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図面 (10)

課題

骨髄幹細胞表皮細胞分化誘導できる骨髄幹細胞の分化誘導剤を提供すること、骨髄幹細胞を表皮誘引して表皮細胞に分化させることによって表皮機能を改善できる表皮改善剤皮膚外用剤を提供すること、などを課題とする。

解決手段

ニーム葉抽出物紅茶抽出物とを含む、骨髄幹細胞の分化誘導剤を提供する。また、骨髄幹細胞の誘引剤をさらに含む、表皮改善剤や皮膚外用剤を提供する。上記の分化誘導剤、表皮改善剤、皮膚外用剤は、ナス果実抽出物をさらに含んでもよい。

概要

背景

未だ分化しておらず様々な組織細胞へと分化しうる幹細胞としては、受精卵が分化していない状態の細胞である胚性幹細胞ES細胞)、分化した組織に含まれ未だ分化していない状態の細胞である体性幹細胞などが知られている。
体性幹細胞は、体内の各種組織に存在するものであり、体性幹細胞としては、例えば、骨髄に存在する骨髄幹細胞が知られている。

骨髄幹細胞は、機能が失われた組織においてその組織細胞に分化することによって組織の機能を回復させ得るものとして注目されている。具体的には、骨髄幹細胞は、炎症のある組織又は損傷を受けた組織へ血流にのって誘引されて集積し、分化を誘導する分化誘導剤の影響を受けてその組織細胞へ分化し得るものとして注目されている。

ところで、従来、骨髄幹細胞を特定の組織細胞に分化させ得る分化誘導剤としては、例えば、血小板由来成長因子(Platelet-Derived Growth Factor)としてのPDGF−BBを含み骨髄幹細胞を筋肉組織細胞に分化させ得る分化誘導剤が知られている(特許文献1)。

概要

骨髄幹細胞を表皮細胞分化誘導できる骨髄幹細胞の分化誘導剤を提供すること、骨髄幹細胞を表皮に誘引して表皮細胞に分化させることによって表皮機能を改善できる表皮改善剤皮膚外用剤を提供すること、などを課題とする。ニーム葉抽出物紅茶抽出物とを含む、骨髄幹細胞の分化誘導剤を提供する。また、骨髄幹細胞の誘引剤をさらに含む、表皮改善剤や皮膚外用剤を提供する。上記の分化誘導剤、表皮改善剤、皮膚外用剤は、ナス果実抽出物をさらに含んでもよい。 なし

目的

本発明は、上記の問題点等に鑑み、骨髄幹細胞を表皮細胞へ分化誘導できる骨髄幹細胞の分化誘導剤を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

請求項2

ナス果実抽出物をさらに含む、請求項1に記載の分化誘導剤。

請求項3

骨髄幹細胞の誘引剤と、ニーム葉抽出物と、紅茶抽出物とを含む、表皮改善剤

請求項4

ナス果実抽出物をさらに含む、請求項3に記載の表皮改善剤。

請求項5

骨髄幹細胞の誘引剤と、ニーム葉抽出物と、紅茶抽出物とを含む、皮膚外用剤

請求項6

ナス果実抽出物をさらに含む、請求項5に記載の皮膚外用剤。

請求項7

請求項3若しくは4に記載の表皮改善剤、又は、請求項5若しくは6に記載の皮膚外用剤を表皮に塗布することによって、骨髄幹細胞を表皮に誘引し、誘引した前記骨髄幹細胞を表皮細胞分化させることを備える、表皮改善方法

技術分野

0001

本発明は、骨髄幹細胞分化誘導剤表皮改善剤皮膚外用剤、及び、表皮改善方法に関する。

背景技術

0002

未だ分化しておらず様々な組織細胞へと分化しうる幹細胞としては、受精卵が分化していない状態の細胞である胚性幹細胞ES細胞)、分化した組織に含まれ未だ分化していない状態の細胞である体性幹細胞などが知られている。
体性幹細胞は、体内の各種組織に存在するものであり、体性幹細胞としては、例えば、骨髄に存在する骨髄幹細胞が知られている。

0003

骨髄幹細胞は、機能が失われた組織においてその組織細胞に分化することによって組織の機能を回復させ得るものとして注目されている。具体的には、骨髄幹細胞は、炎症のある組織又は損傷を受けた組織へ血流にのって誘引されて集積し、分化を誘導する分化誘導剤の影響を受けてその組織細胞へ分化し得るものとして注目されている。

0004

ところで、従来、骨髄幹細胞を特定の組織細胞に分化させ得る分化誘導剤としては、例えば、血小板由来成長因子(Platelet-Derived Growth Factor)としてのPDGF−BBを含み骨髄幹細胞を筋肉組織細胞に分化させ得る分化誘導剤が知られている(特許文献1)。

先行技術

0005

国際公開第2005/063967号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、特許文献1に記載の分化誘導剤は、骨髄幹細胞を筋肉組織細胞へ分化誘導できるものの、例えば、骨髄幹細胞を表皮細胞へ分化誘導する性能を有しないという問題がある。

0007

本発明は、上記の問題点等に鑑み、骨髄幹細胞を表皮細胞へ分化誘導できる骨髄幹細胞の分化誘導剤を提供することを課題とする。
また、本発明は、骨髄幹細胞を表皮に誘引して表皮細胞に分化させることによって表皮機能を改善できる表皮改善剤、皮膚外用剤、及び、表皮改善方法を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明に係る骨髄幹細胞の分化誘導剤は、ニーム葉抽出物紅茶抽出物とを含むことを特徴とする。上記の分化誘導剤は、ナス果実抽出物をさらに含むことが好ましい。

0009

本発明に係る表皮改善剤及び皮膚外用剤は、骨髄幹細胞の誘引剤と、ニーム葉抽出物と、紅茶抽出物とを含むことを特徴とする。上記の表皮改善剤及び皮膚外用剤は、ナス果実抽出物をさらに含むことが好ましい。

0010

本発明に係る表皮改善方法は、上記の表皮改善剤、又は、上記の皮膚外用剤を表皮に塗布することによって、骨髄幹細胞を表皮に誘引し、誘引した骨髄幹細胞を表皮細胞へ分化させることを備える。

発明の効果

0011

本発明の骨髄幹細胞の分化誘導剤は、骨髄幹細胞を表皮細胞へ分化誘導できるという効果を奏する。
本発明の表皮改善剤、皮膚外用剤、及び、表皮改善方法は、骨髄幹細胞を表皮に誘引して表皮細胞に分化させることによって表皮機能を改善できるという効果を奏する。

