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技術 電池用電極材料の処理方法

出願人 ワッカーケミーアクチエンゲゼルシャフト
発明者 マウラー,ローベルトベルンハルト,レベッカブレウンリング,ダニエルハネルト,エックハルト
出願日 2017年2月27日 (2年8ヶ月経過) 出願番号 2018-545869
公開日 2019年3月14日 (8ヶ月経過) 公開番号 2019-507483
状態 未査定
技術分野 電池の電極及び活物質
主要キーワード 元素ケイ素 対向ジェットミル 粉塵形成 象徴化 金属ケイ素化合物 発生挙動 充電式リチウムイオン電池 単一流体
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (6)

課題・解決手段

本発明は、a)活物質粒子、1つ以上のバインダー、及び1つ以上の分散液を含む混合物が乾燥され、それにより分散性顆粒活物質顆粒)の形態の活物質粒子が得られ、b)分散性顆粒の形態の工程a)で得られた活物質粒子を1つ以上の溶媒と混合することを特徴とする、電池電極材料を処理する方法に関する。

概要

背景

電池は、例えば、携帯用電子機器の分野、工具用、及び輸送、例えば、自転車又は車両の電気駆動段用で使用される電気化学的エネルギー貯蔵装置である。一次電池二次電池との区別がなされ、充電式電池又は蓄電池という用語もまた後者には使用される。現在、リチウムイオン電池は、最大の重量エネルギー密度及び体積エネルギー密度を有する最も実用的に有用な電気化学的エネルギー貯蔵装置である。

電極材料は、イオンを吸収又は放出することによる電荷用の貯蔵装置として機能できる活物質粒子を含む。グラファイト炭素は現在、充電式リチウムイオン電池の負極(「アノード」)の材料として広く普及している。しかし、欠点は、理論的にはグラファイトグラム当たり372mAh以下の比較的低い電気化学容量(これはリチウム金属を用いて理論的に達成できる電気化学容量のわずか約1/10に相当する)である。この理由から、特に、リチウム合金化する(半)金属の分野で、アノード用の代替材料の研究が長く行われてきた。ケイ素はここでは適切な候補として特定されてきた。ケイ素は、非常に高いリチウム含有量、例えば、Li4.4Siの場合、ケイ素1グラム当たり4200mAhの領域の理論比容量を達成することができる、リチウムとの二元の電気化学的に活性合金を形成する。ケイ素粒子のサイズ及び形状に関して、教示は文献中の様々な説明中にある。例えば、WO2014/202529号は、特にナノサイズの非凝集ケイ素粒子を推奨し、EP1730800号は、ナノサイズの凝集したケイ素粒子を推奨する。例えば、US2003235762号には、1〜10μmの粒径を有する粗ケイ素粒子が電極材料として記載されている。

粉砕法は、適切なサイズの活物質粒子を生成するために非常に一般的である。例えば、WO−A14202529号に記載されているように、乾式粉砕法、及び特により小さい粒子を製造するには湿式粉砕法が用いられる。湿式粉砕液体媒体に分散された粒子を生じる。しかし、このような分散液中で乾燥された生成物を完全に再分散することは困難であるため、再分散後に一次活物質粒子の比較的大きな集塊体(アグロメレート)が存在する。同様の状況は、乾式粉砕によって得られ多粒子にも当てはまる。しかし、集塊体を含む電極コーティングは、そのような場合、特にケイ素粒子の場合に起こる活物質粒子の体積変化のためにますます充電及び放電の間にダメージを受けるおそれのある電池を生じるため、活物質粒子の非常に完全な分散が必要である。これらの粒子と電極材料のさらなる成分との均一なブレンドを達成し、最終的に電極中の粒子の導電性かつ限定された結合を達成するためにも、活物質粒子の非常に完全な分散が望ましい。

実際には、湿式粉砕及び電極製造における異なる液体媒体の使用がそれによって可能になるので、粉末状の活物質粒子もこの理由から電極コーティングの製造に好ましい。異なる溶媒を含む液体調製物を混合する場合、さらに、非相溶性、例えば、配合物成分の凝固が起こる危険性がある。ここで、乾燥した活物質は、集塊体が再分散して再び小粒子を放出することができる限り、複数の活物質粒子から構成された集塊体の形態で完全に存在してもよい。固体形態で存在する活物質粒子の使用は、例えば、配合物の固形分又は液体成分の選択において、電極材料を製造するためのこれらの処理におけるより大きな自由度を利用できるようにする。さらに、乾燥した調製物は一般により貯蔵安定性があり、輸送中及び工業的実践において高い固体含有量を有する懸濁液よりも簡単に取り扱うことができる。

ナノサイズ又はμサイズの粒子の粉末に関連するさらなる問題は、それらが粉塵を形成する傾向があることである。可能であれば、粉塵の発生を避けるべきである。

概要

本発明は、a)活物質粒子、1つ以上のバインダー、及び1つ以上の分散液を含む混合物が乾燥され、それにより分散性顆粒(活物質顆粒)の形態の活物質粒子が得られ、b)分散性顆粒の形態の工程a)で得られた活物質粒子を1つ以上の溶媒と混合することを特徴とする、電池の電極材料を処理する方法に関する。

目的

国際公開第2014/202529号
欧州特許出願公開第1730800号明細書
米国特許出願公開第2003/235762号明細書
カナダ特許出願公開第2752844号明細書
中国特許出願公開第103187556号明細書
米国特許出願公開第2014/0162129号明細書
独国特許出願公開第69110438号明細書






この背景に照らして、電池、特にリチウムイオン電池の電極材料のための分散性顆粒の形態の活物質粒子を提供する

効果

実績

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請求項1

a)活物質粒子、1つ以上のバインダー、及び1つ以上の分散液を含む混合物が乾燥され、分散性顆粒の形態の活物質粒子を得、b)工程a)で得られた分散性顆粒の形態の活物質粒子を1つ以上の溶媒と混合することを特徴とする、電池電極材料を処理する方法。

