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図面 (16)

課題・解決手段

本発明は、新規ペプチド、前記ペプチドをコードするポリヌクレオチド、前記ポリヌクレオチドを含む発現ベクター、前記ペプチドを含む薬学的組成物、前記ペプチドを含む医薬部外品組成物、及び前記ペプチドを含む健康機能性食品組成物に関する。

概要

背景

2.関連技術の説明
歯髄は、歯の内部にある歯髄腔を占めている柔らかい結合組織であって、神経と血管が豊富分布しており、象牙質の表面まで至る。歯髄に生じる障害を歯髄疾患という。

歯髄疾患の原因は非常に多様であるが、ほとんどの場合、歯髄疾患は、虫歯による細菌感染によって、または穿孔、破折、亀裂、歯周ポケットを通じた歯髄内部の感染によって、発生する。外傷摩耗、歯の亀裂、歯科用器具からの熱もしくは摩擦もまた、歯髄疾患を生じうる。細菌感染による歯髄炎歯根端疾患及び歯周疾患を引き起こすことがある。歯髄疾患は、歯髄充血、歯髄炎、歯髄壊死へと順に進行する。歯髄が死ぬと歯髄への血液供給ができなくなり、歯髄組織全体が失われるため、歯髄壊死は歯根端疾患または歯全体の障害を引き起こすことがある。

歯髄または歯根端疾患の治療には、歯髄覆罩材及び歯根管充填材が用いられ、一般的に水酸化カルシウムMTAミネラル三酸化物集合体)、ガッタパーチャなどが用いられてきた。MTAは、密封力生体適合性を有しているため治療に効果を示す。しかし、歯科用修復材として比較的高コストであること、変色により審美的な問題が発生することが、MTAの使用の妨げになっている。ガッタパーチャは、比較的低コストであり流動性がよい。しかし歯髄の生存性を失わせるため、生理学的に許容可能な方法ではない。これまでのところ、象牙質疾患及び歯髄疾患のための保存治療は、歯が弱くなるもしくは脆くなる、または再感染といった問題を有している。

したがって、象牙質疾患または歯髄疾患を効果的に治療できる治療剤を開発するために多くの研究が活発に行われている。例えば、韓国特許公開第2012−0089547号(特許文献1)には、エナメル芽細胞根尖(apical bud)細胞またはこれらの培養物を有効成分として含む、硬組織の形成用、及び象牙質または歯髄組織の再生用組成物が開示されており、韓国特許公開第2009−0033643号(特許文献2)には、歯小嚢由来新規な歯幹細胞及びその培養方法が開示されている。

概要

本発明は、新規なペプチド、前記ペプチドをコードするポリヌクレオチド、前記ポリヌクレオチドを含む発現ベクター、前記ペプチドを含む薬学的組成物、前記ペプチドを含む医薬部外品組成物、及び前記ペプチドを含む健康機能性食品組成物に関する。

目的

本発明の一つの目的は、象牙質または歯髄組織の再生促進用及び象牙質疾患または歯髄疾患の治療用の新規なペプチドを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

下記一般式1のアミノ酸配列を含む、象牙質または歯髄組織再生促進用及び象牙質疾患または歯髄疾患の治療用ペプチド:K−Y−R1−R2−R3−R4−R5−R6−R7−R8(一般式1)式中、R1が、アルギニン(R)、リジン(K)またはグルタミン(Q)であり; R2が、アルギニン(R)またはグルタミン(Q)であり; R3、R4、及びR5が、それぞれアルギニン(R)またはリジン(K)であり; R6が、アスパラギン(N)またはセリン(S)であり;ならびにR7及びR8が、それぞれリジン(K)またはチロシン(Y)である。

請求項2

列番号1〜96のいずれか一つのアミノ酸配列からなる、請求項1に記載のペプチド。

請求項3

N末端またはC末端アセチル化アミド化メチル化;D−アミノ酸の導入;CH2−NH、CH2−S、CH2−S=O、CH2−CH2を含むペプチド結合修飾;バックボーン修飾;または側鎖修飾されている、請求項1に記載のペプチド。

請求項4

請求項1〜3のいずれか一項に記載のペプチドをコードする、ポリヌクレオチド

請求項5

請求項4に記載のポリヌクレオチドを含む、発現ベクター

請求項6

請求項1〜3のいずれか一項に記載のペプチドを含む、象牙質疾患または歯髄疾患の予防または治療用の薬学的組成物

請求項7

前記ペプチドのリピートを連結することにより作製されたポリペプチドを含む、請求項6に記載の薬学的組成物。

請求項8

象牙質疾患または歯髄疾患に対する治療効果を有する薬物に結合された前記ペプチドの複合体を含む、請求項6に記載の薬学的組成物。

請求項9

薬学的に許容可能な担体賦形剤、または希釈剤をさらに含む、請求項6に記載の薬学的組成物。

請求項10

前記象牙質疾患または歯髄疾患が、象牙質知覚過敏症、歯髄充血歯髄炎、歯髄変性または歯髄の壊死、及び壊疽性歯髄である、請求項6に記載の薬学的組成物。

請求項11

請求項1〜3のいずれか一項に記載のペプチドを含む、象牙質疾患または歯髄疾患の予防または改善用の医薬部外品組成物

請求項12

口腔用消毒マウスウォッシュ口腔衛生用品歯みがき粉デンタルフロス、または口腔用軟膏である、請求項11に記載の医薬部外品組成物。

請求項13

請求項1〜3のいずれか一項に記載のペプチドを含む、象牙質疾患または歯髄疾患の予防または改善用の健康機能性食品組成物

請求項14

飲料、香辛料ガム、または菓子の製造に用いられる、請求項13に記載の健康機能性食品組成物。

請求項15

請求項1〜3のいずれか一項に記載のペプチドを含む組成物を対象に投与する段階を含む、象牙質疾患または歯髄疾患を予防または治療する方法。

請求項16

請求項1〜3のいずれか一項に記載のペプチドを含む組成物を対象に投与する段階を含む、象牙質または歯髄組織の再生を促進する方法。

技術分野

0001

1.発明の分野
本発明は、新規ペプチドに関するもので、より具体的には、本発明は、象牙質または歯髄組織再生促進用及び象牙質知覚過敏症治療用の新規なペプチド、前記ペプチドをコードするポリヌクレオチド、前記ポリヌクレオチドを含む発現ベクター、前記ペプチドを含む象牙質疾患または歯髄疾患の予防または治療用の薬学的組成物、前記ペプチドを含む象牙質疾患または歯髄疾患の予防または改善用の医薬部外品組成物、ならびに前記ペプチドを含む象牙質疾患または歯髄疾患の予防または改善用の健康機能性食品組成物に関する。

背景技術

0002

2.関連技術の説明
歯髄は、歯の内部にある歯髄腔を占めている柔らかい結合組織であって、神経と血管が豊富分布しており、象牙質の表面まで至る。歯髄に生じる障害を歯髄疾患という。

0003

歯髄疾患の原因は非常に多様であるが、ほとんどの場合、歯髄疾患は、虫歯による細菌感染によって、または穿孔、破折、亀裂、歯周ポケットを通じた歯髄内部の感染によって、発生する。外傷摩耗、歯の亀裂、歯科用器具からの熱もしくは摩擦もまた、歯髄疾患を生じうる。細菌感染による歯髄炎歯根端疾患及び歯周疾患を引き起こすことがある。歯髄疾患は、歯髄充血、歯髄炎、歯髄壊死へと順に進行する。歯髄が死ぬと歯髄への血液供給ができなくなり、歯髄組織全体が失われるため、歯髄壊死は歯根端疾患または歯全体の障害を引き起こすことがある。

0004

歯髄または歯根端疾患の治療には、歯髄覆罩材及び歯根管充填材が用いられ、一般的に水酸化カルシウムMTAミネラル三酸化物集合体)、ガッタパーチャなどが用いられてきた。MTAは、密封力生体適合性を有しているため治療に効果を示す。しかし、歯科用修復材として比較的高コストであること、変色により審美的な問題が発生することが、MTAの使用の妨げになっている。ガッタパーチャは、比較的低コストであり流動性がよい。しかし歯髄の生存性を失わせるため、生理学的に許容可能な方法ではない。これまでのところ、象牙質疾患及び歯髄疾患のための保存治療は、歯が弱くなるもしくは脆くなる、または再感染といった問題を有している。

0005

したがって、象牙質疾患または歯髄疾患を効果的に治療できる治療剤を開発するために多くの研究が活発に行われている。例えば、韓国特許公開第2012−0089547号(特許文献1)には、エナメル芽細胞根尖(apical bud)細胞またはこれらの培養物を有効成分として含む、硬組織の形成用、及び象牙質または歯髄組織の再生用組成物が開示されており、韓国特許公開第2009−0033643号(特許文献2)には、歯小嚢由来の新規な歯幹細胞及びその培養方法が開示されている。

先行技術

0006

韓国特許公開第2012−0089547号
韓国特許公開第2009−0033643号

発明が解決しようとする課題

0007

本発明者らは、象牙質疾患または歯髄疾患をより効果的に治療できる剤を開発するために鋭意努力した結果、象牙質または歯髄組織の再生促進及び象牙質知覚過敏症の治療において効果を示すペプチドを開発し、本発明を完成した。

課題を解決するための手段

0008

本発明の一つの目的は、象牙質または歯髄組織の再生促進用及び象牙質疾患または歯髄疾患の治療用の新規なペプチドを提供することである。

0009

本発明の他の目的は、前記ペプチドをコードするポリヌクレオチドを提供することである。

0010

本発明のもう一つの目的は、前記ポリヌクレオチドを含む発現ベクターを提供することである。

0011

本発明のもう一つの目的は、前記ペプチドを含む、象牙質疾患または歯髄疾患の予防または治療用の薬学的組成物を提供することである。

0012

本発明のもう一つの目的は、前記ペプチドを含む、象牙質疾患または歯髄疾患の予防または改善用の医薬部外品組成物を提供することである。

0013

本発明のもう一つの目的は、前記ペプチドを含む、象牙質疾患または歯髄疾患の予防または改善用の健康機能性食品組成物を提供することである。

0014

本発明のもう一つの目的は、前記ペプチドを含む組成物を対象に投与する段階を含む、象牙質疾患または歯髄疾患を予防または治療する方法を提供することである。

0015

本発明のもう一つの目的は、前記ペプチドを含む組成物を対象に投与する段階を含む、象牙質または歯髄組織の再生を促進する方法を提供することである。

0016

本発明のもう一つの目的は、象牙質または歯髄組織の再生促進における、象牙質知覚過敏症の予防または治療における、及び象牙質疾患または歯髄疾患の予防または治療における、下記一般式1のアミノ酸配列を含むペプチドまたは前記ペプチドを含む組成物の使用を提供することである。
K−Y−R1−R2−R3−R4−R5−R6−R7−R8(一般式1)
式中、
R1が、アルギニン(R)、リジン(K)またはグルタミン(Q)であり;
R2が、アルギニン(R)またはグルタミン(Q)であり;
R3、R4、及びR5が、それぞれアルギニン(R)またはリジン(K)であり;
R6が、アスパラギン(N)またはセリン(S)であり;ならびに
R7及びR8が、それぞれリジン(K)またはチロシン(Y)である。

0017

本発明のもう一つの目的は、象牙質または歯髄組織の再生促進における、象牙質知覚過敏症の予防または治療における、及び象牙質疾患または歯髄疾患の予防または治療における、配列番号1〜96のいずれか一つのアミノ酸配列を含むペプチドまたは前記ペプチドを含む組成物の使用を提供することである。

発明の効果

0018

本発明の象牙質または歯髄組織の再生促進用及び象牙質知覚過敏症の治療用のペプチドは、象牙質または歯髄組織の再生促進において優れた効果を示すため、象牙質または歯髄関連疾患の予防または治療のための様々な製剤の開発に広く活用されるだろう。

