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課題・解決手段

成人肝前駆細胞(HHALPCと称される)の調製物は、種々のヒトドナーから製造され、HHALPC調製物の同定を可能とする細胞表面マーカーを使用することにより特性評価され、及び/又はHHALPC調製物を生産する方法は、細胞療法、特に肝疾患若しくは遺伝性血液凝固障害治療に最も適している。

概要

背景

肝臓は身体のホメオスタシスの調節に重要な臓器であり、多くの生命の維持に必要な代謝経路の部位である。複雑な代謝経路内のたった1つのタンパク質障害も非常に有害となる可能性がある。多くの重要な肝酵素の存在は、実質的に多様な肝疾患リスク発生(risk occurrence)を増加させる。現在の治療、及び長期管理は、十分に効率的とはいえない。同所性移植(OLT:Orthotopic liver transplantation)は非常に侵入的で(intrusive)、不可逆的であり、ドナー移植片不足によって制限され、最先端外科手術を要求する。肝臓細胞移植(LCT)は、肝細胞調製物の質によって短期から中期の有効性を発揮し得るにすぎない。凍結保存に対する忍容性、永久的な生着、肝再生、及び注入された細胞高機能性の更なる改善が主な突破口となるであろう(非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3、非特許文献4)。

この改善は、幹細胞又は前駆細胞の使用、特に種々の生体由来する肝臓組織、及び胎児の又は成人の肝臓組織を使用して文献で同定されている肝前駆細胞の使用によってもたらされ得る(非特許文献5、非特許文献6、非特許文献7、非特許文献8、非特許文献9、非特許文献10、非特許文献11、非特許文献12)。かかる細胞は、in vitroでの肝由来の刺激への曝露の後、及び/又はin vivo投与の後、第I相/第II相酵素活性等の典型的には肝臓の分化に関連する形態学的及び機能的な特徴を有する細胞を提供し得る。

これらの肝前駆細胞又は肝前駆細胞から生成される肝細胞様細胞細胞移植に使用することができ、また、それらの細胞が、薬物代謝、及び薬理学的又は毒性学的なin vitroスクリーニング初代ヒト肝細胞代用物となることから、新薬の開発における薬物試験にも使用することができる(非特許文献13、非特許文献14)。しかしながら、現在、主にin vivoでのそれらの可能性のある治療効果及び結果として生ずる薬学的使用の評価に対してかかる細胞を産生し特性を明らかにするため使用される方法が変化しやすいことから、これまで同定されているどの肝前駆細胞が所与の疾患の治療法又は使用により適切なものであるかを判定することができない。

間葉系の特徴を有する成人肝前駆細胞等の間葉系幹細胞活性、増殖、遊走、生着、免疫原性及び分化は概して、特に、異なるドナー及び/又は生産過程から得られた特定の亜集団を得ることにより、特定の表面タンパク質及びそれらの免疫学的プロファイルに依存する(非特許文献15、非特許文献16、非特許文献17、非特許文献18)。

概要

成人肝前駆細胞(HHALPCと称される)の調製物は、種々のヒトドナーから製造され、HHALPC調製物の同定を可能とする細胞表面マーカーを使用することにより特性評価され、及び/又はHHALPC調製物を生産する方法は、細胞療法、特に肝疾患若しくは遺伝性血液凝固障害の治療に最も適している。なし

目的

上記の実施の形態のいずれかのHHALPCは、GMP細胞培養条件でそれらを継代することによって得られる上に定義されるHHALPCを含む、子孫HHALPCの名のもとで一括してグループ化される追加の単離された細胞集団を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

成人肝前駆細胞であって、前記細胞が、(a)間葉系又は多能性マーカーCD13、CD73、CD90及びCD105、(b)接着マーカーCD29、CD44、CD47、CD49b、CD49c、CD49e及びCD147、(c)テトラスパニンCD9、CD63、CD81及びCD151、並びに、(d)CD98、CD140b及びβ2-ミクログロブリン、に対して陽性と測定されることを特徴とする、成人肝前駆細胞。

請求項2

前記細胞が、(a)接着マーカーCD54、CD164、CD165及びCD166から選択される少なくとも1つのマーカー、及び/又は、(b)CD46、CD55、CD59、及びCD95から選択される少なくとも1つのマーカー、に対して陽性と測定されることを特徴とする、請求項1に記載の細胞。

請求項3

前記細胞が、CD26、CD49a、CD49d、CD58、CD61、CD71、CD142、CD146、CD201、CD340、及びHLA-A/-B/-Cから選択される少なくとも1つのマーカーに対して陽性と測定されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の細胞。

請求項4

前記細胞が、(a)CD26、CD49a、CD49d、CD58、CD61、CD71、CD142、CD146、CD201、CD340、及びHLA-A/-B/-C、及び/又は、(b)CD45、CD117、CD34、及びHLA-DRの1以上、から選択される少なくとも1つのマーカーに対して陰性と測定されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の細胞。

請求項5

前記細胞が、(a)アルブミン、HNF-4、及びCYP3A4から選択される少なくとも1つの肝臓マーカーに対して陽性、(b)ビメンチン、α-平滑筋アクチン(ASMA)から選択される少なくとも1つの間葉系マーカーに対して陽性、並びに、(c)サイトケラチン-19(CK-19)に対して陰性、と更に測定されることを特徴とする、請求項1〜4に記載の細胞。

請求項6

前記細胞が、(a)CD13、CD73、CD90、CD105、CD29、CD44、CD47、CD49b、CD49c、CD49e、CD147、CD9、CD63、CD81、CD151、CD98、CD140b、β2-ミクログロブリン、CD54、CD164、CD165、CD166、CD46、CD55、CD59、CD95、アルブミン、及びビメンチンに対して陽性、並びに、(b)CD45、CD117、CD34、及びHLA-DR、及びサイトケラチン-19に対して陰性、と測定されることを特徴とする、請求項1に記載の細胞。

請求項7

少なくとも60%、又は60%〜99%、又は70%〜90%の請求項1〜6のいずれか一項に記載の細胞を含む、単離された細胞集団

請求項8

前記細胞集団が、肝臓特異的活性提示する細胞へと分化される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の細胞又は細胞集団。

請求項9

前記細胞又は集団が、1以上の化学薬品細胞培養培地増殖因子、及び/又は核酸ベクターによって修飾される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の細胞又は細胞集団。

請求項10

請求項1〜9のいずれか一項に記載の細胞又は細胞集団から単離された生体物質であって、1以上の単離されたタンパク質核酸代謝産物、及び/又は抗原を含む、順化細胞培養培地、タンパク質エキス膜小胞、又はその任意の画分である、生体物質。

請求項11

請求項1〜9のいずれか一項に記載の細胞若しくは細胞集団を含む、又は請求項10に記載の生体物質を含む、組成物

請求項12

肝疾患治療における使用に対する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の細胞若しくは細胞集団、請求項10に記載の生体物質、又は請求項11に記載の組成物。

請求項13

遺伝性血液凝固障害の治療における使用に対する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の細胞若しくは細胞集団、請求項10に記載の生体物質、又は請求項11に記載の組成物。

請求項14

1以上の化合物の有効性、代謝、安定性、及び/又は毒性を評価する方法であって、(a)請求項1〜9のいずれか一項に記載の細胞若しくは細胞集団、請求項10に記載の生体物質、又は請求項11に記載の組成物を準備することと、(b)前記細胞、前記細胞集団、前記組成物、又は前記生体物質を1以上の化合物に曝露することと、(c)前記細胞、前記細胞集団、前記組成物、若しくは前記生体物質に対する前記1以上の化合物の効果の検出すること、及び/又は、前記細胞、前記細胞集団、前記組成物、若しくは前記生体物質への曝露の後に、前記1以上の化合物の存在、局在、若しくは修飾を検出することと、を含む、方法。

請求項15

1以上の化合物の有効性、代謝、安定性及び/又は毒性の評価に対する請求項1〜9のいずれか一項に記載の細胞若しくは細胞集団、請求項10に記載の生体物質、又は請求項11に記載の組成物の使用。

請求項16

請求項1〜9のいずれか一項に記載の細胞若しくは細胞集団、請求項10に記載の生体物質、又は請求項11に記載の組成物を備えるキット

技術分野

0001

本発明は、初代肝臓細胞を使用して生成される成人肝前駆細胞、及び肝疾患遺伝性血液凝固障害医学的管理に対する、又は医学目的の化合物スクリーニングに対するそれらの使用に関する。

背景技術

0002

肝臓は身体のホメオスタシスの調節に重要な臓器であり、多くの生命の維持に必要な代謝経路の部位である。複雑な代謝経路内のたった1つのタンパク質障害も非常に有害となる可能性がある。多くの重要な肝酵素の存在は、実質的に多様な肝疾患のリスク発生(risk occurrence)を増加させる。現在の治療、及び長期管理は、十分に効率的とはいえない。同所性移植(OLT:Orthotopic liver transplantation)は非常に侵入的で(intrusive)、不可逆的であり、ドナー移植片不足によって制限され、最先端外科手術を要求する。肝臓細胞移植(LCT)は、肝細胞調製物の質によって短期から中期の有効性を発揮し得るにすぎない。凍結保存に対する忍容性、永久的な生着、肝再生、及び注入された細胞高機能性の更なる改善が主な突破口となるであろう(非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3、非特許文献4)。

0003

この改善は、幹細胞又は前駆細胞の使用、特に種々の生体由来する肝臓組織、及び胎児の又は成人の肝臓組織を使用して文献で同定されている肝前駆細胞の使用によってもたらされ得る(非特許文献5、非特許文献6、非特許文献7、非特許文献8、非特許文献9、非特許文献10、非特許文献11、非特許文献12)。かかる細胞は、in vitroでの肝由来の刺激への曝露の後、及び/又はin vivo投与の後、第I相/第II相酵素活性等の典型的には肝臓の分化に関連する形態学的及び機能的な特徴を有する細胞を提供し得る。

0004

これらの肝前駆細胞又は肝前駆細胞から生成される肝細胞様細胞細胞移植に使用することができ、また、それらの細胞が、薬物代謝、及び薬理学的又は毒性学的なin vitroスクリーニングで初代ヒト肝細胞代用物となることから、新薬の開発における薬物試験にも使用することができる(非特許文献13、非特許文献14)。しかしながら、現在、主にin vivoでのそれらの可能性のある治療効果及び結果として生ずる薬学的使用の評価に対してかかる細胞を産生し特性を明らかにするため使用される方法が変化しやすいことから、これまで同定されているどの肝前駆細胞が所与の疾患の治療法又は使用により適切なものであるかを判定することができない。

0005

間葉系の特徴を有する成人肝前駆細胞等の間葉系幹細胞活性、増殖、遊走、生着、免疫原性及び分化は概して、特に、異なるドナー及び/又は生産過程から得られた特定の亜集団を得ることにより、特定の表面タンパク質及びそれらの免疫学的プロファイルに依存する(非特許文献15、非特許文献16、非特許文献17、非特許文献18)。

先行技術

0006

Christ B et al., 2015
Berardis S et al., 2015
Forbes S et al., 2015
Ibars E et al., 2016
Schmelzer E et al., 2007
Sahin MB et al., 2008
Azuma H et al., 2003
Herrera MB et al., 2006
Najimi M et al., 2007
Darwiche H and Petersen BE, 2010
Shiojiri N and Nitou M, 2012
Tanaka M and Miyajima A, 2012
Dan YY, 2012
Hook LA, 2012
Berardis S et al., 2014
Sana G et al., 2014
Najar M et al., 2013
Raicevic G et al., 2015

発明が解決しようとする課題

0007

しかしながら、肝臓マーカー間葉系マーカーテトラスパニン接着マーカー、細胞表面受容体、及び他のカテゴリーのマーカーの特定の組み合わせは、薬学的使用に対する細胞培養物、すなわちGMP(Good Manufacturing Practices:医薬品の製造及び品質管理に関する実践規範)条件で産生される異なるヒトドナーに由来する肝前駆細胞(又は肝臓起源間葉系間質細胞)の同定に使用されていない。実際、臨床用途に対する肝前駆細胞の工業生産は、ドナーの選択、細胞生産及び製剤化、及び/又は患者の選択に対するプロセスを通してそれらの品質、また結果的にそれらの効率的な薬学的調製及び使用を特徴づけることを可能とする、追加の確実な基準を同定することを必要とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明は、特定の細胞培養条件が、種々のヒトドナーに由来する特定のマーカープロファイル及び改善された生物学的特徴を有する新規な成人肝前駆細胞集団を得ることを可能とするという観察に基づく。かかる細胞集団を、特に肝疾患、遺伝性血液凝固障害及び他のヒト疾患治療用医薬組成物等の組成物内で使用され得る、GMP条件での細胞系医薬組成物(又は対応する細胞培養物に由来する順化培地)の生産に使用することができる。

0009

これらの細胞調製物は、ADHLSC細胞等の文献で同定された成人肝前駆細胞(非特許文献9、Khuu DN et al., 2011、Scheers I et al., 2012、非特許文献15、Maerckx C et al., 2014)等の非GMP条件下でヒトドナーから単離されるか、或いは生産される先に記載された成人肝前駆細胞集団で同定されたものとは異なると該細胞調製物を特徴づけるマーカープロファイル(特に、細胞表面タンパク質発現及び露出)を有する細胞集団を表す。かかる追加の表面マーカーは、特にそれらの特定が、特定の医薬組成物及びこれらの細胞の使用に関係のあるものを含む生物学的活性の評価と組み合わされる場合、改善された生存率、増殖、保存、及び/又は機能的な特徴を有する薬学的製剤の生産に対する関連基準を提供し得る。

0010

さらにこれらの細胞表面マーカーの幾つかは、(製造に先立って、又はその間に)GMP条件で所望の細胞集団を調製するのに使用されることが検討されるドナーの肝臓細胞を特徴づけるため、又はかかる細胞調製物で治療され得る患者を選択するためのいずれかの関連基準を提供し得る。

0011

本発明の主な実施の形態は、GMP要件のもと薬学的製造プロセスによる細胞集団として提供され得る成人肝前駆細胞(HHALPCと命名される)、また、それらの細胞を含む細胞調製物及び医薬組成物を含む。これらの細胞及び細胞集団は、それらの表面で同定され得るタンパク質マーカーの組み合わせを提示し、特に、上記細胞は、
(a)間葉系又は多能性のマーカーCD13、CD73、CD90、及びCD105、
(b)接着マーカーCD29、CD44、CD47、CD49b、CD49c、CD49e、及びCD147、
(c)テトラスパニンCD9、CD63、CD81、及びCD151、並びに、
(d)CD98、CD140b、及びβ2-ミクログロブリン
に対して陽性と測定される。

0012

これらの細胞集団は、
(a)接着マーカーCD54、CD164、CD165、及びCD166から選択される少なくとも1つのマーカー、及び/又は、
(b)CD46、CD55、CD59及びCD95から選択される少なくとも1つのマーカー、
に対して陽性と測定されることにより更に定義され得る。

0013

この細胞及び関係する細胞集団は、陽性若しくは陰性となり得る一連細胞マーカーにより、ドナー及び/又は製造過程全体に亘って特徴づけられ得る。例えば、細胞は、CD26、CD49a、CD49d、CD58、CD61、CD71、CD142、CD146、CD201、CD340、及びHLA-A/-B/-Cから選択される少なくとも1つのマーカーに対して陽性と測定される。

0014

代替的には、細胞は、
(a)CD26、CD49a、CD49d、CD58、CD61、CD71、CD142、CD146、CD201、CD340、及びHLA-A/-B/-C、及び/又は、
(b)CD45、CD117、CD34、及びHLA-DRの1以上、
から選択される少なくとも1つのマーカーに対して陰性と測定される。

