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課題・解決手段
概要
背景
家事、食品産業、電子産業、医療分野など日常生活で多様に使われる使い捨てゴム手袋は、天然ゴムまたはニトリル系共重合体ラテックスのディップ成形によって作られる。最近は、天然ゴムのアレルギー問題と不安定な需給問題のため、使い捨て手袋市場でニトリル系手袋が脚光を浴びている。
天然ゴム手袋を代替していくニトリル系手袋市場において、最近、手袋を製造する時の作業性向上と手袋使用時の耐久性が重要な部分となっている。ここで、手袋生産の作業性を高めるために、シネレシス時間を改善し、耐久性及び着用感を改善するために、硬くないし、よく破れない手袋を製造することを目標としている。
特に、手袋の着用感は、モデュラス(Modulus)数値と密接な関系にある。すなわち、モデュラスが小さいほど着用感は高くなるが、手袋自体の物性(すなわち、引張強度、伸び率及び応力)が低下する問題がある。また、長期間着用する時発生する汗によって手袋が変性したり破れるなどの問題があって、耐久性を改善することによって長い間人が使用する時も問題ない製品の開発が至急である。
一方、ニトリル系共重合体ラテックスを利用した成形品を製造する時、架橋のために加硫剤を使用する。前記加硫剤の選択は、ニトリル系ラテックスの組成、分子分布状態、構造などに応じて適切に選択される。
代表的な加硫剤としては、粉末硫黄(powdered sulfur)、不溶性硫黄(insoluble sulfur)、沈降硫黄(precipitated sulfur)、コロイド硫黄(colloidal sulfur)などのような硫黄(sulfur)が使われ、これを促進するために、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、リサージ(一酸化鉛、PbO)などが使われる。
ニトリル系共重合体は、配合物が均一に混ざって沈澱が起きないようにするため、水分散形態のラテックスで製造される。前記ラテックスは、加硫剤の硫黄によってニトリル系共重合体同士の架橋が起こるし、この時、硫黄がラテックスの粒子内部に侵透する場合、架橋が円滑が起こる。さらに、硫黄を使用する架橋は長期間の熟成工程を経るし、この時、ラテックスの安定性が低い場合は、表面に膜が形成されたり凝集が発生し、熟成工程が微々たるものである場合、ラテックスと配合薬品間の均一な混合が難しくなる。
通常、手袋などの製品を製造するためには、ニトリル系共重合体ラテックスを製造した後、加硫剤を始じめとする各種添加剤のような配合薬品を混合し、加硫剤の含量がモデュラスに直接影響を及ぼすため、前記ラテックスの安定性もとても重要に考慮されなければならない。
概要
本発明は、ディップ成形用ラテックス組成物及びこれより製造された成形品に係り、より具体的に、前記組成物は、親水性を有するナトリウムポリスルフィドを使用してシネレシスが緩くて、引張強度、伸び率及び応力特性に優れ、汗に対する耐久性に優れるだけでなく、着用感に優れたディップ成形品の製作が可能である。なし
目的
本発明の目的は、カルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックス及びナトリウムポリスルフィドを含むディップ成形用ラテックス組成物を提供する
効果
実績
- 技術文献被引用数
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請求項1
共役ジエン系単量体、エチレン性不飽和ニトリル系単量体及びエチレン性不飽和酸単量体が共重合されたカルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックス;及びナトリウムポリスルフィドを含むことを特徴とするディップ成形用ラテックス組成物。
請求項2
前記ディップ成形用ラテックス組成物は、カルボン酸変性ニトリル系共重合体100重量部に対してナトリウムポリスルフィド0.1ないし5重量部を含むことを特徴とする請求項1に記載のディップ成形用ラテックス組成物。
請求項3
前記ナトリウムポリスルフィドは、5ないし20重量%濃度の水溶液で使用されることを特徴とする請求項1に記載のディップ成形用ラテックス組成物。
請求項4
請求項5
前記カルボン酸変性ニトリル系共重合体は、単量体の総量100重量%に対して、共役ジエン系単量体40ないし89重量%、エチレン性不飽和ニトリル系単量体10ないし50重量%及びエチレン性不飽和酸単量体0.1ないし10重量%が共重合されたことを特徴とする請求項1に記載のディップ成形用ラテックス組成物。
請求項6
前記共役ジエン系単量体は、1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン及びイソプレンからなる群から選択された1種以上であることを特徴とする請求項1に記載のディップ成形用ラテックス組成物。
請求項7