図面の簡単な説明

0019

本発明のペプチドの各グループが、象牙芽細胞分化マーカー遺伝子であるDSPPの発現に与える効果を比較した結果を示すグラフである。
本発明のペプチドで処理されたMDPC−23細胞における、象牙芽細胞分化マーカーであるDspp遺伝子の発現レベルを比較した結果を示すグラフである。
本発明のグループ11及び12のペプチドで処理されたMDPC−23細胞における、象牙芽細胞分化マーカー遺伝子であるDspp、Dmp1、及びNestinの発現レベルを比較した結果を示すグラフである。
歯髄細胞に対する本発明のペプチドの細胞毒性を評価した結果を示すグラフである。
歯髄細胞及び様々な成分が含まれたインプラント移植の6週間後に生体内で形成された象牙質/歯髄様組織を示す顕微鏡画像である。A〜Cは、歯髄細胞及びHA/TCPのみを含む対照インプラントの移植の6週間後の顕微鏡画像(サイズバー:A200μm、B100μm、C50μm)であり;D〜Fは、歯髄細胞、HA/TCP、及びグループ11のペプチドを含むインプラントの移植の6週間後の顕微鏡画像(サイズバー:D200μm、E100μm、F50μm)であり;G〜Iは、歯髄細胞、HA/TCP、及びグループ12のペプチドを含むインプラントの移植の6週間後の顕微鏡画像(サイズバー:G200μm、H100μm、I50μm)であり;J〜Lは、歯髄細胞、HA/TCP、及びrhBMP−2を含む比較インプラントの移植の6週間後の顕微鏡画像(サイズバー:J200μm、K100μm、L50μm)である。
歯髄細胞及び様々な成分が含まれたインプラントの移植の6週間後に生体内で形成された象牙質/歯髄様組織中のコラーゲン産生ベルを示す顕微鏡画像である。A〜Cは、歯髄細胞及びHA/TCPのみを含む対照インプラントの移植の6週間後の結果を示し(サイズバー:A500μm、B200μm、C50μm);D〜Fは、歯髄細胞、HA/TCP、及びグループ11のペプチドを含むインプラントの移植の6週間後の結果を示し(サイズバー:D500μm、E200μm、F50μm);G〜Iは、歯髄細胞、HA/TCP、及びグループ12のペプチドを含むインプラントの移植の6週間後の結果を示し(サイズバー:G500μm、H200μm、I50μm);J〜Lは、歯髄細胞、HA/TCP、及びrhBMP−2を含む比較インプラントの移植の6週間後の結果を示す(サイズバー:J500μm、K200μm、L50μm)。
歯髄細胞及び様々な成分が含まれたインプラントの移植の6週間後に生体内で形成された象牙質/歯髄様組織における、象牙芽細胞特異的分化マーカー遺伝子であるDSP及び骨芽細胞特異的分化マーカーであるBSPの発現レベルを評価した結果を示す免疫染色画像である。A及びEは、歯髄細胞及びHA/TCPのみを含む対照インプラントの移植の6週間後の結果を示し;B及びFは、歯髄細胞、HA/TCP、及びグループ11のペプチドを含むインプラントの移植の6週間後の結果を示し;C及びGは、歯髄細胞、HA/TCP、及びグループ12のペプチドを含むインプラントの移植の6週間後の結果を示し;D及びHは、歯髄細胞、HA/TCP、及びrhBMP−2を含む比較インプラントの移植の6週間後の結果を示す。A、B、C、及びDの矢印は、新たに形成された象牙質様組織でDSPが発現されている部分を示し、E、F、G、及びHの矢印は、新たに形成された骨様組織でBSPが発現されている部分を示す。サイズバーは50μmである。
歯髄細胞及び様々な成分が含まれたインプラントの移植の12週間後に生体内で形成された象牙質/歯髄様組織を示す顕微鏡画像である。A〜Cは、歯髄細胞及びHA/TCPのみを含む対照インプラントの移植の12週間後の結果を示す顕微鏡画像(サイズバー:A500μm、B200μm、C50μm)であり;D〜Fは、歯髄細胞、HA/TCP、及びグループ11のペプチドを含むインプラントの移植の12週間後の結果を示す顕微鏡画像(サイズバー:D500μm、E200μm、F50μm)であり;G〜Iは、歯髄細胞、HA/TCP、及びグループ12のペプチドを含むインプラントの移植の12週間後の結果を示す顕微鏡画像(サイズバー:G500μm、H200μm、I50μm)であり;J〜Lは、歯髄細胞、HA/TCP、及びrhBMP−2を含む比較インプラントの移植の12週間後の結果を示す顕微鏡画像(サイズバー:J500μm、K200μm、L50μm)である。
歯髄細胞及び様々な成分が含まれたインプラントの移植の12週間後に生体内で形成された象牙質/歯髄様組織中のコラーゲン産生レベルを示す顕微鏡画像である。A〜Cは、歯髄細胞及びHA/TCPのみを含む対照インプラントの移植の12週間後の結果を示し(サイズバー:A500μm、B200μm、C50μm);D〜Fは、歯髄細胞、HA/TCP、及びグループ11のペプチドを含むインプラントの移植の12週間後の結果を示し(サイズバー:D500μm、E200μm、F50μm);G〜Iは、歯髄細胞、HA/TCP、及びグループ12のペプチドを含むインプラントの移植の12週間後の結果を示し(サイズバー:G4500μm、H200μm、I50μm);J〜Lは、歯髄細胞、HA/TCP、及びrhBMP−2を含む比較インプラントの移植の12週間後の結果を示す(サイズバー:J500μm、K200μm 、L50μm)。
歯髄細胞及び様々な成分が含まれたインプラントの移植の12週間後に生体内で形成された象牙質/歯髄様組織における、象牙芽細胞特異的分化マーカー遺伝子であるDSP及び骨芽細胞特異的分化マーカーであるBSPの発現レベルを評価した結果を示す免疫染色画像である。A及びEは、歯髄細胞及びHA/TCPのみを含む対照インプラントの移植の12週間後の結果を示し;B及びFは、歯髄細胞、HA/TCP、及びグループ11のペプチドを含むインプラントの移植の12週間後の結果を示し;C及びGは、歯髄細胞、HA/TCP、及びグループ12のペプチドを含むインプラントの移植の12週間後の結果を示し;D及びHは、歯髄細胞、HA/TCP、及びrhBMP−2を含む比較インプラントの移植の12週間後の結果を示す。A、B、C、及びDの矢印は、新たに形成された象牙質様組織でDSPが発現されている部分を示し、E、F、G、及びHの矢印は、新たに形成された骨様組織でBSPが発現されている部分を示す。サイズバーは50μmである。
歯髄細胞及び様々な成分が含まれたインプラントの移植の12週間後に生体内で形成された象牙質/歯髄様組織の内部構造を示す走査型電子顕微鏡画像である。A及びBは、歯髄細胞及びHA/TCPのみを含む対照インプラントの移植の12週間後の結果を示し(サイズバー:A50μm、B20μm);C及びDは、歯髄細胞、HA/TCP、及びグループ12のペプチド(配列番号96)を含むインプラントの移植の12週間後の結果を示し(サイズバー:C50μm、D20μm);E及びFは、歯髄細胞、HA/TCP、及びrhBMP−2を含む比較インプラントの移植の12週間後の結果を示す(サイズバー:E50μm、F20μm)。
本発明のペプチドを含むインプラントをヒトの歯の歯根管空間に移植した後に形成される象牙芽細胞/歯髄様組織を分析した結果を示す顕微鏡画像及び走査型電子顕微鏡画像である。A及びBは、歯髄細胞及びHA/TCPのみを含む対照インプラントが移植された組織を染色した結果を示し(サイズバー:A500μm、B50μm); C、D、及びD’は、歯髄細胞、HA/TCP、及びグループ12のペプチド(配列番号96)を含むインプラントが移植された組織を染色した結果を示し、Dは、Cのボックス1の拡大図であり、D’は、Cのボックス2の拡大図であり(サイズバー:C500μm、D50μm、D’50μm);E及びFは、歯髄細胞及びHA/TCPのみを含む対照インプラントが移植された組織の走査型電子顕微鏡画像を示し(サイズバー:E50μm、F10μm);G及びHは、歯髄細胞、HA/TCP、及びグループ12のペプチド(配列番号96)を含むインプラントが移植された組織の走査型電子顕微鏡画像を示す(サイズバー:G50μm、H10μm)。Pは、再生された歯髄を示し、Deは、既存の象牙質壁を示し、DTは、既存の象牙細管を示し、Odは、象牙芽細胞を示し、OPは、象牙芽細胞突起を示し、Dの矢印は、象牙芽細胞突起を有する再生された象牙芽細胞様細胞を示す。
間接歯髄覆罩術モデルのうち浅い窩洞モデルにおける、新規なペプチドが生理的象牙質(第三象牙質)の形成に及ぼす効果の組織学的分析の顕微鏡画像である。A〜Cは、露出した象牙質の象牙細管の入口に何の物質も適用しなかった対照群の結果を示す顕微鏡画像(サイズバー:A500μm、B100μm、C50μm)であり;D〜Fは、露出した象牙質の象牙細管の入口にグループ11のペプチド(1.5μg)を適用した結果を示す顕微鏡画像(サイズバー:D500μm、E100μm、F50μm)であり;G〜Iは、露出した象牙質の象牙細管の入口にグループ12のペプチド(1.5μg)を適用した結果を示す顕微鏡画像(サイズバー:G500μm、H100μm、I50μm)である。Pは、歯髄を示し、Dは、象牙質を示し、 TDは、新たに形成された生理的(第三)象牙質を示す。
間接歯髄覆罩術モデルのうち浅い窩洞モデルにおける、新規なペプチドが生理的象牙質(第三象牙質)の形成に及ぼす効果の組織学的分析の顕微鏡画像である。A〜Cは、何の物質も適用せず、歯科用修復材であるGIcementを充填した対照群の結果を示す顕微鏡画像(サイズバー:A500μm、B100μm、C50μm)であり;D〜Fは、グループ11のペプチド(1.5μg)を適用した後、露出した象牙質の象牙細管の入口にGI cementを充填した結果を示す顕微鏡画像(サイズバー:D500μm、E100μm、F50μm)であり;G〜Iは、グループ12のペプチド(1.5μg)を適用した後、露出した象牙質の象牙細管の入口にGI cementを充填した結果を示す顕微鏡画像(サイズバー:G500μm、H100μm、I50μm)である。Pは、歯髄を示し、Dは、象牙質を示し、TDは、新たに形成された生理的(第三)象牙質を示す。
接歯覆罩術モデルにおける、新規なペプチドが生理的象牙質(第三象牙質)の形成に及ぼす効果の組織学的分析の顕微鏡画像である。A〜Cは、何の物質も適用せずにGI cementで処理した対照群の結果を示す顕微鏡画像(サイズバー:A200μm、B100μm、C50μm)であり;D〜Fは、何の物質も適用せずにMTAで密封した後にGI cementで覆った陽性対照群の結果を示す顕微鏡画像(サイズバー:D500μm、E200μm、F50μm)であり;G〜Iは、グループ11のペプチド(1.5μg)を適用してMTAで密封した後にGI cementで覆った結果を示す顕微鏡画像(サイズバー:G200μm、H100μm、I50μm)であり;J〜Lは、グループ12のペプチド(1.5μg)を適用してMTAで密封した後にGI cementで覆った結果を示す顕微鏡画像(サイズバー:J500μm、K100μm、L50μm)である。Dは、象牙質を示し、ODは、骨様象牙質を示し、TDは、新たに形成された生理的(第三)象牙質を示す。

0020

好ましい態様の詳細な説明
本発明者らは、象牙質疾患または歯髄疾患をより効果的に治療できる剤を開発するために様々な研究を行った結果、10個のアミノ酸からなる新規なペプチドを開発した。

0021

前記新規に開発されたペプチドは、象牙質疾患または歯髄疾患の治療効果を示すことができるペプチドのアミノ酸配列の一部を置換することにより作製されたものであり、象牙芽細胞分化マーカー遺伝子であるDspp、Dmp1、及びNestin遺伝子の発現レベルを増加させることができ、それにより、歯髄細胞に対していかなる細胞毒性も示すことなく象牙質の再生を促進する効果を示すことが確認された。

0022

また、前記ペプチドを歯髄細胞と一緒に含むインプラントを作製し、前記作製されたインプラントを、免疫システムが破損されたマウス皮下組織に移植し、移植された組織を6週〜12週後に分析した。その結果、生体内の象牙質/歯髄組織と最も類似した形態の象牙質/歯髄様組織が形成され、コラーゲン産生レベルが増加し、象牙芽細胞特異的分化マーカー遺伝子であるDSPの発現レベルが増加した一方で、骨芽細胞特異的分化マーカーであるBSPの発現レベルは顕著に増加しなかったことが確認された。

0023

さらに、前記移植された組織の形状を走査型電子顕微鏡で分析した結果、象牙芽細胞様細胞が既存の象牙質壁上で柵状配列を呈しており、その細胞質突起は、伸長した核により既存の象牙細管に向かって延びていた。

0024

間接歯髄覆罩術及び直接歯髄覆罩術のイヌモデルでの前記ペプチドの効果を確認した結果、天然のヒトの歯の象牙質で観察されるものと同一の生理的象牙質が、新規なペプチドによって形成された。

0025

したがって、本発明のペプチドは、象牙質または歯髄組織の再生促進及び象牙質知覚過敏症の治療の効果を示しうることが分かった。これらの効果を示す本発明のペプチドは、これまで全く報告されておらず、本発明者によって最初に開発された。