請求項2

工程a)において乾燥させることによって得られた、分散性顆粒の形態の活物質粒子が、バインダーで完全に又は部分的に包まれた活物質粒子の集塊体であることを特徴とする、請求項1に記載の電池の電極材料を処理する方法。

請求項3

活物質粒子を製造するために分散性顆粒の形態で使用された活物質粒子が、工程b)において再び放出されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の電池の電極材料を処理する方法。

請求項4

工程a)における混合物の活物質粒子が、乾燥前に、0.03〜100.0μmという直径d50の中央値を有する体積基準粒度分布を有することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の電池の電極材料を処理する方法。

請求項5

工程b)で得られた分散された活物質粒子が、0.03〜100.0μmという直径d50の中央値を有する体積基準の粒度分布を有することを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の電池の電極材料を処理する方法。

請求項6

1つ以上のバインダーが、ポリアクリル酸又はそのアルカリ金属塩ポリビニルアルコールセルロース又はセルロース誘導体ポリアルキレンオキシドポリフッ化ビニリデンポリテトラフルオロエチレンポリオレフィンポリイミド、及びエチレンプロピレンジエンターポリマーからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の電池の電極材料を処理する方法。

請求項7

1つ以上の活物質粒子が、ケイ素グラファイト金属酸化物又は金属リン酸塩ベースとすることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の電池の電極材料を処理する方法。

請求項8

請求項1から7のいずれか一項の工程b)からの処理生成物が、導電性基材に塗布され、続いて乾燥されることを特徴とする、電池の電極を製造する方法。

請求項9

電池の製造のための、請求項1から7のいずれか一項に記載の電極材料の使用。

請求項10

ケイ素粒子、ポリアクリル酸又はその塩、ポリビニルアルコール、セルロース又はセルロース誘導体、ポリアルキレンオキシド、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリオレフィン、ポリイミド、及びエチレン−プロピレン−ジエンターポリマーからなる群から選択される1つ以上のバインダー、および任意に1つ以上の添加剤からなる分散性顆粒の形態の活物質粒子。

技術分野

0001

本発明は、電池用電極材料を処理する方法、分散性顆粒の形態の活物質粒子、及び電池、特にリチウムイオン電池を製造するためのその使用に関する。

背景技術

0002

電池は、例えば、携帯用電子機器の分野、工具用、及び輸送、例えば、自転車又は車両の電気駆動段用で使用される電気化学的エネルギー貯蔵装置である。一次電池二次電池との区別がなされ、充電式電池又は蓄電池という用語もまた後者には使用される。現在、リチウムイオン電池は、最大の重量エネルギー密度及び体積エネルギー密度を有する最も実用的に有用な電気化学的エネルギー貯蔵装置である。

0003

電極材料は、イオンを吸収又は放出することによる電荷用の貯蔵装置として機能できる活物質粒子を含む。グラファイト炭素は現在、充電式リチウムイオン電池の負極(「アノード」)の材料として広く普及している。しかし、欠点は、理論的にはグラファイトグラム当たり372mAh以下の比較的低い電気化学容量(これはリチウム金属を用いて理論的に達成できる電気化学容量のわずか約1/10に相当する)である。この理由から、特に、リチウム合金化する(半)金属の分野で、アノード用の代替材料の研究が長く行われてきた。ケイ素はここでは適切な候補として特定されてきた。ケイ素は、非常に高いリチウム含有量、例えば、Li4.4Siの場合、ケイ素1グラム当たり4200mAhの領域の理論比容量を達成することができる、リチウムとの二元の電気化学的に活性合金を形成する。ケイ素粒子のサイズ及び形状に関して、教示は文献中の様々な説明中にある。例えば、WO2014/202529号は、特にナノサイズの非凝集ケイ素粒子を推奨し、EP1730800号は、ナノサイズの凝集したケイ素粒子を推奨する。例えば、US2003235762号には、1〜10μmの粒径を有する粗ケイ素粒子が電極材料として記載されている。

0004

粉砕法は、適切なサイズの活物質粒子を生成するために非常に一般的である。例えば、WO−A14202529号に記載されているように、乾式粉砕法、及び特により小さい粒子を製造するには湿式粉砕法が用いられる。湿式粉砕液体媒体に分散された粒子を生じる。しかし、このような分散液中で乾燥された生成物を完全に再分散することは困難であるため、再分散後に一次活物質粒子の比較的大きな集塊体(アグロメレート)が存在する。同様の状況は、乾式粉砕によって得られ多粒子にも当てはまる。しかし、集塊体を含む電極コーティングは、そのような場合、特にケイ素粒子の場合に起こる活物質粒子の体積変化のためにますます充電及び放電の間にダメージを受けるおそれのある電池を生じるため、活物質粒子の非常に完全な分散が必要である。これらの粒子と電極材料のさらなる成分との均一なブレンドを達成し、最終的に電極中の粒子の導電性かつ限定された結合を達成するためにも、活物質粒子の非常に完全な分散が望ましい。

0005

実際には、湿式粉砕及び電極製造における異なる液体媒体の使用がそれによって可能になるので、粉末状の活物質粒子もこの理由から電極コーティングの製造に好ましい。異なる溶媒を含む液体調製物を混合する場合、さらに、非相溶性、例えば、配合物成分の凝固が起こる危険性がある。ここで、乾燥した活物質は、集塊体が再分散して再び小粒子を放出することができる限り、複数の活物質粒子から構成された集塊体の形態で完全に存在してもよい。固体形態で存在する活物質粒子の使用は、例えば、配合物の固形分又は液体成分の選択において、電極材料を製造するためのこれらの処理におけるより大きな自由度を利用できるようにする。さらに、乾燥した調製物は一般により貯蔵安定性があり、輸送中及び工業的実践において高い固体含有量を有する懸濁液よりも簡単に取り扱うことができる。

0006

ナノサイズ又はμサイズの粒子の粉末に関連するさらなる問題は、それらが粉塵を形成する傾向があることである。可能であれば、粉塵の発生を避けるべきである。

先行技術

0007

国際公開第2014/202529号
欧州特許出願公開第1730800号明細書
米国特許出願公開第2003/235762号明細書
カナダ特許出願公開第2752844号明細書
中国特許出願公開第103187556号明細書
米国特許出願公開第2014/0162129号明細書
独国特許出願公開第69110438号明細書

