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技術 Au−Pt合金を含む触媒、その製造方法、及びそれを利用した過酸化水素合成方法

出願人 コリア・インスティテュート・オブ・サイエンス・アンド・テクノロジー
発明者 イスンヨンハンサンスナムヒョビンイホンウジョソヘジャンホソン
出願日 2018年12月13日 (1年6ヶ月経過) 出願番号 2018-233061
公開日 2019年12月12日 (6ヶ月経過) 公開番号 2019-209317
状態 特許登録済
技術分野 触媒 硫黄、窒素等及びそれらの化合物;過化合物
主要キーワード コロイダル溶液 過酸化水素生成量 反応座標 増加幅 合成初期 量子計算 過酸化水素合成 エネルギー分析
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (7)

課題

パラジウム(Pd)触媒との代替が可能な高活性を有する新規触媒、互いに固溶されない性質を有するAu(金)及びPt(白金)の固溶体及びその製造方法、並びに新規触媒を利用した過酸化水素直接合成方法の提供。

解決手段

Au−Pt合金を含む触媒において、2種の元素が混合された合金を含み、元素は、Au及びPtを含む、触媒。合金は、L10型(fct)結晶構造からなる、触媒。Au−Pt合金を含む触媒の製造方法において、(a)分散剤及び還元剤を所定の溶媒に溶解させて、第1溶液を得る段階;及び(b)Au前駆体及びPt前駆体を前記第1溶液に添加して、Au−Pt合金を合成する段階;を含む、製造方法。Au−Pt合金を含む触媒を利用した過酸化水素合成方法において、Au及びPtが混合された合金を含む触媒を利用して過酸化水素を合成する、合成方法

概要

背景

過酸化水素(H2O2)は、パルプ及び製紙、繊維、水処理、化合物生産石油化学半導体分野などの多様な産業で、光沢剤消毒剤酸化剤、燃料などに利用されている。過酸化水素の生産量は毎年増加しており、Transparency Market Researchによれば、2023年の過酸化水素の世界市場規模は約7兆ウォンに達するであろうと予想される。また、水素酸素とを利用した過酸化水素の直接合成反応自体は、容易に見えるが、技術的に難しい反応であるため、商用化工程が未だ開発されていない。しかし、従来の非効率的な過酸化水素の合成工程に代替する環境にやさしい工程の開発により、過酸化水素市場は次第に成長するであろうと予想される。

一方、過酸化水素の直接合成反応のための触媒としてパラジウム(Pd)触媒が主に利用されており、これは過酸化水素の合成時に高い活性を示す。しかし、パラジウム元素自動車エネルギーなどの産業で脚光を浴びることによって、2017年12月、パラジウムの価格が2017年初めに比べて50%の上昇を見せた。アングロ・アメリカンによれば、パラジウムの需要増加幅は、今後3〜5年間で供給増加幅を大きく上回るであろうと予測されている。従って、急激に成長する過酸化水素市場の需要を充たすために、パラジウムに代替するに値する過酸化水素の直接合成用触媒の開発に対する重要性浮き彫りになっているのが実情である。

概要

パラジウム(Pd)触媒との代替が可能な高活性を有する新規触媒、互いに固溶されない性質を有するAu(金)及びPt(白金)の固溶体及びその製造方法、並びに新規触媒を利用した過酸化水素の直接合成方法の提供。Au−Pt合金を含む触媒において、2種の元素が混合された合金を含み、元素は、Au及びPtを含む、触媒。合金は、L10型(fct)結晶構造からなる、触媒。Au−Pt合金を含む触媒の製造方法において、(a)分散剤及び還元剤を所定の溶媒に溶解させて、第1溶液を得る段階;及び(b)Au前駆体及びPt前駆体を前記第1溶液に添加して、Au−Pt合金を合成する段階;を含む、製造方法。Au−Pt合金を含む触媒を利用した過酸化水素合成方法において、Au及びPtが混合された合金を含む触媒を利用して過酸化水素を合成する、合成方法

