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技術 静電容量型トランスデューサ、及び被検体情報取得装置

出願人 キヤノン株式会社
発明者 香取篤史
出願日 2019年9月6日 (1年3ヶ月経過) 出願番号 2019-163442
公開日 2019年12月12日 (1年0ヶ月経過) 公開番号 2019-209169
状態 未査定
技術分野 超音波診断装置 超音波変換器
主要キーワード 静電シールド層 実効距離 画像情報生成装置 送受信トランス 配置周期 固有音響インピーダンス 寄生コンデンサ 数百マイクロメータ
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図面 (20)

課題

送受信特性が優れた静電容量型トランスデューサ、それを用いた被検体情報取得装置などを提供することである。

解決手段

静電容量型トランスデューサは、第1の電極102と、第1の電極102に対して間隔105を隔てて設けられた第2の電極103を含む振動膜101と、を備えたセル10を1以上有する。セル10上に、シリコーンゴム層402を介して、静電シールド500が備えられている。

概要

背景

音波送受信を行うトランスデューサとして、静電容量型のCMUT(Capacitive Micromachined Ultrasonic Transducer)が提案されている(非特許文献1参照)。CMUTは、半導体プロセスを応用したMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)プロセスを用いて作製されるものである。図13にCMUT(送受信素子)の一例の断面の模式図を示す。ここで、振動膜101と、間隔(キャビティ)105を挟んで対向した第1の電極102及び第2の電極103とを、1組としてセルと呼ぶ。振動膜101は、チップ100上に形成された支持部104により支持されている。第2の電極103には、直流電圧発生手段202が接続されている。第2の電極103は、第2の配線302を介して、直流電圧発生手段202により所定の直流電圧Vaが印加されている。もう一方の第1の電極102は、第1の配線301を介して、送受信回路201に接続され、GND(グランド電位付近固定電位となっている。これにより、第1の電極102と第2の電極103との間にVbias=Va−0Vの電位差を発生させている。Vaの値を調整することで、Vbiasの値が、CMUTのセルが持つ機械特性により決まる所望の電位差(数十Vから数百V程度)と一致するようになっている。

送受信回路201により、第1の電極102に交流駆動電圧を印加することで、第1及び第2の電極間に交流の静電引力が発生し、振動膜101を或る周波数振動させて超音波を送信できる。また、振動膜101が超音波を受けて振動することにより、第1の電極102に静電誘導により微小電流が発生し、送受信回路201により、その電流値を測定することで、受信信号を取り出せる。CMUTの電極間に電位差があることで、電極間に静電引力を発生させて、電極間の距離を狭くしている。電極間の電界強度が強くなると、同じ駆動電圧を印加した時の送信音圧送信効率)を大きくでき、同じ超音波を受信した時の出力信号受信感度)を大きくできる。

概要

送受信特性が優れた静電容量型トランスデューサ、それを用いた被検体情報取得装置などを提供することである。 静電容量型トランスデューサは、第1の電極102と、第1の電極102に対して間隔105を隔てて設けられた第2の電極103を含む振動膜101と、を備えたセル10を1以上有する。セル10上に、シリコーンゴム層402を介して、静電シールド500が備えられている。

目的

本発明は、送受信特性が優れた静電容量型トランスデューサ、それを用いた被検体情報取得装置などを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

第1の電極と、前記第1の電極に対して間隔を隔てて設けられた第2の電極を含む振動膜と、を備えたセルを有し、前記セルの上に、シリコーンゴム層を介して、静電シールドを備えていることを特徴とする静電容量型トランスデューサ

請求項2

前記第1の電極に、送受信回路が接続されていることを特徴とする請求項1に記載の静電容量型トランスデューサ。

請求項3

前記第2の電極に、送受信回路が接続されていることを特徴とする請求項1に記載の静電容量型トランスデューサ。

請求項4

前記第1の電極はチップ上に形成され、前記セルを夫々1以上含む素子を複数備えることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の静電容量型トランスデューサ。

請求項5

前記第1の電極から外部の直流電圧発生手段または送受信回路に電気的に接続するための配線として、前記チップにおける前記セルを備えた面に対向して、該面上の外部接続用電極に電気的に接続したフレキシブル配線が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の静電容量型トランスデューサ。

請求項6

前記第2の電極から外部の直流電圧発生手段または送受信回路に電気的に接続するための配線として、前記チップにおける前記セルを備えた面に対向して、該面上の外部接続用電極に電気的に接続したフレキシブル配線が設けられていることを特徴とする請求項4または5に記載の静電容量型トランスデューサ。

請求項7

前記第1の電極から外部の直流電圧発生手段または送受信回路に電気的に接続するための配線として、前記チップにおける前記セルを備えた面と逆側の面に対向して、該逆側の面上の外部接続用電極に電気的に接続したフレキシブル配線が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の静電容量型トランスデューサ。

請求項8

前記第2の電極から外部の直流電圧発生手段または送受信回路に電気的に接続するための配線として、前記チップにおける前記セルを備えた面と逆側の面に対向して、該逆側の面上の外部接続用電極に電気的に接続したフレキシブル配線が設けられていることを特徴とする請求項4または7に記載の静電容量型トランスデューサ。

