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技術 分泌型P−糖タンパク質は、慢性鼻副鼻腔炎の非侵襲的バイオマーカーである

出願人 マサチューセッツアイアンドイヤーインファーマリー
発明者 ブレイアー,ベンジャミンエス.ノセラ,アンジェラ
出願日 2017年1月13日 (3年11ヶ月経過) 出願番号 2018-536890
公開日 2019年2月14日 (1年10ヶ月経過) 公開番号 2019-504319
状態 未査定
技術分野 生物学的材料の調査,分析 ペプチド又は蛋白質 非環式または炭素環式化合物含有医薬 医療用材料 化合物または医薬の治療活性 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬
主要キーワード バキュームクリーナー 信頼性区間 海綿状物質 グレーディングシステム 四分位点 回転楕円形 アトマイゼーション 合成スポンジ
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (18)

課題・解決手段

分泌物中の可溶性P−糖タンパク質ベルの上昇の検出に基づいて、対象、例えば、慢性鼻副鼻腔炎(CRS)を有する対象を特定し、任意選択でその対象を処置するための方法。処置の方法には、治療有効量のP−糖タンパク質阻害剤投与が含まれ得る。

概要

背景

慢性鼻副鼻腔炎(CRS)は、副鼻腔粘膜慢性的な炎症を特徴とする。鼻ポリープ(NP)を伴うCRSおよび伴わないCRSといった疾患のサブタイプの臨床症状は、長い間認識されていたが、CRSの病態生理学に関する理解が進歩したことにより(Kern et al., Am J Rhinol. 22:549-559)、疾患の特徴付けエンドタイプパラダイム(Akdis et al., J Allergy Clin Immunol. 2013;131 (6):1479-90)の採用につながった。CRSの表現型的特徴および免疫学的特徴は、特定のエンドタイプ内で多様に存在し得るが、この診断構造は、重要な予後診断情報を提供し、標的を定めた医薬療法の時代先導してきた(Pauwels et al., Expert Rev Clin Immunol. 2015;11 (3):349-61)。

個別化されたCRSの処置は継続的に進歩しているため、外来環境において、患者を迅速かつ外傷を伴わずに分類するためには、疾患エンドタイプの非侵襲的バイオマーカーの開発が、極めて重要となるであろう。粘液は、膨大な量で分泌され、容易にサンプルを採取することができるため、天然の潜在的なそのようなバイオマーカーの宝庫に相当する。複数のグループが、すでにこれらの利点を利用しており、CRSの感受性かつ特異的なバイオマーカーとして、鼻腔内の遊離好酸球性主要塩基性タンパク質(eMBP)の存在について報告している(Ponikau et al., Int Forum Allergy Rhinol. 2015;5 (1):28-35、Schmid et al., Otolaryngol Head Neck Surg. 2010;143 (3):386-91)。これらの発見はあるものの、eMBPは、注意深いサンプル採取手法を必要とし、非好酸球性と考えられる患者に存在するかどうかに関して、文献にはいくつかの不一致が存在する(Ponikau et al., Int Forum Allergy Rhinol. 2015;5 (1):28-35)。

概要

分泌物中の可溶性P−糖タンパク質ベルの上昇の検出に基づいて、対象、例えば、慢性鼻副鼻腔炎(CRS)を有する対象を特定し、任意選択でその対象を処置するための方法。処置の方法には、治療有効量のP−糖タンパク質阻害剤投与が含まれ得る。

目的

これらの方法は、典型的に、直接的または間接的のいずれかでシグナルを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
0件

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請求項1

対象における慢性鼻副鼻腔炎(CRS)を診断する方法であって、対象から、分泌物を含み、好ましくは、鼻粘液を含むサンプルを用意するステップと、前記サンプル中の可溶性p−糖タンパク質(P−gp)のレベルを判定するステップと、前記サンプル中のP−gpの前記レベルを、参照P−gpレベルと比較するステップとを含み、前記参照レベルよりも高い前記サンプル中のP−gpのレベルは、前記対象がCRSを有することを示す、方法。

請求項2

前記サンプル中の可溶性p−糖タンパク質(P−gp)のレベルを判定するステップが、前記サンプルを、P−gpに特異的に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントと接触させるステップを含む、請求項1に記載の方法。

請求項3

前記対象を、CRSを有するとして特定するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。

請求項4

前記対象に対するCRSの処置を選択および/または投与するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。

請求項5

前記CRSの処置が、治療有効量のP−gp阻害剤の投与である、請求項4に記載の方法。

請求項6

前記サンプルが、鼻粘液由来エキソソームを含み、前記サンプル中の可溶性p−糖タンパク質(P−gp)のレベルを判定するステップが、前記鼻粘液由来のエキソソーム中のP−gpのレベルを判定するステップを含む、請求項1に記載の方法。

請求項7

前記対象から、鼻粘液由来のエキソソームを単離するステップと、前記鼻粘液由来のエキソソーム中のP−gpのレベルを判定するステップとを含む、請求項6に記載の方法。

請求項8

P−糖タンパク質阻害剤での処置のための対象を選択し、任意選択で前記対象を処置する方法であって、対象から、鼻分泌物を含み、好ましくは、鼻粘液を含むサンプルを用意するステップと、前記サンプル中の可溶性p−糖タンパク質(P−gp)のレベルを判定するステップと、前記サンプル中のP−gpの前記レベルを、参照P−gpレベルと比較するステップであって、前記参照レベルよりも高い前記サンプル中のP−gpのレベルは、前記対象が、P−糖タンパク質阻害剤での処置により利益が得られる可能性が高いことを示す、ステップと、P−糖タンパク質阻害剤での処置のための前記対象を選択するステップと、前記対象に、有効量のP−糖タンパク質阻害剤を任意選択で投与するステップとを含む方法。

請求項9

前記サンプルが、鼻粘液由来のエキソソームを含み、前記サンプル中の可溶性p−糖タンパク質(P−gp)のレベルを判定するステップが、前記鼻粘液由来のエキソソーム中のP−gpのレベルを判定するステップを含む、請求項8に記載の方法。

請求項10

前記対象から、鼻粘液由来のエキソソームを単離するステップと、前記鼻粘液由来のエキソソーム中の透過性−糖タンパク質(P−gp)のレベルを判定するステップとを含む、請求項9に記載の方法。

請求項11

前記P−糖タンパク質阻害剤が、PSC833、R−ベラパミル、GF120918、VX−710、MS−209、LY335979、OC144093、R101933、XR9051、またはXR9576である、請求項4から10に記載の方法。

請求項12

前記P−糖タンパク質阻害剤が、全身投与されるか、または前記対象の鼻腔および副鼻腔局所投与される、請求項4から10に記載の方法。

請求項13

前記P−糖タンパク質阻害剤が、吸入デバイスによって、フラッシングによって、またはスプレー噴霧によって、前記対象の鼻腔および副鼻腔に送達される、請求項12に記載の方法。

請求項14

前記P−糖タンパク質阻害剤が、前記対象に、外科手術により前記対象の鼻腔または副鼻腔に留置されるP−糖タンパク質阻害剤溶出インプラントとして投与される、請求項12に記載の方法。

請求項15

前記P−糖タンパク質阻害剤溶出インプラントが、生体吸収性である、請求項14に記載の方法。

請求項16

鼻副鼻腔炎の存在が、内視鏡検査またはコンピュータ断層撮影法によって確認されている、請求項1から10に記載の方法。

請求項17

前記P−gp阻害剤が、コルチコステロイドおよび抗生物質のうちの一方または両方と組み合わせて、投与される、請求項4から10に記載の方法。

請求項18

前記コルチコステロイドが、デキサメタゾンプレドニゾンプレドニゾロントリアムシノロンコルチゾールブデソニドモメタゾンフルチカゾンフルニソリド、およびベタメタゾンから選択される、請求項17に記載の方法。

請求項19

請求項20

請求項1から19のうちのいずれかに記載の方法において使用するためのキットであって、P−糖タンパク質に特異的に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントと、任意選択で既知の量のP−糖タンパク質を含む対照サンプルとを含むキット。

請求項21

請求項1から20のうちのいずれかに記載の方法において使用するためのキットであって、P−糖タンパク質に特異的に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントと、任意選択で既知の量のP−糖タンパク質を含む対照サンプルと、サンプル採取のためのスポンジ、前記スポンジを設置するための送達デバイス、サンプル保存のためのプロテアーゼ阻害剤および/またはRNAse阻害剤を含む採取容器滅菌食塩水、ならびに輸送中の標本保存のための低温パックまたはフリーザーパックのうちの1つまたは複数とを含むキット。

技術分野

0001

溶性P−糖タンパク質ベルの上昇の検出に基づいて、対象、例えば、慢性鼻副鼻腔炎(CRS)を有する対象を特定し、任意選択でその対象を処置するための方法が、本明細書に記載される。

背景技術

0002

慢性鼻副鼻腔炎(CRS)は、副鼻腔粘膜慢性的な炎症を特徴とする。鼻ポリープ(NP)を伴うCRSおよび伴わないCRSといった疾患のサブタイプの臨床症状は、長い間認識されていたが、CRSの病態生理学に関する理解が進歩したことにより(Kern et al., Am J Rhinol. 22:549-559)、疾患の特徴付けエンドタイプパラダイム(Akdis et al., J Allergy Clin Immunol. 2013;131 (6):1479-90)の採用につながった。CRSの表現型的特徴および免疫学的特徴は、特定のエンドタイプ内で多様に存在し得るが、この診断構造は、重要な予後診断情報を提供し、標的を定めた医薬療法の時代先導してきた(Pauwels et al., Expert Rev Clin Immunol. 2015;11 (3):349-61)。

0003

個別化されたCRSの処置は継続的に進歩しているため、外来環境において、患者を迅速かつ外傷を伴わずに分類するためには、疾患エンドタイプの非侵襲的バイオマーカーの開発が、極めて重要となるであろう。粘液は、膨大な量で分泌され、容易にサンプルを採取することができるため、天然の潜在的なそのようなバイオマーカーの宝庫に相当する。複数のグループが、すでにこれらの利点を利用しており、CRSの感受性かつ特異的なバイオマーカーとして、鼻腔内の遊離好酸球性主要塩基性タンパク質(eMBP)の存在について報告している(Ponikau et al., Int Forum Allergy Rhinol. 2015;5 (1):28-35、Schmid et al., Otolaryngol Head Neck Surg. 2010;143 (3):386-91)。これらの発見はあるものの、eMBPは、注意深いサンプル採取手法を必要とし、非好酸球性と考えられる患者に存在するかどうかに関して、文献にはいくつかの不一致が存在する(Ponikau et al., Int Forum Allergy Rhinol. 2015;5 (1):28-35)。

課題を解決するための手段

0004

非侵襲的バイオマーカーの発見を継続することは、CRSの診断および処置の能力を高めるために、極めて重要である。P−gpは、生理学的条件下において、鼻粘液中に分泌されるが、分泌の上昇は、客観的指標および主観的指標の両方によって、疾患の重症度が高いことと関連付けられている。したがって、P−gp分泌上昇の存在は、新規なCRSの非侵襲的バイオマーカーに相当し得、P−gp阻害性治療戦略によって利益を得ることができる患者を予測するために使用することも可能である。

0005

したがって、対象において、慢性鼻副鼻腔炎(CRS)、例えば、2型ヘルパーT細胞(Th2)優勢慢性鼻副鼻腔炎(CRS)エンドタイプを診断するための方法が、本明細書において提供される。本方法は、対象から、鼻分泌物、例えば、鼻粘液を含むサンプルを用意するステップと、サンプル中の可溶性p−糖タンパク質(P−gp)のレベルを判定するステップと、サンプル中のP−gpのレベルを参照P−gpレベルと比較するステップとを含み、参照レベルよりも高いサンプル中のP−gpのレベルは、対象が、CRSを有することを示す(また、本方法は、参照レベルよりも高いP−gpレベルを有する対象を、CRSを有するとして特定するステップを含み得る)。一部の実施形態において、本方法は、対象を、CRSを有するとして特定するステップを含む。一部の実施形態において、本方法は、対象に対するCRSの処置を選択および/または投与するステップを含む。一部の実施形態において、CRSの処置は、治療有効量のP−gp阻害剤の投与である。

0006

P−糖タンパク質阻害剤での処置のための対象を選択するための方法もまた、本明細書において提供される。本方法は、対象から、鼻分泌物、例えば、鼻粘液を含むサンプルを用意するステップと、サンプル中の可溶性p−糖タンパク質(P−gp)のレベルを判定するステップと、サンプル中のP−gpのレベルを参照P−gpレベルと比較するステップ(参照レベルよりも高いサンプル中のP−gpのレベルは、対象が、P−糖タンパク質阻害剤での処置により利益を得る可能性が高いことを示す)と、P−糖タンパク質阻害剤での処置のための対象を選択するステップと、任意選択で、対象に、有効量のP−糖タンパク質阻害剤を投与するステップとを含む。

0007

一部の実施形態において、サンプルは、鼻粘液由来エキソソームを含み、サンプル中の可溶性p−糖タンパク質(P−gp)のレベルを判定するステップは、鼻粘液由来のエキソソーム中のP−gpのレベルを判定するステップを含む。一部の実施形態において、本方法は、対象から鼻粘液由来のエキソソームを単離するステップと、鼻粘液由来のエキソソーム中のP−gpのレベルを判定するステップとを含む。一般に、これらの実施形態において、P−gpのレベルは、エキソソームサンプルにおいて判定された関連する参照レベルと比較される。

0008

一部の実施形態において、サンプル中の可溶性p−糖タンパク質(P−gp)のレベルを判定するステップは、サンプルを、P−gpに特異的に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントと接触させるステップを含む。

0009

一部の実施形態において、対象から、鼻分泌物、例えば、鼻粘液を含むサンプルを用意するステップは、鼻灌流またはスポンジもしくは他の吸収性材料を使用して、対象からサンプルを採取するステップを含む。

0010

本明細書に記載される方法の一部の実施形態において、P−糖タンパク質阻害剤は、PSC 833、R−ベラパミル、GF120918、VX−710、MS−209、LY335979、OC144093、R101933、XR9051、またはXR9576である。

0011

本明細書に記載される方法の一部の実施形態において、P−糖タンパク質阻害剤は、全身投与されるか、または対象の鼻腔および副鼻腔に局所投与される。

0012

本明細書に記載される方法の一部の実施形態において、P−糖タンパク質阻害剤は、吸入デバイスによって、フラッシングによって、またはスプレー噴霧によって、対象の鼻腔および副鼻腔に送達される。

0013

本明細書に記載される方法の一部の実施形態において、P−糖タンパク質阻害剤は、対象に、外科手術により対象の鼻腔または副鼻腔に留置されるP−糖タンパク質阻害剤溶出インプラントとして投与される。本明細書に記載される方法の一部の実施形態において、P−糖タンパク質阻害剤溶出インプラントは、生体吸収性である。

