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技術 木造建物及びこれに使用する基礎部用防蟻マット並びに基礎部用防蟻パッキン

出願人 ダイナガ株式会社
発明者 玉井修一新里誠一
出願日 2018年6月6日 (2年1ヶ月経過) 出願番号 2018-108867
公開日 2019年12月12日 (6ヶ月経過) 公開番号 2019-210732
状態 未査定
技術分野 建築環境 捕獲、駆除
主要キーワード 圧縮変形前 ダブル効果 パッキンシート 開き穴 金属製台 穴間距離 長手側縁 張り出し寸法
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年12月12日)のものです。
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図面 (11)

課題

基礎不陸を確実に吸収して防蟻性にも優れている防蟻マット及び防蟻パッキンを提供する。

解決手段

防蟻マット3は発泡シリコーン又はEPDMからなっていて、荷重によって大きく圧縮する。従って、基礎1の不陸を確実に吸収できる。防蟻マット3の内部には、忌避性防蟻剤遅効性の防蟻剤とが混入されているため、防蟻剤も極めて高い。防蟻マット3は、アンカーボルト5を逃がすための切り開き穴8,9とくり抜き穴10とが形成されており、隣り合った防蟻マット3の切り開き穴8,9には、継手マット11を嵌め込むことができる。従って、接続部の防蟻性も万全である。

概要

背景

ベタ基礎方式の木造住宅では、コンクリート製の基礎縦基礎)を地面に施工してから、基礎の上面に木製の土台を載置してアンカーボルトで固定し、それから、土台の上に建物の上部分を構築しており、基礎と土台との間をパッキン材封止して気密基礎構造とすることが行われている。

気密基礎構造と成しているのは、白蟻侵入防止断熱性向上のためであり、その例として特許文献1の図4には、パッキン防蟻性シートで構成して、その上面に2本の突条を設けることが開示されている。また、特許文献1では、基礎の外面に断熱層を設けて、断熱層の外面を覆うように側面用防蟻シートを配置し、この側面用防蟻シートの上部で土台の外側面を覆っている。

基礎と土台との間に配置するパッキン材に関する他の公知例として、特許文献2〜5が挙げられる。このうち特許文献2は、下に位置した防水シートと上に位置した防虫シートとの積層体であり、防虫シートによって土台を白蟻等から保護し、防水シートによって水の通過を防止しているものである。特許文献2において、防水シート及び防虫シートとも材質や厚さは明示されていないが、大きく圧縮変形するものではないと推測される。

特許文献3のものは、厚さ1〜3mmのマットに多数の穴部を形成して、マットの上面と穴部とに防虫防腐のための薬剤含浸させ、更に、マットの上面を破れやすいフィルム被覆したものであり、フィルムが破れて薬剤が土台に触れることで土台の防腐・防虫を図っている。

特許文献4も積層構造であり、薬剤が含浸された吸湿シートを上にして、プラスチックゴム等からなる防湿シートが下になっている。特許文献4では、厚さや具体的な材質は明示されていない。

特許文献5は、パッキンシート切り線を入れることを特徴とするものであり、図面から推測してある程度の厚さはあると解されるが、材質は全く明示されていない。また、パッキンシートの機能として防蟻が明示されてはいるが、これは、基礎と土台との間の隙間を無くして白蟻の通過を阻止することを意味していると解され、防蟻剤防虫剤混入の点は全く開示されていない。

概要

基礎の不陸を確実に吸収して防蟻性にも優れている防蟻マット及び防蟻パッキンを提供する。防蟻マット3は発泡シリコーン又はEPDMからなっていて、荷重によって大きく圧縮する。従って、基礎1の不陸を確実に吸収できる。防蟻マット3の内部には、忌避性の防蟻剤と遅効性の防蟻剤とが混入されているため、防蟻剤も極めて高い。防蟻マット3は、アンカーボルト5を逃がすための切り開き穴8,9とくり抜き穴10とが形成されており、隣り合った防蟻マット3の切り開き穴8,9には、継手マット11を嵌め込むことができる。従って、接続部の防蟻性も万全である。

目的

本願発明は、このような現状を改善すべくなされたものであり、防蟻性と気密性に優れると共に施工も容易な防蟻マット・防蟻パッキン・木造建物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

コンクリート製基礎木製土台との間に配置される帯状防蟻マットであって、発泡シリコーン又は他の発泡樹脂、若しくはEPDM又は他の合成ゴムから成っていて5mm以上の厚さがあり、前記土台及びこれで支持した部材の荷重によって数分の一の厚さに圧縮変形可能であり、かつ、内部に防蟻剤が分散した状態で混入している、木造建物基礎部用防蟻マット。

請求項2

前記防蟻剤は、忌避性の防蟻剤と遅効性の防蟻剤との複数種類から成っている、請求項1に記載した木造建物の基礎部用防蟻マット。

請求項3

前記忌避性の防蟻剤はエトフェンプロックスであり、前記遅効性の防蟻剤はチアメトキサムである、請求項2に記載した木造建物の基礎部用防蟻マット。

請求項4

発泡シリコーン又はEPDMの単一品である、請求項1に記載した木造建物の基礎部用防蟻マット。

請求項5

一端と他端とには開口した一対の切り開き穴と、前記一対の切り開き穴の間に配置された1つ又は複数のくり抜き穴とが長手方向に断続的に形成されている、請求項1〜4のうちのいずれかに記載した木造建物の基礎部用防蟻マット。

請求項6

請求項5に記載した防蟻マットを使用した建物であって、前記基礎の上に、複数の防蟻マットが、隣り合った防蟻マットのくり抜き穴が相対向するように直列に配置されており、前記隣り合った防蟻マットのくり抜き穴に、それら両くり抜き穴に跨がった状態で継手マットが嵌め入れられている、木造建物。

請求項7

前記継手マットとして、帯状の中間材料から前記くり抜き穴又は切り開き穴を形成したときに排出された端材が使用されている、請求項6に記載した木造建物。

請求項8

コンクリート製基礎と木製土台との間に配置される帯状の防蟻パッキンであって、合成樹脂より成る帯状のベースシートと、前記ベースシートの少なくとも下面に設けたシール突条とから成っており、前記シール突条は、発泡シリコーン又は他の発泡合成樹脂、若しくはEPDM又は他の合成ゴムから成っていて5mm以上の厚さがあって、前記土台及びこれで支持した部材の荷重によって数分の一の厚さに圧縮変形可能であり、かつ、前記ベースシートとシール突条との両方に、防蟻剤が分散した状態で混入されている、木造建物の基礎部用防蟻パッキン。

