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技術 エンドミル

出願人 三菱日立ツール株式会社
発明者 田牧賢史朗横川満広
出願日 2018年5月23日 (2年7ヶ月経過) 出願番号 2018-098469
公開日 2019年11月28日 (1年0ヶ月経過) 公開番号 2019-202378
状態 未査定
技術分野 フライス加工
主要キーワード 切削傷 中心溝 回転軸付近 半径方向外周 切れ刃間 半径方向外周側 軸方向先端側 ラジアス
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年11月28日)のものです。
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図面 (6)

課題

エンドミル軸方向先端面の切れ刃回転軸寄り中心刃底刃とに半径方向に区分し、中心刃と底刃の回転方向前方側中心溝ギャッシュを形成した場合に、ギャッシュ内の微細切屑の中心溝への逆流を防止する機能を持たせる。

解決手段

先端面30の切れ刃4を、回転軸O寄りの中心刃41と、中心刃41に半径方向外周側へ連続する底刃42とに区分し、中心刃41と底刃42の回転方向後方側に中心刃二番面6と底刃二番面7を連続させ、底刃二番面7から中心刃二番面6へ移行した中心刃二番面6の回転方向の幅を底刃二番面7の回転方向の幅より大きく、且つ半径方向中心側へかけて減少させる。中心刃41とその回転方向前方側の中心刃二番面6の回転方向後方側の境界線81との間に、ギャッシュ5に連続する中心溝8を形成する。

概要

背景

工具本体の軸方向先端面が平坦面に近い形状を有する多刃エンドミルでは、回転軸付近底刃のない円形状の領域が形成される傾向がある(特許文献1、2参照)。このようなエンドミルでは、回転軸付近での切削能力不足するために、十分な加工面品位が得られないことがある。

回転軸付近に底刃を持たせた多刃エンドミルとしては、セラミックエンドミルの例がある(特許文献3参照)。この例では回転軸上を通る中心溝に面するように中心刃を形成すると同時に、中心刃の回転方向前方側微細切屑の排出用の中心溝を形成することで、回転軸から半径方向外周側まで連続的に切削能力を持たせている(段落0030)。

概要

エンドミルの軸方向先端面の切れ刃を回転軸寄りの中心刃と底刃とに半径方向に区分し、中心刃と底刃の回転方向前方側に中心溝とギャッシュを形成した場合に、ギャッシュ内の微細な切屑の中心溝への逆流を防止する機能を持たせる。先端面30の切れ刃4を、回転軸O寄りの中心刃41と、中心刃41に半径方向外周側へ連続する底刃42とに区分し、中心刃41と底刃42の回転方向後方側に中心刃二番面6と底刃二番面7を連続させ、底刃二番面7から中心刃二番面6へ移行した中心刃二番面6の回転方向の幅を底刃二番面7の回転方向の幅より大きく、且つ半径方向中心側へかけて減少させる。中心刃41とその回転方向前方側の中心刃二番面6の回転方向後方側の境界線81との間に、ギャッシュ5に連続する中心溝8を形成する。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

工具本体の軸方向先端部の刃部が、回転方向に間隔を置き、回転方向前方側を向いて形成された複数枚切れ刃と、回転方向に隣接する前記切れ刃間に形成されたギャッシュを備え、前記各切れ刃は、回転軸寄りに位置し、前記回転軸付近から半径方向外周側へ向かう中心刃と、この中心刃に半径方向外周側へ連続する底刃と、この底刃から前記工具本体の軸方向後方側へ連続する外周刃を有し、半径方向に連続する前記中心刃と前記底刃の回転方向後方側に、それぞれ中心刃二番面と底刃二番面が連続して形成され、前記底刃二番面を半径方向中心側へ向かって見たとき、前記底刃二番面の回転方向の幅は半径方向中心側へかけて減少し、前記底刃二番面から前記中心刃二番面へ移行した前記中心刃二番面の回転方向の幅は前記底刃二番面の回転方向の幅より大きく、且つ半径方向中心側へかけて減少し、前記中心刃と、その中心刃の回転方向前方側に位置する前記中心刃二番面の回転方向後方側の境界線との間に、前記ギャッシュに連続する中心溝が形成されていることを特徴とするエンドミル

