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課題・解決手段

溶射コーティング膜品質を向上させるために、その流動特性が向上した、溶射ガン投入される高流動性粉末、及びこれを利用したコーティング方法が開示される。顆粒形態の溶射粉末、熱処理された溶射粉末、又はプラズマ表面処理された溶射粉末の表面に、有機単量体コーティングすることで、溶射粉末の流動特性を大きく向上させることができる。また、有機単量体でコーティングされた溶射粉末の向上した流動特性は、コーティング歩留まりの上昇、コーティング層の品質の向上、及び溶射ガン(Spray Gun)の使用持続時間の延長を可能にするので、溶射粉末の価格競争力を高めることができる。

概要

背景

溶射粉末を利用したセラミック溶射コーティング技術は、多様な分野に適用されており、産業別では、一般機械、半導体液晶鉄鋼、及び印刷分野において最も活発に適用されている。該溶射コーティング技術は、中国、韓国、シンガポールなどの市場規模が拡大しており、アジア全体の市場規模がアメリカ及びEUと同程度まで成長している、非常に有望な技術である。

溶射粉末を利用した溶射コーティング方法には、アーク溶射法、火炎溶射法、高速火炎溶射法、プラズマ溶射法、冷間スプレー(Cold Spray:CS)法、SPS法(Suspension plasma spray)、SPPS法(Solution precursor plasma spray)などがある。

溶射材料の側面から見ると、熱遮蔽コーティングに利用される安定化ジルコニア(YSZ)、絶縁材料としてのAl2O3、光触媒用のTiO2を対象に、活発に開発及び販売がなされており、日本では生体用材料であるヒドロキシアバタイトも、付加価値が高い溶射皮膜材料に適用するため、開発が進められている。タングステン(W)も原子力分野放射線遮蔽核融合炉プラズマ隔壁用の高温材料として重要な材料であり、この適用のために溶射皮膜の開発が進められている。

セラミック溶射コーティング技術は、耐摩耗性改善のための耐摩耗性素材のコーティングに多用されており、溶射コーティングによる耐摩耗性コーティングは、充分な機械的強度を有している。溶射コーティング膜は、滑り(sliding)、転がり(rolling)、あるいは衝撃の形態で接触するようになる相手方構造表面との接触において耐え得るように、また摩擦及び摩耗に対する制御が可能であるように、溶射コーティング材料としてセラミック粉末材料が、相当な水準で用いられる。このようなセラミックコーティングを通じて摩耗及び摩擦を効果的に制御できるので、産業分野での応用が持続的に拡大している。

溶射コーティング方法において、溶射コーティング膜の品質に最も大きな影響を与えているのは、溶射粉末供給部から吐出する溶射粉末の吐出速度の維持である。溶射コーティング時に溶射粉末の吐出速度が一定に維持されないと、溶射コーティング膜の均一性が低下したり、気孔の発生率設計値外れたり、溶射皮膜の強度が低下するなどの不利な結果が示される。

また、溶射ガン(spray gun)の溶射粉末供給部で、溶射粉末がノズルから溶射ガンのプラズマ又は火炎へと吐出される時、閉塞(clogging)現象が発生する。砂時計で発生する現象のように、限定された入口から粉末が吐出する時に多発する問題である。

溶射コーティングに用いられる粉末からスラリーを調製し、該スラリーを吐出して使用すると閉塞現象が抑制され、一定の圧力により吐出量が維持され得る。

しかし、スラリーを利用した吐出は、スラリーの調製時に含まれる有機不純物によって、溶射皮膜の品質が低下する。

また、噴霧乾燥方式で調製された溶射粉末は、顆粒の形状、顆粒の表面粗さなどに応じて、溶射皮膜の品質が低下する。

現在適用されている溶射粉末の多くは、噴霧乾燥方式で球形化することによって粉末間の摩擦を減らし、粉末の重心を球形の中心に制御することによって閉塞現象を減らして、溶射コーティングに適用させている。

しかし、その重心を球形の中心に合わせて粉末を調製する費用が高く、調製が困難であるという問題がある。

また、粉末の流動特性値が低いため、溶射コーティングの品質低下をもたらす。

大韓民国登録特許第10−0669819号明細書(出願日:2003年8月19日)には、スラリーの調製時に、非水系の溶剤を使用して粉末を分散し、噴霧乾燥方式で、スラリーからY2O3系、Al2O3系、TiO2系、AlN系窒化物系顆粒粉末を調製し、引き続き顆粒粉末を焼結熱処理してセラミック粉末の調製を完了する技術が記載されている。特に、従来のY2O3原料粉末流動度は、測定が不可能な状態であり、噴霧乾燥方式で粉末を調製する場合、0.19g/sの流動度を有すると報告されている。

しかし、粉末調製における変更を通じて粉末の流動特性を向上させるには限界があり、依然として溶射コーティング膜の品質を大きく向上させるには至っていない。

大韓民国登録特許第10−0863697号明細書(出願日:2007年12月31日)には、別途の追加工程なしに溶射コーティング膜をシーリング処理するために、溶射コーティング用の粉末とシーリング用の有機物粉末とを共に溶射し、溶射コーティング膜を形成する技術が記載されている。

また、溶射コーティング用の粉末は、セラミック粉末の外面にシーリング膜を形成して取り囲んだものであり、シーリング用の有機物粉末を、前記外面を取り囲んだ状態で熱処理して収得している。セラミック粉末と前記有機物粉末との粒径比は、1:0.1〜0.3であり、さらに範囲を狭めて、セラミック粉末と有機物粉末との含量比を、1:0.2〜0.5に調整した溶射用粉末が提案されている。

