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課題・解決手段

本発明は、拡散制御内部コーティング及び腸溶性外部コーティングによりコーティングされている複数のコレスチラミンペレット剤を含む、結腸にコレスチラミンを標的送達するための経口用製剤に関する。本発明はまた、胆汁酸吸収不良処置におけるこの製剤の使用に関する。

概要

背景

胆汁酸吸収不良は、多くの場合、慢性下痢に至る、結腸中の過剰の胆汁酸により特徴付けられる状態である。胆汁酸は、肝臓中で合成されて抱合を受けたステロイド酸である。胆汁酸は、肝臓から、胆汁系を介して小腸分泌され、ここで、胆汁酸は、食事の脂質及び脂溶性ビタミン可溶化及び吸収に関与する。胆汁酸が回腸に到達すると、胆汁酸は、門脈循環再吸収されて肝臓に戻る。分泌された胆汁酸の少量は、回腸では再吸収されず、結腸に到達する。ここで、細菌の作用により、胆汁酸は脱抱合及び脱ヒドロキシル化され、二次胆汁酸デオキシコレート及びリトコレートが産生する。

結腸では、胆汁酸(特に、デヒドロキシル化胆汁酸ケノデオキシコレート及びデオキシコレート)は、電解質及び水の分泌を促進する。これにより、結腸の運動性が高まり、結腸での移動時間が短縮される。胆汁酸が過剰に存在する場合、胆汁酸は、膨満切迫及び大便失禁等の、他の胃腸症状を伴う下痢をもたらす。このような胆汁酸塩又は胆汁酸吸収不良、又はBAMの状態の理解において、近年、いくつかの進歩がある(Pattni及びWalters、Br. Med. Bull. 2009、92巻、79〜93頁;Islam及びDi Baise、Pract. Gastroenterol. 2012、36巻(10)、32〜44頁)。遠位回腸が胆汁酸の吸収をできない理由に応じて、胆汁酸吸収不良は、タイプ1、タイプ2及びタイプ3のBAMに分類することができる。

下痢はまた、回腸胆汁酸吸収(IBAT)阻害剤による処置等の、胆汁酸の産生を向上させる及び/又は小腸による胆汁酸の再吸収に影響を及ぼす薬物による処置後、大腸において胆汁酸の濃度が高くなる結果でもあり得る。

胆汁酸吸収不良の現行の処置は、胃腸管において、小腸の近位部分以降で、過剰の胆汁酸を結合し、これにより、胆汁酸の分泌作用を低下させることを目的としている。この目的の場合、コレスチラミンは、胆汁酸隔離剤(bile acid sequestrant)として一般に使用される。コレスチラミン(cholestyramine)(又はコレスチラミン(colestyramine);CAS番号11041-12-6)は、水にはほとんど溶けない強塩基性陰イオン交換樹脂であり、胃腸管から吸収されない。代わりに、コレスチラミンは、腸内の胆汁酸を吸収し、これと一緒になって不溶性複合体を形成する。胆汁酸がこの樹脂に結合した際に形成される複合体は、排便中に分泌される。これにより、この樹脂は、腸肝循環からの胆汁酸の通常の再吸収を防止し、コレステロールの胆汁酸への変換率を向上して、再吸収から除去されるものを置き換える。この変換は、低密度リポタンパク質(LDL)-コレステロールを主に低下させることによって、血漿コレステロール濃度を低下させる。

コレスチラミンはまた、高コレステロール血症II型高リポタンパク血症及び2型糖尿病の処置における、脂質降下剤として使用される。コレスチラミンは、回腸切除クローン病迷走神経切離術糖尿病性迷走神経ニューロパシー及び放射線に関連する下痢の軽減、並びに胆汁鬱滞を有する患者における掻痒の処置に更に使用される。

高脂血症及び下痢の現行の処置では、経口コレスチラミンの用量は、1日12〜24gであり、単回用量として、又は最大4回の分割用量として投与される。掻痒の処置では、4〜8gの用量が、通常十分である。コレスチラミンは、胃腸への影響を最小限にするため、3〜4週間かけて徐々に導入されることがある。最も一般的な副作用便秘である一方、他の胃腸での副作用は、膨満、腹部不快感及び疼痛胸焼け鼓腸及び吐き気/嘔吐である。胆汁中でコレステロール濃度が向上するために、胆石リスクが増大する。用量が高いと、脂肪の胃腸管での吸収、及び付随する脂溶性ビタミンの吸収の低下による妨害によって、脂肪便を引き起こすことがある。慢性投与は、ビタミンK欠乏症に関連する低プロトロンビン血症により、出血傾向が増大する恐れがあるか、又はカルシウム及びビタミンDの吸収阻害による骨粗鬆症に至る恐れがある。、皮膚及び肛門周囲の領域の皮膚発疹及び掻痒が、やはり時おり報告されている。味及び質感が劣ること、及び様々な副作用があるために、>50%の患者は、12か月以内に治療中止している。

コレスチラミンを使用する現行の処置に伴う別の短所は、この薬剤が、エストロゲンチアジド利尿薬ジゴキシン及び関連アルカロイドロペラミドフェニルブタゾンバルビツレート甲状腺ホルモンワルファリン及び一部の抗生物質等の、同時に投与される他の薬物の吸収を低下させることである。したがって、他の薬物は、コレスチラミンを投与の少なくとも1時間前、又はコレスチラミンの投与の4〜6時間後に服用されるべきであると推奨されている。同時に服用される薬物の用量調節を行うことが依然として必要とされ得る。

これらの副作用を鑑みると、コレスチラミンが、結腸放出用製剤として、すなわち結腸の近位部分においてコレスチラミンを放出するために製剤化することができれば望ましいと思われる。このような製剤は、より少ない用量のコレスチラミンしか必要とせず、質感及び味に関してより優れた特性を有するはずであり、したがって、患者によりよく認容され得る。より重要なことに、コレスチラミンの結腸での放出では、結腸で増加した分泌及び運動性を低下させるために依然として胆汁酸に結合するが、他の薬物との相互作用は生じないはずであり、脂肪及び脂溶性ビタミンの吸収不良のリスクを誘発しないはずである。患者のコンプライアンスの理由のため、服用される丸剤の数が可能な限り少なく維持され得る場合、更に望ましいと思われる。したがって、各丸剤は、可能な限り多量のコレスチラミンを含有すべきである。

EP1273307は、小腸の下部から盲腸までの領域周辺での胆汁酸吸着剤の放出を可能にするよう、ポリマーによりコーティングされている胆汁酸吸着剤を含む、胆汁酸性下痢を予防するための調製物を開示している。HPMCAS-HF又はエチルセルロースによりコーティングされているコレスチラミン顆粒剤は、環境を模倣した条件下で、広範囲膨潤及び破裂を示すことが知られている。

Jacobsenら(Br. Med. J. 1985、290巻、1315〜1318頁)は、回腸切除を受けた患者に、酢酸フタル酸セルロースによりコーティングされているコレスチラミン錠剤を500mg投与(1日12錠)した検討を記載している。この検討において14名の患者のうちの5名において、錠剤は、所望の場所で崩壊しなかった。

概要

本発明は、拡散制御内部コーティング及び腸溶性外部コーティングによりコーティングされている複数のコレスチラミンペレット剤を含む、結腸にコレスチラミンを標的送達するための経口用製剤に関する。本発明はまた、胆汁酸吸収不良の処置におけるこの製剤の使用に関する。

目的

効果

実績

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請求項1

a)コレスチラミン、及びi.少なくとも7%w/wのビニルピロリドン系ポリマー、又はii.少なくとも6%w/wのビニルピロリドン系ポリマーと少なくとも2%w/wのアクリレートコポリマーとの組合せ、又はiii.少なくとも5%w/wのビニルピロリドン系ポリマーと少なくとも3%w/wのアクリレートコポリマーとの組合せ、又はiv.少なくとも6%w/wのビニルピロリドン系ポリマー、少なくとも1%w/wのアクリレートコポリマー、及び少なくとも10%w/wの微結晶セルロースの組合せ、又はv.少なくとも5%w/wのビニルピロリドン系ポリマー、少なくとも2%w/wのアクリレートコポリマー、及び少なくとも20%w/wの微結晶セルロースの組合せを含む、複数のペレット剤、b)前記ペレット剤の周囲の拡散制御内部コーティング、並びにc)腸溶性外部コーティングを含む、結腸へのコレスチラミンの標的送達のための経口用製剤

請求項2

拡散制御内部コーティングが、弾性である、請求項1に記載の製剤。

請求項3

拡散制御内部コーティングが、ポリアクリル酸エチル-co-メタクリル酸メチル-co-トリメチルアンモニオエチルメタクリレートクロライド)1:2:0.2、1:2:0.1又はこれらの組み合わせを含む、請求項1又は2に記載の製剤。

請求項4

腸溶性外部コーティングがヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネートを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の製剤。

請求項5

コートされていないペレット剤の直径が、1000〜1400μmである、請求項1から4のいずれか一項に記載の製剤。

請求項6

コートされていないペレット剤が微結晶セルロースも含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の製剤。

請求項7

コートされていないペレット剤が、微結晶セルロースを含まない、請求項1から5のいずれか一項に記載の製剤。

請求項8

コートされていないペレット剤が、少なくとも70%w/wのコレスチラミンを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の製剤。

請求項9

コートされていないペレット剤が、少なくとも80%w/wのコレスチラミンを含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の製剤。

請求項10

コートされていないペレット剤が、少なくとも85%w/wのコレスチラミンを含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の製剤。

