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課題

抗CD79b免疫複合体及び界面活性剤を含む安定した薬学的組成物の提供。

解決手段

抗CD79b免疫複合体及び界面活性剤を含む薬学的組成物であって、前記界面活性剤が、少なくとも0.06重量体積%の濃度であり、抗CD79b免疫複合体がポラツズマブベドチン等である。

概要

背景

注入袋を使用した静脈内(IV)投与は、商業的環境において生物製剤の最も一般的な送達経路である。IV投与による免疫複合体などの生物製剤の送達及び適合性を支持するために、注入袋内への希釈後、輸送中、及び投与経過全体を通して、安定性を維持する好適な治療製剤を設計することが必要である(Bardin,C.et al.Annales pharmaceutiques francaises 69(2011)221−231)。

特にIV注入袋を使用した生物製剤の投与の1つの課題は、構築材料及び注入溶液治療タンパク質不安定化する環境を提示し得ることである。加えて、タンパク質はまた、IV投与袋内の界面ストレスにも遭遇し得る。固体液体界面及び空気−水界面でのタンパク質吸着は、表面でタンパク質の変性を引き起こし、タンパク質の凝集をもたらし得る(Shieh,I.,et al.Mol Pharm.12(2015):3184−93、Sreedhara,A.,et al.Pharm.Sci.101(2012):21−30)。IV投与を更に複雑にすることに、注入袋の撹拌は、空気−液体界面の連続的な再生を引き起こし、時間と共にタンパク質に対して繰り返し損傷をもたらす。IV投与袋を不安定化する溶液条件または界面ストレスのいずれかによって引き起こされる凝集は、生物製剤の製品品質効力、及び免疫原性に著しく負の影響を与え得る。

生物製剤に対するIV投与の有害な影響は、製剤開発における界面活性剤の使用を通して部分的に軽減することができる。空気−水界面ストレスに対して分子を保護し、安定化するために、ポリソルベート−20(PS20)またはポリソルベート−80(PS80)などの非イオン性界面活性剤タンパク質製剤中で一般的に使用される(Kerwin,BA.J.Pharm.Sci.97(2008)2924−2935)。界面活性剤は、空気−水界面及び固体−水界面の両方でタンパク質と競合することによって、表面誘導損傷に対して薬物製品DP)を保護することができる(Kerwin,BA.J.Pharm.Sci.97(2008)2924−2935)。加えて、界面活性剤はまた、系の表面張力も低減する(Cleland,JL.,et al.Critical reviews in therapeutic drug carrier systems 10(1993)307−377)。しかしながら、IV投与袋送達に好適な濃度の非イオン性界面活性剤を使用することの重大な欠点は、界面活性剤に対する生物製剤の延長した曝露が、特定のアミノ酸残基酸化をもたらし、それにより治療効力を低減し得ることである。Lam X,et al.,Pharm Res.(2011)28:2543−2555。

重要なことに、生物製剤はまた、IV投与前に、治療タンパク質の構造及び活性を含むことなく、保管条件下で長期の安定した有効期間を有しなくてはならない。例えば、リンカーを用いる抗体−薬物複合体ADC)の液体製剤は、保管中にリンカーの酸触媒加水分解を受けやすい可能性がある。そのような不安定性は、患者へのIV投与時に薬物化合物の早まった放出を引き起こし、生物製剤の薬物動態及び安全性に負の影響を与え得る。

したがって、IV投与のために安定しており、かつ保管条件下で長期の有効期間を有する、安定した薬学的組成物の開発に対する必要性が存在する。本開示は、この必要性を満たし、他の関連する利益を提供する。

概要

抗CD79b免疫複合体及び界面活性剤を含む安定した薬学的組成物の提供。抗CD79b免疫複合体及び界面活性剤を含む薬学的組成物であって、前記界面活性剤が、少なくとも0.06重量体積%の濃度であり、抗CD79b免疫複合体がポラツズマブベドチン等である。なし

目的

本開示はまた、がん治療のためにそのような組成物を使用するための方法も提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

抗CD79b免疫複合体及び界面活性剤を含む薬学的組成物であって、前記界面活性剤が、少なくとも0.06重量体積%の濃度であり、前記抗CD79b免疫複合体が、式、を含み、式中、Abが、抗CD79b抗体であり、前記抗CD79b抗体が、重鎖及び軽鎖を含み、前記軽鎖が、(a)KASQSVDYEGDSFLNのHVR−L1配列(配列番号1)、(b)AASNLESのHVR−L2配列(配列番号2)、及び(c)QQSNEDPLTのHVR−L3配列(配列番号3)を含み、前記重鎖が、(a)GYTFSSYWIEのHVR−H1配列(配列番号4)、(b)GEILPGGGDTNYNEIFKGのHVR−H2配列(配列番号5)、及び(c)TRRVPIRLDYのHVR−H3配列(配列番号6)を含み、Valが、バリンであり、Citが、シトルリンであり、pが、約1〜約8の値である、前記薬学的組成物。

請求項2

前記抗CD79b免疫複合体が、約5mg/ml〜約60mg/ml、約10mg/ml〜約50mg/ml、約10mg/ml〜約40mg/ml、約10mg/ml〜約30mg/ml、または約10mg/ml〜約20mg/mlの濃度である、請求項1に記載の薬学的組成物。

請求項3

前記抗CD79b免疫複合体が、約10mg/ml〜約20mg/mlの濃度である、請求項2に記載の薬学的組成物。

請求項4

前記抗CD79b免疫複合体が、20mg/mlの濃度である、請求項2または3に記載の薬学的組成物。

請求項5

前記組成物が、10mg/mlの濃度の前記抗CD79b免疫複合体及び0.06重量体積%の濃度の前記界面活性剤を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の薬学的組成物。

請求項6

前記組成物が、20mg/mlの濃度の前記抗CD79b免疫複合体及び0.12重量体積%の濃度の前記界面活性剤を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の薬学的組成物。

請求項7

前記組成物が、20mg/mlの濃度の前記抗CD79b免疫複合体及び少なくとも0.12重量体積%の濃度の前記界面活性剤を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の薬学的組成物。

請求項8

前記界面活性剤が、ポリソルベート20(PS20)、ポリソルベート80(PS80)、ポロキサマー188(P188)、N−オクチル−β−Dグルコピラノシド(OG)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の薬学的組成物。

請求項9

前記組成物が、緩衝剤を更に含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の薬学的組成物。

請求項10

前記緩衝剤が、ヒスチジン緩衝液またはコハク酸緩衝液である、請求項9に記載の薬学的組成物。

請求項11

前記緩衝剤が、ヒスチジン緩衝液である、請求項10に記載の薬学的組成物。

請求項12

前記緩衝剤が、コハク酸緩衝液である、請求項10に記載の薬学的組成物。

請求項13

前記コハク酸緩衝液が、コハク酸ナトリウム緩衝液である、請求項12に記載の組成物。

請求項14

前記コハク酸ナトリウム緩衝液が、約10mM〜約200mMの濃度である、請求項13に記載の薬学的組成物。

請求項15

前記コハク酸ナトリウム緩衝液が、10mMの濃度である、請求項14に記載の薬学的組成物。

請求項16

前記組成物が、約5.0〜約6.0のpHを有する、請求項1〜15のいずれか1項に記載の薬学的組成物。

請求項17

前記組成物が、5.3のpHを有する、請求項16に記載の薬学的組成物。

請求項18

前記組成物が、糖を更に含む、請求項1〜17のいずれか1項に記載の薬学的組成物。

請求項19

前記糖が、約100mM〜約260mMの濃度である、請求項18に記載の薬学的組成物。

請求項20

前記糖が、スクロースマンニトールソルビトールグリセロールデキストラン40、及びトレハロースからなる群から選択される、請求項18〜19に記載の薬学的組成物。

請求項21

前記糖が、スクロースである、請求項20に記載の薬学的組成物。

請求項22

前記スクロースが、120mMの濃度である、請求項22に記載の薬学的組成物。

請求項23

前記組成物が、凍結乾燥されたケーキから再構成されている、請求項1〜22のいずれか1項に記載の薬学的組成物。

請求項24

10mMのコハク酸ナトリウム緩衝液中20mg/mlの抗CD79b免疫複合体、0.12重量体積%のポリソルベート20、及び120mMのスクロースを含む液体組成物の凍結乾燥によって生成される薬学的組成物であって、前記液体組成物が、5.3のpHを有し、前記抗CD79b免疫複合体が、式、を含み、式中、Abが、抗CD79b抗体であり、前記抗CD79b抗体が、重鎖及び軽鎖を含み、前記軽鎖が、(a)KASQSVDYEGDSFLNのHVR−L1配列(配列番号1)、(b)AASNLESのHVR−L2配列(配列番号2)、及び(c)QQSNEDPLTのHVR−L3配列(配列番号3)を含み、前記重鎖が、(a)GYTFSSYWIEのHVR−H1配列(配列番号4)、(b)GEILPGGGDTNYNEIFKGのHVR−H2配列(配列番号5)、及び(c)TRRVPIRLDYのHVR−H3配列(配列番号6)を含み、Valが、バリンであり、Citが、シトルリンであり、pが、約1〜約8の値である、前記薬学的組成物。

請求項25

前記抗CD79b抗体が、配列番号7のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメイン(VH)及び配列番号8のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメイン(VL)を含む、請求項1〜24のいずれか1項に記載の薬学的組成物。

請求項26

前記重鎖が、配列番号9のアミノ酸配列を含み、前記軽鎖が、配列番号10のアミノ酸配列を含む、請求項1〜25のいずれか1項に記載の薬学的組成物。

請求項27

pが、約2〜約5の値である、請求項1〜26のいずれか1項に記載の薬学的組成物。

請求項28

10mMのコハク酸ナトリウム緩衝液中20mg/mlの抗CD79b免疫複合体、0.12重量体積%のポリソルベート20、及び120mMのスクロースを含む液体組成物の凍結乾燥によって生成される薬学的組成物であって、前記液体組成物が、5.3のpHを有し、前記抗CD79b免疫複合体が、式、を含み、式中、Abが、抗CD79b抗体であり、前記抗CD79b抗体が、重鎖及び軽鎖を含み、前記重鎖が、配列番号9のアミノ酸配列を含み、前記軽鎖が、配列番号10のアミノ酸配列を含み、Valが、バリンであり、Citが、シトルリンであり、pが、約2〜約5の値である、前記薬学的組成物。

請求項29

pが、約3.5である、請求項1〜28のいずれか1項に記載の薬学的組成物。

請求項30

前記組成物が、光から保護された場合に5℃±3℃で約48ヶ月間の安定性を有する、請求項24〜29のいずれか1項に記載の薬学的組成物。

請求項31

前記組成物の前記安定性が、サイズ排除高速液体クロマトグラフィー(SE−HPLC)によって測定される、請求項30に記載の薬学的組成物。

請求項32

前記組成物が、SE−HPLCによって測定して、少なくとも95.0の主ピーク面積%)を有する、請求項31に記載の薬学的組成物。

請求項33

前記組成物の前記安定性が、画像化キャピラリー等電点電気泳動(icIEF)によって測定される、請求項28〜32のいずれか1項に記載の薬学的組成物。

請求項34

前記組成物が、icIEFによって測定して、少なくとも58.0の主ピーク(面積%)、最大で32.0の酸性領域(面積%)、及び最大で12.0の塩基性領域(面積%)を有する、請求項33に記載の薬学的組成物。

請求項35

前記薬学的組成物が、凍結乾燥されたケーキである、請求項25〜34のいずれか1項に記載の薬学的組成物。

請求項36

前記組成物が、注射用滅菌水(SWFI)で再構成される、請求項1〜35のいずれか1項に記載の薬学的組成物。

請求項37

前記組成物が、約7.2mlのSWFI中で再構成される、請求項36に記載の薬学的組成物。

請求項38

前記再構成された組成物が、約30℃での保管時に少なくとも4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24時間安定している、請求項37に記載の薬学的組成物。

請求項39

前記再構成された組成物が、約2℃〜約8℃での保管時に少なくとも24、48、または72時間安定している、請求項37または請求項38に記載の薬学的組成物。

請求項40

前記再構成された組成物が、静脈内(IV)投与袋内の等張緩衝液中に更に希釈される、請求項36〜39のいずれか1項に記載の薬学的組成物。

請求項41

前記IV投与袋内の前記希釈された組成物の最終体積が、約100mlである、請求項40に記載の薬学的組成物。

請求項42

前記IV投与袋内の前記免疫複合体の濃度が、約0.72mg/ml〜約2.7mg/mlである、請求項40または41に記載の薬学的組成物。

請求項43

10mMのコハク酸ナトリウム緩衝液中20mg/mlの抗CD79b免疫複合体、0.12重量体積%のポリソルベート20、及び120mMのスクロースを含む液体組成物の凍結乾燥によって生成される薬学的組成物であって、前記液体組成物が、5.3のpHを有し、前記抗CD79b免疫複合体が、式、を含み、式中、Abが、抗CD79b抗体であり、前記抗CD79b抗体が、重鎖及び軽鎖を含み、前記重鎖が、配列番号9のアミノ酸配列を含み、前記軽鎖が、配列番号10のアミノ酸配列を含み、Valが、バリンであり、Citが、シトルリンであり、pが、約2〜約5の値であり、前記組成物が、約7.2mlの注射用滅菌水(SWFI)で再構成され、静脈内(IV)投与袋内の等張緩衝液中に更に希釈され、前記IV投与袋内の前記希釈された組成物の最終体積が、約100mlであり、前記IV投与袋内の前記免疫複合体の最終濃度が、約0.72mg/mlまたは約2.7mg/mlである、前記薬学的組成物。

請求項44

pが、約3.5である、請求項43に記載の薬学的組成物。

請求項45

前記等張緩衝液が、0.9%の塩化ナトリウム溶液、0.45%の塩化ナトリウム溶液、または5%のデキストロース溶液である、請求項38〜44のいずれか1項に記載の薬学的組成物。

請求項46

液体組成物であって、a)約0.72〜2.7mg/mlのポラツズマブベドチン、b)約0.36〜01.35mMのコハク酸ナトリウム、c)約0.51〜16.24mMのスクロース、d)約0.0432〜0.162mg/mlのポリソルベート20を含み、前記液体組成物のpHが、約5〜約5.7である、前記液体組成物。

請求項47

液体組成物であって、a)約0.72mg/mlのポラツズマブベドチン、b)約0.36mMのコハク酸ナトリウム、c)約0.51mMのスクロース、d)約0.0432mg/mlのポリソルベート20を含み、前記液体組成物のpHが、5.1〜約5.4である、前記液体組成物。

請求項48

液体組成物であって、a)約2.7mg/mlのポラツズマブベドチン、b)約01.35mMのコハク酸ナトリウム、c)約16.24mMのスクロース、d)約0.162mg/mlのポリソルベート20を含み、前記液体組成物のpHが、約5.1〜約5.4である、前記液体組成物。

請求項49

前記液体組成物の体積が、約50ml〜約100mlである、請求項46〜48のいずれか1項に記載の液体組成物。

請求項50

前記液体組成物の体積が、50mlである、請求項49に記載の液体組成物。

請求項51

前記液体組成物の体積が、100mlである、請求項49に記載の液体組成物。

請求項52

抗CD79b免疫複合体、界面活性剤、コハク酸緩衝液、及び糖を含む薬学的組成物であって、前記薬学的組成物が、水中で再構成された時に、約10mg/ml〜約20mg/mlの濃度の前記抗CD79b免疫複合体、少なくとも0.06重量体積%の濃度の前記界面活性剤、約10mM〜約200mMの濃度の前記コハク酸緩衝液、及び約100mM〜約260mMの濃度の前記糖を含む液体薬学的組成物を形成し、前記液体薬学的組成物が、5.3のpHを有し、前記抗CD79b免疫複合体が、式、を含み、式中、Abが、抗CD79b抗体であり、前記抗CD79b抗体が、重鎖及び軽鎖を含み、前記軽鎖が、(a)KASQSVDYEGDSFLNのHVR−L1配列(配列番号1)、(b)AASNLESのHVR−L2配列(配列番号2)、及び(c)QQSNEDPLTのHVR−L3配列(配列番号3)を含み、前記重鎖が、(a)GYTFSSYWIEのHVR−H1配列(配列番号4)、(b)GEILPGGGDTNYNEIFKGのHVR−H2配列(配列番号5)、及び(c)TRRVPIRLDYのHVR−H3配列(配列番号6)を含み、Valが、バリンであり、Citが、シトルリンであり、pが、約1〜約8の値である、前記薬学的組成物。

請求項53

前記抗CD79b抗体が、配列番号7のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメイン(VH)及び配列番号8のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメイン(VL)を含む、請求項52に記載の薬学的組成物。

請求項54

前記抗CD79bの前記重鎖が、配列番号9のアミノ酸配列を含み、前記抗CD79b抗体の前記軽鎖が、配列番号10のアミノ酸配列を含む、請求項52または53に記載の薬学的組成物。

請求項55

前記薬学的組成物が、凍結乾燥によって生成され、前記凍結乾燥された薬学的組成物が、約2℃〜約8℃での保管時に少なくとも6、12、18、24、30、36、42、48、54、または60ヶ月間安定している、請求項24〜34または52〜54のいずれか1項に記載の薬学的組成物。

請求項56

前記凍結乾燥された薬学的組成物が、凍結乾燥されたケーキである、請求項55に記載の薬学的組成物。

請求項57

前記薬学的組成物が、再構成後、約30℃での保管時に少なくとも4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24時間安定している、請求項52〜56のいずれか1項に記載の薬学的組成物。

請求項58

前記薬学的組成物が、再構成後、約2℃〜約8℃での保管時に少なくとも24、48、または72時間安定している、請求項52〜57のいずれか1項に記載の薬学的組成物。

請求項59

前記薬学的組成物が、再構成後、その後IV投与袋内の等張緩衝液中に希釈され、前記IV投与袋内への希釈時の前記界面活性剤濃度が、少なくとも0.003重量体積%である、請求項52〜58のいずれか1項に記載の薬学的組成物。

請求項60

前記IV投与袋内への希釈時の前記界面活性剤濃度が、少なくとも0.004重量体積%である、請求項59に記載の薬学的組成物。

請求項61

前記界面活性剤が、ポリソルベート20である、請求項52〜60のいずれか1項に記載の薬学的組成物。

請求項62

前記糖が、スクロースである、請求項52〜61のいずれか1項に記載の薬学的組成物。

請求項63

前記スクロースが、120mMの濃度である、請求項52〜58及び61〜62のいずれか1項に記載の薬学的組成物。

請求項64

前記コハク酸緩衝液が、コハク酸ナトリウム緩衝液である、請求項52〜63のいずれか1項に記載の薬学的組成物。

請求項65

再構成後だが希釈前に、前記コハク酸ナトリウム緩衝液が、10mMの濃度である、請求項64に記載の薬学的組成物。

請求項66

前記組成物が、5℃±3℃で約7日間の安定性を有する、請求項52〜58及び61〜65のいずれか1項に記載の薬学的組成物。

請求項67

前記組成物の前記安定性が、サイズ排除高速液体クロマトグラフィー(SE−HPLC)によって測定される、請求項66に記載の薬学的組成物。

請求項68

前記組成物が、SE−HPLCによって測定して、少なくとも95.0の主ピーク(面積%)を有する、請求項67に記載の薬学的組成物。

請求項69

前記組成物の前記安定性が、画像化キャピラリー等電点電気泳動(icIEF)によって測定される、請求項52〜68のいずれか1項に記載の薬学的組成物。

請求項70

前記組成物が、icIEFによって測定して、少なくとも58.0の主ピーク(面積%)、最大で32.0の酸性領域(面積%)、及び最大で12.0の塩基性領域(面積%)を有する、請求項69に記載の薬学的組成物。

