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課題・解決手段

本発明は、新規ヘテロディールスアルダー架橋剤、その製造方法および可逆架橋性ポリマー系へのその使用に関する。

概要

背景

概要

本発明は、新規ヘテロディールスアルダー架橋剤、その製造方法および可逆架橋性ポリマー系へのその使用に関する。

目的

この反応の目的は、熱的に安定した、線状でかつ場合によっては高分子量ポリマー鎖を合成することである

効果

実績

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この技術が所属する分野

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請求項1

可逆架橋性配合物において、前記配合物は、ヘテロディールスアルダー反応によって架橋可能であり、前記配合物は、ジエノフィル二重結合を少なくとも2つ有する成分Aを含有し、ここで、前記成分Aは、以下の構造単位Zを少なくとも1回有し、ここで、R1は、1〜20個の炭素原子を有するアルキルまたはアルキレン基であり、前記アルキレン基は、もう1つの前記構造と結合していてもよく、かつ前記配合物は、ジエン官能基を少なくとも1つ有する成分Bを含有することを特徴とする、可逆架橋性配合物。

請求項2

前記2つの成分AまたはBのうちの少なくとも一方は、2つを上回る官能基を有し、前記成分AまたはBのうちの少なくとも一方は、ポリマーとして存在し、かつ前記配合物は、室温で架橋可能であって、より高い温度で前記架橋の少なくとも50%を解いて元に戻すことができることを特徴とする、請求項1記載の配合物。

請求項3

前記成分Aは、前記構造単位Zを複数有する化合物であり、前記複数の構造単位Zは、1〜5個の炭素原子を有するアルキレン基R1によって互いに結合しており、かつR2は、2〜10個の炭素原子を有することを特徴とする、請求項1または2記載の配合物。

請求項4

前記成分Aは、化合物および/または化合物であることを特徴とする、請求項3記載の配合物。

請求項5

前記成分Bはポリマーであることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の配合物。

請求項6

請求項7

前記成分Bは、以下の化合物:のうちの1つであることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の配合物。

請求項8

前記成分Bは、以下のコモノマー:のうちの少なくとも1つの共重合下に得られたポリマーであり、前記基R3は、同一の基であってもよいし異なる基であってもよく、R3は、水素および/または1〜10個の炭素原子を有するアルキル基であることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の配合物。

請求項9

前記成分Bは、ジエン官能基を少なくとも1つ有するポリアミド、ポリエステルまたはポリカーボネートであることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の配合物。

請求項10

前記成分Aは、前記構造単位Zをちょうど1つ有し、かつ前記成分Bは、ジエン基をちょうど1つ有することを特徴とする、請求項1または2記載の配合物。

請求項11

可逆的架橋方法において、請求項1から10までのいずれか1項記載の配合物を室温でヘテロディールス・アルダー反応によって架橋させ、より高い温度で、架橋部位の少なくとも50%をレトロ−ヘテロディールス・アルダー反応によって解架橋して元に戻すことを特徴とする方法。

請求項12

80℃超の温度で、好ましくは5分以内に、前記配合物の少なくとも90%が、前記架橋前の前記配合物に適した溶媒に再度可溶となることを特徴とする、請求項11記載の方法。

請求項13

前記架橋が、前記成分Aと前記成分Bとの混合後に2分以内に生じることを特徴とする、請求項11または12記載の方法。

請求項14

前記架橋が、前記成分Aと前記成分Bとの混合後に架橋触媒を伴って2分以内に生じることを特徴とする、請求項11から13までのいずれか1項記載の方法。

請求項15

接着剤シーラント成形材料発泡体ワニスペイントコーティング材またはインクにおける、請求項1から10までのいずれか1項記載の配合物の使用。

請求項16

建築産業自動車産業航空宇宙産業エネルギー技術、例えば風力発電所の分野での用途およびボートまたは船舶建造の用途に向けた複合材における、請求項1から10までのいずれか1項記載の配合物の使用。

