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課題・解決手段

本明細書においては、いくつかの側面において、リボ核酸無細胞生産のための方法および組成物が提供される。

概要

背景

リボ核酸(RNA)は生命に遍在する。RNAは、蛋白質の制御および合成のためのDNAからの命令運搬する、細胞内における情報の重要なメッセンジャーとして働く。細胞内におけるmRNAベルの合成的な調節(mRNAの導入によって正に、またはsiRNAもしくはdsRNAの導入によって負に)は、農作物保護、抗癌治療、およびワクチンなどの分野への適用を有するため、RNAはバイオテクノロジーにおいて関心がある。例えば、RNA干渉(RNAi)は、遺伝子のDNA配列を用いて遺伝子を「オフ」にする細胞機序−「サイレンシング」と言われるプロセスを言う。動物、植物、および真菌を含む多種多様生物において、RNAiは二本鎖RNA(dsRNA)によって誘発される。機能的な一本鎖(例えばmRNA)および二本鎖RNA分子は、生細胞内で、および精製された組換え体酵素と精製されたヌクレオチド三リン酸とを用いてin vitroで生産されてきた(例えば、欧州特許No.1631675およびU.S.特許出願公開No.2014/0271559A1を参照。これらのそれぞれは参照によって本明細書に組み込まれる)。とはいえ、広範な商業的適用を可能にするスケールでのRNAの生産は、現在は法外なコストがかかる。

概要

本明細書においては、いくつかの側面において、リボ核酸の無細胞的生産のための方法および組成物が提供される。

目的

本開示の他の側面は、少なくとも1つのヌクレオシド一リン酸キナーゼ(例えば、耐熱性ヌクレオシド一リン酸キナーゼ)、少なくとも1つのヌクレオシド二リン酸キナーゼ(例えば、耐熱性ヌクレオシド二リン酸キナーゼ)、および少なくとも1つのポリリン酸キナーゼ(例えば、耐熱性ポリリン酸キナーゼ)を含む、改変細胞細胞ライセート、および細胞ライセート混合物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

リボ核酸(RNA)を生合成する無細胞的方法であって、該方法が:(a)RNAと、RNAを解重合する酵素活性耐熱性キナーゼ活性、および耐熱性RNAポリメラーゼ活性からなる群から選択される少なくとも1つの酵素活性とを含む細胞ライセート合物を、RNAの解重合をもたらす条件下においてインキュベートして、ヌクレオシド一リン酸を含む細胞ライセート混合物を生産すること;(b)ステップ(a)において生産された細胞ライセート混合物を、耐熱性キナーゼ活性および耐熱性RNAポリメラーゼ活性を完全に不活性化することなしに内在性ヌクレアーゼおよびホスファターゼを不活性化または部分的に不活性化する温度に加熱して、熱不活性化されたヌクレアーゼおよびホスファターゼを含む細胞ライセート混合物を生産すること;および(c)(b)において生産された細胞ライセート混合物を、エネルギー供給源と関心のRNAをコードするデオキシリボ核酸(DNA)鋳型との存在下において、ヌクレオシド三リン酸の生産およびヌクレオシド三リン酸の重合をもたらす条件下においてインキュベートして、関心のRNAを含む細胞ライセート混合物を生産すること、を含む、前記方法。

請求項2

細胞ライセート混合物が、RNAを含み、かつリボヌクレアーゼとして働く、キナーゼとして働く、および/またはRNAポリメラーゼとして働く少なくとも1つの酵素または融合酵素を発現する細胞から得られる単一の細胞ライセートを含む、請求項1に記載の方法。

請求項3

細胞ライセート混合物が、少なくとも2つの細胞ライセートを含み、少なくとも1つの細胞ライセートが、RNAを含む細胞から得られ、少なくとも1つの細胞ライセートが、ヌクレアーゼとして働く、キナーゼとして働く、および/またはRNAポリメラーゼとして働く少なくとも1つの酵素または融合酵素を発現する細胞から得られる、請求項1に記載の方法。

請求項4

ステップ(a)のRNAが、メッセンジャーRNAmRNA)、トランスファーRNAtRNA)、またはリボソームRNArRNA)である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。

請求項5

細胞ライセート混合物が、少なくとも1つのリボヌクレアーゼ、少なくとも1つの耐熱性キナーゼ、および/または少なくとも1つの耐熱性RNAポリメラーゼを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。

請求項6

少なくとも1つのリボヌクレアーゼが、S1ヌクレアーゼ、ヌクレアーゼP1、RNaseII、RNaseIII、RNaseR、RNaseJI、NucA、PNPase、RNaseT、RNaseE、およびRNaseGからなる群から選択される、請求項5に記載の方法。

請求項7

少なくとも1つのリボヌクレアーゼがEscherichia coliRNaseRである、請求項6に記載の方法。

請求項8

少なくとも1つの耐熱性キナーゼが、耐熱性ヌクレオシド一リン酸キナーゼ、耐熱性ヌクレオシド二リン酸キナーゼ、および耐熱性ポリリン酸キナーゼからなる群から選択される、請求項5〜7のいずれか一項に記載の方法。

請求項9

耐熱性ヌクレオシド一リン酸キナーゼが、耐熱性ウリジル酸キナーゼ、耐熱性シチジル酸キナーゼ、耐熱性グアニル酸キナーゼ、および耐熱性アデニル酸キナーゼからなる群から選択される、請求項8に記載の方法。

請求項10

耐熱性ヌクレオシド一リン酸キナーゼが、pyrH遺伝子によってコードされる耐熱性Pyrococcus furiosusウリジル酸キナーゼ(PfPyrH)、adk遺伝子によってコードされる耐熱性Thermus thermophilusアデニル酸キナーゼ(TthAdk)、cmk遺伝子によってコードされる耐熱性Thermus thermophilusシチジル酸キナーゼ(TthCmk)、およびgmk遺伝子によってコードされる耐熱性Thermotoga maritimaグアニル酸キナーゼ(TmGmk)からなる群から選択される、請求項9に記載の方法。

請求項11

耐熱性ヌクレオシド二リン酸キナーゼが、Aquifex aeolicus ndk遺伝子によってコードされる耐熱性ヌクレオシド二リン酸キナーゼからなる群から選択される、請求項8〜10のいずれか一項に記載の方法。

請求項12

耐熱性ポリリン酸キナーゼが、耐熱性ポリリン酸キナーゼ1(PPK1)酵素および耐熱性ポリリン酸キナーゼ2(PPK2)酵素からなる群から選択される、請求項8〜10のいずれか一項に記載の方法。

請求項13

耐熱性PPK1酵素が、耐熱性Thermosynechococcus elongatus PPK1酵素からなる群から選択される、請求項12に記載の方法。

請求項14

耐熱性PPK2酵素が、耐熱性クラスIII PPK2酵素からなる群から選択される、請求項12または13に記載の方法。

請求項15

耐熱性クラスIIIPPK2酵素が、Meiothermus ruber、Meiothermus silvanus、Deinococcus geothermalis、Thermosynechococcus elongates、Anaerolinea thermophile、Caldilinea aerophila、Chlorobaculum tepidum、Oceanithermus profundus、Roseiflexus castenholzii、Roseiflexus sp.、およびTruepera radiovctrix PPK2酵素からなる群から選択される、請求項14に記載の方法。

請求項16

耐熱性クラスIIIPPK2酵素が、配列番号8〜18のいずれか1つによって同定されるアミノ酸配列と少なくとも70%同一であるアミノ酸配列を含む耐熱性クラスIIIPPK2酵素からなる群から選択される、請求項15に記載の方法。

請求項17

耐熱性クラスIIIPPK2酵素が、配列番号8〜18のいずれか1つによって同定されるアミノ酸配列と同一であるアミノ酸配列を含む耐熱性クラスIIIPPK2酵素からなる群から選択される、請求項16に記載の方法。

請求項18

細胞ライセート混合物が、少なくとも1つのリボヌクレアーゼ、少なくとも1つの耐熱性ヌクレオシド一リン酸キナーゼ、少なくとも1つの耐熱性ヌクレオシド二リン酸キナーゼ、および少なくとも1つのポリリン酸キナーゼを含む、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。

請求項19

少なくとも1つの耐熱性RNAポリメラーゼが、耐熱性DNA依存性RNAポリメラーゼからなる群から選択される、請求項5〜18のいずれか一項に記載の方法。

請求項20

耐熱性DNA依存性RNAポリメラーゼが、耐熱性T7RNAポリメラーゼ、耐熱性SP6RNAポリメラーゼ、および耐熱性T3RNAポリメラーゼからなる群から選択される、請求項19に記載の方法。

請求項21

少なくとも1つの耐熱性RNAポリメラーゼが、耐熱性T7RNAポリメラーゼである、請求項20に記載の方法。

請求項22

エネルギー供給源が、アデノシン三リン酸ATP)である、請求項1〜21のいずれか一項に記載の方法。

請求項23

エネルギー供給源が、ATP再生系である、請求項1〜21のいずれか一項に記載の方法。

請求項24

ATP再生系が、ポリリン酸、任意にヘキサメタリン酸、ヌクレオシド一リン酸、およびポリリン酸キナーゼを含む、請求項23に記載の方法。

請求項25

エネルギー供給源、またはエネルギー供給源の少なくとも1つのコンポーネントがステップ(c)の細胞ライセート混合物に追加される、請求項1〜24のいずれか一項に記載の方法。

請求項26

少なくとも1つの精製された酵素または融合酵素がステップ(a)の細胞ライセート混合物に追加され、該少なくとも1つの精製された酵素または融合酵素は、RNAの解重合をもたらしてヌクレオシド一リン酸を含む細胞ライセート混合物を生産する条件下において、RNAを解重合する酵素活性、耐熱性キナーゼ活性、および耐熱性RNAポリメラーゼ活性からなる群から選択される酵素活性を有する、請求項1〜25のいずれか一項に記載の方法。

請求項27

少なくとも1つの精製された酵素または融合酵素がステップ(c)の細胞ライセート混合物に追加され、該少なくとも1つの精製された酵素または融合酵素は、RNAの解重合をもたらしてヌクレオシド一リン酸を含む細胞ライセート混合物を生産する条件下において、RNAを解重合する酵素活性、耐熱性キナーゼ活性、および耐熱性RNAポリメラーゼ活性からなる群から選択される酵素活性を有する、請求項1〜26のいずれか一項に記載の方法。

請求項28

ステップ(a)の細胞ライセート混合物が、関心のRNAをコードするDNA鋳型を含む、請求項1〜27のいずれか一項に記載の方法。

請求項29

関心のRNAをコードするDNA鋳型がステップ(c)の細胞ライセート混合物に追加される、請求項1〜27のいずれか一項に記載の方法。

請求項30

関心のRNAが、一本鎖RNAである、請求項1〜29のいずれか一項に記載の方法。

請求項31

一本鎖RNAが、メッセンジャーRNA(mRNA)である、請求項30に記載の方法。

請求項32

一本鎖RNAが、アンチセンスRNAである、請求項30に記載の方法。

請求項33

関心のRNAが、二本鎖RNAである、請求項1〜29のいずれか一項に記載の方法。

請求項34

二本鎖RNAが、低分子干渉RNA(siRNA)またはショートヘアピンRNA(shRNA)である、請求項33に記載の方法。

請求項35

関心のRNAが、ヒンジドメインによって互いに連結された相補的ドメインを含有する一本鎖RNAである、請求項1〜29のいずれか一項に記載の方法。

請求項36

ステップ(a)の細胞ライセート混合物が、さらにMg2+キレート剤を含む、請求項1〜35のいずれか一項に記載の方法。

請求項37

Mg2+キレート剤が、エチレンジアミン四酢酸EDTA)である、請求項36に記載の方法。

請求項38

ステップ(a)の細胞ライセート混合物が、さらに塩化マンガン(MnCl2)および/または硫酸マグネシウム(MgSO4)を含む、請求項1〜37のいずれか一項に記載の方法。

請求項39

ステップ(b)の温度が、50℃〜80℃である、請求項1〜38のいずれか一項に記載の方法。

請求項40

関心のRNAが、少なくとも1g/Lの濃度で生産される、請求項1〜39のいずれか一項に記載の方法。

請求項41

関心のRNAが、少なくとも5g/Lの濃度で生産される、請求項40に記載の方法。

請求項42

関心のRNAが、少なくとも10g/Lの濃度で生産される、請求項40に記載の方法。

請求項43

任意に、熱不活性化された細胞ライセート混合物と蛋白質沈殿剤とを組み合わせること、および沈殿した蛋白質、脂質、およびDNAを除去することによって、関心のRNAを精製することをさらに含む、請求項1〜42のいずれか一項に記載の方法。

請求項44

細胞が、細菌細胞である、請求項1〜43のいずれか一項に記載の方法。

請求項45

細菌細胞が、Escherichia coli細胞である、請求項44に記載の方法。

請求項46

細胞が酵母細胞である、請求項1〜43のいずれか一項に記載の方法。

請求項47

細胞培養培地中で、(a)RNAを含む細胞と、(b)少なくとも1つのリボヌクレアーゼ、少なくとも1つの耐熱性キナーゼ、および任意に少なくとも1つの耐熱性RNAポリメラーゼを含む細胞とを培養することを含む、方法。

請求項48

(a)および(b)の細胞を溶解して細胞ライセートを生産することおよび該細胞ライセートを組み合わせて複数の酵素活性を含有する混合物を生産すること;あるいは(a)および(b)の細胞を組み合わせること、および組み合わせられた細胞を溶解して複数の酵素活性を含有する混合物を生産することをさらに含む、請求項47に記載の方法。

請求項49

細胞ライセートを、耐熱性キナーゼを完全に不活性化することなしに内在性ヌクレアーゼおよびホスファターゼを不活性化または部分的に不活性化する温度に加熱して、熱不活性化された細胞ライセートを生産することをさらに含む、請求項48に記載の方法。

請求項50

熱不活性化された細胞ライセートを、エネルギー供給源および関心のRNAをコードするデオキシリボ核酸(DNA)鋳型の存在下、ヌクレオシド三リン酸の生産およびヌクレオシド三リン酸の重合をもたらす条件下でインキュベートして、関心のRNAを含む細胞ライセート混合物を生産することをさらに含む、請求項49に記載の方法。

請求項51

少なくとも1つの耐熱性ヌクレオシド一リン酸キナーゼ、少なくとも1つの耐熱性ヌクレオシド二リン酸キナーゼ、および少なくとも1つの耐熱性ポリリン酸キナーゼを含む、改変細胞

請求項52

さらに少なくとも1つのリボヌクレアーゼおよび/または少なくとも1つの耐熱性RNAポリメラーゼを含む、請求項51に記載の細胞。

請求項53

ヌクレオシド三リン酸、関心のリボ核酸(RNA)をコードするデオキシリボ核酸(DNA)、およびRNAポリメラーゼ活性を含む、細胞ライセート。

請求項54

さらに、エネルギー供給源、ヌクレオシド一リン酸、および5’−ヌクレオシド一リン酸から5’−ヌクレオシド三リン酸への変換を直接的または間接的に触媒する少なくとも1つのキナーゼ活性を含む、請求項53に記載の細胞ライセート。

請求項55

さらに多量体RNAとRNAを解重合する酵素活性とを含む、請求項53または54に記載の細胞ライセート。

請求項56

請求項53〜55のいずれか一項に記載の細胞ライセートであって、該細胞ライセートおよび/または該細胞ライセートの少なくとも1つのコンポーネントは改変細胞から得られる、前記細胞ライセート。

請求項57

請求項53〜56のいずれか一項に記載の細胞ライセートであって、該細胞ライセートおよび/または該細胞ライセートの少なくとも1つのコンポーネントは細菌細胞から得られる、前記細胞ライセート。

請求項58

細菌細胞が、Escherichia coli細胞である、請求項57に記載の細胞ライセート。

請求項59

請求項53〜58のいずれか一項に記載の細胞ライセートであって、該細胞ライセートは、RNAを含み、かつリボヌクレアーゼとして働く、キナーゼとして働く、および/またはRNAポリメラーゼとして働く少なくとも1つの酵素または融合酵素を発現する細胞から得られる、前記細胞ライセート。

請求項60

請求項53〜58のいずれか一項に記載の細胞ライセートであって、該細胞ライセートは少なくとも2つの細胞ライセートの混合物を含み、少なくとも1つの細胞ライセートは、RNAを含む細胞から得られ、少なくとも1つの細胞ライセートは、ヌクレアーゼとして働く、キナーゼとして働く、および/またはRNAポリメラーゼとして働く少なくとも1つの酵素または融合酵素を発現する細胞から得られる、前記細胞ライセート。

請求項61

多量体RNAが、メッセンジャーRNA(mRNA)、トランスファーRNA(tRNA)、またはリボソームRNA(rRNA)である、請求項55〜60のいずれか一項に記載の細胞ライセート。

請求項62

細胞ライセートが、少なくとも1つのリボヌクレアーゼ、少なくとも1つのキナーゼ、および/または少なくとも1つのRNAポリメラーゼを含む、請求項53〜61のいずれか一項に記載の細胞ライセート。

請求項63

少なくとも1つのリボヌクレアーゼが、S1ヌクレアーゼ、ヌクレアーゼP1、RNaseII、RNaseIII、RNaseR、RNaseJI、NucA、PNPase、RNaseT、RNaseE、およびRNaseGからなる群から選択される、請求項62に記載の細胞ライセート。

請求項64

少なくとも1つのリボヌクレアーゼが、Escherichia coliRNaseRである、請求項63に記載の細胞ライセート。

請求項65

少なくとも1つのキナーゼが、少なくとも1つの耐熱性キナーゼであり、および/または少なくとも1つのRNAポリメラーゼが、少なくとも1つの耐熱性RNAポリメラーゼである、請求項62〜64のいずれか一項に記載の細胞ライセート。

請求項66

少なくとも1つのキナーゼが、ヌクレオシド一リン酸キナーゼ、ヌクレオシド二リン酸キナーゼ、およびポリリン酸キナーゼからなる群から選択される、請求項62〜65のいずれか一項に記載の細胞ライセート。

請求項67

ヌクレオシド一リン酸キナーゼが、ウリジル酸キナーゼ、シチジル酸キナーゼ、耐熱性グアニル酸キナーゼ、およびアデニル酸キナーゼからなる群から選択される、請求項65に記載の細胞ライセート。

請求項68

ヌクレオシド一リン酸キナーゼが、pyrH遺伝子によってコードされるPyrococcus furiosusウリジル酸キナーゼ(PfPyrH)、adk遺伝子によってコードされるThermus thermophilusアデニル酸キナーゼ(TthAdk)、cmk遺伝子によってコードされるThermus thermophilusシチジル酸キナーゼ(TthCmk)、およびgmk遺伝子によってコードされるThermotoga maritimaグアニル酸キナーゼ(TmGmk)からなる群から選択される、請求項67に記載の細胞ライセート。

請求項69

ヌクレオシド二リン酸キナーゼが、Aquifex aeolicusndk遺伝子によってコードされるヌクレオシド二リン酸キナーゼからなる群から選択される、請求項66〜68のいずれか一項に記載の細胞ライセート。

請求項70

ポリリン酸キナーゼが、ポリリン酸キナーゼ1(PPK1)酵素およびポリリン酸キナーゼ2(PPK2)酵素からなる群から選択される、請求項66〜69のいずれか一項に記載の細胞ライセート。

請求項71

PPK1酵素が、Thermosynechococcus elongatusPPK1酵素からなる群から選択される、請求項70に記載の細胞ライセート。

請求項72

PPK2酵素が、クラスIIIPPK2酵素からなる群から選択される、請求項70または71に記載の細胞ライセート。

請求項73

クラスIIIPPK2酵素が、Meiothermus ruber、Meiothermus silvanus、Deinococcus geothermalis、Thermosynechococcus elongates、Anaerolinea thermophile、Caldilinea aerophila、Chlorobaculum tepidum、Oceanithermus profundus、Roseiflexus castenholzii、Roseiflexus sp.、およびTruepera radiovctrixPPK2酵素からなる群から選択される、請求項72に記載の細胞ライセート。

