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技術 細胞表面分子結合性の刺激応答性重合体組成物および方法

出願人 ネックスジェニアインコーポレイテッド
発明者 ネヒラバレットジェイ.プロボストニコルエム.マンガニエロマシュージェイ.コックストーマスエムデマイケル
出願日 2017年3月15日 (3年9ヶ月経過) 出願番号 2018-568166
公開日 2019年5月16日 (1年7ヶ月経過) 公開番号 2019-512544
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード 剛性粒子 スイッチ部位 誘導遷移 部分包装 遷移特性 前駆体試薬 沈殿挙動 灰色点
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図面 (20)

課題・解決手段

細胞細胞表面分子、およびリガンドを、クラスタ化するための方法および組成物が本明細書において開示される。いくつかのバージョンでは、本方法は、刺激応答して可逆的に結合する重合体に刺激を適用する段階を含む。

概要

背景

導入
適応免疫系は、人体外来病原体応答して記憶する細胞性および生理学的プロセスを含む。Tリンパ球(T細胞)、Bリンパ球(B細胞)および抗原提示細胞(APC)、例えば樹状細胞は、適応免疫系の主要な細胞である。

適応免疫系機能において、外来病原体に関連するタンパク質は、より小さいペプチド断片プロセッシングされ、APCまたは感染宿主細胞の表面上の主要組織適合複合体(MHC)分子上にペプチド抗原として提示される。MHCは、ヒトの系を記述する際には、ヒト白血球抗原(HLA)といわれ得る。外来ペプチド抗原は、そのT細胞受容体(TCR)がAPC表面上の同族HLA-ペプチド複合体に結合すると、T細胞によって認識される。APCおよびT細胞の表面上のMHC-ペプチド-TCR分子複合体は、他の密接に関連する細胞表面共刺激および接着タンパク質と組み合わせて、「免疫学的シナプス」と総称される。免疫学的シナプスの形成には、細胞骨格再構築およびさまざまな細胞表面タンパク質再配置およびクラスタ化が必要である。APC-T細胞免疫学的シナプスの形成は、両方の細胞によって送受信される可溶性因子協働してT細胞を活性化し、抗原特異的エフェクタT細胞へのクローン増大および成熟を可能にする。抗原特異的エフェクタT細胞は、CD4+ヘルパーT細胞またはCD8+細胞傷害性T細胞の2つの一般的なクラスのものである。CD4+ T細胞およびCD8+ T細胞は両方とも、外来病原体に対する強力な免疫応答を誘発するために必要とされる。しかしながら、効果的なT細胞活性化のために、共刺激シグナルもまたAPCによって提供され、T細胞によって受け取られる。それゆえ、T細胞の活性化および増大は、病原体感染からヒト宿主を保護するための適応免疫系の重要なプロセスである。

概要

細胞、細胞表面分子、およびリガンドを、クラスタ化するための方法および組成物が本明細書において開示される。いくつかのバージョンでは、本方法は、刺激に応答して可逆的に結合する重合体に刺激を適用する段階を含む。

目的

本態様によって利用することができる、表面抗原分類リストを提供する

効果

実績

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請求項1

細胞表面分子クラスタ化する方法であって、以下の段階を含む、方法:a.細胞を、刺激応答して可逆的に結合する1つまたは複数の重合体と結合した親和性試薬を各々が含む複数の結合実体と接触させる段階であって、i. 細胞がその表面上に細胞表面分子を含み、かつ細胞を結合実体と接触させる段階が、複数の親和性試薬を細胞表面分子に結合させることを含む、段階; およびb. 刺激を適用して、複数の結合実体の少なくともいくつかを互いに結合させ、それによって親和性試薬に結合した細胞表面分子をクラスタ化する段階。

請求項2

刺激が、温度、pH、光、光照射電場への曝露イオン強度、特定のアニオンの濃度、特定のカチオンの濃度、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される条件の変化である、請求項1記載の方法。

請求項3

複数の結合実体が、第1の親和性試薬および第1の親和性試薬とは異なる第2の親和性試薬を含み;ここで細胞表面分子が、第1の細胞表面分子および第1の細胞表面分子とは異なる第2の細胞表面分子を含み、かつここで親和性試薬を細胞表面分子に結合させる段階が、第1の親和性試薬を第1の細胞表面分子に結合させることおよび第2の親和性試薬を第2の細胞表面分子に結合させることを含む、請求項1または請求項2記載の方法。

請求項4

刺激に応答して可逆的に結合する1つまたは複数の重合体の少なくとも1つを各々が含む複数の刺激応答性磁性ナノ粒子と細胞を接触させる段階をさらに含む、請求項1〜3のいずれか一項記載の方法。

請求項5

第1および第2の細胞表面分子が、第1および第2の細胞表面受容体を含む、請求項3〜4のいずれか一項記載の方法。

請求項6

第1および第2の細胞表面受容体が、T細胞受容体ヒト白血球抗原(HLA)、B細胞受容体主要組織適合複合体(MHC)、FcεR1、CD2、CD3、CD4、CD8、CD14、CD19、CD20、CD28、CD30、CD40、CD45、CD116、CD152およびCD169、ならびにサイトカインケモカインホルモンおよび成長因子に対する他の受容体からなる群より選択される受容体を含む、請求項5記載の方法。

請求項7

第1の細胞表面受容体が、T細胞受容体CD3およびCD28からなる群より選択される、請求項6記載の方法。

請求項8

第2の細胞表面受容体が、T細胞受容体CD3およびCD28からなる群より選択される、請求項6記載の方法。

請求項9

第1の細胞表面受容体がCD3であり、かつ第2の細胞表面受容体がCD3である、請求項6記載の方法。

請求項10

第1の細胞表面受容体がCD28であり、かつ第2の細胞表面受容体がCD28である、請求項6記載の方法。

請求項11

第1の細胞表面受容体がCD3であり、かつ第2の細胞表面受容体がCD28である、請求項6記載の方法。

請求項12

重合体が、ホモ重合体または共重合体を含む、請求項1〜11のいずれか一項記載の方法。

請求項13

重合体が、ジブロック共重合体トリブロック共重合体グラフト共重合体、またはブラシ共重合体を含む、請求項1〜12のいずれか一項記載の方法。

請求項14

重合体が、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)を含む、請求項1〜13のいずれか一項記載の方法。

請求項15

親和性試薬に結合した細胞表面分子をクラスタ化する段階が、細胞を活性化することを促進する、請求項1〜14のいずれか一項記載の方法。

請求項16

親和性試薬に結合した細胞表面分子をクラスタ化する段階が、細胞表面分子を介してシグナル伝達を増加させることを促進する、請求項1〜15のいずれか一項記載の方法。

請求項17

磁場を加えて場内の細胞に結合した刺激応答性磁性ナノ粒子を移動させることにより、細胞を1つまたは複数の他の細胞から単離する段階をさらに含む、請求項4記載の方法。

請求項18

1つまたは複数の細胞表面分子に結合した結合実体を1つまたは複数のさらなる重合体と接触させ、それによってさらなる重合体を結合実体に結合させる段階をさらに含む、請求項1〜3または5〜17のいずれか一項記載の方法。

請求項19

重合体がポリ(N-イソプロピルアクリルアミド-co-ブチルアクリレート)を含む、請求項1〜13または15〜18のいずれか一項記載の方法。

請求項20

細胞表面分子をクラスタ化する方法であって、以下の段階を含む、方法:a.細胞を、刺激に応答して可逆的に結合する重合体と結合した複数の親和性試薬を含む結合実体と接触させる段階であって、i. 細胞がその表面上に細胞表面分子を含み、かつ細胞を結合実体と接触させる段階が、複数の親和性試薬を細胞表面分子に結合させることを含む、段階; およびb. 刺激を適用して、複数の親和性試薬の少なくともいくつかを互いに結合させ、それによって親和性試薬に結合した細胞表面分子をクラスタ化する段階。

請求項21

結合実体が、第1の親和性試薬および第1の親和性試薬とは異なる第2の親和性試薬を含み; ここで細胞表面分子が、第1の細胞表面分子および第1の細胞表面分子とは異なる第2の細胞表面分子を含み、かつここで親和性試薬を細胞表面分子に結合させる段階が、第1の親和性試薬を第1の細胞表面分子に結合させることおよび第2の親和性試薬を第2の細胞表面分子に結合させることを含む、請求項20記載の方法。

請求項22

刺激が、温度、pH、光、光照射、電場への曝露、イオン強度、特定のアニオンの濃度、特定のカチオンの濃度、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される条件の変化である、請求項20または請求項21記載の方法。

請求項23

細胞を、刺激に応答して可逆的に結合する1つまたは複数の重合体の少なくとも1つを各々が含む複数の刺激応答性磁性ナノ粒子と接触させる段階をさらに含む、請求項20〜22のいずれか一項記載の方法。

請求項24

細胞表面分子が第1および第2の細胞表面受容体を含む、請求項20〜23のいずれか一項記載の方法。

請求項25

第1および第2の細胞表面受容体が、T細胞受容体、ヒト白血球抗原(HLA)、B細胞受容体、主要組織適合複合体(MHC)、FcεR1、CD2、CD3、CD4、CD8、CD14、CD19、CD20、CD28、CD30、CD45、CD116、CD152およびCD169、ならびにサイトカイン、ケモカイン、ホルモンおよび成長因子に対する他の受容体からなる群より選択される受容体を含む、請求項24記載の方法。

請求項26

第1の細胞表面受容体が、T細胞受容体CD3およびCD28からなる群より選択される、請求項25記載の方法。

請求項27

第2の細胞表面受容体が、T細胞受容体CD3およびCD28からなる群より選択される、請求項25記載の方法。

請求項28

第1の細胞表面受容体がCD3であり、かつ第2の細胞表面受容体がCD3である、請求項25記載の方法。

請求項29

第1の細胞表面受容体がCD28であり、かつ第2の細胞表面受容体がCD28である、請求項25記載の方法。

請求項30

第1の細胞表面受容体がCD3であり、かつ第2の細胞表面受容体がCD28である、請求項25記載の方法。

請求項31

重合体が、ホモ重合体または共重合体である、請求項20〜30のいずれか一項記載の方法。

請求項32

重合体が、ジブロック共重合体、トリブロック共重合体、またはグラフト共重合体である、請求項20〜31のいずれか一項記載の方法。

請求項33

重合体が、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)を含む、請求項20〜32のいずれか一項記載の方法。

請求項34

重合体が、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド-co-ブチルアクリレート)を含む、請求項19〜32のいずれか一項記載の方法。

請求項35

親和性試薬に結合した細胞表面分子をクラスタ化する段階が、細胞を活性化することを促進する、請求項18〜32のいずれか一項記載の方法。

請求項36

親和性試薬に結合した細胞表面分子をクラスタ化する段階が、細胞表面分子を介してシグナル伝達を増加させることを促進する、請求項18〜33のいずれか一項記載の方法。

請求項37

磁場を加えて場内の細胞に結合した刺激応答性磁性ナノ粒子を移動させることにより、細胞を1つまたは複数の他の細胞から単離する段階をさらに含む、請求項23記載の方法。

請求項38

1つまたは複数の細胞表面分子に結合した結合実体を1つまたは複数のさらなる重合体と接触させ、それによってさらなる重合体を1つまたは複数の結合実体に結合させる段階をさらに含む、請求項19〜21または23〜36のいずれか一項記載の方法。

請求項39

刺激に応答して可逆的に結合する重合体と結合した複数の親和性試薬を含む結合実体を含む、刺激応答性試薬

請求項40

複数の親和性試薬が、抗体、抗体断片、scFvまたは他の抗原結合分子を含む、請求項39記載の試薬。

請求項41

複数の親和性試薬が、第1の親和性試薬および第1の親和性試薬とは異なる第2の親和性試薬を含む、請求項39または40記載の試薬。

請求項42

複数の親和性試薬が、第1の親和性試薬および第1の親和性試薬と同じタイプの第2の親和性試薬を含む、請求項39または40記載の試薬。

請求項43

結合実体が細胞表面分子を含む細胞と接触する場合に、親和性試薬は細胞表面分子に結合することができ、刺激を適用するとすぐに、親和性試薬は複数の親和性試薬の少なくともいくつかを互いに結合させることができる、請求項39〜42のいずれか一項記載の試薬。

請求項44

細胞表面分子が細胞表面受容体を含む、請求項43記載の試薬。

請求項45

細胞表面受容体が、T細胞受容体、ヒト白血球抗原(HLA)、B細胞受容体、主要組織適合複合体(MHC)、FcεR1、CD2、CD3、CD4、CD8、CD14、CD19、CD20、CD28、CD30、CD40、CD45、CD116、CD152およびCD169、ならびにサイトカイン、ケモカイン、ホルモンおよび成長因子に対する他の受容体からなる群より選択される受容体を含む、請求項43または請求項44記載の試薬。

請求項46

細胞表面受容体が第1の細胞表面受容体および第2の細胞表面受容体を含み、かつ第1の細胞表面受容体が、T細胞表面受容体CD3およびCD28からなる群より選択される、請求項44または45記載の試薬。

請求項47

細胞表面受容体が第1の細胞表面受容体および第2の細胞表面受容体を含み、かつ第2の細胞表面受容体が、T細胞受容体CD3およびCD28からなる群より選択される、請求項44〜46のいずれか一項記載の試薬。

請求項48

細胞表面受容体が第1の細胞表面受容体および第2の細胞表面受容体を含み、かつ第1の細胞表面受容体がCD3であり、かつ第2の細胞表面受容体がCD3である、請求項44〜47のいずれか一項記載の試薬。

請求項49

細胞表面受容体が第1の細胞表面受容体および第2の細胞表面受容体を含み、かつ第1の細胞表面受容体がCD28であり、かつ第2の細胞表面受容体がCD28である、請求項44〜46のいずれか一項記載の試薬。

請求項50

細胞表面受容体が第1の細胞表面受容体および第2の細胞表面受容体を含み、かつ第1の細胞表面受容体がCD3であり、かつ第2の細胞表面受容体がCD28である、請求項44〜46のいずれか一項記載の試薬。

請求項51

刺激が、温度、pH、光、光照射、電場への曝露、イオン強度、特定のアニオンの濃度、特定のカチオンの濃度、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される条件の変化である、請求項39〜50のいずれか一項記載の試薬。

請求項52

結合実体が、刺激に応答して可逆的に結合する1つまたは複数の重合体の少なくとも1つを含む複数の刺激応答性磁性ナノ粒子と結合した複数の親和性試薬の1つまたは複数をさらに含む、請求項39〜51のいずれか一項記載の試薬。

請求項53

重合体が、ホモ重合体または共重合体である、請求項39〜52のいずれか一項記載の試薬。

請求項54

重合体が、ジブロック共重合体、トリブロック共重合体、またはグラフト共重合体である、請求項39〜53のいずれか一項記載の試薬。

請求項55

重合体が、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)を含む、請求項39〜54のいずれか一項記載の試薬。

請求項56

重合体が、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド-co-ブチルアクリレート)を含む、請求項39〜54のいずれか一項記載の試薬。

請求項57

細胞表面分子をクラスタ化するためのキットであって、以下を含む、キット:a. 以下を含む第1の組成物:i. 第1の刺激に応答して可逆的に結合する第1の重合体と結合した1つまたは複数の第1の親和性試薬を含む第1の結合実体; およびb. 以下を含む第2の組成物:i. 第2の刺激に応答して可逆的に結合する第2の重合体と結合した1つまたは複数の第2の親和性試薬を含む第2の結合実体。

請求項58

第1および第2の組成物を含有するための容器、ならびに細胞を該第1および第2の組成物と接触させ、第1および第2の刺激を適用して、該第1および第2の刺激の適用に応答して第1および第2の重合体を結合させることにより細胞表面分子のクラスタ化をもたらすための指示書をさらに含む、請求項57記載のキット。

請求項59

第1および第2の組成物ならびに第1および第2の刺激が同じである、請求項57〜58のいずれか一項記載のキット。

請求項60

第1の親和性試薬および第2の親和性試薬が異なる、請求項57〜58のいずれか一項記載のキット。

請求項61

第1および第2の刺激を適用するとすぐに、第1の組成物の第1の結合実体と第2の組成物の第2の結合実体との結合、ならびに第1の親和性試薬および第2の親和性試薬に結合した細胞表面分子のクラスタ化が引き起こされる、請求項57〜60のいずれか一項記載のキット。

請求項62

細胞表面分子が細胞表面受容体を含む、請求項61記載のキット。

請求項63

細胞表面受容体が、T細胞受容体、ヒト白血球抗原(HLA)、B細胞受容体、主要組織適合複合体(MHC)、FcεR1、CD2、CD3、CD4、CD8、CD14、CD19、CD20、CD28、CD30、CD40、CD45、CD116、CD152およびCD169、ならびにサイトカイン、ケモカイン、ホルモンおよび成長因子に対する他の受容体からなる群より選択される受容体を含む、請求項61または請求項62記載のキット。

請求項64

刺激が、温度、pH、光、光照射、電場への曝露、イオン強度、特定のアニオン、特定のカチオン、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される条件の変化である、請求項57〜63のいずれか一項記載のキット。

請求項65

各結合実体が、刺激に応答して可逆的に結合する1つまたは複数の重合体の少なくとも1つから構成される1つまたは複数の刺激応答性磁性ナノ粒子をさらに含む、請求項57〜64のいずれか一項記載のキット。

請求項66

各結合実体が、刺激に応答して可逆的に結合し、それによってさらなる重合体を結合実体に結合させる1つまたは複数のさらなる重合体をさらに含む、請求項57〜64のいずれか一項記載のキット。

請求項67

重合体が、ホモ重合体または共重合体である、請求項57〜65のいずれか一項記載のキット。

請求項68

重合体が、ジブロック共重合体、トリブロック共重合体、グラフト共重合体、またはブラシ共重合体である、請求項57〜67のいずれか一項記載のキット。

請求項69

重合体が、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)を含む、請求項57〜68のいずれか一項記載のキット。

請求項70

重合体が、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド-co-ブチルアクリレート)を含む、請求項57〜68のいずれか一項記載のキット。

請求項71

第1の結合実体が複数の第1の親和性試薬を含む、請求項57〜70のいずれか一項記載のキット。

請求項72

第2の結合実体が複数の第2の親和性試薬を含む、請求項57〜71のいずれか一項記載のキット。

請求項73

細胞を共局在化させる方法であって、以下の段階を含む、方法:a. 第1の細胞を、刺激に応答して可逆的に結合する1つまたは複数の重合体と結合した親和性試薬を各々が含む複数の結合実体と接触させる段階であって、i. 第1の細胞がその表面上に1つまたは複数の細胞表面分子を含み、かつ第1の細胞を結合実体と接触させる段階が、1つまたは複数の親和性試薬を1つまたは複数の細胞表面分子に結合させることを含む、段階;b. 第2の細胞を、刺激に応答して可逆的に結合する1つまたは複数の重合体と結合した親和性試薬を各々が含む複数の結合実体と接触させる段階であって、i. 第2の細胞がその表面上に1つまたは複数の細胞表面分子を含み、かつ第2の細胞を結合実体と接触させる段階が、1つまたは複数の親和性試薬を1つまたは複数の細胞表面分子に結合させることを含む、段階; ならびにc. 刺激を適用して、第1の細胞に結合した結合実体の少なくとも1つおよび第2の細胞に結合した結合実体の少なくとも1つを互いに結合させ、それによって第1および第2の細胞を共局在化させる段階。

