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技術 デュシェンヌ型筋ジストロフィー治療における組換えフォリスタチン−Fc融合タンパク質及び使用

出願人 シャイアーヒューマンジェネティックセラピーズインコーポレイテッド
発明者 イスケンデリアン,アンドレアノートン,アンジェラダブリュー.シェン,チュアンパン,クラーク
出願日 2017年3月3日 (3年0ヶ月経過) 出願番号 2018-546471
公開日 2019年4月11日 (11ヶ月経過) 公開番号 2019-509735
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード 社会化 内側頭 高炭酸 長掌筋 円回内筋 母指外転筋 甲状舌骨筋 短橈側手根伸筋
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年4月11日)のものです。
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図面 (4)

課題・解決手段

本発明は、中でも筋ジストロフィー、特にデュシェンヌ型筋ジストロフィーDMD)を治療するための方法及び組成物を提供する。一部の実施形態において、本発明による方法は、DMDにかかっている、またはDMDにかかりやすい個体に対し、少なくとも1つのDMDの症状または特徴において、強度、重症度、または頻度が低減されるように、または発症遅れるように、有効量の組換えフォリスタチン融合タンパク質投与することを含む。

概要

背景

デュシェンヌ型筋ジストロフィーDMD)はX連鎖正の劣性遺伝障害であり、出生において推定1:3600で発症し、全世界で推定50,000人の患者が存在する。当該障害の特徴は進行性の筋消耗であり、発症した小児は13になるまでに車椅子が必要となる。患者は通常3歳で症状を呈し、このような患者の生存期間中央値は25歳から30歳の間である。横隔膜衰弱及び心筋症に起因する呼吸不全が一般的な死因となる。

DMDはジストロフィン遺伝子の変異によって引き起こされる。ジストロフィン遺伝子はX染色体にあり、ジストロフィンタンパク質をコードする。ジストロフィンタンパク質は、ジストログリカン複合体を通じて、筋線維収縮性機構アクチンミオシン複合体)を周囲の細胞外マトリックスに接続する役目を担っている。ジストロフィン遺伝子の変異は、ジストロフィンタンパク質の変質または不在や、筋細胞膜機能の異常をもたらす。男性女性もジストロフィン遺伝子の変異を保有し得るが、女性がDMDを発症することは稀である。

DMDの特徴の1つは、患部組織虚血である。虚血とは、組織または臓器への血液供給が制限されるまたは減少することであり、酸素不足細胞代謝のための栄養要求を引き起こす。概して、虚血は血管の収縮または閉塞が原因であり、組織または臓器の損傷または機能不全がもたらされる。虚血の治療は、患部組織または臓器への血流増加に向けられる。

現時点では、DMDの治療法は存在しない。遺伝子療法及びコルチコステロイド投与を含めたいくつかの治療手段が検討されているが、DMD患者向けの代替案の必要性は依然として存在する。

概要

本発明は、中でも筋ジストロフィー、特にデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)を治療するための方法及び組成物を提供する。一部の実施形態において、本発明による方法は、DMDにかかっている、またはDMDにかかりやすい個体に対し、少なくとも1つのDMDの症状または特徴において、強度、重症度、または頻度が低減されるように、または発症が遅れるように、有効量の組換えフォリスタチン融合タンパク質を投与することを含む。A

目的

本発明は、半減期が長くDMDの効果的治療にいっそう強力である、改善されたフォリスタチンを提供する

効果

実績

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請求項1

組換えフォリスタチンポリペプチドであって、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、または配列番号5に対し少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含み、前記組換えフォリスタチンタンパク質ヘパリン結合配列(HBS)を有し、前記HBS内の1つ以上のアミノ酸が、置換されるアミノ酸より小さい正電荷を有するアミノ酸で置換されている、組換えフォリスタチンポリペプチド。

請求項2

前記HBS内の前記1つ以上のアミノ酸が、中性電荷を有するアミノ酸で置換されている、請求項1に記載の組換えフォリスタチンポリペプチド。

請求項3

前記HBS内の前記1つ以上のアミノ酸が、負電荷を有するアミノ酸で置換されている、請求項1に記載の組換えフォリスタチンポリペプチド。

請求項4

前記1つ以上のアミノ酸が、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10のアミノ酸を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組換えフォリスタチンポリペプチド。

請求項5

前記1つ以上のアミノ酸が3アミノ酸を含む、請求項4に記載の組換えフォリスタチンポリペプチド。

請求項6

前記組換えポリペプチドが有するヘパリン結合親和性が、天然に存在するフォリスタチンよりも減少している、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組換えフォリスタチンポリペプチド。

請求項7

前記組換えフォリスタチンタンパク質がBMP−9にもBMP−10にも結合しない、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組換えフォリスタチンポリペプチド。

請求項8

前記組換えフォリスタチンタンパク質が、配列番号12〜40または配列番号101〜106のいずれか1つに対し少なくとも80%同一である配列を有する、請求項1に記載の組換えフォリスタチンポリペプチド。

請求項9

配列番号2、配列番号4、または配列番号5に対し少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含み、配列番号2、配列番号4、または配列番号5の66位〜88位に対応する前記アミノ酸が、配列番号42〜67または配列番号111〜116のいずれか1つと同一である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の組換えフォリスタチンポリペプチド。

請求項10

配列番号2、配列番号4、または配列番号5の66位〜88位に対応する前記アミノ酸配列が、配列番号58〜67または配列番号111〜113のいずれか1つと同一である、請求項9に記載の組換えフォリスタチンポリペプチド。

請求項11

高グリコシル化変異体である、請求項10に記載の組換えフォリスタチンポリペプチド。

請求項12

組換えフォリスタチンポリペプチドであって、配列番号2、配列番号4、または配列番号5に対し少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含み、かつ、C66S、C66A、G74N、K75E、K75N、K76A、K76D、K76S、K76E、C77S、C77T、R78E、R78N、N80T、K81A、K81D、K82A、K82D、K81E、K82T、K82E、K84E、P85T、R86N、V88E、及びV88T、またはその組合せからなる群から選択される前記アミノ酸バリエーションのいずれか1つを含む、組換えフォリスタチンポリペプチド。

請求項13

前記アミノ酸配列が、配列番号2、配列番号4、または配列番号5に対し少なくとも90%同一である、請求項9または12に記載の組換えフォリスタチンポリペプチド。

請求項14

前記アミノ酸配列が、配列番号2、配列番号4、または配列番号5に対し少なくとも95%同一である、請求項9または12に記載の組換えフォリスタチンポリペプチド。

請求項15

前記アミノ酸配列が、配列番号2、配列番号4、または配列番号5に対し少なくとも98%同一である、請求項9または12に記載の組換えフォリスタチンポリペプチド。

請求項16

前記アミノ酸配列が、配列番号2、配列番号4、または配列番号5に対し100%同一である、請求項9または12に記載の組換えフォリスタチンポリペプチド。

請求項17

配列番号12、配列番号17〜30、及び配列番号32〜40からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、組換えフォリスタチンポリペプチド。

請求項18

請求項1〜17のいずれか1項に記載のフォリスタチンポリペプチドと、IgGFcドメインとを含む、組換えフォリスタチン融合タンパク質

請求項19

フォリスタチンポリペプチドとヒトIgGFcドメインとを含む組換えフォリスタチン融合タンパク質であって、前記組換えフォリスタチンポリペプチドが、配列番号2、配列番号4、または配列番号5に対し少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含み、配列番号2、配列番号4、または配列番号5の66位〜88位に対応するアミノ酸が、配列番号41、42、43、または58と同一である、組換えフォリスタチン融合タンパク質。

請求項20

前記組換えフォリスタチンポリペプチドが、配列番号2、配列番号4、または配列番号5に対し少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項19に記載の組換えフォリスタチン融合タンパク質。

請求項21

前記組換えフォリスタチンポリペプチドが、配列番号2、配列番号4、または配列番号5に対し少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項19に記載の組換えフォリスタチン融合タンパク質。

請求項22

前記組換えフォリスタチンポリペプチドが、配列番号2、配列番号4、または配列番号5に対し少なくとも98%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項19に記載の組換えフォリスタチン融合タンパク質。

請求項23

前記組換えフォリスタチンポリペプチドが、配列番号2、配列番号4、または配列番号5に対し100%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項19に記載の組換えフォリスタチン融合タンパク質。

請求項24

フォリスタチンポリペプチドとIgGFcドメインとを含む組換えフォリスタチン融合タンパク質であって、前記フォリスタチンポリペプチドが、配列番号12、配列番号13、配列番号15〜配列番号40からなる群のいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含む、組換えフォリスタチン融合タンパク質。

請求項25

前記IgGFcドメインがアミノ酸置換を含み、前記アミノ酸置換が、EUナンバリングによるL234A、L235A、H433K、N434F、及びその組合せからなる群から選択される、請求項18〜24のいずれか1項に記載の組換えフォリスタチン融合タンパク質。

請求項26

前記IgGFcドメインが配列番号6のアミノ酸配列を含み、前記アミノ酸配列が、EUナンバリングによるL234A、L235A、H433K、N434F、及びその組合せからなる群から選択されるアミノ酸置換を含む、請求項18〜24のいずれか1項に記載の組換えフォリスタチン融合タンパク質。

請求項27

前記IgGFcドメインが、配列番号7〜配列番号11からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項18〜24のいずれか1項に記載の組換えフォリスタチン融合タンパク質。

請求項28

前記IgGFcドメインがヒトIgGFcドメインである、請求項18〜25のいずれか1項に記載の組換えフォリスタチン融合タンパク質。

請求項29

前記IgGFcドメインが、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4Fcドメインである、請求項18〜25のいずれか1項に記載の組換えフォリスタチン融合タンパク質。

請求項30

組換えフォリスタチン融合タンパク質であって、配列番号73、配列番号100、または配列番号117、または配列番号118のいずれか1つのアミノ酸配列を含む、組換えフォリスタチン融合タンパク質。

請求項31

前記タンパク質が、1〜100pMの親和性解離定数(KD)でミオスタチンに結合する、請求項18〜30のいずれか1項に記載の組換えフォリスタチン融合タンパク質。

請求項32

前記タンパク質が、1〜100pMの親和性解離定数(KD)でアクチビンAに結合する、請求項18〜30のいずれか1項に記載の組換えフォリスタチン融合タンパク質。

請求項33

前記タンパク質が、0.2nM〜25nMの範囲の骨形成タンパク質−9(BMP−9)及び/または骨形成タンパク質−10(BMP−10)に結合しない、請求項18〜30のいずれか1項に記載の組換えフォリスタチン融合タンパク質。

請求項34

前記タンパク質が、0.1から25nM超の親和性解離定数(KD)でヘパリンに結合する、請求項18〜30のいずれか1項に記載の組換えフォリスタチン融合タンパク質。

請求項35

前記タンパク質が、25〜400nMの親和性解離定数(KD)で前記FcRn受容体に結合する、請求項18〜30のいずれか1項に記載の組換えフォリスタチン融合タンパク質。

請求項36

タンパク質が、0.1〜10nMのIC50でミオスタチンを阻害する、請求項18〜30のいずれか1項に記載の組換えフォリスタチン融合タンパク質。

請求項37

タンパク質が、0.1〜10nMのIC50でアクチビンAを阻害する、請求項18〜30のいずれか1項に記載の組換えフォリスタチン融合タンパク質。

請求項38

請求項18〜37のいずれか1項に記載の組換えフォリスタチン融合タンパク質と、医薬的に許容される担体とを含む、医薬組成物

請求項39

請求項1〜17のいずれか1項に記載の組換えフォリスタチンポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む、ポリヌクレオチド

請求項40

請求項18〜30のいずれか1項に記載の組換えフォリスタチン融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む、ポリヌクレオチド。

請求項41

請求項39または40に記載のポリヌクレオチドを含む、発現ベクター

請求項42

請求項39もしくは40に記載のポリヌクレオチドまたは請求項30に記載の発現ベクターを含む、宿主細胞

請求項43

請求項42に記載の宿主細胞を培養することを含む、ミオスタチンに特異的に結合する組換えフォリスタチン融合タンパク質を作製する方法。

請求項44

請求項1〜17のいずれか1項に記載の組換えフォリスタチンポリペプチドまたは請求項18〜30のいずれか1項に記載の組換えフォリスタチン融合タンパク質を生成する、ハイブリドーマ細胞

請求項45

デュシェンヌ型筋ジストロフィーDMD)を治療する方法であって、DMDにかかっているまたはDMDにかかりやすい対象に対し、少なくとも1つのDMDの症状または特徴において、強度、重症度、または頻度が低減されるように、あるいは発症遅れるように、有効量の、請求項18〜37のいずれか1項に記載の組換えフォリスタチン融合タンパク質または請求項38に記載の医薬組成物を投与することを含む、方法。

請求項46

前記対象に対し、1つ以上の追加の治療剤を投与することをさらに含む、請求項45に記載の方法。

請求項47

前記1つ以上の追加の治療剤が、抗Flt−1抗体またはその断片、エダサロネクセント(edasalonexent)、パムレブルマブ(pamrevlumab)、プレドニゾンデフラザコート、RNA調節療法、エクソンスキッピング療法、及び遺伝子療法からなる群から選択される、請求項46に記載の方法。

請求項48

有効量の前記組換えフォリスタチン融合タンパク質が非経口的に投与される、請求項45〜47のいずれか1項に記載の方法。

請求項49

前記非経口投与が、静脈内、皮内、吸入経皮局所的)、眼内、筋肉内、皮下、経粘膜投与、またはその組合せからなる群から選択される、請求項48に記載の方法。

請求項50

前記非経口投与が静脈内投与である、請求項49に記載の方法。

請求項51

前記非経口投与が皮下投与である、請求項49に記載の方法。

請求項52

前記組換えフォリスタチン融合タンパク質が、毎日、週2回、毎週、毎月、または隔月投与される、請求項45〜51のいずれか1項に記載の方法。

請求項53

前記組換えフォリスタチン融合タンパク質が週2回投与される、請求項52に記載の方法。

請求項54

前記組換えフォリスタチン融合タンパク質が、表1から選択される1つ以上の骨格筋送達される、請求項45〜53のいずれか1項に記載の方法。

請求項55

前記組換えフォリスタチン融合タンパク質投与が、対照に比べての筋肉の質量増加をもたらす、請求項45〜54のいずれか1項に記載の方法。

請求項56

前記筋肉が表1から選択される1つ以上の骨格筋である、請求項55に記載の方法。

請求項57

前記筋肉が、横隔膜三頭筋ヒラメ筋前脛骨筋腓腹筋長指伸筋腹直筋四頭筋、及びその組合せからなる群から選択される、請求項56に記載の方法。

請求項58

前記筋肉が前記腓腹筋である、請求項57に記載の方法。

請求項59

前記筋肉の前記質量増加が、対照に比べて少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、150%、200%、または500%の増加である、請求項55〜58のいずれか1項に記載の方法。

請求項60

前記組換えフォリスタチン融合タンパク質の前記投与が、筋肉の再生筋肉強度の増加、柔軟性の増加、可動域の増加、スタミナの増加、易疲労感の低減、血流の増加、認知の改善、肺機能の改善、炎症の抑制、筋線維化の低減、及び/または筋壊死の低減をもたらす、請求項45〜59のいずれか1項に記載の方法。

請求項61

前記少なくとも1つのDMDの症状または特徴が、筋消耗、筋力低下、筋脆弱、筋壊死、筋線維化、関節拘縮骨格変形、心筋症嚥下障害、腸及び膀胱機能障害、筋虚血認知障害行動障害社会化障害脊柱側弯症、ならびに呼吸機能障害からなる群から選択される、請求項45〜59のいずれか1項に記載の方法。

請求項62

対象におけるミオスタチンを阻害する方法であって、対象の筋肉に対し、有効量の、請求項18〜30のいずれか1項に記載の組換えフォリスタチン融合タンパク質を含む組成物を投与することを含む、方法。

技術分野

0001

関連出願
本出願は、2016年3月4日に出願された仮出願U.S.S.N.62/303,954による利益を主張し、当該仮出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。

背景技術

0002

デュシェンヌ型筋ジストロフィーDMD)はX連鎖正の劣性遺伝障害であり、出生において推定1:3600で発症し、全世界で推定50,000人の患者が存在する。当該障害の特徴は進行性の筋消耗であり、発症した小児は13になるまでに車椅子が必要となる。患者は通常3歳で症状を呈し、このような患者の生存期間中央値は25歳から30歳の間である。横隔膜衰弱及び心筋症に起因する呼吸不全が一般的な死因となる。

0003

DMDはジストロフィン遺伝子の変異によって引き起こされる。ジストロフィン遺伝子はX染色体にあり、ジストロフィンタンパク質をコードする。ジストロフィンタンパク質は、ジストログリカン複合体を通じて、筋線維収縮性機構アクチンミオシン複合体)を周囲の細胞外マトリックスに接続する役目を担っている。ジストロフィン遺伝子の変異は、ジストロフィンタンパク質の変質または不在や、筋細胞膜機能の異常をもたらす。男性女性もジストロフィン遺伝子の変異を保有し得るが、女性がDMDを発症することは稀である。

0004

DMDの特徴の1つは、患部組織虚血である。虚血とは、組織または臓器への血液供給が制限されるまたは減少することであり、酸素不足細胞代謝のための栄養要求を引き起こす。概して、虚血は血管の収縮または閉塞が原因であり、組織または臓器の損傷または機能不全がもたらされる。虚血の治療は、患部組織または臓器への血流増加に向けられる。

