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技術 ラーメン構造物のスライド工法

出願人 株式会社巴コーポレーション株式会社鴻池組
発明者 川添俊之小西秀和高山秀勝石橋康千葉秀一前田洋平
出願日 2018年6月14日 (2年11ヶ月経過) 出願番号 2018-113256
公開日 2019年12月19日 (1年5ヶ月経過) 公開番号 2019-214893
状態 特許登録済
技術分野 建築構造一般
主要キーワード 隣接場所 スライド用レール 門型架構 スライド回数 両端ピン 耐荷性 受けレール ジャッキ受
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (11)

課題

ラーメン構造物自重による柱脚水平力を抑制するスライド工法の提供。

解決手段

回目スライド門型部分架構4A〜4Cを、屋根部R両端をピン接合状態にて組立て、その状態で各部を本締めジャッキダウンし、屋根仕上げ取付け後、屋根部R両端に部材追加してラーメン架構とする。牽引装置6を設置し、1回目のスライド移動をする。次に、屋根部R両端をピン接合状態にて新たな門型部分架構4Eを組立て、それとスライド済み門型部分架構4Cとを連結する門型部分架構4Dの屋根部材をピン接合状態にて組立て、その状態にてジャッキダウンする。その後、門型部分架構4Dと4Eに屋根仕上げを取付け、門型部分架構4Eの屋根部R両端に部材追加してラーメン架構とし、門型部分架構4Dの屋根部材を本締めし、一体化した門型部分架構4全体をスライド移動する。

概要

背景

石炭廃棄物等の貯蔵物上屋あるいは工場建屋等において、建方工法としてスライド工法が採用されることがあった。スライド工法は、これら建物桁行が長大である場合、その部分架構特定場所にて組立て、順次送り出すので仮設材が少なくて済み、また仕上げ材等を取付けた状態でも可能なので、施工効率がよいとされている。

前記建物の張間方向ラーメン構造であることが多く、図9に図示の柱脚ピンラーメン架構で説明すると、梁部の自重Wによって発生する柱脚部水平力(外側に蹴りだそうとする力H)は、その張間寸法が大きい程大きくなる。

従来、そのような建物をスライド工法にて建方する場合、その部分架構がスライド中も構造的に安定するように、前記柱脚部水平力を支持するための十分な水平剛性と強度を有する基礎を設けておく必要があった。

また、スライド用レールとして、鉛直荷重を受けるレールの他に、前記柱脚部水平力を直接受けて前記基礎に力を伝達するための水平力受けレールも必要であった。

また、前記柱脚部水平力により、柱脚部が前記水平力受けレールに押し付けられながらスライド移動するため摩擦抵抗力が発生するので、より大きな牽引力が必要になり、そのため牽引設備が大掛かりになるという問題もあった。この問題は、牽引する部分架構が長くなりその重量がより重くなる程、その影響が大きくなる。

このように、従来のスライド工法では、柱脚部水平力を処理するための前記基礎や水平力受けレールの設置費用に加え、牽引設備の能力増強とコストアップも考慮する必要があった。

更に、スライド中においても、水平力受けレールには外側に拡がろうとする前記柱脚部水平力が常に作用しているので、十分な安全対策も必要であった。

スライド中における部分架構の前記柱脚部水平力を抑制する方法として、例えば、両側柱の柱脚部同士を張間方向につなぐテンション材を水平に設けかつ張力を導入して、柱脚部が水平方向に開こうとする大きな水平力と吊り合せる工法が考えられる。この場合、両柱脚部をつなぐためのテンション材や張力導入装置等を、スライド工事完了まで全ての柱脚部に存置しておく必要があるので、牽引設備以外に多額の仮設費用がかかる。

大張間架構のスライド工法についての先行技術としては、例えば、特許文献1がある。特許文献1は、既に設置されている柱列の各柱頂部に転がり支持装置を設置し、それらの転がり支持装置に架渡した移動用ビーム屋根架構を載置してスライドする工法であり、屋根架構の両側梁同士タイバーで繋いで、屋根架構の自重による拡がりを抑制することにより、前記柱頭部に水平力を作用させないでスライドする方法である。

この工法では、スライドする以前に柱が既に設置されており、その上に屋根架構を架設するので、各柱を先行して自立させておく必要がある上、柱頭レベルにスライドのための剛強な移動用ビームも必要である。しかし、本発明では、ラーメン構造の架構をスライド対象としているので、柱の先行設置による工法は採用できない。

従って、特許文献1に開示されている先行技術では、柱と屋根架構一体でスライドする工法に対して課題の解決にならない。また、その解決策を示唆する記述もない。

移動距離が長いスライド工事において、従来、長さ調整の自由度が高いワイヤーロープドラム巻取る方式の牽引設備が採用されることが多かった。この方式であれば、牽引する部分架構が長くなりその重量がより重くなっても、動滑車の数を増やすことにより、小さな張力でも牽引が可能である。

しかし、動滑車の数が増える分、ワイヤーロープの巻取り量も多くなるため、ドラム容量の制約だけでなく、牽引効率が低下する欠点があった。即ち、ラーメン架構のように屋根部だけでなく柱(壁)部の架構本体に加え、仕上げ材等も取付けた重い部分架構を、移動距離の長いスライド工事に適用することは、効率性の点から、必ずしも好適とは言えなかった。