0014

本明細書に記載される方法の一部の実施形態において、鼻副鼻腔炎の存在は、内視鏡検査またはコンピュータ断層撮影法によって確認されている。

0015

本明細書に記載される方法の一部の実施形態において、P−糖タンパク質阻害剤は、コルチコステロイドおよび抗生物質のうちの一方または両方と組み合わせて、投与される。一部の実施形態において、コルチコステロイドは、デキサメタゾンプレドニゾンプレドニゾロントリアムシノロンコルチゾールブデソニドモメタゾンフルチカゾンフルニソリド、およびベタメタゾンから選択される。一部の実施形態において、抗生物質は、エリスロマイシンドキシサイクリンテトラサイクリンペニシリンベータラクタムマクロライドフルオロキノロンセファロスポリン、およびスルホンアミドから選択される。

0016

先行する請求項のいずれかに記載の方法において使用するためのキットであって、P−糖タンパク質に特異的に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントと、任意選択で、既知の量のP−糖タンパク質を含む対照サンプルと、任意選択で、サンプルを格納するための容器と、任意選択で、サンプルを採取するためのスポンジまたは他の吸収性材料とが含まれるキットもまた、本明細書において提供される。

0017

一部の実施形態において、対象(例えば、鼻副鼻腔炎を有する)は、本明細書に記載される方法を使用して特定され、例えば、有効量のP−gp阻害剤またはP−gp阻害剤の使用によって強化され得るコルチコステロイドなどの他の薬剤を対象に投与することによって、処置される。鼻副鼻腔炎を有する対象は、当業者によって、公知の方法に基づいて、例えば、症状の存在の検出に基づいて、内視鏡検査によって、またはコンピュータ断層撮影法によって、さらに特定され得るか、または診断が確認され得る。処置の有効性は、当該技術分野において公知の方法によって、例えば、症状のモニタリングによって、内視鏡検査またはコンピュータ断層撮影法によって、モニタリングすることができる。

0018

一態様において、鼻副鼻腔炎を有する対象は、P−gpの発現および/または活性阻害するのに十分な量のP−gp阻害剤で処置される。P−gp阻害剤は、第1世代の化合物、例えば、ベラパミル、シクロスポリンA抗高血圧薬レセルピンキニジンもしくはヨヒンビンタモキシフェン、またはトレミフェン(toremifena)であり得る。好ましくは、P−gp阻害剤は、当該技術分野において公知であるかまたは本明細書において記載される、第2世代、第3世代、または第4世代の化合物、例えば、PSC 833、R−ベラパミル、エラクリダール(elacridar)(GF120918/GG918)、MS−209、OC144093、XR9051、LY335979、シクロプロピルジベンゾベランゾスキダール(LY335979)、ラニキダール(laniquidar)(R101933)、ミトタン(NSC−38721)、ビリコダール(biricodar)(VX−710)、ONT−093、タリキダール(tariquidar)(XR9576)、およびHM30181である(例えば、Amin, Drug Target Insights. 2013; 7:27-34)、Munagala et al., Bioorganic & Medicinal Chemistry, 22 (3):1148-1155 (2014))、Lopez and Martinez-Luis, Mar Drugs. 2014 Jan; 12 (1): 525-546、Palmeira et al., Current Medicinal Chemistry, 2012, 19, 1946-2025を参照されたい)。

0019

別の態様において、鼻副鼻腔炎を有する対象は、対象の副鼻腔上皮細胞におけるP−gp発現を、転写的にかまたは転写後的にのいずれかで減少させるのに十分な量のP−gpで処置される。

0020

一部の実施形態において、P−gp阻害剤は、全身的に投与される。他の実施形態において、P−gp阻害剤は、吸入デバイスによって、フラッシング、スプレー噴霧、灌注、ネブライゼーションアトマイゼーション、または薬物溶出ビヒクルによって、対象の鼻腔および副鼻腔に局所的に投与される。

0021

一部の実施形態において、鼻副鼻腔炎を有する対象は、処置の効果を高めるために、他の従来的な処置、例えば、コルチコステロイドおよび/または抗生物質などの薬物と組み合わせて、P−gp阻害剤で処置される。

0022

一部の実施形態において、鼻副鼻腔炎を有する対象が、鼻ポリープを有する場合、そのような鼻ポリープの外科手術による除去が、対象へのP−gp阻害剤の投与に加えて行われ得る。したがって、鼻副鼻腔炎を有する対象は、外科手術およびP−gp阻害剤での処置の両方を受けることができる。鼻ポリープを有さないが、好酸球増加副鼻腔炎を有する対象もまた、外科手術およびP−gp阻害剤での処置の両方を受けることができる。

0023

一部の実施形態において、鼻副鼻腔炎を有する対象は、好酸球増加性副鼻腔炎および/または他の形態の粘膜炎症を有する。

0024

一部の実施形態において、対象は、副鼻腔外科手術後に、慢性副鼻腔炎の症状を経験し続け、対象における副鼻腔の開存性を維持するために、P−gp阻害剤溶出インプラント、ステント、またはスペーサーが使用される。P−gp阻害剤溶出デバイスは、生体吸収性材料で作製することができるため、インプラントは、埋込み後、短期間内に吸収されることになり、外科手術によるインプラントの除去は必要ない。P−gp阻害剤溶出デバイスは、固体半固体ゲルポリマー、または粒子の形態であり得る。

0025

一部の実施形態において、P−糖タンパク質阻害剤は、コルチコステロイドおよび/または抗生物質のうちの一方または両方と組み合わせて、投与される。コルチコステロイドは、例えば、デキサメタゾン、プレドニゾン、プレドニゾロン、トリアムシノロン、コルチゾール、ブデソニド、モメタゾン、フルチカゾン、フルニソリド、およびベタメタゾンから選択され得る。抗生物質は、例えば、エリスロマイシン、ドキシサイクリン、テトラサイクリン、ペニシリン、ベータ−ラクタム、マクロライド、フルオロキノロン、セファロスポリン、およびスルホンアミドから選択され得る。

0026

一部の実施形態において、対象における鼻副鼻腔炎を処置するためのキットが、提供される。そのようなキットは、有効量のP−gp阻害剤を含む医薬組成物と、医薬組成物を対象の鼻腔および副鼻腔に送達するためのデバイスとを含む。デバイスは、医薬組成物を、液体形態またはエアロゾル形態で、対象の鼻腔および副鼻腔に送達し得る。一部の実施形態において、キットはまた、P−gp阻害剤と同じ医薬組成物中または別個組成物中に、コルチコステロイドおよび/または抗生物質を含む。

0027

本明細書において使用されるとき、「処置」とは、疾患または障害の症状のうちの1つまたは複数を緩和するか、または代わりに、有利なように変化させる任意の様式を意味する。本明細書において使用されるとき、特定の障害の症状の緩和は、本開示の組成物および方法による処置に帰属または関連し得る、あらゆる軽減を指し、恒久的であるか一時的であるか、継続的であるか一過的であるかは問わない。

0028

「有効量」は、有益な結果または所望される結果を実現するのに十分な量である。例えば、治療量は、所望される治療効果を達成するものである。この量は、疾患または疾患症状の発生を予防するために必要な量である予防有効量と同じであってもよく、または異なってもよい。有効量は、1回または複数回の投与、適用、または投薬で投与され得る。治療用化合物の治療有効量(すなわち、有効投薬量)は、選択される治療用化合物に依存する。組成物は、1日につき1回または複数回から、1週間につき1回または複数回(1日おきを含む)で投与され得る。当業者であれば、疾患または障害の重症度、これまでの処置、対象の全般的健康状態および/または年齢、ならびに存在する他の疾患を含むがこれらに限定されない、ある特定の要因が、対象を効果的に処置するために必要とされる投薬量およびタイミングに影響を及ぼし得ることを理解するであろう。さらに、治療有効量の本明細書に記載される治療用化合物による対象の処置には、単回処置または一連の処置が含まれ得る。

0029

「対象」という用語は、本発明の方法による処置が提供される、動物、ヒト、または非ヒトについて記載して、本明細書全体を通じて使用される。獣医学的適用または非獣医学的適用が、企図される。この用語には、哺乳動物、例えば、ヒト、他の霊長類ブタげっ歯類、例えば、マウスおよびラットウサギモルモットハムスターウシウマネコイヌヒツジ、およびヤギが含まれるが、これらに限定されない。典型的な対象としては、ヒト、家畜動物、ならびにネコおよびイヌなどの愛玩動物が挙げられる。

0030

「鼻副鼻腔炎」という用語には、本明細書において使用されるとき、鼻ポリープの存在を伴うかまたは伴わないかのいずれかである、急性および慢性の鼻副鼻腔炎が含まれる。

0031

別途定義されない限り、本明細書において使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって広く理解されているものと同じ意味を有する。本発明において使用するための方法および材料が、本明細書に記載されているが、当該技術分野において公知の他の好適な方法および材料もまた、使用することができる。材料、方法、および実施例は、例示に過ぎず、限定することを意図するものではない。本明細書に記載されるすべての刊行物、特許出願、特許、配列、データベースエントリー、および他の参考文献は、参照によりその全体が組み込まれる。矛盾が生じた場合には、定義を含め、本明細書が優先される。

0032

本発明の他の特性および利点は、以下の詳細な説明および図面、ならびに特許請求の範囲から明らかであろう。

図面の簡単な説明

0033

図1A−B:A.ビヒクル対照またはLPS(12.5μg/mL)に24時間曝露した後の、培地中の可溶性P−gpの濃度の図である。B.ビヒクル対照に曝露した上皮細胞およびLPSに曝露した上皮細胞の両方における細胞質P−gpと可溶性P−gpとの間の相関性の図である。LPS刺激後の細胞質P−gpおよび可溶性P−gpの両方の明らかな上方制御に注目されたい。
図1において培地内で検出された可溶性P−gpは、相当な割合が、天然のタンパク質分子量と相関する170kDaの強力なバンドによって明らかなように、インタクトで分泌されていることを確認する、ウエスタンブロットの図である。追加の分解バンドは、50kDaおよび60kDaの両方で見られる。
上皮培養物における蛍光P−gp染色強度(CTCF−補正細胞蛍光)のヒストグラムであり、外因性組換えヒトP−gpへの曝露後の用量応答を示す。画像は、ヒストグラムと同じ組換えP−gp用量での上皮細胞の代表的な蛍光免疫細胞化学染色を示す(差し込み図は、ビヒクル対照を表す。バー=10μm)。
組換えP−gp曝露後の上皮細胞におけるカルセインM機能性P−gpアッセイの図である。用量応答は、カルセイン蛍光の減少によって示されるように、組換え用量が高くなると増加するP−gp機能により、明らかである。
図5A−Cは、診断による臨床疾患重症度指標のヒストグラムである。
図6A−Bは、低分泌型状況(A)および高分泌型状況(B)ごとの粘液および粘膜組織のP−糖タンパク質(P−gp)レベル間の相関性の図であり、高分泌型集団における強力かつ有意な相関性を示す。
図7A−Bは、粘液(A)および粘膜組織(B)のP−gpレベルと、慢性鼻副鼻腔炎の確立されたバイオマーカーであるeMBPとの間の相関性の図であり、両方のサンプルにおける中等度かつ統計学的に有意な相関性を示す。
低分泌型状況(分泌型P−gp 300pcg未満/全タンパク質(TP)μg)および高分泌型状況(分泌型P−gp 300pcg超/TPμg)ごとのエンドタイプの分布の図であり、高P−gp分泌型集団におけるCRSwNP患者優勢へのシフトを示す。
図9A−Cは、P−gp分泌型状況ごとの臨床疾患重症度指標のヒストグラムを示す。
図9A−Cは、P−gp分泌型状況ごとの臨床疾患重症度指標のヒストグラムを示す。
図10A−Bは、単離方法ごとの(A)タンパク質および(B)CD63+エキソソーム濃度の比較の図であり、超遠心分離(UCF)を使用して強化された収率を示す。
図11A−Bは、最高濃度のゾスキダール(ZOS)およびエキソソーム/ZOSの80%を上回る生存を示す、インビトロ細胞毒性アッセイの図である。
精製した粘液エキソソーム画分内でのエキソソームテトラスパニンマーカーであるCD63とCD9との間の強力かつ有意な相関性を示す、相関曲線である。
図13A−Dは、粘液由来のエキソソームの特徴付けを示す。(A)TEM画像は、a.鼻粘液から精製したホールマウントのエキソソーム(バー500nm)を示す。b.典型的なエキソソームのサイズおよび形質学を確認する陰性対照(b〜dについては、バー100nm)。c〜d.エキソソーム膜に局在化するエキソソームマーカーCD63およびP−gpのイムノゴールド標識。(B)CRSwNP患者と対照患者との間で類似する全エキソソーム濃度を示す、散乱/箱ひげ図(中央値および四分位範囲、バーは四分位範囲の1.5倍を表す)である。(C)対照と比較して、CRSwNP患者における優位に高いエキソソーム当たりのP−gp濃度を示す、散乱/箱ひげ図(中央値および四分位範囲、バーは、四分位範囲の1.5倍を表す)である。(D)精製した粘液由来のエキソソーム(10μg)のP−gpのウエスタンブロットの図であり、CRSwNPと比較して、対照患者における発現が有意に弱いことを示す(組換えP−gpは、陽性対照であり、陰性ローディング対照は示されない)。
図14A−Bは、自家エキソソームの上皮細胞内部移行の図である。(A)自家上皮細胞によるエキソソーム取込みの低速度蛍光画像(バー50μm、青色は核染色、緑色はCFSEエキソソームタンパク質染色、オレンジはAOエキソソームRNA染色)を示す。曝露から10分以内に、エキソソームは、細胞の膜および細胞質内はっきりと見ることができる。続く20分間にわたって、タンパク質シグナルは、細胞全体に広がったが、エキソソームRNAは、核の周囲に集中している(差し込み図は、時間が対応している未染色のエキソソーム陰性対照を表す)。(B)カルセインAM蛍光のヒストグラム(中央値、エラーバーIQRを表す)の図であり、ゾスキダールでのP−gp特異的阻害によって抑制される、CRSwNP患者におけるエキソソーム曝露後のP−gp機能の増加の差分を、対照と比較して示す。
図15A−B:(A)エキソソーム暴露後のIL−6分泌のヒストグラム(中央値、エラーバーはIQRを表す)であり、ゾスキダールでのP−gp特異的阻害によって抑制される、CRSwNP患者における分泌の増加の差分を、対照と比較して示す。(B)エキソソーム曝露後のIL−8分泌のヒストグラム(中央値、エラーバーはIQRを表す)の図であり、ゾスキダールでのP−gp特異的阻害によって抑制される、CRSwNPにおける分泌の増加の差分を、対照と比較して示す。
研究したすべての患者間で、主観鼻症スコア(SNOT−22)およびエキソソームP−gp濃度の間の有意な相関性を示す、相関曲線を示す。

0034

P−糖タンパク質(P−gp)は、ATP依存性膜貫通排出ポンプであり、2型ヘルパーT細胞(Th2)優勢慢性鼻副鼻腔炎(CRS)エンドタイプでは上方制御される(Bleier et al., Int Forum Allergy Rhinol. 2012;2 (2):122-5、Feldman et al. Int Forum Allergy Rhinol. 2013;3 (8):684-7)。P−gpは、上皮由来炎症促進性サイトカイン分泌の発現依存性促進を通じて、CRS関連炎症に直接的に寄与し得る(Bleier et al., Int Forum Allergy Rhinol. 2014;4 (6):488-94、Bleier et al., Int Forum Allergy Rhinol. 2014;5 (1):10-13)。これまでの研究により、P−gpが、細胞膜内に存在し得るだけでなく、細胞外流体中にも分泌され得ることが、示されている(Chu et al., Biochem Biophys Res Commun. 1994;203 (1):506-12)。P−gpは、CRSのある特定の形態において過剰発現されるため(Bleier et al., Int Forum Allergy Rhinol. 2012;2 (2):122-5)、分泌形態のP−gpを、CRSの検出のための新規なバイオマーカーとして使用することができる。