図面の簡単な説明

0012

分化誘導に関わる評価試験結果を表すグラフ
分化誘導に関わる評価試験結果を表すグラフ。
分化誘導に関わる評価試験結果を表すグラフ。
分化誘導に関わる評価試験結果を表すグラフ。
分化誘導に関わる評価試験結果を表すグラフ。
分化誘導に関わる評価試験結果を表すグラフ。
分化誘導に関わる評価試験結果を表すグラフ。
分化誘導に関わる評価試験結果を表すグラフ。
ヒトにおける表皮改善作用の評価試験結果を表すグラフ。
細胞誘引試験方法の様子を模式的に示した図。

実施例

0013

以下に、本発明の骨髄幹細胞の分化誘導剤の実施形態について説明する。

0014

本実施形態の骨髄幹細胞の分化誘導剤は、ニーム葉抽出物と紅茶抽出物とを含むものである。本実施形態の骨髄幹細胞の分化誘導剤によれば、骨髄幹細胞を表皮細胞へ分化誘導できる。

0015

骨髄幹細胞は、間葉系幹細胞の1種である。骨髄幹細胞は、骨髄で作り出される幹細胞である。骨髄幹細胞は、血液中にも含まれ、血流にのって体内の各組織へ運ばれ得るものである。

0016

上記ニーム葉抽出物は、センダン科アザディラクタ属に属するインドセンダンの葉を抽出溶媒抽出処理することによって得られるものである。換言すると、ニーム葉抽出物は、抽出溶媒によってインドセンダンの葉から抽出された成分を含む。インドセンダンの学名は、Melia azadirachta L. (Meliceae)である。インドセンダンは、英語でNeem(ニーム)と称される。

0017

上記ニーム葉抽出物は、例えば、加熱処理したインドセンダンの葉に対して、抽出溶媒で抽出処理を施すことによって得られる。

0018

上記紅茶抽出物は、ツバキ科ツバキ属に属する基準変種チャノキ(変種のアッサムチャを含む)の葉に対して抽出溶媒で抽出処理を施すことによって得られるものである。換言すると、紅茶抽出物は、抽出溶媒によってチャノキの葉から抽出された成分を含む。基準変種のチャノキの学名は、Thea sinensis Linne である。チャノキには、トウチャベニバナチャが含まれる。また、アッサムチャの学名は、Thea sinensis Linne var. assamica Pierre (Theaceae)である。本実施形態では、紅茶抽出物は、アッサムチャの葉の抽出物である。

0019

上記紅茶抽出物は、完全に発酵処理酸化発酵処理)されたチャノキの葉(紅茶)に対して、抽出溶媒によって抽出処理を施すことによって得られる。完全発酵されてなる紅茶としては、例えばアッサム紅茶、ダージリン紅茶、セイロン紅茶などが挙げられる。

0020

本実施形態の骨髄幹細胞の分化誘導剤は、ナス果実抽出物をさらに含むことが好ましい。上記の分化誘導剤がナス果実抽出物をさらに含むことによって、より十分に骨髄幹細胞を表皮細胞へ分化誘導できるという利点がある。

0021

上記ナス果実抽出物は、ナス科ナス属に属するナス(Solanum melongena)の果実に対して抽出溶媒で抽出処理を施すことによって得られるものである。ナスとしては、ミズナスが好ましい。ミズナスの学名は、Solanum melongena (Mizunasu)である。

0022

上記ナス果実抽出物は、ナスの果実に対して、抽出溶媒によって抽出処理を施すことによって得られる。

0023

上述した各抽出物は、抽出溶媒又は希釈用溶媒を含む抽出液の状態、又は、抽出後の抽出溶媒を除去した乾燥物の状態になり得る。具体的には、各抽出物は、例えば、溶液状、ペースト状、ゲル状、粉末状などの状態になり得る。

0024

上記抽出溶媒としては、水;メタノールエタノールプロパノールブタノールなどの脂肪族1価アルコール炭素数1〜4であり且つOH基を1つ有する有機化合物構造異性体含む));グリセリンプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコールなどの脂肪族多価アルコール(炭素数1〜5であり且つOH基を複数有する有機化合物);アセトンなどのケトン類ジエチルエーテルジオキサンアセトニトリル酢酸エチルエステルなどのエステル類キシレンベンゼントルエンなどの芳香族類クロロホルムなどハロゲン化アルキル類などの有機溶媒が挙げられる。
これらの抽出溶媒は、1種が単独で、又は2種以上が混合されて用いられ得る。混合抽出溶媒の混合比は、特に限定されるものではなく、適宜調整される。

0025

上記ニーム葉抽出物の抽出溶媒としては、脂肪族多価アルコールを含む溶媒が好ましく、脂肪族多価アルコール(1,3−ブチレングリコール)を50質量%以上含む抽出溶媒がより好ましく、1,3−ブチレングリコールを90質量%以上含む溶媒がさらに好ましい。
上記紅茶抽出物の抽出溶媒としては、脂肪族1価アルコールを含む溶媒が好ましく、脂肪族1価アルコール(エタノール)を50質量%以上含む抽出溶媒がより好ましく、エタノールを90質量%以上含む溶媒がさらに好ましい。脂肪族1価アルコールで抽出された抽出物は、1,3−ブチレングリコールなどの脂肪族多価アルコールによって溶解されてもよい。
上記ナス果実抽出物の抽出溶媒としては、水と脂肪族多価アルコール(例えば1,3−ブチレングリコール)とを含む混合溶媒が好ましい。混合溶媒において、水と脂肪族多価アルコール(1,3−ブチレングリコール)との混合比は、7:3(水:脂肪族多価アルコール)が好ましい。

0026

上記抽出処理の方法としては、特に制限されず、従来公知の一般的な抽出方法を採用することができる。抽出処理においては、抽出原料として各植物の抽出部位(葉や果実)をそのまま若しくは乾燥させて用いることができる。また、通常、抽出溶媒量が抽出原料の5〜15倍量(質量比)であり、抽出温度が20℃〜80℃であり、抽出時間が2時間〜3日間である。抽出処理した後においては、必要に応じて、ろ過、脱臭、脱色などの精製処理を行うことができる。

0027

上記骨髄幹細胞の分化誘導剤において、紅茶抽出物に対するニーム葉抽出物の質量比(ニーム葉抽出物/紅茶抽出物)は、乾燥物換算で、1/1以上23/1以下であることが好ましく、2/1以上5/1以下であることがより好ましく、3/1以上5/1以下であることがさらに好ましい。
ナス果実抽出物の質量に対する、ニーム葉抽出物と紅茶抽出物との合計量の質量比(ニーム葉抽出物及び紅茶抽出物/ナス果実抽出物)は、1/1以上7/1以下であることが好ましく、1/1以上5/1以下であることがさらに好ましい。
なお、乾燥物換算とは、抽出物に含まれる溶媒を抽出物から取り除いた乾燥物の質量に換算することである。