請求項2

前記工具本体の軸方向の先端面を前記回転軸の方向に見たとき、前記中心溝と前記ギャッシュとの間の境界線は前記ギャッシュ側から前記半径方向中心側へ凸に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のエンドミル。

請求項3

前記工具本体の軸方向の先端面を前記回転軸の方向に見たとき、前記ギャッシュは前記中心溝より前記工具本体の軸方向後方側に位置し、前記中心溝と前記ギャッシュとの間に前記先端面側へ凸の境界線が形成されていることを特徴とする請求項1、もしくは請求項2に記載のエンドミル。

請求項4

前記中心溝の回転方向の幅は半径方向中心側から半径方向外周側へかけて次第に拡大していることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のエンドミル。

請求項5

前記中心溝の深さは半径方向中心側から半径方向外周側へかけて次第に大きくなっていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のエンドミル。

請求項6

前記中心溝は前記回転軸上を通る軸溝に面していることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のエンドミル。

請求項7

前記各底刃と前記各外周刃との間に、前記底刃の半径方向外周側に連続する円弧形状のラジアス刃が形成され、前記ラジアス刃は、前記工具本体の切削時における前記ラジアス刃の最下点が、前記底刃と前記ラジアス刃との境界から前記ラジアス刃と前記外周刃との境界までの区間に位置する形状をしていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のエンドミル。

技術分野

0001

本発明は工具本体の軸方向先端面に半径方向中心回転軸寄りの部分から半径方向外周寄りの部分まで切れ刃が形成されたエンドミルに関するものである。

背景技術

0002

工具本体の軸方向先端面が平坦面に近い形状を有する多刃エンドミルでは、回転軸付近底刃のない円形状の領域が形成される傾向がある(特許文献1、2参照)。このようなエンドミルでは、回転軸付近での切削能力不足するために、十分な加工面品位が得られないことがある。

0003

回転軸付近に底刃を持たせた多刃エンドミルとしては、セラミックエンドミルの例がある(特許文献3参照)。この例では回転軸上を通る中心溝に面するように中心刃を形成すると同時に、中心刃の回転方向前方側微細切屑の排出用の中心溝を形成することで、回転軸から半径方向外周側まで連続的に切削能力を持たせている(段落0030)。

先行技術

0004

特開2007−296588号公報(段落0006、0007、図1図2
特許第5016737号公報(段落0045〜0061、図3、図9、図10)
国際公開第2016/67985号(請求項1、段落0013〜0035、0043〜0054、図1図3、図7、図8)

発明が解決しようとする課題

0005

特許文献3では中心刃が切削した微細な切屑は中心溝を経て中心溝の半径方向外周側に連続するギャッシュに排出される(段落0021、0031)。但し、中心溝のギャッシュ側の端部(中心溝とギャッシュとの境界線)は回転方向の幅が中心寄りからギャッシュ側へかけて次第に拡大するように形成されているため(段落0020、0051、図2−(a)、(b))、中心溝から一旦、ギャッシュ内に移行した切屑が中心溝内に逆流する可能性を秘めていると考えられる。

0006

中心刃を含む切れ刃による被削材の切削中、切屑は遠心力の作用もあって半径方向外周側へ送られようとするため、中心溝内に入り込んだ切屑はギャッシュ内に落下しようとするが、切屑がギャッシュ内で混在することによる衝突、反発等により中心溝内へ逆流しようとする可能性もある。

0007

本発明は上記背景より、特許文献3のようにエンドミルに切削側の端面の回転軸から半径方向外周側まで連続的に切削能力を持たせた場合に、ギャッシュ内の微細な切屑の中心溝内への逆流を防止し得る機能を持つエンドミルを提案するものである。

