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技術 組織を分類するための反射モードマルチスペクトル時間分解型光学撮像の方法および装置

出願人 スペクトラルエムディー,インコーポレイテッド
発明者 ディマイオ,ジョンマイケルファン,ウェンシェンサッチャー,ジェフリーイー.リー,ウェイズィモウ,ウェイロン
出願日 2016年4月28日 (3年10ヶ月経過) 出願番号 2018-522071
公開日 2019年1月31日 (1年1ヶ月経過) 公開番号 2019-502418
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード 初期精度 背面像 評価標準 切断計画 光学バンドパスフィルター 近赤外バンド 生涯コスト 達成基準
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題・解決手段

本発明は、異なる時間および異なる周波数に対応する複数の画像を取得する非侵襲的光学撮像のための装置および技術に関する。また、本発明は、熱傷や他の創傷のような組織の状態の存在および重症度を評価することを含む、組織を分類する様々な用途に使用される。

概要

背景

光学撮像は、診察室病室、あるいは手術室等における疾患の予防、診断、および治療を改善するものとして期待される新しい技術である。光学撮像技術によれば、軟組織非侵襲的識別することができ、自然の組織と、内生のあるいは外来造影剤によって標識された組織とを、異なる波長においてそれらの組織の光子吸収散乱プロファイルが異なることを利用して識別することができる。光子の吸収および散乱にそのような差異があることによって、特定の組織にコントラストをつけてその機能や分子レベルでの活性を調べ、健常および疾患を判断する根拠とすることができるかもしれない。

概要

本発明は、異なる時間および異なる周波数に対応する複数の画像を取得する非侵襲的な光学撮像のための装置および技術に関する。また、本発明は、熱傷や他の創傷のような組織の状態の存在および重症度を評価することを含む、組織を分類する様々な用途に使用される。

目的

熱傷の評価におけるカラー写真の使用も困難である場合が多いが、これは、写真が提供する

効果

実績

技術文献被引用数
- 件
牽制数
- 件

この技術が所属する分野

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請求項1

組織分類するためのシステムであって、複数の発光エミッタ光源)と、光検出要素と、これらと通信する1以上のプロセッサとを有し、前記複数の発光エミッタが、第1の組織領域および第2の組織領域を照射するために、複数の波長の光を順次放出するよう構成され、該複数の発光エミッタのそれぞれが空間的に均一な光を放出するよう構成され、該複数の波長の光が、第1の波長領域内または第2の波長領域内にあり、第1の波長領域が第2の波長領域と不連続かつ第2の波長領域よりも低いこと、前記光検出要素が、第1の組織領域または第2の組織領域の少なくとも一部から、前記複数の発光エミッタから放出されて該第1の組織領域または第2の組織領域の一部から反射された光を収集するよう構成されていること、ならびに前記1以上のプロセッサが、前記複数の波長の光のそれぞれを順次放出するように前記複数の発光エミッタを制御し、前記光検出要素から、前記複数の波長で順次放出されて前記第1の組織領域の一部から反射された光を示す複数の信号の第1のサブセットと、前記複数の波長で順次放出されて前記第2の組織領域の一部から反射された光を示す複数の信号の第2のサブセットとを有する、複数の信号を受信し、前記複数の信号にマルチスペクトル撮像処理を適用し、前記マルチスペクトル撮像処理に少なくとも一部基づいて、前記第1の組織領域の一部と前記第2の組織領域の一部の組織の差を特定し、かつ前記組織の差に少なくとも一部基づいて、前記第1の組織領域の一部と前記第2の組織領域の一部を分類するよう構成されていることを特徴とするシステム。

請求項2

光ファイバープローブをさらに含み、前記光検出要素が該光ファイバープローブの第1のファイバーを含み、前記複数の発光エミッタが該光ファイバープローブのさらなる複数のファイバーを含む、請求項1に記載の組織分類システム。

請求項3

前記第1のファイバーが画像センサーまたは分光計データ通信し、前記さらなる複数のファイバーが光源からの複数の波長の光を受光する、請求項2に記載の組織分類システム。

請求項4

照射されている第1の組織領域および第2の組織領域からの周囲光遮蔽するよう配置されたシールドをさらに含む、請求項1に記載の組織分類システム。

請求項5

前記第1の波長領域が400nm〜500nmであり、前記第2の波長領域が720nm〜1000nmである、請求項1に記載の組織分類システム。

請求項6

前記複数の信号の前記第1のサブセットが第1の時系列における複数の異なる時点に対応し、前記複数の信号の前記第2のサブセットが第2の時系列における複数の異なる時点に対応する、請求項1に記載の組織分類システム。

請求項7

前記1以上のプロセッサが、前記複数の信号にフォトプレチスモグラフィ処理を適用することによって前記第1の組織領域の一部および第2の組織領域の一部の血液灌流を算出するよう構成されている、請求項6に記載の組織分類システム。

請求項8

前記1以上のプロセッサが、さらに前記血液灌流に少なくとも一部基づいて、前記第1の組織領域の一部と前記第2の組織領域の一部を分類するよう構成されている、請求項7に記載の組織分類システム。

請求項9

前記1以上のプロセッサが、前記第1の組織領域を健康な皮膚として分類し、前記第2の組織領域を熱傷として分類する、請求項1に記載の組織分類システム。

請求項10

前記第1の波長領域が450nm〜525nmであり、前記第2の波長領域が700nm〜925nmである、請求項9に記載の組織分類システム。

請求項11

前記1以上のプロセッサが、前記第1の組織領域を切除された皮膚として分類し、前記第2の組織領域を熱傷として分類する、請求項1に記載の組織分類システム。

請求項12

前記第1の波長領域が400nm〜450nmまたは525nm〜580nmであり、前記第2の波長領域が610nm〜1050nmである、請求項11に記載の組織分類システム。

請求項13

組織を分類する方法であって、1以上のプロセッサによって第1の組織領域および第2の組織領域を照射するために、それぞれが空間的に均一な光を放出するよう構成された複数の光源を、第2の波長領域よりも低く第2の波長領域と不連続な第1の波長領域内または第2の波長領域内にある複数の波長の光が順次放出されるよう制御すること、光検出要素を介して、第1の組織領域および第2の組織領域それぞれの少なくとも一部から、第1の組織領域の一部または第2の組織領域の一部から反射された複数の光の波長のうち1つをそれぞれ示す複数の信号を受信すること、前記複数の信号にマルチスペクトル撮像処理を適用することによって、前記第1の組織領域の一部と前記第2の組織領域の一部の組織の差を特定すること、ならびに前記組織の差に少なくとも一部基づいて、前記第1の組織領域の一部と前記第2の組織領域の一部を分類することを含む方法。

請求項14

前記第1の波長領域が400nm〜500nmであり、前記第2の波長領域が720nm〜1000nmである、請求項13に記載の組織分類方法。

請求項15

光ファイバープローブが前記複数の光源および前記光検出要素を含む、請求項13に記載の組織分類方法。

請求項16

前記第1の組織領域が健康な皮膚を含み、前記第2の組織領域が熱傷を含み、前記第2の組織領域の一部を分類することが、熱傷の程度を特定することを含む、請求項13に記載の組織分類方法。

請求項17

前記1以上のプロセッサが、前記熱傷の程度に基づいて、該熱傷を囲む領域で必要とされる切除の回数を特定するようさらに構成されている、請求項16に記載の組織分類方法。

請求項18

前記第1の組織領域が切除された組織を含み、前記第2の組織領域が熱傷を含み、前記第2の組織領域の一部を分類することが、熱傷の程度を特定することを含む、請求項13に記載の組織分類方法。

請求項19

前記1以上のプロセッサが、前記熱傷の程度に基づいて、該熱傷を囲む領域で必要とされるさらなる切除の回数を特定するようさらに構成されている、請求項18に記載の組織分類方法。

請求項20

前記複数の信号にフォトプレチスモグラフィ処理を適用することによって前記第1の組織領域の一部および第2の組織領域の一部の血液灌流を算出することをさらに含む、請求項13に記載の組織分類方法。

請求項21

前記第1の組織領域の一部と前記第2の組織領域の一部を分類することが、さらに前記血液灌流に少なくとも一部基づくものである、請求項20に記載の組織分類方法。

技術分野

0001

連邦政府支援による研究開発に関する報告
本開示に記載された研究のいくつかは、米国保健福祉省の事前準備対応次官補局内にある生物医学先端研究開発局の認可の下、米国政府による助成契約番号HHSO100201300022C)を受けて行われた。米国政府は、本発明について一定の権利を有しうる。

0002

本明細書に開示されたシステムおよび方法は、非侵襲的臨床撮像に関し、より具体的には、皮下の血流の非侵襲的撮像、拡散反射分光法、およびコンピュータ利用診断に関する。

背景技術

0003

光学撮像は、診察室病室、あるいは手術室等における疾患の予防、診断、および治療を改善するものとして期待される新しい技術である。光学撮像技術によれば、軟組織を非侵襲的に識別することができ、自然の組織と、内生のあるいは外来造影剤によって標識された組織とを、異なる波長においてそれらの組織の光子吸収散乱プロファイルが異なることを利用して識別することができる。光子の吸収および散乱にそのような差異があることによって、特定の組織にコントラストをつけてその機能や分子レベルでの活性を調べ、健常および疾患を判断する根拠とすることができるかもしれない。

発明が解決しようとする課題

0004

熱傷評価のための組織分類
本明細書に記載される本発明の態様のいくつかは、光学撮像を用いて組織を分類するために使用することのできる装置および方法に関する。傷ついた組織を分類することのできる非侵襲的撮像技術、特に、創傷重症度評価による迅速なトリアージを容易にし、治療開始前、治療中、および/または治療後に、治癒の進行を監視できる技術が、長年にわたり必要とされてきた。そのような必要性の一例として、日常的な熱傷のケアおよび/または集団的な熱傷のケアにおいて、トリアージを行って重症度を評価するために使用することのできる、より良い撮像技術に対する要望が挙げられる。

0005

集団的な熱傷のケアの例に関して、より良い撮像技術の必要性を説明するために、以下を考慮されたい。現在、米国における熱傷の専門家はわずか250人、熱傷用のベッドは全米で1800床に過ぎない。そしてこのような熱傷用の設備は、現在95%の稼働率で使用されている。熱傷患者の数が急激に増えれば、熱傷専門家による手当ての必要な患者を直ちに特定し、優先することが必要となる。さらに、大惨事の発生ともなれば、熱傷の専門家ではない内科医が患者のニーズ対処することも必要となる。例えば、原子力による緊急事態森林火災、または大規模花火事故等の際には、熱傷の治療を必要とする患者の数は突如として急激に増加しうる。現在の技術レベルでは、熱傷の専門家であっても熱傷を評価することは困難であり、またその評価は主観的な性質を有するため、熱傷の専門家および専門家でない内科医のいずれもが、緊急の処置および/または熱傷専門家によるケアを必要とする患者を速やかに特定または分類できるような装置の必要性は明白である。大規模災害シナリオによれば、10000人もの患者が熱傷のケアを必要とする可能性がある。米国内の専門外科医の数および熱傷センターの数は限定的であるため、そのような事故の際に、専門家ではない医療従事者が迅速かつ広範に使用することのできる熱傷治療が、公衆衛生上必要とされている。また、当該分野では、熱傷以外についても、損傷組織と非損傷組織とを迅速に分類して鑑別することのできる方法および装置が必要とされている。

0006

標準的な熱傷ケアは、熱傷の深さを推定するための目視触診から始まる。熱傷を深さによって分類した後、効果的な治療計画が立てられる。通常、表皮熱傷および全層熱傷は、所見に基づき直ちに分類できる。しかし、中間層熱傷の「浅達性」または「深達性」への分類は、遅れることが多い。この遅れは、中間層熱傷が時間をかけて進行するまで、皮膚の損傷の範囲を完全には可視化できないことによる。

0007

中間層熱傷の深さを迅速かつ正確に分類することは重要であるが、これにはいくつかの理由がある。第一に、浅達性中間層熱傷と深達性中間層熱傷では治療プロトコルが大きく異なる。浅達性中間層熱傷は局所的に軟膏を使用するだけでよく、7〜21日間で自然に治癒するが、深達性中間層熱傷は外科的に切除し、恵皮部からの自家植皮を行う必要がある。第二に、傷跡および細菌の定着を最小限に抑えるためには、外科的介入の必要性の有無をできるだけ早く見極めることが重要である。中間層熱傷の分類に関連して介入が遅れると、感染症代謝異常、および臓器不全リスクが増すことが示されている。さらに、切除の遅れによって熱傷の進行が増すわけではないことが、最近になって示されている。最後に、熱傷が複数領域に存在することは一般的であり、異なる深さの熱傷が混在する場合が多い。熱傷の領域全体に最適な治療を施すためには、複雑な熱傷の切除と移植において、専門家による計画注意深くかつ特異的な切除が必要とされる。

0008

米国の病院における熱傷の専門家はわずか250人、熱傷用ベッドは1800床(稼働率95%)に過ぎず、熱傷ケアの資源は乏しい。したがって、熱傷患者のケアの最前線非専門家であることが多く、熱傷治療の経験を欠いているために、治療の遅れや最適でない治療につながり合併症の率を高めている。現状において、熱傷深さの臨床診断の正確さは、専門家による場合が70〜80%とみなされており、非専門家の場合は60%に過ぎない。

0009

熱傷深さの評価を改善する可能性の最も高い手段としては、蛍光染料高周波数超音波核磁気共鳴撮像(MRI)、写真撮影サーモグラフィーレーザードップラー撮像(LDI)等が挙げられる。レーザードップラー撮像は、熱傷ベッドにおける診断を含むものとして米国食品医薬品局許可を受けた唯一の技術である。この技術は非侵襲的であり、傷の評価に有効であることが示されており、現時点で熱傷の専門家に利用可能な技術となっている。しかしながら、利用可能であるにもかかわらず、主として大規模な熱傷センターにおける消極的な使用にとどまっている。該診断には大きな不都合(傷が完全にむき出しであることおよび患者が動かず静止状態を保つことが必要とされ、かつ受傷から48時間の遅れが生じる)のあることが知られており、結果として臨床の場での有用性は低くなっている。結果が得られるまでにかかる時間も長い。サーモグラフィーも、LDIと同様に非侵襲かつ非接触であるが、患者は恒温室内で15分間、温度が平衡に達するまで待つ必要があり、現在のところ熱傷の深さを分類する方法として適切とはされていない。熱傷の評価におけるカラー写真の使用も困難である場合が多いが、これは、写真が提供するのはヒトの目で認識できるものに過ぎず、熱傷専門の外科医による画像の解釈が必要となることによる。インドシアニングリーン(IDC)のような血管内染料は、組織内の血流に関する情報を提供するものである。この技術は、熱傷における研究が行われており、熱傷において血液灌流の多い領域または少ない領域を特定するために使用できる。この技術は侵襲的であり、画像を得ようとする度に染料の注入が必要とされ、外科的処置によっては所望する画像の数に応じて複数回の注入が必要となることもあり、費用も時間もかかる。