技術分野

0001

本発明は、新規ヘテロディールスアルダー架橋剤、その製造方法および可逆架橋性ポリマー系へのその使用に関する。

0002

本架橋剤構成要素およびその誘導体は、射出成形材料用および押出成形材料用の可逆架橋性ポリマー系の製造、発泡体の製造、例えばSLS法FDM法によるアディティブニュファクチャリング分野の用途、RTM法による複合部材の製造、貯蔵安定性プリプレグおよび該プリプレグから製造される成形体または複合部材の製造に使用され、また接着剤コーティング材にも使用される。本発明は、例えば接着材料コーティング材料の新規な可逆的架橋方法に関する。

0003

ここで、本可逆的架橋方法によって、室温でも非常に迅速に架橋を生じさせることができるとともに、より高温架橋部位を解架橋させることができ、それによって熱可塑性加工性回復して、例えば最初に接着させていた複数の基材を互いに容易に分離して元に戻すことができる。その際、本系によって、架橋と架橋部位の解架橋とのサイクルを複数回行えることが、特別な一態様である。

0004

従来技術
ポリマーの可逆的架橋方法は、広範な分野の用途に向けて非常に重要である。例えば接着剤用途では、自動車産業半導体産業への様々な可能性について記述がなされている。しかし、機械精密機器装置の組立てにおいても、また建築産業においても、こうした接着剤は重要である。接着剤用途の他に、可逆架橋性ポリマーは、シーラントや、例えばワニスペイントといったコーティング材料においても、また成形体の製造においても重要であり得る。

0005

独国特許出願公開第19832629号明細書(DE 198 32 629)および独国特許出願公開第19961940号明細書(DE 199 61 940)には、エポキシ尿素、(メタアクリレートまたはイソシアネートベースとする接着剤を熱分解させる方法が記載されている。この目的で、独国特許出願公開第19961940号明細書(DE 199 61 940)による接着剤配合物は、熱的に不安定な物質を含有し、この物質は、加熱されると活性化される。独国特許出願公開第19832629号明細書(DE 198 32 629)の接着層は、特に高度のエネルギー投入によって破壊される。どちらのケースでも、接着層の不活性化不可逆的である。

0006

米国特許出願公開第2005/0159521号明細書(US 2005/0159521)または米国特許出願公開第2009/0090461号明細書(US 2009/0090461)には、化学線照射によってラジカル作用により架橋され、そして超音波によって破壊される接着剤系が記載されている。この方法も、1回の接着サイクルを行った後に不可逆的であり、この方法をそれ以上実施することはできない。

0007

欧州特許出願公開第2062926号明細書(EP 2 062 926)では、接着剤用途のポリウレタン鎖に熱的に不安定な立体障害尿素基が組み込まれており、この尿素基が熱エネルギーの投入によって破壊されることで、解結合に十分なほど接着効果が低減される。

0008

米国特許出願公開第2009/0280330号明細書(US 2009/0280330)には、2層構造を有し、複数回使用可能であると思われる接着剤系が記載されている。一方の層は形状記憶層であり、これは、熱により可とう性を示すことも硬化されることもできる。もう一方の層は、構造に応じて異なる接着力を示す乾式接着剤である。しかしこうした系は、2層構造の構築が複雑である点や、形状記憶層を加熱した後に残留粘着性予想され得る点が問題である。

0009

クリックケミストリー(click chemistry)」という総称で、ここ数年来、特に学術界においてブロックコポリマー合成方法の研究が行われている。この場合、結合可能な末端基を有する2つの異なるホモポリマーを互いに組み合わせ、これらを、例えばディールスアルダー反応、ディールス・アルダー類似反応またはこれ以外の環化付加によって互いに結合させる。この反応の目的は、熱的に安定した、線状でかつ場合によっては高分子量ポリマー鎖を合成することである。Inglisら(Macromolecules 2010, 43, p.33−36)は、この目的のために、例えばATRPによって製造したポリマーから得られるシクロペンタジエニル末端基を有するポリマーを記載している。これらのシクロペンタジエン基は、ヘテロディールス・アルダー反応において、電子欠乏ジチオエステルを末端基として担持するポリマーと非常に迅速に反応し得る(Inglis et al. Angew. Chem. Int. Ed. 2009, 48, p.2411−2414)。