請求項74

クラスIIIPPK2酵素が、配列番号8〜18のいずれか1つによって同定されるアミノ酸配列と少なくとも70%同一であるアミノ酸配列を含むクラスIIIPPK2酵素からなる群から選択される、請求項72または73に記載の細胞ライセート。

請求項75

クラスIIIPPK2酵素が、配列番号8〜18のいずれか1つによって同定されるアミノ酸配列と同一であるアミノ酸配列を含むクラスIIIPPK2酵素からなる群から選択される、請求項74に記載の細胞ライセート。

請求項76

細胞ライセート混合物が、少なくとも1つのリボヌクレアーゼ、少なくとも1つの耐熱性ヌクレオシド一リン酸キナーゼ、少なくとも1つの耐熱性ヌクレオシド二リン酸キナーゼ、および少なくとも1つのポリリン酸キナーゼを含む、請求項53〜75のいずれか一項に記載の細胞ライセート。

請求項77

少なくとも1つのRNAポリメラーゼが、DNA依存性RNAポリメラーゼからなる群から選択される、請求項62〜76のいずれか一項に記載の細胞ライセート。

請求項78

DNA依存性RNAポリメラーゼが、T7RNAポリメラーゼ、SP6RNAポリメラーゼ、およびT3RNAポリメラーゼからなる群から選択される、請求項77に記載の細胞ライセート。

請求項79

少なくとも1つのRNAポリメラーゼが、T7RNAポリメラーゼである、請求項78に記載の細胞ライセート。

請求項80

エネルギー供給源が、アデノシン三リン酸(ATP)である、請求項54〜79のいずれか一項に記載の細胞ライセート。

請求項81

エネルギー供給源が、ATP再生系である、請求項54〜79のいずれか一項に記載の細胞ライセート。

請求項82

ATP再生系が、ポリリン酸、任意にヘキサメタリン酸、ヌクレオシド一リン酸、およびポリリン酸キナーゼを含む、請求項81に記載の細胞ライセート。

請求項83

関心のRNAが、一本鎖RNAである、請求項53〜82のいずれか一項に記載の細胞ライセート。

請求項84

一本鎖RNAが、メッセンジャーRNA(mRNA)である、請求項83に記載の細胞ライセート。

請求項85

一本鎖RNAが、アンチセンスRNAである、請求項84に記載の細胞ライセート。

請求項86

関心のRNAが二本鎖RNAである、請求項53〜82のいずれか一項に記載の細胞ライセート。

請求項87

二本鎖RNAが低分子干渉RNA(siRNA)またはショートヘアピンRNA(shRNA)である、請求項86に記載の細胞ライセート。

請求項88

関心のRNAが、ヒンジドメインによって互いに連結された相補的なドメインを含有する一本鎖RNAである、請求項53〜82のいずれか一項に記載の細胞ライセート。

技術分野

0001

関連出願
本願は、米国特許法第119条(e)の下において、2016年4月6日出願のU.S.仮出願番号62/319,220および2017年1月31日出願のU.S.仮出願番号62/452,550の利益を主張し、これらのそれぞれはその全体が参照によって本明細書に組み込まれる。

背景技術

0002

リボ核酸(RNA)は生命に遍在する。RNAは、蛋白質の制御および合成のためのDNAからの命令運搬する、細胞内における情報の重要なメッセンジャーとして働く。細胞内におけるmRNAベルの合成的な調節(mRNAの導入によって正に、またはsiRNAもしくはdsRNAの導入によって負に)は、農作物保護、抗癌治療、およびワクチンなどの分野への適用を有するため、RNAはバイオテクノロジーにおいて関心がある。例えば、RNA干渉(RNAi)は、遺伝子のDNA配列を用いて遺伝子を「オフ」にする細胞機序−「サイレンシング」と言われるプロセスを言う。動物、植物、および真菌を含む多種多様生物において、RNAiは二本鎖RNA(dsRNA)によって誘発される。機能的な一本鎖(例えばmRNA)および二本鎖RNA分子は、生細胞内で、および精製された組換え体酵素と精製されたヌクレオチド三リン酸とを用いてin vitroで生産されてきた(例えば、欧州特許No.1631675およびU.S.特許出願公開No.2014/0271559A1を参照。これらのそれぞれは参照によって本明細書に組み込まれる)。とはいえ、広範な商業的適用を可能にするスケールでのRNAの生産は、現在は法外なコストがかかる。

0003

本明細書においてはRNAの生産(生合成)のための方法、組成物、細胞、構築物、およびシステムが提供される。一般的には、バイオマス材料からの多量体RNAがその成分モノマーへと酵素的解重合され、それから、それらのモノマーは(一連キナーゼによって)それらの同族三リン酸化されたバリアントへとリン酸化され、これらはその後対応する核酸(例えばDNA)鋳型を用いて多量体RNAへと重合される。

0004

いくつかの態様において、本開示の方法、組成物、細胞、構築物、およびシステムは、例えば、少なくとも1つの細胞ライセート、精製蛋白質の組み合わせ、または細胞ライセート(単数または複数)と精製蛋白質(単数または複数)との組み合わせを用いた無細胞的条件下におけるRNAの生産のために用いられる。いくつかの態様において、本開示は、細胞ライセートを用いたバイオマスからのRNA(例えば、細胞の内在性RNA)からの所望の合成RNA(例えば、合成の一本鎖または二本鎖RNA)への変換に基づく。第1に、例えばメッセンジャーRNA(mRNA)、トランスファーRNAtRNA)、および/またはリボソームRNArRNA)(例えば、細胞ライセート中に存在する)などのバイオマスからのRNA(例えば内在性RNA)は、1つ以上のヌクレアーゼによってそのモノマー形態、5’−ヌクレオシド一リン酸(NMP)へと解重合される(図1、反応1)。次に、それらのヌクレアーゼ、ならびに天然のヌクレアーゼおよびホスファターゼは(例えば熱不活性化によって)不活性化または部分的に不活性化され、NMPは一連の耐熱性キナーゼ活性によってリボヌクレオチド三リン酸NTP)へとリン酸化される(図1、反応2)。最後に、NTPは核酸(例えばDNA)鋳型を用いてRNAポリメラーゼ(例えば、耐熱性RNAポリメラーゼ)によって重合されて所望のRNAを形成する(図1、反応3)。所望の合成RNAは任意に細胞ライセートから精製され得る。

0005

それゆえに、本開示のいくつかの側面はリボ核酸(RNA)を生産する(生合成する)無細胞的方法を提供し、該方法は:(a)(i)RNAと(ii)RNAを解重合する酵素活性、耐熱性キナーゼ活性、および耐熱性RNAポリメラーゼ活性からなる群から選択される少なくとも1つの酵素活性とを含む、少なくとも1つの細胞ライセート混合物を、RNAの解重合をもたらす条件下においてインキュベートして、ヌクレオシド一リン酸を含む細胞ライセート混合物を生産すること;(b)ステップ(a)において生産された細胞ライセート混合物を、耐熱性キナーゼ活性および耐熱性RNAポリメラーゼ活性を完全に不活性化することなしに内在性のヌクレアーゼおよびホスファターゼを不活性化または部分的に不活性化する温度(例えば50〜80℃)に加熱して、熱不活性化されたヌクレアーゼおよびホスファターゼを含む細胞ライセート混合物を生産すること;および(c)ステップ(b)において生産された細胞ライセート混合物を、エネルギー供給源(例えばATP再生系)およびデオキシリボ核酸(DNA)鋳型(例えば、関心のRNAをコードするヌクレオチド配列作動可能に連結されたプロモーターを含有する)の存在下において、ヌクレオシド三リン酸の生産およびヌクレオシド三リン酸の重合をもたらす条件下においてインキュベートして、関心のRNAを含む細胞ライセート混合物を生産することを含む。

0006

細胞ライセート混合物は、RNAを含み、かつリボヌクレアーゼとして働く、キナーゼとして働く、および/またはRNAポリメラーゼとして働く少なくとも1つの酵素(少なくとも1つの融合酵素を包む)を発現する細胞から得られる、単一の細胞ライセートを含み得る。代替的には、細胞ライセート混合物は少なくとも2つの(例えば、少なくとも3、4、5、または6つの)細胞ライセートを含み得、少なくとも1つの細胞ライセートはRNAを含む細胞から得られ、少なくとも1つの細胞ライセート(例えば、少なくとも2、3、4、または5つ)は、ヌクレアーゼとして働く、キナーゼとして働く、および/またはRNAポリメラーゼとして働く少なくとも1つの酵素を発現する細胞から得られる。

0007

酵素または融合酵素は、融合酵素の酵素がヌクレアーゼ活性を発揮する(核酸を切断または解重合する;例えばRNaseR)場合に「ヌクレアーゼとして働く」と見なされる。酵素または融合酵素は、融合酵素の酵素がキナーゼ活性を発揮する(1つの分子から別の分子へのリン酸基転移触媒する;例えばポリリン酸キナーゼ)場合に「キナーゼとして働く」と見なされる。酵素または融合酵素は、融合酵素の酵素がポリメラーゼ活性を発揮する(ヌクレオチドアセンブリして核酸を生産する;例えばRNAポリメラーゼ)場合に「ポリメラーゼとして働く」と見なされる。

0008

いくつかの態様において、ステップ(a)のRNAはメッセンジャーRNA(mRNA)、トランスファーRNA(tRNA)、またはリボソームRNA(rRNA)である。

0009

いくつかの態様において、細胞ライセート混合物は、少なくとも1つのリボヌクレアーゼ、少なくとも1つの耐熱性キナーゼ、および/または少なくとも1つのRNAポリメラーゼ(例えば、耐熱性RNAポリメラーゼ)を含む。融合酵素の使用もまた本開示に包含される。例えば、細胞ライセート混合物はリボヌクレアーゼとキナーゼとの融合体または複数のキナーゼの融合体を含み得る。他の融合酵素は本開示に包含される。

0010

本開示の他の側面は、少なくとも1つのヌクレオシド一リン酸キナーゼ(例えば、耐熱性ヌクレオシド一リン酸キナーゼ)、少なくとも1つのヌクレオシド二リン酸キナーゼ(例えば、耐熱性ヌクレオシド二リン酸キナーゼ)、および少なくとも1つのポリリン酸キナーゼ(例えば、耐熱性ポリリン酸キナーゼ)を含む、改変細胞、細胞ライセート、および細胞ライセート混合物を提供する。いくつかの態様において、細胞は少なくとも1つのリボヌクレアーゼおよび/または少なくとも1つのRNAポリメラーゼ(例えば、耐熱性RNAポリメラーゼ)をもまた含み得る。

0011

いくつかの態様において、RNAを生産する(生合成する)方法は、(a)RNA(例えば、mRNA、tRNA、および/またはrRNA)、RNaseR、耐熱性キナーゼ(例えば、PfPyrH、TthAdk、TthCmk、PfGmk、AaNdk、TePpk、および/またはPPK2(例えば表6参照)、および耐熱性T7RNAポリメラーゼを含む培養細胞(例えば改変細胞)を溶解し、それによって細胞ライセートを生産すること、(b)ステップ(a)において生産された細胞ライセートを、RNAから5’−NMPへの解重合をもたらす条件下においてインキュベートし、それによって5’−NMPを含む細胞ライセートを生産すること、(c)ステップ(b)において生産された細胞ライセートを60〜80℃に加熱して、耐熱性キナーゼおよび耐熱性RNAポリメラーゼを完全に不活性化することなしに内在性のヌクレアーゼおよびホスファターゼを不活性化し、それによって熱不活性化されたヌクレアーゼおよびホスファターゼを含む細胞ライセートを生産することと、(d)ステップ(c)において生産された細胞ライセートを、エネルギー供給源(例えば、ポリリン酸を含むATP再生系)および改変核酸(例えばDNA)鋳型(例えば、関心のRNAをコードするヌクレオチド配列に作動可能に連結されたプロモーターを含有する)の存在下において、ヌクレオシド三リン酸の生産およびヌクレオシド三リン酸の重合をもたらす条件下においてインキュベートして、関心のRNAを生産することを含む。

0012

いくつかの態様において、RNA、RNaseR、耐熱性キナーゼ、および耐熱性T7RNAポリメラーゼは培養細胞(例えば改変細胞)の単一の株内に含有される。他の態様においては、上記活性/コンポーネントサブセットを含有する培養細胞(例えば改変細胞)が溶解され、ライセートが組み合わせられて、上記ステップ(a)に記載されている全ての酵素活性を含む細胞ライセート混合物を生成する。いくつかの態様において、酵素活性は、精製酵素の形態で、上記ステップ(a)に記載されているライセートに追加される。いくつかの態様において、ライセートおよび/または精製蛋白質は上記ステップ(c)に記載されている熱不活性化ステップ前に組み合わせられる。他の態様において、ライセートおよび/または精製蛋白質は上記ステップ(c)に記載されている熱不活性化ステップ後に組み合わせられる。

0013

関心のRNAはRNAのいずれかの形態であり得、一本鎖RNAおよび二本鎖RNAを包含する。例えば、関心のRNAはメッセンジャーRNA(mRNA)、アンチセンスRNAマイクロRNA、短鎖干渉RNA(siRNA)、またはショートヘアピンRNA(shRNA)であり得る。他のRNA干渉(RNAi)分子は本明細書に包含される。

0014

本発明のいくつかの態様の詳細は付随する図および発明を実施するための形態に提示されている。本発明の他の特徴、目的、および利点は明細書および請求項から明らかであろう。

図面の簡単な説明

0015

図1は、本明細書に記載される無細胞的RNA生産の概略図を示している。バイオマスからのRNA(例えば内在性RNA)、ヌクレアーゼ、耐熱性キナーゼ、および/または耐熱性RNAポリメラーゼを含有する細胞を溶解し(または組み合わせて溶解し)、もたらされた細胞ライセート(単数または複数)を、RNAの解重合をもたらす条件下においてインキュベートする。それから、細胞ライセートを加熱して、ヌクレアーゼおよびいずれかの内在性ホスファターゼを不活性化する(耐熱性キナーゼおよび耐熱性RNAポリメラーゼを不活性化することなしに)。それから、細胞ライセートを、関心のRNAをコードする改変DNA鋳型の存在下において、ヌクレオシド三リン酸の生産およびヌクレオシド三リン酸の重合をもたらす条件下でインキュベートし、それによって関心のRNA(例えば、ssRNAまたはdsRNA)を生産する。代替的には、個々の精製された経路酵素(例えば、耐熱性RNAポリメラーゼなどのRNAポリメラーゼ)を熱不活性化ステップ後の細胞ライセートに追加し得る。それゆえに、いくつかの場合には、細胞ライセートを生産するために用いられる改変細胞は、上に記載されている酵素活性の1つ以上、例えばヌクレアーゼ、耐熱性キナーゼ、および/または耐熱性RNAポリメラーゼを発現しない。

0016

図2Aは、エネルギー生成のためのポリリン酸依存性キナーゼ経路の概略図を示している。図2Bは、本開示の方法およびシステムへの使用のための追加の例示的なエネルギー変換経路の概略図を示している。UMPキナーゼ(例えばPyrococcus furiosusから得られる)およびポリリン酸キナーゼ(例えば、Thermosynechococcus elongatus、Caldilinea aerophila、Deinococcus geothermalis、Meiothermus ruber、Meiothermus silvanus、Deinococcus geothermalis、Anaerolinea thermophila、Chlorobaculum tepidum、Oceanithermus profundus、Roseiflexus castenholzii、Roseiflexus sp.、またはTruepera radiovctrixから得られる)がUMPをUDPに変換するために用いられ得、NDPキナーゼ(例えばAquifex aeolicus ndk遺伝子によってコードされる)およびポリリン酸キナーゼがUDPをUTPに変換するために用いられ得る。CMPキナーゼ(例えばThermus thermophilusから得られる)およびポリリン酸キナーゼがCMPをCDPに変換するために用いられ得、NDPキナーゼおよびポリリン酸キナーゼがCDPをCTPに変換するために用いられ得る。GMPキナーゼ(例えばThermotoga maritimaから得られる)およびポリリン酸キナーゼがGMPをGDPに変換するために用いられ得、NDPキナーゼおよびポリリン酸キナーゼがGDPをGTPに変換するために用いられ得る。AMPキナーゼ(例えばThermus thermophilusから得られる)およびポリリン酸キナーゼがAMPをADPに変換するために用いられ得、NDPキナーゼ(例えばAquifex aeolicus ndk遺伝子によってコードされる)およびポリリン酸キナーゼがADPをATPに変換するために用いられ得る。代替的には、クラスIII PPK2酵素(例えば表6参照)がAMPをATPに変換するために用いられ得る。

0017

図3Aは、二本鎖RNAの生合成のために用いられるDNA鋳型の例の概略図を示している。プラスミドの一部としてコードされたDNA鋳型は単一のコード領域を含有し、関心のコード領域に作動可能に連結されたプロモーターと1つ以上のターミネーターとを包含する。転写後に、RNAは分子内ヌクレオチド塩基対形成によってヘアピン構造へとフォールディングする。単独かまたはプラスミドの一部としてコードされたかどちらかのDNA鋳型は、ドメイン2によって離間された2つの相補的なドメイン(1および3)を含有する。図3Bは、二本鎖RNAの生合成のために用いられるDNA鋳型の別の例の概略図を示している。DNA鋳型はコンバージェントプロモーター配列相補鎖上に含有する。各鋳型鎖から転写されたRNA配列は、転写後にアニーリングする。図3Cは、二本鎖RNAの生合成のために用いられるDNA鋳型の別の例の概略図を示している。プラスミドの一部としてコードされたDNA鋳型は、相補鎖上の関心のコード領域に作動可能に連結されたコンバージェントなプロモーター配列と、リードスルー転写を防ぐための1つ以上のターミネーター配列とを含有する。図3Dは、二本鎖RNAの生合成のために用いられるDNA鋳型の別の例の概略図を示している。プラスミドの一部としてコードされたDNA鋳型は独立したカセットを含有し、そのそれぞれは関心のコード領域に作動可能に連結されたプロモーターと1つ以上のターミネーターとを包含し、相補的な配列の転写を駆動し、これらは転写後にアニーリングする。図3Eは、二本鎖RNAの生合成のために用いられるDNA鋳型の別の例の概略図を示している。DNA依存性RNAポリメラーゼを用いてssRNA鋳型を生産し、RNA依存性RNAポリメラーゼを用いて二本鎖RNAを生産する。

0018

図4は、本開示の無細胞的RNA生産方法の別の例の概略図を示している。プロセスは、改変細胞が生産される単一の発酵ベッセルから、標準的な発酵技術を用いて始まる。発酵により生成したバイオマスは例えば任意に精密濾過MF)によって濃縮された後、機械ホモジナイゼーションにより溶解される。それから、ライセートは第2の発酵ベッセルに圧送され、発現されたヌクレアーゼ酵素がRNAをそのモノマー成分に変換する。反応全体を加熱して、任意の内在性ホスファターゼまたはヌクレアーゼ(例えばRNase)活性、ならびにRNA産物安定性および/または忠実性にとって不利であろう任意の他の外来性の/導入された細胞(例えばヌクレアーゼ)活性を不活性化する。熱不活性化後に、ポリリン酸を一連の耐熱性キナーゼによるNMPからNTPへのリン酸化のための高エネルギーリン酸供給源として反応に供給し、続けてdsRNAへの重合が起こる。99重量%(例えば、50%、60%、70%、80%、90%、95%、98%、または99%)dsRNAほどまで純度を増大させるための下流処理が用いられ得る。例えば、純度を50〜60%、50〜70%、50〜80%、50〜90%、50〜95%、70〜80%、70〜90%、または70〜95%に増大させるための処理が用いられ得る。例示的な下流プロセスは、蛋白質沈殿剤(例えば酢酸アンモニウム)の追加によって始まり、ディスク型遠心DSC)またはタンジェンシャルフロー濾過(TFF)による製品流からの蛋白質、脂質、および何らかのDNAの除去に続く。それから、塩を除去し体積を低減させるために限外濾過を実行する。製品流への塩化リチウムの追加はdsRNA産物の沈殿をもたらし、その後ディスク型遠心を用いてバルク液体から分離され、80%純度のdsRNA製品流を得る。さらなるクロマトグラフィーポリッシングで99%純粋な産物を得る(Nilsen, TW. Cold Spring Harb Protoc. 2012 Dec 1;2012(12))。