しかし、従来技術は、溶射皮膜の形成時に溶射皮膜のシーリング膜を形成するためのものであって、相当量有機物がセラミック粉末にコーティングされているため、溶射粉末間の凝集の発生により、溶射コーティング膜の均一度などの品質が低下するという問題がある。

また、溶射粉末の吐出時に発生する閉塞現象により、粉末の吐出が遅滞して溶射皮膜の品質が低下するという問題もある。

概要

溶射コーティング膜の品質を向上させるために、その流動特性が向上した、溶射ガンに投入される高流動性粉末、及びこれを利用したコーティング方法が開示される。顆粒形態の溶射粉末、熱処理された溶射粉末、又はプラズマ表面処理された溶射粉末の表面に、有機単量体をコーティングすることで、溶射粉末の流動特性を大きく向上させることができる。また、有機単量体でコーティングされた溶射粉末の向上した流動特性は、コーティング歩留まりの上昇、コーティング層の品質の向上、及び溶射ガン(Spray Gun)の使用持続時間の延長を可能にするので、溶射粉末の価格競争力を高めることができる。

目的

本発明が達成しようとする第1技術的課題は、粉末の吐出時に流動特性が向上した高流動性溶射粉末を提供する

効果

実績

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請求項1

顆粒粉末、及び前記顆粒粉末の表面に付着した有機単量体を含むことを特徴とする、高流動性溶射粉末

請求項2

前記顆粒粉末は、ZrO2、Y2O3、Al2O3、AlN、HfO2、TiO2、及び安定化ジルコニアからなる群より選択されたいずれか1つであることを特徴とする、請求項1に記載の高流動性溶射粉末。

請求項3

前記顆粒粉末は、顆粒化工程を通じて製造された粉末であることを特徴とする、請求項2に記載の高流動性溶射粉末。

請求項4

前記顆粒粉末は、プラズマによって表面処理された粉末であることを特徴とする、請求項3に記載の高流動性溶射粉末。

請求項5

前記プラズマによって表面処理された前記顆粒粉末は、その表面粗さが減少したものであることを特徴とする、請求項4に記載の高流動性溶射粉末。

請求項6

前記プラズマによって表面処理された前記顆粒粉末は、その表面が溶融して表面密度が増加したものであることを特徴とする、請求項4に記載の高流動性溶射粉末。

請求項7

前記顆粒粉末は、安定化ジルコニアであることを特徴とする、請求項6に記載の高流動性溶射粉末。

請求項8

前記有機単量体の含量は、前記顆粒粉末の重量に対して0.05wt%〜5.0wt%の範囲にあることを特徴とする、請求項1に記載の高流動性溶射粉末。

請求項9

前記有機単量体は、前記顆粒粉末の表面積の5%〜100%を占有していることを特徴とする、請求項1に記載の高流動性溶射粉末。

請求項10

前記有機単量体は、陰イオン性界面活性剤陽イオン性界面活性剤両性界面活性剤、及び非イオン性界面活性剤からなる群より選択されたいずれか1つであることを特徴とする、請求項1に記載の高流動性溶射粉末。

請求項11

前記有機単量体は、パルミチン酸(palmiticacid)、テトラエチルオルトシリケート(tetraethylorthosilicate)、ヘキサメチルジシロキサン(hexamethyldisiloxane)、アクリル酸スチレンエチレンアクリルアミドメタクリル酸アクリレートビニルカルボン酸アクリロニトリル(acrylonitrile)、プロピレンオキサイド(propyleneoxide)、ブチルアクリレートステアリン酸(stearicacid、C17H35COOH)、オレイン酸(oleicacid、CH3(CH2)7CH=CH(CH2)7COOH)、エイコサン酸(eicosanicacid、C19H39COOH)、及びドコサン酸(docosanoicacid、C21H43COOH)からなる群より選択されたいずれか1つであることを特徴とする、請求項1に記載の高流動性溶射粉末。

請求項12

顆粒化工程を通じて製造された顆粒粉末を準備する段階、溶媒に有機単量体を投入して有機単量体溶液を調製する段階、前記有機単量体溶液内に前記顆粒粉末を投入し、混合する段階、及び前記溶媒を蒸発させながら前記顆粒粉末の表面に前記有機単量体をコーティングさせる段階を含む、高流動性溶射粉末の製造方法。

請求項13

前記顆粒粉末は、ZrO2、Y2O3、Al2O3、AlN、HfO2、TiO2、及び安定化ジルコニアからなる群より選択されたいずれか1つを含む、請求項12に記載の高流動性溶射粉末の製造方法。

請求項14

顆粒化工程を通じて製造された顆粒粉末を準備する段階の後に、前記顆粒粉末をプラズマ表面処理する段階をさらに含む、請求項12に記載の高流動性溶射粉末の製造方法。

請求項15

前記プラズマ表面処理によって、前記顆粒粉末の表面を溶融させてその表面密度を増加させ、その表面粗さを減少させる、請求項14に記載の高流動性溶射粉末の製造方法。

請求項16

前記顆粒粉末は、安定化ジルコニアである、請求項15に記載の高流動性溶射粉末の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、高流動性溶射粉末及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、粉末の表面が有機単量体コーティングされた高流動性溶射粉末及びその製造方法に関する。

背景技術

0002

溶射粉末を利用したセラミック溶射コーティング技術は、多様な分野に適用されており、産業別では、一般機械、半導体液晶鉄鋼、及び印刷分野において最も活発に適用されている。該溶射コーティング技術は、中国、韓国、シンガポールなどの市場規模が拡大しており、アジア全体の市場規模がアメリカ及びEUと同程度まで成長している、非常に有望な技術である。

0003

溶射粉末を利用した溶射コーティング方法には、アーク溶射法、火炎溶射法、高速火炎溶射法、プラズマ溶射法、冷間スプレー(Cold Spray:CS)法、SPS法(Suspension plasma spray)、SPPS法(Solution precursor plasma spray)などがある。