前記エチレン性不飽和ニトリル系単量体は、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、フマロニトリル、α−クロロニトリル及びα−シアノエチルアクリロニトリルからなる群から選択された1種以上であることを特徴とする請求項1に記載のディップ成形用ラテックス組成物。
請求項8
前記エチレン性不飽和酸単量体は、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、無水マレイン酸、シトラコン酸無水物、スチレンスルホン酸、フマル酸モノブチル、マレイン酸モノブチル及びマレイン酸モノ−2−ヒドロキシプロピルからなる群から選択された1種以上であることを特徴とする請求項1に記載のディップ成形用ラテックス組成物。
請求項9
前記カルボン酸変性ニトリル系共重合体は、共単量体としてエチレン性不飽和単量体をさらに含んで共重合されたことを特徴とする請求項1に記載のディップ成形用ラテックス組成物。
請求項10
請求項11
技術分野
0001
本出願は、2016年9月9日付韓国特許出願第10−2016−0116102号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されている全ての内容を本明細書の一部として含む
本発明は、加硫剤で親水性を有するナトリウムポリスルフィドを使用するので、シネレシス(synerisis)が緩くて、引張強度、伸び率、応力特性に優れ、汗に対する耐久性に優れたディップ成形品の製作が可能な、ディップ成形用ラテックス組成物及びこれより製造された成形品に関する。
背景技術
0002
家事、食品産業、電子産業、医療分野など日常生活で多様に使われる使い捨てゴム手袋は、天然ゴムまたはニトリル系共重合体ラテックスのディップ成形によって作られる。最近は、天然ゴムのアレルギー問題と不安定な需給問題のため、使い捨て手袋市場でニトリル系手袋が脚光を浴びている。
0003
天然ゴム手袋を代替していくニトリル系手袋市場において、最近、手袋を製造する時の作業性向上と手袋使用時の耐久性が重要な部分となっている。ここで、手袋生産の作業性を高めるために、シネレシス時間を改善し、耐久性及び着用感を改善するために、硬くないし、よく破れない手袋を製造することを目標としている。
0004
特に、手袋の着用感は、モデュラス(Modulus)数値と密接な関系にある。すなわち、モデュラスが小さいほど着用感は高くなるが、手袋自体の物性(すなわち、引張強度、伸び率及び応力)が低下する問題がある。また、長期間着用する時発生する汗によって手袋が変性したり破れるなどの問題があって、耐久性を改善することによって長い間人が使用する時も問題ない製品の開発が至急である。
0005
一方、ニトリル系共重合体ラテックスを利用した成形品を製造する時、架橋のために加硫剤を使用する。前記加硫剤の選択は、ニトリル系ラテックスの組成、分子分布状態、構造などに応じて適切に選択される。
0006
代表的な加硫剤としては、粉末硫黄(powdered sulfur)、不溶性硫黄(insoluble sulfur)、沈降硫黄(precipitated sulfur)、コロイド硫黄(colloidal sulfur)などのような硫黄(sulfur)が使われ、これを促進するために、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、リサージ(一酸化鉛、PbO)などが使われる。
0007
ニトリル系共重合体は、配合物が均一に混ざって沈澱が起きないようにするため、水分散形態のラテックスで製造される。前記ラテックスは、加硫剤の硫黄によってニトリル系共重合体同士の架橋が起こるし、この時、硫黄がラテックスの粒子内部に侵透する場合、架橋が円滑が起こる。さらに、硫黄を使用する架橋は長期間の熟成工程を経るし、この時、ラテックスの安定性が低い場合は、表面に膜が形成されたり凝集が発生し、熟成工程が微々たるものである場合、ラテックスと配合薬品間の均一な混合が難しくなる。
0008
通常、手袋などの製品を製造するためには、ニトリル系共重合体ラテックスを製造した後、加硫剤を始じめとする各種添加剤のような配合薬品を混合し、加硫剤の含量がモデュラスに直接影響を及ぼすため、前記ラテックスの安定性もとても重要に考慮されなければならない。
先行技術
発明が解決しようとする課題
0010
本発明者らは、前記問題点を解決するために多角的に研究を行った結果、カルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックスに、加硫剤として親水性を有するナトリウムポリスルフィドを混合し、これを利用してディップ成形する場合、シネレシスが緩くて、引張強度、伸び率及び応力などの物性に優れて、汗に対する耐久性が向上し、モデュラス減少によって着用感を改善したディップ成形品の製造が可能であることを確認して本発明を完成した。
0011
したがって、本発明の目的は、カルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックス及びナトリウムポリスルフィドを含むディップ成形用ラテックス組成物を提供することである。
0012