目的

本発明は、前述した問題点を全て解決することをその目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

Au−Pt合金を含む触媒において、2種の元素が混合された合金を含み、前記元素は、Au(金)及びPt(白金)を含むことを特徴とする、触媒。

請求項2

前記合金は、固溶体であることを特徴とする、請求項1に記載の触媒。

請求項3

前記合金は、L10型(fct)結晶構造からなることを特徴とする、請求項1に記載の触媒。

請求項4

前記合金は、過酸化水素(H2O2)の直接合成反応活性を有することを特徴とする、請求項1に記載の触媒。

請求項5

前記合金は、分子式:AuXPt(100−X)で表され、前記Xは、22以上97以下であることを特徴とする、請求項1に記載の触媒。

請求項6

前記合金は、分子式:AuXPt(100−X)で表され、前記Xは、27以上97以下であることを特徴とする、請求項1に記載の触媒。

請求項7

Au−Pt合金を含む触媒の製造方法において、(a)分散剤及び還元剤を所定の溶媒に溶解させて、第1溶液を得る段階;及び(b)Au前駆体及びPt前駆体を前記第1溶液に添加して、Au−Pt合金を合成する段階;を含むことを特徴とする、製造方法。

請求項8

前記(b)段階で、前記Au前駆体及び前記Pt前駆体を前記第1溶液に添加することにおいて、前記Au前駆体及び前記Pt前駆体を所定の溶媒に溶解させて第2溶液を得た後、前記第2溶液を前記第1溶液に添加して、Au−Pt合金を合成することを特徴とする、請求項7に記載の製造方法。

請求項9

前記第2溶液を前記第1溶液に添加することにおいて、ドロップ方式(滴状方式)を利用することを特徴とする、請求項8に記載の製造方法。

請求項10

前記(b)段階は、0℃付近の温度で遂行されることを特徴とする、請求項7に記載の製造方法。

請求項11

前記還元剤は、NaBH4(水素化ホウ素ナトリウム)、ブチルリチウム、及びアスコルビン酸からなる群より選択される1つ以上の物質を含むことを特徴とする、請求項7に記載の製造方法。

請求項12

前記分散剤は、PVP(ポリビニルピロリドン)、オレイルアミン、及びCTABセチルトリメチルアンモニウムブロミド)からなる群より選択される1つ以上の物質を含むことを特徴とする、請求項7に記載の製造方法。

請求項13

前記Au−Pt合金は、固溶体であることを特徴とする、請求項7に記載の製造方法。

請求項14

前記Au−Pt合金は、過酸化水素(H2O2)の直接合成反応に活性を有することを特徴とする、請求項7に記載の製造方法。

請求項15

前記(b)段階よりも後に、(c)前記(b)段階で合成された前記Au−Pt合金を洗浄する段階をさらに含むことを特徴とする、請求項7に記載の製造方法。

請求項16

Au−Pt合金を含む触媒を利用した過酸化水素合成方法において、Au(金)及びPt(白金)が混合された合金を含む触媒を利用して過酸化水素を合成することを特徴とする、合成方法

技術分野

0001

本発明は、Au−Pt合金を含む触媒、その製造方法、及びそれを利用した過酸化水素合成方法に関する。より詳細には、本発明は、2種の元素が混合された合金を含み、前記元素は、Au(金)及びPt(白金)を含むことを特徴とする、Au−Pt合金を含む触媒、その製造方法、及びそれを利用した過酸化水素合成方法に関する。

背景技術

0002

過酸化水素(H2O2)は、パルプ及び製紙、繊維、水処理、化合物生産石油化学半導体分野などの多様な産業で、光沢剤消毒剤酸化剤、燃料などに利用されている。過酸化水素の生産量は毎年増加しており、Transparency Market Researchによれば、2023年の過酸化水素の世界市場規模は約7兆ウォンに達するであろうと予想される。また、水素酸素とを利用した過酸化水素の直接合成反応自体は、容易に見えるが、技術的に難しい反応であるため、商用化工程が未だ開発されていない。しかし、従来の非効率的な過酸化水素の合成工程に代替する環境にやさしい工程の開発により、過酸化水素市場は次第に成長するであろうと予想される。

0003

一方、過酸化水素の直接合成反応のための触媒としてパラジウム(Pd)触媒が主に利用されており、これは過酸化水素の合成時に高い活性を示す。しかし、パラジウム元素自動車エネルギーなどの産業で脚光を浴びることによって、2017年12月、パラジウムの価格が2017年初めに比べて50%の上昇を見せた。アングロ・アメリカンによれば、パラジウムの需要増加幅は、今後3〜5年間で供給増加幅を大きく上回るであろうと予測されている。従って、急激に成長する過酸化水素市場の需要を充たすために、パラジウムに代替するに値する過酸化水素の直接合成用触媒の開発に対する重要性浮き彫りになっているのが実情である。