0010

Sinnwellら(Chem. Comm. 2008, 2052−2054)は、ヘテロディールス・アルダー反応によりジヒドロチオピラン基を有する単官能性ポリマーに結合させるための単官能性RAFTポリマーの使用を記載している。この方法により、ABジブロックコポリマーを実現することができる。Inglisら(Angew.Chem.Int.Ed. 2009, 48, p.2411−14)およびInglisら(Macromol. Rapd Commun. 2009, 30, p.1792−98)は、RAFT重合の後に存在するジチオエステル基とジエニル末端基とを有するABブロックコポリマーを合成するためのこのヘテロディールス・アルダー結合の高速変化形を記載している。Sinnwellら(J.Pol.Sci.: Part A: Pol.Chem. 2009, 47, p.2207−13)は、マルチアーム星型ポリマーの類似の製造を記載している。

0011

米国特許第6,933,361号明細書(US 6,933,361)には、容易に補修可能な透明成形体を製造するための系が記載されている。この系は2種の多官能性モノマーからなり、これらのモノマーは、ディールス・アルダー反応により重合して高密度ネットワークとなる。その際、一方の官能基マレイン酸イミドであり、もう一方の官能基はフランである。このような高密度ネットワークの熱的な切替えが、その補修に利用される。100℃超の温度で架橋が生じる。これよりもさらに高い温度で、部分的な逆反応が生じる。

0012

Syrettら(Polym.Chem. 2010,DOI: 10.1039/b9py00316a)は、オイルにおいて流動性向上剤として使用するための星型ポリマーを記載している。この星型ポリマーは、可逆的なディールス・アルダー反応によって、制御可能な自己修復特性を示す。このために、単官能性ポリメタクリレートアームと、可逆的なディールス・アルダー反応において使用可能な基を、使用される開始剤の断片として鎖の中央に有するポリメタクリレートとが組み合わせられる。

0013

欧州特許出願公開第2536797号明細書(EP 2 536 797)には、2つの成分AおよびBからなる可逆架橋性系が開示されている。この場合、成分Aは、ジエノフィル基を少なくとも2つ有する化合物であり、成分Bは、ジエン官能基を少なくとも2つ有する化合物である。この欧州特許出願公開第2536797号明細書(EP 2 536 797)に開示されている成分Aと成分Bとの組合せは、実施可能な切替えサイクルの最大数と、組成物の貯蔵安定性とに関して、さらなる最適化の余地が多大にある。

0014

さらに、特に可逆架橋性系を複合材料の技術分野において適用するためには、さらなる従来技術が重要である。プリプレグの形態の繊維強化材料は、取扱いが容易であり、またこれとは異なる湿式レイアップ技術と比較して加工の際の効率が高いことから、多くの産業用途ですでに使用されている。

0015

こうした系の産業上の使用者は、室温でもサイクル時間がより短く貯蔵安定性がより高いことに加えて、さらに、個々のプリプレグ層を自動的に切断してレイアップする際に、粘着性であることの多いマトリックス材料切断工具汚染されることのないようにプリプレグを切断する方法を必要としている。例えば反応トランスファー成形RTM)法などの様々な成形法は、強化用繊維金型に導入し、金型を閉鎖し、金型に架橋性樹脂配合物を導入し、次いでこの樹脂を典型的には加熱によって架橋させることを含む。

0016

こうした方法の制限事項の1つとして、金型への強化用繊維の充填が比較的困難であることが挙げられる。織物レイドウェブの個々の層を切断し、これらの層を、それぞれの金型部分の様々な幾何学的形状に適合させなければならない。このことは、特に成形体がフォームコアやそれ以外のコアをも含むことが望ましい場合には、時間がかかるだけでなく煩雑になることがある。ここで、取扱いが容易でかつ既存の成形可能性を有する予備成形可能な繊維強化材が望ましい。