0019

図5A〜5Bは、精製E. coli RNAの消化によるリボヌクレアーゼ活性の比較を示している。(図5A)ヌクレアーゼ処置による酸可溶性のヌクレオチド(モノヌクレオチドおよび短いオリゴヌクレオチド)の遊離ベンゾナーゼ、RNaseA、RNase R、およびヌクレアーゼP1で最も急速であった。(図5B反応産物のLC−MS分析は、RNase RおよびヌクレアーゼP1処置によるRNAからのNMP遊離を実証した。

0020

図6は、外来性RNaseRを用いたライセートRNAの解重合を示すグラフであり、5’−NMPを特異的に同定するために、産物はUPLCによって分析されている。RNase Rの非存在下では、ライセートは内在性のRNase活性を発揮し、これは5’−NMPのゆっくりした蓄積をもたらした(濃灰色の実線)。外来性RNase Rの追加は、2’または3’NMP蓄積の速度に影響することなしに(薄灰色の線)、急速な5’−NMP遊離(濃灰色の点線)をもたらした。それゆえに、RNase Rの過剰発現は多量体RNAから5’−NMPへの変換の速度を加速させ、抽出液中に存在するホスファターゼ/ヌクレアーゼ活性の有害な効果を低減させる。実験は50%ライセートの終濃度で実施した。

0021

図7A〜7Cは、バッチ段階で増殖した1Lバイオリアクター培養物中のRNaseR過剰発現の結果を示している。(図7A)二つの培養物における蛋白質発現のSDS−PAGE分析空ベクター培養物は空の蛋白質発現ベクターを含有した(pETDuet−1)。RNase R培養物はpETDuet−1にクローニングされたE. coli rnrを含有した。誘導した培養物からのサンプル(+)は、右の矢印によって示されるRNase R(MW 92.9kDa。C末端ヘキサヒスチジンタグを有する)の強い発現を示した。(図7B)空ベクター(濃灰色)およびRNase R発現株(薄灰色)の増殖キネティクス(誘導前および後の増殖を包含する)は、RNase R過剰発現が細胞増殖にとって有害ではないということを実証した。点線は指数曲線フィットを表す。(図7C)過剰発現されたRNase Rはバッチ増殖したバイオマスのライセート中において活性であり、酸可溶性のヌクレオチドを遊離させた。空ベクター株(濃灰色実線)では、外来性RNase Rを追加することはヌクレオチド遊離の速度を増大させた(濃灰色点線)。対照的に、RNase Rを発現する株は溶解によって急速なヌクレオチド遊離を示した(薄灰色実線)。外来性RNase Rを追加することはヌクレオチド遊離の速度または最終的なヌクレオチド収量を増大させなかった(薄灰色点線)。実験は50%ライセートの終濃度で実施した。

0022

図8は、Mg2+をキレートすることが高密度ライセート中の解重合速度に及ぼす効果を描写するグラフである。空ベクターを含有するバイオマスから調製されたライセート(濃灰色)はEDTA不感であった。過剰発現されたRNaseRを有するライセート(薄灰色)はMg2+除去に伴って急速なRNA解重合を示し、8mM EDTAが最大の解重合速度を提供した。実験は90%ライセートの終濃度で実施した。

0023

図9A〜9Dは、ライセート中における外来性の同位体標識された「重い」NMP(hNMP)の安定性を実証するグラフを示している:(図9A)hAMPはライセート中において比較的安定であり、37℃での1時間インキュベーション後に90%が残った。(図9B)hCMPはライセート中において分解され、およそ30分後に70%が残った。10mMオルトバナジン酸ナトリウム(点線)(いくつかのホスファターゼおよびキナーゼの阻害剤)の追加は安定性を有意に改善した。(図9C)hUMPはライセート中において分解され、およそ20分後に70%が残った。リン酸ナトリウム(150mM)(点線)およびオルトバナジン酸ナトリウム(点線)は安定性を有意に改善した。(図9D)hGMPはライセート中において分解され、およそ10分後に70%が残った。オルトバナジン酸ナトリウムは安定性を有意に改善し、70%hGMPが30分後に残った。

0024

図10は、ライセート中の外来性NTPの安定性に及ぼす熱不活性化の効果を実証するグラフである。ライセートを70℃でプレインキュベートした後に、温度を37℃に下げ、NTP(ATP、CTP、UTP、およびGTP)の等モル混合物を追加した。プレインキュベーション時間は右のレジェンド列記されている。コントロールライセート(熱不活性化に付されない)はNTPを急速に消費した(T=0min)。プレインキュベーション時間を増大させることはNTPを安定化し、70℃での15分はNTPase活性を消去した(T=15min)。

0025

図11A〜11Bは、ライセート中のNMPおよびdsRNAの安定性に及ぼす熱不活性化の効果を実証するグラフである。(図11A)熱不活性化はライセート中のNMPを安定化した。ライセートを37℃で外来性RNaseR(ライセート+RNase R)によって処置して(t=0min−5min)、NMPを遊離させ、それから70℃で熱不活性化した(t=5minから25min)。それから温度を37℃に下げ、反応物をさらに60minインキュベートした。NMPは熱不活性化後のライセート中において概ね安定であった。(図11B)熱不活性化はライセート中における転写反応の反応物および産物を安定化した。ライセートを示されている温度で15分間プレインキュベートし、それから温度を37℃に下げ、転写反応物を追加した。70℃および80℃での熱不活性化は、正のコントロール(ライセートなし)と同様の検出可能な転写産物を生産するのに十分に基質および産物を安定化したが、60℃ではしなかった。

0026

図12は、P. furiosusからのUMPキナーゼ(PfPyrH)の温度依存的な活性を実証するグラフであり、ATP消費についてルシフェラーゼアッセイによって定量した。精製PfPyrHの比活性インキュベーション温度に概ね不感であった。

0027

図13は、E. coliからのAdk(EcAdk)と比較したT. thermophilusからのAMPキナーゼ(TthAdk)の温度依存的な活性を実証するグラフであり、ルシフェラーゼによって測定した。精製EcAdkは60℃よりも下の温度で活性であった。TthAdkはより高い比活性を有し、70℃に最大を有した。

0028

図14は、T. thermophilusからのCMPキナーゼ(TthCmk)の温度依存的な活性を実証するグラフであり、ルシフェラーゼによって測定した。精製TthCmkは温度に比較的不感であり、37〜80℃で高い活性を有した。

0029

図15は、E. coli(EcGmk)、T. thermophilus(TthGmk)、およびT. maritima(TmGmk)からのGMPキナーゼの温度依存的な活性を実証するグラフであり、ルシフェラーゼによって測定した。精製EcGmk(濃灰色)はより低温でより活性であり、一方、TthGmk(薄灰色)およびTmGmk(中間の灰色)は70℃で最も活性であった。

0030

図16は、A. aeolicusからの精製NDPキナーゼ(AaNdk)の活性を実証するデータのグラフであり、ルシフェラーゼによって測定した。精製AaNdkはATPおよびGDPを基質として用いると37〜80℃で高度に活性であり、50℃で最適活性であった。

0031

図17は、E. coli(EcPpk)、Thermosynechococcus elongatus(TePpk)、およびThermus thermophilus(TthPpk)からの精製ポリリン酸キナーゼ1(PPK1)酵素の活性を実証するグラフであり、ルシフェラーゼによって測定した。EcPpkは温度≦60℃で最も活性であり、一方、TePpkは70℃で最適活性であった。TthPpkは比較的低い活性を示した。

0032

図18は、緩衝液中における市販のT7RNAポリメラーゼの活性を実証するグラフであり、37℃でそれらのそれぞれの製造者によって推奨される条件を用いた。ThermoT7およびMegaScriptポリメラーゼは、(例えば、図3Bの)二重鎖DNA鋳型による試験された条件下において、NEBポリメラーゼよりも高い比活性を示した。

0033

図19は、二重鎖DNA鋳型による標準化された反応条件下において、37℃および50℃での希釈ライセート中におけるT7RNAポリメラーゼ活性を比較するグラフである。37℃では、ThermoT7が最も高い比活性を示した。50℃ではThermoT7のみが検出可能な活性を有し、10g/L/hrを超えるdsRNAを生じさせた。

0034

図20は、緩衝液および高密度の熱不活性化されたライセート中のThermoT7活性の活性を実証するグラフである。ThermoT7活性は熱不活性化後の遠心によって清澄化されたライセートにおいて最も高かった。清澄化されていないマトリックス中のポリメラーゼ活性は緩衝液単独を超えたが、清澄化ステップを省くことは活性の60%減少をもたらした。

0035

図21は、上昇した温度に対するThermoT7の耐容性を実証するグラフである。ThermoT7を50℃でプレインキュベートすることは、37℃でアッセイしたその後のポリメラーゼ活性に効果を有さなかった。60℃および70℃でのプレインキュベーションは酵素機能の急速な不可逆阻害をもたらした。

0036

図22Aは、E. coli株GL16−170中のA. thermophila PPK2について発現および可溶性データを示すSDS−PAGEゲルの画像である。MW:未染色蛋白質標準ブロードレンジ(New England Biolabs Cat#P7704)。−:誘導前培養物。+:収穫時の誘導した培養物。L:清澄化されたライセート中の可溶性蛋白質。A. thermophila PPK2:33kDa。図22Bは、熱不活性化されたライセート中におけるA. thermophila PPK2のATP生産を示すグラフである。黒丸はADPからのATP生産を表す。白丸はAMPからのATP生産を表す。両方の基質について、A. thermophila PPK2は400mM/hrを超過する速度でATPを生産する。

0037

図23は、無細胞的dsRNA生産におけるエネルギー生成のための耐熱性クラスIII PPK2の適用を実証するアガロースゲルの画像である。左のレーンは正のコントロールを含有しており、NTPからのdsRNA合成を実証している。真ん中のレーンは正のコントロールを含有しており、外来性ATPをエネルギー供給源として用いて、ヌクレオチドキナーゼ発現ライセート中におけるNMPからのdsRNA合成を実証している。右のレーンは、ヌクレオチドキナーゼおよびC. aerophila Ppk発現ライセートを用いたNMPおよびHMPからのdsRNA合成を実証する反応を含有する。各ケースにおいて、無細胞的RNA合成反応はMn2+非依存的である。ポリメラーゼなしの反応が負のコントロールとして包含されており、各ライセート含有反応のバックグラウンド核酸含量を例解している。

0038

図24は、無細胞的dsRNA生産におけるエネルギー生成のための耐熱性クラスIII PPK2の適用を実証するアガロースゲルの画像である。左のレーンは正のコントロールを含有しており、NTPからのdsRNA合成を実証している。真ん中のレーンは正のコントロールを含有しており、外来性ATPをエネルギー供給源として用いて、ヌクレオチドキナーゼ発現ライセート中におけるNMPからのdsRNA合成を実証している。右のレーンは、ヌクレオチドキナーゼおよびC. aerophila Ppk発現ライセートを用いたNMPおよびHMPからのdsRNA合成を実証する反応を含有している。C. aerophila PPK2では、dsRNA合成はAMPキナーゼおよび外来性ADPの非存在下において進む。

0039

本明細書は、いくつかの側面において、核酸(例えば、RNAまたはDNA)の無細胞的生産(生合成)のための方法、組成物、細胞、構築物、およびシステムが提供される。いくつかの態様においては、生物の単一の型(例えば、細菌細胞集団)が、少なくとも1つのヌクレアーゼ、少なくとも1つの耐熱性キナーゼ、および少なくとも1つの耐熱性ポリメラーゼ(例えば、RNAまたはDNAポリメラーゼ)を発現するように改変され得る。改変細胞は酵素発現をもたらす条件下において増殖させられる(培養される)。いくつかの態様において、改変細胞は所望の細胞密度まで増殖させられ得、それから、ある種の酵素の発現が誘導(活性化)され得る。それゆえに、ある種の酵素の転写は誘導型プロモーターのコントロール下にあり得る。それから、細胞(例えば、改変および/または未改変細胞)は溶解(例えば、機械的に、化学的に、または酵素的に破壊)されて、RNA(例えば、ssRNAまたはdsRNA)の無細胞的生産のために要求される酵素活性を含む細胞ライセートを生産する。いくつかの態様においては、多量体RNA(例えば、mRNA、tRNA、および/またはrRNA)を含有する細胞が、細胞溶解ステップに先立って、経路酵素を含有する改変細胞と混合される。他の態様においては、多量体RNAを含有する細胞から得られた細胞ライセート(単数または複数)が、経路酵素を含有する改変細胞から得られた細胞ライセート(単数または複数)と組み合わせられる(混合される)。まだ他の態様においては、1つ以上の精製された経路酵素が、改変細胞から得られた細胞ライセート(単数または複数)と組み合わせられる(混合される)。「経路酵素」は、関心のRNAを(例えば、多量体RNAから出発して)生合成するために要求される酵素である。

0040

RNAを合成するためには、細胞ライセート(または細胞ライセート混合物)は、ホスト由来の(内在性の)RNAの、所望の収量の5’−ヌクレオシド一リン酸(NMPまたはヌクレオシド一リン酸)への、ヌクレアーゼ媒介性(例えば、RNase媒介性)解重合をもたらす条件下でインキュベートされる。いくつかの態様において、細胞ライセート(または細胞ライセート混合物)はそれから加熱されて、ホスファターゼおよびヌクレアーゼ(例えばRNase)を包含するホスト由来の酵素と、ホスト由来のRNAの解重合を促すために細胞ライセートに先に追加されたいずれかの外来性ヌクレアーゼ(単数または複数)との大部分を不活性化する。熱不活性化ステップ後に、細胞ライセートは、例えば耐熱性ポリリン酸キナーゼとエネルギー供給源としてのポリリン酸の追加とを用いて、耐熱性キナーゼ(例えば、耐熱性ヌクレオシド一リン酸キナーゼおよびヌクレオシド二リン酸キナーゼ)によるNMPからNTP(ヌクレオシド三リン酸)へのリン酸化をもたらす条件下でインキュベートされる。その後、もたらされたNTPは、ライセート中に存在する(例えば、改変細胞によって発現され、細胞ライセートの細胞内コンポーネントとして包含されるか、または後で細胞ライセートに追加されるかどちらかの)改変鋳型(例えばDNA鋳型)を用いて、RNAポリメラーゼ(例えば耐熱性RNAポリメラーゼ)によってRNAへと重合される。
無細胞的生産

0041

「無細胞的生産」は、生細胞を用いることのない生体分子または化学物質の合成のための生物学的プロセスの使用である。細胞は溶解され、両方が酵素を含有する未精製(クルード)部分または部分精製部分が、所望の産物の生産のために用いられる。いくつかの態様においては、精製された酵素が細胞ライセートに追加され得る。例として、細胞は培養され、収穫され、および高圧ホモジナイゼーションまたは他の細胞溶解方法(例えば化学的な細胞溶解)によって溶解される。無細胞的反応はバッチまたはフェドバッチモードで行われ得る。いくつかの場合には、酵素経路は反応器の有効体積を満たし、細胞内環境よりも希釈され得る。それでもやはり、膜結合している触媒を含む細胞内触媒の実質的に全てが提供される。内膜は細胞溶解の間に断片化され、それらの膜の断片は膜小胞を形成し得る。例えば、参照によって本明細書に組み込まれるSwartz,AIChE Journal, 2012, 58(1), 5-13参照。

0042

本開示の無細胞的方法、組成物、およびシステムは、本明細書においてより詳細に論じられる細胞ライセート(例えば、クルードなまたは部分精製された細胞ライセート)を利用する。例えば機械的手段(例えば、剪断または粉砕)によって調製された細胞ライセートは、化学的に透過処理された細胞とは別物である。上で論じられているように、いくつかの態様においては、細胞溶解(例えば、機械的な細胞溶解)の間に、細胞内膜は断片化され、その結果、細胞ライセート中に反転膜小胞が形成される。かかる反転膜小胞は化学的な細胞透過処理方法によっては生産されない。溶解される細胞(例えば、少なくとも75%、80%、85%、90%、または95%)はもはや原形ではない。それゆえに、パーフォレーション(小さい穴)を含有する原形の細胞である透過処理された細胞は、溶解された細胞とは見なされない。

0043

本明細書において提供される方法は一般的に無細胞的であり、細胞ライセートを用いるが、いくつかの態様において、少なくとも本方法のいくつかのステップについては透過処理された細胞を用いることが有利であり得る。それゆえに、本開示は、本RNA生産方法の少なくとも1つのステップへの透過処理された細胞の使用を除外しない。

0044

本明細書に記載される態様の多くは特定の酵素を含む「培養細胞を溶解すること」に言及するが、この語句は、単一の培養物(例えば、RNAを合成するために必要とされる全ての酵素を含有する)から得られた細胞のクローン集団を溶解すること、ならびにそれぞれ異なる細胞培養物(例えば、それぞれが、RNAおよび/または多量体RNA基質を合成するために必要とされる1つ以上の酵素を含有する)から得られた、1よりも多くの細胞のクローン集団を溶解することとを包含することが意図されているということが理解されるべきである。例えば、いくつかの態様においては、1つの耐熱性キナーゼを発現する細胞(例えば、改変細胞)の集団が一緒に培養され、1つの細胞ライセートを生産するために用いられ得、異なる耐熱性キナーゼを発現する細胞(例えば、改変細胞)の別の集団が一緒に培養され、別の細胞ライセートを生産するために用いられ得る。それから、それぞれ異なる耐熱性キナーゼを含むこれらの2つの細胞ライセートは、本開示のRNA生合成方法への使用のために組み合わせられ得る。
リボ核酸からヌクレオシド一リン酸への解重合

0045

本開示は、一連の酵素反応が関わる無細胞的プロセスによる、細胞ライセートを用いるバイオマスからのRNA(例えば、細胞の内在性RNA)から所望の合成RNAへの変換に基づく。第1に、ホスト細胞に由来する細胞ライセート中に存在するRNA(例えば内在性RNA)がヌクレアーゼによってその成分モノマーに変換される。バイオマスからのRNA(例えば内在性RNA)は、典型的にはリボソームRNA(rRNA)、メッセンジャーRNA(mRNA)、トランスファーRNA(tRNA)、他のRNA、またはその組み合わせを包含する。RNAの解重合または分解は、単純に「モノマー」ともまた言われる5’−ヌクレオシド一リン酸(5’−NMP)のプールをもたらす。それらのモノマーは関心のRNAの下流の重合/合成のための出発材料として用いられ、それらはヌクレオシド二リン酸に変換され、これらはヌクレオシド三リン酸に変換される。いくつかの態様において、関心のRNAはssRNA(例えばmRNA)である。いくつかの態様において、関心のRNAはdsRNAである。

0046

関心のRNAを合成するために要求されるRNA(例えば内在性RNA)の量は変わり得、例えば、関心のRNAの所望の長さおよび収量と、細胞(例えばE. coli細胞)のRNA(例えば内在性RNA)のヌクレオチド組成に対して相対的なRNAのヌクレオチド組成とに依存する。典型的には、細菌細胞では、例えばRNA(例えば内在性RNA)含量はトータル細胞質量の5〜50%の範囲である。出発材料の質量は例えば次の等式を用いて計算され得る:(RNAのキログラム(kg)/乾燥細胞重量のキログラム)×100%。

