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技術 カルボキシメチル化セルロース粉末

出願人 日本製紙株式会社
発明者 井上一彦西ヶ谷霞佐治薫
出願日 2018年5月28日 (2年5ヶ月経過) 出願番号 2018-101214
公開日 2019年12月5日 (11ヶ月経過) 公開番号 2019-206605
状態 未査定
技術分野 多糖類及びその誘導体
主要キーワード ラジェット パスタ麺 機械工 崩壊角 カルボキシメチル置換度 アニオン電荷密度 衝撃式ミル マーセル化セルロース
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

均質添加剤として使用するのに適したカルボキシメチル化セルロース粉末を提供する。

解決手段

カルボキシメチル置換度が0.50以下であり、セルロースI型結晶化度が50%以上であり、メディアン径が10〜150μmであるカルボキシメチル化セルロース粉末。好ましくは、カルボキシメチル化セルロースが、水を主とする溶媒下でマーセル化反応を行い、次いで、水と有機溶媒との混合溶媒下でカルボキシメチル化反応を行うことにより製造されたものである。

概要

背景

カルボキシメチル化セルロースは、セルロースグルコース残基中の水酸基の一部に、カルボキシメチル基エーテル結合させたものである。カルボキシメチル化したセルロースは、化粧品医薬品、食品、各種工業製品等において、増粘剤粘結剤バインダー吸水材保水材乳化安定剤などの各種添加剤として使用されている。カルボキシメチル化したセルロースは、天然セルロース由来であることから緩やかな生分解性を有するとともに焼却廃棄が可能である環境にやさしい素材であり、用途は今後拡大すると予測される。

カルボキシメチル化セルロースの製造方法としては、一般に、セルロースをアルカリで処理(マーセル化)した後、エーテル化剤(カルボキシメチル化剤ともいう。)で処理(カルボキシメチル化。エーテル化とも呼ぶ。)する方法が知られており、マーセル化とカルボキシメチル化の両方を水を溶媒として行う方法と、マーセル化とカルボキシメチル化の両方を有機溶媒を主とする溶媒下で行う方法(特許文献1〜4)が知られており、前者は「水媒法」、後者は「溶媒法」と呼ばれる。

概要

均質で添加剤として使用するのに適したカルボキシメチル化セルロース粉末を提供する。カルボキシメチル置換度が0.50以下であり、セルロースI型結晶化度が50%以上であり、メディアン径が10〜150μmであるカルボキシメチル化セルロース粉末。好ましくは、カルボキシメチル化セルロースが、水を主とする溶媒下でマーセル化反応を行い、次いで、水と有機溶媒との混合溶媒下でカルボキシメチル化反応を行うことにより製造されたものである。なし

目的

本発明は、カルボキシメチル置換度が低く(0.50以下)、セルロースI型の結晶化度が高い(50%以上)カルボキシメチル化したパルプであって、均質であり上述の問題が起きにくく、添加剤として使用するのに適したものを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

カルボキシメチル置換度が0.50以下であり、セルロースI型結晶化度が50%以上であり、メディアン径が10μm〜150μmである、カルボキシメチル化セルロース粉末

請求項2

カルボキシメチル置換度が0.20以上である、請求項1に記載のカルボキシメチル化セルロース粉末。

請求項3

安息角が、40°〜60°の範囲である、請求項1または2に記載のカルボキシメチル化セルロース粉末。

請求項4

崩壊角が、20°〜40°の範囲である、請求項1〜3いずれか1項に記載のカルボキシメチル化セルロース粉末。

請求項5

カルボキシメチル化セルロースが、水を主とする溶媒下でマーセル化反応を行い、次いで、水と有機溶媒との混合溶媒下でカルボキシメチル化反応を行うことにより製造されたものである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のカルボキシメチル化セルロース粉末。

請求項6

前記水を主とする溶媒が、水を50質量%より多く含む溶媒である、請求項5に記載のカルボキシメチル化セルロース粉末。

請求項7

前記混合溶媒における有機溶媒の割合が、水と有機溶媒との総和に対して、50〜99質量%である、請求項5または6に記載のカルボキシメチル化セルロース粉末。

技術分野

0001

本発明は、カルボキシメチル化セルロース粉末に関する。詳細には、特定のカルボキシメチル置換度及びセルロースI型結晶化度を有し、特定の粒度となるように調整されたカルボキシメチル化セルロースに関する。

背景技術

0002

カルボキシメチル化セルロースは、セルロースのグルコース残基中の水酸基の一部に、カルボキシメチル基エーテル結合させたものである。カルボキシメチル化したセルロースは、化粧品医薬品、食品、各種工業製品等において、増粘剤粘結剤バインダー吸水材保水材乳化安定剤などの各種添加剤として使用されている。カルボキシメチル化したセルロースは、天然セルロース由来であることから緩やかな生分解性を有するとともに焼却廃棄が可能である環境にやさしい素材であり、用途は今後拡大すると予測される。

0003

カルボキシメチル化セルロースの製造方法としては、一般に、セルロースをアルカリで処理(マーセル化)した後、エーテル化剤(カルボキシメチル化剤ともいう。)で処理(カルボキシメチル化。エーテル化とも呼ぶ。)する方法が知られており、マーセル化とカルボキシメチル化の両方を水を溶媒として行う方法と、マーセル化とカルボキシメチル化の両方を有機溶媒を主とする溶媒下で行う方法(特許文献1〜4)が知られており、前者は「水媒法」、後者は「溶媒法」と呼ばれる。

先行技術

0004

特開2017−149901号公報
特開2008−222859号公報
特開2007−191558号公報
特開2002−194001号公報

発明が解決しようとする課題

0005

カルボキシメチル化セルロースは、その増粘性吸水性保水性等の性質から、飲食品、化粧品、水系塗料など、様々な分野において添加剤として使用されている。これらの汎用されるカルボキシメチル化セルロースは、通常、カルボキシメチル置換度(エーテル化度ともいう。)が0.55以上の水溶性高分子である。一方、カルボキシメチル置換度を0.50以下とし、セルロースの結晶性を残存させ、水中で完全には溶解せずに繊維状の形状を一部維持するようなカルボキシメチル化セルロースの研究も近年行われており、その形状や結晶性等の特徴を利用した新たな用途の探索が行なわれている。

0006

しかし、カルボキシメチル置換度が0.50以下であり、セルロースI型の結晶化度が50%以上であるカルボキシメチル化セルロースは、不均質となりやすく、例えば、分散が不安定となったり、水中でダマを形成しやすいなどの問題が見られた。これは、カルボキシメチル基がセルロースに局所的に導入されることにより、カルボキシメチル化セルロースにおいて局所的に水に溶解する部分と溶解しない部分とが生じ、品質にばらつきが生じたり、カルボキシメチル基の導入状態によって分散が不安定になるためと推測された。このような現象は、特に、カルボキシメチル置換度が低い場合に顕著であった。これは、少ない量のカルボキシメチル基を、セルロースに均一に(すなわち、一箇所または数箇所に密集するような局所的な形態ではなく)導入することが困難であるためと考えられた。また、例えば、0.20以上0.50以下といったカルボキシメチル置換度の範囲では、セルロースI型の結晶化度50%以上を維持すること自体が困難であった。これは、カルボキシメチル基がセルロースに局所的に導入されることにより、置換基が集中した部分から水に溶解するようになり、カルボキシメチル化セルロース全体としての結晶性が低くなるためと推測された。