0035

本明細書に提示される結果により、上皮細胞が、確かにP−gpを分泌し、この分泌が、細胞自体に発現されるP−gpの程度と高度に相関性があることが確認された。さらに、細胞内P−gpおよび分泌型P−gpの両方の濃度は、LPSによる炎症促進性刺激に対して感受性であると見られる。

0036

培地中の検出可能な可溶性P−gpが、これまでに報告されているように、インタクトなタンパク質と比べて、P−gp分解による副生成物を表すかどうかを判定するために、実験を行った(Bleier et al., Int Forum Allergy Rhinol. 2012;2 (2):122-5)。ウエスタンブロット分析により、タンパク質分解の副生成物は、50kDaおよび60kDaで培地中に放出されたが、ELISAによって検出されたP−gpの大半は、実際に、完全な170kDaのタンパク質であったことが確認された。したがって、本明細書に記載される方法は、完全長170kDaタンパク質のみを検出するか、またはそれを特異的に検出することを含み得る。

0037

本明細書において示されるように、分泌形態のP−gpは、健常患者およびCRS患者のいずれの鼻粘液中にも存在している。このことにより、これまでの研究において報告されているように、細胞外P−gpの存在が確認される(Chu et al., Biochem Biophys Res Commun. 1994;203 (1):506-12、Chiampanichayakul et al., Int J Hematol. 2010;92 (2):326-33. doi:10.1007/s12185-010-0668-8)。低濃度では、組織P−gpレベルと粘液P−gpレベルとの間に有意な相関性がないことにより、上皮細胞によるP−gp分泌は、何らかの目的不明な構成的生理学的プロセスを意味する可能性が高いことが示唆される。これまでの発見に部分的に基づいて(Feldman et al., Int Forum Allergy Rhinol. 2013;3 (8):684-7)、全タンパク質1μg当たり300pcgのP−gpという閾値が、生理学的分泌と病理学的分泌とを区別することを可能にし、より重症度の高い疾患表現型と関連しているであろうという仮説を立てた。この閾値を上回るP−gpレベルを有する患者は、「高分泌型」と考えた。高分泌型は、本研究に含まれるあらゆる形態のCRSを有する患者のうち、25%を占めた。さらに、これらの患者では、分泌型P−gpの濃度は、組織レベルと強力かつ有意に相関し、外傷を伴わない粘液サンプル採取が、この集団内で上皮P−gp分泌を判定するための適切な代用物としての機能を果たし得ることが示唆される。

0038

これまでの研究により、上皮P−gpの過剰発現は、Th2が優位なCRSと相関することが示されている(Bleier et al., Int Forum Allergy Rhinol. 2012;2 (2):122-5、Feldman et al., Int Forum Allergy Rhinol. 2013;3 (8):684-7)。これらの結果は、高P−gp分泌の患者では、低分泌型と比較して、CRSwNP患者:CRS患者の比率がより高かったという現在の発見に反映されている。さらに、高分泌型は、主観的エンドポイント組織学的エンドポイント、および放射線撮影エンドポイントによって測定した場合、より重大な程度の疾患を有すると見られる。2つの群が、年齢、性別、および共存疾患に関して、それ以外は類似していたという事実により、疾患重症度における分岐点は、それらの疾患の根底にある病態生理学に内在するものに起因し得ることが示唆される。

0039

現時点で、複数のP−gp阻害剤が存在しているため(例えば、Bleier et al., Int Forum Allergy Rhinol. 2014;5 (1):10-13、Lam et al., Int Forum Allergy Rhinol. 2015;00 (0):n/a-n/a. doi:10.1002/alr.21454を参照されたい)、P−gp分泌状況はまた、P−gp阻害剤療法により利益を得ることができる患者を予測し、特定するためにも使用することができる。

0040

対象の診断、または臨床試験への参加のための対象の選択、または臨床試験における対象の層別化のための方法
対象を、鼻副鼻腔炎、例えば、CRS、または特定のエンドタイプのCRSを有するとして特定し、処置のため、もしくは鼻副鼻腔炎、例えばCRSの処置の臨床研究への参加のための対象を選択するか、またはその臨床研究において対象を層別化するための方法が、本明細書において提供される。そのような方法には、対象からの副鼻腔分泌物を含むサンプル中のP−gpのレベルを判定するステップと、サンプル中のP−gpのレベルを、参照P−gpレベルと比較するステップと、対象を鼻副鼻腔炎(例えば、CRS)を有するとして特定するか、または参照P−gpレベルと比較して上昇したサンプル中のP−gpのレベルを有する対象を、鼻副鼻腔炎の処置の臨床試験への参加のために選択するか、またはP−gpレベルに基づいて、臨床試験において対象を層別化するステップとが含まれ得る。一部の実施形態において、対象が、参照P−gpレベルと比較して、サンプル中のP−gpレベルに有意な変化を有さないかまたは減少を有する場合、この対象は、鼻副鼻腔炎の処置の臨床研究への参加から除外され得る。

0041

鼻副鼻腔炎、例えば、CRSの処置の有効性をモニタリングする方法もまた、提供される。そのような方法は、第1の時点において対象から得られた副鼻腔分泌物を含む第1のサンプル中のP−gpのレベルを判定するステップと、CRSの処置を投与するステップと、少なくとも1用量の処置の投与後である第2の時点において対象から得られた副鼻腔分泌物を含む第2のサンプル中のP−gpのレベルを判定するステップと、第1のサンプル中のP−gpのレベルを第2のサンプル中のP−gpのレベルと比較するステップと、処置が、第1のサンプル中のP−gpのレベルと比較して減少した第2のサンプル中のP−gpのレベルを有する対象では有効であったと判定するか、または第1のサンプル中のP−gpのレベルと比較して増加した第2のサンプル中のP−gpのレベルを有するかもしくは第1のサンプルと第2のサンプルとの間でP−gpのレベルに変化がない対象においては有効でなかったと判定するステップとを含む。

0042

一部の実施形態において、P−gpの存在および/またはレベルが、疾患参照物中のタンパク質の存在および/またはレベルに匹敵し、対象が、鼻副鼻腔炎と関連する1つまたは複数の症状を有する場合、この対象は、鼻副鼻腔炎を有する。一部の実施形態において、対象は、明らかな鼻副鼻腔炎の兆候または症状を有さないが、評価されたタンパク質のうちの1つまたは複数のものの存在および/またはレベルが、疾患参照物中のタンパク質の存在および/またはレベルに匹敵する場合、この対象は、鼻副鼻腔炎を発症する高い危険性を有する。一部の実施形態において、ある人物が、本明細書に記載される方法を使用して、鼻副鼻腔炎を有するか、または鼻副鼻腔炎を発症する高い危険性を有すると判定されると、例えば、当該技術分野において公知であるかまたは本明細書に記載されている処置が、施され得る。

0043

好適な参照値は、当該技術分野において公知の方法を使用して、例えば、標準的な臨床試験手法および統計学的分析を使用して、判定することができる。参照値は、任意の関連形式を有し得る。一部の事例において、参照物は、意味があるP−gpレベルの所定の値、例えば、正常なP−gpレベルを表す対照参照レベル、例えば、非罹患対象もしくは本明細書に記載される疾患を発症する危険性がない対象におけるレベル、および/または鼻副鼻腔炎と関連する状態と関連するタンパク質のレベル、例えば、鼻副鼻腔炎(例えば、CRS)を有する対象におけるレベルを表す疾患参照物を含む。

0044

所定のレベルは、単一のカットオフ値(閾値)、例えば、中央値もしくは平均、または他のセグメントとは統計学的に異なると判定される、臨床試験集団中の四分位点、三分位点、もしくは他のセグメントの上位もしくは下位の境界を定義するレベルであり得る。それは、カットオフ値(または閾値)の範囲、例えば、信頼性区間であってもよい。これは、1つの定義された群における疾患を発症する危険性もしくは疾患の存在との関連性が、別の定義された群における疾患の危険性もしくは存在よりも、倍単位で高いまたは低い(例えば、およそ2倍、4倍、8倍、16倍、またはそれ以上)など、比較可能な複数の群に基づいて構築され得る。これは、例えば、対象集団(例えば、対照対象)を、複数の群、例として、危険性が低い群、危険性が中等度の群、および危険性が高い群、または四分位点(最も低い四分位点は、危険性が最も低い対象であり、最も高い四分位点は、危険性が最も高い対象である)、またはn分位点(すなわち、n個の規則的に離間した間隔、最も低いn分位点は、危険性が最も低い対象であり、最も高いn分位点は、危険性が最も高い対象である)に、均等に(または不均等に)分割した、範囲であってもよい。一部の実施形態において、サンプル中のP−gpのレベルは、サンプル中のタンパク質の量に対して正規化される。一部の実施形態において、参照レベルは、全タンパク質1μg当たり50pcg、100pcg、150pcg、200pcg、250pcg、300pcg、350pcg、400pcg、450pcg、または500pcgのP−gpである。

0045

一部の実施形態において、所定のレベルは、例えば、異なる時点、例えば、早い時点での、同じ対象におけるレベルまたは発生である。

0046

所定の値と関連付けられた対象は、典型的に、参照対象と称される。例えば、一部の実施形態において、対照参照対象は、本明細書に記載される障害(例えば、鼻副鼻腔炎)を有さない。一部の事例において、対照対象がCRSを有することが望ましい場合があり、他の事例においては、対照対象がCRSを有さないことが望ましい場合がある。

0047

疾患参照対象は、鼻副鼻腔炎を有する(またはそれを発症する高い危険性を有する)ものである。高い危険性は、一般的な集団中の対象の危険性よりも高い危険性として定義される。

0048

したがって、一部の事例において、対象におけるP−gpのレベルが参照P−gpレベル以下であることは、臨床状況の指標(例えば、本明細書に記載される障害、例えば、鼻副鼻腔炎の指標)である。他の事例において、対象におけるP−gpのレベルが参照P−gpレベル以上であることは、疾患の不在または疾患の正常な危険性の指標である。一部の実施形態において、対象におけるレベルが参照レベルよりも低くなる量は、対象を対照対象と区別するのに十分であり、任意選択で、対照対象におけるレベルよりも統計学的に有意に低い。対象におけるP−gpのレベルが、参照P−gpレベルと等しい場合、「等しい」とは、およそ等しい(例えば、統計学的に差がない)ことを指す。

0049

所定の値は、選択される対象(例えば、ヒト対象)の具体的な集団に依存し得る。例えば、見かけ上健康な集団は、本明細書に記載される障害を有するか、それを有する可能性が高いか、またはそれを有する危険性が高い対象の集団とは異なる、「正常な」P−gpレベルの範囲を有するであろう。したがって、選択される所定の値は、対象(例えば、ヒト対象)が含まれるカテゴリー(例えば、性別、年齢、健康状態、危険性、他の疾患の存在)を考慮し得る。適切な範囲およびカテゴリーは、当業者による日常的な実験の範囲内で選択することができる。

0050

尤度、または危険性を特徴付ける際、多数の所定の値が構築され得る。

0051

一部の実施形態において、さらなる臨床的評価は、鼻副鼻腔炎(例えば、CRS)を診断すること、または対象を鼻副鼻腔炎の処置の臨床研究への参加のために選択すること、または臨床研究において対象を層別化することに、役立てるために使用することができる。一部の実施形態において、コンピュータ断層撮影法(CT)を行って、鼻副鼻腔炎を有する対象における骨炎スコア付けすることができる。骨炎スコア、例えば、Kennedy骨炎スコア(KOS)またはグローバル骨炎スコア(GOS)を、鼻副鼻腔炎(例えば、CRS)を診断すること、または対象を鼻副鼻腔炎の処置の臨床研究への参加のために選択すること、または臨床研究において対象を層別化することに役立てることができる。例えば、参照レベルよりも高いGOSまたはKOS(参照レベルよりも高いP−gpレベルに加えて)は、対象が、鼻副鼻腔炎(例えば、CRS)を有し、かつ/または処置、選択、もしくは層別化を行うべきであることを示し得る。

0052

臨床研究は、医療施設(例えば、病院診療所、または研究センター)において、健康管理専門家(例えば、医師、医師の助手看護師採血専門職、または検査技師)によって行われ得る。

0053

対象
記載される方法および組成物は、任意の対象において使用することができるが、鼻副鼻腔炎の1つまたは複数の症状を呈する対象において、特に有用である。鼻副鼻腔炎の症状には、鼻詰まりおよび鼻閉塞、鼻水の変色、前鼻漏または後鼻漏が挙げられる。対象はまた、顔面痛または顔面圧迫感を経験することもあり、重症の場合には、嗅覚の低減または消失を患うこともある(Fokkens et al., 2012)。鼻副鼻腔炎には、急性および慢性という2つの異なる種類がある。急性鼻副鼻腔炎は、12週間以内に症状が完全に回復する鼻副鼻腔炎であり、一方で慢性鼻副鼻腔炎は、12週間を上回って継続し、通常、組織損傷を伴う(Fokkens et al., 2012)。鼻ポリープは、疫学的研究に基づくと、慢性鼻副鼻腔炎を有する一部の対象に存在することが多い。

0054

本方法において、対象は、典型的に、哺乳動物、例えば、ヒト、または非ヒト獣医学的対象、例えば、イヌ、ネコ、ウマ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウサギ、もしくは他の動物である。

0055

サンプルおよびアッセイ
本方法は、典型的に、当該技術分野において公知の方法を使用して得られた鼻分泌物のサンプルを使用して、行われることになる。例えば、自発的分泌物は、こう鼻の産物の採取、または鼻から出た分泌物の採取、吸引マイクロ吸引によって、得ることができる。刺激(例えば、メタコリンまたはヒスタミンを使用)後のこう鼻または吸引の産物の採取もまた、使用することができる。例えば、灌流洗浄または灌注とも称され得る)、組み合わせ吸引灌流、スプレー噴霧技法、鼻プール灌流、標準的な灌流、および逐次灌流など、鼻分泌物をサンプル流体中に希釈することを伴う技法もまた、使用することができる。希釈戦略、例えば、鼻腔全体(好ましくは、副鼻腔を含む)への生理食塩水灌流、例えば、少なくとも50μLから、最大約30mL、例えば、50μL〜10mL、50μL〜30mL、10〜30mL、例えば、18〜25mL、例えば、20mLまでの灌流の使用を含む、完全に非侵襲的な生理食塩水灌流を使用することができる。吸収技法には、天然または合成の吸収性材料、例えば、脱脂綿濾紙ストリップもしくは濾紙ディスク、または海綿状物質フォームまたはスポンジ、例えば、ポリウレタンフォームまたは外科手術用天然(例えば、セルロース)もしくは合成スポンジ、例えば、圧縮ポリビニルアルコールスポンジ)の使用が含まれる。例えば、Walsh and Falsey, J Infect Dis. 1999 May;179 (5):1268-73、Riechelmann et al., European Respiratory Journal Apr 2003, 21 (4)600-605、Ruocco et al., Clin Exp Allergy. 1998 Jul;28 (7):881-8を参照されたい。好ましくは、吸収性材料は、サンプル中に存在するタンパク質に有意に結合しない。例示的なスポンジは、圧縮された滅菌の2×2×5mmまたは2×3×15mmのポリビニルアルコールスポンジ(例えば、Medtronicsから市販されており、副鼻腔外科手術後または鼻血の状況において止血およびステント留置のために鼻内で使用するように設計されている)である。一部の実施形態において、スポンジを圧縮し、それを鼻腔の前方に挿入すると、それが毛細管作用を通じて粘液を吸収する。