0026

前述した目的を達成するための一態様として、本発明は、下記一般式1のアミノ酸配列を含む、象牙質または歯髄組織の再生促進用及び象牙質疾患または歯髄疾患の治療用のペプチドを提供する。
K−Y−R1−R2−R3−R4−R5−R6−R7−R8(一般式1)
式中、
R1が、アルギニン(R)、リジン(K)またはグルタミン(Q)であり;
R2が、アルギニン(R)またはグルタミン(Q)であり;
R3、R4、及びR5が、それぞれアルギニン(R)またはリジン(K)であり;
R6が、アスパラギン(N)またはセリン(S)であり;ならびに
R7及びR8が、それぞれリジン(K)またはチロシン(Y)である。

0027

本明細書の用語「象牙質」は、「歯質」とも呼ばれ、歯の大部分を構成している黄色がかった白色の硬い組織を意味する。象牙質は、歯冠部ではエナメル質歯根部ではセメント質で覆われているために歯の表面には露出しないが、加齢によりエナメル質が摩耗すると、歯冠の先端部や咬合面に象牙質の露出が起こることがある。象牙質は一種骨組織であるが、象牙質の細胞の本体は歯髄の中にあり、その突起が象牙細管の中に延びているという点で一般的な骨組織と区別される。

0028

本明細書の用語「歯髄組織」は、「歯髄」とも呼ばれ、歯の内部にある歯髄腔を満たしている柔らかい結合組織を意味する。解剖学的には、歯髄の中には無数の神経と血管が分布しており、象牙質の表層まで延びている。

0029

本発明で提供するペプチドは、細胞毒性を示さずに、象牙芽細胞分化マーカー遺伝子であるDspp、Dmp1、及びNestin遺伝子の発現レベルを増加させることができ、歯髄細胞と一緒に生体内に移植されると、歯髄細胞が象牙質/歯髄様組織を形成するという特徴を有する。

0030

本発明で提供するペプチドは、象牙質または歯髄組織の再生促進及び象牙質疾患または歯髄疾患の治療効果を示すことができる限り、本発明のペプチドを構成するアミノ酸配列と1つ以上のアミノ酸残基が異なる配列を有するペプチド変異体も含む。

0031

分子活性を全体的に変更させないタンパク質及びポリペプチドにおけるアミノ酸交換が、当該分野で知られている。最も一般的に起こる交換は、アミノ酸残基Ala/Ser、Val/Ile、Asp/Glu、Thr/Ser、 Ala/Gly、Ala/Thr、Ser/Asn、Ala/Val、Ser/Gly、Thy/Phe、Ala/Pro、Lys/Arg、Asp/Asn、Leu/Ile、Leu/Val、Ala/Glu、Asp/Gly間の双方向の交換である。また、アミノ酸配列の改変または修飾によって熱やpHに対する構造的な安定性が増加したり、象牙質または歯髄組織の再生促進能が増加したペプチドを含むことができる。

0032

例えば、本発明の配列番号1のペプチドの3位に位置する酸性アミノ酸であるグルタミンが、塩基性アミノ酸であるリジンまたはアルギニンに置換されても、本発明のペプチドの効果はそのまま得ることができ;配列番号1のペプチドの4位または5位に位置する塩基性アミノ酸であるアルギニンが、酸性アミノ酸であるグルタミンまたは塩基性アミノ酸であるリジンに置換されても、本発明のペプチドの効果はそのまま得ることができ;配列番号1のペプチドの6位、7位または9位に位置する塩基性アミノ酸であるリジンが、塩基性アミノ酸であるアルギニンまたは芳香族アミノ酸であるチロシンに置換されても、本発明のペプチドの効果はそのまま得ることができ;配列番号1のペプチドの8位に位置する酸性アミノ酸であるアスパラギンが、中性アミノ酸であるセリンに置換されても、本発明のペプチドの効果はそのまま得ることができ;配列番号1のペプチドの10位に位置する芳香族アミノ酸であるチロシンが、塩基性アミノ酸であるリジンに置換されても、本発明のペプチドの効果はそのまま得ることができる。

0033

このように、本願発明のペプチドを構成する酸性アミノ酸、塩基性アミノ酸、または芳香族アミノ酸がそれぞれ、同様の性質を有するアミノ酸に置換されても、または異なる酸性アミノ酸、塩基性アミノ酸、中性アミノ酸、または芳香族アミノ酸に置換されても、本発明のペプチドの効果はそのまま得ることができるため、本発明のペプチドを構成するアミノ酸配列と1つ以上のアミノ酸残基が異なる配列を有するペプチド変異体も、本発明のペプチドの範囲に含まれるのは自明である。

0034

また、本発明のペプチドのN末端またはC末端に任意のアミノ酸が付加されても、本発明のペプチドの効果はそのまま得ることができるため、本発明のペプチドのN末端またはC末端に任意のアミノ酸を付加することで作製されたペプチドも、本発明のペプチドの範囲に含まれる。一例として、本発明のペプチドのN末端またはC末端に1〜300個のアミノ酸を付加することで作製されたペプチドが挙げられ、他の例として、本発明のペプチドのN末端またはC末端に1〜100個のアミノ酸を付加することで作製されたペプチドが挙げられ、さらに別の例として、本発明のペプチドのN末端またはC末端に1〜24個のアミノ酸を付加することで作製されたペプチドが挙げられる。

0035

本発明のペプチドは、生体内のタンパク質分解酵素から保護して安定性を増加させるために、そのN末端及び/またはC末端において化学的に修飾されるか、有機基で保護されてもよく、またはペプチド末端でアミノ酸が追加されて修飾されてもよい。特に、化学的に合成したペプチドの場合、N及びC末端が電荷を帯びているため、このような電荷を除去するために、N末端アセチル化、N末端メチル化、または/及びC末端アミド化を行ってもよく、またはD−アミノ酸の導入、CH2−NH、CH2−S、CH2−S=O、CH2−CH2といったペプチド結合修飾、バックボーン修飾、側鎖修飾を含んでもよいが、これに制限されない。ペプチド模倣体化合物を作製する方法は、当技術分野に公知であり、例えば、文献(Quantitative Drug Design,C.A. Ramsden Gd., Choplin Pergamon Press (1992))に記載された内容が参照される。

0036

本明細書の用語「バックボーン修飾」とは、ペプチドバックボーンを構成するアミノ酸をアミノ酸類似体へと直接修飾することをいい、バックボーン(主鎖)とは、ペプチドを構成するアミノ酸の主となる鎖状または環状の骨組みのことをいう。アミノ酸類似体とは、アミノ酸バックボーンの窒素またはα−炭素水素原子を置換することによって修飾したアミノ酸をいう。

0037

本明細書の用語「側鎖修飾」とは、化学物質を用いて側鎖を修飾することをいい、アミノ酸の側鎖とは、ペプチドを構成するアミノ酸の主となる鎖状または環状の骨組みから枝分かれした原子団のことをいう。ペプチドの側鎖修飾の例として、還元アルキル化メチルセチデートによるアミド化;無水酢酸によるアルキル化;シアネートによるアミノ基のカルバミル化;2,4,6−トリニトロベンゼンスルホン酸(TNBS)によるアミノ酸のトリニトロベンジル化無水コハク酸によるアミノ基のアルキル化;及びピリドキサール−5−リン酸によるピリドキシルとそれに続くNaBH4による還元といった、アミノ基修飾が挙げられる。

0038

また、本発明のペプチドは、単独で用いられてもよいが、有機溶媒など、薬剤として認められた様々な担体と組み合わせて用いられてもよい。安定性及び効能の増大のために、本発明のペプチドは、グルコーススクロース、もしくはデキストランなどの糖質アスコルビン酸もしくはグルタチオンなどの抗酸化剤キレート剤、低分子量タンパク質、または他の安定化剤などを含んで用いることも可能である。

0039

本発明の一態様によれば、本発明の一般式1に該当する96種のペプチドを合成し、合成されたペプチドが、象牙芽細胞分化マーカー遺伝子であるDspp遺伝子の発現レベルに及ぼす効果を検証した。その結果、本発明のペプチドで処理されていないMDPC−23細胞(対照群)において測定された象牙芽細胞分化マーカーDspp遺伝子のmRNAレベルに比べて、前記96種のペプチドで処理されたMDPC−23細胞におけるDspp遺伝子のmRNAレベルがすべて、1.3倍高かったことを確認した(表13〜24)。

0040

これまでに報告されたことによると、DSPPのmRNA発現レベルが増加されると、象牙芽細胞分化及び象牙質の再生が促進されることが知られているため、Dspp遺伝子のmRNAレベルを増加させる効果を示す前記96種のペプチドは、象牙芽細胞分化及び象牙質再生を促進する効果を示しうる(Taduru Sreenath et al., THEJOURNALOF BIOLOGICALCHEMISTRY, Vol.278, No.27, Issue of July 4, pp.24874-24880, 2003;William T. Butler et al, Connective Tissue Research, 44(Suppl.1):171-178, 2003)。

0041

他の局面として、本発明は、前記ペプチドをコードするポリヌクレオチドを提供する。

0042

前記ポリヌクレオチドは、一つ以上の塩基の置換、欠失、挿入またはこれらの組み合わせによって修飾されてもよい。ヌクレオチド配列を化学的に合成して作製する場合、当業界に広く公知の合成法、例えば、文献(Engels and Uhlmann, Angew Chem IntEd Engl., 37:73-127, 1988)に記述された方法を用いてもよく、トリエステル亜リン酸塩ホスホラミダイト、及びH−リン酸方法、PCR、及びその他のオートプライマー方法、固体支持体上のオリゴヌクレオチド合成法などを用いて合成してもよい。例えば、本発明のペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号4の塩基配列を含んでもよい。

0043

もう一つの局面として、本発明は、前記ポリヌクレオチドを含む発現ベクター、前記発現ベクターを含む形質転換体、及び前記形質転換体を用いて前記ペプチドを作製する方法を提供する。

0044

本明細書の用語「発現ベクター」とは、宿主細胞中で目的のペプチドが発現できる組み換えベクターであって、遺伝子挿入物が発現されるように作動可能に連結された必須の調節要素を含む遺伝子構築物を意味する。発現ベクターは、開始コドン終止コドンプロモーターオペレーターなどの発現調節要素を含み、開示コドン及び終止コドンは一般的に、ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の一部とみなされ、遺伝子構築物が投与された対象中で機能的である必要があり、コーディング配列インフレームにあるべきである。ベクターのプロモーターは構成的または誘導性であってもよい。

0045

本明細書の用語「作動可能に連結」とは、核酸発現調節配列と、目的とするタンパク質またはRNAをコードする核酸配列とが、全体的な機能を行えるように機能的に連結されている状態を意味する。例えば、プロモーターは、タンパク質またはRNAをコードする核酸配列に作動可能に連結されて、コーディング配列の発現に影響を与えることができる。発現ベクターへの作動可能な連結は、当該技術分野でよく知られている遺伝子組み換え技術を用いて作製することができ、部位特異的DNA切断及び連結は、当該技術分野で一般的に知られている酵素を用いて行うことができる。

0046

また、発現ベクターは、細胞培養物からのペプチドの分離を促進するために、ペプチドの放出のためのシグナル配列を含んでもよい。特異的な開始シグナルが、挿入された核酸配列の効率的な翻訳に必要になることもある。これらのシグナルはATG開始コドン及び隣接する配列を含む。ある場合には、ATG開始コドンを含む外因性翻訳調節シグナルが提供されるべきである。これらの外因性の翻訳調節シグナル及び開始コドンは、天然及び合成の様々な供給源のものであってもよい。発現効率は、適切な転写または翻訳強化因子の導入によって増加されうる。

0047

加えて、発現ベクターは、ペプチドの検出を容易にするために、エンドペプチダーゼを用いて任意で除去することができるタンパク質タグをさらに含んでもよい。

0048

本明細書の用語「タグ」とは、定量可能な活性または特性を示す分子を意味し、フルオレセインなどの化学的蛍光物質緑色蛍光タンパク質(GFP)または関連タンパク質などのポリペプチド蛍光物質を含む蛍光分子であってもよく;Mycタグ、Flagタグ、Hisタグ、ロイシンタグ、IgGタグ、ストレプトアビジンタグなどのエピトープタグであってもよい。特に、エピトープタグを用いる場合、好ましくは6個以上のアミノ酸残基からなる、より好ましくは8個〜50個のアミノ酸残基からなるペプチドタグを用いてもよい。

0049

本発明において、発現ベクターは、本発明の象牙質または歯髄の再生促進用及び象牙質疾患または歯髄疾患の治療用の前述したペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むことがある。本発明で用いられるベクターは、前記ペプチドを生産できる限り、特にこれに制限されないが、好ましくは、プラスミドDNA、ファージDNAなどであってもよく、より好ましくは、商業的に開発されたプラスミド(pUC18、pBAD、pIDTSAMRT−AMPなど)、大腸菌(E.coli)由来のプラスミド(pYG601BR322、pBR325、pUC118、pUC119など)、バチルスサブチリス(Bacillus subtilis)由来のプラスミド(pUB110、pTP5など)、酵母由来のプラスミド(YEp13、YEp24、YCp50など)、ファージDNA(Charon4A、Charon21A、EMBL3、EMBL4、λgt10、λgt11、λZAPなど)、動物ウイルスベクター(レトロウイルスアデノウイルスワクシニアウイルスなど)、昆虫ウイルスベクター(バキュロウイルスなど)であってもよい。発現ベクターは、宿主細胞の種類に応じてタンパク質の発現量及び修飾が異なるため、意図される用途に最も適合した宿主細胞を選択して用いることが望ましい。

