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課題・解決手段

本発明は、メチルメルカプタンアクロレインとを反応させることにより3−メチルチオプロピオンアルデヒドを製造する方法であって、3−メチルチオプロピオンアルデヒドを生成する反応におけるメチルメルカプタンとアクロレインとの化学量論比からのずれを、1,3−ビスメチルチオ)−1−プロパノールを供給または形成することにより相殺する方法に関し、また本発明は、メチルメルカプタンおよび/または3−メチルチオプロピオンアルデヒドの貯蔵形態としての1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールの使用に関する。

概要

背景

概要

本発明は、メチルメルカプタンアクロレインとを反応させることにより3−メチルチオプロピオンアルデヒドを製造する方法であって、3−メチルチオプロピオンアルデヒドを生成する反応におけるメチルメルカプタンとアクロレインとの化学量論比からのずれを、1,3−ビスメチルチオ)−1−プロパノールを供給または形成することにより相殺する方法に関し、また本発明は、メチルメルカプタンおよび/または3−メチルチオプロピオンアルデヒドの貯蔵形態としての1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールの使用に関する。

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請求項1

メチルメルカプタンアクロレインとを反応させることにより3−メチルチオプロピオンアルデヒドを連続的に製造する方法であって、3−メチルチオプロピオンアルデヒドを生成する反応におけるメチルメルカプタンとアクロレインとの化学量論比からのずれを、1,3−ビスメチルチオ)−1−プロパノールを供給または形成することにより相殺し、ここでメチルメルカプタンがアクロレインに対して過剰に存在する場合、余剰分のメチルメルカプタンを3−メチルチオプロピオンアルデヒドにより転化させて、1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールにするか、またはアクロレインがメチルメルカプタンに対して過剰に存在する場合、1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールをメチルメルカプタンとアクロレインとの反応に供給することを特徴とする、前記方法。

請求項2

1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールを生成する反応におけるメチルメルカプタンと3−メチルチオプロピオンアルデヒドとのモル比が、0.1:1(mol/mol)〜1:1(mol/mol)である、請求項1記載の方法。

請求項3

余剰分のアクロレインと1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールとを反応させて、3−メチルチオプロピオンアルデヒドを生成する、請求項1または2記載の方法。

請求項4

一部のメチルメルカプタン含有流を、3−メチルチオプロピオンアルデヒドを生成する反応の前に分岐させ、前記メチルメルカプタン含有流を、3−メチルチオプロピオンアルデヒドとメチルメルカプタンとの反応による1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールの形成する際に供給する、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。

請求項5

最小限のメチルメルカプタン流を、3−メチルチオプロピオンアルデヒドを生成する反応の前に分岐させ、これに並行して、最小限の1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノール流を本発明による方法に供給する、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。

請求項6

形成された1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールを中間貯蔵する、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。

請求項7

中間貯蔵された供給すべき1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールのモル量が、余剰量のアクロレインと少なくとも同程度である、請求項6記載の方法。

請求項8

アクロレインがメチルメルカプタンに対して過剰に存在する場合、中間貯蔵された1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールをメチルメルカプタンとアクロレインとの反応に供給し、これを余剰分のアクロレインと反応させて3−メチルチオプロピオンアルデヒドを生成する、請求項6または7記載の方法。

請求項9

供給される1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールのモル量が、余剰分のアクロレインと少なくとも同程度である、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。

請求項10

未反応の1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールを回収する、請求項8または9記載の方法。

請求項11

回収した1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールを中間貯蔵する、請求項10記載の方法。

請求項12

アクロレインがメチルメルカプタンに対して過剰に存在する場合、過剰なアクロレインを有する流を、3−メチルチオプロピオンアルデヒドを生成する反応の前に分岐させ、前記アクロレインを有する流を、生成物混合物から分離された未反応の1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールと反応させて3−メチルチオプロピオンアルデヒドを生成する、請求項10記載の方法。

請求項13

生成物混合物から分離された未反応の1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールとアクロレインとを同量で反応させて、3−メチルチオプロピオンアルデヒドを生成する、請求項10記載の方法。

請求項14

メチルメルカプタンおよび/または3−メチルチオプロピオンアルデヒドの貯蔵形態としての1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールの使用。

請求項15

1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールが、請求項1から13までのいずれか1項記載の方法に由来し、かつ/または1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールが、請求項1から13までのいずれか1項記載の方法に供給される、請求項14記載の使用。

技術分野

0001

本発明は、メチルメルカプタンアクロレインとを反応させることにより3−メチルチオプロピオンアルデヒドを製造する方法であって、反応物化学量論比からのずれを、1,3−ビスメチルチオ)−1−プロパノールを供給または形成することにより相殺する方法に関し、また本発明は、メチルメルカプタンおよび/または3−メチルチオプロピオンアルデヒドの安定した貯蔵形態としての1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールの使用に関する。

0002

メチルメルカプトプロピオンアルデヒド略語MMPとして、または4−チアペンタナール国連番号2785)としても知られる3−メチルチオプロピオンアルデヒドは、D,L−メチオニンおよびそのヒドロキシ類似体、すなわち2−ヒドロキシ−4−メチルチオ酪酸メチオニンヒドロキシ類似体の略語MHAとしても知られる)の製造における重要な中間体である。メチルメルカプタンとアクロレインとの反応による3−メチルチオプロピオンアルデヒドの製造は、従来技術から公知である。また、この反応が発熱を伴って進行することは、文献より知られている。特にアクロレインに関して、反応熱が問題となる。というのも、この化合物は、容易にラジカル重合またはイオン重合を起こすからである。3−メチルチオプロピオンアルデヒド反応生成物自体も容易に副反応を起こし、これにより、高沸点蒸留残渣が形成される。3−メチルチオプロピオンアルデヒドの製造における反応熱をより良好に制御可能にするために、英国特許出願公開第1150252号明細書(GB1150252A)には、3−メチルチオプロピオンアルデヒドを製造するための二段階の方法が開示されており、この方法では、第一段階において、発熱が実質的に完了するまでメチルメルカプタンが3−メチルチオプロピオンアルデヒドと反応させられ、第一段階で得られた反応生成物が、第二段階においてアクロレインと反応させられる。英国特許出願公開第1150252号明細書(GB1150252A)によると、第二段階における反応は、過剰なアクロレインを使用して実施される。

0003

英国特許出願公開第1173174号明細書(GB1173174A)および英国特許出願公開第1166961号明細書(GB1166961A)の文書に記載の方法では、双方の場合において、3−メチルチオプロピオンアルデヒドが、メチルメルカプタンとアクロレインとの直接の反応により製造される。英国特許出願公開第1166961号明細書(GB1166961A)の技術的教示内容による方法では、3−メチルチオプロピオンアルデヒドは、メチルメルカプタンと、アクロレインおよび水を含有する溶液プロピレン接触酸化から得られる反応ガスを水で凝縮または処理することにより得られたもの)との反応により製造され、ここで、アクロレインを含有する溶液は、水含量が15重量パーセント未満であり、かつ不飽和有機酸を含有しない。英国特許出願公開第1166961号明細書(GB1166961A)の技術的教示内容による方法では、3−メチルチオプロピオンアルデヒドは、液相において120℃までの温度でアクロレインとメチルメルカプタンとを反応させることにより製造され、ここで、得られた粗3−メチルチオプロピオンアルデヒドの精留が、特定の温度および特定の期間で実施される。英国特許出願公開第1173174号明細書(GB1173174A)および英国特許出願公開第1166961号明細書(GB1166961A)のどちらにおいても、3−メチルチオプロピオンアルデヒドの製造の際に、メチルメルカプタンに対して過剰なアクロレインを使用することが教示されている。