発明が解決しようとする課題

0008

この背景に照らして、電池、特にリチウムイオン電池の電極材料のための分散性顆粒の形態の活物質粒子を提供することが、本発明の目的であった。このような分散性顆粒は、それらの一次粒子に非常に完全に再分散でき、電極材料中に非常に均一に分散させることができなければならない。さらに、対応する分散性顆粒は、可能であれば、純粋な活物質粒子よりも粉塵を形成しない傾向を有するべきである。

課題を解決するための手段

0009

この目的は、驚くべきことに、活物質粒子及び分散液を含む混合物バインダーの存在下で乾燥されることによって達成される。このようにして得られた分散性顆粒は、所望の方法で電池の電極材料に組み込むことができ、低減された粉塵の発生挙動を示すこともできる。

0010

ケイ素粒子の乾燥は、炭素被覆ケイ素粒子を製造する方法から知られている。例えば、CA2752844号に記載されているように、ここでは、ケイ素粒子及び特定の炭素前駆体分子分散体が乾燥され、続いて熱分解され、この化学修飾の後にのみ、リチウムイオン電池のアノード材料に組み込まれる。CN103187556号では、ケイ素粒子、ポリマー及びグラファイトの分散体は最初に噴霧乾燥され、続いて熱分解される。特定の形態を有するケイ素粒子を製造するために、US2014/0162129号は、ケイ素、酸化ケイ素金属ケイ素化合物、及び炭素又は炭素前駆体としての特定のポリマーの粒子を含有する分散体を噴霧乾燥することを推奨する。

0011

DE69110438号は、疎水化添加剤としてシリコーンを含み、例えば、噴霧乾燥によって製造される、水不溶性ビニル及び/又はアクリルポリマー水再分散性粉末を記載する。このようなポリマー粉末は、建築業界における水硬性バインダー助剤として使用される。

0012

本発明は、まず、
a)活物質粒子、1つ以上のバインダー、及び1つ以上の分散液を含む混合物が乾燥され、分散性顆粒(活物質顆粒)の形態の活物質粒子を得、
b) 工程a)で得られた分散性顆粒の形態の活物質粒子を1つ以上の溶媒と混合する
ことを特徴とする、電池の電極材料を処理する方法を提供する。

図面の簡単な説明

0013

一例として、2.5重量%のNaCMCを用いてB.4で得られた噴霧乾燥されたケイ素顆粒のSEM画像を示す。
一例として、走査型電子顕微鏡を用いて記録した、実施例B.4の乾燥した電極コーティングを通るイオンビーム断面を示す。
一例として、走査型電子顕微鏡を用いて記録した、実施例B.6の乾燥した電極コーティングを通るイオンビーム断面を示す。
一例として、走査型電子顕微鏡を用いて記録した、実施例B.2の乾燥した電極コーティングを通るイオンビーム断面を示す。
一例として、走査型電子顕微鏡を用いて記録した、比較例V.8の乾燥した電極コーティングを通るイオンビーム断面を示す。

0014

工程a)において乾燥させることによって得られる活物質顆粒は、一般に、活物質粒子の集塊体である。本発明の方法の結果として、集塊体中の活物質粒子は、一般にバインダーで完全に又は部分的に包まれる。したがって、このような活物質顆粒は、一般に、出発物質として使用される活物質粒子よりもかなり大きい。活物質顆粒に溶媒を添加し、任意に付加的な外部エネルギー入力、特に機械的攪拌又は超音波処理等による機械的応力によって、活物質顆粒を製造するのに使用される活物質粒子(一次粒子)に再び放出することができる。

0015

本発明の目的に関し、電極材料は、電気化学的エネルギーを、酸化反応又は還元反応によって電池に貯蔵するか、又は電池から取り出すことを可能にする複数の材料の混合物をベースとする。充電された電池において、酸化電気化学反応の結果としてエネルギーを供給する電極材料は、アノード材料又は負電極材料と呼ばれる。

0017

工程a)における混合物は、好ましくは≦95重量%、より好ましくは≦50重量%、さらにより好ましくは≦35重量%、特に好ましくは≦20重量%、最も好ましくは≦10重量%、特に好ましくは≦5重量%のバインダーを含む。工程a)における混合物は、好ましくは、≧0.05重量%、特に好ましくは≧0.3重量%、最も好ましくは≧1重量%のバインダーを含む。重量%における上記数字は、いずれの場合も工程a)における混合物の乾燥重量に基づく。

0018

乾燥重量という用語は、一般に、組成物の総重量からその中に存在する分散液又は溶媒の重量を差し引いたものに関連する。

0019

分散液としては、有機溶媒及び/又は無機溶媒を用いることができる。2つ以上の分散液の混合物も使用することができる。無機溶媒の例は水である。有機溶媒は、例えば、炭化水素エステル又は好ましくはアルコールである。アルコールは、好ましくは1〜7個、特に好ましくは2〜5個の炭素原子を含有する。アルコールの例は、メタノールエタノールプロパノールブタノール及びベンジルアルコールである。エタノール及び2−プロパノールが好ましい。炭化水素は、好ましくは5〜10個、特に好ましくは6〜8個の炭素原子を含む。炭化水素は、例えば、脂肪族又は芳香族であることができる。炭化水素の例は、トルエン及びヘプタンである。エステルは、一般にカルボン酸アルキルアルコールとのエステル、例えば、酢酸エチルである。分散液は、一般に、室温で液体形態で存在し、好ましくは≦100mPas、特に好ましくは≦10mPasの20℃での粘度を有する。ケイ素が活物質として使用される場合、分散液は好ましくはケイ素に対して不活性又は弱反応性である。

0020

工程a)における混合物は、好ましくは、≧10重量%、より好ましくは≧30重量%、特に好ましくは≧50重量%、最も好ましくは≧80重量%の分散液を含む。工程a)における混合物は、好ましくは、≦99.8重量%、特に好ましくは≦95重量%、最も好ましくは≦90重量%の分散液を含む。重量%における上記数字は、いずれの場合も工程a)における混合物の総重量に基づく。

