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技術 グラフェン及びグラファイトを分散させるためのグラフトコポリマー

出願人 エクソンモービルケミカルパテンツインコーポレイテッド
発明者 ツォウアンディエイチパッシーノヒラリーエルヤンヨン
出願日 2017年4月19日 (2年8ヶ月経過) 出願番号 2018-548138
公開日 2019年4月11日 (8ヶ月経過) 公開番号 2019-510109
状態 未査定
技術分野 高分子組成物 タイヤ一般
主要キーワード 小板状体 脂肪族炭化水素成分 メジアン粒子直径 加工オイル ハロゲン化物質 回り道 加硫アロイ ナノグラフェン
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課題・解決手段

ポリ芳香族炭化水素主鎖及びポリ脂肪族炭化水素コームアームを含むグラフトコポリマーナノ充填剤分散剤並びにその製造方法が開示される。また、グラファイト又はグラフェンハロブチルゴムマトリックスナノ粒子、及びグラフトコポリマーナノ充填剤分散剤を含む弾性ナノ複合材料組成物が開示される。このような弾性ナノ複合材料組成物は有益なタイヤインナーライナー又はインナーチューブである。

概要

背景

ハロブチルゴム(これらはハロゲン化イソブチレンイソプレンコポリマーである)は、乗用車トラックバス、及びエアークラフト乗物用のタイヤ中の最良の空気保持に格別のポリマーである。ブロモブチルゴムクロロブチルゴム、及びハロゲン化星型−分枝ブチルゴムは特別なタイヤ適用、例えば、チューブ又はインナーライナーのために配合し得る。最終の商用の配合物のための成分及び添加剤の選択は所望される性質、即ち、タイヤプラントにおける生の(未硬化コンパウンド加工性及び粘着性対硬化されたタイヤ複合材料の使用中の性能のバランスに依存する。ハロブチルゴムの例はブロモブチル(臭素化イソブチレン−イソプレンゴム即ちBIIR) 、クロロブチル (塩素化イソブチレン−イソプレンゴム即ちCIIR) 、星型−分枝ブチル(SBB)、EXXPROTMエラストマー(臭素化イソブチレン共p-メチルスチレン) コポリマー即ちBIMSM)等である。
ゴム配合適用につき、従来の小さいミクロン以下の充填剤、例えば、カーボンブラック及びシリカがハロブチルゴムに添加されて耐疲労性破壊靭性及び引張強さを改良する。更に最近、製品の性質を変化し、ハロブチルゴム中の空気バリヤー性を改良する方法が開発され、これらの方法はこれらの従来の充填剤とは別のナノ充填剤をエラストマーに添加して“ナノ複合材料”を生成することを含む。ナノ複合材料はナノメートル範囲の少なくとも一つの寸法を有する無機粒子を含むポリマー系である(例えば、WO公開第2008/042025号を参照のこと)。

ナノ複合材料中に使用される普通の型の無機粒子は一般に内位添加形態で提供される所謂“ナノクレー”又は“クレー”の一般クラスからの無機物質である、フィロシリケートであり、この場合、クレーの小板状体又はリーフが個々のクレー物品中に積み重ねて配置され、インターリーフ間隔が隣接ラメラ間の別の化合物又は化学種の挿入により通常維持される。理想的に、内位添加がクレー表面間のスペース又はギャラリーに挿入する。最終的に、表層剥離を有することが望ましく、この場合、ポリマーが個々のナノメートルサイズクレー小板状体で充分に分散される。
板状ナノ充填剤、例えば、オルガノシリケートマイカハイドロタルサイトグラファイトカーボン等の分散、表層剥離、及び配向の程度が、得られるポリマーナノ複合材料透過性に強く影響する。理論上のポリマーのバリヤー特性は、単に小板状体のまわりの長い回り道から得られる増大された拡散路長のための、表層剥離された高アスペクト比板状充填剤の丁度二三の体積パーセントの分散により、大きさの程度で、有意に改良される。Nielsen著, J.Macromol.Sci.(Chem.), A1卷, 929頁 (1967)は、不浸透性の、平面配向された板状充填剤からのくねりの増大を考慮することによりポリマーにおける透過性の減少を測定するための簡単なモデルを開示している。Gusev ら著, Adv.Mater., 13巻, 1641 頁(2001) は、直接の三次元有限要素透過性計算により数的に模擬された透過性値と良く相関関係があるアスペクト比掛け体積分率に透過性の減少を関係づける簡単な引き延ばされた指数関数を開示している。
それ故、透過性減少についてのアスペクト比の効果を最大にするために、小板状体(これらは一般に小板状体の内位添加された積み重ねの形態で供給される)の表層剥離及び分散の程度を最大にすることが有益である。しかしながら、イソブチレンポリマー中で、板状ナノ充填剤の分散及び表層剥離はエントロピーペナルティを克服するのに充分に有利なエンタルピー寄与を必要とする。実際問題として、イオン性ナノ充填剤、例えば、クレーを一般に不活性の、無極性の、炭化水素エラストマーに分散させることは非常に困難であることがこうして判明した。従来技術は、制限された成功でもって、クレー粒子変性により、ゴム状ポリマーの変性により、分散助剤の使用により、また種々のブレンド方法の使用により分散を改良しようと試みていた。

イオン性ナノクレーを無極性エラストマー中に分散させる際に遭遇される難点のために、グラファイトカーボンが代替の板状ナノ充填剤として研究されていた。例えば、グラファイトナノ粒子を含む弾性組成物が米国特許第7,923,491 号に記載されている。
米国特許公開第2006-0229404 号は表層剥離されたグラファイトとのエラストマーの組成物の製造方法を開示しており、この場合、ジエンモノマーが10phr以上の表層剥離されたグラファイトの存在下で重合され、その結果、グラファイトがエラストマーで内位添加される。米国特許第8,110,026 号はナノ複合材料中の使用のためのポリマーマトリックス中の高度の分散に適した酸化されたグラファイトの表層剥離に基づく機能性グラフェンシート(FGS)の製造方法を記載している。
グラファイトの迅速な膨張により得られるナノグラフェン小板状体(NGP)が最近市販されるようになっていた。これらのNGP は酸化されたグラファイトの表面のグラフェン酸化物小板状体とは反対に、グラファイトの表面を有し、炭化水素をベースとする無極性ブチルハロブチルゴムと実に相溶性である。しかしながら、凝集及び凝結のないNGP の高度の表層剥離及び分散はハロブチルゴムへのこれらのナノ粒子の固体配合又は溶液混合により達成し得ない。
重要なその他の文献として、WO 公開第2015/076878 号が挙げられる。
2015年9月30日に出願された米国仮特許出願第62/235,116号は多環式芳香族炭化水素官能イソブチレンコポリマー及びNGP 分散の程度を改良するためのナノ充填剤分散剤としてのこれらのコポリマーの使用を開示している。

概要

ポリ芳香族炭化水素主鎖及びポリ脂肪族炭化水素コームアームを含むグラフトコポリマーナノ充填剤分散剤並びにその製造方法が開示される。また、グラファイト又はグラフェンのハロブチルゴムマトリックスナノ粒子、及びグラフトコポリマーナノ充填剤分散剤を含む弾性ナノ複合材料組成物が開示される。このような弾性ナノ複合材料組成物は有益なタイヤインナーライナー又はインナーチューブである。

目的

本発明は改良された空気バリヤー特性を有するこれらのナノ複合材料組成物をもたらし、かつタイヤインナーライナー又はインナーチューブとしての使用に適しているイソブチレンをベースとするエラストマー/ナノ充填剤ナノ複合材料組成物中の有益なグラファイト及びグラフェンナノ充填剤分散剤を提供する

効果

実績

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請求項1

(a) (i) 少なくとも一種ポリ脂肪族炭化水素、及び(ii)少なくとも一種のポリ芳香族炭化水素反応生成物を含むナノ充填剤分散剤、(b) 4個から7個までの炭素を有するイソオレフィンから誘導された単位を含む少なくとも一種のハロゲン化エラストマー成分、及び(c) 少なくとも一種のナノ充填剤を含む弾性ナノ複合材料組成物であって、ナノ充填剤分散剤がナノ充填剤分散剤、エラストマー成分、及びナノ充填剤の合計質量を基準として0.5 質量%から49質量%まで存在し、かつナノ充填剤がナノ充填剤分散剤、エラストマー成分、及びナノ充填剤の合計質量を基準として0.01質量%から15.0質量%まで存在することを特徴とする前記弾性ナノ複合材料組成物。

請求項2

ポリ脂肪族炭化水素がポリイソブチレンを含み、そのポリイソブチレンがビニルビニリデン末端であり、かつ少なくとも300 g/モル重量平均分子量を有する、請求項1記載の組成物。

請求項3

ポリ芳香族炭化水素がそのポリマー主鎖中に少なくとも1個のフェニレンを有する、請求項1又は2記載の組成物。

請求項4

ポリ脂肪族炭化水素とポリ芳香族炭化水素の反応を80℃から200 ℃までの範囲内の温度でフリーデルクラフツ触媒で促進する、請求項1から3のいずれかに記載の組成物。

請求項5

ナノ充填剤分散剤がポリ脂肪族炭化水素成分及びポリ芳香族炭化水素成分を含むグラフトコポリマーを含み、そのポリ芳香族炭化水素成分がその主鎖中のヘテロ原子又はヘテロ原子含有部分及びフェニル基又は置換フェニル基を含むポリマーであり、そのポリ脂肪族炭化水素成分がそのポリ芳香族炭化水素成分に共有結合されている、請求項1から4のいずれかに記載の組成物。

請求項6

グラフトコポリマー中のポリ脂肪族炭化水素成分対ポリ芳香族炭化水素成分のモル比が99:1から1:99までの範囲内である、請求項5記載の組成物。

請求項7

グラフトコポリマーが構造:を有し、式中、それぞれのI、II、III 、及びIVは、独立に、1,2-フェニル、1,3-フェニル又は1,4-フェニルであり、これらのいずれかが1個以上の電子供与性置換基置換されていてもよく、A、B、C、及びDの少なくとも一つは、独立に、酸素原子窒素原子硫黄原子、もしくはリン原子、又は酸素窒素硫黄リンを含む部分、或いはこれらの組み合わせであり、E、F、G、及びHの少なくとも一つはそれぞれI、II、III 、及びIVに結合された一つ、二つ又は三つのポリ脂肪族炭化水素成分であり、そのポリ脂肪族炭化水素成分のそれぞれが少なくとも300 g/モルの重量平均分子量を有し、かつmは1から10までの範囲内の整数であり、かつnは10から500 までの範囲内の整数である、請求項5又は6記載の組成物。

請求項8

その電子供与性置換基がC1〜C10アルキル、C1〜C10アルコキシ、C1〜C10メルカプタン塩素臭素ヨウ素、ヒドロキシル、及びこれらの組み合わせからなる群から選ばれる、請求項7記載の組成物。

請求項9

A、B、C、及びD置換基がC1〜C10カルボキシ含有部分、C1〜C10イミド含有部分、C1〜C10スルフィド含有部分、硫黄、スルフィド、カルボキシ、カルボキシレート、イミド、窒素、及びこれらの組み合わせからなる群から選ばれる請求項7又は8記載の組成物。