0056

スポンジまたは灌流液は、例えば、−80℃で、好ましくは、バイオマーカー保存剤、例えば、プロテアーゼ阻害剤またはヌクレアーゼ阻害剤RNase不活性化酵素など)の存在下において、単離まで保管することができる。

0057

粘液サンプルは、例えば、遠心分離または洗浄によって、吸収性材料から抽出することができる。

0058

エキソソーム
一部の実施形態において、本方法は、サンプルからエキソソームを単離するステップ、およびエキソソーム中のP−gpのレベルをアッセイするステップを含む。エキソソームは、約1.13〜1.19g/mlの密度を有する脂質二重層に包囲された、約30〜150nmの小胞体である。エキソソームは、血液、リンパCSF、および尿を含む、様々な体液中に検出されている(Lee et al., Semin. Immunopathol. 2011; 1-13、Lee et al., Hum. Mol. Genet. 2012; 21:125-134)。生物物理学的に、エキソソームは、脂質二重層に封入された細胞質と同等であり、膜貫通タンパク質外部ドメインが細胞外環境に曝露されている(Schorey et al.,EMBO Rep. 2015; 16: 24-43)。エキソソームの生合成は、エンドソーム輸送選別複合体によって制御されている。これらの事象は、細胞質膜リサイクルされ、エキソソームとして放出され得る、後期エンドソーム多胞体の発生をもたらす。このプロセスにより、エキソソームは、テトラスパニン類のCD63、CD9、CD81、およびCD82を含むマーカーが極めて豊富となり、これらのマーカーを使用して、エキソソームの存在および量を検出することができる(Lee et al., Semin. Immunopathol. 2011; 1-13)。エキソソームは、成長因子およびそれらの受容体、DNA、mRNA、ならびにmicroRNAを含む、様々なカーゴを輸送することができる。さらなる研究により、エキソソームが、ケモカイン受容体CCR5などの内在性膜タンパク質を含むこのカーゴを(Mack et al., Nat. Med. 2000; 6: 769-775)、隣接する細胞との間で輸送することができることが示されている。エキソソームにより媒介される機能性P−gpの輸送は、これまでにも、MCF−7ヒト乳がん細胞株(Lv et al., Tumor Biol. 2014; 10773-10779)およびCCRF−CEMヒト急性リンパ芽球性白血病細胞株(Bebawy et al., Off. J. Leuk. Soc. Am. Leuk. Res. Fund, U.K. 2009; 23: 1643-1649)を含む複数の細胞集団において、示されている。

0059

多数の方法、例えば、遠心分離(例えば、Thery et al., Curr. Protoc. Cell Biol. 2006; Chapter 3: Unit 3.22に記載されている従来的な超遠心分離(UCF))、クロマトグラフィー濾過、ポリマーに基づく沈降、および免疫学的分離方法を使用して、鼻粘液由来のエキソソームを、サンプルから単離することができる。Yakimchik, Exosomes: isolation and characterization methodsand specific markers, 2016-11-30, dx.doi.org/10.13070/mm.en.5.1450およびそこに引用されている参考文献を参照されたい。ポリマーに基づくエキソソーム沈降系の例としては、System BiosciencesからのExoQuickがある。例示的なUCF法において、粘液サンプルおよび灌注液サンプルを、例えば、プロテアーゼ阻害剤カクテルを含む150μLの1倍リン酸緩衝食塩水PBS)中に希釈してもよい。細胞残屑は、例えば、4℃、12,000×gで45分間の遠心分離によってペレットにすることができる。次いで、上清を、PBS、例えば、ポリプロピレンチューブ中の4.5mLのPBS中に懸濁し、例えば、4℃、110,000×gで2時間、超遠心分離してもよい。次いで、上清を採取し、ペレットを、PBS、例えば、4.5mLの1倍PBS中に再懸濁してもよい。懸濁液を、例えば、0.22−μmのフィルターを通して濾過し、新しいチューブに採取することができる。濾過した懸濁液を、次いで、例えば、4℃、110,000×gで70分間、再度遠心分離してもよい。次いで、上清を採取し、ペレットを、緩衝液、例えば、PBS、例えば、プロテアーゼ阻害剤を含む200μlのPBS中に再懸濁してもよい。

0060

P−糖タンパク質アッセイ
P−糖タンパク質は、染色体7q21.12上のMDR1(ABCB1)遺伝子によってコードされる、170kDaの糖タンパク質であり、CHO細胞株において最初に特定された(Fernandez et al., J Pharm. Pharm. Sci. 2004 Nov 17; 7 (3):359-71)。P−gpは、ATP−結合カセット(ABC)トランスポーターファミリーメンバーであり、様々な細胞内基質エネルギー依存性輸送を行い得る(Golden et al., J Pharm Sci. 2003; 92 (9):1739-53)。P−gpは、原形質膜内に位置し、濃度勾配に対して、生体異物物質押し出すように機能する(Ehrhardt et al., Pharm. Res. 2003 Apr; 20 (4):545-51)。P−gpの基質認識は、12回膜貫通ヘリックスによって形成される内部チャネルにおける推定上の反応性水素結合部位に結合する電子供与基の存在を含む、様々な機序によって生じる(Golden et al., 2003)。

0061

P−gpは、腸粘膜細胞の頂端膜近位尿細管刷子縁血液脳関門、および下気道上皮細胞を含む複数の細胞型において構成的に発現される(BleierBS, Int. Forum Allergy Rhinol. 2012; 2:122-125)。薬物の出入り口に選択的に分布しているため、P−gpは、生体異物進入に対する生化学障壁として、ならびに生体異物を脳、肝臓腎臓などの器官から、および最終的には全身循環から排出するためのバキュームクリーナーとして、機能する(Varma et al., Pharmacological Research 2003; 48: 347-359)。この生体異物排泄機能は、様々な薬物の全身バイオアベイラビリティを低減させるP−gpの役割を裏切る。悪性腫瘍における発現の増加および能動的な薬物排出を通じて、P−gpは、化学療法耐性を付与することも示されている(Fernandez et al., 2004)。

0062

当該技術分野において公知の方法を使用して、サンプル中のP−gpのレベルを検出し、任意選択で定量化することができる。サンプルからの生物学的マーカーの特定および/または単離および/または精製のための様々な方法が、当該技術分野において周知である。「単離」または「精製」された生物学的マーカーは、生物学的マーカーが由来する細胞源または組織源由来の細胞材料または他の混入物質を実質的に含まない、すなわち、ヒトの介入を通じて、天然の状態から部分的または完全に改変されているか、または取り出されている。

0063

タンパク質の存在および/またはレベルは、当該技術分野において公知の方法を使用して、例えば、ウエスタンブロット法酵素結合免疫吸着法(ELISA)、ビオチンアビジン型アッセイ、タンパク質アレイ検出、放射免疫測定法免疫組織化学検査(IHC)、免疫沈降アッセイ、FACS蛍光活性細胞分取)、質量分析法を含むがこれらに限定されない、タンパク質の標準的な電気泳動的および定量的な免疫アッセイ方法を使用して、評価することができる(Kim (2010) Am J Clin Pathol 134:157-162、Yasun (2012) Anal Chem 84 (14):6008-6015、Brody (2010) Expert Rev Mol Diagn 10 (8):1013-1022、Philips (2014)PLOS One 9 (3):e90226、Pfaffe (2011) Clin Chem 57 (5): 675-687)。これらの方法は、典型的に、直接的または間接的のいずれかでシグナルを提供する蛍光、化学発光放射活性、および酵素、または色素分子といった標識を、見えるようにすることを含む。本明細書において使用されるとき、「標識」という用語は、放射活性物質またはフルオロフォアなどの検出可能な物質(例えば、フィコエリトリン(PE)またはインドシアニン(Cy5))と、抗体またはプローブとのカップリング(すなわち、物理的な連結)、ならびに検出可能な物質との反応性による、プローブまたは抗体の間接的な標識(例えば、西ワサビペルオキシダーゼ、HRP)を指す。P−gpに特異的に結合するいくつかの抗体が、当該技術分野において公知であり、商業的供給源としては、Abbexa Ltd、Abbiotec、Abcam、AbD Serotec、Abgent、Abnova Corporation、Acris Antibodies GmbH、AMSBIOLLC、antibodies−online、Atlas Antibodies、BD Biosciences、BioLegend、Biorbyt、CEDARLANE、Cell Sciences、Creative Diagnostics、Elabscience、EMD Millipore、EXBIO Praha,a.s.、Fitzgerald Industries International、GenWay Biotech,Inc.、Invitrogen Antibodies、LifeSpan BioSciences、MBLInternational、MyBioSource.com、Nordic BioSite、Novus Biologicals、NSJ Bioreagents、OriGene Technologies、Proteintech Group Inc、Raybiotech,Inc.、Santa Cruz Biotechnology,Inc.、Sino Biological、Source BioScience、SouthernBiotech、Spring Bioscience、Thermo Fisher Scientific、およびUnited States Biologicalが挙げられる。

0064

一部の実施形態において、ELISA法が使用され得、その場合、マイクロタイタープレートなどの表面のウェルを、試験しようとするタンパク質に対する抗体でコーティングする。次いで、生物学的マーカーを含むかまたは含むと見られるサンプルを、ウェルに適用する。抗体−抗原複合体が形成されたであろう十分な時間の後、プレートを洗浄して、あらゆる未結合部分を除去し、検出可能に標識した分子を添加する。再度、十分な時間インキュベートした後、プレートを洗浄して、あらゆる過剰な未結合分子を除去し、標識分子の存在を、当該技術分野において公知の方法を使用して判定する。競合的ELISAまたは競合アッセイ、およびサンドイッチELISAといったELISA法の変化形もまた、当業者に周知であるため、使用することができる。

0065

一部の実施形態において、IHC法が使用され得る。IHCは、インサイチュにおいて生物学的マーカーを検出する方法を提供する。生物学的マーカーの存在および正確な細胞内での位置を、検出することができる。典型的には、サンプルを、ホルマリンまたはパラホルムアルデヒドで固定し、パラフィン包埋し、染色およびその後の共焦点顕微鏡による検査のために、切断して切片にする。現在のIHC方法では、直接的標識または間接的標識のいずれかが使用される。サンプルはまた、IHCの変化形として、免疫蛍光法(IF)を行う場合、蛍光顕微鏡によって検査してもよい。

0066

質量分析、ならびに特にマトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析法(MALDI−MS)および表面強化レーザー脱離/イオン化質量分析法(SELDI−MS)は、本発明のバイオマーカーの検出に有用である。(米国特許第5,118,937号明細書、同第5,045,694明細書、同第5,719,060号明細書、同第6,225,047明細書を参照されたい)。

0067

本明細書に記載される方法は、例えば、本明細書に記載される少なくとも1つの抗体または抗原結合性試薬を含む事前パッケージングされた診断用キットを利用することによって、行うことができる。このキットは、例えば、臨床環境において、本明細書に記載される方法(例えば、診断、対象選択、処置選択、処置モニタリングなど)のために、便宜的に使用され得る。

0068

したがって、生物学的サンプル中のP−gpの存在を検出するためのキットもまた、本明細書において提供される。例えば、キットは、生物学的サンプル中のP−gpタンパク質を検出することができる化合物または作用物質と、標準物とを含み得る。化合物または作用物質は、好適な容器内にパッケージングされ得る。キットは、さらに、サンプル中のP−gpタンパク質を検出するためにこのキットを使用するための説明書、ならびに、方法を実行するため、例えば、サンプルを得るためまたはサンプルを格納するために必要な、いくつかまたは任意の品目を含み得る。使用しようとするサンプルが、鼻エキソソームを含む場合、キットには、サンプル採取のためのスポンジ、スポンジを留置するための送達デバイス、サンプル保存のためのプロテアーゼ阻害剤および/またはRNAse阻害剤(例えば、RNAlater)を含む採取容器滅菌生理食塩水、ならびに輸送中の標本の保存のための低温パックまたはフリーザーパックのうちの1つまたは複数が含まれ得る。

0069

例えば、抗体に基づくキットについては、キットは、(1)P−gpポリペプチドに結合する第1の抗体(例えば、固体支持体に付着した状態)、および任意選択で(2)P−gpまたは第1の抗体のいずれかに結合し、かつ検出可能な作用物質にコンジュゲートされている、第2の異なる抗体を含み得る。一部の実施形態において、キットは、試験ストリップ、例えば、側方流動用試験ストリップを含む。多数の試験ストリップが、当該技術分野において公知である。例えば、米国特許出願公開第20140370616号明細書、同第20140206100号明細書、同第20130295691号明細書、同第20130189794号明細書、同第20130059399号明細書、同第20100285610号明細書、同第20100024530号明細書、同第20090246886号明細書、同第20080160538号明細書、同第20080081341号明細書、同第20070105237号明細書、同第20060275920号明細書、および同第20030180815号明細書を参照されたい。

0070

P−糖タンパク質阻害剤を使用した鼻副鼻腔炎の処置
本明細書に提示されるデータにより、P−gpの発現は、健常な副鼻腔分泌物中に存在するが、CRSを有する対象由来の分泌物中では有意に上昇しており、増加したレベルは重症度と相関性があることを示す。

