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技術 ブラックマトリクス用活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ組成物

出願人 東洋インキSCホールディングス株式会社
発明者 福地良寿鶴田洋明中山雄二若田部悟史
出願日 2018年6月8日 (2年6ヶ月経過) 出願番号 2018-110582
公開日 2019年12月12日 (1年0ヶ月経過) 公開番号 2019-210438
状態 未査定
技術分野 インキ、鉛筆の芯、クレヨン
主要キーワード 次攪拌 クッキリ アリロキシメチル エステル化セルロース ブラックインキ チタンブラック顔料 REGAL ポリウレタンウレア樹脂
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年12月12日)のものです。
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課題

本発明の課題は、物性のバランスを保ちつつ、インキの粘度を良化させ、インクジェット適性を大幅に改善するブラックマトリクス活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ組成物の提供。

解決手段

黒色色材重合性化合物光重合開始剤を含有するブラックマトリクス用活性エネルギー線硬化型インクジェットインキであって、光重合性化合物が、環化重合モノマーを含むことを特徴とするブラックマトリクス用活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ組成物。

概要

背景

近年は、ディスプレイとして液晶ディスプレイが主流となっているが、スマートフォンなどのモバイル分野では液晶ディスプレイの画質を凌ぐ次世代ディスプレイが台頭してきている。液晶ディスプレイは液晶自体が光るのではなく液晶分子シャッターとなりバックライトの透過を制御することで映像を描画している。
その構造から、
1.液晶分子がバックライトの光を完全に遮断出来ないため最暗部から最明部のダイナミックレンジが狭い、
2.液晶分子の動きやすさの制限があるので、素早い映像は苦手残像が出やすい
3.バックライトを含めパネル全体が厚くなる
等のデメリットがあり、これらの欠点を無くした有機ELディスプレイが注目されている。
有機ELディスプレイは画素一つ一つが発光することが特徴で、発光しない時は真っ黒になり明暗のはっきりした映像が得られ、発光消光が瞬時に切り替わるため素早い映像でも残像なくクッキリ描画できて、さらにバックライトが不要でパネルを薄く作ることが出来る。
しかし有機ELディスプレイは素子が水分や酸素劣化するためハイレベルバリア層の形成が必要で、製造も難しくコストが掛かる。さらに素子の寿命も液晶ディスプレイに較べ短く、素子の劣化による画面の焼き付きが起きやすい等の欠点もある。
これらの有機ELディスプレイの欠点を補う次世代ディスプレイとしてマイクロLEDディスプレイの開発が進められている。マイクロLEDディスプレイは非常に微細LEDが画面上にびっしりと敷き詰められたディスプレイである。有機ELディスプレイ同様自発光型ディスプレイで、そのメリットは保ちつつ、発光素子がLEDであるため酸素や水蒸気による劣化がほとんど無く、画面の焼き付きもなく理想のディスプレイといわれている(特許文献1〜3)。

概要

本発明の課題は、物性のバランスを保ちつつ、インキの粘度を良化させ、インクジェット適性を大幅に改善するブラックマトリクス活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ組成物の提供。黒色色材重合性化合物光重合開始剤を含有するブラックマトリクス用活性エネルギー線硬化型インクジェットインキであって、光重合性化合物が、環化重合モノマーを含むことを特徴とするブラックマトリクス用活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ組成物。なし

目的

本発明により、物性のバランスを保ちつつインキの粘度を大幅に低下させてインクジェット適性を劇的に改善するブラックマトリクス用活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ組成物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

請求項2

黒色色材が、組成物の全固形分中6重量%以上であることを特徴とする請求項1記載のブラックマトリクス用活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ組成物。

請求項3

重合性化合物が、組成物の全固形分中70重量%以上であることを特徴とする請求項1または2記載のブラックマトリクス用活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ組成物。

請求項4

ブラックマトリクスが、マイクロLEDディスプレイに用いられることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のブラックマトリクス用活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ組成物。

請求項5

請求項1〜4のいずれかに記載のブラックマトリクス用活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ組成物から形成されてなるブラックマトリクス。