0004

溶射材料の側面から見ると、熱遮蔽コーティングに利用される安定化ジルコニア(YSZ)、絶縁材料としてのAl2O3、光触媒用のTiO2を対象に、活発に開発及び販売がなされており、日本では生体用材料であるヒドロキシアバタイトも、付加価値が高い溶射皮膜材料に適用するため、開発が進められている。タングステン(W)も原子力分野放射線遮蔽核融合炉プラズマ隔壁用の高温材料として重要な材料であり、この適用のために溶射皮膜の開発が進められている。

0005

セラミック溶射コーティング技術は、耐摩耗性改善のための耐摩耗性素材のコーティングに多用されており、溶射コーティングによる耐摩耗性コーティングは、充分な機械的強度を有している。溶射コーティング膜は、滑り(sliding)、転がり(rolling)、あるいは衝撃の形態で接触するようになる相手方構造表面との接触において耐え得るように、また摩擦及び摩耗に対する制御が可能であるように、溶射コーティング材料としてセラミック粉末材料が、相当な水準で用いられる。このようなセラミックコーティングを通じて摩耗及び摩擦を効果的に制御できるので、産業分野での応用が持続的に拡大している。

0006

溶射コーティング方法において、溶射コーティング膜の品質に最も大きな影響を与えているのは、溶射粉末供給部から吐出する溶射粉末の吐出速度の維持である。溶射コーティング時に溶射粉末の吐出速度が一定に維持されないと、溶射コーティング膜の均一性が低下したり、気孔の発生率設計値外れたり、溶射皮膜の強度が低下するなどの不利な結果が示される。

0007

また、溶射ガン(spray gun)の溶射粉末供給部で、溶射粉末がノズルから溶射ガンのプラズマ又は火炎へと吐出される時、閉塞(clogging)現象が発生する。砂時計で発生する現象のように、限定された入口から粉末が吐出する時に多発する問題である。

0008

溶射コーティングに用いられる粉末からスラリーを調製し、該スラリーを吐出して使用すると閉塞現象が抑制され、一定の圧力により吐出量が維持され得る。

0009

しかし、スラリーを利用した吐出は、スラリーの調製時に含まれる有機不純物によって、溶射皮膜の品質が低下する。

0010

また、噴霧乾燥方式で調製された溶射粉末は、顆粒の形状、顆粒の表面粗さなどに応じて、溶射皮膜の品質が低下する。

0011

現在適用されている溶射粉末の多くは、噴霧乾燥方式で球形化することによって粉末間の摩擦を減らし、粉末の重心を球形の中心に制御することによって閉塞現象を減らして、溶射コーティングに適用させている。

0012

しかし、その重心を球形の中心に合わせて粉末を調製する費用が高く、調製が困難であるという問題がある。

0013

また、粉末の流動特性値が低いため、溶射コーティングの品質低下をもたらす。

0014

大韓民国登録特許第10−0669819号明細書(出願日:2003年8月19日)には、スラリーの調製時に、非水系の溶剤を使用して粉末を分散し、噴霧乾燥方式で、スラリーからY2O3系、Al2O3系、TiO2系、AlN系窒化物系顆粒粉末を調製し、引き続き顆粒粉末を焼結熱処理してセラミック粉末の調製を完了する技術が記載されている。特に、従来のY2O3原料粉末流動度は、測定が不可能な状態であり、噴霧乾燥方式で粉末を調製する場合、0.19g/sの流動度を有すると報告されている。

0015

しかし、粉末調製における変更を通じて粉末の流動特性を向上させるには限界があり、依然として溶射コーティング膜の品質を大きく向上させるには至っていない。

0016

大韓民国登録特許第10−0863697号明細書(出願日:2007年12月31日)には、別途の追加工程なしに溶射コーティング膜をシーリング処理するために、溶射コーティング用の粉末とシーリング用の有機物粉末とを共に溶射し、溶射コーティング膜を形成する技術が記載されている。

0017

また、溶射コーティング用の粉末は、セラミック粉末の外面にシーリング膜を形成して取り囲んだものであり、シーリング用の有機物粉末を、前記外面を取り囲んだ状態で熱処理して収得している。セラミック粉末と前記有機物粉末との粒径比は、1:0.1〜0.3であり、さらに範囲を狭めて、セラミック粉末と有機物粉末との含量比を、1:0.2〜0.5に調整した溶射用粉末が提案されている。

0018

しかし、従来技術は、溶射皮膜の形成時に溶射皮膜のシーリング膜を形成するためのものであって、相当量有機物がセラミック粉末にコーティングされているため、溶射粉末間の凝集の発生により、溶射コーティング膜の均一度などの品質が低下するという問題がある。

0019

また、溶射粉末の吐出時に発生する閉塞現象により、粉末の吐出が遅滞して溶射皮膜の品質が低下するという問題もある。

先行技術

0020

大韓民国登録特許第10−0669819号明細書
大韓民国登録特許第10−0863697号明細書

発明が解決しようとする課題

0021

本発明が達成しようとする第1技術的課題は、粉末の吐出時に流動特性が向上した高流動性溶射粉末を提供することである。

0022

また、本発明が達成しようとする第2技術的課題は、前記第1技術的課題を達成するための高流動性溶射粉末の製造方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0023

前述した第1技術的課題を達成するための本発明は、顆粒粉末及び前記顆粒粉末の表面に付着した有機単量体を含むことを特徴とする、高流動性溶射粉末を提供するものである。

0024

前記顆粒粉末が、ZrO2、Y2O3、Al2O3、AlN、HfO2、TiO2、及び安定化ジルコニアからなる群より選択されたいずれか1つを含むことができる、高流動性溶射粉末であることを特徴とする。