また、本発明の他の目的は、前記ディップ成形用ラテックス組成物から製造されて緩いシネレシスを有し、物性及び汗に対する耐久性に優れて、着用感が改善されたディップ成形品を提供することである。
課題を解決するための手段
0013
前記目的を達成するため、本発明は、共役ジエン系単量体、エチレン性不飽和ニトリル系単量体及びエチレン性不飽和酸単量体が共重合されたカルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックス及びナトリウムポリスルフィドを含むことを特徴とするディップ成形用ラテックス組成物を提供する。
0014
この時、前記ディップ成形用ラテックス組成物は、カルボン酸変性ニトリル系共重合体100重量部に対してナトリウムポリスルフィド0.1ないし5重量部を含むことを特徴とする。
0015
また、本発明は、前記ディップ成形用ラテックス組成物でディップ成形して製造されたことを特徴とするディップ成形品を提供する。
発明の効果
0016
本発明によるディップ成形用ラテックス組成物は、加硫剤として親水性を有するナトリウムポリスルフィドを使用することにより、ディップ成形工程時、緩いシネレシスをなして作業性を改善する。
0017
特に、前記ナトリウムポリスルフィドを利用して架橋化されたディップ成形品は、従来加硫剤として硫黄を利用した製品に対して引張強度、伸び率及び応力が同等以上であるだけでなく、汗に対する耐久性が向上される。同時に、硫黄を利用した製品に比べてモデュラスを低めて、人体に着用する時、優れた着用感を付与することができる。
実施例
0019
以下、本発明に対する理解を助けるために、本発明をより詳しく説明する。
0020
本明細書及び請求範囲で使われた用語や単語は、通常的や辞典的な意味と限定して解釈されてはならないし、発明者は自分の発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができるという原則に基づいて、本発明の技術的思想に符合する意味と概念として解釈されなければならない。
0021
[ディップ成形用ラテックス組成物]
本発明は、カルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックスを含むディップ成形用ラテックス組成物を示すが、加硫剤として硫黄の代わり親水性に優れたナトリウムポリスルフィドを使用する。
0022
ナトリウムポリスルフィド(sodium polysulfide)は、多硫黄化ゴムともいい、強い塩基性水溶液に硫黄(S8)を入れて作った親水性加硫剤であって、Na2Sx(x=2〜5)で表される。ナトリウムポリスルフィド水溶液は、硫黄がイオン化されてジスルフィド(disulfide、S22-)、トリスルフィド(trisulfide、S32-)、テトラスルフィド(tetrasulfide、S42-)、及びペンタスルフィド(pentasulfide、S52-)などのようなポリスルフィド(polysulfide)アニオンとして存在する。
0023
より具体的に、ナトリウムポリスルフィドは、水溶液に溶解する時、下記化学式1の例示のように、末端がNaカチオンと共にSアニオンにイオン化され、分子構造内で−S−S−結合で繋がった構造を有する。
0024
0025
この時、Sアニオンはカルボン酸変性ニトリル系共重合体と反応して−S−S−構造を通じる架橋反応が進められる。
0026
ナトリウムポリスルフィド水溶液は、既存の加硫剤(S8)より親水性が高くてカルボン酸変性ニトリル系共重合体と配合する時均一に混合される利点があり、両側末端に存在するNaカチオンによって親水性と疎水性の内外部境界が形成されたラテックス内部に進入し易くて、カルボン酸変性ニトリル系共重合体の架橋がもっと円滑が行われるようにする。
0027
前記ナトリウムポリスルフィド水溶液を利用した架橋は、従来硫黄(S8)粉末と同一で、既存加硫剤と対比して同等以上の引張強度及び伸び率を有するディップ成形品の製造が可能である。また、300%及び500%での応力と関わるデータを参照すれば、硫黄粉末を利用したディップ成形品に比べて低いモデュラスを有し(表1及び表2参照)、優れた弾性特性によって人体内での優れた着用感を有することができることが分かる。同時に、汗に対する耐久性に優れた利点を確保することができる。
0028
ナトリウムポリスルフィド水溶液の製造は、本発明で特に限定せずに、この分野で知られている方法によって製造することが可能である。一例として、硫化ナトリウム(Sodium Sulfide)を蒸溜水に溶かして強い塩基性水溶液を作り、これに硫黄(S8)粉末を入れて製造する[Macromol.Rapid Commun.2015、36、1103−1107]。この時、ナトリウムポリスルフィド水溶液は、水溶液内の硫黄の析出を考慮して濃度が5ないし20重量%であることが好ましい。
0029
このようなナトリウムポリスルフィドは、固形分含量によってカルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックス100重量部に対して0.1ないし5重量部、好ましくは0.5ないし1重量部で使用する。もし、前記ナトリウムポリスルフィドの含量が前記範囲未満であれば、前述の効果を確保することができないし、逆に前記範囲を超える場合、シネレシスが発生し、過度な硬化によって物性がむしろ低下され、硬い着用感のディップ成形品が製作されるので、前記範囲内で適切に使用する。