請求項6

請求項5記載のブラックマトリクスを用いた表示装置

請求項7

表示装置が、マイクロLEDディスプレイであることを特徴とする請求項6記載の表示装置。

技術分野

0001

本発明はブラックマトリクス活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ組成物、それを用いたブラックマトリクス、および表示装置に関する。

背景技術

0002

近年は、ディスプレイとして液晶ディスプレイが主流となっているが、スマートフォンなどのモバイル分野では液晶ディスプレイの画質を凌ぐ次世代ディスプレイが台頭してきている。液晶ディスプレイは液晶自体が光るのではなく液晶分子シャッターとなりバックライトの透過を制御することで映像を描画している。
その構造から、
1.液晶分子がバックライトの光を完全に遮断出来ないため最暗部から最明部のダイナミックレンジが狭い、
2.液晶分子の動きやすさの制限があるので、素早い映像は苦手残像が出やすい
3.バックライトを含めパネル全体が厚くなる
等のデメリットがあり、これらの欠点を無くした有機ELディスプレイが注目されている。
有機ELディスプレイは画素一つ一つが発光することが特徴で、発光しない時は真っ黒になり明暗のはっきりした映像が得られ、発光消光が瞬時に切り替わるため素早い映像でも残像なくクッキリ描画できて、さらにバックライトが不要でパネルを薄く作ることが出来る。
しかし有機ELディスプレイは素子が水分や酸素劣化するためハイレベルバリア層の形成が必要で、製造も難しくコストが掛かる。さらに素子の寿命も液晶ディスプレイに較べ短く、素子の劣化による画面の焼き付きが起きやすい等の欠点もある。
これらの有機ELディスプレイの欠点を補う次世代ディスプレイとしてマイクロLEDディスプレイの開発が進められている。マイクロLEDディスプレイは非常に微細LEDが画面上にびっしりと敷き詰められたディスプレイである。有機ELディスプレイ同様自発光型ディスプレイで、そのメリットは保ちつつ、発光素子がLEDであるため酸素や水蒸気による劣化がほとんど無く、画面の焼き付きもなく理想のディスプレイといわれている(特許文献1〜3)。

先行技術

0003

特開2018−026540号公報
特開2017−157724号公報
特開2017−521859号公報

発明が解決しようとする課題

0004

マイクロLEDディスプレイの製造方法として、基材電極を形成し、その上に別途作成したRGBのLED素子を微細に裁断して電極上に並べLED素子の間にブラックマトリクスを形成する方法が提案されている。そのブラックマトリクスを形成する方法であるが、微細なLED素子の間隔が数十マイクロメートルと狭く、その間にブラックマトリクスを選択的に形成するには従来用いられているスクリーン印刷法によるブラックインキ印刷は不可能で、微細印刷可能で精度が高いインクジェット方式が提案されている。しかし、インクジェット印刷に用いられるインクは微細な穴から吐出するため粘度を10mPa・sの程度に低くする必要があり、粘度が1000〜10000mPa・sのスクリーン印刷用インキから大幅に処方変更しなければならなかった。

課題を解決するための手段

0005

本発明は、前述の課題を解決するためにインキに用いられる材料を鋭意検討した結果、重合性化合物として環化重合モノマーを用いることで物性のバランスを保ちつつ、インキの粘度を良化させ、インクジェット適性を大幅に改善することを見いだし完成に至った。

0006

すなわち、本発明は、黒色色材、重合性化合物、光重合開始剤を含有するブラックマトリクス用活性エネルギー線硬化型インクジェットインキであって、重合性化合物が、環化重合性モノマーを含むことを特徴とするブラックマトリクス用活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ組成物に関する。

0007

また、本発明は、黒色色材が、組成物の全固形分中6重量%以上であることを特徴とする前記のブラックマトリクス用活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ組成物に関する。

0008

また、本発明は、重合性化合物が、組成物の全固形分中70重量%以上であることを特徴とする前記のブラックマトリクス用活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ組成物に関する。