課題を解決するための手段

0008

請求項1に記載の発明のエンドミルは、工具本体の軸方向先端部の刃部が、回転方向に間隔を置き、回転方向前方側を向いて形成された複数枚の切れ刃と、回転方向に隣接する前記切れ刃間に形成されたギャッシュを備え、
前記各切れ刃が、回転軸寄りに位置し、前記回転軸付近から半径方向外周側へ向かう中心刃と、この中心刃に半径方向外周側へ連続する底刃と、この底刃から前記工具本体の軸方向後方側へ連続する外周刃を有し、
半径方向に連続する前記中心刃と前記底刃の回転方向後方側に、それぞれ中心刃二番面と底刃二番面が連続して形成され、
前記底刃二番面を半径方向中心側へ向かって見たとき、前記底刃二番面の回転方向の幅は半径方向中心側へかけて減少し、前記底刃二番面から前記中心刃二番面へ移行した前記中心刃二番面の回転方向の幅は前記底刃二番面の回転方向の幅より大きく、且つ半径方向中心側へかけて減少し、
前記中心刃と、その中心刃の回転方向前方側に位置する前記中心刃二番面の回転方向後方側の境界線との間に、前記ギャッシュに連続する中心溝が形成されていることを特徴とする。

0009

請求項1における「回転軸O寄りに位置し、回転軸O付近から半径方向外周側へ向かう中心刃41」とは、図1図2に示すように工具本体(エンドミル1)、あるいは切れ刃4を含む刃部3の軸方向の先端面30を回転軸O方向に見たとき、中心刃41が実質的に回転軸Oから開始し、半径方向外周側へ向けて放射状に形成されることを言う。中心刃41の回転軸O寄りの端部は回転軸Oに臨んだ(面した)状態にある。但し、工具本体の先端面30には回転軸O(上)を通る中心溝8が形成される関係で、中心刃41は中心溝8の回転方向後方側の縁(凸の稜線)として形成される。

0010

中心溝8は回転軸O上から形成されるため、中心刃41は中心溝8に面した状態で、回転軸Oからギャッシュ5へかけて形成される。回転軸Oは工具本体の先端面30を軸方向に見たときの半径方向中心である。「工具本体の先端面30を回転軸Oの方向に見たとき」とは、「先端面30を回転軸Oの方向に、工具本体の軸方向先端側の反対側であるシャンク部2側へ向かって見たとき」の意味である。

0011

「中心刃41と、中心刃41に半径方向外周側へ連続する底刃42」とは、切れ刃4の先端面30に面する区間が、回転軸O寄りに位置する中心刃41の区間と、その半径方向外周側の区間の底刃42とに区分されることを言う。「連続する」とは、中心刃41と底刃42が先端面30を回転軸Oの方向に見たとき、直線状に連続するか、または曲率が連続的に、もしくは不連続に変化するような曲線を描くように連続する場合の他、屈曲した線を描きながら連続することも含む。中心刃41と底刃42との間には直線、または曲線が不連続になるような明確な境界が表れる場合と表れない場合がある。

0012

請求項1における「底刃から工具本体の軸方向後方側へ連続する外周刃を有し」とは、外周刃44が底刃42から直接、連続するスクウェアエンドミルと、底刃42と外周刃44の間に双方に連続するラジアス刃43が介在するラジアスエンドミル(請求項6)を含む趣旨である。「工具本体の軸方向後方側」は工具本体を刃部3側から軸方向に見たときの「後方側」であり、シャンク部2側を指す。ラジアス型の場合、図1に示すように各底刃42の半径方向外周側にラジアス刃43が連続し、各ラジアス刃43からシャンク部2側へ各外周刃44が連続する(請求項6)。「刃が連続する」とは、凸の稜線が連続することであり、刃が曲線を描く場合には、その曲線の曲率が一定である必要はない。

0013

「半径方向に連続する中心刃41と底刃42の回転方向後方側に、それぞれ中心刃二番面6と底刃二番面7が連続して形成され」とは、中心刃41の回転方向後方側に中心刃二番面6が連続して形成され、底刃42の回転方向後方側に底刃二番面7が連続して形成されることを言う。但し、中心刃二番面6と底刃二番面7は両者間に明確な境界線が表れないような連続した同一平面内、もしくは同一曲面内にある場合と、異なる平面、もしくは曲面をなす場合がある。後者の場合、中心刃二番面6と底刃二番面7との間には境界線が表れる。