0030
前記ナトリウムポリスルフィドは、カルボン酸変性ニトリル系共重合体のラテックスに添加する方式で使用される。
0031
以下、本発明で示すカルボン酸変性ニトリル系共重合体をより詳しく説明する。
0032
カルボン酸変性ニトリル系共重合体は、既に言及したように、共役ジエン系単量体、エチレン性不飽和ニトリル系単量体及びエチレン性不飽和酸単量体が共重合された共重合体である。
0033
先ず、共役ジエン系単量体は、本発明によるカルボン酸変性ニトリル系共重合体を構成する単量体であって、具体的に例えば、1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン及びイソプレンからなる群から選択された1種以上のものであり、これらの中で1,3−ブタジエンとイソプレンが好ましく、その中でも1,3−ブタジエンが最も好ましく使われる。
0034
前記共役ジエン系単量体は、カルボン酸変性ニトリル系共重合体を構成する全体単量体の総含量100重量%内で40ないし89重量%、好ましくは45ないし80重量%、より好ましくは50ないし78重量%で含まれる。もし、その含量が前記範囲未満であれば、ディップ成形品が硬くなって着用感が悪くなり、逆に前記範囲を超えるとディップ成形品の耐油性が悪くなって引張強度が低下する。
0035
本発明によるカルボン酸変性ニトリル系共重合体を構成する他の単量体として、前記エチレン性不飽和ニトリル系単量体は、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、フマロニトリル、α−クロロニトリル及びα−シアノエチルアクリロニトリルからなる群から選択された1種以上のものであり、この中でアクリロニトリルとメタクリロニトリルが好ましく、その中でもアクリロニトリルが最も好ましく使われる。
0036
エチレン性不飽和ニトリル系単量体は、カルボン酸変性ニトリル系共重合体を構成する全体単量体の総含量100重量%内で10ないし50重量%、好ましくは15ないし45重量%、より好ましくは25ないし45重量%で含まれる。もし、その含量が前記範囲未満であれば、ディップ成形品の耐油性が悪くなって引張強度が低下し、逆に前記範囲を超えるとディップ成形品が硬くなって着用感が悪くなる。
0037
また、本発明によるカルボン酸変性ニトリル系共重合体を構成する他の単量体として、エチレン性不飽和酸単量体は、カルボキシル基、スルホン酸基及び酸無水物基からなる群から選択された1種以上の酸性基を含むエチレン性不飽和酸単量体である。前記エチレン性不飽和酸単量体は、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸などのエチレン性不飽和カルボン酸単量体;無水マレイン酸、シトラコン酸無水物などのポリカルボン酸無水物;スチレンスルホン酸などのエチレン性不飽和スルホン酸単量体;フマル酸モノブチル、マレイン酸モノブチル、マレイン酸モノ−2−ヒドロキシプロピルなどのエチレン性不飽和ポリカルボン酸部分エステル(partial ester)単量体などを挙げることができる。これらの中で、特にメタクリル酸が好ましい。このようなエチレン性不飽和酸単量体は、アルカリ金属塩またはアンモニウム塩のような形態で使われてもよい。
0038
前記エチレン性不飽和酸単量体は、カルボン酸変性ニトリル系共重合体を構成する全体単量体の総含量100重量%内で0.1ないし10重量%、好ましくは0.5ないし9重量%、より好ましくは1ないし8重量%で含まれる。もし、その含量が前記範囲未満であれば、ディップ成形品の引張強度が低下し、逆に前記範囲を超えるとディップ成形品が硬くなって着用感が悪くなる。
0039
本発明によるカルボン酸変性ニトリル系共重合体は、選択的に前記エチレン性不飽和ニトリル単量体及びエチレン性不飽和酸単量体と共重合できる他のエチレン性不飽和単量体をさらに含むことができる。
0040
共重合可能なエチレン性不飽和単量体としては、スチレン、アルキルスチレン及びビニルナフタレンを含むビニル芳香族単量体;フルオロ(fluoro)エチルビニルエーテルを含むフルオロアルキルビニルエーテル;(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド及びN−プロポキシメチル(メタ)アクリルアミドを含むエチレン性不飽和アミド単量体;ビニルピリジン、ビニルノルボルネン、ジシクロペンタジエン及び1,4−ヘキサジエンを含む非共役ジエン単量体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸トリフルオロエチル、(メタ)アクリル酸テトラフルオロプロピル、マレイン酸ジブチル、フマル酸ジブチル、マレイン酸ジエチル、(メタ)アクリル酸メトキシメチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシエトキシエチル、(メタ)アクリル酸シアノメチル、(メタ)アクリル酸2−シアノエチル、(メタ)アクリル酸1−シアノプロピル、(メタ)アクリル酸2−エチル−6−シアノヘキシル、(メタ)アクリル酸3−シアノプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、グリシジル(メタ)アクリレート及びジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートを含むエチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体からなる群から選択された1種以上のものを使用する。