請求項74

第1の細胞が第1の細胞型を有し、かつ第2の細胞が第1の細胞型とは異なる第2の細胞型を有する、請求項73記載の方法。

請求項75

第1の細胞が第1の細胞型を有し、かつ第2の細胞が第1の細胞型と同じである第2の細胞型を有する、請求項73記載の方法。

請求項76

第1の細胞がT細胞であり、かつ第2の細胞が抗原提示細胞である、請求項75記載の方法。

請求項77

第1の細胞の1つまたは複数の細胞表面分子が、第2の細胞の1つまたは複数の細胞表面分子と同じタイプのものである、請求項73〜75のいずれか一項記載の方法。

請求項78

第1の細胞の1つまたは複数の細胞表面分子が、第2の細胞の1つまたは複数の細胞表面分子とは異なるタイプのものである、請求項73〜75のいずれか一項記載の方法。

請求項79

第1の細胞の1つまたは複数の細胞表面分子および第2の細胞の1つまたは複数の細胞表面分子が細胞表面受容体である、請求項73〜78のいずれか一項記載の方法。

請求項80

細胞表面受容体が、T細胞受容体、ヒト白血球抗原(HLA)、B細胞受容体、主要組織適合複合体(MHC)、FcεR1、CD2、CD3、CD4、CD8、CD14、CD19、CD20、CD28、CD30、CD45、CD116、CD152、CD169、ならびにサイトカイン、ケモカイン、ホルモンおよび成長因子に対する他の受容体からなる群より選択される受容体を含む、請求項79記載の方法。

請求項81

第1の細胞の1つまたは複数の細胞表面分子が、T細胞表面受容体CD3およびCD28からなる群より選択される、請求項79記載の方法。

請求項82

第2の細胞の1つまたは複数の細胞表面分子が、T細胞表面受容体CD3およびCD28からなる群より選択される、請求項79記載の方法。

請求項83

第2の細胞の1つまたは複数の細胞表面分子が、T細胞表面受容体CD3およびCD28からなる群より選択されない、請求項79記載の方法。

請求項84

第1の細胞に結合した結合実体の少なくとも1つおよび第2の細胞に結合した結合実体の少なくとも1つが異なるタイプのものである、請求項73〜82のいずれか一項記載の方法。

請求項85

各結合実体が、刺激に応答して可逆的に結合する1つまたは複数の重合体の少なくとも1つから構成される1つまたは複数の刺激応答性磁性ナノ粒子をさらに含む、請求項73〜84のいずれか一項記載の方法。

請求項86

各結合実体が、刺激に応答して可逆的に結合する2つ以上の重合体を含む、請求項73〜85のいずれか一項記載の方法。

請求項87

細胞を共局在化させる方法であって、以下の段階を含む、方法:a. 第1の細胞を、第1の刺激に応答して可逆的に結合する第1の重合体と結合した複数の第1の親和性試薬を含む第1の結合実体と接触させる段階であって、i. 第1の細胞がその表面上に第1の細胞表面分子を含み、かつ第1の細胞を第1の結合実体と接触させる段階が、複数の第1の親和性試薬を第1の細胞表面分子に結合させることを含む、段階;b. 第2の細胞を、第2の刺激に応答して可逆的に結合する第2の重合体と結合した複数の第2の親和性試薬を含む第2の結合実体と接触させる段階であって、i. 第2の細胞がその表面上に第2の細胞表面分子を含み、かつ第2の細胞を第2の結合実体と接触させる段階が、複数の第2の親和性試薬を第2の細胞表面分子に結合させることを含む、段階; ならびにc. 第1および第2の刺激を適用して、第1の結合実体を第2の結合実体に結合させ、それによって第1および第2の細胞を共局在化させる段階。

請求項88

第1の結合実体および第2の結合実体が同じである、請求項87記載の方法。

請求項89

第1の結合実体および第2の結合実体が異なる、請求項87記載の方法。

請求項90

第1および第2の刺激が同じである、請求項87〜88のいずれか一項記載の方法。

請求項91

第1および第2の刺激が異なる、請求項87および89のいずれか一項記載の方法。

請求項92

第1の細胞が第1の細胞型を有し、かつ第2の細胞が第1の細胞型と同じである第2の細胞型を有する、請求項87記載の方法。

請求項93

第1の細胞が第1の細胞型を有し、かつ第2の細胞が第1の細胞型とは異なる第2の細胞型を有する、請求項87記載の方法。

請求項94

第1の細胞がT細胞であり、かつ第2の細胞が抗原提示細胞である、請求項93記載の方法。

請求項95

第1の細胞の細胞表面分子が、第2の細胞の細胞表面分子と同じタイプのものである、請求項87〜92のいずれか一項記載の方法。

請求項96

第1の細胞の細胞表面分子が異なるタイプのものである、請求項87〜95のいずれか一項記載の方法。

請求項97

第1の細胞の細胞表面分子が、第2の細胞の細胞表面分子と異なるタイプのものである、請求項87〜96のいずれか一項記載の方法。

請求項98

第2の細胞の細胞表面分子が異なるタイプのものである、請求項87〜97のいずれか一項記載の方法。

請求項99

第1の細胞の細胞表面分子および第2の細胞の細胞表面分子が細胞表面受容体である、請求項87〜98のいずれか一項記載の方法。

請求項100

細胞表面受容体が、T細胞受容体、ヒト白血球抗原(HLA)、B細胞受容体、主要組織適合複合体(MHC)、FcεR1、CD2、CD3、CD4、CD8、CD19、CD28、CD30、CD45、CD116、CD152およびCD169、ならびにサイトカイン、ケモカイン、ホルモンおよび成長因子に対する他の受容体からなる群より選択される受容体を含む、請求項99記載の方法。

請求項101

第1の細胞の細胞表面分子が、T細胞受容体CD3およびCD28からなる群より選択される、請求項100記載の方法。

請求項102

第2の細胞の細胞表面分子が、T細胞受容体CD3およびCD28からなる群より選択される、請求項100記載の方法。

請求項103

第1の細胞に結合した結合実体の少なくとも1つおよび第2の細胞に結合した結合実体の少なくとも1つが、異なるタイプのものである、請求項87〜102のいずれか一項記載の方法。

請求項104

各結合実体が、刺激に応答して可逆的に結合する1つまたは複数の重合体の少なくとも1つから構成される1つまたは複数の刺激応答性磁性ナノ粒子をさらに含む、請求項87〜103のいずれか一項記載の方法。

請求項105

各結合実体が、刺激に応答して可逆的に結合する1つまたは複数のさらなる可溶性重合体を含む、請求項87〜104のいずれか一項記載の方法。

請求項106

細胞表面分子をクラスタ化する方法であって、以下の段階を含む、方法:a.細胞を、第1の刺激に応答して可逆的に結合する1つまたは複数の第1の重合体と結合した第1の親和性試薬を各々が含む複数の第1の結合実体と接触させる段階であって、i. 細胞がその表面上に第1の細胞表面分子を含み、かつ細胞を第1の結合実体と接触させる段階が、複数の第1の親和性試薬を細胞表面分子に結合させることを含む、段階;b. 第1の刺激を適用して、複数の第1の結合実体の少なくともいくつかを互いに結合させ、それによって親和性試薬に結合した第1の細胞表面分子をクラスタ化する段階;c. 細胞を、第2の刺激に応答して可逆的に結合する1つまたは複数の第2の重合体と結合した第2の親和性試薬を各々が含む複数の第2の結合実体と接触させる段階であって、i. 細胞がその表面上に第2の細胞表面分子を含み、かつ細胞を第2の結合実体と接触させる段階が、複数の第2の親和性試薬を細胞表面分子に結合させることを含む、段階; およびd. 第1の刺激とは異なる第2の刺激を適用して、複数の第2の結合実体の少なくともいくつかを互いに結合させ、それによって親和性試薬に結合した第2の細胞表面分子をクラスタ化する段階。

請求項107

第1の刺激が、第1の温度閾値前後の温度の変化であり、かつ第2の刺激が、第2の温度閾値前後の温度の変化である、請求項106記載の方法。

請求項108

第2の温度閾値が第1の温度閾値よりも高い、請求項107記載の方法。

請求項109

細胞を共局在化させる方法であって、以下の段階を含む、方法:a. 第1の細胞を、刺激に応答して可逆的に結合する1つまたは複数の重合体と結合した第1の親和性試薬を各々が含む複数の結合実体と接触させる段階であって、i. 第1の細胞がその表面上に1つまたは複数の細胞表面分子を含み、かつ第1の細胞を結合実体と接触させる段階が、第1の親和性試薬の1つまたは複数を1つまたは複数の細胞表面分子に結合させることを含む、段階;b. 第2の細胞を、刺激に応答して可逆的に結合する重合体と結合した複数の第2の親和性試薬を含む結合実体と接触させる段階であって、i. 第2の細胞がその表面上に細胞表面分子を含み、かつ第2の細胞を結合実体と接触させる段階が、複数の第2の親和性試薬を細胞表面分子に結合させることを含む、段階; ならびにc. 刺激を適用して、第1の細胞に結合した結合実体および第2の細胞に結合した結合実体の少なくとも1つを互いに結合させ、それによって第1および第2の細胞を共局在化させる段階。

請求項110

第1の親和性試薬および第2の親和性試薬が同じである、請求項109記載の方法。

請求項111

第1の親和性試薬および第2の親和性試薬が異なる、請求項109記載の方法。

請求項112

標的分子を単離する方法であって、以下の段階を含む、方法:a.刺激に応答して可逆的に結合する重合体と結合した複数の親和性試薬を含む結合実体を、複数の標的分子と接触させ、それによって複数の親和性試薬を標的分子に結合させる段階であって、結合が溶液中で起こる、段階; およびb. 刺激を適用して、複数の親和性試薬の少なくともいくつかを互いに結合させ、それによって親和性試薬に結合した標的分子をクラスタ化する段階; およびc. 溶液から結合実体を分離する段階を含む該方法。

請求項113

溶液から結合実体を分離する段階が、結合実体および溶液を遠心分離することを含む、請求項112記載の方法。

請求項114

溶液から結合実体を分離する段階が、溶液に外部磁場を加えることを含む、請求項112記載の方法。

請求項115

溶液から結合実体を分離する段階が、溶液をクロマトグラフィーカラムに通すことおよび結合実体をカラム内に保持することを含む、請求項112記載の方法。

請求項116

標的分子を結合実体から単離する段階をさらに含む、請求項112記載の方法。

請求項117

標的分子が抗体を含む、請求項112記載の方法。

請求項118

抗体がモノクローナルである、請求項117記載の方法。

請求項119

抗体がIgGを含む、請求項117〜118のいずれか一項記載の方法。

請求項120

親和性試薬がプロテインAを含む、請求項112〜119のいずれか一項記載の方法。

請求項121

標的分子を単離する方法であって、以下の段階を含む、方法:a.刺激に応答して可逆的に結合する1つまたは複数の重合体と結合した親和性試薬を各々が含む複数の結合実体を、複数の標的分子と接触させ、それによって親和性試薬を標的分子に結合させる段階であって、結合が溶液中で起こる、段階;b. 刺激を適用して、複数の結合実体の少なくともいくつかを互いに結合させ、それによって親和性試薬に結合した標的分子をクラスタ化する段階; およびc. 溶液から結合実体を分離する段階を含む該方法。

請求項122

溶液から結合実体を分離する段階が、結合実体および溶液を遠心分離することを含む、請求項121記載の方法。

請求項123

溶液から結合実体を分離する段階が、溶液に外部磁場を加えることを含む、請求項121記載の方法。

請求項124

溶液から結合実体を分離する段階が、溶液をクロマトグラフィーカラムに通すことおよび結合実体をカラム内に保持することを含む、請求項121記載の方法。

請求項125

標的分子を結合実体から単離する段階をさらに含む、請求項121記載の方法。

請求項126

標的分子が抗体を含む、請求項121記載の方法。

請求項127

抗体がモノクローナルである、請求項126記載の方法。

請求項128

抗体がIgGを含む、請求項126〜127のいずれか一項記載の方法。

請求項129

親和性試薬がプロテインAを含む、請求項121〜128のいずれか一項記載の方法。

技術分野

0001

関連出願の相互参照
本出願は、2016年3月15日付で出願された先行する同時係属中の米国仮特許出願第62/308,672号の35 USC 119(e)下での恩典を主張するものであり、その開示は参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。

0002

発明の分野
本開示は、刺激応答性重合体組成物および該組成物を使用するための方法に関する。

背景技術

0003

導入
適応免疫系は、人体外来病原体応答して記憶する細胞性および生理学的プロセスを含む。Tリンパ球(T細胞)、Bリンパ球(B細胞)および抗原提示細胞(APC)、例えば樹状細胞は、適応免疫系の主要な細胞である。

0004

適応免疫系機能において、外来病原体に関連するタンパク質は、より小さいペプチド断片プロセッシングされ、APCまたは感染宿主細胞の表面上の主要組織適合複合体(MHC)分子上にペプチド抗原として提示される。MHCは、ヒトの系を記述する際には、ヒト白血球抗原(HLA)といわれ得る。外来ペプチド抗原は、そのT細胞受容体(TCR)がAPC表面上の同族HLA-ペプチド複合体に結合すると、T細胞によって認識される。APCおよびT細胞の表面上のMHC-ペプチド-TCR分子複合体は、他の密接に関連する細胞表面共刺激および接着タンパク質と組み合わせて、「免疫学的シナプス」と総称される。免疫学的シナプスの形成には、細胞骨格再構築およびさまざまな細胞表面タンパク質再配置およびクラスタ化が必要である。APC-T細胞免疫学的シナプスの形成は、両方の細胞によって送受信される可溶性因子協働してT細胞を活性化し、抗原特異的エフェクタT細胞へのクローン増大および成熟を可能にする。抗原特異的エフェクタT細胞は、CD4+ヘルパーT細胞またはCD8+細胞傷害性T細胞の2つの一般的なクラスのものである。CD4+ T細胞およびCD8+ T細胞は両方とも、外来病原体に対する強力な免疫応答を誘発するために必要とされる。しかしながら、効果的なT細胞活性化のために、共刺激シグナルもまたAPCによって提供され、T細胞によって受け取られる。それゆえ、T細胞の活性化および増大は、病原体感染からヒト宿主を保護するための適応免疫系の重要なプロセスである。

0005

概要
細胞表面分子、例えば受容体およびそのリガンドの、クラスタ化、共局在化および/または架橋結合のための方法および組成物が本明細書において開示される。いくつかのバージョンでは、本方法は、刺激に応答して可逆的に結合する重合体に刺激を適用する段階を含む。

0006

本態様のいくつかのバージョンでは、本方法は、細胞を、刺激に応答して可逆的に結合する1つまたは複数の重合体と結合した親和性試薬を各々が含む複数の結合実体と接触させる段階を含む。いくつかの局面において、細胞は表面上の受容体を含み、細胞を結合実体と接触させる段階は、複数の親和性試薬を細胞表面分子、例えば受容体に結合させる段階を含む。また、さまざまな例において、本方法は、自己凝集および共凝集を介して、複数の結合実体の少なくともいくつかを互いに結合させるのに効果的な刺激を適用し、それによって親和性試薬に結合した、細胞表面分子、例えば受容体、および/またはそのリガンドをクラスタ化する段階を含む。細胞表面分子が異なる細胞上にある場合、本明細書において提供される自己凝集および共凝集プロセスは、2つの異なる細胞および/または2つの異なる細胞型を共局在化させる。

0007

本方法のさまざまな局面はまた、細胞を、刺激に応答して可逆的に結合する受容体と結合した複数の親和性試薬を含む結合実体と接触させる段階を含み、ここで細胞は細胞表面上の分子、例えば受容体を含み、細胞を結合実体と接触させる段階は、複数の親和性試薬を細胞表面分子、例えば受容体に結合させる段階を含む。いくつかの局面において、本方法は、複数の親和性試薬の少なくともいくつかを互いに結合させるのに効果的な刺激を適用し、それによって親和性試薬に結合した、細胞表面分子、例えば受容体、および/またはそのリガンドを、クラスタ化、共局在化および/または架橋結合する段階を含む。細胞表面分子が異なる細胞上にある場合、自己凝集および共凝集プロセスは、2つの異なる細胞および/または2つの異なる細胞型を共局在化させる。

0008

刺激応答性試薬のような組成物も含まれる。そのような試薬は、刺激に応答して可逆的に結合する重合体と結合した複数の親和性試薬を含む結合実体を含みうる。

0009

キットも含まれる。キットは、刺激に応答して可逆的に結合する重合体と結合した親和性試薬を含む結合実体を各々が含む、第1の組成物、および任意で第2の組成物を含みうる。