0025

前記顆粒粉末が、顆粒化工程を通じて製造された粉末である、高流動性溶射粉末であることを特徴とする。

0026

前記顆粒粉末が、プラズマによって表面処理された粉末である、高流動性溶射粉末であることを特徴とする。

0027

前記プラズマによって表面処理された前記顆粒粉末が、その表面粗さが減少したものである、高流動性溶射粉末であることを特徴とする。

0028

前記プラズマによって表面処理された前記顆粒粉末が、その表面が溶融して表面密度が増加したものである、高流動性溶射粉末であることを特徴とする。

0029

前記顆粒粉末が、安定化ジルコニアである、高流動性溶射粉末であることを特徴とする。

0030

前記有機単量体の含量が、前記顆粒粉末の重量に対して0.05wt%〜5.0wt%の範囲にある、高流動性溶射粉末であることを特徴とする。

0031

前記有機単量体が、前記顆粒粉末の表面積の5%〜100%を占有している、高流動性溶射粉末であることを特徴とする。

0032

前記有機単量体が、陰イオン性界面活性剤陽イオン性界面活性剤両性界面活性剤、及び非イオン性界面活性剤からなる群より選択されたいずれか1つを含むことができる、高流動性溶射粉末であることを特徴とする。

0033

前記有機単量体が、パルミチン酸(palmitic acid)、テトラエチルオルトシリケート(tetraethyl orthosilicate)、ヘキサメチルジシロキサン(hexamethyldisiloxane)、アクリル酸スチレンエチレンアクリルアミドメタクリル酸アクリレートビニルカルボン酸アクリロニトリル(acrylonitrile)、プロピレンオキサイド(propylene oxide)、ブチルアクリレートステアリン酸(stearic acid、C17H35COOH)、オレイン酸(oleic acid、CH3(CH2)7CH=CH(CH2)7COOH)、エイコサン酸(eicosanic acid、C19H39COOH)、及びドコサン酸(docosanoic acid、C21H43COOH)からなる群より選択されたいずれか1つを含むことができる、高流動性溶射粉末であることを特徴とする。

0034

前述した第2技術的課題を達成するための本発明は、顆粒化工程を通じて製造された顆粒粉末を準備する段階、溶媒に有機単量体を投入して有機単量体溶液を調製する段階、前記有機単量体溶液内に前記顆粒粉末を投入し、混合する段階、及び前記溶媒を蒸発させながら前記顆粒粉末の表面に前記有機単量体をコーティングさせる段階を含む、高流動性溶射粉末の製造方法を提供するものである。

0035

前記顆粒粉末が、ZrO2、Y2O3、Al2O3、AlN、HfO2、TiO2、及び安定化ジルコニアからなる群より選択されたいずれか1つであることを特徴とする、高流動性溶射粉末の製造方法である。

0036

顆粒化工程を通じて製造された顆粒粉末を準備する段階の後に、前記顆粒粉末をプラズマ表面処理する段階をさらに含むことを特徴とする、高流動性溶射粉末の製造方法である。

0037

前記プラズマ表面処理によって、前記顆粒粉末の表面を溶融させてその表面密度を増加させ、その表面粗さを減少させることを特徴とする、高流動性溶射粉末の製造方法である。

0038

前記顆粒粉末が、安定化ジルコニアであることを特徴とする、高流動性溶射粉末の製造方法である。

発明の効果

0039

前述した本発明によると、溶射粉末の表面に有機コーティング層が形成され、溶射粉末の表面に一定量の静電気(斥力)の発生を誘導して粉末間の凝集が発生しないようにする効果がある。

0040

また、有機コーティングされた粉末の溶射コーティング時に、粉末の流動特性が向上して溶射ノズルで閉塞現象が抑制される効果がある。

0041

また、溶射コーティング時の粉末の流動特性が向上することによって、溶射コーティング膜の厚さの均一性が向上し、表面粗さが減少する効果がある。

0042

また、流動特性が向上した粉末を使用することによって、溶射コーティングのためのプラズマ溶射ガンの継続使用時間が長くなる効果がある。

0043

また、流動特性が向上した粉末を使用することによって、溶射ガンの粉末インジェクタ部分のノズル詰まり現象を解消する効果がある。

図面の簡単な説明

0044

本発明の好ましい一実施例に係る、溶射粉末の表面に有機単量体をコーティングする過程を示したフローチャートである。
本発明の好ましい一実施例に係る、5μm〜25μm範囲の顆粒粉末の300倍電子顕微鏡写真である。
本発明の好ましい一実施例に係る、5μm〜25μm範囲の顆粒粉末の1000倍電子顕微鏡写真である。
本発明の好ましい一実施例に係る、15μm〜45μm範囲の顆粒粉末の300倍電子顕微鏡写真である。
本発明の好ましい一実施例に係る、5μm〜25μm範囲の顆粒粉末の1000倍電子顕微鏡写真である。
本発明の好ましい一実施例に係る、15μm〜45μm範囲の顆粒粉末をプラズマ表面処理した粉末の300倍電子顕微鏡写真である。
本発明の好ましい一実施例に係る、15μm〜45μm範囲の顆粒粉末をプラズマ表面処理した粉末の1000倍電子顕微鏡写真である。
本発明の好ましい一実施例に係る、有機単量体でコーティングされた顆粒粉末の断面の模式図である。
本発明の好ましい一実施例に係る、有機単量体でコーティングされ、プラズマ表面処理された顆粒粉末の断面の模式図である。
本発明の好ましい一実施例に係る、溶射粉末の流動度を測定するための実験装置の概略図である。
本発明の好ましい一実施例に係る、溶射粉末を利用して溶射コーティングしたコーティング層の断面の電子顕微鏡写真である。
本発明の好ましい一実施例に係る、図11に示すダッシュ円(dash circle)の領域を拡大して測定したコーティング層の断面の電子顕微鏡写真である。