0028

上記骨髄幹細胞の分化誘導剤に含まれる上記各抽出物の濃度は、特に限定されないが、例えば、ニーム葉抽出物の濃度が乾燥物換算で0.0005質量%以上0.075質量%以下であり、紅茶抽出物の濃度が乾燥物換算で0.00015質量%以上0.03質量%以下である。また、ナス果実抽出物の濃度が乾燥物換算で0.0001質量%以上0.015質量%以下である。

0029

上記各抽出物としては、例えば、化粧料用原料食品添加物として市販されているものを用いることができる。

0030

本実施形態の骨髄幹細胞の分化誘導剤は、上記の各抽出物の他に、水、エタノール、多価アルコール、油分、界面活性剤増粘剤防腐剤pH調整剤、などを含んでもよい。本実施形態の骨髄幹細胞の分化誘導剤は、例えば、液状、ゲル状、クリーム状、固形状などの状態であってもよい。

0031

本実施形態の骨髄幹細胞の分化誘導剤は、例えば、皮膚塗布用又は皮膚貼付用の皮膚外用剤であってもよい。本実施形態の骨髄幹細胞の分化誘導剤は、例えば、化粧料医薬品、医薬部外品などの用途で用いられてもよい。

0032

次に、本発明の表皮改善剤及び皮膚外用剤の実施形態について説明する。本実施形態の表皮改善剤及び皮膚外用剤は、いずれも、骨髄幹細胞の誘引剤と、上記のニーム葉抽出物と、上記の紅茶抽出物とを含むものである。本実施形態の表皮改善剤及び皮膚外用剤は、上記のナス果実抽出物をさらに含むことが好ましい。

0033

上記の骨髄幹細胞の誘引剤は、表皮に塗布されることによって、血流中の骨髄幹細胞を表皮に誘引するものであれば、特に限定されない。表皮改善剤又は皮膚外用剤に含まれる上記誘引剤(化合物量及び乾燥物換算量の総量)の濃度は、特に限定されないが、例えば、0.00001質量%以上10質量%以下である。また、表皮改善剤又は皮膚外用剤に含まれるニーム葉抽出物の濃度は、例えば、乾燥物換算で0.0005質量%以上0.075質量%以下であり、紅茶抽出物の濃度は、例えば、乾燥物換算で0.00015質量%以上0.03質量%以下である。

0034

上記の誘引剤は、ボダイジュ抽出物ボタンピ抽出物クスノハガシワ抽出物アセンヤク抽出物パシャンベ抽出物シンナムタンニンB1、ペンタガロイルグルコース、ボルケンシフラボン、モレロフラボン、ケンフェリトリン、ケルセチン−3,7−ジラムノシド、プロシアニジンA2、プロシアニジンB1、デアセチルサイトカラシンC、エウペニシリウムルドウィギイ(Eupenicillium ludwigii)の培養物、及び、タラロマイセストラキスペルムス(Talaromyces trachyspermus)の培養物からなる群より選択された少なくとも1種であることが好ましい。

0035

上記ボダイジュ抽出物は、シナノキ科(Tiliaceae)の植物に対して抽出溶媒によって抽出処理を施すことによって得られるものである。シナノキ科(Tiliaceae)の植物としては、ナツボダイジュ(Tilia platyphyllos Scop.)、フユボダイジュ(Tilia.cordata Mill.)、セイヨウシナノキ(Tilia.europaea L.)、又はその他の近縁植物が挙げられる。なかでも、シナノキ科(Tiliaceae)の植物としては、骨髄幹細胞をより確実に誘引できるという点で、フユボダイジュ(Tilia.cordata Mill.)が好ましい。即ち、ボダイジュ抽出物としては、フユボダイジュ抽出物が好ましい。シナノキ科の植物の抽出部位としては、特に限定されず、例えば、花、果実、樹皮などが挙げられる。なかでも、抽出される部位としては、骨髄幹細胞をより確実に誘引できるという点で、花(花部)が好ましい。
上記ボダイジュ抽出物の抽出溶媒としては、エタノールと水とを含む抽出溶媒が好ましく、水と50容量%以上のエタノールとを含む抽出溶媒がより好ましい。

0036

上記ボタンピ抽出物は、ボタン科ボタン属タン(Paeonia suffruticosa Andrews)の根皮に対して抽出溶媒によって抽出処理を施すことによって得られるものである。
上記ボタンピ抽出物の抽出溶媒としては、エタノールと水とを含む抽出溶媒が好ましく、水と50容量%以上のエタノールとを含む抽出溶媒がより好ましい。

0037

上記クスノハガシワ抽出物は、トウダイグサ科に属するクスノハガシワ(Mallotus philippinensis)に対して抽出溶媒によって抽出処理を施すことによって得られるものである。クスノハガシワの抽出部位としては、特に限定されず、例えば、葉、枝、材部、樹皮、根などが挙げられる。なかでも、骨髄幹細胞をより確実に誘引できるという点で、樹皮が好ましい。
上記クスノハガシワ抽出物の抽出溶媒としては、エタノールと水とを含む抽出溶媒が好ましく、水と50容量%以上のエタノールとを含む抽出溶媒がより好ましい。

0038

上記アセンヤク抽出物は、アセンヤク(Uncaria gambir)に対して抽出溶媒によって抽出処理を施すことによって得られるものである。アセンヤクの抽出部位としては、特に限定されず、例えば、葉、枝などが挙げられる。アセンヤク抽出物としては、骨髄幹細胞をより確実に誘引できるという点で、葉及び枝の両方に対して抽出溶媒によって抽出処理を施すことによって得られるものが好ましい。
上記アセンヤク抽出物の抽出溶媒としては、エタノールと水とを含む抽出溶媒が好ましく、水と50容量%以上のエタノールとを含む抽出溶媒がより好ましい。

0039

上記パシャンベ抽出物は、ユキノシタ科ヒマラヤユキノシタ属に属するパシャンベ(Pashanbheda)の1種又は2種以上に対して抽出溶媒によって抽出処理を施すことによって得られるものである。パシャンベとしては、Bergenia ligulata(Wall.)Engl.、Bergenia stracheyi(Hook.f.&Thoms.)Engl.、又は、Bergenia ciliata(Haw.)Sternb.などが挙げられる。骨髄幹細胞をより確実に誘引できるという点で、Bergenia ligulata(Wall.)Engl. に対して抽出処理を施すことによって得られるパシャンベ抽出物が好ましい。パシャンベの抽出部位としては、特に限定されないが、骨髄幹細胞をより確実に誘引できるという点で、根茎が好ましい。
上記パシャンベ抽出物の抽出溶媒としては、エタノールと水とを含む抽出溶媒が好ましく、水と50容量%以上のエタノールとを含む抽出溶媒がより好ましい。