図面の簡単な説明

0010

本開示のこれらのおよびその他の局面および特徴は、添付図面と関連して開示の特定の態様の以下の記述を検討することにより、当業者には明らかになるであろう。

0011

本態様によって利用することができる、表面抗原分類リストを提供する。
本態様によって利用することができる、ホルモンサイトカインおよび他の成長因子のリストを提供する。
刺激応答性重合体の共凝集および受容体クラスタ化の前に異なる細胞表面受容体クラスに結合する、結合実体としての2つの重合体-親和性試薬コンジュゲート、例えば、重合体-Abコンジュゲート(重合体-Abコンジュゲート1および重合体-Abコンジュゲート2)を例示する。
刺激応答性重合体の共凝集および受容体クラスタ化の前に同じ細胞表面受容体クラスに結合する、結合実体としての重合体-親和性試薬コンジュゲート、例えば、重合体-Abコンジュゲートを提供する。
同じ親和性試薬(抗体1)を有する、刺激応答性重合体と結合した複数の親和性試薬を含む多価結合実体、例えば重合体-Abコンジュゲートを示す。コンジュゲートは、刺激応答性重合体の共凝集および受容体架橋結合の前に、同じ細胞表面受容体クラスに結合する。
単一の重合体分子上に異なる親和性試薬(例えば、抗体1および抗体2)を有する、刺激応答性重合体と結合した複数の親和性試薬を含む多価結合実体、例えば重合体-Abコンジュゲートを提供する。コンジュゲートは、刺激応答性重合体の共凝集および受容体架橋結合の前に、異なる細胞表面受容体クラスに結合する。
本態様による刺激応答性重合体結合リガンドの、クラスタ化および多量体化標的を提供する。
本態様による複数の細胞をクラスタ化するための重合体-親和性試薬コンジュゲートを含む結合実体を利用する例を提供する。
本態様による複数の細胞をクラスタ化するための刺激応答性重合体と結合した複数の親和性試薬を含む結合実体を利用する例を提供する。
本明細書において提供される態様によって重合体を抗体に結合させるための反応スキームを例示する。
本態様によるゲルを提供する。左パネルは、非結合抗CD3、および重合体-抗CD3コンジュゲートを提供する。右パネルは、非結合抗CD28、および重合体-抗CD28コンジュゲートを提供する。
本態様による異なる温度刺激に応答する3つの異なる重合体-抗CD3コンジュゲートを評価する際に得られたデータを提供する。
図13A〜Dは、本開示の刺激応答性磁性ナノ粒子(mNP)の態様の構造的および機能的特性を示すグラフである。mNPは、重合体の近位末端ミセル形成基を含まない親水性刺激応答性重合体を含む。図13A: 動的光散乱によって測定した6つの異なるmNPバッチの粒子サイズを示すグラフである。
図13A〜Dは、本開示の刺激応答性磁性ナノ粒子(mNP)の態様の構造的および機能的特性を示すグラフである。mNPは、重合体の近位末端にミセル形成基を含まない親水性刺激応答性重合体を含む。図13B: mNPの温度応答性尺度である18℃の下限臨界溶液温度(LCST)を示すグラフである。
図13A〜Dは、本開示の刺激応答性磁性ナノ粒子(mNP)の態様の構造的および機能的特性を示すグラフである。mNPは、重合体の近位末端にミセル形成基を含まない親水性刺激応答性重合体を含む。図13C:熱重量分析によって測定されたmNPの刺激応答性重合体 対Fe質量比を示すグラフである。
図13A〜Dは、本開示の刺激応答性磁性ナノ粒子(mNP)の態様の構造的および機能的特性を示すグラフである。mNPは、重合体の近位末端にミセル形成基を含まない親水性刺激応答性重合体を含む。図13D: LCST未満(4℃)およびLCST超(24℃)でのmNPの分離効率を示すグラフである。
2つの異なる重合体-親和性試薬コンジュゲート、例えば重合体-抗CD3コンジュゲートおよび重合体-抗CD28コンジュゲートが、エクスビボでT細胞を活性化することを実証する例を提供する。単一の(灰色点線の)蛍光ピークによって示されるように、T細胞単独では増殖しない。重合体結合抗CD3単独ではT細胞増殖を誘発しなかった(黒色点線のピーク)。重合体-抗CD3コンジュゲートおよび重合体-抗CD28コンジュゲートの存在下では、より低い強度の複数の蛍光ピークによって示されるように、刺激が重合体-Ab共凝集ならびに同時の受容体架橋結合およびT細胞活性化を、CD4+ T細胞およびCD8+ T細胞の両方において引き起こした。
同じ重合体-親和性試薬コンジュゲート、例えば重合体-抗CD3コンジュゲートが、エクスビボでT細胞を活性化することを実証する例を提供する。共刺激シグナル伝達分子IL-2の存在下で、T細胞はわずかに増殖した。単一の鋭い蛍光ピークによって示されるように、IL-2ではなく重合体-抗CD3で、T細胞は活性化されなかった。しかしながら、重合体-抗CD3およびIL-2の存在下では、CD4+ T細胞およびCD8+ T細胞は両方とも増殖し、複数の蛍光ピークによって示されるように、複数の集団倍加を起こした。
異なる温度刺激に応答する3つの異なる重合体-抗CD3コンジュゲートが、エクスビボでT細胞を活性化することを実証する例を提供する。単一の(点線の)蛍光ピークによって示されるように、T細胞単独では増殖しない。重合体-抗CD3コンジュゲートの存在下で、より低い強度の複数の蛍光ピークによって示されるように、刺激が重合体-Ab共凝集ならびに同時の受容体架橋結合およびT細胞活性化を引き起こした。
温度およびイオン強度の両方に応答する刺激応答性mNPを評価する際に得られたデータを提供する。
重合体-プロテインAコンジュゲートを用いた溶液からのモノクローナル抗体(mAb)の単離を評価する際に得られたデータを提供する。
図19A〜Cは、以下の実施例10において記述される方法を実施する際に得られたデータを提供する。図19A: T細胞がCD3受容体架橋結合を介した活性化後少なくとも2週間増大することを例示する、細胞数を平均増大倍率として示すグラフである。図19B: CD3受容体架橋結合を介した活性化の後に、CD4+ T細胞が培養下で2週間以上バックグラウンド(0日)を上回る上昇したレベルのCD25共刺激マーカー発現を有することを例示するグラフである。図19C: CD3受容体架橋結合を介した活性化の後に、CD8+ T細胞が培養下で2週間以上バックグラウンド(0日)を上回る上昇したレベルのCD25共刺激マーカー発現を有することを例示するグラフである。

0012

詳細な説明
細胞表面分子およびそのリガンドを、クラスタ化、共局在化および/または架橋結合するための方法および組成物が本明細書において開示される。いくつかのバージョンでは、本方法は、刺激に応答して可逆的に結合する重合体に刺激を適用する段階を含む。

0013

本発明をより詳細に記述する前に、本発明は記述された特定の態様に限定されず、かくして、当然ながら、変化しうることが理解されるべきである。本明細書において用いられる専門用語は、特定の態様のみを記述するためのものであり、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるので、限定することを意図するものではないことも理解されるべきである。

0014

ある範囲の値が提供される場合、各介在値は、その範囲の上限と下限の間およびその記載された範囲の他に記載されたまたは介在する値の明確な指示がない限り、下限の単位の10分の1まで本発明に包含されるものと理解されたい。これらのより小さい範囲の上限および下限は、独立してより小さい範囲に含まれてもよく、記載された範囲内の任意の具体的に除外された限界を条件として、本発明に包含される。記載された範囲が限界の一方または両方を含む場合、含まれる限界の一方または両方を除く範囲も本発明に含まれる。

0015

ある範囲は、「約」という用語によって先行される数値を伴って、本明細書において提示されうる。「約」という用語は、本用語が先行する正確な数字、ならびに本用語が先行する数字近傍または近似する数字に対して文言上の支持を提供するために本明細書において用いられる。ある数字が、具体的に引用される数字の近傍または近似するかどうかを判定する際、引用されていない近傍または近似する数字は、提示される文脈において、具体的に引用される数字の実質的等価物を提供する数字でありうる。

0016

他に定義されない限り、本明細書において用いられる全ての技術的および科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本発明の実践または試験において本明細書に記述されるものと類似または等価な任意の方法および材料を用いることもできるが、代表となる例示的な方法および材料をこれから記述する。

0017

本明細書において引用される全ての刊行物および特許は、各個々の刊行物または特許が参照により組み入れられるように具体的かつ個別的に示されているかのように参照により本明細書に組み入れられ、引用される刊行物と関連する方法および/または材料を開示および記述するように参照により本明細書に組み入れられる。任意の刊行物の引用は、出願日前のその開示に関するものであり、本発明が先行発明によりその刊行物に先行する資格がないことを認めるものと解釈されるべきではない。さらに、提供された公開日は、実際の公開日とは異なる可能性があり、それは独立して確認する必要がありうる。

0018

本明細書においておよび添付の特許請求の範囲において用いられる場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、文脈上他に明確に指示されない限り、複数の指示対象を含むことに留意されたい。特許請求の範囲は任意の随意的な要素を排除するように作成されてもよいことにさらに留意されたい。したがって、本記述は、特許請求の範囲の要素の列挙または「否定的」制限の使用に関連して「専ら」、「単なる」などのような排他的な専門用語を用いるための前提として役立つことが意図される。

0019

さらに、開示された装置および/または関連する方法のさまざまな態様は、本出願に含まれうる図面によって表すことができる。装置の態様ならびにその特定の空間的特徴および/または能力には、図面に示されているもしくは実質的に示されているもの、または図面から合理的に推測できるものが含まれる。そのような特徴には、例えば、1つまたは複数の(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個または10個など)の、平面(例えば、断面平面)もしくは軸(例えば、対称軸)に関する対称性、端部、周辺部、表面、特定の方向(例えば、近位;遠位)および/または数(例えば、3つの表面; 4つの表面)、あるいはその任意の組み合わせが含まれる。そのような空間的特徴にはまた、例えば、1つまたは複数の(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個または10個など)の、平面(例えば、断面平面)もしくは軸(例えば、対称軸)に関する対称性、端部、周辺部、表面、特定の方向(例えば、近位;)および/または数(例えば、3つの表面)、あるいはその任意の組み合わせの欠如(例えば、特定の非存在)が含まれる。

0020

本開示を読むことによって当業者には明らかなように、本明細書において記述され例示される個々の態様の各々は、本発明の範囲または趣旨から逸脱することなく、容易に、他のいくつかの態様のいずれかの特徴から分離され、またはそれらと組み合わせられうる個別の構成要素および特徴を有する。列挙された方法のいずれも、列挙された事象順序で、または論理的に可能な任意の他の順番で行うことができる。

0021

本発明をさらに記述するにあたり、本組成物を適用するための本方法を、より詳細に論じ、その後に関連する組成物の検討を行う。

0022

I. 定義
特許請求の範囲および明細書において用いられる用語は、特別の定めのない限り、以下に示されるように定義される。

0023

上記のように、主題の開示は、細胞表面分子、例えば受容体およびそのリガンドのクラスタ化、共局在化および/または架橋結合のための方法および組成物を含む。「クラスタ化」、「共局在化」および/または「架橋」は全て、遠位の要素(例えば、細胞表面分子)が互いにより近接して転位置する規則正しく方向付けられたプロセスをいう。本明細書中のさまざまな箇所で、本開示の化合物置換基は、群または範囲で開示される。本開示が、そのような群および範囲の成員のありとあらゆる個々のサブコンビネーションを含むことが特に意図される。例えば、「C1〜6アルキル」という用語は、メチルエチル、C3アルキル、C4アルキル、C5アルキル、およびC6アルキルを個々に開示することが特に意図される。

0024

明確にするため、別個の態様の文脈において記述される本開示のある種の特徴は、単一の態様において組み合わせて提供されてもよいことがさらに理解される。

0025

逆に、簡潔にするため、単一の態様の文脈において記述される本開示のさまざまな特徴は、別々にまたは任意の適当なサブコンビネーションで提供されてもよい。

0026

本明細書において用いられる場合、「金属錯体」という用語は、中心金属原子またはイオンおよび結合した分子またはイオン(例えば、配位子)の周囲の配列を含む金属含有化合物をいう。

0027

本明細書において用いられる場合、「配位する」または「配位」という用語は、配位子(例えば、キレート剤)と中心金属原子との間に形成される結合をいい、配位子は一般に、孤立電子対から空の金属軌道電子供与することによって中心原子に結合し、配位子は原子に配位する。いくつかの態様において、孤立電子対から空の金属軌道に電子を供与する代わりに、アルケンのような有機配位子π結合が空の金属軌道に配位することができる。

0028

本明細書において用いられる場合、「キレート剤」という用語は、中心原子に2つ以上の別個の配位結合を形成できる化合物をいう。

0029

本明細書において用いられる場合、「流体力学直径」という用語は、動的光散乱によって測定される、溶媒(例えば、水)中で水和された可溶性刺激応答mNPの見かけのサイズをいう。

0030

本明細書において用いられる場合、「共重合体」という用語は、2つ以上の異なる重合体の重合の結果である重合体をいう。各構成単位の数および性質は、共重合体中で別々に制御することができる。構成単位は、そうでないと明記されていない限り、純粋にランダム、交互のランダム、規則的な交互、規則的なブロック、またはランダムなブロック構成で配置することができる。純粋にランダムな構成は、例えば: x-x-y-z-x-y-y-z-y-z-z-z...またはy-z-x-y-z-y-z-x-x...とすることができる。交互のランダム構成は、x-y-x-z-y-x-y-z-y-x-z...とすることができ、規則的な交互の構成は、x-y-z-x-y-z-x-y-z...とすることができる。規則的なブロック構成は、以下の一般的な構成: ...x-x-x-y-y-y-z-z-z-x-x-x...を有するが、ランダムなブロック構成は一般的な構成: ...x-x-x-z-z-x-x-y-y-y-y-z-z-z-x-x-z-z-z-...を有する。

0031

本明細書において用いられる場合、「置換された」または「置換」という用語は、H以外の置換基との水素原子の置換をいうことを意味する。例えば「N-置換ピペリジン-4-イル」は、例えば、アルキルのような非水素置換基とのピペリジニルのNHからのH原子の置換をいう。

0032

本明細書において用いられる場合、「アルキル」という用語は、直鎖または分枝鎖の完全飽和(二重または三重結合なし)炭化水素(炭素および水素のみ)基をいう。アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピルイソプロピルブチルイソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチルおよびヘキシルが挙げられるが、これらに限定されることはない。本明細書において用いられる場合、「アルキル」には、他の基と結合するための1つではなく2つの開放原子価を有する直鎖または分枝鎖の完全飽和炭化水素基をいう「アルキレン」基が含まれる。アルキレン基の例としては、メチレン、-CH2-、エチレン、-CH2CH2-、プロピレン、-CH2CH2CH2-、n-ブチレン、 CH2CH2CH2CH2-、sec-ブチレン、および-CH2CH2CH(CH3)-が挙げられるが、これらに限定されることはない。本開示のアルキル基は、1つまたは複数のフッ素基で置換されてもよい。

0033

本明細書において用いられる場合、「アリール」という用語は、例えば、フェニルナフチルアントラニルフェナントレニルインダニルおよびインデニルのような単環式または多環式(例えば、2、3または4個の縮合環を有する)芳香族炭化水素をいう。いくつかの態様において、アリール基は6〜約20個の炭素原子を有する。

0034

本明細書において用いられる場合、「ハロ」または「ハロゲン」という用語は、フルオロクロロ、ブロモおよびヨードを含む。

0035

本明細書において用いられる場合、「脂肪酸」という用語は、飽和または不飽和のいずれかである長い脂肪族鎖を有するカルボン酸を持つ分子をいう。

0036

本明細書において用いられる場合、「疎水性ブロック」という用語は、親水性構成単位よりも多くの疎水性構成単位を含む重合体ブロックをいう。疎水性構成単位は、典型的な水性条件においてイオン化可能ではなく、1つまたは複数の疎水性部分(例えば、アルキル基、アリール基など)を含む。

0037

本明細書において用いられる場合、重合体の「構成単位」という用語は、鎖の一部を、もしあれば、そのペンダント原子または原子団とともに含む、重合体中の原子または原子群をいう。構成単位は繰り返し単位をいうことができる。構成単位は、重合体鎖上の末端基をいうこともできる。例えば、ポリエチレングリコールの構成単位は、反復単位に対応する-CH2CH2O-、または末端基に対応する-CH2CH2OHであることができる。

0038

本明細書において用いられる場合、「繰り返し単位」という用語は、その繰り返しが規則的な高分子(またはオリゴマー分子もしくはブロック)を構成する、最小の構成単位に対応する。

0039

本明細書において用いられる場合、「末端基」という用語は、重合体の末端に位置する、重合体鎖への1つの結合のみを有する構成単位をいう。例えば、末端基は、いったん単量体単位が重合されると、重合体の末端の単量体単位から誘導することができる。別の例として、末端基は、重合体を合成するために用いられた連鎖移動剤または開始剤の一部であることができる。

0040

本明細書において用いられる場合、重合体の「末端」という用語は、重合体骨格の末端に位置する重合体の構成単位をいう。

0041

本明細書において用いられる場合、重合体の「近位末端」という用語は、本明細書において記述されるプロセスを用いていったんmNPが形成されると、mNPの金属酸化物コアに配位する重合体骨格の末端に位置する重合体の構成単位をいう。重合体骨格の末端の構成単位(例えば、末端基)は、例えば、重合体の末端の単量体単位(単量体単位が重合された後)から誘導されてもよく、または末端基は、重合体を合成するために用いられた連鎖移動剤または開始剤の一部であってもよい。

0042

本明細書において用いられる場合、重合体の「遠位末端」という用語は、重合体の近位末端から離れて位置する重合体骨格の末端に配置される構成単位をいう。いくつかの態様において、重合体は、重合体の近位末端から離れて位置する重合体骨格の全ての末端に対応する、分枝重合体の場合などのような、2つ以上の遠位末端を有することができる。

0043

本明細書において用いられる場合、「ミセル形成基」という用語は、極性溶媒中ミセルを形成することができる基をいう。

0044

本明細書において用いられる場合、「刺激応答(性)」という用語は、特性変化またはそれらの外部刺激の任意の組み合わせを示すことによってpH、温度、UV-可視光線光照射電場への曝露、イオン強度、およびある種の化学物質の濃度のような外部刺激の変化に応答できる材料をいう。

0045

本明細書において用いられる場合、「細胞表面分子」という用語は、細胞外部の1つまたは複数の実体に曝露されかつ接触可能な、細胞の表面上の、例えば細胞膜の表面の内部または表面上の分子をいう。したがって、細胞表面分子は、細胞外部の1つまたは複数の実体、例えば結合実体またはリガンドに結合可能、例えば共有結合的または非共有結合的に結合可能でありうる。

0046

「細胞表面受容体」は、受容体、例えば、抗体、ホルモン、サイトカインおよび/または合成化合物のような、特異的可溶性リガンドに結合する分子である細胞表面分子である。細胞表面受容体は、本明細書において受容体ともいわれる。

0047

また、本明細書において用いられる場合、「対象」は「哺乳動物」または「哺乳類」であることができ、ここでこれらの用語は、哺乳類クラス、またはこのクラス内にない生物である非哺乳類の範囲内にある生物を記述するために広く用いられる。いくつかの態様において、対象はヒトである。本明細書において記述される方法は、ヒト対象またはその組織について1つまたは複数のプロトコルを実施するために適用することができるが、本方法を実行して、他の対象(すなわち「非ヒト対象」において)またはその組織について手順および/または処置を実施することもできることが理解されるべきである。そのような対象は、非哺乳類動物、細菌、ウイルス昆虫または植物を含みうる。したがって、態様による細胞は、1つまたは複数の非哺乳類動物、細菌、ウイルス、昆虫または植物の組織の細胞でありうる。

0048

他に定義されない限り、本明細書において用いられる全ての技術用語および科学用語は、当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書において記述される方法および材料と類似または等価な方法および材料を本開示の実践または試験において用いることができるが、適当な方法および材料を以下に記述する。本明細書において言及される全ての刊行物、特許出願、特許および他の参考文献は、参照によりその全体が組み入れられる。矛盾する場合、定義を含めて、本明細書が統制する。さらに、材料、方法、および実施例は例示的なものに過ぎず、限定することを意図するものではない。

0049

II.刺激応答性重合体およびコンジュゲートを利用する方法
細胞表面分子および/またはそれらのリガンドをクラスタ化する方法が本明細書において提供される。細胞表面分子は同じ細胞上にあってもよく、それらは1つもしくは複数の異なる細胞または1つもしくは複数の異なる細胞型上にあってもよい。本方法は、T細胞、B細胞、抗原提示細胞、肥満細胞ハイブリドーマ腫瘍細胞、TF-1および他の細胞型のような細胞における細胞応答を活性化、拡大またはそうでなければ誘導する段階を含む。そのような細胞は、対象から収集されうるか、または対象体内に存在しうる。

0050

本態様による細胞表面分子には、ホルモンまたはサイトカインのような、特定の可溶性リガンドに結合する受容体のような、1つまたは複数の細胞表面受容体が含まれる。受容体のさまざまな態様は、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)またはインターロイキン3 (IL-3)受容体のようなT細胞受容体、B細胞受容体、toll様受容体および/またはサイトカイン受容体であることができる。本態様による受容体は、1つまたは複数の細胞上の第1および第2の受容体を含むことができ、例えば、CD2、CD3、CD4、CD8、CD14、CD19、CD20、CD28、CD30、CD40、CD45、CD116、CD152およびCD169のいずれか1つのような、表面抗原分類(CD)受容体、または本開示の図面もしくは実施例において提供される、任意の他の受容体、例えば、T細胞受容体、ヒト白血球抗原(HLA)、B細胞受容体、主要組織適合複合体(MHC)、FcεR1、toll様受容体、あるいはそれらの任意の組み合わせであることができる。例えば、本態様による受容体は、図1において提供される表面抗原分類の任意の1つまたは組み合わせを含むことができる。細胞表面分子または本明細書において提供される細胞表面分子に結合する分子はまた、図2において提供される分子のいずれか、またはその任意の組み合わせを含みうる。細胞表面分子は、本方法によってクラスタ化可能または架橋可能な細胞表面上のタンパク質、糖質、もしくは他の分子、またはその任意の組み合わせを含むこともできる。細胞表面分子は、ウイルスベクターによる細胞の形質導入後に発現されるタンパク質を含むこともできる。細胞表面分子は、さまざまな例において、可溶性リガンドに結合しない場合でも、それらが接近しているので、クラスタ化または架橋されたときに生物学的効果を生じる。