0010

見込みのある別の手段として注目に値するマルチスペクトル撮像(MSI)は、熱傷の表面からの可視光および近赤外光選択波長反射率を測定するものである。組織には様々な種類があり、光との相互作用仕方がそれぞれ異なる組織成分特有の組み合わせから構成されている。このような光と組織との相互作用によって特有の反射シグネチャーが生じ、それをMSIが捕捉することで、熱傷の重症度分類における使用が可能となる。MSIでは、患者の多少の動き許容され、局所軟膏包帯を通して組織を評価することができる。これらの特性から、MSIは魅力のある手段となっている。

0011

MSIは、臨床環境において過去に試験されており、まず1977年にAnselmoらによって、後の1988年にはAfromitzらによって結果が出されている。これらの実験では、種々の熱傷深さの分類には成功したが、それぞれの結果が得られるまでに数日から数週間の時間を要した。ここ数十年間における撮像技術およびコンピュータ処理能力の向上によって、MSI技術は、患者の診察手術の一部として日常的に利用できるものとなった。

0012

MSI技術の精度は、臨床装置において使用すべき有用な波長の特定に依存する。本発明では、MSIの能力を試験するためにブタの熱傷モデルを使用し、様々な波長を用いて、当初の創傷部位および外科的壊死組織除去術(熱傷切除術としても知られている)の過程における中間層熱傷について調べた。選択された波長は、皮膚組織の主要な構成要素(血液、メラニン、水、脂肪、および細胞外マトリックス(ECM))の吸収ピークに相当するものであり、本明細書の「理論」のセクションで説明されるように、先の臨床的研究によって熱傷を分類できることが示唆されるものであった。各波長の臨床的有用性は、同じサンプルの病理組織学的な評価によって検証された。

0013

光学撮像技術は、組織の表面または表面近傍を非接触かつ迅速に評価する方法を提供する。組織における血液灌流の研究は、光学的方法の使用により達成できる。これは、血液中ヘモグロビンが、組織における顕著な光学的吸収源であることによる。皮下組織および表面組織に存在する、血液によって運搬されるこれらの発色団は、周囲の組織とコントラストをなす光学的パラメータ(主として吸収性)を有している。組織内の血液灌流に関する時間変化信号、すなわちフォトプレチスモグラフ(PPG)信号は、組織内の血流の特殊な性質によって生じる。血管を通って組織内を流れる、ヘモグロビンを運搬する細胞を含む血液は、心周期ごとに容積周期的な変化を示す。この血液容積の動的変化を、相対的血液灌流、心臓機能、および末梢血管健康状態を含む、組織の健康状態の評価に使用することができる。このスペクトル光学撮像技術、すなわちPPG撮像により、組織の表面を通って流れる血液灌流を監視する能力が提供される。

0014

非接触の反射率モードPPG撮像は、潅流された組織からの後方散乱光解析することによって達成される。光が組織に入射すると、その光の一部は組織内で散乱し、血中の発色団と相互作用し、その後、組織表面を通って散乱する。経時的観察を行うと、このような光と組織との相互作用は、組織から反射される光全体の約1〜2%にあたる弱いAC変調をきたす。この後方散乱光の小さいAC信号を解析することにより、動脈循環の位置、相対的血液容積、および相対的血液濃度に関する情報を得ることができる。この情報から生成される画像により、組織の血流および脈拍数の変化を含む病理を評価する方法が提供されるが、これには組織の潅流、心臓血管の健康状態、潰瘍等の傷、末梢動脈疾患、および呼吸器官の健康状態が含まれる。

0015

組織の血液灌流を測定するための、高信頼性低コスト、かつポータブルな光学撮像技術は、医学界にとっての価値が高い。PPG撮像は、熱傷および慢性的創傷のケアに用途を有する、そのような技術の一つである。発明者らは、特に熱傷に関心を寄せているが、それは、この技術が、使い捨てあるいは滅菌した人体接触装置を必要とすることなく、熱傷患者を評価できると期待されることによる。

0016

非接触PPG撮像は、通常、光源として近赤外光(NIR)を使用するが、これは、この波長において、組織に侵入する光子が増加する点で有利であることによる。通常の構成では、撮像ターゲットである組織の近くに光源を配置することが含まれる。組織を通る光の経路バナナ形状であるため、PPG信号を画像の暗領域に集めることができる。画像の無照射領域から発せられたPPG信号をこれによって検出するためには、通常、高いダイナミックレンジで弱光を感知するセンサー(通常、科学CMOSカメラまたは科学CCDカメラ)が必要とされる。本開示では、受信したPPG信号について照射パターンおよび照射強度変数を検討し、撮像装置視野(FOV)全体にわたってより明るくより一様な照射を行うことによって、PPG信号の強度を増すことができるという仮説を立てた。

0017

例えば、本明細書に開示される実験において、空間的に均一な、DC変調された照射光源を使用する光学PPGプロトタイプシステムを開発した。一様な照射の原理を説明し、PPG撮像の性能を評価し、別種の光源の性能との比較を行う。組織様光学特性を有するベンチトップ型の組織ファントムを通じて、評価撮像システムの較正を行い、動物モデル実験を実施した。PPG撮像に一様な照射を使用することによって、動物熱傷モデルにおける表面血管撮像の性能が改善されることを示した。

0018

本明細書で開示される代替案において、熱傷壊死組織除去術中に皮膚における熱傷の存在を特定する目的で使用することのできる、非接触反射型フォトプレチスモグラム(PPG)撮像の方法およびシステムが提示される。これらの方法およびシステムは、熱傷の切除および創傷トリアージにおける決定等の皮膚創傷管理プロセスにおいて、臨床医および外科医の助けとなるかもしれない。いくつかの実験において、照射の一様性および強度のシステム変数について検討し、得られた知見を提示している。PPG撮像装置のための照射方法としては、LED配列タングステン光源、および最終的には高出力LEDエミッタについて研究を行った。これらの3つの異なる照射源について、制御された組織のファントムモデルおよび動物熱傷モデルにおいて試験した。高出力LEDエミッタを使用した低発熱の一様な照射パターンにより、動物の熱傷モデルにおいて収集されたPPG信号が大幅に改善されることが見出された。これらの改善によって、異なる画素のPPG信号が時間ドメインにおいても周波数ドメインにおいても比較可能なものとなり、複雑な照射サブシステム単純化され、高ダイナミックレンジカメラを使用する必要性が低下した。動物の熱傷データおよび制御された組織のファントムモデルにおける血流量のような熱傷モデルの結果を比較することを通じて光学的改善がなされたため、熱傷評価の助けとなるような、臨床的により応用しやすい画像が得られるようになった。

0019

本明細書に記載した代替案は、褥瘡性潰瘍充血四肢退行レイノー現象慢性創傷擦過傷裂傷出血破裂損傷、穿刺穿通創傷、がん、または組織の性質および特性が正常な状態とは異なる任意のタイプの皮膚変化についてその重症度を特定および/または分類するために使用できる。本明細書に開示した装置は、健康な組織の監視、(例えば壊死組織切除マージンを決定するためのより迅速かつ洗練されたアプローチの提供による)創傷の治療手順の促進および改善、ならびに(特に治療が施された後の)創傷または疾患からの回復の進み具合の評価に使用することができる。本明細書に開示したいくつかの代替案では、傷ついた組織に隣接している健康な組織の特定、切除マージンの決定、左心補助循環装置等の補綴を移植した後の回復の監視、組織移植片または移植再生細胞生存率の評価、(特に再建処置後の)術後回復の監視が可能な装置が提供される。さらに、本明細書に開示した別の代替案は、傷の変化または受傷後の健康な組織の再生を、特にステロイド肝細胞成長因子線維芽細胞成長因子抗生物質、または再生細胞(幹細胞内皮細胞および/または内皮前駆細胞を含む単離または濃縮された細胞集団等)等の治療薬の導入後に評価するために使用することができる。

0020

本明細書に開示される別の代替案では、同一のシステムハードウェア、すなわちPPG撮像およびMSIを用いて達成することのできる2つの光学撮像技術が提示される。この2つの様式は、評価する組織特性のタイプに関して互いを補完するものである。例えば、PPG撮像では、生存組織と非生存組織を区別するために皮膚表面の直下に存在する動脈血流の強度を測定する。MSIでは、測定された反射スペクトルを公知の反射スペクトルの確立されたライブラリと比較することによって、組織に吸収された光および反射された光の種々の波長を解析し、組織を分類する。

0021

PPG撮像では、パルスオキシメトリで使用されている技術と同じ技術を使用して、心拍数呼吸数、およびSpO2(経皮的動脈血酸素飽和度)を含む生命信号を捕捉することができる。PPG信号は、光と血管組織における動的変化との相互作用の測定によって生成されてもよい。血管組織は、心拍周期収縮期血圧波に合わせてその容積が約1〜2%の膨張および収縮を繰り返す。この血液の流入は、組織の容積を増すだけでなく、光を強く吸収するヘモグロビンタンパクをさらに運び入れる。そのため、この組織における光の吸収は、心拍に合わせて規則的に変動する。したがって、組織の血流の変化は、組織を通過する光がどのように吸収されるかを記録することによって生じるプレチスモグラムを解析することによって確認することができる。この情報は、パルスオキシメータによって報告される生命信号に翻訳される。

0022

プレチスモグラムから画像を生成するために、組織を通る光路を利用することもある。組織の表面に入射する光の一部は、組織内で散乱する。この散乱光の一部は、最初に入射したときと同じ表面を通って組織から出る。高感度デジタルカメラを用いて、組織のある領域におけるこの後方散乱光の収集を行うが、その際、撮像装置の各画素が、散乱光の強度の変化によって決まる固有PPG波形を含むようにする。相対的な組織血流2次元マップを生成するために、固有の波形それぞれの振幅を測定する。多くの拍動サンプルの平均振幅を測定することにより、精度を向上させることができる。

0023

MSIは、可視光と近赤外光の選択波長に関して、ある表面からの反射率を測定するものであってよい。MSIを熱傷に適用できる理由は、様々な組織が、生きた組織であっても壊死組織であっても、光との相互作用の仕方がそれぞれ異なる組織成分の特有の組み合わせから構成されているからである。光と組織との相互作用が多様であることにより、MSIに捕捉される特有の反射シグネチャーが生じる。患者の熱傷からスペクトルシグネチャーを収集し、患者の熱傷を特徴付けるために、既知のスペクトルシグネチャーのデータベースと比較することもできる。MSIは、新しいハイパースペクトル撮像装置と比べると組織を特徴付けるための固有の波長が少ない場合もあるが、MSIの使用は、空間分解能スペクトル領域、画像の獲得速度、および費用において有利な場合もあり、これらが考慮される。熱傷の重症度をスペクトルで特定することは、1970年代に、患者の初期評価における臨床観察を補う手段として提案された。深さの異なる熱傷の固有の光学的反射特性を調べることによって熱傷の重症度を特定できることは、交換可能なフィルターを備えたNASAに開発されたカメラの使用により、1977年に実証された。別の複数のグループも、この技術を利用して熱傷組織の特徴付けを行うことにおいて、いくばくかの成功を収めた。これらの研究により、MSIは臨床的判断と比べて熱傷の深さの測定において優れていることが示されたが、皮膚表面の水分により輝度を増すスペクトル反射をフィルターすることが必要であるといった技術上の難点があることによって、MSIの臨床的応用には制限があることも報告された。最も重要なことは、MSIは、この技術が開発された当初は、データ処理に厳しい制限があったためにデータの獲得に何日間も要したが、現代的なコンピュータ技術の恩恵を享受する今日では、エンジニアはもはやそのような問題には直面しないということである。
切断のための組織分類

0024

米国では、毎年約18万5千件もの下肢切断が起こり、米国の成人約2百万人以上が切断の経験者である。切断の最も大きな危険因子は、末梢動脈疾患(PAD)であり、糖尿病DM)を併発していることも併発していないこともあるが、全切断者半数以上を占め、血行障害切断と呼ばれている。DMを有する患者は、下肢切断のリスクが一般の人々に比べて10倍も高く、糖尿病による下肢の潰瘍のために、毎年6万件を超える切断が行われている。毎年、10万人につき約30人が、血行障害疾患に続発する切断を余儀なくされている。米国の高齢化により、この件数は今後10年間で50%以上増加すると考えられている。

0025

米国の医療制度における四肢切断の年間の損失は、財政面でもそれ以外の面でも、莫大である。退役人(VA)システムが独自に行ったある調査によれば、糖尿病に伴う四肢欠損に関連する費用負担は、2010年の単年度で2億ドル(患者1人当たり、60647ドル)を超えていた。米国における下肢切断のための病院関連費用は、2009会計年度において総額80.3億ドルに上りリハビリテーションや補綴の費用も含めた大切断術1件の生涯コストは、患者1人当たり約50万ドルであった。四肢切断では、重い財政負担に加えて、切断の結果として患者は著しく不健康な状態に置かれ、生活の質の低下を経験する。重要なことに、このような患者の機能状態は悪く、血行障害による下肢大切断を受けた後に補綴の助けを借りて家の外を歩くことができる患者は25%に過ぎない。より近位での切断を要する状態に進行すると、組織の喪失が増すにつれてエネルギーコストも増加し、リハビリテーションによって歩けるようになる可能性は低くなる。