0050

本発明の形質転換体は、本発明で提供する発現ベクターで宿主形質転換し、前記発現ベクターに含まれているポリヌクレオチドを発現させ、それにより前記ペプチドを生産することにより、作製してもよい。形質転換は、様々な方法によって行うことができる。前記ペプチドを生産できる限り、特にこれに制限されないが、CaCl2沈殿法DMSO(ジメチルスルホキシド)を還元物質として用いた改良CaCl2沈殿法であるHanahan方法、電気穿孔法リン酸カルシウム沈殿法、原形質融合法、シリコンカーバイド繊維を用いた攪拌法、アグロバクテリアにより媒介された形質転換法、PEGを用いた形質転換法、硫酸デキストランリポフェクタミン、及び乾燥/抑制により媒介された形質転換法などが用いられてもよい。また、形質転換体の作製に用いられる宿主も、前記ペプチドを生産できる限り、特にこれに制限されない。宿主は、大腸菌、ストレプトマイセス(Streptomyces)、サルモネラティフィムリウム(Salmonella typhimurium)などの細菌細胞サッカロミセスセレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、シゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)などの酵母細胞ピキアパストリス(Pichia pastoris)などの真菌細胞ショウジョウバエヨトウガSf9細胞などの昆虫細胞;CHO、COS、NSO、293、Bowesメラノーマ細胞などの動物細胞;及び植物細胞であってもよい。

0051

形質転換体はまた、本発明の象牙質または歯髄の再生促進用及び象牙質知覚過敏症の治療用のペプチドを生産する方法で用いられてもよい。具体的には、本発明の象牙質または歯髄の再生促進用及び象牙質疾患または歯髄疾患の治療用のペプチドを生産する方法は、(a)前記形質転換体を培養して培養物を取得する段階;及び(b)前記培養物から本発明のペプチドを回収する段階を含んでもよい。

0052

本明細書の用語「培養」とは、人工的に調節した環境条件微生物を生育させる方法を意味する。本発明において、前記形質転換体を培養する方法は当業界に広く知られている方法を用いて行ってもよい。具体的には、前記培養は、本発明の象牙質または歯髄の再生促進用及び象牙質疾患または歯髄疾患の治療用のペプチドを発現し生産できる限り、特に制限されないが、バッチ処理または流加培養または反復流培養処理により行ってもよい。

0053

培養に用いられる培地は、適切な炭素源窒素源、アミノ酸、ビタミンなどを含有し、好気性条件下で、温度、pHなどを調節しながら適切な様式で特定の菌株要件を満たす必要がある。用いられてもよい炭素源としては、グルコース及びキシロース混合糖を主炭素源として用いて、その他に、スクロース、ラクトースフルクトースマルトース、でん粉、セルロースなどの糖及び炭水化物大豆油ひまわり油ヒマシ油ココナッツ油などの油及び脂肪パルミチン酸ステアリン酸リノール酸などの脂肪酸グリセロールエタノールなどのアルコール酢酸などの有機酸が含まれる。これらの物質は、単独で、または組み合わせて用いられてもよい。用いられてもよい窒素源としては、アンモニア硫酸アンモニウム塩化アンモニウム酢酸アンモニウムリン酸アンモニウム炭酸アンモニウム、及び硝酸アンモニウムなどの無機窒素源グルタミン酸メチオニン、グルタミンなどのアミノ酸;及びペプトン、NZ−アミン肉類抽出物酵母抽出物麦芽抽出物トウモロコシ浸漬液カゼイン加水分解物魚粉またはその分解生成物脱脂大豆ケーキまたはその分解生成物などの有機窒素源が用いられてもよい。これらの窒素源は、単独で、または組み合わせて用いられてもよい。前記培地には、リン源として、リン酸第1カリウム、リン酸第2カリウム、及び相応するナトリウム含有塩が含まれてもよい。用いられてもよいリン源としては、リン酸二水素カリウムまたはリン酸水素二カリウムまたは相応するナトリウム含有塩が含まれる。また、無機化合物としては、塩化ナトリウム塩化カルシウム塩化鉄硫酸マグネシウム硫酸鉄硫酸マンガン、及び炭酸カルシウムなどが用いられてもよい。前記物質の他に、アミノ酸及びビタミンなどの必須成長物質が用いられてもよい。

0054

また、培養培地に適切な前駆体が用いられてもよい。培養の間、前記した材料は、バッチ式流加式または連続式で、培養物に適切に添加されてもよいが、これに制限されない。水酸化ナトリウム水酸化カリウム、もしくはアンモニアなどの塩基性化合物、またはリン酸もしくは硫酸などの酸性化合物を適切に用いて、培養物のpHを調節してもよい。

0055

また、脂肪酸ポリグリコールエステルなどの消泡剤を用いて気泡生成を抑制してもよい。好気状態を維持するために培養物中に酸素または酸素含有気体(例えば、空気)を注入してもよい。培養物の温度は、通常、27℃〜37℃、好ましくは30℃〜35℃である。培養は、ペプチドの生成が所望のレベルに達するまで続けられる。これは、通常、10〜100時間以内に達成される。

0056

さらに、培養物から前記ペプチドを回収する段階は当業界で公知の方法によって行われてもよい。具体的には、回収方法は、生産されたペプチドを回収しうる限り、特にこれに制限されないが、好ましくは、遠心分離、ろ過、抽出、噴霧、乾燥、蒸発沈殿結晶化、電気泳動分別溶解(例えば、硫酸アンモニウム沈殿)、クロマトグラフィー(例えば、イオン交換アフィニティー疎水性、及びサイズ排除)などの方法を用いてもよい。

0057

もう一つの局面として、本発明は、前記ペプチドを含む、象牙質疾患または歯髄疾患の予防または治療用の薬学的組成物を提供する。

0058

前述したように、本発明の象牙質または歯髄の再生促進用及び象牙質知覚過敏症の治療用のペプチドは、歯髄細胞と一緒に体内に移植されると、歯髄細胞による象牙質/歯髄様組織の形成を促進することができ、破損された象牙質の部位または歯髄の部位に前記ペプチドを適用することにより、天然のヒトの歯の象牙質で観察されるものと同様の生理的象牙質を形成しうる。したがって、前記ペプチドは、象牙質または歯髄の損傷により生じる象牙質疾患または歯髄疾患の治療用の薬学的組成物の有効成分として使用されうる。

0059

前記薬学的組成物に含まれるペプチドは、ペプチド単独の形態で用いられてもよく、前記ペプチドの2つ以上のリピートが連結されたポリペプチドの形態で使用されてもよく、象牙質疾患または歯髄疾患の治療効果を有する薬物が前記ペプチドのN末端またはC末端に結合された複合体の形態で使用されてもよい。

0060

本明細書の用語「象牙質疾患または歯髄疾患」とは、象牙質及び歯髄組織の損傷により、歯髄組織及び歯髄につながる象牙質が損傷して発症するすべての疾患を意味する。

0061

本発明において、象牙質疾患または歯髄疾患は、本発明のペプチドがそれに対し治療効果を示す限り、特にこれに制限されないが、例えば、象牙質知覚過敏症、歯髄充血、歯髄炎、歯髄変性、歯髄の壊死、及び壊疽性歯髄などを含む。

0062

本明細書の用語「予防」とは、本発明のペプチドを含む象牙質疾患または歯髄疾患の予防または治療用の薬学的組成物の投与により、象牙質疾患または歯髄疾患の発生を阻害または遅延させる、すべての行為を意味する。

0063

本明細書の用語「治療」とは、本発明のペプチドを有効成分として含む薬学的組成物を象牙質疾患または歯髄疾患の治療が必要とされる対象に投与して象牙質または歯髄組織の再生を促進することにより、象牙質疾患または歯髄疾患が治療される、すべての行為を意味する。

0064

本発明の薬学的組成物は、前記ペプチドに加えて、薬学的組成物の製造に通常用いられる適切な担体(天然または非天然担体)、賦形剤、または希釈剤をさらに含む、象牙質疾患または歯髄疾患の治療用の薬学的組成物の形態で作製してもよい。具体的には、前記薬学的組成物は、通常の方法に従って、象牙質疾患または歯髄疾患が誘発された部位に投与できる滅菌注射溶液の形態で製剤化してもよい。本発明において、前記薬学的組成物に含まれてもよい担体、賦形剤、及び希釈剤としては、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトールマンニトールキシリトールエリスリトールマルチトール、でん粉、アカシアゴムアルギン酸塩ゼラチン、リン酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、セルロース、メチルセルロース微晶質セルロースポリビニルピロリドン、水、メチルヒドロキシベンゾエートプロピルヒドロキシベンゾエートタルクステアリン酸マグネシウム鉱物油コラーゲンなどが挙げられる。製剤化する場合には、通常用いられる充填剤増量剤結合剤湿潤剤崩解剤、界面活性剤などの希釈剤または賦形剤を用いてもよい。特に、滅菌された水溶液非水性溶剤懸濁剤乳剤凍結乾燥製剤坐剤軟膏剤(例えば、歯髄裏裝材(pulp liner))などが含まれてもよい。非水性溶剤または懸濁剤としては、プロピレングリコールポリエチレングリコールオリーブオイルなどの植物性油オレイン酸エチルなどの注射可能なエステルなどが使用されてもよい。坐剤の基剤としては、ウィテップゾールマクロゴール、Tween 61、カカオ脂ラウリン脂グリセロゼラチンなどが使用されてもよい。

0065

本発明の薬学的組成物に含まれる前記ペプチドの含量は、特に制限されないが、最終組成物の総重量を基準に、0.0001〜50重量%、より好ましくは0.01〜20重量%の含量で含まれてもよい。

0066

本発明の薬学的組成物は、薬学的に有効な量で投与されてもよく、本明細書の用語「薬学的に有効な量」とは、医学的治療または予防に適用可能な合理的な恩恵/リスク比で疾患を治療または予防するのに十分な量を意味する。有効用量レベルは、疾患の重症度、薬物の活性、患者年齢、体重、健康状態性別、薬物に対する敏感度、本発明の組成物の投与時間、投与経路、及び排出比率、治療期間、本発明の組成物と配合されるまたは同時投与される薬物を含む要素、及び医学分野で公知のその他の要素に基づいて決定されてもよい。本発明の薬学的組成物は、個別に投与されるか、公知の象牙質疾患または歯髄疾患の治療用薬学的組成物と組み合わせて投与されてもよい。前記要素をすべて考慮した上で、副作用なく最大の効果が得られる最小限の量で前記組成物を投与することが重要である。

0067

本発明の薬学的組成物の投与量は、使用目的、疾患の重症度、患者の年齢、体重、性別、既往歴、または有効成分として用いられる物質の種類などを考慮して当業者が決定してもよい。例えば、本発明の薬学的組成物は、成人1人当たり約0.1ng/kg〜約100mg/kg、好ましくは1ng/kg〜約10mg/kgで投与してもよく、本発明の組成物の投与頻度は、特にこれに制限されないが、1日1回投与するか、または用量を分割して1日数回投与してもよい。投与量は、どのような面であれ、本発明の範囲を限定するものではない。

0068

本発明は、もう一つの局面として、前記薬学的組成物の薬学的に有効な量を、ヒトを除く象牙質疾患または歯髄疾患を有する対象に投与する段階を含む、象牙質疾患または歯髄疾患を治療する方法を提供する。

0069

本明細書の用語「対象」とは、象牙質疾患または歯髄疾患の治療が必要とされるマウス、家畜などを含む哺乳動物を制限なく含んでもよいが、前記疾患を有する対象からヒトは除かれる。

0070

本発明の象牙質疾患または歯髄疾患の治療用の薬学的組成物は、目的組織に到達することができる限り、いかなる一般的な経路を介して投与してもよい。本発明の薬学的組成物は、特にこれに制限されないが、目的に応じて、口腔内投与または口腔内注射などの経路を介して投与してもよい。

0071

もう一つの局面として、本発明は、前記ペプチドを含む、象牙質疾患または歯髄疾患の予防または改善用の医薬部外品組成物を提供する。

0072

本明細書の用語「改善」とは、治療される状態に関連するパラメータ、例えば、症状の程度を、少なくとも減少させる、すべての行為を意味する。

0073

本発明において、改善は、本発明のペプチドを有効成分として含む薬学的組成物を、象牙質疾患または歯髄疾患の治療が必要とされる対象に投与して、象牙質または歯髄組織の再生を促進することにより、象牙質疾患または歯髄疾患の症状を好転させたりまたは有利に改変するすべての行為を意味するものと解釈される。