0009

また、本発明は、ブラックマトリクスが、マイクロLEDディスプレイに用いられることを特徴とする前記のブラックマトリクス用活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ組成物に関する。

0010

また、本発明は、前記のブラックマトリクス用活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ組成物から形成されてなるブラックマトリクスに関する。

0011

また、本発明は、前記のブラックマトリクスを用いた表示装置に関する。

0012

また、本発明は、表示装置が、マイクロLEDディスプレイであることを特徴とする前記の表示装置に関する。

発明の効果

0013

本発明により、物性のバランスを保ちつつインキの粘度を大幅に低下させてインクジェット適性を劇的に改善するブラックマトリクス用活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ組成物を提供することが可能である。

0014

以下本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ組成物、及びそれを用いたブラックマトリクス、さらにそのブラックマトリクスを適用したマイクロLEDディスプレイ表示装置について説明する。

0015

インクジェットインキ組成物
本発明のインクジェットインキ組成物は、ブラックマトリクス用活性エネルギー線硬化型インクジェットインキであって、黒色色材、環化重合性モノマーを含む重合性化合物、および光重合開始剤を含有する。

0016

(環化重合性モノマー)
本発明において、重合性化合物の中の必須成分として用いられる環化重合性モノマーとは、1分子中にラジカル重合性炭素炭素二重結合を2つ以上有しており、ラジカル重合時にそれらの二重結合どうしが重合時に分子内で環構造を形成するモノマーのことである。具体的には2-アリロキシメチルアクリル酸炭素数1〜4のアルキルエステルが挙げられる。この化合物光重合性モノマーの中でも低粘度で、さらに溶解力が高く組成物に加えることで粘度を大幅に低下させる効果があり、特に高粘度では印刷不可能なインクジェット印刷に用いられるインキの希釈剤として有効である。その中でも炭素数1であるメチルエステル基を有する2−アリロキシメチルアクリル酸メチルが低粘度化の観点で望ましい。環化重合性モノマーは全固形分中100質量%に対して、3質量%〜30質量%、好ましくは5質量%〜25質量%の範囲で用いることが出来る。3質量%未満では粘度低下効果を十分発揮出来ない場合があり、30質量%を超えると活性エネルギー硬化線による硬化性が低下する場合がある。

0017

(重合性化合物)
本発明を構成する環化重合性モノマー以外の重合性化合物としては、炭素炭素二重結合を一つないし二つ以上有する化合物を挙げることが出来る。
炭素−炭素不飽和二重結合を一つ有する化合物としては、シクロヘキシルアクリレートテトラヒドロフルフリルアクリレート、4-t-ブチルシクロヘキシルアクリレートカプロラクトン変性テトラヒドロフルフリルアクリレート、t-ブチルアクリレートイソブチルアクリレートイソオクチルアクリレートラウリルアクリレート、イソステアリルアクリレート、ステアリルアクリレート、イソアミルアクリレート、トリメチロールプロパンフォルマルモノアクリレート、ヒドロキシフェノキシエチルアクリレート、ヒドロキシフェノキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−アクリロイロキシプロピルアクリレート、β−カルボキシエチルアクリレートベンジルアクリレートメチルフェノキシエチルアクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート、N−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド−2−メトキシエチルアクリレートメトキシトリエチレングリコールアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、エトキシエトキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、メトキシプロピレングリコールアクリレート、ジプロピレングリコールアクリレート、等が挙げる事が出来るが、これに限定されるものでは無い。

0018

炭素−炭素不飽和二重結合を二つ以上有する多官能重合性化合物の例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレートポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレートポリプロピレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、エトキシ化トリプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチル−ルプロパンジアクリレート、ステアリン酸変性ペンタエリスリトールジアクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールFジアクリレート、シクロヘキサンジメタノール(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジアクリレート、イソシアヌル酸ジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートペンタエリスリトールトリアクリレートテトラメチロールプロパントリアクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、トリ(2−ヒドロキシエチルイソシアヌレート)トリアクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等が挙げられるがこれに限定されるものでは無い。

