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技術 CD3とCD38とを結合するヘテロ二量体抗体

出願人 アムジェンインコーポレイテッドゼンコー・インコーポレイテッド
発明者 スティーブンス,ジェニットリアンバラージュ,メルセデスノーラン−ステボー,オリビエムーア,グレゴリーデジャレイ,ジョンバーネット,マシュージェイ.チュー,スンワイ.ラシッド,ルマナムチャル,ウメシュ
出願日 2016年11月23日 (3年4ヶ月経過) 出願番号 2018-526921
公開日 2019年2月14日 (1年1ヶ月経過) 公開番号 2019-503661
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード 分離メカニズム 代替形式 栓抜き フリーラジカル生成剤 インホール 空間立体 プラトー値 適合曲線
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題・解決手段

本発明はCD3及びCD38を結合するヘテロ二量体抗体を指向する。一部の実施形態では、ヘテロ二量体抗体は配列番号91を含む第1の単量体と、配列番号92を含む第2の単量体と、配列番号93を含む軽鎖とを含む。一部の実施形態では、ヘテロ二量体抗体は配列番号88を含む第1の単量体と、配列番号89を含む第2の単量体と、配列番号90を含む軽鎖とを含む。本発明はさらに、上記の配列をコードする第1、第2及び第3の核酸を含む核酸組成物、と同様に核酸組成物を含む発現ベクター、核酸または発現ベクターのいずれかを含む宿主細胞、及びヘテロ二量体抗体を作製し、使用する方法を提供する。

概要

背景

抗体に基づいた治療法は、癌及び自己免疫性炎症性の疾患を含む種々の疾患を治療するのに成功裡に使用されている。それにもかかわらず、特にその臨床的効性を高めることに関してこのクラスの薬剤に対する改善がさらに必要とされている。検討されている手段の1つは、単一の免疫グロブリン分子が2つの異なる抗原を同時に結合するように抗体をベースにした薬剤の中で追加の及び新規抗原結合部位を操作することである。2つの異なる抗原を結合するそのようなネイティブではないまたは代替の抗体形式は二重特異性と呼ばれることが多い。抗体可変領域(Fv)の相当な多様性によって実際どんな分子でも認識するFvを生じるのが可能であるので、二重特異性の生成に対する典型的なアプローチは新しい可変領域の抗体への導入である。

多数の代替抗体形式が二重特異性のターゲティングについて検討されている(そのすべてが参照によって本明細書に明白に組み入れられるChames & Baty,2009,mAbs,1[6]:1−9;Holliger & Hudson,2005,Nature Biotechnology,23[9]:1126−1136;Kontermann,mAbs,4(2):182,(2012))。当初、二重特異性抗体は、それぞれ単一のモノクローナル抗体を産生する2つの細胞株を融合することによって作られた(Milstein,et al.,1983,Nature,305:537−540)。得られたハイブリッドハイブリドーマまたはクアドローマは二重特異性抗体を産生したけれども、それらは微量の集団にすぎず、所望の抗体を単離するには多大な精製を必要とした。これに対する工学的な解決は二重特異性を作るための抗体断片の使用だった。そのような断片は完全長抗体の複雑な四次構造を欠いているので、単一の遺伝子構築物にて可変軽鎖可変重鎖を連結することができる。二機能性抗体、単鎖二機能性抗体、直列scFv及びFab2二重特異性を含む、多数の様々な形態の抗体断片が生成されている(参照によって本明細書に明白に組み入れられるChames & Baty,2009,mAbs,1[6]:1−9;Holliger & Hudson,2005,Nature Biotechnology,23[9]:1126−1136)。これらの形式は細菌にて高レベル発現させることができ、その小さなサイズのために好都合浸透利益を有してもよい一方で、それらは生体内では迅速に消えてなくなり、その製造及び安定性に関する製造障害提示し得る。これらの欠点の主原因は、抗体断片が通常、大きなサイズ、高い安定性、及び血清における長い半減期を維持し(すなわち、新生児Fc受容体FcRn)または精製のための結合部位として役立つ(すなわち、プロテインA及びプロテインG)種々のFc受容体及びリガンドへの結合を含む、関連する機能的特性を持つ抗体の定常領域を欠いていることである。

さらに最近の研究では、完全長の抗体様の形式にて二元的な結合を操作することによって断片をベースにした二重特異性の欠点に対処するように試みられている(参照によって明白に本明細書に組み入れられるWu,et al.,2007,Nature Biotechnology,25[11]:1290−1297;USSN12/477,711;Michaelson,et al.,2009,mAbs,1[2]:128−141;PCT/US2008/074693;Zuo,et al.,2000,Protein Engineering,13[5]:361−367;USSN09/865,198;Shen,et al.,2006,J.Biol.Chem.281[16]:10706−10714;Lu,et al.,2005,J.Biol.Chem.280[20]:19665−19672;PCT/US2005/025472)。これらの形式は、原則的にFc領域を含有するので抗体断片二重特異性の障害の一部を克服する。これらの形式の重大な欠点の1つは、ホモ二量体の定常鎖の上に新しい抗原結合部位を作るので、新しい抗原への結合は常に二価であることである。

治療用の二重特異性形式における共標的として魅力的である多数の抗体については、所望の結合は二価ではなく一価である。多数の免疫受容体については、細胞性活性化は一価の結合相互作用架橋によって達成される。架橋のメカニズムには通常、抗体/抗原免疫複合体または標的細胞に対するエフェクター細胞の結合が介在する。たとえば、FcγRIIa、FcγRIIb及びFcγRIIIaのような低親和性のFcガンマ受容体(FcγR)は抗体のFc領域に一価で結合する。一価の結合はこれらのFcγRを発現している細胞を活性化することはないが、免疫複合体形成または細胞と細胞の接触の際、受容体が架橋され、細胞表面上でクラスター形成し、活性化をもたらす。細胞の殺傷に介在することに関与する受容体については、たとえば、ナチュラルキラー(NK)細胞におけるFcγRIIIaについては、エフェクター細胞が高度に望する形式で標的細胞を結合する場合、受容体の架橋及び細胞の活性化が発生する(参照によって明白に組み入れられるBowles & Weiner,2005,J.Immunol.Methods,304:88−99)。同様に、B細胞上では、阻害性受容体FcγRIIbは、それが細胞表面のB細胞受容体(BCR)との免疫複合体に関与する場合にのみB細胞の活性化を下方調節し、そのメカニズムには、BCRによって認識される同じ抗原との可溶性IgGの免疫複合体形成が介在する(参照によって明白に組み入れられるHeyman,2003,Immunol.Lett.88[2]:157−161;Smith and Clatworthy,2010,Nature Reviews Immunology,10:328−343)。別の例として、T細胞のCD3の活性化は、その関連するT細胞受容体(TCR)が高度に渇望した細胞間シナプスにて抗原提示細胞上の抗原負荷MHCを結合する場合にのみ発生する(Kuhns,et al.,2006,Immunity,24:133−139)。実際、抗CD3抗体を用いたCD3の非特異的な二価の架橋は高サイトカイン血症及び毒性を引き出す(参照によって明白に組み入れられるPerruche,et al.,2009,J.Immunol.183[2]:953−61;Chatenoud & Bluestone,2007,Nature Reviews Immunology,7:622-632)。従って、実践的な臨床での使用については、標的細胞の再指向殺傷のためのCD3同時結合の好ましい方式は同時結合する標的との結合の際にのみ活性化を生じる一価の結合である。

環状ADPリボース加水分解酵素としても知られるCD38は長いC末端細胞外ドメインと短いN末端細胞質ドメインを持つII型膜貫通型糖タンパク質である。造血系細胞の中で、リンパ球の増殖、サイトカインの放出、B細胞及び骨髄系細胞の発生及び生存の調節、及び樹状細胞成熟誘導を含む各種の機能的効果がCD38が介在するシグナル伝達によるものとされている。CD38は、非ホジキンリンパ腫(NHL)、バーキットリンパ腫BL)、多発性骨髄腫(MM)、B細胞慢性リンパ性白血病(B−CLL)、B及びTの急性リンパ性白血病(ALL)、T細胞リンパ腫(TCL),急性骨髄性白血病(AML)、ヘアリー細胞白血病(HCL)、ホジキンリンパ腫(HL)、及び慢性骨髄性白血病CML)を含む多数の造血系悪性腫瘍、及び種々の造血系悪性腫瘍に由来する細胞株にて上方調節される。一方、造血系の最も原始的多能性幹細胞はCD38−である。抗癌剤発見及び開発の最近の進歩にもかかわらず、CD38を発現する腫瘍を含む癌の多数の形態は依然として予後不良である。従って、癌のそのような形態を治療するための改善された方法に対するニーズがある。
従って、抗体断片から生成される二重特異性が生物物理学的な及び薬物動態ハードル苦しむ一方で、完全長の抗体様形式で作られたものの欠点は、主要な標的抗原非存在下でそれらが共標的の抗原を多価で結合し、非特異的な活性化をもたらし、且つ潜在的に毒性をもたらすことである。本発明は、CD3とCD38とに向けられた新規の二重特異性抗体を導入することによってこの課題を解決する。

概要

本発明はCD3及びCD38を結合するヘテロ二量体抗体を指向する。一部の実施形態では、ヘテロ二量体抗体は配列番号91を含む第1の単量体と、配列番号92を含む第2の単量体と、配列番号93を含む軽鎖とを含む。一部の実施形態では、ヘテロ二量体抗体は配列番号88を含む第1の単量体と、配列番号89を含む第2の単量体と、配列番号90を含む軽鎖とを含む。本発明はさらに、上記の配列をコードする第1、第2及び第3の核酸を含む核酸組成物、と同様に核酸組成物を含む発現ベクター、核酸または発現ベクターのいずれかを含む宿主細胞、及びヘテロ二量体抗体を作製し、使用する方法を提供する。なし

目的

検討されている手段の1つは、単一の免疫グロブリン分子が2つの異なる抗原を同時に結合するように抗体をベースにした薬剤の中で追加の及び新規の抗原結合部位を操作することである

効果

実績

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請求項1

ヘテロ二量体抗体であって、(a)第1のFcドメインと、抗CD3のscFvと、を含む第1の単量体であって、前記抗CD3のscFvが、(i)配列番号15で定められたvlCDR1と配列番号16で定められたvlCDR2と配列番号17で定められたvlCDR3とを含むscFv可変軽鎖ドメインと(ii)配列番号11で定められたvhCDR1と配列番号12で定められたvhCDR2と配列番号13で定められたvhCDR3とを含むscFv可変重鎖ドメインとを含み、前記scFvがドメインのリンカーを用いて前記FcドメインのN末端共有結合する第1の単量体と、(b)第2の単量体であって、(i)配列番号65で定められたvhCDR1と配列番号66で定められたvhCDR2と配列番号67で定められたvhCDR3とを含む抗CD38重鎖可変ドメインと(ii)第2のFcドメインを含む重鎖定常ドメインとを含む第2の単量体と、(c)可変定常ドメインと、抗CD38可変軽鎖ドメインと、を含む軽鎖であって、前記抗CD38可変軽鎖ドメインが、配列番号69で定められたvlCDR1と配列番号70で定められたvlCDR2と配列番号71で定められたvlCDR3とを含む軽鎖とを含む、ヘテロ二量体抗体。

請求項2

前記抗CD3のscFvが配列番号18で定められたアミノ酸配列に対して少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む請求項1に記載のヘテロ二量体抗体。

請求項3

前記抗CD3のscFvが配列番号18で定められたアミノ酸配列を含む請求項1に記載のヘテロ二量体抗体。

請求項4

前記抗CD38可変軽鎖ドメインが配列番号68で定められたアミノ酸配列に対して少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載のヘテロ二量体抗体。

請求項5

前記抗CD38可変軽鎖ドメインが配列番号68で定められたアミノ酸配列を含む請求項4に記載のヘテロ二量体抗体。

請求項6

前記抗CD38重鎖可変ドメインが配列番号64で定められたアミノ酸配列に対して少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む請求項1〜5のいずれか1項に記載のヘテロ二量体抗体。

請求項7

前記抗CD38重鎖可変ドメインが配列番号64で定められたアミノ酸配列を含む請求項6に記載のヘテロ二量体抗体。

請求項8

前記第1の単量体が、配列番号335で定められたアミノ酸配列に対して少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む請求項1〜7のいずれか1項に記載のヘテロ二量体抗体。

請求項9

前記第1の単量体が、配列番号335で定められたアミノ酸配列を含む請求項8に記載のヘテロ二量体抗体。

請求項10

前記第2の単量体が、配列番号82で定められたアミノ酸配列に対して少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む請求項1〜9のいずれか1項に記載のヘテロ二量体抗体。

請求項11

前記第2の単量体が、配列番号82で定められたアミノ酸配列を含む請求項10に記載のヘテロ二量体抗体。

請求項12

前記軽鎖が配列番号84で定められたアミノ酸配列に対して少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む請求項1〜11のいずれか1項に記載のヘテロ二量体抗体。

請求項13

前記軽鎖が配列番号84で定められたアミノ酸配列を含む請求項12に記載のヘテロ二量体抗体。

請求項14

XmAb13551より小さく、且つXmAb14702より大きい、CD3εに対する結合親和性を示す請求項1〜13のいずれか1項に記載のヘテロ二量体抗体。

請求項15

ヘテロ二量体抗体であって、(a)第1のFcドメインと、抗CD3のscFvと、を含む第1の単量体であって、前記抗CD3のscFvが、(i)配列番号15で定められたvlCDR1と配列番号16で定められたvlCDR2と配列番号17で定められたvlCDR3とを含むscFv可変軽鎖ドメインと(ii)配列番号11で定められたvhCDR1と配列番号12で定められたvhCDR2と配列番号13で定められたvhCDR3とを含むScFv可変重鎖ドメインとを含み、前記scFvがドメインリンカーを用いて前記FcドメインのN末端に共有結合する第1の単量体と、(b)第2の単量体であって、(i)配列番号73で定められたvhCDR1と配列番号74で定められたvhCDR2と配列番号75で定められたvhCDR3と含む抗CD38重鎖可変ドメインと、(ii)第2のFcドメインを含む重鎖定常ドメインとを含む第2の単量体と、(c)可変定常ドメインと、抗CD38可変軽鎖ドメインとを含む軽鎖であって、前記抗CD38可変軽鎖ドメインが、配列番号78で定められたvlCDR1と配列番号79で定められたvlCDR2と配列番号80で定められたvlCDR3とを含む軽鎖とを含む、ヘテロ二量体抗体。

請求項16

前記抗CD3のscFvが配列番号18で定められたアミノ酸配列に対して少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む請求項15に記載のヘテロ二量体抗体。

請求項17

前記抗CD3のscFvが配列番号18で定められたアミノ酸配列を含む請求項15に記載のヘテロ二量体抗体。

請求項18

前記抗CD38可変軽鎖ドメインが配列番号355で定められたアミノ酸配列に対して少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む請求項15〜17のいずれか1項に記載のヘテロ二量体抗体。

請求項19

前記抗CD38可変軽鎖ドメインが配列番号355で定められたアミノ酸配列を含む請求項18に記載のヘテロ二量体抗体。

請求項20

前記抗CD38重鎖可変ドメインが配列番号73で定められたアミノ酸配列に対して少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む請求項15〜19のいずれか1項に記載のヘテロ二量体抗体。

請求項21

前記抗CD38重鎖可変ドメインが配列番号73で定められたアミノ酸配列を含む請求項20に記載のヘテロ二量体抗体。

請求項22

前記第1の単量体が、配列番号107で定められたアミノ酸配列に対して少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む請求項15〜21のいずれか1項に記載のヘテロ二量体抗体。

請求項23

前記第1の単量体が、配列番号107で定められたアミノ酸配列を含む請求項22に記載のヘテロ二量体抗体。

請求項24

前記第2の単量体が、配列番号106で定められたアミノ酸配列に対して少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む請求項15〜23のいずれか1項に記載のヘテロ二量体抗体。

請求項25

前記第2の単量体が、配列番号106で定められたアミノ酸配列を含む請求項24に記載のヘテロ二量体抗体。

請求項26

前記軽鎖が配列番号108で定められたアミノ酸配列に対して少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む請求項15〜25のいずれか1項に記載のヘテロ二量体抗体。

請求項27

前記軽鎖が配列番号108で定められたアミノ酸配列を含む請求項26に記載のヘテロ二量体抗体。

請求項28

ヘテロ二量体抗体であって、(a)第1のFcドメインと、抗CD3のscFvと、を含む第1の単量体であって、前記抗CD3のscFvが、(i)配列番号42で定められたvlCDR1と配列番号43で定められたvlCDR2と配列番号44で定められたvlCDR3とを含むscFv可変軽鎖ドメインと(ii)配列番号38で定められたvhCDR1と配列番号39で定められたvhCDR2と配列番号40で定められたvhCDR3とを含むscFv可変重鎖ドメインとを含み、前記scFvがドメインリンカーを用いて前記FcドメインのN末端に共有結合する第1の単量体と、(b)第2の単量体であって、(i)配列番号65で定められたvhCDR1と配列番号66で定められたvhCDR2と配列番号67で定められたvhCDR3とを含む抗CD38重鎖可変ドメインと(ii)第2のFcドメインを含む重鎖定常ドメインとを含む第2の単量体と、(c)可変定常ドメインと、抗CD38可変軽鎖ドメインと、を含む軽鎖であって、前記抗CD38可変軽鎖ドメインが、配列番号69で定められたvlCDR1と配列番号70で定められたvlCDR2と配列番号71で定められたvlCDR3とを含む軽鎖とを含む、ヘテロ二量体抗体。

請求項29

前記抗CD3のscFvが配列番号45で定められたアミノ酸配列に対して少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む請求項28に記載のヘテロ二量体抗体。

請求項30

前記抗CD3scFvが配列番号45で定められたアミノ酸配列を含む請求項28に記載のヘテロ二量体抗体。

請求項31

前記抗CD38可変軽鎖ドメインが配列番号68で定められたアミノ酸配列に対して少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む請求項28〜30のいずれか1項に記載のヘテロ二量体抗体。

請求項32

前記抗CD38可変軽鎖ドメインが配列番号68で定められたアミノ酸配列を含む請求項31に記載のヘテロ二量体抗体。

請求項33

前記抗CD38重鎖可変ドメインが配列番号64で定められたアミノ酸配列に対して少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む請求項28〜32のいずれか1項に記載のヘテロ二量体抗体。

請求項34

前記抗CD38重鎖可変ドメインが配列番号64で定められたアミノ酸配列を含む請求項33に記載のヘテロ二量体抗体。

請求項35

前記第1の単量体が、配列番号110で定められたアミノ酸配列に対して少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む請求項28〜34のいずれか1項に記載のヘテロ二量体抗体。

請求項36

前記第1の単量体が、配列番号110で定められたアミノ酸配列を含む請求項35に記載のヘテロ二量体抗体。

請求項37

前記第2の単量体が、配列番号109で定められたアミノ酸配列に対して少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む請求項28〜36のいずれか1項に記載のヘテロ二量体抗体。

