位置する第2層中に存在する。
0115
少なくとも1つのスルホンアミド基を含有するモノマーと共重合するモノマーの例には欧州特許第1 262 318号明細書、欧州特許第1 275 498号明細書、欧州特許第909 657号明細書、欧州特許第1 120 246号明細書、欧州特許第894 622号明細書、米国特許第5,141,838号明細書、欧州特許第1 545
878号明細書及び欧州特許第1 400 351号明細書に開示されているモノマーが含まれる。メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−フェニルエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレートのようなアルキル又はアリール(メタ)アクリレートと、(メタ)アクリル酸と、(メタ)アクリルアミドと、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−ベンジル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)(メタ)アクリルアミド、N−(4−メチルピリジル)(メタ)アクリレートのようなN−アルキル又はN−アリール(メタ)アクリルアミドと、(メタ)アクリロニトリルと、スチレンと、2−、3−又は4−ヒドロキシ−スチレン、4−安息香酸−スチレンのような置換スチレンと、2−ビニルピリジン、3−ビニルピリジン、4−ビニルピリジンのようなビニルピリジンと、4−メチル−2−ビニルピリジンのような置換ビニルピリジンと、酢酸ビニルであって、場合により共重合した酢酸ビニルモノマー単位は少なくとも部分的に加水分解されてアルコール基を形成する及び/又は少なくとも部分的にホルムアルデヒド又はブチルアルデヒドのようなアルデヒド化合物により反応されてアセタール又はブチラール基を形成することができる酢酸ビニルと、ビニルアルコールと、ビニルアセタールと、ビニルブチラールと、メチルビニルエーテルのようなビニルエーテルと、ビニルアミドと、N−メチルビニルアミド、カプロラクタム、ビニルピロリドンのようなN−アルキルビニルアミドと、マレイミドと、N−ベンジルマレイミドのようなN−アルキル又はN−アリールマレイミドとのようなモノマーが好ましい。
0116
スルホンアミド(コ)ポリマーの適切な例及び/又はそれらの製造方法は、欧州特許第933 682号明細書、欧州特許第982 123号明細書、欧州特許第1 072 432号明細書、国際公開第99/63407号パンフレット、欧州特許第1 400 351号明細書及び欧州特許第2 159 049号明細書に開示されている。スルホンアミド(コ)ポリマーの非常に好ましい例は、欧州特許第2 047 988 A号明細書中で[0044]〜[0046]において記載されている。
0117
スルホンアミド(コ)ポリマーの特定の好ましい例は、N−(p−アミノスルホニルフェニル)(メタ)アクリルアミド、N−(m−アミノスルホニルフェニル)(メタ)アクリルアミド、N−(o−アミノスルホニルフェニル)(メタ)アクリルアミド及び/又はm−アミノスルホニルフェニル(メタ)アクリレートを含むポリマーである。
0118
イミド基を含む(コ)ポリマーも感熱性コーティング中の結合剤として好ましい。特定の例には、N−置換環状イミドモノマー単位及び/又はN−フェニルマレイミドモノマー単位やN−ベンジル−マレイミドモノマー単位のようなN−置換マレイミドを含有するメチルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマーの誘導体及びスチレン/無水マレイン酸コポリマーの誘導体が含まれる。好ましくは、このコポリマーは本発明のポリ(ビニルアセタール)結合剤を含む層と親水性支持体の間に位置する第2層中に存在する。このコポリマーは好ましくはアルカリ可溶性である。適切な例は欧州特許第933 682号明細書、欧州特許第894 622 A号明細書[0010]〜[0033]、欧州特許第901 902号明細書、欧州特許第0 982 123 A号明細書[007]〜[01
14]、欧州特許第1 072 432 A号明細書[0024]〜[0043]及び国際公開第99/63407号パンフレット(4頁13行〜9頁37行)に記載されている。
0119