0019

本発明の重合性組成物として、上記以外に炭素−炭素不飽和二重結合を有し分子量の大きなオリゴマープレポリマ−と呼ばれるものを使用出来る。具体的にはダイセルUCB社製「Ebecryl」シリーズサートマー社製「CNシリーズ」、BASF社製「Laromerシリーズ」、コグニス社製「フォトマーシリーズ」、根上工業社製「アートレジンシリーズ」、日本合成社製「紫光シリーズ」、日本化薬社製「カヤラッドシリーズ」等が挙げられる。
これらの重合性化合物は、一種または必要に応じて二種以上用いても良い。添加量は全重合性化合物中の95質量%以下であることが好ましく、より好ましくは50〜95質量%であり、さらに好ましくは70〜95質量%である。

0020

本発明のブラックマトリクス用組成物は、必須成分として黒色色材を含有する。黒色色材としては、単独で黒色を有する色材を用いても良く、又は赤、緑、青等の色材の混合により黒色色材としても良い。また、これら色材は無機又は有機顔料の中から適宜選択することができる。

0021

黒色色材を調製するために混合使用可能な色材としては、C.I.ナンバーにて示すと、例えば、C.I.黄色顔料20、24、86、93、109、110、117、125、137、138、147、148、153、154、166、C.I.オレンジ顔料36、43、51、55、59、61、C.I.赤色顔料9、97、122、123、149、168、177、180、192、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、C.I.バイオレット顔料19、23、29、30、37、40、50、C.I.青色顔料15、15:1、15:4、22、60、64、C.I.緑色顔料7、C.I.ブラウン顔料23、25、26等を挙げることができる。
また、単独使用可能な黒色色材としては、カーボンブラックアセチレンブラックランプブラックボーンブラック黒鉛鉄黒アニリンブラックシアニンブラック等が挙げられる。

0022

本発明に用いるカーボンブラックの具体例としては、デグサ社製「Special Black350、250、100、550、5、4、4A、6」「PrintexU、V、140U、140V、95、90、85、80、75、55、45、40、P、60、L6、L、300、30、3、35、25、A、G」、キャボット社製「REGAL400R、660R、330R、250R」「MOGUL EL」、三菱化学社製「MA7、8、11、77、100、100R、100S、220、230」「#2700、#2650、#2600、#200、#2350、#2300、#2200、#1000、#990、#980、#970、#960、#950、#900、#850、#750、#650、#52、#50、#47、#45、#45L、#44、#40、#33、#332、#30、#25、#20、#10、#5、CF9、#95、#260」等が挙げられる。特に好ましくは、比表面積が50〜100BET−m3/gであり、DBP吸油量が30〜100ml/100gであり、かつpHが2〜4の酸性カーボンブラックである。

0023

有機顔料及びチタンブラック顔料の場合には平均粒径0.2μm以下、好ましくは0.2μm以下に分散して用いるのが好ましい。
一方、色材としてカーボンブラックを使用する(以下「カーボンブラック顔料」と称する場合がある。)場合、平均一次粒径は0.01〜0.08μmが好ましく、更に好ましくは0.02〜0.05μmである。
本発明のブラックマトリクス用組成物における色材としては、高遮光性の点からはカーボンブラックが好ましい。

0024

色材の含有量は、高いほど、黒色度OD値)が高くなり、各LED素子からの光が混色すること無く、消光した際の漆黒性表現出来るため好ましいが、組成物の粘度が含有率と共に上昇するため、色材含有量は6%以上30%以下であることが好ましく、8%以上25%以下がより好ましく、10%以上20%以下が更に好ましい。