請求項9

前記防蟻剤は、忌避性の防蟻剤と遅効性の防蟻剤との複数種類から成っている、請求項8に記載した木造建物の基礎部用防蟻パッキン。

請求項10

前記忌避性防蟻剤はチアメトキサムである一方、前記ベースシートはEVAの押し出し加工品から成り、シートは発泡シリコーンから成っている、請求項9に記載した木造建物の基礎部用防蟻パッキン。

技術分野

0001

本願発明は、ベタ基礎方式の高気密木造建物基礎部に好適な防蟻マット防及び防蟻パッキン、並びに、これらを使用した木造建物に関するものである。ここにいう木造建物とは、少なくとも土台を木製としている建物である。

背景技術

0002

ベタ基礎方式の木造住宅では、コンクリート製の基礎(縦基礎)を地面に施工してから、基礎の上面に木製の土台を載置してアンカーボルトで固定し、それから、土台の上に建物の上部分を構築しており、基礎と土台との間をパッキン材封止して気密基礎構造とすることが行われている。

0003

気密基礎構造と成しているのは、白蟻侵入防止断熱性向上のためであり、その例として特許文献1の図4には、パッキンを防蟻性シートで構成して、その上面に2本の突条を設けることが開示されている。また、特許文献1では、基礎の外面に断熱層を設けて、断熱層の外面を覆うように側面用防蟻シートを配置し、この側面用防蟻シートの上部で土台の外側面を覆っている。

0004

基礎と土台との間に配置するパッキン材に関する他の公知例として、特許文献2〜5が挙げられる。このうち特許文献2は、下に位置した防水シートと上に位置した防虫シートとの積層体であり、防虫シートによって土台を白蟻等から保護し、防水シートによって水の通過を防止しているものである。特許文献2において、防水シート及び防虫シートとも材質や厚さは明示されていないが、大きく圧縮変形するものではないと推測される。

0005

特許文献3のものは、厚さ1〜3mmのマットに多数の穴部を形成して、マットの上面と穴部とに防虫防腐のための薬剤含浸させ、更に、マットの上面を破れやすいフィルム被覆したものであり、フィルムが破れて薬剤が土台に触れることで土台の防腐・防虫を図っている。

0006

特許文献4も積層構造であり、薬剤が含浸された吸湿シートを上にして、プラスチックゴム等からなる防湿シートが下になっている。特許文献4では、厚さや具体的な材質は明示されていない。

0007

特許文献5は、パッキンシート切り線を入れることを特徴とするものであり、図面から推測してある程度の厚さはあると解されるが、材質は全く明示されていない。また、パッキンシートの機能として防蟻が明示されてはいるが、これは、基礎と土台との間の隙間を無くして白蟻の通過を阻止することを意味していると解され、防蟻剤防虫剤混入の点は全く開示されていない。

先行技術

0008

特開2000−273977号公報
実開昭52−136409号のマイクロフィルム
特開昭51−128116号公報
特開昭64−39445号公報
実開昭59−98013号のマイクロフィルム

発明が解決しようとする課題

0009

さて、ベタ基礎の建物の場合、基礎で囲われた内部からの白蟻の侵入は基本的にはないが(捨てコンクリート割れ目から侵入することは別にして)、基礎の外側においては、白蟻が基礎の外側面を這い上がって土台に至ることがある。そして、特許文献1では、側面用防蟻シートを別に設けて、この側面用防蟻シートで土台の外側面を覆っているため、白蟻の這い上がりも防止できると云えるが、2種類の防蟻シートが必要であるため、コストが嵩むと共に施工も面倒になることは否めない。

0010

他方、特許文献2〜4では、基礎と土台との間に配置したシール材防蟻層を形成できるため、他の防蟻シートは必ずしも必要はなくて施工コストの抑制には貢献できると解されるが、パッキン材(或いはマット)が積層方式であって全体に防蟻材が混入している訳ではないため、防蟻性能に不安は残る。

0011

更に、基礎の上面にはかなりの不陸があることが多く、従って、基礎と土台との間に白蟻が通過できる隙間が空くことも有り得るが、特許文献2〜5は基礎の不陸を確実に吸収できるように圧縮変形するか否か不明であり、この面でも、防蟻性について不安が残る。

0012

更に、特許文献2〜4について述べると、いずれも下層防蟻処理がされていないため、基礎の不陸の凹みの箇所において白蟻が下層を食い進む現象が懸念され、この面でも防蟻性に不安が残る。下層をゴム製とした場合について更に述べると、ゴムは変形するのでロール状に巻くことは容易であるが、ゴムと雖もその全てが圧縮して大きく潰れ変形するという訳ではなく、曲がり変形はしても圧縮は殆どしないものが大半であるため、基礎の不陸を確実に吸収できるとは言い難いのである。

0013

特許文献1の突条は大きく圧縮変形する素材から成っていると推測されるが、パッキンも突条も防蟻剤は混入していないため、基礎の不陸の凹みの箇所において白蟻に食われてしまうおそれは残っている。また、特許文献1では、シート状のパッキンが下に位置した基礎の上面に重なっているが、シート状のパッキンは張った状態で基礎の上面に重なっているため、突条が圧縮変形したとしても、パッキンが基礎の上面の凹みにしっかりと入り込まない可能性もあって、不陸の吸収性においても懸念が残る。

0014

本願発明は、このような現状を改善すべくなされたものであり、防蟻性と気密性に優れると共に施工も容易な防蟻マット・防蟻パッキン・木造建物を提供することを主たる目的とするものである。

課題を解決するための手段

0015

本願発明は多くの構成を含んでおり、その典型例を各請求項で特定している。

0016

請求項1の発明は、コンクリート製基礎木製土台との間に配置される帯状の防蟻マットに関するものあり、この防蟻マットは、
発泡シリコーン又は他の発泡樹脂、若しくはEPDM又は他の合成ゴムから成っていて5mm以上の厚さがあり、前記土台及びこれで支持した部材の荷重によって数分の一の厚さに圧縮変形可能であり、かつ、内部に防蟻剤が分散した状態で混入している」
という構成になっている。なお、防蟻マットの厚さは10mm程度あると好適である。

