図面 (/)

技術 フッ化カーボン、雪氷上用潤滑剤及び塗装方法

出願人 ダイキン工業株式会社
発明者 増田英二河原一也
出願日 2019年4月11日 (1年7ヶ月経過) 出願番号 2019-075383
公開日 2019年11月28日 (1年0ヶ月経過) 公開番号 2019-203118
状態 特許登録済
技術分野 火薬、マッチ等 潤滑剤
主要キーワード ホットワックス スノーボード板 フッ素ガス流量 滑走性 ワックス除去 除去シート フッ素化度 実地試験
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年11月28日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (0)

図面はありません

課題

雪氷上での滑走性を向上させることが可能な潤滑剤を提供する。

解決手段

雪氷上用潤滑剤に使用されるフッ化カーボンであって、前記潤滑剤はパラフィンワックスを含み、前記パラフィンワックスに対して0.1〜2.0質量%の割合で使用されることを特徴とするフッ化カーボン。

概要

背景

スキー等の雪氷上を滑走するスポーツにおいて使用される滑走具には、高い滑走性能が要求されており、滑走具に塗布する潤滑剤が検討されている。

特許文献1には、約10重量%〜約90重量%の少なくとも一種パラフィンワックスおよび約10重量%〜約90重量%の少なくとも一種のフルオロポリマー微小粉末から本質的になる組成物が記載されている。

特許文献2には、パラフィンワックスが、50〜95重量%、フッ化黒鉛が5〜50重量%からなるスキー用潤滑剤が記載されている。

概要

雪氷上での滑走性を向上させることが可能な潤滑剤を提供する。雪氷上用潤滑剤に使用されるフッ化カーボンであって、前記潤滑剤はパラフィンワックスを含み、前記パラフィンワックスに対して0.1〜2.0質量%の割合で使用されることを特徴とするフッ化カーボン。なし

目的

特表2005−506408号公報
特開平3−157494号公報






本開示は、雪氷上での滑走性を向上させることが可能な潤滑剤を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

雪氷上用潤滑剤に使用されるフッ化カーボンであって、前記潤滑剤はパラフィンワックスを含み、前記パラフィンワックスに対して0.1〜2.0質量%の割合で使用されることを特徴とするフッ化カーボン。

請求項2

炭素原子に対するフッ素原子モル比F/Cが1.00以上である請求項1記載のフッ化カーボン。

請求項3

前記潤滑剤は、更に、フッ素樹脂を含む請求項1又は2記載のフッ化カーボン。

請求項4

前記潤滑剤は、前記潤滑剤からなる塗膜塗装対象の近傍における前記フッ化カーボンの含有量が、前記塗膜の塗装対象と反対側の表面における前記フッ化カーボンの含有量より多くなるように塗布される請求項1、2又は3記載のフッ化カーボン。

請求項5

前記潤滑剤は、スキー又はスケートに用いられる請求項1、2、3又は4記載のフッ化カーボン。

請求項6

パラフィンワックスと、前記パラフィンワックスに対して0.1〜2.0質量%のフッ化カーボンとを含む雪氷上用潤滑剤。

請求項7

前記フッ化カーボンは、炭素原子に対するフッ素原子のモル比F/Cが1.00以上である請求項6記載の雪氷上用潤滑剤。

請求項8

更に、フッ素樹脂を含む請求項6又は7記載の雪氷上用潤滑剤。

請求項9

前記潤滑剤からなる塗膜の塗装対象の近傍における前記フッ化カーボンの含有量が、前記塗膜の塗装対象と反対側の表面における前記フッ化カーボンの含有量より多くなるように塗布される請求項6、7又は8記載の雪氷上用潤滑剤。

請求項10

スキー又はスケートに用いられる請求項6、7、8又は9記載の雪氷上用潤滑剤。

請求項11

表面に凹凸を有する塗装対象を雪氷上用潤滑剤により塗装する方法であって、前記塗装対象の凹凸を有する表面上に前記フッ化カーボンを塗布する工程(1)、前記フッ化カーボンが塗布された面上に前記パラフィンワックスを塗布する工程(2)、得られた塗膜の表面を平滑にする工程(3)、及び、平滑にした塗膜表面を処理して、前記凹凸を露出させる工程(4)を含み、前記フッ化カーボンは、前記パラフィンワックスに対して0.1〜2.0質量%であることを特徴とする塗装方法

