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図面 (3)

課題

ベータ−ENaC関連疾患に関連する処置に有効な組成物の提供。

解決手段

センス鎖およびアンチセンス鎖を含むRNAi剤を含む組成物であって、ベータ−ENaCに対して特異的なRNAi剤のアンチセンス鎖と0、1、2または3個のヌクレオチドにより異なっている少なくとも15個の連続したヌクレオチドを含む、組成物。ベータ−ENaC−関連疾患としては、嚢胞性線維症偽性アルドステロン症1型PHA1)、リドル症候群高血圧アルカローシス低カリウム血漿および肥満関連高血圧など。

概要

背景

発明の背景
環境および身体間の粘膜表面は、多数の防御機構を有する。防御の1つの形態は、液体での表面の洗浄である。液体の量は、上皮性液体分泌(しばしば、水および対カチオンイオンに加えてアニオン分泌を反映する)および液体吸収(しばしば、水および対アニオンに加えてNa+吸収を反映する)間のバランスを反映する。粘膜表面の多数の疾患は、分泌不足)および吸収(過剰)間のアンバランスにより引き起こされる液体不足により引き起こされる。液体層のバランスをとる1つの方法は、Na+チャネル介在液体吸収を減少させることである。

電位非依存性アミロリド感受性ナトリウムチャネルは、多数の臓器において上皮を介する流体および電解輸送コントロールする。多数の密着上皮の頂端膜は、利尿遮断剤アミロリドに対する高親和性により主に特徴付けられるナトリウムチャネルを含む。これらのチャネルは、身体の塩および水ホメオスタシスの維持のために重要な活性ナトリウム再吸収の第1の工程を介在する。脊椎動物において、チャネルは、腎臓大腸および汗腺におけるナトリウムの再吸収をコントロールし;それらはまた、味覚認識において役割を果たす。

Na+および液体吸収の律速段階は、上皮性ナトリウム(Na+)チャネル(ENaC)が介在する。これらのナトリウムチャネルは、3つのサブユニットアルファ−ENaC、ベータ−ENaCおよびガンマ−ENaCからなる異種複合体である。

ベータ−ENaC(SCNN1Bとしても知られている)は、該ナトリウムチャネルのベータサブユニットをコードし、この遺伝子の変異および/または改変された発現は、嚢胞性線維症偽性アルドステロン症1型PHA1)、リドル症候群高血圧アルカローシス低カリウム血漿および肥満関連高血圧を含むいくつかの疾患と関連している(および/または疾患の処置と関連している)。

ベータ−ENaC関連疾患に関連する処置に関する必要性が存在する。

概要

ベータ−ENaC関連疾患に関連する処置に有効な組成物の提供。センス鎖およびアンチセンス鎖を含むRNAi剤を含む組成物であって、ベータ−ENaCに対して特異的なRNAi剤のアンチセンス鎖と0、1、2または3個のヌクレオチドにより異なっている少なくとも15個の連続したヌクレオチドを含む、組成物。ベータ−ENaC−関連疾患としては、嚢胞性線維症、偽性低アルドステロン症1型(PHA1)、リドル症候群、高血圧、アルカローシス、低カリウム血漿および肥満関連高血圧など。なし

目的

本願発明は、対象、例えば、哺乳動物、例えば、ヒトにおけるベータ−ENaCレベルの減少において有用である特定のRNAi剤および方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

センス鎖およびアンチセンス鎖を含むRNAi剤を含む組成物であって、該アンチセンス鎖は、表1において提供されるベータ−ENaCに対して特異的なRNAi剤のアンチセンス鎖と0、1、2または3個のヌクレオチドにより異なっている少なくとも15個の連続したヌクレオチドを含む、組成物。

請求項2

ベータ−ENaCに対する第2のRNAi剤をさらに含む、請求項1に記載の組成物。

請求項3

RNAi剤が、少なくとも1つの修飾骨格および/または少なくとも1つの2’−修飾ヌクレオチドを含む、請求項1に記載の組成物。

請求項4

請求項5

第1の鎖および第2の鎖を含むRNAi剤を含む組成物であって、該第1の鎖および第2の鎖は、表1において提供されるベータ−ENaCに対して特異的なRNAi剤の第1および第2の鎖のそれぞれと0、1、2または3個のヌクレオチドにより異なっている少なくとも15個の連続したヌクレオチドを含む、組成物。

請求項6

ベータ−ENaCに対する第2のRNAi剤を含む、請求項1に記載の組成物。

請求項7

RNAi剤がホスホロチオエートおよび/または2’−修飾ヌクレオチドを含む、請求項1に記載の組成物。

請求項8

RNAi剤が、1つ以上の薬剤に結合しており、該薬剤が、診断化合物、レポーター基、架橋剤、ヌクレアーゼ耐性付与部分、天然もしくは異常核酸塩基、親油性分子、コレステロール、脂質、レクチン、ステロイド、ウバオール、ヘコゲニン、ジオスゲニン、テルペン、トリテルペン、サルササポゲニン、フリーデリン、エピフリーデラノール誘導体化リトコール酸、ビタミン、炭水化物、デキストラン、プルラン、キチン、キトサン、合成炭水化物、オリゴラクテート15−mer、天然ポリマー、低もしくは中間分子量ポリマー、イヌリン、シクロデキストリン、ヒアルロン酸、タンパク質、タンパク質−結合剤、インテグリン標的分子、ポリカチオン、ペプチド、ポリアミン、ペプチド模倣物および/またはトランスフェリンから選択される、請求項1に記載の組成物。

請求項9

センス鎖およびアンチセンス鎖を含む治療有効量のRNAi剤を含む組成物を個体に投与する工程を含む該個体におけるベータ−ENaC−関連疾患を処置する方法であって、アンチセンス鎖は、表1において提供されるベータ−ENaCに対して特異的なRNAi剤のアンチセンス鎖と0、1、2または3個のヌクレオチドにより異なっている少なくとも15個の連続したヌクレオチドを含む、方法。

請求項10

ベータ−ENaC−関連疾患が、嚢胞性線維症偽性アルドステロン症1型PHA1)、リドル症候群高血圧アルカローシス低カリウム血漿および/または肥満関連高血圧である、請求項9に記載の方法。

請求項11

嚢胞性線維症、偽性低アルドステロン症1型(PHA1)、リドル症候群、高血圧、アルカローシス、低カリウム血漿および/または肥満関連高血圧に対するさらなる処置を施す工程をさらに含む、請求項9に記載の方法。

請求項12

ベータ−ENaCに対するさらなるRNAi剤を投与する工程をさらに含む、請求項11に記載の方法。

請求項13

センス鎖およびアンチセンス鎖を含む治療有効量のRNAi剤を含む組成物を個体に投与する工程を含む該個体におけるベータ−ENaC遺伝子発現阻害する方法であって、該アンチセンス鎖は、表1において提供されるベータ−ENaCに対して特異的なRNAi剤のアンチセンス鎖と0、1、2または3個のヌクレオチドにより異なっている少なくとも15個の連続したヌクレオチドを含む、方法。

請求項14

ベータ−ENaC−関連疾患が、嚢胞性線維症、偽性低アルドステロン症1型(PHA1)、リドル症候群、高血圧、アルカローシス、低カリウム血漿および/または肥満関連高血圧である、請求項13に記載の方法。

請求項15

センス鎖およびアンチセンス鎖を含むRNAi剤を含むRNAi製剤における使用のための医薬であって、該アンチセンス鎖は、表1において提供されるベータ−ENaCに対して特異的なRNAi剤のアンチセンス鎖と0、1、2または3個のヌクレオチドにより異なっている少なくとも15個の連続したヌクレオチドを含む、医薬。

請求項16

薬学的に有効な製剤中の前記いずれかの組成物。

請求項17

個体におけるベータ−ENaC−関連疾患を処置する方法における使用のための請求項1に記載の組成物であって、該方法は、治療有効量の請求項1に記載の組成物を該個体に投与する工程を含む、組成物。

請求項18

ベータ−ENaC−関連疾患の処置のための医薬の製造における請求項1に記載の組成物の使用。

請求項19

全てのピリミジンが、2’O−メチル−修飾ヌクレオチドである、請求項1に記載の組成物。

請求項20

全てのピリミジンが、2’O−メチル−修飾ヌクレオチドである、請求項5に記載の組成物。

技術分野

0001

本出願は、35U.S.C.§119(a)−(d)の下に、2010年4月23日付け米国仮出願61/327,379、and 2010年5月11日付け米国仮出願61/333,398(上記出願の内容を、出典明示によりその全体を包含させる)の優先権の利益を主張する。

背景技術

0002

発明の背景
環境および身体間の粘膜表面は、多数の防御機構を有する。防御の1つの形態は、液体での表面の洗浄である。液体の量は、上皮性液体分泌(しばしば、水および対カチオンイオンに加えてアニオン分泌を反映する)および液体吸収(しばしば、水および対アニオンに加えてNa+吸収を反映する)間のバランスを反映する。粘膜表面の多数の疾患は、分泌不足)および吸収(過剰)間のアンバランスにより引き起こされる液体不足により引き起こされる。液体層のバランスをとる1つの方法は、Na+チャネル介在液体吸収を減少させることである。

0003

電位非依存性アミロリド感受性ナトリウムチャネルは、多数の臓器において上皮を介する流体および電解輸送コントロールする。多数の密着上皮の頂端膜は、利尿遮断剤アミロリドに対する高親和性により主に特徴付けられるナトリウムチャネルを含む。これらのチャネルは、身体の塩および水ホメオスタシスの維持のために重要な活性ナトリウム再吸収の第1の工程を介在する。脊椎動物において、チャネルは、腎臓大腸および汗腺におけるナトリウムの再吸収をコントロールし;それらはまた、味覚認識において役割を果たす。

0004

Na+および液体吸収の律速段階は、上皮性ナトリウム(Na+)チャネル(ENaC)が介在する。これらのナトリウムチャネルは、3つのサブユニットアルファ−ENaC、ベータ−ENaCおよびガンマ−ENaCからなる異種複合体である。

0005

ベータ−ENaC(SCNN1Bとしても知られている)は、該ナトリウムチャネルのベータサブユニットをコードし、この遺伝子の変異および/または改変された発現は、嚢胞性線維症偽性アルドステロン症1型PHA1)、リドル症候群高血圧アルカローシス低カリウム血漿および肥満関連高血圧を含むいくつかの疾患と関連している(および/または疾患の処置と関連している)。

0006

ベータ−ENaC関連疾患に関連する処置に関する必要性が存在する。

0007

発明の簡単な概要
本願発明は、ベータ−ENaC−関連疾患、例えば、嚢胞性線維症、偽性低アルドステロン症1型(PHA1)、リドル症候群、高血圧、アルカローシス、低カリウム血漿および肥満関連高血圧の処置において有用であるベータ−ENaCに対するRNAi剤を含む。本願発明はまた、少なくとも部分的にアルファ−ENaC発現が介在する病理学的状態を有するヒト対象を処置する方法であって、治療有効量のRNAi剤をベータ−ENaCを対象に投与する工程を含む方法を含む。

0008

本願発明は、対象、例えば、哺乳動物、例えば、ヒトにおけるベータ−ENaCレベルの減少において有用である特定のRNAi剤および方法を提供する。本願発明は、具体的には、ベータ−ENaCの少なくとも15個またはそれ以上の連続したヌクレオチドを含む二本鎖RNAi剤を提供する。特に、本願発明は、例えば、表1において提供されるRNAi剤のヌクレオチドと0、1、2または3個異なっている15個またはそれ以上の連続したヌクレオチドの配列を含む薬剤を提供する。特に、RNAi剤は、1つの態様において、1鎖あたり30個未満のヌクレオチド、例えば、18−23個のヌクレオチド、および/または19−21個のヌクレオチド、および/または、例えば、表1において提供されるものを含むことができる。

0009

二本鎖RNAi剤は、3’および/または5’末端の一方または両方からの1、2、3または4個のヌクレオチド(すなわち、1−4nt)の平滑末端またはオーバーハングを有することができる。二本鎖RNAi剤はまた、所望により、1または2つの3’キャップおよび/または1つ以上の修飾ヌクレオチドを含むことができる。本明細書において提供される配列の修飾変異体は、対応する修飾ヌクレオチドの天然ヌクレオチドでの置換を含むが、他の点では同一であるものを含む。

0010

さらに、RNAi剤は、天然リボヌクレオチドサブユニットのみ、または、リボヌクレオチドサブユニットまたはデオキシリボヌクレオチドサブユニットのいずれかを含む1つ以上の置換ヌクレオチドサブユニットの糖、リン酸または塩基に対する1つ以上の修飾のいずれかを含むことができる。1つの態様において、記載されているRNAi剤の修飾変異体は、1つ以上のヌクレオチドサブユニットの1つ以上の糖、リン酸または塩基に対する1つ以上の修飾を有するが、同じ配列を有するRNAi剤を含む。1つの態様において、修飾は、RNAi剤の有効性、安定性を改善し、そして/または免疫原性を減少させる。本願発明の1つの局面は、少なくとも1つの非天然核酸塩基を含む二本鎖オリゴヌクレオチドに関する。1つの態様において、非天然核酸塩基は、ジフルオロトリルニトロインドリル、ニトロピロリルまたはニトロイミダゾリルである。特定の態様において、非天然核酸塩基はジフルオロトリルである。1つの態様において、2つのオリゴヌクレオチド鎖の1つのみが非天然核酸塩基を含む。1つの態様において、オリゴヌクレオチド鎖の両方が非天然核酸塩基を含む。

0011

RNAi剤は、所望により、薬剤の1つ以上の特性、例えば、安定性、分配および/または細胞摂取を改善するように選択されたリガンド、例えば、それらのコレステロールまたは誘導体に結合され得る。RNAi剤は、本明細書に記載されている方法のために使用される医薬組成物から単離されるか、または該組成物の一部であり得る。特に、医薬組成物は、肺またはの通過に対する送達用に製剤化、または非経口投与用に製剤化され得る。医薬組成物は、所望により、2つ以上のRNAi剤を含むことができ、それぞれがベータ−ENaCのmRNAの同じ、または異なるセグメント指向する。所望により、医薬組成物は、さらに、何らかのベータ−ENaC−関連疾患に対して何らかの既知の処置を含んでもよく、または該処置と共に使用されてもよい。

0012

本願発明は、特に、ENaCの過剰発現または過剰活性により特徴付けられる疾患の場合、細胞におけるベータ−ENaCのmRNAのレベルを減少させるための方法をさらに提供する。本願発明はまた、ベータ−ENaC発現が少なくとも部分的に介在する病理学的状態を有するヒト対象を処置する方法であって、治療有効量のRNAi剤ベータ−ENaCを対象に投与する工程を含む方法を含む。このような方法は、以下にさらに記載されている本願発明のRNAi剤の1つを対象に投与する工程を含む。該方法は、細胞中の標的RNAを選択的に破壊するRNA干渉関与する細胞メカニズムを利用し、細胞を本願発明のRNAi剤の1つと接触する工程を含む。このような方法は、細胞において直接的に行うことができるか、または、本願発明のRNAi剤/医薬組成物の1つを対象に投与することにより哺乳動物対象において行うことができる。細胞における標的ベータ−ENaC RNAの減少は、生産されるコードされたベータ−ENaCのタンパク質の量の減少をもたらす。生物体において、これは、上皮性電位差の減少、流体吸収の平衡化および粘液線毛クリアランスの増加をもたらすことができる。

0013

本願発明の方法および組成物、例えば、方法およびベータ−ENaCRNAi剤組成物は、本明細書に記載されている任意の用量および/または製剤、ならびに本明細書に記載されている任意の投与経路にて使用することができる。

0014

本願発明の1つ以上の態様の詳細は、図面および明細書に記載されている。本願発明の他の特徴、目的および利点は、明細書、図面および特許請求の範囲から明らかである。

図面の簡単な説明

0015

図1A−1Bは、インビボでのベータ−ENaC活性をノックダウンするRNAi剤AD20807、AD20826、AD20832、AS20834、AD20848およびAD20861の能力を示す。