0007

本発明は、カルボキシメチル置換度が低く(0.50以下)、セルロースI型の結晶化度が高い(50%以上)カルボキシメチル化したパルプであって、均質であり上述の問題が起きにくく、添加剤として使用するのに適したものを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明者らは、カルボキシメチル置換度が低く(0.50以下)、セルロースI型の結晶化度が高い(50%以上)カルボキシメチル化セルロースを製造する際、セルロース原料のマーセル化(セルロースのアルカリ処理)を水を主とする溶媒下で行い、その後、カルボキシメチル化(エーテル化ともいう。)を水と有機溶媒との混合溶媒下で行うことにより、従来の水媒法(マーセル化とカルボキシメチル化の両方を水を溶媒として行う方法)や溶媒法(マーセル化とカルボキシメチル化の両方を有機溶媒を主とする溶媒下で行う方法)で得たものに比べて、均質なカルボキシメチル化セルロースを製造することができることを見出した。この均質なカルボキシメチル化セルロースは、分散安定性に優れ、保水性と保形性付与に優れたものであった。また、このカルボキシメチル化セルロースの分散体を乾燥し、粉砕し、特定の粒度分布となるように分級して得た粉末は、上記の特定に加え、作業性もよく、水に投入した際にダマ(塊)を形成しにくく、様々な分野の添加剤として好適に使用できることを見出した。

0009

本発明としては、以下に限定されないが、次のものが挙げられる。
(1)カルボキシメチル置換度が0.50以下であり、セルロースI型の結晶化度が50%以上であり、メディアン径が10μm〜150μmである、カルボキシメチル化セルロース粉末。
(2)カルボキシメチル置換度が0.20以上である、(1)に記載のカルボキシメチル化セルロース粉末。
(3)安息角が40°〜60°の範囲である、(1)または(2)に記載のカルボキシメチル化セルロース粉末。
(4)崩壊角が20°〜40°の範囲である、(1)〜(3)のいずれか1つに記載のカルボキシメチル化セルロース粉末。
(5)カルボキシメチル化セルロースが、水を主とする溶媒下でマーセル化反応を行い、次いで、水と有機溶媒との混合溶媒下でカルボキシメチル化反応を行うことにより製造されたものである、(1)〜(4)のいずれか1つに記載のカルボキシメチル化セルロース粉末。
(6)前記水を主とする溶媒が、水を50質量%より多く含む溶媒である、(5)に記載のカルボキシメチル化セルロース粉末。
(7)前記混合溶媒における有機溶媒の割合が、水と有機溶媒との総和に対して、50〜99質量%である、(5)または(6)に記載のカルボキシメチル化セルロース粉末。

発明の効果

0010

本発明のカルボキシメチル化セルロース粉末は、均質で分散安定性に優れ、保水性と保形性付与に優れ、また、適度な粒度を有することにより作業性がよく、水中でダマ(塊)を形成しにくいことから、食品、医薬品、化粧品、飼料、製紙、塗料等の様々な分野における保水性付与剤、保形性付与剤粘度調整剤、乳化安定剤、分散安定剤等の各種添加剤として好適に使用することができる。

0011

<カルボキシメチル化セルロース>
本発明のカルボキシメチル化セルロース粉末は、カルボキシメチル置換度が0.50以下であり、セルロースI型の結晶化度が50%以上であり、メディアン径が10μm〜150μmである。カルボキシメチル化セルロースは、セルロースのグルコース残基中の水酸基の一部がカルボキシメチル基とエーテル結合した構造を有するものである。カルボキシメチル化セルロースは、塩の形態をとる場合もあり、本発明のカルボキシメチル化セルロースには、カルボキシメチル化セルロースの塩も含まれるものとする。カルボキシメチル化セルロースの塩としては、例えばナトリウム塩などの金属塩などが挙げられる。

0012

本発明に用いられるカルボキシメチル化セルロースは、水に分散した際にも繊維状の形状の少なくとも一部が維持されるものが好ましい。すなわち、カルボキシメチル化セルロースの水分散体電子顕微鏡等で観察すると、繊維状の物質を観察することができるものが好ましい。このようなカルボキシメチル化セルロースをX線回折で測定すると、セルロースI型結晶ピーク観測することができる。

0013

本発明に用いられるカルボキシメチル化セルロースは、本発明の効果を阻害しない範囲で、カルボキシメチル基由来のカルボキシル基(−COOH)を、適宜変性したものであってもよい。そのような変性としては、例えばアルキル基アリール基アラルキル基などを有するアミン系化合物リン系化合物などをカルボキシル基に結合させて、疎水化することが挙げられる。

0014

また本発明に用いられるカルボキシメチル化セルロースは、本発明の効果を阻害しない範囲で、金属担持させたものであってもよい。金属担持とは、カルボキシメチル化セルロースに対し金属化合物を含む水溶液を接触させることで、カルボキシメチル化セルロースのカルボキシル基(−COOH)由来のカルボキシレート基(—COO—)に、金属化合物を配位結合あるいは水素結合させることをいう。これにより、金属化合物由来金属イオンイオン結合している金属化合物を含有するカルボキシメチル化セルロースを得ることができる。そのような金属化合物としては、例えばAg、Au、Pt、Pd、Mn、Fe、Ti、Al、Zn及びCuの群から選ばれる1種以上の金属元素イオンを含む金属塩などを挙げることができる。

0015

<カルボキシメチル置換度>
本発明に用いられるカルボキシメチル化セルロースは、セルロースの無水グルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度が0.50以下であり、好ましくは0.40以下である。当該置換度が0.50を超えると水への溶解が起こりやすくなり、水中で繊維形態を維持できなくなり、保形性付与等の効果が低減する可能性がある。保水性や保形性付与等の効果を得るためには、一定程度のカルボキシメチル置換度を有することは必要であり、例えば、カルボキシメチル置換度が0.02より小さいと、用途によっては、カルボキシメチル基を導入したことによる利点が得られない場合がある。したがって、カルボキシメチル置換度は、0.02以上であることが好ましく、0.05以上であることが更に好ましく、0.10以上であることが更に好ましく、0.15以上であることが更に好ましく、0.20以上であることがさらに好ましく、0.25以上であることがさらに好ましく、0.30以上であることがさらに好ましい。なお、特に、カルボキシメチル置換度が0.20以上0.50以下の範囲では、後述するセルロースI型の結晶化度が50%以上であるカルボキシメチル化セルロースを得ること自体が困難であったが、本発明者らは、例えば後述する製法により、カルボキシメチル置換度0.20以上0.50以下であり、かつ、セルロースI型の結晶化度が50%以上でありながら、均質なカルボキシメチル化セルロースを製造できることを見出した。カルボキシメチル置換度は、反応させるカルボキシメチル化剤の添加量マーセル化剤の量、水と有機溶媒の組成比率コントロールすること等によって調整することができる。

0016

本発明において無水グルコース単位とは、セルロースを構成する個々の無水グルコース(グルコース残基)を意味する。また、カルボキシメチル置換度(エーテル化度ともいう。)とは、セルロースを構成するグルコース残基中の水酸基のうちカルボキシメチルエーテル基置換されているものの割合(1つのグルコース残基当たりのカルボキシメチルエーテル基の数)を示す。なお、カルボキシメチル置換度はDSと略すことがある。

