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図面 (5)

課題

冷媒切替後においても切替前と同等の発電量を得ることが可能な発電方法を提供する。

解決手段

発電方法は、所定の基準冷媒を作動媒体として循環経路内循環させてバイナリー発電装置運転する基準運転時における、蒸発器蒸発した基準冷媒の過熱度制御目標値の情報を取得する工程と、基準冷媒よりも蒸気圧が高い少なくとも一種の高蒸気圧冷媒と基準冷媒よりも蒸気圧が低い少なくとも一種の低蒸気圧冷媒とが、基準冷媒と蒸気圧が同じとなる割合で混合された混合冷媒を、作動媒体として循環経路内に充填する工程と、混合冷媒を作動媒体として循環経路内で循環させると共に、蒸発器で蒸発した混合冷媒の過熱度が基準冷媒の過熱度の制御目標値と同じになるように制御しつつ、バイナリー発電装置を運転する工程と、を備えている。

概要

背景

従来、温水蒸気などの熱源熱エネルギーを、作動媒体を介して電気エネルギーとして回収するバイナリー発電方法が知られている。この方法に用いられるバイナリー発電装置は、低沸点冷媒である作動媒体が充填された循環経路において、蒸発器膨張機凝縮器及び作動媒体ポンプの各機器が配置された構成を有している。この発電方法によれば、蒸発器における熱源との熱交換を介して低沸点の冷媒を蒸発させ、その冷媒蒸気を膨張機で膨張させて得られる回転駆動力によって発電機のロータを回転させることにより、熱源の熱を電力エネルギー変換することができる。

従来の発電方法では、ハイドロフルオロカーボン(HFC;Hydro Fluoro Carbon)などの冷媒を作動媒体として循環経路内循環させている。また特許文献1には、ハイドロフルオロオレフィン(HFO;Hydro Fluoro Olefin)を含む冷媒を循環経路内で循環させる冷媒循環方法が開示されている。

概要

冷媒の切替後においても切替前と同等の発電量を得ることが可能な発電方法を提供する。発電方法は、所定の基準冷媒を作動媒体として循環経路内で循環させてバイナリー発電装置を運転する基準運転時における、蒸発器で蒸発した基準冷媒の過熱度制御目標値の情報を取得する工程と、基準冷媒よりも蒸気圧が高い少なくとも一種の高蒸気圧冷媒と基準冷媒よりも蒸気圧が低い少なくとも一種の低蒸気圧冷媒とが、基準冷媒と蒸気圧が同じとなる割合で混合された混合冷媒を、作動媒体として循環経路内に充填する工程と、混合冷媒を作動媒体として循環経路内で循環させると共に、蒸発器で蒸発した混合冷媒の過熱度が基準冷媒の過熱度の制御目標値と同じになるように制御しつつ、バイナリー発電装置を運転する工程と、を備えている。

目的

本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、冷媒の切替後においても切替前と同等の発電量を得ることが可能な発電方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

作動媒体循環する循環経路と、熱源との熱交換を介して前記作動媒体を蒸発させる蒸発器と、蒸発した前記作動媒体を膨張させる膨張機と、前記作動媒体の膨張による回転駆動力により発電する発電機と、を備えた発電装置を用いて発電する方法であって、所定の基準冷媒を前記作動媒体として前記循環経路内で循環させて前記発電装置を運転する基準運転時における、前記蒸発器で蒸発した前記基準冷媒の過熱度制御目標値の情報を取得する工程と、前記基準冷媒よりも蒸気圧が高い少なくとも一種の高蒸気圧冷媒と前記基準冷媒よりも蒸気圧が低い少なくとも一種の低蒸気圧冷媒とが、前記基準冷媒と蒸気圧が同じとなる割合で混合された混合冷媒を、前記作動媒体として前記循環経路内に充填する工程と、前記混合冷媒を前記作動媒体として前記循環経路内で循環させると共に、前記蒸発器で蒸発した前記混合冷媒の過熱度が前記基準冷媒の過熱度の制御目標値と同じになるように制御しつつ、前記発電装置を運転する工程と、を備えた、発電方法