0040

上記シンナムタンニンB1は、下記式(1)の分子構造を有する化合物である。上記表皮改善剤又は皮膚外用剤において、シンナムタンニンB1の濃度は、特に限定されず、例えば、0.001〜10質量%である。

0041

0042

上記ペンタガロイルグルコースは、下記式(2)の分子構造を有する化合物である。上記表皮改善剤又は皮膚外用剤において、ペンタガロイルグルコースの濃度は、特に限定されず、例えば、0.001〜10質量%である。

0043

0044

上記ボルケンシフラボン(タルボタフラボン)[Volkensiflavone(Talbotaflavone)]は、下記式(3)の分子構造を有する化合物である。上記表皮改善剤又は皮膚外用剤において、ボルケンシフラボンの濃度は、特に限定されず、例えば、0.001〜10質量%である。

0045

0046

上記モレロフラボン「Morelloflavone」は、下記式(4)の分子構造を有する化合物である。上記表皮改善剤又は皮膚外用剤において、モレロフラボンの濃度は、特に限定されず、例えば、0.001〜10質量%である。

0047

0048

上記ケンフェリトリン[Kaempferitrin](又は、ケンフェロール−3,7−ジラムノシドともいう)は、下記式(5)の分子構造を有する化合物である。上記表皮改善剤又は皮膚外用剤において、ケンフェリトリンの濃度は、特に限定されず、例えば、0.001〜10質量%である。

0049

0050

上記ケルセチン−3,7−ジラムノシド[Quercetin-3,7,-di-O-α-L-rhamnoside]は、下記式(6)の分子構造を有する化合物である。上記表皮改善剤又は皮膚外用剤において、ケルセチン−3,7−ジラムノシドの濃度は、特に限定されず、例えば、0.001〜10質量%である。

0051

0052

上記プロシアニジンA2は、下記式(7)の分子構造を有する化合物である。上記表皮改善剤又は皮膚外用剤において、プロシアニジンA2の濃度は、特に限定されず、例えば、0.001〜10質量%である。

0053

0054

上記プロシアニジンB1は、下記式(8)の分子構造を有する化合物である。上記表皮改善剤又は皮膚外用剤において、プロシアニジンB1の濃度は、特に限定されず、例えば、0.001〜10質量%である。

0055

0056

上記デアセチルサイトカラシンCは、下記式(9)の分子構造を有する化合物である。上記表皮改善剤又は皮膚外用剤において、デアセチルサイトカラシンCの濃度は、特に限定されず、例えば、0.001〜10質量%である。

0057

0058

上記デアセチルサイトカラシンCは、例えば、子のう菌類微生物分類される黒彊病菌メタリジウムアニプリエ Metarhizium anisopliae)を培養することによって生成された生成物に含まれる。

0059

上記エウペニシリウムルドウィギイ(Eupenicillium ludwigii)の培養物は、例えば、子のう菌類微生物に分類されるエウペニシリウム ルドウィギイ(Eupenicillium ludwigii)を培養することによって生成された生成物に含まれる。

0060

上記タラロマイセストラキスペルムス(Talaromyces trachyspermus)の培養物は、例えば、不整子のう菌類微生物に分類されるタラロマイセス トラキスペルムス(Talaromyces trachyspermus)を培養することによって生成された生成物に含まれる。

0061

本実施形態の表皮改善剤又は皮膚外用剤を、例えば表皮に塗布することによって、骨髄幹細胞を表皮に誘引して表皮細胞に分化させることができ、表皮機能を改善できる。
表皮は、最も外側から順に、角質層顆粒層有棘層基底層を有しており、基底層に存在する表皮細胞が代謝によって外側に押し上げられ、各層の細胞を形成する。誘引された骨髄幹細胞は、基底層の表皮細胞に分化し得るものである。

0062

本実施形態の表皮改善剤又は皮膚外用剤は、上述した分化誘導剤と同様に、水、エタノール、多価アルコール、油分、界面活性剤、増粘剤、防腐剤、pH調整剤、などをさらに含んでもよい。本実施形態の表皮改善剤は、例えば、液状、ゲル状、クリーム状、固形状などの状態であってもよい。

0063

本実施形態の表皮改善剤、皮膚外用剤は、例えば、皮膚塗布用又は皮膚貼付用の用途で用いられてもよい。本実施形態の表皮改善剤、皮膚外用剤は、例えば、化粧料、医薬品、医薬部外品などの用途で用いられてもよい。本実施形態の表皮改善剤及び皮膚外用剤は、例えば、後述する表皮改善方法のごとく使用される。

0064

続いて、本発明に係る表皮改善方法の実施形態について説明する。

0065

本実施形態の表皮改善方法は、上記の表皮改善剤又は上記の皮膚外用剤を表皮に塗布することによって骨髄幹細胞を表皮に誘引し、骨髄幹細胞を表皮細胞へ分化させることを備える。
表皮機能は、加齢に伴って表皮細胞を生み出す基となる表皮幹細胞が減少し、表皮を構成する細胞の数が少なくなったり、細胞の配列が乱れたりすることで悪化する。表皮において表皮幹細胞を増やすことによって、いったん悪化した表皮機能が回復できる。従って、上記の表皮改善剤又は上記の皮膚外用剤によって、骨髄幹細胞を表皮に誘引し、表皮において骨髄幹細胞を表皮細胞へ分化させることで、表皮機能を回復させることができる。

0066

上記の表皮改善剤や皮膚外用剤が塗布される表皮の部位は、特に限定されず、例えば角質層、顆粒層、有棘層、又は基底層である。斯かる表皮の部位は、健常部であっても、創傷部であってもよい。

0067

上記の表皮改善方法においては、上記の表皮改善剤や皮膚外用剤の誘引剤によって、骨髄幹細胞を表皮に誘引できる。

0068

例えば、表皮組織に上記の表皮改善剤(皮膚外用剤)を塗布することによって、その表皮組織に、血液中の骨髄幹細胞を誘引できる。

0069

上記表皮改善方法は、in situにおいてヒト以外の動物で実施できる。また、ヒトにおいて、表皮機能を改善させる美容上の目的で、非治療的に実施できる。美容上の目的としては、例えば、肌のハリを向上させる目的、肌のシワを抑制する目的、肌の乾燥を抑制する目的、肌のくすみを抑制する目的、肌のシミを除去する目的、又は、肌を明るくする目的などが挙げられる。