0017

カルボキシメチル置換度の測定方法は以下の通りである:
試料約2.0gを精して、300mL共栓付き三角フラスコに入れる。硝酸メタノール1000mLに特級濃硝酸100mLを加えた液100mLを加え、3時間振盪して、カルボキシメチル化セルロースの塩(CMC)をH−CMC(水素型カルボキシメチル化セルロース)に変換する。その絶乾H−CMCを1.5〜2.0g精秤し、300mL共栓付き三角フラスコに入れる。80%メタノール15mLでH−CMCを湿潤し、0.1N−NaOHを100mL加え、室温で3時間振盪する。指示薬として、フェノールフタレインを用いて、0.1N−H2SO4で過剰のNaOHを逆滴定し、次式によってカルボキシメチル置換度(DS値)を算出する。
A=[(100×F’−0.1N−H2SO4(mL)×F)×0.1]/(H−CMCの絶乾質量(g))
カルボキシメチル置換度=0.162×A/(1−0.058×A)
F’:0.1N−H2SO4のファクター
F:0.1N−NaOHのファクター。

0018

<セルロースI型の結晶化度>
本発明に用いられるカルボキシメチル化セルロースにおけるセルロースの結晶化度は、結晶I型が50%以上であり、60%以上であることがより好ましい。結晶性を上記範囲に調整することにより、カルボキシメチル化セルロースによる保形性付与等の効果が高く得られるようになる。セルロースの結晶性は、マーセル化剤の濃度と処理時の温度、並びにカルボキシメチル化の度合によって制御できる。マーセル化及びカルボキシメチル化においては高濃度のアルカリが使用されるために、セルロースのI型結晶がII型に変換されやすいが、アルカリ(マーセル化剤)の使用量を調整するなどして変性の度合いを調整することによって、所望の結晶性を維持させることができる。セルロースI型の結晶化度の上限は特に限定されない。現実的には90%程度が上限となると考えられる。

0019

カルボキシメチル化セルロースのセルロースI型の結晶化度の測定方法は、以下の通りである:
試料をガラスセルに乗せ、X線回折測定装置(LabX XRD−6000、島津製作所製)を用いて測定する。結晶化度の算出はSegal等の手法を用いて行い、X線回折図の2θ=10°〜30°の回折強度ベースラインとして、2θ=22.6°の002面の回折強度と2θ=18.5°のアモルファス部分の回折強度から次式により算出する。

0020

Xc=(I002c—Ia)/I002c×100
Xc=セルロースのI型の結晶化度(%)
I002c:2θ=22.6°、002面の回折強度
Ia:2θ=18.5°、アモルファス部分の回折強度。

0021

<メディアン径>
本発明のカルボキシメチル化セルロース粉末は、10μm〜150μmの範囲のメディアン径を有する。メディアン径の範囲は、好ましくは、20μm〜120μmであり、さらに好ましくは、30μm〜100μmである。メディアン径が10μmより小さいと、全体的に粉末が細かくなりすぎ、扱う際に舞い上がりやすいなど、作業性が悪くなる。一方、メディアン径が150μmより大きいと、水などの媒体に均一に溶解または分散させにくくなり、ダマ(塊)が残るなどの問題が生じやすくなる。本発明において、メディアン径は、メタノールを分散媒として分散させ、レーザー回折・散乱式粒度分布計で測定される体積累計50%の粒子径D50の値をいう。このようなメディアン径を有するカルボキシメチル化セルロース粉末は、例えば後述する方法でカルボキシメチル化セルロースを粉砕、分級することにより得ることができる。

0022

また、本発明のカルボキシメチル化セルロース粉末は、メタノールを分散媒として分散させ、レーザー回折・散乱式粒度分布計で測定される体積累計10%の粒子径D10の値が、好ましくは10μm〜20μmであり、より好ましくは12μm〜16μmである。粒子径D10の値が、10μm未満であると全体的に粉末が細かくなりすぎ、扱う際に舞い上がりやすいなど、作業性が悪くなる。一方、粒子径D10の値が20μmより大きいと、水などの媒体に均一に溶解または分散させにくくなり、ダマ(塊)が残るなどの問題が生じやすくなる。

0023

また、本発明のカルボキシメチル化セルロース粉末は、メタノールを分散媒として分散させ、レーザー回折・散乱式粒度分布計で測定される体積累計90%の粒子径D90の値が、好ましくは120μm〜250μmであり、より好ましくは140μm〜190μmである。粒子径D90の値が、120μm未満であると全体的に粉末が細かくなりすぎ、扱う際に舞い上がりやすいなど、作業性が悪くなる。一方、粒子径D90の値が250μmより大きいと、水などの媒体に均一に溶解または分散させにくくなり、ダマ(塊)が残るなどの問題が生じやすくなる。

0024

<安息角>
本発明のカルボキシメチル化セルロース粉末の安息角は、好ましくは40°〜60°であり、より好ましくは52°〜58°であり、さらに好ましくは53°〜57°である。安息角が60°を超えると、粉体流動性が悪くなるため作業性が悪化する。また安息角が40°未満であると、粉体落下速度が速くなるが、粉舞いが発生するため、作業性が悪化する。

0025

なお本発明の安息角は、パウダーテスター(PT−N型ホソカワミクロン株式会社製)を用いて、粉体を漏斗の孔から一定面積水平板の上に一定形状となるまで落下堆積させ、円錐状の顆粒体を形成させ、Angle Repose(仰角)の値を安息角とした。

0026

<崩壊角>
本発明のカルボキシメチル化セルロース粉末の崩壊角は、好ましくは20°〜40°であり、より好ましくは25°〜35°である。崩壊角が40°を超えると、粉体流動性が悪くなるため作業性が悪化する。また崩壊角が20°未満であると、粉体の落下速度が速くなるが、粉舞いが発生するため、作業性が悪化する。

0027

なお、本発明の崩壊角は、パウダーテスター(PT−N型、ホソカワミクロン株式会社製)を用いて、粉体を漏斗の孔から一定面積の水平板の上に一定形状となるまで落下堆積させ、円錐状の顆粒体を形成させる。次いで、水平板と同じ台座上にある一定の重さの分銅を落下させることにより、該粉体に一定の衝撃を与え、一部粉体が自然流動し水平板から脱落した後、残った円錐状の顆粒体について、底面外周の点から円錐の頂点までの仰角として、崩壊角を求めることができる。

0028

また安息角と崩壊角との差を差角という。差角は、振動フィーダー等の搬送装置からの振動等による粉体の崩れ易さを表す指標となるものであり、差角が大きいほど崩れ易いこととなるため、好ましくは20°〜30°であり、より好ましくは22°〜28°であり、さらに好ましくは23°〜27°である。