0017

ポリエステルビニルエステルおよびエポキシ系に加えて、架橋性マトリックス系の分野には一連の特殊な樹脂が存在する。これらにはポリウレタン樹脂も含まれ、この樹脂は、その靭性、損傷耐久性および強度ゆえ、特にプルトルージョン法による複合異形材の製造に使用されている。欠点としては、使用されるイソシアネートの有毒性がしばしば挙げられる。しかし、エポキシ系やそこで使用される硬化剤成分の有毒性も重要であると考えるべきである。このことは、特に既知感作アレルギーに関して該当する。

0018

さらに、複合材用プリプレグを製造するための大半のマトリックス材料は、繊維材料への施与時に、例えば粉末としての固体の形態か、または高粘性液体もしくは溶融物としてのいずれかで存在するという欠点を有する。どちらの場合にも、繊維材料にマトリックス材料がわずかにしか含浸されず、これによってまたもプリプレグまたは複合部材の安定性が最適なものとならなくなる可能性がある。

0019

例えば国際公開第98/50211号(WO 98/50211)、欧州特許出願公開第0309221号明細書(EP 0 309 221)、欧州特許出願公開第0297674号明細書(EP 0 297 674)、国際公開第89/04335号(WO 89/04335)および米国特許第4,377,657号明細書(US 4,377,657)には、エポキシ系ベースのプリプレグおよびそれから製造された複合材が記載されている。国際公開第2006/043019号(WO 2006/043019)には、エポキシ樹脂ポリウレタン粉末をベースとするプリプレグの製造方法が記載されている。さらに、マトリックスとしての粉末状熱可塑性樹脂をベースとするプリプレグが知られている。

0020

国際公開第99/64216号(WO 99/64216)には、単一繊維被覆が可能となるほど微小ポリマー粒子を有するエマルションを使用する、プリプレグおよび複合材ならびにそれらの製造方法が記載されている。これらの粒子のポリマーは、少なくとも5000センチポアズの粘度を有しており、熱可塑性樹脂または架橋性ポリウレタンポリマーのいずれかである。

0021

欧州特許出願公開第0590702号明細書(EP 0 590 702)には、プリプレグを製造するための粉末含浸体であって、該粉末が熱可塑性樹脂と反応性モノマーまたはプレポリマーとの混合物からなる粉末含浸体が記載されている。国際公開第2005/091715号(WO 2005/091715)にも同様に、プリプレグ製造への熱可塑性樹脂の使用が記載されている。

0022

ディールス・アルダー反応および潜在的に活性化可能なレトロディールス・アルダー反応を用いて製造されたプリプレグも同様に知られている。A.M. Petersonら(ACS Applied Materials & Interfaces (2009), 1(5), 992−5)には、エポキシ系における相応する基が記載されている。こうした改質によって、部材の自己修復性が得られる。特にJ.S.Parkら(Composite Science and Technology (2010), 70(15), 2154−9)またはA.M.Petersonら(ACS Applied Materials & Interfaces (2010), 2(4), 1141−9)にも、エポキシマトリックスをベースとしない類似の系が記載されている。しかし、列挙したこれらのいずれの系によっても、自己修復を超える事後の複合材改質は可能とならない。古典的なディールス・アルダー反応は、生じ得る条件下では不十分にしか逆方向に進行することができないため、この場合、損傷した部材の自己修復に十分となり得る程度のわずかな効果しか生じ得ない。

0023

欧州特許出願公開第2174975号明細書(EP 2 174 975)および欧州特許出願公開第2346935号明細書(EP 2 346 935)にはそれぞれ、ビスマレイミド基およびフラン基を有する、積層体として使用可能であって、熱によりリサイクル可能である複合材料が記載されている。当業者には、こうした系は比較的高温でしか再度活性化させることができないこと、つまり比較的高温でしかこうした系の少なくとも大部分を解架橋させて元に戻すことはできないことが自明であろう。しかし、こうした温度ではさらなる副反応が迅速に生じるため、上記のような機構は、リサイクルのみには適しているが、複合材の改質には適していない。