例えばフェノール、レゾルシノール、クレゾール、キシレノール又はトリメチルフェノールをアルデヒド、特にホルムアルデヒド又はケトンと反応させることにより得られる遊離のフェノール性ヒドロキシル基を有する重縮合物及びポリマーも感熱性コーティングに加えられる場合がある。スルファモイル−又はカルバモイル−置換芳香族化合物とアルデヒド又はケトンの縮合物も適する。ビスメチロール−置換ウレア、ビニルエーテル、ビニルアルコール、ビニルアセタール又はビニルアミドのポリマー及びフェニルアクリレートのポリマー及びヒドロキシ−フェニルマレイミドのコポリマーは同様に適する。さらに、ビニル芳香族化合物又はアリール(メタ)アクリレートの単位を有するポリマーが挙げられる場合があり、これらの単位のそれぞれが1つ以上のカルボキシル基、フェノール性ヒドロキシル基、スルファモイル基又はカルバモイル基を有することも可能である。特定の例には2−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシスチレン又はヒドロキシフェニルマレイミドの単位を有するポリマーが含まれる。ポリマーはさらに酸性単位を有しない他のモノマーの単位を含有する場合がある。そのような単位にはビニル芳香族化合物、メチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、メタクリルアミド又はアクリロニトリルが含まれる。
0120
コーティングの溶解行動を、任意の溶解性調節成分により微調整することができる。さらに特定的に、現像性強化化合物、現像促進剤及び現像抑制剤を用いることができる。コーティングが1つより多い層を含む態様において、これらの成分はコーティングの第1層及び/又は第2層及び/又は任意の他の層に加えられ得る。
0121
適切な現像性強化化合物は(i)国際公開第2003/79113号パンフレットに開示されているような加熱されると気体を発生する化合物、(ii)国際公開第2004/81662号パンフレットに開示されている化合物、(iii)国際公開第2008/103258号パンフレットに開示されているような1種以上の塩基性窒素含有有機化合物を含む組成物及び(iv)国際公開第2009/85093号パンフレットに開示されているような少なくとも1つのアミノ基及び少なくとも1つのカルボン酸基を有する有機化合物である。
0122
現像性強化組成物において有用な塩基性窒素含有有機化合物の例は、N−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリドン、1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、N−フェニルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−[ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシエチル)−エチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)−エチレンジアミン、3−[(2−ヒドロキシエチル)フェニルアミノ]プロピオニトリル及びヘキサヒドロ−1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)−s−トリアジンである。好ましくは、N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)−エチレンジアミンが用いられる。これらの化合物の2つ以上の混合物も有用である。BASF(Germany)及びAldrich Chemical
Company(Milwaukee,WI)を含む複数の商業的供給源から塩基性窒素含有有機化合物を得ることができる。
0123
塩基性窒素含有有機化合物は、好ましくはコーティング組成物の全固体に基づいて1〜30重量%そして典型的に3〜15重量%の量でコーティング中に存在する。
0124
好ましくは1種以上の塩基性窒素含有有機化合物はカルボン酸又は環状酸無水物、スル
ホン酸、スルフィン酸、アルキル硫酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、ホスホン酸エステル、フェノール、スルホンアミド又はスルホンイミドのような1種以上の酸性現像性強化化合物と組み合わせて用いられ、それはそのような組み合わせがさらに向上した現像寛容度及び印刷耐久性を可能にする場合があるからである。酸性現像性強化化合物の代表的な例は米国特許第2005/0214677号明細書の[0030]〜[0036]に与えられている。それらはコーティング組成物の合計乾燥重量に基づいて0.1〜30重量%の量で存在する場合がある。1種以上の塩基性窒素含有有機化合物対1種以上の酸性現像性強化化合物のモル比は、一般的に0.1:1〜10:1そしてより典型的には0.5:1〜2:1である。