0016

図2A−2Cは、ヒト気管支上皮細胞におけるENaCチャネル機能活性に対するベータ−ENaCRNAi剤AD20832のインビトロ効果を示す。
図2A−2Cは、ヒト気管支上皮細胞におけるENaCチャネル機能活性に対するベータ−ENaC RNAi剤AD20832のインビトロ効果を示す。

0017

発明の詳細な説明
本願発明は、ベータ−ENaC−関連疾患(例えば、ベータ−ENaCにおける変異と関連する疾患、および/もしくはベータ−ENaCの発現、レベルおよび/または活性を変化させる疾患、ならびに/またはベータ−ENaCの発現、レベルおよび/または活性を調節することにより処置できる疾患)、例えば、嚢胞性線維症、偽性低アルドステロン症1型(PHA1)、リドル症候群、高血圧、アルカローシス、低カリウム血漿および肥満関連高血圧の処置において有用であるベータ−ENaCに対するRNAi剤を含む。本願発明はまた、少なくとも部分的にベータ−ENaC発現が介在する病理学的状態を有するヒト対象を処置する方法であって、治療有効量のRNAi剤 ベータ−ENaCを対象に投与する工程を含む方法を提供する。

0018

本願発明の種々の態様は、以下のものを含む。

0019

本明細書に記載されているアンチセンス鎖を含むRNAi剤

0020

1つの態様において、本願発明は、センス鎖およびアンチセンス鎖を含むRNAi剤を含む組成物であって、該アンチセンス鎖は、例えば、表1において提供されるベータ−ENaCに対して特異的なRNAi剤(またはベータ−ENaCに対して特異的な重複RNAi剤の任意のセット)のアンチセンス鎖と0、1、2または3個のヌクレオチドにより異なっている少なくとも15個の連続したヌクレオチドを含む、組成物に関する。別の態様において、本願発明は、センスおよびアンチセンス鎖を含むRNAi剤を含む組成物であって、該アンチセンス鎖は、本明細書において提供される任意の配列からのRNAi剤のアンチセンス鎖と0、1、2または3個のヌクレオチドにより異なっている少なくとも15個の連続したヌクレオチドを含む、組成物に関する。別の態様において、本願発明は、第1の鎖および第2の鎖を含むRNAi剤を含む組成物であって、該第1の鎖は、第1の鎖の配列と0、1、2または3個のヌクレオチドにより異なっている少なくとも15個の連続したヌクレオチドを含み、該第2の鎖は、本明細書において提供されるいずれかのRNAi剤からの第2の鎖の配列と0、1、2または3個のヌクレオチドにより異なっている少なくとも15個の連続したヌクレオチドを含む組成物に関する。

0021

特定の二本鎖は、以下のものを包含し、それぞれの二本鎖は配列番号のセットを含み、第1の配列番号は第1の鎖(例えば、センス鎖)に対応し、そして第2の配列番号は第2の鎖(例えば、アンチセンス鎖)に対応する。AD−20805(配列番号111および112);AD−20806(配列番号113および114);AD−20807(配列番号115および116);AD−20808(配列番号117および118);AD−20809(配列番号119および120);AD−20810(配列番号121および122);AD−20811(配列番号123および124);AD−20812(配列番号125および126);AD−20813(配列番号127および128);AD−20814(配列番号129および130);AD−20815(配列番号131および132);AD−20816(配列番号133および134);AD−20817(配列番号135および136);AD−20818(配列番号137および138);AD−20819(配列番号139および140);AD−20820(配列番号141および142);AD−20821(配列番号143および144);AD−20822(配列番号145および146);AD−20823(配列番号147および148);AD−20824(配列番号149および150);AD−20825(配列番号151および152);AD−20826(配列番号153および154);AD−20827(配列番号155および156);AD−20828(配列番号157および158);AD−20829(配列番号159および160);AD−20830(配列番号161および162);AD−20831(配列番号163および164);AD−20832(配列番号165および166);AD−20833(配列番号167および168);AD−20834(配列番号169および170);AD−20835(配列番号171および172);AD−20836(配列番号173および174);AD−20837(配列番号175および176);AD−20838(配列番号177および178);AD−20839(配列番号179および180);AD−20840(配列番号181および182);AD−20841(配列番号183および184);AD−20842(配列番号185および186);AD−20843(配列番号187および188);AD−20844(配列番号189および190);AD−20845(配列番号191および192);AD−20846(配列番号193および194);AD−20847(配列番号195および196);AD−20848(配列番号197および198);AD−20849(配列番号199および200);AD−20850(配列番号201および202);AD−20851(配列番号203および204);AD−20852(配列番号205および206);AD−20861(配列番号207および208);AD−20862(配列番号209および210);AD−20863(配列番号211および212);AD−20864(配列番号213および214);AD−20865(配列番号215および216);AD−20866(配列番号217および218);ならびにAD−20867(配列番号219および220)およびそれらの修飾変異体。

0022

1つの態様は、以下のものからなる群から選択される特定の二本鎖の修飾変異体(ここに、それぞれの二本鎖は配列番号のセットを含み、第1の配列番号は第1の鎖(例えば、センス鎖)に対応し、そして第2の配列番号は第2の鎖(例えば、アンチセンス鎖)に対応する)を提供する。AD−20805(配列番号1および2);AD−20806(配列番号3および4);AD−20807(配列番号5および6);AD−20808(配列番号7および8);AD−20809(配列番号9および10);AD−20810(配列番号11および12);AD−20811(配列番号13および14);AD−20812(配列番号15および16);AD−20813(配列番号17および18);AD−20814(配列番号19および20);AD−20815(配列番号21および22);AD−20816(配列番号23および24);AD−20817(配列番号25および26);AD−20818(配列番号27および28);AD−20819(配列番号29および30);AD−20820(配列番号31および32);AD−20821(配列番号33および34);AD−20822(配列番号35および36);AD−20823(配列番号37および38);AD−20824(配列番号39および40);AD−20825(配列番号41および42);AD−20826(配列番号43および44);AD−20827(配列番号45および46);AD−20828(配列番号47および48);AD−20829(配列番号49および50);AD−20830(配列番号51および52);AD−20831(配列番号53および54);AD−20832(配列番号55および56);AD−20833(配列番号57および58);AD−20834(配列番号59および60);AD−20835(配列番号61および62);AD−20836(配列番号63および64);AD−20837(配列番号65および66);AD−20838(配列番号67および68);AD−20839(配列番号69および70);AD−20840(配列番号71および72);AD−20841(配列番号73および74);AD−20842(配列番号75および76);AD−20843(配列番号77および78);AD−20844(配列番号79および80);AD−20845(配列番号81および82);AD−20846(配列番号83および84);AD−20847(配列番号85および86);AD−20848(配列番号87および88);AD−20849(配列番号89および90);AD−20850(配列番号91および92);AD−20851(配列番号93および94);AD−20852(配列番号95および96);AD−20861(配列番号97および98);AD−20862(配列番号99および100);AD−20863(配列番号101および102);AD−20864(配列番号103および104);AD−20865(配列番号105および106);AD−20866(配列番号107および108);ならびにAD−20867(配列番号109および110)。

0023

特定の組成物

0024

1つの態様において、本願発明は、アンチセンス鎖を含むRNAi剤を含む組成物であって、該アンチセンス鎖は、本明細書の表(例えば、表1)において提供される任意の配列(または配列の重複セット)から選択されるベータ−ENaCに対するRNAi剤のアンチセンス鎖と0、1、2または3個のヌクレオチドにより異なっている少なくとも15個の連続したヌクレオチドを含む、組成物に関する。1つの態様において、本願発明は、センス鎖およびアンチセンス鎖を含むRNAi剤を含む組成物であって、該アンチセンス鎖は、本明細書の表(例えば、表1)において提供される任意の配列(または配列の重複セット)から選択されるベータ−ENaCに対するRNAi剤のアンチセンス鎖と0、1、2または3個のヌクレオチドにより異なっている少なくとも15個の連続したヌクレオチドを含む、組成物に関する。別の態様において、本願発明は、センスおよびアンチセンス鎖を含むRNAi剤を含む組成物であって、該アンチセンス鎖は、本明細書において提供される任意の配列からのRNAi剤のアンチセンス鎖と0、1、2または3個のヌクレオチドにより異なっている少なくとも15個の連続したヌクレオチドを含む、組成物に関する。別の態様において、本願発明は、第1の鎖および第2の鎖を含むRNAi剤を含む組成物であって、該第1の鎖は、第1の鎖の配列と0、1、2または3個のヌクレオチドにより異なっている少なくとも15個の連続したヌクレオチドを含み、そして該第2の鎖は、本明細書において提供されるいずれかのRNAi剤の第2の鎖の配列と0、1、2または3個のヌクレオチドにより異なっている少なくとも15個の連続したヌクレオチドを含む、組成物に関する。特定の二本鎖は、上記提供されている特定の二本鎖、および表1の任意の1つ以上において記載されている特定の二本鎖を含む。上記それぞれの組成物のさらなる修飾配列(例えば、1つ以上の修飾塩基含む配列)もまた、本願発明の一部として考慮される。

0025

以下の表A1は、ベータ−ENaCに対する種々のRNAi剤のセンスおよびアンチセンス鎖の非修飾および例示的修飾配列に対する配列番号を提供する。それぞれの塩基組成は、表1により詳細に提供されている配列番号により示される特定の配列であり、その一部は表2において提供される。
表A1.ベータ−ENaCに対するRNAi剤の第1および第2の鎖(例えば、センス(「SS」)およびアンチセンス(「AS」)鎖)の配列番号

0026

例えば、表A1において、RNAi剤AD−20805の典型的な修飾配列は、配列番号:1(センス鎖)および配列番号:2(アンチセンス鎖)により示される。AD−20805の非修飾配列は、配列番号:111(センス鎖)および配列番号:112(アンチセンス鎖)により示される。したがって、表A1は、ベータ−ENaCに対する種々のRNAi剤のそれぞれに対する非修飾配列および少なくとも1つの典型的な修飾配列の第1および第2の鎖の配列番号識別コードを示す。

0027

本明細書に記載されているアンチセンス鎖を含むRNAi剤

0028

1つの特定の態様において、本願発明は、アンチセンス鎖を含むRNAi剤を含む組成物であって、該アンチセンス鎖は、本明細書において提供される、および例えば、表1に記載されている特定の二本鎖におけるアンチセンス鎖から選択されるベータ−ENaCに対するRNAi剤のアンチセンス鎖と0、1、2または3個のヌクレオチドにより異なっている少なくとも15個の連続したヌクレオチドを含む、組成物に関する。

0029

本態様の種々の特定の態様は、以下に記載されている。

0030

1つの態様において、組成物は、ベータ−ENaCに対する第2のRNAi剤をさらに含む。種々の態様において、第2のRNAi剤は、第1のRNAi剤から物理学的に分離されるか、または2つは、物理学的に連結される(例えば、共有結合されるか、または、他の方法で結合される)。

0031

1つの態様において、アンチセンス鎖は、約30以下のヌクレオチドの長さである。

0032

1つの態様において、センス鎖およびアンチセンス鎖は、約15から約30ヌクレオチド対の長さの二本鎖領域を形成する。

0033

1つの態様において、アンチセンス鎖は、約15から約36ntの長さ、例えば、約18から約30ntの長さ、さらに、例えば、約19から約23ntの長さである。1つの態様において、アンチセンス鎖は、約15nt、約16nt、約17nt、約18nt、約19nt、約20nt、約21nt、約22nt、約23nt、約24nt、約25nt、約26nt、約27nt、約28nt、約29ntおよび約30ntから選択される長さを少なくとも有する。

0034

1つの態様において、RNAi剤は、生物学的サンプルまたは環境、例えば、血清または腸洗浄液における安定性を増加させる修飾を含む。

0035

1つの態様において、RNAi剤は、少なくとも1つの糖骨格修飾(例えば、ホスホロチオエート結合)および/または少なくとも1つの2’−修飾ヌクレオチドを含む。1つの態様において、全てのピリミジンは、2’ O−メチル−修飾ヌクレオチドである。

0036

1つの態様において、RNAi剤は、ウリジンが2’−修飾ヌクレオチドである少なくとも1つの5’−ウリジン−アデニン−3’(5’−ua−3’)ジヌクレオチド;および/または5’−ウリジンが2’−修飾ヌクレオチドである少なくとも1つの5’−ウリジン−グアニン−3’(5’−ug−3’)ジヌクレオチド;および/または5’−シチジンが2’−修飾ヌクレオチドである少なくとも1つの5’−シチジン−アデニン−3’(5’−ca−3’)ジヌクレオチド;および/または5’−ウリジンが2’−修飾ヌクレオチドである少なくとも1つの5’−ウリジン−ウリジン−3’(5’−uu−3’)ジヌクレオチドを含む。

0037

1つの態様において、RNAi剤は、2’−デオキシ、2’−デオキシ−2’−フルオロ、2’−O−メチル、2’−O−メトキシエチル(2’−O−MOE)、2’−O−アミノプロピル(2’−O−AP)、2’−O−ジメチルアミノエチル(2’−O−DMAOE)、2’−O−ジメチルアミノプロピル(2’−O−DMAP)、2’−O−ジメチルアミノエチルオキシエチル(2’−O−DMAEOE)、および2’−O−N−メチルアセトアミド(2’−O−NMA)からなる群から選択される2’−修飾を含む。1つの態様において、全てのピリミジンは、2’ O−メチル−修飾ヌクレオチドである。

0038

1つの態様において、RNAi剤は、平滑末端を含む。

0039

1つの態様において、RNAi剤は、1から4個の不対ヌクレオチドを有するオーバーハングを含む。

0040

1つの態様において、RNAi剤は、RNAi剤のアンチセンス鎖の3’−末端でオーバーハングを含む。

0041

1つの態様において、RNAi剤は、1つ以上の診断化合物レポーター基架橋剤、ヌクレアーゼ耐性付与部分、天然もしくは異常核酸塩基、親油性分子、コレステロール、脂質、レクチンステロイド、ウバオール(uvaol)、ヘコゲニン、ジオスゲニンテルペントリテルペンサルササポゲニンフリーリン(Friedelin)、エピフリーデラノル誘導体リトコール酸ビタミン炭水化物デキストランプルランキチンキトサン、合成炭水化物、オリゴラクテート(oligo lactate)15−mer、天然ポリマー、低もしくは中間分子量ポリマーイヌリンシクロデキストリンヒアルロン酸、タンパク質、タンパク質−結合剤インテグリン標的分子ポリカチオンペプチドポリアミンペプチド模倣物および/またはトランスフェリンに結合している。

0042

1つの態様において、RNAi剤は、インビトロでH441細胞において10nMの濃度でベータ−ENaC遺伝子の発現を少なくとも約60%阻害することができる。

0043

1つの態様において、RNAi剤は、インビトロでH441細胞において10nMの濃度でベータ−ENaC遺伝子の発現を少なくとも約70%阻害することができる。

0044

1つの態様において、RNAi剤は、インビトロでH441細胞において10nMの濃度でベータ−ENaC遺伝子の発現を少なくとも約80%阻害することができる。

0045

1つの態様において、RNAi剤は、インビトロでH441細胞において10nMの濃度でベータ−ENaC遺伝子の発現を少なくとも約90%阻害することができる。

0046

1つの態様において、RNAiは、約0.1nM以下のEC50を有する。

0047

1つの態様において、RNAiは、約0.01nM以下のEC50を有する。

0048

1つの態様において、RNAiは、約0.001nM以下のEC50を有する。

0049

本明細書に記載されている第1および第2の鎖を含むRNAi剤

0050

1つの特定の態様において、本願発明は、第1の鎖および第2の鎖を含むRNAi剤を含む組成物であって、該第1の鎖および第2の鎖は、本明細書において提供される、および例えば表1に記載されている特定の二本鎖から選択されるベータ−ENaCに対するRNAi剤の第1および第2の鎖のそれぞれと0、1、2または3個のヌクレオチドによりそれぞれ異なっている少なくとも15個の連続したヌクレオチドを含む、組成物に関する。