0026

切断の際、四肢組織をできる限り多く残すことが好ましいのは明らかであるが、外科医は、所定の切断レベル(LOA)における一次創傷治癒の可能性とバランスを取る必要があり、遠位での切断は選択し難い。適切なLOAを選択することは、主として外科医の臨床的判断(患者の履歴および身体診察(皮膚の色、体温末梢脈拍、および処置中の傷からの出血)ならびに糖尿病、喫煙栄養状態等の臨床要因に関する情報を利用)に基づいて、場合によっては、組織の血流および/または酸素化定量化するように設計された様々な非侵襲試験(足関節上腕血圧比[ABI]、経皮酸素測定[TCOM]、または皮膚潅流圧[SPP])と組み合わせて行われる。しかしながら、最も一般的に使用されている試験(ABI)が現在のガイドライン推奨されているにもかかわらず、ABIにより評価されるのは、下肢切断を受ける患者の半数に過ぎない。さらに、ある研究によれば、足背動脈において触知可能な拍動を有する患者の50%と、正常なABIを有する患者の30%が、前足部の切断後に再切断を要したことが示された。同じ研究において、切断と同時に血行再建術を受けた患者の50%近くが、遠位端の血行再建に向けて特別な努力が払われたにもかかわらず、やはり再切断を要した。TCOMは当初、切断後の一次創傷治癒の可能性を明らかにできると見込まれたが、臨床診療におけるTCOMの役割を明確にするに足る大規模かつ有力な調査が完了しておらず、その有用性に関してはいまだに議論されている。さらに、TCOMの測定は、体温のような生理学的条件の影響を受け、またTCOM電極は、皮膚の狭い領域しか測定できない。したがって、TCOMは、数十年にわたって利用可能であったものの、日常的な臨床診療には採用されていない。

0027

組織をできる限り多く残しておくことと、一次創傷治癒に失敗するリスクを最小限にすることとの難しい兼ね合いと、適切なLOAを定めるための臨床的判断に関する信頼性を考慮すれば、報告されている再切断率は最適なものとは言えない。再切断率は、当初の切断レベルによって、上(AKA)切断の場合の約10%から足部切断の場合の約35%まで様々であるが、より近位レベルでの再切断が必要となる。再切断の直接的なコストに関して現時点で利用できるデータは限られているが、血行障害による切断に伴うケアに関して毎年費やされている数十億ドルのうち相当な部分が、再切断、再入院およびABIに基づく当初の手術と再切断の間の創傷ケアに費やされた努力に関するコストに占められていることは明らかである。一次治癒の遅れや失敗により、患者が感染症等に罹患したり死に至ったりするリスクが高まる。さらに、ABIに基づく切断後に一次創傷治癒が遅れたり失敗したりすると、患者の生活の質に深刻な影響を与えることとなる。また、再切断を必要とする患者は、歩行可能な状態に戻るための身体リハビリテーションおよび補綴を得ることが遅れることとなる。このような患者は、医療制度を利用する回数が増加し、再手術の前にさらなる創傷ケアを受けることになる。これは、最初に適切なLOAが選択されていれば避けることのできた無駄な努力であると言える。再切断率に関する報告は多いが、医師が再切断のリスクを意識して必要以上に近位側でのLOAを強引に選択することがどれくらいの頻度で起こっているかという調査の報告はない。実際に、外科医が、より遠位レベルでも治癒の可能性が高いことを自信を持って予測することができないという理由から、患者が必要以上に近位側での切断を受け入れることはありうる。したがって、LOAに関する決定の指針となる試験は、再切断率を低減しつつ、大切断に直面している患者の組織をできる限り多く残しておける可能性を有している。

0028

しかしながら、血行障害疾患を有する患者が切断を受けた後の、一次創傷治癒の可能性を決定するゴールドスタンダード試験は、現時点では存在しない。組織の微小循環のみを局所的に評価することによってそのようなゴールドスタンダードを見出そうとする試みは、多くなされてきた。このような状況の下、TCOM、SPP、およびレーザードップラーを含む、皮膚組織の血液灌流および酸素化を正確に測定できることが知られている装置の試験が行われている。今のところ、微小循環の評価のみでは、LOAの選択時に臨床的判断に代わって組織の治癒の可能性を十分な精度で評価できるような結果は得られていない。したがって、皮膚の局所的灌流および酸素化を特徴付けるだけでは、組織の治癒の可能性を定量化するための十分な情報となりえないことは明らかである。これらの技術のいずれにおいても予後に含めることができていないのは、創傷の治癒の可能性にも影響を与える併存疾患全身的影響である。実際、20年近く前に、血行障害による大切断の後の創傷の治癒に影響を与える要因について検討した著者の1人は、切断における適切なレベルの選択に関して、「創傷の治癒に関連するのは組織の血流だけではないため、大切断後の治癒の可能性を予測するための『ゴールドスタンダード試験』は存在しないであろう。この検討において言及した他の要因(喫煙、栄養状態、糖尿病、および感染症)もまた重要であるかもしれない。したがって、臨床的判断と種々の試験との組み合わせが、最も一般的なアプローチである。」と結論付けた。この著者の予測に反して、Spectral MDにより、組織の血流の生理を特徴付ける客観的な試験から収集される情報と、患者の重要な健康指標とを統合する能力を有する撮像装置が開発された。前述の問題は、特に、本開示の機械学習アルゴリズムの項に記載される、微小循環の光学的評価と患者の全般的健康指標とを組み合わせて予後情報を生成するようないくつかの実施形態において、取り扱っている。この方法を用いることにより、本発明の装置では、創傷の治癒の可能性について定量的な評価をすることができる。これは、定性的な評価しかできない現在の臨床判断基準とは対照的である。

課題を解決するための手段

0029

したがって、本発明の一態様は、第1の組織領域を照射するための1以上の光源と、第2の組織領域から反射された光を受けるための1以上の画像取得装置と、前記1以上の光源および前記1以上の画像取得装置を制御して異なる時間および異なる周波数帯に対応する複数の画像を取得するためのコントローラと、前記複数の画像に少なくとも一部基づく1以上の臨床状態によって第2の組織領域のエリアを解析するためのプロセッサとを有する撮像システムに関する。

0030

別の一態様は、1以上の光源によって第1の組織領域を照射すること、1以上の画像取得装置によって第2の組織領域から反射された光を受けること、第2の組織領域の、異なる時間および異なる周波数帯に対応する複数の画像を取得すること、ならびに前記複数の画像に少なくとも一部基づいて第2の組織領域のエリアを分類することを含む方法に関する。

0031

別の一態様は、第1の組織領域を照射するための1以上の光源と、第2の組織領域から反射された光を受けるための1以上の画像取得装置と、第2の組織領域の、異なる時間および異なる周波数帯に対応する複数の画像を取得する手段と、前記複数の画像に基づいて第2の組織領域のエリアを分類するための手段とを有する撮像システムに関する。

0032

別の一態様は、創傷の治癒の誘導または創傷の回復の改善のための方法に関し、該方法は、(a)健康な組織を含む第1の組織領域および創傷の少なくとも一部を含む第2の組織領域の、異なる時間および異なる周波数帯に対応する複数の画像を、本明細書で開示される任意のシステムを利用すること等によって取得すること、(b)(a)で取得した複数の画像に基づいて第2の組織領域のエリアを分類すること、ならびに(c)創傷の治癒が誘導されるように、創傷の少なくとも一部に治療剤および治療技術の一方または両方を施すことを含む。

0033

別の一態様は、創傷の治癒または創傷の回復を監視する方法に関し、該方法は、(a)健康な組織を含む第1の組織領域および創傷の少なくとも一部を含む第2の組織領域の、異なる時間および異なる周波数帯に対応する複数の画像を、本明細書で開示される任意のシステムを利用すること等によって取得すること、(b)(a)で取得した複数の画像に基づいて第2の組織領域のエリアを分類すること、(c)創傷の治癒が誘導されるように、創傷の少なくとも一部に治療剤を施すこと、ならびに(d)(c)を実施した後に、少なくとも(a)および(b)を繰り返すことを含む。

0034

別の一態様は、創傷を分類する方法に関し、該方法は、(a)健康な組織を含む第1の組織領域および創傷の少なくとも一部を含む第2の組織領域の、異なる時間および異なる周波数帯に対応する複数の画像を、本明細書で開示される任意のシステムを利用すること等によって取得すること、ならびに(b)(a)で取得した複数の画像に基づいて第2の組織領域のエリアを分類することを含む。

0035

別の一態様は、創傷の壊死組織を切除する方法に関し、該方法は、(a)健康な組織を含む第1の組織領域および創傷の少なくとも一部を含む第2の組織領域の、異なる時間および異なる周波数帯に対応する複数の画像を、本明細書で開示される任意のシステムを利用すること等によって取得すること、(b)(a)で取得した複数の画像に基づいて、健康な組織と壊死組織との界面よりも近位の領域等の、壊死組織切除のマージンを決定すること、ならびに(c)前記壊死組織切除マージン内の創傷の壊死組織を切除することを含む。

0036

別の一態様は、慢性の創傷を特定する方法に関し、該方法は、(a)健康な組織を含む第1の組織領域および創傷の少なくとも一部を含む第2の組織領域の、異なる時間および異なる周波数帯に対応する複数の画像を、本明細書で開示される任意のシステムを利用すること等によって取得すること、ならびに(b)(a)で取得した複数の画像に基づいて、第2の組織領域のエリアを慢性の創傷を代表するエリアとして分類することを含む。

0037

別の一態様は、熱傷の重症度を評価する方法に関し、該方法は、対象を、光源および画像取得装置に近接するよう配置すること、前記光源を使用して、対象の第1の組織領域を照射すること、前記画像取得装置を使用して、第2の組織領域の複数の画像を取得すること、前記画像取得装置によって取得した複数の画像に少なくとも一部基づいて、第2の組織領域のエリアの熱傷の状態を分類すること、ならびに前記分類に少なくとも一部基づいて、対象における熱傷を負った体表総面積概算パーセンテージを計算することを含む。

0038

別の一態様は、対象の熱傷の重症度を評価するための装置に関し、該装置は、第1の組織領域を照射するための1以上の光源と、第2の組織領域から反射された光を受けるための1以上の画像取得装置と、前記1以上の光源および前記1以上の画像取得装置を制御して第2の組織領域の複数の画像を取得するためのコントローラと、前記複数の画像に基づいて第2の組織領域のエリアの熱傷の状態を分類し、該熱傷状態の分類に基づいて、対象における熱傷を負った体表の総面積の概算パーセンテージを計算するためのプロセッサとを含む。

0039

別の一態様は、データを保存および更新するための方法に関し、該方法は、
複数のデータセンターを含み、データセンターのそれぞれが1以上の物理コンピュータシステムを含み、物理的コンピュータシステムが1以上の仮想デスクトップインスタンスを実行するよう設定可能であり、仮想デスクトップインスタンスがそれぞれ1以上のアプリケーションを実行するよう設定可能なオペレーティングシステムを含むコンピュータ環境に関連付けられ、PESのユーザのコンピュータデバイスネットワーク経由で仮想デスクトップインスタンスにアクセス可能であることを特徴とするプログラム実行サービス(PES)の制御下で、
PESとユーザの第1のコンピュータデバイスとの間の双方向接続を形成すること、
PES上で、前記第1のコンピュータデバイスからの、組織の状態に関するデータを含む動的ライブラリとの同期リクエストを受信すること、
前記動的ライブラリが1以上のコンピュータデバイスと同期されるか否かを示すファイルメタデータアクセスすること、
前記ファイルメタデータに少なくとも一部基づいて、前記動的ライブラリが前記第1のコンピュータデバイスと同期されるか否かを決定すること、および
前記動的ライブラリが前記第1のコンピュータデバイスと同期されるという決定に応じて、前記双方向接続を利用して前期動的ライブラリを前記第1のコンピュータデバイスと同期させること
を含み、
同期された動的ライブラリが第1のコンピュータデバイス上にローカルに保存され、PESと第1のコンピュータデバイスとの双方向接続を用いずにアクセス可能であることを特徴とする。

図面の簡単な説明

0040

添付の図面を参照しつつ本発明の態様を説明するが、図面は説明のためのものであり、本発明の態様を限定するものではない。図中、同種の符号は同種の要素を示す。本願明細書は、少なくとも1枚のカラー図面を含む。所定の費用を支払うことによって、カラー図面を含む本願明細書のコピー入手することができる。

0041

対象の画像を取得している撮像装置の構成要素の例を示す。

0042

例示的な撮像プローブの動作の例を示す。

0043

画像を取得するためのユーザインターフェースを例示する図である。

0044

1人の対象の複数の表面の画像を例示する図である。

0045

トリアージのためのモザイク技術を例示する図であり、この技術は本明細書に記載の特定の代替案で使用される。

0046

本明細書に記載のいくつかの代替案において合計体表面積のパーセンテージを計算するために使用される9の法則とLund−Browderチャートを示す図である。

0047

米国熱傷協会によって作成された、年齢群と熱傷の大きさによる死亡率を示すチャートである。

0048

本明細書に記載のいくつかの代替案において使用される高分解能マルチスペクトルビデオカメラと、得られるデータとを例示する図である。

0049

本明細書に記載の特定の代替案において組織の分類のために使用されるステップを例示するフローチャートである。

0050

図9A−9Dは、ミニブタ成体から採取した組織サンプルの例示的画像であり、MSI、PPG、および本発明による代替システムの性能を比較するものである。

0051

熱傷および壊死組織除去術の過程を例示する図である。

0052

本明細書に記載の代替装置により取得された、組織移植の成功例および失敗例を示す画像である。

0053

褥瘡性潰瘍の例示的画像である。初期の褥瘡性潰瘍の撮像には本明細書に記載の代替装置を、皮膚表面に見えるようになった後の褥瘡性潰瘍の撮像には通常のカメラを使用した。

0054

本明細書に記載の特定の代替物がデータクラウドとどのように相互作用をするかを例示する図である。

0055

図14A−14Cは、反射モードで動作するベンチトップシステムを示す図である。

0056

ペトリ皿に入った組織ファントムと、ヒトの脈動血流をシミュレートするためのファントム装置とを示す図である。

0057

円形状の動物の皮膚におけるインビボ熱傷と壊死組織除去モデルを示す図である。

0058

時間分解型PPG信号抽出を示す図である。

0059

図18A−18Cは、LEDスポットライト図18A)、タングステン光図18B)、およびLEDエミッタ(改良型図18C))の空間照射強度を、撮像ターゲットとして平ら反射パネルを用いて比較する図である。

