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図面 (16)

課題

従来のフェーズドアレイと比較して、比較的少数エレメントおよび部品から構成されたフェーズドアレイアンテナを提供する。

解決手段

複数のレンズセット110を含むアンテナシステムであるレンズアレイ100を提供する。各レンズセット110は、レンズ112と、少なくとも1つのフィード素子152とを含む。少なくとも1つのフィード素子152がレンズ112と位置合わせされ、レンズ112を通して所望の方向に信号を導くように構成される。

概要

背景

本出願は、2017年3月17日に出願された米国仮特許出願第62/472,991号の利益を主張するものであり、その全内容は、本明細書に参照として組み込まれる。

フェーズドアレイは、薄型で、比較的軽量に構成することができる電磁波用開口アンテナの一形態であり、出力される指向性の高い無線エネルギービームを、電気的な制御により、可動する部品なしで、所望の方向を指すように操縦することができる。従来のフェーズドアレイは、密集した(半波長程度に)、複数の個別の放射アンテナまたは素子集合体であり、同じ入力信号が、各々の独立した放射素子に供給され、所定の振幅と、時間または位相オフセットとで制御される。各放射素子から放射されたエネルギーは、各素子の時間/位相のオフセットの構成によって決定される方向(または複数の方向)に向くように合成される。このようなフェーズドアレイ用の個々のアンテナまたは放射素子は、アレイ相互結合環境における各フィード供給点給電点)からの放射エネルギー角度分布またはパターン(埋め込み素子またはスキャン素子ゲインパターンとも呼ばれる)ができるだけ均一に分布されるように設計され、空間的角度を広範囲にわたってカバーするためには、開口アレイ投影面積が必要であるという物理的制約を受けるが、ビームスキャン角度の範囲では最大のアンテナゲインを得ることができる。従来のフェーズドアレイの例は、米国特許第4,845,507号、米国特許第5,283,587号、米国特許第5,457,465号に記載されている。

反射型アンテナ(放物線状またはそれ以外)および導波管ベースホーンアンテナなどの高い指向性無線ビームを実現する他の一般的な方法と比較して、フェーズドアレイは多くの利点がある。しかしながら、アクティブフェーズドアレイ、すなわち、受信および/または送信機能用の複数の素子に複数の増幅器を組み込んだもののコストおよび電力消費は、アレイ内のアクティブなフィード(給電、給電点)数に比例する。したがって、サイズが大きく、高指向性のフェーズドアレイは、比較的多量の電力消費し、製造コストが非常に高い。

フェーズドアレイは、通常、従来の方法を使用する場合、ビームの操作範囲にわたり性能を維持するためには、開口部全体が、密接したフィードで満たされることが必要である。開口効率を維持し、グレーティングローブ(grating lobes)を排除するためには、高い密度パッキングされたフィード(最高動作周波数における波長の約半分の間隔)が必要である。広帯域フェーズドアレイは、放射素子および回路帯域幅の制限に加えて、素子間隔、開口の充填率要件、および位相または時間オフセット制御に使用される回路のタイプといった制約がある。

例えば、アレイの法線または照準から約70度にビームを操作するためには、65cm四方の14.5GHKuバンド位相アレイが必要であり、それには、それぞれ独立した送信(Tx)および/または受信(Rx)モジュール位相シフタまたは時間遅延回路、および追加回路を備えた4000個以上の素子が必要である。端末が動作しているときは常に、すべての素子に電力が供給されなければならず、実質的に安定したDC電流が必要となる。

アクティブフェーズドアレイのエレメント(要素)またはフィードの全てを、そのアレイを稼働させるためには機能(有効に)させる必要があり、たとえば、4000個のエレメントのアレイに対して、アクティブなモジュールの効率にも依存するが、800Wあるいはそれ以上の大きな電力が浪費される。アレイのパフォーマンスに劇的な影響を与えることなく、特定のエレメントを無効にして消費電力を削減することはできない。

エレメントの間隔を、数波長程度に大きくすることができる、スパースアレイ(疎な配列、sparse arrays)を実現するために様々な技術が開発されている。広いエレメント間隔を有する周期的なアレイ(周期的な配列)は、グレーティングローブを生じるが、エレメントを適切にランダムに配置することにより、周期性崩れ、グレーティングローブを低減することができる。しかしながら、これらのアレイは、エレメントが疎に配置されることにより開口効率が低下し、通常よりも大きなアレイ設置面積を必要とする。このため、限られた用途しか見いだされていない。「Gregory,M.D.,Namin,F.A. and Werner,D.H., 2013. “Exploiting rotational symmetry for the design of ultra−wideband planar phased array layouts.”IEEE Transactions on Antennas and Propagation, 61(1), pp. 176−184」は参照として本明細書に組み込まれる。

グレーティングローブの影響を制限する他の方法は、指向性の高い複数のアレイエレメントアレイ要素)を使用することである。なぜなら、アレイ全体のパターンは、アレイファクタ、すなわち、複数の等方性のエレメントのアレイとしてのパターンと、それぞれのエレメントのゲイン(利得)パターンとの積であるからである。エレメントのパターンが非常に指向性が高い場合、上記の積においては、メインビーム領域外のグレーティングローブの大部分が抑制される。一例は、超大型アレイ(VLA)である。VLAは、多数の大きなジンバル反射器アンテナからなり、非常に疎な高指向性のエレメント(反射器)を形成し、それぞれは狭いエレメントがペンシルビームを発し、アレイからの全放射パターンにおけるサイドローブの大きさを劇的に減少させる。「P.J.Napier, A.R.Thompson and R.D.Ekers, “The very large array: Design and performance of a modern synthesis radiotelescope.” Proceedings of theIEEE, vol. 71, no. 11, pp. 1295−1320, Nov. 1983; and www.vla.nrao.edu/」は参照として本明細書に組み込まれる。

概要

従来のフェーズドアレイと比較して、比較的少数のエレメントおよび部品から構成されたフェーズドアレイアンテナを提供する。複数のレンズセット110を含むアンテナシステムであるレンズアレイ100を提供する。各レンズセット110は、レンズ112と、少なくとも1つのフィード素子152とを含む。少なくとも1つのフィード素子152がレンズ112と位置合わせされ、レンズ112を通して所望の方向に信号を導くように構成される。

目的

グレーティングローブの影響を制限する他の方法は、指向性の高い複数のアレイエレメント(アレイ要素)を使用することである

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

複数のレンズセットを有し、前記複数のレンズセットの各レンズセットは、レンズと、前記レンズと位置合わせされ、前記レンズを介して所望の方向に信号を導くように構成された少なくとも1つの供給素子とを含む、アンテナシステム

請求項2

請求項1において、前記レンズの開口サイズは、略1波長よりも大きい、アンテナシステム。

請求項3

請求項1または2において、前記複数のレンズセットの各々は、指向性放射パターンを含む、アンテナシステム。

請求項4

請求項1ないし3のいずれかにおいて、前記複数のレンズセットが、フェーズドアレイを形成するように回路により接続されている、アンテナシステム。

請求項5

請求項1ないし4のいずれかにおいて、前記複数のレンズセットのそれぞれに組み込まれた複数の放射パターンを制御する、少なくとも1つのレンズセット回路および処理装置の少なくともいずれかをさらに含む、アンテナシステム。

請求項6

請求項5において、前記少なくとも1つのレンズセット回路および処理装置の少なくともいずれかは、電気的、機械的または電気機械的方法を使用して、前記レンズセットの前記組み込まれた複数の放射パターンの少なくとも1つによる前記信号の方向を制御する、アンテナシステム。

請求項7

請求項1ないし6のいずれかにおいて、前記少なくとも1つの供給素子は、前記レンズを介して信号を異なる方向に導くように前記レンズに対し位置合わせされた複数の供給素子を含む、アンテナシステム。

請求項8

請求項7において、前記複数の供給素子であって、固定または移動可能な複数の供給素子の各々に接続され、前記複数の供給素子のサブセットを選択的に稼働するスイッチをさらに有する、アンテナシステム。

請求項9

請求項1ないし8のいずれかにおいて、前記複数のレンズセットは、誘電体レンズメタマテリアルレンズメタサーフェイスレンズ、またはそれらの組み合わせを含む、アンテナシステム。

請求項10

請求項9において、前記複数のレンズセットのレンズが均質である、アンテナシステム。

請求項11

請求項9において、前記複数のレンズセットのレンズは不均質であり、均質なレンズよりも全体的な性能が改善さている、アンテナシステム。

請求項12

請求項1ないし11のいずれかにおいて、前記少なくとも1つの供給素子の各々を、前記レンズに対して移動させて、信号の方向を所望の方向にするための少なくとも1つのアクチュエータをさらに有する、アンテナシステム。

請求項13

請求項12において、前記アクチュエータが、前記少なくとも1つの供給素子の各々を、第1の所望の信号方向とする第1の位置と、第2の所望の信号方向とする第2の位置との間で移動する、アンテナシステム。

請求項14

請求項1ないし13のいずれかにおいて、前記複数のレンズセットは、幾何学的形状、誘電的特性、またはそれらの組み合わせにおいて同一ではない、アンテナシステム。

請求項15

請求項1ないし14のいずれかにおいて、前記複数のレンズセットは、不均一なタイル状の構成を成すように配置されている、アンテナシステム。

請求項16

請求項15において、前記複数のレンズセットの前記タイル状の構成は、広視野範囲および/または周波数範囲にわたってアンテナ放射パターンを改善する、アンテナシステム。

請求項17

請求項16において、アンテナ放射パターンを調整するように構成されたアンテナ回路および/または処理装置をさらに有する、アンテナシステム。

請求項18

請求項1ないし17のいずれかにおいて、前記複数のレンズセット回路および/または処理装置、および前記アンテナ回路および/または処理装置が、無線周波数(RF)、中間周波数(IF)、またはベースバンド周波数の信号を処理するように構成された、アンテナシステム。

請求項19

請求項17または18において、前記アンテナ回路および/または処理装置は、前記複数のレンズセットに接続された少なくとも1つの位相または時間シフタであって、前記複数のレンズセットと通信される信号の位相シフトまたは時間遅延を介してアナログビーム形成システムを形成するための少なくとも1つの位相または時間シフタ、を含む、アンテナシステム。

請求項20

請求項17または18において、前記アンテナ回路および/または処理装置は、サンプリングアナログ−デジタル変換、およびデジタルアナログ変換によるデジタルビーム形成ステム共同で構成するデジタル信号プロセッサを含む、アンテナシステム。

請求項21

請求項1ないし20のいずれかにおいて、当該アンテナシステムは、受信専用送信専用、または送受信用である、アンテナシステム。

請求項22

請求項1ないし21のいずれかにおいて、当該アンテナシステムは、衛星システムと通信するシステムである、アンテナシステム。

請求項23

請求項1ないし22のいずれかにおいて、当該アンテナシステムは、宇宙−宇宙または宇宙−地上の通信のために、宇宙船システムにおいて電子ビーム形成を行うシステムである、アンテナシステム。

請求項24

請求項1ないし22のいずれかにおいて、当該アンテナシステムは、自動車および他の陸上車両海上船舶、または有人または無人航空機において衛星との接続を提供するシステムである、アンテナシステム。

請求項25

請求項1ないし22のいずれかにおいて、当該アンテナシステムは、固定または動的に再構成可能な、単一または複数のビームの、地点間の、地上波マイクロ波リンクに使用されるシステムである、アンテナシステム。