0041
前記エチレン性不飽和ニトリル系単量体及びこれと共重合可能な他のエチレン性不飽和単量体の使用量は、カルボン酸変性ニトリル系共重合体を構成する全体単量体の総含量100重量%内で0.001ないし20重量%以内で使われてもよい。もし、その含量が20重量%を超えると、柔らかい着用感と引張強度間の均衡がよく合わないので、前記範囲内で適切に使用する。
0042
本発明のカルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックスは、既に言及したように、カルボン酸変性ニトリル系共重合体を構成する単量体に、乳化剤、重合開始剤、分子量調節剤などを添加して乳化重合させることで製造することができる。
0043
具体的に、カルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックスは、
(段階a)重合反応器に共役ジエン系単量体、エチレン性不飽和ニトリル系単量体及びエチレン性不飽和酸単量体、乳化剤、重合開始剤及び脱イオン水を添加する段階;
(段階b)乳化重合を行う段階、
(段階c)重合を停止する段階を経て製造する。
0044
前記段階aにおいて、共役ジエン系単量体、エチレン性不飽和ニトリル系単量体、エチレン性不飽和酸単量体、乳化剤及び重合開始剤は、重合反応器の内部に一度に投入するか、または連続的に投入することができる。また、これらは一度に各使用含量を重合反応器に全て添加するか、その一部の含量を重合反応器に添加した後、残りの含量を再び重合反応器に連続的に供給することができる。
0045
乳化剤としては特に限定されないが、例えば、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤などを使用することができる。この中で、アルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪族スルホン酸塩、高級アルコールの硫酸エステル塩、α−オレフィンスルホン酸塩及びアルキルエーテル硫酸エステル塩からなる群から選択されたアニオン性界面活性剤が特に好ましく使われる。
0046
この時、乳化剤の使用量は、前記カルボン酸変性ニトリル系共重合体を構成する単量体100重量部に対して0.3ないし10重量部、好ましくは0.8ないし8重量部、より好ましくは1.5ないし6重量部で使われる。もし、その含量が前記範囲未満であれば、重合時に安定性が低下されるし、逆に前記範囲を超えると泡の発生が多くなってディップ成形品を製造し難い問題点がある。
0047
重合開始剤としては特に限定されないが、具体的にはラジカル開始剤が使われてもよい。ラジカル開始剤としては、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過リン酸カリウム、過酸化水素などの無機過酸化物;t−ブチルパーオキサイド、キュメンヒドロパーオキサイド、p−メンタンヒドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、イソブチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノールパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソブチレートなどの有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル及びアゾビスイソ酪酸(ブチル酸)メチルからなる群から選択された1種以上のものであり、このようなラジカル開始剤の中で無機過酸化物がより好ましく、この中でも過硫酸塩が特に好ましく使われる。
0048
前記重合開始剤の使用量は、前記カルボン酸変性ニトリル系共重合体を構成する全体単量体100重量部に対して0.01ないし2重量部、好ましくは0.02ないし1.5重量部で含まれる。もし、その含量が前記範囲未満であれば、重合速度が低下されて最終製品を製造し難いし、逆に前記範囲を超えると重合速度が速すぎて重合調節ができない。
0049
前記活性化剤は特に制限されないし、当業界で通常知られているものを使用することができるが、例えば、ソジウムホルムアルデヒドスルホキシル酸塩、ソジウムエチレンジアミンテトラアセテート、硫酸第一鉄、デキストロース、ピロリン酸ナトリウム及び亜硫酸ナトリウムからなる群から選択された1種以上を使用することができる。