請求項2

前記発電装置は、前記循環経路において前記作動媒体を循環させるための作動媒体ポンプをさらに備えており、前記基準運転時における前記作動媒体ポンプの回転数と同じ回転数により、前記混合冷媒を用いた前記発電装置の運転を行う、請求項1に記載の発電方法。

請求項3

前記高蒸気圧冷媒及び前記低蒸気圧冷媒は、互いに異性体である、請求項1または2に記載の発電方法。

請求項4

前記基準冷媒は、R245faであり、前記高蒸気圧冷媒は、ハイドロフルオロオレフィントランス体であり、前記低蒸気圧冷媒は、前記高蒸気圧冷媒と同じ分子式のハイドロフルオロオレフィンのシス体である、請求項3に記載の発電方法。

請求項5

前記基準運転時に用いられる容積型の前記膨張機を用いて、前記混合冷媒を用いた前記発電装置の運転を行う、請求項1〜4のいずれか1項に記載の発電方法。

請求項6

前記膨張機がスクリュ膨張機である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の発電方法。

技術分野

0001

本発明は、発電方法に関する。

背景技術

0002

従来、温水蒸気などの熱源熱エネルギーを、作動媒体を介して電気エネルギーとして回収するバイナリー発電方法が知られている。この方法に用いられるバイナリー発電装置は、低沸点冷媒である作動媒体が充填された循環経路において、蒸発器膨張機凝縮器及び作動媒体ポンプの各機器が配置された構成を有している。この発電方法によれば、蒸発器における熱源との熱交換を介して低沸点の冷媒を蒸発させ、その冷媒蒸気を膨張機で膨張させて得られる回転駆動力によって発電機のロータを回転させることにより、熱源の熱を電力エネルギー変換することができる。

0003

従来の発電方法では、ハイドロフルオロカーボン(HFC;Hydro Fluoro Carbon)などの冷媒を作動媒体として循環経路内循環させている。また特許文献1には、ハイドロフルオロオレフィン(HFO;Hydro Fluoro Olefin)を含む冷媒を循環経路内で循環させる冷媒循環方法が開示されている。

先行技術

0004

特開2016−194377号公報

発明が解決しようとする課題

0005

ところで、近年、環境への負荷を低減するために、冷媒に対する厳しい規制が課されつつある。ここで、HFOは、環境への負荷が小さい冷媒であるが、その蒸気圧既存冷媒のHFCの蒸気圧と異なっている。このため、HFOをHFCの代わりに作動媒体として用いた場合には、膨張機の吸込側における圧力が変化し、これにより発電量が変化してしまう。したがって、従来では、冷媒の切替後において切替前と同等の発電量が得られなくなるという課題がある。

0006

本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、冷媒の切替後においても切替前と同等の発電量を得ることが可能な発電方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0007

本発明の一局面に係る発電方法は、作動媒体が循環する循環経路と、熱源との熱交換を介して前記作動媒体を蒸発させる蒸発器と、蒸発した前記作動媒体を膨張させる膨張機と、前記作動媒体の膨張による回転駆動力により発電する発電機と、を備えた発電装置を用いて発電する方法である。この発電方法は、所定の基準冷媒を前記作動媒体として前記循環経路内で循環させて前記発電装置を運転する基準運転時における、前記蒸発器で蒸発した前記基準冷媒の過熱度制御目標値の情報を取得する工程と、前記基準冷媒よりも蒸気圧が高い少なくとも一種の高蒸気圧冷媒と前記基準冷媒よりも蒸気圧が低い少なくとも一種の低蒸気圧冷媒とが、前記基準冷媒と蒸気圧が同じとなる割合で混合された混合冷媒を、前記作動媒体として前記循環経路内に充填する工程と、前記混合冷媒を前記作動媒体として前記循環経路内で循環させると共に、前記蒸発器で蒸発した前記混合冷媒の過熱度が前記基準冷媒の過熱度の制御目標値と同じになるように制御しつつ、前記発電装置を運転する工程と、を備えている。