0014

「底刃二番面7を半径方向中心側へ向かって見たとき、底刃二番面7の回転方向の幅は半径方向中心側へかけて減少し」とは、底刃二番面7の回転方向の幅が徐々に(次第に)減少する場合と段階的に減少する場合を含むことを言う。底刃二番面7の幅を決める底刃二番面7とその回転方向後方側のギャッシュ5との間の境界線51は直線の場合と曲線の場合がある。

0015

「底刃二番7面から中心刃二番面6へ移行した中心刃二番面6の回転方向の幅は底刃二番面7の回転方向の幅より大きく」とは、図2に示すように底刃二番面7の回転方向後方側のギャッシュ5との間の境界線51が底刃二番面7から中心刃二番面6に移行する点、またはその付近において急激に回転方向後方側の切れ刃4側へ屈曲、または湾曲することを言う。境界線51は半径方向外周側から半径方向中心側へ向かって一様な(連続する)直線、もしくは曲線、または不連続な線を描くが、底刃二番面7から中心刃二番面6に移行する点で、半径方向中心側から回転方向後方側へ向きを変える。

0016

「中心刃二番面6の回転方向の幅は、且つ半径方向中心側へかけて減少し」とは、中心刃二番面6の回転方向の幅が底刃二番7面と同様、徐々に(次第に)減少する場合と段階的に減少する場合を含むことを言う。中心刃二番面6の幅を決める中心刃二番面6とその回転方向後方側の中心溝8との間の境界線81は直線の場合と曲線の場合がある。境界線81はその回転方向後方側に位置する中心刃41(稜線)と共に中心溝8を区画する。

0017

「ギャッシュ5に連続する中心溝8」とは、中心溝8がギャッシュ5に空間的に連続することの意味である。底刃二番7面から中心刃二番面6へ移行した部分での中心刃二番面6の回転方向の幅は底刃二番面7の回転方向の幅より大きいため、中心溝8の回転方向の幅はギャッシュ5の中心溝8側の幅より小さい。このことは、ギャッシュ5内に一旦、入り込んだ微細な切屑が中心溝8内へは逆流しにくい状況にあることを意味する。

0018

すなわち、中心溝8が微細な切屑をギャッシュ5へ導く誘導路として機能し得、ギャッシュ5内の切屑の中心溝8内への逆向きの移動を阻止しようとするため、ギャッシュ5内に存在する微細な切屑の中心溝8内への逆流を防止することが可能になる。結果として中心刃41が切削した切屑は一旦、中心溝8に入り込んだ後、ギャッシュ5へ排出され、ギャッシュ5からは、図1図3に示す、ギャッシュ5に工具本体の軸方向後方側に連続する切屑排出溝10へ排出される。

0019

ギャッシュ5内の微細な切屑の中心溝8内への逆流を防止する効果は、工具本体の軸方向の先端面30を回転軸Oの方向に見たとき、中心溝8とギャッシュ5との間の境界線82がギャッシュ5側から半径方向中心(回転軸O)側へ凸に形成されることで(請求項2)、一層高まる。この他、先端面30を回転軸Oの方向に見たとき、ギャッシュ5が中心溝8より工具本体の軸方向後方側(シャンク部2側)に位置し、中心溝8とギャッシュ5との間に先端面30側へ凸の境界線82が形成されていることによっても(請求項3)、微細な切屑の逆流防止効果が高まる。

0020

「中心刃二番面6とギャッシュ5との間の境界線82がギャッシュ5側から半径方向中心側へ凸に形成されていること」は、境界線82が図1図2に示すように中心側へ凸の曲線を描く場合と、凸の直線(多角形)を描く場合がある。いずれの場合も、境界線82が中心側へ凸であることで、ギャッシュ5が中心溝8側へ食い込むようになるため、中心溝8内の切屑がギャッシュ5内へ落下し易くなる。また凸でない場合との対比ではギャッシュ5内の容積が僅かながら増すため、ギャッシュ5内での切屑の収容能力が高まり、切屑が留まり易くなる。