請求項9

前記静電シールドの上に、音響レンズを備えていることを特徴とする請求項1から8の何れか1項に記載の静電容量型トランスデューサ。

請求項10

前記音響レンズは、シリコーンゴム層を介して、前記静電シールドに接着されていることを特徴とする請求項9に記載の静電容量型トランスデューサ。

請求項11

前記静電シールドは、少なくとも前記セルに対向する位置に配置されていることを特徴とする請求項1から10の何れか1項に記載の静電容量型トランスデューサ。

請求項12

前記静電シールドは、開口部を有さず一様に伸展した静電シールド層を含むことを特徴とする請求項1から11の何れか1項に記載の静電容量型トランスデューサ。

請求項13

前記静電シールドは、前記セルの上方から見て複数の開口部を有することを特徴とする請求項1から10の何れか1項に記載の静電容量型トランスデューサ。

請求項14

前記静電シールドの複数の開口部は、前記セルに対向する位置に、規則的に配置されていることを特徴とする請求項13に記載の静電容量型トランスデューサ。

請求項15

前記静電シールドの複数の開口部は、前記セルからずれた領域に対向する位置に配置されていることを特徴とする請求項13に記載の静電容量型トランスデューサ。

請求項16

前記静電シールドは、単一の静電シールド層から構成されていることを特徴とする請求項1から15の何れか1項に記載の静電容量型トランスデューサ。

請求項17

前記静電シールドは、複数の静電シールド層から構成されていることを特徴とする請求項1から15の何れか1項に記載の静電容量型トランスデューサ。

請求項18

前記静電シールド層は金属層から構成されていることを特徴とする請求項16または17に記載の静電容量型トランスデューサ。

請求項19

前記静電シールド層は、絶縁フィルム上に配置されていることを特徴とする請求項16から18の何れか1項に記載の静電容量型トランスデューサ。

請求項20

請求項1から19の何れか1項に記載の静電容量型トランスデューサと、処理部と、を備え、前記静電容量型トランスデューサは、少なくとも被検体からの超音波の受信を行い、前記処理部は、前記静電容量型トランスデューサからの超音波受信信号を用いて被検体の情報を取得することを特徴とする被検体情報取得装置

請求項21

前記静電容量型トランスデューサは、被検体に向けて超音波の送信も行うことを特徴とする請求項20に記載の被検体情報取得装置。

請求項22

光源を有し、前記静電容量型トランスデューサは、前記光源から発振した光が被検体に照射されることにより発生する光音響波の受信も行い、前記処理部は、光音響波受信信号も用いて被検体の情報を取得することを特徴とする請求項20または21に記載の被検体情報取得装置。

請求項23

請求項1から19の何れか1項に記載の静電容量型トランスデューサと、光源と、処理部と、を備え、前記静電容量型トランスデューサは、前記光源から発振した光が被検体に照射されることにより発生する光音響波を受信し、前記処理部は、光音響波受信信号を用いて被検体の情報を取得することを特徴とする被検体情報取得装置。

請求項24

前記処理部は被検体画像情報生成装置であることを特徴とする請求項20から23の何れか1項に記載の被検体情報取得装置。

技術分野

0001

本発明は、超音波などの音響波送受信(本明細書で送受信と言う場合、送信と受信のうちの少なくとも一方を意味する)を行う静電容量型電気機械変換装置ないしトランスデューサ、それを用いた被検体情報取得装置に関する。以下、音響波は音波、超音波、光音響波などを含む用語として用いるが、超音波で代表することもある。

背景技術

0002

超音波の送受信を行うトランスデューサとして、静電容量型のCMUT(Capacitive Micromachined Ultrasonic Transducer)が提案されている(非特許文献1参照)。CMUTは、半導体プロセスを応用したMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)プロセスを用いて作製されるものである。図13にCMUT(送受信素子)の一例の断面の模式図を示す。ここで、振動膜101と、間隔(キャビティ)105を挟んで対向した第1の電極102及び第2の電極103とを、1組としてセルと呼ぶ。振動膜101は、チップ100上に形成された支持部104により支持されている。第2の電極103には、直流電圧発生手段202が接続されている。第2の電極103は、第2の配線302を介して、直流電圧発生手段202により所定の直流電圧Vaが印加されている。もう一方の第1の電極102は、第1の配線301を介して、送受信回路201に接続され、GND(グランド電位付近固定電位となっている。これにより、第1の電極102と第2の電極103との間にVbias=Va−0Vの電位差を発生させている。Vaの値を調整することで、Vbiasの値が、CMUTのセルが持つ機械特性により決まる所望の電位差(数十Vから数百V程度)と一致するようになっている。

0003

送受信回路201により、第1の電極102に交流駆動電圧を印加することで、第1及び第2の電極間に交流の静電引力が発生し、振動膜101を或る周波数振動させて超音波を送信できる。また、振動膜101が超音波を受けて振動することにより、第1の電極102に静電誘導により微小電流が発生し、送受信回路201により、その電流値を測定することで、受信信号を取り出せる。CMUTの電極間に電位差があることで、電極間に静電引力を発生させて、電極間の距離を狭くしている。電極間の電界強度が強くなると、同じ駆動電圧を印加した時の送信音圧送信効率)を大きくでき、同じ超音波を受信した時の出力信号受信感度)を大きくできる。

先行技術

0004

A.S. Ergun, Y. Huang, X. Zhuang, O. Oralkan, G.G. Yarahoglu,and B.T. Khuri−Yakub, “Capacitive micromachined ultrasonic transducers: fabrication technology,” Ultrasonics, Ferroelectrics and Frequency Control,IEEE Transactions on, vol. 52, no. 12, pp. 2242− 2258, Dec. 2005.