0029

濾過残渣の割合>
本発明に用いられるカルボキシメチル化セルロースは、水を分散媒として分散体としたときに(水分散体)、ダマ(塊)の形成が少ない(すなわち、濾過残渣を形成する割合が少ない)ものが好ましい。具体的には、水500gにカルボキシメチル化セルロースを投入し、400rpmで5秒間撹拌した後、20メッシュフィルターを用いて自然濾過した際のフィルター上の濾過残渣の乾燥質量が、水に投入したカルボキシメチル化セルロースの乾燥質量に対して、0〜30質量%であることが好ましい(本明細書において、上記の方法で算出される水に投入したカルボキシメチル化セルロースの乾燥質量に対する自然濾過後の濾過残渣の乾燥質量の割合を、「濾過残渣の割合」と呼ぶ。)。濾過残渣の割合の具体的な測定方法は、以下の通りである:
(1)濾過残渣の量の測定
1Lのビーカーに500gの水を採取する。カルボキシメチル化セルロース5gを分取し、質量を記録する(カルボキシメチル化セルロースの質量)。撹拌器(IKA(登録商標)EUROSTAR PCVS1(IKA社製))に撹拌羽をセットし、400rpmで水を撹拌しておく。質量を記録しておいたカルボキシメチル化セルロースを、撹拌している水中に一気に投入し、投入後5秒間撹拌する。撹拌終了後、撹拌器の電源を切る。撹拌終了後、迅速に、あらかじめ質量を測定しておいた20メッシュのフィルターを用いて自然濾過を行う。自然濾過後、フィルターとその上の残渣をともに、バット上で100℃で2時間乾燥させる。フィルターとその上の残渣の質量を測定し、フィルターの質量を差し引くことで残渣の絶乾質量(g)を計算する(絶乾残渣質量)。
(2)カルボキシメチル化セルロースの水分量の計算
秤量瓶を100℃で2時間加熱し、シリカゲルの入ったデシケーター内で冷却し、秤量瓶の絶乾質量を精秤する(絶乾秤量瓶質量)。カルボキシメチル化セルロースを秤量瓶中に約1.5g量り取り、精秤する(乾燥前CMC質量)。秤量瓶のふたを開け、105℃で2時間加熱乾燥する。秤量瓶のふたを閉め、シリカゲルの入ったデシケーター内で15分間冷却する。乾燥後の秤量瓶質量(乾燥後のカルボキシメチル化セルロースを含む)を精秤する(乾燥後CMC入り秤量瓶質量)。以下の式を用いて、カルボキシメチル化セルロースの水分量を計算する:
カルボキシメチル化セルロースの水分(%)=[{乾燥前CMC質量(g)−(乾燥後CMC入り秤量瓶質量(g)−絶乾秤量瓶質量(g))}/乾燥前CMC質量(g)]×100。
(3)濾過残渣の割合の計算
(1)で測定したカルボキシメチル化セルロースの質量(g)及び絶乾残渣質量(g)、ならびに(2)で計算したカルボキシメチル化セルロースの水分(%)を用いて、以下の式により、カルボキシメチル化セルロースの濾過残渣の割合を計算する:
カルボキシメチル化セルロースの濾過残渣の割合(%)=[絶乾残渣質量(g)/{カルボキシメチル化セルロースの質量(g)×(100−カルボキシメチル化セルロースの水分(%))/100}]×100。

0030

上記式により算出されるカルボキシメチル化セルロースの濾過残渣の割合は、0〜30%であることが好ましく、0〜20%であることがさらに好ましく、0〜10%であることがさらに好ましい。濾過残渣の割合の少ないカルボキシメチル化セルロースは、分散させやすく、取扱い性に優れる。このような濾過残渣の割合の少ないカルボキシメチル化セルロースは、例えば、後述する方法により製造することができる。

0031

<ショッパー・リーグろ水度
本発明に用いられるカルボキシメチル化セルロースは、ショッパー・リーグラろ水度が60.0°SR以上であることが好ましい。ショッパー・リーグラろ水度の測定方法は、JISP 82121−1:2012に準じ、具体的には、以下の通りである:
カルボキシメチル化セルロースを水に分散し、固形分10g/Lの水分散体を調製し、マグネチックスターラーを用い一昼夜1000rpmにて撹拌する。得られたスラリーを1g/Lに希釈する。ミューテック社製DFR−04に60メッシュスクリーンワイヤー太さ0.17mm)をセットし、1000mlの検液から、上記メッシュを通過する液量を60秒間計測し、JISP 8121−1:2012に準じた方法で、ショッパー・リーグラろ水度を算出する。

0032

ショッパー・リーグラろ水度は、繊維の懸濁液の水切れの程度を測定するものであり、下限値は0°SR、上限値は100°SRであり、ショッパー・リーグラろ水度が100°SRに近づくほど、水切れ(排水量)が少ないことを示し、すなわち、繊維の保水性が高いことを示す。

0033

カルボキシメチル化セルロースのショッパー・リーグラろ水度は、60.0°SR以上であることが好ましく、65.0°SR以上であることがさらに好ましい。上限は特に限定されないが、100.0°SR以下であり、好ましくは、90.0°SR以下である。ショッパー・リーグラろ水度が60.0°SR以上であるカルボキシメチル化セルロースは、保水性が高く、例えば、これらに限定されないが、食品、化粧品、医薬品などの様々な組成物において、保水剤として用いるのに適するといえる。このようなショッパー・リーグラろ水度を有するカルボキシメチル化セルロースは、例えば、後述する方法により製造することができる。

0034

カナディアンスタンダードフリーネス
本発明に用いられるカルボキシメチル化セルロースは、カナディアンスタンダードフリーネス(カナダ標準濾水度)が150ml以下であることが好ましく、120ml以下がより好ましく、110ml以下がさらに好ましい。このようなカナディアンスタンダードフリーネスを有するカルボキシメチル化セルロースは、例えば、後述する方法により製造することができる。カナディアンスタンダードフリーネスは、繊維の懸濁液の水切れの程度を測定するものであり、値が小さいほど水切れ(排水量)が少ないことを示し、すなわち、繊維の保水性が高いことを示す。カナディアンスタンダードフリーネスの測定方法は、以下の通りである:
前述したショッパー・リーグラ濾水度と同様の方法で試料を調製し、ミューテック社製DFR−04に60メッシュスクリーン(ワイヤー太さ0.17mm)をセットし、1000mlの検液から、上記メッシュを通過する液量を60秒間計測し、JISP 8121−2:2012に準じた方法で、カナディアンスタンダードフリーネスを算出する。

0035

濾水量
本発明に用いられるカルボキシメチル化セルロースは、濾水量が400ml以下であることが好ましく、380ml以下がより好ましく、370ml以下がさらに好ましい。このような濾水量を有するカルボキシメチル化セルロースは、例えば、後述する方法により製造することができる。濾水量は、繊維の懸濁液の水切れの程度を測定するものであり、値が小さいほど水切れ(排水量)が少ないことを示し、すなわち、繊維の保水性が高いことを示す。濾水量の測定方法は、以下の通りである:
前述したショッパー・リーグラ濾水度と同様の方法で試料を調整し、ミューテック社製DFR−04に60メッシュスクリーン(ワイヤー太さ0.17mm)をセットし、1000mlの検液から、上記メッシュを通過する液量を60秒間計測し、濾水量を算出した。

0036

<水分散体における粘度>
本発明に用いられるカルボキシメチル化セルロースは、水を分散媒として分散体としたときに(水分散体)、低い粘度を示すものが好ましい。本発明において、粘度の測定方法は、以下の通りである:
カルボキシメチル化セルロースを1000ml容ガラスビーカーに測りとり、蒸留水900mlに分散し、固形分1%(w/v)となるように水分散体を調製する。水分散体を25℃で撹拌機を用いて600rpmで3時間撹拌する。その後、JIS−Z−8803の方法に準じて、B型粘度計(東機産業社製)を用いて、No.1ローター回転数30rpmで3分後の粘度を測定する。

0037

カルボキシメチル化セルロースの粘度は、10.0mPa・s以下であることが好ましく。8.0mPa・s以下がより好ましく、7.0mPa・s以下がさらに好ましい。このような低粘度のカルボキシメチル化セルロースは、カルボキシメチル基が、局所的ではなく、セルロース全体にわたり均一に導入されていると考えられ、カルボキシメチル化セルロースに特有の効果、例えば、保形性、吸水性付与等をより安定に得ることができると考えられる。このような粘度を有するカルボキシメチル化セルロースは、例えば、後述する方法により製造することができる。上記粘度の下限値は特に限定されない。現実的には1.0mPa・s程度が下限となると考えられる。