0071

一部の実施形態において、鼻副鼻腔炎または慢性鼻副鼻腔炎、例えば、特定のエンドタイプの鼻副鼻腔炎を有する対象を、本明細書に記載される方法によって特定し、副鼻腔炎の標準的な処置および/または有効量のP−gp阻害剤の対象への投与によって処置する。鼻副鼻腔炎の存在は、任意選択で、当業者によって、公知の方法に基づいて、例えば、症状の存在の検出に基づいて、内視鏡検査によって、またはコンピュータ断層撮影法によって、確認することができる。処置の有効性は、副鼻腔分泌物中のP−gpのレベルの変化を検出することによってモニタリングすることができ、任意選択で、当該技術分野において公知の方法によって、例えば、症状のモニタリングによって、内視鏡検査またはコンピュータ断層撮影法によって、確認することができる。22項目の副鼻腔予後診断試験(SNOT−22)は、鼻副鼻腔炎および鼻ポリープに関する22個の主要な症状を含むアンケートであり、対象の症状の重症度および健康関連の生活の質に及ぼす影響を測定するための貴重なツールとしての機能を果たす(Quintanilla-Dieck, et al., International Forum of Allergy & Rhinology 2012; 2 (6):437-443)。SNOT−22により、12個の鼻腔関連症状および副鼻腔関連症状(鼻詰まり、味覚および嗅覚の消失、こう鼻の必要性、くしゃみが出る、鼻水が出る、が出る、後鼻漏、高粘度の鼻水が出る、詰まるめまいがする、耳が痛い、および顔面の痛み/圧迫感)ならびに10個の心理的症状および行動的症状(寝つきが悪い、夜中に目が覚める、夜よくれない、目が覚めたときの疲れ疲労感生産性の低下、集中力の低下、欲求不満落ち着きがない/いらいらする、悲しくなる、および恥ずかしく感じる)を評価し、参加者が、前の週に関して、平均して、0(症状なし)から5(重度)のスケールで、各症状をスコア付けし、合計スコアは、0から110の範囲となる。SNOT−22スコアは、22個のスコアの平均である(Piccirillo et al., Otolaryngol Head Neck Surg 2002; 126:41-47)。10個の症状に関する視覚アナログスケール(VAS)は、American Academy of Otolaryngology−Head and Neck Surgery TFRによって説明されている、CRSの重い症状および軽い症状に関する診断基準に基づくアンケートである。VASにより、前の週に経験した以下の症状のそれぞれに関する平均の対象が報告した重症度を評価した:滲出液の鼻漏、鼻閉塞/鼻詰まり、嗅覚の損傷、顔面の圧迫感/痛み、頭痛口臭衰弱/疲労感、歯痛、耳閉感/痛み、ならびに咳(Ryan, et al., Laryngoscope 2011; 121:674-678)。Lund−Kennedy内視鏡検査スコア付けシステムにより、ポリープ、鼻水、浮腫瘢痕、または癒着、および痂皮形成の存在に注目して、鼻内視鏡検査によって評価される鼻および副鼻腔の病理学的状態を定量化する(Ryan, et al., 2011)。Lund Mackay CTスコア付けシステムは、最も広く使用されている慢性鼻副鼻腔炎のCTグレーディングシステムである。このスコア付けシステムは、CT撮像によって評価される、副鼻腔系および中鼻道自然口ルート(osteomeatal complex)の不透明化なし(0)、部分的に不透明化(1)、または完全な不透明化(2)に応じた、0から2のスケールからなる(Hopkins et al., Otolaryngology-Head and Neck Surgery 2007; 137:555-561)。対象の改善としては、症状スコアの向上、例えば、SNOT−22スコアもしくはVASスコアの向上、内視鏡検査によって判明する炎症もしくは鼻ポリープ量の低減、例えば、Lund−Kennedyスコアの向上、またはコンピュータ断層撮影法(CT)によって判明する粘膜肥厚もしくは副鼻腔不透明化の低減、例えば、Lund−Mackayスコアの向上が挙げられる。

0072

一部の実施形態において、P−gp阻害剤は、全身的に、例えば、経口で、静脈内、皮内、または皮下に、投与される。他の実施形態において、P−gp阻害剤は、吸入デバイスによって、フラッシングによって、またはスプレー噴霧によって、対象の鼻腔および副鼻腔に局所投与される。一部の実施形態において、本明細書に記載される方法を使用して特定された対象は、有効量のP−gp阻害剤を含む点鼻薬またはスプレーで処置される。有効量のP−gp阻害剤は、フラッシングまたはスプレー噴霧によって液体形態で、対象の鼻腔および副鼻腔に送達することができる。有効量のP−gp阻害剤は、吸入デバイス、例えば、ネブライザーインヘーラー、またはOptiNoseによって、エアロゾル化形態で、本明細書に記載される方法を使用して特定された対象の鼻腔および副鼻腔に送達することもできる。

0073

一部の実施形態において、本明細書に記載される方法を使用して特定された対象は、処置の効果を高めるために、他の従来的な処置、例えば、コルチコステロイドおよび/または抗生物質などの薬物と組み合わせて、P−gp阻害剤で処置される。例えば、P−gp阻害剤は、デキサメタゾン、プレドニゾロン、トリアムシノロン、コルチゾール、プレドニゾン、ブデソニド、モメタゾン、フルチカゾン、フルニソリド、およびベタメタゾンから選択される、コルチコステロイドと組み合わせて使用され得る。一部の実施形態において、P−gp阻害剤は、マクロライド類、例えば、エリスロマイシン;ペニシリン類、例えば、アモキシシリン、ベータ−ラクタム、アンピシリンテトラサイクリン類、例えば、ドキシサイクリン、テトラサイクリン;スルホンアミド類、例えば、マフェナイドスルファセタミドフルオロキノロン類;ならびにセファロスポリン類、例えば、セフタロリンフォサミルセフトビプロールから選択される、抗生物質と組み合わせて使用される。一部の実施形態において、P−gp阻害剤は、コルチコステロイドおよび抗生物質と組み合わせて使用される。

0074

一部の実施形態において、本明細書に記載される方法を使用して特定された対象が、鼻ポリープも有する場合、そのような鼻ポリープの外科手術による除去が、対象へのP−gp阻害剤の投与に加えて行われ得る。したがって、対象は、外科手術およびP−gp阻害剤での処置の両方を受けることができる。

0075

一部の実施形態において、P−gp阻害剤を溶出するインプラント、ステント、またはスペーサーが、P−gpを対象に送達するために使用される。副鼻腔の外科手術中に、P−gp阻害剤溶出デバイスを、例えば、副鼻腔の入り口に埋め込んで、入り口が閉じないようにし、同時に、外科手術後の副鼻腔上皮の炎症を低減させるために、P−gp阻害剤を局所的に溶出させることができる。P−gp阻害剤溶出デバイスは、生体吸収性材料で作製することができるため、インプラントは、埋込み後、短期間内に吸収されることになり、外科手術によるインプラントの除去は必要ない。P−gp阻害剤溶出デバイスは、固体、半固体、ゲル、ポリマー、または粒子の形態であり得る。一部の実施形態において、P−gp阻害剤溶出デバイスは、アルギン酸塩ゲル(例えば、アルギン酸ナトリウム)、セルロース系ゲル(例えば、カルボキシメチルセルロースもしくはカルボキシエチルセルロース)、またはキトサン系ゲル(例えば、キトサングリセロリン酸塩、例として、Bleier et al., Am J Rhinol Allergy 23, 76-79, 2009を参照されたい)などの生体吸収性ゲルである。

0076

一部の実施形態において、組織サンプル、例えば、副鼻腔粘膜生検サンプルを、鼻副鼻腔炎を有する対象から得ることができ、1つまたは複数の試験を、これらの生検サンプルに行って、本明細書に記載される方法を使用して行った診断を確認し、対象の治療法の選択に役立てることができる。例えば、副鼻腔粘膜生検サンプルを、本明細書に記載される方法を使用して特定された対象から得ることができ、光学顕微鏡法ならびにヘマトキシリンおよびエオシンによる染色を使用して、高倍率視野1つ当たりの平均好酸球数を計算することができる。本明細書において示されるように、P−gpの発現レベルは、組織好酸球増加と相関し、したがって、高い組織好酸球増加レベル(すなわち、参照レベルよりも高いレベル)を、高いP−gp発現レベルのプロキシとして使用することができる。P−gp阻害剤の投与を含む本明細書に記載される治療法は、高倍率視野1つ当たりの平均好酸球数が、閾値(すなわち、参照レベル)よりも高いと判定された場合に、対象における鼻副鼻腔炎を処置するために選択され得る。

0077

一部の実施形態において、コンピュータ断層撮影法(CT)を行って、鼻副鼻腔炎を有する対象における骨炎をスコア付けすることができる。例えば、Kennedy骨炎スコア(KOS)(Lee JT, KennedyDW, Palmer JN, Am J Rhinol 20:278-282, 2006)またはグローバル骨炎スコア(GOS)(Georgalas C, Videler W, Freling N, Clin Otolaryngol 35:455-461, 2010)を、前述のように、副鼻腔の骨壁に関して判定することができる。本明細書において示されるように、これらの骨炎スコアは、慢性副鼻腔炎を有する患者においてP−gpの発現レベルと相関性があり、したがって、高い骨炎スコアは、高いP−gp発現レベルのプロキシとして使用することができる。骨炎スコアが、閾値(すなわち、参照レベル)よりも高いと判定された場合、P−gp阻害剤の投与を含む本明細書に記載される治療法が、対象における鼻副鼻腔炎を処置するために選択され得る。

0078

当業者であれば、好適な参照レベルを判定し、選択することが容易に可能であろう。例えば、参照レベルは、集団の中央値、平均、または百分位のカットオフ点(例えば、上位半分、上位三分位、上位四分位、上位五分位など)として判定することができる。CRSを有する対象、および/またはP−gp阻害剤での処置によって利益を得る可能性が高い対象におけるサンプル中のP−gpの分泌レベル、好酸球増加、KOS、またはGOSを表す参照レベルが、選択され得、その参照レベルと同じレベルまたはそれよりも高いレベルは、対象が、CRSを有する、および/もしくは本明細書に記載されるP−gp阻害剤の投与を含む方法で処置すべきであることを示す。

0079

P−糖タンパク質阻害剤
多数のP−gpの阻害剤が、当該技術分野において公知である(Varma et al., 2003)。一般に、P−gpは、(1)その基質結合部位遮断することによって、(2)そのATPase活性を妨害することによって(Shapiro, et al., Biochem Pharmacol 1997; 53:587-96)、または(3)その発現レベルを転写的にかもしくは転写後的にのいずれかで減少させることによって、阻害することができる。(Drori et al., Eur J Biochem 1995; 228:1020-9)。

0080

特異性および親和性に基づいて、P−gp阻害剤は、4つの世代に分類される。第1世代のP−gp阻害剤は、臨床使用されているか、または他の適応症のために開発されたが、P−gpを阻害することが示された、公知の薬理学的化合物である。これらには、ベラパミルなどのカルシウムチャネル遮断薬;シクロスポリンAなどの免疫抑制薬;抗高血圧薬、レセルピン、キニジン、およびヨヒンビン;ならびにタモキシフェンおよびトレミフェンなどの抗エストロゲン薬が挙げられる(Varma et al., 2003)。これらの化合物の使用量は、全身投与した場合に、P−gpを阻害するために必要な用量により達成される高い血清濃度に起因するそれらの毒性によって制限されている。

0081

第2世代のP−gp調節剤は、第1世代の化合物の薬理学的活性を欠き、通常、より高いP−gp親和性を有する、薬剤である。第2世代のP−gp阻害剤としては、シクロスポリンAの非免疫抑制性類似体、例えば、PSC 833(バルスポダール(Valspodar):6−[(2S,4R,6E)−4−メチル−2−(メチルアミノ)−3−オキソ−6−オクテン酸]−7−L−バリン−シクロスポリンA);ベラパミル異性体、例えば、ベラパミルのD−異性体、R−ベラパミル、およびデクスベラパミル;ならびに他の阻害剤、例えば、VX−710(ビリコダール:1,7−ジ(ピリジン−3−イルヘプタン−4−イル(2S)−1−[オキソ(3,4,5−トリメトキシフェニルアセチルピペリジン−2−カルボキシレート);GF120918(エラクリダール:N−(4−(2−(6,7−ジメトキシ−3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−イル)エチルフェニル)−5−メトキシ−9−オキソ−9,10−ジヒドロアクリジン−4−カルボキサミド塩酸塩);ならびにMS−209(ドフェキダールフマレート(Dofequidar fumarate):1−(4−(2−ヒドロキシ−3−(キノリン−5−イルオキシプロピルピペラジン−1−イル)−2,2−ジフェニルエタノン)が挙げられる(Varma et al., 2003)。しかしながら、このクラスの化合物は、2つ以上のABCトランスポーターを阻害し、一部の薬物−薬物相互作用をもたらすことが多い。

0082

第3世代のP−gp遮断薬は、多剤耐性腫瘍の処置を向上させ、高い特異性および毒性でP−gpを阻害するという主な目的で開発中である。第3世代のP−gp阻害剤の例としては、LY335979(ゾスキダール:(2R)−1−{4−[(1aR,6r,10bS)−1,1−ジフルオロ−1,1a,6,10b−テトラヒドロジベンゾ[a,e]シクロプロパ[c]シクロヘプテン−6−イル]ピペラジン−1−イル}−3−(キノリン−5−イルオキシ)プロパン−2−オール三塩酸塩);OC144093(4−[2−[4−[(E)−3−エトキシプロパ−1−エニル]フェニル]−4−[4−(プロパン−2−イルアミノ)フェニル]−1H−イミダゾール−5−イル]−N−プロパン−2−イルアニリン);R−101933(ラニキダール:メチル11−(1−(4−(キノリン−2−イルメトキシフェネチル)ピペリジン−4−イリデン)−6,11−ジヒドロ−5H−ベンゾ[d]イミダゾ[1,2−a]アゼピン−3−カルボキシレート);XR9576(タリキダール:N−[2−[[4−[2−(6,7−ジメトキシ−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−イル)エチル]フェニル]カルバモイル]−4,5−ジメトキシフェニル]キノリン−3−カルボキサミド);XR9051(3−((Z)−((Z)−5−ベンジリデン−4−メチル−3,6−ジオキソピペラジン−2−イリデン)メチル)−N−(4−(2−(6,7−ジメトキシ−3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−イル)エチル)フェニル)ベンズアミド)が挙げられる。一部の第3世代P−gp調節剤、例えば、LY335979、OC144093、およびXR9576は、第1世代および第2世代の阻害剤よりも約10倍高い効力を有する、P−gpの高度に強力かつ選択的な阻害剤であることが示されている。(Varma et al., 2003)。

0083

第4世代の化合物としては、天然源の化合物(例えば、Lopez and Martinez-Luis, Mar Drugs. 2014 Jan; 12 (1): 525-546に記載される海洋源のもの、またはフラボノイド類アルカロイド類(例えば、ストリキノアルカロイド(例えば、Munagala et al., Bioorganic & Medicinal Chemistry, 22 (3):1148-1155 (2014)における化合物7)、クマリン類カンナビノイド類タッカノリド類ジテルペン類(例えば、タキサン類)、セスキテルペン類トリテルペン類ジンセノシド類リグナン類ポリエン類ポリアセチレン類(Palmeira et al., Current Medicinal Chemistry, 2012, 19, 1946-2025に記載されている));ペプチドおよびペプチド模倣体、例えば、レベルシン、例えばレベルシン121、ペプチド15、およびジケトピペラジンXR9051;ならびに二重リガンド、例えば、アミノ化チオキサントン類、例えば、1−[2−(1H−ベンズイミダゾール−2−イル)エタンアミン]−4−プロポキシ−9H−チオキサンテン−9−オンが挙げられる。例えば、Palmeira et al., Current Medicinal Chemistry, 2012, 19, 1946-2025を参照されたい。

0084

医薬組成物、投薬量、および投与の方法
本明細書に記載される処置の方法には、本明細書に記載されるP−gp阻害剤を活性成分として含む、医薬組成物の使用も含まれる。一部の実施形態において、本組成物はまた、その中に組み込まれる1つまたは複数の補助活性化合物、例えば、1つもしくは複数のコルチコステロイドおよび/または1つもしくは複数の抗生物質を含む。コルチコステロイドは、例えば、デキサメタゾン、プレドニゾン、プレドニゾロン、トリアムシノロン、コルチゾール、ブデソニド、モメタゾン、フルチカゾン、フルニソリド、またはベタメタゾンから選択され得る。抗生物質は、例えば、エリスロマイシン、ドキシサイクリン、テトラサイクリン、ペニシリン、ベータ−ラクタム、マクロライド、フルオロキノロン、セファロスポリン、およびスルホンアミドから選択され得る。医薬組成物自体もまた、含まれる。