0051

主題の開示による細胞表面分子はまた、本明細書において開示されるリガンドのいずれかに結合または応答する受容体を含むことができる。例えば、そのような分子は、図2において提供される分子のいずれかのような、ホルモン、サイトカイン、ケモカイン、成長因子、小分子など、またはそれらの任意の組み合わせであることができる。

0052

本開示の主題は、さまざまな態様において、制御可能な様式で本方法により、細胞表面分子(例えば受容体)に結合し、可逆的にクラスタ化、共局在化および/または架橋させうる記述された組成物を含む、ナノスケールの、刺激応答性重合体コンジュゲートステムを利用する方法を含む。組成物それ自体は以下に提供される。このコンジュゲートシステムの適用が本方法により提供され、養子細胞療法、他の治療領域および/または研究使用のための、細胞、例えばT細胞および/もしくはB細胞のエクスビボ活性化および増大、または他の細胞応答の誘導を含む。

0053

さまざまな態様において、本方法は、細胞またはその一部分、例えば細胞表面を、刺激に応答して可逆的に結合する1つまたは複数の重合体と結合した親和性試薬(例えば、唯一の単一親和性試薬)を各々が含む複数の結合実体と接触させる段階を含む。そのような接触させる段階は、細胞および結合実体を溶液、例えば、水および/または緩衝液を含む液体溶液中に一緒に配することによって行われうる。また、いくつかのバージョンでは、本方法は、刺激に応答して可逆的に結合する重合体と結合した複数の親和性試薬を含む結合実体と細胞を接触させる段階を含む。さまざまな態様において、細胞はT細胞である。そのようなT細胞は、CD4 +ヘルパーT細胞および/またはCD8 +細胞傷害性T細胞であることができるが、これらに限定されることはない。

0054

いくつかのバージョンでは、細胞は表面上の、細胞表面分子、例えば受容体を含み、細胞を結合実体と接触させる段階は、複数の親和性試薬を細胞表面分子、例えば受容体の1つまたは複数に結合させる段階を含む。受容体は、例えばCD19、CD3および/またはCD28受容体のような、B細胞および/またはT細胞受容体を含むことができる。また、いくつかの局面において、本方法は、複数の結合実体の少なくともいくつかを互いに結合させるのに効果的な刺激を適用し、それによって、例えば親和性試薬に結合した細胞表面分子間の長さを減少させることにより、クラスタ化する段階を含む。

0055

したがって、本開示の主題の構成要素は、1つまたは複数の刺激応答性重合体に共有結合されて、重合体-親和性試薬コンジュゲート(例えば重合体-Abコンジュゲート)を作る親和性試薬(例えば、抗体(Ab))である。親和性試薬は、さまざまな態様において、サイトカイン、Ab、ホルモン、オリゴヌクレオチド、脂質、および/または酵素などのような種々の生体分子を含むことができる。刺激応答性重合体との結合の後、親和性試薬は、重合体の刺激応答挙動と同様の刺激応答挙動をとる。

0056

重合体結合親和性試薬は、その可溶性状態で効率的に拡散し、細胞表面上の標的(例えば、細胞表面分子)に結合する。本方法によって、例えば生理学的範囲内の温度シフトまたはpH変化などの刺激が適用された後、表面分子に結合した重合体結合親和性試薬は迅速に共凝集する。重合体結合親和性試薬の共凝集は、細胞表面分子、例えば受容体を細胞表面上で近接させ、それらの生理学的クラスタ化、共局在化および/または架橋結合を可能にする。クラスタ化、共局在化および架橋は、互換的に用いられる。一例として、共刺激シグナルの存在下でのCD3受容体クラスタ化は、T細胞活性化およびその後のT細胞増大をもたらす。これらの刺激応答性重合体-親和性試薬コンジュゲートの誘導性凝集は、外因的に添加された粒子ビーズを必要とせずにT細胞活性化および増大を誘導するための理想的な足場を提供する。しかしながら、いくつかの態様において、磁性ナノ粒子が外因的に添加される。そのような場合、重合体-親和性試薬コンジュゲートの機能は磁性ナノ粒子非依存性でありうる。T細胞受容体(TCR)および/または共刺激受容体の架橋は、T細胞活性化に必要なシグナルである。重要なことに、刺激誘導凝集は、本方法によって迅速かつ完全に可逆的であるので、刺激が反転される場合に、例えば元のpHおよび/または温度への逆戻りによって、重合体-Abコンジュゲートは脱凝集する。

0057

開示された方法によれば、T細胞表面上の受容体は、活性化のための重合体-Abコンジュゲートによってクラスタ化される。そのような方法はまた、他の重合体-リガンドコンジュゲートの溶液挙動を制御し、細胞表面受容体付近のその局所濃度を増加させ、サイトカインおよびホルモンのようなシグナル伝達分子の、それらの同族受容体への結合の効率および効力を増加させるためにも用いることができる。これは、リガンドのその同族受容体に対する結合親和性および結合活性の増加を含むことができる。したがって、本方法は、細胞表面上での、サイトカイン、ホルモンおよび他の受容体、ならびにそれらのリガンドの多量体化を含む。

0058

細胞シグナル伝達の増強のための受容体の多量体化の促進は、低親和性受容体とリガンドとの相互作用にとって特に重要である。リガンドが細胞表面受容体に対して低い親和性を有する場合、リガンドは受容体に会合しうるが、その後すぐに解離し、シグナル伝達をほとんどまたは全く生じない。局在化された環境は、本方法によってクラスタ化された細胞表面受容体の周囲に重合体-リガンドコンジュゲートが凝集されると変化する。例えば、重合体-リガンドコンジュゲートは、細胞に曝露され、個々の細胞表面受容体へのそれらの結合を可能にすることができる。刺激は、重合体-リガンドコンジュゲートを共凝集させ、細胞表面受容体をクラスタ化する。次に、一つのリガンド-受容体相互作用が破壊されても、迅速な再会合のために受容体のすぐ近くに他の(凝集した)重合体-リガンドコンジュゲートが多数存在する。それゆえ、たとえ個々のリガンド-受容体相互作用の親和性が低いままであるとしても、相互作用の結合活性が増加し、開示された方法を利用することによって細胞シグナル伝達が増強される。

0059

本方法のいくつかのバージョンでは、図3に示されるように、刺激に応答して可逆的に結合する重合体205と結合した親和性試薬203、204(例えば、抗体)を各々が含む複数の結合実体202、208(例えば、重合体-Abコンジュゲート)と、細胞201(例えば、T細胞)を接触させることである。そのような結合実体は、第1の親和性試薬203(例えば、抗CD3)、および第1の親和性試薬203とは異なる第2の親和性試薬204(例えば、抗CD28)、ならびに/または、第1の細胞表面分子(例えば受容体206(例えば、CD3))と、第1の細胞表面分子(例えば受容体)とは異なる第2の細胞表面分子(例えば受容体207(例えば、CD28))とを含む、細胞表面分子(例えば受容体)を含む。さらに、いくつかの局面において、細胞表面分子(例えば受容体)への親和性試薬の結合は、第1の細胞表面分子(例えば受容体)への第1の親和性試薬の結合、および第2の細胞表面分子(例えば受容体)への第2の親和性試薬の結合を含む。したがって、いくつかのバージョンでは、細胞はその表面に、異なるタイプの細胞表面分子(例えば受容体)を含む。次いで、矢印209によって示されるように、可逆的な刺激に曝露されると、同族の表面分子206および207に結合した結合実体202および208は、互いとおよび/または他の結合した結合実体と結合(共凝集)することができる。そのような結合または共凝集は次に、異なるタイプの細胞表面分子(例えば、受容体)を細胞表面上で互いにより近接させる。

0060

例えば、図3と同じ要素の多くを含む図4に示されるように、そのような方法はまた、同じタイプのもの(例えば、細胞表面分子(例えばCD3))である、細胞101の細胞表面分子(例えば受容体102)に適用することができる。そのような態様において、結合実体104、105は、受容体102(例えばCD3)の同じまたは異なる領域に結合する、同じまたは異なるタイプの親和性試薬106、107、(例えば、抗CD3抗体)を含みうる。結合実体104、105(例えば、重合体-Abコンジュゲート)は各々、刺激に応答して可逆的に結合する1つまたは複数の重合体108と結合した親和性試薬106、107(例えば、抗体)を含む。さらに、いくつかの局面において、細胞表面分子(例えば、受容体102)への複数の親和性試薬106、107の結合は、細胞表面分子(例えば、受容体102)への第1の親和性試薬106の結合、および表面分子(例えば、受容体102)への第2の親和性試薬の結合を含む。結合実体104、105は各表面分子102に結合することができ、次いで、矢印109によって示されるように可逆的な刺激に曝露されると、他の結合した結合実体と結合(共凝集)できる。そのような結合または共凝集は次に、細胞表面分子(例えば受容体102)を、細胞表面上で互いにより近接させる。

0061

これらの記述された結合実体は、本方法によって異なる用途に利用することができる。異なる親和性試薬を別々の試薬、例えば、重合体-Abコンジュゲート#1および重合体-Abコンジュゲート#2として刺激応答性重合体にコンジュゲートさせることができ、それらを次いで、アッセイ法または治療法で用いるために組み合わせることができる。例えば、重合体-Abコンジュゲート#1は、T細胞受容体に特異的なアゴニストAbを含むことができ、重合体-Abコンジュゲート#2は、T細胞に共刺激シグナルを伝達するAbを含むことができる。細胞表面受容体への結合後に、2つの重合体-Abコンジュゲートの共凝集はTCRおよび共刺激受容体の架橋を引き起こし、T細胞に強力な活性化シグナルを提供する。

0062

また、例えば、図5に示されるように、本方法はまた、刺激に応答して可逆的に結合する重合体404と結合した複数の親和性試薬403(例えば、抗体(例えば、抗CD3))を含む、結合実体402(例えば、多価の重合体-抗体コンジュゲート)と細胞401(例えば、T細胞)を接触させる段階を含む。細胞401は、具体的には、その表面に、細胞表面分子(例えば、受容体405(例えば、CD3受容体))を含む。細胞401を結合実体402と接触させる段階は、複数の親和性試薬403を細胞表面分子(例えば、受容体405)に結合させる段階を含む。本方法はまた、複数の親和性試薬403の少なくともいくつかを互いに結合させる際に有効な、矢印406によって示される除去可能な刺激を適用して、例えば、細胞表面分子(例えば、受容体)を共局在化させ、それによって、凝集した多価の重合体-Abコンジュゲートによってもたらされる、親和性試薬403に結合した細胞表面分子(例えば、受容体405)をクラスタ化させる段階を含む。図5に提供されるものなどの、態様のいくつかのバージョンでは、細胞表面分子、例えば受容体は同じタイプのもの、例えばCD3受容体またはCD28受容体であり、および/または親和性試薬は同じタイプのもの、例えば抗CD3または抗CD28である。

0063

また、図6に示されるものなどの、いくつかのバージョンでは、結合実体502は、第1の親和性試薬503(例えば、抗CD3)、および第1の親和性試薬とは異なる第2の親和性試薬504(例えば、抗CD28)を含む。また、いくつかのバージョンでは、細胞501の細胞表面分子(例えば、受容体)は、第1の細胞表面分子(例えば、受容体505(例えば、CD3))と、第1の細胞表面分子(例えば、受容体)とは異なる第2の細胞表面分子(例えば、受容体506(例えば、CD28))とを含み、かつここで受容体への親和性試薬の結合は、第1の細胞表面分子(例えば、受容体)への第1の親和性試薬の結合、および第2の細胞表面分子(例えば、受容体)への第2の親和性試薬の結合を含む。細胞表面分子(例えば、受容体)は、矢印507によって示されるように、可逆的な刺激に応答してクラスタ化することができる。

0064

本態様による刺激応答受容体結合リガンドのさまざまなクラスタ化および多量体化の標的が、図7によって提供される。具体的には、クラスタ化、架橋または多量体化される標的、結合実体として働きうる重合体結合リガンド、および可逆的な刺激に応答して結合実体が共凝集される場合に細胞による予想された生理学的応答、が提供される。

0065

別の局面において、開示される主題は、粒子、例えば、磁性または非磁性ナノ粒子基材または標的細胞表面に固定化し、粒子を基材または標的細胞表面から放すための方法を含む。1つの態様において、本方法は、以下の段階を含む:(a)細胞を複数の粒子と接触させる段階であって、各粒子が、刺激に応答して可逆的に結合する重合体を含む、段階; ならびに/または(b) 細胞および/もしくは基材を、複数の重合体結合一価もしくは多価結合実体と接触させる段階; ならびに/または(c) 複数の粒子の少なくともいくつかを、細胞表面分子に結合している結合実体に結合させるのに有効な刺激を適用して粒子の少なくともいくつかを固定化する段階であって、固定化粒子が、重合体との結合相互作用を通じて標的細胞に固定化される、段階。1つの態様において、磁場を次に加えて、標的細胞を単離する。1つの態様において、各粒子は標的結合パートナーをさらに含む。1つの態様において、本方法は、粒子を細胞に固定化するのに有効な刺激を除去し、それによって結合実体上の重合体と粒子上の重合体との間の結合相互作用を元に戻す段階、および粒子を細胞から放す段階をさらに含む。

0066

本方法において、基材は、刺激に応答して可逆的に結合する重合体を含むように修飾されうる。あるいは、基材は、その結合状態での重合体との結合の特性(例えば、疎水性)を本質的に有することができる。

0067

システムのなかで異なる刺激応答性重合体を用いることも可能である。すなわち、生体分子を1つの重合体に結合させることができ、粒子表面を別の重合体でコーティングして、2つの異なるシグナルによるその可逆的接着の制御を可能にすることができる。同様に、基材の壁または表面を、生体分子または粒子表面と結合している重合体とは異なる重合体でコーティングすることができ、この場合もやはり、2つの異なるシグナルによる可逆的な分離制御を提供することができる。また、表面上の重合体組成物の勾配を想定し、条件に応じて、装置の長さに沿ってまたは領域にわたって接着の強度を徐々に増加または減少させることができる。

0068

生体分子、粒子または細胞の選択的分離は、“チップ上のラボ(lab on a chip)”のような、微小流体装置チャネルにおいて行うことができるだけでなく、表面プラズモン共鳴(SPR)分析装置バイオチップマイクロアレイクロマトグラフィーカラムクロマトグラフィー樹脂フィルタ、および他の装置の表面で、ならびに画像化および治療用粒子システムおよびチューブで用いることもできる。

0069

温度およびpHのような環境刺激に応答して相転移を受ける重合体は、薬物送達、分離、および治療用途または診断用途に適用されうる。1つの温度応答性クラスは、水中にて下限臨界溶液温度(LCST)で急激なコイルグロビュー転移および相分離を受ける、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)(ポリ(NIPAM))のような、アルキルアクリルアミド重合体に基づく。この自発的なプロセスは吸熱性であり、それゆえ、疎水的に結合した水分子の放出に関連するエントロピーの増加によって駆動される。そのような熱感受性重合体のLCSTは、より親水性の共単量体(LCSTを上昇させる)またはより疎水性の共単量体(LCSTを低下させる)との共重合によって所望の温度範囲に調整することができる。

0070

上記のように、さまざまな態様において、本開示は、T細胞活性化、増大および/または増殖を行うことを含む。T細胞の活性化および増大は、病原体感染からヒト宿主を保護する適応免疫系のプロセスである。そのような活性化および/または増大は、細胞表面分子、例えば受容体のクラスタ化および共局在化から生じうる。さらに、最適なT細胞活性化のために、共刺激シグナルを、APCおよびT細胞表面分子の両方を共局在化することによって提供することもでき、本方法はそのようなシグナルを提供する段階を含む。

0071

さらに、本方法は、いくつかのバージョンでは、エクスビボでT細胞活性化、増大および/または増殖を行う段階を含む。T細胞活性化、増大および増殖は、がんおよびウイルス感染のための養子細胞療法のエクスビボ製造を制御するために適用されうる。養子細胞療法の製造プロセスでは、治療細胞患者注入する前に十分な数の細胞がエクスビボで増殖されうる。養子細胞療法の分野では、キメラ抗原受容体(CAR) T細胞に焦点が当てられている。

0072

CARまたはT細胞受容体(TCR)を発現するように遺伝子操作されたT細胞の製造は多段階プロセスであり、T細胞を単離して活性化する試薬を必要としうる。CAR T細胞療法に対する一般化されたアプローチは、以下の段階を伴う:末梢血単核細胞(PBMC)をアフェレーシスによって患者から収集し; T細胞を単離し、抗CD3/CD28抗体(Ab)でコーティングされた磁性ビーズまたは他のT細胞活性化アプローチで活性化し、次いで患者における疾患細胞を標的とするCARをコードするベクターで形質導入する。次いで、これらの遺伝子操作されたT細胞を、治療用量のために十分な細胞を得るために数日から数週間にわたって増加させ、増大したCAR T細胞を患者に注入する。

0073

本態様によれば、刺激応答性重合体-Abコンジュゲートは、細胞表面分子(例えば、受容体)のクラスタ化に適用される。Abは、別個の試薬として別々に結合され、後に細胞に基づくアッセイ法または療法のために組み合わされてもよい。また、本開示によれば、T細胞受容体をクラスタ化し、T細胞受容体架橋およびその後の細胞活性化を刺激するのは、T細胞表面分子に結合した重合体-Abコンジュゲートの共凝集である。熱的または化学的刺激のような刺激の適用によって引き起こされる重合体-Abまたは重合体-リガンドコンジュゲートの共凝集は、例えば脱凝集によって、完全に可逆的である。さらに、本明細書において記載される、重合体-Abコンジュゲートは、一価であってもよく、したがって、1つもしくは複数の重合体が結合した単一のAbもしくはリガンドを含み、あるいは多価であってもよく、したがって、1つもしくは複数のタイプのAbもしくはリガンドを含む。

0074

さらに、態様のいくつかのバージョンでは、本方法は、例えば、本明細書において記述される刺激を適用し、それによって受容体(例えば、CD116GM-CSF受容体)に結合するために利用可能な分子(例えばGM-CSF)の有効な局所濃度を増加させることにより、クラスタ化する段階を含む。例えば、表面分子(例えば、受容体)をクラスタ化することにより、クラスタに近い(例えば、結合相互作用が自由に生じうる距離の範囲内の)溶液中での対応する結合分子(例えば、GM-CSF)の濃度を増加させることができる。そのような局面において、表面分子間の結合相互作用が破壊されても、表面分子に極めて接近して、表面分子に迅速に再会合できる複数の他の分子が存在する。したがって、そのような方法は、相互作用の結合活性を増加させる段階および/または細胞シグナル伝達を増強する段階を含む。個々のリガンド-受容体相互作用の親和性が比較的低いままであっても、そのような結合活性を増加させることができ、かつ/またはシグナル伝達を増強することができる。

0075

さらに、態様の他のバージョンでは、本方法は、例えば、本明細書において記述される刺激を適用し、それによって受容体(例えば、TLR4受容体)に結合するために利用可能な分子(例えば、MPLA)の有効な局所濃度を増加させることにより、クラスタ化する段階を含む。例えば、上記のように、表面分子(例えば、受容体)をクラスタ化することにより、クラスタに近い(例えば、結合相互作用が自由に生じうる距離の範囲内の)溶液中での対応する結合分子(例えば、MPLA)の濃度を増加させることができる。さらに、重合体結合リガンドの刺激応答挙動は、細胞シグナル伝達のための「オンオフ」スイッチとして適用することができる。

