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技術 車両用回路体および車両用回路体の製造方法

出願人 矢崎総業株式会社
発明者 高松昌博高橋英生山下寿明後藤聡
出願日 2018年5月30日 (2年11ヶ月経過) 出願番号 2018-103687
公開日 2019年12月5日 (1年5ヶ月経過) 公開番号 2019-206311
状態 特許登録済
技術分野 車両用電気・流体回路
主要キーワード 電源用電線 分岐個所 通常形態 自己粘着シート 通信用電線 ツイスト電線 耐ノイズ性能 配索材
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題

様々な電装品と車両上の電源との間および電装品同士の電気接続のための構造、特に幹線部分の構成を簡素化する構造を備えた車両用回路体および車両用回路体の製造方法を提供すること。

解決手段

車両用回路体1は、車両用回路体1の幹線を構成する平型配索材20と、複数本電線11により所定の配索形態に構成され、平型配索材20と伴に幹線を構成する部分が平型配索材20上に配索された電線束10と、平型配索材20の幹線分岐位置に配置されて電線束10から電線11の一部を分岐線12として分岐した状態に保持する分岐プロテクタ35と、平型配索材20の上面上に配索された電線束10の幹線を構成する部分を平型配索材20に固定する粘着テープ等の固定部材5と、を備える。

概要

背景

一般的な車両においては、多数の電線集合体であるワイヤハーネス車両用回路体)を車両上に配索し、このワイヤハーネスにおける電源用電線を介して、主電源と各部の電装品との間を接続し電力の供給を行っている。また、車両には、これらの電装品を制御するための制御部も複数備えており、制御部と電装品とはワイヤハーネスにおける通信用電線により接続され、互いに通信可能となっている。

これらのワイヤハーネスは、少なくとも幹線等の所定部分がプロテクタ等の保護部材に収容されて車両上に配索されるのが一般的である。そして、このようなワイヤハーネスに使用されるプロテクタとして、図18に示すものがある。
図18に示したプロテクタ120は、互いに組み合わされることによりワイヤハーネス100を構成する電線束101の幹線110を収容可能な長尺状の筒体を形成する本体121および蓋体123を備え、複数のロック部(図示略)によりこれら本体121および蓋体123は相互に係合されている。

プロテクタ120は、両端部に、幹線導出部120Aを有しており、中間部における側部に、複数の分岐線導出部120Bを有している。そして、幹線導出部120Aからは電線束101の幹線110が引き出され、分岐線導出部120Bからは電線束101の分岐線112が引き出されている。これら幹線110および分岐線112のハーネス端末には、図示しないジャンクションブロック電装品等と接続されるコネクタ3が取付けられている。

そして、上述のプロテクタ120で電線束101が収容保護されたワイヤハーネス100は、従来、次のような手順で製造されていた。
図19に示すように、布線台150上には、ワイヤハーネス100を構成する電線束101の配索経路に応じて、プロテクタ専用治具160および配索治具165が配置されている。

プロテクタ専用治具160は、布線台150上に固定される複数のベース部151の上に、プロテクタ120の本体121を保持するプロテクタ保持部153が設けられた構成である。プロテクタ保持部153は、車体の取付け部に沿って所定形状に屈曲形成された本体121に対応した断面U字状の長尺の保持溝を有しており、載置された本体121を布線台150の所定位置保持固定することができる。

配索治具165は、布線台150上に固定されるベース部161の上に、一対のピン状の電線掛け部163を設けた構成であり、ハーネス端末部用の配索治具である。電線掛け部163は、ハーネス端末に接続されたコネクタ3等を引っ掛けやすいように、ピンの間隔等が設定されている。

先ず、図19および図20に示すように、布線台150上のプロテクタ専用治具160に、プロテクタ120の本体121をセットする。
次に、ワイヤハーネス100を構成する電線束101が、サブハーネス102,104,106毎に、布線台150上のプロテクタ専用治具160および配索治具165に配索される。各サブハーネス102,104,106は、幹線110がプロテクタ専用治具160に保持されたプロテクタ120の本体121内に収容され、分岐線導出部120Bから引き出された分岐線112のコネクタ3が配索治具165に引っ掛けられることで、所定の寸法形状に配索した電線束101が形成される。

そして、図21に示すように、本体121の収容部を覆うように蓋体123が合体係合される。
更に、プロテクタ120の幹線導出部120Aから引き出された幹線110や、分岐線導出部120Bから引き出された分岐線112には、必要に応じて、図示しないコルゲートチューブが装着されたり、テープ巻きが施されたりする。

概要

様々な電装品と車両上の電源との間および電装品同士の電気接続のための構造、特に幹線部分の構成を簡素化する構造を備えた車両用回路体および車両用回路体の製造方法を提供すること。車両用回路体1は、車両用回路体1の幹線を構成する平型配索材20と、複数本の電線11により所定の配索形態に構成され、平型配索材20と伴に幹線を構成する部分が平型配索材20上に配索された電線束10と、平型配索材20の幹線分岐位置に配置されて電線束10から電線11の一部を分岐線12として分岐した状態に保持する分岐プロテクタ35と、平型配索材20の上面上に配索された電線束10の幹線を構成する部分を平型配索材20に固定する粘着テープ等の固定部材5と、を備える。

目的

したがって、例えば特許文献1,2のように配索経路の簡素化や、大電流によって生じる電磁ノイズの影響による補機誤動作や性能低下の抑制が望まれている

効果

実績

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請求項1

車両用回路体の幹線を構成する平型配索材と、複数本電線により所定の配索形態に構成され、前記幹線を構成する部分が前記平型配索材上に配索された電線束と、を備えることを特徴とする車両用回路体。