0015

その後、HHALPCは、
(a)アルブミン、HNF-4、及びCYP3A4から選択される少なくとも1つの肝臓マーカーに対して陽性、
(b)ビメンチン、α-平滑筋アクチン(ASMA)から選択される少なくとも1つの間葉系マーカーに対して陽性、
(c)サイトケラチン-19(CK-19)に対して陰性、
を含む、細胞表面上に、細胞内で分泌されている、又はそうでなければHHALPCによって発現されると判断される一連の他のマーカー及び活性に対して陽性と更に測定され得る。

0016

HHALPCは、
(a)CD13、CD73、CD90、CD105、CD29、CD44、CD47、CD49b、CD49c、CD49e、CD147、CD9、CD63、CD81、CD151、CD98、CD140b、β2-ミクログロブリン、CD54、CD164、CD165、CD166、CD46、CD55、CD59、CD95、アルブミン、及びビメンチンに対して陽性、並びに、
(b)CD45、CD117、CD34、及びHLA-DR、及びサイトケラチン-19に対して陰性、
である細胞及び細胞集団等の陽性及び陰性のマーカーに対する上記の実施の形態の任意の機能的及び技術的な組み合わせで特徴づけられ得る。

0017

上記細胞及び細胞集団は、in vitroでの分化の前及び/又は後に(また同様に動物モデル及び/又はヒト被験体における投与の後に)細胞型特異的な特徴、特に肝臓細胞、好ましくは肝細胞の機能的な及び発現の特徴を提示する細胞を含む。かかる肝臓特異的活性として、ヒトCYP450酵素、解毒ビリルビン抱合アルファ-1-アンチトリプシン分泌、アルブミン分泌、血液凝固因子の分泌、胆汁産生トロンボポイエチン産生、アンギオテンシノーゲン産生、アンモニア尿素への変換、コレステロール合成、グリコーゲン分解グリコーゲン生成、及び/又は脂質生成に関係する生物学的活性が挙げられる。

0018

HHALPCは、大多数(例えば、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%)で上に列挙される生物学的活性、マーカー、及び/又は機能的特徴を提示する細胞を含む単離された細胞集団として提供され得る。好ましい実施の形態では、子孫HHALPCは、上に示されるマーカーに対して陽性と測定され、任意に陰性と測定される細胞を少なくとも60%、又は60%〜99%、又は70%〜90%含み、HHALPCの製造及び/又は使用に有用な特徴と関連し得る細胞集団である。

0019

上記の実施の形態のいずれかのHHALPCは、GMP細胞培養条件でそれらを継代することによって得られる上に定義されるHHALPCを含む、子孫HHALPCの名のもとで一括してグループ化される追加の単離された細胞集団を提供するために使用され得る。特に、子孫HHALPCは、所望の用途に必要とされる細胞培養条件でのHHALPCの維持、増殖、及び/又は分化(又は続くヒト若しくは動物モデルでの移植)から生じる。子孫HHALPCは、培養で2回以下、3回以下、4回以下、又は5回以下継代される接着細胞として又は(懸濁物中で、スキャフォルド内で、又は貯蔵、製剤化、及び/又は活性の改善を提示する細胞を提供することを可能とし得る他の構造に含まれる)三次元細胞クラスタを形成するものとして提供され得る。さらに、かかる細胞集団は、in vitro及び/又は(and/or)in vivoで肝臓特異的な生物学的活性を提示する細胞へと更に分化し得る。

0020

また、HHALPC及び子孫HHALPCは、かかる細胞の任意の特性を適切に追加する又は排除することを必要とする任意のin vivo又はin vitroの使用に対して、1以上の化学薬品細胞培養培地増殖因子及び/又は核酸ベクターによって修飾され得る。

0021

HHALPC及び子孫HHALPCを得る方法は、GMP条件にてヒト起源初代肝細胞新鮮又は凍結保存された)を使用して、すなわちヒトにおける細胞療法に求められる設備細胞培養容器及び生体物質によって確立されている。HHALPCを産生する方法の開発は、上に定義されるマーカーの特定の組み合わせに対する陽性(また任意には、陰性)を測定することを含む。その後、HHALPC及び子孫HHALPCの所望の使用に応じて、この方法によって得られる又は得ることが可能な細胞は、接着細胞、細胞懸濁物として、又はそれらを維持するための特定の条件を適用することによって、肝細胞様細胞若しくは肝活性化細胞として、商業的に入手可能な(プレート又はU字型ウェルの形態の)低接着容器を使用して、細胞培養スタックマイクロキャリア若しくはバイオリアクターにおいて細胞の増殖を可能とする細胞培養条件で維持され得て、上に定義されるそれらの機能的な及び/又は抗原の特徴に従って特性を明らかにし得る。

0022

HHALPC又は子孫HHALPCを生成する場合、得られる生体物質は、特定の用途、特にヒト組織においてHHALPCの生着によって利益を得る可能性がある病態を治療するという異なる医学的用途を有し得る生物学的存在(entities)の同定に更に使用され得る。これらの生体物質は、概して、HHALPCのみならず、特異的な特徴を提示する亜集団、細胞株及びその画分(例えば、タンパク質若しくは核酸に基づくマーカー、生物学的活性、及び/又は形態)、またHHALPC又は子孫HHALPCを産生する際に得られる任意の他の存在も含む。本発明の生体物質として、例えば、順化細胞培養培地(例えば細胞培養上清の形態で)、並びに細胞自体を特徴づける他の特徴(例えば細胞表面抗原又は酵素活性)と共に若しくはそれとは別に、医学目的の細胞検出に対するマーカーとして、又は医学目的、特に肝疾患に対する活性若しくは分布を提示する化合物若しくは生物由来物質として同定及び使用され得るタンパク質、代謝産物膜小胞、抗原、及び/又は核酸を含み得るこれらの培地の画分が挙げられる。

0023

HHALPC、子孫HHALPC、HHALPC又は子孫HHALPCを生成する際に得られる生体物質、及びかかる細胞又は生体物質を含む組成物(一括して「HHALPC製品」)は、in vivo又はin vitroのいずれかの多数の方法及び用途に有用となり得る。HHALPCは、国際公開第2007071339号、及びADHLSC細胞に関する、一般に成人肝前駆細胞/幹細胞に関する文献の開示に従って、又は実施例において使用され得る。

0024

HHALPC製品は、疾患(例えば肝疾患)を治療するため、並びにin vivo又はin vitroのいずれかで一旦分化されると、所望の期間に亘って初代肝細胞について観察されるものとできるだけ類似する生物学的特徴(代謝活性若しくは酵素活性、又は抗原プロファイル等)を提示する細胞を必要とする方法及び生物学的アッセイを確立するため使用され得る。好ましいHHALPC製品は、子孫HHALPC、子孫HHALPCを生成する際に得られる生体物質、及び子孫HHALPC又はかかる生体物質のいずれかを含む組成物である。HHALPC製品は、医療用途に対して(すなわち肝臓内脾臓内静脈内、又は関節内の投与に対する細胞治療製品として)製剤化される子孫HHALPC又は子孫HHALPCを含む組成物であることがより好ましい。

0025

特に、HHALPC製品は、例えば、遺伝性血液凝固障害又は肝疾患(先天性肝臓代謝異常、1型2型3型進行性家族性肝内胆汁鬱滞症、アルファ1-抗トリプシン欠乏症、肝細胞トランスポーター欠損ポルフィリン症脂肪肝又は他の線維性肝疾患、原発性胆汁性肝硬変症、硬化性胆管炎、肝臓変性疾患非アルコール性脂肪性肝炎肝線維症、及び慢性肝炎急性増悪等)の治療に対する、かかる細胞を含む医薬組成物の形態で、in vivoでの(ヒト又は動物における、例えば(such as)動物モデルにおける)投与に使用され得る。HHALPC製品は、肝臓細胞によって分泌され、肝臓又は他の組織及び臓器に対して(血液、関節、骨髄脾臓又は腸等において)効果を有するタンパク質と関係する機能に関して、ヒト疾患、特に肝臓内で又は他の組織において酵素、免疫調節、又は他の効果を必要とする疾患を治療するため、それらの製品を含む医薬組成物の形態で提供され得る。

0026

これらの医薬組成物は、治療、投与、使用及び/又は貯蔵の望ましい方法に適切な支持体(例えばマトリクスカプセル、スキャフォルド又はデバイス)及び/又は溶液(例えば、細胞培養培地又はバッファー)と合わせてHHALPC製品として、並びにかかる医薬組成物を提供する好ましい手段にて(例えば、キットで)提供され得る。任意の更なる効果を提供し得る生体起源(例えば、抗体又は増殖因子)又は化学起源(例えば、薬物、防腐化合物、又は標識化合物)の他の薬剤もまた、かかる組成物において組み合わせられ得る。

0027

疾患を予防する及び/又は治療する方法は、それを必要とする被験体に、好ましくは組成物中に含まれるHHALPC又は所与の子孫HHALPC等のHHALPC製品を投与することを含む。特に、それを必要とする患者において疾患(例えば肝疾患)を治療する方法は、有効量のHHALPC製品を該患者に投与することを含む。

0028

HHALPC製品の投与又は治療的使用は、別の製品(例えば、薬物、治療薬、別の細胞型、又は他の生体物質とすることができる)の投与又は使用を含み得る。HHALPC製品は、本明細書に記載される治療方法において使用することができ(又は使用するためのものとすることができ)、ここで、患者には該方法の一部としてかかる別の製品も投与される。他の製品は、同時に又は(任意の順序で)順次にHHALPC製品と組み合わせて、例えば同じ組成物の一部として、又は別々に投与され得る。他の製品は、子孫HHALPC、又は子孫HHALPCから得られた順化細胞培地等の(such as)HHALPC製品の効果と(特に治療効果と)適合性の、相加的な、更には相乗的な効果を有し得る。

0029

また、生物由来物質(タンパク質、核酸、脂質又は糖等(such as))又は化学物質(塩又は金属を含む有機又は無機のもの)等の1以上の外因性成分の有効性、代謝性、安定性、及び/又は毒性を評価するため、HHALPC製品をin vitro研究、特に薬理学的研究に使用することができる。また、このアプローチは、肝臓に特異的なウイルス(例えば肝炎ウイルス)若しくは後に精製され得る、そうでなければ検出され得る寄生生物マラリア及び抗マラリア熱の薬物に関する研究とのつながりで、プラスモジウム(Plasmodium)種のもの等)の感染及び/又は複製を評価することと並んで、HHALPC製品に対する他の細胞(細菌、又は好ましくはヒト起源の他の細胞等)の効果を研究するため使用され得る。

0030

したがって、本発明はまた、in vitro又はin vivoのいずれかにおいて、1以上の外因性成分(すなわち、有機化合物又は無機化合物)の有効性、代謝、安定性、及び/又は毒性を評価する方法であって、
(a)HHALPC製品を準備することと、
(b)上記HHALPC製品を1以上の化合物(化学物質、タンパク質、核酸、脂質、糖、金属、塩、ウイルス、細菌、及び細胞から選択される)に曝露することと、
(c)上記HHALPC製品に対する上記1以上の化合物の効果を検出すること、及び/又は上記HHALPC製品への曝露後の上記1以上の化合物の存在、局在化、若しくは修飾を検出することと、
を含む、方法を提供する。

0031

この一般法は、幾つかの実施の形態では、特定の用途及び/又は技術に当てはまる更なる工程及び特徴を含み得る。例えば、上に定義される工程(c)は、細胞形態に対する、細胞生存率に対する、肝臓特異的若しくは非特異的タンパク質上方制御若しくは下方制御に対する、及び/又はHHALPC製品中のタンパク質の分解、凝集、分泌、内部移行、活性化、若しくは阻害に対する効果を検出することを含み得る。さらに、上に定義される工程(c)は、かかる1以上の化合物のHHALPC製品への内部移行、又はHHALPC製品との物理的な会合を検出することを含み得る。また、HHALPC製品は、工程(a)で非ヒト動物等の動物に提供され得て、その後、1以上の化合物を工程(b)で該動物に投与する。最後に、工程(c)は、上記HHALPC製品若しくは上記動物に対する上記1以上の化合物の効果を検出すること、及び/又はその動物における上記HHALPC製品への曝露の後、上記1以上の化合物の存在、局在化、若しくは修飾を検出することを含む。

0032

また、HHALPC製品を使用する方法は、工程(b)で同時に又は任意の順序で順次に、細胞集団、組成物又は生体物質を、(i)細胞形態、細胞生存率、肝臓特異的若しくは非特異的なタンパク質の上方制御若しくは下方制御の効果を有する、及び/又はHHALPC製品中でタンパク質を分解する、凝集する、活性化する、又は阻害する1以上の化合物、並びに(ii)HHALPC製品中でかかる効果を遮断又は回避することが意図される1以上の化合物に曝露することを含み得る。

0033

幾つかの実施の形態では、この方法は、病原体である化合物、病原体及び/又はそれらの作用を特異的にターゲッティングする候補薬物である更なる化合物に曝露された場合に、病原体の任意の望ましくない作用(例えばウイルス感染症アポトーシス癌化、肝臓特異的活性の減少等)を予防する又は遮断することから、治療特性を有するかどうかを判定するための肝細胞のモデルとして、任意のHHALPC製品、特に子孫HHALPCを使用することが検討される。特に、病原体である上記(i)の化合物は感染性腫瘍原性細胞傷害性遺伝毒性物質を含み、病原体及び/又はそれらの作用を特異的にターゲッティングする候補薬物である上記(ii)の更なる化合物として、タンパク質、核酸、細胞、ウイルス又は化学物質が挙げられる。

0034

また、HHALPC製品は、例えば、HHALPC製品を医療施設へ移動すること、及びHHALPC製品を患者に投与する手段を提供することを含む、上に記載される用途及び適用方法のためにキットでも提供され得る。このキットは、HHALPC製品と、任意に、HHALPC製品及びそれらの活性を使用する及び/又は検出することを可能とする、また同様に任意の関係する追加の化合物を使用する及び/又は検出することに対する更なる因子とを備え得る。このキットは、HHALPC製品(例えば、子孫HHALPC又は子孫HHALPCを含む組成物)を含む1以上のバイアルと、具体的な用途に応じて選択される次の1以上の要素、すなわち装置、使い捨ての材料、溶液、化学製品、生物由来物質、及び/又は上記キットの要素を使用するための指示書とを備え得る。

0035

詳細な説明及び実施例は、細胞、細胞集団、方法、並びにHHALPC及び子孫HHALPCと関連する本発明の更なる実施形態に関して更なる詳細を提供する。

図面の簡単な説明

0036

GMP生産中のHHALPCを特徴づける細胞表面タンパク質の検出の図である。CD44、VLA-2(CD29及びCD49bを含む複合体)、VLA-3(CD29及びCD49cを含む)、及びVLA-5(CD29及びCD49eを含む複合体)等の細胞表面タンパク質は、HHALPCの表面に露出される(A;各パネル中の0でのピークは、アイソタイプ対照抗体のシグナルに対応する)。或いは、CXCR4(CD184)は、細胞透過処理の後にのみ細胞継代培養中にフローサイトメトリーによって検出され、その発現ではなくHHALPCによる急速な内部移行を示唆している。
同上
HHALPC注入の前(ベースライン)及び後の2つの時間点(3ヶ月及び6ヶ月)に異なるHHALPCで治療された、種々の尿素サイクル異常障害を患う患者(各々異なる符号によって識別される)の血漿においてin vivo尿素生成を測定する図である。
血友病Aを患う患者におけるHHALPCの検出及び治療活性の図である。静脈内投与に先立ってHHAPLC(HHALPC)の画分を111In-DTPAで標識化し、体内分布に続いて単光子放射断層撮影SPECT)の画像診断を行った。静脈内投与される標識化HHALPCは、肝臓及び脾臓に集中するとわかる(A)。注入の24時間後、48時間後、72時間後、及び6日後に取得した画像を比較すると、様々な部位におけるHHALPCの相対分布に対するシグナル強度は、で減少し、同時に肝臓で増加することがわかった(B)。第VIII因子消費量を分析すると、患者の第VIII因子ベースライン要求は、注入に先立って投与された2000IUの追加投与量を含めておよそ5000IU/週であった(4回のHHALPC注入レジメンの間のベースラインに加えて)が、患者がその後の15週間において正常な止血に必要とした第VIII因子の量はかなり減少した(C)。
同上
遅発性の症状を伴うオルニチントランスカルバミラーゼ(OTC)欠乏症を患う患者におけるHHALPCの治療活性の図である。細胞治療は、4日の注入日で投与され(注入01〜注入04;1日当たり1回の注入)、注入日と注入日の間に2週間の間隔をおいて8週間の期間に及んだ。注入の期間は2016年2月〜2016年3月の間に完了した。この治療期間の間、注入後1日目及び7日目に、メディカルコントロール(medical control)を行いながら注意深く患者をフォローアップした。注入期間の直後、アンモニア血中レベルは2ヶ月間安定した(A)。また、グルタミン血中レベルもその後数ヶ月で正常化される(B)。
同上