0038

アニオン化度
本発明に用いられるカルボキシメチル化セルロースは、アニオン化度(アニオン電荷密度ともいう。)が0.00meq/g以上1.00meq/g以下であることが好ましい。アニオン化度の測定方法は、以下の通りである:
カルボキシメチル化セルロースを水に分散し、固形分10g/Lの水分散体を調製し、マグネチックスターラーを用い一昼夜1000rpmにて撹拌する。得られたスラリーを0.1g/Lに希釈後、10ml採取し、流動電流検出器(Mutek Particle Charge Detector 03)用い、1/1000規定度ジアリルジメチルアンモニウムクロリドDADMAC)で滴定して、流動電流がゼロになるまでのDADMACの添加量を用い、以下の式によりアニオン化度を算出する:
q=(V×c)/m
q:アニオン化度(meq/g)
V:流動電流がゼロになるまでのDADMACの添加量(L)
c:DADMACの濃度(meq/L)
m:測定試料中のカルボキシメチル化セルロースの質量(g)。

0039

本明細書において、「アニオン化度」とは、上記の測定方法から分かるように、単位質量のカルボキシメチル化セルロースにおいて、アニオン性基中和するのに要したDADMACの当量に相当し、単位質量のカルボキシメチル化セルロースあたりのアニオンの当量に相当する。

0040

カルボキシメチル化セルロースのアニオン化度は、0.00meq/g以上1.00meq/g以下であることが好ましく、0.00meq/g以上0.80meq/g以下がさらに好ましく、0.00meq/g以上0.60meq/g以下がさらに好ましい。このような範囲のアニオン化度を有するカルボキシメチル化セルロースは、アニオン化度が1.00meq/gよりも高いカルボキシメチル化セルロースに比べて、カルボキシメチル基が、局所的ではなく、セルロース全体にわたり均一に導入されていると考えられ、カルボキシメチル化セルロースに特有の効果、例えば、保形性、吸水性付与等をより安定に得ることができると考えられる。このようなアニオン化度を有するカルボキシメチル化セルロースは、例えば、後述する方法により製造することができる。

0041

<カルボキシメチル化セルロースの製造方法>
カルボキシメチル化セルロースは、一般に、セルロースをアルカリで処理(マーセル化)した後、得られたマーセル化セルロースアルカリセルロースともいう。)を、カルボキシメチル化剤(エーテル化剤ともいう。)と反応させることにより製造することができる。

0042

本発明のカルボキシメチル置換度が0.50以下であり、セルロースI型の結晶化度が50%以上であり、メディアン径が10μm〜150μmであるカルボキシメチル化セルロース粉末は、これに限定されないが、例えば、マーセル化(セルロースのアルカリ処理)を水を主とする溶媒下で行い、その後、カルボキシメチル化(エーテル化ともいう。)を水と有機溶媒との混合溶媒下で行い、次いで、乾燥(分散媒の除去)、粉砕、分級することにより、製造することができる。このようにして得たカルボキシメチル化セルロース粉末は、従来の水媒法(マーセル化とカルボキシメチル化の両方を水を溶媒として行う方法)や溶媒法(マーセル化とカルボキシメチル化の両方を有機溶媒を主とする溶媒下で行う方法)で得たカルボキシメチル化セルロースの粉末に比べて、均質で品質が安定しており、分散安定性にすぐれ、保水性と保形性付与に優れ、さらに水中でダマを形成しにくいという特徴を有し、添加剤として使用するのに適している。また、上記の方法は、カルボキシメチル化剤の有効利用率が高いという利点がある。

0043

<セルロース>
本発明においてセルロースとは、D−グルコピラノース(単に「グルコース残基」、「無水グルコース」ともいう。)がβ−1,4結合で連なった構造の多糖を意味する。セルロースは、一般に起源、製法等から、天然セルロース、再生セルロース微細セルロース非結晶領域を除いた微結晶セルロース等に分類される。本発明では、これらのセルロースのいずれも、マーセル化セルロースの原料として用いることができるが、カルボキシメチル化セルロースにおいて50%以上のセルロースI型の結晶化度を維持するためには、セルロースI型の結晶化度が高いセルロースを原料として用いることが好ましい。原料となるセルロースのセルロースI型の結晶化度は、好ましくは、70%以上であり、さらに好ましくは80%以上である。セルロースI型の結晶化度の測定方法は、上述した通りである。

0044

天然セルロースとしては、晒パルプまたは未晒パルプ(晒木材パルプまたは未晒木材パルプ);リンター、精製リンター;酢酸菌等の微生物によって生産されるセルロース等が例示される。晒パルプ又は未晒パルプの原料は特に限定されず、例えば、木材、木綿、わら、ジュートケナフ等が挙げられる。また、晒パルプ又は未晒パルプの製造方法も特に限定されず、機械的方法化学的方法、あるいはその中間で二つを組み合せた方法でもよい。製造方法により分類される晒パルプ又は未晒パルプとしては例えば、メカニカルパルプサーモメカニカルパルプ(TMP)、砕木パルプ)、ケミカルパルプ針葉樹漂白サルファイトパルプ(NUSP)、針葉樹漂白サルファイトパルプ(NBSP)等の亜硫酸パルプ、針葉樹未漂白クラフトパルプ(NUKP)、針葉樹漂白クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹未漂白クラフトパルプ(LUKP)、広葉樹漂白クラフトパルプ(LBKP)等のクラフトパルプ)等が挙げられる。さらに、製紙用パルプの他に溶解パルプを用いてもよい。溶解パルプとは、化学的に精製されたパルプであり、主として薬品に溶解して使用され、人造繊維セロハンなどの主原料となる。

0045

再生セルロースとしては、セルロースを銅アンモニア溶液、セルロースザンテート溶液モルフォリン誘導体など何らかの溶媒に溶解し、改めて紡糸されたものが例示される。
微細セルロースとしては、上記天然セルロースや再生セルロースをはじめとする、セルロース系素材を、解重合処理(例えば、酸加水分解アルカリ加水分解酵素分解爆砕処理振動ボールミル処理等)して得られるものや、前記セルロース系素材を、機械的に処理して得られるものが例示される。

0046

<マーセル化>
原料として前述のセルロースを用い、マーセル化剤(アルカリ)を添加することによりマーセル化セルロースを得る。本明細書に記載の方法にしたがって、このマーセル化反応における溶媒に水を主として用い、次のカルボキシメチル化の際に有機溶媒と水との混合溶媒を使用することにより、上述の添加剤として好適なカルボキシメチル化セルロースを経済的に得ることができる。

0047

溶媒に水を主として用いる(水を主とする溶媒)とは、水を50質量%より高い割合で含む溶媒をいう。水を主とする溶媒中の水は、好ましくは55質量%以上あり、より好ましくは60質量%以上であり、より好ましくは70質量%以上であり、より好ましくは80質量%以上であり、さらに好ましくは90質量%以上であり、さらに好ましくは95質量%以上である。特に好ましくは水を主とする溶媒は、水が100質量%(すなわち、水)である。マーセル化時の水の割合が多いほど、カルボキシメチル基がセルロースにより均一に導入されるという利点が得られる。水を主とする溶媒中の水以外の(水と混合して用いられる)溶媒としては、後段のカルボキシメチル化の際の溶媒として用いられる有機溶媒が挙げられる。例えば、メタノール、エタノール、N−プロピルアルコールイソプロピルアルコール、N−ブタノールイソブタノール、第3級ブタノール等のアルコールや、アセトンジエチルケトンメチルエチルケトンなどのケトン、ならびに、ジオキサンジエチルエーテルベンゼンジクロロメタンなどを挙げることができ、これらの単独または2種以上の混合物を水に50質量%未満の量で添加してマーセル化の際の溶媒として用いることができる。水を主とする溶媒中の有機溶媒は、好ましくは45質量%以下であり、さらに好ましくは40質量%以下であり、さらに好ましくは30質量%以下であり、さらに好ましくは20質量%以下であり、さらに好ましくは10質量%以下であり、さらに好ましくは5質量%以下であり、より好ましくは0質量%である。