請求項10

A、B、C、及びD置換基が-CH2-NH-CO-(CH2)4-CH2-、-OCOO-、CO- 、ピロメリット酸ジイミド、-SO2- 、硫黄、酸素、窒素、リン、及びこれらの組み合わせからなる群から選ばれる、請求項7から9のいずれかに記載の組成物。

請求項11

A、B、C、及びD置換基が酸素であり、かつI、II、III 、及びIVが2,6-ジメチル-1,4-フェニルであり、かつmが1である、請求項7から10のいずれかに記載の組成物。

請求項12

ナノ充填剤がグラファイト膨張グラファイトナノグラフェン小板状体(NGP) 、及びグラフェン、並びにこれらの混合物及び組み合わせからなる群から選ばれる、請求項1から11のいずれかに記載の組成物。

請求項13

エラストマー成分が塩素化ポリ(イソブチレンイソプレン) (CIIR)及び臭素化ポリ(イソブチレン共イソプレン) (BIIR)、並びにこれらの混合物及び組み合わせからなる群から選ばれる、請求項1から12のいずれかに記載の組成物。

請求項14

40℃における弾性ナノ複合材料の酸素透過性がエラストマー成分の透過性よりも少なくとも50%低い、請求項13記載の組成物。

請求項15

付加的な充填剤加工オイル、及び硬化添加剤からなる群から選ばれた少なくとも一種の成分を更に含み、その硬化添加剤が金属酸化物有機酸、及びアルキルジスルフィド、並びにこれらの混合物及び組み合わせからなる群から選ばれる、請求項1から14のいずれかに記載の組成物。

請求項16

請求項1から15のいずれかに記載の組成物を含むタイヤ用のインナーライナー

請求項17

弾性ナノ複合材料組成物の製造方法であって、その方法が(a) 少なくとも一種のポリ脂肪族炭化水素及び少なくとも一種のポリ芳香族炭化水素を80℃から200 ℃までの範囲内の温度でフリーデル−クラフツ触媒と合わせてナノ充填剤分散剤を生成し、(b) ナノ充填剤分散剤を(i) 4個から7個までの炭素を有するイソオレフィンから誘導された単位を含む少なくとも一種のハロゲン化エラストマー成分及び(ii)少なくとも一種のナノ充填剤と混合することを含み、そのナノ複合材料組成物が0.01質量%から15.0質量%までのナノ充填剤及び0.5 質量%から49質量%までのナノ充填剤分散剤を含み、その質量%がナノ充填剤分散剤、エラストマー成分、及びナノ充填剤の合計質量を基準とすることを特徴とする前記方法。

請求項18

ポリ脂肪族炭化水素がポリイソブチレンを含み、そのポリイソブチレンがビニル/ビニリデン末端であり、かつ少なくとも300 g/モルの重量平均分子量を有する、請求項17記載の方法。

請求項19

ビニル/ビニリデン末端ポリイソブチレンが300 g/モルから300,000 g/モルまでの範囲内の重量平均分子量(Mw)を有する、請求項18記載の方法。

請求項20

ポリ芳香族炭化水素が5,000 g/モルから80,000 g/モルまでの範囲内の重量平均分子量(Mw)を有する、請求項17から19のいずれかに記載の方法。

請求項21

ポリ芳香族炭化水素がそのポリマー主鎖中に少なくとも1個のフェニレンを有する、請求項17から20のいずれかに記載の方法。

請求項22

ナノ充填剤がグラファイト、膨張グラファイト、ナノグラフェン小板状体(NGP) 、及びグラフェン、並びにこれらの混合物及び組み合わせからなる群から選ばれる、請求項17から21のいずれかに記載の方法。

請求項23

ハロゲン化エラストマー成分が塩素化ポリ(イソブチレン共イソプレン) (CIIR)及び臭素化ポリ(イソブチレン共イソプレン) (BIIR)、並びにこれらの混合物及び組み合わせからなる群から選ばれる、請求項17から22のいずれかに記載の方法。

請求項24

40℃における弾性ナノ複合材料の酸素透過性がエラストマー成分の透過性よりも少なくとも50%低い、請求項23記載の方法。

請求項25

弾性ナノ複合材料中のナノ充填剤分散剤としてのグラフトコポリマーを含む組成物の使用であって、そのグラフトがポリ脂肪族炭化水素成分及びポリ芳香族炭化水素成分を含み、そのポリ芳香族炭化水素成分がその主鎖中のヘテロ原子又はヘテロ原子含有部分及びフェニル基又は置換フェニル基を含むポリマーであり、そのポリ脂肪族成分がポリ芳香族炭化水素成分に共有結合されていることを特徴とする前記使用。

技術分野

0001

優先権の主張
この出願は2016年6月29日に出願された米国仮特許出願第62/356,248号及び2016年8月23日に出願された欧州特許出願第16185358.5号の優先権を主張し、これらの開示がそれらの参照により本明細書に完全に含まれる。
本発明は弾性ナノ複合材料組成物中のグラファイト又はグラフェン分散剤としての使用のためのポリ芳香族炭化水素主鎖及びポリ脂肪族炭化水素分枝を有するグラフトコポリマーに関する。

背景技術

0002

ハロブチルゴム(これらはハロゲン化イソブチレンイソプレンコポリマーである)は、乗用車トラックバス、及びエアークラフト乗物用のタイヤ中の最良の空気保持に格別のポリマーである。ブロモブチルゴムクロロブチルゴム、及びハロゲン化星型−分枝ブチルゴムは特別なタイヤ適用、例えば、チューブ又はインナーライナーのために配合し得る。最終の商用の配合物のための成分及び添加剤の選択は所望される性質、即ち、タイヤプラントにおける生の(未硬化コンパウンド加工性及び粘着性対硬化されたタイヤ複合材料の使用中の性能のバランスに依存する。ハロブチルゴムの例はブロモブチル(臭素化イソブチレン−イソプレンゴム即ちBIIR) 、クロロブチル (塩素化イソブチレン−イソプレンゴム即ちCIIR) 、星型−分枝ブチル(SBB)、EXXPROTMエラストマー(臭素化イソブチレン共p-メチルスチレン) コポリマー即ちBIMSM)等である。
ゴム配合適用につき、従来の小さいミクロン以下の充填剤、例えば、カーボンブラック及びシリカがハロブチルゴムに添加されて耐疲労性破壊靭性及び引張強さを改良する。更に最近、製品の性質を変化し、ハロブチルゴム中の空気バリヤー性を改良する方法が開発され、これらの方法はこれらの従来の充填剤とは別のナノ充填剤をエラストマーに添加して“ナノ複合材料”を生成することを含む。ナノ複合材料はナノメートル範囲の少なくとも一つの寸法を有する無機粒子を含むポリマー系である(例えば、WO公開第2008/042025号を参照のこと)。

0003

ナノ複合材料中に使用される普通の型の無機粒子は一般に内位添加形態で提供される所謂“ナノクレー”又は“クレー”の一般クラスからの無機物質である、フィロシリケートであり、この場合、クレーの小板状体又はリーフが個々のクレー物品中に積み重ねて配置され、インターリーフ間隔が隣接ラメラ間の別の化合物又は化学種の挿入により通常維持される。理想的に、内位添加がクレー表面間のスペース又はギャラリーに挿入する。最終的に、表層剥離を有することが望ましく、この場合、ポリマーが個々のナノメートルサイズクレー小板状体で充分に分散される。
板状ナノ充填剤、例えば、オルガノシリケートマイカハイドロタルサイトグラファイトカーボン等の分散、表層剥離、及び配向の程度が、得られるポリマーナノ複合材料透過性に強く影響する。理論上のポリマーのバリヤー特性は、単に小板状体のまわりの長い回り道から得られる増大された拡散路長のための、表層剥離された高アスペクト比板状充填剤の丁度二三の体積パーセントの分散により、大きさの程度で、有意に改良される。Nielsen著, J.Macromol.Sci.(Chem.), A1卷, 929頁 (1967)は、不浸透性の、平面配向された板状充填剤からのくねりの増大を考慮することによりポリマーにおける透過性の減少を測定するための簡単なモデルを開示している。Gusev ら著, Adv.Mater., 13巻, 1641 頁(2001) は、直接の三次元有限要素透過性計算により数的に模擬された透過性値と良く相関関係があるアスペクト比掛け体積分率に透過性の減少を関係づける簡単な引き延ばされた指数関数を開示している。
それ故、透過性減少についてのアスペクト比の効果を最大にするために、小板状体(これらは一般に小板状体の内位添加された積み重ねの形態で供給される)の表層剥離及び分散の程度を最大にすることが有益である。しかしながら、イソブチレンポリマー中で、板状ナノ充填剤の分散及び表層剥離はエントロピーペナルティを克服するのに充分に有利なエンタルピー寄与を必要とする。実際問題として、イオン性ナノ充填剤、例えば、クレーを一般に不活性の、無極性の、炭化水素エラストマーに分散させることは非常に困難であることがこうして判明した。従来技術は、制限された成功でもって、クレー粒子変性により、ゴム状ポリマーの変性により、分散助剤の使用により、また種々のブレンド方法の使用により分散を改良しようと試みていた。

0004

イオン性ナノクレーを無極性エラストマー中に分散させる際に遭遇される難点のために、グラファイトカーボンが代替の板状ナノ充填剤として研究されていた。例えば、グラファイトナノ粒子を含む弾性組成物が米国特許第7,923,491 号に記載されている。
米国特許公開第2006-0229404 号は表層剥離されたグラファイトとのエラストマーの組成物の製造方法を開示しており、この場合、ジエンモノマーが10phr以上の表層剥離されたグラファイトの存在下で重合され、その結果、グラファイトがエラストマーで内位添加される。米国特許第8,110,026 号はナノ複合材料中の使用のためのポリマーマトリックス中の高度の分散に適した酸化されたグラファイトの表層剥離に基づく機能性グラフェンシート(FGS)の製造方法を記載している。
グラファイトの迅速な膨張により得られるナノグラフェン小板状体(NGP)が最近市販されるようになっていた。これらのNGP は酸化されたグラファイトの表面のグラフェン酸化物小板状体とは反対に、グラファイトの表面を有し、炭化水素をベースとする無極性ブチルハロブチルゴムと実に相溶性である。しかしながら、凝集及び凝結のないNGP の高度の表層剥離及び分散はハロブチルゴムへのこれらのナノ粒子の固体配合又は溶液混合により達成し得ない。
重要なその他の文献として、WO 公開第2015/076878 号が挙げられる。
2015年9月30日に出願された米国仮特許出願第62/235,116号は多環式芳香族炭化水素官能イソブチレンコポリマー及びNGP 分散の程度を改良するためのナノ充填剤分散剤としてのこれらのコポリマーの使用を開示している。

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、これらの組成物の空気不透過性を改良するために、空気保持を必要とするその他のものの中でも、タイヤ、空気バリヤーに有益なハロブチルゴムを含む弾性ナノ複合材料組成物中のグラファイト及びグラフェンナノ充填剤の分散を改良することについての要望が存する。