0021

「ギャッシュ5が中心溝8より工具本体の軸方向後方側に位置する」(請求項3)とは、先端面30を回転軸Oの方向に、シャンク部2側へ向かって見たとき、中心溝8(の表面)がギャッシュ5(の表面)より手前(先端面30寄り)に位置し、ギャッシュ5(の表面)が中心溝8(の表面)よりシャンク部2寄りに位置することを言う。

0022

「中心溝8がギャッシュ5より先端面30寄りに位置すること」には、中心溝8とギャッシュ5との間の境界線82を挟んで中心溝8の表面(接平面)とギャッシュ5の表面(接平面)とが角度をなす場合と、中心溝8の表面とギャッシュ5の表面との間に段差が付く場合がある。中心溝8とギャッシュ5との間の境界線82は先端面30側に凸の稜線となる。中心溝8とギャッシュ5とが角度をなすか、両者間に段差が形成されることで、中心溝8とギャッシュ5との間の境界線82が壁になるため、ギャッシュ5内の切屑の中心溝8への入り込みが阻止され易くなる。

0023

また中心溝8の回転方向の幅が半径方向中心側から半径方向外周側へかけて次第に拡大した場合(請求項4)には、中心刃41が切削し、中心溝8内に落下した微細な切屑のギャッシュ5への排出(誘導)効果が高まり、中心溝8内での詰まりが生じにくくなる。同様の効果は、中心溝8の深さが半径方向中心側から半径方向外周側へかけて次第に大きくなった場合(請求項5)にも得られる。いずれの場合にも、中心溝8の容積(半径方向に直交する方向の断面積)が微小ながらギャッシュ5寄りになる程、増すため、中心溝8のギャッシュ5寄りの境界線82が、微細な切屑をギャッシュ5側へ導くように作用する。

0024

前記のように先端面30を軸方向に見たとき、中心溝8は回転軸O上を通り、回転軸O上から形成されるため、空間的には複数枚の各中心刃41の回転方向前方側に形成される複数個の中心溝8が回転軸O上で連通(連続)する。回転軸O上には図2に示すように中心溝8に連通した点状の軸溝9が形成され、中心溝8は回転軸O上を通る軸溝9に面する状態になる(請求項6)。この結果、各中心刃41が切削した微細な切屑が切削中、軸溝9内に入り込むことがあっても、切屑は軸溝9に半径方向(放射方向)に連続する複数本の中心溝8に分散させられて半径方向外周側へ排出させられるようになっている。

0025

各底刃42と各外周刃44との間に、底刃42の半径方向外周側に連続する円弧形状のラジアス刃43が形成される場合(ラジアスエンドミルの場合)に、図5に示すように工具本体の切削時におけるラジアス刃43の最下点Pbが、底刃42とラジアス刃43との境界P1からラジアス刃43と外周刃44との境界P3までの区間に位置する形状をラジアス刃43がしていれば(請求項6)、被削材11に損傷を与えない円滑な加工面を形成することが可能になる。「円弧形状のラジアス刃43」とは、ラジアス刃43が円弧状、または円弧状に近似した曲線を描くことを言う。ラジアス刃43の回転方向後方側にはラジアス刃二番面が形成される。

0026

この場合、図5−(b)に示すように工具本体(ラジアスエンドミル)が切削状態にあるときのラジアス刃43の最下点Pbは底刃42とラジアス刃43との境界P1からラジアス刃43と外周刃44との境界P3までの区間に位置する。P2はP1とP3の中間点である。

0027

ラジアス刃43の最下点Pbがこの状態にあることで、工具本体の回転軸Oが被削材11の厚さ方向に対して傾斜した状態でラジアス刃43が被削材11を切削することになっても、切削時に底刃42とラジアス刃43の境界P1を被削材11に接触させることを回避できるため、被削材11に円滑な加工面を形成することが可能になる。「工具本体が切削状態にあるときの(工具本体の切削時における)ラジアス刃43の最下点Pb」は、先端部を下に向け、工具本体を側面から見たときのラジアス刃43の最下点Pbである。「工具本体の先端部を下に向ける」とは、工具本体の回転軸Oを被削材の厚さ方向(高さ方向)に向けることを意味する。