0024

国際公開第2013/079286号(WO 2013/079286)には、可逆的なヘテロディールス・アルダー反応のための基を有する複合材料またはプリプレグがその製造に関して記載されている。この系は可逆架橋性であり、したがってさらには成形部材もリサイクル可能である。しかしこの系は、100%液体系としてしか、または有機溶液からしか施与することができない。これにより、この技術の適用可能性は大幅に制限されている。

0025

記載した系はいずれも、有機溶媒をベースとするか、または溶融物として施与されるか、または100%液体系として施与される。しかし、記載した系はいずれも水性分散液の形態での施与が不可能である。しかし、特にこうした水性系は、作業安全性の観点や、プリプレグまたは複合材料を製造する際に付加的に利用可能な加工技術の観点から非常に有利であろう。

0026

欧州特許出願公開第2931817号明細書(EP 2 931 817)には、可逆的なヘテロディールス・アルダー架橋のための新規な架橋剤の製造および使用が記載されている。この文献に記載されている架橋剤は、確かに相応するジエンとの反応が迅速であることが顕著であるが、こうした架橋剤は、合成時に保護基としてのシクロペンタジエンやそれに類似するジエンによる安定化を必要とする。純粋な架橋剤もまた、塊状では安定ではない。

0027

課題
本発明の課題は、種々の用途および広範な様々な配合物において使用可能な新規な可逆的架橋方法を提供することである。

0028

さらに、保護基なしで熱的に安定であって、シクロペンタジエンやそれに類似する構造体ブロック剤として使用しなくても済む架橋剤構造を見出すことが課題であった。

0029

さらに、架橋性系の経済的な製造に向けて、合成ステップだけでなく、達成される収率についても改善して、簡便かつ確固たる製造方法を得ることが望まれており、その際、従来技術から知られている系よりも出発材料コストを低下させることも望まれていた。

0030

さらに、系全体のガラス転移温度が100℃を超えることができ、かつ同時に例えばメタクリレートベースの系の加工温度を240℃超に上昇させなくても済む温度で、レトロディールス・アルダー反応を実施することが望まれていた。

0031

明示されていないさらなる課題は、以下の説明、特許請求の範囲および実施例の文脈全体から明らかである。

0032

解決
前述の課題は、結合剤のような配合成分の如何にかかわらず様々なポリマーに使用可能な、可逆的架橋機構の実施に適した新規な配合物の開発によって達成された。驚くべきことに、設定された上述の課題は、ヘテロディールス・アルダー反応によって架橋可能である新規な配合物によって解決可能であることが判明した。

0033

ここで、このヘテロディールス・アルダー反応によって架橋可能である新規な可逆架橋性配合物は、ジエノフィル二重結合を少なくとも2つ有する成分Aを含有し、この成分Aは、以下の構造単位



を少なくとも1回有し、ここで、R1は、1〜20個の炭素原子を有するアルキルまたはアルキレン基であり、前記アルキレン基は、もう1つの前記構造と結合していてもよい。さらにこの配合物は、ジエン官能基を少なくとも1つ有する成分Bを含有する。

0034

本発明による配合物を用いて生じさせることのできる可逆的架橋によって、初期の低い温度ですでに非常に迅速な反応が可能となり、そしてより高温で架橋部位を解架橋させることができ、それによって熱可塑性の加工性が回復するとともに、例えば最初に架橋させた層を、複合材において積層体として圧縮させた個々の層の範囲で使用した場合に、最初に架橋させたこれらの層を容易に互いに分離して元に戻すことができ、また例えばプリプレグとして存在する架橋させた個々の層を変形させることや、圧縮して積層体とすることもできる。その際、本系によって架橋と架橋部位の解架橋とのサイクルを複数回行えることが、特別な一態様である。記載された架橋剤分子または鎖延長分子は、純物質として昇温時に非常に安定であるため、これらの分子は、保護基でのブロックを必要としない。