請求項12

フッ化カーボンのみからなる雪氷上用潤滑剤。

請求項13

前記フッ化カーボンは、炭素原子に対するフッ素原子のモル比F/Cが1.00以上である請求項12記載の雪氷上用潤滑剤。

請求項14

スキー又はスケートに用いられる請求項12又は13記載の雪氷上用潤滑剤。

技術分野

0001

本開示は、フッ化カーボン雪氷上用潤滑剤及び塗装方法に関する。

背景技術

0002

スキー等の雪氷上を滑走するスポーツにおいて使用される滑走具には、高い滑走性能が要求されており、滑走具に塗布する潤滑剤が検討されている。

0003

特許文献1には、約10重量%〜約90重量%の少なくとも一種パラフィンワックスおよび約10重量%〜約90重量%の少なくとも一種のフルオロポリマー微小粉末から本質的になる組成物が記載されている。

0004

特許文献2には、パラフィンワックスが、50〜95重量%、フッ化黒鉛が5〜50重量%からなるスキー用潤滑剤が記載されている。

先行技術

0005

特表2005−506408号公報
特開平3−157494号公報

発明が解決しようとする課題

0006

本開示は、雪氷上での滑走性を向上させることが可能な潤滑剤を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本開示は、雪氷上用潤滑剤に使用されるフッ化カーボンであって、上記潤滑剤はパラフィンワックスを含み、上記パラフィンワックスに対して0.1〜2.0質量%の割合で使用されることを特徴とするフッ化カーボンに関する。
上記フッ化カーボンは、炭素原子に対するフッ素原子モル比F/Cが1.00以上であることが好ましい。
上記潤滑剤は、更に、フッ素樹脂を含むことが好ましい。
上記潤滑剤は、上記潤滑剤からなる塗膜塗装対象の近傍における上記フッ化カーボンの含有量が、上記塗膜の塗装対象と反対側の表面における上記フッ化カーボンの含有量より多くなるように塗布されることが好ましい。
上記潤滑剤は、スキー又はスケートに用いられることが好ましい。

0008

本開示は、パラフィンワックスと、上記パラフィンワックスに対して0.1〜2.0質量%のフッ化カーボンとを含む雪氷上用潤滑剤にも関する。
上記フッ化カーボンは、炭素原子に対するフッ素原子のモル比F/Cが1.00以上であることが好ましい。
上記潤滑剤は、更に、フッ素樹脂を含むことが好ましい。
上記潤滑剤は、上記潤滑剤からなる塗膜の塗装対象の近傍における上記フッ化カーボンの含有量が、上記塗膜の塗装対象と反対側の表面における上記フッ化カーボンの含有量より多くなるように塗布されることが好ましい。
上記潤滑剤は、スキー又はスケートに用いられることが好ましい。

0009

本開示は、表面に凹凸を有する塗装対象を雪氷上用潤滑剤により塗装する方法であって、上記塗装対象の凹凸を有する表面上に上記フッ化カーボンを塗布する工程(1)、上記フッ化カーボンが塗布された面上に上記パラフィンワックスを塗布する工程(2)、得られた塗膜の表面を平滑にする工程(3)、及び、平滑にした塗膜表面を処理して、上記凹凸を露出させる工程(4)を含み、上記フッ化カーボンは、上記パラフィンワックスに対して0.1〜2.0質量%であることを特徴とする塗装方法にも関する。

0010

本開示は、フッ化カーボンのみからなる雪氷上用潤滑剤にも関する。
上記フッ化カーボンは、炭素原子に対するフッ素原子のモル比F/Cが1.00以上であることが好ましい。
上記潤滑剤は、スキー又はスケートに用いられることが好ましい。