請求項26

請求項1ないし22のいずれかにおいて、当該アンテナシステムは、5Gおよび次世代の携帯電話分野において使用されるシステムである、アンテナシステム。

請求項27

請求項1ないし26のいずれかにおいて、当該アンテナシステムは、多方向に、複数の同時ビームを供給するシステムである、アンテナシステム。

請求項28

請求項27において、前記アンテナ回路は、少なくとも1つのスイッチと、少なくとも1つの位相または時間遅延ユニットと、少なくとも1つの加算/除算回路、またはそれらの組み合わせとを含むビーム形成回路をさらに含む、アンテナシステム。

請求項29

請求項28において、複数の同時ビームをサポートするように、ビーム形成回路が複製されるアンテナシステム。

請求項30

請求項1ないし29のいずれかにおいて、前記レンズセット、関連する回路、およびパッケージングは、ハウジング電源ソフトウェア、計算および制御用ハードウェアモデムインタフェース、および他の機械的および電気的インタフェースを含む、完全な通信端末を形成するためのすべての必要な要素を含む、アンテナシステム。

請求項31

複数のレンズセットを有するアンテナシステムであって、前記複数のレンズセットの各レンズセットは、レンズと、前記レンズと位置合わせされ、信号を、前記レンズを通して第1の方向に導くように構成された第1のフィードエレメントと、前記レンズと位置合わせされ、前記信号を、前記レンズを通して第2の方向に向けるように構成された第2のフィードエレメントとを含む、アンテナシステム。

技術分野

0001

本発明は、多重ビームフェーズドアレイアンテナシステムに関するものである。より詳細には、本発明は、各々が複数のスキャン可能なビームを備えた広角屈折率分布型レンズグラジエントインデックスレンズ)を用いて構成素子の数を減らした広帯域で広角の多重ビーム(多光束)フェーズドアレイアンテナシステムに関するものである。

背景技術

0002

本出願は、2017年3月17日に出願された米国仮特許出願第62/472,991号の利益を主張するものであり、その全内容は、本明細書に参照として組み込まれる。

0003

フェーズドアレイは、薄型で、比較的軽量に構成することができる電磁波用開口アンテナの一形態であり、出力される指向性の高い無線エネルギーのビームを、電気的な制御により、可動する部品なしで、所望の方向を指すように操縦することができる。従来のフェーズドアレイは、密集した(半波長程度に)、複数の個別の放射アンテナまたは素子集合体であり、同じ入力信号が、各々の独立した放射素子に供給され、所定の振幅と、時間または位相オフセットとで制御される。各放射素子から放射されたエネルギーは、各素子の時間/位相のオフセットの構成によって決定される方向(または複数の方向)に向くように合成される。このようなフェーズドアレイ用の個々のアンテナまたは放射素子は、アレイ相互結合環境における各フィード供給点給電点)からの放射エネルギー角度分布またはパターン(埋め込み素子またはスキャン素子ゲインパターンとも呼ばれる)ができるだけ均一に分布されるように設計され、空間的角度を広範囲にわたってカバーするためには、開口アレイ投影面積が必要であるという物理的制約を受けるが、ビームスキャン角度の範囲では最大のアンテナゲインを得ることができる。従来のフェーズドアレイの例は、米国特許第4,845,507号、米国特許第5,283,587号、米国特許第5,457,465号に記載されている。

0004

反射型アンテナ(放物線状またはそれ以外)および導波管ベースホーンアンテナなどの高い指向性無線ビームを実現する他の一般的な方法と比較して、フェーズドアレイは多くの利点がある。しかしながら、アクティブフェーズドアレイ、すなわち、受信および/または送信機能用の複数の素子に複数の増幅器を組み込んだもののコストおよび電力消費は、アレイ内のアクティブなフィード(給電、給電点)数に比例する。したがって、サイズが大きく、高指向性のフェーズドアレイは、比較的多量の電力消費し、製造コストが非常に高い。

0005

フェーズドアレイは、通常、従来の方法を使用する場合、ビームの操作範囲にわたり性能を維持するためには、開口部全体が、密接したフィードで満たされることが必要である。開口効率を維持し、グレーティングローブ(grating lobes)を排除するためには、高い密度パッキングされたフィード(最高動作周波数における波長の約半分の間隔)が必要である。広帯域フェーズドアレイは、放射素子および回路帯域幅の制限に加えて、素子間隔、開口の充填率要件、および位相または時間オフセット制御に使用される回路のタイプといった制約がある。

0006

例えば、アレイの法線または照準から約70度にビームを操作するためには、65cm四方の14.5GHKuバンド位相アレイが必要であり、それには、それぞれ独立した送信(Tx)および/または受信(Rx)モジュール位相シフタまたは時間遅延回路、および追加回路を備えた4000個以上の素子が必要である。端末が動作しているときは常に、すべての素子に電力が供給されなければならず、実質的に安定したDC電流が必要となる。

0007

アクティブフェーズドアレイのエレメント(要素)またはフィードの全てを、そのアレイを稼働させるためには機能(有効に)させる必要があり、たとえば、4000個のエレメントのアレイに対して、アクティブなモジュールの効率にも依存するが、800Wあるいはそれ以上の大きな電力が浪費される。アレイのパフォーマンスに劇的な影響を与えることなく、特定のエレメントを無効にして消費電力を削減することはできない。

0008

エレメントの間隔を、数波長程度に大きくすることができる、スパースアレイ(疎な配列、sparse arrays)を実現するために様々な技術が開発されている。広いエレメント間隔を有する周期的なアレイ(周期的な配列)は、グレーティングローブを生じるが、エレメントを適切にランダムに配置することにより、周期性崩れ、グレーティングローブを低減することができる。しかしながら、これらのアレイは、エレメントが疎に配置されることにより開口効率が低下し、通常よりも大きなアレイ設置面積を必要とする。このため、限られた用途しか見いだされていない。「Gregory,M.D.,Namin,F.A. and Werner,D.H., 2013. “Exploiting rotational symmetry for the design of ultra−wideband planar phased array layouts.”IEEE Transactions on Antennas and Propagation, 61(1), pp. 176−184」は参照として本明細書に組み込まれる。

0009

グレーティングローブの影響を制限する他の方法は、指向性の高い複数のアレイエレメントアレイ要素)を使用することである。なぜなら、アレイ全体のパターンは、アレイファクタ、すなわち、複数の等方性のエレメントのアレイとしてのパターンと、それぞれのエレメントのゲイン(利得)パターンとの積であるからである。エレメントのパターンが非常に指向性が高い場合、上記の積においては、メインビーム領域外のグレーティングローブの大部分が抑制される。一例は、超大型アレイ(VLA)である。VLAは、多数の大きなジンバル反射器アンテナからなり、非常に疎な高指向性のエレメント(反射器)を形成し、それぞれは狭いエレメントがペンシルビームを発し、アレイからの全放射パターンにおけるサイドローブの大きさを劇的に減少させる。「P.J.Napier, A.R.Thompson and R.D.Ekers, “The very large array: Design and performance of a modern synthesis radiotelescope.” Proceedings of theIEEE, vol. 71, no. 11, pp. 1295−1320, Nov. 1983; and www.vla.nrao.edu/」は参照として本明細書に組み込まれる。

0010

本発明は、従来のフェーズドアレイと比較して、比較的少数のエレメント(要素、素子)および部品から構成されたフェーズドアレイアンテナ系列を提供する。アレイは、相対的に少数の放射素子(放射エレメント)を用い、放射素子(エレメント)の各々は、比較的電気的に大きい、例えば5波長の、屈折率分布型勾配屈折率型、Gradient Index
(GRIN))レンズであり、その焦点領域に少なくとも1つまたは複数のフィード素子(フィードエレメント、供給素子給電素子供給要素)を有し、特別に最適化されているものである。各アレイ素子(アレイエレメント)は、GRINレンズと、各レンズの焦点領域内の少なくとも1つのフィード素子とを有する。複数のレンズと複数のフィードとのセットは、少なくとも1つのビームに対し、エレメントパターン素子パターン要素パターン)の方向を変えたり制御したりしてよく、所望のビーム操作範囲(ビームステアリング範囲)または視野識別範囲)を広げることができる。1つのフィード(給電点)またはフィード(給電点)のクラスター(集合)が、単一の有効なフィードとして動作するように励起された(給電された)場合、フィードまたはクラスターの位置を、レンズの焦点に対して物理的に移動することによりビーム操作をおこなってもよい。移動する部品を用いずにビームの操作(ビームステアリング)を行う場合は、各レンズの焦点領域に1組の複数のフィード(給電点)が配置されてもよく、アクティブフィードまたはフィードクラスターの選択(例えばスイッチングによる)によって、特定のビーム方向に向けられたエレメントビーム(要素ビーム)が生成される。GRINレンズの具体的な構造は、出願人の係属中の米国仮特許出願第62/438,181号(2016年12月22日出願)に開示された発明のように、適切な方法で最適化することができ、この出願は参照され、出願に組み込まれる。

0011

一実施形態では、アレイは、各レンズの焦点領域内の複数のフィードを設け、エレメントビームを操作するためのアクティブフィード(給電する給電点)を選択することにより、移動するパーツなしで、特定の角度範囲または視界(識別範囲)にわたり、1つまたは複数のビームを操作(操縦、ステアリング、向きを変える)することができる。非常に単純化された別の実施形態では、対応するレンズの焦点領域内で、各フィード素子を物理的に移動させることによって、最小部品点数でアレイを実現することも可能である。この単純化された実施形態では、アレイ全体を横切るようにフィード素子のセットを一体で動かしてもよく、その場合、すべてのレンズに対し、フィード素子が集団で横切るようにする2つのアクチュエータのみを用いてもよく、また、制御性を改善するために、各レンズに対して独立したアクチュエータを設けてもよい。全体的なアレイパターンアンテナ回路および/またはアンテナ処理装置によって得られ、各レンズにおける対応するアクティブなフィード素子を、位相/時間遅延回路と、およびアクティブ(活性、給電)または不活的のコーポレイトフィードネットワーク共同または統合された給電ネットワーク)と組み合わせてもよい。

0012

アレイのビームスキャン性能は、粗いビームポインティング(粗照準、コースビームポインティング)と精度の高いビームポインティング(高精度照準、ファインビームポインティング)との2つのレベルで制御される。各レンズの粗いビームポインティングでは、各レンズの焦点領域内で、単一のフィード(またはフィード位置給電位置)として動作するように励起された特定のフィードまたはフィードの小さなクラスターを選択することによって得られる。レンズとフィードとの組み合わせは、指向性を示すが、レンズの大きさにより、波長に対し、また、レンズの公称焦点ノミナルフォーカルポイント)に対するフィードのずれ(変位)に依存する方向に、比較的広いビームを生成する。アレイの各レンズ内の対応するフィード素子を適切な位相シフトまたは時間遅延と組み合わせることによって、開口アレイの全サイズを活かして、ビーム照準を高精度で制御でき、高い指向性が得られる。完全に電子的にビームを操作(方向性を制御)するための、各レンズの焦点領域内のフィード(給電点)のセットは、各レンズに関連する領域のほんのわずかしか占有しないので、フィードおよびそれに関連する部品(コンポーネント)の数は従来のフェーズドアレイに比べてはるかに少ない。さらに、電力はアクティブなフィードにのみ印加される必要があるので、このアレイの電力消費は、そのすべてのエレメントに電力が供給されなければならない従来のフェーズドアレイの場合よりも実質的に少ないことは明らかである。この特別なフェーズドアレイのデザインは、同等の技術的性能を維持しながら、同等の開口寸法を有する従来のフェーズドアレイと比較して、総部品点数、コストおよび電力消費を実質的に低減する。