0037

本発明の主な実施形態は、生物学的活性と、HHALPC及び子孫HHALPCの表面上で、任意に細胞内で同定され得る、及び/又は細胞培養培地中に分泌され得るマーカーとの新規な組み合わせを特徴とするHHALPC及び子孫HHALPCを含む。これらの特徴は、形態学的及び機能的な特徴と併せて、かかる細胞を特徴づける陽性(又は陰性)基準を定義する、細胞培養条件でHHALPC及び子孫HHALPCを製造する方法と関連して特定された。特に、かかる方法は、
(a)成人肝臓又はその一部分を解離して、初代肝臓細胞集団を形成することと、
(b)(a)の初代肝臓細胞の調製物を生成することと、
(c)(b)の調製物に含まれる細胞を支持体上で培養し、支持体上に細胞を接着及び成長させ、細胞の集団を出現させることと、
(d)(c)の細胞を少なくとも1回継代することと、
(e)本発明の概要で特定されるマーカーに対して陽性である(d)の継代後に得られる細胞集団を単離することと、
を含む。

0038

上記方法の工程(a)に関し、解離工程は、完全に分化した肝細胞と共に、HHALPCの産生に使用され得る或る量の初代細胞を含む、成人の肝臓又はその一部を得ることを含む。肝臓初代細胞は、成人肝臓から得られるヒト肝臓組織から優先的に単離される。

0039

「肝臓」という用語は、肝臓の臓器を指す。「肝臓の一部」という用語は、一般的には、肝臓臓器の任意の部分に由来する組織試料を指し、起源の肝臓臓器の該部分又は領域の量に関して何らの限定もない。また、肝臓臓器に存在する全ての細胞型が、上記肝臓の一部となり得ることが好ましい。肝臓の一部の量は、少なくとも部分的に、本発明の方法を合理的に実施するのに十分な初代肝臓細胞を得るための要求に対する実際的な検討に従ってもよい。したがって、肝臓の一部は、肝臓臓器の割合(例えば、典型的には重量/重量で少なくとも1%、10%、20%、50%、70%、90%以上)を表し得る。他の非限定的な例では、肝臓の一部は重量によって規定され得る(例えば、少なくとも1 g、10 g、100 g、250 g、500 g以上)。例えば、肝臓の一部は、肝葉、例えば右葉若しくは左葉、又は分割肝臓手術(split liver operation)若しくは肝生検の間に切除される十分な細胞数を含む任意の区域若しくは組織試料であってもよい。

0040

「成人肝臓」という用語は、出生後の、すなわち誕生後、好ましくは正期産後の任意の時点の、例えば誕生後少なくとも1日、1週間、1ヶ月、若しくは1ヶ月超、又は少なくとも1年、5年、10年以上の年齢であってもよい被験体の肝臓を指す。したがって、「成人肝臓」又は成熟した肝臓は、この用語でなければ「乳児」、「子供」、「青年」又は「成人」の従来の用語で記載され得るヒト被験体で見られ得る。肝臓又はその一部は、脊椎動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトを同義的に指す「被験体」又は「ドナー」から得られる。別の実施形態では、成人肝臓又はその一部は、非ヒト動物被験体、好ましくは非ヒト哺乳動物被験体(例えば、齧歯類又はブタ)に由来し得る。

0041

ドナーは、「心肺」基準(循環機能及び呼吸機能の不可逆的停止を含む)又は「脳死」基準(脳幹を含む脳全体の全ての機能の不可逆的停止を含む)等の臨床上承認されている基準によって判定されるように、生存していても死亡していてもよい。採取は、生検、切除又は摘出等の既知の手順を含み得る。生存しているヒトドナーから肝臓組織を採取することは、ドナーの更なる生命の維持と適合性である必要があり得る。肝臓又はその一部は、循環持続、例えば拍動する心臓、及び呼吸機能の持続、例えば呼吸している肺又は人工呼吸を有するドナー、特にヒトドナーから得られてもよい。肝臓の一部のみは、法的及び倫理的な基準によって要求される通り、適切なレベルの正常な肝機能がドナーにおいて維持されるように、典型的には生存しているヒトドナーから(例えば、生検又は切除によって)摘除され得る。

0042

倫理的及び法的な基準を条件として、ドナーは脳死である必要がある、又はそうでなくてもよい場合がある(例えば、ヒトドナーの更なる生存と適合し得ない肝臓全体又はその一部の摘除は、脳死のヒトにおいて許可され得る)。組織が、通常虚血(循環の停止)に起因する実質的な無酸素酸素供給欠く)を経験することがないことから、かかるドナーから肝臓又はその一部を採取することは有利である。採取する際、組織は、人工呼吸がなければ、循環機能及び/又は呼吸機能が停止し得る。これらのドナーに由来する肝臓又はその一部は少なくとも或る程度の無酸素を経験する可能性があり、死体ドナーに由来する肝臓は、例えば、ドナーの循環が停止した後、約1時間、3時間、6時間、12時間、24時間以上のうちに細胞培養条件でHHALPCを得るため使用され得る。

0043

上に示されるように採取される組織(外科的に切除された肝臓試料又は肝生検試料に由来する)は、およそ室温まで、又は室温より低い温度まで冷却され得るが、特にかかる凍結核形成又は氷晶の成長をもたらし得る場合、通常、組織又はその一部の凍結は回避される。例えば、上記組織は約1℃又は約4℃〜室温の任意の温度で維持され得て、有利には約4℃、例えば上で維持され得る。組織は、虚血時間、すなわちドナーにおける循環の停止後の時間の全体又はその一部に亘って冷却され得る。すなわち、組織は、温虚血、冷虚血、又は温虚血と冷虚血の組み合わせに供され得る。採取された組織は、例えば処理の前の最長48時間に亘って、好ましくは24時間未満、例えば、より好ましくは12時間未満(例えば、6時間、3時間、又は1時間未満)に亘ってそのように維持され得る。採取された組織は、有利には、組織の更なる処理の前に、例えば完全に又は少なくとも部分的に好適な培地に浸漬されて維持されてもよいが必ずしもそうでなくてもよく、及び/又は好適な培地で灌流されてもよいが必ずしもそうでなくてもよい。当業者は、処理前の期間中、組織の細胞の生存を支持し得る好適な培地を選択することができる。

0044

本発明の方法は、上に記載される成人肝臓組織を解離して、初代細胞の集団を形成することを含む。本明細書で使用される「解離する(diassociating)」という用語は、一般的には、組織又は臓器に由来する細胞の懸濁物(細胞集団)を得るため、組織又は臓器の細胞の構成を部分的に又は完全に破壊すること、すなわち、組織又は臓器の細胞と細胞成分との結び付きを部分的に又は完全に破壊することを指す。その懸濁液は、2以上の細胞のクラスタ又はクランプを形成するように物理的に付着した細胞と同様に、1個だけ(solitary)又は単一の細胞も含み得る。解離は、細胞生存率の減少をもたらさない、又は可能な限り小さい減少をもたらすことが好ましい。肝臓又はその一部を解離して、そこから初代細胞の集団(懸濁物)を得るのに好適な方法は、当該技術分野でよく知られている任意の方法であってもよく、限定されないが、酵素消化機械的分離濾過遠心分離、及びそれらの組み合わせが挙げられる。特に、肝臓又はその一部を解離する方法は、肝臓細胞を解放する(release:遊離する)ための肝臓組織の酵素消化、及び/又は肝臓細胞を解放するための肝臓組織の機械的な破壊若しくは分離を含み得る。肝生検によって得られる肝臓組織の小さく薄い断片は、酵素的な又は機械的な破壊を伴わずに、下記工程(c)に従って細胞培養物を求めるため直接使用され得る。

0045

上記の肝臓又はその一部を解離する方法は、全肝又は肝区域を用いて該方法を行うために様々に適合され、修飾される、2以上の工程にて幅広く使用されるコラゲナーゼ灌流技術として文献に記載される。肝臓組織は、37℃に予備加熱され、カチオンキレート剤(例えば、EDTA又はEGTA)を含む二価カチオン不含バッファー溶液によって灌流される。バッファー溶液は、塩溶液(例えば、HEPESウィリアムE培地)、又はとりわけ塩化ナトリウム若しくは塩化カリウム等の塩も含み得る任意の他の平衡塩溶液を含んでもよい。これは、細胞を結び付けるデスモソーム構造の破壊をもたらす。その後、組織を、Ca2+及びMg2+等の二価カチオン(複数の場合もある)、及び組織を消化するように作用するマトリクス分解酵素を含むバッファー溶液で灌流する。

0046

初代肝臓細胞は、通常、細胞解離プロセスを完了するため、穏やかな機械的破壊及び/又はフィルタ圧迫して通すことによって解放される。かかるフィルタは、約0.1 mm、0.25 mm、0.50 mm、1 mm以上の細胞を通過させる篩サイズを有し得る。次第により小さな篩サイズを有するフィルタの連続は、徐々に組織を解離し、細胞を開放するために使用され得る。解離された細胞を、灌流プロセスで使用されるコラゲナーゼ及び他の酵素を不活性化するプロテアーゼ阻害剤血清及び/又は血漿を含むバッファーで濯いだ後、低速遠心分離(例えば、10×g〜500×g)によって細胞をペレット化することにより混合物から分離する。全てではなくても、ほとんどの生存細胞がペレット化され得るが、死細胞及び細胞片は実質的に上清中に排除され、その後、細胞懸濁物を精製するため氷冷バッファー溶液で洗浄される。初代肝臓細胞の数及び質は、組織の質、使用される種々の溶液の組成、並びに酵素の種類及び濃度に応じて変化し得る。酵素は、しばしばコラゲナーゼであるが、プロナーゼトリプシンヒアルロニダーゼサーモリシン及びそれらの組み合わせも使用され得る。コラゲナーゼは、精製が不十分な酵素のブレンドからなる場合があり、及び/又はプロテアーゼ活性を示す場合があって、生存細胞の質及び量に影響を及ぼす望ましくない反応を引き起こす可能性があり、これは十分な純度及び質の酵素調製物を選択することによって回避され得る。初代肝臓細胞を採取する他の方法は、酵素消化技術を除外してもよく、スクロースを含む溶液で肝臓を灌流した後の機械的な破壊を含み得る。

0047

上記方法の工程(b)に関して、肝臓組織の解離の後に得られる肝臓初代細胞の調製物は、典型的には肝臓の実質及び/又はその非実質に存在し得る、前駆細胞又は幹細胞を含む任意の肝臓構成細胞型に属する細胞を含む初代肝臓細胞の不均質な集団であってもよい。例示的な肝臓構成細胞型として、細胞培養条件で肝臓組織に存在し得る又はそれに由来し得る幹細胞又は前駆細胞に加えて、肝細胞、胆管細胞、クッパー細胞肝星細胞、及び肝臓内皮細胞が挙げられる。

0048

「肝細胞」という用語は、種々のサイズ又は倍数性(例えば二倍体四倍体八倍体)の肝細胞を含むがこれらに限定されない、上皮性の実質肝細胞を包含する。

0049

「初代細胞」という用語は適切な技術によってかかる外植された組織又は臓器に存在する細胞を解離することによって、被験体の組織又は臓器、例えば肝臓から得られる細胞の懸濁物中に存在する細胞を含む。

0050

本発明の方法は、細胞培養条件で所望の成人肝前駆細胞を得る範囲で、全てではなくても、ほとんどが肝臓細胞型を表す細胞集団から開始し得ることが好ましい。HHALPCを得るための好適な開始細胞集団は、任意の好適な技術を適用することにより、物理的特性(寸法、形態)、生存率、細胞培養条件、又は細胞表面マーカー発現に基づいて、肝臓を解離する方法及び/又は肝細胞及び/又は他の細胞型の初期の調製物を分画又は富化する任意の方法に従って、種々の割合(全細胞の0.1%、1%、10%以上)で肝細胞を含み得る。

0051

肝臓(又はその一部)を解離させることによって本発明で定義され、得られる初代細胞の集団は、新鮮な初代肝臓細胞としてすぐに細胞培養物を樹立するために使用され得るか、又は好ましくはそれらの細胞の長期の保存のための一般的な技術を使用して初代肝臓細胞の凍結保存調製物として貯蔵され得る。実際、凍結保存細胞調製物の使用は、HHALPC及び子孫HHALPCがその後細胞培養物中に産生される効率に対して正の効果を有するようである。これらの試料中の細胞は、成長因子、血清、バッファー溶液、グルコース、アルブミン、エチレングリコール、スクロース、デキストロースDMSO、又は任意の他の凍結保護剤等の他の化合物で補足される、又は補足されない、細胞培養培地中又は細胞若しくは臓器の保存用溶液(例えば、Viaspan、Cryostor、Celsior)中で凍結され得る。各凍結保存調製物は、試料を適切に解凍し、必要に応じて、残留する細胞培養培地又は細胞若しくは臓器の保存用溶液を除去するため、適切なバッファー又は細胞培養培地で細胞を洗浄した後、細胞培養条件でより多くの量のHHALPCを産生し単離する範囲で、1つの凍結保存バイアル又は袋当たり少なくとも103個、104個、105個、106個、107個、108個以上の細胞を含み得る。

0052

上記方法の工程(c)に関して、肝臓初代細胞の調製物(肝生検によって得られる肝臓組織の細胞懸濁物として又はそのフラグメントとして)を、完全合成支持体(例えば、プラスチック製又は任意のポリマー製の物質)、又はフィーダー細胞タンパク質抽出物、若しくは類似する初代細胞を接着及び増殖させ、所望のマーカーを有する成人肝前駆細胞の集団を出現させる生物起源の任意の他の材料で予め被覆された合成支持体上で直接培養することができ、かかるマーカーは、免疫組織化学検査、フローサイトメトリー、又は他の抗体系技術によって好ましくはタンパク質レベルで同定される。

0053

上記基体に付着した初代細胞集団に由来する細胞は、少なくとも2日間以上、好ましくは7日間、少なくとも10日間、又は少なくとも12日間培養されることが好ましい。HHALPCを提供し得る生存可能な初代細胞に対して十分に富化される接着細胞の集団を得るため、初代細胞集団に由来する細胞は、7日間及び12日間培養されることがより好ましい。

0054

「培養する(culturing)」という用語は、細胞培養物における細胞、特にHHALPC及び/又は子孫HHALPCの維持及び/又は成長のための条件を広く指す。細胞が培養され、細胞接着を可能とする(又は、必要な場合には懸濁物中での細胞クラスタの成長を可能とする)支持体、細部培養培地の組成、細胞が蒔かれ、維持される密度、O2及びCO2の濃度等の要素は、以下及び実施例に詳述されるHHALPC及び子孫HHALPCの培養に適合され得る。