0021

本発明の目的のための活物質粒子は、一般に、イオンを吸収又は放出することによる電荷の貯蔵装置として機能することができる粒子である。

0022

好ましい活物質粒子は、グラファイト、ケイ素、金属酸化物又は金属リン酸塩をベースとする。金属酸化物の例は、チタン、スズ、コバルトニッケルアルミニウムマンガン又は鉄の酸化物又は混合酸化物である。混合酸化物は、好ましくはニッケル、コバルト、アルミニウム又はマンガンを含む。金属リン酸塩の例はリン酸鉄である。金属リン酸塩又は金属酸化物は、リチウムをさらに含むことができる。ケイ素が特に好ましい。ケイ素を含む活物質粒子が最も好ましい。

0023

活物質粒子は、好ましくは特定のバルク材料特性を有する。バルク材料特性は、例えば、「Federation Europeenne de la Manutention」という国際規格EM2.581に記載されている。規格FEM 2.582では、一般的及び特定のバルク材料特性が分類の観点から定義されている。材料の粘稠度及び状態を記述する特性は、例えば、粒子形状及び粒度分布(FEM 2.581/FEM 2.582:それらの分類及びその象徴化に関するバルク生成物の一般特性(General characteristics of bulk products with regard to their classification and their symbolization))である。

0024

DIN ISO 3435によれば、バルク材料は、粒子の縁の性質に応じて6つの異なる粒子形状に分類することができる。即ち、
I:3次元においてほぼ等しい延長を有する鋭い縁(例えば、立方体);
II:1つが他の2つよりも著しく長い鋭い縁(例えば、プリズムブレード);
III:1つが他の2つよりも著しく小さい鋭い縁(例えば、板、フレーク);
IV:3次元においてほぼ等しい延長を有する丸い縁(例えば、球);
V:一方向において他の2つの方向よりも著しく大きい丸い縁(例えば、円柱、棒);
VI:繊維状、糸状、巻き毛状、もつれている。

0025

工程a)で使用される活物質粒子は、好ましくはDIN ISO 3435に従ってI〜VI、より好ましくはI、II、III又はIV、特に好ましくはI又はIVの粒子形状を有する。

0026

活物質粒子としては、ケイ素粒子が好ましい。ケイ素粒子は、元素ケイ素、酸化ケイ素又は二元、三元又は多元ケイ素−金属合金(例えば、Li、Na、K、Sn、Ca、Co、Ni、Cu、Cr、Ti、Al、Fe)からなることができる。特にリチウムイオン貯蔵容量が有利に高いことから、元素ケイ素が好ましく使用される。

0027

一般に、元素ケイ素とは、少量の異質原子(例えば、B、P、As)を有する高純度ポリシリコン、意図的に異質原子(例えば、B、P、As)でドープされたケイ素、又は元素汚染(例えば、Fe、Al、Ca、Cu、Zr、C)を有する可能性のある冶金学的処理からのケイ素を意味すると理解される。

0028

ケイ素粒子が酸化ケイ素を含む場合、酸化物SiOxの化学量論は好ましくは0<x<1.3の範囲である。ケイ素粒子がより高い化学量論を有する酸化ケイ素を含有する場合、表面上のその層厚は好ましくは10nm未満である。

0029

ケイ素粒子がアルカリ金属Mと合金化する場合、合金MySiの化学量論は、好ましくは0<y<5の範囲にある。ケイ素粒子は、任意に予めリチウム化することができる。ケイ素粒子がリチウムと合金化する場合、合金LizSiの化学量論は、好ましくは0<z<2.2の範囲にある。

0030

≧80モル%のケイ素及び/又は≦20モル%の異質原子、特に非常に好ましくは≦10モル%の異質原子を含有するケイ素粒子が特に好ましい。

0031

ケイ素粒子の表面は、任意に、酸化物層又は他の無機基及び有機基で覆うことができる。特に好ましいケイ素粒子は、表面にSi−OH基又はSi−H基又は共有結合した有機基、例えば、アルコール又はアルケンを有する。ケイ素粒子の表面張力は、例えば、有機基によって制御することができる。したがって、これは、顆粒の製造又は電極コーティングの製造において使用される溶媒又はバインダーに適合させることができる。

0032

工程a)における混合物のケイ素粒子は、乾燥前に、好ましくは0.03〜100.0μm、より好ましくは0.05〜20.0μm、特に好ましくは0.1〜10.0μm、最も好ましくは0.15〜7.0μmの直径d50の中央値を有する体積基準の粒度分布を有する。

0033

体積基準の粒度分布は、ケイ素粒子の分散媒としてエタノール又はイソプロパノールを使用するホリバLA 950測定装置によってフラウンホーファ(Fraunhofer)モデル又はミー(Mie)モデルを使用する静的レーザー光散乱によって決定することができる。

0034

ケイ素粒子は集塊していないことが好ましく、特に凝集していないことが好ましい。

0035

凝集したとは、例えば、ケイ素粒子を製造するための気相法において最初に形成された球状又はほとんど球状の一次粒子が、気相法の反応のさらなる過程において一緒成長し、このようにして凝集体アグリゲート)形成することを意味する。これらの凝集体は、反応のさらなる過程において集塊体を形成し得る。集塊体は、一次粒子又は共有化学結合のない凝集体の集合体である。集塊体は場合によっては混練及び分散法によって再び凝集体に分解することができるが、これはしばしば不可能である。これらの方法では、凝集体を一次粒子に分割することはできないか、部分的にしかできない。凝集体又は集塊体の形態のケイ素粒子の存在は、例えば、従来の走査型電子顕微鏡(SEM)によって可視化することができる。一方、粒度分布を決定するための静的光散乱法は、凝集体又は集塊体を区別することができない。

0036

ケイ素粒子は、好ましくは0.3≦ψ≦1、特に好ましくは0.4≦ψ≦1、最も好ましくは0.5≦ψ≦1の球形度を有する。球形度ψは、物体の実際の表面積に対する同じ体積の球の表面積の比(ワデル(Wadell)によって定義される)。球形度は、例えば、従来のSEM画像から決定することができる。