0013

さらに、各レンズおよびその複数のフィード素子(供給素子、給電素子)は、独立したRF信号を用いて各レンズ内の別々のフィード素子を有効(イネーブル)にし、さらに励起(給電)するだけで、複数のビームを形成することができる。したがって、この技術は、ビーム指向性の制御に関連する電子機器、ならびに受信および送信サブシステムを備えたハードウェアおよびソフトウェアインターフェースと共に使用され、1つまたは複数の衛星または他の遠隔通信ノードとの同時一方向または同時双方向通信(双方向二重)を可能にする。従来のフェーズドアレイと比較して、部品点数が少なく、低消費電力マルチビーム機能は、2つ以上の衛星と通信することや、例えば、端末の上を通過するときに、非静止衛星への「メーク・ビフォー・ブレイク」接続を可能にすることがアプリケーションにおいて特に価値がある。

0014

構成部品が比較的少数であることと、エレメントパターン(各エレメントの放射パターン)が指向性であるとともに広範囲の角度にわたって操作できることによって得られる柔軟性とは、大幅なコスト削減をもたらす。個々に走査する(スキャ二ングする)アンテナ素子アンテナエレメント、例えば、レンズ)により広い視野(認識領域)が可能となり、エレメント間隔を広くすることによりグレーティングローブが発生したとしても、エレメントの位置および向き、およびビーム方向およびエレメントの指向性を最適化することにより得られる自由度により、このアレイの放射パターン内のグレーティングローブの大きさを最小にすることができる。

0015

レンズアレイは、レンズがアレイの開口領域を満たすので、疎なアレイ(疎な配列、スパースアレイ、sparse array)ではない。各レンズの位相中心はわずかにずれていてもよく、それによりアレイ全体の周期性が崩れ、効率にそれほど影響することなくグレーティングローブを削減でき、さらに、操作(操縦)可能なエレメントパターンを用いることにより、さらに低減できる。

0016

新しいフェーズドアレイアンテナシステムは、電気的に大きく、高ゲインアンテナ素子のアレイを有し、各エレメントはマイクロ波レンズを備え、レンズは、その焦点領域に1つ以上のフィード(給電点)を有する屈折率分散型(GRIN)レンズであってもよい。各レンズおよびフィードサブシステムは、公称レンズ焦点(ノミナルフォーカスポイント)からのフィード(給電点)の変位(距離)によりビームの向きを操作可能な複数の独立したエレメントパターンを形成することができる。さらに、多数のこのようなレンズおよびフィードサブシステムの対応するポートを組み合わせて位相を合わせることによって、ビームの方向を高い精度で制御できる高ゲインのビームが形成される。このため、アンテナビームがスキャンされる場合は、まず、粗いポインティング(粗照準)を得るためにエレメントパターンが(レンズセット回路を介して)最初に操作され(向きが制御され)、次に、(アンテナ回路を介して)各フィードに対し、相対位相または時間遅延を用いて、アレイビームを高い精度で照射することができる。アンテナ回路は、デジタルビーム形成技術を使用でき、デジタル信号プロセッサアナログデジタル変換、およびデジタルアナログ変換を使用して、各フィードへの信号およびフィードからの信号を処理することができる。電気的に大きな素子開口は、高い開口効率およびゲインのために、アレイ開口の全体を満たすような形状でタイル状に配置される。さらに、アレイは平面である必要はなく、レンズ/フィードサブシステムは、曲面を成してもよく、航空機用のような所望の形状であってもよい。走査型の高指向性エレメントは、従来のフェーズドアレイと比較して、より少ないアクティブエレメントが必要なだけであり、それによって実質的なコストおよび電力節約をもたらす。さらに、レンズアレイは、対称または細長いアレイのような任意の形状因子形状要素)を含むアレイを形成するように配置されてもよい。

0017

さらに、各レンズは、適切なフィード素子を作動させることによって、複数のビームを同時に形成することができる。これらのフィード素子は、それぞれの位相調整または時間遅延の回路網ネットワーク)またはデジタルビーム形成回路と組み合わせて、アレイ全体から複数の高ゲインのビームを形成できる。レンズの向きと位置に加えて、レンズとフィード(給電点)の組み合わせによって与えられる、より大きな自由度のある設計の柔軟性は、視野を拡大できるとともにグレーティングローブを抑制できる。アンテナシステムは、衛星通信(Satcom)、特に移動体の衛星通信(SOTM)、5G、ポイント−ポイント間(地点間)もしくはポイント−マルチポイント間多地点間)のブロードバンド通信、および他の地上または衛星通信システムのようなアプリケーションに関する、広範な分野をカバーする単一または複数のビームを生成する、捕捉追尾(捕捉および追跡、アクイジションアンドトラッキング)サブシステムを含む通信端末の一部であってもよい。このようなレンズを備えたアンテナ設計は、同時に、独立して方向を操作可能な複数のビームを取り扱うことに適している。これらの同時ビーム(連立したビーム、併発したビーム)は、以下のような多くの用途に使用することができ、従来の多重ビームフェーズドアレイのように多額の費用を発生させずにすむ。監視のためのセンサー、複数の送信元からの受信(マルチトランスミッションソースの受信)、複数の送信ビーム(マルチトランスミッションビーム)、非静止衛星、例えば、低静止軌道LEO)衛星または中周回軌道(MEO)衛星の衛星群との「メイク・ビフォー・ブレイク」リンクを作ること、さらに、干渉を抑制するためのヌルプレイスメント(null placement)。さらに、このフェーズドアレイアンテナシステムは、宇宙船において、単一または複数のビームのため、または成形ビームといった衛星アプリケーションに使用することができる。

0018

本発明のこれらおよび他の目的、ならびにそれらの意図された利点の多くは、添付の図面と併せて以下の説明を参照すると、より容易に明らかになるであろう。

0019

フェーズドアレイとして実現するだけではなく、MIMO(多入力多出力)通信システムにも、収集レンズおよび関連回路によって提供される機能を利用できる。MIMOの信号処理は、従来のフェーズドアレイと比較して異なるが、信号強度を向上させ、雑音の多い環境または干渉しやすい環境における通信機能の改善のために、ビームを操作することは有効である。

図面の簡単な説明

0020

電気的に大きなマルチビームエレメントを有するマルチビームフェーズドアレイを切欠いて示す斜視図である。

0021

中程度のゲインのレンズおよびフィード素子が、粗いパターン制御のためのフィードを選択して放射パターンをスキャンする様子を示す側面図である。

0022

選択されたアンテナエレメントで所望のスキャン角度で複数のビームを形成するために位相調整されたレンズ−フィード素子の複数ビームアレイを示すブロック図である。

0023

単一ビームおよび切替型のフィードセレクションを有するレンズアレイのブロック図である。

0024

グレーティングローブ制御のために摂動されたエレメントの位相中心を示す面図である。

0025

各レンズ内の1つのフィード素子の位置を機械的にシフトすることによる簡略化されたビーム操作を示す側面図である。

0026

図6Aの簡略化されたビーム操作を示す面図である。

0027

二重直線偏波レンズフィードの送受信回路機能ブロック図である。

0028

二重円偏波レンズフィードの送受信回路のブロック図である。

0029

レンズフィードの受信専用回路のブロック図である。

0030

レンズフィードの送信専用回路のブロック図である。

0031

フィードを選択するスイッチ回路の機能ブロック図である。

0032

デジタルビーム処理をデジタル領域実装するための回路を示す機能ブロック図である。

0033

Satcom端末のシステム図である。

0034

多地点間の無線地上端末の図である。

実施例

0035

図面に示された本発明の例示的で非限定的な好ましい実施形態を説明するにあたり、明瞭化のために特定の用語が使用される。しかしながら、本発明は、そのように選択された特定の用語に限定されることを意図するものではなく、それぞれの特定の用語は、同様の目的を達成するために類似の方法で動作するすべての技術的等価物を含む。本発明のいくつかの好ましい実施形態が例示目的のために記載されているが、本発明は図面に具体的に示されていない他の形態で具体化されてもよいことが理解される。

0036

図面を参照すると、図1は、アンテナシステムであるレンズアレイ100を示す。レンズアレイ(レンズ配列、レンズ隊列レンズ配置)100は、複数のレンズセット110を有する。各レンズセット110は、レンズ112、スペーサー114、およびフィードセット150を含み、フィードセット(供給セット、給電セット)150は、複数のフィード素子(フィードエレメント、供給素子、給電素子)152を含み、図示のために、1つのレンズセット110を分解して示している。スペーサー114はレンズ112をフィードセット150から分離して、レンズの適切な焦点距離に一致させる。スペーサー114は、低誘電率の誘発体発泡体(dielectric foam)から形成することができる。他の例では、スペーサー114は、レンズ112とフィードセット150との間に空隙などのギャップ(間隔)を生成する支持構造を含む。さらなる例では、レンズセット110はスペーサー114を含まなくてもよい。フィード素子152は、単一または多層パッチスロット、またはダイポールといった、平面マイクロストリップアンテナで構成してもよく、導波管または開口アンテナ(アパーチャアンテナ、aperture antenna)として構成してもよい。多層印刷回路基板(PCB)上に長方形のパッチとして描かれているが、フィード素子152は、異なる構成(サイズおよび/または形状)を有してもよい。

0037

各レンズセット内のフィードセット150のベース基板)を形成するPCBは、信号処理および制御回路(「レンズセット回路」)をさらに含む。複数のフィード素子152は、フィードセット150全体にわたって同一であってもよく、フィードセット150内の複数のフィード152はそれぞれ、レンズ112下のそれぞれの位置に基づいて性能を最適化するように独立して設計されてもよい。フィードセット150内の複数のフィード素子152の物理的配置は、六角形または直線格子をなすように均一であってもよく、不均一であってもよく、円形または他の格子をなすように配置されてもよく、レンズアレイ100全体のコストおよび放射効率を最適化するように配置される。複数のフィード素子152自体は、任意の適切なタイプのフィード素子であってもよい。例えば、フィード素子152は、プリント回路パッチタイプ」素子、空気を充填した、または誘電体が取り付けられたホーン状(角型)または開放端導波管、ダイポール(双極子)、密結合ダイポールアレイ(TCDA)(Vo,Henry“DEVELOPMENTOF AN ULTRA−WIDEBAND LOW−PROFILE WIDESCAN ANGLEPHASED ARRAYANTENNA.“Dissertation. Ohio State University,2015参照)、ホログラフィック開口アン
ナ(M.ElSherbiny,A.E.Fathy,A.Rosen,G.Ayers,S.M.Perlow,“Holographic antenna concept,analysis,and parameters”,IEEE Transactions on Antennas and Propagation,Volume52 issue3,pp. 830−839, 2004参照)、他の波長スケールアンテナ、又はそれらの組み合わせに対応したものであってもよい。いくつかの実施形態では、複数のフィード素子152は、それぞれ、非半球状の方向付けされた放射パターンを有する。