0048

マーセル化剤としては、例えば、水酸化リチウム水酸化ナトリウム水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物が挙げられ、これらのうちいずれか1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。マーセル化剤は、これに限定されないが、これらのアルカリ金属水酸化物を、例えば、1〜60質量%、好ましくは2〜45質量%、より好ましくは3〜25質量%の水溶液として反応器に添加することができる。

0049

マーセル化剤の使用量は、カルボキシメチル化セルロースにおけるカルボキシメチル置換度0.50以下及びセルロースI型の結晶化度50%以上を両立できる量であればよく特に限定されないが、一実施形態において、セルロース100g(絶乾)に対して0.1モル以上2.5モル以下であることが好ましく、0.3モル以上2.0モル以下であることがより好ましく、0.4モル以上1.5モル以下であることがさらに好ましい。

0050

マーセル化の際の水を主とする溶媒の量は、原料の撹拌混合が可能な量であることが好ましい。具体的には、これに限定されないが、セルロース原料に対し、1.5〜20質量倍が好ましく、2〜10質量倍であることがより好ましい。このような量とすることにより、反応を均質に生じさせることができるようになる。

0051

マーセル化処理は、原料(セルロース)と、水を主とする溶媒とを混合し、反応器の温度を0〜70℃、好ましくは10〜60℃、より好ましくは10〜40℃に調整して、マーセル化剤の水溶液を添加し、15分〜8時間、好ましくは30分〜7時間、より好ましくは30分〜3時間撹拌することにより行う。これによりマーセル化セルロースを得る。

0052

マーセル化の際のpHは、9以上が好ましく、これによりマーセル化反応を進めることができる。該pHは、より好ましくは11以上であり、更に好ましくは12以上であり、13以上でもよい。pHの上限は特に限定されない。

0053

マーセル化は、温度制御しつつ上記各成分を混合撹拌することができる反応機を用いて行うことができ、従来からマーセル化反応に用いられている各種の反応機を用いることができる。例えば、2本の軸が撹拌し、上記各成分を混合するようなバッチ型攪拌装置は、均一混合性生産性の両観点から好ましい。

0054

<カルボキシメチル化>
マーセル化セルロースに対し、カルボキシメチル化剤(エーテル化剤ともいう。)を添加することにより、カルボキシメチル化セルロースを得る。本明細書に記載の方法にしたがって、マーセル化の際は水を主とする溶媒として用い、カルボキシメチル化の際には水と有機溶媒との混合溶媒を用いることにより、上述の添加剤として好適なカルボキシメチル化セルロースを経済的に得ることができる。

0055

カルボキシメチル化剤としては、モノクロロ酢酸、モノクロロ酢酸ナトリウム、モノクロロ酢酸メチル、モノクロロ酢酸エチル、モノクロロ酢酸イソプロピルなどが挙げられる。これらのうち、原料の入手しやすさという点でモノクロロ酢酸、またはモノクロロ酢酸ナトリウムが好ましい。

0056

カルボキシメチル化剤の使用量は、カルボキシメチル化セルロースにおけるカルボキシメチル置換度0.50以下及びセルロースI型の結晶化度50%以上を両立できる量であればよく特に限定されないが、一実施形態において、セルロースの無水グルコース単位当たり、0.5〜1.5モルの範囲で添加することが好ましい。上記範囲の下限はより好ましくは0.6モル以上、さらに好ましくは0.7モル以上であり、上限はより好ましくは1.3モル以下、さらに好ましくは1.1モル以下である。カルボキシメチル化剤は、これに限定されないが、例えば、5〜80質量%、より好ましくは30〜60質量%の水溶液として反応器に添加することができるし、溶解せず、粉末状態で添加することもできる。

0057

マーセル化剤とカルボキシメチル化剤のモル比(マーセル化剤/カルボキシメチル化剤)は、カルボキシメチル化剤としてモノクロロ酢酸又はモノクロロ酢酸ナトリウムを使用する場合では、0.90〜2.45が一般的に採用される。その理由は、0.90未満であるとカルボキシメチル化反応が不十分となる可能性があり、未反応のモノクロロ酢酸又はモノクロロ酢酸ナトリウムが残って無駄が生じる可能性があること、及び2.45を超えると過剰のマーセル化剤とモノクロロ酢酸又はモノクロロ酢酸ナトリウムによる副反応が進行してグリコール酸アルカリ金属塩が生成する恐れがあるため、不経済となる可能性があることにある。

0058

カルボキシメチル化において、カルボキシメチル化剤の有効利用率は、15%以上であることが好ましい。より好ましくは20%以上であり、さらに好ましくは25%以上であり、特に好ましくは30%以上である。カルボキシメチル化剤の有効利用率とは、カルボキシメチル化剤におけるカルボキシメチル基のうち、セルロースに導入されたカルボキシメチル基の割合を指す。マーセル化の際に水を主とする溶媒を用い、カルボキシメチル化の際に水と有機溶媒との混合溶媒を用いることにより、高いカルボキシメチル化剤の有効利用率で(すなわち、カルボキシメチル化剤の使用量を大きく増やすことなく、経済的に)、本発明のカルボキシメチル化セルロースを得ることができる。カルボキシメチル化剤の有効利用率の上限は特に限定されないが、現実的には80%程度が上限となる。なお、カルボキシメチル化剤の有効利用率は、AMと略すことがある。

0059

カルボキシメチル化剤の有効利用率の算出方法は以下の通りである:
AM = (DS ×セルロースのモル数)/ カルボキシメチル化剤のモル数
DS:カルボキシメチル置換度(測定方法は後述する)
セルロースのモル数:パルプ質量(100℃で60分間乾燥した際の乾燥質量)/162
(162はセルロースのグルコース単位当たり分子量)。

0060

カルボキシメチル化反応におけるパルプ原料の濃度は、特に限定されないが、カルボキシメチル化剤の有効利用率を高める観点から、1〜40%(w/v)であることが好ましい。

0061

カルボキシメチル化剤を添加するのと同時に、あるいはカルボキシメチル化剤の添加の前または直後に、反応器に有機溶媒または有機溶媒の水溶液を適宜添加し、又は減圧などによりマーセル化処理時の水以外の有機溶媒等を適宜削減して、水と有機溶媒との混合溶媒を形成し、この水と有機溶媒との混合溶媒下で、カルボキシメチル化反応を進行させる。有機溶媒の添加または削減のタイミングは、マーセル化反応の終了後からカルボキシメチル化剤を添加した直後までの間であればよく、特に限定されないが、例えば、カルボキシメチル化剤を添加する前後30分以内が好ましい。