0025

分散剤
本発明の実施形態において、顔料の分散性及びインキ組成物の保存安定性を向上させるために、顔料分散剤を使用することが好ましい。顔料分散剤の一例として、水酸基含有カルボン酸エステル長鎖ポリアミノアマイド高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル高分子共重合物変性ポリウレタン変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステルアニオン系活性剤ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステルポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、及びステアリルアミンアセテートが挙げられる。
例示した中でも、塩基性官能基を有する顔料分散剤が好ましく、市販品を使用してもよい。塩基性官能基を有する顔料分散剤として使用可能な市販品の例として、ルーブリゾール社製のソルスパース24000GR、32000、33000、35000、39000、41000、53000、及びJ180が挙げられる。また、味の素ファインテクノ社製のアジスパーPB821、822、824、827、及び711が挙げられる。インク組成物の一実施形態は、塩基性官能基を有する顔料分散剤として例示した化合物の少なくとも1種を含むことが好ましい。
顔料の分散安定性の点から、これら顔料分散剤の含有量は、インキ組成物の全重量を基準として、0.01〜10重量%が好ましく、0.1重量%〜10重量%がより好ましく、0.1〜5重量%がさらに好ましい。

0026

(分散体作成方法)
インキ組成物調製時の顔料の添加方法は、特に限定されない。顔料そのものを使用しても、顔料濃縮液として使用してもよい。一実施形態では、先ず、サンドミル等の通常の分散機を用いて、重合性化合物、顔料分散剤、顔料、及び添加剤といった各成分と共に顔料を分散処理して、顔料濃度の高い濃縮液を調製する。次いで、上記濃縮液を、追加の重合性化合物によって希釈する方法が好ましい。この方法によれば、通常の分散機を用いても充分な分散が可能である。また、顔料に過剰なエネルギーがかからず、多大な分散時間を必要としない。そのため、分散処理時に原料変質することなく、安定性に優れたインキ組成物を製造することができる。

0027

(光重合開始剤)
本発明において共硬化体を形成するために紫外線を使用する際は、光重合開始剤として、光ラジカル重合開始剤光硬化性組成物に配合する。光ラジカル重合開始剤としては、分子開裂型または水素引き抜き型のものが本発明に好適である。具体例としては、ベンゾインイソブチルエーテル、2、4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントンベンジル、2,4、6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オンビス(2、4、6−ジメトキシベンゾイル)−2、4、4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド、1,2−オクタンジオン、1−(4−(フェニルチオ)−2,2−(O−ベンゾイルオキシム))、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニルフェニルプロパノン等が好適に用いられ、さらにこれら以外の分子開裂型のものとして、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインエチルエーテルベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オンおよび2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン等を併用しても良いし、さらに水素引き抜き型光重合開始剤である、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、イソフタフェノン、4−ベンゾイル−4'−メチル−ジフェニルスルフィド等も併用できる。

0028

また上記光ラジカル重合開始剤に対し、増感剤として例えば、トリメチルアミン、メチルジメタノールアミントリエタノールアミン、p−ジエチルアミノアセトフェノン、P−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、N,N−ジメチルベンジルアミンおよび4,4‘−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のアミン類を併用することも出来る。上記光ラジカル重合開始剤や増感剤は、紫外線硬化性化合物への溶解性に優れ、紫外線透過性阻害しないものを選択して用いることが好ましい。

0029

光ラジカル重合開始剤としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドルシリンTPO)、またはビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイドを用いることが特に好ましい。
光ラジカル重合開始剤と増感剤は光重合性組成物の全固形分中100質量%に対して1質量%〜15質量%の範囲で用いることが好ましい。

0030

樹脂
本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ組成物は、重合性化合物以外の樹脂、重合体要求性能に応じて添加することが出来る。その例として例えば、アクリル樹脂エポキシ樹脂ポリウレタン樹脂ポリウレタンウレア樹脂、(変性)スチレン無水マレイン酸共重合体、(変性)塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、(変性)塩化ビニル酢酸ビニル無水マレイン酸共重合体ケトンアルデヒド樹脂ポリエステル樹脂ポリプロピレン樹脂ポリ乳酸樹脂セルロースアセテート樹脂エステル化セルロース樹脂、ブチラール樹脂等を上げる事が出来る。これらの樹脂は、単独または2種以上を併用してもよい。