0055

「肝前駆細胞」という用語は、肝臓から単離される細胞を培養することによって産生される未分化の(unspecialized)増殖コンピテント(proliferation-competent)細胞を指し、それ又はその子孫が少なくとも1つの比較的より分化した細胞型を生じ得る。肝前駆細胞は、次第により分化した細胞(しかしながら、好ましくは肝細胞又は肝活性化細胞)を産生するため、1以上の系統に沿って分化し得る子孫を生じ、ここで、かかる子孫は、それら自体が前駆細胞である場合があるか、又は更には最終的に(terminally)分化した肝細胞(例えば、完全に分化した細胞、特にヒト肝細胞に類似する形態学的及び機能的な特徴を提示する細胞)を産生し得ることとなる。

0056

HHALPCは、既にこの段階で(すなわち、工程(d)に示される細胞を継代する前に)関連するマーカーを検出することを可能とする技術によって更に特性評価され得て、また下記工程(e)に記載されるように、その後の段階で最初に特性評価された、GMP条件で生成された成人肝前駆細胞である。かかるマーカーを同定し、それらを陽性又は陰性と測定する技術のうち、この工程で利用可能なHHALPCの量が少なくてもタンパク質レベルでのマーカーの検出を可能とすることから、ウェスタンブロット、フローサイトメトリー、免疫細胞化学検査、又は細胞培養培地の分析が好ましい。

0057

HHALPCは、かかる細胞の生存及び/又は成長を促進することができるin vitro環境内で細胞の接着を可能とする基体上に播種される肝臓細胞の初代集団から出現する。この環境は、(例えば、培養培地及び気体の一部又は全ての時々又は連続的な交換によって)培養容器間の連続的又は断続的な他の有用な成分の交換を可能とし得る一方で、該環境(すなわち細胞培養容器)と周囲との間の望ましくない物質の交換を(例えば実験室環境の汚染を回避することにより)防止し得る。

0058

培養容器は、播種された細胞がこの基体に接触して維持される接着細胞培養物となり得るように、様々な形式であるが、細胞接着に適合性の1以上の基体表面を提示する、細胞培養フラスコボトルウェルプレートマルチトレーセルスタック、バイオリアクター及びディッシュであってもよい。一般に、細胞の接着を可能とする基体は、(市販材料のCellBindを使用することによって実施例で示されるように)一般的に、親水性の基体表面を提供するために成形され処理されることによって効果的な細胞付着の可能性を高める、ガラス又は合成ポリマー材料ポリカーボネートポリスチレンポリオルトエステルポリホスファゼンポリホスフェートポリエステルナイロン又はそれらの混合物等)の任意の実質的には親水性の基体であってもよい。表面処理は、表面被覆の形態をとってもよく、又は別の極性基への安定的な吸着を可能とするため水に対する普遍的な親和性を有するか、そうでなければ十分な極性を示すポリマー表面上に化学基を生成することを含んでもよい。これらの官能基は、親水性及び/又は表面酸素の増加をもたらし、そのように改変された基体表面上での細胞成長を増強すると認識される特性である。かかる化学基として、特定の波動周波数(specific wave frequency)に基づく技術で処理することによっても導入され得る、アミン基アミド基カルボニル基カルボン酸基エステル基ヒドロキシル基又はスルフヒドリル基等の基が挙げられ得る。

0059

細胞接着は、好適なマトリクスの層で処理されたプラスチック製表面を被覆することにより促進され得る。コーティングは、好適なポリカチオン(例えば、ポリオミチン(polyomithine)又はポリリジン)、又は好ましくはGMP製造に対して提供され得る細胞外マトリクスの1以上の成分、すなわちラミニン、非線維性/線維性コラーゲン(好ましくはI型コラーゲン)、グリコサミノグリカン(例えばヘパリン又はヘパラン硫酸)、又はフィブロネクチンゼラチンビトロネクチンエラスチンテネイシンアグリカンアグリン硬骨サイアロプロテイン軟骨基質タンパク質、フィブリノゲンムチン、又はカドヘリン若しくはコネキシンを含む細胞接着分子等のタンパク質を単独で又は様々な組み合わせで含み得る。好ましい例として、他の細胞外マトリクス成分を含む、又はそれを含まないコラーゲン組成物が挙げられ得る。代替的には、フラグメントである、そうでなければ上に列挙されるタンパク質に由来する合成ペプチドゲル分子スキャフォルド、及び合成材料及び/又は生体物質から形成される他の三次元構造をこの範囲で使用することができる。

0060

培養系から培地を捨てることにより、任意に接着細胞を1回又は繰り返し洗浄することにより、任意の非接着性物質(例えば、生育不能な細胞又は死細胞、及び細胞片)を培養系から除去する前に、初代細胞懸濁物を該初代肝臓細胞集団が接着性基体に付着するのに十分な時間(例えば、少なくとも2時間、4時間、6時間、12時間、24時間以上)に亘って接着性表面と接触させてもよい。その後、培養系に任意の好適な培地又は等張なバッファー(例えば、PBS)を提供する。それにより、表面に接着した初代肝臓細胞集団に由来する細胞は、更なる培養のため選択され、上記表面1 cm2当たりに播種された細胞の数(例えば、10細胞/cm2〜105細胞/cm2)として表され得る播種密度を評価するため計数され得る。

0061

直接細胞を播種する際又は細胞を洗浄した後の初代細胞の調製物は、細胞の生存及び/又は細胞の成長を支持する液体培地中に維持される。培地は、細胞の導入の前、それと共に、又はその後に上記系に添加され得る。培地は新鮮(すなわち、細胞の培養に以前に使用されていない)であってもよく、培地での肝臓起源の(又は任意の他の起源の)細胞の事前培養によって順化された画分を少なくとも含み得る。特に、上記培地は、文献に記載される肝前駆細胞を培養するための任意の好適な培養培地であってもよく、また、同じ又は異なる特徴(例えば、組成、pH、又は酸化状態)を提示する新鮮な培地と定期的に(例えば、毎時間、3時間毎、12時間毎、24時間毎又はそれ以上で)交換され得る。培地の全容量が変更されてもよく、或いは細胞の先の培養によって順化された培地の画分が保持されるように、培地の一部のみが変更されてもよい。代替的には、培地は、細胞が別の培養容器に移されるまで交換されず、目的のものではない大半の細胞(例えば、肝細胞及び肝臓起源の他の完全に分化した細胞)が剥離され、死滅するように細胞の培養を延長し、単に新鮮な培地を定期的に添加してもよい。

0062

接着性の初代細胞は、GMP要件に従って、ウシ、ヒト、又は他の動物の血清の添加を伴う(又は伴わない)規定の組成培地に基づく接着細胞の成長用の液体培養培地の存在下で培養される。有機化合物又は無機化合物の適切な混合物で補足され得るこれらの培地は、栄養素及び/又は成長促進物質を提供する以外にも、特定の細胞型の成長/接着又は排除/剥離を促進し得る。

0063

基本培地調合物(例えば、アメリカ合衆国培養細胞系統保存機関(American Type Culture Collection)、ATCC又はカリフォルニアカールスバッドのInvitrogenより入手可能)は、本発明において初代細胞を培養するために使用され得て、限定されないが、イーグル最少必須培地MEM)、ダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)、アルファ改変型最少必須培地(アルファ-MEM)、必須基本培地(BME:BasalMedium Essential)、イスコフ改変ダルベッコ培地(IMDM)、BGJb培地、F-12栄養混合物(Ham)、Liebovitz L-15、DMEM/F-12、必須改変型イーグル培地(EMEM:Essential Modified Eagle's Medium)、RPMI-1640、培地199、ウェイマウス(Waymouth's)MB 752/1又はウィリアムズ培地E、並びにそれらの改変物及び/又は組み合わせが挙げられる。培養される細胞に必要な培地及び/又は培地サプリメントの濃度を適合するためのこれらの基本培地の組成及び基準は、一般的に知られている。好ましい基本培地調合物は、成人肝臓細胞のin vitro培養を持続すると報告され、その細胞の適切な成長、増殖、所望のマーカーの維持、及び/又は生物学的活性、又は長期保存に対する増殖因子の混合物を含む、ウィリアム培地E、IMDM、又はDMEM等の商業的に入手可能なものの1つであってもよい。

0064

かかる基本培地調合物は、無機塩(特にNa、K、Mg、Ca、Cl、P、及びおそらくはCu、Fe、Se及びZnを含む塩)、生理学的バッファー(例えば、HEPES、重炭酸塩)、ヌクレオチドヌクレオシド、及び/又は核酸塩基リボースデオキシリボースアミノ酸ビタミン抗酸化剤(例えばグルタチオン)、並びに炭素源(例えばグルコース、ピルビン酸塩)等のそれら自身が既知の哺乳動物細胞の発生に必要な原料を含む。追加のサプリメントは、最適な成長及び増殖のため必要な微量元素及び物質を細胞に供給するために使用され得る。かかるサプリメントとして、インスリントランスフェリンセレン塩、及びそれらの組み合わせが挙げられる。これらの成分は、ハンクス平衡塩類溶液(HBSS)、アールの塩溶液(Earle's Salt Solution)等の塩溶液中に含まれ得る。更なる抗酸化サプリメント、例えばβ-メルカプトエタノールが添加されてもよい。多くの基本培地が既にアミノ酸を含んでいるが、幾つかのアミノ酸、例えば、溶液中の場合それほど安定していないことが知られている、L-グルタミンは後で補足されてもよい。培地は、抗生物質及び/又は抗真菌の化合物、典型的には、ペニシリンストレプトマイシン、及び/又は他の化合物との混合物等で更に補足され得る。最も重要なことは、細胞培養培地は、細胞の生存率及び増殖に必要な細胞性因子及び細胞成分を含み、或る特定の条件下で合成成分によって置き換えられ得る、哺乳動物の血漿又は血清で補足され得る。

0065

従来定義される「血清」と言う用語は、最初に試料中で凝固を起こさせ、その後、適切な技術、典型的に遠心分離によって液体成分(血清)から血液試料のそのように形成された血塊及び細胞成分を分離することによって全血試料から得られる。不活性の触媒、例えばガラスのビーズ又は粉末は凝固を促進し得る。有利には、血清は、哺乳動物に対して不活性な触媒を含む、血清分離容器SST)を使用して調製され得る。

0066

血清又は血漿は、商業的に、初代肝細胞が得られる種と同じ種の生物から得られ得る。ヒトの血清又は血漿は、初代ヒト肝臓細胞の培養に使用され得る。代替的には、培地は、ウシの血清又は血漿、好ましくはウシ胎児(子)の血清又は血漿、より好ましくはウシ胎児(子牛)血清(FCS又はFBS)を含む。培地は、約0.5%〜約40%(体積/体積)、好ましくは約5%〜20%(体積/体積)、例えば約5%〜15%(体積/体積)、例えば約10%(体積/体積)の血清若しくは血漿、又は血清の代用品を含む。ヒト肝臓細胞を培養するための培地は、ヒトの血漿又は血清、好ましくはヒト血清と、ウシの血漿又は血清、好ましくはウシ血清との混合物を含み得る。

0067

貯蔵又は使用に先立って、血漿又は血清は、放射線照射(例えば、ガンマ線照射)され得る、又は熱不活性化され得る。熱不活性化は、主に補体を除去するために使用される。熱不活性化は、典型的には、30分間〜60分間、例えば30分間に亘り56℃で血漿又は血清を十分に混合しながらインキュベートすることを含み、その後、血漿又は血清を徐々に周囲温度まで冷却させる。また任意に、血漿又は血清を、貯蔵又は使用に先立って(例えば、1 μmよりも小さい孔径の1以上のフィルタを通す濾過によって)滅菌され得るか、又は治療的使用に対してヒト細胞を培養するための任意の該当する規制政策に従って処理され得る。

0068

基本培地の(血清又は血漿の添加前の)通常成分、例えば、特に等張生理食塩水、バッファー、無機塩、アミノ酸、炭素源、ビタミン、抗酸化剤、pH指示薬、及び抗生物質は、当該技術分野では増殖因子又は分化因子とはみなされない。一方、血清又は血漿は、1以上のかかる増殖因子を含む可能性がある複雑な組成物である。

0069

本明細書で使用される「増殖因子」という用語は、単独で、又は他の物質によって調節される場合のいずれかで様々な細胞型の増殖、成長、分化、生存、及び/又は遊走に影響を及ぼし、生物において発生、形態学、及び機能変化をもたらし得る、生物学的に活性な物質を指す。増殖因子は、典型的には、リガンドとして細胞に存在する受容体(例えば、表面又は細胞内の受容体)に結合することによって作用し得る。本明細書で増殖因子は、特に、1以上のポリペプチド鎖を含むタンパク質性の存在であってもよい。「増殖因子」と言う用語は、線維芽細胞増殖因子(FGF)ファミリー骨形成タンパク質(BMP)ファミリー、血小板由来増殖因子(PDGF)ファミリー、トランスフォーミング増殖因子ベータ(TGFベータ)ファミリー、神経成長因子(NGF)ファミリー、表皮増殖因子(EGF)ファミリー、インスリン関連増殖因子(insulin related growth factor)(IGF)ファミリー、肝細胞増殖因子HGF)ファミリー、インターロイキン6(IL-6)ファミリー(例えば、オンコスタチンM)、造血増殖因子(HeGF)、血小板由来内皮細胞増殖因子(PD-ECGF)、アンジオポエチン血管内皮細胞増殖因子VEGF)ファミリー、又はグルココルチコイドメンバーを包含する。上記方法がヒト肝臓細胞に対して使用される場合、本発明の方法で使用される増殖因子はヒトの又は組み換えの増殖因子であってもよい。本発明の方法におけるヒトの及び組み換えの増殖因子の使用は、かかる増殖因子が細胞機能に対して望ましい作用を発揮すると予想されることから好ましい。

0070

上記培地は、血清又は血漿と、好ましくは特定の増殖因子がin vitroで培養される細胞に対する作用を誘導し得る濃度の1以上の外因的に添加される上に定義される増殖因子との組み合わせを含み得る。例えば、培地は、EGFとインスリン、又はEGFとデキサメタゾン、又はインスリンとデキサメタゾン、又は各EGFとインスリンとデキサメタゾンとを含み得る。EGFは、典型的には、約0.1 ng/ml〜1 μg/ml、好ましくは1 ng/ml〜100 ng/mlの濃度で、例えば約25 ng/mlで使用されてもよく、インスリンは、典型的には約0.1 μg/ml〜1 mg/ml、好ましくは約1 μg/ml〜100 μg/ml、例えば、約10 μg/mlの濃度でされてもよく、デキサメタゾンは、典型的には、約1 mM〜1 μM、好ましくは約1 nM〜100 nM、例えば約10 nMの濃度で使用されてもよい。特定のGMP製造条件では、EGFは不在であってもよい。

0071

また、ホルモン、例えばD-アルドステロンジエチルスチルベストロール(DES)、デキサメタゾン、インスリン、エストラジオールヒドロコルチゾンプロラクチンプロゲステロンチロトロピン(thyrotropin)、チロキシン、及びL-チロニンも細胞培養で使用され得る。また、肝臓細胞は、トリヨードチロニン(triiodothyronine)、酢酸α-トコフェロール及びグルカゴンと共に培養することで利益を得る場合がある。脂質及び脂質担体も細胞培養培地を補足するために使用され得る。かかる脂質及び担体として、限定されないが、とりわけ、シクロデキストリン、コレステロール、アルブミンに複合化されたリノール酸、アルブミンに複合化されたリノール酸及びオレイン酸、複合化されていないリノール酸、アルブミンに複合化されたリノール酸−オレイン酸−アラキドン酸、アルブミンに複合化されていない及び複合化されたオレイン酸が挙げられる。アルブミンは脂肪酸不含製剤において同様に使用され得る。

0072

実施例に記載されるHHALPCの形態学的な及び表現型の特徴は、初代肝臓細胞の凍結保存調製物が低いコロニー形成率を有する場合のみならず、種々の技術、条件及び/又は材料(例えば、合成ポリマー材料、細胞外マトリクスの成分(複数の場合もある)、細胞培養培地、インキュベーター酸素及び/又はCO2の(of)量、洗浄バッファー等)を選択し、組み合わせることによって初代細胞の不均質な調製物から接着細胞を調製する既知の技術を試験し及び/又は適合させることによっても、かかる細胞を得ることを可能とし得る。特に、これらの他の要素の1以上の組み合わせと共に、(ミリモル又はより低濃度抗酸化化合物を添加することによって得られる)低酸素条件での培養は、より多量に及び/又はより速くHHALPCを得るために適用され得る。