0047

内在性RNAは化学的または酵素的手段によってその成分モノマーへと解重合または分解され得る。しかしながら、RNAの化学的加水分解は典型的には2’−および3’−NMPを生産し、これらはRNAへと重合され得ない。それゆえに、本明細書において提供される方法、組成物、およびシステムは、主として内在性RNAの解重合のために酵素を用いる。「RNAを解重合する酵素」は、RNA中の2つのヌクレオチド間のホスホジエステル結合の加水分解を触媒する。それゆえに、「RNAを解重合する酵素」は、RNA(多量体RNA)をそのモノマー状形態のヌクレオシド一リン酸(NMP)に変換する。酵素に依存して、RNAの酵素的解重合は3’−NMP、5’−NMP、または3’−NMPおよび5’−NMPの組み合わせを生み得る。3’−NTP(3’−NMPから変換される3’−NDPから変換される)を重合することは可能ではないので、5’−NMP(これらは、それから5’−NDPに、それから5’−NTPに変換される)を生む酵素(例えばRNaseR)が好ましい。いくつかの態様において、3’−NMPを生む酵素は、RNA生産の効率を増大させるために改変細胞のゲノムDNAから除去される。いくつかの態様において、RNA解重合に用いられる酵素はRNase Rである。いくつかの態様において、用いられるRNase Rの濃度は0.1〜1.0mg/mL(例えば、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、または1.0mg/mL)である。いくつかの態様において、用いられるRNase Rの濃度は0.4〜0.6mg/mLである。いくつかの態様において、用いられるRNase Rの濃度は0.5mg/mLである。いくつかの態様において、用いられるRNase Rの濃度は1.0mg/mLを超える。

0048

RNAを解重合する酵素の例は、限定なしに、リボヌクレアーゼ(RNase、例えばRNase R)を包含するヌクレアーゼ、およびホスホジエステラーゼを包含する。ヌクレアーゼは核酸からより小さいコンポーネント(例えば、ヌクレオシド一リン酸ともまた言われるモノマー、またはオリゴヌクレオチド)への分解を触媒する。ホスホジエステラーゼはホスホジエステル結合の分解を触媒する。RNAを解重合するこれらの酵素は全長遺伝子または遺伝子融合体(例えば、2つの異なる酵素活性をコードする少なくとも2つの異なる遺伝子(または遺伝子の断片)を包含するDNA)によってコードされ得る。

0049

RNaseは細胞内においてRNA成熟およびターンオーバーを制御するために機能する。各RNaseは特異的な基質選好性を有する−dsRNAまたはssRNA。それゆえに、いくつかの態様においては、一般的に、異なるRNaseの組み合わせまたは異なるヌクレアーゼの組み合わせがバイオマス由来の多量体RNA(例えば内在性RNA)を解重合するために用いられ得る。例えば、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、または1〜10個の異なるヌクレアーゼがRNAを解重合するために組み合わせで用いられ得る。いくつかの態様においては、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、または少なくとも10個の異なるヌクレアーゼがRNAを解重合するために組み合わせで用いられ得る。本明細書において提供される使用のためのヌクレアーゼの限定しない例が表1に包含されている。いくつかの態様において、用いられるヌクレアーゼはRNase Rである。

0050

RNAを解重合する酵素(例えばRNase)はホスト細胞にとって内在性(ホスト由来)であり得、またはそれらはホスト細胞内に外来的に導入された(例えば、エピソームベクター上の、またはホスト細胞のゲノム中にインテグレーションされた)改変核酸によってコードされ得る。

0051

いくつかの態様において、RNAを解重合する酵素をコードする改変核酸は誘導型プロモーターに作動可能に連結される。それゆえに、いくつかの態様において、RNAを解重合する酵素をコードする改変核酸の発現は時間的または空間的に制御される。例えば、核酸はホスト細胞のペリプラズム転置または隔離される酵素(例えばRNase)をコードするように改変され得、その結果、酵素の活性が細胞増殖または他の代謝プロセスに干渉しない。細胞溶解によって、転置された酵素はペリプラズムから遊離し、内在性RNAとの接触をし、RNAをモノマー形態に解重合する。例えば、参照によって本明細書に組み込まれる2011年11月10日公開の国際公開No.WO2011/140516参照。

0052

「RNAの解重合をもたらす条件」は当分野において公知である。または、当業者によって決定され得、例えば、pH、温度、時間の長さ、および細胞ライセートの塩濃度、ならびにいずれかの外来性補因子を包含するヌクレアーゼ(例えばRNase)活性の最適条件を考慮に入れる。例は、先に記載されているものを包含する(例えばWong, C.H. et al. J. Am. Chem. Soc., 105: 115-117, 1983)、EP1587947B1、Cheng ZF, Deutscher MP. J Biol Chem. 277:21624-21629, 2002参照)。

0053

いくつかの態様においては、金属イオン(例えばMg2+)が解重合反応から枯渇させられる。いくつかの態様において、金属イオン(例えばMg2+)の濃度は8mM以下(例えば、8mM未満、7mM未満、6mM未満、5mM未満、4mM未満、3mM未満、2mM未満、1mM未満、0.5mM未満)である。いくつかの態様において、金属イオン(例えばMg2+)の濃度は0.1mM−8mM、0.1mM−7mM、または0.1mM−5mMである。

0054

RNA解重合反応の間の細胞ライセートのpHは3.0から8.0の値を有し得る。いくつかの態様において、細胞ライセートのpH値は3.0〜8.0、4.0〜8.0、5.0〜8.0、6.0〜8.0、7.0〜8.0、3.0〜7.0、4.0〜7.0、5.0〜7.0、6.0〜7.0、3.0〜6.0、4.0〜6.0、5.0〜6.0、3.0〜5.0、3.0〜4.0、または4.0〜5.0である。いくつかの態様において、細胞ライセートのpH値は3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、または8.0である。いくつかの態様において、細胞ライセートのpH値は7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、または7.5である。細胞ライセートのpH値は必要とされるように調整され得る。

0055

RNA解重合反応の間の細胞ライセートの温度は15℃から70℃であり得る。いくつかの態様において、RNA解重合反応の間の細胞ライセートの温度は15〜60℃、15〜50℃、15〜40℃、15〜30℃、25〜70℃、25〜60℃、25〜50℃、25〜40℃、30〜70℃、30〜60℃、または30〜50℃である。いくつかの態様において、RNA解重合反応の間の細胞ライセートの温度は37℃である。いくつかの態様において、RNA解重合反応の間の細胞ライセートの温度は15℃、25℃、32℃、37℃、40℃、42℃、45℃、50℃、55℃、56℃、57℃、58℃、59℃、60℃、61℃、62℃、63℃、64℃、65℃、66℃、67℃、68℃、69℃、または70℃である。

0056

RNA解重合反応の間の細胞ライセートは5分(min)から72時間(hr)インキュベートされ得る。いくつかの態様において、RNA解重合反応の間の細胞ライセートは5〜10min、5〜15min、5〜20min、5〜30min、または5min−48hrインキュベートされる。例えば、RNA解重合反応の間の細胞ライセートは5min、10min、15min、20min、25min、30min、45min、1hr、2hr、3hr、4hr、5hr、6hr、7hr、8hr、9hr、10hr、11hr、12hr、18hr、24hr、30hr、36hr、42時間、または48時間インキュベートされ得る。いくつかの態様において、RNA解重合反応の間の細胞ライセートは37℃の温度で24時間インキュベートされる。いくつかの態様において、RNA解重合反応の間の細胞ライセートは37℃の温度で5〜10minインキュベートされる。いくつかの態様において、RNA解重合反応の間の細胞ライセートは7.0のpHを有し、37℃の温度で15分間インキュベートされる。いくつかの態様において、RNA解重合反応の間の細胞ライセートは、RNAから5’−NMPへの65%超の変換をもたらす条件下においてインキュベートされ得る。いくつかの態様において、RNAは(または少なくとも)50mM/hr、100mM/hr、または200mM/hrの速度で5’−NMPに変換される。

0057

いくつかの態様においては、例えば酵素凝集を防ぐために、塩が細胞ライセートに追加される。例えば、塩化ナトリウム塩化カリウム酢酸ナトリウム酢酸カリウム、またはその組み合わせが細胞ライセートに追加され得る。RNA解重合反応の間の細胞ライセート中の塩の濃度は5mMから1Mであり得る。いくつかの態様において、RNA解重合反応の間の細胞ライセート中の塩の濃度は5mM、10mM、15mM、20mM、25mM、50mM、100mM、150mM、200mM、250mM、500mM、750mM、または1Mである。いくつかの態様において、細胞ライセートは、40〜60mMリン酸カリウム、1〜5mM MnCl2、および/または10〜50mM MgCl2(例えば、20mM MgCl2)を包含する混合物を含む。

0058

いくつかの態様においては、例えば特定のpH値および/または塩濃度を達成するために、緩衝液が細胞ライセートに追加される。緩衝液の例は、限定なしに、リン酸緩衝液、Tris緩衝液、MOPS緩衝液、HEPES緩衝液クエン酸緩衝液酢酸緩衝液リンゴ酸緩衝液、MES緩衝液、ヒスチジン緩衝液PIPES緩衝液、bis−tris緩衝液、およびエタノールアミン緩衝液を包含する。

0059

RNAの解重合は、5’−AMP、5’−UMP、5’−CMP、および5’−GMPを包含する5’−NMPの生産をもたらす。NMPは細胞ライセート中において比較的等モル量で存在し得、一方、RNAの解重合はNMPのいずれかの所定の比をもたらさない。

0060

いくつかの態様においては、溶解によって、細胞内の内在性RNAの50〜98%が5’−NMPに変換される(解重合される)。例えば、50〜95%、50〜90%、50〜85%、50〜80%、75〜98%、75〜95%、75〜90%、75〜85%、または75〜80%RNAが5’−NMPに変換される(解重合される)。いくつかの態様においては、溶解によって、細胞内の内在性RNAの65〜70%が5’−NMPに変換される(解重合される)。より低い収量もまた許容可能である。
無益回路の消去

0061

内在性および/または外来性ヌクレアーゼによるバイオマス(例えば内在性RNA)からそのモノマー成分へのRNAの変換後に、典型的には、細胞ライセート中にはヌクレアーゼおよびホスファターゼを包含するいくつかの酵素が残っており、それらはRNA生合成に有害な効果を有し得る。例えば、Escherichia coliは数々のホスファターゼを有し、それらの多くはNTP、NDP、およびNMPを脱リン酸化する。RNA解重合後のNMPの脱リン酸化は、リン酸化されていないヌクレオシドの蓄積と使用可能なNMP基質の喪失とをもたらし、それゆえに合成RNA収量を低減する。RNA解重合後のNMP、NDP、またはNTPの脱リン酸化は無益エネルギー回路(合成RNAの低い収量を生じさせるエネルギー回路)をもたらし、その間にNMPはNDPおよびNTPへとリン酸化され、これらは翻ってそれらのNMPまたはヌクレオシド出発点へと再び脱リン酸化される。無益回路は単位エネルギー入力(例えば、ポリリン酸、ATP、または他の高エネルギーリン酸供給源)あたりのRNA産物の収量を低減する。いくつかの態様において、酵素活性はホストゲノムからの除去によって消去される。いくつかの態様において、酵素活性は熱不活性化によって消去される。いくつかの態様において、酵素活性はプロテアーゼ標的化によって消去される。いくつかの態様において、酵素活性は化学的阻害剤の使用によって消去される。前述のアプローチのいずれかの組み合わせもまた用いられ得る。

0062

本明細書において提供されるRNAの生合成にとって有害な酵素は、ホスト細胞を改変するプロセスの間にホスト細胞ゲノムから欠失させられ得る。ただし、酵素はホスト細胞(例えば、細菌細胞)生存および/または増殖にとって必須ではないものとする。酵素または酵素活性の欠失は、例えばホスト細胞ゲノム中の必須酵素をコードする遺伝子を欠失させるかまたは修飾することによって達成され得る。酵素は、酵素がホスト細胞の生存にとって必要である場合には「ホスト細胞生存にとって必須」である。すなわち、ホスト細胞が特定の酵素の発現および/または活性なしには生存し得ない場合には、その酵素はホスト細胞生存にとって必須と見なされる。類似に、酵素は、酵素がホスト細胞の増殖に必要である場合には「ホスト細胞増殖にとって必須」である。すなわち、ホスト細胞が特定の酵素の発現および/または活性なしには分裂および/または増殖し得ない場合には、その酵素はホスト細胞増殖にとって必須と見なされる。

0063

RNAの生合成にとって有害な酵素がホスト細胞生存および/または増殖にとって必須である場合には、酵素をコードする遺伝子を欠失させるかまたは修飾することが可能ではなくあり得る。かかる場合に、酵素は熱不活性化され得る。「熱不活性化」は、細胞ライセートを、内在性のヌクレアーゼおよびホスファターゼを不活性化する(または少なくとも部分的に不活性化する)ために十分な温度に加熱するプロセスを言う。一般的に、熱不活性化のプロセスには有害な酵素の変性アンフォールディング)が関わる。細胞の内在性蛋白質が変性する温度は生物間で変わる。E. coliにおいては、例えば、細胞の内在性酵素は一般的に41℃よりも上の温度で変性する。変性温度は他の生物では41℃よりも高くまたは低くあり得る。ここで提供される細胞ライセートの酵素は40℃〜95℃の、またはより高い温度で熱不活性化され得る。いくつかの態様において、細胞ライセートの酵素は40〜90℃、40〜80℃、40〜70℃、40〜60℃、40〜50℃、50〜80℃、50〜70℃、50〜60℃、60〜80℃、60〜70℃、または70〜80℃の温度で熱不活性化され得る。例えば、細胞ライセートの酵素は40℃、42℃、45℃、50℃、55℃、60℃、65℃、70℃、75℃、80℃、85℃、90℃、または95℃の温度で熱不活性化され得る。いくつかの態様において、細胞ライセートの酵素は50〜80℃の温度で熱不活性化され得る。いくつかの態様において、細胞ライセートの酵素は70℃の温度で熱不活性化され得る。いくつかの態様において、細胞ライセートの酵素は60℃の温度で熱不活性化され得る。有害な酵素の化学的阻害剤を導入することもまた可能であり得る。かかる阻害剤はオルトバナジン酸ナトリウム(蛋白質ホスホチロシンホスファターゼの阻害剤)、フッ化ナトリウムホスホセリンおよびホスホトレオニンホスファターゼの阻害剤)、ピロリン酸ナトリウムホスファターゼ阻害剤)、リン酸ナトリウム、および/またはリン酸カリウムを包含し得るが、これに限定されない。

0064

細胞ライセートが内在性酵素の熱不活性化を達成するために上昇した温度でインキュベートされる時期は、例えば細胞ライセートの体積および細胞ライセートが調製された生物に依存して変わり得る。いくつかの態様において、細胞ライセートは35℃〜80℃の温度で2分間(min)から48時間(hr)インキュベートされる。例えば、細胞ライセートは35℃〜80℃の温度で2min、4min、5min、10min、15min、30min、45min、または1hrインキュベートされ得る。いくつかの態様において、細胞ライセートは35℃〜80℃の温度で2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、24、36、42、または48hrインキュベートされる。

0065

いくつかの態様において、酵素は60〜80℃の温度で10〜20min熱不活性化される。いくつかの態様において、酵素は70℃の温度で15min熱不活性化される。

0066

いくつかの態様において、内在性RNAを解重合する酵素は、酵素を熱に対してより感受性にする1つ以上の修飾(例えば変異)を含む。それらの酵素は「熱感受性酵素」と言われる。熱感受性酵素はそれらの野生型カウンターパートのものよりも低い温度で変性し不活性化されるようになり、および/または熱感受性酵素の活性を低減するために要求される時期はそれらの野生型カウンターパートのものよりも短い。

0067

熱不活性化される酵素はいくつかの場合には何らかの程度の活性を保持し得るということが理解されるべきである。例えば、熱不活性化された酵素の活性レベルは熱不活性化されていない同じ酵素の活性レベルの50%未満であり得る。いくつかの態様において、熱不活性化された酵素の活性レベルは熱不活性化されていない同じ酵素の活性レベルの40%未満、30%未満、20%未満、10%未満、5%未満、1%未満、または0.1%未満である。

0068

それゆえに、酵素の活性は完全に消去または低減され得る。酵素は、酵素の変性した(熱不活性化された)形態がその自然状態の形態の酵素によって触媒される反応をもはや触媒しない場合に、完全に不活性と見なされる。熱不活性化された変性した酵素は、熱不活性化された酵素の活性が(例えば、その自然状態の環境において)加熱されない酵素の活性に対して相対的に少なくとも50%低減されるときに、「不活性化された」と見なされる。いくつかの態様において、熱不活性化された酵素の活性は、加熱されない酵素の活性に対して相対的に50〜100%低減される。例えば、熱不活性化された酵素の活性は、加熱されない酵素の活性に対して相対的に50〜90%、50〜85%、50〜80%、50〜75%、50〜70%、50〜65%、50〜60%、または50〜55%低減される。いくつかの態様において、熱不活性化された酵素の活性は、加熱されない酵素の活性に対して相対的に25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%、または100%低減される。

0069

熱不活性化されるかまたはホスト細胞のゲノムから欠失させられ得る酵素の例は、限定なしに、ヌクレアーゼ(例えば、RNaseIII、RNase I、RNase R、PNPase、RNase II、およびRNase T)、ホスファターゼ(例えば、ヌクレオシドモノホスファターゼ、ヌクレオシドジホスファターゼ、ヌクレオシドトリホスファターゼ)、ならびにRNAを解重合またはヌクレオチドを脱リン酸化する他の酵素を包含する。RNAを解重合する酵素は、RNA分子を切断、部分的に加水分解、または完全に加水分解することができるいずれかの酵素を包含する。表2は、熱不活性化されるかまたはいくつかの場合には改変ホスト細胞から欠失させられ得る、ヌクレアーゼの限定しない例のリストを提供している。表3は、熱不活性化されるかまたはいくつかの場合には改変ホスト細胞から欠失させられ得る、ホスファターゼの限定しない例のリストを提供している。これらおよび他のヌクレアーゼおよびホスファターゼの熱不活性化は本開示によって包含される。

0070

E. coliRNaseIIIはdsRNAおよびいくつかの一本鎖mRNA分子を選好的に切断する。細胞ライセート中のRNase IIIの存在は、高濃度の合成RNA(例えばdsRNA)の蓄積を限定し得る。なぜなら合成RNAが難なく切断されるからである。RNase IIIもRNase IIIをコードする遺伝子rncも細胞生存能にとって必須ではない。それゆえに、いくつかの態様においては、rncが改変ホスト細胞において欠失または変異させられる。他の態様においては、RNase IIIが内在性RNAの解重合後に熱不活性化される。

0071

E. coliRNaseIは、原形の細胞内のペリプラズム空間に局在し、rRNA、mRNA、およびtRNAを包含する広範囲のRNA分子の解重合を触媒する。生理条件下においては、この酵素のペリプラズム局在は、酵素が細胞内のRNA安定性にはほとんど影響を有さないということを意味する;しかしながら、細胞ライセート中のペリプラズムおよび細胞質の混合は、細胞内RNAへのRNase Iのアクセス許可する。細胞ライセート中のRNase Iの存在はRNA分解によって合成RNAの収量を低減し得る。RNase IもRNase Iをコードする遺伝子rnaも細胞生存能にとって必須ではない。それゆえに、いくつかの態様においては、rnaが改変ホスト細胞において欠失または変異させられる。他の態様においては、RNase Iが内在性RNAの解重合後に熱不活性化される。

0072

E. coliRNaseRおよびRNase TはdsRNA、rRNA、tRNA、およびmRNA、ならびに小さい無構造RNA分子の解重合を触媒する。酵素もそれぞれ酵素をコードする遺伝子rnrおよびrntも細胞生存能にとって必須ではない。それゆえに、いくつかの態様においては、rnrおよび/またはrntが改変ホスト細胞(例えばE. coliホスト細胞)において欠失または変異させられる。他の態様においては、RNase Rおよび/またはRNase Tが内在性RNAの解重合後に熱不活性化される。