0037

工程a)の混合物は、好ましくは、≧5重量%、より好ましくは≧50重量%、さらにより好ましくは≧65重量%、特に好ましくは≧80重量%、最も好ましくは≧90重量%、特に好ましくは≧95重量%の活物質粒子を含む。工程a)の混合物は、好ましくは、≦99.95重量%、特に好ましくは≦99.7重量%、最も好ましくは≦99重量%の活物質粒子を含む。重量%における上記数字は、いずれの場合も工程a)の混合物の乾燥重量に基づく。

0038

ケイ素粒子は、例えば、気相堆積法又は好ましくは粉砕法によって製造することができる。

0039

乾式粉砕法又は湿式粉砕法は粉砕法として可能である。ここで、ジェットミル、例えば、対向ジェットミル、又はインパクトミル遊星ボールミル、又は撹拌ボールミルを使用することが好ましい。ジェットミルは、好ましくは、静的又は動的であることができる一体化空気分級機を有するか、又は外部空気分級機を通って循環して操作される。

0040

湿式粉砕は、一般に、有機又は無機の分散媒体を含む懸濁液中で行われる。好ましい分散媒体は、上記の分散液である。

0041

湿式粉砕は、平均直径が、粒径の体積分布に基づいて、粉砕すべき材料の直径の90%パーセンタイルd90の10〜1000倍である粉砕媒体を使用して実施することが好ましい。平均直径が粉砕される材料の出発分布のd90の20〜200倍である粉砕媒体が特に好ましい。

0042

工程a)及び/又は好ましくは工程b)の混合物は、1つ以上の導電性成分及び/又は1つ以上の添加剤をさらに含有することができる。任意に、さらなる量のバインダーを工程b)において添加することができる。

0043

導電性成分の例は、グラファイト粒子導電性カーボンブラックカーボンナノチューブ又は金属粒子、例えば、銅粒子である。明確さのために、導電性成分は、本発明による活物質、特にケイ素を含まないことを述べることができる。

0044

導電性成分は、好ましくは≦1μmの構造を有する。グラファイト粒子は、好ましくは、直径パーセンタイルd10>0.2μm〜d90<200μmの間の体積基準の粒度分布を有する。天然又は合成グラファイトを使用することができる。導電性カーボンブラックの一次粒子は、好ましくは、直径パーセンタイルd10=5nm〜d90=200nmの間に体積基準の粒度分布を有する。導電性カーボンブラックの一次粒子は、鎖状分岐し、μmサイズまでの凝集体を形成することもできる。カーボンナノチューブは、好ましくは0.4〜200nm、特に好ましくは2〜100nm、最も好ましくは5〜30nmの直径を有する。金属粒子は、好ましくは、直径パーセンタイルd10=5nm〜d90=5μmの間、特に好ましくは直径パーセンタイルd10=10nm〜d90=800nmの間にある体積基準の粒度分布を有する。

0045

工程a)の混合物は、好ましくは、導電性成分、特にグラファイトを含まない。

0046

添加剤の例は、細孔形成剤レベリング剤ドーパント、又は電池内の電極の電気化学的安定性を改善する物質である。

0047

工程a)の混合物は、好ましくは、工程a)の混合物の乾燥重量に基づいて、0〜30重量%、特に好ましくは0.01〜15重量%、最も好ましくは0.1〜5重量%の添加剤を含有する。好ましい代替実施形態では、工程a)の混合物は添加剤を含有しない。

0048

工程a)で得られた活物質顆粒は、工程a)で使用される活物質粒子の一次粒子の平均体積の好ましくは少なくとも10倍、特に好ましくは少なくとも50倍である平均体積を有する。

0049

活物質顆粒の平均体積は、好ましくは100mm3未満である。これは、バルク材料としての顆粒の取扱い性に関して有利である。

0050

粒子及び顆粒の平均体積は、粒径のそれぞれの体積分布に基づいて、静的レーザー光散乱を用いて測定された粒子直径の中央値に対する等価球体積から計算される。

0051

活物質顆粒のサイズは、工程a)の乾燥法によって影響され得る。工程a)からの顆粒は、機械的工程技術の従来の方法によって粉砕することもできる。少量の微粉しか生成されない方法が好ましい。例えば、電池電極用の電極インクの製造における顆粒の正確な計量可能性は、顆粒の粒径によって影響され得る。

0052

工程a)で得られた活物質顆粒は、好ましくはDIN ISO 3435に従った粒子形状I、II、III又はIV、特に好ましくは粒子形状I又はIV、非常に特に好ましくは粒子形状IVを有する。

0053

工程a)で得られた活物質顆粒は、一般に、特に活物質がケイ素を含む場合には、炭素で被覆されない。

0054

本発明はさらに、ケイ素粒子、ポリアクリル酸又はその塩、ポリビニルアルコール、セルロース又はセルロース誘導体、ポリアルキレンオキシド、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリオレフィン、ポリイミド及びエチレン−プロピレン−ジエンターポリマーからなる群から選択される1つ以上のバインダー及び任意に1つ以上の添加剤からなる分散性顆粒の形態の活物質粒子を提供する。

0055

これらの組成物及びこれらの組成物に使用される構成成分の量のさらなる実施形態は、本発明による工程a)について上述したものに対応する。

0056

工程a)のための混合物の製造は、混合物の個々の成分を混合することによって行うことができ、特定の手順には限定されない。混合は、従来の混合装置、例えば、ローターステーター機、高エネルギーミル遊星ニーダー、撹拌ボールミル、振動台高速ミキサーローラーミキサー又は超音波装置で行うことができる。例えば、活物質粒子を含む懸濁液は、バインダー及び任意に追加の分散液と混合することができる。バインダーは、好ましくは、分散液に溶解又は分散され、続いて、活物質粒子を含む懸濁液に添加される。代案として、粉砕、特に湿式粉砕の前、間又は後に、活物質粒子を含む懸濁液に、任意に分散液に溶解又は分散したバインダーを添加することができる。