発明の効果

0011

本開示によれば、雪氷上での滑走性を向上させることが可能な潤滑剤を提供することができる。

0012

以下、本開示を具体的に説明する。

0013

本開示は、雪氷上用潤滑剤に使用されるフッ化カーボンに関する。
本開示のフッ化カーボンが使用される雪氷上用潤滑剤はパラフィンワックスを含む。
本開示のフッ化カーボンは、上記パラフィンワックスに対して0.1〜2.0質量%の割合で使用されることを特徴とする。
本開示のフッ化カーボンが使用される上記雪氷上用潤滑剤は、上記パラフィンワックスと、上記パラフィンワックスに対して0.1〜2.0質量%の上記フッ化カーボンとを含む。

0014

本開示は、パラフィンワックスと、上記パラフィンワックスに対して0.1〜2.0質量%のフッ化カーボンとを含むことを特徴とする雪氷上用潤滑剤にも関する。
以下では、この本開示の雪氷上用潤滑剤と、本開示のフッ化カーボンが使用される雪氷上用潤滑剤とを、まとめて第1の潤滑剤と称する。

0015

フッ化カーボンをパラフィンワックスに対して上記のように極めて限定された割合で使用することにより、雪氷上での滑走性を向上させることができる。また、第1の潤滑剤は防汚性に優れ、雪氷上のゴミが付着しにくいので、滑走中に滑走性が低下しにくい。更に、上記フッ化カーボンを使用することにより、質によって滑走性が悪化しにくく、安定した滑走性を実現できる。

0016

上記フッ化カーボンの割合は、上記パラフィンワックスに対して0.3質量%以上であることが好ましく、また、1.9質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以下であることがより好ましい。

0017

上記フッ化カーボンは、フッ化黒鉛とも称され、ポリ(カーボンモノフルオライド)が主成分をなすものであり、炭化水素系化合物水素原子がフッ素原子で置換された化合物や、フッ素樹脂等のフルオロポリマーとは異なる。

0018

上記フッ化カーボンとしては、炭素材料フッ素ガスによりフッ素化したものが好ましい。
上記炭素材料としては、カーボンブラックが適している。カーボンブラックとしては、ファーネスブラック(例えば、旭カーボン(株)製の旭#55)、チャネルブラック(例えば、コロンビアカーボン社製のレーベン7000)、サーマルブラック(例えば、コロンビアカーボン社製のセバカーボMT−C1)、アセチレンブラック(例えば、電気化学工業(株)製のデンカブラック)等の市販のものを使用することができる。

0019

上記フッ化カーボンは、炭素材料を、好ましくは200〜600℃において、より好ましくは300〜500℃において、フッ素ガスと接触させることによって得ることができる。200℃未満では、フッ素化反応の進行が遅い、フッ素化度上がりにくい、熱安定性が充分ではない、といった問題が生じる。600℃を超えると、熱分解が起こりやすく、得られるフッ化カーボンの収率が低くなる。また、ときとして、急激な熱分解反応が生じ、爆発に至ることがあるため、充分な注意が要求される。

0020

反応に使用するフッ素ガスは、窒素アルゴンヘリウム、四フッ化炭素などの不活性
ガス希釈されていてもよく、フッ化水素を含んでいてもよい。
フッ素化反応は、常圧で行なうことができるが、減圧下あるいは加圧下で行なっても、なんら差し支えない。フッ素化反応時間、フッ素ガス流量等の条件は、原料である炭素材料とフッ素との反応性及び所望の炭素原子に対するフッ素原子のモル比F/Cに応じて適宜調節することができる。

0021

上記フッ化カーボンは、炭素原子に対するフッ素原子のモル比F/Cが0.98以上であることが好ましく、1.00以上であることがより好ましく、1.01以上が更に好ましく、1.10以上が特に好ましい。F/Cが上記範囲内にあると、雪氷上での滑走性を一層向上させることができる。F/Cの上限は、1.3であってよい。