発明が解決しようとする課題

0004

従って、本発明は、前述した問題点を全て解決することをその目的とする。また本発明は、高活性を有する新規触媒を提供することで、パラジウム(Pd)触媒との代替を可能にすることを他の目的とする。さらに本発明は、互いに固溶されない性質を有するAu(金)及びPt(白金)の固溶体及びその製造方法を提供することをさらなる他の目的とする。さらに本発明は、新規触媒を利用した過酸化水素の直接合成方法を提供することをさらなる他の目的とする。

課題を解決するための手段

0005

前記目的を達成するための本発明の代表的な構成は次の通りである。

0006

本発明の一態様によれば、
Au−Pt合金を含む触媒において、
2種の元素が混合された合金を含み、前記元素は、Au(金)及びPt(白金)を含むことを特徴とする触媒
が提供される。

0007

本発明の他の態様によれば、
Au−Pt合金を含む触媒の製造方法において、
(a)分散剤及び還元剤を所定の溶媒に溶解させて、第1溶液を得る段階;及び
(b)Au前駆体及びPt前駆体を前記第1溶液に添加して、Au−Pt合金を合成する段階;
を含むことを特徴とする製造方法
が提供される。

0008

本発明の他の態様によれば、
Au−Pt合金を含む触媒を利用した過酸化水素合成方法において、
Au(金)及びPt(白金)が混合された合金を含む触媒を利用して過酸化水素を合成することを特徴とする合成方法
が提供される。

発明の効果

0009

本発明によれば、高活性を有する新規触媒を提供することで、パラジウム(Pd)触媒との代替が可能となる。また、互いに固溶されない性質を有するAu(金)及びPt(白金)の固溶体及びその製造方法を提供することができる。さらに、新規触媒を利用した過酸化水素の直接合成方法を提供することができる。

図面の簡単な説明

0010

図1は、本発明の一実施例に係るAu−Pt合金の透過電子顕微鏡TEM写真である。
図2は、本発明の一実施例に係るAu−Pt合金の結晶構造及びシミュレテッドXRD(Simulated−XRD)結果を例示した図面である。
図3は、本発明の一実施例に係るAu−Pt合金の組成別XRD結果を例示した図面である。
図4は、本発明の一実施例に係るAu−Pt合金を含む触媒の組成別触媒活性及び組成別元素投入量の比率を示した表である。
図5は、本発明の一実施例に係るAu−Pt合金を触媒として利用した過酸化水素合成過程反応座標を示したグラフである。
図6は、比較例のPdを触媒として利用した過酸化水素合成過程の反応座標を示したグラフである。

実施例

0011

後述する本発明に対する詳細な説明は、本発明が実施され得る特定の実施例を例示として示す添付図面を参照する。これらの実施例は、当業者が本発明を実施することができるように充分詳細に説明される。本発明の多様な実施例は各々異なるが、各々が排他的である必要はないことが理解されるべきである。例えば、ここに記載されている特定の形状、構造、及び特性は、一実施例に係る本発明の精神及び範囲を逸脱せずに、他の実施例で具現され得る。

0012

また、各々の開示された実施例内の個別構成要素の位置又は配置は、本発明の精神及び範囲を逸脱せずに変更され得ることが理解されるべきである。従って、後述する詳細な説明は、限定的な意味で捉えようとするものではなく、本発明の範囲は、適切に説明されると、併せて添付された請求項の範囲と、その請求項が主張することと均等な全ての範囲とによってのみ限定される。図面で類似する参照符号は、いくつかの側面において同一か類似する機能を示す。

0013

以下、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が本発明を容易に実施することができるようにするために、本発明の好ましい実施例について、添付の図面を参照して詳細に説明する。

0014

図1は、本発明の一実施例に係るAu−Pt合金のTEM写真であある。なお、図1に示す写真は黒色写真であり、以下に示す各元素の分布状態が不明確である。よって、図1に示す写真のカラー写真を、参考資料として、平成30年12月13日付の物件提出書に添付して提出する。

0015

図1(参考資料)に示されるように、本発明に係るAu−Pt合金を含む触媒は、Au(金)及びPt(白金)を含む2種の元素が混合された合金を含み得る。ここで、Au−Pt合金は、AuとPtとが均一に分布された固溶体から形成され得る。