0017

また、防蟻マットに混入させている防蟻剤は、種類の面から見ると単一種類でもよいし、複数種類でもよい。複数種類を混入する場合、同じ機能のものを混入してもよいが、請求項2では、前記防蟻剤は、忌避性の防蟻剤と遅効性の防蟻剤との複数種類から成っている。この場合、忌避性の防蟻剤及び遅効性の防蟻剤とも、必ずしも単一種類には限らず、複数種類であってもよい。

0018

忌避性の防蟻剤及び遅効性の防蟻剤とも様々なものを採用できるが、請求項3では、前記忌避性の防蟻剤としてエトフェンプロックスを採用し、前記遅効性の防蟻剤としてチアメトキサムを採用している。

0019

防蟻マットは、異種材料から成る積層構造とすることも可能であるが、請求項4では、防蟻マットは発泡シリコーン又はEPDMの単一品になっている。

0020

請求項5では、請求項1〜4のうちのいずれかにおいて、
「一端と他端とには開口した一対の切り開き穴と、前記一対の切り開き穴の間に配置された1つ又は複数のくり抜き穴とが長手方向に断続的に形成されている」
という構成になっている。

0021

請求項6の発明は請求項5の防蟻マットを使用した木造建物に関するものであり、この発明では、
「前記基礎の上に、複数の防蟻マットが、隣り合った防蟻マットのくり抜き穴が相対向するように直列に配置されており、前記隣り合った防蟻マットのくり抜き穴に、それら両くり抜き穴に跨がった状態で継手マットが嵌め入れられている」
という構成になっている。

0022

請求項6の展開例として請求項7では、前記継手マットとして、帯状の中間材料から前記くり抜き穴又は切り開き穴を形成したときに排出された端材が使用されている。

0023

請求項8の発明は、コンクリート製基礎と木製土台との間に配置される帯状の防蟻パッキンに関するものであり、この発明の防蟻パッキンは、
合成樹脂より成る帯状のベースシートと、前記ベースシートの少なくとも下面に設けたシール突条とから成っており、
前記シール突条は、発泡シリコーン又は他の発泡合成樹脂、若しくはEPDM又は他の合成ゴムから成っていて5mm以上の厚さがあって、前記土台及びこれで支持した部材の荷重によって数分の一の厚さに圧縮変形可能であり、
かつ、前記ベースシートとシール突条との両方に、防蟻剤が分散した状態で混入されている」
という構成になっている。

0024

請求項8の展開例として、請求項9では、前記防蟻剤は、忌避性の防蟻剤と遅効性の防蟻剤との複数種類から成っている。この場合、忌避性の防蟻剤及び遅効性の防蟻剤とも種々のものを採用できるが、請求項3のとおり、前記忌避性の防蟻剤としてエトフェンプロックスを採用し、前記遅効性の防蟻剤としてチアメトキサムを採用するのが好ましい。

0025

請求項10の発明は請求項9の展開例であり、この発明では、前記忌避性防蟻剤はチアメトキサムである一方、前記ベースシートはEVAの押し出し加工品から成り、シートは発泡シリコーンから成っている。

発明の効果

0026

(1).請求項1〜7の効果
本願発明の防蟻マットは、厚さが5mm以上あってしかも大きく圧縮変形するため、基礎の上面に不陸があっても、凹みにしっかりと入り込んで、基礎と土台との間の隙間の発生を的確に防止できる。基礎の上面の不陸は施工状態によってバラツキがあるが、防蟻マットの厚さが10mm程度あると、問題なく不陸を吸収できるため好適である。

0027

そして、本願発明では、防蟻マットの全体に防蟻剤が混入しているため、白蟻が防蟻マットに接触してもこれを齧ることはできない。基礎の不陸を吸収できることと、防蟻マットの全体が防蟻性を有していることとにより、基礎と土台との間を白蟻が通過することを確実に阻止して、建物が白蟻の被害を受けることを防止できる。また、基礎の不陸を防蟻マットで確実に吸収できることにより、床下空間の気密性も向上できる(従って、断熱性能も向上できる。)。

0028

防蟻剤は、防蟻効果がどのように現れるかで忌避性(側溝性)と遅効性とに分けられる。本願発明において、いずれの防蟻剤も使用できるが、請求項2のように忌避性の防蟻剤と遅効性の防蟻剤とを併用すると、白蟻が防蟻マットに触れること自体を防止又は抑制できると共に、白蟻が防蟻剤に触れた場合は、防蟻剤が白蟻に付着してに持ち帰られて、巣にいる白蟻に次々転移することにより、多くの白蟻を駆除できる。

0029

防蟻マットの上には土台が位置しているが、白蟻は木材の木口(端面)から侵入する特性を持っているため、土台の側面が外側に露出していても白蟻の被害は受けにくいが、土台の外側面への白蟻のアクセスを阻止できれば、好適である。この点、請求項2のように、防蟻マットに忌避性の防蟻剤を混入させておくと、白蟻が土台にアクセスすることを防止又は大幅に抑制できるため、土台の外側面を防蟻シートで覆うといった処置を施さなくても、高い土台の被害を防止できる利点がある。

0030

結局、請求項2では、忌避性防蟻剤と遅効性防蟻剤とのダブル効果により、白蟻の食害防止を万全なものとすることができる。

0031

防蟻剤は多数の種類が存在するが、遅効性のものについてみると、ネオニコチノイド系のチアメトキサムは、人体に対する安全性に優れつつ高い白蟻駆除効果があって、特に好適である。従って、請求項3のようにチアメトキサムを使用するのは、安全性と防蟻効果との両方を両立できて好適である。同様に、エトフェンプロックスも、忌避性の防蟻剤の中では安全性と効果とに優れており、木造建物用の防蟻剤として好適である。

0032

本願発明の防蟻マットに必要な圧縮変形性を満たす材料として、弾性や強度、耐久性などに着目すると、例えば発泡ウレタン樹脂は好適であるが、防蟻マットに防蟻性能を持たせるためには発泡前の材料に防蟻剤を混入することになるが、ウレタン樹脂発泡温度が一般に150〜200℃である一方、請求項3で特定したこのチアメトキサムは分解温度が139℃であるため、発泡ウレタン樹脂とチアメトキサムとの組み合わせは採用できない。

0033

この点、発泡シリコーンは常温で発泡するため、請求項4で特定した素材のうちの発泡シリコーンを使用すると、チアメトキサムとエトフェンプロックスとの両方を使用できる。従って、高い防蟻性能を確保した防蟻マットの材料として、発泡シリコーンは好適である。