0073

E. coliRNaseEおよびPNPaseはデグラドソームのコンポーネントであり、これは細胞内のmRNAターンオーバーを担う。RNase Eは、PNPaseおよびRNase IIと一緒に機能して細胞内mRNAプールをターンオーバーさせると考えられている。RNase Eをコードする遺伝子rneの破壊はE. coliにおいては致死的である。それゆえに、いくつかの態様においては、RNase Eが内在性RNAの解重合後に熱不活性化される。PNPaseもPNPaseをコードする遺伝子pnpも細胞生存能にとって必須ではない。それゆえに、いくつかの態様においては、pnpが改変ホスト細胞(例えばE. coliホスト細胞)において欠失または変異させられる。他の態様においては、PNPaseが内在性RNAの解重合後に熱不活性化される。

0074

E. coliRNaseIIはmRNAおよびtRNA両方を3’−>5’方向に解重合する。RNase IIもRNase IIをコードする遺伝子rnbも細胞生存能にとって必須ではない。それゆえに、いくつかの態様においては、rnbが改変ホスト細胞において欠失または変異させられる。他の態様においては、RNase IIが内在性RNAの解重合後に熱不活性化される。

0075

pnpもrnbもホスト細胞生存にとって必須ではなく、一方で、同時に両方の破壊は致死的であり得る。それゆえに、いくつかの態様においては、PNPaseおよびRNaseII両方が熱不活性化される。
ヌクレオシド一リン酸からヌクレオシド三リン酸へのリン酸化

0076

内在性RNAからそのモノマー状形態への変換後に、および内在性ヌクレアーゼおよびホスファターゼの熱不活性化後に、細胞ライセート中のもたらされたヌクレオシド一リン酸(NMP)はリン酸化された後に、重合させられて、所望の合成RNA、例えば二本鎖RNAまたは一本鎖RNA(例えば、mRNAまたはアンチセンスRNA)を形成する。このプロセスは高度にエネルギー依存的であり、それゆえにこのプロセスはエネルギー供給源を要求する。典型的には、リン酸は、例えばホスホエノールピルビン酸、ATP、またはポリリン酸などの高エネルギーリン酸供給源から供与される。

0077

いくつかの態様において、エネルギー供給源は細胞ライセートに直接的に追加されるATPである。他の態様において、エネルギー供給源はATP再生系を用いて提供される。例えば、ポリリン酸およびポリリン酸キナーゼがATPを生産するために用いられ得る。他の例は、ATPを生産するためのアセチルリン酸および酢酸キナーゼ;ATPを生産するためのクレアチンリン酸およびクレアチンキナーゼ;ならびにATPを生産するためのホスホエノールピルビン酸およびピルビン酸キナーゼの使用を包含した。他のATP(または他のエネルギー)再生系が用いられ得る。いくつかの態様においては、エネルギー供給源の少なくとも1つのコンポーネントが細胞ライセートまたは細胞ライセート混合物に追加される。エネルギー供給源の「コンポーネント」は、エネルギー(例えばATP)を生産するために要求される基質(単数または複数)および酵素(単数または複数)を包含する。それらのコンポーネントの限定しない例は、ポリリン酸、ポリリン酸キナーゼ、アセチルリン酸、酢酸キナーゼ、クレアチンリン酸、クレアチンキナーゼ、ホスホエノールピルビン酸、およびピルビン酸キナーゼを包含する。

0078

キナーゼは、ATPなどの高エネルギーリン酸供与分子から特異的な基質/分子へのリン酸基の転移を触媒する酵素である。このプロセスはリン酸化と言われ、そこでは基質はリン酸基を獲得し、高エネルギーATP分子はリン酸基を供与する。このエステル交換はリン酸化された基質とADPとを生産する。いくつかの態様において、本開示のキナーゼは、NMPをNDPに、NDPをNTPに変換する。

0079

いくつかの態様において、キナーゼはヌクレオシド一リン酸キナーゼであり、これがATPからNMPへの高エネルギーリン酸の転移を触媒し、ADPおよびNDPをもたらす。ヌクレオシド一リン酸キナーゼの限定しない例が表4および5に提供されている。下で論じられているように、表4および5に列記されている酵素の耐熱性バリアントは本開示に包含される。いくつかの態様において、細胞ライセートは次の4つのヌクレオシド一リン酸キナーゼの1つ以上(または全て)を含む:耐熱性ウリジル酸キナーゼ、耐熱性シチジル酸キナーゼ、耐熱性グアニル酸キナーゼ、および耐熱性アデニル酸キナーゼ。いくつかの態様において、UMPキナーゼはPyrococcus furiosusから得られる(例えば、配列番号3、または配列番号3によって同定されるアミノ酸配列と少なくとも70%同一であるアミノ酸配列を含むバリアント)。いくつかの態様において、CMPキナーゼはThermus thermophilusから得られる(例えば、配列番号4、または配列番号4によって同定されるアミノ酸配列と少なくとも70%同一であるアミノ酸配列を含むバリアント)。いくつかの態様において、GMPキナーゼはThermotoga maritimaから得られる(例えば、配列番号5、または配列番号5によって同定されるアミノ酸配列と少なくとも70%同一であるアミノ酸配列を含むバリアント)。いくつかの態様において、AMPキナーゼはThermus thermophilusから得られる(例えば、配列番号6、または配列番号6によって同定されるアミノ酸配列と少なくとも70%同一であるアミノ酸配列を含むバリアント)。

0080

それゆえに、いくつかの態様において、NMPキナーゼは、配列番号3〜6のいずれか1つのアミノ酸配列によって同定されるアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、NMPキナーゼは、配列番号3〜6のいずれか1つのアミノ酸配列と少なくとも70%同一であるアミノ酸配列を有する。例えば、NMPキナーゼは、配列番号3〜6のいずれか1つによって同定されるアミノ酸配列と少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有し得る。

0081

本開示は、本明細書に記載される酵素および酵素のバリアント(例えば「PPK2バリアント」)のいずれか1つ以上の使用を包含するということが理解されるべきである。バリアント酵素は参照酵素に対してある種の程度の配列同一性共有し得る。用語「同一性」は、2つ以上のポリペプチドまたはポリヌクレオチドの配列間の関係性を言い、配列同士を比較することによって決定される。同一性は、2つ以上の配列のより小さいものの間における同一のマッチパーセントを測定し、ギャップアラインメント(いずれかがある場合)が特定の数理モデルまたはコンピュータプログラム(例えば「アルゴリズム」)によって取り扱われる。近縁分子同士の同一性は公知の方法によって難なく計算され得る。アミノ酸または核酸配列に適用される「パーセント(%)同一性」は、最大のパーセント同一性を達成するように配列同士をアラインメントし、必要な場合にはギャップを導入した後に、第2の配列のアミノ酸配列または核酸配列中の残基と同一である候補アミノ酸または核酸配列中の残基(アミノ酸残基または核酸残基)のパーセンテージとして定められる。同一性はパーセント同一性の計算に依存するが、計算時に導入されるギャップおよびペナルティーが原因で値が異なり得る。特定の配列のバリアントはその特定の参照配列に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、しかし100%未満の配列同一性を有し得、本明細書に記載され当業者に公知の配列アラインメントプログラムおよびパラメータによって決定される。

0082

2つの配列間における配列の比較およびパーセント同一性の決定は、数理アルゴリズムを用いて成し遂げられ得る。同一性を決定するための技術は公に利用可能なコンピュータプログラムにコード化されている。2つの配列間の相同性を決定するための例示的なコンピュータソフトウェアは、GCプログラムパッケージ(Devereux, J. et al. Nucleic AcidsResearch, 12(1): 387, 1984)、BLASTスイート(Altschul, S. F. et al. Nucleic Acids Res. 25: 3389, 1997)、およびFASTA(Altschul, S. F. et al. J. Molec. Biol. 215: 403, 1990)を包含するが、これに限定されない。他の技術は:Smith-Watermanアルゴリズム(Smith, T.F. et al. J. Mol. Biol. 147: 195, 1981;Needleman-Wunschアルゴリズム(Needleman, S.B. et al. J. Mol. Biol. 48: 443, 1970;およびFast Optimal Global Sequence Alignmentアルゴリズム(FOGSAA)(Chakraborty, A. et al. Sci Rep.3 : 1746, 2013)を包含する。

0083

いくつかの態様において、キナーゼはヌクレオシド二リン酸キナーゼであり、これはホスホリル基をNDPに転移させ、NTPをもたらす。ホスホリル基のドナーは、限定なしに、ATP、ポリリン酸ポリマー、またはホスホエノールピルビン酸であり得る。NDPをNTPに変換するキナーゼの限定しない例は、ヌクレオシド二リン酸キナーゼ、ポリリン酸キナーゼ、およびピルビン酸キナーゼを包含する。下で論じられているように、前述の酵素の耐熱性バリアントは本開示に包含される。いくつかの態様において、NDPキナーゼ(単数または複数)はAquifex aeolicusから得られる(例えば、配列番号9、または配列番号9によって同定されるアミノ酸配列と少なくとも70%同一であるアミノ酸配列を含むバリアント)。いくつかの態様において、NDPキナーゼは配列番号9によって同定されるアミノ酸配列と少なくとも70%同一であるアミノ酸配列を有する。例えば、NDPキナーゼは、配列番号9によって同定されるアミノ酸配列と少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有し得る。

0084

いくつかの態様において、NMPからNTPへのリン酸化はポリリン酸依存性キナーゼ経路によって生じ(図2Aおよび2B)、そこでは、高エネルギーリン酸がポリリン酸キナーゼ(PPK)によってポリリン酸からADPに転移させられる。いくつかの態様において、ポリリン酸キナーゼはポリリン酸キナーゼ1(PPK1)ファミリーに属し、これは高エネルギーリン酸をポリリン酸からADPに転移させてATPを形成する。このATPはその後NMPキナーゼ(例えば、AMPキナーゼ、UMPキナーゼ、GMPキナーゼ、およびCMPキナーゼ)によって用いられて、NMPをそれらの対応するリボヌクレオチド二リン酸(NDP)に変換する。さらにその上、その後、ATPはNDPをNTPに変換するためにヌクレオチド二リン酸キナーゼによって用いられる。例えば、例示的な酵素については表5および6参照。

0085

いくつかの態様において、ポリリン酸キナーゼはポリリン酸キナーゼ2(PPK2)ファミリーに属する。いくつかの態様において、ポリリン酸キナーゼはクラスI PPK2ファミリーに属し、これは高エネルギーリン酸をポリリン酸からNDPに転移させてNTPを形成する。システムによって生産されたATPはNMPをNDPに変換するための高エネルギーリン酸ドナーとして用いられる。いくつかの態様において、ポリリン酸キナーゼはクラスIII PPK2ファミリーに属し、これは高エネルギーリン酸をポリリン酸からNMPおよびNDPに転移させてNTPを形成する。いくつかの態様において、クラスIII PPK2はNMPからNTPを生産するために単独で用いられる。他の態様において、クラスIII PPK2は他のキナーゼとの組み合わせで用いられる。クラスIII PPK2はADP、AMP、およびポリリン酸からATPを生産し、これはその後NMPをNTPに変換するためにNMPおよびNDPキナーゼによって用いられる。

0086

本明細書において提供される使用のためのPPK2酵素の限定しない例が、表6に列記されている(配列番号8〜18)。それゆえに、いくつかの態様において、PPK2酵素は耐熱性である。例えば、PPK2酵素は耐熱性クラスIII PPK2酵素であり得、これらはポリリン酸重合よりもATP合成を選好し、ADPおよびAMP両方をATPに変換する。いくつかの態様において、PPK2酵素は、例えば時間あたり10から800mMの範囲である速度(例えば、時間あたり10、15、20、25、50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、または800mM)で、ヘキサメタリン酸などのポリリン酸をATPに変換するために用いられる。

0087

いくつかの態様において、本開示のRNA生合成方法は、配列番号8〜18のいずれか1つによって同定されるアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列を含むPPK2酵素を利用する。いくつかの態様において、PPK2酵素は配列番号8〜18のいずれか1つによって同定されるアミノ酸配列と少なくとも70%同一であるアミノ酸配列を含む。例えば、PPK2酵素は、配列番号8〜18のいずれか1つによって同定されるアミノ酸配列と少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含み得る。

0088

本開示は融合酵素をもまた包含する。融合酵素は複数の活性を発揮し得、それぞれが異なる酵素の活性に対応する。例えば、独立のヌクレオシド一リン酸キナーゼおよび独立のヌクレオシド二リン酸キナーゼを用いるよりもむしろ、ヌクレオシド一リン酸キナーゼ活性およびヌクレオシド二リン酸キナーゼ活性両方を有する融合酵素(またはいずれかの他の酵素)が用いられ得る。








ヌクレオシド三リン酸からリボ核酸への重合

0089

関心のRNAの生合成の最後のステップはNTPからRNA(例えば、dsRNAまたはssRNA)最終産物への重合であり、例えばDNA依存性RNAポリメラーゼを用いる。プロセスのこのステップにおいては、関心のRNAをコードするように設計されたDNAが関心のRNAの合成のための鋳型としての用をなす。いくつかの場合には、DNA鋳型は関心のRNAの転写を選択的に駆動する転写プロモーターを有するように改変され得る。例のDNA鋳型が図3Aに示されている。DNA鋳型は3つのRNAドメインをコードする:センスドメイン(ドメイン1)、柔軟なヒンジドメイン(ドメイン2)、およびセンスドメインに対して相補的なドメイン(アンチセンスドメイン3)。DNA鋳型の転写後に、アンチセンスドメインはセンスドメインに結合して(ハイブリダイゼーションして)、二本鎖RNAヘアピンステムドメインおよび隣接するヘアピンループドメインを形成する。DNA鋳型の他の例が図3B〜3Eに示されている。図3BのDNA鋳型は相補鎖同士の上にコンバージェントなプロモーター配列同士を含有する。各鋳型鎖から転写されたRNA配列同士は転写後にアニーリングする。プラスミドの一部としてコードされた図3CのDNA鋳型は、相補鎖同士の上のコンバージェントなプロモーター配列同士と、リードスルー転写を最小化するための1つ以上のターミネーター配列とを含有する。プラスミドの一部としてコードされた図3DのDNA鋳型は、相補配列同士の転写を駆動する独立のプロモーター−ターミネーターカセットを含有し、これらは転写後にアニーリングする。図3EのDNA鋳型は単一のRNAドメインをコードする。DNA依存性RNAポリメラーゼおよびRNA依存性RNAポリメラーゼ両方の使用が二本鎖RNA最終産物を生産する。

0090

RNAの重合は、NTP、転写プロモーターを含むDNA鋳型、および転写プロモーターに特異的なポリメラーゼ(RNAポリメラーゼ)を要求する。典型的には、本明細書において提供される使用のためのポリメラーゼは単一サブユニットポリメラーゼであり、その対応する転写プロモーターに対して高度に選択的であり、高い正確性を有し、高度に効率的である。ポリメラーゼの例は、限定なしに、T7 RNAポリメラーゼ、T3 RNAポリメラーゼ、およびSP6 RNAポリメラーゼを包含する。バクテリオファージT7 RNAポリメラーゼはDNA依存性RNAポリメラーゼであり、これは高度にT7ファージプロモーターに特異的である。99KD酵素はT7プロモーターのコントロール下のクローニングされたDNA配列からのインビトロRNA合成を触媒する。バクテリオファージT3 RNAポリメラーゼはDNA依存性RNAポリメラーゼであり、これは高度にT3ファージプロモーターに特異的である。99KD酵素はT3プロモーター下のクローニングされたDNA配列からのインビトロRNA合成を触媒する。バクテリオファージSP6 RNAポリメラーゼはDNA依存性RNAポリメラーゼであり、これは高度にSP6ファージプロモーターに特異的である。98.5KDポリメラーゼはSP6プロモーター下のクローニングされたDNA鋳型からのインビトロRNA合成を触媒する。T7、T3、およびSP6ポリメラーゼのそれぞれは37〜40℃で最適活性である。いくつかの態様においては、T7、T3、およびSP6ポリメラーゼの耐熱性バリアントが用いられる。耐熱性バリアントポリメラーゼは典型的には40℃よりも上の温度(または約50〜60℃)で最適活性である。

0091

「ヌクレオシド三リン酸の生産およびヌクレオシド三リン酸の重合をもたらす条件」は、「RNAの生合成のための条件」ともまた言われる。これは当業者によって決定され得、例えば、pH、温度、時間の長さ、および細胞ライセートの塩濃度、ならびにいずれかの外来性の補因子を包含するポリメラーゼ活性の最適条件を考慮に入れる。

0092

RNAの生合成の間の細胞ライセートのpHは3.0から8.0の値を有し得る。いくつかの態様において、細胞ライセートのpH値は3.0〜8.0、4.0〜8.0、5.0〜8.0、6.0〜8.0、7.0〜8.0、3.0〜7.0、4.0〜7.0、5.0〜7.0、6.0〜7.0、3.0〜6.0、4.0〜6.0、5.0〜6.0、3.0〜5.0、3.0〜4.0、または4.0〜5.0である。いくつかの態様において、細胞ライセートのpH値は3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、または8.0である。いくつかの態様において、RNAの生合成の間の細胞ライセートのpH値は7.0である。

0093

RNAの生合成の間の細胞ライセートの温度は15℃から70℃であり得る。いくつかの態様において、RNAの生合成の間の細胞ライセートの温度は15〜60℃、15〜50℃、15〜40℃、15〜30℃、25〜70℃、25〜60℃、25〜50℃、25〜40℃、30〜70℃、30〜60℃、30〜50℃、40〜70℃、40〜60℃、40〜50℃、50〜70℃、または50〜60℃である。いくつかの態様において、RNAの生合成の間の細胞ライセートの温度は15℃、25℃、32℃、37℃、42℃、45℃、55℃、56℃、57℃、58℃、59℃、60℃、61℃、62℃、63℃、64℃、65℃、66℃、67℃、68℃、69℃、または70℃である。いくつかの態様において、RNAの生合成の間の細胞ライセートの温度は50℃である。

0094

RNAの生合成の間の細胞ライセートは15分(min)から72時間(hr)インキュベートされ得る。いくつかの態様において、RNAの生合成の間の細胞ライセートは30min〜48hrインキュベートされる。例えば、RNAの生合成の間の細胞ライセートは30min、45min、1hr、2hr、3hr、4hr、5hr、6hr、7hr、8hr、9hr、10hr、11hr、12hr、18hr、24hr、30hr、36hr、42時間、または48時間インキュベートされ得る。いくつかの態様において、RNAの生合成の間の細胞ライセートは3時間インキュベートされる。いくつかの態様において、RNAの生合成の間の細胞ライセートは37℃の温度で24時間インキュベートされる。

0095

いくつかの態様において、RNAの生合成の間の細胞ライセートは7.0のpHにおいて50℃の温度で2〜4時間インキュベートされる。

0096

いくつかのポリメラーゼ活性は金属イオンの存在を要求し得る。それゆえに、いくつかの態様においては、金属イオンが細胞ライセートに追加される。金属イオンの限定しない例はMg2+、Li+、Na+、K+、Ni2+、Ca2+、Cu2+、およびMn2+を包含する。他の金属イオンが用いられてもよい。いくつかの態様においては、1つよりも多くの金属イオンが用いられ得る。細胞ライセート中の金属イオンの濃度は0.1mMから100mM、または10mMから50mMであり得る。いくつかの態様において、細胞ライセート中の金属イオンの濃度は0.1、0.2、0.5、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、10.0、20.0、25.0、30.0、35.0、40.0、45.0、50.0、60.0、70.0、80.0、90.0、または100.0mMである。