0038

レンズアレイ(アンテナシステム)100によって受信された信号は、それぞれのレンズ112を通って各レンズセット110に入り、レンズセット110のフィードセット150の少なくとも1つのフィード素子152に信号を集束させる。次に、あるフィード素子に入射した信号は、後述する信号処理回路(レンズセット回路、アンテナ回路に続く)に送られる。同様に、レンズアレイ100によって送信された信号は、特定のフィードセット150からそれぞれのレンズ112を介して送信されたものである。

0039

レンズアレイ100で使用される電気および無線周波数高周波)の構成要素(回路要素回路部品、例えば、電気機器電気部品RF部品、増幅器、トランジスタフィルタ、スイッチなど)の数は、フィードセット150内のフィード素子152の総数に比例する。例えば、各フィードセット150内の各フィード素子152に対して一部品が割り当てられてもよい。しかしながら、各フィード素子152には複数の部品が割り当てられてもよく、または1つの部品に複数のフィード素子152が割り当てられてもよい。

0040

図示されているように、各レンズセット110は六角形の形状を有し、各辺で隣接するレンズセット110に直に隣接し(近接し)、六角形のタイリングタイル張りタイル集合)を形成している。直に隣接する(直に隣り合う)レンズ112は、それらの縁部(エッジ)に沿って接触して(直に触れて)いてもよい。フィードセット(供給セット、給電セット)150は、レンズ112よりも面積が小さく、レンズ−フィード光学系を形成し、レンズ112と実質的に同じ形状または異なる形状とすることができる。本明細書では六角形として記載されているが、レンズは、完全な開口アレイのタイリングを可能にする形状であれば、正方形または長方形のような他の形状を有してもよい。フィードセット150は、互いに接触していなくてもよく、短絡または他の方法で電子的に干渉することを回避してもよい。各レンズで形成された複数のエレメントビーム(要素ビーム、element beams)は光学的な特性を持つため、複数のスキャン用のエレメントビーム(走査用の複数の要素ビーム、scanned element beam)を生成するためのフィード変位(給電点の変位)は、焦点面内において、常にレンズ中心からそのエッジまでの距離よりも実質的に小さい。したがって、必要な走査範囲または視野(認識範囲、field of regard)を「満たす」ために必要なフィードの数は、全開口面積がフィード素子によって完全に満たされて(占有されて)いなければならないアレイの場合よりも少ない。

0041

レンズアレイ100のいくつかの実施形態では、フィードセット150は、各レンズ112の面積の約25%を占める。レンズアレイ100は、エレメント数要素数素子数)は実質的に少ないが、半波長素子の従来のフェーズドアレイと同様の総面積を有し、同様の開口効率を維持する。そのような実施形態では、レンズアレイ100では、従来のフェーズドアレイにおいてフィードセット150がレンズアレイ100の領域の100%を満たす場合のフィード素子の数の約25%のみを含むだけでよい。レンズアレイ100に使用される電気およびRF用の部品の数は、フィードセット150内のフィード要素152の総数に比例するので、フィード素子152の数の減少はまた、対応する信号処理回路の構成部品(増幅器、トランジスタ、フィルタ、スイッチなど)の数および複雑さを同程度に減少できる。さらに、各レンズ内の選択されたフィードのみが電力を供給される必要があるので、総電力消費は、従来のフェーズドアレイに比べて実質的に低減される。

0042

図示のように、レンズアレイ100は、ベース202と、カバーまたはレドームレーダードーム)204とを有するハウジング200内に配置されてもよく、ハウジング200は、レンズセット110、フィードセット150、および他の電子部品を完全に囲んでもよい。いくつかの実施形態では、カバー204は、信号用ワイヤまたは供給線のためのアクセス開口を含んでもよい。ハウジング200は、比較的薄く、レンズアレイ100の上面206を形成してもよい。上面206は、実質的に平面であっても、わずかに湾曲していてもよい。レンズセット110は、フィードセット150のフィード素子152と通信するための電気的な供給線または接続要素を有するプリント回路基板(PCB)などの、基板またはベース層上に配置してもよい。複数のレンズセット110は、同じ平面上に配置されてもよく、異なる高さとなるようにオフセットされていてもよく、または非平面の表面を形成するタイル張り状に配置されてもよい。

0043

図2は、複数のフィード素子152を備えたレンズ112を有する1つのレンズセット110を示す。明確にするために、ここでは2つのフィード素子(供給素子、供給要素、給電素子)152a、152bのみが示されているが、典型的なフィードクラスター(給電点の集合)は、例えば、19、37、またはそれ以上の個別のフィード(給電点)を有してもよい。各フィード素子152は、レンズ112の公称焦点(ノミナルフォーカルポイント)からのフィード素子の変位に応じて、特定の角度でレンズ112を介して比較的広いビームを生成する。図2に示すように、第1のフィード素子152aは、レンズ112の焦点に直に位置合わせ(整列)されており(焦点と直線に並んでおり)、レンズ112またはハウジング上面206に対して実質的に垂直なビーム1を生成し、第2のフィード素子152bは、レンズ112の焦点からずれて(オフセットされて)位置合わせ(整列)されており、レンズ112の法線またはハウジングの上面206に対してある角度の(傾いた)ビーム2を生成する。したがって、フィード素子152a、152bのうちの1つを選択的に作動させることにより、レンズセット110により、所望の方向に放射パターンを生成することができる(すなわち、フィードを選択することによってビームを走査できる)。したがって、レンズセット110は、広範囲の角度で動作(広範囲の角度をカバー)することができる。

0044

図3は、複数のレンズセット110およびフィードセット150を有するレンズアレイを有する、簡易な構造のフェーズドアレイを示す。各レンズセット110a、110bは、それぞれのフィードセット150a、150bと位置合わせされた(整列された)レンズ112a、112bを有し、各フィードセット150a、150bは、複数のフィード素子152a、152bを有する。各フィード素子(供給素子、給電素子)152は、アンテナ302と、アンテナ302に接続されたリーダーまたは検出器などの検出装置304とを含む。検出装置304は、加算分配器(混合/分配器、収集/分配器、加算器除算器)308に接続されたシフタ306(時間および/または位相)に接続されている。シフタ306は、対応する(関連する)フィード素子152に適した所望の時間および/または位相シフトを提供する。各加加算/分配器308は、複数のフィードセット150に含まれる複数のフィード素子152の1つずつに、フィードセット150ごとに接続されている。すなわち、各レンズ112の、対応するフィード素子152は、位相または時間遅延ネットワークにより結合(または分割(分離))される。したがって、第1の加算/分配器308aは、第1のフィードセット150aの第1のフィード素子152a1と第2のフィードセット150bの第1のフィード素子152b1に接続され、第2の加算/分配器308bは第1のフィードセット150aの第2のフィード素子152a2と第2のフィードセット150bの第2のフィード素子152b2に接続されている。各信号は加算/分配器308によって加算(混合)または分配(分割、除算)される前または後にシフタ306を通過する。各加算/分配回路308は(例えば、シフタ306を介して)、各フィードセット150内の特定のフィード素子152に直接接続してもよく、スイッチングマトリクスを介して接続され、各レンズセット110から特定の所望のフィード素子152を動的に選択して接続されるようになっていてもよい。

0045

各フィード素子152に含まれる検知装置304内の回路は、増幅器、偏波制御回路ダイプレクサーまたは時分割双方向(二重)スイッチ、および他の部品(回路素子)を含むことができる。さらに、検知装置304は、回路素子の組み合わせで構成されてもよく、集積回路に実装されてもよい。さらに、検出装置304は、アップコンバータおよびダウンコンバータを含んでもよく、信号処理が中間周波数またはベースバンド基本周波数)でも行えるようにしてもよい。図面をあまりにも煩雑にしないために、各ビームについてここでは単一の位相ネットワークしか示されていないが、各ビームについて、送信位相ネットワーク(transmit phasing network)と受信位相ネットワーク(receive phasing network)を用いることができることが理解される。Ku帯域といったいくつかの帯域では、送信ビームと受信ビームの両方を位相調整し、送信帯域受信帯域全体にわたって、角度空間(angle space)において一致させる単一時間遅延ネットワークを採用することが可能である。このような広帯域動作は、他のSatcomバンドにおいて可能である。この図は、2つのこのような位相ネットワークにより2つのビームが同時に(並列に、重複して)、どのように生成されるかを示している。同様に、2つ以上のビームを同時に(重複して)生成できることは上記の記述から明らかである。

0046

動作中、第1のレンズ112aによって受信された信号は、それぞれのフィードセット150aへ伝えられる。信号は、第1のフィードセット150aのアンテナ302および回路304によって受信され、シフタ306に渡される。したがって、第1のフィード素子152a1は信号を受信し、信号を対応するシフタ306を介して第1の加算/分配器308aに渡し、第2のフィード素子152a2は信号を受信し、信号を対応するシフタ306を介して第2の加算/分配器308bに送る。第2のレンズ112bは、信号をそれぞれのフィードセット150bに渡す。第1のフィード素子152b1は、信号を受信し、信号を対応するシフタ306を介して第1の加算/分配器308aに送り、第2のフィード素子152b2は信号を受信し、信号を対応するシフタ306を介して第2の加算/分配器308bに送る。

0047

また、信号は逆に送信されることが可能であり、信号は加算/分配器308によって分配(分割、除算)され、シフタ306およびフィードセット150aを介してレンズ112から送信される。より具体的には、第1の分配器(除算器)308aは、送信すべき信号を、それぞれのシフタ306を介して、第1および第2のフィードセット150a、150bの第1のフィード素子152a1、152b1に送る。そして、第2の分配器308bは、信号を、それぞれのシフタ306を介して第1および第2のフィードセット150a、150bの第2のフィード素子152a2、152b2に送る。第1フィードセット150aのフィード素子152a1、152a2は、第1レンズ112aを介して信号を送信し、第2フィードセット150bのフィード素子152b1、152b2は、第2レンズ112bを介して信号を送信する。

0048

したがって、第1の加算/分配器308aは、それぞれのフィードセット150の第1のフィード素子152を介して送受信されるすべての信号を処理し、第2の加算/分配器308bは、それぞれのフィードセット150の第2のフィード素子152を介して送受信されるすべての信号を処理する。したがって、第1の加算/分配器308aを用いて、第1のフィード素子152aに関連する角度でスキャンするビームを形成することができ、第2の加算/分配器308bを使用して、第2のフィード素子152bに関連する角度でスキャンするビームを形成することができる。

0049

したがって、図3は、フェーズドアレイの1つのレンズセットに含まれる1つまたは複数のフィード素子が、そのレンズセットのレンズに対するフィード素子のそれぞれの位置に基づいて選択的に作動される例を示す。したがって、このレンズセットによって生成されたビームは、可動部品なしで(部品を移動させることなく)調整でき、レンズと、アレイの他のレンズとの間に隙間を設けなくてもよい。