請求項71

請求項452〜58及び61〜70のいずれか1項に記載の薬学的組成物を含有する、ガラスバイアル

請求項72

抗CD79b免疫複合体、界面活性剤、コハク酸緩衝液、及び糖を含む液体組成物であって、前記抗CD79b免疫複合体が、約10mg/ml〜約20mg/mlの濃度であり、前記界面活性剤が、少なくとも0.06重量体積%の濃度であり、前記コハク酸緩衝液が、約10mM〜約200mMの濃度であり、前記糖が、約100mM〜約260mMの濃度であり、前記液体組成物が、5.3のpHを有し、前記抗CD79b免疫複合体が、式、を含み、式中、Abが、抗CD79b抗体であり、前記抗CD79b抗体が、重鎖及び軽鎖を含み、前記軽鎖が、(a)KASQSVDYEGDSFLNのHVR−L1配列(配列番号1)、(b)AASNLESのHVR−L2配列(配列番号2)、及び(c)QQSNEDPLTのHVR−L3配列(配列番号3)を含み、前記重鎖が、(a)GYTFSSYWIEのHVR−H1配列(配列番号4)、(b)GEILPGGGDTNYNEIFKGのHVR−H2配列(配列番号5)、及び(c)TRRVPIRLDYのHVR−H3配列(配列番号6)を含み、Valが、バリンであり、Citが、シトルリンであり、pが、約1〜約8の値である、前記液体組成物。

請求項73

前記抗CD79b抗体が、配列番号7のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメイン(VH)及び配列番号8のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメイン(VL)を含む、請求項72に記載の液体組成物。

請求項74

前記抗CD79bの前記重鎖が、配列番号9のアミノ酸配列を含み、前記抗CD79b抗体の前記軽鎖が、配列番号10のアミノ酸配列を含む、請求項72または73に記載の液体組成物。

請求項75

前記界面活性剤が、ポリソルベート20である、請求項72〜74のいずれか1項に記載の液体組成物。

請求項76

前記糖が、スクロースである、請求項72〜75のいずれか1項に記載の液体組成物。

請求項77

前記スクロースが、約120mMの濃度である、請求項76に記載の液体組成物。

請求項78

前記コハク酸緩衝液が、コハク酸ナトリウム緩衝液である、請求項72〜77のいずれか1項に記載の液体組成物。

請求項79

前記コハク酸ナトリウム緩衝液が、10mMの濃度である、請求項78に記載の液体組成物。

請求項80

前記組成物が、等張緩衝液中に希釈される、請求項72〜79のいずれか1項に記載の液体組成物。

請求項81

前記等張緩衝液が、0.9%の塩化ナトリウム溶液、0.45%の塩化ナトリウム溶液、または5%のデキストロース溶液である、請求項80に記載の液体組成物。

請求項82

等張緩衝液中に希釈される前記組成物が、IV投与袋内にある、請求項80または81に記載の液体組成物。

請求項83

前記組成物が、5℃±3℃で約72時間の安定性を有する、請求項72〜79のいずれか1項に記載の液体組成物。

請求項84

前記組成物が、25℃で約24時間の安定性を有する、請求項72〜79のいずれか1項に記載の液体組成物。

請求項85

前記液体組成物が、約30℃での保管時に少なくとも4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24時間安定している、請求項72〜79のいずれか1項に記載の液体組成物。

請求項86

前記液体組成物が、約2℃〜約8℃での保管時に少なくとも24、48、または72時間安定している、請求項72〜79のいずれか1項に記載の液体組成物。

請求項87

約150mgの抗CD79b免疫複合体、約9.0mgのポリソルベート20、約8.88mgのコハク酸、約4.08mgの水酸化ナトリウム、及び約309mgのスクロースを含む、凍結乾燥された薬学的組成物であって、前記抗CD79b免疫複合体が、式、を含み、式中、Abが、抗CD79b抗体であり、前記抗CD79b抗体が、重鎖及び軽鎖を含み、前記抗CD79bの前記重鎖が、配列番号9のアミノ酸配列を含み、前記抗CD79b抗体の前記軽鎖が、配列番号10のアミノ酸配列を含み、Valが、バリンであり、Citが、シトルリンであり、pが、約2〜約5の値である、前記凍結乾燥された薬学的組成物。

請求項88

約150mgのポラツズマブベドチン、約9.0mgのポリソルベート20、約8.88mgのコハク酸、約4.08mgの水酸化ナトリウム、及び約309mgのスクロースを含む、凍結乾燥された薬学的組成物。

請求項89

約140mgの抗CD79b免疫複合体、約8.4mgのポリソルベート20、約8.27mgのコハク酸、約3.80mgの水酸化ナトリウム、及び約288mgのスクロースを含む、凍結乾燥された薬学的組成物であって、前記抗CD79b免疫複合体が、式、を含み、式中、Abが、抗CD79b抗体であり、前記抗CD79b抗体が、重鎖及び軽鎖を含み、前記抗CD79bの前記重鎖が、配列番号9のアミノ酸配列を含み、前記抗CD79b抗体の前記軽鎖が、配列番号10のアミノ酸配列を含み、Valが、バリンであり、Citが、シトルリンであり、pが、約2〜約5の値である、前記凍結乾燥された薬学的組成物。

請求項90

約140mgのポラツズマブベドチン、約8.4mgのポリソルベート20、約8.27mgのコハク酸、約3.80mgの水酸化ナトリウム、及び約288mgのスクロースを含む、凍結乾燥された薬学的組成物。

請求項91

約30mgの抗CD79b免疫複合体、約1.8mgのポリソルベート20、約1.77mgのコハク酸、約0.816mgの水酸化ナトリウム、及び約61.8mgのスクロースを含む、凍結乾燥された薬学的組成物であって、前記抗CD79b免疫複合体が、式、を含み、式中、Abが、抗CD79b抗体であり、前記抗CD79b抗体が、重鎖及び軽鎖を含み、前記抗CD79bの前記重鎖が、配列番号9のアミノ酸配列を含み、前記抗CD79b抗体の前記軽鎖が、配列番号10のアミノ酸配列を含み、Valが、バリンであり、Citが、シトルリンであり、pが、約2〜約5の値である、前記凍結乾燥された薬学的組成物。

請求項92

約30mgのポラツズマブベドチン、約1.8mgのポリソルベート20、約1.77mgのコハク酸、約0.816mgの水酸化ナトリウム、及び約61.8mgのスクロースを含む、凍結乾燥された薬学的組成物。

請求項93

pが、約3.5である、請求項87、89、または91のいずれか1項に記載の凍結乾燥された組成物。

請求項94

約140〜150mgのポラツズマブベドチン、約8.4〜9.0mgのポリソルベート20、約8.27〜8.88mgのコハク酸、約3.80〜4.08mgの水酸化ナトリウム、及び約288〜309mgのスクロースを含む、凍結乾燥された薬学的組成物。

請求項95

前記凍結乾燥された薬学的組成物が、再構成後、約2℃〜約8℃での保管時に少なくとも6、12、18、24、30、36、42、48、54、または60ヶ月間安定している、請求項87〜94のいずれか1項に記載の凍結乾燥された薬学的組成物。

請求項96

前記凍結乾燥された薬学的組成物が、凍結乾燥されたケーキである、請求項87〜95のいずれか1項に記載の凍結乾燥された薬学的組成物。

請求項97

液体薬学的組成物であって、a)5〜60mg/mlのポラツズマブベドチン、b)10〜200mMのコハク酸ナトリウム、c)100〜260mMのスクロース、d)0.06〜0.12重量体積%のポリソルベート20を含み、前記液体組成物のpHが、5〜6である、前記液体薬学的組成物。

請求項98

a)10〜55mg/mlのポラツズマブベドチン、b)10〜100mMのコハク酸ナトリウム、c)150〜260mMのスクロース、d)0.08〜0.12重量体積%のポリソルベート20を含み、前記液体組成物のpHが、5.1〜5.6である、請求項97に記載の液体組成物。

請求項99

a)15〜40mg/mlのポラツズマブベドチン、b)10〜50mMのコハク酸ナトリウム、c)200〜260mMのスクロース、d)0.1〜0.12重量体積%のポリソルベート20を含み、前記液体組成物のpHが、5.2〜5.4である、請求項97に記載の液体組成物。

請求項100

液体薬学的組成物であって、a)20mg/mlのポラツズマブベドチン、b)10mMのコハク酸ナトリウム、c)120mMのスクロース、d)0.12重量体積%のポリソルベート20を含み、前記液体組成物のpHが、約5.3である、前記液体薬学的組成物。

請求項101

前記液体組成物が、約30℃での保管時に少なくとも4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24時間安定している、請求項97〜100のいずれか1項に記載の液体組成物。

請求項101

前記液体組成物が、約2℃〜約8℃での保管時に少なくとも24、48、または72時間安定している、請求項97〜101のいずれか1項に記載の液体組成物。

請求項102

増殖性障害治療を必要とする患者において増殖性障害を治療する方法であって、前記患者に先行請求項のいずれか1項に記載の薬学的組成物または液体組成物を投与することを含む、前記方法。

請求項103

前記増殖性障害が、がんである、請求項102に記載の方法。

請求項104

前記がんが、B細胞増殖性障害である、請求項103に記載の方法。

請求項105

前記B細胞増殖性障害が、リンパ腫骨髄腫非ホジキンリンパ腫(NHL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、侵攻性NHL、緩慢性リンパ腫、濾胞性リンパ腫FL)、再発性侵攻性NHL、再発性緩慢性NHL、再発性NHL、難治性NHL、難治性緩慢性NHL、慢性リンパ球性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫、白血病有毛細胞白血病(HCL)、急性リンパ球性白血病(ALL)、及びマントル細胞リンパ腫からなる群から選択される、請求項104に記載の方法。

請求項106

前記B細胞増殖性障害が、非ホジキンリンパ腫(NHL)である、請求項105に記載の方法。

請求項107

前記B細胞増殖性障害が、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)である、請求項105に記載の方法。

請求項108

前記B細胞増殖性障害が、再発性NHLまたは難治性NHLである、請求項105に記載の方法。

請求項109

前記B細胞増殖性障害が、濾胞性リンパ腫(FL)である、請求項105に記載の方法。

技術分野

0001

関連出願の相互参照
本出願は、2018年4月13日出願の米国仮特許出願第62/657,185号の優先権の利益を主張するものであり、その全体が、参照により本明細書に組み込まれる。

0002

ASCIIテキストファイルでの配列表提出
ASCIIテキストファイルでの以下の提出の内容は、その全体が、参照により本明細書に組み込まれる:コンピュータ可読形式CRF)の配列表(ファイル名:146392044340SEQLIST.TXT、記録日:2019年4月9日、サイズ:12KB)。

0003

本開示は、抗CD79b免疫複合体及び界面活性剤を含む安定した薬学的組成物を対象とする。本開示はまた、がん治療のためにそのような組成物を使用するための方法も提供する。

背景技術

0004

注入袋を使用した静脈内(IV)投与は、商業的環境において生物製剤の最も一般的な送達経路である。IV投与による免疫複合体などの生物製剤の送達及び適合性を支持するために、注入袋内への希釈後、輸送中、及び投与経過全体を通して、安定性を維持する好適な治療製剤を設計することが必要である(Bardin,C.et al.Annales pharmaceutiques francaises 69(2011)221−231)。

0005

特にIV注入袋を使用した生物製剤の投与の1つの課題は、構築材料及び注入溶液治療タンパク質不安定化する環境を提示し得ることである。加えて、タンパク質はまた、IV投与袋内の界面ストレスにも遭遇し得る。固体液体界面及び空気−水界面でのタンパク質吸着は、表面でタンパク質の変性を引き起こし、タンパク質の凝集をもたらし得る(Shieh,I.,et al.Mol Pharm.12(2015):3184−93、Sreedhara,A.,et al.Pharm.Sci.101(2012):21−30)。IV投与を更に複雑にすることに、注入袋の撹拌は、空気−液体界面の連続的な再生を引き起こし、時間と共にタンパク質に対して繰り返し損傷をもたらす。IV投与袋を不安定化する溶液条件または界面ストレスのいずれかによって引き起こされる凝集は、生物製剤の製品品質効力、及び免疫原性に著しく負の影響を与え得る。

0006

生物製剤に対するIV投与の有害な影響は、製剤開発における界面活性剤の使用を通して部分的に軽減することができる。空気−水界面ストレスに対して分子を保護し、安定化するために、ポリソルベート−20(PS20)またはポリソルベート−80(PS80)などの非イオン性界面活性剤タンパク質製剤中で一般的に使用される(Kerwin,BA.J.Pharm.Sci.97(2008)2924−2935)。界面活性剤は、空気−水界面及び固体−水界面の両方でタンパク質と競合することによって、表面誘導損傷に対して薬物製品DP)を保護することができる(Kerwin,BA.J.Pharm.Sci.97(2008)2924−2935)。加えて、界面活性剤はまた、系の表面張力も低減する(Cleland,JL.,et al.Critical reviews in therapeutic drug carrier systems 10(1993)307−377)。しかしながら、IV投与袋送達に好適な濃度の非イオン性界面活性剤を使用することの重大な欠点は、界面活性剤に対する生物製剤の延長した曝露が、特定のアミノ酸残基酸化をもたらし、それにより治療効力を低減し得ることである。Lam X,et al.,Pharm Res.(2011)28:2543−2555。

0007

重要なことに、生物製剤はまた、IV投与前に、治療タンパク質の構造及び活性を含むことなく、保管条件下で長期の安定した有効期間を有しなくてはならない。例えば、リンカーを用いる抗体−薬物複合体ADC)の液体製剤は、保管中にリンカーの酸触媒加水分解を受けやすい可能性がある。そのような不安定性は、患者へのIV投与時に薬物化合物の早まった放出を引き起こし、生物製剤の薬物動態及び安全性に負の影響を与え得る。

0008

したがって、IV投与のために安定しており、かつ保管条件下で長期の有効期間を有する、安定した薬学的組成物の開発に対する必要性が存在する。本開示は、この必要性を満たし、他の関連する利益を提供する。

0009

一態様において、本開示は、抗CD79b免疫複合体及び界面活性剤を含む薬学的組成物であって、界面活性剤が、少なくとも0.06重量体積%(すなわち、0.6mg/ml)の濃度であり、抗CD79b免疫複合体が、式、

を含み、式中、
Abが、抗CD79b抗体であり、抗CD79b抗体が、重鎖及び軽鎖を含み、軽鎖が、(a)KASQSVDYEGDSFLNのHVR−L1配列(配列番号1)、(b)AASNLESのHVR−L2配列(配列番号2)、及び(c)QQSNEDPLTのHVR−L3配列(配列番号3)を含み、重鎖が、(a)GYTFSSYWIEのHVR−H1配列(配列番号4)、(b)GEILPGGGDTNYNEIFKGのHVR−H2配列(配列番号5)、及び(c)TRRVPIRLDYのHVR−H3配列(配列番号6)を含み、Valが、バリンであり、Citが、シトルリンであり、pが、約1〜約8(例えば、約3.5などの約2〜約5)の値である、薬学的組成物を提供する。

0010

いくつかの実施形態において、抗CD79b免疫複合体は、約5mg/ml〜約60mg/ml、約10mg/ml〜約50mg/ml、約10mg/ml〜約40mg/ml、約10mg/ml〜約30mg/ml、または約10mg/ml〜約20mg/mlの濃度である。

0011

いくつかの実施形態において、抗CD79b免疫複合体は、約10mg/ml〜約20mg/mlの濃度である。一実施形態において、抗CD79b免疫複合体は、約10mg/mlの濃度である。別の実施形態において、抗CD79b免疫複合体は、約20mg/mlの濃度である。

0012

いくつかの実施形態において、抗CD79b免疫複合体は、5mg/ml〜60mg/ml、10mg/ml〜50mg/ml、10mg/ml〜40mg/ml、10mg/ml〜30mg/ml、または10mg/ml〜20mg/mlの濃度である。

0013

いくつかの実施形態において、抗CD79b免疫複合体は、10mg/ml〜20mg/mlの濃度である。一実施形態において、抗CD79b免疫複合体は、10mg/mlの濃度である。別の実施形態において、抗CD79b免疫複合体は、20mg/mlの濃度である。

0014

いくつかの実施形態において、界面活性剤は、約0.06重量体積%(すなわち、0.6mg/ml)〜約0.12重量体積%(すなわち、1.2mg/ml)の濃度である。いくつかの実施形態において、界面活性剤は、少なくとも約0.06重量体積%(すなわち、0.6mg/ml)の濃度である。別の実施形態において、界面活性剤は、少なくとも約0.12重量体積%(すなわち、1.2mg/ml)の濃度である。いくつかの実施形態において、界面活性剤は、少なくとも0.06重量体積%の濃度である。別の実施形態において、界面活性剤は、少なくとも0.12重量体積%の濃度である。いくつかの実施形態において、界面活性剤は、0.06重量体積%の濃度である。別の実施形態において、界面活性剤は、0.12重量体積%の濃度である。

0015

いくつかの実施形態において、抗CD79b免疫複合体は、約10mg/mlの濃度であり、界面活性剤は、約0.06重量体積%(すなわち、0.6mg/ml)の濃度である。いくつかの実施形態において、抗CD79b免疫複合体は、約20mg/mlの濃度であり、界面活性剤は、少なくとも約0.12重量体積%の濃度である。いくつかの実施形態において、抗CD79b免疫複合体は、約20mg/mlの濃度であり、界面活性剤は、約0.12重量体積%(すなわち、1.2mg/ml)の濃度である。

0016

いくつかの実施形態において、抗CD79b免疫複合体は、10mg/mlの濃度であり、界面活性剤は、0.06重量体積%(すなわち、0.6mg/ml)の濃度である。いくつかの実施形態において、抗CD79b免疫複合体は、20mg/mlの濃度であり、界面活性剤は、少なくとも0.12重量体積%の濃度である。いくつかの実施形態において、抗CD79b免疫複合体は、20mg/mlの濃度であり、界面活性剤は、0.12重量体積%の濃度である。

0017

上記の実施形態のいずれかによる(またはそれに適用される)いくつかの実施形態において、本薬学的組成物は、液体薬学的組成物である。いくつかの実施形態において、本液体薬学的組成物は、30℃での保管時に少なくとも約4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24時間のいずれかの間、または2℃〜8℃での保管時に少なくとも約24、48、または72時間のいずれかの間安定している。

0018

本開示のある特定の実施形態において、本明細書の界面活性剤は、非イオン性である。例示的な一実施形態において、界面活性剤は、ポリソルベート20(PS20)、ポリソルベート80(PS80)、ポロキサマー188(P188)、N−オクチル−β−Dグルコピラノシド(OG)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。特定の一実施形態において、界面活性剤は、PS20である。更に別の特定の実施形態において、界面活性剤は、PS80である。