0097

いくつかの態様においては、例えば酵素凝集を防ぐために、塩が細胞ライセートに追加される。例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、またはその組み合わせが細胞ライセートに追加され得る。RNA解重合反応の間の細胞ライセート中の塩の濃度は5mMから1Mであり得る。いくつかの態様において、RNA解重合反応の間の細胞ライセート中の塩の濃度は5mM、10mM、15mM、20mM、25mM、50mM、100mM、150mM、200mM、250mM、500mM、750mM、または1Mである。
耐熱性酵素

0098

本開示の無細胞的RNA生合成方法の1つの利点は、内在性RNAを合成二本鎖RNAに変換するために必要とされる酵素の全てが例えば単一の改変細胞内で発現され得る(ただし、そうである必要はない)ということである。例えば、改変細胞のクローン系集団が所望の細胞密度まで培養され、細胞は溶解され、内在性RNAからそのモノマー形態への解重合をもたらす条件下において(例えば、30〜37℃の温度で)インキュベートされ、内在性のヌクレアーゼおよびホスファターゼを不活性化するために十分な温度(例えば40〜90℃)に付され、RNA(例えば、dsRNAまたはssRNA)の重合をもたらす条件下においてインキュベートされる(例えば30〜50℃)。最終産物の合成RNAまで進むためには、NMPからNDP(例えば、ヌクレオシド一リン酸キナーゼおよび/またはポリリン酸キナーゼ)、NDPからNTP(例えば、ヌクレオシド二リン酸キナーゼおよび/またはポリリン酸キナーゼ)、およびNTPからRNA(例えばポリメラーゼ)への変換に要求される酵素は、内在性ヌクレアーゼ(および/または外来性ヌクレアーゼ)およびホスファターゼの熱不活性化の間の変性を避けるために耐熱性であるべきである。耐熱性は、酵素が比較的高温での変性に堪える品質を言う。例えば、酵素が42℃の温度で変性(不活性化)される場合には、類似の活性(例えばキナーゼ活性)を有する酵素は、それが42℃で変性しない場合には「耐熱性」と見なされる。

0099

酵素(例えば、キナーゼまたはポリメラーゼ)は、酵素が(a)他の自然状態の酵素を変性させる高温への一時的暴露後に活性を保持するか、または(b)自然状態の酵素が低い速度で機能する中間温度から高温への一時的暴露後に高い速度で機能する場合に、耐熱性と見なされる。

0100

いくつかの態様において、耐熱性酵素は、さもなければ類似の(非耐熱性の)自然状態の酵素を変性させるであろう比較的高温(例えば、E. coliから得られるキナーゼの41℃よりも高く、多くのRNAポリメラーゼの37℃よりも高い)への一時的暴露後に、50%超の活性を保持する。いくつかの態様において、耐熱性酵素は、さもなければ類似の(非耐熱性の)自然状態の酵素を変性させるであろう比較的高温への一時的暴露後に、50〜100%の活性を保持する。例えば、耐熱性酵素は、さもなければ類似の(非耐熱性の)自然状態の酵素を変性させるであろう比較的高温への一時的暴露後に、50〜90%、50〜85%、50〜80%、50〜75%、50〜70%、50〜65%、50〜60%、または50〜55%の活性を保持し得る。いくつかの態様において、耐熱性酵素は、さもなければ類似の(非耐熱性の)自然状態の酵素を変性させるであろう比較的高温への一時的暴露後に、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%、または100%の活性を保持する。

0101

いくつかの態様において、中間温度から高温(例えば42〜80℃)への一時的暴露後の耐熱性酵素の活性は、類似の(非耐熱性の)自然状態の酵素の活性を超える(例えば、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%、または100%超える)。

0102

例えば、耐熱性キナーゼの活性は、キナーゼがリン酸化することができるNMPまたはNDPの量によって測定され得る。それゆえに、いくつかの態様において、耐熱性キナーゼは、37℃で類似の変換を完了するために要求される同じ量の時間で、比較的高温(例えば42℃)でNMPの50%超をNDPに、またはNDPの50%超をNTPに変換する。いくつかの態様において、耐熱性キナーゼは、37℃で類似の変換を完了するために要求される同じ量の時間で、比較的高温(例えば42℃)でNMPの60%超をNDPに、またはNDPの60%超をNTPに変換する。いくつかの態様において、耐熱性キナーゼは、37℃で類似の変換を完了するために要求される同じ量の時間で、比較的高温(例えば42℃)でNMPの70%超をNDPに、またはNDPの70%超をNTPに変換する。いくつかの態様において、耐熱性キナーゼは、37℃で類似の変換を完了するために要求される同じ量の時間で、比較的高温(例えば42℃)でNMPの80%超をNDPに、またはNDPの80%超をNTPに変換する。いくつかの態様において、耐熱性キナーゼは、37℃で類似の変換を完了するために要求される同じ量の時間で、比較的高温(例えば42℃)でNMPの90%超をNDPに、またはNDPの90%超をNTPに変換する。

0103

例えば、耐熱性ポリメラーゼの活性は正確性および重合キネティクス(例えば、重合の速度)に基づいて算定される。それゆえに、例えば、耐熱性T7ポリメラーゼの1単位は、37℃よりも上の温度で(例えば50℃で)30分間に10nモルのNTPを酸不溶性の材料に組み込み得る。

0104

耐熱性酵素(例えば、キナーゼまたはポリメラーゼ)は42℃から80℃の、またはより高い温度で活性なままであり得る(反応を触媒することができる)。いくつかの態様において、耐熱性酵素は、42〜80℃、42〜70℃、42〜60℃、42〜50℃、50〜80℃、50〜70℃、50〜60℃、60〜80℃、60〜70℃、または70〜80℃の温度で活性なままである。例えば、耐熱性酵素は、42℃、43℃、44℃、45℃、46℃、47℃、48℃、49℃、50℃、51℃、52℃、53℃、54℃、55℃、55℃、56℃、57℃、58℃、59℃、60℃、61℃、62℃、63℃、64℃、65℃、66℃、67℃、68℃、69℃、70℃、71℃、72℃、73℃、74℃、75℃、76℃、77℃、78℃、79℃、または80℃の温度で活性なままであり得る。耐熱性酵素は比較的高温で15分間から48時間、またはより長く活性なままであり得る。例えば、耐熱性酵素は比較的高温で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、24、36、42、または48時間活性なままであり得る。

0105

耐熱性NMPキナーゼの限定しない例が表5および7に列記されている。他の耐熱性キナーゼは、耐熱性ヌクレオシド二リン酸キナーゼ、耐熱性ピルビン酸キナーゼ、および耐熱性ポリリン酸キナーゼを包含する(例えば表6参照)。他の耐熱性キナーゼが本開示に包含される。

0106

RNAポリメラーゼの限定しない例が表8に列記されている。耐熱性RNAポリメラーゼを包含する他のRNAポリメラーゼが本開示に包含される。

0107

耐熱性RNAポリメラーゼは野生型酵素を修飾することによって調製され得る。かかる修飾(例えば変異)は公知である。例えば、バリアント耐熱性T7 RNAポリメラーゼは次の点変異の1つ以上を包含し得る:V426L、A702V、V795I、S430P、F849I、S633I、F880Y、C510R、およびS767G(EP2377928およびEP1261696A1。そのそれぞれは参照によって本明細書に組み込まれる)。いくつかの態様において、バリアント耐熱性T7 RNAポリメラーゼはV426L、A702V、およびV795I変異を包含する。いくつかの態様において、バリアント耐熱性T7 RNAポリメラーゼはS430P、F849I、S633I、およびF880Y変異を包含する。いくつかの態様において、バリアント耐熱性T7 RNAポリメラーゼはF880Y、S430P、F849I、S633I、C510R、およびS767G変異を包含する。いくつかの態様において、バリアント耐熱性T7 RNAポリメラーゼはY639V、H784G、E593G、およびV685A変異を包含する。いくつかの態様において、バリアント耐熱性T7 RNAポリメラーゼはS430P、N433T、S633P、F849I、およびF880Y変異を包含する。他のバリアントおよび組換え体耐熱性ポリメラーゼが本開示に包含される。

0108

いくつかの態様においては、耐熱性T7ポリメラーゼが関心のRNAを生産するために用いられる。例えば、1〜2%総蛋白質の濃度を有する耐熱性T7ポリメラーゼ(例えば、40〜60℃の温度でインキュベートされる)が、関心のRNAを2g/L/hr超(または例えば2g/L/hr〜10g/L/hr)の速度で合成するために用いられ得る。別の例として、3〜5%総蛋白質の濃度を有する耐熱性T7ポリメラーゼ(例えば、40〜60℃の温度でインキュベートされる)が、関心のRNAを10g/L/hr超(または例えば10g/L/hr〜20g/L/hr)の速度で合成するために用いられ得る。

0109

本開示の多くの態様は耐熱性ポリメラーゼ/酵素の使用を記載するが、他の酵素/ポリメラーゼが用いられ得るということが理解されるべきである。いくつかの態様において、ポリメラーゼは、例えば耐熱性酵素(単数または複数)の活性のいずれかの低減または喪失を補うために、熱不活性化された細胞ライセートに外来的に追加され得る。
関心のRNA

0110

本開示の方法は関心のRNAを生合成するために用いられる。RNAは一本鎖または二本鎖であり得る。いくつかの態様において、RNAは二本鎖RNA干渉分子である。例えば、関心のRNAはsiRNAまたはヘアピンRNA干渉分子であり得る。上で論じられているように、関心のRNAはDNA鋳型によってコードされ、その例は図3A〜3Eに示されている。図3Aの鋳型を用いて生産されるRNAは、センスドメイン(ドメイン1)、柔軟なヒンジドメイン(ドメイン2)、およびセンスドメインに対して相補的なドメイン(アンチセンスドメイン3)を包含する。DNA鋳型の転写後に、アンチセンスドメインはセンスドメインに結合して(ハイブリダイゼーションして)、二本鎖RNAヘアピンステムドメインおよび隣接するヘアピンループ(ヒンジ)ドメインを形成する。

0111

二本鎖ヘアピンステムドメインは、2つの相補的な核酸ドメイン同士(例えば、別々のヌクレオチド配列同士)の互いへの結合によって形成される。核酸ドメイン同士は、それらが互いに結合(Watson−Crick相互作用によって塩基対形成、ハイブリダイゼーション)して二本鎖核酸を形成する場合に「相補的」である。関心のRNAをコードするDNA鋳型の相補的なドメイン同士は、所望の最終産物に依存して変わり得る。相補的なドメイン同士は、例えば4から1000ヌクレオチドの、またはより長い長さを有し得る。例えば、相補的なドメイン同士は4から10、4から20、4から30、4から50、4から60、4から70、4から80、4から90、4から100、4から200、4から300、4から400、または4から500、または4から1000ヌクレオチドの長さを有し得る。いくつかの態様において、相補的なドメイン同士は15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、または25ヌクレオチドの長さを有する。いくつかの態様において、相補的なドメイン同士は4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、または100ヌクレオチドの長さを有する。

0112

ヘアピンループドメインもまた2つの相補的な核酸ドメイン同士の結合によって形成される。ヘアピンループドメインは2つの相補的なドメイン同士の間の介在配列である。典型的には、ヘアピンループドメインは非特異的であり、それが分子内でまたは別の核酸に結合するように設計されてはいないということを意味する。ヘアピンループドメインは相補的なドメイン同士の結合によってループ様構造を形成して、二本鎖ヘアピンステムドメインを形成する。いくつかの態様において、ヘアピンループドメインは、4から500ヌクレオチドの長さ、またはより多くを有する。例えば、ヘアピンループドメインは4から10、4から20、4から30、4から50、4から60、4から70、4から80、4から90、4から100、4から200、4から300、4から400、または4から500ヌクレオチドの長さを有し得る。いくつかの態様において、ヘアピンループドメインは4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、または100ヌクレオチドの長さを有する。

0113

本開示の「二本鎖RNA」は、一本鎖領域(例えば、ループまたはオーバーハング)を含有しない全くの二本鎖分子、ならびに二本鎖領域および一本鎖領域(例えば、ループまたはオーバーハング)を含有する部分的二本鎖分子を包含する。図3Aの一番下に図示されているdsRNA産物は部分的二本鎖分子と見なされ、一方、図3Bの一番下に図示されているdsRNA産物は全くの二本鎖分子と見なされる。

0114

関心の「一本鎖RNA」の例は、メッセンジャーRNA(mRNA)およびアンチセンスRNAを包含する。それゆえに、本明細書においてはmRNAおよび他の一本鎖RNA分子を合成する方法が提供される。

0115

それらの方法は、(a)RNA、RNAを解重合する酵素、耐熱性キナーゼ、耐熱性RNAポリメラーゼを含む培養改変細胞を溶解し、それによって細胞ライセートを生産することと、(b)ステップ(a)において生産された細胞ライセートを、RNAの解重合をもたらす条件下においてインキュベートし、それによってヌクレオシド一リン酸を含む細胞ライセートを生産することと、(c)ステップ(b)において生産された細胞ライセートを、耐熱性キナーゼおよび耐熱性RNAポリメラーゼを不活性化することなしに内在性ヌクレアーゼおよびホスファターゼを不活性化する温度に加熱し、それによって熱不活性化されたヌクレアーゼおよびホスファターゼを含む細胞ライセートを生産することと、(d)(c)において生産された細胞ライセートを、エネルギー供給源と関心のRNAをコードするヌクレオチド配列に作動可能に連結されたプロモーターを含有する改変DNA鋳型との存在下において、ヌクレオシド三リン酸の生産およびヌクレオシド三リン酸の重合をもたらす条件下においてインキュベートし、それによって関心のmRNAを含む細胞ライセートを生産することとを含み得る。

0116

代替的には、かかる方法は、(a)内在性の多量体RNA、RNAを解重合する酵素、耐熱性ヌクレオシド一リン酸(NMP)キナーゼ、耐熱性ヌクレオシド二リン酸(NDP)キナーゼ、耐熱性PPK2キナーゼ、および/またはポリリン酸を含む改変細胞から得られた細胞ライセート同士を組み合わせて、細胞ライセート混合物を生産することと、(b)ステップ(a)において生産された細胞ライセート混合物を、RNAの解重合をもたらす条件下においてインキュベートし、それによってヌクレオシド一リン酸を含む細胞ライセートを生産することと、(c)ステップ(b)において生産された細胞ライセートを、耐熱性キナーゼおよび耐熱性RNAポリメラーゼを不活性化することなしにホスファターゼおよびRNase(ならびにRNA安定性または重合正確性にとって不利であり得るいずれかの他の活性、例えば自然状態のRNAポリメラーゼ、NMPレダクターゼ、および/またはヌクレオシダーゼ)を不活性化する温度に加熱し、それによって、熱不活性化されたホスファターゼおよびRNase(ならびに他の有害な細胞活性)を含む細胞ライセートを生産することと、(d)ステップ(c)において生産された細胞ライセートを、エネルギー供給源と関心のRNAをコードするヌクレオチド配列に作動可能に連結されたプロモーターを含有する改変DNA鋳型との存在下において、ヌクレオシド三リン酸の生産およびヌクレオシド三リン酸の重合をもたらす条件下においてインキュベートし、それによってmRNAを含む細胞ライセートを生産することとを含み得る。

0117

いくつかの態様において、単一の標的ドメインを含有するRNAをコードするDNA鋳型は例えばT7RNAポリメラーゼなどのDNA依存性RNAポリメラーゼを用いて転写され、もたらされたRNA転写物は例えばファージφ6 RdRPなどのRNA依存性RNAポリメラーゼの鋳型としての用をなして、相補的なRNA分子を合成し、dsRNAを生む。例えば図3B参照。ファージφ6は二本鎖RNAウイルスであり、これはPseudomonas属のメンバーに感染する。このファージはRNA鋳型を用いてRNAを合成する能力があるRdRPをコードし、dsRNA分子を生む。φ6 RdRPはプライマー分子なしでRNAを重合する能力があり、それゆえにポリメラーゼは鋳型RNAのみを要求する(Wright, S. et al, 2012. Journal of Virology. Mar;86(5):2837-49; Van Dijk, AA., et al, 2004. J Gen Virol. May;85(Pt 5)。参照によって本明細書に組み込まれる)。他のRNA依存性RNAポリメラーゼ(RdRP)が本開示に包含される。

0118

いくつかの態様において、改変細胞は関心のRNAをコードするDNA鋳型を含む。RNAをコードするDNA鋳型は改変細胞のゲノムDNA中にインテグレーションされ得、またはDNA鋳型はプラスミド上で改変細胞内に導入され得る。他の態様においては、DNA鋳型は関心のRNAの生合成の間に(例えば熱不活性化ステップ後に)細胞ライセートに追加される。いくつかの態様において、細胞ライセート中のDNA鋳型の濃度は0.05〜1μg/μlである。いくつかの態様において、細胞ライセート中のDNA鋳型の濃度は0.05μg/μl、0.1μg/μl、0.5μg/μ1、1.0μg/μ1である。

0119

上で論じられているように、関心のRNA最終産物の他の例はメッセンジャーRNA(mRNA)およびショート/短鎖干渉RNA(siRNA)(分解に向けて特定のmRNAを特異的に標的化するように設計された合成RNA二重鎖)を包含する。

0120

いくつかの態様において、RNA最終産物(生合成された関心のRNA)の濃度は、少なくとも1g/Lから50g/L細胞ライセートである。例えば、RNA最終産物の濃度は1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、もしくは50g/L、またはより多くであり得る。

0121

いくつかの態様において、関心のRNAは関心の標的核酸に結合するように設計され、例えば治療、予防、または診断薬として用いられる。
プロテアーゼ標的化

0122

本開示の改変細胞は、RNAなどの核酸の生産に負の影響を有し得る細胞の健康に必要な酵素を発現(例えば内在的に発現)し得る。かかる酵素は本明細書においては「標的酵素」と言われる。例えば、改変細胞によって発現される標的酵素は、基質または補因子について、RNA生合成経路に供給される前駆体の速度を増大させる酵素と競合し得る。別の例として、改変細胞によって発現された標的酵素は、基質または補因子について、RNA生合成経路の鍵となる経路入り口酵素である酵素と競合し得る。まだ別の例として、改変細胞によって発現された標的酵素は、基質または補因子について、RNA生合成経路の基質または補因子を供給する酵素と競合し得る。

0123

この負の影響を無効化または低減するために、標的酵素はそれらの蛋白質配列中に部位特異的プロテアーゼ認識配列を包含するように修飾され得、その結果、標的酵素はRNA生産の間の不活性化に向けて「標的化」および切断され得る(例えば、そのそれぞれが参照によって本明細書に組み込まれる2012年3月1日公開のU.S.公開No.2012/0052547Al;および2015年2月12日公開の国際公開No.WO2015/021058A2参照)。

0124

部位特異的プロテアーゼ認識配列を含有する標的酵素の切断は、対応する部位特異的プロテアーゼとの接触からもたらされる。これは細胞増殖段階の間には(例えば改変細胞が培養されているときには)細胞のペリプラズムに(標的酵素から離れて)隔離されており、RNA生産段階の間に(例えば、細胞ライセートを生産するための細胞溶解後に)標的酵素との接触をさせられる。それゆえに、いくつかの態様において、本開示の改変細胞は、(i)RNA生産の速度に負に影響しかつ標的酵素の蛋白質配列中に部位特異的プロテアーゼ認識配列を包含する標的酵素をコードする改変核酸と(ii)標的酵素の部位特異的プロテアーゼ認識配列を切断しかつペリプラズム標的化配列を包含する部位特異的プロテアーゼをコードする改変核酸とを含む。このペリプラズム標的化配列は、細胞が溶解されるまで部位特異的プロテアーゼを細胞のペリプラズム空間に隔離することを担う。ペリプラズム標的化配列の例は下で提供されている。