0050

図4は、単一のビームを形成するために1つのビームの位相制御/時間遅延回路を使用することを示しており、各レンズ112に1つ以上のスイッチ310を組み込んで、まず、粗いポインティング(粗い指向、粗照準、coarse pointing)のための適切なフィード素子を選択し、その後、高精度のビームポインティング(高精度のビーム指向、高精度照準、fine beam pointing)のためにレンズの複数のフィード(給電点)の位相を調整し、アレイ全体の高い指向性を実現する。スイッチ310は、検出器または検出装置304とシフタ306との間を接続するように設けられており、シフタ306は、例えば時間遅延回路または位相シフト回路であってよい。したがって、第1および第2のフィード素子152a1、152a2を介して受信された信号は、シフタ306を共有する。スイッチ310は、信号を受信するため、および/または信号を送信するために、フィード素子152a1、152a2のいずれかをシフタ306に接続するかを選択する。本発明の一実施例では、全てのスイッチ310は、各フィードセット150a、150bの第1のフィード素子152a1、152b1(又は第2のフィード素子152a2、152b2)を同時に選択するように動作することができ、第1のフィード素子152a1、152b1(または第2のフィード素子152a2、152b2)と加算/分配器308との間で信号を伝達させる。したがって、これらのスイッチ310は、1つの加算/分配器308が複数のフィード素子をサポートすることを可能にする。シフタ306も同時に制御されて、選択されたフィード素子152に対して適切なシフト(偏移、ずれ、波長変化)を提供する。

0051

図3および図4の例では、各レンズ112の粗いビームポインティング(ビーム指向)は、レンズセット回路により各レンズ112の焦点領域内の特定のフィード素子152(またはフィード位置)を選択することにより得られる。レンズとフィードの組み合わせは、波長に対するレンズサイズの関係により比較的広いビームを生成する。ビームの方向は、レンズ112の公称焦点に対するフィード素子152の変位に基づく。アンテナ回路により、適切な位相シフトまたは時間遅延で各レンズセット110内の対応するフィード素子152を組み合わせることにより、ビーム指向(ビームポインティング)の細かい制御と、開口サイズ全体による高い指向性が得られる。アレイ全体のビームの精密なポインティング(指向、照準)は、時間遅延回路または位相回路を適切に設定することにより得られ、そのような回路はアナログまたはデジタルの回路素子のいずれを用いた周知の回路であってもよい。例えば、デジタル時間遅延または位相回路の場合、特定のアレイビームのポインティング精度を達成するために適切なビット数を選択できる。

0052

このように、図4には、フェーズドアレイのレンズセットに含まれる1つまたは複数のフィード素子が、そのレンズセットのレンズに対するフィード素子の位置に基づいて選択的に作動される別の例を示す。したがって、このビームセットにより生成されるビームは移動するパーツなしに調整されてもよく、そのため、レンズを動かすための、レンズと、アレイの他のレンズとの間にギャップを設けなくてもよい。

0053

図5は、アレイ100の対称性/周期性に影響を与えるように各レンズセット110の位相中心の位置を最適に配置し、それによってグレーティングローブを最小限にする様子を示している。各レンズ112は、幾何学的中心(「重心」)および位相中心を有する。レンズが円筒状に対称であれば、位相中心がすべての走査角度に対して対称軸と一致している必要はなく、レンズ面(レンズ平面)におけて対称軸にオフセットにより所定の変位および角度があれば、元来の構成に対して、レンズの位相中心も同様の変位および角度でオフセットしている。したがって、レンズの位相中心は、レンズ重心に対するレンズの対称軸の位置を変えることによって調整され得る。位相中心は、球面遠視野電磁波(spherical far-filed electromagnetic wave)の想定放射位置に対応する。レンズの位相中心および幾何学中心は独立して制御され、各レンズ112の幾何学中心ではなく位相中心が、グレーティングローブの低減度を決定する。

0054

したがって、各レンズ112の位相中心24は、典型的には一様な六角形または長方形の格子にタイル状に配置された幾何学的中心20(すなわち、摂動のない位相中心)から、レンズの対称軸の距離riおよび回転角度αiを最適化することにより摂動される(揺動される、かき乱される)。レンズの対称軸の特定の最適化位置は、上記のGregoryの文献に記載されているような任意の適切な技術によって決定できる。対称軸の位置は、位相中心を決定する。Gregoryの文献の方法によれば、たとえば、アレイの周期性を少し阻害するだけでグレーティングローブを抑制できる。グレーティング(格子)として知られている周期構造の形成によってグレーティングローブが形成されるので、このプロセスは有効である。素子間の周期性を排除することにより、もはや規則的なグレーティング構造はなくなり、グレーティングローブは形成されない。レンズの数、アレイの形状または境界、フィード(給電点)の数、またはレンズの下のフィード(給電点)の位置により、この緩和策の原則が変更されることはない。

0055

図6は、比較的少ない部品点数を有するレンズアレイ100のバージョンを示しており、レンズセットごとに、1つのレンズ当たり1つのフィード素子152のみが含まれる。図6に示された例では、各フィード素子は、ビーム操作を行うために各レンズ内において、焦点距離に対して短い距離を機械的に移動される。図6Aは、レンズアレイ100の側面図を示し、図6Bは、レンズアレイ100の上面図を示す。フィード支持部(フィードサポート)170および1つまたは複数のアクチュエータを含む位置決めシステムポジショニングシステム)が提供される。フィード支持部170は、ハウジング200と同じまたは異なる形状を有する平板や同種のものであってもよく、ハウジング200よりも小さく、ハウジング200内でX方向およびY方向に移動可能であってもよく、それとともに、あるいは別に、回転可能であってもよい。レンズセット110は、連結されたフィード支持部170上に、フィード組み立て体(フィードアッセンブリ、すなわち、フィード支持部170および複数のフィード素子152)をレンズ112とは独立して動かすことができるように配置される。この実施形態では、フィード支持部170は、レンズスペーサ114またはレンズ112に直に接続されておらず、レンズスペーサ114またはレンズ112に隣接しているのみか、接触している。フィード支持部170に取り付けられたフィード152のセットは、レンズに対して移動することにより粗いビーム走査を可能として、それらのフィードが位相/時間遅延されることにより完全なアレイゲイン(アレイ利得)と精密なポインティング(指向)とを得ることができる。示された非限定的な実施形態では、第1のリニアアクチュエータ172が支持部170に接続され、支持部170をX方向などの第1の直線方向に移動させ、第2のリニアアクチュエータ174が支持部170に接続され、支持部170を固定された(静止された)レンズに対してY方向のような第2の直線方向に移動させる。他のアクチュエータを設けて、レンズ112に対して支持部170を上下に(例えば、図6Aにおいて)移動させたり、支持部170を回転させたり、または支持部170を傾けたりしてもよい。

0056

アクチュエータ172、174を制御し、フィード素子152をレンズ112に対して所望の位置に移動させるコントローラをさらに設けてもよい。支持部170は単一の基板として示されているが、複数の基板(ボード)であってもよく、すべての基板を共通のアクチュエータに接続して共通に動かしてもよく、別のアクチュエータに接続して個々の基板を別々に動かしてもよく、複数のレンズセット110を別々に動かしてもよい。図6は、1つのレンズアレイの1つのレンズセットに含まれる1つのアクティブフィード素子が、1つのレンズに対して、そのレンズを動かさずに、そのレンズに対して再配置される例を示している。したがって、レンズセットによって生成されたビームは、レンズを移動させずに、レンズとフェーズドアレイの他のレンズとの間に間隙を設けることなく調整することができる。

0057

図7は、例えば、Kuバンドの静止衛星のSatcomアプリケーションに必要とされる、二重直線偏波チルト角制御(dual linear polarization tilt angle control)を含む、同じ開口で同時に送信(Tx)および受信(Rx)を行うための代表的な回路図を示す。底部のビームの位相制御回路(ビーム整相回路、beam phasing circuits)は、独立した同時ビームに対して複製されてもよい。図7では、システムの受信動作および送信動作のために、レンズセット回路304に独立した信号経路回路を含み、さらに、別個のシフタ306を含む。図示されていないが、受信動作および送信動作は、それらに関連する独立した加算/分配器308をさらに有していてもよい。図示の例では、各フィード素子152内の検出器304は、高電力の送信信号と、低電力の受信信号とを分離するために、検出器304の水平および垂直偏波フィードポート用のセパレートダイプレクサ(分離アンテナ共用装置)702および704を含む。受信信号は、シフタ306に到達する前に、ダイプレクサ702および704から低雑音増幅器706、706、偏波チルト回路偏極チルト回路、polarization tilt circuit)710、712、追加の増幅器714、およびフィード選択スイッチ716に進む。シフタ306からの送信信号は、2つのアンテナ共用装置702および704にそれぞれ供給される前に、スイッチ716、増幅器714、偏波チルト回路712、710、および最終の電力増幅器708、706を通過する。

0058

図8は、例えば、K/Kaバンド商用Satcom周波数に使用される、二重円偏波素子(二重円偏光素子、dual circularly polarized elements)のレンズアレイの代表的な回路図である。偏波回路710、712における動作の変更を除き、図8図7と同様の図を示している。K/Ka・Satcomオペレーションは、KuバンドでのSatcomオペレーションに必要とされるようなチルト直線偏波(tilted linear polarization)ではなく、円偏波(circular polarization)を必要とする。右手方向の円偏波(円偏光
)または左手方向の円偏波(円偏光)の信号は、受信チャネル804および送信チャネル806を切り替えて制御することにより得られ、それらのチャンネルのポートは円偏波回路またはウェーブガイド素子により励起され、一方、回路710および712においては、複雑な強度と位相ベクトルを加えることにより任意のチルト角を備えた直線偏波信号を得ることができる。図の残りの態様は、図7と同じである。この回路の変形は、当業者には理解され得る。例えば、ハイブリッド結合器または組み込み型導波路偏波器(incorporated waveguide polarizer)および直交モード変換器(OMT)を使用して、フィードの2つの直交する直線偏波成分を給電することが可能であり、偏波切替(switched polarizations)の代わりに、同時二重偏波(simultaneous dual polarizations)を提供できる。

0059

図9は、受信専用および送信専用アプリケーション用の代表的なレンズセット回路を示す。図9A受信専用アンテナを示し、図9Bは、送信専用アンテナを示す。受信専用又は送信専用アンテナには、受信・送信ダイプレクサ702および704は、受信および送信信号が同一のフィード素子に接続されず、分離する必要がないので、必要とされない。図9Aおよび図9Bの残りの態様は、図7、8と実質的に同じである。

0060

図10は、適切なフィード素子を選択するために低損失マルチポートスイッチ1002を組み込むことによって、簡素化され、部品数がさらに低減された例を示す。低損失のマルチポートスイッチを使用することにより、複数のフィード素子が1組の電力増幅器、低ノイズ増幅器、位相シフタ、その他のフィード回路を共有することができる。このようにして、必要な回路部品の数は、レンズの後ろに同じ数のフィード素子を維持しながら低減される。より大きなスイッチマトリックスは、より多くのフィード素子が同じフィード回路を共有することを可能にするが、システムに挿入される損失が増え、受信ノイズ温度を上昇させ、端末性能を低下させる。スイッチングのレベルを追加することによって発生する追加損失のバランスは、一般的に(必ずしもそうではないが)2対1の切替ではあるが、それを省略したときに必要な追加の受信回路送信回路のコストと回路面積との間のバランスで評価する必要がある。

0061

図11は、単純化されたデジタルビームフォーミング(DBF)構成を示す。検出器304は、ダウンコンバータ1102に接続されている。アナログ—デジタル変換器ADC)1110は、ダウンコンバータ1102に接続されている。検出器304は、アンテナ302を介して受信した信号をダウンコンバータ1102に送信し、ダウンコンバータ1102は信号を低周波数に変換する。ダウンコンバータ1102は、低周波へ変換された信号をADC1106に送信する。ADC1106は、受信された信号をデジタル化し、デジタル領域(デジタルドメイン)でビームを形成し、これにより、アナログRF位相または時間遅延デバイスを不要にする(すなわち、図2、3のシフタ306を設ける必要はない)。次いで、デジタル化された信号は、信号処理のために受信デジタルプロセッサ1110に送信される。