請求項2

電源供給用の前記平型配索材からのノイズ遮断するためのシールド部材が、前記平型配索材と前記電線束との間に配設されたことを特徴とする請求項1に記載の車両用回路体。

請求項3

前記電線束における前記幹線を構成する部分は、電源供給用の前記平型配索材上に並設された複数本のアース用電線と、前記アース用電線上に積層された通信用電線と、を有することを特徴とする請求項1に記載の車両用回路体。

請求項4

前記複数本のアース用電線が纏めてシート材に挟まれて前記平型配索材上に並設されたアースサブハーネスと、複数本の前記通信用電線が纏めてシート材に挟まれて前記アース用サブハーネス上に積層された少なくとも1つの通信用サブハーネスと、を有することを特徴とする請求項3に記載の車両用回路体。

請求項5

前記電線束における前記幹線を構成する部分は、複数本の前記電線がサブハーネス毎に纏めてノイズを遮断するためのシールド材に挟まれて電源供給用の前記平型配索材上に配索されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用回路体。

請求項6

前記平型配索材の幹線分岐位置には、前記電線束から前記電線の一部を分岐した状態に保持する分岐プロテクタが配置されていることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の車両用回路体。

請求項7

前記電線束における前記幹線を構成する部分が、固定部材により前記平型配索材の上面上に固定されていることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の車両用回路体。

請求項8

車両用回路体の幹線を構成する平型配索材を布線台上の配索治具に配置する幹線配置工程と、複数本の電線を所定の配索形態に構成した電線束における前記幹線を構成する部分を前記平型配索材の上面上に配索する電線配索工程と、を含むことを特徴とする車両用回路体の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、車両に配索される車両用回路体およびその製造方法に関する。

背景技術

0002

一般的な車両においては、多数の電線集合体であるワイヤハーネス(車両用回路体)を車両上に配索し、このワイヤハーネスにおける電源用電線を介して、主電源と各部の電装品との間を接続し電力の供給を行っている。また、車両には、これらの電装品を制御するための制御部も複数備えており、制御部と電装品とはワイヤハーネスにおける通信用電線により接続され、互いに通信可能となっている。

0003

これらのワイヤハーネスは、少なくとも幹線等の所定部分がプロテクタ等の保護部材に収容されて車両上に配索されるのが一般的である。そして、このようなワイヤハーネスに使用されるプロテクタとして、図18に示すものがある。
図18に示したプロテクタ120は、互いに組み合わされることによりワイヤハーネス100を構成する電線束101の幹線110を収容可能な長尺状の筒体を形成する本体121および蓋体123を備え、複数のロック部(図示略)によりこれら本体121および蓋体123は相互に係合されている。

0004

プロテクタ120は、両端部に、幹線導出部120Aを有しており、中間部における側部に、複数の分岐線導出部120Bを有している。そして、幹線導出部120Aからは電線束101の幹線110が引き出され、分岐線導出部120Bからは電線束101の分岐線112が引き出されている。これら幹線110および分岐線112のハーネス端末には、図示しないジャンクションブロック電装品等と接続されるコネクタ3が取付けられている。

0005

そして、上述のプロテクタ120で電線束101が収容保護されたワイヤハーネス100は、従来、次のような手順で製造されていた。
図19に示すように、布線台150上には、ワイヤハーネス100を構成する電線束101の配索経路に応じて、プロテクタ専用治具160および配索治具165が配置されている。

0006

プロテクタ専用治具160は、布線台150上に固定される複数のベース部151の上に、プロテクタ120の本体121を保持するプロテクタ保持部153が設けられた構成である。プロテクタ保持部153は、車体の取付け部に沿って所定形状に屈曲形成された本体121に対応した断面U字状の長尺の保持溝を有しており、載置された本体121を布線台150の所定位置保持固定することができる。

0007

配索治具165は、布線台150上に固定されるベース部161の上に、一対のピン状の電線掛け部163を設けた構成であり、ハーネス端末部用の配索治具である。電線掛け部163は、ハーネス端末に接続されたコネクタ3等を引っ掛けやすいように、ピンの間隔等が設定されている。

0008

先ず、図19および図20に示すように、布線台150上のプロテクタ専用治具160に、プロテクタ120の本体121をセットする。
次に、ワイヤハーネス100を構成する電線束101が、サブハーネス102,104,106毎に、布線台150上のプロテクタ専用治具160および配索治具165に配索される。各サブハーネス102,104,106は、幹線110がプロテクタ専用治具160に保持されたプロテクタ120の本体121内に収容され、分岐線導出部120Bから引き出された分岐線112のコネクタ3が配索治具165に引っ掛けられることで、所定の寸法形状に配索した電線束101が形成される。

0009

そして、図21に示すように、本体121の収容部を覆うように蓋体123が合体係合される。
更に、プロテクタ120の幹線導出部120Aから引き出された幹線110や、分岐線導出部120Bから引き出された分岐線112には、必要に応じて、図示しないコルゲートチューブが装着されたり、テープ巻きが施されたりする。

先行技術

0010

特開2017−185996号公報
特開2018−24419号公報

発明が解決しようとする課題

0011

しかしながら、上述のワイヤハーネス100を制作する作業工程においては、所定の配索形状仕上げるために、ワイヤハーネス100を構成する多数の電線11を事前に指定された経路に沿うように長い距離に亘り引き回すことになる。特に、電源用の電線11が補機ごとに必要となるため、ワイヤハーネス100の幹線110では、束ねられる電線本数が多くなり、作業時間が長くかかると共にほぼすべての電線11が集まり重くなる。そこで、車両ごとに大きなプロテクタ120が必要となり、プロテクタ120を保持するプロテクタ専用治具160も大型化する。