0019

本開示のいくつかの実施形態において、本組成物は、緩衝剤を更に含む。ある特定の実施形態において、緩衝剤は、ヒスチジン緩衝液である。いくつかの実施形態において、緩衝剤は、コハク酸緩衝液である。特定の一実施形態において、コハク酸緩衝液は、コハク酸ナトリウム緩衝液である。いくつかの実施形態において、コハク酸ナトリウム緩衝液は、約10mM〜約200mMの濃度である。いくつかの実施形態において、コハク酸ナトリウム緩衝液は、10mM〜200mMの濃度である。一実施形態において、コハク酸ナトリウム緩衝液は、約10mMの濃度である。別の実施形態において、コハク酸ナトリウム緩衝液は、10mMの濃度である。

0020

いくつかの実施形態において、本開示の組成物は、約5.0〜約6.0のpHを有する。特定の実施形態において、緩衝液は、約5.0、約5.1、約5.2、約5.3、約5.4、約5.5、約5.6、約5.7、約5.8、約5.9、または約6.0のpHを有する。一実施形態において、本開示の組成物は、約5.3のpHを有する。いくつかの実施形態において、本開示の組成物は、5.0〜6.0のpHを有する。特定の実施形態において、緩衝液は、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、または6.0のpHを有する。一実施形態において、本開示の組成物は、5.3のpHを有する。

0021

本開示のある特定の実施形態において、本組成物は、糖を更に含む。いくつかの実施形態において、糖は、約100mM〜約260mMの濃度である。いくつかの実施形態において、糖は、100mM〜260mMの濃度である。いくつかの実施形態において、糖は、スクロースマンニトールソルビトールグリセロールデキストラン40、及びトレハロースからなる群から選択される。

0022

特定の一実施形態において、糖は、スクロースである。本開示の一実施形態において、スクロースは、約120mMの濃度である。別の実施形態において、スクロースは、120mMの濃度である。

0023

いくつかの実施形態において、本開示の組成物は、凍結乾燥されている(凍結乾燥されたケーキなど)。いくつかの実施形態において、凍結乾燥された組成物は、バイアル、例えば、20mlのガラスバイアル内に含有される。

0024

一態様において、本開示は、10mMのコハク酸ナトリウム緩衝液中20mg/mlの抗CD79b免疫複合体、0.12重量体積%のポリソルベート20、及び120mMのスクロースを含む液体製剤の凍結乾燥によって生成される薬学的組成物であって、液体製剤が、5.3のpHを有し、抗CD79b免疫複合体が、式、

を有し、式中、
Abが、抗CD79b抗体であり、抗CD79b抗体が、重鎖及び軽鎖を含み、軽鎖が、(a)KASQSVDYEGDSFLNのHVR−L1配列(配列番号1)、(b)AASNLESのHVR−L2配列(配列番号2)、及び(c)QQSNEDPLTのHVR−L3配列(配列番号3)を含み、重鎖が、(a)GYTFSSYWIEのHVR−H1配列(配列番号4)、(b)GEILPGGGDTNYNEIFKGのHVR−H2配列(配列番号5)、及び(c)TRRVPIRLDYのHVR−H3配列(配列番号6)を含み、Valが、バリンであり、Citが、シトルリンであり、pが、約1〜約8(例えば、約3.5などの約2〜約5)の値である、薬学的組成物を提供する。

0025

本開示のいくつかの実施形態において、抗CD79b抗体は、配列番号7のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメイン(VH)及び配列番号8のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメイン(VL)を含む。いくつかの実施形態において、重鎖は、配列番号9のアミノ酸配列を含み、軽鎖は、配列番号10のアミノ酸配列を含む。

0026

10mMのコハク酸ナトリウム緩衝液中20mg/mlの抗CD79b免疫複合体、0.12重量体積%のポリソルベート20、及び120mMのスクロースを含む液体製剤の凍結乾燥によって生成される薬学的組成物であって、液体製剤が、5.3のpHを有し、抗CD79b免疫複合体が、式、

を含み、式中、Abが、抗CD79b抗体であり、抗CD79b抗体が、重鎖及び軽鎖を含み、重鎖が、配列番号9のアミノ酸配列を含み、軽鎖が、配列番号10のアミノ酸配列を含み、Valが、バリンであり、Citが、シトルリンであり、pが、約2〜約5(約3.5など)の値である、薬学的組成物もまた提供される。いくつかの実施形態において、本薬学的組成物は、凍結乾燥されたケーキである。

0027

ある特定の実施形態において、本開示の薬学的組成物は、光から保護された場合に5℃±3℃で約60ヶ月間の安定性を有する。ある特定の実施形態において、本開示の薬学的組成物は、光から保護された場合に5℃±3℃で約48ヶ月間の安定性を有する。

0028

いくつかの実施形態において、本開示の薬学的組成物の安定性は、サイズ排除クロマトグラフィー高速(SE−HPLC)によって測定される。一実施形態において、本組成物は、SE−HPLCによって測定して少なくとも95.0の主ピーク面積%)を有する。

0029

いくつかの実施形態において、本開示の薬学的組成物の安定性は、画像化キャピラリー等電点電気泳動(icIEF)によって測定される。一実施形態において、本組成物は、icIEFによって測定して、少なくとも58.0の主ピーク(面積%)、最大で32.0の酸性領域(面積%)、及び最大で12.0の塩基性領域(面積%)を有する。

0030

ある特定の実施形態において、本開示の薬学的組成物は、注射用滅菌水(SWFI)で再構成される。いくつかの実施形態において、本薬学的組成物は、約7.2mlのSWFI中で再構成される。いくつかの実施形態において、再構成された組成物は、約30℃での保管時に少なくとも4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24時間安定している。いくつかの実施形態において、再構成された組成物は、約2℃〜約8℃での保管時に少なくとも24、48、または72時間安定している。いくつかの実施形態において、再構成された組成物は、静脈内(IV)投与袋内の等張緩衝液中に更に希釈される。いくつかの実施形態において、IV投与袋内の希釈された組成物の最終体積は、約50ml〜約100mlである。いくつかの実施形態において、IV投与袋内の免疫複合体の濃度は約0.72mg〜約2.7mgである。

0031

10mMのコハク酸ナトリウム緩衝液中20mg/mlの抗CD79b免疫複合体、0.12重量体積%のポリソルベート20、及び120mMのスクロースを含む液体製剤の凍結乾燥によって生成される薬学的組成物であって、液体製剤が、5.3のpHを有し、抗CD79b免疫複合体が、式、

を含み、式中、Abが、抗CD79b抗体であり、抗CD79b抗体が、重鎖及び軽鎖を含み、重鎖が、配列番号9のアミノ酸配列を含み、軽鎖が、配列番号10のアミノ酸配列を含み、Valが、バリンであり、Citが、シトルリンであり、pが、約2〜約5(約3.5など)の値である、薬学的組成物もまた提供される。

0032

a)約0.72〜約2.7mg/mlのポラツズマブベドチン、b)約0.36〜約01.35mMのコハク酸ナトリウム、c)約0.51〜約16.24mMのスクロース、d)約0.0432〜約0.162mg/mlのポリソルベート20を含む、(静脈内投与用などの)液体組成物が提供され、液体組成物のpHは、約5〜約5.7である。a)約0.72mg/mlのポラツズマブベドチン、b)約0.36mMのコハク酸ナトリウム、c)約0.51mMのスクロース、d)約0.0432mg/mlのポリソルベート20を含む、(静脈内投与用などの)液体組成物もまた提供され、液体組成物のpHは、5.1〜約5.4である。a)約2.7mg/mlのポラツズマブベドチン、b)約01.35mMのコハク酸ナトリウム、c)約16.24mMのスクロース、d)約0.162mg/mlのポリソルベート20を含む、(静脈内投与用などの)液体組成物もまた提供され、液体組成物のpHは、約5.1〜約5.4である。いくつかの実施形態において、液体組成物の体積は、約50ml〜約100mlである。いくつかの実施形態において、液体組成物の体積は、50mlである。いくつかの実施形態において、液体組成物の体積は、100mlである。いくつかの実施形態において、液体組成物は、静脈内(IV)投与袋内に含有される。いくつかの実施形態において、液体組成物に接触するIV投与袋の表面は、塩化ポリビニルPVC)、ポリオレフィン(PO)、ポリエチレン(PE)、またはポリプロピレン(PE)で構成される。

0033

一態様において、本開示は、抗CD79b免疫複合体、界面活性剤、コハク酸緩衝液、及び糖を含む薬学的組成物であって、薬学的組成物が、水中で再構成された時に、約10mg/ml〜約20mg/mlの濃度の抗CD79b免疫複合体、少なくとも0.06重量体積%(すなわち、0.6mg/ml)の濃度の界面活性剤、約10mM〜約200mMの濃度のコハク酸緩衝液、及び約100mM〜約260mMの濃度の糖を含む液体製剤を形成し、液体製剤が、5.3のpHを有し、抗CD79b免疫複合体が、式、

を含み、式中、Abが、抗CD79b抗体であり、抗CD79b抗体が、重鎖及び軽鎖を含み、軽鎖が、(a)KASQSVDYEGDSFLNのHVR−L1配列(配列番号1)、(b)AASNLESのHVR−L2配列(配列番号2)、及び(c)QQSNEDPLTのHVR−L3配列(配列番号3)を含み、重鎖が、(a)GYTFSSYWIEのHVR−H1配列(配列番号4)、(b)GEILPGGGDTNYNEIFKGのHVR−H2配列(配列番号5)、及び(c)TRRVPIRLDYのHVR−H3配列(配列番号6)を含み、Valが、バリンであり、Citが、シトルリンであり、pが、約1〜約8(例えば、約3.5などの約2〜約5)の値である、薬学的組成物を提供する。いくつかの実施形態において、抗CD79b抗体は、配列番号7のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメイン(VH)及び配列番号8のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメイン(VL)を含む。いくつかの実施形態において、抗CD79bの重鎖は、配列番号9のアミノ酸配列を含み、抗CD79b抗体の軽鎖は、配列番号10のアミノ酸配列を含む。

0034

いくつかの実施形態において、本薬学的組成物は、SWFI中で再構成され、その後IV投与袋内の緩衝液中に希釈される。ある特定の実施形態において、本薬学的組成物は、SWFI中で再構成され、その後IV投与袋内の等張緩衝液中に希釈される。一実施形態において、IV投与袋内への希釈時の界面活性剤濃度は、少なくとも0.003重量体積%である。一実施形態において、IV投与袋内への希釈時の界面活性剤濃度は、少なくとも0.004重量体積%である。いくつかの実施形態において、界面活性剤は、ポリソルベート20である。いくつかの実施形態において、糖は、スクロースである。特定の一実施形態において、スクロースは、120mMの濃度である。いくつかの実施形態において、コハク酸緩衝液は、コハク酸ナトリウム緩衝液である。特定の一実施形態において、コハク酸ナトリウム緩衝液は、10mMの濃度である。いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、再構成後、約30℃での保管時に少なくとも4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24時間安定している。いくつかの実施形態において、本薬学的組成物は、再構成後、約2℃〜約8℃での保管時に少なくとも24、48、または72時間安定している。

0035

いくつかの実施形態において、本薬学的組成物は、水中で再構成された時に、30℃で最大約1日間、最大約2日間、または最大約3日間の安定性を有する。いくつかの実施形態において、本薬学的組成物は、水中で再構成された時に、5℃±3℃で最大約1日間、最大約2日間、最大約3日間、最大約4日間、最大約5日間、最大6日間、または最大約7日間の安定性を有する。ある特定の実施形態において、本組成物の安定性は、サイズ排除高速液体クロマトグラフィー(SE−HPLC)によって測定される。特定の一実施形態において、本組成物は、SE−HPLCによって測定して少なくとも95.0主ピーク(面積%)を有する。

0036

ある特定の実施形態において、本組成物の安定性は、画像化キャピラリー等電点電気泳動(icIEF)によって測定される。特定の一実施形態において、本組成物は、icIEFによって測定して、少なくとも58.0の主ピーク(面積%)、最大で32.0の酸性領域(面積%)、及び最大で12.0の塩基性領域(面積%)を有する。

0037

いくつかの実施形態において、本明細書に開示される薬学的組成物は、ガラスバイアル(例えば、20mlのガラスバイアル)内に含有される。

0038

一態様において、本開示は、抗CD79b免疫複合体、界面活性剤、コハク酸緩衝液、及び糖を含む液体組成物であって、抗CD79b免疫複合体が、約10mg/ml〜約20mg/mlの濃度であり、界面活性剤が、少なくとも0.06重量体積%(すなわち、0.6mg/ml)の濃度であり、コハク酸緩衝液が、約10mM〜約200mMの濃度であり、糖が、約100mM〜約260mMの濃度であり、液体組成物が、5.3のpHを有し、抗CD79b免疫複合体が、式、

を含み、式中、
Abが、抗CD79b抗体であり、抗CD79b抗体が、重鎖及び軽鎖を含み、軽鎖が、(a)KASQSVDYEGDSFLNのHVR−L1配列(配列番号1)、(b)AASNLESのHVR−L2配列(配列番号2)、及び(c)QQSNEDPLTのHVR−L3配列(配列番号3)を含み、重鎖が、(a)GYTFSSYWIEのHVR−H1配列(配列番号4)、(b)GEILPGGGDTNYNEIFKGのHVR−H2配列(配列番号5)、及び(c)TRRVPIRLDYのHVR−H3配列(配列番号6)を含み、Valが、バリンであり、Citが、シトルリンであり、pが、約1〜約8(例えば、約3.5などの約2〜約5)の値である、薬学的組成物を提供する。いくつかの実施形態において、抗CD79b抗体は、配列番号7のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメイン(VH)及び配列番号8のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメイン(VL)を含む。いくつかの実施形態において、抗CD79bの重鎖は、配列番号9のアミノ酸配列を含み、抗CD79b抗体の軽鎖は、配列番号10のアミノ酸配列を含む。

0039

いくつかの実施形態において、界面活性剤は、ポリソルベート20である。いくつかの実施形態において、糖は、スクロースである。特定の一実施形態において、スクロースは、120mmの濃度である。いくつかの実施形態において、コハク酸緩衝液は、コハク酸ナトリウム緩衝液である。特定の一実施形態において、コハク酸ナトリウム緩衝液は、10mMの濃度である。

0040

いくつかの実施形態において、本開示の液体組成物は、等張緩衝液中に希釈される。例示的な一実施形態において、等張緩衝液中に溶解される本開示の液体組成物は、IV投与袋内にある。いくつかの実施形態において、液体組成物が希釈される等張緩衝液は、0.9%の塩化ナトリウム溶液、0.45%の塩化ナトリウム溶液、または5%のデキストロース溶液である。

0041

いくつかの実施形態において、0.9%の塩化ナトリウム溶液中に希釈されている本明細書に提供される液体組成物は、希釈後、2℃〜8℃で最大少なくとも約24時間(本明細書に別途記載のいずれか1つ以上の基準に従って)安定している。いくつかの実施形態において、0.9%の塩化ナトリウム溶液中に希釈されている本明細書に提供される液体組成物は、希釈後、9℃〜25℃で最大約4時間(本明細書に別途記載のいずれか1つ以上の基準に従って)安定している。いくつかの実施形態において、0.45%の塩化ナトリウム溶液中に希釈されている本明細書に提供される液体組成物は、希釈後、2℃〜8℃で最大少なくとも約24時間(本明細書に別途記載のいずれか1つ以上の基準に従って)安定している。いくつかの実施形態において、0.45%の塩化ナトリウム溶液中に希釈されている本明細書に提供される液体組成物は、希釈後、9℃〜25℃で最大約4時間(本明細書に別途記載のいずれか1つ以上の基準に従って)安定している。いくつかの実施形態において、5%のデキストロース溶液中に希釈されている本明細書に提供される液体組成物は、希釈後、2℃〜8℃で最大少なくとも約48時間(本明細書に別途記載のいずれか1つ以上の基準に従って)安定している。いくつかの実施形態において、5%のデキストロース溶液中に希釈されている本明細書に提供される液体組成物は、希釈後、9℃〜25℃で最大約8時間(本明細書に別途記載のいずれか1つ以上の基準に従って)安定している。

0042

いくつかの実施形態において、等張緩衝液中に希釈される本液体組成物は、IV投与袋内にある。いくつかの実施形態において、等張緩衝液中に希釈される本組成物に接触するIV投与袋の表面は、塩化ポリビニル(PVC)、ポリオレフィン(PO)、ポリエチレン(PE)、またはポリプロピレン(PE)で構成される。

0043

いくつかの実施形態において、IV投与袋内の等張緩衝液中に希釈される本開示の液体組成物は、30℃で最大約6〜約8時間の安定性を有する。いくつかの実施形態において、IV投与袋内の等張緩衝液中に溶解される本開示の液体組成物は、25℃で最大約24時間の安定性を有する。いくつかの実施形態において、IV投与袋内の等張緩衝液中に溶解される本開示の液体組成物は、5℃±3℃で最大約72時間の安定性を有する。ある特定の実施形態において、等張緩衝液は、正常食塩水である。いくつかの実施形態において、本液体組成物は、約30℃での保管時に少なくとも4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24時間安定している。いくつかの実施形態において、本液体組成物は、約2℃〜約8℃での保管時に少なくとも24、48、または72時間安定している。

0044

約150mgの抗CD79b免疫複合体、約9.0mgのポリソルベート20、約8.88mgのコハク酸、約4.08mgの水酸化ナトリウム、及び約309mgのスクロースを含む、凍結乾燥された薬学的組成物であって、抗CD79b免疫複合体が、式、

を含み、式中、Abが、抗CD79b抗体であり、抗CD79b抗体が、重鎖及び軽鎖を含み、抗CD79bの重鎖が、配列番号9のアミノ酸配列を含み、抗CD79b抗体の軽鎖が、配列番号10のアミノ酸配列を含み、Valが、バリンであり、Citが、シトルリンであり、pが、約2〜約5(約3.5など)の値である、凍結乾燥された薬学的組成物もまた提供される。いくつかの実施形態において、凍結乾燥された組成物(ケーキなど)は、バイアル、例えば、20mlのガラスバイアル内に含有される。

0045

約150mgのポラツズマブベドチン、約9.0mgのポリソルベート20、約8.88mgのコハク酸、約4.08mgの水酸化ナトリウム、及び約309mgのスクロースを含む、凍結乾燥された薬学的組成物が、更に提供される。いくつかの実施形態において、凍結乾燥された組成物(ケーキなど)は、バイアル、例えば、20mlのガラスバイアル内に含有される。

0046

約140mgの抗CD79b免疫複合体、約8.4mgのポリソルベート20、約8.27mgのコハク酸、約3.80mgの水酸化ナトリウム、及び約288mgのスクロースを含む、凍結乾燥された薬学的組成物であって、抗CD79b免疫複合体が、式、

を含み、式中、bが、抗CD79b抗体であり、抗CD79b抗体が、重鎖及び軽鎖を含み、抗CD79bの重鎖が、配列番号9のアミノ酸配列を含み、抗CD79b抗体の軽鎖が、配列番号10のアミノ酸配列を含み、Valが、バリンであり、Citが、シトルリンであり、pが、約2〜約5(約3.5など)の値である、凍結乾燥された薬学的組成物もまた提供される。いくつかの実施形態において、凍結乾燥された組成物(ケーキなど)は、バイアル、例えば、20mlのガラスバイアル内に含有される。