0057

本発明による工程a)における乾燥は、例えば、流動床乾燥、凍結乾燥、熱乾燥、減圧下での乾燥、又は好ましくは噴霧乾燥の手段によって行うことができる。この目的のために慣用プラント及び条件を用いることができる。

0058

乾燥は、周囲空気合成空気酸素中で、又は好ましくは不活性ガス雰囲気中、例えば窒素又はアルゴン雰囲気中で行うことができる。一般に、乾燥は大気圧下又は減圧下で行われる。乾燥は、一般に≦400℃、好ましくは≦200℃、特に好ましくは≦150℃の温度、好ましい実施形態では−50℃〜200℃の温度で行われる。

0059

凍結乾燥は、一般に、乾燥される混合物の凝固点未満の温度、好ましくは−120℃〜0℃、特に好ましくは−20℃〜−60℃の範囲の温度で行われる。圧力は、好ましくは0.005〜0.1mbarの範囲である。

0060

減圧下での乾燥は、好ましくは、40℃〜100℃の温度及び1〜10−3mbarの圧力で行われる。

0061

噴霧乾燥は、例えば、単一流体二流体又は多流体ノズルによって、又は回転ディスクによって噴霧が行われる噴霧乾燥プラントで行うことができる。噴霧乾燥プラントへの乾燥される混合物の流入温度は、好ましくは、乾燥される混合物の沸点以上であり、特に好ましくは、乾燥される混合物の沸点より≧10℃高い。例えば、流入温度は、好ましくは80℃〜200℃、特に好ましくは100℃〜150℃である。流出温度は、好ましくは≧30℃、特に好ましくは≧40℃、最も好ましくは≧50℃である。一般に、流出温度は30℃〜100℃、好ましくは45℃〜90℃の範囲である。噴霧乾燥プラント内の圧力は、好ましくは周囲圧力である。噴霧乾燥プラントでは、噴霧混合物は、好ましくは1〜1000μm、特に好ましくは2〜600μm、最も好ましくは5〜300μmの一次液滴サイズを有する。一次粒子のサイズ、生成物の残留含水率及び生成物の収率は、入口温度ガス流(流量)、及びポンピング速度供給量)、ノズルの選択、アスピレーターの選択、分散液の選択、又は噴霧懸濁液の固形分濃度の設定を介してそれ自体既知の方法で設定することができる。例えば、比較的高い固形分濃度の噴霧懸濁液は、比較的大きな粒径を有する一次粒子を与え、比較的高い噴霧ガス流(流量)は、より小さい粒径をもたらす。

0062

他の乾燥方法では、乾燥は好ましくは0℃〜200℃、特に好ましくは10℃〜180℃、最も好ましくは30℃〜150℃の温度で行われる。他の乾燥方法における圧力は、好ましくは0.5〜1.5barである。乾燥は、例えば、熱い表面、対流又は放射熱との接触によって行うことができる。他の乾燥方法に好ましい乾燥機は、流動床乾燥機スクリュー乾燥機、パドル乾燥機及び押出機である。

0063

工程a)で得られた活物質顆粒は、一般に、本発明による工程b)に直接使用される。工程a)で得られた活物質顆粒は、好ましくは、工程b)を実施する前に、いかなる反応にも供されず、特に熱分解又は炭化に供されない。

0064

一般に、工程b)で得られた分散された活物質粒子の体積基準の粒度分布は、乾燥前に工程a)で使用される活物質粒子の粒度分布に本質的に対応する。

0065

工程b)で得られた分散された活物質粒子は、好ましくは0.03〜100.0μm、より好ましくは0.05〜20.0μm、特に好ましくは0.1〜10.0μm、最も好ましくは0.15〜7.0μmの直径d50の中央値を有する体積基準の粒径分布を有する。

0066

工程b)のための導電性成分として、1つ以上のさらなる導電性成分と任意に組み合わせたグラファイトが好ましい。工程b)における導電性成分の割合は、工程b)の組成物の乾燥重量に基づいて、好ましくは0〜80重量%、特に好ましくは1〜50重量%、最も好ましくは2〜30重量%である。

0067

任意にさらなるバインダーを工程b)において添加することができる。ここで、上記バインダーを使用することができる。工程b)におけるバインダーの割合は、工程b)の組成物の乾燥重量に基づいて、好ましくは0.5〜25重量%、特に好ましくは1〜20重量%である。

0068

工程b)における添加剤の割合は、工程b)の組成物の総重量に基づいて、好ましくは0〜60重量%、特に好ましくは0〜5重量%である。

0069

工程b)の溶媒として、工程a)について述べた分散液を使用することができる。溶媒のさらなる例は、エーテル、例えば、テトラヒドロフランピロリドン、例えば、N−メチルピロリドン又はN−エチルピロリドンアセトンジメチルスルホキシド又はジメチルアセトアミドである。好ましい溶媒は、水、炭化水素、例えば、ヘキサン又はトルエン、テトラヒドロフラン、ピロリドン、例えば、N−メチルピロリドン又はN−エチルピロリドン、アセトン、酢酸エチル、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド又はエタノールである。

0070

工程b)における個々の成分の混合は、特定の手順には限定されず、従来の混合装置、例えば、ローターステーター機、高エネルギーミル、遊星ニーダー、撹拌ボアミル、振動台又は超音波装置内で行うことができる。工程b)における分散は、一般に、外部エネルギー入力、特に顆粒の機械的応力によって助けられる。好ましくは、工程a)で得られた活物質顆粒は、工程b)において、最初に1つ以上の溶媒に分散され、続いて任意のさらなる成分と混合される。さらなる成分は、混合物として使用することができる。工程b)において追加的に加えられるバインダーは、好ましくは、1つ以上の溶媒中の溶液又は分散液の形態で使用される。