0085

医薬組成物は、典型的には、薬学的に許容される担体を含む。本明細書において使用されるとき、「薬学的に許容される担体」という用語には、薬学的投与に適合性のある生理食塩水、溶媒分散媒、コーティング、抗細菌剤および抗真菌剤等張剤および吸収遅延剤などが含まれる。

0086

医薬組成物は、典型的には、その意図される投与経路に適合性となるように製剤化される。投与経路の例としては、非経口投与、例えば、静脈内投与、皮内投与、皮下投与経口投与(例えば、吸入)、経皮投与(局所)、経粘膜投与、および直腸投与が挙げられる。

0087

好適な医薬組成物を製剤化する方法は、当該技術分野において公知である。例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 22nd ed., Allen Ed. Mack Publishing Co., Easton, PA, 2012およびDrugs and the Pharmaceutical Sciences: a Series of Textbooks and Monographs (Dekker, NY)シリーズ書籍を参照されたい。例えば、非経口、皮内、または皮下での適用に使用される溶液または懸濁液には、以下の成分が含まれ得る:滅菌希釈剤、例えば、注射用水生理食塩水溶液不揮発性油ポリエチレングリコールグリセリンプロピレングリコール、または他の合成溶媒;抗細菌剤、例えば、ベンジルアルコールまたはメチルパラベン抗酸化剤、例えば、アスコルビン酸または亜硫酸水素ナトリウムキレート剤、例えば、エチレンジアミン四酢酸;緩衝液、例えば、酢酸クエン酸、またはリン酸、および等張性の調節のための薬剤、例えば、塩化ナトリウムまたはデキストロース。pHは、酸または塩基、例えば、塩酸または水酸化ナトリウムを用いて調節することができる。非経口調製物は、ガラス製またはプラスチック製のアンプル使い捨てのシリンジ、または複数回用量のバイアルに封入することができる。

0088

注射での使用に好適な医薬組成物には、滅菌の水溶液水溶性の場合)または分散液、および滅菌の注射溶液もしくは分散液の即時調製のための滅菌粉末を挙げることができる。静脈内投与に関して、好適な担体としては、生理食塩水、静菌水、Cremophor EL(商標)(BASF、Parsippany、NJ)、またはリン酸緩衝食塩水(PBS)が挙げられる。あらゆる事例において、組成物は、滅菌でなければならず、容易な注射可能性が存在する程度に流動性であるべきである。組成物は、製造および保管の条件下において安定である必要があり、細菌および真菌などの微生物混入作用から保護されなければならない。担体は、例えば、水、エタノールポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコールなど)、ならびにそれらの好適な混合物を含む、溶媒または分散媒であり得る。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティングの使用によって、分散液の場合には必要とされる粒子サイズの維持によって、および界面活性剤の使用によって、維持することができる。微生物の作用からの保護は、様々な抗細菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベンクロロブタノールフェノール、アスコルビン酸、チメロサールなどによって達成することができる。多くの事例において、等張剤、例えば、糖類、多価アルコール類、例えば、マンニトールまたはソルビトール、および塩化ナトリウムを、組成物中に含めることが好適であろう。注射用組成物持続吸収は、吸収を遅延する薬剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンを組成物中に含めることによって、もたらすことができる。

0089

滅菌注射溶液は、必要に応じて、上述の成分のうちの1つまたは組み合わせとともに、活性化合物を、必要とされる量で、適切な溶媒中に組み込み、続いて濾過滅菌することによって、調製することができる。一般に、分散液は、活性化合物を、基礎分散培地および上述のもの以外の必要な他の成分を含む、滅菌ビヒクル中に組み込むことによって、調製される。滅菌注射溶液の調製のための滅菌粉末の事例において、調製の好ましい方法は、活性成分に加えて任意の追加の所望される成分を事前に滅菌濾過した溶液から、粉末を得る、真空乾燥および凍結乾燥である。

0090

経口組成物は、一般に、不活性希釈剤または食用担体を含む。経口での治療的投与の目的で、活性化合物を、賦形剤とともに組み込み、錠剤トローチ、またはカプセル、例えば、ゼラチンカプセルの形態で使用することができる。経口組成物は、洗口液として使用するための流体担体を使用して、調製することもできる。薬学的に適合性のある結合剤、および/またはアジュバント材料を、組成物の一部として含めることができる。錠剤、丸剤、カプセル、トローチなどは、以下の成分または類似の性質の化合物のうちの任意のものを含み得る:結合剤、例えば、微晶質セルローストラガカントガム、もしくはゼラチン;賦形剤、例えば、デンプンもしくはラクトース崩壊剤、例えば、アルギン酸プリモゲル(Primogel)、もしくはトウモロコシデンプン滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウムもしくはステロテス(Sterotes);流動促進剤(glidant)、例えば、コロイド状二酸化ケイ素甘味剤、例えば、スクロースもしくはサッカリン;または香味剤、例えば、ペパーミントサリチル酸メチル、もしくはオレンジ香料

0091

吸入による投与に関して、化合物は、好適な噴射剤、例えば、二酸化炭素などのガスを含む加圧容器もしくはディスペンサー、またはネブライザーからのエアロゾルスプレーの形態で送達され得る。そのような方法としては、米国特許第6,468,798号明細書に記載されているものが挙げられる。

0092

本明細書に記載される治療用化合物の全身投与はまた、経粘膜手段または経皮手段によっても行われ得る。経粘膜投与または経皮投与に関して、透過させようとする障壁に適切な透過性物質が、製剤中に使用される。そのような透過性物質は一般的に、当該技術分野において公知であり、例えば、経粘膜投与については、界面活性剤、胆汁塩、およびフシジン酸誘導体が挙げられる。経粘膜投与は、鼻内スプレーまたは坐剤の使用を通じて達成することができる。経皮投与に関して、活性化合物は、当該技術分野において一般的に公知のように、軟膏膏薬、ゲル、またはクリームに製剤化される。

0093

一実施形態において、治療用化合物は、インプラントおよびマイクロカプセル封入型送達系を含む、制御放出製剤など、治療用化合物を急速な体外への排除から保護する担体を用いて調製される。

0094

医薬組成物は、投与のための説明書とともに、容器、パック、またはディスペンサーに含まれ得る。

0095

一部の実施形態において、対象における鼻副鼻腔炎を処置するためのキットが、提供される。そのようなキットは、有効量のP−糖タンパク質阻害剤を含む医薬組成物と、任意選択でコルチコステロイドおよび/または抗生物質と、医薬組成物を対象の鼻腔および副鼻腔に送達するためのデバイス、例えば、ネブライザー、インヘーラー、またはOptiNoseとを含む。デバイスは、医薬組成物を、液体形態またはエアロゾル形態で、対象の鼻腔および副鼻腔に送達し得る。

0096

非限定的な実施例において、少なくとも1つの薬学的作用物質を含有する医薬組成物は、液体(例えば、熱硬化性液体)として、固体の成分(例えば、粉末もしくは生体分解性生体適合性ポリマー(例えば、カチオン性生体分解性生体適合性ポリマー))として、またはゲルの成分(例えば、生体分解性生体適合性ポリマー)として、製剤化される。一部の実施形態において、少なくとも1つの薬学的作用物質を含有する組成物は、アルギン酸塩ゲル(例えば、アルギン酸ナトリウム)、セルロース系ゲル(例えば、カルボキシメチルセルロースもしくはカルボキシエチルセルロース)、またはキトサン系ゲル(例えば、キトサングリセロリン酸塩)の群から選択されるゲルとして、製剤化される。本明細書に記載される医薬組成物のうちのいずれかを製剤化するために使用することができる、薬物溶出性ポリマーのさらなる非限定的な例としては、カラゲナン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコールと組み合わせたデキストランポリアクリル酸と組み合わせたデキストラン、ポリガラクツロン酸ガラクツロン酸多糖類ポリサクチン酸(polysalactic acid)、ポリグリコール酸タマリンドガムキサンタンガム(xanthum gum)、セルロースガムグアーガムカルボキシメチルグアー)、ペクチン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、N−イソプロピルポリアクリロミド、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンプルロニック酸(pluronic acid)、ポリ乳酸シクロデキストリンシクロアミロースレジリンポリブタジエン、N−(2−ヒドロキシプロピルメタクリルアミド(HPMA)コポリマー無水マレイン酸アルキルビニルエーテルポリデプシペプチドポリヒドロキシブチレートポリカプロラクトンポリジオキサノン、ポリエチレングリコール、ポリオルガノホスファゼンポリオルトエステルポリビニルピロリドン、ポリ乳酸−コ−グリコール酸(PLGA)、ポリ無水物ポリシラミン、ポリN−ビニルカプロラクタム、およびゲランが挙げられる。

0097

「有効量」は、有益な結果または所望される結果を実現するのに十分な量である。例えば、治療量は、所望される治療効果を達成するものである。この量は、疾患または疾患症状の発生を予防するために必要な量である予防有効量と同じであってもよく、または異なってもよい。有効量は、1回または複数回の投与、適用、または投薬で投与され得る。治療用化合物の治療有効量(すなわち、有効投薬量)は、選択される治療用化合物に依存する。組成物は、1日につき1回または複数回から、1週間につき1回または複数回(1日おきを含む)で投与され得る。当業者であれば、疾患または障害の重症度、これまでの処置、対象の全般的な健康状態および/または年齢、ならびに存在する他の疾患を含むがこれらに限定されない、ある特定の要因が、対象を効果的に処置するために必要とされる投薬量およびタイミングに影響を及ぼし得ることを理解するであろう。さらに、治療有効量の本明細書に記載される治療用化合物による対象の処置には、単回処置または一連の処置が含まれ得る。

0098

治療用化合物の投薬量、毒性、および治療有効性は、例えば、LD50(集団の50%が死に至る用量)およびED50(集団の50%に治療的に有効な用量)を判定するための、細胞培養物または実験動物における標準的な薬学的手技によって判定することができる。毒性作用と治療効果との間の用量比が、治療指数であり、LD50/ED50の比で表すことができる。高い治療指数を示す化合物が好ましい。毒性副作用を呈する化合物を使用することはできるが、感染していない細胞への損傷の可能性を最小限に抑え、それによって副作用を低減するために、そのような化合物の標的を、罹患した組織の部位に定める送達系を設計するように注意を払う必要がある。

0099

細胞培養アッセイおよび動物での研究により得られたデータを、ヒトにおいて使用するための投薬量範囲を形成するために使用することができる。そのような化合物の投薬量は、毒性がほとんどないかまたはまったくないED50を含む循環濃度範囲内とすることが好ましい。投薬量は、この範囲内で、用いられる剤形および用いられる投与経路に応じて変動し得る。本発明の方法において使用されるあらゆる化合物に関して、治療有効量は、まずは細胞培養アッセイから推定することができる。用量は、動物モデルにおいて、細胞培養物において判定されたIC50(すなわち、症状の最大半数阻害を達成する試験化合物の濃度)を含む、循環血漿濃度範囲を達成するように、配合され得る。そのような情報は、ヒトにおいて有用な用量をより正確に判定するために使用することができる。血漿中のレベルは、例えば、高速液体クロマトグラフィーによって測定することができる。

0100

本発明は、以下の実施例においてさらに説明されるが、これらの実施例は、特許請求の範囲に記載される本発明の範囲を制限するものではない。

0101

[実施例1]
インタクトな可溶性P−糖タンパク質は、副鼻腔上皮細胞によって分泌される
P−糖タンパク質(P−gp)は、170kDaの膜貫通排出ポンプであり、慢性鼻副鼻腔炎(CRS)では、上方制御される。白血病における研究により、P−gpは、インタクトな可溶性形態でも分泌され得ることが示されている。この研究の目的は、副鼻腔上皮細胞が、可溶性P−gpを分泌することができるかどうか、およびそれが何らかの機能的役割を有するかどうかを探究することであった。

0102

方法
以下の材料および方法を、実施例1において使用した。
上皮細胞の調達

0103

ヒト副鼻腔上皮細胞培養物(HSNECC)を生成するために使用した副鼻腔粘膜生検調達は、Massachusetts Eye and Ear Infirmary Institutional Review Boardによって承認を受けている。サンプルを、眼窩または頭蓋底病変部の内視鏡副鼻腔外科手術を受けた健常な副鼻腔組織を有する患者(すなわち、対照)から、ならびにEPOS7基準に従ってCRSと診断された患者から、採取した。除外基準には、線毛機能不全自己免疫疾患嚢胞性線維症、または任意の既知の免疫欠損が含まれた。
ヒト副鼻腔上皮細胞培養物

0104

7人の対照患者および6人のCRS患者からのHSNECCを、これまでに説明されているように、成長させた8。簡単に述べると、粘膜サンプルを、洗浄し、37℃で90分間、Pronase中で消化させた。細胞懸濁液を、遠心分離によって粒子状物質から分離させ、気管支上皮成長培地(BEGM)中に再懸濁させた。細胞を、標準的な組織培養プレートに2時間蒔いて、混入している線維芽細胞を除去した。次いで、細胞を、ヒトIV型コラーゲンヒト胎盤由来コラーゲン、Bornstein and Traub Type IV、Sigma Aldrich、St.Louis、MO)をコーティングした75cm2の皿(Corning Life Sciences、Corning、NY)で、3〜5日間増殖させた。コンフルエントになった後、HSNECCを、トリプシン化し、ヒトIV型コラーゲンをコーティングした壁部が黒色の24ウェル(PerkinElmer、Cambridge、MA)または96ウェル(Corningの96ウェルプレート)の組織培養プレートに、BEGMにおいて24時間、均等に再播種した後、分析した。CRS由来のHSNECCを、培地(ビヒクル対照)またはリポ多糖(LPS、12.5μg/mL、Sigma Aldrich)に24時間曝露した後、培地および細胞質を採取した。対照患者由来の細胞を、組換えヒトP−糖タンパク質(USCN Life Sciences Inc.、Wuhan、P.R.China)に、100〜2000ng/mLの範囲の用量で24時間曝露した後、以下に述べる、免疫組織化学またはカルセインアセトキシメチルエステル(AM)アッセイを行った。

0105

細胞質および可溶性P−糖タンパク質の定量化
ビヒクル対照またはLPSに曝露した後に、CRS由来のウェルから培地を採取した。混入している残屑および非接着細胞を、遠心分離(950rpm、3分間)によって除去した。細胞質タンパク質画分を、Native Membrane Protein Extractionキット(Proteoextract、Billerica、MA)を使用して単離した。培地および細胞質画分内のP−糖タンパク質濃度を、市販入手可能な酵素結合免疫吸着法(ELISA)(USCN Life Sciences Inc.)を使用して定量化した。