0125
現像促進剤は、それらがコーティングの溶解速度を向上させることができる故に溶解促進剤として働く化合物である。例えば環状酸無水物、フェノール又は有機酸を水性現像性の向上のために用いることができる。環状酸無水物の例には、米国特許第4,115,128号明細書に記載されているような無水フタル酸、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、3,6−エンドキシ−4−テトラヒドロ−フタル酸無水物、テトラクロロフタル酸無水物、無水マレイン酸、クロロマレイン酸無水物、アルファ−フェニルマレイン酸無水物、無水コハク酸及びピロメリット酸無水物が含まれる。フェノールの例にはビスフェノールA、p−ニトロフェノール、p−エトキシフェノール、2,4,4’−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシ−ベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、4,4’,4”−トリヒドロキシ−トリフェニルメタン及び4,4’,3”,4”−テトラヒドロキシ−3,5,3’,5’−テトラメチルトリフェニル−メタンなどが含まれる。有機酸の例には例えば日本特許公開第60−88,942号明細書(JP−A Nos.60−88,942)及び日本特許公開第2−96,755号明細書に記載されているようなスルホン酸、スルフィン酸、アルキル硫酸、ホスホン酸、ホスフェート及びカルボン酸が含まれる。これらの有機酸の特定の例にはp−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルフィン酸、エチル硫酸、フェニルホスホン酸、フェニルホスフィン酸、フェニルホスフェート、ジフェニルホスフェート、安息香酸、イソフタル酸、アジピン酸、p−トルイル酸、3,4−ジメトキシ安息香酸、3,4,5−トリメトキシ安息香酸、3,4,5−トリメトキシケイ皮酸、フタル酸、テレフタル酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、エルカ酸、ラウリン酸、n−ウンデカン酸及びアスコルビン酸が含まれる。コーティング中に含有される環状酸無水物、フェノール又は有機酸の量は、好ましくは全体的なコーティングに対して0.05〜20重量%の範囲内である。繰り返しモノマー単位として少なくとも70モル%のメタ−クレゾールを含むフェノール性−ホルムアルデヒド樹脂のような高分子現像促進剤も適切な現像促進剤である。
0126
好ましい態様において、コーティングは現像抑制剤とも呼ばれる現像液耐性手段(developer resistance means)、すなわち処理の間に非露出領域の溶解を遅延させることができる1種以上の成分も含有する。溶解抑制効果は好ましくは加熱により逆転し、露出領域の溶解は実質的に遅延せず、それにより露出領域と非露出領域の間の大きな溶解の差を得ることができる。例えば欧州特許第823 327号明細書及び国際公開第97/39894号パンフレット中に記載されている化合物は、例えば水素結合形成(hydrogen bridge formation)によるコーティング中のアルカリ−可溶性樹脂との相互作用の故に溶解抑制剤として働く。この型の抑制剤は、典型的に少なくとも1つの芳香族基及び複素環式環かアミノ置換基の一部の場合がある窒素原子、オニウム基、カルボニル、スルフィニル又はスルホニル基のような水素結合部位を含む有機化合物である。この型の適切な溶解抑制剤は、例えば欧州特許第825 927号明細書及び欧州特許第823 327号明細書に開示されている。下記に挙げる化合物のいくつか、例えばシアニンのような赤外染料及び第4級化トリアリールメタン染料のようなコントラスト染料(contrast dyes)も溶解抑制剤として働くこ
とができる。
0127
他の適切な抑制剤は、それらがコーティング中への水性アルカリ性現像液の浸透を遅延させる故に現像液耐性を向上させる。そのような化合物は、例えば欧州特許第864 420号明細書、欧州特許第950 517号明細書、国際公開第99/21725号パンフレット及び国際公開第01/45958号パンフレットに記載されている通り、第1層及び/又は任意の第2層及び/又は該層の上の現像障壁層中に存在する場合がある。現像液中における障壁層の溶解性及び/又は浸透性を、熱及び/又は赤外光への露出により向上させる場合がある。