0004

メチルメルカプタンとアクロレインとは等モル比で反応し、3−メチルチオプロピオンアルデヒドを生成する。よって、この化学量論からずれると、過剰なアクロレインまたはメチルメルカプタンが生じる。アクロレインが過剰である場合、過剰なアクロレインは、非常に重合し易い。これは、アクロレインがカチオン重合またはアニオン重合およびラジカル重合をどちらも起こし得るからである。また、ポリマー不可逆的に形成されるため、重合したアクロレインは、メチルメルカプタンとのさらなる反応のために回収することはできない。よって、上記文書の技術的教示内容に記載されている3−メチルチオプロピオンアルデヒドの合成における過剰なアクロレインの使用には、かなりの量の高価なアクロレイン開始化合物が不可逆的な副生成物形成により失われるという重大な欠点がある。従来技術のさらなる欠点は、アクロレインの重合において形成される副生成物が、主に高沸点の残渣であることである。これらの高沸点物質により、後のメチオニンまたはMHAの製造、例えばメチオニンの結晶化が妨害される。よって、3−メチルチオプロピオンアルデヒドを含む生成物混合物高温真空蒸留にかける必要がある。高沸点の残渣が比較的高濃度であると有価生成物が失われるため、これらの高沸点の残渣も処理する必要があるが、これには費用がかかる。よって、従来技術から公知の方法は、メチオニンを工業的かつ経済的に製造することに適していない。

0005

理論的には、反応混合物中の過剰なアクロレインをメチルメルカプタンの添加により相殺することができるだろう。しかしながら、3−メチルチオプロピオンアルデヒドを含む混合物からメチルメルカプタンを分離することは、想定以上に難しい。例えば、蒸留により少量のメチルメルカプタンのみ生成物混合物から除去することができるが、これは非常に難しい。この場合でさえ、結果として、相応量の高価な出発材料、すなわちメチルメルカプタンが浪費される。しかしながら、より問題なのは、3−メチルチオプロピオンアルデヒド中に存在するメチルメルカプタンが、メチオニンへとさらに転化する間に放出され、これによりメチオニンの製造が妨害されることである。それに加えて、メチルメルカプタンの放出は、ひどい悪臭の問題に繋がる。

0006

さらに、理論的には、アクロレインとメチルメルカプタンとを化学量論的に必要とされる量で反応させ、例えば放出される反応熱を制御することにより、3−メチルチオプロピオンアルデヒドを生成することも可能であろう。連続運転式の工業プロセスにおいて、物質バッファ処理および貯蔵容器内での中間貯蔵なしに、化学量論量の反応物を当該反応に供給することは実質的に不可能である。貯蔵すべき物質の潜在的危険性を、複合的かつ高コストな構造および安全対策により相殺する必要がある。

0007

よって、アクロレインおよびメチルメルカプタンから3−メチルチオプロピオンアルデヒドを製造する方法であって、供給される開始化合物、すなわちアクロレインおよびメチルメルカプタンの量を変えることで、メチルメルカプタンの損失、およびアクロレインの重合による副生成物の形成が回避される方法が必要とされている。

0008

本対象は、以下のように本発明により達成される:3−メチルチオプロピオンアルデヒドを生成するアクロレインとメチルメルカプタンとの反応におけるメチルメルカプタンとアクロレインとの化学量論比からのずれを、メチルメルカプタンを3−メチルチオプロピオンアルデヒドに添加することによって形成されたヘミチオアセタール、すなわち1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールを添加するか、またはこの目的のために、ヘミチオアセタールと3−メチルチオプロピオンアルデヒドとの混合物を使用する。

0009

よって、本発明は、メチルメルカプタンとアクロレインとを反応させることにより3−メチルチオプロピオンアルデヒドを連続的に製造する方法において、3−メチルチオプロピオンアルデヒドを生成する反応におけるメチルメルカプタンとアクロレインとの化学量論比からのずれを、1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールを供給または形成することにより相殺し、ここで
メチルメルカプタンがアクロレインに対して過剰に存在する場合、余剰分のメチルメルカプタンを3−メチルチオプロピオンアルデヒドにより転化させて、1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールにするか、
または
アクロレインがメチルメルカプタンに対して過剰に存在する場合、1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールをメチルメルカプタンとアクロレインとの反応に供給する
ことを特徴とする方法に関する。

0010

メチルメルカプタンとアクロレインとの化学量論比からのずれは、質量流量を測定し、生成される3−メチルチオプロピオンアルデヒド中の未反応のメチルメルカプタンおよびアクロレインを求めることにより特定可能である。3−メチルチオプロピオンアルデヒドのマトリックスにおいて、アクロレインは、366nmでの特性吸収に基づく紫外可視分光法(α,β−不飽和カルボニル基による)により特定可能である。この方法により、3−メチルチオプロピオンアルデヒドのマトリックス中で0.6%までのアクロレイン濃度について、十分な精度で、高い信頼性を以てアクロレインを求めることができる。より高い濃度の場合、アクロレインはガスクロマトグラフィーにより特定するものとする。メチルメルカプタンは、3−メチルチオプロピオンアルデヒドのマトリックスにおいて、終点電位差表示を使用した銀滴定により特定可能である。

0011

本発明による方法は、その実行性に関して、1つの構成形態に限定されてはいない。連続的、半連続的またはバッチ式方法手順のいずれも考えられる。しかしながら、連続運転モードが好ましい。なぜなら、連続運転モードでは、第一に、アクロレインおよびメチルメルカプタンを、同じく連続運転式のプロセスから本発明による方法に供給することができ、第二に、本方法を既存または予定のメチオニン製造方法に組み込むことができるからである。3−メチルチオプロピオンアルデヒドを生成するメチルメルカプタンとアクロレインとの反応は、単一の反応器内で、または並列式もしくは直列式に配置された2つ以上の反応器内で実施可能である。連続運転が好ましい方法形態では、連続運転式の撹拌槽または流管内で反応を実施する。できるだけ完全な転化を達成するためには、直列式に配置された少なくとも2つの反応器内で、特に第一の反応器としての連続運転式撹拌槽および下流の反応器としての流管内で、反応を実施することが好ましい。この組み合わせにおいて、連続運転式撹拌槽は最大転化度を達成する役割を果たし、後続の流管は反応を完了させる役割を果たす。

0012

3−メチルチオプロピオンアルデヒドの製造への供給に関連する流におけるアクロレインおよびメチルメルカプタンの含量に関して、本発明による方法には、何ら制限は設けられていない。よって、いずれの流においても、アクロレインまたはメチルメルカプタンが、1〜99重量%またはさらにそれより多く含まれる。したがって、アクロレイン流およびメチルメルカプタン流がそれぞれ十分な量であり、プラント停止が起こり得ないと保証される限り、各流は、アクロレインまたはメチルメルカプタンとは別に、副生成物を含んでいてもよい。例えば、アクロレイン含有流は、水および/またはアセトアルデヒドも含有することができ、メチルメルカプタン含有流は、水、硫化ジメチルおよび/またはジメチルエーテルも含有することができる。