0070

本実施形態の分化誘導剤、表皮改善剤、皮膚外用剤の組成物、及び、表皮改善方法は、上記例示の通りであるが、本発明は、上記例示の実施形態に限定されるものではない。また、本発明では、一般の分化誘導剤、表皮改善剤、皮膚外用剤、及び、表皮改善方法において採用される種々の形態を、本発明の効果を損ねない範囲で採用することができる。

0071

[ニーム葉抽出物]
製品名「ニームリーフリキッドB」(一丸ファルコス社製)をニーム葉抽出物として用いた。斯かるニーム葉抽出物の製造法は、下記の通りである。
ニーム(インドセンダン)(Melia azadirachta L. (Meliceae))の葉を加熱処理した後、1,3−ブチレングリコールを抽出溶媒として用いて抽出処理を施し、さらにろ過処理を行ったものをニーム葉抽出物とした。水浴上で5mLのニーム葉抽出物を105℃、6時間で蒸発乾固させた後の蒸発残量から計算すると、ニーム葉抽出物は、乾燥物を1.1質量%含むものであった(固形分濃度換算)。

0072

[紅茶抽出物]
製品名「紅茶リキッド」(一丸ファルコス社製)を紅茶抽出物として用いた。斯かる紅茶抽出物の製造法は、下記の通りである。
アッサムチャ(Thea sinensis L. var. assamica Pierre (Theaceae))の葉を、エタノールを抽出溶媒として用いて抽出処理し、冷凍処理した後、ろ過処理してろ液を得た。このろ液に1,3−ブチレングリコールを加え、ろ過処理したものを紅茶抽出物(アッサム紅茶抽出物)とした。水浴上で10mLの紅茶抽出物を105℃、6時間で蒸発乾固させた後の蒸発残量から計算すると、紅茶抽出物は、乾燥物を2.4質量%含むものであった(固形分濃度換算)。

0073

[ナス果実抽出物]
市販されているナス果実抽出物を用いた。斯かるナス果実抽出物の製造法は、下記の通りである。
ミズナス(Solanum melongena (Mizunasu))の果実の乾燥物100gに、精製水と1,3−ブチレングリコールとの混合液(質量比水:1,3−BG=7:3)を1200g混合し、80℃で2時間抽出を行った後、ろ過処理を施して、ミズナス果実抽出物を得た。得られたミズナス果実抽出物は、乾燥物を1.01質量%含むものであった(固形分濃度換算)。

0074

試験例1)
上記のニーム葉抽出物と、上記の紅茶抽出物とを混合し、抽出物の乾燥物換算の合計量が0.01質量%(四捨五入後の数値)となるように希釈して、試験例1のサンプルを調製した。希釈溶媒として、骨髄幹細胞を表皮細胞へ分化誘導させる分化誘導培地(表皮細胞を長期間培養した培養上清液)を用いた。乾燥物換算で、ニーム葉抽出物と紅茶抽出物との質量比(ニーム葉抽出物/紅茶抽出物)は、四捨五入後の数値で1/1であった。

0075

(試験例2)
上記のニーム葉抽出物と、上記の紅茶抽出物とを混合し、抽出物の乾燥物換算の合計量が0.01質量%(四捨五入後の数値)となるように希釈して、試験例2のサンプルを調製した。希釈溶媒として、骨髄幹細胞を表皮細胞へ分化誘導させる分化誘導培地(表皮細胞を長期間培養した培養上清液)を用いた。乾燥物換算で、ニーム葉抽出物と紅茶抽出物との質量比(ニーム葉抽出物/紅茶抽出物)は、四捨五入後の数値で2/1であった。

0076

(試験例3)
上記のニーム葉抽出物と、上記の紅茶抽出物とを混合し、抽出物の乾燥物換算の合計量が0.01質量%(四捨五入後の数値)となるように希釈して、試験例3のサンプルを調製した。希釈溶媒として、骨髄幹細胞を表皮細胞へ分化誘導させる分化誘導培地(表皮細胞を長期間培養した培養上清液)を用いた。乾燥物換算で、ニーム葉抽出物と紅茶抽出物との質量比(ニーム葉抽出物/紅茶抽出物)は、四捨五入後の数値で3/1であった。

0077

(試験例4)
上記のニーム葉抽出物と、上記の紅茶抽出物とを混合し、抽出物の乾燥物換算の合計量が0.01質量%(四捨五入後の数値)となるように希釈して、試験例4のサンプルを調製した。希釈溶媒として、骨髄幹細胞を表皮細胞へ分化誘導させる分化誘導培地(表皮細胞を長期間培養した培養上清液)を用いた。乾燥物換算で、ニーム葉抽出物と紅茶抽出物との質量比(ニーム葉抽出物/紅茶抽出物)は、四捨五入後の数値で5/1であった。

0078

(試験例5)
上記のニーム葉抽出物と、上記の紅茶抽出物とを混合し、抽出物の乾燥物換算の合計量が0.01質量%(四捨五入後の数値)となるように希釈して、試験例5のサンプルを調製した。希釈溶媒として、骨髄幹細胞を表皮細胞へ分化誘導させる分化誘導培地(表皮細胞を長期間培養した培養上清液)を用いた。乾燥物換算で、ニーム葉抽出物と紅茶抽出物との質量比(ニーム葉抽出物/紅茶抽出物)は、四捨五入後の数値で23/1であった。

0079

(試験例6)
上記のナス果実抽出物を表皮細胞に添加し、24時間培養後に上清回収することによって、骨髄幹細胞を表皮細胞へ分化させる分化誘導培地(ナス果実抽出物入り)を調製した。この分化誘導培地(ナス果実抽出物入り)を用いて、上記のニーム葉抽出物および紅茶抽出物を、抽出物の乾燥物換算の合計量が0.02質量%となるように希釈し、試験例6のサンプルを調製した。乾燥物換算で、ナス果実抽出物の質量に対する、ニーム葉抽出物及び紅茶抽出物の合計質量の比((ニーム葉抽出物およびアッサム紅茶抽出物)/ミズナス果実抽出物)は、四捨五入後の数値で7/1であった。

0080

(試験例7)
上記のナス果実抽出物を表皮細胞に添加し、24時間培養後に上清を回収することによって、骨髄幹細胞を表皮細胞へ分化させる分化誘導培地(ナス果実抽出物入り)を調製した。この分化誘導培地(ナス果実抽出物入り)を用いて、上記のニーム葉抽出物および紅茶抽出物を、抽出物の乾燥物換算の合計量が0.02質量%となるように希釈し、試験例7のサンプルを調製した。乾燥物換算で、ナス果実抽出物の質量に対する、ニーム葉抽出物及び紅茶抽出物の合計質量の比((ニーム葉抽出物およびアッサム紅茶抽出物)/ミズナス果実抽出物)は、四捨五入後の数値で4/1であった。