0062

有機溶媒としては、メタノール、エタノール、N−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、N−ブタノール、イソブタノール、第3級ブタノール等のアルコールや、アセトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトンなどのケトン、ならびに、ジオキサン、ジエチルエーテル、ベンゼン、ジクロロメタンなどを挙げることができ、これらの単独または2種以上の混合物を水に添加してカルボキシメチル化の際の溶媒として用いることができる。これらのうち、水との相溶性が優れることから、炭素数1〜4の一価アルコールが好ましく、炭素数1〜3の一価アルコールがさらに好ましい。

0063

カルボキシメチル化の際の混合溶媒中の有機溶媒の割合は、水と有機溶媒との総和に対して有機溶媒が20質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましく、40質量%以上であることがさらに好ましく、45質量%以上であることがさらに好ましく、50質量%以上であることが特に好ましい。有機溶媒の割合が高いほど、均一なカルボキシメチル基の置換が起こりやすいなど、均質で品質の安定したカルボキシメチル化セルロースが得られるという利点が得られる。有機溶媒の割合の上限は限定されず、例えば、99質量%以下であってよい。添加する有機溶媒のコストを考慮すると、好ましくは90質量%以下であり、更に好ましくは85質量%以下であり、更に好ましくは80質量%以下であり、更に好ましくは70質量%以下である。

0064

カルボキシメチル化の際の反応媒(セルロースを含まない、水と有機溶媒等との混合溶媒)は、マーセル化の際の反応媒よりも、水の割合が少ない(言い換えれば、有機溶媒の割合が多い)ことが好ましい。本範囲を満たすことで、得られるカルボキシメチル化セルロースの結晶化度を維持しやすくなり、本発明のカルボキシメチル化セルロースを、より効率的に得ることができるようになる。また、カルボキシメチル化の際の反応媒が、マーセル化の際の反応媒よりも水の割合が少ない(有機溶媒の割合が多い)場合、マーセル化反応からカルボキシメチル化反応に移行する際に、マーセル化反応終了後の反応系に所望の量の有機溶媒を添加するという簡便な手段でカルボキシメチル化反応用の混合溶媒を形成させることができるという利点も得られる。

0065

水と有機溶媒との混合溶媒を形成し、マーセル化パルプにカルボキシメチル化剤を投入した後、温度を好ましくは10〜40℃の範囲で一定に保ったまま15分〜4時間、好ましくは15分〜1時間程度撹拌する。マーセル化パルプを含む液とカルボキシメチル化剤との混合は、反応混合物高温になることを防止するために、複数回に分けて、または、滴下により行うことが好ましい。カルボキシメチル化剤を投入して一定時間撹拌した後、必要であれば昇温して、反応温度を30〜90℃、好ましくは40〜90℃、さらに好ましくは60〜80℃として、30分〜10時間、好ましくは1時間〜4時間、エーテル化(カルボキシメチル化)反応を行い、カルボキシメチル化セルロースを得る。カルボキシメチル化反応時に昇温することにより、エーテル化反応を短時間で効率的に行えるという利点が得られる。

0066

カルボキシメチル化の際には、マーセル化の際に用いた反応器をそのまま用いてもよく、あるいは、温度制御しつつ上記各成分を混合撹拌することが可能な別の反応器を用いてもよい。

0067

反応終了後、残存するアルカリ金属塩を鉱酸または有機酸で中和してもよい。また、必要に応じて、副生する無機塩有機酸塩等を含水メタノール洗浄して除去してもよい。
また、本発明に用いられるカルボキシメチル化セルロースを製造する際、必要に応じて、セルロース原料またはカルボキシメチル化後のセルロースに、塩酸硫酸、硝酸などの鉱酸を用いて、酸加水分解処理を施してもよい。

0068

上記の製法により、カルボキシメチル置換度が0.50以下かつセルロースI型の結晶化度が50%以上であるにもかかわらず、均質で、保水性、保形性等の良好な効果を有するカルボキシメチル化セルロースが得られる理由は明らかではないが、本発明者らは、次のように推測している:マーセル化反応を水を主とする溶媒を用いて行うことによりマーセル化剤が均一に混ざりやすくなり、マーセル化反応がより均一に生じるようになり、また、カルボキシメチル化において有機溶媒が存在することにより、カルボキシメチル化剤の有効利用率が向上し、その結果余剰のカルボキシメチル化剤による副反応(例えば、グリコール酸アルカリ金属塩の生成等)が生じにくくなり、品質が安定化すると考えられる。これにより均一にカルボキシメチル化が起き、カルボキシメチル化セルロースが均一に分散しやすくなり、濾過残渣が生じる割合が減少したと考えられる。しかし、これに限定されるものではない。

0069

粉末化
上記で得られたカルボキシメチル化セルロースの分散体を、乾燥(分散媒の除去)、粉砕、分級してカルボキシメチル化セルロースの粉末とする。乾燥方法はこれらに限定されないが、例えば熱風受熱乾燥法伝導伝熱式乾燥法、遠赤外線乾燥法、マイクロ波乾燥法加熱蒸気乾燥法などを用いることができる。乾燥後の粉末の残留水分量は、1〜10%が好ましい。

0070

粉砕方法は特に限定されないが、紛体の状態で処理する乾式粉砕法と、液体に分散あるいは溶解させた状態で処理する湿式粉砕法を例示することができる。湿式粉砕を行う場合には、上記の乾燥の前に行ってもよい。

0071

乾式粉砕法で用いる装置としては、これらに限定されないが、カッティングミル衝撃式ミル気流式ミル、媒体ミルを例示することができる。これらは単独あるいは併用して、さらには同機種で数段処理することができる。これらの中で、気流式ミルは好ましい。カッティング式ミルとしては、メッシュミル((株)ホーライ製)、アトムズ((株)山本百製作所製)、ナイフミルパルマン社製)、グラニュレータ(ヘルボルト製)、ロータリーカッターミル((株)奈良機械製作所製)、等が例示される。衝撃式ミルとしては、パルペライザ(ホソカワミクロン(株)製)、ファインイパクトミル(ホソカワミクロン(株)製)、スーパーミクロンミル(ホソカワミクロン(株)製)、サンプルミル((株)セイシン製)、バンタムミル((株)セイシン製)、アトマイザー((株)セイシン製)、トルネードミル(日機装(株))、ターボミルターボ工業(株))、ベベルインパクター(相川鉄工(株))等が例示される。気流式ミルとしては、CGS型ジェットミル(三井鉱山(株)製)、ジェットミル(三庄インダストリー(株)製)、エバラジェットマイクロナイザ((株)荏原製作所製)、セレンミラー(増幸産業(株)製)、超音速ジェットミル(日本ニューマチック工業(株)製)等が例示される。媒体ミルとしては、振動ボールミル等が例示される。湿式粉砕法で用いる装置としては、マスコロイダー(増幸産業(株)製)、高圧ホモジナイザー(三丸機械工業(株)製)、媒体ミルが例示される。媒体ミルとしては、ビーズミルアイメックス(株)製)等を例示することができる。

0072

カルボキシメチル化セルロースの粉砕後に、分級を行い、特定の粒度となるように調整する。分級の方法は特に限定されないが、例えば、所定の目開きを有するメッシュ()を通過させることにより行うことができる。メッシュとしては、好ましくは目開き20〜400、さらに好ましくは40〜300、さらに好ましくは60〜200ものを用いることができ、これらを多段式で使用してもよい。最終的に得られる粉末のメディアン径を、10μm〜150μm、好ましくは20μm〜120μm、更に好ましくは30μm〜100μmとする。