0012

また、このようなワイヤハーネスは、搭載される電装品の増加や制御の複雑化などにより高度化が進んでいる。また、自動運転技術も急速に進化しており、この自動運転に対応するために各種機能に対する安全要求も高まっている。
これに伴い、車体上に配索されるワイヤハーネスの構造が複雑化する傾向にある。したがって、例えば特許文献1,2のように配索経路の簡素化や、大電流によって生じる電磁ノイズの影響による補機の誤動作や性能低下の抑制が望まれている。

0013

本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、様々な電装品と車両上の電源との間および電装品同士の電気接続のための構造、特に幹線部分の構成を簡素化する構造、並びに、耐ノイズ性能を高めることができる構造を備えた車両用回路体および車両用回路体の製造方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0014

本発明に係る上記目的は、下記構成により達成される。
(1)車両用回路体の幹線を構成する平型配索材と、複数本の電線により所定の配索形態に構成され、前記幹線を構成する部分が前記平型配索材上に配索された電線束と、を備えることを特徴とする車両用回路体。

0015

上記(1)の構成の車両用回路体によれば、幹線を構成する平型配索材と、所定の配索形態に構成された電線束の幹線を構成する部分とによって、単純な構造の幹線を構成することができる。即ち、所定の電流容量を確保するために大きな断面積を有する偏平帯状平型導体からなる平型配索材によって、幹線の電源ライン集約することができ、幹線における電源用の電線本数を減らし、幹線の軽量化が可能となる。
また、平型配索材は形状を維持できる金属板で形成されるため、幹線を構成する部分が平型配索材上に配索された電線束と伴に車両上に直接配索することができ、車両用回路体の幹線を収容保持する大型のプロテクタを省略することができる。

0016

(2)電源供給用の前記平型配索材からのノイズ遮断するためのシールド部材が、前記平型配索材と前記電線束との間に配設されたことを特徴とする上記(1)に記載の車両用回路体。

0017

上記(2)の構成の車両用回路体によれば、電装品と電源との間を電気的に接続する電源供給用の平型配索材と、平型配索材上に配索された電線束との間に、ノイズを遮断するための編組線金属箔等のシールド部材が配設される。そこで、平型配索材を流れる大電流によって生じる電磁ノイズはシールド部材で遮断され、電線束の通信用電線等へノイズが行くことがない。その結果、従来は複数の通信用電線に各々施していたノイズ対策が不要となり、コスト低減が可能となる。

0018

(3) 前記電線束における前記幹線を構成する部分は、電源供給用の前記平型配索材上に並設された複数本のアース用電線と、前記アース用電線上に積層された通信用電線と、を有することを特徴とする上記(1)に記載の車両用回路体。

0019

上記(3)の構成の車両用回路体によれば、電装品と電源との間を電気的に接続する電源供給用の平型配索材上に配索される電線束の幹線を構成する部分が、平型配索材上に並設された複数本のアース用電線と、アース用電線上に積層された通信用電線とに分けて配索される。そこで、平型配索材を流れる大電流によって生じる電磁ノイズは、電線束における複数本のアース用電線で遮断され、複数本のアース用電線上に積層された通信用電線等へノイズが行くことがない。その結果、部品点数を増やすことなく、従来は複数の通信用電線に各々施していたノイズ対策が不要となり、コスト低減が可能となる。

0020

(4) 前記複数本のアース用電線が纏めてシート材に挟まれて前記平型配索材上に並設されたアース用サブハーネスと、複数本の前記通信用電線が纏めてシート材に挟まれて前記アース用サブハーネス上に積層された少なくとも1つの通信用サブハーネスと、を有することを特徴とする上記(3)に記載の車両用回路体。

0021

上記(4)の構成の車両用回路体によれば、電線束の幹線を構成する部分における複数本のアース用電線からなるアース用サブハーネスと複数本の通信用電線からなる通信用サブハーネスとが、予めPETシート等のシート材に挟まれてそれぞれ纏められる。そこで、平型配索材上への複数本のアース用電線および複数本の通信用電線の配索作業が容易となる。
また、アース用サブハーネスおよび通信用サブハーネスの少なくとも一方が、シート材としての片面粘着シートによってそれぞれ挟まれて纏められる場合には、片面粘着シートによって挟まれた幹線の途中から分岐された電線の一部が、所定の分岐方向に延在した状態に保持されるので、分岐部を容易に形成することができる。

0022

(5) 前記電線束における前記幹線を構成する部分は、複数本の前記電線がサブハーネス毎に纏めてノイズを遮断するためのシールド材に挟まれて電源供給用の前記平型配索材上に配索されていることを特徴とする上記(1)に記載の車両用回路体。

0023

上記(5)の構成の車両用回路体によれば、電線束の幹線を構成する部分における複数本の電線が、予めサブハーネス毎に纏められてノイズを遮断するための編組線や金属箔等のシールド部材に挟まれて纏められる。そこで、平型配索材上へのサブハーネスの配索作業が容易となる。また、平型配索材を流れる大電流によって生じる電磁ノイズはシールド材で遮断され、平型配索材上に配索された各サブハーネスへノイズが行くことがない。その結果、従来は複数の通信用電線に各々施していたノイズ対策が不要となり、コスト低減が可能となる。

0024

(6) 前記平型配索材の幹線分岐位置には、前記電線束から前記電線の一部を分岐した状態に保持する分岐プロテクタが配置されていることを特徴とする上記(1)〜(5)の何れか1つに記載の車両用回路体。

0025

上記(6)の構成の車両用回路体によれば、平型配索材の幹線分岐位置に配置された分岐プロテクタによって、平型配索材上に配索された電線束から電線の一部を分岐線として分岐した状態に容易に保持することができる。また、分岐プロテクタは、同一形状のものを複数の分岐個所に使用することができ、部品点数の増加によるコスト上昇を抑制することもできる。
なお、電線が配索された分岐プロテクタにはカバーを被せ、電線の飛び出しを防ぐこともできる。また、分岐プロテクタが配置されない平型配索材の箇所に関しては、テープ巻き等を行い電線の飛び出しを防ぐこともできる。