0051

この態様の種々の特定の態様は、以下に記載されている。

0052

1つの態様において、組成物は、ベータ−ENaCに対する第2のRNAi剤をさらに含む。種々の態様において、第2のRNAi剤は、第1のRNAi剤から物理学的に分離されるか、または2つは、物理学的に連結される(例えば、共有結合されるか、または、他の方法で結合される)。

0053

1つの態様において、アンチセンス鎖は、約30以下のntの長さである。

0054

1つの態様において、センス鎖およびアンチセンス鎖は、約15から約30nt対の長さの二本鎖領域を形成する。

0055

1つの態様において、アンチセンス鎖は、約15から約36ntの長さ、例えば、約18から約23ntの長さ、例えば、約19から約23ntの長さである。1つの態様において、アンチセンス鎖は、約15nt、約16nt、約17nt、約18nt、約19nt、約20nt、約21nt、約22nt、約23nt、約24nt、約25nt、約26nt、約27nt、約28nt、約29ntおよび約30ntから選択される長さを少なくとも有する。

0056

1つの態様において、RNAi剤は、生物学的サンプルまたは環境、例えば、血清または腸洗浄液における安定性を増加させる修飾を含む。

0057

1つの態様において、RNAi剤は、少なくとも1つの糖骨格修飾(例えば、ホスホロチオエート結合)および/または少なくとも1つの2’−修飾ヌクレオチドを含む。1つの態様において、全てのピリミジンは、2’ O−メチル−修飾ヌクレオチドである。

0058

1つの態様において、RNAi剤は、ウリジンが2’−修飾ヌクレオチドである少なくとも1つの5’−ウリジン−アデニン−3’(5’−ua−3’)ジヌクレオチド;および/または5’−ウリジンが2’−修飾ヌクレオチドである少なくとも1つの5’−ウリジン−グアニン−3’(5’−ug−3’)ジヌクレオチド;および/または5’−シチジンが2’−修飾ヌクレオチドである少なくとも1つの5’−シチジン−アデニン−3’(5’−ca−3’)ジヌクレオチド;および/または5’−ウリジンが2’−修飾ヌクレオチドである少なくとも1つの5’−ウリジン−ウリジン−3’(5’−uu−3’)ジヌクレオチドを含む。

0059

1つの態様において、RNAi剤は、2’−デオキシ、2’−デオキシ−2’−フルオロ、2’−O−メチル、2’−O−メトキシエチル(2’−O−MOE)、2’−O−アミノプロピル(2’−O−AP)、2’−O−ジメチルアミノエチル(2’−O−DMAOE)、2’−O−ジメチルアミノプロピル(2’−O−DMAP)、2’−O−ジメチルアミノエチルオキシエチル(2’−O−DMAEOE)、および2’−O−N−メチルアセトアミド(2’−O−NMA)からなる群から選択される2’−修飾を含む。

0060

1つの態様において、RNAi剤は、平滑末端を含む。

0061

1つの態様において、RNAi剤は、1から4個の不対ヌクレオチドを有するオーバーハングを含む。

0062

1つの態様において、RNAi剤は、RNAi剤のアンチセンス鎖の3’−末端でオーバーハングを含む。

0063

1つの態様において、RNAi剤は、1つ以上の診断化合物、レポーター基、架橋剤、ヌクレアーゼ耐性付与部分、天然もしくは異常核酸塩基、親油性分子、コレステロール、脂質、レクチン、ステロイド、ウバオール、ヘコゲニン、ジオスゲニン、テルペン、トリテルペン、サルササポゲニン、フリーデリン、エピフリーデラノール誘導体化リトコール酸、ビタミン、炭水化物、デキストラン、プルラン、キチン、キトサン、合成炭水化物、オリゴラクテート15−mer、天然ポリマー、低もしくは中間分子量ポリマー、イヌリン、シクロデキストリン、ヒアルロン酸、タンパク質、タンパク質−結合剤、インテグリン標的分子、ポリカチオン、ペプチド、ポリアミン、ペプチド模倣物および/またはトランスフェリンに結合している。

0064

1つの態様において、RNAi剤は、インビトロでH441細胞において10nMの濃度でベータ−ENaC遺伝子の発現を少なくとも約60%阻害することができる。

0065

1つの態様において、RNAi剤は、インビトロでH441細胞において10nMの濃度でベータ−ENaC遺伝子の発現を少なくとも約70%阻害することができる。

0066

1つの態様において、RNAi剤は、インビトロでH441細胞において10nMの濃度でベータ−ENaC遺伝子の発現を少なくとも約80%阻害することができる。

0067

1つの態様において、RNAi剤は、インビトロでH441細胞において10nMの濃度でベータ−ENaC遺伝子の発現を少なくとも約90%阻害することができる。

0068

1つの態様において、RNAiは、約0.1nM以下のEC50を有する。

0069

1つの態様において、RNAiは、約0.01nM以下のEC50を有する。

0070

1つの態様において、RNAiは、約0.001nM以下のEC50を有する。

0071

本明細書に記載されているRNAi剤を使用する処置方法

0072

1つの特定の態様において、本願発明は、少なくとも1つのアンチセンス鎖を含むRNAi剤を含む治療有効量の組成物を個体に投与する工程を含む該個体におけるベータ−ENaC−関連疾患を処置する方法であって、該アンチセンス鎖は、本明細書において提供される、例えば表1に記載されているような、特定の二本鎖から選択されるベータ−ENaCに対するRNAi剤のアンチセンス鎖と0、1、2または3個のヌクレオチドにより異なっている少なくとも15個の連続したヌクレオチドを含む、方法に関する。別の態様において、本願発明は、該組成物がセンス鎖をさらに含むRNAi剤を含むこのような方法であって、該センス鎖は。本明細書において提供される、例えば表1に記載されているような、特定の二本鎖から選択されるベータ−ENaCに対するRNAi剤のセンス鎖と0、1、2または3個のヌクレオチドにより異なっている少なくとも15個の連続したヌクレオチドを含む、方法に関する。

0073

この態様の種々の特定の態様は、以下に記載されている。

0074

1つの態様において、ベータ−ENaC−関連疾患は、嚢胞性線維症、偽性低アルドステロン症1型(PHA1)、リドル症候群、高血圧、アルカローシス、低カリウム血漿および/または肥満関連高血圧である。

0075

1つの態様において、ベータ−ENaC−関連疾患は、嚢胞性線維症である。

0076

1つの態様において、方法は、さらなる癌処置を施す工程をさらに含む。1つの態様において、さらなる処置は、治療有効量の組成物である。

0077

1つの態様において、さらなる処置は、方法(または処理)である。

0078

1つの態様において、さらなる処置およびRNAi剤は、任意の順において施すことができ、または同時に施すことができる

0079

1つの態様において、方法は、嚢胞性線維症、偽性低アルドステロン症1型(PHA1)、リドル症候群、高血圧、アルカローシス、低カリウム血漿および/または肥満関連高血圧に対するさらなる処置を施す工程をさらに含む。

0080

1つの態様において、方法は、ENaCに対するさらなるアンタゴニストカリウム保持性利尿薬、アミロリド、トリアムテレン食塩摂取の制御、抗生物質、DNase療法、アルブテロール、N−アセチルシステイン呼吸療法パーカッション療法および有酸素運動リストから選択されるさらなる処置または療法を施す工程をさらに含む。

0081

1つの態様において、組成物は、ベータ−ENaCに対する第2のRNAi剤を含む。種々の態様において、第2のRNAi剤は、第1のRNAi剤から物理学的に別個であるか、または2つは、物理学的に連結される(例えば、共有結合されるか、または、他の方法で結合される)。

0082

1つの態様において、方法は、本明細書において提供される、例えば表1に記載されているような、特定の二本鎖から選択されるベータ−ENaCに対するRNAi剤のアンチセンス鎖と0、1、2または3個のヌクレオチドにより異なっている少なくとも15個の連続したヌクレオチドを含むさらなるRNAi剤を投与する工程をさらに含む。

0083

本明細書に記載されているRNAi剤を使用してベータ−ENaCの発現を阻害する方法

0084

1つの特定の態様において、本願発明は、本願発明のRNAi剤を含む治療有効量の組成物を個体に投与する工程を含む、個体におけるベータ−ENaC遺伝子の発現を阻害する方法に関する。1つの態様において、RNAi剤は、少なくとも1つのアンチセンス鎖を含み、および/またはセンスおよびアンチセンス鎖を含み、該アンチセンス鎖は、本明細書において提供される、例えば表1に記載されているような、特定の二本鎖から選択されるベータ−ENaCに対するRNAi剤のアンチセンス鎖と0、1、2または3個のヌクレオチドにより異なっている少なくとも15個の連続したヌクレオチドを含む。

0085

本発明のこの局面の種々の態様は、以下に記載されている。

0086

1つの態様において、個体は、ベータ−ENaC−関連疾患に罹患しているか、または罹患しやすい。

0087

1つの態様において、ベータ−ENaC−関連疾患は、嚢胞性線維症、偽性低アルドステロン症1型(PHA1)、リドル症候群、高血圧、アルカローシス、低カリウム血漿および/または肥満関連高血圧である。

0088

1つの態様において、ベータ−ENaC−関連疾患は、嚢胞性線維症である。

0089

1つの態様において、方法は、さらなる処置の投与をさらに含む。1つの態様において、さらなる処置は、治療有効量の組成物である。

0090

1つの態様において、さらなる処置は、方法(または処理)である。

0091

1つの態様において、さらなる処置およびRNAi剤は、任意の順において施すことができ、または同時に施すことができる

0092

1つの態様において、方法は、嚢胞性線維症、偽性低アルドステロン症1型(PHA1)、リドル症候群、高血圧、アルカローシス、低カリウム血漿および/または肥満関連高血圧に対するさらなる処置を施す工程をさらに含む。

0093

1つの態様において、方法は、ENaCに対するさらなるアンタゴニスト、カリウム保持性利尿薬、アミロリド、トリアムテレン、食塩摂取の制御、抗生物質、DNase療法、アルブテロール、N−アセチルシステイン、呼吸療法、パーカッション療法および有酸素運動のリストから選択されるさらなる処置または療法を施す工程をさらに含む。

0094

1つの態様において、組成物は、ベータ−ENaCに対する第2のRNAi剤を含む。種々の態様において、第2のRNAi剤は、第1のRNAi剤から物理学的に別個であるか、または2つは、物理学的に連結される(例えば、共有結合されるか、または、他の方法で結合される)。

0095

1つの態様において、方法は、本明細書において提供される、例えば表1に記載されているような、特定の二本鎖から選択されるベータ−ENaCに対するRNAi剤のアンチセンス鎖と0、1、2または3個のヌクレオチドにより異なっている少なくとも15個の連続したヌクレオチドを含むさらなるRNAi剤を投与する工程をさらに含む。

0096

ベータ−ENaCに対するRNAi剤の医薬製剤

0097

1つの特定の態様において、本願発明は、本願発明のRNAi剤を含む組成物に関する。1つの態様において、RNAi剤は、少なくとも1つのアンチセンス鎖を含み、および/またはセンスおよびアンチセンス鎖を含み、該アンチセンス鎖は、本明細書において提供される、例えば表1に記載されているような、特定の二本鎖から選択されるベータ−ENaCに対するRNAi剤のアンチセンス鎖と0、1、2または3個のヌクレオチドにより異なっている少なくとも15個の連続したヌクレオチドを含み、該組成物は、薬学的に有効な製剤である。

0098

1つの態様において、本願発明は、ベータ−ENaC−関連疾患の処置のための医薬の製造におけるRNAi剤の使用であって、該RNAi剤は、センス鎖およびアンチセンス鎖を含み、該アンチセンス鎖は、本明細書において提供される、例えば表1に記載されているような、特定の二本鎖から選択されるベータ−ENaCに対するRNAi剤のアンチセンス鎖と0、1、2または3個のヌクレオチドにより異なっている少なくとも15個の連続したヌクレオチドを含む、使用に関する。

0099

ENaC

0100

「ENaC」は、3つの異なるが同種のサブユニット(アルファ、ベータおよびガンマ)で作られる上皮性ナトリウムチャネル膜タンパク質を意味する。

0101

ENaCは、遠位ネフロン皮質および髄質集合管)および遠位大腸の上皮性細胞の頂端膜ならびに気道およびいくつかの排出管において存在する。ENaCはまた、胎盤、脳および膀胱において発現される。それは、同じ細胞の側底膜に位置するNa+/K+−ATPaseと一緒に、これらの臓器の管腔から上皮細胞へのNa+に対するコントロールされた侵入経路を提供し、外部媒体から上皮性細胞を介して細胞外流体へのおよび血液の方へのNa+の活性なベクトル輸送に関与する。ENaCは、管腔に面した頂端膜上に位置し、管腔から上皮細胞へのナトリウムの移動を可能にする。次に、ENaCを介して再吸収されたナトリウムは、上皮細胞から追い出され、Na+/K+−ATPaseにより血流に戻る。ENaCによるナトリウムの再吸収は、水の浸透摂取に付随して起こり、一定の細胞外Na+濃度を維持する。これは、血液量を変化させ、結果として血圧に影響する。したがって、ENaCは、電解質ホメオスタシスならびに血液量および血圧のコントロールにおいて重要な役割を果たす。例えば、Saxenaら 1998 Biochem. Biophys. Res. Comm. 252: 208-213参照。

0102

ENaCは、発現される種々の臓器において異なる機能的役割を有する。腎臓(集合管)において、ENaCを介するNa+の調節された再吸収は、尿のNa+排出の制御の主要なメカニズムを提供し、したがって、アルドステロンホルモンコントロール下で全生物のNa+バランスの微調整を可能にする。頂端膜電位における脱分極作用により、Na+チャネルはまた、管のK+分泌に関する駆動力を提供する。

0103

ENaCの特定の阻害剤は、尿のNa+排出を促進し、K+分泌を阻害する。したがって、これらの薬物(アミロリドおよびトリアムテレンを含む)は、K+−保持性利尿薬として使用される。ENaCは、遠位大腸において同様の機能的役割を有し、排泄物における過剰Na+喪失を防止する。気道において、重要な役割は、誕生時に気道を満たす流体の再吸収であり、流体の分泌(出生前)から流体の再吸収(出生後)へのシフトを促進する

0104

嚢胞性線維症膜貫通コンダクタンス制御因子と共に、それはまた、粘液クリアランスのために必要な薄い粘膜流体膜を維持する気道における流体バランスの微妙な制御に関与する。唾液および汗腺の排出管において、ENaCの活性は、管腔Na+濃度を減少させる傾向にあり、あまり塩辛くない唾液を排出させ、におけるNa+の多量の喪失を防止する。例えば、Hummlerら 1999 Am. J. Physiol. Gastrointest. Liver Physiol. 276: 567-571およびそれに引用されている文献、参照。

0105

ENaCの配列および/または発現における改変および変異は、ENaCの過剰発現または過剰活性を引き起こし得る。本明細書において提供するRNAi剤は、ベータ−ENaCのレベルを減少させることにより、Na+の調節された再吸収のバランスを回復させる。

0106

ベータ−ENaC

0107

「ベータ−ENaC」は、遺伝子またはタンパク質アミロリド感受性ナトリウムチャネルサブユニットベータ(または該タンパク質をコードする任意の核酸)を意味し、種々に設計される:ナトリウムチャネル、電位非依存性1、ベータ;SCNN1B;bENaC;ENaCb;ENaC−ベータ;SCNEBまたはβ−ENaC。さらなる識別コードは以下のものを含む:OMIM:600760;MGI:104696;HomoloGene:284;およびGeneCards:SCNN1B。さらなる情報を見出すことができる:ヒト:Entrez 6338;Ensembl ENSG00000168447;UniProt P51168;RefSeq(mRNA)NM_000336;RefSeq(タンパク質)NP_000327;Location(UCSC) Chr 16:23.22−23.3Mb。マウス:Entrez 20277;Ensembl ENSMUSG00000030873;UniProt Q3TP51;RefSeq(mRNA)NM_011325 RefSeq(タンパク質)NP_035455;Location(UCSC)Chr 7:121.66−121.71Mb。