請求項11

最終製剤のコレスチラミン含有量(乾燥質量基準)が、少なくとも50%w/wである、請求項1から10のいずれか一項に記載の製剤。

請求項12

最終製剤のコレスチラミン含有量(乾燥質量基準)が、少なくとも55%w/wである、請求項1から11のいずれか一項に記載の製剤。

請求項13

最終製剤中のコーティング層の量(乾燥質量基準)が40%w/w未満である、請求項1から12のいずれか一項に記載の製剤。

請求項14

最終製剤中のコーティング層の量(乾燥質量基準)が35%w/w未満である、請求項1から13のいずれか一項に記載の製剤。

請求項15

70%超のコレスチラミンが結腸中で放出される、請求項1から14のいずれか一項に記載の製剤。

請求項16

30%未満のコレスチラミンしか小腸中で放出されない、請求項1から14のいずれか一項に記載の製剤。

請求項17

製剤がカプセル剤内に含有されている、請求項1から16のいずれか一項に記載の製剤。

請求項18

製剤がサシェ剤内に含有されている、請求項1から16のいずれか一項に記載の製剤。

請求項19

胆汁酸吸収不良処置又は予防に使用するための、請求項1から18のいずれか一項に記載の製剤。

請求項20

胆汁酸吸収不良が、回腸疾患(クローン病)、回腸切除又は回腸バイパスの結果、胆汁酸の過剰産生若しくは肝臓での胆汁酸合成のフィードバック阻害欠陥の結果、又は胆嚢切除迷走神経切離術、小腸の細菌の過剰成長(SIBO)、セリアック病膵臓機能不全(慢性膵臓炎嚢胞性線維症)、膵臓移植放射線性腸炎膠原線維大腸炎顕微鏡的大腸炎、リンパ球浸潤大腸炎、潰瘍性大腸炎又は過敏性腸症候群(IBS-D)の結果である、請求項19に規定の使用のための製剤。

請求項21

胆汁酸性下痢の処置又は予防に使用するための、請求項1から18のいずれか一項に記載の製剤。

請求項22

IBAT阻害剤経口投与により、胆汁酸性下痢の処置又は予防に使用するための、請求項1から18のいずれか一項に記載の製剤。

請求項23

IBAT阻害剤の経口投与を含む胆汁鬱滞肝疾患の処置による、胆汁酸性下痢の処置又は予防に使用するための、請求項1から18のいずれか一項に記載の製剤。

請求項24

IBAT阻害剤が、1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{(R)-α-[N-((S)-1-カルボキシプロピル)-カルバモイル]-4-ヒドロキシベンジル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,5-ベンゾチアジアゼピン;又は1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{(R)-1'-フェニル-1'-[N'-(カルボキシメチル)-カルバモイル]メチル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾチアゼピン;又は薬学的に許容されるその塩である、請求項22又は23に規定の使用のための製剤。

技術分野

0001

本発明は、拡散が制御された内部コーティング及び腸溶性外部コーティングによりコートされている複数のコレスチラミンペレット剤を含む、結腸にコレスチラミンを標的送達するための経口用製剤に関する。本発明はまた、胆汁酸吸収不良処置におけるこの製剤の使用にも関する。

背景技術

0002

胆汁酸吸収不良は、多くの場合、慢性下痢に至る、結腸中の過剰の胆汁酸により特徴付けられる状態である。胆汁酸は、肝臓中で合成されて抱合を受けたステロイド酸である。胆汁酸は、肝臓から、胆汁系を介して小腸分泌され、ここで、胆汁酸は、食事の脂質及び脂溶性ビタミン可溶化及び吸収に関与する。胆汁酸が回腸に到達すると、胆汁酸は、門脈循環再吸収されて肝臓に戻る。分泌された胆汁酸の少量は、回腸では再吸収されず、結腸に到達する。ここで、細菌の作用により、胆汁酸は脱抱合及び脱ヒドロキシル化され、二次胆汁酸デオキシコレート及びリトコレートが産生する。

0003

結腸では、胆汁酸(特に、デヒドロキシル化胆汁酸ケノデオキシコレート及びデオキシコレート)は、電解質及び水の分泌を促進する。これにより、結腸の運動性が高まり、結腸での移動時間が短縮される。胆汁酸が過剰に存在する場合、胆汁酸は、膨満切迫及び大便失禁等の、他の胃腸症状を伴う下痢をもたらす。このような胆汁酸塩又は胆汁酸吸収不良、又はBAMの状態の理解において、近年、いくつかの進歩がある(Pattni及びWalters、Br. Med. Bull. 2009、92巻、79〜93頁;Islam及びDi Baise、Pract. Gastroenterol. 2012、36巻(10)、32〜44頁)。遠位回腸が胆汁酸の吸収をできない理由に応じて、胆汁酸吸収不良は、タイプ1、タイプ2及びタイプ3のBAMに分類することができる。

0004

下痢はまた、回腸胆汁酸吸収(IBAT)阻害剤による処置等の、胆汁酸の産生を向上させる及び/又は小腸による胆汁酸の再吸収に影響を及ぼす薬物による処置後、大腸において胆汁酸の濃度が高くなる結果でもあり得る。

0005

胆汁酸吸収不良の現行の処置は、胃腸管において、小腸の近位部分以降で、過剰の胆汁酸を結合し、これにより、胆汁酸の分泌作用を低下させることを目的としている。この目的の場合、コレスチラミンは、胆汁酸隔離剤(bile acid sequestrant)として一般に使用される。コレスチラミン(cholestyramine)(又はコレスチラミン(colestyramine);CAS番号11041-12-6)は、水にはほとんど溶けない強塩基性陰イオン交換樹脂であり、胃腸管から吸収されない。代わりに、コレスチラミンは、腸内の胆汁酸を吸収し、これと一緒になって不溶性複合体を形成する。胆汁酸がこの樹脂に結合した際に形成される複合体は、排便中に分泌される。これにより、この樹脂は、腸肝循環からの胆汁酸の通常の再吸収を防止し、コレステロールの胆汁酸への変換率を向上して、再吸収から除去されるものを置き換える。この変換は、低密度リポタンパク質(LDL)-コレステロールを主に低下させることによって、血漿コレステロール濃度を低下させる。

0006

コレスチラミンはまた、高コレステロール血症II型高リポタンパク血症及び2型糖尿病の処置における、脂質降下剤として使用される。コレスチラミンは、回腸切除クローン病迷走神経切離術糖尿病性迷走神経ニューロパシー及び放射線に関連する下痢の軽減、並びに胆汁鬱滞を有する患者における掻痒の処置に更に使用される。

0007

高脂血症及び下痢の現行の処置では、経口コレスチラミンの用量は、1日12〜24gであり、単回用量として、又は最大4回の分割用量として投与される。掻痒の処置では、4〜8gの用量が、通常十分である。コレスチラミンは、胃腸への影響を最小限にするため、3〜4週間かけて徐々に導入されることがある。最も一般的な副作用便秘である一方、他の胃腸での副作用は、膨満、腹部不快感及び疼痛胸焼け鼓腸及び吐き気/嘔吐である。胆汁中でコレステロール濃度が向上するために、胆石リスクが増大する。用量が高いと、脂肪の胃腸管での吸収、及び付随する脂溶性ビタミンの吸収の低下による妨害によって、脂肪便を引き起こすことがある。慢性投与は、ビタミンK欠乏症に関連する低プロトロンビン血症により、出血傾向が増大する恐れがあるか、又はカルシウム及びビタミンDの吸収阻害による骨粗鬆症に至る恐れがある。、皮膚及び肛門周囲の領域の皮膚発疹及び掻痒が、やはり時おり報告されている。味及び質感が劣ること、及び様々な副作用があるために、>50%の患者は、12か月以内に治療中止している。

0008

コレスチラミンを使用する現行の処置に伴う別の短所は、この薬剤が、エストロゲンチアジド利尿薬ジゴキシン及び関連アルカロイドロペラミドフェニルブタゾンバルビツレート甲状腺ホルモンワルファリン及び一部の抗生物質等の、同時に投与される他の薬物の吸収を低下させることである。したがって、他の薬物は、コレスチラミンを投与の少なくとも1時間前、又はコレスチラミンの投与の4〜6時間後に服用されるべきであると推奨されている。同時に服用される薬物の用量調節を行うことが依然として必要とされ得る。

0009

これらの副作用を鑑みると、コレスチラミンが、結腸放出用製剤として、すなわち結腸の近位部分においてコレスチラミンを放出するために製剤化することができれば望ましいと思われる。このような製剤は、より少ない用量のコレスチラミンしか必要とせず、質感及び味に関してより優れた特性を有するはずであり、したがって、患者によりよく認容され得る。より重要なことに、コレスチラミンの結腸での放出では、結腸で増加した分泌及び運動性を低下させるために依然として胆汁酸に結合するが、他の薬物との相互作用は生じないはずであり、脂肪及び脂溶性ビタミンの吸収不良のリスクを誘発しないはずである。患者のコンプライアンスの理由のため、服用される丸剤の数が可能な限り少なく維持され得る場合、更に望ましいと思われる。したがって、各丸剤は、可能な限り多量のコレスチラミンを含有すべきである。

0010

EP1273307は、小腸の下部から盲腸までの領域周辺での胆汁酸吸着剤の放出を可能にするよう、ポリマーによりコーティングされている胆汁酸吸着剤を含む、胆汁酸性下痢を予防するための調製物を開示している。HPMCAS-HF又はエチルセルロースによりコーティングされているコレスチラミン顆粒剤は、環境を模倣した条件下で、広範囲膨潤及び破裂を示すことが知られている。

0011

Jacobsenら(Br. Med. J. 1985、290巻、1315〜1318頁)は、回腸切除を受けた患者に、酢酸フタル酸セルロースによりコーティングされているコレスチラミン錠剤を500mg投与(1日12錠)した検討を記載している。この検討において14名の患者のうちの5名において、錠剤は、所望の場所で崩壊しなかった。

0012

EP1273307
WO93/16055
WO94/18183
WO94/18184
WO96/05188
WO96/08484
WO96/16051
WO97/33882
WO98/03818
WO98/07449
WO98/40375
WO99/35135
WO99/64409
WO99/64410
WO00/47568
WO00/61568
WO00/38725
WO00/38726
WO00/38727
WO00/38728
WO00/38729
WO01/68096
WO02/32428
WO03/061663
WO2004/006899
WO2007/009655
WO2007/009656
DE19825804
EP864582
EP489423
EP549967
EP573848
EP624593
EP624594
EP624595
EP624596
EP0864582
EP1173205
EP1535913
WO01/66533
WO02/50051
WO03/022286
WO03/020710
WO03/022825
WO03/022830
WO03/091232
WO03/106482
WO2004/076430
WO99/32478
WO00/01687
WO01/68637
WO03/022804
WO2008/058628
WO2008/058630