0028

工具本体の回転軸Oが被削材11の厚さ方向に対して傾斜した状態でラジアス刃43が被削材11を切削する最中に、回転軸Oの被削材11の厚さ方向に対する角度が変化することがある場合には、ラジアス刃43の底刃42との境界P1から外周刃44との境界P3までの区間が一定の曲率半径Rを有することが適切である。

0029

ラジアス刃43の曲率半径Rが一定であれば、図5に示す境界P1から境界P3までの区間の曲率中心ORからラジアス刃43のいずれの点までの距離が一定になる。この結果、工具本体の回転軸Oの傾斜角度が変化し、ラジアス刃43の切削部分がラジアス刃43の周方向に変化しても、切れ刃4上の不連続な点となり得る境界P1を被削材11に接触させることなく、常に曲率中心ORから一定距離の部分(区間)で切削する状態が得られる。切削に関与するラジアス刃43の区間に不連続な点が存在しないことで、不連続点による切削傷等を被削材11に与えることが回避されるため、加工能率向上の目的で切削速度を増大させた場合にも、工具本体のびびり振動が抑制され、被削材11に高精度の加工面粗さを得ることができる。

発明の効果

0030

工具本体先端面の切れ刃を、回転軸寄りに位置する中心刃と、中心刃に半径方向外周側へ連続する底刃とに区分し、中心刃と底刃の回転方向後方側に中心刃二番面と底刃二番面を連続させ、底刃二番面から中心刃二番面へ移行した中心刃二番面の幅を底刃二番面の幅より大きく、且つ半径方向中心側へかけて次第に減少させているため、中心刃の回転方向前方側に中心溝を形成しながらも、ギャッシュ内に存在する微細な切屑が中心溝内に入り込みにくい状態にすることができる。結果的にギャッシュ内の微細な切屑の中心溝内への逆流を防止することができる。

図面の簡単な説明

0031

工具本体の先端面を回転軸の方向に見たときのエンドミルの製作例を示した端面図である。
図1の回転軸付近の拡大図である。
図1に示すエンドミルを半径方向に見たときの側面図である。
工具本体(エンドミル)の全体を示した側面図である。
(a)はエンドミルが被削材を切削しているときの、刃部の様子を模式的に示した側面図、(b)は(a)の先端部(下端部)を示した拡大図である。

実施例

0032

図1図3は工具本体の軸方向先端部の刃部3が、回転方向に間隔を置き、回転方向前方側を向いて形成された複数枚の切れ刃4と、回転方向に隣接する切れ刃4、4間に形成されたギャッシュ5を備え、工具本体の先端面30に面する切れ刃4が半径方向に中心刃41と底刃42に区分され、中心刃41と底刃42の回転方向後方側にそれぞれ中心刃二番面6と底刃二番面7が連続して形成されたエンドミル1の製作例を示す。図面では切れ刃4が8枚の場合の例を示しているが、切れ刃4の枚数は8枚より多い場合と少ない場合がある。

0033

中心刃41は回転軸O寄りに位置し、回転軸O付近から半径方向外周側へ向かい、底刃42は中心刃41に連続し、半径方向外周側へ向かう。各切れ刃4は中心刃41と底刃42の他、底刃42から工具本体の軸方向後方側へ連続する外周刃44を有する。底刃42と外周刃44との間には図示するように円弧形状のラジアス刃43が形成される場合と形成されない場合がある。

0034

工具本体(エンドミル1)は図4に示すように工具本体の軸(回転軸O)方向後方側に位置するシャンク部2とそれより軸方向先端側に形成される刃部3とに軸方向に区分され、刃部3の軸方向先端の先端面30に複数枚の切れ刃4、4が形成される。以下、工具本体はエンドミル1の本体のことを言う。「先端面30」は工具本体の先端面30を回転軸Oの方向に見たときの、ギャッシュ5と後述の中心溝8、及び切屑排出溝10を除いた領域(部分)を指し、後述の中心刃二番面6と底刃二番面7を合わせた領域を指す。