0062

上記に対応するプロセスが、アレイ上に信号を送信するために提供される。送信デジタルプロセッサ1112は、送信すべき信号をデジタル—アナログ変換器(DAC)1108に送る。DAC1108は、低周波数(低周波またはベースバンドでもよい)のビットをアナログ中間周波数(IF)に変換し、ミキサ混合器)1104に接続される。ミキサ1104は、DAC1108からの信号をRFへ高周波数(高周波)に変換し、送信のために信号を増幅し、フィード素子(給電素子)へ、適切な位相(例えば、送信デジタルプロセッサ1112によって選択された)を備えた信号で送り、所望の方向にビームを形成する。本発明の独自の特徴を維持しながら、当業者に明らかな多くの変形を採用することができる。

0063

図12は、レンズアレイアンテナを、移動体搭載のSatcomまたは非静止衛星を追跡するための、完全に機能する追跡端末に組み込むことを可能にする、サブシステムを、単純化された機能的な集合で示している。ここで、システム1200は、中央処理装置(CPU)などの処理デバイス1202、ビーコンまたは追跡受信機1206、無線周波数(RF)サブシステム1204、周波数変換およびモデムインターフェース1208、電力サブシステム1210、外部電源インターフェース1212、ユーザインターフェース1214、および他のサブシステム1216を含む。RFサブシステム1204のアレイは、本明細書に記載の図1から図11のアレイおよびフィード回路のいずれかを含んでいてもよい。処理装置1202、ビーコンまたは追跡受信機1206、モデムインターフェース1208、電力サブシステム1210、外部電力インターフェース1212、ユーザインターフェース1214、および他のサブシステム1216は、任意の標準的なSATCM端末に実装されるものであってもよく、RFサブシステム1204についても、例えば、ジンバル型反射器アンテナまたは従来のフェーズドアレイアンテナなどの他のRFサブシステムの実装に用いられるものと同様のインターフェースおよび接続を使用できる。図示されているように、全ての構成要素1202から1214は、直接的に又は処理装置1202を介して、互いに通信することができる。したがって、図12は、本明細書で説明するマルチビームフェーズドアレイアンテナシステムを統合することができる1つのコンテキスト表記)である。

0064

図13は、地上において、複数のレンズ(マルチレンズ)をベースとしたアンテナ端子を使用することを示している。動的なリアルタイムの条件と通信要求とに基づいて、複数の端末は、それぞれのビームをリポイント(再指向)させることができ、複数のターゲットとの同時通信確立でき、メッシュ型または自己修復型のネットワークを形成できる。そのようなネットワークにおいては、例えば、建造物、山、または他の設置場所などを含む、場所1302、1304および1306上に位置する複数のアンテナ端子100a〜cが、通信要求または環境条件の変化に応答して、それらの間に幅広の双方向矢印として示されたポイント−ポイント間(地点間)の高指向性通信リンク1310、1312および1314を動的に確立することができる。例えば、アンテナ100aおよび100bがリンク1310を介して通信しているときにリンクが中断された場合、通信経路は、アンテナ100−bおよび100−cを使用したリンク1312および1314を使用して再構成することができる。これにより、メッシュネットワークにおいて高指向性アンテナの使用が可能になり、従来の無指向性素子で構成されたメッシュネットワークと比較して、信号対雑音比電力レベル通信範囲、消費電力、データ処理量、および通信セキュリティを向上できる。

0065

本発明の効果としては以下を挙げることができる。

0066

組み込まれたエレメント放射パターン(エレメントに組み込まれた放射パターン、埋め込まれた要素放射パターン)とは、フェーズドアレイの1つの独立したエレメントによって生成される放射パターンであり、フェーズドアレイの他のエレメントにおいても存在する。エレメント間の相互作用(例えば、相互結合)により、この組み込まれた放射パターンは、エレメントが他のエレメントから隔離あるいは独立しているときに、そのエレメントが有するであろうパターンとは異なる。フェーズドアレイの1つまたは複数のエレメントの組み込まれた放射エレメントパターンが分かれば、アレイ全体としての放射パターンを(例えば、パターンの乗算重畳)を使用して)計算することができる。典型的なフェーズドアレイでは、エレメントパターンはビーム方向が固定されている。本開示によるフェーズドアレイは、操縦(操作)可能な放射パターンを有することができるエレメント(例えば、複数のレンズ、複数の開口アンテナ(アパーチャアンテナ))を含む。

0067

レンズアレイ100は、従来のフェーズドアレイで使用される半波長エレメントと比較して電気的に大きいエレメントを含み、各エレメントの放射パターンが操作(方向を制御)できるように実装されており、所望のビーム走査の方向に、広範囲に、向き(指向)を制御できる。レンズアレイ100の各レンズ112(例えば、アレイ素子(アレイエレメント))に組み込まれた(埋め込まれた)エレメント放射パターン及びビーム方向は、対応するアクティブなフィード素子(給電素子)152の、レンズ112の焦点に対する位置によって決まる。したがって、アレイ100は、柔軟な放射パターンを有する。

0068

例えば、均一な誘電体レンズ均質ではない屈折率分布型の誘電体レンズ、メタマテリアルまたは人工誘電体構造からなるレンズ、メタサーフェイス(メタ面)または回折格子の1つまたは複数の層を使用して構成された実質的に平坦なレンズ、フレネルレンズのような平坦なレンズ、メタマテリアルと従来の誘電体の組み合わせから構成されたハイブリッドレンズといった、任意の種類のレンズ、RFエネルギーを焦点またはある地点にコリメートしたり(照準あわせたり)または集中させたり(焦点合わせたり)するレンズとして作用する、任意の他の透過型デバイスを、レンズとしてアレイ100に使用することができる。いくつかの実施形態では、図3および4を参照して上記で説明したように、アクティブなフィード素子152の位置を移動するために、部品を移動させることはなく、複数の独立して励起されるフィード(マルチインディペンデントリーエキサイデットフィード)152のクラスター(集合体)を使用して、励起される(給電される)フィード152を変えて、マルチインディペンデントなフィード(多数の独立した給電点)をスキャンしてもよい。あるいは、図6に関して先に説明したように、それぞれのレンズ112の背後の1つの素子152を、アクチュエータ172および/または174を用いて、そのレンズ112に対して移動させることにより、1つのフィード152を活性化(稼働、給電)するだけで、上記と同じ効果を得ることが可能であり、エレメントパターンのビーム方向を変化させることができる。各レンズ112は、独立した一対のアクチュエータ172、174を有してもよく、一対のアクチュエータにより、すべてのレンズの複数のフィード(給電点)を一斉に移動してもよい。

0069

したがって、比較的電気的に大きなレンズをフェーズドアレイのエレメントとして使用することにより、フェーズドアレイは、調整可能またはスキャン可能なエレメントパターンを有するフェーズドアレイを提供できる。さらに、複数のレンズをフェーズドアレイの複数のエレメントとして使用することにより、アレイ開口の全て(全体)を、放射する(電磁放射する)サブ開口サブアパーチャ、例えば、レンズ)で覆うことができる。これにより開口効率およびアレイアンテナのゲインを増加できる。

0070

フェーズドアレイの複数のエレメントとして、操作可能な(方向を制御可能な)ビームを有するレンズを使用することの別の利点は、レンズをエレメント(素子)として含むフェーズドアレイは、従来のフェーズドアレイと比較して、電気的およびRFの回路素子(回路部品)を削減できることである。例示的な一例では、フェーズドアレイ100は、それぞれ13cmの直径を有する19個のレンズセット110(すなわちエレメント)を含み、それらを六角形のタイル状パターン開口全体を効率的に充填するように配置する。この開口(アパーチャ)は65cmの直径のフェーズドアレイとほぼ同等である。各レンズ112の背後の領域は、フィード素子152によって部分的にしか覆われないか、または充填されるのに対し、従来のフェーズドアレイでは、フェーズドアレイの開口の全面がフィード素子で覆われる。さらに、フィード素子152は、従来のフェーズドアレイ(例えば、半波長)のように密集配置していなくてもよい。したがって、フェーズドアレイ110は、従来のフェーズドアレイと比較して、含まれるフィード素子の数を削減できる。従来タイプであっても、レンズベースのフェーズドアレイであっても、各フィード素子は、関連する回路(たとえば、検出器304)を含むので、フィード素子の数を減らすことにより、フェーズドアレイ100に含まれる回路の数を減らすことができる。加えて、図4を参照して説明したように、レンズ112ごとに、ある時間、1つのフィード素子152のみをアクティブにすることによりビームを生成することができるので、レンズアレイ100のいくつかの実施形態においては、シフタ306などの回路を、複数のフィード素子152で共用することができる。したがって、レンズアレイ100では、さらに回路の数を削減することができる。一例では、4000個のエレメントを含む従来のフェーズドアレイで必要とされる4000個のシフタは、好ましい実施形態では19個のシフタ306(すなわち、レンズ112の各々に対して1つ)という少ない数にまで低減され得る。したがって、この例のフェーズドアレイ110は、典型的な半波フィード素子(ハーフウェーブフィードエレメント)を有する従来のフェーズドアレイと比較して、電気およびRFに関する部品数を大幅に低減できる。

0071

さらに、レンズアレイ100は、従来のフェーズドアレイと比較して消費電力が少なくてよい。例示的な一例では、レンズアレイ100は40W(46dBm)の送信RF電力で動作する。総送信電力は、レンズアレイ100のレンズモジュール110(すなわち、フェーズドアレイの複数のエレメント)に分配され、各レンズモジュール110において、単一(1つ)のフィード素子152が活性化(給電)されて単一(1つ)のビームを生成する。上述したように、レンズアレイ100の一実施形態は、19個のレンズモジュール110を含む。このため、各フィード素子(フィードエレメント、給電素子)152は、合計40W電力の約1/19(すなわち、2Wまたは33dBmをわずかに上回る)を取り扱う必要がある。各レンズセット110内の未使用のフィード素子152は、オフにすることができ、受信回路または送信回路のいずれかにおいても、静止状態DC電力放散する必要はない。したがって、レンズアレイ100は、各フィード素子が活性化される(給電される)従来のフェーズドアレイと比較して、より少ない電力を消費するだけである。レンズアレイ100の1つの例では、レンズセット110の各々は、レンズ112の背後に、20から60個の独立したフィード素子152を含む。レンズアレイ100を受信専用に実装した場合は、同等の従来の受信専用の位相開口アレイのDC電力の10%未満を消費するだけであると期待される。