0026

(7) 前記電線束における前記幹線を構成する部分が、固定部材により前記平型配索材の上面上に固定されていることを特徴とする上記(1)〜(6)の何れか1つに記載の車両用回路体。

0027

上記(7)の構成の車両用回路体によれば、平型配索材の上面上に配索された電線束の幹線を構成する部分が、粘着テープ結束バンド、小型プロテクタ等の固定部材により固定される。そこで、電線束は、平型配索材の上面上からこぼれ落ちることなく配索され、車両用回路体の幹線を収容する大型のプロテクタを省略することができる。

0028

(8)車両用回路体の幹線を構成する平型配索材を布線台上の配索治具に配置する幹線配置工程と、複数本の電線を所定の配索形態に構成した電線束における前記幹線を構成する部分を前記平型配索材の上面上に配索する電線配索工程と、を含むことを特徴とする車両用回路体の製造方法。

0029

上記(8)の構成の車両用回路体の製造方法によれば、幹線を構成する平型配索材と、所定の配索形態に構成された電線束の幹線を構成する部分とによって、単純な構造の幹線を備えた車両用回路体を製造することができる。即ち、所定の電流容量を確保するために大きな断面積を有する偏平な帯状の平型導体からなる平型配索材によって、幹線の電源ラインを集約することができ、幹線における電源用の電線本数を減らすことができる。そこで、車両用回路体を製造する際の電線束の配索作業時間を削減することができる。
また、平型配索材は形状を維持できる金属板で形成されるため、布線台上の配索治具に平型配索材を直接配置し、電線束の幹線を構成する部分を平型配索材上に直接配索することができ、車両用回路体の幹線を収容保持する大型のプロテクタを省略することができる。そこで、プロテクタを保持するプロテクタ保持部が設けられたプロテクタ専用治具を用いる必要がなくなり、通常の配索治具のみを備えた布線台で配索作業を行うことができる。

発明の効果

0030

本発明の車両用回路体および車両用回路体の製造方法によれば、様々な電装品と車両上の電源との間および電装品同士の電気接続のための構造、特に幹線部分の構成を簡素化する構造、並びに、耐ノイズ性能を高めることができる構造を備えた車両用回路体および車両用回路体の製造方法を提供することができる。

0031

以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。

図面の簡単な説明

0032

本発明の第1実施形態に係る車両用回路体を示す全体斜視図である。
図1に示した車両用回路体の分解斜視図である。
図1に示した車両用回路体を製造する為に、車両用回路体を配索する経路に沿って幹線配索治具と分岐線配索治具とを配置した布線台の概略構成図である。
(a)は本発明の第1実施形態に係る車両用回路体の製造方法における幹線配置工程を説明する為の説明図であり、(b)は(a)におけるA−A断面矢視図である。
(a)は本第1実施形態に係る車両用回路体の製造方法における電線配索工程を説明する為の説明図であり、(b)は(a)におけるB−B断面矢視図である。
(a)は本第1実施形態に係る車両用回路体の製造方法における電線配索工程以後のテープ巻き工程を説明する為の説明図であり、(b)は(a)におけるC−C断面矢視図である。
本発明の第2実施形態に係る車両用回路体の幹線を説明する為の要部分解斜視図であり、(a)は平型配索材に分岐プロテクタが取り付けられる前の状態を示し、(b)は平型配索材の幹線分岐位置に分岐プロテクタが取り付けられた状態を示す。
本第2実施形態に係る車両用回路体の幹線を説明する為の要部分解斜視図であり、平型配索材と電線束との間にシールド部材が配設される状態を示す。
(a)は図8に示した車両用回路体の幹線を説明する為の横断面図、(b)は(a)の要部拡大図である。
本発明の第3実施形態に係る車両用回路体の幹線を説明する為の要部分解斜視図である。
(a)は図10に示した車両用回路体の幹線を説明する為の横断面図、(b)は(a)の要部拡大図である。
参考例に係る車両用回路体の製造方法における電線配索工程を説明する為の説明図である。
(a)〜(c)は本発明の第4実施形態に係る車両用回路体の幹線を構成するサブハーネスの形成手順を説明する為の説明図である。
本第4実施形態に係る車両用回路体の幹線を説明する為の要部分解斜視図である。
(a)は図14に示した車両用回路体の幹線を説明する為の横断面、(b),(c)は(a)に示した車両用回路体の幹線の変形例を説明する為の横断面である。
(a)〜(c)は本発明の第4実施形態に係る車両用回路体の分岐部を説明する為の拡大斜視図である。
(a)〜(c)は本発明の第5実施形態に係る車両用回路体の幹線の形成手順を説明する為の説明図である。
従来のワイヤハーネスを示す全体斜視図である。
図18に示したワイヤハーネスを製造する為に、ワイヤハーネスを配索する経路に沿ってプロテクタ専用治具と配索治具とを配置した布線台の概略構成図である。
図18に示したワイヤハーネスの製造方法におけるサブハーネス配索工程を説明する為の説明図である。
図18に示したワイヤハーネスの製造方法におけるサブハーネス配索工程以後のプロテクタの本体と蓋体の合体係合工程を説明する為の説明図である。

実施例

0033

本発明の車両用回路体および車両用回路体の製造方法に関する具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。

0034

[第1実施形態の車両用回路体]
図1および図2は、本発明の第1実施形態に係る車両用回路体1を示す全体斜視図および分解斜視図である。
本第1実施形態に係る車両用回路体1は、例えば車両のフロアパネルインパネに配索され、車載バッテリなどの主電源の電力を車体各部の補機(電装品)に対してそれぞれ供給したり、電装品同士の間で信号のやりとりを行うために必要な伝送経路としたりして利用されるものである。