0022

F/Cは、次のようにして測定される。
フッ化カーボンを、助燃剤Na2O2及びポリエチレンフィルムとともに、酸素充填したフラスコ内で燃焼し、発生したフッ化水素を水に吸収させる。フッ化物イオンメータオリオン社製:イオンアナライザ901)により発生したフッ化水素の量を測定する。この値から、フッ化カーボンの残部は全て炭素であるとして、フッ素原子数と炭素原子数との比F/Cを算出する。この値を、フッ化カーボンのF/Cとする。

0023

上記フッ化カーボンは、粒子であることが好ましく、平均粒子径は、好ましくは0.01〜50μm、より好ましくは0.01〜20μmである。平均粒子径が0.01μmより小さい場合には、2次凝集する傾向が強くなるため、使用時にパラフィンワックスに均一に分散させることが困難となる傾向があり、平均粒子径が50μmより大きい場合には、分散性が悪くなる傾向がある。
上記平均粒子径は、ドライレーザー測定器HELOS&RODOSシステム商品名、SYMPATEC社製)を用いて測定し、累積重量百分率50に相当する値として求める。

0024

上記パラフィンワックスとしては、特に限定されず、雪氷上用潤滑剤に使用可能な公知のものを使用してよい。

0025

第1の潤滑剤は、更に、フッ素樹脂を含むことが好ましい。これにより、雪氷上での滑走性を一層向上させることができる。上記フッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレンPTFE〕、テトラフルオロエチレン〔TFE〕/パーフルオロアルキルビニルエーテル)〔PAVE共重合体〔PFA〕、ポリフッ化ビニリデンPVDF〕等が挙げられる。なかでも、PTFE、PFAが好ましい。

0026

上記フッ素樹脂の使用量は、上記パラフィンワックスに対して0.1〜10質量%であってよい。

0027

第1の潤滑剤は、更に、上述した効果を損なわない範囲で公知の添加剤を含んでもよい。

0028

第1の潤滑剤は、塗装対象(例えば、雪氷上滑走具の滑走面)に塗布することにより、好適に使用することができる。この場合、第1の潤滑剤は、上記潤滑剤からなる塗膜の塗装対象の近傍における上記フッ化カーボンの含有量が、上記塗膜の塗装対象と反対側の表面における上記フッ化カーボンの含有量より多くなるように塗布されることが好ましい。このように塗布することで、雪氷上での滑走性を一層向上させることができる。
潤滑剤が上記のように塗布されていることは、例えば、当該潤滑剤からなる塗膜の塗装対象と反対側の表面から順に潤滑剤をスクレーパーで掻き取ってサンプルとし、掻き取った各サンプル中のフッ化カーボンの含有量(パラフィンワックスに対する割合)を測定し、比較することにより確認することができる。塗装対象に近い側のサンプル中のフッ化カーボン量が表面のサンプル中のフッ化カーボン量より多ければ、上記のように塗布されていると判断する。

0029

第1の潤滑剤を塗布して得られる塗装面は、摩擦抵抗が小さく滑走性に優れる。上記塗装面は、静摩擦係数が0.16〜0.20であることが好ましく、0.17〜0.19であることがより好ましい。また、上記塗装面は、動摩擦係数が0.05〜0.10であることが好ましく、0.06〜0.08であることがより好ましい。

0030

本開示は、表面に凹凸を有する塗装対象を雪氷上用潤滑剤により塗装する方法であって、上記塗装対象の凹凸を有する表面上に上記フッ化カーボンを塗布する工程(1)、
上記フッ化カーボンが塗布された面上に上記パラフィンワックスを塗布する工程(2)、
得られた塗膜の表面を平滑にする工程(3)、及び、平滑にした塗膜表面を処理して、上記凹凸を露出させる工程(4)を含み、上記フッ化カーボンは、上記パラフィンワックスに対して0.1〜2.0質量%であることを特徴とする塗装方法にも関する。
上記特徴により、雪氷上での滑走性を向上させることができる。また、滑走面の防汚性を向上させ、雪氷上のゴミが付着しにくくすることができるので、滑走中に滑走性が低下しにくい。更に、雪質によって滑走性が悪化しにくく、安定した滑走性を実現できる。
本開示の塗装方法は、塗装対象を第1の潤滑剤により塗装する方法として好適に使用することができる。