0013

本発明の文脈において、量という表現は、流量ではなく、関連する成分(複数可)のモル量を指す。

0014

メチルメルカプタンとアクロレインとの反応による3−メチルチオプロピオンアルデヒドの生成、またさらには1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールの形成に引き続き、各反応から得られた生成物流ストリッピング工程において処理して低沸点の第二の成分を除去し、引き続き、蒸留において減圧下で最終生成物頂部生成物として留出させる。底部生成物を第二の蒸留段階に供給することができ、この第二の蒸留段階において、有価の3−メチルチオプロピオンアルデヒド材料を再循環させることにより、高沸点の残渣をさらに濃縮させる。

0015

本発明による方法において形成されるまたは本発明による方法に供給される1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールは、通常、この化合物の形態でしか存在しない、というわけではない。なぜなら、1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールは、平衡反応においてメチルメルカプタンが3−メチルチオプロピオンアルデヒドのカルボニル官能基に付加することで形成される、いわゆるヘミチオアセタールまたは半チオアセタール(half−thioacetal)であるからである。

0016

よって、本発明による方法の一実施形態において、1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールは、3−メチルチオプロピオンアルデヒドおよびメチルメルカプタンと平衡状態で存在する。

0017

しかしながら、3−メチルチオプロピオンアルデヒドおよびメチルメルカプタンからの1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールの形成についての反応平衡は、主に1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノール側に偏っている。調査により、10〜70℃の範囲において、相応する平衡混合物における1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールの割合が、70℃で少なくとも75%、10℃で少なくとも85%であることが判明した。結果的に、1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールの平衡混合物において、この平衡混合物中に含有されるメチルメルカプタンの大部分は、3−メチルチオプロピオンアルデヒドのヘミチオアセタールの一部として結合した形態で存在する。液化ガスとして貯蔵する必要があるメチルメルカプタンとは対照的に、1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールは、純粋な形で、またはその他の化合物、特に3−メチルチオプロピオンアルデヒドと混合した状態で、単純な貯蔵容器内で標準圧力よりもわずかに高い圧力で貯蔵するだけでよい。したがって、1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールの貯蔵は、メチルメルカプタンの貯蔵よりも、著しく簡便であり、安全であり、かつ費用効果が高い。

0018

無水メチルメルカプタンと無水3−メチルチオプロピオンアルデヒドとの化学量論的反応により、31.6重量%のメチルメルカプタンを含む溶液が調製され、ここで3−メチルチオプロピオンアルデヒドおよびメチルメルカプタンは、1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールと平衡状態で存在する。しかしながら、メチルメルカプタンと3−メチルチオプロピオンアルデヒドとの比が1超:1である場合、さらなるメチルメルカプタンがそれ以上付加反応を生じてヘミチオアセタールになることはなく、この場合には、さらなるメチルメルカプタンは、単に物理的に溶解した状態で存在しているに過ぎないため、これによって蒸気圧が高くなる。その結果、メチルメルカプタンを含有する混合物を処理するために圧力容器が必要となり、また排ガス中に存在するメチルメルカプタン量が増加することによりメチルメルカプタンの損失が増えるため、費用が高くなる。

0019

反応におけるメチルメルカプタンの量を削減することにより、調製される溶液におけるメチルメルカプタンの蒸気圧も相応して低下する。これにより、先に言及した欠点が回避されるか、または少なくとも明らかに軽減される。しかしながら、その場合、3−メチルチオプロピオンアルデヒドの製造において循環する化合物の量が増加し、これにより、装置の大型化のみならず、より多量の加熱および冷却エネルギーも必要になる。

0020

したがって、供給される最大限の量のメチルメルカプタンを3−メチルチオプロピオンアルデヒドの相応するヘミチオアセタールへと転化させ、かつ同時に、得られる溶液中に純粋に物理的に溶解しているメチルメルカプタン量をできるだけ低く抑えることが望ましい。本発明の文脈では、メチルメルカプタンを3−メチルチオプロピオンアルデヒドに入れた溶液について、メチルメルカプタン含量を約4.4重量%〜約31.6重量%にするためには、メチルメルカプタンと3−メチルチオプロピオンアルデヒドとのモル比を約0.1:1(mol/mol)〜約1:1(mol/mol)にする。メチルメルカプタンを3−メチルチオプロピオンアルデヒドに入れた好ましい溶液について、メチルメルカプタン含量を18.8〜31.6重量%にするためには、メチルメルカプタンと3−メチルチオプロピオンアルデヒドとのモル比を約0.5:1(mol/mol)〜約1:1(mol/mol)にする。メチルメルカプタンを3−メチルチオプロピオンアルデヒドに入れたさらに好ましい溶液について、メチルメルカプタン含量を27.0〜29.3重量%にするためには、メチルメルカプタンと3−メチルチオプロピオンアルデヒドとのモル比を、それぞれの場合で無水メチルメルカプタンおよび無水3−メチルチオプロピオンアルデヒドを基準として、約0.8:1(mol/mol)〜約0.9:1(mol/mol)にする。

0021

したがって、本発明による方法の一実施形態において、1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールを生成する反応におけるメチルメルカプタンと3−メチルチオプロピオンアルデヒドとのモル比は、0.1:1(mol/mol)〜1:1(mol/mol)、特に好ましくは0.5:1(mol/mol)〜1:1(mol/mol)または0.8:1(mol/mol)〜0.9:1(mol/mol)である。

0022

アクロレインに対して過剰なメチルメルカプタンが存在する場合、化学量論比からのずれは、余剰分のメチルメルカプタンと3−メチルチオプロピオンアルデヒドとを反応させて1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールを生成することにより相殺可能である。あるいは、メチルメルカプタンに対して過剰なアクロレインが存在する場合、化学量論比からのずれは、1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールをメチルメルカプタンとアクロレインとの反応に供給することにより相殺可能である。この変形形態において、アクロレインは、1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールと直接反応することはほぼ確実になく、1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールと平衡状態で存在する平衡割合のメチルメルカプタンと反応する。メチルメルカプタンは、平衡を迅速に再構築することにより非常に迅速に再形成する。このような理由から、1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールは、例えば3−メチルチオプロピオンアルデヒド製造の上流にあるメチルメルカプタン生成部が停止している間に3−メチルチオプロピオンアルデヒドに転化させることでアクロレインをバッファ処理するという目的に非常に適している。

0023

したがって、本発明による方法のさらなる実施形態において、余剰分のアクロレインと1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールとを反応させて、3−メチルチオプロピオンアルデヒドを生成する。

0024

本発明による方法において供給されるメチルメルカプタンは、タングステン酸アルカリ金属塩担持した酸化アルミニウムにより、メタノールと過剰な硫化水素とを気相中で反応させることで製造されるのが好ましい。さらなる加熱は、当業者に公知の工程により実施される。メチルメルカプタンを供給する集合的な形態に関して、本方法には、何ら制限は設けてられていない。よって、本発明による方法において、メチルメルカプタンまたはメチルメルカプタン含有流は、液相および気相のどちらであってもよい。気体状のメチルメルカプタン含有流と比較すると、液状のメチルメルカプタン含有流には、質量流量を正確に特定でき、かつ本方法の次の段階を正確に制御できるという利点がある。よって、本発明による方法では、メチルメルカプタンを液相で使用することが好ましい。