0008

この発電方法では、基準冷媒と蒸気圧が同じとなる割合で高蒸気圧冷媒と低蒸気圧冷媒とが混合された混合冷媒を循環経路内で循環させると共に、基準冷媒の過熱度の制御目標値と同じになるように混合冷媒の過熱度を制御する。このため、混合冷媒を用いた発電においても、発電量に影響を及ぼす因子(膨張機の吸込側における冷媒蒸気の圧力及び過熱度)を、基準冷媒を用いた基準運転時と同等にすることができる。本発明の発電方法では、混合冷媒の蒸気圧が基準冷媒の蒸気圧と同じであるため、冷媒を循環させるポンプ回転数を基準運転時から変更しなくても、混合冷媒の過熱度を基準運転時の制御目標値に合わせることができる。したがって、本発明の発電方法によれば、冷媒を基準冷媒から混合冷媒に切り替えた後でも、切替前と同等の発電量を得ることができる。

0009

なお、ここでいう「混合冷媒の蒸気圧と基準冷媒の蒸気圧が同じ」とは、両蒸気圧が完全に同じである場合に限る主旨ではなく、冷媒の切替前と同等の発電量を得るという目的の範囲での両蒸気圧の差を許容するものである。また「混合冷媒の過熱度が基準冷媒の過熱度の制御目標値と同じ」についても、上記と同様に両者が完全に同じである場合に限られず、上記目的の範囲での差を許容するものである。

0010

上記発電方法において、前記発電装置は、前記循環経路において前記作動媒体を循環させるための作動媒体ポンプをさらに備えていてもよい。上記発電方法においては、前記基準運転時における前記作動媒体ポンプの回転数と同じ回転数により、前記混合冷媒を用いた前記発電装置の運転を行ってもよい。

0011

上述の通り、本発明の発電方法では混合冷媒の蒸気圧が基準冷媒の蒸気圧と同じになるため、基準運転時と同じポンプ回転数で混合冷媒を循環させて発電を行った場合であっても、混合冷媒の過熱度を基準運転時の制御目標値に合わせることができる。

0012

上記発電方法において、前記高蒸気圧冷媒及び前記低蒸気圧冷媒は、互いに異性体であってもよい。

0013

この方法によれば、蒸気圧を除いて互いに物性が類似する異性体を高蒸気圧冷媒及び低蒸気圧冷媒としてそれぞれ用いることにより、両冷媒に対する耐性を持たせるための機器の設計が容易になる。

0014

上記発電方法において、前記基準冷媒は、R245faであってもよい。前記高蒸気圧冷媒は、ハイドロフルオロオレフィンのトランス体であってもよい。前記低蒸気圧冷媒は、前記高蒸気圧冷媒と同じ分子式のハイドロフルオロオレフィンのシス体であってもよい。

0015

この方法によれば、R245faを作動媒体として用いた発電と同等の発電量を得ることができると共に、ハイドロフルオロオレフィンを作動媒体として用いることにより、環境への負荷をより低減することができる。

0016

上記発電方法においては、前記基準運転時に用いられる容積型の前記膨張機を用いて、前記混合冷媒を用いた前記発電装置の運転を行ってもよい。

0017

容積型の膨張機を用いた発電において、混合冷媒の蒸気圧が基準冷媒の蒸気圧と異なる場合には、基準運転時と同等の発電量を得るために膨張機の容積比を変える必要が生じる。これに対して、上述の通り基準冷媒と蒸気圧が同じとなる割合で高蒸気圧冷媒と低蒸気圧冷媒とが混合された混合冷媒を用いることにより、基準運転時と同じ容積比の膨張機を用いた場合でも、同等の発電量を確保することが可能になる。