0035

本発明による配合物は、特に以下に挙げた特定の利点を有する:
・合成時に反応性ジエノフィルには保護基/ブロック基が不要である。

0036

・安価な出発材料を用い、かつ収率の高い、非常に簡便かつ確固たる合成。

0037

・該配合物は、保護基がなくても200℃超まで温度安定性を示す。

0038

・レトロ−ヘテロディールス・アルダー反応が、系全体の融点またはガラス転移温度が100℃超となり得る温度で行われる。

0039

好ましくは、これらの2つの成分AまたはBのうちの少なくとも一方は、2つを上回る官能基を有する。同様に好ましくは、成分AまたはBのうちの少なくとも一方は、ポリマーとして存在する。また好ましくは、該配合物は室温で架橋可能である。その際、より高い温度で、この架橋の少なくとも50%を解いて元に戻すことができる。

0040

成分Aは、例えば以下の一般的な合成経路により入手可能である:

0041

エチレングリコールの代わりに、例えばヘキサンジオールのような他のジオール長鎖アルキレン鎖(R2)に使用することもできる。

0042

特に好ましくは、成分Aは、前述の構造単位Zを複数有する化合物である。その際、基R1は、1〜5個の炭素原子を有するアルキレン基であり、これらのアルキレン基を介して複数の構造単位Zが互いに結合していることが特に好ましい。その際、R2は、2〜10個の炭素原子を有するアルキル基であることが好ましい。

0043

極めて特に好ましくは、成分Aは、化合物



および/または化合物



である。

0044

特別な一実施形態において、成分Bはポリマーである。その際、好ましいポリマーは、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリスチレン、アクリレート、メタクリレートおよび/もしくはスチレンコポリマーポリアクリロニトリルポリエーテル、ポリエステル、ポリ乳酸ポリアミドポリエステルアミドポリウレタンポリカーボネート、非晶質もしくは半結晶性ポリα−オレフィン、EPDM、EPM、水添もしくは非水ポリブタジエン、ABSSBRポリシロキサンならびに/またはこれらのポリマーのブロックコポリマー、櫛型コポリマーおよび/もしくは星型コポリマーである。

0045

成分Bに関して、当業者は、ヘテロディールス・アルダー反応に適したジエン官能基を有する適切な化合物を、比較的自由に選択することができる。以下の3つの選択肢が特に適していることが判明した:
第1の選択肢において、成分Bは、以下の化合物:



のうちの1つである。

0046

第2の選択肢において、成分Bは、以下のコモノマー



のうちの少なくとも1つの共重合下に得られたポリマーである。

0047

その際、基R3は、同一の基であってもよいし異なる基であってもよい。好ましくは、R3は、水素および/または1〜10個の炭素原子を有するアルキル基である。これらのモノマーは、例えば(メタ)アクリレートおよび/またはスチレンとの共重合が可能である。

0048

第3の好ましい実施形態において、成分Bは、ジエン官能基を少なくとも1つ有するポリアミド、ポリエステルまたはポリカーボネートである。

0049

本発明の特定の一実施形態において、本発明による配合物の架橋は行われないが鎖延長が行われ、それに伴って2つの異なる熱可塑性状態の間での切替えが行われる。そのような配合物においては、成分Aは、構造単位Zをちょうど1つ有し、かつ成分Bは、ジエン基をちょうど1つ有する。

0050

本明細書において用いられる(メタ)アクリレートなる表記は、アクリル酸および/またはメタクリル酸アルキルエステルを表す。

0051

可能であるもう1つの実施形態において、成分Bは、原子移動ラジカル重合(ATRP)によって製造された二官能性ポリマーである。この場合、ジエン基による官能化は、末端ハロゲン原子置換によって行われ、この置換は、重合に類似して行われるか、または停止時に行われる。この置換は、例えばジエン基で官能化されたメルカプタンを添加することによって行われてもよい。

0052

本発明のもう1つの態様は、本発明による配合物の可逆的架橋方法である。この方法を行う際には、少なくとも2つの異なる成分AおよびBの配合物を室温でヘテロディールス・アルダー反応によって架橋させる。第2の方法ステップでは、より高い温度で、架橋部位の少なくとも50%、好ましくは少なくとも90%、特に好ましくは少なくとも99%をレトロ−ヘテロディールス・アルダー反応によって解架橋して元に戻す。