0073

上に定義される初代肝臓細胞のこの培養工程は、培養物中のHHALPCの出現及び増殖に結び付き、HHALPCが十分に増殖するまで継続され得る。例えば、培養は、細胞集団が所定のコンフルエンスの程度(例えば、少なくとも50%、70%、又は少なくとも90%以上コンフルエント)に達するまで継続され得る。本明細書で使用される「コンフルエンス」という用語は、細胞が互いに接触し、実質的に成長に利用可能な全ての表面を覆う(すなわち、完全コンフルエント)培養細胞の密度を指す。

0074

上記方法の工程(d)に関して、初代細胞は、細胞の接着、並びに少なくとも1回の継代の後のHHALPCについて次第に富化される均質な細胞集団の増殖及び出現を持続させる細胞培養培地中で培養される。HHALPCは、細胞倍化を48時間〜72時間以内に得ることができ、少なくとも2継代、3継代、4継代、5継代以上に亘って所望の特性を有する子孫HHALPCを維持しながら、所望の特性(例えば、所与の密度で及び/又は分化状態で、二次元接着細胞又は三次元細胞クラスタとして)を有する子孫HHALPCを得るため、十分な細胞を生成するように容易に増殖され得る。

0075

継代される際、培養細胞は培養基体及び互いから剥離され、解離される。細胞の剥離及び解離は、当該技術分野で一般的に知られているように、例えば、タンパク質分解酵素(例えば、トリプシン、例えばI型、II型III型又はIV型のコラゲナーゼ、ディスパーゼ、プロナーゼ、パパイン等から選択される)による酵素処理二価イオンキレート剤(例えば、EDTA又はEGTA)による処理、若しくは機械的処理(例えば、小孔(small pore)のピペット又はピペットチップを通すピペッティングの繰り返し)、又はこれらの処理の任意の組み合わせによって行われ得る。

0076

細胞の剥離及び分散の好適な方法は、培養物中の大部分の細胞を保存しながら、所望の程度の細胞の剥離及び分散を確実にするものとする。培養細胞の剥離及び解離は、単一の生存可能な細胞としてかなりの割合の細胞(例えば、少なくとも50%、70%、90%以上の細胞)を生じ得ることが好ましい。残りの細胞は、細胞クラスタに存在し得て、各々比較的少数の細胞を含む(例えば、平均で1個〜100個の細胞)。

0077

次に、そのように剥離され解離された細胞(典型的には等張バッファー又は培地中の細胞懸濁物として)は、細胞の接着を可能とする基体に再播種され得て、その後、上に記載されるように、HHALPC及び子孫HHALPCの更なる増殖を持続させる培地中で培養される。その後、これらの細胞は、10細胞/cm2〜105細胞/cm2の密度で、分割比約1/16〜1/2、好ましくは約1/8〜1/2、より好ましくは約1/4〜1/2で再播種することにより培養され得る。分割比は、細胞が得られた容器と同じ表面積の空の(典型的には新しい)培養容器に蒔かれる継代細胞の割合を意味する。細胞を培養容器に接着させる表面、及び細胞培養培地と並んで、培養容器の種類は、最初に使用されたもの、及び上に記載されるものと同じであってもよく、又は異なってもよい。細胞は、CellBind又は細胞外マトリクスタンパク質(コラーゲン等、好ましくはI型コラーゲン)又はGMP条件で許容可能な合成ペプチドで被覆された任意の他の適切な支持体上で維持されることが好ましい。

0078

上記工程(e)に関して、HHALPCの集団の単離は、列挙されるマーカーに対して陽性である細胞に適用され、更に上の工程(c)でHHALPCを最初に同定するが、継代後に利用可能なより多量の細胞を考慮すればより容易に確立され得る基準を更に検証する。

0079

「単離する(isolating)」又は「単離」という用語は、細胞培養物の調査に基づく及び基準に対応する細胞の特性評価(また可能な場合及び望ましい場合物理的な分離)に基づく、又は抗原の有無及び/又は細胞サイズFACS等による)による自動化された細胞の選別のいずれかの適切な細胞生物学の技術を適用することによって行われ得る、細胞培養物又は生体試料からの細胞集団の物理的同定と単離の両方を指す。幾つかの実施形態では、「単離する」又は「単離」と言う用語は、特にフローサイトメトリーを実施することによる細胞の物理的分離及び/又は定量の更なる工程を含み得る。

0080

「細胞集団」及び「細胞の集団」という用語は、一般的には、一群の細胞を指す。別段の指示がない限り、上記用語は、本明細書に定義される細胞から本質的になる、又はそれを含む細胞群を指す。細胞集団は、共通する表現型を有する細胞から本質的になってもよく、又は少なくとも共通する表現型を有する細胞の画分を含み得る。細胞は、これらに限定されないが、形態学的外観、或る特定の細胞成分又は生成物(例えばRNA又はタンパク質)の発現レベル、特定の生化学経路の活性、増殖能力及び/又は速度論、分化可能性及び/又は分化シグナルに対する反応、又はin vitro培養の間の挙動(例えば、接着又は単層成長(monolayergrowth))を含む1以上の証明可能な特徴において、細胞が実質的に類似又は同一である場合、共通の表現型を有すると言われる。したがって、かかる証明可能な性質は、細胞集団又はその画分を定義し得る。細胞集団は、細胞の実質的に大部分が共通の表現型を有する場合、「実質的に均質」となり得る。「実質的に均質な」細胞集団は、少なくとも60%、例えば少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は更には少なくとも99%のHHALPCに対して(又は子孫HHALPCに対して)特異的に言及される表現型等の共通の表現型を有する細胞を含み得る。さらに、細胞集団は、集団中に存在する任意の他の細胞が細胞集団全体の特性を変更しない、又はそれに対して重大な影響を有しない場合、HHALPCの表現型等の共通する表現型を有する細胞(すなわち、子孫HHALPC)から本質的になり得て、それが細胞株として定義され得る。

0081

一般に、特定の細胞型に対する(例えば、間葉系、肝臓、造血、上皮内皮のマーカー)、又は文献に公開される特異的な局在を有する(例えば、細胞内、細胞表面、又は分泌される)細胞マーカーを同定し、特性評価する任意の技術は、HHALPC及び子孫HHALPCの特性評価に適切とみなされ得る。かかる技術は、分析の間、細胞保全を維持することを可能とするもの、及びかかる細胞を使用して生成される抽出物(タンパク質、核酸、膜等を含む)に基づくものの2つのカテゴリーに分類され得る。実施例は、例えば、それらの特有の特徴及び生物学的活性を判断するため、他の肝前駆細胞又は成人肝臓初代細胞を用いるより詳細な比較分析を行う前に細胞表面抗原の存在の分析を行うことによって、どのようにしてかかる技術がHHALPC及び子孫HHALPCの特性評価に使用されてきたかに関するデータを含む。

0082

タンパク質レベルでは、フローサイトメトリー又は免疫細胞化学検査等の技術は、抗体又は他のタンパク質特異的試薬を使用することによってHHALPC中の表面又は細胞内のタンパク質の有無を判定することを可能とする。フローサイトメトリーは、単染色又は多重染色の技術、及び/又はサイズ及び粒度の評価によって特定される、表面又は細胞内のマーカーの有無の組み合わせに従って、細胞集団を特性評価するための好ましい技術である。また、免疫細胞化学検査は、表面、細胞骨格、及び/又は他の細胞内のマーカーの有無の組み合わせと関連する形態学的特徴に関する情報を提供する。

0083

特に、少なくとも1つの間葉系マーカー、1つの接着マーカー、1つのテトラスパニン、CD98、CD140b、及びβ2-ミクログロブリンから選択される1つのマーカー、並びに少なくとも1つの肝臓マーカーの存在は、フローサイトメトリー、免疫細胞化学検査、又は受容体を提示する細胞の割合を評価することを可能とする任意の他の技術(一般的には、抗体、レクチン、又は他のタンパク質を利用し、タンパク質又は核酸の抽出を必要としない)によって測定されなければならない。肝臓又は間葉系の特徴と厳密に関連するもの以外の追加の細胞表面マーカーに対する陽性(実施例において言及される陽性マーカー等)も同様に測定され得る。フローサイトメトリー及び免疫細胞化学検査による陽性は、本明細書では、(実施例に示されるように)少なくとも60%の細胞が所望のマーカー又は受容体を提示する場合に定義される。同様に、フローサイトメトリー及び免疫細胞化学検査による陰性は、本明細書では、(実施例に示されるように)20%未満の細胞が所与のマーカー又は受容体を提示する場合に定義される。幾つかの実施形態では、10%未満の細胞が所与の陰性マーカーを提示する。細胞表面マーカーを指す場合、陽性は透過処理されていない細胞において測定されることが好ましい。

0084

幾つかの実施形態では所与のマーカーを測定する場合、上に定義されるマーカー又は細胞表面タンパク質の検出に使用される薬剤は、固相(例えば、ビーズ、プレート、又は生体材料)上に固定化され、標識化され(例えば、蛍光標識化され)、及び/又は標識化される別の化合物(例えば、二次抗体)によって認識される。標識が、外部手段によって、例えば望ましくは外観検査によって、又は電磁放射線、熱、及び化学試薬によって検出可能なシグナルを生じることができる多数の方法が存在する。また、標識又は他のシグナルを生じるシステムの構成要素は、化学的架橋等の当該技術分野で既知の任意の方法を使用して、又はビオチンストレプトアビジン系を使用して、特定の結合パートナー、すなわち別の分子に、又はビーズ等の支持体に結合され得る。標識は、直接シグナルを生じることができることから、シグナルを生じるための追加の成分は必要ではない。多数の有機分子、例えば、蛍光色素FITC、PE、PC5、PC7、APC、又はフローサイトメトリーと適合することが知られている任意の他のもの等)は、紫外線及び可視光を吸収する。他の種類の標識は、放射性同位体及び色素等のシグナルを直接生じる。代替的には標識は、シグナルを生じるために他の成分を必要とし得て、そうしてシグナル生成システムは、基質補酵素金属イオン、又は酵素生成物と反応する物質(例えば、ホースラディッシュペルオキシダーゼ化学発光検出)を含み得る、測定可能なシグナルを生じるのに必要な全ての構成成分を含む。

0085

HHALPCの肝臓特異的代謝活性は、一般的に肝臓細胞(また特に肝細胞)と関連する生物学的活性を含み、他の組織に存在する細胞から肝臓細胞を識別し、特に、文献及び実施例に記載されるタンパク質又は他の基質の結合、活性化、及び/又は分解に関わる活性を含む生物学的活性を含む。これらの生物学的活性は、タンパク質/薬物結合活性となり得る肝臓特異的代謝活性、より好ましくは所与の基質に対する酵素活性、若しくはブロッティング技術(ウェスタンブロット又はノーザンブロット)、シーケンシング電点分画電気泳動法ELISAによって検出される肝臓特異的分子と関連する酵素活性の検出、又は肝臓細胞内で特異的に輸送され代謝されることが知られている合成若しくは天然の化合物の内部移行の検出に基づいて確立される。肝臓の特徴に厳密に関連するもの以外の他の関連する酵素活性も同様に測定され得て、文献に記載される技術を使用して肝細胞又は他の細胞型において測定されるものと比較され得る。代替のアプローチ及び使用に応じて、内皮(例えば、このバリアを通過して組織へ到達することと関連して)又は血液(例えば、凝固と関連して)に関係する活性は、in vitroで、又は適切なin vivoモデルで測定され得る。

0086

核酸レベルでは、全ゲノムシーケンシング、PCR、又はRT-qPCRを使用して、HHALPC又は子孫HHALPCを特性評価することができる。これにより、サイクル数に基づき、1以上の内因性対照について得られるサイクルに対して正規化して、リアルタイムPCRを調査中遺伝子発現を定量するために使用することができる。特に、RT-PCR反応は、HHALPC及び適切なプライマー及びバッファーを使用して行われ得るが、シグナルを得るためのサイクル数は25サイクル、30サイクル、又は35サイクルを上回るべきではない。

0087

活性レベルでは、肝臓特異的代謝活性の存在は、CYP450活性、解毒、グリコーゲン貯蔵、アルファ-1-アンチトリプシン又はアルブミンの分泌、胆汁産生、トロンボポイエチン産生、アンギオテンシノーゲン産生、アンモニアの尿素への変換、コレステロール合成、グリコーゲン分解、グリコーゲン生成、及び脂質生成の測定に対して(文献の支持により容易にそれを確立することができ、商業的に入手可能な製品であってもよいことから)特定の最終生成物の所与の検出限界を有する、肝臓特異的酵素の活性の存在及び/又はそのレベルを評価することを可能とするが、好ましくは実際の酵素活性をin vitroで定量することを可能とすべきである任意の適切な技術によって測定され得る。特に、少なくとも肝臓特異的代謝活性に対する陽性は、本明細書では、その活性が最終生成物の検出限界を統計学的に上回っている(検出限界よりも少なくとも2倍、5倍、又は10倍多い)、又は初代肝細胞の活性レベルに接近している(上回る、同一の、又は最大で10%、最大で25%、最大で50%、最大で75%、若しくは最大で90%低い)と測定される場合に定義される。

0088

文献は、in vitroでのヒト肝細胞におけるシトクロムP450の活性を評価するための技術、特に、特異的に酵素活性を誘導する化合物、及びこれらの実験を行うため使用され得るフォーマットの幅広い記載を提供する(Gerets HH et al., 2012、Gomez-Lechon MJ etal., 2012)。種々の誘導物質のうち、これらの細胞における薬物代謝は、ミダゾラムエトキシレゾルフィンベンゾキシレゾルフィン(benzoxyresorufin)、ブプロピオンフェナセチンジクロフェナクトルブタミドフェノバルビタールリファンピシンカフェイン、ベータ−ナフトフラボンオメプラゾールデキストロメトルファン3-メチルコラントレンレパグリニド、又は文献(Bale S et al., 2014)に列挙されるプローブとしての他の既知の細胞/肝細胞傷害性化合物を使用して判断され得る。代謝産物の検出及び定量は、CYP1A2(パラキサンチン又はアセトアミノフェンの検出による)、CYP3A4(1-OHミダゾラム又はオメプラゾールスルホンの検出による)、CYP2C6(HO-ブプロピオンの検出による)、CYP2C9(4'HO-ジクロフェナクの検出による)、また同様にCYP1A2、CYP3A5、CYP3A7又はCYP7A1等の他の主要なシトクロムP450活性(単独で(singularly)又は適切な組み合わせで)等の特定の化合物に対する肝酵素の活性と関連づけることができる。

0089

発現又は(好ましくは)活性がHHALPC及び子孫HHALPCにおいて確立され得る他の酵素は、UDP-グルクロノシルトランスフェラーゼ(UGT1A1、UGT2B4、UGT2B7等)、スルホトランスフェラーゼ(幾つかの薬理学的に重要な内因性分子と生体異物硫酸抱合体を触媒する)、チロシントランスフェラーゼトリプトファン-2,3-ジオキシゲナーゼ(TD02又はTDO)、インドールアミン-2,3-ジオキシゲナーゼ(IDO1又はID02)、リシルオキシダーゼ(LOX)、グルタチオンS-トランスフェラーゼ(例えばGSTアルファ)、多剤耐性タンパク質(MDR又はMRP-1/-2/-3)、肝臓特異的トランスポーター(OATP1B1等)、及び他の第I相/第II相/第III相生体内変換酵素である。さらに、アルブミン/尿素産生及び分泌、アンモニア代謝、グリコーゲン貯蔵、胆汁産生、トロンボポイエチン/アンギオテンシノーゲン産生、及びガラクトースソルビトールの排出速度もまた、十分確立したプロトコルの適用により測定され比較され得る。