課題を解決するための手段

0006

本発明は改良された空気バリヤー特性を有するこれらのナノ複合材料組成物をもたらし、かつタイヤインナーライナー又はインナーチューブとしての使用に適しているイソブチレンをベースとするエラストマー/ナノ充填剤ナノ複合材料組成物中の有益なグラファイト及びグラフェンナノ充填剤分散剤を提供することにより弾性ナノ複合材料組成物中のグラファイト及びグラフェンナノ充填剤の改良された分散についての要望を満足する。一般に、ナノ充填剤分散剤はポリ芳香族炭化水素とポリ脂肪族炭化水素、理想的にはビニルビニリデン末端ポリイソブチレン反応生成物を含む。
更に、本発明はこれらのナノ充填剤分散剤組成物及び製造されたナノ充填剤分散剤を含む弾性ナノ複合材料組成物の製造方法に関する。好ましくは、ナノ充填剤分散剤組成物が少なくとも一種のポリ芳香族炭化水素及び少なくとも一種のポリ脂肪族炭化水素を80℃から200 ℃までの範囲内の温度でフリーデルクラフツ触媒と合わせることにより製造される。好ましくは、ナノ充填剤分散剤を含む弾性ナノ複合材料がナノ充填剤分散剤を (i) 4個から7個までの炭素を有するイソオレフィンから誘導された単位を含む少なくとも一種のハロゲン化エラストマー成分(好ましくは、そのエラストマー成分が少なくとも一種のマルチオレフィンから誘導された単位を含む)及び(ii)少なくとも一種のナノ充填剤とブレンドすることにより製造される。

0007

本発明はイソブチレンをベースとするエラストマー/ナノ充填剤ナノ複合材料組成物中のナノ充填剤分散剤として有益な、ポリ脂肪族炭化水素分枝、理想的にはポリイソブチレンを有するポリ芳香族炭化水素主鎖を有するグラフトコポリマーを記載する。ナノ複合材料組成物は空気バリヤーとしての使用に適した、ハロゲン化イソブチレンをベースとするエラストマー及びナノ充填剤、望ましくはグラファイト又はグラフェンを含み得る。本発明の生成されたナノ複合材料組成物は改良された空気バリヤー特性を有し、かつインナーライナー又はインナーチューブとしての使用に適している。
定義
本明細書に使用される“ポリマー”はホモポリマー、コポリマー、インターポリマーターポリマー等を表すのに使用されてもよい。同様に、コポリマーは必要によりその他のモノマーとともに、少なくとも2種のモノマーを含むポリマーを表してもよい。本明細書に使用されるように、ポリマーがモノマーを“含む”と言及される場合、そのモノマーはモノマーの重合された形態又はモノマーの誘導体形態でポリマー中に存在する。同様に、触媒成分が成分の中性の安定な形態を含むと記載されている場合、その成分のイオン形態がモノマーと反応してポリマーを生成する形態であることが、当業者により良く理解されている。
本明細書に使用される“エラストマー”又は“エラストマー組成物”はASTMD1566の定義と合致するあらゆるポリマー又はポリマーの組成物(例えば、ポリマーのブレンド)を表す。エラストマーはポリマーの混合ブレンド、例えば、ポリマーの溶融混合及び/又は反応器ブレンドを含む。これらの用語は“ゴム”という用語と互換可能に使用し得る。

0008

本明細書に使用される“ナノ粒子”又は“ナノ充填剤”は100ナノメーター未満の少なくとも一つの寸法(長さ、幅、又は厚さ)を有する無機粒子を表す。
本明細書に使用される“弾性ナノ複合材料”又は“弾性ナノ複合材料組成物”はナノ充填剤及び任意の熱可塑性樹脂を更に含むあらゆるエラストマー又はエラストマー組成物を表す。
本明細書に使用される“phr”は100 部のゴム当り部数であり、当業界で普通の目安であり、この場合、組成物の成分が100 重量部の一種以上のエラストマー又は一種以上のゴムを基準として、主要エラストマー成分に対して測定される。
本明細書に使用される“配合すること”は弾性ナノ複合材料組成物をナノ充填剤及び熱可塑性樹脂とは別のその他の成分と合わせることを表す。これらの成分は付加的な充填剤、硬化剤加工助剤、促進剤等を含んでいてもよい。
本明細書に使用される“イソブチレンをベースとするエラストマー”又は“イソブチレンをベースとするポリマー”又は“イソブチレンをベースとするゴム”は少なくとも70モル%のイソブチレンを含むエラストマー又はポリマーを表す。
本明細書に使用される“イソオレフィン”はオレフィン炭素に二つの置換を有する少なくとも一つのオレフィン炭素を有するあらゆるオレフィンモノマーを表す。
本明細書に使用される“マルチオレフィン”は二つ以上の二重結合を有するあらゆるモノマーを表し、例えば、マルチオレフィンは二つの共役二重結合を含むあらゆるモノマー、例えば、共役ジエン、例えば、イソプレンであってもよい。“
本明細書に使用される“表層剥離”はもとの無機粒子の個々の層の分離を表し、その結果、ポリマーがそれぞれの分離された粒子を包囲することができ、又は包囲する。実施態様において、充分なポリマー又はその他の材料は小板状体がランダム隔置されるようにそれぞれの小板状体の間に存在する。例えば、表層剥離又は内位添加の或る指示は層状小板状体のランダムな隔置又は増大された分離のためにX線ライン又は一層大きいd-間隔を示さないプロットであってもよい。しかしながら、その工業で、また教育の場により認められるように、その他の証拠、例えば、透過性試験電子顕微鏡原子力顕微鏡等が表層剥離の結果を示すのに有益であるかもしれない。

0009

“アスペクト比“という用語はナノ充填剤のリーフ又は小板状体の一層大きい寸法対個々のリーフの厚さ又はリーフもしくは小板状体の凝集物もしくは積み重ねの厚さの比を意味すると理解される。個々のリーフ/小板状体の厚さは結晶学分析技術により測定でき、一方、リーフ/小板状体の一層大きい寸法は一般に透過電子顕微鏡(TEM)による分析により測定され、その両方が当業界で知られている。
本明細書に使用される“溶媒”は別の物質を溶解することができるあらゆる物質を表す。溶媒という用語が使用される場合、それは特に明記されない限り少なくとも一種の溶媒又は2種以上の溶媒を表してもよい。溶媒は極性であってもよい。また、溶媒は無極性であってもよい。
本明細書に使用される“溶液”は一種以上の物質(溶媒)中の一種以上の物質(溶質)の、分子レベル又はイオンレベルで一様に分散された混合物を表す。例えば、溶液方法はエラストマー及び変性された層状の充填剤の両方が同じ有機溶媒又は溶媒混合物中に留まる混合方法を表す。
本明細書に使用される“炭化水素”は主として水素原子及び炭素原子を含む分子又は分子のセグメントを表す。しばしば、炭化水素はまた以下に更に詳しく説明されるように炭化水素のハロゲン化別型及びヘテロ原子を含む別型を含む。
本明細書に使用される“ポリ芳香族炭化水素”は複数の芳香族環を含む炭化水素ポリマーを表す。
本明細書に使用される“ポリ脂肪族炭化水素”は非芳香族炭化水素ポリマーを表す。
本明細書に使用される“フリーデル−クラフアルキル化反応”という用語はフリーデル−クラフツアルキル化反応と定義されるこれらの反応及びフリーデル−クラフツアルキル化反応の挙動を模擬するこれらの反応の両方を表す。本明細書に使用される“フリーデル−クラフツ触媒”という用語はフリーデル−クラフツアルキル化反応を触媒作用することができる化合物、例えば、ルイス酸を表す。

0010

グラフトコポリマーナノ充填剤分散剤
本発明のグラフトコポリマーナノ充填剤分散剤はポリ芳香族炭化水素主鎖及びポリ脂肪族炭化水素分枝を含む。一般に、グラフトコポリマーはポリ芳香族炭化水素とポリ脂肪族炭化水素、理想的にはビニル/ビニリデン末端ポリイソブチレンの間の反応生成物である。得られるグラフトコポリマーはグラファイト又はグラフェンナノ粒子をハロブチルマトリックスをベースとする弾性ナノ複合材料中に分散させるのに有益である。理論により束縛されたくないが、本明細書のグラフトコポリマーはポリ芳香族炭化水素の芳香族環とグラファイト又はグラフェンナノ粒子のグラファイト表面の間のπ−π*相互作用によりグラファイト又はグラフェン表面に優先的に結合することによりグラファイト又はグラフェンナノ充填剤分散剤として作用すること、及びそのコポリマーの分散剤効果がブラシとして作用するポリ芳香族炭化水素主鎖から離れて延びるポリ脂肪族炭化水素分枝により更に強化されることが考えられる。
一般に、グラフトコポリマーはポリ脂肪族炭化水素成分及びポリ芳香族炭化水素成分を含み(又は実質的にこれらからなり、もしくはこれらからなり)、この場合、ポリ芳香族炭化水素成分がその主鎖中のヘテロ原子又はヘテロ原子含有部分及びフェニル基又は置換フェニル基を含むポリマーであり、ポリ脂肪族炭化水素成分がそのポリ芳香族炭化水素成分に共有結合されている。
好ましくは、グラフトコポリマーが下記の構造を有する。

0011

(I)

0012

式中、I、II、III 及びIVのそれぞれは、独立に、1,2-フェニル、1,3-フェニル又は1,4-フェニルであり、これらのいずれかが1個以上の電子供与性置換基で置換されていてもよく、
A、B、C、及びDの少なくとも一つは、独立に、酸素原子窒素原子硫黄原子、もしくはリン原子、又は酸素窒素硫黄リンを含む部分、或いはこれらの組み合わせであり、
E、F、G、及びHの少なくとも一つはそれぞれI、II、III 及びIVに結合された一つ、二つ又は三つのポリ脂肪族炭化水素成分(少なくとも300 g/モルの重量平均分子量を有する)であり、かつ
mは1から10までの範囲内の整数であり、かつnは10から500 までの範囲内の整数である。
最も好ましくは、ポリ芳香族炭化水素主鎖がポリ (フェニレンエーテル) (“PPE”) であり、この場合、構造 (I)中でA、B、C、及びDのそれぞれが酸素であり、かつI、II、III 及びIVが2,6-ジメチル-1,4-フェニルであり、かつmが1である。好ましくは、ポリ脂肪族炭化水素がビニル/ビニリデン末端ポリオレフィン(“VTPO”) 、理想的にはビニル/ビニリデンポリイソブチレン(“VTPIB”)である。一般にグラフトコポリマー、特にPPE-VTPOコポリマーについて、分枝インデックス、gvis.avgが0.95未満又は0.90未満又は0.85未満である。グラフトコポリマーの数平均分子量 (Mn) は好ましくは10,000又は12,000又は15,000g/モルから100,000 又は140,000 又は180,000 又は200,000 g/モルまでの範囲内であり、また好ましくは重量平均分子量 (Mw) が15,000又は20,000g/モルから200,000 又は250,000 又は300,000 又は350,000 g/モルまでの範囲内である。また、一般に、またPPE-VTPOコポリマーについて、グラフトコポリマーのz平均分子量 (Mz) が、30,000又は35,000 〜200,000 又は300,000 又は350,000 g/モルから400,000 又は450,000 又は500,000又は550,000 又は600,000 g/モルまでの範囲内である。これらの範囲はコポリマーについてのLS又はDRIGPC分析の両方に適用される。好ましくは、グラフトコポリマー中のポリ脂肪族炭化水素対ポリ芳香族炭化水素のモル比が99:1又は90:10 から50:50 までの範囲内である。