0016

本発明の一実施例に係るAu−Pt合金(Au:Pt=67.6:32.4)の特性を、TEMを利用して分析した。その結果、図1(参考資料)の通り、Au(赤色)及びPt(緑色)が均一な分布を示していることを観察することができた。即ち、Au(赤色)とPt(緑色)が各々分離して存在しているのではなく、粒子全体で2つの元素が均一に混合されて合金をなしていることを確認することができた。

0017

次に、本発明に係るAu−Pt合金は、L10型(fct;face centered tetragonal、面心正方)結晶構造からなり得る。具体的には、本発明者らの量子計算結果によれば、固溶され得るAu−Ptの結晶構造候補群のうち、L10型結晶構造熱力学的に最も低いエネルギー値を有し、安定したものであることが分かった。

0018

図2には、本発明に係るAu−Pt合金(Au:Pt=50:50)のL10型結晶構造及びこれに対するSimulated−XRD結果が示されている。図2の通り、L10型結晶構造に対するSimulated−XRD結果で、既存では現れていなかった新しい類型XRDピークが確認された。

0019

図3に示した、本発明によってボトムアップ(bottom−up)合成を通じて得たAu−Pt合金の組成別XRD結果を、前記図2のSimulated−XRD結果と比較した。そうすると、各々の組成別Au−Pt合金(Au22Pt78乃至Au93Pt7)が、図2のSimulated−XRD結果と類似するピークを示すことを確認することができた。これを通じて、本発明によって合成された各々の組成別Au−Pt合金(Au22Pt78乃至Au93Pt7)が、L10型結晶構造からなることを確認することができた。

0020

次に、本発明に係るAu−Pt合金は、過酸化水素(H2O2)の直接合成反応に活性を有し得る。

0021

図4の表には、本発明の一実施例に係るAu−Pt合金を含む触媒の組成別触媒活性及び組成別元素投入量の比率が示されている。組成別触媒特性を評価するために、各々の組成別触媒を利用した過酸化水素の直接合成反応実験遂行した。具体的には、計2mLの溶液(水1.5973mL、エタノール0.4mL、リン酸(85%)0.0027mL、NaBr0.16mg)に0.032mgの合金触媒を入れたコロイダル溶液に、総ガス流量70mL/min(4%H2 in Ar=50mL/min、O2=20mL/min、H2:O2=10:1)でバブリングした後、過酸化水素の濃度を測定した。組成別触媒ごとに過酸化水素の直接合成反応を遂行して、10分、20分、30分、及び60分が経過した後、過酸化水素の生成量を検出した。各々の結果を図4の表に示す。過酸化水素の検出は、過酸化水素の生成量によって変色して表出されるストリップ(strip)を利用した。

0022

実施例として、Au22Pt78、Au27Pt73、Au42Pt58、Au57Pt43、Au75Pt25、Au93Pt7、Au97Pt3、及びAu99Pt1の活性を測定し、比較例として、Pt100、Au100、Pd100を利用した反応を遂行した。

0023

Au100は過酸化水素の合成に影響を及ぼさず、Pt100は30分間で5〜10ppmの過酸化水素生成量を示す。一方、本発明の実施例に係るAu−Pt合金は、分子式:AuXPt(100−X)で表されるとき、Xが22以上になりさえすれば、Pt100の活性を越えることを確認することができ、Xが97のときには、単独では活性を示さないAuの含量が高いにもかかわらず、Pd100の活性をさらに越えることを確認することができた。即ち、分子式:AuXPt(100−X)においてXが22以上97以下であるとき、Au−Pt合金は高い活性を示すことを確認することができる。

0024

従来の過酸化水素の直接合成用触媒として広く利用されているPd100が、10分間で10ppm、20分間で10〜25ppm、30分間で25ppm、60分間で25ppm以上の過酸化水素生成量を示すことと比べれば、分子式:AuXPt(100−X)においてXが27以上97以下であるとき、Au−Pt合金は、Pd100と類似するか、Pd100よりも高い活性を示すことを確認することができる。

0025

特に、分子式:AuXPt(100−X)においてXが42以上97以下であるときには、10分間、20分間、30分間、及び60分間の全ての区間でPd100よりも確実に高い活性を示し、Xが93のときには、10分間及び20分間の区間でPd100よりもはるかに高い活性を示した。

0026

即ち、単独では過酸化水素の合成に影響を及ぼさないAuと、Pdよりは少ない活性を有するPtとを合成して製造した本発明の触媒が、Pd触媒との代替が可能な高い触媒活性を有する高効率の新規触媒であることを、実験を通じて確認することができた。