0035

切屑排出溝10はギャッシュ5に工具本体の軸方向後方側に空間的に連続して形成される。図面では図3図4に示すようにギャッシュ5の表面と切屑排出溝10の表面との間に角度を付け、先端面30側に凸の稜線を形成しているが、連続した曲面を描きながら、ギャッシュ5から切屑排出溝10へ移行し、明確な稜線が表れない場合もある。図面ではまた、底刃42の回転方向前方側にギャッシュ5を位置させ、ラジアス刃43から外周刃44までの区間の回転方向前方側に切屑排出溝10を位置させている。

0036

図2に示すように先端面30の中心(回転軸O)には、各中心刃41の回転方向前方側に中心溝8が形成される関係で中心刃41は形成されず、点状の軸溝9が形成される。この関係で、中心刃41はこの軸溝9(回転軸O)に面する位置から半径方向外周側へ向けて開始し、底刃42に連続する。複数の中心溝8は軸溝9を通じて空間的に互いに連続し、軸溝9内に入り込んだ場合の微細な切屑を複数本の中心溝8に分散させ、半径方向外周側へ排出する。

0037

中心刃41と底刃42は半径方向には直線を描いて連続する場合と、直線状に、もしくは図2に示すように緩い(曲率の小さい)曲線状に連続する場合の他、中心刃41と底刃42の交点境界点)において不連続になる場合がある。図面では中心刃41と底刃42との間に明確な交点がないが、交点が表れることもある。便宜上、中心刃41と底刃42との間の境界点は中心溝8とギャッシュ5との間の境界線82と切れ刃4との交点になる。中心刃二番面6と底刃二番面7との間にも明確な境界線が表れる場合と表れない場合がある。

0038

底刃二番面7を半径方向外周側から半径方向中心側へ向かって見たとき、底刃二番面7の回転方向の幅は半径方向中心側へかけて次第に、または段階的に減少し、底刃二番面7から中心刃二番面6へ移行した中心刃二番面6の回転方向の幅は底刃二番面7の回転方向の幅より大きく、且つ半径方向中心(軸溝9)側へかけて次第に減少している。中心刃41と、その中心刃41の回転方向前方側に位置する中心刃二番面6の回転方向後方側の境界線81との間に、ギャッシュ5に空間的に連続する中心溝8が形成されている。境界線81は中心刃二番面6とその回転方向後方側の中心溝8との間の境界線になる。境界線81は中心刃41と軸溝9に面する位置で交わる。

0039

底刃二番面7とその回転方向後方側のギャッシュ5との間の境界線51も直線を描いて半径方向に連続する場合と、直線状に、もしくは図2に示すように緩い曲線状に連続する場合の他、一部において不連続になる場合がある。境界線51は底刃二番面7から中心刃二番面6へ移行する部分において回転方向後方側に湾曲、もしくは屈曲して回転方向後方側の切れ刃4側へ向かい、境界線51を含む中心刃二番面6の回転方向後方側の境界線81と交わる。境界線51は中心溝8とギャッシュ5との間の境界線82に連続する(重なる)場合と、境界線82より軸溝9側で境界線81に交わる場合がある。

0040

先端面30に面する切れ刃4(中心刃41と底刃42)の回転方向前方側には図3に示すようにギャッシュ5を構成するすくい面4aが形成される。中心刃41の回転方向前方側にもすくい面が形成されるが、中心溝8はギャッシュ5との対比では相対的に小さいため、明確には表れない。中心刃41のすくい面は中心溝8の一部になっている。

0041

ラジアス刃43と外周刃44の回転方向前方側にもすくい面4bが形成される。図面では上記のように底刃42の回転方向前方側にギャッシュ5が位置し、ラジアス刃43と外周刃44の回転方向前方側に切屑排出溝10が位置していることから、すくい面4bはラジアス刃43と外周刃44に跨って形成され、切屑排出溝10を構成している。

0042

先端面30を回転軸Oの方向に見たとき、中心溝8とギャッシュ5との間の境界線82はギャッシュ5上の容積を増し、ギャッシュ5内での切屑の収容能力を増す上では、図2に示すようにギャッシュ5側から半径方向中心側へ凸に形成されることが合理的である。図2では境界線82をギャッシュ5側から中心溝8側へ凸の曲線を描いているが、多角形状に中心溝8側へ凸形状を描くこともある。