0047

約140mgのポラツズマブベドチン、約8.4mgのポリソルベート20、約8.27mgのコハク酸、約3.80mgの水酸化ナトリウム、及び約288mgのスクロースを含む、凍結乾燥された薬学的組成物が、更に提供される。いくつかの実施形態において、凍結乾燥された組成物(ケーキなど)は、バイアル、例えば、20mlのガラスバイアル内に含有される。

0048

約30mgの抗CD79b免疫複合体、約1.8mgのポリソルベート20、約1.77mgのコハク酸、約0.816mgの水酸化ナトリウム、及び約61.8mgのスクロースを含む、凍結乾燥された薬学的組成物であって、抗CD79b免疫複合体が、式、

を含み、式中、Abが、抗CD79b抗体であり、抗CD79b抗体が、重鎖及び軽鎖を含み、抗CD79bの重鎖が、配列番号9のアミノ酸配列を含み、抗CD79b抗体の軽鎖が、配列番号10のアミノ酸配列を含み、Valが、バリンであり、Citが、シトルリンであり、pが、約2〜約5(約3.5など)の値である、凍結乾燥された薬学的組成物もまた提供される。いくつかの実施形態において、凍結乾燥された組成物は、凍結乾燥されたケーキである。いくつかの実施形態において、凍結乾燥された組成物(ケーキなど)は、バイアル、例えば、20mlのガラスバイアル内に含有される。

0049

約30mgのポラツズマブベドチン、約1.8mgのポリソルベート20、約1.77mgのコハク酸、約0.816mgの水酸化ナトリウム、及び約61.8mgのスクロースを含む、凍結乾燥された薬学的組成物が、更に提供される。いくつかの実施形態において、凍結乾燥された組成物(ケーキなど)は、バイアル、例えば、20mlのガラスバイアル内に含有される。

0050

いくつかの実施形態において、本明細書に提供される凍結乾燥された薬学的組成物は、凍結乾燥されたケーキである。いくつかの実施形態において、本明細書の実施形態のいずれかによる凍結乾燥された薬学的組成物は、約2℃〜約8℃での保管時に少なくとも6、12、18、24、30、36、42、48、54、または60ヶ月間安定している。

0051

a)約5〜60mg/mlのポラツズマブベドチン、b)約10〜200mMのコハク酸ナトリウム、c)約100〜260mMのスクロース、d)約0.06〜0.12重量体積%のポリソルベート20を含む、液体薬学的組成物が提供され、液体組成物のpHは、5〜6である。いくつかの実施形態において、本液体薬学的組成物は、a)約10〜55mg/mlのポラツズマブベドチン、b)約10〜100mMのコハク酸ナトリウム、c)約150〜260mMのスクロース、及びd)約0.08〜0.12重量体積%のポリソルベート20を含み、液体組成物のpHは、5.1〜5.6である。いくつかの実施形態において、本液体薬学的組成物は、a)約15〜40mg/mlのポラツズマブベドチン、b)約10〜50mMのコハク酸ナトリウム、c)約200〜260mMのスクロース、及びd)約0.1〜0.12重量体積%のポリソルベート20を含み、液体組成物のpHは、5.2〜5.4である。いくつかの実施形態において、本液体組成物は、凍結乾燥された組成物(ケーキなど)を再構成することによって得られる。いくつかの実施形態において、本液体組成物は、バイアル、例えば、20mlのガラスバイアル内に含有される。

0052

a)20mg/mlのポラツズマブベドチン、b)10mMのコハク酸ナトリウム、c)120mMのスクロース、d)0.12重量体積%のポリソルベート20を含む、液体薬学的組成物もまた提供され、液体組成物のpHは、約5.3である。いくつかの実施形態において、本液体組成物は、凍結乾燥された組成物(ケーキなど)を再構成することによって得られる。いくつかの実施形態において、本液体組成物は、バイアル、例えば、20mlのガラスバイアル内に含有される。

0053

いくつかの実施形態において、本明細書の実施形態のいずれかによる液体組成物は、約30℃での保管時に少なくとも4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24時間安定している。いくつかの実施形態において、本明細書の実施形態のいずれかによる液体組成物は、約2℃〜約8℃での保管時に少なくとも24、48、または72時間安定している。いくつかの実施形態において、本液体組成物は、凍結乾燥された組成物(ケーキなど)を再構成することによって得られる。いくつかの実施形態において、本液体組成物は、バイアル、例えば、20mlのガラスバイアル内に含有される。

0054

いくつかの実施形態において、本明細書に提供される再構成された薬学的組成物は、2℃〜8℃で72時間の保管後に安定している。いくつかの実施形態において、本明細書に提供される再構成された薬学的組成物は、環境光に曝露された状態で、30℃で24時間の保管後に安定している。いくつかの実施形態において、再構成された薬学的組成物は、10mMのコハク酸中の20mg/mLのポラツズマブベドチン、120mMのスクロース、及び1.2mg/mLのポリソルベート20を含み、pHは、5.3である。いくつかの実施形態において、ポラツズマブベドチンのその標的(すなわち、CD79b)への親和性またはポラツズマブベドチンの生物学的活性中。

0055

一態様において、本開示は、増殖性障害の治療を必要とする患者において増殖性障害を治療する方法であって、患者に本明細書に記載の薬学的組成物または液体組成物を投与することを含む、方法を提供する。増殖性障害の治療を必要とする患者において増殖性障害を治療するための医薬品を製造するための、本明細書に記載の薬学的組成物または液体組成物の使用もまた提供される。いくつかの実施形態において、増殖性障害の治療を必要とする患者における増殖性障害の治療において使用するための、本明細書に記載の薬学的組成物または液体組成物が提供される。増殖性障害の治療を必要とする患者において増殖性障害を治療する方法において使用するための、本明細書に記載の薬学的組成物または液体組成物もまた提供される。

0056

いくつかの実施形態において、増殖性障害は、がんである。例示的な一実施形態において、がんは、B細胞増殖性障害である。特定の実施形態において、B細胞増殖性障害は、リンパ腫骨髄腫非ホジキンリンパ腫(NHL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、再発性難治性DLBCL、侵攻性NHL、緩慢性リンパ腫、濾胞性リンパ腫FL)、再発性侵攻性NHL、再発性緩慢性NHL、再発性NHL、難治性NHL、難治性緩慢性NHL、慢性リンパ球性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫、白血病有毛細胞白血病(HCL)、急性リンパ球性白血病(ALL)、及びマントル細胞リンパ腫からなる群から選択される。

0057

本開示の一実施形態において、B細胞増殖性障害は、非ホジキンリンパ腫(NHL)である。一実施形態において、B細胞増殖性障害は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)である。一実施形態において、B細胞増殖性障害は、再発性/難治性DLBCLである。いくつかの実施形態において、B細胞増殖性障害は、再発性/難治性DLBCLである。別の実施形態において、B細胞増殖性障害は、再発性NHLまたは難治性NHLである。更に別の実施形態において、B細胞増殖性障害は、濾胞性リンパ腫(FL)である。

図面の簡単な説明

0058

3つの異なる静脈内(IV)投与袋サイズにおいて、固定濃度のPS20([PS20])で、30℃で22時間の静的保管後の高分子量種(HMWS)の増加を描写する。
3つの異なるIV投与袋サイズにおいて、固定濃度のPS20([PS20])で、30℃で2時間の撹拌ストレス(100rpm)後のHMWSの増加を描写する。
様々な濃度のPS20([PS20])で、食塩水IV投与袋内の抗CD79b−vc−MMAE物理的安定性に対する温度の影響を描写する。
30℃で22時間の静的保管時の界面活性剤及び注入液の種類の影響を描写する。
撹拌時の抗CD79b−vc−MMAEの安定性に対する2〜8℃の温度の影響を描写する。
撹拌時の抗CD79b−vc−MMAEの安定性に対する25℃の温度の影響を描写する。
撹拌時の抗CD79b−vc−MMAEの安定性に対する30℃の温度の影響を描写する。
撹拌モデル1を使用した抗CD79b−vc−MMAEの物理的安定性を描写する。
撹拌モデル2を使用した抗CD79b−vc−MMAEの物理的安定性を描写する。
免疫複合体を安定化し、除去を防止するための、チオスクシンイミド加水分解反応を描写する。マレイミド除去は、免疫複合体上に存在するチオスクシンイミド結合の加水分解によって防ぐことができる。
3つの異なる時点、2週間、4週間、及び8週間での、30℃での酸性チャージバリアント形成に対するpHの影響を描写する。
3つの異なる時点、2週間、4週間、及び8週間での、30℃での塩基性チャージバリアント形成に対するpHの影響を描写する。
3つの異なる時点、2週間、4週間、及び8週間での、30℃でのHMWS形成に対するpHの影響を描写する。
30℃で4週間ストレスを与えた低分子量種(LMWS)に対するpH及び緩衝液種の影響を描写する。
サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)による、30℃での凍結乾燥された製剤の安定性を描写する。
画像化キャピラリー等電点電気泳動(icIEF)による、30℃での凍結乾燥された製剤の安定性を描写する。
図15A〜図15Cは、異なるタンパク質対スクロース比を有する凍結乾燥されたケーキの外観を描写する。図15Aは、10mg/mlの抗CD79b−vc−MMAE及び260mMのスクロースを表す。図15Bは、10mg/mlの抗CD79b−vc−MMAE及び180mMのスクロースを表す。図15Cは、10mg/mlの抗CD79b−vc−MMAE及び120mMのスクロースを表す。
図16A〜図16Bは、異なるタンパク質対スクロース比を有する凍結乾燥されたケーキの外観を描写する。図16Aは、10mg/mlの抗CD79b−vc−MMAE及び260mMのスクロースを表す。図16Bは、20mg/mlの抗CD79b−vc−MMAE及び120mMのスクロースを表す。
SECによってHMWSバリアントを測定するために、2〜8℃、25℃、及び40℃でストレスを与えた、凍結乾燥された抗CD79b−vc−MMAE薬物製品の安定性を描写する。
icIEFによってHMWSバリアントを測定するために、2〜8℃、25℃、及び40℃でストレスを与えた、凍結乾燥された抗CD79b−vc−MMAE薬物製品の安定性を描写する。

0059

本開示は、抗CD79b免疫複合体及び界面活性剤を含む安定した薬学的組成物を提供する。本開示はまた、がんの治療のためにそのような組成物を使用するための方法も提供する。

0060

I. 定義
本開示は、特定の組成物または生物系に限定されず、これらは言うまでもなく変動し得ることを理解されたい。本明細書で使用される専門用語が特定の実施形態を説明することのみを目的としており、限定するようには意図されていないこともまた理解されたい。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、別段文脈が明確に指示しない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「分子」への言及は、2つ以上のそのような分子の組み合わせを任意で含むといった具合である。

0061

本明細書で使用される場合、「約」という用語は、当業者に容易に知られているそれぞれの値の通常の誤差範囲を指す。本明細書における「約」値またはパラメータへの言及は、その値またはパラメータ自体を対象とする実施形態を含む(かつ説明する)。

0062

本明細書に記載の本開示の態様及び実施形態は、態様及び実施形態「を含む」、「からなる」、及び「から本質的になる」を含むことが理解される。

0063

「抗CD79b免疫複合体」という用語は、抗CD79b抗体−薬物複合体(ADC)を指す。本明細書で使用される場合、抗CD79b免疫複合体は、CD79b、リンカー、及び薬物分子に結合することができる抗体またはその断片を含有する。「リンカー」という用語は、6−マレイミドカプロイル−バリン−シトルリン−p−アミノベンジルオキシカルボニル(MC−val−cit−PAB)を指すために使用される。

0064

「抗体」という用語は、最も広義に使用され、それらが所望の生物学的活性または免疫学的活性を呈する限り、例えば、単一抗CD79bモノクローナル抗体アゴニストアンタゴニスト中和抗体完全長もしくはインタクトモノクローナル抗体を非限定的に含む)、ポリエピトープ特異性を有する抗CD79b抗体組成物ポリクローナル抗体多価抗体、少なくとも2つのインタクト抗体から形成される多特異性抗体(例えば、それらが所望の生物学的活性を呈する限り、二特異性抗体)、一本鎖抗CD79b抗体、ならびに抗CD79b抗体の断片(下記を参照されたい)(Fab、Fab’、F(ab’)2、及びFv断片を含む)、ダイアボディ単一ドメイン抗体(sdAb)を具体的に包含する。「免疫グロブリン」(Ig)という用語は、本明細書で抗体と互換的に使用される。抗体は、キメラ、ヒト、ヒト化、及び/または親和性成熟であり得る。

0065

「抗CD79b抗体」または「CD79bに結合する抗体」という用語は、抗体がCD79bを標的とする上で診断剤及び/または治療剤として有用であるように、十分な親和性でCD79bに結合することができる抗体を指す。好ましくは、例えば、放射免疫測定法RIA)によって測定して、無関係の非CD79bタンパク質への抗CD79b抗体の結合の程度は、この抗体のCD79bへの結合の約10%未満である。ある特定の実施形態において、CD79bに結合する抗体は、≦1μM、≦100nM、≦10nM、≦1nM、または≦0.1nMの解離定数(Kd)を有する。ある特定の実施形態において、抗CD79b抗体は、異なる種に由来するCD79b間で保存されているCD79bのエピトープに結合する。

0066

塩基性4本鎖抗体単位は、2つの同一の軽(L)鎖及び2つの同一の重(H)鎖からなるヘテロ四量体糖タンパク質である(IgM抗体は、J鎖と呼ばれる追加のポリペプチドと共に5個の塩基性ヘテロ四量体単位からなるため、10個の抗原結合部位を含有する一方で、分泌型IgA抗体重合して、J鎖と共に2〜5個の塩基性4本鎖単位を含む多価集合体を形成することができる)。IgGの場合、4本鎖単位は一般に、約150,000ダルトンである。各L鎖は、1つのジスルフィド共有結合によってH鎖に連結している一方で、2本のH鎖は、H鎖のアイソタイプに応じて1つ以上のジスルフィド結合によって互いに連結している。各H鎖及びL鎖はまた、規則的に離間した鎖間ジスルフィド架橋も有する。各H鎖は、N末端可変ドメイン(VH)を有し、続いてα鎖及びγ鎖の各々について3つの定常ドメイン(CH)、ならびにμアイソタイプ及びεアイソタイプについて4つのCHドメインを有する。各L鎖は、N末端に可変ドメイン(VL)を有し、続いてその反対末端に定常ドメイン(CL)を有する。VLは、VHと整合しており、CLは、重鎖の第1の定常ドメイン(CH1)と整合している。特定のアミノ酸残基が、軽鎖可変ドメインと重鎖可変ドメインとの間に界面を形成すると考えられている。VHとVLとが一緒対合することにより、単一抗原結合部位が形成される。異なるクラスの抗体の構造及び特性については、例えば、Basic and Clinical Immunology,8th edition,Daniel P.Stites,Abba I.Terr and Tristram G.Parslow(eds.),Appleton&Lange,Norwalk,CT,1994の71頁及び第6章を参照されたい。

0067

任意の脊椎動物種に由来するL鎖は、それらの定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、カッパ及びラムダと呼ばれる2つの明確に異なる種類のうちの1つに割り当てることができる。それらの重鎖の定常ドメイン(CH)のアミノ酸配列に応じて、免疫グロブリンは、異なるクラスまたはアイソタイプに割り当てることができる。5つのクラスの免疫グロブリン、IgAIgDIgE、IgG、及びIgMが存在し、それぞれ、α、δ、ε、γ、及びμと表記される重鎖を有する。γクラス及びαクラスは、CH配列及び機能の比較的わずかな差異に基づいてサブクラスに更に分けられ、例えば、ヒトは、以下のサブクラス、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、及びIgA2を発現する。

0068

抗体の「可変領域」または「可変ドメイン」は、抗体の重鎖または軽鎖のアミノ末端ドメインを指す。重鎖の可変ドメインは、「VH」と称され得る。軽鎖可変ドメインは、「VL」と称され得る。これらのドメインは一般に、抗体の最も可変の部分であり、抗原結合部位を含有する。

0069

「可変」という用語は、抗体間で、可変ドメインのある特定のセグメントの配列が大きく異なるという事実を指す。Vドメインは、抗原結合を媒介し、特定の抗体の、その特定の抗原に対する特異性を定義する。しかしながら、可変性は、可変ドメインの110個のアミノ酸全長にわたって均等には分布していない。代わりに、V領域は、各々9〜12アミノ酸長である「超可変領域」と呼ばれる極度に可変性のより短い領域によって分離された、15〜30アミノ酸のフレームワーク領域(FR)と呼ばれる比較的不変区間からなる。天然重鎖及び軽鎖の可変ドメインは各々、主にβシート構成を採用する4つのFRを含み、これらは、3つの超可変領域により連結され、これらの超可変領域は、βシート構造を連結し、場合によってはその一部を形成する、ループを形成する。各鎖内の超可変領域は、FRによって近接近して一緒に保持されており、他方の鎖の超可変領域と共に、抗体の抗原結合部位の形成に寄与する(Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,MD.(1991)を参照されたい)。定常ドメインは、抗体の抗原への結合には直接関与しないが、抗体の抗体依存性細胞毒性ADCC)への関与などの様々なエフェクター機能を呈する。

0070

「インタクト」抗体は、抗原結合部位だけでなく、CLならびに少なくとも重鎖定常ドメインCH1、CH2、及びCH3も含む抗体である。定常ドメインは、天然配列の定常ドメイン(例えば、ヒトの天然配列の定常ドメイン)またはそれらのアミノ酸配列バリアントであり得る。好ましくは、インタクト抗体は、1つ以上のエフェクター機能を有する。

0071

本明細書における目的のための「ネイキッド抗体」は、薬物部分または放射標識複合体化されていない抗体である。

0072

抗体断片」は、インタクト抗体の一部分、好ましくはインタクト抗体の抗原結合領域または可変領域を含む。抗体断片の例としては、Fab、Fab’、F(ab’)2、及びFv断片;ダイアボディ;線状抗体(米国特許第5,641,870号の実施例2、Zapata et al.,Protein Eng.8(10):1057−1062[1995]を参照されたい);一本鎖抗体分子;ならびに抗体断片から形成される多重特異性抗体が挙げられる。一実施形態において、抗体断片は、インタクト抗体の抗原結合部位を含むため、抗原に結合する能力を保持する。

0073

抗体のパパイン消化は、「Fab」断片、及び残りの「Fc」断片(容易に結晶化する能力を反映する名称)と呼ばれる、2つの同一の抗原結合断片を産生する。Fab断片は、H鎖の可変領域ドメイン(VH)と共に全L鎖、及び1つの重鎖の第1の定常ドメイン(CH1)からなる。各Fab断片は、抗原結合に関して一価であり、すなわち、それは、単一の抗原結合部位を有する。抗体のペプシン処理により、単一の大きいF(ab’)2断片がもたらされ、これは概して、二価抗原結合活性を有する2つのジスルフィド結合Fab断片に対応し、依然として抗原に架橋することができる。Fab’断片は、抗体ヒンジ領域由来の1つ以上のシステインを含むCH1ドメインのカルボキシ末端に追加のいくつかの残基を有することによって、Fab断片とは異なる。Fab’−SHは、定常ドメインのシステイン残基複数可)が遊離チオール基を保有するFab’の本明細書における名称である。F(ab’)2抗体断片は元来、それらの間にヒンジシステインを有するFab’断片の対として産生された。抗体断片の他の化学共役もまた既知である。