請求項38

前記第2の単量体が、配列番号109で定められたアミノ酸配列を含む請求項37に記載のヘテロ二量体抗体。

請求項39

前記軽鎖が配列番号111で定められたアミノ酸配列に対して少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む請求項28〜38のいずれか1項に記載のヘテロ二量体抗体。

請求項40

前記軽鎖が配列番号111で定められたアミノ酸配列を含む請求項39に記載のヘテロ二量体抗体。

請求項41

前記第1のFcドメイン及び前記第2のFcドメインがホモ二量体化を減らす1以上の突然変異を含む請求項1〜7、15〜21及び28〜34のいずれか1項に記載のヘテロ二量体抗体。

請求項42

前記第1のFcドメイン及び前記第2のFcドメインが、S364K/E357Q:L368D/K370S;L368D/K370S:S364K;L368E/K370S:S364K;T411T/E360E/Q362E:D401K;L368D/K370S:S364K/E357L及びK370S:S364K/E357Qから成る群から選択される変異体のセットを含む請求項1〜7、15〜21及び28〜34のいずれか1項に記載のヘテロ二量体抗体。

請求項43

前記scFvドメインリンカーが荷電リンカーである請求項1〜7、15〜21、28〜34及び42のいずれか1項に記載のヘテロ二量体抗体。

請求項44

前記重鎖定常ドメインが、アミノ酸置換N208D/Q295E/N384D/Q418E/N421Dを含む請求項1〜7、15〜21、28〜34、42及び43のいずれか1項に記載のヘテロ二量体抗体。

請求項45

前記第1及び第2のFcドメインが、アミノ酸置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含む請求項1〜7、15〜21、28〜34、及び42〜44のいずれか1項に記載のヘテロ二量体抗体。

請求項46

請求項1〜45のいずれか1項に記載のヘテロ二量体抗体をコードする核酸組成物であって、前記組成物が(a)前記第1の単量体をコードする第1の核酸と、(b)前記第2の単量体をコードする第2の核酸と、(c)前記軽鎖をコードする第3の核酸とを含む、核酸組成物。

請求項47

請求項1〜45のいずれか1項に記載のヘテロ二量体抗体をコードする発現ベクター組成物であって、(a)前記第1の単量体をコードする核酸を含む第1の発現ベクターと、(b)前記第2の単量体をコードする核酸を含む第2の発現ベクターと、(c)前記軽鎖をコードする核酸を含む第3の発現ベクターとを含む、発現ベクター組成物。

請求項48

請求項48に記載の核酸組成物を含む宿主細胞

請求項49

請求項47に記載の発現ベクター組成物を含む宿主細胞。

請求項50

請求項1〜45のいずれか1項に記載のヘテロ二量体抗体を作製する方法であって、前記抗体が発現される条件下で請求項48または49に記載の宿主細胞を培養することと、前記抗体を回収することとを含む、方法。

請求項51

医薬組成物であって、請求項1〜45のいずれか1項に記載のヘテロ二量体抗体と、薬学上許容できるキャリア賦形剤または安定剤とを含む、医薬組成物。

請求項52

造血系悪性腫瘍治療する方法であって、それを必要とする対象に請求項1〜45のいずれか1項に記載のヘテロ二量体抗体を投与することを含む、方法。

請求項53

前記造血系悪性腫瘍が、非ホジキンリンパ腫(NHL)、バーキットリンパ腫BL)、多発性骨髄腫(MM)、B細胞慢性リンパ性白血病(B−CLL)、B及びTの急性リンパ性白血病(ALL)、T細胞リンパ腫(TCL),急性骨髄性白血病(AML)、ヘアリー細胞白血病(HCL)、ホジキンリンパ腫(HL)、慢性リンパ性白血病(CLL)及び慢性骨髄性白血病CML)から成る群から選択される請求項52に記載の方法。

請求項54

前記方法がさらに1以上の追加の治療剤を投与することを含む請求項52または53に記載の方法。

技術分野

0001

関連出願への相互参照及び参照による組み入れ
本出願は、その中での図面、説明文、及びクレームに対する特定の参照とともにその全体が参照によって本明細書に明白に組み入れられる2015年11月25日に出願された国際特許出願番号PCT/US2015/062786及び2015年11月25日に出願された米国特許出願番号14/952,786に対する優先権を主張する。

0002

全体が参照によって組み入れられるのは、添えて同時に提出され、以下:2016年11月23日に作られた707,494バイトの「50636_SeqListing_.txt」と名付けられたASCIIテキストファイルとして特定されるコンピュータ可読のヌクレオチドアミノ酸配列表である。

背景技術

0003

抗体に基づいた治療法は、癌及び自己免疫性炎症性の疾患を含む種々の疾患を治療するのに成功裡に使用されている。それにもかかわらず、特にその臨床的効性を高めることに関してこのクラスの薬剤に対する改善がさらに必要とされている。検討されている手段の1つは、単一の免疫グロブリン分子が2つの異なる抗原を同時に結合するように抗体をベースにした薬剤の中で追加の及び新規抗原結合部位を操作することである。2つの異なる抗原を結合するそのようなネイティブではないまたは代替の抗体形式は二重特異性と呼ばれることが多い。抗体可変領域(Fv)の相当な多様性によって実際どんな分子でも認識するFvを生じるのが可能であるので、二重特異性の生成に対する典型的なアプローチは新しい可変領域の抗体への導入である。

0004

多数の代替抗体形式が二重特異性のターゲティングについて検討されている(そのすべてが参照によって本明細書に明白に組み入れられるChames & Baty,2009,mAbs,1[6]:1−9;Holliger & Hudson,2005,Nature Biotechnology,23[9]:1126−1136;Kontermann,mAbs,4(2):182,(2012))。当初、二重特異性抗体は、それぞれ単一のモノクローナル抗体を産生する2つの細胞株を融合することによって作られた(Milstein,et al.,1983,Nature,305:537−540)。得られたハイブリッドハイブリドーマまたはクアドローマは二重特異性抗体を産生したけれども、それらは微量の集団にすぎず、所望の抗体を単離するには多大な精製を必要とした。これに対する工学的な解決は二重特異性を作るための抗体断片の使用だった。そのような断片は完全長抗体の複雑な四次構造を欠いているので、単一の遺伝子構築物にて可変軽鎖可変重鎖を連結することができる。二機能性抗体、単鎖二機能性抗体、直列scFv及びFab2二重特異性を含む、多数の様々な形態の抗体断片が生成されている(参照によって本明細書に明白に組み入れられるChames & Baty,2009,mAbs,1[6]:1−9;Holliger & Hudson,2005,Nature Biotechnology,23[9]:1126−1136)。これらの形式は細菌にて高レベル発現させることができ、その小さなサイズのために好都合浸透利益を有してもよい一方で、それらは生体内では迅速に消えてなくなり、その製造及び安定性に関する製造障害提示し得る。これらの欠点の主原因は、抗体断片が通常、大きなサイズ、高い安定性、及び血清における長い半減期を維持し(すなわち、新生児Fc受容体FcRn)または精製のための結合部位として役立つ(すなわち、プロテインA及びプロテインG)種々のFc受容体及びリガンドへの結合を含む、関連する機能的特性を持つ抗体の定常領域を欠いていることである。

0005

さらに最近の研究では、完全長の抗体様の形式にて二元的な結合を操作することによって断片をベースにした二重特異性の欠点に対処するように試みられている(参照によって明白に本明細書に組み入れられるWu,et al.,2007,Nature Biotechnology,25[11]:1290−1297;USSN12/477,711;Michaelson,et al.,2009,mAbs,1[2]:128−141;PCT/US2008/074693;Zuo,et al.,2000,Protein Engineering,13[5]:361−367;USSN09/865,198;Shen,et al.,2006,J.Biol.Chem.281[16]:10706−10714;Lu,et al.,2005,J.Biol.Chem.280[20]:19665−19672;PCT/US2005/025472)。これらの形式は、原則的にFc領域を含有するので抗体断片二重特異性の障害の一部を克服する。これらの形式の重大な欠点の1つは、ホモ二量体の定常鎖の上に新しい抗原結合部位を作るので、新しい抗原への結合は常に二価であることである。

0006

治療用の二重特異性形式における共標的として魅力的である多数の抗体については、所望の結合は二価ではなく一価である。多数の免疫受容体については、細胞性活性化は一価の結合相互作用架橋によって達成される。架橋のメカニズムには通常、抗体/抗原免疫複合体または標的細胞に対するエフェクター細胞の結合が介在する。たとえば、FcγRIIa、FcγRIIb及びFcγRIIIaのような低親和性のFcガンマ受容体(FcγR)は抗体のFc領域に一価で結合する。一価の結合はこれらのFcγRを発現している細胞を活性化することはないが、免疫複合体形成または細胞と細胞の接触の際、受容体が架橋され、細胞表面上でクラスター形成し、活性化をもたらす。細胞の殺傷に介在することに関与する受容体については、たとえば、ナチュラルキラー(NK)細胞におけるFcγRIIIaについては、エフェクター細胞が高度に望する形式で標的細胞を結合する場合、受容体の架橋及び細胞の活性化が発生する(参照によって明白に組み入れられるBowles & Weiner,2005,J.Immunol.Methods,304:88−99)。同様に、B細胞上では、阻害性受容体FcγRIIbは、それが細胞表面のB細胞受容体(BCR)との免疫複合体に関与する場合にのみB細胞の活性化を下方調節し、そのメカニズムには、BCRによって認識される同じ抗原との可溶性IgGの免疫複合体形成が介在する(参照によって明白に組み入れられるHeyman,2003,Immunol.Lett.88[2]:157−161;Smith and Clatworthy,2010,Nature Reviews Immunology,10:328−343)。別の例として、T細胞のCD3の活性化は、その関連するT細胞受容体(TCR)が高度に渇望した細胞間シナプスにて抗原提示細胞上の抗原負荷MHCを結合する場合にのみ発生する(Kuhns,et al.,2006,Immunity,24:133−139)。実際、抗CD3抗体を用いたCD3の非特異的な二価の架橋は高サイトカイン血症及び毒性を引き出す(参照によって明白に組み入れられるPerruche,et al.,2009,J.Immunol.183[2]:953−61;Chatenoud & Bluestone,2007,Nature Reviews Immunology,7:622-632)。従って、実践的な臨床での使用については、標的細胞の再指向殺傷のためのCD3同時結合の好ましい方式は同時結合する標的との結合の際にのみ活性化を生じる一価の結合である。

0007

環状ADPリボース加水分解酵素としても知られるCD38は長いC末端細胞外ドメインと短いN末端細胞質ドメインを持つII型膜貫通型糖タンパク質である。造血系細胞の中で、リンパ球の増殖、サイトカインの放出、B細胞及び骨髄系細胞の発生及び生存の調節、及び樹状細胞成熟誘導を含む各種の機能的効果がCD38が介在するシグナル伝達によるものとされている。CD38は、非ホジキンリンパ腫(NHL)、バーキットリンパ腫BL)、多発性骨髄腫(MM)、B細胞慢性リンパ性白血病(B−CLL)、B及びTの急性リンパ性白血病(ALL)、T細胞リンパ腫(TCL),急性骨髄性白血病(AML)、ヘアリー細胞白血病(HCL)、ホジキンリンパ腫(HL)、及び慢性骨髄性白血病CML)を含む多数の造血系悪性腫瘍、及び種々の造血系悪性腫瘍に由来する細胞株にて上方調節される。一方、造血系の最も原始的多能性幹細胞はCD38−である。抗癌剤発見及び開発の最近の進歩にもかかわらず、CD38を発現する腫瘍を含む癌の多数の形態は依然として予後不良である。従って、癌のそのような形態を治療するための改善された方法に対するニーズがある。
従って、抗体断片から生成される二重特異性が生物物理学的な及び薬物動態ハードル苦しむ一方で、完全長の抗体様形式で作られたものの欠点は、主要な標的抗原非存在下でそれらが共標的の抗原を多価で結合し、非特異的な活性化をもたらし、且つ潜在的に毒性をもたらすことである。本発明は、CD3とCD38とに向けられた新規の二重特異性抗体を導入することによってこの課題を解決する。

先行技術

0008

Holliger & Hudson,2005,Nature Biotechnology,23[9]:1126−1136
Kontermann,mAbs,4(2):182,(2012)
Milstein,et al.,1983,Nature,305:537−540

課題を解決するための手段

0009

従って、本発明はCD3とCD38とに対して向けられたヘテロ二量体抗体を提供する。一部の実施形態では、ヘテロ二量体抗体は配列番号91を含む第1の単量体と、配列番号92を含む第2の単量体と、配列番号93を含む軽鎖とを含む。一部の実施形態では、ヘテロ二量体抗体は配列番号88を含む第1の単量体と、配列番号89を含む第2の単量体と、配列番号90を含む軽鎖とを含む。本発明はさらに、上記の配列をコードする第1、第2及び第3の核酸を含む核酸組成物、と同様に核酸組成物を含む発現ベクター、核酸または発現ベクターのいずれかを含む宿主細胞、及びヘテロ二量体抗体を作製し、使用する方法を提供する。

0010

追加の態様では、本発明は、(i)第1のFcドメインと、(ii)scFv可変軽鎖ドメインとscFvリンカーとscFv可変重鎖ドメインとを含む抗CD3scFvとを含み、前記scFvがドメインリンカーを用いて前記FcドメインのN末端に共有結合する第1の単量体と、(i)重鎖可変ドメインと、(ii)第2のFcドメインを含む重鎖定常ドメインとを含む重鎖を含む第2の単量体と、可変軽鎖ドメインと可変軽鎖定常ドメインとを含む軽鎖とを含むヘテロ二量体抗体を提供する。一部の態様では、scFvの可変軽鎖ドメインは配列番号15を有するvlCDR1と配列番号16を有するvlCDR2と配列番号17を有するvlCDR3とを含み、前記ScFvの可変重鎖ドメインは配列番号11を有するvhCDR1と配列番号12を有するvhCDR2と配列番号13を有するvhCDR3とを含み、前記重鎖可変ドメイン及び前記可変軽鎖ドメインはCD38を結合する。

0011

さらなる態様では、本発明は、(a)(i)第1のFcドメインと、(ii)scFv可変軽鎖ドメインとscFvリンカーとscFv可変重鎖ドメインとを含む抗CD3scFvとを含み、前記scFvがドメインリンカーを用いて前記FcドメインのN末端に共有結合する第1の単量体と、(b)(i)重鎖可変ドメインと、(ii)第2のFcドメインを含む重鎖定常ドメインとを含む重鎖を含む第2の単量体と、(c)可変軽鎖ドメインと可変軽鎖定常ドメインとを含む軽鎖とを含むヘテロ二量体抗体を提供する。この態様では、scFvの可変軽鎖ドメインは、配列番号24を有するvlCDR1と配列番号25を有するvlCDR2と配列番号26を有するvlCDR3とを含み、前記ScFvの可変重鎖ドメインは、配列番号11を有するvhCDR1と配列番号12を有するvhCDR2と配列番号13を有するvhCDR3とを含み、前記重鎖可変ドメイン及び前記可変軽鎖ドメインはCD38を結合する。

0012

さらなる態様では、本発明は、(a)(i)第1のFcドメインと、(ii)scFv可変軽鎖ドメインとscFvリンカーとscFv可変重鎖ドメインとを含む抗CD3scFvとを含み、前記scFvがドメインリンカーを用いて前記FcドメインのN末端に共有結合する第1の単量体と、(b)(i)重鎖可変ドメインと、(ii)第2のFcドメインを含む重鎖定常ドメインとを含む重鎖を含む第2の単量体と、(c)可変軽鎖ドメインと可変軽鎖定常ドメインとを含む軽鎖とを含むヘテロ二量体抗体を提供する。この態様では、scFvの可変軽鎖ドメインは、配列番号33を有するvlCDR1と配列番号34を有するvlCDR2と配列番号35を有するvlCDR3とを含み、前記ScFvの可変重鎖ドメインは、配列番号29を有するvhCDR1と配列番号30を有するvhCDR2と配列番号31を有するvhCDR3とを含み、前記重鎖可変ドメイン及び前記可変軽鎖ドメインはCD38を結合する。

0013

さらなる態様では、本発明は、(a)(i)第1のFcドメインと、(ii)scFv可変軽鎖ドメインとscFvリンカーとscFv可変重鎖ドメインとを含む抗CD3scFvとを含み、前記scFvがドメインリンカーを用いて前記FcドメインのN末端に共有結合する第1の単量体と、(b)(i)重鎖可変ドメインと、(ii)第2のFcドメインを含む重鎖定常ドメインとを含む重鎖を含む第2の単量体と、(c)可変軽鎖ドメインと可変軽鎖定常ドメインとを含む軽鎖とを含むヘテロ二量体抗体を提供する。この態様では、scFvの可変軽鎖ドメインは、配列番号42を有するvlCDR1と配列番号43を有するvlCDR2と配列番号44を有するvlCDR3とを含み、前記ScFvの可変重鎖ドメインは、配列番号38を有するvhCDR1と配列番号39を有するvhCDR2と配列番号40を有するvhCDR3とを含み、前記重鎖可変ドメイン及び前記可変軽鎖ドメインはCD38を結合する。

0014

追加の態様では、本発明の「栓抜き型」ヘテロ二量体抗体は、CD3、vh及びvlのドメインを結合するscFvを有し、その際、可変軽鎖ドメインは、配列RASQNVDTWVA(配列番号69)を有するvlCDR1と配列SASYRYS(配列番号70)を有するvlCDR2と配列QQYDSYPLT(配列番号71)を有するvlCDR3とを含み、前記可変重鎖ドメインは、配列RSWMN(配列番号65)を有するvhCDR1と配列EIPDSSTINYATSVKG(配列番号66)を有するvhCDR2と配列YGNWFPY(配列番号67)を有するvhCDR3とを含む。

0015

追加の実施形態では、可変軽鎖ドメインは、配列RASQNVDTNVA(配列番号78)を有するvlCDR1と配列SASYRYS(配列番号79)を有するvlCDR2と配列QQYDSYPLT(配列番号80)を有するvlCDR3とを含み、前記可変重鎖ドメインは、配列RSWMN(配列番号74)を有するvhCDR1と配列EINPDSSTINYATSVKG(配列番号75)を有するvhCDR2と配列YGNWFPY(配列番号76)を有するvhCDR3とを含む。