0005

現時点では、DMDの治療法は存在しない。遺伝子療法及びコルチコステロイド投与を含めたいくつかの治療手段が検討されているが、DMD患者向けの代替案の必要性は依然として存在する。

0006

本発明では中でも、DMD治療のための、組換えフォリスタチン融合タンパク質の投与に基づく改善された方法及び組成物が提供される。本発明はとりわけ、フォリスタチンポリペプチドにおけるある特定のアミノ酸修飾によってフォリスタチンタンパク質の改良がもたらされるという予想外の知見を含み、改良されたフォリスタチンタンパク質は、ミオスタチン及びアクチビンAを高い親和性で特異的に標的化し、非標的BMPやヘパリンには意味のある親和性で結合しない。ミオスタチン及びアクチビンAのSmad2/3経路活性化が筋原性タンパク質発現阻害つながり、結果的に筋芽細胞筋肉分化しないことが考慮されている。そのため、ミオスタチン及びアクチビンは、筋肉再生刺激のための有力な標的である。しかし、ある特定の構造類似性により、フォリスタチンを含めたミオスタチン及びアクチビンのアンタゴニストは、骨形成タンパク質(BMP)にも結合し得る。BMP、特にBMP−9及びBMP−10は、全身における組織構造編成する中心的な形成シグナルである。このようなBMPを阻害することで、望ましくない病態がもたらされる恐れがある。また、フォリスタチンは、3つのFSドメインのうち1番目塩基性ヘパリン結合配列(HBS)を通じて細胞表面のヘパラン硫酸プロテオグリカンにも結合する。ヘパリン結合の不活性化、低減、または調節によってフォリスタチンのin vivo曝露及び/または半減期が増加し得ることが考慮されている。したがって、本発明は、半減期が長くDMDの効果的治療にいっそう強力である、改善されたフォリスタチンを提供する。

0007

一態様では、本発明は、組換えフォリスタチンポリペプチドであって、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、または配列番号5に対し少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含み、組換えフォリスタチンタンパク質がヘパリン結合ドメイン(HBS)を有し、HBS内の1つ以上のアミノ酸が、置換されるアミノ酸より小さい正電荷を有するアミノ酸で置換されている、組換えフォリスタチンポリペプチドを提供する。一実施形態では、HBS内の1つ以上のアミノ酸は、中性電荷を有するアミノ酸で置換されている。一実施形態では、HBS内の1つ以上のアミノ酸は、負電荷を有するアミノ酸で置換されている。一実施形態では、当該1つ以上は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10のアミノ酸を含む。一実施形態では、当該1つ以上は3アミノ酸を含む。一実施形態では、当該組換えポリペプチドが有するヘパリン結合親和性は、天然に存在するフォリスタチンよりも減少している。一実施形態では、当該組換えフォリスタチンタンパク質は、BMP−9にもBMP−10にも結合しない。一実施形態では、当該組換えフォリスタチンタンパク質は、配列番号12〜40または配列番号101〜106のいずれか1つに対し少なくとも80%同一である配列を有する。

0008

一態様では、本発明は、組換えフォリスタチンポリペプチドであって、配列番号2、配列番号4、または配列番号5に対し少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含み、配列番号2、配列番号4、または配列番号5の66位〜88位に対応するアミノ酸が、配列番号42〜67または配列番号111〜116のいずれか1つと同一である、組換えフォリスタチンポリペプチドを提供する。一部の実施形態では、配列番号2、配列番号4、または配列番号5の66位〜88位に対応するアミノ酸配列は、配列番号58〜67または配列番号111〜113のいずれか1つと同一である。一部の実施形態では、当該組換えフォリスタチンポリペプチドは高グリコシル化変異体である。一部の実施形態では、当該組換えフォリスタチンポリペプチドのアミノ酸配列は、配列番号2、配列番号4、または配列番号5に対し少なくとも90%同一である。一部の実施形態では、当該組換えフォリスタチンポリペプチドのアミノ酸配列は、配列番号2、配列番号4、または配列番号5に対し少なくとも95%同一である。一部の実施形態では、当該組換えフォリスタチンポリペプチドのアミノ酸配列は、配列番号2、配列番号4、または配列番号5に対し少なくとも98%同一である。一部の実施形態では、当該組換えフォリスタチンポリペプチドのアミノ酸配列は、配列番号2、配列番号4、または配列番号5に対し100%同一である。

0009

一態様では、本発明は、組換えフォリスタチンポリペプチドであって、配列番号2、配列番号4、または配列番号5に対し少なくとも80%同一であるアミノ酸を含み、かつ、C66S、C66A、G74N、K75E、K75N、K76A、K76D、K76S、K76E、C77S、C77T、R78E、R78N、N80T、K81A、K81D、K82A、K82D、K81E、K82T、K82E、K84E、P85T、R86N、V88E、及びV88T、またはその組合せからなる群から選択されるアミノ酸バリエーションのいずれか1つを含む、組換えフォリスタチンポリペプチドを提供する。一部の実施形態では、当該組換えフォリスタチンポリペプチドのアミノ酸配列は、配列番号2、配列番号4、または配列番号5に対し少なくとも90%同一である。一部の実施形態では、当該組換えフォリスタチンポリペプチドのアミノ酸配列は、配列番号2、配列番号4、または配列番号5に対し少なくとも95%同一である。一部の実施形態では、当該組換えフォリスタチンポリペプチドのアミノ酸配列は、配列番号2、配列番号4、または配列番号5に対し少なくとも98%同一である。一部の実施形態では、当該組換えフォリスタチンポリペプチドのアミノ酸配列は、配列番号2、配列番号4、または配列番号5に対し100%同一である。

0010

一態様では、本発明は、配列番号12、配列番号17〜30、及び配列番号32〜40からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、組換えフォリスタチンポリペプチドを提供する。

0011

一態様では、本発明は、組換えフォリスタチンポリペプチドとIgGFcドメインとを含む、組換えフォリスタチン融合タンパク質を提供する。

0012

一態様では、本発明は、組換えフォリスタチンポリペプチドとヒトIgGFcドメインとを含む組換えフォリスタチン融合タンパク質であって、組換えフォリスタチンポリペプチドが、配列番号2、配列番号4、または配列番号5に対し少なくとも80%同一であるアミノ酸を含み、配列番号2、配列番号4、または配列番号5の66位〜88位に対応するアミノ酸が、配列番号41、42、43、または58と同一である、組換えフォリスタチン融合タンパク質を提供する。一部の実施形態では、当該組換えフォリスタチンポリペプチドは、配列番号2、配列番号4、または配列番号5に対し少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、当該組換えフォリスタチンポリペプチドは、配列番号2、配列番号4、または配列番号5に対し少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、当該組換えフォリスタチンポリペプチドは、配列番号2、配列番号4、または配列番号5に対し少なくとも98%同一であるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、当該組換えフォリスタチンポリペプチドは、配列番号2、配列番号4、または配列番号5に対し100%同一であるアミノ酸配列を含む。

0013

一態様では、本発明は、フォリスタチンポリペプチドとIgGFcドメインとを含む組換えフォリスタチン融合タンパク質であって、当該フォリスタチンポリペプチドが、配列番号12、配列番号13、配列番号15〜配列番号40からなる群のいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含む、組換えフォリスタチン融合タンパク質を提供する。

0014

一部の実施形態では、当該IgGFcドメインはアミノ酸置換を含み、当該アミノ酸置換は、EUナンバリングによるL234A、L235A、H433K、N434F、及びその組合せからなる群から選択される。

0015

一部の実施形態では、当該IgGFcドメインは配列番号6のアミノ酸配列を含み、当該アミノ酸配列は、EUナンバリングによるL234A、L235A、H433K、N434F、及びその組合せからなる群から選択されるアミノ酸置換を含む。

0016

一部の実施形態では、当該IgGFcドメインは、配列番号7〜配列番号11からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、当該IgG FcドメインはヒトIgG Fcドメインである。一部の実施形態では、当該IgG Fcドメインは、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4 Fcドメインである。

0017

一態様では、本発明は、配列番号73〜配列番号100のいずれか1つのアミノ酸配列を含む組換えフォリスタチン融合タンパク質を提供する。

0018

一部の実施形態では、当該組換えフォリスタチン融合タンパク質は、1〜100pMの親和性解離定数(KD)でミオスタチンに結合する。一部の実施形態では、当該組換えフォリスタチン融合タンパク質は、1〜100pMの親和性解離定数(KD)でアクチビンAに結合する。一部の実施形態では、当該組換えフォリスタチン融合タンパク質は、0.2nM〜25nMの範囲の骨形成タンパク質−9(BMP−9)及び/または骨形成タンパク質−10(BMP−10)に結合しない。一部の実施形態では、当該組換えフォリスタチン融合タンパク質は、0.1〜200nMの親和性解離定数(KD)でヘパリンに結合する。一部の実施形態では、当該組換えフォリスタチン融合タンパク質は、25〜400nMの親和性解離定数(KD)でFc受容体に結合する。

0019

一部の実施形態では、当該組換えフォリスタチン融合タンパク質は、0.1〜10nMのIC50でミオスタチンを阻害する。一部の実施形態では、当該組換えフォリスタチン融合タンパク質は、0.1〜10nMのIC50でアクチビンを阻害する。

0020

一態様では、本発明は、組換えフォリスタチン融合タンパク質及び医薬的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。

0021

一態様では、本発明は、組換えフォリスタチンポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドを提供する。

0022

一態様では、本発明は、組換えフォリスタチン融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドを提供する。一部の実施形態では、発現ベクターは当該ポリヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、宿主細胞は、ポリヌクレオチドまたは発現ベクターを含む。

0023

一態様では、本発明は、宿主細胞を培養することにより、ミオスタチン及びアクチビンAに特異的に結合する組換えフォリスタチン融合タンパク質を作製する方法を提供する。

0024

一態様では、本発明は、組換えフォリスタチンポリペプチドまたは組換えフォリスタチン融合タンパク質を生成するハイブリドーマ細胞を提供する。

0025

一態様では、本発明は、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)を治療する方法であって、DMDにかかっている、またはDMDにかかりやすい対象に対し、少なくとも1つのDMDの症状または特徴において、強度、重症度、または頻度が低減されるように、または発症が遅れるように、有効量の組換えフォリスタチン融合タンパク質または組換えフォリスタチン融合タンパク質を含む医薬組成物を投与することを含む方法を提供する。

0026

一部の実施形態では、当該方法は、対象に対し、1つ以上の追加の治療剤を投与することをさらに含む。一部の実施形態では、1つ以上の追加の治療剤は、抗Flt−1抗体またはその断片、エダサロネクセント(edasalonexent)、パムレブルマブ(pamrevlumab)、プレドニゾンデフラザコート、RNA調節療法、エクソンスキッピング療法、及び遺伝子療法からなる群から選択される。

0027

一部の実施形態では、有効量の組換えフォリスタチン融合タンパク質は、非経口的に投与される。一部の実施形態では、当該非経口投与は、静脈内、皮内、吸入経皮局所的)、眼内、筋肉内、皮下、経粘膜投与、またはその組合せからなる群から選択される。一部の実施形態では、当該非経口投与は静脈内投与である。一部の実施形態では、当該非経口投与は皮下投与である。一部の実施形態では、組換えフォリスタチン融合タンパク質は、毎日、週2回、毎週、毎月、または隔月投与される。一部の実施形態では、組換えフォリスタチン融合タンパク質は週2回投与される。

0028

一部の実施形態では、組換えフォリスタチン融合タンパク質は、表1から選択される1つ以上の骨格筋送達される。一部の実施形態では、組換えフォリスタチン融合タンパク質投与が、対照に比べての筋肉の質量増加をもたらす。一部の実施形態では、当該筋肉は、表1から選択される1つ以上の骨格筋である。一部の実施形態では、当該筋肉は、横隔膜、三頭筋ヒラメ筋前脛骨筋腓腹筋長指伸筋腹直筋四頭筋、及びその組合せからなる群から選択される。一部の実施形態では、当該筋肉は腓腹筋である。一部の実施形態では、筋肉の質量増加は、対照に比べての少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、150%、200%、または500%の増加である。

0029

一部の実施形態では、組換えフォリスタチン融合タンパク質の投与は、筋肉の再生筋肉強度の増加、柔軟性の増加、可動域の増加、スタミナの増加、易疲労感の低減、血流の増加、認知の改善、肺機能の改善、炎症の抑制、筋線維化の低減、及び/または筋壊死の低減をもたらす。

0030

一部の実施形態では、少なくとも1つのDMDの症状または特徴は、筋消耗、筋力低下、筋脆弱、筋壊死、筋線維化、関節拘縮骨格変形、心筋症、嚥下障害、腸及び膀胱機能障害、筋虚血、認知障害行動障害社会化障害、脊柱側弯症、ならびに呼吸機能障害からなる群から選択される。

0031

一態様では、本発明は、対象におけるミオスタチンを阻害する方法であって、対象の筋肉に対し、有効量の組換えフォリスタチン融合タンパク質を含む組成物を投与することを含む方法を提供する。

図面の簡単な説明

0032

図面は、単に例示を目的とするものであり、制限するためのものではない。

0033

図1A及び図1Bは、例示的な組換えフォリスタチン−Fc融合タンパク質またはFS315WT−hFc(比較タンパク質)を投与したCD−1マウス血清PKプロファイルを説明する例示的結果を示している。
同上。

0034

図2は、PBSビヒクル、10mg/kgのFS315K(76,81,82)E−mFc、または3mg/kgのActRIIB−mFcで処置したmdxマウスにおける前肢握力を、野生型マウスにおける前肢の握力と比較して示すグラフである。前肢の握力は投与から11週間後に測定した。このデータは、FS315K(76,81,82)E−mFcで処置したmdxマウスの前肢の握力に対し、ビヒクルのみで処置した動物の握力と比較して顕著な増加が見られたことを示すものである。

0035

定義
本発明をより容易に理解するために、特定の用語を以下にまず定義する。以下の用語及び他の用語のさらなる定義は、本明細書全体を通して記載される。

0036

親和性:当技術分野で知られているように、「親和性」とは、特定のリガンドが自らのパートナーと結合する堅固さ尺度である。一部の実施形態では、リガンドまたはパートナーとは、組換えフォリスタチンポリペプチドである。一部の実施形態では、リガンドまたはパートナーとは、組換えフォリスタチン−Fc融合タンパク質である。親和性は、種々の方法で測定することができる。一部の実施形態では、親和性は定量的アッセイによって測定する。一部の実施形態では、結合パートナー濃度は、生理的条件模倣できるようにリガンド濃度を超過して固定され得る。代替的にまたは追加的に、一部の実施形態では、結合パートナー濃度及び/またはリガンド濃度は変動し得る。このような一部の実施形態では、親和性は、同等の条件(例えば、濃度)下の基準と比較され得る。

0037

寛解:本明細書で使用する「寛解」という用語は、ある状態の予防、低減、もしくは軽減、または対象の状態の改善を意味する。寛解には、疾患状態の完全な回復または完全な予防が含まれるが、これが求められるわけではない。

0038

動物:本明細書で使用する「動物」という用語は、動物界の任意のメンバーを意味する。一部の実施形態では、「動物」は、発達の任意の段階でのヒトを意味する。一部の実施形態では、「動物」は、発達の任意の段階での非ヒト動物を意味する。特定の実施形態では、非ヒト動物は、哺乳類(例えば、げっ歯類、マウス、ラットウサギサルイヌネコヒツジウシ霊長類、及び/またはブタ)である。一部の実施形態では、動物には、哺乳類、鳥類爬虫類両生類魚類昆虫類、及び/または蠕虫類が含まれるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、動物は、トランスジェニック動物遺伝子組換え動物、及び/またはクローンであり得る。

0039

およそまたは約:本明細書で使用する「およそ」または「約」という用語は、関心対象となる1つ以上の値に適用される場合、記述された参照値と同等の値を意味する。特定の実施形態では、用語「およそ」または「約」は、特記されない限り、ないしは特に文脈から明らかでない限り、記述された参照値のいずれかの方向(超または未満)における25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、またはそれ以下に入る値の範囲を意味する(かかる数字が取り得る値の100%を超える場合を除く)。

0040

関連:本明細書において、2つの事象または実体が互いに「関連」しているというように用語が使用されるのは、一方の存在、レベル、及び/または形態が他方のものと相互関係を有する場合である。例えば、特定の実体(例えば、ポリペプチド)が特定の疾患、障害、または状態に関連していると考えられるのは、その存在、レベル、及び/または形態が(例えば、関係する集団全体における)当該疾患、障害、または状態の発生率及び/または感受性と相互関係を有する場合である。一部の実施形態では、2つ以上の実体が直接的または間接的に相互作用して、互いに物理的に近接しているまたはその状態を保っている場合、当該2つ以上の実体は互いに物理的に「関連」している。一部の実施形態では、互いに物理的に関連している2つ以上の実体は互いに共有結合しており、一部の実施形態では、互いに物理的に関連している2つ以上の実体は互いに共有結合しているのではなく、例えば水素結合ファンデルワールス相互作用、疎水相互作用磁気、及びその組合せによって非共有結合的に関連している。

0041

生物学的利用度:本明細書で使用する「生物学的利用度」という用語は、概して、投与された用量のうち対象の血流に到達する割合を意味する。

0042

生物学的活性:本明細書で使用する「生物学的活性」という語句は、生体系、特に生物体において活性を有する任意の作用剤の特徴を意味する。例えば、生物体に投与された場合に、その生物体に対して生物学的作用を有する作用剤は、生物学的活性があると見なされる。ペプチドが生物学的活性である特定の実施形態では、当該ペプチドの少なくとも1つの生物活性共有する当該ペプチドの一部分が「生物学的活性」部分と称されるのが典型的である。