0108

ヒトベータ−ENaCのアミノ酸配列は、Saxenaら 1998 Biochem. Biophys. Res. Comm. 252: 208-213において提供される。

0109

ベータ−ENaCの機能性ドメインは、明らかにされている。該タンパク質は、細胞内N−末端ドメインアミノ酸(「aa」)1から50]、第1の膜貫通ドメイン(aa51から71)、細胞外ループ(aa72から533)、第2の膜貫通ドメイン(aa534から553)およびC−末端細胞内ドメイン(aa554から640)を有する。

0110

C−末端細胞内ドメインは、変異がリドル症候群および他の疾患に関する2つの領域:アミノ酸564から595の領域および「PY」モチーフ[aa(アミノ酸)615から618でのアミノ酸コンセンサス配列PPXY]を含む。例えば、Saxenaら 1998参照。

0111

本願発明のベータ−ENaCRNAi剤は、特定の機能性ドメインまたはベータ−ENaCのドメインに対応するmRNAの一部と相互作用することができる。種々の態様において、本願明細書におけるRNAi剤は、機能性ドメインに対応する配列、例えば、N−末端細胞内ドメイン、第1の膜貫通ドメイン、細胞外ループ、第2の膜貫通ドメインもしくはC−末端細胞内ドメイン、またはさらに具体的には、アミノ酸564から595の領域もしくはPYモチーフ(アミノ酸615から618)におけるベータ−ENaCのmRNAに特異的に結合する。

0112

種々の態様において、本願発明のRNAi剤は、5’または3’UTR(すなわち、非翻訳領域)に結合する。

0113

種々の態様において、本願発明のRNAi剤は、ベータ−ENaCのmRNAに結合するが、特定の機能性ドメインに対応する配列、例えば、N−末端細胞内ドメイン、第1の膜貫通ドメイン、細胞外ループ、第2の膜貫通ドメインもしくはC−末端細胞内ドメイン、またはさらに具体的には、アミノ酸564から595の領域もしくはPYモチーフ(アミノ酸615から618)におけるベータ−ENaCのmRNAに特異的に結合しない。

0114

本明細書における態様において、ベータ−ENaCのmRNAの特定の領域へのRNAi剤の結合は、ベータ−ENaCの発現、レベルおよび/または活性の減少をもたらす。

0115

ベータ−ENaCのレベルの減少におけるRNAi剤の有効性は、例えば、ベータ−ENaCのmRNA存在量のレベルまたはタンパク質それ自体のレベルを測定することにより、直接的に測定することができる。あるいは、RNAiの有効性は、ベータ−ENaCの既知の任意の1つ以上の活性のレベルを測定することにより、またはベータ−ENaCの経路の下流の成分の活性における変化を測定することにより、間接的に測定することができる。

0116

該タンパク質の主要な活性は、アルファ−ENaCおよびガンマ−ENaC、恐らく時々デルタ−ENaCと共に、ナトリウムチャネルENaCを形成することである。ベータ−ENaC、ガンマ−ENaCおよびデルタ−ENaCはまた、膵臓精巣および卵巣において見出されるチャネルの特定の型を形成し得る。ベータ−ENaCはまた、WWP2およびNEDD4と相互作用することが示されている。See.、例えば、McDonaldら (2002). Am. J. Physiol. Renal Physiol. 283 (3): F431-6; Harveyら 2001. J. Biol. Chem. 276 (11): 8597-601; Farrら (2000). Biochem. J. 345 Pt 3: 503-9。ベータ−ENaCの活性は、例えば、結合し、これらの他の生物学的成分を有する機能ユニットを形成する能力により測定することができる。RNAi剤の有効性はまた、粘液膜上の表面液体の量を測定することにより、およびベータ−ENaCを発現する組織組織学的試験を介して、間接的に測定することができる。

0117

種々の種におけるベータ−ENaC配列

0118

ベータ−ENaCに対して特異的なRNAi剤は、それらの配列が、ヒトベータ−ENaC遺伝子および試験動物由来の同種遺伝子に対応するmRNAと完全に一致するように設計され得る。したがって、全く同じRNAi剤を、両方の試験動物(例えば、ラット、マウス、カニクイザルなど)およびヒトにおいて使用することができる。種々のENaC遺伝子に対する配列は、とりわけ、Gartyら 1997 Physiol. Rev. 77: 359-396;およびAhnら 1999 Am. J. Physiol. 277:F121-F129に記載されているとおり、多数の種、例えば、ヒト、マウス、ラット、ウシおよびニワトリにおいて決定されている。

0119

カニクイザル(Macaca fascicularisまたは「Cyno」)におけるベータ−ENaC配列は、決定されている。

0120

カニクイザルベータ−ENaCのmRNA(配列番号:221)およびヒトベータ−ENaCのmRNA(配列番号:222)配列のアラインメントを以下に示す。

0121

カニクイザルおよびヒト配列の開始(ATG)および停止(TAA)コドン下線で示す。ヒトおよびカニクイザル配列間のヌクレオチドの一致は、アスタリスク(*)でマークされている。

0122

1つの態様において、本願発明のベータ−ENaCRNAi剤は、ヒト、ラットおよびカニクイザルベータ−ENaCのmRNAにおいて同一である配列を含む。この配列同一性は、ヒト試験の前に動物試験を容易にする。別の態様において、ベータ−ENaC RNAi剤は、ヒト、マウスおよびカニクイザルベータ−ENaCのmRNAにおいて同一である配列を含む。

0123

ベータ−ENaCに対するRNAi剤のさらなる態様

0124

1つの態様において、ベータ−ENaCRNAi剤は、いずれか他のmRNAまたは遺伝子の配列と合致しない配列を含む。1つの態様において、ベータ−ENaC RNAi剤は、全ての他の既知の非ベータ−ENaCのmRNAまたは遺伝子と少なくとも0、1、2または3個のヌクレオチドで異なっている配列を含む。

0125

1つの態様において、本願発明のベータ−ENaCRNAi剤は、それを必要とする患者(例えば、嚢胞性線維症、偽性低アルドステロン症1型(PHA1)、リドル症候群、高血圧、アルカローシス、低カリウム血漿および肥満関連高血圧に罹患している患者)に投与される。

0126

患者はまた、1つ以上のベータ−ENaCに対して特異的なRNAi剤を投与され得る。1つの態様において、本願発明のベータ−ENaC RNAi剤は、所望により、疾患に対して適当な1つ以上のさらなる医薬と共に投与され得る。1つの態様において、本願発明のベータ−ENaC RNAi剤は、所望により、任意の他の適当なさらなる処置と施すことができ、該さらなる処置は組成物または方法であり得る。

0127

嚢胞性線維症、偽性低アルドステロン症1型(PHA1)、リドル症候群、高血圧、アルカローシス、低カリウム血漿および/または肥満関連高血圧の場合、RNAi剤およびさらなる疾患処置は、任意の順番で、同時にもしくは連続して、または単回もしくは時間をかけて複数回投与で投与することができる。

0128

定義

0129

便宜上、本明細書、実施例および特許請求の範囲において使用される特定の用語およびの意味を、以下に提供する。本明細書の他の部分における用語の慣習およびこのセクションにおいて提供されるその定義間で明らかな矛盾がある場合、このセクションにおける定義を優先する。

0130

RNAi剤

0131

1つの態様において、本願発明は、ベータ−ENaCRNAi剤もしくはベータ−ENaC核酸(またはその部分)に相補的である少なくとも1つのアンチセンス核酸配列を含む他の組成物に関するか、または、siRNAをコードする組換え発現ベクターもしくは以下で定義されるRNAiとして機能することができるアンチセンス核酸を含む組成物に関する。本明細書において使用される、「アンチセンス」核酸は、ベータ−ENaCのタンパク質をコードする「センス」核酸に相補的である(例えば、二本鎖DNAのコード鎖に相補的である、mRNAに相補的である、またはベータ−ENaC遺伝子または核酸のコード鎖に相補的である)ヌクレオチド配列を含む。

0132

本明細書において使用される、「ベータ−ENaCに対するRNAi剤」、「ベータ−ENaCに対して特異的なRNAi剤」、「ベータ−ENaCに対するiRNA」、「ベータ−ENaCに対するsiRNA」、「ベータ−ENaC siRNA」などなる用語は、siRNA(低分子干渉RNA)、shRNA(短もしくは小ヘアピン型RNA)、iRNA(干渉RNA)剤、RNAi(RNA干渉)剤、dsRNA(二本鎖RNA)、microRNAなどを示し、ベータ−ENaCのmRNAを特異的に標的とする、該mRNAに対して特異的である、および/または該mRNAに結合する組成物を示す。本明細書において使用される、「アンチセンス核酸」または「アンチセンス核酸を含む組成物」などなる用語は、標的に対するアンチセンスである少なくとも1つの核酸鎖を含むあらゆる組成物を含むことを広く意味する;これは、限定はしないが、あらゆるsiRNA、shRNA、iRHA、dsRNA、microRNA、アンチセンスオリゴヌクレオチドおよびアンチセンス核酸を含む任意の他の組成物を含む。本明細書において使用される「iRNA」または「RNAi」なる用語は、RNA(またはその誘導体)を含み、RNA誘導型サイレンシング複合体RISC)経路を介して別のRNA転写産物の標的化開裂を介在する薬剤を示す。1つの態様において、RNAi剤は、RISC複合体/経路を活性化するオリゴヌクレオチド組成物である。別の態様において、RNAi剤は、アンチセンス鎖配列(アンチセンスオリゴヌクレオチド)を含む。

0133

本願発明のRNAi剤は、ベータ−ENaCのmRNAを標的とする(例えば、結合する、アニーリングする、など)。ベータ−ENaCに対して特異的なRNAi剤の使用は、ベータ−ENaC活性、レベルおよび/または発現の減少、例えば、標的遺伝子または標的配列の「ノックダウン」または「ノックアウト」をもたらす。特に、1つの態様において、ベータ−ENaCの過剰発現または過剰活性により特徴付けられる疾患状態の場合、ベータ−ENaCに対するRNAi剤の投与は、ベータ−ENaC活性の正常レベルおよび/またはNa+再吸収の正常レベルに回復させるために十分なベータ−ENaC標的をノックダウンする

0134

1つの態様において、RNAiは、単一の鎖(例えば、本明細書に記載されているshRNA)を含む。

0135

種々の態様において、一方または両方の鎖はニックを有する。

0136

1つの態様において、一本鎖RNAi剤のオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドは、センスおよび/またはアンチセンス鎖を含むことができる。例えば、Sioud 2005 J. Mol. Biol. 348:1079-1090および本明細書に記載されている文献、参照。したがって、本願発明は、本明細書に記載されているRNAi剤のセンスまたはアンチセンス鎖のいずれかを含む単一の鎖を有するRNAi剤を包含する。

0137

本明細書において特に有用であるsiRNAは、ベータ−ENaCのmRNAの領域に特異的に結合することができ、1つ以上の以下の性質:ベータ−ENaCのコーディングセグメントに結合する;5’非翻訳領域の結合部およびコーディングセグメントの開始部またはその付近に結合する;mRNAの翻訳開始部位またはその付近に結合する;エキソンおよびイントロン接合部またはその付近に結合する;他の遺伝子のmRNAまたは転写産物に全くもしくはほとんど結合しない(全くもしくはほとんど「的外れの効果」);二本鎖またはステム領域ではない領域またはその付近、例えば、ループまたは一本鎖部分でベータ−ENaCのmRNAに結合する;免疫原性をほとんどもしくは全く引き起こさない;保存された配列の存在が種々の実験動物を使用する試験を容易にするため、種々の動物種(ヒト、マウス、ラット、カニクイザルなどを含む)中で保存されているベータ−ENaCのmRNA配列のセグメントに結合する;mRNAの二本鎖領域に結合する;AT−リッチ領域(例えば、少なくとも約50、51、52、53、54、55、56、57、58、59または60%ATリッチ)に結合する;ならびに/またはsiRNA活性を減少させることが知られているか、または疑われている特定の配列、例えば、siRNAの二本鎖部分の分離を減少させ得る5’末端のGG配列の存在を欠いている性質を有するものを含む。1つの態様において、ベータ−ENaCに対して特異的なRNAi剤は、任意の1つ以上のこれらの特性を有する二本鎖RNAであり得る。

0138

本明細書において使用される「二本鎖RNA」または「dsRNA」なる用語は、第1および第2の鎖を含むRNAi剤;例えば、2つの逆平行のおよび実質的に相補的な核酸鎖を含むハイブリダイズされた二本鎖領域(すなわち、第1の鎖および第2の鎖のヌクレオチド塩基が対をなす領域)を有するRNA分子または分子の複合体を含む組成物を示し、標的RNAに対して「センス」および「アンチセンス」方向を有すると称される。mRNA標的に対するアンチセンス鎖はまた、「ガイド」鎖とも呼ばれ、センス鎖はまた、「パッセンジャー」鎖とも呼ばれる。「パッセンジャー」鎖は、少なくとも1つ以上の以下のもの:他の鎖と比較して1つ以上の余分なヌクレオチド(例えば、バルジ(bulge)または1ntのループ)、他の鎖と比較してニック、ギャップなどを含むことができる。種々の態様において、RNAi剤は、第1の鎖および第2の鎖を含む。種々の態様において、第1の鎖はセンス鎖であり、第2の鎖はアンチセンス鎖である。他の態様において、第1の鎖は、アンチセンス鎖であり、第2の鎖はセンス鎖である。

0139

二本鎖領域は、RISC経路を介する所望の標的RNAの特異的な分解を可能にするが、一般的に9から36塩基対(「bp」)の長さ、例えば、15−30bpの長さの範囲であるあらゆる長さであり得る。9から36bpの二本鎖を考慮すると、二本鎖は、この範囲のあらゆる長さ、例えば、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35または36bpおよび限定はしないが、15−30bp、15−26bp、15−23bp、15−22bp、15−21bp、15−20bp、15−19bp、15−18bp、15−17bp、18−30bp、18−26bp、18−23bp、18−22bp、18−21bp、18−20bp、19−30bp、19−26bp、19−23bp、19−22bp、19−21bp、19−20bp、19bp、20−30bp、20−26bp、20−25bp、20−24bp、20−23bp、20−22bp、20−21bp、20塩基対、21−30bp、21−26bp、21−25bp、21−24bp、21−23bp、21−22bp、21bp、22bpまたは23bpを含むそれらの間のあらゆる小領域であり得る。Dicerおよび同様の酵素で処理することにより細胞中で産生されるdsRNAは、一般的に約19から22bpの範囲の長さである。dsDNAの二本鎖領域の一本鎖は、標的RNAの領域に実質的に相補的である配列を含む。二本鎖構造を形成する2つの鎖は、少なくとも1つの自己相補的二本鎖領域を有する単一のRNA分子から形成され得るか、または二本鎖を形成するようにハイブリダイズする2つ以上の別々のRNA分子から形成され得る。二本鎖領域が単一の分子の2つの自己相補的領域から形成される場合、分子は、二本鎖構造を形成する一方の鎖の3’−末端およびそれぞれの他方の鎖の5’−末端間で、ヌクレオチドの一本鎖(本明細書において、例えば、shRNA構築物において見出される、「ヘアピンループ」と称される)により分離される二本鎖領域を有し得る。ヘアピンループは、少なくとも1つの不対ヌクレオチドを含むことができ;いくつかの態様において、ヘアピンループは、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも20、少なくとも23またはそれ以上の不対ヌクレオチドを含むことができる。dsRNAの2つの実質的に相補的な鎖が別々のRNA分子からなる場合、これらの分子は、必ずしもではないが、共有的に結合され得る。2つの鎖がヘアピンループにより共有的に結合されるとき、構造は一般的に本明細書および当分野において「shRNA」と称される。2つの鎖がヘアピンループ以外の手段により共有的に結合されるとき、結合構造は「リンカー」と称される。