0025

3−メチルチオプロピオンアルデヒドの製造における化学量論比を調整するために必要とされる1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールは、最も単純な場合には、方法生成物自体から生成される。このような生成は、ある割合のメチルメルカプタン含有流をアクロレインとの反応に供給せずに、3−メチルチオプロピオンアルデヒドを生成する反応の前に分岐させ、このメチルメルカプタン含有流を、3−メチルチオプロピオンアルデヒドとメチルメルカプタンとの反応による1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールの形成する際に供給するというようにして実施される。

0026

よって、本発明による方法のさらなる実施形態において、一部のメチルメルカプタン含有流を、3−メチルチオプロピオンアルデヒドを生成する反応の前に分岐させ、このメチルメルカプタン含有流を、3−メチルチオプロピオンアルデヒドとメチルメルカプタンとの反応による1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールの形成する際に供給する。

0027

この手法で生成された1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールを本発明による方法に供給して、アクロレインおよびメチルメルカプタンからの3−メチルチオプロピオンアルデヒドの製造におけるアクロレインとメチルメルカプタンとの化学量論比の変動を相殺することができる。この目的のために、1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールを中間貯蔵することができ、この中間貯蔵された1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールを使用して、1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールの生成と消費の差を埋めることができる。

0028

3−メチルチオプロピオンアルデヒドを生成する反応の前にメチルメルカプタン含有流の一部を分流させることに並行して、さらに、1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノール含有流を本発明による方法に供給することができる。本発明による方法のこの並行プロセスにより、3−メチルチオプロピオンアルデヒドを生成する反応におけるメチルメルカプタンとアクロレインとの化学量論比からのずれに対して、迅速かつ正確に対応することができる。詳細に述べると、本発明による方法からメチルメルカプタン含有流の一部を分流させること、すなわち3−メチルチオプロピオンアルデヒドを生成する反応の前にメチルメルカプタン含有流の一部を分流させることには、メチルメルカプタンとアクロレインとの化学量論比からのずれが、少なくともより迅速かつ正確にバッファ処理されるという利点、またはアクロレインに比べて過剰なメチルメルカプタンが急にかつ/または一時的に供給される場合に生じるずれが直接的に相殺されるという利点さえある。1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノール含有流を本発明による方法において供給することには、メチルメルカプタンに比べて過剰なアクロレインが急にかつ/または一時的に供給される場合、余剰分のアクロレインと、供給された1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールとを反応させて3−メチルチオプロピオンアルデヒドを生成することにより、メチルメルカプタンとアクロレインとの化学量論比からのずれが直接的に打ち消されるという利点がある。

0029

したがって、本発明による方法のさらなる実施形態において、最小限のメチルメルカプタン流を、3−メチルチオプロピオンアルデヒドを生成する反応の前に分岐させ、これに並行して、最小限の1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノール流を本発明による方法に供給する。

0030

好ましくは、3−メチルチオプロピオンアルデヒドを生成する反応の前に本発明による方法から分岐させたメチルメルカプタン流を供給して、3−メチルチオプロピオンアルデヒドとメチルメルカプタンとを反応させることにより、1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールを形成させる。

0031

本発明の文脈において、最小限のメチルメルカプタン流とは、メチルメルカプタンと3−メチルチオプロピオンアルデヒドとの反応を維持するために技術的に必要とされるメチルメルカプタンの量を表す。

0032

本発明の文脈において、最小限の1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノール流とは、技術的に利用可能な流量の制御を迅速かつ正確に行うために必要とされる1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールの量を表す。

0033

1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールを中間貯蔵することにより、3−メチルチオプロピオンアルデヒドの製造におけるアクロレインとメチルメルカプタンとの化学量論比からのずれを、時間に関わらず必要に応じて相殺することができる。中間貯蔵される1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールの量を、メチルメルカプタンとアクロレインとの化学量論比からのずれに対して調整することが有利である。このことは、中間貯蔵された1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールを本発明による方法に供給した場合に、上流のプラントにより引き起こされる化学量論比からのずれを製造において一般的な時間間隔で相殺することができるように、中間貯蔵される1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールの量を十分に多くすべきであることを意味する。

0034

よって、本発明による方法のさらなる実施形態において、形成された1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールを中間貯蔵する。

0035

よって、本発明による方法の好ましい実施形態において、中間貯蔵された供給すべき1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールのモル量は、余剰分のアクロレインの量と少なくとも同程度である。

0036

1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールを中間貯蔵することにより、特にメチルメルカプタンに対する余剰分のアクロレインと少なくとも同程度の、3−メチルチオプロピオンアルデヒドの製造において供給すべき量で1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールを中間貯蔵することにより、本発明による方法におけるアクロレインとメチルメルカプタンとの化学量論比からのずれが相殺可能であることが保証される。

0037

過剰なメチルメルカプタンを使用し、かつ1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールを供給して行う3−メチルチオプロピオンアルデヒドの製造を比較的長く実施する間に、メチルメルカプタンに対するアクロレインの化学量論比からのずれが、全くないか、小さいか、および/または一時的にしか起こらないように、メチルメルカプタンの生成が急激に増加するだろう。次に、過剰なメチルメルカプタンを使用しつつ、1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールを製造する3−メチルチオプロピオンアルデヒド製造を比較的長く実施する間に、メチルメルカプタンの生成が相応して低減するだろう。

0038

よって、本発明による方法のさらなる好ましい実施形態において、アクロレインがメチルメルカプタンに対して過剰に存在する場合、中間貯蔵された1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールをメチルメルカプタンとアクロレインとの反応に供給し、これを余剰分のアクロレインと反応させて3−メチルチオプロピオンアルデヒドを生成する。

0039

アクロレインおよびメチルメルカプタンからの3−メチルチオプロピオンアルデヒドの製造においてアクロレインがメチルメルカプタンに対して過剰に存在する場合、アクロレインの損失を回避することが不可欠である。これは、アクロレインが重合して高沸点残渣を非常に生成し易いからである。この重合は不可逆的であるため、重合したアクロレインの量を、目標化合物である3−メチルチオプロピオンアルデヒドへの転化にそれ以上利用することはできない。これにより、反応したアクロレインの量を基準とする、3−メチルチオプロピオンアルデヒド形成の選択率が低下する。3−メチルチオプロピオンアルデヒド製造においても、またD,L−メチオニン製造についても、アクロレインは、最も高価な出発材料である。よって、付加価値のない副生成物が形成されてアクロレインを損失することにより、3−メチルチオプロピオンアルデヒドの製造方法の経済的効率が直接的に低下するだけでなく、特にD,L−メチオニンの製造方法の経済的効率も直接的に低下する。よって、本発明による方法においてアクロレインがメチルメルカプタンに対して過剰に存在する場合、1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールを、余剰分のアクロレインを3−メチルチオプロピオンアルデヒドに転化させるのに十分な量で本方法に供給する。1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールは、当業者に公知かつこの特定に適した分析方法により特定される。

0040

よって、本発明による方法の好ましい実施形態において、供給される1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールのモル量は、余剰分のアクロレインと少なくとも同程度である。

0041

本発明による方法において、未反応の1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールが過剰に存在する生成物混合物が得られる場合、これは、有価物質、すなわち、アクロレイン、メチルメルカプタンおよび3−メチルチオプロピオンアルデヒドが失われたことを意味する。よって、本発明による方法から得られる生成物混合物における未反応の1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールを再利用すべきである。