0016

さらなる態様では、本発明は、(a)(i)(1)第1の可変重鎖ドメインと(2)第1のFcドメインを含む第1の定常重鎖ドメインと(3)scFv可変軽鎖ドメインとscFvリンカーとscFv可変重鎖ドメインとを含むscFvを含み、前記scFvがドメインリンカーを用いて前記FcドメインのC末端に共有結合する第1の重鎖を含む第1の単量体と、(b)第2の可変重鎖ドメインと、第2のFcドメインを含む第2の定常重鎖とを含む第2の重鎖を含む第2の単量体と、(c)可変軽鎖ドメインと定常軽鎖ドメインとを含む共通の軽鎖とを含むヘテロ二量体抗体を提供し、その際、前記第1及び前記第2のFcドメインは、S364K/E357Q:L368D/K370S;L368D/K370S:S364K;L368E/K370S:S364K;T411T/E360E/Q362E:D401K;L368D/K370S:S364K/E357L及びK370S:S364K/E357Qから成る群から選択されるアミノ酸置換のセットを有し、前記第1の可変重鎖ドメイン及び前記可変軽鎖ドメインはヒトCD38(配列番号131)を結合し、前記第2の可変重鎖ドメイン及び前記可変軽鎖ドメインはヒトCD38(配列番号131)を結合し、前記scFvはヒトCD3(配列番号129)を結合する。

0017

本発明はさらに、(a)第1のFcドメインと、(i)配列番号15で定められたvlCDR1と配列番号16で定められたvlCDR2と配列番号17で定められたvlCDR3とを含むscFv可変軽鎖ドメインと、(ii)配列番号11で定められたvhCDR1と配列番号12で定められたvhCDR2と配列番号13で定められたvhCDR3とを含むscFv可変重鎖ドメインとを含み、前記scFvがドメインリンカーを用いて前記FcドメインのN末端に共有結合する抗CD3のscFvとを含む第1の単量体と、(b)(i)配列番号65で定められたvhCDR1と配列番号66で定められたvhCDR2と配列番号67で定められたvhCDR3とを含む抗CD38重鎖可変ドメインと(ii)第2のFcドメインを含む重鎖定常ドメインとを含む第2の単量体と、(c)配列番号69で定められたvlCDR1と配列番号70で定められたvlCDR2と配列番号71で定められたvlCDR3とを含む抗CD38可変軽鎖ドメインと可変定常ドメインとを含む軽鎖とを含むヘテロ二量体抗体を提供する。任意で、抗CD3のscFvは、配列番号18で定められたアミノ酸配列に対して少なくとも90%同一である(たとえば、100%同一である)アミノ酸配列を含み;抗CD38可変軽鎖ドメインは、配列番号68で定められたアミノ酸配列に対して少なくとも90%同一である(たとえば、100%同一である)アミノ酸配列を含み;抗CD38重鎖可変ドメインは、配列番号64で定められたアミノ酸配列に対して少なくとも90%同一である(たとえば、100%同一である)アミノ酸配列を含み;第1の単量体は、配列番号335で定められたアミノ酸配列に対して少なくとも90%同一である(たとえば、100%同一である)アミノ酸配列を含み;第2の単量体は、配列番号82で定められたアミノ酸配列に対して少なくとも90%同一である(たとえば、100%同一である)アミノ酸配列を含み;及び/または軽鎖は配列番号84で定められたアミノ酸配列に対して少なくとも90%同一である(たとえば、100%同一である)アミノ酸配列を含む。

0018

提供されるのはまた、(a)第1のFcドメインと、(i)配列番号42で定められたvlCDR1と配列番号43で定められたvlCDR2と配列番号44で定められたvlCDR3とを含むscFv可変軽鎖ドメインと(ii)配列番号38で定められたvhCDR1と配列番号39で定められたvhCDR2と配列番号40で定められたvhCDR3とを含むScFvの可変重鎖ドメインとを含む抗CD3のscFvとを含み、前記scFvがドメインリンカーを用いて前記FcドメインのN末端に共有結合する第1の単量体と、(b)(i)配列番号65で定められたvhCDR1と配列番号66で定められたvhCDR2と配列番号67で定められたvhCDR3とを含む抗CD38重鎖可変ドメインと(ii)第2のFcドメインを含む重鎖定常ドメインとを含む第2の単量体と、(c)配列番号69で定められたvlCDR1と配列番号70で定められたvlCDR2と配列番号71で定められたvlCDR3とを含む抗CD38可変軽鎖ドメインと可変定常ドメインとを含む軽鎖とを含むヘテロ二量体抗体である。任意で、抗CD3のscFvは、配列番号18で定められたアミノ酸配列に対して少なくとも90%同一である(たとえば、100%同一である)アミノ酸配列を含み;抗CD38可変軽鎖ドメインは、配列番号355で定められたアミノ酸配列に対して少なくとも90%同一である(たとえば、100%同一である)アミノ酸配列を含み;抗CD38重鎖定常ドメインは、配列番号73で定められたアミノ酸配列に対して少なくとも90%同一である(たとえば、100%同一である)アミノ酸配列を含み;第1の単量体は、配列番号107で定められたアミノ酸配列に対して少なくとも90%同一である(たとえば、100%同一である)アミノ酸配列を含み;第2の単量体は、配列番号106で定められたアミノ酸配列に対して少なくとも90%同一である(たとえば、100%同一である)アミノ酸配列を含み;及び/または軽鎖は、配列番号108で定められたアミノ酸配列に対して少なくとも90%同一である(たとえば、100%同一である)アミノ酸配列を含む。

0019

本発明はまた、(a)第1のFcドメインと、(i)配列番号15で定められたvlCDR1と配列番号16で定められたvlCDR2と配列番号17で定められたvlCDR3とを含むscFv可変軽鎖ドメインと(ii)配列番号11で定められたvhCDR1と配列番号12で定められたvhCDR2と配列番号13で定められたvhCDR3とを含むScFvの可変重鎖ドメインとを含む抗CD3のscFvとを含み、前記scFvがドメインリンカーを用いて前記FcドメインのN末端に共有結合する第1の単量体と、(b)(i)配列番号73で定められたvhCDR1と配列番号74で定められたvhCDR2と配列番号75で定められたvhCDR3とを含む抗CD38重鎖可変ドメインと(ii)第2のFcドメインを含む重鎖定常ドメインとを含む第2の単量体と、(c)配列番号78で定められたvlCDR1と配列番号79で定められたvlCDR2と配列番号80で定められたvlCDR3とを含む抗CD38可変軽鎖ドメインと可変定常ドメインとを含む軽鎖とを含むヘテロ二量体抗体も提供する。任意で、抗CD3のscFvは、配列番号45で定められたアミノ酸配列に対して少なくとも90%同一である(たとえば、100%同一である)アミノ酸配列を含み;抗CD38の可変軽鎖ドメインは、配列番号68で定められたアミノ酸配列に対して少なくとも90%同一である(たとえば、100%同一である)アミノ酸配列を含み;抗CD38重鎖可変ドメインは、配列番号64で定められたアミノ酸配列に対して少なくとも90%同一である(たとえば、100%同一である)アミノ酸配列を含み;第1の単量体は、配列番号110で定められたアミノ酸配列に対して少なくとも90%同一である(たとえば、100%同一である)アミノ酸配列を含み;第2の単量体は、配列番号109で定められたアミノ酸配列に対して少なくとも90%同一である(たとえば、100%同一である)アミノ酸配列を含み;及び/または軽鎖は、配列番号111で定められたアミノ酸配列に対して少なくとも90%同一である(たとえば、100%同一である)アミノ酸配列を含む。

0020

さらなる態様では、本発明は、(a)(i)(1)第1の可変重鎖ドメインと(2)第1のFcドメインを含む第1の定常重鎖ドメインと(3)第1の可変軽鎖ドメインとを含む第1の重鎖を含み、前記第1の可変軽鎖ドメインがドメインリンカーを用いて前記第1のFcドメインのC末端に共有結合する第1の単量体と、(b)(i)第2の可変重鎖ドメインと(ii)第2のFcドメインを含む第2の定常重鎖ドメインと(iii)第3の可変重鎖ドメインとを含み、前記第2の可変重鎖ドメインがドメインリンカーを用いて前記第2のFcドメインのC末端に共有結合する第2の単量体と、(c)可変軽鎖ドメインと定常軽鎖ドメインとを含む共通の軽鎖とを含むヘテロ二量体抗体を提供し、その際、前記第1及び前記第2のFcドメインは、S364K/E357Q:L368D/K370S;L368D/K370S:S364K;L368E/K370S:S364K;T411T/E360E/Q362E:D401K;L368D/K370S:S364K/E357L及びK370S:S364K/E357Qから成る群から選択されるアミノ酸置換のセットを有し、前記第1の可変重鎖ドメイン及び前記第1の可変軽鎖ドメインはヒトCD38(配列番号131)を結合し、前記第2の可変重鎖ドメイン及び前記可変軽鎖ドメインは前記ヒトCD38(配列番号131)を結合し、前記第2の可変軽鎖ドメイン及び前記第3の可変重鎖ドメインはヒトCD3(配列番号129)を結合する。

0021

さらなる態様では、本発明は、(a)(i)(1)第1の可変重鎖ドメインと(2)第1のCH1ドメイン及び第1のFcドメインを含む第1の定常重鎖と(3)scFv可変軽鎖ドメイン、scFvリンカー及びscFv可変重鎖ドメインを含むscFvとを含む第1の重鎖を含み、前記scFvがドメインリンカーを用いて前記CH1のC末端と前記第1のFcドメインのN末端との間で共有結合する第1の単量体と、(b)第2の可変重鎖ドメインと第2のFcドメインを含む第2の定常重鎖とを含む第2の重鎖を含む第2の単量体と、(c)可変軽鎖ドメインと定常軽鎖ドメインとを含む共通の軽鎖とを含むヘテロ二量体抗体を提供し、その際、前記第1及び前記第2のFcドメインはS364K/E357Q:L368D/K370S;L368D/K370S:S364K;L368E/K370S:S364K;T411T/E360E/Q362E:D401K;L368D/K370S:S364K/E357L及びK370S:S364K/E357Qから成る群から選択されるアミノ酸置換のセットを有し、前記第1の可変重鎖ドメイン及び前記可変軽鎖ドメインはヒトCD38(配列番号131)を結合し、前記第2の可変重鎖ドメイン及び前記可変軽鎖ドメインは前記ヒトCD38(配列番号131)を結合し、前記scFvはヒトCD3(配列番号129)を結合する。

0022

さらなる態様では、本発明は、(a)(i)(1)第1の可変重鎖ドメインと(2)第1のFcドメインを含む第1の定常重鎖ドメインと(3)第1の可変軽鎖ドメインとを含む第1の重鎖を含み、前記第2の可変軽鎖ドメインがドメインリンカーを用いて前記第1の定常重鎖ドメインのCH1ドメインのC末端と前記第1のFcドメインのN末端との間で共有結合する第1の単量体と、(b)(i)第2の可変重鎖ドメインと(ii)第2のFcドメインを含む第2の定常重鎖ドメインと(iii)第3の可変重鎖ドメインとを含み、前記第2の可変重鎖ドメインがドメインリンカーを用いて前記第2のFcドメインのC末端に共有結合する第2の単量体と、(c)可変軽鎖ドメインと定常軽鎖ドメインとを含む共通の軽鎖とを含むヘテロ二量体抗体を提供し、その際、前記第1及び前記第2のFcドメインはS364K/E357Q:L368D/K370S;L368D/K370S:S364K;L368E/K370S:S364K;T411T/E360E/Q362E:D401K;L368D/K370S:S364K/E357L及びK370S:S364K/E357Qから成る群から選択されるアミノ酸置換のセットを有し、前記第1の可変重鎖ドメイン及び前記可変軽鎖ドメインはヒトCD38(配列番号131)を結合し、前記第2の可変重鎖ドメイン及び前記可変軽鎖ドメインは前記ヒトCD38(配列番号131)を結合し、前記第2の可変軽鎖ドメイン及び前記第3の可変重鎖ドメインはヒトCD3(配列番号129)を結合する。

0023

追加の態様では、本発明は、(a)(i)(1)第1の可変重鎖ドメインと(2)第1のCH1ドメイン及び第1のFcドメインを含む第1の定常重鎖と(3)scFv可変軽鎖ドメイン、scFvリンカー及びscFv可変重鎖ドメインを含むscFvとを含む第1の重鎖を含み、前記scFvがドメインリンカーを用いて前記CH1ドメインのC末端と前記第1のFcドメインのN末端との間で共有結合する第1の単量体と、(b)第2のFcドメインを含む第2の単量体と、(c)可変軽鎖ドメインと定常軽鎖ドメインとを含む軽鎖とを含むヘテロ二量体抗体を提供し、その際、前記第1及び前記第2のFcドメインはS364K/E357Q:L368D/K370S;L368D/K370S:S364K;L368E/K370S:S364K;T411T/E360E/Q362E:D401K;L368D/K370S:S364K/E357L及びK370S:S364K/E357Qから成る群から選択されるアミノ酸置換のセットを有し、前記第1の可変重鎖ドメイン及び前記可変軽鎖ドメインはヒトCD38(配列番号131)を結合し、前記scFvはヒトCD3(配列番号129)を結合する。

0024

追加の態様では、一部の実施形態では、ヘテロ二量体抗体は、S364K/E357Q:L368D/K370S;L368D/K370S:S364K;L368E/K370S:S364K;T411T/E360E/Q362E:D401K;L368D/K370S:S364K/E357L及びK370S:S364K/E357Qから成る群から選択される変異体のセットを含む第1のFcドメイン及び第2のFcドメインを含む。

0025

さらなる態様では、scFvは荷電リンカーであるscFvリンカーを含む。

0026

追加の態様では、本明細書で要点が述べられるヘテロ二量体抗体の重鎖定常ドメインはアミノ酸置換N208D/Q295E/N384D/Q418E/N421Dを含む。

0027

さらなる態様では、本発明のヘテロ二量体抗体は、アミノ酸置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含む第1及び第2のFcドメインを有する。

0028

追加の態様では、本発明は、(a)前記第1の単量体をコードする第1の核酸と(b)前記第2の単量体をコードする第2の核酸と(c)前記軽鎖をコードする第3の核酸とを含む本発明のヘテロ二量体抗体をコードする核酸組成物を提供する。

0029

さらなる態様では、本発明は、(a)前記第1の単量体をコードする核酸を含む第1の発現ベクターと、(b)前記第2の単量体をコードする核酸を含む第2の発現ベクターと、(c)前記軽鎖をコードする核酸を含む第3の発現ベクターとを含む発現ベクター組成物を提供する。本発明はさらに、核酸組成物または発現ベクター組成物のいずれかを含む宿主細胞を提供する。