0140

RNA干渉

0141

RNA干渉(RNAi)は、二本鎖RNA(dsRNA)を使用して、dsRNAと同じ配列を含むメッセンジャーRNA(mRNA)を破壊する転写後標的化遺伝子サイレンシング技術である。RNAiのプロセスは、リボヌクレアーゼIII(Dicer)がより長いdsRNAをsiRNAと呼ばれるより短いフラグメントに開裂するときに起こる。siRNA(低分子干渉RNA)は、一般的に約21から23個のヌクレオチド長であり、約19塩基対の二本鎖を含む。次に、より短いRNAセグメントは、標的mRNAの分解を介在する。Dicerはまた、翻訳調節に関与する保存された構造の前駆体RNAからの21および22−ヌクレオチドのスモールテンポラル(small temporal)RNA(stRNA)の切断に関与している。Hutvagnerら 2001, Science, 293, 834。RNAi応答はまた、siRNAのアンチセンス鎖に相補的な一本鎖mRNAの開裂を介在する、RNA誘導型サイレンシング複合体(RISC)として一般的に称されるエンドヌクレアーゼ複合体を特徴とする。標的RNAの開裂は、siRNA二本鎖のアンチセンス鎖に相補的な領域の中央で起こる。

0142

1つの局面において、RNA干渉剤は、標的RNA配列と相互作用し、標的RNAの開裂を指向する一本鎖RNAを含む。理論に縛られることは望まないが、植物および無脊椎動物細胞に導入された長い二本鎖RNAは、Dicerとして知られているIII型エンドヌクレアーゼによりsiRNAに破壊される(Sharpら Genes Dev. 2001, 15:485)。リボヌクレアーゼ−III−様酵素であるDicerは、dsRNAを特徴的な2つの塩基の3’オーバーハングを有する19−23塩基対の低分子干渉RNAに処理する(Bernsteinら (2001) Nature 409:363)。次に、siRNAはRNA誘導型サイレンシング複合体(RISC)に取り込まれ、1つ以上のヘリカーゼがsiRNA二本鎖をほどくと、現在、不対siRNA鎖の1つが「ガイド」鎖として作用して標的認識に導くことを可能にする(Nykanenら (2001) Cell 107:309)。適当な標的mRNAにアンチセンスガイド鎖が結合すると、RISC内の1つ以上のエンドヌクレアーゼは標的を開裂し、サイレンシング誘導する(Elbashirら (2001) Genes Dev. 15:188)。したがって、1つの局面において、本願発明は、標的遺伝子のサイレンシングをもたらすためにRISC複合体の形成を促進する一本鎖RNAに関する。

0143

RNA干渉はまた、種々の系において研究されている。ショウジョウバエ溶解物における研究は(Elbashirら 2001EMBO J. 20: 6877およびTuschlら国際PCT公開WO01/75164)、siRNAの長さ、構造、化学的組成、および種々の系、とりわけ哺乳動物において効率的なRNAi活性を介在するために重要である配列の特定の必要条件を示した。これらの試験は、21−ヌクレオチドのsiRNA二本鎖が、3’−末端ジヌクレオチドオーバーハングを含むとき、非常に活性であることを示した。2’−デオキシヌクレオチド(2’−H)での3’−末端siRNAオーバーハングヌクレオチドの置換は、許容された。加えて、siRNA二本鎖の標的相補鎖上の5’−リン酸は、通常、siRNA活性のために必要である。治療的使用に関してより重要なことは、約50bpより短いsiRNA二本鎖は、哺乳動物細胞におけるインターフェロン応答を活性化しない。例えば、Tuschlら、WO01/752164参照。

0144

したがって、本明細書に記載されているdsRNA分子(RNAi剤)は、ベータ−ENaCのRNA干渉において有用である。

0145

RNAi剤:センス鎖、アンチセンス鎖および(任意の)オーバーハングの特徴

0146

種々の態様において、RNAi剤は、第1の鎖および第2の鎖、例えば、センス鎖およびアンチセンス鎖、および所望により、本明細書においてオーバーハングと称される不対ヌクレオチドを含む二本鎖の一方または両方の鎖を含む。

0147

「アンチセンス鎖」なる用語は、標的配列に実質的に相補的である領域を含むRNAi剤の鎖を示す。本明細書において使用される「相補性の領域」なる用語は、本明細書で定義されている配列、例えば、標的配列に実質的に相補的であるアンチセンス鎖の領域を示す。相補性の領域が標的配列に完全に相補的でないとき、不一致は、分子の内部または末端領域であり得る。一般的に、最も耐用性の不一致は、末端領域、例えば、5’および/または3’末端の5、4、3または2個のヌクレオチド内である。

0148

本明細書において使用される「センス鎖」なる用語は、本明細書において定義されているアンチセンス鎖の領域に実質的に相補的である領域を含むRNAi剤の鎖を示す。

0149

遺伝子の配列は、とりわけコーディングセグメント内のゆらぎ(wobble)の位置または非翻訳領域で個体から個体で変化し得る;個体はまた、コード配列で互いに異なり、mRNAにおいてさらなる違いをもたらし得る。したがって、RNAi剤のセンスおよびアンチセンス鎖の配列は、必要なとき、個体患者に対応するように設計され得る。RNAi剤はまた、免疫原性を減少させる、望ましくないmRNA(例えば、「的外れの効果」)に結合する、または、血液中の安定性を増加させるように配列を修飾することもできる。これらの配列変異体は、RNAi剤の塩基の化学修飾または5’もしくは3’または他の末端キャップと独立している。

0150

RNAi剤はまた、0、1または2個のオーバーハングを有し得;0ntのオーバーハングの場合、それらが平滑末端である。RNAi剤は0、1または2個の平滑末端を有し得る。「平滑末端RNAi剤」において、両方の鎖は塩基対にて終了する;したがって、平滑末端分子は3’または5’のいずれかの一本鎖ヌクレオチドオーバーハングを欠いている。

0151

本明細書において使用される、「オーバーハング」または「ヌクレオチドオーバーハング」なる用語は、RNAi剤の二本鎖構造の二本鎖の少なくとも1つの末端から突き出ている少なくとも1つの不対ヌクレオチドを示す。例えば、dsRNAの一本鎖の3’−末端が他の鎖の5’−末端を越えて伸びているとき(または逆もまた同様)、不対ヌクレオチドはオーバーハングを形成する。dsRNAは、少なくとも1つのヌクレオチドのオーバーハングを含むことができ;あるいは、オーバーハングは、少なくとも2個のヌクレオチド、少なくとも3個のヌクレオチド、少なくとも4個のヌクレオチド、少なくとも5個のヌクレオチドまたはそれ以上を含むことができる。オーバーハングは、デオキシヌクレオチド/ヌクレオシドを含むヌクレオチド/ヌクレオシド類似体を含むか、それらからなり得る。オーバーハングは、センス鎖、アンチセンス鎖またはそれらの任意の組合せ上であり得る。さらに、オーバーハングのヌクレオチドは、dsRNAのアンチセンスまたはセンス鎖のいずれかの5’末端、3’末端または両方の末端上であり得る。

0152

RNAi剤はまた、所望によりキャップを含むことができる。「キャップ」などなる用語は、二本鎖ヌクレオチド二本鎖の末端に結合した化学部分を含むが、ヌクレオチドまたはヌクレオシドである化学部分を排除するように、本明細書において使用される。「3’キャップ」は、ヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドの3’末端で結合される。「5’キャップ」は、ヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドの5’末端で結合される。1つの態様において、3’エンドキャップは、例えば、WO2005/021749およびWO2007/128477に記載されているものである。

0153

したがって、本願発明は、RNAi剤中にアンチセンス鎖(リンカーまたはループを介して連続または結合していてもよい)を含むベータ−ENaCに対して特異的なRNAi剤を考慮する。さらなる特定の態様において、RNAi剤は、二本鎖または相補的領域を共に含むアンチセンス鎖およびセンス鎖を含む。1つの態様において、それはまた、所望により、1または2つのオーバーハングおよび/または1または2つのキャップを含むことができる。RNAi剤は、ベータ−ENaCのRNA干渉を誘導するために使用される。

0154

標的および相補的配列

0155

本願発明のRNAi剤は、ベータ−ENaCの遺伝子をコードするmRNAを標的とする(例えば、に特異的に結合する、にアニーリングする、など)。ベータ−ENaCに対して特異的なRNAi剤の使用は、ベータ−ENaC活性、レベルおよび/または発現の減少、例えば、標的遺伝子または標的配列の「ノックダウン」または「ノックアウト」をもたらす。特に、1つの態様において、ベータ−ENaCの過剰発現または過剰活性により特徴付けられる疾患状態の場合、ベータ−ENaCに対するRNAi剤の投与は、ベータ−ENaC活性の正常レベルおよび/またはNa+再吸収の正常レベルに回復させるために十分なベータ−ENaC遺伝子をノックダウンする。

0156

本明細書において使用される「標的配列」または「標的遺伝子」は、一次転写産物のRNAプロセッシング産物であるmRNAを含む、遺伝子、例えば、ベータ−ENaC遺伝子の転写中に形成されるmRNA分子のヌクレオチド配列の連続した部分を示す。配列の標的部分は、その位置でまたはその位置付近でiRNA指向性開裂に関して基質として働くために少なくとも十分な長さである。例えば、標的配列は、一般的に9−36ヌクレオチド(「nt」)の長さ、例えば、15−30ntの長さであり、それらの間の全ての部分的な範囲を含む。非限定的な例として、標的配列は、15−30nt、15−26nt、15−23nt、15−22nt、15−21nt、15−20nt、15−19nt、15−18nt、15−17nt、18−30nt、18−26nt、18−23nt、18−22nt、18−21nt、18−20nt、19−30nt、19−26nt、19−23nt、19−22nt、19−21nt、19−20nt、19nt、20−30nt、20−26nt、20−25nt、20−24nt、20−23nt、20−22nt、20−21nt、20nt、21−30nt、21−26nt、21−25nt、21−24nt、21−23ntまたは21−22nt、21nt、22ntまたは23ntであり得る。RNAiのセンスおよびアンチセンス鎖は、標的核酸であるベータ−ENaCに相補的である配列を含む。

0157

本明細書において使用され、他に記載のない限り、「相補的」なる用語は、特定の条件で第2のヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドとハイブリダイズし、二本鎖構造を形成する第1のヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドの能力を示す。このような条件は、例えば、ストリンジェント、例えば、400mMのNaCl、40mMのPIPESpH6.4、1mMのEDTA、50℃または70℃ 12−16時間、その後洗浄であり得る。他の条件、例えば、生物体内で遭遇し得る生理学的に関連した条件を、適用できる。当業者は、ハイブリダイズされたヌクレオチドの最終的な適用にしたがって、2つの配列の相補性の試験のために非常に適当な条件セットを決定することができる。

0158

本明細書において使用される「相補的」配列はまた、ハイブリダイズする能力に対して上記必要条件を満たす限り、非ワトソンクリック塩基対および/または非天然および修飾されたヌクレオチドから形成される塩基対を含むか、またはこれらの塩基対から完全に形成され得る。このような非ワトソンクリック塩基対は、限定はしないが、G:U WobbleまたはHoogstein塩基対合を含む。

0159

本明細書において「相補的」、「完全に相補的」および「実質的に相補的」なる用語は、さらに、dsRNAのセンス鎖およびアンチセンス鎖間、またはRNAi剤のアンチセンス鎖および標的配列間の塩基マッチングに対して使用され得、これらの使用の文脈から理解される。

0160

本明細書において使用されるメッセンジャーRNA(mRNA)「の少なくとも一部に実質的に相補的」であるポリヌクレオチドは、興味あるmRNA(例えば、ベータ−ENaCをコードするmRNA)の連続した部分に実質的に相補的であるポリヌクレオチドを示す。例えば、配列がベータ−ENaCをコードするmRNAの非中断部分に実質的に相補的であるとき、ポリヌクレオチドはベータ−ENaCのmRNAの少なくとも一部に相補的である。

0161

本明細書に記載されているRNAi剤内、例えば、dsRNA内での相補的配列は、1つまたは両方のヌクレオチド配列の全長にわたって、第1のヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドの第2のヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドへの塩基対合を含む。このような配列は、本明細書において互いに「完全に相補的」であると称さることができる。しかしながら、第1の配列が本明細書において第2の配列に対して「実質的に相補的」であると称されるとき、2つの配列は完全に相補的であり得、またはそれらは最大30塩基対の二本鎖のためのハイブリダイゼーション時に1つ以上であるが、一般的に最大5、4、3または2個の不一致な塩基対を形成し得るが、それらの最終的な適用に非常に関連した条件下でハイブリダイズする能力、例えば、RISC経路を介する遺伝子発現の阻害を保持している。しかしながら、2つのオリゴヌクレオチドが、ハイブリダイゼーション時に、1つ以上の一本鎖オーバーハングを形成するように設計されるとき、このようなオーバーハングは相補性の決定に関して不一致と見なしてはならない。例えば、1つの21ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドおよび別の23ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む二本鎖は(ここで、より長いオリゴヌクレオチドは、より短いオリゴヌクレオチドに完全に相補的である21ヌクレオチドの配列を含む)、本明細書における目的のために「完全に相補的」となお称され得る。オーバーハングなる用語は、上記のとおり、二本鎖ヌクレオチド二本鎖の3’または5’末端での不対ヌクレオチドを示す。1つの態様において、オーバーハングは、0から4ntの長さであり、3’末端上である。

0162

したがって、本願発明のRNAi剤は、標的ベータ−ENaCにおける標的配列に相補的または実質的に相補的であり、センスおよびアンチセンス鎖(ループを介して連続または連結していてもよい、あるいは結合していてもよい)を含む二本鎖であって、ここで、該二本鎖領域は、9から36bpの長さ(特に、例えば、19−22bpまたは19−23bpの長さ)であり、さらに、所望により3’または5’オーバーハングを含むことができ、該RNAi剤は3’キャップを含むことができる。RNAi剤は、ベータ−ENaCのレベル、発現および/または活性を下方調節または阻害する、および/またはほぼ正常レベルのENaCおよび/またはベータ−ENaC活性またはENaCに関連する他の生物学的機能確立または再確立するRNA干渉を介在する。

0163

ベータ−ENaCレベル、発現および/または活性を低下させるRNAi剤

0164

ベータ−ENaCを標的化するためのRNAi剤は、本明細書において提供されるベータ−ENaC配列に結合し、RNAiメカニズムを介するベータ−ENaCを減少させるように働くものを含む。典型的なベータ−ENaCに対するsiRNAは、例えば、表1において提供される。

0165

本願発明のRNAi剤は、ほぼ正常レベルのベータ−ENaC活性、発現および/またはレベルおよび/またはNa+再吸収がなし遂げられるように、ベータ−ENaC遺伝子の発現をサイレンスする、阻害する、下方調節する、および/または抑制する。

0166

加えて、種々の態様において、疾患状態および生物学的関係に依存して、正常レベル以下または正常レベル以上であるベータ−ENaC発現レベル、活性および/またはレベルを確立するために、本願発明のRNAi剤を使用することが許容される。

0167

当分野で知られている任意の方法を、ベータ−ENaC siRNAにより誘導されるベータ−ENaC活性、レベルおよび/または発現の変化を測定するために使用することができる。測定をsiRNAの投与前、中および後の複数の時点で行い、siRNAの効果を測定することができる。