先行技術

0013

Pattni及びWalters、Br. Med. Bull. 2009、92巻、79〜93頁
Islam及びDi Baise、Pract. Gastroenterol. 2012、36巻(10)、32〜44頁
Jacobsenら、Br. Med. J. 1985、290巻、1315〜1318頁
Vertommen及びKinget、Drug Dev. Ind. Pharm. 1997、23巻、39〜46頁
Sinha及びKumria、Eur. J. Pharm. Sci. 2003、18巻、3〜18頁
Marzoratiら、LWT-Food Sci. Technol. 2015、60巻、544〜551頁
Possemiersら、FEMS Microbiol. Ecol. 2004、49巻、495〜507頁
Carulliら、Aliment. Pharmacol. Ther. 2000、14巻、刊行補足資料s2、14〜18頁

発明が解決しようとする課題

0014

この領域において進歩はあったにもかかわらず、コレスチラミン製剤のさらなる改善が依然として必要とされている。特に、結腸へのコレスチラミンの標的送達のための経口用組成物が必要とされている。

課題を解決するための手段

0015

小さく、かつ安定なコレスチラミンのペレット剤を得ることができること、及びこれらのペレット剤は、これが結腸に到達するまで、ペレット剤の放出を防止するコーティング層によりコーティングされ得ることを発見した。小さなコレスチラミンペレット剤と結腸放出性コーティングとを組み合わせると、コレスチラミンの用量を例えば、1日2回、1.5gまで低減することが可能になる。コレスチラミンのこうした用量は、結腸中の過剰の胆汁酸との結合に十分であると考えられる。本明細書に開示されている組成物は、コレスチラミンと、他の薬物又は栄養素等の胃腸管中の他の成分との望ましくない相互作用を更に低減する。

0016

一態様では、本発明は、
a)コレスチラミンを含む複数のペレット剤
b) 前記ペレット剤の周囲の拡散制御内部コーティング、及び
c)腸溶性外部コーティング
を含む、結腸にコレスチラミンを標的送達するための経口用製剤であって、
70%超のコレスチラミンが結腸中で放出される、経口用製剤に関する。

0017

コーティング層は、ペレット剤が結腸に到達するまで、実質的にペレット剤からのコレスチラミンの放出を抑制する。

0018

好ましくは、75%超のコレスチラミンが結腸中で放出され、例えば、80%超又は85%超のコレスチラミンが結腸中で放出される。より好ましくは、90%超のコレスチラミンが結腸中で放出される。

0019

別の態様では、本発明は、
a)コレスチラミンを含む複数のペレット剤
b) 前記ペレット剤の周囲の拡散制御内部コーティング、及び
c)腸溶性外部コーティングを含む、結腸にコレスチラミンを標的送達するための経口用製剤であって、
30%未満のコレスチラミンしか小腸中で放出されない、経口用製剤に関する。

0020

好ましくは、25%未満のコレスチラミンしか小腸中で放出されず、例えば、20%未満又は15%未満のコレスチラミンしか小腸中で放出されない。より好ましくは、10%未満のコレスチラミンしか小腸中で放出されない。

0021

ペレット剤のコレスチラミン含有量は、可能な限り多量であるべきである。したがって、コーティングされていないペレット剤は、好ましくは、少なくとも70%w/wのコレスチラミン、より好ましくは少なくとも75%w/wのコレスチラミン、より好ましくは少なくとも80%w/wのコレスチラミン、更により好ましくは、少なくとも85%w/wのコレスチラミン、及び最も好ましくは少なくとも90%w/wのコレスチラミンを含有する。

0022

別の態様では、本発明は、
a)コレスチラミン、及び
i. 少なくとも7%w/wのビニルピロリドン系ポリマー、又は
ii. 少なくとも6%w/wのビニルピロリドン系ポリマーと少なくとも2%w/wのアクリレートコポリマーとの組合せ、又は
iii. 少なくとも5%w/wのビニルピロリドン系ポリマーと少なくとも3%w/wのアクリレートコポリマーとの組合せ、又は
iv. 少なくとも6%w/wのビニルピロリドン系ポリマー、少なくとも1%w/wのアクリレートコポリマー、及び少なくとも10%w/wの微結晶セルロースの組合せ、又は
v. 少なくとも5%w/wのビニルピロリドン系ポリマー、少なくとも2%w/wのアクリレートコポリマー、及び少なくとも20%w/wの微結晶セルロースの組合せ
を含む複数のペレット剤、
b) 前記ペレット剤の周囲の拡散制御内部コーティング、並びに
c)腸溶性外部コーティング
を含む、結腸にコレスチラミンを標的送達するための経口用製剤に関する。

0023

一実施形態は、70%超のコレスチラミンが結腸中で放出され、好ましくは75%超、例えば80%超又は85%超のコレスチラミンが結腸中で放出される。より好ましくは、90%超のコレスチラミンが結腸中で放出される。

0024

別の実施形態では、30%未満のコレスチラミンしか小腸中で放出されず、好ましくは25%未満、例えば20%未満又は15%未満のコレスチラミンしか小腸中で放出されない。より好ましくは、10%未満のコレスチラミンしか小腸中で放出されない。

0025

ペレット剤の組成物中の、特定量のビニルピロリドン系ポリマー(又は「ビニルピロリドンベースとするポリマー」ともいう)、又はビニルピロリドン系ポリマーとアクリレートコポリマーとの組合せの存在により、コレスチラミン含有量を高くすることが可能になる。得られたペレット剤は、ペレット剤上にコーティング層を適用するために必要な条件に耐えるほど十分に安定である。

0026

拡散制御内部コーティング及び腸溶性外部コーティングは、ペレット剤が大腸、特に近位結腸に到達するまで、ペレット剤からコレスチラミンが放出するのを実質的に防止する。更に、本コーティングは、ペレット剤が破裂するのを防ぐ。コーティングの中を拡散する水が、コレスチラミンにより吸収される場合、コレスチラミンの体積の増加により、ペレット剤は膨潤する。本ペレット剤の拡散制御内部コーティングは弾性体であり、したがって、ペレット剤の膨潤に耐えることができる。これにより、本コーティングは、ペレット剤の破裂、及びコレスチラミンの早すぎる放出を防ぐ。

0027

コレスチラミンは溶解度が非常に低いために、コレスチラミンは、これが製剤から溶出して腸内に拡散するという点で、製剤から「放出」されない。代わりに、コレスチラミンは、コートされたペレット剤の徐々に分解する構造内部に恐らく、留まっている。したがって、本明細書で使用するコレスチラミンの「放出」という用語は、腸内容物の成分(すなわち、胆汁酸)に結合させるために、腸内容物にコレスチラミンを利用可能であることを指す。

図面の簡単な説明

0028

図1は、胃及び小腸のpHを模倣したアッセイにおける、製剤A、B及びCの隔離プロファイル(sequestration profile)を示すグラフである。図1Aは、pH5.5での6時間の製剤A、B及びCの結果を示している。図1Bは、pH1で2時間、次いでpH6.8で4時間での結果を示している。図1Cは、pH1で2時間、次いでpH7.4で4時間での結果を示している。
図2は、インビトロのSHIME(登録商標)アッセイにおける、製剤A、B及びCにおける、コール酸相対濃度(%)対インキュベート時間(時)を示すグラフである。純粋なコレスチラミン粉末を使用する比較実験及びコレスチラミンを含まない対照実験に関する結果も示されている。
図3は、インビトロのSHIME(登録商標)アッセイにおける、製剤A、B及びCにおける、ケノデオキシコール酸の相対濃度(%)対インキュベート時間(時)を示すグラフである。純粋なコレスチラミン粉末を使用する比較実験及びコレスチラミンを含まない対照実験に関する結果も示されている。
図4は、インビトロのSHIME(登録商標)アッセイにおける、製剤A、B及びCにおける、デオキシコール酸の相対濃度(%)対インキュベート時間(時)を示すグラフである。純粋なコレスチラミン粉末を使用する比較実験及びコレスチラミンを含まない対照実験に関する結果も示されている。

0029

ペレット剤
本明細書で使用する用語「ペレット剤」は、押出成形されたペレット剤、すなわち、押出成形及び球形化により得られるペレット剤を指す。押出成形ペレット剤の調製は、通常、粉末と液体とを混合して湿潤物質を得る工程、この湿潤物質を押出成形する工程、この押出物を球形にする工程、及び湿潤ペレット剤を乾燥する工程を含む。

0030

ペレット剤は、ペレット剤の乾燥及びコーティング等の取り扱い中機械的応力に耐えるほど、十分に安定であることが必須である。ペレット剤の安定性は、摩損度(friability)として表現することができ、摩損度は、固体物質(錠剤、粒剤球体又はペレット剤等)が、例えば、摩耗、破損又は変形によって、より小さな破片へと小さくなる能力である。摩損度の程度が低いことは、固体物質が、ほんの低い程度にしかより小さな破片に破壊されないことを意味する。本明細書で使用する場合、摩損度は、ペレット剤が、回転、振動流動化等の機械的負荷を受けた際に発生する、ペレット剤の質量の低下として定義される。摩損度を測定する方法は、当分野において既知である(例えば、欧州薬局方8.0の試験2.9.7又は2.9.41)。

0031

試験により、上記で特定されているよりも少ない量のビニルピロリドン系ポリマー及び/又はアクリレートコポリマーが含まれていると、より低いペレット剤の収率及びより高いペレット剤の摩損度となることが示された。一般に、ペレット剤に対する許容可能な摩損度を定義することは可能ではないが、摩損度の値が<1.7%w/wとなる摩損度であれば、流動床コーティング、取り扱い及び他の過程に伴う応力に耐えるのに許容可能であるものとして報告されている(Vertommen及びKinget、Drug Dev. Ind. Pharm. 1997、23巻、39〜46頁)。本発明のコレスチラミンペレット剤に関すると、2.1%の摩損度であれば、依然として許容可能であることが分かった。摩損度は、好ましくは2.0%未満、より好ましくは1.5%未満、更により好ましくは1.0%未満である。

0032

ペレット剤中のビニルピロリドン系ポリマーは、ポリビニルピロリドン(ポビドン)又はビニルピロリドン-酢酸ビニルコポリマー(コポビドン)とすることができる。ポビドンは、N-ビニルピロリドンから作製される、直鎖状水溶性ポリマーである。コポビドン(コポリビドンとしても知られている)は、6:4の質量比の、1-ビニル-2-ピロリドン(ポビドン)と酢酸ビニルとの直鎖状の水溶性コポリマーである。好ましい実施形態では、ビニルピロリドン系ポリマーは、コポビドンである。