0034

発泡シリコーンは、機械的性質や耐久性には問題ないが、価格が高いという経済的な問題がある。他方、請求項4で特定したEPDMは、発泡シリコーンや発泡ウレタンと同様の圧縮性能と耐久性とを有しており、しかも、安価であるため、このEPDMも、本願発明の防蟻マットの素材として有益である。

0035

しかし、EPDMは発泡温度が139℃よりも高いため、エトフェンプロックスは使用できるがチアメトキサムは使用できない。従って、防蟻マットをEPDMで製造する場合は、エトフェンプロックスのみを使用したり、チアメトキサムに代えて他の遅効性防蟻剤を使用したりしたらよい。

0036

本願発明では様々な防蟻剤を使用できる。請求項3で特定したチアメトキサムはネオニコチノイド系であるが、他のネオニコチノイド系防蟻剤としては、クロニアジンイミダクロプリドジノテフランなどが挙げられる。

0037

他の化学系防蟻剤として、カーバメート系のフェノブカブル、ピレスロイド系ペルメトリンビフェントリントラメトリン、ピレスロイド系のエトフェンプロックス、フェニルピラゾール系のフィプロニルフェニルピロール系のクロルフェナピルなどのピレスロイド系などが挙げられる(エトフェンプロックスもピレスロイド系である。)。無機系防蟻剤としてのホウ酸コレマナイトヒノキチオールなどの天然系薬剤なども使用可能である。また、複数種類の防蟻剤を混合して使用することも可能である。

0038

防蟻マットで基礎の不陸にしっかりと吸収させるためには、不陸の隙間に防蟻マットを確実に入り込ませることが必要であり、本願発明の防蟻マットはそのような特性を有しているが、請求項5のように、防蟻マットに切り開き穴やくり抜き穴を形成すると、防蟻マットの面積が少なくなることにより、防蟻マットの単位面積当たりに作用する荷重が特許文献2〜5に比べて高くなるため、防蟻マットの変形を助長して、不陸の吸収効果を更に向上できる。

0039

また、基礎の上面にはアンカーボルトが突出しているため、アンカーボルトを防蟻マットに貫通させる必要があるが、請求項5のように、切り開き穴とくり抜き穴とを形成しておくと、切り開き穴又はくり抜き穴の箇所にアンカーボルトが位置するように設定しておくことにより、施工の手間を大幅に低減できる。この点、請求項5の大きな利点がある。また、防蟻マットを注型によって製造する場合は、使用する材料を低減できるため、コストダウンにも貢献可能である。

0040

さて、防蟻マットは、ロール状に巻いたものを現場で切断して使用してもよいが、所定長さに規格化しておくと、カットの手間を少なくしても施工がしやすいと云える。このように防蟻マットを所定長さに設定しておくと、基礎の上に複数本の防蟻マットを直列に配置することも多いが、この場合、隣り合った防蟻マットの間に隙間があると、防蟻性能が低下するおそれがある。

0041

この点、請求項6のように、隣り合った防蟻マットのくり抜き穴に防蟻性の継手マットを嵌め入れると、隣り合った防蟻マットの間に多少の隙間が空いていても、高い防蟻性能を確保することができる。また、請求項7のように、継手マットとして、くり抜き穴又は切り開き穴の形成過程で発生した端材を使用すると、端材を有効利用してコストを抑制できる利点がある。

0042

(2).請求項8〜10の効果
本願発明の防蟻パッキンは、シート及びシール突条の両方に防蟻剤が混入していることと、シール突条が基礎の上面に重なっていて高い不陸吸収機能を有していることとの相乗作用により、高い防蟻性能を発揮する。

0043

請求項9のように、忌避性の防蟻剤と遅効性の防蟻剤とを併用すると、請求項2と同じ効果を発揮する。この場合、防蟻剤としては、請求項3のようにチアメトキサムとエトフェンプロックスとの組み合わせが好適である。

0044

この場合、請求項4について述べたように、チアメトキサムの分解温度との関係から、請求項10のように、シール突条として発泡シリコーンを採用すると好適であり、また、ベースシートについては、一般に100℃以下の融点であるEVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)を使用するのが好適である。

図面の簡単な説明

0045

第1実施形態を示す図で、(A)は斜視図、(B)は防蟻マットを基礎にのせた状態の断面図、(C)は防蟻マットがつぶれた状態の断面図である。
第1実施形態の使用状態を示す図で、(A)は平面図、(B)は土台を実線で表示した状態での(A)のB−B視断面図、(C)は(A)のC−C視断面図である。
(A)は第2実施形態の平面図、(B)は第3実施形態の平面図、(C)(D)は第3実施形態の接続態様を示す平面図である。
(A)は第4実施形態の平面図、(B)は第5実施形態の平面図、(C)は接続状態の一例である第6実施形態の平面図、(D)はアンカーボルトの逃がし例の一例である第7実施形態の平面図である。
コーナー防蟻マットを使用した第8実施形態の施工状態を示す平面図である。
台輪を使用できる第9実施形態を示す図で、(A)は施工途中での平面図、(B)は防蟻マットが潰れる前の状態での(A)のB−B視断面図、(C)は防蟻マットが潰れた状態での断面図である。
第10実施形態を示す斜視図である。
(A)は第10実施形態の使用した施工例の平面図、(B)は荷重がかかる前の(A)のB−B視断面図、(C)はシール突条が潰れた状態の断面図、(D)は施工途中の加工を示す平面図、(E)は中心線を入れた変形例の平面図、(F)はアンカーボルト逃がし穴を空けた状態での平面図、(G)はミシン線を設けた変形例の平面図である。
コーナー防蟻マットを使用した第11実施形態を示す図で、(A)は施工例を示す分離平面図、(B)は接続状態の平面図である。
金属製台輪に対応した第12実施形態を示す図で、(A)は使用状態を示す一部破断平面図、(B)は(A)のB−B視断面図である。

実施例

0046

(1).第1実施形態の概要
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。まず、図1〜2に示す第1実施形態を説明する。図1に示すように、建物の基礎はベタ基礎であり、捨てコンクリートから立ち上げたコンクリート製の基礎(縦基礎)1と、その上に寝かせて配置した木製の土台2と、基礎1と土台2との間に配置した防蟻マット3とを備えている。