0053

この第2の方法ステップを行う際には、80℃超の温度で、好ましくは5分以内に、長くても10分以内に、この配合物の少なくとも90重量%、好ましくは少なくとも95重量%、特に好ましくは少なくとも98重量%が、架橋前の該配合物に適した溶媒に再度可溶となる。事前に行われる架橋は、同一の溶媒で5分間洗浄した場合にこの配合物の最高で5重量%、好ましくは最高で2重量%、特に好ましくは最高で1重量%しか溶解可能でないほどに顕著であった。この場合、配合物なる表記およびこの表記に関連するパーセンテージはいずれも、成分AおよびBのみに関するものである。例えばコーティング組成物接着剤組成物に添加し得るさらなる配合成分は、この事項では考慮されない。さらに本明細書の範囲における配合物なる表記は、成分AおよびBならびに任意の架橋触媒のみについて記述したものである。これに対して組成物なる表記は、配合物の他に追加的に添加される成分を包含する。これらの追加の成分は、例えば充填剤顔料添加剤相溶化剤補助結合剤可塑剤耐衝撃性向上剤増粘剤消泡剤分散剤レオロジー向上剤接着促進剤耐引掻性向上添加剤、触媒または安定剤といった、それぞれの用途に向けて特に選別された添加物質であってよい。

0054

すでに記載したこの配合物に相応して、本方法ではまず初めに、成分Aと、成分Bと、任意のさらなる添加物質とを合する。

0055

架橋反応は、室温で、10分以内に、好ましくは5分以内に、特に好ましくは2分以内に、極めて特に好ましくは1分以内に生じ得る。架橋を促進するために、成分Aと成分Bとの混合後に架橋触媒を添加してもよい。この架橋触媒は通常は、例えばトリフルオロ酢酸硫酸などの強酸か、または例えば三フッ化ホウ素二塩化亜鉛ジクロロチタニウムジイソプロポキシド三塩化アルミニウムなどの強ルイス酸である。

0056

他の一実施形態において、触媒を用いずに、例えば熱により架橋を促進することもできる。その際、活性化温度は、レトロ−ヘテロディールス・アルダー反応に必要な温度よりも低い。

0057

他のもう1つの実施形態において、配合物は、架橋反応の活性化の如何にかかわらず、レトロ−ヘテロディールス・アルダー反応の活性化温度を低下させるもう1つの触媒を含有する。この触媒は、例えば鉄または鉄化合物であることができる。

0058

本発明による配合物または本発明による方法は、様々な適用分野で使用可能である。以下の列挙においていくつかの好ましい適用分野を例示するが、本発明はこれに関して何ら限定されるものではない。こうした好ましい適用分野は、接着剤、シーラント、成形材料、発泡体、ワニス、ペイント、コーティング材、例えば流動性向上剤などの油添加剤またはインクである。

0059

成形材料の例は、例えばポリエステル、ポリカーボネート、ポリ(メタ)アクリレートまたはポリアミドであり、その際、高められた温度で生じるレトロ−ヘテロディールス・アルダーデカップリングを、より低温で再度形成されるポリマー鎖結合と組み合わせることによって、プラスチック射出成形に有利な低減された粘度や初めて生じる流動性を、初めて得ることができる。温度がより低い時や冷却された時にポリマー鎖結合が再度形成されることによって、例えば成形部材の機械的特性が向上する。この成形材料は総じて例えば、射出成形材料または押出成形材料であってよい。

0060

例えば、鎖延長を生じさせるために同様に本発明による配合物を使用する場合には、本発明による配合物によって、レトロ−ヘテロディールス・アルダー温度を上回る温度、つまり射出成形法において「開いた」状態で、溶融物が低粘度であるがゆえに、a)より細密な構造をより良好に再現することができ、b)より低圧でおよび/またはc)より薄肉の部材を製造することができるが、こうした部材は、再結合後に高分子ポリマーの特性を示す。