0030

本発明はさらに、ヘテロ二量体抗体が発現される条件下で宿主細胞を培養することと、前記抗体を回収することとを含む、前記抗体を作製する方法を提供する。

0031

本発明はさらに、それを必要とする患者に本発明のヘテロ二量体抗体を投与することを含む、癌を治療する方法を提供する。

図面の簡単な説明

0032

図1A及び図1Bは、本発明の幾つかの形式を示す図である。「栓抜き型」形式の2つの形態が示され、一方はscFvを含む抗CD3抗原結合ドメインとFabを含む抗CD38抗原結合ドメインを伴い、もう一方はこれらを逆向きにしている。mAb−Fv、mAb−scFv、中央scFv及び中央Fvの形式をすべて示す。加えて、1つの単量体が単にFcを含む「1アーム」の形式、1アームの中央scFv及び1アームの中央Fvの双方を示す。二重scFvの形式も示す。
同上。
可変重鎖及び軽鎖のドメイン(下線のCDR)を含む「高CD3」の抗CD3_H1.30_L1.47構築物、と同様に個々のvlCDR及びvhCDR、と同様に荷電リンカー(二重下線)を伴ったscFv構築物の配列を示す。図面で示される配列すべてに当てはまることであるが、この荷電リンカーは、必要に応じて非荷電リンカーまたは異なる荷電リンカーに置き換えられてもよい。
可変重鎖及び軽鎖のドメイン(下線のCDR)を含む「高〜中間#1」の抗CD3_H1.32_L1.47構築物、と同様に個々のvlCDR及びvhCDR、と同様に荷電リンカー(二重下線)を伴ったscFv構築物の配列を示す。図面で示される配列すべてに当てはまることであるが、この荷電リンカーは、必要に応じて非荷電リンカーまたは異なる荷電リンカーに置き換えられてもよい。
可変重鎖及び軽鎖のドメイン(下線のCDR)を含む「高〜中間#2」の抗CD3_H1.89_L1.47構築物、と同様に個々のvlCDR及びvhCDR、と同様に荷電リンカー(二重下線)を伴ったscFv構築物の配列を示す。図面で示される配列すべてに当てはまることであるが、この荷電リンカーは、必要に応じて非荷電リンカーまたは異なる荷電リンカーに置き換えられてもよい。
可変重鎖及び軽鎖のドメイン(下線のCDR)を含む「高〜中間#3」の抗CD3_H1.90_L1.47構築物、と同様に個々のvlCDR及びvhCDR、と同様に荷電リンカー(二重下線)を伴ったscFv構築物の配列を示す。図面で示される配列すべてに当てはまることであるが、この荷電リンカーは、必要に応じて非荷電リンカーまたは異なる荷電リンカーに置き換えられてもよい。
可変重鎖及び軽鎖のドメイン(下線のCDR)を含む「中間」の抗CD3_H1.90_L1.47構築物、と同様に個々のvlCDR及びvhCDR、と同様に荷電リンカー(二重下線)を伴ったscFv構築物の配列を示す。図面で示される配列すべてに当てはまることであるが、この荷電リンカーは、必要に応じて非荷電リンカーまたは異なる荷電リンカーに置き換えられてもよい。
可変重鎖及び軽鎖のドメイン(下線のCDR)を含む「低」抗CD3_H1.31_L1.47構築物、と同様に個々のvlCDR及びvhCDR、と同様に荷電リンカー(二重下線)を伴ったscFv構築物の配列を示す。図面で示される配列すべてに当てはまることであるが、この荷電リンカーは、必要に応じて非荷電リンカーまたは異なる荷電リンカーに置き換えられてもよい。
可変重鎖及び軽鎖のドメイン(下線のCDR)を含む高CD38:OKT10_H1.77_L1.24構築物、と同様に個々のvlCDR及びvhCDR、と同様に荷電リンカー(二重下線)を伴ったscFv構築物の配列を示す。
可変重鎖及び軽鎖のドメイン(下線のCDR)を含む中間CD38:OKT10_H1L1.24構築物、と同様に個々のvlCDR及びvhCDR、と同様に荷電リンカー(二重下線)を伴ったscFv構築物の配列を示す。
可変重鎖及び軽鎖のドメイン(下線のCDR)を含む低CD38:OKT10_H1L1構築物、と同様に個々のvlCDR及びvhCDR、と同様に荷電リンカー(二重下線)を伴ったscFv構築物の配列を示す。
XENP15331の配列を示す。
XENP13243の配列を示す。
XENP14702の配列を示す。
XENP15426の配列を示す。
XENP14701の配列を示す。
XENP14703の配列を示す。
XENP13243の配列を示す。
XENP18967の配列を示す。
XENP18971の配列を示す。
XENP18969の配列を示す。
XENP18970の配列を示す。
XENP18972の配列を示す。
XENP18973の配列を示す。
XENP15055の配列を示す。
XENP13544の配列を示す。
XENP13694の配列を示す。
ヒトCD3εの配列を示す。
ヒトCD38タンパク質の完全長(配列番号130)及び細胞外ドメイン(ECD;配列番号131)を示す。
(A〜E)ヘテロ二量体化変異体のセット(非対称変異体及びpI変異体を含む)の有用なペアを示す。
同上。
同上。
同上。
同上。
同配体変異体抗体の定常領域及びそのそれぞれの置換リストである。pI_(−)はpIの低い変異体を示し、pI_(+)はpIが高い変異体を示す。これらは任意で且つ独立して本発明のヘテロ二量体化変異体(及び同様に本明細書で要点が述べられている他の変異体の型)と組み合わせることができる。
FcγR結合を消失させる有用な消失変異体(「ノックアウト」または「KO」変異体と呼ぶこともある)を示す。
本発明の2つの特に有用な実施形態を示す。
図33A及び図33Bは、成分として1以上のscFvを利用するヘテロ二量体抗体のpIを高くするまたは低くするのに使用される多数の荷電scFvリンカーを示す。単一の電荷を持つ単一の従来技術のscFvリンカーは、Whitlow,et al.,Protein Engineering,6(8):989−995(1993)からの「Whitlow」として参照される。このリンカーはscFvにて凝集を減らし、タンパク分解安定性を高めるために使用されたことが言及されるべきである。
同上。
ヘテロ二量体の収量(HPLCCIEXによって測定される)及び熱安定性DSCによって測定される)と共に操作されたヘテロ二量体−非対称Fc変異体を示すリストである。測定されなかった熱安定性は「n.d.」によって示す。
プロテインA親和性精製ののちの二重特異性の発現収量を示す図である。
カチオン交換精製のクロマト図である。
24時間のインキュベート、10kのRPMI8226細胞、400kのT細胞での再指向T細胞細胞傷害性を示す図である。被験物質は抗CD38×抗CD3の二重特異性である。検出はLDHによった。
24時間のインキュベート、10kのRPMI8226細胞、500kのヒトPBMCでの再指向T細胞の細胞傷害性を示す図である。被験物質は抗CD38×抗CD3の二重特異性である。検出はLDHによった。
XENP14419の配列を示す。
XENP14420の配列を示す。
XENP14421の配列を示す。
XENP14422の配列を示す。
XENP14423の配列を示す。
96時間のインキュベート、40kのRPMI8226細胞、400kのヒトPBMCでの再指向T細胞の細胞傷害性を示す図である。被験物質は抗CD38×抗CD3Fab−scFv−Fcである。検出、特にCD38+細胞の消失はフローサイトメトリーによった。
図1で記載された再指向T細胞の細胞傷害性アッセイのさらなる解析を示す図である。最初の列はフローサイトメトリーによって検出されたCD4+及びCD8+T細胞における活性化マーカーCD69の平均蛍光強度MFI)を示す。2番目の列は、細胞増殖の測定であるKi−67+であるCD4+及びCD8+T細胞の比率を示す。3番目の列はフローサイトメトリーによって検出されたCD4+及びCD8+T細胞におけるグランザイム阻害剤PI−9の細胞内平均蛍光強度(MFI)を示す。
抗CD38×抗CD3Fab−scFv−Fc二重特異性剤の抗腫瘍活性を調べるマウス試験の設計を示す図である。
時間と処理の関数としてIVIS(登録商標)によって測定された腫瘍サイズを示す図である。
IVIS(登録商標)の生物発光画像(10日目)を示す図である。
示した被験物質の単回投与に続くカニクイザルにおけるCD38+細胞の枯渇を示す図である。
図49にあるようなカニクイザル、色分けにおけるCD69の平均蛍光強度(MFI)によって測定されたT細胞の活性化を示す図である。
示した被験物質の単回投与に続くIL−6の血清レベルを示す図である。
XENP15427の配列を示す。
XENP15428の配列を示す。
XENP15429の配列を示す。
XENP15430の配列を示す。
XENP15431の配列を示す。
XENP15432の配列を示す。
XENP15433の配列を示す。
XENP15434の配列を示す。
XENP15435の配列を示す。
XENP15436の配列を示す。
XENP15437の配列を示す。
XENP15438の配列を示す。
Biacoreアッセイにおける結合親和性を示す。
多様な軽鎖、Fab−Fc及びscFv−Fcの比を用いた安定なプール生成の間でのヘテロ二量体の純度を示す。
huPBMCのマウスモデルにおける抗CD38×抗CD3二重特異性剤によるヒトIgM及びIgG2の枯渇を示す図である。
図67A図67Bは、安定性を最適化したヒト化抗CD3変異体scFvを示す。H1_L1.4scFvの配列に対して置換が付与される。アミノ酸の番号付けはKabatの番号付けである。
同上。
図68A図68Zは、安定性を最適化したヒト化抗CD3変異体scFvのアミノ酸配列を示す。CDRに下線を引く。各重鎖/軽鎖の組み合わせについては4つの配列:(i)C末端での6×Hisタグを伴うscFv、(ii)scFvのみ、(iii)VHのみ、(iv)VLのみをリストにする。
同上。
同上。
同上。
同上。
同上。
同上。
同上。
同上。
同上。
同上。
同上。
同上。
同上。
同上。
同上。
同上。
同上。
同上。
同上。
同上。
同上。
同上。
同上。
同上。
同上。
24時間インキュベート、10kのRPMI8226細胞、500kのPBMCでの再指向T細胞の細胞傷害性を示す図である。被験物質は抗CD38(OKT10_H1L1,OKT10_H1.77_L1.24)×抗CD3Fab−scFv−Fcsである。検出はLDHによった。
huPBL−SCIDのIg枯渇試験を示す図である。被験物質は、0.03、0.3または3mg/kgでPMBC生着8日後に投与した。投与の経路腹腔内だった。PBMCの生着14日後に血液試料採取し、血清に処理し、ヒトIgM及びIgG2についてアッセイした。
XENP18967抗CD38の配列を示す。
XENP18971の配列を示す。
XENP18969の配列を示す。
XENP18970の配列を示す。
XENP18972の配列を示す。
XENP18973の配列を示す。
本発明の実施形態について考えられる組み合わせのマトリクスを示す。「A」は参照CD3配列のCDRを左側のCD38構築物のCDRと組み合わせることができることを意味する。すなわち、たとえば、左の一番上のセルについては、可変重鎖CD3H1.30配列のvhCDR及びCD3L1.47配列の可変軽鎖のvlCDRをCD38OKT10H1.77配列のvhCDR及びOKT10L1.24配列のvlCDRと組み合わせることができる。「B」はCD3構築物に由来するCDRをCD38構築物に由来する可変重鎖及び軽鎖のドメインと組み合わせることができることを意味する。すなわち、たとえば、左の一番上のセルについては、可変重鎖CD3H1.30配列のvhCDR及びCD3L1.47配列の可変軽鎖のvlCDRを可変重鎖ドメインCD38OKT10H1.77配列及びOKT10L1.24配列と組み合わせることができる。「C」は反転されるので、CD3配列に由来する可変重鎖ドメイン及び可変軽鎖ドメインがCD38配列のCDRと共に使用される。「D」はそれぞれに由来する可変重鎖及び可変軽鎖が組み合わせられる場合である。「E」はCD3のscFvがCD38抗原結合ドメイン構築物のCDRと共に使用される場合であり、「F」はCD3のscFvがCD38抗原結合ドメインの可変重鎖ドメイン及び可変軽鎖ドメインと共に使用される場合である。
ヒト細胞株MOLM13に対するT細胞依存性細胞の細胞傷害性(TDCC)アッセイから作った細胞傷害性曲線を示す図である。各曲線に相当する抗体が括弧内に提供されている。
カニクイザル末梢血単核細胞(PBMC)によるTDCCアッセイから作った細胞傷害性曲線を示す図である。各曲線に相当する抗体が括弧内に提供されている。
ヒト細胞株(KMS12BM、MOLM13、OPM2、U937、SKM1)におけるCD38の発現を示す図である。
CD3−×CD38−結合二重特異性抗体の投与前及び投与後でのカニクイザルにおけるB細胞の計数を示す図である。抗体及び投与量は、CD3及びCD38に対する各抗体の相対的親和性と共に各グラフの上に提供されている(実施例6を参照のこと)。矢印は投与日を示す。
XmAb18968(412220)の配列を示す図である。
図83A〜図83Dは、Fv配列(たとえば、scFv及びFab側のvhやvl)を伴わない幾つかの栓抜き型の主鎖の配列を示す。当業者によって十分に理解され、以下で要点が述べられるように、これらの配列は本明細書で要点が述べられているvhとvlのペアと共に使用することができ、一方の単量体はscFv(任意で荷電scFvリンカーを含む)を含み、他方の単量体はFab配列(たとえば、「Fab側の重鎖」に連結されたvh及び「定常軽鎖」に連結されたvl)を含む。scFVは抗CD3または抗CD38であることができ、Fabが他方である。すなわち、CD3及びCD38について本明細書で要点が述べられているどんなFv配列も任意の組み合わせで図83の主鎖に組み込むことができる。
(記載なし)
(記載なし)
(記載なし)
(記載なし)

0033

I.定義
本出願がさらに完全に理解され得るために、幾つかの定義を以下で定める。そのような定義は文法上の同等物包含するものとする。

0034

「消失」によって活性の低下または除去を意味する。従ってたとえば、「FcγRの結合を消失させること」は、Fc領域のアミノ酸変異体が特定の変異体を含有しないFc領域に比べて50%未満の出発結合を有することを意味し、活性の70〜80〜90〜95〜98%未満の喪失が好ましく、一般に活性はBiacoreアッセイにおける検出可能な結合のレベルを下回る。FcγR結合の消失にて特に使用されるのは図16で示されるものである。

0035

本明細書で使用されるような「ADCC」または抗体依存性細胞介在性の細胞傷害性によって、FcγRを発現している非特異的な細胞傷害性細胞が標的細胞上で結合した抗体を認識し、その後標的細胞の溶解を引き起こす細胞が介在する反応を意味する。ADCCはFcγRIIIaへの結合と相関し、FcγRIIIaへの結合の上昇はADCC活性の上昇をもたらす。

0036

本明細書で使用されるような「ADCP」または抗体依存性細胞介在性の貪食作用によって、FcγRを発現している非特異的な細胞傷害性細胞が標的細胞上で結合した抗体を認識し、その後標的細胞の貪食を引き起こす細胞が介在する反応を意味する。

0037

本明細書での「修飾」によって、ポリペプチド配列におけるアミノ酸の置換、挿入、及び/または欠失、またはタンパク質に化学的に連結される部分に対する変化を意味する。たとえば、修飾はタンパク質に連結された炭水化物またはPEG構造の変化であってもよい。本明細書での「アミノ酸の修飾」によってポリペプチド配列におけるアミノ酸の置換、挿入、及び/または欠失を意味する。明瞭性のために、言及されない限り、アミノ酸の修飾は常に、DNAによってコードされるアミノ酸、たとえば、DNA及びRNAにてコドンを有する20のアミノ酸に対するものである。

0038

本明細書での「アミノ酸置換」または「置換」によって、親ポリペプチド配列における特定の位置でのアミノ酸の異なるアミノ酸による置き換えを意味する。特に一部の実施形態では、置換は、特定の位置で天然に存在しない、生物内にまたは任意の生物で天然に存在しないアミノ酸へのものである。たとえば、置換E272Yは、変異体ポリペプチドを指し、この場合、272位でグルタミン酸チロシンで置き換えられるFc変異体を指す。明瞭性のために、核酸がコードする配列を変えるが、出発アミノ酸を変えない(たとえば、CGG(アルギニンをコードする)をCGA(依然としてアルギニンをコードする)に交換して宿主生物での発現レベルを高める)ように操作されているタンパク質は「アミノ酸置換」ではなく;すなわち、同じタンパク質をコードする新しい遺伝子を作り出したにもかかわらず、タンパク質がそれから出発した特定の位置での同じアミノ酸を有するのであれば、それはアミノ酸置換ではない。

0039

本明細書で使用されるとき「アミノ酸の挿入」または「挿入」によって、親ポリペプチド配列における特定の位置でのアミノ酸配列の付加を意味する。たとえば、−233Eまたは233Eは233位の後で且つ234位の前にてグルタミン酸の挿入を指定する。さらに、−233ADEまたはA233ADEは233位の後で且つ234位の前にてAlaAspGluの挿入を指定する。

0040

本明細書で使用されるとき「アミノ酸の欠失」または「欠失」によって、親ポリペプチド配列における特定の位置でのアミノ酸配列の除去を意味する。たとえば、E233−またはE233#またはE233()は233位でのグルタミン酸の欠失を指定する。さらに。EDA233−またはEDA233#は233位で始まる配列GluAspAlaの欠失を指定する。

0041

本明細書で使用されるとき「変異体タンパク質」または「タンパク質変異体」または「変異体」によって、少なくとも1つのアミノ酸修飾によって親タンパク質とは異なるタンパク質を意味する。タンパク質変異体は、タンパク質自体、タンパク質を含む組成物、またはそれをコードするアミノ配列を指してもよい。好ましくは、タンパク質変異体は、親タンパク質と比べて少なくとも1つのアミノ酸修飾を有し、たとえば、約1〜約70のアミノ酸修飾を有し、好ましくは親に比べて約1〜約5のアミノ酸修飾を有する。以下に記載されているように、一部の実施形態では、親ポリペプチド、たとえば、Fc親ポリペプチドは、変異体を伴うヒト配列が「親ポリペプチド」、たとえば、図19のIgG1/2ハイブリッドとしても役立つことができるが、IgG1、IgG2、IgG3またはIgG4に由来するFc領域のようなヒト野生型配列である。本明細書でのタンパク質変異体の配列は好ましくは、親タンパク質の配列との少なくとも約80%の同一性を持ち、最も好ましくは少なくとも約90%の同一性、さらに好ましくは少なくとも約95〜98〜99%の同一性を持つ。変異体タンパク質は、変異体タンパク質自体、タンパク質変異体を含む組成物、またはそれをコードするDNA配列を指すことができる。従って、本明細書で使用されるとき「抗体変異体」または「変異体抗体」によって、少なくとも1つのアミノ酸修飾によって親抗体とは異なる抗体を意味し、「IgG変異体」または「変異体IgG」は本明細書で使用されるとき、少なくとも1つのアミノ酸修飾によって親IgG(再び、多くの場合、ヒトIgG配列に由来する)とは異なる抗体を意味し、「免疫グロブリン変異体」または「変異体免疫グロブリン」は本明細書で使用されるとき、少なくとも1つのアミノ酸修飾によって親免疫グロブリン配列とは異なる免疫グロブリン配列を意味する。「Fc変異体」または「変異体Fc」は本明細書で使用されるとき、Fcドメインにてアミノ酸修飾を含むタンパク質を意味する。本発明のFc変異体はそれらを構成するアミノ酸修飾に従って定義される。従って、たとえば、N434Sまたは434Sは親Fcポリペプチドに対して434位で置換セリンを伴うFc変異体であり、番号付けはEU指標に従う。同様に、M428L/N434Sは親Fcポリペプチドに対して置換M428L及びN434Sを伴うFc変異体を定義する。WTのアミノ酸の同一性は特定されなくてもよく、その場合、前述の変異体は428L/434Sと呼ばれる。置換が提供される順序は任意であり、すなわち、たとえば、428L/434SはM428L/N434Sと同じFc変異体であること等が言及される。抗体に関連する本発明で議論されるすべての位置について、言及されない限り、アミノ酸の位置の番号付けはEU指標に従う。EU指標またはKabatもしくはEUの番号付け方式としてのEU指標はEU抗体(参照によって全体的に本明細書に組み入れられるEdelman,et al.,1969,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,63:78−85,)の番号付けを指す。修飾は付加、欠失または置換であることができる。置換は天然に存在するアミノ酸、及び場合によっては合成のアミノ酸を含むことができる。例には、すべて全体的に参照によって組み入れられる米国特許第6,586,207号;WO98/48032;WO03/073238;US2004−0214988A1;WO05/35727A2;WO05/74524A2;J.W.Chin,et al.,(2002),Journal of the American Chemical Society,124:9026−9027;J.W.Chin,& P.G.Schultz,(2002),ChemBioChem,11:1135−1137;J.W.Chin,et al.,(2002),PICAS United States of America,99:11020−11024;及び,L.Wang,& P.G.Schultz,(2002),Chem.1−10が挙げられる。

0042

本明細書で使用されるとき、「タンパク質」は、少なくとも2つの共有結合したアミノ酸を意味し、それはタンパク質、ポリペプチドオリゴペプチド及びペプチドを含む。ペプチジル基は、天然に存在するアミノ酸と及びペプチド結合、または合成のペプチド模倣体構造、すなわち、ペプトイドのような類似体(参照によって全体的に組み入れられるSimon,et al.,PNAS USA,89(20):9367(1992))を含んでもよい。アミノ酸は、当業者によって十分に理解されるように、天然に存在してもよく、または合成(たとえば、DNAによってコードされるアミノ酸ではない)であってもよい。たとえば、ホモフェニルアラニンシトルリンオルニチン及びノルロイシンは本発明の目的で合成アミノ酸と見なされ、D−及びL−(RまたはS)構成のアミノ酸双方が利用されてもよい。本発明の変異体は、たとえば、すべて参照によって全体的に組み入れられるCropp & Shultz,2004,TrendsGenet.20(12):625−30,Anderson,et al.,2004,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,101,(2):7566−71,Zhang,et al.,2003,303(5656):371−3,及びChin,et al.,2003,Science,301(5635):964−7によって記載された方法を含むが、これらに限定されないSchultz及び共同研究者によって開発された技法を用いて組み込まれる合成アミノ酸の使用を含む修飾を含んでもよい。加えて、ポリペプチドは、1以上の側鎖または末端合成誘導体化、グリコシル化ペグ化、環状再配列環化、他の分子に対するリンカー、タンパク質またはタンパク質ドメインに対する融合、及びペプチドタグまたは標識の付加を含んでもよい。

0043

本明細書で使用されるとき、「残基」によって、タンパク質及びその関連するアミノ酸の固有性における位置を意味する。たとえば、アスパラギン297(Asn297またはN297とも呼ばれる)はヒト抗体IgG1における297位での残基である。

0044

本明細書で使用されるとき、「Fab」または「Fab領域」によって、VH、CH1、VL及びCLの免疫グロブリンドメインを含むポリペプチドを意味する。Fabは単離におけるこの領域、または完全長抗体の文脈でのこの領域、抗体断片またはFab融合タンパク質を指してもよい。本明細書で使用されるとき、「Fv」または「Fv断片」または「Fv領域」によって、単一抗体のVL及びVHのドメインを含むポリペプチドを意味する。当業者によって十分に理解されるように、これらは一般に2つの鎖で構成される。