0047

基礎1の表裏両面には、コンクリート打設用型枠を兼用する断熱パネル4が重ね配置されている(すなわち、断熱パネル4は、コンクリートの打設によって基礎1に接合されている。)。外側に位置した断熱パネル4の外面には、耐火層としてモルタル層(図示せず)が塗工されている。なお、断熱パネル4にも防蟻性を持たせるのが好ましい。

0048

断熱パネル4は、発泡ポリスチレン発泡ポリエチレン等の発泡樹脂で製造されている。断熱パネル4は、基礎1の外面のみに配置されていてもよい。また、断熱パネル4は、基礎1を施工してから接着剤接着することも可能である。更に、断熱パネル4が存在しない構成も採用できる。

0049

以下では、方向を特定するため前後・左右の文言を使用するが、前後方向は基礎1や土台2の長手方向として定義し、左右方向は、基礎1及び土台2の幅方向として定義している。

0050

基礎1の上面に、多数本のアンカーボルト5を立設しており、図2(B)に示すように、土台2はナット6及びアンカーボルト5で基礎1に固定されている。アンカーボルト5のピッチは現場によって(設計者によって)まちまちであるが、図1に示す柱7との関係では、柱7から200mm以内の箇所に設けるように規定されている。

0051

なお、柱7の位置は建物によってまちまちであるが、いずれにしても、出隅部と出隅部とに配置するコーナー柱は必須であるし、殆どの建物では、コーナー柱の間に中間柱を配置している。従って、アンカーボルト5は、柱7の位置を考慮して配置位置やピッチが設定されている。

0052

(2).防蟻マット
防蟻マット3は発泡シリコーン製であり、図1(B)(C)に示すように、建物を施工した後は、荷重によって数分の1か10分の1程度に圧縮変形する。厚さtは、基礎1の不陸を吸収できる寸法であればよく、実施形態では10mm程度に設定している。厚さtが10mmあると、施工のバラツキがあっても、基礎1の不陸は確実に吸収できると云えるが、一般的には、5mm以上あればよいと思われる。

0053

土台2の幅は基礎1の幅よりも少し小さくなっているのが普通であるが、実施形態では、防蟻マット3の幅は基礎1の幅と同じ程度に設定している。従って、圧縮変形前の状態で、防蟻マット3の長手側縁3aは土台2の外側に少しはみ出ている。もとより、防蟻マット3は土台2の幅と同じ程度に設定してもよい。防蟻性能の点からは、図1(C)に示すように、圧縮した状態で膨れた長手側縁3aが土台2の外側にはみ出るように設定しておくのが好ましいと云える。

0054

防蟻マット3には、忌避性の防蟻剤としてエトフェントロックスを分散した状態で混入し、遅効性の防蟻剤としてチアメトキサムを分散させた状態で混入している。防蟻剤の混入量は、それぞれ外掛け重量比で100〜1000ppm程度でよい。防蟻マット3は、シリコーン樹脂原料発泡材との混合物を入れて発泡させて製造されるが、シリコーン樹脂原料と発泡材との混合物に、防蟻剤の粉末投入して攪拌して均等に分散させ、それから型に入れて発泡させている。

0055

防蟻マット3は、型から取り出した状態で単なる帯板の状態になっているが、本実施形態では、防蟻マット3に、一端面に開口した第1切り開き穴8と他端面に開口した第2切り開き穴9、及び、両者の間に位置した1つのくり抜き穴10を、打ち抜きによって形成している。従って、切り開き穴8,9とくり抜き穴10とが断続している。切り開き穴8,9及びくり抜き穴10とも長穴になっており、端部は円弧状に形成されている。

0056

防蟻マット3の具体的な寸法としては、長さL1を1000mm程度に設定している。2つの切り開き穴8,9の長さL2,L3は同じ寸法であり、かつ、切り開き穴8,9の長さL2,L3と、くり抜き穴10の長さL4、及び、切り開き穴8,9とくり抜き穴10との間の間隔L5は同じ寸法に設定している。

0057

防蟻マット3の幅は、基礎1の幅に合わせて120mm程度になっている。すなわち、土台2の幅は、105mm、120mm、150mmと規格化されているが、本実施形態では、105mmの土台2に適用している。もとより、120mmや150mmの土台2に適用する場合は、防蟻マット3の幅を広げたらよい。切り開き穴8,9及びくり抜き穴10の幅は、任意に設定できるが、例えば、防蟻マット3の幅の50〜70%とすることができる。土台2の幅が105mmであっても、基礎1の幅は120mmになっていることが多い。従って、本実施形態の防蟻マット3は、105mmの土台2を使用する場合と120mmの土台2を使用する場合とに兼用できる。

0058

(3).第1実施形態のまとめ
図2(A)において、防蟻マット3の使用状態を部分的に示している。図2のうち(B)では防蟻マット3が圧縮変形する前の状態を示している一方、(C)では、圧縮して基礎1の不陸を吸収している状態を示している。

0059

防蟻マット3の厚さが10mm程度あって基礎1の最大凹凸よりも大きいことと、防蟻マット3が発泡シリコーン製であってごく偏平な状態まで圧縮変形することにより、基礎1の上面に不陸(凹凸)があっても、図2(C)のとおり、凹部に防蟻マット3をしっかりと入り込ませてシールすることができる。従って、白蟻がモルタル層を這い上がって基礎1の上面で到達しても、基礎1と土台2との間を通過することはできない。

0060

また、図1(C)のとおり、防蟻マット3の長手側縁3aが外側に露出しているため、白蟻は、まず、防蟻マット3に含まれている忌避性防蟻剤によって撃退される。すなわち、白蟻の多くは、防蟻マット3の長手側縁3aに触れることなく退散する。また、白蟻が防蟻マット3の長手側縁3aに触れると、防蟻マット3に含まれているチアメトキサムが白蟻に付着して巣に持ち帰られ、この白蟻に他の白蟻が接触することによってチアメトキサムが巣において拡散し、結果として、多くの白蟻が巣において死滅する。

0061

このように、本実施形態では、忌避性防蟻剤と遅効性防蟻剤とのダブル作用により、高い防蟻効果を得ることができる。既述のとおり、防蟻マット3が圧縮変形した状態で、その長手側縁が膨れた状態で土台2の外側に露出するように設定しておくと、白蟻が防蟻剤に接する機会が増えるため、防蟻性能を一層向上できる利点がある。なお、少なくとも外側の断熱パネル4にチアメトキサム等の防蟻剤を添加しておくと、白蟻が断熱パネル4を食い進んで這い上がることはないため、土台2の防護を一層確実化できる。