0018

上記発電方法において、前記膨張機がスクリュ膨張機であってもよい。

0019

上記発電方法においては、容積型の膨張機の一例としてスクリュ膨張機を好適に用いることができる。

発明の効果

0020

以上の説明から明らかなように、本発明によれば、冷媒の切替後においても切替前と同等の発電量を得ることが可能な発電方法を提供することができる。

図面の簡単な説明

0021

本発明の実施形態に係る発電方法に用いられるバイナリー発電装置の構成を模式的に示す図である。
ハイドロフルオロカーボン及びハイドロフルオロオレフィンを用いたバイナリー発電における作動媒体の状態変化を模式的に示すp−h線図である。
本発明の実施形態に係る発電方法の手順を示すフローチャートである。
作動媒体ポンプの回転数に対する冷媒の循環量、過熱度及び発電量の変化を模式的に示す図である。

実施例

0022

以下、図面に基づいて、本発明の実施形態に係る発電方法について詳細に説明する。

0023

(バイナリー発電装置)
まず、本実施形態に係る発電方法に用いられるバイナリー発電装置1の構成について、図1を参照して説明する。バイナリー発電装置1は、熱源101から回収した熱により電気エネルギーを生成する装置であり、図1に示すように、循環経路10と、作動媒体ポンプ16と、蒸発器12と、膨張機13と、発電機14と、凝縮器15と、を主に備えている。なお、図1は、バイナリー発電装置1における主要な構成要素のみを模式的に示しており、バイナリー発電装置1は、図1に現れていない他の任意の構成要素をさらに備え得るものである。以下、バイナリー発電装置1における各構成要素についてそれぞれ説明する。

0024

循環経路10は、低沸点の冷媒である作動媒体100が循環する配管からなるものであり、作動媒体ポンプ16、蒸発器12、膨張機13及び凝縮器15の各機器をそれぞれ接続している。図1に示すように、循環経路10は、作動媒体ポンプ16の吐出口と蒸発器12の入口とを接続する第1経路21と、蒸発器12の出口と膨張機13の入口とを接続する第2経路22と、膨張機13の出口と凝縮器15の入口とを接続する第3経路23と、凝縮器15の出口と作動媒体ポンプ16の吸入口とを接続する第4経路24と、を含む。この構成によって、作動媒体ポンプ16、蒸発器12、膨張機13、凝縮器15の順に作動媒体100を流通させることができる。

0025

作動媒体ポンプ16は、循環経路10において作動媒体100を循環させるためのものである。図1に示すように、作動媒体ポンプ16は、作動媒体100の循環方向における凝縮器15の下流側で且つ蒸発器12の上流側に配置されている。作動媒体ポンプ16は、凝縮器15から流出した液状の作動媒体100を加圧すると共に蒸発器12に向けて送り出す。

0026

作動媒体ポンプ16の回転数(すなわち、周波数)は、例えば制御部30により自動制御され、当該回転数により循環経路10内における作動媒体100の循環量を調整することが可能である。なお、作動媒体ポンプ16は、回転数が可変式のものに限定されず、回転数が固定式のものであってもよい。

0027

蒸発器12は、熱源101との熱交換を介して作動媒体100を蒸発させる熱交換器である。図1に示すように、蒸発器12は、作動媒体100の循環方向における作動媒体ポンプ16の下流側で且つ膨張機13の上流側に配置されている。蒸発器12は、作動媒体ポンプ16から送り出された液状の作動媒体100が流入する第1熱交換流路12Aと、熱源101が流入する第2熱交換流路12Bと、を含む。第1熱交換流路12Aの入口には第1経路21の下流端が接続されており、第1熱交換流路12Aの出口には第2経路22の上流端が接続されている。

0028

熱源101は、作動媒体100の沸点よりも高温熱媒体であり、例えば、蒸気や高温空気などの気体状のものや、温水などの液体状のものである。しかし、熱源101の種類はこれらに限定されるものではなく、種々のものを用いることが可能である。また高温空気が熱源101として用いられる場合には、第2熱交換流路12Bから流出した熱交換後の高温空気を冷却するためのクーラが設けられてもよい。