0042

よって、本発明による方法の好ましい実施形態において、未反応の形成された1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールを回収する。

0043

回収した1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールを、余剰分のアクロレインとの後の反応のために中間貯蔵して3−メチルメルカプトプロピオンアルデヒドを生成しても、あるいは過剰なアクロレインと直接反応させてもよい。

0044

本発明による方法の好ましい実施形態において、回収した1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールを中間貯蔵する。

0045

本発明による方法の代替的な好ましい実施形態において、アクロレインがメチルメルカプタンに対して過剰に存在する場合、過剰なアクロレインを有する流を、3−メチルチオプロピオンアルデヒドを生成する反応の前に分岐させ、この流を、生成物混合物から分離された未反応の1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールと反応させて、3−メチルチオプロピオンアルデヒドを生成する。

0046

本発明による方法の別の代替的な好ましい実施形態において、生成物混合物から分離された未反応の1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールとアクロレインとを同量で反応させて、3−メチルチオプロピオンアルデヒドを生成する。

0047

本発明の文脈において、少なくとも1種の窒素含有塩基と少なくとも1種の酸との触媒混合物を添加することで、3−メチルチオプロピオンアルデヒドを生成するメチルメルカプタンとアクロレインとの反応に対して有利な効果がもたらされることが判明した。この触媒混合物を添加することにより、高沸点の不純物または残渣の形成が著しく低減され、同時に、目標化合物の収率が向上する。

0048

よって、3−メチルチオプロピオンアルデヒドを生成する反応を、少なくとも1種の窒素含有塩基および少なくとも1種の酸の存在下で実施することが好ましい。

0049

一時的に存在するアクロレインは、pHがわずかに酸性である場合、最も安定である。使用される好ましい触媒混合物において酸が塩基に対して過剰に存在することで、pHをわずかに酸性にすることが非常に容易である。よって、一実施形態において、酸は、使用される触媒混合物において塩基に対して過剰に存在する。

0050

1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールを生成するメチルメルカプタンと3−メチルチオプロピオンアルデヒドとの反応において触媒混合物を添加することで、ヘミチオアセタールの収率に対して有利な効果がもたらされ、より高沸点の残渣の形成も低減される。

0051

よって、1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールの形成を、少なくとも1種の窒素含有塩基と少なくとも1種の酸とを含む触媒混合物の存在下で実施することが好ましい。

0052

本発明の文脈において、触媒は、少なくとも1種の塩基と少なくとも1種の酸との混合物である。よって、本発明との関連において、本発明により使用される触媒とは、使用される触媒混合物に相当する。塩基と酸とを組み合わせて触媒混合物にすることで、本発明による方法において存在する液相における混合物の良好な溶解性が保証され、そのため、本発明による方法における触媒混合物は、均一系触媒として機能する。これにより、3−メチルチオプロピオンアルデヒドおよび1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールの双方の形成における転化率および選択率が高くなる。

0053

よって、3−メチルチオプロピオンアルデヒドを生成するメチルメルカプタンとアクロレインとの反応および1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールの形成の双方を、少なくとも1種の窒素含有塩基と少なくとも1種の酸とを含む触媒混合物の存在下で行うことが好ましい。

0054

使用される塩基は、非置換もしくは置換N−複素環式化合物または式NR1R2R3のアミンであることが好ましく、ここでR1、R2およびR3は、同じであるか、または異なり、それぞれ独立して、水素、1〜4個の炭素原子を有するアルキル残基または7〜14個の炭素原子を有するアリールアルキル残基であり、ただし、残基R1、R2またはR3のうち1つが水素である場合、その他の2つの残基は水素ではない。窒素含有塩基は、特に好ましくは、ピリジンまたはアルキル置換ピリジン、例えばピコリンまたはルチジン第三級アミン、例えばトリメチルアミントリエチルアミントリプロピルアミントリブチルアミントリデシルアミン、トリドデシルアミンまたはジメチルベンジルアミンである。酸は、好ましくは、無機酸、特に塩酸硫酸もしくはホスホン酸、または有機酸、特にギ酸酢酸プロピオン酸乳酸コハク酸酒石酸クエン酸もしくは上記の酸の混合物である。

0055

よって、本発明による方法において使用される塩基は、置換もしくは非置換N−複素環式アミンおよび/または式NR1R2R3のアミンであることが好ましく、ここでR1、R2およびR3は、同じであるか、または異なり、それぞれ独立して、水素、1〜4個の炭素原子を有するアルキル残基または7〜14個の炭素原子を有するアリールアルキル残基であり、ただし、残基R1、R2またはR3のうち1つが水素である場合、その他の2つの残基は水素ではなく、酸は無機酸および/または有機酸である。

0056

塩基は、置換もしくは非置換N−複素環式アミンおよび/または上記に規定したアミン、特にN,N−ジメチルベンジルアミンおよび/またはトリエタノールアミンであることが好ましく、酸は、有機酸、特にギ酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸またはこれらの混合物であることが好ましい。

0057

本発明による方法において、金属カチオン、特に重金属カチオン、例えばFe2+は、アルデヒドからの高沸点物質の形成を有利にするか、または触媒しさえする。よって、触媒混合物は、少なくとも1種の塩基および少なくとも1種の酸に加えて、好ましくは錯化剤も含む。金属カチオン、特に重金属カチオンを錯化することにより、不所望な高沸点物質の形成が抑制され、これは、生成物の純度に対して有利な効果をもたらす。金属カチオンの錯化に適した錯化剤に関して、基本的に、本発明による方法には、何ら制限は設けてられていない。基本的に、本発明の文脈において適切な錯化剤は、標準的ないわゆる多座錯化剤(polydentate complexing agents)すべて、すなわち、錯体形成に適した1種より多くの官能基、例えばヒドロキシル基アミノ基またはカルボキシル基を有する錯化剤すべてである。最も単純な場合、錯化剤は、1つより多くのカルボキシル基を有する有機酸である。よって、使用される触媒混合物は、少なくとも1種の酸と組み合わせた窒素含有塩基であることが好ましく、ただし、少なくとも1種の酸は錯体形成性の有機酸である。本発明の文脈において、錯体形成に適した有機酸は、金属イオン、例えばFe2+を錯化するのに適した有機酸であることが好ましく、特に酒石酸である。

0058

よって、本発明による方法において使用される触媒混合物は、少なくとも1種の錯化有機酸を含むことが好ましい。

0059

先ですでに説明したように、1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールは、3−メチルチオプロピオンアルデヒドとメチルメルカプタンとの平衡反応において形成され、ここで、この反応の平衡は、10〜70℃の間の温度で、1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノール側に偏っている。したがって、その中に含まれるメチルメルカプタンの大部分は、3−メチルチオプロピオンアルデヒドのヘミチオアセタールの一部として結合した形態で存在する。結合していない形態で存在するより低割合のメチルメルカプタンは、1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールを形成する生成物混合物中に物理的に溶解した形態で存在する。1日または7日にわたり貯蔵した生成物混合物のNMRスペクトルは、1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノール(MMP−MC)、3−メチルチオプロピオンアルデヒド(MMP)およびメチルメルカプタン(MC)に関連したシグナルを主に示す。これらのNMRスペクトルにおいて、副生成物は、観察されたとしても痕跡量しか観察されない。アクロレインとの反応により、1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノール中に結合した形態で存在するメチルメルカプタンは、再び放出されてアクロレインと反応し、3−メチルチオプロピオンアルデヒドを形成する。詳細に述べると、アクロレインは、結合していない形態で存在する平衡割合のメチルメルカプタンと反応する。反応する「遊離」メチルメルカプタンは、平衡反応から連続的に再形成される。1モルの1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールと1モルのアクロレインとの反応において、2モルの3−メチルチオプロピオンアルデヒドが形成される。結果として、1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールは、メチルメルカプタンおよび3−メチルチオプロピオンアルデヒドの双方の貯蔵に適している。