0073

<添加剤>
上述の製法により得られるカルボキシメチル置換度が0.50以下であり、セルロースI型の結晶化度が50%以上であり、メディアン径が10〜150μmであるカルボキシメチル化セルロース粉末は、均質で分散安定性に優れ、保水性と保形性付与に優れ、また、水中でダマ(塊)を形成しにくいことから、食品、医薬品、化粧品、飼料、製紙、塗料等の様々な分野において保水性付与剤、保形性付与剤、粘度調整剤、乳化安定剤、分散安定剤等の各種添加剤として好適に使用することができる。

0074

カルボキシメチル化セルロース粉末が用いられる分野は限定されず、一般的に添加剤が用いられる様々な分野、例えば、食品、飲料、化粧品、医薬、製紙、各種化学用品、塗料、スプレー、飼料、農薬土木建築電子材料難燃剤家庭雑貨接着剤洗浄剤芳香剤潤滑用組成物などで、増粘剤、ゲル化剤糊剤食品添加剤賦形剤塗料用添加剤接着剤用添加剤製紙用添加剤研磨剤ゴムプラスチック配合材料、保水性付与剤、保形性付与剤、粘度調整剤、乳化安定剤、分散安定剤、泥水調整剤ろ過助剤、溢泥防止剤などとして使用することができる。

0075

食品用添加剤としては、これらに限定されないが、食品用の保水性付与剤、保形性付与剤、粘度調整剤、乳化安定剤、分散安定剤が挙げられる。使用できる食品としては、これらに限定されないが、飲料(ココア、繊維・果肉入りジュース、しるこ、甘酒乳酸菌飲料フルーツ牛乳など)、スープ類コーンスープラーメンスープ味噌汁コンソメなど)。たれ類、ドレッシングケチャップマヨネーズジャムヨーグルトホイップクリーム乾物類(乾燥加工食品、インスタントラーメンパスタ麺など)、グルテンフリーパスタアイスクリームモナカシャーベットポリジュース、菓子類グミソフトキャンディゼリークッキーなど)、メレンゲパンメロンパンクリームパンなど)、グルテンフリーパン、フィリングホットケーキ練り物可食性フィルムなどが挙げられる。

0076

医薬品用添加剤としては、これらに限定されないが、医薬品用の保水性付与剤、保形性付与剤、粘度調整剤、乳化安定剤、分散安定剤が挙げられる。使用できる食品としては、これらに限定されないが、錠剤軟膏絆創膏パップ剤ハンドクリーム練歯磨などが挙げられる。

0077

化粧品用添加剤としては、これらに限定されないが、化粧品用の保水性付与剤、保形性付与剤、粘度調整剤、乳化安定剤、分散安定剤が挙げられる。化粧品としては、例えば、フェイスパウダーファンデーションスクラブ洗顔剤パック洗顔フォーム洗顔クリームヘアムースシャンプーソープローションヘアカラーヘアブリーチマスカラアイライナーネイル制汗剤などが挙げられる。

0078

飼料用添加剤としては、これらに限定されないが、飼料用の保水性付与剤、保形性付与剤、粘度調整剤、乳化安定剤、分散安定剤が挙げられる。飼料としては、例えば、家畜養殖魚用モイストペレットエクスパンジョンペレット牛用代用乳などが挙げられる。

0079

製紙用添加剤としては、これらに限定されないが、製紙用の保水性付与剤、保形性付与剤、粘度調整剤、乳化安定剤、分散安定剤が挙げられる。例えば、表面サイズ剤歩留まり向上剤紙力増強剤コーティング剤、嵩高紙用添加剤などとして用いることができる。

0080

塗料用添加剤としては、これらに限定されないが、塗料用の保水性付与剤、保形性付与剤、粘度調整剤、乳化安定剤、分散安定剤が挙げられる。塗料としては、艶消し塗料建築用塗料自動車内装塗料などが挙げられる。

0081

その他、食用油や各種溶剤の濾過(水分除去);繊維壁砂壁石膏ボードなどの建材気泡シールド、連壁止水剤などの土木;発泡スチロール生分解性樹脂、ゴム、セラミック、塩ビなどの樹脂充填剤又はコンパウンド微粒子カーボンブラック硫酸バリウムX線造影剤)、酸化チタン酸化亜鉛の分散などの分散剤塩化カルシウム等の潮解性剤の吸湿時の保形性改善などの吸湿剤助剤;繊維(生地、糸)の改質剤;液体の担体潤滑油剤窯業猫砂乾燥剤用吸水材;緑化工法;バインダーなどに用いることもできる。

0082

以下、本発明を実施例及び比較例をあげてより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、特に断らない限り、部および%は質量部および質量%を示す。

0083

(製造例1)
回転数を100rpmに調節した二軸ニーダーに、水130部と、水酸化ナトリウム20部を水100部に溶解したものとを加え、広葉樹パルプ(日本製紙(株)製、LBKP)を100℃60分間乾燥した際の乾燥質量で100部仕込んだ。30℃で90分間撹拌、混合しマーセル化セルロースを調製した。更に撹拌しつつイソプロパノール(IPA)100部と、モノクロロ酢酸ナトリウム60部を添加し、30分間撹拌した後、70℃に昇温して90分間カルボキシメチル化反応をさせた。カルボキシメチル化反応時の反応媒中のIPAの濃度は、30%である。反応終了後、酢酸でpH7程度になるよう中和し、脱液、乾燥、粉砕して、カルボキシメチル置換度0.24、セルロースI型の結晶化度73%のカルボキシメチル化セルロースのナトリウム塩を得た。カルボキシメチル化剤の有効利用率は、29%であった。なお、カルボキシメチル置換度及びセルロースI型の結晶化度の測定方法、ならびにカルボキシメチル化剤の有効利用率の算出方法は、上述の通りである。

0084

得られたカルボキシメチル化セルロースのナトリウム塩の分散体を蒸気乾燥機を用いて乾燥(分散媒の除去)し、次いで、パルペライザ(ホソカワミクロン(株)製)を用いて粉砕した。粉砕後のカルボキシメチル化セルロースナトリウム塩を、目開き150μmのメッシュを用いて分級した。得られた粉末のメディアン径を上述の方法で測定したところ、55.6μmであった。

0085

(製造例2)
IPAの添加量を変えることによりカルボキシメチル化反応時の反応液中のIPAの濃度を50%とし、乾燥機防爆乾燥機、粉砕をファインインパクトミル(ホソカワミクロン(株)製)で行った以外は製造例1と同様にして、カルボキシメチル化セルロースのナトリウム塩の粉末を得た。カルボキシメチル置換度は0.31、セルロースI型の結晶化度は66%、カルボキシメチル化剤の有効利用率は37%、メディアン径は60.2μmであった。

0086

(製造例3)
IPAの添加量を変えることによりカルボキシメチル化反応時の反応液中のIPAの濃度を65%とした以外は製造例1と同様にして、カルボキシメチル化セルロースのナトリウム塩を得た。カルボキシメチル置換度は0.20、セルロースI型の結晶化度は74%、カルボキシメチル化剤の有効利用率は25%、メディアン径は51.9μmであった。

0087

製造例1〜3のカルボキシメチル化セルロース粉末について、上述の方法で測定したカルボキシメチル化剤の有効利用率、カルボキシメチル置換度、セルロースI型の結晶化度、メディアン径、粒子径D10、粒子径D90、安息角、崩壊角、差角、濾過残渣の割合、ショッパー・リーグラろ水度、カナディアンスタンダードフリーネス、濾水量、1%粘度(25℃、30rpm)、及びアニオン化度を表1に示す。

実施例

0088

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