0043

心筋:本明細書で使用する「心筋(cardiac muscle)」という用語は、心臓の壁に見いだされる不随意性横紋筋の一タイプ、特に心筋層(myocardium)を意味する。

0044

担体または希釈剤:本明細書で使用する「担体」及び「希釈剤」という用語は、医薬製剤の調製に有用な医薬的に許容される(例えば、ヒトへの投与に対して安全かつ無毒である)担体または希釈物質を意味する。希釈剤の例として、滅菌水注射用静菌水(BWFI)、pH緩衝溶液(例えばリン酸緩衝生理食塩水)、滅菌生理食塩水リンガー溶液、またはデキストロース溶液が挙げられる。

0045

剤形:本明細書で使用する「剤形」及び「単位剤形」という用語は、治療対象患者用治療タンパク質(例えば、組換えフォリスタチンポリペプチドまたは組換えフォリスタチン−Fc融合タンパク質)における物理的に分離した単位を意味する。各単位は、所望の治療効果をもたらすように計算された所定量の活性物質を含有する。しかし、当該組成物の総投薬量は、主治医妥当医学的判断の範囲内で決定することになることを理解されたい。

0046

フォリスタチンまたは組換えフォリスタチン:本明細書で使用する「フォリスタチン(FS)」または「組換えフォリスタチン」という用語は、別段の明記がない限り、実質的なフォリスタチンの生物学的活性を保持する任意の野生型または修飾されたフォリスタチンタンパク質またはポリペプチド(例えば、アミノ酸の変異、欠失、挿入を伴うフォリスタチンタンパク質、及び/または融合タンパク質)を意味する。

0047

Fc領域:本明細書で使用する「Fc領域」という用語は、2つの「Fcポリペプチド」の二量体を意味し、各「Fcポリペプチド」は、最初の定常領域免疫グロブリンドメインを除いた抗体の定常領域を含む。一部の実施形態では、「Fc領域」には、1つ以上のジスルフィド結合化学的リンカー、またはペプチドリンカーによって結合した2つのFcポリペプチドが含まれる。「Fcポリペプチド」とは、IgAIgD、及びIgGの最後の2つの定常領域免疫グロブリンドメインならびにIgE及びIgMの最後の3つの定常領域免疫グロブリンドメインを意味し、また「Fcポリペプチド」には、これらのドメインに対しN末端側にある可動性ヒンジの一部または全てが含まれ得る。IgGについては、「Fcポリペプチド」は、免疫グロブリンドメインのCガンマ2(Cγ2)及びCガンマ3(Cγ3)、ならびにCガンマ1(Cγ1)とCγ2との間にあるヒンジ下部を含む。Fcポリペプチドの境界は様々であり得るが、通常、ヒトIgG重鎖Fcポリペプチドは、そのカルボキシル末端に対し、Kabat他(1991,NIH Publication 91−3242,National Technical Information Services,Springfield,VA)におけるEUインデックスによるところのT223またはC226またはP230で始まる残基を含むように定義されている。IgAについては、「Fcポリペプチド」は、免疫グロブリンドメインのCアルファ2(Cα2)及びCアルファ3(Cα3)、ならびにCアルファ1(Cα1)とCα2との間にあるヒンジ下部を含む。Fc領域は、合成であっても組換えであってもよく、IVIGのような天然の原料から生成されてもよい。

0048

機能的等価物または機能的誘導体:本明細書で使用する「機能的等価物」または「機能的誘導体」という用語は、アミノ酸配列の機能的誘導体の文脈では、元来の配列の生物学的活性と実質的に同様の生物活性(機能的または構造的いずれか)を保持する分子を意味する。機能的誘導体または機能的等価物は、天然の誘導体であり得るか、または合成で調製される。例示的な機能的誘導体として、1つ以上のアミノ酸の置換、欠失、または付加を有するが、タンパク質の生物学的活性が保持されているアミノ酸配列が挙げられる。置換したアミノ酸は、望ましくは、置換されたアミノ酸と類似する化学物理的性質を有する。類似した望ましい化学物理的性質として、電荷、嵩高さ、疎水性親水性などにおける類似性が挙げられる。

0049

融合タンパク質:本明細書で使用する「融合タンパク質」または「キメラタンパク質」という用語は、2種以上の元来は別々のタンパク質またはそれらの一部分を連結することによって作製されたタンパク質を意味する。一部の実施形態では、リンカーまたはスペーサーが各タンパク質の間に存在することになる。融合タンパク質の非限定的な例の1つは、Fc融合タンパク質である。融合タンパク質の非限定的な例の1つは、フォリスタチン−Fc融合タンパク質である。

0050

半減期:本明細書で使用する「半減期」という用語は、タンパク質濃度またはタンパク質活性などの量が、ある期間の開始時に測定された値の半分まで下がるのに要する時間である。

0051

肥大:本明細書で使用する「肥大」という用語は、臓器または組織の構成細胞の拡大に起因する臓器または組織の体積増加を意味する。

0052

改善、増加、または低減:本明細書で使用する「改善」、「増加」、もしくは「低減」という用語、または文法等価物は、本明細書に記載される治療の開始前の同一個体での測定値、または本明細書に記載される治療を受けていない対照被験体(または複数の対照被験体)での測定値などの基準測定値に対する相対的な値を示唆するものである。「対照被験体」とは、治療を受けている対象と同じ疾患形態を患っており、治療を受けている対象とほぼ同じ年齢の対象のことである。

0053

阻害:本明細書で使用する「阻害」、「阻害する」、及び「阻害すること」という用語は、目的のタンパク質または遺伝子の活性及び/または発現を減少させるまたは低減するプロセスまたは方法を意味する。通常は、タンパク質または遺伝子を阻害することは、本明細書に記載されているまたは当技術分野で認識されている1つ以上の方法によって測定されるタンパク質または遺伝子の発現または関係する活性を、少なくとも10%以上、例えば20%、30%、40%、または50%、60%、70%、80%、90%またはそれ以上低減すること、あるいは発現または関係する活性の1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、50倍、100倍またはそれ以上より大きい減少を意味する。

0054

In Vitro:本明細書で使用する「in vitro」という用語は、多細胞生物体内ではなく、例えば、試験管または反応容器中、細胞培養液中などの人工的な環境で生じる事象を意味する。

0055

In Vivo:本明細書で使用する「in vivo」という用語は、ヒト及び非ヒト動物などの多細胞生物体内で生じる事象を意味する。細胞型系の文脈において、当該用語は、生細胞内で生じる事象を意味するのに(例えばin vitro系の対語として)使用され得る。

0056

KD:本明細書で使用する「KD」という用語は、本明細書において、解離定数を意味することが意図されており、解離定数はKdのKaに対する比率(すなわち、Kd/Ka)から得られ、モル濃度(M)として表される。リガンドのKD値は、当技術分野で十分確立した方法を用いて測定することができる。リガンドのKDを測定する好ましい方法は、表面プラズモン共鳴を使用することによる方法であり、好ましくはBIAcore(登録商標)システムのようなバイオセンサーシステムを用いる。

0057

リンカー:本明細書で使用する「リンカー」という用語は、融合タンパク質において、天然タンパク質の特定の位置に見られるもの以外のアミノ酸配列を意味し、可撓性を持つか、または2つのタンパク質部分構造の間にα−ヘリックスなどの構造を挿入するように設計されているのが一般的である。リンカーは、スペーサーとも称される。リンカーまたはスペーサーは、一般的に、それ自体には生物学的機能を持たない。

0058

医薬的に許容される:本明細書で使用する「医薬的に許容される」という用語は、妥当な医学的評価の範囲内で、過度な毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症を伴うことなく、合理的な利益/リスクの比率に応じてヒト及び動物の組織に接触させて使用するのに適した物質を指す。

0059

ポリペプチド:用語「ポリペプチド」は、本明細書で使用される場合、ペプチド結合を介して互いに連結したアミノ酸の連続鎖を意味する。この用語は、任意の長さのアミノ酸鎖について言及するのに使用されるが、当業者が理解するように、この用語は長い鎖に限定されることはなく、ペプチド結合を介して互いに連結した2つのアミノ酸を含めた極めて短い鎖についても言及することができる。当業者に知られるように、ポリペプチドはプロセシング及び/または修飾されてもよい。本明細書で使用される場合、「ポリペプチド」及び「ペプチド」という用語は交換可能に使用される。

0060

予防:本明細書で使用される場合、「予防する」または「予防」という用語は、疾患、障害、及び/または症状の発病に関連して使用される場合、疾患、障害、及び/または症状発症のリスクを低下させることを意味する。後述の「リスク」の定義を参照されたい。

0061

タンパク質:本明細書で使用される用語「タンパク質」は、個別単位として機能する1つ以上のポリペプチドを意味する。単一のポリペプチドが個別の機能性単位であり、個別の機能性単位を形成するために他のポリペプチドと永続的または一時的に物理的会合することを必要としない場合、用語「ポリペプチド」と用語「タンパク質」は交換可能に用いることができる。個別の機能性単位が相互に物理的会合した2つ以上のポリペプチドで構成される場合、「タンパク質」という用語は、物理的に結合し、かつ個別単位として合わせて機能する複数のポリペプチドを意味する。

0062

リスク:文脈から理解されるとおり、疾患、障害、及び/または症状の「危険性」は、特定の個体が疾患、障害、及び/または症状(例えば、筋ジストロフィー)を発症する可能性を包含する。一部の実施形態では、リスクは割合として表される。一部の実施形態では、リスクは0%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%及び100%までである。一部の実施形態では、リスクは、参照試料または参照試料群に関連するリスクと比較したリスクとして表される。一部の実施形態では、参照試料または参照試料群は、疾患、障害、症状、及び/または事象(例えば、筋ジストロフィー)の既知のリスクを有している。一部の実施形態では、参照試料または参照試料群は、ある特定の個体と比較可能個体由来である。一部の実施形態では、相対リスクは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上である。

0063

横紋筋:本明細書で使用する「横紋筋」という用語は、顕微鏡の使用または随意制御下で横紋外観をもたらす細胞内の収縮単位、サルコメア規則的に並んだ多核性筋組織を意味する。通常は、横紋筋は心筋、骨格筋、及び鰓弓筋であり得る。

0064

平滑筋:本明細書で使用する「平滑筋」という用語は不随意に制御される非横紋筋を意味し、これには単元筋及び多元筋が含まれる。

0065

対象:本明細書で使用する「対象」という用語は、ヒトまたは任意の非ヒト動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ウマ、または霊長類)を意味する。ヒトには、出生前及び出生後の形態が含まれる。多くの実施形態では、対象はヒトである。対象は患者である場合があり、これは、疾患の診断または治療のために医療機関来院するヒトを意味する。用語「対象」は、本明細書において「個体」または「患者」と交換可能に使用される。対象は、疾患または障害に罹患している可能性があるか、またはそれにかかりやすいが、疾患または障害の症状を表していてもいなくてもよい。

0066

実質的:本明細書で使用する「実質的」という用語は、関心対象の特徴または特性の全てもしくはほぼ全ての範囲または程度を示す、定性的な状態を意味する。生物学分野の当業者であれば、生物学的及び化学的な現象が、完了すること及び/もしくは完了の域に到達すること、または絶対的な結果を達成もしくは回避することが、仮にあったとしても稀であることを理解するであろう。したがって、「実質的」という用語は、本明細書において、多くの生物学的及び化学的現象固有の潜在的な完全性欠如を捉えるのに用いられる。

0067

実質的相同性:「実質的相同性」という語句は、本明細書において、アミノ酸配列または核酸配列間の比較を示すのに用いられる。当業者には理解されるように、2つの配列が対応する位置に相同な残基を有する場合、それらは通例「実質的相同」であると見なされる。相同の残基は、同一残基であってもよい。あるいは、相同な残基は、非同一の残基であってもよく、構造的特徴および/または機能的特徴が適切に類似である。例えば、当業者には周知のとおり、ある特定のアミノ酸は、「疎水性」または「親水性」アミノ酸として、及び/または「極性」または「非極性」の側鎖を有するとして分類されるのが典型的である。あるアミノ酸が同じタイプの別のアミノ酸から置換されたものである場合、しばしば「相同的」置換とみなされ得る。

0068

当該分野で周知のとおり、アミノ酸配列または核酸配列は様々なアルゴリズムのいずれかを用いて比較することができ、そのようなアルゴリズムとして、市販のコンピュータープログラム使用可能なアルゴリズム、例えば、ヌクレオチド配列用のBLASTN、ならびにアミノ酸配列用のBLASTP、ギャップBLAST、及びPSI−BLASTなどが挙げられる。こうしたプログラムの例は、Altschul,et al.,Basic local alignment search tool,J.Mol.Biol.,215(3):403−410,1990;Altschul,et al.,Methodsin Enzymology;Altschul,et al.,”Gapped BLAST and PSI−BLAST:a new generation of protein database search programs”,Nucleic Acids Res.25:3389−3402,1997;Baxevanis,et al.,Bioinformatics:A Practical Guide to the Analysis of Genes and Proteins,Wiley,1998;and Misener,et al.,(eds.),Bioinformatics Methods and Protocols(Methods in Molecular Biology,Vol.132),Humana Press,1999.に記載されている。上述のプログラムは、相同な配列を特定することに加えて、相同性の度合いの表示も提供するのが一般的である。一部の実施形態では、2つの配列は、それらの対応する残基のうちの少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上が、関連する連続区間の残基にわたって相同である場合、実質的に相同であると見なされる。一部の実施形態では、当該連続区間は完全配列である。一部の実施形態では、当該連続区間は、少なくとも10個、15個、20個、25個、30個、35個、40個、45個、50個、55個、60個、65個、70個、75個、80個、85個、90個、95個、100個、125個、150個、175個、200個、225個、250個、275個、300個、325個、350個、375個、400個、425個、450個、475個、500個またはそれ以上の残基である。

0069

実質的同一性:語句「実質的同一性」は、本明細書において、アミノ酸配列または核酸配列間の比較を示すのに用いられる。当業者には理解されるように、2つの配列が対応する位置に同一残基を有する場合、それらは通例「実質的に同一」であると見なされる。当該分野で周知のとおり、アミノ酸配列または核酸配列は様々なアルゴリズムのいずれかを用いて比較することができ、そのようなアルゴリズムとして、市販のコンピュータープログラムで使用可能なアルゴリズム、例えば、ヌクレオチド配列用のBLASTN、ならびにアミノ酸配列用のBLASTP、ギャップBLAST、及びPSI−BLASTなどが挙げられる。こうしたプログラムの例は、Altschul,et al.,Basic local alignment search tool,J.Mol.Biol.,215(3):403−410,1990;Altschul,et al.,Methodsin Enzymology;Altschul et al.,Nucleic Acids Res.25:3389−3402,1997;Baxevanis et al.,Bioinformatics:A Practical Guide to the Analysis of Genes and Proteins,Wiley,1998;and Misener,et al.,(eds.),Bioinformatics Methods and Protocols(Methods in Molecular Biology,Vol.132),Humana Press,1999.に記載されている。上述のプログラムは、同一配列を特定することに加えて、同一性の度合いの表示も提供するのが一般的である。一部の実施形態では、2つの配列は、それらの対応する残基のうちの少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上が、関連する連続区間の残基にわたって同一である場合、実質的に同一であると見なされる。一部の実施形態では、当該連続区間は完全配列である。一部の実施形態では、当該連続区間は、少なくとも10個、15個、20個、25個、30個、35個、40個、45個、50個、55個、60個、65個、70個、75個、80個、85個、90個、95個、100個、125個、150個、175個、200個、225個、250個、275個、300個、325個、350個、375個、400個、425個、450個、475個、500個またはそれ以上の残基である。

0070

表面プラズモン共鳴:本明細書においては、例えば、バイオセンサーマトリックス内のタンパク質濃度変化を、例えばBIAcore(登録商標)システム(Pharmacia Biosensor AB,Uppsala,Sweden and Piscataway,N.J.)を用いて検出することにより、特異的結合の相互作用に対するリアルタイムでの解析を可能にする光学的現象を意味する。 さらなる説明については、Jonsson,U.,et al.(1993)Ann.Biol.Clin.51:19−26;Jonsson,U.,et al.(1991)Biotechniques 11:620−627;Johnsson,B.,et al.(1995)J.Mol.Recognit.8:125−131;及びJohnnson,B.,et al.(1991)Anal.Biochem.198:268−277を参照。

0071

罹患:疾患、障害、及び/または症状に「罹患」している個体は、その疾患、障害、及び/または症状を持つと診断されているか、またはその疾患、障害、及び/または症状の1つ以上の徴候を示している。

0072

かかりやすい:疾患、障害、及び/または症状にかかりやすい個体は、その疾患、障害、及び/または症状を持つとは診断されていない。一部の実施形態では、疾患、障害、及び/または症状にかかりやすい個体は、その疾患、障害、及び/または症状の徴候を呈していない場合がある。一部の実施形態では、疾患、障害、症状、または事象(例えば、DMD)にかかりやすい個体は、以下のうちの1つ以上によって特徴付けることができる:(1)疾患、障害、及び/または症状の発症と関連する遺伝子変異;(2)疾患、障害、及び/または症状の発症と関連する遺伝子多型;(3)疾患、障害、及び/または症状と関連するタンパク質の発現及び/または活性の増加及び/または減少;(4)疾患、障害、症状、及び/または事象の発症と関連する習慣及び/または生活様式;(5)移植を受けたか、受ける予定であるか、または移植を必要としていること。一部の実施形態では、疾患、障害、及び/または症状にかかりやすい個体は、その疾患、障害、及び/または症状を発症することになる。一部の実施形態では、疾患、障害、及び/または症状にかかりやすい個体は、その疾患、障害、及び/または症状を発症することがない。