0090

HHALPCの調製物が本発明の方法によって得られる場合、この細胞集団は、分化せずに成長し倍化することを可能とする条件で維持され及び/又は増殖され得る。HHALPCは、更なるin vivo又はinvitroでの使用のため、細胞倍化の数が最適な条件を確立するために評価され得るように、培養において、未分化接着細胞として、2回以下、3回以下、4回以下、又は5回以下(no more than)で継代されることが好ましい。この状態での1回以上の継代の後、HHALPCは、肝細胞様細胞又は肝活性化細胞への分化が誘導され得る。いずれの場合も、得られる細胞は子孫HHALPCを提示する。第1の場合では、未分化の子孫HHALPCとしてHHALPCを維持するための条件は、利用可能な細胞の数を増加する目的でHHALPCの本来の集団を得るために使用されるものと同じであってもよい。

0091

本発明の方法の工程(e)の後、任意の更なる工程(f)は、肝臓特異的活性を提示し、例えば肝細胞様細胞又は肝活性化細胞(すなわち、全てではないが、ほとんどの間葉系マーカーに対してそれらの陽性を失い、全てではないが、ほとんどの肝細胞の形態学的、生物学的、及び機能的な特徴に対して陽性である成人肝前駆細胞)である細胞へと分化させる細胞培養条件にHHALPCを維持することを含み得る。代替的には、子孫HHALPCは、特定のGMP製造プロセス、製剤、投与部位、又はin vivoでの他の化合物の同時使用と関係する肝臓及び他の組織特異的な特徴の組み合わせを提示する。これらの特性は、特に、ADHLSCに関する文献(非特許文献15、非特許文献16、非特許文献18)に記載される細胞表面に発現される又は分泌される免疫調節性の特徴を有するタンパク質に関係し得る。

0092

追加の継代(例えば、細胞の剥離及び分散、再播種等)及び培養(例えば、コンフルエンスの後の培地の添加又は交換等)は、上に記載される第1の継代と実質的に同一若しくは類似する条件、又は文献において及び/又はHHALPC又は子孫HHALPCの特定の使用に対して示唆され得る修飾を含む条件で行われ得る。したがって、細胞培養物中でHHALPC又は子孫HHALPCを維持する及び/又は分化させるための条件は、肝細胞様細胞又は肝活性化細胞への分化のタイミング/培地、細胞懸濁液として三次元の細胞培養物を維持するためのシステム、特定の基質若しくはスキャフォルドの使用、低酸素症、細胞培養培地内の増殖因子及び化学物質の併用若しくは順次の添加、又は細胞密度等の種々の基準に従って更に最適化され得る。

0093

かかる後の継代の間、子孫HHALPCの活性及び全体的な表現型は、特に、例えばシアリルルイスX基又はペプチドを付加することによって細胞の生着を改善する(Sarkar D et al., 2011、Wan X et al., 2013、Cheng H et al., 2012)ための遺伝子操作を行わずに曝露された細胞表面タンパク質及び/又はin vitroでのそれらのグリコシル化のレベルで細胞を操作することによって最終の貯蔵、製剤、及び/又は使用機能に対して更に適合及び/又は改善され得る。また、子孫HHALPCは、幾つかの特性が、例えば、細胞のより穏やかな放出を可能にする熱感受性ポリマー又は他の支持体上で培養することによってより良好に維持されるように、最終段階(使用又は貯蔵の直前)において特定の条件で培養され得る(Nash M et al., 2013、You J et al., 2013、Nagase K et al., 2015)。in vivo活性である細胞の生着を改善し得る、又はアポトーシスを減少し得る細胞培養培地の更なる修飾(抗酸化剤を含む低酸素条件下での培養、又はサイトカイン若しくはリコピン等の他の化合物の添加等)は、文献(Kavanagh D et al., 2014、Kim JY et al., 2015、Zeng W et al., 2015)に従って予備処理として適用され得る。

0094

本発明の方法は、先に記載される成人前駆肝臓細胞において同定されたものと異なる、形態学的な、タンパク質発現の、及び機能的な特徴を提示するHHALPCを提供する。結果的に、上に定義される方法によって得られる又は得ることが可能なHHALPCは、本発明の更なる実施形態を表す。これらの方法は、高い割合(少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%以上)の特定の細胞を含む細胞集団を提供することを可能とし、更なる生物学的活性を評価することを伴って若しくはそれを伴わずに、任意の適切な標準的方法、例えばフローサイトメトリー又は任意の他の免疫染色アプローチによって評価され得る実質的に均質な細胞集団さえも生じさせる。

0095

HHALPC及び子孫HHALPCは、任意の即時使用に対する又は凍結保存された調製物として貯蔵される細胞培養物を樹立するために使用することができ、各々少なくとも103個、106個及び109個以上の細胞含み、調製物を適切に解凍した後、必要に応じて、HHALPC及び子孫HHALPCを工業規模で生産するため(例えば、バイオリアクター、メンブレンミクロスフェアマイクロ流体技術、又は所望の細胞特性を維持しながら、バイオプロセッシング(bioprocessing)及び細胞増殖を改善するための任意の他の技術的解決策を使用して)、より多い量のHHALPC又は子孫HHALPCを生産する又は使用することを目的とする。HHALPC及び子孫HHALPCのいずれかに対応する細胞集団の試料は、血清含有又は血清不含保存培地(例えば、商業的に入手可能な凍結保存製剤)中に、及び/又は凍結保護剤(例えば、適切な濃度のジメチルスルホキシド)の存在下で凍結保存され得る。子孫HHALPCは、安全性試験病態生理学的研究、並びに薬物開発及び毒性学に対する他の細胞系マイクロ流体肝臓モデルにおいて、生体機能チップ(organ-on-a-chip)の適用に対して開発される市販のシステムと適合し得る(Alepee N et al., 2014、LinC et al., 2015)。

0096

特に、所定数の細胞(例えば50000個、100000個、500000個、100万個、1000万個、1億個、10億個以上の細胞)を含むHHALPC及び子孫HHALPCの調製物は、1以上のバイアル中に提供され得て、その後かかるバイアル(又はマイクロ流体技術用途に使用されるもの等の他の適切な容器又はコンテナ)を備えるキットに含まれ得て、その後かかるバイアル、容器、マイクロ流体技術装置、及び任意の他の適切なデバイス、使い捨て材料(例えば、フィルターシリンジ)、溶液(例えば、PBS、細胞培養培地、希釈剤)、化学物質(例えば、酵素基質、蛍光色素、薬物)、生物由来物質(例えば、増殖因子、抗体、プライマー)、及び/又は、適切に包装され、結果的に、in vivoで(例えば、患者又は動物への投与のため)又はin vitroで(例えば、候補薬物として化合物の毒性又は有効性を試験するため)HHALPC及び子孫HHALPCを使用するため顧客に送付され得るかかるキットの構成要素を使用するための指示書を備えるキットに含まれ得る。

0097

細胞培養条件(又は動物モデル又は患者における移植の後)におけるHHALPC及び子孫HHALPCの維持、増殖、及び/又は分化は、所望の使用に対して必要に応じて行われ得る。文献は、肝前駆細胞を維持する、及び/又は肝前駆細胞から肝細胞様細胞若しくは肝活性化細胞を生成するための幾つかのプロトコルを提供する。実施例は、細胞培養条件でHHALPC及び子孫HHALPCを得るため、及び接着細胞の形態で又は三次元の細胞クラスタとして肝臓特異的活性を提示する細胞へと分化させるための手段を提供する。

0098

この後者の場合、HHALPC及び子孫HHALPCは、文献によると、肝臓内又は肝臓外で投与される、化合物の肝毒性を試験するため使用される、凍結保存調製物として維持される、製造プロセスを拡大するためバイオリアクター若しくはマルチトレースタックで増殖される、又は肝臓アシスト装置で使用される場合に、細胞に対して生存率及び機能性における著しい改善を提供し得る、肝臓のスフェロイド又はオルガノイドに類似する三次元細胞クラスタとして所望の用途に対して提供され得る(Ebrahimkhani M et al., 2014、Lancaster MA etal., 2014、Massie I et al., 2011)。また、HHALPC及び子孫HHALPCは、合成の又は生物学的なマトリクス中に細胞を封入することにより得られてもよい。特に、肝臓の脱細胞化されたスキャフォルド又は細胞外マトリクスは、1以上の細胞型を培養するためのスキャフォルドとして、肝臓オルガノイドを生成するための二次元基体コーティング、及び三次元注射用ヒドロゲルプラットフォームとして使用され得る(Lee J et al. 2014、Caralt M et al., 2014)。

0099

HHALPC及び子孫HHALPCの維持、増殖、及び/又は分化は、種々の起源の幹細胞、前駆細胞、又は間葉系細胞について当該技術分野でよく知られている技術的解決策を使用して細胞培養条件を適合させることにより改善され得る。例えば、非細胞損傷性の(non-cell damaging)低酸素雰囲気のex-vivoプロトコル及びin vitro微小環境を適合させるための他のアプローチは、生存、遺伝的安定性、増殖、生着後分化、肝臓におけるホーミング及び再増殖パラクリン因子の分泌、並びにかかる細胞の全体的な治療可能性を促進し得る(Muscari C et al., 2013、Cigognini D et al.,2013)。或いは、臍帯血血清及び血小板溶解物等のヒト血液由来成分は、ウシ血清に対する非異種間の代用物である細胞培養成分として、質の変動、汚染のリスク及び望ましくない免疫化作用等の(such as)血清と関連する良く知られている課題を伴わずに、臨床的細胞組成物を得るためGMPガイドライン遵守したまま、試験され、開発される(Bieback K, 2013)。

0100

投与されるか、そうでなければ使用される前に、HHALPC及び子孫HHALPCは、該細胞を異種性生物製剤若しくは化学薬品に曝露することによって、又は細胞へと該薬剤を導入することによって、一時的に又は安定して修飾され得る。特に、HHALPC及び子孫HHALPCは、細胞を増殖因子で処理すること、及び/又は好ましくは特定の肝臓の特徴若しくは細胞培養を支援する(例えば、microRNAによる、又は増殖因子、若しくは肝臓の分化若しくは任意の他の細胞型への分化に影響することが知られている転写因子等の組み換えタンパク質を発現するレンチウイルスベクターによる細胞の形質導入、及び/又は治療的関心のあるタンパク質、又は蛍光タンパク質の産生による)特徴に対して、細胞の発現プロファイル全体に影響を及ぼす核酸を導入することにより、細胞培養において(例えば、それらの分化の前及び/又は後に)修飾され(又は適切なベクターによるそれらの形質転換の後に操作され)得る。

0101

特にHHALPC及び子孫HHALPCは、結果的に、最大限の肝臓特異的活性を提示する細胞への分化の後及び/又は前に、in vivo及び/又はin vitroで改善された及び/又は追加の生物学的活性を提示し得る。HHALPC及び子孫HHALPCは任意の後のin vitroでの分化又はin vivoでの使用(肝臓の又は他のタイプの分化を意味してもよく、そうでなくてもよい)とは独立して、子孫HHALPCが改善された生物学的活性を有するため一貫して修飾されるように、分化される前に操作されることが好ましい。

0102

化学薬品、細胞培養培地、及び/又は他の既知の肝前駆細胞/幹細胞の他の非肝細胞型(例えば、骨細胞、インスリン生産ベータ細胞、又は骨髄細胞)への分化を誘導することが知られている核酸ベクターによる子孫HHALPCの処理は、かかる非肝細胞型を等しく提供し得る。文献において知られているこれらの技術をHHALPC(又は子孫HHALPCの任意の特定の種類)に適用することによって得られる非肝細胞集団は、子孫HHALPCがかかる処理の結果として失った及び/又は得られた生物学的活性に従ってinvitro及び/又はin vivoで(特に治療的用途に)使用され得る(肝臓の分化を誘導するための細胞培養培地を使用することによって得られる)実施例に記載されるものよりも分化した更なる種類の子孫HHALPCである(例えば、インスリンを産生し分泌する分化した子孫HHALPCを糖尿病の治療に使用してもよい)。

0103

マイクロインジェクション電気穿孔リン酸カルシウムによる共沈リポソーム、又はウイルストランスフェクションを含む、肝前駆細胞に適用可能な従来の遺伝子導入法は、HHALPC及び子孫HHALPCに核酸を導入するために使用され得る。適切なベクターによるそれらの形質転換に続いて、HHALPC及び子孫HHALPCは、該細胞が、(例えば、遺伝子治療用の肝前駆細胞系モデルの樹立の範囲での)肝細胞様細胞若しくは肝活性化細胞への分化の後及び/又は前に、in vivo及び/又はin vitroで改善された及び/又は追加的な生物学的活性を果たすことを可能とする、組み換えタンパク質を発現し得る、又は核酸を含み得る。ベクターがウイルスベクター(例えばレンチウイルスベクター)である場合、最適な形質導入効率条件及び増殖速度を選択するため、並びにベクターの安全性と並んでそれらの発現プロファイルを分析するため、ベクターは力価の決定によって特徴づけられる。

0104

肝臓は、血流への様々なタンパク質の効率的な放出を可能とするように、循環系と解剖学的につなげられる。したがって、有効性を更に改善するため、(特に、例えば静脈内、筋肉内又は腹腔内の注射によって全身投与された場合)、また同様にin vivoで投与された場合に生着及び維持のため、全身性の効果を有するタンパク質をコードする遺伝子は、(特に三次元の細胞クラスタを得るために培養される前に)HHALPC及び子孫HHALPCに挿入され得る。

0105

例えば、ホルモン又は抗体をコードする様々な遺伝子は、循環へのそれらの遺伝子産物の分泌のため、本発明の肝臓細胞に挿入されてもよい。特に、HHALPC及び子孫HHALPCは、肝細胞によって正常に発現される(またおそらくは、かかる細胞によって既に発現された)が、患者においては欠損又は不在である(先天性肝臓代謝異常におけるように、患者の病理の根底をなすこの欠損)タンパク質を恒常的に又は一時的に過剰発現するように修飾され得た後、タンパク質の産生の回復を支援し、それによって患者の治療を支援する。かかるタンパク質の例は、リアーゼアルギナーゼグルコキナーゼ、オルニチントランスカルバミラーゼ、アルギノコハク酸シンテターゼアルギニノコハク酸カルバミルリン酸シンターゼN-アセチルグルタミン酸シンターゼ、グルタミンシンテターゼ、グリコーゲンシンテターゼ、グルコース-6-フォスファターゼアルカリフォスファターゼコハク酸デヒドロゲナーゼピルビン酸キナーゼアセチルCoAカルボキシラーゼ、脂肪酸シンテターゼ、アラニンアミノトランスフェラーゼグルタミン酸デヒドロゲナーゼ、シトクロムP450酵素、アルデヒドデヒドロゲナーゼ、及び/又はアルコールデヒドロゲナーゼ等の代謝酵素である。代替的には、HHALPC及び子孫HHALPCは、アルブミン、増殖因子又はホルモン、インスリン、トランスフェリン、補体タンパク質(補体C3等)、アルファ2-マクログロブリン、フィブリノゲンアルファ/ベータ/ガンマ鎖、凝固因子(第V因子、第VII因子、第VIII因子、第XI因子、第XIII因子、第IX因子)、アルファ-1-アンチトリプシン等の分泌血漿タンパク質をコードするDNAを導入することによって修飾され得る。