0074

本明細書の用語「医薬部外品」とは、ヒトや動物病気診断、治療、改善、軽減、処置または予防する目的で用いられる物品のうち、薬物よりも作用が軽微な物品を意味する。例えば、薬事法によれば、医薬部外品とは、薬物として用いられる物品を除き、ヒトまたは動物の病気の治療や予防の目的で使われる繊維またはゴムから作られた物品;人体に対し軽微な作用を有するかまたは直接的影響を有さない、道具機械、またはその類似物ではない物品;及び感染症を防ぐために殺菌または防除の目的で使用される物品を含む。

0075

本発明において、前記ペプチドを含む医薬部外品組成物の種類や形態は、特に制限されないが、例えば、口腔消毒マウスウォッシュ口腔衛生用品歯みがき粉デンタルフロス口腔用軟膏などあってもよい。

0076

もう一つの局面として、本発明は、前記ペプチドを含む、象牙質疾患または歯髄疾患の予防または改善用の健康機能性食品組成物を提供する。

0077

本明細書の用語「食品」は、肉、ソーセージパンチョコレートキャンディスナック菓子ピザラーメン、その他の麺類ガムアイスクリームを含む乳製品、各種スープ、飲料、ドリンク剤アルコール飲料、ビタミン複合剤、健康機能性食品、及び健康食品などを含み、通常的な意味での食品をすべて含む。

0078

「健康機能性食品」とは、特定保健用食品(FoSHU)と同じ用語であって、栄養補給の他に生体調節機能が効率的に表されるように加工された医学医療効果が高い食品を意味する。ここで、「機能性」とは、人体の構造及び機能のための栄養素を調整するなど、ヒトの健康に対する有用な効果を意味する。本発明の食品は、当業界で通常に使用される方法によって製造可能であり、食品製造の際に当業界で通常添加される原料及び成分を添加して製造してもよい。また、前記食品の形態も、食品として認められている形態であれば、制限されない。本発明の食品組成物は、様々な形態で作製されることができる。一般的な薬品とは異なり、食品が原料として使用されるため、薬品の長期服用時に生じうる副作用がないという利点があり、かつ携帯性に優れる。したがって、本発明の食品は、象牙質疾患または歯髄疾患の予防または改善の効果を増進させるためのサプリメントとして摂取が可能である。

0079

健康食品は、一般の食品に比べて積極的な健康維持や増進効果を有する食品を意味し、健康補助食品は、健康補助目的の食品を意味する。必要ならば、健康機能性食品、健康食品、及び健康補助食品の用語は、互換的に使用してもよい。

0080

具体的には、健康機能性食品は、本発明のペプチドを飲料、茶、香辛料、ガム、菓子などの食品材料に添加することで作製されるか、カプセル粉末、懸濁液として作製される食品である。健康機能性食品は、これを摂取すると、健康上の特定の効果をもたらすことを意味するが、一般の薬品とは異なり、食品を原料とするため、薬品の長期服用時に生じる副作用がないという利点がある。

0081

本発明の食品組成物は、日常的に摂取されるため、象牙質疾患または歯髄疾患の予防または改善に対して高い効果を期待することができ、したがって非常に有用に使用されることができる。

0082

食品組成物は、生理学的に許容可能な担体をさらに含んでもよく、担体の種類は特に制限されず、当該技術分野で通常に使用されるものであれば、いかなる担体を使用してもよい。

0083

また、食品組成物は、香り、味、見かけなどを向上させるよう食品組成物に通常使用される追加成分を含んでもよい。例えば、食品組成物は、ビタミンA、C、D、E、B1、B2、 B6、 B12、ナイアシンビオチン葉酸パントテン酸などを含んでもよい。さらに、食品組成物は、亜鉛(Zn)、鉄(Fe)、カルシウム(Ca)、クロム(Cr)、マグネシウム(Mg)、マンガン(Mn)、銅(Cu)、などのミネラルを含んでもよい。さらに、食品組成物は、リジン、トリプトファンシステインバリンなどのアミノ酸を含んでもよい。さらに、前記食品組成物は、防腐剤ソルビン酸カリウム安息香酸ナトリウムサリチル酸デヒドロ酢酸ナトリウムなど)、殺菌剤さらし粉高度さらし粉次亜塩素酸ナトリウムなど)、酸化防止剤ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)など)、着色剤タール色素など)、発色剤亜硝酸ナトリウムなど)、漂白剤亜硫酸ナトリウム)、調味料グルタミン酸ナトリウム(MSG)など)、甘味料ズルチンシクラメートサッカリン、ナトリウムなど)、香料バニリンラクトン類など)、膨張剤明礬、D−酒石酸水素カリウムなど)、強化剤乳化剤増粘剤糊料)、被膜剤ガムベース剤、消泡剤、溶解剤改良剤などの食品添加物を含んでもよい。前記添加物は、食品の種類に応じて選択され、適切な量で使用してもよい。

0084

本発明のペプチドはそのまま添加するか、通常の方法に従って他の食品または食品成分と一緒に用いてもよく、通常の方法に従って適切に用いてもよい。有効成分の混合量は、その使用目的(予防、健康または治療的処置)に応じて適切に決定してもよい。一般的に、食品または飲料の製造時に、本発明の食品組成物は、食品または飲料の総重量に対して50重量部以下、具体的には、20重量部以下の量で添加してもよい。しかし、健康及び衛生の目的で長期間摂取される場合には、前記の範囲より低い含量でもよく、安全性の面で問題がなければ、有効成分は前記範囲を超える量で用いてもよい。

0085

本発明の食品組成物は例えば、健康飲料組成物として用いてもよく、この場合、通常の飲料と同様に様々な香味剤または天然の糖質を追加成分として含有してもよい。天然の糖質は、グルコース及びフルクトースなどの単糖類;マルトース及びスクロースなどの二糖類デキストリン及びシクロデキストリンなどの多糖類;キシリトール、ソルビトール、及びエリスリトールなどの糖アルコールであってもよい。甘味剤は、タウマチンまたはステビア抽出物などの天然甘味剤;あるいはサッカリンまたはアスパルテームなどの合成甘味剤を用いてもよい。天然の糖質は、本発明の健康飲料組成物100ml当たり、一般的には、約0.01〜0.04g、具体的には、約0.02〜0.03gの量で用いられてもよい。

0086

さらに、健康飲料組成物は、様々な栄養素、ビタミン、ミネラル、香味剤、着色剤、ペクチン酸、ペクチン酸の塩、アルギン酸、アルギン酸の塩、有機酸、保護性コロイド増粘剤、pH調整剤、安定化剤、防腐剤、グリセリン、アルコール、または炭酸化剤などを含有してもよい。その他に天然フルーツジュースフルーツジュース飲料、または野菜飲料の製造のための果肉を含有してもよい。これらの成分は、個別に、または組み合わせて用いてもよい。これらの添加物の割合は、それほど重要ではないが、本発明の健康飲料組成物100重量部当たり0.01〜0.1重量部の範囲で選択されるのが一般的である。

0087

本発明の食品組成物は、本発明のペプチドを、象牙質疾患または歯髄疾患の予防または改善効果を示すことができる限りにおいて、様々な重量%で含んでもよい。具体的には、本発明のペプチドを、食品組成物の総重量に対し0.00001〜100重量%、または0.01〜80重量%で含んでもよいが、これに制限されない。

0088

本発明のもう一つの局面として、前記のペプチドを含む組成物を対象に投与する段階を含む、象牙質疾患または歯髄疾患を予防または治療する方法を提供する。

0089

もう一つの局面として、本発明は、前記のペプチドを含む組成物を対象に投与する段階を含む、象牙質または歯髄組織の再生を促進する方法を提供する。

0090

本発明の他の一つの局面として、下記一般式1のアミノ酸配列を含むペプチドまたは前記ペプチドを含む組成物の、象牙質または歯髄組織の再生促進における使用、象牙質知覚過敏症の予防または治療における使用、及び象牙質疾患または歯髄疾患の予防または治療における使用を提供する。
K−Y−R1−R2−R3−R4−R5−R6−R7−R8(一般式1)
式中、
R1が、アルギニン(R)、リジン(K)またはグルタミン(Q)であり;
R2が、アルギニン(R)またはグルタミン(Q)であり;
R3、R4、及びR5が、それぞれアルギニン(R)またはリジン(K)であり;
R6が、アスパラギン(N)またはセリン(S)であり;ならびに
R7及びR8が、それぞれリジン(K)またはチロシン(Y)である。

0091

もう一つの局面として、本発明は、配列番号1〜96のいずれか1つのアミノ酸配列を含むペプチドまたは前記ペプチドを含む組成物の、象牙質または歯髄組織の再生促進における使用、象牙質知覚過敏症の予防または治療における使用、及び象牙質疾患または歯髄疾患の予防または治療における使用を提供する。

0092

以下、実施例を参照して本発明をより詳細に説明する。しかし、これらの実施例は、本発明を例示的に説明するためのもので、本発明の範囲がこれらの実施例に限定されるものではない。

0093

実施例1:象牙質または歯髄組織の再生促進用及び象牙質知覚過敏症の治療用のペプチドの合成
本発明者らは、象牙質または歯髄組織の再生促進効果を示すペプチド(配列番号1)を9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)法で合成し、前記合成されたペプチドのアミノ酸を置換して各グループのペプチドを合成した(表1〜12)。

0094

まず、配列番号1のペプチドを用い、前記配列番号1のペプチドの5位〜7位の任意のアミノ酸をリジンまたはアルギニンに置換して、グループ1のペプチドを合成した(表1)。

0095

(表1)グループ1のペプチド

0096

次に、配列番号1のペプチドの5位〜7位の任意のアミノ酸をリジンまたはアルギニンに置換し、配列番号1のペプチドの8位のアミノ酸をセリンに置換して、グループ2のペプチドを合成した(表2)。

0097

(表2)グループ2のペプチド

0098

次に、配列番号1のペプチドの5位〜7位の任意のアミノ酸をリジンまたはアルギニンに置換し、配列番号1のペプチドの9位のアミノ酸をチロシンに置換して、グループ3のペプチドを合成した(表3)。

0099

(表3)グループ3のペプチド

0100

次に、配列番号1のペプチドの5位〜7位の任意のアミノ酸をリジンまたはアルギニンに置換し、配列番号1のペプチドの8位のアミノ酸をセリンに置換し、配列番号1のペプチドの9位のアミノ酸をチロシンに置換し、配列番号1のペプチドの10位のアミノ酸をリジンに置換して、グループ4のペプチドを合成した(表4)。

0101

(表4)グループ4のペプチド

0102

次に、配列番号1のペプチドの3位のアミノ酸をアルギニンに置換し、配列番号1のペプチドの4位のアミノ酸をグルタミンに置換し、配列番号1のペプチドの5位〜7位の任意のアミノ酸をリジンまたはアルギニンに置換して、グループ5のペプチドを合成した(表5)。

0103

(表5)グループ5のペプチド

0104

次に、配列番号1のペプチドの3位のアミノ酸をアルギニンに置換し、配列番号1のペプチドの4位のアミノ酸をグルタミンに置換し、配列番号1のペプチドの5位〜7位の任意のアミノ酸をリジンまたはアルギニンに置換し、配列番号1のペプチドの8位のアミノ酸をセリンに置換して、グループ6のペプチドを合成した(表6)。

0105

(表6)グループ6のペプチド

0106

次に、配列番号1のペプチドの3位のアミノ酸をアルギニンに置換し、配列番号1のペプチドの4位のアミノ酸をグルタミンに置換し、配列番号1のペプチドの5位〜7位の任意のアミノ酸をリジンまたはアルギニンに置換し、配列番号1のペプチドの9位のアミノ酸をチロシンに置換し、配列番号1のペプチドの10位のアミノ酸をリジンに置換して、グループ7のペプチドを合成した(表7)。

0107

(表7)グループ7のペプチド

0108

次に、配列番号1のペプチドの3位のアミノ酸をアルギニンに置換し、配列番号1のペプチドの4位のアミノ酸をグルタミンに置換し、配列番号1のペプチドの5位〜7位の任意のアミノ酸をリジンまたはアルギニンに置換し、配列番号1のペプチドの8位のアミノ酸をセリンに置換し、配列番号1のペプチドの9位のアミノ酸をチロシンに置換し、配列番号1のペプチドの10位のアミノ酸をリジンに置換して、グループ8のペプチドを合成した(表8)。

0109

(表8)グループ8のペプチド

0110

次に、配列番号1のペプチドの3位のアミノ酸をリジンに置換し、配列番号1のペプチドの4位のアミノ酸をグルタミンに置換し、配列番号1のペプチドの5位〜7位の任意のアミノ酸をリジンまたはアルギニンに置換して、グループ9のペプチドを合成した(表9)。