0081

(試験例8)
上記のナス果実抽出物を表皮細胞に添加し、24時間培養後に上清を回収することによって、骨髄幹細胞を表皮細胞へ分化させる分化誘導培地(ナス果実抽出物入り)を調製した。この分化誘導培地(ナス果実抽出物入り)を用いて、上記のニーム葉抽出物および紅茶抽出物を、抽出物の乾燥物換算の合計量が0.02質量%となるように希釈し、試験例8のサンプルを調製した。乾燥物換算で、ナス果実抽出物の質量に対する、ニーム葉抽出物及び紅茶抽出物の合計質量の比((ニーム葉抽出物およびアッサム紅茶抽出物)/ミズナス果実抽出物)は、四捨五入後の数値で1/1であった。

0082

(参考例1、参考例2)
上記のニーム葉抽出物の乾燥物換算の量が、それぞれ0.006質量%、0.011質量%となるように、上記のニーム葉抽出物を希釈して、参考例1及び参考例2のサンプルを調製した。希釈溶媒として、骨髄幹細胞を表皮細胞へ分化誘導させる分化誘導培地(表皮細胞を長期間培養した培養上清液)を用いた。

0083

(参考例3〜5)
上記の紅茶抽出物の乾燥物換算の量が、それぞれ0.0002質量%、0.0024質量%、0.0036質量%となるように、上記の紅茶抽出物を希釈して、参考例3〜5のサンプルを調製した。希釈溶媒として、骨髄幹細胞を表皮細胞へ分化誘導させる分化誘導培地(表皮細胞を長期間培養した培養上清液)を用いた。

0084

<分化誘導に関わる評価試験
96ウェルプレートに骨髄幹細胞を6,000cells/ウェル播種し、3日間培養した。別途、表皮細胞を直径10cmシャーレに播種し、9割コンフルエントに達したときに新しい培地交換し、24時間培養後に上清培養液を回収した。回収した上清培養液を遠心分離し、ろ過することによって得られた溶液を、分化誘導培地(骨髄幹細胞を表皮細胞へ分化誘導させる分化誘導培地)とした。また、ナス果実抽出物を用いた試験においては、ナス果実抽出物を表皮細胞に添加し、培養24時間後に上清を回収し、遠心分離、ろ過によって得られた溶液を分化誘導培地とした。各試験に応じて、調製した分化誘導培地を用いてニーム葉抽出物、紅茶抽出物を希釈し、培養した骨髄幹細胞に添加した後、9〜10日間分化誘導培養を行った。培養後、免疫細胞染色によって、分化度合いを評価した。分化誘導させた骨髄幹細胞(MSC)を4%パラホルムアルデヒド(WAKO社製)で固定後、PBS(−)で3回洗浄した。その後、0.25%Triton溶液で処理し、TBS−Tで洗浄した。さらに、2%BSA/PBS(−)(SIGMA社製)溶液による反応を室温で1時間行い、引き続き一次抗体による反応を4℃で終夜行った。反応後に一次抗体溶液を除去し、TBS−Tで5回洗浄後、二次抗体反応およびHoechst溶液による反応を室温で30分間行った。二次抗体溶液を除去後、TBS−Tで5回洗浄し、PBS(−)に置換した後に、分化度合いを観察した。免疫細胞染色の一次抗体においては、表皮細胞のみに発現するケラチン14(K14)抗体と、ケラチン5(K5)抗体とを使用した。染色度合いは、In cell analyzer装置(GE Healthcare社)を用いて染色画像の数値化(Dens level sum × Area) / Hochest)を施し、その値で評価した。

0085

試験例1〜5を用いた分化誘導に関わる評価試験結果を図1に示す。参考例1、2における評価試験結果を図2A及び図2Bに示す。参考例3〜5における評価試験結果を図3A及び図3Bに示す。ナス果実抽出物を単独で用いた評価試験結果を図4A及び図4Bに示す。試験例3、6〜8の評価試験結果を図5に示す。各図における結果から把握されるように、ニーム葉抽出物と紅茶抽出物とを含む骨髄幹細胞の分化誘導剤によって、骨髄幹細胞を表皮細胞へ分化させることができた。ニーム葉抽出物と紅茶抽出物とが特定の質量比(例えば、乾燥物換算で、ニーム葉抽出物/紅茶抽出物=2:1〜5:1の範囲、より好ましくは3:1〜5:1の範囲)のときに、分化誘導性能が顕著に発揮された。この効果は、ニーム葉抽出物と紅茶抽出物との相乗的な効果である。
また、図5に示されるように、ニーム葉抽出物及び紅茶抽出物に、さらにナス果実抽出物を組み合わせることによって、分化誘導性能をさらに向上させることができた。ナス果実抽出物は、表皮細胞に対して分化誘導因子分泌を増やす作用を有すると考えられる。

0086

下記のようにして骨髄幹細胞の誘引剤を調製した。調製した誘引剤を使用して、生体外における細胞誘引試験を行った。

0087

「誘引剤1」
誘引剤1のボダイジュ抽出物(フユボダイジュ抽出物)を調製した。詳しくは、フユボダイジュ(Tilia.cordata Mill)の花を乾燥して細かく砕いたもの100gに50容量%エタノール水溶液1Lを加え、室温(20℃)にて3日間抽出操作をおこない、さらにろ過処理を行った。そして、ろ過した液から減圧乾燥により乾燥物を得て、この乾燥物を1,3−ブチレングリコールで希釈してフユボダイジュ抽出物を調製した。このボダイジュ抽出物は、減圧乾燥によって抽出溶媒を除去したあとの乾燥物質量から計算すると、乾燥物を0.45質量%含むものであった。

0088

「誘引剤2」
誘引剤2のボタンピ抽出物を調製した。詳しくは、ボタン(Paeonia suffruticosa Andrews)の根皮を乾燥して細かく砕いたもの100gに50容量%エタノール水溶液1Lを加え、室温(20℃)にて3日間抽出操作をおこない、さらにろ過処理を行った。そして、ろ過した液から減圧乾燥により乾燥物を得て、この乾燥物を1,3−ブチレングリコールで希釈してボタンピ抽出物を調製した。このボタンピ抽出物は、減圧乾燥によって抽出溶媒を除去したあとの乾燥物質量から計算すると、乾燥物を0.90質量%含むものであった。