発明が解決しようとする課題

0005

静電容量型超音波トランスデューサ(CMUT)を生体などの被検体帯電した被検体など)に接触させて使用する際に、送受信特性を改善する必要があることがある。本発明は、送受信特性が優れた静電容量型トランスデューサ、それを用いた被検体情報取得装置などを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

本発明の静電容量型トランスデューサは、第1の電極と、前記第1の電極に対して間隔を隔てて設けられた第2の電極を含む振動膜と、を備えたセルを有し、前記セル上に、シリコーンゴム層を介して、静電シールドを備えていることを特徴とする。

発明の効果

0007

本発明によれば、静電シールドを設けることで送受信特性が優れた静電容量型トランスデューサなどを提供することができる。

図面の簡単な説明

0008

第1の実施形態に係る静電容量型トランスデューサを説明する断面図。
第1の実施形態に係る静電容量型トランスデューサを説明する上面図。
第2の実施形態に係る静電容量型トランスデューサを説明する断面図。
第3の実施形態に係る静電容量型トランスデューサを説明する断面図。
第3の実施形態の他の例を説明する図。
第3の実施形態の更なる他の例を説明する図。
第4の実施形態に係る静電容量型トランスデューサを説明する断面図。
第5の実施形態に係る静電容量型トランスデューサを説明する断面図。
第5の実施形態の静電シールドを説明する上面図。
第5の実施形態の静電シールドの配置を説明する上面図。
第5の実施形態の静電シールドの他の配置を説明する上面図。
第5の実施形態の他の例を説明する上面図。
第6の実施形態の静電容量型トランスデューサを説明する断面図。
第6の実施形態の静電シールドの例を説明する上面図。
第6の実施形態の静電シールドの他の例を説明する上面図。
第7の実施形態の静電容量型トランスデューサを説明する断面図。
第8の実施形態に係る被検体情報取得装置を説明する図。
第9の実施形態に係る被検体情報取得装置を説明する図。
従来の静電容量型超音波トランスデューサを説明する断面図。

実施例

0009

本発明では、上記課題に対処するために、被検体に対するトランスデューサ表面と、チップないし基板上に配置した静電容量型のセルとの間に、或る所定の電位に固定された金属層などの静電シールドが配置される。静電シールドとしては、金属層が典型例である。静電シールドは導電性があればよいので、必ずしも金属に限定される必要はないが、実際の使用時には、超音波の透過特性に好ましくない影響を与えないように薄い方が望ましいため、金属を用いることが好ましい。以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。

0010

以下、本発明の実施形態について説明する。

0011

(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係わる静電容量型トランスデューサの断面の模式図である。図1(a)において、100はチップないし基板、101は振動膜、102は第1の電極、103は第2の電極、104は支持部、105は空隙ないし間隔(キャビティ)、106はチップ100上の絶縁膜である。また、107は、第1の電極102に繋がる配線、108は、第2の電極103に繋がる配線、109は、配線107に繋がる外部接続用電極、110は、配線108に繋がる外部接続用電極である。さらに、120はフレキシブル配線、121は外部接続用電極、122は導電層、123は絶縁フィルム、124は他の絶縁フィルム、131はワイヤー、140は支持部材、401は音響レンズ、402はシリコーンゴム層、500は静電シールドである。音響レンズ401は、シリコーンゴム層402を介して、静電シールド500に接着されている。本実施形態では、静電シールドは、少なくともセルに対向する位置には配置されている。また、静電シールドは、開口部を有さず一様に伸展した静電シールド層を含み、単一の静電シールド層から構成されている。

0012

支持部材140上に、チップ100とフレキシブル配線120が配置されている。チップ100上には、本実施形態では、静電容量型超音波トランスデューサ(CMUTなど)が配置されており、フレキシブル配線120を介して、外部の直流電圧発生手段202や送受信回路201(図1(b)参照)と接続されている。振動膜101は、支持部104によりチップ100上に支持されており、超音波を受けて振動する構成となっている。振動膜101上には第1の電極102が配置されており、第1の電極102に対向するチップ100上の位置には第2の電極103が配置されている。振動膜101と空隙105を挟んで対向した第1の電極102と第2の電極103を1組として、セルが構成される。

0013

図1(b)に示すように、第1の電極102は、第1の配線301を介してチップ100外部に引き出され、送受信回路201に接続され、第2の電極103は、第2の配線302を介してチップ100外部に引き出され、直流電圧発生手段202に接続される。直流電圧発生手段202により、第1の電極102と第2の電極103間には、数十ボルトから数百ボルトの電位差が発生している。振動膜101と第1の電極102が振動することにより、第1の電極102と第2の電極103間の距離が変化して、電極間の静電容量が変化する。電極間には電位差があるため、容量変化に対応して、微小電流が発生する。微小電流は、第1の電極102に接続された送受信回路201で電流から電圧に変換されて出力される。送信は、第1の電極102に交流の駆動電圧を印加することで、第1及び第2の電極間に交流の静電引力が発生し、振動膜101を振動させて行われる。