0013

グラフトコポリマーの合成は一般に温和な接触フリーデル−クラフツアルキル化反応を利用する。ポリ脂肪族炭化水素、特に不飽和ポリオレフィン、更に特別にVTPOは、ポリ芳香族炭化水素主鎖に容易にグラフトし得ることがわかった。詳しくは、VTPOのビニル/ビニリデン末端基が炭素カチオンの良好な前駆体であり、これがブレンステッド酸触媒又はルイス酸触媒のもとで求電子試薬として作用する。加えて、ポリ芳香族炭化水素のアレーン基がフリーデル−クラフト反応で求核試薬として作用する。
ポリ芳香族炭化水素とポリ脂肪族炭化水素の間のフリーデル−クラフト反応によるグラフトコポリマーの調製が今、更に詳しく記載されるであろう。本発明はこれらの局面に限定されず、この記載が本発明の一層広い範囲内のその他の局面、例えば、グラフトコポリマーが別の変換経路により調製される場合を排除することを意味しない。
ポリ芳香族炭化水素
好適なポリ芳香族炭化水素はポリマー反復単位、又はモノマー中に一つ以上の芳香族部分(これらはフリーデル−クラフツアルキル化反応を受けることができる)を有することが好ましい。ポリ芳香族炭化水素は芳香族ポリアミド芳香族ポリイミド芳香族ポリアミドイミド)、芳香族ポリカーボネート芳香族ポリエステル、ポリ(エーテルエーテルケトン)、ポリ(エーテルケトンケトン)、芳香族ポリスルホン、ポリ(フェニレンエーテル)、ポリ(フェニレンスルフィド)、及びポリキシリレン、最も好ましくはポリ(フェニレンエーテル)であってもよいが、これらに限定されない。
本明細書で例示されるポリ芳香族炭化水素はPPE である。開示される方法はPPE を越えて下記の一般化化学構造(II)を共有するポリ芳香族炭化水素に及び得ることが予想される。

0014

(II)

0015

式中、(I) 中のI、II、III 及びIVのそれぞれは、独立に、1,2-フェニル、1,3-フェニル又は1,4-フェニルであり、これらのいずれかが1個以上の電子供与性置換基で置換されていてもよく、
A、B、C、及びDの少なくとも一つは、独立に、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、もしくはリン原子、又は酸素、窒素、硫黄、リンを含む部分、或いはこれらの組み合わせであり、
E、F、G、及びHのそれぞれは水素原子又はC1〜C10アルキル、又はC6〜C12アリール、及びこれらのヘテロ原子置換別型(例えば、アミンメルカプタンスルホネートヒドロキシルカルボキシ等)を表し、かつ
mは1から10までの範囲内の整数であり、かつnは10から500 までの範囲内の整数である。
好ましくは、電子供与性置換基がC1〜C10 アルキル、C1〜C10アルコキシ、C1〜C10 メルカプタン、塩素臭素ヨウ素、ヒドロキシル、及びこれらの組み合わせからなる群から選ばれる。また、更に好ましくは、A、B、C、及びD置換基がC1〜C10 カルボキシ含有部分、C1〜C10イミド含有部分、C1〜C10スルフィド含有部分、硫黄、スルフィド、カルボキシ、カルボキシレート、イミド、窒素、及びこれらの組み合わせからなる群から選ばれる。更に好ましくは、A、B、C、及びD置換基が-CH2-NH-CO-(CH2)4-CH2-、-OCOO-、CO- 、ピロメリット酸ジイミド、-SO2- 、硫黄、酸素、窒素、リン、及びこれらの組み合わせからなる群から選ばれる。本明細書で有益なポリ芳香族炭化水素(グラフト反応における反応体として、又はコポリマーの成分として)は、5,000 又は10,000又は15,000 g/モルから20,000又は30,000又は50,000又は80,000g/モルまでの範囲内の重量平均分子量(Mw) を有することが好ましい。上記構造(II)中で、A、B、C、及びDが酸素であり、かつI、II、III 、及びIVが2,6-ジメチル-1,4-フェニルであり、かつmが1であることが最も好ましい。

0016

好適なポリ芳香族炭化水素の特別な例として、下記のものが挙げられるが、これらに限定されない。
ナイロンMXD6 (RenyTM, 三菱ガス化学) 、(I=II=III=IV=1,3-フェニル、m=1 、A=B=C=D= -CH2-NH-CO-(CH2)4-CH2- の場合)
・PC (LexanTM, SABIC Innovative Plastics, MakrolonaTM,バイエル, CalibreTM,ダウ, PanlitemTM, 帝人, IupilonaTM, 三菱, XantarTM, DSM) (I=II=III=IV=1,4-フェニル、m=1 、A=C= -C(CH3)2-、B=D= -OCOO-の場合)
・PEEK (VictrexTM, Victrex Plc,APCTM, Cytec) (I=II=III=1,4-フェニル, m=0, A=B= -O-, C= -CO-の場合)
ポリイミド、例えば、ポリ(ピロメリット酸イミド-1,4-ジフェニルエーテル) (KaptonTM, VespelTM, PyraluxTM, PyralinTM, InterraTM,デュポン) (I=II=III=IV=1,4-フェニル, m=1, A=C=-O-, B=D=ピロメリット酸ジイミドの場合)
ビスフェノール-Aポリスルホン(UdelTM, Solvay) (I=II=III=IV=1,4-フェニル, m=1, A=-C(CH3)2-, B=D= -O-, C= -SO2-の場合)
・PPE 、例えば、ポリ(2,6-ジメチル-1,4-フェニレンオキサイド) (PPOTM, NorylTM, NorylGTXTM, PrevexTM, Sabic Innovative Plastics, XyronTM, 旭化成, IupiaceTM, LemalloyTM, 三菱エンジニアリングプラスチックス, ArtleyTM, 住友化学社, Blue StarTM, Blue Star) (I=II=III=IV=2,6-ジメチル-1,4-フェニル, m=1, A=B=C=D= -O-の場合)
・PPS (RytonTM, Chevron Phillips Chemical, FortronTM, Celanese, TorelinaTM,東レ) (I=II=III=IV=1,4-フェニル, m=1, A=B=C=D= -S-の場合)
・ポリ(p-キシレン) (ParyleneTM, 以前のUnion Carbide), (I=II=III=IV=1,4-フェニル, m=1, A=B=C=D= -CH2CH2-の場合)

0017

ポリ脂肪族炭化水素
ポリ脂肪族炭化水素は結晶性又は無定形、好ましくは無定形であってもよい。好適な結晶性又は無定形ポリ脂肪族炭化水素として、ポリエチレンポリプロピレンアイソタクチックシンジオタクチック、又はアタクチック)、エチレンプロピレンコポリマー、エチレン−ブテンコポリマー、エチレン−ヘキセンコポリマー、エチレン−オクテンコポリマー、プロピレン−ブテンコポリマー、プロピレン−ヘキセンコポリマー、プロピレン−オクテンコポリマー、α−オレフィンホモポリマー及びコポリマー、環状オレフィンホモポリマー及びコポリマー、ポリジエン、ポリイソブチレン(“PIB”)、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
好適なポリ脂肪族炭化水素は一つ以上の不飽和を、更に好ましくは鎖末端で有するポリオレフィンであることが好ましい。更に詳しくは、好ましいポリ脂肪族炭化水素はVTPOである。VTPOはあらゆる好適な手段によりつくられる。好ましくは、ビニル/ビニリデン末端ポリアルファオレフィンは、例えば、米国特許公開第2012-0245299号に記載されたような、橋かけされたメタロセン触媒化合物(特に橋かけされたビスインデニル又は橋かけされた4-置換ビス−インデニルメタロセン)と高分子体積(少なくとも1000Å3 の合計体積)のペルフッ素化ホウ活性剤の組み合わせを使用して通常のスラリー又は溶液重合方法を使用してつくられる。また、ビニル/ビニリデン末端ポリイソブチレンは当業界で知られている通常の溶液カチオン重合方法を使用してつくられることが好ましい。好ましくは、このようなカチオン重合方法は共開始剤と組み合わせての強酸又はルイス酸、例えば、AlCl3 とHCl を使用して開始される。

0018

好適なVTPOは前記のような、ビニル/ビニリデン末端基を有するあらゆるポリオレフィンであってもよく、これらのいずれかが少なくとも300 g/モルの数平均分子量 (Mn) を有していてもよい。好ましくは、ポリオレフィンの80%又は85%又は90%より多くが、又は50もしくは60質量%から70もしくは80もしくは90質量%までの範囲内で、末端ビニル又はビニリデン基を含む。前記のように、VTPOは200 又は400 又は500 g/モルから20,000又は30,000又は40,000又は50,000又は100,000 又は200,000 又は300,000 g/モルまでの範囲内のMnを有することが好ましい。VTPOは500 又は800 又は1000又は2000 g/モルから6,000 又は10,000又は12,000又は20,000又は30,000又は40,000又は50,000又は100,000 又は200,000 又は300,000 g/モルまでの範囲内の重量平均分子量(Mw) 値を有することが好ましい。好ましくは、本明細書で有益なVTPO は無定形ポリイソブチレンであり、望ましくは10又は5又は0℃未満、更に好ましくは、-30 ℃未満、又は0もしくは-5もしくは-10 ℃から-50 もしくは-60 もしくは-70℃までの範囲内、或いは本明細書に記載されるようなガラス転移温度(Tg)を有する。
特に好ましいVTPOはビニル/ビニリデン末端ポリオレフィンが下記の式(III) により表されるような、ビニリデン末端ポリイソブチレンであるものである。