0062

さて、防蟻マット3は注型成形という製造上の特性から所定長さになっているため、複数の防蟻マット3を直列に並べる必要がある。この場合、防蟻マット3は圧縮すると長手方向にも膨れるため、隣り合った防蟻マット3の間に多少の隙間があっても、その隙間は膨れた防蟻マット3によって埋められるが、隙間がある程度以上に大きいと、膨れた防蟻マット3で詰めることができず、白蟻が通過可能な空間が空いてしまうおそれがある。

0063

この点について、図2(A)のとおり、隣り合った防蟻マット3の切り開き穴8,9に、それらに跨がった状態で継手マット11を嵌め入れている。従って、隣り合った防蟻マット3が一端に連続したのと同じ状態になって、防蟻マット3の間に隙間があっても、白蟻の通過を確実に遮断できる。継手マット11は、防蟻マット3にくり抜き穴10又は切り開き穴8,9を打ち抜き形成したことによって発生した端材を使用している。従って、材料を有効利用して、コストを抑制した状態で高い防蟻性能を確保できる。

0064

最端部に位置した防蟻マット3では、1つの切り開き穴8が基礎1の外側に開口するが、図2(A)に一点鎖線で示すように、最端部の切り開き穴8に継手マット11を配置してもよい。

0065

くり抜き穴10と切り開き穴8,9とは、アンカーボルト5の逃がし穴としての役目も持っている。既述のとおり、柱7の近くではアンカーボルト5は柱7から200mm以内の箇所に設けることが法定されているが、本実施形態では、柱7から100mm以内の配置が多いと想定して、切り開き穴8,9の長さを200mmに設定している。

0066

また、アンカーボルト5のピッチPを1000mmと想定した場合、防蟻マット3の長さは1000mmであるので、端から2本目のアンカーボルト5は、2枚目の防蟻マット3の切り開き穴9によって逃がされている。切り開き穴8,9及びくり抜き穴10の配置位置や長さ、ピッチなどは任意に設定できる。アンカーボルト5への対応性からは、くり抜き穴10と切り開き穴8,9の占める長さの割合をできるだけ大きくするのが好ましい。

0067

(3).第2〜5実施形態(図3〜4)
図3,4では、防蟻マット3の別例を示している。このうち図3(A)に示す第2実施形態では、第1実施形態と同様の1000mmの長さの防蟻マット3において、くり抜き穴10を2か所に形成している。切り開き穴8,9の長さとくり抜き穴10の長さ、隣り合った穴の間隔は等しい寸法に設定している。一点鎖線に示すように、長さの異なるくり抜き穴10を交互に形成してもよい。或いは、2つの切り開き穴8,9は5つのくり抜き穴10と同じに長さ(例えば100mm)に設定してもよい。

0068

図3(B)に示す第3実施形態では、第1切り開き穴8の長さを第2切り開き穴9の長さよりも小さい寸法に設定している。第1開き穴8の長さは、くり抜き穴10の長さ及び穴間距離と同じに設定している。防蟻マット3は、全長L1は1000mmで幅は120mmを想定しているが、長さを1500mmや2000mmと云った寸法に設定することも可能である。一点鎖線で示すように、防蟻マット3の数を増やしてもよい。

0069

防蟻マット3の接続態様として、図3(C)の例では、第1切り開き穴8と第2切り開き穴9とが繋がるように配置して、図3(D)の例では、第2切り開き穴9同士が繋がるように配置している。図示していないが、第1切り開き穴8同士が繋がるように配置することも可能である。

0070

図3の(C)と(D)との対比から理解できるように、2つの切り開き穴8,9の長さを異ならせると、2枚目の防蟻マット3の切り開き穴8,9とアンカーボルト5との位置は異なるので、アンカーボルト5の位置に応じて防蟻マット3の接続態様を選択することにより、アンカーボルト5のピッチの違いに対する適応性を向上できる。

0071

図4(A)に示す第4実施形態は、長さが2000mm又は1500mmのものを想定している。この場合も、図3(A)に一点鎖線で表示したように、くり抜き穴10の数を増やすことが可能である。第1切り開き穴8と第2切り開き穴9との長さを変えているが、同じ長さであってもよい。図4(B)に示す第5実施形態では、切り開き穴8,9及びくり抜き穴10の端部を角形に形成している。図示していないが、端部をV形に形成することも可能である。

0072

図4(C)に示す第6実施形態では、継手マット11に、アンカーボルト5を通過させる小穴12を、長手方向に沿って断続的に空けている。この構成では、2つの防蟻マット3の境界部にアンカーボルト5が位置していても、高いシール性を確保することができる。小穴12は、例えば、両端間の中間位置に1か所のみ空けるだけでもよいが、図示した形態のように複数個を空けておくと、アンカーボルト5がどのような位置にあっても、隣り合った防蟻マット3の間の隙間をしっかりと塞ぐことができる。このように継手マット11に小穴12を空けておくことは、他の実施形態の継手マット11にも適用できる。

0073

図4(D)に示す第7実施形態では、アンカーボルト5が穴8,9,10の箇所に位置していない場合に、現場で手動式パンチ等で逃がし穴13を空けた状態を示している。防蟻マット3に中心線ライン14を設けておくと、逃がし穴13を正確な位置に空けることができる。中心線ライン14は、印刷によって施してもよいし、V溝として成型時に形成しておいてもよい。

0074

(4).第8実施形態(図5
図5では、コーナー防蟻マット16を使用した第8実施形態を示している。コーナー防蟻マット16は平面視L形に形成されており、基礎1の出隅部と入隅部との両方に兼用できる。そして、コーナー防蟻マット16には、突出方向に向けて開口した切り開き穴17を形成しており、隣り合った直線状の防蟻マット3と、継手マット11を介して接続されている。

0075

この実施形態のようにコーナー防蟻マット16を使用すると、コーナー部において隣り合った防蟻マット3の間に隙間が発生したり、切り開き穴8,9が建物の外側に開口したりすることはないため、防蟻性能を確実化できる。

0076

図示のコーナー防蟻マット16は平面視L形に形成しているが、コーナー防蟻マット16は、正方形に形成して交差した2つの端面に切り開き穴17を形成してもよい(切り開き穴17の深さは、例えば一辺の1/4程度に設定できる。)。また、既述のとおり、アンカーボルト5は、柱7の近くでは柱7から200mm以内の場所に設けることになっているので、コーナー防蟻マット16をL形に形成しつつ、張り出し寸法を200mm程度に設定して、柱7に近いアンカーボルト5をコーナー防蟻マット16の切り開き穴17で必ず逃がすように設定してもよい。