0035

具体的には、構造を簡素化するために、所定の電流容量を有する電源ラインが、背骨のような形状が単純な平型配索材20で形成され、所定の通信を行う通信ラインアースラインが、所定の配索形態に構成された複数本の電線11により形成された電線束10で形成されている。なお、「所定の電流容量」とは、例えば取付対象車両に搭載可能な全ての電装品が搭載されて使用される際に必要十分な電流容量である。そして、この電源供給用の平型配索材20に沿って分散配置された複数の制御ボックス(図示せず)に接続される枝線を介して、様々な補機(電装品)に電力を供給できるように構成されている。

0036

図1および図2に示すように、本第1実施形態に係る車両用回路体1は、基本的な構成要素として、車両用回路体1の幹線を構成する平型配索材20と、複数本の電線11により所定の配索形態に構成され、平型配索材20と伴に幹線を構成する部分が平型配索材20上に配索された電線束10と、平型配索材20の幹線分岐位置に配置されて電線束10から電線11の一部を分岐線12として分岐した状態に保持する分岐プロテクタ35と、平型配索材20の上面上に配索された電線束10の幹線を構成する部分を平型配索材20に固定する粘着テープ等の固定部材5と、を備える。

0037

本第1実施形態に係る平型配索材20は、断面形状が扁平な帯状の導電性金属材料(例えば、銅又は銅合金や、アルミニウム又はアルミニウム合金)からなる平型導体21が車体の取付け部に沿って所定形状に屈曲形成され、周囲が絶縁被覆23で覆われている(図4の(b)、参照)。
電装品と電源との間を電気的に接続する電源供給用の平型配索材20は、所定の電気容量を確保するために大きな断面積が必要であるが、厚み方向に対する曲げ加工が比較的容易であり、所定の配索経路に沿って配索するための作業が容易になる。

0038

本第1実施形態に係る電線束10は、撚り線を有する複数の電線11で構成されている。電線束10は、平型配索材20上に配索されて幹線を構成する部分と、平型配索材20上に配索された幹線から分岐される分岐線12とによって、所定の配索形態に構成されている。これら幹線および分岐線12のハーネス端末には、図示しないジャンクションブロックや電装品等と接続されるコネクタ3が取付けられている。

0039

本第1実施形態に係る分岐プロテクタ35は、平型配索材20の幹線分岐位置に配置され、平型配索材20上に配索された電線束10の幹線から分岐された分岐線12を分岐した状態に保持する合成樹脂製の保持部材である。
分岐プロテクタ35は、図2に示すように、板厚方向から嵌め込まれた平型配索材20を幅方向から挟持する一対の側壁底壁の両側端垂設された断面U字状に形成された本体33と、一対の側壁の上端部に被せられるカバー31とで構成されている。本体33における一対の側壁の間隔は、平型配索材20の幅寸法に対応して、平型配索材20の幅よりも若干狭い間隔から若干広い間隔の間で適宜設定される。

0040

更に、分岐プロテクタ35の本体33における一対の側壁の少なくとも一方には、電線束10の幹線から分岐された分岐線12を引き出すための分岐線導出部34が形成されている。図2に示した本体33には、分岐数に合わせて一方の側壁にのみ分岐線導出部34が形成されたものと、両方の側壁に分岐線導出部34が形成されたものとが使用されている。勿論、両方の側壁に分岐線導出部34が形成された本体33のみを使用することで、同一形状の分岐プロテクタ35を全ての分岐個所に使用することができる。

0041

また、本体33における一対の側壁の上端部に被せられるカバー31は、図示しないロック機構により本体33にロック固定され、平型配索材20上に配索された電線11の飛び出しを防ぐことができる。なお、カバー31は、薄肉ヒンジ部を介して本体33に一体成形することもできる。

0042

上述した本第1実施形態に係る車両用回路体1によれば、電源ラインの幹線を構成する平型配索材20と、通信ラインとアースラインを形成するため所定の配索形態に構成された電線束10の幹線を構成する部分とによって、単純な構造の幹線を構成することができる。即ち、所定の電流容量を確保するために大きな断面積を有する偏平な帯状の平型導体21からなる平型配索材20によって、車両用回路体1における幹線の電源ラインを集約することができ、車両用回路体1の幹線における電源用の電線本数を減らし、幹線の軽量化が可能となる。

0043

また、平型配索材20の平型導体21は、形状を維持できる金属板で形成されるため、幹線を構成する部分が平型配索材20上に配索された電線束10と伴に車両上に直接配索することができ、車両用回路体1の幹線を収容保持する大型のプロテクタを省略することができる。
従って、本第1実施形態に係る車両用回路体1によれば、様々な電装品と車両上の電源との間および電装品同士の電気接続のための構造、特に幹線部分の構成を簡素化する構造を備えた車両用回路体を提供することができる。

0044

また、本第1実施形態に係る車両用回路体1によれば、平型配索材20の幹線分岐位置に配置された分岐プロテクタ35によって、平型配索材20上に配索された電線束10の幹線から分岐された電線11の一部を分岐線12として分岐した状態に容易に保持することができる。また、分岐プロテクタ35は、同一形状のものを複数の分岐個所に使用することができ、部品点数の増加によるコスト上昇を抑制することができる。
なお、電線11が配索された分岐プロテクタ35の本体33にはカバー31を被せ、電線11の飛び出しを防ぐことができる。また、分岐プロテクタ35が配置されない平型配索材20の箇所に関しては、テープ巻き等を行い電線11の飛び出しを防ぐこともできる。