0031

(その他添加剤)
本発明の有機層を構成する樹脂組成物には必要に応じて可塑剤表面調整剤紫外線防止剤光安定化剤、酸化防止剤等の添加剤を使用することが出来る。

0032

溶剤
本発明の光硬化性組成物は、溶剤を配合しても良い。溶剤を配合することで、インクジェット印刷に適した粘度に調整がし易くなる。溶剤は、使用する重合性化合物、光重合開始剤、添加物の溶解性等に応じて適宜選択することができる。
溶剤は、エステル系溶剤ケトン系溶剤グリコールエーテル系溶剤脂肪族炭化水素系溶剤芳香族炭化水素系溶剤アルコール系溶剤エーテル系溶剤、水等が挙げられる。
溶剤は、単独または2種類以上を併用できる。
溶剤の量は、光硬化性組成物中に0〜50質量%が好ましい。

0033

組成物調製方法)
本発明のインキ組成物は、周知の方法に従って調製することができる。例えば、重合性化合物、安定化剤、光重合開始剤、添加剤、及び着色剤を含有するインキ組成物は、顔料を分散処理して予め調製した顔料濃縮液に対して、各成分を添加及び混合し、光重合開始剤を溶解させることによって製造することができる。この際、印刷時のヘッドでの詰まりを防止するため、光重合開始剤が溶解した後に、インキ組成物を孔径3μm以下、好ましくは孔径1μ以下のフィルターにて濾過することが好ましい。

0034

一実施形態において、本発明のインキ組成物は、25℃での粘度が5〜15mPa・sであることが好ましく、7〜14mPa・sであることがより好ましい。インキ組成物の粘度を上記範囲に調整することによって、特に、5〜30KHzの周波数を有する通常のヘッドだけでなく、10〜50KHzの高周波数のヘッドにおいても、安定した吐出特性を得ることができる。より詳細には、インク組成物の粘度が5mPa・s以上の場合は、高周波数のヘッドであっても吐出の追随性の低下が起こり難い。一方、粘度が15mPa・s以下の場合は、加熱による粘度の低下機構をヘッドに組み込んだとしても、吐出そのものの低下を生じ、吐出の安定性が不良となり、全く吐出できなくなるという問題が起こり難い。

0035

本発明のインキ組成物の使用方法は、特に限定されず、通常のインクジェット記録方式用プリンタのインキとして使用できる。代表的な方法は、インキ組成物をインクジェット記録方式用プリンタのプリンタヘッドに供給する工程と、このプリンタヘッドから基材上にインク組成物を吐出させる工程と、その後、基材上のインキ組成物に紫外線又は電子線等の活性エネルギー線照射する工程とを含む。活性エネルギー線の照射によって、基材上のインキ組成物が速やかに硬化し、印刷面が形成される。

0036

一実施形態において、活性エネルギー線の光源として紫外線を照射することが好ましい。この場合、光源として、例えば、高圧水銀ランプメタルハライドランプ低圧水銀ランプ超高圧水銀ランプ紫外線レーザーガリウムランプ、LED、及び太陽光を使用することができる。

0037

紫外線は、350nm〜450nmの範囲であることが好ましい。また、紫外線の照射量は、10mJ/cm2以上、10000mJ/cm2以下であることが好ましい。特に、本発明のインキ組成物によれば、アシルホスフィンオキサイドの溶解性が向上したことにより、インキ組成物中の光重合開始剤の含有量を十分に高めることができる。そのため、紫外線の照射量が低い場合であっても、十分な硬化性が得られると見込まれる。したがって、一般的に広く使用されているメタルハライドランプ、LEDランプのいずれを使用しても十分な硬化性を得ることができる。