0060

よって、本発明は、メチルメルカプタンおよび/または3−メチルチオプロピオンアルデヒドの貯蔵形態としての1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールの使用にも関する。

0061

本発明による使用におけるメチルメルカプタンおよび/または3−メチルチオプロピオンアルデヒドの貯蔵形態は、安定した貯蔵形態であることが好ましく、ここで本発明の文脈において、メチルメルカプタンおよび/または3−メチルチオプロピオンアルデヒドの安定した貯蔵形態とは、少なくとも7日にわたり(かなりの)副生成物を形成することなくメチルメルカプタンおよび3−メチルチオプロピオンアルデヒドを貯蔵可能な相応した貯蔵形態を意味すると理解される。

0062

メチルメルカプタンおよび/または3−メチルチオプロピオンアルデヒドのための貯蔵形態として使用される1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールは、最も単純な場合、3−メチルチオプロピオンアルデヒドを製造するための本発明による方法から生成され、ここでメチルメルカプタンがアクロレインに対して過剰である場合、余剰分のメチルメルカプタンを3−メチルチオプロピオンアルデヒドと反応させて、1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールを生成する。あるいは、またはそれに加えて、この方法においてアクロレインがメチルメルカプタンに対して過剰である場合、メチルメルカプタンおよび/または3−メチルチオプロピオンアルデヒドのための貯蔵形態として使用される1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールを、3−メチルチオプロピオンアルデヒドを製造するための本発明による方法に供給することもできる。これは、過剰なアクロレインが、1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールと平衡状態で存在するメチルメルカプタン量と反応して、3−メチルチオプロピオンアルデヒドを生成するからである。

0063

よって、本発明による方法の一実施形態において、1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールは、3−メチルチオプロピオンアルデヒドを製造するための本発明による方法に由来し、かつ/または1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールは、3−メチルチオプロピオンアルデヒドを製造するための本発明による方法に供給される。

0064

以下の項目により本発明をさらに説明する。

0065

1.メチルメルカプタンとアクロレインとを反応させることにより3−メチルチオプロピオンアルデヒドを製造する方法において、3−メチルチオプロピオンアルデヒドを生成する反応におけるメチルメルカプタンとアクロレインとの化学量論比からのずれを、1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールを供給または形成することにより相殺し、ここで
メチルメルカプタンがアクロレインに対して過剰に存在する場合、余剰分のメチルメルカプタンを3−メチルチオプロピオンアルデヒドにより転化させて、1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールにするか、
または
アクロレインがメチルメルカプタンに対して過剰に存在する場合、1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールをメチルメルカプタンとアクロレインとの反応に供給する
ことを特徴とする、方法。

0066

2.製造を連続的に実施する、項目1記載の方法。

0067

3.1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールを生成する反応におけるメチルメルカプタンと3−メチルチオプロピオンアルデヒドとのモル比が、0.1:1(mol/mol)〜1:1(mol/mol)である、項目1または2記載の方法。

0068

4.余剰分のアクロレインと1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールとを反応させて、3−メチルチオプロピオンアルデヒドを生成する、項目1から3までのいずれか1つ記載の方法。

0069

5.一部のメチルメルカプタン含有流を、3−メチルチオプロピオンアルデヒドを生成する反応の前に分岐させ、前記メチルメルカプタン含有流を、3−メチルチオプロピオンアルデヒドとメチルメルカプタンとの反応による1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールの形成する際に供給する、項目1から4までのいずれか1つ記載の方法。

0070

6.最小限のメチルメルカプタン流を、3−メチルチオプロピオンアルデヒドを生成する反応の前に分岐させ、これに並行して、最小限の1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノール流を本発明による方法に供給する、項目1から5までのいずれか1つ記載の方法。

0071

7.形成された1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールを中間貯蔵する、項目1から6までのいずれか1つ記載の方法。

0072

8.中間貯蔵された供給すべき1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールのモル量が、余剰量のアクロレインと少なくとも同程度である、項目7記載の方法。

0073

9.アクロレインがメチルメルカプタンに対して過剰に存在する場合、中間貯蔵された1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールをメチルメルカプタンとアクロレインとの反応に供給し、これを余剰分のアクロレインと反応させて3−メチルチオプロピオンアルデヒドを生成する、項目7または8記載の方法。

0074

10.供給される1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールのモル量が、余剰分のアクロレインと少なくとも同程度である、項目1から9までのいずれか1つ記載の方法。

0075

11.未反応の1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールを回収する、項目9または10記載の方法。

0076

12.回収した1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールを中間貯蔵する、項目11記載の方法。

0077

13.アクロレインがメチルメルカプタンに対して過剰に存在する場合、過剰なアクロレインを有する流を、3−メチルチオプロピオンアルデヒドを生成する反応の前に分岐させ、前記アクロレインを有する流を、生成物混合物から分離された未反応の1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールと反応させて、3−メチルチオプロピオンアルデヒドを生成する、項目11記載の方法。

0078

14.生成物混合物から分離された未反応の1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールとアクロレインとを同量で反応させて、3−メチルチオプロピオンアルデヒドを生成する、項目11記載の方法。

0079

15.メチルメルカプタンおよび/または3−メチルチオプロピオンアルデヒドの貯蔵形態としての1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールの使用。

0080

16.貯蔵形態が、安定した貯蔵形態であり、ここでメチルメルカプタンおよび/または3−メチルチオプロピオンアルデヒドの安定した貯蔵形態が、少なくとも7日にわたり副生成物を形成することなくメチルメルカプタンおよび3−メチルチオプロピオンアルデヒドを貯蔵可能な貯蔵形態である、項目15記載の使用。

0081

17.1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールが、項目1から14のいずれか1つ記載の方法に由来し、かつ/または1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールが、項目1から14のいずれか1つに記載の方法に供給される、項目15または16記載の使用。

0082

実施例
A.使用する方法
1.銀滴定によるメチルメルカプタンの特定
使用する薬品
2−プロパノール(工業グレード
エタノール中の酢酸ナトリウム(0.1mol/l)、Bernd Kraft、Cat.No.16590.3700
硝酸銀標準溶液(0.1mol/l)、Sigma−Aldrich、Cat.No.35375
窒素
あるいは、同等の品質を有するその他のメーカーからの試薬を使用してもよい。