0045

本明細書で使用されるとき、「IgGサブクラスの修飾」または「アイソタイプの修飾」によって、1つのIgGアイソタイプのアミノ酸1つを異なる位置合わせしたIgGアイソタイプにおける対応するアミノ酸に変換するアミノ酸修飾を意味する。たとえば、EUの296位にてIgG1はチロシンを含み、IgG2はフェニルアラニンを含むので、IgG2におけるF296Yの置換はIgGサブクラスの修飾と見なされる。

0046

本明細書で使用されるとき「天然に存在しない修飾」によって、アイソタイプではないアミノ酸修飾を意味する。たとえば、IgGはどれも434位でセリンを含まないので、IgG1、IgG2、IgG3またはIgG4(またはそれらのハイブリッド)における置換434Sは天然に存在しない修飾と見なされる。

0047

本明細書で使用されるとき、「アミノ酸」または「アミノ酸の固有性」によってDNA及びRNAによってコードされる20の天然に存在するアミノ酸の1つを意味する。

0048

本明細書で使用されるとき「エフェクター機能」によって、抗体のFc領域のFc受容体またはリガンドとの相互作用の結果生じる生化学的な事象を意味する。エフェクター機能には、ADCC、ADCP及びCDCが挙げられるが、これらに限定されない。

0049

本明細書で使用されるとき「IgGFcリガンド」によって、IgG抗体のFc領域に結合してFc/Fcリガンド複合体を形成する生物に由来する分子、好ましくはポリペプチドを意味する。FCリガンドには、FcγRIs、FcγRIIs、FcγRIIIs、FcRn、C1q、C3、マンナン結合レクチンマンノース受容体、ブドウ球菌プロテインA、連鎖球菌プロテインG、及びウイルスFcγRが挙げられるが、これらに限定されない。Fcリガンドにはまた、FcγRに対して相同であるFc受容体のファミリーであるFc受容体ホモログ(FcRH)も挙げられる(参照によって全体的に組み入れられるDavis,et al.、2002、Immunological Reviews,190:123−136).FcリガンドにはFcを結合する未発見の分子が含まれてもよい。特定のIgGのFcリガンドはFcRn及びFcガンマ受容体である。「Fcリガンド」によって本明細書で使用されるとき抗体のFc領域に結合してFc/Fcリガンド複合体を形成する任意の生物に由来する分子、好ましくはポリペプチドを意味する。

0050

本明細書で使用されるとき「Fcガンマ受容体」、「FcγR」または「FcガンマR」によってIgG抗体のFc領域を結合し、FcγR遺伝子によってコードされるタンパク質のファミリーのメンバーを意味する。ヒトではこのファミリーには、アイソフォームFcγRIa、FcγRIb、及びFcγRIcを含むFcγRI(CD64);アイソフォームFcγRIIa(アロタイプH131及びR131を含む)を含むFcγRII(CD32)、FcγRIIb(FcγRIIb−1及びFcγRIIb−2を含む)、及びFcγRIIc;及びアイソフォームFcγRIIIa(アロタイプV158及びF158を含む)及びFcγRIIIb(アロタイプFcγRIIb−NA1及びFcγRIIb−NA2を含む)を含むFcγRIII(CD16)(参照によって全体的に組み入れられるJefferis,et al.、2002、Immunol Lett82:57−65)、と同様に未発見のヒトFcγRsまたはFcγRのアイソフォームまたはアロタイプが挙げられるが、これらに限定されない。FcγRは、ヒト、マウス、ラットウサギ及びサルを含むが、これらに限定されない任意の生物に由来してもよい。マウスのFcγRには、FcγRI(CD64)、FcγRII(CD32)、FcγRIII(CD16)、及びFcγRIII−2(CD16−2)、と同様に未発見のマウスFcγRまたはFcγRのアイソフォームまたはアロタイプが挙げられるが、これらに限定されない。

0051

本明細書で使用されるとき「FcRn」または「新生児Fc受容体」によって、IgG抗体のFc領域を結合し、FcRn遺伝子によって少なくともある程度コードされているタンパク質を意味する。FcRnはヒト、マウス、ラット、ウサギ及びサルを含むが、これらに限定されない任意の生物に由来してもよい。当該技術で知られるように、機能的なFcRnタンパク質は、重鎖及び軽鎖と呼ばれることが多い2つのポリペプチドを含む。軽鎖はベータ−2−ミクログロブリンであり、重鎖はFcRn遺伝子によってコードされる。本明細書で言及されない限り、FcRnまたはFcRnタンパク質は、FcRn重鎖のベータ−2−ミクログロブリンとの複合体を指す。FcRn受容体への結合を増やすのに、場合によっては血清での半減期を増やすのに使用される種々のFcRn変異体は図83の説明文に示されている。

0052

本明細書で使用されるとき「親ポリペプチド」によってその後修飾されて変異体を生成する出発ポリペプチドを意味する。親ポリペプチドは天然に存在するポリペプチド、または天然に存在するポリペプチドの変異体もしくは操作された型であってもよい。親ポリペプチドは、ポリペプチド自体、親ポリペプチドを含む組成物、またはそれをコードするアミノ酸配列を指してもよい。従って、本明細書で使用されるとき「親免疫グロブリン」によって、修飾されて変異体を生成する未修飾の免疫グロブリンポリペプチドを意味し、本明細書で使用されるとき「親抗体」によって、修飾されて変異体抗体を生成する未修飾の抗体を意味する。「親抗体」には、以下で要点が述べられているような既知の市販の抗体、組換えで製造された抗体が含まれることが言及されるべきである。

0053

本明細書で使用されるとき「Fc」または「Fc領域」または「Fcドメイン」のよって、第1の定常領域免疫グロブリンと場合によってはヒンジの部分を除く抗体の定常領域を含むポリペプチドを意味する。従って、Fcは、IgAIgD及びIgGの最後の2つの定常領域免疫グロブリンドメイン、IgEおよびIgMの最後の3つの定常領域免疫グロブリンドメイン、及びこれらのドメインに対してN末端側の柔軟なヒンジを指す。IgA及びIgMについては、FcはJ鎖を含んでもよい。IgGについては、Fcドメインは免疫グロブリンドメインCγ2及びCγ3(Cγ2及びCγ3)及びCγ1(Cγ1)とCγ2(Cγ2)の間での低部ヒンジ領域を含む。Fc領域の境界は変化してもよいが、ヒトIgG重鎖Fc領域は普通、残基C226またはP230からそのカルボキシル末端までを含むように定義され、番号付けはKabatにあるようにEU指標に従う。一部の実施形態では、以下でさらに完全に記載されているように、Fc領域に対してアミノ酸修飾が行われ、1以上のFcγR受容体またはFcRn受容体への結合を変化させる。

0054

本明細書での「重鎖定常領域」によって抗体のCH1−ヒンジ−CH2−CH3部分を意味する。

0055

本明細書での「Fc融合タンパク質」または「免疫付着因子」によって、本明細書に記載されているような、標的タンパク質への結合部分のような異なるタンパク質に一般に連結されている(任意で本明細書に記載されているようなリンカー部分を介して)Fc領域を含むタンパク質を意味する。場合によっては、ヘテロ二量体抗体の一方の単量体は抗体重鎖(scFvを含む、またはさらに軽鎖を含む)を含み、他方の単量体は変異体Fcドメインとリガンドとを含むFc融合物である。一部の実施形態では、これらの「半分抗体−半分融合タンパク質」は「融合体」と呼ばれる。

0056

本明細書で使用されるとき「位置」によってタンパク質の配列における場所を意味する。位置は順に、または確立された形式、たとえば、抗体の番号付けについてのEU指標に従って番号付けされてもよい。

0057

本明細書で使用されるとき「標的抗原」によって所与の抗体の可変領域によって特異的に結合される分子を意味する。標的抗原はタンパク質、炭水化物、脂質、または他の化合物であってもよい。多数の好適な標的抗原が以下に記載されている。

0058

本明細書での本発明のヘテロ二量体抗体の単量体の文脈における「特定の種類の鎖」は、「マッチする」DNAの2つの鎖と同様に、ヘテロ二量体を形成するように「マッチする」能力を保つようにヘテロ二量体化変異体が各単量体に組み込まれることを意味する。たとえば、幾つかのpI変異体を単量体Aで操作し(たとえば、pIを高くする)、そのとき、同様に利用できる「荷電ペア」である立体変異体がpI変異体に干渉しないのであれば、たとえば、pIを高くする荷電変異体を同じ「鎖」または「単量体」に置いて双方の官能性を保つ。同様に、以下でさらに完全に要点が述べられているようなセットのペアに加わる「非対称」変異体については、技量のある熟練者はペアの1セットを組み込む鎖または単量体が決定に関わることにおいてpIを考慮するので、同様に非対称のpIを用いてpI分離が最大化される。

0059

本明細書で使用されるとき、「標的細胞」によって標的抗原を発現している細胞を意味する。

0060

本明細書で使用されるとき「可変領域」によって、それぞれ、カッパラムダ、及び重鎖の免疫グロブリン遺伝子座を作り出すV.カッパ、V.ラムダ及び/またはVHの遺伝子のいずれかによって実質的にコードされる1以上のIgドメインを含む免疫グロブリンの領域を意味する。

0061

本明細書での「野生型またはWT」は対立遺伝子の変異を含む自然界で見いだされるアミノ酸配列またはヌクレオチド配列を意味する。WTのタンパク質は、意図的には修飾されていないアミノ酸配列またはヌクレオチド配列を有する。

0062

本発明の抗体は一般に単離される、または組換えである。本明細書で開示されている種々のポリペプチドを記載するのに使用される場合の「単離される」は、それが発現された細胞または細胞培養物から特定され、分離され、回収されているポリペプチドを意味する。普通、単離されたポリペプチドは少なくとも1つの精製工程によって調製されるであろう。「単離された抗体」は異なる抗原特異性を有する他の抗体を実質的に含まない抗体を指す。組換え体は、外来の宿主細胞にて組換え核酸法を用いて抗体が生成されることを意味する。

0063

特定の抗原またはエピトープに対する「特異的結合」または「特異的に結合する」またはそれに「対して特異的である」は、非特異的な相互作用とは測定可能に異なる結合を意味する。特異的な結合は、たとえば、一般に結合活性を有さない類似の構造の分子である対照分子の結合に比べた分子の結合を測定することによって測定することができる。たとえば、特異的な結合は標的に類似する対照分子との競合によって決定することができる。

0064

特定の抗原またはエピトープに対する特異的な結合は、たとえば、少なくとも約10−4M、少なくとも約10−5M、少なくとも約10−6M、少なくとも約10−7M、少なくとも約10−8M、少なくとも約10−9M、代わりに少なくとも約10−10M、少なくとも約10−11M、少なくとも約10−12M以上の抗原またはエピトープについてのKDを有する抗体によって示すことができ、その際、KDは特定の抗体/抗原相互作用の解離速度を指す。通常、抗原を特異的に結合する抗体は、抗原またはエピトープに対する対照分子について20倍、50倍、100倍、500倍、1000倍、5000倍、10,000倍以上大きいKDを有するであろう。

0065

また、特定の抗原またはエピトープに対する特異的な結合は、たとえば、対照に対するエピトープについて少なくとも20倍、50倍、100倍、500倍、1000倍、5000倍、10,000倍以上大きい抗原またはエピトープについてのKAまたはKaを有する抗体によって示すことができ、その際、KAまたはKaは特定の抗体/抗原相互作用の会合速度を指す。

0066

II.概説
CD3と腫瘍抗原標的とを同時結合する二重特異性抗体が設計され、T細胞を攻撃に向け直し、標的とされた腫瘍細胞を溶解するのに使用されている。例には、一価でCD3と腫瘍抗原とを結合するBiTE及びDARTの形式が挙げられる。これらの形式はFcドメインを含有せず、患者にて非常に短い血清半減期を示す。

0067

CD3を標的とするアプローチは相当な有望さを示している一方で、そのような治療法の共通する副作用はサイトカインの関連する産生であり、毒性サイトカイン放出症候群をもたらすことが多い。二重特異性抗体の抗CD3結合ドメインはすべてのT細胞を結合するので、サイトカイン高産生CD4T細胞サブセット動員される。さらに、CD4T細胞サブセットは調節性T細胞を含み、その動員及び増殖は潜在的に免疫抑制をもたらす可能性があり、長期の腫瘍抑制に対する悪影響を有する。サイトカイン産生を減らし、CD4T細胞の活性化を多分減らす考えられる方法の1つは、CD3についての抗CD3ドメインの親和性を低下させることによる。しかしながら、親和性を下げ過ぎることは抗CD3ドメインを含む治療剤の有効性の低下をもたらし得る。

0068

従って、一部の実施形態では、本発明は、CD3に対する「強力な」または「高親和性」の結合剤であり(たとえば、一例はH1.30_L1.47(任意で適宜荷電リンカーを含む)として示される重鎖及び軽鎖可の変ドメインである)、CD38にも結合する抗CD3抗原結合ドメインを含む抗体構築物を提供する。種々の実施形態では、抗体構築物は、実施例にて記載されているアッセイを用いて任意で測定される約3〜15nM(たとえば、3〜10nMまたは4〜7nM)の親和性(KD)でCD3εに結合する。他の実施形態では、本発明は、CD3に対する「軽い」または「低い親和性」の結合剤である抗CD3抗原結合ドメインを含む抗体構築物を提供する。この点で、抗体構築物は、実施例にて記載されているアッセイを用いて任意で測定される約51nM以上(たとえば、51〜100nM)の親和性(KD)でCD3εに任意で結合する。追加の実施形態は、CD38にも結合するCD3に対して中間のまたは「中位」の親和性を有する抗CD3抗原結合ドメインを含む抗体構築物を提供する。種々の態様では、抗体構築物は、実施例にて記載されているアッセイを用いて任意で測定される約15〜50nM(たとえば、約16〜50nM、15〜45nM、約20〜40nM、約25〜40nM、または約30〜40nM)親和性(KD)でCD3εに結合する。種々の実施形態では、抗体は、本明細書に記載されているXmAb13551より小さく且つXmAb14702より大きいCD3εに対する結合親和性を実証する。実施例で示されているように、二重特異性抗体のCD38に対する親和性は、CD38を発現している標的とする細胞における抗体の有効性にも影響を有する。CD38に対して「中位」または「低い」親和性を有する二重特異性抗体は、低下した毒性プロファイルを伴って試験管内及び生体内にて標的細胞を効率的に殺傷することができる。種々の実施形態では、CD38について「高い」親和性を示す二重特異性抗体は、たとえば、1nM未満の親和性(KD)でCD38に結合し;CD38について「中位」まはた「中間」の親和性を示す二重特異性抗体は、たとえば、約1〜10nM(たとえば、2〜8nMまたは3〜7nM)の親和性(KD)でCD38に結合し;CD38について「低い」または「軽い」親和性を示す二重特異性抗体は、たとえば、約11nM以上(たとえば、11〜100nM)の親和性(KD)でCD38に結合し、すべて実施例で定められる方法を用いて任意で測定される。

0069

本発明の「高い、中位の、低い」抗CD3配列は種々のヘテロ二量体化形式で使用することができることが十分に理解されるべきである。本明細書での開示の大半がヘテロ二量体の「栓抜き型」形式を使用する一方で、これらの可変重鎖及び軽鎖の配列はscFv配列(及びこれらの可変重鎖及び軽鎖の配列を含むFab配列)と同様に、他の形式、たとえば、その図面、形式及び説明文が参照によって全体的に本明細書に組み入れられるWO公開番号2014/145806の図2にて示されたものにおいて使用することができる。

0070

従って、本発明は2つの異なる抗原に結合するヘテロ二量体抗体を提供し、たとえば、抗体は本発明にてそれらが2つの異なる標的抗原、たとえば、CD3及びCD38を結合するという点で「二重特異性」である。これらのヘテロ二量体抗体は、一価で(たとえば、可変重鎖と可変軽鎖のドメインのペアのような単一の抗原結合ドメインがある)、または二価で(それぞれ独立して抗原を結合する2つの抗原結合ドメインがある)これらの標的抗原を結合することができる。本発明のヘテロ二量体抗体は、以下でさらに完全に要点が述べられているようなホモ二量体からのヘテロ二量体の単純な精製を可能にする「pI変異体」と対にした、以下で同様に要点が述べられているようなホモ二量体に比べてヘテロ二量体の形成を「非対称にする」アミノ酸置換を含有する異なる単量体の使用に基づく。本発明のヘテロ二量体二重特異性抗体について、本発明は一般に、産生細胞にて自己集合してヘテロ二量体タンパク質を生じることができる操作されたまたは変異体のFcドメイン、及びそのようなヘテロ二量体タンパク質を生成し、精製する方法を頼りにする。

0071

III.抗体
本発明は、一般に治療用抗体(たとえば、高い有効性と低い毒性を有する抗体)である、CD3とCD38とを結合する二重特異性抗体の生成に関する。以下で議論されるように、用語「抗体」が一般に使用される。本発明で使用される抗体は、従来の抗体と同様に、本明細書に記載されている抗体の誘導体、断片及び模倣体を含む、本明細書に記載されているような多数の形式を採用することができる。

0072

従来の抗体の構造単位は通常、四量体を含む。各四量体は通常、ポリペプチド鎖の2つの同一のペアで構成され、各ペアは1つの「軽」鎖(通常、約25kDaの分子量を有する)と1つの「重」鎖(通常、約50〜70kDaの分子量を有する)を有する。ヒト軽鎖はカッパ軽鎖とラムダ軽鎖に分類される。本発明はIgGクラスを指向し、それは、IgG1、IgG2、IgG3及びIgG4を含むが、これらに限定されない幾つかのサブクラスを有する。IgG1は356(DまたはE)及び358(LまたはM)での多型性を持つ異なるアロタイプを有することが言及されるべきである。本明細書で示される配列は356D/358Mアロタイプを使用するが、他のアロタイプは本明細書に含まれる。すなわち、本明細書に含まれるIgG1のFcドメインを含むどんな配列も356D/358Mアロタイプを置き換える356E/358Lを有することができる。

0073

加えて、本明細書での配列の多くはセリンによって置き換えられる220位にて少なくとも1つのシステインを有し;一般にこれはジスルフィドの形成を減らすために、本明細書で示される配列のほとんどで「scFv単量体」側にあるが、「Fab単量体」側、または双方の側にあってもよい。本明細書の配列の範囲内に具体的に含まれるのは、置き換えられたこれらシステインの一方または双方(C220S)である。

0074

従って、本明細書で使用されるとき「アイソタイプ」は、その定常領域の化学的及び抗原性の特徴によって定義される免疫グロブリンのサブクラスのいずれかを意味する。治療用抗体はアイソタイプ及び/またはサブクラスのハイブリッドも含むことができることが理解されるべきである。たとえば、参照によって組み入れられる米国公開2009/0163699にて示されたように、本発明はIgG1/G2ハイブリッドのpI操作を対象にする。