0073

標的組織:本明細書で使用する「標的組織」という用語は、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)のような治療の対象となる疾患の影響を受けている任意の組織を意味する。一部の実施形態では、標的組織には、疾患に関連する病態、症状、または特徴を示す組織が含まれ、以下に限定するものではないが、筋消耗、骨格変形、心筋症、及び呼吸機能障害が含まれる。

0074

治療有効量:本明細書で使用される場合、治療剤の「治療有効量」という用語は、疾患、障害、及び/もしくは症状に罹患しているか、またはかかりやすい対象に投与される場合、その疾患、障害、及び/または症状の徴候を治療する、診断する、予防する、及び/またはその開始を遅延するのに十分な量を意味する。当業者は、治療有効量が少なくとも1つの単位用量を含む投与レジメンによって投与されるのが典型的であることを理解するであろう。

0075

治療:本明細書で使用する「治療する」、「治療」または「治療している」という用語は、ある特定の疾患、障害、及び/または症状の1つ以上の徴候または特徴を、部分的にまたは完全に軽減する、寛解させる、緩和する、抑制する、予防する、その開始を遅延する、その重症度を低減する、及び/またはその発症率を低減するために使用する任意の方法を意味する。疾患の症状を提示していない対象、及び/または疾患の初期の症状のみを提示している対象に対して、当該疾患に関連する病態を発症させるリスクを減らすために、治療が行われる場合もある。

0076

(発明を実施するための形態)
本発明は、中でも、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)及び/またはベッカー型筋ジストロフィーを含めた筋ジストロフィーを治療するための、タンパク質療法としてのフォリスタチンに基づいた方法及び組成物を提供する。一部の実施形態では、本発明は、DMDを治療する方法であって、DMDにかかっている、またはDMDにかかりやすい個体に対し、少なくとも1つのDMDの症状または特徴において、強度、重症度、または頻度が低減されるように、または発症が遅れるように、有効量の組換えフォリスタチンタンパク質または組換えフォリスタチン−Fc融合タンパク質を投与することを含む方法を提供する。

0077

本発明の種々の態様を、以下の節で詳細に説明する。節の使用は、本発明を限定することを意味するものではない。各節は、本発明の任意の態様に対して適用することができる。本出願で使用される「または」は、別段の記載がない限り、「及び/または」を意味する。

0078

デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)
DMDは、全身にわたる進行性の筋肉変質及び筋肉関連機能喪失を特徴とする疾患である。本発明は、筋肉を再生し、様々な筋組織におけるDMD及び他の筋ジストロフィーに関連する線維化、炎症、及び他の症状または特徴を治療するための方法及び組成物を提供することが企図されている。一部の実施形態では、提供する方法及び組成物を対象に使用することにより、対象における繊維化及び/または壊死の減少がもたらされる。
筋組織

0079

動物には2つの主要なタイプの筋組織、すなわち横紋筋及び平滑筋が存在する。本明細書で使用する「横紋筋」という用語は、反復サルコメアを含有する筋組織を意味する。横紋筋は、随意的制御下に置かれ骨格に付着している傾向があるが、一部例外も存在し、例えば心筋は横紋筋のいくつかの特性を有するが、随意的制御下には置かれていない。概して、横紋筋は身体の随意運動を可能にし、横紋筋には、四頭筋、腓腹筋、二頭筋、三頭筋、僧帽筋三角筋、その他多数を含めた主要な筋肉群が含まれる。横紋筋の長さは長い傾向があり、多くの横紋筋は独立に機能することができる。ただし、口、肛門、心臓、及び食道上部の横紋筋を含めた一部の横紋筋は、骨格に付着していない。

0080

一方、平滑筋は全く異なる構造を有する。平滑筋は、別々に骨格付着部分を有する一連の長い筋肉ではなく、平滑筋細胞間の機械的結合によって連続的なシートに編成される傾向がある。平滑筋は中空臓器の壁内に位置することが多く、通常、随意的制御下には置かれていない。特定の臓器の内側を覆う平滑筋は、同じ負荷を有し、同時に収縮しなければならない。平滑筋は、少なくとも部分的には、運動及び/または位置もしくは圧力の変化により生じる中空臓器への負荷の変化に対処するよう機能する。この二重の役割は、平滑筋が横紋筋のように収縮できなければならないだけではなく、平滑筋が緊張的に収縮して、持続的な負荷に対抗して臓器の寸法を維持できなければならないことを意味する。平滑筋の例としては、血管、膀胱、消化管(例えば、直腸)の内層を覆うものがある。

0081

筋肉の強度は、筋肉細胞の数及びサイズ、そして筋肉細胞の解剖学的配置に依存する。既存の筋原線維サイズ増加(肥大)及び/または筋細胞の形成増加(過形成)によって筋線維の直径が増加すれば、筋肉の力を発生する能力が増加する。

0082

また、筋肉は位置または機能によっても分類され得る。一部の実施形態では、組換えフォリスタチンタンパク質は、1つ以上の顔の筋肉、1つ以上の咀嚼用筋肉、1つ以上の及び頸部の筋肉、1つ以上の胸郭筋肉、1つ以上の肩帯及び腕の筋肉、1つ以上の腕及び肩の筋肉、1つ以上の腹部及び背側の前腕の筋肉、1つ以上の手の筋肉、1つ以上の脊柱起立筋、1つ以上の下肢帯及び脚の筋肉、ならびに/または1つ以上の前肢及び足の筋肉を標的とする。

0083

一部の実施形態では、顔の筋肉には、以下に限定するものではないが、毛様体瞳孔散大筋虹彩括約筋などの眼球内筋肉;耳介側頭頭頂筋アブミ骨筋、鼓膜張筋などのの筋肉;鼻根筋鼻筋鼻孔開大筋鼻中隔下制筋眼角筋などのの筋肉;口角挙筋口角下制筋口輪筋頬筋大頬骨筋及び小頬骨筋、広頬筋、上唇挙筋下唇下制筋笑筋オトガイ筋、ならびに/または皺眉筋などの口の筋肉が含まれる。

0084

一部の実施形態では、咀嚼の筋肉には、以下に限定するものではないが、咬筋側頭筋内側翼突筋外側翼突筋が含まれる。一部の実施形態では、舌及び頸部の筋肉には、以下に限定するものではないが、オトガイ舌筋茎突舌筋口蓋舌筋舌骨舌筋顎二腹筋茎突舌骨筋顎舌骨筋オトガイ舌骨筋肩甲舌骨筋胸骨舌骨筋胸骨甲状筋甲状舌骨筋胸鎖乳突筋前斜角筋中斜角筋、及び/または後斜角筋が含まれる。

0085

一部の実施形態では、胸郭、肩帯及び腕の筋肉には、以下に限定するものではないが、鎖骨下筋大胸筋小胸筋、腹直筋、外腹斜筋内腹斜筋腹横筋、横隔膜、外肋間筋内肋間筋前鋸筋、僧帽筋、肩甲挙筋大菱形筋小菱形筋広背筋、三角筋、肩甲下筋棘上筋棘下筋大円筋小円筋、及び/または烏口腕筋が含まれる。

0086

一部の実施形態では、腕及び肩の筋肉には、以下に限定するものではないが、上腕二頭筋長頭、上腕二頭筋短頭上腕三頭筋長頭上腕三頭筋外側頭、上腕三頭筋内側頭肘筋円回内筋回外筋、及び/または上腕筋が含まれる。

0087

一部の実施形態では、腹側及び背側前腕筋には、以下に限定するものではないが、腕撓骨筋、橈側手根屈筋尺側手根屈筋長掌筋尺側手根伸筋長橈側手根伸筋短橈側手根伸筋指伸筋小指伸筋が含まれる。

0088

一部の実施形態では、手の筋肉には、以下に限定するものではないが、手の内筋、例えば、母指球筋、短母指外転筋短母指屈筋母指対立筋小指球筋、小指外転筋短小指屈筋小指対立筋掌側骨間筋、背側骨間筋、及び/または虫様筋が含まれる。

0089

一部の実施形態では、脊柱起立筋には、以下に限定するものではないが、頸部、棘筋最長筋、及び/または腸肋筋が含まれる。

0090

一部の実施形態では、骨盤帯及び脚部の筋肉には、以下に限定するものではないが、大腰筋腸骨筋大腿方形筋長内転筋短内転筋大内転筋薄筋縫工筋大腿四頭筋(例えば、大腿直筋外側広筋内側広筋中間広筋)、腓腹筋、長側(腓骨)筋、ヒラメ筋、大殿筋中殿筋小殿筋大腿屈筋大腿二頭筋:長頭、大腿屈筋:大腿二頭筋:短頭、大腿屈筋:半腱様筋、大腿屈筋:半膜様筋大腿筋膜張筋恥骨筋、及び/または前脛骨筋が含まれる。

0091

一部の実施形態では、前肢及び足の筋肉には、以下に限定するものではないが、長指伸筋、長母指伸筋短腓骨筋足底筋後脛骨筋長母指屈筋短指伸筋短母指伸筋母指外転筋、短母指屈筋、小指外転筋、小指屈筋、小指対立筋、短指伸筋、足の虫様筋、足底方形筋もしくは副屈筋、短指屈筋、背側骨間筋、及び/または底側骨間筋が含まれる。

0092

例示的な筋肉標的を表1に概括する。

0093

筋ジストロフィー
筋ジストロフィーは、筋変性をもたらし運動の衰弱及び障害につながる遺伝性障害の一群である。全ての筋ジストロフィーにおける中心的特徴は、本質的に進行性であるということである。筋ジストロフィーとしては、限定するものではないが、以下のものが挙げられる:デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)、ベッカー型筋ジストロフィー、エメリ・ドレフュス型筋ジストロフィー顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー、肢帯型筋ジストロフィー、及び1型及び2型筋緊張性ジストロフィー(1型筋緊張性ジストロフィーの先天的形態を含む)。筋ジストロフィーのタイプによって症状が様々であることがあり、筋肉の一部または全てに影響が及ぶ。筋ジストロフィーの例示的な症状としては、筋運動技能の発達遅延、1つ以上の筋肉群の使用困難、嚥下発話、もしくは食事困難、流涎、瞼下垂、頻繁な転倒成人としての筋肉もしくは筋肉群の強度損失、筋肉サイズの損失、身体の衰弱もしくは生体力学の変質に起因する歩行困難、筋肥大仮性筋肥大、筋肉の脂肪浸潤非収縮性組織による筋肉の置き換え(例えば、筋線維症)、筋壊死、及び/または認知もしくは行動障害/精神遅滞が挙げられる。

0094

筋ジストロフィーの既知の治療法は存在しないものの、症候性療法及び疾患修飾療法を含めたいくつかの支持的治療が使用されている。筋ジストロフィーにおいては、コルチコステロイド、理学療法矯正具、車椅子、または他のADL及び肺機能用の支援医療デバイスが一般に使用されている。心臓ペースメーカーは、筋緊張性ジストロフィーにおける心臓不整脈による突然死を防止するために使用される。筋緊張の症状(弛緩不能)を改善する筋緊張緩和剤としては、メキシレチン(mexilitine)ならびに場合によってはフェニトインプロカインアミド、及びキニーネが挙げられる。

0095

デュシェンヌ型筋ジストロフィー
デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)は、筋変性がもたらされ最終的には死に至る劣性X連鎖性形態の筋ジストロフィーである。DMDは、近位筋の衰弱、異常歩行、腓腹筋群の仮性肥大、及びクレアチンキナーゼCK)の上昇によって特徴づけられる。多くのDMD患者が、症状/徴候が通常明らかになる5歳前後に診断を受けている。発症した個体は、通常10〜13歳に歩行が停止し、20代半ばから後半に、またはそれ以前に心肺機能不全が原因で死亡する。

0096

DMDという障害は、ヒトX染色体にあるジストロフィン遺伝子の変異が原因であるが、このジストロフィン遺伝子によってコードされるジストロフィンタンパク質は筋組織内の重要な構造的成分であり、細胞膜のジストログリカン複合体(DGC)の構造安定性をもたらす。ジストロフィンは、内部の細胞質アクチンフィラメントネットワーク及び細胞外マトリックスに連結し、筋線維に物理的強度をもたらしている。したがって、ジストロフィンの変質または不在は、異常な筋細胞膜断裂及び筋線維の壊死をもたらす。男の両方が変異を保有し得るが、女性が当該疾患の重度な徴候を示すことは稀である。

0097

DMDの主要な症状は筋消耗に関連する筋力低下であり、通常は随意筋が最初に発症し、特に臀部骨盤領域大腿肩部、及び腓腹筋に発症する。筋力低下は、腕部、頸部、及び他の領域にも発生する。ふくらはぎ拡張することが多い。徴候及び症状は通常は6歳より前に現れ、早ければ乳児期に現れることもある。他の身体症状としては、以下に限定するものではないが、自立歩行能力の遅れ、歩行、足踏み、または走行における進行性の困難及び最終的な歩行能力の損失(通常は15歳までに生じる);頻繁な転倒;疲労;運動技能の困難(走行、ホップジャンプ);腰部前弯(臀部屈筋の短縮につながる);機能性損なうアキレス腱及び大腿屈筋の拘縮(筋線維が短縮し線維症結合組織内に生じるため);筋線維の変形;筋組織が脂肪及び結合組織で置き換えられたことにより生じる舌及び腓腹筋の仮性肥大(拡大);神経行動学的障害(例えば、ADHD)のリスク上昇;学習障害失読症)及び特定の認知技能における非進行性薄弱(特に、短期言語記憶);骨格変形(場合によっては脊椎側弯症を含む)が挙げられる。

0098

組換えフォリスタチンタンパク質
本明細書において、本発明に好適な組換えフォリスタチンタンパク質には、実質的なフォリスタチンの生物学的活性を保持する、任意の野生型及び修飾されたフォリスタチンタンパク質(例えば、アミノ酸の変異、欠失、挿入を伴うフォリスタチンタンパク質、及び/または融合タンパク質)が含まれる。典型的には、組換えフォリスタチンタンパク質は組換え技術を用いて生成される。しかし、天然のリソースから精製したまたは化学的に合成したフォリスタチンタンパク質(野生型または修飾されたもの)も、本発明に従って使用することができる。典型的には、好適な組換えフォリスタチンタンパク質または組換えフォリスタチン融合タンパク質は、約12時間、18時間、24時間、36時間、2日、2.5日、3日、3.5日、4日、4.5日、5日、5.5日、6日、6.5日、7日、7.5日、8日、8.5日、9日、9.5日、または10日以上のin vivo半減期を有する。一部の実施形態では、組換えフォリスタチンタンパク質は、0.5日〜10日、1日〜10日、1日〜9日、1日〜8日、1日〜7日、1日〜6日、1日〜5日、1日〜4日、1日〜3日、2日〜10日、2日〜9日、2日〜8日、2日〜7日、2日〜6日、2日〜5日、2日〜4日、2日〜3日、2.5日〜10日、2.5日〜9日、2.5日〜8日、2.5日〜7日、2.5日〜6日、2.5日〜5日、2.5日〜4日、3日〜10日、3日〜9日、3日〜8日、3日〜7日、3日〜6日、3日〜5日、3日〜4日、3.5日〜10日、3.5日〜9日、3.5日〜8日、3.5日〜7日、3.5日〜6日、3.5日〜5日、3.5日〜4日、4日〜10日、4日〜9日、4日〜8日、4日〜7日、4日〜6日、4日〜5日、4.5日〜10日、4.5日〜9日、4.5日〜8日、4.5日〜7日、4.5日〜6日、4.5日〜5日、5日〜10日、5日〜9日、5日〜8日、5日〜7日、5日〜6日、5.5日〜10日、5.5日〜9日、5.5日〜8日、5.5日〜7日、5.5日〜6日、6日〜10日、7日〜10日、8日〜10日、9日〜10日のin vivo半減期を有する。

0099

フォリスタチン(FS)が最初に単離されたのは卵胞液からであり、下垂体細胞卵胞刺激ホルモンFSH)を抑制可能なタンパク因子として単離された。FSがFSHに対し影響を発揮するのは、少なくとも部分的にはアクチビンの結合及び中和を通じてである。

0100

FSには少なくとも3つのアイソフォームが存在し、それはFS288、FS303、及びFS315である(表3)。全長のFS315タンパク質は酸性の26残基のC末端尾部を含み、これはエクソン6(配列番号2、C末端尾部には1本の下線が引かれている)によってコードされる。場合によっては、FS315アイソフォームは、シグナル配列(配列番号1、シグナル配列は太字及びイタリックで表示)を含むことがある。FS288アイソフォームは、選択的スプライシングを通じてC末端で生成され、そしてエクソン5で終了する(配列番号5)。フォリスタチンタンパク質は、アクチビン結合に重要となる疎水性残基を含有する63アミノ酸のN末端領域から構成される特徴的な構造を有し、当該タンパク質の主な部分(残基64〜288、例えば配列番号2に示される)は、およそ73〜75アミノ酸からなる3つの10−システインFSドメインを含む。これらの10−システインドメインは、N末端からC末端に向かって、それぞれドメイン1、ドメイン2、及びドメイン3(すなわち、FSD1、FSD2、及びFSD3)と呼ばれる。FS288は、ヘパリン結合ドメインが存在するために組織に結合する傾向があるが、一方FS315は、おそらく延長したC末端がヘパリン結合ドメインをマスクするため、循環形態となる傾向がある。FS303(配列番号4)は、FS315からのC末端ドメインのタンパク質切断によって生成されると考えられている。場合によっては、FS303アイソフォームは、シグナル配列(配列番号3、シグナル配列は太字及びイタリックで表示)を含むことがある。FS303が細胞表面に結合するレベルは、FS288とFS315の間の中間レベルである。