0019

(III)
式中、nは2又は4又は10又は20から50又は100 又は200 又は500 又は800 までの整数である。

0020

フリーデル−クラフツアルキル化
好ましい組成物のグラフトコポリマーは溶液又は固体状態(例えば、押出機中)の反応で、ポリ芳香族炭化水素の選択的芳香族部分と不飽和を有するポリ脂肪族炭化水素のフリーデル−クラフツアルキル化により合成し得る。組成上、得られるグラフトコポリマー中のポリ脂肪族炭化水素モル%が50モル%より大きく、更に好ましくは55モル%より大きく、最も好ましくは60モル%より大きいことが好ましい。
ポリ芳香族炭化水素とポリ脂肪族炭化水素の間の反応は80℃又は100 ℃から140 ℃又は160 ℃又は180 ℃又は200 ℃までの範囲内の温度でフリーデル−クラフツ触媒で促進される。好ましくは、ポリ芳香族炭化水素とポリ脂肪族炭化水素が溶液中で反応させられる。好適な溶媒として、高沸点飽和脂肪族炭化水素(C8〜C20)、ハロゲン化脂肪族炭化水素(C1〜C8) 、アリール炭化水素 (C6〜C20) 、及びハロゲン化アリール炭化水素 (C6 〜C20)が挙げられる。特に好ましい溶媒として、ドデカントルエンキシレン、及びオルトジクロロベンゼン(oDCB)が挙げられる。
弾性ナノ複合材料
未配合の弾性ナノ複合材料組成物は49質量%までのグラフトコポリマーナノ充填剤分散剤を含み得る(即ち、ナノ充填剤分散剤、エラストマー成分、及びナノ充填剤の合計量を基準として)。未配合の弾性ナノ複合材料組成物は0.5 質量%から49質量%までのグラフトコポリマーナノ充填剤分散剤を含み得る。好ましくは、未配合の弾性ナノ複合材料組成物が2質量%から49質量%までのグラフトコポリマーナノ充填剤分散剤を含む。更に好ましくは、未配合の弾性ナノ複合材料組成物が5質量%から45質量%までのグラフトコポリマーナノ充填剤分散剤を含む。理想的には、未配合の弾性ナノ複合材料組成物が10質量%から40質量%までのグラフトコポリマーナノ充填剤分散剤を含む。
グラフトコポリマーナノ充填剤分散剤に加えて、弾性ナノ複合材料組成物は少なくとも一種の付加的なエラストマー成分及び少なくとも一種のナノ充填剤成分を含む。必要により、弾性ナノ複合材料組成物が更に一種以上の熱可塑性樹脂を含んでもよい。必要により、弾性ナノ複合材料組成物が配合され、下記の成分:加工助剤、付加的な充填剤、及び硬化剤/促進剤の一部又は全部を含んでもよい。

0021

エラストマー成分
エラストマー成分又はその部分はハロゲン化される。好ましいハロゲン化ゴムとして、ブロモブチルゴム、クロロブチルゴム、イソブチレンとパラ−メチルスチレン臭素化コポリマー、及びこれらの混合物が挙げられる。ハロゲン化ブチルゴムブチルゴム製品のハロゲン化により製造される。ハロゲン化はあらゆる手段により行なうことができ、本発明は本明細書ではそのハロゲン化方法により限定されない。しばしば、ブチルゴムは臭素(Br2) 又は塩素(Cl2)をハロゲン化剤として使用して4℃から60℃まででヘキサン希釈剤中でハロゲン化される。ハロゲン化ブチルゴムは20〜80、又は25〜60のムーニー粘度(125 ℃におけるML 1+8) を有する。ハロゲン質量%はハロゲン化ブチルゴムの質量を基準として0.1 質量%から10質量%まで、又は0.5 質量%から5質量%までである。好ましくは、ハロゲン化ブチルゴムのハロゲン質量%が1質量%から2.5 質量%までである。
好適な市販のハロゲン化ブチルゴムはブロモブチル2222 (エクソンモービルケミカル社) である。そのムーニー粘度は27から37まで (125 ℃におけるML 1+8,ASTM1646,改訂) であり、かつ臭素含量はブロモブチル2222に対して1.8 質量%から2.2 質量%までである。更に、ブロモブチル2222の硬化特性は以下のとおりである:MHが28〜40 dN・mであり、MLが7〜18 dN・m (ASTM D2084) である。ハロゲン化ブチルゴムの別の市販例はブロモブチル 2255 (エクソンモービル・ケミカル社) である。そのムーニー粘度は41から51まで (125 ℃におけるML 1+8, ASTM D1646)であり、かつ臭素含量は1.8 質量%から2.2 質量%までである。更に、ブロモブチル2255の硬化特性は以下のとおりである:MHが34〜48 dN・m であり、MLが11〜21 dN・m (ASTM D2084) である。

0022

エラストマーは分枝又は“星型−分枝”ハロゲン化ブチルゴムを含み得る。そのハロゲン化星型−分枝ブチルゴム(“HSBB”) はしばしばブチルゴム(ハロゲン化され、又はハロゲン化されていない)、及びポリジエン又はブロックコポリマー(ハロゲン化され、又はハロゲン化されていない)の組成物を含む。本発明はHSBBの生成方法により限定されない。ポリジエン/ブロックコポリマー、又は分枝剤(以下“ポリジエン”)は、典型的にはカチオン反応性であり、ブチルゴム又はハロゲン化ブチルゴムの重合中に存在し、又はブチルゴム又はハロゲン化ブチルゴムとブレンドされてHSBBを生成し得る。分枝剤又はポリジエンはあらゆる好適な分枝剤であってもよく、本発明はHSBBをつくるのに使用されるポリジエンの型に限定されない。
HSBBは上記されたブチルゴム又はハロゲン化ブチルゴム並びにポリジエンとスチレン、ポリブタジエンポリイソプレン、ポリピペリレン天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンジエンゴム、スチレン−ブタジエンースチレン及びスチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマーを含む群から選ばれた部分水素化ポリジエンのコポリマーの組成物であってもよい。これらのポリジエンはモノマー質量%を基準として、0.3 質量%より大きく、又は0.3 質量%から3質量%まで、又は0.4 質量%から2.7質量%までの量で存在する。
HSBBの市販の例はブロモブチル6222 (エクソンモービル・ケミカル社) であり、27から37までのムーニー粘度(125 ℃におけるML 1+8,ASTMD1646) 、及びHSBBに対し2.2 質量%から2.6 質量%までの臭素含量を有する。更に、ブロモブチル6222の硬化特性は以下のとおりである:MHが24〜38 dN・mであり、MLが6〜16 dN・m (ASTM D2084)である。

0023

エラストマー成分はハロメチルスチレン誘導単位を含むイソオレフィンコポリマーであってもよい。そのハロメチルスチレン単位はオルト−、メタ−、又はパラ−アルキル置換スチレン単位であってもよい。そのハロメチルスチレン誘導単位は少なくとも80質量%、更に好ましくは少なくとも90質量%のパラ−異性体を有するp-ハロメチルスチレンであってもよい。その“ハロ”基はあらゆるハロゲン、望ましくは塩素又は臭素であってもよい。そのハロゲン化エラストマーはまた官能化インターポリマーを含んでもよく、この場合、スチレンモノマー単位中に存在するアルキル置換基の少なくとも一部がベンジルハロゲン又は以下に更に記載される或るその他の官能基を含む。これらのインターポリマーは本明細書に“ハロメチルスチレン誘導単位を含むイソオレフィンコポリマー”又は単に“イソオレフィンコポリマー”と称される。
そのコポリマーのイソオレフィンはC4-C12化合物であってもよく、これらの非限定例はイソブチレン、イソブテン、2-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ブテン、2-メチル-2-ブテン、1-ブテン、2-ブテン、メチルビニルエーテルインデンビニルトリメチルシランヘキセン、及び4-メチル-1-ペンテンの如き化合物である。そのコポリマーはまた更に一種以上のマルチオレフィン誘導単位を含み得る。そのマルチオレフィンはC4-C14マルチオレフィン、例えば、イソプレン、ブタジエン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、ミルセン、6,6-ジメチル-フルベンヘキサジエンシクロペンタジエン、及びピペリレン等であってもよい。そのコポリマーを構成してもよい望ましいスチレンモノマー誘導単位はスチレン、メチルスチレン、クロロスチレンメトキシスチレン、インデン及びインデン誘導体、並びにこれらの組み合わせを含む。
しばしば、エラストマー成分はエチレン誘導単位又はC3〜C6α−オレフィン誘導単位及びパラ−アルキルスチレンコモノマー、好ましくは少なくとも80質量%、更に好ましくは少なくとも90質量%のパラ−異性体を含むパラ−メチルスチレンのランダム弾性コポリマーであってもよく7、またスチレンモノマー単位中に存在するアルキル置換基の少なくとも一部がベンジルハロゲン又は或るその他の官能基を含む官能化インターポリマーを含む。好ましい物質はポリマー鎖に沿ってランダムに隔置された下記のモノマー単位を含むインターポリマーとして特徴づけられるかもしれない。

0024

0025

式中、R及びR1は独立に水素、低級アルキル、好ましくはC1〜C7アルキル及び一級又は二級アルキルハライドであり、かつXは官能基、例えば、ハロゲン、トリエチルアンモニウムトリメチルアンモニウム、又はその他の官能基である。望ましいハロゲンとして、塩素、臭素又はこれらの組み合わせが挙げられる。好ましくは、R及びR1がそれぞれ水素である。-CRR1H 基及び-CRR1X 基はスチレン環にてオルト位、又はパラ位、好ましくはパラ位で置換し得る。インターポリマー構造中に存在するp-置換スチレンの60モル%まで、又は0.1 モル%から5モル%までが上記の官能化構造 (2)であってもよい。また、官能化構造 (2)の量が0.4 モル%から1モル%までである。
いずれかの実施態様において、官能基Xがその他の基、例えば、カルボン酸;カルボキシ塩;カルボキシエステルアミド及びイミド;ヒドロキシアルコキシドフェノキシドチオレートチオエーテルキサンテートシアニドシアネート;アミド及びこれらの混合物によるベンジルハロゲンの求核置換によりとり込まれる官能基であってもよい。これらの官能化イソモノオレフィンコポリマー、それらの調製方法、官能化の方法、及び硬化が米国特許第5,162,445 号に更に特別に開示されている。

0026

このようなハロゲン化物質の最も有益なものはイソブチレンとアルキルスチレン、好ましくは0.5モル%から20モル%までのアルキルスチレン、好ましくは p-メチルスチレンの弾性ランダムインターポリマー[この場合、そのベンジル環に存在するメチル置換基の60モル%までが臭素原子又は塩素原子、好ましくは臭素原子(p-ブロモメチルスチレン)を含む]だけでなく、これらの酸又はエステル官能化別型(この場合、ハロゲン原子無水マレイン酸又はアクリル酸もしくはメタクリル酸官能基により置換されている)である。これらのインターポリマーが“ハロゲン化ポリ(イソブチレン共p-メチルスチレン) ”又は“臭素化ポリ(イソブチレン共p-メチルスチレン) ”と称され、名称EXXPROTMエラストマー(テキサスヒュストンにあるエクソンモービル・ケミカル社)として市販されている。“ハロゲン化”又は“臭素化”という用語の使用はコポリマーのハロゲン化の方法に限定されないが、イソブチレン誘導単位、p-メチルスチレン誘導単位、及びp-ハロメチルスチレン誘導単位を含み得るコポリマーの単なる記述的表現にすぎないことが理解される。
これらの官能化コポリマーはそのポリマーの少なくとも95質量%がポリマーの平均p-アルキルスチレン含量の10%以内のp-アルキルスチレン含量を有するような実質的に均一の組成分布を有することが好ましい。更に好ましいポリマーはまた5未満、更に好ましくは2.5 未満の狭い分子量分布(Mw/Mn)、200,000から2,000,000 までの範囲の好ましい粘度平均分子量及びゲル透過クロマトグラフィーにより測定して25,000から750,000までの範囲の好ましい数平均分子量により特徴づけられる。
そのコポリマーはルイス酸触媒を使用するモノマー混合物スラリー重合、続いてハロゲン及びラジカル開始剤、例えば、熱及び/又は光及び/又は化学開始剤の存在下の溶液中のハロゲン化、好ましくは臭素化そして必要により、続いて異なる官能性誘導単位による臭素の求電子置換により調製し得る。
好ましいハロゲン化ポリ (イソブチレン共アルキルスチレン) 、好ましくはハロゲン化ポリ (イソブチレン共p-メチルスチレン) は、一般に0.1 質量%から5質量%までのブロモメチル基を含む臭素化ポリマーである。また、ブロモメチル基の量が0.2 質量%から2.5 質量%までである。別の方法で表すと、好ましいコポリマーがポリマーの質量を基準として、0.05モル%から2.5 モル%までの臭素、更に好ましくは0.1 モル%から1.25モル%までの臭素を含み、実質的に環ハロゲン又はポリマー主鎖中のハロゲンを含まない。いずれかの実施態様において、インターポリマーがC4-C7イソモノオレフィン誘導単位とアルキルスチレン、好ましくはp-メチルスチレン、誘導体及び好ましくはp-ハロメチルスチレン誘導単位のコポリマーであってもよく、そのp-ハロメチルスチレン単位はインターポリマーを基準として0.4 モル%から1モル%までインターポリマー中に存在する。好ましくは、p-ハロメチルスチレンがp-ブロモメチルスチレンである。そのムーニー粘度(1+8, 125℃,ASTMD1646,改訂) は30MUから60MUまでである。