0045

また、本第1実施形態に係る車両用回路体1によれば、平型配索材20の上面上に配索された電線束10の幹線を構成する部分が、粘着テープ等の固定部材5により固定される。そこで、電線束10は、平型配索材20の上面上からこぼれ落ちることなく配索され、車両用回路体1の幹線を収容する大型のプロテクタを省略することができる。なお、平型配索材20の上面上に配索された電線束10の幹線を構成する部分を平型配索材20に固定する固定部材5としては、粘着テープに限らず、結束バンドや小型プロテクタ等の種々の固定部材を用いることができる。

0046

[第1実施形態に係る車両用回路体の製造方法]
次に、上述した本第1実施形態に係る車両用回路体1の製造方法について説明する。
図3は、図1に示した車両用回路体1を製造する為に、車両用回路体1を配索する経路に沿って配索治具45,55と配索治具65とを配置した布線台50の概略構成図である。
図3に示すように、布線台50上には、車両用回路体1を構成する平型配索材20の配索経路に応じて配索治具45,55が配置され、電線束10の配索経路に応じて配索治具65が配置されている。

0047

配索治具45は、布線台50上に固定されるベース部41の上に、分岐プロテクタ35の本体33を保持するプロテクタ保持部43が設けられた構成である。プロテクタ保持部43は、本体33を保持する複数のピンにより構成されている。プロテクタ保持部43は、保持した本体33を介して載置された平型配索材20を布線台50の所定位置に保持固定することができる。
配索治具55は、布線台50上に固定されるベース部51の上に、一対のピン状の配索材保持部53が設けられた構成である。配索材保持部53は、載置された平型配索材20を布線台50の所定位置に保持固定することができる。

0048

配索治具65は、布線台50上に固定されるベース部61の上に、一対のピン状の電線掛け部63を設けた構成であり、分岐線12の端末部用の配索治具である。電線掛け部63は、分岐線12の端末に接続されたコネクタ3等を引っ掛けやすいように、ピンの間隔等が設定されている。

0049

(幹線配置工程)
先ず、図3および図4に示すように、布線台50上の配索治具45,55に、平型配索材20をセットする。配索治具45にセットされた部分の平型配索材20は、プロテクタ保持部43に保持された分岐プロテクタ35の本体33に板厚方向から嵌め込まれる。配索治具55にセットされた部分の平型配索材20は、一対のピン状の配索材保持部53により幅方向から挟持される。従って、平型配索材20は、配索治具45,55によって布線台50の所定位置に保持固定される。

0050

(電線配索工程)
次に、図5に示すように、複数本の電線11が所定の配索形態に構成された電線束10における幹線を構成する部分を平型配索材20の上面上に配索する。更に、平型配索材20上に配索された電線束10の幹線から分岐された電線11の一部が、分岐プロテクタ35の本体33における分岐線導出部34から引き出されて分岐線12として分岐される。
そして、本体33の分岐線導出部34から引き出された分岐線12の端末に接続されたコネクタ3が配索治具65の電線掛け部63に引っ掛けられることで、所定の寸法形状に配索した電線束10が形成される。

0051

(テープ巻き工程)
次に、図6に示すように、平型配索材20の上面上に配索された電線束10の幹線を構成する部分が、平型配索材20と伴に巻き付けられた粘着テープ等の固定部材5により固定される。そこで、電線束10は、平型配索材20の上面上からこぼれ落ちることなく配索される。

0052

上述した本第1実施形態に係る車両用回路体1の製造方法によれば、幹線を構成する平型配索材20と、所定の配索形態に構成された電線束10の幹線を構成する部分とによって、単純な構造の幹線を備えた車両用回路体1を製造することができる。即ち、所定の電流容量を確保するために大きな断面積を有する偏平な帯状の平型導体21からなる平型配索材20によって、幹線の電源ラインを集約することができ、幹線における電源用の電線本数を減らすことができる。そこで、車両用回路体1を製造する際の電線束10の配索作業時間を削減することができる。

0053

また、平型配索材20は形状を維持できる金属板で形成されるため、布線台50上の配索治具45,55に平型配索材20を直接配置し、電線束10の幹線を構成する部分を平型配索材20上に直接配索することができ、車両用回路体1の幹線を収容保持する大型のプロテクタを省略することができる。そこで、図19に示したようなプロテクタ120の本体121を保持するプロテクタ保持部153が設けられたプロテクタ専用治具160を用いる必要がなくなり、通常形態の配索治具45,55のみを備えた布線台50で配索作業を行うことができる。

0054

従って、上述した車両用回路体1の製造方法によれば、様々な電装品と車両上の電源との間および電装品同士の電気接続のための構造、特に幹線部分の構成を簡素化する構造を備えた車両用回路体1を製造することができる。

0055

[第2実施形態の車両用回路体]
図7図9は、本発明の第2実施形態に係る車両用回路体1Aの幹線を説明する為の要部分解斜視図および横断面図である。
本第2実施形態に係る車両用回路体1Aは、先ず図7に示したように、配索治具45のプロテクタ保持部43(図示略)に保持された分岐プロテクタ35の本体33に、板厚方向から平型配索材20が嵌め込まれる。

0056

そして、図8に示すように、平型配索材20の上面上には、編組線からなるシールド部材25が配置される。更に、シールド部材25の上から複数本の電線11が所定の配索形態に構成された電線束10における幹線を構成する部分が配索される。

0057

その結果、本第2実施形態に係る車両用回路体1Aによれば、図9に示すように、電装品と電源との間を電気的に接続する電源供給用の平型配索材20と、平型配索材20上に配索された電線束10との間に、ノイズを遮断するためのシールド部材25が配設される。そこで、平型配索材20を流れる大電流によって生じる電磁ノイズはシールド部材25で遮断され、電線束10の通信用電線等へノイズが行くことがない。その結果、従来は複数の通信用電線に各々施していたノイズ対策が不要となり、コスト低減が可能となる。