0101

ヘパリン結合ドメインまたはヘパリン結合配列(例えば、HBS)は、FS315の残基75〜86に対応するアミノ酸を含み、例えば配列番号2に示すFSD1内にある。HBSは二重下線で示されている。FS303及びFS288タンパク質は、対応するアミノ酸にHBSも含む(これも二重下線で示されている)。この領域内におけるアミノ酸の変異、欠失、または置換は、ヘパリン結合を低減または消失させる可能性があり、そのためクリアランスを低減し、治療用フォリスタチン−Fc融合タンパク質の半減期を向上させる可能性がある。

0102

一部の実施形態では、HBS内の少なくとも1つ以上のアミノ酸を正電荷の小さいアミノ酸で置換することで、ヘパリン結合親和性が減少した組換えフォリスタチンタンパク質がもたらされる。一部の実施形態では、HBS内の少なくとも1つ以上のアミノ酸を中性または負電荷の大きいアミノ酸で置換することで、ヘパリン結合親和性が減少した組換えフォリスタチンタンパク質がもたらされる。一部の実施形態では、元のアミノ酸よりも電荷の低減したアミノ酸で置換することで、ヘパリン結合親和性が減少した組換えフォリスタチンタンパク質がもたらされる。一部の実施形態では、HBS内に存在するアミノ酸を、正電荷の小さい、中性電荷の、負電荷の大きい、または電荷の低減したアミノ酸で1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10箇所置換することで、ヘパリン結合親和性が減少した組換えフォリスタチンタンパク質がもたらされる。一部の実施形態では、HBS内に存在するアミノ酸を、正電荷の小さい、中性電荷の、負電荷の大きい、または電荷の低減したアミノ酸で1、2、または3箇所置換することで、ヘパリン結合親和性が減少した組換えフォリスタチンタンパク質がもたらされる。一部の実施形態では、HBS内の2つ以上のアミノ酸を、正電荷の小さいアミノ酸、中性のアミノ酸、負電荷の大きいアミノ酸、または電荷の低減したアミノ酸で置換することで、行われたアミノ酸置換の量に応じてヘパリン結合親和性が減少する。例えば、HBS内の3つのアミノ酸を、正電荷の小さい、中性電荷の、負電荷の大きい、または電荷の低減したアミノ酸で置換すると、HBS内の2つのみのアミノ酸を、正電荷の小さい、中性電荷の、負電荷の大きい、または電荷の低減したアミノ酸で置換した場合よりも、組換えフォリスタチンタンパク質によるヘパリン結合が小さくなる。別の例として、HBS内の2つのアミノ酸を、正電荷の小さい、中性電荷の、負電荷の大きい、または電荷の低減したアミノ酸で置換すると、HBS内の1つのみのアミノ酸を、正電荷の小さい、中性電荷の、負電荷の大きい、または電荷の低減したアミノ酸で置換した場合よりも、組換えフォリスタチンタンパク質によるヘパリン結合が小さくなる。

0103

当業者であれば、ある特定のアミノ酸が他のアミノ酸に比べて正電荷が小さい、中性である、負に荷電している、または電荷が低減していることを認識することになる。アミノ酸は、アミノ酸の等電点が示す実効電荷に基づいて分離することができる。等電点とは、アミノ酸分子の平均実効電荷がゼロになるpHのことである。pH>pIの場合、アミノ酸は負の実効電荷を有し、pH<pIの場合、アミノ酸は正の実効電荷を有する。一部の実施形態では、組換えフォリスタチンタンパク質の測定pI値は、約3〜9(例えば、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、及び9)及びこの間の任意の値である。一部の実施形態では、組換えフォリスタチンタンパク質の測定pI値は、約4〜7(例えば、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0)及びこの間の任意の値である。例示的なアミノ酸の等電点を、以下の表2に示す。概して、正に荷電した側鎖を有するアミノ酸としては、例えば、アルギニン(R)、ヒスチジン(H)、及びリジン(K)が挙げられる。負に荷電した側鎖を有するアミノ酸としては、例えば、アスパラギン酸(D)及びグルタミン酸(E)が挙げられる。極性の性質を有するアミノ酸としては、例えば、セリン(S)、スレオニン(T)、アスパラギン(N)、グルタミン(Q)、及びシステイン(C)、チロシン(Y)、及びトリプトファン(W)が挙げられる。非極性のアミノ酸としては、例えば、アラニン(A)、バリン(V)、イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、フェニルアラニン(F)、グリシン(G)、及びプロリン(P)が挙げられる。

0104

一部の実施形態では、HBS内の点変異には、HBS内の1つ以上のリジン(K)残基の1つ以上の置換が含まれる。例えば、フォリスタチンポリペプチドのHBSにおいて、1つ以上(例えば、1、2、3、4、5)のリジン残基が別のアミノ酸に対して置換される。HBSは、FS315の残基75〜86に対応するアミノ酸、すなわち残基KKCRMNKKNKPRを含む。一部の実施形態では、1つ以上の負に荷電したアミノ酸、例えば、グルタミン酸(E)及び/またはアスパラギン酸(D)でリジン(K)アミノ酸を置換することで、組換えフォリスタチンポリペプチドの全体的電荷が変化する(pIシフトとして知られている)。一部の実施形態では、フォリスタチン分子の全体的電荷の変化によって、in−vivoのクリアランス及び半減期が改善される。一実施形態では、組換えフォリスタチンポリペプチドの全体的電荷の変化によってin vivoのクリアランスが緩速化する。一部の実施形態では、1つ以上の負に荷電したアミノ酸、例えば、グルタミン酸(E)及び/またはアスパラギン酸(D)で1つ以上のリジン(K)アミノ酸を置換することで、組換えフォリスタチン分子の全体的電荷が変化する。一部の実施形態では、1つ以上の負に荷電したアミノ酸、例えば、グルタミン酸(E)及び/またはアスパラギン酸(D)でリジン(K)アミノ酸を置換することで、組換えフォリスタチンポリペプチドの発現中において高分子量種の量が減少する。一部の実施形態では、1つ以上の負に荷電したアミノ酸、例えば、グルタミン酸(E)及び/またはアスパラギン酸(D)で1つ以上のリジン(K)アミノ酸を置換することで、組換えフォリスタチンポリペプチドの発現が増加する。

0105

FSは、ミオスタチン及びアクチビンをin vitroで阻害し、この阻害がマウスにおいてin vivoで筋肥大をもたらし得ることが示されている(Lee et al.,Regulation of Muscle Mass by Follistatin and Activins,(2010),Mol.Endocrinol.,24(10):1998−2008;Gilson et al.,Follistatin Induces Muscle Hypertrophy Through Satellite Cell Proliferation and Inhibition of Both Myostatin and Activin,(2009),J.Physiol.Endocrinol.,297(1):E157−E164)。特定の理論に拘することは望まないが、観察されたこの作用は、少なくとも部分的には、FSがミオスタチン及びアクチビンによるSmad2/3経路の活性化を防止することに起因する可能性がある。Smad2/3経路の活性化は、筋肉成長に対する負の調整をもたらすことが示されている(Zhu et al.,Follistatin Improves Skeletal Muscle Healing After Injury and Disease Through an Interaction with Muscle Regeneration,Angiogenesis,and Fibrosis,(2011),Musculoskeletal Pathology,179(2):915−930)。

0106

典型的な野生型のまたは天然に存在するヒトFS315、FS303、及びFS288タンパク質のアミノ酸配列を表3に示す。

0107

したがって、一部の実施形態では、本発明に好適な組換えフォリスタチンタンパク質は、ヒトFS315(配列番号1または配列番号2)である。本明細書で開示する配列番号2は、ヒトフォリスタチンタンパク質の標準アミノ酸配列を示す。一部の実施形態では、フォリスタチンタンパク質は、スプライスアイソフォームまたはタンパク質分解バリアント、例えばFS303(配列番号3または配列番号4)であり得る。一部の実施形態では、フォリスタチンタンパク質は、FS288(配列番号5)のようなスプライスアイソフォームであり得る。一部の実施形態では、好適な組換えフォリスタチンタンパク質は、野生型または天然に存在するタンパク質の相同体または類似体であり得る。例えば、ヒト野生型または天然に存在するフォリスタチンタンパク質の相同体または類似体は、実質的なフォリスタチンタンパク質活性(例えば、ミオスタチンまたはアクチビンの阻害)を保持しながら、野生型または天然に存在するフォリスタチンタンパク質(例えば、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5)と比較して1つ以上のアミノ酸またはドメインの置換、欠失、及び/または挿入を含有し得る。したがって、一部の実施形態では、本発明に好適な組換えフォリスタチンタンパク質は、ヒトFS315フォリスタチンタンパク質(配列番号1)に対し実質的に相同である。一部の実施形態では、本発明に適した組換えフォリスタチンタンパク質は、配列番号1に対して少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上相同であるアミノ酸配列を有する。一部の実施形態では、本発明に好適な組換えフォリスタチンタンパク質は、ヒトFS315(配列番号1)フォリスタチンタンパク質に対し実質的に同一である。一部の実施形態では、本発明に適した組換えフォリスタチンタンパク質は、配列番号1に対して少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上同一であるアミノ酸配列を有する。

0108

一部の実施形態では、本発明に好適な組換えフォリスタチンタンパク質は、ヒトFS315フォリスタチンタンパク質(配列番号2)に対し実質的に相同である。一部の実施形態では、本発明に適した組換えフォリスタチンタンパク質は、配列番号2に対して少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上相同であるアミノ酸配列を有する。一部の実施形態では、本発明に好適な組換えフォリスタチンタンパク質は、ヒトFS315(配列番号2)フォリスタチンタンパク質に対し実質的に同一である。一部の実施形態では、本発明に適した組換えフォリスタチンタンパク質は、配列番号2に対して少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上同一であるアミノ酸配列を有する。

0109

一部の実施形態では、本発明に好適な組換えフォリスタチンタンパク質は、ヒトFS303フォリスタチンタンパク質(配列番号3)に対し実質的に相同である。一部の実施形態では、本発明に適した組換えフォリスタチンタンパク質は、配列番号3に対して少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上相同であるアミノ酸配列を有する。一部の実施形態では、本発明に好適な組換えフォリスタチンタンパク質は、ヒトFS303(配列番号3)フォリスタチンタンパク質に対し実質的に同一である。一部の実施形態では、本発明に適した組換えフォリスタチンタンパク質は、配列番号3に対して少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上同一であるアミノ酸配列を有する。

0110

一部の実施形態では、本発明に好適な組換えフォリスタチンタンパク質は、ヒトFS303フォリスタチンタンパク質(配列番号4)に対し実質的に相同である。一部の実施形態では、本発明に適した組換えフォリスタチンタンパク質は、配列番号4に対して少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上相同であるアミノ酸配列を有する。一部の実施形態では、本発明に好適な組換えフォリスタチンタンパク質は、ヒトFS303(配列番号4)フォリスタチンタンパク質に対し実質的に同一である。一部の実施形態では、本発明に適した組換えフォリスタチンタンパク質は、配列番号4に対して少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上同一であるアミノ酸配列を有する。

0111

したがって、一部の実施形態では、本発明に好適な組換えフォリスタチンタンパク質は、ヒトFS288フォリスタチンタンパク質(配列番号5)に対し実質的に相同である。一部の実施形態では、本発明に適した組換えフォリスタチンタンパク質は、配列番号5に対して少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上相同であるアミノ酸配列を有する。一部の実施形態では、本発明に好適な組換えフォリスタチンタンパク質は、ヒトFS288(配列番号5)フォリスタチンタンパク質に対し実質的に同一である。一部の実施形態では、本発明に適した組換えフォリスタチンタンパク質は、配列番号5に対して少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上同一であるアミノ酸配列を有する。

0112

ヒトフォリスタチンタンパク質の相同体または類似体は、当業者に既知のポリペプチド配列変更方法(かかる方法をまとめた参考文献において参照されるものなど)により調製することができる。当業者には理解されるように、2つの配列が対応する位置に相同な残基を有する場合、それらは通例「実質的相同」であると見なされる。相同の残基は、同一残基であってもよい。あるいは、相同な残基は、非同一の残基であってもよく、構造的特徴および/または機能的特徴が適切に類似である。例えば、当業者には周知のとおり、ある特定のアミノ酸は、典型的には「疎水性」または「親水性」アミノ酸として分類され、及び/または一つのアミノ酸の他種のアミノ酸による「極性」または「非極性」側鎖置換を有することは、多くの場合「相同性」置換と見なされ得る。一部の実施形態では、アミノ酸の保存的置換には、以下の群内のアミノ酸間で行われる置換が含まれる:(a)M、I、L、V、(b)F、Y、W、(c)K、R、H、(d)A、G、(e)S、T、(f)Q、N、及び(g)E、D。一部の実施形態では、「保存的アミノ酸置換」は、アミノ酸置換が行われる箇所でタンパク質の相対的電荷またはサイズ特性が変更されないアミノ酸置換を意味する。

0113

当該分野で周知のとおり、アミノ酸配列または核酸配列は様々なアルゴリズムのいずれかを用いて比較することができ、そのようなアルゴリズムとして、市販のコンピュータープログラムで使用可能なアルゴリズム、例えば、ヌクレオチド配列用のBLASTN、ならびにアミノ酸配列用のBLASTP、ギャップBLAST、及びPSI−BLASTなどが挙げられる。こうしたプログラムの例は、Altschul,et al.,Basic local alignment search tool,J.Mol.Biol.,215(3):403−410,1990;Altschul,et al.,Methodsin Enzymology;Altschul,et al.,”Gapped BLAST and PSI−BLAST:a new generation of protein database search programs”,Nucleic Acids Res.25:3389−3402,1997;Baxevanis,et al.,Bioinformatics:A Practical Guide to the Analysis of Genes and Proteins,Wiley,1998;and Misener,et al.,(eds.),Bioinformatics Methods and Protocols(Methods in Molecular Biology,Vol.132),Humana Press,1999.に記載されている。上述のプログラムは、相同な配列を特定することに加えて、相同性の度合いの表示も提供するのが一般的である。

0114

一部の実施形態では、本発明に好適な組換えフォリスタチンタンパク質は、野生型のヒトフォリスタチンタンパク質との比較で、1つ以上のアミノ酸の欠失、挿入、または置換を含有する。例えば、好適な組換えフォリスタチンタンパク質は、表4に示すようなアミノ酸の欠失、挿入、及び/または置換を含有し得る。例示的なアミノ酸の欠失、挿入、及び/または置換は、配列番号2に対応するFS315において例示される。一部の実施形態では、シグナル配列を含むFS315(例えば、配列番号1)、FS303(例えば、配列番号3、配列番号4)、またはFS288(例えば、配列番号5)において、対応する位置に同じ欠失、挿入、または置換が存在する可能性がある。

0115

一部の実施形態では、本発明に好適な組換えフォリスタチンタンパク質は、N−X−T/Sコンセンサス配列を有するHBS領域の高グリコシル化変異体を含む。N−X−T/Sコンセンサスとは、グリコシル化コンセンサス配列モチーフのことであり、Xは、Asn(N)とThr(T)との間、またはAsn(N)とSer(S)との間のプロリンを除く任意のアミノ酸であり得る。一部の実施形態では、グリコシル化コンセンサス配列マスクの追加によって、ヘパリン結合が障害または防止される。一部の実施形態では、本発明に好適な組換えフォリスタチンタンパク質は、表5に示すアミノ酸配列を含み、これらは野生型ヒトフォリスタチンタンパク質FS315、FS303、及びFS288(例えば、配列番号2、配列番号4、または配列番号5)の位置66〜88に対応している。一部の実施形態では、高グリコシル化バリアントは改善されたPKパラメーターを有する。一部の実施形態では、高グリコシル化バリアントは、pI(等電点)によって示される電荷の実効的変化を有しない。

0116

一部の実施形態では、フォリスタチンポリペプチド内のアミノ酸の欠失、挿入、または置換は、HBS内にある。一部の実施形態では、アミノ酸の欠失、挿入、または置換は、HBSの近くにあるか、またはHBSに隣接しており、例えば、HBSのN末端またはC末端アミノ酸の20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1アミノ酸以内である。理論に拘泥することは望まないが、HBS内の、HBSの近くの、またはHBSに隣接している変化によってヘパリン結合が低減されることが考慮されている。ヘパリン結合の低減によって、組換えタンパク質薬物動態パラメーター、例えばin vivoの血清半減期が改善されることが考慮されている。理論に拘泥することは望まないが、HBS内の、HBSの近くの、またはHBSに隣接している変化によって、免疫原性が低減され、かつ/または組換えタンパク質の発現が増加し得ることも考慮されている。一部の実施形態では、組換えフォリスタチンの発現増加は、K75D、K75E、K76D、K76E、K81D、K81E、K81D、またはK82EのHBS変異のうちの1つ以上を伴って存在する。一部の実施形態では、組換えフォリスタチンの発現増加は、K82EのHBS変異を伴って存在する。一部の実施形態では、HBS内の少なくとも1つのアミノ酸残基(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10)を、正電荷の小さい少なくとも1つのアミノ酸残基で置換することで、組換えフォリスタチンタンパク質によるヘパリン結合が低減され得る。