0083

使用する設備
− Titrando907、Metrohm、Cat.No.2.907.0020
− Dosino800、Metrohm、Cat.No.2.800.0020
− Tiamo(商標)(滴定ソフトウェア)、Metrohm、Cat.No.6.6056.221
硫化物コーティング付きAg Titrode、Metrohm、Cat.No.6.0430.100S、854iConnect付き、Metrohm、Cat.No.1.854.0010
滴定容器(150ml)、Metrohm、Cat.No.6.1415.250、5つの開口部を備える蓋付き、Metrohm、Cat.No.6.1414.010
− 滴定容器用の止め輪、Metrohm、Cat.No.6.2036.000
スタンド付きマグネチックスターラー801、Metrohm、Cat.No.2.801.0040
マグネチックスターラーバー(長さ25mm)、Metrohm、Cat.No.6.1903.030
− マグネチックスターラーバーリムーバー
ガラスビーカー
洗浄瓶
使い捨てシリンジ(1ml)、Luer
使い捨てカニューレ(70ml)、Luer
化学天秤
あるいは、同等の性能特性を有するその他のサプライヤーからのその他の設備構成を使用してもよい。

0084

最初に、酢酸ナトリウムをエタノールに入れた溶液(0.1mol/l)80mlを滴定容器に充填した。予め充填した酢酸ナトリウム溶液に、およそ1分かけて窒素をゆっくりと導入した。酢酸ナトリウム溶液をスパージングする間に、使い捨てシリンジおよび使い捨てカニューレを使用して、特定すべきメチルメルカプタン試料を試料用フラスコから0.2ml抜き出した。試料で満たしたシリンジの重量を化学天秤で求めた。窒素の供給を終えた後に、試料を滴定容器に添加し、再び量することで試料の正確な量を求めた。硝酸銀標準溶液(0.1mol/l)を使用して滴定を実施し、硫化物コーティング付きAg Titrodeを用いて終点を求めた。

0085

試料が、特定すべきメチルメルカプタンは含有しているが硫化水素は含有していない場合、滴定曲線は、−100〜+100mVの間の電位範囲変曲点を1つだけ有する。試料溶液におけるメチルメルカプタン含量を、式:



により示す。

0086

滴定の間に、黄色の銀メチルメルカプチド沈殿物沈殿した。メチルメルカプタンに加えて硫化水素も含有する試料において、硫化水素の存在は、硝酸銀を添加した際に、黒色硫酸銀沈殿物が生成することにより示された。この場合、滴定曲線は、+250〜+4550mVの間の電位範囲で変曲点を示す。試料中のメチルメルカプタンおよび硫化水素の含量(重量%)を、以下の式:



により示す。

0087

標準溶液2.WPおよび標準溶液1.WPは、滴定曲線において第二または第一の変曲点に到達するのに必要な硝酸銀標準溶液(濃度はmol/l)の消費体積(ml)を表す。試料の重量はgであり、モル重量をg/molで記載した。

0088

2.3−メチルチオプロピオンアルデヒド中のアクロレインの測光法による特定
使用する薬品:
脱塩水
使用する設備:
− ShimadzuのUV−1202型紫外可視分光光度計
光路長10mmの紫外可視分光キュベット
トランスファーピペット
あるいは、同等の性能特性を有するその他のサプライヤーからのその他の設備構成を使用してもよい。

0089

3−メチルチオプロピオンアルデヒドにおけるアクロレインを特定する前に、まず水に対する較正を行った。この目的のために、紫外可視分光キュベットを脱塩水で満たし、こうして、得られたブランク試料を測光法により測定した。次に、別の紫外可視分光キュベットを3−メチルチオプロピオンアルデヒドで少なくとも1回すすぐよう、まず条件付けた。その後、トランスファーピペットを使用して、約1mlの調査試料を紫外可視分光キュベット内に置き、これを封止して、測光法により測定した(366nmの波長)。試料中のアクロレイン含量を求めるために、紫外可視分光光度計により測定した吸収率に、係数0.5220をかけた。その後、紫外可視分光光度計で得られたアクロレイン含量を、小数第3位の精度により%で記載した。この方法を使用して、3−メチルチオプロピオンアルデヒドを含むマトリックス中のアクロレインの濃度を、十分な精度で約0.6%まで求めることができる。

0090

3.3−メチルチオプロピオンアルデヒド中のN,N−ジメチルベンジルアミン(DMBA)の滴定による特定
使用する薬品:
− Ag/AgCl参照系c(KCl)のための電解質溶液=3mol/l(250ml)、Metrohm、Cat.No.6.2308.020
参照電解質c(KCL)と組み合わせたpHガラス電極のための貯蔵溶液=3ml、Metrohm、Cat.No.6.2323.000
1回分の使い捨て小袋に入ったpH4.00の緩衝溶液(25℃)、Metrohm、Cat.No.6.2307.200
− 1回分の使い捨て小袋に入ったpH7.00の緩衝溶液(25℃)、Metrohm、Cat.No.6.2307.210
− 1回分の使い捨て小袋に入ったpH9.00の緩衝溶液(25℃)、Metrohm、Cat.No.6.2307.220
氷酢酸に入れた過塩素酸(0.01mol/l)、Bernd Kraft、Cat.No.05101.3700
− 氷酢酸(ReagentPlus(登録商標))、Sigma−Aldrich、Cat.No.A6283
−2−プロパノール(Chromasolv(登録商標))、Sigma−Aldrich、Cat.No.34863
−エタノール中のLiCl飽和溶液
あるいは、同等の品質を有するその他のメーカーからの薬品を使用してもよい。

0091

使用する設備:
− Titrando907電位差滴定装置、Metrohm、Cat.No.2.907.0020
− Dosino800計量システム、Metrohm、Cat.No.2.800.0020
− Tiamo(商標)(滴定用ソフトウェア)、Metrohm、Cat.No.6.6056.221
供給ユニット、10mlの計量ユニット、Metrohm、Cat.No.6.3032.210
− 供給ユニット、50mlの計量ユニット、Metrohm、Cat.No.6.3032.250
非水性媒体における滴定用のSolvotrode電極、Metrohm、Cat.No.6.0229.100
−滴定容器(150ml)、Metrohm、Cat.No.6.1415.250、5つの開口部を備える蓋付き、Metrohm、Cat.No.6.1414.010
− 滴定容器用の止め輪、Metrohm、Cat.No.6.2036.000
−スタンド付きマグネチックスターラー801、Metrohm、Cat.No.2.801.0040
−マグネチックスターラーバー(長さ25mm)、Metrohm、Cat.No.6.1903.030
− マグネチックスターラーバーリムーバー
−ガラスビーカー
−洗浄瓶
−使い捨てシリンジ(1ml)、Luer
−使い捨てカニューレ(70ml)、Luer
−化学天秤
あるいは、同等の性能特性を有する別の設備構成を使用してもよい。

0092

第一の測定の前に、いずれの場合にも、pH4、pH7またはpH9の緩衝溶液でpH電極を較正した。次に、MMP中のDMBAを電位差滴定で求めた。プラスチックビーカーを約50mlの氷酢酸で満たし、その後、約50gの試料を添加し、ここで、試料の正確な量を秤量して求めた。氷酢酸に入れた過塩素酸(0.01mol/l)を使用して滴定を実施し、非水性媒体における滴定用の電極、例えばSolvotrode(Metrohm)を用いて、終点を見つけた。



V(標準溶液、ml)は、消費される過塩素酸標準溶液の体積(ml)に対応する。
c(標準溶液、mol/l)は、過塩素酸標準溶液の濃度(mol/l)に対応する。
M(DMBA、g/mol)は、求めるDMBA(N,N−ジメチルベンジルアミン)のモル質量(g/mol)に対応する。
m(試料、g)は、試料の重量(g)に対応する。