0128
撥水性ポリマー(water−repellent polymer)は別の型の適切な溶解抑制剤に相当する。そのようなポリマーは水性現像液をコーティングから追い払うことによりコーティングの現像液耐性を向上させるようである。撥水性ポリマーをコーティングの第1及び/又は第2層に加える場合があり、並びに/あるいはそれはこれらの層の最上に設けられる別の層中に存在する場合がある。後者の態様において、例えば欧州特許第864 420号明細書、欧州特許第950 517号明細書及び国際公開第99/21725号パンフレットに記載されている通り、撥水性ポリマーはコーティングを現像液から遮蔽する障壁層を形成し、現像液中における障壁層の溶解性又は現像液による障壁層の浸透性を熱又は赤外光への露出により向上させ場合がある。
0129
コーティング中への水性アルカリ性現像液の浸透を遅延させる抑制剤の好ましい例には、シロキサン及び/又はペルフルオロアルキル単位を含む撥水性ポリマーが含まれる。ポリシロキサンは直線状、環状又は複雑な架橋されたポリマー又はコポリマーの場合がある。ポリシロキサン化合物という用語は、1つより多いシロキサン基、−Si(R,R’)−O−を含有するいずれの化合物も含むものとし、式中、R及びR’は任意に置換されたアルキル又はアリール基である。好ましいシロキサンはフェニルアルキルシロキサン及びジアルキルシロキサンである。ポリマー中のシロキサン基の数は少なくとも2個、好ましくは少なくとも10個、より好ましくは少なくとも20個である。それは100個未満、好ましくは60個未満の場合がある。
0130
撥水性ポリマーは、ポリ−又はオリゴ(アルキレンオキシド)のような極性ブロックならびに長鎖炭化水素基、ポリシロキサン及び/又は過フッ素化炭化水素基のような疎水性ブロックを含むブロック−コポリマー又はグラフト−コポリマーの場合がある。過フッ素化界面活性剤の典型的な例はDainippon Ink & Chemicals,Inc.から入手可能なMegafac F−177である。他の適切なコポリマーは約15〜25個のシロキサン単位及び50〜70個のアルキレンオキシド基を含む。好ましい例には、すべてTego Chemie,Essen,Germanyから商業的に入手可能なTego Glide 410、Tego Wet 265、Tego Protect 5001又はSilikophen P50/Xのようなフェニルメチルシロキサン及び/又はジメチルシロキサン並びにエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドを含むコポリマーが含まれる。
0131
コーティング中におけるそのような撥水性ポリマーの適切な量は、0.5〜25mg/m2、好ましくは0.5〜15mg/m2そして最も好ましくは0.5〜10mg/m2である。撥水性ポリマーがインキ−忌避性でもある場合、例えばポリシロキサンの場合、25mg/m2より多い量は、非露出領域の劣ったインキ−受容性を生じ得る。他方、0.5mg/m2より少ない量は不満足な現像耐性に導く場合がある。
0132
コーティング及び乾燥の間、撥水性ポリマー又はコポリマーは界面活性剤として働き、コーティング液の成分として適用される場合でも、その二官能基性構造の故にコーティン
グと空気の間の界面に位置を占め(position itself)、それにより分離された最上層を形成する傾向があると思われる。同時に、そのような界面活性剤はコーティングの質を向上させる展延剤(spreading agents)としても働く。あるいはまた、撥水性ポリマー又はコポリマーを、1つ又は任意のそれより多い層を含むコーティングの最上にコーティングされる別の液中で適用することができる。その態様において、他の層中に存在する成分を溶解できない溶媒を別の液中で用い、コーティングの最上に非常に濃厚な撥水相が得られるようにするのが有利な場合がある。
0133
上記の感熱性印刷版前駆体のコーティングは、好ましくは赤外光吸収性染料又は顔料も含有し、それはコーティングが1つより多い層を含む態様において、第1層及び/又は第2層及び/又は任意の他の層中に存在する場合がある。好ましいIR吸収性染料はシアニン染料、メロシアニン染料、インドアニリン染料、オキソノール染料、ピリリウム染料及びスクアリリウム染料である。適切なIR染料の例は、例えば欧州特許公開第823327、978376、1029667、1053868、1093934号明細書;国際公開第97/39894及び00/29214号パンフレットに記載されている。好ましい化合物は以下のシアニン染料である:
0134
0135
0136
コーティング中のIR−染料の濃度は、全体としてのコーティングに対して好ましくは0.25〜15.0重量%、より好ましくは0.5〜10.0重量%、最も好ましくは1.0〜7.5重量%である。
0137
コーティングはさらに、可視の色をコーティングに与え、処理段階の間に除去されない画像領域においてコーティング中に残る染料又は顔料のような1種以上の着色剤を含む場合がある。それにより可視の画像が形成され、現像された印刷版上の平版画像の検査が実現可能になる。そのような染料は多くの場合にコントラスト染料又は指示染料(indicator dyes)と呼ばれる。好ましくは、染料は青い色及び600nm〜750nmの波長領域内における吸収極大を有する。そのようなコントラスト染料の典型的な例はアミノ−置換トリ−又はジアリールメタン染料、例えばクリスタルバイオレット、メチルバイオレット、ビクトリアピュアブルー、フレキソブラウ 630、バソニルブラウ640、アウラミン及びマラカイトグリーンである。欧州特許公開第400,706号明細書で徹底的に議論されている染料も適切なコントラスト染料である。例えば国際公開第2006/005688号パンフレットに記載されているような、特定の添加剤と組み合わされてコーティングをわずかに着色するのみであるが、露出後に強力に発色する(become colored)染料も着色剤として用いられる場合がある。
0139
支持体の親水性表面に1つ以上のコーティング液を適用するために、いずれのコーティング法を用いることもできる。各層を連続的にコーティング/乾燥することによるか又はいくつかのコーティング液を一度に同時にコーティングすることにより、多層コーティングを適用することができる。乾燥段階に、コーティングが自立性且つ指触乾燥状態になるまで揮発性溶媒をコーティングから除去する。しかしながら、乾燥段階にすべての溶媒を除去する必要はない(そして可能でない場合さえある)。事実、残留溶媒含有率は、組成物を最適化するための追加の組成物変数(composition variable)とみなされる場合がある。乾燥は典型的に熱風を、典型的に少なくとも70℃、適切には80−150℃そして特に90−140℃の温度においてコーティング上に吹きかけることにより行われる。赤外ランプを用いることもできる。乾燥時間は典型的に15−600秒の場合がある。
0140
国際公開第99/21715号パンフレット、欧州特許公開第1074386号明細書、欧州特許公開第1074889号明細書、国際公開第00/29214号パンフレット及び国際公開第/04030923号パンフレット、国際公開第/04030924号パンフレット、国際公開第/04030925号パンフレットに記載されているように、コーティングと乾燥の間に、又は乾燥段階の後に、熱処理及び続く冷却は追加の利益を与える場合がある。
0141
印刷版前駆体を例えばLEDs又はレーザーにより赤外光に露出することができる。最も好ましくは、露出のために用いられる光は、半導体レーザーダイオード、Nd:YAG又はNd:YLFレーザーのような約750〜約1500nm、より好ましくは750〜1100nmの領域内の波長を有する近赤外光を発するレーザーである。必要なレーザー出力は版前駆体の感度、スポット径(最大強度の1/e2における現代のプレートセッターの典型的な値:5−25μm)により決定されるレーザービームの画素滞留時間、走査速度及び露出装置の解像度(すなわち多くの場合にインチ当たりのドット又はdpiで表される直線距離の単位当たりのアドレス可能な(addressable)画素の数;典型的な値:1000−4000dpi)に依存する。
0142
感光性印刷版前駆体
上記の熱的材料の他に、感光性コーティングを用いることもできる。そのような版の典型的な例はUV感応性“PS”版及び光に露出されると硬化する光重合可能な組成物を含
有するいわゆるフォトポリマー(photopolymer)版である。
0143
本発明の特定の態様において、通常のUV感応性“PS”版前駆体が用いられる。300−450nmの領域内(近UV及び青光)で感応性であるそのような版前駆体の適切な例は、欧州特許第1 029 668 A2号明細書において議論されている。“PS”版前駆体においてポジティブ−及びネガティブ−作用性組成物が典型的に用いられる。