0117

一部の実施形態では、フォリスタチンポリペプチド内のアミノ酸置換によって、ヘパリン結合領域内にコンセンサスグリコシル化部位が導入される(例えば、K82T、P85T、R78N/N80T、R86N/V88T、K75N/C77T/K82T、G74N/K76S、G74N/K76T、G74N/K76T/P85T、C66S/K75N/C77T、C66A/K75N/C77T K75N/C77S/K82T、C66S/K75N/C77S、C66A/K75N/C77S)。後続のアミノ酸グリコシル化がヘパリン結合ドメインをマスクし、それによって組換えタンパク質のヘパリンへの結合が低減されると予測される。グリカンの存在も、置換されたアミノ酸をマスクし、それによって組換えタンパク質によって付与された任意の免疫原性増加が調節されると予想される。高グリコシル化も、組換えタンパク質の溶解性及び/または半減期を改善すると予想される。例示的な高グリコシル化バリアントを表4、5、及び9に示す。

0118

フォリスタチン融合タンパク質
好適な組換えフォリスタチンタンパク質が融合タンパク質構成となり得ることが考慮されている。例えば、本発明に好適な組換えフォリスタチンタンパク質は、フォリスタチンドメインと別のドメインまたは部分との融合タンパク質、典型的には、例えば、フォリスタチンタンパク質の安定性、効力、及び/または送達を強化または増加させることによって、あるいは免疫原性またはクリアランスを低減または消去することによって、フォリスタチンの治療効果を促進し得る、別のドメインまたは部分との融合タンパク質であり得る。このようなフォリスタチン融合タンパク質に好適なドメインまたは部分としては、以下に限定するものではないが、Fcドメイン、XTENドメイン、またはヒトアルブミン融合が挙げられる。

0119

Fcドメイン
一部の実施形態では、好適な組換えフォリスタチンタンパク質は、FcRn受容体に結合するFcドメインまたはその一部を含有する。非限定的な例として、好適なFcドメインは、IgGなどの免疫グロブリンサブクラス由来し得る。一部の実施形態では、好適なFcドメインは、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4に由来する。一部の実施形態では、好適なFcドメインは、IgM、IgA、IgD、またはIgEに由来する。特に好適なFcドメインとしては、ヒト抗体またはヒト化抗体に由来するものが挙げられる。一部の実施形態では、好適なFcドメインは、修飾されたヒトFc部分のような修飾されたFc部分である。

0120

一部の実施形態では、好適なFcドメインは、表6に示されるアミノ酸配列を含む。

0121

一部の実施形態では、好適なFcドメインは、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、または配列番号11に対して少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上相同または同一であるアミノ酸配列を含む。

0122

FcドメインとFcRn受容体との間の結合が改善すると組換えタンパク質の血清半減期が延長されることが考慮されている。したがって、一部の実施形態では、好適なFcドメインは、FcRnへの結合の改善をもたらす1つ以上のアミノ酸変異を含む。FcRnへの結合の改善に影響を及ぼすFcドメイン内の様々な変異が当技術分野で知られており、これらを本発明の実施に適合させることができる。一部の実施形態では、好適なFcドメインは、EUナンバリングによる、ヒトIgG1のThr250、Met252、Ser254、Thr256、Thr307、Glu380、Met428、His433、及び/またはAsn434に対応する1つ以上の位置に1つ以上の変異を含む。

0123

一部の実施形態では、好適なFcドメインは、EUナンバリングによる、ヒトIgG1のL234、L235、H433、及びN434に対応する1つ以上の位置に1つ以上の変異を含む。

0124

組換え融合タンパク質のFc部分は、炎症促進性作用をもたらすFc受容体の発現細胞の標的化をもたらし得る。Fcドメインにおけるいくつかの変異は、組換えタンパク質のFcガンマ受容体との結合を低減することによってエフェクター機能を阻害する。一実施形態では、エフェクター機能とは、抗体依存性細胞傷害ADCC)のことである。例えば、好適なFcドメインは、L234A(Leu234Ala)及び/またはL235A(Leu235Ala)(EUナンバリング)の変異を含有し得る。一部の実施形態では、L234A及びL235A変異は、LALA変異とも呼ばれる。非限定的な例として、好適なFcドメインは、L234A及びL235A(EUナンバリング)の変異を含有し得る。L234A及びL235A変異を含む例示的なFcドメイン配列は、表6の配列番号7に示されている。

0125

一部の実施形態では、好適なFcドメインは、H433K(His433Lys)、及び/またはN434F(Asn434Phe)(EUナンバリング)の変異を含有し得る。非限定的な例として、好適なFcドメインは、H433K及びN434F(EUナンバリング)の変異を含有し得る。一部の実施形態では、H433K及びN434F変異は、NHance変異とも呼ばれる。H433K及びN434F変異を組み込んでいる例示的なFcドメイン配列は、表6の配列番号8に示されている。

0126

一部の実施形態では、好適なFcドメインは、L234A(Leu234Ala)、L235A(Leu235Ala)、H433K(His433Lys)、及び/またはN434F(Asn434Phe)(EUナンバリング)の変異を含有し得る。非限定的な例として、好適なFcドメインは、L234A、L235A、H433K、及びN434F(EUナンバリング)の変異を含有し得る。L234A、L235A、H433K、及びN434F変異を組み込んでいる例示的なFcドメイン配列は、表6の配列番号9に示されている。

0127

Fcドメインに含まれ得る追加的なアミノ酸置換としては、例えば、米国特許第6,277,375号、同第8,012,476号、及び同第8,163,881号に記載のものが挙げられ、これらの文献は参照により本明細書に組み込まれる。

0128

リンカーまたはスペーサー
フォリスタチンドメインは、直接的または間接的にFcドメインに連結していてもよい。一部の実施形態では、好適な組換えフォリスタチンタンパク質は、フォリスタチンドメイン及びFcドメインを連結するリンカーまたはスペーサーを含有する。アミノ酸のリンカーまたはスペーサーは、概して、柔軟であるように、またはアルファヘリックスなどの構造を2つのタンパク質部分の間に挿入するように設計されている。リンカーまたはスペーサーは、比較的短くてもよく、あるいは長くてもよい。典型的には、リンカーまたはスペーサーは、例えば、3〜100(例えば、5〜100、10〜100、20〜100、30〜100、40〜100、50〜100、60〜100、70〜100、80〜100、90〜100、5〜55、10〜50、10〜45、10〜40、10〜35、10〜30、10〜25、10〜20)のアミノ酸長を含有する。一部の実施形態では、リンカーまたはスペーサーは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、または100アミノ酸長と同じであるかそれ以上長い。典型的には、長いリンカーは、立体障害を減少させ得る。一部の実施形態では、リンカーは、グリシン及びセリン残基の混合物を含むことになる。一部の実施形態では、当該リンカーはさらに、スレオニン、プロリン、及び/またはアラニン残基を含み得る。したがって、一部の実施形態では、当該リンカーは、10〜100、10〜90、10〜80、10〜70、10〜60、10〜50、10〜40、10〜30、10〜20、10〜15アミノ酸を含む。様々な実施形態において、当該リンカーは、少なくとも10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、または95アミノ酸を含む。一部の実施形態では、当該リンカーは、ALEVLFQGP(配列番号68)からなるリンカーではない。

0129

非限定的な例として、本発明に好適なリンカーまたはスペーサーとしては、限定するものではないが、以下のものが挙げられる:
GGG(配列番号69)
GAPGGGGGAAAAAGGGGGGAP (GAGリンカー、配列番号70);GAPGGGGGAAAAAGGGGGGAPGGGGGAAAAAGGGGGGAP (GAG2リンカー、配列番号71);及びGAPGGGGGAAAAAGGGGGGAPGGGGGAAAAAGGGGGGAPGGGGGAAAAAGGGGGGAP (GAG3リンカー、配列番号72)。

0130

好適なリンカーまたはスペーサーとしては、上記の例示的なリンカー、例えば、GAGリンカー(配列番号70)、GAG2リンカー(配列番号71)、またはGAG3リンカー(配列番号72)に対して、少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上相同または同一であるアミノ酸配列を有するものが挙げられる。一部の実施形態と共に使用するのが好適なさらなるリンカーは、2012年3月2日に出願されたUS20120232021に見いだすことができ、当該出願は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
一部の実施形態では、フォリスタチンポリペプチドの同種リガンド(例えば、アクチビンA、ミオスタチン、ヘパリンなど)のいずれかに対する結合能に実質的に影響を及ぼさずにフォリスタチンポリペプチドとFcドメインを関連付けるリンカーが提供される。一部の実施形態では、リンカーは、フォリスタチンポリペプチド単体と比較してフォリスタチンポリペプチドとヘパリンとの結合が変質しないように提供される。

0131

例示的なフォリスタチン融合タンパク質
特定の実施形態では、好適な組換えフォリスタチン融合タンパク質にはフォリスタチンポリペプチド及びFcドメインが含まれ、フォリスタチンポリペプチドは、野生型ヒトFS315タンパク質(配列番号1または配列番号2)、FS303タンパク質(配列番号3または配列番号4)、またはFS288(配列番号5)に対して少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるアミノ酸配列を含む。特定の実施形態では、好適な組換えフォリスタチン融合タンパク質にはフォリスタチンポリペプチド、Fcドメイン、及びフォリスタチンポリペプチドをFcドメインと関連付けるリンカーが含まれ、フォリスタチンポリペプチドは、野生型ヒトFS315タンパク質(配列番号1)またはFS315(配列番号2)に対して少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるアミノ酸配列を含む。典型的には、好適な組換えフォリスタチン融合タンパク質は、アクチビンA及びミオスタチンに結合可能である。一部の実施形態では、好適な組換えフォリスタチン融合タンパク質は、約0.5日〜6日(例えば、約0.5日〜5.5日、約0.5日〜5日、約1日〜5日、約1.5日〜5日、約1.5日〜4.5日、約1.5日〜4.0日、約1.5日〜3.5日、約1.5日〜3日、約1.5日〜2.5日、約2日〜6日、約2日〜5.5日、約2日〜5日、約2日〜4.5日、約2日〜4日、約2日〜3.5日、約2日〜3日)の範囲のin vivo半減期を有する。一部の実施形態では、好適な組換えフォリスタチン融合タンパク質は、約2日〜10日の範囲(例えば約2.5日〜10日、約3日〜10日、約3.5日〜10日、約4日〜10日、約4.5日〜10日、約5日〜10日、約3日〜8日、約3.5日〜8日、約4日〜8日、約4.5日〜8日、約5日〜8日、約3日〜6日、約3.5日〜6日、約4日〜6日、約4.5日〜6日、約5日〜6日の範囲)のin vivo半減期を有する。

0132

非限定的な例として、好適なフォリスタチンFc融合タンパク質は、表7に示すアミノ酸配列を有し得る。

0133

一部の実施形態では、組換えフォリスタチン−Fc融合タンパク質は、FS315K(81,82)A−hFcLALA、FS315K(81,82)A−GGG−hFcLALA、FS315K(76,81,82)A−hFcLALA、FS303K(76,81,82)A−hFcLALA、FS315K(76,81,82)A−GGG−hFcLALA、FS303K(76,81,82)A−GGG−hFcLALA、FS315K82T−hFcLALA、FS303K82T−hFcLALA、FS315K82T−GGG−hFcLALA、FS303K82T−GGG−hFcLALA、FS315K(76,81)E−hFcLALA、FS315K(76,81,82)E/V88E−hFcLALA、FS315WT−hFcLALA、FS315K(75,76)E−hFcLALA、FS315K(76,82)E−hFcLALA、FS315K(76,82)D−hFcLALA、FS315R86N/V88T−hFcLALA、FS315K75N/C77T/K82T−hFcLALA、FS315K75N/C77S/K82T−hFcLALA、FS315 del75−86−hFcLALA、FS315K(81,82)E−hFcLALA、FS315K(81,82)D−hFcLALA FS315K82E−hFcLALA、FS315K(76,81,82)E−hFcLALA、FS315K(76,81,82)D−hFcLALA、FS315R78N/N80T−hFcLALA、FS315P85T−hFcLALA、FS315K(76,81)E−hFcLALAまたはFS315K75N/C77N/K82T−hFcLALAと称され得る。

0134

フォリスタチン−Fc融合タンパク質がホモダイマーまたはモノマー構成を含めた様々な構成で提供され得ることが考慮されている。例えば、好適なホモダイマー構成は、融合パートナーのC末端(例えば、フォリスタチンポリペプチド及びリンカー)が両方のポリペプチド鎖のN末端に付着しているように設計され得る。好適なモノマー構成は、融合パートナーのC末端(例えば、フォリスタチンポリペプチド及びリンカー)が1つのFcダイマーまたは1つのFcモノマーに融合しているように設計され得る。モノマー構成は、立体障害を減少させ得る。

0135

本明細書で使用される場合、本明細書において特定される参照タンパク質配列(例えば、参照フォリスタチンタンパク質配列)に対する「パーセント(%)アミノ酸配列同一性」は、それらの配列を整列させ、必要であればギャップを導入して配列同一性の最大パーセントを達成した後の、参照配列中のアミノ酸残基と同一である候補配列中のアミノ酸残基の割合として定義され、配列同一性の一部としての任意の保存的置換を考慮していない。パーセントアミノ酸配列同一性を決定するためのアラインメントは、当該技術分野の技術範囲内にある種々の方法、例えば、BLAST、ALIGNまたはMegalign(DNASTAR)ソフトウエアなどの公開されている入手可能なコンピューターソフトウエアを用いて実現することができる。当業者であれば、比較する配列の完全長にわたる最大アラインメントを達成するのに必要な任意のアルゴリズムを含む、アラインメントを評価するための適切なパラメーターを決定することができる。好ましくは、WU−BLAST−2ソフトウエアを用いてアミノ酸配列同一性を算出する(Altschul et al.,Methodsin Enzymology 266,460−480(1996);http://blast.wustl/edu/blast/README.html)。WU−BLAST−2は、複数の検索パラメーターを使用するが、そのほとんどがデフォルト値に設定される。調整可能なパラメーターは次の値に設定される:オーバーラップスパン=1、オーバーラップフラクション=0.125、ワールド閾値(T)=11。HSPスコア(S)及びHSP S2パラメーターは動的値であり、特定配列組成に応じてプログラム自体によって確定されるが、最小値は調節可能であり、上述のとおりに設定される。

0136

一部の実施形態では、組換えフォリスタチン−Fc融合タンパク質は、ミオスタチンの結合及び/または活性を阻害する。一部の実施形態では、組換えフォリスタチン−Fc融合タンパク質は、ミオスタチンに結合したときに、約0.1pMより大きい、約0.5pMより大きい、約1pMより大きい、約5pMより大きい、約10pMより大きい、約50pMより大きい、約100pMより大きい、約500pMより大きい、または約1000pMより大きいKDを有する。組換えフォリスタチン−Fc融合タンパク質の親和性は、例えば、BIAcoreアッセイなどの表面プラズモン共鳴アッセイで測定され得る。

0137

一部の実施形態では、組換えフォリスタチン−Fc融合タンパク質は、アクチビンAの結合及び/または活性を阻害する。一部の実施形態では、組換えフォリスタチン−Fc融合タンパク質は、アクチビンAに結合したときに、約0.1pMより大きい、約0.5pMより大きい、約1pMより大きい、約5pMより大きい、約10pMより大きい、約50pMより大きい、約100pMより大きい、約500pMより大きい、または約1000pMより大きいKDを有する。組換えフォリスタチン−Fc融合タンパク質の親和性は、例えば、BIAcoreアッセイなどの表面プラズモン共鳴アッセイで測定され得る。

0138

一部の実施形態では、組換えフォリスタチン−Fc融合タンパク質は、野生型のフォリスタチン−Fc融合タンパク質のヘパリンに対する結合親和性と比較してヘパリンに対する結合親和性が低減している。一部の実施形態では、組換えフォリスタチン−Fc融合タンパク質は、ヘパリンに結合したときに、約0.01nMより大きい、約0.05nMより大きい、約0.1nMより大きい、約0.5nMより大きい、約1nMより大きい、約5nMより大きい、約10nMより大きい、約50nMより大きい、または約100nMより大きい、約150nMより大きい、約200nMより大きい、約250nMより大きい、または約500nMより大きいKDを有する。

0139

一部の実施形態では、組換えフォリスタチン−Fc融合タンパク質は、Fc受容体に結合したときに、約1nMより大きい、約5nMより大きい、約10nMより大きい、約50nMより大きい、または約100nMより大きい、または約500nMより大きい、または約1000nMより大きいKDを有する。一部の実施形態では、Fc受容体とは、Fcγ受容体のことである。一部の実施形態では、Fcγ受容体とは、FcγRI、FcγRIIA、FcγRIIB、FcγRIIIA、またはFCγRIIIBのことである。

0140

一部の実施形態では、組換えフォリスタチン−Fc融合タンパク質は、BMP−9に対する結合が最小限または認識できない程度である。一部の実施形態では、組換えフォリスタチン−Fc融合タンパク質は、BMP−10の結合が最小限または認識できない程度である。一部の実施形態では、この最小限または認識できない程度の結合は、190pM〜25000pMの範囲で決定される。

0141

一部の実施形態では、組換えフォリスタチン−Fc融合タンパク質は、ミオスタチン刺激アッセイにおいて、約20nM未満、約15nM未満、約10nM未満、約5nM,未満、約4nM未満、約3nM未満、約2nM未満、約1nM未満、約0.5nM未満、約0.25nM未満、約0.1nM未満、約0.05nM未満、または約0.01nMのIC50によって特徴づけられる。