0027

エラストマー成分は種々の量の一種、二種、又はそれより多い異なるエラストマーを含み得る。例えば、記載される組成物が5〜100phrのハロゲン化ブチルゴム、5〜95 phrの星型−分枝ブチルゴム、5〜95 phrのハロゲン化星型−分枝ブチルゴム、又は5〜95 phr のハロゲン化ポリ(イソブチレン共アルキルスチレン) 、好ましくはハロゲン化ポリ (イソブチレン共p-メチルスチレン) を含んでもよい。例えば、組成物が40〜100phr のハロゲン化ポリ (イソブチレン共アルキルスチレン) 、好ましくはハロゲン化ポリ (イソブチレン共p-メチルスチレン) 、及び/又は40〜100 phr のハロゲン化星型−分枝ブチルゴム(HSBB)を含み得る。
エラストマー成分は天然ゴム、ポリイソプレンゴムスチレンブタジエンゴム(SBR) 、ポリブタジエンゴム、イソプレンブタジエンゴム(IBR)、スチレン−イソプレン−ブタジエンゴム (SIBR) 、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM) 、ポリスルフィドニトリルゴムプロピレンオキサイドポリマー、星型−分枝ブチルゴム及びハロゲン化星型−分枝ブチルゴム、臭素化ブチルゴム塩素化ブチルゴム、星型−分枝ポリイソブチレンゴム、星型−分枝臭素化ブチル(ポリイソブチレン/イソプレンコポリマー)ゴム; 並びにポリ (イソブチレン共アルキルスチレン) 、好ましくはイソブチレン/メチルスチレンコポリマー、例えば、イソブチレン/メタ−ブロモメチルスチレン、イソブチレン/ブロモメチルスチレン、イソブチレン/クロロメチルスチレン、ハロゲン化イソブチレンシクロペンタジエン、及びイソブチレン/クロロメチルスチレン並びにこれらの混合物を含み得る。

0028

本明細書に記載されたエラストマー成分は天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム、イソプレンブタジエンゴム(IBR)、スチレン−イソプレン−ブタジエンゴム (SIBR) 、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM) 、ポリスルフィド、ニトリルゴム、プロピレンオキサイドポリマー、星型−分枝ブチルゴム及びハロゲン化星型−分枝ブチルゴム、臭素化ブチルゴム、塩素化ブチルゴム、星型−分枝ポリイソブチレンゴム、星型−分枝臭素化ブチル(ポリイソブチレン/イソプレンコポリマー)ゴム; 並びにイソブチレン/メチルスチレンコポリマー、例えば、イソブチレン/メタ−ブロモメチルスチレン、イソブチレン/ブロモメチルスチレン、イソブチレン/クロロメチルスチレン、ハロゲン化イソブチレンシクロペンタジエン、及びイソブチレン/クロロメチルスチレン並びにこれらの混合物からなる群から選ばれた二次エラストマー成分を更に含んでもよい。また、本明細書に記載されたエラストマー組成物は10phr未満、好ましくは0 phr の二次エラストマー成分、好ましくは0 phr の“二次エラストマー成分”として上記されたエラストマーを有する。

0029

エラストマー成分は一種以上の半結晶性コポリマー(SCC)を含み得る。半結晶性コポリマーは米国特許第6,326,433 号に記載されている。一般に、SCC はエチレン又はプロピレン誘導単位及びα−オレフィン誘導単位(そのα−オレフィンは4〜16個の炭素原子を有する)のコポリマーであり、エチレン誘導単位とα−オレフィン誘導単位(そのα−オレフィンは4〜10個の炭素原子を有する)のコポリマーであってもよく、この場合、SCC は或る程度の結晶性を有する。SCC はまた1-ブテン誘導単位と別のα−オレフィン誘導単位(その別のα−オレフィンは5〜16個の炭素原子を有する)のコポリマーであってもよく、この場合、SCC は或る程度の結晶性を有する。SCC はまたエチレンとスチレンのコポリマーであってもよい。
未配合の弾性ナノ複合材料組成物は99質量%までの一種以上のエラストマー成分又はエラストマーを含み得る(例えば、ナノ複合材料組成物の質量を基準として)。未配合の弾性ナノ複合材料組成物は30質量%から99質量%までの一種以上のエラストマー成分又はエラストマーを含み得る。好ましくは、未配合の弾性ナノ複合材料組成物が35質量%から90質量%までの一種以上のエラストマー成分又はエラストマーを含む。更に好ましくは、未配合の弾性ナノ複合材料組成物が40質量%から85質量%までの一種以上のエラストマー成分又はエラストマーを含む。更に好ましくは、未配合の弾性ナノ複合材料組成物が40質量%から80質量%までの一種以上のエラストマー成分又はエラストマーを含む。理想的には、未配合の弾性ナノ複合材料組成物が40質量%から60質量%までの一種以上のエラストマー成分又はエラストマーを含み得る。

0030

熱可塑性樹脂
弾性ナノ複合材料組成物は一種以上の熱可塑性樹脂を含み得る。好適な熱可塑性樹脂として、ポリオレフィン、ナイロン、及びその他のポリマーが挙げられる。好適な熱可塑性樹脂は窒素、酸素、ハロゲン、硫黄又は一種以上の芳香族官能基と相互作用し得るその他の基、例えば、ハロゲン又は酸性基を含む樹脂であってもよく、又はこれらを含む。好適な熱可塑性樹脂として、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネートポリエステル、ポリスルホン、ポリラクトンポリアセタールアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS)、ポリフェニレンオキサイド(PPO)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル樹脂 (SAN)、スチレン無水マレイン酸樹脂(SMA)、芳香族ポリケトン(PEEK、PED 、及びPEKK) 並びにこれらの混合物が挙げられる。
弾性ナノ複合材料組成物は動的加硫アロイ成形される上記された熱可塑性樹脂(また、サーモプラスチック又は熱可塑性ポリマーと称される)のいずれかを含み得る。“動的加硫”という用語はエンジニアリング樹脂及び加硫可能なエラストマーが高せん断の条件下で加硫される加硫方法を意味するのに本明細書に使用される。結果として、加硫可能なエラストマーは同時に架橋され、エンジニアリング樹脂マトリックス内に“ミクロゲル”の微粒子として分散される。好適な熱可塑性樹脂及び動的加硫アロイの更なる記載が米国特許第7,923,491 号(これが参考として本明細書に含まれる)で入手し得る。
未配合の弾性ナノ複合材料組成物は49質量%までの熱可塑性樹脂(例えば、ナノ複合材料組成物の質量を基準として)を含み得る。未配合の弾性ナノ複合材料組成物は0.5 質量%から45質量%までの熱可塑性樹脂を含み得る。好ましくは、未配合の弾性ナノ複合材料組成物が2質量%から35質量%までの熱可塑性樹脂を含む。更に好ましくは、未配合の弾性ナノ複合材料組成物が5質量%から30質量%までの熱可塑性樹脂を含む。理想的には、未配合の弾性ナノ複合材料組成物が10質量%から25質量%までの熱可塑性樹脂を含む。

0031

ナノ充填剤
弾性ナノ複合材料組成物は典型的にはグラファイト(好ましくはグラフェン) のナノ粒子を含む。ナノ粒子は100ナノメートル未満の少なくとも一つの寸法(長さ、幅又は厚さ)を有する。また、二つの寸法(長さ、幅又は厚さ)が100 ナノメートル未満であり、また全ての三つの寸法(長さ、幅及び厚さ)が100 ナノメートル未満である。好ましくは、ナノ粒子が100 ナノメートル未満の厚さ及び厚さの少なくとも10倍大きい(好ましくは厚さの20〜500 倍、好ましくは30〜500 倍の)長さ及び/又は幅を有するシートである。また、グラファイトが1.2 より大きい (好ましくは2より大きく、好ましくは3より大きく、好ましくは5より大きく、好ましくは10より大きく、好ましくは20より大きい)アスペクト比で、針状又は板状である形状を有し、この場合、アスペクト比は平均での粒子の最長の寸法対最短の寸法(長さ、幅、及び厚さ)の比である。また、グラファイトが微粉砕される。有益なグラファイトは10〜2000 m2/g、好ましくは50〜1000 m2/g、好ましくは100 〜900 m2/g の比表面積を有し得る。

0032

好ましくは、未配合のナノ複合材料が0.01質量%〜15.0質量%のグラファイト(好ましくはグラフェン)ナノ粒子を含む (即ち、ナノ充填剤分散剤、エラストマー、及びナノ充填剤の合計質量を基準として) 。更に好ましくは、未配合のナノ複合材料が0.05質量%〜約10.0質量%のグラファイト (好ましくはグラフェン) ナノ粒子を含む。更に好ましくは、未配合のナノ複合材料が約0.1 質量%〜約10.0質量%; 約0.5 質量%〜約10.0質量%; 約1.0 質量%〜約10.0質量%のグラファイト (好ましくはグラフェン) ナノ粒子を含む。理想的には、未配合のナノ複合材料が約0.05質量%、0.5 質量%又は1.2 質量%の低さから約5.0 質量%、7.5 質量%、又は10.0質量%の高さまでのグラファイト (好ましくはグラフェン)ナノ粒子を含む。
好ましくは、グラファイト (好ましくはグラフェン) が50質量%まで、典型的には5質量%から30質量%まで存在するベータ形態を有する。また、グラファイト (好ましくはグラフェン) がアルファ形態で存在し、典型的には1質量%未満のベータ形態、好ましくは0質量%のベータ形態を有する。
グラファイトがグラファイトの迅速な膨張により得られるナノグラフェン小板状体(NGP) の形態であることが好ましい。膨張されたグラファイトは典型的には天然フレークグラファイトを酸(例えば、硫酸硝酸酢酸、及びこれらの組み合わせ、又はクロム酸、次いで濃硫酸の組み合わせ)の浴に浸漬することによりつくられ、これが結晶格子面強制して離し、こうしてグラファイトを膨張させる。