0076

同じまたは異なる細胞型でありうる2つ以上の細胞をクラスタ化するための方法も本明細書において提供される。そのような細胞の各々は、本明細書において提供される細胞型のいずれか、またはそれらの任意の組み合わせを有しうる。例えば、クラスタ化のための細胞の各々は、T細胞でありうる。他の態様において、クラスタ化のための1つの細胞はT細胞であり、クラスタ化のための1つまたは複数の他の細胞はT細胞ではなく、例えば、抗原提示細胞またはB細胞である。

0077

細胞のクラスタ化の1つの態様が図8によって提供される。図に示されるように、本方法は、第1の細胞1001を、刺激に応答して可逆的に結合する1つまたは複数の重合体1004と結合した親和性試薬1003を各々が含む複数の結合実体(例えば、1002)と接触させる段階を含みうる。いくつかのバージョンでは、第1の細胞1001は、その表面に1つまたは複数の細胞表面分子1005を含み、第1の細胞1001を結合実体1002と接触させる段階は、1つまたは複数の細胞表面分子1005に1つまたは複数の親和性試薬1003を結合させる段階を含む。

0078

本方法はまた、第2の細胞1006を、刺激に応答して可逆的に結合する1つまたは複数の重合体1009と結合した親和性試薬1008を各々が含む複数の結合実体(例えば、1012)と接触させる段階を含む。いくつかの局面において、第2の細胞は、その表面に1つまたは複数の細胞表面分子1010を含み、第2の細胞1006を結合実体と接触させる段階は、1つまたは複数の細胞表面分子1010に1つまたは複数の親和性試薬1008を結合させる段階を含む。いくつかの局面において、第2の細胞1006は、第1の細胞1001と同じまたは異なるタイプでありうる。

0079

本方法はまた、第1の細胞1001に結合した結合実体の少なくとも1つと第2の細胞1006に結合した結合実体の少なくとも1つとを互いに結合させるのに有効な刺激(例えば、矢印1011)を適用し、それによって第1および第2の細胞を共局在化させる段階を含む。さまざまな態様において、第1の細胞に結合した親和性試薬1003および第2の細胞に結合した親和性試薬1008は、同じタイプのものまたは異なるタイプのものでありうる。そのような親和性試薬は、本明細書において記述される親和性試薬のいずれかのタイプまたはタイプの組み合わせでありうる。さらに、第1の細胞の1つまたは複数の細胞表面分子1005は、第2の細胞の1つまたは複数の細胞表面分子1010と同じまたは異なるタイプのものでありうる。そのような細胞表面分子は、本明細書において記述される細胞表面分子のいずれかのタイプまたはタイプの組み合わせでありうる。

0080

細胞のクラスタ化の別の態様が図9に示される。具体的には、本方法は、第1の細胞1001を、刺激に応答して可逆的に結合する1つまたは複数の重合体1105と結合した複数の親和性試薬1103、1104を含む結合実体1102と接触させる段階を含みうる。いくつかのバージョンでは、第1の細胞は、その表面に細胞表面分子1106、1107を含み、第1の細胞を結合実体と接触させる段階は、細胞表面分子に複数の親和性試薬を結合させる段階を含む。

0081

本方法のいくつかのバージョンによれば、本方法は、第2の細胞1108を、刺激に応答して可逆的に結合する1つまたは複数の重合体1112と結合した複数の親和性試薬1110、1111を含む結合実体1109と接触させる段階を含む。いくつかの局面において、第2の細胞は、その表面に細胞表面分子1113、1114を含み、第2の細胞を結合実体と接触させる段階は、細胞表面分子に複数の親和性試薬を結合させる段階を含む。いくつかの局面において、第2の細胞1108は第1の細胞1101と同じまたは異なるタイプである。

0082

本方法はまた、第1の細胞に結合した結合実体の少なくとも1つと、第2の細胞に結合した結合実体の少なくとも1つとを互いに結合させ、それによって第1の細胞1101および第2の細胞1108をクラスタ化するのに有効な刺激(例えば、矢印1115)を適用する段階を含む。

0083

さまざまな態様において、第1の細胞に結合した親和性試薬1103、1104および第2の細胞に結合した親和性試薬1110、1111は、同じタイプのものまたは異なるタイプのものでありうる。また、第1の細胞に結合した親和性試薬1103、1104は、同じタイプのものまたは異なるタイプのものでありうる。第2の細胞に結合した親和性試薬1110、1111は、同じタイプのものまたは異なるタイプのものでありうる。そのような親和性試薬は、本明細書において記述される親和性試薬のいずれかのタイプまたはタイプの組み合わせでありうる。

0084

さらに、第1の細胞の1つまたは複数の細胞表面分子1106、1107は、第2の細胞の1つまたは複数の細胞表面分子1113、1114と同じまたは異なるタイプのものでありうる。第1の細胞の1つまたは複数の細胞表面分子1106、1107は、同じまたは異なるタイプのものでありうる。第2の細胞の1つまたは複数の細胞表面分子1113、1114はまた、同じまたは異なるタイプのものでありうる。そのような細胞表面分子は、本明細書において記述される細胞表面分子のいずれかのタイプまたはタイプの組み合わせでありうる。

0085

いくつかのバージョンでは、本明細書においてさらに記述されるように、本方法は、開示された重合体に関連して磁性ナノ粒子(mNP)のような、ナノ粒子を任意で適用する段階を含む。そのようなナノ粒子を作製する方法も提供される。本態様によって用いられうるナノ粒子を適用および作製する方法は、WO 2014/194102 (PCT/US2014/040038)に記述されており、この開示は全ての目的のために参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。

0086

重合体-Abまたは重合体-リガンドコンジュゲート(および本明細書において記述される磁性ナノ粒子のような、さらなるコンジュゲート)は、乾燥形態であってもよく、細胞懸濁液に添加されてもよく、または細胞懸濁液に添加された溶液中で溶媒和されていてもよい。いくつかのバージョンでは、溶媒和された結合実体または磁性ナノ粒子を含有する溶液の冷凍は必要とされない。

0087

さまざまな態様は、液体中の凝集体に磁場を加えて磁気泳動により収集された凝集体を提供する段階を含む、液体中の標的細胞を濃縮および/または単離する方法を含み、ここで凝集体は、(a)磁気コアと結合した第1の刺激応答性重合体を含む刺激応答磁性ナノ粒子であって、結合実体を含まない該刺激応答磁性ナノ粒子と; (b) 刺激応答結合実体(例えば、重合体-親和性試薬コンジュゲート)を含み、標的(例えば、細胞表面受容体)に結合することができる、親和性試薬と結合した第2の刺激応答性重合体とを含み; 第1の刺激応答性重合体と第2の刺激応答性重合体との間の結合相互作用を通じて、凝集体が形成される。いくつかの局面において、磁場は、液体中で凝集していない刺激応答磁性ナノ粒子において磁気泳動を誘導しない。さまざまな局面において、方法には、液体中で凝集体を濃縮する段階が含まれる。さまざまな局面において、方法には、液体中で磁場を用いて凝集体を単離する段階が含まれる。いくつかの態様によれば、第1の刺激応答性重合体および第2の刺激応答性重合体は、温度、pH、光、光照射、特定のアニオンおよび/またはカチオン、電場への曝露、イオン強度、またはそれらの任意の組み合わせのような、刺激に応答する。

0088

さまざまな態様において、本開示は、最初に離れていた細胞表面分子をクラスタ化する方法を含む。そのような方法は、例えば、第1の刺激に応答して可逆的に結合する1つまたは複数の第1の重合体と結合した親和性試薬を各々が含む複数の第1の結合実体と細胞を接触させる段階を含むことができる。本方法はまた、第1の刺激に応答して可逆的に結合する重合体と結合した複数の親和性試薬を含む第1の結合実体と細胞を接触させる段階を含むことができる。いくつかのバージョンでは、細胞はその表面に細胞表面分子を含み、第1の結合実体と細胞を接触させる段階は、複数の親和性試薬を細胞表面分子に結合させる段階を含む。本方法はまた、複数の第1の結合実体の少なくともいくつかを互いに結合させるのに有効な第1の刺激を適用し、それによって親和性試薬に結合した細胞表面分子をクラスタ化する段階を含むことができる。いくつかのバージョンでは、本方法は、複数の親和性試薬(例えば、結合実体に結合している親和性試薬)の少なくともいくつかを互いに結合させるのに有効な第1の刺激を適用し、それによって親和性試薬に結合した細胞表面分子をクラスタ化する段階を含む。

0089

本明細書において提供される方法は、第2の刺激に応答して可逆的に結合する1つまたは複数の第2の重合体と結合した親和性試薬を各々が含む複数の第2の結合実体と細胞を接触させる段階をさらに含むことができる。本方法はまた、第2の刺激に応答して可逆的に結合する重合体と結合した複数の親和性試薬を含む第2の結合実体と細胞を接触させる段階を含むことができる。いくつかのバージョンでは、細胞はその表面に細胞表面分子を含み、第2の結合実体と細胞を接触させる段階は、複数の親和性試薬を細胞表面分子に結合させる段階を含む。本方法は、第1の刺激とは異なった、かつ複数の第2の結合実体の少なくともいくつかを互いに結合させるのに有効な第2の刺激を適用し、それによって親和性試薬に結合した細胞表面分子をクラスタ化する段階をさらに含む。また、いくつかのバージョンでは、本方法は、第1の刺激とは異なった、かつ複数の親和性試薬(例えば、結合実体に結合している親和性試薬)の少なくともいくつかを互いに結合させるのに有効な第2の刺激を適用し、それによって親和性試薬に結合した細胞表面分子をクラスタ化する段階を含む。

0090

本明細書において提供される方法は、任意の他の適用された刺激とは異なる第3、第4、第5、第6などの刺激に応答して可逆的に結合する1つまたは複数の第2の重合体と結合した親和性試薬を各々が含む複数の第3、第4、第5、第6などの結合実体と細胞を接触させる段階をさらに含むことができる。本方法は、他の適用された刺激とは異なった、かつ複数の第3、第4、第5、第6などの結合実体の少なくともいくつかを互いに結合させるのに有効な第3、第4、第5、第6などの刺激を適用し、それによって親和性試薬に結合した細胞表面分子をクラスタ化する段階をさらに含む。

0091

さまざまな態様において、上記で提供される第1の刺激は第1の温度閾値、例えば18℃前後の温度の変化であり、ならびに/または第2の刺激は第1の閾値とは異なる、第2の温度閾値、例えば26℃前後の温度の変化であり、ならびに/または第3の刺激は第1および第2の閾値とは異なる第3の温度閾値、例えば32℃前後の温度の変化である。いくつかの局面において、第3の温度閾値は、第1および第2の温度閾値よりも高い。さまざまな態様において、第1の温度閾値は、例えば15〜25℃、例えば16〜20℃、例えば17〜19℃の範囲内である。いくつかの態様において、第2の温度閾値は、例えば20〜30℃、例えば22〜28℃、例えば25〜27℃の範囲内である。さまざまな態様において、第3の温度閾値は、例えば25〜40℃、例えば30〜35℃、例えば31〜33℃の範囲内である。

0092

さらに、本明細書において提供される第1、第2、第3、第4、第5、および/または第6などの刺激は、温度、pH、光、光照射、電場への曝露、イオン強度、特定のアニオン、特定のカチオン、またはそれらの任意の組み合わせを含む群より選択される条件での、閾値前後の変化のような、変化であることができる。

0093

本明細書において提供される方法はまた、標的分子を単離する方法も含む。標的分子は、親和性試薬またはリガンドに結合する分子である。標的分子は、本明細書において提供される細胞表面分子と同じタイプの分子のいずれかであることができる。さまざまな態様において、標的分子はIgGのようなモノクローナル抗体である。また、本開示によって提供されるように、親和性試薬はプロテインAであることができる。本方法の一例が、例えば、実施例9によって提供される。

0094

いくつかの態様において、本方法は、刺激(例えば、本明細書において記述される刺激のいずれか)に応答して可逆的に結合する重合体と結合した複数の親和性試薬を含む結合実体を、複数の標的分子と接触させ、それによって複数の親和性試薬を標的分子に結合させる段階を含み、ここで結合は溶液中である。本明細書において提供される溶液は、完全に可溶性の要素の混合物、または可溶性および不溶性要素の混合物、またはそれらの状態間の遷移状態であることができる。本明細書において提供される溶液は、完全に可溶性の要素の混合物、または可溶性および不溶性要素の混合物であることができる。さまざまな態様において、溶液は完全に可溶性元素から構成される。溶液は、1つもしくは複数の緩衝液および/または水を含むことができる。さまざまな局面において、溶液はその中に、本明細書において記述される実体のいずれかを懸濁させることができる。また、溶液は、本明細書において記述される実体のいずれかを実質的にまたは完全に欠いていてもよい。さまざまな態様において、結合実体またはその成分(例えば、重合体)は、刺激の変化に応答して、第1の状態では可溶性でありおよび/または第2の状態では不溶性である。いくつかの変形では、本方法は溶液の他の成分(例えば、可溶性成分および/または緩衝液および/または水)から、不溶性要素、結合実体またはその成分(例えば、重合体)を分離する段階を含む。

0095

本方法はまた、刺激を適用して複数の親和性試薬の少なくともいくつかを互いに結合させ、それによって親和性試薬に結合した標的分子をクラスタ化する段階を含むことができる。本方法はまた、刺激(例えば、本明細書において記述される刺激のいずれか)に応答して可逆的に結合する重合体と結合した磁性ナノ粒子(mNP)を、複数の標的分子および結合実体と接触させる段階を含むことができる。そのような接触させる段階は、mNPと、接触させた標的分子および/または結合実体とを結合させて、結合した実体を形成させる段階を含むことができる。以下に提供されるように、結合した実体は次に、ある位置に保持される(例えば、カラム内のある位置に保持される)か、またはそこに磁場を加えることにより保持されることができる。

0096

結合実体を溶液から分離する段階も本明細書において提供される。いくつかの態様において、結合実体を溶液から分離する段階は、結合実体および溶液を遠心分離する段階を含む。いくつかのバージョンでは、結合実体を溶液から分離する段階は、溶液をカラムに通す段階および結合実体をカラム内に保持する段階を含む。さらに他のバージョンでは、結合実体を溶液から分離する段階は、溶液に磁場を加える段階を含む。そのような態様において、結合実体は、磁性であってもよく、および/またはmNPと結合していてもよい。また、場合によっては、本方法は、標的分子を結合実体から単離する段階も含む。

0097

さらに、いくつかの局面において、本明細書において提供される方法は、複数の標的分子による刺激に応答して可逆的に結合する1つまたは複数の重合体と結合した親和性試薬を各々が含む複数の結合実体を接触させ、それによって親和性試薬を標的分子に結合させる段階であって、結合が溶液中で起こる、段階を含む。いくつかの局面において、本方法は、刺激を適用して、複数の結合実体の少なくともいくつかを互いに結合させ、それによって親和性試薬に結合した標的分子をクラスタ化する段階を含む。

0098

本方法はまた、例えば、結合実体および溶液を遠心分離して、結合実体を含む1つまたは複数のペレットを作製する段階のような、結合実体を溶液から分離する段階を含むことができる。次いで、ペレットを混合物から取り出すことができる。溶液からの結合実体の分離は、溶液をカラムに通し、結合実体をカラム内に保持することを含むこともできる。溶液からの結合実体の分離はまた、溶液に磁場を加えることを含むことができる。場合によっては、本方法は、標的分子を結合実体から単離する段階も含む。

0099

III.組成物
刺激に応答して可逆的に結合する1つまたは複数の重合体と結合した1つまたは複数の(例えば、複数の)親和性試薬またはリガンドから構成される1つまたは複数の結合実体を含む、刺激応答試薬が提供される。

0100

A.刺激応答性重合体および親和性試薬
開示される主題は、1つまたは複数の親和性試薬またはリガンドと(例えば、共有結合的に)結合した1つまたは複数の刺激応答性重合体を含みうる、本明細書において結合実体ともいわれる、重合体-親和性試薬コンジュゲートを含む。結合実体は、例えば、1つまたは複数の細胞表面分子(例えば、受容体)に結合するように構成されうる。本態様による刺激応答性重合体は、刺激、またはその環境の変化に応答して可逆的に自己結合性である。すなわち、刺激応答性重合体は1つの状態では親水性でありかつ溶けやすく、別の状態では疎水性かつ自己結合性である。

0101

本重合体は、重合体が自己結合性ではない第1の状態、および重合体が自己結合性である第2の状態を有することができる。重合体は、刺激に応答して第2の状態をとり、刺激の反転時に第2の状態から第1の状態に戻る。さまざまな態様において、重合体は温度応答性重合体である。他の態様において、重合体はpH応答性重合体である。さらに他の態様において、重合体は光応答性重合体である。さらに他の態様において、重合体は温度およびpH応答性の両方である。さらに他の態様において、重合体は温度およびイオン強度応答性の両方である。

0102

刺激は、温度、pH、光、光照射、電場への曝露、イオン強度、またはそれらの任意の組み合わせのような条件の変化であることができる。以下により詳細に記述されるように、刺激応答性重合体は、ホモ重合体、共重合体、ジブロック共重合体スター重合体、ブラシ重合体および/またはグラフト共重合体であることができる。開示された態様による温度およびイオン強度の両方の変化に応答する刺激応答性重合体の例は、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)またはポリ(NIPAM)である。本態様による重合体の別の例は、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド-co-ブチルアクリレート)である。

0103

本開示のいくつかのバージョンでは、重合体はスマート重合体である。「スマート」重合体は、小さくて制御可能な刺激、例えばpH、温度および/または光の変化に応答してその物理的特性を可逆的に変化させ、環境アンテナおよびスイッチとして作用することにより認識事象を制御する重合体である。これらのスマート重合体は、伸長した親水性ランダムコイルと、平均体積が約3倍に低減された崩壊した疎水性状態との間を可逆的に循環する。重合体は、環境センサーとして機能し、その伸長状態または崩壊状態に応じて結合部位または触媒部位へのリガンドまたは基材のアクセス示差的に制御しうる。そのようなアプローチは、穏和な環境シグナルを特異的コンジュゲートへと標的指向させ、したがって、例えば、異なるシグナルに感受性であるコンジュゲートされた重合体を用いることにより異なる抗体、例えばpHを用いて抗体1、温度を用いて抗体2、光を用いて抗体3の示差的制御を可能にし得る。スマート重合体は、本明細書において刺激応答性重合体または刺激感受性重合体ともいわれる。

0104

図10は、本明細書において提供される態様によって重合体を抗体に結合させるための本態様による1つの反応スキームを例示する。図10は、具体的には、本開示による重合体の化学構造を提供する。DIC/NHSを用いてアミン反応性重合体を作製する反応も示される。

0105

さまざまな態様において、結合実体はナノ粒子である。他の態様において、結合実体は微粒子である。結合実体のサイズまたは長さもしくは直径のようなその寸法は、例えば、5〜5000 nm、例えば50〜1000 nm、例えば100〜2000 nmに及ぶことができる。

0106

本明細書において開示される親和性試薬は、生体分子およびビオチンのような小分子を含むことができる。例としては、モノクローナルまたはポリクローナル抗体抗体断片、抗原、酵素、ストレプトアビジン、プロテインA、サイトカイン、ホルモン、オリゴヌクレオチド、脂質、アプタマーポリペプチドタグ、さらにはウイルスのような生物学的粒子が挙げられる。生体分子は、酵素、抗体もしくは親和性タンパク質のような、タンパク質もしくはペプチド; DNAもしくはRNAのような、核酸;多糖類のような、糖質; または他の生化学種もしくは合成種であることができる。