0014

チップ100上には、複数のセルが配置されており、本実施形態では、チップ100上の第2の電極103は互いに電気的に接続されて、チップ100上では同じ電位となっている。一方、チップ100上の第1の電極102は、複数のグループ毎に電気的に接続されており、グループ毎に異なる送受信回路201に電気的に接続されている。このグループのことを、送受信を行う際の素子エレメント20)と呼ぶ(例えば図2のエレメント20を参照)。典型的には、トランスデューサは、セルを夫々1以上含む素子を複数備える。セルの大きさ(径)は、数百マイクロメータから数ミリメータで、素子(エレメント20)の数は、百から数千ほどである。チップ上のCMUTは、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を用いて容易に形成することができる。チップ100は、シリコンガラスなどを用いることができる。また、本実施形態では、第1の電極102を送受信回路201に接続しており、第1の電極102が互いに接続している素子(エレメント20)毎に、第1の電極102を電気的に分離する必要がある。しかし、最も上側の電極層パターンを変更するだけで第1の電極やその配線を形成できるため、より簡易な方法で製造することができる。

0015

図2に、本実施形態の静電容量型トランスデューサが有する電極の形状を説明する模式図を示す。被検体800(図11図12を参照)側から見た上面図である図2は、チップ100表面に形成された第1の電極102と、第2の電極103と、セル10の外形、素子20の外形を記載している。チップ100上の第2の電極103は、直流電圧発生手段202に接続されており、一面に配置されている。

0016

送受信回路201に接続された第1の電極102に寄生するコンデンサが大きいと、受信時のノイズが増大してしまうため、第1の電極102の面積は小さいほうが望ましい。一方、振動膜101が振動する際には、セル(振動膜101)の中央部分が最も変形するため、第1の電極102を中央部のみに配置するだけでも、送信効率や受信感度の低下を最小限に抑えることができる。そのため、第1の電極102は、セル10の外形に対して、セルの中央部に殆どの面積が配置されており、セルの周辺部は、第1の電極間の接続のために最小限必要な幅になっている。

0017

支持部材140上にチップ100と並べて配置されているフレキシブル配線120は、薄い導電層122を、2つの絶縁層123、124で挟んだ構成となっている。チップ100側の端部では、導電層122は接続用電極121として露出している。図1(a)に示すように、チップ100上の接続用電極109、110と、フレキシブル配線120上の接続用電極121とは、ワイヤー131により電気的に接続されている。フレキシブル配線120は、絶縁層はポリイミドで、導電層は銅や金などの金属で構成され、全体の厚さは数十マイクロメータから百マイクロメータである。

0018

本実施形態では、支持部材140上に配置したチップ100とフレキシブル配線120の上には、シリコーンゴム層402を介して、音響レンズ401が配置されており、シリコーンゴム層402の内部に、1枚の静電シールド500が配置されている。シリコーンゴム層は、主に、音響レンズ401とチップ100の接着目的で使用している。一般的な接着剤であると、シリコーンゴム層が接する他の部分と音響インピーダンスが異なるので、界面で反射などが起こったり、硬い接着剤により振動膜の振動特性が影響を受けてしまうことになる。そのため、シリコーンゴム層で接着を行うことが、必須ないし好適である。付随的には、シリコーンゴム層は、トランスデューサの表面の保護や絶縁の確保などの役割も担うこともある。

0019

本実施形態の静電シールド500は、薄膜の金属層で構成されており、送受信回路201が持つ基準電位Vrefと同じ電位に固定されており、且つ超音波を劣化させることなく透過できる特性を有している。静電シールド500は、材料としてアルミ、銅、ニッケル、金などを用いることができ、静電シールド500の厚さは、使用する超音波の波長に対して十分小さければ用いることができる。材料と厚さは、超音波の透過性と、十分低い電気的抵抗が得られるように設定すればよく、特に厚さ数マイクロメータ以下のものを用いることが望ましい。他方、シリコーンゴム層402は、前述した様に、トランスデューサの持つ振動膜101の送受信特性に影響を与えず、且つ音響レンズ401とチップ100を接続することができるものが好ましい。また、被検体としての生体や音響レンズ401が有する音響インピーダンスと整合性が取れた材料を選択でき、音響レンズ401とシリコーンゴム層402の界面での超音波の反射を最小限に抑制することができるものが望ましい。

0020

トランスデューサを被検体の情報取得装置と接続して用いる際には、音響レンズ401表面の近傍に、生体などの被検体が配置された状態で使用されることがある。音響レンズ401と被検体との間には、通常、気泡などが入って超音波の透過特性が劣化しないように、ゲル超音波ゲル)が充填される。被検体の表面は、帯電しており、表面状態によっては非常に大きく帯電していることがあり、トランスデューサの送受信特性に大きく影響を与えてしまう。この様に静電容量型トランスデューサ(CMUT等)を生体などの被検体に接触させて使用する際に、被検体表面に存在する電荷によりトランスデューサの送受信特性が影響を受け、送受信特性が劣化するという課題があることを、本発明者は新たに見出した。静電シールドを備えていない従来の構成では、表面に電荷を有した被検体がトランスデューサ近傍に近づいた際に、被検体と第1の電極102との間に静電的な結合が発生してしまい、第1の電極102に電荷が誘導され、受信時にノイズとなってしまうことがある。同時に、第1の電極102と第2の電極103間での電気力線が変化してしまい、第1の電極102と第2の電極103に掛かっている電界の強度が変化してしまうことがある。それにより、 送信時の出力音圧についての送信効率や、受信時の音圧についての受信感度が変化してしまう。被検体からのこうした影響は、被検体と第1の電極102間の距離が短いと、より起こりやすくなる。