0043

ギャッシュ5上の容積を増すことは、先端面30を回転軸Oの方向に見たとき、ギャッシュ5を中心溝8より工具本体の軸方向後方側(シャンク部2側)に位置させ、中心溝8とギャッシュ5との間の境界線82を先端面30側へ凸に形成することによっても得られる。境界線82が先端面30側へ凸に形成されることには、図示しないが、中心溝8の表面とギャッシュ5の表面との間に境界線82を挟んで角度をなす場合と段差が形成される場合がある。

0044

また中心溝8内での切屑の収容能力を増し、中心溝8内に入り込んだ切屑のギャッシュ5への排出を促す上では、図2に示すように中心溝8の回転方向の幅を半径方向中心側から半径方向外周側へかけて次第に拡大させること、または中心溝8の深さを半径方向中心側から半径方向外周側へかけて次第に大きくすることが合理的と言える。但し、中心溝8の回転方向の幅と中心溝8の深さは半径方向中心側から半径方向外周側へかけて一様(一定)である場合もある。

0045

図5は(b)に示すように工具本体(エンドミル1)が切削状態にあるときのラジアス刃43の最下点Pbが、底刃42とラジアス刃43との境界P1からラジアス刃43と外周刃44との境界P3までの区間に位置するように、最下点Pbと境界P1の位置が調整された形状にラジアス刃43を形成したエンドミル1の使用状態を示す。工具本体の切削状態は工具本体の先端部を下に向け、工具本体を側面から見たときの様子でもある。

0046

図5−(a)はエンドミル1の刃部3を模式的に、やや誇張気味に表しているが、ここに示すような形状にラジアス刃43を形成した場合には、工具本体(エンドミル1)を回転軸Oに垂直な方向で、先端面30を半径方向に見たとき、図3に示すように底刃42の稜線等は中低勾配角(すかし角)αをなしている。「底刃42の稜線等」とは、底刃42と中心刃41の稜線、または底刃二番面7と中心刃二番面6を指し、この底刃42の稜線等は半径方向外周側から中心側へかけて先端面30側へ凹状に形成される。

0047

図5−(a)は回転軸Oが被削材11の表面に対して垂直な状態にあるときの様子を示している。ここで、切削状態にある工具本体の回転軸Oの角度が変化し、ラジアス刃43の切削部分がラジアス刃43の周方向に変化しても、常に(b)に示す曲率中心ORから一定距離の部分で切削する状態を得る上では、図5に示す境界P2から境界P4までの区間の曲率半径Rが一定になる形状にラジアス刃43が形成される。

0048

この場合、境界P2から境界P4までの区間においては曲率中心ORからラジアス刃43までの距離が一定になるため、境界P2から境界P4までの区間にラジアス刃43の最下点Pbが位置していることと併せ、境界P2を被削材11に接触させることなく、ラジアス刃43が被削材11を切削し、被削材11に円滑な加工面を形成することが可能になっている。

0049

1……エンドミル(工具本体)、
2……シャンク部、
3……刃部、30……先端面、
4……切れ刃、4a……(底刃の)すくい面、4b……(ラジアス刃と外周刃の)すくい面、
41……中心刃、42……底刃、43……ラジアス刃、44……外周刃、
5……ギャッシュ、51……底刃二番面7とその回転方向後方側のギャッシュ5との間の境界線、
6……中心刃二番面、7……底刃二番面、
8……中心溝、81……中心刃二番面6とその回転方向後方側の中心溝8との間の境界線、82……中心溝8とギャッシュ5との間の境界線、
9……軸溝、
10……切屑排出溝、
11……被削材、
O……回転軸、
OR……ラジアス刃の円弧の中心位置、
R……ラジアス刃の曲率半径、
P1……底刃とラジアス刃との境界、
P2……P1とP3の中間点、
P3……ラジアス刃と外周刃との境界、
Pa〜Pc……被削材に接するラジアス刃の円弧の区間、
Pb……ラジアス刃の最下点。

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