0033

ペレット剤中のアクリレートコポリマーは、アクリレートモノマーを含む、任意の薬学的に許容されるコポリマーであってもよい。アクリレートモノマーの例としては、以下に限定されないが、アクリレート(アクリル酸)、アクリル酸メチルアクリル酸エチルメタクリル酸(メタクリレート)、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸トリメチルアンモニオエチル及びメタクリル酸ジメチルアミノエチルが挙げられる。いくつかのアクリレートコポリマーは、Eudragit(登録商標)という商標名で知られている。

0034

ポリ(アクリル酸エチル-co-メタクリル酸メチル-co-トリメチルアンモニオエチルメタクリレートクロライド)は、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、及び低含有量のトリメチルアンモニオエチルメタクリレートクロライド(四級アンモニウム基を有するメタクリル酸エステル)からなるコポリマーである。このコポリマーは、アンモニオメタクリレートコポリマーとも称される。このコポリマーは不溶性であるが、アンモニウム塩基の存在が、コポリマーを浸透性にしている。このコポリマーは、1:2:0.2の混合物(タイプA)として、又は1:2:0.1の混合物(タイプB)として利用可能である。タイプA及びタイプBの30%水性分散体は、それぞれ、Eudragit(登録商標)RL30D及びEudragit(登録商標)RS30Dという商標名で販売されている。

0035

ポリ(アクリル酸メチル-co-メタクリル酸メチル-co-メタクリル酸)7:3:1は、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル及びメタクリル酸のコポリマーである。ポリ(アクリル酸メチル-co-メタクリル酸メチル-co-メタクリル酸)は、酸性媒体に不溶性であるが、pH7.0超で塩を形成することにより溶解する。30%水性分散体は、Eudragit(登録商標)FS30Dという商標名で市販されている。

0036

ポリ(メタクリル酸-co-アクリル酸エチル)1:1は、アクリル酸エチルとメタクリル酸とのコポリマーである。ポリ(メタクリル酸-co-アクリル酸エチル)は、pH5.5未満の酸性媒体中では不溶性であるが、このpHを超えると、塩形成により溶解する。30%水性分散体は、Eudragit(登録商標)L30D-55という商標名で市販されている。

0037

更に好適なアクリレートコポリマーには、ポリ(アクリル酸エチル-co-メタクリル酸メチル)2:1が挙げられ、これは、アクリル酸エチルとメタクリル酸メチルとの水不溶性コポリマーである。30%水性分散体が、Eudragit(登録商標)NE30D及びEudragit(登録商標)NM30Dという商標名で市販されている。

0038

好ましいアクリレートコポリマーは、アンモニオメタクリレートコポリマー、ポリ(アクリル酸メチル-co-メタクリル酸メチル-co-メタクリル酸)7:3:1及びポリ(メタクリル酸-co-アクリル酸エチル)1:1である。より好ましくは、アクリレートポリマーは、アンモニオメタクリレートコポリマーであり、最も好ましくは、アクリレートポリマーはポリ(アクリル酸エチル-co-メタクリル酸メチル-co-トリメチルアンモニオエチルメタクリレートクロライド)1:2:0.2である。

0039

一実施形態では、本ペレット剤は、コレスチラミン、及び
i. 少なくとも7%w/wのビニルピロリドン系ポリマー、又は
ii. 少なくとも6%w/wのビニルピロリドン系ポリマーと少なくとも2%w/wのアクリレートコポリマーとの組合せ
を含む。

0040

より好ましい実施形態では、本ペレット剤は、コレスチラミン、及び
i. 少なくとも7%w/wのコポビドン、又は
ii. 少なくとも6%w/wのコポビドンと少なくとも2%w/wのアンモニオメタクリレートコポリマーとの組合せ
を含む。

0041

本ペレット剤は、微結晶セルロース(又は、「マイクロクリスタリンセルロース」ともいう)等の添加剤を更に含んでもよい。一実施形態では、本ペレット剤は、0〜20%w/wの微結晶セルロース、例えば0〜10%w/wの微結晶セルロースを含む。より好ましい実施形態では、本ペレット剤は、0〜5%w/wの微結晶セルロースを含む。

0042

別の実施形態では、本ペレット剤は微結晶セルロースを含まない。

0043

一実施形態では、本ペレット剤は、70〜92%w/wのコレスチラミン、6〜12%w/wのビニルピロリドン系ポリマー、2〜5%w/wのアクリレートコポリマー、及び0〜20%w/wの微結晶セルロースを含む。より好ましくは、本ペレット剤は、80〜92%w/wのコレスチラミン、6〜12%w/wのビニルピロリドン系ポリマー、2〜5%w/wのアクリレートコポリマー、及び0〜5%w/wの微結晶セルロースを含む。

0044

別の実施形態では、本ペレット剤は、70〜92%w/wのコレスチラミン、6〜12%w/wのコポビドン、2〜5%w/wのアンモニオメタクリレートコポリマー、及び0〜20%w/wの微結晶セルロースを含む。より好ましくは、本ペレット剤は、80〜92%w/wのコレスチラミン、6〜12%w/wのコポビドン、2〜5%w/wのアンモニオメタクリレートコポリマー、及び0〜5%w/wの微結晶セルロースを含む。

0045

別の実施形態では、本ペレット剤は、70〜93%w/wのコレスチラミン、7〜12%w/wのビニルピロリドン系ポリマー及び0〜20%w/wの微結晶セルロースを含む。より好ましくは、本ペレット剤は、70〜93%w/wのコレスチラミン、7〜12%w/wのコポビドン、及び0〜20%w/wの微結晶セルロースを含む。

0046

更に別の実施形態では、本ペレット剤は、80〜93%w/wのコレスチラミン、7〜12%w/wのビニルピロリドン系ポリマー及び0〜10%w/wの微結晶セルロースを含む。より好ましくは、本ペレット剤は、80〜93%w/wのコレスチラミン、7〜12%w/wのコポビドン、及び0〜10%w/wの微結晶セルロースを含む。

0047

コーティングされていないペレット剤は、水性条件下で急速に崩壊する。しかし、コーティングされていないペレット剤は、ペレット剤上に結腸放出性コーティングを適用するために必要な条件に耐えるほど十分に安定である。

0048

拡散制御コーティング
拡散制御内部コーティングは、コレスチラミンの改良した放出をもたらし、すなわち、コレスチラミンは一度に利用可能とはならず、長期間にわたって利用可能になる。このコーティングは、いかなるpH値で不溶性であるが、水及び水中に溶解した低分子に対して浸透性である1以上のポリマーを含む。こうしたポリマーの例としては、これらに限定されないが、ポリ(アクリル酸エチル-co-メタクリル酸メチル-co-トリメチルアンモニオエチルメタクリレートクロライド)1:2:0.2(Eudragit(登録商標)RL 30D)、ポリ(アクリル酸エチル-co-メタクリル酸メチル-co-トリメチルアンモニオエチルメタクリレートクロライド)1:2:0.1(Eudragit(登録商標)RS 30 D)、ポリ(アクリル酸エチル-co-メタクリル酸メチル)2:1(Eudragit(登録商標)NE 30DまたはEudragit(登録商標)NM 30D)、及びポリ酢酸ビニル(Kollicoat(登録商標)SR 30D)が挙げられる。拡散制御内部コーティングは、好ましくは、ポリ(アクリル酸エチル-co-メタクリル酸メチル-co-トリメチルアンモニオエチルメタクリレートクロライド)1:2:0.2(Eudragit(登録商標)RL 30D)、ポリ(アクリル酸エチル-co-メタクリル酸メチル-co-トリメチルアンモニオエチルメタクリレートクロライド)1:2:0.1(Eudragit(登録商標)RS 30 D)、又はこれらの組み合わせを含み、最も好ましくはポリ(アクリル酸エチル-co-メタクリル酸メチル-co-トリメチルアンモニオエチルメタクリレートクロライド)1:2:0.1を含む。

0049

水がコレスチラミンにより吸収される場合、コレスチラミンの体積の増加がペレット剤の膨潤を引き起こす。したがって、拡散制御内部コーティングは弾性体である(すなわち、高い破断伸びを有する)べきである。本コーティングは、本コーティングに弾性があるために、この膨潤に耐えることができる。ペレット剤の破裂及びコレスチラミンの早すぎる放出は、これにより回避される。コーティングの弾性は、有機ポリマーそれ自体の弾性の結果であることがあり、又は可塑剤の添加により誘導することができる。好適な可塑剤の例としては、クエン酸トリエチル三酢酸グリセリルクエン酸トリブチルフタル酸ジエチルクエン酸アセチルトリブチルフタル酸ジブチル及びセバシン酸ジブチルが挙げられる。

0050

腸溶性コーティング
腸溶性コーティングは、胃でみられる酸性pH(pH1〜3)で安定且つ不溶性であるが、より酸性度の低いpH、例えば小腸中でみられるpH(pH約6〜7)で迅速に崩壊するか又は溶解性になるpH感受性ポリマーを含む。そうしたpH感受性ポリマーの例としては、これらに限定されないが、酢酸フタル酸セルロース、コハク酸セルロースアセテートヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネートヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ポリ(メタクリル酸-co-メタクリル酸メチル)1:1(Eudragit(登録商標)L 100)、ポリ(メタクリル酸-co-メタクリル酸メチル)1:2(Eudragit(登録商標)S100)、ポリ(メタクリル酸-co-アクリル酸エチル)1:1(Eudragit(登録商標)L 100-55)、ポリ(アクリル酸メチル-co-メタクリル酸メチル-co-メタクリル酸)7:3:1(Eudragit(登録商標)FS30D)、ポリ酢酸ビニルフタレートセラックアルギン酸ナトリウム、及びゼイン、並びにそれらの混合物が挙げられる。腸溶性コーティングは、好ましくは、ポリ(メタクリル酸-co-メタクリル酸メチル)1:1、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、及びポリ(メタクリル酸-co-メタクリル酸メチル)1:2からなる群から選択されるpH感受性ポリマーを含む。腸溶性コーティングは、最も好ましくはヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネートを含む。