0060

3つの照射パターンの強度プロフィルを比較する図である。

0061

図20A−20Cは、組織ファントムと、その下にある脈動ファントム血管の、LEDスポットライト(図20A)、タングステン光(図20B)、およびLEDエミッタ(図20C)を用いた撮像結果を示す図である。

0062

組織状ファントムの脈動領域におけるPPG信号のパワースペクトル密度と、撮像装置の飽和点放射照度0.004W/m2)以下でのLEDエミッタモジュールからの光の最大強度に対するパーセンテージとの関係を示す図である。

0063

健康なブタの皮膚上で照射パターンを変化させて実施した、PPG信号強度に基づく画素の分類を示す図である。

0064

図23A−23Fは、様々な照射パターンの画像と、その照射パターン下で取得したブタ皮膚熱傷の画像を示す図である。

0065

ブタの背における熱傷の位置を示す図である。

0066

ブロックI(左)およびブロックII(右)の組織の大きさを示す図である。

0067

壊死組織除去術の例を示す図である。

0068

図27A−27Eは、様々な組織成分の吸収スペクトルを示す図である。

0069

動物実験における、熱傷の重症度が様々である熱傷組織の組織構造を示す図である。

0070

動物実験の壊死組織除去において接線方向に連続的に切除された組織片を示す図である。

0071

熱傷直後のMSIデータのプロットであり、熱傷の種類によって当初の反射スペクトルが異なることを示す。すべての熱傷部位と健康な対照から得られた4つの反射スペクトルを示す。

0072

各種の熱傷の、受傷直後および受傷1時間後のスペクトルを示す。

0073

各切除層の全波長の反射スペクトルを示す。健康な対照の反射スペクトル、一度切除した健康な対照の反射スペクトル、各切除時の熱傷組織のスペクトルの平均、および各切除時の創傷床スペクトルの平均をプロットしたものである。

0074

壊死組織除去術を示す図である。壊死組織除去術では、壊死組織(b)を除去することによって、移植のための生存創傷床(a)を露出させてもよい。PPG撮像装置は、これら2つの組織の血流の差異を検出し、互いを識別する。一方、MSI技術は、創傷床(a)と壊死熱傷組織(b)の分子的差異および構造上の差異によって測定される反射スペクトルを使用してこれらの組織を識別することができる。

0075

反射モードおよび2次元PPG撮像システムの構成要素を示す(左)。組織の表面に入射する単色光は、分子構造と相互に作用しながら組織内で散乱する。この光の一部はカメラに戻る。経時的に測定を行うと、後方散乱光の強度変化によりPPG波形が生成される。生データキューブ中の各画素はそれぞれ固有のPPG波形を含み、これを解析することで1枚の組織血流画像が生成される(右)。

0076

広域スペクトル照射光源と、デジタルカメラと、ターゲットの表面から反射された光の所定の波長を分離する様々な光学フィルターを備えた回転フィルターホイールとを有するマルチスペクトル撮像装置の構成要素を示す図である(左)。このシステムは、フィルターホイール内のそれぞれの位置で素早く画像を収集し、スペクトルデータキューブを生成する(右)。データキューブ中のそれぞれの画素は、組織の低スペクトル分解能反射スペクトルを表す。

0077

深達性中間層熱傷ブタ壊死組織除去モデルに関するステップを示す。5つの時点におけるカラー写真および各時点で収集するデータを示す。

0078

ブタの熱傷を切除するために実行された各皮膚分節切除の平均厚さを示す図である(左)。また、重度の熱傷と影響の少ない熱傷に分けた熱傷の平均深さを示す。エラーバー標準偏差を示す。ヘマトキシリンエオシン染色による中間層熱傷の組織マーキングを示す(右)。

0079

深達性中間層熱傷から接線方向に切除したサンプルの組織構造を示す図である。数字は、表皮から真皮層への切除順を示し、矢印は各皮膚サンプルの最表面を示す。最も重度の熱傷組織は、黄色の線よりも表層側に存在しうる。影響の少ない熱傷の組織は黒い線と黄色の線の間に位置する。黒い線より深部の組織は、熱傷の影響は受けていないと考えられる。

0080

深達性中間層熱傷を接線方向に連続的に切除し、PPG撮像を行った結果を示す。皮膚の最初の1.0mmの層を除去した時点では、相対的に低いPPG信号に示されるように、創傷床には創傷組織顕在している。約2〜3mm(2回目の切除後)の深さでは、PPG信号は創傷床の領域に戻っていた。

0081

深達性中間層熱傷を接線方向に連続的に切除し、マルチスペクトル撮像を行った結果を示す。皮膚の層を除去するにつれ、重度の熱傷は減少する。2回目の壊死組織除去によって熱傷はほぼ完全に切除され、3回目の壊死組織除去によって完全に除去される。エラーも存在し、特に1回目の壊死組織除去では、健康な創傷床が健康な皮膚として分類されている。アルゴリズムやハードウェアの改良、あるいはより効果的な波長を選択することにより、エラーは低減できる。

0082

不均一な熱傷におけるMSI技術の有効性を示す図である。診察に際して、外科医は、手術の必要な組織を見極めなければならない(上段)。手術中、外科医は、様々な深さの熱傷に遭遇する。これらの画像から、外科医は、熱傷をさらに除去すべき場所、また既に生存創傷床に到達している場所を知ることができる(下段)。

0083

事前トレーニングを行った二次判別分析アルゴリズムによって分類し、実際のクラスラベルと比較して混同行列を生成したテストセットを示す。この行列では、行列の中央に位置する対角線上に、正確な分類の数が示されている。不正確な分類は、対角線から外れた要素に示されている。

0084

図43A−43Cは、ハードウェアシステム構成(図43A)、動物の熱傷(図43B)、および熱傷組織の1回目の切除(図43C)を示す図である。

0085

熱傷を受けた皮膚の例である。

0086

組織分類アルゴリズムのトレーニングに使用したデータセット修正するためのステップの例を示す。

0087

図46A−46Fは、トレーニングセットの例である。

0088

図47A、47Bは、箱ひげ図の例である。6つのクラスについて、外れ値除去前の様々なバンド(図47A)、および外れ値除去後の様々なバンド(図47B)を示す。

0089

図48Aは2次元特徴空間における6つのクラスを、外れ値を含めて示し、図48Bは外れ値を除いて示す。

0090

(A1)健康な状態、(A2)外れ値除去前、(A3)外れ値除去後、(B1)熱傷、(B2)外れ値除去前、(B3)外れ値除去後を示す。

0091

本明細書の開示に従って患者の健康指標と組み合わせて予後情報を生成することのできる2つの光学撮像技術、すなわちフォトプレチスモグラフィ撮像(PPG撮像)およびマルチスペクトル撮像(MSI)の概要を、高度に図式化して示す。

0092

2つの光学撮像技術、すなわちフォトプレチスモグラフィ撮像(PPG撮像)およびマルチスペクトル撮像(MSI)を融合するように設計された装置の例を示す。

0093

DeepView Gen1 PPG撮像装置、MSIカメラ、および患者の客観的健康指標の入力の組み合わせを例示する。

0094

熱傷組織と、壊死組織除去によって現れた健康な創傷床の信号の違いを示す図である。

0095

本明細書に開示されるMSI評価に組み入れられた6つの生理学的クラスの例を示す。

0096

PGデータ、MSIデータ、およびPPGデータとMSIデータとの組み合わせの例を示す画像である。

0097

手、大腿、および足の領域におけるPPG信号の例を示す。

0098

機械学習診断アルゴリズムをトレーニングするプロセスの例を示す。

0099

臨床検査のフロー図の例を示す。

0100

従来の切断手術に関わる組織を例示する図である。

0101

切断レベルのためのクラシファイヤモデルを生成するステップの例を示す。

0102

臨床検査のフロー図の例を示す。

0103

統計的なサンプルサイズ解析の結果を例示する。

0104

図63B−63Fに例示する結果における色分けの意味を図63Aに示す。

0105

図63B−63Fは、異なる分類技術における、参照画像グラウンドトゥルース画像、分類結果、およびエラー画像を示す。

0106

図64A、64Bは、異なる分類技術の特徴構成(feature composition)を比較する図である。

0107

PPGの出力の前処理を例示するブロック図である。

0108

トレーニングの事例、分類の事例、および交差検証の事例に使用できる場所の例を示す。

0109

図67A−67Lは、5つの異なる分類技術におけるグラウンドトゥルース画像、実画像、および分類結果を示す。

0110

例示的交差検証実験の混同行列を示す。

0111

分類に使用された特徴の、クラスごとの精度の結果を示す。

0112

図70A、70Bは、本明細書に記載の画像データを得るために使用することのできる光ファイバーシステムの例である。
本明細書に記載の画像データを得るために使用することのできる光ファイバーシステムの例である。

0113

可視および近赤外(NIR)領域において拡散反射スペクトルデータを収集するための、5つの例示的試験時点における複数のプローブ位置を示す。

0114

熱傷組織、健康な皮膚、および創傷床組織からの平均拡散反射スペクトルを示す。

0115

波長とP値との関係を、熱傷と健康な皮膚とを比較して示す。

0116

波長とP値との関係を、熱傷と健康な皮膚とを比較して示す。

0117

図76A、76Bは、昇順で配置された第1のデータセットから得られたP値を、修正を加えたP値の有意水準とともに示す。

0118

図77A、77Bは、昇順で配置された第1のデータセットから得られたP値を、修正を加えたP値の有意水準とともに示す。

0119

序論
本明細書で開示される代替案は、対象の組織を特定、評価、および/または分類するためのシステムおよび技術に関する。代替案のいくつかは、組織を分類するための装置および方法に関し、該装置は光学撮像要素を含む。本明細書に記載される代替案のいくつかは、実装されることによって本明細書で提供される組織分類法のいくつかを実行できる、反射モードマルチスペクトル時間分解型光学撮像のソフトウェアおよびハードウェアに関する。

0120

組織を分類することのできる、非侵襲性医用撮像技術の必要性が、長年にわたり認識されてきた。分類には、褥瘡性潰瘍、慢性の傷、熱傷、健康な組織、組織移植片、組織弁血管病態生理、充血のような、創傷および組織の状態が含まれていてもよい。特に、創傷または組織の重症度を評価することができ、さらに受傷部の合計体表面積のパーセンテージ(%TBSA)を見積もることのできる技術が必要とされている。%TBSAは、受傷した組織領域の表面積を体表の総面積で割ったものと定義され、パーセンテージ(例えば40%)または1未満の小数(例えば0.4)で表されるが、分数(例えば2/5)で表されることもある。これらの表現形式はいずれも、本明細書における「%TBSA」を表し、数値的に等価であるか、または等価に近いもの(換算値、分子と分母の別出力等)である。

0121

本明細書に記載される代替案によれば、自動化または半自動化された方法で対象を評価し、緊急の処置を要する受傷者を、さほど緊急性の高くない受傷者と区別して分類することが可能となり、治療勧告を提供することもできるかもしれない。表皮熱傷および浅達性中間層熱傷(例えばI度およびII度の熱傷)は、非外科的治療によって治癒する場合も多いが、深達性中間層熱傷および全層熱傷(例えばIII度およびIV度の熱傷)は、機能の喪失や美容過度の悪化を防止するための外科的切除が必要となる。実際、初期の切除は、致死率の低下や入院期間の短縮に関わる。また、本明細書に記載される代替案のいくつかは、熱傷の管理に特に適しているが、これは、熱傷の専門家ではない医師であっても熱傷の重症度を迅速に評価し、緊急の外科的治療が必要であるという結論のようなトリアージにおける判定を、迅速かつ正確に下すことが可能となるからである。代替案のいくつかはまた、外科医が一連の切除を、注意深くより洗練された方法で行う(例えば、切開および/または壊死組織切除のための適切なマージンを特定する)助けとなるかもしれない。本明細書に記載されるまた別の代替案は、治療上の決定、例えば蘇生のために投与すべき流体の量の決定等を医師が行えるようになる点で、特に適している。

0122

さらに、熱傷の分野においては、受傷後数日が経過するまで、組織の損傷の程度を評価することは困難であることが多い。この種の創傷において評価が遅れがちであることにより、熱傷治療において経験を積んだ外科医であっても、壊死組織または壊死しかかっている組織と、外科的介入または壊死組織除去を必要とせずに治癒する健康な組織との界面であるマージンに関して信頼性の高い決定を下すことは困難であり、治療のプロセスはさらに複雑になる。従来の熱傷の評価は、医師が主観的に行う皮膚の視診に委ねられており、その際、皮膚の感覚、硬さ、および色調がさらに変化することが考慮される。しかし、手術が必要であるか否かを決定するには、熱傷を、特に熱傷の深さを正確に評価することが必要となる。手術の必要性を決定することに加えて、熱傷を早期に検出して適切な治療を施すことは、感染症や敗血症を防ぐことになる。したがって、熱傷の分類および評価が不正確であれば、対象の回復が困難になることもありうる。さらに、治癒プロセスを促進し、対象の外傷を限定するために、外科的介入は最小限にとどめることが望ましい。

0123

しかしながら、手術が望ましい場合においても、外科医が直面する最も困難なことの1つは、生きた健康な組織と、失活した壊死組織または壊死しかかっている組織を明確にすることである。経験を積んだ外科医であっても、切開深さの典型的な指標は、点状出血の存在である。しかし、この指標の使用にはいくつかの重大な欠点があり、手術中に生きた組織を不必要に除去してしまうことも、その1つである。さらに、熱傷の切除中の出血の制御は困難であり、多くの臨床的判断、正確さ、および経験が必要とされる。

0124

熱傷の手術において、組織の切除の過不足によって生命が脅かされる結果となることがある。熱傷の切除が不十分であると、失活した組織に移植片を載せることになり、移植片の生着が悪くなる。熱傷の切除が不十分であると、さらに、感染症のリスクの増加および/または治療が長引くことにつながる。一方、過度に切除してしまうと、過剰な失血切除面からの出血につながることがあり、これもまた移植片の生着不良を招きうる。