0089

「誘引剤3」
誘引剤3のクスノハガシワ抽出物を調製した。詳しくは、クスノハガシワ(Mallotus philippinensis Mueller-Argoviensis)の樹皮を乾燥して細かく砕いたもの200gに50容量%エタノール水溶液2Lを加え、60〜80℃を保ちつつ2日間抽出操作をおこない、さらにろ過処理を行った。そして、ろ過した液から減圧乾燥により乾燥物を得て、この乾燥物を1,3−ブチレングリコールで希釈してクスノハガシワ抽出物を調製した。このクスノハガシワ抽出物は、減圧乾燥によって抽出溶媒を除去したあとの乾燥物質量から計算すると、乾燥物を0.20質量%含むものであった。

0090

「誘引剤4」
誘引剤4のアセンヤク抽出物を調製した。詳しくは、アセンヤク(Uncaria gambir Roxburgh)の葉及び若枝を乾燥して細かく砕いたもの100gに50容量%エタノール水溶液2Lを加え、撹拌しながら50〜70℃を保ちつつ3時間抽出操作をおこない、さらにろ過処理を行った。そして、ろ過した液から減圧乾燥により乾燥物を得て、この乾燥物を1,3−ブチレングリコールで希釈してアセンヤク抽出物を調製した。このアセンヤク抽出物は、減圧乾燥によって抽出溶媒を除去したあとの乾燥物質量から計算すると、乾燥物を4.10質量%含むものであった。

0091

「誘引剤5」
誘引剤5のパシャンベ抽出物を調製した。詳しくは、パシャンベ(Bergenia ligulata(Wall.)Engl.)の根茎を乾燥して細かく砕いたもの200gに50容量%エタノール水溶液3kgを加え、撹拌しながら50℃にて8時間抽出操作を行った。粗抽出物を冷却、ろ過操作した後、濃縮し、合成吸着体商品名「ダイヤイオンHP−20」 三菱化学社製)を充填したカラム通液した。そして、水洗を行い、30容量%エタノール水溶液にて溶出させた溶出液を減圧乾燥後、1,3−ブチレングリコールに再溶解してパシャンベ抽出物を調製した。このパシャンベ抽出物は、減圧乾燥によって抽出溶媒を除去したあとの乾燥物質量から計算すると、乾燥物を0.50質量%含むものであった。

0092

「誘引剤6」
誘引剤6として、市販のシンナムタンニンB1を使用した。
「誘引剤7」
誘引剤7として、市販のペンタガロイルグルコースを使用した。
「誘引剤8」
誘引剤8として、市販のボルケンシフラボンを使用した。
「誘引剤9」
誘引剤9として、市販のモレロフラボンを使用した。
「誘引剤10」
誘引剤10として、市販のケンフェリトリンを使用した。
「誘引剤11」
誘引剤11として、市販のケルセチン−3,7−ジラムノシドを使用した。
「誘引剤12」
誘引剤12として、市販のプロシアニジンA2を使用した。
「誘引剤13」
誘引剤13として、市販のプロシアニジンB1を使用した。

0093

「誘引剤14」
下記に示すように、デアセチルサイトカラシンCを含む誘引剤を製造した。
即ち、黒彊病菌(メタリジウムアニソプリエ(Metarhizium anisopliae))を培養し、培養後の培地及び菌体を含む粗培養物を得た。この粗培養物に対して抽出処理を施すことにより培養抽出物を調製した。詳細について、以下に説明する。
まず、メタリジウム アニソプリエ(Metarhizium anisopliae)の前培養を行うために、グリセロールストックから取り出した種菌を下記の培養条件に従って培養した。
・前培養条件:温度28℃、40日間
前培養培地組成:下記に示すLCA寒天培地
グルコース1g
KH2PO4 1g
MgSO4・7H2O 0.2g
KCl 0.2g
NaNO3 2g
バクト-酵母エキス0.2g
(Becton, Dickinson and Company社製)
寒天和光純薬社製) 20g
水道水1L
NaOH 64.8mg
前培養後、菌糸体を含む寒天培地をストロー打ち抜いた。一方、3.5mLの滅菌水道水を15mL容量の遠心管分注した。打ち抜いた寒天培地の5片を遠心管に入れ、綿棒で寒天培地を押し潰して懸濁液を調製した。
続いて、本培養のための培地として、50mL容量の遠心管中に下記組成の本培養培地を作製し、本培養用の遠心管に1mLの上記懸濁液を添加し、下記の培養条件で本培養した。
・本培養条件:温度28℃、2週間
・本培養培地組成:下記に示す固形状培地
野菜ジュース10mL
キャンベルスープカンパニー社製商品名「V8ジュース」)
オートミール3g
乳業(クエーカー)社製)
本培養後の遠心管に抽出溶媒としての80容量%アセトン水溶液を加え、粗培養物に対して抽出溶媒による抽出処理を行った。
詳しくは、遠心管に抽出溶媒を加えた後、遠心管を激しく上下に振って内容物を撹拌し、室温で30分間静置した。その後、遠心管に対して回転数3500rpm、23℃で5分間の遠心分離操作を行い、遠心分離後の上清約15mLをデカンテーションにより回収した。
続いて、上清をドラフトで約15時間静置することにより抽出溶媒を揮発させて濃縮した後、濃縮された上清が約10mLになるまで−20℃で保存した。
保存した後の上清をマイクロチューブに入れ、13,000rpmの遠心分離により、沈殿物と沈殿物以外のサンプル液とを得た。
サンプル液の225.6μL(本培養ブロス200μLに相当)を遠心エバポレーター乾固させ、−20℃で保存した。乾固させたサンプルを80容量%メタノール水溶液100μLに溶解し、ボルテックスミキサーを用いて30分間懸濁させた後、13,500rpm、4℃、5分間の遠心分離により上清を得て、培養抽出物を調製し、誘引剤を製造した。
該誘引剤は、溶媒を除去したあとの乾燥物質量から計算すると、乾燥物を15質量%含むものであった。
上記のごとく製造した誘引剤14がデアセチルサイトカラシンCを含むことは、核磁気共鳴法(NMR)、質量分析(MS)法によって確認した。