0045

本発明は多様な変更を加えることができ、多様な形態を有することができるが、特定の実施例を図面に例示して本文に詳細に説明する。しかし、これは本発明を特定の開示形態に対して限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるすべての変更、均等物乃至代替物を含むものと理解されるべきである。各図面の説明において、類似の参照符号を類似の構成要素に付与した。

0046

特に異なって定義されない限り、技術的又は科学的な用語を含めて、ここで用いられるすべての用語は、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同一の意味を有している。一般的に用いられる辞書に定義されているような用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有するものと解釈されるべきであり、本出願で明白に定義しない限り、理想的であるか過度形式的な意味に解釈されない。

0047

以下、添付した図面を参照して、本発明の好ましい実施例をより詳細に説明する。

0048

図1は、本発明の好ましい一実施例に係る、溶射粉末(顆粒粉末)の表面に有機単量体をコーティングする過程を示したフローチャートである。

0049

図1を参照すると、溶射粉末は通常の方法である噴霧乾燥方式で製造する。噴霧乾燥方式で製造された粉末は、顆粒状態の粉末であって、微細粉末集合体の形状の粉末である。

0050

通常は顆粒粉末を、か焼又は焼成し、溶射粉末として使用する。か焼工程を1200℃で4時間以下行い、引き続き焼成工程を1600℃で4時間以下行って、溶射粉末の要求特性に合わせて熱処理工程を採用する。このような工程を進行して溶射粉末を準備することができる。

0051

本発明では、か焼工程又は焼成工程を経て顆粒粉末を準備した後、該顆粒粉末を有機単量体が溶融されている溶液に投入する。顆粒粉末を投入した後、溶液を撹拌し、顆粒粉末を溶液内で充分に分散させる。

0052

溶液内で顆粒粉末を充分に分散させた後、溶液を加熱して溶媒を蒸発させる。引き続き、顆粒粉末の表面に有機単量体をコーティングさせる。溶媒の蒸発速度が低い際には、溶液全体が均一に加熱されるように湯煎方式で加熱する。溶媒の蒸発速度は、溶液全体の量により差があるが、工程を最適化して調整する。

0053

溶媒がすべて蒸発すると、溶射粉末は、見かけ上は凝集状態となる。この凝集状態は、工程又は簡単な解砕工程を通じて解消することができる。

0054

顆粒粉末の表面の有機単量体コーティング量は、初期溶液の調製時の有機単量体の投入量又は溶液内に投入される顆粒粉末量に応じて調整することができる。

0055

顆粒粉末を利用した溶射コーティング工程を進行する際には、顆粒粉末の吐出が発生しない。したがって、顆粒粉末をか焼工程又は焼成工程に供して粉末の密度を高め、表面粗さを低減させて、溶射工程に対応可能な溶射粉末として使用する。しかし、依然として溶射コーティングのためには、粉末の吐出に問題があるため、溶射コーティング膜の品質に大きな影響を及ぼす。溶射コーティング業者別に粉末処理ノウハウを保有しており、溶射コーティングのための溶射粉末の仕様を決定しているが、溶射コーティング時の粉末の吐出遅滞のような問題は、常に存在する状態である。

0056

図2は、本発明の好ましい一実施例に係る、5μm〜25μm範囲の顆粒粉末の300倍電子顕微鏡写真である。

0057

図2を参照すると、噴霧乾燥方式で製造された顆粒粉末の電子顕微鏡写真であって、大きさ分布が5μm〜25μmの範囲の顆粒粉末である。

0058

図3は、本発明の好ましい一実施例に係る、5μm〜25μm範囲の顆粒粉末の1000倍電子顕微鏡写真である。

0059

図3を参照すると、顆粒粉末の表面状態から、顆粒粉末の表面粗さが大きな値であると間接的に予測される。顆粒粉末は、微細粉末をか焼工程及び焼成工程に供して準備された。

0060

また、電子顕微鏡写真を見ると、相当量の内部気孔が存在することが分かり、これに伴って粉末の表面積が大きいため、粉末間の摩擦による静電気の発生量が大きいと予想することができる。顆粒粉末の表面の過度な電荷量により正電荷が発生し、一定の空間内で粉末間の接触の発生頻度が高くなるため、顆粒粉末の凝集が容易に発生する。

0061

このため、噴霧乾燥方式で製造された顆粒粉末を、溶射コーティングのために溶射ガン(spray gun)で投入すると、凝集した粉末は閉塞現象を容易に発生する。したがって、限定された吐出孔に顆粒粉末の吐出が正常に行われないので、正常な溶射コーティングが行われなくなる。

0062

通常、顆粒粉末の焼成工程により粉末の表面状態を変化させるか、又は、粉末分布が最適化された粉末を利用して、溶射コーティングに適合するようにしているが、溶射コーティングの品質やコーティング効率は向上しない。

0063

図4は、本発明の好ましい一実施例に係る、15μm〜45μm範囲の顆粒粉末の300倍電子顕微鏡写真である。

0064

図4を参照すると、噴霧乾燥方式で製造された顆粒粉末の電子顕微鏡写真であって、大きさ分布が15μm〜45μmの範囲の顆粒粉末である。

0065

図5は、本発明の好ましい一実施例に係る、15μm〜45μm範囲の顆粒粉末の1000倍電子顕微鏡写真である。

0066

図5を参照すると、顆粒粉末の大きさ分布は右上向きとなったが、顆粒粉末の表面粗さは低減されず、顆粒粉末の内部に気孔が存在していることが分かる。

0067

顆粒粉末の大きさ分布を上昇させ、溶射コーティングを進行しても、顆粒粉末の吐出は殆ど発生しない。すなわち、溶射粉末の大きさ分布を上向きにしても、粉末の表面に発生する電荷の状態は、粉末が凝集する傾向に発生している。