0074

Fc断片は、ジスルフィドによって一緒に保持された両方のH鎖のカルボキシ末端部分を含む。抗体のエフェクター機能は、Fc領域内の配列によって決定され、この領域はまた、ある特定の細胞型に見出されるFc受容体(FcR)によって認識される部分でもある。

0075

「Fv」は、完全な抗原認識部位及び抗原結合部位を含有する最小の抗体断片である。この断片は、緊密な非共有結合にある1つの重鎖可変領域ドメイン及び1つの軽鎖可変領域ドメインの二量体からなる。一本鎖Fv(scFv)種では、1つの重鎖可変ドメイン及び1つの軽鎖可変ドメインは、軽鎖及び重鎖が二本鎖Fv種における構造に類似した「二量体」構造で会合し得るように、柔軟性ペプチドリンカーによって共有結合し得る。これら2つのドメインの折り畳みにより、抗原結合のためのアミノ酸残基を寄与し、抗原結合特異性を抗体に与える、6つの超可変ループ(H鎖及びL鎖から各々3つのループ)が生じる。しかしながら、全結合部位よりも低い親和性ではあるが、単一の可変ドメイン(または抗原に特異的な3つのCDRのみを含むFvの半分)でさえも、抗原を認識し、それに結合する能力を有する。

0076

「sFv」または「scFv」とも省略される「一本鎖Fv」は、単一のポリペプチド鎖に連結したVH抗体ドメイン及びVL抗体ドメインを含む抗体断片である。好ましくは、sFvポリペプチドは、VHドメインとVLドメインとの間にポリペプチドリンカーを更に含み、これにより、sFvが抗原結合に所望の構造を形成することが可能になる。sFvに関する概説については、Pluckthun in The Pharmacology of Monoclonal Antibodies,vol.113,Rosenburg and Moore eds.,Springer−Verlag,New York,pp.269−315(1994)、Borrebaeck 1995(以下)を参照されたい。

0077

「ダイアボディ」という用語は、2つの抗原結合部位を有する抗体断片を指し、これらの断片は、同じポリペプチド鎖内の軽鎖可変ドメイン(VL)に接続した重鎖可変ドメイン(VH)(VH−VL)を含む。小さな抗体断片は、Vドメインの鎖内ではなく鎖間の対合が達成され、二価断片、すなわち、2つの抗原結合部位を有する断片をもたらすように、VHドメインとVLドメインとの間に短いリンカー(約5〜10個の残基)を有するsFv断片(先行段落を参照されたい)を構築することによって調製される。ダイアボディは、二価または二重特異性であり得る。二重特異性ダイアボディは、2つの抗体のVHドメイン及びVLドメインが異なるポリペプチド鎖上に存在する2つの「交差」sFv断片のヘテロ二量体である。ダイアボディは、例えば、EP404,097、WO93/11161、Hudson et al.,Nat.Med.9:129−134(2003)、及びHollinger et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,90:6444−6448(1993)により詳細に記載されている。トリアディ及びテトラボディもまた、Hudson et al.,Nat.Med.9:129−134(2003)に記載されている。

0078

本明細書で使用される場合、「モノクローナル抗体」という用語は、実質的に同種の抗体の集団から得られる抗体を指し、すなわち、その集団を構成する個々の抗体は、少量で存在し得る可能性のある天然に存在する変異を除いて同一である。モノクローナル抗体は、高度に特異的であり、単一の抗原部位に対して指向されている。更に、異なる決定基(エピトープ)に対して指向された異なる抗体を含むポリクローナル抗体調製物とは対照的に、各モノクローナル抗体は、抗原上の単一の決定基に対して指向される。それらの特異性に加えて、モノクローナル抗体は、それらが他の抗体の混入なく合成され得るという点で有利である。「モノクローナル」という修飾語は、任意の特定の方法による抗体の産生を必要とするものとして解釈されるべきではない。例えば、本開示において有用なモノクローナル抗体は、Kohler et al.,Nature,256:495(1975)によって最初に記載されたハイブリドーマ方法論によって調製されても、細菌細胞真核動物細胞、または植物細胞内で組み換えDNA法を使用して作製されてもよい(米国特許第4,816,567号を参照されたい)。「モノクローナル抗体」はまた、例えば、Clackson et al.,Nature,352:624−628(1991)及びMarks et al.,J.Mol.Biol.,222:581−597(1991)に記載の技術を使用してファージ抗体ライブラリから単離してもよい。

0079

本明細書におけるモノクローナル抗体には、具体的には、重鎖及び/または軽鎖の一部分が、特定の種に由来するか、または特定の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体内の対応する配列と同一または相同である一方で、鎖(複数可)の残りが、別の種に由来するか、または別の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体内の対応する配列と同一または相同である「キメラ」抗体、ならびに所望の生物学的活性を呈する限りそのような抗体の断片が含まれる(例えば、米国特許第4,816,567号、及びMorrison et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,81:6851−6855(1984)を参照されたい)。本明細書において対象となるキメラ抗体としては、非ヒト霊長類(例えば、旧世界ザル類人猿など)に由来する可変ドメイン抗原結合配列と、ヒト定常領域配列とを含む「霊長類化」抗体が挙げられる。

0080

非ヒト(例えば、齧歯類)抗体の「ヒト化」形態は、非ヒト抗体に由来する配列を最小限含有するキメラ抗体である。大部分について、ヒト化抗体は、レシピエントの超可変領域由来の残基が、所望の抗体特異性、親和性、及び能力を有するマウスラットウサギ、または非ヒト霊長類などの非ヒト種(ドナー抗体)の超可変領域由来の残基によって置換される、ヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)である。場合によっては、ヒト免疫グロブリンのフレームワーク領域(FR)残基は、対応する非ヒト残基によって置換される。更に、ヒト化抗体は、レシピエント抗体にもドナー抗体にも見出されない残基を含んでもよい。これらの修飾は、抗体性能を更に改良するために行われる。一般に、ヒト化抗体は、超可変ループの全てまたは実質的に全てが非ヒト免疫グロブリンの超可変ループに対応し、FRの全てまたは実質的に全てがヒト免疫グロブリン配列のFRである、少なくとも1つ、及び典型的には2つの超可変ドメインの実質的に全てを含むであろう。ヒト化抗体は、任意で、免疫グロブリン定常領域(Fc)、典型的にはヒト免疫グロブリンの定常領域の少なくとも一部分も含むであろう。更なる詳細については、Jones et al.,Nature321:522−525(1986)、Riechmann et al.,Nature332:323−329(1988)、及びPresta,Curr.Op.Struct.Biol.2:593−596(1992)を参照されたい。また、以下の概説論文、Vaswani and Hamilton,Ann.Allergy,Asthma and Immunol.,1:105−115(1998)、Harris,Biochem.Soc.Transactions,23:1035−1038(1995)、Hurle and Gross,Curr.Op.Biotech.,5:428−433(1994)及びその中に引用される参考文献も参照されたい。

0081

ヒト抗体」は、ヒトによって産生され、及び/または本明細書に開示されるヒト抗体を作製するための技術のいずれかを使用して作製される抗体のアミノ酸配列に対応するアミノ酸配列を有する抗体である。ヒト抗体のこの定義は、非ヒト抗原結合残基を含むヒト化抗体を具体的に除外する。ヒト抗体は、ファージ提示ライブラリを含む当該技術分野において既知である様々な技術を使用して産生することができる。Hoogenboom and Winter,J.Mol.Biol.,227:381(1991)、Marks et al.,J.Mol.Biol.,222:581(1991)。Cole et al.,Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy,Alan R.Liss,p.77(1985)、Boerner et al.,J.Immunol.,147(1):86−95(1991)に記載の方法もまた、ヒトモノクローナル抗体の調製のために利用可能である。van Dijk and van de Winkel,Curr.Opin.Pharmacol.,5:368−74(2001)もまた参照されたい。ヒト抗体は、抗原負荷応答してそのような抗体を産生するように修飾されているが、その内因性遺伝子座が無効化されているトランスジェニック動物、例えば、免疫化異種マウスに抗原を投与することによって調製することができる(例えば、XENOMOUSE(商標)技術に関する米国特許第6,075,181号及び同第6,150,584号を参照されたい)。例えば、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術を介して生成されるヒト抗体に関するLi et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,103:3557−3562(2006)もまた参照されたい。

0082

本明細書で使用される場合、「超可変領域」、「HVR」、または「HV」という用語は、配列が超可変性であり、及び/または構造的に定義されたループを形成する抗体可変ドメインの領域を指す。一般に、抗体は6つの超可変領域を含み、このうち3つがVHにあり(H1、H2、H3)、3つがVLにある(L1、L2、L3)。いくつかの超可変領域記述法が使用されており、本明細書に包含される。Kabat相補性決定領域(CDR)は、配列可変性に基づくものであり、最も一般的に使用されている(Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,MD.(1991))。代わりに、Chothiaは、構造的ループの位置に言及する(Chothia and LeskJ.Mol.Biol.196:901−917(1987))。Kabat番号付け慣習を使用して番号付けされる場合、ChothiaのCDR−H1ループの末端は、ループの長さに応じてH32とH34との間で変動する(これは、Kabat番号付けのスキームがH35A及びH35Bに挿入を置くためであり、35Aまたは35Bのいずれも存在しない場合、ループは32で終了し、35Aのみが存在する場合、ループは33で終了し、35A及び35Bの両方が存在する場合、ループは34で終了する)。AbM超可変領域は、KabatのCDRとChothiaの構造的ループとの折衷案であり、Oxford MolecularのAbM抗体モデルソフトウェアによって使用されている。「接触」超可変領域は、利用可能な複合結晶構造の分析に基づく。これらの超可変領域の各々に由来する残基を、以下に記述する。

0083

超可変領域は、以下の「伸長超可変領域」、VLにおいて、24〜36または24〜34(L1)、46〜56または50〜56(L2)、及び89〜97(L3)、ならびにVHにおいて、26〜35B(H1)、50〜65、47〜65、または49〜65(H2)、及び93〜102、94〜102、または95〜102(H3)を含み得る。可変ドメイン残基は、これらの定義の各々について、Kabatら(上記)に従って番号付けされる。

0084

「フレームワーク」残基または「FR」残基は、本明細書に定義される超可変領域残基以外の可変ドメイン残基である。

0085

「Kabatにあるような可変ドメイン残基番号付け」または「Kabatにあるようなアミノ酸位置番号付け」という用語及びそれらの変形は、Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,MD.(1991)における抗体の編集物の重鎖可変ドメインまたは軽鎖可変ドメインに使用される番号付けシステムを指す。この番号付けシステムを使用する場合、実際の線状アミノ酸配列は、可変ドメインのFRもしくはCDRの短縮、またはそれへの挿入に対応するより少ないアミノ酸または追加のアミノ酸を含有し得る。例えば、重鎖可変ドメインは、H2の残基52の後に単一のアミノ酸挿入断片(Kabatによる残基52a)、ならびに重鎖FR残基82の後に挿入された残基(例えば、Kabatによる残基82a、82b、及び82cなど)を含み得る。残基のKabat番号付けは、「標準的な」Kabat番号付け配列との抗体の配列の相同性領域での整列によって所与の抗体について決定され得る。

0086

Kabat番号付けシステムは一般に、可変ドメイン内の残基(軽鎖の残基約1〜107及び重鎖の残基1〜113)に言及する際に使用される(例えば、Kabat et al.,Sequences of Immunological Interest.5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,Md.(1991)を参照されたい)。「EU番号付けシステム」または「EU指標」は一般に、免疫グロブリン重鎖定常領域内の残基に言及する際に使用される(例えば、Kabatら(上記)に報告されるEU指標)。「KabatにあるようなEU指標」は、ヒトIgG1 EU抗体の残基番号付けを指す。別段本明細書において述べられない限り、抗体の可変ドメイン内の残基番号への言及は、Kabat番号付けシステムによる残基番号付けを意味する。別段本明細書において述べられない限り、抗体の定常ドメイン内の残基番号への言及は、EU番号付けシステム(例えば、米国仮特許出願第60/640,323号、EU番号付けに関する図面を参照されたい)による残基番号付けを意味する。

0087

「親和性成熟」抗体は、その1つ以上のHVR内に1つ以上の改変を有し、これらの改変が、これらの改変(複数可)を有しない親抗体と比較して、抗原に対する抗体の親和性の改善をもたらす抗体である。好ましい親和性成熟抗体は、標的抗原に対してナノモルまたは更にはピコモルの親和性を有するであろう。親和性成熟抗体は、当該技術分野において既知である技術によって産生される。Marks et al.Bio/Technology10:779−783(1992)は、VH及びVLドメインシャフリングによる親和性成熟を記載している。HVR及び/またはフレームワーク残基のランダム変異原性は、Barbas et al.Proc Nat.Acad.Sci,USA 91:3809−3813(1994)、Schier et al.Gene 169:147−155(1995)、Yelton et al.J.Immunol.155:1994−2004(1995)、Jackson et al.,J.Immunol.154(7):3310−9(1995)、及びHawkins et al,J.Mol.Biol.226:889−896(1992)によって記載されている。

0088

結合親和性」は一般に、分子(例えば、抗体)とその結合パートナー(例えば、抗原)との単一結合部位間の非共有結合相互作用の合計の強度を指す。別段示されない限り、本明細書で使用される場合、「結合親和性」は、結合対メンバー(例えば、抗体及び抗原)間の1:1の相互作用を反映する固有の結合親和性を指す。分子XのそのパートナーYに対する親和性は一般に、解離定数(Kd)によって表すことができる。親和性は、本明細書に記載の方法を含む当該技術分野において既知の一般的な方法によって測定することができる。低親和性抗体は一般に、抗原に緩徐に結合し、容易に解離する傾向があるが、高親和性抗体は一般に、抗原により迅速に結合し、より長く結合したままである傾向がある。結合親和性を測定する様々な方法が当該技術分野において既知であり、これらのいずれも、本開示の目的のために使用することができる。具体的で例示的な実施形態を、以下に記載する。

0089

結合親和性を指すために本明細書で使用される場合、「またはそれより良好な」は、分子とその結合パートナーとの間のより強い結合を指す。本明細書で使用される場合、「またはそれより良好な」は、より小さなKd数値によって表されるより強い結合を指す。例えば、「.6nMまたはそれより良好な」抗原に対する親和性を有する抗体では、抗体の抗原に対する親和性は、.6nM未満、すなわち、.59nM、.58nM、.57nMなど、または.6nM未満の任意の値である。

0090

一実施形態において、本開示による「Kd」または「Kd値」は、一連滴定非標識抗原の存在下でFabを最小濃度の(125I)標識抗原平衡化し、その後抗Fab抗体コーティングプレートに結合した抗原を捕捉することによってFabの抗原に対する溶液結合親和性を測定する、以下のアッセイによって記載される、対象となる抗体のFabバージョン及びその抗原によって実行される放射標識抗原結合アッセイ(RIA)によって測定される(Chen,et al.,(1999)J.Mol Biol293:865−881)。このアッセイのための条件を確立するために、マイクロタイタープレート(Dynex)を50mMの炭酸ナトリウム(pH9.6)中5μg/mlの捕捉抗Fab抗体(CappelLabs)で一晩コーティングし、その後PBS中2重量体積%のウシ血清アルブミンで、室温(およそ23℃)で2〜5時間遮断する。非吸着性プレート(Nunc番号269620)内で、100pMまたは26pMの[125I]抗原を、対象となるFabの段階希釈液と混合する(例えば、Presta et al.,(1997)Cancer Res.57:4593−4599における抗VEGF抗体、Fab−12の評価と一貫)。その後、対象となるFabを一晩インキュベートするが、インキュベーションをより長い期間(例えば、65時間)継続して、平衡に到達することを確実にしてもよい。その後、混合物を、室温でのインキュベーション(例えば、1時間)のため、捕捉プレートに移す。その後、溶液を除去し、PBS中0.1%のTween−20でプレートを8回洗浄する。プレートが乾燥したら、150μl/ウェルシンチラント(MicroScint−20、Packard)を添加し、プレートをTOPCOUNT(商標)ガンマ計数器(Packard)で10分間計数する。20%以下の最大結合をもたらす各Fabの濃度を、競合結合アッセイにおいて使用するために選択する。

0091

別の実施形態によると、「Kd」または「Kd値」は、BIAcore(商標)2000またはBIAcore(商標)3000(BIAcore,Inc.,Piscataway,NJ)を使用した表面プラスモン共鳴アッセイを使用して、25℃で、約10応答単位(RU)で固定化した抗原CM5チップを用いて測定される。簡潔には、カルボキシメチル化デキストランバイオセンサーチップ(CM5、BIAcore Inc.)を、供給業者の指示に従って、N−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩(EDC)及びN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)を用いて活性化させる。抗原を10mMの酢酸ナトリウム(pH4.8)で5ug/ml(約0.2uM)に希釈してから、5ul/分の流量で注射して、およそ10応答単位(RU)の共役タンパク質を達成する。抗原の注射後、1Mのエタノールアミンを注射して、未反応基を遮断する。動態測定のために、Fabの2倍段階希釈液(0.78nM〜500nM)を、0.05%のTween20を有するPBS(PBST)中に、およそ25ul/分の流量、25℃で注射する。会合速度(kon)及び解離速度(koff)を、単純な1対1ラングミュア結合モデル(BIAcore Evaluation Softwareバージョン3.2)を使用して、会合センサーグラム及び解離センサーグラムを同時適合することによって計算する。平衡解離定数(Kd)を、koff/kon比として計算する。例えば、Chen,Y.,et al.,(1999)J.Mol Biol293:865−881を参照されたい。上記の表面プラスモン共鳴アッセイによる結合速度が106M−1S−1を超える場合、結合速度は、ストップトフローを備えた分光光度計(Aviv Instruments)または撹拌レッドキュベットを備えた8000シリーズSLM−Aminco分光光度計(ThermoSpectronic)などの分光計で測定して、増加する抗原濃度の存在下、25℃で、PBS中20nMの抗抗原抗体(Fab形態)(pH7.2)の蛍光発光強度励起=295nm、発光=340nm、16nmの帯域通過)の増加または減少を測定する蛍光消光技術を使用することによって決定することができる。

0092

本開示による「結合速度」または「会合の速度」または「会合速度」または「kon」はまた、上述のBIAcore(商標)2000またはBIAcore(商標)3000(BIAcore,Inc.,Piscataway,NJ)を使用して、上述の同じ表面プラスモン共鳴技術で決定することもできる。

0093

本明細書で使用される場合、「実質的に同様の」または「実質的に同じ」という語句は、2つの数値(一般に、一方は本開示の抗体に関連し、他方は基準/比較用抗体に関連する)間の十分に高い程度の類似性を意味し、これは、当業者が、2つの値の間の差異を、該値(例えば、Kd値)によって測定される生物学的特徴の文脈において生物学的及び/または統計的有意性がほとんどまたは全くないものと見なすようなものである。該2つの値の間の差異は、基準/比較用抗体に関する値の関数として、好ましくは約50%未満、好ましくは約40%未満、好ましくは約30%未満、好ましくは約20%未満、好ましくは約10%未満である。