0125

より広範な組織表面にわたって熱傷の重症度を迅速かつ定量的に評価する方法および装置が必要とされているが、この必要性はいまだ満たされていない。本明細書に記載の方法および装置は、迅速かつ正確な熱傷の評価の提供に有用であり、熱傷の専門家が重症の熱傷に集中し、熱傷の専門家以外が重症度の低い熱傷患者のニーズに対応することが可能となる。同様に、その他の創傷および組織の状態についても迅速かつ定量的に評価する方法および装置が必要とされているが、この必要性もいまだ満たされていない。本明細書に記載の装置および方法は、褥瘡性潰瘍、慢性傷、亜急性離開創傷、外傷性創傷、裂傷、擦過傷、打撲傷糖尿病性潰瘍褥瘡手術創、外傷、静脈性潰瘍等の迅速かつ正確な評価の提供、ならびに健康な組織と壊死組織または壊死しかかっている組織との境界、さらには組織の移植片または組織弁を適用すべき正確な部位、血管病態生理、および充血の位置の迅速かつ正確な評価の提供に有用である。

0126

本明細書を通じて、「創傷」についての言及がなされる。用語「創傷」は、皮膚が裂けたり、切れたり、皮膚に穴があいたり、疾患にかかったりしている開放創および閉鎖創、または外傷によって対象、例えば、ヒトまたは動物、特に哺乳類の皮膚に生じた打撲傷、表面的損傷、疾患、もしくは欠陥である開放創または閉鎖創を包含するものとして広義に解釈されるべきである。「創傷」はまた、組織が損傷している任意の領域を包含することが意図され、該領域においては、損傷または疾患の結果として液体が生じていてもいなくてもよい。このような創傷の例としては、急性の傷、慢性の傷、手術による切開およびその他の切断、亜急性離開創傷、外傷性創傷、弁および皮膚移植片、裂傷、擦過傷、打撲傷、熱傷、糖尿病性潰瘍、褥瘡、小孔、手術創、外傷、静脈性潰瘍等が挙げられるが、これらに限定はされない。

0127

例示のための図面を参照しつつ、様々な代替案について以下で説明する。開示された概念以外の多くの実施形態も可能であり、開示された実施形態によって様々な利点が得られることが理解されるであろう。あらゆる組み合わせおよび部分的な組み合わせが、本明細書の開示の範囲に含まれる。本明細書に記載される多くの代替案には類似した構成要素が含まれるが、これらの類似した構成要素は、本発明の別の態様において相互に入れ替えて使用できる。

0128

見出しは参照のため、また各項目見出す助けとするために記載されている。これらの見出しは、そこに記載される概念の範囲を限定するものではない。本明細書の概念は、明細書全体を通じて適用可能である。

0129

熱傷の評価に関する代替案の概要
図1Aおよび1Bは、本発明の代替案の一例である。これらの図に示された装置は、熱傷を有する対象の全身を評価するのに特に適している。この装置は、差し迫った治療の必要条件に関する臨床的決定がなされる熱傷のトリアージにおいて特に有用である。この実施例において、プローブ100は、1以上の光源、ここでは4つの光源101、104、118、120と、画像取得装置102とを有する。光源101、104、118、120は、組織領域、ここでは組織103を照射するが、プローブ100に向かい合った対象の体表全体が照射されると有利である。別の代替案において、前記1以上の光源は、発光ダイオードLED)、ハロゲンランプタングステンランプ、または他の照射技術であってもよい。1以上の光源は、白色光またはユーザの所望に応じて選択される1以上のスペクトルバンドにわたる光を放射してもよい。

0130

多くのLEDはバンド幅の狭い光(例えば、半値全幅が50nm以下)を生成するため、特定のLEDを選択することで特定のバンド幅の照射を行うことができる。一般に、そのような1以上のスペクトルバンドは、得ようとするデータの種類および/または臨床応用に最も適切な光の測定を考慮して選択される。前記1以上の光源は、光源に電力を供給し、かつ制御するための1以上のドライバに連結されてもよい。これらのドライバは、光源自体の一部であってもよく、独立していてもよい。選択可能なフィルター(例えばフィルターホイール)を備えた複数の狭帯域光源または広帯域光源を用いて、多数のスペクトルバンドの光を順次または同時に組織103に照射してもよい。選択されるスペクトルバンドの中心波長は、一般的に可視波長および近赤外波長の範囲にあり、例えば約400〜1100nm(400nm、500nm、600nm、700nm、800nm、900nm、1000nm、もしくは1100nm、あるいはこれらの値のいずれか未満、これらの値のいずれか以上、またはこれらの値のいずれか2つの間にある波長)である。

0131

いくつかの代替案において、光源は、実質的に一様な強度で組織領域を照射する。実質的に一様な強度は、例えば、光源101、104、118、120の一部として提供され、組織103に照射される光の強度をほぼ一様に分布させるような散光器を使用することによって達成できる。散光器には、望ましくない鏡面反射光を減じるというさらなる利点がある。高出力LEDの使用により、広いスペクトルの空間的に一様な照射パターンを用いることで、画像取得装置102によって得られる信号の信号対ノイズ比の顕著な改善が達成できる場合もある。市松模様照射のようなパターン化光システムを使用できる場合もある。そのような特定の代替案では、画像取得装置の視野は、光源に直接照射されないが照射領域に隣接している組織領域に向けられている。例えば、実質的に一様な強度の光が使用されるとき、画像取得装置102のような画像取得装置は、照射領域外からの光を読み取ってもよい。同様に、例えば市松模様照射が使用されるとき、取得装置102は市松模様の中で照射されていない部分からの光を読み取ってもよい。

0132

さらに、本明細書に記載されるいくつかの代替案において実質的に一様な強度の光が有効であるとしても、別の代替案においては一様でない光を使用してもよく、その場合、表面全体として光の強度差が最小化されるように1以上の光が配置される。このような差は、データの取得中に、またはバックエンドソフトウェアまたはハードウェアロジックにより補償される場合もある。例えば、トップハット変換またはその他の画像処理技術を用いて、一様でない背景照明を補償してもよい。

0133

特定の代替案において、光は所望により偏光されてもよい。反射、選択吸収屈折、散乱、および/または当技術分野で知られている任意の偏光方法を使用して偏光される場合もある。偏光には、例えばプリズムニコルプリズム等)、鏡、および/または反射面、フィルター(偏光フィルター等)、レンズ、および/または結晶を利用してもよい。光は、交差偏光されてもよく、共偏光されてもよい。いくつかの代替案において、前記1以上の光源からの光は、対象を照射する前に偏光される。例えば、偏光フィルターは、光源101、104、118、120の一部として提供されてもよい。いくつかの代替案では、組織から反射された光は、組織からの反射後に偏光される。例えば、偏光フィルターは取得装置102の一部として提供されてもよい。別の代替案において、光は、対象を照射する前と反射された後の両方で偏光される。例えば、偏光フィルターは、光源101、104、118、120の一部として、またさらにデータ収集装置102の一部として提供されてもよい。

0134

使用する偏光技術の種類は、照射角度受光角度、使用する照射光源の種類、所望のデータの種類(例えば、散乱光、吸収光、反射光透過光および/または蛍光の測定)、および撮像される組織の深さ等の要因に依存しうる。例えば、組織への照射が行われると、光のいくらかは皮膚の最上層から直接反射されて表面グレア表面反射となる。この反射光はしばしば、皮膚組織内に拡散する光(皮膚組織内で散乱(例えば反射)され、方向や極性が変化しうる)とは異なる極性を有している。取得装置に読み取られるグレアや反射の量を最少にしつつ、読み取られる後方散乱光の量を最大にするために、交差偏光技術を使用してもよい。例えば、偏光フィルターは、光源101、104、118、120の一部として、またさらにデータ収集装置102の一部として提供されてもよい。そのような構成において、光は、ターゲット103に照射される前に、まず偏光される。この光がターゲット103から反射された後、反射された光は、ターゲット103の表面から反射されて読み取られる入射光の量を最少にしつつ後方散乱光を測定できるように、第1の偏光方向とは直角の方向に偏光されてもよい。

0135

いくつかの状況においては、特定の深さで組織の撮像を行うことが望ましい場合もある。例えば、特定の深さで組織の撮像を行うことは、特定の深さにある特定の創傷を評価し、がん性腫瘍の有無の確認および/もしくはその位置の特定、または腫瘍のステージもしくはがんの進行の判定、または本明細書に開示において言及した他の任意の治療用途に使用することができる。当技術分野で知られている特定の偏光技術を用いることにより、光学特性および/または平均自由行程に基づいて、特定の深さにある組織の選択的撮像を行ってもよい。

0136

特定の代替案では、撮像の深さを制御するための別の技術を使用してもよい。例えば、組織の光学的散乱特性は温度とともに変化し、組織に光が侵入する深さは、冷却により深くなる。そのため、撮像される組織領域の温度を制御することによって、撮像の深さを制御してもよい。また、例えば、光源を様々な周波数でのパルス(または点滅)させることによって、撮像の深さを制御してもよい。パルス光非パルス光よりも深くまで皮膚に侵入し、パルス幅が長いほど、光は深く侵入する。別の代替案としては、光の強度を調整することによって撮像の深さを変えることができ、高強度の光は、低強度の光よりも深くまで侵入する。

0137

図1Aに示されているように、画像取得装置102は、組織103から反射された光を受光するように構成されている。画像取得装置120は、照射領域、照射領域のサブ領域、または非照射領域からの光を検出することができる。以下に記載するように、画像取得装置102の視野は、プローブ100に面している対象の体表全体を含んでもよい。プローブに面した対象の全体が照射され、プローブに面した対象の全体が画像取得装置の視野に入るとき、分類の早さと容易さが向上する。画像取得装置102は、照射される組織103の全体または一部の撮像に適した光学素子を備えた2次元電荷結合素子(CCD)または相補型金属酸化物半導体(CMOS)であってもよい。

0138

いくつかの代替案において、モジュール112は、プローブ100と連結されてもよいコントローラ、クラシファイヤ、およびプロセッサである。モジュール112はプローブ100を制御するが、これにはその物理的位置、光の強度、分解能、フィルターの色、もしくは本明細書に記載のカメラおよび/または光源の任意のパラメータ等のパラメータの設定が含まれてもよい。モジュール112は、プローブによって得られたデータの受信および処理を行うが、これについては後に説明する。

0139

いくつかの代替案において、モジュール112は、さらにモジュール114と連結されてもよい。モジュール114は、ディスプレイおよびユーザインターフェース(UI)である。ディスプレイおよびUIは、ユーザに情報および/またはデータを示す。いくつかの代替案において、その情報および/またはデータには、ある組織状態の有無、該組織状態の重症度、および/または対象に関する付加的情報が含まれ、本明細書で言及される任意の情報が含まれる。モジュール114は、ユーザ入力を受信する。いくつかの代替案において、ユーザ入力には、年齢、体重、身長性別人種、皮膚の色もしくは外観、および/または血圧等の患者についての情報が含まれる。モジュール114はさらに、較正情報を含むユーザ入力、ユーザの選択する走査位置、ユーザの選択する組織状態、および/または診断のための付加的情報を受信することもあり、これには本明細書で言及される任意の情報が含まれる。特定の代替案では、上述のユーザ入力の一部または全部が、ユーザがモジュール114を用いて情報を入力することなく自動的にモジュール112に送信されてもよい。

0140

図1Bに示されているように、いくつかの代替案において、プローブ100は、上方、下方、左方向、右方向、右斜め上方、左斜め上方、右斜め下方、左斜め下方、もしくはこれらの方向の任意の組み合わせのような、任意の方向またはそれらを組み合わせた方向に移動することができる。いくつかの代替案では、プローブは対象に対して垂直な方向に移動してもよく、この場合、プローブは対象に近づいたり対象から遠ざかったりする。プローブは、例えば、レールに連結されていてもよく、コントローラ112によって手動または自動で位置制御される関節アームに連結されていてもよく、あるいはこれらを組み合わせたものに連結されていてもよい。いくつかの代替案では、光源または画像取得装置のいずれかが固定されていてもよく、別の代替案では、それぞれが独立して移動できるよう構成されていてもよい。特定の代替案では、画像取得装置とモータとを連結して画像取得装置の動作を自動化してもよく、これによって対象の各セクションをカメラにより撮像することが可能となる。カメラもまた、レール、軌道ガイド、および/または駆動可能なアームと連結できる。画像取得装置の移動中、光源は組織領域103の全体を照射してもよいが、走査プロセスの間、カメラによる撮像が行われる所望の部位の組織のみを照射するよう、制御されてもよい。

0141

図1Aに示される代替案では、対象またはその一部(例えば対象の身体の全体または所望の位置の組織)の画像が得られるよう、対象は背景110を背にして直立の位置にある。いくつかの代替案では、背景110は支持構造物であり、画像を取得する間、対象はその上に水平または角度をつけた状態で横になったりもたれたりする。画像を取得する間に対象の体重を測定できるよう、体重計106および108が備えられていてもよい。さらに、体重計に加えて、あるいは体重計の代わりに、心拍数、体温、身体組成肥満度指数、体型、血圧、およびこれ以外の生理的なデータを測定するための生体リーダが備えられていてもよい。

0142

図2は、装置によって画像を取得するために、ディスプレイ/UI114上に提示されたUI200の例である。この代替案では、組織103が光源によって照射されている間、ユーザインターフェースは、画像取得装置の視野を表示する。特定の代替案では、ユーザは、対象202の全体が含まれるように、画像取得装置102の視野の位置を定めてもよい。ユーザは、ズーム要素208を使用して、対象が視野のほぼ全体を占めるよう、画像取得装置102を調整してもよい。いくつかの代替案では、ユーザは、対象202に関する他の情報を得るためにユーザインターフェースを使用してもよい。例えば、ユーザは、対象の身長を測定するために、位置204および位置206を選択してもよい。ユーザが、ユーザインターフェースを使用して、例えば画像取得タン210を押すこと等によって、対象の画像を取得するよう画像取得装置に指示を行う場合もある。

0143

画像を用いて組織の分類を行うために対象の画像を取得する際、光源(フィルターが付随する場合はそれらとともに)および画像取得装置は、対象の画像を複数取得できるよう制御される。取得される複数の画像は、反射光の異なるスペクトルバンドおよび/または異なる時間に関連付けられている。異なるスペクトルバンドで取得された画像は、組織領域を分類するためのMSI技術によって処理されてもよく、また時間的に異なる画像は、組織を分類するためのPPG技術によって処理されてもよい。いくつかの代替案では、両タイプの画像セットが得られ、得られた結果は、より正確な分類を行うためにマージされる。これについては後に説明する。