0125

本開示に従って用いられ得るプロテアーゼの例は、限定なしに、アラニンカルボキシペプチダーゼ、Armillaria melleaから得られるプロテアーゼ、アスタシン、細菌ロイシルアミノペプチダーゼ、癌由来凝固促進因子カテプシンBクロストリパイン、細胞質アラニルアミノペプチダーゼエラスターゼエンドプロテイナーゼBrg−C、エンテロキナーゼガストリシンゼラチナーゼ、Gly−Xカルボキシペプチダーゼ、グリシルエンドペプチダーゼヒトライノウイルス3Cプロテアーゼ、ヒポデルミンC、Iga特異的セリンエンドペプチダーゼ、ロイシルアミノペプチダーゼ、ロイシルエンドペプチダーゼ、lysC、リソソームpro−Xカルボキシペプチダーゼ、リシルアミノペプチダーゼ、メチオニルアミノペプチダーゼ、ミクソバクター(myxobacter)、ナルディライジンエンドペプチダーゼE、ピコルナイン(picornain)2B、ピコルナイン(picornain)3C、プロエンドペプチダーゼ、プロリルアミノペプチダーゼ、プロ蛋白質転換酵素I、プロ蛋白質転換酵素II、ラッセルライジン(russellysin)、サッカペプシン(saccharopepsin)、セメノゲラーゼ、T−プラスミノーゲン活性化因子トロンビン組織カリクレインタバコエッチウイルス(TEV)から得られるプロテアーゼ、トガビリントリプトファニルアミノペプチダーゼ、U−プラスミノーゲン活性化因子、V8、ベノムビンB、ベノムビンBB、およびXaa−Proアミノペプチダーゼを包含する。
ペリプラズム標的化

0126

核酸(例えばRNA)生合成経路の酵素は、細胞の健康(例えば生存能)に負の影響を有する少なくとも1つの酵素を包含し得る。この負の影響を無効化または低減するために、酵素は転置配列を包含するように修飾され得、その結果、酵素は、それが天然には位置せずかつ酵素が細胞の健康に負に影響しない細胞内また細胞外区画に転置される(例えば、参照によって本明細書に組み込まれる2011年11月10日公開の公開No.US−2011−0275116−A1参照)。例えば、生合成経路の酵素は細胞のペリプラズム空間に転置され得る。

0127

それゆえに、いくつかの態様において、本開示の改変細胞はペリプラズム標的化配列に連結された核酸(例えばRNA)生合成経路の少なくとも1つの酵素を含む。「ペリプラズム標的化配列」は、それが連結されている蛋白質を細胞のペリプラズムに標的化するアミノ酸配列である。ペリプラズム標的化配列に連結されている蛋白質は、蛋白質が発現される細胞のペリプラズムに隔離されるであろう。

0128

例えば、ペリプラズム標的化配列は細菌分泌蛋白質N末端に由来し得る。配列は長さが約15から約70アミノ酸まで変わる。ペリプラズム標的化配列の一次アミノ酸配列は変わるが、一般的には次のコンポーネントを包含する共通の構造を有する:(i)N末端部は可変的な長さを有し、一般的に正味正電荷を持ち;(ii)約6から約15アミノ酸の疎水性中心コア後続し;(iii)最後のコンポーネントはシグナルペプチダーゼ切断部位を定める4から6アミノ酸を包含する。

0129

いくつかの態様において、本開示のペリプラズム標的化配列はグラム陰性細菌によって分泌される蛋白質に由来し得る。分泌蛋白質は、細菌によってまたは細菌に感染するバクテリオファージによってコードされ得る。分泌蛋白質のグラム陰性細菌供給源の例は、限定なしに、Escherichia、Pseudomonas、Klebsiella、Salmonella、Caulobacter、Methylomonas、Acetobacter、Achromobacter、Acinetobacter、Aeromonas、Agrobacterium、Alcaligenes、Azotobacter、Burkholderia、Citrobacter、Comamonas、Enterobacter、Erwinia、Rhizobium、Vibrio、およびXanthomonas属のメンバーを包含する。

0130

本開示に従う使用のためのペリプラズム標的化配列の例は、限定なしに:
KIKTGARIALSALTTMMFSASALA(配列番号19);
MKQSTIALALLPLLFTPVTKA(配列番号20);
MITLRKLPLAVAVAAGVMSAQAMA(配列番号21);
MNKKVLTLSAVMASMLFGAAAHA(配列番号22);
MKYLLPTAAAGLLLLAAQPAMA(配列番号23);
MKKIWLALAGLVLAFSASA(配列番号24);
MTKIKLLMLIIFYLIISASAHA(配列番号25);
MKQALRVAFGFLILWASVLHA(配列番号26);
MRVLLFLLLSLFMLPAFS(配列番号27);および
MANNDLFQASRRRFLAQLGGLTVAGMLGPSLLTPRRATA(配列番号28)、
からなる群から選択される配列を包含する。
改変細胞

0131

典型的には、本開示の改変細胞は、RNAを生合成するために要求される酵素活性の少なくとも1つ、大多数、または全てを含む。「改変細胞」は、少なくとも1つの改変(例えば、組換え体または合成)核酸を含むか、またはそれらの天然に生ずるカウンターパートとは構造的および/もしくは機能的に別物であるように別様に修飾されている細胞である。それゆえに、改変核酸を含有する細胞は「改変細胞」と見なされる。

0132

いくつかの態様において、本開示の改変細胞は、RNA、RNAを解重合する酵素、耐熱性キナーゼ、および/または耐熱性ポリメラーゼを含む。いくつかの態様において、改変細胞は、関心のRNAをコードするヌクレオチド配列に作動可能に連結されたプロモーターを含有するDNA鋳型をさらに含む。

0133

いくつかの態様において、改変細胞は選択マーカーを発現する。選択マーカーは、細胞のトランスフェクション後に(または外来性の核酸を細胞内に導入するために用いられる他の手続き後に)、改変核酸を取り込み発現した改変細胞を選択するために典型的に用いられる。それゆえに、産物をコードする核酸は選択マーカーをもまたコードし得る。選択マーカーの例は、限定なしに、抗生物質(例えば、アンピシリン耐性遺伝子カナマイシン耐性遺伝子ネオマイシン耐性遺伝子テトラサイクリン耐性遺伝子、およびクロラムフェニコール耐性遺伝子)または他の化合物に対する耐性または感受性どちらかを増大または減少させる蛋白質をコードする遺伝子を包含する。選択マーカーの追加の例は、限定なしに、細胞がさもなければ必須の栄養素欠乏した培地で増殖することを可能にする蛋白質をコードする遺伝子(栄養要求性マーカー)を包含する。他の選択マーカーが本開示に従って用いられ得る。

0134

改変細胞は、核酸(例えば改変核酸)によってコードされる産物が細胞内で生産される場合に、産物を「発現する」。遺伝子発現が、核酸の形態の遺伝子命令が用いられて蛋白質(例えば酵素)などの産物を合成するプロセスを言う、ということは当分野において公知である。

0135

改変細胞は原核細胞または真核細胞であり得る。いくつかの態様において、改変細胞は細菌細胞、酵母細胞昆虫細胞哺乳類細胞、または細胞の他の型である。

0136

本開示の改変細菌細胞は、限定なしに、改変Escherichia spp.、Streptomyces spp.、Zymomonas spp.、Acetobacter spp.、Citrobacter spp.、Synechocystis spp.、Rhizobium spp.、Clostridium spp.、Corynebacterium spp.、Streptococcus spp.、Xanthomonas spp.、Lactobacillus spp.、Lactococcus spp.、Bacillus spp.、Alcaligenes spp.、Pseudomonas spp.、Aeromonas spp.、Azotobacter spp.、Comamonas spp.、Mycobacterium spp.、Rhodococcus spp.、Gluconobacter spp.、Ralstonia spp.、Acidithiobacillus spp.、Microlunatus spp.、Geobacter spp.、Geobacillus spp.、Arthrobacter spp.、Flavobacterium spp.、Serratia spp.、Saccharopolyspora spp.、Thermus spp.、Stenotrophomonas spp.、Chromobacterium spp.、Sinorhizobium spp.、Saccharopolyspora spp.、Agrobacterium spp.、およびPantoea spp.を包含する。

0137

本開示の改変酵母細胞は、限定なしに、改変Saccharomyces spp.、Schizosaccharomyces、Hansenula、Candida、Kluyveromyces、Yarrowia、およびPichiaを包含する。

0138

いくつかの態様において、本開示の改変細胞は、改変Escherichia coli細胞、Bacillus subtilis細胞、Pseudomonas putida細胞、Saccharomyces cerevisae細胞、またはLactobacillus brevis細胞である。いくつかの態様において、本開示の改変細胞は改変Escherichia coli細胞である。
改変核酸

0139

「核酸」は、共有結合的に一緒に連結された少なくとも2つのヌクレオチドであり、いくつかの場合にはホスホジエステル結合(例えばホスホジエステルバックボーン」)を含有し得る。核酸(例えば、核酸のコンポーネントまたは部分)は天然に生ずるかまたは改変され得る。「天然に生ずる」核酸は、ヒトの介入の非存在下において天然に存在する細胞内に存在する。「改変核酸」は組換え体核酸および合成核酸を包含する。「組換え体核酸」は、(例えば同じ種からのまたは異なる種からの)核酸分子同士を繋ぎ合わせることによって構築される分子を言い、典型的には生細胞内で複製し得る。「合成核酸」は、生物学的に合成、化学的に合成、または他の手段によって合成もしくは増幅される分子を言う。合成核酸は、化学的に修飾または別様に修飾されているが、天然に生ずる核酸分子と塩基対形成し得る核酸を包含する。組換え体および合成核酸は、前述のどちらかの複製からもたらされる分子をもまた包含する。改変核酸は天然に生ずる核酸の部分を含有し得るが、全体としては、改変核酸は天然には生じず、ヒトの介入を要求する。いくつかの態様において、本開示の産物をコードする核酸は組換え体核酸または合成核酸である。他の態様において、産物をコードする核酸は天然に生ずる。

0140

本明細書において提供されるRNAをコードする改変核酸は、核酸のコントロール領域である「プロモーター」に作動可能に連結され得、そこでは核酸の残りの転写の開始および速度がコントロールされる。プロモーターは、それが制御する核酸の発現を駆動しまたは転写を駆動する。

0141

プロモーターは、遺伝子または配列に天然に結び付けられているものであり得、所与の遺伝子または配列のコードセグメント上流に位置する5’非コード配列を単離することによって得られ得る。かかるプロモーターは「内在性」と言われ得る。

0142

いくつかの態様において、コード核酸配列は組換え体または異種プロモーターのコントロール下に配置され得、これは、通常ではその天然環境においてはコードされている配列に結びつけられていないプロモーターを言う。かかるプロモーターは、他の遺伝子のプロモーター;いずれかの他の細胞から単離されたプロモーター;および例えば、異なる転写制御領域の異なるエレメント同士および/または当分野において公知である遺伝子工学の方法によって発現を変改する変異を含有するものなどの、「天然に生じ」ない合成プロモーターまたはエンハンサーを包含し得る。プロモーターおよびエンハンサーの核酸配列を合成的に生産することに加えて、配列は、組換えクローニングおよび/またはポリメラーゼ連鎖反応PCR)を包含する核酸増幅テクノロジーを用いて生産され得る。

0143

プロモーターは、それが制御する核酸に対して正しい機能的な位置および向きにあって、その核酸の転写開始および/または発現をコントロールする(「駆動する」)ときに、「作動可能に連結」されていると見なされる。

0144

本開示の改変核酸は恒常的プロモーターまたは誘導型プロモーターを含有し得る。「恒常的プロモーター」は細胞内において常に活性であるプロモーターを言う。「誘導型プロモーター」は、誘導因子もしくは誘導剤の存在下にあるか、それによって影響されるか、もしくはそれと接触するか、または抑圧を引き起こす因子の非存在下において活性化されるときに、転写活性を開始または増強するプロモーターを言う。本開示に従う使用のための誘導型プロモーターは、本明細書に記載されるかまたは当業者に公知のいずれかの誘導型プロモーターを包含する。誘導型プロモーターの例は、限定なしに、化学的/生化学的に制御および物理的に制御されるプロモーター、例えばアルコールによって制御されるプロモーター、テトラサイクリンによって制御されるプロモーター、ステロイドによって制御されるプロモーター、金属によって制御されるプロモーター、発病機構によって制御されるプロモーター、温度/熱誘導型、リン酸によって制御される(例えばPhoA)、および光によって制御されるプロモーターを包含する。

0145

誘導因子または誘導剤は、内在的もしくは通常では外来的な条件(例えば光)、化合物(例えば、化学もしくは非化学化合物)、または誘導型プロモーターからの転写活性を制御する点で活性であるようなやり方で誘導型プロモーターに接触する蛋白質であり得る。それゆえに、核酸の「転写を制御するシグナル」は誘導型プロモーターに作用する誘導因子シグナルを言う。転写を制御するシグナルは、用いられる制御システムに依存して転写を活性化または不活性化し得る。転写の活性化には、プロモーターに直接的に作用して転写を駆動すること、またはプロモーターが転写を駆動することを防ぐリプレッサーを不活性化することによってプロモーターに間接的に作用することが関わり得る。反対に、転写の脱活性化には、プロモーターに直接的に作用して転写を防ぐこと、またはリプレッサーを活性化し、これがそれからプロモーターに作用することによってプロモーターに間接的に作用することが関わり得る。

0146

改変核酸は当分野において公知のいずれかの手段を用いてホスト細胞内に導入され得、限定なしに、形質転換、トランスフェクション(例えば、化学的(例えば、リン酸カルシウムカチオン性ポリマー、もしくはリポソーム)または非化学的(例えば、エレクトロポレーションソノポレーション、インペイルフェクション(impalefection)、光学的トランスフェクション、流体力学的トランスフェクション))、および形質導入(例えば、ウイルス系形質導入)を包含する。

0147

天然に生ずる細胞内核酸によってコードされる酵素または他の蛋白質は「内在性酵素」または「内在性蛋白質」と言われ得る。
細胞培養物および細胞ライセート

0148

典型的には、改変細胞は培養される。「培養する」は、細胞がコントロールされた条件下において、典型的にはそれらの天然環境の外において増殖させられるプロセスを言う。例えば、改変細菌細胞などの改変細胞は、液体培養培地」ともまた言われる液体栄養素ブロス中において細胞懸濁液として増殖させられ得る。

0149

普通に用いられる細菌Escherichia coli増殖培地の例は、限定なしに、LB(溶原ブロス)Millerブロス(1%NaCl):1%ペプトン、0.5%酵母エキス、および1%NaCl;LB(溶原ブロス)Lennoxブロス(0.5%NaCl):1%ペプトン、0.5%酵母エキス、および0.5%NaCl;SOB培地(スーパーオプティマルブロス):2%ペプトン、0.5%酵母エキス、10mM NaCl、2.5mM KC1、10mM MgCl2、10mM MgSO4;SOC培地異化抑制因子を有するスーパーオプティマルブロス):SOB+20mMグルコース;2×YTブロス(2×酵母エキスおよびトリプトン):1.6%ペプトン、1%酵母エキス、および0.5%NaCl;TB(テリフィックブロス)培地:1.2%ペプトン、2.4%酵母エキス、72mM K2HPO4、17mM KH2PO4、および0.4%グリセロール;ならびにSB(スーパーブロス)培地:3.2%ペプトン、2%酵母エキス、および0.5%NaCl、ならびに/またはKorz培地(Korz, DJ et al. 1995)を包含する。

0150

高密度の細菌Escherichia coli増殖培地の例は、DNAGro(商標)培地、ProGro(商標)培地、AutoX(商標)培地、DetoX(商標)培地、InduX(商標)培地、およびSecPro(商標)培地を包含するが、これに限定されない。

0151

いくつかの態様において、改変細胞は酵素または核酸の発現をもたらす条件下において培養される。かかる培養条件は発現されようとする特定の産物と産物の所望の量とに依存し得る。

0152

いくつかの態様において、改変細胞は30℃から40℃の温度で培養される。例えば、改変細胞は30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、または40℃の温度で培養され得る。典型的には、改変細胞、例えば改変E. coli細胞は37℃の温度で培養される。

0153

いくつかの態様において、改変細胞は、12時間から72時間の、またはより多くの時期培養される。例えば、改変細胞は、12、18、24、30、36、42、48、54、60、66、または72時間の時期培養され得る。典型的には、改変細菌細胞などの改変細胞は12から24時間の時期培養される。いくつかの態様において、改変細胞は37℃の温度で12から24時間培養される。

0154

いくつかの態様において、改変細胞は(例えば、液体細胞培養培地中において)5から200の600nmの波長で測定される光学密度OD600)まで培養される。いくつかの態様において、改変細胞は5、10、15、20、25、50、75、100、150、または200のOD600まで培養される。

0155

いくつかの態様において、改変細胞は、1×108(OD<1)から2×1011(OD〜200)生存可能細胞/ml細胞培養培地の密度で培養される。いくつかの態様において、改変細胞は1×108、2×108、3×108、4×108、5×108、6×108、7×108、8×108、9×108、1×109、2×109、3×109、4×109、5×109、6×109、7×109、8×109、9×109、1×1010、2×1010、3×1010、4×1010、5×1010、6×1010、7×1010、8×1010、9×1010、1×1011、または2×1011生存可能細胞/mlの密度まで培養される(変換係数:OD1=8×108細胞/ml)。

0156

いくつかの態様において、改変細胞はバイオリアクター内で培養される。バイオリアクターは単純に細胞が培養される容器、例えば培養フラスコディッシュ、またはバッグを言い、これらは単回使用(使い捨て)、オートクレーブ可能、または滅菌可能であり得る。バイオリアクターはガラスから作られ得、またはこれはポリマーに基づき得、またはこれは他の材料から作られ得る。

0157

バイオリアクターの例は、限定なしに、撹拌槽(例えば完全混合)バイオリアクターおよび管型(例えば押し出し流れ)バイオリアクター、エアリフトバイオリアクター、膜撹拌槽、スピンフィルター撹拌槽、バイブロミキサー流動床反応器、ならびに膜バイオリアクターを包含する。バイオリアクターを作動させるモードはバッチまたは連続プロセスであり得、培養されようとする改変細胞に依存するであろう。バイオリアクターは、フィードおよび製品流が連続的にフィードされ、システムから取り出されるときに、連続的である。バッチ式バイオリアクターは連続的な再循環流れを有し得るが、栄養素の連続的なフィードまたは産物収穫はない。断続的収穫およびフェドバッチ(fed-batch)(またはバッチフェド(batch fed))培養では、細胞は、組成がバッチ培地に類似である培地に、より低い生存可能細胞密度で接種される。細胞は、栄養素がやや枯渇し細胞が定常増殖段階に近づくまで、本質的に外的操作なしに指数増殖することを許される。この時点において、断続的収穫バッチフェド(batch fed)プロセスでは、細胞および産物の部分が収穫され得、除去された培養培地が新しい培地によって補充される。このプロセスは数回繰り返され得る。組換え体蛋白質および抗体の生産のためには、フェドバッチプロセスが用いられ得る。細胞が指数増殖していくが栄養素が枯渇してくる一方で、濃縮されたフィード培地(例えば、10〜15倍濃縮された基礎培地)が連続的または断続的にどちらかで追加されて、追加の栄養素を供給し、細胞濃度と生産段階の長さとのさらなる増大を許す。新しい培地が、培養培地(ブロス)の除去なしに細胞濃度に比例して追加され得る。培地の追加を収容するように、フェドバッチ培養はバイオリアクターの満容量よりも大分低い体積(例えば、最大の体積のおよそ40%から50%)で始められる。