0144
ポジティブ−作用性画像形成層は、好ましくはo−ナフトキノンジアジド化合物(NQD)及びアルカリ可溶性樹脂を含む。特に好ましいのは、種々のヒドロキシル化合物のo−ナフトキノン−ジアジドスルホン酸エステル又はo−ナフトキノンジアジドカルボン酸エステル及び種々の芳香族アミン化合物のo−ナフトキノン−ジアジドスルホン酸アミド又はo−ナフトキノン−ジアジドカルボン酸アミドである。1−成分系及び2−成分系のNQD系の2つの変形を用いることができる。そのような感光性印刷版は先行技術において、例えば米国特許第3,635,709号明細書、日本特許公開第55−76346号明細書、日本特許公開昭第50−117503号明細書、日本特許公開昭第50−113305号明細書、米国特許第3,859,099号明細書、米国特許第3,759,711号明細書;英国特許公開第739654号明細書、米国特許第4,266,001号明細書及び日本特許公開第55−57841号明細書に広く開示されている。
0145
“PS”版のネガティブ−作用性層は、好ましくはジアゾニウム塩、ジアゾニウム樹脂又はアリールジアゾスルホネートホモポリマー又はコポリマーを含む。低分子量ジアゾニウム塩の適切な例には:ベンジジンテトラゾニウムクロリド、3,3’−ジメチルベンジジンテトラゾニウムクロリド、3,3’−ジメトキシベンジジンテトラゾニウムクロリド、4,4’−ジアミノジフェニルアミンテトラゾニウムクロリド、3,3’−ジエチルベンジジンテトラゾニウムサルフェート、4−アミノジフェニルアミンジアゾニウムサルフェート、4−アミノジフェニルアミンジアゾニウムクロリド、4−ピペリジノアニリンジアゾニウムサルフェート、4−ジエチルアミノアニリンジアゾニウムサルフェート及びジアゾジフェニルアミンとホルムアルデヒドのオリゴマー性縮合産物が含まれる。ジアゾ樹脂の例には感光性物質としての芳香族ジアゾニウム塩の縮合産物が含まれる。そのような縮合産物は、例えばドイツ特許第1 214 086号明細書に記載される。感光性又は感熱性層は、好ましくは結合剤、例えばポリビニルアルコールも含有する。
0146
露出されると、ジアゾ樹脂又はジアゾニウム塩は(ジアゾニウム基の破壊の故に)水溶性から水不溶性に転換し、さらにジアゾの光分解産物は高分子結合剤又はジアゾ樹脂の架橋のレベルを向上させ、それにより画像パターン中のコーティングを選択的に水溶性から水不溶性に転換させる場合がある。非露出領域は変化しないままであり、すなわち水溶性である。
0147
そのような印刷版前駆体を上記の水性アルカリ性液を用いて現像することができる。
0148
第2の適切な態様において、感光性印刷版前駆体は光重合反応に基づき、(例えば米国特許第5,955,238号明細書;米国特許第6,037,098号明細書;米国特許第5,629,354号明細書;米国特許第6,232,038号明細書;米国特許第6,218,076号明細書;米国特許第5,955,238号明細書;米国特許第6,037,098号明細書;米国特許第6,010,824号明細書;米国特許第5,629,354号明細書;ドイツ特許第1,470,154号明細書;欧州特許第024 629号明細書;欧州特許第107,792号明細書;米国特許第4,410,621号明細書;欧州特許第215 453号明細書;ドイツ特許第3,211,312号明細書及び欧州特許第1 091 247号明細書に開示されているような)、重合可能な化合物(欧州特許第1 161 4541号明細書、欧州特許第1 349 006号明細書、国
際公開第2005/109103号パンフレット、欧州特許第1 788 448号明細書、欧州特許第1 788 435号明細書、欧州特許第1 788 443号明細書、欧州特許第1 788 434号明細書に開示されているような)及び高分子結合剤(例えば米国特許第2004/0260050号明細書、米国特許第2005/0003285号明細書;米国特許第2005/0123853号明細書;欧州特許第1 369 232号明細書;欧州特許第1 369 231号明細書;欧州特許第1 341 040号明細書;米国特許第2003/0124460号明細書、欧州特許第1 241 002号明細書、欧州特許第1 288 720号明細書、米国特許第6,027,857号明細書、米国特許第6,171,735号明細書;米国特許第6,420,089号明細書;欧州特許第152 819号明細書;欧州特許第1 043 627号明細書;米国特許第6,899,994号明細書;米国特許第2004/0260050号明細書;米国特許第2005/0003285号明細書;米国特許第2005/0170286号明細書;米国特許第2005/0123853号明細書;米国特許第2004/0260050号明細書;米国特許第2005/0003285号明細書;米国特許第2004/0260050号明細書;米国特許第2005/0003285号明細書;米国特許第2005/0123853号明細書及び米国特許第2005/0123853号明細書に記載されているような)フリーラジカル開始剤を含む光硬化可能な組成物を含むコーティングを含有する。