0051

拡散制御及び腸溶性コーティングは、酸及び塩基流動促進剤、可塑剤、並びに界面活性剤等の、1種又は複数のさらなる添加物を含んでもよい。好適な酸の例としては、クエン酸、酢酸トリフルオロ酢酸プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸乳酸リンゴ酸酒石酸アスコルビン酸、パモ酸、マレイン酸ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸グルタミン酸安息香酸サリチル酸、メシル酸、エシル酸、ベシル酸、スルファニル酸、2-アセトキシ安息香酸フマル酸トルエンスルホン酸メタンスルホン酸エタンジスルホン酸及びシュウ酸等の有機酸、並びに塩酸臭化水素酸硫酸スルファミン酸リン酸及び硝酸等の無機酸が挙げられる。好適な塩基の例としては、炭酸水素ナトリウム水酸化ナトリウム及び水酸化アンモニウム等の無機塩基が挙げられる。好適な可塑剤の例としては、クエン酸トリエチル、三酢酸グリセリル、クエン酸トリブチル、フタル酸ジエチル、クエン酸アセチルトリブチル、フタル酸ジブチル、及びセバシン酸ジブチルが挙げられる。好適な流動促進剤の例としては、タルクモノステアリン酸グリセリルオレイン酸中鎖トリグリセリド及びコロイド状二酸化ケイ素が挙げられる。好適な界面活性剤の例としては、ドデシル硫酸ナトリウムポリソルベート80及びモノオレイン酸ソルビタンが挙げられる。

0052

コレスチラミンペレット剤上へのコーティング層の接着を改善するため、又はペレット剤中のコーティング層とコレスチラミンとの間の相互作用を最小化するため、バリアコーティングが、ペレット剤とコーティング層の間の追加層として、場合により存在してもよい。バリアコーティングはまた、2種の異なるコーティング層が互いに物理的に隔離されて維持されるべき場合に、存在することもできる。バリアコーティングに特に好適な材料は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)である。

0053

粘着剤抗付着剤)の薄層が、コートされたペレット剤に最後に適用されてもよい。この外部層は、コートされたペレット剤が、例えば保管中に、互いに付着するのを防止する。好適な非粘着剤の例としては、ヒュームドシリカ、タルク及びステアリン酸マグネシウムが挙げられる。

0054

コーティング層は、一緒になって、それらが大腸に到達するまでペレット剤からコレスチラミンが放出するのを実質的に防止する。さらに、拡散制御内部コーティングのポリマーの特性により、コレスチラミンはゆっくりと数時間の間だけ大腸に利用可能となる。好ましくは、小腸にコレスチラミンの曝露はないべきである一方、一旦多粒子回盲弁を通過すると、この曝露は迅速になるべきである。一実施形態では、30%未満のコレスチラミンしか小腸中で放出さず、例えば、20%未満、10%未満のコレスチラミンしか小腸中で放出されない。より好ましい実施形態では、5%未満のコレスチラミンしか小腸中で放出されない。別の実施形態では、70%超のコレスチラミンが結腸中で放出され、例えば、80%超、90%超のコレスチラミンが結腸中で放出される。より好ましい実施形態では、95%超のコレスチラミンが結腸中で放出される。

0055

コーティング層は、ペレット剤にさらなる質量及び体積を与える。ペレット剤のサイズが小さいほど、最終製剤の体積に及ぼすコーティングの影響が大きくなる。しかし、患者のコンプライアンスの理由のため、製剤の全体積は可能な限り小さいことが望ましい。したがって、コーティング層は、可能な限り薄くするべきである。好ましくは、最終製剤中のコーティングの量(乾燥質量基準)は、40%w/w未満、より好ましくは35%w/w未満である。

0056

ペレット剤のコレスチラミン含有量は、可能な限り多量であるべきである。したがって、コーティングされていないペレット剤は、好ましくは少なくとも70%w/wのコレスチラミン、より好ましくは少なくとも75%w/wのコレスチラミン、より好ましくは少なくとも80%w/wのコレスチラミン、更により好ましくは、少なくとも85%w/wのコレスチラミン及び最も好ましくは少なくとも90%w/wのコレスチラミンを含有する。最終製剤のコレスチラミン含有量(乾燥質量基準)は、好ましくは少なくとも50%w/w、より好ましくは少なくとも55%w/wである。

0057

ペレット剤のサイズは、押出成形工程において使用されるの直径により最初に決定される。押出成形及び球形化工程の後に、本ペレット剤は、狭いサイズ分布を有するペレット剤の画分を得るよう、篩にかけられてもよい。コーティングされていないコレスチラミンペレット剤の直径は、好ましくは、500μm〜3000μm、より好ましくは750μm〜2000μm、更により好ましくは、1000〜1600μmである。最も好ましい実施形態では、ペレット剤の直径は、1000〜1400μmである。

0058

コレスチラミンペレット剤は、
i)乾燥成分を混合する工程、
ii) 水、及び場合によりアクリレートコポリマーを添加して、湿潤物質を得る工程、
iii) この湿潤物質を押出成形する工程、
iv) この押出物を球形化する工程、及び
v) 得られたペレット剤を乾燥する工程
を含む方法で調製することができる。

0059

乾燥したペレット剤は、均質なサイズのペレット剤を得るために、その後に、篩にかけることができる。

0060

工程i)における乾燥成分は、コレスチラミン及びビニルピロリドン系ポリマーを含み、場合により、微結晶セルロースを含んでもよい。

0061

その物理的性質のために、コレスチラミン粉末は、多量の水を吸収することができ、これは材料の相当な膨潤を引き起こす。したがって、乾燥コレスチラミンから湿潤物質を調製するために、乾燥成分から湿潤物質を調製するために通常使用される量の水よりも多量の水を加える必要がある。好ましくは、水は、コレスチラミンの量の少なくとも1.5倍(w/w)の量、より好ましくは、コレスチラミンの量の少なくとも1.75倍(w/w)の量、及び更により好ましくは、コレスチラミンの量の少なくとも2倍(w/w)の量で、乾燥成分の混合物に添加される。

0062

コーティングは、穴の空いたパン及び流動床を含むフィルムコーティング等の、当分野において公知の方法によって、コレスチラミンペレット剤上に適用することができる。

0063

本明細書に記載されている経口用製剤は、患者の年齢及び一般的な身体状態等の要因に応じて、異なる形態で患者に投与され得る。例えば、本製剤は、コーティングペレット剤を含む、1つ又は複数のカプセル剤の形態で投与されてもよい。このようなカプセル剤は、胃内酸性条件下で容易に崩壊する、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、プルラン又はデンプン等の分解性物質を通常含む。これにより、本コーティングペレット剤は、胃に迅速に放出される。したがって、一態様では、本発明は、本明細書に開示されている経口用製剤を含むカプセル剤に関する。

0064

代替として、本コーティングペレット剤は、スプリンクル製剤(sprinkle formulation)として投与されてもよく、その内容物は、液体又はソフトな食物中で分散され得る。このような製剤は、より大きなカプセル剤の飲み込みを必要とせず、したがって、幼児及び小児にとって、並びに高齢成人にとって特に有用である。したがって、別の態様では、本発明は、本明細書に開示されている経口用製剤を含むスプリンクル製剤に関する。このような製剤において、本コーティングペレット剤は、カプセル剤、サシェ剤又はスティック型パック剤内に含まれてもよい。

0065

本明細書に開示されている経口用製剤は、他の製剤よりもいくつかの利点を実現する。本発明による小さなコーティングペレット剤(多粒子)は、胃腸管を容易に通過することができる。このことは、時としてモノリシック製剤(胃内で崩壊しない錠剤又はカプセル剤等)の場合に生じるような、胃腸管において例えば胃又は回盲弁で一時的に滞留するリスクを解消する。更に、コレスチラミンは、胃腸管下部内、特に結腸内で拡散制御内部コーティングが分解し始める場合にしか、腸内容物に利用可能にはならない。したがって、胃及び小腸の内容物は、コレスチラミンから有効に保護され、このことは、胃又は小腸において、コレスチラミンを直接放出する製剤よりも大きな改善点になっている。

0066

水性環境中のコレスチラミンの溶解度が低いために、製剤からのコレスチラミンの放出を直接測定することができない。代わりに、経時的な、及び様々なpH値における、コレスチラミンの腸内容物への利用度は、例えば、胃腸管を模倣した条件下で、製剤の隔離能を測定する等によって、インビトロで決定することができる。このような方法は、実施例に記載されているように、胃腸管を代表する液体媒体中で、遊離胆汁酸の低下量(すなわち、隔離される化合物)を測定することを含む。コレスチラミン樹脂(米国薬局方40、3404頁)の公式モノグラムも参照されたい。

0067

別の態様では、本発明は、胆汁酸吸収不良の処置又は予防に使用するための、本明細書に開示されている製剤に関する。

0068

本発明はまた、胆汁酸吸収不良を処置又は予防する医薬の製造における、本明細書に開示されている製剤の使用に関する。本発明は、胆汁酸吸収不良を処置又は予防する方法であって、治療有効量の本明細書に開示されている製剤を、このような処置又は予防を必要とする哺乳動物に投与する工程を含む方法に更に関する。

0069

胆汁酸吸収不良は、遠位回腸が胆汁酸を吸収することができない原因に応じて、3つの異なるタイプに分類することができる。タイプ1のBAMは、(末端部の)回腸疾患(クローン病等)、又は(末端部の)回腸切除若しくはバイパスの結果である。タイプ2のBAMは、特発性胆汁酸吸収不良又は原発性胆汁酸性下痢(BAD)と呼ばれることが多く、胆汁酸の過剰産生又は肝臓での胆汁酸合成のフィードバック阻害欠陥の結果により引き起こされると考えられている。このフィードバック調節は、ヒトにおける、回腸ホルモン線維芽細胞成長因子19(FGF19)によって媒介される。最後に、タイプ3のBAMは、胆嚢切除、迷走神経切離術、小腸の細菌の過剰成長(SIBO)、セリアック病膵臓機能不全(慢性膵臓炎嚢胞性線維症)、膵臓移植放射線性腸炎膠原線維大腸炎顕微鏡的大腸炎、リンパ球浸潤大腸炎、潰瘍性大腸炎又は過敏性腸症候群(すなわち、下痢が優勢な過敏性腸症候群(IBS-D))の結果とすることができる。

0070

本製剤はまた、回腸の胆汁酸吸収(IBAT)阻害剤と組み合わせて使用されてもよい。肝疾患脂肪酸代謝障害又はグルコース利用障害の処置等における、IBAT阻害剤による処置は、胆汁酸レベルの向上、及び/又は小腸による胆汁酸の再吸収に影響を及ぼすことがあり、大腸における高い胆汁酸濃度をもたらし、こうして下痢が引き起こされる。IBAT阻害剤による処置のこのような副作用は、本明細書において開示されている製剤による処置によって処置され得るか、又は予防され得る。本製剤及びIBAT阻害剤は、同時に、逐次に、又は個別に投与されてもよい。