概要

ラーメン構造物の自重による柱脚部水平力を抑制するスライド工法の提供。1回目スライドの門型部分架構4A〜4Cを、屋根部R両端をピン接合状態にて組立て、その状態で各部を本締めジャッキダウンし、屋根仕上げ取付け後、屋根部R両端に部材追加してラーメン架構とする。牽引装置6を設置し、1回目のスライド移動をする。次に、屋根部R両端をピン接合状態にて新たな門型部分架構4Eを組立て、それとスライド済み門型部分架構4Cとを連結する門型部分架構4Dの屋根部材をピン接合状態にて組立て、その状態にてジャッキダウンする。その後、門型部分架構4Dと4Eに屋根仕上げを取付け、門型部分架構4Eの屋根部R両端に部材追加してラーメン架構とし、門型部分架構4Dの屋根部材を本締めし、一体化した門型部分架構4全体をスライド移動する。

目的

本発明は、張間方向がラーメン構造で、桁行が長大である建物の建方工法としてスライド工法を採用した場合において、建物自重によって発生する柱脚部水平力の発生を抑制し、かつ仮設費用も安価になる、ラーメン構造物のスライド工法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

以下の工程を含むことを特徴とする、ラーメン構造物スライド工法。(1)建方エリアの開いている場所において、スライド済みの門型部分架構と一定の間隔を確保して、新たな門型部分架構を、その屋根部を支保工にて仮受けして組立てる工程。この時、前記新たな門型部分架構の柱部頂部と屋根部との接合は、屋根部大梁両端部の上弦部もしくは下弦部の何れかのみ接続し、その他部分は未接続とすることにより、ピン接合状態にしておく。(2)スライド済みの前記門型部分架構と前記新たな門型部分架構との間を連結する各部材を組立てる工程。この時、スライド済みの前記門型部分架構と前記新たな門型部分架構との間の連結屋根部各部材の接合部は、少なくとも上下方向の回転が許容されるピン接合状態にしておく。(3)前記新たな門型部分架構の屋根部大梁両端部をピン接合状態のまま、その他各部材の接合を完了し、前記新たな門型部分架構の屋根部の支保工による仮受けを解除する工程。(4)前記新たな門型部分架構の屋根部大梁両端部の未接続になっていた部分を柱部に接続することにより、その部を剛接合にし、ラーメン架構として完結させる工程。

請求項2

以下の工程を含むことを特徴とする、ラーメン構造物のスライド工法。(1)1回目のスライドを実施する門型部分架構を組立てる工程であり、建方エリアにおいて、先ず、最初の門型部分架構を、その屋根部を支保工にて仮受けし、組立てる工程。この時、前記門型部分架構の柱部頂部と屋根部との接合は、屋根部両端部における鉛直面内の回転が許容されるピン接合状態にしておく。(2)前記屋根部両端部をピン接合状態のまま、工程(1)にて組立てた門型部分架構の各部材の接合を完了し、その屋根部の支保工による仮受けを解除する工程。(3)前記門型部分架構の屋根部両端部の未接続になっていた部分を柱部に接続することにより、その軒部を剛接合にし、ラーメン架構として完結させる工程。(4)牽引装置を設置し、牽引部材を前記門型部分架構の柱脚部に連結する工程。(5)ラーメン架構となった前記門型部分架構を、前記建方エリアの隣接場所までスライド移動する工程。(6)工程(5)のスライド移動により開いた前記建方エリアにおいて、スライド済みの前記門型部分架構と一定の間隔を確保して、新たな門型部分架構を、その屋根部を支保工にて仮受けして組立てる工程。この時、前記新たな門型部分架構の柱部頂部と屋根部との接合は、屋根部両端部における鉛直面内の回転が許容されるピン接合状態にしておく。(7)工程(5)でスライド済みの前記門型部分架構と前記新たな門型部分架構との間を連結する各部材を組立てる工程。この時、スライド済みの前記門型部分架構と前記新たな門型部分架構との間の連結屋根部各部材の接合部は、少なくとも上下方向の回転が許容されるピン接合状態にしておく。(8)工程(6)完了後の前記新たな門型部分架構の屋根部両端部をピン接合状態のまま、前記新たな門型部分架構の屋根部の支保工による仮受けを解除する工程。(9)前記新たな門型部分架構の屋根部両端部の未接続になっていた部分を柱部に接続することにより、その軒部を剛接合にし、ラーメン架構として完結させる工程。(10)工程(9)完了後、工程(5)でスライド済みの前記門型部分架構と工程(9)でラーメン架構となった新たな門型部分架構との間の架構部分の接合を完了させる工程。(11)工程(10)においてラーメン架構として一体化された門型部分架構全体をスライド移動する工程。(12)以後、工程(6)〜(11)を必要回数繰り返す。