0106

HHALPC及び子孫HHALPCを生成する際に得られる生体物質は、特定の用途、特に明らかな医学的適用を有し得る生物学的存在の同定のために更に使用され得る。これらの生体物質は、(実施例3及び実施例4において特定される)特異的なマーカー、活性、及び/又は形態を提示するHHALPC又は子孫HHALPCの亜集団(又は細胞株)のみならず、中間若しくは最終生成物として得られる任意の他の生物学的存在、例えば、順化細胞培養培地、並びに医学的関心のある細胞を検出するためのバイオマーカーとして、又は医学的関心のある活性若しくは分布を提示する化合物として使用され得るタンパク質、代謝産物、細胞小胞、及び/又は核酸を含むこれらの細胞及び培地の画分を含む。また追加の情報は、セクレトーム(secretome)、並びに特にHHALPC及び子孫HHALPCのパラクリン効果に関する関連情報を提供することができる(例えば、細胞培養上清の形態の)順化細胞培養培地の内容物を測定することによって決定され得る。

0107

HHALPC又は子孫HHALPCの関連する生物学的特徴は、フローサイトメトリー、免疫細胞化学検査、質量分析ゲル電気泳動イムノアッセイ(例えば免疫ブロット、ウェスタンブロット、免疫沈降、ELISA)、核酸増幅、酵素活性、オーミクス技術(プロテオミクスグリコミクス、トランスクリプトミクス、メタボロミクス)及び/又は他の生物学的活性等の技術を使用することにより同定され得る。特に、オーミクス技術は、幹細胞又は前駆細胞、特に肝前駆細胞に対して公表されるデータベース及び他のデータセットを使用して、HHALPC又は子孫HHALPCを比較するための追加の手段を提供し得る(Yu J, et al., 2012、Santamaria E, et al.,2012、Slany A, et al., 2010、Sison-YoungR et al., 2015)。これらの追加のマーカーは、(例えば、子孫HHALPCの工業生産されたバッチの比較及び検証のため、又は薬学的用途に対する適合性を評価するため)子孫HHALPCの調製の最初の工程の間、又はその後のいずれかで使用され得る。

0108

これらのアプローチは、(例えば、その作製及び使用の前、その間、又はその後の細胞集団の量、質及び均質性を確立するため)in vivo又はin vitroのいずれかで成人肝前駆細胞に関連する新規のバイオマーカーを定義する手段を提供し得る。特に、バイオマーカーは、一般に生体試料中若しくは細胞培養物中の所与の細胞集団(HHALPC及び/又は子孫HHALPC)の濃縮によって、又は特定のタンパク質、脂質、酵素、リン脂質、及び/又はグリカンを提示する細胞の濃縮と組み合わせて定義され得る。かかるバイオマーカーは、ペプチド、タンパク質、リン脂質、脂質、核酸、グリカン、又はかかる要素の構成成分の任意の組み合わせに対応し得る。バイオマーカーは、特に、異なるドナーから得られた及び/又は異なる生産プロセスを適用することにより得られた子孫HHALPCを比較する場合、所与の用途(例えば、特定の肝疾患を治療すること、invitro分化又は化学薬品及び/又は核酸ベクターによる修飾の後に肝活性化細胞型を得ること、特定の化合物の代謝を判断すること)に対するHHALPC又は子孫HHALPCである細胞集団の適合性の判断に特異的であり得る。或いは、バイオマーカーは、どのドナー及び/又は試料が選択されるかを確立するため、所与の肝臓組織(又は新鮮な若しくは凍結保存された肝臓細胞の試料)が、(例えば肝臓組織のバンク、並びにタンパク質抽出物及びcDNAライブラリ等の他の肝臓起源の生体試料のライブラリをスクリーニングすることによって)より効率的にHHALPCを得るのに適しているかどうかを判断することを可能とする。

0109

「バイオマーカー」又は「マーカー」という用語は、分子、パラメーター、性質、又は客観的に測定され、HHALPC及び/又は子孫HHALPCを特徴づけるように評価される存在を指す。特定の試料(組織又は体液等(such as))においてHHALPC及び/又は子孫HHALPCと関連するバイオマーカーの定量的評価は、全細胞の定量的評価、HHALPC及び/又は子孫HHALPCを生産し、単離し得る効率、特定のin vitro技術、又は特定の医学的用途若しくは患者の状態と関連し得る。

0110

HHALPC及び子孫HHALPCは、再生医療、並びに一旦、in vivo若しくはin vitroのいずれかで分化すると、又はより多くの数の及び/又はより強い肝臓特異的活性を提示する細胞(すなわち、肝活性化細胞)への完全な分化を誘導する前であっても、所望の期間に亘って初代肝細胞について観察されたものにできるだけ類似する生物学的特徴(代謝活性若しくは酵素活性、抗原プロファイル又は他の表現型等)を提示する細胞を必要とする生物学的アッセイで使用され得る。また、HHALPC及び子孫HHALPCは、薬理学的又は毒性学的な研究等のin vitro適用(例えば、生物学的製剤又は化学薬品のスクリーニング及び特性評価)に使用され得る。HHALPC及び子孫HHALPCは、特に、肝疾患の診断、予防、及び/又は治療と結び付いて、毒性学、薬理学及び薬理遺伝学(様々な起源の前駆細胞又は幹細胞に由来する初代肝細胞及び肝細胞様細胞に対して広く説明される)のin vitro及び動物モデルを確立すること、又は医学的関心のある細胞集団をinvivo及び/又はin vitroで同定するためのバイオマーカーの同定を可能とする。

0111

本明細書で使用される「in vitro」という用語は、動物又はヒトの身体の外側又は外部を意味する。本明細書で使用される「in vitro」という用語は、「ex vivo」を含むと理解されるべきである。「ex vivo」という用語は、典型的には、動物又はヒトの身体から取り除かれ、身体外、例えば培養容器又はバイオリアクターで維持又は増殖される組織又は細胞を指す。

0112

HHALPC及び子孫HHALPCがin vivo適用に好ましく使用され得る場合、in vitroで分化される子孫HHALPCは、分化した肝細胞様細胞又は肝活性化細胞として創薬/検証に使用さ得ることが好ましい。

0113

HHALPC及び子孫HHALPC(又はそれらを生成する際に得られる対応する生体物質)は、それらを含む組成物、特にin vivo投与(ヒト又は動物モデルにおいて)、又は新鮮細胞若しくは長期保存に適した細胞(例えば、凍結保存細胞)のいずれかとしてかかる細胞を含む組成物の形態のin vitro適用に対する治療方法で使用され得る医薬組成物として提供され得る。

0114

HHALPC又は子孫HHALPCを含む組成物は、少なくとも103個、106個の又は109個以上の細胞(例えば、各用量又は投与に対して500万個〜5億個、又は500万個〜2億5000万個、又は5000万個〜5億個、又は5000万個〜2億5000万個、又は1億個〜5億個、又は1億個〜2億5000万個の細胞)を含み得ることが好ましい。また、かかる細胞系組成物は、更なる治療的効果、診断的効果、又はその他の有用な効果を提供し得る、生物起源(例えば、抗体又は増殖因子)、又は化学起源(例えば、薬物、細胞保存用又は標識用の化合物)の他の薬剤を含み得る。文献は、HHALPC及び子孫HHALPCと組み合わせる手段と並んで、更なる特定のバッファー、増殖因子、又はアジュバントを含み得る細胞系医薬組成物と適合性の任意の添加剤賦形剤ビヒクル、及び/又は担体の幾つかの例を提供し、ここで、その組成物の各成分の量(マイクログラムミリグラム、体積、又は割合の点から)が定義される。

0115

HHALPC及び子孫HHALPCは、組成物の形態で投与してもよく、該組成物は、選択される投与方法に応じて、細胞の懸濁物、バイオ人工肝臓デバイス、天然若しくは合成のマトリクス、又は適切な場所(細胞のホーミング及び生着を支援するケモカインを発現する炎症又は組織の損傷の領域を含む)で細胞の生着及び機能性を可能とする他のシステムを含むin vitro及び/又はin vivoで細胞が成長し、分化することができるスポンジ又は他の三次元構造であってもよい。特に、HHALPC及び子孫HHALPCは、(また、静脈内又は動脈内のカテーテル投与を包含する)注射又は移植、例えば、局所的な注射、全身性の注射、脾臓内注射、関節内注射腹腔内注射門脈内注射、肝臓の(liver pulp)への、例えば肝臓被膜下の注射、非経口投与、又は若しくは胎児への子宮内の注射によって投与され得る。

0116

局所ではなく全身的に注射される場合、HHALPC製品は、かかるHHALPCが血流にのって移動し、離れた場所(内部臓器又は関節等(such as))で生着するため、又はHHALPCによって分泌されるタンパク質が、血流のおかげで特定の細胞型に到達するためのいずれかにより、離れた場所で効果を有し得る。さらに、HHALPC及び子孫HHALPCは、強固なプラスチック製の外側シェルと、HHALPC又は子孫HHALPC(他の幹細胞、分化した肝細胞等の初代ヒト細胞、又は幹細胞に由来する細胞型等)が蒔かれる中空半透膜ファイバーとを備える肝臓灌流又は肝臓アシスト装置等の解毒装置の生体成分として使用され得る。体液は、よく知られている手順に従って解毒装置を通るように灌流された後、患者に戻され得る。

0117

HHALPC、子孫HHALPC、又はそれらを含む組成物は、(肝臓又は他の臓器及び組織の移植前の又はその後の免疫学的応答の調節を含む)肝臓内又は肝臓外の場所での肝細胞移植(LCT:liver cell transplantation)によって組織工学及び細胞治療に使用され得る。このアプローチを使用することにより、ヒト肝細胞に対する化合物の効果が、より効果的に評価され得て、動物モデルにおける効果と区別され得る動物において、ヒト起源のHHALPC、ヒト起源の子孫HHALPC、又はそれらを含む組成物を移植することによって、ヒト肝疾患の動物モデルを得ることもできる。

0118

HHALPC、又は特定の子孫HHALPCを含む治療用組成物を投与する場合、該組成物は一般に、単位用量に製剤化され得る。いかなる場合も、例えば、生体ポリマー又は合成ポリマーへと細胞を組み込むことによってHHALPC又は子孫HHALPCの生存率を保証する患者に細胞を投与するため、薬剤を含む及び/又は既知の方法に適合させることが望ましい場合がある。好適な生体ポリマーの例として、限定されないが、フィブロネクチン、フィブリン、フィブリノゲン、トロンビン、コラーゲン、及びプロテオグリカンラミニン(proteoglycans laminins)、接着分子、プロテオグリカン、ヒアルロナングリコサミノグリカン鎖キトサンアルギン酸塩、天然の又は合成的に修飾されたかかるタンパク質に由来するペプチド、及び合成の生物分解性で生物学的適合のポリマーが挙げられる。これらの組成物は、サイトカイン、増殖因子を含む又は含まずに生産され得て、懸濁液又はその内部に包埋された細胞を含む三次元ゲルとして投与され得る。

0119

本発明の方法は、HHALPC又は子孫HHALPCの生成のために肝臓組織の任意のドナーを使用することのみならず、HHALPCを産生し単離して、子孫HHALPC又はそれらを含む組成物を生成するために患者自身の肝臓組織を使用することも検討する。かかる細胞は患者に対して自己由来となり得て、患者に容易に投与され得る。或いは、HHALPCは患者自身のものではない組織から産生され単離されてもよい。かかる細胞の患者への投与が検討される場合、HHALPCを得るため本発明の方法に供される肝臓組織は、患者と投与される細胞との間の組織適合性を少なくとも達成可能な限界内で最大限とすることにより、患者の免疫系による投与された細胞の拒絶(例えば、移植片対宿主)の機会を減少するように選択されることが好ましい場合がある。

0120

HHALPC及び子孫HHALPCの治療用途に関する問題は、最適な効果を達成するのに必要な細胞の量である。投与用量は変化してもよく、次の投与が後続する最初の投与を含んでもよく、本開示の教示を当てはめることによって当業者により確認され得る。典型的には、投与される用量(複数の場合もある)は、治療的有効量の細胞を提供し、投与される細胞の量の最適化を必要とする場合がある。したがって、投与される細胞の量は、治療される被験体に対して変化する(例えば、1サイクル中の各治療若しくは治療の全サイクル当たり102個〜1010個の細胞、例えば、1サイクル中の各治療当たり1×106細胞/被験体の体重kg〜1×107細胞/被験体の体重kg、若しくは2×106細胞/被験体の体重kg〜8×106細胞/被験体の体重kg、若しくは3×106細胞/被験体の体重kg〜5×106細胞/被験体の体重kg、又は治療の全サイクルに対して例えば1×106細胞/被験体の体重kg〜1×108細胞/被験体の体重kg、若しくは5×106細胞/被験体の体重kg〜5×107細胞/被験体の体重kg、若しくは1×107細胞/被験体の体重kg〜2×107細胞/被験体の体重kg)。しかしながら、治療的有効用量の正確な決定は、患者の大きさ、年齢、組織損傷の大きさ、及び損傷が生じてからの時間を含む各患者に対して個別の因子に基づいてもよい。

0121

HHALPC又は特定の子孫HHALPCを含む組成物は、上に定義される実質的に均質な細胞集団を含まなくてはならず、結果的に各用量中の細胞の量は調整可能であることが好ましい。

0122

投与後又は移植後のHHALPC又は子孫HHALPCの分布、分化、及び/又は増殖は、特定され得て、(異なる治療剤の投与の後/前のそれらの活性と同様に)ヒト被験体又は動物モデル(好ましくは齧歯類)において試験され得る。例えばHHALPC又は子孫HHALPCが脾臓内に移植されたSCIDマウスの肝臓の分析は、ヒトマーカーの検出により、これらの細胞が肝臓に生着して臓器を再構築し得て、またヒトアルブミン、又は任意の他の典型的なヒト肝臓特異的マーカー(又は投与されたHHALPC又は子孫HHALPC中の先にトランスフェクトされた組み換え遺伝子)の検出によって活性で成熟な肝細胞へと分化し得ることを実証し得る。

0123

本発明の別の態様は、HHALPC、子孫HHALPC、又はそれらを含む組成物を、それを必要とする被験体に投与することを含む、肝疾患を予防する及び/又は治療する方法である。HHALPC及び子孫HHALPCは、肝疾患、特に、肝臓の質量及び/又は観察され異なるカテゴリーに分類され得る機能が喪失された場合に、文献によれば肝移植及び肝細胞移植、又は肝再生を必要とする被験体において、肝機能の永久的な(又は時間が限られた)再建を必要とする疾患の治療に対して使用され得る。

0124

肝疾患を治療する方法は、HHALPC、又は所与の子孫HHALPC等のHHALPC製品、及び好ましくは組成物中のHHALPC製品を、それを必要とする被験体に投与することを含む。特に、それを必要とする患者における疾患の治療方法は、有効量のHHALPC製品を患者に投与することを含み、該疾患が好ましくは肝疾患又は遺伝性血液凝固障害である。

0125

第1のカテゴリーの肝疾患は、アミノ酸代謝の異常(メープルシロップ尿症フェニルケトン尿症チロシン血症プロピオン酸血症有機酸尿症(Organic Aciduria)、及びアルギニノコハク酸尿症カルバモイルリン酸シンターゼI欠損症シトルリン血症、高アルギニン血症、及びオルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ欠損症を含む尿素サイクル障害等)、金属代謝の異常(ウィルソン病又はヘモクロマトーシス等)及び炭水化物代謝の異常(I型/II型糖原病フルクトース血症又はガラクトース血症等)、リソソーム障害ウォルマン病ニーマンピック病等)、ペルオキシソーム障害(レフサム病等)、家族性高コレステロール血症及び他の脂質代謝障害ミトコンドリア病ピルビン酸カルボキシラーゼ欠損症等)、及び高ビリルビン血症クリグラー−ナジャー症候群ジルベール症候群又はデュビンジョンソン症候群等)に更に分類され得る肝臓代謝の先天異常に代表される。第2のカテゴリーは、凝固又は代謝の欠損と直接関連しない他の肝疾患に代表され、1型/2型/3型進行性家族性肝内胆汁鬱滞症、アルファ-1-アンチトリプシン欠損症カロリー病、肝細胞トランスポーターの欠損、ポルフィリン症(急性間欠性ポルフィリン症等)、脂肪肝及び他の線維性肝疾患(NASH/NAFLD)、原発性胆汁性肝硬変症、硬化性胆管炎、肝臓変性疾患、又は急性若しくは慢性肝不全(例えば、肝切除後、劇症性、ウイルス誘導性、慢性肝不全の急性増悪)、又は肝前駆細胞によって肝臓組織を置き換えることにより治療され得る他の種類の肝臓変性(liver degeneration)(例えば肝臓癌又は他の悪性腫瘍における)を含む。