0031

本開示の塗装方法における塗装対象(例えば、雪氷上滑走具の滑走面)は、表面に凹凸を有する。上記凹凸は微細な溝状の構造であることが好ましく、例えば、深さ15μm〜45μm、幅10μm〜50μmの溝状の構造であってよい。また、上記凹凸は微細な溝状の繰り返し構造であってもよい。上記凹凸としては、雪氷上滑走具の滑走面に設けられた溝(ストラクチャー)等が挙げられる。

0032

本開示の塗装方法において使用するフッ化カーボン及びパラフィンワックスとしては、第1の潤滑剤において使用可能なフッ化カーボン及びパラフィンワックスと同様のものが挙げられる。

0033

工程(1)は、例えば、塗装対象上にフッ化カーボンを付け、必要に応じてスポンジ等を用いて平坦延ばすことにより、実施できる。

0034

工程(1)の前に、塗装対象の表面から汚れ不純物を除去しておくことが好ましい。また、工程(1)の実施後、塗布されたフッ化カーボンをアイロン等の熱源により加熱してもよく、塗布されたフッ化カーボンをコルク等により塗装対象に押し付けながら擦ってもよい。これらの処理を実施すると、加熱又は発熱によりフッ化カーボンが常温より高い温度となり得るので、その場合はフッ化カーボンを常温まで冷却してもよい。

0035

工程(2)は、例えば、上記フッ化カーボンが塗布された面上にパラフィンワックスを付け、必要に応じてスポンジ等を用いて平坦に延ばすことにより、実施できる。パラフィンワックスを加熱して軟化又は溶融させてから使用してもよい。

0036

工程(2)の実施後、塗布されたパラフィンワックスをアイロン等の熱源により加熱してもよく、塗布されたパラフィンワックスをコルク等により塗装対象に押し付けながら擦ってもよい。これらの処理を実施すると、加熱又は発熱によりパラフィンワックスが常温より高い温度となり得るので、その場合はパラフィンワックスを常温まで冷却してもよい。

0037

工程(3)は、例えば、工程(2)で得られた塗膜の表面をスクレーパーを用いて削ることにより実施できる。スクレーパーによる削り取りは1回でもよく、複数回に分けて行ってもよい。
工程(3)においては、工程(2)で得られた塗膜の全量の3〜50質量%を除去することが好ましい。

0038

工程(3)の実施後、更に、塗膜表面に他の潤滑剤を塗布又は添加してもよい。

0039

工程(4)は、例えば、工程(3)で得られた塗膜の表面から、上記凹凸を覆っている潤滑剤をブラシで掻き出し、更に、除去シートを用いて余分な潤滑剤を除去することにより実施できる。工程(4)の処理は、上記凹凸の少なくとも一部が露出するように実施すればよい。潤滑剤の除去量が多すぎても少なすぎても、滑走性が低下するおそれがある。

0040

本開示の塗装方法において使用する上記フッ化カーボンは、上記パラフィンワックスに対して0.1〜2.0質量%である。上記フッ化カーボンの割合は、上記パラフィンワックスに対して0.3質量%以上であることが好ましく、また、0.9質量%以下であることが好ましい。

0041

本開示の塗装方法では、工程(4)の実施後に、例えば、上記フッ化カーボンの含有量が、上記パラフィンワックスに対して0.1〜2.0質量%である潤滑剤の塗膜を、塗装対象上に形成することができる。また、潤滑剤からなる塗膜の塗装対象の近傍における上記フッ化カーボンの含有量が、上記塗膜の塗装対象と反対側の表面における上記フッ化カーボンの含有量より多くなるようにすることができる。

0042

本開示の塗装方法によって得られる塗装面は、摩擦抵抗が小さく滑走性に優れる。上記塗装面は、静摩擦係数が0.16〜0.20であることが好ましく、0.17〜0.19であることがより好ましい。また、上記塗装面は、動摩擦係数が0.05〜0.10であることが好ましく、0.06〜0.08であることがより好ましい。