0033

好ましくは、膨張性グラファイトが下記の性質(膨張前の)の一つ以上を有してもよい:a)32〜200メッシュの粒子サイズ (また0.1 〜500ミクロン(また0.5 〜350 ミクロン、また1〜100 ミクロン) のメジアン粒子直径) 、及び/又はb) 350 cc/gまでの膨張比、及び/又はc)2〜11のpH (好ましくは4〜7.5 、好ましくは6〜7.5)。膨張性グラファイトは中でも、GRAFTech International 又はAsbury Carbons、Anthracite Industriesから購入し得る。特に有益な膨張性グラファイトとして、GRAFGUARDTM膨張性グラファイトフレークが挙げられる。 膨張性グラファイトは1ナノメートルから20ナノメートルまでの範囲の厚さ及び1ミクロンから50ミクロンまでの範囲の幅を有する、米国特許第7,550,529 号に記載された、NGP の製造のために更に粉砕し得る。特に有益なNGP 、又はグラフェンシートの短い積み重ねとして、XG Sciences, Inc.から市販されている、xGnP (登録商標)NGP の銘柄H、M、及びC、並びにAngstron Materials, Inc. から市販されている、N008-N 、N008-P、及びN006-P NGP 材料が挙げられる。
好ましくは、膨張性グラファイトは少なくとも160 ℃以上、また200 ℃以上、また400 ℃以上、また600 ℃以上、また750 ℃以上、また1000℃以上の開始温度(それが膨張し始める温度)を有する。好ましくは、膨張性グラファイトは600 ℃で少なくとも50:1 cc/g、好ましくは少なくとも100:1 cc/g、好ましくは少なくとも200:1 cc/g、好ましくは少なくとも250:1 cc/gの膨張比を有する。また、膨張性グラファイトは150 ℃で少なくとも50:1 cc/g、好ましくは少なくとも100:1 cc/g、好ましくは少なくとも200:1 cc/g 、好ましくは少なくとも250:1 cc/g の膨張比を有する。グラファイトはそれがその他のブレンド成分と合わされる前に膨張されてもよく、又はそれはその他のブレンド成分とのブレンドの間に膨張されてもよい。しばしば、グラファイトは物品(例えば、空気バリヤー、又はタイヤインナーライナー)への成形後に膨張されない(又は膨張性ではない)。

0034

好ましくは、グラファイトがグラフェンであり、又はそれを含む。グラフェンはハニカム結晶格子中に稠密に充填されるsp2-結合された炭素原子の1原子厚さの平面シートである。グラフェン中の炭素間結合長さは約1.42Åである。グラフェンはグラファイトを含むグラファイト材料基本的構造要素である。何とならば、グラファイトがグラフェンの多層であると考えられるからである。グラフェンはグラファイトのミクロメカニカル開裂(例えば、グラファイトからのグラフェンのフレークの除去)又は内位添加されたグラファイト化合物の表層剥離により調製し得る。同様に、グラフェン断片はグラファイトの化学変性により調製し得る。最初に、微結晶性グラファイトが硫酸と硝酸の強酸性混合物で処理される。次いでその物質が酸化され、表層剥離されて小さいグラフェン板(それらの端部にカルボキシル基を有する)をもたらす。これらが塩化チオニルによる処理により酸クロリド基に変換され、次に、それらがオクタデシルアミンによる処理により相当するグラフェンアミドに変換される。得られる物質 (5.3 Åの厚さの円形グラフェン層) はテトラヒドロフランテトラクロロメタン、及びジクロロエタンに可溶性である (Niyogiら著,グラファイト及びグラフェンの溶液特性, J.Am.Chem.Soc., 128(24), pp.7720-7721 (2006)を参照のこと)。また、グラファイトは100ナノメートル未満、好ましくは50ナノメートル未満、好ましくは30ナノメートル未満の厚さを有する分散されたナノシートとしてエラストマー組成物中に存在する。

0035

付加的な充填剤
前記ナノ充填剤に加えて、配合された弾性ナノ複合材料組成物が配合でき、一種以上の非表層剥離充填剤、例えば、炭酸カルシウム、クレー、マイカ、シリカ及びシリケートタルク二酸化チタン澱粉、及びその他の有機充填剤、例えば、木粉、及びカーボンブラックを含む。これらの充填剤成分は典型的には配合された組成物の10〜200phr、更に好ましくは40〜140 phr のレベルで存在する。好ましくは、2種以上のカーボンブラックが組み合わせて使用され、例えば、Regal 85は丁度一つではなく、複数の粒子サイズを有するカーボンブラックである。組み合わせはまたカーボンブラックが異なる表面積を有するものを含む。同様に、異なって処理された2種の異なるブラックがまた使用されてもよい。例えば、化学的に処理されたカーボンブラックが化学的に処理されなかったカーボンブラックと合わされる。
配合された弾性ナノ複合材料は35 m2/g 未満の表面積及び100 cm3/100 g未満のジブチルフタレートオイル吸収を有するカーボンブラックを含み得る。カーボンブラックとして、N660、N762、N774、N907、N990、Regal 85、及びRegal 90が挙げられるが、これらに限定されない。表1は有益なカーボンブラックの性質を示す。

0036

0037

35 m2/g 未満の表面積及び100 cm3/100 g未満のジブチルフタレートオイル吸収を有するカーボンブラックは典型的には10〜200phr、好ましくは20〜180 phr 、更に好ましくは30〜160 phr 、更に好ましくは40〜140 phr のレベルでナノ複合材料中に存在する。
硬化剤、加工助剤、及び促進剤
配合された弾性ナノ複合材料組成物はゴム混合物中に通例使用される一種以上のその他の成分及び硬化添加剤、例えば、顔料、促進剤、架橋剤及び硬化剤、酸化防止剤耐オゾン剤、及び充填剤を含み得る。好ましくは、加工助剤 (樹脂) 、例えば、ナフテン系、芳香族又はパラフィン系のエキステンダーオイルが配合された組成物の1〜30 phrで存在し得る。また、ナフテン系、脂肪族、パラフィン系及びその他の芳香族の樹脂及びオイルが実質的に組成物に不在である。“実質的に不在”はナフテン系、脂肪族、パラフィン系及びその他の芳香族の樹脂が、あるとしても、組成物中に2 phr 以下の程度に存在することを意味する。

0038

一般に、ポリマー組成物、例えば、タイヤを製造するのに使用されるものは、架橋される。加硫ゴムコンパウンド物理的性質、性能特性、及び耐久性加硫反応中に形成される架橋の数(架橋密度)及び型に直接関連することが知られている(例えば、Heltら著,NRについての後加硫安定化, Rubber World 18-23 (1991)を参照のこと)。架橋剤及び硬化剤として、硫黄、酸化亜鉛、及び有機脂肪酸が挙げられる。過酸化物硬化系がまた使用されてもよい。一般に、ポリマー組成物は硬化性分子、例えば、硫黄、金属酸化物(例えば、酸化亜鉛)、有機金属化合物、ラジカル開始剤等を添加し、続いて加熱することにより架橋し得る。特に、下記の物質が本発明において機能する普通の硬化剤である: ZnO 、CaO 、MgO 、Al2O3 、CrO3、FeO 、Fe2O, 、及びNiO 。これらの金属酸化物が相当する金属ステアリン酸塩錯体(例えば、Zn(ステアリン酸)2、Ca(ステアリン酸)2、Mg(ステアリン酸)2、及びAl(ステアリン酸)3) 、又はステアリン酸、及び硫黄化合物又はアルキルペルオキシド化合物連係して使用し得る(また、シール用のNBR 混合物の生成デザイン及び硬化特性, Rubber World 25-30 (1993) を参照のこと)。この方法は促進でき、エラストマー組成物の加硫にしばしば使用される。

0039

促進剤として、アミン、グアニジンチオ尿素チアゾールチウラムスルフェンアミドスルフェンイミドチオカルバメート、キサンテート等が挙げられる。硬化プロセスの促進は組成物に或る量の促進剤を添加することにより達成し得る。天然ゴムの促進された加硫についてのメカニズムは硬化剤、促進剤、活性剤及びポリマーの間の複雑な相互作用を伴なう。理想的には、利用できる硬化剤の全てが有効な架橋(これらが二つのポリマー鎖を一緒接合し、ポリマーマトリックスの総強度を高める)の形成に消費される。多くの促進剤が当業界で知られており、下記のものが挙げられるが、これらに限定されない:ステアリン酸、ジフェニルグアニジン(DPG)、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、4,4′-ジチオジモルホリン(DTDM)、アルキルジスルフィド、例えば、テトラブチルチウラムジスルフィド(TBTD)及び2,2′-ベンゾチアジルジスルフィド(MBTS)、ヘキサメチレン-1,6-ビスチオスルフェート二ナトリウム塩二水和物、2-(モルホリノチオ)ベンゾチアゾール(MBS又はMOR)、90% MOR と10% MBTSの組成物 (MOR 90)、N-ターシャリーブチル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド(TBBS)、N-オキシジエチレンチオカルバミル-N-オキシジエチレンスルホンアミド(OTOS)、亜鉛2-エチルヘキサノエート(ZEH) 、及びN,N′-ジエチルチオ尿素
好ましくは、少なくとも一種の硬化剤が配合された組成物の0.2 〜15phr、又は0.5〜10 phrで存在する。硬化剤として、エラストマーの硬化を促進又は影響する上記された成分、例えば、金属、促進剤、硫黄、過酸化物、及び上記されたような、当業界で普通のその他の薬剤が挙げられる。