0111

(表9)グループ9のペプチド

0112

次に、配列番号1のペプチドの3位のアミノ酸をリジンに置換し、配列番号1のペプチドの4位のアミノ酸をグルタミンに置換し、配列番号1のペプチドの5位〜7位の任意のアミノ酸をリジンまたはアルギニンに置換し、配列番号1のペプチドの8位のアミノ酸をセリンに置換して、グループ10のペプチドを合成した(表10)。

0113

(表10)グループ10のペプチド

0114

次に、配列番号1のペプチドの3位のアミノ酸をリジンに置換し、配列番号1のペプチドの4位のアミノ酸をグルタミンに置換し、配列番号1のペプチドの5位〜7位の任意のアミノ酸をリジンまたはアルギニンに置換し、配列番号1のペプチドの9位のアミノ酸をチロシンに置換し、配列番号1のペプチドの10位のアミノ酸をリジンに置換して、グループ11のペプチドを合成した(表11)。

0115

(表11)グループ11のペプチド

0116

最後に、配列番号1のペプチドの3位のアミノ酸をリジンに置換し、配列番号1のペプチドの4位のアミノ酸をグルタミンに置換し、配列番号1のペプチドの5位〜7位の任意のアミノ酸をリジンまたはアルギニンに置換し、配列番号1のペプチドの8位のアミノ酸をセリンに置換し、配列番号1のペプチドの9位のアミノ酸をチロシンに置換し、配列番号1のペプチドの10位のアミノ酸をリジンに置換して、グループ12のペプチドを合成した(表12)。

0117

(表12)グループ12のペプチド

0118

実施例2:象牙芽細胞を用いた、象牙質または歯髄組織の再生促進用及び象牙質知覚過敏症の治療用のペプチドの効果の検証
実施例2−1:DSPP(象牙質シアロホスホタンパク質)プロモーター活性に及ぼす、象牙質または歯髄組織の再生促進用及び象牙質知覚過敏症の治療用のペプチドの効果
まず、マウス由来の象牙芽細胞であるMDPC−23細胞を、10%FBSを含むDMEM培地中で5%のCO2及び37℃の条件で培養した。

0119

次に、前記培養されたMDPC−23細胞を、24ウェルプレートに各ウェル当たり5×104細胞数播種し、24時間培養した。続いて、Lipofectamin Plus(商標試薬を用いて、前記培養された細胞を、pGL3ベクターにDSPPプロモータールシフェラーゼ遺伝子を導入して構築された組み換えベクターで形質転換した。形質転換されたMDPC−23細胞を、実施例1で合成されたグループ1〜12のペプチドでそれぞれ処理して、48時間培養した後、それぞれの形質転換されたMDPC−23細胞のルシフェラーゼ活性を測定し、各グループの算出された平均レベルを互いに比較した(図1a)。このとき、本発明のペプチドで処理されていない形質転換されたMDPC−23細胞を対照群として使用した。

0120

図1aは、本発明の各グループのペプチドが、象牙芽細胞分化マーカー遺伝子DSPPの発現に及ぼす効果を比較した結果を示すグラフである。図1aに示すように、本発明の各ペプチドのルシフェラーゼ活性レベルは、全体的に、対照群よりも約1.3倍高かったが、各グループ間で差があった。グループ12のペプチドが最も高いレベルのルシフェラーゼ活性を示し、グループ11のペプチドが次に高いレベルのルシフェラーゼ活性を示したことが確認された。

0121

したがって、本発明で提供するペプチドはDsppプロモーターを活性化させる効果を示すことが分かった。

0122

実施例2−2:象牙芽細胞分化マーカーであるDspp遺伝子の発現レベルに及ぼす、象牙質または歯髄組織の再生促進用及び象牙質疾患または歯髄疾患の治療用のペプチドの効果
実施例2−1で培養したMDPC−23細胞を、実施例1で合成された各グループのペプチドで処理して、48時間培養した後、前記MDPC−23細胞で発現される象牙芽細胞分化マーカーであるDspp遺伝子のmRNAレベルを測定し、測定されたDspp mRNAレベルの、対照群で測定されたDspp mRNAレベルに対する比をそれぞれ算出した(表13〜24)。また、各グループのペプチドで測定されたDspp mRNAレベルの平均値を、グループ間で比較した(図1b)。このとき、本発明のペプチドで処理されていないMDPC−23細胞を対照群として使用した。

0123

Dspp遺伝子の発現レベルは、RT−PCR及びリアルタイムPCR解析により測定した:詳細には、TRIzol試薬を用いて前記MDPC−23細胞から全RNAを抽出した。2μgの全RNAと、1μlの逆転写酵素と、0.5μgのオリゴ(dT)を用いてcDNAを合成した。合成されたcDNAをリアルタイムポリメラーゼ連鎖反応に用いた。リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応は、下記プライマーとSYBR GREEN PCR Master Mix(Takara、日本)を用いて、ABIPRISM7500シーケンス検出システム(Applied Biosystems)で行われた。リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応は、94℃、1分;95℃、15秒;60℃、34秒を40サイクル繰り返す条件で行った。結果は、比較Ct法を用いて分析した。このとき、Gapdh遺伝子を内部対照群として使用した。実験は3回繰り返して行い、その平均値及び標準偏差値測定値として得た。

0124

(表13)グループ1のペプチドがDspp遺伝子のmRNAレベルに及ぼす効果

0125

(表14)グループ2のペプチドがDspp遺伝子のmRNAレベルに及ぼす効果

0126

(表15)グループ3のペプチドがDspp遺伝子のmRNAレベルに及ぼす効果

0127

(表16)グループ4のペプチドがDspp遺伝子のmRNAレベルに及ぼす効果

0128

(表17)グループ5のペプチドがDspp遺伝子のmRNAレベルに及ぼす効果

0129

(表18)グループ6のペプチドがDspp遺伝子のmRNAレベルに及ぼす効果

0130

(表19)グループ7のペプチドがDspp遺伝子のmRNAレベルに及ぼす効果

0131

(表20)グループ8のペプチドがDspp遺伝子のmRNAレベルに及ぼす効果

0132

(表21)グループ9のペプチドがDspp遺伝子のmRNAレベルに及ぼす効果

0133

(表22)グループ10のペプチドがDspp遺伝子のmRNAレベルに及ぼす効果

0134

(表23)グループ11のペプチドがDspp遺伝子のmRNAレベルに及ぼす効果

0135

(表24)グループ12のペプチドがDspp遺伝子のmRNAレベルに及ぼす効果

0136

表13〜24に示すように、本発明のペプチドで処理されていないMDPC−23細胞(対照群)で測定された象牙芽細胞分化マーカーDspp遺伝子のmRNAレベルと比べて、本発明のペプチドで処理した場合、Dspp遺伝子のmRNAレベルは全体的に1.3倍高かった。

0137

特に、グループ11のすべてのペプチドは、対照群と比べて3倍高いDsppmRNAレベルを示し、グループ12のすべてのペプチドは、対照群と比べて3.8倍高いDspp mRNAレベルを示した。

0138

さらに、図1bは、本発明のペプチドで処理されたMDPC−23細胞における、象牙芽細胞分化マーカーDspp遺伝子の発現レベルを比較した結果を示すグラフである。図1bに示すように、本発明のペプチドで処理された場合、象牙芽細胞分化マーカーDspp遺伝子のmRNAレベルが増加し、図1aのものと同様に、対照群で測定されたDspp mRNAレベルよりも約1.3倍高かった。

0139

実施例2−3:象牙芽細胞分化マーカー遺伝子であるDspp、Dmp1、及びNestinの発現レベルに及ぼす、象牙質または歯髄組織の再生促進用及び象牙質疾患または歯髄疾患の治療用のペプチドの効果
実施例2−2の結果から、本発明のペプチドは、DsppmRNAレベルを増加させることができ、特に、グループ11及び12のペプチドは、Dspp mRNAレベルを少なくとも3倍以上増加させうることが分かった。

0140

このことから、グループ11及び12のペプチドが、他の象牙芽細胞分化マーカー遺伝子であるDmp1及びNestinのmRNAレベルも増加させうるかどうかを調べた。

0141

大まかにいうと、下記のプライマーを用いることと、ペプチドとしてグループ11及び12のペプチドを用いることを除いて、前記実施例2−2と同様に実験を行った。Dmp1及びNestin遺伝子の発現レベルに及ぼす本発明のペプチドの効果を測定し、算出された平均レベルをグループ間で比較した(図1c)。このとき、本発明のペプチドで処理されていないMDPC−23細胞を対照群として使用し、Dspp遺伝子のmRNAレベルを比較群として使用した。

0142

図1cは、本発明のグループ11及び12のペプチドで処理されたMDPC−23細胞における、象牙芽細胞分化マーカー遺伝子であるDspp、Dmp1、及びNestinの発現レベルを比較した結果を示すグラフである。図1cに示すように、本発明のペプチドで処理すると、象牙芽細胞分化マーカー遺伝子であるDspp、Dmp1、及びNestin遺伝子のmRNAレベルがすべて増加したが、遺伝子間増加レベルの違いがあった。グループ11のペプチドによる発現レベルの増加よりも、グループ12のペプチドによる発現レベルの増加の方が高かった。

0143

前記分化マーカー遺伝子は、象牙芽細胞分化及び象牙質の石灰化関与する遺伝子として知られているため、本発明のペプチドは、象牙質の再生を促進する効果を示すものと推測される。

0144

実施例2−4:象牙質または歯髄組織の再生促進用及び象牙質疾患または歯髄疾患の治療用のペプチドの、歯髄細胞における細胞毒性の試験
まず、ソウル大学歯科病院で成人10人(18〜22)の知恵歯からヒト歯髄幹細胞を分離した。詳細には、すべての実験は、施設内審査委員会承認を受けた後に患者の同意を得て行った。Jung HSら(J Mol Histol.(2011))の方法に基づいて知恵歯を切断して歯髄を露出させ、鉗子で歯髄組織を分離した。分離された各歯髄組織を剃刀小片切り分け、60mmの皿に入れてカバースリップで覆った後、DMEM培地で培養して、培養歯髄細胞を取得した。

0145

次に、取得した歯髄細胞を96ウェルプレートに各ウェル当たり3×103細胞数の密度で播種し、24時間培養した後、10または50μg/ml濃度のグループ11または12のペプチドで処理し、さらに1、3または5日間培養した。前記の培養が終了した後、培養された細胞をPBS洗浄し、そこに20μlのMT溶液を加え、その後37℃で4時間反応させた。反応が終了した後、MTT溶液を除去し、そこに100μlのDMSOを加えた後、540nmの波長吸光度を測定した(図1d)。このとき、前記ペプチドで処理せずに培養した歯髄細胞を対照群として使用した。

0146

図1dは、歯髄細胞に対する本発明のペプチドの細胞毒性を評価した結果を示すグラフである。図1dに示すように、本発明のペプチドで処理しても、歯髄細胞の生存率は対照群と同一のレベルを示した。

0147

実施例3:生体内の象牙質/歯髄様組織の形成に及ぼす、象牙質または歯髄組織の再生促進用及び象牙質疾患または歯髄疾患の治療用のペプチドの効果
実施例3−1:6週間飼育された動物に由来する移植組織形態学的分析
2×106細胞数の歯髄細胞に100mgの象牙質代用品を加えて、0.5%フィブリンゲルと混合してインプラントを作製した。このとき、象牙質代用品としてヒドロキシアパタイト/リン酸三カルシウム(HA/TCP)セラミックパウダー(Zimmer、USA)を用い、前記フィブリンゲルは、10μgのグループ11のペプチド(配列番号87)、グループ12のペプチド(配列番号96)、2μgのBMP−2を含んで作製した。前記作製されたインプラントを、免疫システムが破損されたマウス(NIH-bg-nu-xid;Harlan Laboratories、Indianapolis、IN)の皮下組織に移植して、マウスを6週間飼育した後、インプラントから形成された象牙質/歯髄様組織を摘出した。摘出された組織を4%パラホルムアルデヒドで固定し、10%EDTA(pH7.4)で脱灰させてパラフィン包埋し、ヘマトキシリンエオシン(H−E)(Vector Labs)で染色して、象牙質/歯髄様組織のレベルを評価した(図2)。このとき、本発明のペプチドを含まないインプラントを対照群として使用した。