0071

そのため、別の態様では、本発明は、IBAT阻害剤の経口投与により、下痢の処置又は予防に使用するための、本明細書に開示されている製剤に関する。

0072

本発明はまた、IBAT阻害剤の経口投与による、下痢を処置又は予防する医薬の製造における、本明細書に開示されている製剤の使用に関する。本発明はIBAT阻害剤の経口投与により下痢を処置又は予防する方法であって、治療有効量のIBAT阻害剤及び本明細書に開示されている製剤を、このような処置又は予防を必要とする哺乳動物に投与する工程を含む方法に、更に関する。

0073

好ましい実施形態では、本発明は、胆汁鬱滞性肝疾患等の肝疾患の処置時における、胆汁酸性下痢の処置又は予防に使用するための、本明細書に開示されている製剤であって、IBAT阻害剤の経口投与を含む製剤に関する。特に、本発明は、アラジール症候群(ALGS)、進行性家族性肝内胆汁鬱滞症(PFIC)、原発性胆汁性肝硬変(PBC)、原発性硬化性胆管炎(PSC)、自己免疫肝炎、胆汁鬱滞性掻痒、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)又は非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の処置時における、下痢の処置又は予防に使用するための、本明細書に開示されている製剤であって、IBAT阻害剤の経口投与を含む製剤に関する。

0074

別の実施形態では、本発明は、IBAT阻害剤の経口投与を含む、肝疾患の処置時に、胆汁酸性下痢を処置又は予防する方法であって、治療有効量の本明細書に開示されている製剤を、このような処置又は予防を必要とする哺乳動物に投与する工程を含む方法に関する。特に、本発明は、肝疾患が、アラジール症候群(ALGS)、進行性家族性肝内胆汁鬱滞症(PFIC)、原発性胆汁性肝硬変(PBC)、原発性硬化性胆管炎(PSC)、自己免疫肝炎、胆汁鬱滞性掻痒、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)又は非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)である、下痢の処置又は予防に使用するための、このような方法に関する。

0075

本明細書において定義されている肝疾患は、膵臓門静脈肝実質肝内胆管系、肝外胆管系及び胆嚢等の、肝臓及びそれとつながっている器官における、任意の胆汁酸依存性疾患である。肝疾患としては、以下に限定されないが、肝臓の遺伝性代謝障害;胆汁酸合成の先天異常;先天性胆管異常;胆道閉鎖症;新生児肝炎;新生児胆汁鬱滞;胆汁鬱滞の遺伝形態;脳腱黄色腫症;BA合成の二次欠陥;ツェルウェガー症候群;嚢胞性線維症(肝臓における兆候);アルファ1-抗トリプシン欠乏症;アラジール症候群(ALGS);バイラー症候群;胆汁酸(BA)合成の一次欠陥;進行性家族性肝内胆汁鬱滞症(PFIC)(PFIC-1、PFIC-2、PFIC-3及び非特定PFICを含む);良性反復性肝内胆汁鬱滞(BRIC)(BRIC1、BRIC2及び非指定BRICを含む);自己免疫肝炎;原発性胆汁性肝硬変(PBC);肝線維症;非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD);非アルコール性脂肪性肝炎(NASH);門脈高血庄症;一般的な胆汁鬱滞;妊娠中黄疸;薬物による黄疸;肝内胆汁鬱滞;肝外胆汁鬱滞;原発性硬化性胆管炎(PSC);胆石及び総胆管結石;胆汁系の妨害を引き起こす悪性腫瘍;胆汁鬱滞又は黄疸による掻痒;膵臓炎;進行性胆汁鬱滞に至る慢性の自己免疫肝疾患;肝臓脂肪症;アルコール性肝炎;急性脂肪肝;妊娠脂肪肝;薬物誘発性肝炎;鉄過負荷障害;肝線維症;肝硬変;アミロイドーシス;ウイルス肝炎;並びに肝臓、胆管及び膵臓の腫瘍及び新生物による胆汁鬱滞に関連する問題が挙げられる。

0076

脂肪酸代謝の障害及びグルコース利用障害としては、以下に限定されないが、高コレステロール血症、脂質代謝異常メタボリックシンドローム肥満、脂肪酸代謝の障害、グルコース利用障害、インスリン抵抗性が関与する障害、並びに1型及び2型糖尿病が挙げられる。

0077

IBAT阻害剤は、異なる名称によって呼ばれることが多い。本明細書で使用する場合、用語「IBAT阻害剤」は、頂端側ナトリウム依存性胆汁酸輸送体阻害剤(ASBTI)、胆汁酸輸送体(BAT)阻害剤、回腸ナトリウム/胆汁酸共輸送体系阻害剤、頂端側ナトリウム胆汁酸共輸送体阻害剤、回腸ナトリウム依存性胆汁酸輸送阻害剤、胆汁酸再吸収阻害剤(BARI)、及びナトリウム胆汁酸輸送体(SBAT)阻害剤として、文献で公知の化合物をやはり含むものとして理解されるべきである。

0078

本明細書に開示されている胆汁酸隔離剤製剤と組み合わせて使用することができるIBAT阻害剤としては、以下に限定されないが、ベンゾチアゼピンベンゾチエピン、1,4-ベンゾチアゼピン、1,5-ベンゾチアゼピン及び1,2,5-ベンゾチアジアゼピンが挙げられる。

0079

本明細書に開示されている胆汁酸隔離剤製剤と組み合わせて使用することができるIBAT阻害剤の好適な例としては、以下に限定されないが、WO93/16055、WO94/18183、WO94/18184、WO96/05188、WO96/08484、WO96/16051、WO97/33882、WO98/03818、WO98/07449、WO98/40375、WO99/35135、WO99/64409、WO99/64410、WO00/47568、WO00/61568、WO00/38725、WO00/38726、WO00/38727、WO00/38728、WO00/38729、WO01/68096、WO02/32428、WO03/061663、WO2004/006899、WO2007/009655、WO2007/009656、DE19825804、EP864582、EP489423、EP549967、EP573848、EP624593、EP624594、EP624595、EP624596、EP0864582、EP1173205及びEP1535913に開示されている化合物が挙げられる。

0080

特に好適なIBAT阻害剤は、WO01/66533、WO02/50051、WO03/022286、WO03/020710、WO03/022825、WO03/022830、WO03/091232、WO03/106482及びWO2004/076430に開示されているもの、及びとりわけ
1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{(R)-α-[N-(カルボキシメチル)カルバモイル]-ベンジル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,5-ベンゾチアジアゼピン;
1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{(R)-α-[N'-((S)-1-カルボキシエチル)カルバモイル]-ベンジル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾチアゼピン;
1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{(R)-α-[N-((S)-1-カルボキシプロピル)-カルバモイル]ベンジル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,5-ベンゾチアジアゼピン;
1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{(R)-α-[N-((R)-1-カルボキシ-2-メチルチオエチル)-カルバモイル]ベンジル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,5-ベンゾチアジアゼピン;
1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{(R)-α-[N-((S)-1-カルボキシプロピル)カルバモイル]-4-ヒドロキシベンジル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,5-ベンゾチアジアゼピン;
1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{(R)-α-[N-((R)-1-カルボキシ-2-メチルチオ-エチル)カルバモイル]-4-ヒドロキシベンジル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,5-ベンゾチアジアゼピン;
1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{(R)-α-[N-((S)-1-カルボキシ-2-メチルプロピル)-カルバモイル]ベンジル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,5-ベンゾチアジアゼピン;
1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{(R)-α-[N-((S)-1-カルボキシ-2-(R)-ヒドロキシプロピル)カルバモイル]-4-ヒドロキシベンジル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,5-ベンゾチアジアゼピン;
1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{(R)-α-[N-((S)-1-カルボキシブチル)カルバモイル]-4-ヒドロキシベンジル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,5-ベンゾチアジアゼピン;
1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{(R)-α-[N-((S)-1-カルボキシエチル)カルバモイル]-ベンジル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,5-ベンゾチアジアゼピン;
1, 1-ジオキソ-3, 3-ジブチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{(R)-α-[N'-((S)-1-カルボキシプロピル)カルバモイル]-4-ヒドロキシベンジル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾチアゼピン;
1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{(R)-α-[N-((S)-1-カルボキシエチル)カルバモイル]-4-ヒドロキシベンジル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,5-ベンゾチアジアゼピン;
1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{(R)-α-[N-((S)-1-カルボキシ-2-メチルプロピル)-カルバモイル]-4-ヒドロキシベンジル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,5-ベンゾチアジアゼピン;及び
1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{(R)-1'-フェニル-1'-[N'-(カルボキシメチル)カルバモイル]メチル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾチアゼピン;
からなる群から選択される化合物又は薬学的に許容されるそれらの塩である。

0081

他の特に好適なIBAT阻害剤は、WO99/32478、WO00/01687、WO01/68637、WO03/022804、WO2008/058628及びWO2008/058630に開示されているもの、及びとりわけ
1-[4-[4-[(4R,5R)-3,3-ジブチル-7-(ジメチルアミノ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-4-ヒドロキシ-1,1-ジオキシド-1-ベンゾチエピン-5-イル]フェノキシ]ブチル]4-アザ-1-アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンメタンスルホネート;
1-[[4-[[4-[3,3-ジブチル-7-(ジメチルアミノ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-4-ヒドロキシ-1,1-ジオキシド-1-ベンゾチエピン-5-イル]フェノキシ]メチル]フェニル]メチル]-4-アザ-1-アゾニアザビシクロ[2.2.2]オクタンクロリド;
1-[[5-[[3-[(3S,4R,5R)-3-ブチル-7-(ジメチルアミノ)-3-エチル-2,3,4,5-テトラヒドロ-4-ヒドロキシ-1,1-ジオキシド-1-ベンゾチエピン-5-イル]フェニル]アミノ]-5-オキソペンチル]アミノ]-1-デオキシ-D-グルシトール;及び
カリウム((2R,3R,4S,5R,6R)-4-ベンジルオキシ-6-{3-[3-((3S,4R,5R)-3-ブチル-7-ジメチルアミノ-3-エチル-4-ヒドロキシ-1,1-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[b]チエピン-5-イル)-フェニル]-ウレイド}-3,5-ジヒドロキシ-テトラヒドロ-ピラン-2-イルメチル)スルフェートエタノレート、水和
からなる群から選択される化合物である。