0027

上記のように、本発明に係るAu−Pt合金を含む触媒が有する高い活性について、Au−Pt及びPdにおける反応経路エネルギー分析を通じても検証することができる。これを図5及び図6を参照して説明する。

0028

図5は、本発明の一実施例に係るAu−Pt合金を触媒として利用した過酸化水素合成過程の反応座標を示したグラフであり、図6は、比較例のPdを触媒として利用した過酸化水素合成過程の反応座標を示したグラフである。なお、図面上で、小さい球体のうち黒色球体は酸素原子を意味し、小さい球体のうち白色球体水素原子を意味する。ここで、解離された水素原子の位置を示すために、前記白色球体の線の太さを変更した。

0029

過酸化水素の直接合成反応は、水素と酸素とを利用した反応であり、反応自体は容易に見えるが、技術的に難しい反応であるため、商用化工程が未だ開発されていない。過酸化水素を直接合成するためには、触媒が、水素分子を良好に解離させ、酸素分子の解離を良好に抑制して、表面で吸着させる機能を遂行しなければならない。Pdはこれら2つの役割を良好に遂行するので、過酸化水素の直接合成反応における高性能の触媒として知られている。一方、Au−Pt合金は、H2解離障壁値が0.02eVで、O2解離障壁値である0.77eVよりも非常に低いことから、水素分子を良好に解離させ、酸素分子の解離を抑制することが可能であるので、Au−Pt合金も高性能の触媒である。

0030

よって、本発明に係るAu−Pt合金(図5)とPd(図6)とを比較してみると、前記Au−Pt合金のH2解離障壁値は、PdのH2解離障壁値である0.20eVよりもさらに低いので、Au−Pt合金を用いると、過酸化水素の直接合成反応の最初の段階I(O2*+H2*−>O2*+2H*)が起こり易い。

0031

また、Au−Pt合金(図5)では、各段階が熱力学的に発熱反応挙動を示しており、一方、Pd(図6)では、最初の段階Iを除いた残りの段階で吸熱反応挙動を示している。反応全体の反応物のエネルギーと生成物のエネルギーとを比較したときにも、Au−Pt合金における反応が、Pdにおける反応よりもエネルギー的に安定するので、Au−Pt合金がPdに比べて過酸化水素の生産性に優れていると判断される。

0032

一方、全体反応のうち段階II(O2*+2H*−>OOH*+H*)及び段階II’(O2*+2H*−>2O*+2H*)を参照すると、以下のことが分かる。即ち、Pd(図6)では、副反応の2O*+2H*構造のエネルギーが−2.30eVで、エネルギー的に最も安定する。一方、Au−Pt合金(図5)では、Pt周辺のAu原子の分布によって副反応2O*+2H*構造のエネルギーが−0.34eVと大きく不安定になり、特に主反応OOH*+H*構造のエネルギーである−0.38eVよりもさらに高いエネルギー値を有するので、副反応構造が形成され難い。

0033

同様に、全体反応のうち段階III(OOH*+H*−>H2O2*)と段階III’(OOH*+H*−>OH*+O*+H*)を参照すると、副反応OH*+O*+H*構造のエネルギーが、Pd(図6)では−2.22eV、Au−Pt合金(図5)では−1.58eVであって、PdよりもAu−Pt合金で副反応構造がさらに形成され難いと予想される。

0034

結論として、上記のような反応経路エネルギー分析を通じて、本発明に係るAu−Pt合金が、従来のPdよりも過酸化水素に対する高い選択性と活性とを有することを確認することができた。

0035

一方、過酸化水素の直接合成時、Au−Pt合金のPt原子周辺で過酸化水素の合成反応がさらによく起こり得る。これは、過酸化水素の合成初期段階でH2が触媒に吸着後、容易に解離されなければならないが、AuはH2解離障壁値が高いからである。また、解離された各々の水素原子は、Pt−Pt Bridgeに位置するときがエネルギー的に最も有利であり得る。

0036

次に、本発明の実施例として、Au−Pt合金を含む触媒の製造方法が提供され得る。

0037

まず、(a)分散剤及び還元剤を所定の溶媒に溶解させて第1溶液を得る段階が提供され得る。

0038

ここで、分散剤は、PVP(ポリビニルピロリドン)、オレイルアミン、及びCTABセチルトリメチルアンモニウムブロミド)からなる群より選択される1つ以上の物質を含むことができ、還元剤は、NaBH4(水素化ホウ素ナトリウム)、ブチルリチウム、及びアスコルビン酸からなる群より選択される1つ以上の物質を含むことができるが、これらに限定されるものではない。