0144

熱傷患者の場合、画像の取得は、対象を前向き後ろ向き、左向き、右向きといった様々な向きにして行われる。患者は、背景110を背にしてこれらの様々な向きで立ってもよく、背景110が水平な支持構造物であれば、患者は背景110の上に、様々な向きで横たわってもよい。取得された画像から得られるデータは、対象の皮膚の様々な領域が熱傷であるか否かを分類するために使用されるが、熱傷である領域の熱傷の程度の分類に使用されてもよい。

0145

異なる向きで画像を取得した後、対象のそれぞれの向きについての画像データを、コントローラ/クラシファイヤ/プロセッサ112によって処理してもよい。背景110が皮膚組織と異なる特徴的な色であれば、コントローラ/クラシファイヤ/プロセッサは、対象を背景と区別し、取得した各画像における各画素を背景または対象のいずれかとして割り当ててもよい。別の代替案では、UIの使用によって、最初の画像(例えば、図2に示すような)上で対象の輪郭トレース(例えば、タッチスクリーン上でスタイラスを用いて、あるいはマウスカーソルとを用いて)することで、背景と対象とを区別してもよい。対象に関連する画像の画素が特定された後、MSIおよび/またはPPG技術を用いてこれらを解析し、対象の皮膚の領域を熱傷の状態によって分類してもよい。

0146

このプロセスによるディスプレイ/UI114への出力例を図3に示す。この代替案において、出力された画像212は対象250の正面像を示しており、対象の正面から取得した複数の画像を使用して対象の正面の皮膚の異なる部分が分類されている。出力された画像212において、異なる分類結果は、例えば出力される画像の色を変えることで示されていてもよい。例えば、コントローラ/クラシファイヤ/プロセッサは、領域222をIII度の熱傷、領域224をI度の熱傷、領域226をII度の熱傷と特定している。また、プロセッサは、さらに例えば領域228を健康な組織と特定している。画像214は、対象250の背面像の例であり、領域230はIII度の熱傷、領域232はI度の熱傷、領域234はII度の熱傷として分類されている。さらに、これら以外の組織領域は、健康な組織と特定されている。画像216および画像218は、それぞれ対象250の左から見た像および右から見た像であり、領域236はIII度の熱傷、領域238はII度の熱傷、領域242はI度の熱傷として分類されている。さらに、これら以外の組織領域は、健康な組織と特定されている。

0147

画像212、214、216、218に示す分類データから、特定の代替案では熱傷の%TBSAが計算され、図3ボックス220内に見られるように、ユーザに対する結果の出力がUI上で行われる。熱傷の程度による分類が行われると、図3のボックス220内に見られるように、熱傷の1以上の分類についての%TBSAが出力される。熱傷組織を評価するために光学撮像法が使用されてきたが、熱傷の%TBSAを見積もる装置はいまだ開発されていない。

0148

患者の全体または一部の画像データを使用して熱傷の%TBSAを得ることには、これまで解決できなかった複雑な要因に関わっている。ある代替案において、図3の4つの画像212、214、216、218を用いた簡単な計算をすることによって、トリアージの目的に十分な精度の見積もりが可能であることが見出された。この代替案では、すべての画像において熱傷と分類された全画素の合計である第1のカウントを求め、すべての画像における対象の全画素の合計である第2のカウントを求め、第1のカウントを第2のカウントで割ることによって、熱傷の%TBSAを求めることができる。例えば、III度の熱傷の%TBSAを計算するために、システムは、領域222、230、236の画素を計算し、その合計画素数を、対象250の全表面の総画素数で、すなわち画像212、214、216、218に見られる対象250の全画素を計数して合計することで得られる総画素数で割る。

0149

特定の代替案では、加算する領域を調整することによって、熱傷の%TBSAの見積もり精度を高めることができる。例えば、単に領域を合算するのではなく、モジュール112等のプロセッサは、画像を解析することによって2以上の画像に現れている領域を特定してもよい。このようにすれば、複数の画像に捕捉された領域が2回以上数えられることは避けられる。例えば、画像212の領域222と画像216の領域236はいずれも、対象250の胸部の1つの部分を捉えている。領域236と222が合算されるなら、の一部が2回以上数えられることになる。特定の代替案では、プロセッサは領域222および236(または画像212および216の全体)を解析し、該胸部領域は1回だけ数える。いくつかの代替案では、領域の重複および/または類似性は、画像処理技術(境界検出や分割等)、参照マーカー、ならびに/または標準化された体型によって重複を見積もるための予測解析およびコンピュータ学習を使用して計算することができる。

0150

特定の代替案では、対象のための3次元体型モデルが構築されてもよい。この人体モデルは、標準化された体型モデルならびに/または身長、体重、身体組成(例えば、体脂肪率)、肥満度指数、体の全体もしくは一部に対する特定の測定、または体の大きさまたは体型の任意の指標のようなパラメータから構築された体型モデルに基づくものであってもよい。これらのパラメータは、モジュール114のようなUIを用いてユーザが入力するパラメータであってもよく、プローブ100、生体リーダ106、および/もしくは生体リーダ108によって測定または計算されるパラメータ、またはモジュール112のようなプロセッサ/クラシファイヤによって受信または計算される任意の指標であってよい。3次元体型モデルが作成されると、分類された組織領域をこの3次元体型モデルの領域に投射することが可能となる。重複の場合、重複領域が複数回数えられることのないように、プロセッサは差異の解析を行う。熱傷の%TBSAは、1以上の分類(例えば、I度の熱傷、II度の熱傷、III度の熱傷、または健康な組織)に該当する領域を合算し、それを体表全体の面積で割ることによって概算することができる。

0151

いくつかの代替案において、モジュール112のようなプロセッサは、複数の2次元画像(例えば画像212、214、216、218)から1つの3次元モデル再構成してもよい。いくつかの代替案において、このような再構成は、ユークリッドの再構成、線形層化、または複数の2次元画像を変換して3次元再構成を行う任意かつ既知の変換法等の投射を用いて行われてもよい。特定の代替案において、2次元画像から3次元再構成を行うための変換は、カメラの角度、カメラと対象との距離、対象から得られる測定値、および/または任意の参照測定値もしくは参照オブジェクト等の任意かつ既知のパラメータを考慮して行われてもよい。2次元画像を使用して3次元モデルが作成されると、熱傷の%TBSAは、1以上の分類(例えば、I度の熱傷、II度の熱傷、III度の熱傷、または健康な組織)に該当する領域の合算によって概算することができる。

0152

熱傷の%TBSAがプロセッサによって計算されると、その結果はユーザに向けて出力される。例えば、出力220は、熱傷の%TBSAが40%と計算され、III度の熱傷の%TBSAは12%と計算された例を示している。この情報は、モジュール114のようなディスプレイを使用して、ユーザに表示されてもよい。モジュール114のようなディスプレイは、さらに、死亡率の推定値や、対象の治療に関連するその他の情報等の別の情報を表示してもよい。死亡率の推定値の例では、図6のチャートに示すようなデータがプロセッサ112に保存され、%TBSAおよび/または対象の年齢(ユーザに既知、あるいはユーザが推定してシステムに入力)に基づいて死亡率を推定するために使用されてもよい。

0153

図4は、本明細書に記載のいくつかの装置が熱傷の%TBSAをどのように計算するかを示す別の例である。この図は、複数の画像が合算されて熱傷の%TBSAが計算されるモザイク技術を示す。場合によって、モザイクは、プローブ100のようなプローブが各画像を得るために自動的に位置決めされるような自動プログラムを用いて作成されてもよい。この自動化は、駆動可能なアーム、モータ、レール、またはプローブを移動させるための任意の方法もしくは装置を利用するものであってよい。その結果、プローブは、図4に示す格子パターンのような特定のパターンとなるような撮像を行う場合もある。別法として、プローブ100のようなプローブの位置決めをユーザが行って、モザイクを作成してもよい。次いで、ユーザは、対象の任意の数の部位について、任意の数の画像を得るべく撮像を行うことができる。

0154

モザイク技術の代替法を使用する任意の場合において、モザイク部分201は頭部の表面の1つの画像であってもよい。モザイク部分207は、手の画像としての独立した画像であってもよく、体幹の一部をさらに捉えたものであってもよい。他のモザイク部分を形成するために撮像される、対象またはその一部(別の表面の画像を含む)のさらなる画像の数は、何枚であってもよい。これらの画像は、重複していてもよく、はっきり分かれていてもよい。画像を重複させ、かつ/または同じ特徴、位置、場所、もしくは組織部位について複数の(例えば、異なる視点からの)画像を得て、オーバーレイ技術またはマスキング技術を適用することによって、分解能の向上および/または所望の組織の3次元レンダリングを達成することができる。

0155

このような様々な画像を組み合わせたりつなぎ合わせたりして、全身の表面積を計算することもできる。画像を組み合わせる前に、画像処理技術を使用して背景を除去し、対象の体のみを残す場合もある。画像の組み合わせを容易にするために、境界検出技術を使用して体の各部の輪郭を得てもよい。体の一部分を捉えた重複画像が存在する場合、組織の相互相関を実行することで、各部分を正しくまとめ、つなぎ合わせ、組み合わせる方法を決定できる。

0156

場合によって、様々な画像を組み合わせて、1つの組織分類に該当する全表面積を得てもよい。例えば、モザイク部分211および212は、熱傷のような組織状態にある表面積を概算するために使用される画像であるかもしれない。ここでも、組み立てられる個々の画像は、はっきり分かれていても、重複していてもよく、また組織の同じ部位または場所を異なる視点から撮像したものであってもよい。画像を組み合わせるプロセスは、当該組織状態として分類された組織の画像を複数取得し、当該分類領域に属する表面積を概算するためにそれらを組み合わせることを含む。

0157

いくつかの代替案では、撮像されていない領域を補うための補間技術を用いて見積もりを行う必要があるかもしれない。例えば、対象のいくつかの部分が、撮像時に偶然に除外されたり、熱傷でないこと、もしくは見積もりを行おうとしている状態とは別の状態にあることが明白であるという理由から除外されたりする場合がある。場合によって、対象の特定の領域が、場所的な理由(例えば、対象の脇の下にある)または対象の物理的制限(例えば、対象の傷が重く移動ができない)によって、撮像困難なこともある。そのような補間では、撮像されない領域の見積もりを行うために、体の対称性を利用したり、1つの領域と別の領域との間に直線を射影したりしてもよい。例えば、ふくらはぎの画像205が欠失していた場合、大腿の画像213に示されている脚の境界から、脚の下の画像203および/または215に示されている足首および足部の境界へと、直線射影できるであろう。この射影により、脚部のおよその形状を得ることができ、撮像されていない脚表面の見積もりが可能となる。

0158

対象の様々な部分の表面積を見積もるために使用できる方法は、他にも存在する。例えば、図5に、9の法則およびLund−Browderチャートを示す。例えば、500で示す図は、9の法則の説明であり、頭頸部および腕は、それぞれ体表全体の面積の9%と見積もられている。例えば、腕501の合計表面積は、9の法則の下では、図の人物の体表全体の面積の9%であると見積もることができる。9の法則の下では、片脚ならびに体幹の前面および後面の面積はそれぞれ、体表全体の面積の18%であると見積もられる。例えば、脚502の合計表面積は、9の法則の下では、図の人物の体表全体の面積の18%であると見積もることができる。

0159

503で示す図は、体の様々な部分の表面積を概算する別の方法の存在を示す例である。Lund−Browderチャート504は、患者の年齢によって表面積を見積もる1つ方法を示す。このチャートは、0、1歳、5歳、10歳、および15歳の子どもの頭部の1/2、大腿部の1/2、および下肢の1/2の体表面積の相対パーセンテージの概算値を示す。

0160

9の法則およびLund−Browderチャートはいずれも、体表全体の面積(TBSA)を計算するために使用できる見積もりの例に過ぎない。これらの見積もりもまた、体の一部が撮像されない場合に使用される前述の技術を補うものとして使用できる。例えば、撮像されない脚の表面積は、TBSAの18%を占めると仮定することで把握できる。

0161

患者によっては、9の法則、Lund−Browder、および他の見積もり方法が当てはまらないこともある。例えば、太り過ぎの患者や、体の特定の領域に過剰な組織を有する患者は、相対表面積が異なることもある。したがって、本明細書に記載される撮像技術は、従来行われてきたこれらのチャートのみに頼った方法と比べて、熱傷の%TBSAをより正確に計算できるものである。さらに、本明細書に記載される%TBSA計算のいずれにおいても、モジュール114に入力された任意のデータ、またはモジュール112に自動的に送信された任意のデータを利用することができる。例えば、対象の年齢は、Lund−Browderチャートを用いた体表面積の相対パーセンテージの概算において、有効に使用することができる。代替例では、性別、体重、身長、体格、体型、皮膚の色、人種、撮像された体の向き、および/または本開示において言及される任意の関連データを含む他のデータが、%TBSAを計算するために入力または取得されてもよい。

0162

組織分類の%TBSAを知ることは、適切な治療の決定にとって重要でありうる。例えば、熱傷では、熱傷の%TBSAが増加するほど死亡率は高まる。図6は、米国熱傷協会がまとめたものであり、年齢群と熱傷の大きさによる死亡率を示している。患者の熱傷の%TBSAが増加するにつれ、概して死亡率は上昇することがわかる。したがって、緊急治療を施すためには、%TBSAの高い患者をできる限り迅速に特定することが重要でありうる。さらに、熱傷の%TBSAが高まるにつれて、死亡率の勾配が急になる。したがって、熱傷の%TBSAが高い場合、死に至る危険性が特に大きい対象を他から識別する際に、従来の方法よりも精度が高いことは重要である。大規模災害のような緊急事態で資源に限りがある場合、このような識別を行う能力は、特に重要であろう。したがって、本発明による代替案の、熱傷の%TBSAを計算する能力は、長きにわたる要望を満たすものである。