0068

図6は、本発明の好ましい一実施例に係る、15μm〜45μm範囲の顆粒粉末をプラズマ表面処理した粉末の300倍電子顕微鏡写真である。

0069

図6を参照すると、噴霧乾燥方式で製造された顆粒粉末をプラズマ表面処理した粉末の電子顕微鏡写真であって、大きさ分布が15μm〜45μmの範囲のプラズマ表面処理された溶射粉末である。

0070

図7は、本発明の好ましい一実施例に係る、15μm〜45μm範囲の顆粒粉末をプラズマ表面処理した粉末の1000倍電子顕微鏡写真である。

0071

図7を参照すると、プラズマ表面処理された顆粒粉末の表面が非常に滑らかになり、表面密度が向上したことを予測することができ、写真において気孔は殆ど見られない。

0072

図8は、本発明の好ましい一実施例に係る、有機単量体でコーティングされた顆粒粉末の断面の模式図である。

0073

図9は、本発明の好ましい一実施例に係る、有機単量体でコーティングされ、プラズマ表面処理された顆粒粉末の断面の模式図である。

0074

図8図9を参照すると、この構造は、界面活性剤ミセル構造で顆粒粉末の表面に吸着している形態である。ミセル構造は、粉末の表面と結合している部分が疏水性部分であり、空気と接触している部分が親水性部分である、粉末の表面に吸着している有機単量体の構造である。溶媒として水を使用して有機単量体を溶解し、溶射粉末(顆粒粉末)を投入すると、有機単量体は溶射粉末(顆粒粉末)の表面に付着する。このとき、水と接触している有機単量体の部分はマイナス帯電される状態で、オイルのように疏水性の物質は粉末の表面に接触した状態であり、有機単量体がミセル構造を形成する。

0075

有機単量体が溶解している溶液内に顆粒粉末を投入すると、顆粒粉末の表面には有機単量体が結合される。溶媒が水である場合には、顆粒粉末の表面には親油性部分の有機単量体が付着し、溶媒側に親水性部分が位置する。このようになると、顆粒粉末は、溶媒の中で分散した状態で存在するようになる。

0076

有機単量体が存在する溶液の中で溶射粉末(顆粒粉末)を分散させ、溶媒をゆっくりと蒸発させると、有機単量体でコーティングされた溶射粉末(顆粒粉末)を得ることができる。

0077

有機単量体でコーティングされた顆粒粉末の表面は、表面粗さの減少は大きくないが、有機単量体で形成された皮膜によって顆粒粉末間の摩擦力の発生が低減され、有機単量体で形成された皮膜で発生する適正量の静電気によって顆粒粉末間の凝集が制御される状態となる。

0078

プラズマ表面処理された顆粒粉末の場合も、有機単量体で皮膜が形成されると、顆粒粉末間の摩擦力の発生の低減により、粉末間の凝集が制御される。

0079

図10は、本発明の好ましい一実施例に係る、溶射粉末の流動度を測定するための実験装置の概略図である。

0080

図10を参照すると、粉末がローディングされる測定用漏斗100を含むサンプルカップ70と、自由落下する粉末が入る比重カップ60とで構成された、粉末の流動度測定装置の概略図である。サンプルカップ70と比重カップ60とは、カップ間の距離80が48mmとなるように離隔しており、比重カップ60の内部体積は100cc程度である。

0081

流動度特性の評価のための標準測定方法は、KS L 1618−4に規定されている。この規格は、2002年技術標準院で施行した標準化学術研究サービス事業一環である「研磨材及び特殊窯業製品KS規格制定研究」課題の遂行結果である。

0082

セラミック材質の粉末は、その殆どが取り扱い上の問題で顆粒にされるものであり、噴霧乾燥造粒法などによって製造され、顆粒の顆粒径、嵩密度乾燥減量、流動度などの特性を標準方法で確認する。

0083

セラミック材質の顆粒粉末の直径の範囲は、略20μm〜500μmであるため、この範囲を数十〜数百マイクロメートルに限定して規定することにより、殆どのセラミック材質の顆粒がこの直径範囲に含まれる。

0084

粉末の流動度の測定順序は次の通りである。溶射粉末である測定試料を測定用漏斗100に充填した後、充填試料を粉末の吐出口90を通じて比重カップ60の中に自由落下させる。粉末が自由落下する時間を合計3回測定し、平均値を求める。

0085

流動度Fは、次の式によって小数点以下3桁まで計算し、3回測定後、3回の測定結果算術平均して求める。

0086

0087

ここで、Fは流動度(g/s)、w1は比重カップ60の質量(g)、w2は比重カップ60と比重カップ60に自由落下した試料との合計質量(g)、tは試料が自由落下に要した時間(s(秒))である。すなわち、w2−w1は、比重カップ60に自由落下した試料の質量である。

0088

<実施例1>
有機単量体の材料としてパルミチン酸(palmitic acid)を使用して溶液を調製する。パルミチン酸を0.2g準備し、200mlのエタノール入りビーカーに投入して、0.5時間程度に亘って充分に撹拌して溶解させる。パルミチン酸を溶解させる過程でエタノール量が過度に減少しないように留意する。

0089

パルミチン酸が溶解しているエタノール溶液内に、安定化ジルコニア顆粒粉末を10gずつ、総顆粒粉末量が100gとなるまで撹拌を続けながら投入する。顆粒粉末として、大きさが5μm〜25μmの範囲のものを使用し、パルミチン酸コーティングを進行させた。1時間以上の充分な時間、顆粒粉末が溶液内で分散状態となるまで撹拌を続けた。