増感剤、共−開始剤、抑制剤、接着促進化合物、着色剤、界面活性剤及び/又は焼き出し剤(printing out agents)]のような他の成分が場合により加えられることがある。これらの印刷版前駆体を、例えばArレーザー(488nm)又はFD−YAGレーザー(532nm)、半導体レーザーInGaN(350〜450nm)、赤外レーザーダイオード(830nm)又はNd−YAGレーザー(1064nm)を用いて青、緑又は赤光(すなわち450〜750nmの波長領域)で、バイオレット光(すなわち350〜450nmの波長領域)で、又は赤外光(すなわち750〜1500nmの波長領域)で増感することができる。
0149
感熱性及び/又は感光性印刷版前駆体のコーティングの表面を、特に機械的な損傷から保護するために、保護層が任意に適用される場合もある。保護層は一般にポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、部分的に加水分解されたポリ酢酸ビニル、ゼラチン、炭水化物又はヒドロキシエチルセルロースのような少なくとも1種の水溶性結合剤を含み、水溶液又は水性分散液からのようないずれの既知の方法においても形成され得、水溶液又は水性分散液は必要なら少量の有機溶媒−すなわち保護層のためのコーティング溶媒の合計重量に基づいて5重量%未満の−有機溶媒を含有する場合がある。適切には、保護層の厚さは、有利には最高で5.0μm、好ましくは0.1〜3.0μm、特に好ましくは0.15〜1.0μmのいずれかの量の場合がある。
0151
支持体の親水性表面に2つ以上のコーティング液を適用するために、いかなるコーティング法を用いることもできる。各層を連続的にコーティング/乾燥することによるかあるいはいくつかのコーティング液を一度に同時にコーティングすることにより、多層コーティングを適用することができる。乾燥段階に、コーティングが自立性且つ指触乾燥状態になるまで揮発性溶媒をコーティングから除去する。しかしながら、乾燥段階にすべての溶媒を除去する必要はない(そして可能でない場合さえある)。事実、残留溶媒含有率は、組成物を最適化するための追加の組成物変数とみなされる場合がある。乾燥は典型的に熱風を、典型的に少なくとも70℃、適切には80−150℃そして特に90−140℃の温度においてコーティング上に吹きかけることにより行われる。赤外ランプを用いることもできる。乾燥時間は典型的に15−600秒の場合がある。
0152
国際公開第99/21715号パンフレット、欧州特許第1 074 386号明細書、欧州特許第1 074 88EL9号明細書、国際公開第00/29214号パンフレット及び国際公開第/04030923号パンフレット、国際公開第/04030924号パンフレット、国際公開第/04030925号パンフレットに記載されているように、コーティングと乾燥の間に、又は乾燥段階の後に、熱処理及び続く冷却は追加の利益を与える場合がある。
0153
図中の番号は、好ましい装置の以下の特徴を指す:
1現像区画
2ゴム引き区画
3 第1ゴム引き装置
4 第2ゴム引き装置
5現像装置
6 現像キャビティー
7カバープレート(cover plate)
8進入開口部(entry aperture)
9出口開口部(exit aperture)
10 第1部分(10A)、第2部分(10B)及び曲がり部分(bend)(10C)を含む底板
11ローラー対:11A及び11B(現像区画);11C、11D、11E及び11F(ゴム引き区画);並びに11G(乾燥区画)
12現像液
13スカベンジャーローラー(scavenger rollers)
14ブラシ
15スプレーバー(spray bars)15B、15C及び15D
16 第1ゴムだめ(sump)16A及び第2ゴムだめ16B
17カスケードオーバーフロー
18排液路
19 乾燥区画
20突出要素
21側壁
22 側壁
23処理方向
24 乾燥手段
25 第1ゴム液
26 第2ゴム液