0126

遺伝性血液凝固障害に関して、疾患は、第V因子欠損症、第VII因子欠損症、第VIII因子欠損症、第IX因子欠損症、第XI因子欠損症、第XIII因子欠損症、及び他の凝固関連因子又はアルブミン若しくは組織因子等の肝臓によって特異的に発現され血流へと分泌される他のタンパク質の量が不十分なことによる他の欠損症等から選択され、この後者の生成物は、かかる細胞によって発現され(Stephenne X et al., 2012)、血液凝固障害と関連する或る種の症候群に対して潜在的に興味深い。

0127

上で考察したように、HHALPC製品は、別の製品(薬物、治療剤、別の細胞型、又は他の生体物質等)と組み合わせて投与又は使用され得る。これは、本明細書に記載される投与及び治療的使用のいずれにも当てはまる。特に、他の治療用製品は、HHALPC製品と実質的に同時に投与されてもよく(同じ医薬組成物内で、又は別々の医薬組成物において)、又は異なる時点において(別々の医薬組成物において、任意の順又は回数で)投与され得る。他の治療用製品が別々に、又はHHALPC製品からではなく投与される場合、得られる効果は、予想される相加的な効果よりも優れる、相乗効果となる可能性があり、かかる成分のうちの1つの負の効果は軽減されるか、若しくは消滅され、及び/又はかかる成分のうちの1つの正の効果は、上記製品をより低量で若しくは少ない頻度で投与することによって得られる。

0128

HHALPC製品が子孫HHALPCである場合、これらの細胞(in vitro条件で共培養されているか又は以前に共培養されていない)は、別の細胞型(例えば、初代ヒト肝細胞、ADHLSC細胞、又は国際公開第2006126219号に記載されるもの等の初代細胞、幹細胞、間葉系細胞、及び/又は前駆細胞である別のヒトの細胞型若しくは細胞集団、並びに肝臓起源の他の前駆細胞若しくは幹細胞)又は細胞培養上清の形態のその対応する順化細胞培養培地と組み合わせて投与され得る。HHALPCと別の細胞型との組み合わせは、ヒト体内での1及び/又は他の細胞型の治療有効性、生着、ホーミング、再増殖、増殖、及び/又は安定性を改善し得る。子孫HHALPCもまた、かかる別の細胞型を含む製剤の一部として投与され得るか、又は別々であるが、例えば(任意の順番で)順次若しくは同時に他の細胞型と組み合わせて投与され得る。2つの細胞型は、細胞の懸濁物若しくは共培養物として、又はバイオ人工肝臓デバイスを含む、細胞がin vitro及び/又はin vivoで成長し、増殖し、分化することができるスポンジ若しくは他の三次元構造物、並びにこれらの細胞のヒト体内での維持を持続させる天然若しくは合成のマトリクスにおいて投与され得る。HHALPCと別の細胞型の順化細胞培養培地との組み合わせは、他の細胞型の順化細胞培養培地の組成と関連する更に有用な特性と共に、又はそれを伴わずに、ヒト体内での治療有効性、生着、増殖、及び/又は安定性が改善されたHHALPC製品を提供し得る。

0129

代替的には、HHALPC製品が子孫HHALPCの順化細胞培養培地である場合、この調製物は、別の細胞型(例えば、初代ヒト肝細胞、ADHLSC細胞、又は国際公開第2006126219号に記載されるもの等の初代細胞、幹細胞、間葉系細胞、及び/又は前駆細胞である別のヒトの細胞型若しくは細胞集団、及び肝臓起源の他の前駆細胞若しくは幹細胞)又はその対応する順化細胞培養培地と組み合わせて投与され得る。子孫HHALPCの順化細胞培養培地と別の細胞型との組み合わせは、この後者の細胞型のヒト体内での生着、安定性、ホーミング、増殖、再増殖、及び/又は安定性を改善し得る。ここでも、HHALPC製品は、かかる別の細胞型も含む製剤の一部として投与され得るか、又は別々であるが、例えば(任意の順番で)順次若しくは同時に他の細胞型と組み合わせて投与され得る。更に代替的には、子孫HHALPCの順化細胞培養培地と別の細胞型の順化細胞培養培地との組み合わせは、ここに含まれる分泌タンパク質の効果と潜在的に合わさった、改善された治療有効性による解決策を提供し得る。ここでも、子孫HHALPCの順化肝細胞培養培地は、かかる別の順化細胞培養培地も含む製剤の一部として投与されてもよく、又は別々であるが、例えば(任意の順番で)順次又は同時に他の培地と組み合わせて投与され得る。

0130

また、HHALPC製品の投与又は治療的使用は、(国際公開第2015001124号に記載されるADHLSC細胞、又はADHLSC細胞の順化細胞培養培地の投与及び治療的使用と同様に)予想外の正の効果を提供する可能性がある。特に子孫HHALPC又は子孫HHALPCから得られた順化細胞培養培地の投与又は治療的使用は、代謝酵素(例えばオルニチントランスカルバミラーゼ又はUDP-グルクロノシルトランスフェラーゼ1A1)又は凝固因子(例えば第VIII因子、第IX因子又は第XI因子)等の先天性疾患を治療するのに特異的に必要とされるタンパク質の投与と組み合わせられ得る。かかるタンパク質又は凝固因子は、HHALPC製品によって(又はADHLSC細胞若しくは対応する順化細胞培養培地によって)提供され、同じ代謝経路又は生理機能(例えば血液凝固)に関与するタンパク質及び酵素と共に使用され得て、相乗効果を得られる可能性がある。したがって、HHALPC製品が、上に検討される別の製品と組み合わせて投与される、又は使用される場合、その他の製品は、代謝酵素又は凝固因子等の先天性疾患を治療するためのかかるタンパク質であってもよい。さらに、医薬組成物は、凍結保存バイアル内で直接に適切な希釈剤を用いて(分類された環境を必要とせず、またそれほどロジスティックスでない要件で)医薬組成物を再構成することにより解凍され、患者に投与される、HHALPC製品を高濃度(1000万/ml、5000万/ml、1億/ml以上、適切にはCryostor等の市販の溶液中)で凍結保存することによって生成され得る。

0131

このアプローチは、酵素又は凝固因子の欠損症の治療に対して一般的に使用される単離された組み換えタンパク質の投与より長く及び/又は改善された治療効果を提供する医薬組成物を提供し得る。したがって、医薬組成物は、(a)子孫HHALPC又はその順化培養培地等の本明細書に記載されるHHALPC製品と、(b)薬物、治療剤、別の細胞型、若しくは他の生体物質、より具体的には代謝酵素(例えばオルニチントランスカルバミラーゼ又はUDP-グルクロノシルトランスフェラーゼ1A1)等の先天性疾患の治療に対するタンパク質、又は凝固因子(例えば、第VIII因子、第IX因子、又は第XI因子)等の本明細書に記載される別の製品と、(c)薬学的に許容可能な担体又は希釈剤とを含み得る。この範囲では、特定の種類のHHALPC製品及びADHLSC細胞(その亜集団、細胞株、及び画分等)は、所与の代謝経路又は生理機能(例えば血液凝固)に関与する一連のタンパク質に対して最適なレベルの生成物を(絶対値及び/又はかかるタンパク質間比率として)提示するように、製造プロセス中に選択され得る。例えば、HHALPC又は子孫HHALPCの特定の亜集団(及び関連する製造プロセス)は、血友病(A型は因子欠損と関連し、B型は第IX因子欠損と関連し、C型は第XI因子欠損と関連する)等の異なる種類の血液凝固不全の1つに適切な複数の凝固因子(例えば、2以上の外因子、第V因子、第VII因子、及び第X因子、及び/又は2以上の内因子、第VIII因子、第XI因子、第XIII因子、第XII因子、及び第IX因子)のバランスのとれた発現を有する(細胞株として維持され得る、細胞調製物として寄託され得る、そうでなければ貯蔵され得る)細胞集団を提供するように選択され得る。

0132

組成物内及び治療方法におけるHHALPC又は子孫HHALPCの使用は概して、上に列挙されるもののような肝疾患に対して治療効果を提供し得るが、初代肝細胞又は肝臓細胞株の代用におけるin vitro研究とも関連付けられ得る。特に、子孫HHALPCは、化合物(例えば、生物学的又は化学的な存在)の有効性(HHALPC製品が肝臓に特異的又は非特異的な疾患に対して可能性のある薬物標的を発現する場合)、代謝、安定性、及び/又は毒性を評価する(初期の)薬理学的及び毒性学的な方法において使用され得る。

0133

かかるin vitro方法及び使用は、一般に、
(a)HHALPC製品(例えば、細胞の形態のHHALPC若しくは子孫HHALPC、又はHHALPC若しくは子孫HHALPCから得られた細胞抽出物若しくは順化培地)の調製物を準備する工程と、
(b)上記HHALPC製品を化学物質、タンパク質、核酸、脂質、糖、金属、塩、ウイルス、細菌、又は細胞から選択される1以上の外因性成分に曝露する工程と、
(c)HHALPC製品に対する上記1以上の外因性成分の効果を検出する、及び/又はHHALPC製品への曝露後の上記1以上の外因性成分の存在、局在、又は変更を検出する工程と、
を含まなくてはならない。

0134

HHALPC及び子孫HHALPCは、既に登録されている薬物、まだ開発中及び肝臓特異的効果について前臨床で評価中の候補薬物である大半の化学物質、又は望ましくない(すなわち、肝毒性化合物)若しくは望ましい(HHALPC及び子孫HHALPCが、それ自体が癌等の肝臓特異的又は非特異的な疾患に対する候補化合物に対する標的となることが知られている酵素及び他の肝臓特異的タンパク質を発現する場合、化合物は、その後、かかる疾患の候補化合物とされ得る)とされ得る肝臓特異的効果を有すると思われる他の化学物質を代謝することが知られている、酵素及び他の肝特異タンパク質を高レベルで発現し得る。

0135

一般に、HHALPC又は子孫HHALPCから得られた細胞、細胞抽出物、又は順化培地の形態のHHALPC製品は、細胞形態又は生存率(例えば、細胞傷害性試験における)等の一般的な特徴の分析による化学物質、無機化合物、生物製剤、細菌、ウイルス又は細胞の代謝、排除及び毒性を評価する上記工程(c)において評価され得る。しかしながら、肝臓特異的(又は非特異的)タンパク質の上方制御若しくは下方制御、又はHHALPC製品(例えば、HHALPC、子孫HHALPC、又はHHALPC若しくは子孫HHALPCから得られた細胞抽出物若しくは順化培地)中のタンパク質の任意の変更(例えば、分解、凝集、活性化、又は阻害)等の代替的な又は追加の基準が含まれ得る。

0136

代替的には(又はHHALPC又は子孫HHALPC、及び派生した生体物質について評価される基準と組み合わせて)、工程(c)は、これらの1以上の外因性成分が、どのようにしてHHALPC又は子孫HHALPC、及び派生した生体物質によって内在化及び/又は修飾されたか、又は内在化及び/又は修飾されなかったかに関する分析を含み得る。これらの分析基準は、文献に記載される外因性成分の種類、例えば、分解、他のタンパク質との結合、細胞培養物中の持続、凝集、感染力(ウイルスについて)、又は分化若しくは生存率(細胞について)に応じて変化する。

0137

細胞及び派生した生成物(すなわち、細胞抽出物、順化培地)に関するin vitroアッセイに関する文献は、どのようにして、細胞、組成物、及び派生した生体物質(すなわち、HHALPC製品)の形態のHHALPC又は子孫HHALPCを、工程(a)〜(c)に示されるようにin vitroで使用することができるかについて、例えば、濃度、タイミング、培養及びアッセイの条件、並びに分析技術に関する手引きを提供し得る。また同様のアッセイは、工程(a)において非ヒト動物等の動物においてHHALPC又は子孫HHALPCを誘導した後、1以上の外因性成分を工程(b)においてその動物に投与して、工程(c)で該1以上の成分がHHALPC又は子孫HHALPC(又は関連する生体物質)を修飾するかどうか、またどのように修飾するか、及び/又は該1以上の成分がこれらの動物においてHHALPC又は子孫HHALPCによって修飾されるかどうか、またどのように修飾されるかを判断することにより行われ得る。

0138

特にHHALPC製品、HHALPC及び子孫HHALPCは、上に記載されるキット内に上に記載される化学物質又は生物製剤を含むin vivo(すなわち、かかる細胞の治療用途に対する)及びin vitro(例えば、薬物毒性学的用途に対する)の方法に対して使用され得る。特に、キットは、かかる細胞(又は派生した生体物質)に加えて、参照化合物、溶液、及び/又はHHALPC及び子孫HHALPCの使用を含むアッセイで観察される効果を比較し評価することを支援し得る他の細胞と並んで、該細胞が化合物のパネルに曝露される際に、細胞及びそれらの活性(構造中の少なくとも1つの変化、代謝産物、及び/又は検査される化合物の濃度から生じる)を使用する及び/又は検出することを可能とする更なる要素を備え得る。

0139

したがって、HHALPC及び子孫HHALPCは、培養中及びバッチからバッチに経時的に安定した肝細胞様パターンの酵素中の可変性が制限された、継続して容易に入手可能な細胞を含むin vitroモデルを、特に「ADMET」(投与、分布、代謝、排泄、及び毒性)又は細胞毒性試験(すなわち、肝細胞生存率及び/又は機能的効率)における初代肝細胞に対する代替細胞として、提供することができる。

0140

HHALPC及び子孫HHALPCは、肝臓感染症を治療する薬剤を試験する、又は特に肝臓及び肝細胞に感染するウイルスの効率的な複製を可能とする方法で使用され得る。HHALPC又は子孫HHALPCは、ウイルス(例えば、肝炎ウイルス)に曝露される前又はその後に分化され得る、及び/又は遺伝子修飾され得る。その後、感染細胞集団は、C型肝炎感染、肝線維症又は発癌と関連して他の肝前駆細胞について示されるように(Wu Xet al., 2012、Wang C et al., 2012、TorresDMand Harrison SA, 2012)、ウイルス粒子の精製に使用されるか、又はウイルス感染症の任意の可能性のあるin vivoの効果の判断に使用される任意の有用な(例えばウイルス複製に対する)効果を観察するために所定量の感染を治療する候補化合物に曝露され得る。

0141

本明細書において具体的に引用される全ての参考文献の教示は、引用することにより本明細書の一部をなす。ここで、本発明を以下の実施例によって解説するが、実施例は本発明の範囲を何ら限定するものではない。

0142

実施例1:HHALPC上の細胞表面タンパク質の分析
材料及び方法
細胞培養でのHHALPCの単離及び増殖
5名の別々のヒトドナーを使用し、別記される(非特許文献9)2工程コラゲナーゼ灌流法、濾過及び低速遠心分離の後に達成された肝臓の実質細胞画分の初代培養に続いて、HHALPCを回収した。かかる肝臓細胞を、ViaSpan溶液に調製されている凍結保存培地に懸濁した後、適切なバイアル、袋、又は他の長期保存用及びヒト細胞の保存用のシステムを使用することによって液体窒素中に維持する。凍結保存された肝臓細胞懸濁物を37℃で急速に解凍し、グルコース2.5 g/l、重炭酸塩0.084 g/l及びヘパリンLEO(商標)5000IE/UI/mlで補足した10倍容量の5%ヒトアルブミン中で上記懸濁物を2回洗浄することによって使用する。224 gで4℃にて10分間の遠心分離の後、細胞ペレットを必要な細胞培養培地中に懸濁する。

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