0058

[第3実施形態の車両用回路体]
図10図11は、本発明の第3実施形態に係る車両用回路体1Bの幹線を説明する為の要部分解斜視図および横断面図である。
本第3実施形態に係る車両用回路体1Bは、図10に示すように、電線束10における幹線を構成する部分が、電源供給用の平型配索材20上に並設された複数本のアース用電線11Aと、アース用電線11A上に積層された通信用電線11Bと、を有する。

0059

その結果、本第3実施形態に係る車両用回路体1Bによれば、図11に示すように、電装品と電源との間を電気的に接続する電源供給用の平型配索材20上に配索される電線束10の幹線を構成する部分が、平型配索材20上に並設された複数本のアース用電線11Aと、アース用電線11A上に積層された通信用電線11Bとに分けて配索される。
そこで、平型配索材20を流れる大電流によって生じる電磁ノイズは、電線束10における複数本のアース用電線11Aで遮断され、複数本のアース用電線11A上に積層された通信用電線11Bへノイズが行くことがない。即ち、平型配索材20から生じた電磁ノイズは、アース用電線11Aから発する電磁ノイズの打消し効果により遮断される。その結果、部品点数を増やすことなく、従来は複数の通信用電線に各々施していたノイズ対策が不要となり、コスト低減が可能となる。

0060

従って、上記第2及び第3実施形態に係る車両用回路体1A,1Bによれば、様々な電装品と車両上の電源との間および電装品同士の電気接続のための構造、特に幹線部分の構成を簡素化する構造、並びに、耐ノイズ性能を高めることができる構造を備えた車両用回路体を提供することができる。

0061

[第4実施形態の車両用回路体]
図13図15は、本発明の第4実施形態に係る車両用回路体1Cの幹線を構成するサブハーネスの形成手順を説明する為の説明図である。
例えば、所定間隔で複数配置された配索治具45に保持された平型配索材20に配索された電線束10の幹線は、図12に示したように、配索治具45と配索治具45の間でばらけた電線11が平型配索材20の上面上からこぼれ落ちる可能がある。この際、こぼれた電線11を平型配索材20の上面上に戻す作業が必要となり、作業性が低下してしまう。

0062

そこで、図13の(a)に示すように、電線束10の幹線を構成する複数本の電線11が、PETシート等の1枚のシート材70の右半分に置かれる。そして、図13の(b)に示すように、シート材70の左半分が電線11の上側へ折り畳まれる。そこで、図13の(c)に示したように、電線束10の幹線を構成する複数本の電線11をシート材70に挟んで纏めることで、電線11が平型配索材20の上面上からこぼれ落ちることがなく、配索が容易となる。
複数本の電線11を挟むシート材70は、図13に示したように、1枚のシート材70を中央部で折り畳んで重ね合わせてもよいし、同一形状の2枚のシート材70を重ね合わせて貼り合せてもよい。また、シート材70は、一般的なシート基材の一方の面に特殊粘着剤層が積層された自己粘着シートや、シート基材の少なくとも一方の面の一部分または全てに粘着剤が塗布された公知の粘着シートを用いることが望ましい。

0063

図14に示すように、本発明の第4実施形態に係る車両用回路体1Cは、電線束10の幹線を構成する部分が、複数本のアース用電線11Aが纏めてシート材70に挟まれて平型配索材20上に並設されたアース用サブハーネス10Aと、複数本の通信用電線11Bが纏めてシート材70に挟まれてアース用サブハーネス10A上に積層された通信用サブハーネス10Bと、を有する。

0064

本第4実施形態に係る車両用回路体1Cによれば、図15の(a)に示すように、電線束10の幹線を構成する部分における複数本のアース用電線11Aからなるアース用サブハーネス10Aと複数本の通信用電線11Bからなる通信用サブハーネス10Bとが、予めシート材70に挟まれてそれぞれ纏められている。

0065

そこで、平型配索材20上への複数本のアース用電線11Aおよび複数本の通信用電線11Bの配索作業が容易となる。シート材70に挟まれて纏められた複数本のアース用電線11Aは、互いに隙間なく並列に配設されるので、アース用電線11Aによる電磁ノイズの遮断効果を高めることができる。
また、それぞれシート材70に挟まれて纏められているアース用サブハーネス10Aおよび通信用サブハーネス10Bは、アース用電線11Aおよび通信用電線11Bが平型配索材20の上面上からこぼれ落ちることなく、配索が容易となる。

0066

更に、本第4実施形態に係る車両用回路体1Cは、図15の(b),(c)に示すように、幅が異なる平型配索材20に対応して、アース用サブハーネス10Aおよび通信用サブハーネス10Bの纏め形状を容易に変えることができ、平型配索材20上への配索作業が容易となる。

0067

図16の(a)〜(c)は、本発明の第4実施形態に係る車両用回路体の分岐部を説明する為の拡大斜視図である。
図16の(a)は、上述した第1実施形態に係る車両用回路体1における分岐部の拡大斜視図であり、平型配索材20上に配索された電線束10の幹線から分岐された電線11の一部が、分岐プロテクタ35の本体33における分岐線導出部34から引き出されて分岐線12として分岐された状態に保持されている。

0068

これに対し、第4実施形態に係る車両用回路体1Cの分岐部は、図16の(b)に示したアース用サブハーネス10Aのように、片面粘着シートからなる2枚のシート材70によって挟まれて纏められる場合には、2枚のシート材70によって挟まれた幹線の途中から分岐されたアース用電線11Aの一部が、分岐線12として所定の分岐方向に延在した状態に保持される。そこで、車両用回路体1Cは、分岐プロテクタ35を用いることなく分岐部を容易に形成することができる。