0043

本開示は、フッ化カーボンのみからなる雪氷上用潤滑剤(以下、第2の潤滑剤ともいう。)にも関する。フッ化カーボンを単独で使用した雪氷上用潤滑剤は、従来知られていない。
第2の潤滑剤は、フッ化カーボンを単独で使用することにより、雪氷上での滑走性を向上させることができる。また、第2の潤滑剤は防汚性にも優れ、雪氷上のゴミが付着しにくいので、滑走中に滑走性が低下しにくい。更に、第2の潤滑剤は雪質によって滑走性が悪化しにくく、安定した滑走性を実現できる。

0044

第2の潤滑剤に使用するフッ化カーボンとしては、第1の潤滑剤について例示したフッ化カーボンと同様のフッ化カーボンが挙げられる。

0045

塗装対象を第2の潤滑剤により塗装する方法としては、例えば、塗装対象上に第2の潤滑剤を付け、必要に応じてスポンジ等を用いて平坦に延ばすことにより塗装対象に第2の潤滑剤を塗布する工程を含む方法が挙げられる。

0046

上記塗布工程の前に、塗装対象の表面から汚れや不純物を除去しておくことが好ましい。また、上記塗布工程の実施後、塗布された第2の潤滑剤をアイロン等の熱源により加熱してもよく、塗布された第2の潤滑剤をコルク等により塗装対象に押し付けながら擦ってもよいが、後者の処理が好ましい。これらの処理を実施すると、加熱又は発熱により第2の潤滑剤が常温より高い温度となり得るので、その場合は第2の潤滑剤を常温まで冷却してもよい。
更に、得られた第2の潤滑剤の塗膜の表面をスクレーパー、ブラシ、除去シート等を用いて処理し、余分な潤滑剤を除去することも好ましい。

0047

第2の潤滑剤を塗布して得られる塗装面は、摩擦抵抗が小さく滑走性に優れる。上記塗装面は、静摩擦係数が0.16〜0.22であることが好ましく、0.18〜0.20であることがより好ましい。また、上記塗装面は、動摩擦係数が0.07〜0.12であることが好ましく、0.08〜0.10であることがより好ましい。

0048

第1及び第2の潤滑剤、並びに、本開示の塗装方法における潤滑剤は雪氷上用であり、例えば、雪氷上を滑走するための滑走具の滑走面を塗装するために使用される。本開示において雪氷上とは、雪上、上、又は、その両方を意味する。雪及び氷は、天然のものであっても、人工のものであってもよい。

0049

第1及び第2の潤滑剤、並びに、本開示の塗装方法における潤滑剤は、雪氷上を滑走するあらゆる活動において使用することができる。上記活動としては、スキー、スケート、スノーボードそり等の乗用器具を用いる活動等が挙げられ、これらの活動で使用される滑走具(スキー板、スケートのブレードスノーボード板等)の滑走面を第1又は第2の潤滑剤で塗装することにより、雪氷上での滑走性を向上させることができる。なかでもスキー、スケート又はスノーボードに用いられることが好ましく、スキー又はスケートに用いられることがより好ましい。

0050

次に実施例を挙げて本開示を更に詳しく説明するが、本開示はこれらの実施例のみに限定されるものではない。

0051

実験例では、以下の成分を使用した。
フッ化カーボン1:ダイキン工業社製、F/C=0.73
フッ化カーボン2:ダイキン工業社製、F/C=0.86
フッ化カーボン3:ダイキン工業社製、F/C=0.91
フッ化カーボン4:ダイキン工業社製、F/C=0.98
フッ化カーボン5:ダイキン工業社製、F/C=0.99
フッ化カーボン6:ダイキン工業社製、F/C=1.00
フッ化カーボン7:ダイキン工業社製、F/C=1.05
BIG555:ハヤシワックス社製、パラフィンワックス
FC7:SWIX社製、フッ素樹脂含有パラフィンワックス
FC80L:SWIX社製、フッ素樹脂含有パラフィンワックス