0021

それに対して、本実施形態を含む本発明では、静電シールド500を備えている。従って、表面に電荷を有した被検体がトランスデューサ近傍に近づいても、被検体800により誘導される電荷は静電シールド500に発生し、チップ100上の第1の電極102上には電荷は殆ど発生しない。また、本実施形態の第1の電極102は、電位が固定された第2の電極103と静電シールド500で囲まれているので、その外側の被検体800により第1の電極102と第2の電極103間の電気力線の形状が変化することが殆どない。そのため、本実施形態を含む本発明では、被検体により、送信時の出力音圧についての送信効率の変化や、受信時の音圧についての受信感度の変化は殆ど起きない。以上により、本実施形態によれば、送受信特性が、トランスデューサ表面の被検体が有する電荷の影響を受けにくいので、送受信特性が優れた静電容量型トランスデューサを提供することができる。

0022

また、本実施形態では、第2の電極103に、直流高電圧が印加されており、送受信回路201の基準電位付近に通常は固定された第1の電極102に覆われている。そのため、直流の高電圧が印加される電極が、より被検体から離れた位置に配置されるので、被検体との絶縁性をより高めることができ、より安全性が高いトランスデューサを提供することができる。

0023

(第2の実施形態)
第2の実施形態は、静電容量型トランスデューサの電極構成が異なる。それ以外は、第1の実施形態と同じである。図3は、本実施形態に係る静電容量型トランスデューサを説明する模式的な断面図である。本実施形態では、図3で示したように、第1の電極102に直流電圧発生手段202が、チップ100上の第2の電極103に送受信回路201がそれぞれ接続されていることが特徴である。

0024

ここで、静電シールド500がない場合の第1の電極102と第2の電極103間での電気力線を考える。第1の実施形態で説明したように、第1の電極102は、電極がパターンを有しており、第2の電極103に比べて表面積が小さくなっている(図2参照)。そのため、第1の電極102と第2の電極103間の電気力線は、第2の電極103に向かって広がる形状となっている。従って、第1の電極102上に、電荷を帯びた被検体があると、電気力線の形状が影響を受け、変形することになり易い。このように電気力線の形状が変化すると、送信時の出力音圧についての送信効率や、受信時の音圧についての受信感度が、変化してしまう。よって、被検体の表面状態により、CMUTなどの静電容量型トランスデューサの送受信特性が変化してしまい、トランスデューサとしての性能の劣化に繋がる。この被検体からの影響は、送受信回路201に接続された第2の電極103と被検体との間の距離が狭いと、より起こりやすくなる。

0025

しかし、本実施形態では、被検体との間に、静電シールド500を備えているので、第1の電極102と第2の電極103間の電気力線は、被検体の表面状態の影響を受けにくく、送受信特性の変化も抑制される。さらに、送受信回路201に接続された第2の電極103が被検体から比較的離れているので、被検体からの影響を受けにくくなっている。

0026

(第3の実施形態)
第3の実施形態は、トランスデューサの表面に配置された部材が上記実施形態と異なる。それ以外は、第1または第2の実施形態と同じである。図4は、本実施形態に係る静電容量型トランスデューサを説明する模式的な断面図である。

0027

本実施形態は、音響レンズ401がない構成である。音響レンズ401がない構成のトランスデューサは、電子フォーカスを行う送受信トランスデューサや、光音響効果により発生した超音波(光音響波)を受信する光音響用トランスデューサとして、好適に用いることができる。

0028

本構成では、通常数百マイクロメータから数ミリメータ程度の厚さがある音響レンズ401がなく、数十マイクロメータから百マイクロメータ程度の厚さのシリコーンゴム層402を介して、トランスデューサ表面で被検体800に接触することになる。そのため、音響レンズ401がある場合に比べて、被検体800とトランスデューサの電極間の距離が大幅に狭くなり、被検体800の表面からの影響を大幅に大きく受けやすくなる。しかし、本実施形態でも、被検体800とトランスデューサの電極との間に、静電シールド500を備えているため、被検体800とトランスデューサの電極間の距離が大幅に狭い構成においても、送受信特性の劣化が起こりにくい。従って、本実施形態の如く音響レンズ401がない構成のトランスデューサについても、送受信特性が被検体の表面状態の影響を受けにくい静電容量型トランスデューサを提供することができる。

0029

本実施形態の別の形態を、図5図6を用いて説明する。図5に、チップ100上の電極を外部の直流電圧発生手段202及び送受信回路201へと接続するフレキシブル配線120とチップ100との接続形態が上記形態とは異なる静電容量型トランスデューサを示す。図5では、チップ100上の外部接続用電極109、110に対向して、フレキシブル配線120を配置して、電気的接続を行っていることが異なる。すなわち、ここでは、チップにおけるセルを備えた面に対向して、該面上の外部接続用電極に電気的に接続したフレキシブル配線が設けられている。チップ100上の電極109、110と、フレキシブル配線120の接続用電極121とは、異方性導電樹脂(ACF)などを用いることで容易に接続できる。図5に示した接続方法を取ることにより、図4で示すようにワイヤー131を用いる構成に比べて、チップ100表面の突部の高さを低くすることができる。そのため、チップ100上のシリコーンゴム層402を薄くすることができる。シリコーンゴム層402では、超音波の減衰が発生するため、厚さはできるだけ薄いほうが優れた送受信特性を得ることができる。一方、シリコーンゴム層402の厚さが薄くなると、送受信特性が被検体の表面状態の影響を受けやすくなるが、静電シールド500を備える本実施形態の構成を用いることで、被検体からの影響を受けにくくすることができるので、優れた送受信特性を維持できる。

0030

以上のように、図5に示した別の形態によれば、音響レンズ401がない構成のトランスデューサについても、優れた送受信特性を持ち、被検体の表面状態の影響を受けにくい静電容量型トランスデューサを実現することができる。