0069

更に、図16の(c)に示したように、通信用サブハーネス10Cが複数のツイスト電線11Cからなり、片面粘着シートからなる2枚のシート材70によって挟まれて纏められた場合にも、2枚のシート材70によって挟まれた幹線の途中から分岐されたツイスト電線11Cの一部が、分岐線12Cとして所定の分岐方向に延在した状態に保持される。そこで、車両用回路体1Cの分岐部は、分岐プロテクタ35を用いることなくツイスト電線11Cからなる通信用サブハーネス10Cにも容易に形成することができる。

0070

従って、上記第4実施形態に係る車両用回路体1Cによれば、様々な電装品と車両上の電源との間および電装品同士の電気接続のための構造、特に幹線部分の構成を簡素化する構造、並びに、耐ノイズ性能を高めることができる構造を備えた車両用回路体を提供することができる。

0071

[第5実施形態の車両用回路体]
図17の(a)〜(c)は、本発明の第5実施形態に係る車両用回路体1Dの幹線の形成手順を説明する為の説明図である。
図17の(a)に示すように、通信用サブハーネス(サブハーネス)80の幹線を構成する複数本のツイスト電線11Cが、編組線からなる1枚のシールド部材25の右半分に置かれ、左半分がツイスト電線11Cの上側へ折り畳まれる。そして、通信用サブハーネス80の幹線を構成する複数本のツイスト電線11Cは、図17の(b)に示したように、1枚のシールド部材25によって挟まれて纏められる。そこで、図17の(c)に示したように、複数本(本実施形態では2本)の通信用サブハーネス80が電源供給用の平型配索材20上に配索され、車両用回路体1Dの幹線が構成される。
なお、通信用サブハーネス80の幹線を構成する複数本のツイスト電線11Cを挟んで纏めるシールド部材25としては、編組線に限らず、金属箔(アルミ箔)等の種々の導電性シートを用いることができる。

0072

本発明の第5実施形態に係る車両用回路体1Dによれば、電線束10の幹線を構成する部分における複数本のツイスト電線11Cが、予め通信用サブハーネス80毎に纏められてノイズを遮断するための編組線からなるシールド部材25に挟まれて纏められる。そこで、通信用サブハーネス80は、ツイスト電線11Cが平型配索材20の上面上からこぼれ落ちることなく、平型配索材20上への配索作業が容易となる。また、平型配索材20を流れる大電流によって生じる電磁ノイズはシールド部材25で遮断され、平型配索材20上に配索された各通信用サブハーネス80へノイズが行くことがない。その結果、従来は複数のツイスト電線に各々施していたノイズ対策が不要となり、コスト低減が可能となる。

0073

従って、上記第5実施形態に係る車両用回路体1Dによれば、様々な電装品と車両上の電源との間および電装品同士の電気接続のための構造、特に幹線部分の構成を簡素化する構造、並びに、耐ノイズ性能を高めることができる構造を備えた車両用回路体を提供することができる。

0074

尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。

0075

ここで、上述した本発明に係る車両用回路体および車両用回路体の製造方法の実施形態の特徴をそれぞれ以下[1]〜[8]に簡潔に纏めて列記する。
[1] 車両用回路体の幹線を構成する平型配索材(20)と、
複数本の電線(11)により所定の配索形態に構成され、前記幹線を構成する部分が前記平型配索材(20)上に配索された電線束(10)と、
を備えることを特徴とする車両用回路体(1,1A,1B,1C,1D))。
[2]電源供給用の前記平型配索材(20)からのノイズを遮断するためのシールド部材(25)が、前記平型配索材(20)と前記電線束(10)との間に配設された
ことを特徴とする上記[1]に記載の車両用回路体(1A)。
[3] 前記電線束(10)における前記幹線を構成する部分は、
電源供給用の前記平型配索材(20)上に並設された複数本のアース用電線(11A)と、
前記アース用電線(11A)上に積層された通信用電線(11B)と、
を有することを特徴とする上記[1]に記載の車両用回路体(1B,1C)。
[4] 前記複数本のアース用電線(11A)が纏めてシート材(70)に挟まれて前記平型配索材(20)上に並設されたアース用サブハーネス(10A)と、
複数本の前記通信用電線(11B)が纏めてシート材(70)に挟まれて前記アース用サブハーネス(10A)上に積層された少なくとも1つの通信用サブハーネス(10B)と、
を有することを特徴とする上記[3]に記載の車両用回路体(1C)。
[5] 前記電線束(10)における前記幹線を構成する部分は、
複数本の前記電線(ツイスト電線11C)がサブハーネス(通信用サブハーネス80)毎に纏めてノイズを遮断するためのシールド部材(25)に挟まれて電源供給用の前記平型配索材(20)上に配索されている
ことを特徴とする上記[1]に記載の車両用回路体(1D)。
[6] 前記平型配索材(20)の幹線分岐位置には、
前記電線束(10)から前記電線(11)の一部を分岐した状態に保持する分岐プロテクタ(35)が配置されている
ことを特徴とする上記[1]〜[5]の何れか1つに記載の車両用回路体(1,1A,1B,1C,1D)。
[7] 前記電線束(10)における前記幹線を構成する部分が、固定部材(5)により前記平型配索材(20)の上面上に固定されている
ことを特徴とする上記[1]〜[6]の何れか1つに記載の車両用回路体(1,1A,1B,1C,1D)。
[8] 車両用回路体(1)の幹線を構成する平型配索材(20)を布線台(50)上の配索治具(45,55)に配置する幹線配置工程と、
複数本の電線(11)を所定の配索形態に構成した電線束(10)における前記幹線を構成する部分を前記平型配索材(20)の上面上に配索する電線配索工程と、
を含むことを特徴とする車両用回路体の製造方法。

0076

1…車両用回路体
5…固定部材
10…電線束
11…電線
20…平型配索材
35…分岐プロテクタ

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