請求項3

請求項1記載のスライド工法であって、以下に記載のような牽引設備を用いることを特徴とする、ラーメン構造物のスライド工法。(1)スライドレールの上面に、門型部分架構の鉛直荷重を支持する滑り支承部が載置されている。(2)前記スライドレールに沿って、ジャッキを、そのピストンロッド伸縮方向が前記スライドレールに平行となるように、水平配置されている。(3)前記ジャッキを固定してその反力を取るためのジャッキ受材が、前記スライドレールに沿って設置されている。(4)前記門型部分架構を牽引するための牽引部材が前記スライドレールに沿って平行配置され、この牽引部材は、これと前記ジャッキとを連結するための連結部材を貫通するピンを介して、少なくとも2箇所で前記ジャッキと連結可能になっている。(5)前記牽引部材の部材軸方向には、前記ピンが挿入される牽引孔が一定寸法間隔で複数設けられており、そのピンは、前記連結部材と前記牽引部材とを貫通して、任意に出し入れ自在に嵌合されるようになっている。(6)前記牽引部材が前記門型部分架構を牽引する場合、前記ピストンロッドの伸縮方向により、次の何れかにて行なわれる。イ)前記ピストンロッドが伸びる方向をスライド方向に合わせた場合、前記ピストンロッドが縮まった状態で、スライド方向前方の第1ピンがピストンロッド先端の前記連結部材と前記牽引部材とを貫通して挿入され、かつスライド方向後方の第2ピンが抜去された状態で、前記ピストンロッドを前記牽引孔の少なくとも1ピッチ分だけ伸ばして、1回分のスライド移動を実行する。移動完了と共にピストンロッドの摺動自動ロックされる。次に、前記第2ピンがジャッキ脚部の前記連結部材と前記牽引部材とを貫通して挿入され、かつ前記第1ピンが抜去されると共に、前記ロック自動解除され、前記ピストンロッドを縮めて元の状態に戻し1回分の基本サイクルを終了する。ロ)前記ピストンロッドが伸びる方向を、上記イ)の逆に用いた場合は、前記ピストンロッドが伸びた状態で、スライド方向後方の第2ピンがピストンロッド先端の連結部材と牽引部材とを貫通して挿入され、かつスライド方向前方の前記第1ピンが抜去された状態で、前記ピストンロッドを前記牽引孔の少なくとも1ピッチ分だけ縮めて、1回分のスライド移動を実行する。移動完了と共に、ピストンロッドの摺動は自動ロックされる。次に、前記第1ピンがジャッキ脚部の前記連結部材と前記牽引部材とを貫通して挿入され、かつ前記第2ピンが抜去されると共に、前記ロックが自動解除され、前記ピストンロッドを伸ばして元の状態に戻し1回分の基本サイクルを終了する。(7)以後、前記牽引部材の牽引可能長さ限界に達するまで、同じサイクルを繰り返す。(8)前記牽引部材の牽引可能長さが限界に達したら、前記第1ピンおよび前記第2ピン共抜去した状態で、前記ジャッキ受材の位置をスライド方向前方へ移動して、前記ジャッキと前記連結部材を再セットする。(9)以上の工程を、必要なスライド移動距離に達するまで繰り返す。

技術分野

0001

本発明は、ラーメン構造物建方する場合に適用するスライド工法に関する。

背景技術

0002

石炭廃棄物等の貯蔵物上屋あるいは工場建屋等において、建方工法としてスライド工法が採用されることがあった。スライド工法は、これら建物桁行が長大である場合、その部分架構特定場所にて組立て、順次送り出すので仮設材が少なくて済み、また仕上げ材等を取付けた状態でも可能なので、施工効率がよいとされている。

0003

前記建物の張間方向ラーメン構造であることが多く、図9に図示の柱脚ピンラーメン架構で説明すると、梁部の自重Wによって発生する柱脚部水平力(外側に蹴りだそうとする力H)は、その張間寸法が大きい程大きくなる。

0004

従来、そのような建物をスライド工法にて建方する場合、その部分架構がスライド中も構造的に安定するように、前記柱脚部水平力を支持するための十分な水平剛性と強度を有する基礎を設けておく必要があった。

0005

また、スライド用レールとして、鉛直荷重を受けるレールの他に、前記柱脚部水平力を直接受けて前記基礎に力を伝達するための水平力受けレールも必要であった。

0006

また、前記柱脚部水平力により、柱脚部が前記水平力受けレールに押し付けられながらスライド移動するため摩擦抵抗力が発生するので、より大きな牽引力が必要になり、そのため牽引設備が大掛かりになるという問題もあった。この問題は、牽引する部分架構が長くなりその重量がより重くなる程、その影響が大きくなる。

0007

このように、従来のスライド工法では、柱脚部水平力を処理するための前記基礎や水平力受けレールの設置費用に加え、牽引設備の能力増強とコストアップも考慮する必要があった。

0008

更に、スライド中においても、水平力受けレールには外側に拡がろうとする前記柱脚部水平力が常に作用しているので、十分な安全対策も必要であった。

0009

スライド中における部分架構の前記柱脚部水平力を抑制する方法として、例えば、両側柱の柱脚部同士を張間方向につなぐテンション材を水平に設けかつ張力を導入して、柱脚部が水平方向に開こうとする大きな水平力と吊り合せる工法が考えられる。この場合、両柱脚部をつなぐためのテンション材や張力導入装置等を、スライド工事完了まで全ての柱脚部に存置しておく必要があるので、牽引設備以外に多額の仮設費用がかかる。

0010

大張間架構のスライド工法についての先行技術としては、例えば、特許文献1がある。特許文献1は、既に設置されている柱列の各柱頂部に転がり支持装置を設置し、それらの転がり支持装置に架渡した移動用ビーム屋根架構を載置してスライドする工法であり、屋根架構の両側梁同士タイバーで繋いで、屋根架構の自重による拡がりを抑制することにより、前記柱頭部に水平力を作用させないでスライドする方法である。

0011

この工法では、スライドする以前に柱が既に設置されており、その上に屋根架構を架設するので、各柱を先行して自立させておく必要がある上、柱頭レベルにスライドのための剛強な移動用ビームも必要である。しかし、本発明では、ラーメン構造の架構をスライド対象としているので、柱の先行設置による工法は採用できない。