0031

図6に、チップ100上の電極を外部の直流電圧発生手段202及び送受信回路201と接続するフレキシブル配線120とチップ100との接続形態が更に異なる静電容量型トランスデューサを示す。図6の構成は、フレキシブル配線120と電気的に接続するチップ上の外部接続用電極109、110を、セルを形成したチップ100の面とは逆の面(裏面)に配置していることが、図5の構成とは異なる。すなわち、ここでは、チップにおけるセルを備えた面と逆側の面に対向して、該逆側の面上の外部接続用電極に電気的に接続したフレキシブル配線が設けられている。図6の構成では、チップ200の裏面でフレキシブル配線120と電気的に接続するために、チップ100が貫通配線111を備えている。図6に示した接続方法を取ることにより、チップ100表面の突部をなくすことができる。そのため、チップ100上のシリコーンゴム層402を、最も優れた送受信特性を得ることができる厚さまで薄くすることが可能になる。図6に示した別の形態によれば、音響レンズ401がない構成のトランスデューサについても、特に優れた送受信特性を持ち、被検体の表面状態の影響を受けにくい静電容量型トランスデューサを提供することができる。

0032

(第4の実施形態)
第4の実施形態は、静電シールドを配置している領域が上記実施形態とは異なる。それ以外は、第1から第3の実施形態の何れかと同じである。図7は、本実施形態に係る静電容量型トランスデューサを説明する模式的な断面図である。

0033

本実施形態では、静電シールド501が、チップ100上の第1の電極102と第2の電極103が配置された領域と対向する領域に配置されていることが特徴である。本実施形態では、静電シールド501を、セルが配置された領域に対向した領域に限定して配置することで、全面に配置した構成に比べて、構成を簡素化することができる。また、チップ100上にセルを配置して、静電シールド501を配置した後、フレキシブル配線120と電気的に接続する順で形成することができるので、製造方法の制約が少なく、より容易な製造方法でトランスデューサを作製することができる。

0034

(第5の実施形態)
第5の実施形態は、静電シールド502の形状が上記実施形態と異なる。それ以外は、第1から第4の実施形の何れかと同じである。図8は、本実施形態に係る静電容量型トランスデューサを説明する図である。図8−1は断面の模式図であり、図8−2は静電シールドを上面からみた模式図である。

0035

本実施形態の静電シールド502は、図8−2に示すように、複数の開口部503を周期的に2次元配置していることが特徴である。すなわち、静電シールドは、セルの上方から見て複数の開口部を有する。被検体800の表面積に対して開口部503の大きさは十分小さいため、静電シールド502が複数の開口部503を有していてもシールド効果は殆ど低下しない。開口部503の大きさや配置周期は、被検体からチップ100上の電極を介して送受信特性に影響を与えない範囲であれば、任意の値に設定して用いることができる。図8−1の構成では、複数の開口部503と複数のセルとのそれぞれの対向関係不規則になっているが、こうした配置には限らない。

0036

静電シールド502と、チップ100上の電極102(または103)間には、小さいが寄生コンデンサが発生する。この寄生コンデンサの大きさは、静電シールド502とチップ100上の電極102(または103)の距離が狭くなると、より大きくなる。そして、送受信回路201に接続された電極での寄生コンデンサは、受信感度の低下や、受信時の出力ノイズの増加を発生させてしまう。こうした事態に対して、開口部503を備えた本実施形態の静電シールド502では、静電シールド502の表面積を、開口部503の総領域面積の増加に対応して小さくできる。そのため、静電シールドの効果はそのままで、静電シールド502とチップ100上の電極102(または103)の間に発生する寄生コンデンサの大きさを抑制することができる。特に、発生する受信感度の低下や出力ノイズの増加などの受信特性への影響が問題になる場合には、本実施形態の静電シールドを用いることで、受信特性への影響を少なくすることができる。

0037

以上のように、本実施形態によれば、受信感度の低下や出力ノイズの増加などの受信特性への好ましくない影響が少なく、且つ被検体の表面状態の影響を受けにくい静電容量型トランスデューサを実現することができる。

0038

図8−3を用いて、本実施形態の別の形態を説明する。図8−3は、チップ100の上面(セルを配置した側の面)から見た模式図である。図8−3では、振動膜101上の第1の電極102と、チップ100上の第2の電極103と、セル10の外形の関係のみを記載している。図8−3の構成では、静電シールド502の有する開口部503が、セル10の中心部に対応した位置に配置されていることが特徴である。すなわち、静電シールドの複数の開口部は、セルに対向する位置に、規則的に配置されている。図8−3の構成では、第1の電極102が送受信回路201に接続されている第1の実施形態と同じ構成となっている。第1の電極102の面積は、セルの中心部付近で最も大きいので、静電シールド502が有する開口部503をセルの中心部に対向する位置に配置することで、第1の電極102と静電シールド502間の寄生コンデンサの大きさをより小さくできる。

0039

図8−3に示した形態では、受信感度の低下や出力ノイズの増加などの受信特性への好ましくない影響がより少なく、且つ被検体の表面状態の影響を受けにくい静電容量型トランスデューサを実現することができる。