0082

本発明によるコレスチラミン製剤の有効量は、約100mg以上のコレスチラミンを含有する任意の量とすることができ、例えば、約250mg、500mg、750mg、1000mg、1250mg、1500mg、1750mg又は2000mg以上のコレスチラミンを含有することができる。例えば、コレスチラミンの有効量は、100mg〜5000mgの間とすることができ、例えば、250mg〜2500mgの間、250mg〜2000mgの間、500mg〜2500mgの間、500mg〜2000mgの間、又は750mg〜2000mgの間とすることができる。

0083

本発明によるコレスチラミン製剤の単位用量は、200〜300mgのコレスチラミンを含むことができ、例えば、220〜280mgのコレスチラミン、240〜260mgのコレスチラミンを含むことができる。単位用量は、好ましくは、約250mgのコレスチラミンを含む。毎日の用量は、単回用量として投与することができるか、又は1回、2回、若しくは3回以上の単位用量に分割することができる。

0084

本明細書において開示されている製剤の投与頻度は、患者に対していかなる深刻な副作用又は毒性も引き起こすことなく、胆汁酸吸収不良状態を軽減する、任意の頻度とすることができる。投与頻度は、1週間に1回又は2回から1日数回、例えば1日1回又は1日2回、と様々になり得る。投与頻度は、一定であってもよく、又は処置の期間中に変えてもよい。

0085

処置されている状態の重症度処置期間、並びに処置されている患者の年齢、体重、性別、食事及び一般的な医療状態等のいくつかの要因が、特定の用途のために使用されるべき製剤の投与頻度及び有効量に影響を及ぼし得る。

0086

本発明は、以下の実施例によって更に例示され、この実施例は、決して本発明を限定するものではない。引用されている文書及び参照文献はすべて、参照により本明細書に組み込まれる。

0088

(実施例1)
押出成形試験
試験はすべて、100〜200gスケールで行った。乾燥成分(コレスチラミン、ビニルピロリドン系ポリマー及び/又は微結晶セルロース)を、以下に表示されている量で混合した。水を50〜100グラムに分けて、各添加の間に3分間混合して加えた。アクリレートコポリマーをこの試験に用いた場合、水中の2%w/wの分散体として加えた(20gのアクリレートコポリマー(水性分散体30%)を最大300gの水に加えた)。必要な場合、純水の最後の分量分を加えた。各試験において、添加した液体の総量は、固体物質の量の1.7〜2.3倍(w/w)の間であった。

0089

湿潤物質は、25rpm(1分当たりの回転数)で操作した、1.5mmの篩を備えた押出成形器に移し、押出物をステンレス鋼トレイ上に回収した。約100gの押出物を、1分間、730rpmの速度のスフェロナイザー(spheronizer)で加工(run)した。次に、球形化した材料を、ステンレス鋼トレイに移して、乾燥オーブンに入れ、50℃で16時間、乾燥した。収率は、1.6mmの篩は通り抜けるが、1.0mmの篩上に保持されるペレット剤の画分として算出した。

0090

摩損度試験は、欧州薬局方、8.0試験2.9.7に記載されている装置及び手順を使用して行った。このペレット剤は、量前に、500μmの篩でふるいにかけて、ルースダスト(loose dust)を除去した。

0091

コポビドン及びEudragit(登録商標)RL30Dを使用した結果を表1に示し、ポビドン及び他のEudragit(登録商標)コポリマーを使用した結果を表2に示す。

0092

0093

0094

(実施例2)
ペレット剤の調製
表1の試験8による組成を有するペレット剤を、押出成形工程において200gのバッチサイズ、及び100gの球形化工程で製造した。170gのコレスチラミン、15gのコポビドン及び9gの微結晶セルロースをプラネタリーミキサー投入した。このミキサーを中程度の速度で運転し、液体を各添加の間混合しながら、分けてゆっくりと加えた。20gのEudragit(登録商標)RL30D(30%の乾燥質量)を含む最初の水300gを、各添加の間3分間混合しながら、3回の等量分に分けて加えた。最後に、40gの純水を加え、混合を更に30秒間行った。次に、この湿潤物質を押出成形器に移した。1.5mmの篩を備えた押出成形器を、25rpmで操作し、得られた押出物をステンレス鋼トレイ上に回収した。約100gの押出物を、1分間、730rpmの速度のスフェロナイザーで加工した。次に、球形化した材料を、ステンレス鋼トレイに移して、乾燥オーブンに入れ、50℃で16時間、乾燥した。乾燥済みペレット剤を篩にかけ、1mm〜1.4mmの間の画分を回収した。

0095

(実施例3)
pH及び拡散制御放出のための製剤A~C
実施例2のコレスチラミンペレット剤は、ポリ(アクリル酸エチル-co-メタクリル酸メチル-co-トリメチルアンモニオエチルメタクリレートクロライド)に基づく拡散制御内部コーティング及びヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネートに基づく腸溶性外部コーティングを含む結腸放出コーティングで製剤化した。

0096

3つの製剤を以下のとおりの種々の量の内部コーティング中のポリ(アクリル酸エチル-co-メタクリル酸メチル-co-トリメチルアンモニオエチルメタクリレートクロライド)で製剤化した。
製剤A:100% Eudragit(登録商標) RL 30 D
製剤B:50% Eudragit(登録商標) RL 30 D + 50% Eudragit(登録商標) RS 30 D
製剤C:100% Eudragit(登録商標) RS 30 D

0097

コレスチラミンペレット250mgの単位用量のためのペレット組成物を以下に示す。

0098

0099

内部コーティング
GMS、ポリソルベート80、及びクエン酸トリエチルを含むモノステアリン酸グリセロール(GMS)エマルションをEvonik社の一般的な手順によって調製した。得られたエマルションをEudragit RL30D / RS30D分散体(30%w/w)と混合した。乾燥質量に基づく内部コーティングフィルムの組成を以下に示す。適用した分散体の乾燥質量に基づく濃度は、19.8%(w/w)である。

0100

0101

Huttlin KugelcoaterHKC005を用いて、バッチサイズ75gでコーティング層を適用した。コーティングプロセスは、45℃の空気注入温度で行い、27〜29℃の温度の生成物を得た。コーティングの間に空気流量を調整し、ペレット剤の適切な流動化を達成した。10%の質量の増加が得られるようにペレット剤にコーティングを適用し、10%の質量の増加を得た。コーディング後、ペレット剤を24時間40℃で熱処理した。

0102

外部コーティング
7% w/wのヒプロメロースアセテートサクシネート、2.45%w/wのクエン酸トリエチル、2.1%w/wのタルク、0.21%w/wのラウリル硫酸ナトリウム、及び88.24%w/wの水を30分間、15℃未満の低温オーバーヘッドスターラーを用いて撹拌することにより、腸溶性コーティングを調製した。乾燥質量に基づく外部コーティングフィルムの組成を以下に示す。コーティングプロセスの間、コーティング液を15℃以下に保った。

0103

0104

Huttlin KugelcoaterHKC005を用いて、バッチサイズ75gでコーティング層を適用した。コーティングプロセスは、55℃の空気注入温度で行い、32℃の温度の生成物を得た。コーティングの間に空気流量を調整し、ペレット剤の適切な流動化を達成した。ペレット剤に腸溶性コーティングを適用し、40%の質量の増加を得た(内部コーティングの適用後のコートしたペレット剤の質量に基づく)。コーディング後、ペレット剤を48時間40℃/75%RHで熱処理した。

0105

コートしたペレット剤は、例えばゼラチンカプセル等のカプセル中にカプセル化されてもよい。最終製剤の詳細を以下に示す(乾燥質量基準)。

0106

0107

(実施例4)
pH及び拡散制御放出のための製剤D
実施例2のコレスチラミンペレット剤を、ポリ(アクリル酸エチル-co-メタクリル酸メチル-co-トリメチルアンモニオエチルメタクリレートクロライド)に基づく拡散制御内部コーティング及びヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネートに基づく腸溶性コーティングを含む結腸放出コーティングで製剤化し、最後に保管の間にペレット剤の付着を防止するためにヒュームドシリカでコートした。

0108

250mgのコレスチラミンを含む単位容量のためのペレット剤組成を以下に示す。

0109

0110

内部コーティング
GMS、ポリソルベート80、及びクエン酸トリエチルを含むモノステアリン酸グリセロール(GMS)エマルションをEvonik社の一般的な手順によって調製した。得られたエマルションをEudragit RS30D分散体(30%w/w)と混合した。乾燥質量に基づく内部コーティングフィルムの組成を以下に示す。適用した分散体の乾燥質量に基づく濃度は、20.0%(w/w)である。

0111

0112

VectorFL-M-1装置を用いて、コーティング溶液を適用した。最初のバッチサイズは500gであった。コーティングプロセスは、41〜43℃の空気注入温度で行い、28〜30℃の温度の生成物を得た。コーティングの間に空気流量を調整し、ペレット剤の適切な流動化を達成した。コレスチラミンペレット剤にコーティングを適用し、10%の質量の増加を得た。その後、コーディングしたペレット剤を50時間30分の間40℃で熱処理した。

0113

腸溶性コーティング
7% w/wのヒプロメロースアセテートサクシネート、2.45%w/wのクエン酸トリエチル、2.1%w/wのタルク、0.21%w/wのラウリル硫酸ナトリウム、及び88.24%w/wの水を30分間、15℃未満の低温でオーバーヘッドスターラーを用いて撹拌することにより、腸溶性コーティングを調製した。乾燥質量に基づく外部コーティングフィルムの組成を以下に示す。コーティングプロセスの間、コーティング液を15℃以下に保った。

0114

0115

VectorFL-M-1装置を用いてコーティング層を適用した。コーティングプロセスは、35〜55℃の空気注入温度で行い、28〜32℃の温度の生成物を得た。コーティングの間に空気流量を調整し、ペレット剤の適切な流動化を達成した。ペレット剤に腸溶性コーティングを適用し、40%の質量の増加を得た。その後、コーディングしたペレット剤を50時間30分の間40℃で熱処理した(内部コーティングの適用後のコートしたペレット剤の質量に基づく)。