0093

4.真空蒸留ユニットを使用した残渣の特定
真空蒸留ユニット(例えば、クーゲルロール(「ボールチューブ」)蒸発器、Buechi、GKR−50)を使用して、残渣の特定を実施した。

0094

容器自重を求めるために、蒸留すべき物質用の容器を秤量した。次に、15gの蒸留すべき液体を秤量して容器内に入れ、蒸留ユニットを組み立てた。真空ポンプ圧力調整器を30mbarの圧力に設定した。蒸留容器の加熱を200℃の温度に設定した。20分後、蒸留を終了した。蒸留ユニットを冷却した後に、装置の通気を行い、真空ポンプのスイッチを切りガラス部分を取り外した。蒸留容器を秤量し、以下の式:



を用いて、残渣を求めた。

0095

5.ガスクロマトグラフィー
Agilentの19091J−213HP−5の5%フェニルメチルシロキサンキャピラリーカラム水素炎イオン化型検出器とを備えるAgilentのHP6890型のガスクロマトグラフを使用して、ガスクロマトグラフィーによる調査を実施した。1分あたり15℃の温度速度で40〜325℃の温度勾配を使用して、分析を行った。

0096

本発明の文脈において、3−メチルチオプロピオンアルデヒド、メチルメルカプタンおよびアクロレインを特定するために、その他の方法に加えて、ガスクロマトグラフィーを使用した。3−メチルチオプロピオンアルデヒドとメチルメルカプタンとから形成された1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールは、ガスクロマトグラフィーにおいて適用される温度では不安定であり、よって、検出前にすでに、開始化合物、すなわち3−メチルチオプロピオンアルデヒドおよびメチルメルカプタンへと分解されている。

0097

実験1〜4:
工業的な製造から得られるストリッピングされた25.16gの3−メチルチオプロピオンアルデヒド(メチルメルカプトプロピオンアルデヒドMMP)(93.19重量%)をフラスコにまず充填し、水浴を使用して加熱した。1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノール(MMP−MC)を形成するために必要な量のメチルメルカプタン(MC)(12.41ml、11.09g)を、冷却された滴下漏斗に充填した。N,N−ジメチルベンジルアミン(触媒を基準として5.2重量%)と、酢酸と、酒石酸と、水とから成る0.027gまたは0.095gの触媒混合物を、実験2および4のMMPに添加した。メチルメルカプタンを、温度が約25℃(実験1および2)または約40℃(実験3および4)を実質的に超えないように、約7分〜10.5分かけて滴下漏斗により3−メチルチオプロピオンアルデヒドに滴加した。次に、得られた生成物混合物を15分にわたり25℃(実験1および2)または40℃(実験3および4)で撹拌した。

0098

次に、得られた生成物混合物を、窒素で覆った状態で、フラスコ内にて1日または7日にわたり15℃で貯蔵した。生成物混合物のNMRスペクトルにおいて、シグナルは、MMP−MC、MMPに対応し、主にMCが観察された。副生成物は、大部分が痕跡量で観察された。

0099

C.実験5〜12:
十分な量のMMP(工業的に製造されたもの、93.19重量%)をフラスコにまず充填した。実験1〜4で調製して1日または7日にわたり貯蔵した10.43g(94.91重量%)のMMP−MCおよび3.76g(96.97重量%)のアクロレインを、フラスコ内の液相の温度が約60℃を超えないように、約7.5分かけて滴下漏斗からMMPに滴加した。触媒の添加を、以下の表にある数値に従って実施した。その後、生成物混合物を、60℃で60分にわたり撹拌した。

0100

実験5では、使用されるMMP−MCを、25℃で調製して、15℃で1日にわたり貯蔵した。触媒の添加を、第二の工程(MMP−MCおよびACからMMPを調製)において実施した。

0101

実験6では、使用されるMMP−MCを、25℃で調製して、15℃で7日にわたり貯蔵した。触媒の添加を、第二の工程(MMP−MCおよびACからMMPを調製)において実施した。

0102

実験7では、使用されるMMP−MCを、25℃で調製して、15℃で1日にわたり貯蔵した。触媒の添加を、第一の工程(MMPおよびMCからMMP−MCを調製)において実施した。

0103

実験8では、使用されるMMP−MCを、25℃で調製して、15℃で7日にわたり貯蔵した。触媒の添加を、第一の工程(MMPおよびMCからMMP−MCを調製)において実施した。

0104

実験9では、使用されるMMP−MCを、40℃で調製して、15℃で1日にわたり貯蔵した。触媒の添加を、第二の工程(MMP−MCおよびACからMMPを調製)において実施した。

0105

実験10では、使用されるMMP−MCを、40℃で調製して、15℃で7日にわたり貯蔵した。触媒の添加を、第一の工程(MMPおよびMCからMMP−MCを調製)において実施した。

0106

実験11では、使用されるMMP−MCを、40℃で調製して、15℃で1日にわたり貯蔵した。触媒の添加を、第一の工程(MMPおよびMCからMMP−MCを調製)において実施した。

0107

実験12では、使用されるMMP−MCを、40℃で調製して、15℃で7日にわたり貯蔵した。触媒の添加を、第一の工程(MMPおよびMCからMMP−MCを調製)において実施した。

0108

触媒混合物は、5.2重量%のN,N−ジメチルベンジルアミンを含有していた。

0109

約100mgの試験試料(実験5〜12)を用い、n−ドデカン内部強度標準として使用して、各生成物混合物のガスクロマトグラムを得た。この分析の結果を以下の表にまとめる。

0110

さらに、クーゲルロール蒸留バルブを使用して、15gの各生成物混合物を蒸留した。ここで、0.01〜0.03重量%の色の膜がフラスコ壁に残留し、これはMMPのダイマーであると特定された。

0111

これらの実験により、MMP−MCを25℃で調製しても40℃で調製しても、MMP−MCを1日にわたり貯蔵しても7日にわたり貯蔵しても、また触媒をMMP−MCの調製に添加してもMMPの調製に添加しても、高沸点の残渣の形成に対して影響がないことが分かる。

0112

D.実験13:
90単位重量のMMPを反応器にまず充填し、その後、100単位重量のアクロレイン(95.7%)を、24時間かけて1時間毎に導入した。同時に、83.5単位重量のメチルメルカプタン(96.1%)を、24時間かけて1時間毎に導入した。さらに、0.02単位重量のN,N−ジメチルベンジルアミンを、過剰な酢酸に溶解させた状態で、1時間毎に添加した。余剰分のメチルメルカプタンを相殺するために、7重量%のメチルメルカプタンを含む28.5単位重量のMMP/MMP−MC溶液を導入した。温度を60℃に維持した。反応器内の充填度を上昇させる量のMMPを排出した。0.5時間の滞留時間をかけて、この量を滞留時間反応器に圧送し、適宜、再度排出した。反応溶液は、ストリッピングカラム内でのアクロレインおよびメチルメルカプタン製造の低沸点の副生成物を含有していない。

0113

こうして得られた反応溶液を分析することにより、1時間あたり206.1単位重量のMMPが得られることが判明した。反応混合物の試料を、220℃および30mbarで一定の重量に濃縮した。非蒸発性の残渣が0.3重量%残留していた。MMP濃度の特定により、含量が97.1%であると判明した。これは、98%超の収率に相当する。

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