0040

図8−4を用いて、本実施形態の他の別の形態を説明する。図8−4は、チップ100上面(セルを配置した側の面)から見た模式図である。図8−4でも、第1の電極102と、第2の電極103と、セル10の外形の関係のみを記載している。図8−4の構成は、静電シールド502の有する開口部503が、セルの中心部に対応した位置から出来るだけずらされていることが特徴である。すなわち、静電シールドの複数の開口部は、セルからずれた領域に対向する位置に配置されている。図8−4では、第2の電極103が、送受信回路201に接続されている第2の実施形態(図3参照)と同じ構成となっている。セルの中心部付近の第2の電極103は、パターンを有した第1の電極102により覆われている。一方、セルの中心部から離れた領域の第2の電極103は、殆ど第1の電極102では覆われていない。そのため、静電シールド502の開口部503がセルの中心部に対向する位置から出来るだけずらされていることで、送受信回路201に接続された第2の電極103と静電シールド502間の寄生コンデンサの大きさをより小さくできる。他方、開口部503の位置により静電シールド502の効果はほぼ変わらない構成となっているので、被検体の表面状態の影響を殆ど受けない。

0041

また、図8−5で示すように、第2の電極103も、静電シールド502が有する開口部503と対向する領域には電極部を持たないようなパターン構成とすることもできる。こうすると、寄生コンデンサの発生を更に抑制できる。そのため、より優れた受信特性を有する静電容量型トランスデューサとすることができる。図8−4や図8−5に示した静電容量型トランスデューサでは、受信感度の低下や出力ノイズの増加などの受信特性への好ましくない影響がより少なく、且つ被検体の表面状態の影響を受けにくい静電容量型トランスデューサを実現することができる。

0042

(第6の実施形態)
第6の実施形態は、静電シールド502の形態が上記実施形態と異なる。それ以外は、第1から第5の実施形態の何れかと同じである。図9は、本実施形態に係る静電容量型トランスデューサを説明する図である。本実施形態では、静電シールド500が複数の静電シールド層により構成されていることが特徴である。複数の層は同電位に固定されている。

0043

本実施形態では、模式的断面図である図9−1で示すように、2つの静電シールド層504、504を用いており、それぞれが配置される高さが異なる。上面図である図9−2に、第1の静電シールド層504と、第2の静電シールド層505を説明する図を示す。第1の静電シールド層504は、紙面に対して縦縞になるように電極層が配置されている。一方、第2の静電シールド層505は、紙面に対して少しずれた縦縞になるように電極層が配置されている。第1の静電シールド層504と第2の静電シールド層505を上方向から見て重ねると一面隙間が無くなる。

0044

本実施形態では、静電シールドを複数の層に分けることで、静電シールドを1層で構成する場合に比べて、チップ100上の電極102(または103)と静電シールド間の実効距離を広げることができる。そのため、電極102(または103)と静電シールド間に発生する寄生コンデンサの大きさをより小さくできる。

0045

本実施形態によると、受信感度の低下や出力ノイズの増加などの受信特性への好ましくない影響がより少なく、且つ被検体の表面状態の影響を受けにくい静電容量型トランスデューサを提供することができる。

0046

図9−3を用いて、本実施形態の別の形態を説明する。第1の静電シールド層504は、縦縞になるように電極層を有しており、図9−2と同じである。第2の静電シールド層505は、横縞になるように電極層を有している。図9−2の形態と異なる点は、第1の静電シールド層504と第2の静電シールド層505を重ねると、周期的に開口部が形成されることである。こうした開口部の配置は、縦縞及び横縞のパターンと、シールド層の重ね合わせ方とを適宜に設計することにより、種々なものにできる。

0047

図9−3の構成を用いることで、チップ100上の電極102(または103)と静電シールド間の実効距離を広げ、且つ開口部があることにより寄生コンデンサの大きさを大幅に低減することができる。本形態によると、受信感度の低下や出力ノイズの増加などの受信特性への好ましくない影響が更に少なく、且つ被検体の表面状態の影響を受けにくい静電容量型トランスデューサを提供することができる。

0048

尚、上記した本実施形態では、静電シールドが2つの層により構成されていたが、本実施形態はこうした構成に限らず、3枚以上のシールド層を用いた構成にすることもできる。更には、これらの層を、パターンを持たない層(つまり、開口する部分を持たない形態の静電シールド層)にすることもできる。こうした形態の静電シールドのメリットとしては、厚いシールド層を形成する際に起こり得る応力などの問題を回避できること、薄くて少し抵抗の高いシールド層を複数枚配置して、全体として静電シールドの抵抗値を抑えられることがある。

0049

(第7の実施形態)
第7の実施形態は、静電シールドを支持している層を有していることが上記実施形態と異なる。それ以外は、第1から第6の実施形態の何れかと同じである。図10は、本実施形態に係る静電容量型トランスデューサを説明する模式的な断面図である。

0050

本実施形態では、静電シールドを備えた絶縁フィルムを用いていることが特徴である。すなわち、静電シールド層は、絶縁フィルム上に配置されている。絶縁フィルム403は、薄膜の絶縁フィルムにより構成することができ、材質はPET、PI、PE、TPXなど薄膜に形成できるものであれば用いることができる。絶縁フィルム403の厚さは、使用する超音波の波長に対して十分薄いものであれば用いることができ、数マイクロメータから十数マイクロメータであることがより望ましい。

0051

図10(a)は、第1の実施形態(図1参照)に本実施形態を適用した構成の模式図である。また、図10(b)は、第3の実施形態(図4参照)に本実施形態を適用した構成の模式図である。本実施形態は、これらの構成に限らず、その他すべての実施形態の構成に同様に適用することができる。