0029

蒸発器12においては、第1熱交換流路12Aを流れる作動媒体100と第2熱交換流路12Bを流れる熱源101との間で間接的に熱交換が行われる。これにより、液状の作動媒体100が熱源101により加熱されて蒸発する。蒸発した作動媒体100は、第2経路22を通じて膨張機13に流入する。なお、本実施形態における蒸発器12は、例えばプレート熱交換器であるが、熱交換器の種類は特に限定されるものではない。

0030

膨張機13は、蒸発器12において蒸発した気体状の作動媒体100を膨張させるものである。図1に示すように、膨張機13は、作動媒体100の循環方向における蒸発器12の下流側で且つ凝縮器15の上流側に配置されている。

0031

本実施形態における膨張機13は、容積型の膨張機であり、具体的にはスクリュ膨張機である。すなわち、膨張機13は、一対のスクリュロータ雄ロータ雌ロータ)と当該一対のスクリュロータを収容するケーシングとを有し、スクリュロータとケーシングとで構成される閉空間(作動室)の容積体積)が気体の吸入口から吐出口に向かって大きくなるように構成されている。これにより、吸入された気体状の作動媒体100は、吐出口に向かって流れるのに伴い膨張する。そして、この膨張前後の作動媒体100の圧力差によって、膨張機13のスクリュロータ(スクリュタービン)が回転する。この圧力差は、膨張機13の容積比により決定されるものである。なお、膨張機はスクリュ膨張機に限定されるものではなく、例えばターボ式スクロール式の膨張機が用いられてもよい。

0032

発電機14は、作動媒体100の膨張による回転駆動力により発電するものである。具体的には、発電機14のロータが膨張機13に接続されており、当該膨張機13と共に回転可能となっている。したがって、蒸発した作動媒体100により膨張機13を回転させ、その回転駆動力により発電することができる。

0033

凝縮器15は、冷却源102との熱交換を介して作動媒体100を凝縮させる熱交換器である。図1に示すように、凝縮器15は、作動媒体100の循環方向における膨張機13の下流側で且つ作動媒体ポンプ16の上流側に配置されている。凝縮器15は、膨張機13から流出した低圧の作動媒体100が流入する第1熱交換流路15Aと、冷却源102が流入する第2熱交換流路15Bと、を含む。第1熱交換流路15Aの入口には第3経路23の下流端が接続されており、第1熱交換流路15Aの出口には第4経路24の上流端が接続されている。冷却源102は、例えば冷却水などであり、図略の冷却水循環ポンプにより凝縮器15(第2熱交換流路15B)に向けて送り出される。

0034

凝縮器15においては、第1熱交換流路15Aを流れる作動媒体100と第2熱交換流路15Bを流れる冷却源102との間で間接的に熱交換が行われ、これにより作動媒体100が冷却源102により冷却されて凝縮する。そして、凝縮器15から流出した液状の作動媒体100は、第4経路24を通じて作動媒体ポンプ16に吸入される。本実施形態における凝縮器15は例えばプレート熱交換器であるが、熱交換器の種類は特に限定されない。

0035

本実施形態に係るバイナリー発電装置1は、上記のような構成を備えるものであるが、このバイナリー発電装置1においては、HFC−R245fa(これは後述の基準冷媒である。)を作動媒体100として循環させた場合に所望の発電量が得られるように、膨張機13の容積比が設計されており、且つ、蒸発器12で蒸発した作動媒体100(蒸発器12から流出した後膨張機13に吸入される前の気体状の作動媒体100)の過熱度が制御される。つまり、本実施形態に係るバイナリー発電装置1は、HFC−R245faを作動媒体100として用いた場合に所望の発電量が得られる構成(設計)となっている。

0036

(発電方法)
次に、上記バイナリー発電装置1を用いて発電する、本実施形態に係る発電方法について説明する。まず、本実施形態に係る発電方法の前に行われるバイナリー発電装置1の基準運転について説明する。