0050
分子量調節剤としては特に限定されないが、例えば、α−メチルスチレンダイマー、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、オクチルメルカプタンなどのメルカプタン類;四塩化炭素、塩化メチレン、ブロム化メチレンなどのハロゲン化炭化水素;テトラエチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムジスルフィド、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィドなどの硫黄含有化合物などを挙げることができる。このような分子量調節剤は、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの中で、メルカプタン類が好ましく、t−ドデシルメルカプタンがより好ましく使われてもよい。
0051
前記分子量調節剤の使用量は、その種類によって異なるが、前記カルボン酸変性ニトリル系共重合体を構成する全単量体100重量部に対して0.1ないし2.0重量部、好ましくは0.2ないし1.5重量部、より好ましくは0.3ないし1.0重量部で使用する。もし、その含量が前記範囲未満であれば、ディップ成形品の物性が顕著に低下され、逆に前記範囲を超えると重合安定性が低下する問題点がある。
0053
前記カルボン酸変性ニトリル系共重合体を構成する単量体混合物の投入方法は特に限定されないし、単量体混合物を重合反応器に一度に投入する方法、単量体混合物を重合反応器に連続的に投入する方法、単量体混合物の一部を重合反応器に投入し、残りの単量体を重合反応器に連続的に供給する方法のいずれかの方法を使用しても構わない。
0054
前記段階bにおいて、乳化重合時の重合温度は、普通10ないし90℃であってもよく、好ましくは20ないし80℃である。より好ましくは25ないし75℃であってもよいが、特に限定されない。
0055
前記段階cにおいて、重合反応を停止する時の転換率は85%以上、好ましくは88ないし99.9%、より好ましくは90ないし99%であってもよく、重合反応を停止した後、未反応単量体を除去し、固形分濃度とpHを調節してディップ成形用カルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックスを得ることができる。
0056
このようなカルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックスは、ガラス転移温度が−30℃ないし−10℃を有する。前記ラテックスのガラス転移温度が前記範囲より小さい場合、引張強度が顕著に低下されたり、手袋のべたつきによって着用感が落ちるし、逆に前記範囲より高い場合は、ディップ成形品に亀裂が生じて好ましくない。前記ガラス転移温度は、前記共役ジエン単量体の含量を調節して調整することができるし、示差走査熱量計(Differential Scanning Calorimetry)で測定することができる。
0057
前記カルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックスの平均粒径は100ないし500nm、好ましくは150ないし250nmであってもよい。もし、前記ディップ成形用ラテックスの平均粒径が前記範囲内に該当する時、製造されたディップ成形品の引張強度が向上される。この時、ディップ成形用ラテックスの平均粒径は、前記乳化剤の種類や含量を調節して調整することができるし、前記平均粒径はレーザー分散分析機(Laser Scattering Analyzer、Nicomp)で測定することができる。
0058
前記段階を経て製造されたカルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックスは、親水性を有するナトリウムポリスルフィド水溶液と混合してディップ成形用ラテックス組成物を製造する。
0059
前記ナトリウムポリスルフィド水溶液は、ラテックスに一度に添加するか、数回に分けて添加する方式が可能である。
0060
必要な場合、前記ディップ成形用ラテックス組成物は、老化防止剤、酸化防止剤、防腐剤、抗菌剤、湿潤剤、増粘剤、分散剤、顔料、染料、充電材、補強材、pH調整剤などの各種添加剤を所定量添加することもできる。
0061
本発明によるディップ成形用ラテックス組成物は、固形分濃度は10ないし40重量%、好ましくは15ないし35重量%、より好ましくは15ないし30重量%を有する。もし、その濃度が低すぎると、ラテックス組成物の運送効率が低下し、高すぎると、固形分濃度が粘度の上昇を起こして保存安定性などの問題があり得るので、前記範囲内で適切に調節する。
0062
前記ディップ成形用ラテックス組成物のpHは8ないし12、好ましくは9ないし11、より好ましくは9.3ないし10.5であってもよく、pH濃度が前記範囲から脱する場合、ディップ成形用ラテックス組成物の安定性が落ちることがある。
0063