0094

本明細書で使用される場合、「実質的に低減した」または「実質的に異なる」という語句は、2つの数値(一般に、一方は本開示の抗体に関連し、他方は基準/比較用抗体に関連する)間の十分に高い度合いの差異を表し、これは、当業者が、2つの値の間の差異を、該値(例えば、Kd値、HAMA応答)によって測定される生物学的特徴の文脈において統計的有意性があるものと見なすようなものである。該2つの値の間の差異は、基準/比較用抗体に関する値の関数として、好ましくは約10%超、好ましくは約20%超、好ましくは約30%超、好ましくは約40%超、好ましくは約50%超である。

0095

本明細書における目的のための「アクセプターヒトフレームワーク」は、ヒト免疫グロブリンフレームワーク由来またはヒトコンセンサスフレームワーク由来のVLフレームワークまたはVHフレームワークのアミノ酸配列を含むフレームワークである。ヒト免疫グロブリンフレームワークまたはヒトコンセンサスフレームワーク「由来の」アクセプターヒトフレームワークは、それと同じアミノ酸配列を含んでも、既存のアミノ酸配列変化を含有してもよい。既存のアミノ酸変化が存在する場合、好ましくは5個以下、及び好ましくは4個以下または3個以下の既存のアミノ酸変化が存在する。既存のアミノ酸変化がVHにおいて存在する場合、好ましくはそれらの変化は、71H位、73H位、及び78H位のうちの3つ、2つ、または1つのみにあり、例えば、それらの位置のアミノ酸残基は、71A、73T、及び/または78Aであり得る。一実施形態において、VLアクセプターヒトフレームワークの配列は、VLヒト免疫グロブリンフレームワーク配列またはヒトコンセンサスフレームワーク配列と同一である。

0096

「ヒトコンセンサスフレームワーク」は、ヒト免疫グロブリンVLまたはVHフレームワーク配列の選択において最も一般的に生じるアミノ酸残基を表すフレームワークである。一般に、ヒト免疫グロブリンVLまたはVH配列の選択は、可変ドメイン配列下位群からのものである。一般に、配列の下位群は、Kabatらにあるような下位群である。一実施形態において、VLについて、下位群は、Kabatらにあるような下位群カッパIである。一実施形態において、VHについて、下位群は、Kabatらにあるような下位群IIIである。

0097

「VH下位群IIIコンセンサスフレームワーク」は、Kabatらの可変重下位群III内のアミノ酸配列から得られるコンセンサス配列を含む。一実施形態において、VH下位群IIIコンセンサスフレームワークアミノ酸配列は、以下の配列、EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAAS(配列番号11)−H1−WVRQAPGKGLEWV(配列番号12)−H2−RFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYC(配列番号145)−H3−WGQGTVTSS(配列番号13)の各々の少なくとも一部分または全部を含む。

0098

「VL下位群Iコンセンサスフレームワーク」は、Kabatらの可変軽カッパ下位群I内のアミノ酸配列から得られるコンセンサス配列を含む。一実施形態において、VL下位群Iコンセンサスフレームワークアミノ酸配列は、以下の配列、DIQMTSPSSSASVGDRVTITC(配列番号14)−L1−WYQQKPGKAPKLLIY(配列番号15)−L2−GVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYC(配列番号141)−L3−FGQGTKVEIKR(配列番号16)の各々の少なくとも一部分または全部を含む。

0099

「未修飾のヒトフレームワーク」は、アクセプターヒトフレームワークと同じアミノ酸配列を有し、例えば、アクセプターヒトフレームワーク内のヒトから非ヒトへのアミノ酸置換(複数可)を欠くヒトフレームワークである。

0100

抗CD79b免疫複合体またはCD79b「に結合する」抗体は、抗体が、抗原を発現する細胞または組織を標的とする上で治療剤として有用であり、かつ他のタンパク質と有意には交差反応しないように十分な親和性でCD79b抗原に結合する抗体である。そのような実施形態において、抗体の「非標的」タンパク質への結合の程度は、蛍光活性細胞選別FACS)分析または放射性免疫沈降法(RIA)によって決定して、抗体のその特定の標的タンパク質への結合の約10%未満である。抗体の標的分子への結合に関して、特定のポリペプチドまたは特定のポリペプチド標的上のエピトープへの「特異的結合」またはそれ「に特異的に結合する」またはそれ「に特異的である」という用語は、非特異的相互作用とは測定可能に異なる結合を意味する。特異的結合は、例えば、一般に結合活性を有しない同様の構造の分子である対照分子の結合との比較での、分子の結合を決定することによって測定することができる。例えば、特異的結合は、標的に類似した対照分子、例えば、過剰な非標識標的との競合によって決定することができる。この場合、標識標的プローブへの結合が、過剰な非標識標的によって競合的に阻害される場合に、特異的結合が示される。本明細書で使用される場合、特定のポリペプチドまたは特定のポリペプチド標的上のエピトープへの「特異的結合」またはそれ「に特異的に結合する」またはそれ「に特異的である」という用語は、例えば、標的に対して、少なくとも約10−4M、あるいは少なくとも約10−5M、あるいは少なくとも約10−6M、あるいは少なくとも約10−7M、あるいは少なくとも約10−8M、あるいは少なくとも約10−9M、あるいは少なくとも約10−10M、あるいは少なくとも約10−11M、あるいは少なくとも約10−12M、またはそれ以上のKdを有する分子によって呈され得る。一実施形態において、「特異的結合」という用語は、抗体が、いかなる他のポリペプチドまたはポリペプチドエピトープにも実質的に結合することなく、CD79bポリペプチド上のエピトープに結合する結合を指す。

0101

抗体の「エフェクター機能」は、抗体のFc領域(天然配列Fc領域またはアミノ酸配列バリアントFc領域)起因する生物学的活性を指し、抗体のアイソタイプに応じて変動する。抗体のエフェクター機能の例としては、C1q結合及び補体依存性細胞毒性、Fc受容体結合、抗体依存性細胞媒介性細胞毒性(ADCC)、食作用細胞表面受容体(例えば、B細胞受容体)の下方制御、ならびにB細胞活性化が挙げられる。

0102

本明細書における「Fc領域」という用語は、天然配列Fc領域及びバリアントFc領域を含む、免疫グロブリン重鎖C末端領域を定義するために使用される。免疫グロブリン重鎖のFc領域の境界は変動し得るが、ヒトIgG重鎖Fc領域は通常、Cys226位のアミノ酸残基から、またはPro230から、そのカルボキシル末端まで伸びると定義される。Fc領域のC末端リジン(EU番号付けシステムによる残基447)は、例えば、抗体の産生もしくは精製中に、または抗体の重鎖をコードする核酸組み換え操作することによって除去されてもよい。したがって、インタクト抗体の組成物は、全K447残基が除去された抗体集団、K447残基が除去されていない抗体集団、及びK447残基を有する抗体とK447残基を有しない抗体との混合物を有する抗体集団を含み得る。

0103

「機能的Fc領域」は、天然配列Fc領域の「エフェクター機能」を有する。例示的な「エフェクター機能」としては、C1q結合、CDC、Fc受容体結合、ADCC、食作用、細胞表面受容体(例えば、B細胞受容体、BCR)の下方制御などが挙げられる。そのようなエフェクター機能は一般に、Fc領域と結合ドメイン(例えば、抗体可変ドメイン)との組み合わせを必要とし、例えば、本明細書の定義に開示される様々なアッセイを使用して評価することができる。

0104

「天然配列Fc領域」は、天然に見出されるFc領域のアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列を含む。天然配列ヒトFc領域としては、天然配列ヒトIgG1 Fc領域(非A及びAアロタイプ)、天然配列ヒトIgG2 Fc領域、天然配列ヒトIgG3 Fc領域、及び天然配列ヒトIgG4 Fc領域、ならびにそれらの天然に存在するバリアントが挙げられる。

0105

「バリアントFc領域」は、少なくとも1つのアミノ酸修飾、好ましくは1つ以上のアミノ酸置換(複数可)のために天然配列Fc領域のものとは異なるアミノ酸配列を含む。好ましくは、バリアントFc領域は、天然配列Fc領域または親ポリペプチドのFc領域と比較して、少なくとも1つのアミノ酸置換、例えば、天然配列Fc領域内または親ポリペプチドのFc領域内に約1〜約10個のアミノ酸置換、及び好ましくは約1〜約5個のアミノ酸置換を有する。本明細書におけるバリアントFc領域は、好ましくは天然配列Fc領域及び/または親のポリペプチドのFc領域と少なくとも約80%の相同性、ならびに最も好ましくはそれらと少なくとも約90%の相同性、より好ましくはそれらと少なくとも約95%の相同性を有する。

0106

「抗体依存性細胞媒介性細胞毒性」または「ADCC」は、ある特定の細胞毒性細胞(例えば、ナチュラルキラー(NK)細胞、好中球、及びマクロファージ)に存在するFc受容体(FcR)に分泌型Igが結合することにより、これらの細胞毒性エフェクター細胞抗原保有標的細胞に特異的に結合し、その後細胞毒により標的細胞を殺滅することが可能になる、細胞毒性の形態を指す。抗体は、細胞毒性細胞を「備え」ており、そのような殺滅には絶対的に必要とされる。ADCCを媒介するための初代細胞であるNK細胞が、FcγRIIIのみを発現する一方で、単球は、FcγRI、FcγRII、及びFcγRIIIを発現する。造血細胞でのFcR発現は、Ravetch and Kinet,Annu.Rev.Immunol.9:457−92(1991)の464頁の表3に要約されている。対象となる分子のADCC活性を評価するために、米国特許第5,500,362号または同第5,821,337号に記載のものなどのインビトロADCCアッセイを実行してもよい。そのようなアッセイに有用なエフェクター細胞には、末梢血単核細胞(PBMC)及びナチュラルキラー(NK)細胞が含まれる。あるいは、または加えて、対象となる分子のADCC活性は、インビボで、例えば、Clynes et al.(USA)95:652−656(1998)に開示されるものなどの動物モデルにおいて評価されてもよい。

0107

「Fc受容体」または「FcR」は、抗体のFc領域に結合する受容体を説明する。好ましいFcRは、天然配列ヒトFcRである。更に、好ましいFcRは、IgG抗体ガンマ受容体)に結合するものであり、FcγRI、FcγRII、及びFcγRIIIサブクラスの受容体(これらの受容体のアレルバリアント及び代替的にはスプライシング形態を含む)を含む。FcγRII受容体には、FcγRIIA「活性化受容体」)及びFcγRIIB(「阻害受容体」)が含まれ、これらは、主にそれらの細胞質ドメインが異なる、類似したアミノ酸配列を有する。活性化受容体FcγRIIAは、その細胞質ドメインに免疫受容体チロシン系活性化モチーフ(ITAM)を含有する。阻害受容体FcγRIIBは、その細胞質ドメインに免疫受容体チロシン系阻害モチーフ(ITIM)を含有する。(M.in Daeron,Annu.Rev.Immunol.15:203−234(1997)の概説を参照されたい)。FcRは、Ravetch and Kinet,Annu.Rev.Immunol.9:457−492(1991)、Capelet al.,Immunomethods4:25−34(1994)、及びde Haas et al.,J.Lab.Clin.Med.126:330−41(1995)に概説されている。今後特定されるFcRを含む他のFcRが、本明細書において「FcR」という用語によって包含される。この用語はまた、母体IgGの胎児への移行に関与する新生児受容体FcRnも含む(Guyer et al.,J.Immunol.117:587(1976)及びKim et al.,J.Immunol.24:249(1994))。

0108

インビボでのヒトFcRnへの結合及びヒトFcRn高親和性結合ポリペプチド血清半減期は、例えば、ヒトFcRnを発現するトランスジェニックマウスもしくはトランスフェクトヒト細胞株において、またはバリアントFc領域を有するポリペプチドが投与される霊長類においてアッセイすることができる。WO2000/42072(Presta)は、FcRへの結合が改善または減少した抗体バリアントについて記載している。例えば、Shieldset al.J.Biol.Chem.9(2):6591−6604(2001)もまた参照されたい。

0109

「ヒトエフェクター細胞」は、1つ以上のFcRを発現し、エフェクター機能を実行する白血球である。好ましくは、この細胞は、少なくともFcγRIIIを発現し、ADCCエフェクター機能を実行する。ADCCを媒介するヒト白血球の例としては、末梢血単核細胞(PBMC)、ナチュラルキラー(NK)細胞、単球、細胞毒性T細胞、及び好中球が挙げられ、PBMC及びNK細胞が好ましい。エフェクター細胞は、天然源、例えば、血液から単離され得る。

0110

「補体依存性細胞毒性」または「CDC」は、補体の存在下での標的細胞の溶解を指す。古典的補体経路の活性化は、補体系の第1の構成成分(C1q)が(適切なサブクラスの)抗体に結合することにより開始され、これらの抗体にはそれらの同族抗原が結合する。補体活性化を評価するために、例えば、Gazzano−Santoro et al.,J.Immunol.Methods202:163(1996)に記載のCDCアッセイを実行することができる。改変されたFc領域アミノ酸配列及び増加または減少したC1q結合能力を有するポリペプチドバリアント(バリアントFc領域を有するポリペプチド)については、例えば、米国特許第6,194,551B1号及びWO1999/51642に記載されている。例えば、Idusogie et al.J.Immunol.164:4178−4184(2000)を参照されたい。

0111

「Fc領域を含む抗体」という用語は、Fc領域を含む抗体を指す。Fc領域のC末端リジン(EU番号付けシステムによる残基447)は、例えば、抗体の精製中に、または抗体をコードする核酸を組み換え操作することによって除去されてもよい。したがって、本開示によるFc領域を有する抗体を含む組成物は、K447を有する抗体、全K447が除去された抗体、またはK447残基を有する抗体とK447残基を有しない抗体との混合物を含んでもよい。

0112

本明細書における「B細胞表面マーカー」または「B細胞表面抗原」は、B細胞に結合するアンタゴニストで標的とすることができるB細胞の表面上に発現される抗原であり、これには、リガンドの天然に存在するB細胞抗原への結合を弱めることができるB細胞表面抗原または可溶性形態B細胞表面抗原に対する抗体が含まれるが、これらに限定されない。例示的なB細胞表面マーカーとしては、CD10、CD19、CD20、CD21、CD22、CD23、CD24、CD37、CD40、CD53、CD72、CD73、CD74、CDw75、CDw76、CD77、CDw78、CD79a、CD79b、CD80、CD81、CD82、CD83、CDw84、CD85、及びCD86白血球表面マーカー(説明については、The Leukocyte Antigen Facts Book,2nd Edition.1997,ed.Barclay et al.Academic Press,Harcourt Brace&Co.,New Yorkを参照されたい)が挙げられる。他のB細胞表面マーカーとしては、RP105、FcRH2、B細胞CR2、CCR6、P2X5、HLADOB、CXCR5、FCER2、BR3、BAFF、BLyS、Btig、NAG14、SLGC16270、FcRH1、IRTA2、ATWD578、FcRH3、IRTA1、FcRH6、BCMA、及び239287が挙げられる。特に対象となるB細胞表面マーカーは、哺乳動物の他の非B細胞組織と比較してB細胞上で優先的に発現され、前駆B細胞及び成熟B細胞上の両方で発現され得る。

0113

「がん」及び「がん性」という用語は、典型的に未制御の細胞成長を特徴とする哺乳動物の生理学病態を指すか、または説明する。がんの例としては、リンパ腫、白血病、骨髄腫、またはリンパ系腫瘍などの造血系がんまたは血液関連がんだけでなく、脾臓癌及びリンパ節癌、ならびに癌腫芽細胞腫、及び肉腫も挙げられるが、これらに限定されない。がんのより具体的な例には、例えば、高、中、及び低悪性度リンパ腫(例えば、粘膜関連リンパ系組織B細胞リンパ腫及び非ホジキンリンパ腫(NHL)、マントル細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、小リンパ球性リンパ腫、辺縁帯リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、及びホジキンリンパ腫などのB細胞リンパ腫、ならびにT細胞リンパ腫を含む)と、白血病(二次性白血病、慢性リンパ球性白血病(CLL)(B細胞白血病(CD5+Bリンパ球)など)、骨髄性白血病急性骨髄性白血病慢性骨髄性白血病など)、リンパ性白血病急性リンパ芽球性白血病(ALL)など)、及び脊髄形成異常症を含む)とを含むB細胞関連がん、ならびに他の血液がん及び/またはB細胞関連がんもしくはT細胞関連がんが含まれる。好塩基球好酸球、好中球、及び単球などの多形核白血球樹状細胞血小板赤血球、ならびにナチュラルキラー細胞を含む、追加の造血細胞のがんもまた含まれる。以下、リンパ腫、非ホジキンリンパ腫(NHL)、侵攻性NHL、再発性侵攻性NHL、再発性緩慢性NHL、難治性NHL、難治性緩慢性NHL、慢性リンパ球性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫、白血病、有毛細胞白血病(HCL)、急性リンパ球性白血病(ALL)、DLBCL、再発性/難治性DLBCL、FL、及びマントル細胞リンパ腫から選択されるがん性B細胞増殖性障害もまた含まれる。B細胞がんの起源には、以下のものが含まれ、辺縁帯B細胞リンパ腫は辺縁帯のメモリーB細胞内に起こり、濾胞性リンパ腫及びびまん性大細胞型B細胞リンパ腫は胚中心の明調域の中心細胞内に起こり、慢性リンパ球性白血病及び小リンパ球性白血病はB1細胞(CD5+)内に起こり、マントル細胞リンパ腫は外套帯のナイーブB細胞内に起こり、バーキットリンパ腫は胚中心の暗調域の中心芽細胞内に起こる。本明細書において「造血細胞組織」と称される造血細胞を含む組織としては、胸腺及び骨髄、ならびに末梢リンパ系組織(脾臓、リンパ節、粘膜に関連するリンパ系組織(腸管関連リンパ系組織扁桃パイエル板、及び虫垂、ならびに他の粘膜に関連するリンパ系組織、例えば、気管支内層など)など)が挙げられる。そのようながんの更に具体的な例としては、扁平上皮細胞癌小細胞肺癌非小細胞肺癌腺癌、肺の扁平上皮癌腹膜の癌、肝細胞癌消化管癌膵臓癌神経膠腫子宮頸癌卵巣癌肝臓癌膀胱癌肝細胞腫乳癌結腸癌結腸直腸癌小腸癌、子宮内膜癌または子宮癌唾液腺癌、腎臓癌、肝臓癌、前立腺癌外陰部癌、甲状腺癌、肝臓癌、白血病及び他のリンパ増殖性障害、ならびに様々な種類の頭頸部癌が挙げられる。