0163

例えば、所望される治療決定の1つとして、蘇生のための流体量の決定が挙げられる。流体の喪失は、大きな熱傷を負った人々が直面する最も重大な問題の1つである。したがって、熱傷患者に投与される流体の量の適切な管理は、回復のための重要な側面と言える。多くの場合、流体が少な過ぎると、熱傷浮腫、熱傷ショック脱水、死、および/または他の合併症につながりうる。流体が多過ぎても、感染症、浮腫、急性呼吸窮迫症候群腹部コンパートメント症候群水分過剰、および/または死といった合併症のリスクが増す。蘇生に必要な流体の量は、熱傷の%TBSAに関連する。例えば、軽い熱傷であれば、一般に、経口の水分補給によって蘇生することができる。しかしながら、熱傷の%TBSAが15〜20%(例えば、15%、16%、17%、18%、19%、もしくは20%、またはこれらのパーセンテージの間にある任意のパーセンテージ)に近づくと、対象における体液変動が大きくなり、熱傷浮腫や熱傷ショックを避けるためには、流体の管理がより重要になる。熱傷の%TBSAが約20%を超えると(例えば、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、またはこれらのパーセンテージの間にある任意のパーセンテージ)、血管内蘇生輸液を開始することが推奨されている。

0164

特定の代替案では、計算された熱傷の%TBSAをプロセッサ112のようなプロセッサが用いることによって、患者に与えるべき流体の量が決定されてもよい。例えば、パークランド公式を用いることで、熱傷の%TBSAに基づいて、治療の最初の24時間に投与する蘇生輸液量を概算してもよい。パークランドの公式は、V=4×m×(A×100)で表され、Vはミリリットルで表した輸液量であり、mはキログラムで表した対象の質量であり、Aは小数で表した%TBSA(例えば、体表の50%に熱傷を負った対象であれば、0.5)である。計算された量の半量が最初の8時間で投与され、残りの半量は、その後16時間かけて投与される。流体の投与計画は、システムのユーザに向けて、例えば図3の出力220の一部のように、UI上に出力されてもよい。例えば、体重100kgの対象が体表の50%に熱傷を負っている場合、システムは、パークランドの公式に従って、次の8時間は1250mL/時、その後16時間は625mL/時というような24時間の流体蘇生計画を出力してもよい。

0165

パークランドの公式は、特定の患者のニーズを満たすよう調整することもできる。例えば、高齢の患者に投与される流体の量は、水分過剰による浮腫や合併症が生じやすいため、減じる必要がある。一方、幼児のような若年の患者は、流体量が過剰であっても合併症のリスクは低い。投与する流体の量の調整には、対象の状態(例えば、熱傷の重症度)、脈拍、血圧、呼吸数および他の生理学的パラメータのような他の要因を使用することもできる。特定の代替案では、プロセッサ112のようなプロセッサは、投与する流体の量を調整するためにこれらの要因を使用する。これらの要因は、ユーザインターフェース(ディスプレイ/UI114等)を通じて入力されても、プローブ100または生体リーダ106および/もしくは108によって測定されても、かつ/または別の方法でプロセッサ112によって入力、計算、概算、もしくは取得されてもよい。これらの要因は、さらに当該患者の病歴から得られる別のデータ、または他の患者から得られるデータを含んでいてもよい。プロセッサはさらに、計算において考慮する要因として別のデータ(当該患者の別のデータ、較正情報、および他の患者から得られるデータ)を得るために、動的ライブラリから情報を取得してもよい。

0166

いくつかの代替案において、考慮してもよい別の要因は、患者の総血液量および/または患者の総血液量における変化である。血液量が少ないことは、患者が蘇生のためにより多くの流体を必要としていることを示す。血液量を測定および/または概算する様々な方法が存在する。例えば、患者の血液量が多ければ、患者の組織に吸収される光は多い。このような効果は、赤色光または近赤外光領域(例えば、840nm、850nm、860nm、870nm、もしくは880nm、またはこれらの値のいずれか2つの間にある波長を含む、840nm〜880nmの範囲またはこの近傍)において容易に測定することができるが、これは、このような波長の光が組織を容易に通過することによる。本明細書に開示する代替案は、反射する赤色光または近赤外光の量の変化を経時的に測定することによって総血液量および/または総血液量における変化を概算するために、使用することができる。例えば、いくつかの代替案において、反射する赤色光または近赤外光の量の経時的変化は、心臓鼓動波形収縮期および拡張期における位相シフトを測定するために使用することができる。これらのシフトは、収縮期圧および拡張期圧を知るために使用することができ、状況によっては、右心室および左心室脈圧を見積もるために使用することができる。外部カフもまた、収縮期圧および拡張期圧を測定するために、追加的または代替的に使用することができる。次いで、この脈圧を使用して、左心室および右心室からの1回拍出量(1回の動で心室から送り出される血液の量)を見積もることができる。この1回拍出量を用いれば、これと心拍数(心拍数もまた、本明細書で開示される代替案によって測定できる)とを掛け合わせることによって、心室からの心拍出量を計算することができる。この心拍出量は、血液量および/または血液量の変化を見積もるために使用されてもよい。

0167

当技術分野において既知の他の技術、例えば、PPG、カテーテル、プレチスモグラフ、他の撮像技術、および/または静脈伸展製を測定する別の技術等を使用して、血液量および/または血液量の変化を測定または概算することができる。例えば、酸素飽和度および脈拍を測定するために、患者がパルスオキシメータを装着してもよい。しかしながら、パルスオキシメータは、血管床(指、、または前額部)の血液量および/または血液量の変化を測定するPPG装置としての役割をも果たすものであってよい。

0168

いくつかの代替案において、総血液量および/または総血液量の変化のデータは、UI114等を使用するユーザによって、または別の手段によってデータパス(例えば、ワイヤを用いた接続またはワイヤレス送信等)に沿ってプロセッサに入力される。総血液量および/または総血液量の変化は、患者に投与される流体の量を計算するために、単独で、または%TBSAもしくは本開示で言及される別の任意の要因と組み合わせて使用されてもよい。これらの追加的な要因および変更は、表示される流体蘇生計画に自動的に組み入れることができる。

0169

さらに、他の代替案では、%TBSAに基づいて熱傷患者に投与される流体の量を計算する別の方法が使用される。別の方法としては、ブルックの公式、ブルックの改変公式、パークランドの公式、および当技術分野で既知である別の任意の相関が挙げられる。代替案では、標準公式が一切使用されなくてもよい。例えば、投与される流体の量は、機械学習を通じて計算することもでき、患者の病歴または他の患者の病歴を含む病歴データから別の方法で算定することもできる。

0170

次いで、組織を照射し、画像を取得し、画像データを解析するために使用される特定の装置および方法に目を向ければ、熱傷および他の傷を評価するための装置および方法を開発するための多くの試みがなされてきたことが理解されるであろう。いくつかの方法には、サーモグラフィー、核磁気共鳴、分光法、レーザードップラーフローメトリー、および超音波が含まれる。さらに、組織の微小血管床における血液量の変化を検出するために、プレチスモグラフィー(PPG)が使用されている。単に容積測定のみを行うPPGを単独で使用するだけでは、組織の完全な分類はなし得ない場合もある。また、マルチスペクトル撮像(MSI)は皮膚組織における差異を識別するために使用されてきたが、この技術では組織の完全な分類はなし得ない。現在のMSI技術では、肌タイプ、体の異なる領域の皮膚の違い、および考えられる傷の前処理による差異を埋め合わせることは、困難である場合が多い。MSI単独では、皮膚の状態に関する全般的な評価をなし得ない可能性があるが、これは、MSI技術が、皮膚の外観および皮膚の構成のみを測定し、組織に対する栄養や酸素の供給可能性といった、皮膚の分類にとって重要な動的変数を測定しないことによる。

0171

本明細書に記載されるいくつかの代替案では、皮膚の分類の迅速性、信頼性、および正確性を改善するために、MSIとPPGとが組み合わされる。本明細書に記載される該代替案では、例えば、皮膚の構造および機能(外傷を受けた皮膚とは対照的な正常な状態であるように正しく機能するか)をより正確に評価するために、画像データを使用して、血液、水、コラーゲン、メラニン、および他のマーカーの寄与を測定することができる。さらに、本明細書に記載される代替案では、皮膚から反射される光の変化を経時的に検出することで、重要な生理学的情報を取得する。これによって、臨床医が組織の生存率および機能、例えば組織のある部位における血液灌流および酸素化等を迅速に評価することが可能となる。

0172

図7に、いくつかの代替案においてプローブ100、コントローラ/クラシファイヤ/プロセッサ112およびディスプレイ/UI114として使用することができる(必須ではない)システムを示す。図7のシステムについては後に説明するが、MSI技術とPPG技術とが組み合わされていることにより、これまでのシステムと比べて、より小さい面積の組織領域をより高い精度で解析して分類するために使用することができ、必ずしも上記した全身解析のシステムおよび方法と関連付けて使用する必要はない。

0173

図7のシステムにおいて、プローブ408は、1以上の光源と1以上の高分解能マルチスペクトルカメラを含む。このカメラは、高精度な組織分類を実行するために、時間的、空間的なスペクトル分解能を維持しつつ、ターゲットである組織領域409を複数の画像で記録する。プローブ408は、複数のカメラ、撮像装置、プリズム、ビームスプリッタ光検知器、フィルター、およびマルチスペクトルバンド光源を含んでもよい。このカメラは、当該組織領域について、異なる波長の光の散乱、吸収、反射、透過、および/または蛍光を経時的に測定することができる。このシステムは、また、ディスプレイ/UI414と、プローブ408の動作を制御し、ユーザからの入力を受信し、ディスプレイの出力を制御し、画像の画素の解析および分類を実行するコントローラ/クラシファイヤ/プロセッサ412とを含む。

0174

データセット410は、プローブ408の出力例であり、撮像された空間的位置における異なる時間、異なる波長の反射光に関するデータを含む。撮像された空間的位置における異なる波長の光に関するデータの例を、データサブセット404に示す。データサブセット404は、当該組織領域の複数の画像を含んでいてもよく、それぞれの画像は、選択された異なる周波数帯において、該組織領域から反射された光を測定したものである。データサブセット404の複数の画像は、同時に取得されたものであってもよく、本質的に同時に取得されたものであってもよい。「本質的に同時に」とは、時間差が1秒以内であることを意味する。撮像された空間的位置における、異なる時間の組織領域からの反射光に関するデータの例を、データサブセット404に示す。データサブセット402は、1秒より長い時間、一般的には2秒より長い時間をかけて、異なる時間に撮像された複数の画像を含む。データサブセット402の複数の画像は、選択された1つの周波数帯で取得されたものであってよい。場合によって、データサブセット404の複数の画像は、1秒より長い時間、一般的には2秒より長い時間をかけて撮像されてもよく、データサブセット402の複数の画像は、複数の周波数帯で撮像されてもよい。しかしながら、サブセット404およびサブセット402を含む、組み合わされたデータセットは、異なる時間および異なる周波数帯のいずれにも対応する画像を含む。

0175

データサブセット404の画像を収集するために、いくつかの代替案では、前記1以上のカメラは、パスバンドの異なる複数のフィルターを備えたフィルターホイールに連結される。該1以上のカメラが対象の組織領域の画像を取得する際、フィルターホイールが回転する。フィルターホイールの回転に応じて、フィルターの位置に同期した画像を取得することによって、該1以上のカメラは、異なるスペクトルバンドで対象を記録することができる。このようにして、カメラは、組織領域の各画素で反射された、異なる周波数帯の光を受光する。実際に、多くの場合、本明細書に記載される装置は、これらのフィルターの使用によって、ヒトの目では識別できないスペクトルの光を解析できるようになる。多くの場合、これらの様々なスペクトルにおいて反射および/または吸収される光の量により、対象の組織または特定の組織領域の化学的組成および物理的組成についての手がかりが得られる。フィルターを使用して得られたデータが3次元データアレイを形成する場合もあり、このデータアレイの1つの次元はスペクトルであり、2つは空間的次元である。2つの空間的次元における各画素は、取得された各スペクトルバンドにおける反射光の強度によって特定されるスペクトルシグネチャーによって特徴付けることができる。様々な波長の光の強度は、ターゲットの組成についての情報を与える。これは、組成が異なれば、様々な周波数の光の散乱、吸収、反射、透過、および/または蛍光発光が異なることによる。これらの様々な波長の光を測定することによって、プローブ408は、画像の各画素に対応する個々の空間的位置における組成情報を捕捉する。

0176

データサブセット404とするために複数のスペクトルバンドで画像を取得する特定の代替案において、前記1以上のカメラは、ハイパースペクトルライン走査撮像装置を含む。ハイパースペクトルラインスキャナは、フィルターホイールの各フィルターの分離したバンドの代わりに連続したスペクトルバンドを有する。このハイパースペクトルラインスキャナのフィルターは、CMOS画像センサー一体化されていてもよい。場合により、該フィルターは、モノリシックに一体化された光学干渉フィルターであり、複数のフィルターが階段状に配置されている。場合により、該フィルターは、くさび状および/または階段状の形状である。場合により、400〜1100nmの波長(400nm、500nm、600nm、700nm、800nm、900nm、1000nm、もしくは1100nm、あるいはこれらの値のいずれか2つの間にある波長等)に対応する数十から数百のスペクトルバンドが存在することもある。撮像装置は、それぞれのフィルターラインを使用して組織を走査し、組織からの反射光を、それぞれのフィルターを通して検出する。

0177

また別の代替案では、異なるスペクトルバンドの光のフィルタリングを行うための別のフィルターシステムを使用することができる。例えば、いくつかの代替案ではファブリペローフィルターが使用される。他のフィルター構成も、例えば、フィルターをタイル構造に配置したり、ベイヤーアレイまたはマルチセンサアレイのようなパターンでフィルターを画像センサー(CMOS、CCD等)上に直接配置したりして、使用することができる。

0178

いずれの場合も、フィルターのパスバンドは、得ようとしている情報のタイプに基づいて選択される。例えば、熱傷の部位および周囲の組織における血液、水、コラーゲン、およびメラニンの寄与を捉えるために、熱傷の部位は、壊死組織除去の各段階において、400〜1100nmの波長(400nm、500nm、600nm、700nm、800nm、900nm、1000nm、もしくは1100nm、あるいはこれらの値のいずれか2つの間にある波長等)で撮像されてもよい。重症度の異なる中間層熱傷を観察するための、ブタ熱傷モデルを使用した特定の実験において、壊死組織除去プロセスをガイドするためには、約515nm、750nm、および972nmの波長の吸収スペクトルが所望され、一方、深達〜中間性中間層熱傷と、深達性中間層熱傷とを識別するためには、約542nm、669nm、および960nmの波長の吸収スペクトルが所望された。