0012

従って、特許文献1に開示されている先行技術では、柱と屋根架構一体でスライドする工法に対して課題の解決にならない。また、その解決策を示唆する記述もない。

0013

移動距離が長いスライド工事において、従来、長さ調整の自由度が高いワイヤーロープドラム巻取る方式の牽引設備が採用されることが多かった。この方式であれば、牽引する部分架構が長くなりその重量がより重くなっても、動滑車の数を増やすことにより、小さな張力でも牽引が可能である。

0014

しかし、動滑車の数が増える分、ワイヤーロープの巻取り量も多くなるため、ドラム容量の制約だけでなく、牽引効率が低下する欠点があった。即ち、ラーメン架構のように屋根部だけでなく柱(壁)部の架構本体に加え、仕上げ材等も取付けた重い部分架構を、移動距離の長いスライド工事に適用することは、効率性の点から、必ずしも好適とは言えなかった。

先行技術

0015

特開平9−72004号公報

発明が解決しようとする課題

0016

本発明は、張間方向がラーメン構造で、桁行が長大である建物の建方工法としてスライド工法を採用した場合において、建物自重によって発生する柱脚部水平力の発生を抑制し、かつ仮設費用も安価になる、ラーメン構造物のスライド工法を提供するものである。

0017

また本発明は、牽引重量が重くかつスライド距離が長いスライド工事においても、従来に比べ、格別大容量を要求されることなく、コンパクト牽引装置により、効率よく牽引作業ができる、ラーメン構造物のスライド工法を提供するものである。

課題を解決するための手段

0018

前記課題を解決するための本発明の手段は、以下の工程を含むラーメン構造物のスライド工法である。
(1)建方エリアの開いている場所において、ラーメン架構としてスライド済みの門型部分架構と一定の間隔を確保して、新たな門型部分架構を、その屋根部をジャッキ付き支保工にて仮受けして組立てる工程。
この時、前記新たな門型部分架構の柱部頂部と屋根部との接合は、屋根部大梁両端部の上弦部もしくは下弦部の何れかのみ接続し、その他部分は未接続とすることにより、ピン接合状態にしておく。

0019

(2)スライド済みの前記門型部分架構と前記新たな門型部分架構との間を連結する各部材を組立てる工程。
この時、スライド済みの前記門型部分架構と前記新たな門型部分架構との間の連結屋根部各部材の接合部は、少なくとも上下方向の回転がある程度許容されるピン接合状態にしておく。

0020

(3)前記新たな門型部分架構の屋根部大梁両端部をピン接合状態のまま、その他各部材の接合を完了し、前記新たな門型部分架構の屋根部を支えているジャッキ付き支保工のジャッキを緩めて、屋根部の支保工による仮受けを解除する工程。
工程完了後、前記新たな門型部分架構の屋根部および前記連結屋根部に設置すべき屋根仕上げ照明等を取付けてもよい。

0021

(4)前記新たな門型部分架構の屋根部大梁両端部の未接続になっていた部分を柱部に接続することにより、その軒部を剛接合にし、ラーメン架構として完結させる工程。

0022

また、本発明は、上記記載の工程を一部に含む、以下に記載のラーメン構造物のスライド工法である。
(1)1回目のスライドを実施する門型部分架構を組立てる工程であり、建方エリアにおいて、先ず、建方エリアの構台を利用して、最初の門型部分架構を、その屋根部をジャッキ付き支保工にて仮受けし、組立てる工程。

0023

この時、前記門型部分架構の柱部頂部と屋根部との接合は、屋根部大梁両端の上弦部もしくは下弦部の何れかのみ接続し、その他部分は未接続とすることにより、屋根部両端部における鉛直面内の回転がある程度許容される接合状態(以下、「ピン接合状態」と称す)にしておく。

0024

(2)前記屋根部大梁両端部をピン接合状態のまま、工程(1)にて組立てた門型部分架構の各部材の接合を完了し、その屋根部を支えているジャッキ付き支保工のジャッキを緩めて、屋根部の支保工による仮受けを解除する工程。
本工程完了後、前記屋根部に設置すべき屋根仕上げや照明等を、可能な範囲で取付けてもよい。

0025

(3)前記門型部分架構の屋根部大梁両端部の未接続になっていた部分を柱部に接続することにより、その軒部を剛接合にし、ラーメン架構として完結させる工程。
(4)ラーメン架構となった門型部分架構を牽引するための牽引装置をスライドレールに沿って設置し、牽引部材を門型部分架構の柱脚部に連結する工程。
(5)ラーメン架構となった前記門型部分架構を、前記建方エリアの隣接場所まで必要距離だけスライド移動する工程。

0026

(6)工程(5)のスライド移動により開いた前記建方エリアにおいて、スライド済みの前記門型部分架構と一定の間隔を確保して、新たな門型部分架構を、その屋根部をジャッキ付き支保工にて仮受けして組立てる工程。
この時、前記新たな門型部分架構の柱部頂部と屋根部との接合は、屋根部大梁両端部の上弦部もしくは下弦部の何れかのみ接続し、その他部分は未接続とすることにより、ピン接合状態にしておく。

0027

(7)工程(5)でスライド済みの前記門型部分架構と前記新たな門型部分架構との間を連結する各部材を組立てる工程。
この時、スライド済みの前記門型部分架構と前記新たな門型部分架構との間の連結屋根部各部材の接合部は、少なくとも上下方向の回転がある程度許容されるピン接合状態にしておく。