0158

本開示のいくつかの方法は、RNA(例えば、ssRNAまたはdsRNA)の大スケール生産を対象とする。大スケール生産方法では、改変細胞は、5リットル(L)から250,000Lの、またはより多くの体積の液体培養培地中で増殖させられ得る。いくつかの態様において、改変細胞は、10L、100L、1000L、10000L、または100000L超の(またはそれに等しい)体積の液体培養培地中で増殖させられ得る。いくつかの態様において、改変細胞は、5L、10L、15L、20L、25L、30L、35L、40L、45L、50L、100L、500L、1000L、5000L、10000L、100000L、150000L、200000L、250000L、またはより多くの体積の液体培養培地中で増殖させられる。いくつかの態様において、改変細胞は、5Lから10L、5Lから15L、5Lから20L、5Lから25L、5Lから30L、5Lから35L、5Lから40L、5Lから45L、10Lから15L、10Lから20L、10Lから25L、20Lから30L、10Lから35L、10Lから40L、10Lから45L、10Lから50L、15Lから20L、15Lから25L、15Lから30L、15Lから35L、15Lから40L、15Lから45L、または15から50Lの体積の液体培養培地中で増殖させられ得る。いくつかの態様において、改変細胞は、100Lから300000L、100Lから200000L、または100Lから100000Lの体積の液体培養培地中で増殖させられ得る。

0159

典型的には、改変細胞を培養することには、細胞を溶解することが後続する。「溶解する」は、細胞が例えばウイルス的、酵素的、機械的、または浸透圧的機序によって破片化されるプロセスを言う。「細胞ライセート」は、溶解された細胞(例えば、溶解された改変細胞)の内容物を含有する液を言い、例えばオルガネラ膜脂質、蛋白質、核酸、および反転膜小胞を包含する。本開示の細胞ライセートは、本明細書において提供される改変細胞いずれかの集団を溶解することによって生産され得る。

0160

「溶解する」と言われる細胞溶解の方法は当分野において公知であり、それらのいずれかが本開示に従って用いられ得る。かかる細胞溶解方法は、限定なしに、ホモジナイゼーションなどの物理的溶解を包含する。

0161

細胞溶解は綿密にコントロールされた細胞内環境を撹乱し得、無制御な内在性プロテアーゼおよびホスファターゼによる蛋白質分解および修飾をもたらす。それゆえに、いくつかの態様においては、プロテアーゼ阻害剤および/またはホスファターゼ阻害剤が細胞ライセートまたは溶解前の細胞に追加され得、またはそれらの活性は熱不活性化、遺伝子不活性化、またはプロテアーゼ標的化によって除去され得る。

0162

いくつかの態様において、細胞ライセートは少なくとも1つの栄養素と組み合わせられ得る。例えば、細胞ライセートはNa2HPO4、KH2PO4、NH4Cl、NaCl、MgSO4、CaCl2と組み合わせられ得る。他の栄養素の例は、限定なしに、硫酸マグネシウム塩化マグネシウムオロト酸マグネシウムクエン酸マグネシウム一塩基性リン酸カリウム、二塩基性リン酸カリウム、三塩基性リン酸カリウム、一塩基性リン酸ナトリウム二塩基性リン酸ナトリウム、三塩基性リン酸ナトリウム、一塩基性リン酸アンモニウム二塩基性リン酸アンモニウム、硫酸アンモニウム塩化アンモニウム、および水酸化アンモニウムを包含する。

0163

いくつかの態様において、細胞ライセートは少なくとも1つの補因子と組み合わせられ得る。例えば、細胞ライセートは、アデノシン二リン酸(ADP)、アデノシン三リン酸(ATP)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドNAD+)、または酵素の活性のために要求される他の非蛋白質化学化合物(例えば、無機イオンおよび補酵素)と組み合わせられ得る。

0164

いくつかの態様において、細胞ライセートはRNA解重合をもたらす条件下においてインキュベートされる。いくつかの態様において、細胞ライセートはssRNAまたはdsRNAの生産をもたらす条件下においてインキュベートされる。

0165

単一の反応に用いられる細胞ライセートの体積は変わり得る。いくつかの態様において、細胞ライセートの体積は0.001から250m3である。例えば、細胞ライセートの体積は0.001m3、0.01m3、0.1m3、1m3、5m3、10m3、15m3、20m3、25m3、30m3、35m3、40m3、45m3、50m3、55m3、60m3、65m3、70m3、75m3、80m3、85m3、90m3、95m3、100m3、105m3、110m3、115m3、120m3、125m3、130m3、135m3、140m3、145m3、150m3、155m3、160m3、165m3、170m3、175m3、180m3、185m3、190m3、195m3、200m3、205m3、210m3、215m3、220m3、225m3、230m3、235m3、240m3、245m3、または250m3であり得る。いくつかの態様において、細胞ライセートの体積は25m3から250m3、50m3から250m3、または100m3から250m3である。
下流処理

0166

本明細書において提供される方法およびシステムは、いくつかの態様において、RNA(例えば、dsRNA、ssRNA)産物を1〜50g/L(例えば、30、35、40、45、または50g/L)の濃度で生む。下流処理は99重量%(例えば、75、80、85、90、95、96、97、98、または99%)dsRNAほどまで純度を増大させる。下流処理の例が図4に示されており、蛋白質沈殿剤(例えば酢酸アンモニウム)の追加によって出発し、蛋白質、脂質、および何らかのDNAを製品流から除去するためのディスク型遠心(DSC)が後続する。それから、塩および体積を除去するために限外濾過が実行される。製品流への塩化リチウムの追加はRNA産物の沈殿に至り、これはその後ディスク型遠心を用いてバルク液体から分離され、例えば〜80%純度のRNA製品流を生む。さらなるクロマトグラフィーポリッシングは〜99%純粋な産物を生む。
追加の態様

0167

本開示の追加の態様は次の番号つきのパラグラフ1〜46に包含される:
1.リボ核酸(RNA)を生合成する無細胞的方法であって、方法が:
(a)RNA、RNAを解重合する酵素、耐熱性キナーゼ、耐熱性RNAポリメラーゼを含む培養改変細胞を溶解し、それによって細胞ライセートを生産することと;
(b)ステップ(a)において生産された細胞ライセートを、RNAの解重合をもたらす条件下においてインキュベートし、それによってヌクレオシド一リン酸を含む細胞ライセートを生産することと;
(c)ステップ(b)において生産された細胞ライセートを、耐熱性キナーゼおよび耐熱性RNAポリメラーゼを不活性化することなしに内在性ヌクレアーゼおよびホスファターゼを不活性化する温度に加熱し、それによって、熱不活性化されたヌクレアーゼおよびホスファターゼを含む細胞ライセートを生産することと;
(d)(c)において生産された細胞ライセートを、エネルギー供給源と関心のRNAをコードするヌクレオチド配列に作動可能に連結されたプロモーターを含有する改変DNA鋳型との存在下において、ヌクレオシド三リン酸の生産およびヌクレオシド三リン酸の重合をもたらす条件下においてインキュベートし、それによって関心のRNAを含む細胞ライセートを生産することと、
を含む。
2. パラグラフ1の方法であって、エネルギー供給源がポリリン酸、ポリリン酸キナーゼ、またはポリリン酸およびポリリン酸キナーゼ両方である。
3. パラグラフ1または2の方法であって、培養改変細胞が改変DNA鋳型を含む。
4. パラグラフ1または2の方法であって、改変DNA鋳型がステップ(d)の細胞ライセートに追加される。
5. パラグラフ1〜4のいずれか1つの方法であって、ATP再生系がステップ(d)の細胞ライセートに追加される。
6. パラグラフ1の方法であって、培養改変細胞がさらに耐熱性ポリリン酸キナーゼを含む。
7. パラグラフ1〜6のいずれか1つの方法であって、ステップ(a)の改変細胞のRNAが内在性RNAである。
8. パラグラフ1〜7のいずれか1つの方法であって、RNAがリボソームRNA、メッセンジャーRNA、トランスファーRNA、またはその組み合わせを含む。
9. パラグラフ1〜8のいずれか1つの方法であって、培養改変細胞がRNAを解重合する少なくとも2つの酵素を含む。
10. パラグラフ1〜9のいずれか1つの方法であって、RNAを解重合する酵素が:S1ヌクレアーゼ、ヌクレアーゼP1、RNaseII、RNase III、RNase R、RNase JI、NucA、PNPase、RNase T、RNase E、RNaseG、およびその組み合わせからなる群から選択される。
11. パラグラフ10の方法であって、RNAを解重合する酵素がヌクレアーゼP1である。
12. パラグラフ1〜11のいずれか1つの方法であって、ステップ(b)の細胞ライセートがMg2+キレート剤を含む。
13. パラグラフ12の方法であって、Mg2+キレート剤がエチレンジアミン四酢酸(EDTA)である。
14. パラグラフ13の方法であって、EDTAの濃度が0.1mMから25mMである。
15. パラグラフ14の方法であって、EDTAの濃度が8mMである。
16. パラグラフ1〜15のいずれか1つの方法であって、耐熱性キナーゼが耐熱性ヌクレオシド一リン酸キナーゼを含む。
17. パラグラフ16の方法であって、耐熱性ヌクレオシド一リン酸キナーゼが、耐熱性ウリジル酸キナーゼ、耐熱性シチジル酸キナーゼ、耐熱性グアニル酸キナーゼ、および耐熱性アデニル酸キナーゼからなる群から選択される。
18. パラグラフ17の方法であって、安定なヌクレオシド一リン酸キナーゼが、pyrH遺伝子によってコードされる耐熱性Pyrococcus furiosusウリジル酸キナーゼ(PfPyrH)、adk遺伝子によってコードされる耐熱性Thermus thermophilusアデニル酸キナーゼ(TthAdk)、cmk遺伝子によってコードされる耐熱性Thermus thermophilusシチジル酸キナーゼ(TthCmk)、およびgmk遺伝子によってコードされる耐熱性Pyrococcus furiosusグアニル酸キナーゼ(PfGmk)からなる群から選択される。
19. パラグラフ1〜18のいずれか1つの方法であって、耐熱性キナーゼが耐熱性ヌクレオシド二リン酸キナーゼを含む。
20. パラグラフ19の方法であって、耐熱性ヌクレオシド二リン酸キナーゼが、耐熱性ヌクレオシドリン酸キナーゼ、耐熱性ピルビン酸キナーゼ、および耐熱性ポリリン酸キナーゼからなる群から選択される。
21. パラグラフ20の方法であって、耐熱性ヌクレオシド二リン酸キナーゼの少なくとも1つがndk遺伝子によってコードされる耐熱性Aquifex aeolicus酵素である。
22. パラグラフ1〜21のいずれか1つの方法であって、細胞が耐熱性ヌクレオシド一リン酸キナーゼおよび耐熱性ヌクレオシド二リン酸キナーゼを含む。
23. パラグラフ1〜22のいずれか1つの方法であって、培養改変細胞が耐熱性ウリジル酸キナーゼ、耐熱性シチジル酸キナーゼ、耐熱性グアニル酸キナーゼ、耐熱性アデニル酸キナーゼ、および耐熱性ポリリン酸キナーゼを含む。
24. パラグラフ1〜23のいずれか1つの方法であって、耐熱性RNAポリメラーゼが耐熱性DNA依存性RNAポリメラーゼである。
25. パラグラフ24の方法であって、DNA依存性RNAポリメラーゼが、耐熱性T7 RNAポリメラーゼ、耐熱性SP6 RNAポリメラーゼ、および耐熱性T3 RNAポリメラーゼからなる群から選択される。
26. パラグラフ25の方法であって、DNA依存性RNAポリメラーゼが耐熱性T7 RNAポリメラーゼである。
27. パラグラフ1〜26のいずれか1つの方法であって、ステップ(c)の温度が少なくとも50℃である。
28. パラグラフ27の方法であって、ステップ(c)の温度が50℃〜80℃である。
29. パラグラフ1〜28のいずれか1つの方法であって、ステップ(c)が、細胞ライセートを少なくとも15分間加熱することを含む。
30. パラグラフ1〜29のいずれか1つの方法であって、ステップ(c)が、細胞ライセートを少なくとも65℃の温度で15分間加熱することを含む。
31. パラグラフ1〜30のいずれか1つの方法であって、ステップ(d)のヌクレオシド三リン酸が15〜30mM/時間の速度で生産される。
32. パラグラフ1〜31のいずれか1つの方法であって、ステップ(d)において生産される関心のRNAが二本鎖RNAである。
33. パラグラフ1〜32のいずれか1つの方法であって、ステップ(d)において生産される関心のRNAがRNA干渉分子である。
34. パラグラフ1〜33のいずれか1つの方法であって、ステップ(d)において生産される関心のRNAが、ヒンジドメインによって連結された相補的なドメイン同士を含有するmRNAである。
35. パラグラフ1〜34のいずれか1つの方法であって、ステップ(d)において生産される関心のRNAが、少なくとも4g/L、少なくとも6g/L、少なくとも6g/L、または少なくとも10g/Lの濃度で生産される。
36. パラグラフ35の方法であって、さらに、二本鎖RNAを精製することを含む。
37. パラグラフ36の方法であって、精製ステップが、ステップ(d)の細胞ライセートを蛋白質沈殿剤と組み合わせることと、沈殿した蛋白質、脂質、およびDNAを除去することとを含む。
38. パラグラフ1〜37のいずれか1つの方法によって生産される細胞ライセート。
39. RNA、RNAを解重合する酵素、耐熱性キナーゼ、および耐熱性RNAポリメラーゼを含む、改変細胞。
40. パラグラフ39の改変細胞であって、さらに、関心のRNAをコードするヌクレオチド配列に作動可能に連結されたプロモーターを含有する改変DNA鋳型を含む。
41. パラグラフ39または40の改変細胞の集団。
42. 方法であって:細胞培養培地中においてパラグラフ39の改変細胞を維持することを含む。
43. パラグラフ42の方法であって、さらに、培養改変細胞を溶解して細胞ライセートを生産することを含む。
44. パラグラフ43の方法であって、さらに、RNAの解重合をもたらす条件下において細胞ライセートをインキュベートして、ヌクレオシド一リン酸を含む細胞ライセートを生産することを含む。
45. パラグラフ44の方法であって、さらに、細胞ライセートを、耐熱性キナーゼおよび耐熱性RNAポリメラーゼを不活性化することなしに内在性ヌクレアーゼおよびホスファターゼを不活性化する温度に加熱して、熱不活性化されたヌクレアーゼおよびホスファターゼを含む細胞ライセートを生産することを含む。
46. パラグラフ45の方法であって、さらに、熱不活性化されたヌクレアーゼおよびホスファターゼを含む細胞ライセートを、エネルギー供給源と関心のRNAをコードするヌクレオチド配列に作動可能に連結されたプロモーターを含有する改変DNA鋳型との存在下において、ヌクレオシド三リン酸の生産およびヌクレオシド三リン酸の重合をもたらす条件下においてインキュベートして、関心のRNAを含む細胞ライセートを生産することを含む。

0168

例1
ヌクレアーゼの絞り込み
ライセートRNAを消化するための最適なヌクレアーゼ(単数または複数)を同定するために、一連のスクリーニング実験を、5’−NMPまたはオリゴヌクレオチドを生成するそれらの能力に基づいて選ばれた市販の酵素を用いて実施した。第1に、それらの酵素の活性を精製E. coli RNAと製造者が推奨する反応条件とを用いて決定した。ここでは、RNA解重合を酸可溶性のヌクレオチドの遊離によってモニターした。これらの条件下においては、4つのヌクレアーゼはバックグラウンドを上回る解重合活性を実証した。正のコントロールとしての用をなすエンドヌクレアーゼのベンゾナーゼおよびRNaseAは、RNAから酸可溶性のヌクレオチドへの迅速な変換を生んだ(図5A)。エキソヌクレアーゼP1およびRNase RによるRNAの処置はRNAから酸可溶性のヌクレオチドへの時間依存的な変換を生み、RNase Rは2時間で100%近くの解重合に達した。残りのヌクレアーゼ(ターミネーターエキソヌクレアーゼ、RNase III、およびRNase T)はこのアッセイでは検出可能な解重合を生じさせなかった。LC−MSによるその後の分析は、ベンゾナーゼまたはRNase AではなくRNase RおよびヌクレアーゼP1によって処置されたサンプルにおいて、NMP遊離を明らかにした(図5B)。これらの結果は、RNase RおよびヌクレアーゼP1がライセートRNAを5’−NMPへと解重合することにとって好適であろうということを示唆している。そのDNAse活性の欠如、そのdsRNAおよび有構造RNAを分解する能力、ならびにそのプロセッシブな3’−>5’エキソヌクレアーゼ活性を含むいくつかの理由から、RNase Rをさらなる研究のために選んだ。
ライセート中におけるRNA解重合

0169

それから、RNaseRを、細菌ライセート中の内在性RNAを解重合するその能力について試験した。これらの実験においては、精製RNase R(0.5mg/mL終濃度)をライセート(50%終濃度)に追加し、遊離のヌクレオチドをUPLCによって定量した。代表的な実験が図6に示されている。精製RNase Rをライセートに追加することは、ライセートRNAからの5’−NMPの急速な遊離をもたらし、最大のNMP遊離は5〜10分後であった。急速な解重合のこの初期期間後に、NMP濃度は安定化し、それからゆっくり低下しはじめた。大分より低い速度でではあるが、内在性RNase活性もまた5’−NMP遊離をもたらした。重要なことに、その公知の作用機序整合して、RNase R追加はRNAからの2’または3’NMP遊離の速度を増大させなかった。複数の独立の実験において、ライセートへのRNase Rの追加は、200mM/hrを超過する速度で5〜10分でライセートRNAの68%から5’−NMPへの変換をもたらした。

0170

RNaseR発現の毒性を算定するために、2つの細菌株を構築した。1つの株は空の蛋白質発現ベクターによって形質転換された元株(GL16−170)を包含し、別のものはRNase Rをコードする同じ蛋白質発現ベクターによって形質転換されたGL16−170を包含した。両方の株をバッチ条件下において1Lバイオリアクター内で増殖させ、OD600=20で誘導し、グルコース消耗前に収穫した。誘導は、増殖速度の検出可能な変化なしに(図7B)RNase Rの強い発現を生んだ(図7A)。溶解および50%希釈によって、RNase Rを発現する株はRNAから酸可溶性のヌクレオチドへの急速な解重合を発揮し(図7C)、過剰発現されたRNase Rが機能的であるということを示した。特に、精製酵素を反応に追加することによって供給された追加のRNase R活性は、解重合の速度または酸可溶性のヌクレオチドの収量を増大させず、過剰発現されたRNase Rが溶解および希釈によって充分に活性であるということを示唆した。

0171

次に、過剰発現されたRNaseRの活性を高密度ライセート中で算定した。リボソーム構造を安定化しrRNAをヌクレアーゼから保護することが公知であるMg2+は、RNase R活性のためにもまた(低い量で)要求される。よって、解重合速度を様々な濃度のEDTAの存在下において測定した(図8)。空ベクター株からのライセートは比較的ゆっくりした解重合速度を発揮し、それらはEDTAに不感であり、一方、過剰発現されたRNase Rを有するライセートは増大していくEDTA濃度によって解重合のより高い速度を発揮し、8mM EDTAにおいて最大の速度であった。おそらくはMg2+依存性RNase Rの不活性化が原因で、8mMよりも上では解重合速度は減少した。一緒にすると、これらの結果は、過剰発現されたRNase Rが非毒性であり、溶解によって活性化され得るということを示唆している。
ライセート中におけるNMP安定性

0172

RNA解重合の後に、もたらされたNMPプールはdsRNAへの重合前にNTPへと漸次リン酸化される。有害な酵素活性、例えばヌクレオシドへのNMP分解と糖および塩基へのその後の加水分解とは、dsRNA収量に負に影響する。よって、個々のNMPの安定性をライセート中で算定した。安定性算定は、同位体標識した「重い」NMP(hAMP、hCMP、hUMP、およびhGMP)をライセートに追加することと、LC−MSを用いて経時的に存在量を定量することとによって実施した(図9A〜9D、実線)。比較的安定であるhAMPとは対照的に、hCMP、hUMP、およびhGMPはライセートによって盛んに分解され、それぞれ1時間、30分、および20分というおよその半減期(t1/2)を有する。

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