0114

本明細書における「B細胞悪性腫瘍」または「B細胞増殖性障害」としては、低悪性度/濾胞性NHL、小リンパ球性(SL)NHL、中悪性度/濾胞性NHL、中悪性度びまん性NHL、高悪性度免疫芽球性NHL、高悪性度リンパ芽球性NHL、高悪性度小型非開裂細胞性NHL、巨大病変性NHL、マントル細胞リンパ腫、AIDS関連リンパ腫、及びヴァルデンストレームマクログロブリン血症、非ホジキンリンパ腫(NHL)、DLBCL、再発性/難治性DLBCL、FL、リンパ球優位ホジキン病LPHD)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、及び緩慢性NHL(再発性緩慢性NHL及びリツキシマブ不応性緩慢性NHLを含む)を含む、非ホジキンリンパ腫(NHL);急性リンパ芽球性白血病(ALL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、有毛細胞白血病、慢性骨髄芽球性白血病を含む、白血病;マントル細胞リンパ腫;ならびに他の血液学的悪性腫瘍が挙げられる。そのような悪性腫瘍は、CD79bなどのB細胞表面マーカーに対して指向された抗体で治療することができる。そのような疾患は、CD79bなどのB細胞表面マーカーに対して指向された抗体の投与によって治療されることが本明細書において企図され、複合体化されていない(「ネイキッド」)抗体または本明細書に開示される細胞毒性剤に複合体化される抗体の投与を含む。そのような疾患は、同時にまたは連続して投与される、別の抗体または抗体薬物複合体、別の細胞毒性剤、放射線または他の治療との併用での、本開示の抗CD79b抗体または抗CD79b抗体薬物複合体を含む、併用療法によって治療されることもまた本明細書において企図される。本開示の例示的な治療法において、本開示の抗CD79b抗体は、抗CD20抗体、免疫グロブリン、またはそのCD20結合断片との併用で、一緒にまたは連続的にかのいずれかで投与される。抗CD20抗体は、ネイキッド抗体または抗体薬物複合体であり得る。併用療法の一実施形態において、抗CD79b抗体は本開示の抗体であり、抗CD20抗体はRituxan(登録商標)(リツキシマブ)である。

0115

本明細書で使用される場合、「非ホジキンリンパ腫」または「NHL」という用語は、ホジキンリンパ腫以外のリンパ系のがんを指す。ホジキンリンパ腫は一般に、ホジキンリンパ腫におけるリード・シュテルベルク細胞の存在、及び非ホジキンリンパ腫における該細胞の不在によって、非ホジキンリンパ腫と区別することができる。本明細書で使用される場合、この用語によって包含される非ホジキンリンパ腫の例には、Color Atlas of Clinical Hematology(3rd edition),A.Victor Hoffbrand and John E.Pettit(eds.)(Harcourt Publishers Ltd.,2000)に記載のRevised European−American Lymphoma(REAL)スキームなどの当該技術分野において既知である分類スキームに従って、当業者(例えば、腫瘍学者または病理学者)によってそのように特定されるもの全てが含まれる。特に、図11.57、11.58、及び11.59の一覧を参照されたい。より具体的な例としては、再発性または難治性NHL、フロントライン低悪性度NHL、第III/IV病期NHL、化学療法耐性NHL、前駆Bリンパ芽球性白血病及び/またはリンパ腫、小リンパ球性リンパ腫、B細胞慢性リンパ球性白血病及び/または前リンパ球性白血病及び/または小リンパ球性リンパ腫、B細胞前リンパ球性リンパ腫免疫細胞腫及び/またはリンパ形質細胞性リンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫、辺縁帯B細胞リンパ腫、脾臓辺縁帯リンパ腫、節外性辺縁帯−MALTリンパ腫、結節性辺縁帯リンパ腫、有毛細胞白血病、形質細胞腫及び/または形質細胞骨髄腫、低悪性度/濾胞性リンパ腫、中悪性度/濾胞性NHL、マントル細胞リンパ腫、濾胞中心リンパ腫(濾胞性リンパ腫)、中悪性度びまん性NHL、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、再発性/難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、侵攻性NHL(侵攻性フロントラインNHL及び侵攻性再発性NHLを含む)、自家幹細胞移植後に再発するNHLまたはそれに対して不応性のNHL、縦隔原発B細胞性大細胞型リンパ腫、原発性滲出液リンパ腫、高悪性度免疫芽球性NHL、高悪性度リンパ芽球性NHL、高悪性度小型非開裂細胞性NHL、巨大病変性NHL、バーキットリンパ腫、前駆(末梢)大顆粒リンパ球性白血病、菌状息肉腫及び/またはセザリー症候群、皮膚(skin)(皮膚(cutaneous))リンパ腫、未分化大細胞型リンパ腫、血管中心性リンパ腫が挙げられるが、これらに限定されない。

0116

「障害」は、本開示の物質/分子または方法による治療から利益を受ける可能性がある任意の病態である。これには、哺乳動物を問題の障害に罹患しやすくする病理学的状態を含む慢性及び急性障害または疾患が含まれる。本明細書において治療される障害の非限定的な例としては、悪性腫瘍及び良性腫瘍などのがん性病態;非白血病及びリンパ系腫瘍;神経細胞障害膠細胞障害、星状細胞障害、視床下部及び他の腺性障害、マクロファージ障害、上皮障害、間質障害、胞胚腔障害;ならびに炎症性障害免疫障害、及び他の血管新生関連障害が挙げられる。障害には、B細胞増殖性障害及び/またはB細胞腫瘍、例えば、リンパ腫、非ホジキンリンパ腫(NHL)、侵攻性NHL、再発性侵攻性NHL、再発性緩慢性NHL、難治性NHL、難治性緩慢性NHL、慢性リンパ球性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫、白血病、有毛細胞白血病(HCL)、急性リンパ球性白血病(ALL)、及びマントル細胞リンパ腫などのがん性病態が更に含まれる。

0117

細胞増殖性障害」及び「増殖性障害」という用語は、ある程度の異常な細胞増殖に関連する障害を指す。一実施形態において、増殖性障害は、がんである。いくつかの実施形態において、がんは、B細胞増殖性障害である。

0118

本明細書で使用される場合、「腫瘍」は、悪性良性かに関わらず、全ての新生物細胞成長及び増殖、ならびに全ての前がん性及びがん性細胞及び組織を指す。

0119

「治療する」または「治療」または「緩和」という用語は、治療的処置と予防的または防止的処置との両方を指し、その目的は、標的とする病理学的状態または障害を予防または減速(緩和)することである。治療を必要とする者には、既に障害を有する者だけでなく、障害を発症しやすい者または障害を予防する必要がある者も含まれる。本開示の方法に従って治療量の抗CD79b抗体を受けた後、患者が、以下、がん細胞の数の低減もしくはがん細胞の不在;腫瘍サイズの低減;軟組織及び骨へのがんの伝播を含む、末梢器官へのがん細胞浸潤の阻害(すなわち、ある程度の減速及び好ましくは停止);腫瘍転移の阻害(すなわち、ある程度の減速及び好ましくは停止);腫瘍成長のある程度の阻害;及び/または特定のがんに関連する症状のうちの1つ以上のある程度の軽減;罹患率及び死亡率の低減、ならびに生活の質の問題の改善のうちの1つ以上の観察可能及び/または測定可能な低減または不在を示す場合に、対象または哺乳動物は、CD79bポリペプチド発現がんの「治療」に成功している。抗CD79b抗体が既存のがん細胞の成長の予防及び/またはそれらの殺滅を行うことができる限り、それは細胞増殖抑制性及び/または細胞毒性であり得る。これらの兆候または症状の低減はまた、患者によっても感じられる可能性がある。

0120

治療の成功及び疾患の改善を評価するための上記のパラメータは、医師に知られた通例の手順によって容易に測定可能である。がん療法では、有効性は、例えば、疾患進行までの時間(TTP)の評価及び/または奏効率(RR)の決定によって測定することができる。転移は、進行度診断試験によって、骨スキャンならびに骨への伝播を決定するためのカルシウムレベル及び他の酵素試験によって、決定することができる。その領域内の骨盤及びリンパ節への伝播を探すために、CTスキャンを行ってもよい。肺及び肝臓への転移を探すためには、それぞれ胸部X線及び既知の方法による肝臓酵素レベルの測定が使用される。疾患を監視するための他の通例の方法としては、経直腸的超音波検査(TRUS)及び経直腸的針生検(TRNB)が挙げられる。

0121

より限局性のがんである膀胱癌の場合、疾患の進行を決定するための方法には、膀胱鏡検査による尿細胞評価、尿中の血液の存在の監視、超音波検査または経静脈腎盂造影による尿路上皮管の可視化コンピュータ断層撮影(CT)、及び磁気共鳴画像法MRI)が含まれる。遠隔転移の存在は、腹部CT、胸部X線、または骨格放射性核種画像法によって評価することができる。

0122

「慢性」投与は、急性の様式に対して、初期治療効果(活性)を長期間維持するような連続的な様式での薬剤(複数可)の投与を指す。「間欠的」投与は、中断なく連続的に行うのではなく、むしろ周期的な性質の治療である。

0123

「個体」または「対象」または「患者」は、脊椎動物である。ある特定の実施形態において、脊椎動物は、哺乳動物である。哺乳動物には、家畜動物ウシなど)、競技動物愛玩動物ネコイヌ、及びウマなど)、霊長類、マウス、ならびにラットが含まれるが、これらに限定されない。ある特定の実施形態において、哺乳動物は、ヒトである。

0124

1つ以上の更なる治療剤「との併用での」投与は、同時(同時期)及び任意の順序の連続的な投与を含む。

0125

本明細書で使用される場合、「担体」には、用いられる投与量及び濃度で曝露されている細胞または哺乳動物にとって無毒である、薬学的に許容される担体、賦形剤、または安定剤が含まれる。多くの場合、生理学的に許容される担体は、pH緩衝水溶液である。生理学的に許容される担体の例としては、リン酸クエン酸、及び他の有機酸などの緩衝液;アスコルビン酸を含む抗酸化剤;低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;血清アルブミンゼラチン、もしくは免疫グロブリンなどのタンパク質;ポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマーグリシングルタミンアスパラギンアルギニン、もしくはリジンなどのアミノ酸;単糖類二糖類、及び他の炭水化物グルコースマンノース、もしくはデキストリンを含む);EDTAなどのキレート剤;マンニトールもしくはソルビトールなどの糖アルコールナトリウムなどの塩形成対イオン;及び/またはTWEEN(登録商標)、ポリエチレングリコール(PEG)、及びPLURONICS(登録商標)などの非イオン性界面活性剤が挙げられる。

0126

「薬学的組成物」または「薬学的製剤」という用語は、活性成分の生物学的活性が有効になるような形態にあり、製剤が投与される対象にとって許容できないほど有毒である追加の構成成分を何ら含有しない、抗CD79b免疫複合体の調製物を指す。そのような製剤は、滅菌である。「薬学的に許容される」賦形剤(ビヒクル添加剤)は、対象哺乳動物に適度に投与されて、用いられる有効用量の活性成分を提供することができるものである。

0127

「滅菌」製剤は、無菌であるか、または全ての生存微生物及びそれらの胞子を含まないか、もしくはそれらを本質的に含まない。

0128

本明細書に開示される「有効量」の抗CD79b免疫複合体は、具体的に述べられた目的を実行するのに十分な量である。「有効量」は、述べられた目的に関して、経験的に及び通例の様式で決定することができる。

0129

「治療有効量」という用語は、対象または哺乳動物において疾患または障害を「治療する」のに有効な抗CD79b免疫複合体の量を指す。がんの場合、治療有効量の免疫複合体は、がん細胞の数を低減、腫瘍サイズを低下、末梢器官へのがん細胞浸潤を阻害(すなわち、ある程度の減速及び好ましくは停止)、腫瘍転移を阻害(すなわち、ある程度の減速及び好ましくは停止)、腫瘍成長をある程度阻害、及び/またはがんに関連する症状のうちの1つ以上をある程度軽減することができる。本明細書における「治療する」の定義を参照されたい。免疫複合体が既存のがん細胞の成長の予防及び/またはそれらの殺滅を行うことができる限り、それは細胞増殖抑制性及び/または細胞毒性であり得る。「予防有効量」は、必要な投与量及び投与期間で、所望の予防的結果を達成するのに有効な量を指す。典型的であって必ずしもそうではないが、疾患の早期段階前または早期段階で予防用量が対象において使用されるため、予防有効量は、治療有効量よりも少ないであろう。

0130

成長阻害量」の抗CD79b免疫複合体は、インビトロまたはインビボのいずれかで、細胞、特に腫瘍(例えば、がん細胞)の成長を阻害することができる量を指す。新生物細胞成長を阻害する目的のための「成長阻害量」の抗CD79b免疫複合体は、経験的に及び通例の様式で決定することができる。

0131

「細胞毒性量」の抗CD79b免疫複合体は、インビトロまたはインビボのいずれかで、細胞、特に腫瘍(例えば、がん細胞)の破壊を引き起こすことができる量を指す。新生物細胞成長を阻害する目的のための「細胞毒性量」の抗CD79b抗体は、経験的に及び通例の様式で決定することができる。

0132

「CD79b発現細胞」は、細胞表面上でまたは分泌型形態のいずれかで、内因性またはトランスフェクトCD79bポリペプチドを発現する細胞である。「CD79b発現がん」は、細胞表面上にCD79bポリペプチドが存在する細胞、またはCD79bポリペプチドを産生もしくは分泌する細胞を含むがんである。「CD79b発現がん」は、任意で、十分なレベルのCD79bポリペプチドをその細胞表面上に産生しており、結果として、抗CD79b抗体がそれに結合し、そのがんに対して治療効果を有することができるようなものである。別の実施形態において、「CD79b発現がん」は、任意で、十分なレベルのCD79bポリペプチドを産生及び分泌しており、結果として、抗CD79b抗体アンタゴニストがそれに結合し、そのがんに対して治療効果を有することができるようなものである。後者に関して、アンタゴニストは、腫瘍細胞による分泌型CD79bポリペプチドの産生及び分泌を低減、阻害、または予防することができるアンチセンスオリゴヌクレオチドであり得る。CD79bポリペプチドを「過剰発現する」がんは、同じ組織型の非がん性細胞と比較して、より高いレベルのCD79bポリペプチドをその細胞表面上に有するか、または産生及び分泌するがんである。そのような過剰発現は、遺伝子の増幅によって、または転写もしくは翻訳の増加によって引き起こされ得る。CD79bポリペプチドの過剰発現は、(例えば、組み換えDNA技術を使用してCD79bポリペプチドをコードする単離核酸から調製され得る単離CD79bポリペプチドに対して調製した抗CD79b抗体を使用する、免疫組織化学アッセイ、FACS分析などを介して)細胞表面上に存在するか、またはその細胞によって分泌されるCD79bタンパク質のレベルの増加を評価することによって、検出または予後アッセイにおいて決定することができる。あるいは、または加えて、例えば、CD79bをコードする核酸またはその補体に対応する核酸系プローブを使用する蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH、1998年10月公開のWO98/45479を参照されたい)、サザンブロットノーザンブロット、またはポリメラーゼ連鎖反応PCR)技術(リアルタイム定量的PCR(RT−PCR)など)を介して、細胞内のCD79bポリペプチドをコードする核酸またはmRNAのレベルを測定してもよい。例えば、抗体系アッセイを使用して、血清などの生物流体中の流出抗原を測定することによって、CD79bポリペプチド過剰発現を研究することもできる(例えば、1990年6月12日発行の米国特許第4,933,294号、1991年4月18日発行のWO91/05264、1995年3月28日発行の米国特許第5,401,638号、及びSias et al.,J.Immunol.Methods132:73−80(1990)も参照されたい)。上記のアッセイとは別に、様々なインビボアッセイが熟練した医師に利用可能である。例えば、患者の体内の細胞を、任意で検出可能な標識(例えば、放射性同位体)を用いて標識した抗体に曝露してもよく、患者における細胞への抗体の結合は、例えば、放射活性の外部スキャンによって、または以前に抗体に曝露された患者から取得した生検の分析によって評価することができる。

0133

本明細書で使用される場合、「細胞毒性剤」という用語は、細胞機能を阻害もしくは防止する薬物分子、及び/または細胞の破壊を引き起こす薬物分子を指す。この用語は、細菌、真菌、植物、または動物起源の小分子毒素または酵素活性毒素などの毒素(細胞の成長または増殖に有害な影響を有し得るそれらの断片及び/またはバリアントを含む)を含むことが意図される。一実施形態において、細胞毒性剤は、モノメチルオーリスタチンE(MMAE)である。

0134

本明細書で使用される場合、「凍結乾燥された」組成物は、凍結乾燥のプロセスを介した凍結乾燥に供されており、「ケーキ」をもたらす液体組成物を指す。ある特定の実施形態において、凍結乾燥されたケーキは、ケーキ構造、色、外観、または水分含有量が著しく変化することなく、保管条件(5℃±3℃かつ光から保護)下で安定している。特定の一実施形態において、凍結乾燥されたケーキは、刻み目がなく滑らかである。本開示のある特定の実施形態において、凍結乾燥された組成物は、約60ヶ月間安定している。本開示のある特定の実施形態において、凍結乾燥された組成物は、約48ヶ月間安定している。

0135

「安定した」製剤は、内部の免疫複合体が保管時にその物理的安定性及び/または化学的安定性及び/または生物学的活性を本質的に保持する製剤である。好ましくは、製剤は、保管時にその物理的安定性及び化学的安定性ならびにその生物学的活性を本質的に保持する。保管期間は一般に、製剤の意図される有効期間に基づいて選択される。タンパク質安定性を測定するための様々な分析技術が、当該技術分野において利用可能であり、例えば、Peptide and Protein Drug Delivery,247−301,Vincent Lee Ed.,Marcel Dekker,Inc.,New York,N.Y.,Pubs.(1991)及びJones,A.Adv.Drug Delivery Rev.10:29−90(1993)に概説されている。安定性は、選択された温度で選択された期間にわたって測定され得る。安定性は、様々な異なる方法で、例えば、凝集物形成の評価によって(例えば、サイズ排除クロマトグラフィーを使用して、濁度を測定することによって、及び/または目視検査によって)、カチオン交換クロマトグラフィー、画像キャピラリー等電点電気泳動(icIEF)、またはキャピラリーゾーン電気泳動を使用して電荷不均一性を評価することによって、アミノ末端またはカルボキシ末端配列分析によって、質量分光分析によって、還元された及びインタクト抗体を比較するためのSDS−PAGE分析によって、ペプチドマッピング(例えば、トリプシンまたはLYS−C)分析によって、抗体の生物学的活性または抗原結合機能を評価することなどによって、定性的及び/または定量的に評価され得る。不安定性は、凝集、脱アミド(例えば、Asn脱アミド)、酸化(例えば、Met酸化)、異性化(例えば、Asp異性化)、クリッピング/加水分解/断片化(例えば、ヒンジ領域断片化)、スクシンイミド形成、不対システイン(複数可)、N末端伸長、C末端プロセシンググリコシル化差異などのいずれか1つ以上を伴い得る。

0136

免疫複合体は、それが、色及び/または透明度の目視検査時に、またはUV光散乱もしくはサイズ排除クロマトグラフィーによって測定した時に、凝集、沈殿、及び/または変性の兆候を全くまたはほとんど示さない場合に、薬学的製剤中で「その物理的安定性を保持する」。

0137

免疫複合体は、所与の時点での化学的安定性が、免疫複合体が以下に定義されるその生物学的活性を依然として保持していると見なされるようなものである場合に、薬学的製剤中で「その化学的安定性を保持する」。化学的安定性は、免疫複合体(例えば、抗体)の化学的に改変された形態のタンパク質部分を検出及び定量化することによって評価することができる。化学的改変は、例えば、サイズ排除クロマトグラフィー、SDS−PAGE、及び/またはマトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析法(MALDI/TOF MS)を使用して評価することができるサイズ修飾(例えば、クリッピング)を伴い得る。他の種類の化学的改変としては、例えば、イオン交換クロマトグラフィーまたはicIEFによって評価することができる(例えば、脱アミドの結果として生じる)タンパク質の電荷改変が挙げられる。加えて、またはあるいは、免疫複合体の化学的安定性は、免疫複合体の化学的に改変された形態の薬物部分を検出及び定量化することによって評価することができる。加えて、またはあるいは、免疫複合体の化学的安定性は、例えば、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)を介して薬物:抗体比(DAR)を測定して、免疫複合体を含む組成物中のDAR分布を決定することによって評価することができる。