0040

加工
弾性ナノ複合材料組成物を生成するための成分の混合及び/又は弾性ナノ複合材料組成物の配合は成分をあらゆる好適な内部混合装置、例えば、BanburyTMミキサー、BRABENDERTMミキサー、又は押出機(例えば、単一スクリュー押出機又は2軸スクリュー押出機)中で合わせることにより行ない得る。混合は組成物中に使用されるエラストマー及び/又はゴムの融点までの温度でグラファイト及び/又はグラフェンがポリマー内に一様に分散されてナノ複合材料を生成することを可能にするのに充分な速度で行ない得る。
好適な混合速度は約10 RPMから約8,500 RPMまでの範囲であり得る。好ましくは、混合速度が約10 RPM、30 RPM、又は50 RPMの低さから約500 RPM 、2,500 RPM、又は5,000 RPMの高さまでの範囲であり得る。更に好ましくは、混合速度が約10 RPM、30 RPM、又は50 RPMの低さから約200 RPM 、500 RPM 、又は1,000 RPM の高さまでの範囲であり得る。
混合温度は約40℃から約340 ℃まで、又は約80℃から約300 ℃まで、又は約50℃から約170 ℃までの範囲であり得る。好ましくは、混合温度が約30℃、40℃、又は50℃の低さから約70℃、170 ℃、又は340 ℃の高さまでの範囲であり得る。また、混合温度が約80℃、90℃、又は100 ℃の低さから約120 ℃、250 ℃、又は340 ℃の高さまでの範囲であり得る。更にまた、混合温度が約85℃、100 ℃、又は115 ℃の低さから約270 ℃、300 ℃、又は340 ℃の高さまでの範囲であり得る。
しばしば、一種以上のグラフトコポリマーナノ充填剤分散剤と一緒の一種以上のエラストマー成分の70%〜100 %が20〜90秒にわたって、又は温度が40〜60℃に達するまで上記された速度で混合し得る。次いで、ナノ充填剤の75%〜100 %、及び残りの量のエラストマー及び/又はナノ充填剤分散剤(存在する場合)が、ミキサーに添加でき、温度が90℃〜150 ℃に達するまで混合が続き得る。次に、残りのナノ充填剤及び/又は付加的な充填剤だけでなく、加工油が添加でき、温度が140 ℃〜190 ℃に達するまで混合が続き得る。完成混合物がその後にオープンミルでシートにすることにより仕上げられ、硬化剤が添加される時に60℃〜100 ℃に冷却される。
また、75%〜100 %の一種以上のグラフトコポリマーナノ充填剤分散剤及び75%〜100 %のナノ充填剤が、好ましくは溶液ブレンドにより混合し得る。好ましくは、その混合が50℃から170 ℃まで、更に好ましくは90℃から150 ℃までの範囲の温度で行なわれる。得られる混合物が20〜90秒にわたって、又は温度が40℃から60℃までに達するまで先に注目された速度で75%〜100 %の一種以上のエラストマー成分と混合し得る。次いでエラストマー及び/又はナノ充填剤分散剤(存在する場合)の残りの量が、ミキサーに添加され、温度が90℃から150 ℃までに達するまで混合が続き得る。次に、残っているナノ充填剤及び/又は付加的な充填剤だけでなく、加工オイルが添加され、温度が140 ℃から190 ℃までに達するまで混合が続き得る。次いで完成された混合物がオープンミル上でシート形成することにより仕上げられ、硬化剤が添加される時に60℃から100 ℃までに冷却される。

0041

工業上の適用可能性
本明細書に記載された組成物は物品、例えば、フィルム、シート、成形部品等に混入し得る。詳しくは、本明細書に記載された組成物がタイヤ、タイヤ部品(例えば、側壁トレッドトレッドキャップ、インナーチューブ、インナーライナー、アペックスチェーファーワイヤコート、及びプライコート)、チューブ、パイプバリヤーフィルム/膜、又は空気不透過性が有利であるあらゆるその他の適用に成形し得る。
好ましくは、本明細書に記載された弾性組成物から成形された物品は以下に記載されるように40℃でMOCON OX-TRAN 2/61透過性試験機で測定して、180 mm-cc/M2-日以下、好ましくは160 mm-cc/M2-日以下、好ましくは140 mm-cc/M2-日以下、好ましくは120 mm-cc/M2-日以下、好ましくは100 mm-cc/M2-日以下の透過性を有する。好ましくは、本発明に従って生成された弾性ナノ複合材料はエラストマー成分よりも少なくとも10%低く、更に好ましくは少なくとも20%低く、更に好ましくは少なくとも30%低く、理想的には少なくとも50%低い透過性を有する。

0042

以上の説明が下記の非限定実施例を参照して更に記載し得る。
PPE-g-PIBグラフトコポリマーの代表的な合成及びこれらの性質
典型的な合成操作をここに記載する。窒素保護のもとに、オーバーヘッド機械撹拌機及び冷却器を備えた1Lの反応容器にPPE (Sigma-Aldrich,ポリスチレンを基準としてGPC により測定されたMn = 15K) 60 g 、VTPIB (BASFから入手し得るGlissopalTM 1000, Mn =1K) 20 g 、50質量%のIrganoxTM 1076 (Sigma-Aldrich)及び50質量%のIrgafosTM 168 (Sigma-Aldrich)の混合物を含む安定剤パッケージ0.08 g 、及び無水1,2-ジクロロベンゼン(o-DCB) (Sigma-Aldrich) 700 mLを仕込んだ。その混合物を120 ℃に加熱して反応体を完全に溶解し、その後にメタンスルホン酸(MSA)触媒(Sigma-Aldrich)をその反応混合物に徐々に添加した。次いでその反応混合物の温度を上昇させ、その反応を窒素保護のもとに4時間にわたって還流して進行させた。その反応混合物をメタノール3.5 L 中で沈澱させた。得られる生成物濾過し、新しいメタノールで洗浄し、一定の質量に達するまで真空オーブン中で60℃で乾燥させた。
PPE-PIB グラフトコポリマーをプロトン核磁気共鳴(1H NMR) により特性決定した。Bruker Corporation から得られた600MHzスペクトロメーターを使用し、1,1,2,2-テトラクロロエタン-d2 (TCE-d2)を溶媒として使用してNMRスペクトルを獲得した。獲得されたNMR スペクトルを出発物質のそれと比較してPIB の89%がPPE 主鎖にグラフトされたことを測定した。

0043

PPE-PIBグラフトコポリマーとナノグラフェン小板状体の溶液ブレンド
合成されたPPE-PIB グラフトコポリマーとナノグラフェン小板状体の溶液ブレンドを下記の操作に従って調製した。XG Sciences, Inc. から市販されている、500 m2/g の平均表面積及び2-2.25 g/cc の密度を有する銘柄C xGnPTM ナノグラフェン小板状体10g を最初に冷却器を備えた1Lの3口丸底フラスコ中で窒素保護のもとに120 ℃でo-DCB 500mLに溶解した。その後に、PPE-PIB グラフトコポリマー40 gを添加し、成分を還流下で4時間にわたって混合した。次に、その混合物を依然として温かい間にイソプロパノール1L中で沈澱させた。得られる生成物を濾過し、新しいイソプロパノールで洗浄し、真空オーブン中で60℃で乾燥させた。
サンプルの調製及び酸素透過性特性決定
5種のサンプル (サンプル1-5)を酸素透過性試験のために調製した。サンプル1(比較例)はニートのブロモブチル2222銘柄BIIRコンパウンド36 gを含み、サンプル2(比較例)は75質量%の濃度のブロモブチル 2222 銘柄BIIRコンパウンドコポリマー及び25質量%の濃度のPPE を含むブレンド36 gを含み、またサンプル3-5 (本発明) のそれぞれは種々の濃度(表2に示される)のPPE-PIB グラフトコポリマーとNGP の調製された溶液ブレンドを含むBIIRをベースとするナノ複合材料36 gを含んでいた。
物質(36 g)を135 ℃及び60 RPMでBRABENDERTMミキサーに仕込むことによりサンプル1-5 のそれぞれを配合した。1分後に、N660カーボンブラック(CB)充填剤20 gを添加した。次いでその混合を7分間の合計混合時間のために更に6分間続けた。次いで物質を除去し、細断し、45℃及び40 RPMでBRABENDERTMミキサーに逆に供給した。1分後に、MBTS (メルカプトベンゾチアゾールジスルフィド) 0.33 g 、酸化亜鉛0.33 g 、及びステアリン酸硬化剤0.33 gを添加した。次いでその混合を4分間の合計混合時間のために更に3分間続けた。
配合された物質をテフロン(登録商標)シートの間でプレスし、170 ℃で15分間にわたって成形/硬化した。次いで得られる硬化パッドを性質測定及び分散特性決定のために使用した。MOCON OX-TRAN 2/61透過性テスターを40℃、0%のRH、及び760 mm Hgで使用して酸素透過性値を測定した。それぞれのサンプルの組成上の構成(未配合のサンプルに関して示される)とともに、酸素透過性試験の結果を、表2に要約する。表2に報告された透過性値の変化をサンプル1の透過性に対して計算した。

0044

0045

PPE はBIIRに対して一層高い透過性を有する。従って、表2に示されるように、BIIRへのPPE の添加 (サンプル2) はサンプル1のニートのBIIRコンパウンドに対して透過性の望ましくない38.6%増大をもたらした。同様に、NGP の添加はBIIRをベースとするコンパウンドの透過性を低下すると予想されるであろうが、1質量%のNPG配合量及び4質量%のPPE-PIBコポリマー含量を有する、サンプル3は、5.42%の透過性の増大を示した。この結果は低いNGP 配合量でNGP の透過性低下効果がPPE-PIB コポリマーの添加のために透過性増大を相殺するのに充分に大きくないことを示唆する。対照的に、40質量%の更に一層高いPPE-PIB コポリマー含量を有するにもかかわらず、サンプル5(10質量%のNGP 配合量を有する)はニートのBIIRコンパウンドに対して59.6%の有意な透過性減少を示した。

実施例

0046

付加的な試験方法
分子量 (数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量分子量(Mw)) をオン−ラインの示差屈折率(DRI)検出器光散乱(LS)検出器、及び粘度計(VIS)検出器を備えたPolymer Laboratories Model 220高温GPC-SEC(所謂GPC-3D、ゲル透過クロマトグラフィー−3検出器) を使用して測定する。それは0.54 ml/分の流量及び300 μLの公称注入容積を使用する分離のための三つのPolymer LaboratoriesPLgel 10 m 混合-Bカラムを使用する。検出器及びカラムは135 ℃に維持されたオーブン中に含まれる。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)カラムから現れる流れが miniDAWN (Wyatt Technology, Inc.)光学フローセル次いでDRI 検出器に送られる。DRI 検出器はPolymer Laboratories SEC の一体部分である。粘度計はDRI 検出器の後に位置された、SEC オーブン内にある。これらの検出器の詳細だけでなく、ポリスチレンを基準としてのそれらの較正が、例えば、T.Sun 、P.Brant 、R.R.Chance、及びW.W.Graessleyにより34(19) Macromolecules, 6812-6820, (2001) に記載されている。
本明細書に引用された全ての書類(優先権書類及び/又は試験操作を含む)は、それらがこの明細書と不一致ではない程度に、このような慣例が許される全ての司法権の目的のために参考として本明細書に含まれる。以上の一般的記載及び特別な実施態様から明らかであるように、本発明の形態が説明され、記載されたが、種々の変更が本発明の精神及び範囲から逸脱しないでなし得る。従って、本発明はそれにより制限されることは意図されない。例えば、本明細書に記載された組成物は本明細書に明らかに言及又は開示されない成分、又は組成物を含まなくてもよい。いずれかの方法が本明細書に言及又は開示されない工程を欠如していてもよい。同様に、“含むこと(comprising)”という用語は“含むこと(including)”という用語と同義と考えられる。そして方法、組成物、要素又は要素の群が“含むこと(comprising) ”という移行先行される時はいつでも、本発明者らは組成物、一種以上の要素の言及に先行する“実質的に・・からなること“、“・・からなること”、“・・からなる群から選ばれる”又は“・・である”という移行句でもって同じ組成物又は要素の群を意図しており、その逆もまた真であることが理解される。

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