この時、前記ディップ成形用ラテックス組成物のpHは、ディップ成形用ラテックスを製造する際、一定量のpH調節剤を投入して調節することができるし、前記pH調節剤としては、主に1ないし5%の水酸化カリウム水溶液または1ないし5%のアンモニア水を使用することができる。
0064
[ディップ成形品]
同時に、本発明は、前記ディップ成形用ラテックス組成物から製造されたディップ成形品を提供する。
0065
本発明の一実施例による前記ディップ成形品は特に限定されないし、当業界で通常公知されている方法によって製造することができるし、例えば、直接浸漬法、正極(anode)凝着浸漬法、ティーグ(Teague)凝着浸漬法などの方法を用いて製造することができる。好ましくは、正極凝着浸漬法を使用することができるし、前記正極凝着浸漬法を用いてディップ成形品を製造する場合は、均一な厚さのディップ成形品を製造することができる利点がある。
0066
具体的例として、前記ディップ成形品は、
手の模様のディップ成形枠を凝固剤溶液に浸して、ディップ成形枠の表面に凝固剤を付着させる段階(段階a);
前記凝固剤が表面に付着されたディップ成形枠を前記のディップ成形用ラテックス組成物に浸漬してディップ成形層を形成させる段階(段階b);及び
前記ディップ成形層を加熱処理してラテックス樹脂を架橋させる段階を通じて製造することができる。
0067
前記段階aは、手の模様のディップ成形枠の表面に凝固剤を付着させるための段階であって特に限定されないが、前記ディップ成形枠を凝固剤溶液に1分以上浸してから取り出した後、70ないし150℃で乾燥して行うことができる。
0069
前記凝固剤は特に限定されないが、例えば、バリウムクロリド、カルシウムクロリド、マグネシウムクロリド、ジンククロリド及びアルミニウムクロリドなどのような金属ハロゲン化物(halides);バリウムニトラート、カルシウムニトラート及びジンクニトラートなどのような硝酸塩;バリウムアセテート、カルシウムアセテート及びジンクアセテートのようなアセト酢酸塩;カルシウムサルフェート、マグネシウムサルフェート及びアルミニウムサルフェートのような硫酸塩などを使用することができる。好ましくは、カルシウムクロリド、カルシウムニトラートまたはこれらの組み合わせであってもよい。
0070
前記段階bは、前記凝固剤が付着されたディップ成形枠に、本発明によるディップ成形用ラテックス組成物からディップ成形層を形成させるための段階であって、前記凝集剤が付着されたディップ成形枠を前記ディップ成形用ラテックス組成物に1分以上浸漬した後で取り出すことにより、前記ディップ成形層を形成することができる。
0071
前記段階cは、前記ディップ成形層にラテックス樹脂を架橋させてディップ成形品を収得するための段階であって、前記ディップ成形層を加熱処理して行うことができる。
0072
前記加熱処理は特に限定されないが、例えば、70ないし150℃で1分ないし10分間1次加熱処理した後、100ないし180℃で5分ないし30分間2次加熱処理して行うことができる。
0074
前記ディップ成形品は特に制限されずに、多様なラテックス産業に適用することができるが、例えば、検査手袋、コンドーム、カテーテル、産業用手袋、手術用手袋、家庭用手袋、産業用手袋及び健康管理用品からなる群から選択された1種以上の成形品に適用することができる。
0075
以下、本発明の理解を助けるために好ましい実施例を示すが、下記実施例は本発明を例示するものに過ぎず、本発明の範疇及び技術思想の範囲内で多様な変更及び修正が可能であることは当業者にとって自明なことであり、このような変更及び修正が添付された特許請求範囲に属することも当然である。
0076
<実施例>
実施例1:ディップ成形用ラテックス組成物及びディップ成形品の製造
(カルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックスの製造)
撹拌機、温度計、冷却器、窒素ガスの引込口及び単量体、乳化剤、重合反応開始剤を連続的に投入できるように装置された10L高圧反応器を窒素に置換した後、アクリロニトリル25重量%、1,4−ブタジエン70重量%、メタクリル酸5重量%の単量体混合物100重量部に対してアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム2.5重量部、t−ドデシルメルカプタン0.5重量部及びイオン交換水140重量部を投入し、48℃まで昇温した。
0077
昇温した後、重合開始剤の過硫酸カリウム0.25重量部を入れて転換率が95%に達すると、ソジウムジメチルジチオカバーメート0.1重量部を投入して重合を停止させた。脱臭工程を通じて未反応モノマーを除去し、アンモニア水、酸化防止剤、消泡剤などを添加して固形分濃度45%とpH8.3のカルボキシル化アクリロニトリル−ブタジエン系共重合体ラテックスを得た。
0078
前記ラテックスは、分析結果、ガラス転移温度が−10℃、平均粒径が110nmと測定された。
0079
(ディップ成形用組成物の製造)