0090

引き続き、顆粒粉末が含まれた溶液の撹拌及び加熱を進行させながら、溶媒として使用したエタノールを蒸発させ、パルミチン酸でコーティングされた顆粒粉末(パルミチン酸コーティング顆粒粉末)のみが残るようにした。パルミチン酸コーティング顆粒粉末は、弱く凝集した状態で残っているが、篩工程を利用してこれの解砕を進行させた。

0091

前述した方法で調製された粉末の大きさ分布は、初期に投入された顆粒粉末の大きさ分布と殆ど差がなかった。パルミチン酸(CH3(CH2)14COOH)の含量(重量基準)は、顆粒粉末に対して0.2wt%であるので、顆粒粉末の大きさは殆ど増加しない。

0092

前述した通りに、調製されたパルミチン酸コーティング顆粒粉末の流動特性の測定を行った。パルミチン酸をコーティングする前の安定化ジルコニア顆粒粉末の場合は、流動特性が非常に低い状態であって、測定値殆どゼロ水準と言える。これに反して、パルミチン酸コーティング顆粒粉末は、流動特性が顕著に向上しており、流動度は1.0912g/sであった。

0093

パルミチン酸コーティング顆粒粉末の電子顕微鏡写真は、図2図5の写真と類似している。0.2wt%のパルミチン酸によるコーティング膜厚が非常に小さい値であるため、電子顕微鏡写真による観察は困難である。

0094

AFMを利用して微視的に顆粒粉末の表面をスキャニングして表面粗さを測定すると、20nm以上である。一方、パルミチン酸コーティング顆粒粉末の表面粗さは20nm未満と測定される。これらの結果から、顆粒粉末の表面におけるパルミチン酸のコーティングを間接的に確認することができる。

0095

パルミチン酸のコーティング量は、好ましくは、顆粒粉末に対して0.01wt%〜5.0wt%であるが、これに限定されない。

0096

<比較例1>
ポリマーであるポリスチレン(polystylene)を0.2g準備し、200mlのエタノール入りビーカーに投入して、0.5時間程度に亘って充分に撹拌して溶解させる。

0097

実施例1と同様にして、安定化ジルコニア顆粒粉末100gに対するポリスチレンコーティングを進行させた。調製されたポリスチレンでコーティングされた安定化ジルコニア顆粒粉末(ポリスチレンコーティング顆粒粉末)について、流動特性の測定を行った。ポリスチレンコーティング顆粒粉末の流動度は、0.4453g/sであった。

0098

前述した通りに、調製された溶射粉末を利用してプラズマガンにローディングし、溶射粉末を吐出して溶射コーティング膜を製作した。製作された溶射コーティング膜は、表面が均一でなく、急激に突出した部分も観測された。これは、溶射粉末が吐出されるときに、閉塞現象又は部分的な溶射粉末の凝集現象により、溶射皮膜の品質が低下したからであると推定される。溶射皮膜の品質を向上させるためには、溶射粉末の流動特性の向上が必要である。

0099

また、ポリマーコーティングされた顆粒粉末を使用して溶射皮膜を製作する際には、溶射皮膜内のカーボン残留量が増加するため、溶射皮膜の品質が低下する。

0100

<比較例2>
少数単量体重合されたオリゴマー三量体)であるグリコール酸を0.2g準備し、200mlのエタノールが入りビーカーに投入して、0.5時間程度に亘って充分に撹拌して溶解させる。

0101

実施例1と同様にして、安定化ジルコニア顆粒粉末100gに対するグリコール酸コーティングを進行させた。三量体であるグリコール酸でコーティングされた安定化ジルコニア顆粒粉末(グリコール酸コーティング顆粒粉末)について、流動特性の測定を行った。グリコール酸コーティング顆粒粉末の流動度は、0.6521g/sであった。

0102

ポリスチレンコーティング顆粒粉末と対比して、流動特性が小さい水準で向上し、溶射コーティングに適用する溶射粉末としては、非常に悪い結果ではなかった。

0103

<実施例2>
パルミチン酸を0.2g準備し、200mlのエタノール入りビーカーに投入して、0.5時間程度に亘って充分に撹拌して溶解させる。パルミチン酸を溶解させる過程でエタノール量が維持されるように留意する。

0104

パルミチン酸が溶解しているエタノール溶液内に、安定化ジルコニア顆粒粉末を10gずつ、総顆粒粉末量が100gとなるまで撹拌を続けながら投入する。顆粒粉末として、大きさが15μm〜45μmの範囲のものを使用し、パルミチン酸コーティングを進行させた。1時間以上の充分な時間、顆粒粉末が溶液内で分散状態となるまで撹拌を続けた。

0105

前述した通りに、調製されたパルミチン酸コーティング顆粒粉末の流動特性の測定を行った。パルミチン酸をコーティングする前の安定化ジルコニア顆粒粉末の場合は、流動特性が非常に低い状態であって、測定値が殆どゼロ水準と言える。これに反して、パルミチン酸コーティング顆粒粉末は、流動特性が顕著に向上しており、流動度は1.9084g/sであった。

0106

顆粒粉末の大きさ分布を増加させてパルミチン酸をコーティングした場合には、高い水準まで流動特性が向上することを確認することができる。これは、コーティングされた粉末の表面の静電気量が粉末の体積に対して小さくなり、粉末間の分離状態の維持が容易になったからであると推定される。