0142

一部の実施形態では、組換えフォリスタチン−Fc融合タンパク質は、アクチビンA刺激アッセイにおいて、約20nM未満、約15nM未満、約10nM未満、約5nM,未満、約4nM未満、約3nM未満、約2nM未満、約1nM未満、約0.5nM未満、約0.25nM未満、約0.1nM未満、約0.05nM未満、または約0.01nMのIC50によって特徴づけられる。

0143

一部の実施形態では、組換えフォリスタチン−Fc融合タンパク質投与が、in vivoで対照に比べての筋肉の質量増加をもたらす。一部の実施形態では、筋肉の質量とは、例えば筋肉の重量のことである。一部の実施形態では、当該筋肉は、1つ以上の骨格筋であり、例えば表1に示される骨格筋である。一部の実施形態では、当該筋肉は、横隔膜、三頭筋、ヒラメ筋、前脛骨筋、腓腹筋、長指伸筋、腹直筋、四頭筋、及びその組合せからなる群から選択される。

0144

組換えフォリスタチンまたは組換えフォリスタチン−Fc融合タンパク質の生成
本発明に好適な組換えフォリスタチンタンパク質または組換えフォリスタチン−Fc融合タンパク質は、任意の利用可能な手段によって生成することができる。例えば、組換えフォリスタチンタンパク質または組換えフォリスタチン−Fc融合タンパク質は、組換えフォリスタチンタンパク質または組換えフォリスタチン−Fc融合タンパク質をコードする核酸を発現するように遺伝子操作された宿主細胞系を利用して、組換え生成することができる。代替または追加として、組換えフォリスタチンタンパク質または組換えフォリスタチン−Fc融合タンパク質は、内在性遺伝子によって生成することができる。代替または追加として、組換えフォリスタチンタンパク質または組換えフォリスタチン−Fc融合タンパク質は、化学合成によって部分的または完全に調製することができる。

0145

タンパク質が組換え生成される場合、任意の発現系を用いることができる。いくつか例を挙げると、既知の発現系として、例えば、大腸菌(E.coli)、バキュロウイルス、植物、酵母、または、例えばCHO細胞及び/または以下に記載の他の哺乳類の細胞などの哺乳類の細胞が挙げられる。

0146

一部の実施形態では、本発明に好適な組換えフォリスタチンタンパク質または組換えフォリスタチン−Fc融合タンパク質は、哺乳類細胞内で生成される。本発明に従って使用され得る哺乳類細胞の非限定的な例として、BALB/cマウス骨髄腫株(NSO/l、ECACC番号85110503);ヒト網膜芽細胞(PER.C6、CruCell社、オランダライデン);SV40(COS−7、ATCCCRL 1651)により形質転換されたサル腎臓CV1株;ヒト胚腎臓株(懸濁培養での増殖用にサブクローンされたHEK293または293細胞、Graham et al.,J.Gen Virol.,36:59,1977);ヒト線維肉腫細胞株(例えば、HT1080);ベビーハムスター腎臓細胞(BHK21、ATCC CCL 10);チャイニーズハムスター卵巣細胞+/−DHFR(CHO、Urlaub and Chasin,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,77:4216,1980);マウスセルトリ細胞(TM4、Mather,Biol.Reprod.,23:243−251,1980);サル腎細胞(CV1 ATCC CCL 70);アフリカミドリザル腎細胞(VERO−76、ATCC CRL−1 587);ヒト子宮頸癌細胞(HeLa、ATCC CCL 2);イヌ腎細胞(MDCK、ATCC CCL 34);バッファローラット肝細胞BRL3A、ATCC CRL 1442);ヒト肺細胞(W138、ATCC CCL 75);ヒト肝細胞(Hep G2、HB 8065);マウス乳癌腫瘍(MMT060562、ATCC CCL51);TRI細胞(Mather et al.,Annals N.Y.Acad.Sci.,383:44−68,1982);MRC5細胞;FS4細胞;及びヒト肝癌株(Hep G2)が挙げられる。

0147

一部の実施形態では、本発明は、非ヒト細胞またはヒト細胞から生成した組換えフォリスタチンタンパク質または組換えフォリスタチン−Fc融合タンパク質を提供する。一部の実施形態では、本発明は、CHO細胞またはHT1080細胞から生成した組換えフォリスタチンタンパク質または組換えフォリスタチン−Fc融合タンパク質を提供する。

0148

典型的には、組換えフォリスタチンタンパク質または組換えフォリスタチン−Fc融合タンパク質を発現するように遺伝子操作された細胞は、本明細書に記載の組換えフォリスタチンタンパク質または組換えフォリスタチン−Fc融合タンパク質をコードする導入遺伝子を含むことができる。組換えフォリスタチンタンパク質または組換えフォリスタチン−Fc融合タンパク質をコードする核酸は、調節配列、遺伝子制御配列プロモーター、非コード配列、及び/または組換えフォリスタチンタンパク質または組換えフォリスタチン−Fc融合タンパク質を発現するのに適正な他の配列を含むことができると理解されるべきである。典型的には、コード領域は、これらの核酸成分のうちの1つ以上と作用可能に連結している。

0149

導入遺伝子のコード領域は、特定の細胞型に対するコドン使用頻度を最適化するように1つ以上のサイレント変異を含んでいてもよい。例えば、フォリスタチン導入遺伝子のコドンは、脊椎動物細胞での発現向けに最適化されていてもよい。一部の実施形態では、フォリスタチン導入遺伝子のコドンは、CHO細胞などの哺乳類細胞での発現向け最適化され得る。一部の実施形態では、フォリスタチン導入遺伝子のコドンは、ヒト細胞での発現向けに最適化され得る。

0150

医薬組成物及び投与
本発明はさらに、本発明に従った治療活性を有する成分(例えば、組換えフォリスタチンタンパク質、または組換えフォリスタチン−Fc融合タンパク質)を、1つ以上の医薬的に許容される担体または添加剤と共に含む、医薬組成物を提供する。このような医薬組成物は、任意選択により1つ以上の追加の治療活性を有する物質を含むことができる。

0151

本明細書で提供される医薬組成物の説明は、主として、人に対する倫理的投与に好適な医薬組成物を対象としているが、当業者であれば、このような組成物があらゆる種類の動物への投与にも広く適していることが理解されよう。ヒトへの投与に好適な医薬組成物を、様々な動物への投与に好適にするために修飾を行うことは十分理解されており、通常の技量を有する獣医薬理学者は、このような修飾を、(行う場合は)ごく普通の実験を用いて、設計及び/または実施することができる。

0152

本明細書に記載の医薬組成物の製剤は、薬理学の分野で知られているまたは今後開発される任意の方法によって、調製することができる。概して、このような調製方法は、活性成分を、希釈剤または別の添加剤または担体及び/または1つ以上の補助的成分と関連付けるステップと、次に必要及び/または所望に応じて、生成物を所望の単回または多回用量単位成形及び/またはパッケージングするステップとを含む。

0153

本発明による医薬組成物は、単回単位用量として、及び/または複数の単回単位用量として、大量に調製し、パッケージングし、かつ/または販売することができる。本明細書で使用する「単位用量」とは、所定量の活性成分を含む医薬組成物の個別的な量のことである。活性成分の量は、対象に投与されると考えられる活性成分の投薬量及び/またはこのような投薬量の好都合な画分(例えば、このような投薬量の半分または1/3)に概ね等しい。

0154

活性成分、医薬的に許容される添加剤もしくは担体、及び/または本発明による医薬組成物中の任意のさらなる成分の相対量は、独自性、サイズ、及び/または治療する対象の状態に応じて、また当該組成物を投与する経路に応じて変動することになる。例として、当該組成物は、0.1%から100%(w/w)の活性成分を含み得る。

0155

医薬製剤は医薬的に許容される添加剤または担体をさらに含んでもよく、本明細書で使用される場合、このような添加剤または担体には、特定の所望の剤形に適した任意及び全ての溶媒分散媒体、希釈剤、もしくは他の液体ビヒクル分散体もしくは懸濁助剤界面活性剤等張剤、増粘剤もしくは乳化剤保存料固体結合剤滑沢剤などが含まれる。Remington’s The Science and Practice of Pharmacy,21st Edition,A.R.Gennaro(Lippincott,Williams&Wilkins,Baltimore,MD,2006;参照により本明細書に組み込まれる)は、医薬組成物の製剤化に使用される様々な添加剤及びその調製のための既知の技法を開示している。任意の従来的な添加剤媒体または担体が、例えば任意の所望でない生物学的影響をもたらすか、または有害な様式で任意の他の医薬組成物の構成要素と相互作用することによって、物質またはその誘導体に不適合である場合を除き、その用途は本発明の範囲内であるように考慮されている。

0156

一部の実施形態では、医薬的に許容される添加剤または担体は、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の純度である。一部の実施形態では、添加剤または担体は、ヒトにおける使用及び獣医学的使用が認可されている。一部の実施形態では、添加剤または担体は、米国食品医薬品局によって認可されている。一部の実施形態では、添加剤または担体は、医薬品グレードである。一部の実施形態では、添加剤または担体は、米国薬局方(USP)、欧州薬局方(EP)、英国薬局方、及び/または国際薬局方の基準を満たしている。

0157

医薬組成物の製造で使用される医薬的に許容される添加剤または担体としては、以下に限定するものではないが、不活性希釈剤分散剤及び/または造粒剤、界面活性剤及び/または乳化剤、崩壊剤結合剤、保存料、緩衝剤、滑沢剤、及び/または油が挙げられる。このような添加剤または担体は、任意選択により医薬製剤に含めることができる。ココアバター及び座薬ワックス着色剤コーティング剤甘味剤香味剤、及び/または着香剤などの添加剤または担体は、処方者の判断に応じて当該組成物中に存在してもよい。

0158

好適な医薬的に許容される担体としては、以下に限定するものではないが、水、塩溶液(例えば、NaCl)、食塩水緩衝食塩水、アルコールグリセロールエタノールアラビアゴム植物油ベンジルアルコールポリエチレングリコールゼラチン炭水化物ラクトースアミロース、またはデンプンなど)、糖(マンニトールスクロース、またはその他など)、デキストロースステアリン酸マグネシウムタルク珪酸粘性パラフィン香油脂肪酸エステルヒドロキシメチルセルロースポリビニルピロリドンなど、及びこれらの組合せが挙げられる。医薬製剤は、所望に応じて、活性化合物と有害な反応を起こさないか、またはそれらの活性を妨げない助剤(例えば、潤滑剤、防腐剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、浸透圧に影響を及ぼす塩類、緩衝剤、着色料香味料、及び/または芳香剤など)と混合され得る。好ましい実施形態では、静脈内投与に適した水溶性担体が用いられる。

0159

所望に応じて、好適な医薬組成物または薬剤は、少量の湿潤剤もしくは乳化剤、またはpH緩衝剤を含むこともできる。組成物は、溶液、懸濁液、乳濁液錠剤丸剤カプセル剤徐放性製剤、または粉末であり得る。組成物はまた、従来の結合剤及び担体(トリグリセリドなど)を用いて座薬としても製剤化され得る。経口製剤は、医薬品グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、サッカリンナトリウムセルロース炭酸マグネシウムなどの標準的な担体を含み得る。

0160

医薬組成物または薬剤は、ヒトに対する投与に適した医薬組成物として、慣行的な手順に従って製剤化され得る。例えば、一部の実施形態では、静脈内投与用の組成物は、無菌等張水性緩衝溶液であるのが典型的である。必要に応じて、組成物はまた、可溶化剤、及び注射部位の痛みを軽減するための局所麻酔薬を含んでもよい。一般的に、成分は、例えば凍結乾燥粉末または無水濃縮物として、活性作用剤の量を提示するアンプルまたはサシェ(sachette)などの密封容器に、別々に、または単位剤形の形態で混合されて供給される。組成物を注入によって投与しようとする場合、無菌医薬品グレードの水、食塩水、またはデキストロース/水を含有する注入瓶を用いて調剤することができる。組成物を注射によって投与する場合、注射用の無菌水か、または食塩水のアンプルを供給することができ、投与に先立って成分を混合できるようにする。

0161

本明細書に記載の組換えフォリスタチンタンパク質または組換えフォリスタチン−Fc融合タンパク質は、中性形態または塩形態で製剤化することができる。医薬的に許容される塩として、塩酸リン酸酢酸シュウ酸酒石酸、その他の由来の塩などの遊離アミノ基で形成される塩、及びナトリウムカリウムアンモニウムカルシウム水酸化鉄イソプロピルアミントリエチルアミン、2−エチルアミノエタノール、ヒスチジン、プロカイン、その他の由来の塩などの遊離カルボキシル基で形成される塩が挙げられる。

0162

製剤化及び/または医薬品製造における一般考慮事項は、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy 21st ed.,Lippincott Williams&Wilkins,2005(参照により本明細書に組み込まれる)で見いだされ得る。

0163

投与経路
本明細書に記載の組換えフォリスタチンタンパク質または組換えフォリスタチン−Fc融合タンパク質(または本明細書に記載の組換えフォリスタチンタンパク質を含有する組成物もしくは薬剤)は、任意の適切な経路により投与される。一部の実施形態では、組換えフォリスタチンタンパク質、組換えフォリスタチン−Fc融合タンパク質、またはそれを含有する医薬組成物は、全身に投与される。全身投与は、静脈内、皮内、吸入、経皮(局所的)、眼内、筋肉内、皮下、筋肉内、経口、及び/または経粘膜的投与であり得る。一部の実施形態では、組換えフォリスタチンタンパク質、組換えフォリスタチン−Fc融合タンパク質、またはそれを含有する医薬組成物は、皮下に投与される。本明細書で使用する「皮下組織」という用語は、皮膚直下の疎性不規則性結合組織の層として定義される。例えば、皮下投与は、組成物を、以下に限定されないが、大腿部、腹部、殿部、または肩甲部を含めた領域に注射することによって行われ得る。一部の実施形態では、組換えフォリスタチンタンパク質、組換えフォリスタチン−Fc融合タンパク質、またはそれを含有する医薬組成物は、静脈内に投与される。一部の実施形態では、組換えフォリスタチンタンパク質、組換えフォリスタチン−Fc融合タンパク質、またはそれを含有する医薬組成物は、経口的に投与される。一部の実施形態では、組換えフォリスタチンタンパク質、組換えフォリスタチン−Fc融合タンパク質、またはそれを含有する医薬組成物は、筋肉内に投与される。例えば、筋肉内投与は、組成物を、以下に限定されないが、大腿部、腹部、殿部、肩甲部の筋肉、または表1に開示される任意の筋肉を含めた領域に注射することによって行われ得る。所望の場合には、2つ以上の経路を同時に用いることができる。

0164

一部の実施形態では、投与により個体において単に局所的効果を得るだけであるが、他の実施形態では、投与により個体の複数の部位にわたる効果(例えば、全身効果)を得る。通常は、投与により、1つ以上の標的組織に対する組換えフォリスタチンタンパク質または組換えフォリスタチン−Fc融合タンパク質の送達がもたらされる。一部の実施形態では、組換えフォリスタチンタンパク質または組換えフォリスタチン−Fc融合タンパク質は、以下に限定されないが、心臓、脳、脊髄、横紋筋(例えば、骨格筋)、平滑筋、腎臓、肝臓、及び/または脾臓を含めた1つ以上の標的組織に送達される。一部の実施形態では、組換えフォリスタチンタンパク質または組換えフォリスタチン−Fc融合タンパク質は、心臓に送達される。一部の実施形態では、組換えフォリスタチンタンパク質または組換えフォリスタチン−Fc融合タンパク質は、横紋筋、特に骨格筋に送達される。一部の実施形態では、組換えフォリスタチンタンパク質または組換えフォリスタチン−Fc融合タンパク質は、三頭筋、前脛骨筋、ヒラメ筋、腓腹筋、二頭筋、僧帽筋、三角筋、四頭筋、及び/または横隔膜に送達される。

0165

剤形及び投与レジメン
一部の実施形態では、組成物の投与は、治療有効量で、かつ/または、特定の望ましい結果(例えば、デュシェンヌ型筋ジストロフィーなどの筋ジストロフィーの治療またはリスクの低減)と相関性のある投与レジメンに従って、行われる。

0166

本発明に従って投与される特定の用量または量は様々であり、例えば、所望の結果の性質及び/もしくは程度、投与経路及び/もしくはタイミングの詳細、ならびに/または1つ以上の特徴(例えば、体重、年齢、個人歴、遺伝的特徴ライフスタイルパラメーター、心臓障害の重症度、及び/もしくは心臓障害のリスクレベルなど、またはそれらの組合せ)に依存する。こうした用量または量は、当業者によって決定され得る。一部の実施形態では、適正な用量または量は、標準的な臨床技術に従って決定される。別の方法として、または加えて、一部の実施形態では、適正な用量または量は、所望のまたは至適投与用量範囲または量を特定するのに役立つ1つ以上のin vitroアッセイまたはin vivoアッセイを通して決定される。

0167

種々の実施形態では、組換えフォリスタチンタンパク質は治療有効量で投与される。一般に、治療有効量は、対象に対して意義のある利益を得る(例えば、基礎疾患または症状を治療する、調節する、治癒する、予防する、及び/または寛解させる)のに十分な量である。特定の一部の実施形態では、適正な投与用量または投与量を、in vitroまたは動物モデル評価系由来の用量反応曲線から外挿することができる。

0168

一部の実施形態では、提供された組成物は医薬製剤として提供される。一部の実施形態では、医薬製剤は、デュシェンヌ型筋ジストロフィーなどの筋ジストロフィーの発症率またはリスクの低減を達成することと相関性のある投与レジメンに従って投与するための単位用量であるか、またはこのような単位用量を含む。