0072

レンズアレイ100のためのビーム形成システムは、フィード素子152、スイッチ1002および716、シフタ306、加算(混合)/分配器(summation/ dividers)308、処理デバイス1202、またはそれらの組み合わせを含むことができる。所望の方向にビームを発生させるために、処理装置1202は、各レンズセット110においてアクティブにする(給電する)フィード素子の位置を選択し、各レンズセット110の適切な位相または時間遅延を計算する。時間/位相の遅延、および電力の組み合わせ/分配は、RF、IF、またはベースバンドにおけるアップコンバージョンダウンコンバート(高周波数変換/低周波数変換)ステップの前または後に実行されてもよい。処理装置1202は、レンズセット110の各々について、フィード素子152のうちの1つを作動させる(活性化する、給電する)制御信号を送信することによって、または1つまたはそれ以上のアクチュエータ172、174を使用してフィード素子152の位置を調整するための制御信号を送信することによって、アクティブフィード素子の位置を設定する。処理装置1202はさらに、1つまたは複数の制御信号を1つまたは複数のスイッチ1002、716、シフタ306、加算/分配器308に送信し、またはそれらの組み合わせを使用して、各レンズセット110の時間/位相の遅延およびパワーの組み合わせ/分配を設定することができる。

0073

GRINレンズは多くの用途にとって好ましい実施形態であるが、レンズ112はGRINである必要はない。例えば、視野が限定されている場合、または帯域幅が限定されているアプリケーションでは、より小さな均質レンズで十分に対応できる可能性がある。状況および環境によっては、メタ物質または人工誘電体からなるメタマテリアルレンズまたは平面レンズが適している可能性がある。一般に、出願番号62/438,181の最適化方法に従って設計された不均一レンズは、任意のビームステアリングまたはスキャン範囲(特に、スキャン角度が45度を超えて増加する)にわたって、より良好な放射パターンを提供することが可能であり、均一レンズよりも焦点距離が短く、メタマテリアルやメタサーフェイス(メタ面)ベースのレンズよりも優れた広帯域周波数応答を提供できる。

0074

衛星通信アンテナは、連邦通信委員会FCC)および国際電気通信連合ITU)の標準に適合するために、それらのサイドローブ電力スペクトル密度PSDエンベロープを制限しなければならない。このため、サイドローブを注意深く制御する必要がある。しかしながら、本明細書で説明するように、電気的に大きなレンズセット(electrically large lens set)110を有するレンズアレイの場合、全てのレンズセット110からのサイドローブエネルギーが望ましくない方向に建設的に干渉すると、グレーティングローブが生成される。しかしながら、レンズセット110の放射パターンは高い指向性を示すので、グレーティングローブの影響の多くを低減する可能性がある。従来のアレイの応答とは異なり、このレンズアレイのレンズセット110のレンズ放射パターンの指向性にはアレイファクタが乗算されているので、急速に減衰するからである。

0075

グレーティングローブの影響を緩和するために高指向性アレイエレメント(例えば、レンズ)を使用すると、そのアレイの放射パターンの角度幅内で、走査範囲(スキャン範囲)が非常に狭められると考えられるかもしれない。しかしながら、レンズセット110自体が、所望の視野の全域にわたり、組み込まれた(内蔵された)エレメントパターンでスキャンすることを可能にするため、元のアンテナのスキャン性能および放射パターンプロファイルの両方を維持できる。図5を参照して説明したように、レンズセット110の規則的なグリッドの対称性を破るように位相中心の位置を摂動させることによって、グレーティングローブをさらに軽減できる。

0076

レンズセット110の2次元または3次元の位置の対称性(周期性)を壊すことによって、エネルギーが、どの方向においても干渉する程度が低下する。さらに、レンズセット110の位相中心の位置を不均一に、非周期的なグリッドをなすように配置することにより、グレーティングローブの影響を最小限に抑えることができる。1次、2次、または3次元の位相中心の物理的位置を、グレーティングローブを最小化し、放射パターンを改善するために、ランダム化および/または最適化してもよい。位相中心は、端末設計プロセスの一部として、確率的最適化装置によって、無作為に、または擬似反応的に、選択してもよい。図5を参照して説明したように、レンズセット110は、それらの物理的中心および位相中心(レンズ内の対称軸とほぼ一致する)が空間的に分離され、レンズセット100の各レンズが位相と物理的中心との間に異なるオフセットを有するように構成されていてもよい。

0077

グレーティングローブの低減に適用できる最適化方法は多くのバリエーションがあり得る。一例として、周期的にタイル状に配列されたアレイ100の適切な位置にあるときのレンズセット110の幾何学的中心に対する各レンズ112の対称軸の(x、y)位置は、可変オフセットを有する六角形または方形の格子内の定数として符号化される。オフセットは、デカルト座標円柱座標、または他の便利な座標系の2つの変数エンコードすることができる。埋め込まれたレンズ放射パターンとレンズセット110の位置の組み合わせから、アレイファクタおよび結果として生じるアレイパターンを予測するためのソフトウェアルーチンと結合された確率的最適化アルゴリズム(例えば、遺伝的アルゴリズム粒子群最適化、または共分散行列適応進化戦略など)は、各レンズ112(エレメント)の位相中心に対する特定のパラメータ化されたオフセットを選択するために使用され、それは、各レンズ112エレメントの対称軸によって制御され得る。対称位置の軸、従って位相中心位置は、アレイの製造時に固定され、動作中は変化しない。レンズの幾何学中心からの対称軸のわずかなオフセットは、隣接するレンズセット112間の粗いビーム指向角においてはわずかな差でしかなく(これは、レンズセット112の下のフィードアレイ150の位置を、それに対応して少し変化させることにより補正することができる)、隣接するレンズセット112の間で同じフィード152を選択して、粗いビームを、アレイ全体として、所望の方向に向けることができる。これらのすべてのケースにおいて、レンズセット112によって占有される空間は変化しない(動かない)が、それらの対称軸の位置は、位相中心を制御するように変化する。本明細書で説明するように、レンズアレイ100は、レンズセット110の幾何学的中心(重心)を変更することなく、またはレンズアレイ100の開口にギャップを導入して(例えば、アクチュエータ172,174を使用して)、レンズ112の位相中心をオフセットすることができる。

0078

オプティマイザは、アレイファクタのみを介してグレーティングローブを最小にすることができ、またはアレイファクタに、エレメント(例えば、レンズセット)に組み込まれた(内蔵された、埋め込まれた)放射パターンを適用し、放射パターンのサイドローブを直に最適化できる。アレイパターンについては、より高いレベルで、多面的な最適化戦略が必要であり、例えば、ハイブリッドアプローチでは、最悪のケースに相当するマスクを製造する可能性があり、その場合、アレイファクタは、すべての角度および周波数で、サイドローブが、規定のマスクを満たすことを保証するようにする必要がある。

0079

レンズ112のサイズは、コスト対性能および複雑さのトレードである。個々のレンズ112のサイズを大きくすると、フェーズドアレイ内のエレメントの数が減少し、回路を単純化できるが、レンズセット110−レンズセット110の間の分離距離が増加し、グレーティングローブの強度も大きくなりやすく、および個々のフィード素子152のコストおよび複雑さも増加する。個々のエレメントのサイズを小さくすると、レンズセット110の数は増加するが、グレーティングローブは低減され、さらに各フィード素子152およびレンズセット110のコストおよび複雑さも低減される。

0080

それぞれが電気的なスキャンパターン(電気的にスキャンされるパターン、electrically-scanned patterns)を有する電気的に大きなフェーズドアレイエレメント(フェーズドアレイ要素、フェーズドアレイ素子、例えば、レンズセット)を用いることは、そのエレメントのコストが、所定の開口サイズで、従来のフェーズドアレイエレメントのコストと比較して低ければ価値があり、そうでなければ、従来のフェーズドアレイエレメントの領域を何かで満たし、同等のアンテナターミナルパフォーマンスを得る必要がある。スイッチドフィードスキャンレンズアンテナ(給電点を切り替えて走査するレンズアンテナ)の場合、レンズ自体のコストは比較的小さく、アレイアンテナのコストはフィード素子の数およびそれらの回路に比例する。

0081

フェーズドアレイ100のいくつかの例では、各レンズセット110内のレンズ112の背後の面積の一部(25〜50%)だけがフィード素子152で満たされ、フィード素子152は波長の半分以上離れて配置されていてもよい。この理由から、レンズセット110によってカバーされ得る所与の開口領域(開口面積)を考慮すると、レンズセット110のコストは、比較的多くのフィード素子を含む等価なフェーズドアレイと比較してはるかに小さくなり得る。

0082

ある1つのレンズ112の背後に設けられた全てのフィード素子152はそれぞれ、アレイの用途に応じて、特定の回路セットに関連付けられている。最も単純なケースは、受信専用または送信専用の単一偏波回路である。Ku帯の傾斜した水平/垂直偏波SATCOMを操作する制御可能な偏波回路、またはK/KaSATCOMのための円偏波器は、二重偏波フィードアンテナ152とともに、移動体として動作、または偏波非依存の動作のいずれかをサポートするために使用できる。

0083

図7、8および10で説明したように、単一の端末において受信/送信動作を組み合わせるためには、時分割二重では、アクティブ送信/受信スイッチ、また、周波数分割二重では、ダイプレックスを用いることによって行うことができる。ダイプレックス素子は、各部品のコストと複雑さを増加させるが、2つの別個の開口(アパーチャ)を用いるよりも、単一の受信/送信が組み合わされた開口(アパーチャ)使用できるので大きな利点がある。

0084

図4で説明したように、レンズアレイ100においては、それぞれのレンズセット110が同時ビームをサポートするために各レンズセット100が1つのシフタ306を備えていてもよく、フィード素子152ごとに1つでなくてもよく、一方、従来のフェーズドアレイではフィード素子152ごとに1つが必要とされている。いくつかの例では、低損失N:1スイッチに対応した低損失マルチポートスイッチ1002が使われており、その場合は、単一(1つ)の検出器304が各レンズセット110に含まれていてもよく、電力は、低損失マルチポートスイッチ1002を使用して、レンズ112の背後の複数のフィード素子152のセットの間で切り替えられる。コストを最小にしながら性能を最大にするために、許容できるスイッチング損失と各レンズの検出器304の数との間にはトレードオフがある。スイッチング回路1002および検出器304の性能、利用可能性および相対的コストは、所与の用途について、単一の検出器304に含まれ、スイッチング回路で切り替えることになるフィード素子の適切な数が決まる。

0085

レンズアレイ100においては、レンズセット110は個別のエレメントとしては比較的大きく、レンズセット110の数は比較的少ないため、シフタ306は、標準的なフェーズドアレイのものと比較して、比較的高く離散化(higher discretization)している
ものであってもよい。例えば、シフタ306は、典型的な従来のフェーズドアレイの4または6ビット時間遅延ユニットではなく、8ビット以上のビット時間遅延ユニットに対応してもよい。しかしながら、フェーズドアレイ100内のレンズセット110および関連するシフタ/時間遅延ユニット306の数が比較的少ないため、シフタ306の分解能を向上しても、コストへの影響はほとんどない。

0086

Napierの超大型アレイ(直径25mの27個のジンバル式反射器アンテナ)などの他の大型エレメントのフェーズドアレイとは対照的に、本明細書で提案される、複数のレンズセット110のレンズアレイ100は、視野内のほぼ任意の方向に複数の同時ビーム(マルチシムタネオウスビーム)をサポートできる。これは、各レンズ112の背後に2つあるいはそれ以上の別個のフィード素子152が設けられ、それらが各レンズセット110に固有で、異なる入力信号および時間オフセット(タイムオフセット)で励起することによって実現される。1つのレンズ112の各フィード素子152は独立してビームを放射するので、複数のレンズセット110を備えたアレイは、独立した高指向性ビームを生成することができる。