0148

図2は、歯髄細胞及び様々な成分が含まれたインプラントの移植の6週間後に生体内で生成された象牙質/歯髄様組織を示す顕微鏡画像である。A〜Cは、歯髄細胞及びHA/TCPのみを含む対照インプラントの移植の6週間後の結果を示す顕微鏡画像(サイズバー:A200μm、B100μm、C50μm)であり;D〜Fは、歯髄細胞、HA/TCP、及びグループ11のペプチドを含むインプラントの移植の6週間後の結果を示す顕微鏡画像(サイズバー:D200μm、E100μm、F50μm)であり;G〜Iは、歯髄細胞、HA/TCP、及びグループ12のペプチドを含むインプラントの移植の6週間後の結果を示す顕微鏡画像(サイズバー:G200μm、H100μm、I50μm)であり;J〜Lは、歯髄細胞、HA/TCP、及びrhBMP−2を含む比較インプラントの移植の6週間後の結果を示す顕微鏡画像(サイズバー:J200μm、K100μm、L50μm)である。

0149

図2に示すように、本発明のペプチドを含むかまたは含まないインプラントを移植した場合(A〜I)には、HA/TCP粒子の周囲に象牙質/歯髄様組織の生成が確認されたが、rhBMP−2を含む比較インプラントを移植した場合(J〜L)には、HA/TCP粒子の周囲に骨様石灰化組織及び骨髄様組織の生成が確認された。

0150

さらに、本発明のペプチドを含まないインプラントを移植した場合(A〜C)と比べて、本発明のペプチドを含むインプラントを移植した場合(D〜I)には、相対的に高いレベルで、生体内の象牙質歯髄組織に最も類似した象牙質歯髄様組織が生成した。

0151

実施例3−2:6週間飼育された動物に由来する移植組織のコラーゲン染色分析
コラーゲンは、象牙質及び骨に最も豊富に存在する有機基質であり、無機質沈着させ、象牙質の再生に重要な役割を果たすことが知られている。

0152

このことから、実施例3−1で摘出された各組織のコラーゲン産生レベルを確認するために、Polysciences社のMasson’s Trichrome Stain Kit(Cat. 25088-100)を用いて、前記組織をコラーゲン染色(マッソントリクローム染色)に供した(図3)。このとき、本発明のペプチドを含まないインプラントが移植された組織を対照群として使用した。

0153

図3は、歯髄細胞及び様々な成分が含まれたインプラントの移植の6週間後に生体内で形成された象牙質/歯髄様組織におけるコラーゲン産生レベルを示す顕微鏡画像である。A〜Cは、歯髄細胞及びHA/TCPのみを含む対照インプラントの移植の6週間後の結果を示し(サイズバー:A500μm、B200μm、C50μm)、D〜Fは、歯髄細胞、HA/TCP、及びグループ11のペプチドを含むインプラントの移植の6週間後の結果を示し(サイズバー:D500μm、E200μm、F50μm)、G〜Iは、歯髄細胞、HA/TCP、及びグループ12のペプチドを含むインプラントの移植の6週間後の結果を示し(サイズバー:G500μm、H200μm、I50μm)、J〜Lは、歯髄細胞、HA/TCP、及びrhBMP−2を含む比較インプラントの移植の6週間後の結果を示す(サイズバー:J500μm、K200μm、L50μm)。

0154

図3に示すように、対照インプラントを移植した場合と比べて、本発明のペプチドを含むインプラントを移植した場合には、コラーゲン産生レベルの増加が示された。

0155

実施例3−3:6週間飼育された動物に由来する移植組織の免疫染色分析
実施例3−1で摘出された各組織における、象牙芽細胞特異的分化マーカー遺伝子であるDSP及び骨芽細胞特異的分化マーカーであるBSPの発現レベルを評価するために、免疫染色分析を行った。

0156

大まかにいうと、前記摘出された組織を4%パラホルムアルデヒドで固定し、10%EDTA(pH7.4)で脱灰させて、パラフィンに包埋した後に、1次抗体として1:150に希釈した抗DSP及び抗BSP抗体を用いて免疫染色し、2次抗体としてビオチン標識ヤギ抗ウサギIgG(Vector Labs)と反応させ、DSP及びBSPのレベルを測定した(図4)。このとき、本発明のペプチドを含まないインプラントが移植された組織を対照群として使用した。

0157

図4は、歯髄細胞及び様々な成分が含まれたインプラントの移植の6週間後に生体内で形成された象牙質/歯髄様組織における、象牙芽細胞特異的分化マーカー遺伝子DSP及び骨芽細胞特異的分化マーカーBSPの発現レベルを評価した結果を示す免疫染色画像である。A及びEは、歯髄細胞及びHA/TCPのみを含む対照インプラントの移植の6週間後の結果を示し、B及びFは、歯髄細胞、HA/TCP、及びグループ11のペプチドを含むインプラントの移植の6週間後の結果を示し、C及びGは、歯髄細胞、HA/TCP、及びグループ12のペプチドを含むインプラントの移植の6週間後の結果を示し、D及びHは、歯髄細胞、HA/TCP、及びrhBMP−2を含む比較インプラントの移植の6週間後の結果を示す。A、B、C、及びDの矢印は、新たに形成された象牙質様組織でDSPが発現された部分を示し、E、F、G、及びHの矢印は、新たに形成された骨様組織でBSPが発現された部分を示す。サイズバーは50μmである。

0158

図4に示すように、対照インプラントが移植された場合には、新たに形成された象牙質/歯髄様組織においてDSPが低いレベルで発現され(A)、一方、グループ11または12のペプチドを含むインプラントが移植された場合には、新たに形成された石灰化された組織においてDSPが相対的に高いレベルで発現された(B及びC)。しかし、rhBMP2を含むインプラントが移植された場合には、DSPはほとんど発現されなかった(D)。

0159

また、対照インプラント(E)、グループ11のペプチドを含むインプラント(F)またはグループ12のペプチドを含むインプラント(G)が移植された場合には、形成された石灰化された組織においてBSPが低いレベルで発現され、一方、rhBMP2を含むインプラント(H)が移植された場合には、形成された石灰化された組織及び石灰化された組織に閉じ込められた骨細胞様細胞においてBSPが相対的に非常に高いレベルで発現された。

0160

実施例3−4:12週間飼育された動物に由来する移植組織の形態学的分析
インプラントが移植されたマウスを12週間飼育することを除いて、実施例3−1と同様に、象牙質/歯髄様組織のレベルを評価した(図5)。

0161

図5は、歯髄細胞及び様々な成分が含まれたインプラントの移植の12週間後に生体内で形成された象牙質/歯髄様組織を示す顕微鏡画像である。A〜Cは、歯髄細胞及びHA/TCPのみを含む対照インプラントの移植の12週間後の結果を示す顕微鏡画像(サイズバー:A500μm、B200μm、C50μm)であり;D〜Fは、歯髄細胞、HA/TCP、及びグループ11のペプチドを含むインプラントの移植の12週間後の結果を示す顕微鏡画像(サイズバー:D500μm、E200μm、F50μm)であり;G〜Iは、歯髄細胞、HA/TCP、及びグループ12のペプチドを含むインプラントの移植の12週間後の結果を示す顕微鏡画像(サイズバー:G500μm、H200μm、I50μm)であり;J〜Lは、歯髄細胞、HA/TCP、及びrhBMP−2を含む比較インプラントの移植の12週間後の結果を示す顕微鏡画像(サイズバー:J500μm、K200μm、L50μm)である。

0162

図5に示すように、本発明のペプチドを含むかまたは含まないインプラントの移植後12週間マウスを飼育した場合(A〜I)には、移植後6週間飼育したマウスと同様に、HA/TCP粒子の周辺に象牙質/歯髄様組織及び象牙芽細胞突起の生成が確認されたが、rhBMP−2を含む比較インプラントを移植した場合(J〜L)には、HA/TCP粒子の周囲に、細胞が基質中に閉じ込められた骨様組織及び骨髄様組織の生成が確認された。

0163

さらに、本発明のペプチドを含まないインプラントを移植した場合(A〜C)と比べて、本発明のペプチドを含むインプラントを移植した場合(D〜I)には、生体内のものと類似性が高い象牙芽細胞及び象牙質/歯髄組織複合体が生成することが確認された。

0164

実施例3−5:12週間飼育された動物に由来する移植組織のコラーゲン染色分析
実施例3−4で摘出された各組織のコラーゲンタンパク質産生レベルを調べるために、Polysciences社のMasson’s Trichrome Stain Kit(Cat. 25088-100)を用いて、前記組織をコラーゲン染色(マッソントリクローム染色)に供した(図6)。このとき、本発明のペプチドを含まないインプラントが移植された組織を対照群として使用した。

0165

図6は、歯髄細胞及び様々な成分が含まれたインプラントの移植の12週間後に生体内で形成された象牙質/歯髄様組織におけるコラーゲン産生レベルを示す顕微鏡画像である。A〜Cは、歯髄細胞及びHA/TCPのみを含む対照インプラントの移植の12週間後の結果を示し(サイズバー:A500μm、B200μm、C50μm)、D〜Fは、歯髄細胞、HA/TCP、及びグループ11のペプチドを含むインプラントの移植の12週間後の結果を示し(サイズバー:D500μm、E200μm、F50μm)、G〜Iは、歯髄細胞、HA/TCP、及びグループ12のペプチドを含むインプラントの移植の12週間後の結果を示し(サイズバー:G500μm、H200μm、I50μm)、J〜Lは、歯髄細胞、HA/TCP、及びrhBMP−2を含む比較インプラントの移植の12週間後の結果を示す(サイズバー:J500μm、K200μm 、L50μm)。

0166

図6に示すように、移植の12週間後において、対照インプラントを移植した場合と比べて、本発明のペプチドを含むインプラントでは、移植の6週間後と同様にコラーゲン産生レベルが増加したことが確認された。

0167

実施例3−6:12週間飼育された動物に由来する移植組織の免疫染色分析
実施例3−1で摘出された組織の代わりに実施例3−4で摘出された各組織を用いたことを除いて、実施例3−3と同様に、免疫染色分析を行った(図7)。このとき、本発明のペプチドを含まないインプラントが移植された組織を対照群として使用した。

0168

図7は、歯髄細胞及び様々な成分が含まれたインプラントの移植の12週間後に生体内で形成された象牙質/歯髄様組織における、象牙芽細胞特異的分化マーカー遺伝子DSP及び骨芽細胞特異的分化マーカーBSPの発現レベルを評価した結果を示す免疫染色画像である。A及びEは、歯髄細胞及びHA/TCPのみを含む対照インプラントの移植の12週間後の結果を示し、B及びFは、歯髄細胞、HA/TCP、及びグループ11のペプチドを含むインプラントの移植の12週間後の結果を示し;C及びGは、歯髄細胞、HA/TCP、及びグループ12のペプチドを含むインプラントの移植の12週間後の結果を示し、D及びHは、歯髄細胞、HA/TCP、及びrhBMP−2を含む比較インプラントの移植の12週間後の結果を示す。 A、B、C、及びDの矢印は、新たに形成された象牙質様組織においてDSPが発現された部分を示し、E、F、G、及びHの矢印は、新たに形成された骨様組織においてBSPが発現された部分を示す。サイズバーは50μmである。

0169

図7に示すように、移植後6週間と同様に、対照インプラント(A)またはrhBMP2を含むインプラント(D)は移植後12週間で、新たに形成された象牙質/歯髄様組織においてDSPが低いレベルで発現されたが、グループ11または12のペプチドを含むインプラント(B及びC)は移植後12週間で、新たに形成された石灰化された組織においてDSPが相対的に非常に高いレベルで発現されたことが確認された。

0170

また、対照インプラント(E)、グループ11のペプチドを含むインプラント(F)、またはグループ12のペプチドを含むインプラント(G)が移植された場合には、形成された石灰化された組織においてBSPが低いレベルで発現されたが、rhBMP2を含むインプラント(H)が移植された場合には、形成された石灰化された組織及び石灰化された組織に閉じ込められた骨細胞様細胞において、BSPが相対的に非常に高いレベルで発現されたことが確認された。

0171

したがって、本発明のペプチドは、象牙質/歯髄組織複合体の再生を促進することができる効果を示すことが分かった。

0172

実施例3−7:移植組織の象牙芽細胞への分化の分析
実施例3−4で摘出された組織において、インプラントに含まれた歯髄細胞が象牙芽細胞に分化されたかどうかを、走査型電子顕微鏡を用いて調べた(図8)。このとき、本発明のペプチドを含まないインプラントが移植された組織を対照群として使用した。

0173

大まかにいうと、各組織を2.5%グルタルアルデヒド/0.1Mカコジル酸緩衝液に30分間浸漬して固定し、固定された各組織を1%四酸化オスミウムを含むカコジル酸緩衝液に1時間浸漬して反応させた。前記組織をエタノール中で脱水し、乾燥させた後、乾燥させた組織を金でコーティングして、走査型電子顕微鏡(S-4700、HITACHI、Tokyo、Japan)で可視化した。