0138

免疫複合体の抗体は、所与の時点での免疫複合体(例えば、抗CD79b抗体などの抗体)のタンパク質部分の生物学的活性が、アッセイ(例えば、抗原結合アッセイ)で決定して、その免疫複合体を含む薬学的製剤が調製された時点で呈される生物学的活性の少なくとも約60%(アッセイの誤差以内)である場合に、薬学的製剤中で「その生物学的活性を保持する」。

0139

本明細書における「脱アミド化」モノクローナル抗体は、その1つ以上のアスパラギン残基が、例えば、アスパラギン酸またはイソアスパラギン酸に誘導体化されている抗体である。

0140

本明細書における「酸化」モノクローナル抗体は、1つ以上のトリプトファン残基及びその1つ以上のメチオニンが酸化されている抗体である。

0141

本明細書における「糖化」モノクローナル抗体は、その1つ以上のリジン残基が糖化されている抗体である。

0142

「脱アミドを受けやすい」抗体は、脱アミドしやすいことが見出されている1つ以上の残基を含む抗体である。

0143

「酸化を受けやすい」抗体は、酸化しやすいことが見出されている1つ以上の残基を含む抗体である。

0144

「凝集を受けやすい」抗体は、特に凍結及び/または撹拌時に他の抗体分子(複数可)と凝集することが見出されている抗体である。

0145

「断片化を受けやすい」抗体は、例えば、そのヒンジ領域で、2つ以上の断片に切断されることが見出されている抗体である。

0146

「脱アミド、酸化、凝集、または断片化の低減」は、異なる製剤中に製剤化されたモノクローナル抗体と比較して、脱アミド、酸化、凝集、または断片化を防止またはその量を減少させることが意図される。

0147

製剤化される抗体は、好ましくは本質的に純粋であり、望ましくは本質的に同種である(例えば、混入タンパク質などを含まない)。「本質的に純粋な」抗体は、組成物中のタンパク質の総重量に基づいて、少なくとも約90重量%、好ましくは少なくとも約95重量%の抗体を含む組成物を意味する。「本質的に同種の」抗体は、組成物中のタンパク質の総重量に基づいて、少なくとも約99重量%の抗体を含む組成物を意味する。

0148

等張」は、対象となる製剤がヒトの血液と本質的に同じ浸透圧を有することを意味する。等張製剤は一般に、約250〜350mOsmの浸透圧を有する。等張性は、例えば、蒸気圧浸透圧計または氷結浸透圧計を使用して測定することができる。

0149

本明細書で使用される場合、「緩衝液」は、その酸−塩基複合体構成成分の作用によりpHの変化に抵抗する緩衝溶液を指す。本明細書における緩衝剤の非限定的な例としては、ヒスチジンリン酸ナトリウム、及びコハク酸ナトリウムが挙げられる。本開示の緩衝剤は、好ましくは約4.5〜約7.0、好ましくは約5.0〜約6.0の範囲内のpHを有する。一実施形態において、緩衝剤は、pH5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、または6.0を有する。例示的な一実施形態において、緩衝剤は、5.3のpHを有する。例えば、コハク酸ナトリウムは、pHをこの範囲内に制御する緩衝剤の一例である。

0150

本明細書で使用される場合、「界面活性剤」は、表面活性剤、好ましくは非イオン性界面活性剤を指す。本明細書における界面活性剤の例としては、ポリソルベート(例えば、ポリソルベート20及びポリソルベート80);ポロキサマー(例えば、ポロキサマー188);トリトンドデシル硫酸ナトリウム(SDS);ラウリル硫酸ナトリウムオクチルグルコシドナトリウム;ラウリルスルホベタインミリスチルスルホベタイン、リノレイルスルホベタイン、またはステアリルスルホベタイン;ラウリルサルコシン、ミリスチルサルコシン、リノレイルサルコシン、またはステアリルサルコシン;リノレイルベタイン、ミリスチルベタイン、またはセチルベタイン;ラウロアミドプロピルベタインコカミドプロピルベタイン、リノールアミドプロピルベタイン、ミリスタミドプロピルベタイン、パルミドプロピルベタイン、またはイソステアラミドプロピルベタイン(例えば、ラウロアミドプロピル);ミリスタミドプロピルジメチルアミン、パルミドプロピルジメチルアミン、またはイソステアラミドプロピルジメチルアミン;メチルココイルタウリン酸ナトリウムまたはメチルオレイルタウリン二ナトリウム;ならびにMONAQUAT(商標)シリーズ(Mona Industries,Inc.,Paterson,N.J.);ポリエチルグリコールポリプピルグリコール、及びエチレングリコールプロピレングリコールコポリマー(例えば、Pluronics、PF68など)などが挙げられる。一実施形態において、本明細書における界面活性剤は、ポリソルベート20である。別の実施形態において、本明細書における界面活性剤は、ポリソルベート80である。

0151

本明細書で使用される場合、「糖」は、可溶性炭水化物を指す。糖の非限定的な例としては、グルコース、フルクトース、スクロース、トレハロース、アルギニン、グリセリンプロリン、デキストラン、ならびに糖アルコール(グリセロール、マンニトール、及びソルビトールなど)が挙げられる。

0152

II.薬学的組成物
一態様において、本開示は、抗CD79b免疫複合体及び界面活性剤を含む薬学的組成物であって、界面活性剤が、少なくとも0.06重量体積%(すなわち、0.6mg/ml)の濃度であり、抗CD79b免疫複合体が、式、

を含み、式中、
Abが、抗CD79b抗体であり、抗CD79b抗体が、重鎖及び軽鎖を含み、軽鎖が、(a)KASQSVDYEGDSFLNのHVR−L1配列(配列番号1)、(b)AASNLESのHVR−L2配列(配列番号2)、及び(c)QQSNEDPLTのHVR−L3配列(配列番号3)を含み、重鎖が、(a)GYTFSSYWIEのHVR−H1配列(配列番号4)、(b)GEILPGGGDTNYNEIFKGのHVR−H2配列(配列番号5)、及び(c)TRRVPIRLDYのHVR−H3配列(配列番号6)を含み、Valが、バリンであり、Citが、シトルリンであり、pが、約1〜約8(例えば、約3.5などの約2〜約5)の値である、薬学的組成物を提供する。

0153

いくつかの実施形態において、本開示の組成物は、凍結乾燥されている。いくつかの実施形態において、本明細書に開示される組成物は、再構成された組成物、すなわち、凍結乾燥されたケーキから再構成されている組成物である。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の薬学的組成物(例えば、凍結乾燥された組成物または再構成された組成物)を含有する20mlのガラスバイアル(密閉バイアルなど)が提供される。

0154

A.免疫複合体
本開示は、モノメチルオーリスタチン(MMAE)(ドラスタチン合成類似体)などの小分子毒素に複合体化された抗体を含む免疫複合体(互換的に「抗体−薬物複合体」または「ADC」と称される)に関連する。本開示は、式Ab−(L−D)pの抗CD79b免疫複合体を提供し、式中、Abは、抗CD79b抗体であり、抗CD79b抗体は、重鎖及び軽鎖を含み、軽鎖は、(a)KASQSVDYEGDSFLNのHVR−L1配列(配列番号1)、(b)AASNLESのHVR−L2配列(配列番号2)、及び(c)QQSNEDPLTのHVR−L3配列(配列番号3)を含み、重鎖は、(a)GYTFSSYWIEのHVR−H1配列(配列番号4)、(b)GEILPGGGDTNYNEIFKGのHVR−H2配列(配列番号5)、及び(c)TRRVPIRLDYのHVR−H3配列(配列番号6)を含み、Lは、6−マレイミドカプロイル−バリン−シトルリン−p−アミノベンジルオキシカルボニル(MC−val−cit−PAB)を含むリンカーであり、Dは、MMAEであり、pは、約1〜約8(約2〜約5、例えば、約3.5など)の値であり、抗CD79b免疫複合体は、以下の構造を有する。

本開示の抗CD79b免疫複合体は、抗CD79b−MC−val−cit−MMAE、抗CD79b−MC−vc−MMAE、または抗CD79b−vc−MMAEと称され得る。ポラツズマブベドチンは、本開示の抗CD79b免疫複合体の一例である。ポラツズマブベドチンは、CAS登録番号1313206−42−6、IUPHAR/BPS番号8404、及びKEGG番号D10761を有する。「ポラツズマブベドチン」、「DCDS4501A」、及び「RG7596」は、米国、欧州、及び日本からなる国の群から選択される国または領域において同一の製品またはバイオシミラー製品として販売促進の認可を得るために必要な要求を満たす全ての対応する免疫複合体を包含する。

0155

いくつかの実施形態において、抗CD79b免疫複合体は、薬学的組成物中、約5mg/ml〜約60mg/ml、約10mg/ml〜約50mg/ml、約10mg/ml〜約40mg/ml、約10mg/ml〜約30mg/ml、または約10mg/ml〜約20mg/mlの濃度である。特定の一実施形態において、抗CD79b免疫複合体は、薬学的組成物中、約5mg/ml、約6mg/ml、約7mg/ml、約8mg/ml、約9mg/ml、約10mg/ml、約11mg/ml、約12mg/ml、約13mg/ml、約14mg/ml、約15mg/ml、約16mg/ml、約17mg/ml、約18mg/ml、約19mg/ml、約20mg/ml、約25mg/ml、約30mg/ml、約35mg/ml、約40mg/ml、約45mg/ml、約50mg/ml、約55mg/ml、または約60mg/mlの濃度である。

0156

本明細書に提供される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態において、「約」値またはパラメータは、述べられる値またはパラメータの±10%、±9%、±8%、±7%、±6%,±5%、±4%、±3%、±2%、または±1%のいずれか1つの誤差範囲(これらの値間の任意の範囲を含む)を包含する。

0157

いくつかの実施形態において、抗CD79b免疫複合体は、薬学的組成物中、約10mg/ml〜約20mg/mlの濃度である。例示的な一実施形態において、抗CD79b免疫複合体は、薬学的組成物中、約10mg/mlの濃度である。別の例示的な実施形態において、抗CD79b免疫複合体は、薬学的組成物中、約20mg/mlの濃度である。

0158

いくつかの実施形態において、抗CD79b免疫複合体は、薬学的組成物中、5mg/ml〜60mg/ml、10mg/ml〜50mg/ml、10mg/ml〜40mg/ml、10mg/ml〜30mg/ml、または10mg/ml〜20mg/mlの濃度である。特定の一実施形態において、抗CD79b免疫複合体は、薬学的組成物中、5mg/ml、6mg/ml、7mg/ml、8mg/ml、9mg/ml、mg/ml、11mg/ml、12mg/ml、13mg/ml、14mg/ml、15mg/ml、16mg/ml、17mg/ml、18mg/ml、19mg/ml、20mg/ml、25mg/ml、30mg/ml、35mg/ml、40mg/ml、45mg/ml、50mg/ml、55mg/ml、または60mg/mlの濃度である。

0159

いくつかの実施形態において、抗CD79b免疫複合体は、薬学的組成物中、10mg/ml〜20mg/mlの濃度である。例示的な一実施形態において、抗CD79b免疫複合体は、薬学的組成物中、10mg/mlの濃度である。別の例示的な実施形態において、抗CD79b免疫複合体は、薬学的組成物中、20mg/mlの濃度である。

0160

本明細書で企図される場合、抗CD79b免疫複合体は、以下に示される式Iのものであり、抗CD79b抗体またはその断片(Ab)は、リンカー(L)を通してMMAE薬物部分(D)に複合体化されている(すなわち、共有結合している)。
Ab−(L−D)p I

0161

式I中、pは、1抗体当たりの薬物部分の平均数であり、これは、例えば、1抗体当たり約1〜約20個の薬物部分、及びある特定の実施形態において1抗体当たり1〜約8個の薬物部分の範囲であり得る。本開示は、1抗体当たりの平均薬物負荷が約2〜約5または約3〜約4、例えば、3.5である、式Iの抗体−薬物化合物の混合物を含む組成物を含む。

0162

1.抗CD79b抗体
本開示は、抗CD79b抗体またはその機能的断片を含む免疫複合体を提供する。

0163

一態様において、本開示は、好ましくは特異的にCD79bに結合する抗CD79b抗体を提供する。任意で、抗体は、モノクローナル抗体、抗体断片(Fab、Fab’、F(ab’)2、及びFv断片を含む)、ダイアボディ、単一ドメイン抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、一本鎖抗体、または抗CD79bポリペプチド抗体のそのそれぞれの抗原エピトープへの結合を競合的に阻害する抗体である。本開示の抗体は、任意で、CHO細胞内または細菌細胞内で産生され、好ましくはそれらが結合する細胞の死を誘導することができる。

0164

本開示は、抗体のCD79bへの一価親和性(例えば、Fab断片としての抗体の、CD79bへの親和性)がマウス抗体(例えば、Fab断片としてのマウス抗体の、CD79bへの親和性)またはキメラ抗体(例えば、Fab断片としてのキメラ抗体の、CD79bへの親和性)の一価親和性と実質的に同じである、ヒト化抗CD79b抗体を含む抗CD79b免疫複合体を提供する。

0165

一実施形態において、本開示は、抗体のその二価形態でのCD79bへの親和性(例えば、IgGとしての抗体のCD79bへの親和性)が0.3nMまたはそれより良好な、ヒト化抗CD79b抗体を含む抗CD79b免疫複合体を提供する。別の実施形態において、本開示は、抗体のその二価形態でのCD79bへの親和性(例えば、IgGとしての抗体のCD79bへの親和性)が0.5nMである、ヒト化抗CD79b抗体を提供する。更なる一実施形態において、本開示は、抗体のその二価形態でのCD79bへの親和性(例えば、IgGとしての抗体のCD79bへの親和性)が0.5nM+/−0.1である、ヒト化抗CD79b抗体を提供する。別の実施形態において、本開示は、抗体のその二価形態でのCD79bへの親和性(例えば、IgGとしての抗体のCD79bへの親和性)が0.3nM〜0.7nMである、ヒト化抗CD79b抗体を提供する。別の実施形態において、本開示は、抗体のその二価形態でのCD79bへの親和性(例えば、IgGとしての抗体のCD79bへの親和性)が0.4nM〜0.6nMである、ヒト化抗CD79b抗体を提供する。別の実施形態において、本開示は、抗体のその二価形態でのCD79bへの親和性(例えば、IgGとしての抗体のCD79bへの親和性)が0.5nM〜0.55nMである、ヒト化抗CD79b抗体を提供する。

0166

当該技術分野において確立されているように、あるリガンドのその受容体への結合親和性は、様々なアッセイのいずれかを使用して決定し、様々な定量値に関して表現することができる。したがって、一実施形態において、結合親和性は、Kd値として表現され、(例えば、最小化した結合力効果での)固有の結合親和性を反映する。一般に及び好ましくは、結合親和性は、無細胞設定または細胞関連設定のいずれかでインビトロで測定される。本明細書により詳細に記載されるように、結合親和性の倍率差は、(例えば、Fab形態の)ヒト化抗体の一価結合親和性値と、(例えば、Fab形態の)基準/比較用抗体(例えば、ドナー超可変領域配列を有するマウス抗体)の一価結合親和性値との比率に関して定量化することができ、これらの結合親和性値は、類似したアッセイ条件下で決定される。したがって、一実施形態において、結合親和性の倍率差は、Fab形態のヒト化抗体のKd値と、該基準/比較用Fab抗体のKd値の比率として決定される。例えば、一実施形態において、本開示の抗体(A)が基準抗体(M)の親和性よりも「3倍低い」親和性を有する場合、AのKd値は3倍であり、MのKd値は1倍であり、AのKdとMのKdとの比率は3:1である。逆に、一実施形態において、本開示の抗体(C)が基準抗体(R)の親和性よりも「3倍大きい」親和性を有する場合、CのKd値は1倍であり、RのKd値は3倍であり、CのKdとRのKdとの比率は1:3である。本明細書に記載のものを含む、当該技術分野において既知であるいくつかのアッセイ(例えば、Biacore、放射免疫測定法(RIA)、及びELISAを含む)のいずれかを使用して、結合親和性測定を得ることができる。

0167

提供される抗CD79b抗体は、重鎖及び軽鎖を含み、軽鎖は、(a)KASQSVDYEGDSFLNのHVR−L1配列(配列番号1)、(b)AASNLESのHVR−L2配列(配列番号2)、及び(c)QQSNEDPLTのHVR−L3配列(配列番号3)を含み、重鎖は、(a)GYTFSSYWIEのHVR−H1配列(配列番号4)、(b)GEILPGGGDTNYNEIFKGのHVR−H2配列(配列番号5)、及び(c)TRRVPIRLDYのHVR−H3配列(配列番号6)を含む。

0168

本開示のいくつかの実施形態において、抗CD79b抗体は、
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGYTFSSYWIEWVRQAPGKGLEWIGEILPGGGDTNYNEIFKGRATFSADTSKNTAYLQMNSLRAEDTAVYYCTRRVPIRLDYWGQGTLVTVSS(配列番号7)
のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメイン(VH)、及び
DIQLTQSPSSLSASVGDRVTITCKASQSVDYEGDSFLNWYQQKPGKAPKLLIYAASNLESGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQSNEDPLTFGQGTKVEIKR(配列番号8)のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメイン(VL)を含む。

0169

いくつかの実施形態において、重鎖は、
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGYTFSSYWIEWVRQAPGKGLEWIGEILPGGGDTNYNEIFKGRATFSADTSKNTAYLQMNSLRAEDTAVYYCTRRVPIRLDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号9)
のアミノ酸配列を含み、軽鎖は、
DIQLTQSPSSLSASVGDRVTITCKASQSVDYEGDSFLNWYQQKPGKAPKLLIYAASNLESGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQSNEDPLTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号10)のアミノ酸配列を含む。

0170

2.リンカー
本開示は、6−マレイミドカプロイル(「MC」)、バリン−シトルリン(「val−cit」または「vc」)、及びp−アミノベンジルオキシカルボニル(「PAB」)を含むいくつかの構成成分を含むリンカーを提供する。そのようなリンカー構成成分は、当該技術分野において既知であり、以下に簡潔に記載される。

0171

本明細書で使用される場合、リンカーは、以下の式II、

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    【課題・解決手段】本発明はエクソソーム表面分子に対する結合性分子が固相化された担体をカゼイン溶液またはカゼイン分解物溶液でブロックおよび洗浄すること、ならびに該担体とエクソソームを含む被験試料の接触前... 詳細

  • 株式会社資生堂の「 レチノイドの副作用に対する感受性の決定方法」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題・解決手段】SNP解析により遺伝要素に基づいて対象のレチノイドの副作用に対する感受性を決定する方法、レチノイドの副作用に対する感受性を決定するコンピュータ、及び当該コンピュータを制御するプログラ... 詳細

  • 公立大学法人福島県立医科大学の「 大腸がんの予後バイオマーカー」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題・解決手段】大腸がん患者の予後を予測するための、及び/又は大腸がん患者に対する抗がん剤の有効性を判定するためのバイオマーカーを提供する。GALNT6タンパク質若しくはそのペプチド断片、又はGAL... 詳細

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