0106

タンパク質抽出およびウエスタンブロット分析
ウエスタンブロットを使用して、CRS由来の上皮細胞から培地中に放出された可溶性P−糖タンパク質の分子量を判定した。上述のように、遠心分離を行って、混入している細胞および残屑を除去した後、上清中の全タンパク質の量を、Micro BCAアッセイキット(Pierce、Rockford、IL)を使用して判定した。10μgの全タンパク質およびLaemmliローディング緩衝液(Sigma、St.Louis、MOのβ−メルカプトエタノールを含む、2×Laemmliサンプル緩衝液、Bio−Rad、Hercules、CA)を、95℃で3分間変性させ、プレキャストNovex(登録商標)4〜20%Tris−Glycine Mini Protein Gels(1.0mm、9ウェル、Life Technologies)で分離させた。タンパク質を、iBlot(登録商標)Dry Blotting System(Invitrogen、Carlsbad、CA)によって、フッ化ポリビニリデン膜に転写した。膜を、室温で30分間、Tris緩衝食塩水およびTween−20(TBST、Sigma Aldrich)中の1%ミルクブロッキングした。一次抗体モノクローナル抗P−糖タンパク質クローンF4、1:2000、TBST中1%ミルク)を添加し、4℃で一晩インキュベートした。TBSTで15分間の洗浄を3回行った後、二次抗体(TBST中1%ミルクのヤギにおいて産生させた抗マウスIgGFab特異的)-ペルオキシダーゼ抗体、Sigma)を、室温で1時間インキュベートした。再度、膜に、TBSTで15分間の洗浄を3回行い、SuperSignal(商標)West Pico Chemiluminescent Substrate(Life Technologies)を、5分間適用した後、ChemiDoc MP(Bio−Rad)で視覚化した。組換えP−gp(USCN Life Sciences Inc.、Wuhan、P.R.China)を、対照として使用し、マウスにおいて産生させたモノクローナル抗GAPDH抗体(Sigma Aldrich)を、ローディング対照として使用した。

0107

定量的蛍光免疫組織化学検査
組換えP−gpに曝露した後の膜P−gpの補間に関する蛍光免疫組織化学検査を、これまでに説明されている技法を使用して行った8。ブロッキングした後、P−gp細胞外エピトープに対する一次抗体(モノクローナル抗P−糖タンパク質クローンF4、1:250、Sigma Aldrich)を、4℃で24時間適用した。次いで、細胞をすすいだ後、Cy3(Cy(商標)3 AffiniPure F(ab’)2フラグメントヤギ抗マウスIgG、1:100、Jackson Immunoresearch、West Grove、PA)またはFITC(抗マウスIgG[Fc特異的]F(ab)2フラグメント−FITC、1:160)コンジュゲート二次抗体を、室温で30分間適用した。次いで、ウェルを、3回すすぎ、リン酸緩衝食塩水において画像化した。陰性対照ウェルは、一次抗体を染色手順から省略したものと考えた。

0108

蛍光染色強度を、これまでに説明されている技法に従って定量化した9。簡単に述べると、20倍視野を選択し、画像を、Image J v1.49tで分析した。細胞および3つのバックグラウンド領域を、Image Jにおいて、フリーハンドセクションツールを使用して円で囲み集約密度、選択した細胞の領域、およびバックグラウンドの平均蛍光を、関心領域(ROIマネージャを使用して、測定した。補正した全細胞蛍光(CTCF)を、集約密度-(選択した細胞の面積×バックグラウンド読み取りの平均蛍光)として計算した。CTCF値は、ウェルごとに平均し、患者全体でも平均した。

0109

カルセインAM P−糖タンパク質活性アッセイ
カルセインAMアッセイを、上述のように、組換えP−gp曝露の24時間後に、補間されたP−gpが、機能性であったかどうかを判定するために行った。予熱したカルセインAM(Life Technologies)を、これまでに説明されているように、最終的なカルセイン濃度2.5μMで、各ウェルに添加した4。15分後に、各ウェルを、低温リン酸緩衝食塩水で3回洗浄し、各ウェル内のカルセイン蛍光を、分光光度計(Molecular Devices SpectraMax M5、Sunnyvale、CA)を使用して、励起波長および放出波長それぞれ494nmおよび517nmで、定量化した。蛍光の減少は、これまでに説明されているように、P−gp機能の増加の指標とみなした4。

0110

統計学的分析
すべての研究を、技術的に2連で行った。正規性を、シャピロ・ウイルク検定を使用して、評価した。LPSの存在下または非存在下におけるインビトロでのP−gp分泌を、クラスカル・ワリスノンパラメトリック試験を使用して比較した。可溶性P−gpと細胞質P−gpとの間の相関性を、スピアマン順位相関係数を使用して判定した。組換えP−gp曝露後のCTCFおよびカルセイン蛍光における変化を、両側スチューデントt検定を使用して、比較した。0.05未満のp値を、有意とみなした。

0111

実施例1.1インビトロ可溶性P−糖タンパク質分泌
ビヒクル対照のCRS由来の上皮培養物(n=6)において、可溶性P−gpを、55.43±26.26ng/mL(平均±標準偏差)の濃度で検出した。P−gp分泌は、LPSでの刺激(n=6)後に、333.27±305.98ng/mL(p<0.001)の濃度まで有意に増加した(図1A)。すべての条件にわたって、可溶性P−gpの濃度は、同じウェル内で、細胞質P−gp濃度と強力かつ有意に相関していた(r=0.57、p=0.000001)(図1B)。

0112

実施例1.2ウエスタンブロット分析
対照の初代上皮細胞とともに24時間インキュベートした後の培養培地のウエスタンブロット分析により、170kDaのインタクトなP−gpのバンドが明らかとなり、これは、組換えP−gp陽性対照レーンと相関していた。同様に、条件培地および組換えP−gpの両方のレーンにおいて、分解産物が、およそ50kDaおよび60kDaで観察された(図2)。

0113

実施例1.3組換えP−糖タンパク質の膜補間および機能
健常患者由来の上皮細胞培養物間のベースライン平均CTCFは、0.29±0.26(n=7)であった。CTCFの継続的な用量依存性増加が、100〜2000ng/mLの外因性組換えヒトP−gpへの曝露後に観察された。2000ng/mLでのCTCF(1.34±1.85、n=7)は、ビヒクル対照ウェルのものよりも有意に高かった(p=0.01)(図3)。これらの発見は、定性的蛍光免疫細胞化学検査の結果と相関性があった(図3)。同様に、カルセインAM機能的P−gpアッセイにより、100ng/mLの用量(123.11±42.16、n=7)と2000ng/mLの用量(82.03±43.69、n=7、p=0.01)との間で平均蛍光における有意な低減を伴う用量応答が明らかとなった(図4)。

0114

この研究により、培養された副鼻腔上皮細胞が、インタクトな形態のP−gpを分泌することができ、外因性P−gpを細胞膜に機能的に補間することができることが示される。このP−gpサイクリングの機序は、はっきりとしないままであるが、今回のインビトロでの発見は、可溶性P−gpが、潜在的なバイオマーカーとして鼻粘液中に存在し得、CRSにおけるP−gpの過剰発現の維持に関与している可能性があることを示唆する。今後の取組みは、インビボにおいて可溶性P−gpを定量化し、その分泌および取込みに関与する経路を探究することを対象とすることになるであろう。
実施例1の参考文献
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2. BleierBS, Article O. Regional expression of epithelial MDR1/P-glycoprotein in chronic rhinosinusitis with and without nasal polyposis. Int Forum Allergy Rhinol. 2012;2 (2):122-5. doi:10.1002/alr.21004.
3. Feldman RE, Lam AC, Sadow PM, Bleier BS. P-glycoprotein is a marker of tissue eosinophilia and radiographic inflammation in chronic rhinosinusitis without nasal polyps. Int Forum Allergy Rhinol. 2013;3 (8):684-7. doi:10.1002/alr.21176.
4. Bleier BS, Nocera AL, Iqbal H, et al. P-glycoprotein promotes epithelial T helper 2-associated cytokine secretion in chronic sinusitis with nasal polyps. Int Forum Allergy Rhinol. 2014;4 (6):488-94. doi:10.1002/alr.21316.
5. Bleier BS, Kocharyan A, Singleton A, Han X. Verapamil modulates interleukin-5 and interleukin-6 secretion in organotypic human sinonasal polyp explants. Int Forum Allergy Rhinol. 2014;5 (1):10-13. doi:10.1002/alr.21436.
6. Chu TM, Lin TH, Kawinski E. Detection of soluble P-glycoprotein in culture media and extracellular fluids. Biochem Biophys Res Commun. 1994;203 (1):506-12. doi:10.1006/bbrc.1994.2211.
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9. McCloy R a., Rogers S, Caldon CE, Lorca T, Castro A, Burgess A. Partial inhibition of Cdk1 in G2 phase overrides the SAC and decouples mitotic events. Cell Cycle. 2014;13 (9):1400-1412. doi:10.4161/cc.28401.
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11. Kandimalla KK, Donovan MD. Localization and differential activity of P-glycoprotein in the bovine olfactory and nasal respiratory mucosae. Pharm Res. 2005;22 (7):1121-8. doi:10.1007/s11095-005-5420-3.
12. Wolking S, Schaeffeler E, Lerche H, Schwab M, Nies AT. Impact of Genetic Polymorphisms of ABCB1 (MDR1, P-Glycoprotein) on Drug Disposition and Potential Clinical Implications: Update of the Literature. Clin Pharmacokinet. 2015;54 (7):709-35. doi:10.1007/s40262-015-0267-1.
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0115

[実施例2]
分泌型P−糖タンパク質は、慢性鼻副鼻腔炎の非侵襲的なバイオマーカーである
慢性鼻副鼻腔炎(CRS)エンドタイプの非侵襲的バイオマーカーの発見は、予後診断情報および標的化された医療を提供する能力を進歩させるために、極めて重要である。上皮P−糖タンパク質(P−gp)は、CRSにおいて過剰発現され、細胞外の分泌形態で存在している。この研究の目的は、1)分泌型P−gpが、鼻粘液中に検出され得るかどうか、および2)分泌型P−gpの閾値を使用して、CRSエンドタイプおよび疾患重症度を予測することができるかどうかを判定することであった。

0116

方法
以下の材料および方法を、実施例2において使用した。

0117

副鼻腔粘液および粘膜組織の調達
この研究において使用したすべての患者サンプルの調達は、Massachusetts Eye and Ear Infirmary Institutional Review Boardによって承認を受けている。粘液サンプルは、圧縮したポリビニルアルコールスポンジ(Medtronic、Minneapolis、MN)を、粘膜を傷つけることもスポンジに血液が混入することもないように注意を払い、篩骨胞に5分間当てることによって、副鼻腔外科手術を受けた患者から採取した。スポンジを除去した後、粘膜組織サンプルを、隣接する篩骨胞から採取した。いずれのサンプルも、バッチ分析のために、即座に凍結させ、−80℃で保管した。サンプルを、眼窩または頭蓋底の病変部の内視鏡副鼻腔外科手術を受けた健常な対照患者から、ならびにEPOS11基準に従って、鼻ポリープ(NP)を伴うかまたは伴わない慢性鼻副鼻腔炎(CRS)と診断された患者から、採取した。除外基準には、線毛機能不全、自己免疫疾患、嚢胞性線維症、または任意の既知の免疫欠損が含まれた。

0118

副鼻腔粘液および粘膜組織のタンパク質の定量化
解凍した後、粘液サンプルを、遠心分離(4℃で30分間、1500g)によってスポンジから抽出した。次いで、粘液を、プロテアーゼ阻害剤カクテル(1:100、Sigma、St.Louis、MO)を含む1200uLの1倍リン酸緩衝食塩水(PBS、Life Technologies、Carlsbad、CA)中に希釈した。10分間のさらなる遠心分離(4℃で17,000g)後に、細胞残屑を、ペレットにして除去した。粘膜組織サンプルを、解凍し、1倍PBSですすいだ後、CelLyticMT(Sigma、1:100のプロテアーゼ阻害剤カクテルを含む)を使用してタンパク質抽出を行った。組織およびCelLytic MT溶液を、60秒間ホモジナイズし、次いで、4℃で15分間インキュベートした。組織残屑を、4℃で10分間、17,000gでの遠心分離によってペレットにした。次いで、上清を、分析のために採取した。粘液サンプルおよび組織サンプル内の全タンパク質濃度を、Micro BCAタンパク質アッセイキット(Pierce、Rockford、IL)を使用して判定した。粘液サンプルおよび組織サンプル内のP−gpおよびeMBPの濃度を、市販入手可能な酵素結合免疫吸着法(ELISA)(USCN Life Sciences Inc、Wuhan、China)を使用して定量化した。最終的なP−gpおよびeMBPの濃度を、希釈に関して補正し、同じサンプル内の全タンパク質濃度に対して正規化した。

0119

臨床的な疾患重症度の定量化
疾患重症度の臨床上の指標を、これまでに説明されている方法に従って測定した。検証済みの22項目の副鼻腔予後診断試験(SNOT−22)12を、提示の際に、すべての患者に行った。コンピュータ断層撮影法(CT)による重症度スコアを、2人の独立した盲検監視員によって、Lund−Mackay方法に従ってグレーディングした13。各患者における組織好酸球増加を、日常的な病理学的分析の一部として生成された2つの代表的なヘマトキシリンおよびエオシンスライドを使用して、定量化した。400倍の高倍率視野(hpf)5つ当たりの好酸球の数を、これまでに記載されているように、2人の独立した盲検の監視員によって、記録した7。値を平均して、各患者のhpf1つ当たりの平均好酸球スコアを生成した。

0120

統計学的分析
すべてのサンプルを、2連に分析した。正規性を、シャピロ・ウイルク検定を使用して評価し、データは、均一にノンパラメトリックであることが見出された。群間連続型変数を、マンホイットニーU検定を使用して比較した。P−gp値とeMBP値との間の相関を、スピアマンの順位相関試験を使用して行った。群間の患者デモグラフィックを、カイ二乗検定を使用して比較した。0.05未満のp値を、統計学的に有意とみなした。

0121

実施例2.1患者デモグラフィック
集団は、診断によって予測される通り、多様な主観的および客観的疾患重症度指標を有する38人の患者(対照が10人、CRSが16、およびCRSwNPが12人)からなった。対照患者における平均SNOT−22スコア(12.6±14.2、平均±標準偏差)は、CRS患者のもの(43.4±22.8、p=0.007)およびCRSwNP患者のもの(53.4±25.5、p=0.002)よりも有意に低かった。対照患者における平均好酸球/hpf(0.3±0.5)は、CRS患者のもの(5.5±7.4、p=0.002)およびCRSwNP患者のもの(70.5±74.2、p<0.001)よりも有意に低かった。同様に、対照患者におけるLund−Mackayスコア(0.8±1.0)は、CRS患者のもの(4.8±4.2、p=0.003)およびCRSwNP患者のもの(16.7±7.6、p=0.002)よりも有意に低かった(図5A〜C)。低P−gp分泌型集団と高P−gp分泌型集団とを区別するため、分泌型P−gp 300pcg/全タンパク質μgのカットオフを確立した。年齢、性別、または喘息および環境アレルギー有病率に関して、低分泌型と高分泌型の間に有意差はなかった(表1)。