0116

最終コーティング
腸溶性コーティングの直後、ペレット剤にAerosil(登録商標)200の水中5%の懸濁液をスプレーしてコートしたペレット剤上にヒュームドシリカを適用した。コーティングは、同じ装置を用いて適用し、40〜41℃の空気注入温度で行い、30℃の温度の生成物を得た。コーティングの間に空気流量を調整し、ペレット剤の適切な流動化を達成した。コレスチラミンペレット剤にこのコーティングを適用し、1%(w/w)の質量の増加を得た。最後に、コーディングしたペレット剤を30分の間60℃でコーティング装置中でインプロセス熱処理した。

0117

コートしたペレット剤は、例えばゼラチンカプセル等のカプセル中にカプセル化されてもよい。最終製剤の詳細を以下に示す(乾燥質量基準)。

0118

0119

(実施例5)
隔離アッセイ
製剤A、B及びCの隔離能を、胃及び小腸のpHを模倣する、単純化アッセイで決定した。隔離は、減少する水溶液中のコール酸の量を測定することにより決定した。米国薬局方溶出装置2(パドル)Ph. Eur.2.9.3を使用した。

0120

pH5.5での隔離
コール酸(0.192mg/mL)の緩衝化溶液(pH5.5)500mLを含有する容器に、250mgのコレスチラミンに対応する量の製剤A、B又はCを加え、この内容物を75rpmで6時間撹拌した。様々な時間点試料の溶液を抜き取り、Thermo Hypersil Goldカラム、50mmx2.1mm、粒径1.9μm;カラム温度60℃;移動相30:70のアセトニトリル:リン酸緩衝液(pH3.0);流速0.75mL/分を使用するHPLCにより、コール酸を分析した。各製剤について、5回の反復試料を分析し、平均値を算出した。

0121

pH6.8又は7.4での隔離
0.1M塩酸溶液(pH1)250mLを含有する容器に、250mgのコレスチラミンに対応する量の製剤A、B又はCを加え、この内容物を75rpmで2時間、撹拌した。次に、水酸化カリウム/リン酸カリウム緩衝溶液中のコール酸の溶液250mLを容器に加え、pH6.8又は7.4を有するコール酸の緩衝溶液(0.192mg/mL)を得た。混合して1分後、最初の試料を抜き取った。その後、pHを確認し、必要な場合、0.1M水酸化カリウム溶液を適量添加することによってpHを6.8又は7.4に調節した。その後、この溶液を更に6時間混合した。様々な時間点で試料の溶液を抜き取り、Thermo Hypersil Goldカラム、50mmx2.1mm、粒径1.9μm;カラム温度60℃;移動相30:70のアセトニトリル:リン酸緩衝液(pH3.0);流速0.75mL/分を使用するHPLCにより、コール酸を分析した。各製剤について、5回の反復試料を分析し、平均値を算出した。

0122

製剤A〜Cに関する隔離プロファイルを図1に示す。pH5.5は、十二指腸において通常観察されるpHよりもわずかに低いが、一部の患者及び健常なヒトにおいて発生することがある。このpHでは、隔離はすべての製剤(図1A)において制限される。pH6.8での隔離は、回腸における条件の代表である。このpHでは、製剤A、B又はCは、それぞれ4時間後に52%、42%、及び34%の隔離をもたらした(図1B)。pH7.4では、製剤A、B又はCはそれぞれ、4時間後に54%、42%、及び36%の隔離をもたらした(図1C)。このpHは、遠位回腸において通常観察されるpHよりも、恐らくわずかに高い。

0123

製剤A、B及びCのコーティングペレット剤は、まったく又はわずか少量の崩壊しか示さなかった。ペレット剤の目視検査により、このコーティングは、6時間の撹拌後に無傷であった。対照的に、実施例2の、コーティングされていないペレット剤は、300rpm(プロペラ撹拌器)でリン酸緩衝液(50mM、pH6.8)中で撹拌すると、1分25秒以内に完全に崩壊した。

0124

(実施例6)
胃腸管に関して模倣した条件下での、製剤A〜Cの隔離能のインビトロでの決定
製剤A、B及びCの隔離能を、ProDigest(Ghent、Belgium)社により開発された、ヒト腸微生物エコシステム(SHIME(登録商標))のシミュレーターで試験した。このシミュレーターは、空腹胃、小腸及び近位結腸に代表的な生理的条件下で、結合する胆汁酸塩の隔離能を評価するように適合させた。空腹胃及び小腸を代表する液体媒体は、既にMarzoratiらにより記載されている(LWT-Food Sci. Technol. 2015、60巻、544〜551頁)。近位結腸用の液体媒体は、ヒト結腸を代表する安定した微生物群を含有する、SHIME(登録商標)マトリックスを含む。ヒトの腸の安定した微生物群を得る方法は、Possemiersら(FEMS Microbiol. Ecol. 2004、49巻、495〜507頁)、及びその中の参照文献により記載されている。隔離は、減少する水溶液中の胆汁酸の量を測定することにより決定した。ヒト胆汁酸塩の代表的な混合物として、コール酸(CA)、ケノデオキシコール酸(CDCA)及びデオキシコール酸(DCA)の40:40:20(w/w)混合物を使用した(Carulliら、Aliment. Pharmacol. Ther. 2000、14巻、刊行補足資料s2、14〜18頁)。

0125

純粋なコレスチラミン粉末を加えた、比較試験を行った。アッセイにおいて使用した結腸条件下での胆汁酸塩の分解をモニタリングするために、コレスチラミンを添加しなかった対照試験を行った。

0126

生物的変動を考慮して、各試験は三連で行った。

0127

空腹胃
コレスチラミン91mgに相当する量の製剤A、B及びC、並びに純粋なコレスチラミン(91mg)を、14mLの空腹胃液媒体(pH1.8)に投与した。この消化物を37℃で1時間、インキュベートした。

0128

小腸
1時間の胃のインキュベート後、上記した胆汁酸塩(46.7mM)の40:40:20混合物を含有する5.6mLの膵液(pH6.8)を加えた。小腸の消化物を37℃で2時間インキュベートし、試料を0、60及び120分後に採取した。

0129

近位結腸
小腸でのインキュベートの2時間後、SHIMEシステム上行結腸由来する完全SHIME(登録商標)マトリックス(pH6.0)を42mL加えた。結腸の消化物を37℃で24時間インキュベートし、最初の6時間は1時間ごとに、次に、19時間及び24時間時点に試料を採取した。

0130

試料分析
試料中の遊離胆汁酸塩の濃度をHPLCによって測定した。試料中のCA、CDCA及びDCAの濃度を算出するために、較正曲線を使用した。各試料1mLを5000gで2分間、遠心分離にかけた。上澄み液500μLをメタノール及びリン酸緩衝液の80:20(V:V)混合物500μLと混合し、激しくボルテックスして、0.2μmのPTFEフィルターによりろ過して、UV-Vis検出器装備したHitachi Chromaster HPLCに注入した。3種の胆汁酸塩を、逆相C18カラム(Hydro-RP、4μm、80Å、250x4.6mm、Synergi社)によって分離した。この分離は、移動相としてメタノール及びリン酸緩衝液の80:20(V:V)混合物を使用して、室温で定組成条件下で行った。分析は、23分間、0.7mL/分で行い、胆汁酸塩を210nmで検出した。注入容量は、胃及び小腸の試料の場合、20μL、及び結腸試料の場合、50μLに設定した。

0131

結腸のインキュベートに使用した完全SHIME(登録商標)マトリックスは、ウシ源(カタログ番号212820)に由来する脱水されている新しい胆汁抽出物である、BD Difco(商標)Oxgallに由来する(分解した)胆汁酸塩を含有する。この混合物の正確な組成は未知であるが、結腸試料中では、より多量の遊離胆汁酸塩があることが予想され得る。したがって、全SHIME(登録商標)マトリックス中に存在している遊離胆汁酸塩の「ベースライン」を考慮するため、各試料からバックグラウンド(すなわち、胆汁酸塩のミックスが添加されなかったブランク試料)の値を減算した。

0132

以下の表は、小腸でのインキュベートの2時間後(「SI-2」)及び結腸でのインキュベートの4時間後(「C-4」)のCA、CDCA及びDCAのそれぞれの相対濃度、並びにそれらの間の時間における、比例的な低下を示している。

0133

0134

CA、CDCA及びDCAの相対濃度(%)対インキュベート時間を図2、図3及び図4にそれぞれ示す。これらのグラフは、小腸(SI)でのインキュベートの0時間及び2時間後、並びに結腸(C)でのインキュベートの0、2、4、6、19及び24時間後に採取した試料を含む。

0135

この図により、コレスチラミンが添加されなかった対照試料中の胆汁酸塩レベルの著しい減少によって観察されるように、腸中での微生物による塩代謝(例えば、脱抱合、脱水素化及び脱ヒドロキシル化)の作用及び程度が確認される。

0136

3つの製剤は、小腸でのインキュベート中、活性化合物の保護をもたらすことを観察することができる。純粋な(コーティングされていない)コレスチラミンは、小腸でのインキュベートの2時間後、既に59%のCA、90%のCDCA及び89%のDCA(比較試験を参照されたい)の低下をもたらした一方、製剤A、B及びCは、この時間の間、かなり少ない胆汁酸塩の低下しか生じなかった。小腸でのインキュベートの間、製剤Cは最も良好な結果を示し、CA、CDCA、及びDCAそれぞれの18%、17%、及び19%の低下しか示さなかった。結腸でのインキュベートの最初の4時間の間、3つの全ての製剤は胆汁酸塩の大幅な低下をもたらした。製剤Cは最も良好な結果を示し、CAの71%の隔離、CDCAの68%の隔離、及びDCAの75%の隔離を示し、これらはそれぞれ53%、52%、及び57%のCA、CDCA、及びDCAの減少に相当する。

0137

(実施例7)
安定性試験
製剤C(250mgのコレスチラミン)を含むハード硬質)カプセル剤を、11か月間、25℃/60% RHで保管した。

0138

保管の0、3、6及び11か月後、コレスチラミン及び水含有量について、これらのカプセル剤を分析した。同様に、この製剤の隔離能を、実施例5に記載されているアッセイを使用して決定した。結果を以下の表に示す。

実施例

0139

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