0107

重合体と親和性試薬との間の結合は、いくつかの反応性基を介して媒介することができる。例としては、NHSエステルおよびフルオロフェノールに基づくエステル(アミンカップリング用)、マレイミドチオールおよびピリジルジスルフィド(チオールカップリング用)ならびにクリック化学用のアジドが挙げられる。重合体と親和性試薬との間の共有結合は安定であることができ、または可逆的でありうる。安定な共有結合の例はアミド結合である。可逆的共有結合の例はジスルフィド結合である。

0108

本開示の主題において、1つまたは複数の刺激応答性重合体は親和性試薬に結合され(例えば、共有結合され)、かくして結合実体を形成する。重合体の刺激応答挙動が親和性試薬に付与される。それゆえ、ある条件下では、重合体-親和性試薬コンジュゲートは、溶けやすく、意図したその標的に結合することができる。刺激を加えた後では、重合体は疎水性になり、近くの重合体-親和性試薬コンジュゲートの共凝集を引き起こす。親和性試薬がポリクローナルAbまたはモノクローナルAbである場合、コンジュゲートは重合体-Abコンジュゲートといわれる。Abがモノクローナル抗CD3である場合、コンジュゲートは重合体-抗CD3 Abコンジュゲートといわれる。親和性試薬が、細胞受容体に対するホルモンもしくはサイトカインリガンドまたは他の小分子である場合、それは重合体-リガンドコンジュゲートといわれうる。また、本態様によれば、本明細書において記載されるリガンドは、1つまたは複数のDNA、RNA、薬学的組成物、および/または細胞(例えば、T細胞および/またはB細胞)の表面タンパク質に特異的に結合する他の小分子であることができる。

0109

態様のいくつかのバージョンでは、試薬は、複数(例えば、2個、3個、4個、5個もしくはそれ以上の、または10個もしくはそれ以上)の親和性試薬を含む結合実体を含む。いくつかのバージョンでは、複数の親和性試薬は、第1の親和性試薬および第1の親和性試薬とは異なる第2の親和性試薬を含む。したがって、いくつかのバージョンでは、結合実体上の親和性試薬の各々は、同じタイプのものであってもよく、または異なるタイプのものであってもよい。また、いくつかのバージョンでは、結合実体が細胞表面分子(例えば、受容体)を含む細胞に接触する場合、親和性試薬は細胞表面分子(例えば、受容体)に結合し、かつここで刺激を適用すると、例えば細胞表面分子(例えば、受容体)間の距離を減少させることによって、複数の親和性試薬の少なくともいくつかを互いに結合させる。例えば、2つ以上の細胞表面分子は、それらを隔てる第1の距離、例えば細胞膜の表面に沿った距離を有することができ、刺激を適用することにより、距離を第1の距離よりも小さい第2の距離まで減少させることができる。本態様による細胞は、適応免疫系の細胞のような対象の細胞であってもよく、および/または樹状細胞、T細胞および/またはB細胞のような抗原提示細胞(APC)でありうる。

0110

例えば、図4に示されるように、本方法によってヒト血球または精製T細胞懸濁液に重合体-抗CD3 Abコンジュゲートを添加し、それらをCD3細胞表面受容体に結合させることができる。刺激を適用し、重合体-Abコンジュゲートの共凝集を引き起こす。共凝集プロセスは、CD3細胞表面受容体を近接させ、受容体架橋を可能にし、最終的に細胞(例えば、T細胞)の活性化および増大に導く。

0111

開示される主題はまた、異なる受容体に結合する、2つ以上の異なる重合体-親和性試薬コンジュゲート(例えば、結合実体)の適用を含む。例えば、1つまたは多くの刺激応答性重合体をAb #1 (例えば、抗CD3モノクローナルAb)に結合させることができ、1つまたは多くの刺激応答性重合体をAb #2 (例えば、抗CD28モノクローナルAb)に結合させることができる。そのような態様の例示的な図解が、図3に提供されている。図3に示されるように、2つの重合体-Abコンジュゲートを同じ細胞懸濁液に添加し、それらを、例えば、CD3およびCD28細胞表面受容体に結合させることができる。刺激を適用し、異なる重合体-Abコンジュゲートの共凝集を引き起こす。共凝集プロセスは、CD3およびCD28細胞表面受容体を近接させ、受容体架橋、免疫シナプス形成ならびに/またはT細胞活性化および/もしくは増大を引き起こす。

0112

以下の実施例の節において提供されるように、開示される主題はまた、エクスビボでT細胞を活性化するために2つの異なる重合体-親和性試薬コンジュゲートを用いるための組成物および方法を含む。

0113

開示される組成物の態様は、親和性試薬と結合していない刺激応答性重合体を含む。この「遊離」刺激応答性重合体は、親和性試薬と結合した刺激応答性重合体と同じまたは異なる組成物であってもよいが、同じ刺激に応答する。「遊離」刺激応答性重合体は、結合実体を有する細胞懸濁液に添加することができる。刺激応答性重合体は、共凝集プロセスの間に、近接しているが隣接していない重合体-親和性試薬コンジュゲート間の橋渡しとして作用することにより、より容易な共凝集を促進しうる。補助的な刺激応答性重合体の添加はまた、その同族受容体が細胞表面上にまばらに発現される重合体-親和性試薬コンジュゲートを共凝集させるのに役立つことができる。

0114

組成物のさまざまな態様は、刺激に応答して可逆的に結合する重合体、例えば単一重合体と結合した複数(例えば、2個、3個、4個、5個もしくはそれ以上、または10個以上)の親和性試薬を含む1つまたは複数の結合実体を含む。単一の刺激応答性重合体分子上への多価Ab負荷を含む重合体結合実体システムの一例が、図5によって提供される。提供される局面は、例えば一価の重合体-親和性試薬システムに関連して、本明細書において記述される刺激応答性重合体、親和性試薬および結合化学と関連して利用されうる。

0115

刺激応答性重合体は、刺激応答性重合体と結合した親和性試薬の数およびタイプを制御することを可能にする、同じまたは異なる反応化学を有する複数の結合部位を含むことができる。例えば、刺激応答性重合体は、アミン結合のための複数のNHSエステル、またはチオール結合のための複数のマレイミドを含みうる。あるいは、重合体は、NHSエステルおよびマレイミドの両方を含有してもよい。刺激応答性重合体はまた、多段階結合反応のために脱保護できる保護された反応性基を含んでもよい。刺激応答性重合体は、分子量が、約1,000〜100,000 Da、10,000〜50,000 Da、または5,000〜30,000 Daなどを、各々含めて、大きくてもよい。本明細書において用いられる場合、「含めて」とは、列挙された数字の各々を含む提供された範囲をいう。本明細書において別段の記載がない限り、提供された範囲の全てが包括的である。1つの態様において、単一の刺激応答性重合体は、2つ以上の親和性試薬が共有結合された骨格として作用する。例えば、2つ以上の抗CD3 Abが刺激応答性重合体骨格に結合されうる。例えば図5に示されるように、この多価コンジュゲートは、その可溶性状態で細胞懸濁液に添加することができ、そのなかでそれは1つまたは複数の細胞表面分子に結合することができる。2つ以上のAbが細胞表面分子に結合し、それによって細胞表面分子を効果的に架橋することができる。また、いくつかのバージョンでは、重合体骨格上の1つまたは複数のAbが細胞に結合していない。

0116

重合体骨格を凝集させる、刺激(例えば、温度の上昇)が適用されうる。凝集プロセスの間に、刺激応答性重合体はそれ自体で凝縮し、これが重合体を効果的に収縮させ、Ab結合細胞表面受容体を近接させる。そのような立体配座の変化は、細胞表面受容体クラスタ化、共局在化および/または架橋結合を可能にし、細胞(例えば、T細胞)の活性化および増大または他の下流シグナル伝達につながる。

0117

図5に示される例において、親和性試薬は同じものであるが、しかしそれらはまた異なっていてもよい。例えば、図6に提供されるように、抗CD3 Abおよび抗CD28 Abの両方を、単一の刺激応答性重合体に結合させることができる。そのような態様において、複数の抗CD3抗体および抗CD28 Abを最初に単一の刺激応答性重合体に結合させて、多価の刺激応答性重合体-Abコンジュゲートを形成させる。例えば、図6に示されるように、多価コンジュゲートは、その可溶性状態で細胞懸濁液に添加され、そのなかでそれは1つまたは複数の細胞表面分子に結合することができる。次に、温度の上昇のような、刺激が適用される。そのような刺激は、重合体骨格を凝集させる。凝集プロセスの間に、刺激応答性重合体はそれ自体で凝縮し、効果的に収縮し、Ab結合細胞表面分子を近接させる。そのような立体配座の変化は、細胞表面分子クラスタ化、共局在化および/または架橋結合を引き起こし、細胞(例えば、T細胞)の活性化および増大をもたらす。

0118

上記のように、本開示の主題は、刺激応答性重合体コンジュゲートを利用しうる。コンジュゲートは、親和性試薬に共有結合的にカップリングされた重合体を含み、ここで重合体は、刺激に応答して可逆的に自己結合性である。重合体は、重合体が自己結合性ではない第1の状態、および重合体が自己結合性である第2の状態を有する。重合体は、刺激に応答して第2の状態をとり、刺激の除去時に第2の状態から第1の状態に戻る。刺激応答性重合体は、コンジュゲートに刺激応答性を付与する。

0119

刺激応答性重合体は、刺激(例えば、温度、pH、光の波長イオン濃度)に応答して、その結合性を変化させる(例えば、親水性から疎水性に変化させる)種々の重合体のいずれか1つであることができる。刺激応答性重合体は、温度、光、pH、イオン、または圧力の変化に応答して、フォールディング/アンフォールディング転移、可逆的沈殿挙動、または他の立体配座変化などの可逆的な立体配座変化または物理化学的変化を示す合成または天然重合体である。代表的な刺激応答性重合体には、温度感受性重合体、pH感受性重合体、および光感受性重合体が含まれる。

0120

本明細書において記述されるコンジュゲートおよび材料を作製するのに有用な刺激応答性重合体は、重合体の有意な立体配座変化を引き起こす刺激に対して感受性のあるものであればいずれでもよい。本明細書において記述される例示的な重合体は、温度、pH、イオンおよび/または光感受性重合体を含む。Hoffman, A. S., 「Intelligent Polymers in Medicine and Biotechnology」, Artif. Organs. 19:458-467 (1995); Chen, G. H. and A. S. Hoffman, 「A New Temperature- and Ph-Responsive Copolymer for Possible Use in Protein Conjugation」, Macromol. Chem. Phys. 196:1251-1259 (1995); Irie, M. and D. Kungwatchakun, 「Photoresponsive Polymers. Mechanochemistry of Polyacrylamide Gels Having Triphenylmethane Leuco Derivatives」, Makromol. Chem., Rapid Commun 5:829-832 (1985); およびIrie, M., 「Light-induced Reversible Conformational Changes of Polymers in Solution and Gel Phase」, ACS Polym. Preprints, 27(2):342-343 (1986); これらは参照により本明細書に組み入れられる。

0121

本明細書において記述されるコンジュゲートおよび材料において有用な刺激応答オリゴマーおよび重合体は、約1,000〜100,000ダルトンの分子量の範囲で合成することができる。1つの態様において、これらの合成は、本明細書において記述される、および



による、ビニル単量体連鎖移動開始遊離基重合に基づく。

0122

これらのタイプの単量体は、特定の刺激に応答する、および、いくつかの態様において、2つ以上の刺激に応答する共重合体組成物デザインを可能にする。さらに、分子量(反応体濃度および反応条件の制御による)、組成、構造(例えば、線状ホモ重合体、線状共重合体、ブロックまたはグラフト共重合体、「櫛形」重合体および「星形」重合体)ならびに反応体末端基の種類および数の制御により、生体分子または粒子上の特定の部位への結合に適した重合体の「仕立て」が可能となる。

0123

開示される主題の材料および方法において有用な刺激応答性重合体には、刺激応答挙動を有するホモ重合体および共重合体が含まれる。他の適当な刺激応答性重合体には、1つまたは複数の刺激応答性重合体成分を有するブロックおよびグラフト共重合体が含まれる。適当な刺激応答ブロック共重合体には、例えば、温度感受性重合体ブロックが含まれうる。適当な刺激応答グラフト共重合体には、例えば、pH感受性重合体骨格またはペンダント温度感受性重合体成分が含まれうる。また、主題の開示のいくつかのバージョンにおいて、重合体は疎水性ブロックを含まない。

0124

i.温度感受性重合体
親和性試薬および/またはリガンドに結合されうる温度感受性重合体の多くの異なるタイプの実例となる態様は、N-イソプロピル-アクリルアミド(NIPAM)の重合体および共重合体である。ポリ(NIPAM)は、下限臨界溶液温度(LCST)、また曇点である32℃で水から沈殿する熱感受性重合体である(Heskins and Guillet, J. Macromol. Sci.-Chem. A2:1441-1455 (1968))。ポリ(NIPAM)をアクリルアミドのような、より親水性の共単量体と共重合させると、LCSTが上昇する。ブチルアクリレートのような、より疎水性の共単量体と共重合すると、逆のことが起こる。アクリルアミドのような、より親水性の単量体を有するNIPAMの共重合体は、より高いLCSTおよびより広い沈殿温度範囲を有するが、アクリル酸ブチルのような、より疎水性の単量体を有する共重合体はより低いLCSTを有し、通常、ポリ(NIPAM)の急激な遷移特性を保持する可能性がより高い(Taylor and Cerankowski, J. Polymer Sci. 13:2551-2570 (1975); Priest et al., ACS Symposium Series 350:255-264 (1987); およびHeskins and Guillet, J. Macromol. Sci.-Chem. A2:1441-1455 (1968)、これらの開示は本明細書に組み入れられる)。より高いまたはより低いLCSTおよびより広い沈殿温度範囲を有する共重合体を作製することができる。本開示のN-イソプロピルアクリルアミドの重合体および共重合体は、近位末端に、または近位末端および遠位末端の両方にミセル形成基を伴うかまたは伴わずに、さまざまな割合の親水性および疎水性共単量体を有することができる。

0125

ポリ(NlPAM)のような刺激応答性重合体は、例えば、米国特許第4,780,409号; 米国特許第9,080,933号; およびMonji and Hoffman, Appl. Biochem. Biotechnol. 14:107-120 (1987); Roy and Stayton, ACS Macro Letters 2:132-136 (2013)に記述されているように、親和性分子(例えば、モノクローナル抗体)にランダムに結合している。活性化された基(例えば、タンパク質に結合させるための)は、骨格に沿ってまたはポリ(NIPAM)の末端基の位置にランダムに形成され、モノクローナル抗体上のリジンアミノ基にランダムに結合され、次いでコンジュゲートは、温度誘導相分離免疫アッセイ法において適用された。活性化されたポリ(NIPAM)はまた、Hoffmanおよび共同研究者によりプロテインA、さまざまな酵素、ビオチン、リン脂質、RGDペプチド配列、および他の相互作用分子に結合されている。ランダム重合体相互作用分子コンジュゲートは、熱誘導相分離段階に基づき種々の用途において用いられている(Chen and Hoffman, Biomaterials 11:631-634 (1990); Miura et al., Abstr. 17th Ann. Meet. Soc. Biomaterials (1991); Wu et al., Polymer 33:4659-4662 (1992); Chen and Hoffman, Bioconjugate Chem. 4:509-514 (1993); Morris et al., J. Anal. Biochem. 41:991-997 (1993); Park and Hoffman, J. Biomaterials Sci. Polymer Ed. 4:493-504 (1993); Chen and Hoffman, J. Biomaterials Sci. Polymer Ed. 5:371-382 (1994))。他者らはまた、タンパク質をポリ(NIPAM)に(Nguyen and Luong, Biotech. Bioeng. 34:1186-1190 (1989); Takei et al., Bioconj. Chem. 4:42-46 (1993))およびpH感受性重合体に(Fujimura et al., 前記))ランダムに結合させた。これらの重合体-タンパク質コンジュゲートの大部分は、重合体骨格に沿って結合したランダム活性化基を通して重合体に結合されたタンパク質のランダムリジンアミノ基を含んでいた。より最近では、通常唯一の反応性末端基を有する比較的低いMWの重合体(オリゴマーと呼ばれる)を生じる連鎖移動開始重合に基づく方法が用いられている(しかし、この方法は各末端に反応性基を有するオリゴマーの合成に適合されうる) (Otsu, T., et al., Eur. Polym. J. 28:1325-1329, (1992))。(Chen and Hoffman, 1993, 前記; Chen and Hoffman, 1994, 前記、およびTakei et al., 前記)。

0126

アミノ末端重合体の合成は、開始剤としてAIBNおよび連鎖移動試薬として1-アミノエタンチオール塩酸塩の存在下でのNIPAMのラジカル重合によって進行する。-COOHまたは-OH末端基を有する鎖を合成するために、アミノ-チオールの代わりに、それぞれ、カルボキシル-またはヒドロキシル-チオール連鎖移動剤が用いられている。末端反応性重合体の合成は、連鎖移動開始および停止機構に基づくことに留意すべきである。これにより1000〜1,000,000、例えば1000〜500,000、例えば1000〜200,000ダルトン、または100,000ダルトンもしくはそれ以上に及ぶ分子量を有する、重合体鎖が得られる。分子量が10,000ダルトン以下の最短鎖は「オリゴマー」と呼ばれる。異なる分子量のオリゴマーは、単に単量体の連鎖移動試薬に対する比を変化させ、それらの濃度レベルを開始剤の濃度レベルとともに制御することによって、合成することができる。

0127

一端に反応性基を有するNIPAM (または他のビニル単量体)の重合体および/またはオリゴマーは、一端に「非反応性」(例えば、C2H5)基を有する連鎖移動剤および他端に所望の「反応性」基(例えば、-OH、-COOH、-NH2)に加え、開始剤としてACVAを用い、NIPAMおよびブチルアクリレートのラジカル共重合によって調製される。これらのようなビニル型ホモ重合体および共重合体の分子量は、重要な反応物質の濃度および重合条件を変えることによって制御することができる。Chen and Hoffman, Bioconjugate Chem. 4:509-514 (1993)およびChen and Hoffman, J. Biomaterials Sci. Polymer Ed. 5:371-382 (1994)、これらの各々が参照により本明細書に組み入れられる。DMF中の適切な量のNIPAM、ブチルアクリレート、ACVAおよび連鎖移動試薬を厚壁重合管に入れ、混合物をN2で25分間バブリングするか、または凍結排気し、次いで融解する(4回)かにより脱気する。最後に冷却した後、管を排気し、重合の前に密閉する。管を70℃の水浴中に4時間浸漬する。得られた重合体をジエチルエーテル中に沈殿させて単離し、量して収率を判定する。滴定(末端基がアミンもしくはカルボキシルである場合)またはゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)のいずれかによって、重合体の分子量が判定される。いくつかの態様において、温度感受性オリゴペプチドはまた、コンジュゲートまたはナノ粒子に組み入れられうる。

0128

ビニル型共重合体の分子量は、重要な反応物質の濃度および重合条件を変えることによって制御することができる。アミノ-チオール連鎖移動剤はヒドロキシルまたはカルボキシルチオールよりも広い分子量分布(これは望ましくないかもしれない)を生じるので、カルボキシル末端重合体を合成し、カルボジイミドで活性化し、ジアミン活性エステル基にカップリングさせることにより-COOH末端基をアミン基に変換することができる。また、温度感受性オリゴペプチドをコンジュゲートに組み入れることができる。