0028

(8)工程(6)で組立てられた新たな門型部分架構の屋根部大梁両端部をピン接合状態のまま、その他各部材の接合を完了し、前記新たな門型部分架構の屋根部を支えているジャッキ付き支保工のジャッキを緩めて、屋根部の支保工による仮受けを解除する工程。
本工程完了後、前記新たな門型部分架構の屋根部および前記連結屋根部に設置すべき屋根仕上げや照明等を取付けてもよい。

0029

(9)前記新たな門型部分架構の屋根部大梁両端部の未接続になっていた部分を柱部に接続することにより、その軒部を剛接合にし、ラーメン架構として完結させる工程。
(10)工程(9)完了後、工程(5)でスライド済みの門型部分架構と工程(9)でラーメン架構となった新たな門型部分架構との間の架構部分の接合を完了させる工程。

0030

(11)工程(10)においてラーメン架構として一体化された門型部分架構全体を、少なくとも、次工程で組立てる新たな門型部分架構の組立て幅の分だけスライド移動する工程。
(12)以後、工程(6)〜(11)を必要回数繰り返し、スライド工事を完了する。なお、門型部分架構の屋根部大梁端部がピン接合状態にある時は、水平力に対して極めて弱いので、別途仮設ブレース等により構台と接続して一時的な補強を施す。

0031

また、本発明は、上記記載のスライド工法であって、以下に記載のような牽引設備を用いることを特徴とする、ラーメン構造物のスライド工法である。
(1)スライドレールの上面に、門型部分架構の鉛直荷重を支持する滑り支承部が載置され、かつ前記スライドレールと前記滑り支承部との間に滑り材が挿入されている。

0032

(2)前記スライドレールに沿ってジャッキが、そのピストンロッド伸縮方向が前記スライドレールに平行となるように、水平配置されている。
(3)前記ジャッキを固定してその反力を取るためのジャッキ受材が、前記スライドレールに沿って設置されている。

0033

(4)前記門型部分架構を牽引するための牽引部材が前記スライドレールに沿って平行配置され、この牽引部材は、これと前記ジャッキとを連結するための連結部材を貫通するピンを介して、少なくとも2箇所で前記ジャッキと連結可能になっている。
(5)前記牽引部材の部材軸方向には、前記ピンが挿入される牽引孔が一定寸法間隔で複数設けられており、そのピンは、前記連結部材と前記牽引部材とを貫通して、任意に出し入れ自在に嵌合されるようになっている。

0034

(6)前記牽引部材が前記門型部分架構を牽引する場合、前記ピストンロッドの伸縮方向により、次の何れかにて行なわれる。
イ)前記ピストンロッドが伸びる方向をスライド方向に合わせた場合、前記ピストンロッドが縮まった状態で、スライド方向前方の第1ピンがピストンロッド先端の前記連結部材と前記牽引部材とを貫通して挿入され、かつスライド方向後方の第2ピンが抜去された状態で、前記ピストンロッドを前記牽引孔の少なくとも1ピッチ分だけ伸ばして、1回分のスライド移動を実行する。移動完了と共に、ピストンロッドの摺動自動ロックされる。

0035

次に、前記第2ピンがジャッキ脚部の前記連結部材と前記牽引部材とを貫通して挿入され、かつ前記第1ピンが抜去されると共に、前記ロック自動解除され、前記ピストンロッドを縮めて元の状態に戻し1回分の基本サイクルを終了する。
ロ)前記ピストンロッドが伸びる方向を、上記イ)の逆に用いた場合は、前記ピストンロッドが伸びた状態で、スライド方向後方の第2ピンがピストンロッド先端の連結部材と牽引部材とを貫通して挿入され、かつスライド方向前方の前記第1ピンが抜去された状態で、前記ピストンロッドを前記牽引孔の少なくとも1ピッチ分だけ縮めて、1回分のスライド移動を実行する。移動完了と共に、ピストンロッドの摺動は自動ロックされる。

0036

次に、前記第1ピンがジャッキ脚部の前記連結部材と前記牽引部材とを貫通して挿入され、かつ前記第2ピンが抜去されると共に、前記ロックが自動解除され、前記ピストンロッドを伸ばして元の状態に戻し1回分の基本サイクルを終了する。
(7)以後、前記牽引部材の牽引可能長さ限界に達するまで、同じサイクルを繰り返す。
(8)前記牽引部材の牽引可能長さが限界に達したら、前記第1ピンおよび前記第2ピン共抜去した状態で、前記ジャッキ受材の位置をスライド方向前方へ、前記牽引部材の牽引可能長さの範囲で移動して、前記ジャッキと前記連結部材を再セットする。

0037

(9)以上の工程を、必要なスライド移動距離に達するまで繰り返す。
(10)スライド工事完了後、前記門型部分架構の柱材下端部を、アンカーボルトにて基礎に固定する。

発明の効果

0038

本発明は、以上のようラーメン構造物のスライド工法に対して、門型部分架構を構築する際に、ラーメン架構として完結する前にジャッキダウンするという、従来とは逆手順の工程を取入れたことにより、次のような効果が得られる。
張間方向がラーメン構造で、桁行が長大である建物の建方工法としてスライド工法を採用した場合において、