0037

この基準運転では、所定の基準冷媒を作動媒体100として循環経路10内で循環させてバイナリー発電装置1を運転する。本実施形態では、基準冷媒はHFC−R245faである。

0038

この基準運転では、所望の発電量が得られるように、蒸発した作動媒体100(第2経路22を流れる作動媒体100)の過熱度を制御する。具体的には、第2経路22に設けられた温度センサ及び圧力センサにより作動媒体100の温度及び圧力をそれぞれ検知し、その検知結果に基づいて作動媒体100の過熱度を算出し、算出された過熱度が所定の制御目標値となるように作動媒体ポンプ16の回転数を制御部30により制御する。若しくは、当該過熱度を所定の制御目標値に合わせることができる回転数に設計された作動媒体ポンプ16(回転数が固定式のもの)を用いる。なお、基準運転時における基準冷媒の過熱度(実測値)は、一定であってもよいし、変動してもよい。

0039

図2は、バイナリー発電装置1を用いた発電プロセスにおける作動媒体100の状態変化を示すp−h線図である。図2において、横軸比エンタルピーを示しており、縦軸が圧力を示している。また図2中の破線(1)は、HFC−R245faを用いた場合(基準運転時)の作動媒体100の状態変化を示している。

0040

図2中の破線(1)に示すように、基準運転時において、作動媒体100は作動媒体ポンプ16で加圧されることにより高圧の液体となり(点Aから点B)、蒸発器12において熱源101によって加熱されることにより高圧の蒸気となり(点Bから点C)、続いて膨張機13において膨張することにより低圧の蒸気となり(点Cから点D)、その後凝縮器15において冷却源102により冷却されて低圧の液体となる(点Dから点A)。

0041

次に、本実施形態に係る発電方法について、図3のフローチャートに沿って説明する。この発電方法では、上記基準運転時に使用されたバイナリー発電装置1と同じ装置がそのまま使用される。すなわち、本方法で用いられる各機器(作動媒体ポンプ16、膨張機13、蒸発器12、凝縮器15)は、上記基準運転時に用いられたものと同じである。この発電方法では、まず、上記基準運転時における、蒸発器12で蒸発した基準冷媒の過熱度の制御目標値の情報を取得する工程が行われる(図3の工程S1)。この制御目標値は、任意の一つの値で設定されていてもよいし、任意の範囲をもって設定されていてもよい。なお、上述した基準運転は、本工程において過熱度の制御目標値の情報を取得するのが目的である。したがって、この情報の取得において上記基準運転の実施が不要である場合には、本発電方法の前に上記基準運転を都度実施する必要はなく、上記基準運転が省略されてもよい。

0042

次に、混合冷媒を作動媒体100として循環経路10内に充填する工程が行われる(図3の工程S2)。この混合冷媒は、基準冷媒(HFC−R245fa)よりも蒸気圧が高い少なくとも一種の高蒸気圧冷媒と、当該基準冷媒よりも蒸気圧が低い少なくとも一種の低蒸気圧冷媒と、が混合されたものである。

0043

本工程では、高蒸気圧冷媒と低蒸気圧冷媒とを予め混合した後に循環経路10の配管内に充填してもよいし、高蒸気圧冷媒及び低蒸気圧冷媒をそれぞれ別々に循環経路10の配管内に充填し、その後、当該配管内において両冷媒を混合してもよい。なお、混合冷媒の充填時には、作動媒体ポンプ16を停止させる。

0044

本実施形態において、高蒸気圧冷媒及び低蒸気圧冷媒は、互いに幾何異性体のものである。具体的には、高蒸気圧冷媒はハイドロフルオロオレフィンのトランス体であり、低蒸気圧冷媒は高蒸気圧冷媒と同じ分子式のハイドロフルオロオレフィンのシス体である。例えば、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロパ−1−エンを高蒸気圧冷媒として用いることが可能である。またシス−1,3,3,3−テトラフルオロプロパ−1−エンを低蒸気圧冷媒として用いることが可能である。