0129

ii. pH感受性重合体
本明細書において記述されるコンジュゲートを作製するのに有用な合成pH感受性重合体は、典型的には、アクリル酸(AAc)、メタクリル酸(MAAc)および他のアルキル置換アクリル酸、無水マレイン酸(MAnh)、マレイン酸(MAc)、AMPS(2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸)、N-ビニルホルムアミド(NVA)、N-ビニルアセトアミド(NVA) (重合後に最後の2つをポリビニルアミン加水分解してもよい)、アミノエチルメタクリレート(AEMA)、アクリル酸ホスホリルエチル(PEA)またはメタクリル酸ホスホリルエチル(PEMA)のような、pH感受性ビニル単量体に基づく。pH感受性重合体はまた、アミノ酸(例えば、ポリリジンもしくはポリグルタミン酸)からポリペプチドとして合成されてもよく、あるいはタンパク質(例えば、リゾチームアルブミンカゼイン)、または多糖類(例えば、アルギン酸ヒアルロン酸カラギーナンキトサンカルボキシメチルセルロース)またはDNAのような、核酸のような天然に存在する重合体から導出されてもよい。pH応答性重合体は、通常、-OPO(OH)2、-COOHまたは-NH2基のようなペンダントpH感受性基を含む。pH応答性重合体では、ポリ(NIPAM)の溶液に対する温度の効果と同様に、pHのわずかな変化が相分離を刺激することができる(Fujimura et al. Biotech. Bioeng. 29:747-752 (1987))。熱感受性NIPAMとAAcのような、少量(例えば10モル%未満)のpH感受性共単量体とをランダムに共重合させることにより、共重合体は温度とpHの両方の感受性を呈する。そのLCSTは、共単量体がイオン化されていないpH値で、場合によっては数度低下するとはいえほとんど影響を受けないが、pH感受性基がイオン化されると劇的に上昇する。pH感受性単量体がより高い含量で存在する場合、温度感受性成分のLCST応答は「排除」されうる(例えば、相分離は100℃までおよび100℃超で見られない)。本開示のpH感受性重合体は、いくつかの態様において、近位末端に、または近位末端および遠位末端の両方にミセル形成基を有しない。

0130

pHおよび温度の両方の遷移を独立して保持する、pHおよび温度感受性単量体のグラフトおよびブロック共重合体を合成することができる。Chen, G. H., and A. S. Hoffman, Nature 373:49-52 (1995)。例えば、pH感受性ブロック(ポリアクリル酸)および温度感受性ブロック(ポリ(NIPAM))を有するブロック共重合体は、開示される主題のコンジュゲート、材料および方法において有用であることができる。本開示のpHおよび温度感受性の両方を有するグラフトおよびブロック共重合体は、近位末端に、または近位末端および遠位末端の両方にミセル形成基を有していなくてもよい。

0131

iii.光感受性重合体
光応答性重合体は、重合体の主鎖に結合してまたは沿って発色団を含有していてもよく、適切な波長の光に曝露された場合に、双極性かつより親水性であり、可逆的な重合体配座変化を引き起こすことができるシス型へ、トランス型から異性化され得る。他の光感受性化合物は、光刺激によって、比較的非極性の疎水性非イオン化状態から、親水性のイオン性状態に変換することもできる。

0132

ペンダント光感受性基重合体の場合、芳香族アゾ化合物またはスチルベン誘導体のような、光感受性色素は、反応性単量体(例外は、既にビニル基を有するクロロフィリンのような色素である)に結合され、次いで他の従来の単量体とホモ重合体化もしくは共重合され、または上記のような連鎖移動重合を用いて温度感受性単量体もしくはpH感受性単量体と共重合されうる。光感受性基はまた、異なる(例えば、温度)応答性重合体の一端に結合されうる。

0133

ペンダントおよび主鎖光感受性重合体の両方を合成することができ、本明細書において記述される方法および用途に有用な組成物であるが、いくつかの光感受性重合体およびその共重合体は、典型的には、光感受性ペンダント基を含むビニル単量体から合成される。これらのタイプの単量体の共重合体は、アクリルアミドのような「通常の」水溶性共単量体で、および同様にNIPAMまたはAAcのような温度感受性共単量体またはpH感受性共単量体で調製される。

0134

光感受性化合物は、ある種の波長の光を吸収し、疎水性から親水性の立体配座に変換する場合に異性化もしくはイオン化される色素分子であってもよく、またはある種の波長の光を吸収する場合に熱を発する他の色素分子であってもよい。前者の場合、異性化単独で鎖の拡張または崩壊を引き起こすことがあるが、後者の場合には重合体は温度感受性でもある場合にのみ沈殿する。

0135

光応答性重合体は、通常、重合体の主鎖に結合した発色団を含む。使用された典型的な発色団は芳香族ジアゾ色素である(Ciardelli, Biopolymers 23:1423-1437 (1984); Kungwatchakun and Irie, Makromol. Chem., Rapid Commun. 9:243-246 (1988); Lohmann and Petrak,CRCCrit. Rev. Therap. Drug Carrier Systems 5:263 (1989); Mamada et al., Macromolecules 23:1517 (1990)、これらの各々が参照により本明細書に組み入れられる)。このタイプの色素が350〜410 nmのUV光に曝露されると、より疎水性である芳香族ジアゾ色素のトランス型が、双極性かつより親水性であるシス型へ異性化され、これは重合体の立体構造変化を引き起こし、骨格への色素結合の程度および骨格の主単位の水溶性に依存して、混濁重合体溶液を透明にさせることができる。約750 nmの可視光に曝露すると、その現象を反転させる。そのような光感受性色素は、色素の光誘起異性化による立体構造変化が重合体鎖の立体構造変化を引き起こすように、骨格の主鎖に沿って組み入れられてもよい。ペンダント色素の親水性または疎水性状態への変換はまた、個々の鎖にその立体構造を拡張または崩壊させうる。重合体主鎖が光感受性基(例えば、アゾベンゼン色素)を含む場合、光刺激状態は実際に縮小し、光誘発異性化によってさらに親水性になりうる。光感受性重合体は、ペンダントまたは骨格アゾベンゼン基を有する重合体を含むことができる。

0136

iv. 特定のイオン感受性重合体
K+またはCa++のような特定のイオンへの曝露に応じて、立体構造を、例えば、ランダムな立体構造から秩序立った立体構造に変化させる、カラギーナンのような多糖類を刺激応答性重合体として用いることもできる。別の例において、アルギン酸ナトリウムの溶液はCa++への曝露によってゲル化されうる。他の特定のイオン感受性重合体には、ヒスチジンまたはEDTAのようなペンダントイオンキレート基を有する重合体が含まれる。

0137

v. 二重または多重感受性重合体
光感受性重合体が熱感受性でもある場合、主鎖に沿ってより疎水性または親水性の立体配座に結合した発色団のUVまたは可視光刺激変換は、重合体組成および温度に依存して、共重合体の溶解または沈殿を刺激することもできる。色素が光を吸収し、異性化を刺激するのではなく熱エネルギーにそれを変換するなら、局部加熱はまた、システム温度が相分離温度に近い場合に、ポリ(NIPAM)のような温度感受性重合体の相変化を刺激することができる。ビニル単量体共重合による1つの骨格に沿った、温度および光感受性または温度およびpH感受性のような、複数の感受性を組み入れる能力は、応答性重合体-タンパク質コンジュゲートの合成および特性に大きな多用途性を与える。例えば、タンパク質認識部位に結合する色素を用いることができ、光誘起異性化は、結合ポケットからの色素の剥離または脱離を引き起こすことができる(Bieth et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 64:1103-1106 (1969))。これは、Carbideから入手可能なエチレンオキシド-プロピレンオキシド(EO-PO)ランダム共重合体のような、温度応答性重合体の自由端に色素を結合させることにより親和性プロセスを操作するために用いることができる。これらの重合体 -(CH2CH2O)x -(CH2CHCH3O)y-は、2つの反応性末端基を有する。相分離点は、EO/PO比に応じ、広範囲にわたって変化させることができ、一端はリガンド色素誘導体化され、他端はビニルスルホン(VS)のような、-SH反応基で誘導体化されうる。

0138

開示される主題によるコンジュゲートは、1つまたは複数の化学的リガンド(例えば、標的結合パートナー)を含むことができる。そのような化学的リガンドは、生体分子でなくてもよい。そのような化学的リガンドは、例えば、1つまたは複数の色素を含むこともできる。

0139

開示される主題のコンジュゲートは、生体分子(例えば、標的結合パートナー)を含むことができる。生体分子は、酵素、抗体、もしくは親和性タンパク質のような、タンパク質もしくはペプチド; DNAもしくはRNAのような、核酸オリゴマー;多糖類のような糖質; または他の生化学種であることができる。生体分子は活性部位を有することができ、重合体は、重合体が自己結合性である場合に、結合部位が近接不能であるように、活性部位に近接した部位で生体分子に共有結合的にカップリングされ得る。あるいは、重合体は、重合体が自己結合性である場合に、結合部位が接近可能であるように、活性部位から離れた部位で生体分子に共有結合的にカップリングされる。

0140

本明細書において用いられる「生体分子」という用語は、例えば細胞膜上、または分子もしくは原子上の標的部位との特異的結合相互作用が可能な任意の分子を含む。したがって、生体分子はリガンドおよび受容体の両方を含む。生体分子は細胞表面分子でありうる。

0141

刺激応答性重合体は、ペプチド、タンパク質、多糖類またはオリゴ糖糖タンパク質、脂質およびリポタンパク質、ならびに核酸も、定義された生物活性を有しかつ例えば分子上の標的部位(例えば、細胞膜受容体)に結合する合成有機分子または無機分子(例えば、抗生物質または抗炎症剤)も含む、種々の異なる生体分子に結合させることができる。タンパク質生体分子の例は、抗体、レクチン、ホルモン、サイトカイン、ケモカイン、受容体および酵素を含む、リガンド結合タンパク質である。標的化合物に特異的または非特異的に結合する他の分子は、受容体に結合する糖タンパク質上の多糖類またはオリゴ糖、例えば、炎症性メディエータP-セレクチンおよびE-セレクチンのリガンド上の糖質、ならびにリボザイムアンチセンス、RNAase Pの外部ガイド配列、およびアプタマーのような、相補的配列に結合する核酸配列を含む。

0142

生体分子は、抗体もしくは酵素の活性部位、受容体の結合領域、または他の機能的に等価な部位でありうる結合部位を含むことができる。これらの部位はまとめて結合部位といわれる。

0143

刺激応答性重合体の部位特異的結合を介して特異的結合パートナーとの相互作用を制御できるタンパク質の数は多い。これらは、例えば、抗体(モノクローナル、ポリクローナル、キメラ単鎖または他の組み換え形態)、そのタンパク質/ペプチド抗原、タンパク質/ペプチドホルモン、サイトカイン、ケモカイン、ストレプトアビジン、アビジン、プロテインA、プロテインG、成長因子およびその各受容体、DNA結合タンパク質、細胞膜受容体、エンドソーム膜受容体核膜受容体、神経受容体、視覚受容体、ならびに筋細胞受容体を含む。任意のサイズのオリゴヌクレオチドは、DNA (ゲノムまたはcDNA)、RNA、アンチセンス、リボザイム、およびRNAase Pの外部ガイド配列、ならびに細胞受容体に結合するその模倣体を含む。糖質は、腫瘍関連糖質(例えば、Lex、シアリルLex、Leyおよび参照により本明細書に組み入れられる米国特許第4,971,905号に記述されるように腫瘍関連として同定された他のもの)、細胞接着受容体に関連する糖質(例えば、Phillips et al., Science 250:1130-1132 (1990))、および他の特定の糖質結合分子、ならびに細胞受容体に結合するその糖質模倣体を含む。

0144

タンパク質の中でも、ストレプトアビジンは、本明細書において記述される他のリガンド結合システムおよび細胞または基質結合システムのモデルとして特に有用である。ストレプトアビジンは、ストレプトアビジン-ビオチン親和性複合体の非常に強い結合を用いる多くの分離技術において重要な成分である(Wilchek and Bayer, Avidin-Biotin Technology, New York, Academic Press, Inc. (1990); およびGreen, Meth. Enzymol. 184:51-67.)。プロテインGおよびプロテインAは、IgG抗体に結合するタンパク質であり(Achari et al., Biochemistry 31:10449-10457 (1992)、およびAkerstrom and Bjorck, J. Biol. Chem. 261:10240-10247 (1986))、モデルシステムとしても有用である。代表的な免疫親和性分子は、参照により本明細書に組み入れられる、操作された単鎖Fv抗体(Bird et al., Science 242:423-426 (1988)およびLadnerらの米国特許第4,946,778号)、Fab、Fab'、およびモノクローナルまたはポリクローナル抗体を含む。酵素は別の重要なモデルシステムとなる。というのは、その活性が、活性部位で刺激応答性成分の制御崩壊によってオンもしくはオフにされるか、または調節されうるからである。

0145

ストレプトアビジン、プロテインG、単鎖抗体および酵素は、生命工学におけるその十分に確立された使用に加えて、いくつかの他の重要な理由のため理想的なモデルシステムである。これらのタンパク質のための遺伝子工学システムが確立されており、好都合部位特異的突然変異誘発および大腸菌(E. coli)のような宿主における大量の各タンパク質の発現を可能にする。リガンド結合部位の分子「ロードマップ」を提供する高解像度結晶構造が利用可能である(Achari et al. 前記; Hendrickson et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86:2190-2194 (1989); Weber et al., Science 243:85-88 (1992); Derrick and Wigley, Nature 359:752-754 (1992); Mian, J. Mol. Biol. 217:133-151 (1991))。この構造的情報は、親和性または活性スイッチ部位特異的突然変異体のデザインのための合理的な基礎を提供する。もちろん、刺激応答性成分を付着させるのに好都合な部位に1つ、2つまたはそれ以上のシステイン残基が既に位置しているタンパク質は、刺激応答性成分の付着の準備ができており、(別のチオール基が特定の部位において所望されない限り、または野生型-SH基の反応がタンパク質生物活性を望ましくなく変化させない限り)他のシステイン残基がその中で操作される必要はない。非天然アミノ酸で置換されたアミノ酸を含む、タンパク質上の他の部位を用いることもできる。

0146

他の親和性システムは、糖(例えば、マンノースグルコース、およびガラクトース)に対する親和性を有するコンカナバリンAを含む。

0147

さらに、本開示は、「ナノワーム」と称される長い重合体および抗体に基づく構造の1つまたは複数の局面を含みうる。ナノワームは、長さおよそ100〜200 nmの重合体骨格に結合した複数の抗体分子を含む。そのようなシステムの1つのバージョンでは、単一の長い重合体に結合したおよそ3〜5個の抗CD3 Abを用いる。この重合体は、増殖、細胞表面マーカー発現およびサイトカインの放出によって測定された場合、ヒトT細胞を活性化することができる(Mandal, et al., Chemical Science 4:4168-4174 (2015))。この柔軟な重合体はまた、抗CD3結合微粒子よりも良好なT細胞応答を示しうる。

0148

B.刺激応答性重合体コンジュゲート凝集体
開示される主題の1つの局面において、複数の重合体-生体分子または重合体-リガンドコンジュゲートから構成される形成体(または凝集体)が提供される。凝集体において、各コンジュゲートは、1つまたは複数の生体分子またはリガンドに共有結合的にカップリングされた1つまたは複数の重合体を含み、重合体は、刺激に応答して可逆的に自己結合性である。凝集体において、複数のコンジュゲートは、重合体結合により接着される。凝集体は、50〜5000 nmの有効サイズを有するように制御可能に形成することができる。さまざまな態様において、凝集体はナノ粒子である。他の態様において、凝集体は微粒子である。凝集体は、刺激応答性重合体コンジュゲートへの刺激の適用によっておよび重合体結合を通じて制御可能に形成されるので、結合を引き起こす刺激の除去によって、その成分コンジュゲートに解離することができる。

0149

C.ナノ粒子およびビーズ
開示される組成物はまた、磁性ナノ粒子のような刺激応答性ナノ粒子を任意で含んでもよい。そのようなナノ粒子は、重合体ならびに/または1つもしくは複数(例えば、複数)の親和性試薬に結合することができる。刺激応答性磁性ナノ粒子は、重合体-親和性試薬コンジュゲートと同じ刺激に応答することができる。刺激応答性磁性ナノ粒子は、密接に関連しているが隣接していない重合体-親和性試薬コンジュゲート間のより容易な共凝集を促進しうる。凝集した状態では、重合体-親和性試薬-mNP凝集体は磁場で分離することができる。この磁性ナノ粒子システムでは、活性化および/または増大段階の前または後に本方法によって細胞を陽性または陰性選択および/または選別することができる。そのような選別は、例えばナノ粒子上に磁場を及ぼす1つまたは複数の磁石を移動させることにより、磁場を用いて磁性ナノ粒子を移動させることを含みうる。

0150

開示される主題のある局面において、ビーズ(例えば、修飾されたビーズ)が任意で提供されてもよい。ビーズは、標的結合パートナーおよび重合体を含む。標的結合パートナーは、標的化合物と結合相互作用を形成することができ、重合体は刺激に応答して可逆的に結合する。さまざまな態様において、標的結合パートナーおよび重合体の各々は、ビーズに共有結合的にカップリングされる。他の態様において、ビーズは、第2の刺激に可逆的に応答する第2の重合体および第2の標的化合物との結合相互作用を形成する第2の標的結合パートナーをさらに含む。他の態様において、ビーズは、複数の異なる標的結合パートナーおよび複数の異なる重合体を含む。

0151

1つの局面において、刺激応答性試薬が提供される。1つの態様において、刺激応答性試薬は、磁気コアに付着させた第1の刺激応答性重合体を含む刺激応答性磁性ナノ粒子; および第1の親和性試薬に付着させた第2の刺激応答性重合体を含む刺激応答性結合実体を含み、ここで第1の親和性試薬は標的に結合することができる。いくつかのバージョンでは、凝集体は、第1の刺激応答性重合体と第2の刺激応答性重合体との間の結合相互作用によって形成される。

0152

本明細書において提供される態様のいくつかにおいて、溶液中の磁性凝集体を操作する(例えば、移動または濃縮する)磁気泳動のために磁石が用いられる。本明細書において記述される磁石の性質は、磁石が必要に応じて磁性凝集体を移動させ、濃縮するのに十分な力をもたらすのに十分な磁場をもたらす限り、重要ではない。さまざまな態様において、磁石は、セラミックまたはネオジム含有磁石のような永久磁石である。さまざまな態様において、磁石は電磁石である。さまざまな態様において、磁場は、1〜20キロガウスの強度を有する。

0153

また、本明細書において用いられる場合、磁性ナノ粒子(mNP)という用語は、溶液中にあり、十分な強度の磁場に曝露されると磁気泳動する、直径が500 nm以下(例えば、直径が250 nm以下)の粒子を記述する。さまざまな態様において、刺激応答性磁性粒子は、磁気コアに付着された第1の刺激応答性重合体から構成される。

0154

適当な磁性粒子は、磁場に応答するおよび磁場の適用に応答して媒体を磁気泳動する粒子である。代表的な磁性粒子には、適当な金属または金属酸化物を含む粒子が含まれる。適当な金属および金属酸化物には、鉄、ニッケルコバルト、鉄白金セレン化亜鉛酸化第一鉄酸化第二鉄酸化コバルト酸化アルミニウム酸化ゲルマニウム二酸化スズ二酸化チタン酸化ガドリニウム酸化インジウムスズ、酸化鉄コバルト、酸化鉄マグネシウム、酸化鉄マンガン、およびその混合物が含まれる。

0155

1つの態様において、磁性粒子は磁性ナノ粒子である。さまざまな態様において、磁性ナノ粒子は、1 nm〜500 nm、例えば5 nm〜250 nm、例えば5 nm〜150 nmの最大寸法を有する。