0052

本実施形態では、平坦性の高い絶縁フィルム403上に静電シールド層を形成して使用するので、静電シールド層の厚さをより薄くしても、均一で良好な膜を得ることができるため、静電シールドが有する抵抗値を十分に抑制できる。従って、静電シールド層の厚さを薄くできるので、静電シールドによる超音波の透過特性を極めて小さくすることができる。

0053

また、第5または第6の実施形態に用いた場合には、静電シールド層がパターンを有しているので、絶縁フィルム上に静電シールド層を形成することで、より形状が所望のものに近い静電シールドを得ることができる。また、静電シールドを所定の領域に限定して配置した第4の実施形態に用いた場合には、絶縁フィルム403とチップ100との位置合わせを容易に行うことができるので、より製造方法を簡易なものにできる。また、第6の実施形態に用いた場合は、絶縁フィルム403とチップ100との位置合わせを容易且つ正確に行い得るので、静電シールドの開口部とチップ100上のセルとの位置合わせを、容易且つ高精度に行うことができる。よって、寄生コンデンサの低減をより効果的に行い得る。さらに、第6の実施形態に用いた場合は、複数の静電シールド層のパターンの位置合わせを高精度に行えるので、寄生コンデンサの低減をより効果的に行うことができる。

0054

(第8の実施形態)
第1から第7の実施形態の何れかの静電容量型トランスデューサは、光音響効果を利用した光音響波(超音波)の受信に用いることができ、それを備えた被検体情報取得装置に適用できる。

0055

図11を用いて、本実施形態の被検体情報取得装置の動作を具体的に説明する。まず、発光指示信号701に基づいて、光源103から光702(パルス光)を発生させることにより、測定対象物800に光702を照射する。測定対象物800では光702の照射により光音響波(超音波)703が発生し、この超音波703を超音波プローブが有する複数の静電容量型トランスデューサ802で受信する。受信信号の大きさや形状、時間の情報が光音響波の受信信号704として、処理部である画像情報生成装置803に送られる。一方、光源103で発生させた光702の大きさや形状、時間の情報(発光情報)が、光音響信号の画像情報生成装置803に記憶される。光音響信号の画像情報生成装置803では、光音響波の受信信号704と発光情報を基に測定対象物800の画像信号を生成して、光音響信号による再現画像情報705として出力する。画像表示器804では、光音響信号による再現画像情報705を基に、測定対象物800を画像として表示する。この様に、本実施形態では、静電容量型トランスデューサは、光源から発振した光が被検体に照射されることにより発生する光音響波を受信し、処理部(ここでは、被検体画像情報生成装置)は、光音響波受信信号を用いて被検体の情報を取得する。

0056

本実施形態に係る静電容量型トランスデューサの受信特性は、被検体が有する電荷の影響を受けにくいため、光音響波から正確な情報を取得できるため、高画質な画像を生成することができる。

0057

(第9の実施形態)
本実施形態は、第1から第7の実施形態の何れかの静電容量型トランスデューサを、第8の実施形態とは異なる形態の被検体情報取得装置に用いたものである。図12に、本実施形態に係わる被検体情報取得装置の模式図を示す。図12において、706は超音波の送受信信号、707は送信した超音波、708は反射した超音波、709は超音波の送受信による再現画像情報である。図12において、図11で示した数字と同じ数字は上述した通りである。本実施形態の処理部である画像形成装置は、光音響波の受信に加えて、パルスエコー(超音波の送受信)を行い、画像を形成する。光音響波の受信については、第8の実施形態と同じであるため、ここではパルスエコー(超音波の送受信)について説明する。

0058

超音波の送信号706を基にして、複数の静電容量型トランスデューサ802から、測定対象物800に向かって超音波707が出力(送信)される。測定対象物800の内部において、内在する物質固有音響インピーダンスの差により、超音波が反射する。反射した超音波708は、複数の静電容量型トランスデューサ802で受信され、受信信号の大きさや形状、時間の情報が超音波受信信号706として画像情報生成装置803に送られる。一方、送信超音波の大きさや形状、時間の情報は超音波送信情報として、画像情報生成装置803で記憶される。画像情報生成装置803では、超音波受信信号706と超音波送信情報を基に測定対象800の画像信号を生成して、超音波送受信の再現画像情報709として出力する。

0059

画像表示器804では、光音響信号による再現画像情報705と、超音波送受信による再現画像情報708の2つの情報を基に、測定対象物800を画像として表示する。本実施形態における静電容量型トランスデューサの超音波の送受信特性は、被検体が有する電荷の影響を受けにくいため、光音響波に加えて、超音波の送受信という異なる測定方法受信情報も正確に取得して画像を形成することができる。そのため、より情報量の多い画像を正確に取得、表示することができる。

0060

本実施形態では、前記トランスデューサは、少なくとも被検体からの超音波の受信を行い、前記処理部は、前記トランスデューサからの超音波受信信号を用いて被検体の情報を取得する。ここでは、前記静電容量型トランスデューサは、被検体に向けて超音波の送信も行っているが、超音波の送信は他のトランスデューサが行うようにしてもよい。また、前記トランスデューサは、光源から発振した光が被検体に照射されることで発生する光音響波の受信も行い、前記処理部は、光音響波受信信号も用いて被検体の情報を取得しているが、光音響波の受信を行わないで超音波受信のみを行う形態にもできる。

0061

10・・セル、20・・エレメント、100・・チップ、101・・振動膜、102・・第1の電極、103・・第2の電極、105・・空隙(間隔)、402・・シリコーンゴム層、500・・静電シールド

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