0045

ここで、図2中の二点鎖線(2)は、高蒸気圧冷媒(HFOのトランス体)を単独で用いた場合の作動媒体100の状態変化を示している。また同図中の点線(3)は、低蒸気圧冷媒(HFOのシス体)を単独で用いた場合の作動媒体100の状態変化を示している。

0046

図2に示すように、高蒸気圧冷媒及び低蒸気圧冷媒は、それぞれ基準冷媒(HFC−R245fa)に対して気化時の圧力が異なっている。具体的には、高蒸気圧冷媒は気化時の圧力が基準冷媒のそれよりも高く(図2中のΔP1)、一方で低蒸気圧冷媒は気化時の圧力が基準冷媒のそれよりも低くなっている(図2中のΔP2)。したがって、高蒸気圧冷媒又は低蒸気圧冷媒をそれぞれ単独で循環経路10内に充填してバイナリー発電装置1を運転した場合、第2流路22を流れる作動媒体100の圧力が上記基準運転時と比べて変化する。その結果、膨張機13の吸入側における作動媒体100の圧力が変化することになる。

0047

ここで、バイナリー発電装置1による発電量は、膨張機13の吸込側における作動媒体100の圧力による影響を受ける。このため、上述のように膨張機13の吸込側における圧力が変化すると、上記基準運転時と比べて得られる発電量が変化してしまう。これに対して、使用する冷媒に合わせて膨張機13の設計(容積比)を変更することも考えられるが、その場合には装置のコスト増加を招くことになる。

0048

そこで、本実施形態に係る発電方法では、上記基準運転時と同じ装置構成のバイナリー発電装置1を用いると共に、基準冷媒(HFC−R245fa)と蒸気圧が同じとなる割合で高蒸気圧冷媒(HFOのトランス体)と低蒸気圧冷媒(HFOのシス体)とが混合された混合冷媒を用いる。本実施形態では、一例として、高蒸気圧冷媒と低蒸気圧冷媒とを8:2の割合で混合することにより混合冷媒を準備し、当該混合冷媒を循環経路10の配管内に充填する。当該混合冷媒の沸点は、基準冷媒の沸点と同じ又は略同じである。

0049

この混合冷媒を用いたバイナリー発電における作動媒体100の状態変化は、図2中の実線(4)の通りとなる。この実線(4)のサイクルに示す通り、混合冷媒の気化時の圧力は、基準冷媒の気化時の圧力と同じになる。したがって、当該混合冷媒をバイナリー発電装置1の作動媒体100として用いた場合であっても、第2経路22を流れる作動媒体100の圧力が上記基準運転時と同じになる。これにより、膨張機13の吸入側における圧力を上記基準運転時と同じにすることができる。

0050

本実施形態に係る発電方法では、HFOを作動媒体100として用いることにより、HFCを作動媒体100として用いる場合に比べて、環境への負荷をより小さくすることができる。しかも、高蒸気圧冷媒及び低蒸気圧冷媒としてHFOの幾何異性体(トランス体、シス体)を用いることにより、バイナリー発電装置1の各機器に用いられる材料の選定が容易になるという利点もある。すなわち、高蒸気圧冷媒及び低蒸気圧冷媒としてそれぞれ別物質の冷媒を用いた場合には、それぞれの冷媒に対する耐性(例えば、耐腐食性)を考慮して機器の材料を選定する必要がある。これに対して、本実施形態においては、HFOに対する耐性のみを考慮すればよいため、機器の材料選定が容易である。

0051

なお、本実施形態では、高蒸気圧冷媒及び低蒸気圧冷媒をそれぞれ1種類ずつ用いて混合冷媒を作製しているが、これに限定されるものではない。つまり、高蒸気圧冷媒及び低蒸気圧冷媒の一方又は両方を複数種類用いて混合冷媒を作製してもよい。