0156

いくつかのバージョンでは、mNPは金属酸化物コア; および金属酸化物コアに直接配位する、末端基または複数のペンダント基を有する刺激応答性重合体を含むシェルを含む。刺激応答性重合体は、金属酸化物コアに関して、重合体の少なくとも近位末端にミセル形成基を含んでも含まなくてもよい。本開示の刺激応答性重合体は、金属酸化物コアに配位された場合に、mNPの金属酸化物コアに対する近位重合体末端にミセル形成基を有しない重合体であっても、そうでなくてもよい。

0157

いくつかの態様において、刺激応答性ナノ粒子は、金属カチオンから形成された磁性金属酸化物を含むコアを含む。磁性金属酸化物の非限定的な例としては、例えば、酸化鉄(例えば、酸化第二鉄、酸化第一鉄)、酸化ニッケル、酸化ニッケル、酸化クロム、酸化ガドリニウム、酸化ジスプロシウム、および酸化マンガン、またはその任意の組み合わせが挙げられる。

0158

いくつかの態様において、刺激応答性重合体は、刺激応答性重合体上の末端官能基または複数のペンダント官能基(例えば、カルボキシレート、第1級アミン、第2級アミン、ヒドロキシル、アルデヒドケトン、アジドおよび/またはヒドラジド)を介してコアに配位される。刺激応答性重合体は、金属酸化物コアに対する近位重合体末端に、または金属酸化物コアに対する近位および遠位重合体末端の両方にミセルを形成することができる基(例えば、アルキル基、アリール基、疎水性共重合体ブロック、ポリペプチドなど)を含まない。いくつかの態様において、刺激応答性重合体は、任意の末端にミセル形成基を有しない。いくつかの態様において、刺激応答性重合体は、ミセル形成基を有しない(例えば、任意の末端に、ペンダント基として、または重合体骨格上に、ミセル形成基を有しない)。

0159

さまざまな態様において、磁性ナノ粒子生成刺激応答性重合体は、NIPAMの重合体および共重合体を含み、NIPAMの重合体および共重合体は、式:

を有する金属酸化物コアの遠位の末端を含む。

0160

いくつかの態様において、刺激応答性mNPは、0.5:1〜20:1 (例えば、2:1〜3:1、または1:1〜2:1)の、刺激応答性重合体と金属酸化物の質量比を含む。さらに他の態様において、刺激応答性mNPは、1:1未満の、刺激応答性重合体と金属酸化物の質量比を含む。例えば、重合体と金属酸化物の質量比は2:1であることができる。重合体の質量比は、例えば、熱重量分析によって、刺激応答性重合体分解質量損失および重合体除去後の残存質量の比から判定することができる。

0161

いくつかの態様において、刺激応答性ナノ粒子は、1 nm〜500 nm、例えば10 nm〜250 nm、例えば10 nm (例えば、20 nm、30 nm、または40 nm)〜150 nm (例えば、〜40 nm、〜30 nm、または〜20 nm)の流体力学直径を有する。例えば、刺激応答性ナノ粒子は、10 nm〜35 nm (例えば、15 nm〜30 nm)の流体力学直径を有することができる。刺激応答性ナノ粒子は、温度、pH、光、電場、および/またはイオン強度のような刺激に応答することができる。

0162

また、さまざまな態様において、本開示は、親和性試薬と結合した刺激応答性重合体および重合体に結合(例えば、共有結合)されうる刺激応答性磁性ナノ粒子の両方を含む。そのような配置は、本明細書において「二成分試薬システム」といわれる。二成分試薬システムは、架橋細胞表面受容体に適用されうる。そのようなシステムはまた、標的(例えば、1つまたは複数の特定細胞)を捕捉するために、および濃縮するために適用されうる。二成分試薬システムおよびその局面のさらなる詳細は、例えば、米国特許第9,080,933号に記述されており、これは参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。さらに、刺激応答性磁性ナノ粒子およびその局面の詳細は、例えば、米国特許第7,981,688号およびWO 2014/194102 (PCT/US2014/040038)に記述されており、これらは参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。

0163

1つの態様において、磁性ナノ粒子は、単一の磁性ナノ粒子が凝集体の磁気泳動分離に影響を与えないような大きさおよび組成のものである。磁気泳動分離は、複数の磁性ナノ粒子を含む凝集体中で凝集した場合に、磁性ナノ粒子を用いてのみ達成される。開示される主題の凝集体は、それゆえ、存在する場合、複数の磁性ナノ粒子、およびそれらの標的に予め結合された複数の結合実体を含む。凝集体中の複数の磁性ナノ粒子は、磁気泳動分離を可能とするのに十分な常磁性を提供する。

0164

凝集体の磁気泳動移動度は、凝集体が磁気泳動する程度を左右する。磁性凝集体の分離は、凝集体中の個々の磁性粒子の数、磁性粒子のサイズ、磁場強度および溶液粘度を含む、多くの因子によって影響される。磁気泳動移動度は、磁気分離が起こる前に拡散を克服する必要がある。例えば、32 MGaの最大エネルギー積を有する磁石が用いられる場合、磁気泳動移動度は、酸化鉄のmNPが用いられるなら、凝集体が50 nm以下のサイズに達すると拡散を克服し、粒子の動きを制御しうる。システムの他の全ての特性が同じままであれば、分離速度磁界強度の増加とともに向上する。

0165

D.重合体捕捉
いくつかの態様において、刺激応答性mNPには、親和性試薬および/または細胞部分、例えば、受容体またはその捕捉分子を共有結合的にカップリングさせるための遠位(mNPコアから離れた)官能基を有する重合体が含まれる。刺激応答性重合体上の末端官能基は、カルボキシル基ヒドロキシル基およびアミン基のような、親和性試薬と反応性となるように誘導体化されうる任意の反応基をいう。遠位官能基は、チオール、ケトン、N-ヒドロキシスクシンイミドエステル、N-ヒドロキシマレイミドエステル、テトラフルオロフェニルエステルペンタフルオロフェニルエステル、カルボニルイミダゾール、カルボジイミドエステル、ビニルスルホン、アクリレートベンジルハライドトシレートトレレート、アルデヒド、ヒドラジド、酸ハロゲン化物、p-ニトロフェノールエステル、およびヒドロペルオキシドのような反応基を形成するように誘導体化されうる。1つの態様において、刺激応答性重合体上の遠位官能基はカルボキシル基である。

0166

刺激応答性重合体上の遠位官能基は、アミド結合、エステル結合エーテル結合チオエーテル結合、ジスルフィド結合、ヒドラゾン結合アセタール結合ケタール結合、ケトン結合、無水物結合ウレタン結合尿素結合およびカルバメート結合を含むが、これらに限定されない、共有結合を通じて親和性試薬とカップリングされることができる。1つの態様において、ビオチン部分は、アミド結合を通じて刺激応答性重合体にカップリングされる。

0167

遠位官能基は、タンパク質、核酸オリゴマー(DNAもしくはRNA)、抗体、抗原、酵素または酵素基質のような、親和性試薬に共有結合的にカップリングすることができる。親和性試薬は、タンパク質、核酸オリゴマー(DNAもしくはRNA)、抗原、抗体、酵素、酵素基質または細胞のような、標的分子と共有結合または非共有結合相互作用を通じてさらにカップリングすることができる。1つの態様において、末端官能基は、ビオチン、親和性試薬にカップリングされて、ビオチン化ナノ粒子をもたらす。1つの態様において、ビオチン化ナノ粒子を、標的分子であるストレプトアビジンにさらに結合させて、ビオチン化標的分子にカップリングされうるストレプトアビジン結合ビオチン化ナノ粒子をもたらすことができる。

0168

親和性試薬および標的分子は結合対を形成する。各々は、他方(例えば、抗原および抗体)に対して親和性を有する。捕捉分子および標的分子の各々は、ペプチド、タンパク質、多糖類またはオリゴ糖、糖タンパク質、脂質およびリポタンパク質、ならびに核酸も、定義された生物活性を有しかつ標的部位(例えば、細胞膜受容体)に結合する合成有機分子または無機分子(例えば、抗生物質または抗炎症剤)も含む、種々の異なる分子であることができる。例示的なタンパク質としては、抗体(モノクローナル、ポリクローナル、キメラ、単鎖もしくは他の組み換え形態)、そのタンパク質/ペプチド抗原、タンパク質/ペプチドホルモン、ストレプトアビジン、アビジン、プロテインA、プロテインG、サイトカインもしくはケモカインまたは成長因子およびその各受容体、DNA結合タンパク質、細胞膜受容体、エンドソーム膜受容体、核膜受容体、神経受容体、視覚受容体、ならびに筋細胞受容体が挙げられる。例示的なオリゴヌクレオチドは、DNA (ゲノムまたはcDNA)、RNA、アンチセンス、リボザイム、およびRNAase Pの外部ガイド配列を含み、サイズが短いオリゴヌクレオチドプライマーから遺伝子全体までに及ぶことができる。糖質は、腫瘍関連糖質(例えば、Lex、シアリルLex、Leyおよび参照により本明細書に組み入れられる米国特許第4,971,905号に記述されるように腫瘍関連として同定された他のもの)、細胞接着受容体に関連する糖質(例えば、Phillips et al., Science 250:1130-1132 (1990))、ならびに細胞膜受容体または他の合成種に特異的な他の特定の糖質結合分子およびその模倣体を含む。

0169

タンパク質の中でも、ストレプトアビジンは、本明細書において記述される他の結合実体-標的分子結合対システムのモデルとして特に有用である。ストレプトアビジンは、ストレプトアビジン-ビオチン親和性複合体の非常に強い結合を用いる多くの分離および診断技術において重要な成分である。(Wilchek and Bayer, Avidin-Biotin Technology, New York, Academic Press, Inc., 1990; and Green, Meth. Enzymol. 184:51-67)。IgG抗体に結合するタンパク質であるプロテインG (Achari et al., Biochemistry 31:10449-10457, 1992、およびAkerstrom and Bjorck, J Biol. Chem. 261:10240-10247, 1986)も、モデルシステムとして有用である。代表的な免疫親和性分子は、参照により本明細書に組み入れられる、操作された単鎖Fv抗体(Bird et al., Science 242:423-426, 1988およびLadnerらの米国特許第4,946,778号)、Fab、Fab'、およびモノクローナルまたはポリクローナル抗体を含む。

0170

1つのバージョンによれば、親和性試薬は抗体であり、標的分子は抗原である。別の態様において、親和性試薬および標的分子は両方ともタンパク質である。別の態様において、親和性試薬は核酸(DNAまたはRNA)であり、標的分子は相補的核酸(DNAまたはRNA)である。別の態様において、標的分子は核酸(DNAまたはRNA)であり、親和性試薬はタンパク質である。別の態様において、親和性試薬は細胞膜受容体であり、標的分子はリガンドである。別の態様において、親和性試薬はリガンドであり、標的分子は細胞膜受容体である。別の態様において、親和性試薬は酵素であり、標的分子は基質である。別の態様において、親和性試薬はビオチンであり、標的分子はストレプトアビジンまたはアビジンである。別の態様において、標的部分は細胞(例えば、生細胞)である。

0171

E.刺激応答性重合体を利用するアッセイ法および方法
本開示はまた、刺激応答性重合体実体を用いるためのアッセイ法および方法を提供する。1つの態様において、本開示は、溶液中の分子を操作するためのアッセイ法を提供する。これは、(a)標的分子(例えば、IgG)を、標的に対して親和性を有する複数の刺激応答性重合体-親和性試薬コンジュゲートと接触させる段階; (b) 任意で、標的およびコンジュゲートを、複数の刺激応答性mNPまたは刺激応答性重合体で修飾された他の表面(例えば、膜)と接触させる段階; (c)外部刺激を適用することによって重合体-親和性試薬コンジュゲートを凝集させる段階; (d)凝集体を物理的分離法(例えば、磁場の適用、遠心分離)に供することによって重合体-親和性試薬コンジュゲートをさらに凝集させる段階; (e)刺激を反転させることによって重合体-親和性試薬コンジュゲート凝集体を再生する段階; (f) 重合体-親和性試薬コンジュゲートによって捕捉された標的分子を収集または分析する段階を含む。

0172

さらに別の態様において、本開示は、(a) 複数の刺激応答性mNPと診断標的を接触させる段階であって、各ナノ粒子が標的に対して親和性を有する親和性試薬を含む、段階; (b) 標的を刺激応答性mNPと組み合わせることによってナノ粒子コンジュゲートを形成させる段階; (c)外部刺激を適用することによってナノ粒子コンジュゲートを凝集させる段階; (d) 凝集したナノ粒子コンジュゲートを磁場に供することによってナノ粒子コンジュゲートをさらに凝集させる段階; (e)刺激および磁場を除去することによってナノ粒子コンジュゲートを再生する段階; ならびに(f) 標的を含む再生されたナノ粒子を分析する段階を含む、診断標的を検出するためのアッセイ法を提供する。

0173

上記の方法において、標的を刺激応答性mNPと組み合わせることによってナノ粒子コンジュゲートを形成させる段階は、親和性試薬に結合した標的を含むコンジュゲートを提供する。上記の方法において、刺激および磁場を除去することによってナノ粒子コンジュゲートを再生する段階は、標的が親和性試薬に結合している、放された自由流動ナノ粒子コンジュゲートを提供する。

0174

標的を含む再生されたナノ粒子は、ナノ粒子からの標的の放出の有無にかかわらず分析することができる。

0175

標的は、病的状態を示す分子もしくは毒素への曝露の指標、または対象に投与され、その濃度がモニターされるべき治療薬であることができる。標的は、任意の化学物質、糖質、ウイルス、細胞外小胞、タンパク質、抗体、または核酸であることができる。1つの態様において、標的はB型肝炎ウイルスに対する抗体である。1つの態様において、標的はC型肝炎ウイルスに対する抗体である。1つの態様において、標的分子は、AIDSウイルスに対する抗体である。1つの態様において、標的分子は、マラリア寄生虫抗原、または抗マラリア原虫抗体、または寄生虫代謝産物、または変形体核酸断片である。1つの態様において、標的分子は、結核菌に対する抗体である。1つの態様において、標的分子はデング熱ウイルスまたは抗体である。

0176

mNPを用いる方法、装置、およびアッセイ法は、例えば、米国特許第8,507,283号および同第7,981,688号、ならびにPCT/US2011/035256に記述されており、これらの各々の開示は参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。

0177

本開示はまた、本開示の他の部分に記述されるような細胞活性化アッセイ法を含む。

0178

IV.キット
本明細書において提供される1つまたは複数の組成物を少なくとも含むキットも提供される。例えば、キットは、第1の組成物および第2の組成物を含むことができ、第1および第2の組成物は同じであっても異なるものであってもよい。第1および/または第2の組成物は、刺激に応答して可逆的に結合する1つまたは複数の重合体と結合した親和性試薬を含む結合実体を含むことができる。第1および/または第2の組成物はまた、刺激に応答して可逆的に結合する重合体と結合した複数の親和性試薬を含む結合実体を含むことができる。キットはまた、磁性ナノ粒子を含むことができる。本キットの結合実体は、本明細書において記述される結合実体の任意の特徴または特徴の組み合わせを有しうる。いくつかのバージョンにおいて、第1の組成物の親和性試薬は、第2の組成物の親和性試薬とは異なる。また、いくつかのバージョンにおいて、刺激の適用は、第1の組成物の結合実体を第2の組成物の結合実体に結合させ、それにより第1の組成物の親和性試薬および第2の組成物の親和性試薬が細胞表面分子(例えば、受容体)に結合する場合に、親和性試薬に結合した細胞表面分子(例えば、受容体)をクラスタ化する。

0179

キットはまた、本明細書において記述される試薬の1つまたは複数を含むことができる。本キットはまた、T細胞またはB細胞のような、本明細書において記述される1つまたは複数の細胞を含みうる。そのような細胞は、対象から、または細胞株生産者もしくは作製者から得られうる。

0180

本キットは、本明細書において記述される態様のいずれかによる2つもしくはそれ以上の、例えば複数の、3個、4個、5個、8個、10個などの、組成物もしくは他のシステムの局面、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。キットはまた、包装、例えば、本方法によって組成物を破壊することなく、または他の方法で使用不能になることなく輸送するための包装を含みうる。

0181

さまざまな態様において、キットは、本組成物を使用するまたは本方法を実施するための指示書のような、指示書を含む。指示書は、いくつかの局面において、適当な記録媒体に記録される。例えば、指示書は、紙またはプラスチックなどのような、基材上に印刷することができる。したがって、指示書は、添付文書として、キットの容器またはその構成要素のラベルに、例えば、包装または部分包装(subpackaging)などに関連して、キットに存在することができる。他の態様において、指示書は、適当なコンピュータ可読記憶媒体、例えば、ポータブルフラッシュドライブCD-ROMディスケットなどに存在する電子記憶データファイルとして存在する。指示書は、組成物を使用する方法に関する完全な指示書を含めて、またはワールドワイドウェブ掲載された指示書にアクセスできるウェブサイトアドレスとして、任意の形態をとることができる。

0182

V.有用性
さまざまな態様において、本開示は、例えば、細胞数を増加もしくは減少させる、または細胞挙動を変化させるように、作用する形で、細胞シグナル伝達を調節することを含む。そのような調節は、細胞表面分子、例えば、受容体およびそのリガンドをクラスタ化することによって行うことができる。本方法によって細胞数を増加および/もしくは減少させること、または細胞挙動を変化させることは、1つまたは複数の疾患、例えば、がんの生物学的アッセイ法および/またはヘルスケア処置をより効率的および/または効果的にするために適用することができる。アッセイ法および/または処置は、そのような手順を行う複雑さ、時間および/または費用を低減することによって、より効果的にすることができる。

0183

また、いくつかの市販の細胞活性化技術(例えば、Dynabeads(登録商標) CD3/CD28CTS(商標)およびMiltenyi Biotec MACS(登録商標)GMPTransAct CD3/CD28キット)では、アゴニスト抗体磁性粒子表面に共有結合している。粒子表面へのAbの付着は、いくつかの重大な欠点を呈する。第1に、細胞に結合した磁性粒子の持続的な存在は、細胞生存性および機能的応答を低減させうる。第2に、エクスビボ細胞増大後に磁性粒子が除去されない場合、細胞治療用生成物残留微粒子という点で規制監視に直面しうる。第3に、磁性粒子が除去される場合、結合され活性化された細胞も同様に除去される。さらに、細胞表面受容体に結合した後、剛性粒子表面は、受容体の再組織化および架橋結合を最適な様式で可能にすることができない。また、開始活性化シグナルは、細胞活性化のための他の商業技術によって制御または反転することができない。

0184

しかしながら、本明細書において開示される刺激応答性重合体-親和性試薬コンジュゲートは、細胞活性化のためのシグナルを提供するために剛性磁性粒子を必要としない。したがって、最終的な細胞生成物中の粒子毒性または粒子残留物に関連するリスクは、大幅に低減または排除される。また、活性化シグナルは、本態様による刺激の適用によって制御することができる。その後の刺激の反転は、活性化およびその後の細胞増大特性を調節するのに役立ちうる初期活性化シグナルを除去することができる。

0185

さらに、T細胞の単離、活性化および増大のプロセスは、施設の間で大きく異なる可能性があり、商業的開発に利用可能な技法(例えば、Dynabeads(登録商標))はわずかしかない。エフェクタ機能持続性および生着もまた、増大させたT細胞の臨床的に重要な特徴である。これらの特性に割り当てられる相対的な重要性も、施設の間で異なる。細胞製造へのアプローチの差異にもかかわらず、多くのT細胞療法は臨床試験中である。開示される主題は、養子細胞療法のエクスビボ製造のための代替的な活性化および増大試薬の局面を提供する。

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