0038

(ブラックマトリクスを用いた表示装置)
ブラックマトリクスは、整然と並んだ画像の表示を受け持つ表示素子以外の場所を黒色とすることで、画像のコントラストを挙げることに重要な役目を果たす。特に液晶ディスプレイはバックライトの光で画像を表示しており、それ以外の場所のバックライトを遮光する役目も果たす。
ブラックマトリクスを用いた表示装置として、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、マイクロLEDディスプレイ等が挙げられる。

0039

(マイクロLEDディスプレイ)
マイクロLEDディスプレイは、100μm以下の小さなLEDを敷き詰め、各LEDの発光を制御して描画するものである。あらかじめRGB各色のLEDをを作成し、100μm以下の大きさに裁断しておき、それを電極を形成した基板に配置した後に、LEDの隙間をブラックマトリクスで埋めるような構造をしている。

0040

本発明のインクジェットインキ組成物は、マイクロLEDディスプレイのブラックマトリクスに適しており、求められている100μm以下の微小な隙間にも正確に着弾出来るIJ印刷性、黒色色剤含有量が高いことによるOD値の高さなどが特徴である。

0041

以下、実施例及び比較例により本発明の実施形態について具体的に説明する。しかし、本発明は以下の例示に限定されるものでは無い。なお、以下に記載した部数は全て質量部を表す。

0042

顔料分散体の調整)
カーボンブラック(エボニックデグサ社製 Special Black350)15部、顔料分散剤(ソルスパーズ32000)5部、ジプロピレングリコールジアクリレート79.9部、フェノチアジン0.1部をハイスピードミキサーで均一になるまで攪拌することでミルベースを得た。次いで得られたミルベースを横型サンドミルで約一時間分散処理することによって顔料分散体を調整した。

0043

(実施例1〜4、比較例1〜5)
先に調整した顔料分散体に対し、表1に記載したその他の材料を順次攪拌しながら添加混合し、光重合開始剤が溶解するまで十分攪拌した後、孔径1μmのメンブレンフィルターを用いて混合液を濾過してインクジェットインキ組成物を得た。

0044

実施例及び比較例について、以下に示す粘度、IJ印刷性、UV硬化性、OD値について評価した。結果を表1に示す。
<粘度>
実施例及び比較例のインクを、恒温槽で25℃に保温した後、SECONIC社製ラボ用振動粘度計VM−10Aを使用し測定した。

0045

<IJ印刷性>
実施例及び比較例のインクをピエゾインクジェットヘッドを搭載した1pl吐出型カートリッジ「ModEL#DMC−11601」に充填して、IJプリンター「Dimatix DMP−2850」に装着し、ガラス基板テストパターンを印刷して、IJ印刷の可否テストパターン印刷の正確さを、○(印刷可能、パターン良好)、○△(印刷可能、パターン難あり)、△(印刷可能、パターン不良)、×(印刷不可能)の4段階で評価した。

0046

<UV硬化性>
IJ印刷性試験でインキを印刷したガラス基板を、アルゴン置換したグローブボックス内に設置した385nmLED照射機にて、積算光量1000mJ/cm2(UVA換算)照射して、硬化膜を指触してベタつきのないものを○、ベタつきのあるモノを×として2段階で評価した。

0047

<OD値>
実施例及び比較例のインクを上記IJ印刷性試験と同様の機器ベタパターンを印刷してアルゴン雰囲気下385nmLED照射機にてUV硬化した塗膜全光線透過率を、日本電色製「Haze Meter NDH2000」で測定し、計算により1μmあたりのOD値を算出した。

0048

実施例

0049

評価結果より、環化重合性モノマーであるメチル2−アリロキシメチルアクリレートを含む実施例は、比較例に較べて粘度は低く、それにより1plの微小滴でのIJ印刷可能となり、低粘度化が可能であるためOD値を高くすることが出来た。このようなインキはマイクロLEDディスプレイ製造時に、配置されたLED素子間の数十ミクロンという狭い隙間に微小インキ滴を着弾させることが出来て、IJ印刷方式によるブラックマトリクス形成に最適である。
それ以外のモノマーではインキの粘度が高く、1plの微小滴での印刷が不可能である。

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