0061

架橋下に本発明による配合物を使用する場合には、本発明による配合物は、レトロ−ヘテロディールス・アルダー温度を上回る温度、すなわち「開いた」状態となって初めて、例えばブロー成形法や射出成形法や押出成形法といった、熱可塑性材料に通常使用される加工方法に使用することができる。再架橋後に得られる架橋ポリマーの特性は、例えば放射線架橋によって不可逆的に架橋させたポリマーの場合にも当業者に知られているのと同様の、性能の大幅な向上を示す。

0062

上述のインクとは例えば、加熱して塗布して、基材上で架橋する組成物である。導電性オリゴマーまたは導電性を生じさせるための添加剤を使用した場合には、総じて導電性インクが得られ、こうしたインクは、例えばバブルジェット方式による処理が可能である。

0063

ワニスやコーティング材やペイントといった適用分野の例としては、例えば多孔質材料を解架橋状態で特に良好に含浸または濡らすことができるとともに架橋反応の結果として高凝集性材料をもたらす組成物が挙げられる。

0064

これと同様の特性が、高い凝集力を示しつつも、接着させるべき材料の表面を容易に濡らすことが望まれる接着剤についても重要である。接着の分野におけるもう1つの用途は例えば、一時的にのみ必要とされ、後で元通りに解くことのできる接合であり、こうした接合は、例えば自動車製造や機械製造といった様々な製造プロセスで起こり得る。考えられるもう1つの用途は、製品全体寿命にわたって見た場合に、交換される可能性が高く、したがってできるだけ容易に、かつ残留物のないように元通りに除去できることが望まれる部材の接着である。このような用途の一例は、自動車用フロントガラスの接着である。接着剤やシーラントの特別な一例は、加熱時に例えば電子レンジ内で自動的に緩み得るまたは開き得る食品包装における使用である。

0065

本明細書に記載の架橋性と解架橋性とを示す材料のラピッドプロトタイピング分野での適用の一例は、FDM(Fused Deposition Modeling、熱溶解積層法)、SLS(Selective Laser Sintering、選択的レーザ焼結)の分野、または低粘度溶融物を用いたインクジェット法による3D印刷において見出すことができる。

0066

複合材分野における本発明による配合物の使用が特に好ましい。本発明による配合物を、例えば炭素繊維ガラス繊維またはポリマー繊維といった繊維材料に含浸させるための分散液として使用することができる。このようにして含浸させた繊維を、この場合にもまた公知の方法によるプリプレグの製造に使用することができる。

0067

本発明はまた例えば、ヘテロディールス・アルダー機構により本発明による配合物の架橋剤分子によって粒子内で架橋されるエマルションポリマーに関する。この場合、架橋ポリマーを、熱処理によって、例えば複合マトリックスとして、レトロ−ヘテロディールス・アルダー反応によって完全にまたは部分的に解架橋させることができ、冷却時にこれを粒子間で再度架橋させることができる。これによって、複合材用の貯蔵安定性プリプレグを第2の経路によって製造することができる。しかし、使用温度では熱硬化性を示すが、より高い温度では熱可塑性の加工特性を示す他の材料も、このようにして実現することが可能である。

0068

連続繊維強化プラスチックのマトリックス材料として使用した場合には、従来技術に対して加工特性の向上を示す複合半製品が得られ、これを、建築産業、自動車産業、航空宇宙産業、エネルギー技術(例えば風力発電所)の分野やボートおよび船舶建造といった様々な用途に向けた高性能複合材の製造に使用することができる。本発明により使用することができる反応性組成物は、環境に優しく、費用対効果に優れ、良好な機械的特性を示し、かつ加工が容易であるとともに、耐候性が良好であってかつ硬さと柔らかさとのバランスが取れている点が顕著である。複合半製品なる概念は、本発明の範囲においては、プリプレグやオルガノシートなる概念と同義で用いられる。プリプレグとは、通常は、熱硬化性複合部材の前駆体である。オルガノシートとは、通常は、熱可塑性複合部材の相応する前駆体である。

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