0071

本発明はさらに、工程b)で製造された混合物が導電性基材に塗布され、続いて乾燥されることを特徴とする、電池、特にリチウムイオン電池の電極を製造する方法を提供する。

0072

工程b)からの分散された活物質粒子は、好ましくは、本発明による電極材料を使用して製造された乾燥コーティングの厚さよりも小さい直径d90の90%パーセンタイルを有する体積基準の粒度分布を有する。d90は特に好ましくはコーティングの厚さの50%未満であり、d90は特に好ましくはコーティングの厚さの20%未満である。この尺度は、特大の物を実質的に排除するのに役立つ。

0073

本発明はさらに、電池、特にリチウムイオン電池の製造のための本発明により製造された電極材料の使用を提供する。

0074

電池は、一般に、カソードとしての第1の電極と、アノードとしての第2の電極と、2つの電極間に配置されたセパレータとしての膜と、電極上の2つの接続部と、これらの特定された部分を収容するハウジングと、セパレータ及び2つの電極が含浸される電解質とを含む。

0075

リチウムイオン電池の場合、一般にリチウムイオンを含む電解質が使用される。本発明により製造され、活物質粒子としてケイ素粒子を含有する電極は、負極又はアノードとして特に好適に使用される。

0076

本発明による電池は、全ての慣用の形態、例えば、巻かれた形態、折り畳まれた形態又は積み重ねられた形態で製造することができる。

0077

本発明に従って製造された電極材料を使用する対応する電池の製造は、例えば、WO2014/202529号に記載されているように行うことができる。

0078

溶媒中に効率的に分散させることができる貯蔵安定性の活物質顆粒は、本発明による手順によって有利に得ることができる。このような顆粒の使用により、電極インクの処理における溶媒の割合を比較的低く維持することが可能になり、そのことは電極の品質にとって有利である。小さい粒子は、バインダーの存在下で乾燥させることにより、より大きな顆粒に変換される。本発明による顆粒は、取り扱い中に粉塵を形成しないか、粉塵をほとんど形成しない傾向がある。特に、ナノサイズ活物質一次粒子を使用する場合、それによって粉塵形成の安全性の問題が克服される。この理由から、小さい粒子を扱うために必要な追加の安全対策を省くことができ、これらの処理を簡単にすることができる。

0079

工程b)で再分散した粒子及び工程a)での乾燥に使用した粒子(一次粒子)の粒度分布は大部分一致する。したがって、電極の製造に使用される混合物中の集塊体の発生は、本発明による方法を使用する場合に少なくとも大幅に回避することができ、驚くべきことに、追加の特大の物を生じさせない。本発明により製造されたリチウムイオン電池では、これは活物質粒子、特にケイ素粒子が効率的に導電的に結合するのに寄与する。リチウムイオン電池の寿命はまた、集塊体の形成を回避することによって延ばすことができる。リチウムイオン電池の充電及び放電中、ケイ素粒子は体積変化を経験し、特に比較的大きなケイ素集塊体が存在する場合には、体積変化はアノード層へのダメージを引き起こす可能性がある。そのようなダメージは、集塊体の回避によって相殺することができる。リチウムイオン電池の活性は、驚くべきことに、ケイ素粒子の本発明による乾燥によって損なわれない。

0080

以下の実施例は、本発明を説明するのに役立つ。

0081

異なる割合のバインダーと組み合わせて異なるサイズのケイ素から構成される活物質粒子を使用し、異なる乾燥方法(表1参照)を使用して、8つの例の電極材料を製造した。実施例B.2〜B.6は本発明によるものであり、例V.1、V.7及びV.8は比較のために役立つ。

0082

0083

工程a)におけるケイ素顆粒の製造:
本発明による実施例B.2〜B.4では、カルボキシメチルセルロースナトリウム(NaCMC)の1.4%濃度の水溶液171gをいずれの場合も25℃で最初に仕込み、撹拌しながら蒸留水221gで希釈した。続いて、湿式粉砕によって製造され、表1に示す粒径を有する、エタノール中のケイ素粒子の29%分散液329gをいずれの場合も高速ミキサーで攪拌しながら添加した。

0084

本発明による実施例B.5では、NaCMCの1.4%濃度の水溶液35gを25℃で最初に仕込み、撹拌しながら蒸留水32gで希釈した。続いて、高速ミキサーを用いて撹拌しながら、湿式粉砕によって製造され、表1に示す粒径を有する、エタノール中のケイ素粒子の23%分散液86gを添加した。したがって、ポリマーNaCMCの重量割合は、ケイ素+NaCMCの乾燥重量に基づいて、いずれの場合も約2.5重量%であった。

0085

本発明による実施例B.6では、カルボキシメチルセルロースナトリウム(NaCMC)の1.4%濃度の水溶液57gを25℃で最初に仕込み、攪拌しながら蒸留水66gで希釈した。続いて、高速ミキサーを用いて撹拌しながら、湿式粉砕によって製造され、表1に示す粒径を有する、エタノール中のケイ素粒子の22%分散液9gを添加した。したがって、ポリマーNaCMCの重量割合は、ケイ素+NaCMCの乾燥重量に基づいて、約29重量%であった。

0086

このようにして得られた均質な分散液を、下記の乾燥方法を用いて表1に報告したようにケイ素顆粒に変換した。凍結乾燥及び真空乾燥の場合、生成物は塊状物の形態で得られ、その後、乳鉢中で約0.1〜5mmに砕かれた。噴霧乾燥の場合、生成物は2〜15μmの範囲の直径を有する球状顆粒として存在した。実施例B.2〜B.6による本発明による乾燥生成物中の微粉の割合は少なかった。図1は、例として、2.5重量%のNaCMCを用いてB.4で得られた噴霧乾燥されたケイ素顆粒のSEM画像を示す。

0087

比較例V.1、V.7及びV.8は、表1の量に従って、上記の実施例B.2に類似した方法で実施したが、対応する量の水(いずれの場合も171g+221g )をカルボキシメチルセルロースナトリウム溶液の添加の代わりに添加した。