0052

次に、混合冷媒を作動媒体100として用いてバイナリー発電装置1を運転する工程が行われる(図3の工程S3)。この工程では、上記基準運転時における作動媒体ポンプ16の回転数と同じ回転数によって当該作動媒体ポンプ16を作動させることにより、混合冷媒を作動媒体100として循環経路10内で循環させる。そして、蒸発器12で蒸発した混合冷媒によって膨張機13を回転させることにより、所定の発電量が得られる。

0053

具体的には、図2中における実線(4)のサイクルに従って混合冷媒(作動媒体100)の状態が変化する。すなわち、混合冷媒は、作動媒体ポンプ16で加圧されることにより高圧の液体となり(点A’から点B’)、蒸発器12において熱源101によって加熱されることにより高圧の蒸気となり(点B’から点C’)、膨張機13において膨張することにより低圧の蒸気となり(点C’から点D’)、その後凝縮器15において冷却源102によって冷却されることにより低圧の液体となる(点D’から点A’)。

0054

この工程では、蒸発器12で蒸発した混合冷媒(第2経路22を流れる混合冷媒)の過熱度が、上記工程で予め取得された基準冷媒の過熱度の制御目標値と同じになるように制御しつつ、バイナリー発電装置1を運転する。これにより、混合冷媒の過熱度(実測値)は、上記基準運転時における基準冷媒の過熱度(実測値)と略同じになるように制御される。

0055

図4は、作動媒体ポンプ16の回転数(横軸)に対する冷媒の循環量、冷媒の過熱度及び発電量(縦軸)の変化を模式的に示す図である。この図中、実線(1)は、作動媒体ポンプ16の回転数に対する冷媒の循環量の変化を示している。また一点鎖線(2)は、作動媒体ポンプ16の回転数に対する冷媒の過熱度の変化を示している。また二点鎖線(3)は、作動媒体ポンプ16の回転数に対する発電量の変化を示している。なお、(1)〜(3)は理解を容易とするために模式的に示しており、厳密な特性の変化を示すものではない。

0056

図4に示すように、冷媒の循環量は作動媒体ポンプ16の回転数を増加させるのに従って単調に増加し、一方で冷媒の過熱度は作動媒体ポンプ16の回転数を増加させるのに従って減少する。そして、冷媒の過熱度を最適過熱度H1(制御目標値)に制御することにより所望の発電量G1が得られ、この時の作動媒体ポンプ16の回転数が図4中のP1である。上記基準運転では、所望の発電量G1が得られるように、作動媒体ポンプ16の回転数がP1とされている。

0057

上述の通り、本実施形態に係る発電方法においては、混合冷媒の蒸気圧が基準冷媒の蒸気圧と同じである。このため、上記基準運転時と同じポンプ回転数P1で作動媒体ポンプ16を作動させることにより、混合冷媒の過熱度を最適過熱度H1(制御目標値)に制御することができ、その結果、上記基準運転時と同じ所望の発電量G1を得ることができる。したがって、上記基準運転で使用した作動媒体ポンプ16と同じ構成のものをそのまま用いた場合でも、上記基準運転時と同等の発電量を得ることが可能になる。

0058

今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと解されるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなくて特許請求の範囲により示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。

0059

例えば、上記実施形態では、高蒸気圧冷媒及び低蒸気圧冷媒が同じHFOの幾何異性体である場合について説明したがこれに限定されず、それぞれ異なる材料であってもよい。また混合冷媒は、HFOに限定されるものではなく、例えばハイドロクロロフルオロオレフィン(HCFO;Hydro Chloro Fluoro Olefin)が用いられてもよい。

0060

上記実施形態では、基準冷媒はHFC−R245faに限定されない。

0061

バイナリー発電装置1には、蒸発器にて蒸発した冷媒蒸気を過熱する過熱器が設けられてもよい。蒸発器に流入する前の冷媒液予熱する予熱器が設けられてもよい。

0062

1バイナリー発電装置
10循環経路
12蒸発器
13膨張機
14発電機
16作動媒体ポンプ
100作動媒体
101 熱源

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