0077

基礎1は、建物の外周(外壁)の下方に位置した外周部と、建物の内側の仕切り壁の下方に位置した内側部とがあり、ベタ基礎方式では、基本的には、外周部での防蟻性を確保しておけば、内側部では特に防蟻対策を施す必要はない。他方、防蟻マット3は圧縮されても多少の厚さはあるため、建物全体の土台2の高さを一定に揃えるため、内側部においても、防蟻マット3と同じ厚さのスペーサマット18を使用する必要がある(図5(A)においてスペーサマット18に平行斜線を付しているが、これは単なる区別のためであり、断面の表示ではない。)。

0078

スペーサマット18として防蟻マット3を使用することも可能であるが、スペーサマット18は高さを揃えるだけに使用するものなので、必ずしも防蟻剤を混入させておく必要はない(防蟻剤を混入しないと、コストを抑制できる。)。防蟻剤が混入していないスペーサマット18を使用する場合は、スペーサマット18を防蟻マット3とは異なる色に設定しておくと、配置の間違いを防止できて好適である。

0079

また、スペーサマット18と、アンカーボルト5の箇所だけに配置することも可能であるので、例えば正方形に形成するなどして、防蟻マット3とは形状が明確に相違する状態にして、配置間違いを無くすことも可能である。

0080

更に、防蟻マット3が圧縮してどの程度の厚さになるかは判るので、防蟻マット3が圧縮しきった状態の厚さと同じシートをスペーサマット18の代わりに使用することも可能である。この場合は、基礎1の外周部と内側部とで使用するものの形態が視覚的に明白に相違するので、施工間違いを確実に防止できる。シートとして、第10実施形態で使用するEVAシートを使用可能であり、防蟻剤を混入していてもよい。シートを使用する場合、アンカーボルト5の外径と同じか又は僅かに大きい幅の切り開き穴とくり抜き穴とを形成しておくと、施工の手間を軽減できる。

0081

(5).第9実施形態(図6
図6に示す第9実施形態では、免震(制震)等のための金属製台輪(スペーサ)19に対応した例を示している。すなわち、この実施形態では、防蟻マット3のくり抜き穴10及び切り開き穴8,9が、アンカーボルト5に嵌まる台輪19を配置できる幅寸法になっている。台輪19は上下のプレート19a,19bで構成されており、上下のプレート19a,19b相対動することにより、地震に際して基礎1と土台2とが相対動して、建物の揺れが抑制される。

0082

この実施形態では、土台2及び建物の荷重は金属製の台輪19で支持されるので、防蟻マット3は、台輪19の厚さまで潰れた状態で基礎1の不陸を確実に吸収できる厚さに設定している。従って、従前の実施形態よりも厚くしておく(例えば15mm程度)のが好ましいと云える。また、防蟻マット3は、外周部の基礎1のみに配置すればよい。

0083

(6).第10実施形態(図7〜8)
次に、図7〜8に第10実施形態として示す防蟻パッキン21を説明する。防蟻パッキン21は、帯状のシート22とその下面に固定した2本のシール突条23とで構成されている。シート22は、例えばEVA樹脂の押し出し加工品であり、押し出し前の状態で、溶融した樹脂に防蟻剤を添加することによって防蟻性が付与されている。

0084

他方、シール突条23は、発泡シリコーン樹脂の成形品であり、これも、発泡前の段階に防蟻剤を添加しておくことにより、防蟻性が付与されている。なお、シール突条7は、当初から所定の幅に成形してもよいし、幅広に形成されたものをスリッター細幅裁断して使用してもよい。

0085

シート22及びシール突条23とも、第1実施形態と同様に、忌避性の防蟻剤としてエトフェントプロックスを配合し、遅効性の防蟻剤としてチアメトキサムを混入している(両者とも、他の防蟻剤を使用できる。)。防蟻剤の混入量は、第1実施形態と同様に、それぞれ外掛け重量比で100〜1000ppm程度でよい。

0086

シール突条23は、シート22に接着剤(或いは粘着剤)で固定してもよいし、両面粘着テープで固定してもよい。接着剤や粘着テープの粘着剤(接着剤)に防蟻剤を配合しておくのは、好ましいことである。シール突条23は、土台2の内側面と外側面とに寄るように配置されているが、配置位置は任意に設定できる。基礎1及び土台2の幅寸法が大きい場合は、シール突条23を左右2本ずつ配置することも可能である。

0087

建物の施工に当たっては、アンカーボルト5を逃がすために、図8(D)に示すように、施工現場においてシート22にナイフ等の刃物で十字状等の切り込み24を入れたらよい。図8(E)に示すように、シート22に中心線25を印刷等で形成しておくと、切り込み24を正確な位置に形成できる。また、図8(F)に示すように、シート22にパンチでアンカーボルト5用の逃がし穴26を空けることも可能であるが、この場合、中心線25があると、逃がし穴26を正確な位置に形成できる。

0088

図8(G)に示すように、中心線に沿って延びるミシン線27を形成することも可能であり、この場合は、シート22をアンカーボルト5に当てて突き破るだけで、アンカーボルト5に貫通させることができる。

0089

図8(E)に一点鎖線で示すように、シート22に、所定ピッチで多数のくり抜き穴(長溝穴)28を形成しておくと、防蟻パッキン21の配置に要する手間を大幅に省くことができる。この場合、くり抜き穴28の幅を、アンカーボルト5の外径と同じ程度に設定しておくと、防蟻パッキン21を正確な位置に横ずれしない状態に配置できるため、好適である(防蟻マットのくり抜き穴及び切り開き溝も、このように細幅に設定することができる。)。防蟻パッキン21は長尺でロール状に巻いて出荷できるので、意匠登録出願とした場合は、くり抜き穴28はと繰り返しのパターンとして現れる。

0090

シール突条23が、図8(B)の状態から図8(C)の状態に潰れることにより、基礎1の不陸が吸収される。更に述べると、シール突条23はシート22の下面に設けていて基礎1の上面に密着しているため、基礎1の凹みにしっかりと入り込んで、隙間を完全に埋めることができる。