0094

「誘引剤15」(Eupenicillium ludwigiiの培養物)
エウペニシリウムルドウィギイ(Eupenicillium ludwigii)を培養することにより、培養後の培地及び菌体を含む粗培養物を得た。粗培養物に対して抽出処理を施して培養抽出物を得て、誘引剤15を製造した。その詳細について以下に説明する。
まず、グリセロールストックから取り出した菌体を傾斜培地麦芽エキス寒天培地(MA培地))に植え付け、1週間の前培養を行った。次に、前培養後の菌体を白金耳で取り出し、5mLの滅菌生理食塩水に懸濁させた後、下記組成の培地が入った150mL容量のポリプロピレン製フラスコ内に懸濁液の全部を入れて植菌し、静置培養(25℃、12日間)した。
培地組成
そば粉10g
SB溶液10mL (計20g/フラスコ)
・SB溶液の組成
酒石酸ナトリウム0.005%
KH2PO4 0.005%
MgSO4・7H2O 0.005%
FeSO4・7H2O 0.0005%
ZnSO4・7H2O 0.0005%
酵母エキス(オリエンタ酵母社製) 0.01%
水 残部
続いて、培養後の培地及び菌体の混合液(粗培養物)240μLに対して、抽出溶媒としての100%ブタノール(100μL)を用いて抽出処理を施し、遠心分離により分離した上清を凍結乾燥して溶媒を除去した。
さらに、ブタノールで抽出した後の凍結乾燥物に50μLのメタノールを加え、ボルテックスミキサーによって30分間撹拌して懸濁させた後、13,500rpm、4℃、5分間の遠心分離によって上清を得た。
このようにして、エウペニシリウム ルドウィギイ(Eupenicillium ludwigii)の培養抽出物を含む誘引剤を製造した。
該誘引剤は、溶媒を除去したあとの乾燥物質量から計算すると、乾燥物を2質量%含むものであった。

0095

「誘引剤16」(Talaromyces trachyspermusの培養物)
エウペニシリウムルドウィギイ(Eupenicillium ludwigii)に代えて、タラロマイセストラキスペルムス(Talaromyces trachyspermus)を用いた点以外は、誘引剤15と同様にして誘引剤16を製造した。該誘引剤は、乾燥物を2質量%含むものであった。

0096

<生体外における細胞誘引試験>
図7は、該試験方法の様子を模式的に示したものである。以下、図7を参照しつつ試験方法の詳細を説明する。
上記の各誘引剤を試験用サンプルとして用意した。誘引剤の濃度が所定の各濃度(1%や0.1%など)となるように希釈したものを、試験用サンプルとして用意した。
一方、陰性対照サンプルとして、DMEMダルベッコ変法イーグル培地)「FBS(−)、P/S(−)」を用意した。
また、陽性対照サンプルとして、20ng/mL PDGF−BB(血小板由来成長因子PEPRO TECH社製)濃度のDMEM溶液を用意した。
まず、マウス骨髄幹細胞(以下、mMSCともいう)をコンフルエントまで培養して回収し、10% FBS/DMEM「P/S(−)」で1×107cells/mlとなるように懸濁し、細胞懸濁液を用意した。なお、FBSは、10%ウシ胎児血清を示し、P/Sは、100ユニットペニシリン及び0.1mg/mLストレプトマイシンを示している。また(−)の記号は、配合していないことを示している。
次に、複数の独立したウェルを備え、図7(a)に示すようにメンブレンMによってウェルが上部ウェルPと下部ウェルQとに仕切られているボイデンチャンバーB(Neuro Probe社製)を用意した。各試験用サンプルのいずれか1種と陰性対照サンプル及び陽性対照サンプルとが同一のボイデンチャンバーBにおいて試験できるように設定し、該チャンバーBの各下部ウェルに各サンプルをそれぞれ28μLずつアプライした。ボイデンチャンバーBのメンブレンMとしては、商品名「Polycarbonate Membranes」(Neuro Probe社製細孔サイズ8μm)を用いた。
続いて、上部ウェルPに上記細胞懸濁液を50μLずつ播種し、37℃、5%CO2の条件下で4時間培養した(図7(b)を参照)。
4時間培養後、図7(c)に示すように、移動していないmMSCを付属フィルターワイパーRではぎ取り、メンブレンMの下側へ移動したmMSCのみをディフ・クイック染色(Sysmex社製キットを使用)によって染色した。
そして、染色像デジタル化してコンピュータに取り込み、画像を黒と白に2値化すべく青色に染色された部分が白色になるように変換したうえで、各ウェル範囲内の輝度平均値画像編集ソフトウェア(商品名「フォトショップ」)の機能を用いて測定した。陰性対照サンプルおよび陽性対照サンプルにおける輝度を各試験用サンプルにおける輝度と比較することによって、各誘引剤のmMSC誘引活性を評価した。

0097

細胞誘引試験の結果(輝度)を表1に示す。1%濃度、0.1%濃度などの所定濃度となるように誘引剤を希釈したサンプルを用いた結果のうち、輝度が最も高くなった結果を示す。また、同時に試験を行ったときの陽性対照及び陰性対照の結果も示す。表1から把握できるように、上記の各誘引剤は、骨髄幹細胞を誘引することができる。

0098

0099

<ヒトでの表皮改善作用の評価試験>
7名の被験者で評価試験を行った。あらかじめ予備試験において、UV−B領域紫外線前腕内側部に照射して被験者ごと最小紅斑量MED)を決定した。上腕内側部の6箇所(1×1cm)に、1日1回、3日間、最小紅斑量(MED)の紫外線を照射して、人工的に色素斑を発生させた。
この色素斑に1日2回、2ヶ月間、下記のいずれかを連続塗布し、色素斑消退度合いを評価した。
・骨髄幹細胞(MSC)誘引剤であるクスノハガシワ抽出物3質量%のみ
・クスノハガシワ抽出物3質量%(乾燥物換算0.006質量%)
+分化誘導剤(ニーム葉抽出物乾燥物換算0.011質量%、
アッサム紅茶抽出物乾燥物換算0.012質量%、
ナス果実抽出物乾燥物換算0.00505質量%)
乾燥物換算でニーム葉抽出物:アッサム紅茶抽出物:ナス果実抽出物=
2.2:2.4:1.0
評価は、色差計により測定を行い、得られたマンセル値から、試料塗布部のΔL*(経時変化)を算出して行った。数値が大きいほど、色の消退量が大きい。結果を図6に示す。

0100

本発明の分化誘導剤は、例えば、血流にのって体内を循環している骨髄幹細胞を表皮組織に誘引し、表皮組織において、誘引した骨髄幹細胞を表皮細胞へ分化させる目的で、好適に使用される。本発明の表皮改善剤、皮膚外用剤、及び、表皮改善方法は、上記のごとく表皮組織に骨髄幹細胞を誘引し、さらに、誘引された骨髄幹細胞を表皮細胞に分化させて、表皮機能を改善させる目的で、好適に使用される。例えば、本発明の表皮改善剤、皮膚外用剤は、表皮に塗布されることによって表皮に骨髄幹細胞を誘引して、誘引された骨髄幹細胞を表皮細胞に分化させて、肌の外観を改善させる目的で、好適に使用される。

0101

B:ボイデンチャンバー、 P:上部ウェル、 Q:下部ウェル、 M:メンブレン、 R:フィルターワイパー。

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