0075

各鎖のアミノ末端部分は、主として抗原認識に関与し、当該技術及び本明細書では一般に「Fvドメイン」または「Fv領域」と呼ばれる約100〜110以上のアミノ酸の可変領域を含む。可変領域では、重鎖及び軽鎖のVドメインのそれぞれについて3つのループが集まって抗原結合部位を形成する。ループのそれぞれは相補性決定領域(以後「CDR」と呼ぶ)と呼ばれ、アミノ酸配列における変異が最も有意である。「可変」は、可変領域の特定のセグメントが抗体の間の配列で広範に異なるという事実を指す。可変領域における変動性は均一には分配されない。代わりに、V領域は、それぞれ9〜15アミノ酸以上の長さである「超可変領域」と呼ばれる極端に変動性の短い領域によって分離された15〜30アミノ酸のフレームワーク領域(FR)と呼ばれる相対的に不変の鎖から成る。

0076

各VH及びVLは、以下の順:FR1−CDR1−FR2−CDR2−FR3−CDR3−FR4でアミノ末端からカルボキシ末端に配置された3つの超可変領域(「相補性決定領域」、「CDR」)と4つのFRで構成される。

0077

超可変領域は一般に、軽鎖可変領域においてほぼアミノ酸残基24〜34(LCDR1:「L」は軽鎖を意味する)、50〜56(LCDR2)及び89〜97(LCDR3)、ならびに重鎖可変領域においてほぼアミノ酸31〜35B(HCDR1;「H」は重鎖を意味する)、50〜65(HCDR2)及び95〜102(HCDR3)のアミノ酸残基を包含し;Kabat,et al.,SEQUENCESOF PROTEINS OFIMMUNOLOGICALNTEREST,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,Md.(1991)及び/または軽鎖可変領域において超可変ループ(たとえば、残基26〜32(LCDR1)、50〜52(LCDR2)及び91〜96(LCDR3)を形成するそれらの残基及び重鎖可変領域において超可変ループ26〜32(HCDR1)、53〜55(HCDR2)及び96〜101(HCDR3)を形成するそれらの残基を包含する;Chothia及びLesk,(1987),J.Mol.Biol.196:901−917。本発明の特定のCDRは以下に記載されている。

0078

当業者によって十分に理解されるように、CDRの正確な番号付け及び配置は異なる番号付け方式の間で異なり得る。しかしながら、可変重鎖及び/または可変軽鎖の配列の開示には関連するCDRの開示が含まれることが理解されるべきである。従って、各可変重鎖領域の開示はvhCDR(たとえば、vhCDR1、vhCDR2及びvhCDR3)の開示であり、可変軽鎖領域の開示はvlCDRs(たとえば、vlCDR1、vlCDR2及びvlCDR3)の開示である。

0079

本明細書の全体を通して、可変ドメイン近似的に、軽鎖可変領域の残基1〜107及び重鎖可変領域の残基1〜113)における残基を参照する場合、Kabat番号付け方式が一般に使用され、Fc領域についてはEU番号付け方式が使用される(たとえば、Kabat,et al.,上記(1991))。

0080

本発明は多数の異なるCDRのセットを提供する。この場合、「完全なCDRのセット」は、3つの可変軽鎖のCDR及び3つの可変重鎖CDR、たとえば、vlCDR1、vlCDR2、vlCDR3、vhCDR1、vhCDR2及びvhCDR3を含む。これらはそれぞれ、さらに大きな可変軽鎖または可変重鎖のドメインの一部であることができる。加えて、本明細書でさらに完全に要点が述べられているように、可変重鎖ドメイン及び可変軽鎖ドメインは、重鎖及び軽鎖が使用される場合(たとえば、Fabが使用される場合)別々のポリペプチド鎖にあることができ、またはscFv配列の場合、単一のポリペプチド鎖にあることができる。

0081

CDRは、抗原結合の形成、さらに具体的には抗体のエピトープ結合部位の形成に寄与する。「エピトープ」は、パラトープとして知られる抗体分子の可変領域における特異的な抗原結合部位と相互作用する決定基を指す。エピトープは、アミノ酸または糖側鎖のような分子の群化であり、特定の構造的特徴と同様に特定の電荷の特徴を有する。単一の抗原が1を超えるエピトープを有してもよい。

0082

エピトープは、結合に直接関与するアミノ酸残基(エピトープの主要抗原成分とも呼ばれる)と、特異的な抗原結合ペプチドによって効果的に阻止されるアミノ酸残基のような結合に直接関与しない他のアミノ酸残基とを含んでもよく;言い換えれば、アミノ酸残基は特異的な抗原結合ペプチドのフットプリントの範囲内にある。

0083

エピトープは立体的であってもよいし、または線状であってもよい。立体的なエピトープは線状ポリペプチド鎖の異なるセグメントから空間的に並置されたアミノ酸によって生じる。線状エピトープはポリペプチド鎖における隣接するアミノ酸残基によって作られるものである。立体的なエピトープ及び非立体的なエピトープは、後者ではなく前者への結合が変性溶媒の存在下で失われるという点で区別されてもよい。

0084

エピトープには通常、独特空間立体構造にて少なくとも3つ、さらに普通、少なくとも5つ、または8〜10のアミノ酸が含まれる。同一のエピトープを認識する抗体は、標的抗原への別の抗体の結合を阻止する一方の抗体の能力を示す単純な免疫アッセイ、たとえば、ビニングにて検証することができる。

0085

各鎖のカルボキシ末端は主としてエフェクター機能に関与する定常領域を定義する。Kabatらは、重鎖及び軽鎖の可変領域の多数の一次配列収集した。配列の保存の程度に基づいて、彼らは、個々の一次配列をCDRとフレームワークに分類し、そのリストを作製した(参照によって全体的に組み入れられるSEQUENCESOFIMMUNOLOGICALINTEREST,5th edition,NIH publication,No.91−3242,E.A.Kabat,et al.を参照のこと)。

0086

免疫グロブリンのIgGサブクラスでは、重鎖には幾つかの免疫グロブリンのドメインがある。本明細書での「免疫グロブリン(Ig)のドメイン」によって異なる三次構造を有する免疫グロブリンの領域を意味する。本発明で関心があるのは、定常重鎖(CH)ドメイン及びヒンジドメインを含む重鎖ドメインである。IgG抗体の文脈では、IgGアイソタイプはそれぞれ3つのCH領域を有する。従って、IgGの文脈における「CH」ドメインは以下のとおりである:「CH1」はKabatにあるようなEU指標に従って118〜220位を指す。「CH2」はKabatにあるようなEU指標に従って237〜340位を指し、「CH3」はKabatにあるようなEU指標に従って341〜447位を指す。本明細書で示され、以下に記載されているように、pI変異体は、以下で議論されているようにCH領域の1以上と同様にヒンジ領域にあることができる。

0087

本明細書で示される配列はCH1領域の118位で出発し、言及される場合を除いて可変領域は含まれないことが言及されるべきである。たとえば、配列番号2の最初のアミノ酸は配列表では「1」位と指定されているが、EU番号付けに従えばCH1領域の118位に相当する。

0088

重鎖の別の型のIgドメインはヒンジ領域である。本明細書での「ヒンジ」または「ヒンジ領域」または「抗体ヒンジ領域」または「免疫グロブリンヒンジ領域」によって、抗体の第1と第2の定常ドメインの間のアミノ酸を含む柔軟性のポリペプチドを意味する。構造的に、IgGのCH1ドメインはEUの220位で終了し、IgGのCH2ドメインはEUの237位の残基で始まる。従って、IgGについては、抗体ヒンジは本明細書では、221位(IgG1ではD221)から236位(IgG1ではG236)を含むと定義され、番号付けはKabatにあるようにEU指標に従う。一部の実施形態では、たとえば、Fc領域の文脈では、低部ヒンジが含まれ、「低部ヒンジ」は一般に226位〜230位を指す。本明細書で言及されるように、pI変異体は同様にヒンジ領域で作ることができる。

0089

軽鎖は一般に2つのドメイン、可変軽鎖ドメイン(軽鎖CDRを含有し、可変重鎖ドメインと一緒にFv領域を形成する)と、定常軽鎖領域(CLまたはCκと呼ばれることが多い)を含む。

0090

以下で要点が述べられている、追加の置換についての対象とする別の領域はFc領域である。

0091

従って、本発明は異なる抗体ドメインを提供する。本明細書に記載され、当該技術で知られるように、本発明のヘテロ二量体抗体は重鎖及び軽鎖の範囲内で異なるドメインを含み、それらは同様に重複することができる。これらのドメインには、Fcドメイン、CH1ドメイン、CH2ドメイン、CH3ドメイン、ヒンジドメイン、重鎖定常ドメイン(CH1−ヒンジ−FcドメインまたはCH1−ヒンジ−CH2−CH3)、可変重鎖ドメイン、可変軽鎖ドメイン、軽鎖定常ドメイン、FAbドメイン及びscFvドメインが挙げられるが、これらに限定されない。

0092

従って、「Fcドメイン」にはCH2−CH3ドメイン、及び任意でヒンジドメインが含まれる。本明細書の実施形態では、scFvがFcドメインに連結される場合、それは、Fcドメインのヒンジに連結されるscFv構築物のC末端であり;たとえば、それは一般にヒンジの開始である配列EPKSに連結される。重鎖は、可変重鎖ドメイン及び定常ドメインを含み、それはCH1−任意のヒンジ−CH2−CH3を含むFcドメインを含む。軽鎖は、可変軽鎖と軽鎖定常ドメインとを含む。scFvは可変重鎖とscFvリンカーと可変軽鎖ドメインとを含む。本明細書で要点が述べられている構築物及び配列のほとんどでは、可変軽鎖のC末端はscFvリンカーのN末端に連結され、そのC末端は、交換する(N−vl−リンカー−vh−C)ことができるが、可変重鎖(N−vh−リンカー−vl−C)のN末端に連結される。従って、scFvの描写及び記載に具体的に含まれるのは、いずれかの方向性でのscFvである。

0093

本発明の一部の実施形態は、少なくとも1つのscFvドメインを含み、それは天然に存在しない一方で、scFvリンカーによって一緒に連結される可変重鎖ドメインと可変軽鎖ドメインとを一般に含む。本明細書で示されているように、組換え技法によって生成される従来のペプチド結合を含む、使用することができる多数の好適なscFvリンカーがある。

0094

リンカーペプチドは以下のアミノ酸残基;Gly、Ser、AlaまたはThrを優勢に含んでもよい。リンカーペプチドはそれらが所望の活性を保持するように互いに対して正しい立体構造を想定するような方法で2つの分子を連結するのに適正である長さを有するべきである。一実施形態では、リンカーは約1〜50アミノ酸の長さ、好ましくは約1〜30アミノ酸の長さである。一実施形態では、長さ1〜20アミノ酸のリンカーが使用されてもよく、約5〜約10アミノ酸が一部の実施形態で使用される。有用なリンカーには、たとえば、nが少なくとも1(及び一般に3〜4)の整数である(GS)n、(GSGGS)n(配列番号332)、(GGGGS)n(配列番号:333)、及び(GGGS)n(配列番号:334)を含むグリシン−セリンポリマー、グリシン−アラニンポリマー、アラニン−セリンポリマー、及び他の柔軟なリンカーが挙げられる。或いは、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコールポリオキシアルキレン、またはポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールとのコポリマー、を含むが、これらに限定されない種々の非タンパク質様のポリマーが、リンカーとして使用されてもよい。

0095

他のリンカー配列には、CL/CH1ドメインの残基すべてではないが、CL/CH1ドメインの任意の長さの配列が挙げられ、たとえば、CL/CH1ドメインの最初の5〜12アミノ酸残基が挙げられる。リンカーは免疫グロブリン軽鎖、たとえば、CκまたはCλに由来することができる。リンカーは、たとえば、Cγ1、Cγ2、Cγ3、Cγ4、Cα1、Cα2、Cδ、Cε、及びCμを含む、任意のアイソタイプの免疫グロブリン重鎖に由来することができる。リンカー配列はまた、Ig様タンパク質(たとえば、TCR、FcR、KIR)のような他のタンパク質、ヒンジ領域に由来する配列、及び他のタンパク質に由来する天然の配列に由来してもよい。

0096

一部の実施形態では、リンカーは、本明細書で一緒に要点が述べられているような2つのドメインを連結するのに使用される「ドメインリンカー」である。好適なリンカーのいずれをも使用することができる一方で、多数の実施形態は、たとえば、nが少なくとも1(及び一般に3〜4〜5)の整数である(GS)n、(GSGGS)n(配列番号332)、(GGGGS)n(配列番号:333)、及び(GGGS)n(配列番号:334)を含むグリシン−セリンポリマー、と同様に十分な長さと柔軟性を持つ2つのドメインの組換え連結を可能にして各ドメインにその生物学的機能を保持させる任意のタンパク質配列を利用する。場合によっては、及び以下で要点が述べられているような「特定の種類の鎖」に対して注意を払って、scFvリンカーの一部の実施形態にて使用されるような荷電ドメインリンカーを使用することができる。

0097

一部の実施形態では、scFvリンカーは荷電scFvリンカーであり、その多くは図33で示されている。従って、本発明はさらに、荷電scFvリンカーを提供して第1と第2の単量体の間でのpIでの分離を促す。すなわち、正または負(または異なる単量体でscFvを使用する足場の場合、双方)の荷電scFvリンカーを組み込むことによって、これは、Fcドメインにてさらなる変化を起こすことなく、荷電リンカーを含む単量体がpIを変えるのを可能にする。これらの荷電リンカーはscFvが含有する標準のリンカーに置換することができる。再び、当業者によって十分に理解されるように、pIにおける所望の変化に従って、荷電scFvリンカーは正しい「鎖」または単量体で使用される。たとえば、本明細書で議論されているように、トリプルF形式のヘテロ二量体抗体を作るには、所望の抗原結合ドメインのそれぞれについてFv領域の元々のpIを算出し、1つを選択してscFvを作り、pIに応じて正または負のリンカーを選択する。

0098

荷電ドメインリンカーを使用しても同様に本発明の単量体のpI分離を高めることができるので、図33で挙げられたものを、リンカーが利用される本明細書の任意の実施形態にて使用することができる。

0099

一部の実施形態では、抗体は完全長である。本明細書での「完全長の抗体」によって、可変領域及び定常領域を含み、特にヘテロ二量体化形成またはホモ二量体から離れてのヘテロ二量体の精製を可能にするFcドメインにおける本明細書で要点が述べられているような1以上の修飾を含む抗体の天然の生物学的形態を構成する構造を意味する。完全長の抗体は一般にFab及びFcのドメインを含み、さらに、図にて一般に描写されているようなscFvのような余分な抗原結合ドメインを含有することができる。

0100

一実施形態では、抗体は、それがpI操作のようなヘテロ二量体を生じるように操作することができる少なくとも1つの定常ドメインを含有する限り、抗体断片である。使用することができる他の抗体断片には、pI操作されている本発明のCH1、CH2、CH3、ヒンジ及びCLのドメインの1以上を含有する断片が挙げられる。たとえば、Fc融合物は、別のタンパク質に融合したFc領域(CH2及びCH3、任意でヒンジ領域を伴う)の融合物である。多数のFc融合物が当該技術で既知であり、本発明のヘテロ二量体化変異体の付加によって改善することができる。この場合、CH1;CH1、CH2及びCH3;CH2;及びCH3;CH1及びCH3を含む抗体融合物を作製することができ、そのいずれかまたはすべては本明細書に記載されているヘテロ二量体化変異体の組み合わせを利用して任意でヒンジ領域と共に作製することができる。

0101

特に、図1に描かれた形式は普通、「ヘテロ二量体抗体」と呼ばれ、タンパク質がヘテロ二量体Fcドメインに自己集合した少なくとも2つの関連するFc配列を有することを意味する抗体である。

0102

キメラ抗体及びヒト化抗体
一部の実施形態では、抗体は異なる種に由来する混合物であることができ、たとえば、キメラ抗体及び/またはヒト化抗体であることができる。一般に、「キメラ抗体」及び「ヒト化抗体」は双方とも1を超える種に由来する領域を組み合わせる抗体を指す。たとえば、「キメラ抗体」は従来、マウス(場合によっては、ラット)に由来する可変領域(複数可)とヒトに由来する定常領域(複数可)とを含む。「ヒト化抗体」は一般に、ヒト抗体で見いだされる配列について交換された可変ドメインのフレームワーク領域を有している非ヒト抗体を指す。一般に、ヒト化抗体では、CDRを除く抗体全体ヒト起源ポリヌクレオチドによってコードされ、またはCDR内を除いてそのような抗体と同一である。CDRは、その一部またはすべてが非ヒト生物起源とする核酸によってコードされ、ヒト抗体可変領域のベータシートフレームワークに移植されて抗体を作り出し、その特異性は生着したCDRによって決定される。そのような抗体の作出は、たとえば、すべて参照によって全体的に組み入れられるWO92/11018,Jones,1986,Nature,321:522−525,Verhoeyen,et al.,1988,Science,239:1534−1536に記載されている。選択されたアクセプターフレームワーク残基の相当するドナー残基への「復帰突然変異」は最初の移植された構築物で失われる親和性を取り戻すのに必要とされることが多い(すべて参照によって全体的に組み入れられるUS5530101;US5585089;US5693761;US5693762;US6180370;US5859205;US5821337;US6054297;US6407213)。ヒト化抗体は最適には免疫グロブリン定常領域の少なくとも一部も、通常、ヒト免疫グロブリンのそれを含むので、通常ヒトFc領域を含むであろう。ヒト化抗体は遺伝子操作された免疫系を持つマウスを用いても生成することができる。参照によって全体的に組み入れられるRoque,et al.,2004,Biotechnol.Prog.20:639−654。ヒト化する及び非ヒト抗体を作り直す種々の技法及び方法は当該技術で周知である(すべて参照によって全体的に組み入れられるTsurushita & Vasquez,2004,Humanization of Monoclonal Antibodies,Molecular Biology of B Cells,533−545,Elsevier Science(USA),及びその中で引用された参考文献を参照のこと)。ヒト化の方法には、すべて参照によって全体的に組み入れられるJones,et al.,1986,Nature,321:522−525;Riechmann,et al.,1988;Nature,332:323−329;Verhoeyen,et al.,1988,Science,239:1534−1536;Queen,et al.,1989,Proc.Natl.Acad.Sci,USA,86:10029−33;He,et al.,1998,J.Immunol.160:1029−1035;Carter,et al.,1992,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,89:4285−9,Presta,et al.,1997,Cancer Res.57(20):4593−9;Gorman,et al.,1991,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,88:4181−4185;O’Connor,et al.,1998,Protein Eng.11:321−8に記載されている方法が挙げられるが、これらに限定されない。ヒト化の方法及び非ヒト抗体可変領域の免疫原性を減らす他の方法には、たとえば、参照によって全体的に組み入れられるRoguska,et al.,1994,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,91:969−973に記載されているような表面再構成法が挙げられてもよい。