0091

防蟻パッキン21は、予め所定長さに設定しておいてもよいが、シート類は押し出し加工によって長尺に製造されるので、防蟻パッキン21も長尺に製造して、ロール状に巻いた状態で出荷して、現場において所望の長さに切断して使用すると、接続部を極力無くして防蟻性を向上できる。

0092

本実施形態においても、建物全体として土台2の高さを揃えるために、内側部の基礎1に内側パッキン29を配置する必要があるが、内側パッキン29には、必ずしも防蟻剤を混入する必要はない。内側パッキン29として防蟻剤が入っていないものを使用する場合は、シート22の色を異ならせるなどしたらよい。

0093

(7).第11実施形態(図9
図9に示す第11実施形態では、第10実施形態の直線形防蟻パッキン21に併せて、平面視L形のコーナー防蟻パッキン30を使用している。従って、図5の実施形態と思想的に共通している。

0094

コーナー防蟻パッキン30も、L形のシート31と、その下面に固定した2本のシール突条32とで構成されているが、2本のシール突条32もL形になっている。従って、コーナー部(特に出隅部)においてシール突条23の間のセンター溝33溝が建物の外側に開口することはなくて、高い防蟻性能を確保できる。

0095

また、この実施形態では、コーナー防蟻パッキン30と直線形防蟻パッキン21とを接続することになるが、接続部に継手防蟻板34を配置している。すなわち、コーナー防蟻パッキン30における2本のシール突条32の間に形成されたセンター溝35と、直線形防蟻パッキン21における2本のシール突条23の間に形成されたセンター溝33とに、継手防蟻板34を跨がった状態で配置している。

0096

従って、コーナー防蟻パッキン30と直線形防蟻パッキン21との間に隙間があっても、その隙間をしっかりと塞いで、防蟻性を確実化できる。継手防蟻板34にはアンカーボルト5を逃がすための小穴36を空けているため、施工は迅速に行える。なお、施工の手順としては、まず、基礎1に継手防蟻板34をセットし、次に、コーナー防蟻パッキン30を配置して、コーナー防蟻パッキン30のセンター溝35を継手防蟻板34の一部に嵌め込み、次いで、直線形防蟻パッキン21を配置して、直線形防蟻パッキン21のセンター溝33を継手防蟻板34の一部に嵌め込んだらよい。

0097

図9(A)に一点鎖線で示すように、コーナー防蟻パッキン30のシート31に、シール突条32からはみ出たオーバーハング部31aを形成して、このオーバーハング部31aを直線形防蟻パッキン21のシート22に重ねることも可能である。この場合は、シート22,31の連続性が高くなるため、防蟻性能は更に向上する。この例でも、図8(E)の一点鎖線のように、シート31にくり抜き穴28を形成すると共に、(A)に一点鎖線で示すように、コーナー防蟻パッキン30にもくり抜き穴28を形成しておくことができる。

0098

(8).第12実施形態(図10
防蟻パッキン21,30は、図6で触れた台輪19と併用することができる。すなわち、寸法上の余裕があれば、2本のシール突条23,32の間のセンター溝33,35に台輪19を配置することにより、防蟻性を確保しつつ台輪19を併設できる。この場合、ベタ基礎方式では、防蟻性は外周部の基礎1で確保したら足りるので、内側部の基礎1にはシール突条は必要ないが、高さを揃えるために、台輪19の上面に、シート22と同じ材料からなるリング板を重ねたらよい。

0099

他方、図10では、防蟻パッキン21,30のセンター溝33,35の幅寸法が台輪19の外径より小さい場合の対応策として、第12実施形態を提示している。すなわち、この実施形態では、台輪19はシール突条23,32に載るようになっているが、防蟻性を確保するために、シート22,31に、台輪19と土台2とで挟まれる折り返し部37を形成している。折り返し部37は、基礎1の外から内側に向けて折り返される。

0100

施工手順としては、まず防蟻パッキン21,30を基礎1の上面に配置してから、各アンカーボルト5の箇所に台輪19をセットし、次いで、折り返し部37を上に折り返して台輪19に重ね、それから土台2をセットする。折り返し部37を折り返すに際しては、折り返し部37をいったん仮り曲げしてアンカーボルト5の位置を確認し、その位置に長手側縁からハサミ等の刃物で切り込み38を形成し、それから折り返して、アンカーボルト5は切り込み38によって逃がしたらよい。

0101

シール突条23,32は弾性を有するため、隣り合った台輪19の間では、シート22,31と折り返し部37とは、互いに密着した状態で上向きに弾性的に押されるため、隣り合った台輪19の間においても 折り返し部37は土台2の下面に密着する。従って、基礎1と土台2との間を防蟻パッキン21,30で確実にシールして、高い防蟻性を確保できる。台輪19の動き許容するため、折り返し部37の幅は広めに取っておくのがよい。

0102

(9).その他
本願発明は、上記の実施形態の他にも様々に具体化できる。例えば、防蟻マットについては、単なる平板に形成して、現場において、アンカーボルト逃がし用の穴をパンチで空けるといったことも可能である。また、防蟻マットは、必ずしも単層である必要はないのであり、積層構造に形成することも可能である。

0103

防蟻パッキンについては、例えば、シートの上下両面にシール突条を設けることも可能である。また、シートはEVAで形成して、これにチアメトキサム等の遅効性防蟻剤とエトフェンプロックス等の忌避性防蟻剤とを混入する一方、シール突条はEPDMで形成して、これにエトフェンプロックス等の忌避性防蟻剤だけを混入するといったことも可能である。

0104

また、台輪を使用する場合、例えば、土台の幅寸法と略同じ外径の単なるリング板で構成することも可能である。この場合、建物の内部に位置した基礎では、高さを揃える手段として、リング板の上面のみに、防蟻マットと同じ厚さ・素材のスペーサ又は、防蟻パッキンと同じ厚さ・素材のスペーサを配置したら足りる。

0105

更に、本実施形態で示した各防蟻マット3,16及び防蟻パッキン21,30並びに継手マット11、継手板34は、いずれも意匠登録の対象に成りうる。

0106

本願発明は、防蟻マット及び防蟻パッキンに具体化できる。従って、産業上利用できる。

0107

1基礎
2土台
3防蟻マット
5アンカーボルト
7 柱
8,9切り開き穴
10 くり抜き穴
11継手マット
12 アンカーボルト逃がし用の小穴
16コーナー防蟻マット
19台輪
21 防蟻パッキン
22シート
23シール突条
30 コーナー防蟻パッキン

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