0169

一部の実施形態では、本明細書に記載の組換えフォリスタチンタンパク質または組換えフォリスタチン−Fc融合タンパク質を含む製剤は、単回用量として投与される。一部の実施形態では、本明細書に記載の組換えフォリスタチンタンパク質または組換えフォリスタチン−Fc融合タンパク質を含む製剤は、規則的間隔で投与される。本明細書で使用する「間隔」での投与は、治療有効量が周期的(1回限りの投与とは区別される)に投与されることを示している。間隔は、標準的な臨床技術で決定され得る。一部の実施形態では、本明細書に記載の組換えフォリスタチンタンパク質または組換えフォリスタチン−Fc融合タンパク質を含む製剤は、隔月、毎月、月2回、3週間毎、隔週、毎週、週2回、週3回、毎日、1日2回、または6時間毎に投与される。単一個体に対する投与間隔は、一定の間隔である必要はなく、個体の必要性に応じて経時的に変動する可能性がある。

0170

本明細書で使用する「隔月」という用語は2か月に1回(すなわち、2か月毎に一回)の投与を意味し、用語「毎月」は1か月に1回の投与を意味し、用語「3週間毎」は3週間に1回(すなわち3週間毎に1回)の投与を意味し、用語「隔週」は2週間に1回(すなわち、2週間毎に1回)の投与を意味し、用語「毎週」は週に1回の投与を意味し、用語「毎日」は1日に1回の投与を意味する。

0171

一部の実施形態では、本明細書に記載の組換えフォリスタチンタンパク質または組換えフォリスタチン−Fc融合タンパク質を含む製剤は、無期限に規則的間隔で投与される。一部の実施形態では、本明細書に記載の組換えフォリスタチンタンパク質または組換えフォリスタチン−Fc融合タンパク質を含む製剤は、決められた期間の間、規則的間隔で投与される。

0172

本明細書で使用する「治療有効量」という用語は、主として、本発明の医薬組成物に含まれる治療剤の総量に基づいて決定される。治療有効量は、一般的に、複数単位用量が含まれ得る投与レジメンで投与される。任意の特定の組成物に関して、治療有効量(及び/または有効投与レジメン内での適正な単位用量)は、例えば、投与経路、他の医薬作用剤との組合せに応じて変動し得る。

0173

一部の実施形態では、組換えフォリスタチンタンパク質または組換えフォリスタチン−Fc融合タンパク質の投与は、少なくとも1つのDMDの徴候または症状における強度、重症度、または頻度を低減し、あるいはその発症を遅延させる。一部の実施形態では、組換えフォリスタチンタンパク質または組換えフォリスタチン−Fc融合タンパク質の投与は、筋消耗、骨格変形、心筋症、筋虚血、認知障害、及び呼吸機能障害からなる群から選択される、少なくとも1つのDMDの徴候または症状における強度、重症度、または頻度を低減し、あるいはその発症を遅延させる。

0174

一部の実施形態では、組換えフォリスタチンタンパク質または組換えフォリスタチン−Fc融合タンパク質は、6分歩行試験、定量的筋強度試験時間運動パフォーマンス試験(timed motor performance test)によって測定される臨床的結果を改善する。Brooke及びVignosの四肢機能尺度、肺機能試験(努力肺活量1秒量最大呼気流量最大吸気圧及び最大呼気圧)、健康関連のクオリティーオブライフ及びの屈筋、肘の伸筋、肩の外転、握力、仰臥位から起きる時間、ノーススター(North Start)歩行評価、時間10メートル歩行/走行、Egen−Klassification尺度、ガウアーズスコア、ハマースミス運動能力ハンドヘルド筋収縮測定、可動域、角度測定高炭酸ベイリー(Nayley)乳幼児発達スケール、及び/または介護者負担尺度。

0175

併用療法
一部の実施形態では、組換えフォリスタチンタンパク質は、筋ジストロフィーの治療に現在用いられている1つ以上の既知の治療剤(例えば、コルチコステロイド)と併用して投与される。一部の実施形態では、既知の治療剤は、その標準的もしくは承認済投与レジメン及び/またはスケジュールに従って投与される。一部の実施形態では、既知の治療剤は、その標準的もしくは承認済投与レジメン及び/またはスケジュールと比較して変更されたレジメンに従って投与される。一部の実施形態では、こうした変更されたレジメンは、1つ以上の単位用量が異なる(例えば減少または増加)という点で、及び/または投与頻度が異なるという点で(例えば、単位投与間の1つ以上の間隔を長くして低頻度にするか、または間隔を短くして高頻度にしているという点で)、標準的または承認済投与レジメンとは異なっている。

0176

一部の実施形態では、組換えフォリスタチンタンパク質または組換えフォリスタチン−Fc融合タンパク質は、1つ以上のさらなる治療剤と組み合わせて投与される。一実施形態では、当該さらなる治療剤は、コルチコステロイド(例えば、プレドニゾン)である。別の実施形態では、当該さらなる治療剤は、グルココルチコイド(例えば、デフラザコート)である。別の実施形態では、当該さらなる治療剤は、抗Flt−1抗体またはその抗原結合断片である。別の実施形態では、当該さらなる治療剤は、RNA調節療法である。RNA調節療法は、エクソンスキッピング療法または遺伝子療法であり得る。RNA調節療法は、例えば、Drispersen、CAT−1004、FG3019、PRO044、PRO045、Eteplirsen(AVI−4658)、SRP−4053、SRP−4045、SRP−4050、SRP−4044、SRP−4052、SRP−4055、またはSRP−4008であり得る。一部の実施形態では、当該さらなる治療剤は、筋ジストロフィーの治療に現在使用されている。他の実施形態では、当該さらなる治療剤は、他の疾患または障害の治療にも使用され得る。一部の実施形態では、既知の治療剤は、その標準的もしくは承認済投与レジメン及び/またはスケジュールに従って投与される。一部の実施形態では、既知の治療剤は、その標準的もしくは承認済投与レジメン及び/またはスケジュールと比較して変更されたレジメンに従って投与される。一部の実施形態では、こうした変更されたレジメンは、1つ以上の単位用量が異なる(例えば減少または増加)という点で、及び/または投与頻度が異なるという点で(例えば、単位投与間の1つ以上の間隔を長くして低頻度にするか、または間隔を短くして高頻度にしているという点で)、標準的または承認済投与レジメンとは異なっている。

0177

実施例1.フォリスタチン−Fc融合タンパク質によるミオスタチンの標的化
本実施例は、フォリスタチン−Fc融合タンパク質の標的リガンド及び非標的リガンドに対する結合を例示する。理論に拘泥することは望まないが、ミオスタチン及びアクチビンAのSmad2/3経路活性化が筋原性のタンパク質発現の阻害につながり、結果的に筋芽細胞が筋肉に分化しないことが考慮されている。そのため、ミオスタチン及びアクチビンAは、筋肉再生刺激のための有力な標的と考えられる。しかし、ある特定の構造的類似性により、多くのミオスタチン及びアクチビンAアンタゴニスト(例えば、可溶性アクチビン受容体IIB型(sActRIIB))は、骨形成タンパク質(BMP)にも結合する。BMP、特にBMP−9及びBMP−10は、全身における組織構造を編成する中心的な形成シグナルと考えられている。このようなBMPを阻害することで、望ましくない病態がもたらされる恐れがある。また、フォリスタチンは、3つのFSドメインのうち1番目の塩基性ヘパリン結合配列(HBS)を通じて細胞表面のヘパラン硫酸プロテオグリカンにも結合する。理論に拘泥することは望まないが、例えば、HBSの変異または欠失によるヘパリン結合の不活性化、低減、または調節は、フォリスタチン及び/またはフォリスタチン融合タンパク質のin vivo曝露及び/または半減期を増加する可能性がある。以下で詳細に説明するように、本実施例に記載される実験データは、フォリスタチン−Fc融合タンパク質が高い親和性でミオスタチンを特異的に標的化し、非標的のBMPやヘパリンに対しては意味のある親和性で結合しないことを裏付けるものである。

0178

具体的には、BIAcore(登録商標)アッセイ及び以下で説明される標準的な方法を用いて、フォリスタチン−Fc融合タンパク質のミオスタチン、アクチビンA、ヘパリン、BMP−9、及びBMP−10に対する結合親和性(KD)及び動態を評価した。

0179

ミオスタチンに対する結合親和性及び動態を測定するため、抗ヒトFc(GE、カタログ番号BR−1008−39)をCM5チップの2つのフローセルに420秒間、10μl/分の流量で固定した。ランニング緩衝液はHBS−EP+とした。全ての試料及び対照をランニング緩衝液を用いて10μg/mLに希釈した。ミオスタチン(4mMのHCl中0.1mg/mL)(R&D Systems、カタログ番号788−G8−010/CF)を25kDaの分子量に基づいて0.3125、0.625、1.25、2.5、及び5nMに希釈した。50μL/分の流量における8秒間のキャプチャー設定、50μL/分の流量における300秒間の会合、及び50μL/分の流量における1200秒間の解離でアッセイを実施し、次に3MのMgCl2を用いて60μL/分の流量で30秒間再生成した。

0180

アクチビンAに対する結合親和性及び動態を測定するため、抗ヒトFc(GE、カタログ番号BR−1008−39)をCM5チップの2つのフローセルに420秒間、10μl/分の流量で固定した。ランニング緩衝液はHBS−EP+とした。全ての試料及び対照をランニング緩衝液を用いて10μg/mLに希釈した。アクチビンA(4mMのHCl中0.1mg/mL)(R&D Systems、カタログ番号338−AC−050/CF)を26kDaの分子量を用いて0.156、0.3125、0.625、1.25、及び2.5nMに希釈した。

0181

ヘパリンの結合親和性及び動態を測定するため、アッセイ当日にビオチン化ヘパリンを1mg/mLで調製し、次にHBS+N中で100μg/mLに希釈した。HBS+N緩衝液を用いて100μg/mL、5μl/分で5分間固定することにより、ストレプトアビジンチップフローセルを準備した。試料をHBS−EP中で0.31nM〜25nMの濃度に希釈した。30μL/分の流量で300秒間の会合時間、及び300秒間の解離時間を用いてアッセイを実施し、次に再生成を4MのNaClで30秒間行い、その直後、第2の再生成を4MのNaClで30秒間行った。

0182

BMP−9及び/またはBMP−10の結合親和性及び動態を測定するため、CM5チップ上でおよそ6000〜9000RUで抗ヒトFcをFC3及びFC4に結合した。ActRIIB−Fcタンパク質((R&D Systems、カタログ番号339−RBB−100)をBMP−9及びBMP−10への結合の陽性対照として使用した。BMP−9結合の分析のため、全ての試料を2.5μg/mLに希釈し、ランニング緩衝液はHBS+EPとした。BMP−10結合の分析のため、全ての試料を5μg/mLに希釈し、ランニング緩衝液はHBS+EP+0.5mg/mLのBSAとした。分析条件には、180秒の接触時間、300秒の解離時間、及び30μL/分の流量が含まれる。BMP−9(R&D Systems、カタログ番号3209−BP−010CF)及びBMP−10(R&D Systems、カタログ番号2926−BP−025CF)を3倍の段階希釈で25nM〜0.19nMに希釈した。例示的な結果を表8に示す。

0183

表8に示すように、フォリスタチン融合タンパク質は高い親和性でミオスタチンに結合するが、BMP−9及び/またはBMP−10には結合しない。フォリスタチン融合タンパク質のBMP−10に対する結合を試験する研究では、試験範囲(25000〜190pM)における動態定数が決定されなかった。これは、最も弱いミオスタチン結合KDよりもおよそ430倍高い結合親和性を説明するものである。フォリスタチン融合タンパク質のBMP−9に対する結合を試験する研究では、試験範囲(25000〜190pM)における動態定数が決定されなかった。これは、最も弱いミオスタチン結合KDよりもおよそ1400倍高い結合親和性を説明するものである。

0184

実施例2.フォリスタチン−Fc融合タンパク質のFcRn受容体に対する結合
Fcドメインにおけるいくつかの変異は、FcRn受容体との結合を低減し、それによってin vivoの血清半減期を有することにつながる。標準的な方法を用いて、フォリスタチン−Fc融合タンパク質のFcRn受容体に対する結合親和性を評価した。例示的な結果を表9に示す。

0185

Fcドメインにおけるいくつかの変異は、FcガンマIA受容体との結合を低減し、それによってエフェクター機能の低減を有することにつながる。標準的な方法を用いて、フォリスタチン−Fc融合タンパク質のFcガンマIA受容体に対する結合親和性を評価した。標準的な方法を用いて、フォリスタチン−Fc融合タンパク質のFcガンマIA受容体に対する結合親和性を評価した。

0186

Fcガンマ受容体IAの結合親和性を測定するため、フォリスタチン−Fcタンパク質を酢酸ナトリウムpH5.0中で2.5μg/mLに希釈し、CM5チップ上に約150RUで固定した。Fcガンマ受容体RIAをR&D Systemsから凍結乾燥ストックとして購入した(カタログ番号1257−FC−050)。Fcガンマ受容体IAの分析については、ランニング緩衝液はHBS−P+とした。分析条件には、180秒の接触時間、600秒の解離時間、及び30μL/分の流量が含まれる。再生成条件は、10mMのリン酸ナトリウムpH2.5、500mMのNaClをで10秒間、30μL/分において30秒の安定性とした。Fcガンマ受容体IAを62.5nM〜0.49nMに希釈した。例示的な結果を表10に示す。

0187

実施例3.フォリスタチン−Fc融合タンパク質における血清半減期の延長
フォリスタチンは、短い血清半減期を有することが報告されている。例えば、典型的な市販品FS315タンパク質における血清半減期は約1時間である。本実施例において、図1A図1B、及び表11に示す様々な変異を含むフォリスタチン−Fc融合タンパク質のin vivo半減期を測定した結果、比較タンパク質と比較して血清半減期が顕著に延長していた。

0188

具体的には、CD−1マウスに対し、表11に示す用量で個別のフォリスタチン−Fc融合タンパク質を静脈内投与した。投与後、様々な時点でフォリスタチン−Fc融合タンパク質の血清レベル収集した(図1A及び図1B)。組換えフォリスタチン−Fc融合タンパク質の血清半減期は45.7〜194時間の範囲であった。

0189

実施例4.フォリスタチン−Fc融合タンパク質によるミオスタチン及びアクチビンAの阻害
ルシフェラーゼ遺伝子レポーターアッセイを用いて、フォリスタチン−Fc融合タンパク質のミオスタチン及びアクチビンAに対する阻害能力を試験した。横紋筋肉腫A204細胞に対し、ホタルルシフェラーゼ遺伝子前部のSmad3選択応答エレメントを含有するpGL3(CAGA)12−Lucプラスミドを安定的にトランスフェクトした。1.2nMのミオスタチンまたはアクチビンAをSmad3シグナリングの刺激に使用した。融合タンパク質をミオスタチンまたはアクチビンAのいずれかと共に、細胞への添加前に、室温で30分間インキュベートし、次にインキュベートから24時間後、37℃におけるルシフェラーゼ活性を測定した。シグナリングアッセイに使用するミオスタチンまたはアクチビンAの濃度は1.2nMとした。表14に示すように、フォリスタチン−Fc融合タンパク質は、刺激アッセイにおいて0.5nM未満〜1.5nM超の範囲のIC50でミオスタチンを阻害した。表12に示すように、フォリスタチン−Fc融合タンパク質は、刺激アッセイにおいて0.5nM未満〜1.5nM超の範囲のIC50でアクチビンAを阻害した。

0190

実施例5.フォリスタチン−Fc融合タンパク質全身投与のin vivo有効性
本実施例は、フォリスタチン−Fc融合タンパク質(例えば、FS315K(76,81,82)E−hFcLALA、FS315K(76,81,82)E−mFc)の野生型マウス及びデュシェンヌ型筋ジストロフィーのmdxマウスモデルに対する全身投与が、10mg/kgの用量を静脈内または皮下に投与した場合において、in vivoで筋肉質量の増加傾向をもたらすことを実証するものである。

0191

具体的には、ある研究では、雄のC57BL/6(野生型マウス)に対し、ビヒクル(すなわち、PBS)またはFS315K(76,81,82)E−hFcLALAを、静脈注射により10mg/kgの用量で、または皮下注射により20mg/kgの用量で、週に2回4週間投与した。第2の研究では、雄のmdxマウスに対し、ビヒクル(すなわち、PBS)またはFS315K(76,81,82)E−mFcを皮下注射により10mg/kgの用量で、あるいはマウス可溶性アクチビン受容体IIB型キメラFc融合(ActRIIB−mFc)を皮下注射により3mg/kgの用量で、週に2回12週間投与した。最後の処置から24時間後にマウスを屠殺し、腓腹筋及び四頭筋を採取量した。表13における例示的データは、mdxマウス及びC57BL/6マウスの両方からの腓腹筋及び四頭筋の重量に対し、ビヒクルのみで処置した腓腹筋及び四頭筋と比較して顕著な増加が見られたことを示すものである。したがって、組換えフォリスタチン−Fc融合タンパク質が、野生型マウス及びDMDの動物モデルに全身投与した場合に筋肉質量を増加させるという明らかな徴候が見られる。mdx研究では、投与から11週間後に前肢の握力を測定した。図2における例示的データは、FS315K(76,81,82)E−mFcで処置したmdxマウスの前肢の握力に対し、ビヒクルのみで処置した動物の握力と比較して顕著な増加が見られたことを示すものである。FS315K(76,81,82)E−mFc処置した動物の握力の強さは、ActRIIB−mFc陽性対照で処置した動物よりも大きく、また野生型C57BL/10ScSnJ動物よりも大きかった。

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