0103

特定の実施形態では、本発明の抗体は、特定の生殖系列重鎖免疫グロブリン遺伝子に由来する重鎖可変領域及び/または特定の生殖系列の軽鎖免疫グロブリン遺伝子に由来する軽鎖可変領域とを含む。たとえば、そのような抗体は、特定の生殖系列の配列「の産物」であるまたは「それに由来する」重鎖または軽鎖の可変領域を含むヒト抗体を含んでもよく、またはそれから成ってもよい。ヒト生殖系列の免疫グロブリン配列「の産物」であるまたは「それに由来する」ヒト抗体は、ヒト生殖系列の免疫グロブリンのアミノ酸配列とヒト抗体のアミノ酸配列を比較し、ヒト抗体の配列に配列で最も近い(すなわち、最大の%同一性)ヒト生殖系列の免疫グロブリン配列を選択することによってそのようなものとして特定することができる。特定のヒト生殖系列の免疫グロブリン配列「の産物」であるまたは「それに由来する」ヒト抗体は、たとえば、天然に存在する体細胞突然変異または部位特異的突然変異故意の導入によって、生殖系列の配列に比べてアミノ酸の差異を含有してもよい。しかしながら、ヒト化抗体は通常、ヒト生殖系列の免疫グロブリン遺伝子によってコードされるアミノ酸配列に対してアミノ酸配列で少なくとも90%同一であり、他の種の生殖系列の免疫グロブリンアミノ酸配列(たとえば、マウスの生殖系列の配列)と比べた場合、ヒト配列に由来すると抗体を特定するアミノ酸残基を含有する。一部の例では、ヒト化抗体は、生殖系列の免疫グロブリン遺伝子によってコードされるアミノ酸配列に対してアミノ酸配列で少なくとも95、96、97、98または99%、またはさらに少なくとも96%、97%、98%または99%同一であってもよい。通常、特定のヒト生殖系列の配列に由来するヒト化抗体は、ヒト生殖系列の免疫グロブリン遺伝子によってコードされるアミノ酸配列からのわずか10〜20アミノ酸の差異を示すにすぎない(非対称、pI及び消失の本明細書の変異体の導入に先立って;すなわち、変異体の数が一般に少ない、本発明の変異体の導入に先立って)。一部の例では、ヒト化抗体は、生殖系列の免疫グロブリン遺伝子によってコードされるアミノ酸配列からのわずか5、またはさらにわずか4、3、2もしくは1のアミノ酸差異を示してもよい(再び、非対称、pI及び消失の本明細書の変異の導入に先立って;すなわち、変異体の数が一般に少ない、本発明の変異体の導入に先立って)。

0104

一実施形態では、親抗体は当該技術で知られるように、親和性成熟している。ヒト化及び親和性成熟について、たとえば、USSN,11/004,590に記載されているような構造に基づく方法が採用されてもよい。抗体の可変領域をヒト化し、及び/または親和性成熟させるのに、すべて参照によって全体的に組み入れられるWu et,al.,1999,J.Mol.Biol.294:151−162;Baca,et al.,1997,J.Biol.Chem.272(16):10678−10684;Rosok,et al.,1996,J.Biol.Chem.271(37):22611−22618;Rader,et al.,1998,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,95:8910−8915;Krauss,et al.,2003,Protein Engineering,16(10):753−759に記載されている方法を含むが、これらに限定されない選択に基づく方法が採用されてもよい。他のヒト化法には、すべて参照によって全体的に組み入れられるUSSN,09/810,510;Tan,et al.,2002,J.Immunol.169:1119−1125;De Pascalis,et al.,2002,J.Immunol.169:3076−3084に記載されている方法を含むが、これらに限定されないCDRの一部だけを移植することが関与してもよい。

0105

IV.ヘテロ二量体抗体
従って、一部の実施形態では、本発明は、自己集合してヘテロ二量体抗体を形成する2つの異なる重鎖可変Fcドメインの使用に頼るヘテロ二量体抗体を提供する。

0106

本発明は、1を超える抗原またはリガンドへの結合を可能にする、たとえば、二重特異性結合を可能にするヘテロ二量体抗体を提供する新規の構築物を指向する。ヘテロ二量体抗体の構築物は、抗体の重鎖の2つのFcドメイン、たとえば、「二量体」に集合する2つの「単量体」の自己集合する性質に基づく。ヘテロ二量体抗体は、以下でさらに完全に議論されているように、各単量体のアミノ酸配列を変えることによって作製される。従って、本発明は一般に、各鎖で異なってヘテロ二量体の形成を促進する及び/またはホモ二量体に比べたヘテロ二量体の精製の容易さを可能にする定常領域におけるアミノ酸変異体を頼って、幾つかの方法で抗原を同時結合することができるヘテロ二量体抗体を作り出すことを指向する。

0107

従って、本発明は二重特異性抗体を提供する。抗体技法における進行中の課題は、2つの異なる抗原に同時に結合するので、一般に異なる抗原が近傍にもたらされるのを可能にし、且つ新しい機能性及び新しい治療法を生じる「二重特異性」抗体に対する切望である。一般に、これらの抗体は各重鎖及び軽鎖についての遺伝子を宿主細胞に含めることによって作製される。これは一般に、所望のヘテロ二量体(A−B)と同様に2つのホモ二量体(A−A及びB−B(軽鎖ヘテロ二量体の課題を含まない))の形成を生じる。しかしながら、二重特異性抗体の形成における主要な障害は、ホモ二量体から離れてヘテロ二量体抗体を精製すること及び/またはホモ二量体の形成に対してヘテロ二量体の形成にバイアスをかけることにおける困難さである。

0108

本発明のヘテロ二量体を生成するのに使用することができる多数のメカニズムがある。加えて、当業者によって十分に理解されるように、これらのメカニズムを組み合わせて高いヘテロ二量体化を確保することができる。従って、ヘテロ二量体の生産をもたらすアミノ酸変異体は「ヘテロ二量体化変異体」と呼ばれる。以下で議論されるように、ヘテロ二量体化変異体には、立体変異体(たとえば、以下に記載されているような「ノブアンドホール(knobs and holes)」または「非対称」変異体、及び以下に記載されているような「電荷ペア」変異体)と同様にヘテロ二量体から離れてホモ二量体の精製を可能にする「pI変異体」を挙げることができる。その全体が参照によって本明細書に組み入れられるWO2014/145806にて一般的に記載され、「ヘテロ二量体化変異体」の議論について以下のように具体的に記載されているように、ヘテロ二量体化の有用なメカニズムには、「ノブアンドホール」(「KIH」;本明細書では時に「非対称」変異体(WO2014/145806における議論を参照)、WO2014/145806に記載されているような「静電ステアリング」または「電荷ペア」、WO2014/145806に記載されているようなpI変異体、及びWO2014/145806及び以下で要点が述べられているような一般的な追加のFc変異体が挙げられる。

0109

本発明では、ヘテロ二量体抗体を精製する容易さをもたらすことができる幾つかの基本的なメカニズムがあり;1つは、各単量体が異なるpIを有するようにpI変異体の使用に頼るので、従ってA−A、A−B及びB−B二量体タンパク質等電点精製を可能にする。或いは、「トリプルF」形式のような一部の足場形式もサイズを基にした分離を可能にする。以下でさらに要点が述べられているように、ホモ二量体に比べてヘテロ二量体の形成を非対称にすることも可能である。従って、立体ヘテロ二量体化変異体及びpI変異体または電荷ペア変異体の組み合わせは本発明で特に使用される。

0110

一般に、本発明の特定の使用の実施形態は、非対称変異体を含む、ホモ二量体化形成に比べてヘテロ二量体化形成を促す、2つの単量体間でpIの差異を高めるpI変異体と対にする変異体のセットを頼りにする。

0111

さらに、以下でさらに完全に要点が述べられているように、ヘテロ二量体抗体の形式に応じて、pI変異体を単量体の定常ドメイン及び/またはFcドメインの範囲内に含有することができ、または荷電リンカーであるドメインリンカーもしくはscFvリンカーを使用することができる。すなわち、トリプルF形式のようなscFv(複数可)を利用する足場は、精製目的のためにさらなるpIの上昇を付与する荷電scFvリンカー(正または負のいずれか)を含むことができる。当業者によって十分に理解されるように、本発明は単量体の一方または双方にあるpI変異体、及び/または同様に荷電ドメインリンカーを提供するが、一部のトリプルF形式は単に荷電したscFvリンカーと共に有用であり、追加のpI調整はいらない。加えて、たとえば、Fc、FcRn及びKOの変異体のような、代替の機能性のための追加のアミノ酸操作もpIの変化を付与する。

0112

pIを分離メカニズムとして利用してヘテロ二量体タンパク質の精製を可能にする本発明では、単量体ポリペプチドの一方または双方にアミノ酸変異体を導入することができ;すなわち、単量体の一方(単純化のために本明細書では「単量体A」と呼ぶ)を単量体Bとは離れて操作することができ、または双方の単量体A及びBを変えることができ、単量体AのpIが上昇し、単量体BのpIが低下する。以下でさらに完全に要点が述べられているように、一方または双方の単量体のpIの変化は、荷電残基を取り除く、または付加すること(たとえば、中性アミノ酸を正または負に荷電したアミノ酸残基によって置き換える、たとえば、グリシンをグルタミン酸に置き換える)、荷電した残基を正または負の荷電から反対の荷電に変える(アスパラギン酸からリジンに)こと、または荷電した残基を中性残基に変える(たとえば、荷電の喪失;リジンからセリンに)ことによって実施することができる。多数のこれらの変異体が図面に示されている。

0113

従って、本発明のこの実施形態は、ヘテロ二量体をホモ二量体から分離することができるように単量体の少なくとも一方でpIに十分な変化を作り出すことを提供する。当業者によって十分に理解されるように、且つ以下でさらに議論されるように、これは、「野生型」重鎖定常領域と、そのpIを上げるまたは下げるように(wtA−+BまたはA−−B)操作されている可変領域とを用いること、または一方の領域を上げ、他方の領域を下げる(A+−B−またはA−B+)ことによって実施することができる。

0114

従って、一般に、本発明の一部の実施形態の成分は、二量体タンパク質の双方でなければ少なくとも一方の単量体の等電点(pI)を変えて、アミノ酸置換(「pI変異体」または「pI置換」)を一方または双方の単量体に組み込むことによって「pI抗体」を形成することを指向する抗体の定常領域におけるアミノ酸変異体である。本明細書で示されるように、2つのホモ二量体からのヘテロ二量体の分離は、2つの単量体のpIがわずか0.1pH単位、0.2、0.3、0.4及び0.5以上異なれば、これらはすべて本発明にて使用可能である。

0115

当業者によって十分に理解されるように、良好な分離を得るために各々のまたは双方の単量体(複数可)に含められるpI変異体の数は、たとえば、トリプルF形式における成分の出発pI、対象とするscFv及びFabの出発pIに一部左右されるであろう。すなわち、どの単量体を操作するかまたはどの「方向」(たとえば、さらに正またはさらに負)で操作するかを決定するために、2つの標的抗原のFv配列を計算し、それから決定が為される。当該技術で知られるように、異なるFvが本発明で検討される異なる出発pIを有するであろう。一般に、本明細書で要点が述べられているように、pIを操作して少なくとも約0.1logの各単量体の合計のpIの差異を生じ、本明細書で要点が述べられているように0.2〜0.5が好ましい。

0116

さらに、当業者によって十分に理解されるように、且つ本明細書で要点が述べられているように、一部の実施形態では、ヘテロ二量体はサイズに基づいてホモ二量体から分離することができる。たとえば、図1に示すように、幾つかの形式がサイズに基づくヘテロ二量体とホモ二量体からの分離を可能にする。

0117

重鎖(複数可)の定常領域(複数可)を用いてヘテロ二量体化を達成するのにpI変異体を使用する場合、抗体を含む二重特異性タンパク質を設計し、精製するさらなるモジュール的なアプローチが提供される。従って、一部の実施形態では、ヘテロ二量体化変異体(非対称及び精製のヘテロ二量体化変異体を含む)は可変領域には含まれないので、各個々の抗体が操作されなければならない。加えて、一部の実施形態では、pI変異体から生じる免疫原性の可能性は、有意な免疫原性を導入しないでpIを変化させるように異なるIgGアイソタイプからのpIを移入することによって有意に低減される。従って、解決される追加の課題は、ヒト配列の含量が高い、低いpIの定常ドメインの解明、たとえば、任意の特定の位置での非ヒト残基の最少化または回避である。

0118

このpI操作と共に生じ得る副効用は血清半減期の延長及びFcRn結合の上昇でもある。すなわち、USSN13/194,904(その全体が参照によって組み入れられる)にて記載されているように、抗体定常ドメイン(抗体及びFc融合物で見いだされるものを含む)のpIを下げることは生体内でさらに長い血清保持をもたらすことができる。血清半減期の増加ためのこれらのpI変異体は精製のためのpI変化も促す。

0119

加えて、ホモ二量体が存在する場合、排除または最少化し、区別する能力が重要なので、ヘテロ二量体化変異体のpI変異体は二重特異性抗体の分析性及び品質管理工程について追加の利益を付与することが言及されるべきである。同様に、ヘテロ二量体抗体の産生の再現性を確実に調べる能力が重要である。

0120

ヘテロ二量体化変異体
本発明は、ヘテロ二量体変異体を利用してヘテロ二量体の形成及び/またはホモ二量体から離れての精製を可能にする、種々の形式でのヘテロ二量体抗体を含むヘテロ二量体タンパク質を提供する。

0121

ヘテロ二量体化非対称変異体のセットの多数の好適なペアがある。これらの変異体は、「セット」の「ペア」で供給される。すなわち、ペアの一方のセットが第1の単量体に組み込まれ、ペアの他方のセットが第2の単量体に組み込まれる。これらのセットは「ノブインホール(knobs in holes)」変異体として必ずしも挙動せず、一方の単量体における残基と他方の単量体における残基との間で一対一の対応があり、すなわち、セットのこれらのペアは、ヘテロ二量体の形成を促し、ホモ二量体の形成を妨害する2つの単量体間での界面を形成し、予想される50%(25%ホモ二量体A/A:50%ヘテロ二量体A/B:25%ホモ二量体B/B)ではなく90%を超える生物学的条件下で自然に形成するヘテロ二量体の比率を可能にすることが言及されるべきである。

0122

立体変異体
一部の実施形態では、ヘテロ二量体の形成は立体変異体の付加によって促進され得る。すなわち、各重鎖におけるアミノ酸を変化させることによって、異なる重鎖が、同じFcアミノ酸配列とのホモ二量体を形成するよりも高い可能性でヘテロ二量体構造を形成するように会合する。好適な立体変異体は図29に挙げられている。

0123

メカニズムの1つは一般に、当該技術では「ノブアンドホール」と呼ばれ、ヘテロ二量体の形成の方を好み、ホモ二量体の形成を嫌う立体的影響を作り出すアミノ酸操作を参照することも任意で使用することができ;これが時には、そのすべてが全体として参照によって本明細書に組み入れられるUSSN61/596,846,Ridgway,et al.,Protein Engineering,9(7):617(1996);Atwell,et al.,J.Mol.Biol.1997,270:26;米国特許第8,216,805号に記載されているような「ノブアンドホール」と呼ばれる。図は、「ノブアンドホール」を頼る多数の「単量体A−単量体B」のペアを特定している。加えて、Merchant,et al.,Nature Biotech.16:677(1998)に記載されているように、これらの「ノブアンドホール」突然変異ジスルフィド結合と組み合わせてヘテロ二量体化への形成を非対称にすることができる。

0124

ヘテロ二量体の生成で使用される追加のメカニズムは、その全体が参照によって本明細書に組み入れられるGunasekaran,et al.,J.Biol.Chem.285(25):19637(2010)に記載されているような「静電的ステアリング」と呼ばれることがある。これは本明細書では「電荷ペア」と呼ばれることがある。この実施形態では、静電気を用いてヘテロ二量体化に向けた形成を非対称にする。当業者が十分に理解するように、これらもpIに対して影響を有してもよいので、精製に対して影響を有し、従って場合によっては、pI変異体であるとも見なされ得る。しかしながら、これらはヘテロ二量体化を強要するために生成され、精製ツールとしては使用されないので、それらは「立体変異体」として分類される。これらには、D221R/P228R/K409R(たとえば、これらは単量体対応セットである)と対合するD221E/P228E/L368E及びC220R/E224R/P228R/K409Rと対合するC220E/P228E/368Eが挙げられるが、これらに限定されない。

0125

たとえば、本明細書で要点が述べられているpI変異体またはその図面、説明文及び配列番号が参照によって明白に本明細書に組み入れられるUS2012/0149876の図37で示されている他の立体変異体のような他の変異体と任意で且つ独立して任意の量で組み合わせることができる追加の単量体A及び単量体Bの変異体。

0126

一部の実施形態では、本明細書で要点が述べられている立体変異体は、任意のpI変異体(またはたとえば、Fc変異体、FcRn変異体等のような他の変異体)と共に任意で且つ独立して一方または双方の単量体に組み込むことができ、独立して且つ任意で本発明のタンパク質に含めることができ、またはそれから排除することができる。

0127

好適な非対称の変異体のリストは図29に見いだされ、図34は多数の実施形態における特定の有用性の幾つかのペアを示す。多数の実施形態における特定の使用は、S364K/E357Q:L368D/K370S;L368D/K370S:S364K;L368E/K370S:S364K;T411T/E360E/Q362E:D401K;L368D/K370S:S364K/E357L及びK370S:S364K/E357Qを含むが、これらに限定されないセットのペアである。命名法という点で、ペア「S364K/E357Q:L368D/K370S」は、単量体の一方が二重変異体セットS364K/E357Qを有し、他方が二重変異体セットL368D/K370Sを有することを意味する。

0128

ヘテロ二量体のためのpI(等電点)変異体
一般に、当業者によって十分に理解されるように、pI変異体の2つの一般的なカテゴリー:タンパク質のpIを上げるもの(塩基性の変化)及びタンパク質のpIを下げるもの(酸性の変化)がある。本明細書に記載されているように、これらの変異体の組み合わせすべてを実施することができ:一方の単量体は野生型または野生型と有意に異なるpIを示さない変異体であってもよく、他方はさらに塩基性またはさらに酸性であることができる。或いは、各単量体は、1つがさらに塩基性に且つ1つがさらに酸性に変えられる。

0129

pI変異体の好ましい組み合わせを図30にて示す。本明細書で要点が述べられているように、且つ図面で示されているように、これらの変化はIgG1に対して示されるが、すべてのアイソタイプはアイソタイプハイブリッドと同様にこのように変化させることができる。重鎖定常ドメインがIgG2〜4に由来する場合、R133E及びR133Qも使用することができる。