0107

前述した通りに、調製されたパルミチン酸コーティング顆粒粉末を利用して溶射コーティング工程を進行させた。

0108

パルミチン酸のコーティング量は、好ましくは、顆粒粉末に対して0.01wt%〜2.0wt%であるが、これに限定されない。

0109

図11は、本発明の好ましい一実施例に係る、溶射粉末を利用して溶射コーティングしたコーティング層の断面の電子顕微鏡写真である。

0110

図12は、本発明の好ましい一実施例に係る、図11のダッシュ円(dash circle)の領域を拡大して測定したコーティング層の断面の電子顕微鏡写真である。

0111

図11図12を参照すると、実施例2で製造された溶射粉末を利用して溶射皮膜を製作したサンプルの写真で、図12は、コーティング領域110の拡大写真であって、溶射コーティング層の内部に気孔(pore)が非常に少ないことが分かる。実施例2で製造された溶射粉末を利用した溶射コーティング層(溶射皮膜)について、イメージ分析ステムを利用して気孔含量を測定すると、5%前後であった。

0112

実施例1で製造された溶射粉末を利用して溶射皮膜を製作し、その気孔含量を測定すると6%以上であった。これは、溶射粉末の流動特性を制御することによって溶射皮膜の特性を制御することができることを意味する。

0113

<実施例3>
パルミチン酸を0.2g準備し、200mlのエタノール入りビーカーに投入して、0.5時間程度に亘って充分に撹拌して溶解させる。パルミチン酸を溶解させる過程でエタノール量が維持されるように留意する。

0114

パルミチン酸が溶解しているエタノール溶液内に、プラズマ表面処理された安定化ジルコニア顆粒粉末(プラズマ表面処理安定化ジルコニア顆粒粉末)を10gずつ、総顆粒粉末量が100gとなるまで撹拌を続けながら投入する。プラズマ表面処理安定化ジルコニア顆粒粉末として、大きさが15μm〜45μmの範囲のものを使用し、パルミチン酸コーティングを進行させた。1時間以上の充分な時間、顆粒粉末が溶液内で分散状態となるまで撹拌を続けた。

0115

前述した通りに、調製されたパルミチン酸コーティング顆粒粉末の流動特性の測定を行った。パルミチン酸をコーティングする前のプラズマ表面処理安定化ジルコニア顆粒粉末の場合は、流動特性が非常に低い状態であって、測定値が殆どゼロ水準と言える。これに反して、パルミチン酸コーティング顆粒粉末は、流動特性が顕著に向上しており、流動度は2.0152g/sであった。

0116

前述した通りに、調製されたパルミチン酸コーティング顆粒粉末を利用して溶射コーティング工程を進行させ、溶射コーティング膜(溶射皮膜)を評価すると、実施例2で製作された溶射皮膜と同じ水準であり、気孔内部含量は5%以内であった。

0117

プラズマ表面処理された顆粒粉末の表面に有機単量体をコーティングすることにより、流動特性が向上することが分かる。これは、粉末の表面にコーティングされた有機単量体の均一度が向上したからである。

0118

流動特性が向上した溶射粉末を使用する場合には、溶射ガン(spray gun)の使用時間が延長され、溶射皮膜の品質向上が可能となる。また、溶射皮膜の特性の制御がさらに容易になる。

0119

<比較例3>
ポリスチレンを0.2g準備し、200mlのエタノール入りビーカーに投入して、0.5時間程度に亘って充分に撹拌して溶解させる。

0120

実施例1と同様にして、プラズマ表面処理安定化ジルコニア顆粒粉末100gに対するポリスチレンコーティングを進行させた。また、ポリスチレンコーティングされたプラズマ表面処理安定化ジルコニア顆粒粉末(ポリスチレンコーティング顆粒粉末)に対する流動特性の測定を行った。ポリスチレンコーティング顆粒粉末の流動度は、0.4128g/sであった。

0121

この比較例3の結果は、比較例1と大差がないことが確認された。これは、コーティング材料の選択が溶射粉末の流動特性に大きな影響を与えているからである。

0122

前述したような有機単量体材料の他にも、テトラエチルオルトシリケート(tetraethyl orthosilicate、TEOS)又はヘキサメチルジシロキサン(hexamethyldisiloxane)を使用して、顆粒粉末の表面をコーティングすることができる。この場合にも、向上した流動特性を示す。

0123

また、有機単量体(monomer)として、スチレン、アクリル酸、エチレン、アクリルアミド、メタクリル酸、アクリレート、ビニルカルボン酸、アクリロニトリル(acrylonitrile、AN)、プロピレンオキサイド(propylene oxide)、シリコーンマクロモノマー、及びブチルアクリレートからなる群より少なくともいずれか1つを選択して、顆粒粉末の表面をコーティングすることができる。

0124

また、有機単量体(monomer)として、ステアリン酸(stearic acid、C17H35COOH)、オレイン酸(oleic acid、CH3(CH2)7CH=CH(CH2)7COOH)、エイコサン酸(eicosanic acid、C19H39COOH)、及びドコサン酸(docosanoic acid、C21H43COOH)からなる群より少なくともいずれか1つを選択して、顆粒粉末の表面をコーティングすることができる。

実施例

0125

有機単量体で表面がコーティングされた顆粒粉末を溶射ガンにローディングし、溶射ガンで粉末を火炎に吐出して、溶射コーティング工程を遂行する。すなわち、溶射コーティングのための粉末が溶射粉末であり、溶射粉末として、有機単量体でコーティングされた顆粒粉末又はプラズマ表面処理された顆粒粉末を用いることができる。

0126

10有機単量体
20顆粒粉末の表面
30 顆粒粉末
40プラズマ表面処理された顆粒粉末の表面
50 プラズマ表面処理された顆粒粉末
60比重カップ
70サンプルカップ
80カップ間の距離
90粉末の吐出口
100測定用漏斗
110 コーティング領域

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