0088

乾燥には以下の3つの方法を用いた。

0089

1.ケイ素粒子分散液の噴霧乾燥
2つの流体ノズル(不活性ループを有するBuchi乾燥機B−290、ノズル150)を有する噴霧乾燥機を使用した。噴霧乾燥機をエタノールでフラッシュした。次いで、ケイ素粒子を含む分散液を導入し、大気圧の窒素雰囲気下で乾燥させた。以下の設定を装置について選択した。即ち、入口温度120℃、出口温度50℃〜60℃。閉回路内の噴霧成分は、ガス流(流量)601L/時、アスピレーター100%、ポンプ速度(供給量)30%を有する窒素であった。乾燥したケイ素顆粒をサイクロン沈殿させた。

0090

2.ケイ素粒子分散液の凍結乾燥
ケイ素粒子分散液をグライナー(Greiner)管に導入し、液体窒素によって周囲圧力で凍結させ、凍結乾燥機マーチンクライスト(Martin Christ)からのモデルAlpha 2−4LD Plus)中で0.005〜0.01mbarの範囲の圧力で2日間凍結乾燥させた。

0091

3.減圧下でのケイ素粒子分散液の熱乾燥(真空乾燥)
ケイ素粒子分散液を、乾燥顆粒が得られるまで攪拌しながら、50℃で3.5×10−2mbarの真空中でシュレンクフラスコ中で乾燥させた。

0092

工程b)におけるケイ素粒子の再分散:
表1の例からの200mgのケイ素顆粒をいずれの場合も9mlの水に量し、超音波装置(Hielscher UIP250、Sonotrode LS2405)を用いて50%出力及びサイクルパラメーター0.5で30分間処理した。粒子を非常に完全に分散させるために、この比較的高い機械的応力を選択した。

0093

次いで、懸濁液中の粒度分布を、測定器ホリバLA950を使用する静的レーザー光散乱によって決定した。下記の電極製造用の溶媒として水を用いて粒子を混合してインクにしたため、測定用の分散液として水を用いた。装置自体は、測定のための懸濁液の最適希釈を示す。

0094

電極コーティングの製造:
実施例B.2〜B.4及び例V.1からのケイ素顆粒3.83gを、いずれの場合も1.4%濃度のカルボキシメチルセルロースナトリウム水溶液19.53gと一緒に25℃でビーカーに入れ、20mmのミキサーディスクブイエムエー・ゲッツマン(VMA−Getzmann)製Dispermat LC30)を有する高速ミキサーを用いて、4500回転/分で5分間、続いて17000rpmで30分間均質化した。

0095

その後、1.37gのグラファイトを3500rpmでSpeedmixer(ハウスチャイルド(Hauschild)のSpeedMixer DAC 150 SP)を用いて撹拌しながら混合した。このようにして得られた混合物を、高速ミキサーを用いて4500rpmで5分間、12000rpmで30分間均質化した。次いで、混合物をSpeedmixer内で3500rpmで5分間脱気した。

0096

実施例B.5、B.6及びV.8からのケイ素顆粒を使用して電極コーティングを製造するために、それぞれの顆粒0.5gを1.4%濃度のNaCMC水溶液14.3g及び導電性カーボンブラックSuper P0.3gと共に25℃でビーカーに入れ、20mmミキサーディスクを用いる高速ミキサーを使用して4500回転/分で5分間、続いて17000回転/分で30分間均質化した。

0097

続いて1.5gのグラファイトをSpeedmixerを用いて3500回転/分で撹拌しながら混合し、均質化し、続いて上記のように脱気した。

0098

このようにして得られたペースト状の電極材料を、0.030mmの厚さを有する銅箔シュレンクメタルフォリーエン(Schlenk Metallfolien)、SE−Cu58)にギャップ高さ0.10mm(エリクセン(Erichsen)、モデル360)を有するフィルム練条機を用いて塗布した。次いで、これらの電極コーティングを乾燥オーブン中で80℃及び周囲圧力で60分間乾燥させた。

0099

図2図5は、一例として、走査型電子顕微鏡を用いて記録した、乾燥した電極コーティングを通るイオンビーム断面を示す。
実施例B.4:図2;実施例B.6:図3;実施例B.2:図4及び比較例V.8:図5

0100

ケイ素粒子(ライトグレー)及びグラファイト粒子(ダークグレー)は、比較例を除き、コーティング中に均一に分布している。図1に示すように、NaCMCを用いて製造されたもともと球状の顆粒は砕けていた。NaCMCを使用せずに製造された生成物のみが、電極コーティングにおいて比較的粗い塊とみなされる(図5参照)。

0101

(実施)例の考察:
本発明による実施例B.2〜B.6では、再分散後の粒径は、出発粒子と実質的に同一である(表1)。静的レーザー光散乱によって決定された出発粒子の90%パーセンタイルd90は、ケイ素粒子の体積基準の粒度分布の中央値d50の約2倍である。これは、NaCMCを含有する全ての再分散した顆粒に対する乾燥方法にかかわらず当てはまるが、比較例V.1及びV.8には当てはまらない。ここで有意により高いd90値は、比較例の粒子が高い機械的応力にもかかわらず完全に再分散できないことを示す。

0102

この差異は、再分散中に顆粒がより少ない応力を受けた場合にさらに顕著である。実施例B.4の場合、静的レーザー光散乱によって決定された粒度分布は、わずか10分間の超音波処理後にd90=2.5μmで実質的に変化しなかったが、比較例V.1の場合、11.6μmという有意により高いd90を有する二分布が見られた。

0103

実施例B.2〜B.6のNaCMCを含むケイ素顆粒は、図2〜4に示すように、電極材料の製造における粒子の機械的応力が表1の粒度分布の測定のための再分散におけるよりも有意に低いが、全ての乾燥方法に対し集塊体のない均質な電極コーティングを与えた。

0104

しかし、比較例V.1及びV.8のようにNaCMCを用いずに凍結乾燥して生成された生成物は、同じ条件下で図5の大きな輝点として見える粗大な集塊体の含有物を有する電極コーティングをもたらした。

実施例

0105

比較例V.7のバインダーを使用せずに噴霧乾燥を試みた場合、噴霧乾燥機のサイクロン内で生成物を沈殿させることができなかった。本発明によるケイ素顆粒は形成されず、この理由から、電極コーティングを製造することについてのさらなる実験は行わなかった。

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