0130

一実施形態では、たとえば、栓抜き型形式では、pI変異体の好ましい組み合わせは、208D/295E/384D/418E/421D変異体(ヒトIgG1に対する場合N208D/Q295E/N384D/Q418E/N421D)を含む一方の単量体(負のFab側)と、(GKPGS)4を含む正に荷電したscFvリンカーを含む第2の単量体(正のscFv側)を有する。しかしながら、当業者によって十分に理解されるように、第1の単量体は208位を含むCH1ドメインを含む。従って、CH1ドメインを含まない構築物(たとえば、二重scFv形式におけるドメインの1つでCH1ドメインを利用しないヘテロ二量体Fc融合タンパク質について)では、好ましい負のpI変異体Fcセットには295E/384D/418E/421D変異体(ヒトIgG1に対する場合Q295E/N384D/Q418E/N421D)が挙げられる。

0131

抗体ヘテロ二量体の軽鎖変異体
抗体に基づくヘテロ二量体の場合、たとえば、単量体の少なくとも一方が重鎖ドメインに加えて軽鎖を含む場合、pI変異体は軽鎖にても作ることができる。軽鎖のpIを下げるためのアミノ酸置換には、K126E、K126Q、K145E、K145Q、N152D、S156E、K169E、S202E、K207E及び軽鎖のc末端でのペプチドDEDEの付加が挙げられるが、これらに限定されない。定常ラムダ軽鎖に基づくこのカテゴリーにおける変化にはR108Q、Q124E、K126Q、N138D、K145T及びQ199Eでの1以上の置換が挙げられる。加えて、軽鎖のpIを上げることも行うことができる。

0132

アイソタイプ変異体
加えて、本発明の多数の実施形態は、特定の位置でのpIアミノ酸の1つのIgGアイソタイプから別のアイソタイプへの移入に頼るので、変異体に導入される望ましくない免疫原性の可能性を減らすまたは排除する。これらの多数は、参照によって本明細書に組み入れられるUS公開2014/0370013の図21にて示されている。すなわち、IgG1は高いエフェクター機能を含む種々の理由で治療用抗体のための共通するアイソタイプである。しかしながら、IgG1の重鎖定常領域はIgG2のそれよりも高いpIを有する(8.10対7.31)。IgG1主鎖に特定の位置でのIgG2の残基を導入することによって、得られる単量体のpIが低下し(または上昇し)、さらに長い血清半減期を示す。たとえば、IgG1は137位でグリシン(pI5.97)を有し、IgG2はグルタミン酸(pI3.22)を有し;グルタミン酸を移入することは得られるタンパク質のpIに影響を与えるであろう。以下で議論されているように、変異体抗体のpIに有意に影響を及ぼすには多数のアミノ酸置換が一般に必要とされる。しかしながら、以下で議論されているように、IgG2におけるさらなる変化が長い血清半減期を可能にすることが言及されるべきである。

0133

他の実施形態では、得られるタンパク質の全体的な荷電状態を軽減するために(たとえば、高いpIのアミノ酸を低いpIのアミノ酸に変化させることによって)、または以下でさらに記載されているように安定性等のための構造における適応を可能にするために、非アイソタイプアミノ酸の変化が行われる。

0134

加えて、重鎖及び軽鎖の定常ドメイン双方をpI操作することによってヘテロ二量体の各単量体にて有意な変化を見ることができる。本明細書で議論されているように、少なくとも0.5異なる2つの単量体のpIを有することはイオン交換クロマトグラフィまたは等電点電気泳動、または等電点に感受性の他の方法による分離を可能にすることができる。

0135

pIを算出すること
各単量体のpIは、変異体の重鎖定常ドメインのpI及び変異体重鎖定常ドメインと融合相手を含む単量体全体のpIに依存することができる。従って、一部の実施形態では、pIにおける変化は、US公開2014/0370013の図19におけるチャートを用いて変異体の重鎖定常ドメインに基づいて算出される。本明細書で議論されているように、どの単量体を操作するかは、Fv及び足場領域の固有のpIによって一般に決定される。或いは、各単量体のpIを比較することができる。

0136

生体内の結合でさらに良好なFcRnも付与するpI変異体
pI変異体が単量体のpIを低下させる場合、それらは生体内での血清保持を改善する追加の利益を有することができる。

0137

未だに検討中ではあるが、エンドソームにおけるpH6でのFcRnへの結合がFcを隔離する(参照によって全体的に組み入れられるGhetie及びWard,1997,Immunol Today.18(12):592−598)ので、Fc領域は生体内で長い半減期を有すると考えられている。次いでエンドソーム区画は細胞表面までFcを再利用する。区画細胞外空間に向かっていったん開くと、さらに高い約7.4のpHがFcの血中へ戻る放出を誘導する。マウスでは、Dall’Acquaらは、pH6及びpH7.4での高いFcRn結合を伴うFc突然変異は実際、低い血清濃度及び野生型Fcと同じ半減期を有することを示した(参照によって全体的に組み入れられるDall’ Acqua,et al.2002,J.Immunol.169:5171−5180)。pH7.4でのFcRnへのFcの高い親和性は、血中に戻るFcの放出を禁じると考えられる。従って、生体内でのFcの半減期を増やすFc突然変異は、低いpHでのFcRn結合を理想的に高める一方で、高いpHでのFcの放出を可能にする。アミノ酸ヒスチジンは6.0〜7.4のpH範囲でその荷電状態を変化させる。従って、Fc/FcRn複合体における重要な位置でHis残基が見いだされるのは驚くべきではない。

0138

最近、低い等電点を有する可変領域を持つ抗体もさらに長い血清半減期を有してもよいことが示唆されている(参照によって全体的に組み入れられるIgawa,et al.,2010,PEDS.23(5):385−392)。しかしながら、このメカニズムは未だに不十分にしか理解されていない。さらに、可変領域は抗体ごとに異なる。低いpI及び長い半減期を持つ定常領域の変異体は、本明細書に記載されているように、抗体の薬物動態特性を改善するさらにモジュール的なアプローチを提供する。

0139

追加の機能性のための追加のFc変異体
pIアミノ酸変異体に加えて、1以上のFcγR受容体への結合を変えること、FcRn受容体への変化した結合、等を含むが、これらに限定されない種々の理由で、行うことができる多数の有用なFcアミノ酸の修飾がある。

0140

従って、本発明のタンパク質は、pI変異体及び立体変異体を含む本明細書で要点が述べられているヘテロ二量体化変異体を含むアミノ酸修飾を含むことができる。変異体の各セットは独立して且つ任意で特定のヘテロ二量体タンパク質に含めることができ、またはそれから排除することができる。

0141

FcγR変異体
従って、FcγR受容体の1以上への結合を変化させるために行うことができる多数の有用なFc置換がある。増加した結合と同様に低下した結合を生じる置換は有用であることができる。たとえば、FcγRIIIaへの結合の増加は一般に高いADCC(抗体依存性細胞介在性の細胞傷害性;FcγRを発現している非特異的な細胞傷害性細胞が標的細胞上で結合した抗体を認識し、その後標的細胞の溶解を引き起こす細胞が介在する反応)を生じることが知られている。同様に、FcγRIIb(阻害性受容体)への結合の低下は一部の状況では同様に有益であり得る。本発明で使用されるアミノ酸置換には、そのすべてが全体として参照によって明白に、及びその中で開示された変異体について具体的に本明細書に組み入れられるUSSNs11/124,620(特に図41)、11/174,287、11/396,495、11/538,406にてリストにしたものが挙げられる。使用される特定の変異体には、236A、239D、239E、332E、332D、239D/332E、267D、267E、328F、267E/328F、236A/332E、239D/332E/330Y、239D、332E/330L、243A、243L、264A、264V及び299Tが挙げられる。

0142

加えて、434S、434A、428L、308F、259I、428L/434S、259I/308F、436I/428L、436IまたはV/434S、436V/428L及び259I/308F/428Lを含むが、これらに限定されない、その全体が参照によって本明細書に組み入れられるUSSN12/341,769にて具体的に開示されたような、FcRn受容体への結合の増加及び血清半減期の増加で使用される追加のFc置換がある。

0143

消失変異体
同様に、機能的変異体の別のカテゴリーは、「FcγR消失変異体」または「Fcノックアウト(FcKOまたはKO)」変異体である。これらの実施形態では、一部の治療応用について、Fcγ受容体(たとえば、FcγR1、FcγRIIa、FcγRIIb、FcγRIIIa、等)の1以上またはすべてへのFcドメインの正常な結合を減らしてまたは除去して作用の追加のメカニズムを回避することが望ましい。すなわち、たとえば、多数の実施形態では、特にCD3を一価で結合する二重特異性抗体の使用では、FcγRIIIaの結合を消失させてADCC活性を排除するまたは有意に低下させることが一般に望ましく、その際、Fcドメインの1つが1以上のFcγ受容体消失変異体を含む。これらの消失変異体は図31で描かれ、それぞれを独立して且つ任意で含めることができ、または排除することができ、好ましい態様は、G236R/L328R、E233P/L234V/L235A/G236del/S239K、E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、E233P/L234V/L235A/G236del/S239K/A327G、E233P/L234V/L235A/G236del/S267K/A327G及びE233P/L234V/L235A/G236delから成る群から選択される消失変異体を利用する。本明細書で参照される消失変異体はFcγRの結合を消失させるが、FcRnの結合は一般に消失させないことが言及されるべきである。

0144

ヘテロ二量体変異体とFc変異体の組み合わせ
当業者によって十分に理解されるように、引用されるヘテロ二量体化変異体(非対称変異体及び/またはpI変異体を含む)のすべては、それらが「特定の種類の鎖」または「単量体の区分」を保持する限り、任意で且つ独立してどんな方法でも組み合わせることができる。加えて、これら変異体のすべてはヘテロ二量体化形式のいずれかと組み合わせることができる。

0145

pI変異体の場合、特定の使用を見いだす実施形態は図面に示されている一方で、他の組み合わせは、2つの単量体間のpIの差異を変えて精製を促す基本的な規則に従って生成することができる。

0146

加えて、本明細書で一般的に要点が述べられているように、ヘテロ二量体化変異体、非対称変異体及びpI変異体のいずれかも独立して且つ任意でFc消失変異体、Fc変異体、FcRn変異体と組み合わせられる。

0147

本発明の有用な形式
当業者によって十分に理解されるように、且つ以下でさらに完全に議論されているように、本発明のヘテロ二量体融合タンパク質は図1で一般に描かれるように様々な立体配置を採用することができる。一部の図は、分子の一方のアームに1つの種類の特異性があり、他方のアームに異なる特異性がある「シングルエンド型」の立体配置を描いている。他の図は、分子の「最上部」に1つの種類の特異性があり、分子の「最下部」に1以上の異なる特異性がある「デュアルエンド型」の立体配置を描いている。従って、本発明は異なる第1と第2の抗原を同時結合する新規の免疫グロブリン組成物を指向する。

0148

当業者によって十分に理解されるように、本発明のヘテロ二量体形式は二重特異性であると同様に異なる価数を有することができる。すなわち、本発明のヘテロ二量体抗体は二価であり且つ二重特異性であることができ、その際、CD3は一方の結合ドメインによって結合され、CD38は第2の結合ドメインによって結合される。ヘテロ二量体抗体は三価であり且つ二重特異性であることができ、その際、CD38は2つの結合ドメインによって結合され、CD3は第2の結合ドメインによって結合される。本明細書で要点が述べられているように、CD3は一価のみで結合されて潜在的な副作用を減らすことが好ましい。

0149

本発明は、抗CD3抗原結合ドメインと抗CD38抗原結合ドメインとを利用する。当業者によって十分に理解されるように、図(特に図2図7及び図68)のいずれかで描かれているような抗CD3CDR、抗CD3可変軽鎖及び可変重鎖のドメイン、Fab及びscFvのいずれかのグループをも使用することができる。同様に、図(図8、9及び10を参照)のいずれかで描かれているような抗CD38CDR、抗CD38可変軽鎖及び可変重鎖のドメイン、Fab及びscFvであろうとなかろうと抗CD38抗原結合ドメインのいずれかを使用し、任意で且つ独立して任意の組み合わせで組み合わせることができる。

0150

栓抜き型形式
本発明で特に使用されるヘテロ二量体足場の1つは、図1A、A及びBで示されているような「トリプルF」または「栓抜き」型の足場形式である。この実施形態では、抗体の一方の重鎖は単鎖Fv(以下で定義されるような「scFv」)を含有し、他方の重鎖は可変の重鎖及び軽鎖を含む「定番の」FAb形式である。この構造は本明細書では、「トリプルF」形式(scFv−Fab−Fc)または視覚的に大まかに栓抜きに似ているので「栓抜き型」形式と呼ばれることがある(図1を参照のこと)。2つの鎖は、以下でさらに完全に記載されているように、ヘテロ二量体抗体の形成を促進する定常領域(たとえば、Fcドメイン、CH1ドメイン及び/またはヒンジ領域)におけるアミノ酸変異体の使用によって接合される。

0151

この「トリプルF」形式に対して幾つかの異なる利点がある。当該技術で知られるように、2つのscFv構築物を頼りにする抗体類似体は安定性及び凝集の課題を有することが多く、「定番の」重鎖及び軽鎖の対合を加えることによって本発明にてそれを軽減することができる。加えて、2つの重鎖及び2つの軽鎖を頼りにする形式とは対照的に、重鎖と軽鎖の不正確な対合(たとえば、軽鎖2と対合する重鎖1、等)による課題はない。

0152

本明細書で要点が述べられている実施形態の多くは一般に、scFvを含み、scFvリンカー(多くの場合、荷電した)を用いて共有結合した可変重鎖ドメインと可変軽鎖ドメインとを含む第1の単量体を含む栓抜き型形式を頼り、その際、scFvは普通ドメインリンカー(本明細書で要点が述べられているように、非荷電または荷電であることができる)を介して第1のFcドメインのN末端に共有結合する。栓抜き型形式の第2の単量体は重鎖であり、組成物はさらに軽鎖を含む。

0153

一般に、多数の好ましい実施形態では、scFvはCD3に結合するドメインであり、重鎖及び軽鎖のFabがCD38に結合する。加えて、本発明のFcドメインは一般に、非対称変異体(たとえば、図29及び図34で示されるようなアミノ酸置換のセット;特に有用な非対称変異体はS364K/E357Q:L368D/K370S;L368D/K370S:S364K;L368E/K370S:S364K;T411T/E360E/Q362E:D401K;L368D/K370S:S364K/E357L及びK370S:S364K/E357Qから成る群から選択される)、任意で消失変異体を含み、重鎖はpI変異体を含む。

0154

本発明は、抗CD3のscFv配列が図2〜7及び図68にて示される栓抜き型形式を提供する。

0155

本発明は抗CD38の配列が図8〜10にて示される栓抜き型形式を提供する。

0156

mAb−Fv形式
本発明で特に使用されるヘテロ二量体の足場の1つは図1で示されるmAb−Fv形式である。この実施形態では、形式は、一方の単量体への「余分な」可変重鎖ドメインのC末端連結及び他方の単量体への「余分な」可変軽鎖ドメインのC末端連結の使用を頼り、従って第3の抗原結合ドメインを形成し、その際、2つの単量体のFab部分はCD38を結合し、「余分な」scFvドメインはCD3を結合する。

0157

この実施形態では、第1の単量体は、第1の可変重鎖ドメインと第1のFcドメインを含む第1の定常重鎖ドメインとを含む第1の重鎖を含み、第1の可変軽鎖ドメインはドメインリンカーを介して第1のFcドメインのC末端に共有結合する(vh1−CH1−ヒンジ−CH2−CH3−[任意のリンカー]−vl2)。第2の単量体は、第2の可変重鎖ドメインと、第2のFcドメインを含む第2の定常重鎖ドメインと、ドメインリンカーを用いて第2のFcドメインのC末端に共有結合する第3の可変重鎖ドメインとを含む(vj1−CH1−ヒンジ−CH2−CH3−[任意のリンカー]−vh2)。2つのC末端で連結した可変ドメインがCD3を結合するscFvを作り出す。この実施形態はさらに、重鎖と会合してCD38を結合する2つの同一のFabを形成する、可変軽鎖ドメインと定常軽鎖ドメインとを含む共通の軽鎖を利用する。本明細書の実施形態の多くに関して、所望どおりに且つ本明細書に記載されているように、これらの構築物は、非対称変異体、pI変異体、消失変異体、追加のFc変異体等を含む。

0158

本発明は、抗CD3のscFv配列が図2〜7にて示されるmAb−Fv形式を提供する。

0159

本発明は、抗CD38の配列が図8〜10にて示されるmAb−Fv形式を提供する。

0160

本発明は、図31にて示されるような消失変異体を含むmAb−Fv形式を提供する。

0161

本発明は、図29及び34にて示されるような非対称変異体を含むmAb−Fv形式を提供する。

0162

mAb−scFv
本発明で特に使用されるヘテロ二量体の足場の1つは図1で示されるmAb−Fv形式である。この実施形態では、形式は、単量体の一方へのscFvのC末端連結の使用に頼り、従って第3の抗原結合ドメインを形成し、その際、2つの単量体のFab部分がCD38を結合し、「余分な」scFvドメインがCD3を結合する。従って、第1の単量体は第1の重鎖(可変重鎖ドメイン及び定常ドメインを含む)を含み、C末端で共有結合したscFvはいずれかの方向性でscFv可変軽鎖ドメインとscFvリンカーとscFv可変重鎖ドメインとを含む(vh1−CH1−ヒンジ−CH2−CH3−[任意のリンカー]−vh2−scFvリンカー−vl2またはvh1−CH1−ヒンジ−CH2−CH3−[任意のリンカー]−vl2−scFvリンカー−vh2)。この実施形態はさらに、重鎖と会合してCD38を結合する2つの同一のFabを形成する、可変軽鎖ドメインと定常軽鎖ドメインとを含む共通の軽鎖を利用する。本明細書の実施形態の多くに関して、所望どおりに且つ本明細書に記載されているように、これらの構築物は、非対称変異体、pI変異体、消失変異体、追加のFc変異体等を含む。

0163

本発明は、抗CD3のscFv配列が図2〜7にて示されるmAb−scFv形式を提供する。

0164

本発明は、抗CD38の配列が図8〜10にて示されるmAb−scFv形式を提供する。

0165

本発明は、図31にて示されるような消失変異体を含むmAb−scFv形式を提供する。

0166

本発明は、図29及び34にて示されるような非対称変異体を含むmAb−scFv形式を提供する。

0167

中央scFv
本発明で特に使用されるヘテロ二量体の足場の1つは図1で示される中央scFv形式である。この実施形態では、形式は、挿入されたscFvドメインの使用を頼るので第3の抗原結合ドメインを形成し、その際、2つの単量体のFab部分がCD38を結合し、「余分な」scFvドメインがCD3を結合する。scFvドメインは、一方の単量体のFcドメインとCH1−Fv領域の間に挿入されるので、第3の抗原結合ドメインを提供する。

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