前記製造されたカルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックス100重量部に10%濃度の親水性ナトリウムポリスルフィド溶液(Sodium Polysulfide)を混合して混合物を製造した。
0080
これに水酸化カリウム溶液及び適正量の2次蒸溜水を加えて固形分濃度25%、pH10.0のディップ成形用組成物を得た。
0081
(ディップ成形品の製造)
18重量部のカルシウムニトラート、87.5重量部の蒸溜水、0.5重量部の湿潤剤(wetting agent)(Teric 320 produced by Huntsman Corporation、Australia)を混合して凝固剤溶液を作った。この溶液に手の模様のセラミックスモールドを10秒間浸し、取り出した後80℃で4分間乾燥して凝固剤を手の模様のモールドに付着させた。
0082
次に、凝固剤が塗布されたモールドを前記ディップ成形用組成物に10秒間浸して引き上げ、80℃で2分間乾燥した後、水または温水に1分間浸した。その後、120℃で20分間架橋させた。架橋されたディップ成形層を手の模様のモールドからむき出して手袋形態のディップ成形品を得た。このディップ成形品の物性を表1と表2に示した。
0083
シネレシス時間を確認するために、凝固剤が塗布されたモールドを前記ディップ成形用組成物に10 秒間浸し、引き上げた後、120℃で6分間乾燥した後、水または温水に3分間浸した。120℃で6分乾燥する時、水滴がしたたる時間を確認してシネレシス時間と確認した。前記シネレシス時間は、下記表1と表2に示した。
0084
実施例2:ディップ成形用ラテックス組成物及びディップ成形品の製造
親水性ナトリウムポリスルフィドを0.7重量部で使ったことを除いて、前記実施例1と同様に行ってディップ成形用ラテックス組成物を製造し、これを利用して手袋形態のディップ成形品を製造した。
0085
実施例3:ディップ成形用ラテックス組成物及びディップ成形品の製造
親水性ナトリウムポリスルフィドを1.0重量部で使ったことを除いて、前記実施例1と同様に行ってディップ成形用ラテックス組成物を製造し、これを利用して手袋形態のディップ成形品を製造した。
0086
比較例1:ディップ成形用ラテックス組成物及びディップ成形品の製造
親水性ナトリウムポリスルフィドの代わりに加硫剤(硫黄)1重量部を使ったことを除いて、前記実施例1と同様の方法を通じてディップ成形用ラテックス組成物と、これを利用して手袋形態のディップ成形品を製造した。
0087
実験例1:ディップ成形品の物性評価
前記実施例と比較例で製造されたディップ成形品の物性を測定した。下記物性は、ディップ成形用ラテックス組成物の熟成時間を1日及び3日間行ったものを測定し、その結果を下記表1及び表2に示した。
0088
(1)引張強度(tensile strength)、伸び率(elongation)、300%及び500%での応力(modulus、MPa)
得られたディップ成形品からEN 455−2に準じてダンベル形象の試片を製作した。次いで、この試片を伸び速度500mm/分で引っ張って、伸び率が300%及び500%である時の応力、破断時の引張強度及び破断時の伸び率を測定した。
0089
(2)耐久性(Durability)
塩化ナトリウム16重量部、乳酸16重量部、ウレア3.2重量部、水64.8重量部で構成された25℃のディップ成形品の耐久性測定用溶液を準備した後、耐久性測定装置にニトリルゴム手袋の試片を挟んだ後、前記試片を当初の長さの2倍(伸ばす時は最大2倍、縮める時は最低1倍)に増やしながら、切れる時までの回数を測定した。この時、回数が高いのは耐久性に優れたことを意味する。
0090
(3)シネレシス(Syneresis)
120℃で6分乾燥する時、水滴がしたたる時間を確認してシネレシス時間を確認した。この時、シネレシス時間の長いほど作業性に優れることを意味する。
0091
0092
0093
前記表1及び表2の結果を見ると、本発明によって加硫剤としてナトリウムポリスルフィドを使った実施例1ないし3の場合、既存に硫黄を使用した比較例1に比べて引張強度、応力及び伸び率が同等以上の結果を示し、シネレシス時間も長かった。
0094
しかし、具体的な300%及び500%での応力(すなわち、モデュラス)値を見れば、比較例1に比べて実施例1ないし3のディップ成形品が全体的に少しずつ低いので、人体に着用する時、優れた着用感を有することができることが分かる。また、耐久性の面で遥かに優れた結果を示した。
0095
また、ディップ成形用組成物を1日及び3日間熟成した後で得られた結果である表1及び表3の値を比べると、1日熟成の時は実施例の数値が比較例に比べて優秀であったが、3日熟成した後の実施例と比較例の数値が類似な結果を示すことが分かる。このような結果は、本発明によるナトリウムポリスルフィドが硫黄対比架橋が速く、迅速に起きることができることを意味し、これは前記ナトリウムポリスルフィドの高い親水性によってカルボン酸変性ニトリル系ラテックス内により速く侵透することに起因する。
0096
本発明によるディップ成形用ラテックス組成物は、各種産業用及び家庭用手袋のような健康管理用品などのラテックス物品の製造に使用できる。