0122

0123

実施例2.2分泌型P−糖タンパク質の定量化
分泌型P−gpは、臨床診断に関係なく、試験した38人の全患者の粘液サンプルおよび粘膜組織サンプルの両方において、検出された。低分泌性の患者(n=31)の中で、分泌型P−gp濃度と粘膜P−gp濃度との間に有意な相関性はなかった(r=−0.24、p=有意差なし)。しかしながら、高P−gp分泌性の患者の中では、分泌型P−gp濃度と粘膜P−gp濃度との間に、強力かつ統計学的に有意な相関性が確認された(r=0.78、p=0.04)(図6A〜B)。分泌型P−gpの濃度は、遊離粘液eMBPのものとの中等度かつ統計学的に有意な相関性を示した(r=0.46、p=0.004)。同様に、組織P−gp濃度は、粘液eMBPのものとの中等度かつ統計学的に有意な相関性を示した(r=0.42、p=0.008)(図7A〜B)。

0124

実施例2.3分泌型P−糖タンパク質は、疾患重症度の高感度予測因子である
低分泌型の中での対照患者、CRS患者、およびCRSwNP患者の分布は、それぞれ、32.3%、41.9%、25.8%であった。対照的に、高分泌型患者の中での相対分布は、CRSwNP患者優勢(57.1%)にシフトし、残りの42.9%は、CRS患者のみからなっていた(図8)。この高分泌型の群は、あらゆる形態のCRSの集団におけるすべての患者の25%を占めた。分泌型P−gp 300pcg/全タンパク質μgのカットオフを、CRSの存在に関して、100%の感度および25%の特異度と関連付けた。

0125

高いP−gp分泌の所見は、主観的エンドポイントおよび客観的エンドポイントの両方によって測定した場合に、高い疾患重症度とも関連していた。高分泌型は、SNOT−22スコア(60±7)、好酸球/hpf(62±84)、およびLund−Mackayスコア(15±8)が、低分泌型の対応物(それぞれ34±27、p=0.009;16±36、p<0.05;および6±8、p=0.03)と比較して有意に高かった(図9A〜C)。
実施例2の参考文献
1. Kern RC, Conley DB, Walsh W, et al. Perspectives on the etiology of chronic rhinosinusitis: an immune barrier hypothesis. Am J Rhinol. 22:549-559. doi:10.2500/ajr.2008.22.3228.
2. Akdis CA, Bachert C,Cingi C, et al. Endotypes and phenotypes of chronic rhinosinusitis: a PRACTALLdocument of the European Academy of Allergy and Clinical Immunology and the American Academy of Allergy, Asthma & Immunology. J Allergy Clin Immunol. 2013;131 (6):1479-90. doi:10.1016/j.jaci.2013.02.036.
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0126

[実施例3]
エキソソームP−糖タンパク質の上皮間輸送は、鼻ポリープを伴う慢性副鼻腔炎において炎症を促進する
エキソソームは、直径が約30〜150nmの小胞体であり、少なくともいくつかは、細胞間の膜タンパク質輸送を行うことができ、それに関与する。P−糖タンパク質(P−gp)は、鼻ポリープを伴う慢性鼻副鼻腔炎(CRSwNP)において上皮サイトカイン分泌を促進する、膜排出ポンプである。この研究の目的は、1)CRSwNPの粘液エキソソームには、P−gpが豊富であるかどうか、2)エキソソームP−gpが、自家上皮細胞に機能的に輸送され得るかどうか、および3)エキソソーム輸送が、P−gp依存性上皮サイトカイン分泌を強化するかどうかを判定することであった。

0127

方法
以下の材料および方法を、実施例3において使用した。

0128

副鼻腔粘膜および粘液のサンプル採取
組織および粘液のサンプル採取は、Massachusetts Eye and Ear Infirmary Institutional Review Boardによって承認を受けている。すべてのサンプルは、副鼻腔の外科手術を受けており、採取前の少なくとも4週間の間、抗生物質にもステロイドにも曝露されていない患者から採取した。包含基準には、European Position Paper on Rhinosinusitis and Nasal Polyps(EPOS)[16]基準によりCRSwNPと診断された患者、および眼窩または頭蓋底の病変部の内視鏡副鼻腔外科手術を受けた健常な患者(すなわち、対照、1群当たりn=10人)が含まれた。除外基準には、線毛機能不全、自己免疫疾患、嚢胞性線維症、または免疫欠損が含まれた。検証済みの疾患特異的な22項目の副鼻腔予後診断試験(SNOT)−22)[17]を、すべての患者に対して得た。粘液サンプルは、圧縮したポリビニルアルコールスポンジ(PVA、Medtronic、Minneapolis、MN)を、粘膜を傷つけることもスポンジに血液が混入することもないように注意を払い、篩骨胞に5分間当てることによって、中鼻道から採取した。次いで、粘膜サンプルを、篩骨胞から採取した。

0129

全粘液からのエキソソーム精製
エキソソーム精製手順は、Theryら[18]によって説明されている超遠心分離(UCF)手順から適応させた。この技法は、市販入手可能な沈降法(ExoQuick(商標)、System Biosciences、Palo Alto、CA)と比較すると、van Deunら[19]と合致して、より高いタンパク質およびエキソソーム収率を伴って、高い純度が得られた(図10A〜B)。粘液サンプルを、遠心分離(4℃で30分間、1500g)によってPVAスポンジから抽出した。次いで、粘液を、プロテアーゼ阻害剤カクテル(1:100、Sigma、St.Louis、MO)を含む150μLの1倍リン酸緩衝食塩水(PBS、Life Technologies、Carlsbad、CA)中に希釈した。細胞残屑を、4℃、12,000×gで45分間の遠心分離によってペレットにした。次いで、上清を、ポリプロピレンチューブ(Thinwall、5.0mL、13×51mm、Beckman Coulter、Indianapolis、IN)において、4.5mLのPBS中に懸濁し、4℃で2時間、110,000×gで超遠心分離にかけた。上清を採取し、ペレットを、4.5mLの1倍PBS中に再懸濁させた。懸濁液を、0.22μmのフィルター(Fisher Scientific、Pittsburgh、PA)に通して濾過し、新たな超遠心分離チューブに採取した。濾過した懸濁液を、次いで、4℃で70分間、110,000×gで、遠心分離した。上清を採取し、ペレットを、プロテアーゼ阻害剤を含む200μLのPBS中に再懸濁させた。細胞培養物の投与の前に、各ペレットのエキソソーム濃度を、これまでに説明されているように、確立されたエキソソームマーカーであるCD63およびCD9(ExoELISA、System Biosciences、Palo Alto、CA)に関して、市販入手可能な酵素結合免疫吸着法(ELISA)を使用して、判定した[20]。

0130

粘液由来のエキソソームの透過電子顕微鏡分析
エキソソームの透過電子顕微鏡分析(TEM)手順を、Theryら[18]から適合させた。単離したエキソソームを、室温で1時間、0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(Electron Microscopy Sciences、Hatfield、PA)中の2%パラホルムアルデヒド中に固定した。5μLのエキソソームを、20分間、Formvar−カーボンコート電子顕微鏡グリッド(Electron Microscopy Sciences)に吸着させた。吸着させた後、グリッドを、PBS中で3回すすぎ、次いで、4回の洗浄のため、PBS/50mMグリシン(Sigma Aldrich、St.Louis MO)に移した。グリッドを、室温で10分間、1倍リン酸緩衝食塩水(緩衝液)中の5%ウシ血清アルブミン(BSA、Fisher Scientific)中でブロッキングした。グリッドを、4℃で一晩、1%BSA緩衝液中に希釈した一次抗体(1:25、精製したマウス抗ヒトCD63クローンH5C6、BD Biosciences)中でインキュベートした。次いで、グリッドを、0.1%BSA緩衝液中ですすいだ後、0.5%BSA緩衝液中ですすいだ(6回ずつ)。次いで、5%BSA緩衝液中の二次プロテインG抗体(1%BSA緩衝液中1:20、EMグレード、10nm、Electron Microscopy Services、Hatfield、PA)を、室温で1時間適用し、1倍PBS中で8回すすいだ。グリッドを、0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(Electron Microscopy Services)中の1%グルタルアルデヒド中で、5分間インキュベートした。脱イオン水中で8回すすいだ後、グリッドを、シュウ酸ウラニル溶液、pH7(UA、Electron Microscopy Services)中で、5分間、対比させた。グリッドを、濾紙にブロットし、撮像の前に空気乾燥させた。エキソソームを、デジタルTIFFファイルの画像を取得するために、AMTXR41デジタルCCDカメラ(Advanced Microscopy Techniques, Woburn, Massachusetts)に連結したFEITecnai G2 Spirit透過電子顕微鏡(FEI、Hillsboro、Oregon)を使用して、100kVの加速電圧で、観察した。ウサギIgG(Vector Laboratories、Burlingame、CA)およびCD63ライセート(Novus Biologicals、CD63過剰発現ライセート(ネイティブ)、Fisher Scientific)を、それぞれ、陰性対照および陽性対照として使用した。

0131

粘液由来のエキソソームP−gp濃度のインビボでの定量化
エキソソームP−gp濃度のインビボでの特徴付けのために、粘液を、対照患者およびCRSwNP患者の両方から採取した(表2を参照されたい)。粘液を、PVAスポンジを使用して採取した後、上述のようにエキソソームを精製した。精製したエキソソーム画分を、P−gp、CD63、およびCD9(Systems Bioscience)ELISAに供して、精製したエキソソーム画分内の相対P−gp濃度を判定した。すべての値は、Micro BCAタンパク質アッセイキット(Pierce、Rockford、IL)を使用して、同じサンプル内の全タンパク質濃度に対して正規化した。

0132

0133

ウエスタンブロット
ウエスタンブロットを使用して、粘液由来のエキソソーム画分内のP−gpの存在をさらに検証した。上述のようにエキソソームを単離した後、Micro BCAアッセイキットを使用して、全タンパク質を判定した。10μgの全タンパク質およびLaemmliローディング緩衝液(Sigma、St.Louis、MOのβ−メルカプトエタノールを含む、2×Laemmliサンプル緩衝液、Bio−Rad、Hercules、CA)を、95℃で3分間変性させ、プレキャストNovex(登録商標)4〜20%Tris−Glycine Mini Protein Gels(1.0mm、9ウェル、Life Technologies)で分離させた。タンパク質を、iBlot(登録商標)Dry Blotting System(Invitrogen、Carlsbad、CA)によって、フッ化ポリビニリデン膜に転写した。膜を、室温で1時間、Tris緩衝食塩水およびTween−20(TBST、Sigma Aldrich)中の5%スキムミルクでブロッキングした。一次抗体(モノクローナル抗P−糖タンパク質クローンF4、1:1000、TBST中5%ミルク)を添加し、4℃で一晩インキュベートした。TBSTで15分間ずつの洗浄を3回行った後、二次抗体(TBST中5%ミルクのヤギにおいて産生させた抗マウスIgG(Fab特異的)-ペルオキシダーゼ抗体、Sigma)を、室温で1時間インキュベートした。再度、膜に、TBSTで15分間ずつの洗浄を3回行い、SuperSignal(商標)West Pico Chemiluminescent Substrate(Life Technologies)を、5分間適用した後、ChemiDoc MP(Bio−Rad)で視覚化した。組換えP−gp(USCN Life Sciences Inc.、Wuhan、P.R.China)を、対照として使用し、マウスにおいて産生させたモノクローナル抗GAPDH抗体(Sigma Aldrich)を、ローディング対照として使用した。

0134

初代ヒト副鼻腔上皮細胞培養物
ヒト副鼻腔上皮細胞培養物(HSNECC)を、これまでに説明されているように成長させた[21]。簡単に述べると、粘膜生検サンプルを、洗浄し、37℃で90分間、Pronase中で消化させた。細胞懸濁液を、遠心分離によって粒子状物質から分離させ、気管支上皮成長培地(BEGM、Lonza、Basel、Switzerland)中に再懸濁させた。細胞を、標準的な組織培養プレートに2時間蒔いて、混入している線維芽細胞を除去した。次いで、細胞を、ヒトIV型コラーゲン(ヒト胎盤由来のコラーゲン、Bornstein and Traub Type IV、Sigma Aldrich、St.Louis、MO)をコーティングした75cm2の皿(Corning Life Sciences、Corning、NY)で、3〜5日間増殖させた。コンフルエントになった後、HSNECCを、トリプシン化し、ヒトIV型コラーゲンをコーティングした壁部が黒色の96ウェル(Corningの96ウェルプレート)の組織培養プレートに、BEGMにおいて均等に再播種し、80%のコンフルエンスまで成長させた後、分析した。すべてのインビトロ実験は、ReadyProbes Cell Viability Imaging Kit(青色/緑色、Life Technologies、Carlsbad、CA)によって判定すると、20%未満の細胞毒性と関連していた(図11A〜Bを参照されたい)。

0135

インビトロでのHSNECCによる粘液由来のエキソソームの内部移行の判定
自家単離エキソソームを、市販入手可能な10倍Exo−Red(商標)アクリジンオレンジ(AO)およびExo−Green(商標)カルボキシフルオレセイン二酢酸スクシンイミジルエステル(CFSE)蛍光標識(Systems Bioscience)を製造業者の説明書に従って使用して染色して、同じ患者に由来するHSNECCへのRNAおよびタンパク質(それぞれ)の内部移行を特徴付けた。標識した後、25μLの精製した自家エキソソーム(1.25×109個のエキソソーム/mL)を、壁面が黒色の96ウェルプレートにおいて、HSNECCに添加した。ウェルを、LeicaDMILLED蛍光顕微鏡(Leica、Buffalo Grove、IL)および20倍対物レンズを使用して、10分ごとに30分間撮像した。すべての時点で、同じ視野を使用した。

0136

エキソソームにより媒介される機能性P−gpの輸送の定量化
カルセインアセトキシメチルエステル(AM)アッセイ[22]を、HSNEC培養物に行った後、精製した自家粘液由来のエキソソームを投与して、機能的P−gp活性の相対取得を定量化した。HSNECCを、エキソソーム(1.25×109個のエキソソーム/mL)を含有するBEGMまたは0.625μMの第3世代P−gp阻害剤ゾスキダール3HCl(Medkoo、ChapelHill、NC)[23]とともにエキソソームを含有するBEGMに曝露した。予熱したカルセインAM(Life Technologies)を、これまでに説明されているように、最終的な濃度2.5μMで、各ウェルに添加した[22]。15分後に、各ウェルを、低温リン酸緩衝食塩水で3回洗浄し、ウェルを、3連に撮像した。蛍光を、McCloyらによってこれまでに説明されているように[24]、補正全細胞蛍光法を使用して、定量化した。カルセイン蛍光における低減は、P−gp機能における増加に対応し、一方で蛍光の増加は、阻害の成功に対応する[22]。

0137

上皮サイトカイン分泌のエキソソーム由来のP−gp制御の分析
コンフルエントなHSNECCを、1時間適用した50μLの精製した自家エキソソーム(5.3×1010個のエキソソーム/mL)の存在下または非存在下において、ビヒクル対照(BEGM)、0.625μMゾスキダールHClに23時間曝露した。対照ウェルは、ビヒクル対照単独に曝露した。曝露した後、培地を、各ウェルから採取した。TSLP胸腺間質由来リンパ球新生因子)、インターロイキン(IL)−6、およびIL−8のサイトカイン濃度を、製造業者のガイドライン(eBioscience、San Diego、CA)に従って、ELISAによって判定した。すべての分泌型サイトカイン濃度は、Micro BCAタンパク質アッセイキット(Pierce、Rockford、IL)を使用して、全タンパク質濃度に対して正規化した。

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