0052

実験例
<サンプルの作製>
スキー板の滑走面に以下に示す処理を行い、サンプルを作製した。
実験例1、13:BIG555
BIG555の「ホットワックス」→「ワックス除去
実験例2:フッ化カーボン1+BIG555
フッ化カーボン1の「生塗り」→BIG555の「ホットワックス」→「ワックス除去」
実験例3:フッ化カーボン2+BIG555
フッ化カーボン2の「生塗り」→BIG555の「ホットワックス」→「ワックス除去」
実験例4:フッ化カーボン3+BIG555
フッ化カーボン3の「生塗り」→BIG555の「ホットワックス」→「ワックス除去」
実験例5:フッ化カーボン4+BIG555
フッ化カーボン4の「生塗り」→BIG555の「ホットワックス」→「ワックス除去」
実験例6:フッ化カーボン5+BIG555
フッ化カーボン5の「生塗り」→BIG555の「ホットワックス」→「ワックス除去」実験例7、10:フッ化カーボン6+BIG555
フッ化カーボン6の「生塗り」→BIG555の「ホットワックス」→「ワックス除去」
実験例8:フッ化カーボン7+BIG555
フッ化カーボン7の「生塗り」→BIG555の「ホットワックス」→「ワックス除去」
実験例9:フッ化カーボン6
フッ化カーボン6の「生塗り」→「ワックス除去」
実験例11、実地試験例1:フッ化カーボン6+FC7
フッ化カーボン6の「生塗り」→FC7の「ホットワックス」→「ワックス除去」
実験例12、実地試験例2:フッ化カーボン6+FC7+FC80L
フッ化カーボン6の「生塗り」→FC7の「ホットワックス」→「ワックス除去」→FC80Lの「生塗り」→「コルクによる延ばし」→「ワックス除去」
実地試験例3:FC7
FC7の「ホットワックス」→「ワックス除去」
実地試験例4:フッ化カーボン6+FC7
フッ化カーボン7の「生塗り」→FC7の「ホットワックス」→「ワックス除去」

0053

上記サンプルの作製における各工程の詳細は以下のとおりである。
「生塗り」
スキーソール(溝のついた滑走具表面)に、潤滑剤を直接付け、成分をスポンジで平坦に延ばし、スキーソール一面に成分を付着させた。
「ホットワックス」
スキーソールに付けた潤滑剤成分をアイロンにて120℃で焼き付けた。
「コルクによる延ばし」
「生塗り」の後、コルクによってスキーソールに潤滑剤を押し付けながら擦ることで発熱させながらスキーソール一面に潤滑剤を付着させた。
「ワックス除去」
「ホットワックス」又は「コルクによる延ばし」の終了後、潤滑剤が冷え定着するのを2〜3時間待ち、その後、スキーソールに付着した潤滑剤のうち、余分な潤滑剤を除去した。
除去には、スクレーパー、ブラシ、除去シートを用いた。具体的には、スクレーパーによりスキーソールに付着した余分な潤滑剤を削り取り、その後、スキーソールに成形されているストラクチャ(溝)内にある余分な潤滑剤をブラシや目の粗い除去シートにより除去し、最後に目の細かい除去シートにて微細な削り屑を除去した。

0054

上記で作製したサンプルを用いて、下記の方法により摩擦係数の測定・評価を行った。結果を表1〜2に示す。
(摩擦係数)
表面性測定機(新東科学社製、TYPE38)を用いて、摩擦子としてSUS球を用いて、ASTMD1894に準拠し、静摩擦係数及び動摩擦係数を測定した。

0055

※表1中の実験例2〜8におけるフッ化カーボンとパラフィンワックスとの混合比率は0.6/99.4(質量%)である。

0056

実地試験例1〜4
上述の処理を施したスキー板を使用して、表3に示すコンディションにて滑走を行った。結果を表4に示す。

0057

実施例

0058

表4中の数値は、一定の距離を滑走したタイムを測定し、それに予め設定した係数を乗じて算出したものである。数値が低い方がタイムが早いことを表す。「TRIMEAN」は1回目〜4回目の結果から、上限値及び下限値を削除した結果の平均値である。実地試験例4が最も数値が低く、上記数値の差は、100分の1秒を競うレースでは、顕著な差である。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