0168

発現を「サイレンシング」、「阻害」、「発現を下方調節」、「発現を抑制」などの用語は、本明細書において、それらがベータ−ENaC遺伝子を示す限りにおいて、処理されているか、または処理されていない第1の細胞または細胞群コントロール細胞)と実質的に同一の第2の細胞または細胞群と比較して、ベータ−ENaC遺伝子の発現が阻害されるようにベータ−ENaC遺伝子を転写する第1の細胞または細胞群から単離されるか、またはそれらにおいて検出され得る、ベータ−ENaCのmRNAの量の減少により明らかにされるベータ−ENaC遺伝子の発現の少なくとも部分的な抑制を示す。阻害の程度は、通常



において示される。

0169

あるいは、阻害の程度は、ベータ−ENaC遺伝子発現に機能的に関連したパラメーター、例えば、ベータ−ENaC遺伝子によってコードされるタンパク質の量の減少、肺液レベルまたは粘液レベルなどにおける変化に関して得ることができる。原則として、ベータ−ENaC遺伝子サイレンシングは、構成的に、もしくはゲノム工学のいずれか、および任意の適当なアッセイにより、ベータ−ENaCを発現するあらゆる細胞において決定され得る。しかしながら、与えられたRNAi剤が特定の程度でベータ−ENaC遺伝子の発現を阻害し、したがって本願発明に包含されるのか否かを決定するために、参照またはコントロールが必要であるとき、以下の実施例において提供されるアッセイは、このような参照として役に立つ。

0170

例えば、場合によっては、ベータ−ENaC遺伝子の発現は、本願発明において特徴付けられているRNAi剤の投与により、少なくとも約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%または50%抑制される。いくつかの態様において、ベータ−ENaC遺伝子は、本願発明において特徴付けられているRNAi剤の投与により、少なくとも約60%、70%または80%抑制される。いくつかの態様において、ベータ−ENaC遺伝子は、本明細書に記載されているRNAi剤の投与により、少なくとも約85%、90%もしくは95%またはそれ以上抑制される。

0171

ベータ−ENaCを抑制するRNAi剤の能力は、最初にインビトロにて試験され得る(例えば、試験細胞、例えば、H441を使用して)。

0172

次に、インビトロでベータ−ENaCを抑制することができるRNAi剤は、例えば、PBMC末梢血単核細胞)アッセイを使用して免疫刺激について試験することができる。RNAi剤はまた、動物試験において試験することができる。試験およびコントロール動物は、例えば、Hummerら 2005 J. Am. Soc. Nephrol. 16: 3160-3166; Randrianarisonら 2007 Am. J. Physiol. Lung Cell. Mol. Physiol. 294: 409-416; Caoら 2006 Am. J. Physiol. Renal Physiolおよびこれらに引用されている文献に記載されているベータ−ENaCを過剰発現または過小発現するものを含む。ベータ−ENaCのレベル、活性および/または発現を抑制または改変するRNAi剤を、種々のベータ−ENaC−関連疾患を処置する薬物において使用することができる。

0173

ベータ−ENaCまたはベータ−ENaC−関連疾患の症状の文脈において「より低い」は、このようなレベルにおける統計的に有意な減少を意味する。減少は、例えば、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%またはそれ以上であり得る。特定の疾患、または特定の疾患に罹患している個体について、ベータ−ENaCのレベルまたは発現が上昇しているとき、本願発明のベータ−ENaCRNAi剤での処置は、特に、ベータ−ENaCのレベルまたは発現をこのような障害のない個体について通常の範囲内と文献において考えられるレベルに減少させることができる。ベータ−ENaCのレベルまたは発現は、mRNA(例えば、ノーザンブロットまたはPCRによる)またはタンパク質(例えば、ウェスタンブロット)の評価により測定することができる。ベータ−ENaC発現に対するRNAi剤の効果は、ベータ−ENaC遺伝子の転写速度(例えば、ノーザンブロット;または逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応またはリアルタイムポリメラーゼ連鎖反応による)を測定することにより決定することができる。RT−PCRは、ベータ−ENaCのmRNAレベルが腎臓、膵臓および前立腺において高く、肝臓および脾臓において中程度であることを示すために使用された。Brauner-Osborneら 2001. Biochim. Biophys. Acta 1518: 237-248。直接測定は、例えば、ベータ−ENaCが発現される組織のウェスタンブロットにより、ベータ−ENaC(細胞表面により発現される)のレベルで行うことができる。

0174

本明細書において使用される「下方調節する」は、ベータ−ENaCの生物学的活性および/または発現におけるあらゆる統計的に有意な減少、例えば、活性(すなわち、完全阻害)および/または発現の完全な阻止を示す。例えば、「下方調節」は、ベータ−ENaCレベル、活性および/または発現において少なくとも約10、20、30、40、50、60、70、80、90または100%の減少を示し得る。

0175

本明細書において使用されるベータ−ENaCにおいて「阻害する」または「阻害」は、ベータ−ENaCの生物学的レベル、活性および/または発現におけるあらゆる統計的に有意な減少、例えば、活性および/または発現の完全な阻止を示す。例えば、「阻害」は、ベータ−ENaCレベル、活性および/または発現において少なくとも約10、20、30、40、50、60、70、80、90または100%の減少を示し得る。本明細書において使用される「阻害する」なる用語は、同様に、他のあらゆる生物学的剤または組成物におけるレベル、活性および/または発現における有意な減少を示す。

0176

「レベル」に関して、ベータ−ENaCRNAi剤が、ベータ−ENaCのレベル、例えば、ベータ−ENaCのmRNAのレベルまたはベータ−ENaCのタンパク質のレベルまたはベータ−ENaCの活性のレベルを変えることができることを意味する。

0177

いくつかの疾患、例えば、嚢胞性線維症は、過剰ENaC−介在Na+吸収により特徴付けられる。特に1つの態様において、ベータ−ENaCの過剰発現および/または過剰活性により特徴付けられる疾患の場合、ベータ−ENaCに対するRNAi剤の投与は、ベータ−ENaCのレベル、発現および/または活性を減少させる。しかしながら、過剰に低いレベルのベータ−ENaCはまた、肺液クリアランスの障害および腎臓機能障害を引き起こし得る。Randrianarisonら 2007 Am. J. Physiol. Lung Cell. Mol. Physiol. 294: 409-416。したがって、種々の態様において、ベータ−ENaCに対するRNAi剤の投与は、特に正常またはほぼ正常レベルのベータ−ENaC活性、発現および/またはレベルを確立または再確立する。

0178

レベル、発現および/または活性に関して「正常」または「ほぼ正常」は、健常細胞、組織または臓器においてベータ−ENaCのレベル、発現または活性の少なくとも約50%、約60%、約70%、約80%、約90%および/または約100%;および/または最大約100%、約120%、約130%、約140%または約150%を意味する。これは、例えば、Gamblingら 2004 Kidney Intl. 65: 1774-1781に記載されている肺または腎臓ホモジネートを使用して測定することができる。特に、1つの態様において、適当なベータ−ENaCRNAi剤の適当な量の投与は、ベータ−ENaCレベル、活性および/または発現および/またはNa+再吸収レベルを、健常細胞、組織または臓器の約50%から約150%、さらに特に約60%から約140%、さらに特に約70%から約130%、さらに特に約80%から約120%、さらに特に約90%から約110%、およびさらに特に約100%に回復させる。ベータ−ENaC活性のレベルはまた、肺液バランスにより間接的に測定することができる。肺液バランスは、余分な血管肺水の量を反映する無血の肺の湿乾重量比を計算することにより概算することができる。Randrianarisonら 2007 Am. J. Physiol. Lung Cell. Mol. Physiol. 294: 409-416。ベータ−ENaC活性のレベルはまた、肺、特に細気管支肺胞管肺胞上皮および血管の組織学的試験により間接的に測定することができる。Randrianarisonら 2007;およびZhouら 2008 Am. J. Resp. Crit. Care Med. 178: 1245-1256。したがって、ベータ−ENaC−関連疾患を有する患者へのベータ−ENaC RNAiの投与は、ベータ−ENaCのmRNAまたはタンパク質レベルの直接的測定または、例えば、組織学的サンプルまたは肺液レベルの分析の間接的測定により決定されるとき、特に、ベータ−ENaCのレベル、活性、および/または発現およびNa+再吸収のレベルをほぼ正常レベルに回復させる。

0179

加えて、種々の態様において、疾患状態および生物学的関係に依存して、正常レベル以下または正常レベル以上であるベータ−ENaC発現レベル、活性および/またはレベルを確立するために、本願発明のRNAi剤を使用することが許容される。

0180

種々の因子が、ENaC、または具体的にはベータ−ENaCのレベルを改変させることが知られている。ENaCの生理学的活性を増加させるホルモンは、アルドステロン、バソプレシンおよびインスリンを含む。ベータ−ENaCは、具体的には、ラットにおいて、バソプレシンおよび水制限により、ならびに重炭酸ナトリウム負荷中に上方調節される。これらの種々の因子は、ベータ−ENaCレベルに対するRNAi剤の効果を決定することにおいて、コントロールとして使用することができる。

0181

RNAi剤およびその修飾の型

0182

細胞において特定のタンパク質の発現を下方調整するためのアンチセンス核酸を含むRNAi剤または組成物の使用は、当分野でよく知られている。RNAi剤は、別の核酸のコード鎖(例えば、mRNA)に相補的である配列を含み、該鎖へ水素結合することができる。したがって、種々の態様において、本願発明のRNAi剤は、例えば、表1に示されている任意の配列を標的化する(例えば、該配列と相補的である、該配列に水素結合することができる、など)あらゆるRNAi剤を含む。

0183

mRNAに相補的であるアンチセンス配列は、コード領域、mRNAの5’または3’非翻訳領域、および/またはコードおよび非翻訳領域を架橋する領域、および/またはそれらの部分に相補的であり得る。さらに、RNAi剤またはその部分は、mRNAをコードする遺伝子の調節領域、例えば、転写または翻訳開始配列または調節要素に相補的であり得る。特に、RNAi剤またはその部分は、mRNAのコード鎖における開始コドンに先立つもしくは架かる領域またはmRNAの3’非翻訳領域に相補的であり得る。

0184

RNAi剤分子は、ワトソンクリック塩基対の規則にしたがって設計することができる。RNAi剤は、ベータ−ENaCのmRNAの全コード領域に相補的であり得るが、さらに特にベータ−ENaCのmRNAのコードまたは非コード領域の一部のみに対してアンチセンスであるオリゴヌクレオチドである。例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、ベータ−ENaCのmRNAの翻訳開始部位の周囲の領域に相補的であり得る。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、例えば、約5、10、15、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45または50ヌクレオチド長であり得る。

0185

RNAi剤は、内部に、または末端の一方にもしくは末端の両方に修飾を有し得る。末端での修飾は、RNAi剤を安定化させる手助けをし、血液中のヌクレアーゼによる分解から保護することができる。RNAi剤は、所望により、遺伝子のスプライス部位、例えば、エキソン−イントロン接合部付近でまたは該部位で知られているまたは予測されたベータ−ENaCのmRNAの領域に指向され得る(例えば、Saxenaら 1998に記載されている)。

0186

RNAi剤はまた、所望により、mRNAの知られているまたは予測された暴露および/または一本鎖領域(例えば、ループ)をアニールするように設計することができる。

0187

RNAi剤は、当分野で知られている手段を使用する化学合成および酵素ライゲーション反応を使用して構築することができる。例えば、RNAi剤は、天然ヌクレオチド、または、的外れの効果を減少させる、および/または分子の生物学的安定性を増加させるか、またはアンチセンスおよびセンス核酸間で形成される二本鎖の物理的安定性を増加させるように設計された様々に修飾されたヌクレオチドを使用して化学的に合成することができ、例えば、ホスホロチオエート誘導体およびアクリジン置換ヌクレオチドを使用することができる。

0188

「G」、「C」、「A」、「T」および「U」のそれぞれは、一般的に、塩基としてグアニン、シトシン、アデニン、チミジンおよびウラシルをそれぞれ含むヌクレオチドを表す。しかしながら、「リボヌクレオチド」または「ヌクレオチド」なる用語はまた、修飾されたヌクレオチドまたは代理置換部分を示すことができる。当業者は、グアニン、シトシン、アデニンおよびウラシルが、このような置換部分を有するヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドの塩基対特性を実質的に変化させることなく、他の部分により置き換えられ得ることをよく知っている。例えば、限定されないが、その塩基としてイノシンを含むヌクレオチドは、アデニン、シトシンまたはウラシルを含むヌクレオチドと塩基対形成し得る。したがって、ウラシル、グアニンまたはアデニンを含むヌクレオチドは、本願発明において特徴付けられるdsRNAのヌクレオチド配列において、例えば、イノシンを含むヌクレオチドにより置換され得る。別の例において、オリゴヌクレオチドにおいてアデニンおよびシトシンは、どこでも、それぞれグアニンおよびウラシルで置換され、標的mRNAとG−Uゆらぎ塩基対を形成することができる。このような置換部分を含む配列は、本願発明において特徴付けられる組成物および方法に適当である。

0189

当業者は、「RNA分子」または「リボヌクレオチド分子」なる用語は、自然(すなわち、天然)に発現される、または見いだせるRNA分子のみでなく、本明細書に記載されている、または当分野で知られている1つ以上のリボヌクレオチド/リボヌクレオシド類似体または誘導体を含むRNAの非天然類似体および誘導体も包含すると認識できる。厳密に言えば、「リボヌクレオシド」は、ヌクレオシド塩基およびリボース糖を含み、「リボヌクレオチド」は、1、2または3つのリン酸部分を有するリボヌクレオシドである。しかしながら、「リボヌクレオシド」および「リボヌクレオチド」なる用語は、本明細書において使用されるとき均等であると考えることができる。RNAは、例えば、本明細書の以下に記載されている核酸塩基構造またはリボース−リン酸骨格構造において修飾され得る。しかしながら、リボヌクレオシド類似体または誘導体を含む分子は、二本鎖を形成する能力を保持しなければならない。非限定的な例として、RNA分子はまた、限定はしないが、2’−O−メチル修飾ヌクレオチド、5’ホスホロチオエート結合基を含むヌクレオシド、コレステリル誘導体またはドデカン酸ビスデシルアミド基に連結した末端ヌクレオシド、ロックヌクレオシド、脱塩基ヌクレオシド、2’−デオキシ−2’−フルオロ修飾ヌクレオシド、2’−アミノ−修飾ヌクレオシド、2’−アルキル−修飾ヌクレオシド、モルホリノヌクレオシド、非ロックリボヌクレオチド(例えば、WO2008/147824に記載されている非環状ヌクレオチドモノマー)、ヌクレオシドを含むホスホロアミダートもしくは非天然塩基、またはそれらの任意の組合せを含む、少なくとも1つ修飾されたリボヌクレオシドを含むことができる。あるいは、RNA分子は、少なくとも2つの修飾されたリボヌクレオシド、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20またはそれ以上、最大全長のdsRNA分子を含むことができる。修飾は、必ずしも、RNA分子におけるこのような複数の修飾されたリボヌクレオシドのそれぞれで同じではない。1つの態様において、本明細書に記載されている方法および組成物における使用のために考慮される修飾RNAは、必要な二本鎖構造を形成する能力を有し、RISC経路を介して標的RNAの特異的な分解を可能にするか、または介在するペプチド核酸(PNA)である。

0190

RNAi剤を産生するために使用することができる修飾ヌクレオチドの例は、5−フルオロウラシル5−ブロモウラシル、5−クロロウシル、5−ヨードウラシル、ヒポキサンチンキサンチン、4−アセチルシトシン、5−(カルボキシヒドロキシルメチル)ウラシル、5−カルボキシメチルアミノメチル−2−チオウリジン、5−カルボキシメチルアミノメチルウラシルジヒドロウラシル、ベータ−D−ガラクトシルウオシン、イノシン、N6−イソペンテニルアデニン、1−メチルグアニン、1−メチルイノシン、2,2−ジメチルグアニン、2−メチルアデニン、2−メチルグアニン、3−メチルシトシン5−メチルシトシン、N6−アデニン、7−メチルグアニン、5−メチルアミノメチルウラシル、5−メトキシアミノメチル−2−チオウラシル、ベータ−D−マンノシルケウオシン、5’−メトキシカルボキシメチルウラシル、5−メトキシウラシル、2−メチルチオ−N6−イソペンテニルアデニン、ウラシル−5−オキシ酢酸(v)、ワイブトキソシン、プソイドウラシル、ケウオシン、2−チオシトシン、5−メチル−2−チオウラシル、2−チオウラシル、4−チオウラシル5−メチルウラシル、ウラシル−5−オキシ酢酸メチルエステル、ウラシル−5−オキシ酢酸(v)、5−メチル−2−チオウラシル、3−(3−アミノ−3−N−2−カルボキシプロピル)ウラシル、(acp3)w、および2,6−ジアミノプリンを含む。