0087

従来のフェーズドアレイとは対照的に、本明細書のレンズ112のアレイ100は、最小の回路を追加するだけでマルチビームをサポートすることができるのに対し、従来の(アナログ)フェーズドアレイでは、ビームそれぞれについて供給ネットワーク全体を複製する必要がある。1つのフィード素子152と1つの位相シフタ306のみを活性化する(給電する)ことで1つのビームを生成するので、追加で切り替えられる1つの層を追加し、各レンズセット110に1つの位相シフタ306を追加することにより、2つの独立したビームを含めることができる。

0088

レンズアレイ100は、衛星通信のための地上の端末として説明されており、静止した端末であってもよく、移動端末であってもよい。この通信モードでは、潜在的な搭載物および用途には、学校、家庭、企業、NGO、民間または公的な無人機無人航空システムUAS)、用、民間用、旅客用、または貨物用の航空機乗客友人レジャー、または他の海上船舶バス電車、車などの地上の乗り物が含まれる。上述したレンズアレイ100は、衛星通信システムの宇宙セグメントとして好適であり、マルチプルスポットビームおよび/または成形ビーム用の衛星アンテナであってもよく、動的再構成可能な地点の地上波マイクロ波リンク用であってもよく、移動体の基地局(5Gなど)であってもよく、また、動的マルチビームフォーミングを必要とするか、またはそれが有益である他のアプリケーションのためのものであってもよい。

0089

レンズアレイアンテナ端子は静止用途または移動体用途であってもよく、視野角度により、比較的広い空間角にわたってビームまたは複数のビームを形成することを必要とする用途であってもよい。例えば、航空機の上にあるSatcom端末の場合、アンテナが、航空機に対して様々な軌道上の位置となる静止衛星と確実に通信するためには、角度範囲が少なくとも60度、さらには70度あるいはそれ以上であることが望ましい。非静止衛星システムの場合、端末が静止しているか否かにかかわらず、ビームまたは複数のビームは、例えば建物の上または塔の上、または自動車のような移動体の上で、衛星が頭上を通過する際に衛星を追跡することができなければならない。いずれにおいても、角度の範囲は、衛星の数および位置、および端末から衛星に至る、仰角許容可能な最小値に依存する。したがって、アンテナシステムは、一般に、広い視野(注視範囲)を持つか、またはビームステアリング角度(ビーム操作角度)の範囲が広いことが望ましい。

0090

ここでは、薄い、六角形の、半球的な、直交するような、いくつかの幾何学的または相対的な用語を使用している。さらに、下側というような、いくつかの方向性または位置を示す用語などを使用している。それらの用語は、図面に示される実施形態に基づく説明を容易にするための便宜上のものに過ぎない。これらの用語は、本発明を限定するものではない。したがって、本発明は、それらの幾何学的、相対的、方向性または位置を示す用語を用いずに他の方法で記述できることを認識すべきである。さらに、幾何学的または相対的な用語は、例えば、製造などで許容される公差のために正確ではない可能性がある。また、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、他の適切な幾何学的な形状および相対的な関係を示すことができる。

0091

説明し図示したように、本発明のシステムおよび方法は、CPU1202およびプロセッサ1110,1112を含む1つまたは複数の回路および/または処理装置による動作を含む。例えば、システムは、レンズセット回路および/または処理装置150を含み、それらによりレンズセットに組み込まれた(内蔵された、埋め込まれた)放射パターンを制御でき、例えば、部品304およびそれに関連する制御回路を含み、アンテナの放射パターンを調整(制御)するためのアンテナ回路および/または処理装置を含む、それらは、ビーム形成回路および/またはプロセッシングデバイス306,308であり、または、デジタル回路1102,1104,1106,1108,1110、および1112であってもよく、アンテナ回路は、追加部品1202,1206、および1208などを含んでもよい。処理装置(プロセッシングデバイス)は、チップコンピュータサーバメインフレーム、プロセッサ、マイクロプロセッサ、PC、タブレットスマートフォンなどの任意の適切な装置であってもよい。処理装置は、ディスプレイ装置モニタ、LEDスクリーンデジタルスクリーンなど)、メモリまたは記憶装置入力デバイスタッチスクリーンキーボードマウスのようなポインティングデバイス)、ワイヤレスモジュール(RF、Bluetooth(登録商標)、赤外線、Wi−Fiなど)のような他の適切な構成要素と組み合わせて使用されてもよい。情報は、コンピュータハードドライブCD−ROMディスク、他の適切なデータ記憶装置に格納されてもよく、それらは処理装置に内蔵されてもよく、または処理装置と通信可能なものであってもよい。プロセス全体は、処理装置によって自動的に行われ、手動での操作は不要である。したがって、特に明記しない限り、プロセスは遅延または手動動作なしに実質的にリアルタイムで発生してもよい。

0092

本発明のシステムおよび方法は、コンピュータソフトウェアにより実装可能であり、コンピュータソフトウェアは、電子情報源からのデータのアクセスを可能にする。本発明によるソフトウェアおよび情報は、単一の自立型処理装置内にあってもよく、または他の処理装置のグループネットワーク接続された中央処理装置内にあってもよい。この情報は、チップ、コンピュータのハードドライブ、CD−ROMディスク、または他の適切なデータ記憶媒体に格納(記憶)することができる。

0093

本明細書において、「実質的に」および「比較的」という用語は、プラスまたはマイナス20%、より好ましくはプラスまたはマイナス10%、さらにより好ましくはプラスまたはマイナス5%、最も好ましくはプラスまたはマイナス2%を意味する。さらに、特定の寸法、大きさおよび形状が本発明の特定の実施形態で提供されてもよいが、それらは単に本発明の範囲を説明するためのものであり、限定的なものではない。したがって、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、他の寸法、サイズおよび/または形状を利用することができる。上述の例示的な実施形態のそれぞれは、別々に、または他の例示的な実施形態と組み合わせて実現されてもよい。

0094

上記には、複数のレンズセットを有し、前記複数のレンズセットの各レンズセットは、レンズと、前記レンズと位置合わせされ、前記レンズを介して所望の方向に信号を導くように構成された少なくとも1つの供給素子とを含む、アンテナシステムが開示されている。前記レンズの開口サイズは、略1波長よりも大きくてもよい。前記複数のレンズセットの各々は、指向性放射パターンを含んでもよい。前記複数のレンズセットが、フェーズドアレイを形成するように回路により接続されていてもよい。前記複数のレンズセットのそれぞれに組み込まれた複数の放射パターンを制御する、少なくとも1つのレンズセット回路および処理装置の少なくともいずれかをさらに含んでもよい。前記少なくとも1つのレンズセット回路および処理装置の少なくともいずれかは、電気的、機械的または電気機械的方法を使用して、前記レンズセットの前記組み込まれた複数の放射パターンの少なくとも1つによる前記信号の方向を制御してもよい。前記少なくとも1つの供給素子は、前記レンズを介して信号を異なる方向に導くように前記レンズに対し位置合わせされた複数の供給素子を含んでもよい。アンテナシステムは、前記複数の供給素子であって、固定または移動可能な複数の供給素子の各々に接続され、前記複数の供給素子のサブセットを選択的に稼働するスイッチをさらに有してもよい。前記複数のレンズセットは、誘電体レンズ、メタマテリアルレンズ、メタサーフェイスレンズ、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。前記複数のレンズセットのレンズが均質であってもよい。前記複数のレンズセットのレンズは不均質であり、均質なレンズよりも全体的な性能が改善されていてもよい。アンテナシステムは、前記少なくとも1つの供給素子の各々を、前記レンズに対して移動させて、信号の方向を所望の方向にするための少なくとも1つのアクチュエータをさらに有してもよい。前記アクチュエータが、前記少なくとも1つの供給素子の各々を、第1の所望の信号方向とする第1の位置と、第2の所望の信号方向とする第2の位置との間で移動してもよい。

0095

前記複数のレンズセットは、幾何学的形状、誘電的特性、またはそれらの組み合わせにおいて同一ではなくてもよい。前記複数のレンズセットは、不均一なタイル状の構成を成すように配置されていてもよい。前記複数のレンズセットの前記タイル状の構成は、広視野範囲および/または周波数範囲にわたってアンテナ放射パターンを改善するようにしてもよい。アンテナシステムは、アンテナ放射パターンを調整するように構成されたアンテナ回路および/または処理装置をさらに有してもよい。前記複数のレンズセット回路および/または処理装置、および前記アンテナ回路および/または処理装置が、無線周波数(RF)、中間周波数(IF)、またはベースバンド周波数の信号を処理するように構成されていてもよい。前記アンテナ回路および/または処理装置は、前記複数のレンズセットに接続された少なくとも1つの位相または時間シフタであって、前記複数のレンズセットと通信される信号の位相シフトまたは時間遅延を介してアナログビーム形成システムを形成するための少なくとも1つの位相または時間シフタ、を含んでもよい。前記アンテナ回路および/または処理装置は、サンプリングアナログ−デジタル変換、およびデジタル−アナログ変換によるデジタルビーム形成システムを共同で構成するデジタル信号プロセッサを含んでもよい。

0096

当該アンテナシステムは、受信専用、送信専用、または送受信用であってもよい。当該アンテナシステムは、衛星システムと通信するシステムであってもよい。当該アンテナシステムは、宇宙−宇宙または宇宙−地上の通信のために、宇宙船システムにおいて電子ビーム形成を行うシステムであってもよい。当該アンテナシステムは、自動車および他の陸上車両、海上船舶、または有人または無人航空機において衛星との接続を提供するシステムであってもよい。当該アンテナシステムは、固定または動的に再構成可能な、単一または複数のビームの、地点間の、地上波マイクロ波リンクに使用されるシステムであってもよい。当該アンテナシステムは、5Gおよび次世代の携帯電話分野において使用されるシステムであってもよい。当該アンテナシステムは、多方向に、複数の同時ビームを供給するシステムであってもよい。前記アンテナ回路は、少なくとも1つのスイッチと、少なくとも1つの位相または時間遅延ユニットと、少なくとも1つの加算/除算回路、またはそれらの組み合わせとを含むビーム形成回路をさらに含んでもよい。アンテナシステムは、複数の同時ビームをサポートするように、ビーム形成回路が複製されてもよい。アンテナシステムは、前記レンズセット、関連する回路、およびパッケージングは、ハウジング、電源、ソフトウェア、計算および制御用のハードウェア、モデムインタフェース、および他の機械的および電気的インタフェースを含む、完全な通信端末を形成するためのすべての必要な要素を含んでもよい。

0097

また、上記には、複数のレンズセットを有するアンテナシステムであって、前記複数のレンズセットの各レンズセットは、レンズと、前記レンズと位置合わせされ、信号を、前記レンズを通して第1の方向に導くように構成された第1のフィードエレメントと、前記レンズと位置合わせされ、前記信号を、前記レンズを通して第2の方向に向けるように構成された第2のフィードエレメントとを含む、アンテナシステムが開示されている。

0098

前述の説明および図面は、本発明の原理の例示にすぎないと考えられるべきである。本発明は、様々な形状およびサイズで構成されてもよく、好ましい実施形態によって限定されるものではない。当業者には、本発明の多数の応用が容易に思い浮かぶであろう。したがって、本発明を、開示された特定の実施例、または図示し説明した正確な構成および動作に限定することは望ましくない。すべての適切に変形したものおよび均等なものは、本発明の範囲内に含まれる。

0099

100レンズアレイ、 110 レンズセット

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