0039

(1)門型部分架構の屋根部重量によって発生する柱脚部水平力を大幅に減らすことが出来る。
(2)スライド中の柱脚部水平力が大幅に減るので、その水平力を受ける基礎の費用が安くなる。
(3)水平力受けレールと柱脚部との接触部において、スライド移動中に発生する摩擦抵抗力の問題がなくなるので、従来のような大きな牽引力を必要とせず、牽引設備の能力増強は不要であり、コストも抑制出来る。スライドする門型部分架構の長さが長い程、この効果は大きい。

0040

(4)スライド中も常に作用している外側に拡がろうとする柱脚部水平力が大幅に減るので、安全性が高まる。
(5)上記(3)のことから、前述(第2実施例)のような牽引設備を用いることができるので、従来工法と比べてスライド作業の効率が良く、また、コンパクトなので運搬やスライド工事中盛替えにおいて扱い易い。

図面の簡単な説明

0041

本発明における建物建設現場のスライド施工時の仮設材略配置例である。
本発明の第1実施例における初回スライド実施までの門型部分架構の建方手順を示す図であり、(a)は最初の門型部分架構の伏図、(b)は初回スライド分の門型部分架構の建方途中状況を示す伏図、(c)は(b)のイ−イ断面視、(d)はジャッキダウン後のイ−イ断面視である。
本発明の第1実施例における門型部分架構の断面図であり、(a)はジャッキダウン前、(b)はジャッキダウン後に屋根部大梁両端部が剛接合となった状態を説明する図である。図2aまたは図2bの場合、ロ−ロ断面視に相当する。
本発明の第1実施例において、初回スライドのための牽引装置設置状況を示す図であり、(a)は伏図、(b)は(a)のハ−ハ断面視である。
本発明の第1実施例において、2回目スライドのための門型部分架構の建方途中状況を示す図であり、(a)は伏図、(b)は(a)のニ−ニ断面視である。
本発明の第1実施例において、2回目スライドのための牽引装置設置状況を示す図であり、(a)は伏図、(b)は(a)のホーホ断面視である
スライドレールと柱脚部(滑り支承部含む)の納まり説明図である。
本発明の第2実施例において使用する牽引装置の動作を示す説明図であり、(a)は初期状態、(b)はピストンロッドが伸びた状態、(c)はピストンロッドを縮めて初期状態に戻った様子を説明する図である。
梁部の自重Wによって門型ラーメン架構に発生する曲げモーメント(M1、M2)の分布状態を示す図である。
梁部の自重Wによって梁両端ピン門型架構に発生する曲げモーメント(M0)の分布状態を示す図である。

実施例

0042

本発明の第1実施例は、以下の工程を含む貯蔵物等建物上屋の施工法である。全長に亘り高さが一様な建物を例として、図1図6を参照して説明する。門型部分架構4の建方エリアSを含み、スライド移動に必要な位置までスライドレール3、3が敷設された建設現場1(図1)において、

0043

(1)1回目のスライドを実施する門型部分架構を組立てる工程であり、先ず、建方エリアSに仮設された構台2を利用して、2列の並立した平面架構で構成される最初の門型部分架構4Aを、その屋根部Rをジャッキ付き支保工5、5、…にて仮受けして組立てる。(図2a、図3a)

0044

この時、柱部Cの頂部と屋根部Rとの接合は、図3aに図示のように、屋根部R大梁トラスの下弦両端の部材を未接続として、屋根部R両端部のトラス面内の回転がある程度許容されるピン接合状態にしておく。
次に、門型部分架構4Aに隣接する門型部分架構4Bおよび4Cを、それらの屋根部Rを構台上のジャッキ付き支保工5、5、…にて仮受けして組立てて連結する。(図2b、図2c、図3a)

0045

なお、この工程において、門型部分架構4Aに隣接して連結するブロックは、図2b、図2cに図示のように、門型部分架構4Bに続けて門型部分架構4Cを連結することにより、桁行寸法を長くして、一度に牽引する門型部分架構4の規模を大きくすれば、スライド回数が減るので施工効率が向上する利点がある。

0046

(2)工程(1)が完了したら、屋根部R大梁トラスの下弦両端の部材は全て未接続のまま、門型部分架構4の各部材接合部のボルト本締めし、その屋根部Rを支えているジャッキ付き支保工5、5…のジャッキを緩めて、ジャッキダウンを完了する。(図2d)

0047

この時、門型部分架構4の屋根部R大梁トラスの両端部はピン接合状態なので、門型部分架構4の屋根部Rがその自重によって撓むが、柱部Cとの接合部(軒部)には曲げモーメントが発生しないので、その柱部Cの脚部が外側に拡がろうとする力は生じない。
また、前記ジャッキダウン完了後に、屋根仕上げrや照明等設備他、屋根部Rに設置すべき物を可能な範囲で取付けてもよい。

0048

(3)門型部分架構4の未接続になっていた屋根部R大梁トラス下弦両端の部材(図3bの矢印位置)を柱部Cに接続することにより、その軒部を剛接合にし、ラーメン架構として完結させる。(図3b)
(4)工程(3)でラーメン架構となった門型部分架構4を牽引する牽引装置6、6を、スライドレール3、3の上部に設置し、牽引部材T、Tと門型部分架構4Aの柱部Cの脚部前面とを連結する。(図4