0191

1つの態様において、本願発明は、本明細書に記載されているRNAi剤のいずれかの修飾変異体を含む。修飾変異体は、同じ配列を含むが、リン酸、糖、塩基、ヌクレオチドなどにおける修飾を含むように修飾することができる。例えば、修飾変異体は、本明細書に記載されている1つ以上の修飾ヌクレオチド、例えば、2’−修飾Cにより置き換えられたCを含むことができる。

0192

1つの局面において、修飾リボヌクレオシドは、デオキシリボヌクレオシドを含む。このような場合、RNAi剤は、1つ以上のデオキシヌクレオシド、例えば、デオキシヌクレオシドオーバーハング、またはdsRNAの二本鎖部分内の1つ以上のデオキシヌクレオシドを含むことができる。しかしながら、いかなる場合でも、二本鎖DNA分子が「RNAi剤」なる用語により包含されないことは自明である。

0193

2つのヌクレオチド3’−オーバーハングを有する21−mer siRNA二本鎖の3’−末端ヌクレオチドオーバーハングセグメントをデオキシリボヌクレオチドで置換することは、RNAi活性における副作用を有さない。siRNAのそれぞれの末端での最大4つのヌクレオチドをデオキシリボヌクレオチドで置換することは、許容されるが、デオキシリボヌクレオチドでの完全な置換は、RNAi活性をもたらさない。国際PCT公開WO00/44914、およびBeachら国際PCT公開WO01/68836は、siRNAが、リン酸−糖骨格またはヌクレオシドのいずれかに修飾を含み、少なくとも1つの窒素または硫黄ヘテロ原子を含み得ることをあらかじめ示唆している。 Kreutzerらカナダ特許出願第2,359,180号はまた、二本鎖RNA依存性タンパク質キナーゼPKRの活性化を中和するために、dsRNA構築物における使用のための特定の化学修飾、具体的には、2’−アミノまたは2’−O−メチルヌクレオチド、および2’−Oまたは4’−Cメチレン架橋を含むヌクレオチドを記載している。さらなる3’−末端ヌクレオチドオーバーハングは、dT(デオキシチミジン)、2’−O,4’−C−エチレンチミジン(eT)、および2−ヒドロキシエチルホスフェート(hp)を含む。

0194

Parrishら 2000 Molecular Cell 6: 1077-1087は、長い(>25nt)siRNA転写産物を使用してC.エレガンスにおけるunc−22遺伝子を標的とする特定の化学修飾を試験した。著者らは、T7およびT3RNAポリメラーゼチオリン酸エステルヌクレオチド類似体を組み込むことによって、これらのsiRNA転写産物へのチオリン酸エステル残基の導入を記載しており、2つのホスホロチオエート修飾塩基を有するRNAもまた、RNAiとしての有効性における実質的な減少を有したことを観察した。さらに、Parrishらは、2つ以上の残基のホスホロチオエート修飾が、干渉活性がアッセイできないほどに、インビトロでRNAを非常に不安定化させることを報告した。同上1081。著者らはまた、長いsiRNA転写産物におけるヌクレオチド糖の2’位での特定の修飾を試験し、リボヌクレオチドに対するデオキシヌクレオチドの置換が、とりわけウリジンのチミジンへのおよび/またはシチジンのデオキシ−シチジンへの置換の場合、干渉活性において実質的な減少を生じることを見出した。同上。加えて、著者らは、siRNAのセンス鎖およびアンチセンス鎖において、ウラシルに対して4−チオウラシル、5−ブロモウラシル、5−ヨードウラシルおよび3−(アミノアリル)ウラシル、ならびにグアノシンに対してイノシンで置換することを含む特定の塩基修飾を試験した。4−チオウラシルおよび5−ブロモウラシル置換は許容されるようであるが、Parrishは、いずれかの鎖に組み込まれるとき、イノシンが干渉活性において実質的な減少を生産することを報告した。Parrishはまた、アンチセンス鎖中の5−ヨードウラシルおよび3−(アミノアリル)ウラシルの組み込みが、同様にRNAi活性において実質的な減少をもたらすことを報告した。

0195

当業者は、所望により、当分野で知られている任意の慣用の方法を使用して、siRNAを合成および修飾することができることを理解している(Henschelら 2004 DEQOR: a web-based tool for the design and quality control of siRNAs. Nucleic AcidsResearch 32 (Web Server Issue):W113-W120参照)。さらに、アンチセンスオリゴヌクレオチド、siRNAまたはshRNA発現構築物ベクターに対して有用である種々の調節配列(例えば、構成的または誘導プロモーター、組織−特異的プロモーターまたはそれらの機能性フラグメントなど)があることが当業者には明らかである。

0196

ヌクレアーゼ安定性および有効性における有意な増強で核酸分子に導入することができる糖、塩基、リン酸および骨格修飾を記載している当分野でいくつかの例がある。例えば、オリゴヌクレオチドは、ヌクレアーゼ耐性基での修飾、例えば、2’−アミノ、2’−C−アリル、2’−フルオロ、2’−O−メチル、2’−O−アリル、2’−H、ヌクレオチド塩基修飾により、安定性を増加する、および/または生物学的活性を増加するように修飾される(概観のために、Usman and Cedergren 1992 TIBS. 17: 34; Usmanら 1994 Nucleic AcidsSymp. Ser. 31: 163; Burginら 1996 Biochemistry 35: 14090参照)。核酸の糖修飾は、当分野で広範囲に記載されている。

0197

RNAi剤のさらなる修飾および結合は、記載されている。Soutschekら 2004 Nature 432: 173-178は、ピロリジンリンカーの手段によりsiRNA分子のセンス鎖の3’−末端へのコレステロールの結合を与え、それにより共有および不可逆性複合体を産生した。RNAi剤の化学修飾(他の分子との結合を含む)はまた、インビボで薬物動態学の保持時間および効率を改善するために作られ得る。

0198

種々の態様において、ベータ−ENaCに対するRNAi剤は、ウリジンが2’−修飾ヌクレオチドである少なくとも1つの5’−ウリジン−アデニン−3’(5’−ua−3’)ジヌクレオチド;5’−ウリジンが2’−修飾ヌクレオチドである少なくとも1つの5’−ウリジン−グアニン−3’(5’−ug−3’)ジヌクレオチド;5’−シチジンが2’−修飾ヌクレオチドである少なくとも1つの5’−シチジン−アデニン−3’(5’−ca−3’)ジヌクレオチド;および/または5’−ウリジンが2’−修飾ヌクレオチドである少なくとも1つの5’−ウリジン−ウリジン−3’(5’−uu−3’)ジヌクレオチドを含む。

0199

種々の態様において、RNAi剤は、2’−デオキシ、2’−デオキシ−2’−フルオロ、2’−O−メチル、2’−O−メトキシエチル(2’−O−MOE)、2’−O−アミノプロピル(2’−O−AP)、2’−O−ジメチルアミノエチル(2’−O−DMAOE)、2’−O−ジメチルアミノプロピル(2’−O−DMAP)、2’−O−ジメチルアミノエチルオキシエチル(2’−O−DMAEOE)、および2’−O−N−メチルアセトアミド(2’−O−NMA)からなる群から選択される2’−修飾を含む。

0200

別の態様において、RNAiは、ギャップまたは塩基の欠落を含む。例えば、リン酸−糖骨格は、存在するが、塩基の欠落があり得る。

0201

別の態様において、RNAi剤は、一本鎖ニックを有する(例えば、骨格において断絶または結合の欠落)。種々の態様において、一本鎖ニックは、センスまたはアンチセンス鎖のいずれか、またはその両方であり得る。

0202

このニックは、例えば、センス鎖においてであり、ニックなしの対応するRNAi剤よりも的外れの効果が小さくてもよい低分子内部セグメント化干渉RNAまたはsisiRNAを生産することができる。

0203

アンチセンス核酸またはRNAi剤はまた、代替骨格、例えば、ロック核酸(LNA)、モルホリノ、ペプチド核酸(PNA)、トレオース核酸(TNA)、またはグリコール核酸(GNA)を有することができ、および/または、標識することができる(例えば、放射性標識または他の点ではタグ)。

0204

1つまたは両方の鎖は、代替骨格を含むことができる。

0205

さらに別の態様において、本願発明の方法により使用されるRNAi剤は、α−アノマー核酸分子を含むことができる。α−アノマー核酸分子は、相補的RNAと特定の二本鎖ハイブリッドを形成し、通常のβユニットに反して、鎖は互いに平行する。Gaultierら 1987 Nucleic Acids. Res. 15: 6625-6641。

0206

アンチセンス核酸分子はまた、2’−o−メチルリボヌクレオチド(Inoueら 1987 Nucleic AcidsRes. 15: 6131-6148)またはキメラRNA−DNA類似体(Inoueら 1987 FEBSLett. 215: 327-330)を含むことができる。

0207

さらに別の態様において、RNAi剤はリボザイムである。リボザイムは、相補的領域を有する一本鎖核酸、例えば、mRNAを開裂させることができるリボヌクレアーゼ活性を有する触媒RNA分子である。したがって、リボザイム[例えば、ハンマーヘッド型リボザイム(Haselhoffら 1988, Nature 334: 585-591に記載されている)]は、ベータ−ENaCのmRNA転写産物を触媒的に開裂させるために使用して、それによりベータ−ENaCのmRNAの翻訳を阻害することができる。

0208

あるいは、遺伝子発現は、ベータ−ENaCの調節領域(例えば、プロモーターおよび/またはエンハンサー)に相補的であるヌクレオチド配列を標的化することにより阻害され、ベータ−ENaC遺伝子の転写を防止する三重らせん構造を形成することができる。一般的に、Helene 1991 Anticancer Drug Des. 6(6): 569-84; Heleneら 1992 Ann. N.Y. Acad. Sci. 660: 27-36;およびMaher 1992, Bioassays 14(12): 807-15参照。

0209

RNAi剤の生産

0210

RNAi剤は、核酸がアンチセンス方向でサブクローニングされた(すなわち、挿入された核酸から転写されたRNAは、興味ある標的核酸に対してアンチセンス方向となる)発現ベクターを使用して生物学的に生産することができる。RNAi剤はまた、核酸がshRNA構築物においてサブクローンされている発現ベクターを使用して、生物学的に生産することができる(すなわち、挿入核酸から転写されるRNAは、興味ある標的核酸に対してアンチセンス方向における第1の領域、ループまたはヒンジを含む第2の領域、および興味ある標的核酸に対してセンス方向における第3の領域を有し、ここで、転写産物の第1および第3の領域は、好ましくはそれ自体でハイブリダイズし、それにより、ステムアンドループ構造を形成する)。

0211

RNAi剤を生産する方法は、当分野でよく知られており、当業者に利用可能である。

0212

RNAi合成のためのキットは、例えば、New England BiolabsおよびAmbionから市販されている。

0213

RNAi剤の送達

0214

本願発明のRNAi剤は、当分野で知られている任意の方法により、(例えば、インビトロで細胞、試験動物またはヒトに)送達または導入することができる。

0215

本願発明のRNAi剤は、一般的に、ベータ−ENaCをコードする細胞mRNAおよび/またはゲノムDNAとハイブリダイズし、転写および/または翻訳を阻害することによって発現を阻害するように、対象に投与されるか、またはインサイチューで生成される。RNAi剤の投与経路の例は、組織部位への直接注射を含む。あるいは、RNAi剤は、選択細胞を標的とするように修飾され、次に全身的に投与され得る。例えば、全身投与において、アンチセンス分子は、例えば、アンチセンス核酸分子を細胞表面受容体または抗原に結合するペプチドまたは抗体に連結することにより、選択細胞表面上で発現される受容体または抗原に特異的に結合することができるように修飾することができる。アンチセンス核酸分子はまた、当分野でよく知られている、および、例えば、US20070111230(この全内容を本明細書に包含させる)に記載されているベクターを使用して細胞に送達することができる。十分な細胞内濃度のアンチセンス分子をなし遂げるために、アンチセンス核酸分子が強いpol IIまたはpol IIIプロモーターのコントロール下に置かれているベクター構築物が、好ましい。

0216

RNAi剤を言及しているとき、「細胞に導入」は、当業者により理解されるとおり、細胞への摂取または吸収を容易にするか、または生じることを意味する。RNAi剤の吸収または摂取は、自発拡散性の、もしくは活性な細胞過程により、または助剤もしくはデバイスにより起こり得る。この用語の意味は、インビトロでの細胞に限定されず;RNAi剤はまた、生体の一部である「細胞に導入」され得る。このような場合、細胞への導入は、生物体への送達を含む。例えば、インビボ送達において、RNAi剤は、組織部位に注射されるか、または全身的に投与され得る。インビボでの送達はまた、ベータグルカン送達系、例えば、米国特許第5,032,401および5,607,677号、ならびに米国公開第2005/0281781号に記載されているものによってもよい。細胞へのインビトロでの導入は、当分野で知られている方法、例えば、エレクトロポレーションおよびリポフェクションを含む。さらなるアプローチは、本明細書に記載されているか、または当分野で知られている。

0217

組織へのRNAi剤の送達は、物質標的臓器に到達しなければならず、また、標的細胞細胞質に入らなければならないという両方の問題がある。RNAは細胞膜を貫通することができず、のRNAi剤の全身送達成功しそうにない。RNAは、血清中のRNAse活性により迅速に破壊される。これらの理由のため、RNAi剤を標的細胞に送達するための他のメカニズムが、考案されている。当分野で知られている方法は、限定はしないが:ウイルス送達(レトロウイルスアデノウイルスレンチウイルスバキュロウイルス、AAV);リポソームリポフェクタミン陽イオン性DOTAP、天然DOPC)またはナノ粒子陽イオン性ポリマー、PEI)、細菌送達(tkRNAi)、および安定性を改善するためのsiRNAの化学修飾(LNA)を含む。Xiaら 2002 Nat. Biotechnol. 20およびDevroeら 2002.BMCBiotechnol. 2 1: 15は、ウイルスベクターへのsiRNAの取り込みを記載している。RNAi剤の送達のための他の系が考えられており、本願発明のRNAi剤は、FDAまたは他の管轄機関によりすでに認められたおよび/または承認された種々の方法により送達することができる。本願発明のRNAi剤は、適当な医薬組成物中で送達することができる。

0218

RNAi剤の医薬組成物

0219

本明細書において使用される「医薬組成物」は、薬理学的に有効量の1つ以上のベータ−ENaCRNAi剤、薬学的に許容される担体、および所望により、RNAi剤と相乗的に働くさらなる疾患処置を含む。本明細書において使用される「薬理学的に有効量」、「治療有効量」または単に「有効量」は、意図される薬理学的、治療的または予防的結果を生じるために有効なRNAi剤の量を示す。例えば、与えられた臨床的処置が、疾患または障害と関連する測定可能なパラメーターにおいて少なくとも10%の減少があるとき、有効であると考慮されるとき、治療有効量の疾患または障害の処置のための薬物は、該パラメーターにおいて少なくとも10%減少をもたらすために必要な量である。この態様において、治療有効量のベータ−ENaCを標的とするRNAi剤は、少なくとも10%のベータ−ENaCのタンパク質レベルを減少させることができる。さらなる態様において、挙げられている臨床的処置は、疾患または障害と関連する測定可能なパラメーターにおいて少なくとも15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90または95%減少であるとき有効であると考え、疾患または障害の処置のための治療有効量の薬物は、該パラメーターにおいて少なくとも15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90または95%減少各々の効果のために必要である量である。