0039

次に、(b)Au前駆体及びPt前駆体を第1溶液に添加してAu−Pt合金を合成する段階が提供され得る。

0040

なお、この(b)段階で、Au前駆体及びPt前駆体を第1溶液に添加することにおいて、Au前駆体及びPt前駆体を所定の溶媒に溶解させて第2溶液を得た後、第2溶液を第1溶液に添加してAu−Pt合金を合成することができる。

0041

即ち、分散剤及び還元剤を所定の溶媒に溶解させて得た第1溶液に、Au前駆体及びPt前駆体を所定の溶媒に溶解させて得た第2溶液を添加して、Au−Pt合金を合成することができる。

0042

ここで、第1溶液及び第2溶液を得るときに使用される所定の溶媒は、脱イオン水を含み得るが、これに限定されるものではない。

0043

一方、第2溶液を第1溶液に添加するときに、ドロップ方式(滴状方式)を利用することができる。このとき、(b)段階は0℃付近の温度で遂行され得る。例えば、氷水浴内に第1溶液を位置させた状態で第2溶液をドロップ方式で添加することができる。

0044

また、(b)段階よりも後に、(b)段階で合成されたAu−Pt合金を洗浄する(c)段階をさらに含むことができるが、これに限定されるものではない。

0045

本発明に係る前記製造方法を通じて、互いに固溶されない性質を有するAu(金)及びPt(白金)で固溶体を形成することができ、合成されたAu−Pt合金は、過酸化水素(H2O2)の直接合成反応に活性を有し得る。Au−Pt合金の特性及び過酸化水素の直接合成反応に対する活性は、前述した内容と重複するので説明を省略する。

0046

前記製造方法を利用してAu−Pt合金を合成する具体例を示す。まず、0.153gのPVP及び0.012gのNaBH4を、15mLの脱イオン水に溶解させて第1溶液を得る。一方、Au前駆体及びPt前駆体を含む計0.01mmolの金属前駆体を、5mLの脱イオン水に溶解させて第2溶液を得る。ここで、溶解された2つの金属元素モル比Au:Ptは、10:90〜95:5であり得るが、これに限定されるものではない。

0047

次に、氷水浴において、第1溶液に第2溶液をドロップ方式で添加してAu−Pt合金を合成し、合成されたAu−Pt合金ナノ粒子を、脱イオン水を用いて10000rpmで3回洗浄することで、最終結果物を得ることができる。

0048

前記例示した数値及び諸般の条件は、本発明に係る製造方法を説明するための一例に過ぎず、これに限定されるものではなく、通常の知識を有する者であれば多様な変形を行うことができる。

0049

次に、本発明の実施例として、Au−Pt合金を含む触媒を利用した過酸化水素合成方法が提供され得る。具体的には、Au(金)及びPt(白金)が混合された合金を含む触媒を利用して過酸化水素を合成する方法が提供され得る。Au−Pt合金の特性及び過酸化水素の直接合成反応に対する活性は、前述した内容と重複するので説明を省略する。

0050

本発明に係る過酸化水素合成方法では、Pd触媒以上の高活性を有するAu−Pt合金を含む触媒が利用されており、このAu−Pt合金を含む触媒は、従来の過酸化水素の直接合成用触媒であるPd触媒との代替が可能である。そして、従来の非効率的な過酸化水素の間接合成工程を代替することで、本発明に係る過酸化水素合成方法は、環境にやさしい工程として急激に成長する過酸化水素市場の需要を充たすことができる。

0051

一方、本発明の他の実施例として、本発明に係るAu−Pt合金を、過酸化水素の直接合成反応用の触媒において所定の担体担持される活性成分として適用するか、本発明に係るAu−Pt合金と異なる金属又は合金を共に適用することで、過酸化水素の直接合成反応の触媒として利用することができる。

0052

以上、本発明を、具体的な構成要素などの特定事項と限定された実施例及び図面とによって説明したが、これらは本発明のより全般的な理解を助けるために提供されたものであるに過ぎず、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、これらの記載から多様な修正及び変形を行うことができる。

0053

従って、本発明の思想は、前述の実施例に限定して定められてはならず、後述する特許請求の範囲だけではなく、本特許請求の範囲と均等又は等価に変形された全てが、本発明の思想の範疇に属するといえる。

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