0049

(5)工程(3)完了後の前記門型部分架構4を、建方エリアSの隣接場所まで必要距離(図5では門型部分架構4Dおよび4Eの組立て幅分)だけ(図4破線矢印方向へ)スライド移動する。
(6)工程(5)のスライド移動により開いた建方エリアSにおいて、門型部分架構4Cと一定の距離(1柱間分)をおいて、新たな門型部分架構4Eを先行して、その屋根部Rをジャッキ付き支保工5、5、…にて仮受けして組立てる。(図5
(7)門型部分架構4Cと門型部分架構4Eとの間を連結する各部材を接続して門型部分架構4Dを組立てる。(図5

0050

この時、門型部分架構4Eの屋根部R高さが門型部分架構4Cの屋根部R高さよりも高いので、門型部分架構4Cと門型部分架構4Eとの間を連結する門型部分架構4Dの屋根部R各部材の接合部のボルトは本締めせず、少なくとも上下方向の回転がある程度許容されるピン接合状態にしておく。

0051

(8)門型部分架構4Eの屋根部R大梁トラスの下弦両端の部材は全て未接続としたピン接合状態のまま、門型部分架構4Eおよび門型部分架構4Dの柱部Cの各部接合部のボルトを本締めし、その屋根部Rを支えているジャッキ付き支保工5、5…のジャッキを緩めて、ジャッキダウンを完了する。(図6

0052

この時、門型部分架構4Eの屋根部R大梁トラスの両端部はピン接合状態なので、門型部分架構4Eの屋根部Rがその自重によって撓むが、柱部Cとの接合部(軒部)には曲げモーメントが発生しないので、その柱部Cの脚部が外側に拡がろうとする力は生じない。

0053

また、前記ジャッキダウン完了後に、屋根仕上げrや照明等設備他、門型部分架構4Eおよび4Dの屋根部Rに設置すべき物を取付ければ、取付け完了後には、門型部分架構4Dおよび4Eの屋根部R高さは、門型部分架構4A〜4Dの屋根部R高さとほぼ同じとなる。(図6

0054

(9)工程(8)完了後、門型部分架構4Eの屋根部R大梁トラス下弦両端の、未接続になっていた部材(図3bの矢印位置)を柱部Cに接続することにより、門型部分架構4Eの軒部を剛接合にし、ラーメン架構として完結させる。(図6
(10)工程(9)完了後、門型部分架構4Dの屋根部Rの接合部のボルトを本締めする。

0055

門型部分架構4Dの屋根部Rの本締めを、工程(9)の完了後に実施するのは、隣接の門型部分架構4Cの屋根部Rとの高さ(屋根自重によるたわみ)ギャップが解消されている必要があるためである。(図6
(11)一体化された門型部分架構4A〜4Eを、次工程で組立てる門型部分架構4の組立て幅の分だけ(図6の破線矢印方向へ)スライド移動する。(図6

0056

この時、牽引装置6、6と最初の門型部分架構4Aの柱部Cの脚部前面との距離が、スライドに必要な距離に足りない場合は、図6に図示(円弧矢印)のように、スライド移動前方へ移設しておく。(図6
(12)以後、工程(6)〜(11)を必要回数繰り返し、スライド工事を完了する。

0057

第1実施例は以上の通り、門型部分架構4の柱部C頂部と屋根部R大梁トラス端部との接合がピン接合状態のまま、図3aに図示のジャッキ付き支保工5、5…を撤去し、その状態のまま、屋根仕上げrや照明等設備他を屋根部に取付ける。この時、門型部分架構4はラーメン構造として完結していないため、ラーメン架構では発生する屋根部R自重による柱脚部水平力(図9bのHに相当)は生じない。

0058

但し、梁両端ピン接合の門型架構の場合(図10)、梁部の最大曲げモーメントM0は、ラーメン架構の場合(図9)よりも大きくなり(M0>M1、M2)、かつ梁部のたわみも大きくなることに注意を要する。

0059

従って、屋根部R自重によるたわみが発生した状態で、未接続になっていた屋根部Rトラス下弦両端の部材(図3bの矢印位置)を柱部Cに接続することにより、門型部分架構4の軒部を剛接合にし、ラーメン架構として完結すれば、スライドレール3、3に作用するのは、門型部分架構4の自重(架構および仕上げ材他)による鉛直力のみであるので、スライド移動時の柱脚部水平力により発生する問題、即ち、摩擦抵抗対処するための牽引装置の能力アップや、スライドレール3、3を支持している基礎Fの補強が不要になる。

0060

なお、門型部分架構4の屋根部R大梁トラス端部がピン接合状態にある時は、水平力に対して極めて弱いので、別途仮設ブレース等により構台2と接続して一時的な補強を施す。

0061

第2実施例は、第1実施例のスライド工法において、ラーメン構造として完結した門型部分架構4をスライド移動させるために、以下に記載のような牽引設備を用いる、ラーメン構造物のスライド工法である。図7図8を参照して説明する。

0062

(1)図7に図示のように、スライドレール3は、例えばH型断面の鉄骨を平使いとし、その下にモルタル等を充填して耐荷性を確保の上、そのウェブ上面に、柱部Cからの鉛直荷重を支持する滑り支承部8が載置され、かつスライドレール3と滑り支承部8との間に滑り材(図示せず)が挿入されている。H型断面の鉄骨が平使いされるので、その上向きの2枚のフランジが、スライド中における滑り支承部8のガイドの役目を果たす。

0063

(2)以下、図8を参照して説明する。スライドレール3の両側には、シリンダージャッキ11、11を、そのピストンロッド12、12の伸縮方向がスライドレール3に平行となるよう、1台ずつ水平配置されている。
(3)シリンダージャッキ11、11を固定してその反力を取るために、ジャッキ受材10、10がスライドレール3の両側に設置されている。