0174

図8は、歯髄細胞及び様々な成分が含まれたインプラントの移植の12週間後に生体内で形成された象牙質/歯髄様組織の内部構造を示す走査型電子顕微鏡画像である。A及びBは、歯髄細胞及びHA/TCPのみを含む対照インプラントの移植の12週間後の結果を示し(サイズバー:A50μm、B20μm); C及びDは、歯髄細胞、HA/TCP、及びグループ12のペプチド(配列番号96)を含むインプラントの移植の12週間後の結果を示し(サイズバー:C50μm、D20μm); E及びFは、歯髄細胞、HA/TCP、及びrhBMP−2を含む比較インプラントの移植の12週間後の結果を示す(サイズバー:E50μm、F20μm)。

0175

図8に示すように、対照インプラント(A及びB)が移植された場合には、形成された硬組織の周囲に、象牙芽細胞突起を有する象牙芽細胞様細胞が部分的に観察され、本発明のペプチドを含むインプラント(C及びD)が移植された場合には、形成された硬組織の周囲に、多数の象牙芽細胞様細胞が観察され、形成された硬組織の方向に象牙芽細胞突起が延びていた。しかし、rhBMP−2を含む比較インプラント(E及びF)が移植された場合には、形成された硬組織の表面に付着した立方細胞が観察され、これは骨芽細胞の典型的な特徴である。

0176

したがって、本発明のペプチドは、象牙芽細胞をより効果的に形成しうることが分かった。

0177

実施例4:ヒトの歯における、象牙質または歯髄組織の再生促進用及び象牙質知覚過敏症の治療用のペプチドの効果
天然の歯の象牙質壁及び空いている歯髄空間は、歯髄細胞による象牙質/歯髄様組織の再生に特異的な局所環境を作ることが知られている(HuangGT,et al.(2010) Tissue engineering. Part A 16(2):605-615)。このことから、歯根管空間での象牙質/歯髄様組織の形成を評価した。

0178

詳細には、実施例3−1で作製したインプラントのうち、比較インプラントまたはグループ12のペプチド(配列番号96)を10μg/mlの濃度で含むインプラントを、ヒトの歯根管空間に6週間移植し、各インプラントにおいて形成される象牙質/歯髄様組織を、実施例3−1の方法に従ってヘマトキシリン−エオシン(H−E)染色に供し、実施例3−7の方法に従って走査型電子顕微鏡で撮影した(図9)。

0179

図9は、 本発明のペプチドを含むインプラントをヒトの歯の歯根管空間に移植した後に形成された象牙芽細胞/歯髄様組織を分析した結果を示す顕微鏡画像及び走査型電子顕微鏡画像である。A及びBは、歯髄細胞及びHA/TCPのみを含む対照インプラントが移植された組織を染色した結果を示し(サイズバー:A500μm、B50μm);C、D、及びD’は、歯髄細胞、HA/TCP、及びグループ12のペプチド(配列番号96)を含むインプラントが移植された組織を染色した結果を示し、Dは、Cのボックス1の拡大図であり、D’は、Cのボックス2の拡大図であり(サイズバー:C500μm、D50μm、D’50μm);E及びFは、歯髄細胞及びHA/TCPのみを含む対照インプラントが移植された組織を走査型電子顕微鏡で撮影した結果を示し(サイズバー:E50μm、F10μm); G及びHは、歯髄細胞、HA/TCP、及びグループ12のペプチド(配列番号96)を含むインプラントが移植された組織を走査型電子顕微鏡で撮影した結果を示す(サイズバー:G50μm、H10μm)。Pは、再生された歯髄を示し、Deは、既存の象牙質壁を示し、DTは、既存の象牙細管を示し、Odは、象牙芽細胞を示し、OPは、象牙芽細胞突起を示し、Dの矢印は、象牙芽細胞突起を有する再生された象牙芽細胞様細胞を示す。

0180

図9に示すように、対照インプラントまたはグループ12のペプチドを含むインプラントが移植されたすべての歯根管の内部で、血管が発達した歯髄様組織が形成されたことが確認された。

0181

しかし、本発明のグループ12のペプチドを含むインプラントが移植された場合には、象牙芽細胞様細胞は、既存の象牙質壁上で柵状配列を呈し、その細胞質突起は、伸長した核により既存の象牙細管に向かって延びており、既存の象牙質壁中に新たに形成された象牙質が確認された(C、D、及びD’)。

0182

特に、走査型電子顕微鏡画像(E〜H)に示すように、対照インプラント(E及びF)が移植された場合と比べて、グループ12のペプチドを含むインプラント(G及びH)が移植された場合には、象牙芽細胞様細胞は、既存の象牙質壁上で柵状配列を呈し、その細胞質突起は、伸長した核により既存の象牙細管に向かって延びていた。

0183

実施例5:間接歯髄覆罩術イヌモデルにおける、新規なペプチドが生理的象牙質(第三象牙質)の形成に及ぼす効果
間接歯髄覆罩術モデルにおいて新規なペプチドが生理的象牙質(第三象牙質)の形成に及ぼす効果を調べるために、その象牙質再生能を評価した。

0184

詳細には、間接歯髄覆罩術による象牙質損傷イヌモデルを確立するために、歯科用バーを使用して、生後12ヶ月の成小臼歯から頸部(cervical part)のエナメル質の一部を除去した。象牙質を露出させる程度に応じて、象牙質を浅く除去して浅い窩洞を形成する浅い窩洞モデル、及び、歯髄が外から透け見えるが外に露出しない状態になるように象牙質を除去する深い窩洞モデルを確立した。これらのモデルを、対照群、グループ11のペプチド、またはグループ12のペプチドで処理し、3週間後に成犬を安楽死させて歯を抜いた。

0185

抜いた歯を、4%パラホルムアルデヒドで24時間固定した後にPBS(pH7.4)で数回洗浄し、10%ギ酸を用いて脱灰させた。脱灰された歯はパラフィンに包埋し、組織切片を作製した。組織切片はヘマトキシリン/エオシン(H&E)で染色し、組織学的分析により象牙質再生能を評価した。

0186

図10は、間接歯髄覆罩術モデルのうち浅い窩洞モデルにおける、新規なペプチドが生理的象牙質(第三象牙質)の形成に及ぼす効果の組織学的分析の顕微鏡画像である。A〜Cは、露出された象牙質の象牙細管の入口に何の物質も適用していない対照群の結果を示す顕微鏡画像(サイズバー:A500μm、B100μm、C50μm)であり;D〜Fは、露出された象牙質の象牙細管の入口にグループ11のペプチド(1.5μg)を適用した結果を示す顕微鏡画像(サイズバー:D500μm、E100μm、F50μm)であり;G〜Iは、露出された象牙質の象牙細管の入口にグループ12のペプチド(1.5μg)を適用した結果を示す顕微鏡画像(サイズバー:G500μm、H100μm、I50μm)である。Pは、歯髄を示し、Dは、象牙質を示し、 TDは、新たに形成された生理的(第三)象牙質を示す。

0187

対照群では、損傷された象牙質に何の変化も観察されなかった(図10A〜C)。しかし、グループ11(図10D〜F)及びグループ12(図10G〜I)のペプチドで処理した群では、破損された象牙質に存在する既存の象牙質の下の部分で、既存の象牙質構造の象牙芽細胞突起と連続する新しい生理的第三象牙質(TD)が再生されたことが観察された。

0188

図11は、間接歯髄覆罩術モデルのうち深い窩洞モデルにおける、新規なペプチドが生理的象牙質(第三象牙質)の形成に及ぼす効果の組織学的分析の顕微鏡画像である。A〜Cは、露出された象牙質の象牙細管の入口に何の物質も適用せずに歯科用修復材GIcement(グラスアイオノマーセメント、Fuji II LC,GCAmerica Inc., Alsip,IL, USA)を充填した対照群の結果を示す顕微鏡画像(サイズバー:A500μm、B100μm、C50μm)であり;D〜Fは、露出された象牙質の象牙細管の入口を、グループ11のペプチド(1.5μg)で処理した後、GI cementを充填した結果を示す顕微鏡画像(サイズバー:D500μm、E100μm、F50μm)であり;G〜Iは、露出された象牙質の象牙細管の入口を、グループ12のペプチド(1.5μg)で処理した後、GI cementを充填した結果を示す顕微鏡画像(サイズバー:G500μm、H100μm、I50μm)である。Pは、歯髄を示し、Dは、象牙質を示し、TDは、新たに形成された生理的(第三)象牙質を示す。

0189

深い窩洞モデルでも、浅い窩洞モデルと同様の結果が観察された。破損された象牙質部位を歯科用修復材であるGIcementで処理した対照群では何の変化も観察されなかった(図11A〜C)。しかし、グループ11(図11D〜F)またはグループ12(図11G〜I)のペプチド及びGI cementで処理した群では、破損された象牙質に存在する既存の象牙質の下の部分で、既存の象牙質構造の象牙芽細胞突起と連続する新たな生理的第三象牙質(TD)が再生されたことが観察された。

0190

実施例6:直接歯髄覆罩術のイヌモデルにおける、新規なペプチドが生理的象牙質(第三象牙質)の形成に及ぼす効果
直接歯髄覆罩術モデルにおいて新規なペプチドが生理的象牙質(第三象牙質)の形成に及ぼす効果を調べるために、象牙質再生能を評価した。

0191

詳細には、直接歯髄覆罩術による象牙質損傷イヌモデルを確立するために、歯科用バーを使用して、生後12ヶ月の成犬の小臼歯から、歯髄が外に露出されるように歯茎部のエナメル質及び象牙質を除去した。前記モデルを、対照群、グループ11のペプチド、またはグループ12のペプチドで処理し、3週間後に成犬を安楽死させて歯を抜いた。

0192

抜いた歯を、4%パラホルムアルデヒドで24時間固定した後にPBS(pH7.4)で数回洗浄し、10%ギ酸を用いて脱灰させた。脱灰された歯はパラフィンに包埋し、組織切片を作製した。組織切片はヘマトキシリン/エオシン(H&E)で染色し、組織学的分析により象牙質再生能を評価した。

0193

図12は、直接歯髄覆罩術モデルにおける、新規なペプチドが生理的象牙質(第三象牙質)の形成に及ぼす効果の組織学的分析の顕微鏡画像である。A〜Cは、露出された歯髄に何の物質も適用せずにGIcementで処理した対照群の結果を示す顕微鏡画像(サイズバー:A200μm、B100μm、C50μm)であり;D〜Fは、露出された歯髄に何の物質も適用せずにMTA(ミネラル三酸化物集合体、ProRoot MTA, Dentsply Tulsa Dental, Tulsa, OK,USA)で密封した後にGI cementで覆った陽性対照群の結果を示す顕微鏡画像(サイズバー:D500μm、E200μm、F50μm)であり;G〜Iは、露出された歯髄をグループ11のペプチド(1.5μg)で処理してMTAで密封した後にGI cementで覆った結果を示す顕微鏡画像(サイズバー:G200μm、H100μm、I50μm)であり;J〜Lは、露出された歯髄をグループ12のペプチド(1.5μg)で処理してMTAで密封した後にGI cementで覆った結果を示す顕微鏡画像(サイズバー:J500μm、K100μm、L50μm)である。Dは、象牙質を示し、ODは、骨様象牙質を示し、TDは、新たに形成された生理的(第三)象牙質を示す。

0194

GIcementで処理した対照群では、損傷された象牙質の歯髄に何の変化も観察されなかった(図12A〜C)。MTAは、現在、象牙質の形成及び再生に広く使われている歯科用修復材である。しかし、MTAによって形成される硬組織は、石灰化された組織に細胞が閉じ込められており、象牙質の重要な構成要素である象牙細管のない骨に類似した骨様象牙質を示すことが知られている。本結果からも、MTAで処理された群では、露出された歯髄の上部及び下部に残っている既存の象牙質に沿って、石灰化された組織に細胞が閉じ込められている骨様象牙質(OD)が観察された(図12D〜F)。しかし、MTA及びグループ11(図12G〜I)またはグループ12(図12J〜L)のペプチドで処理された群では、露出された歯髄の上部及び下部に残っている既存の象牙質に沿って、既存象牙質の象牙芽細胞突起と連続する新たな生理的象牙質(TD)が形成されたことが観察された。

0195

実施例の結果を総合すると、本発明のペプチドは、象牙芽細胞特異的分化マーカー遺伝子であるDspp、Dmp1、及びNestin遺伝子の発現レベルを増加させ、歯髄細胞と一緒に体内に移植される場合には象牙芽細胞の形成を促進し、特に歯根管空間に移植される場合には、前記歯髄細胞が象牙質/歯髄様組織へと形成されることを促進する効果を示すことが分かった。また、天然のヒトの歯の象牙質で観察されるものと同様の生理的象牙質が、新規なペプチドによって形成されることも分かった。

0196

したがって、本発明のペプチドは、象牙質疾患または歯髄疾患の治療に用いられうることが分かった。

実施例

0197

この研究は、2017年度産業通商資源部が助成する韓国産業技術評価管理院(KEIT)の支援による研究である(「10078369」)。

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