0220

「薬学的に許容される担体」なる用語は、治療剤の投与のための担体を示す。このような担体は、限定はしないが、塩水、緩衝食塩水デキストロース、水、グリセロールエタノールおよびそれらの組合せを含む。該用語は、細胞培養培地を明確に排除する。経口的に投与される薬物において、薬学的に許容される担体は、薬学的に許容される賦形剤、例えば、不活性希釈剤崩壊剤、結合剤、滑剤甘味剤香味剤着色剤および防腐剤を含むが、これらに限定されない。適当な不活性希釈剤は、炭酸ナトリウムおよびカルシウムリン酸ナトリウムおよびカルシウム、ならびにラクトースを含み、コーンデンプンおよびアルギン酸は、適当な崩壊剤である。結合剤は、デンプンおよびゼラチンを含み得、滑剤は、存在するとき、一般的に、ステアリン酸マグネシウムステアリン酸またはタルクである。所望により、錠剤は、胃腸管における吸収を遅延するために、物質、例えば、モノステアリン酸グリセリンまたはジステアリン酸グリセリルコーティングされ得る。薬物製剤に含まれる薬剤は、本明細書にさらに記載されている。

0221

ベータ−ENaCRNAi剤を含む医薬組成物は、固体形態、例えば、粉末顆粒、錠剤、丸剤ジェルキャップ、ゼラチンカプセル、リポソーム、坐薬チュアブル形態またはパッチであり得る。ベータ−ENaC RNAi剤を含む医薬組成物はまた、液体形態、例えば、溶液エマルジョン、懸濁液、エリキシル剤またはシロップ中で存在することができる。適当な液体支持体は、水中で様々な比率で、例えば、水、有機溶媒、例えば、ポリオール、例えば、グリセロールまたはグリコール、例えば、プロピレングリコールおよびポリエチレングリコール、またはエタノール、Cremophor EL、またはそれらの混合物であり得る。組成物は、アルブミンまたは界面活性剤でコーティングされたナノサイズの非結晶もしくは結晶顆粒を含むことができる。

0222

適当な支持体は、例えば、抗菌および抗真菌剤緩衝剤リン酸カルシウムセルロースメチルセルロースクロロブタノールココアバター、着色剤、デキストリン乳化剤腸溶コーティング、香味剤、ゼラチン、等張剤、レシチン、ステアリン酸マグネシウム、芳香剤多価アルコール、例えば、マンニトール、注射可能な有機エステル、例えば、オレイン酸エチルパラベンフェノールソルビン酸、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリジン、リン酸緩衝生理食塩水PBS)、保存剤、プロピレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩化ナトリウムソルビトール、種々の糖(スクロースフルクトースガラクトース、ラクトースおよびトレハロースを含むが、これらに限定されない)、デンプン、坐坐薬ロウ、タルク、植物油、例えば、オリーブ油およびコーンオイル、ビタミン、ロウ、および/または湿潤剤を含むことができる。ベータ−ENaCRNAi剤について、好ましい支持体は、デキストランおよび水、例えば、水中で5%のデキストロース(D5W)を含む。

0223

医薬組成物の生物学的に不活性な部分は、所望により侵食され、RNAi剤の持続放出を可能にする。

0224

医薬組成物は、送達、安定性、有効性または免疫原性の減少において助けるさらなる成分を含むことができる。

0225

ベータ−ENaCに対するRNAi剤を含む医薬組成物

0226

ベータ−ENaCに対するRNAi剤を含む医薬組成物のさらなる成分は、送達、安定性、有効性または免疫原性の減少において助けるために加えることができる。

0227

リポソームは、以前に薬物送達(例えば、化学療法の送達)のために使用されている。リポソーム(例えば、陽イオン性リポソーム)は、PCT公開WO02/100435A1、WO03/015757A1およびWO04029213A2;米国特許第5,962,016;5,030,453;および6,680,068号;および米国特許出願2004/0208921に記載されている。リポソームを製造する方法はまた、WO04/002453A1に記載されている。さらに、中性脂質が、陽イオン性リポソームに組み込まれている(例えば、Farhoodら 1995)。

0228

陽イオン性リポソームは、RNAi剤を種々の細胞型へ送達するために使用されている(Sioud and Sorensen 2003;米国特許出願2004/0204377;Duxburyら 2004; Donze and Picard, 2002)。

0229

中性リポソームの使用は、Millerら 1998および米国特許出願2003/0012812に記載されている。

0230

本明細書において使用される「SNALP」なる用語は、安定な核酸脂質粒子を示す。SNALPは、核酸、例えば、iRNAまたはiRNAが転写されるプラスミドを含む減少した水性内部をコートしている脂質の小胞を示す。SNALPは、例えば、米国特許出願公開第20060240093、20070135372および国際出願WO2009082817に記載されている。

0231

脂質ベースアミンベースおよびポリマーベースの技術を使用する化学的トランスフェクションは、Ambion Inc., Austin, Tex.; and Novagen,EMD Biosciences, Inc, an Affiliate of Merck KGaA, Darmstadt, Germany); Ovcharenko D (2003) “Efficient delivery of siRNAs to human primary cells.” Ambion TechNotes 10 (5): 15-16) の産物において記載されている。さらに、Songら(Nat Med. published online (Fete l 0, 2003) doi: 10.1038/nm828)および他のもの[Caplenら 2001 Proc. Natl. Acad. Sci. (USA), 98: 9742-9747;およびMcCaffreyら Nature 414: 34-39] は、肝臓細胞が哺乳動物の循環系へのsiRNAの注射により効率的にトランスフェクトすることができることを記載している。

0232

種々の分子が、細胞特異的なRNAi剤送達のために使用されている。例えば、プロタミンの核酸を凝縮する特性は、siRNAを送達するために特異的抗体と混合されている。Songら 2005 Nat Biotech. 23: 709-717。自己集合ペグ化ポリカチオンポリエチレンイミン(PEI)はまた、siRNAを凝縮および保護するために使用されている。Schiffelersら 2004 Nucl. AcidsRes. 32: el49, 141-1 10。

0233

次に、siRNA含有ナノ粒子は、インテグリンを過剰発現する腫瘍新生血管成功裏に送達された。Hu-Lieskovanら 2005 Cancer Res. 65: 8984-8992。

0234

本願発明のRNAi剤は、例えば、脂質ナノ粒子(LNP);中性リポソーム(NL);ポリマーナノ粒子;二本鎖RNA結合モチーフ(dsRBM)を介して;またはRNAi剤の修飾(例えば、dsRNAへの共有結合)を介して送達することができる。

0235

脂質ナノ粒子(LNP)は、自己集合性陽イオン性脂質ベース系である。これらは、例えば、中性脂質(リポソームベース);陽イオン性脂質(siRNA負荷のため);コレステロール(リポソームを安定化するため);およびPEG脂質(製剤の安定化、電荷遮蔽および血流中の循環の延長のため)を含むことができる。

0236

陽イオン性脂質は、例えば、頭部基、リンカー、テイルおよびコレステロールテイルを含むことができる。LNPは、例えば、良い腫瘍送達、血液中の循環の延長、小粒子(例えば、100nm未満)および腫瘍微小環境(低いpHを有し、低酸素である)中での安定性を有することができる。

0237

中性リポソーム(NL)は、非陽イオン性脂質ベースの粒子である。

0238

ポリマーナノ粒子は、自己集合性ポリマーベースの粒子である。

0239

二本鎖RNA結合モチーフ(dsRBM)は、修飾が必要である自己集合性RNA結合タンパク質である。

0240

種々の態様において、ベータ−ENaCに対するRNAi剤は、1つ以上の診断化合物、レポーター基、架橋剤、ヌクレアーゼ耐性付与部分、天然もしくは異常核酸塩基、親油性分子、コレステロール、脂質、レクチン、ステロイド、ウバオール、ヘコゲニン、ジオスゲニン、テルペン、トリテルペン、サルササポゲニン、フリーデリン、エピフリーデラノール誘導体化リトコール酸、ビタミン、炭水化物、デキストラン、プルラン、キチン、キトサン、合成炭水化物、オリゴラクテート15−mer、天然ポリマー、低もしくは中間分子量ポリマー、イヌリン、シクロデキストリン、ヒアルロン酸、タンパク質、タンパク質−結合剤、インテグリン標的分子、ポリカチオン、ペプチド、ポリアミン、ペプチド模倣物および/またはトランスフェリンに結合している。

0241

本願発明のRNAi剤は、RNAi剤の投与の特定の方法のために適当な種々の成分を含む医薬組成物において製造することができる

0242

RNAi剤の投与

0243

ベータ−ENaCを含む医薬組成物は、口腔吸入(吸入および深い吸入を含む)、経鼻、経口、非経口インプラント硬膜外動脈内、関節内、嚢内心臓内脳室内頭蓋内、皮内、筋肉内、眼窩内腹腔内、髄腔内、胸骨内、髄腔内、静脈内、くも膜下被膜下、皮下、表皮下経内皮、経気管経血管、経直腸下、局所および/または経路を介する注射または注入により投与することができる。これは、注射、注入、皮膚パッチ、または当分野で知られている他のいずれかの方法によるものであってもよい。製剤は、粉末、噴霧型、エアロゾル、粒状、または、そうでなければ送達用に適当に製造された形態であり得る。投与は、液体のとき、ゆっくり、またはボーラスによるものであり得るが、当分野で知られているある環境下では、ボーラス注射は、腎臓を介して物質の喪失をもたらし得る。

0244

ベータ−ENaCRNAi剤を含む医薬組成物は、当分野で知られている医薬デバイスで投与することができる。例えば、特定の態様において、RNAi剤は、無針皮下注射デバイス、例えば、米国特許第5,399,163、5,383,851、5,312,335、5,064,413、4,941,880、4,790,824または4,596,556号に記載されているデバイスで投与することができる。本願発明において有用なよく知られているインプラントおよびモジュールの例は、制御された速度で医薬を供給するためのインプラント可能な微小注入ポンプを記載する米国特許第4,487,603号;皮膚を介して医薬を投与するための治療用デバイスを記載する米国特許第4,486,194号;正確な注入速度で医薬を送達するための医薬注入ポンプを記載する米国特許第4,447,233号;連続的な薬物送達のためのインプラント可能な流速可変注入装置を記載する米国特許第4,447,224号;複数のチャンバー区画を有する浸透圧薬送達系を記載する米国特許第4,439,196号;および浸透圧薬送達系を記載する米国特許第4,475,196号を含む。多様な他のこのようなインプラント、送達系およびモジュールは、当業者に知られている。

0245

1つの態様において、RNAi剤を含む医薬組成物は、インビボで適切な分配を確保するように製剤化することができる。ベータ−ENaCに対するRNAi剤の投与は、全身(体中)であるか、または特に、targeted to ベータ−ENaCを発現する(またはベータ−ENaCを過剰発現するか、またはベータ−ENaCの過剰活性を示す)組織または臓器、例えば、肺、腎臓、大腸および腺に標的化することができる。これらの特定の組織または臓器を標的化するための方法は、本明細書に記載されている、および/または当分野で知られている。例えば、それらは、リポソーム中で製剤化され得る。リポソームを製造する方法について、例えば、米国特許4,522,811;5,374,548;および5,399,331参照。リポソームは、特定の細胞または臓器に選択的に輸送される1つ以上の部分を含み、したがって標的薬物送達を増強することができる(例えば、V.V. Ranade (1989) J. Clin. Pharmacol. 29: 685参照)。

0246

標的化部分の例は、葉酸またはビオチン(例えば、Lowらの米国特許5,416,016参照);マンノシド(Umezawaら (1988) Biochem. Biophys. Res. Commun. 153: 1038);抗体(P.G. Bloemanら (1995) FEBSLett. 357: 140; M. Owaisら (1995) Antimicrob. Agents Chemother. 39: 180);界面活性剤タンパク質A受容体(Briscoeら (1995) Am. J. Physiol. 1233: 134)、本願発明の製剤ならびに本発明の分子の成分を含み得る異なる種;p120(Schreierら (1994) J. Biol. Chem. 269: 9090)を含む;また、K. Keinanen; M.L. Laukkanen (1994) FEBS Lett. 346: 123; J.J. Killion; I.J. Fidler (1994) Immunomethods4: 273参照。

0247

したがって、本願発明は、ベータ−ENaC−関連疾患の処置における使用のための、所望により種々の修飾および/またはさらなる成分を含むことができる、1つ以上のベータ−ENaCに対するRNAi剤を含む医薬組成物を含む。

0248

ベータ−ENaC−関連疾患

0249

本願発明は、種々のベータ−ENaC−関連疾患を処置するための、ベータ−ENaCに対するRNAi剤およびヒトおよび非ヒト動物へのRNAi剤の投与を含む。

0250

「ベータ−ENaC−関連疾患」は、ベータ−ENaCのレベル、発現および/または活性における機能障害に関連するあらゆる疾患、および/またはベータ−ENaCのレベル、発現および/または活性を調節することにより処置および/または改善され得るあらゆる疾患を意味する。特に、それは、嚢胞性線維症、偽性低アルドステロン症1型(PHA1)、リドル症候群、高血圧、アルカローシス、低カリウム血漿および肥満関連高血圧を含む。

0251

「嚢胞性線維症」または「CF」は、嚢胞性線維症膜貫通コンダクタンス制御因子(CFTR)遺伝子における変異と関連する一般的な遺伝的疾患を意味する。CFTRは、cAMP依存性Cl−チャネルをコードし、ENaCを調節する。CF気道上皮において、CFTR−介在Cl−分泌は不良であり、ENaC−介在Na+吸収は増加する。CF気道におけるこれらのイオン輸送の不良は、気道表面液体(ASL)容量減少、粘液クリアランスの不良および粘液接着を引き起こし、ASL容量減少がCF肺疾患病因において重要なメカニズムであることを示唆する。実験マウスにおいて、ベータ−ENaCの気道特異的過剰発現は、加速されたNa+輸送の単独は、ASL容量減少およびCF様肺疾患、例えば、気道粘液閉塞杯細胞化生慢性好中球気道炎症細菌性病原体のクリアランスの異常、および最後に死亡率を生じるために十分であることを証明する。Zhouら 2008およびそれらに引用される文献、参照。

0252

「リドル症候群」は、しばしば代謝アルカローシスおよび低カリウム血漿、アルドステロンの過剰の特性である全ての症状(コーン症候群)を伴う、早期および重症高血圧により特徴付けられる高血圧の常染色体優性遺伝的形態を意味する。

0253

しかしながら、アルドステロンの血漿レベルは低い。したがって、リドル症候群はまた、仮性アルドステロン症と呼ばれる。この高血圧の重症型は、減塩食およびNa+チャネル阻害剤(K+−保持性利尿薬)での処置に対して応答し、ENaCの原発性異常調節を示唆する。該疾患は、ガンマ−ENaC、また、ベータ−ENaCにおけるいくつかの変異における変異と関連する(PPXYのコンセンサス配列を有する「PY」モチーフにおけるP615S、P616LおよびY618H;ならびに、R564st、W574st、579del32、Q589st、T592fr、A593frおよびR595fr、ここで、「fr」はフレームシフトであり、「del」は欠失であり、「st」は未成熟終止コドンである)。

0254

これらの変異は、野生型ENaCと比較して高活性であるNa+チャネルの過剰発現を引き起こす。該変異はまた、通常、細胞内Na+の上昇をもたらすチャネルの下方調節を妨げ;リドル変異を有するENaCチャネルは、高い細胞内Na+濃度にもかかわらず高度に活性状態を維持する。したがって、リドル症候群を有する変異ENaCのレベルおよび/または活性は、ベータ−ENaCに対するsiRNA、またはリドル症候群に対する既知の処置、例えば、減塩食およびNa+チャネル阻害剤(K+−保持性利尿薬)と組み合わせて該siRNAにより調節することができる。

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