0064

(4)スライドレール3両側のシリンダージャッキ11、11は、その脚部同士が連結部材13で、そのピストンロッド12、12先端同士が連結部材14で連結されており、更に、シリンダージャッキ11、11の間に、門型部分架構4を牽引するための牽引部材Tがスライドレール3の上部に平行配置され、この牽引部材Tは、連結部材13または14(図8では、連結部材14のみ)を貫通するピン15を介して、2箇所でシリンダージャッキ11、11と連結されるようになっている。

0065

(5)牽引部材Tの部材軸方向には、ピン15が挿入される牽引孔16、16…が一定寸法間隔で設けられており、ピン15は、連結部材13または14と牽引部材Tとを貫通して、任意に出し入れ自在に嵌合されるようになっている。
(6)ピストンロッド12の伸縮は油圧式もしくは機械式に行われ、牽引部材Tが門型部分架構4を牽引する場合、次の何れかにて行なわれる。

0066

イ)ピストンロッド12、12が伸びる方向をスライド方向に合わせた場合、ピストンロッド12、12が縮まった状態で、スライド方向前方のピン15(第1ピンと称す)が連結部材14と牽引部材Tとを貫通して挿入され、かつスライド方向後方のピン15(第2ピンと称す)が抜去された状態(図8a)で、ピストンロッド12、12を牽引孔16の少なくとも1ピッチ分だけ伸ばして(図8bの矢印方向)、1回分のスライド移動を実行する(図8b)。移動完了と共に、ピストンロッド12、12の摺動は自動ロックされる。

0067

次に、第2ピンが連結部材13と牽引部材Tとを貫通して挿入され、かつ前記第1ピンが抜去されると共に、ロックが自動解除され、ピストンロッド12、12を縮めて(図8cの矢印方向)元の状態に戻し1回分の基本サイクルを終了する。(図8c)
ロ)ピストンロッド12、12が伸びる方向を、上記イ)の逆に用いた場合(図示せず)は、ピストンロッド12、12が伸びた状態で、スライド方向後方の第2ピンが連結部材14と牽引部材Tとを貫通して挿入され、かつスライド方向前方の第1ピンが抜去された状態で、ピストンロッド12、12を牽引孔16の少なくとも1ピッチ分だけ縮めて、1回分のスライド移動を実行する。移動完了と共に、ピストンロッド12、12の摺動は自動ロックされる。

0068

次に、第1ピンが連結部材13と牽引部材Tとを貫通して挿入され、かつ第2ピンが抜去されると共に、ロックが自動解除され、ピストンロッドを伸ばして元の状態に戻し1回分の基本サイクルを終了する。
(7)以後、牽引部材Tの牽引可能長さ限界に達するまで、同じサイクルを繰り返す。

0069

(8)牽引部材Tの牽引可能長さが限界に達したら、第1ピンおよび第2ピン共抜去した状態で、ジャッキ受材10、10の位置をスライド方向前方へ、牽引部材Tの牽引可能長さの範囲で移動して、シリンダージャッキ11、11と連結部材13、14を再セットする。
(9)以上の工程を必要なスライド移動距離に達するまで繰り返す。

0070

(10)スライド工事完了後、柱材7、7の下端部7a、7a(図7参照)を、アンカーボルトにて基礎に固定する。滑り支承部8は撤去してもよいが、そのためには門型部分架構4をジャッキアップする必要があるので、支障がなければ、スライドレール3と共に残置してもよい。

0071

第2実施例は以上の通り、牽引部材Tに設けられた一定間隔の牽引孔16、16…を利用して、第1ピンと第2ピンの挿入と抜去を交互に繰り返しながら、門型部分架構を4牽引するので、牽引装置6の盛り替え時を除き、第1ピンもしくは第2ピンのどちらかが連結部材13もしくは14と牽引部材Tとを貫通して挿入されていることになる。この時、ピストンロッドの摺動が自動ロックされるので、スライド作業中の門型部分架構4が工事中の地震力等によってスライドレール上を不用意に滑ることが防止される。

0072

牽引能力はジャッキのみで決定され、記述した従来のワイヤーロープ巻取り方式のように、牽引効率の低下がないので、牽引重量が重くかつスライド距離が長いスライド工事においても、効率よく牽引作業ができる。

0073

また、記述した従来のワイヤーロープ巻取り方式では、長尺のワイヤーロープと巻取りドラムおよび複数の動滑車で構成されており、それに比べて、本発明の牽引装置はコンパクトであり、扱い易い。

0074

本発明は、張間方向がラーメン構造で、桁行が長大である建物の建方工法としてスライド工法を採用した場合、スライド中の柱脚部に生じる外側に蹴り出そうとする水平力を大幅に低減でき、基礎工事費削減と安全性向上、更には施工効率向上に貢献できる。

0075

1:建物建設現場
2:構台
3:スライドレール
4、4A、4B、4C、4D、4E:門型部分架構
5:ジャッキ付支保工
6:牽引装置
7:柱材
7a:下端部
8:滑り支承部
10:ジャッキ受材
11:シリンダージャッキ
12:ピストンロッド
13、14:連結部材
15:ピン
16:牽引孔
C:柱部
F:基礎
H:外側に蹴りだそうとする力(-Hは反力を示す)
R:屋根部
r:屋根仕上げ
T:牽引部材
S:建方エリア
W:梁部の自重

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