0179

別の実験では、中間層熱傷を有するミニブタの成体の撮像を行った。健康な皮膚、充血、移植可能、血液、重度でない熱傷、および重度の熱傷として組織を分類するために、健康な皮膚のサンプル、熱傷サンプル、および熱傷からの切除片のサンプルを使用した。実験において、「健康な皮膚」には、熱傷に関連する傷を有さない皮膚領域を含めた。「充血」は、灌流の多い領域に相当し、これは一般に、治療をせずとも治癒することが期待されるI度の熱傷に相当するものであった。「移植可能」のカテゴリーは、一般に、点状出血を有する淡いピンク色の皮膚に相当するものであった。この組織は、一般に、皮膚移植に望ましいものであった。「血液」のカテゴリーは、分類すべき組織を血液が覆っているために、溜まった血液を除去して再度撮像する必要のある、やや広い領域に相当するものであった。「重度でない熱傷」のカテゴリーは、灌流が減少しているうっ血領域ではあるが、救済の可能性のある組織に相当するものであった。「重度の熱傷」のカテゴリーは、タンパク質凝固して不可逆的な組織の喪失が生じ、切除が望ましい領域に相当するものであった。

0180

本開示の代替案を用いて、組織サンプルから反射された光を、400〜1100nmの範囲にある様々な波長(400nm、500nm、600nm、700nm、800nm、900nm、1000nm、もしくは1100nm、あるいはこれらの値のいずれか2つの間にある波長等)で測定し、種類の異なる組織間で反射光の量の差が大きくなる波長のセットを求めた。このような差は、組織のクラスを、少なくとも健康な皮膚、充血、移植可能、血液、重度でない熱傷、および重度の熱傷のカテゴリーへと効果的に分類するために使用できる可能性がある。最適なセットは、時には、重複の最も少ない、最も示差的な波長を含む波長セットとして特定された。これに関連して、最も示差的な波長は、特定の組織クラスを他のクラスから効果的に識別できる波長として見出された場合もあった。最小の重複は、同じ情報を測定した複数の波長のうち1つのみを含めることによって見出された場合もあった。波長のセットを用いて組織サンプルを分類した後、この分類を医師による組織サンプルの正確な評価と比較した。

0181

分類の精度を試験するために、異なる実験にわたるデータ分割を行った。実験の第1のセットでは、475nm、515nm、532nm、560nm、578nm、860nm、601nm、および940nmの波長の測定を行った。実験の第2のセットでは、420nm、542nm、581nm、726nm、800nm、860nm、972nm、および1064nmの波長の測定を行った。実験の第3のセットでは、420nm、542nm、581nm、601nm、726nm、800nm、972nm、および860nmの波長の測定を行った。実験の第4のセットでは、620nm、669nm、680nm、780nm、820nm、839nm、900nm、および860nmの波長の測定を行った。

0182

第1の実験セットと第2の実験セットにおいて、組織の分類に最良の変動を示した波長は、83%の精度で組織を分類するために使用された。これらの波長は、(相対的な重みの順に)726nm、420nm、515nm、560nm、800nm、1064nm、972nm、および581nmであった。同様に第3の実験セットと第4の実験セットにおいて、組織の分類に最良の変動を示した波長は、74%の精度で組織を分類するために使用された。これらの波長は、(相対的な重みの順に)581nm、420nm、620nm、860nm、601nm、680nm、669nm、および972nmであった。これらのセットのいずれにおいても、その精度は、臨床判断のための現在の標準的な信頼性(熱傷の深さを67〜71%の精度で判定する)よりも高かった。さらに、860nmの波長は、MSIのアルゴリズムにもPPGのアルゴリズムにも特に効果的であり、したがって、これらを組み合わせた装置にも効果的であることがわかる。これらの実験のセットから、400〜1100nmの範囲にある波長(400nm、500nm、600nm、700nm、800nm、900nm、1000nm、もしくは1100nm、あるいはこれらの値のいずれか2つの間にある波長等)は、効果的な組織分類に使用可能であることがわかる。前述の通り、他の波長セットも同様に有効でありうる。例えば、実験において有効であった波長セットを用いると、重複は最小限に抑えられた。したがって、他の波長も、組織のいくつかの特徴を効果的に分類するために使用できる。また、上記した実験を用いて、熱傷および/または本明細書に記載した他の組織状態を効果的に分類する他の波長を見出してもよい。

0183

概して言えば、上記の実験により、400〜900nmの範囲にある波長(400nm、500nm、600nm、700nm、800nm、もしくは900nm、あるいはこれらの値のいずれか2つの間にある波長を含む)は、熱傷の撮像に特に有効であることが見出された。さらに詳しくは、この範囲において、熱傷を撮像するための波長セットを構成することができ、このセットにおいて、少なくとも1つの波長は500nm未満であり、少なくとも2つの波長は500〜650nmの間にあり、かつ少なくとも3つの波長は700〜900nmの間にあった。このセットは、熱傷を撮像し、撮像された熱傷組織を複数のカテゴリーに分類することにおいて効果的であった。

0184

また、この実験に基づいて、試験した各波長を、分類における見かけ有意性の順に並べ、以下のランキングとして示す。

0185

データサブセット420の画像を収集するために、前記1以上のカメラは、患者の生理学的事象または状態に相当する組織領域の動きに起因する反射光強度の経時的変化を測定できるような十分に短い時間間隔で、選択された数の画像を取得できるよう構成されている。場合によって、時間を置いて取得された複数の画像から得られるデータは3次元データアレイを形成するが、このデータアレイは、時間的次元を1つ、空間的次元を2つ有している。3次元アレイ内の各画素は、反射光強度の時間ドメインにおける変化によって特徴付けることができる。この時間ドメイン信号は、血圧、心拍数、血管抵抗神経刺激、心臓血管の健康、呼吸数、体温および/または血液量に関連する異なる周波数成分において異なるエネルギーを有している。特定の代替案においては、ノイズを除去するために、フィルターを使用してもよい。例えば、室内における周囲光の主たる波長スペクトルに相当する光の波長を除去するために、860nmのバンドパスフィルターを使用してもよく、これにより、取得される画像は、プローブ408の光源に由来する反射光に応じたものとなる。このようにすることで、交流電源ラインの周波数に起因して周囲光に存在する60ヘルツ揺らぎのような、周囲光の揺らぎによる偽信号を低減および/または防止できる。

0186

画像取得および信号処理の有利な手順についてのさらなる詳細を、図8を参照しつつ説明する。この図は、図7の装置で実行されうるプロセスを示す。図8は、組織を分類するためのいくつかの代替案において使用されるプロセスを例示するフロー図600である。ブロック602および603は、いくつかの代替案において、例えば、プローブ408を使用して、複数のマルチスペクトル画像時間分離画像(例えば、動画)が取得されることを示している。時間分離画像、例えば、データサブセット402において、全体としてノイズが少なく、信号対ノイズ比の高い信号を得るためには、比較的長い露出時間が望ましいことがわかった。特定の場合において、捕捉時間は27秒とされたが、これは従来のPPG撮像プロセスにおける捕捉時間である7秒よりも長い。したがって、いくつかの代替案において望ましい捕捉時間は、少なくとも8秒、9秒、10秒、11秒、12秒、13秒、14秒、15秒、16秒、17秒、18秒、19秒、20秒、21秒、22秒、23秒、24秒、25秒、26秒、27秒、28秒、29秒、30秒、31秒、32秒、33秒、34秒、35秒、36秒、37秒、38秒、39秒、40秒、41秒、42秒、43秒、44秒、45秒、46秒、47秒、48秒、49秒、50秒、51秒、52秒、53秒、54秒、55秒、56秒、57秒、58秒、59秒、もしくは60秒であるか、これらよりも長いか、またはこれらの値のいずれか2つの間の時間である。この捕捉時間中に撮像装置が捕捉する1秒当たりフレーム数を、設定してもよい。状況によっては、1秒当たり30フレーム(30fps)または1秒当たり60フレーム(60fps)が、組織の撮像において効果的である。30fpsで27秒間であれば、撮像装置は約810枚の画像を取得する。60fpsで27秒間であれば、撮像装置は約1620枚の画像を取得する。いくつかの代替案では、取得する画像の枚数は、(例えば、ヒトの心拍を捕捉するために)必要とされるデータの分解能に依存することもある。例えば、CMOSカメラの場合、20〜120fpsが使用されてもよい。これは、20fps、30fps、40fps、50fps、60fps、70fps、80fps、90fps、100fps、110fps、もしくは120fpsまたはこれらの値のいずれか2つの間にあるサンプリングレートを含む。

0187

また、特定の代替案では、光の強度が高く、信号が飽和してパルス波形マスクされる場所である照射スポットのために、光源の位置決めが重要であった。いくつかの代替案では、この問題は、散光器および他のフロントエンドハードウェア技術を用いることで解決できた。しかしながら、フロントエンド技術によって照射スポットを除去できない場合、いくつかの代替案では、照射スポットを除去するために、信号処理を行った。実際に、信頼性のある組織病理画像を作成するために、ノイズが除去される一方で、信号は望ましく保存され、表示される。このプロセスは、照射スポットに関するノイズおよび他の無関係な信号を除去することを含む。

0188

ブロック604において、時間分解型画像シーケンス(例えば、データサブセット402)は、処理のために、コントローラ/クラシファイヤ/プロセッサ412に送信され、ここでは、組織領域における血液灌流を計算するためのPPGアルゴリズムが使用される。このプロセスは、ノイズを除去し、目的の信号の部分を取り出して、信号対ノイズ比を押し上げるために、増幅線形化、信号の平均化、相関、および/または1以上のフィルター(例えば、バンドパスハイパス、もしくはローパス)を含むことができる。過度のフィルタリングは不可欠なデータを除去することになり、フィルタリングが不十分であると信号の解析が困難になるため、フィルターの選択は重要である。相互相関および自己相関も、ノイズを除去するために使用することができる。いくつかの代替案では、後述するように、サンプル信号を使用してノイズを除去することもできる。次いで、この信号は周波数ドメインに変換される。例えば、いくつかの代替案では、高速フーリエ変換FFT)が使用される。FFTの実行後、信号は周波数によって解析される。複数の時間分離画像にわたる、各画素での反射光強度の時間ドメインにおける変動は、様々な周波数において信号エネルギーを有している。これらの周波数、およびそれらが対応している生理学的事象は、画素によって撮像された組織位置におけるそのような生理学的事象の発生と強度の影響の指標となる。例えば、ヒトの安静時の心拍の周波数にほぼ等しい1.0ヘルツ付近のバンドに存在する画素の信号強度は、画像中の画素の位置にある組織への、あるいはその近傍での血流を評価するために使用することができる。

0189

いくつかの代替案では、関連する信号は極大値を見ることにより特定することができる。例えば、心拍数は、最も高いピークの周波数近傍のバンドにおける信号のエネルギーに注目し、該ピークが心拍に誘導される血圧の変化の一部であると仮定することによって見出された。しかしながら、この方法では、実際の心拍数の信号よりも高いピークを有すノイズを特定できないかもしれない。そのような場合、他の代替案では、ノイズ信号ホワイトノイズ信号および他の信号の実例または参照データベースに基づいてコンピュータ学習やコンピュータトレーニングを行う信号処理が用いられる。このコンピュータは、当該信号をノイズから識別することを習得するために、関連する信号およびノイズの例について解析を行う。例えば、血流に関する信号を特定する場合、心拍と同じ周波数成分を有する信号であれば、関連している可能性がある。コンピュータ学習では、心拍をノイズから識別するために、心拍信号の例を利用したり、心拍信号の参照用データベースを参照したりする。コンピュータ学習プロセスは、そのような基準点およびデータベースを利用して、ホワイトノイズ、擬似心拍信号、および心拍信号よりも高いピークを有するノイズ信号を解析することもできる。コンピュータ学習は、周波数、振幅、信号対ノイズ比、ゼロ交差、代表的形状、または他の信号特性等の特徴に基づいて、信号を特定することができる。

0190

いくつかの状況では、信号を特定するために、さらなる比較が行われる。例えば、いくつかの代替案では、精選された臨床病期信号の編集が行われる。次いで、測定された信号を目的の信号またはノイズとして分類するために、精選された臨床病期信号と測定された信号との比較が行われる。実施されたさらなる技術的進歩は、エッジ効果の除去であった。いくつかの代替案において、画像の端部に粒状ノイズが見られ、目的の領域を所望の通りに際立たせることができない場合もあった。エッジ効果を除去すると、目的の領域は、より高い信号強度を示した。いくつかの代替案では、エッジの除去は、平均化、膨張と収縮、エッジの検出と強調を含む画像処理によって達成された。

0191

別の技術的な進歩は、動きアーチファクトの自動的な除去であった。動きアーチファクトは、患者の呼吸、患者の動き、または画像に歪みをきたす可能性のある、カメラもしくは患者の周囲の一般的な振動に関連する動きを含む。これらの動きアーチファクトを除去するために、信号の「ウィンドウ」処理を行った。これは、周囲の部分よりもはるかに大きく、かつノイズの多い時間ドメインの領域を特定し、それらの領域を「動き」として特定するものである。次いで、これらのセグメントを時間ドメインから切り取ることにより、動きアーチファクトのない修正信号が得られる。ノイズおよびそれ以外の不要な信号の部分を除去するために、別のフィルターや選択方法が使用されてもよい。この処理の後、所望の周波数(たとえば、一般に約1ヘルツ)において計算された信号エネルギーによって、組織領域(例えば、2次元の画素位置それぞれ)を、その画素位置における血液灌流を特徴付けるカテゴリーに分類することができる。

0192

いくつかの代替案では、ブロック602および604と実質的に同時に、さらにブロック603および605が実行される。ブロック603では、マルチスペクトルデータキューブ(例えば、図7のデータサブセット404)を形成する画像の取得が行われる。このデータキューブは、MSIスペクトルバンドのそれぞれについての2次元画像を含む。このような代替案において、ブロック605では、次いでデータを分析するためにMSIアルゴリズムが適用され、ブロック614では、システムによって、組織領域のそれぞれ(例えば、2次元の画素位置それぞれ)に組織組成のカテゴリーが割り当てられる。

0193

ブロック616は、MSIとPPGの両方のデータに基づいて組織分類をするために、血液の潅流とブロック603および604からのMSIデータを組み合わせる。

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